#肘階段
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hijokaidan - zouroku no kibyou - 03 - sozo dojo
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ほんまに夢みたいな2日間だった。
大阪は昼と夜の部を参加した。
昼は昨日と同じく一列目で、更にセンター寄り。
ほんまにしぬかとおもった。充、かっこよすぎて、直視出来ない。あぁ、神だ。
私が中学生の時から本当に憧れて大好きな充。
2日連続、長時間、こんなにSOPHIAを見れるなんて多分人生で最初で最後だと思う。奇跡としか言いようがない。感謝しまくり。生きてて良かったーーーー!!
夜は、整理番号50番あたり。それもなかなか良い運だった。多分キャパは500人?くらい。なかなかすごいな、今回の運!!!
入場して、そのまま前に行けば3列かその辺で見れたと思うけど、
2日連続だし、昼も2日間参加して(しかも一列目)、なかなか体もしんどいし、三列目でも見にくいのはあると思うから、後ろの階段になってて肘も付ける所があったからそこにした。
SOPHIAを広々見渡せて、ファンも見渡せて、めっちゃよかった!!あーーめっちゃよかった。
あぁ。。記憶よ薄れてほしくない。。。
あっという間の2日で、早かったなぁ。
今回はデビュー当時と同じライブハウス、価格設定というツアーだったからこんなライブハウスのSOPHIAはもう見れないんだと思う。
次のSOPHIAは10月かぁ。
夜は彼氏とご飯食べてお泊まりしました😌
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大学の鉄研仲間に全盲者がいて、彼が(山間部で行われる)撮影会に同行したいという。当時の私は不躾にも「ついて来てどうするのか」と尋ねてしまったが、彼は涼しい顔して「見えるものだけが全てだと思っちゃ困る、山独特の風のそよぎや鳥の声の中を駆けてくる列車の響きだけで���三杯はいけるぜ」と。 実際、行った先の山の中で彼は��に楽しそうにしていたが、それだけではなかった。 山間の曲がりくねった線路を俯瞰する撮影地では列車の接近を察知しにくく、時刻表にない列車の撮り損ねも多かったが、彼がいる場合に限ってそれはまずなかった。 彼が1km以上先の列車を察知して知らせてくれるからだ。 左に見えるトンネルの反対側から迫ってくる列車。右に見える尾根の向こうをこちらへ向かって走ってくる列車。我々晴眼者には見えるどころか、警笛でも鳴らない限り来てることすら分からないその列車を、彼だけが察知できるのだ。これには驚いた。 元ツイを見て、そんなことを思い出した。 そんな彼にも、どうにも太刀打ちできない大敵があった。雪だ。積もった雪は音を吸収するうえ、滑って転びでもすればたちどころに方向を失ってしまう。 大阪・青森間を結んでいた特急「白鳥」が廃止になる直前の冬、彼が言った。 「なあ、一緒に「白鳥」に乗ってくれないか。」 「白鳥」には私も乗りたかったが、そんな予算は捻出できそうにもない。その旨を告げると、「運賃が半額ならどうだ。介割が使える」と。 「それなら何とかなるが...だが真冬の青森、それも深夜の到着では、宿まで歩くだけでも君の安全を保証できない。介助者としては俺では不適格だろう。」 「分かってる。だがそれで構わない。自分一人で行くよりずっとマシだし、鉄仲間の中ではRyotoがいちばん先導がうまいんだ。」 「...わかった。一緒に行こう。俺も君も、あれに乗るにはそれしか方法がないようだしな。」 こうして、若さゆえの無鉄砲で二人で真冬の青森へ出かけた。 念願の「白鳥」車内での楽しい12時間はあっという間に過ぎたが、やはり深夜の青森駅に着いてからが問題だった。予約した宿は駅から400mほどだが、路面は圧雪が固く凍ったアイスバーン。 私の肘を掴む彼の手が珍しく震えている。自分も彼も転ばぬよう、一歩一歩慎重に足の踏み場を選んで進んだ。 宿までのわずか400mを進むのに、15分ほどかかっただろうか。 暖房の利いた部屋に通され、無事にたどり着いた安堵感で放心する私に、彼は加熱機能付きのカップ酒を2つ取り出して言った。 「こんなお礼しかできなくて申し訳ないけど...連れてきてくれてありがとう。一緒に飲もう。」と。 「なあに、俺の方こそ...」と言いかけたが、彼の心遣いに胸が詰まってそれ以上は言葉にならなかった。 その後社会人になって、幸いにもそこそこ良い酒を嗜めるようにはなったが、何よりも鮮烈に記憶に残っているのは、あの晩二人で飲んだカップ酒をおいて他にはない。 そんな、若かりし頃の思い出。 思わぬ大反響をいただいているので、毛色の違うエピソードも追加してみる。 それは、「今からうちで飲まないか」と誘われて、私が初めて夕刻に彼の部屋を訪ねた日のこと。 自宅近くの造り酒屋で酒を仕入れ、約束の時間にアパートに着いてみたが、前面道路から見上げる彼の部屋には灯りが灯っていない。 「あれ?まだ帰ってないのかな。」 仕方なく私は、アパートの前で彼の帰りを待つことにした。 10分ほどして、彼から電話がかかってきた。 「遅いけどどうした、道にでも迷ったか?」 「え!?お前部屋にいるの?電気ついてないからまだ帰ってないのかと思ってアパートの前で待ってたよ。」 困惑の数秒間が流れたあと、二人同時に「あ、そういうことか。」と声が漏れた。 全盲の人は部屋に灯りを灯す必要はない。そのことを私は忘れていた。一方彼も、晴眼者は部屋の灯りが灯っているか否かで在室/不在を判断する場合がある、ということを忘れていた。お互いに知識としては知っているのに。 階段をのぼって部屋の前に行くと、彼が鍵を開けて出迎えてくれた。笑いをこらえている顔だ。私の方も、もう可笑しくてしかたがない。 私が部屋に入って彼が扉を閉めた瞬間、双方こらえきれなくなって笑い転げた。 互いの笑う顔が、声が、互いの笑いをさらに止まらなくさせる。5分ほども笑い続けた。 「なるほどねwwwそらそうだわwwwなんで気づかなかったんだろうね二人そろってwww」 基本的な生活習慣がちょっとだけ違う二人の、一種の「異文化コミュニケーション」に起因する小さな失敗は、その夜の酒に格好の肴をもたらした。飲みつ語りつするうち二人とも寝落ちてしまい、気がつけばもう朝だった。
Ryoto Railway@㊗️🗾🎌鉄道開業150周年🎉🎊🎂さんはTwitterを使っています
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現実では見たことない場所での淫夢
2回目の逢瀬を職場で相手にお願いして、木造の階段を一番上の階のどん詰まりまで行く。
突き当たりにサッシの引き戸があって、外に出るとコンクリ舗装の路地裏だった。
引き戸すぐ横の木造の建物に入るとまた階段が現れた。
螺旋状の狭い階段を1階分上ると木のベンチ(座布団敷き)が置いてあってそこでゆっくりしようとなった。
ベンチには一人分のスペースごとに肘���けが設置してあって広々と使えないと不満を言った。
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鯨のようにすべてを
かつての私にとっては、与えることは奪われることと同義であった。 欲しがられて、与える。あるいは、私が欲しがることの代償に、与える。 するとこの腕が、この脚が、ごりごりと擦り下ろされて削り取られる、私は、いつか削られた手足が���たたび生え伸びるだけの栄養を返礼として受け取るはずだと盲信する。指先から肘まで削られながら、いつか癒えるのだと信じることでしか痛みを耐えられないので、信じる。 求められ、削られることを「与える」という言葉にすり替えていた。自分が望んで与えているの��と。与えるという態度は喜びをはらみ、痛みを麻痺させた。けれどついぞ、受けた傷を回復できるだけの養分は他者から支払われなかった。
腕や脚の削られる感覚はいつだって、身体的凌辱よりも言葉の伝わらなさに依拠した。関係の空隙を埋めるために身を削っているこの痛み、この思いが、なんとか相手にも伝わってほしくて全霊を尽くしたが、相手にとっては私の思いなど重要ならざることだったのか、どんなに重ねても言葉は払い棄てられ、適切に受け取られなかった。心を尽くした一字一句が面倒くさそうな顔をした相手に無為に棄てられてゆく。痛みはやがてトラウマのようになり、人と関わろうとするたびに徒労感が精神を襲った。削り取られる痛みだけならまだ耐えられても、その削られたものが無為に捨てられることにまで耐えることは難しく、やがて人間関係を自傷行為の一に数えるようになった。それはひたすらに虚しい生だった。
幾度もそんな挫折を思い知った。今となってはもはやどうでもいい、削られる痛みもどうでもいい、削り出されたものがどうされようとどうでもいい。好きに食え、好きに散らせ、好きに捨てろ。浜に打ち上げられた鯨の死骸のように、この生を差し出す。打ち上げられたこの身がどうなっても構わないという感覚。 好きに削れ。好きに捨てろ。私は与えることをやめた。そこに自分の意思を介在させることをやめた。削られるがままに、臓腑が食われて減り、喉がちぎれ、手足が短くなっていくのをただ茫然と眺める。好きに食え。欲しいだけ奪え。私の心はそこに関与しない。この体は、すでに死骸だ。
*
悠々と海原を泳いでいた鯨は、ある日何の警戒心ももたずに岸に近づいたところ、急に不穏になった潮の強い流れに抗えず、生きたまま沖に打ち上げられた。そこは、その体を受け止めるほどに広く、静かな、砂の細かで柔らかな白浜。濃い曇りと薄い晴れとが交互にその浜を覆う、時には小雨も訪れるが、その雨はすぐに乾いて砂のうちにとどまらない、そういう清潔な白浜だった。
重苦しい曇天の日だった。わずかなしめりけを砂がたたえる日。打ち上がって、仰向けに寝そべった。海がなく水がなく、半分しか呼吸ができない苦しさに全身を激しくのたうちまわらせて、無数の砂が埃となってあたりに舞い上がってはその重さにしたがって降りた。悶えに悶え、やがてあらがう気力も体力も失せ、何日が経っただろう。身体の��べてのつま先はとうに干からびていた。悠々と海波を靡いていたいくつかのひれも、水が擦れて過ぎ去ってゆくのを感じて喜んでいた表面の皮膚も、あられなく、あらがいようなく、ぱりぱりと乾いて細かに剥がれ落ちる。かつては揺ら立つ水面のむこうに遠くの星の巡りを見ていた目も、とうに痛々しく乾ききって霞んだ。目を開けるだけでひりひりとした痛みが走るが、それでもかろうじて開いた眼には、濁りと暗闇のみが映り込む。今はもう、死を待って朦朧としているだけ。 諦めがすべてを支配し、動くことをやめた頃、宵の明けにとつぜん人間たちが押し寄せた。人間たちはわたしが動かなくなるのを待っていたようだった。 わたしは松明の揺れてはじける光と人間たちの声とに心底怯えた、もうほとんど尽きた力を振り絞って、乾いたひれを動かして暴れた。人間の頭を右のひれで打ち、人間の足を尾で叩いた。まだこれほど動く力が自分に残っていたのかと驚きながら暴れた。 機敏で勇敢な一人の男がエラに銛を差し込んで、呼吸の苦しさから解放されたくてしたたかに暴れたが、やがて朦朧として、点滅する意識では動くこともままならず、そのうち、ようやくわたしは静かになれた。
苦しみと痛みから遠ざかり、暗闇のなかを浮遊する。海中のようであるが、波が肌を撫でる荒々しい感触はない。水とちがって、暗闇は冷え切っていた。凍えながら泳ぐと、目が合った蟹がじっとりとわたしを睨む。貝も怨みがましくこちらを見ている。わたしはいまわの際に、白浜の砂をめくりあげて大暴れしたことでそこに埋もれる貝も蟹も虫もなにもかもを殺し尽くしたらしかった。わたしの殺戮は責められるべきものだが、償う方法がわからない。
力尽きて静かになったわたしに、人間が群がる。動かなくなったわたしに乗り上げて、腹の肉から切り取る。胸の肉をとる。皮膚を剥がし、油をとる。目玉をくり抜かれる。 削いで、削いで、骨に至るまで削ぎきったあとにようやく心の臓を見つけて、それすらも綺麗に取り出して薬だか何だかに使うらしい。人の声が聞こえる。わたしの声は人間には聞こえない。それだけは持ってゆかないでくれと叫ぶが、届かない。 油は灯籠に、肉は長者の鍋に、と切り分ける男の声。残りの肉は市場に送れ。売れなければ猪肉と偽れ。骨から油をこそぎとったら、割って焼却炉に捨てろ。
*
鯨はただ死んだ。私も同様、死ぬ前にただ生きているだけだ。浜に打ち上げられたこの身を差し出す。打ち上がり、殺し、銛を差し込まれ、暴れ、死に、やがて肉を切り取られて見知らぬものに食われる。わたしを食うのは犬かもしれない。 肉を削ぎ落とされ、油をと��れ、骨すら燃やされて、この身の何もかもを失くしたまま、いつまでもいつまでも白浜に寝転ぶ。鯨のように。そうして立ち込める暗雲からやがて小雨が降れば、すでに抉りとられた目をあけて、天から雨粒が降り注ぐのを眺める。雨水が海波の強さを持たないことに寂しさをおぼえながら、雨の止むまで、失われてしまった目をみひらいている。そういう結末を待っている。
銀座線から井の頭線に乗り換える仮設の鋪道を歩きながら、鯨の油がどうやって採られたのかを考える。数日来、打ち上げられた鯨の死が脳裏にこびりついて、解体される我が身のことばかり考えてしまうのだった。 鯨のことを思う。悠々と大海原を泳ぐ日もあれば、採り尽くされた骨が浜辺に放置されている日もある。 今日はまだ、朽ち果てぬ日。浜も私を迎えない。 豊かな妄想のなかで、鯨のわたしは、いまだ骨から身を削がれ、その気が狂うような痛みを叫んでもなお、解体され続けている。わたしのからだから採られた何かを燃料に、どこかの松明に火が灯る。痛みの向こうに誰かの声がする。
路線の異なる駅同士の高さをおぎなう五、六段のみじかい階段に最初の右足をかけた時、思念のうちに「あなたがいなければわたしは……」という声が蘇った。通りすがる誰にも気づかれないほどの一瞬、段をのぼる足を止める。
*
「あなたがいなければわたしは困る」と語る人。「わたしの“ほんとう”はあなたの中にしかないから」と縋る人。 しかしあなた、私は鯨になるのだよ。打ち上げられ、切り分けられ、肉を油を目を心臓を、持ち帰られることを自然としなければとうてい生きてゆかれぬほど、人間と人間のあいだの搾取にほとほと疲れてしまって。 「だからあなたのすべてが欲しい」と語る人。 しかしあなた、私は鯨になるのだよ。あなたに今日捧げるこの花、この花は私のひげ、鯨のひげ。丸めるとガーベラみたいだから、ちぎってあげるわ。飾ってくれると嬉しい。食べてくれてもいい。 「やめろ。切り取らなくていい。切り分けなくていい。差し出さなくていい。何も差し出さなくていい。あなたは、そこに在ってくれればそれでいい、在ってほしい、ただあなたのありうるそのままで、あなたのそのままが朽ちるまで」
美しい声を持つ人間が、松明も掲げずに裸足のままわたしの鯨の死体に近づく。「あなたのそのままが朽ちるまで」と語りながら、いつ暴れ出すかわからないわたしに丸裸で近づく。 その勇敢さが声となって、わたしの鯨の死体のおぼろげな耳を通して私に届くのだった。
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一昨日の夕刊配達に行く時、
アパートの階段を降りていた時、
突然、なんの前触れもなく、
左胸に痛みが走って、
��ょっと今まで感じたことのない痛みで、
本当にびっくりしました。
・
2日経って、今は全然大丈夫です。
腰の痛みもそうですが、
ブログに載せるといつの間にか
良くなるっていう、、
祈ってくださった方がいると思います。
ありがとうございます。
・
でも本当に年?なのかな~と。
今まででも別に身体が丈夫という訳では
無くて、腰、膝、足首、と
一通り痛めていて、
病院に行ったり祈ったり。
・
でも、この左胸の痛みは、
今までに無くてビビりました。
しかも、なかなか治らない。
・
一昨日、夜マジヤバくて、
痛みが広がって、収まる感じがなくて
座り込む感じで、
本当に救急車呼ぶことも一瞬考えました。
一人暮らしだから、最悪、
母に電話しておこうかとも考えました。
私のような人間は、本当に孤独死、
すぐ隣りです。
余裕であり得る。
・
今はいいっす。
あ、あと左の肘がずっと痛いんですよね。
ギターの影響かな。
2023/02/18
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Trip to Bangkok, September 2024 - Day 1: From Tokyo to Bangkok, via Seoul
Late summer vacation. I had a full 10 days of summer vacation, including weekends. I really wanted to go to Europe or somewhere far away, but I couldn't decide where to go until just befre summer vacation, so I decided to going Bangkok for the first half. It's been ... 5 years? since I went to Bangkok last time.
遅めの夏休み。土日も合わせてたっぷり10日の夏休み。本当は、ヨーロッパとか遠くに行きたかったけども、いまいちどこにいくか決めきれなくて、前半はバンコクに行くことに。バンコクは... 5年ぶり??
👉🇹🇭 バンコク旅(#Bangkok2024September)はこちら 👉🇰🇷 ソウル旅(#Korea2024Autumn)はこちら
今回の旅は、 ・東京〜ソウル / ソウル〜東京 ・ソウル〜バンコク / バンコク〜ソウル の、2つのair premiaの便を別々のサイトから購入していたのですが、1便目と2便目の乗り継ぎが約2時間と結構タイト目。 🤔... (air premiaは「遅延が多い」らしいんよな) 🤔... (ソウルの入国審査、最近めっちゃ混んどんよな) ということで、少し早めに空港に行って、カウンターで相談することに。
😔... (最悪、乗り換え失敗したらソウル1週間かな...)
「本来は同時購入でないと乗り継ぎは手配できないのですが...」とのことだったのですが、どちらもair premiaの便だったこともあり、カウンターで乗り継ぎの手配に変更してくださいました。神。
出発は第2ターミナルだったので、Priority Passで行けるラウンジ、「I.A.S.S. Superior Lounge -KoCoo-」にて軽食!
▲ビールと焼きおにぎり、筑前煮、枝豆。 焼きおにぎり、既製品だけど、ここで食べると美味いw
さらにPriority Passを使いまくるべく、フードコートの「鉄板焼 道頓堀 くり田」にも立ち寄り。
▼第3ターミナルの「ぼてじゅう」と同じセット🍺
お腹いっぱいで飛行機へ。
東京〜ソウルの便はプレミアムエコノミーだったので、優先搭乗で中へ!(Trip.com で予約したのですが、なぜかプレミアムエコノミーがデフォルト設定だった。でも安かった)
足元が超広い! プレミアムエコノミーとしても広い方で、座席の前後幅が42インチ(106cm)くらいあるとのこと。フットレストもリクライニングもあるし、横の人との間隔も広いので、ストレスフリー!
さらにウェルカムドリンクまで出てきました。スゴーイ
モニターが肘掛けのところに収納されているタイプ。なので、モニターを使わない時は収納して置けるので便利。
air premiaは、チェジュ航空の会長が立ち上げた中距離向けハイブリッド航空会社らしく、LCC(Low Cost Carrier)とFSC(Full Service Carrier)の間、MCC(Middle Cost Carrer)に当たるのかな。
手荷物も追加料金なしで20kgまで乗せられるし、価格もLCCくらい(成田��ソウル 往復 35,000円)だったので、めちゃくちゃいいと思います!
約2時間半の短距離線なのに、機内食も出るとな! この日のご飯はお肉でした。
優先搭乗なので降りる時も一番。快適〜また乗る〜!笑
降りたところで、air premiaのCAさんが待ち構えていて、「乗り換えですよね?」とパスポートをその場でチェックして、次の便の搭乗券をくれました。ありがとうairpremia!
とりあえず仁川空港に降り立ちながら、
行ったことがない「Transfer」の通路へ。この先で再度手荷物検査があります。(結構並んでたわあ)
とりあえず、この度いちばんの不安ポイントを乗り越えました。
出発フロアに入り、仁川空港のラウンジ「Sky Hub Lounge」へ。
仁川のラウンジは食べるものが充実していて素晴らしい。成田も羽田も、こういうところと比較するとやっぱりショボいんだよなあ。。。
韓国のラウンジなので、辛ラーメンが大量置きされてるのがいいw ドリンクもい���いろあります。
ビールは自動タイプ。 これ、めちゃくちゃ難しくて、すっごいアワアワになっちゃうので、できれば普通のビールサーバーがいいw
日本出発のラウンジでたらふく食べて、機内食も食べたので腹パン。 ビールだけいただきます。
時間になったので搭乗口へ。
ソウル〜バンコクはエコノミーなので、何の優先もされませんw
モニターは前の席についているタイプだし、
足元の広さもこんなもん。さっきはあんなにリッチに伸ばしてたのに...
配られたイヤホンもコードタイプ。さっきはSONYのヘッドホンだったのに......w
こちらの便での機内食はビビンバを。 チューブ型のコチュジャンが便利🌶️❤️
マ・ドンソクの「犯罪都市3 NO WAY OUT」、日本人の役者さんが出演してることもあって、入り込みやすくて面白かったw
約5時間でバンコクに到着! 遅延もなかったし、快適な旅でした。ソウル〜バンコク便もプレミアぷエコノミーにすればよかったわあ(むしろこっちをw)
▼久しぶりのスワンナプーム国際空港!
さすがの国際空港。広い。
心配していたロスバゲもなく、無事に一緒にバンコクin!🧳
そんなに夜遅くでもなかったし、タイバーツの現金もあったので、今回はタクシーではなく電車でホテルまで。THB40なので、180円くらいです。爆安!w
このコインみたいなやつで電車に乗ります。
約40分で、最寄りのラチャプラロップ駅に到着。(ぼーっとしていので、一回乗り過ごしてプラヤタイ駅まで行っちゃって折り返した...)
駅は降りは階段しかない上、道路も綺麗に舗装されてないので段差や穴ボコも多い中、えっちらおっちらホテルへ。今日の宿は、チェックインも遅いので1泊だけ安めのホテルにしました。
◾️Hotel Ordinary Bangkok
📍10 Soi Ratchata Phan, Makkasan, Ratchathewi, Bangkok 10400 タイ
でも十分広いダブルベッドのお部屋! フロントのおじさんも優しくて良い宿でした。
移動完了、お腹もこなれてきたので、ちょっと散歩がてらビールを入れに。 とりあえずホテルから北方向に歩いてみたら、ローカルっぽくて、かつ評判がよさそうなお店を発見!お店の外にパラソルがついた路上席もあったので、こちらで夜食。
◾️แตงโม อาหารตามสั่ง ราชปรารภ 22 (Watermelon, made to order food, Ratchaprarop 22)
📍53/8 ปาก Soi Ratchaprarop 22, Makkasan, Ratchathewi, Bangkok 10400 タイ
バンコク初ビール!Changビールいただきます。 氷を入れて飲むのがタイスタイル。
ソムタム(青パパイヤのサラダ)。 これ、めちゃくちゃライム効いてて美味しかったんだけど、びっくりするほど
辛い!!!笑
ビールだけでは足りず、氷をガブガブ食べながら何とか半分。 タイ語で「辛くしないでください」って言えばよかった...
ここのお店のGoogle mapのコメントで一番評価が高かった「クリスピーガーリックポーク!これめちゃくちゃ美味しくて、思わずGoogle Mapの口コミも書いてしまったw
お店のお姉さんも優しくて、ローカルで良いお店だった! 他のも美味しそうだったから、また行きたいお店になりました。
【2024年9月 バンコクの旅】 ・Day 1 👈THIS └ 東京〜ソウル: air premia プレミアムエコノミー └ ソウル〜バンコク: air premia エコノミー └ แตงโม Watermelon └ <HOTEL> Hotel Ordinary Bangkok ・Day 2 └ Baiyoke Tower II └ ゴーアン カオマンガイ プラトゥーナム(ピンクのカオマンガイ) └ クワンヘン・ガイトーン・プラトゥナーム(緑のカオマンガイ) └ <HOTEL> Akara Hotel Bangkok └ Iron Balls Distillery & Bar └ Iron Balls - The Parlour └ Hair of the Dog Craft Beer and Gin Experience Phrom Phong ・Day 3 └ ワット・アルン(暁の寺) └ ワット・ポー(涅槃寺) └ YOLO Craft Beer Bar ・Shopping in Bangkok ・Day 4
+α バンコク旅行で便利なアプリ: MuvMi
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10月7日 筋トレ&ストレッチ雑感
筋トレ41分 IngaSharkさんのHipMobilityトレーニングは、脚の開度が少しずつお手本に近づいてきた。階段上りで感じた前ももの弱さがちょっとずつ解消してきたのかな。 この調子で少しずつ強くなろう。 そんなこんなのウォーミングアップの後、橋渡しで下向き水平姿勢の練習。プランクで体幹が温まってるのでちょうどいい。 脚と体幹での引っ張りの感じがだんだん見えてきた。フィギュア基準にある「かかと、お尻、背中上部は水面」をやろうとすると、背筋の力が足りない感じがした。 お尻を締めると更に背筋がキツい。これで続ければ背筋も鍛えられそう。 脚はしっかり内転筋で内側に巻く感じがよさそう。この調子で強くなっていけば下向き水平姿勢も脚が沈まなくなるかな? ベントニーとバレーレッグの練習は本家ストレッチポール1本でやってみた。 いままでの練習はポールの潰れに乗ってできてた気になってただけってのがよくわかった。 体幹と内転筋で左右に転がるのを止めるような感じ。内転筋の内転をきっちりやらないとふらふらするし、体幹の締めが緩むとふらふらするのがよくわかった。 サポートスカーリングは型を覚えるまでバンド無しで。これも恥骨を引き上げて体幹を締めると、本にあった「頭・肩・背中・腰を壁面につけ」になるのがわかり、この状態で型を覚えようという気になった。 この状態から、肘を下に引っ張るのと胸鎖乳突筋で頭を上に引っ張るのでバランスを取る意識、かつ肩甲骨の奥の筋肉で動かすつもりでやると、スカーリングとして同じ水を掻く形になっていくのを感じた 注意点がめっちゃ多くて、なかなか身につかなさそうだけど、練習あるのみ! それにしても、トゥリトネスさんとこのYoutube動画・40年前の本・Natsumiさんの動画・コーチの理論、それぞれでサポートスカーリングの理論には諸説ありすぎて、なかなかに迷う。最終的には自分の身体を持ち上げるために、同じ水を掻くことができれば正義なんだろうけど、それを回数重ねて探していくしかないんだろう。試行錯誤プロセスを楽しみたいところ。
ストレッチ51分 開脚準備ストレッチの短内転筋・恥骨筋の伸び方が頭打ちになってきた。来週からのオンラインパーソナルレッスンで打破したいところ。 深いコースがあるプールが使える時間は限られているので、浅いプールでもしっかり開脚して巻き足ができるようになりたい。 と言いつつ、木曜日の午前中に時間が取れそうなのでガッツリ練習してくるつもり。 開脚ストレッチでは内転筋を意識して、無理に手を持って行ったりせず、内転筋が伸びるところで止めるようにしてみた。 ハムストリングが無駄に伸びないのでこの方がよさそう
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失望の望を怒鳴るのだ!
ぎゃー!
2024年は何かと運が悪い。23年年末には大好きなアイドルグループから最顔推がコンプライアンス違反で事実上の解雇をされて、帰りが遅くなった長日勤の雨の日に駐車場内で単独事故を起こし、大事なデビューコン当日に寝坊をし、家の階段から2回転んで、2回目の今回は右肘強打して右手が痺れてしまうという、なんともなんともツイていない。そんな時は宝くじを買うといいなんて誰かが教えてくれた。悪いことが起きたら、必ずいいことが起きる前兆なんだって。確かに、事故を起こした2週間後に推しのジュニアがデビュー発表をしたし、デビューコン当選はしたし、、、。そのくらいかもしれないけど。そんな不運に見舞われた2024年上半期を得て、ついに7月に到達したわけですが、27歳になってしまいました。
最近また眠れなくて、1日2時間弱睡眠で15時間仕事するとかザラにありすぎて、体がそろそろ悲鳴をあげているんですが、もっと自分のことを労ってあげたいですね。
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イリュージョンワークショップ
[Part.1 仁衣那さん] 1. ちょっと挨拶に寄っだけのはずなのに、夕食とビールをご馳走になってオヤジとオフクロはすっかり盛り上がってしまった。 出水さんとうちのオヤジは従兄弟同士、出水さんの奥さんとオフクロは中学高校の同級生。 直接会うのは10年ぶりというから話に花が咲く。 昔好きだった歌手の話題になって、やがて昭和ポップスのカラオケ大会になってしまった。 この家、こんなにデカいカラオケ機があるのか。 カラオケルームの装置より大きいぞ。
オヤジが拳を突き上げて熱唱している。 隣でおばさん二人がダンスの練習を始めた。ピンクレディーって誰? 僕はじっと座っているだけだった。 いつまでこんなのに付き合わされるのだろうか。
「終わりそうにないわねぇ。・・わたしの部屋に来る? 将司くん」 隣にいたお姉さん���声をかけてくれた。 助かった。 僕はお姉さんに連れられてカラオケ会場と化した客間から逃げ出した。
2. 僕は畑本将司(はたもとまさし)、18歳の高校3年生。 お姉さんは出水仁衣那(でみずにいな)さん。年齢は教えてもらってない。 親同士が従兄弟だから、僕から見て仁衣那さんは再従姉妹(はとこ)にあたる人だ。
「わたしのこと覚えてる?」 「いえ、全然」 「わたしは覚えてるよ。10年前の将司くん」 そう言われても困る。 ひい爺さんの三回忌だか七回忌だかで親戚が集まったとき、8歳だった僕もそこにいたらしい。 「可愛いかったなー。それがこんなイケメンになるんだから」 「仁衣那さん、そのときいくつだったんですか?」 「内緒。それ言ったら今の歳が分っちゃうでしょー?」
話しながら階段を上がって2階の仁衣那さんの部屋に来た。 淡い色のカーテンとベッドカバー。ドレッサーっていうんだっけ化粧のための台。 床に籐のカゴがあって中に猫のぬいぐるみが寝ている。 女の人の部屋ってこういう感じなんだな。
「女の部屋が珍しい?」「まあ一人っ子なもので」 「彼女くらいいるでしょ? その子の部屋とか知らないの?」 残念ながら、たった一人だけ付き合った女の子とは部屋に入れてもらえる関係になる前に別れました。 「あらごめんなさい。わたしつい余計なこと言っちゃうのよねぇ」 「いえ、大丈夫です」 「そう? ・・えっと、将司くんは高校2年だっけ」「3年生です」 「そっか。なら進学?」「一応そのつもりです」 「行きたい大学は決まってるの?」「第一志望はJ大ですけど」 「あら、わたしJ大卒だよ」 「そうなんですか」 「そうそう! 自由でいい大学だよっ」 「・・」 「自由過ぎて放ったらかしというか」 「・・」 「将司くん?」
僕は机の上に飾られているペーパークラフトを見ていた。 丸い台座からまっすぐ立った棒とその上に女性の人形が浮かんでいた。 その人形の顔はどことなく仁衣那さんに似ていた。 水着みたいな服。片肘をついて横になったポーズ。やや頭を下にして全体が傾いた構図。 これ、イリュージョンじゃないか。
「あ、それ?」 仁衣那さんは手を伸ばして人形の足を指で押し下げた。 指を離すとそれは棒の上でゆらゆら揺れた。 [動画] 「よくできてるでしょ? これはブルームサスペンション・・って言っても分からないか」 「イリュージョンですよね。こんな風に棒一本で浮くっていう」 「知ってるんだ。将司くん」 「はい。ちなみにブルームは英語でホウキって意味だけど、ホウキを使ってなくてもこんな形だとブルームサスって呼ぶんですね」 「よく知ってるねぇ。ホウキのことなのかぁ。知らなかったよー」
僕は小さい頃からイリュージョンマジックに興味があった。 人体切断や空中浮揚などテレビやネットで見てはタネを調べたりしていた。
「わたし、イリュージョンやってるんだよ。アマチュアだけどね」 「え、仁衣那さんが?」 「うん。このお人形はね、大学で同好会にいたときのわたしなの。ステージ見た人が作ってくれたんだ」 これは驚いた。親戚にイリュージョンをやる人がいたなんて。 しかもこの人形。この人形は。 「仁衣那さん、あの」 「はい?」 「こんなエロ、いやセクシーな恰好でイリュージョンやったんですか」 仁衣那さんは一瞬呆れた顔をしてから笑った。 「男の子ねぇ。・・確かにこのハイレグに生足だもの。エロいに同意するわ!」
僕は仁衣那さんを見る。ごく普通にTシャツとジーンズの仁衣那さん。 この人がへそ出しのハイレグで生足で。 「そんな目で女の子を見たら嫌われるぞ、少年」 「そこで少年呼びはやめて下さい」 「このときの録画があるけど、見たい?」 「見たいです」 「素直でよろしい」
・・
仁衣那さんのタブレットでブルームサスの動画を見せてもらった。 あのエロいコスチュームで登場した仁衣那さん。 たった一本のサーベルに支えられて空中浮揚。ハイヒールの足が斜め上に向いてすらりと伸びる。 これ、サーベルの先端を受ける仕掛けがあるんだよな。
「こんなこと聞いて答えてもらえるか分からないですけど」 「いいわよ。年齢以外なら何でも教えてあげる」 「太りました?」「うるさい」 「じゃあ別の質問」「めげないのね」 「このイリュージョン、腰から下が大変じゃないですか?」 「あら、分かるの!?」
映���を見る限り仁衣那さんの身体は上半身でホールドされている。腰から下には何もない。 だから仁衣那さんは自力で下半身のポーズを維持している、と思う。 筋肉に力を込めて、まるで体操の選手みたいに。 僕の質問が通じたんだろう。仁衣那さんはにやっと笑ってくれた。
「さすがだね、少年!」 「だから少年は止めて欲しいと」 「イリュージョンはね、アシスタントの汗と涙で成立するんだよ!」 「大雑把な答えですね」 「あっははは」 豪快に笑われた。仕方ないので僕も笑う。
「そうだ! 再来週の土曜日だけど、ヒマしてない?」 「何ですか?」 「イリュージョン同好会の公演があるの。わたしは用事があって行けないけど、将司くん見に来ない?」 行きたい。 でも、知らない大学生の集まりに一人で行くのはちょっと。
「誰でも大歓迎のイベントだから心配ないわ。それに来年は将司くんも入会するでしょ? 今から顔売っといて悪いことないと思うけどなー」 「僕は同好会に入るとは決めてません。だいいちJ大に通るかどうかも分からないっていうか」 「大丈夫大丈夫! きっとうまく行くよ」 「んな気楽に」 「公演会、きっとエロいコスチュームの美女が登場するよ」 「え」 「我がJ大イリュージョン同好会の伝統だからね、女子のコスがセクシーなのは」 「行きます」 「よし! チケット代はわたしが出すから安心して」 「お金取るんですか」 「イリュージョンはお金がかかるからねー。ここはOBとして協力してあげたいのよ」 「何枚買わされてるんですか?」 「え?」 「何枚買わされてるんですか? チケット」 「・・10枚」 「そ、れ、は、た、い、へ、ん、だー」 「もちょっと気持ちを込めて同情してよぉ~」
[Part.2 J大イリュージョン同好会公演] 3. イリュージョン同好会公演の会場は小さなライブハウスだった。 入口で紙切れを渡された。 そこには QR コードが一つあるだけで出演者もプログラムも書かれていなかった。 試しにスマホで QR コードを読んでアクセスしてみると、ただ真っ黒な画面が写るだけだった。
フロア前方の椅子席に座る。 フロアの後ろ半分は椅子のない広場になっていて、そこに揃いの黄色いハッピを纏いメガホンやうちわを持った兄ちゃんたちが群れていた。 うちわには蛍光色の派手な丸ゴシックで『知里』とか『琳琳』とかの字が見える。まるでアイドルの応援グッズだ。
ステージは少しだけ高くなっていて、袖とバックに黒幕が掛かっている。 客席とステージを仕切る幕(緞帳)はないから、開始前からステージの様子が分った。 今、ステージには一人掛けの黒い椅子が置かれている。その隣には大きな造花の植栽。 あの椅子は知ってるぞ。美女の出現椅子だ。 ということはあの中にはもう。
○ 公演会オープニング やがて会場が暗くなり、スポットライトがステージの椅子を��らし出した。 椅子に黒布が掛けられる。ほとんど同時に水色のドレスの美女が登場した。 足を組んで座り、髪をかきあげて微笑む。 ちーりちゃーん! 後ろの方で野太い声が湧き起こった。
続いて、隣の植栽に黒布が掛けられた。 プランターの中に別の美女が立ち上がる。 彼女はピンクのフリルドレス。その場で両手を広げて回って見せた。 りんりーんちゃーん! 再び声援。 お前ら、さっきからちょっと五月蠅い。
それにしても二人とも速かったな。 あの布の下に出現すると判っていても、ほんの一瞬で移動するのは驚きだった。 この後のイリュージョンも期待していいんじゃないか。
ステージにイリュージョン同好会のメンバーが並んで挨拶した。 全部で5人。少ないな。 男性メンバーは3名。全員グレーのスーツ姿。 女性は2名。 「朝比奈知里(あさひなちり)です! 3年で会長です!」 「岩淵琳琳(いわぶちりんりん)、1年生です!」 知里さんは青いドレス。切れ長の目でちょっと知的な美人という感じ。 琳琳さんはピンクのドレス。大きな瞳をしていて可愛い美少女という感じ。 どっちも魅力的だ。 来年この人たちと一緒に活動できるのなら、ちょっとは受験勉強も頑張ろうという気になるね。
続いて男性メンバーも自己紹介をしたらしいけど、知里さんと琳琳さんを見ていて耳に入らなかった。 まあ男の名前はどうでもいいわな。 それよりイリュージョンをしっかり見ないと。 できればタネも見破りたい。
男3人は袖に引っ込み、ステージには女性だけが残った。 美女2人で演じるイリュージョン!? 知里さんがマイクを持って深呼吸し、そして叫んだ。 「お待たせしましたーっ。歌いまーっす!!」 うぉお~~!! 待ってましたぁ~っ!!! 怒涛のような歓声が起こる。 え? 何? 「♪あ・な・た~のアイドぉルぅ、サインはビビビ!!」 二人は踊りながら歌い出した。
うりゃおい!うりゃおい! うりゃおい!うりゃおい! ちーりちゃーんっ!! りんりーんっ!! 耳を覆いたくなる音量の音楽と声援。 一斉にコールをかけながら踊る兄ちゃんたち。 椅子席の観客も飛び跳ねながら手拍子。 イリュージョン、しないの?
・・
それから知里さんと琳琳さんは3曲歌い、会場はむちゃくちゃ盛り上がった。 2曲目の途中で衣装の早変わりがあった。 二人は衝立(ついたて)の陰でショートパンツに変身した。 「おおっ」と思ったけど、他にイリュージョンっぽいことは何もなかった。
「10分間休憩でーす!! 握手とチェキタイムは後半の終了後になりまーす!」 チェキまで撮るんかい。
休憩時間中、僕は椅子に座ったまま憮然としていた。 僕は何を見にきたんだろう? ねえ、仁衣那さん。全然エロくないっすよー。 おっと違う違う。 エロは目的じゃなかった、イリュージョンを見に来たんだ。 まあエロいのも期待してるんだけど。
4. 後半の部。
○ マジカルマミーの人体交換 男性メンバーが二人、細長い白布を持って登場した。 二人は左右に分かれて立ち、間に細長い布を掲げて見せた。 それは高さ2メートル、横4メートルほどもある白布で、まるでステージに白い壁ができたように見えた。
右側の男性がくるくる回りながら左に進んだ。自分の身体に布を巻き付けてミイラのようになってゆく。 4メートル分すべて巻き終えて止まると、左にいた男性がその頭と肩の部分を押さえて中身が人間であることを示した。 するとミイラが逆に回って今度は布を解いてゆく。 すべて解き終えて右側に現れたのは男性ではなく知里さんだった。 ハイレグの青いレオタード。兎の耳はないけど付いてたらバニーガール。ハイレグの下は網タイツにハイヒール。 右手で白布を掲げたまま、身をくねらせて微笑みながらウインクしてくれた。 え~!? ちりちゃーん!! 応援団の声援も驚き混じりだ。
続いて左側の男性がくるくる回って布を巻きつけミイラになった。 知里さんがその頭と肩を押さえて中身の人型を示す。 ミイラは逆向きに回転して布を解き、そして琳琳さんが登場した。 知里さんと同じデザインの赤いレオタード。胸の谷間もくっきり。 うわぁ~っ。りんりーん!!
知里さんと琳琳さんは互いの肩と太ももに手を当ててポーズ。 僕は思い切り拍手した。 これだこれ。見たかったのは。 お二人とも文句なしにエロいです。
・・
その後はイリュージョンが続いた。
○ 逆さヒンズーバスケット キャスター付きの台に載って登場したのは台形の籠。ヒンズーバスケットだった。 目隠しの黒布を手前にかざし、その間にハイヒールを脱いだ琳琳さんがバスケットの中に隠れた。 黒布を外すとバスケットの口から琳琳さんが手だけ出して振っている。 これで蓋を乗せるのかと思ったら、細かい発泡スチロールのボールが注ぎ込まれた。 大きなビニールの袋で1杯、2杯。 あーあ、琳琳さん、すっかり埋もれちゃったな。 琳琳さんの手が発泡スチロールの中に引っ込んで、その上に蓋が被せられた。
知里さんが長い棒を振りかざした。 棒の先端を蓋の小穴に刺し、バスケット側面の穴まで斜めに突き通す。 さらに次の棒を刺す。全部で6本。 何箇所かバスケットの穴から白いボールが押し出されてこぼれる。 最後の棒を垂直に刺した。その先端がバスケットの底から突き出るのが見えた。
ヒンズーバスケットはとてもメジャーなイリュージョンだし、仕掛けも簡単だ。 でも発泡スチロールボールでバスケットの中を埋めてしまうとは。 あそこにいる琳琳さんは視界が遮られてやりにくいだろうし、それに閉塞感が増して心理的にも大変だろう。 "イリュージョンはね、アシスタントの汗と涙で成立するんだよ!" 仁衣那さんの言葉が蘇った。 本当だ。頑張っている琳琳さんを想像して少しドキドキした。
全部の棒が引き抜かれ、��面の蓋も外された。 せーの、ほいっ。 男性メンバーが3人がかりでバスケットを持ち上げた。 え? 何するの? 腰の高さまで持ち上げたバスケットを上下逆に向けた。 発泡スチロールのボールがざぁっとこぼれる。 知里さんが下から手を入れて奥の方のボールをかき出した。 さらに4人でバスケットを揺さぶる。逆さに持ったバスケットを何度もぶんぶん揺さぶった。
これはマジで驚いた。 こんなヒンズーバスケットは見たことがない。琳琳さんはどこに消えたのか。 会場もざわついている。
やがてバスケットは元の向きで床に置かれた。 目隠しの布をかざす。バスケットの中から琳琳さんが立ち上がった。 発泡スチロールのボールが纏わりついている。払い落とそうとするけど静電気でくっついたボールは簡単に落ちない。 諦めて琳琳さんはにっこり笑い、皆で並んでお辞儀をした。
・・
○手首ギロチンと切断手首 男性メンバーが床に散乱したボールを掃除機で吸い取っている。 その前で知里さんがマイクを持った。 「次は会場のお客様にお手伝いお願いしましょう」 はいはーい! おれオレ!! 一斉に手を上げる兄ちゃんたちを制して言った。 「ごめんなさい。ここはやっぱり女の子で♥」 えーっ? 仕方ないなー。 知里さんは何人か手を上げた女性の中から一人を指差した。 「はい、あなた。どうぞこちらへ!」 琳琳さんが走って行ってその女性の手を取り、ステージの上に連れてきた。
客席から上がって来たのは元気な感じの子だった。高校生ぽく見える。 薄いピンクのシャツと白いハーフパンツ。シャツと合わせたピンクのネイル。 「お名前は?」 「玻名城(はなしろ)れいらですっ」 「れいらちゃん。今日は生贄になってもらいます」 「はい?」 「この椅子に座って下さいねー」
ステージに小さなギロチン台が登場する。 このサイズは首じゃなくて手首だな。 手首と野菜を同時に切断する、そしたら野菜だけ切れて落ちるってやつだろう。 知里さんは女の子の右手首をギロチンにはめ、外れ止めのフックをかけた。
「準備完了!」 「え? え? えーっ?」 「うふふ。何度やっても楽しいわ。処刑のしゅ・ん・か・ん!」 芝居がかった台詞を言う知里さん。 白いパラソルを持った男性メンバーが二人出て来た。 両側に分かれて屈むと、持って来たパラソルをギロチンに向けて開いた。 知里さんはギロチンの向こう側。 女の子は不安そうな顔をしている。
「ではさっそく♥」 知里さんがギロチン台の紐を引いた。 かちゃん! ギロチンの刃が落ちて手首が床に転がった。 パラソルに赤い飛沫が飛んだ。 「きゃぁ!!」 短い悲鳴を上げて女の子は動かなくなった。 その頭に麻の袋が被せられる。
ええーっ。本当に切ったの? 近くで女性の声がした。 まさか。本当に切る訳ないさ。演出だよ。 僕は密やかに笑った。
男性メンバーがテーブルを押して出てきた。 テーブルといってもそれほど大きくない。花瓶を一つ飾るのにちょうどくらいのサイズ。 テーブルには床まで届くテーブルクロスが掛けられている。 ギロチンから少し離れたところに停めた。テーブルクロスが外される。 テーブルの下は細い脚が4本ある��けで何もない空間だった。
知里さんは床に落ちた手首を拾い上げ、それをテーブルの上に置いた。 手首は切断面が流血して赤くなっている。そこへ白いレースのフリンジ(ふさ飾り)を巻き留め紐で縛った。 手首を覆うようにガラスの箱を置いた。 一辺 30 センチくらいの立方体のガラス箱だった。
透明なキューブの中に安置された女性の手首。 まるで美術館のオブジェだ。近くで見たい。 そう思っていたら、すかさずアナウンスが入った。 「お手元のスマホで QR コードにアクセスして下さい」
わ、見えた! 周囲で声が上がる。 僕もあの紙切れの QR コードを読み込んだ。 スマホの画面に手首のアップが映し出された。 男性の一人がスマホを持ってガラス越しに撮影しているのだった。
それは正に女性の手首だった。 このリアルさはマネキンなんかじゃ無理と思った。 カメラがゆっくり移動する。 ピンクのネイルがはっきり見えた。 切断箇所は白いレースで覆われているのが分かる。 僕は無意識に二本指でピンチアウトして映像を拡大した。 レースの表面にうっすら血が滲んでいた。 全然グロテスクじゃない。むしろ綺麗だと思える。
たぶん会場の全員が自分のスマホを見ていただろう。 きゃっ!! うぉ!? 一斉に悲鳴が上がった。 画面に映る指がぴくりと動いたのだった。 人差し指から中指、薬指と小指から親指まで順に動き出した。 やがて五本の指がテーブルを掻くように動き、それに引きずられて手首全体がわずかに移動した。 何だよこれ!! やだやだぁ~!! 僕はスマホから顔を上げて直接ステージを見た。もしかしたら映像フェイクかもと思ったのだ。 でも客席から遠目に見ても、ガラス箱の中で手首がゆっくり動いているのが分った。
すごい演出だと思った。 プロのイリュージョンでも見たことないぞ。 僕は口をぽかんと開けたまま、スマホの画面とステージを交互に見るのだった。
やがて手首は動きを止め、知里さんはその手首をガラス箱から持ち上げた。 ぐったり動かない女の子の腕に手首を押し付ける。 ギロチン台の拘束を解放し首に被せた麻袋を外すと、女の子は笑顔で立ち上がった。 手首が繋がって元通りになった腕にはレースのフリンジが巻いたままになっていた。
・・
ステージは次の演目のために模様替えされる。 「次が最後のイリュージョンです!」
○ ドラム缶脱出 男性メンバーが3人でドラム缶を担いできた。重そうだ。 直径 80 センチくらい。長さ 120 センチくらい。 ステージの床に立てて置き、梯子付きの台を押してきてドラム缶の後ろに据えた。 客席から見えるようにドラム缶を前に傾けて中に何もないことを示した。
知里さんがハイヒールを脱いで梯子を登った。 ドラム缶の中に降り立って手を振る。客席からは知里さんの胸から上だけが見えている。 男性メンバーが金属の円盤を持って来た。 それはドラム缶の断面に合わせた蓋で、手首が通る丸い穴が二つ開いていた。 上から蓋を被せると、知里さんの姿はドラム缶の中に屈むようにして消えた。 軽くノックをすると蓋の穴から右手と左手が差し出された。その手に手錠が掛けられる。 蓋の���囲にバンドを掛け、外れないよう周囲に南京錠を6個掛けた。 これで完成。梯子が外された。
ステージが暗くなる。 スポットライトの中にドラム缶だけが浮かび上がって見えた。 ドラム缶の上面には手錠を掛けた手が生えていて、交互にグーとパーの形を作っている。 男性メンバーがドラム缶の手前に黒幕を掲げた。 ドラム缶の本体は隠されたものの、知里さんの手は幕の上に見えていた。 仰々しいドラムロール。 知里さんの手がすっと下がって見えなくなった。すかさず黒幕が外される。 おおーっ。 ドラム缶の前に知里さんが立っていた。
ステージが明るくなった。 ドラム缶の蓋を取り外すと中から女性が立ち上がった。 琳琳さんだった。 ええー!? 両手を水平に広げた琳琳さんを男性メンバーが左右から持ち上げた。 ドラム缶の前に全員が並んで頭を下げる。
うわーーーっ。すごい!! ち��りちゃーん!! りんりーん!!! 拍手と声援が終わらない。僕も拍手していた。 今まで見た中で一番面白いイリュージョンショーだと思った。
5. ステージは握手会になった。 1回 500 円で知里さんか琳琳さんと握手とツーショットのチェキを1枚撮影できる。 応援団の兄ちゃんたちだけでなく一般のお客さんたちも並んでいて繁盛していた。
僕はチェキなんて趣味ではない。 荷物を持って帰ろうとしたら知らない人から声を掛けられた。 「畑本将司くんですか?」 背の高い、お兄さんというよりおじさんに近い人だった。 髪がぼさぼさで眼鏡かけて、三日三晩部屋に籠ってアニメ観てそうな感じ。 「OBの酒井です。来年はイリュージョン同好会に参加してもらえると聞いて」 仁衣那さんから伝わってるのか。 「あ、それは僕がJ大に合格できたらの話でして」 「大丈夫。君なら合格するよ」 適当なこと言わないで下さい。仁衣那さんと同じじゃないですか。
「今日はどうでしたか? 本来なら現役のメンバーから伺うべきだけど、あの通りの忙しさなので」 酒井さんはそう言って握手会の列を目で指す。 「そうですね。とても面白かったです。これまで見たどのイリュージョンと比べても」 「ほう、例えば」 いちいち聞くの? 「ええっと、ヒンズーバスケット。発泡スチロールを入れたり逆さにしたり、普通のヒンズーと違ってて驚きました」 「うん、あれはうちのオリジナルだからね」 「中に入ってる女の人は大変ですよね。イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立するって、その通りだなぁ、と」 「ほう」 酒井さんの目がきらりと光った、ような気がした。 仁衣那さんから聞いたのをそのまま言っちゃったけど、マズかったかな?
「あの、えーっと、あの」 「はい?」 そうだ。 「あの歌とダンスは意味があるんですか? その、イリュージョンの同好会なのに」 僕は何を聞いてるんだろう。 「それは朝比奈知里会長の趣味」 「・・趣味、ですか?」 「我々OBは現役のすることにいちいち口を出さず、距離を置いて見守る方針なんだ」 距離を置くって、あなた真っ黄色のハッピ羽織って、背中に『知里』『琳琳』って書いたド派手なうちわ2本背負ってるじゃないですか。
「これをあげよう。握手券2枚」 「え」 「せっかくだから記念のツーショットを撮ってもらうといいよ。あの子たち、ノリノリだから」 「・・はい」 「またの機会に語り合いたいね」 またの機会? 酒井さんは手を振���て離れていった。
それから僕は列に並び、知里さんと琳琳さんと握手してツーショットのチェキを撮ってもらった。 二人ともサービス満点だった。 知里さんは並んでピースサインしながら横乳をぎゅっと押し付けてくれたし、琳琳さんはけたけた笑いながら胸の谷間にまぎれていた発泡スチロールのかけらを僕にくれた。
[Part.3 ワークショップ1日目] 6. 二週間経って仁衣那さんから電話があった。 「イリュージョン同好会とOB会で一泊二日の合同ワークショップをやるんだ。メインはバーベキューだよ。将司くんもどうですかって」 知里さんと琳琳さんの網タイツ姿が浮かんだ。 夏休みに入った最初の週末。 オヤジとオフクロは仁衣那さんと一緒なら行ってもいいと許してくれた。
・・
絶好のバーベキュー日和だった。 仁衣那さんと駅で待ち合わせる。 「OBの酒井さんって人と会いました」 「ああ、あの人はイリュージョン同好会の創設者だよ。今も現役の指導してくれてるし」 「そうなんですか」 「同好会にある道具の半分は酒井さんが作ったんじゃないかな」 なんか分る。 ああいうオタクっぽい人って何でも器用に作っちゃうんだな。 「初めて会った時はオタクっぽい感じの人だなーって思ったけどね」 「それ僕も思いました。おじさんに見えるけど案外若いんじゃないですか」 「酒井さんまだ20代だよ」 「あはは」 僕らは揃って笑った。 「そーいや仁衣那さんはいくつなんですか?」 「わたし? って、さらりと年齢を聞くな。うっかり白状しちゃうところだったわ」 「だめか」
「それよりどうだった? 現役の子たちの公演は」 「楽しかったです。知里さんと琳琳さん、セクシーで綺麗だったし」 「そっちかよ」 「りんりんって本名ですか?」 「知らないわ。わたしは知里ちゃんが1年生のとき一緒だっただけだし」
ほう。知里さん1年で仁衣那さん4年だったのね。 ということは、2年経って仁衣那さん今は23か24。歳バレするの嫌がってるからきっと24だな。 僕は頭の中で計算して勝利感に浸る。 性格悪いって思われるの嫌だから、口には出さずしっかり覚えておこう。
・・
郊外の駅で電車を降り、大きなコンビニの前にやって来た。 人気(ひとけ)のない駐車場の隅で待つ。酒井さんが車で迎えに来てくれるという。 「どうしてこんなところで落ち合うんですか?」 「車に乗るところを見られたくないのよ」 「?」
ほどなく酒井さんの運転する車がやって来た。 背の高いバンタイプの軽自動車。 車内は積荷でいっぱいだった。後席シートを畳んで天井まで荷物が積み上がっている。 空いているのは助手席だけ。
「バーベキューの材料やら何やらでいっぱいになっちゃってね」 どーするんですか? 仁衣那さんと僕、二人が乗るのは無理みたいですけど。 「んー」 酒井さんは頭を掻きむしる。その仕草がわざとらしい。 「仕方ないね。一人は荷物ということで」 「え」
バンのリアゲートを開けるといろいろな小物とダンボールが積まれていた。 一番下のダンボール箱は寝かして置かれていて、蓋がこちらを向いていた。 セロテープで簡単に留めた蓋を開けると中は空だった。 「ここに入るのは」 「わたしね」 仁衣那さんはにっこり笑うと、お尻から潜り込んでダンボール箱の中で丸くなった。 「手錠されたい?」「されたい♥」 揃えて差し出された両手に酒井さんが手錠を掛けた。 どうして手錠なんか持っているんだろう? 酒井さんは仁衣那さんの手を箱の中に押し込むと、蓋を締めてガムテープをHの字に貼って封をした。 いったい何ですか、この流れは。
「これでいいね」 酒井さんはリアゲートをばたんと閉じた。 「さ、行こうか」
・・
車の中で酒井さんに聞かれた。 「畑本くんは "拘束" に興味ある?」 「えっと、女性アシスタントが手錠を掛けられるとか、小さい箱に閉じ込められるとか?」 「そうだね。最初に同好会を始めた僕の責任でもあるんだけど、そういうイリュージョンが多くなってね」 「・・」 「女の子たちも自然に受け入れてくれるというか、積極的に喜ぶ子もいて」 「マゾ、ということですか?」 「理解が速いね。皆がそうとは言わないけど、そんな傾向はあるということ」 「ははぁ」
道路の段差を越えて車が大きく揺れた。 後ろから「きゃん♥」という悲鳴が聞こえた。 僕はダンボールに収まって荷物になっている仁衣那さんのことを考える。 仁衣那さん全然拒んでいなかったし、そもそも最初から仕込まれていたのは明らかだ。 そういえば、あの人自分から手錠を希望したな。 もしかして仁衣那さんも・・?
「実は今夜、拘束に関するアクティビティがあるんだ。イリュージョンの一部としてではなく拘束そのもののね」 アクティビティってどういう意味だっけ。 「ま、ぶっちゃけて言えば、緊縛の体験会だね」 「!」 「君に知っておいて欲しいのは、みんな良識ある人たちだってこと。だからそういう場になっても驚かないで欲しい」 「・・はい」 「実は君を招待していいか迷ったんだ。でも来年同好会に参加してくれる子が "そっちの世界" を知ってる子でね」 来年参加する子って、僕と同じ高校3年? 「だから今の会長とも相談して、畑本くんに知ってもらうことにした。個人的には君自身にも適性があると思うし」 「適性ですか?」 「そう。・・もちろん無理強いはしないよ。イリュージョン同好会にはそんな側面もあると理解して、来年加入するかどうか決めてくれたらいい」 「分かりました」
不思議な気持ちだった。 女の子との経験はキスが1度だけだった。 なのに、拘束とか緊縛とか、そっちの世界を先に見るのか。
・・
森の中にぽつんと一軒のコテージに到着した。 2階建ての赤い三角屋根。正面にコンクリートを敷いたテラス。 駐車場には自動車やトラックが何台も停まっていた。 隣の広場ではバーベキューの準備をする人たちの姿も見えた。
車が停まると僕は急いで降りて後方に回った。 酒井さんがリアゲートを跳ね上げた。 ダンボールのガムテープを勢いよく剥がす。 「え!?」 箱に入っていたのは仁衣那さんではなかった。 知らない女の人が手錠を掛けられて、ものすごく色っぽい目で僕を見つめていた。 「あら・・、着いたのね♥」 「紹介するよ。妻の多華乃(たかの)だよ」 !!!!
仁衣那さんは・・? かちゃ。助手席のドアが開いて女性が降りて���た。 その人は両手に手錠を掛けたままだった。 「やっほ! 将司くん」 仁衣那さんだった。 さっきまで僕がいた場所に仁衣那さんが座っていたのだった。
7. 先に来ていた人々が集まって来た。 僕は最後に到着したゲストだったらしい。 「タネ明かししてあげたら? 彼、口ぽかんと開けたまま固まってるわよ」 そう言ってくれたのは知里さんだった。 おお、知里さんっ。来ていて下さったんですね。
「大した仕掛けじゃないけどね」 酒井さんはもう一度バンのリアゲートを開けて荷室を見せてくれた。 多華乃さんが入っていたダンボールを引くと、手前にすぽっと引き抜けた。 上の荷物が落ちて来ない。 すぐ分った。二重床だ。 本来の床の上にもう一枚、合板の床が張ってあるのだった。 工事業者のワゴンなどでよく見るのと同じだから、注意して見ていれば気付いたはずだった。 本当の床と二重床の間隔は 50 センチ。 幅 49 センチのダンボール箱を横に倒してちょうと収まる寸法だ。 このダンボールはリアゲート反対側(室内側)の蓋が密封されていない。 合わせ目に小さな鉄板と磁石が貼ってあって、内側から押せば開くことができる。
二重床の前端には半径 25 センチくらいの半円形の切り欠き穴があった。 運転席と助手席の直後の場所だ。 そして運転席と助手席の背もたれの間は少しだけ開いているので跨ぎ易い。 仁衣那さんはここを通って助手席に移動した。
分ってしまえばシンプルな仕掛けだった。 車が走り出したら仁衣那さんはダンボールの蓋を足で押して開き、二重床の下に這い出る。 待機していた多華乃さんが交代でダンボールに入り、その蓋は仁衣那さんが閉める。 あとは目的地に到着するまで隠れているだけだ。 僕が車を降りるのを待って、前端の切り欠き穴を抜けて助手席に移動した。 リアゲートを開けても荷物が積み上がっているから仁衣那さんの姿は見えない。
「酒井さんの奥さんはいつから隠れてたんですか?」 「んー、東京のマンションを出るときに手錠掛けて、それからずっと入ってたね」 「東京から?」 「隠れるのは直前でいいじゃないかって言っても、それじゃ勿体ないって言うんだよ。うちの妻は」 「うふふ♥」 多華乃さんが笑った。 この人はどうしてこんなに色っぽく笑うんだろうか。 「この人、こんなことするためにひと月かけて新車を改造したのよ。わざわざ商用車を買って。バカでしょ?」 「フルフラットのバンだから何でも使えて便利なんだよ。だいたい、最初にダンボールに詰めて運ばれたいって言い出したのはタカノじゃないか」 「私は誘拐された気分を味わいたいって言っただけ。イリュージョンやるつもりなんてなかったんだから」 ぷ。 何人かが吹き出した。
「俺たち全員、春の新歓合宿のときこのネタ仕掛けられたんだよね」 そう教えてくれたのは公演会に出ていた男性メンバーの一人だった。 「わざわざ一人ずつ呼び出されて、この車に乗せられて」 「まあ驚くわよね。まさか奥様が登場するとは思ってもいないし」 現役の人たちまで引っ掛けられたのか。 騙されたのが僕だけじゃないと分って、少しだけ安心した。
「わたしも巻き込まれたんだよー」 仁衣那さんも笑いながら教えてくれた。 「知らないうちにダンボールに入るって決まってたんだから」 「仁衣那センパイが断るはずないですものね」知里さんが言う。 「あはは、多華乃さんじゃないけど誘拐されたみたいな気分になれて楽しかった」 「いいですよねー、誘拐」 「こら琳琳」「あれ、知里さん。嫌ですか誘拐?」 「いやちょっと憧れる」 その場の全員が笑った。 笑わなかったのは僕だけだった。
酒井さんと目が合ったら、笑いながらウインクされた。 何を言いたいのか何とな���分かったけど、おじさんのウインクが気持ち悪くてそれ以上何も考えられなかった。
8. 「カンパ~イ!!」 バーベキューが始まった。 集まったのは僕を含めて男6人女6人の合計12人。 あらためて紹介してもらったので、皆の名前を整理しておこう。
・同好会現役 3年 朝比奈知里さん(会長) 2年 占野(しめの)陽介さん(副会長) 八代亘さん 1年 高浦仁志さん 岩淵琳琳さん ・同好会OB 酒井功さん、多華乃さん夫妻 小谷真幸さん 出水仁衣那さん ・ゲスト 玻名城れいらさん(高校3年) 桧垣梢(こずえ)ちゃん(中学3年)
ゲストのれいらさんと梢ちゃんは、あのギロチンイリュージョンに出ていた女の子だった。 客席から上がって手首を切断されたのがれいらさん。 そして切断された手首を演じたのが梢ちゃんだった。 二人はイリュージョンが好きで酒井夫妻と仲良くしていて、その縁で同好会の公演をお手伝いしてくれたそうだ。 あのイリュージョンはスマホのカメラで中継する演出がすごかったけど、ガラス箱の中でぴくぴく動く手首も迫力があった。 誰かがテーブルの下から手を出しているのは分かっていたけど、まさか中学生がやっていたとは。
「畑本サン、ウチがやった手首見ました?」 「うん、あれは凄かったよね」 「でしょ? 自分でも渾身の演技やった思てますもん。将来手タレになろかて真剣に考えたくらい」 梢ちゃんは関西弁を駆使してよく喋る子だった。 「特殊メイクの専門家に来てもろて手首のメイクに4時間、そのあとテーブルの中半日待機で頑張ったんですよー」 「そんなに!?」 「こら、」れいらさんが突っ込む。 「調子に乗って誇張しちゃダメ。畑本さん真面目そうだから信じちゃうでしょー」 違うの? 「えへへ、メイクは知里さんがぱぱっとしてくれて、ネタ場に入ったんは休憩のとき。その後は放置されてましたけどね」 「あら、直前に入ったんじゃなかったの?」 「だってヒンズーのときは皆さん出演中で誰もおらへんし、一人やと入られませんから」 「そっかー」 「ええんです。ウチは耐えられる子やから。イッくんにご褒美も約束してもろてますしね!」 途中から二人の会話が分らなくなった。 放置で耐えるって、どういう意味なのか?
「梢ちゃ~ん、おいでーっ。一緒に飲もー!!」 琳琳さんの呼ぶ声がした。 「はーい!! ・・すんません、ウチ人気モンで」 梢ちゃんはペコリと頭を下げると琳琳さんのいる輪の方に走って行った。 残されたのは僕とれいらさんの二人。
「・・面白い子でしょ?」「そうですね」 「コミュ力が高いというか、誰とでもすぐに友達になるのよね、あの子」 「一緒に飲もうって、梢ちゃん中学生なのに?」 「乾杯以外は全員ノンアルかコーラよ。後のアクティビティに影響しないように。・・イッくんの指導がしっかりしてるのよね」 「イッくんって誰ですか? 梢ちゃんも言ってましたけど」 「酒井さんのことよ。酒井イサオさんだから "イッくん" って呼んでるの」 あのおじさんが、イッくん・・。
「ね、同じ学年だし、そろそろあたしに敬語は止めて欲しいな。それに "れいらさん" じゃなくて "れいらちゃん" でいいんじゃない?」 「分かりました、じゃなくて分った。れいらちゃん」 「あたしも来年はJ大でイリュージョン同好会に入るから仲間だよね、畑本くん」
"畑本さん" が "畑本くん" に変わって、少し嬉しくて少し残念だった。 もしや "将司くん" って呼ばれるかと思ったのだった。 今日初めて会話したばかりの相手に名前呼びを期待するのは図々しいことではあるけどね。
そもそも僕はれいらちゃんのことを何も知らない。 酒井さんが「そっちの世界を知ってる子」って言ったのは彼女のことだろうか。 僕は隣に座るれいらちゃんを横目で見る。 白いシャツの上にパーカー、デニムのミニスカート。とても可愛いと思う。 この子が拘束や緊縛に詳しい? まさか。
「そんな目で女の子を見たら嫌われるわよ、畑本くん」 うわ、同じこと誰かに言われたような。 「でも今はその目で見てもいいわ。呆れて愛想をつかされるのはあたしの方かもしれないしね」 「どういう意味?」
れいらちゃんは笑ってテラスの方を指差した。 「始まるみたいよ!」
9. ○ ドラム缶水中脱出 「さあさあ、現役諸君並びにゲストの皆様。本日OBが贈るスペシャルイリュージョンへようこそ!!」 酒井さんが芝居がかった喋り方で呼びかけた。
テラスにドラム缶が置かれている。 あの公演で最後のイリュージョンに使われたドラム缶だった。 真上に差し掛かる太い木の枝にワイヤを巻いて滑車が取り付けられていた。 ドラム缶の前にOBの酒井さんと小谷さんが立っている。 黒いタキシードに蝶ネクタイと白手袋。この季節に暑そうな恰好だ。
待ち兼ねたように同好会メンバーとゲストがドラム缶の前に集まる。 OBがイリュージョンをすると知らなかったのは僕だけらしい。 とりあえず後ろの方で見ていたら、れいらちゃんが隣に来てくれた。
「さてここにあるのは容量 400 リットルのドラム缶。先日現役諸君が使ったものだね」 酒井さんは後ろのドラム缶を手で示した。 「実はこれ中古品をたった千円で買って改造したものなんだ。値段より持って帰って来る方が大変だったよ」 現役2年生と3年生が笑った。そのときの苦労はよく覚えているのだろう。
「先のステージで使ったとき、この中は "空気" だった。しかし、」 ドラム缶の側面を手で叩く。 どぅん。重い音が響いた。 「美女をドラム缶に入れるなら、本来その空間は "水" で満たされているべきではないか」 「そうだー!」れいらちゃんが両手を口に添えて叫んだ。 「ありがとう」 酒井さんはにやりと笑った。
「そもそも我々アマチュアに水中イリュージョンはハードルが高い。どうやって現地で大量の水を確保するか。どうやって短時間で注排水するか。重量も満タンで 430 キロ。下手な会場じゃ床が抜ける」 うんうんと頷く現役の人たち。 「しかしここなら問題はない。今しがた水道水をホースで入れたところだよ。1時間かかったけどね」 小谷さんがドラム缶の中に手を入れ水をすくってみせた。 「という訳で、本日はセクシーな美女の水中脱出をみんなで楽しもうと思う」
酒井さんと小谷さんは振り返ってコテージの玄関を示した。 「お待たせしました。美女の登場ーっ!!」 ドアが開いて多華乃さんと仁衣那さんが登場した。 うわぁーっ。ぱちぱちぱち。 きゃあっ!! 色っぽ~い!!
二人とも水着だった。 髪を上げて括り、身に着けているものといえば極端に布地の少ないマイクロビキニとハイヒールのみ。 恥ずかしそうなそぶりはまったく見せない。 堂々と胸を張って微笑みながら、腰に片手を当ててモデルみたいな歩き方でやって来た。 多華乃さんはスレンダーでセクシー。どこかで本当にモデルやってたんじゃないかと思うほど。 仁衣那さんは前に見た学生時代の動画から少しだけ丸くなった感じ。でも大きな胸とお尻はやっぱりセクシーだ。 「キレイ~!」「色っぽいよねぇ」 梢ちゃんと琳琳さんの声が聞こえる。
待ち構えていた酒井さんと小谷さんが二人を迎えた。 タキシードのマジシャンにはさまれてポーズをとるマイクロビキニの美女二人。 エロい構図だなぁ。 「うわぁ、エロいなぁ」 れいらちゃんが同じことを呟いて思わず隣を見た。 「あれ? あたし何か変なこと口にした?」 「変とは思わないけど、エロいって言ったよ」 「あは」 れいらちゃんの頬が少し赤くなった。 「・・あのね、イリュージョンのお約束だから当然なんだけどね、あんな風に正装した男の人の隣で女だけカラダ見せる恰好。畑本くんはケシカラン!って思わない?」 「思う。とんでもなくケシカランね」 「よかった、あたしと同じだ」 「そういうのを喜ぶのは男だけかと思ってたよ」 「女子でも好きだよ。多華乃さんや仁衣那さんみたいに綺麗な人なら」
・・
小谷さんが頭上の滑車にかかるロープを下ろした。 ロープの先は輪になっていた。 「では美女たちがドラム缶に入ります。まずはタカノから」 「はい」 多華乃さんがロープの輪を両手で握ると、小谷さんと酒井さんは二人がかりで滑車の反対側のロープを引いた。
ふわり。 テラスにハイヒールを残して多華乃さんが浮かび上がった。 握力だけで自分を支えながらポーズを決める。 片膝を引き上げて静止。続いて後ろに曲げた脚を反らして後頭部にあてた。美しい逆海老ポーズ。 マイクロビキニの身体を撓らせブランコのように揺れる。 揺れながらゆっくり降下し、やがて爪先でドラム缶の縁を捉えて水の中にするりと降りた。 胸まで沈んで妖しく微笑む。 溢れた水が周囲に流れてテラスを濡らした。
水に入るだけでこのパフォーマンス。 いったいこの人は何者? 「多華乃さんは昔クラシックバレーやってたんだって。恰好いいでしょ?」 れいらちゃんが教えてくれた。 なるほど。それであの身のこなし。
「次は出水さん」「はい」 仁衣那さんがロープの輪を掴んで吊り上がった。 身体を伸ばして静止。それから。 ? 仁衣那さんの笑顔がこわばっていた。 腰だけが前後にばたばた動いて、伸ばした爪先は空中の一点に固定されていた。 どうやら多華乃さんみたいに優雅に動くのは無理そうだった。 そのうち力尽きて落ちるんじゃないか。
「畑本くん、悪いけど手伝ってくれるかい」 酒井さんに呼ばれた。何で僕が。 「そこに立って、彼女を受け止めて」 目の前に仁衣那さんが降りてきた。 「抱いてあげて、お姫様抱っこで」「え」 背中と膝の下に手を入れて支えた。 柔らかい! 腕の中に小さなビキニを着けただけの女体があった。 「ごめんねー」「いえ」 仁衣那さんが謝って視線を下ろすと目の前にふくよかな胸の谷間。
「彼女を運んでくれるかい」 覚悟を決めて仁衣那さんをドラム缶まで運んだ。 そこには多華乃さんが微笑みながら待っていた。 仁衣那さんは僕の腕の中から手を伸ばすと、そのままドラム缶に転がり込んだ。 ぼちゃんっ。 波がたって多華乃さんのときより大量の水が溢れた。
「うふふふ♥」 仁衣那さんと多華乃さんがドラム缶の中に立った。 互いに抱き合ってビキニの胸を合わせた。二人の胸の谷間を波が洗っている。 「・・将司くん、ちょっと待ってくれる?」 仁衣那さんが僕を呼び止めた。
仁衣那さんは微笑みながら両手を背中に回した。 身をくねらせてブラの紐を解くと、多華乃さんと密着した胸からブラを引き抜いた。 「わたしを運んでくれたお礼♥」 親指と人差し指につまんだブラが差し出された。
梢ちゃんが口に手を当てて固まっているのが見えた。 いいのかね、中学生の前でこんなことをして。
「やるわね」「ふふん」 多華乃さんが悔しそうに言うと仁衣那さんは誇らしげに笑った。 「負けられないわね」 多華乃さんは両手を水の中に沈めた。 くねくねと腰を動かす。 え? 「私からもプ・レ・ゼ・ン・ト♥」 渡されたのは脇の紐を解いたビキニのボトムだった。 多華乃さん、下を脱いだんですか!!
こ、これはさすがに高校生の僕にも刺激が強いです。 同好会の人たちは笑い出し、れいらちゃんは手を叩いて喜んでいる。 梢ちゃんは、といえば両手を口に当てたままコロリと倒れ、右に左に転がりながら悶絶していた。 「終わりましたか? ・・じゃあ畑本くんは戻って下さい」 酒井さんが言った。 「美女からのプレゼントはちゃんと持って帰るように」
僕はたぶん耳まで赤くなっていたと思う。 れいらちゃんの隣に戻ると、にやにや笑いながら背中をどんと叩かれた。 仁衣那さんのブラと多華乃さんのパンツは手の中に丸めて握れるくらい小さかった。 これ、どうしたらいいの?
・・
はぁ~っ。ふぅ~っ。 多華乃さんと仁衣那さんが抱き合いながら呼吸を整えた。 大きく息を吸って互いに頷くと、水の中に頭を沈めた。 再び溢れた水がこぼれる。
酒井さんと小谷さんが上から蓋をした。 これは前回のドラム缶イリュージョンで使ったのと同じ、丸い穴が二つ開いた円盤だった。 蓋の穴から濡れた手が2本出た。 よく見るとどちらも左手だった。 多華乃さんと仁衣那さんが左手をさし上げているのだった。 酒井さんは手錠を持ってきて、二人の左手に掛けた。 これで手を下げるころはできない。 小谷さんが蓋の周囲にバンドを掛け、さらに南京錠を6個取り付けた。
・・
コンコン。 ドラム缶の側面を軽くノックすると二人の手の指がひらひら動いた。 「一般に息止めの限界は3~4分程度と言われています。今はまだ1分経っただけだから心配ないね」 酒井さんが腕時計を見ながら話した。 「本来なら次は美女の脱出シーンになるけど、今日は現役諸君のために質疑応答の時間をとろう。まずはこちらへ来て機材をチェックしてくれるかい」 同好会現役メンバーがドラム缶の傍に集まった。僕たちゲストも手招きされて集まる。
2年生で副会長の占野さんが指摘した。 「全体が上下反対になっていますね」 「そう。先のイリュージョンとは逆の向きで置いている。このドラム缶は両方の面が開いたオープンタイプ仕様なんだよ。どちらかに底板を取り付ければ任意の向きで使える」 酒井さんは腰を屈めてドラム缶の底を示した。 そこにはボルトで締めた底板が固定されていた。
「前回はこの底板は逆の側についていたんだ。・・では、なぜ上下をひっくり返したのか? 理由は側面にあるこの隠し扉」 ドラム缶の側面上部に扉が付いていた。 縦 30 センチ、横は缶側面の円弧に沿って約 60 センチ。 ドラム缶本体と同色に塗られて目立たないように工夫されているけれど、近くで見ると存在が分かる。
「君たちのとき、この扉はドラム缶の下の方にあって梯子の台と繋がっていただろう? 朝比奈さんと岩淵さんはここを通って交換した」 知里さんと琳琳さんが頷く。 「でも水を入れてしまうと、この扉は邪魔物になるなんだ。たった水深1メートルでも扉全体に 180 キロの力がかかる。水漏れを防ぐのは大変だし、下手すると扉そのものが弾け飛んでしまう」 なるほどという顔をする一部メンバー。きょとんとしている残りのメンバー。 「まあ、水圧は恐ろしいということだね。海外のタネ明かし動画ではドラム缶の底に水密構造の蓋があったりするけど、あれはプロがお金をかけて作らせたものさ」 酒井さんは学校の先生みたいに説明を続ける。 「隠し扉を最上部にすれば水圧でかかる力は 36 キロ。これなら僕でも何とかなるから最初からその強度で作ったんだ。・・念のために付け加えると、水圧が低くても扉を開けば当然水はこぼれるよ。だから中に水が入っている限りこの扉を開くことはできない」 ポンと手を叩いた。 「以上が上下逆にした理由さ。・・他に質問は?」
「あの、」 次に手を上げたのは知里さんだった。 「この手錠、前に使ったのと違うようですけど」
それは蓋の穴から突き出された多華乃さんと仁衣那さんの手に掛かる手錠のことだった。 同好会現役のイリュージョンのとき、ドラム缶から手を出して手錠を掛けられていたのは琳琳さんだった。 最後の瞬間に琳琳さんは手を引き下げ、そのタイミングに合わせて知里さんが黒幕の後ろから登場した。 あのときの手錠は軽く引けば外れるフェイクの手錠だった。
「よく気付いたね、朝比奈さん。さすが会長だ」 酒井さんは嬉しそうに説明する。 「これはね、正真正銘の本物なんだ。フェイクじゃない」 「は?」 「だから、ここに閉じ込められている彼女たちが自分で外すことはできないんだよ」
知里さんと琳琳さんが目を丸くしてる。 「試しに岩淵さん、その手錠を両側から引っ張ってみてくれる」「はい」 琳琳さんが手錠の輪を掴んで引いた。 「外れません」 「本当に引いてる? もっと強くやってみて」 さらに力を入れて手錠を引っ張った。 と、手錠を掛けられた左手がくいと動いて琳琳さんの手を掴んだ。 「きゃ!!」 皆が笑った。
「上手ねぇ、イッくん。多華乃さんか仁衣那さんか、どっちの手か分からないけど」 れいらちゃんが僕にだけ聞こえるように小声で言った。 そうか、これもイリュージョンの演出なんだよね。 相手に知識がある前提のイリュージョン。こんなやり方もあるんだな。
・・
「いいかい、半トン近くある重量物だからね、途中で傾いたり倒れ掛かったりしても絶対に自分で支えようとしないこと」 酒井さんの説明が続いている。 急いでいるように見えない。
多華乃さんと仁衣那さんは無事なんだろうか。 何か仕掛けがあるのは違いないから、無事には決まってるんだけど。 誰も心配しているように見えないし、れいらちゃんに至ってはにやにや笑っている。
「事故は何でもないときに起こるんだ。僕の知ってる人に倉庫の現場で骨折した人がいて・・」 「おーい酒井よ。そろそろ先へ進んだらどうかな」 小谷さんが催促した。 「おっと、話に夢中になって忘れていた。・・もう12分も経ったのか」 酒井さんは時計を見て大げさに驚く。
蓋の穴から生える二本の手が前に垂れていた。 その指を持ち上げても再び力なく垂れるだけだった。 「これは手遅れかもしれないね」 そう言うと酒井さんはどこからともなく赤いバラの造花を2本出し、ドラム缶の手に持たせた。 「これは美女を復活させる魔法の花」
小谷さんが大きな黒布を持って来て酒井さんに渡した。 酒井さんは両手で布を持ちドラム缶の前に掲げた。 布の上に二本の手が見えた。
れいらちゃんが言った。 「やっとクライマックスだね」 「いつもこんなに仰々しいの?」 「何でも大袈裟にするのよ、イッくんは」
酒井さんがカウントした。 「ワン、ツウー、スリー!」 次の瞬間、二人の美女の手がぴんと伸びて下に消えた。
数秒後。 黒布の後ろから、仁衣那さんが小谷さんにエスコートされて出て来た。 裸の胸を片手で隠しながらポーズをとる。 次は小谷さんが黒布を持ってドラム缶の前に掲げた。 すぐに酒井さんに手を引かれた多華乃さんが布の陰から半身を見せた。 前を巧みに隠しながら布を二つ折りにして腰に巻く。 二人ともたったいま水の中から出てきたみたいに濡れていた。 髪から雫がぽたぽた垂れている。 小谷さんが仁衣那さんの肩を、酒井さんが多華乃さんの腰を抱いてお辞儀をした。
その直後、仁衣那さんがふぅっと息をついて座り込んだ。 大きな胸を押さえて震えている。 押さえようにも押さえられない何かを我慢しているようだった。 小谷さんがバスタオルを肩に掛けると、それを頬に当ててやっと笑った。
多華乃さんは酒井さんの肩に爪先立ちでしがみついていた。 腰の布が下に落ち、セクシーアクション映画のヒロインかと思わせる綺麗なお尻が全員に公開された。 小谷さんがバスタオルを持って来たけれど多華乃さんは離れる気配を見せない。あきらめて二人の上にまとめてタオルを被せた。 やがて酒井さんが腰を屈め、タオルの下で多華乃さんとキスをした。 きゃあ~っ!! 女性陣が一斉に歓声を上げた。
・・
いつまでも離れようとしない多華乃さんをようやく引き剝し、酒井さんは再び皆の前に立った。 タキシードのジャケットが濡れているのが分る。 「最後にハプニングがあったけどこれで演技終了だよ。・・君たちが知りたいと思っているであろうポイントはおそらく次の二つ。美女が水中でどうやって生き延びたのか、そして封印されたドラム缶からどうやって脱出したか」 全員が頷いた。 「まさにその二つがこのイリュージョンの肝だね。ただし、それを説明するのは明日までお預けにしようと思う」 「ええ~っ?」 「勿体をつけるのが好きなんだよ、僕は」 酒井さんはそう言ってにやると笑った。 「イリュージョン好きが揃ってるんだ。皆で考察して楽しんでくれたら嬉しいね」
10. それからバーベキューパーティは知里さんと琳琳さんのアイドルソングで盛り上がった。 アイドル服とかではなくバーベキューのパンツスタイルのままだったけど、僕にはそのほうが二人を身近に感じられていいと思った。 やがて梢ちゃんとれいらちゃんも立ち上がって一緒に踊り始めた。 可愛いな、この子たち。特にれいらちゃん。 気がつけばれいらちゃんだけを見ていて、慌てて目を反らせたりした。
・・
夕方になってバーベキューはお開きになった。 会長の知里さんがこの後のスケジュールを説明する。 「1階の食堂にチェア・アピアランスとヒンズーを置いたから触っていいわよ。アクティビティは20時から。女の子はそれまでにシャワーを使っておくこと!」 アクティビティってのは酒井さんが言ってたアレか。 全員が参加するんだろうか? 中学生の子もいるのに。
バーベキューの片づけを手伝ってから一人でコテージに入った。 1階は2~30人くらいが座れそうなダイニングになっていた。 テーブルと椅子を片付けたフローリングの窓際に一人掛けの黒い椅子があった。 人体出現椅子だ。チェア・アピアランスっていうのか。 その隣はヒンズーバスケット。 公演会で使ったのを運んできたんだね。
椅子はキャスターが付いていてどの方向にも押せるようになっている。実際に押してみると案外軽い。 中を見たい。でも勝手に開けたら叱られるかも。 躊躇しているところへ知里さんが通りがかった。 「知里さんっ」 ダメ元でお願いしたら笑って椅子の中を見せてくれた。 ・・そうか、こんな風になってたのか。 知里さんここからあの速さで出現。僕ならとても無理だ。
次にヒンズーの蓋を外して中を覗かせてもらった。 それは想像していたのと違った。 内側の壁に沿って細いパイプの梁が張ってあった。もちろんちゃんと剣を刺せるようになっている。 入口裏の四隅、手で握ったり足を掛けたりできるんじゃないか。 そうか。あのステージで逆さになったとき、琳琳さんはここに掴まって。 「このヒンズーはイリュージョン同好会で一番古い資産なのよ。酒井さんが会長時代に魔改造したって聞いたけど、全然壊れないの」 「ここのフレーム、手作りなんですね」 「興味深々ね」「そりゃそうですよ」
「少し時間あるかな、畑本くん」 「はい?」 「酒井さんからキミのこと聞いて、一度お話ししたいって思ってたの」 知里さんと並んで床に座った。
・・
「ドラム缶のイリュージョン、畑本くんはどう思った?」 「凄かったです。説明が長すぎましたけど」 「話が長いのは酒井さんの芸風だから許してあげて」 芸風、ですか。 「最後に出てきた多華乃さんと仁衣那さんを見たでしょ? あの人たちのこと畑本くんにはどう見えた?」 あの時の二人を思い浮かべる。 疲労困憊していて、でも満足してて、エッチな気分になっていて。 「はっきり言ってくれていいわよ」 「はい。エロかったです」 「好きだなぁその答。ウチの1年2年の男の子たち、オブラートで包んだ言い方しかしてくれなくって物足りないのよね」 「そうですか」 「酒井さんのイリュージョンって、ときどき女の子はエロくなっちゃうのよ」 「知里さんは水中脱出のタネを知ってるんですか?」 「知らないわ。でも何となく想像はできるな。聞きたい?」 「はい」
「多華乃さんと仁衣那さん、ドラム缶の中でずっと水に浸かってたと思う。それと楽に呼吸する手段もなかったんじゃないかな」 「それじゃあ、」 死んじゃうじゃないですか。 「落ち着いて意識を保っていたら無事でいられるよう配慮していたと思う」 「僕はシリコンとかゴムのチューブを使って息してるのかなって思ってましたけど」 マ○ク・マジシャンのタネ明かし動画じゃそうだったぞ。 「そうかもしれないけど、多華乃さんと仁衣那さんの様子見て何となく思ったのよね。酒井さん、狙ってるなって」 「何をですか?」 「アシスタント、というより女の子に楽させない。わざと苦しい思いをさせる。それを観客の見えないところでする」 「それ、イリュージョンに必要ですか?」 「要らないよねぇ。他に安全な手段があるなら」 知里さんはそう言って笑った。
「そう思った理由はもう一つあるのよね。それはあの手錠」 「知里さんが質問した手錠のことですね」 「そう。あれは絶対に本物だと思う」 「本物だって言ってましたよね」 「実は本物と説明して、本当の本当はフェイクって、珍しくない方法よ」「そうですか」 「そもそもあの質疑応答がなければフェイクの手錠で十分でしょ? その方が楽に脱出できるんだし」 「そうですね、あれは誰かから指摘されるのを想定して。・・いや違うな。本当の本当はフェイクにすればいいんだから」 「思ったのよね。あの説明は私たちにしてたんじゃなくて、ドラム缶の中の多華乃さんと仁衣那さんにしてたんじゃないかって」 「え」 「あれは二人に思い知らせたのよ。君たちはより困難な方法で脱出させられるんだよって」
「あの、」 「何?」 「酒井さんって、ドSですか?」
「いいわねぇ、ストレートな質問!」 知里さんは楽しそうに笑いながら答えてくれた」 「答はもちろんイエスよ。そんな人の作るイリュージョンだもの、女の子はエロくなっちゃうわよ!」 つまりそれは。 「女性の方もドMになってしまうってことですか?」 「うふふ」 知里さんは笑った。ちょっと不思議で妖しい笑い方だった。 「そうかもしれないわねぇ」 何ですか、急に含みのある言い方。
・・
「誰がドSだって? 朝比奈さん」 「きゃ! 酒井さんっ、いつの間に」 「この椅子のことなんだけど、」 「はい?」
酒井さんはチェア・アピアランスの椅子を指差した。 ドSって言われて叱るんじゃないの?
「これ今年買ったんだよね。中古には見えないけどいくらだった?」 「はい。新品で20万円、くらいだったかしら」 「どうしても欲しいなら中古を安く買ってレストアしてあげるのに」 「そんな、いつもいつもお願いする訳には」 「今年の活動費は残ってるの? 遠征の輸送費は?」 「それは、足りないときは皆で出し合って」 「困ったら僕に連絡して、朝比奈さん。OB会からも援助するから」 「はい、ありがとうございます」 「ところでこの椅子はどんな使い方を考えてるのかな」 「それは出現と消失」「あとは人体交換?」 「はい」 「20万円も使ってそれだけじゃ勿体ないよ。ぜひ新しい使い方を提案して欲しいね」 「は?」 「ムチャ振りのつもりはないよ。皆で相談してみたらどうかな」
酒井さんはそう言うとフロアを出て行った。 「新しい使い方考えて」を言いたかったのね。 予算がどうのとか、回りくどい人だな。 それにしてもムチャ振りされましたね、知里さん。 酒井さん、やっぱりドS。
「む!」 知里さんが唸った。 「出現椅子の新しい使い方。よーし、考えてやろーじゃないの!」 「大丈夫ですか?」 「なせばなる! ・・あーん、どうしよう!?」
[Part.4 体験緊縛] 11. 1階ダイニングの床にイリュージョン同好会の現役メンバー5人全員と、梢ちゃん、そして僕が座っていた。 梢ちゃんも体験緊縛に参加するんだね。 れいらちゃんがいないのは意外だった。絶対に来ると思っていたのに。
梢ちゃんが琳琳さんの方を向いて、口元を手で隠しながら言った。 「ウチ、ノーブラにしました。外した方がいいって聞きまして」 「アタシもノーブラだよ」「私も」 琳琳さんと知里さんも口元を手で隠して返した。 まる聞こえだった。内緒話になってない。 占野さん、八代さん、高浦さんの男性メンバーが顔を赤らめている。
知里さんはメンズのワイシャツ1枚。琳琳さんと梢ちゃんは白いTシャツにショートパンツ。 ワイシャツから延びる知里さんの生足がセクシーだった。 あのワイシャツの下はノーブラで、まさかパンツも履いてない? 知里さんが言った。 「畑本くん、そんな目で女の子を見たら嫌われちゃうわよ」 ���わうわうわ! またしても。 「でも私は自分に素直な男の子が好きよ。だから安心して」 知里さんは自分でワイシャツの裾を持ち上げて白いショーツを見せてくれた。 「ほら、穿いてるわよ♥」 皆が笑った。僕も笑った。
・・
OBの人たちが入って来た。 多華乃さんと仁衣那さんは、キャバ服だっけ、身体のラインくっきりの真っ赤な超ミニドレス。多華乃さんのドレスは片方の肩を出してて、仁衣那さんのは脇腹が出ている。 酒井さんと小谷さんは紺の作務衣。やっぱりこの二人が緊縛の担当なんだね。 そのうしろには、れいらちゃんがいた。前の二人と同じ作務衣を着ている。 れいらちゃんも緊縛担当なの!?
「今日が初めての人は?」 酒井さんが聞くと、琳琳さん、高浦さん、そして梢ちゃんと僕が手を上げた。2年生以上の人は初めてではないのか。 「分かりました。体験の前にまずは見本として出水さんとうちの妻を縛ります」 「皆さん、固くならずにくつろいでね」 小谷さんが安心させるように言った。
輪になって座った僕たちの中央に、れいらちゃんが 1.5 メートル四方くらいの小さなカーペットを敷いた。 その上に多華乃さんと仁衣那さんが立つ。作業が始まった。 れいらちゃんが縄を手渡し、それを使って酒井さんと小谷さんが縛る。 酒井さんの獲物は多華乃さん。小谷さんの獲物は仁衣那さん。 「これは高手小手縛り」「こっちは鉄砲縛り」 するすると魔法のように縄が掛かる。 胸の上下に縄が掛かると、多華乃さんの綺麗な胸がふっくら盛り上がった。仁衣那さんの大きな胸が一層大きく盛り上がった。 多華乃さんも仁衣那さんも胸の先端がつんと突き出ている。おへその窪みもくっきり解る。 こんなに薄い衣装で縛るから身体の凹凸がはっきり出るのか。 縄で締まる女体、ものすごくエロい。
「はぁ・・」 作業を見ていた琳琳さんが溜息をついた。少し震えているようだった。 知里さんが黙って横から琳琳さんの手を握った。 梢ちゃんは身動き一つしない。目だけが酒井さんたちの手の動きを追っている。
やがて多華乃さんと仁衣那さんは背中合わせで繋がれ、そのままカーペットにお尻をついて両脚を胡坐で縛られた。 新しい縄を二人の口に噛ませながら二周、三周。 ぐるぐる巻いて押し付け合った後頭部が離れないようにした。 最後は二人の頭に巻いた縄に別の縄を直角に掛けて絞る。これは酒井さんの指導でれいらちゃんが施した。
「完成です」 カーペットごと引きずって、多華乃さんと仁衣那さんを窓際へ移動させる。 二人の髪をれいらちゃんがブラシで整えた。 「しばらく置物にしましょう」
ほぇ~。 思わず唸ってしまった。 置物にされるって、どんな気持ちだろう。 隣に座る一年生の高浦さんと目が合ってお互い苦笑した。 高浦さんも初めて生の緊縛を見たんだろうな。僕と同じだ。
・・
「次は、岩淵さんと梢ちゃんに被虐を体験していただきます」 酒井さんが言った。 「岩淵さんはこちらの小谷が担当します。梢ちゃんは僕がお世話するね」
琳琳さんがびくっと震えた。 その後ろに小谷さんが立つ。 「両手を後ろで組んでください」「・・はい」 おそるおそる回した手に縄が掛かった。 「あ・・、っ」 上半身を縛った後、うつ伏せに寝かせて膝と足首を縛る。さらに足首の縄を背中に繋ぐ。 「あ、あ、あぁ、・・」 可愛い声で囀る琳琳さん。まるで歌っているみたいだった。 アイドルソングを元気に歌う時とは全然違う声だったけれども。
梢ちゃんは急に慌て始めた。 「あ、あの、ウチ!」 急に立ち上がって酒井さんに頭を下げる。 「お、お世話になりますぅ!」 「座ったままでいいよ」 「そやっ。ウチの母ちゃ、母もよろしくお願いします言(ゆ)うてました!!」 「お母さん?」
「梢ちゃん、可愛い♥」「本当♥」知里さんとれいらさんの声が聞こえる。
「落ち着いてね。不安なら目を閉じていたらいいよ」 酒井さんはそう言うと縄を持って梢ちゃんを縛り始めた。 「はぁ~っ」 両手を腰の後ろで緊縛。その後椅子に座らせて背中と足首を緊縛。 「あーっ、動かれへん!」 部屋じゅうに聞こえる声で梢ちゃんが叫んだ。 「動かれへんっ、動かれへん! ウチ、縛られてるぅー!! ・・そや写真!」 急に周囲をきょろきょろ見る。 「誰かっ、誰でもええからウチの写真、撮ってくださーいっ。こんなん一生の宝モンやんかー!」
窓の方から「ブファっ」「ンファファっ」という音が聞こえた。 多華乃さんと仁衣那さんが縄の猿轡の下で拭き出した声だった。
・・
れいらちゃんが縄を持って来た。 「畑本くん、体験してみる?」 僕も? 「あたしに縛られるのが嫌だったら、酒井さんか小谷さんが縛ってくれるけど?」 そんなことはないよ。
僕はれいらちゃんに縛ってもらうことにした。 手首を後ろで縛られる。 胸に縄が回された。手首が吊り上がる感覚。 胴と腕の間に縦に通した縄を絞られた。 きゅ。 「うわ」 全部の縄が締まって上半身が固められた。 動けない。動けないけど痛くない。 「どう?」 「すごいよ!」 れいらちゃん、縄師じゃないか。
「高浦さんはどうですか?」 れいらちゃんは1年生の高浦さんにも聞いて縛り始めた。 酒井さんや小谷さんに負けないくらい、れいらちゃんの緊縛は手早く見えた。 「動けないよ!」 高浦さんも驚いている。
初めて味わう感覚だった。 イリュージョンで使う拘束具、手錠や枷なんかとは全然違うと思った。 縄ってすごいな。
12. みんな縄を解いてもらって、体験緊縛は一旦休憩になった。 多華乃さんと仁衣那さんは緊縛を解かれた後しばらく立てなかった。床に手をついて身を震わせている。 泣いてる? ちょっと違う。 二人とも、満ち足りていて、とてもエッチな気持ちに溢れている。 「軽い縄酔いだから心配ないよ」酒井さんが言った。
なわよい? 初めて聞く言葉だけど、多華乃さんと仁衣那さんを見ていて何となく想像はついた。 一度縛られたら解いてもらった後も気持ちいいんじゃないか。まるでお酒に酔ったみたいに。 縄酔いの多華乃さんと仁衣那さん、何となく昼間のイリュージョンでドラム缶から脱出したときに似ていると思った。 そういえば知里さんが言ってたな。 多華乃さんと仁衣那さんはあのイリュージョンで苦しい思いをしたはずだって。 そんなイリュージョンをやったら女の子はエロくなる、とも。 さっきの緊縛も同じなんだろうか?
もう一度知里さんと話したいと思った。 知里さんの姿を探したけど部屋にいない。お手洗いかな?
「将司く~ん♥」 仁衣那さんが這い寄って来て僕の膝に乗った。 「うわ」 「ごめんねー、何だかんだお世話になって」「別にお世話してませんけど」 「そんなことないよー。昼間わたしを抱っこしてくれたでしょ。今もほら、抱っこ♥」 両手で抱きつかれた。 唇を突き出してキスしようとするので必死に逃げる。 れいらちゃんと梢ちゃんがこっちを見て笑いこけているのが見えた。 「に、仁衣那さん! どーしてそんな急にハイになるですか。さっき立てなかったくせに」 「許せ少年そういう癖(へき)の女じゃ、きゃはは」
「今の仁衣那ちゃん、調子に乗ったら何でもしてくれるわよ♥」 いつの間にか多華乃さんが傍にいて言った。この人も縄酔いから復活したみたいだ。 「あら先輩、もう大丈夫?」 「ごめんなさいね。私、あなたより繊細だから」 む。 仁衣那さんの顔が一瞬強張り、それからにやあっと笑った。 「・・わたしをこんな女にしたの、多華乃さんと功さんなのに」 「その言い方、高校生の彼が誤解するんじゃない?」
二人の顔がぐっと数センチの距離まで近づいた。 一瞬女同士でキスするのかと驚いたけどそんなことはなく、仁衣那さんが多華乃さんの肩に右手を当てただけだった。 その肩に刻まれた模様。うわ、縄の痕だ。 仁衣那さんの手首と多華乃さんの肩に縄の痕があった。 二人のキャバ服からむき出しの肩、二の腕、手首のそこかしこにも縄で縛られた痕がある。 柔らかい肌に縄の刻み目。 エロ過ぎるよ。これは。 緊縛って、女性を何もかもエロくするんだなぁ。
「・・パンツ脱ぐなんてシナリオになかったのに、あれは将司くんを誘惑したんですか? 多華乃さん」 「そんなつもりはないわ。ただ彼が可愛かっただけよ」 「それを誘惑って言うんですよ」「うふふ」 僕がお二人のエロに感動しているのに、まだしょーもないマウント取り合ってるんですか。
「多華乃さんって可愛い男の子が好きですよね。功さんもああ見えて実は可愛いし」 「仁衣那ちゃん人のこと言う前に早く彼氏見つけなさい」 「ぐわぁっ」 仁衣那さんがのけ反った。 「人が気にしていることを~っ」 「確かもう25だっけ?」「ああああ~!!」
あれ、25? 計算が合わないぞ。 24だと思ってたのに。 「すみません、仁衣那さんは大学出て2年ですよね。なのに25って」思わず質問してしまった。 「あれ、畑本くん知らないの?」「ああっ。言わないでぇ~っ」 「うふふ。ちょっと道草しちゃったのよ彼女」「え、と、いうことは」 「お慈悲を、お慈悲を~、多華乃さまぁ」 「遊び過ぎて留年したのよね、仁衣那ちゃん」「あらら」 「うわーん」 多華乃さん、普段はMなのにこういうときはSなのね。
・・
休憩タイムが済んで、次は占野さんと八代さんの2年生男性コンビが多華乃さんと仁衣那さんを縛り始めた。 亀甲縛り、は難しいから菱縄という縛り方に挑戦するみたいだ。 小谷さんがつきっきりで指導している。
琳琳さん、高浦さん、梢ちゃん、そして僕の初心者グループはれいらちゃんから "本結び" という縛り方を教わった。 緊縛の世界では腕や足首を縛るときの基本中の基本ともいえる手順らしい。 れいらちゃんが自分の足首を縛ってみせ、それを見本に各自がそれぞれの足首を縛った。 「じゃあペアを組んで、お互いの手首を縛って下さい」 女の子を縛れる! ・・と思ったら、すぐに琳琳さんと梢ちゃんがペアになって縛り始めてしまった。 僕と高浦さんは顔を見合わせて苦笑する。・・男同士で、縛る? れいらちゃんがす��に察して申し出てくれた。 「縛るなら女の子がいいよね。じゃあ、あたしの手首を順にどーぞ!」
・・
酒井さんが来て言った。 「まだ時間があるから、梢ちゃんと岩淵さん、もう一度縛ってあげようか」 「うわーい!」「お願いします!」
酒井さんの緊縛はとても速かった。 梢ちゃんと琳琳さんをそれぞれ後ろ手に縛る。 二人を隣り合わせで床に膝を崩して座らせた。 梢ちゃんが右側、琳琳さんが左側。足を崩す方向も梢ちゃんは右側、琳琳さんは左側。 やや小柄な梢ちゃんが琳琳さんに甘えているようにも見える。 酒井さんは二人の背中に縄を足して連結した。 梢ちゃんと琳琳さんは互いに横座りで体重をかけ合っているから立てない。 下半身は自由なのに立てない。
「どこか痛いかな?」「いいえ」 二人は首を横に振った。 「君たちの身体のどこにも無理はかけていないはずだよ。どこも痛くないのに拘束感だけはある。・・そんな感覚をしばらく楽しむといいよ」 酒井さんは白布の目隠しを二人に掛けた。
・・
梢ちゃんと琳琳さんが目隠しで過ごしたのは15分くらいだと思う。 その間に酒井さんがやったのは僕も予想外のことだった。 目隠しを外されて、二人は叫んだ。 「えっ、れいらさん?」「れいらちゃん!!」
れいらちゃんが正座で縛られていた。 衣装は作務衣のまま。 後ろ手の縛りは一見似ているけれど、両手が背中の高い位置で直角に交差していた。 女の子ってこんな姿勢で平気なのか。 下半身は脛と太ももをまとめて縛られていて、正座の姿勢から動けないようになっている。
「えへへ、イッくんにお願いして即興で縛ってもらったの」 れいらちゃんは明るく笑って言った。 「あたしも梢ちゃんや琳琳さんと同じ仲間だよ」
僕はれいらちゃんから目を離せなかった。 縛る方と思っていたれいらちゃんが縛られている。衝撃で心臓が止まりそうだった。 作務衣姿で笑顔だから、普通に考えたらエロいはずがない。 エロくないのにドキドキする。どうしてだろう。 れいらちゃんが縛られている。自由を奪われて、それなのに笑ってる。 それだけで興奮するのは何故だろう。
・・
「ねぇ会長は?」 「あれ? そういやどこ行ったんだろう」 緊縛体験会が終わる頃になって、知里さんがいないことに皆が気付いた。 バスルームや2階の部屋を探しても見つからない。
「・・誰を探してるの?」 酒井さんがのんびり聞いた。 「だからさっきから知里さんがいないんですよ!」 「朝比奈さんなら外にいるけど?」 え?
全員で外に出た。 コテージ正面のテラスに昼間のドラム缶が置いたままになっている。 その頭上、木の枝に取り付けられた滑車。 そこから全身をがんじがらめに縛られた知里さんが吊られていた。
白いシャツと素肌が夜目に浮かび上がる。 仰向けで半ば逆さ吊り。 膝で折って縛られた太ももと脛に食い込む縄が痛々しい。 両脚の間の縄、あれ股縄っていうんじゃなかったかな。 くしゃくしゃになった顔で喘ぎながら振り子のように揺れる知里さん。
「かなり手間かけて縛ったんじゃない? イッくん」 れいらちゃんが聞いた。 「そうだね。僕一人で30分くらいかかったかな」 「いつ?」 「休憩のとき。一緒に抜け出して吊ってあげたんだよ」 酒井さんが説明した。 「朝比奈さんの希望は "吊り" だったんだ。食堂は吊り床がないからここへ来て。そうしたら、ドラム缶に逆さ吊りで沈めて欲しいって言い出されて、いくらなんでもそれは危険だから・・」
「わあ~!!!」 上の方から声がした。 「酒井さんっ。そこから先は言わないでぇ~」 無残な宙吊り緊縛で苦しんでいるとは思えない、大きな声だった。
「知里会長、僕らが思ってた以上にドMだった」 副会長の占野さんがぼそっと言った。他の1~2年男子も頷く。
「いいなぁ、次はアタシも吊って下さいってお願いしようかな」 琳琳さんが言った。隣で梢ちゃんがうんうんと頷く。
「イサオったら、"吊り" なんて私には長いことご無沙汰なのに」 多華乃さんが文句を言った。れいらちゃんがまあまあと慰める。
「あれ? あそこにいるの、知里ちゃん?」 仁衣那さんが初めて気が付いたみたいに言った。 誰もフォローしないから仕方ないので僕がズッこけてあげた。
13. ベッドに入って眠ろうとしたけど眠れなかった。 頭の中に浮かんで消えないのは、ドラム缶イリュージョンの多華乃さん仁衣那さんではなく、宙吊り緊縛の知里さんでもなく、ぜんぜんエロくない作務衣で緊縛されたれいらちゃんだった。
1階に降りてくるとダイニングの灯りが点いていた。 同好会の人たちが人体出現椅子を囲んで何か相談していた。 ダイニングの仕切り衝立(ついたて)を持ってきて、その手前で椅子を何度も左右に押して動かす。
・・分かった。酒井さんのムチャ振りだ。 出現椅子の新しい使い方を考えなさい。 皆さん大変だな。 邪魔する訳にいかないから僕はそのままコテージの外に出た。
・・
森の中に遊歩道があった。 ところどころ照明灯が点いていて歩き易かった。 「畑本くん!?」 れいらちゃんがいた。 小さなタンクトップとショートパンツ。素足にサンダルを履いているだけ。 何その可愛い恰好。
「れいらちゃん、こんなところでどうしたの?」 「梢ちゃんがぐっすり寝ちゃったのよ。今夜はいっぱいお話ししましょって言ってたのにね。・・それで冷たいモノ飲もうと思って降りてきたら同好会の人たちがいるでしょ。仕方ないから出てきたの」 「僕もそんな感じ」 梢ちゃんとれいらちゃん、同じ部屋に泊ってるんだね。
「梢ちゃん、疲れたんだろうね」 「そうね。人生で一番衝撃的な体験をしたと思うわ、彼女」 「聞いてもいいかな。梢ちゃんはどうして体験緊縛なんて」 「あれはね、梢ちゃんが手首のイリュージョンで頑張ったご褒美なの」 「意味が分かりません」 「イッくんを通して出演頼まれたときにね、縛ってくれるなら出ますって言ったのよあの子。・・イッくんの特技が緊縛だって、どこで気付いたのかしら」 「中学3年生を縛ってもいいの?」 「いけない理由って何かある? あたしの初体験は中2だったよ」 え、えええっ。 「あ、誤解しないでね。初体験ってのはキンバクのことだから」 そんな補足されたら、かえって誤解するじゃないですか。
「そんな訳で、梢ちゃんのご両親に体験緊縛のお話したらすぐに了解して下さって」 「り、理解あるご家族だね」 仁衣那さんとバーベキューに行ったら緊縛されたって、オヤジとオフクロに報告したらどんな顔するだろう?
「梢ちゃんのお母さんもすごいのよ。初めて男の子から縛ってもらったのは中学3年のときだったわって」 「それ向こうから教えてくれたの?」「そうよ。オープンなお母さんだわ」 「それは梢ちゃんも知ってるの?」 「もちろんよ。ウチも一緒や!って喜んでたわ」
・・
深夜の遊歩道を並んで歩いた。 こんな可愛い女の子と出会ったその日の夜に二人きりで歩いている。でき過ぎの展開じゃないか。 もう手くらい繋いで、いい雰囲気になって、それから。
「畑本くん、あたしのことどう思った?」 「えっ。そりゃ、明るくて可愛くて」 「違うよ。縄で男の子縛っちゃうような女のことどう思うって聞いたの。・・引いた? やっぱり」 「そんなことはないよ。いきなりだったから驚いたけどね」 「よかった。これでも変なことやってる自覚はあるから、嫌われても仕方ないとは思ってるの」 「・・あのさ、れいらちゃんってドSなの?」 酒井さんみたいに。 「へっ? あたしがドエスぅ!?」 れいらちゃんが目を丸くした。 いけね。またド直球で聞いてしまった。
「ごめん、からかうつもりはないんだ」 「いいよ。あたしは緊縛に興味があるだけだからSにもMにもなるよ。縛るならイッくんみたいに格好良く縛りたいし、縛られるなら多華乃さんみたいに色っぽく縛られたい」 「緊縛って僕にはまだ分からないな。全然動けなくてすごい技術だと思うし、多華乃さんや知里さんの緊縛見て超エロいとも思ったけど」 「酒井さんが感心してたわよ。畑本くん、"イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立する" って言ったんだって?」 そんなこと言ったっけ? ・・あ、仁衣那さんのセリフ。 「素敵よね。そんな風に言える畑本くん、きっと素質があると思うわ」 「酒井さんにも同じようなこと言われたよ。でもイリュージョンと緊縛は全然違うでしょ」 「そりゃエンタメとプライベートパフォーマンスだもんね。あ、これイッくんの受け売りだから突っ込まないでね」 「?」 「目的は違ってもやってることは似てると思わない? どっちもだいたい被虐の役目は女性だし」 「そう言われればそうだけど」
れいらちゃんは急に立ち止まってこちらを向いた。ものすごく距離が近かった。 どきんとした。 「ほら!」 手首を前で合わせ僕に向けて差し上げた。まるで縛られているみたいに。 「本結びの練習であたしの手首縛ったでしょ? ドキドキしなかった?」 「した」 「あたしもドキドキしたんだよ。"縛るなら女の子がいいよね!" なんて今思い出すだけでも赤面することよく言ったと思う」 薄暗がりの中でれいらちゃんの頬が赤くなっているのが分った。 何となくれいらちゃんの言いたいことが解った気がした。
「その役目って、同好会やOBの人たちには普通のことなんだね。女性の方も嫌がってないし、むしろ楽しんでやっている?」 「うん。それが水中脱出でも、縛られて置き物にされることでもね」 「エロくなっちゃうよね」 「なっちゃうねー。だからだいたいマゾに目覚めるし、元々マゾの人はもっとこじらせちゃう」 「それが知里さん?」「仁衣那さんとか」 「多華乃さん?」「あの人はJ大でイッくんと出会う前から超ドM」 「ははは」「うふふ」
・・れいらちゃんは? 聞きたかったけど、面と向かって聞くと引っ叩かれそうな気がしたので止めた。
くしゅんっ。 れいらちゃんがくしゃみをした。 「夜中に薄着過ぎるんじゃない?」 「えへへ、そうかも。・・今何時かしら?」 「分からない。スマホ持って来なかったし。そろそろ戻ろうか」 再び並んで歩き出した。 れいらちゃんの肩がさっきより近いような。
「ね、畑本くんはお付き合いしてる人いるの?」 え、れいらちゃんから聞いてくる? 「��ないよ。れいらちゃんは?」 「あたしもいないわ。・・大学に入ったら一緒にイリュージョンやってくれる彼を見つけるつもり」 「それ、僕のことじゃない?」 「あ、言われてみれば」
「僕はれいらちゃんとイリュージョンをやりたい。��井さんみたいにオリジナルのイリュージョンを作って」 「オリジナル? 畑本くん、あんなすごいの作れるの?」 「それは分からないけど、やってみたいんだ」 「よぉし頑張れ! できたらあたしが一緒にやったげる。・・酷い目に会う役でもいいよ」 「なら逆さ吊りで火炙りとか」 「ばか。死んじゃうでしょ」
れいらちゃんが笑った。 おお、いい雰囲気じゃないか。これはもう肩抱いても。 手を伸ばそうとしたらするっと逃げられた。
「こら。男の子ってすぐにこうなんだから」 「メンボクないです」 「じゃあ手だけ繋いであげる」 「やった」「現金ねぇ」 「素直なのがよいと知里会長にも評価していただきました」 「何それ、あはは」
14. コテージの前でれいらちゃんと別れた。 ダイニングでは同好会の人たちがまだ練習をしているようだった。
僕もやって見せたいな、イリュージョン。 立ち止まって考えた。 体験緊縛で習った縄。 頭の中でアイディアを整理する。
・・
酒井さんと小谷さんは駐車場にいた。 あのバンタイプの軽自動車の脇に小さなテーブルと椅子を置いてランタンの灯りでお酒を吞んでいた。
傍に行くなり酒井さんに言われた。 「れいらちゃんと一緒にいたね」 見られちゃったか。もしかして手を繋いだところも? 「心配無用。我々は誰にも漏らさないから」小谷さんにも言われた。 「まあ、梢ちゃんあたりに気付かれないようにね。あの子やたら勘がいいから」 「・・心得ました」
「それで何か用?」 あ、そうだった。 「僕もイリュージョンやっていいですか?」 「え」「ほう」 二人が身を乗り出してきた。
緊縛の縄を1本借りれますか。7メートルくらいの柔らかい縄があったら嬉しいんですけど。 「10メートルの綿ロープがあるから切ってあげるよ」 針金のクリップ2~3個。できるだけ太目のやつで。あとラジオペンチを貸して下さい。 「クリップってゼムクリップ? 工具箱に入ってるかな」 最後にもう一つ。本結びを習いましたけど全然自信がありません。もう一回特訓してもらえませんか? 「もちろんいいよ」
本結びで誰を縛るつもりでいるのか、酒井さんにも小谷さんにも聞かれなかった。 もうバレバレだとは思うけど。
[Part.5 ワークショップ2日目] 15. ○ チェア・アピアランスのバックステージ 明朝。 朝食の後、知里さんたちによるイリュージョンの発表があった。 お題は "チェア・アピアランスの新しい使い方"。
1階ダイニングに現役メンバー5人が整列する。 ステージ衣装を用意していないから、バーベキューのときと同じ服装だった。 僕たち観客は手前で一列に座って見ていた。その真ん中で酒井さんが腕組みをしている。 知里さんが挨拶した。 「バックステージ(backstage)というカテゴリのイリュージョンがあります。今皆さんは舞台の奥にいてイリュージョンを後ろから見ています。向かい側に仮想の客席があると思って下さい」 自分の後ろを手で示した。 「客席から見えない秘密が皆さんにだけ見える。・・それではチェア・アピアランスのバックステージイリュージョン、よろしくお願いします!」
2年の占野さんと八代さんがチェア・アピアランス=人体出現椅子を押して来た。 知里さんが足を組んで座る。その上から大きな黒布。 数秒後、黒布を外すと知里さんは消失していた。 占野さんと八代さんは椅子を左側に押して行き、僕たちの反対(=仮想客席がある側)を向けて置いた。 僕たちからは椅子の背中が見えるだけになった。
・・
琳琳さんが出てきた。腰に手を当ててお尻をくねくね振りながら歩いている。本人はモンローウォークのつもりなんだろう。 ステージ中央で立ち止まると僕たちにお尻を向けて(=仮想客席を向いて)手を振る。
高浦さんがダイニングの仕切り衝立を運んできて、琳琳さんの向こう側(=仮想客席の側)に立てた。 衝立の高さは2メートルくらい。 僕たちからは琳琳さんの後ろ姿が丸見えだけど、仮想客席からは衝立の陰になって見えない想定だ。
・・
左側にあった椅子を占野さんと八代さんが押して出てきた。僕たちからは相変わらず椅子の背しか見えない。 衝立の手前(仮想客席から見ると衝立の陰)に椅子を停める。 その直後、椅子の背もたれの陰から知里さんが立ち上がった。 交代して琳琳さんが背もたれの陰に入って消える。 占野さんと八代さんは椅子を押して右側に移動して行った。 ほんの数秒の交換だった。
高浦さんが衝立を外し、知里さんが(仮想客席に向かって)手を振る。 仮想客席からは琳琳さんが消失して知里さんが出現したように見えるはずだ。 再び衝立が戻されて、知里さんを(仮想客席から)隠した。
・・
右側にあった椅子が押されて戻って来た。 衝立の手前(仮想客席から見ると衝立の陰)で椅子を停める。 今度は椅子から琳琳さんが立ち上がり、椅子の中へ知里さんが消えた。 椅子は再び左側に押されて移動する。 高浦さんが衝立を外し、琳琳さんが(仮想客席に向かって)手を振った。 さっきとは逆の交換だった。
・・
占野さんと八代さんが三たび椅子を押して出てきた。 衝立は脇に退けたままだから、適当な場所に椅子を停めた。
椅子に黒布が被せられた。 脇に立っていた琳琳さんが駆け寄って椅子を指差す。 布を外すと・・、 「じゃーん!」 そこに座ってポーズをとっていたのは知里さん、じゃなくて梢ちゃんだった。
・・
酒井さんが立ち上がって拍手した。 他の観客・・小谷さん、多華乃さん、仁衣那さん、れいらちゃんと僕も拍手した。 観客の中に梢ちゃんがいないのは最初から分かっているから、ラストで梢ちゃんが出現したこと自体には驚かない。 それでも拍手したのは、イリュージョンとして素晴らしい出来だったからだ。 これなら実際のステージでも通用するんじゃないかな。
「えっと、講評の前に、」 酒井さんが椅子を指差して聞いた。 「よく二人も入れたねぇ」 「梢ちゃんとなら入れるんです。アタシと知里さんじゃ無理でした」琳琳さんが説明した。 「えへへ。ちっちゃい女の子が要るときはいつでも使(つ)こて下さいっ」梢ちゃんがおどけて言った。
「朝比奈さんはどうしたの?」 「あれ?」「会長っ」「知里さん!」 現役メンバーが椅子を開くと、知里さんが中で動けなくなっていた。 「ふにゃぁ~」 「大丈夫ですか?」 「成功したと思ったら、腰が抜けて」 「じゃ、そこでそのまま聞いてくれるかい」 「ふわぁい」
酒井さんが講評する。 「チェア・アピアランスのスピード感とバックステージの面白さ。両方を楽しめる素晴らしいイリュージョンだったよ。同好会連合の交流会辺りでやったらウケると思う。ただし通常のステージに出すのは難しいかもしれないね」 え、駄目なの? 「このバックステージのコアキャラクターは椅子そのものと二人のアシスタントだね。観客がその動きを追ってくれることが前提になっている」 皆が頷いた。 「だから最初の朝比奈さんの消失シーケンス。あれは "消失" ではなく椅子の内部への "移動" だと客が自然と思うように仕向けなけばならない」 「そうか。僕らは当たり前のように "移動" と捉えてた」占野さんが呟いた。 「その通り。チェア・アピアランスは最近よく見るとはいえ、まだまだ新しいイリュージョンだよ。椅子に腰かけた美女が一瞬で消える。それだけで驚く客が大半だろう。その先まで考えるのはプロかマニアだけじゃないかな」 「それなら、布で隠さずに椅子に入ったら?」高浦さんが聞いた。 「そんなシーンを見せるのはオリジナルのチェア・アピアランスに対して敬意がないと思うね、僕は」 酒井さん、厳しい。でもその通りだ。 「アイディアはあるよ。椅子の背中に丸い穴を開けて朝比奈さんが手を出して振るんだ。それなら中に女性が入っていることは誰にでも理解できるし、椅子に入る方法そのものは秘密にできる」 ああ、なるほど。それなら。 「でもね。それをはっきり見せてしまったら、次に普通の人体出現や消失で驚けると思うかい?」 「無理でしょうね」
「・・整理しよう。このバックステージの面白さは、椅子に潜む女性の姿は見せず、出入りを後方から見せることでお客を騙すところにある。だから最初に女性が椅子の中へ移動するシーケンスは欠かせない。でもそのシーケンスを理解してもらうのは容易でない」 「ダメかなぁ」八代さんがぽつりと言う。 「僕は決してダメ出ししてる訳じゃないよ。本当に面白かったし、現役諸君がこれを一晩で考えてくれたことを賞賛するよ。・・ただ、あのバックステージは少し未来に行き過ぎてる。そう感じただけなんだ」 「その未来は、いつでしょうか?」 琳琳さんが聞いた。 「申し訳ないけど、分からない。・・あの "あたまグルグル" とか "ウォーキングテーブル" くらい誰でも解るようになったとき、かな」 「その二つ並べるんですか」 「僕はウォーキングテーブルについてはそろそろ次のブレークスルーが欲しい段階と思っていて、その理由はあれ見て大げさに悲鳴上げる観客がスタジオ収録のマジック番組だけになったから、なんだけど」 「イッくんその発言ヤバいからもう止めよう」
・・
知里さんの救出は難航した。 本当に力が入らないらしくて、男性二人がかりでようやく引っ張り出してあげることができた。 「ふにゃあ、私このままでいい~」 「しっかりして知里さん!」 「もう、私、何されてもいいよぉ」 「会長いつの間にドMモード」
知里さんが平静を取り戻すまで30分くらいかかった。 その間に次のイベント "ドラム缶水中脱出のタネ明かし" の準備が進められたのだった。
16. ○ ドラム缶水中脱出 タネ明かし 正面テラスのドラム缶は水を入れ替えて再び満水になっていた。 酒井さん、小谷さん、そして多華乃さんと仁衣那さんがその前に立つ。 多華乃さんと仁衣那さんは昨日と同じセクシーなマイクロビキニ。
「今日は不要な演出を止めて、閉じ込めと脱出のプロセスだけを再現します。近くて見てもらって構わないよ」 酒井さんが言って全員がドラム缶の傍に集まった。 「これはUSBの水中カメラ」 酒井さんは小さな装置を皆に見せた。長いケーブルの先に丸いカメラが付いている。 「直径2センチ、長さ2センチ。レンズの回りにLEDが点くから暗くても撮影できるよ。これに磁石をつけてドラム缶の内側に貼れるようにした。ケーブルの取り回しが面倒だけどね」 水の中にカメラを入れてドラム缶の内側に貼った。 「こんな風に見える」 ケーブルを繋いだタブレットに映像が映った。水面から射す光に照らされてドラム缶の内部が明るく映っている。
「じゃあ、早速始めよう」 多華乃さんと仁衣那さんが水に入った。 前みたいにロープにぶら下がって入ることはなくて、酒井さんと小谷さんがさっと抱き上げて入らせてしまった。 また仁衣那さんを抱っこさせてもらえるのかと一瞬期待したけど、仕方ない。
溢れた水が周囲に流れた。 多華乃さんと仁衣那さんがドラム缶の中に立ってい��。 「昨日と違うのが分るかい?」 昨日と違う? 前回の光景を思い出そうとしたけど分からなかった。
「あ!」叫んだのは梢ちゃんだった。 「お腹が見えるっ。前はもっと沈んでました!」 え、そうだったっけ?
「その通り。前はこうだったんだ。・・やってくれるかい」 「うふふ」 多華乃さんと仁衣那さんが妖しく笑った。 互いに抱き合って胸を押し付け合う。 二人の背がすっと低くなった。 ドラム缶の縁からさらに水が溢れる。
ああ! 皆が声を上げた。 思い出した。胸の谷間を洗う波。
「せめて将司くんには気付いて欲しかったなー」仁衣那さんが言った。 「わざわざサービスしてあげたのに」 「も一回、脱いだら?」多華乃さんも言う。 「そうね、やっちゃおっか♥」
「あ、それは止めてくれるかな。また皆の目が惑わされてしまう」 「皆の目じゃなくて男性の目でしょ?」れいらちゃんが突っ込む。 「いいえ、私も惑わされました。仁衣那センパイのおっぱいが立派過ぎて」 「知里さんもですか? アタシも」「ウチも」 この同好会、女同士でこんな会話が多すぎるぞ。
「・・ええっと、」 酒井さんが続ける。調子が狂ったようだ。 「まあ、もう分かったと思うけど、前回は膝を折って屈んでたんだ。そうしなければならない理由は」 「上げ底なんですね」占野さんが指摘した。 「その通り��まっすぐ立ったら底が浅くなっているのが分ってしまうからね」
このドラム缶の深さは約 120 センチ。しかし 30 センチ底上げされていて実際の深さは 90 センチだという。 その 30 センチの部分は? 「金属の容器が置いてあるよ。中身は空っぽで入っているのは空気だけ。水圧で潰れないよう補強して底板にボルトで留めてある」
酒井さんは水中カメラを外して多華乃さんに持たせた。多華乃さんがカメラを底まで沈める。 タブレットの画面に多華乃さんと仁衣那さんの足元が写った。 水中で組み合わさった膝と足先、丸いお尻も見えている。 そして底に小さなペダルがあった。
「0.5 秒だけ押して」「はい」 多華乃さんが身を沈め右手でペダルを押した。 ぼこ。 卓球の球くらいのサイズの泡が浮かび上がった。 「ペダルを手で押すか足で踏むかすると、容器の栓が開くようになってる。栓が開いている間は水が流れ込み、同じだけ空気が出てくるんだ」 「その容器に空気はどれくらい入ってるんですか?」占野さんが質問する。 「だいたい 100 リットルだね」 「100 リットルの空気で呼吸できますか?」 「密室に 100 リットルの空気だけで二人が生きていられるかという質問なら答えはノー。前に調べてみたんだけど酸素濃度の低下と二酸化炭素濃度の上昇が原因でほんの2分くらいで呼吸が苦しくなる。4~5分で命の危険が生じる」 それじゃ無理じゃないか。 「この容器の目的は呼吸のための空気を提供することじゃないんだ。水を流し込むことでドラム缶内部の水面を下げることなんだよ」
酒井さんは多華乃さんから水中カメラを受け取ると、ドラム缶の内側に再度貼り付けた。 カメラのケーブルを蓋の手首用の穴に通しタブレットと再接続した。
「ここから先は実際にやって見せよう」
・・
多華乃さんと仁衣那さんが大きく息を吸って水の中に頭を沈めた。 上から蓋が閉められる。 蓋の穴から付き出された二人の左手に手錠を掛ける。 さらに蓋にバンドと南京錠を取り付けた。
「カメラの映像を注意して見ていてね」
タブレットの画面に多華乃さんと仁衣那さんが写った。 フィルター越しに撮ったみたいな青みがかった映像だった。 水中撮影だとすぐに思い出した。
二人は抱き合った互いの肩に頭を乗せてうずくまり、左手だけを真上に上げていた。 多華乃さんの顔が見えた。目を閉じてじっと呼吸を我慢している。 仁衣那さんの顔は陰になって見えない。
「・・案外狭いな」占野さんと八代さんが話している。 「上下 90 センチでしょ? 横はドラム缶の直径 80 センチだもの。ほとんど動けないわ」知里さんも言う。
ぽこぽこ浮かび上がる泡が見えた。 多華乃さんか仁衣那さんのどちらかが容器のペダルを踏んでいるのだろう。 泡は二人のお腹に当たり、そこから胸と肩を伝ってさらに上へ浮かんで行く。
画面の上方に水面が見えた。 さっきは水面なんてなかったのに。 その水面がゆっくり下がって多華乃さんと仁衣那さんの後頭部に掛かった。 なるほど、下の容器に水が流れ込んで水面が下がっているのか。 酒井さんの言った意味が分かった。
水面が下がって顔面が、いや鼻か口さえ水の上に出たら、後は呼吸ができる。 狭いドラム缶の中でも手首の穴の空隙から新鮮な空気が入ってくる。 それまで頑張れば窒息して死ぬことはないんだ。
ぽこぽこ浮かび続ける泡。 仁衣那さんが右手をぎゅっと握った。 二人の顔面はまだ水の中だ。 しまった、時間のチェックを忘れてた。 多華乃さんも仁衣那さんも、水中に沈んでから一度も呼吸をしていない。許されていない。
ゆっくり、ゆっくり、水面が下がる。 うつ伏せの顔面の端から空気に触れる。 多華乃さんが眉を寄せている。鼻と口はまだ水の中。 頭を捩じる。どうにか口が水面に出た。 わずかに空気を吸う。
顔が水面に出た。 二人の肩が揺れている。苦しそうだ。 多華乃さんと仁衣那さん、どれくらいの時間苦しんだろう。
「・・容器の空気が水と入れ替わって満タンになるまでの時間は容器の栓の直径で決まるんだ。直径 10 ミリだと 820 秒かかるけど、50 ミリなら 30 秒くらいで済む。通り道が広い方が速いということだね」 酒井さんが説明してくれた。 「じゃあ、できるだけ大きな栓にしてるんですね?」知里さんが聞いた。 「逆だよ。できるだけ小さな栓にしている。今使ってるのは直径 20 ミリで 205 秒」 「3分半? どうして!?」 「鼻口が水面に出るまでの時間はその半分くらいだよ」 「それでも・・」 「美女が苦しむ時間は長い方がいいと思わないかい?」 「!」 知里さんの顔色が変わった。
「絶対安全な方法なら外から空気管を引いて咥えればいい。でもそれは安易過ぎるとみなすのが僕の美学なんだ。・・イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立する」 酒井さんはドラム缶の上に出た多華乃さんと仁衣那さんの手を取った。 「幸い、ぼくの美学に賛同してくれる美女が今もこの中で頑張ってくれている。・・朝比奈さん、」 「は、はい」 「誰かが僕のことをドSと言ったみたいだけど、僕が見る限りそのドSが考えたイリュージョンに君も賛同してくれていると思うな」 「あ・・」
「公開調教♥」僕の隣でれいらちゃんが言った。 「嬉しそうだね。れいらちゃん」 「だって知里さんドMだって、みんなもう知ってるじゃない」 「そりゃそうだけど」
「・・はい、苦しい役、私も興味・・あります」 「OB会に入ったら是非、ね」 「はい」 知里さん、チョロい。
・・
ドラム缶の中では多華乃さんと仁衣那さんの肩まで水面が下がった。 「下の容器が満杯になったとき上端から水面まで約 40 センチ。ここまで下がれば隠し扉が水の上に出るよ」
酒井さんはドラム缶をノックした。 蓋の上にで出た多華乃さんと仁衣那さんの手が振られた。 その手首には手錠が掛かったままだ。
「では脱出のプロセスに移ります。映像をよく見ていて下さい。・・ワン、ツウー、スリー!」 二人が手を引き下げた。 ドラム缶の蓋に大きな穴が開いて、二人は手錠で繋がったまま手を下げたのだった。
多華乃さんが仁衣那さんの左手の手錠を解錠した。 同時に仁衣那さんが右手で隠し扉を開ける。 隠し扉はドラム缶の内壁に沿ってスライドするように開いた。 仁衣那さんが隠し扉を抜け出た。外で小谷さんが仁衣那さんを受け止める! すぐに多華乃さんが自分で手錠を解錠した。 隠し扉から脱出した多華乃さんを酒井さんが受け止めた・・!! ドラム缶の前に並んだ4人に皆が拍手した。
「いくつか補足説明します」 酒井さんが手錠を見せた。 多華乃さんと仁衣那さんが掛けられた手錠だった。 「これは本物だから引っ張っても外れない。だから細工するのは当然蓋の側になる」 ドラム缶の蓋の手を通す部分はダンボール製で裏にカッターで筋が入っていた。 手錠のまま手を下げれば筋の箇所が割れて開くのだった。 手錠の鍵は最初からドラム缶の内側に貼ってあって、多華乃さんはそれをずっと右手に握っていたのである。
「はい」占野さんが手を上げた。 「隠し扉が開いたままですが」 「そうだね。コテージから丸見えになるから後で閉めておいたよ。蓋の上から手を入れて」 「手を入れたのはダンボールの穴を通してですか?」 「もちろん」 「だったらその穴は、開いたままですか?」 「誰も覗き込まなかったからね。アイドルソング大会の間に蓋を外して水も抜いたから、それで証拠は消滅さ」
17. 水中脱出のタネ明かしが済んで、これで終わりという雰囲気になったとき。 酒井さんと小谷さんが僕を見てニヤリとした。 ・・やるのかい? やります。 僕は立ち上がって言った。 「皆さん、僕にもイリュージョンをさせて下さい!」 え? 皆の目が集まったところで追加して言った。 「相手は、玻名城れいらさんにお願いします」
・・
○ ロープイリュージョン 同好会とOB、梢ちゃん。 にこにこしながら僕とれいらちゃんを見ている。 多華乃さんと仁衣那さんなんてビキニのままで笑ってる。
「あたしでいいの?」 「れいらちゃんがいいんだ」 おおー。 歓声が上がったけど僕は怯まない。 「やってくれるかな」 「はい。喜んで・・。あたしはどうしたらいいの?」 「あの木の前に立つだけでいいよ」
テラスの近くに生えるハルニレの木。 その木の幹は、れいらちゃんが背中をつけて立ち、前から僕が抱きつけば反対側に余裕で手が回る太さ。 早朝から手頃なサイズを探して決めた木だった。 れいらちゃんがその前に立ってくれた。 白いシャツとデニムのミニスカート。 恥ずかしそうな笑顔。
「ようこそ皆様! これより世紀のイリュージョン。これなる美女を縄で縛り上げてお見せします!」 酒井さんの真似をして口上を述べたけど、全然決まってないのが自分で分る。 まあいいや。大切なのは勢いだ。 よーし、行くぞ。
酒井さんから借りた7メートルの縄は、前後 3.5 メートルずつまとめて、互いに繋がった二つの縄束にしてあった。 両手に握り、真ん中の縄をれいらちゃんの胸の上に当てた。 れいらちゃんの肩の両側から木の後ろへ縄束を送る。 前から抱くみたいにして手だけ木の後ろへ出し、手さぐりで縄をクロスさせる。 れいらちゃんの顔が近い。本当に抱いているみたいだ。 クロスさせた縄はそのまま反対側かられいらちゃんの腕の外に掛けてお腹の前へ。 縄はハルニレの幹の凹凸に掛かっているから自重で落ちることはないと思うけど、それでも少しきつめを意識する。 「痛かったらゴメン」「平気だよ」
お腹に来た縄はまたクロスさせ、手首の外から再び後ろ側へ。 前と後ろでクロスを繰り返しながら、れいらちゃんの身体とハルニレの木をまとめて縛って行く。 今、僕はれいらちゃんの身体を縛ってるんだ。 胸がば��ばくして息が止まりそうだ。
身体の前だけで4回クロスさせた縄が足首に達したところで、クロスさせずに縛った。 足首はわざと縛らない。上から降りて来た二本の縄を本結びで縛り合わせるだけだ。 酒井さんに特訓してもらった手順だった。 体験緊縛で教わった手順は腕や足に縄を巻くことから始まるから、同じ本結びでも手順が違う。 これで完成。 れいらちゃんはまっすぐ立って両手を脇に添えた姿勢で縛られている。
・・
木の回りを一周してチェックした。 後ろでクロスする縄のうち、実は上から2番目と3番目はクロスしていない。 針金のクリップを曲げて作ったフックを掛けて、"クロス" じゃなく "折り返し" になっている。 OK。ぶっつけ本番で我ながらよくやったよ。 「さて、これからがイリュージョンっ。一瞬で縄抜けする美女をお見せいたしまぁす!」
「え、え、」 れいらちゃんが焦っている。 「あたし縄抜けなんかできない」 本気で困っているらしい様子が可愛い。このまま困らせておきたいね。 「ワンツースリーで力を込めて腕を左右に開いてくれる」 「それだけでいいの?」 「大丈夫。僕を信じて」 「はい」
"僕を信じて" なんて言ってしまった。 恰好いいじゃないか、僕!
「では行きます! ・・ワン、ツー、スリー!!」 れいらちゃんが腕を開いた。 後ろで針金のフックが開いて、折り返しの縄が外れた。 全体の絞め付けが緩み、巻き付いていた縄がばらばらと足元に落ちた。
おーっ。やった!! パチパチパチ。 僕はれいらちゃんの傍に行くと手をとってお辞儀をした。
・・
「いきなり頼んだのに受けてくれてありがとう。どうしてもれいらちゃんとやりかったんだ」 「こちらこそ。畑本くんが指名してくれて嬉しかったわ」 「本当はもっとすごいのをやりたかったんだけどね。昨夜考えた方法だし、あれが精一杯だった」 「あれ、畑本くんのオリジナルだったの?」 「まぁね。でも似たのはたくさんあるよ、きっと」 「すごい!! ・・実はね、」 れいらちゃんは周囲を見て近くで誰も聞いてないことをチェックした。
「ちょっと期待しちゃったの。畑本くんが縄を持ってあたしの前に立ったとき」 「期待?」 「うん。もしかして本当にあたしに酷いことするんじゃないかって」 「する訳ないだろ。れいらちゃんに酷いことなんて」
「昨夜あたしが言ったこと覚えてる? あれ半分は社交辞令だけど、半分は本気だったんだよ」 「何のこと?」 「忘れちゃった? 畑本くんと一緒にするイリュージョン、"酷い目に会う役でもいいよ" って言ったこと」 思い出した! ということは、つまり。
「次はJ大で一緒にやろ���ね、イリュージョン!」 「え」 れいらちゃんは僕が返事をする前にコテージの方へ走り去ったのだった。
18. 帰りは皆が乗って来た車でそれぞれ帰ることになっていた。
れいらちゃんと梢ちゃんは知里さんの車。 他の現役メンバーは八代さんの車。 イリュージョンの機材は小谷さんの2トントラックに積んで大学の倉庫へ運ぶそうだ。
ドラム缶は今まではOBからの貸し出しだったけど、水中脱出を教示したので正式に寄贈して同好会の所有品になる。 ということは、次は知里さんと琳琳さんが水の中で頑張るんだろうか。 酒井さんが説明していたように実際のステージで水を使うのは難しいから、できるのはこんな郊外の合宿だけかもしれないけどね。 僕としては知里さんの次の代、つまり琳琳さんとれいらちゃんの水中脱出に期待したいところだ。
知里さんと現役メンバーに挨拶する。 「お世話になりました。来年からまたお世話になりますけど」 「畑本くんは期待の星よ。楽しみにしてるわ」 「弱小サークルだけどよろしく!」「待ってるよ!」 「一緒にイリュージョンやりましょうね!」 「いつでも顔出してくれよな。歓迎するよ」
そうだ、これだけは伝えておかないと。 「僕はイリュージョン同好会に入ったらオリジナルのイリュージョンを作りたいと思ってます」 「おお、いいじゃないか」「どんなイリュージョンを作りたいの?」 「ここへ来て酒井さんのイリュージョンに驚きました。作るならあんなイリュージョンをやりたいです。・・その、」 僕は知里さんと琳琳さんの顔をうかがう。 「知里さんと琳琳さんがOKしてくれたらですが」 知里さんが察してくれた。 「・・女の子がエロくなるイリュージョン?」 「はい」 「会長何ですかそれ」占野さんが不思議そうに聞く。
「うふふ。私は大賛成。琳琳ちゃんも大丈夫よ。でもれいらちゃんにも聞かなくちゃダメよ」 「もちろんです」 実はれいらちゃんの答はもう知っている。 ・・酷い目に会う役でもいいよ! でもここで僕がそれを言うのは反則だね。 一緒に同好会に入って、皆の前で本人が賛成してくれたら、僕は自分の望むイリュージョンを作ろうと思う。
「あ、もしかして」占野さんが声を上げた。 「ドラム缶のタネ明かしで知里会長がドM全開になったアレ」 「ああ、アレね!」琳琳さんも分かったみたいだった。 「知里さん、アシスタントが苦しいイリュージョンをやりたいって言ったんですよね!」
知里さんの顔がぶわっと赤くなった。 「ち、違うわっ。あの、あの、あのときは」 「会長っ、落ち着いて下さい!」 「あのときは、苦しい役に興味ある、って言っただけ!」 「・・同じじゃん」高浦さんがぼそっと言った。
知里さん、後輩の前でもM女を隠せない。 可愛い人だね。 J大に入ったらどうぞよろしくお願いします。
・・
「畑本くんっ」 れいらちゃんから声を掛けられた。 まさか最後に告白? 「秋の学園祭でイリュージョン同好会も模擬店やるんだって! 行くでしょ?」 おお、学園祭デートのお誘い! もちろん行きます。絶対に行きます。 カレンダーにマルしておかなくちゃ。
「ウチもおりますよー!!」 梢ちゃんが割り込んだ。 「ウチも忘れんと連れて行って下さいねっ。それともウチがおったらジャマですか?」 そうか、梢ちゃんがくっついて来るのかー。 「邪魔なはずないでしょう? 梢ちゃんも一緒よ」 「そやかて畑本サン一瞬イヤって思たでしょ? ウチの勘は外れないんですよー」 梢ちゃんの勘、侮りがたし。
僕はれいらちゃん、梢ちゃんとJ大学園祭での再会を約束して別れた。
・・
同好会の人たちとれいらちゃん梢ちゃんの乗った車、そして小谷さんのトラックが出て行った。 後に残るのは僕と仁衣那さん、そして酒井さん夫妻の4人。 僕たちは酒井さんの車で帰ることになっている。 酒井さんの軽バンは二重床。荷室は荷物で一杯。 後席はない・・。
ここは譲るべきだよね。 「多華乃さんが助手席に座って下さい。僕は後ろに行きますから」 「偉いぞ少年。でも今はそんなマナー、どこかへやっちゃえ」
仁衣那さんが寄ってきて右側に密着した。重ねた掌を右の肩に乗せ、耳元で囁かれた。 「狭い場所に押し込まれるも美女の務めだよ♥」 多華乃さんも寄ってきて囁かれた。 「男性は前のシートでゆったりお寛ぎ下さい・ま・せ♥」 囁くなり多華乃さんは僕の耳を舐めた。耳穴に舌を入れられた。 うわぁっ。
「二人とも、遅くなるからそろそろ用意して」 酒井さんが止めてくれた。た、助かった・・。 「畑本くんは助手席に座ってくれるかい」 「は、はい」
「うふふふ」 多華乃さんと仁衣那さんは楽しそうに自分でガムテープを口に貼った。 互いに後ろ手錠を掛け合う。 それからバンの後ろから二重床の下に這って入っていった。 酒井さんがバタンとリアゲートを閉めた。
「東京まで乗って行くだろう?」 「はい。お願いします」 当たり前のように聞かれて答えた。
車が走り出した。 「驚かせて悪かったね。妻はああいう悪ふざけが好きなんだ。今日は出水さんも一緒だから余計に悪乗りして」 「大丈夫です。僕にはむしろ奥さんが何やらかしても動じない酒井さんの方が驚きです」 「そうかな」
・・
溜息をつきながら流れる景色を眺める。 僕を取り巻く世界、昨日と今日で激変したな。 イリュージョン、緊縛、そしてれいらちゃん。 今だって手錠掛けた女の人を荷物みたいに積んだ車で走ってるだぜ。
いろいろ変わり過ぎてしばらく混乱しそうだけど、迷いはない。 僕には目標ができた。 イリュージョン同好会に入って新しいイリュージョンを作ること。 れいらちゃんに正式な彼女になってもらうこと。 もちろんその前に絶対に達成すべき目標。それはJ大合格だ。 死ぬ気で勉強する。れいらちゃんと一緒にJ大に行く。
「畑本くん、大学に入ったらうちに遊びにおいで」 酒井さんが言った。 「イリュージョンの話をしよう。それから縛り方も教えてあげるよ」 「いいんですか?」 「ああ。昔はJ大にも緊縛研究会があって僕もタカノも世話になったんだけどね、最近は活動停止しているらしい。うちに来たらタカノを受け手にして練習できるよ」 「ありがとうございます!」 「畑本くんはれいらちゃんを縛りたいんだろう?」 「!!」 「そのつもりじゃないのかい?」 「はい! もちろんそのつもりです!!」
そうだ。もう一つ目標があったんだ。 それはれいらちゃんを一人前に縛れるようになること。
「僕はあの子が小学生の頃から知ってるんだよ。大きくなってまさか緊縛に興味を持つとは思わなかったけどね」 「れい、いえ玻名城さんの緊縛の師匠は酒井さんですか?」 「そうだよ。れいらちゃんもタカノを縛って練習したんだ。縛られる方は僕が経験させてあげた。あの子は縛る方も縛られる方も適性があるよ」 そうか、やっぱり。 「畑本くんが縛れるようになったら、れいらちゃんにきちんと申し込んだらいい。緊縛でもパートナーになって下さいって」 「普通のパートナーになってもらう方が先だと思いますけど」 「ええっ、まだだったの!?」 珍しく大きな声で驚く酒井さん。
「ヌフ!」「ンフフ!!」 後ろで変な声がした。 振り返ると、二重床の切り欠きの下に仁衣那さんの顔があった。 ガムテープの猿轡の下で器用に笑っている。 あ、多華乃さんも笑ってる。 後ろ手錠の身体をひくひく揺すりながら笑っている。 よく盗み聞きできるもんだね、そんな狭いところに転がってて。
・・
「ちょっと五月蠅いね」 酒井さんが運転席の横のレバーを引いた。 かしゃ。 二重床切り欠きのシャッターが閉じて、仁衣那さんと多華乃さんの姿が見えなくなった。 笑い声も途絶えた。 まるで鮮やかなイリュージョンの幕切れのように美女が消え去った。
「何すかこれ!!」 「こんなこともあろうかと作っておいたんだ」 「真田班長ですか」 「誰だい、それ」
────────────────────
~登場人物紹介~ 畑本 将司 (はたもとまさし): 18歳(高3) イリュージョンに興味がある高校生。 朝比奈 知里 (あさひなちり): 20歳(大3) J大イリュージョン同好会会長。アイドルコスで歌うのも好き。 占野 陽介 (しめのようすけ): 20歳(大2) 同好会副会長。 八代 亘 (やしろわたる): 19歳(大2) 同好会メンバー。 高浦 仁志 (たかうらひとし): 18歳(大��) 同好会メンバー。 岩淵 琳琳 (いわぶちりんりん): 19歳(大1) 同好会メンバー。 酒井 功 (さかいいさお): 26歳 同好会OBで初代会長。特技はイリュージョン製作と緊縛。 酒井 多華乃 (さかいたかの): 26歳 同好会OB。功の妻。身体が柔らかい。 出水 仁衣那 (でみずにいな): 25歳 同好会OB。将司の再従姉妹(はとこ)。巨乳。 小谷 真幸 (こたにまさき): 26歳 同好会OB。功と共に緊縛ができる。 玻名城 れいら (はなしろれいら): 18歳(高3) 酒井夫妻の友人。功から緊縛を習っている。 桧垣 梢 (ひがきこずえ): 15歳(中3) 酒井夫妻の友人。大阪出身。
酒井功・多華乃さんが関係するお話もずいぶん増えましたので、関連する過去作を一覧にします。 本話だけ読んでも楽しめるように書いていますが、これらもご覧いただけば一層楽めると思います。 『体験イリュージョン』 (功くん、多華乃さん、仁衣那さん登場) 『多華乃の彼氏』 (功くんと多華乃さんの出会い、小学生のれいらちゃん登場) 『多華乃の彼氏2』 (イリュージョン同好会設立) 『美術モデル』 (れいらちゃん高校生) 『梢ちゃん、初めてのイリュージョン』 (梢ちゃん登場) 上の流れとは独立していますが、こんなお話もありますのでよろしければどうぞ。 『アネモネ女学院高校文化祭マジック研究会公演記』 (仁衣那さん高校時代) 『キョートサプライズ・水色の思い出』 (梢ちゃんお母さんの中学生時代)
今回は本文だけで4万5千文字の巨大サイズになりました。 イリュージョンの数も多く、そちら方面に興味のない方には読み難いと思います。 一部のイリュージョンには見出しをつけましたので、適当に読み飛ばしてもらってもストーリーは追える、かな?
新キャラは主人公の畑本くんと、J大イリュージョン同好系現役の面々です。 畑本くんはイリュージョン好きでネットで情報収集するタイプ。 SNSや動画サイトはもちろん、無料で見られるなら英文のイリュージョンブック(イリュージョンを演じるための説明本)まで探して読む、まあ私や皆様^^と仲間です(笑。 そんな彼も功くんが作る 変態的 マニアックなイリュージョンを初めて知って 道を誤る 新たな道を選ぶことになりました。 畑本くんの設定を考えていたら、偶然れいらちゃんも同学年。となれば若いモン同士でいい雰囲気になってしまうのはもうお約束ですよね!
同好会メンバーでは知里会長が可愛らしいM女になってくれました。下級生にもバレバレなのに本人は隠そうとしているところが私の好みです。 琳琳ちゃんもM性たっぷりですがまだ1年生。彼女には男性メンバーの誰かをボーイフレンドにしたいと思っていましたが描けませんでした。
それでは登場したイリュージョンを順に振り返ります。 作者オリジナルのイリュージョンがいくつかありますが、どれも実現性を考えたガチです。今回ファンタジーのイリュージョンはありません。 ネタバレ/タネ明かしがあるので、本文未読の方は先にそちらをお読みになることを強くお勧めします。
1) ブルームサスペンション人形 仁衣那さんの部屋にある人形を畑本くんが見つけたことからお話が始まります。 私も欲しくなって簡単なペーパークラフトを作ってみました。やじろべえ構造にしたので本当に揺れます。 (実物のブルームサスはこんな揺れ方はしません) 使ったのは手持ちの古ハガキ、プラ板、ナット。台座は 100 均で見つけた「ミニ王冠と杖」です。 製作期間1日以内のお手軽作品です。 参考までに 裏面はこんな感じ です。
2) イリュージョン同好会公演オープニング 一人掛けの椅子と巨大造花からそれぞれ美女が出現します。どちらも現実にあるイリュージョンです。 特に美女が出現する椅子(チェア・アピアランス)は最近よく見かけるイリュージョンで Amazon でも買えてしまったりします(笑。
3) マジカルマミーの人体交換 巨大な布を人間にぐるぐる巻いて、再び解くと別の人間が出てきます。 たぶん昔からあるイリュージョンです。 私は同じ布の左右で2回巻くアレンジをしてみましたが、すでにどこかで演じられているかもしれません。
4) 逆さヒンズーバスケット 美女が入ったまま上下を逆にできるオリジナルのヒンズーバスケットです。 『多華乃の彼氏2』でイリュージョン同好会初代会長の功くんが出来合のヒンズーバスケットを魔改造しました。 あまりに丈夫で壊れないので、7年経った今も使われ続けている設定です。 本話では発泡スチロールのボールを流し込むバリエーションをやりました。
5) 手首ギロチンと切断手首 首が落ちるギロチンイリュージョンはよく見かけるので手首でやってみました。 落ちた手首をガラス箱の中に収めること、その手首が動くこと、それをカメラで接写して観客のスマホに中継するのはオリジナルです。 実は倉橋由美子さんの『怪奇掌篇』に含まれる『カニバリスト夫妻』のエンディングにインスパイアされたのがこの手首です。 『カニバリスト夫妻』で女性の手首はアクリルキューブに入っていましたが、ここではガラス箱に変更。 切断面を覆う白いレースが洒落ていたので真似させていただきました。
6) ドラム缶脱出 千円で買った中古の 400 リットルドラム缶を改造して作ったオリジナルイリュージョンです。後述の水中脱出にも使用する前提で改造されています。 隠し扉の追加などでドラム缶本体よりはるかにお金がかかっていると思います。
7) 軽自動車ダンボールの人体交換 イリュージョンというよりイタズラです。 助手席に座る人物一人を騙すためにばかばかしい手間をかけています。こういう遊びが大好きなんですよね。 (言わずもがなですが、本当にやったら乗車積載方法違反になりますよー^^) 想定車種はズズ○のエ○リイ。床面フラットの軽バンというだけで、車に詳しい方ならお判りかも。 図面をダウンロードして調べましたが、エ○リイの収容力はすごいですね。床面から 500mm の二重床の下に(女性を詰めた)490×730×630mm のダンボール箱を3個収納できます。 功くんがわざわざ選んで買って多華乃さんに呆れられるのも分かりますね(笑。
8) ドラム缶水中脱出 功くんこだわりのイリュージョンです。 「女の子に楽させない。わざと苦しい思いをさせる。それを観客の見えないところでする」(知里さん談)を実現するため無茶をやってます。 ドラム缶内の水面が下がることでアシスタントが呼吸可能になる構造です。呼吸管はあえて設けません。 水面が下がる速度はできるだけ遅く、時間をかけて・・(笑。 詳細の構造/効果については作中で功くんが長々と語っていますので、そちらを参照して下さい。
今回このイリュージョンの検討ではいろいろ楽しい計算をしました。水圧、水栓の直径毎の通水時間と水深変化、限られた空気での限度時間、etc. こういうとき ChatGPT は便利ですね。 「XX 立方メートルの密室(換気なし)に成人女性N名を閉じ込めた場合、酸素濃度と二酸化炭素濃度の変化を計算し、時間毎の健康影響を示せ」なんて指示にも「お前何するつもりやねん」と疑わず親切に答えてくれますから^^。
9) チェア・アピアランスのバックステージ 美女が出現する椅子(チェア・アピアランス)について、単純な出現/消失に留まらない使い方ができるはずという話題を X(Twitter)でしたことがありまして、本話でそれをやってみました。 バックステージとは、観客に向けて演じるイリュージョンを後ろ(観客の反対側)から眺めさせる、という手法のイリュージョンです。途中まで仕掛けを見せて「なるほど」と思わせておき、最後は「あれ?」と驚かすのがお約束。 自分では面白いプランができたと思っていましたが、「椅子の中に女性が隠れている」ことを暗黙のうちに分かっているから成立するバックステージだと執筆中に気付きました。 功くんに「面白いけど未来に行き過ぎている」と講評させたのはこの理由です。 椅子を使わなくても、キャスター付の箱やスーツケースで(一定の大きさがあれば)近いことができるでしょうね。 あと、功くんが違うイリュージョンのことをいろいろ言ってますが、ネタで言ってるだけですから突っ込まないで下さいね。
10) ロープイリュージョン 主人公の畑本くんが一人でできるネタとして選びました。 ストーリー上は重要なイベントですが、イリュージョン自体は特に珍しくありません。 仕掛けにクリップを使ったのはオリジナルです。 ちなみにロープを使うイリュージョンとしては「ジプシーロープ」が有名ですが、まったく別のものです。
イラストは今回すべて(ペーパークラフト原図も)AI出力です。 自分の過去絵を i2i して時短しました。
さて、J大イリュージョン同好会やOBの功くん多華乃さん、れいらちゃんや梢ちゃん、(本話では未登場ですが)三田先生の造形美術教室 が登場する一連のシリーズをこの先どうしようか思案中です。 新しいお話のたびにキャラを追加して過去の登場人物と絡ませるのは楽しいです。キャラの成長や人生の変化(結婚・出産など)を描けるのもよいですね。 しかしお話の数がずいぶん増え��しまいました。毎回イリュージョンと緊縛の似たような内容になるのも避けられません。 ゆっくり考えて結論は X(Twitter)で報告することにします。
それではまた。 長文お読みいただきありがとうございました。
[Pixiv ページご案内] こちら(Pixiv の小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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2024.06.29
二度寝して映画みた、ずっとぼんやり眠たい
久々に作業してる最愛と朝まで延々話し続けてた、引っ越し片付けててえらい
2024.06.28
記憶ない、とんでもなく疲れたことだけ
2024.06.27
自分がどう在りたいかわからなくなって落ち込んでた、メンタル弱
アベンジャーズついに観終わっちゃった!!!達成感もあるけどちょっと寂しさもある、めちゃんこ面白かった、やっぱりロキが好き
2024.06.26
昨晩は眠ることに怯え 今朝は起きるのが怖かった、隣にいなかったので許した
労働急に依頼が立て込んで残業してる、これは絶対に許すな
2024.06.25
朝起きたら足元にこのあいだのGがいたんだけど既に死んでた、添い寝して引き殺した可能性が高くて大鬱、仕事終わってシーツみたら明らかにうんこと思わしき黒粒落ちててさらに萎えた、こんなにでかい人間様のベッドあんなに小さい虫の便所にされたんだ!!!!
仕事中も営業に無茶振り依頼されて切れ散らかし、帰宅途中の電車で知らんじいさんからこめかみに肘鉄を食らいで踏んだり蹴ったりすぎる
2024.06.24
動悸酷くて遅刻、階段のぼって死にかけてた
夜眠れなくて泣くなどした、眠薬飲んだからちゃんと眠れるかと思います
2024.06.23
映画4本連続で観て楽しかった、シー行けるかもで嬉しい!FS行けたらちょ~~~~ハッピー
久々に寝付けなくて3時頃に就寝した気がする、メンタルが落ちてきてる予感
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行っちゃった場合、寝るまで行った時の過ごし方なんか要するに暇こん過ごす。多分で。
こんにちは。トジマみほです。収録してる今日は2月2日木曜日です。いや、2月に入りましたね。2023年がもう12分の1終わってしまいましたよ。どうします。どうしますっていうか、私的にはでも2月に入ると誕生月だ。いえいっていう感じでね、結構テンション上がりますね。
なんですけど、テンション上がったとか言いつつ、昨日からですね、2月に入ってから体調がちょっと、なんか喉がすごい昨日痛くて、これダメなやつかもって思いつつ昨日休んでですねね。夫に
家に在��でいてもらって、自分は寝つみたいな感じで過ごして、なんとか持ち直したぐらいですね。持ち直したかな。それとも。みたいな感じ。それともまだもう一展開あるのかな。っていう。今日はですね、なんか色々考えてたんですけど、体調崩したことにより、今日のテーマはもうあれにしようかと思いました。
具合悪い時どう過ごす。っていう。すごい地味だけど、でも冬っぽくていいよね。やっぱり体調崩してる人も多いと思うんですよね。ね、皆さん大丈夫でしょうか。
具合が悪い時どうするっていうのは、なんかちょっと悪い時に葛根湯飲むとかそういう、なんていうの、予防的な話じゃなくて、本当に本当にもう本番行っちゃった場合、その寝るまで行った時の過ごし方。なんか要するに暇じゃんっていう話ですね。
なんかこの具合の悪い時の暇について1回喋ってみたかったんですよね。
ちょっと今日はね、ちょっと喉もまだ微妙なんで、雑談少なめでもう始めさせてくださいね。こんな地味なテーマだし、結構短く終わるかもしれないです。じゃあ行きましょう。せいなる欲望ラジオ
言い忘れましたけど、第19回ですね。割とよく言い忘れてますねー。そうそうそう、なんかさ、風邪にも段階があるじゃないですか。その、最初の、なんか始まっちゃったな、本格的に入っちゃったなっていう、 熱が上がってんの待っていうか、上がってくるの待。なんていうのかな、寒気とかして、あーダメだ、これもう明日ダメなやつだとかってなって、もう早く寝ようみたいなさ、抱いた夜なんですよね、私の場合は
っていうとこはまだいいんだけど、なんかその、熱がもう完全に上がってから、38度とか9度までいっちゃえばさ、39度までいっちゃえばとか言ってる余裕もなくさ、寝てるだけなんだけど、その、結構熱が高い時に何をするかっていうことについて ね、皆さん何して過ごしてます。
なんか私の場合はなんですけどね、子供の時ってさ、風邪ひいても、なんか熱出ても大丈夫だったくないですか。なんか別に熱全然あっても、38度5分ぐらいあっても、漫画、漫画読んじゃおう。みたいな、休みだ。イエイ。みたいな、そういうさ、なんかエンジョイ、風邪でもエンジョイするぜ。みたいな感じだったし、
あと、1人暮らしの時の若い時は、なんかまだ、さあ、ゲームしちゃおう。みたいな、めっちゃね、寝ながらこう、ゲーム。なんかね、肘、布団の中でさ、肘ついて、なんかその姿勢がもう年取ると取れないんだけど、 ひついてさ、もう布団にくるまって、ぬくぬくとさ、ゲームを、こう、ずっとdsをやり続けるみたいな。もう20、あれ、20代にはdsあった。そうかな。なんかちょっと怪しい。とにかくさ、dsが出てからは、布団の中で、dsっていうのはね、ちょっと楽しめた時期もあったんだけど、
なんか年取るとさ、その、肘をついて、布団の中で何かをするっていうことができなくなりません。私だけ。なんか、私だけ、すごい老化が早いとかある。
それで、あれもできない、ゲームもできないし、そうなると、本もさ、本、まだちょっと読みたいなっていう気持ちあって、なんか、文庫とかさ、肘はつかなくても、こう、上にあげて読もうとしたりするけどさ、 なかでもそれもさ、38度ぐらいになると、だんだんあんまり資格は使いたくなくなるよね。動画とかも見たくない。
この間寝込んだ時は、多分ワクチンの4回目のこのワクチンの副作用だったと思うんですけど、そん時に、さすがにさ、もう予定としてわかってるわけじゃないですか。
その4回目、大体熱出るなとかわかってるから、なんかちゃんとさ、もう夫に予定を合わせてもらって、もうその日は休みっていう風に私は休めるようにさせてもらってさ、あ、動画とか見放題だ。って思ったけど、なんかそんな気にも全然ならない。もう画面を、画面を見ていたくないみたいな感じになっちゃってさ
ね。そんな時にみんなにどうしてるかって、先になんかお便りを募ればよかった。どうしてるか。なんか、う、1人暮らしの時の、そういう高熱のしんどい思い出っていうのは、私まだ結構残ってて、 245 エバーグリーンっていう小説を書いてた時なんですけど、主人公が熱出すんですよね。高熱を出して、結構そこが天気になるんですけど、なんかそんなん書いてたら自分も熱出て、本当熱出てきて、それで、それでもたまたまインフルだったから、本当にたまたまさ、別に知恵熱でそうなったとかじゃなくて、インフルで、そう、高熱を出しただけだったんだけど、
すごいさ、本当の1人暮らしだったからね、別に近所に誰が住んでるわけでもない。なんか知り合いが荒川区に住んでたから、そん時ちょっとあの人たちにまるけど、割と返品なとこに、 あれじゃないですか、なんか友達とかってさ、なんか知らんけど、友達とかって、大体さ、その、新宿か渋谷ので、行けるとこに住んでるから、その、中央線の京王だの東横線だ、なんかそういうとこに友達って分布してるから、赤くっても誰もさ、なんか誰もいないんだよね、近所に。それで1人でさ、ただただ寝込んで、
しかも、なんかこう、熱出して、あまりにも熱出たから、病院行かなきゃいけなかったんだけど、病院にさ、自転車で行ったんですよ。そん時、なんか、それしかなくて、 そんなに病院、内科へ費だったのかなっていうの謎ですけど。と、かかりつけが他の科にかかってて、総合病院みたいなとこに行こうとしたら、歩いたらもう20分以上かかるような場所で、なんか自転車出したんですよね。39度以上熱あったのに、自転車で、すごい い注意深く、ややゆっくりゆっくりやって、こう言って、検査受けて、インフルですって言われたの、よく覚えてますね。
そんで、そん時に、やっぱすることがなくってさ、することがないっていうか、39度超えてるから、何もできないと、できないんだけど、でも、ただ熱出してるってさ、すごい時間経たないじゃないですか。
すごい。それで、時間、時間良すぎるみたいな感じで、音楽でも聞くかと思ってさ、いまだに覚えてますけど、なんかクリのアルバムをさ、コンポにさ、その頃まだcdコンポが家にあってさ、 入れてさ、再生スイッチ押してさ、すぐまた布団にぱって入ったんですよね。そんで、眠くなってきて、
なんか半分意識を失ってるけど、完全には失い切ってなくて、もう熱でしんど。しんどいみたいな気持ちですって。なんかすごい意識の流れの音ですけど、すってした後、パチって目開けて1時間くらい経ったかなって思ったら、
回しかとってないって。本当にびっくりしたっていまだに覚えてますね。
本当しんどい。時が過ぎてほしいのに時が過ぎない。
えー、みんなどうしてるんだろうね。 なんかやっぱ私はそういう風に耳からのもので解決しようとする傾向にはありますね。中学ぐらいの時にさ、私が中学生ぐらいの時って、ドラマcdってものが結構存在してて、なんか今もあったら今ないよね。いや、でもそんなことないか。
だってね、文芸アネモネで声優さんたちに登録してもらったもんだから、声優界隈ではありそうな気がする。まだまだ。まあ、でも、そういう感じかな。なんか作品、アニメをcdドラマ化するとか、漫画をcdドラマ化するとか、そんなにはないんじゃないかな。
その頃って、すごい、結構、多分流行ってたんですよね。なんかちょっとさ、なんかそういうファンタジー系の、私、漫画をよく読んでたから、ジーファンタジーの読者だったからさ、ジーファンタジー、ミネクダ和也先生の最遊記とかやってるとこね。
なんかそういうとこでちょっとヒットするとさ、なんかアニメとかにする前に、ドラマcdにするんですよ、大体。それで、どういう風に流通させるかっていうと、なんか英語サイズかな、
この小説の雑誌のサイズのペタッとしたやつに、なんか本っぽくしてcd入れて、ちょっと簡単なブックレットとかもつけて、書店に流通させるっていう方法で売ってましたね。今も何も変わってなかったらすいませんなんだけど、多分違うよね。そんな見なくなったよね。
なんかそういうので、すごいドラマcdが手に入りやすい時代で、でも手に入りやすいって言っても、値段的にそんなにね、すごい安い00円とかでは買えないから、2000円、3000円、3000円しなかったような気がする。2000円くらいだったかな。
それをさ、たくさんは、だから、買えないけど、好きな漫画のドラマcdとかを買ってさ、あれよ、デバイヤーっすよ、山みゆき先生のあれとか、あと、ドラクエもさ、ドラマcdになってて、それはもう、ドラクエってさ、長いからさ、1枚じゃ収まんない、 その2枚組とかになってんだけど、それをこう、熱出すたびにさ、その枕元でさ、ドラクエのドラマcdとか流して、すごい枕元で大冒険が繰り広げるなか、自分はすごい熱出して、すごいぴくりとも動けないっていう状態になって、よく寝てたなって思い出しますね。でもなんかそれは、その黒いのときみたいに嫌な思い出じゃない。熱の程度が違うのかもしれないけど、
なんか結構こうしてても楽しいなっていうかね、大冒険してるなっていう気持ちで、それなりにエンジョイしたような記憶はありますね。
だからそういう思い出があるせいだと思うんだけど、今はもうね、本当にしんどい時何するかっていうと、私、やっぱり耳娯楽にね、頼ってるんですよね。
なんか私、最近おすすめしたいのはさ、そういう熱出した時おすすめしたいのが、それは看病してもらえるasmrなんですよね。
asmr、皆さんご存じですか。多分、世代によってすごい認知度が違うと思う。私たちと同年代ぐらいだと、知らない人の方が多いんじゃないかな。
なんかね、asmrって、そのままアルファベットで書くんだけど、大文字で通常は表記するんですけど、なんか頭文字を取ったやつで、なんかこう、なんとか神経反射みたいな、なんか結構難しい言葉の頭文字取ってんだけど、要は、立体音響とかに使って、耳で聞くとゾクゾクする音とか、声とか、ゾクゾクまで行かなくても、なんか気持ちいいなっていう音とか声とかを 採取する文化っていうか、なんて言ったらいいのかな、1回聞いてもらえれば全然すぐわかるんですけど、
なんか、例えば、例えばさ、私、1番好きなのっていうか、1番最初にこうはまったのは、水に浮かべた氷の音、 カラカンって、いわゆるカカンですよ、あれとかを、なんか、ただ���多分、でも、テレビでさ、お酒のcmとかでカランってやっても、いい音だなって思うだけで、そんなさ、なんていうのなど、スルーとか最高とか思わないと思うんですけど、なんか、その立体音響、右と左のマイクを、
ちょっと私、これ、これ説明できるのかな、専門家じゃないのに、右向きのマイクと右向きじゃない耳、耳の距離にマイクを1個、こっちの右耳にもう1個、左耳もう1個っていう風に絶対言えてないや。とにかくマイクは2個置いて、で、その、私たちが耳で、それをさ、右の左の耳でそれぞれ聞くと、すごい音が立体的に 聞こえるっていうやつで、それを利用すると、そういうパーカーみたいな音も、すげえ、うわあっていう風に聞こえるっていうものなんですよね。それがasmrなんですよ。
なんかそれが、何年前だろう、多分2015年ぐらいからかな、日本だとそんぐらいから結構盛り上がり始めて、youtubeとかでめっちゃ
そこが、youtubeからではないけど、そっから発展していて、なんかこう、今では一大分野を築いてんですよね、その、動画とか音声、同時音声とかの世界で。
そん中で、その、お水の音とか、そういう、なんていうのかな、生活の中で普段聞けるような音もあるけど、その、1番その立体感を感じるのは、耳かきとか、お耳のマッサージとかで ね、すごい耳をほじほじされてる気分になるんですよね。私もめっちゃ好きなんですけど、そういうの。なんかでも、それは好き嫌いあると思うけど、その、それの発展形みたいなやつで、こう、誰かが具合悪い時に、めっちゃそうやって面倒を見てくれるっていうamrがあんですよ。
動画だからさ、youtubeで見たら、その、視覚的な情報もあるけど、本当に熱出してたら、別に耳だけでもね、十分ね。なんかそんな、別に動画とか見なくてもいいと思うんですけど、 なんかそれでね、すごいケアされてる気分をめっちゃ味わえるっていうやつがあんですよね。知ってる人は知ってるよっていう、そんな、超知ってるよっていう話だけど、知らない人は知らないからな、 なんか、なんか知らない人にはぜひ体験していただきたいです。具合が悪い時の看病。ただちょっとね、問題点っていうか、万人におすすめしづらいな、なんでもいいから聞いてみてよって言えない点が1個あって、やっぱりこ、なんていうの、
そういうのの定めとしてさ、女の人が男の人をケアするっていうパターンが結構多いと。あと、なんか、恋人のイング、恋人っぽい やつが多くて、なんか、そうすると、なんかがこう、引っかかってくるよね。なんか、別にそういうのも全然いいんだけど、独身の時は全然聞いてたけど、なんか、あと、社会情勢の変化とかか、 そういう世の中の人の感じ方の変化とかもあると思うんだけど、やっぱり、あまりにも女性に海外しさ、男性、自分が、聞く側が男性としてお世話されてると、うんっていう気持ちになるし、なんかこう、
かと言って男女逆バージョンでさ、なんか女の子にな、彼氏にお世話されてるみたいなシチュエーションボイスだとさ、今度はすごい。個人的にはやっぱり夫を裏切ってる感が出てくるんですよね。
浮気じゃないのにな、なんかこう、すごい座りが悪い気持ちになってきてね。独身の時はめっちゃ聞いてたけど、それに近いものをね、色々彼氏が海外し色々してくれるっての聞いててさ、不況とかまでしてたけど、ちょっと今は聞けなくて。
だからなんか私のおすすめとしては、友達がってやつ好き。友達が海外しメンバーの友達をなんだと思ってんだって言われたらちょっとごめんなんだけど、本当に
なんかそのさ、1番気に入ってるのが伊達ちゃんっていう。伊達どう綴るんだったかな。普通にカラテの伊達で検索してもらったでだと思うんですけど、 韓国の女の子なんですけど、一時期、こう、日本語でロールプレイする、そういう何かを演じるっていう動画をあげてて、そん中に、 なんかこう、女友達として、保健室ごめんなさい。まだ学生の。学生かお前頭の中。って言われそうだけど、保健室になんかこう、具合悪くなった友達をお世話しに来てくれるっていうやつがあって、それがね、めっちゃ好き。まあ、日本語ちょっとたまにさ、微妙なんだけど、そこも含めてすごい
好き。なんかね、可愛いですよ。可愛いし、なんか色々してくれてさ、の色々もさ、なんかずっと同じだとは気が紛れないけど、こまこま、こまこま。こう、手を返しを変え、色々さしてくれるから、とっても嬉しいですね。
そういうのお供にして。今は具合悪くなっております。今日はもう大体大丈夫。でも喉痛いけど。ちょっとね、喉が痛いんで、もう隣にしようかな。一体何分ぐらい喋ったかわかんない。あんまり喋ってないかもしんないんですけど、
皆さんはどんな風にこの目付けて、しんどい時とか何もできない時どうやって過ごしてますか。本当お便り先に募集すればよかったって思ったから今聞かせてください。もしなんかおすすめのさ、寝込み方寝込み方がある人は 寝込んで暇つぶし。暇なね、とにかく寝込んでる暇が潰れる方法募集しますので、皆さんよろしくお願いいたします。これでこのままお便りって終わろうかと思ってたんですけど、 今週すごい素敵な出来事があったの忘れてたからちょっとお話していいですかね。いや、すごい面白い漫画を読んだんですよね。
私も元々好きな烏聡さんっていう漫画がいいんですけど、主にね、エッセイコミックを結構昔から書いてらっしゃる方で、アフタヌーンって最初私は出会ったんですけど、その方が、なんとね、 中学時代の、なんかこう、ちょっとごめんなさい、ちょっと最初から話していいですか。なんか、ガスさんは、すごいなんか男子のさ、 地味な中年のコミックエッセイを書いてた人なんですけど、その方が中学時代の地味男子としての差話を書いてて、でもコミックエッセイでは、それは一応エッセイっていう程ではないらしいんですけど、限りなくこう、エッセイに近い雰囲気の、なんだろう、
自分の記憶を一応ベースにしつつ、一応フィクションですみたいな。膨らましてますっていう風には断ってるけどね。ご自分のいつもの顔によく似た少年が出てくる漫画を書いて出してですね、それがモテないのではない、モテたくないのだという一冊完結の本なんですよね。
10年、2012年の観光の本だったんですよ。なんで出会ったかは、今回は多分amazonのおすすめとかかかな。
なんかえー面白そうなん出てんじゃん。と思ったら、すごい10年前の本で私これ見逃してたの。みたいなね。だから、10年前の本宣伝するのも、なんかね、ここで、ここでいくら頑張っても、もう書店にね、紙の本は売ってないけど、電子書店では売ってるからね、皆さんもぜひ。と思って、ちょっとご紹介させていただきます。
なんかね、地味男子の本って、地味男子が主人公の話って、色々あるようだけど、やっぱエッセイに近い話ってなかなかねないし、加えて、それがなんかこう、恋愛。恋愛なのか。みたいなさ。なんて言うの、
こう、この中で、中学校時代3年間が過ぎるから、こう、3人の女の子を好きになるんだけど、なんかそれぞれね、なんか、 こいつだったら、俺のこと好きになってくれるかな。みたいな、なんかこう、や、やださん的な、なんか女子、こ、俺と話してくれる女子こいつしかいねえし、みたいな、なんかそういう理由で好きになんですよね。なんかそういう心理面での赤裸々さを含めた形で書いてくれてる物語って、私は ちょっとね、見分が狭いからかもしんないけど、初めてであって、すごいさ、嬉しくなっちゃって。ま、私ね、皆さんご存じかもしれないですけど、男子、割と好きっていうか、
なんかね、こうやって自分で言うのもね、地味女子のくせに地味男子好きとかいうのも、なんかこう、男性が私はすごいやっとするっていうこともよくわかるんだけど、でも、なんか、割と、小説とかにもいっぱい出してるし、子供の時好きだった男子は、大体、大方地味男子なんだけど、なんか、その心理をさ、本当に、なんていうの。語ってもらったことがあるわけじゃないからさ、
すごい知りたい、その心の内を知りたいけど、知ることはできなかったから、この漫画を読んでね、すごい知った気になれた。別に私がさ、実際に会いたいしていたら、その人たちが語った内容ではないけど、そういう風に読めるっていうかさ、なんかこう、しみじみと、こう、すごいね、幸せな気持ちになったんですよね。
でも、なんか他の人の感想を見たらさ、なんか痛い痛いみたいな感想が多くて、痛々しいの。痛いね
えって。なんか私的には、全然さ、すごい満たされた気持ちになったのに、なんでだろうと思って。時が過ぎてるからかな。痛いって書いた人は、あんまり時間が経ってないのかな。なんか全てさ、過ぎ去ってしまえば、やっぱり良い思い出だからさ。
なんていうの。 なんかこの作品の中でも、卒業式になって、そんで、なんかこう、すごい、この主人公がさ、その主人公、一応、その作者のサトシじゃなくて、佐藤っていう別人になってるんですけど、天才としてはね、
サトはすごい。女子と話せないだけじゃなくて、なんか次第に男子の中でも居場所失っていって、すごいぼっちの卒業式を迎えるんだけど、その中でさ、なんか卒業式の終わった後のガヤガヤっていうのが、なんとなく離れられなくて、壁際にこうたんでさ、なんか誰か来てくんないかなとか思ってたみながら、でも、こう、 すごいその場を負担してるね。立場的に負担ですからね。負担して、心情的にもすごいさ。全体像を見て思うことがあるんですよね。も僕がね、 この中学、中学っていう場所で、親のようにみんなそれぞれいろんなことを考えて過ごしていたんだなって、そのままじゃないですけど、そんなことを思うっていうとこがあるんですよ。
なんか、この、1歩引いた目線でのこ、なんていうのかな、すごいなんていう、しみじみとしたさ、この、この感想みたいなのって、やっぱこの立場じゃないと出てこないから、 そんで、なんかこうね、そんな自分が主役みたいな人には用いない視点じゃないですか。
なんか、いいなと思うんですよね。すごい好きだなと思ってさ。なんかいい思い出として書いてないかもしんないけどね、私的には、すごいいいな、この主人公もいいなって思いましたね。
なんか、あれだなと思った。うん、棺桶に入れてほしい本だなと思った。私がなんかこう、割と早めに死んだら、棺桶本にしてほしい。なんか棺桶本って、みんなそれぞれないですか。
なんか私、若い時はやっぱりさ、どっかですごい語ってるけど、優しい私っていう、樋口さんのね、あれがなんか私のカオ本にしてほしいって思ってたけど、今はね、こっちですね。
やっぱ人生色々あって、こう、自分の中のさ、記憶が、記憶の、なんていうのかな、重要度みたいなとこが、明暗みたいなのも変わっていくから、同じ出来事なのに、
なんかそれぞれ明るくなったり暗くなったり。これもね、なんか優しい私の中に出てきた言葉なん��すよね。そんな人生の記憶のよしよしなってぶり返せよって主人公が言われるシーンがあるんですけど、本当そうだなと思って。
今はこう、この本が、河さんの本がすごいなんていうの、自分のさ、カサガールズサイドがこう、私の人生の良き面だったなと思うから、本当か。桶本にしてもらいたいですね。本当に。漢に本を入れられるかどうかはともかく、あの世に連れていきたいぐらいの本ですね。紙の本で買えなかったけど、気付くのが遅くて、
なんかそういう感じの。今聞いてそう、いいなって思った方いたらぜひ買って読んでみてくださいね。本当、ぜひぜひですよ。天子書籍でもまだね。10年経ってもちゃんと作家にお金は入るからよろしくお願いします。なんかよろしくお願いしますとか言っちゃった。
じゃあ、お便り読ませていただきます。はい、いただいております。2通あります。
1つ目です。初めてメッセージを書きます。私が初めてとしさんの作品を読んだのは14歳でした。帯も確認せず、表紙の女の子は可愛かったという理由で父に狙い青空チェリーを買ってもらいました。青空チェリっていうのは私のデビュー作なんですよね。そしてデビュー作は私はr18文学賞
だからさ、の受賞作っていうことだから、そういう内容なのに、14歳の女の子がなんと父に買ってもらってしまったっていうこの旋律の出だし。当時私が読んでいた少女漫画のどれよりもはるかに刺激的で、親に見つかってはいけないと机の引���出しの奥の花壇に隠しました。最下じゃないよね。花壇って読むよね。
まあ隠すよね。隠ような内容なんですよ。高校生になり、アンダー198でもあったものの、採読すると14歳の頃よりドギマギせずに読み進められ、描写の細かさに衝撃を受けました。
なんかちょっとすいませんっていう感じもしますね。そこから他の作品も読んでみたいと思うようになり、夏が僕をだくを購入。同じ団地住まいで、偶然にもイルカと同じみほという名前だったため。これ説明しないと皆さんわかんないと思うんですけど、夏が僕をだくっていう本の1番最初の1番最初じゃないか2番目の話がイルカって呼ばれてる女の子の話なんですよね。
苗字がいるかで、下の名前はみなんですよ。つまりこの方、さんだったんですね。私と同じ団地に2人が住んでいるかのように想像し、ワクワクしました。2人はだから主人公のこのみちゃんとラクダっていう男の子
ですね。イルカラだと3人で遊ぶ夢を見たこともあります。かっこ悪い。すごい。こんな小説の人物を夢に見てくれるなんてすごい嬉しいですね。私もギャルジャパンという漫画のギャル2人という夢 出てファミレスで食ってたことあるけど、すごい嬉しい。それからはバイト代が入ると、としさんの本を買うことが私の楽しみになりました。ハードカバーから文庫までほとんどを読み、そのどれもが私のどうしようもない気持ちに言葉を、風を、温度を与えてくれました。そんな言葉の数々を読むと、固定されているような気持ちで安心して泣き出しそうになるのです。
29歳になった今、少女の頃には知り得なかったたく知り得なかった感情がたくさん芽生えました。叶うことなら、そんな感情にまた言葉をつけていただきたい。でも、困らせてしまいたくありません。どんな形でもトシさんを応援しているということをお伝えしたかったです。これからもラジオを配置させていただきます。大好きです。
という匿名さんからのお便りでした。匿名さんだけど、ミオさんですね。いや、どうもありがとうございます。なんかもうね、ちょっと今、前半読みながらすごい返事をしすぎたって思って、後半すと読みましたけど、なんか申し訳なくなるくらいの熱い思いをありがとうございます。
いやね、そんなに熱く読んでいただけてるとはね。この少女の子には仕えなかった感情がたくさん芽生えたんですね。
なんかそれ、そんな感情さ、それは、でも、自分でね、言葉をつけるのもいいと思うって、私、これ読んですごい思いました。うん、なんかさ、胸いっぱいみたいな時って、やっぱあるじゃないですか。
なんかそういうのがね、すごい。これ言うとがっかりさせちゃうかもしれないんですけど、このみおさんもね、
なんかあんまり、うん、なくなってきたっていうのかな。やっぱりすごい機械としてね、少なくなってきてはいるんですよね。それが、なんか、年のせいなのか、なんか、別に年のせいってわけでもなくて、またいつか復活してくるのか、 それとも、なんかこう、なんていうのかな、人生がさ、やっぱりこう、それぞれこう、女性の人生は分かれていくからさ、その、結婚してるしてないとか、子供産むんでないとか、でさ、なんかそれによって、こう、細分化されていって、 なんていうの、自分がこう、今思ってることを他の人に伝えても、なんかこういう形の感情が伝わんないかもしれないっていう
風に思うことが非常に多くなって、でも、こうやってポットキャストとかやってるけど、何かをこう、ばらまこうとはしてるけど、うん、なんかこう、聞いてくれ以上のもの、ちょっと聞いてよ以上の重みを今つけられない って、私は思ってんですよね。その、聞いてくれるだけじゃなくてさ、なんか、わかってほしいっていうとこまで、やっぱりいけないね、何かしら、やっぱ、わかってほしい気持ちもあるけど、 うん、なんていうのかな、やっぱりこう、小説に一生懸命書いてたみたいにさ、なんていう、小説が、エッセイとかにさ、なんかこう、多分みんなこれ持ってるはずっていうの、
なんかなかなかねないっていうのがね。ちょっと向こうの皆さんには本当申し訳ないけど、今の正直な状態だからね。なんかそういうのがあるうちに、なんかこう、自分で何かしら形にしてみてもいいかもしれないですね。なんか余計なお世話だったらごめんなさい。本当に。あい。お便りありがとうございました。
じゃあ2通目も行かせていただきます。2通目もですね。なんか熱い系お便りですね。
ペンネームマリマリさんからです。こんにちは。前回のリテイクシックスティーの話、面白かったです。これ、17回目の後半でお便りに答えた長編小説の話みたいなやつですね。
ところで、豊島美穂さんは自分の作品で思い入れがあるものや気にっている作品はどれなんでしょうか。私はトップスリーをあげると、1どこまでいけるか言わないで過去神田デイズ2優しい人過去リリーの顔 僕とサクラと5つの春過去純情レジーです。純情エレジーて書いてたけど、これ、あれでね、なんだっけ。花が咲く頃いた君との方ですね。短編集をさ、短編シ書きすぎてさ、多分ね、ごっちゃになってるね。その、あれです。マリマリさんが悪いわけじゃなくて、私がね、短編集を書きすぎたことが悪いです。内容的には多分僕とサクの方なんだと思います。
この作品もとても好きですが、どこまで行けるか言わないではタイトルも素敵です。としさん、サークルに入っていなかったとのことですが、なんでこんなに内情を細やかに書けるんですか。取材。
もしよければ、思い出のある作品についてどっぷり語って、なんならこんなに面白いんだよと自慢してほしいです。もし順でなければ、私が挙げた3つについて語ってもらえると私が喜びます。笑よろしくお願いします。ということでした。
なんかね、これ、どっぷりどっぷりね。本当はね、私は多分どっぷり語れる。語れるけど、それをやっちゃうと、せっかくpodcastだけを聞いてくださってる方がさ、その、このとしみほって誰だろうって思いながらさ、 なんかすごい熱いお便り積もってるけど、知らねえさだなって思ってる人たちがさ、すごい。そうやっちゃうと、多分、くこっちゃすにゃーって、いなくなっちゃうから、なんか、それはね、しないでおきたいですね。まりまりさん、ごめんなさいね。
本当は私ね、なんか多分、他の人がしてないさ、その、現役の作家さんとかがしないこととして、自分の小説を普通に読者として読み返すっていうことをね、してるんですよね。たまにだけど、そんな、めっちゃいっつもしてるわけじゃないけど、なんかたまに読みたいなとか思って 読んでんですよね。なんか、だから、別に語ろうと思えば語れるんですけど、ちょっとそれはやめときますね。でも、でもね、ちょっとね、ちょっと雲のこちらせよ。みんな逃げないでほしいけど、1つだけね、1つだけ、こうあげさせてもらうならば、その、好きなものっていうか、思い出があるもの
ね。本当、逃げないでください。なんか、その、デビュー作のアーチェリーっていう本に入ってる中の、割と長い話で、ハニーソだかけているよっていう話があるんですよね。俺は、うん、その、 現代の日本でもし戦争が起こったらっていうか、戦争に参加したらね、ここがね、そのまま直接戦地になったりとかしないと思うけど、戦争に参加したら大体こんな感じになるっていうのを自分なりに想像して、なんかそれが、その上の人たち、その、政治的な話ではなくて、本当に生活の中、 その中でこんなことが起こるんじゃないかなっていうのは、すっごい若いなりにさ、すごい。これ書いた時、1回目書いた時なんて、20歳そこそこ、20歳
20歳か。だからさ、すごい至らない点もいっぱいあるけど、なんか1冊本出してもらえるなら、この話は入れようと思って書いたやつなんでよね。ね、まだ1冊目だけど、急にそんなでかい話を書いたんですよね。そんで、文庫にする時に、 やっぱ至らなかったから、全部書き直して、何も見ないでさあ、ただ1回読んで、頭に入れて、なんかエピソードとかも全部組み立て直しやと思って、 ずばっと書き直して、もうちょっとでも伝わるようにと思って、頑張って書いた作品なんですけど、なんか結構、その当時はさ、でもこんなことはないよねっていう風に割と言われちゃって、もうわかんないよね
っていう感じ。だから、なんていうの、すごい、自分なりに言いたいことを頑張って書いたっていうか、なんていうのかな、小説にするって、 うんうん、小説にした意味がある話かなって、自分的にはね、自分、自分だけの評価ですけど、思ったんですよね。ただ、なんていうの。文字でさ、評論的に訴えてもしょうがないし、なんかただ演説ぶってもしょうがないようなことだけど、なんかお話の形にすることで、 なんかこう、実感を持って伝わるんじゃないかなと思ってやってみたことだから、すごい自分では気に入っているっていうとなんか語弊があるけど、なんか頑張ったなっていうので、印象に残ってはいますね。
あと、普通に割と故郷をそのまま書いた話モデルにしつつみたいな。
あんま意外とそういうのないんですよね。田舎の話ばっかり書いてるから、すごい全部故郷がモ��ルじゃないって思われるかもしれないですけど、直接的になんていうの。高校は自分の生まれた街ではないからさ、ここのが舞台の小説書いたけれども、そうじゃなくて、生まれた町の方の話は多分あれしかないから、割と自分の中で特別なのかもしれないですね。
ちょっとこんくらいで。なんかマリマリさんが選んでくれた3つもね、それぞれね。ありがとうございます。なんかね、思い出しました。このどこまでいけるか言わないで
がサークルの話っていうことなんですけど、映画サークル、自主映画サークルに入ってる女の子たちが、なんか先輩たちがつまんない映画ばっか作ってるから、うちはノリが嫌になって抜けて、自分たちだけの映画を撮るって頑張って頑張るけど、けど。っていう話なんですよね。
これでもね、そうそう、この時に取材してないんですよ。だからね、でも想像で書いて、このyoutubeとかpodcastやるようになってから、この話を思い出した時に、
音響のこと抜けてたって思ったんですよね。その映画の音がすごい大変なんだろうなっていうのを今になって思い知ってね。どんなに小さい規模の自主映画でも、音響やっぱ1人いないとダメだよと思って。わかんない。意外とね、取っちゃうのかな。そのまま音悪くても。でもすごい音悪い映画になっちゃうよね。
なんかその3人の女の子が、その主演と脚本と監督に分かれるっていう話だったけど、音響、音響いねえって思いましたね。なんか今になって思った。でもそうやって思い返すぐらいはたまに読んでますとも。マリマリさん、ありがとうございました。嬉しかったです。
この番組では、ご意見窓口としてマシマのアカウントを開設しております。概要欄にリンクがありますので、こんな話してほしいとかこんなこと聞きたいみたいなご要望、あとはもちろんご感想がありましたらお気軽に送ってみてください。
マシュマロは匿名サービスなんですがね、ペンネームとか年齢、ぼかした居住地なんか書いていただけると嬉しいです。書ける範囲でね、書いてもいいよっていう方のみ書いてくださると嬉しいです。あと、さっき募集した熱を出している時の過ごし方、ぜひぜひお寄せください。
この、いつもね、さっきも言いましたけど、この皆さんすごい。今まで読ませてもらってるお便りはみんなね、熱いお便り。元々私を知ってる方からのお便りなんですけ ど、それ以外はね、なんかこの人知らねえなって人も気軽に送っていただけるとありがたいです。なんかそういう時あるよね。私もね、なんかたまたま見つけたポッドキャストで、声優さんのポッドキャストあって、内容がさ、好きで 聞いてたんですけど、なんか、なんか声優さんのファンの方がすごいお便り送ってて、なんか、なんかこの人の仕事知らないから送りづらいなと思ったり。送ってないんですけどね、送りづらいのはすごいよくわかる。
それでは局長会コーナー行きたいと思います。この番組では、spotifyのミュージックプラスト機能を利用して、番組の最後にテーマにまつわる曲を曲をお送りしております。曲を聞けるのはspotifyご��用の方だけですが、曲小会までは皆様お気軽にお付き合いいただければ幸いです。
今回は風邪ですね。風邪をひいている。風邪をひく曲ってさ、結構あると思うんですよね。
やっぱりこう、恋愛において風邪を引くっていうのは、何かこう、孤独を感じたりとか、逆に人がいる安心感を感じたりとか、なんかそうじゃなくても、なんか色々考えちゃったりとか、やっぱりする時間なのかなって思って。なんかね、そういう風にいろんなさ、今まで聞いてきたポップスにたくさんの風邪が入ってたような気がするんですけど、いざ思い出そうとするとね、ほとんど思い出せない。
なんかglobeのね、ディパーチャーズ、ディpチャズで合ってる発音。1番有名な曲ね。にゃにゃにゃにゃ。あま、歌うとちょっとまずい。なんかこれ、これにさ、風が出てくるんですよ。風邪も治ったみたいなの出てくるんですけど、これすごいさ、この使い方好き。すごい。
小室が天才って、なんか大人になってから思った。そん時さ、やっぱ現役の時、小室系好きじゃなかったけど、大人になって聞き返すと、この時代の小室っぱ神だなって思いますね。でもそれはちょっとなんか最近。最近ちょっとなんかポップス的な曲が続いてるから、ちょっとグローブはやめといて。やめといてですよ。
さっきお話したクリのね、私が熱出してる時に聞いて、この曲1曲が終わっただけだったっていう、その曲をお送りしたいと思いますか。関係ない。
関係ないけど、やっぱ自分の中で風と熱出してるっていうことと結びついてしまった曲ながら、なんかね、その後たまに聞きたくなるようになっちゃったんですよ。定期的に。なんでだろうね。別な熱出してる時に限らず、クリのね。2004年リリースのアルバムアンテナの1曲目、グッドモーニングっていう曲です。
これ、いい曲なんですよ。フライのアルバム曲ってさ、
これ。これ、あんま言わない方がいいのかな。なんか、なんだかんだか、やっぱりシングル曲の強さがすごくて。アルバム曲は年がと年月が立つとこ忘れたりとか、忘れられない曲たまにあるんですけどね。あるんだけど、 あれ好きよ。あのさ、ピアノガールとか好きよ。そういうのもあんだけど、なんか意外と忘れがちだと思うんだけど、このグッドモーニングはね、忘れない、なんか、1曲目、静かに始まる1曲目なんですよね、 なんか、冬の朝に、冬の話なんですよ、どっか遠くから、こう、夜行バスがこう、滑り込んでくるんですよ。新宿のバスターミナルに、そこにはね、カップルが乗っている。
なんか、どうも、なんか遠くから来たみたい、夜行バスだからね、なんだけど、その後、多分、時間潰してるんですよね。その、あまりにも早く着いたから、時間潰しを 喫でするのか、喫茶店でして、なんか町を、そっか、ちょっと、2階とか3階にある喫茶店なんですよね。下を見下ろしてる、新宿の街を、そんな下じゃないんですよ、その高層のさ、西新宿の玉の上とかか見下ろし店じゃなくて、ちょっと上からさ、 その朝が始まっていく、東京の朝が始まっていくところを見下ろしてる、その情景が歌われているっていうだけの曲なんですけど、なんか非常にその感じがいいんですよね。なんか
なんとも言えない朝の始まりので、自分は夜行バスに言われて、ちょっとずっと言われてきたから、まだちょっと眠さがってもうやっとしてる、そういう感じも伝わってくる、しみじみといい曲なんです。だからこう、皆さんに冬に聞いていただきたいですね。
もっと。風とは関係ないけど、風邪と関係なくてごめんなさい。じゃあ、spotifyでお聞きの方はこの後曲が流れますが、私とはここでお別れになります。最後までお聞きくださりありがとうございました。またお耳にかかれましたら幸いです。それでは聞いてください。curiでグッドモーニング
に想像して、なんかそれが、その上の人たち、政治的な話ではなくて、本当に生活の中でこういう風になって、身近な暮らしの中でこんなことが起こるんじゃないかなっていうのは、すっごい和解なりにさそ、これ書いた時、1回目か。
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「両親と子供の失われた時間は戻らない」生後5か月の長男を骨折させた傷害の罪に問われ、無罪が確定した男性(25)が胸の内を明かした。なぜ平穏な日々が奪われたのか――一連の裁判で明らかになったのは食い違う研修医らの証言と不自然な対応。弁護団が語った経緯と判決、男性の言葉をもとに紐解く。 父親が語った2年9か月の思い 4日、佐賀県内で会見したのは、森口流星さん(25)。森口さんは2021年6月、自宅の寝室で生後5か月の長男の右腕に何らかの暴行を加えて骨折させたとして、傷害の罪で逮捕起訴された。1審も2審も無罪。事件当日から無罪確定に至るまで、2年9か月の月日が流れた。 森口流星さん(25)「2021年6月21日。息子が泣き出し腕を動かさなくなり、私と妻はすぐに佐賀県医療センター好生館へ連れて行きました。息子を看護師に引き渡すと、そのまま児童相談所へ連れていかれました。妻は何の疑いもかけられませんでしたが、息子とは引き離され、私たちは約1年間息子と離れて生活をさせられました。2か月後私は急に逮捕され、保釈が認められるまで10か月以上、留置所から出られませんでした。面会は弁護士と児童相談所の職員を除けば、母だけでした。妻や家族と会うことは許されませんでした。私は何もやっていないのにどうして逮捕されたのか。毎日思い悩み、夜眠ることもできず、睡眠薬を飲む日が続きました」 裁判の争点骨折がいつ起きたのか 密室である家庭の中で起きた事件。弁護団は「協力医の存在なしには立証は難しかった」と語る。 森口さんは長男に暴行したのか、していないのか。公判では、 (1)森口さんが自宅で暴行を加えて骨折したのか。 (2)医療機関に引き渡したあとに骨折したのか。 つまり、長男の右腕の骨折が「いつ起きたのか」が争点となった。 弁護団の説明をもとに事件当日を時系列で振り返る。 【午前2時】森口さんが仕事から帰宅。 【午前6時31分】森口さんが長男を膝にのせてあやしている様子を妻が写真に収める。この写真には長男が右手でおもちゃを持っている様子が映っており、この時点では骨は折れていなかったとみられる。 【午前6時40分】寝室で長男が大泣きし始める。別室で洗濯物を干していた妻がすぐに駆け付けた。妻は森口さんが長男へ駆け寄っていく瞬間を目撃している。両親は長男が腕を動かさないことに気づいた。「ぶらんとしていた」と証言。 【午前7時11分】佐賀県医療センター好生館に電話 【午前7時30分】病棟へ入る 【午前7時51分~8時1分】レントゲン撮影で「上腕骨骨幹部骨折」が発覚。 【午前8時2分】長男の写真撮影開始(カルテ伝送) 弁護側の主張「長男は寝返りで起きる『肘内障』だった」 弁護側は、長男は「肘内障」だったと主張した。「亜脱臼」ともいい、子供によく起こるものだという。肘内障の所見は「腕を動かさない、だらんとする」「痛がる」「腫れは生じない」。両親の証言とも一致すると述べた。 肘内障は「6か月または5か月以下は寝返りで起きる」とされている。長男の骨折はねじったように折れる「ら旋骨折」だった。 弁護側の証人として法廷にたった医師は、「ら旋骨折」について「肩も肘も固定された状態で前腕が回旋した場合」に生じると述べ、「医療関係者により過度な整復作業(骨を正常な位置に戻すこと)が行われることによって生じる可能性がある」と証言した。 午前8時2分に病院で撮影された長男の右腕の写真には、洋服の袖まつり縫いの跡が残っていた。弁護団は跡が残る時間を調べる実験をしたうえで、「整復作業の際に強く握って腕を回したのではないか」と主張した。 1審の佐賀地裁判決は「無罪」 1審の佐賀地裁は2023年5月、「経験の浅い研修医らが肘の亜脱臼で過度な整復作業を試みたことで骨折が生じた可能性も否定できない」として森口さんに無罪を言い渡した。 2審も無罪研修医の証言「事実と異なる可能性」 福岡高裁 1審の佐賀地裁で無罪判決が言い渡された後、検察側は控訴した。そして2審の福岡高裁は今年3月、1審の無罪判決を支持し検察側の控訴を棄却。なぜ「無罪」なのか。 2審では、長男を診た当時2年目と1年目の研修医2人が、「救急外来を受診した当初から、長男の右腕に(肘内障の場合にはみられない)腫れを確認した」と証言している。 しかし、福岡高裁は判決で、「腫れが認められ骨折を疑っていたのであれば両親への対応も含め慎重な対応も求められる特殊な事案であることは容易に認識できたはず。にもかかわらず、当直の小児科医等に一報することもないまま、独断で長男の両親と隔絶してレントゲン検査が終わるまで研修医だけで診察等の対応を行ったことになるから不自然との感は否めない」とした。 さらに研修医ふたりの証言は、「カルテにもその(腫れの)記載がなく、看護師によるトリアージ結果とも整合しない」とした。 福岡高裁判決より「長男の右腕に明らかな腫れはなかったにもかかわらず、骨折を疑っていたことを強調するために、腫れの有無や程度について誇張するために事実と異なる証言をしている可能性が否定できない」 また、福岡高裁では診察にあたり研修医が両親に問診を行ったかどうかについても考察された。 福岡高裁判決より「(両親に問診したとする研修医2人の証言は)細部に相当の食い違いがある。看護師も曖昧な証言をしており、証言の信用性に疑問を生じさせる。問診等が行われないまま長男を両親から隔絶して診察が行われた可能性が否定できない。研修医らが、事実と異なる証言をしているとすれば、隔絶して診察を行った際に医療事故を含め何らかの不都合な出来事が生じたのを隠そうとしているためではないかという疑念も完全には否定しきれない」 福岡高裁は判決で、こう結論付けた。 福岡高裁判決より「(長男の骨折は)経験の浅い研修医らが長男の右腕に明らかな腫れ等がなかったこともあって、肘内障の疑いがあると判断してその整復作業(正常な位置に戻すこと)を試みたが、実際にはそれまでのいずれかの段階で自然に整復していたため(正常な位置に戻��ていたため)整復感が得られず、整複感を得ようとして過度な整復作業を行ってしまったため、骨折を生じさせたという可能性も完全には否定できない」 「失われた家族の時間は戻らない」 検察側は上告を断念し、2024年3月、男性の無罪判決が確定した。 無罪が確定した森口流星さん(25)「検察官は起訴した時点で、私がどんな方法で暴行を加えたのかをはっきり説明していませんでした。1審判決時点でもはっきりさせることはできませんでした。結局はっきりできないまま、検察官は控訴までしました。最終的に福岡高等裁判所で検察官が主張した最も可能性が高い暴行の内容は、私が息子の腕を足で踏んづけて丸太のように転がした、というものでした。私は意味が分かりませんでした。本気でそんな主張をしているのかと腹が立ちました。私たち家族の失われた時間は戻らないということを忘れないでほしいです」 佐賀県医療センター好生館に見解を聞いた 佐賀県医療センター 好生館 確定した判決で、研修医が受診した乳児を骨折させた可能性を指摘された、佐賀県医療センター好生館。取材に対し、4月5日「判決内容を詳細に把握していないためコメントする状況にありません」と回答した。福岡高裁の判決から3週間。判決確定から1週間がたっていた。 森口さんが失ったもの 森口さんは、事件から約10か月後にようやく保釈が認められた。小さかった息子は、会えなかった期間に大きくなっていた。当時勤めていた会社は「自主退職」を余儀なくされ仕事も失った。 森口流星さん(25)「やっと保釈が認められて、約1年ぶりに息子に会うことができ、信じられないほど大きくなっていてうれしかったのと同時に、息子の成長を見られなかったことがとても悲しかったです。保釈後も長い間、妻と息子と一緒に暮らすことが許されませんでした。犯人扱いされているようで、友人や知人からも疑われているようで、人目を気にしながらの生活は本当に嫌でした」 長男と引き離されたのは父親である森口さんだけではなかった。長男は事件後、児童相談所に保護された。母親である妻も面会させてもらえなかったという。 (以下、弁護団によると) 事件発生から約2か月後、まだ逮捕前だった森口さんと妻は、児童相談所の職員から、”父親が暴行して長男を骨折させたこと”を前提に今後どうしていくべきか家族で話し合いをするよう言われたという。2人は、「やっていないのにそんな話をするのはおかしい」と反論したが、職員から「あなたたちは何をしたのか分かっていますか」と強い口調で言われたと話す。弁護団によると、児童相談所から長男を返す条件として提示されたのは、当時専業主婦だった母親が仕事をすることと、日中、長男を保育園に入れることだった。その後、森口さんが逮捕され、妻は仕事を始めた。それでも児相から子供を返してはもらえなかった。 事件から3か月後の2021年9月。妻の面会が認められた。ただ、月1回、1回につき1時間以内、付添人をつけることが条件だった。 2021年12月。児童相談所から「複数人で常に長男を見られる環境でないと子供を返せない」と言われた。森口さんの妻は、親戚と一緒に暮らすため、引っ越しを余儀なくされた。 2022年6月、妻のもとへ長男が返された。事件から1年がたっていた。 あの日何が起きたのか「知っている人がいたら名乗り出てほしい」 無罪が確定した森口流星さん(25)「裁判では研修医が骨折させた可能性があると判断されました。検察官はそれ以外の可能性を一切立証できませんでした。研修医が骨折をさせたのであれば、それを研修医自身が病院に隠したか、病院側が組織的に隠ぺいしたのかどちらかです。どんな医療現場でも事故は起こると思います。私が病院に言いたいのは、いざ事故が起きたときに保身に走るのではなく、再発防止を最優先に考えてもらいたいということです。もし好生館に勤務する医師、放射線技師、看護師、その他の医療従事者でこの事件の真相を知っている方がいましたら名乗り出てほしいです。どうか病院をみんなが安心して利用できる場にしてください」 あの日、病院内で何があったのか。森口さんと弁護団は、「知っている人がいたら名乗り出てほしい」と呼びかけている。
なぜ私は逮捕されたのか「乳児の父親��無罪」判決が指摘した医師の不自然な対応と沈黙する病院 | TBS NEWS DIG (1ページ)
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2024-04-10
昨夜は学士会館で同窓会の集まり。学士会館はもと開成学校のあったところで、「日本野球発祥の地」とされている。碑があるのだが写真撮って来るのを忘れた。今日も神保町に行ったので撮ってきた。
夕刻より『月いち㐂いち』。終演後小・中・高・大の先輩と酒席をともにする。5つ上なので直接面識はなかったのだが、小声で校歌を合唱したりして懐かしい。と、ここまではよかったが、居酒屋から出たところの上り階段を踏み外す。肘をすりむいてしまった。この1年で転倒3回目。毎日四股をふみ、スクワットもしてるのに。右脳に穴があるので左足が弱い。自分の老化に怒れてしょんない(三河弁。腹が立って仕方がない、の意)。
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沙烏地超級盃半決賽利雅得勝利1-2不敵利雅得新月,比賽尾聲階段C羅因肘擊對手的行為紅牌罰下。根據沙烏地阿拉伯媒體表示,C羅的行為可能被禁賽兩場。
在比賽結束後,當值主裁判第一時間提交了裁判報告,並詳細記錄了這一紅牌事件,當值裁判表示:「C羅用過度用力的方式肘擊了對方球員布萊希,這是可恥的行為。”
根據沙烏地阿拉伯足協規定,這種行為將被處以2場禁賽併罰款2萬裡亞爾。根據統計,這是C羅職業生涯第8次吃到直紅,上一次染紅還是在2018年尤文取代瓦倫西亞的歐冠比賽。
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花瓶と日記について
例えば道端で、綺麗な色の枝葉をつける樹木があったとする。君はそれをハサミでパチンと切って、袋にしまってスキップしながら家に帰る。階段を登り、玄関の扉を開き、カバンを床に投げ捨てた君は、袋の中の美しい枝葉のことを忘れたまま、ソファーに腰をかけてリモコンを握ったが最後、そのまま動物らしく食欲と睡眠欲を満たすだけの時間を過ごした。
翌朝、カバンの中から財布を取り出そうとした時にようやく、美しい枝葉のこと、そして家に花瓶がないことに気づく。極めて短い走馬灯を経て、急いで空いたペットボトルに水を注いで、萎びた枝葉を挿す。大丈夫、水を吸えばきっと元通り…とまではいかずとも、昨日のように元気な姿を見せてくれるはずだ、と。
しかし、萎れた枝葉は元に戻らない。水分の供給がぴたりと止まったにも関わらず、葉と樹皮からの蒸散は止まらない。ついには、葉にある水分を使って失われる水分を補填、そして蒸散量を抑制したことにより、美しかった葉は細胞から死んでしまったのだ。一度死んだものは蘇らない、1時間経っても、半日経っても、丸1日経っても表情を変えない枝葉を目にして、君は初めて取り返しのつかない小さな後悔を覚えるのだ。
ところで、あるとき俺はハサミになりたかった。カッターナイフや包丁とは違って、二つの手で包むように(或いは抱きしめるように)切断する様が好きだった。ハサミは生かすも殺すも自由自在で、正方形から無理やりネコちゃんを作ることもできる。そのくせして石コロには負ける素直さもある。俺はハサミになりたかった。
またあるとき、俺はいちごになりたかった。甘くて酸っぱくてみずみずしい、ケーキの上の真っ赤な1番星。いっそのこと自分がいちごになってしまえば、ずっとそのままでいられるなんて勘違いしたのだろうか。2日前の朝ごはんも思い出せないのだから、幼い日の記憶、ましてや感情なんて思い出せる由もない。ともかく、俺はいちごになりたかった。
俺は日記になりたい。手垢で汚れたページには平凡だったはずの日常はなく、ビビッドな毎日が描かれている。夜の街灯や展示会、黄色い蝶々のこと、コップに並々と注がれた液体と固く締められた白いおしぼりのこと、喧嘩をしたこと、花瓶に生けた美しい枝葉と花々のこと、たくさんの動物や魚と肘までかかるゴム手袋のこと、一度きりの日々が手垢で汚れていくのが不思議で嬉しかった。ごめんなさい。
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