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#父母ヶ浜海水浴場
silent19nights · 11 months
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2023.08.17
夏期講習ラスト期の1日目。朝早くから出勤。恋人と会う予定が会ったので早起きもなんともない。それなりに仕事をこなし、これから恋人と会うことを自慢したのち待ち合わせ場所へ。彼はホームの待合室がよく似合う。本を読んで待っていてくれた。目の前に座っていたおじいさんの眉毛が真っ黒で、フェルトを貼り付けているのかそれともマッキーで塗りつぶしているのかといったようなくらい。
恋人は5時まで起きていたようでとても眠たそう。毎度のことだけれど会ってすぐはなんだかもどかしいような雰囲気が漂い、いまいち会話が弾まない。それもまたよいけれど。わたしは先日のことがあったからかその状態が不安で仕方なかったけれど、帰りはまったくその面影もないくらいになった心配はいらないかな?
下北沢に到着し、ぶらぶらと歩く。かわいい雑貨屋さんでトートバッグを見たり、サングラスを見たり、なんだかいかにもなデートらしいことをする。麦わら帽子、意外と似合うみたい。アンティーク調のお店でこけしを発見。わたしに似ているらしいですよ、なかなか失礼なのでは?と思うと同時に、人の手で創っているものであるから美しいってことにしておく!という気持ち。恋人はサングラスがお気に入りのよう。髪型と相まってより雰囲気が出ていた。なかなか近寄りがたいけれど。しばらくふらふらと歩き、二人とも空腹の限界を迎え、カレー屋さんに入る。カレー専門店、というとどれも癖の強いスパイスのイメージがあったけれど、今回入ったところは見た目に反してシンプルな味わい。辛かったけれどおいしかったなあ。その後、TSUTAYAを見つけてふと入ってみるとパンどろぼうのPOP UPがあることを発見。とってもかわいいステッカーに再び出会ってしまい、購入を決意。スマホケースに挟むことにした。さらに歩き回り、ヴィレヴァンを見つけて入る。おぱんちゅうさぎやモルカーを見つけてはしゃぐ姿を見られて、意外とこういうのが好きなんだ、と言われる。自然と手をつないでたくさん見て回る。絵本コーナーでパンどろぼうの作品を見つけて立ち読みをする。想定外の展開に二人で笑いが止まらなくなる。最近の絵本は奥が深い。ケチャップマンという絵本の絵に惹かれて読んでみると、アルバイトのお話で恋人に刺さったようですこし面白かった。これもなかなかダークな内容でびっくり。絵本の立ち読み聞かせ、はまる。恋人はすっかりラテアートにはまっているようで、ミルクピッチャーがあるかもしれない、と無印良品へむかう。二人でキッチン用品や日用品を見てまわるのはまた一歩距離が近づいたような気がしてうれしかった。お目当てのものは見つからなかったけれど、好みのアロマディフューザーを嗅ぎ合ったり、スキンケア用品をすすめたりといろいろ。京都のときにわたしのメイク時間の短さに驚いたよう。たしかにメイクはささっとしかしていないなあ、と伝える。そのままいいよと言ってくれてお世辞にも助かるなぁという気持ち。その後、古着屋を何店舗か回る。ワンピースが似合うねと言ってもらえた。秋服としてひとつ新しいものがほしいなぁ。今までで一番手をつないでいる時間が長かった気がする。手繋ぎたい、と恥ずかしそうに言ってくれるので、いちいち言わずに手を取ってくれていいのよ、と伝える。どきどきするんだって。京都ではあんなことしてたのにね。わたしが行きたいと伝えていたラテアートができるカフェに入る。あまりの暑さにホットを頼むのはさすがに、、となりアイスラテをたのむ。彼は抹茶、わたしはショコラ。ひとくちいただいたけれど苦すぎる。抹茶が好きな人ってすごいなあ。後輩に推しだと伝えられたことを話してみた。やっぱり後輩を引き寄せる力があるんだよ、僕も引き寄せられたし、と言われる。恥ずかしい。僕も推されたいなあ、と言っていたので、わたしが推そうか?というと、うちわを持ってきゃーってやる?という話になり、さすがに恋人同士のやつらがそれをしていたらきつすぎるか、となる。たわいもない話を交わし、店を出る。
下北沢にそれなりに満足したもののまだ夕方だったので、海に行こう!と小田急に乗る。想像以上の満員電車で、腰に手を回してくれた。守られている感じがしてうれしい。いちばん好きかも。わたしが連日朝から労働をしていたので、眠気に襲われてうとうととするたびに支えてくれた。座れてからは完全に肩に寄りかかってしまっていたけれど、それも喜んでくれていたみたいで、こちらとしては寝てしまってすまない、という感じだけどまあよかったのかな?
江ノ島はやっぱり海水浴シーズンということもあり、人が多い。何回目だろう、といいつつもやっぱり海辺は落ち着くね、と言いながら浜辺へ向かう。はじめて一緒に来た日から3ヶ月とすこししか経っていないことにも驚く。いつものように浜辺に並んで座り、海を眺める。花火をしている人たちがたくさんいて、ずいぶんと賑わっていた。辺りが暗くなってくると星空が見渡せるようになり、この前のプラネタリウムでみた夏の大三角をすぐに見つけられた。意外とここからでも見えるんだねえと話す。同窓会どうしようかな〜と言っていたので、新たな恋が芽生えるかもね、と言うと、どうしちゃったの!と言われる。普段あまりこういうことを言わないからか、だいぶ驚いていたみたい。他の人に目移りするわけないよと言ってくれた。その流れで過去のお互いの恋愛についても話した。(とは言ってもわたしはほぼゼロ)過去にお付き合いしていた人も、同級生か年上で、男性らしくエスコートしてくれないことが不満で振られたり、その不満を伝えられて嫌になって振ったりした話を聞く。前の方との関係を持っているときの、距離が近すぎて疲れる、というのがわたしのなかで少し引っかかっていたので聞いてみると、自分には大きな壁があって、その中に入った人との距離が近いのはうれしいことだけれど、その中に入る前から距離が近いのがむりだと言われる。わたしはもうその中にいるようで、だからどんどん甘えてほしい、と言われる。寝てしまっていたのも普段見られない弱い一面だね、と言われるけれど、弱いところばっかりじゃない?やっぱり眠たくなってしまって、そっぽをむいていると、こっち向いてよ、と言われ振り向くとそのままキスをしてくれた。うまくなったね、この前はめっちゃ歯が当たってたと言われて、恥ずかしくなる。あたりまえにできるようになったのはうれしいなあ。その後も何度か。しあわせ。
家族の話になり、高校のときの出来事から母親と妹とあまりうまくいっておらず、父親がどうにか生きるための手綱になってくれている気がする、という話を聞く。お仕事の関係からしばらくの間は一緒に暮らすのは難しいようで、少し心が痛む。家族の存在は良い意味でも悪い意味でも大きすぎるから、彼にとって負担でもあり支えでもあるよう。こういう話をすこしでも聞いてあげられる存在になれたのはうれしい。
ずっと同じ体勢も疲れるね、と前後になり後ろから抱きしめてくれるように座る。首元に顔を埋め、いい匂いと何度も伝えてくれる。彼も成人男性なのにもかかわらず相変わらずシャンプーの良い香りがしてくる。心地よい。後ろから抱きしめてもらうとぜんぶ大丈夫な気がする。もっと甘えてほしい、と行ってくれるけど、甘え方がわからない、わがままとの区別がつかないなあ。難しい。わがままでもいいよ、と言ってくれるけどそれはプライドが邪魔をする。
なんだかんだしていると斜め上に見えていた星たちが頭のてっぺんに。彼が星座のアプリをダウンロードして、星をみようとしているのがロマンチックに感じた。ずっと二人でくっついては少し話してを繰り返す。幸せなひととき。
花火をし始める人たちが増え、21時半をまわったころ、わたしの眠さが再びピークを迎えて眠ってしまう。体を撫でてくれるのがほんとうにうれしい。その後、駅前公園に行こうか、と駅へ向かう。そのときも眠たくて仕方がなくて、ふらふらと歩いてしまったが、ずっと腰を支えてくれて、むしろずっとうとうとしていたいかもとさえ思った。電車のなかでは完全に肩に寄りかかって、首に顔を埋めて寝ていた。そのときもずっと頭を撫でてくれていて、一生このままが良いとさえ思った。
駅前公園に着くともう22時半近くなっていたが、人の姿が。まあ気にせず、この前来たときと同じベンチへ。変わらずぴったりとくっつき合う。帰りたくないね〜と話す。そしてわたしはまたうるうる。つい会う頻度についての本音や一人暮らしへの羨ましさをもらしてしまった。たくさん会いたいけれど、会うのが当たり前になってしまうのは違うとも思うし、日々感謝は伝えたいし、など。寂しくてたまらないんだと伝えると、暇なときはいつでも連絡してほしいと言ってもらえた。します!!と伝えた。こんなこと書くのもばかばかしいけれどうれしかったから残すが、やっぱり大きくない?と言われる。よかったです。何度かキスをして、ハグもして公園を出る。正面でしたいけれど人がいるね、と言っていたを思い出し、路地裏に入った瞬間思いっきりハグをした。しあわせだったなぁ。駅に着き、改札で見送る。いつでも連絡してね、という言葉をお世辞ではなくまともに受け取ったので、明々後日くらいに連絡する!と伝え、わかれる。見えなくなるまで見送れてよかった。
旅行明けにたくさん悩んで苦しんだ結果、思っていることはまっすぐ伝えようと決めて会ったことから、いつも以上に感謝を伝えられたし、素直になれたと思う。今まで以上に距離も近かったしたくさん愛を確かめられる振る舞いが感じられて、いつもみたいに意味不明なメンヘラに陥ることもなく、たのしかったし幸せだったなあという気持ちだけを残すことができたと思う。
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tani1gan · 4 years
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過去 父母ヶ浜 pic Selection Final Date 8/18/18(平成30年8月18日) Location 三豊市仁尾町父母ヶ浜 父母ヶ浜は現在「立入禁止」となっています。来ても写真撮れませんので。 もしこの状況が終息したら、足を運びにきてください。 #父母ヶ浜立入禁止 #tani1gan #三豊市 #仁尾町 #父母ヶ浜 #父母ヶ浜海岸 #父母ヶ浜海水浴場 #shikokucameraclub #team_shikoku #shikokutrip #setouchitrip #triproud #旅ness #dokoiku #tokyocameraclub #japan_travel #grate_photos_japan #lowangleshot #ほふく撮影隊 #photo_map #家で写真を楽しもう #stayhome #うちで過ごそう #四国八十八景 #sorakaraphoto #瀬戸内サニー #過去Pic (父母が浜海岸) https://www.instagram.com/p/CA21O9MjPzz/?igshid=1ij7ipuclatf3
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kenji-25-15 · 5 years
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2年前の父母ヶ浜、夕焼けです。人がいません。
今では考えられません。
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corocoro-cocoro · 7 years
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君とみた海
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amiens2014 · 2 years
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父母ヶ浜/香川県三豊市【ウォーキング】四国のウユニ塩湖と呼ばれる海面に映り込む夕日の写真が人気のスポット
父母ヶ浜とは 父母ヶ浜(ちちぶがはま)は、香川県三豊市仁尾町仁尾乙(かがわけんみとよしにおちょうにおおつ)にある海岸だ。 古くからの海水浴場だが、近年は水面が鏡面状に見えるウユニ塩湖のような写真を撮影できる場所として人気となっている。 約1km のロングビーチを誇る穏やかな香川県三豊市の海水浴場です 。 毎年夏には多くの海水浴客が訪れます 。 潮が引いた干潮時の夕暮れには、南米ボリビアの「ウユニ塩湖」のような写真 が 撮れると話題に 。 2018 年 には じゃらんの「 夕日 絶景 ランキング 」で全国1位に選ばれました。 父母ヶ浜 | 三豊市観光交流局 から引用 香川県三豊市仁尾町仁尾乙203−3 0875-56-5880 (more…)
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judachigeiju · 6 years
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紀伊半島原付旅行記
早めの夏休みをもらったので、原付で伊勢湾フェリーを渡り紀伊半島を一周しようと思い立った。思い立って二週間後に出発した。紀伊半島とは精神の方面である。
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七月二日:浜松から新宮へ
排気量五十CCの原付〈一つ目家鴨〉号はキックスターターを使わないとエンジンが動かなかった。一抹の不安を抱えながら、七時半、原付に跨がった。曇空の下、国道一号線を西に進み、弁天島を回って国道四十二号線、表浜街道伝いに渥美半島を西へ進んだ。
坪井杜国の故地
赤羽根港に付属する道の駅で休んだあと和地交差点から西北に進路を変えて高田交差点で左折、高田西交差点で右折し、右手にある潮音禅寺こと潮音寺を訪れた。境内には柳原白蓮歌碑と山頭火句碑があり、空米売買で尾張徳川家の領地から追放され、渥美半島へ来た坪井杜国の墓碑がある。
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杜国墓碑の前に立っていると住職から 「俳句をやっているのですか?」 と声をかけられ、その日に咲き始めたという蓮を見せてもらった。蓮の初日はあまり開かないのだという。血統書付きの大賀蓮の水鉢もあった。住職は黒目高も二千匹に繁殖させたらしい。川を渡って「杜国屋敷跡」の看板のある角を左折すると畑のなかに小さな杜国公園。〈春ながら名古屋にも似ぬ空の色/杜国〉の句碑が建っており、投句箱もあった。
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十時を回っていたので急いで西へ向かい、二十分ほどで伊良湖岬のフェリー乗り場に着いた。標識交付証明書がなくても排気量を口頭で伝えただけで発券してくれた。合わせて三千九十円で、十円だけ人の方が高い。十時五十分発、五十五分に及ぶ伊勢湾の航海。波が荒かった。伊勢湾を渡っていると雨に降られた。船内のテレビで天皇の病態が報じられ、平成が来年五月までもたないかもしれない、と思った。鳥羽に着くと雨は止んだ。
嶋田青峰の故地
フェリーを出ると正午になろうとしていた。鳥羽フェリーターミナル二階のレストランで食事をとろうとすると係員のおっちゃんから「ここのレストランはおすすめしない。近くの錦屋がいい」と勧められ、錦屋でてこね寿司と伊勢うどんを食べた。若女将の愛想が良かった。食べているうちに梅雨晴間。志摩半島を縦断し、的矢で渡鹿野島を望もうとしたら、的矢は、ホトトギス同人から除名され新興俳句弾圧事件で逮捕された俳人嶋田青峰の郷里だった。句碑〈日輪は筏にそそぎ牡蠣育つ/嶋田青峰〉も、弟である嶋田的浦の句碑〈海うらら水平線は汽船を引く/嶋田的浦〉も夏草のなかにあった。杜国といい青峰といい不遇な俳人ゆかりの土地ばかり巡った一日だ。志摩半島の浦はどこも簡素で好きになった。尾鷲で小雨に遭い、虹を見た。ひたすら走り、いくつもの浦の潮が戻るのを見ながら走り、十九時に新宮駅近くへ投宿した。
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七月三日:新宮から田辺へ
目覚めるとサッカー日本代表が白耳義に惜敗していた。六時半に新宮市の「路地」を見てから霧雨の国道百六十八号を熊野本宮大社まで走った。
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山岳信仰とサッカー
観光客がほとんどいない大斎原や本殿を見た。熊野は大学一年生のとき以来だから十年以上ぶりだ。拝殿にサッカーワールドカップ関連の展示があったが、侍ブルーのユニフォームを着たスタッフが取り外していた。熊野の神に勝ったのだから確かに白耳義は赤い悪魔だった。
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八時半に給油してから山を下り、新宮市街まで戻ってから那智の滝を見た。数年ぶりに絵馬を書いたり護摩木を焚いたりした。熊野本宮よりも那智の滝を神体とする信仰の方が私にはわかりやすい。
鯨焼肉はレバーの味
十一時には那智を離れ、正午に太地町へ着いた。くじら博物館は千五百円を惜しんで入らなかったけれど鯨恵比須の鯨骨鳥居と燈明崎の山見を見て、道の駅たいじで鯨焼肉定食を食べた。血臭いのでやはり鯨肉は揚げた方がいい。
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尻ではなく太腿で乗る
国道四十二号線をひたすら西へ。里野で水泳パンツに着替えたがちょうど日が陰って寒くなり、海水浴はあきらめた。見老津のあたりで和歌山県警の軽パトカーに跡をつけられたので、先に行かせたら、また後ろに回られてスピーカーで停められた。職務質問だ。「浜松市」ナンバーを見なれないから停めたとのこと。浜松から原付で来たと説明すると「どうしてそんな気になったんですか」と訊かれた。「お尻が痛くならないんですか」とも訊かれたので「尻ではなく太腿で乗ると痛くならない」と答えた。ズボンの下は水泳パンツなので、ズボンの中まで調べられたら即逮捕だっただろう。別れ際に夜間に掛けられる光る反射タスキをもらった。それから道の駅ごとに休み、田辺を目指した。
交番へ出頭
十六時過ぎに道の駅椿はなの湯で休んだ。ベンチに座ってのんびりしていると別のベンチに座っていた老爺が「そろそろ行くか」と独り言を言い、軽トラックでどこかへ行った。老爺のベンチが日陰だったので日射を避けるべく私はその日陰のベンチに移動した。するとベンチの上に財布が落ちていた。あの老爺の財布だと思い、私は戻ってくるまで待つことにした。でも戻ってこなかった。道の駅は定休日で閉まっていた。仕方なく私はその財布を持って近くの椿駐在所まで行った。しかし駐在さんはおらず、備え付けの電話を架けると婦警が富田駐在所まで来ていただけるかと言った。住宅街のなかにある富田駐在所へ出頭し拾得物物件預り書一枚で解放された。一日に二回も警察沙汰だ。交番を出て国道四十二号線に出た途端に雨が降り出した。晴れ間をぬって沿岸を北へ進み田辺駅近くの美吉屋旅館へ投宿した。自動扉が開くと禿親父がソファに寝そべって歌謡ショーを観ていた。客かと思ったけれど主人で間違えなかった。夜風が吹いただけで骨組が唸る旅館の「菊」の部屋に泊まった。若旦那から純喫茶桂のご主人が亡くなって看板を下ろしたと聞いた。灯りが点いているのはどきどき奥さんがいるからだとのこと。
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七月四日:田辺から大和高田へ
北上するには二通りあった。海岸沿いに国道四十二号線を進む海ルートと高野山を経る山ルートだ。高野山は魅力だが山ルートにはガソリンスタンド問題があった。ただでさえ燃費が四十キロ前半まで落ちているのにガソリンスタンドが少ない山中を百数十キロ走るのはガス欠リスクが高い、それに近畿地方の天気予報は全域で雨なのであえて天候の見えにくい山間部を通ることもなく海ルートに決めた。
台風七号ブラピルーン
フロントに鍵を置いて五時半過ぎに出発した。みなべ町の岩代で、四つのH音のやるせなさが素晴らしい〈家有者笥尓盛飯乎草枕旅尓之有者椎之葉尓盛/有間皇子〉が詠まれたという磐代の結松と畑のなかの寺脇にある歌碑を観た。八時くらいまで台風七号はおとなしかったがトンネルを出て由良町になってから本気を出し、激しく雨が降り出した。それでも走り続けたのでジーパンはもちろん下着までぐっしょり濡れた。なぜ走っていたのかと言うと大阪は午後から曇るという予報に賭けたからだ。和歌山市まで強く雨が降っていた。大阪府に入ると小雨になり時々晴れ間も見えた。雨雲レーダーを見ると高野山はもっと強く降っていたので山ルートにしなくて本当に良かった。岸和田城の横を通り和泉市で冷えた体の血流を回復させてから東へ折れ、富田林から河南、水越トンネルをくぐって大和の葛城に出た。山はやはり雨が降っていた。
葛城一言主神社では二人の男性が階段下の祓戸神社へ参拝してから昇段し、一言主神社の拝殿へ参拝していた。一言さんは地元の信仰を集めているらしい。それと拝殿に参拝する事前準備として拝む祓戸神社というシステムは熊野本宮にもあった。祓戸神社の祭神はいずれも瀬織津姫、近畿地方の格式ある神社の様式だろうか。大和高田のネットカフェで刃牙を読んだあと大和高田駅近くの福の屋旅館の「菊」に泊まった。また菊だ。女将一家の生活スペースと部屋が廊下一つを隔てて隣りあっているので、おばあちゃん家に泊まった感があった。女将は、橿原神宮の神武天皇が奈良県を大災害から守っていると言った。そういう信仰は美しい。
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七月五日:大和高田から浜松へ
近鉄大和高田駅のミニストップで食事をとった。ちょうど通学時間帯で女子中生・女子高生が目に入る。それは揚羽よりも速いという女子高生に会いに吉野へ行くからだろう。
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三重県南部は雨時々曇りという予報を見て急ぎ八時半には宿を出た。女将から缶珈琲をもらった。桜井を経て九時半過ぎに宇陀の阿騎野へ。吉野とは飛鳥の平地から見上げるような山地のことだった。東の野にけぶりの立つ見える阿騎野は菟田吾城という古代城郭があったらしい。鎌を持った小母さんから「この地は薬草で有名」「元伊勢」と聞いた。
人間のクズが国栖に
吉野川まで南下して国栖の里を眺め十一時前には国栖奏伝習所の横を通り浄見原神社を訪れ記名した。「鯨は人間のクズだ。ちなみにクズは国栖、先住民族の名だ」と言われてからずっと気になっていた土地「国栖」に立てた。
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県道十六号で国道百六十六号線に戻り、鷲家八幡神社の桂信子句碑・前登志夫歌碑・宝蔵寺の能村登四郎句碑を見て、高見山を仰いだ。そういえば吉野で女子校生は見なかった。汗に冷えた体で高見山トンネルをくぐった。それから虹の泉のほかは伊勢までひたすらに走った。
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近畿地方はあちこちで豪雨らしいが、幸運にも私は雨を数粒受けただけで水泳パンツを履いた意味がなかった。猿田彦神社を参拝し十六時前には鳥羽のフェリー乗り場に着いた。十六時半発のフェリーには間に合ったがガソリンが空になりそうだった。あこや真珠と中国産の淡水真珠の違いを聞いた。
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雨の帰浜
フェリーは伊勢湾に出ると波に揺れた。恋路ヶ浜を見下ろしてから国道二百五十九号線を通って豊橋市を目指した。国道二十三号線からは私が「ほぼ原付専用道路」と呼んでいるバイパス横の側道を通り湖西市へ。昼夜食堂港屋本店で浅蜊汁と鯵の開きを食べた。食堂を出ると雨が降り始めた。弁天島を経て国道一号線で帰宅した。四日間の走行距離は九百三十五キロメートルだった。あとヘルメットのシールドが割れていた。
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release-info · 4 years
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futa: 死ぬまでに一度は見たい日本の絶景!香川県三豊市の父母ヶ浜海水浴場です。 日本のウユニ塩湖と呼ばれて話題になったスポットです […] https://ift.tt/36C5Y0s
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ohmamechan · 7 years
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沖をゆく青い舟
 ※大昔に出した本の、短編を中途半端に再録です。  夏合宿の前に、一日だけ実家に戻った。  母が物置をひっくり返して大騒動をしているので何かと思えば、遺品の整理をしているのだと言う。 「来年はお父さんの十三回忌でしょう?久しぶりに、色々片付けようかと思って」  そう言いながらも、母が何一つ父に関わるものを捨てる気が無いのを知っている。七回忌の時もそうだったからだ。  仕舞い込まれていたものを取り出しては並べ、天日に干して、また元通りに収める。  各種大会で取ったメダルや額入りの賞状。トロフィー。くたびれた皮のジャケットやジーンズ、ぼろぼろのスニーカー。色あせた大漁旗。古びたランタン。  とりとのめのない、父を思い起こさせる物ものたち。  それらは、普段は目のつかないところに収められているけれど、その物ものたちの存在を忘れることは決してない。母は特にそうだろう。普段の食事や、居間で和んでい る時、ふとした会話の端々に、父の存在を滲ませる。父がいたこと、父が今はもうこの世にはいないこと、そのどちらも当たり前にしている。母はそんな話し方をする人だ った。 「このTシャツなんか、もうあんたにぴったりじゃない?」  時代を感じさせるスポーツメーカーのTシャツを、背中にあてがわれる。靴を脱ぎ終わらないうちから、母が玄関に飛んできてそんなことを言うのだ。  江は、居間にテーブルにアルバムを広げて、色あせた写真を眺めていた。 「いっつも思うんだけど、私もお兄ちゃんも、ちっともお父さんに似てないのよね。花ちゃんのとこは、みんなお父さんに似てるのよ。娘は父に似るって言うけどうちは違 うわね。全部、お母さんに寄っちゃったみたい」  などと、一人で何やら分析している。  そこへ母が戻ってきて「ほら、このTシャツよ。みんなで海へ出かけた時に着てたのよ」と手にしていたTシャツとアルバムの写真を交互に見ながら言う。どちらも見比 べてみた江が、ほんとだ、と感激する。  以前は、このやり取りを見ているのが苦痛だった。二人が、父の話を和気あいあいとする中に、うまく混ざることができなかった。父の写真を持ち歩きながらも、本当は 写真の中の父と目を合わせるのはこわかった。母に会えば、父の思い出や存在に嫌でも向き合わなければならなくなる。あからさまに避けていたわけではないけれど、あれ これと理由を付けて帰らなかったのは事実だ。  それなのに母は、いつも子ども部屋を出て行ったままにしておいてくれた。小学生の時に使っていた机も椅子も本棚も洋服箪笥も。そう広くもない平屋住まいなのだから 、ほとんど帰らない息子の部屋を物置にするぐらいのことをしても誰も咎めやしないのに。  荷物を自分の部屋に置いて居間に戻った。  アルバムを熱心に覗き込んでいる姉妹みたいな二人に自分も加わる。  どれどれ、と覗き込むと、 「お兄ちゃんは見ないで。この頃の私、太っててやだ」  と江がアルバムの左上のあたりを手のひらで覆い隠した。写真は見えなかったが、指の間から書きこまれた文字だけはなんとか読めた。日付からして、江が二歳、凛が三 歳の頃の写���が収められたページのようだ。 「お前、食っては寝てばっかだったもんな」 「そうね、江はおっとりしていてまったく手がかからなかったわ。おやつをあげればご機嫌で、あとはすやすや寝てたもの。お兄ちゃんがちょこまか動いて忙しかった分、 助かったものよ」 「そうだっけ」  おやつを食べかけたまま寝こける江の姿は記憶にあるのに、自分がどうだったかなんて、まるで覚えていない。 「そうよ。走り回るあんたをおっかけて、ご飯を食べさせるの大変だったんだから。一時もじっとしてなかったのよ」  ふうん、と頷きながら、するりとアルバムに置かれた江の手をスライドさせる。 「あっ、お兄ちゃんだめったら」  露わになった写真に写っていたのは、浜辺に佇む家族の姿だった。祖母の家があるあの町の海岸かもしれない。母に抱えられた江はベビービスケットを頬張っている。腕 はふくふくとしていて、顔はハムスターの頬袋のようにまるい。とてもかわいらしい赤ん坊だと思うのに、江は顔を真っ赤にして「見ないでよ」と憤慨している。  同じく写真に写っている自分はというと、父の肩にまるで荷袋のように抱えられて笑っている。浅黒く日焼けした父も笑っている。こうして顔が並んでいるところを見れ ば、つくりは多少違うけれど笑い方は似ている気がする。 「これ、お父さんが外海に出る前に撮った写真ね」 「全然覚えてないわ」 「おれも」 「まだ小さかったもんね。外に出れば一ヶ月は戻れないから、大変だったのよ。お父さんが」 「大変って?」 「離れてる間にあんたたちに忘れられちゃうんじゃないかって、不安がるのよ。お見送りの時はいっつもさめざめと泣いてたわ」  お父さんかわいい、と江が小さく噴き出した。  中にはいくつか風景写真もあった。眺めているうちに、見覚えのある海岸線が写っているものを見つけた。 「これは、おとうさんの船で島まで渡った時のものね」 「あ、ほんとだ」  母と江がそろって覗き込んで来る。小さいながらも、父は自分の船を持っていた。青い船体に赤い縁取りの漁船。普段は大型漁船の乗組員として沖合や外洋に出ていたが 、禁漁で船が出せない期間は、よく自分の船に乗せて近海に連れ出してくれたものだ。小島を渡って、釣りをしたり、磯で生き物を探したりした。  小学生の時も、オーストラリアにいる時も、父を思わない日は無かった。けれどそれは、こうして思い出に浸るようなものとは少し違っていた。自分が何のために泳ぐの か、今なぜここにいるのかを確かめるための座標のようなものだった。そこに、感傷はあるようで無かった。感傷を背負い込む余裕すらなかったのだ。 「今度、江も凛もここに合宿に行くんでしょ?」 「うん」 「まさか、またあのコーチに船出してもらうのか?」 「いいじゃない!結構楽しいよ」 「お父さんが生きていたら、喜んで船を出してくれたでしょうねえ」  ゆっくりと母が言った。  昨年の夏、あれほどの問題を起こしたのに、鮫柄高校水泳部と岩鳶高校水泳部は頻繁に合同練習を行い、大会前は対抗試合を行うほど親交が深まった。  許してくれる人間もいればそうではない人間もいる。部内には、凛に対して風当たりの強い部員も当然いる。岩鳶高校と交流を持つことをよく思わない部員もいる。そん な中でも、御子柴部長は率先して岩鳶高校を自校へ招待したし、自分たちも岩鳶へ遠征した。今春から後を引き継いだ新しい部長が今回の合同夏合宿を持ちかけたのも、O Bの意見を取り入れたからだ。  彼の言動というよりも人柄が、凛が水泳部に居座ることを不快に思う部員たちの意識を変えていった。 「だって、江くんと会える絶好の機会じゃないかあ」  などと茶化してはいたが、彼がどれだけ気を遣い、部内の雰囲気を良好に保つために力を割いてくれたのか、側で見ていた凛には痛いほどよく分かる。  自分にできることと言ったら、泳ぐことしかなかった。御子柴の厚意に甘えるばかりでは、何も示せない。ひたすら、どんな時も、誰よりも真剣に泳いで見せた。泳ぐこ との他には、先輩に礼を尽し、後輩を支えた。それは部員として当たり前のことばかりだったが、その当たり前を一心にやり通すこと。それが素直にうれしくもあった。  六月末、島へ渡り、例年通り屋内プールを貸し切っての合宿が始まった。昨年と異なるのは、岩鳶高校と合同だという点だ。  合宿の中日は、午前中のみオフタイムとなり自由行動が与えられた。五日間のうち、四日間は泳ぎっぱなし。合宿後はすぐに県大会に向けて最終調整に入る。ではここぞ とばかりに休もう、ではなく、遊ぼう、と考えるのは、まさに渚らしかった。 「ねえねえ、凛ちゃん。明日のお休み、みんなで海で遊ぼうよ」  合宿二日目、専門種目の練習の最中、隣のコースに並ぶ渚がのん気に話しかけてきた。そういう話は後にしろ、とたしなめても、彼はにこにこしながらなおも言った。 「絶対行こうよ。おもしろい景色、見せてあげるから!怜ちゃんが!」  そんなことを大声で言うので、やや離れたところでフォームのチェックをしてもらっていた怜がぎょっとしていた。  渚の言う「おもしろい景色」とは、まさにおもしろい景色だった。 「お前、なんだそのナリは」  晴天の下、焼け付く白砂の上に降り立った怜を見て、凛は顔をしかめた。 「��、仕方ないでしょう。これがないと���ぼくは海へ出ちゃいけないって、真琴先輩が…」  しどろもどろな怜の腰、両方の上腕にはヘルパーが取り付けられ、腕には浮き輪を抱えている。浮き輪はピンクの水玉模様。先日、江が押入れから取り出して合宿用の荷 物の中に加えているのを確かに見た。まさか、怜のためのものだったとは。 「おもしろいでしょ?怜ちゃんてば、去年色々やらかして大変だったんだから、まあしょうがないよね」  何をやらかしたかについては、大体聞いている。夜の海に出て溺れかけたらしい。一歩間違えれば大変なことになっていた危険な行為だ。だからと言って、これはあんま りだろう。 「お前、ほんとに水泳部員かよ」 「どこからどう見ても、水泳部員です!昨日見ましたか、ぼくの美しいバッタを!」 「あ?全然なってねえ。せっかく俺がじきじきに教えてやってるのに、もうちょっとましになったらどうだ」 「知識・理論の習得と実践の間には時間差があるものです。だから昨日あなたに教わったことはですね…」 「もうまた始まった!バッタの話になると長いんだからやめて、二人とも!」  そうして三人で波打ち際で騒いでいると、 「まあまあ、三人とも、とりあえず泳ごうよ」  やわらかい声がすんなりと差し込まれた。真琴がにこにこしながら海を指差す。 「ハル、待ちきれずにもう行っちゃったよ」  見れば、遙が波打ち際から遠く離れた場所をすいすいと気持ちよさそうに泳いでいた。 「なんて美しい…海で泳ぐ姿は、本当にイルカや人魚のようですね」  怜がうっとりした顔をしていた。男のくせになんつう比喩だ、と毒づきたくなるが、あながち外れてもいない。 「僕もあんな風に海で泳ぎたいものです」  怜が唯一泳げるのはバッタのみで、他の泳法は壊滅的にだめなのだそうだ。一年をかけて少しずつ特訓してきたが、どうしても上達しない。合同練習で会えばバッタの練 習しかしないので、遙と同じく「ぼくはバッタしか泳ぎません」というスタンスなのかと思っていたが、違うらしい。 「鮫柄の皆さんにカナヅチがばれてしまうのも時間の問題です」 「いや、ばれてるよ、怜ちゃん」 「怜…残念ながら」  渚と真琴がそろって悲しげな顔を作った。 「諦めんなよ。練習しろ」  とりあえず励ましておくことにすると、怜は「でも…」と暗い顔で俯いてしまった。その背中を渚が押して、「そうそう、練習しよう!」と無理やり水辺へと引っ張って 行く。 「さあ、特訓だ!松岡教室開講~!」 「いやです!今はオフです!」 「秘密の特訓をして、みんなを驚かせたくないの?」 「それは…」 「いいから来いよ、怜」 腰が引けているその手を取ると、怜は恐る恐る波に足を浸けた。 「やさしくしてください…」などと、目を潤ませ、怯えた小鹿のように言うので、笑いをこらえるのがやっとだった。 「たぶん大丈夫だろうけど」と言いつつ遙を一人で泳がせておくのが心配になったらしい真琴は、遙の後を追って沖へと泳いで行った。遙の姿はもう小さな点にしか見えな いくらい遠のいていた。一人で遠泳でもするつもりなのだろうか。  そういえば、遙とは昨日も今日もろくに言葉を交わしていないことに気付いた。練習中は専門種目が違うのでウオーミングアップやリレーの練習の時ぐらいしか接点がな い。オフだからと浜辺に集まった今朝は、黙々と一人で体をほぐしていた。 小島まで泳いで渡るつもりなら自分も行きたい。前もって伝えておけばよかったな、と思った。別に、必ず遙と一緒でなければならない理由ではないのだけど。 胸のあたりまでの深さのところで、怜の特訓が始まった。 潜ることは抵抗なくできるというので、とりあえずヘルパーを外して自分の体だけで楽に浮く練習から始めた。だるま浮きだの大の字浮きだの初心者向きの手ほどきは散々 やって来たことらしいのだが、それすら怪しいのだと言う。 「海水は水より浮力があるからな。少しは浮くんじゃねえの」  本当は波のないプールの方が断然初心者には向いているし、浮力が問題ではないと思われた。けれど、慰めにそう言ってみると、怜は「なるほど」と素直にうなずいてい た。なんだかすっかりその気のようだ。  怜はすう、と大きく息を吸って水に潜った。だるま浮きから水面近くに浮いて来たところでじわじわと手足を伸ばす。水面下10cmあたりのところで怜の体がゆらゆら と揺れる。 「わあ、海水マジック!浮いてるよ怜ちゃん!プールの時よりもずっと!」  渚が歓喜して大げさに拍手する。とても浮いているうちには入らないような気がするのだが。  次、バタ足を付けてみろよ、と指示を出すと、怜は恐る恐る水を蹴った。ぱちゃぱちゃとバタ足を数回繰り返したところでその体がずぶずぶと沈んでいく。 「おいおい」  掌を掬い上げて浮力を助ける。ぶはあ、と怜が苦しげに息を吐いて体を起こした。 「はあ…途中まではいい感じだったんですが」 「うんうん、進んでたよ」 「潜水艦みたいにな。もう一度やってみろ」  再度バタ足にチャレンジする怜に「もうちょっと顎を引け」と伝えると、すぐに言われたとおりにしてみせた。怜は理屈っぽいところがあるが、素直だ。力を伸ばすのに はそれは大切な要素だ。  顎を引いた分だけ浮力を得て、わずかなりとも浮きやすくなるはずだ。しかし、怜の場合は逆効果だった。頭の方から斜めに沈んでいく。まさに、潜水艦のごとくだ。 「わあ、頭から沈んでいく人、初めて見たあ」  渚の遠慮のないコメントに笑ってはいけないのに、こらえきれずに小さく噴き出してしまった。 「ちょっと!笑わないでください!ひどいです!」  びしょびしょに濡れた髪を振り乱して怜が喚く。 「わりい…いや、ちょっとした衝撃映像だったから」 「動画、とっとけばよかったね!」  渚と二人で笑い合っていると、怜はもう泣きそうな顔をしていた。 「しょうがねえよ。体質だ」  怜の肩に軽く手を置いて慰めた。 「体質?」 「お前、陸上やってたんだろ?」 「はい」 「筋肉質で体脂肪が少ない上に、骨が太くて重いんじゃねえの。ついでに頭も」 「怜ちゃん、頭いいもんね。脳みそ重いんだね」 「なるほど…」 「もうどうしようもなく浮くようにできてねーんだよ。そういうやつ、たまにいるぜ」 「そうなんですか?僕だけじゃなく?」  凛はしっかりと頷いて見せた。 「極端に痩せた人はもちろん、筋肉をがちがちに鍛えた人も当然浮きにくいよな」 「物理の法則からするとその通りですね。僕の体は、そもそも水に浮くようにできていない…」  しょんぼりと肩を落とす怜を、渚が心配そうに覗き込む。 「怜ちゃん…楽に浮けるようになりたかったら、脂肪を蓄えるしかないね。ドカ食い、付き合うよ」 「いや、脂肪は付きすぎると水泳にとっては邪魔なものです」 「そうだっけ?」 「ようはバランスだな」 「カロリー、体脂肪率、筋肉の質…僕の体にとってのこれらの黄金律を導き出さなければ…!」  怜はかけてもいない眼鏡のツルを押し上げる身振りをして、ぶつぶつとつぶやき始めた。 「ま、でもバッタが泳げりゃいいんじゃね?」  あまり思いつめるのもどうかと心配になったのでそう軽い調子で言うと、怜は切実そうに訴えた。 「あなたまで皆さんと同じことを。ここまで焚きつけておいて」 「だってよ、ここまでとは思わなかったからな」 「ひどいです。僕だって、みなさんと同じように泳げるようになりたい」  顔をくしゃりと崩す怜を見ていると、ふと幼いころを思い出した。こんな風に、父と海で泳ぐ練習をした覚えがある。海育ちは、潜るのは得意だが、わざわざフォームを 整えて浮いたり泳いだりはしない。潜って魚を捕ったり、磯で生き物をいじって遊んだりするのがほとんどだった。だから、幼稚園のプールでいざ泳いでみて、ショックだ った。潜水したままプールの床底を進む凛に、友だちが「それ泳ぐのと違うんじゃない」と言ったのだ。スイミングスクールに通っている同じ��の子どもが、それなりに様 になったクロールを披露してくれた。水の中にいるのなんて息を吸うように当たり前にできるのに、あんな風に泳ぎ進む、ということがどうやったらできるのかわからなか った。  しょげかえる凛を見かねて、父が特訓してくれた。当時は祖母の家の隣の長屋に住んでいて、目の前は海だった。幼稚園から帰ってすぐに海へ駆け出して行って、ひたす ら泳いだ。「がんばれ」と両手を広げる父まで、辿り着こうと必死で水を掻いた。毎日練習を繰り返して泳げるようになったとき、父はうれしそうに笑っていた。  もうずっと昔のことが鮮明に思い出されて、懐かしさで胸がいっぱいになった。  だからなのか、肩を落とす怜に思わず言っていた。 「わかった。とことん付き合ってやるから、がんばれよ」  怜が顔を上げて、その目を輝かせた。ええもう遊ぼうよお、と渚が後ろに倒れ込みながらぼやいた。  それから小一時間練習して、休憩に入った。  怜は、沈みがちではあったが、バタ足で10mほど進めるようになった。クロールのストロークはもとより様になっていたので、特に言うことは無かった。推進力はある のだから、ブレスでなるべく浮力とスピードを落とさないようにすれば、それなりに泳げそうだった。あくまでも、それなりにだったが。  三人で丸太のように木陰に転がり、ほてった肌を冷ました。 「感動です…ぼくでも何となく形になりました」 「怜ちゃん、感動したよぼくも!」  わざわざ凛を挟んで、渚と怜が会話する。凛は浮き輪を枕にして、二人のやり取りを聞いた。 「渚くんは、途中から変な顔をして僕を笑わせようとしていたでしょう!手伝っているのか邪魔しているのかわかりません!」 「心外だなあ。リラックスさせようと思ってやったんだよ。緊張したら体が硬くなるでしょ?怜ちゃんぷかぷか作戦の一つだったのに!」 「そ、そうだったんですか」 「なんてね」  渚はそう言うや、跳び起きて海へと駆けだして行った。怜からの反論を見越していたのか、見事な逃げっぷりだった。 「ぼくも、向こうの島まで行って来るねー!」  ぶんぶんと手を振り、あっという間に波間に消えて行った。 「あの人は、いつもああなんです」 「楽しそうだな」 「疲れます」  それには頷くしかない。 「あなたも、泳ぎに行かなくていいんですか?」 「ああ、いいんだよ。ちょっと、疲れも溜まってるし」 「…すみません。オフなのに疲れさせてしまって」  怜が顔を曇らせる。 「いや、お前のせいじゃねえよ。ついオーバーユースしちまうから、オフの日はなるべく休めってコーチに言われてんだよ」 本当は島まで遠泳できるならしてみたかったが、心残りになるほどでもなかった。ひんやりとした木陰の砂の上に転がって、潮風を受けていると、とても気持ちがいい。瞼 の裏に枝葉をすり抜けてきた光が差して、まだらにかぎろった。 「あなたが、ぼくに泳ぎ方を教えてくれるのは、昨年のことを気にしているからですか?」  まるで独り言のような小さな呟きが耳に届いて、凛は瞼を起こした。  怜が生真面目な顔でこちらを見ていた。 「なんだよ急に」 「すみません、確かめておきたくて」  怜が言っているのは、昨年の地方大会のことに違いなかった。彼を差し置いて、岩鳶高校の選手としてリレーに出た。彼らの厚意に乗っかって、大事な試合をふいにして しまった。得ることの方が大きかったけれど、負い目を感じないわけがない。しかし、負い目があるから怜に泳ぎを教えているのではない。それははっきりと、違うと言え る。 「あなたがいつまでも、ぼくに負い目を感じる必要はありません。ぼくが決め、あなたたちが選んだ。それだけのことです。そりゃあ、問題になりましたが、いつまでも引 きずっていても…」 「待て待て、怜」  怜の言葉をやんわりと止めて、上半身を起こした。乾いた白い砂の粒が、はらはらと肌の上を滑って落ちる。怜も体を起こして凛と向き合った。きちんと居住まいを正す ところが、怜の真面目で誠実なところだ。 「負い目って言われるとどうかと思うけど、それは一生無くならない。失くせって言われても無理だ。そういうもんなんだ。でも、罪滅ぼしのために、お前に泳ぎを教えて んじゃねえよ」 「ではなぜですか」  面と向かって問われると、答えざるを得ない空気が漂う。凛はがしがしと後ろ頭を掻いた。 「お前が一生懸命だからだ」 「一生懸命?」 「一生懸命練習しているやつがいたら、手伝いたくなるだろ。そういうもんだ」 「敵に塩を送ることになっても?」 「一人前なこと言うな、お前」 「だって、そうでしょう」  凛は口端を上げた。自然に笑みが湧いた。 「一にも二にも努力努力っていうけどよ。努力すらできないやつだって、ごまんといるんだよな。努力する才能ってやつも必要だ。お前にはそれがある。それは…すごいこ となんだ。そういうやつを、俺は尊敬してる」 「尊敬、ですか」  怜がしみじみと噛みしめるように言った。 「あんだけ見事な潜水艦だったのに、さっきの特訓では一度も音を上げなかったしな。俺だったら三分で逃げ出してる」 潜水艦って言わないでください、と怜はむっとした顔を作った。けれど、すぐにそれを解いて微笑んだ。 「ぼく、とても楽しみなんです。今度は、ぼくもあなたたちと一緒に泳げる。いつだってこうして楽しく泳ごうと思えば泳げるけど。試合で泳ぐのは、特別な気がします」 「確かにな」 「緊張もするけれど、わくわくします」  わくわくします。それはいい言葉だった。長らく自分が見失っていた感情に近い気がした。 「あなたは勝ち負け以外の何があるんだって、言っていましたが」 「どうしたって、勝ち負けはあるんだぜ」 「知っています。でも、ぼくはわくわくするんです。勝つかどうかもわからない。勝ったらどんな感情を抱くのか。負けたらどんな自分が出て来るのか。それは理論では計 り知れない。そういう未知なる気配が、おもしろいと思えるようになったんです」 「俺もそう思う」 「わくわくしますか」 「ああ、する」 「一緒ですね」  怜がふわりとはにかむ。隙だらけのあどけない顔をするので、思わずその頭をわしわしと撫でまわしてしまった。 「なんだよお前。ガキみたいな顔しやがって」 「だって」  怜は泣き笑いのように顔をくしゃくしゃにした。 「僕にも、皆さんと同じ景色が見られるんじゃないかって、今、すごく思えたから」 「そうかよ。楽しみにしてろよな」 「はい」 「怜、ありがとな」 「はい…えっ?」  まさか礼を言われるとは思っていなかったらしい怜は、戸惑っていた。妙に照れくさくなってしまって、そんな怜を置いて弾みをつけて立ち上がった。 「やっぱ泳ぐかあ。あいつら、どこまで行ったんだ?」  木陰から一歩踏み出ると、目が眩むほどの強い日差しに、何度か瞬きをした。  そこへ「せんぱあーい!」と似鳥の甲高い声が聞こえてきた。防風林の向こうから駆けて来る姿があった。 「自主練終わりました!ぼくも仲間に入れてください!」  そういえば、似鳥も海水浴に行きたいと言っていた。わざわざ断ってくるところが彼らしい。 「愛ちゃんさん、自主練をしていたんですね。見習わなければ」 「お前も自主練みたいなもんだろ」  似鳥はあっという間に、なだからかな浜を駆け下ってきた。 「御子柴ぶちょ…あ、元部長が差し入れにいらしてましたよ」 「暇なのか?あの人」 「そんなこと言ったら泣いちゃいますよ。ちゃんと後であいさつしてくださいね」 「わかってるよ」  怜を連れ出して沖まで行くか、と相談しているところに、今度は「おにいちゃーん!」と江の声が届いた。  見れば、ビニール袋を提げた両手をがさがさと振っている。言わずもがなのアピール。  「手伝います」という後輩たちを置いて、パーカーを羽織ると江のもとへ浜を駆けのぼった。怜は真琴の言いつけ通りの完全防備で、似鳥に浮き輪ごと曳航されて沖へと 出て行った。 「のんびりしてたのに、ごめんね」と江は詫びつつも、しっかり凛に重い荷物を譲り渡した。買い出しのために顧問に車を出してもらおうとしていたら、鮫柄の顧問から呼 び出しがかかってしまったらしい。 「ったく、買い出しくらいあいつらにさせろ。それか、マネ増やせ」 「そうね、マネも増やしたいなあ。時々、花ちゃんが手伝ってくれるんだけどね」  麦わら帽子をちょんと被りなおした江が、それにしても暑いねえ、とのんびり言う。  岩鳶高校が宿にしている民宿は、浜からそれほど遠くない。ビーチサンダルで砂利を踏みながら、江と並んで歩いた。太陽はますます高く、縮んだ濃い影が、舗装された 白い道に焼き付いてしまいそうだった。 「あ、ねえ、お兄ちゃん、見て」  江が白い腕を伸ばし、海のかなたを指した。 「あの船、お父さんの船に似てるね」  見れば、はるか沖を行く船たちの姿が、ぽつぽつとあった。マッチ箱ほどの小さな船影の中に、確かに、父の船と似ているものがあった。青い船体に、白い縁取りの漁船 だ。青い船は、白波を立てて水平線を滑るように進んでいく。やがてその姿は、小島の向こうに消えて見えなくなった。  二人で船を見送ったあと、わたしね、と江が言った。 「一つ、思い出したことがあるの」 「何を?」 「お兄ちゃん、お父さんが死んじゃったあと、よく海に出かけて行ってたでしょ?ひとりで」 「そうだったか?」 「そうだったよ。お母さんが、夜になっても戻らないって、すごく心配してたの。あの時、お兄ちゃんは、何をしに行ってたのかなあって」 「海に行くのは、いつものことだっただろ」 「そうなんだけど。お父さんが死んだあとのことよ。毎日、毎日、お兄ちゃんが帰って来ないって、お母さんが玄関の前でうろうろしてた。それを見て、わたしはすごく不 安だったことを思い出したの」  突然、遠い昔の話を出されて困惑してしまう。確かに、父が亡くなったあと、毎晩のように浜辺へ通っていた覚えがある。けれど、何のためにそうしていたのか、よく思 い出せない。 「でもね、お兄ちゃんは、ちゃんと帰って来た。お兄ちゃんが海から家に帰って来たら、ああ、よかったあ、ていつも思うの。待つことしかできなくて、とっても不安だっ たけど、ああよかった、お兄ちゃんは、どこへも行かずにちゃんと帰って来てくれて、って安心するの。そういう記憶」  沖をじっと見つめていた江が、また歩き始めた。歩調を合わせてゆっくり歩いた。 「お父さんが死んだとき、私はまだ小さかったから記憶はおぼろげなんだけど、最近は、よく思い出すんだ。お父さんが死んだ時の、お母さんの顔とか、海に出て行ったお 兄ちゃんが庭に放りだした自転車とか、お父さんの大きな手とか、声の感じとか、色々、ごちゃまぜに」 「そうか」 「なんでかな、今まで忘れてたわけじゃないんだよ。毎日、仏壇にお線香上げるし、お花の水も換えるし、お祈りもする。けど、そういう決まったことのように亡くなった 人のことを思うんじゃなくて、勝手に湧いてくるの。ふとした時に、お父さんの気配みたいなものが」  それは、凛にもわかるような気がした。さっきだって、怜に泳ぎ方を教えながら、それを感じたばかりだからだ。もう形を持たないはずの父が本当にそこにいるかのよう な感覚。五感のどこかに残っている父の記憶のかけらが、不意に集まって形作るような。 「海にいるからかな」 「そうかもな」 「お兄ちゃんが、お父さんの話をするようになったからかもしれないよ」 「どっちだよ」 「どっちもよ」  江がそう言うのなら、そうなのだろう。  並んで歩きながら、沖を行く船の姿を探した。けれど、もうあの青い船の姿は見えなかった。その名残のように、小さな白波がいくつもいくつも、生まれては消えた。太 陽の高度はますます上がり、水面に踊る光の粒がまばゆく目を刺した。  江を送り届けて海岸に戻ると、遙がぽつんと遊歩道に立っていた。もう海から上がっていたらしい。  江から、あと小一時間ほどしたら宿に戻って食事を摂り、午後からの練習に備えて休むように言ってほしい、と頼まれていた。それを伝えようと軽く手を振ると、遙はふ い、と顔を背けて再び浜へ下りて行ってしまった。なんだよ、とつい零したくなるような態度だ。迎えに来てくれていたわけではないのは分かっていたが、あまりにも素っ 気ない。まあ彼としては珍しくもない振る舞いなので、まあいいかとすぐに思い直した。  真琴や渚たちも沖から戻っていた。彼らは屋根付きの休憩所で水分補給をしていた。 「怜がちょっと泳げるようになってたから、俺、感動しちゃったよ」  真琴が声を弾ませて言う。怜はその隣ですっかり得意げな顔だ。 「浮く練習なら深いところがいいって愛ちゃんさんが言うから、やってみたんです。そしたらできました」 「へえ、やるじゃねえか」 「はい。…しかしまあ、愛ちゃんさんがすごく怖くて。ヘルパーも浮き輪も容赦なく外してしまうし」 「愛ちゃん、スパルタだったよ!」  渚の隣で、似鳥は恐縮したように肩をすくめた。 「凛先輩ほどじゃありませんよう」 「いや、おれよりお前の方がえげつない練習メニュー考えるよな。この合宿のメニューだってさ、一年が、青ざめちまってたもんな」 「え、そうですかあ?ぼく、もしかして、後輩にびびられ��ますか?」  似鳥が困惑顔で腕に縋り付いてくる。いや、それはない、とすぐに否定しておく。童顔な彼は、どうかすると後輩に舐められてしまいがちだが、面倒見が一番いいのでよ く頼られている。 「似鳥、俺たちはそろそろ戻るか」 「もうですか?」 「午後連の前にミーティングと、OBに挨拶があるんだろ?」 「そうですね…。もうちょっと、皆さんと泳ぎたかったですけど」 「え~、愛ちゃんも凛ちゃんも行っちゃうの?」  似鳥の縋った腕とは反対の腕に、渚がぶら下がる。重い。 「しょうがねえだろ。OB様は、大事にしておかねえとな」  残念がる似鳥を促して、荷物の整理をしていると、それまでベンチの隅にしゃがんでいた遙が、急に立ち上がった。もの言いたげにこちらを見るので、「なんだよ」と思 わず言ってしまう。そのくらい、視線が重い。何か機嫌を損ねるようなことをしただろうか。 「なんか言いたいことあるなら言えよ、ハル」 「別に」  何もない、と遙はまたそっぽを向く。明らかに何もないわけがない態度だったが、もう放っておくことにした。 「お前らもぼちぼち戻れよ。江が、メシ作ってるって」  ちえ、バカンスは終わりかあ、と渚は盛大にこぼし、真琴は部長らしく「手伝いに戻ろっか」とお開きのひと声を発した。まるでそれを待っていたかのように、ぷしゅ、 と空気の抜ける音がした。遙が水玉模様の浮き輪の空気を抜く音だった。無言のまま、ぎゅうぎゅうと体重をかけて押しつぶしている。むっと口を結んでいるところを見る と、やはりご機嫌ななめらしい。 ほんと、よくわかんねえやつ。  手伝うよ、と真琴が遙に歩み寄る。その様を見ているのがなんとなく癪で、凛は「帰るぞ」と似鳥を連れて宿に向かって歩き始めた。  明け方の白砂は、潮を含んで重かった。  少し足を取られながらも、波打ち際を流すようにゆっくりと走った。連日の猛練習の疲れは残っているが、だらだらと眠るよりも、こうして体を動かしている方がすっき りする。  夜の間に渡って来たらしい雲が、東の空から羽を広げるようにたなびいている。それを、水平線に覗いた朝日がうっすらと赤く染めている。波も、同じ色に染まっている 。  朝日の中を行く船があった。まばゆい光の中にあって、色はわからない。  ゆるやかな海岸線の中ほどで、凛は足を止めた。上がった息を鎮めながら、沖合に目を凝らした。  なぜ、父が亡くなった後、毎日海へ出かけたのか。  昨日、江にたずねられたことを改めて考えているうちに、あることを思い出した。昨夜、眠りに落ちる前に、ふとおぼろげな記憶の中から浮かび上がってきた。   父は、凛が五歳の時に亡くなった。夏の終わりの大時化で、船と共に沈んでしまった。船そのものも、遺体も上がらなかった。何日も捜索が続き、母は毎日、港に通った。 何かしら知らせが来るのを待ち続けたけれど、ついに父は戻らなかった。船長を含めた十数人が行方不明のまま、捜索は打ち切られてしまった。だから今も、墓の下に父の 骨は無い。墓石や仏壇に手を合わせる時、どこか空虚な気がするのは、そのせいかもしれなかった。 飛行機に乗って世界中のどこへでも行けるし、ロケットに乗って月へも行けるのに、たった沖合3kmのところに沈んだ船を見つけることができないなんて、おかしな話だ 。捜索を打ち切って、浜から上がって来るゴムボートを眺めながら、そんなことを思っていた。 父が戻らないことを凛と江に告げる母は、やつれて生気を失ったような顔をしていたが、どこかほっとしているようでもあった。何か一つの区切りを迎えなければ、母は限 界だったのだろうと思う。毎晩、祖母に縋り付いて泣いているのを、凛は知っていた。江と一緒に仏間の布団に寝かされ、小さくなって眠る振りをしながら、母の細い嗚咽 を聞いた。母は、泣いて泣いて泣き伏すうちに、いつか細い煙になって消えてしまうんじゃないかと心配だった。朝になると、母は気丈に振る舞っていたので、その不安は 消えるのだけど、夜になって母のすすり泣きが聞こえてくると、家全体が薄いカーテンの中に包まれて、そこだけが悲しみに浸かっているような気がした。 捜索が打ち切られた数日後、形ばかりの葬儀が行われた。遺体の上がらなかった何世帯が一緒に弔いをすることになり、白い服を着た大人たちに連なって、海沿いを延々と 歩いた。波は嘘のように穏やかだった。岬で読経を上げる時、持たされた線香の煙がまっすぐに天へ昇っていったのをよく覚えている。  葬儀が終わると、生活のすべてがもとに戻り始めた。母には笑顔が戻った。友だちと外で遊び、お腹が空いたらつまみ食いをした。江は勝手に歌を作って歌い、ちょっと 転んだだけで泣いた。いつもと同じ毎日だった。  けれどもそれは、凛にとっては、大きく波に揺り動かされて、遠くへ投げ出されてしまったかのように強引で、拭いようのない違和感に満ちていた。誰もかれも、日常の 続きを演じているような奇妙さがあった。  四十九日が済むと、海辺の家を離れて、平屋のアパートを借りてそこで三人で暮らすことになった。父の船は、知り合いに引き取ってもらうことになった。新しい家も、 父の船が人の手に渡ってしまうことも、嫌だった。けれど、決まったことなのよ、と母に泣きそうな顔をされると、何も言えなかった。  引越しをする少し前から、毎日海へ通うことになった。  行き慣れた海岸は、潮が引くと、磯を渡って沖まで行くことができた。ごつごつとした岩場を歩き、磯の終わるところまで足を運ぶと、そこに座り込んで海を眺めて過ご した。  せり出した磯は、ずいぶん海の深いところまで伸びていて、水面から覗き込んでも海底は見えない。もっと小さい頃は、一人では行くなと言われていた場所だった。磯か ら足を滑らせれば、足の着かない深みにはまって危険だからと。  しかし、磯の岩場には、釣り人もいたし、浜辺には船の修理をする近所の大人の姿もあったので、凛は構わず出かけた。  手にはランタンを提げて行った。父が納屋で網を繕う時に、手元を照らすためにいつも使っていた、電池式のランタンだ。凛は、暗くなるとそれを灯して、いつまでも磯 にいた。  父が戻らないことは、幼心にもわかっていた。これから、父のいない生活を送らねばならないことも。  もう二度と、あの青い船に乗せてもらえないこと。泳ぐのが上達しても、大げさなくらい喜んで、頭を撫でてもらえないこと。大きな広い背中に抱き付いて、一緒に泳ぐ こと。朝霧の中を、船で進む父に手を振ること。お帰りなさい、と迎えること。そんなことは、もう、ないのだとわかっていた。  わかっていたけれど、誰も父を探そうとしてくれないことが、誰もが当たり前の顔をして日常に戻ってしまうことが、悔しかった。かなしかった。  海へ通い続けたのは、ぶつけどころのない感情を、なんとか収めようとしていたからなのかもしれない。海はただそこにあるだけで、凛に何も返さない。何を投げても、 すべてを吸い込み、飲み込み、秘密のままにしてくれる。父を飲み込んだ海なのに、憎いとか恨めしいとか、そんな感情は浮かばなかった。むしろ、誰よりも、そばにいて くれている気がしていたのだ。  ある風の強い日だった。その日も、いつものように海へ出かけた。波は荒く、岩にぶつかっては白い泡になって弾けていた。大きな雨雲の船団が、どんどん湧いては風に 押し流されていた。空は、黒い雲と青い晴れ間のまだら模様で、それを移す海も同じ模様をしていた。  嵐の日と、その次の日には海へ行くなと言われていた。嵐の後には、いろんなものが流れ着くからだ。投棄されたごみならよくあることだが、時に死体が流れ着くことが ある。入り組んだ海岸線が、潮の吹き溜まりを作っていたのだ。  父と海に出かけた時に、一度だけ水死体が岩場の端に引っかかっているのを見つけたことがあった、凛は離れているように言われたので、遠目にしか見えなかったが、白 くてふくふくとした塊を、父や漁協の仲間が引き上げていた。あとで父は、凛に諭すように言った。 「嵐の後の海には、こわいものがいる。海に引きずり込まれるかもしれないから、近寄ってはいけない」と。  あの時の教えを忘れたわけではなかったけれど、凛は横風に煽られながら磯の際を歩いた。いかにも子どもらしい発想だ。本当に見つけたとして、どうしていいのか何も わかっていなかったというのに。  雨雲の隙間から、光が差していた。波に洗われて、日に照らされた岩肌は、滑らかに光っていた。海面にはスポットライトのようにまるく光が差し込み、まるで南海のよ うにエメラルドグリーンに透き通って見えた。雨上がりの海の景色の美しさにすっかり心を奪われた。深い深い海の底に、何かもっと美しい景色や生き物がいるのではない か。凛は、父を探すのも忘れて、磯の際に手と膝をつき、夢中で覗き込んだ。きらきらと光のかぎろう碧が美しくて、ため息が漏れた。鼻先が海面に付くかつかないかとい うところで、びゅう、と背中から風が吹いた。ど、と勢いよく押されて、体が前に倒れ込んだ。あぶない、と気付いた時には遅かった。頭から海に落ちてしまう。海にはこ わいものがいる。引きずり込まれるかもしれない。近寄ってはいけない。あれほど言われていたのに。恐怖に体の自由を奪われて、抗えないまま海へ落ちてしまう寸前、後 ろから、ぐい、と強く腕を引っぱられた。 「危ないよ」  と声がした。  慌てて振り返ってみたが、誰もいなかった。ただ、小雨に濡れて黒々とした岩場が広がっているだけだった。  少し遅れて、心臓がばくばく鳴り始めた。  たった今、海に引きずり込まれそうになったこと。それを誰かが助けてくれたこと。その誰かの姿は、どこにも見当たらないこと。  なにか、今、不思議なことが起きたのだ。  凛は泣きそうになりながら、家へ駆け戻った。とにかく、怖かったのが一番。次には、懐かしいようなうれしいような気持ちでいっぱいだった。  危ないよ、という声が、父の声のように思われたからだ。  不思議な出来事は、その一度きりだった。二度と海が不思議な光を放つこともなかったし、助けてくれた声の主と出合うこともなかった。  海辺の家を離れて、母と江と三人で暮らし始めると、そんなことがあったことすら忘れていた。  あれはなんだったのだろうと思う。海面が光って見えたのは見間違いかもしれないし、引きずり込まれそうになったと感じたのは、ただの風のせいだったのかもしれない 。本当はあの時、通りすがりの釣り人がいて、海に落ちそうになっている子どもに声をかけただけかもしれない。  とにかく、奇妙な体験だった。海では不思議なことが起こるものだと感覚で知っている。言い伝えや昔話も多くあり、それを聞いて育つからだ。でも、自分の体験したこ とをどう片付ければいいのか、わからない。  今は、朝日を浴びて美しいばかりの海は、暗くて深い水底を隠し持っている。この海は、父の命を飲み込んだあの海とつながっている。このどこかに、今も父がいるのだ 。 「凛」  不意に声をかけられて、身をすくめる。  気づけば、足元を波にさらわれていた。慌てて、波打ち際から離れる。 「そのままで泳ぐつもりだったのか?」  遙だった。凛と同じようにロードワークに出ていたのか、汗ばんだTシャツが肌に貼り付いていた。  返事ができずにいる凛を、遙は不審そうに見ている。 「いや、泳がねえよ」  首を振ってこたえると、遙の視線が凛の足元に落ちた。 「濡れちまった」  波に浸かってぐっしょりと重くなったランニングシューズを脱いで、裸足になった。砂の付いたかかとを波で洗う。 「どこまで走るんだ?」  気を取り直すようにたずねると、遙は「岬の方まで」と答えた。答えたものの、凛の顔をじっと見つめたまま走り出そうとしない。  昨日は、午後練になってもろくに口を利かなかったからか、どこか気まずい。 「何を見ていたんだ」  遙が言った。 「何って…海しかないだろ」  凛の答えに納得したようではなかったけれど、遙は海を向いた。 「お前も、真琴みたいに海がこわいのか」 「そんなわけねえだろ。俺は海育ちだぞ」 「そうか。真琴みたいな顔をしてた」  相変わらず言葉足らずで要領を得ないやりとりだったが、どうやら心配してくれているらしい。  遠くから霧笛が響いた。大きなタンカーが沖へ向けて港を出て行く。 「船が…あっちの方に、船がいたから、見てた。それだけだ」  そう付け足すみたいに言うと、遙は船の姿を探して、沖合に目を凝らした。潮風にあおられて、彼のまっすぐな黒髪がさらさらと揺れた。遙の目は、「本当にそうか?」 と不思議そうにしていた。遙の目は雄弁だ。誤魔化さずに本当のことを言わなければならないような、そんな気がしてくる。だから、というだけではないけれど、凛はほと んど独り言をつぶやくみたいに、小さく言った。 「船、見てたらさ。俺、思い出したことがあんだよ。昔のことなんだけどさ」  遙を見ると、彼はまだ遥かな沖合に目を向けていた。凛の話を聞いているようでもあるし、波音や風の音に耳を澄ましているようでもあった。 「親父が死んだあと、毎日海に行ったんだ。何をするのでもなかったんだけど。ランタンなんか提げてさ。��くなるまで海にいた。それで…嵐が来た次の日にも海に行った らさ、おかしなことがあったんだ」  遙がこちらを見ないことをいいことに、一方的に語った。昨夜ふと蘇った、海での不思議な出来事の記憶を。  遙にこんなことを話しても仕方がない。誰かに聞いてほしかったわけでもない。でも、船の姿を探しているような遙の横顔を見ていると、ほろりと漏れだしてしまったの だ。  彼にとってはどうでもいい話。きっと聞いたからといって、何をどうしようとも思わないだろう。  そういう気楽さがもどかしい時もあれば、救われることもあることを知っている。 「あれは、一体なんだったんだろうな」  話終えると、心の中も随分片付いていた。昔のことだから、記憶はおぼろげだし、端から消えていくように心もとない。事実とは異なるところもきっとあるのだろう。  けれど、あの時、海に落ちそうになった自分を助けてくれたのは父だったと思いたがっている自分がいる。  どうしようもない、独りよがりの感傷かもしれないけれど。 「俺も、見たことがある」  遙がふと口を開いたのは、いくらか時を置いてからだった。ごくごく小さく呟くので、凛が語ったことへ返されたものだとはすぐに気が付かなかった。 「見たって、なにを?」  たずねると、遙は、「海が光るのを」と言った。 「一人で遊んでいる時に。海が、とても美しい碧色をしていて、水底まで透けそうだった。子どもの頃の話だ。あの頃はまだばあちゃんが生きていて、話したら、近づくな って言われた」 「どうしてだ」  遙は少しだけ横目でこちらを見て、すぐにまた海へと視線を戻した。 「死は、時々美しい姿で扉を開くんだって言ってた。小さかったから、よくわからなかったけど」 「そんなの…迷信かなんかだろ」 「そうかもな」  でも、と遙は言い添えた。 「お前の親父さんだったかもな」  不意に父の話に繋がって、けれども相変わらずタイミングはちぐはぐで、理解するのにひと呼吸、必要だった。けれど、遙が言おうとしていることは分かった。凛の気持 ちを汲んで、そう言ってくれたことも。  あの海での不思議な体験は、幼かったので、本当はどうだったかわからない。けれど、それでいいのだと思えた。父が、海に落ちそうになった凛を助けてくれた。そう思 いたければ思えばいい。遙のまっすぐな言葉が、不確かだった記憶をすとりと凛の中に収めてくれる気がした。 「…んじゃあ、そういうことにする」  素直にうなずくと、遙はちらりと意外そうな顔をした。朝の美しい海を前に、わざわざ意地を張る必要もない。  凛は頬をゆるめて、遙かに向かって言った。 「あっちまで走るつもりだったんだろ。行って来いよ」 「お前は?」 「俺は、足、こんなだし。散歩でもして戻るわ」 「じゃあ、俺も散歩する」  一緒に波打ち際を歩き出しながら凛は言った。 「ハル、お前、昨日はなんで怒ってたんだよ」 「べつに、怒ってない」  遙が小さな波をぱしゃりと蹴り上げる。その態度が、すでに、なのだが。 「いーや、むすっとしただろ。言いたいことがあんなら言えよ」 「べつにない」 「べつにって言うのやめろ」 「べつにって言っちゃいけない決まりなんかないだろ、べつに」  ついさっきまで、たどたどしくも心がつながったような、そんな気がしていたのに、もういつもの言い合いが始まってしまった。陸に上がると大概そうなってしまう。  はあ、とわざとらしく長いため息をついて見せると、遙はやや口を尖らせて、ぼそりと言った。 「…島に、行きたかったのに」 「行っただろ、真琴たちと」 「いや、行ってない。泳いだけど、すぐに引き返した」 「行けばよかったじゃねえか」  そんなに行きたい島があったのだろうか。 「お前も、連れて行きたかったのに」 ※このあと、二人で海辺を散歩して、微妙ななんだかそわそわする雰囲気に雰囲気になって、宿の手前で、みんなに会う前にハルちゃんが不意打ちでチューをかまして・・・みたいな展開でした。中途半端な再録ですみません・・・
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oharash · 5 years
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白砂の花びら
海沿いの俺のまちは、夏も冬も日本海からの潮風に守られている。この日はどういうわけか 普段よりずっと日差しが強く、昨日よりおとといより気温がだいぶ上昇していた。冬にはあおぐろく染まる北陸の空でも夏はそれなりに抜けるような青さを見せる。一種の雰囲気を感じて振りあおいだら、立ち枯れたみたいに生えている電信柱のいただきに、黒くうずくまる猛禽の視線と俺の視線がかちあった。
 海沿いの道は温泉へ向かう車が時折走り抜けるだけで、歩いているのは俺たちだけだった。俺の半歩後ろをついて歩くユウくんはスマートフォンを構えながらあれこれ撮影している。ポロン、ポロンとこの世界に異質なシャッター音が溢れて落ちる。
 バグジャンプのふもとまでたどり着くと、彼は先ほどの猛禽をあおいだ俺みたいに首をまわして仰いだ。
「映像で見るより大きい。ていうか高い。スキーのジャンプ台みたいだね」
 俺の貸したキャップとサングラスが絶妙に似合わない。卵型のユウくんの輪郭にウェリントン型のフレームは似合っているのだけど、ユウくんがかけるとアスリートというより、田舎の海にお忍びでやってきたはいいけれどただならぬ雰囲気を隠そうともしないセレブリティに見える。
 バグジャンプは体育館を改築した旧スケボーパークに隣接している。パークに置きっ放しのブーツと板からユウくんに合うサイズを選んでフィッティングして俺もブーツを履き、板を持って2人でバグジャンプへの階段を登った。
 登り切ると眼下に日本海が広がる。日本も世界もあちこち行ったけれど、俺は今も昔もこの景色を愛している。光をたたえた海は水平線へ行くほど白くて曖昧で、潮風が俺たちの頬を撫でた。ユウくんが歓声をあげてまたシャッターを切る。
 ユウくんの足をボードに固定しでグリップを締めた。いざとなったら抜けるくらいゆるく。アスリートのユウくんは自分の身体感覚に敏感だからかスタンスのチェックは一瞬だった。「まず俺が滑るから見てて。俺はスタンスが逆だけどそこは気にしないで」「トリックやってくれる?」「やんない。ユウくんのお手本だから滑って跳ぶだけ」フェイクの芝の上に板を滑らせる。重心を落として体重を全て板にのせ、軽く弾ませてスタートした。視界がスピードをもって背後に駆け抜けてゆく。軽く踏み切ってそのまま弧を描いてエアクッションに着地した。板を足から外して体を起こし、バグジャンプに取りすがってユウくんに電話をかける。「こんな感じ。ターンとかしないで普通に滑り下りればオッケー。スピードでて怖くなったら力抜いて。体重偏らせる方が危ないから。踏切のときにもどこにも力入れないで。そのまま落っこちる感じでいけば今みたいになるから」「YouTubeで見たのと同じ絵だ! すっごい。俺今北野アヅサの練習見てるよすごくね?」「俺の話きいてる?」「聞いてる聞いてる。体をフラットにして変に力入れないで、姿勢の維持だけしておけばオッケーってこと?」「そう」「りょーかあい」
 ユウくんがバグジャンプのてっぺんで右手を掲げる。スマホを動画撮影に切り替えて俺も手を挙げた。板をしならせて、ユウくんがスイッチした。レギュラースタンス。腰を軽く落とした姿勢はいい具合にリラックスしている。ユウくんの運動神経に間違いはないけれど、万が一ケガがあったらという不安が喉につかえた。俺の心配を茶化すようにその姿はあろうことか一回転してエアクッションに沈んだ。
 「ありえない。回転しくじってケガしたらどうすんの」
「狙ったんじゃないよ。ちょっとひねってみただけ。エアってすごく気持ちいいんだね。横の回転なら慣れてるけど縦の回転はないから、めっちゃ新鮮。空が見えるし楽しいし着地気にしなくていいなんて最高。両足固定されてるのはちょっと怖いけど」
 回転数のあがったユウくんは頰を火照らせて躁気味に笑っていて、まばたきが減って口数が多くなってるのが余計に危うい。教えてくれというので絶対に無茶はしないことを約束させて、基本の滑りにもう少し解説を加え、簡単なトリックをひとつレクチャーした。もともと体ができていることもあるしユウくんの身体と脳は笹の葉のように研ぎ澄まされていて、俺の言葉の通りに体を操っていく。終いにはタブレットでお互いの滑りを録画し、「ここ、ユウくんは左に落としたいんだろうけど下半身がついてってない」だとか「アヅはこのときどこを起点に体を引いてるの?」だとか結構真面目にやってしまった。休憩のたびにユウくんは海へ体を向けて「船」だの「カップル」だの「カモメ…ウミネコ? 」だの、言葉を覚えたての子どもが看板を読みたがるように単語を頭の中から取り出して眺めていた。「ジャンプやばい。やればやるほど考えたくなってやばいやつ。ね、夕ご飯の前に海行こ」とユウくんから言い出した。
   行く、と言ってもバグジャンプを降りて道路を横切り防波堤を越えればもう砂浜だ。ボードを片付けて、軽くなった足でアスファルトを踏む。防波堤の上に登るとユウくんはまた海の写真を撮り出したので、その足元にビーサンを並べてやる。俺も自分のスニーカーを脱いでビニールに入れ、バックパックにしまう。
 やや遠くから犬を散歩するじいさんがこちらへ歩いてくるくらいで、ここは遊泳区域でもないので先客はいなかった。ユウくんは「砂浜やばい、何年振り」だの「ここ走ったら体幹鍛えられそう」だの「日本海は綺麗だって聞いてたけど本当だね。うちの県の海水浴場は海藻ばっかりだよ」だの俺の相槌も必要とせず軽やかに波打ち際へと歩いて行った。
 波に脚を浸したユウくんの半歩後ろにたつ。そのまっすぐ伸びたかかとのうしろで、黒や茶色の細かい砂利が水のふるいにかけられて一瞬まとまり、また瓦解していく。そこには時折海藻だとか丸まったガラスの破片だとか、たよりなくひらひらと翻る桜貝だとかが浮かんでは消え、俺はなんとなくユウくんの白いかかとその様を眺めていた。
     ユウくんは「俺札幌雪まつりやる」と言い出し、それはどうやら砂で何かを造ることだったようで、黙々と建造を始めた。俺はごろんと横になって脚をのばし、自然と目に入ってきたユウくんの、キリンの子どもみたいに野生的な首筋についた砂つぶを眺めていると、風にあおられたその粒がハラハラと飛び散って俺の目に入った。ユウくんの向こうでは空が乳白色になるポイントと遠浅の海の水平線が交わりハレーションを起こしている。
 キャップをかぶせているとはいえユウくんを長時間砂浜で太陽光にさらすのはよくないだろう。日焼け止めはバックパックの中に入っているけれど…そう思いながら目をしばたいているうちに意識が遠のいていく。次に目に入ったのは呪いの像みたいな謎のオブジェだった。「…それって」「どう? 自由の女神」「ゲームにとかに出てきそう。調べると誰かの遺書とかみつかるやつ」「アヅひっど。辛辣。砂と海水だけで作るの難しいね���ねえ、どこかの国にね、砂の像の本格的な大会があるんだって。砂と海水だけで最低でも高さ1m以上のものを作るの。砂浜一面にたくさん城だとかオブジェだとかが作られるんだけど、どれも満ち潮になると流されちゃうから、その日だけ。ヨーロッパっぽくないよね。その侘び寂び精神って日本っぽくない?」「侘び寂び精神?」「ほら日本人って桜が好きでしょ。すぐ散っちゃうハカナサ的なもの込みで。何かそういうこと」
 ユウくんはスタイルの悪い自由の女神の頭部を指先で整える。俺たちの一身先まで波がきてまた引いていった。ここも満潮時には水がやってきて、その呪いの女神像も今夜には海に還る。
 大学生になって夏休みの長さに驚いた。中高をほとんど行けてなかった俺にとって、夏休みは授業の進行を気にしなくていい気楽な期間だった。それにしたって大学の夏休みは長い。俺は授業があろうがなかろうが練習漬けの毎日だが、この2ヶ月という期間を世の大学生は一体何に使うのだろう。
 大学一年生の冬、2度目のオリンピックに出てからメディアからのオファーが目に見えて増えた。俺自身も思うところがあって露出を増やすことにした。15歳のときもメダルひとつで世界が変わったけど、あのときはそれでも中学生だったからか(すぐ高校生になったけど)競技の注目度の低さからか今考えれば優しいものだった。夏季オリンピックへの挑戦を表明してからは練習練習練習スポンサー仕事練習練習といった毎日だ。調整のために海外にいる日も少なくない。
    だからこの2日間だけが、きっと本当の夏休みになる。
    俺も俺で慌ただしかったが、そのパブリックな動き全てがニューストピックスになるユウくんのそれは俺の比ではなかった。シーズンが終わっても出身地にモニュメントが造られたりタイアップの観光案内が造られたり、国内のショーに彼が出演すると報じられた瞬間チケットの競争率がはね上がったり。そんな彼がスカイプで「夏休みをやりたい」と言い出したときは、いつもの気まぐれだろうと俺は生返事をした。しかしそれはなかなか本気だったようで「海行ったり花火したりする‘ぼくの夏休み’的なのやりたい。田んぼに囲まれた田舎のおばあちゃんちで過ごすみたいなワンダーランド感をアヅとやりたい」と彼は食い下がった。
「俺と? ユウくんのじいちゃんばあちゃん家ってどこにあるの?」
「うちの実家の近所。長閑な田舎感ゼロ」
 成人男子の頭をふたつ持ち寄ってしばし考えたものの、俺たちは家族旅行の記憶もまともにない。物心ついた頃から休日は練習だし、旅行=遠征だ。「国内がいいな。海…沖縄?」「このハイシーズンにユウくんが沖縄行ったりしたらめっちゃ目立たない?」「うううん、目立つのは仕方ないけどアヅとゆっくり過ごせないのはやだな…じゃあ何かマイナーなところ」そんな場所が即座に出てくるような経験はお互いにない。だからしばらくお互いスマホをつついてるうちに俺が「海と田んぼあって田舎で特に観光地でもない、ウチの地元みたいな場所っしょ。何もないところって探すの逆に大変なんだね」と口を滑らせたのは特に他意のないことだった。
「アヅの地元‼︎ 行きたい、スケートパークとかあのバグジャンプとか見たい。日本海って俺、ちゃんと見たことない。アヅの家見てみたい」と食い気味に言われて面食らったものの悪い気はしなかった。知らない土地に行くより気安いし何よりうちの地元には人がいない。両親は友人を連れていくことにはふたつ返事だったが、それがユウくんであることには絶句し、地味に続いている友人関係だと告げるとやや呆れていた。でもそんなの普通だろう。だって高校生を過ぎて、友人のことを逐一両親に話す必要なんてない。ユウくんがただの同級生だったらそんなこと言わないっしょ、と胸に芽生えたささやかな反発はそれでも、訓練された諦めによってすぐに摘み取られた。
 砂の上に起き上がり砂をさらっていくつか貝を拾い、謎の像を写真に収めているユウくんに声をかける。「そろそろ晩メシだから帰ろ」夏の太陽はそれでも夕暮れにはほど遠く、西に傾いた太陽の、ささやかに黄色い光がものがなしい。振り返ったユウくんの顔はなぜか泣きそうに見えた。その頰は午後5時の光線の中でもはっきりわかるくらい白くて、まるで俺が拾った桜貝の内側のようだった。彼の唇がちいさく動いたけれど、波の音に消されて何も聞こえない。かりにユウくんの目から涙がこぼれていたとして、そしてそれが流れる音がしても、波の音にかき消されてしまうだろう。「疲れたっしょ。車持ってくるから待ってて」。踵を返そうとしたらTシャツの裾を掴まれた。俺はユウくんの白い手を包んでゆっくりほぐした。「大丈夫、すぐ戻ってくるから」
 スケートパークの駐車場からラングラーを出し、国道へゆっくりと出る。ユウくんが防波堤の上で所在なさげに棒立ちになっているのが見えた。  
   まず落ちたのは母親だった。ユウくんがメディアで見せるような完璧な笑顔と言葉づかいで挨拶しスポンサードされている化粧品メーカーの新作を渡す頃には、母の瞳は目尻は別人のように下がっていた。そこには緊張も俺たち兄弟に向けるようなぶっきらぼうさも消え失せ、俺たちにとってはいっそ居心地の悪いほどの幸福が溢れていた。さすが王子様。さすが経済効果ウン億の男。さすがおばさまキラー。夕食が始まる頃には遠巻きに見ていた弟も積極的に絡み出し、ヤベエとパネエを連発していた。野心家なところがある父が酔って政治的な話題を持ち出さないかだけが心配だったが、父はあくまで俺の友人として接することに決めたようだ。ユウくんの完璧な笑顔、お手本のような言葉に少しだけ負けん気を混ぜる受け答え、しっかり躾けられた人の優雅な食事作法。兄は居心地が悪そうに俺の隣でメシを食っていた。俺と兄だけは今、心を連帯している。スノボをとったら芯からマイルドヤンキーな俺たちと、歯の浮くような爽やかさを恥ともしないユウくんではあまりに文化が違��。いつも感じている座りの悪さがむくむくと膨らむ中、母が産直で買ってきたであろうノドグロの刺身と名残のウニだけが美味かった。
 風呂上がりには念入りにストレッチをした。俺の部屋では狭いので居間でふたりで体をほぐす。ユウくんの体はゴムでできているように関節の可動域が広く、股割りを始めたときは思わず感嘆の声をあげた。俺もケガ防止に体は柔らかくしている方だが到底叶わない。いくつかペアストレッチをしてお互いの筋肉を触る。「アヅすんごい鍛えてるね。腹筋は前から板チョコだったけど大胸筋と下腿三頭筋ヤバい。何してるの?」「体幹メインだからそんなに意識してないけど…直で効いてるのはクリフハンガー。後で動画見よ」「もっと筋肉つける予定?」「んん、もう少し空中姿勢作りたいから、体幹は欲しいかな」「アヅがこれ以上かっこよくなったら俺どうしたらいいの…POPYEの表紙とかヤバイじゃん。ユニクロであれだけ格好いいとか何なの。あっ俺、明日は新しいスケートパーク行きたい」「マジ? ユウくんにスケボーとかさせれらないんだけど。怖くて」「うんやんなくてもいい。アヅが練習してるの見たい」ユウくんの幹のような太ももを抑えながら、俺は手のひらで彼の肩をぐっと押した。
   両親はユウくんをエアコンのある客間に通すように俺に言ったけれど「コンセプトは夏休みに友達んち、だから」と言って俺は自室に布団を運んだ。六畳の俺の部屋は俺が大学の寮へ移ってからもそのままにされている。どれだけモノを寄せてもふたり分の布団を敷けばもうスペースはない。ユウくんは俺の本棚の背表紙を指でなぞりながら「教科書とスノボ雑誌以外なんもねえ」と楽しそうにしている。さっき風呂から出たばかりなのにもう肘の内側や膝の裏が汗ばんでいて、ないよりはマシだろうと扇風機をまわした。「もう寝る?」「んん、寝ないけど電気消す」窓を開けて網戸を閉め、コードを引っ張って電気を消した。カエルの鳴き声が窓の外、群青色の彼方から夜をたなびかせてくる。それは記憶にあるよりずっと近く、耳の奥で遠く響いた。
 ユウくんは行儀よく布団に収まって俺の側に寝返りをうった。「自由の女神像、流されたかな」「多分ね。見に行く?」「あっそういうのもいいね。夜にこっそり家抜け出して海行くとか最高。でもいいや、そういう夢だけでいい」指の長い手のひらが、探るように俺の布団に潜り込んでくる。俺の指をつまむようにして指を絡めた。
「…何もしないのって思ってるでしょう」「うん」「今日は何もしないよ。ここはアヅの家だから。セックスして翌朝親御さんの前で息子やってるアヅも見てみたいけど、我慢する」ユウくんはいつもそうやって自分をあえて露悪的に見せる。思ったことだけ言えばいいのに、と心がざらついた。
「どうだった、うちの地元」
「うん、最高。アヅと歩いて、バグジャンプ見ただけじゃなくて跳べて、海で遊べたんだよ。こんな夏休み初めてだよ。バグジャンプからの眺め最高だった。一生忘れない」
「大げさ…」
 ユウくんの目はほとんど水分でできてるみたいに、夜の微かな光を集めてきらめいていた。その目がゆっくりと閉じられるのをずっと見ていた。指先にぬるい体温を感じながら。
   率直にいって覚えていないのだ。その夜、本当に何もなかったのか。
  眠りの浅い俺が微かな身じろぎを感じて起きると、ユウくんが窓辺にもたれていた。布団の上に起き上がって片膝をたてて窓枠に頰を押しつけるようにして、網戸の外へ視線を向けている。俺の貸した襟のゆるくなったTシャツから長い首と鎖骨が覗いていて、それが浮かび上がるように白い。
 扇風機のタイマーは切れていて夜風が俺の頰を心地よく撫でた。俺の部屋は二階。窓の外では田んぼが闇に沈んでいる。目が慣れてくるとそのはるか先に広がる山裾がぽっかりと口を開けるように黒く広がっていた。ユウくんの膝と壁の微かな隙間から細かな花弁を広げてガーベラみたいな花が咲いている。彼の足元から音も立てずシダが伸びていく。教育番組で見る高速再生みたいに、生き物として鎌首をもたげて。ユウくんは微動だにしない。名前のわからない背の高い花がもうひとつ、ユウくんの肩のあたりで花弁を広げた。
 海の底に沈んだみたいに静かで、どの植物も闇の奥で色もわからないのに、そこには生々しい熱が満ち満ちている。
  布団の上を這って脱力しているユウくんの左手の人差し指と中指、薬指を握った。ねっとりした感触に少し安堵する。
「アヅごめんね。起こしちゃったね」
 ユウくんは首だけを俺に向けて囁いた。
 背の低い葦がユウくんの膝を覆う。ずっと気づいていた。右足首の治りが芳しくないこと、それに引きづられるようにユウくんが心身のバランスを大きく欠いていること。
「ねえ、春からずっと考えてるんだ。今まで俺強かったの、俺が完璧に滑れば誰も叶わなかった。でもそうじゃない潮の流れがきちゃった。アヅ、日本選手権の前にテレビで‘誰でも何歳でもチャレンジはできる’って言ってたでしょう。あれ聞いて俺すごいどうしようもない気持ちになったんだよね。腹立てたり嫉妬したりした。お前まだ二十歳じゃん、俺も二十歳だったら、って。アヅとスカイプするたびに思い出しちゃって、一時期ちょっとダメだった。でもアヅに連絡しちゃうし、そういうのって考えるだけ無駄だし、もちろんアヅも悪くないし。なんか今までは細かいことに迷うことはあっても大きなベクトルを見失うことってなかったんだよね。世界選手権2連覇するとかそういうの。でも今わかんない。引退もしたくないけどどんどん前に行くガソリンみたいなのがない。スケート以外も何もやる気おきない。ゲームも立ち上げるの面倒くさいし音楽も聞きたくない。でもこういうことって最後は自分で何とかすることだから誰に言っても仕方ないし、自分の中で消化するしかないんだけど。アヅはどんどん先行っちゃうし。それがすごいカッコイイし。好きだけど嫌い。でも俺にとって世界で一番カッコイイのアヅだな。アヅみたいに必要なこと以外は喋らないでいたいな。アヅの隣にいるのすごい誇らしい。これ俺のカレシーって皆に言いたいくらい。それが言えないのもすごい嫌だし。何かもう何もかも」
  感情の揺れるままにユウくんは喋り、彼の語彙の海に引きずり込まれる。その偏りというか極端さというか、きっとこれが海水なら濃度が濃すぎて生き物は死んでしまうし、雪山だというのなら環境が過酷すぎて大した植物は育たない、そういったものに窒息しそうになった。俺たちの語彙や世界は圧倒的に貧しくて何も生きていけない。そこには美しさだってカケラもない。「よくわかんない。死にたくないけど、いなくなりたい」
 幾重にも重なるカエルの声。降り注ぐような虫の声。こんなにもたくさんの生き物が泣き喚いているのに、そしてこのやかましくて力強い音楽が月明かりに照らされ満ち溢れている世界で、それでも虚しさしか感じられないユウくんが哀れだった。誰も見向きもしないやせ細った貧弱な空虚を大切に抱えているユウくんが。
  ユウくんの背後に虚無が立ち彼の肩をさすっていた。けれどそはユウくんとほぼイコールの存在で、彼にとっては他人に損なわせてはいけない自らの一部だった。それは誰にも意味付けられたり否定されたり肯定されるべきではない。
 勝ち続ける、他者より秀でる、新しい技術を得る。けれど俺たちの誰も等しく人間であるので、それには自分の体を損なう危険が常に伴う。けれど誰にもう十分頑張った、と言われても表彰台の一番上が欲しいのだ。
 そして自分の体が重くなってゆくこと、誰かが自分より圧倒的に秀でるであろう予感を一番先に感じるのも、自分自身だ。
 ユウくんは空いている右手でなく、俺とつないでいる左手をそのまま持ち上げて頰をこすった。子どもじみた仕草で。
 ユウくんは孤独な惑星の住人で俺はその惑星のディテールの何一つもわからない。ただ俺もただひとりで惑星に佇んでいるという一点だけで、俺と彼は繋がっていた。
「アヅ、キスしたいな」
 繋いだ手はそのままに、俺は体を起こして膝でユウくんを包む葦とシダに分け入った。草いきれの中でユウくんのうなじを掴んでキスをする。最初は触るだけ、次はユウくんの薄い舌が俺の唇を舐めた。そのままゆっくりと歯を探られればやがて頭の芯が痺れてゆく。ユウくんの唾液はぬるくて少し甘い。音をたてないように静かにキスをしながら、指に力を込めた。これだけが本当だと伝わりはしないだろうか。
 こんなキスをしたらもう後戻りできない。俺の足に蔦が絡みつく。空虚が鳴る。胸を刺されるような哀れで悲しい音だった。
 次に目を冷ますと空が白んでいた。寝返りを打つうちにユウくんの後ろ髪に顔を突っ込んでいたらしく、それは麦わら帽子みたいな懐かしくて悲しい香りがした。スマホを引き寄せて時計を見ると4時半。ユウくんの肩は規則正しく上下している。そこは正しく俺の部屋で、布団とテレビと本棚、積まれた衣装ケースがあるいつもの光景だった。ユウくんの足元に追いやられていたタオルケットを引き上げて肩までかけてやった。
 首を傾けて窓の外を見る。抜けるような晴天にほんの少し雲がたなびいていた。手付かずの夏休み、2日目。俺はユウくんの腹に手をまわして目を閉じた。
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tani1gan · 4 years
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新作 父母ヶ浜 pic Selection 5 Date 28/5/20(令和2年5月28日) Location 三豊市仁尾町父母ヶ浜 父母ヶ浜は現在「立入禁止」となっています…が、明日より開放されます。 #父母ヶ浜立入禁止 #tani1gan #三豊市 #仁尾町 #父母ヶ浜 #父母ヶ浜海岸 #父母ヶ浜海水浴場 #shikokucameraclub #team_shikoku #shikokutrip #setouchitrip #triproud #旅ness #dokoiku #tokyocameraclub #japan_travel #grate_photos_japan #photo_map #家で写真を楽しもう #stayhome #うちで過ごそう #四国八十八景 #瀬戸内サニー (父母が浜海岸) https://www.instagram.com/p/CA2UAKdjQz4/?igshid=pv5nspxsj4z6
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nikaidoumituhiro · 4 years
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湯激減 南伊豆の温泉がピンチ
こんにちは武術家二カリンパパの情報発信局です。 ★このブログを見て頂いてる皆さん、温泉大好きですか!?、私は、お風呂も温泉も大好きです!^^、「可也昔の話になりますが、会社のバイク仲間の人達とツーリングで、1日で、福島県内の温泉地巡りをしたことがありました!^^、その時は全て制覇しました!^^・・・」、 そこで、 県外の温泉地ですが、静岡の「南伊豆町の弓ヶ浜温泉」「渚(なぎさ)百選」にも選ばれている美しい海水浴場があり、旅館や民宿も多い、観光客に人気のスポットがあり、叔父、叔母が住んでいたので、病気が良くなったら、是非行ってみたいと思っていた温泉地なんですが、 しかし、半世紀つづくこの温泉を巡って、今、ある問題が起きていますので、温泉好きの方の為にも、シェアさせて頂きます!^^・・・、私個人的には温暖な観光地、今冬は「暖冬だったので、桜が咲いてるところもあるんですよ!!^^」なので、誠に残念です!「人の力でどうにもならないのでしょうがないんですが!(;-;)!・・・」、でも、何らかの方法で存続が出来たら嬉しく���難いですよネ!~。 それではまた!~明日天気にな~れ!。 引用元yahooニュース
2/24(月) 12:48 テレビ静岡NEWS お湯が激減 湯温も低下 南伊豆・弓ヶ浜温泉が存続のピンチテレビ静岡NEWS1048 ↓↓↓ https://news.yahoo.co.jp/pickup/6352118
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cruelice · 6 years
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2018-07-06-SeaAir【旅行記】竜宮城ホテル三日月で8時間耐久プール
 子供の体力がすごいのか、どちらかというと我が子の体力がすごい案件だと思うんですけど3歳児が4時間プールで遊んでおきながらまだ遊ぶまだまだ遊ぶと2日連続泣く話です。
 1年前のグアムの頃から息子はプールが好きなので、今回の旅行はいつもの部屋付き露天をやめて、プール施設の併設された竜宮城ホテル三日月へ行きました。この系列ホテルにはほかにも鴨川ホテル三日月や勝浦ホテル三日月もあるらしい。今回泊まるホテルは地名を冠するのではなくのは竜宮城ホテルという名前がついているけれど場所は木更津です。なんか木更津のホテルはホテルより先にスパ竜宮城ってのができてたから竜宮城ホテル三日月という名前らしい。
 レンタカー借りてアクアラインで海ほたるを無視して千葉入りしたら5分で最初の目的地三井アウトレットパークへ。でも右折入場できないのに時計回りでウロウロしてなかなか入れなかったから15分で入場。妻は娘(6ヶ月)と服を買い、私は炎天下のキッズゾーンで遊ぶ息子(3歳0ヶ月)を見守るのだ。暑っつ。これは「あつっつ」ではなく「あっつ」と読むよ。考えるな感じろ。
 30分ほど遊具類で遊ばせてたら息子が自ら「休憩する」と言ってきたのだけどすっかり両頬が上気していてこれは日射病一歩手前なのだな、今回は彼自ら休憩を打診してきたけど今後は私も気をつけよう、と思うのでした。大好きなりんごジュースで水分補給をさせたあたりで妻と合流しフードコートへ、というのが簡単にはいかないのが 3歳児なのだ。まだ遊ぶんだって。
 最近の息子は親の意見よりもタイマーを重視する。スマートフォンのタイマーがピピピピと鳴ったら嘘みたいに遊びを辞めることが多い。多分、『親の命令に従う』のではなく、『自分で決めたタイマーに従う』というのが彼の自尊心を傷つけないのではなかろうか。今回も2分後のピピピピで遊びを切り上げた息子とともに、先にフードコートの席取りへ向かった妻を追う。
 三井アウトレットパーク木更津のフードコートはなかなかに家族向けになっていて、こあがり席、という靴を脱いで座布団と机という席もあるし、椅子やテーブルが低めのキッズ席もある。すばらしい。あとフードコートって大抵の場合は消去法でメニューを決めることになるのに、ここはどちらかというと人気店が多かったのですごくえらいと思いました。
 私は冷やし担々麺を食べ、妻は中華焼きそばを食べ、息子はうどんを食べ、食後に娘の授乳を経ていよいよ目的地である竜宮城ホテル三日月へ出発。この時点で12時過ぎ。当初の目論見では11時くらいを目指していたので3歳児による遅延行為の恐ろしさが伝わると良いと思います。
 10分かからずホテル三日月へ到着。近。普段は1日に数時間運転せねばならないので、あまり車の運転が好きではない私としてはとてもありがたいですね。11時からチェックインできるのでまずはチェックインだけして、荷物を預けてプールグッズを持って竜宮城スパの方へGo。
 竜宮城スパはなかなかおもしろい構造になっていて、まず更衣室があるんですけど更衣室と温泉が直結なんですね。なんだそりゃ普通じゃん、って思うじゃん?しかしその温泉施設の左奥にプールがあるのだ!だから温泉に入る人は更衣室で全裸になって温泉に入ればいいんですけど、プールに行く人は温泉に行く人と同じルートを通るにも関わらず水着なのだ!なんか変なのだ!全裸のおっさんの横を水着の私が歩くのだ。温泉の中を浮き輪持って歩くのだ。やっぱなんか違和感である。
 しかしこれには当然利点があって、プールで遊び終わったら水着脱いで荷物置いてそのまま温泉に入れるのである。プール→温泉→更衣室→ホテル、という美しい流れ。プールで泳ぎ疲れて髪とかバサバサになったときも、即座に温泉に入れる(もちろん頭や身体も洗える)のである。
 で、水着を着て浮き輪を持ってテントも持ってプールへ。どうだね気付いたかね違和感はあったかね。そう。テントを持っているのである。もちろんテントといってもポップアップテントである。小さいやつ。なんかよくわからないけど竜宮城スパはプール施設の奥側に芝生が広がっていて、いいのか悪いのかわからないけど誰も止めないからいいんだろうけど芝生にテント持ってきてる人がたくさんいるのよね。
 プールの合間の休憩にもいいし、何より子連れというか赤ちゃん連れだとテント張ってバスタオル敷いておけばスヤスヤと寝かせるのに最適なのである。日陰だし風通しは良いし。というか風はちょっと強すぎますね。方向を誤るとテントが風で歪む程度に強かったです。その分、片付けは楽だったけどね。
 さて、ようやくプールに入ります。娘は人生初プール。息子はけっこう久しぶり。グアム旅行に行った1歳11ヶ月の頃は、なんの物怖じもせずにプールに飛び込み(そのあと私が支える)、ウォータースライダーで幾度となく滑りを繰り返していました。今回も楽しんでくれるといいな、と思っていたのですが予想外に彼がビビることビビること。あの1年前の勇姿はいずこ!と言いたくなるほどに、ライフジャケットつけてるのに水位が首くらいまでくるからか恐怖で表情を歪めます。やっぱ1年で知恵がついたんだな、知恵がついたことできちんと水の恐怖を理解したんだなぁと感心。あとウォータースライダーはさすが日本、グアムと違って身長制限があったので今回はNG。
 というわけで最初は足のつかない屋内プールや流れるプールにて家族みんなで浮いてたのですが、息子としてはそれは時折恐怖もありあんまり楽しめなかったらしい。というわけで水深60cmや40cmの浅いプールに移動したところ、息子としては走り回れるし転んでも浮かぶので安心、ということでここからエンジンがかかり始めた感じ。走り回るわ這い回るは飛び込むは水しぶきをあげるはバタ足するわで頻繁に笑っています。すごい。こんな浅いプールで大した遊具もないのにこんなに楽しいんだ!やはり子供って無敵だなぁと思いつつ、そんな息子を見ていると連れてきてよかった楽しんでくれてよかったという思いが湧き上がりますので親もまぁまぁ無敵かもしれません。
 と、思ってたのは最初うちだけでしたね。しばらく遊んだらちょっと休憩入れたいじゃん。でもダメ。遊ぶんだって。「まだ遊ぶの?」「違うよ!まだまだ遊ぶよ!」って言われた。どこで仕入れてくるのそういうトンチみたいなの。娘は流石に疲れて眠そうなので、妻とともにテントへ移動してるんですけど、その状態でしばらく経ったら夫婦で役割を交代しようと思うわけです。娘が寝ているので妻は娘から離れられないし、私は息子から目を離すわけにはいかないので交代できないんですよね。「一旦おかあさんのところへ戻っておやつ食べよう?」とか言っても、タメを効かせて「………、ヤダ。(ニヤリ)」とかやるわけです。
 もちろん引き摺っていったり抱きかかえて戻れば戻れるんですけどね。でも息子がプールを楽しむために遊びに来てるのに、力技に出たら絶対泣くからそれはやりたくないなーって。おやつやお茶で休憩を入れることを提案して粘り強く交渉しつつ、なんとか宥めてやっと休憩。
 その後も特筆する事態のないまま同じような遊びを繰り返し、あとはあれか、プールにも温水スパゾーンっぽいところがあるので柚子湯とか真珠の湯とかのあらゆる○○の湯に出たり入ったりを繰り返し。本人が楽しいらしいからいいけれどね。ちなみに娘は生後6ヶ月なのであまりプールを楽しむという感じではないですが、小さい子用の座れるタイプの浮き輪に浮かべるとときおりニコニコしたり、水に興味を持ったり、浮き輪の飾りに興味を持ったり、自分の水着が水中でヒラヒラするのに傾注したりしていました。
 11時半頃からプールに入って15時前には切り上げて15時半から夕食の17時半までお昼寝だ~とか考えていたのですが、開始もずれ込めば終了もずれ込むわけです。12時半頃からプールに入って、2~3時間で疲れ果てると思っていたのですが16時を過ぎても「まだ遊ぶ!」の連呼。「明日またプール入るから!」と宥めても「明日じゃない!今あそぶ!」とベストを尽くす発言。結局半泣きくらいまで崩れましたが撤収作業を考えると夕食に間に合わなくなるのでね。16時半くらいに撤収して着替えてホテルの部屋に入ってちょっとだけ休憩してから夕食へ。
 さて、ホテルの話なんですがちょっと構造的に微妙な点が多いのよね。例えば、とにかく横に長い施設(1フロアに約30部屋ある)なのに、ホテル中央にエレベータがあって、そして右端に温泉や食事処とかの施設が偏ってるの。さらにその施設は5階の連絡通路を使わないと行けないの。となると、ホテルの端から中央のエレベータまで歩いて下り、再度5階中央から端まで歩かないといけないの。最初に竜宮城スパが完成していて、そのあとにホテル併設になったからこういう作りなのかなぁ。移動距離がちょっと長くなるよね。
 あとスパ施設という夏に活躍する施設なのに、鍵を部屋の特定箇所に指さないと部屋の電気系統が動かないのはどうかと思うの。要するに部屋から出てる間は強制的にエアコンが切れるの。だからチェックインして最初に部屋に入るときもすごく暑かったし、夕食から戻ったときもとても部屋が暑くてげんなりしました。
 ついでに文句を続けておくと、スパ施設が1~4階にあって、食事処が5階にあるからか5階がすごく蒸し暑かったのと、スパと食事施設が同じ建物ということで食事施設も裸足なのもよくなかった。裸足であること自体はまだいいんだけど、バイキング形式だからさ、たまにこぼす人とかいるじゃん。裸足で謎の液体を踏んだときの不快感たるや。食事処だけでもスリッパになりませんかね。あと4階へ続く階段にドアをつけたら蒸し暑さが減ると思いますね私はね。
 そんなことはここに書かずにアンケートに書け。おっしゃる通り!でも残念ながら、子連れのホテルチェックアウト前ってそれどころではないのよね。慌ただしくってさぁ…。子供を着替えさせて、かまってかまってというのを横目に荷物まとめて。というわけでTwitterでエゴサをした竜宮城ホテル三日月関係者の方が奇跡的にSeaAir���発見してこの文章を読むことで改善につなげてくれると信じてこうして書いてるわけ。ごめん嘘。本当に伝えたかったら予約したページから口コミとかで書くべきだ���ね…。まぁぶっちゃけるとSeaAirって何も考えずに思ったことを書くだけだから。そこに意味はないのだ。意味がないからこんなにたくさん文章が書けるんだよ。
 閑話休題。夕食に関して言うと、100点のものはないけど80点のものがたくさんある、というのがバイキングの印象でした。ステーキは美味しいし、ホタテを焼いてくれるのも嬉しい。寿司にイクラがあったのもすごいなって思うし、カニの食べ放題があるのはなかなか見かけない。その他お惣菜の数も多くて天ぷらも揚げたてで、刺し身はカンパチと甘エビが美味しくて…、そういう意味でラインナップは素晴らしいと思います。ただ、多分わたし、結構いろんなホテル行ってるから…。ちょっと前に北海道のホテルのホタテとかイクラとか、都内の高級ホテルのローストビーフとかをバイキングでモリモリ食べてるわけ。そのあたりを勘案すると軒並み80点ということになります。すごく偉そう!でも大丈夫、ここまでよんでるひとなんて、いないよ(いつものパターン)。
 子連れ外食の典型ですが、子供が早々に満腹になって飽きて早々に撤退を余儀なくされる事が多いのです。が、今回はなんと大方の予想どおり息子の体力が尽きてしまい、夕食の席でうつらうつらと始める次第。妻が、「眠いんなら椅子にもたれて寝たら?」と言うともたれて10秒で半白目で寝始める。体力0で腹も膨れてきたからだろうな。後ろの席に座ってたオッチャンが、「懐かしいねえ!うちの子も食べながらよく寝てたよ!」と声をかけてくれました。やっぱりあるあるなのかしら。
 ということで息子が騒ぐことがなくなり、娘はまぁ抱っこしてたらあまり怒らないので夫婦でゆっくりバイキングを楽しめます。前述のとおりステーキとホタテとカニを何巡かしつつ、竜宮城スパが潮干狩りスポットでもあるだけあってあさりのメニューが多いのかな?地産地食を堪能。デザート類もちゃんとあるけど、コーヒーがなかったのは我ら夫婦としては少し残念でしたね。
 そして部屋に戻る前に、子供向け施設を散策。息子は食後に起きてもらってます。ゲームセンターっぽいところに、アンパンマンとバイキンマンの回転するタイプの乗り物があって、息子は遠慮してなのか特に何も言わなかったらしいんだけど、妻が「お父さんが(トイレから)戻ってきたらアレ乗ろっか」というと目を輝かせたらしい。やりたいことはやりたいとはっきり言うタイプだと思ってるんだけど、たまにこういう黙ってることがあるから、もっと息子自身のやりたいを引き出してあげたいですね。まぁ引き出した結果が体力0になるまでプールだったりするんですけど。そのあたりの押し引きが難しいよねえ。
 その後、屋内プールでレーザーによるショー、屋外プールで噴水によるショーがあるとのことで足を運んだ(着衣でよい)んだけど、プールに行くためには前述の通り温泉横を通るんですよね。着衣で。すごい違和感。そしてショーはあれですね、音響が悪くて何を言ってるんだかよくわからないホテル三日月のテーマソングとともに適度にレーザーや噴水が頑張っていました。こういうショーって結構人が集まるものだけど、十数人でしたのでなるほど納得、と思いましたね。ほら、リピーターが多いらしいからね。みんなもう見てるんだよね。あと日曜夜だったからね。明日平日だしね(謎のフォロー)。
 部屋に戻って支度して温泉施設の大浴場へ。娘は部屋風呂へ入れて寝かしつけ、先に私と息子が、そして妻が交代で大浴場で入浴の予定だったんですけど息子が泣きました。大浴場で。ここで竜宮城スパの大浴場について述べておくと、いわゆる大浴場っぽい広いお風呂のほかに、スパっぽい深さ90cmの歩けるすごく一周すると距離のあるお風呂があるんですね。流れるプールに近いけどお風呂なの。で、途中に流水とか滝とかバブルとか打たせ湯とかあるの。面白いよね。だけど息子は90cmだと額くらいしか出ないので、私が抱っこで歩いてたわけなんだけど、ライフジャケットのない状態で昼間の流れるプールを思い出したらしい。入って5分もしないうちに、怖くなって出る!出る!を繰り返す。じゃぁ他の浅いお風呂へ…と行こうとしたところ、「お母さんのところに戻るの!!」と聞かず、出口方向とは異なる方向へ歩こうとすると泣くのでもう諦めて部屋に戻ることに。
 部屋に戻って妻にまぁそういうわけなのですと伝えると、妻が入浴に向かい私はおとなしく息子と部屋で待つことに。息子はすっかり疲れてるだろうから寝ればいいのに黙々とYoutubeを見ている。なんか寝たら負けって思ってそうなんだよね。寝なかったらもっと遊べる(Youtubeが見られる)のに、寝てたまるか的な。私かよ。とはいえやっぱり疲れているので、妻が大浴場から戻ってくるまでには寝落ち。
 ということで私もその後はひとりでゆっくり大浴場が堪能できるぞやったぁ!って思ってたんですけどこのとき23時で、23時になると露天風呂終了であってサウナも終了なんですよねかなしい…。あと金やらプラチナやらでできた数億円の浴槽もあるんですけどあれも22時で施錠されてしまいます。ちなみにちょっと調べてたらこの浴槽、過去に2回も盗まれた上に犯人捕まってないんだって。すごいね。
 23時を回ったことによりそれこそ貸し切り程度に人がいなくなった大浴場をウロウロしてそれなりに堪能し、風呂上がりにビールとストロングゼロを買って妻とお疲れ様でしたの一杯。そして二杯。最終的に5缶でしたね。めっちゃどうでもいいけどストロングゼロってalc9%なのに自販機にalc8%って書いてあってうわぁ珍しい!と思って購入したのに出てきたのは9%でした。黎明期は8%だったんだろね。この事象に妻は気づかなかったらしいので私は本当に目聡いんだなと思いました。目聡いは褒め言葉だよ。だって聡いんだから。
 そしてその日は夫婦でゆっくり飲んで就寝。息子と私は同じベッドで、妻と娘は同じベッドで。まぁだいぶ酒も入ってるし朝までぐっすり…と思いきや娘が寝返りしてベッドから落ちる、というハプニングもありましたね。そんな高さはないし絨毯だから、抱っこしたらすぐ落ち着いたけどね。そして二度寝。
 起床。ビジネスホテルって割と部屋の暗さが担保されているものだけど、このホテルはけっこう明るかったんだよね。ドア下とか、あと窓もいわゆるロールブラインドだからね。明るさで早々に息子が目覚めたもよう。君22時半くらいまで寝てたのに7時に起きる3歳なのね…。
 支度して朝食へ。朝食もバイキングで、やはりアサリ中心ででした。アサリご飯に、アサリの味噌汁。大きな味噌汁が嬉しいですね。あとは和食と洋食で、どちらかというと和食が多めだったかな?個人的にはわかめが練り込まれたうどんと和風海藻ねばねば系サラダを混ぜて食べたのが美味しかったです。
 10時チェックアウトが混む、というのはそこかしこに書いてあったのだけど、まぁほらこの日は月曜平日じゃん?流石にそこまで待たないっしょ!と思ったらエレベータ10回くらい見送ったね。マジかよ。来るエレベータ来るエレベータ、必ず満員だよ。満員っていうかさ、みんな台車に巨大浮き輪とか載せてるんだよ…キャパのわりにエレベータ数が少ないのもあって、そして私が5階にいるので6階以上の人らがハケるまではこれ降りられないのでは…ということで横にいた同じ境遇のおっさんに話しかけます。
「上…行きましょうか」 「もう仕方ないですよね」
 というわけで見知らぬおっさんと二人で最上階たる10階へ。ちなみに息子と妻はすでに階段でチェックアウト手続きを済ませております。たくさん荷物を載せた私と娘、たくさん荷物を載せたおっさんの3人で10階へ。途中で7階で止まるけど誰も乗れない。そして10階へ。誰もいないのでそのまま1階へ。途中7階で止まると「あっ」と言われる。そして5階でまた止まると「さっきの…」と言われるが知らぬ存ぜぬごめんなさいという一部感情が漏れた顔で通過します。やったぜ。これも戦術ということで。
 もともとは近くの動物園に行くのもいいかなと思ってたんだけどまぁ息子のプール執着心を見るに結局今日もプールですよね。ホテルチェックアウトして10時過ぎには併設プールへ。昨日で手順はわかっているので実に滞りなくプールに到着して10時半には泳ぎ始めてまぁ昨日も泳いでるし息子が飽きてお腹空いたら昼過ぎに出るか。
 と思ったけど14時になっても「かえらなーーーーーーーーい!!!」とお怒りでしたよ彼はね。もう仕方ないので強制的に連れ帰るしか…と思いつつプール内で浮き輪の空気抜いてたら「それやめてよおおおおおおおおお!」とお怒りでした。やはり浮き輪の空気を抜くというのが帰りを示唆しているとお分かりなのでしょうね。浮き輪の空気をすべて抜いて、彼のライフジャケットも巧みに脱がせて、キッズ向けの浅いプールに入った彼から徐々に徐々に15分をかけて遠ざかっていくと息子もようやく仕方なさを受け入れた様子。
 妻と娘のいるテントに戻ると息子はやっぱり帰りたくなさからふてくされますがまぁテキパキ片付けまして、さぁそのまま隣の温泉に入って一息つくぞ!と思ったんだけど許されませんでしたね。
 温泉について息子と私の頭から爪先までを洗い、露天風呂へ行って2,3の○○の湯に浸かったところまではすべてが順調だったんですよ。でもね。「川歩きの冷温泉」みたいなのがダメだった。息子が入った瞬間、「これつめたい!」と喜び、深さ10cmくらいしかない足首までの深さを歩いて暑さを飛ばす、という目的の温泉に座り込んでバシャバシャやりはじめたのです。
 まぁそれだけならいいのよ。でもね、その後ほかの温泉に私が入ろうとするたびに、「これ熱いよ!!!!」「もっと冷たいのさがす!!!」と私が入るのすら許さずあらゆる温泉の温度を確かめてNGを息子が出し続けるのでした。
 そして最後に彼がたどり着いた黄金郷は、サウナの横の水風呂でした。
 「おとうさんいっしょにはいろうよ!!」  「いやだよ寒いよ…」
 というわけでね、息子はその後、幾度となく水風呂に入り、私は近くの温泉にちょくちょく浸かってから温泉を後にするのでした。子供ってほんとに予想外の方向に進むよね。今回のは「まだプールに入りたい欲」があって、冷水でそれを思い出したんだろうけど。
 ということで着替えて妻とロビーで合流したのが15時半。昼食まだです。移動して16時ころに昼食兼夕食ということで、いわゆる浜焼きのできるお店に行きます。もう詳細は端折るけど、活きた魚介をお盆にとって会計し、そのまま網で焼くというお店でした。あと海鮮丼系も。エビとウニと岩牡蠣を焼き、特上ウニ丼に舌鼓を打って帰宅したのでした。千葉のお店なんだけど、通常のウニ丼が外国産のウニで、特上のウニ丼は北海道の、って言っていたのが印象的でしたね(どうでもいい)。
 
 はい。というわけで竜宮城ホテル三日月だったわけでした。移動がラク。息子が楽しそう。とてもいい。プールの準備が大変。プール4時間はさすがに飽きる。ちょっとよくない。でも総合的に見ると、また9月くらいに似たようなタイプのところに行きましょうかね、ということになりましたのでやはり子供らが楽しそうにしているのが何より良いなと思うのでした。旅行記もどんどん変容していくなぁ、と感じている今日このごろなのでした。なんかじっくり書いたら久々にかなり長くなったね。ここまで読んでくださったかた、感謝申し上げます。  
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kachoushi · 6 years
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3月の各地句会報
平成30年3月の特選句
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 栗林眞知子選 岡田順子選
平成30年3月1日 三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句 羽子板に負けて顔中墨一杯 柏葉 春寒や小指立てたる夢二の絵 都 雛遊び浮名の君も老いけらし 都 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月3日 零の会 坊城俊樹選 特選句 男坂下なる宿は雛の家 いづみ 天神の生臭きかな梅まつり 伊豫 囀に上野の鐘の応へけり 慶月 梅の香に塗れてをりし路地の子は 眞知子 凡百の梅に埋もるる琵琶法師 亜羅多 浮世絵とおぼしき梅ヶ枝の黒き いづみ 女坂なり豊穣のものの芽に 千種 浅蜊売る江戸の女に女惚れ 千種 置屋鎖し梅紅白を契りとし 順子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月7日 さくら花鳥句会 栗林眞知子選 特選句 籠りゐる部屋から雪の花を見る 紀子 料峭の石橋包むむしろかな みえこ 雪解けの道を選びてこぐペダル 栄江 豪雪に静寂も闇も埋もれぬ 登美子 さざなみの立つ川岸や鳥帰る 寿子 豪雪のニュース福井の名が流れ 実加 暇さうな踏切眺め春の昼 登美子 写経寺へと雪道を辿り行く 令子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月9日 芦原花鳥句会 坊城俊樹選 特選句 山に住む人みな老いて長閑なり 孝子 啓蟄や取りに戻りし忘れ傘 よみ子 長閑とはこんな日のこと老二人 久美子 この雪の下に田もあり畑もあり 由紀子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月10日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句 流氷の哭くや網走番外地 岬月 流氷といふ大陸へ出航す 岬月 屋上の剥げたパンダや春の雨 のりこ いつしかに父のしごとの雛飾り のりこ 雪間より森の大樹の影を曳く 秀夫 日めくりの七曜淡し二月尽 親子 野あそびへ投げ出す子らのランドセル 和加 春めきぬ陶器の犬の艶めきも 清 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月12日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句 雪囲ひ解いて仏間を明るくす 文子 子育ての頃の社宅のチューリップ 昭女 大潮の引くが如くに雪解かな 雪 春炬燵和服の女膝入れず 世詩明 啓蟄や散歩帰りの犬の鼻 英美子 天帝の笑へば山も笑ふかな 錦子 春立ちしばかりと云ふに逝きしとは のぶ子 豪雪や��なき音を積み上げて み��枝 蕗の薹とも見えざりし蕗のたう 雪 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句 梅満開翳れば香り満ちて来し 俊子 草萌や小さき地蔵のとろみし目 都 凍らせて蝦夷のしじみの届きたる 幸子 春光や翼のあれば鳥と飛ぶ 佐代子 連結の貨車の入替へ春近し 幹也 老いぬれば寡黙の夫と春炬燵 和子 山の端で二つに解け春の雲 栄子 浮上して春を背鰭に六六魚 悦子 魚売女鰈干しをり東風の浜 史子 雛祭る祖母手作りの犬箱も 益恵 空青し金柑友と捥いでをり 立子 春の鳶虚空蔵菩薩の空舞うて すみ子 春愁の耳に調音訥々と 美智子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月12日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句 蜷の道辿れば杭の裏に消え 和魚 蜷の道途切れて水の嵩の増し 貴薫 きらきらと波綾なして葦の角 三無 蜷の道辿りてはかな見失ふ あき子 枝移りする鳥���や春障子 怜   春障子影絵となりし背の丸味 三無 きつ先の僅かに割れて蘆の角 秋尚 行先のこんがらかつて蜷の道 秋尚 波の如煌めく葉影春障子 せつこ ぼんやりと影の膨らむ春障子 秋尚 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月13日 萩花鳥句会 白魚網光を掬ひ上げしのみ 牛子 ハンドルで巡りし探梅恋しくて 祐子 椿咲く岬や野点デビューの娘 美恵子 残る世も花も待たずに兜太去る 健雄 啓蟄の光やはらかガラス拭き 晴子 休耕田若者集ひ野焼かな 圭三 白魚の光もろとも掬はるる 克弘
平成30年3月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句 後輩に団旗引き継ぎ卒業す 霞牛 日に酔ひしごと雪吊の縄弛む 霞牛 卓の上に廻る事なき風車 雪 金銀の折鶴乱舞春灯 雪 小屋裏の積みし残雪獣めく みす枝 岩壁を鎖り頼りの遍路なる 玲子 如月の客は疎らに船だまり 一仁 梅香る合格の絵馬踊り出す ただし 花ぐもり寝釈迦手枕して在す 世詩明 猫柳きらりと光る銀鼠 世詩明 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月17日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句 受験子のリュック重たし坂長し ゆう子 三椏の終の香りや石の門 百合子 ランドセル飾り一礼卒業す 清子 伸び急ぐアスパラガスの午前午後 亜栄子 春の野に鴉の尾羽根落ち青き ゆう子 参考書静かに閉ぢて大試験 白陶 青空に弾む光や花辛夷 百合子 春光や多摩川面の伸び縮み 美枝子 春の香に満ちる野に出で綻びぬ 節子 童謡の二番を散らす春疾風 ゆう子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月18日 風月句会 坊城俊樹選 特選句 ものの芽の赤く尖りて句碑守る 眞理子 初花のときめき知らず子の遊ぶ 慶月 武士の墓の剥落涅槃西風 眞知子 花辛夷明かりや鐘の天女像 久子 耄けゆく土筆電車を聞きながら 慶月 内陣の如来を遠く春灯 佑天 (順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句 土佐水木黄の甘やかに涼やかに ゆう子 花みもざ影を動かす風を呼ぶ 陽子 もてなしは多摩の春野と年尾句碑 亜栄子 住職と檀家総代春火桶 千種 紅椿喝采の眼を浴びて落つ 三無 春愁やカレー饂飩の染みひとつ 眞知子 内陣の如来を遠く春灯 佑天 初桜雲間より日の躍り出て 三無 塋城へ続く椿の暗き道 千種 羊羹に挿す爪楊枝初桜 眞知子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月21日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句 フルートの音に高校を卒業す 和子 雛の日まなざし遠く遊ばせて 和子 仔犬そと地べたにおろす暖かし 昭子 大雪は解け降灰はのこるなり 令子 下萌えて殿と動かぬ力石 千代子 古民家のひよこ三匹山笑ふ 雪子 指の傷まだ癒えずをり水温む 雪子 単調な雨音聞いてゐる朝寝 雪 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月22日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句 啓蟄や庭の鏡に蜘蛛一つ 雪 思ひきり髪を乱して朝寝かな 雪  啓蟄と云ふ靴磨きたくなる日 雪 背戸山の芽吹きの風を聴く庭かな 越堂 桃の花赤子やはらかよく笑ふ みす枝 大朱蝋の大蝋涙や涅槃寺 ただし 東京の渋谷区も降る春の雪 世詩明 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月25日 花鳥月例会 坊城俊樹選 特選句 戦跡の石の一つへ花の影 眞知子 大鳥居裳裾に花を侍らせて 梓渕 こごむ背の小さき人へ菫かな 眞知子 飴玉のなかなか溶けぬ花の下 政江 初蝶の野に引いてくる乳母車 順子 菫へと大きな影の過りけり 眞知子 片側は隠れて春の鳥居かな 小鳥 (順不同 特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句 一条の光差しては椿落つ 政江 堅く閉づ女子校の門糸桜 眞理子 戦跡の石の一つへ花の影 眞知子 花一片能楽堂の昏きへと 要   献木の蘖として花ひとつ 俊樹 一片の目の端に落つる花明り 伊豫 墨の香の塔婆に触るゝ花ミモザ 政江 川沿ひはけもののぬくみ桜咲く しの 花の下はないちもんめの樹霊かな 亜羅多 菫へと大きな影の過りけり 眞知子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月22日 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句 強東風や鳶を吹き上げ吹き下し 由紀子 来ぬ人を待つ頰杖や風信子 眞知子 生者にも死者にも潤み春の月 豊子 白魚の水にしあれば水の色 孝子 春眠の膝に西条八十と猫 寿美香 貝寄風や耳のかたちの貝の殻 豊子 相寄りて添へぬものなり柳の芽 睦子 白魚の番屋胴長下げて留守 光子 貝寄風や藻屑に混じる虚貝 豊子 春田打つ媼に風の集まり来 洋子 分校のたつたひとりに燕来る 寿美香 学舎を振り向かぬまま卒業す 久美子 七曜の過ぐる早さに木の芽吹く 孝子 春の虹かけて海へと大裾野 洋子 (順不同 特選句のみ掲載)
栗林眞知子選 特選句 朝東風や愛宕の神馬嘶きて かおり 雲雀東風羅漢五百の顔さまざま 由紀子 山焼くやおのづと現れし地震の跡 孝子 汽水へと波の穂美しき彼岸潮 千代 旅客機の透けて南へ柳の芽 勝利 春昼の納屋に古りたる糸車 初子 連獅子となりて芽柳大揺れに 睦子 白魚の番屋胴長下げて留守 光子 星一つ加はる宵や涅槃西風 千代 囀や尼寺への途はかく細し 睦子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月 県民会館花鳥句会 坊城俊樹選 特選句 雪籠してゐて入つて来る噂 清女 銭湯の消えて機町小正月 龍聲 金剛の雫煌めく軒つらら 越堂 念力の失せて卒寿の二月尽 龍聲 二ン月の二十八日ふと淋し 和子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年3月 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句 母のよな叔母の旅立つ春の星 千代子 腰伸ばし白山眺め畑を打つ 千代子 本堂の前に最も残る雪 雪   木々芽吹く音聞こし召す観世音 雪 春の日や露座の観音乾きつゝ 匠   踏青の野に人影のすでにあり 匠 豪雪のあとの晴間の道を行く 天空 春水となり九頭竜の川ゆたか 越堂 白梅の香の枝折戸の向かうより 和子 (順不同 特選句のみ掲載)
平成30年2月19日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句 雪籠心に祀る幾仏 雪 鉄瓶の音の噴き出す雪の夜 のぶ子 泣きにゆくところを得たり雪岬 世詩明 砦めく卍が辻の雪捨場 昭子 海は吠え水仙の岬黙すのみ 越堂 墓じまひの話ちらほら冴返る みす枝 振り返る一乗谷の雪女 昭女 褪せてなほ正座崩さぬ内裏雛 みす枝 その時のセーター赤き青年よ 雪 間のびせし柱時計や日脚伸ぶ 文子 豪雪に埋れて村の沈黙す さよ子 (順不同 特選句のみ掲載)
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j1traveler · 6 years
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日本のウユニ塩湖!香川県の父母ヶ浜海岸(ちちぶがはまかいがん)がインスタ映えすると話題!場所や行き方は?フォトジェニックな絶景
日本にもウユニ塩湖の様な場所があった!香川県の父母ヶ浜海岸のアクセスや絶景の観測条件は?
・ウユニ塩湖世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景 [ TABIPPO ]
父母ヶ浜海岸 wiki基本情報やインスタ画像
父母ヶ浜海岸 所在地: 〒769-1404 香川県三豊市仁尾町仁尾乙 ★公式Website⇒http://www.mitoyo-kanko.com/?p=1440
  父母ヶ浜海岸 読み方
父母ヶ浜海岸の読み方は「ちちぶがはま」です。
        約1キロにわたる遠浅の海岸で夏場は海水浴場としてにぎわっています。
        今、とても人気の場所で一日1000人が訪れるそうです。
        しかし、いつも見られるわけではありません。絶景が見られる条件があります。
    父母ヶ浜海岸 アクセス 車の場合
香川県三豊市仁尾町仁尾乙203-3 父母ヶ浜海水浴場 [高松自動車道]…
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yousakana · 7 years
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父母ヶ浜海水浴場 #香川 #三豊 #仁尾 (ちちぶがはま)
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livecam-db-blog · 6 years
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父母ヶ浜ライブカメラ(香川県三豊市仁尾町)
父母ヶ浜ライブカメラは、香川県三豊市仁尾町の父母ヶ浜海岸に設置された父母ヶ浜海水浴場・瀬戸内海・燧灘・夕陽(日本の夕陽百選)・小蔦島見えるライブカメラです。更新はリアルタイムで、YouTubeによる動画(生中継)のライブ映像配信です。三豊市観光交流局(Love Mitoyo)による配信。
約1kmのロングビーチを誇る穏やかな海水浴場で毎年夏には多くの海水浴客が訪れます。瀬戸内海の天空の鏡。最近、南米ボリビアの天空の鏡とも呼ばれる「ウユニ塩湖」のような写真が撮れると話題の香川県三豊市の父母ヶ浜(ちちぶがはま)。
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