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#朝走って夕方走る二部練
simamamoru · 2 months
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戦闘服の男たちNo.1
さぶ増刊号 1985/7
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G-men 2009/6
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§1 夜明け前
 俺は島護、25歳の陸上自衛隊員だ、体付がごついのでゴリラの様だと皆言う、勿論短髪、入隊して3年、我ながら戦闘服姿が板に着いて来たと思う。今俺は、ジープのドライバーとして、この久しぶりの大演習に参加している。
 演習場の空が、ようやく白み始めてきた。午前4時、俺の運転するジープは、戦車がさっきこねくりまわしていったぬかるみを、ケツを左右にふりながら最後の目的地にむかっている。夜通しの演習は何度も経験してるけど、3日めになるといつも意識もうろう、ただ気力だけで動いているっていう感じ。頭は短髪だからなんとかなってるけれど、顔は不精髭、体だって風呂なんか演習中入れないので汗と埃でべっとりしている。隣で無線機片手にさっきまで巻くっていた金城3尉も、いまは黙りこんでいる。
 金城3尉は27歳、骨太ですげえいい体しているんだぜ、頭はいつもさっぱりと刈りこまれた短髪で、いかにも沖縄生まれっていう顔は本当に野生の証明そのものだね。
 実は俺、前から憧れっていうと照れくさいけれど、気になる人だったんだ。けれども違う小隊の幹部だったのでなかなか話すチャンスも無いし、遠くから見てるだけ。だから今度の演習でジープの運転手として一緒に行動をするって聞いた時とても婚しかったよ。
 そんな金城3財が、ポツリと
「元太の奴、どうしてるかな。」
元太っていうのは、俺の同期で、九州からきた高橋士長のことだ。あいつも図体でけえくせに俺より3歳も年下で、口は悪いが性格よくてなかなか憎めない奴だ。
 そんな元太なんだが腰を痛めたとかで演習の3日ほど前から入院して-まっている。たしか金城3尉の小隊だったはずだ。
「ああ、あいつのことなら心配せんで下さいよ。キングコングみたいな、図体がそう簡単にへこたれませんよ。」
「ひでえこと言うなあ。おまえもゴジラみてえな体してるくせに。」
「じゃ、金城3尉は大魔神じゃないですか。」
 あは、言ってしまった。3尉殿に大魔神だなんて、思わずペロリと舌をてしまう。
「お前も元太と一緒で可愛い奴だな。」
「エヘ、そうですかぁ」
 なんて冗談を言っているうちに眠気も覚めてきた様だ。
 夜も明ければ状況(訓練)終わり。終われば休暇が待っている。
§2 事件発生
 演習が状況終了になると、その夕方は演習場の天幕(テント)の中で恒例の大宴会が始まることになっている。正直言ってこれを楽しみにしている隊員も多い、汗臭い戦闘服を脱いだ時の解放感と、酒を飲んでポロリと出る本音のぶつかり合いがたまらなく好きなんだよな。
 あたりも暗くなり宴もたけなわ、俺たちの天幕は8人のむくつけき男どもで足のふみばもないくらいだ。さっきまでの疲労の色もなんのその、酒は命の水とはよく言ったもんだ。
 幹部同士で呑んでいた金城3尉が赤らめた顔をして、焼酎の一生瓶をかかえてやってきた。そして俺の隣に座りこむ、
「おい、島、飲んでいるか。まっ一杯飲め!」
と言って一生瓶をさしだしてきた。
「3日間、御苦労だったな。お前のおかげだ、さあ飲まんか!」
 いくら俺が力自慢でも金城3尉に押えつけられたら手も足も出ない。
 それでも有無を言わさず、瓶ごと口につっ込んでくる。俺、思わずむせてしまった。そしたらやっと力を緩めてくれた。
「ふーっ!助かった。もー殺さんでくださいよ。」
 あたりに笑い声が響き渡った。
 そんなとき、俺の手がぐっと3尉に、握られていることに気がついた。
 熱い手だった。急に頭がクラクラとしてきた。酔いが回って来たようだ。だんだん意識が……
「島士長!起きてください」
がんがん鳴り響く闇の底から起こされたのは、午前3時。俺をゆさぶっていたのは、不寝番の伊藤一士だった。重い頭をかかえながら起き上がると伊藤一士は
「高橋士長が、地区病院から行方不明になったそうです。今部隊から連絡が有りました。」
 頭がボーッとしている俺は最初その事態の重大さに追い付いて行けなかったが。少しして、
「な、なんだって!元太が逃げたって!」
 隣で寝ていた金城3尉も起き上がって来た。
「元太がどうしたんだ。」
「地区病院から脱柵(脱走)たって……」
「あの馬鹿野郎!いったいどうしたんだ。」
 3尉もまだ酔っている様だ。俺は戦闘服をひっかけると、半長靴を急いで履き
「金城3財、中隊に電話してきます。」
といって天幕を飛び出した。いったい元太の奴、なにがあったというんだ。まだほとんど冷めて無い酔いとともにそんな思いがぐるぐるめぐっていた。
 電話のある天幕はこの時間には誰もいない、さっきも不寝番が飛んで来て受けたのだ。
 俺は中隊へ電話かけた。こんな事件のあった時は必ず当直が誰かひとり起きているはずだ。
「はい、3中隊当直幹部です。」
「演習部隊の島士長ですが、高橋士長の件でどうなったのか、知りたいと思いまして。」
「ああ島か、三上2尉だ、どうやら午前2時ごろいなくなったらしいんだがな。」
「いったいなにが原因何ですか、」
「それは俺が知りたい位だ。」
「じゃ、詳しい事はまだ…・・・・。」
「そんな所だ、島士長、あまり心配せんで移ろ。」
俺は、演習場に居て何も出来ない自分にどうしようもないいらだちを感じていた。
「何かわかったら電話下さい。俺、ここでまってます。」
 そういって竃話を切った。
§ 3 ふたたび夜明け前
 いつのまにか後ろには金城3尉が立っていた。
「詳しいことはまだわからないそうです、なんか信じられないっすよ。」
 金城3尉は、俺の肩を抱きながら、
「元気出せ島。元太は戻って来る、必ずな。俺も一緒に連絡を待とう。」
 そういって3尉は、持って来た一生瓶を俺に差し出した。俺は進められるままに一生瓶ごとくい飲みした。自棄酒だな、まったく。
「どうだ、もっと飲め。」
 金城3財は、自分でも一杯飲むと、今度は俺を天暮のシートの上に押し倒した。ふだんならこうも簡単に倒れるわけないのだが酔ぱらってなんだか分からなくなってきた。
「まだ飲み足らんか、お前は可愛いやつだぜ。」
 金城3時は、俺の体の上にのしかかって来た、酒の匂いと共に戦闘服に染み込んだ男の匂いがムッ、としてきた。
 気が遠くなりそうな、でも俺、嫌じゃなかった。
 金城3尉の手が俺をきつくだきしめる。耳に熱い吐息がかかる、だんだん体から力が抜けていく……
「元太の所へ俺だって飛んでいきたいんだ、島、分かるかこの気持ち、実はな、俺はこの中隊に来てからずっとお前ら2人が気にいっていたんだ。元太はともかく、お前だって俺は遠くから見ていたんだ。だがな、こんなふうになるとは思ってもみなかった。元太の奴め、俺は寂しいよ。」
そういい終わると静かに唇を重ねてきた。熱いものが体の中から沸いてくる。
 3尉は俺の職闘服の上衣のチャックをおろすと胸のあたりをなぜまわし始めた。
「ウーツ」
 自然に声が出てしまう。いつのまにか戦闘服のズボンのボタンも外されていた。
 そして無造作に手が突っ込まれてきた。
「堅いな。」
 そう言って俺の気持ちを確かめると、おもむろに酒を煽り、口移しで酒を送り込んできた。
 あまりの量の多さに口から溢れてしまった、金城3尉は舌でそれを拭うとまた、唇を重ねてきた。舌と舌が口の中でからみあう、それに加、て強い雄の臭いがたまらなく俺を刺激する。
「金城3尉!た、たまんねえよう。」
 俺はあえぎ声を出してしまう。
「そうか、たまんねぇか、もっと良くしてやる。」
と、言って戦闘スポンからず大くなった俺のモノを引き摺りだした。
「体にお似合いのゴツいモノだな。」
 そう言いながら唾をおれのモノに垂らすと、指で一番敏感な所をこねまわしてきた。もう片方の手は俺の口の中に容赦無く入り込んでくる。
「どうだ、今度は俺の番だ。」
 といいながら、自分の戦闘ズボンの前をまさぐり、俺に馬乗りになってきた。そしていきり勃ったモノを口にねじ込んできた。
「ウグッ!」
 むせ返るような強い臭いに圧倒され、俺は無心に頬張る。その間にも金城3尉は俺のモノをこねくり回す。
「いいな島、この事は2人だけの秘密だからな。」
 腰を動かしながら金城3尉がいう。
 頬張りながら俺がうなずく。
 そして3尉は、一層堅くなったモノ引き抜くと体をずらし、俺の爆発寸前のモノと自分のモノを一緒に握り、激しくシゴキだした。
「ウ、ウッ島、」
「キ、金城3尉ー」
 二人は、押し殺した声でお互いの名を呼びながらおびただしい量をほとばらして果てた。それは、戦闘服のはだけた分厚い胸にふりそそいだ。それを3尉はていねいになめると軽く口を重ねてきた。 
 俺はだんだん気が遠くなりそのまま寝てしまった。
§4 捜索
 翌朝俺と、金城3尉は元太の捜索に協力する為、一足先に演習場を出発した。
 二人とも照れ臭いのか黙ったままだ、だがその沈黙を破るように3尉が、
「昨日のこと、覚えて要るか。」
 と、ひとこと言った。
「え、ええ。」
 俺は思わずどぎまぎして答えた。
「嫌だったらごめんな。」
「そんな、始しかったです。」
 言葉少なめに答える。ジープが信号で停車した。
 シフトレバーを握る手がもうひとつの大きな手に包まれた。
 中隊に帰るとすぐ捜索に加わったが、その日の手がかりは何も無かった。
 だがその夜、金城3尉あてに電話が掛かってきた。
「元太、お前何処にいるんだ。え、よし分かった今行く。」
「島!来い」
 慌てて3尉は飛び出して行く、俺も急いで付いて行く。シープは二人を乗せて夜の町へ走り出していった。
 5分もジープを走らすと、ヘッドライトが道に立っている元太を照らしだした。
「さあ早く乗れ、一緒に中隊に帰ろう。」
 金城3尉が元太に話掛けた、だが、
「俺、帰りたくない。」
 と、一言言ったまま黙って仕舞った。
「仕方が無い、じゃ、俺のアパートに来い、それならいいだろう。」
3尉がそう言うと黙って元太はうなずいた。
 結���元太は、退職していった。奴の腰の病気は、自衛官として仕事を続けていきり直ることはないというものだった。
 陸曹になり、幹部に成ることを元太は夢見ていたのにそれが挫折してしまった。それがつらくて逃げだしてしまったそうだ。
 俺も3尉もなにもしてはやれなかった。あんなに丈夫な奴だったのに。
「俺は、野原でひと暴れする為に自衛隊に入ったんだ。小銃片手に演習場を走り回る、屈強な男だけに許された仕事さ、だけどこの体じゃもうそれもできねぇ。たとえ部隊に戻れても、どうも事話関係の仕事に回されて任期がくれば、はいさよなら そんなのやだぜ」
 そう言ってあいつは国へ帰って行った。
§5明日へ
 それから数週間が過ぎた。あれ以来金城3尉ともなかなか話する機会もなくたまに目で挨拶をかわすぐらいしかできない日が続いた。
 そんなある日、再び金城3尉のドライバーとして演習の偵察に行くことになった。もちろん3尉のご指名…っていうか元太の後釜。
 ほとんど単独行動になるのでずっとふたりきりという訳だ。俺もじっとまってたよこの日をね。
 けれども仕事は、そんな俺の甘い考えをふっとばすかのようにとても忙しかった。話すことは仕事上のことばかり、演習場のなかをシープは縦横に走り抜けて行く。
「さあ、これで終わりだ。島士長、シープを降りて一休みでもしよう。」
 と金城3尉がいったのは午後の日が沈みはじめた時間になっていた。
「はい」
 と返事をして俺はジープを道端に止めた、あたりは一面に草がおい茂っている。
 3尉は降りて立小便をはじめた、おれも並んではじめる。
「フーツ」
 小便が終わっても二人はそのままたっていた。ふと金城3尉の方を俺は見た。横顔が夕日に染まっていた。3尉もこちらを向く、視線が絡み合う。
「久しぶりだな。」
「長かったけど、俺待ってました。」
 ふたたび前を向くと、金城3尉は俺の肩を抱いて茂みの中へ歩き出した。
 夏の終わりの演習場は背の高い草に覆われ、ほんの少し足を踏み入れただけでそこはもう二人だけの世界になっていた。
「俺の事好きか?」
 と、金城3時が聞く。俺が目でうなずく。
 肩に回された手に力が入り思いっきり抱き締められた、背骨が折れんはかりの力である。
 ああ、これが俺たちの愛し方なんだ、有無をいわさぬ強引さで右手が開いたままになっていた戦闘服のズポンの前に突っ込まれてきた、すでにはちきれんばかりとなっている俺のモノを引き摺りだすと唾を付けてシコキだす。
「たまんねぇよぅ。」
 俺はうめき声を金城3尉の耳元でささやいた。
「よーしいいぞ。」
金城3尉はうなずくと、しゃがみ込み俺のモノをくわえこんだ。そして両手で俺のズボンのボクンをはずし際まで下ろす、右手は俺のケツのあなをいたぶり、左手はキンタマを滑り回す。
 そして俺の手は金城3尉の頭をがっちりと押さえ込んでいた。
「金城3尉ーもうがまんできねぇー。」
「うるせぇまだだ。」
 そういうと3尉は、俺を後ろ向きにした。
 俺は覚悟をした。
 ベトベトになった俺のモノをこねくり回しながら、ケツを舐め始めた
「あっ汚いっす」
 臭くないわけがない、それでもグッと舌を突っ込んで舐めまわす。
 俺は快感に蹂躙された。
 3尉は立ち上がって口を拭う。
「いいな。」
 と、一言いうと、自分の戦闘スポンから見事に怒り狂ったモノをまさぐり出し、俺のケツにあてがった。そして乳首を…
 俺が、つい、力を抜くと同時にゆっくりと先の方がめり込んできた。
「ううつ・い、痛ェよう。」
「なあに痛てえだと?男ぞ!がまんせんかあ。」
 そういうと、腰にまわした手に力を込めてきた。物凄い力で俺のケツが引き裂かれる様に少しずつねじ込まれてくる。
「し、島、入ったぞおーっ」
 3尉がうめく様に汗を拭いながら言う、俺もまだ着たままの戦闘服で額の汗を拭った。
「まだ痛いか。」
俺は首を横に振る。
 ゆっくりと金城3尉は腰を使いはじ��た、手は俺のモノをシコキだす、もう片方の手は俺の戦闘服のチャックを下ろし、シャツをたくし上げ、乳首をいたぶる。
 いつのまにか俺は金城3財の動きに体を合わせていた。
 
 突然金城3尉の体が痙攣し、俺のモノが思いっきりシゴかれた。体の中で激しいほとばしりを感じると同時に、俺も勢いよく草むらに噴出してしまった。
 そしてそのまま二人ともその場に倒れこんだ。
 二人で大きなためいきをつくと、寝っころがったまま空を見上げた。あたりはすっかり夕焼けで真っ赤になっている。
 ふと、金城3尉が言った。
「島、お前も満期(2任期‥4年)で除隊しちまうんか!」
「ええ、そろそろ国へ帰って親父の現場仕事でも手つだおうか、とでも思っていたんですが。」
 本当はまだどうするか決めていなかった。
「そうか。どうだ、島、陸曹候補生受けてみんか。」
 陸曹になると俺たち陸士の様な任期制の際員と違い、定年まで勤務ができる様になる。つまり職業軍人というわけだ。勿論その為には、試験があり。学科だけでなく、体力検定、基本教練、あげくの果てには小銃担いで障害物競争をする武装走まであるという苛酷なものだ。正直言って一度受験したらもうたくさんと思ってしまう。
「でも、この前一度受けて落ちましたから。」
「一度ぐらい落ちた位でなんだ。もう一度受けてみろ。お前は自衛隊に憧れて入隊してきたのは分かっている。演習に出ている時、お前は一番いい顔をしているじゃないか。」
 
 そう言って金城3尉は立ち上がった。そして、
「島、そこの俺の帽子見てみろ。」
 俺は、そばに落ちていた帽子を拾い上げた。
「あっ、この帽子は…」
「そうだ。元太のだよ。あいつが辞めた時、補給陸曹に頼んで交換してもらったのさ、」
「そんなに金城3尉は元太の事を、」
「そうだ、今でもお前と同じくらいな。好きだったよ。だがな、あいつは気付いてなかったよな。そんなこと。ただの口うるさい小隊長さ。」
 ジープに寄り掛かりながら話てくれた。
「じゃ、俺が辞めても何か俺の身につけていてくれますね。」
 すると俺の方を睨みつけて言った。
「馬地野郎!まだわからんのか。お前は陸曹になるんだ。そして俺に付いて来い!必ず良かったと思う。もう別れの寂しさなんかまっびらだ。」
 そう言いながら俺を強く抱きしめた。迷いが少しずつ消えていくような気持だ。
「よし!俺、また挑戦します。」
「その調子だ、島、俺が合格するまでたっぷりシゴクぞ。」
「エへ、じゃ、合格したらシゴイてくれないんですかぁ。」
二人は顔をあわせて笑った。(終わり)
さぶのカットと、G-men 版の挿画
どちらも木村べん氏。挿画はべん氏より頂いた鉛筆画のコピー。
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tutai-k · 2 years
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譲れるものと譲れないもの
新しい仕事の打ち合わせがぼちぼちあって、結構日々が充実している。日曜日に引き続き、今日もだった。 今まで流れ作業というか、何の計画性も相談も必要のない単純労働しかしてきたことがないので、ミーティングを重ねて動かしていくプロジェクトというのは初めてで、わたしの本作りだったらこういう方向に逃げちゃうなあという部分も、前向きなアイデアで洗練されていく。新鮮な感覚だ。
日曜日は、ミーティングが夕方だった。体調(主にメンタル)がすぐれず、家を出るまでにかなり時間を要したが、ミヤコドリをどうしても見たくてなんとか一時間くらい時間がとれた。 有名なスポットで、早朝だと県外ナンバーの車でいっぱいのときもある駐車場も、極寒だったからか一台の車も停まっていなくて、ミヤコドリは河口の中州に整列していた。写真を撮るのにファインダーをのぞきこんでいると、あまりうごきがないように思えるのだが、双眼鏡で見てみると結構動いている。風上の個体が風下にときどき入れ替わっていて、たぶん寒さをまんべんなくよけているのだろうと思った。 そういえば、群体で渡りをするガンカモなんかは先頭の鳥の羽ばたきが作る気流で、後ろの個体の飛翔が楽になるので、みんなで先頭を交代しながら飛ぶのだという。風もきっと、そんなふうによけているんだろう。
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月曜日は労働に行く。特筆することは特になし。
火曜日(今日)。あさから家のことでバタバタしながらも、また打ち合わせに行く。いろんなことが決まっていく。面白い 電車ででかけたので、カズオ・イシグロの『遠い山なみの光』を読む。ノーベル賞作家の本だから勝手に何回だと思っていたけれど、読みやすくてストレスが少ない。大きな木材を、チェーンソーアートみたいに彫っているような物語の構造が、いいなと思う。
打ち合わせの後は、事故の後処理をする。 車が壊れてしまって、修理するつもりだったのだが、開ければ開けるほど(今回の事故とは関係なく)修理箇所が見つかって、新車で買ったときの半額くらいの値段になってきたので、新車を買うことにする。 車はどうしてもMT車でないとブレーキが怖いし、鳥を探して山道も走るのでストレスがたまりそうだ。MT車となると、選択肢がぐっと狭まる。今まで乗っていた車が一番いいんだけど、廃盤になってしまっていて選べないので、ほとんど消去法みたいな選び方になってしまう。それでも今回は、ボディカラーが選べるグレードで見積もりをとった。どんどんMT車の規格がなくなってゆくので、つぎの車選びはもっと難航するんだろうと思う。 車は、新車で買うとオプションが二万円ちょっとぶんついてくるらしい。欲しいものがなにもなくて、(前回はなにもいらないと言い切ってなにもつけずにいたら見かねた営業のおじさんが「マットだけはおじちゃんがつけたるから、な? マットはつけとこや」と言ってサービスにしてくれた)フロアマットと、あと、これから雪山も鳥を求めて走るだろうからタイヤチェーンをつけてもらうことにして、それでも六千円分くらい余る。欲しいものがなくて、アクセサリーカタログとにらみ合っているけど全然決まらなくて困っている。
欲しいものがなくて困っていたら、旅行に行ったときに友人に言われた言葉を思い出す。来年からは一人暮らしをする予定で、住処を探す必要がある。そんなわたしにくれたアドバイスが、「ゆずれないものが何かをはっきりさせておくこと」だった。 例えばバス・トイレは別がいいとか、キッチンとリビングスペースに仕切りが必要、とか。 ひとりで暮らしたことも、物件探しもしたこともないから譲れないものがなんなのかがわからない。 ただ、「風呂無し物件を選ぶひとが急増」みたいな貧困と隣り合わせだと思うし、貧困で譲れないものを譲って(拠点となる住居に風呂がないというのはかなり厳しい状況だと思うし、それは前向きな話ではない)すり減りながら生きていくことに、この国ではなんの対策もなされず、「新しい価値観」とかラッピングされていくことは恐ろしいことだと思う。 車選びは、譲れない部分がMT車じゃないといやだというところしかなかったので、最低ランクの車を新車で買うことができそうだ。アクセサリーカタログを見ても、欲しいものもないくらいに、求めるものがなさ過ぎるので。 でもこれから、住む家のことを考えたら、どんな条件が「譲れない」んだろうとすこし不安に思う。譲れなくても、譲らなければならないかもしれないし、それは物理的な生命に関わってくる部分かもしれないし。 今は物件をインターネットでぼんやりと見ている。まだ実際家を見に行くのは早いかと思っているけれど、金がかからず、安心できるようなところが選べますようにと祈っている。
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車屋の帰りに、すみっこカフェに寄る。 弟のこどもがお正月に来る予定だ。それはもしかしたらすこし早くなるかもしれないが。 お近づきのしるしに、とんかつのちいさなぬいぐるみと、とんかつが乗れるぺんぎん?の車を買った。すみっこのグッズはどれもかわいくて、選ぶのに三十分くらいかかってしまった。 よろこんでもらえますように。
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palakona · 1 year
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7月なのに…(-公- ;)
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2023年7月、西池(堺市)PENTAX Optio W60
どうも、こんにちは。7月8日(土)は、渓流フライフィッシングとヘラ釣りを天秤にかけて西池に行ってきました。近所の喫茶店のコーヒーとトーストがマイウーなので喫茶店に行ってしまい、渓流に着いたら昼やな〜とか思ったらウドン炊くのもめんどくさいし西池に足が向きました。
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2023年7月、西池(堺市)PENTAX Optio W60
天気予報では、雨の降り出しは15時ごろ。屋内釣り場で空いてる席あるかな?終了1時間前の降り出しやったら屋外釣り場でも良いかと思いながら到着すると、屋外はほぼいっぱい、屋内も10番台手前ぐらいしか空いてない。厳密に言えば空いてても間に入るのは気がひけるな〜みたいな混み具合。西池は人気やな〜値上げの影響ってないんですかね?
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2023年7月、西池(堺市)PENTAX Optio W60
今日の竹竿は「二代目げてさく」の11.2尺。竹の握りが細くて万力を抜けてしまうのでゴム輪を嵌めました。持ってて良かった。
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2023年7月、西池(堺市)PENTAX Optio W60
画像は前記事の使い回しですが、竹竿が前回と同じ11尺なので仕掛けも浮子も同じ。花瑞樹の「底パイプトップS」の9番です。エサがウドンから練りエサになりましたが、浮子のなじみは3目出し〜4目出しがスタートでバッチリです。
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2023年7月、西池(堺市)iPhone11
お昼ごはんはかき揚げ丼+ざる蕎麦でした。ええ、もうお昼なんです。10時過ぎに着いて、モタモタ用意をして10時半過ぎてから釣りしましたが、サワリはあるものの釣れません。西池の昼食時間は11時半までなので、11時15分ごろ食事を食べに行きました。お昼ごはんに向かう釣り人の会話を聞いていたら、「まだボウズや」「(朝から)3枚」とかそんな感じ。隣席の2人は釣れてないし、屋内釣り場はほぼ釣れてないような。毎夜19時更新のスポーツ報知のウェブサイトでは、25番席(屋内)の方が43枚釣ったらしいですが、僕の席から死角で見えませんでした。屋内の70番台と10番台は釣れてなかったなあ。
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2023年7月、西池(堺市)PENTAX Optio W60
午後の部を始めましたが、浮子は多少動くものの喰い魚信が出ない。モヤモヤ動いてから段床釣りみたいに目盛がスーッと出てきてサワリがなくなる…そんな感じ。ジワジワ目盛が出るんじゃなくて、なじんからエサ落ちになるのが早い。なんで?グルダンゴ(芯華+わたグル)でスタートして12時台に奇跡的に「チッ」という魚信が取れて釣れたーと歓喜しましたが、水面で空気を吸わせたところでバラシ…貴重な1枚が…あぁ。西池ではお約束ですが、浮子が流されるなと思ったら床が掘れているので「床立て」を何回もやり直し。永久にw掘れるわけではなく、目盛で3〜4節掘れてるっていうのを3回ぐらい繰り返すと床は安定するようです。練りエサは、その後、芯華→いもグルテンとローテーション。サワリがあるだけマシかもしれないが、アワセのチャンスがほとんどないので面白くない。隣の人も「喰いっ走り」(宙釣り)とスレが1枚ずつで実質ボウズ。その隣が7尺で2枚ぐらい?向かいの70番台もあまり釣れてないし、そのうち2人は釣ってるとこ見てないのでボウズ?全く釣れる気がしないので今日はボウズでもしゃーないかと淡白に思い始めた13時57分、浮子が「消し込み」で糸スレかよ〜掻くなよ〜と思いながら竿を立てたら掛かってしまい、糸スレではなく口に掛かってました。ボウズは免れましたが、なんか嬉しくない、ホッとしただけw。
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2023年7月、西池(堺市)iPhone11
「単位枚数」はいつもいいかげん(きっちり計ってない)なので気にしないでください。1枚釣れた後、いもグルテンが無くなったので、思いつきでバラケマッハ+凄グルのグルダンゴを試してみましたがサワリも少なくなったw。
ということで、7月8日はヘラブナ1枚だけでした。最初の1枚がバレなければ両目が開いたのに。夏って世間的には両ダンゴとかトロ巻き(実はよくわかっていないwトロ巻きってなにそれ美味しいの?)の季節で、床釣りでも水面付近にフナが蝟集して釣りたくないのに宙で釣れてしまう季節ってイメージなのですが、7月なのにこのタフコンディションって…。渓流釣行はドライブも楽しいから、夏は夕暮れ前の2時間ぐらいフライロッドを振りに行った方が良いんかな?
では、また。
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minatokucarpet · 2 years
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  ペルシャ絨毯買取専門店 当店は東京都港区、埼玉県川越市、神奈川県横浜市を拠点に 関東全域にてペルシャ絨毯の出張買取を致します。 お引越しや模様替え、リフォームや家の解体などで使わなくなります ペルシャ絨毯、高級絨毯、ブランド絨毯、ブランドラグの買取を行っています。 また、織が良い物は絨毯ほかキリム・ギャッベも買取致します。 お住まいが遠方の方は便利な宅配買取をご利用ください。(下部参照) 当店はリビング用の絨毯から玄関用の小さな絨毯まで��広く取り扱っております。 併せまして高級家具や高級時計、ブランド品、エルメスやクリストフル マイセン、リヤドロやラリックなどの西洋アンティーク、銀製品なども買取致します。 私どもはペルシャ絨毯買取やアンティーク買取に自信を持っております。 満足いただけますよう精いっぱいで査定させていただきます。 ぜひペルシャ絨毯買取はペルシャ絨毯買取 専門にお任せください。 Read the full article
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shokobekki · 2 months
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【夏山日記 その0】
二ヶ月ぶりにまた散髪に行き(今度はジミン風マッシュになった 笑)、さっぱりしたところで、夏山登山決行。いくつかの候補の中から、いちばん条件の良い信州伊那谷へ向かう。Tさんの車で。伊那谷でも北部の伊那市まで来ると、駒ヶ根ほど観光地化されておらず、広々として静かで、とても好きな土地だ。
子どもや学生は夏休みに入り、行きはどこのサービスエリアも混んでいて、なかなか昼食にありつけないまま、結局高速を下り、登山口近くまで来てしまった。Googleマップで一軒だけ蕎麦屋を見つけたのでそこへ入った。ところ、なんと行列ができている。のどかな山間の古民家。こんな辺鄙な店になぜ? 何にも知らずに入ったけど、どうやら、ここは信州そば発祥の土地とかで、"行者そば"という十割蕎麦で人気の店らしい。7世紀、修験道の始祖である役小角(えんのおづぬ)が、村人からのもてなしのお礼に蕎麦の実を置いて行ったのが始まりだそうな。仕方なく、名簿に名前を書いて、待ち時間の40分間、登山口を見に行ったり、車中泊の場所を検討したりして過ごす。標高が高いせいか、暑さはなく、適度な湿気と風が気持ち良い。
ようやく呼ばれて入店したのは13時半回った頃。我々の一つ後ろのグループで蕎麦が品切れ、本日終了になった。名物の"行者そば"はもうなく、細打ちの十割盛り蕎麦と、鴨のくわ焼きを注文。やや汗ばむくらいの弱冷の古民家の座敷に、程よい間隔でテーブル席が置かれていて、BGMはなく、蝉の声しかしない。窓から赤いモミジが見える。配膳に来た店の女性に聞けば、ショウジョウという種類の、もともと赤いモミジで、この季節だけ青みがかるのだそうだ。紫陽花も咲いていた。
塩とわさびで頂く細切りの盛りそばは、大変美味だった。冷たく清い水を感じるシュッとした繊細なお味。つゆも添えられていたけど、これにつけてずずっとすすってはもったいない感じ。ゆっくり噛み締めて、味わって食べる。つゆは、蕎麦湯で頂く。鴨のくわ焼きがまた、野菜とともに絶品だった。これは、赤ワインでも合わせたいほど。選択肢がなくて駆け込んだお店だったけれど、想定外の良い昼食となった。ご馳走様でした。帰りがけ、閉店した客席で、スタッフの女の子が二人、まかないのうどんと西瓜を食べていたのがほほえましかった。
翌日早朝入山予定なので、本当は、登山口で車中泊したかったのだけど、トイレも水場もなく、どうしようかとまたGoogleマップを見ていたら、麓のほど近くにきれいな公園を見つけた。ひとまず近くの立ち寄り温泉に入って、明るいうちにそこへ向かう。 たまたま軽トラで管理棟にきて掃除をしていた方に、夜もトイレが閉鎖されないか確認し、大丈夫そうなので、ここの無料Pに泊まることにする。村上春樹の小説にでも出てきそうな、ちょっと不思議な雰囲気の管理人の方だった。止まった時計塔と静かな野球場のある、芝生と木立は丁寧に整備されたきれいな公園だ。でも夕刻過ぎればひと気もなくなり、どこかパラレルワールド感あり。
晩はコンビニでお弁当を買ってきて、家から凍らせて持ってきたパックワインと共にその公園で頂く。野球場では地元の父子が薄暗くなるまで練習していた。こんなのどかな田舎でも、Googleマップとコンビニの存在がありがたいと思う。夜の公園と、明日の入山に、少し緊張しながら一夜を過ごす。
つづく
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t82475 · 3 months
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イリュージョンワークショップ
[Part.1 仁衣那さん] 1. ちょっと挨拶に寄っだけのはずなのに、夕食とビールをご馳走になってオヤジとオフクロはすっかり盛り上がってしまった。 出水さんとうちのオヤジは従兄弟同士、出水さんの奥さんとオフクロは中学高校の同級生。 直接会うのは10年ぶりというから話に花が咲く。 昔好きだった歌手の話題になって、やがて昭和ポップスのカラオケ大会になってしまった。 この家、こんなにデカいカラオケ機があるのか。 カラオケルームの装置より大きいぞ。
オヤジが拳を突き上げて熱唱している。 隣でおばさん二人がダンスの練習を始めた。ピンクレディーって誰? 僕はじっと座っているだけだった。 いつまでこんなのに付き合わされるのだろうか。
「終わりそうにないわねぇ。・・わたしの部屋に来る? 将司くん」 隣にいたお姉さんが声をかけてくれた。 助かった。 僕はお姉さんに連れられてカラオケ会場と化した客間から逃げ出した。
2. 僕は畑本将司(はたもとまさし)、18歳の高校3年生。 お姉さんは出水仁衣那(でみずにいな)さん。年齢は教えてもらってない。 親同士が従兄弟だから、僕から見て仁衣那さんは再従姉妹(はとこ)にあたる人だ。
「わたしのこと覚えてる?」 「いえ、全然」 「わたしは覚えてるよ。10年前の将司くん」 そう言われても困る。 ひい爺さんの三回忌だか七回忌だかで親戚が集まったとき、8歳だった僕もそこにいたらしい。 「可愛いかったなー。それがこんなイケメンになるんだから」 「仁衣那さん、そのときいくつだったんですか?」 「内緒。それ言ったら今の歳が分っちゃうでしょー?」
話しながら階段を上がって2階の仁衣那さんの部屋に来た。 淡い色のカーテンとベッドカバー。ドレッサーっていうんだっけ化粧のための台。 床に籐のカゴがあって中に猫のぬいぐるみが寝ている。 女の人の部屋ってこういう感じなんだな。
「女の部屋が珍しい?」「まあ一人っ子なもので」 「彼女くらいいるでしょ? その子の部屋とか知らないの?」 残念ながら、たった一人だけ付き合った女の子とは部屋に入れてもらえる関係になる前に別れました。 「あらごめんなさい。わたしつい余計なこと言っちゃうのよねぇ」 「いえ、大丈夫です」 「そう? ・・えっと、将司くんは高校2年だっけ」「3年生です」 「そっか。なら進学?」「一応そのつもりです」 「行きたい大学は決まってるの?」「第一志望はJ大ですけど」 「あら、わたしJ大卒だよ」 「そうなんですか」 「そうそう! 自由でいい大学だよっ」 「・・」 「自由過ぎて放ったらかしというか」 「・・」 「将司くん?」
僕は机の上に飾られているペーパークラフトを見ていた。 丸い台座からまっすぐ立った棒とその上に女性の人形が浮かんでいた。 その人形の顔はどことなく仁衣那さんに似ていた。 水着みたいな服。片肘をついて横になったポーズ。やや頭を下にして全体が傾いた構図。 これ、イリュージョンじゃないか。
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「あ、それ?」 仁衣那さんは手を伸ばして人形の足を指で押し下げた。 指を離すとそれは棒の上でゆらゆら揺れた。 [動画] 「よくできてるでしょ? これはブルームサスペンション・・って言っても分からないか」 「イリュージョンですよね。こんな風に棒一本で浮くっていう」 「知ってるんだ。将司くん」 「はい。ちなみにブルームは英語でホウキって意味だけど、ホウキを使ってなくてもこんな形だとブルームサスって呼ぶんですね」 「よく知ってるねぇ。ホウキのことなのかぁ。知らなかったよー」
僕は小さい頃からイリュージョンマジックに興味があった。 人体切断や空中浮揚などテレビやネットで見てはタネを調べたりしていた。
「わたし、イリュージョンやってるんだよ。アマチュアだけどね」 「え、仁衣那さんが?」 「うん。このお人形はね、大学で同好会にいたときのわたしなの。ステージ見た人が作ってくれたんだ」 これは驚いた。親戚にイリュージョンをやる人がいたなんて。 しかもこの人形。この人形は。 「仁衣那さん、あの」 「はい?」 「こんなエロ、いやセクシーな恰好でイリュージョンやったんですか」 仁衣那さんは一瞬呆れた顔をしてから笑った。 「男の子ねぇ。・・確かにこのハイレグに生足だもの。エロいに同意するわ!」
僕は仁衣那さんを見る。ごく普通にTシャツとジーンズの仁衣那さん。 この人がへそ出しのハイレグで生足で。 「そんな目で女の子を見たら嫌われるぞ、少年」 「そこで少年呼びはやめて下さい」 「このときの録画があるけど、見たい?」 「見たいです」 「素直でよろしい」
・・
仁衣那さんのタブレットでブルームサスの動画を見せてもらった。 あのエロいコスチュームで登場した仁衣那さん。 たった一本のサーベルに支えられて空中浮揚。ハイヒールの足が斜め上に向いてすらりと伸びる。 これ、サーベルの先端を受ける仕掛けがあるんだよな。
「こんなこと聞いて答えてもらえるか分からないですけど」 「いいわよ。年齢以外なら何でも教えてあげる」 「太りました?」「うるさい」 「じゃあ別の質問」「めげないのね」 「このイリュージョン、腰から下が大変じゃないですか?」 「あら、分かるの!?」
映像を見る限り仁衣那さんの身体は上半身でホールドされている。腰から下には何もない。 だから仁衣那さんは自力で下半身のポーズを維持している、と思う。 筋肉に力を込めて、まるで体操の選手みたいに。 僕の質問が通じたんだろう。仁衣那さんはにやっと笑ってくれた。
「さすがだね、少年!」 「だから少年は止めて欲しいと」 「イリュージョンはね、アシスタントの汗と涙で成立するんだよ!」 「大雑把な答えですね」 「あっははは」 豪快に笑われた。仕方ないので僕も笑う。
「そうだ! 再来週の土曜日だけど、ヒマしてない?」 「何ですか?」 「イリュージョン同好会の公演があるの。わたしは用事があって行けないけど、将司くん見に来ない?」 行きたい。 でも、知らない大学生の集まりに一人で行くのはちょっと。
「誰でも大歓迎のイベントだから心配ないわ。それに来年は将司くんも入会するでしょ? 今から顔売っといて悪いことないと思うけどなー」 「僕は同好会に入るとは決めてません。だいいちJ大に通るかどうかも分からないっていうか」 「大丈夫大丈夫! きっとうまく行くよ」 「んな気楽に」 「公演会、きっとエロいコスチュームの美女が登場するよ」 「え」 「我がJ大イリュージョン同好会の伝統だからね、女子のコスがセクシーなのは」 「行きます」 「よし! チケット代はわたしが出すから安心して」 「お金取るんですか」 「イリュージョンはお金がかかるからねー。ここはOBとして協力してあげたいのよ」 「何枚買わされてるんですか?」 「え?」 「何枚買わされてるんですか? チケット」 「・・10枚」 「そ、れ、は、た、い、へ、ん、だー」 「もちょっと気持ちを込めて同情してよぉ~」
[Part.2 J大イリュージョン同好会公演] 3. イリュージョン同好会公演の会場は小さなライブハウスだった。 入口で紙切れを渡された。 そこには QR コードが一つあるだけで出演者もプログラムも書かれていなかった。 試しにスマホで QR コードを読んでアクセスしてみると、ただ真っ黒な画面が写るだけだった。
フロア前方の椅子席に座る。 フロアの後ろ半分は椅子のない広場になっていて、そこに揃いの黄色いハッピを纏いメガホンやうちわを持った兄ちゃんたちが群れていた。 うちわには蛍光色の派手な丸ゴシックで『知里』とか『琳琳』とかの字が見える。まるでアイドルの応援グッズだ。
ステージは少しだけ高くなっていて、袖とバックに黒幕が掛かっている。 客席とステージを仕切る幕(緞帳)はないから、開始前からステージの様子が分った。 今、ステージには一人掛けの黒い椅子が置かれている。その隣には大きな造花の植栽。 あの椅子は知ってるぞ。美女の出現椅子だ。 ということはあの中にはもう。
○ 公演会オープニング やがて会場が暗くなり、スポットライトがステージの椅子を照らし出した。 椅子に黒布が掛けられる。ほとんど同時に水色のドレスの美女が登場した。 足を組んで座り、髪をかきあげて微笑む。 ちーりちゃーん! 後ろの方で野太い声が湧き起こった。
続いて、隣の植栽に黒布が掛けられた。 プランターの中に別の美女が立ち上がる。 彼女はピンクのフリルドレス。その場で両手を広げて回って見せた。 りんりーんちゃーん! 再び声援。 お前ら、さっきからちょっと五月蠅い。
それにしても二人とも速かったな。 あの布の下に出現すると判っていても、ほんの一瞬で移動するのは驚きだった。 この後のイリュージョンも期待していいんじゃないか。
ステージにイリュージョン同好会のメンバーが並んで挨拶した。 全部で5人。少ないな。 男性メンバーは3名。全員グレーのスーツ姿。 女性は2名。 「朝比奈知里(あさひなちり)です! 3年で会長です!」 「岩淵琳琳(いわぶちりんりん)、1年生です!」 知里さんは青いドレス。切れ長の目でちょっと知的な美人という感じ。 琳琳さんはピンクのドレス。大きな瞳をしていて可愛い美少女という感じ。 どっちも魅力的だ。 来年この人たちと一緒に活動できるのなら、ちょっとは受験勉強も頑張ろうという気になるね。
続いて男性メンバーも自己紹介をしたらしいけど、知里さんと琳琳さんを見ていて耳に入らなかった。 まあ男の名前はどうでもいいわな。 それよりイリュージョンをしっかり見ないと。 できればタネも見破りたい。
男3人は袖に引っ込み、ステージには女性だけが残った。 美女2人で演じるイリュージョン!? 知里さんがマイクを持って深呼吸し、そして叫んだ。 「お待たせしましたーっ。歌いまーっす!!」 うぉお~~!! 待ってましたぁ~っ!!! 怒涛のような歓声が起こる。 え? 何? 「♪あ・な・た~のアイドぉルぅ、サインはビビビ!!」 二人は踊りながら歌い出した。
うりゃおい!うりゃおい! うりゃおい!うりゃおい! ちーりちゃーんっ!! りんりーんっ!! 耳を覆いたくなる音量の音楽と声援。 一斉にコールをかけながら踊る兄ちゃんたち。 椅子席の観客も飛び跳ねながら手拍子。 イリュージョン、しないの?
・・
それから知里さんと琳琳さんは3曲歌い、会場はむちゃくちゃ盛り上がった。 2曲目の途中で衣装の早変わりがあった。 二人は衝立(ついたて)の陰でショートパンツに変身した。 「おおっ」と思ったけど、他にイリュージョンっぽいことは何もなかった。
「10分間休憩でーす!! 握手とチェキタイムは後半の終了後になりまーす!」 チェキまで撮るんかい。
休憩時間中、僕は椅子に座ったまま憮然としていた。 僕は何を見にきたんだろう? ねえ、仁衣那さん。全然エロくないっすよー。 おっと違う違う。 エロは目的じゃなかった、イリュージョンを見に来たんだ。 まあエロいのも期待してるんだけど。
4. 後半の部。
○ マジカルマミーの人体交換 男性メンバーが二人、細長い白布を持って登場した。 二人は左右に分かれて立ち、間に細長い布を掲げて見せた。 それは高さ2メートル、横4メートルほどもある白布で、まるでステージに白い壁ができたように見えた。
右側の男性がくるくる回りながら左に進んだ。自分の身体に布を巻き付けてミイラのようになってゆく。 4メートル分すべて巻き終えて止まると、左にいた男性がその頭と肩の部分を押さえて中身が人間であることを示した。 するとミイラが逆に回って今度は布を解いてゆく。 すべて解き終えて右側に現れたのは男性ではなく知里さんだった。 ハイレグの青いレオタード。兎の耳はないけど付いてたらバニーガール。ハイレグの下は網タイツにハイヒール。 右手で白布を掲げたまま、身をくねらせて微笑みながらウインクしてくれた。 え~!? ちりちゃーん!! 応援団の声援も驚き混じりだ。
続いて左側の男性がくるくる回って布を巻きつけミイラになった。 知里さんがその頭と肩を押さえて中身の人型を示す。 ミイラは逆向きに回転して布を解き、そして琳琳さんが登場した。 知里さんと同じデザインの赤いレオタード。胸の谷間もくっきり。 うわぁ~っ。りんりーん!!
知里さんと琳琳さんは互いの肩と太ももに手を当ててポーズ。 僕は思い切り拍手した。 これだこれ。見たかったのは。 お二人とも文句なしにエロいです。
・・
その後はイリュージョンが続いた。
○ 逆さヒンズーバスケット キャスター付きの台に載って登場したのは台形の籠。ヒンズーバスケットだった。 目隠しの黒布を手前にかざし、その間にハイヒールを脱いだ琳琳さんがバスケットの中に隠れた。 黒布を外すとバスケットの口から琳琳さんが手だけ出して振っている。 これで蓋を乗せるのかと思ったら、細かい発泡スチロールのボールが注ぎ込まれた。 大きなビニールの袋で1杯、2杯。 あーあ、琳琳さん、すっかり埋もれちゃったな。 琳琳さんの手が発泡スチロールの中に引っ込んで、その上に蓋が被せられた。
知里さんが長い棒を振りかざした。 棒の先端を蓋の小穴に刺し、バスケット側面の穴まで斜めに突き通す。 さらに次の棒を刺す。全部で6本。 何箇所かバスケットの穴から白いボールが押し出されてこぼれる。 最後の棒を垂直に刺した。その先端がバスケットの底から突き出るのが見えた。
ヒンズーバスケットはとてもメジャーなイリュージョンだし、仕掛けも簡単だ。 でも発泡スチロールボールでバスケットの中を埋めてしまうとは。 あそこにいる琳琳さんは視界が遮られてやりにくいだろうし、それに閉塞感が増して心理的にも大変だろう。 "イリュージョンはね、アシスタントの汗と涙で成立するんだよ!" 仁衣那さんの言葉が蘇った。 本当だ。頑張っている琳琳さんを想像して少しドキドキした。
全部の棒が引き抜かれ、上面の蓋も外された。 せーの、ほいっ。 男性メンバーが3人がかりでバスケットを持ち上げた。 え? 何するの? 腰の高さまで持ち上げたバスケットを上下逆に向けた。 発泡スチロールのボールがざぁっとこぼれる。 知里さんが下から手を入れて奥の方のボールをかき出した。 さらに4人でバスケットを揺さぶる。逆さに持ったバスケットを何度もぶんぶん揺さぶった。
これはマジで驚いた。 こんなヒンズーバスケットは見たことがない。琳琳さんはどこに消えたのか。 会場もざわついている。
やがてバスケットは元の向きで床に置かれた。 目隠しの布をかざす。バスケットの中から琳琳さんが立ち上がっ���。 発泡スチロールのボールが纏わりついている。払い落とそうとするけど静電気でくっついたボールは簡単に落ちない。 諦めて琳琳さんはにっこり笑い、皆で並んでお辞儀をした。
・・
○手首ギロチンと切断手首 男性メンバーが床に散乱したボールを掃除機で吸い取っている。 その前で知里さんがマイクを持った。 「次は会場のお客様にお手伝いお願いしましょう」 はいはーい! おれオレ!! 一斉に手を上げる兄ちゃんたちを制して言った。 「ごめんなさい。ここはやっぱり女の子で♥」 えーっ? 仕方ないなー。 知里さんは何人か手を上げた女性の中から一人を指差した。 「はい、あなた。どうぞこちらへ!」 琳琳さんが走って行ってその女性の手を取り、ステージの上に連れてきた。
客席から上がって来たのは元気な感じの子だった。高校生ぽく見える。 薄いピンクのシャツと白いハーフパンツ。シャツと合わせたピンクのネイル。 「お名前は?」 「玻名城(はなしろ)れいらですっ」 「れいらちゃん。今日は生贄になってもらいます」 「はい?」 「この椅子に座って下さいねー」
ステージに小さなギロチン台が登場する。 このサイズは首じゃなくて手首だな。 手首と野菜を同時に切断する、そしたら野菜だけ切れて落ちるってやつだろう。 知里さんは女の子の右手首をギロチンにはめ、外れ止めのフックをかけた。
「準備完了!」 「え? え? えーっ?」 「うふふ。何度やっても楽しいわ。処刑のしゅ・ん・か・ん!」 芝居がかった台詞を言う知里さん。 白いパラソルを持った男性メンバーが二人出て来た。 両側に分かれて屈むと、持って来たパラソルをギロチンに向けて開いた。 知里さんはギロチンの向こう側。 女の子は不安そうな顔をしている。
「ではさっそく♥」 知里さんがギロチン台の紐を引いた。 かちゃん! ギロチンの刃が落ちて手首が床に転がった。 パラソルに赤い飛沫が飛んだ。 「きゃぁ!!」 短い悲鳴を上げて女の子は動かなくなった。 その頭に麻の袋が被せられる。
ええーっ。本当に切ったの? 近くで女性の声がした。 まさか。本当に切る訳ないさ。演出だよ。 僕は密やかに笑った。
男性メンバーがテーブルを押して出てきた。 テーブルといってもそれほど大きくない。花瓶を一つ飾るのにちょうどくらいのサイズ。 テーブルには床まで届くテーブルクロスが掛けられている。 ギロチンから少し離れたところに停めた。テーブルクロスが外される。 テーブルの下は細い脚が4本あるだけで何もない空間だった。
知里さんは床に落ちた手首を拾い上げ、それをテーブルの上に置いた。 手首は切断面が流血して赤くなっている。そこへ白いレースのフリンジ(ふさ飾り)を巻き留め紐で縛った。 手首を覆うようにガラスの箱を置いた。 一辺 30 センチくらいの立方体のガラス箱だった。
透明なキューブの中に安置された女性の手首。 まるで美術館のオブジェだ。近くで見たい。 そう思っていたら、すかさずアナウンスが入った。 「お手元のスマホで QR コードにアクセスして下さい」
わ、見えた! 周囲で声が上がる。 僕もあの紙切れの QR コードを読み込んだ。 スマホの画面に手首のアップが映し出された。 男性の一人がスマホを持ってガラス越しに撮影しているのだった。
それは正に女性の手首だった。 このリアルさはマネキンなんかじゃ無理と思った。 カメラがゆっくり移動する。 ピンクのネイルがはっきり見えた。 切断箇所は白いレースで覆われているのが分かる。 僕は無意識に二本指でピンチアウトして映像を拡大した。 レースの表面にうっすら血が滲んでいた。 全然グロテスクじゃない。むしろ綺麗だと思える。
たぶん会場の全員が自分のスマホを見ていただろう。 きゃっ!! うぉ!? 一斉に悲鳴が上がった。 画面に映る指がぴくりと動いたのだった。 人差し指から中指、薬指と小指から親指まで順に動き出した。 やがて五本の指がテーブルを掻くように動き、それに引きずられて手首全体がわずかに移動した。 何だよこれ!! やだやだぁ~!! 僕はスマホから顔を上げて直接ステージを見た。もしかしたら映像フェイクかもと思ったのだ。 でも客席から遠目に見ても、ガラス箱の中で手首がゆっくり動いているのが分った。
すごい演出だと思った。 プロのイリュージョンでも見たことないぞ。 僕は口をぽかんと開けたまま、スマホの画面とステージを交互に見るのだった。
やがて手首は動きを止め、知里さんはその手首をガラス箱から持ち上げた。 ぐったり動かない女の子の腕に手首を押し付ける。 ギロチン台の拘束を解放し首に被せた麻袋を外すと、女の子は笑顔で立ち上がった。 手首が繋がって元通りになった腕にはレースのフリンジが巻いたままになっていた。
・・
ステージは次の演目のために模様替えされる。 「次が最後のイリュージョンです!」
○ ドラム缶脱出 男性メンバーが3人でドラム缶を担いできた。重そうだ。 直径 80 センチくらい。長さ 120 センチくらい。 ステージの床に立てて置き、梯子付きの台を押してきてドラム缶の後ろに据えた。 客席から見えるようにドラム缶を前に傾けて中に何もないことを示した。
知里さんがハイヒールを脱いで梯子を登った。 ドラム缶の中に降り立って手を振る。客席からは知里さんの胸から上だけが見えている。 男性メンバーが金属の円盤を持って来た。 それはドラム缶の断面に合わせた蓋で、手首が通る丸い穴が二つ開いていた。 上から蓋を被せると、知里さんの姿はドラム缶の中に屈むようにして消えた。 軽くノックをすると蓋の穴から右手と左手が差し出された。その手に手錠が掛けられる。 蓋の周囲にバンドを掛け、外れないよう周囲に南京錠を6個掛けた。 これで完成。梯子が外された。
ステージが暗くなる。 スポットライトの中にドラム缶だけが浮かび上がって見えた。 ドラム缶の上面には手錠を掛けた手が生えていて、交互にグーとパーの形を作っている。 男性メンバーがドラム缶の手前に黒幕を掲げた。 ドラム缶の本体は隠されたものの、知里さんの手は幕の上に見えていた。 仰々しいドラムロール。 知里さんの手がすっと下がって見えなくなった。すかさず黒幕が外される。 おおーっ。 ドラム缶の前に知里さんが立っていた。
ステージが明るくなった。 ドラム缶の蓋を取り外すと中から女性が立ち上がった。 琳琳さんだった。 ええー!? 両手を水平に広げた琳琳さんを男性メンバーが左右から持ち上げた。 ドラム缶の前に全員が並んで頭を下げる。
うわーーーっ。すごい!! ちーりちゃーん!! りんりーん!!! 拍手と声援が終わらない。僕も拍手していた。 今まで見た中で一番面白いイリュージョンショーだと思った。
5. ステージは握手会になった。 1回 500 円で知里さんか琳琳さんと握手とツーショットのチェキを1枚撮影できる。 応援団の兄ちゃんたちだけでなく一般のお客さんたちも並んでいて繁盛していた。
僕はチェキなんて趣味ではない。 荷物を持って帰ろうとしたら知らない人から声を掛けられた。 「畑本将司くんですか?」 背の高い、お兄さんというよりおじさんに近い人だった。 髪がぼさぼさで眼鏡かけて、三日三晩部屋に籠ってアニメ観てそうな感じ。 「OBの酒井です。来年はイリュージョン同好会に参加してもらえると聞いて」 仁衣那さんから伝わってるのか。 「あ、それは僕がJ大に合格できたらの話でして」 「大丈夫。君なら合格するよ」 適当なこと言わないで下さい。仁衣那さんと同じじゃないですか。
「今日はどうでしたか? 本来なら現役のメンバーから伺うべきだけど、あの通りの忙しさなので」 酒井さんはそう言って握手会の列を目で指す。 「そうですね。とても面白かったです。これまで見たどのイリュージョンと比べても」 「ほう、例えば」 いちいち聞くの? 「ええっと、ヒンズーバスケット。発泡スチロールを入れたり逆さにしたり、普通のヒンズーと違ってて驚きました」 「うん、あれはうちのオリジナルだからね」 「中に入ってる女の人は大変ですよね。イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立するって、その通りだなぁ、と」 「ほう」 酒井さんの目がきらりと光った、ような気がした。 仁衣那さんから聞いたのをそのまま言っちゃったけど、マズかったかな?
「あの、えーっと、あの」 「はい?」 そうだ。 「あの歌とダンスは意味があるんですか? その、イリュージョンの同好会なのに」 僕は何を聞いてるんだろう。 「それは朝比奈知里会長の趣味」 「・・趣味、ですか?」 「我々OBは現役のすることにいちいち口を出さず、距離を置いて見守る方針なんだ」 距離を置くって、あなた真っ黄色のハッピ羽織って、背中に『知里』『琳琳』って書いたド派手なうちわ2本背負ってるじゃないですか。
「これをあげよう。握手券2枚」 「え」 「せっかくだから記念のツーショットを撮ってもらうといいよ。あの子たち、ノリノリだから」 「・・はい」 「またの機会に語り合いたいね」 またの機会? 酒井さんは手を振って離れていった。
それから僕は列に並び、知里さんと琳琳さんと握手してツーショットのチェキを撮ってもらった。 二人ともサービス満点だった。 知里さんは並んでピースサインしながら横乳をぎゅっと押し付けてくれたし、琳琳さんはけたけた笑いながら胸の谷間にまぎれていた発泡スチロールのかけらを僕にくれた。
[Part.3 ワークショップ1日目] 6. 二週間経って仁衣那さんから電話があった。 「イリュージョン同好会とOB会で一泊二日の合同ワークショップをやるんだ。メインはバーベキューだよ。将司くんもどうですかって」 知里さんと琳琳さんの網タイツ姿が浮かんだ。 夏休みに入った最初の週末。 オヤジとオフクロは仁衣那さんと一緒なら行ってもいいと許してくれた。
・・
絶好のバーベキュー日和だった。 仁衣那さんと駅で待ち合わせる。 「OBの酒井さんって人と会いました」 「ああ、あの人はイリュージョン同好会の創設者だよ。今も現役の指導してくれてるし」 「そうなんですか」 「同好会にある道具の半分は酒井さんが作ったんじゃないかな」 なんか分る。 ああいうオタクっぽい人って何でも器用に作っちゃうんだな。 「初めて会った時はオタクっぽい感じの人だなーって思ったけどね」 「それ僕も思いました。おじさんに見えるけど案外若いんじゃないですか」 「酒井さんまだ20代だよ」 「あはは」 僕らは揃って笑った。 「そーいや仁衣那さんはいくつなんですか?」 「わたし? って、さらりと年齢を聞くな。うっかり白状しちゃうところだったわ」 「だめか」
「それよりどうだった? 現役の子たちの公演は」 「楽しかったです。知里さんと琳琳さん、セクシーで綺麗だったし」 「そっちかよ」 「りんりんって本名ですか?」 「知らないわ。わたしは知里ちゃんが1年生のとき一緒だっただけだし」
ほう。知里さん1年で仁衣那さん4年だったのね。 ということは、2年経って仁衣那さん今は23か24。歳バレするの嫌がってるからきっと24だな。 僕は頭の中で計算して勝利感に浸る。 性格悪いって思われるの嫌だから、口には出さずしっかり覚えておこう。
・・
郊外の駅で電車を降り、大きなコンビニの前にやって来た。 人気(ひとけ)のない駐車場の隅で待つ。酒井さんが車で迎えに来てくれるという。 「どうしてこんなところで落ち合うんですか?」 「車に乗るところを見られたくないのよ」 「?」
ほどなく酒井さんの運転する車がやって来た。 背の高いバンタイプの軽自動車。 車内は積荷でいっぱいだった。後席シートを畳んで天井まで荷物が積み上がっている。 空いているのは助手席だけ。
「バーベキューの材料やら何やらでいっぱいになっちゃってね」 どーするんですか? 仁衣那さんと僕、二人が乗るのは無理みたいですけど。 「んー」 酒井さんは頭を掻きむしる。その仕草がわざとらしい。 「仕方ないね。一人は荷物ということで」 「え」
バンのリアゲートを開けるといろいろな小物とダンボールが積まれていた。 一番下のダンボール箱は寝かして置かれていて、蓋がこちらを向いていた。 セロテープで簡単に留めた蓋を開けると中は空だった。 「ここに入るのは」 「わたしね」 仁衣那さんはにっこり笑うと、お尻から潜り込んでダンボール箱の中で丸くなった。 「手錠されたい?」「されたい♥」 揃えて差し出された両手に��井さんが手錠を掛けた。 どうして手錠なんか持っているんだろう? 酒井さんは仁衣那さんの手を箱の中に押し込むと、蓋を締めてガムテープをHの字に貼って封をした。 いったい何ですか、この流れは。
「これでいいね」 酒井さんはリアゲートをばたんと閉じた。 「さ、行こうか」
・・
車の中で酒井さんに聞かれた。 「畑本くんは "拘束" に興味ある?」 「えっと、女性アシスタントが手錠を掛けられるとか、小さい箱に閉じ込められるとか?」 「そうだね。最初に同好会を始めた僕の責任でもあるんだけど、そういうイリュージョンが多くなってね」 「・・」 「女の子たちも自然に受け入れてくれるというか、積極的に喜ぶ子もいて」 「マゾ、ということですか?」 「理解が速いね。皆がそうとは言わないけど、そんな傾向はあるということ」 「ははぁ」
道路の段差を越えて車が大きく揺れた。 後ろから「きゃん♥」という悲鳴が聞こえた。 僕はダンボールに収まって荷物になっている仁衣那さんのことを考える。 仁衣那さん全然拒んでいなかったし、そもそも最初から仕込まれていたのは明らかだ。 そういえば、あの人自分から手錠を希望したな。 もしかして仁衣那さんも・・?
「実は今夜、拘束に関するアクティビティがあるんだ。イリュージョンの一部としてではなく拘束そのもののね」 アクティビティってどういう意味だっけ。 「ま、ぶっちゃけて言えば、緊縛の体験会だね」 「!」 「君に知っておいて欲しいのは、みんな良識ある人たちだってこと。だからそういう場になっても驚かないで欲しい」 「・・はい」 「実は君を招待していいか迷ったんだ。でも来年同好会に参加してくれる子が "そっちの世界" を知ってる子でね」 来年参加する子って、僕と同じ高校3年? 「だから今の会長とも相談して、畑本くんに知ってもらうことにした。個人的には君自身にも適性があると思うし」 「適性ですか?」 「そう。・・もちろん無理強いはしないよ。イリュージョン同好会にはそんな側面もあると理解して、来年加入するかどうか決めてくれたらいい」 「分かりました」
不思議な気持ちだった。 女の子との経験はキスが1度だけだった。 なのに、拘束とか緊縛とか、そっちの世界を先に見るのか。
・・
森の中にぽつんと一軒のコテージに到着した。 2階建ての赤い三角屋根。正面にコンクリートを敷いたテラス。 駐車場には自動車やトラックが何台も停まっていた。 隣の広場ではバーベキューの準備をする人たちの姿も見えた。
車が停まると僕は急いで降りて後方に回った。 酒井さんがリアゲートを跳ね上げた。 ダンボールのガムテープを勢いよく剥がす。 「え!?」 箱に入っていたのは仁衣那さんではなかった。 知らない女の人が手錠を掛けられて、ものすごく色っぽい目で僕を見つめていた。 「あら・・、着いたのね♥」 「紹介するよ。妻の多華乃(たかの)だよ」 !!!!
仁衣那さんは・・? かちゃ。助手席のドアが開いて女性が降りてきた。 その人は両手に手錠を掛けたままだった。 「やっほ! 将司くん」 仁衣那さんだった。 さっきまで僕がいた場所に仁衣那さんが座っていたのだった。
7. 先に来ていた人々が集まって来た。 僕は最後に到着したゲストだったらしい。 「タネ明かししてあげたら? 彼、口ぽかんと開けたまま固まってるわよ」 そう言ってくれたのは知里さんだった。 おお、知里さんっ。来ていて下さったんですね。
「大した仕掛けじゃないけどね」 酒井さんはもう一度バンのリアゲートを開けて荷室を見せてくれた。 多華乃さんが入っていたダンボールを引くと、手前にすぽっと引き抜けた。 上の荷物が落ちて来ない。 すぐ分った。二重床だ。 本来の床の上にもう一枚、合板の床が張ってあるのだった。 工事業者のワゴンなどでよく見るのと同じだから、注意して見ていれば気付いたはずだった。 本当の床と二重床の間隔は 50 センチ。 幅 49 センチのダンボール箱を横に倒してちょうと収まる寸法だ。 このダンボールはリアゲート反対側(室内側)の蓋が密封されていない。 合わせ目に小さな鉄板と磁石が貼ってあって、内側から押せば開くことができる。
二重床の前端には半径 25 センチくらいの半円形の切り欠き穴があった。 運転席と助手席の直後の場所だ。 そして運転席と助手席の背もたれの間は少しだけ開いているので跨ぎ易い。 仁衣那さんはここを通って助手席に移動した。
分ってしまえばシンプルな仕掛けだった。 車が走り出したら仁衣那さんはダンボールの蓋を足で押して開き、二重床の下に這い出る。 待機していた多華乃さんが交代でダンボールに入り、その蓋は仁衣那さんが閉める。 あとは目的地に到着するまで隠れているだけだ。 僕が車を降りるのを待って、前端の切り欠き穴を抜けて助手席に移動した。 リアゲートを開けても荷物が積み上がっているから仁衣那さんの姿は見えない。
「酒井さんの奥さんはいつから隠れてたんですか?」 「んー、東京のマンションを出るときに手錠掛けて、それからずっと入ってたね」 「東京から?」 「隠れるのは直前でいいじゃないかって言っても、それじゃ勿体ないって言うんだよ。うちの妻は」 「うふふ♥」 多華乃さんが笑った。 この人はどうしてこんなに色っぽく笑うんだろうか。 「この人、こんなことするためにひと月かけて新車を改造したのよ。わざわざ商用車を買って。バカでしょ?」 「フルフラットのバンだから何でも使えて便利なんだよ。だいたい、最初にダンボールに詰めて運ばれたいって言い出したのはタカノじゃないか」 「私は誘拐された気分を味わいたいって言っただけ。イリュージョンやるつもりなんてなかったんだから」 ぷ。 何人かが吹き出した。
「俺たち全員、春の新歓合宿のときこのネタ仕掛けられたんだよね」 そう教えてくれたのは公演会に出ていた男性メンバーの一人だった。 「わざわざ一人ずつ呼び出されて、この車に乗せられて」 「まあ驚くわよね。まさか奥様が登場するとは思ってもいないし」 現役の人たちまで引っ掛けられたのか。 騙されたのが僕だけじゃないと分って、少しだけ安心した。
「わたしも巻き込まれたんだよー」 仁衣那さんも笑いながら教えてくれた。 「知らないうちにダンボールに入るって決まってたんだから」 「仁衣那センパイが断るはずないですものね」知里さんが言う。 「あはは、多華乃さんじゃないけど誘拐されたみたいな気分になれて楽しかった」 「いいですよねー、誘拐」 「こら琳琳」「あれ、知里さん。嫌ですか誘拐?」 「いやちょっと憧れる」 その場の全員が笑った。 笑わなかったのは僕だけだった。
酒井さんと目が合ったら、笑いながらウインクされた。 何を言いたいのか何となく分かったけど、おじさんのウインクが気持ち悪くてそれ以上何も考えられなかった。
8. 「カンパ~イ!!」 バーベキューが始まった。 集まったのは僕を含めて男6人女6人の合計12人。 あらためて紹介してもらったので、皆の名前を整理しておこう。
・同好会現役  3年 朝比奈知里さん(会長)  2年 占野(しめの)陽介さん(副会長)     八代亘さん  1年 高浦仁志さん     岩淵琳琳さん ・同好会OB  酒井功さん、多華乃さん夫妻  小谷真幸さん  出水仁衣那さん ・ゲスト  玻名城れいらさん(高校3年)  桧垣梢(こずえ)ちゃん(中学3年)
ゲストのれいらさんと梢ちゃんは、あのギロチンイリュージョンに出ていた女の子だった。 客席から上がって手首を切断されたのがれいらさん。 そして切断された手首を演じたのが梢ちゃんだった。 二人はイリュージョンが好きで酒井夫妻と仲良くしていて、その縁で同好会の公演をお手伝いしてくれたそうだ。 あのイリュージョンはスマホのカメラで中継する演出がすごかったけど、ガラス箱の中でぴくぴく動く手首も迫力があった。 誰かがテーブルの下から手を出しているのは分かっていたけど、まさか中学生がやっていたとは。
「畑本サン、ウチがやった手首見ました?」 「うん、あれは凄かったよね」 「でしょ? 自分でも渾身の演技やった思てますもん。将来手タレになろかて真剣に考えたくらい」 梢ちゃんは関西弁を駆使してよく喋る子だった。 「特殊メイクの専門家に来てもろて手首のメイクに4時間、そのあとテーブルの中半日待機で頑張ったんですよー」 「そんなに!?」 「こら、」れいらさんが突っ込む。 「調子に乗って誇張しちゃダメ。畑本さん真面目そうだから信じちゃうでしょー」 違うの? 「えへへ、メイクは知里さんがぱぱっとしてくれて、ネタ場に入ったんは休憩のとき。その後は放置されてましたけどね」 「あら、直前に入ったんじゃなかったの?」 「だってヒンズーのときは皆さん出演中で誰もおらへんし、一人やと入られませんから」 「そっかー」 「ええんです。ウチは耐えられる子やから。イッくんにご褒美も約束してもろてますしね!」 途中から二人の会話が分らなくなった。 放置で耐えるって、どういう意味なのか?
「梢ちゃ~ん、おいでーっ。一緒に飲もー!!」 琳琳さんの呼ぶ声がした。 「はーい!! ・・すんません、ウチ人気モンで」 梢ちゃんはペコリと頭を下げると琳琳さんのいる輪の方に走って行った。 残されたのは僕とれいらさんの二人。
「・・面白い子でしょ?」「そうですね」 「コミュ力が高いというか、誰とでもすぐに友達になるのよね、あの子」 「一緒に飲もうって、梢ちゃん中学生なのに?」 「乾杯以外は全員ノンアルかコーラよ。後のアクティビティに影響しないように。・・イッくんの指導がしっかりしてるのよね」 「イッくんって誰ですか? 梢ちゃんも言ってましたけど」 「酒井さんのことよ。酒井イサオさんだから "イッくん" って呼んでるの」 あのおじさんが、イッくん・・。
「ね、同じ学年だし、そろそろあたしに敬語は止めて欲しいな。それに "れいらさん" じゃなくて "れいらちゃん" でいいんじゃない?」 「分かりました、じゃなくて分った。れいらちゃん」 「あたしも来年はJ大でイリュージョン同好会に入るから仲間だよね、畑本くん」
"畑本さん" が "畑本くん" に変わって、少し嬉しくて少し残念だった。 もしや "将司くん" って呼ばれるかと思ったのだった。 今日初めて会話したばかりの相手に名前呼びを期待するのは図々しいことではあるけどね。
そもそも僕はれいらちゃんのことを何も知らない。 酒井さんが「そっちの世界を知ってる子」って言ったのは彼女のことだろうか。 僕は隣に座るれいらちゃんを横目で見る。 白いシャツの上にパーカー、デニムのミニスカート。とても可愛いと思う。 この子が拘束や緊縛に詳しい? まさか。
「そんな目で女の子を見たら嫌われるわよ、畑本くん」 うわ、同じこと誰かに言われたような。 「でも今はその目で見てもいいわ。呆れて愛想をつかされるのはあたしの方かもしれないしね」 「どういう意味?」
れいらちゃんは笑ってテラスの方を指差した。 「始まるみたいよ!」
9. ○ ドラム缶水中脱出 「さあさあ、現役諸君並びにゲストの皆様。本日OBが贈るスペシャルイリュージョンへようこそ!!」 酒井さんが芝居がかった喋り方で呼びかけた。
テラスにドラム缶が置かれている。 あの公演で最後のイリュージョンに使われたドラム缶だった。 真上に差し掛かる太い木の枝にワイヤを巻いて滑車が取り付けられていた。 ドラム缶の前にOBの酒井さんと小谷さんが立っている。 黒いタキシードに蝶ネクタイと白手袋。この季節に暑そうな恰好だ。
待ち兼ねたように同好会メンバーとゲストがドラム缶の前に集まる。 OBがイリュージョンをすると知らなかったのは僕だけらしい。 とりあえず後ろの方で見ていたら、れいらちゃんが隣に来てくれた。
「さてここにあるのは容量 400 リットルのドラム缶。先日現役諸君が使ったものだね」 酒井さんは後ろのドラム缶を手で示した。 「実はこれ中古品をたった千円で買って改造したものなんだ。値段より持って帰って来る方が大変だったよ」 現役2年生と3年生が笑った。そのときの苦労はよく覚えているのだろう。
「先のステージで使ったとき、この中は "空気" だった。しかし、」 ドラム缶の側面を手で叩く。 どぅん。重い音が響いた。 「美女をドラム缶に入れるなら、本来その空間は "水" で満たされているべきではないか」 「そうだー!」れいらちゃんが両手を口に添えて叫んだ。 「ありがとう」 酒井さんはにやりと笑った。
「そもそも我々アマチュアに水中イリュージョンはハードルが高い。どうやって現地で大量の水を確保するか。どうやって短時間で注排水するか。重量も満タンで 430 キロ。下手な会場じゃ床が抜ける」 うんうんと頷く現役の人たち。 「しかしここなら問題はない。今しがた水道水をホースで入れたところだよ。1時間かかったけどね」 小谷さんがドラム缶の中に手を入れ水をすくってみせた。 「という訳で、本日はセクシーな美女の水中脱出をみんなで楽しもうと思う」
酒井さんと小谷さんは振り返ってコテージの玄関を示した。 「お待たせしました。美女の登場ーっ!!」 ドアが開いて多華乃さんと仁衣那さんが登場した。 うわぁーっ。ぱちぱちぱち。 きゃあっ!! 色っぽ~い!!
二人とも水着だった。 髪を上げて括り、身に着けているものといえば極端に布地の少ないマイクロビキニとハイヒールのみ。 恥ずかしそうなそぶりはまったく見せない。 堂々と胸を張って微笑みながら、腰に片手を当ててモデルみたいな歩き方でやって来た。 多華乃さんはスレンダーでセクシー。どこかで本当にモデルやってたんじゃないかと思うほど。 仁衣那さんは前に見た学生時代の動画から少しだけ丸くなった感じ。でも大きな胸とお尻はやっぱりセクシーだ。 「キレイ~!」「色っぽいよねぇ」 梢ちゃんと琳琳さんの声が聞こえる。
待ち構えていた酒井さんと小谷さんが二人を迎えた。 タキシードのマジシャンにはさまれてポーズをとる���イクロビキニの美女二人。 エロい構図だなぁ。 「うわぁ、エロいなぁ」 れいらちゃんが同じことを呟いて思わず隣を見た。 「あれ? あたし何か変なこと口にした?」 「変とは思わないけど、エロいって言ったよ」 「あは」 れいらちゃんの頬が少し赤くなった。 「・・あのね、イリュージョンのお約束だから当然なんだけどね、あんな風に正装した男の人の隣で女だけカラダ見せる恰好。畑本くんはケシカラン!って思わない?」 「思う。とんでもなくケシカランね」 「よかった、あたしと同じだ」 「そういうのを喜ぶのは男だけかと思ってたよ」 「女子でも好きだよ。多華乃さんや仁衣那さんみたいに綺麗な人なら」
・・
小谷さんが頭上の滑車にかかるロープを下ろした。 ロープの先は輪になっていた。 「では美女たちがドラム缶に入ります。まずはタカノから」 「はい」 多華乃さんがロープの輪を両手で握ると、小谷さんと酒井さんは二人がかりで滑車の反対側のロープを引いた。
ふわり。 テラスにハイヒールを残して多華乃さんが浮かび上がった。 握力だけで自分を支えながらポーズを決める。 片膝を引き上げて静止。続いて後ろに曲げた脚を反らして後頭部にあてた。美しい逆海老ポーズ。 マイクロビキニの身体を撓らせブランコのように揺れる。 揺れながらゆっくり降下し、やがて爪先でドラム缶の縁を捉えて水の中にするりと降りた。 胸まで沈んで妖しく微笑む。 溢れた水が周囲に流れてテラスを濡らした。
水に入るだけでこのパフォーマンス。 いったいこの人は何者? 「多華乃さんは昔クラシックバレーやってたんだって。恰好いいでしょ?」 れいらちゃんが教えてくれた。 なるほど。それであの身のこなし。
「次は出水さん」「はい」 仁衣那さんがロープの輪を掴んで吊り上がった。 身体を伸ばして静止。それから。 ? 仁衣那さんの笑顔がこわばっていた。 腰だけが前後にばたばた動いて、伸ばした爪先は空中の一点に固定されていた。 どうやら多華乃さんみたいに優雅に動くのは無理そうだった。 そのうち力尽きて落ちるんじゃないか。
「畑本くん、悪いけど手伝ってくれるかい」 酒井さんに呼ばれた。何で僕が。 「そこに立って、彼女を受け止めて」 目の前に仁衣那さんが降りてきた。 「抱いてあげて、お姫様抱っこで」「え」 背中と膝の下に手を入れて支えた。 柔らかい! 腕の中に小さなビキニを着けただけの女体があった。 「ごめんねー」「いえ」 仁衣那さんが謝って視線を下ろすと目の前にふくよかな胸の谷間。
「彼女を運んでくれるかい」 覚悟を決めて仁衣那さんをドラム缶まで運んだ。 そこには多華乃さんが微笑みながら待っていた。 仁衣那さんは僕の腕の中から手を伸ばすと、そのままドラム缶に転がり込んだ。 ぼちゃんっ。 波がたって多華乃さんのときより大量の水が溢れた。
「うふふふ♥」 仁衣那さんと多華乃さんがドラム缶の中に立った。 互いに抱き合ってビキニの胸を合わせた。二人の胸の谷間を波が洗っている。 「・・将司くん、ちょっと待ってくれる?」 仁衣那さんが僕を呼び止めた。
仁衣那さんは微笑みながら両手を背中に回した。 身をくねらせてブラの紐を解くと、多華乃さんと密着した胸からブラを引き抜いた。 「わたしを運んでくれたお礼♥」 親指と人差し指につまんだブラが差し出された。
梢ちゃんが口に手を当てて固まっているのが見えた。 いいのかね、中学生の前でこんなことをして。
「やるわね」「ふふん」 多華乃さんが悔しそうに言うと仁衣那さんは誇らしげに笑った。 「負けられないわね」 多華乃さんは両手を水の中に沈めた。 くねくねと腰を動かす。 え? 「私からもプ・レ・ゼ・ン・ト♥」 渡されたのは脇の紐を解いたビキニのボトムだった。 多華乃さん、下を脱いだんですか!!
こ、これはさすがに高校生の僕にも刺激が強いです。 同好会の人たちは笑い出し、れいらちゃんは手を叩いて喜んでいる。 梢ちゃんは、といえば両手を口に当てたままコロリと倒れ、右に左に転がりながら悶絶していた。 「終わりましたか? ・・じゃあ畑本くんは戻って下さい」 酒井さんが言った。 「美女からのプレゼントはちゃんと持って帰るように」
僕はたぶん耳まで赤くなっていたと思う。 れいらちゃんの隣に戻ると、にやにや笑いながら背中をどんと叩かれた。 仁衣那さんのブラと多華乃さんのパンツは手の中に丸めて握れるくらい小さかった。 これ、どうしたらいいの?
・・
はぁ~っ。ふぅ~っ。 多華乃さんと仁衣那さんが抱き合いながら呼吸を整えた。 大きく息を吸って互いに頷くと、水の中に頭を沈めた。 再び溢れた水がこぼれる。
酒井さんと小谷さんが上から蓋をした。 これは前回のドラム缶イリュージョンで使ったのと同じ、丸い穴が二つ開いた円盤だった。 蓋の穴から濡れた手が2本出た。 よく見るとどちらも左手だった。 多華乃さんと仁衣那さんが左手をさし上げているのだった。 酒井さんは手錠を持ってきて、二人の左手に掛けた。 これで手を下げるころはできない。 小谷さんが蓋の周囲にバンドを掛け、さらに南京錠を6個取り付けた。
・・
コンコン。 ドラム缶の側面を軽くノックすると二人の手の指がひらひら動いた。 「一般に息止めの限界は3~4分程度と言われています。今はまだ1分経っただけだから心配ないね」 酒井さんが腕時計を見ながら話した。 「本来なら次は美女の脱出シーンになるけど、今日は現役諸君のために質疑応答の時間をとろう。まずはこちらへ来て機材をチェックしてくれるかい」 同好会現役メンバーがドラム缶の傍に集まった。僕たちゲストも手招きされて集まる。
2年生で副会長の占野さんが指摘した。 「全体が上下反対になっていますね」 「そう。先のイリュージョンとは逆の向きで置いている。このドラム缶は両方の面が開いたオープンタイプ仕様なんだよ。どちらかに底板を取り付ければ任意の向きで使える」 酒井さんは腰を屈めてドラム缶の底を示した。 そこにはボルトで締めた底板が固定されていた。
「前回はこの底板は逆の側についていたんだ。・・では、なぜ上下をひっくり返したのか? 理由は側面にあるこの隠し扉」 ドラム缶の側面上部に扉が付いていた。 縦 30 センチ、横は缶側面の円弧に沿って約 60 センチ。 ドラム缶本体と同色に塗られて目立たないように工夫されているけれど、近くで見ると存在が分かる。
「君たちのとき、この扉はドラム缶の下の方にあって梯子の台と繋がっていただろう? 朝比奈さんと岩淵さんはここを通って交換した」 知里さんと琳琳さんが頷く。 「でも水を入れてしまうと、この扉は邪魔物になるなんだ。たった水深1メートルでも扉全体に 180 キロの力がかかる。水漏れを防ぐのは大変だし、下手すると扉そのものが弾け飛んでしまう」 なるほどという顔をする一部メンバー。きょとんとしている残りのメンバー。 「まあ、水圧は恐ろしいということだね。海外のタネ明かし動画ではドラム缶の底に水密構造の蓋があったりするけど、あれはプロがお金をかけて作らせたものさ」 酒井さんは学校の先生みたいに説明を続ける。 「隠し扉を最上部にすれば水圧でかかる力は 36 キロ。これなら僕でも何とかなるから最初からその強度で作ったんだ。・・念のために付け加えると、水圧が低くても扉を開けば当然水はこぼれるよ。だから中に水が入っている限りこの扉を開くことはできない」 ポンと手を叩いた。 「以上が上下逆にした理由さ。・・他に質問は?」
「あの、」 次に手を上げたのは知里さんだった。 「この手錠、前に使ったのと違うようですけど」
それは蓋の穴から突き出された多華乃さんと仁衣那さんの手に掛かる手錠のことだった。 同好会現役のイリュージョンのとき、ドラム缶から手を出して手錠を掛けられていたのは琳琳さんだった。 最後の瞬間に琳琳さんは手を引き下げ、そのタイミングに合わせて知里さんが黒幕の後ろから登場した。 あのときの手錠は軽く引けば外れるフェイクの手錠だった。
「よく気付いたね、朝比奈さん。さすが会長だ」 酒井さんは嬉しそうに説明する。 「これはね、正真正銘の本物なんだ。フェイクじゃない」 「は?」 「だから、ここに閉じ込められている彼女たちが自分で外すことはできないんだよ」
知里さんと琳琳さんが目を丸くしてる。 「試しに岩淵さん、その手錠を両側から引っ張ってみてくれる」「はい」 琳琳さんが手錠の輪を掴んで引いた。 「外れません」 「本当に引いてる? もっと強くやってみて」 さらに力を入れて手錠を引っ張った。 と、手錠を掛けられた左手がくいと動いて琳琳さんの手を掴んだ。 「きゃ!!」 皆が笑った。
「上手ねぇ、イッくん。多華乃さんか仁衣那さんか、どっちの手か分からないけど」 れいらちゃんが僕にだけ聞こえるように小声で言った。 そうか、これもイリュージョンの演出なんだよね。 相手に知識がある前提のイリュージョン。こんなやり方もあるんだな。
・・
「いいかい、半トン近くある重量物だからね、途中で傾いたり倒れ掛かったりしても絶対に自分で支えようとしないこと」 酒井さんの説明が続いている。 急いでいるように見えない。
多華乃さんと仁衣那さんは無事なんだろうか。 何か仕掛けがあるのは違いないから、無事には決まってるんだけど。 誰も心配しているように見えないし、れいらちゃんに至ってはにやにや笑っている。
「事故は何でもないときに起こるんだ。僕の知ってる人に倉庫の現場で骨折した人がいて・・」 「おーい酒井よ。そろそろ先へ進んだらどうかな」 小谷さんが催促した。 「おっと、話に夢中になって忘れていた。・・もう12分も経ったのか」 酒井さんは時計を見て大げさに驚く。
蓋の穴から生える二本の手が前に垂れていた。 その指を持ち上げても再び力なく垂れるだけだった。 「これは手遅れかもしれないね」 そう言うと酒井さんはどこからともなく赤いバラの造花を2本出し、ドラム缶の手に持たせた。 「これは美女を復活させる魔法の花」
小谷さんが大きな黒布を持って来て酒井さんに渡した。 酒井さんは両手で布を持ちドラム缶の前に掲げた。 布の上に二本の手が見えた。
れいらちゃんが言った。 「やっとクライマックスだね」 「いつもこんなに仰々しいの?」 「何でも大袈裟にするのよ、イッくんは」
酒井さんがカウントした。 「ワン、ツウー、スリー!」 次の瞬間、二人の美女の手がぴんと伸びて下に消えた。
数秒後。 黒布の後ろから、仁衣那さんが小谷さんにエスコートされて出て来た。 裸の胸を片手で隠しながらポーズをとる。 次は小谷さんが黒布を持ってドラム缶の前に掲げた。 すぐに酒井さんに手を引かれた多華乃さんが布の陰から半身を見せた。 前を巧みに隠しながら布を二つ折りにして腰に巻く。 二人ともたったいま水の中から出てきたみたいに濡れていた。 髪から雫がぽたぽた垂れている。 小谷さんが仁衣那さんの肩を、酒井さんが多華乃さんの腰を抱いてお辞儀をした。
その直後、仁衣那さんがふぅっと息をついて座り込んだ。 大きな胸を押さえて震えている。 押さえようにも押さえられない何かを我慢しているようだった。 小谷さんがバスタオルを肩に掛けると、それを頬に当ててやっと笑った。
多華乃さんは酒井さんの肩に爪先立ちでしがみついていた。 腰の布が下に落ち、セクシーアクション映画のヒロインかと思わせる綺麗なお尻が全員に公開された。 小谷さんがバスタオルを持って来たけれど多華乃さんは離れる気配を見せない。あきらめて二人の上にまとめてタオルを被せた。 やがて酒井さんが腰を屈め、タオルの下で多華乃さんとキスをした。 きゃあ~っ!! 女性陣が一斉に歓声を上げた。
・・
いつまでも離れようとしない多華乃さんをようやく引き剝し、酒井さんは再び皆の前に立った。 タキシードのジャケットが濡れているのが分る。 「最後にハプニングがあったけどこれで演技終了だよ。・・君たちが知りたいと思っているであろうポイントはおそらく次の二つ。美女が水中でどうやって生き延びたのか、そして封印されたドラム缶からどうやって脱出したか」 全員が頷いた。 「まさにその二つがこのイリュージョンの肝だね。ただし、それを説明するのは明日までお預けにしようと思う」 「ええ~っ?」 「勿体をつけるのが好きなんだよ、僕は」 酒井さんはそう言ってにやると笑った。 「イリュージョン好きが揃ってるんだ。皆で考察して楽しんでくれたら嬉しいね」
10. それからバーベキューパーティは知里さんと琳琳さんのアイドルソングで盛り上がった。 アイドル服とかではなくバーベキューのパンツスタイルのままだったけど、僕にはそのほうが二人を身近に感じられていいと思った。 やがて梢ちゃんとれいらちゃんも立ち上がって一緒に踊り始めた。 可愛いな、この子たち。特にれいらちゃん。 気がつけばれいらちゃんだけを見ていて、慌てて目を反らせたりした。
・・
夕方になってバーベキューはお開きになった。 会長の知里さんがこの後のスケジュールを説明する。 「1階の食堂にチェア・アピアランスとヒンズーを置いたから触っていいわよ。アクティビティは20時から。女の子はそれまでにシャワーを使っておくこと!」 アクティビティってのは酒井さんが言ってたアレか。 全員が参加するんだろうか? 中学生の子もいるのに。
バーベキューの片づけを手伝ってから一人でコテージに入った。 1階は2~30人くらいが座れそうなダイニングになっていた。 テーブルと椅子を片付けたフローリングの窓際に一人掛けの黒い椅子があった。 人体出現椅子だ。チェア・アピアランスっていうのか。 その隣はヒンズーバスケット。 公演会で使ったのを運んできたんだね。
椅子はキャスターが付いていてどの方向にも押せるようになっている。実際に押してみると案外軽い。 中を見たい。でも勝手に開けたら叱られるかも。 躊躇しているところへ知里さんが通りがかった。 「知里さんっ」 ダメ元でお願いしたら笑って椅子の中を見せてくれた。 ・・そうか、こんな風になってたのか。 知里さんここからあの速さで出現。僕ならとても無理だ。
次にヒンズーの蓋を外して中を覗かせてもらった。 それは想像していたのと違った。 内側の壁に沿って細いパイプの梁が張ってあった。もちろんちゃんと剣を刺せるようになっている。 入口裏の四隅、手で握ったり足を掛けたりできるんじゃないか。 そうか。あのステージで逆さになったとき、琳琳さんはここに掴まって。 「このヒンズーはイリュージョン同好会で一番古い資産なのよ。酒井さんが会長時代に魔改造したって聞いたけど、全然壊れないの」 「ここのフレーム、手作りなんですね」 「興味深々ね」「そりゃそうですよ」
「少し時間あるかな、畑本くん」 「はい?」 「酒井さんからキミのこと聞いて、一度お話ししたいって思ってたの」 知里さんと並んで床に座った。
・・
「ドラム缶のイリュージョン、畑本くんはどう思った?」 「凄かったです。説明が長すぎましたけど」 「話が長いのは酒井さんの芸風だから許してあげて」 芸風、ですか。 「最後に出てきた多華乃さんと仁衣那さんを見たでしょ? あの人たちのこと畑本くんにはどう見えた?」 あの時の二人を思い浮かべる。 疲労困憊していて、でも満足してて、エッチな気分になっていて。 「はっきり言ってくれていいわよ」 「はい。エロかったです」 「好きだなぁその答。ウチの1年2年の男の子たち、オブラートで包んだ言い方しかしてくれなくって物足りないのよね」 「そうですか」 「酒井さんのイリュージョンって、ときどき女の子はエロくなっちゃうのよ」 「知里さんは水中脱出のタネを知ってるんですか?」 「知らないわ。でも何となく想像はできるな。聞きたい?」 「はい」
「多華乃さんと仁衣那さん、ドラム缶の中でずっと水に浸かってたと思う。それと楽に呼吸する手段もなかったんじゃないかな」 「それじゃあ、」 死んじゃうじゃないですか。 「落ち着いて意識を保っていたら無事でいられるよう配慮していたと思う」 「僕はシリコンとかゴムのチューブを使って息してるのかなって思ってましたけど」 マ○ク・マジシャンのタネ明かし動画じゃそうだったぞ。 「そうかもしれないけど、多華乃さんと仁衣那さんの様子見て何となく思ったのよね。酒井さん、狙ってるなって」 「何をですか?」 「アシスタント、というより女の子に楽させない。わざと苦しい思いをさせる。それを観客の見えないところでする」 「それ、イリュージョンに必要ですか?」 「要らないよねぇ。他に安全な手段があるなら」 知里さんはそう言って笑った。
「そう思った理由はもう一つあるのよね。それはあの手錠」 「知里さんが質問した手錠のことですね」 「そう。あれは絶対に本物だと思う」 「本物だって言ってましたよね」 「実は本物と説明して、本当の本当はフェイクって、珍しくない方法よ」「そうですか」 「そもそもあの質疑応答がなければフェイクの手錠で十分でしょ? その方が楽に脱出できるんだし」 「そうですね、あれは誰かから指摘されるのを想定して。・・いや違うな。本当の本当はフェイクにすればいいんだから」 「思ったのよね。あの説明は私たちにしてたんじゃなくて、ドラム缶の中の多華乃さんと仁衣那さんにしてたんじゃないかって」 「え」 「あれは二人に思い知らせたのよ。君たちはより困難な方法で脱出させられるんだよって」
「あの、」 「何?」 「酒井さんって、ドSですか?」
「いいわねぇ、ストレートな質問!」 知里さんは楽しそうに笑いながら答えてくれた」 「答はもちろんイエスよ。そんな人の作るイリュージョンだもの、女の子はエロくなっちゃうわよ!」 つまりそれは。 「女性の方もドMになってしまうってことですか?」 「うふふ」 知里さんは笑った。ちょっと不思議で妖しい笑い方だった。 「そうかもしれないわねぇ」 何ですか、急に含みのある言い方。
・・
「誰がドSだって? 朝比奈さん」 「きゃ! 酒井さんっ、いつの間に」 「この椅子のことなんだけど、」 「はい?」
酒井さんはチェア・アピアランスの椅子を指差した。 ドSって言われて叱るんじゃないの?
「これ今年買ったんだよね。中古には見えないけどいくらだった?」 「はい。新品で20万円、くらいだったかしら」 「どうしても欲しいなら中古を安く買ってレストアしてあげるのに」 「そんな、いつもいつもお願いする訳には」 「今年の活動費は残ってるの? 遠征の輸送費は?」 「それは、足りないときは皆で出し合って」 「困ったら僕に連絡して、朝比奈さん。OB会からも援助するから」 「はい、ありがとうございます」 「ところでこの椅子はどんな使い方を考えてるのかな」 「それは出現と消失」「あとは人体交換?」 「はい」 「20万円も使ってそれだけじゃ勿体ないよ。ぜひ新しい使い方を提案して欲しいね」 「は?」 「ムチャ振りのつもりはないよ。皆で相談してみたらどうかな」
酒井さんはそう言うとフロアを出て行った。 「新しい使い方考えて」を言いたかったのね。 予算がどうのとか、回りくどい人だな。 それにしてもムチャ振りされましたね、知里さん。 酒井さん、やっぱりドS。
「む!」 知里さんが唸った。 「出現椅子の新しい使い方。よーし、考えてやろーじゃないの!」 「大丈夫ですか?」 「なせばなる! ・・あーん、どうしよう!?」
[Part.4 体験緊縛] 11. 1階ダイニングの床にイリュージョン同好会の現役メンバー5人全員と、梢ちゃん、そして僕が座っていた。 梢ちゃんも体験緊縛に参加するんだね。 れいらちゃんがいないのは意外だった。絶対に来ると思っていたのに。
梢ちゃんが琳琳さんの方を向いて、口元を手で隠しながら言った。 「ウチ、ノーブラにしました。外した方がいいって聞きまして」 「アタシもノーブラだよ」「私も」 琳琳さんと知里さんも口元を手で隠して返した。 まる聞こえだった。内緒話になってない。 占野さん、八代さん、高浦さんの男性メンバーが顔を赤らめている。
知里さんはメンズのワイシャツ1枚。琳琳さんと梢ちゃんは白いTシャツにショートパンツ。 ワイシャツから延びる知里さんの生足がセクシーだった。 あのワイシャツの下はノーブラで、まさかパンツも履いてない? 知里さんが言った。 「畑本くん、そんな目で女の子を見たら嫌われちゃうわよ」 うわうわうわ! またしても。 「でも私は自分に素直な男の子が好きよ。だから安心して」 知里さんは自分でワイシャツの裾を持ち上げて白いショーツを見せてくれた。 「ほら、穿いてるわよ♥」 皆が笑った。僕も笑った。
・・
OBの人たちが入って来た。 多華乃さんと仁衣那さんは、キャバ服だっけ、身体のラインくっきりの真っ赤な超ミニドレス。多華乃さんのドレスは片方の肩を出してて、仁衣那さんのは脇腹が出ている。 ���井さんと小谷さんは紺の作務衣。やっぱりこの二人が緊縛の担当なんだね。 そのうしろには、れいらちゃんがいた。前の二人と同じ作務衣を着ている。 れいらちゃんも緊縛担当なの!?
「今日が初めての人は?」 酒井さんが聞くと、琳琳さん、高浦さん、そして梢ちゃんと僕が手を上げた。2年生以上の人は初めてではないのか。 「分かりました。体験の前にまずは見本として出水さんとうちの妻を縛ります」 「皆さん、固くならずにくつろいでね」 小谷さんが安心させるように言った。
輪になって座った僕たちの中央に、れいらちゃんが 1.5 メートル四方くらいの小さなカーペットを敷いた。 その上に多華乃さんと仁衣那さんが立つ。作業が始まった。 れいらちゃんが縄を手渡し、それを使って酒井さんと小谷さんが縛る。 酒井さんの獲物は多華乃さん。小谷さんの獲物は仁衣那さん。 「これは高手小手縛り」「こっちは鉄砲縛り」 するすると魔法のように縄が掛かる。 胸の上下に縄が掛かると、多華乃さんの綺麗な胸がふっくら盛り上がった。仁衣那さんの大きな胸が一層大きく盛り上がった。 多華乃さんも仁衣那さんも胸の先端がつんと突き出ている。おへその窪みもくっきり解る。 こんなに薄い衣装で縛るから身体の凹凸がはっきり出るのか。 縄で締まる女体、ものすごくエロい。
「はぁ・・」 作業を見ていた琳琳さんが溜息をついた。少し震えているようだった。 知里さんが黙って横から琳琳さんの手を握った。 梢ちゃんは身動き一つしない。目だけが酒井さんたちの手の動きを追っている。
やがて多華乃さんと仁衣那さんは背中合わせで繋がれ、そのままカーペットにお尻をついて両脚を胡坐で縛られた。 新しい縄を二人の口に噛ませながら二周、三周。 ぐるぐる巻いて押し付け合った後頭部が離れないようにした。 最後は二人の頭に巻いた縄に別の縄を直角に掛けて絞る。これは酒井さんの指導でれいらちゃんが施した。
「完成です」 カーペットごと引きずって、多華乃さんと仁衣那さんを窓際へ移動させる。 二人の髪をれいらちゃんがブラシで整えた。 「しばらく置物にしましょう」
ほぇ~。 思わず唸ってしまった。 置物にされるって、どんな気持ちだろう。 隣に座る一年生の高浦さんと目が合ってお互い苦笑した。 高浦さんも初めて生の緊縛を見たんだろうな。僕と同じだ。
・・
「次は、岩淵さんと梢ちゃんに被虐を体験していただきます」 酒井さんが言った。 「岩淵さんはこちらの小谷が担当します。梢ちゃんは僕がお世話するね」
琳琳さんがびっくと震えた。 その後ろに小谷さんが立つ。 「両手を後ろで組んでください」「・・はい」 おそるおそる回した手に縄が掛かった。 「あ・・、っ」 上半身を縛った後、うつ伏せに寝かせて膝と足首を縛る。さらに足首の縄を背中に繋ぐ。 「あ、あ、あぁ、・・」 可愛い声で囀る琳琳さん。ま��で歌っているみたいだった。 アイドルソングを元気に歌う時とは全然違う声だったけれども。
梢ちゃんは急に慌て始めた。 「あ、あの、ウチ!」 急に立ち上がって酒井さんに頭を下げる。 「お、お世話になりますぅ!」 「座ったままでいいよ」 「そやっ。ウチの母ちゃ、母もよろしくお願いします言(ゆ)うてました!!」 「お母さん?」
「梢ちゃん、可愛い♥」「本当♥」知里さんとれいらさんの声が聞こえる。
「落ち着いてね。不安なら目を閉じていたらいいよ」 酒井さんはそう言うと縄を持って梢ちゃんを縛り始めた。 「はぁ~っ」 両手を腰の後ろで緊縛。その後椅子に座らせて背中と足首を緊縛。 「あーっ、動かれへん!」 部屋じゅうに聞こえる声で梢ちゃんが叫んだ。 「動かれへんっ、動かれへん! ウチ、縛られてるぅー!! ・・そや写真!」 急に周囲をきょろきょろ見る。 「誰かっ、誰でもええからウチの写真、撮ってくださーいっ。こんなん一生の宝モンやんかー!」
窓の方から「ブファっ」「ンファファっ」という音が聞こえた。 多華乃さんと仁衣那さんが縄の猿轡の下で拭き出した声だった。
・・
れいらちゃんが縄を持って来た。 「畑本くん、体験してみる?」 僕も? 「あたしに縛られるのが嫌だったら、酒井さんか小谷さんが縛ってくれるけど?」 そんなことはないよ。
僕はれいらちゃんに縛ってもらうことにした。 手首を後ろで縛られる。 胸に縄が回された。手首が吊り上がる感覚。 胴と腕の間に縦に通した縄を絞られた。 きゅ。 「うわ」 全部の縄が締まって上半身が固められた。 動けない。動けないけど痛くない。 「どう?」 「すごいよ!」 れいらちゃん、縄師じゃないか。
「高浦さんはどうですか?」 れいらちゃんは1年生の高浦さんにも聞いて縛り始めた。 酒井さんや小谷さんに負けないくらい、れいらちゃんの緊縛は手早く見えた。 「動けないよ!」 高浦さんも驚いている。
初めて味わう感覚だった。 イリュージョンで使う拘束具、手錠や枷なんかとは全然違うと思った。 縄ってすごいな。
12. みんな縄を解いてもらって、体験緊縛は一旦休憩になった。 多華乃さんと仁衣那さんは緊縛を解かれた後しばらく立てなかった。床に手をついて身を震わせている。 泣いてる? ちょっと違う。 二人とも、満ち足りていて、とてもエッチな気持ちに溢れている。 「軽い縄酔いだから心配ないよ」酒井さんが言った。
なわよい? 初めて聞く言葉だけど、多華乃さんと仁衣那さんを見ていて何となく想像はついた。 一度縛られたら解いてもらった後も気持ちいいんじゃないか。まるでお酒に酔ったみたいに。 縄酔いの多華乃さんと仁衣那さん、何となく昼間のイリュージョンでドラム缶から脱出したときに似ていると思った。 そういえば知里さんが言ってたな。 多華乃さんと仁衣那さんはあのイリュージョンで苦しい思いをしたはずだって。 そんなイリュージョンをやったら女の子はエロくなる、とも。 さっきの緊縛も同じなんだろうか?
もう一度知里さんと話したいと思った。 知里さんの姿を探したけど部屋にいない。お手洗いかな?
「将司く~ん♥」 仁衣那さんが這い寄って来て僕の膝に乗った。 「うわ」 「ごめんねー、何だかんだお世話になって」「別にお世話してませんけど」 「そんなことないよー。昼間わたしを抱っこしてくれたでしょ。今もほら、抱っこ♥」 両手で抱きつかれた。 唇を突き出してキスしようとするので必死に逃げる。 れいらちゃんと梢ちゃんがこっちを見て笑いこけているのが見えた。 「に、仁衣那さん! どーしてそんな急にハイになるですか。さっき立てなかったくせに」 「許せ少年そういう癖(へき)の女じゃ、きゃはは」
「今の仁衣那ちゃん、調子に乗ったら何でもしてくれるわよ♥」 いつの間にか多華乃さんが傍にいて言った。この人も縄酔いから復活したみたいだ。 「あら先輩、もう大丈夫?」 「ごめんなさいね。私、あなたより繊細だから」 む。 仁衣那さんの顔が一瞬強張り、それからにやあっと笑った。 「・・わたしをこんな女にしたの、多華乃さんと功さんなのに」 「その言い方、高校生の彼が誤解するんじゃない?」
二人の顔がぐっと数センチの距離まで近づいた。 一瞬女同士でキスするのかと驚いたけどそんなことはなく、仁衣那さんが多華乃さんの肩に右手を当てただけだった。 その肩に刻まれた模様。うわ、縄の痕だ。 仁衣那さんの手首と多華乃さんの肩に縄の痕があった。 二人のキャバ服からむき出しの肩、二の腕、手首のそこかしこにも縄で縛られた痕がある。 柔らかい肌に縄の刻み目。 エロ過ぎるよ。これは。 緊縛って、女性を何もかもエロくするんだなぁ。
「・・パンツ脱ぐなんてシナリオになかったのに、あれは将司くんを誘惑したんですか? 多華乃さん」 「そんなつもりはないわ。ただ彼が可愛かっただけよ」 「それを誘惑って言うんですよ」「うふふ」 僕がお二人のエロに感動しているのに、まだしょーもないマウント取り合ってるんですか。
「多華乃さんって可愛い男の子が好きですよね。功さんもああ見えて実は可愛いし」 「仁衣那ちゃん人のこと言う前に早く彼氏見つけなさい」 「ぐわぁっ」 仁衣那さんがのけ反った。 「人が気にしていることを~っ」 「確かもう25だっけ?」「ああああ~!!」
あれ、25? 計算が合わないぞ。 24だと思ってたのに。 「すみません、仁衣那さんは大学出て2年ですよね。なのに25って」思わず質問してしまった。 「あれ、畑本くん知らないの?」「ああっ。言わないでぇ~っ」 「うふふ。ちょっと道草しちゃったのよ彼女」「え、と、いうことは」 「お慈悲を、お慈悲を~、多華乃さまぁ」 「遊び過ぎて留年したのよね、仁衣那ちゃん」「あらら」 「うわーん」 多華乃さん、普段はMなのにこういうときはSなのね。
・・
休憩タイムが済んで、次は占野さんと八代さんの2年生男性コンビが多華乃さんと仁衣那さんを縛り始めた。 亀甲縛り、は難しいから菱縄という縛り方に挑戦するみたいだ。 小谷さんがつきっきりで指導している。
琳琳さん、高浦さん、梢ちゃん、そして僕の初心者グループはれいらちゃんから "本結び" という縛り方を教わった。 緊縛の世界では腕や足首を縛るときの基本中の基本ともいえる手順らしい。 れいらちゃんが自分の足首を縛ってみせ、それを見本に各自がそれぞれの足首を縛った。 「じゃあペアを組んで、お互いの手首を縛って下さい」 女の子を縛れる! ・・と思ったら、すぐに琳琳さんと梢ちゃんがペアになって縛り始めてしまった。 僕と高浦さんは顔を見合わせて苦笑する。・・男同士で、縛る? れいらちゃんがすぐに察して申し出てくれた。 「縛るなら女の子がいいよね。じゃあ、あたしの手首を順にどーぞ!」
・・
酒井さんが来て言った。 「まだ時間があるから、梢ちゃんと岩淵さん、もう一度縛ってあげようか」 「うわーい!」「お願いします!」
酒井さんの緊縛はとても速かった。 梢ちゃんと琳琳さんをそれぞれ後ろ手に縛る。 二人を隣り合わせで床に膝を崩して座らせた。 梢ちゃんが右側、琳琳さんが左側。足を崩す方向も梢ちゃんは右側、琳琳さんは左側。 やや小柄な梢ちゃんが琳琳さんに甘えているようにも見える。 酒井さんは二人の背中に縄を足して連結した。 梢ちゃんと琳琳さんは互いに横座りで体重をかけ合っているから立てない。 下半身は自由なのに立てない。
「どこか痛いかな?」「いいえ」 二人は首を横に振った。 「君たちの身体のどこにも無理はかけていないはずだよ。どこも痛くないのに拘束感だけはある。・・そんな感覚をしばらく楽しむといいよ」 酒井さんは白布の目隠しを二人に掛けた。
・・
梢ちゃんと琳琳さんが目隠しで過ごしたのは15分くらいだと思う。 その間に酒井さんがやったのは僕も予想外のことだった。 目隠しを外されて、二人は叫んだ。 「えっ、れいらさん?」「れいらちゃん!!」
れいらちゃんが正座で縛られていた。 衣装は作務衣のまま。 後ろ手の縛りは一見似ているけれど、両手が背中の高い位置で直角に交差していた。 女の子ってこんな姿勢で平気なのか。 下半身は脛と太ももをまとめて縛られていて、正座の姿勢から動けないようになっている。
「えへへ、イッくんにお願いして即興で縛ってもらったの」 れいらちゃんは明るく笑って言った。 「あたしも梢ちゃんや琳琳さんと同じ仲間だよ」
僕はれいらちゃんから目を離せなかった。 縛る方と思っていたれいらちゃんが縛られている。衝撃で心臓が止まりそうだった。 作務衣姿で笑顔だから、普通に考えたらエロいはずがない。 エロくないのにドキドキする。どうしてだろう。 れいらちゃんが縛られている。自由を奪われて、それなのに笑ってる。 それだけで興奮するのは何故だろう。
・・
「ねぇ会長は?」 「あれ? そういやどこ行ったんだろう」 緊縛体験会が終わる頃になって、知里さんがいないことに皆が気付いた。 バスルームや2階の部屋を探しても見つからない。
「・・誰を探してるの?」 酒井さんがのんびり聞いた。 「だからさっきから知里さんがいないんですよ!」 「朝比奈さんなら外にいるけど?」 え?
全員で外に出た。 コテージ正面のテラスに昼間のドラム缶が置いたままになっている。 その頭上、木の枝に取り付けられた滑車。 そこから全身をがんじがらめに縛られた知里さんが吊られていた。
Tumblr media
白いシャツと素肌が夜目に浮かび上がる。 仰向けで半ば逆さ吊り。 膝で折って縛られた太ももと脛に食い込む縄が痛々しい。 両脚の間の縄、あれ股縄っていうんじゃなかったかな。 くしゃくしゃになった顔で喘ぎながら振り子のように揺れる知里さん。
「かなり手間かけて縛ったんじゃない? イッくん」 れいらちゃんが聞いた。 「そうだね。僕一人で30分くらいかかったかな」 「いつ?」 「休憩のとき。一緒に抜け出して吊ってあげたんだよ」 酒井さんが説明した。 「朝比奈さんの希望は "吊り" だったんだ。食堂は吊り床がないからここへ来て。そうしたら、ドラム缶に逆さ吊りで沈めて欲しいって言い出されて、いくらなんでもそれは危険だから・・」
「わあ~!!!」 上の方から声がした。 「酒井さんっ。そこから先は言わないでぇ~」 無残な宙吊り緊縛で苦しんでいるとは思えない、大きな声だった。
「知里会長、僕らが思ってた以上にドMだった」 副会長の占野さんがぼそっと言った。他の1~2年男子も頷く。
「いいなぁ、次はアタシも吊って下さいってお願いし��うかな」 琳琳さんが言った。隣で梢ちゃんがうんうんと頷く。
「イサオったら、"吊り" なんて私には長いことご無沙汰なのに」 多華乃さんが文句を言った。れいらちゃんがまあまあと慰める。
「あれ? あそこにいるの、知里ちゃん?」 仁衣那さんが初めて気が付いたみたいに言った。 誰もフォローしないから仕方ないので僕がズッこけてあげた。
13. ベッドに入って眠ろうとしたけど眠れなかった。 頭の中に浮かんで消えないのは、ドラム缶イリュージョンの多華乃さん仁衣那さんではなく、宙吊り緊縛の知里さんでもなく、ぜんぜんエロくない作務衣で緊縛されたれいらちゃんだった。
1階に降りてくるとダイニングの灯りが点いていた。 同好会の人たちが人体出現椅子を囲んで何か相談していた。 ダイニングの仕切り衝立(ついたて)を持ってきて、その手前で椅子を何度も左右に押して動かす。
・・分かった。酒井さんのムチャ振りだ。 出現椅子の新しい使い方を考えなさい。 皆さん大変だな。 邪魔する訳にいかないから僕はそのままコテージの外に出た。
・・
森の中に遊歩道があった。 ところどころ照明灯が点いていて歩き易かった。 「畑本くん!?」 れいらちゃんがいた。 小さなタンクトップとショートパンツ。素足にサンダルを履いているだけ。 何その可愛い恰好。
「れいらちゃん、こんなところでどうしたの?」 「梢ちゃんがぐっすり寝ちゃったのよ。今夜はいっぱいお話ししましょって言ってたのにね。・・それで冷たいモノ飲もうと思って降りてきたら同好会の人たちがいるでしょ。仕方ないから出てきたの」 「僕もそんな感じ」 梢ちゃんとれいらちゃん、同じ部屋に泊ってるんだね。
「梢ちゃん、疲れたんだろうね」 「そうね。人生で一番衝撃的な体験をしたと思うわ、彼女」 「聞いてもいいかな。梢ちゃんはどうして体験緊縛なんて」 「あれはね、梢ちゃんが手首のイリュージョンで頑張ったご褒美なの」 「意味が分かりません」 「イッくんを通して出演頼まれたときにね、縛ってくれるなら出ますって言ったのよあの子。・・イッくんの特技が緊縛だって、どこで気付いたのかしら」 「中学3年生を縛ってもいいの?」 「いけない理由って何かある? あたしの初体験は中2だったよ」 え、えええっ。 「あ、誤解しないでね。初体験ってのはキンバクのことだから」 そんな補足されたら、かえって誤解するじゃないですか。
「そんな訳で、梢ちゃんのご両親に体験緊縛のお話したらすぐに了解して下さって」 「り、理解あるご家族だね」 仁衣那さんとバーベキューに行ったら緊縛されたって、オヤジとオフクロに報告したらどんな顔するだろう?
「梢ちゃんのお母さんもすごいのよ。初めて男の子から縛ってもらったのは中学3年のときだったわって」 「それ向こうから教えてくれたの?」「そうよ。オープンなお母さんだわ」 「それは梢ちゃんも知ってるの?」 「もちろんよ。ウチも一緒や!って喜んでたわ」
・・
深夜の遊歩道を並んで歩いた。 こんな可愛い女の子と出会ったその日の夜に二人きりで歩いている。でき過ぎの展開じゃないか。 もう手くらい繋いで、いい雰囲気になって、それから。
「畑本くん、あたしのことどう思った?」 「えっ。そりゃ、明るくて可愛くて」 「違うよ。縄で男の子縛っちゃうような女のことどう思うって聞いたの。・・引いた? やっぱり」 「そんなことはないよ。いきなりだったから驚いたけどね」 「よかった。これでも変なことやってる自覚はあるから、嫌われても仕方ないとは思ってるの」 「・・あのさ、れいらちゃんってドSなの?」 酒井さんみたいに。 「へっ? あたしがドエスぅ!?」 れいらちゃんが目を丸くした。 いけね。またド直球で聞いてしまった。
「ごめん、からかうつもりはないんだ」 「いいよ。あたしは緊縛に興味があるだけだからSにもMにもなるよ。縛るならイッくんみたいに格好良く縛りたいし、縛られるなら多華乃さんみたいに色っぽく縛られたい」 「緊縛って僕にはまだ分からないな。全然動けなくてすごい技術だと思うし、多華乃さんや知里さんの緊縛見て超エロいとも思ったけど」 「酒井さんが感心してたわよ。畑本くん、"イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立する" って言ったんだって?」 そんなこと言ったっけ? ・・あ、仁衣那さんのセリフ。 「素敵よね。そんな風に言える畑本くん、きっと素質があると思うわ」 「酒井さんにも同じようなこと言われたよ。でもイリュージョンと緊縛は全然違うでしょ」 「そりゃエンタメとプライベートパフォーマンスだもんね。あ、これイッくんの受け売りだから突っ込まないでね」 「?」 「目的は違ってもやってることは似てると思わない? どっちもだいたい被虐の役目は女性だし」 「そう言われればそうだけど」
れいらちゃんは急に立ち止まってこちらを向いた。ものすごく距離が近かった。 どきんとした。 「ほら!」 手首を前で合わせ僕に向けて差し上げた。まるで縛られているみたいに。 「本結びの練習であたしの手首縛ったでしょ? ドキドキしなかった?」 「した」 「あたしもドキドキしたんだよ。"縛るなら女の子がいいよね!" なんて今思い出すだけでも赤面することよく言ったと思う」 薄暗がりの中でれいらちゃんの頬が赤くなっているのが分った。 何となくれいらちゃんの言いたいことが解った気がした。
「その役目って、同好会やOBの人たちには普通のことなんだね。女性の方も嫌がって��いし、むしろ楽しんでやっている?」 「うん。それが水中脱出でも、縛られて置き物にされることでもね」 「エロくなっちゃうよね」 「なっちゃうねー。だからだいたいマゾに目覚めるし、元々マゾの人はもっとこじらせちゃう」 「それが知里さん?」「仁衣那さんとか」 「多華乃さん?」「あの人はJ大でイッくんと出会う前から超ドM」 「ははは」「うふふ」
・・れいらちゃんは? 聞きたかったけど、面と向かって聞くと引っ叩かれそうな気がしたので止めた。
くしゅんっ。 れいらちゃんがくしゃみをした。 「夜中に薄着過ぎるんじゃない?」 「えへへ、そうかも。・・今何時かしら?」 「分からない。スマホ持って来なかったし。そろそろ戻ろうか」 再び並んで歩き出した。 れいらちゃんの肩がさっきより近いような。
「ね、畑本くんはお付き合いしてる人いるの?」 え、れいらちゃんから聞いてくる? 「いないよ。れいらちゃんは?」 「あたしもいないわ。・・大学に入ったら一緒にイリュージョンやってくれる彼を見つけるつもり」 「それ、僕のことじゃない?」 「あ、言われてみれば」
「僕はれいらちゃんとイリュージョンをやりたい。酒井さんみたいにオリジナルのイリュージョンを作って」 「オリジナル? 畑本くん、あんなすごいの作れるの?」 「それは分からないけど、やってみたいんだ」 「よぉし頑張れ! できたらあたしが一緒にやったげる。・・酷い目に会う役でもいいよ」 「なら逆さ吊りで火炙りとか」 「ばか。死んじゃうでしょ」
れいらちゃんが笑った。 おお、いい雰囲気じゃないか。これはもう肩抱いても。 手を伸ばそうとしたらするっと逃げられた。
「こら。男の子ってすぐにこうなんだから」 「メンボクないです」 「じゃあ手だけ繋いであげる」 「やった」「現金ねぇ」 「素直なのがよいと知里会長にも評価していただきました」 「何それ、あはは」
14. コテージの前でれいらちゃんと別れた。 ダイニングでは同好会の人たちがまだ練習をしているようだった。
僕もやって見せたいな、イリュージョン。 立ち止まって考えた。 体験緊縛で習った縄。 頭の中でアイディアを整理する。
・・
酒井さんと小谷さんは駐車場にいた。 あのバンタイプの軽自動車の脇に小さなテーブルと椅子を置いてランタンの灯りでお酒を吞んでいた。
傍に行くなり酒井さんに言われた。 「れいらちゃんと一緒にいたね」 見られちゃったか。もしかして手を繋いだところも? 「心配無用。我々は誰にも漏らさないから」小谷さんにも言われた。 「まあ、梢ちゃんあたりに気付かれないようにね。あの子やたら勘がいいから」 「・・心得ました」
「それで何か用?」 あ、そうだった。 「僕もイリュージョンやっていいですか?」 「え」「ほう」 二人が身を乗り出してきた。
緊縛の縄を1本借りれますか。7メートルくらいの柔らかい縄があったら嬉しいんですけど。 「10メートルの綿ロープがあるから切ってあげるよ」 針金のクリップ2~3個。できるだけ太目のやつで。あとラジオペンチを貸して下さい。 「クリップってゼムクリップ? 工具箱に入ってるかな」 最後にもう一つ。本結びを習いましたけど全然自信がありません。もう一回特訓してもらえませんか? 「もちろんいいよ」
本結びで誰を縛るつもりでいるのか、酒井さんにも小谷さんにも聞かれなかった。 もうバレバレだとは思うけど。
[Part.5 ワークショップ2日目] 15. ○ チェア・アピアランスのバックステージ 明朝。 朝食の後、知里さんたちによるイリュージョンの発表があった。 お題は "チェア・アピアランスの新しい使い方"。
1階ダイニングに現役メンバー5人が整列する。 ステージ衣装を用意していないから、バーベキューのときと同じ服装だった。 僕たち観客は手前で一列に座って見ていた。その真ん中で酒井さんが腕組みをしている。 知里さんが挨拶した。 「バックステージ(backstage)というカテゴリのイリュージョンがあります。今皆さんは舞台の奥にいてイリュージョンを後ろから見ています。向かい側に仮想の客席があると思って下さい」 自分の後ろを手で示した。 「客席から見えない秘密が皆さんにだけ見える。・・それではチェア・アピアランスのバックステージイリュージョン、よろしくお願いします!」
2年の占野さんと八代さんがチェア・アピアランス=人体出現椅子を押して来た。 知里さんが足を組んで座る。その上から大きな黒布。 数秒後、黒布を外すと知里さんは消失していた。 占野さんと八代さんは椅子を左側に押して行き、僕たちの反対(=仮想客席がある側)を向けて置いた。 僕たちからは椅子の背中が見えるだけになった。
・・
琳琳さんが出てきた。腰に手を当ててお尻をくねくね振りながら歩いている。本人はモンローウォークのつもりなんだろう。 ステージ中央で立ち止まると僕たちにお尻を向けて(=仮想客席を向いて)手を振る。
高浦さんがダイニングの仕切り衝立を運んできて、琳琳さんの向こう側(=仮想客席の側)に立てた。 衝立の高さは2メートルくらい。 僕たちからは琳琳さんの後ろ姿が丸見えだけど、仮想客席からは衝立の陰になって見えない想定だ。
・・
左側にあった椅子を占野さんと八代さんが押して出てきた。僕たちからは相変わらず椅子の背しか見えない。 衝立の手前(仮想客席から見ると衝立の陰)に椅子を停める。 その直後、椅子の背もたれの陰から知里さんが立ち上がった。 交代して琳琳さんが背もたれの陰に入って消える。 占野さんと八代さんは椅子を押して右側に移動して行った。 ほんの数秒の交換だった。
高浦さんが衝立を外し、知里さんが(仮想客席に向かって)手を振る。 仮想客席からは琳琳さんが消失して知里さんが出現したように見えるはずだ。 再び衝立が戻されて、知里さんを(仮想客席から)隠した。
・・
右側にあった椅子が押されて戻って来た。 衝立の手前(仮想客席から見ると衝立の陰)で椅子を停める。 今度は椅子から琳琳さんが立ち上がり、椅子の中へ知里さんが消えた。 椅子は再び左側に押されて移動する。 高浦さんが衝立を外し、琳琳さんが(仮想客席に向かって)手を振った。 さっきとは逆の交換だった。
・・
占野さんと八代さんが三たび椅子を押して出てきた。 衝立は脇に退けたままだから、適当な場所に椅子を停めた。
椅子に黒布が被せられた。 脇に立っていた琳琳さんが駆け寄って椅子を指差す。 布を外すと・・、 「じゃーん!」 そこに座ってポーズをとっていたのは知里さん、じゃなくて梢ちゃんだった。
・・
酒井さんが立ち上がって拍手した。 他の観客・・小谷さん、多華乃さん、仁衣那さん、れいらちゃんと僕も拍手した。 観客の中に梢ちゃんがいないのは最初から分かっているから、ラストで梢ちゃんが出現���たこと自体には驚かない。 それでも拍手したのは、イリュージョンとして素晴らしい出来だったからだ。 これなら実際のステージでも通用するんじゃないかな。
「えっと、講評の前に、」 酒井さんが椅子を指差して聞いた。 「よく二人も入れたねぇ」 「梢ちゃんとなら入れるんです。アタシと知里さんじゃ無理でした」琳琳さんが説明した。 「えへへ。ちっちゃい女の子が要るときはいつでも使(つ)こて下さいっ」梢ちゃんがおどけて言った。
「朝比奈さんはどうしたの?」 「あれ?」「会長っ」「知里さん!」 現役メンバーが椅子を開くと、知里さんが中で動けなくなっていた。 「ふにゃぁ~」 「大丈夫ですか?」 「成功したと思ったら、腰が抜けて」 「じゃ、そこでそのまま聞いてくれるかい」 「ふわぁい」
酒井さんが講評する。 「チェア・アピアランスのスピード感とバックステージの面白さ。両方を楽しめる素晴らしいイリュージョンだったよ。同好会連合の交流会辺りでやったらウケると思う。ただし通常のステージに出すのは難しいかもしれないね」 え、駄目なの? 「このバックステージのコアキャラクターは椅子そのものと二人のアシスタントだね。観客がその動きを追ってくれることが前提になっている」 皆が頷いた。 「だから最初の朝比奈さんの消失シーケンス。あれは "消失" ではなく椅子の内部への "移動" だと客が自然と思うように仕向けなけばならない」 「そうか。僕らは当たり前のように "移動" と捉えてた」占野さんが呟いた。 「その通り。チェア・アピアランスは最近よく見るとはいえ、まだまだ新しいイリュージョンだよ。椅子に腰かけた美女が一瞬で消える。それだけで驚く客が大半だろう。その先まで考えるのはプロかマニアだけじゃないかな」 「それなら、布で隠さずに椅子に入ったら?」高浦さんが聞いた。 「そんなシーンを見せるのはオリジナルのチェア・アピアランスに対して敬意がないと思うね、僕は」 酒井さん、厳しい。でもその通りだ。 「アイディアはあるよ。椅子の背中に丸い穴を開けて朝比奈さんが手を出して振るんだ。それなら中に女性が入っていることは誰にでも理解できるし、椅子に入る方法そのものは秘密にできる」 ああ、なるほど。それなら。 「でもね。それをはっきり見せてしまったら、次に普通の人体出現や消失で驚けると思うかい?」 「無理でしょうね」
「・・整理しよう。このバックステージの面白さは、椅子に潜む女性の姿は見せず、出入りを後方から見せることでお客を騙すところにある。だから最初に女性が椅子の中へ移動するシーケンスは欠かせない。でもそのシーケンスを理解してもらうのは容易でない」 「ダメかなぁ」八代さんがぽつりと言う。 「僕は決してダメ出ししてる訳じゃないよ。本当に面白かったし、現役諸君がこれを一晩で考えてくれたことを賞賛するよ。・・ただ、あのバックステージは少し未来に行き過ぎてる。そう感じただけなんだ」 「その未来は、いつでしょうか?」 琳琳さんが聞いた。 「申し訳ないけど、分からない。・・あの "あたまグルグル" とか "ウォーキングテーブル" くらい誰でも解るようになったとき、かな」 「その二つ並べるんですか」 「僕はウォーキングテーブルについてはそろそろ次のブレークスルーが欲しい段階と思っていて、その理由はあれ見て大げさに悲鳴上げる観客がスタジオ収録のマジック番組だけになったから、なんだけど」 「イッくんその発言ヤバいからもう止めよう」
・・
知里さんの救出は難航した。 本当に力が入らないらしくて、男性二人がかりでようやく引っ張り出してあげることができた。 「ふにゃあ、私このままでいい~」 「しっかりして知里さん!」 「もう、私、何されてもいいよぉ」 「会長いつの間にドMモード」
知里さんが平静を取り戻すまで30分くらいかかった。 その間に次のイベント "ドラム缶水中脱出のタネ明かし" の準備が進められたのだった。
16. ○ ドラム缶水中脱出 タネ明かし 正面テラスのドラム缶は水を入れ替えて再び満水になっていた。 酒井さん、小谷さん、そして多華乃さんと仁衣那さんがその前に立つ。 多華乃さんと仁衣那さんは昨日と同じセクシーなマイクロビキニ。
「今日は不要な演出を止めて、閉じ込めと脱出のプロセスだけを再現します。近くて見てもらって構わないよ」 酒井さんが言って全員がドラム缶の傍に集まった。 「これはUSBの水中カメラ」 酒井さんは小さな装置を皆に見せた。長いケーブルの先に丸いカメラが付いている。 「直径2センチ、長さ2センチ。レンズの回りにLEDが点くから暗くても撮影できるよ。これに磁石をつけてドラム缶の内側に貼れるようにした。ケーブルの取り回しが面倒だけどね」 水の中にカメラを入れてドラム缶の内側に貼った。 「こんな風に見える」 ケーブルを繋いだタブレットに映像が映った。水面から射す光に照らされてドラム缶の内部が明るく映っている。
「じゃあ、早速始めよう」 多華乃さんと仁衣那さんが水に入った。 前みたいにロープにぶら下がって入ることはなくて、酒井さんと小谷さんがさっと抱き上げて入らせてしまった。 また仁衣那さんを抱っこさせてもらえるのかと一瞬期待したけど、仕方ない。
溢れた水が周囲に流れた。 多華乃さんと仁衣那さんがドラム缶の中に立っている。 「昨日と違うのが分るかい?」 昨日と違う? 前回の光景を思い出そうとしたけど分からなかった。
「あ!」叫んだのは梢ちゃんだった。 「お腹が見えるっ。前はもっと沈んでました!」 え、そうだったっけ?
「その通り。前はこうだったんだ。・・やってくれるかい」 「うふふ」 多華乃さんと仁衣那さんが妖しく笑った。 互いに抱き合って胸を押し付け合う。 二人の背がすっと低くなった。 ドラム缶の縁からさらに水が溢れる。
ああ! 皆が声を上げた。 思い出した。胸の谷間を洗う波。
「せめて将司くんには気付いて欲しかったなー」仁衣那さんが言った。 「わざわざサービスしてあげたのに」 「も一回、脱いだら?」多華乃さんも言う。 「そうね、やっちゃおっか♥」
「あ、それは止めてくれるかな。また皆の目が惑わされてしまう」 「皆の目じゃなくて男性の目でしょ?」れいらちゃんが突っ込む。 「いいえ、私も惑わされました。仁衣那センパイのおっぱいが立派過ぎて」 「知里さんもですか? アタシも」「ウチも」 この同好会、女同士でこんな会話が多すぎるぞ。
「・・ええっと、」 酒井さんが続ける。調子が狂ったようだ。 「まあ、もう分かったと思うけど、前回は膝を折って屈んでたんだ。そうしなければならない理由は」 「上げ底なんですね」占野さんが指摘した。 「その通り。まっすぐ立ったら底が浅くなっているのが分ってしまうからね」
このドラム缶の深さは約 120 センチ。しかし 30 センチ底上げされていて実際の深さは 90 センチだという。 その 30 センチの部分は? 「金属の容器が置いてあるよ。中身は空っぽで入っているのは空気だけ。水圧で潰れないよう補強して底板にボルトで留めてある」
酒井さんは水中カメラを外して多華乃さんに持たせた。多華乃さんがカメラを底まで沈める。 タブレットの画面に多華乃さんと仁衣那さんの足元が写った。 水中で組み合わさった膝と足先、丸いお尻も見えている。 そして底に小さなペダルがあった。
「0.5 秒だけ押して」「はい」 多華乃さんが身を沈め右手でペダルを押した。 ぼこ。 卓球の球くらいのサイズの泡が浮かび上がった。 「ペダルを手で押すか足で踏むかすると、容器の栓が開くようになってる。栓が開いている間は水が流れ込み、同じだけ空気が出てくるんだ」 「その容器に空気はどれくらい入ってるんですか?」占野さんが質問する。 「だいたい 100 リットルだね」 「100 リットルの空気で呼吸できますか?」 「密室に 100 リットルの空気だけで二人が生きていられるかという質問なら答えはノー。前に調べてみたんだけど酸素濃度の低下と二酸化炭素濃度の上昇が原因でほんの2分くらいで呼吸が苦しくなる。4~5分で命の危険が生じる」 それじゃ無理じゃないか。 「この容器の目的は呼吸のための空気を提供することじゃないんだ。水を流し込むことでドラム缶内部の水面を下げることなんだよ」
酒井さんは多華乃さんから水中カメラを受け取ると、ドラム缶の内側に再度貼り付けた。 カメラのケーブルを蓋の手首用の穴に通しタブレットと再接続した。
「ここから先は実際にやって見せよう」
・・
多華乃さんと仁衣那さんが大きく息を吸って水の中に頭を沈めた。 上から蓋が閉められる。 蓋の穴から付き出された二人の左手に手錠を掛ける。 さらに蓋にバンドと南京錠を取り付けた。
「カメラの映像を注意して見ていてね」
タブレットの画面に多華乃さんと仁衣那さんが写った。 フィルター越しに撮ったみたいな青みがかった映像だった。 水中撮影だとすぐに思い出した。
二人は抱き合った互いの肩に頭を乗せてうずくまり、左手だけを真上に上げていた。 多華乃さんの顔が見えた。目を閉じてじっと呼吸を我慢している。 仁衣那さんの顔は陰になって見えない。
「・・案外狭いな」占野さんと八代さんが話している。 「上下 90 センチでしょ? 横はドラム缶の直径 80 センチだもの。ほとんど動けないわ」知里さんも言う。
ぽこぽこ浮かび上がる泡が見えた。 多華乃さんか仁衣那さんのどちらかが容器のペダルを踏んでいるのだろう。 泡は二人のお腹に当たり、そこから胸と肩を伝ってさらに上へ浮かんで行く。
画面の上方に水面が見えた。 さっきは水面なんてなかったのに。 その水面がゆっくり下がって多華乃さんと仁衣那さんの後頭部に掛かった。 なるほど、下の容器に水が流れ込んで水面が下がっているのか。 酒井さんの言った意味が分かった。
水面が下がって顔面が、いや鼻か口さえ水の上に出たら、後は呼吸ができる。 狭いドラム缶の中でも手首の穴の空隙から新鮮な空気が入ってくる。 それまで頑張れば窒息して死ぬことはないんだ。
ぽこぽこ浮かび続ける泡。 仁衣那さんが右手をぎゅっと握った。 二人の顔面はまだ水の中だ。 しまった、時間のチェックを忘れてた。 多華乃さんも仁衣那さんも、水中に沈んでから一度も呼吸をしていない。許されていない。
ゆっくり、ゆっくり、水面が下がる。 うつ伏せの顔面の端から空気に触れる。 多華乃さんが眉を寄せている。鼻と口はまだ水の中。 頭を捩じる。どうにか口が水面に出た。 わずかに空気を吸う。
顔が水面に出た。 二人の肩が揺れている。苦しそうだ。 多華乃さんと仁衣那さん、どれくらいの時間苦しんだろう。
「・・容器の空気が水と入れ替わって満タンになるまでの時間は容器の栓の直径で決まるんだ。直径 10 ミリだと 820 秒かかるけど、50 ミリなら 30 秒くらいで済む。通り道が広い方が速いということだね」 酒井さんが説明してくれた。 「じゃあ、できるだけ大きな栓にしてるんですね?」知里さんが聞いた。 「逆だよ。できるだけ小さな栓にしている。今使ってるのは直径 20 ミリで 205 秒」 「3分半? どうして!?」 「鼻口が水面に出るまでの時間はその半分くらいだよ」 「それでも・・」 「美女が苦しむ時間は長い方がいいと思わないかい?」 「!」 知里さんの顔色が変わった。
「絶対安全な方法なら外から空気管を引いて咥えればいい。でもそれは安易過ぎるとみなすのが僕の美学なんだ。・・イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立する」 酒井さんはドラム缶の上に出た多華乃さんと仁衣那さんの手を取った。 「幸い、ぼくの美学に賛同してくれる美女が今もこの中で頑張ってくれている。・・朝比奈さん、」 「は、はい」 「誰かが僕のことをドSと言ったみたいだけど、僕が見る限りそのドSが考えたイリュージョンに君も賛同してくれていると思うな」 「あ・・」
「公開調教♥」僕の隣でれいらちゃんが言った。 「嬉しそうだね。れいらちゃん」 「だって知里さんドMだって、みんなもう知ってるじゃない」 「そりゃそうだけど」
「・・はい、苦しい役、私も興味・・あります」 「OB会に入ったら是非、ね」 「はい」 知里さん、チョロい。
・・
ドラム缶の中では多華乃さんと仁衣那さんの肩まで水面が下がった。 「下の容器が満杯になったとき上端から水面まで約 40 センチ。ここまで下がれば隠し扉が水の上に出るよ」
酒井さんはドラム缶をノックした。 蓋の上にで出た多華乃さんと仁衣那さんの手が振られた。 その手首には手��が掛かったままだ。
「では脱出のプロセスに移ります。映像をよく見ていて下さい。・・ワン、ツウー、スリー!」 二人が手を引き下げた。 ドラム缶の蓋に大きな穴が開いて、二人は手錠で繋がったまま手を下げたのだった。
多華乃さんが仁衣那さんの左手の手錠を解錠した。 同時に仁衣那さんが右手で隠し扉を開ける。 隠し扉はドラム缶の内壁に沿ってスライドするように開いた。 仁衣那さんが隠し扉を抜け出た。外で小谷さんが仁衣那さんを受け止める! すぐに多華乃さんが自分で手錠を解錠した。 隠し扉から脱出した多華乃さんを酒井さんが受け止めた・・!! ドラム缶の前に並んだ4人に皆が拍手した。
「いくつか補足説明します」 酒井さんが手錠を見せた。 多華乃さんと仁衣那さんが掛けられた手錠だった。 「これは本物だから引っ張っても外れない。だから細工するのは当然蓋の側になる」 ドラム缶の蓋の手を通す部分はダンボール製で裏にカッターで筋が入っていた。 手錠のまま手を下げれば筋の箇所が割れて開くのだった。 手錠の鍵は最初からドラム缶の内側に貼ってあって、多華乃さんはそれをずっと右手に握っていたのである。
「はい」占野さんが手を上げた。 「隠し扉が開いたままですが」 「そうだね。コテージから丸見えになるから後で閉めておいたよ。蓋の上から手を入れて」 「手を入れたのはダンボールの穴を通してですか?」 「もちろん」 「だったらその穴は、開いたままですか?」 「誰も覗き込まなかったからね。アイドルソング大会の間に蓋を外して水��抜いたから、それで証拠は消滅さ」
17. 水中脱出のタネ明かしが済んで、これで終わりという雰囲気になったとき。 酒井さんと小谷さんが僕を見てニヤリとした。 ・・やるのかい? やります。 僕は立ち上がって言った。 「皆さん、僕にもイリュージョンをさせて下さい!」 え? 皆の目が集まったところで追加して言った。 「相手は、玻名城れいらさんにお願いします」
・・
○ ロープイリュージョン 同好会とOB、梢ちゃん。 にこにこしながら僕とれいらちゃんを見ている。 多華乃さんと仁衣那さんなんてビキニのままで笑ってる。
「あたしでいいの?」 「れいらちゃんがいいんだ」 おおー。 歓声が上がったけど僕は怯まない。 「やってくれるかな」 「はい。喜んで・・。あたしはどうしたらいいの?」 「あの木の前に立つだけでいいよ」
テラスの近くに生えるハルニレの木。 その木の幹は、れいらちゃんが背中をつけて立ち、前から僕が抱きつけば反対側に余裕で手が回る太さ。 早朝から手頃なサイズを探して決めた木だった。 れいらちゃんがその前に立ってくれた。 白いシャツとデニムのミニスカート。 恥ずかしそうな笑顔。
「ようこそ皆様! これより世紀のイリュージョン。これなる美女を縄で縛り上げてお見せします!」 酒井さんの真似をして口上を述べたけど、全然決まってないのが自分で分る。 まあいいや。大切なのは勢いだ。 よーし、行くぞ。
酒井さんから借りた7メートルの縄は、前後 3.5 メートルずつまとめて、互いに繋がった二つの縄束にしてあった。 両手に握り、真ん中の縄をれいらちゃんの胸の上に当てた。 れいらちゃんの肩の両側から木の後ろへ縄束を送る。 前から抱くみたいにして手だけ木の後ろへ出し、手さぐりで縄をクロスさせる。 れいらちゃんの顔が近い。本当に抱いているみたいだ。 クロスさせた縄はそのまま反対側かられいらちゃんの腕の外に掛けてお腹の前へ。 縄はハルニレの幹の凹凸に掛かっているから自重で落ちることはないと思うけど、それでも少しきつめを意識する。 「痛かったらゴメン」「平気だよ」
お腹に来た縄はまたクロスさせ、手首の外から再び後ろ側へ。 前と後ろでクロスを繰り返しながら、れいらちゃんの身体とハルニレの木をまとめて縛って行く。 今、僕はれいらちゃんの身体を縛ってるんだ。 胸がばくばくして息が止まりそうだ。
身体の前だけで4回クロスさせた縄が足首に達したところで、クロスさせずに縛った。 足首はわざと縛らない。上から降りて来た二本の縄を本結びで縛り合わせるだけだ。 酒井さんに特訓してもらった手順だった。 体験緊縛で教わった手順は腕や足に縄を巻くことから始まるから、同じ本結びでも手順が違う。 これで完成。 れいらちゃんはまっすぐ立って両手を脇に添えた姿勢で縛られている。
・・
木の回りを一周してチェックした。 後ろでクロスする縄のうち、実は上から2番目と3番目はクロスしていない。 針金のクリップを曲げて作ったフックを掛けて、"クロス" じゃなく "折り返し" になっている。 OK。ぶっつけ本番で我ながらよくやったよ。 「さて、これからがイリュージョンっ。一瞬で縄抜けする美女をお見せいたしまぁす!」
「え、え、」 れいらちゃんが焦っている。 「あたし縄抜けなんかできない」 本気で困っているらしい様子が可愛い。このまま困らせておきたいね。 「ワンツースリーで力を込めて腕を左右に開いてくれる」 「それだけでいいの?」 「大丈夫。僕を信じて」 「はい」
"僕を信じて" なんて言ってしまった。 恰好いいじゃないか、僕!
「では行きます! ・・ワン、ツー、スリー!!」 れいらちゃんが腕を開いた。 後ろで針金のフックが開いて、折り返しの縄が外れた。 全体の絞め付けが緩み、巻き付いていた縄がばらばらと足元に落ちた。
おーっ。やった!! パチパチパチ。 僕はれいらちゃんの傍に行くと手をとってお辞儀をした。
・・
「いきなり頼んだのに受けてくれてありがとう。どうしてもれいらちゃんとやりかったんだ」 「こちらこそ。畑本くんが指名してくれて嬉しかったわ」 「本当はもっとすごいのをやりたかったんだけどね。昨夜考えた方法だし、あれが精一杯だった」 「あれ、畑本くんのオリジナルだったの?」 「まぁね。でも似たのはたくさんあるよ、きっと」 「すごい!! ・・実はね、」 れいらちゃんは周囲を見て近くで誰も聞いてないことをチェックした。
「ちょっと期待しちゃったの。畑本くんが縄を持ってあたしの前に立ったとき」 「期待?」 「うん。もしかして本当にあたしに酷いことするんじゃないかって」 「する訳ないだろ。れいらちゃんに酷いことなんて」
「昨夜あたしが言ったこと覚えてる? あれ半分は社交辞令だけど、半分は本気だったんだよ」 「何のこと?」 「忘れちゃった? 畑本くんと一緒にするイリュージョン、"酷い目に会う役でもいいよ" って言ったこと」 思い出した! ということは、つまり。
「次はJ大で一緒にやろうね、イリュージョン!」 「え」 れいらちゃんは僕が返事をする前にコテージの方へ走り去ったのだった。
18. 帰りは皆が乗って来た車でそれぞれ帰ることになっていた。
れいらちゃんと梢ちゃんは知里さんの車。 他の現役メンバーは八代さんの車。 イリュージョンの機材は小谷さんの2トントラックに積んで大学の倉庫へ運ぶそうだ。
ドラム缶は今まではOBからの貸し出しだったけど、水中脱出を教示したので正式に寄贈して同好会の所有品になる。 ということは、次は知里さんと琳琳さんが水の中で頑張るんだろうか。 酒井さんが説明していたように実際のステージで水を使うのは難しいから、できるのはこんな郊外の合宿だけかもしれないけどね。 僕としては知里さんの次の代、つまり琳琳さんとれいらちゃんの水中脱出に期待したいところだ。
知里さんと現役メンバーに挨拶する。 「お世話になりました。来年からまたお世話になりますけど」 「畑本くんは期待の星よ。楽しみにしてるわ」 「弱小サークルだけどよろしく!」「待ってるよ!」 「一緒にイリュージョンやりましょうね!」 「いつでも顔出してくれよな。歓迎するよ」
そうだ、これだけは伝えておかないと。 「僕はイリュージョン同好会に入ったらオリジナルのイリュージョンを作りたいと思ってます」 「おお、いいじゃないか」「どんなイリュージョンを作りたいの?」 「ここへ来て酒井さんのイリュージョンに驚きました。作るならあんなイリュージョンをやりたいです。・・その、」 僕は知里さんと琳琳さんの顔をうかがう。 「知里さんと琳琳さんがOKしてくれたらですが」 知里さんが察してくれた。 「・・女の子がエロくなるイリュージョン?」 「はい」 「会長何ですかそれ」占野さんが不思議そうに聞く。
「うふふ。私は大賛成。琳琳ちゃんも大丈夫よ。でもれいらちゃんにも聞かなくちゃダメよ」 「もちろんです」 実はれいらちゃんの答はもう知っている。 ・・酷い目に会う役でもいいよ! でもここで僕がそれを言うのは反則だね。 一緒に同好会に入って、皆の前で本人が賛成してくれたら、僕は自分の望むイリュージョンを作ろうと思う。
「あ、もしかして」占野さんが声を上げた。 「ドラム缶のタネ明かしで知里会長がドM全開になったアレ」 「ああ、アレね!」琳琳さんも分かったみたいだった。 「知里さん、アシスタントが苦しいイリュージョンをやりたいって言ったんですよね!」
知里さんの顔がぶわっと赤くなった。 「ち、違うわっ。あの、あの、あのときは」 「会長っ、落ち着いて下さい!」 「あのときは、苦しい役に興味ある、って言っただけ!」 「・・同じじゃん」高浦さんがぼそっと言った。
知里さん、後輩の前でもM女を隠せない。 可愛い人だね。 J大に入ったらどうぞよろしくお願いします。
・・
「畑本くんっ」 れいらちゃんから声を掛けられた。 まさか最後に告白? 「秋の学園祭でイリュージョン同好会も模擬店やるんだって! 行くでしょ?」 おお、学園祭デートのお誘い! もちろん行きます。絶対に行きます。 カレンダーにマルしておかなくちゃ。
「ウチもおりますよー!!」 梢ちゃんが割り込んだ。 「ウチも忘れんと連れて行って下さいねっ。それともウチがおったらジャマですか?」 そうか、梢ちゃんがくっついて来るのかー。 「邪魔なはずないでしょう? 梢ちゃんも一緒よ」 「そやかて畑本サン一瞬イヤって思たでしょ? ウチの勘は外れないんですよー」 梢ちゃんの勘、侮りがたし。
僕はれいらちゃん、梢ちゃんとJ大学園祭での再会を約束して別れた。
・・
同好会の人たちとれいらちゃん梢ちゃんの乗った車、そして小谷さんのトラックが出て行った。 後に残るのは僕と仁衣那さん、そして酒井さん夫妻の4人。 僕たちは酒井さんの車で帰ることになっている。 酒井さんの軽バンは二重床。荷室は荷物で一杯。 後席はない・・。
ここは譲るべきだよね。 「多華乃さんが助手席に座って下さい。僕は後ろに行きますから」 「偉いぞ少年。でも今はそんなマナー、どこかへやっちゃえ」
仁衣那さんが寄ってきて右側に密着した。重ねた掌を右の肩に乗せ、耳元で囁かれた。 「狭い場所に押し込まれるも美女の務めだよ♥」 多華乃さんも寄ってきて囁かれた。 「男性は前のシートでゆったりお寛ぎ下さい・ま・せ♥」 囁くなり多華乃さんは僕の耳を舐めた。耳穴に舌を入れられた。 うわぁっ。
「二人とも、遅くなるからそろそろ用意して」 酒井さんが止めてくれた。た、助かった・・。 「畑本くんは助手席に座ってくれるかい」 「は、はい」
「うふふふ」 多華乃さんと仁衣那さんは楽しそうに自分でガムテープを口に貼った。 互いに後ろ手錠を掛け合う。 それからバンの後ろから二重床の下に這って入っていった。 酒井さんがバタンとリアゲートを閉めた。
「東京まで乗って行くだろう?」 「はい。お願いします」 当たり前のように聞かれて答えた。
車が走り出した。 「驚かせて悪かったね。妻はああいう悪ふざけが好きなんだ。今日は出水さんも一緒だから余計に悪乗りして」 「大丈夫です。僕にはむしろ奥さんが何やらかしても動じない酒井さんの方が驚きです」 「そうかな」
・・
溜息をつきながら流れる景色を眺める。 僕を取り巻く世界、昨日と今日で激変したな。 イリュージョン、緊縛、そしてれいらちゃん。 今だって手錠掛けた女の人を荷物みたいに積んだ車で走ってるだぜ。
いろいろ変わり過ぎてしばらく混乱しそうだけど、迷いはない。 僕には目標ができた。 イリュージョン同好会に入って新しいイリュージョンを作ること。 れいらちゃんに正式な彼女になってもらうこと。 もちろんその前に絶対に達成すべき目標。それはJ大合格だ。 死ぬ気で勉強する。れい��ちゃんと一緒にJ大に行く。
「畑本くん、大学に入ったらうちに遊びにおいで」 酒井さんが言った。 「イリュージョンの話をしよう。それから縛り方も教えてあげるよ」 「いいんですか?」 「ああ。昔はJ大にも緊縛研究会があって僕もタカノも世話になったんだけどね、最近は活動停止しているらしい。うちに来たらタカノを受け手にして練習できるよ」 「ありがとうございます!」 「畑本くんはれいらちゃんを縛りたいんだろう?」 「!!」 「そのつもりじゃないのかい?」 「はい! もちろんそのつもりです!!」
そうだ。もう一つ目標があったんだ。 それはれいらちゃんを一人前に縛れるようになること。
「僕はあの子が小学生の頃から知ってるんだよ。大きくなってまさか緊縛に興味を持つとは思わなかったけどね」 「れい、いえ玻名城さんの緊縛の師匠は酒井さんですか?」 「そうだよ。れいらちゃんもタカノを縛って練習したんだ。縛られる方は僕が経験させてあげた。あの子は縛る方も縛られる方も適性があるよ」 そうか、やっぱり。 「畑本くんが縛れるようになったら、れいらちゃんにきちんと申し込んだらいい。緊縛でもパートナーになって下さいって」 「普通のパートナーになってもらう方が先だと思いますけど」 「ええっ、まだだったの!?」 珍しく大きな声で驚く酒井さん。
「ヌフ!」「ンフフ!!」 後ろで変な声がした。 振り返ると、二重床の切り欠きの下に仁衣那さんの顔があった。 ガムテープの猿轡の下で器用に笑っている。 あ、多華乃さんも笑ってる。 後ろ手錠の身体をひくひく揺すりながら笑っている。 よく盗み聞きできるもんだね、そんな狭いところに転がってて。
・・
「ちょっと五月蠅いね」 酒井さんが運転席の横のレバーを引いた。 かしゃ。 二重床切り欠きのシャッターが閉じて、仁衣那さんと多華乃さんの姿が見えなくなった。 笑い声も途絶えた。 まるで鮮やかなイリュージョンの幕切れのように美女が消え去った。
「何すかこれ!!」 「こんなこともあろうかと作っておいたんだ」 「真田班長ですか」 「誰だい、それ」
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~登場人物紹介~ 畑本 将司 (はたもとまさし): 18歳(高3) イリュージョンに興味がある高校生。 朝比奈 知里 (あさひなちり): 20歳(大3) J大イリュージョン同好会会長。アイドルコスで歌うのも好き。 占野 陽介 (しめのようすけ): 20歳(大2) 同好会副会長。 八代 亘 (やしろわたる): 19歳(大2) 同好会メンバー。 高浦 仁志 (たかうらひとし): 18歳(大1) 同好会メンバー。 岩淵 琳琳 (いわぶちりんりん): 19歳(大1) 同好会メンバー。 酒井 功 (さかいいさお): 26歳 同好会OBで初代会長。特技はイリュージョン製作と緊縛。 酒井 多華乃 (さかいたかの): 26歳 同好会OB。功の妻。身体が柔らかい。 出水 仁衣那 (でみずにいな): 25歳 同好会OB。将司の再従姉妹(はとこ)。巨乳。 小谷 真幸 (こたにまさき): 26歳 同好会OB。功と共に緊縛ができる。 玻名城 れいら (はなしろれいら): 18歳(高3) 酒井夫妻の友人。功から緊縛を習っている。 桧垣 梢 (ひがきこずえ): 15歳(中3) 酒井夫妻の友人。大阪出身。
酒井功・多華乃さんが関係するお話もずいぶん増えましたので、関連する過去作を一覧にします。 本話だけ読んでも楽しめるように書いていますが、これらもご覧いただけば一層楽めると思います。  『体験イリュージョン』 (功くん、多華乃さん、仁衣那さん登場)  『多華乃の彼氏』 (功くんと多華乃さんの出会い、小学生のれいらちゃん登場)  『多華乃の彼氏2』 (イリュージョン同好会設立)  『美術モデル』 (れいらちゃん高校生)  『梢ちゃん、初めてのイリュージョン』 (梢ちゃん登場) 上の流れとは独立していますが、こんなお話もありますのでよろしければどうぞ。  『アネモネ女学院高校文化祭マジック研究会公演記』 (仁衣那さん高校時代)  『キョートサプライズ・水色の思い出』 (梢ちゃんお母さんの中学生時代)
今回は本文だけで4万5千文字の巨大サイズになりました。 イリュージョンの数も多く、そちら方面に興味のない方には読み難いと思います。 一部のイリュージョンには見出しをつけましたので、適当に読み飛ばしてもらってもストーリーは追える、かな?
新キャラは主人公の畑本くんと、J大イリュージョン同好系現役の面々です。 畑本くんはイリュージョン好きでネットで情報収集するタイプ。 SNSや動画サイトはもちろん、無料で見られるなら英文のイリュージョンブック(イリュージョンを演じるための説明本)まで探して読む、まあ私や皆様^^と仲間です(笑。 そんな彼も功くんが作る 変態的 マニアックなイリュージョンを初めて知って 道を誤る 新たな道を選ぶことになりました。 畑本くんの設定を考えていたら、偶然れいらちゃんも同学年。となれば若いモン同士でいい雰囲気になってしまうのはもうお約束ですよね!
同好会メンバーでは知里会長が可愛らしいM女になってくれました。下級生にもバレバレなのに本人は隠そうとしているところが私の好みです。 琳琳ちゃんもM性たっぷりですがまだ1年生。彼女には男性メンバーの誰かをボーイフレンドにしたいと思っていましたが描けませんでした。
それでは登場したイリュージョンを順に振り返ります。 作者オリジナルのイリュージョンがいくつかありますが、どれも実現性を考えたガチです。今回ファンタジーのイリュージョンはありません。 ネタバレ/タネ明かしがあるので、本文未読の方は先にそちらをお読みになることを強くお勧めします。
1) ブルームサスペンション人形 仁衣那さんの部屋にある人形を畑本くんが見つけたことからお話が始まります。 私も欲しくなって簡単なペーパークラフトを作ってみました。やじろべえ構造にしたので本当に揺れます。 (実物のブルームサスはこんな揺れ方はしません) 使ったのは手持ちの古ハガキ、プラ板、ナット。台座は 100 均で見つけた「ミニ王冠と杖」です。 製作期間1日以内のお手軽作品です。 参考までに 裏面はこんな感じ です。
2) イリュージョン同好会公演オープニング 一人掛けの椅子と巨大造花からそれぞれ美女が出現します。どちらも現実にあるイリュージョンです。 特に美女が出現する椅子(チェア・アピアランス)は最近よく見かけるイリュージョンで Amazon でも買えてしまったりします(笑。
3) マジカルマミーの人体交換 巨大な布を人間にぐるぐる巻いて、再び解くと別の人間が出てきます。 たぶん昔からあるイリュージョンです。 私は同じ布の左右で2回巻くアレンジをしてみましたが、すでにどこかで演じられているかもしれません。
4) 逆さヒンズーバスケット 美女が入ったまま上下を逆にできるオリジナルのヒンズーバスケットです。 『多華乃の彼氏2』でイリュージョン同好会初代会長の功くんが出来合のヒンズーバスケットを魔改造しました。 あまりに丈夫で壊れないので、7年経った今も使われ続けている設定です。 本話では発泡スチロールのボールを流し込むバリエーションをやりました。
5) 手首ギロチンと切断手首 首が落ちるギロチンイリュージョンはよく見かけるので手首でやってみました。 落ちた手首をガラス箱の中に収めること、その手首が動くこと、それをカメラで接写して観客のスマホに中継するのはオリジナルです。 実は倉橋由美子さんの『怪奇掌篇』に含まれる『カニバリスト夫妻』のエンディングにインスパイアされたのがこの手首です。 『カニバリスト夫妻』で女性の手首はアクリルキューブに入っていましたが、ここではガラス箱に変更。 切断面を覆う白いレースが洒落ていたので真似させていただきました。
6) ドラム缶脱出 千円で買った中古の 400 リットルドラム缶を改造して作ったオリジナルイリュージョンです。後述の水中脱出にも使用する前提で改造されています。 隠し扉の追加などでドラム缶本体よりはるかにお金がかかっていると思います。
7) 軽自動車ダンボールの人体交換 イリュージョンというよりイタズラです。 助手席に座る人物一人を騙すためにばかばかしい手間をかけています。こういう遊び��大好きなんですよね。 (言わずもがなですが、本当にやったら乗車積載方法違反になりますよー^^) 想定車種はズズ○のエ○リイ。床面フラットの軽バンというだけで、車に詳しい方ならお判りかも。 図面をダウンロードして調べましたが、エ○リイの収容力はすごいですね。床面から 500mm の二重床の下に(女性を詰めた)490×730×630mm のダンボール箱を3個収納できます。 功くんがわざわざ選んで買って多華乃さんに呆れられるのも分かりますね(笑。
8) ドラム缶水中脱出 功くんこだわりのイリュージョンです。 「女の子に楽させない。わざと苦しい思いをさせる。それを観客の見えないところでする」(知里さん談)を実現するため無茶をやってます。 ドラム缶内の水面が下がることでアシスタントが呼吸可能になる構造です。呼吸菅はあえて設けません。 水面が下がる速度はできるだけ遅く、時間をかけて・・(笑。 詳細の構造/効果については作中で功くんが長々と語っていますので、そちらを参照して下さい。
今回このイリュージョンの検討ではいろいろ楽しい計算をしました。水圧、水栓の直径毎の通水時間と水深変化、限られた空気での限度時間、etc. こういうとき ChatGPT は便利ですね。 「XX 立方メートルの密室(換気なし)に成人女性N名を閉じ込めた場合、酸素濃度と二酸化炭素濃度の変化を計算し、時間毎の健康影響を示せ」なんて指示にも「お前何するつもりやねん」と疑わず親切に答えてくれますから^^。
9) チェア・アピアランスのバックステージ 美女が出現する椅子(チェア・アピアランス)について、単純な出現/消失に留まらない使い方ができるはずという話題を X(Twitter)でしたことがありまして、本話でそれをやってみました。 バックステージとは、観客に向けて演じるイリュージョンを後ろ(観客の反対側)から眺めさせる、という手法のイリュージョンです。途中まで仕掛けを見せて「なるほど」と思わせておき、最後は「あれ?」と驚かすのがお約束。 自分では面白いプランができたと思っていましたが、「椅子の中に女性が隠れている」ことを暗黙のうちに分かっているから成立するバックステージだと執筆中に気付きました。 功くんに「面白いけど未来に行き過ぎている」と講評させたのはこの理由です。 椅子を使わなくても、キャスター付の箱やスーツケースで(一定の大きさがあれば)近いことができるでしょうね。 あと、功くんが違うイリュージョンのことをいろいろ言ってますが、ネタで言ってるだけですから突っ込まないで下さいね。
10) ロープイリュージョン 主人公の畑本くんが一人でできるネタとして選びました。 ストーリー上は重要なイベントですが、イリュージョン自体は特に珍しくありません。 仕掛けにクリップを使ったのはオリジナルです。 ちなみにロープを使うイリュージョンとしては「ジプシーロープ」が有名ですが、まったく別のものです。
イラストは今回すべて(ペーパークラフト原図も)AI出力です。 自分の過去絵を i2i して時短しました。
さて、J大イリュージョン同好会やOBの功くん多華乃さん、れいらちゃんや梢ちゃん、(本話では未登場ですが)三田先生の造形美術教室 が登場する一連のシリーズをこの先どうしようか思案中です。 新しいお話のたびにキャラを追加して過去の登場人物と絡ませるのは楽しいです。キャラの成長や人生の変化(結婚・出産など)を描けるのもよいですね。 しかしお話の数がずいぶん増えてしまいました。毎回イリュージョンと緊縛の似たような内容になるのも避けられません。 ゆっくり考えて結論は X(Twitter)で報告することにします。
それではまた。 長文お読みいただきありがとうございました。
[Pixiv ページご案内] こちら(Pixiv ���小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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endekashi · 3 months
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特殊支援部隊『山ん』。
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皆さん、おはるかです。暑サニ負ケズまめったくやっておりますでしょうか?
先日、能登で復興支援活動をしている人達のお手伝いに行ってきたので、その時見てきたものをシェアしようと思い、久々にPCを立ち上げてブログを書こうと思ったら久々すぎてログインするのに苦労したっていう事は内緒にしておいて、いってみましょー!
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の前にちと近況報告。春になり、とっくに屋根屋に復帰してると見せかけて、自宅の屋根の葺き替えをしてました。九年目にして遂にファイナルシーズンです。皆様のご協力のおかげもあり遂にここまできました。おしょっ様です。後ちょっと。ばんがるぞ!
しかし、そろそろ、会社も忙しそうだし、蓄えも寂しくなってきたのでこの先は仕事をしつつ直していこうかと思ったところ、その前にどうしてもやっておきたい事がありました。
それが今年の元日に起きた能登の震災のボランティアです。石川にはヨコノリ友達も、ウチに来てくれるお客さんもいるので、少しだけでもなんか手伝いたいなと前々から思っていましたが、なかなかタイミングがなく行けずにいたので、仕事に復帰する前の今しかねえ!っつー事でつっこむ事にしました。
つってもどこへ行けばいいかな〜なんて考えていたところ、ちょっと前にボランティアに行ったPOWのショータローに、どっか紹介してっていうとすぐに二つの団体を紹介してくれました。一つはしっかりとした災害救助NGO団体。そして、もう一つが金沢のヨコノリスト達がやっている特殊支援部隊『山ん』なるグループ。もう名前で山んに決めました。
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目指すは能登の先っちょ、珠洲市。ナビで調べるとなんと五時間!ウヒョー!早朝、白馬をデッパツして車をぶっ放します。
氷見辺りからブルーシートの屋根が目立ってきて、さらに進んで七尾の辺りに来るとひしゃげた家が目に入るようになってきました。
しかし、この先がもっと酷いということで既に今回の震災の被害の甚大さが窺い知れました。
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能登の道は市街地以外は比較的スピードの出し易い広い道が多いのですが油断大敵。地震で出来た亀裂を修復したところに段差ができてるのでいいスピードで突っ込むと大変なことになります。
道中パトカーを多く見かけ、車の列の先頭をゆっくり走っていましたが恐らくこういう道での事故を抑える為でしょうか。
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珠洲に入るといよいよ被害は深刻でそこら中の家が潰れていました。
半年経った今でも全然片付いている雰囲気ではありません。
教えてもらった住所はこのすぐ先なのですが、建物などは大丈夫なのでしょうか?
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程なくして特殊支援部隊山んが運営する被災者無料商店、みんなの家に到着しました。山んの代表、マコ君が出迎えてくれました。
マコ君達、山んは地震直後から全国の友人らに支援物資の提供を呼びかけ、支援の手が及びづらい孤立集落や自主避難所に向けて届けてきたそうです。
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 1月中旬に無料商店の1号店を中能登町に開設。2月下旬に珠洲市に民家を借りて2号店を開き、水や食料、洋服、生活用品、学用品などが並び、被災者が必要な物資を自由に選んで持ち帰る形です。メンバーが寝泊まりして交代で店番を務めているそうなので、こうして俺みたいのがヒョコッと顔出して店番するだけでも(店番と言っても無料商店なので基本やることはない)彼らが作業できて助かるそうです(彼らはやることが山積み)。
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行政がやると色々な手続きやら管理やらで膨大な人数で無駄に時間がかかるところを彼らは少人数でシンプルにスムースに行っているそうです。
あ、そういえばさっきまで潰れた家ばかりだったのに、このみんなの家がある小泊地区に入った途端、嘘のように無傷(実際は少しダメージは受けていますが)な家が立ち並んでいました。なんでもこの地区だけは地盤が固いらしく被害が少なく奇跡の2kmと呼ばれているとか。
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小泊では既に電気は復旧しているそうですが彼らはあえてまだオフグリッドで生活しているそうです。もし再び電気が止まるようなことになってもへっちゃらです。そんな事は起こらないことを切に願いますが。
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更に裏庭にある奇怪な建物に案内してくれました。なんすかこれ?
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中に入るとこんな感じ。どこぞの大学の先生が考案した建物らしいですが、外側のテントを膨らませて内側をウレタン(なのかな?)で吹き付けたらはい出来上がり。5.,6人は楽に寝るスペースで一度立てれば三年ほど持つそうです。ポイポイカプセルやん!
複数人で手伝いに来てくれた人に泊まってもらってるそうで。
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なんてやっていると、タートルアイランドのTシャツを着た富山からきたおねーちゃんが、普通車にパンパンの水を積み、送り届けに来てくれました。日々、こうして救援物資が送られてくるそうです。
ヨコノリだけでなく音楽の繋がりからの支援もあるみたいですね。ヤーマン。
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店番や不要材などの片付けをして、この日の任務は終了。
更に北の方の様子を見に行きましょう、ということでマコ君の相方のユージ君が案内してくれました。
今回の震災では地震だけでなく津波の被害も局所的に甚大だったようです。局所的というのは能登半島の北側ではそれほどでもなく被害は珠洲市や能登町の東側に集中したそうです。というのも、北側の方では地盤が隆起して(最大で4m!)防波堤の役割をしたそうです。
対して東側の地域では隆起はほとんどなく、且つ、富山湾沖合の水深が深くなっていて、水深が深くなると早くなる津波の性質もあり地震直後わずか1分で津波が到達し、その後何度も押し寄せてきたそうです。津波の被害のあったところは地震の壊れ方とはまた違い、ものが散乱していて津波の威力の凄まじさがわかります。
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こちらは北側の海岸のかつてビーチだった場所。後に見える白い岩盤は元々水の中だったそう。
ユージくんも地震後初めて訪れたそうで、変わり果てた姿に唖然としていました。
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ユージ君の完璧なタイムスケジュールで最後は能登の最北端、禄剛埼灯台の夕日に連れてってくれました。この灯台は朝日も夕日も拝める素敵な場所です。
この日は散々自然の脅威を感じていましたが、最後に美しい一面を見せてくれました。
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翌朝、早起きして佐渡島から昇る朝日を拝む。
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今度は南に降り、珠洲の蛸島の方の様子を見に行ってきました。こちらも家が密集したところで悲惨な状況でした。半年経ってもまだこのような状況です。
現在、公費解体を行っているのは道路からはみ出した家が優先だそうです。それ以外の家は11月から始まるそうです。11月…。一年近く経とうとしても家の解体すらも終わらないのが現状です。
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さて、山んに戻り朝の涼しいウチに草刈り作業の手伝いをしました。彼らは農地を使わせてもらえるようになったので、畑をできる状態にして小泊に新たな需要を産み出したいそうです。誰かやりたい農家さんいませんか?何年も放っておいた荒地の草はしぶてえぜ。
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自分達で食べる野菜も作っています。
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というわけで、朝採れのビーツを使った味噌汁をいただきました。うんめえ〜!!
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ご飯を食べてる間もちょこちょこと被災者の方達が物資を取りに来ていました。毎日、だいたい30~40人程の方達が来るようです。マコ君達は来る方に気さくに流暢な金沢弁(能登弁?)で話しかけていて、みんなに愛され頼りにされている感じでした。
若い人たちはインスタを見て開店時間の10時頃から来るそうですが、口コミでくるじーさん、ばーさん達は朝8時頃からバンバン来るそうです。
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今日の作業は店も見つつ、他の家の片付け。実はマコ君、みんなの家の近くの二軒の家も使えるようになったそうで、そこの家を活用して飲食店か何か、さっきの農業に話もそうですが、この地区で雇用をうむ仕組みを作りたいと考えているそうです。
そのためにやる事はいっぱい!!
でもなんかワクワクしますね!
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この日はみんなの家の隣の神社でお祭り(お祭りと言っても祝詞をあげる神事的なものだったそう)があるという事でマコ君とユージ君が行ってる間、俺は店番。
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能登の祭りといえばこのキリコ祭りというど長え灯籠で練り歩くっていうド派手な秋祭りがあるそうです。
今年の開催状況はこちらに詳しいです。
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帰ってきて腹がペコリンちょだったので、禄剛埼灯台の麓の狼煙地区の『いかなてて』という最果てのカレー屋さんに連れてってくれました!
無茶苦茶美味いカレーでした!
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更にこの店、レコード屋も併設してるというたまらん造り。俺は井上陽水の二色の独楽というドープなアルバムをゲット!
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そんなこんなで一泊二日の山ん潜入記はこれにて終了。
能登の先端、被災地最前線で必死になって生きている被災者の方々を必死になって(まあ、ヤーマンなんでゆるいところもありますが)支援している山ん。正直その姿勢は、無茶苦茶かっこ良くて心打たれました。今でこそ、ちょっと落ち着いてきたと思いますが、発生直後のこれから冬が始まるというタイミング(スノーボーダー的には一番ワクワクしている時期でもあるにも関わらず!)ですぐに被災地に潜入し活動した時の苦労や恐怖は想像に難くありません。ナフリスペクト!
ちょうど半年ということで、少しメディアにも取り上げられてましたがまだまだまだまだ復興には程遠いといった印象です。引き続き、皆さんの支援は必要だと思います。ボランティアに参加するもよし、山んに物資を送ったり(水に加えて、カップラーメンも喜ばれますよ!)手伝いに行くもよし、いかなててへ行ってカレー食って観光するもよし、支援の仕方もそれぞれでいいと思います。ただこの先も能登から目を離さずに生活していきたいなと思うのでありました。
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P.S. 今度の土���6日は前述の禄剛埼灯台台地にて復興祈願LIVEがあるそうですよ。山んのmalichanのバックバンドで参加するそうです。いかがでしょ?
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P.S.2 マコ君にPRAY FOR NOTOのTシャツと、無茶苦茶ハイセンスなキャップをもらいました。
ヤーマン。おしょっさまでした!
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ichinichi-okure · 8 months
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6時過ぎ、目を覚ました後小さい地震があった。 ボーボ猫がなうなう言ってくる。 5時には起きる夫が先にご飯をあげてるにも関わらず、ボーボは鰹節をかけて欲しい。
今日も外は雪景色。雪つも 月曜日の雪はだいぶ解けたけど、朝には解けた水が凍ってつるつるになる。
お湯を沸かす。顔を洗って着替える。
なうなうボーボは外に出たい。こんな雪なのに外出たら猫雪だるまになるよ、それでも行きたいのね。 外に出るとボーボはぴょんぴょん子猫みたいにはしゃいで楽しそうだ。
2階からだっこして降ろして欲しい双子を1人ずつ降ろす。 てい先生が子どもの要求にはなるべく応えた方がいいですよって言ってた。もし「ひとりで降りられるでしょ」って突き放すと子どもはどうやったら親が自分の要求に答えてくれるか考えて、更に駄々こねたり赤ちゃん返りしやすいんだと。 そうやな、今しかだっこさせてもらえないもの。
双子のお着替え 好みも分かれてきたので、保育園へもお揃いの服は着てくれなくなった。 娘①のおっちは薄着派でスカートやドレスが好き。 娘②のまっちょはハート柄やピンクがお気に入り。 あの手この手おばけや鬼を使ってお着替え完了。
朝ごはんはパン。今日は父ちゃんお休みの日だからパン。 卵アレルギーを克服チャレンジしている双子にもスクランブルエッグ。ウインナー入ったやつ。 わたしはサマハン入りのコーヒー。 カレーとコーヒー同時に飲んでる感じで、体ぽかぽかになって好きなのですが、勧めた人誰も共感してくれない。
そこでボーボが外から帰ってくる。
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冷えた猫を抱っこしてなでなで。
ふたごちゃんは食べたら保育園出発までタブレットで動画見ていいよ〜
保育園へGO 車で子たちの好きな歌をかけてわたしが大声で歌いながら、つるつる凍った道を行く。 子の好きな歌を腹から声出してノリノリで歌うの好き。元気になれるね。 ふたごの皆さん〜降りてください〜こちらが保育園です。どうぞ! バスガイドさんの気持ち。
保育園へ預け、家に帰る。 お仕事。 PEKI!RARIGONのお仕事は時間がある時は朝と昼と子どもたちが寝た夜やっている。 夜できないことを朝やって、朝できないことを夜やる。
今日は京都の雑貨店、HIRAETHさんへ作品を発送する。
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家を出たら久しぶりの双子ママ友と遭遇。 身近に双子ちゃん結構いるので、みんな子育てそれぞれ大変やけど共感できることも多くて心強い。
昨夜梱包を済ませておいた箱を抱えて郵便局。
別のお店へサンプルを送るので、お土産を選びに古川へ。前に頂いたお菓子のお返し。 でも行こうと思ってたお店は定休日だった。がーん。
車を走らせながら景色を眺める。 
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春になったら宇津江の公園行きたいし、お野菜も買いたいし植えたいし、野草も採りたいし、楽しみがたくさん。 飛騨の冬は長いけど、静かに自分と向き合いながら春を待つ季節が好き。
戸棚に閉まっていた球根の水栽培も芽を出し蕾も出てきた。
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帰宅後、作業。 七宝の土台の銅板を切る、トントンカンカンして、焼きなまし、酸洗い。 二条城に納品予定の作品のろう付け。
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夏のグループ展向けの作品の構想を練る。 デザイン画ってうまく描けないけどラフスケッチを描く。頭の中でぐるぐる。色やデザインが浮かぶ。 もう手を動かした方が早いと思い、真鍮板を切り出す。
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Dr.コトーの映画を流しながら作業してたら、コトーが倒れて重症患者のオペになって、柴咲コウが産気づいてて、よく分からなくなって途中で観るのをやめた。
さて、お昼。休日の夫は蔵にこもってドラマ観てた。 敷地にある蔵は父ちゃんの情熱を注ぎ込んだ男のロマンが詰まった秘密基地。 そこにはカホンを叩く彼の防音設備にごたわった音楽スタジオと2階にご自慢のホームシアターがある。 たまに一緒に映画を観る。 飛騨には映画館がないから嬉しい。
家に戻ってきた夫は出かけついでに外食するらしい。 わたしは残りもののカレーに納豆かけて食べるというか、飲む。お義母さんの漬けたカブのお漬物が好き。 わたしの食事は10分で済み、夫とたわいもない話しする。夫は出かける。
朝の作業の続きがしたくて、また作業部屋にこもる。 ろう付けと下引き。
集中して疲れたので少し寝た。 掃除機かけたいけど、疲れたし昨日かけたからもういいや。
15時半にはふたごを迎えに行く。 園で雪遊びした興奮が残っているのか、ハイテンション元気いっぱいのふたり。
家に着いて、お庭を雪散歩。
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わたしは晩ごはんの準備。 ふたごはおままごとやお医者さんごっこで遊んでいる。 まっちょがお医者さん「次の方どうぞ〜!」 わたしが診てもらう。熱を測ってすぐ注射される。「痛いよ〜」って泣きまねすると、「大丈夫ですよ♡」と注射の跡に飛行機のシールを貼ってくれた。
珍しく今日は動画を見せてと言わないので、童謡を流しておく。
気がつくと、ボーボにおもちゃの聴診器が付いていた。
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それを持ってお散歩ごっこをする。
外はまた雪が降ってきた。
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お風呂は夫の係。お風呂でふたごはスーパーボールで遊ぶ。
夕食はぶり大根と白菜とちくわ煮たやつと人参サラダ、味噌汁など。 おっちはご飯3杯おかわりした。 あの手この手おばけや鬼を使い、食事をなんとか終わらせて、お着替え。 絵本の時間。休みの日に行く図書館で借りた本たち。今回は節分もあったから鬼の話が多め。 3歳ふたごちゃんは最近は結構長いお話も聴いてくれるようになった。 歯磨きして、19時45分。2階の寝室へ。
子どもたちが寝る前にぷよぷよゼリーのお話をする。 ぷよぷよゼリーのお話とはわたしが即興でつくるふたごの登場するお話。 チリとチリリみたいなおとぎ話をイメージする。 ふたごがいろんな場所へ行くと現れるぷよぷよゼリーの存在。今日は何味?どんな色? 実はぷよぷよゼリーはかいじゅうでした〜 という感じでわたしも話しながら頭をほぐして瞑想する。
ふたごと寝る前のバイバイ。だいすきよ。 夫と話したりボーボ猫と遊ぶ。 20時過ぎ。 よし、これからの時間はPEKI!RARIGON夜の部。
-プロフィール- manna 35歳 飛騨高山 PEKI!RARIGON・主婦
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disolucion · 2 years
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47 パウラ・サルミエント2
パウラが落ち着いたのを確認して 腰の腕を離して、ベッドの上に座って話を続ける。
「でも、おれの中に入ろうとしたときがあったよね?」 「ナニを、カンガえているか、タシかめるとき、ツカいました」
覗くことはできるけど、操作するのは難しいということか。 エルリカ並みに魔法というか科学を操るのは、相当な訓練が必要なんだな。
「融合してるということは『結びつく』やつを『解く』必要はないわけ?」 「いいえ。ワタシ… ウチュウジンの、ワタシが、シねない、です」 「そうなんだ。でも、宇宙人て言い方…」 「サイボウ、トめてる。でも、もっと、おばさん、なるはず」
きっとパウラはマリアと共に歳を重ねたいのだろう。 このままでは母娘から姉妹になって、そのうち追い越されてしまう。
「ひとまず、実験して確認してみようか。全力で入ってきてみて」 「Si」
懐かしいなこの「Si」と思ったとき、 ガガガガと脳内を稲妻が走る感覚がした。 彼女はぎゅっと目を瞑っておれの中に思念をありったけ放り込んでくる。 制御というか溶解しきれない思念が脳内に直接届く。
『ありがとう』
ひとしきり稲妻攻撃を受けきったところで、休ませてくれとお願いした。 椅子に座ってボトルの水を飲む。いくつか歳を取ってシワシワになった気分。 パウラは上機嫌でベッドのシーツを捲っている。
「ハワイでエルリカって奴に会って、あと、フジワラ教授にも聞いたんだけ…」
休憩終わりと言わんばかりに腕を掴まれベッドに引きずり込まれる。 待ってパウラ!心の準備がまだ… シャワーもまだ… 部屋も明るいし… 父さん、今度こそ僕は汚れてしまいます…
会い向かいにベッドに寝かされると、おでこをくっつけてきた。 あれ?そっち?と思った瞬間、さっきより強烈な稲妻が脳内を駆け巡る。 ドガガガガガガ!と強烈な一撃と共に二つの声が聞こえる。
『『ありがとう。あなたに会えてよかった』』
―――――
ラテン美女は激しかった。 土曜の午後に始まったソレは、翌日の昼まで続いた。 ルームサービスの食事、シャワー、トイレの僅かな時間以外は、 情熱的というか灼熱というか、とにかく彼女との焦げるような一夜となった。
何度かするうちに強くやると思念が届くことを知ったようで あいつ、夜中にウトウトしかけてたら
『抱きたい? ねえ抱きたいの? ダーメ!』
って思念飛ばしてきやがった。中年の純情を返せ。
二十七年分のどれほどを削れたのかわからないけれど、 解放されたってことは目処が立つぐらいまでは短縮できたのだろう。 椅子に座って何本目かのボトルの水を飲みながら、 うたた寝をしている彼女を見て思った。
夕方、ホテルを一緒に出て、タクシーでマリアを迎えに行く。 上野の居酒屋以来、三人で食事をした。 マリアの日本語がさらに上手になっていた。 そういえばこの子もルーツが日本にあるんだった。
二人をタクシーでアパートまで送った。
「また、アえるかな。でも、そのトキ、ワタシ、おばさん」 「そんなの、おれ、もっとおじさんだよ」 「じゃあ、ワカいうちに」
そう言ってパウラは抱きつき、 と同時にズガガガガと不意打ちで脳内に強烈なのを放り込んで来た。 これだけまだ結合思念が残っていたのか。
タイムラグがあって即座に解ききれなかった思念が届く。
マリアの頭をよしよしと撫でて、 パウラをよろしく、と言って二人と別れホテルへ戻った。
翌朝の飛行機で、マドリード、ロンドン経由で日本へ帰国した。
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ronpe0524 · 1 year
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あまり映画を観に行けなかった7月(2023年7月の日記)
■2023/7/1 下半期スタートとなる土曜日。早起きできたのでDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E4を見る。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S1E1を再度見る。シーズン2に向けて見直し。でちょっと二度寝。Twitterで2023年上半期映画ベスト10を発表。またも面白くないランキングですいません。今日は集中して家で映画を見ますよ。Amazon Prime Video『本能寺ホテル』を見る。午後は図書館に行ったり、ATMでお金をおろしたり。U-NEXT『スローなブギにしてくれ』を見る。DAZNにてFC東京×柏戦を見る。まだ監督交代ブースト継続中。U-NEXT『ドレミファ娘の血は騒ぐ』を見る。clubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S1E6同時視聴に参加。食べ物がたくさん出てくる回だったので感想パートでも食べ物の話ばかりしていたかも。さらにclubhouse延長戦的に観てる人で『運命のダイヤル』の話などを夜中まで。
■2023/7/2 日曜日。Twitter、この状況で微妙にフォローしてくれる人が増えてるのはどういうことなんだろうか。Disney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E5を見る。Netflix『呪われの橋』を見る。WOWOWオンデマンド『犯罪都市 THE ROUNDUP』を見る。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S1E7を見る。コナー「父さんからセラピーのメールがきたけど?スパムかと思った」。シヴ「パパって礼拝堂に入れる?自然発火したりしない?」。ここらへんの台詞のセンス。夕飯はモスバーガー。なんか食べたくなったんですよね。夜はclubhouseにてDisney+ 『インデペンデンス・デイ』同時視聴に参加。久々に見たけど好きなのでけっこう場面を覚えている。が、まさに7月2日からはじまる話ってことをは忘れていてびっくり。そしておなじみのとこで泣いちゃう。さらにDiseney+『一流シェフのファミリーレストラン』S1E2を見てから寝る。そういえば某所で購入した一流シェフのポロシャツが届いたので今日はこれを着てすごしておりました。
■2023/7/3 月曜日。長らく改装中であった拝島駅構内のミスドがリニューアルオープン。ドーナツを買ったらクリアファイルをもらえましたよ。口頭で注文するシステムからセルフでドーナツを取るシステムに変更されていた。個人的にはこっちの方が買いやすい。通勤途中でDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E6を見る。お昼は中尾ちひろさんのカラオケツイキャスを見る。午後は資料を作り続けていたがまったく終わらん。でも仕事を切り上げて吉祥寺へ。UPLINK吉祥寺にて『小説家の映画』と『渇水』を鑑賞。帰宅してからU-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S1E8を見る。バカっぽい話かと思っていたらおそらくけっこうキーになるエピソードだった。Disney+『バーバリアン』を見る。他にもいろいろやりたいことがあったが26時になってしまったので寝る。圧倒的に時間が足りない。
■2023/7/4 インデペンデス・デイな火曜日。つまりUSは祝日。メールしても返信が遅いってことです。通勤途中でDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E7を見る。なんか『もののけ姫』オマージュ的な描写が。お昼はマクドナルドにて博多明太てりやきチキン。会社の先輩から北海道土産のチョコをもらった。溶けちゃいそうで心配だ。帰宅しながらU-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S1E9を見る。帰宅してから僕モテメルマガの原稿を仕上げて送信。面白そうな特集上映たくさんあるなぁ。『コワすぎ!』の新作が発表された。超楽しみです。夜、ラロッカさんとDiggin' Netflixを収録。編集する音源がたまってきてしまったぞ。
■2023/7/5 水曜日。朝からDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E8を見る。お昼はマクドナルドにて、マンゴースムージーとシャカシャカポテト名古屋名物手羽先味シーズニング。Disney+ 『一流シェフのファミリーレストラン』E3を見る。仕事が微妙に早く終わらない。帰宅してからDisney+ 『シークレット・インベージョン』E3を見る。clubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S1E10同時視聴に参加。これでシーズン1を完走。いやーいろいろと大失敗な回で、やはり僕は笑って見てしまう。あきらかに再視聴組とテンションが違う気がするのだけどシーズン2以降を見ていくと印象が変わるのだろうか。あと僕は学生時代に種子島に行ってロケットの発射台にのぼったことがあります。寝る前に音源の編集を1本やろうと思ったけど最初の10分ぐらいで寝落ち。。どうしてこんなに眠いの?
■2023/7/6 木曜日。今日も朝ウォーキング。家を出たときはちょっと涼しいかも、と思ったのにすぐに暑くなってきた。通勤途中でDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E9を見る。お昼はOKの肉旨!メンチカツ明太弁当(ごまソース使用)を食べる。ぼんやりTwitterを見ていて週末にアンジェラ・ユンの舞台挨拶付き『星くずの片隅で』上映があることに気づく。こうゆう情報を見逃がしていたなんて、全部Twitterの規制のせいです。帰宅して��らU-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E1を見る。銀行家の役で出てるダニー・ヒューストン。『イエローストーン』でもおなじみですが顔にインパクトがある。WOWOWオンデマンド『辻占恋慕』を見る。ラロッカさんが開いていた上半期の映画をだらだら振り返るスペースに途中から参加。さらにたまっていた未見のアニメなども限界まで見て寝る。『地獄楽』面白い。
■2023/7/7 金曜日。朝ウォーキング中にスーパーマンのあのマークのTシャツを着たおばさんと、CDJ 20/21のTシャツを着たおばさんとすれ違った。通勤途中でDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E10を見る。ケイナン。。お昼はOKのソース焼きそばとよこすか海軍カレーコロッケを食べる。イ・チャンドンのトークイベントは詳細発表と同時に発売開始なんだろうな、と予想して見張っていたらその通りであっさり取れた。楽しみだなー。それにしても仕事中はTwitterとか見れないぐらいに忙しい(普通の人はそうなのかもしれない)。帰宅してからU-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E2を見る。夜はイシヤマさんとDiggin' U-NEXT収録。いろいろ編集しなければ。
■2023/7/8 土曜日。朝からAmazon Prime Video『ジュディ・ブルームよ永遠に』を見る。娘はどっかの中学の見学に行くとのこと。自転車で昭島図書館へ。娘の本を返したり借りたり。スケジュールの都合上、そのまま電車で東中野へ向かう。大量に借りた娘の本をリュックに入れたまま移動することになり、亀仙人のもとで修業する悟空とクリリンのようになってしまった。移動中にDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E11を見る。東中野のパン屋さん「しちがつなのか」にて、とうもろこしのパンを買う。おいしい。『星くずの片隅で』先行上映にて鑑賞@ポレポレ東中野。上映後にはラム・サム監督と、アンジェラ・ユンのトーク付き。矢田部さんによる安定の名司会。帰宅してからDAZNで浦和×FC東京戦。スコアレスのドロー。そろそろ監督交代ブースト切れか。そしてリモートにて僕モテ読者が集まっての読者サミットに参加。長々と2023年上半期ベスト10を語る会。僕のターンがまわってきたのは26時過ぎでしたが、しっかり予定時間を守って話せたかなぁと思います。また年明けに!
■2023/7/9 日曜日。昨夜夜更かししたので眠い。なんとか家にいるうちにDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E12を見る。娘と実家へ遊びに行く。娘は主に塾の夏期講習で忙しくなってしまうのでしばらくおじいちゃんおばあちゃんと会えないだろう。かわいそうに。お昼はスシロー。安めのネタをたくさん食べてしまった。そして地元の夏祭りを見る。コロナ渦に入ってから神輿とかは出てなかったはずだから久々だろう。神輿をかついでた中学の剣道部の後輩に挨拶された。30年ぶりぐらいかも。神酒所にいた父上のところでかき氷をつくってもらって食べる。練乳も入れてもらってね。やっぱかき氷は体温が下がるのが気持ちいい。実家の茶の間でけっこう昼寝してしまった。夕飯までご馳走になってから帰る。夜はclubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E3同時視聴に参加。話の本筋ではないのだけど、僕はコナーの暴走っぷりから目を離せない感じ。面白い。U-NEXT『ゼロヴィル:ハリウッドに憑かれた男』を見る。さらに音源編集を1本、やってる途中で眠くなってしまいやっぱ寝ちゃう。けっこう昼寝したのにな。でも夜中に起きてなんとか最後までやりました。えらい。
■2023/7/10 月曜日。昨日もらってきたお祭り焼きそばを温めて朝ごはんにする。朝からの祭り感。Disney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E13 を見る。朝ウォーキング中にジャンプ立ち読み。こち亀の新作が読めます。お昼はOKのカットピザ オリジナルキーマカレーと茜丸のあんバターフランス。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S1E4を見る。子供の誕生会エピソード。こうやって見直してみるとマイケルに何があったのか、カーミーがどのように今の店にきたのか、という情報を本当に小出しにしていて、だんだんと状況がわかるようになっているし、まったく説明的な描写がない。ヨーロッパ企画の本公演は先行で取れておりました。仕事終わりで吉祥寺へ。おにやんま@吉祥寺にて、冷並ぶっかけと週がわりのハモ天。UPLINK吉祥寺にて『Pearl パール』鑑賞。京都みなみ会館閉館の発表はさすがにショックである。一般企業が運営しているから映画館の業績がある程度悪くても続けられると思っていたけど、その企業が手を引いてしまえば一気に閉館ということもあるってことだろうか。単純に経営状況って理由じゃない気もしています。みなみ会館が好きだった皆さんのことを考えてしまうなぁ。寝る前に音源編集を1本やる。僕モテの情報コーナーも書く。
■2023/7/11 火曜日。朝からDisney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E14を見る。朝ウォーキングもかなり汗をかくようになってきた。お昼はシンガポールからきてる関連チームのマネージャーとのランチに誘ってもらい味の民芸へ。アンソニー・チェンの映画『熱帯雨』のことを聞いてみたが知らないって云ってた。ただ主演のヨー・ヤンヤンは有名な女優だ、とのこと。うどんを奢っていただきラッキー。帰宅してからDisney+『一流シェフのファミリーレストラン』E5を見る。夕飯にタラタラしてんじゃねーよカレー味焼きそばを食べる。けっこう美味しい。オンライン試写で『ミャンマー・ダイアリーズ』を見る。8月5日から劇場公開です。なんらかの方法でこの映画の告知には協力していきたいです。日付変わってからアリス・ディオップのトーク回を取ってしまいましたよ。本当は同日のカリコレ初日を狙おうと思っていたけど急きょ変更です。楽しみだ。
■2023/7/12 水曜日。なかなかの忙しさですね。お昼はマクドナルドのオレオ クッキー チョコフラッペ。Disney+『スター・ウォーズ 反乱者たち』S4E15を見る。これで全シーズン完走。なるほど、完全にこの続きが『アソーカ』になりそう。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S1E6を見る。帰宅してからDisney+『シークレット・インベージョン』E4を見る。ウソだろ~。天皇杯のFC東京×ヴェルディ戦。祈るような気持ちでTwitterのTLを見ていました。Disney+『エベレストに消えたマイケルを捜して』を見る。なんかDisney+ばっか見てる人みたいになってますがたまたまです。音源の編集も1本やりたかったけど限界。寝る。
■2023/7/13 木曜日。朝から立川の病院へ通院。移動中にDisney+『一流シェフのファミリーレストラン』S1E7を見る。ワンカット長まわしエピソード。採血して診察待ち。ここで本を読もうと思っていたのにすっごく眠くてほぼ読書が続かず。残念。血液の病気については寛解してまもなく10年。そこでとりあえず定期通院は終わりでいいのではないかという話。なんと。この通院はスパンをのばしつつ一生続くと思っていた。まぁ服用している薬のこととかもあるからそれらをどうするかも考えないと。薬局で薬を出してもらい、もう午前中の仕事には間に合わない。八王子に移動して「あらた」で冷ぶっかけ天を食べる。U-NEXT『キリング・イヴ』S2E3を見る。数年止めてしまっていた『キリング・イヴ』を再開。話をけっこう覚えていないぞ。午後から出勤。めんどくさい仕事、急ぎの仕事、相談ごと。なんか一気にやってきて帰るのが遅くなってしまったし家でも仕事しないといけない。憂鬱です。Apple tv+『STILL マイケル・J・フォックス ストーリー』を見る。さらに音源を1本編集するつもりだったが最初の10分で強烈な睡魔がきて断念。最近こんなんばっかである。
■2023/7/14 朝4時ごろに一度起きてUSからのメールを確認。それをうけて国内の担当者に説明、調査依頼。もっかい寝る。7時ごろに起きて、またメールを確認して承認依頼。本当はこんなふうに家では仕事したくないです。雨が降るのを心配しつつ朝ウォーキング。午前中だけ全力で働き午後半休。立川へ。松屋にて、梅だし三色丼を食べる。シネマシティで『君たちはどう生きるか』鑑賞。客席に座ってからもまわりの客が話している会話など聞かないのよう耳をふさいでいた。映画をよく観るようになって30年ぐらい。その中でも貴重な映画鑑賞体験となった気がします。電車で新中野へ移動。移動中にDisney+『一流シェフのファミリーレストラン』S1E8を見る。これでシーズン1の2周目を完走。かかってこいシーズン2。讃岐うどん よすがにて、かけうどんとゲソ天、ちくわ磯辺揚げ。6月にOPENしたばかりのうどん屋さん。今年は意識的に新規開店のうどん屋さんに行けている。年末には2023年OPENのうどん屋さんベスト10などを出したい。『サントメール ある被告』観賞@ Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下。上映後、アリス・ディオップ監督のトーク付き。30分ぐらいのトークかと思っていたら1時間ぐらいやってたかな。後半の客席からのQ&A時間にめちゃくちゃ長く話す人がいて他の客には迷惑だとも思ったが、観客の声をダイレクトに聴けるということは監督にとっては嬉しいことのようで、監督自身はとてもよろこんでいたのでまぁ良いのでしょう。帰宅してからclubhouseでラフランスさんと業務連絡および駄話をしてから寝る。さぁ明日からは4連休だ。
■2023/7/15 土曜日。4連休スタート。娘は明日の試験に向けて集中して勉強するとのこと。お疲れ様です。僕は家で集中して映画を見るぞ。午前中からU-NEXT『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を見る。けっこう好きなんですこの4作目。お昼は娘とパスタを食べ、午後も映画を見ていくぞ!と意気込んだけどどうにも眠い。まったく映画に集中できないのでちょっとだけ昼寝するか、と思ったら16時まで寝てしまった。なんてことでしょう。やはりこのところ体調おかしい感じするんですよね(主に通常より眠いだけですが)。Netflix『ギリ義理ファミリー』を見る。WOWOWオンデマンド『ファイブ・デビルズ』を見る。夜はclubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E4同時視聴に参加。いやー笑ってしまった回だった。感想パートでは延長戦的についに『RRR』を見たラフランスさんの感想を聞く会。いまさらナートゥ・ナートゥで盛り上がった夜。
■2023/7/16 日曜日。娘は塾の試験とのことです。お疲れ様です。午前中のうちに自転車で昭島図書館へ。さすがに暑い。午後は家でU-NEXT『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』を見る。冒頭から超面白し。ベンジー、早く開けろ!暑いけど新宿へ。大田原愚豚舎の世界 10th Anniversary『ヴェクサシオン』観賞@ケイズシネマ。渡辺兄弟による上映後トーク付き。帰りにロビーにいた渡辺監督に『八月の軽い豚』上映について聞いてみたら、日本映画学校卒業制作作品だから学校側��上映の権利を持っているとのこと。上映のためにそちらと交渉しなければいけなくて今回は実現しなかった、と。いつか観る機会があればいいなぁ。吉祥寺で上映があったときに見逃がしたのが悔やまれる。DAZNでFC東京×鹿島戦を見ながら移動。うーん完敗。監督交代後、ついに負けてしまった。実家で車を借りて帰宅。夜はclubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E5同時視聴に参加。なかなかバカバカしいこの作品らしい回だったと思います。さらに音源編集を1本やってから寝る。
■2023/7/17 祝日の月曜日。今日は朝から家族でグランピングに向かう。八王子から高速に乗り、海ほたるまで渋滞なしで到着。海ほたるの焼きものや揚げもの、割高な海の幸をいただきランチにしてしまう。そのまま千葉のいすみ市ってところまで行き、シャワーとトイレぐらいしかない海水浴場へ。娘は超楽しそうに遊んでいたが、砂浜が火傷するレベルで熱い。テキトーに選んだ場所だったけど、なんと『万引き家族』のロケ地らしいです。2時間ぐらい遊んで宿泊するグランピング施設へ。元ゴルフ場らしいけど、ナビがなかったら絶対たどり着けない場所。コロナ禍で流行りはじめたグランピングだけど、キャンプとかに興味のないうちみたいな家族には最適である。フリーのドリンクをいただき、大浴場で疲れをとる。大して疲れてはいませんが。ボードゲームの貸し出しがあったので人生ゲームをやる。最近の人生ゲームのUpdate具合に驚きつつ、ゴール直前で金を取られまくって負けてしまいました。夕飯はグランピングではおなじみに豪華なBBQスタイル。お腹いっぱい。そして夜、星空の観察会みたいのを専門の方が解説してくれるやつへ。望遠鏡で観測した光を一定時間取り込んで銀河の画像をPCのモニタ上で見せてくれたりして面白い。そして何より星空の凄さ。日本の夜空でここまで星が見えたのって僕の中では過去最高。普通に天の川が見える。天気が良くて、月がすでに沈んでいる日だったのも良かったんでしょうね。娘にとってはとても良い経験だったでしょう。僕がびっくりしてしまったぐらいなので。泊まってるとこのWiFi環境がイマイチだったんだけどDLしてあったU-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E6だけ見る。早めの時間だったけどもう寝ちゃう。
■2023/7/18 グランピング中の火曜日。トイレにも起きず8時間ぐらい寝てしまった。本日は娘の11歳の誕生日であります。あっというまですね。11年も生きていればいろいろあるもので、心配することもありますが、何より楽しく過ごせてくれたらと思います。娘の誕生日ってことは『春原さんのうた』の主演である荒木知佳さんの誕生日でもあります。おめでとうございます。グランピングの朝食を堪能。10時チェックアウトかと思って準備していたら11時チェックアウトだった。ぼんやり過ごす。で早朝から気づいていたのですがシネマクティフ東京支部のTwitterアカウントが凍結されてしまった。多くのアカウントがよくわからない理由で一斉に凍結されているらしいですがそれに巻き込まれたようです。matsuさんと対応を相談。困ったものです。宿を出で細い山道を車で移動していたら、木陰から小動物が飛び出してきた。びっくりしたけどどうやらキョンの親子のようでした。この付近では繁殖してしまって害獣となっているそうです。かわいい顔してねぇ。海の方のお土産屋さんで実家への土産などを買う。帰りも海ほたるでランチとなってしまった。割高な回転寿司を食べたのですがめちゃくちゃ海苔がうまい。さすがの有明海苔。もっと軍艦ものを食べればよかった。家の近くまでもどってきて、ショッピングモールのおもちゃ屋さんと書店に行き、娘の誕生日プレゼントを買う。さらに図書館に寄りたかったが娘の体力が限界でそのまま帰宅。僕はひとり実家まで車を返却に。お土産を渡し、電車で帰宅。娘のリクエストであったアイスケーキ(誕生日ケーキ)を食べる。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E7を見る。夜はラフランスさんと某収録。配信は8月になりますね。お楽しみにー。
■2023/7/19 4連休明けの水曜日。いやいや家を出る。朝ウォーキングをしていたら久々にカモさんたちが玉川上水路に帰ってきている。嬉しいな。休暇をとっていたのでもちろん仕事はたまっていますよね。誰かが代わりにやっといてくれたりはしない。お昼はマクドナルドでナゲットを食べる。夏の期間限定ソースの燻製風たまごタルタルソースで。なんかめんどくさい仕事多数。純粋に扱っている仕事量が多くてこなしきれない。予定より会社を出るのが遅くなってしまったが新宿へ向かう。移動中にDisney+『シークレット・インベージョン』E5を見る。盛り上がってまいりました!的な演出になっているけど、はたして盛り上がるのかな、次の最終回。カリコレ2023/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2023『オールドマン』鑑賞@シネマカリテ。帰りにラロッカさんやってたジブリスペースの最後の方を聴く。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E8を見る。ケンダルのパフォーマンス最高じゃん。U-NEXT『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を見る。面白い場面たくさんあるけど、長すぎるよな『フォールアウト』は。
■2023/7/20 木曜日。今日も朝ウォーキング中にカモさんを発見。しかも昨日より増えてきてる。わくわく。お昼は丸亀製麺にて、すだちおろし冷かけ(並)とジャンボカニカマ天。今日もなかなか仕事が終わらない。ずっと1日遅れで仕事してる感じ。仕事終わりで昭島へ。松屋にて、ごろごろ煮込みチキンカレー。書店でジブリの特集が掲載されているSWITCHを買ってしまった。こんなの買ってたらきりがないぞ、と思いつつ今はいろいろ読みたくなってしまっている。MCTOS『ギリ義理ファミリー』回に参加。野外から参加するのも気持ちいい季節。おバカな映画なので気楽に感想話せるのもいい。帰宅してシャワー浴びて、1本映画を見ようと思ったが眠くて眠くて途中まで。
■2023/7/21 金曜日。昨日の夜、途中で断念したAmazon Prime Video『シャイニング』を最後まで見る朝。お昼はOKのアジフライのり明太弁当(ごまソース使用)。U-NEXT『キリング・イヴ』S2E4を見る。仕事を早めに切り上げ恵比寿へ。ZAZEN BOYSのMATSURI SESSION LIQUIDROOM 19TH ANNIVERSARY。久々のZAZENのLIVE。久々のがっつりスタンディングのワンマンは疲れたけど楽しかった。チケットを譲ってくれたチートイツさん、ありがとう。帰宅して夕飯食べてシャワー浴びてから、clubhouseの『シャイニング』同時視聴、完走パートだけ参加。初見の人が怖がって見てくれていたようで何よりです。
■2023/7/22 土曜日。娘は今日から夏休み。でもがっつり塾の夏期講習で大変だ。まぁ僕はその間、映画を観に行かせていただきますが。とか思っていたら娘が発熱。。すべての予定がふっとび、娘を病院に連れていく。いろいろ困りますね。食べれるものを食べさせ、薬を飲ませ、やっと一息。なんだか僕もぐったりして昼寝。映画館に行くことはあきらめ図書館だけ行く。女子サッカーのW杯初戦を見る。BSでしか見れないのはけっこう不便ですね。Abemaで見れた男子のW杯は良かったなぁ。あとは自宅でSKIPシティ国際Dシネマ映画祭(オンライン)で短編『寓』と『勝手に死ぬな』、長編『地球星人(エイリアン)は空想する』で見る。夜はclubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E9同時視聴に参加。感想パートは家で話せなかったので外を散歩しながら。画像はclubhouseアイコンで使っていたMCケンダル。最高。
■2023/7/23 日曜日。昨日いろいろできなかった分、本日は映画を観に行かせてもらう。とゆうわけで朝から昭島へ。MOVIX昭島で『君たちはどう生きるか』2回目を鑑賞。そろそろ感想ツイートしても良いだろうか。日高屋のW餃子定食を食べる。U-NEXT『キリング・イヴ』S2E5を見る。MOVIX昭島にて『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』鑑賞。映画館を出たところでの同年代ぐらいの中年の男女の会話。「トム・クルーズの走りすごかったね」という女性に対し、「いやあれスタントだから」と男性の方が知ったかしてましたが、あれトムやってますからね。女性の方が正しいですからね。夜はclubhouseにて、U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S2E10同時視聴に参加。これでシーズン2完走。面白い回でしたねー。シーズン1最終回の繰り返しのようであり、実は反転、というお手本のような話の構成が炸裂していて見事。感想パートは夜の散歩をしながら話す。いろいろ大変だったけど、いい日曜の夜だ。これで全体の半分。シーズン3も楽しみです。
■2023/7/24 月曜日。今週も暑くなりそうですね。Meetingが多くて憂鬱です。お昼は丸亀製麺で冷かけ並とジャンボカニカマ天。子供が夏休みだからなのか、丸亀けっこう並びます。けっこう並ぶわりには席は空いている。テイクアウトが多いってことか。仕事終わりで実家へ。今日はわけあって実家に泊まらせていただく。娘といっしょじゃなく泊まるのって今はあまりないんですよね。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭(オンライン)で『ヒエロファニー』を見る。夜はけんす君、なんすけ君とDiggin' Amazon Prime Videoの収録。遅い時間までありがとう。
■2023/7/25 火曜日。実家でたっぷり朝ごはんをご馳走になり出勤。お昼ぐらいからどうも頭痛が。横にたりたくて公園のベンチでごろんとしていた。クーリッシュだけ食べて鎮痛剤を飲む。午後のMeetingになんとか2つ参加するが限界で早退。帰宅してすぐ寝る。とにかく頭痛が続いているので寝続ける。こりゃまずいな。
■2023/7/26 水曜日。本来のスケジュールであれば『ロキ』S2が今日スタートだったはずなんだけどな。朝まで断続的に12時間以上寝続けてやや頭痛はおさまった感じ。体温は微熱。鼻水あり。がしかしここは病院に行こう、と会社に連絡。休暇を入れて、本日入っていたMeetingにもキャンセルの連絡。近所の病院に行き検査。あぁ。ついに出てしまいましたコロナ陽性。実はこの前の土曜に娘のコロナ陽性が出ていたのでかなりの確率で感染するとは思っていたのですがついに。ここまでコロナにならずにきたのになぁ。いろんな予定がぶっとんでしまう。日曜までは外出できない。あららー。今はコロナの薬があるらしいが、僕は症状的に軽いので先生がおすすめしない、て事だったので鼻水の薬だけ出してもらう。カロナールは元々大量に持っているので大丈夫。昼ごはんはおにぎりとパンを食べてみたけどぜんぜんいける。ベッドで横になりながらradikoを聴いたり、TwitterのTLを追ったり。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭(オンライン)『僕が見た夢』を見る。あーもっと見たかったなこのオンライン映画祭。今日までなんですよね。期間がもう少しほしい。Disney+『シークレット・インベージョン』E6を見る。これで完走か。うーん。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S2E1を見る。予告にミスリードがあったなぁ。clubhouseにて『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』感想会に参加、ベッドで横になりながら。準備しといたクイズ「イーサン・ハント」も楽しんでいただけたようで何より。
■2023/7/27 自宅休養な木曜日。朝だけメールと立ち上げ、会社に連絡したり、急ぎのメールを返したり。しんどい。頭痛が残っているのと、とにかく身体が休みたいようでけっこう寝てしまう。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S3E1を見る。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S2E2を見る。音源の編集を1本やる。これぐらいが精一杯だ。
■2023/7/28 自宅休養な金曜日。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S3E2を見る。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S2E3を見る。WOWOWオンデマンド『チェルノブイリ1986』を見る。音源編集を2本やる。
■2023/7/29 自宅休養な土曜日。ついに頭痛がなくなった感じがするのだが、めまいがするようになってしまった。うーん、これはコロナと関係ないかもしれない。でも困ったな。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S3E3を見る。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S2E4を見る。Netflix『ゼイ・クローン・タイローン』を見る。WOWOWオンデマンド『こんにちは、私のお母さん』を見る。WOWOWオンデマンド『アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台』を見る。夜は立川の花火大会だがさすがに行けない。娘とマンションの外に出て遠くに見える花火を少しだけ見る。
■2023/7/30 自宅休養な日曜日。やっぱめまいはあるなー。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S3E4を見る。Disney+『一流シェフのファミリーレストラン』S2E5を見る。Netflix『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』を見る。WOWOWオンデマンド『リング・ワンダリング』を見る。Apple tv +『ビーニー・バブル』を見る。夜にmatsuさんと某収録。うまく喋れただろうか。
■2023/7/31 月曜日。本日より復帰して通勤。朝ウォーキング、鴨ウォッチング。暑いけど楽しいな。大量の仕事がたまっていることを覚悟していたが、予想以上に近い役割の先輩がカバーしてくれていて本当にありがたい。お昼は丸亀製麺にて、ひやかけ並となす天。うどん札10枚使用でかけ無料です。中尾ちひろさんのカラオケツイキャスを見る。仕事終わりで昭島へ。U-NEXT『メディア王 ~華麗なる一族~』S3E5を見る。CoCo壱にて、THE牛カレー+ハーフ野菜。MOVIX昭島にて『イノセンツ』鑑賞。帰宅してから音源を1本編集。いやぁ大幅に予定がくるってしまいましたが、後半大変だった7月もこれでおしまい。
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figmilkfm · 1 year
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0727 練習問題解きに教習所。帰り、最後の最後に大好きな教官と偶然すれ違ってお礼言えた。こういうときのタイミングって何故もこう完璧なんだろうか。またいつでも遊びに来てねって言われて���「寂しい!また行きます」って嘆きながらバイバイ。つってももう行かないんだろうなーと思いながら帰る。わたしはこういうところが淡白だ。北千住の本屋寄って、週末読む本を買い込む。やっぱ寂しいなー。
0728 朝7時半に家出て、江東区の免許試験場。試験はあっさり受かって、33万円相当の身分証が手に入る。愛おしくて抱きしめたい。帰ってから、家で愛でたり眺めたりする時間を過ごす。いつも行ってる接骨院に、閉店時間過ぎてるのに免許証見せに行く。めでたいめでたい、と祝ってくれる先生方を前に「見ます?見ちゃいます??免許証」とか言って財布を出す私。探すけど免許証ない。あれ。焦り始める接骨院の先生方。ほんとになかった。家に置いてきた。「これ、車運転するときは、なかったら免許不携帯になるんで」とか普通に大人に諭された。はー。あの免許証に自分の顔が載ってるのいつまでもうれしー。今日のわたしは浮かれてる
0729 起きてからしばらく家で本読む。最近はいつも飲んでるプロテインにアーモンドミルクとバナナ入れてスムージーにして飲むのにハマってる。美味い。あとミューズリー食べて身体絞る。清野菜名ちゃんくらいヘルシーになりてい。午後からジムで今日は腕やって、終わってすこし走る。夏、外走るのが耐えられないけど空調効いてる部屋で走るのは涼しくていい。夕方、家でちょっと飲んでからあゆの家行く。久々話して、ちとふなの銭湯へ。この季節の露天は何時間でも居られるなとふたりで夜風の涼しさを全身で感じる。気持ちがいいー。水風呂と交互浴して、これ帰ったら熟睡できるーとか言いながらほんとに帰ってお布団入ってからの記憶がない。
0730 あゆの家の陽当たりが良すぎて5時前に起きる。自分の家でも大体このくらいには起きてる、最近。以前誰かに「暴力的な朝日」って言われたこともある南東向きの我が家。目覚めもいいので毎日銭湯行きたいわ。起きて『正欲』読んだりしてたら、あゆも6時に起きてきて洗濯回したりして、二人で朝ごはんのんびり食べる。この8月の夏休み(とする)、こたろボーイと何冊か課題図書を決めようって話に昨日なり、今後深めたいテーマやら読みたい本について話をしたお陰で今かなりときめいている。往来堂に行かなきゃ。そんで合羽橋の果てにある中央図書館にも行こう。自由に使える時間がある今のことがたまに心底憎かったり、ときにはこうして恍惚としたりする。そんな楽しみな予定ができた故この夏は安泰な予感。まわりに焦らず、自分の歩幅で着実に進めたい。
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doctormaki · 1 year
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Kienと別れてから、ドレスデン城を観光できなったから、また今度、マイセンとセットにして帰ってこよう!と思いつつ、Anjaの待つLeipzigへ。Leipzigは、言わずと知れた音楽の町。Bachが教会音楽奏者として活躍し、メンデルスゾーンが王侯貴族ではなく、市民のために開放された音楽堂ゲヴァントハウスの指揮者として、近代指揮法を確立した晩年を過ごした場所だ。憧れの場所。
Anjaさんには申し訳ないが、午後到着後はBach博物館へ一人で行く。夕方から閉館近くまで3時間も入り浸る。幸せ。Bach家の紋章が入った布バッグも閉館直前にゲット。館内には中国人や日本人など、アジア人比率の方が高い。Anjaさんには夕食を御一緒したいと御願いしておく。19時からの夕食に、18:45にホテルまでお迎えにきてくれた。ゲーテが通い、森鴎外も留学中に来ていたレストランに連れて行ってくれた。
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上の写真はLeipzig大学。この大学は東ドイツ時代にはKarlMarx大学という名前に変更されていたが、1989年の壁崩壊、1990年の東西ドイツ統一を経て、名前が戦前に戻ったらしい。Anjaの御主人ChristofはLeipzig大学でチェコ語を教えている。Leipzigは、19世紀から文化の中心地であったのだが、王政により統治されていたドレスデンと異なり、ハンブルグと同じで商人市民による自治地区に当たる。印刷業、綿花取引の中心地として栄えていたので、ユダヤ人も多く暮らす地区であったらしい。ユダヤ人は金融業や工業等で成功している者が多く、金持ちは盛んに文化、教養や音楽にお金をふんだんに使っていく。そのため、Leipzig大学は戦前から有名大学だったし、元々はカトリックのベネディクト派によって運営されていたらしい。
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夕食は、チェコで辟易したKnodelのKartoffel(じゃがいも)版の舌鼓を打つ。Knodelとは、小麦粉を練って茹でたり、蒸したりした丸い団子状の食べ物。Hamburgのような金持ち地区では、Knodelには肉が入り、小麦粉と挽肉を練って茹でて、上から濃厚クリームソースをかける料理になる。チェコでは、パン代わりに食されるようで、メイン料理の付け合せに、濃厚なソースと共に良く出てきていた。Knodelの不味さに辟易していたワシは、最初、ゲーテと森鴎外が好きだったレストランのメニューに、Knodelの無いメニューが無いことに焦っていたが、覚悟を決めて牛肉のシチューとKartoffelnknodelを食べることにする。心配無用で、LeipzigのKnodelは、ふわふわで、北海道の芋団子より美味しく、ソースと絡めながら、ペロリと食べてしまった。夜は10時過ぎまでお喋りし、Anjaとの再会を楽しむ。Anjaは、南部ドイツ出身の詩人。私の最初のお友達。
翌日は朝から東ドイツ時代の市民監視技術を集めた博物館へ行く。市民監視の徹底ぶりは、小説1984並み。手紙はほぼ全て、蒸気を当てて開封されて、中味チェックされてから、再度封をして、送られる。街には監視カメラだらけ、隠しカメラの技術、スパイ活動のための変装技術など、徹底しているところがドイツっぽい。面白いのは、エリート主義により、子供の頃から優秀人材を選別し、優秀な者から国家の統治側に迎え入れていくという幼少期からの教育が徹底されていた事。また、スポーツや音楽などが、ある種のナショナリズム高揚のために使われていた事。右下の写真は、常に���善していくためのプロセス思考がプロパガンダとなっていた事の証拠。この図を見た時に、アメリカのコンサル会社にいた私は、背筋が凍った。この図表は、良く好まれて使われる。
また、Demokratikであることを謳い、東ドイツこそが、資本主義の悪に対し、平和と民主主義を守る砦なのだ!や、良く生きる、生きる喜び(lebensfreund)というプロパガンダが、今の左翼社会と同じで笑えた。新左翼主義の方々は、ほぼ極右と反転的に同じだという私の仮説は、全く正しいという事だ。ワシは、みんな仲良く(するために仮想敵を作ろう)とか、気候変動云々という新左翼はナチズムの再燃だと睨んでいるが、なんだか、その読みが正しいとしか思えないような展示の数々だった。
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次にバッハが勤めていた聖トーマス教会へ。前日はバッハの墓の前でゴスペルが歌われていて、ズッコケたが、Anjaと再訪した時には、ザルツブルグから招かれた楽団がイースターのためのコンサートのリハーサルをしていた。バッハの墓にはチューリップが置いてあり、ステンドグラスにはバッハがいる。リハーサルではバッハの楽曲が弾かれていたが、音がマイルドな事に驚いた。オルガンは、教会の出口側にあるが、そのオルガンの周りのスペースでオケが練習していて、教会の座席に座ると上方から音が流れてくる形になる。弦楽器が、マイルドな音になる教会の音響は、オルガンのための教会だったんだという事を、実感させてくれた。
昼食はAnjaが気に入っている、住宅地にあるフレンチカフェでキッシュを食べる。その後、近所のパン屋さんでケーキを買って、彼女のお家へ。リビングルームは大きな窓で、工業地帯を流れていた運河を見下ろせる。運河には時折、競技カヌー練習をしている人々が競艇をしている。穏やかな日差しを浴びながら、ずーっとお喋り。Anjaさんとのお喋りは、メチャクチャ楽しい。Anjaはロシアの女性詩人の比較研究で博士号取得。自身もウィーン大学などで単発講座を持ちながら詩人活動をしている。フランス語、ロシア語、チェコ語、英語に堪能な語学の才女だ。詩人である時点でも凄いのだが、彼女は現代ドイツの詩人として賞もいくつか授与されている。とても繊細で優しい。
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夕食は、Anjaさんのお家の近くでモロッコ料理を食べる。翌日は、憧れのメンデルスゾーン博物館へ。メンデルスゾーンはハンブルグ生まれ。ハンブルグで成功したユダヤ人銀行家の家に生まれ、1870年の独仏戦争をきっかけにハンブルグを離れてLeipzigへ引っ越す。唸るほどの金持ちだったので、子供の頃からGoetheに会いに行ったり、イギリスやスイスへ旅行したり、水彩画を学んだりと多才。祖父が哲学者だったので、自身も哲学で博士号を取得している。が、運命は音楽へと彼を導く。
上は彼の自筆の楽譜。繊細で几帳面なのが良く伝わってくる。字は人柄を語る。羽根ペンで、良くこんなに美しい繊細な文字を書くと感心する。愛する妻Cecileとの間に子供も4名もいたものの、姉が急死したことで神経衰弱になり、姉の死後、療養のためスイス旅行に出た時の水彩画が残されていた。美しい色合いに、メンデルスゾーンの心象風景は美しく静かだったんだなぁと思う。療養も虚しく、38歳で亡くなる。
メンデルスゾーンの功績としては、やはり近代指揮法を確立したこと。それまでは、作曲者が自ら楽器を弾きながら指揮する事が通常だったが、楽器編成が大きくなり、楽団員の人数も増えていく事に伴い、指揮者の存在が必要になっていく。Handelの編曲などを通して、近代オーケストラの在り方のために奔走する。楽団員として給料を貰えるように奔走したり、Bachの楽譜収集家と研究したり、彼の交友関係は広い。その中で、ゲヴァントハウスの指揮者として、ドイツ国内やイギリスまで公演旅行をしている。
メンデルスゾーンはユダヤ人であったが、先見の明があった父により、プロテスタントに改宗させられている。それでも、ユダヤ人はユダヤ人だとして、ナチス下でのメンデルスゾーンの評価はボロボロだった。近年になってようやく、ドイツ国内でも再評価が進んでいるらしい。。。が、まだドイツ人には受け入れられていないというか、あまり知られていないらしい。演奏する事すら禁止されていたんだから。また、ナチスだったワーグナーが酷評しており、ドイツ音楽としては認め難くロマン的過ぎるとの評価らしい。しかし、メンデルスゾーン自身は、亡くなるまで、Bachを起点にした古典派を自称していた。無盲目的につまらぬ権力に従う羊どもの無知さに、憤りしか感じないが、大衆の多くはそんなもんである事も重々承知している。
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最終日は、民主主義の集会をしていた聖ニコラス教会へ。内装がパステルピンクとパステルグリーンの可愛らしい教会。教会全体が植物をモチーフにしており、Anjaによると、綿事業によるコロニアリズムの影響だとの事。ハンブルグに戻る16:16発の電車まで、起点駅だったLeipzig駅の戦前にあったカフェでお喋りしまくり。ちなみに、LeipzigもDresdenも、第二次世界大戦中、メチャクチャに空爆されている。Leipzig中央駅も再建されているもの。ここのKarottenkuchenが、人参とクルミのケーキにホワイトチョコがかけられていて、とてもおいしかった。
またの再会を約束して、お別れ!これからは、週末は旅行に出るぞ!
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yamanaka-lab · 2 years
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2022建築レビュー#7
-建築レビュー#6(設計者:Allies and Morrison)発表者:藤井(M1)講評者:後藤-
建築レビュー第7回目はアリーアンド・モリソンを取り上げた。
この建築家は、ロンドンとケンブリッジを拠点に活動している建築設計事務所について紹介していきます。インテリアから建築、マスタープランの計画に至るまで幅広い規模のプロジェクトを行っている。
1984年にボブアリート・グラハム・モリソンによってサスティナブルな建築設計をすることを理念に創設された。
この建築家には5つのサスティナビリティ戦略がある。
1つ目は『既成観念に捕らわれない』ことだ。社会文化や微気候などの地域の特性について理解を深めてから設計を進めている。
2つ目は『進化と洗練』です。同様の用途の建物を計画する場合でも継続的にアプローチを改善していくことで洗練されたデザインへと進化させる。
3つ目は『様式ではなく手法』です。サスティナブルデザインは意匠性よりも性能にこだわる点だ。
4つ目は『価値観』だ。経済的な実現可能性と環境影響のバランスを考慮しながら計画をしていく必要がある。
5つ目は『長寿命』だ。建物や場所の変化へ適応できる能力を高めた建物を建設することで将来的な二酸化炭素の排出量を抑えることができる。今日は、このようなサスティナブルデザインの手法を用いたプロジェクトを3つ紹介する。
事例1『Msheireb Downtown Doha』Doha,Qatar[2010-2020]
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ムシェイレブ・ダウンタウン・ドーハはドーハ湾からほど近い港湾都市だ。
かつてのドーハではシッカと呼ばれる路地網の周りにアドービという砂、砂質粘土とわらまたは他の有機素材で構成された天然建材で作られたシンプルな中庭が配置されていたため、自然な日陰ができ、歩行しやすい都市であったと言う。
しかし、他の湾岸都市と同様に、ドーハも近年の急速な成長によって、自動車中心の都市機能が飛躍的に拡大した。このような流れを変えることを目的としてこのプロジェクトは始動した。地区全体の構成としては、市民会館や文化施設などの公共施設を始め、住宅や礼拝のためのスペース。観光客のためのホテルやオフィス。ショップやレストランなどの機能がある。
ムシェイレブ・ダウンタウン・ドーハでは、7つの開発の指針が設けられており、これに沿って計画がされている。
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1つ目は「敷地全体のインフラストラクチャーの開発」。街中にトラムを走らせることで、車に頼らなくても移動できるようになっている。
2つ目は「コンパクトな街区で構成されるヒューマンスケールな都市構造」。奥に見える近代的な都市と比較しても分かるように、ムシェイレブ・ダウンタウン・ドーハは高くても5層程度のスケールで街並みが構成されている。
3つ目は「カタールの伝統的な建築の形態や表現と新しい建物の連続性」。赤い線で囲われた部分がムシェイレブ・ダウンタウン・ドーハになるのですが、計画エリア周辺の建物と同様の形態であることが分かる。
4つ目は「素材への共通のアプローチ」。左は商業エリア、右は住宅エリアの写真になるのですが、どちらも共通の素材で建物が作られていることが分かる。同じ材料を用いることで用途が異なる場所が混在していても街全体に統一感を出すことができる。
5つ目は「伝統的なイスラム都市の特質である『インフォーマル』な建物配置」。道路側に開くのではなく、中庭を設けたイスラム建築と同様の特徴が見られる。
6つ目は「コロネード、オーバーハングの利用」。建物の低層部をセットバックさせ、上部を張り出させ、列柱を配置することによって日陰を生み出す。
7つ目は「日陰の道、屋上、中庭、テラスを一体化し、快適に歩けるようにする」。先ほどのような建物の形状や配置を工夫することで暑い気候であっても歩きやすい街になっている。このように、再開発される都市であっても土地のコンテクストに着目することで、土着的な環境を作り出している。
事例2『Madinat al Irfan』Muscat,Oman[2015-2044]
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マディナット・アル・イルファンは2015年に始まり、40年計画で行われている現在進行形のプロジェクトだ。
計画国であるオマーンは国連開発計画が人間開発指数の算出を開始して以来、最も指数が改善されたとして位置づけられた国である。
国において、この建築は、首都のマスカット市内に新しい都市中心部を建設するというプロジェクトとなる。計画エリアの大部分は未開発の土地で、アラビア半島に特有の“ワジ”と呼ばれる枯れ川が敷地の一部に含まれている場所が建設予定地となっている。
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全体の計画は、マディナット・アル・イルファンは地質学的特徴であるワジを中心として、特殊な地形を活かし、都市機能を点在している。配置計画��、北部に密集した中心地域、南部にある丘の上に住宅系の地域という構成となっている。
中心地域にはモスクや商業施設が集められ、住居系の地域にはヒューマンスケールの街並みが広がる場所や、ワジの眺望を楽しむことができる場所、ワジの中に作られた公園などがある。これらの都市施設は、ワジの上に橋を通すことによって繋げられ、貴重な自然環境を壊さない開発がされている。
マディナット・アル・イルファンは、まだ建設中のプロジェクトだが、アラビア半島の独特な地形であるワジに敬意を払うことに重きを置いた事例である。
事例3『Wood Wharf』London,England[2014-2035(完成予定)]
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このプロジェクトは、ロンドンの旧港湾地帯の中心であるアイル・オブ・ドックスに位置するカナリー・ワーフを東側へ拡張するプロジェクトである。
ウッド・ワーフは、世界有数の金融センターとして朝9時から夕方5時までしか使われていなかったカナリ-・ワーフの場に、生活や遊び、リラックスなどの機能を加えることで、24時間365日営業の都市型地域へと変化させることを目的としている。
袋小路や行き止まりではなく、直線的な街路パターンを採用することで、人々の移動を促し、周辺のエリアと論理的に接続させ、規則正しい形状で都市ブロックを形成することで、街の一部であると感じられるように計画されている。
また、グランドレベルを活性化し開放することで公共空間を豊かにし、地下にあったショッピングモールを地上へと移動させることで、通りに活気を与えている。
敷地内には広場や公園を配置し、建物の区画ごとにオープンウォーター、パブリックスペース、公園のいずれかに面するようにすることで、敷地内の価値を分散させている。これは、1階部分の多孔性と豊かさを表現した模型で、建物そのものよりも、その間にある空間が重要であることを示している。
また、各区画に「優位な用途」を設定し、各区画の用途の51%のみ指定している。
51%がワークスペース、残りは文化、住宅、小売、学習で構成される区画もあれば、51%が商業、残りが住宅と宿泊施設のような区画も作ることができ、このような仕組みを構築することで、建築区画は特徴的なエリアを定義しながらも、独創的な新しい用途を可能にし、急速に変化する市場に対応するために必要な柔軟性を得ることができる。
ウッド・ワーフは、ウォーターフロントという他の2つのプロジェクトよりもコンテクストが弱い土地の中で、設計のヒントを見つけ出し、既存の街区割りを引用しながらも時代に合ったデザインを付加していくことで、一体的にまちづくり運営している。
私は、〈Msheireb Downtown Doha〉に関し、都市を取り巻く環境への配慮を感じられ、あえて普遍的な建築形態を用いいることで都市を引き立て、建築ではなく、都市に着目してもらうための工夫ではないのかと考えた。また、都市を構成する建物に素材の統一による町並みとの調和や、建築空間としては伝統的なイスラム建築の所作を感じ取る事ができ、風土・歴史を尊重しながら開発している事がわかった。
山中は、Msheireb Downtown Dohaが魅力的だと述べ、中庭中心の配置計画、直線的なグリッドの回避などの点でイスラム文化を継承・再現しているのではないかと考えた。
引用
https://www.archdaily.com/966087/msheireb-downtown-doha-masterplan-allies-and-morrison-plus-aecom-plus-arup?ad_medium=office_landing&ad_name=article
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toxgo · 3 years
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佐々木、イン、マイマイン
映画仲間にオススメされて以来ずっと観たかった「佐々木、イン、マイマイン」 この後色々と書く前に率直な感想は最高すぎました。この映画に出会えて良かったと思ったくらいに。よく価値観を変えてくれた映画や、生涯でなんちゃらなテーマがありますが、僕の中では正にそれにカテゴライズされてしまった作品。ちなみにもう1作品選ぶならば「宮本から君へ」です。
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あらすじは、高校卒業後に上京して俳優の道を志している石井悠二。でも鳴かず飛ばずな道のりで軽く挫折し始めています。そんな時にバイト先で高校の同級生の多田と再会します。そして一緒に呑みに行った後の帰り道。通称“佐々木コール”と呼ばれる掛け声が始まると教室で全裸になって踊り出し、男子から絶大なる人気を集めていた「佐々木」のことを思い出します。そこから佐々木を軸にして、悠二の恋愛と俳優業の現状、高校時代の出来事を上手く重ねていき、多くを語らない内容で展開していく青春物語。
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佐々木は父親との二人暮らし。父親はほぼネグレクト状態で家にほぼ帰ってきません。そんな親父でも佐々木は大好きでした。劣悪な家庭環境でも悠二、多田、木村の4人といる時には常に明るく振る舞っている佐々木。高校卒業した後でもこの三人の事を新しく出会う後輩や、友達に自慢する位の友達思いな奴なんです。その中でも悠二だけには本音を語っていました。細かい所ですが、その悠二だけを苗字ではなく下の名前で読んでいた設定も良かった。
人前では弱さを見せない佐々木が一度だけ泣くシーンがあります。ある日、佐々木の父親が亡くなってしまいます(恐らく自殺) 佐々木を心配した三人は放課後、佐々木の家を訪れます。多田、木村の2人が帰る前に悠二は寝落ちしてしまいます。夕方過ぎに目を覚ますと、1人テレビのニュースをボーッと見ている佐々木が居ました。2人だけの空間になり親父の事を聞こうと思う悠二でしたが、佐々木は軽くはぐらかします。とても辛い状況のはずでも佐々木は悠二に、「やりたい事をやれよ。お前は大丈夫だから。堂々としてろ」と伝え、ぽろりと涙を流します。このシーンは元々泣く演技の台本ではなく、佐々木役の細川岳のアドリブが採用されたみたいです。
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ここからは悠二のターン。(遊戯王か笑) 悠二は上京して約10年。俳優だけでは食っていけず、バイトがメインになりつつある生活を送っています。別れた彼女との同棲を解消せずに未だに一緒の家に住んでいる状態。(冒頭で朝方に起きて布団に座ってる感じや、敷布団が絶妙に離れてる演出などは悠二が彼女のユキに未練タラタラな事を上手く表現しています) “そのうちやる” “後でやる”が癖になってしまい俳優で売れる夢や恋愛に関しても自分からは動かずに流されるがまま。
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そんなある日に俳優であり脚本家の後輩の須藤から舞台の出演を依頼されます。恐らく悠二にとっては久しぶりの俳優としての仕事。稽古も回数を重ねる毎に気合いが入ってきます。でもこの舞台の世界観が佐々木との思い出と徐々にリンクし始めてから物語は大きく動き出します。
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舞台の本番が近づいてきたある日の深夜。悠二に佐々木から着信がありました。寝ぼけながら電話に出ると佐々木ではなく女性の声がします。声の主は苗村と名乗る女性。その苗村からの衝撃の事を伝えられます。「佐々木君が、亡くなりました」と。。
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この苗村と佐々木の出会いが僕はこの作品で1番好きなシーンだったかも知れません。その出会った場所は田舎あるあるな(この映画の地元舞台は山梨)だだっ広い駐車場の真ん中にポツンと建つカラオケ屋さん“ペルシャ館” 後輩と2人でカラオケに来ていた佐々木はドリンクバーの帰り道で自分の大好きな歌を歌う女の子の声を聞いてしまい、その子の居る部屋の前を右往左往してしまいます。一旦部屋に戻り、後輩に「どうしても一緒にカラオケをしたい女の子がいて、ナンパだとは思われたくないんだけど、どうしたらいい?」と相談します。結果的に声をかけないと始まらないっす!と後輩に言われ、苗村の居る部屋にぎこちなく入り、「ナンパでないです!」と苗村に念を押した後、朝方まで一緒にカラオケをする事に。
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カラオケを終えてお店から帰る時の外は、冬空の太陽が登りかけの絶妙な青色に包まれた時間帯。後輩から苗村さんとの連絡先交換しました?と言われた佐々木は「それじゃナンパになっちゃうだろ」と一蹴。それぞれの家路につく際に、佐々木の真摯さに少しほっこりしてハニカム苗村を演じた河合優実のあの演技。佐々木の真っ直ぐな性格と一度決めたらブレない一面を表現していた素晴らしいシーンでした。
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深夜の電話の翌日。苗村から佐々木の実家に集まってほしいと連絡をもらった悠二、多田、木村の三人。佐々木は末期癌に犯され、発見した時にはもう手遅れで延命治療を拒んでいたと聞かされます。1人ずつ実家で眠るように亡くなっている佐々木と最後のお別れをします。高校時代から散らかり放題の家でしたが、そこで佐々木の知らなかった一面を目の当たりすることに。
悠二には自称パチスロと名乗り、プー太郎だと思わせながらも、実は高校の美術部から始めた絵を皆に言わずひっそり描いていて、ちゃんと夢を追いかけていました。でも自分の夢よりも悠二たちの夢を応援していた佐々木。散らかった床を掻き分けて佐々木の隣に座る悠二。自分のタバコではなくて、佐々木のタバコを吸いながら「佐々木」と呼びかけるシーンはとても感動させられました。(この佐々木のタバコを吸うのは悠二を演じた藤原季節のアドリブ)
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そして全ての事にケリをつける時が来ます。彼女のユキとの中途半端な関係性にもキッチリとケリをつけ、佐々木の葬儀に向かう悠二は舞台のセリフを叫びながら高校時代に4人で通った通学路を逆走して駆け抜けます。その描写は現在から、佐々木にもっと踏み込んで色々相談に乗ってあげたかった。親父が亡くなった後もいつもの佐々木コールをやってあげたかった。でも、もうその願いが叶う事のないけど、佐々木に対してやり残した事に決着をつける様に。
いよいよ迎えるラスト。ここまで散々ネタバレ全開で書いてきたのに今更言うのもなんですが、このラストシーンは絶対に見て欲しいのであえて詳しくは書きません。色んな感情が爆発するのですが、一つだけ書きたいのは高校時代は女子からドン引き(当たり前)されていた佐々木コールに苗村さんが悠二たちと一緒に同調していた演出には涙でした。
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総括とするならば、これからの日本邦画界を引っ張ってくれるはずのキャスティングとスタッフ。学生時代に1人は居たであろう“ヒーロー”の存在。大人になってから出来る友人ももちろん大切ですが、学生時代の友達はやっぱりかけがえのない存在だと思わせてくれる事。友人や知人が悩んでいる時に、どれくらい踏み込んでいいものなのか?もしかしたらやろうとしている事はただのエゴではないのか?何とかしてあげたいと思っても、その境界線は難しいなと感じました。でも後悔だけはしない様に生きていくべきだと価値観を変えてくれ、僕の中でこの先も忘れる事はない映画になりました。観終わった後は「佐々木!佐々木!佐々木!」の“佐々木コール”が心の中で鳴り止みません。そして、タイトルに込められた思いが分かるはずです。
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NARI
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thereareonlydeer · 2 years
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後足で砂をかける
バイトの給料が出たので前の家の清掃費を支払いに銀行までチャリを漕いだ。先日の引っ越しの後始末だ。
引っ越しのとき、ずぼらなボクはギリギリまでまったく準備をしていなかった。必要な物から順に車に詰め込んで残りは捨てていけばいいだろうと、ずぼらな人間特有のずぼらな計画を立てていた。ずぼらな人間が繁忙期の引越し業者とやりとりできようはずもない。軽バンを借りての独力での引っ越しだった。
それでボクは引っ越し前日から荷造りを始めた。読み通り準備はさくさく進んだ。前の引っ越しで使った段ボールが中身の入ったまま放置されていた。それを閉じてその日の朝にコンビニで買ったガムテープで封印した。嵩張りそうな食器や書籍、スーツやコートはゴミ袋に詰め込んだ――どうして日雇い労働者がそれらを持つ必要がある? 夕方ごろから始めたので、さくさく進んだとは云っても夜通しの作業だった。外観的には夜逃げだった。本質的にも多分に夜逃げだったような気がする。住所と紐づいたあらゆる支払いを、あわよくば踏み倒そうと思っていた。家賃とか光熱費とか学費とか。
そうして予定日になって、ボクは一人車を走らせた。実際のところ引っ越しの日がその日である必要は特になかった。前にも後にも・誰とも何処とも予定はないから何時まででもその家に住み続けることができた。家賃を滞納して強制退去命令を喰らったとて、それから半年は居住する権利があることをボクは知っている。 ただ、片付けの途中で面倒くさくなってしまった。最低限の衣服とPC、分解した自転車を車に積んだ時点でなんかもうどうでもよくなった。とっ散らかった汚い部屋を見るのが嫌になった。
どうせ暖かくなるし布団はいらないか。炊飯器は年単位で洗ってなくて汚いしなくてもいいだろう。洗濯はコインランドリーで済む。冷蔵庫には腐って緑色になった牛乳しか入っていない。
ボクはほとんどのゴミを見て見ぬふりして目を瞑って――ここで云う「目を瞑る」は比喩であり、視覚情報なしに車の運転はできない――家を出た。自分が認識していなければ実質的にゴミは存在しない。失敗も、汚点も、後悔も。もし物質宇宙が人間の思考によって創造されたのであれば、それを仮想現実より上に位置づける特別な理由はないのだ。
立つ鳥跡を濁す。 考えてみれば、ボクは今まで他人に迷惑をかける立ち去り方ばかりをしてきた。小中高と卒業式には出たことがないし、ついていけなくなった部活は総体前に辞めた。ありとあらゆるバイトを連絡なしにばっくれた。大学を辞めたときだって誰にも何も話すことなく唐突に退学届だけ郵送で送り付けた。ゼミの先生からの電話や数少ない知人からのラインは着拒とアプリ消去で解決とした。未納の学費の請求書だけがしつこく追いかけてきた。
悲しいことに、唯我論にふけってみたところで現実は思い通りにはならない。今回だって同様だ。 引っ越して1週間後、前家の大家から清掃費の請求書が届いた。6桁あった。当然だった。いくつかの粗大ごみ、冬物の服とコート、その他大量の日用品、それらすべてを置いてきた。掃除も一切していない。風呂場には髪の毛が溜まったままだし、シンクは生ゴミでどろどろだった。 しかしながらレンタカーを借りた時点でボクの全財産は4桁になっていた。いくら大家が迷惑を被りその補償を求めたところでない袖は振れない。請求書は適当なダンボールの中に放り込んで再度ガムテープで封をした。みなかったことにした。一度身についた思想の様式はなかなか覆らない。
それから1ヶ月立ち、催促状が届いた。玄関に赤い封筒が落ちているのを見た――新居のポストは玄関ドアに付いている――ときは一瞬心臓が止まった。赤単色というのは非常に攻撃的なカラーだ。これ以上知らぬ存ぜずは通用しないなと流石のボクも観念した。速やかに銀行へ行くことにした。外は豪雨だったけれどそれを気にする余裕はなかった。つい前日バイト代が入金されていたのが幸いだった。
都会に住んでいる人には分らないだろうけれど、田舎の道はたとえ舗装されていようとも出所不明の土に塗れている。そしてクロスバイクには泥除けがついていない。 雨の中往復6キロの道程を走ったボクは、家に帰りついたときにはびしょびしょだった。シャツの背中の真ん中には一筋の泥汚れが出来ていた。自転車の後輪に巻き上げられた泥が飛んできたのだ。車輪が1回転するたびに。まっすぐ正確に。
この背中につく泥汚れを初めて見たときの困惑はよく覚えている。まったく心当たりのない汚れだったから小一時真剣に頭を抱えた。朝からの行動を振り返り、いったい何があったのか頭をフル回転させて考えた。結局原因が自転車の後輪だと分かったのはそれから数回同じ経験をした後だった。
クロスバイクはときに持ち主に唐竹割の太刀筋を残す。そう気づいたとき、ついでに長らくの疑問も氷解した。 ボクはずっと、雨の日にズボンの後ろ側の裾ばかりが汚れるのを不思議に思っていた。雨の中を歩くと必ず踵が集中的に濡れそぼる。傘のサイズと角度の問題かと思って傘の傾け方を色々試してみたけれど効果はなかった。いつもふくらはぎ~踵の部分が汚れた。サッカーの練習のとき着るピステなんかでは顕著だった。嫌で嫌で仕方なかった雨の日のクレーコートでの練習。泥が体に付いたそばから流されるほどの雨でも、しっかりとこびりつくアキレス腱まわりの汚れ。
その正体は自分が巻き上げた土だった。意外と気づかないけれど、歩くときの人の脚の動きは回転運動に近い。特に膝から下は二重振り子のように小さな弧を描き激しく動く。自転車の後輪のように。人間のふくらはぎが作り出す力のモーメントは結構大きいのだ。 脚が回転運動しているということは、自転車の後輪と同じように泥を巻き上げるということだ。そして足の裏についた土や水のベクトルは長ズボンの裾に向かっている。ボクは自分で自分に泥を吹っかけていたのだ。
清掃費を支払ったことでボクの預金はついに3桁に突入した。後足でかけた砂はいつだって自分に返ってくる。次は誰からどんな書状が届くだろう。
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kachoushi · 3 years
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各地句会報
花鳥誌 令和3年5月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和3年2月3日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
帯の色白と黒との寒稽古 世詩明 初夢や逆夢にして安堵せり 同  受話器より来る熱燗の酔ひつぷり 清女 もう雪も落ちついたかとココア飲む 同  湯のたぎる薬罐の音の冬支度 誠   ゆつくりとガラスを滑る霙かな 同 
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月4日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
寒の明け空の青さのどこまでも 柏葉 雪の舞ふ上へ下へと北陸路 喜代子 寒戻り雄島は浪に翻弄す 都 
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………  
令和3年2月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
祈る人白く光らせ春の寺 小鳥 壺菫傾ぐ黄昏の密会 季凜 饅頭屋の幟ぱたぱた春疾風 美智子 嬰児へ春の揺籃なりしかな 順子 寒紅や鏡の中の女たち きみよ 春を描く赤で縁取る黄土色 千種 ギャルソンのベストの在庫春埃 荘吉 バーの椅子冬日も遊ぶ道具街 荘吉 春潮のかをる手をもて貝洗ふ 順子 ペンダントはづして春の風邪に寝る 光子 黄泉の国へとラビリンスめく雪間 眞理子 オキーフとゴッホの黄なる春の蝶 伊豫 ロマノフ朝語る早春のため息 慶月 仲見世の半分閉ぢて亀鳴けり 梓渕
岡田順子選 特選句
江戸つ子へ黄水仙咲く格子窓 光子 春の日の跳ねたりしつつ神田川 小鳥 壺菫傾ぐ黄昏の密会 季凜 吾輩は道具街の猫日脚伸ぶ 荘吉 春浅き野へと黄衣の遊行僧 慶月 花瓶売れざり春の日を黄昏れて 俊樹 笊は受く春の日差や道具街 季凛 菜の花や主のゐない家に棲み 伊��� 大方は縁なき道具街うらら 秋尚 隠れ耶蘇語る窓辺の余寒かな はるか 遣り手婆春画を鬻ぎつつ春眠 俊樹 黄塵万丈浅草に人沸き出す 梓渕 産土の海光を背に絵踏せり 光子 生国を刻みし墓へ梅香る 慶月 祈る人白く光らせ春の寺 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
散歩みち犬に吠えられ日脚伸ぶ 三四郎 子等はしやぐ声の大作雪だるま みす枝 寝るだけに戻りし部屋の虎落笛 ただし 初詣巫女の化粧の濃かりけり 世詩明 贔屓目にみても毛皮の似合はざる 上嶋昭子 大氷柱剣のごとく堂宇守る 時江 崖の上に耐へて咲きたる水仙花 久子 神杉に裂けし傷あり斑雪 時江 風花の散華の中を柩ゆく 信子 湯たんぽを母の温もる如く抱く さよ子 廃屋の雪の声きく真暗がり ただし 嚏して饒舌の人黙りけり 三四郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月9日 萩花鳥句会
住所録ゐぬ人ばかり春時雨 祐子 降り立てばカルスト台地草萌ゆる 美恵子 春まだ来産卵仕掛ける川漁師 健雄 春時雨ビニール傘に裂け目あり 吉之 下萌えて平幕力士の賜杯かな 陽子 雪雫八分音符と四分音符 ゆかり 微睡の草木起こせし春時雨 明子 面接の練習の声寒明くる 克弘
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令和3年2月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
護摩焚きの煙の深き節分会 あけみ 節分や子の夢に出る方相氏 登美子 節分や炒豆撒いて稽古終ふ 令子 車窓には雪しろの山々続く あけみ 大雪も奮闘えち鉄動き出す 紀子 野兎の駈けし跡あり野辺深し 同  ひらがなの娘の手紙春隣 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
白杖の突けば凍土鼓動して 都   磯竈海女と蜑との声太く 益恵 獣園の柵に並ぶ子草青む 栄子 春の雪店はいつものビートルズ 佐代子 日脚伸ぶ明るき方へ人も鳥も 都   寒木瓜の棘の交差に交差して 悦子 白髭を撫で庭を掃く春隣 幸子 寒月へ町定位置に静もりて  都   春雷や酒供はりて力士像 宇太郎 さよならと筆置く音に落椿 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月13日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
人生は借り物かしら春一番 修子 日の永き台所にて聖書読む 同  永く生きすぎた気もして春の風 同  どの家も砦のやうに雪積みて 寛子 街路樹の上に余寒の空低し 同  針供養叔母は短気でお人好し のりこ 掌に一滴春の化粧水 岬月
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
ひたすらに鶴は鶴とし凍つるのみ 雪   寒鴉申し合はせしごと啼かず 同  観念をしたる如くに大枯木 同  温石に温石と云ふ石の貌 同  薄氷や着物をつまみ避け乍ら 千代子 深々と音消し積もる真夜の雪 同  春炬燵くの字しの字の混み合へり みす枝 ランドセルに筆箱入れて春を待つ 同  銀の波揺らし川辺の猫柳 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
薄氷の割れて漂ひ重ね合ひ 千加江 数独に挑んで老の春を待つ 清女 節分や柱時計がつと止る 啓子 薄氷を張り尽したる法の池 泰俊 鴬や何か賑やかなる甍 同  凍て鶴として人の世を凍つるのみ 雪   華やかに古りし虹屋の桐火桶 同  凍て様も金輪際や檻の鶴 同  人の世の枷を解かれし古火桶 同  寒鴉啼くを忘れてゐはせぬか 同 
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月19日 さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
冴え返る言葉の綾に躓きて 雪   勿体なや冬籠りにも厭きしとは 同  乾杯の種の尽きたるちやんちやんこ 同  うららかや犬が好みの猫まんま 清女 虹屋へと二月礼者の関西弁 千代子 水仙の花に折鶴遊ばせり 希   路地裏を斜めに走るうかれ猫 啓子 水尾も無く流れのまゝの鴨滑る 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
飄々とした人の訃や冬の果 佑天 学舎の武張りて遠く春の富士 圭魚 アトリエに遺せし絵の具冴返る ゆう子 シスターの病むや余寒の廊長し 和子 手の皺の翳は目立ちて春を待つ ます江 存分に椿の落ちて椿寺 佑天 堂裏の日溜り豊か落椿 圭魚
栗林圭魚選 特選句
よき喫茶閉ぢし通りの余寒かな 慶月 磐座の裳裾にこぞる蕗の薹 幸風 菰踏めば春泥ぬると動きたる 三無 朝光の瀬音そびらに蘆の角 幸風 アトリエに遺せし絵の具冴返る ゆう子 寺領ひっそり孕猫つとのそりゆく 文英 細波の煌めき尖る浅き春 斉   シスターの病むや余寒の廊長し 和子 春みかづき童話の色の夜の街 和子 春光や眉毛一本づつ描く 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月22日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
二度三度黙の呼び鈴冴返る 一涓 遠き日の武原はんの風花す 同  雪掻きて掻きて怨嗟を紛らせり 同  佐保姫来式部の像の辺りより 同  古里ぞ遠海鳴りも温石も 雪   其の頃はへつつひ二つ竈猫 同  お駄賃は袋のお菓子春の風 上嶋昭子 アプレゲールと言はれし卒寿日向ぼこ 同  春一番絵馬カタカタと恋の宮 信子 夕焼けを少し暈して春の色 紀代美 春着着しより梵妻の顔となる 中山昭子 水仙や少女一心勉学す みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
東風に扉を開けよ羽衣なびくまで 美穂 面影のちよと夫似なる古ひひな 千代 波音のままに揺蕩ふ若布かな 桂   大津絵の鬼の飛び出す春の雷 喜和 梟の吾を呼びたる父祖の山 千代 遠き目でみる耶蘇浦の若布船 かおり 薄氷を踏むもふまぬも人の道 睦子 冬灯しらじら明けの裏酒場 勝利 恋猫の敗れ幣履のごとく消ゆ 伸子 その沖は霞み衣桁の陣羽織 由紀子 寂しらの汀に寄する若布かな 久美子 浮かみくる七色の泡春の池 愛   集落を貫く碧き雪解川 由紀子 タンデムで若布を買ひに島日和 美穂 結ひ髪のほろほろ解けて絵踏かな かおり 紙漉の若き水ほどよく躍る 佐和 蹼に薄氷つきしまま歩む 睦子 星辰の恵みに育つ若布かな 美穂
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
なかみち句会(投句のみ) 栗林圭魚選 特選句
探梅の坂より駅を見渡せり 貴薫 焼山の命の早さ確かめり ます江 風尖りをれど遠山霞みをり 怜   枝影の網目ぼんやり春の土 秋尚 受診日や梅林抜けて隣り駅 せつこ 料峭の森覚ましゆく水の音 三無 野焼見る怪しくはやる気持あり あき子 日を浴びて胸張る如し犬ふぐり せつこ 青海苔を採って沖には白い波 史空 梅林や古木の幹に力あり 迪子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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