#情報処理安全確保支援士 過去問
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情報処理安全確保支援士試験の合格最短ルート:勉強法と対策
情報処理安全確保支援士試験に挑戦することを決めたものの、何から始めたらいいのか悩むことが多いですよね。私もまさに今、その道を歩んでいるところです。ここでは、勉強を進める中で気づいたポイントや役立ちそうな方法をお伝えしたいと思います。 試験を受ける前に、まずは情報を集めることがとても大事です。出題の傾向やどんな内容が問われるのかを知っておくことで、無駄のない勉強ができるようになります。特に過去問をチェックしたり、参考書を活用して事前にイメージを掴むと、安心して試験に挑めますよ。 試験の基本を押さえよう!まずは情報収集からスタート 試験の概要や出題範囲、どんな準備が必要か?情報処理安全確保支援士試験についての詳細は以下の通りです。 試験日程 試験は、一般的に春(4月頃)と秋(10月頃)の2回行われる筆記試験です。具体的な日程は、IPAの公式サイトで発表されるので、最新情報を確認する…
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婚活ツールとして普及するマッチングアプリ。今や、結婚した人の4人に1人が出会いのきっかけはアプリだという調査結果もある。登録者に真剣な出会いを提供する一方、結婚しているにも関わらず独身を装う「独身偽装」が紛れ込む問題も発生。信じていた人からの裏切りにより、心に消えない傷を負わされる被害者も少なくない。長崎県内に住む30代後半の沙月=仮名=は、半年以上たって相手が既婚者と発覚し、ショックで心身の不調、人間不信に陥った。自身が苦しめられているのに、「なぜ相手は今も普通の生活を送っているのか」と怒りの感情が押し寄せる。「彼は詐欺師。だから人の心を踏み付けてもなんとも思わない」。自身が経験した独身偽装の悪質な実態を語った。 「真剣交際しか考えていない」と話した拓。将来についても沙月と語り合っていた(写真はイメージ) 沙月は年齢的なこともあり、結婚を視野に入れた真剣な出会いを求めていた。昨年3月、友人が勧めてくれた有料のマッチングアプリに登録。翌月、マッチングが成立した10歳下の拓=仮名=と会った。見た目も言動も「好青年」。5月の大型連休の時期に交際が始まった。 「遊び半分なら断る」。付き合う前にそう伝えると「真剣交際しか考えていない」と返ってきた。沙月にとって4年ぶりの恋人。純粋に「うれしかった」。電話やLINE(ライン)で頻繁にやりとりした。連絡が途切れるタイミングもあったが、互いに仕事は忙しく、そこまで気に留めることはなかった。 拓は多いときで週に3回、少ないときも月に5、6回は沙月の家に宿泊。性交渉もあった。「一緒に住むなら、どっち(の居住地)がいいかな」。そんな将来を語り、笑い合った。 拓は実家に住んでいると言っていた。「近所の人に見られたらめんどくさいから」と、沙月が車で送迎する時は、彼が言う「家の近く」まで。「(彼が周囲に知られたくない)気持ちも分かったから」。沙月は何の疑いも持たなかった。拓は友人にも恋人として会っていたし、「そのうち両親���会ってほしい」という頼みも拒みはしなかった。 付き合い始めて半年がたった11月初旬。家具量販店に一緒に行き、新しい枕やベッドカバーなど寝具類を新調した。この先も続くと信じていた2人の生活。明るい未来を思い浮かべ、幸せに満ちていた。 寝具を購入した2日後、沙月は親族の結婚式に出席。2次会に拓を誘ったが、彼は同じ日に「友人の結婚式」が入っていた。式の4日後。拓はいつものように沙月の部屋にいた。「結婚式はどうだった?」とたわいのない会話を楽しみ、夜になって彼は帰っていった。 沙月はベッドに入り、スマホを触りながら、彼が口にしていた式場名をキーワードに、インスタグラムで何げなく検索した。 「えっ」。目に飛び込んできた写真を見て、絶句した。 スマホの画面の中で幸せそうに笑っている新郎。それは、さっきまで隣にいた彼だった。 新郎の「彼」 拓が結婚式を挙げたことを知った沙月。動揺しながらも真相を確かめる決意をした(写真はイメージ) インスタの写真は彼の親族がアップしたものだった。「友人の結婚式」。拓がそう説明していた日、実は友人ではなく彼自身の結婚式を挙げていた。 でも…。 沙月は思った。結婚式の2日前に一緒に寝具を買いそろえ、式の4日後には自分の部屋に来ている。もし家庭があるならば、普通の感覚があるならば、そんな行動はできるはずない、と。 彼とお酒を飲んだり、一緒に部屋で過ごしたりするだけで楽しかった。「(写真を)見なかったことにすれば続くのかな」。そんな考えも頭をよぎったが、すぐにかき消し、真相を確かめる決意をした。 「結婚してる?」 インスタの写真を見つけて1週間後。外で食事を終え、彼を送る車でハンドルを握ったまま、沙月が核心を突く。 (沙)「結婚してる?」 (拓)「えっ、何で?」 (沙)「インスタで出てきたから本人かと思って…」 (拓)「えっ、分かんない」 勇気を振り絞って問いかけた沙月だが、拓はしらを切り、自分が既婚者だとは認めなかった。 沙月は感情を押し殺し、その場をやり過ごした。 翌月、再び問い詰めると拓は開き直った。 「俺が違うって言っているのに。そんなに疑うなら傷つけるだけだから別れよう」 その日のうちに彼がLINEをブロックした。 「普通の生活」奪われ 好きだった人に、半年以上もうそをつかれていたという現実。沙月はショックで食事が喉を通らなくなり、10キロ近く痩せてしまった。今も、ふとした時に涙が止まらなくなる。精神科にも通い、体調不良が続く。「普通の生活」が奪われた。 後に分かったことだが、拓はマッチングアプリで沙月と出会う前年に入籍していた。今はマイホームを建��中で子どもも生まれる予定だという。 「彼は詐欺師。だから人の心を踏み付けても何とも思わない」 罪に問われない「心の傷」 「既婚者だと知っていたら絶対に付き合うことはない。性交渉をすることもなかった」 沙月はショックで心身不調に陥り、毎日「言葉にできない」怒りの感情に押しつぶされそうになっている。交際前に見抜けなかったのが悪いのか、だまされた方も悪いのか―。不倫と一緒くたにされ、置かれた状況を社会に理解してもらえない苦しみも抱える。 沙月は弁護士を立て、貞操権の侵害を訴え、損害賠償を求めた。拓はうそを認めたものの、「真摯(しんし)な対応には見えなかった」と沙月は話す。慰謝料は支払われたが、その金で心の傷が癒えることはなかった。 「体に傷を付ければ傷害罪。なのに、どうして心の傷は罪に問われないのでしょうか」 沙月は独身だと偽られて行った性交渉は「性犯罪」だと訴え、警察の相談窓口にも電話。「許せない」と一緒に怒り、全面的に寄り添ってくれたが、暴力や脅し、金銭的被害はなく、不同意性交罪などの構成要件には当てはまらなかった。 マッチングアプリには今も拓の名前がある。また誰かをだまし、自己の欲求を満たすつもりだろうか―。 沙月は「悲しむ人が1人でも減ってほしい。加害者が得する世の中にだけはなってはいけない」と独身偽装問題に対する社会的関心の高まりを求めている。 4人に1人がアプリで出会い 明治安田生命保険のインターネット調査によると、昨年1年間で結婚した人の4人に1人はマッチングアプリが出会いのきっかけだった。ただ、出会いの有効な手段として定着する一方、利用者数の増加に合わせて関連する被害も増えている。 年間約200人の相談を受ける恋愛カウンセラー、野田亜希子さんは、2015年ごろからアプリを通じた出会いが増え始め、新型コロナウイルスの流行で外出が制限されたこともあり、近年はさらに増えてきていると実感を語る。相談者の中にも男女問わず、既婚者にだまされたり、離婚して子どもがいることを隠さ��たりと、トラブルは少なくないと明かした。 アプリの登録情報だけで「その人が何者か、書いてある内容の全てが事実かどうか判断するのは難しく、実際に会って見極めるしかない」と野田さん。これまでの相談経験などを踏まえ、独身偽装者の特徴として、「優しい」「気が利く」「紳士」「好青年」などのキーワードに当てはまる人が多いと指摘。「自身の過去の悲しいエピソードを語り、『こんなに心が休まることはなかった』など付け入ってくる手法も目立つ」 デートは基本的に「相手の家」など家族からばれない場所。ただ、それさえも「自分のために来てくれる優しい人」だと思い込んでしまうという。性交渉の際、避妊を拒むケースもよくあるとし、「避妊しなければ妊娠だけでなく、性病の心配もある。避妊を拒否することは『自分は大事にされてない』と考えてほしい」と訴える。 既婚かどうか見極める効果的な方法として、時機を見て、それぞれの友人に会うことを勧める。「『お互い』が重要。相手がかたくなに拒むなどしたら何かを隠していると疑ったほうがいい。マッチングアプリの出会いは1対1で完結してしまう世界。少しでも不安な点があれば、他人の目を入れて判断を」と促す。 新たな社会現象 増加するマッチングアプリ被害に対し、法整備はどうしていくべきか。 長崎大多文化社会学部の河村有教准教授(刑事法)は「昨年の刑法改正で性犯罪の構成要件は拡張されたが、今回のようにアプリ(の運営会社)が間に入る3者間は想定されていない」と指摘。「行政介入が適切かどうかは議論の余地がある」とした上で、被害を抑えるためには、本人確認の厳格化など、まずはアプリ運営会社への行政規制の導入を検討すべきとする。 規制を強化しても被害が減らない場合、処罰の必要性を裏付ける事情などに基づいて「加害者の責任を問う仕組みについて社会として議論していく必要がある」と主張。マッチングアプリは「新たな社会現象」だとし、そこに潜むリスクについてのリテラシー教育を充実させる必要性も訴える。 【相談窓口】 ▽性犯罪被害相談電話の全国共通番号 #8103(ハートさん) ▽性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの全国共通番号 #8891(はやくワンストップ) ▽法テラス・サポートダイヤル 0570・078374(おなやみなし) ※この記事は長崎新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
「彼は詐欺師」アプリで出会った“独身偽装”にだまされた女性 ショックで心身不調(長崎新聞) - Yahoo!ニュース
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)5月12日(金曜日)弐
通巻第7747号
トルコ大統領選挙、エルドアンが苦戦。野党が猛追
地震、難民、猛烈インフレ、頭脳流失の難題が山積み
************************
トルコを、首相時代を含めて、二十年間率いてきたエルドアン大統領が苦戦している。5月14日の投票日を前に、どの世論調査を見ても野党候補が数ポイント��リードしている。
三月のIEA(イスタンブール経済研究所)が行った世論調査では野党クルチダルオール候補が47%で、エルドアンは39%だった。
これは野党六党があつまり、「統一候補」を了解した3月6日、アンカラ市長とイスタンブール市長が支持を表明した直後の世論調査である。
直近では野党クリチダルオールが44・6%、エルドアンが42%(アルジャジーラ5月11日)。これも5月10日に野党独立候補のインジェ(CHP党首)が選挙戦から離脱を表明したため、野党がますます有利とされた情勢変化が背景にある。
それまでインジェは10%ほどの支持があったが、野党連合で「なんでも良いから反エルドアン」という風潮を前に2%の支持に急落していた。
とはいうものの野党連合は六つの政党の寄り合いで極左の緑の党から保守政党まで含んでいる(ちなみにトルコには26の政党がある)。
最大野党「共和人民党」は、もともと「建国の父」と言われるケマル・アタチェルクが1923年に創設した。
2010年以来、党首をつとめ、今回エルドアンに挑戦する野党統一候補のクリチダルオールは74歳。実務派でカリスマ性に乏しく、そのうえ自らがアレヴィー派(イスラムの異端。国民の20%ほどが信仰しているとも言われる)を公言している。
争点は何か?
五万以上の死者がでた地震。テント村から仮説住宅への対応がなされている。建設業界はエルドアン支持が多く、また手抜き工事で批判されていることがエルドアン一族の腐敗だとする非難に繋がる。
西側メディアは左派が多いが、トルコの場合、とりわけ外国メディア特派員がアンカラとイスタンブールに集中しており、両市はともに野党が優勢で、報道にバイアスがかかっている事実を知っておく必要もある。
つぎに360万人ものシリア難民をどうするのか。そして猛烈インフレ(80%の物価高は通貨のトルコリラが過去十年で90%の下落が原因だ)、加えて若者に適宜な就労機会が少なく、夥しい頭脳流出問題がある。
あまつさえ、医療の遅れがあり、コロナウィルス問題もまだ解決されていない。
トルコの有権者は6400万人で、海外居住者にも投票権がある。選挙区は87,行政区分は81県と市。議会の定員は600議席。ついでにいうと、国土面積は日本の二倍、人口は8600万人、ひとりあたりのGDPは11000ドル。1983年に民政移管し、2005年からEU加盟交渉を続けるが、話し合いは円滑に運んでい���い。
▲エルドアンはなぜ苦戦を強いられたか
2016年のクーデター未遂は多くの犠牲をだしたが、SNSの力で軍人を追い込み、エルドアンが政権を確実にした。その後の野党人士への弾圧、クルド族過激派の爆弾テロ、公務員、軍人のクーデター関与者への処罰などが欧米から批判され、エルドアンは寧ろロシアへの接近を選んだ。トルコはロシア制裁に加わらず、インド、中国と同様にロシアとの貿易を増やした。
またトルコは中国とも、新彊ウイグル自治区のイスラム住民弾圧への批判を低め、経済的な絆の強化を深める一方で、イスラエル問題などの外交路線を修正した。
西側はトルコのEU加盟を認めず、またユーロ加盟問題は議題にも載せないのだが、NATOの重要メンバーであるため(NATO海軍本部はトルコ西海岸のイズミールにある)、対トルコ外交はシグザグである。ロシアのウクライナ侵攻ではエルドアンが仲介にのりだしたこともあった。
トルコは兵役義務があって軍事力は35万。徴兵除隊後も40歳まで予備役に参入される。軍隊から西側の価値観を共有する軍人は左遷されて、左派からみれば「エルドアンの私兵だ」という酷評も聞かれる。
トルコ政治情報通に拠れば議会は野党が抑え、大統領は5月14日の第一回では決まらず、5月28日の決選投票に持ち込まれるのは確実という。
過去の大統領選挙をみても2014年はエルドアンが52%の得票だった。2018年は53%と、いずれも辛勝だった。
第一回投票では議会選挙が同時に行われ、たぶん野党が議席数を伸ばすだろう。そして決戦投票では、与党連合が野党連合の切り崩しを行うだろうから、エルドアンの辛勝になるだろう、と見ている。
▲トルコは親日国家、エルトゥールル号遭難の救援と義援金を運んで以来のつよい絆
与党はエルドアン率いるAKP(公正発展党)にMHP(民族主義者行動党)などが加わった四党連立である。
一方の野党連合は中道左派CHP(146議席)、HDP(クルド政党、67議席)など極左から保守国家主義、イスラム原理主義、クルド族政党が連合している。エルドアンのAKPは295議席で過半数の301にあと六議席不足のため、つねに連立となる。
地理的な構図を言えば野党がつよいのは首都アンカラ、商都イスタンブールならびに西海岸沿岸で西側世界の価値観を共有し「民主主義」を全面に掲げる。地方へ行くと世俗イスラムが主流だから圧倒的に与党有利で、シリア、イラク���境へ行くと野党がやや有利という明確な地図による色分け���ある。
苦戦を打開するためエルドアンは最低賃金の55%アップを言いだし、また先週には公務員給与を45%賃上げすることなどを公約とした。
トルコは親日国家であり、1890年のエルトゥールル号遭難の救援と義援金を運んだ山田寅次郎が国王から要請され軍幹部教育に当たった。その生徒のひとりが後に建国の父となるケマル・アタチェルクだったこともトルコでは教科書で教えている。
したがって日本とトルコの友好の結びつきがつよく、イラン・イラク戦争ではバグダットに残された在留邦人救助にトルコ航空機が向かった。パイロットの独断行為だったが、エルトゥールル号の生き残りの末裔だった。
東日本大地震ではトルコから大規模は支援があった。
安倍首相は在任中に三回、トルコを訪問し、またエルドアン大統領も首相時代を含めて来日は三回。
なかでもポスポラス海峡の海底トンネル工事で地下鉄を繋げたのは日本の援助、駅にプラットフームには何処かの国とは違って日本国旗と感謝の詞を彫ったプレートがある。
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提��終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴��養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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不当裁判・不当判決を告発します(新訂版)
(No.11)=(No.10)からの続き
2012(H.24)年 H.24.1月、水撒き人W氏の妹君・S子氏の陳述書より抜粋「兄(W氏)の居住する501号室が差し押さえされて居る事を知って慌てて弁護士に相談した次第です」 H.24.2.3. W氏が関西国際空港に赴き、案内センター前でチラシのようなものを配付しようと、意味不明の言動を行って居た為、関西空港に通報され、その後、奈良市保健所と「Kクリニック」の連携により、同日、T(精神)病院に入院、以後もズッと入院中である。一方、H.23.10.11.には『漏水の真の原因であった(大量のゴミ類による)501号室の排水枝管の詰り』も近畿衛生技研㈱によって高圧洗浄して取り除かれ、また漏水被害を引き起こす張本人(水撒き人W氏)も、上述の如くH.24.2.3.にT(精神)病院に入院、最早、501号室には居住して居らず、従って階下401号室(=現在のK女史宅)への漏水被害は現在は(=W氏の不在中は)全く無い。
H.24.2.10.奈良地裁はW氏の財産管理者として妹君・S子氏を選任、その審判が下された。 H.24.2.17.奈良地裁(担当は永井尚子裁判官)より、④(私共B夫婦vs 旧売主S氏との再々審)の判決が出た。その判決書より抜粋「S氏が本件居室に居住して居た約1年半の間(此の[約1年半]と言うのはS氏が主張して居るだけ、S氏はH.19.3.24.に401号室を保存登記し、H.21.3.14.に新マンションシへ転居するまで、実際には[約2年1ヶ月]居住して居た...)その間に水漏れはH.21.2月の1回だけであり(実際には1回どころか、多数回であった事は既に述べた通り)、原告B(私共)らが自らまたは管理人を通じて大量の水を撒かないように申し入れれば、W氏がこれに応じる可能性があると考えられ(本件水漏れに就てはS氏は勿論、私共B夫婦もマンション管理人に幾度も報告し、その都度、W氏は管理人に対して幾度も『もう二度とベランダに水は撒きません』と再三・再四、約束して居ながら、一向にその約束は守られず、現在に至った事実を、永井尚子裁判官は如何に考えて居るのか?今回の永井尚子裁判官も(前任の宮本初美裁判官と同様)、過去の訴訟資料を殆ど読んで居ないか、あるいは読んで居ても敢えて無視して居るのか?)「ベランダの使用が制限されるのはごく短時間で、その程度は本件隙間から水が流れ落ちるもので、その頻度も比較的稀であり、上階の住人に起因する迷惑行為である事は否定できないが、これにより本件居室の居住者が受ける影響はごく限定的なものであって(?)、社会一般の通念からして本件居室で安心した生活を送ることが出来ないという事は出来ない」(嘗ての宮本初美裁判官と同様、永井尚子裁判官も一度も現場検証・確認に来ずに、またW氏が、一体、何時ベランダに水撒きをするか?そんな事が事前に分かりも���ないのに(独断的に)『ごく限定的なもの』などと言い切れるのか?)「従って本件居室で安心した生活を送ることが出来ないという事を前提とする本件売買契約につき、錯誤があるとの原告らの主張は理由が無い」「本件居室のベランダで発見された糞がコウモリのものであったからと言って、本件居室のベランダにヤモリが居ない事を認める証拠になるとは言えない」(これまた何と『モノスゴイ判決理由(=屁理屈) 』であろうかであろうか?最初、S氏は私共には『漏水被害などは全く無かった』『良く考えたら漏水被害は一度だけあった』『アルミホイルを詰めたのは、漏水被害を防ぐ為ではなく、ヤモリを防ぐ為だった』『良く考えて見たら、ヤモリは排水枝管の外周を這い降りて来たのではなく、窓に貼り付いて居た』『だから(窓とは全く無関係である)枝管外周(A)(B)にアルミホイルを詰めた、これでもうヤモリは出て来ないだろうと思った』などと支離滅裂・二転・三転・四転・五転するウソ八百を言いふらし、挙句の果てにベランダにヤモリ糞(実はコウモリ糞)をバラ撒くなどのインチキ証拠捏造を行い、更に岩井昭雄・前管理人を、恐らくはハシタ金で買収(?)して、『ヤモリが出た』などと言わしめたのはS氏自身であり、『実際に当マンションにヤモリが出た』との証言・証拠は何も無い。(嘗て私共が行った聞き取り調査(H.22.4月)によれば)当マンションの住人で『ヤモリの出現』を確認した者は誰一人居ない。管理日誌にも当該「H.21.7.1.~H.21.7.17.の短期間内にヤモリ(またはコウモリ)が100~200匹も出た』などとの記述は全く無い)。 永井尚子裁判官の『モノスゴイ判決理由(=屁理屈)』を援用すれば、恰も『庭で発見された糞が(クマの糞ではなくて)ネコの糞であったからと言って、庭にクマが居ない事を認める証拠になるとは言えない。クマは庭に居るかも知れない』と言う事か?それなら『庭には実際にクマが居る』と言う証拠でもあるか?『天下のエリート=法の番人=裁判官』たる者が臆面も無く、こんな『モノスゴイ判決理由(=屁理屈)』を堂々と判決書に記載して来るなんて!これでは「クマでなくても、ゾウでもトラでもライオンでも恐竜でも良い」「クマ・ゾウ・トラ・ライオン・恐竜の糞が庭に無かったから」と言って『庭には、これ等の動物が居ない』事を認める証拠になるとは言えない」「クマ・ゾウ・トラ・ライオン・恐竜は庭に居るかも知れない」との判決理由か?それなら『実際に庭にクマ・ゾウ・トラ・ライオン・恐竜が居る』との証拠を出して貰いたい。私共は永井尚子裁判官の「余りにも非常識な判決理由」に呆れてしまい、斯くして奈良地裁は三度び私共を敗訴せしめた。 嘗てK先生は宮本初美裁判官を「訴訟資料をチットも読まない」「奈良市内の弁護士に迷惑ばかり掛け続けて居る」「奈良市内の弁護士の間でも有名な」「問題ある裁判官」と酷評されたが、実は「奈良地裁には、宮本初美裁判官に勝るとも劣らぬ、もう一人の『問題ある(永井尚子)裁判官』が在籍して居る事実」を私共は此処に改めて思い知らされた。選りに選って此の宮本初美・永井尚子の『両・問題ある裁判官』が、入れ替わり立ち替わり、私共の事件を担当する事になろうとは!これでは私共は全く手の打ちようが無い。これは最早とても裁判ではない。
H.24.2.27.水撒き人W氏は、奈良県葛城市のT病院でも「統合失調症」との診断がなされた。 H.24.3.6. W氏の弁護人・藤田先生より再審訴状が提出された。W氏の財産管理人である妹君・S子氏の陳述書に記載のW氏の異常な言動を列挙して、本人が訴訟能力を有して居ない事を理由に原判決の取り消しを求めるもの。証拠・付属書類として戸籍謄本・診断書・再審訴状などが全28ページに亘って添付された。詳細は添付DVDにあるが、私共は斯かる個人情報を此のブログに詳しく暴露・記載する積りは無い。 H.24.3.16.奈良地裁より「強制執行停止決定」が来た。担当裁判官は、私共とS氏との再々審で「モノスゴイ判決理由(=屁理屈)」を羅列して私共を呆れさせ、ヤスヤスと私共を敗訴させた張本人・永井尚子裁判官だった。 H.24.3.19.奈良地裁より私共に「損害賠償請求再審事件」につき、期日呼出状が届いた。 H.24.4.10. W氏の財産管理者(妹君)S子氏より第1通目の陳述書が提出され、W氏に訴訟能力がない事を立証して損害賠償を免れようとの意図が感じられた。これ等の内容は日付順に此の「経過報告書」の該当日付の箇所に組み入れ・記載した。なお陳述書の全文は添付DVDに収容されて居る。 H.24.4.24.奈良地裁で私共とW氏との再審開始が決定した。担当裁判官は(S氏に対する再々審④で「モノスゴイ判決理由」を以て私共を呆れさせ、ヤスヤスと私共を完敗させた張本人=)永井尚子裁判官だと知って、私共は唖然とした。その抜粋「再審原告W氏は前訴の訴状送達時において、訴状の意味を理解し、自己の権利を擁護する為に適切な行為をなす意思能力に欠けて居り、訴訟能力を有して居なかったと認めるのが相当である」との事。然し、前述した如く①②④の裁判では、旧売主S氏も近鉄不動産㈱も「上階501号室(W氏宅)からの漏水は実質たった1回だけ」(実際は「1回」どころか「多数回」なのだが、永井尚子裁判官は、そんな事など全く無視、されば永井尚子裁判官自らが現場検証・確認に来れば、漏水被害が実質「1回か?」「多数回か?」はスグにも被害状況を現認出来るだろうに!飽くまで現場検証にも来ないで「実質たった1回だけ」などと言い張るのは、(宮本初美裁判官と同様)まるで聞き分けの無いアホガキが意地を張り続けて「現場検証など行きたくなーい」「イヤダ―」と駄々を捏ね続ける姿その物を連想させる)。「階下401号室での生活には何ら不都合は無い」「売買契約を撤回するほどの理由にはならない」「W氏も謝罪し『今後は二度とベランダに水は撒かない』と約束、その後は水漏れは無くなった」(W氏は管理人には謝罪した(?)かも知れないが、私共には一度も謝罪した事などは無い。私共はW氏には一度も会った事は無い。恐らくW氏は「管理人には謝罪した(?)」のかも知れないが、それは単に口先だけ、漏水は、その後も相変わらず頻発・継続して居る事、永井尚子裁判官は全く知らないのか?あるいは知って居ても、敢えて知らない振りをして居るのか?)と主張し、奈良地裁・大阪高裁共にこれを認めてW氏側が勝訴した。(これではW氏は、「管理人には謝罪した(?)のだから、『訴訟能力(=良識・判断力)を有して居た』と解釈できるが)今度は奈良地裁は「W氏には訴訟能力が無い」と認めて再審開始が決議された。私共は「これじゃぁ再審でも永井尚子裁判官はマタゾロ屁理屈を捏ね上げ、ロクでもない判決が出る、マタゾロ私共の完敗だろう」と私共は観念した。そして最終的には再審でも実際にその通りの判決が出てしまった。詳しくは後述する。 H.24.6.4. S子氏(そして弁護人・藤田先生も?)が401号室(=現在のK女史宅)に入り、嘗て漏水被害が有った現場の写真複数枚を撮影して、これ等を裁判所に提出した。元々、401号室のカギは、直前の所有者だった私共B夫婦が所有して居たが、私共は此の401号室をH.23.4.23.にK女史に売却して手付金200万円を受領、その3か月後のH.23.7.22.に私共は代金残額をK女史から受領、そ時点で当401号室の鍵・全6本をK女史に手渡し済み、そしてK女史も、その4日後のH.23.7.26.には旧住所から当401号室へ引っ越し完了、従って現在の401号室の鍵は現在はK女史しか持って居ない。それ故、S子氏および弁護人の藤田先生も(?)が、当401号室内に入る為には、K女史に御願いして401号室へ入れて貰い、嘗ての漏水被害の現場写真を撮影されたのであろう? H.24.6.14. W氏の弁護人・藤田先生から答弁書が届いた。その抜粋「再審原告W氏がH.20.9月に水道を対前検針の12倍使用したとして奈良市水道局の担当者が当マンションを訪れたことは認めるが、H.20.9.8.付け管理日誌より『本人談 水道の出しっぱなしとの事』とあるように、水道を止め忘れたままになっていた事によるもので、ベランダに大量の水を撒いた事によるものではない」(然し、W氏が501号室の水道栓を数か月にも亘って締め忘れ、その間に毎月80~140㎥もズッと水道水を使用し続けて、階下401号室への漏水被害が齎し続けた事実を如何に説明するか?また単に水道栓の締め忘れであれば、これは真水(ただの清潔な水道水)であるから、階下401号室のスノコ(目皿)部や壁面には(汚水中の汚物成分による)赤錆・シミなどは出来ない。これ等の赤錆・シミは上階501号室の汚れたベランダ床面および枝管内のゴミ・土砂・木の葉など汚物を多分に含んだ汚水・排水による赤錆・シミである事は明らかである)「B(私共)らは南側ベランダの(☆③の箇所)排水枝管の曲がり角部分に赤錆が生じ、床に水溜りによるシミができている事、および西側のベランダ(☆②の箇所)の排水枝管と天井の隙間にアルミホイルが詰められていることをもって水漏れが生じて居る事の根拠としている。しかしながら再審B(私共)らと旧売主S氏・近鉄不動産間の原審判決が述べるように、排水枝管上の赤錆様の付着だけから水漏れがあったと判断することはできないし、ベランダは室外にあって雨の吹き込みその他水が入り込む可能性もあり、水漏れであるならば、ベランダ床面のみならず、網戸やガラス戸、壁面にも水漏れの跡が生じる筈と考えられるのであって、床面上の流水らしき跡から水漏れが頻繁にあったとはいえない」(これ等は既に私共が纏めて詳しく反論したので、此処で再度反論する煩は避ける)「BらはW氏が朝からベランダで大声を上げたと主張するが、日時・程度・回数等が特定されておらず、認否できない」(これも既に纏めて反論してあるので、此処には再度反論する煩を避ける。過去のインチキ判決を其の侭に引用・援用して、今回の反論根拠として居るのみ)。同日(H.24.6.14.)、更にW氏の弁護人・藤田先生より証拠説明書が提出された。甲12の1~19写真(撮影日はH.24.6.4、撮影者はW氏の代理人であるS子氏)で、これ等は「401号室(嘗ての私共B夫婦宅=現在のK女史宅)の(嘗て漏水被害のあった箇所を含むベランダおよび玄関ポーチの現場写真で、『此処には赤錆・シミ・水溜りなどが全く発生して居ない事、漏水被害など全く無かった事、空のペットボトルなどが置��れて居ない』事などを立証するのが目的だろう」。然し、私共は当401号室の漏水被害状況を裁判官諸氏・弁護士諸先生等には、是非とも現場確認に来て貰いたいが為に、過去2年間もジッと現場保存して来たが、その間、裁判官諸氏等は一貫して「漏水は過去に1度あったきり」「生活には何ら不都合は無い」「契約を撤回する理由にはならない」と決め付け、誰一人として現場検証・確認に来て呉れる事なく、結局、私共は本件訴訟で完敗(全敗)させられた。私共は「最早これまで」と観念して401号室を転売する事にしたが、現状の汚れた侭での401号室では、当然、売りに出せる筈は無く、実際の転売に先立って、私共は先ずは下記の種々作業を施し、当401号室を新品同様に綺麗に仕上げる為に、床面のばら撒かれたヤモリ糞(実はコウモリ糞)を私共自らが[箒木]・[塵取り]等で片付け、排水枝管外周等の赤錆などの汚れは、私共が自腹で専門業者に依頼して、全て高圧洗浄して貰い、更に壁面の汚れ等は(これも自腹で)専門業者に依頼し、ペンキを塗り直して貰ったのである。以下にそれ等の各作業を日付順に記すが、「先ずは401号室を転売するに際し、私共は401号室の相場(=転売価格)、それに伴う転売損失額を予め知って置こう」と思い、H.22.11.3.に住友不動産販売㈱担当者・尾崎真実(おざき・まこと)氏に401号室へ来て貰い、大雑把に401号室の現状を点検して貰うと共に、「実際に転売する際は、必ず御社に仲介を依頼するから、出来るだけ高値で転売するよう頑張って下さい」と約束・激励した。これ等の諸事情は既述した通りである。次いで「それには今の侭の汚れた状態での401号室を売りに出す訳には行かない」「先ずは401室を、新築時の様(言わば[新築ソックリさん]に)戻して置かねばなるまい」と下記作業をトックの昔に実施済みだったのである。
H.23.2.19.に私共B夫婦が当401号室のベランダ上に、旧売主S氏によってバラ撒かれて居たヤモリ糞(=実はコウモリ糞)を私共自らが[帚木]と[塵取り]で掃除して片付けた。此処は、是非、裁判官諸氏等に(漏水被害状況とヤモリ糞(実はコウモリ糞)などのインチキ証拠などの)現場確認に来て貰いたいと、私共が辛抱強く2年間も現場保存して待ち続けた場所だったが、結局、裁判官諸氏等は「漏水は1回だけ、生活には何等不都合は無い」「『ヤモリ糞をバラ撒く』など、そんなバカな事などは考えられない、現実にはあり得ない」と決め付けて、結局、最後まで誰一人として現場検証・確認には来て呉れなかった。到頭、私共はシビレを切らして、自分達の手でこれらのインチキ証拠(=コウモリ糞)を片付けざるを得なかった。以下のベランダ床面、排水枝管外周の高圧洗浄、壁面のペンキ塗り直しなど、専門業者による各作業も、全て同様の理由から已むを得ず、私共が自腹で依頼した作業である。
H.23.2.22.に私共は住友不動産販売㈱担当者尾崎氏に正式に401号室の転売を依頼した。 H.23.3.3.に私共B夫婦がハウスクリーニング業者「Youプランニング松本」に依頼して当401号室の漏水被害のあったベランダ床面、排水枝管外周に先ずは洗剤散布し、その上で高圧洗浄して貰い、これで漏水被害による赤錆・汚れ等を全て消して貰った(写真参照されたい)。 H.23.3.19.に私共B夫婦が「㈱キノシタ」に依頼して、漏水被害のあった壁面の汚れたペンキ・シミなどを消し、新たにペンキを塗り直して貰った。斯かる一連の、言わば『お化粧直し』をして、恰も『新築ソックリさん』同様に綺麗になったのである。
H.23.4.23.に私共は首尾よく401号室をK女史(=女性薬剤師)に転売出来た。
H.23.7.26.K女史が401号室へ引っ越し完了した。
H.23.10.11.に近畿衛生技研㈱が上階501号室(=W氏宅)の東南角ベランダ(=401号室☆➂の真上に相当)の排水枝管内を約30分間に亘って高圧洗浄し、枝管内にビッシリと詰まって居た頑固なゴミ等の詰まりを除去して貰って(今まで枝管開口部から溢れ出て501号室のベランダ排水溝・排水口付近を水浸しにして居た)『堪り排水・汚水』も、これで漸く枝管内をスムーズに下へ流れ落ちるようになった。斯くして漸く『401号室への漏水被害を齎し続けて来た真の原因』が判明、全てはW氏が(長期間に亘って頻繁に)ゴミ等で排水枝管内をビッシリと詰まらせ、其処へ更に(長期間に亘って頻繁に)ゴミ・汚水等をまき散らす悪癖、それが今回の漏水被害の元凶だった事が判明した。(なお此の時の作業費¥42,000は、当401号室の新入居者K女史が負担した由)。 H.24.2.3.水撒人W氏がT精神病院に入院(現在も引き続き入院中との事)
H.24.6.4.W氏の代理人S子氏(=藤田先生も一緒に(?))が401号室に入り、漏水被害のあった同室☆➂付近を写真撮影(撮影者は水撒人W氏の代理人・S子氏)した。だが上記の如く(私共および専門業者によって)401号室のヤモリ糞(=実はコウモリ糞)を片付け、漏水被害のあった☆➂付近のベランダ床面の汚れ・排水枝管外周の赤錆などを高圧洗浄・除去し、壁面のペンキ塗り直し作業も既に行った後の、スッカリ「お化粧直し」して新品同様になった当401号室の(嘗ての)問題個所を、今更、S子氏が写真撮影しても、最早、漏水被害の痕跡などが認められないのは当然である。
上記の通り、全ての漏水被害の痕跡が(私共B夫婦の掃除と専門業者の作業とによって)完全に洗浄・除去され、壁面も塗り直され、排水枝管内の頑固なゴミ等詰まりも近畿衛生技研㈱の作業(H.23.10.11.)によって取り除かれ、而もW氏自身もH.24.2.3.にT病院に入院し、501号室には居住して居ない。斯くして401号室の漏水被害痕跡は洗浄・除去され、水撒人W氏も501号室に居住して居らず、今や何もかも解決した後の綺麗な「新築ソックリさん」になった401号室のベランダ床面・枝管外周・壁面をH.24.6.4.に撮影した写真ばかりを、マコトシヤカに「甲12の1~19」などと法廷に持ち出して、「御覧の通り、漏水被害などは全く有りません」などと主張する積りか?これまた何たるインチキ反論か!私共はS子氏の余りにも卑劣な戦術には呆れるばかり。藤田先生はS子氏の斯かる卑劣な[やり方]を十分に御承知の上で、訴訟書類を書き上げられたのだろうか?それとも此の卑劣な戦術は藤田先生からS子氏に対する『入れ知恵』であろうか?勿論、私共には真相は分からないが、いずれにしても「弁護士は何が何でも依頼人を弁護し、何が何でも訴訟相手を遣り込めるのが弁護士本来の仕事である」かも知れないが、これはチト酷過ぎる。全くフェアなやり方ではありませんね!
若し、仮に(あの『インチキ裁判・大作戦』を創案した)宮本初美裁判官が、今回のS子氏側からの斯かるインチキ証拠写真でも見て居たら、恐らくは「大喜び(?)」「大歓迎(?)」「これ幸い(?)!」とばかり、即刻これ等のインチキ証拠写真を採用・援用して「だから401号室には漏水被害など全く無かった」「仮に漏水など『実際あった』としても、タッタ一度きり」「生活には何ら不都合は無い」「売買契約を撤回する理由にならない」などと大得意になって決め付け、その一方で私共から提出済みの数多の排水枝管・床面・壁面の赤錆・汚れの証拠写真などは「斯んな写真こそは全く信用できない!」として徹底的に排斥したであろう。(実際に宮本初美裁判官は、私共が提出した漏水被害を示す数多の大判(A4)証拠写真などは、最初から徹底的に無視・握り潰して信用して呉れず、「漏水被害は1度きり」「生活には何ら不都合は無い」「売買契約を撤回する理由にはならない」と判決し、宮本初美裁判官の後を継いだ裁判官諸氏等も、全て宮本初美裁判官のインチキ判決を支持されたのである。だが私共が提出した大判(A4)証拠写真には一切の改竄・合成・捏造などは無い、若し必要とあれば、私共は何時でも、それ等の証拠写真のメモリーカード(=一般カメラのネガフィルムに相当)を提出する用意が有る。それ等を専門家に分析・調査して貰えば、私共が提出した証拠写真には一切の改竄・合成・捏造などが無い事を証明して呉れるであろう(特に[撮影日時]などに注目されたい)。そもそも私共のようなオイボレ夫婦は、証拠写真を改竄・合成・捏造したりするような高等(?)技術も知識も、一切持ち合わせては居りません。
H.24.6.22. W氏の弁護人・藤田先生から奈良地裁宛に「調査嘱託申立書」が提出された。その抜粋「当マンションの501号室ベランダからの水漏れは、W氏が大量の水を撒いた事によるものではなく、元々、排水枝管パイプの瑕疵によるものである事」を証明(?)する目的で、嘱託先は近鉄住宅管理㈱、その嘱託事項は
①当マンションを旧売主S氏が所有したH.19.3.24~H.24.6.22(これは実は藤田先生の勘違い���、501号室および401号室の所有者(占有者)を期間別に正しく列挙すれば下記の通りである。念の為に以下の501号室および401号室の期間別所有(占有)者一覧を下記に示したので参照下さい)。
(註1)マンション管理日誌上では、漏水被害は第1回目がH.21.2.3.にS氏が蒙り、第2回目はH.21.4.15.に私共が漏水シャワーを食らわされたが、当管理日誌上の、その他の追加記載事項、マンション管理人・マンション住民諸氏等の証言、提出済みの証拠写真・イラストなど、その他の数多の証拠物件をも精査して戴ければ、S氏・私共が上階501号室住人・W氏から、上記の1~2回どころか多数回の漏水被害を蒙って居た事が容易に推察される。
(註2)上述した通り、私共・専門業者・近畿衛生技研㈱等により401号室の[ヤモリ糞(実はコウモリ糞)]は片付けられ、[漏水被害によって汚れた枝管・床面]は洗浄され、壁面ペンキも塗り直され、枝管内部・排水口・溝等の詰まり・汚れも解消・清掃されて、言わば『お化粧直し』した後の新品様になった401号室を撮影した写真ばかりをS子氏・藤田先生は法廷に持ち出し、マコトシヤカに「御覧の通り、漏水被害などは無かった」などと言い張る積りか?
(話を元(=嘱託事項)に戻します)上記の期間内に(排水枝管を)修理したことがあるか? ②修理した事実ある場合、誰のどのような申し出に基づいて修理したか? ③修理したのなら、どのパイプのどの部分をどの程度修理したか?修理業者は誰か?修理費用は幾らか? などであった。 斯うして藤田先生は「401号室の排水枝管☆③のクランク部・ベランダ床面・壁面等に生じた赤錆・シミ云々が、上階501号室のW氏宅から受けた漏水被害の痕跡ではなくて、元々、枝管自体の物理的瑕疵に因る物である」ことを立証せんとして、斯かる「調査嘱託申立書」���奈良地裁へ提出されたのであった。
然し、私共は『此の水撒き人W氏・同氏の妹君S子氏・藤田先生による調査嘱託申立』は、実はW氏・S子氏・藤田先生等にとっては、全くの逆効果=『勇み足』『ヤブヘビ』になるであろう事、即ち、私共にとっては正に『大歓迎・大喝采すべき事』となるであろう事、既に分かって居たのである。詳しくは後述する。 以下、(No.12)へ続く
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2024年8月2日
広島原爆投下後の写真ネガ 新たに10点確認 路面電車など写る(毎日新聞)
広島駅駅舎屋上から南東に向かって写す。多くの人々が電車を待っている。写真右手の人だかりがある場所に露店の闇市があった=1946年2月撮影
原爆投下から1カ月後と半年後の広島市中心部を撮影した写真のネガ計10点が、毎日新聞大阪本社の未整理だった資料から確認された。広島駅前にできた闇市の雑踏や復旧途上の路面電車、焼け跡に建ち始めた家屋などが写っており、破壊し尽く��れた街の再建と復興に人々が歩み始めていた時期を捉えている。
1945年9月撮影の3カットと46年2月撮影の7カットで、広島平和記念資料館(原爆資料館)や専門家の協力を得て検証し、45年9月の2カットを除いて撮影地点を特定した。いずれも撮影した記者の氏名は記録がなかった。
46年2月撮影分のうち4カットは広島駅前の光景で、全壊全焼した一帯に建ち始めた住宅や商店、闇市の露店に詰めかける人々、電車を待つ乗客の長い列などを捉えている。別の地点のカットに写っていた電車は判別した形式や車番から、大破した後に修理して復帰した車両と判明した。
広島電鉄によると、原爆で保有していた123両のうち108両が大破したり焼損したりするなど甚大な被害が出た。突貫作業で復旧を進めたが戦後初期は車両が少なく、停留所では大勢が待ったという。
原爆資料館の石田芳文館長は「原爆の傷痕がまだ深く、行政による復興計画が本格的に動き出す前の戦後間もない時期、生きるために懸命だった人々の息吹が伝わってくる。長い復興の過程を検証できる貴重な資料で、『被爆の実相』の理解にもつながる」と話している。【宇城昇、広瀬晃子】
お金持ちだけが医療を受けられる?…コロナが流行ってるけど治療薬はこんなに高い 「いのちの格差」実態は(東京新聞)2024年8月2日
猛暑の本格化と足並みを合わせるよう、新型コロナウイルスの第11波が到来しつつある。喉の痛みに止まらぬせきなど、特有の症状に直面する人々はいま、別の悩みも突きつけられる。コロナ治療薬の高さだ。頭がふらつく中でも価格におののき、処方をためらう人もいるという。「経済格差」「健康はカネ次第」。そんな言葉も浮かぶ現状を改めなくていいものか。(山田雄之、木原育子)
◆「9割が値段でためらい、6〜7割があきらめる」
新型コロナ用の治療薬の一つ「ゾコーバ」
東京・渋谷区の「みいクリニック」。最近は多い��で30人が発熱外来を訪れ、10人ほどが新型コロナと診断される。宮田俊男理事長は「高熱や強い倦怠感、喉の痛みを訴える人が多く、症状が強い」と話し、こう続ける。「ほとんどの患者が値段を聞いてためらい、20〜30代前半は『やっぱり大丈夫です』と断る」
「値段」とは、新型コロナ用の治療薬の金額だ。
同院は、重症化や後遺症のリスクを抑えるために治療薬の処方を提案するが、「9割が値段でためらい、6〜7割が諦める」。飲み薬として通常出す「ゾコーバ」は、医療費の窓口負担3割の人で5日分が1万5000円程度になる。
「値段が高くて処方できないのは歯がゆい」
東京・北区の「いとう王子神谷内科外科クリニック」の伊藤博道院長もそう漏らす。夫婦で感染しても1人分だけの処方を希望するケースもあり、「『お金が払えない』と聞いたら、勧められない」と息を吐く。
◆第11波の主役・変異株「KP.3」の特徴は
新型コロナ用の治療薬「ゾコーバ」などの調剤明細書
新型コロナの感染者数は11週連続で増加し、第11波に入ったと目されている。厚生労働省によると、約5000の定点医療機関から7月15〜21日に報告された感染者数は6万7334人で、1医療機関あたり13.62人。インフルエンザで流行の注意報を出す基準の10人を超えている。九州は多く、佐賀は31.08人、宮崎が29.72人。主流はオミクロン株「JN.1」から派生した変異株「KP.3」。感染やワクチンで得た免疫を回避する力が強く、感染力も目立つ。
国内で新型コロナ用の治療薬として一般流通する飲み薬は軽症や中等症向けのゾコーバ、重症化リスクがある人向けのラゲブリオ、パキロビッドの3種類だ。厚労省の資料には7月12日時点で「全ての受注に対応でき、十分な在庫量が確保できている」とある。先の伊藤院長は「ゾコーバは発症後3日以内、他は5日以内の服用を勧めている」と解説する。
◆「必要な患者に行き届いていない」
コロナ禍の必需品となったマスク
コロナ治療薬は以前、全額公費負担だったが、新型コロナの感染法上の位置づけが「2類相当」から「5類」に移行された後の昨年10月から、最大9000円の自己負担に。今年4月には公費支援が廃止され、3割負担の人は5日分でゾコーバが1万5000円程度、ラゲブリオとパキロビッドは3万円程度となった。
なぜ高額なのか。厚労省の担当者は、新型コロナで入院する患者向けの点滴薬については「新薬として研究開発経費や副作用といった安全性の調査費などを積み上げて薬価を算出した」と述べた一方、他の薬は「類似薬と比較し、薬価を決めている」と説明した。
公費支援の有無で治療薬の処方率が変わる傾向があるようで、医療従事者向けサイトを運営する「エムスリー」の調査では、3種類の飲み薬の処方率は昨年8月で2.2%、公費支援廃止後の今年4〜6月は10.5%程度だった。伊藤院長は「現場でも今、処方希望は患者全体の1割の感覚。必要な患者に行き届いていない」と訴える。
◆アビガンはいま…
新型コロナ用の治療薬といえば、物議を醸した過去もある。
代表例は、富士フイルム富山化学(東京都)が開発したアビガンだ。元々は新型インフルエンザの治療薬だったが、コロナ禍当初、新型コロナへの有効性を示す治験結果がないにもかかわらず、故・安倍晋三政権下の判断で投薬が進んだ。肝心の有効性はその後も確認できず、2022年10月に治療薬の承認申請を取り下げた。ちなみに、アビガンは今、マダニにかまれることで起きる感染症の治療薬として承認されている。
塩野義製薬のゾコーバも承認まで時間がかかった。同年2月に厚労省に承認申請したが、胎児に影響が出る可能性があり、「妊婦または妊娠している可能性のある人」は禁忌になるなど、分科会も有効性を判断しかね、7月に継続審議に。その後も臨床試験を重ね、11月に緊急承認された。
◆「夏場だけでも自己負担軽減を」
「内閣感染症危機管理統括庁」の看板を掛ける岸田文雄首相(左)と後藤茂之感染症危機管理相(当時)=2023年9月
そんな経過を経た今、治療薬を服用しやすい環境の整備を求める声が上がる。
7月16日にあった都医師会の会見では、尾崎治夫会長が「今回は喉が痛くなるのが特徴。食事が喉を通らなくなり、暑さと相まって衰弱し、昨年以上に重症化するケースが増えるのでは」とし「夏場だけでもいいので、自己負担額が軽減されるよう国や都に対策をお願いしたい」と提言した。
同月22日に厚労省が開いた有識者ヒアリングでも、治療薬の負担軽減を望む指摘があり、解熱剤や鎮痛剤などの増産を求める訴えもあった。
◆「エビデンスがあまり確立していないことも問題」
高額ながら治療薬が必要とされるのはなぜか。
インターパーク倉持呼吸器内科(宇都宮市)の倉持仁院長は「重症化を避けるという意味で効果があり、これ以上悪くさせないという歯止めの意味もある」と解説する。
「コロナで自宅療養することに慣れ、症状が出ても解熱剤を飲むなどして、まずは経過をみる人も多い。持ちこたえるように普通の生活を送り、喉が痛くなるなど、どうにもならなくなって来院し、ゾコーバを処方する場合もある」
一方で「『治療したらこうなった』『治療しなかったらこうなった』というエビデンスもあまり確立していないことも問題だ」と指摘する。ただ、そうはいっても「未投与の場合、肺などさまざまな臓器でウイルスが増殖し、炎症を引き起こし、持病がある人は特に悪化しやすい」。
◆「人権無視も甚だしい」
新型コロナについて会見する東京都医師会の尾崎治夫会長=YouTubeから
そんな治療薬だが、現状では経済的な理由で治療薬を諦める人もいる。
NPO法人「医療制度研究会」理事長の本田宏医師は「ひと言で大問題だ」と切り出し、「家庭の懐事情で医療に差が生じるのは、医療へのアクセス権を阻害しているという面でも『いのちの格差』を生んでいる」と続ける。
本田氏は国の医療費抑制策の問題を指摘する。
「『医療費が増えると国が滅ぶ』と、医療費を削る一方で患者の窓口負担は増やしてきた。限界まで医師数を抑制し、コロナでは在宅死も起きた。お金持ちだけが医療にアクセスできる現状になり、人権無視も甚だしい」
今も社会的に影響が大きいコロナ。昭和大の二木芳人名誉教授(感染症学)は「ゾコーバの価格も高いが、重症化の可能性がある人が口にする二つの飲み薬も高額だ。二つの薬は、ともすれば命に関わる人々が対象になる。全体的に治療薬の資金援助が必要だ」と訴える。その上で「ゾコーバなどがもっと安価であれば、多くの人がもっと積極的に飲む。結果的にウイルスの脅威は減る。社会全体の不安感を取り除くとの意味合いでも急ぎ、対策してほしい」と話した。
◆デスクメモ 先日、新型コロナになった。当初は38度前後の熱。解熱鎮痛薬の処方のみ。やがて喉に激痛、声が出なくなった。医院でゾコーバを勧められるとうなずいた。ただ詳しい額を知ったのは薬局でのこと。出ないはずの声が出そうになった。普通の風邪との差。何とかしてと切に思った。(榊)
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新型コロナウイルスの重症患者が急増している。特に40代・50代の重症化が目立つのが第5波の特徴で、東京都では重症患者の6割を占める。だが、この年代へのワクチン接種の進み具合は、自治体によってばらつきが大きく、かなり遅れている所も多い。そんな中、東京都墨田区では、今月7日時点で1回の接種を終えた40代は区民の6割を超え、50代は7割近くに達している。
今月13日付日経新聞電子版によると、同紙が緊急事態宣言下にある6都道府県の主要都市の1回目接種率を調べたところ、墨田区は50歳代で71.9%、40歳代で60.6%とダントツに高かった。40代については、さいたま市(6.7%)、那覇市(16.4%)、大阪市(17.7%)、世田谷区や品川区(17.8%)などと接種率が伸び悩む自治体が少なくない中、墨田区の進捗状況は際立っている。その効果か、陽性者数の推移を示すグラフからは、陽性者が下降の兆しも見てとれる。
なぜそれができたのか。同区のコロナ対策の陣頭指揮をとる西塚至・同区保健所長に話を聞いた。
困難なスタートからの巻き返し
なぜ墨田区は、こんなに速いんでしょう?
「いえ、決して順調に行ったわけではありません。出足が遅れ、想定外のこともいろいろ起きました。大学病院があるわけでも、集団接種に向いた広い施設があるわけでもなく、大きい施設は五輪で抑えられて、条件は決して恵まれていません。それでもなんとか巻き返し、いろんなことを積み重ねて、結果的に今がある、というのが実情です」(西塚さん、以下囲み内は同様)
どのようなことを積み重ねてきたのか。西塚さんへのインタビューや資料から、主要な事柄を確認していきたい。
高齢者枠を使ってでも、まずは医療従事者に接種、という判断
同区では昨年7月頃から、地元医師会とコロナ対策について協議を行う中で、ワクチンについても話し合いを重ねてきた。12月に区役所内に予防接種調整担当課を立ち上げ、ワクチン接種の準備を進めた。
しかし国のワクチン調達は遅れ、当初は輸入量が少なかった。高齢者への接種が開始される4月12日時点で、東京都に割り当てられたワクチンは4箱(3900回分)のみ。高齢者人口の多い地域から配分が始まり、初回は世田谷区と八���子市が2箱ずつ配分を受けた。墨田区としてはいささか出鼻をくじかれるスタートとなった。
墨田区は接種初日の4月17日、集団接種の予行演習をかねて、区内の医療従事者に接種を行った。国の計画では、医療従事者の接種は都道府県が行い、市区町村は住民接種を担当する、ことになっていた。それをあえて、医療従事者からスタートさせたのだ。
「区は住民のことだけ考えていればよいはずでした。しかし、予約システムがダウンするなど、都の医療従事者接種は遅れ、(高齢者への接種を行う)医師がワクチンを打てずにいました。それで、うちは住民接種の枠を使ってでも、まずは医療従事者の集団接種を先に行おう、と」
これは、その後のワクチン接種について、医療従事者の士気を高める効果も生んだ、という。その後、全国各地で、自身は未接種のまま高齢者施設で接種を行う医師たちから不安の声があがったが、墨田区ではそうした事態はなかった。ちなみに、同区では救急車で患者を搬送する消防署員にも、5月には接種を行った、という。
”災害時の頭”で考える
接種券を早い時期に配ったわけ
墨田区の特徴の1つは、ワクチン接種券の配布が早かったことだ。高齢者施設の接種に目処がつき、一般の高齢者の接種が始まったのは5月10日だった。だが65歳以上の区民の接種券は、2か月近く早い4月1日には発送していた。そして6月1日には、都内で最も早く、16~64歳の全ての区民に発送を行った。
「定期接種など”平常モード”では、事業開始の直前に接種券をお送りするのが普通です。しかし、今は”危機”。”災害時の頭”で考えると、大事なのは1人でも多くの人が、ワクチンを打つことです。一足早く接種が始まった世田谷区の高齢者施設に、墨田区民が暮らしているかもしれない。他区の施設で働いている区民もいるでしょう。そういう方々が、接種券がないために打ちそびれる、という事態が起きないよう、とにかく接種券だけは早くお配りしよう、と。1人でも2人でも、今居る場所で打って下さい、という思いでした」
この”危機モード”対応は、後に想定外の恩恵を区民にもたらすことになった。
対象者の5%が自衛隊のセンターへ
65歳以上に限定して行われていた自衛隊の大規模接種センターが突然、6月16日からの年齢制限撤廃を発表。遠方の東京・大手町の会場まで出向くよりも地元で打ちたい、という高齢者が多かったようで、希望者が想定を大きく下回ったためだ。
若い年齢層の接種が可能となったが、予約には接種券が必要。しかし、この時点で多くの自治体は64歳以下には配布していなかった。そんな中、墨田区の人々はすでに接種券を手にしており、区民は次々に自衛隊のセンターに赴いて接種を受けた。
「これは大きかったです。1万2000人、対象者の5%が自衛隊に行って打って下さった」
災害時の助け合い
住民の協力もあった。
自衛隊のセンターでは、モデルナ社製のワクチンを使用。当初、厚労省はモデルナを接種可能な年齢を18歳以上としていた(その後12歳以上に変更)。また、モデルナは副反応が出やすいという話が出回り、1回目と2回目をファイザーより長��4週間空けなければならないこともあって、敬遠する人も少なくなかった。
「ところが、区内の大人たちから、『自分たちは自衛隊に行って、モデルナを打とう』という声があがったんです。ファイザーが足りなくなる、という時期でもあり、『ファイザーは子どもたちに回そう』という草の根の運動になって、自衛隊での接種が増えました。災害時は、地域の助け合いがあってこそ、です」
区直営の集団接種をメインに
危機には「割り切り」も必要
墨田区の”危機モード”対応は、ほかにもある。
「”平常モード”であれば、日頃診てもらっている身近なかかりつけ医に打ってもらうのが一番です。ただ、今は災害時。危機にあっては、割り切るところは割り切って、最大限効率化を図り、数を多く打つのが大事。それに、このワクチンは1瓶から6人分とらなきゃいけないので、個別の診療所でやっていると余ってしまうことも。冷凍庫で保存する必要があるなどの使いにくさもあります。
やはり、こういうものは集団接種がいい。これは2009年の新型インフルエンザの時の経験でもあります。国がいくら練馬方式(診療所での個別接種をメインに、集団接種で残りをカバーする)を推奨しても、うちはブレずに”危機モード”で対応し、集団接種メインで行くことにしました」
”小分け隊”の活用でムダなく数を稼ぐ
当初は4つの区施設を使い、そのほか7病院でも個別接種を実施した。このうち墨田中央病院の接種では、千葉大学墨田サテライトキャンパスが会場を提供した。運営は民間に業務委託せず、区が直営し、ワクチンの在庫管理や配送は、職員による”小分け隊”が行った。
キャンセルが出た場合は、区の危機管理Twitterやメールで区民に告知して希望者を区役所に集め、”小分け隊”が余ったワクチンを回収、西塚さんら保健所の医師が接種した。こうして、ムダを出さずに接種回数を稼いだ。地元医師会も”危機モード”を共有。集団接種の打ち手は、すべて区内の医師たちでまかなった。
「大きい施設はオリンピックに抑えられて使えないなど、条件は厳しく、地域にある資源を最適化して使うしかなかった。でも、それをやってみたら、いろんないいことがあった。特に地元医師会は自分たちが責任をもってやろうと士気が高く、おかげで事故なく、質が高く、長続きしている」
等身大の形作り
接種券の発送や会場の設営は、選挙の際の入場整理券や会場作りと同じ、ということで、選挙管理委員会の職員が担当した。ワクチンに関する情報を掲載した区の広報紙は全戸配布することとし、これにも選挙公報配布のスキルが生きた。
「形を作って丸投げするのではなく、自分たちにできる等身大の形を作り、そこにちゃんと血が流れるように、職員が町内を回って苦情聞きなどもやって���形をさらに整えていきました」
住民の声を聞く中で、若い世代の接種を進めるには、夜間、駅の近くで行う必要があると分かった。そこで、6月末から東京スカイツリーに隣接するビル、JR錦糸町駅と両国駅近くのホテルにも接種会場を設置。平日は午後8時まで、さらに土日祝日にも接種を行えるようにした。スカイツリー会場には託児所も設けた。
二転三転する国の方針にも柔軟に対応
当初から複数のワクチン使用を計画
国のワクチン供給が不安定な中、墨田区は接種が始まる前の段階から、モデルナ社製ワクチンの使用を計画に組み込んでいたことが奏功した。
接種が始まった時点で、厚労省が承認していたのはファイザー社製ワクチンのみだった。モデルナ社とアストラゼネカ社のワクチンが特例承認されたのは5月21日。しかし墨田区では、3月に公表した「実施計画」で、7月にはアストラゼネカとモデルナのワクチンを導入して、接種を加速させる計画を明らかにしていた。両社のワクチンは、ファイザー社製とは接種の間隔が違い、在庫管理も異なるので、複雑なオペレーションが必要になる。しかし、同区では接種の加速には、ファイザー以外のワクチンも必要になると考え、事前準備をしていた。それが、以下のように役立つことになる。
事前準備でモデルナ確保
6月11日、ワクチン担当の河野太郎規制改革担当相が、市町村の集団接種でもモデルナの使用を認める方向を示した。あらかじめ計画済みの墨田区は、すぐに手を挙げた。この素早い反応で、同区はモデルナの配送を受けることができた。
国が自治体でのモデルナ使用を認めたのは、7月からはファイザーの輸入量が減る分を補うためだった。ところが国は、同月22日には再度の方針変更をした。モデルナを使用する職域接種の申し込みが多く、「1日の可能配送量はもう上限に達している。このままいくと、供給できる総量を超えてしまう」として、自治体のモデルナを使った集団接種と職域接種の申請を中止したのだ。準備が間に合わず、配分を受けられなかった自治体もある。
在庫を出し惜しまない
ワクチン供給不足への対策として、河野行革担当相が一時、在庫が多い自治体には配分を減らす、という新方針を示し、全国の自治体が混乱したことがあった。この時も、墨田区は影響を最小限に済ませた。扱いが面倒なワクチン接種記録システム(VRS)は、区職員が残業してこまめに入力。2回分を確保しないと1回目の予約をとれない、という自治体が予約を停止している中、墨田区では西塚保健所長が「在庫は出し惜しみせず、ペースを落とさずに予約や接種を進めて下さい」と、現場に檄を飛ばした。
「平常であれば2回確保してから予約をとる、となりますが、これも”危機モード”で対応しました。モデルナがありますし、国の輸入予定量は公表されていましたから、そういう情報を常にチェックしながら、大丈夫だろう、と。カラ元気でもありましたが、在庫ゼロのおかげで、”ボーナス(追加)”も来ました。この時期に加速するはずが、そ���はできなかったけれど、(ファイザー供給減の)前と同じ水準は保てた」
このように、ワクチンを巡ってしばしば二転三転する国の対応にも、早い時期からの準備と、”危機モード”による柔軟で大胆な反応で、切り抜けてきたのが墨田区だった。
通年議会が補正予算に迅速対応
加えて、区議会も”危機モード”を共有。ワクチン接種会場の増設など、様々な変化に伴う予算の確保に素早く対応した。
「昨年の11月から通年議会となっていたこともあり、毎月のように補正予算を通してくれるので、次々に変化する状況に迅速に対応できたんです」
毎月の議会で、議員が住民の要望を披露したのも、情報として役立った、という。
”危機モード”共有の背景
このように区、地元医師会、住民、議会などが”危機モード”を共有できた背景には、墨田区特有の事情もありそうだ。
隅田川沿いにある同区は、水害の危機と常に向き合っている。最悪の事態では、ほぼ全域が水没することもありうる、と予測されているからだ。大雨の予報が出るたびに、同区は水害の発生を警戒する。常に最悪の事態を想定して考える”危機モード”の思考が鍛えられ、コロナ対応でも生きたのではないか。
同区では昨年1月末の段階から、新型コロナウイルスを新たな「災害」、それも警戒レベル5の最大級の災害ととらえて対応してきた、という。国や東京都では、第5波で重症患者数が過去最高を日々更新する事態になって、ようやく「災害級」という言葉が出てきたのに比べると、危機への向き合い方が異なるように見える。
この”危機モード”を区、医師会、住民、議会が共有し、連携することで、次々に生じるいろんな問題をうまく飲み込み、ペースを落とさずに接種を続けることができた、と言えるだろう。
ワクチン以外でも素早い対応
墨田区が速いのはワクチン接種だけではない。医療提供体制についても、際だった対応が見られた。2つの例を挙げる。1つは、地域完結型の医療体制「墨田区モデル」の構築。もう1つは、抗体カクテル療法のすみやかな導入だ。
回復期の患者を中小病院が引き受ける
コロナ禍の日本で、医療が逼迫する原因の1つに、回復した重症者の転院が困難、という問題がある。患者は人工呼吸器から離脱できても、すぐに日常生活には戻れるわけではない。その後の治療やリハビリが必要だが、そのための転院先がなかなかみつからないのだ。
これに対応するため、墨田区は今年1月25日、地域の病院が連携して、転院を進める仕組みを作った。同区では第一種感染症指定医療機関である都立墨東病院が重症患者を、同病院と重点医療機関の病院が中等症患者を引き受けている。そして回復期に入った患者は、他の中小私立病院が次々に受け入れ、重症者や中等症患者のためのベッドを空けるようにした。
この体制を導入して3日後には、入院待機者が0になった。今も、医療崩壊を食い止めている。
速やかな体制作りが可能になったのも、災害時を想定した、常日頃からの地元医師会と保健所の関係があったからだ。
「危機を想定し、墨東病院には『断らない医療』をやって���らい、そこがいっぱいになったら地域の医療機関が後方支援で引き受ける、という意識が、地元の病院経営者には以前からある。今回は、墨東をパンクさせないために、自分たちが支えていかなければならないという危機感が、地元医師会の中でより一層強い」
抗体カクテル療法にもいち早く対応
抗体カクテル療法は、2種類の抗体を点滴投与する治療法で、軽症者の重症化を防ぐ効果がある。アメリカのトランプ前大統領が感染した際、この治療を受け、早期に回復したことで知られる。日本では、7月19日に重症化リスクの高い軽症・中等症患者の治療薬として特例承認された。墨田区では、同愛記念病院に区民優先の病床を20床確保していたが、ここで同月27日から必要な患者にこの療法を行うことにした。8月13日までに20人の患者に実施し、いずれも経過は良好、という。
東京都がこの療法のための病床20床を確保したことを発表したのは同月12日だったことを考えると、墨田区の手際の良さが光る。これも、”危機モード”による早い準備が生んだ。
「4月に、近いうちに特例承認されるという情報があったので、区内の病院で実施しようと、5月頃から病院と勉強をしてきました。当初は4つの病院で実施しようと考えていたのですが、入院が必要とのことなので、区民のための病床を確保していた同愛記念病院で行うことにしました」
準備を急いだのは、第4波の大阪の状況を見て、危機感を募らせたからだ。地元医師会と共に、神戸市民病院の医師を招いたweb上の研修会を行い、関西でどのようなことが起きたのか、詳細を学び、対策を検討した。
「酸素が足りない、中等症のベッドは一杯になり、感染者が減らない。このような大阪の第4波が東京でも起きる、という前提で準備をしたのが、今生きている」
十分な検査態勢を整える
このほか、コロナ対応としては、検査態勢を区独自で充実させてきたことも大きい。それは、昨年4月に墨東病院でクラスターが発生し、新たな入院や救命救急センターでの患者受け入れを停止した時の教訓からだという。
「国立感染症研究所が入って、症状のない人も含めて全員の検査をやった。そのやり方から学ぶことが多かった。ウイルスは目に見えない敵なので、徹底した検査しかない」
しかし当時、東京都としてできる検査は1日に200-300件ほど。そのため、医師が必要と判断しても、検査を受けられない発熱患者がいた。墨田区は、独自にPCRセンターを設置。6月に検査会社を区内に誘致し、通常の3割程度の金額で1日240件の検査を行えるようにした。
さらに、保健所自身が唾液によるPCR検査を開始した。検体を唾液にしたのは、医師がいちいち咽頭を綿棒でぬぐう作業をしなくてすむので、大量の検査に適していると考えたからだ。
最初に大規模な検査を行ったのは昨年6月下旬。地元のオーケストラ、新日本フィルハーモニー交響楽団の楽団員ら74人のPCR検査で、全員の陰性を確認した。それまで演奏活動を自粛していたオーケストラは、7月初めに演奏会を再開した。
「自前の検査なので午前中に検体を出せば、2時間後には結果が分かります。費用も1人1000円くらいで済みます。どこかの施設で1人陽性者が出れば、すぐに全員の検査をやる」
陽性者の第一報を知ると、西塚所長自身も防護服を着込み、検査のために現場に向かった。高校受験の時期は受験生の検査を行い、小学校の移動教室など人数が多い時にはプール方式で検査した。夜の街が危ないという話が広がった時期には、向島の花街の芸者たちの検査を実施。「向島は安全だと示したいので、ぜひやってください」という芸者衆の要望に応えた。
「人は大事」
こうした対応が可能になったのは、1人の保健所職員がいたからだ。ベテラン検査技師の大橋菜穂子さん。西塚所長が独自の検査実施の方法について頭を悩ませていたところ、大橋さんが「私はPCR検査ができます」と申し出た。
2014年に代々木公園でデング熱が発生して以来、大橋さんは毎月のように、区内の公園で蚊を採取してはすりつぶし、PCR検査でウイルス感染の有無を調査し続けていた。結果はいつも陰性だが、それを確かめるために、大橋さんは黙々と検査を重ねた。PCR検査の技術を磨き、機械もメンテナンスを欠かさなかった。
それが、このコロナ禍で生きた。大橋さんは、感染症研でコロナウイルスの検査の手法を学び、今では変異株の検査も担っている。
「昔は、検便も結核の検査も、水道の検査も、すべて保健所でやっていた。それが次々に民間委託となり、保健所から検査機能が失われ、保健所そのものも減らされてきた。そんな中、商売にはならない蚊の検査を続けてきた検査技師が1人いたおかげで、コロナにも対応できた。本当に、人は大事です。金にならないことをやって、危機に備える。これこそ公衆衛生です」
適切な情報の公開
住民への適切な情報発信も心がけた。象徴的な事例が、早期にコロナ対応をする医療機関名の公表に踏み切ったことだ。
新型コロナの感染が疑われる患者に対応する医療機関は、都道府県が「診療・検査医療機関」を指定した。ただ、多くの自治体は「風評被害」を恐れて機関名を公表しなかった。東京都も同様。そのため、患者が受診するには、かかりつけ医か都の発熱相談センターに相談し、紹介を受けなければならない。同センターに電話がつながらないことも多く、煩雑さから、症状があっても軽症の場合、医療機関にかからずに済ませる人も少なくなかった。
そうした人が感染を広げる懸念から、墨田区は昨年11月、区内の「診療・検査医療機関」の名称公表に踏み切った。それによって受診がしやすくなる利便性と、感染拡大の抑制が狙いだった。区の広報紙では、年末年始の発熱外来を行っている医療機関名と診療日や連絡先などを詳しく伝えた。
さらに、西塚所長がTwitterなどのSNSを使って、区の対応を丁寧に説明。西塚所長のアカウントには、「家族が熱を出した。どうしたらいい?」「熱がある。日曜日だけど、どうしたらいい?」といった相談も頻繁に飛び込む。そのたび、「○○なら、予約なしで受診できます」��どといった情報を伝えている。
「自分が必要な時に必要な情報が得られずに困っている人がいる。そういう人をとりこぼさないようにしたい。災害時は、区としては大きく構えて対策をしなければならないが、こういう細かい情報を補強するにはSNSは有益です」
このような対応をするため、自宅にいても、スマートフォンは手放さない。
ちなみに、施設で患者が確認された時、噂や風評被害を防ぐため、同区では施設名も公表している。
保健所の役割とは
保健所の仕事について、西塚所長はこう語る。
「いろんな資料を分析しながら、地域の弱みを常にウォッチして、必要な資源を作って供給していく。インテリジェンスとロジスティクスです。墨田区は一貫して、これが公衆衛生を担う保健所の役割と認識してやってきました。私たちは、尾身先生たち専門家が言うことを忠実にやってきただけです。その(提言を実現する)ために必要な資源は用意する。現場の医師たちが『検査をしたい』『患者を入院させたい』と言う時に、ちゃんとできるようにする。これが保健所の仕事です。
資源が足りなければ、作る。たとえば、東京都の検査能力が限られているからと、検査数を絞るのではなく、検査がより多くできるようにしてきました。国や都の対応を言い訳にせず、資源にニーズを合わせるのではなく、ニーズに資源を合わせるんです」
そのための工夫をし、早めに準備を整えて、あらゆる立場の人たちを結びつけていくのが、西塚流の真骨頂と言えるだろう。
平成元(1989)年度には、全国に848あった保健所は、合理化の波に洗われて、現在は470まで減らされた。その保健所が今、新型コロナウイルスとの闘いで要の役割を担っている。
「だいぶ減らされたとはいえ、うちに検査技師がいたように、今もまだ保健所には様々なスキルが残っています。その力を、今発揮しないで、いつ発揮するのだ。そんな思いでやっています」
各地でも今、それぞれの地域の事情を踏まえた保健所の奮闘がある。その保健所の機能を存分に生かすためにも、また、各地でワクチン接種を加速化するためにも、国や各自治体が西塚所長の話から学ぶところは多いのではないか。
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昨年7月8日の安倍晋三元首相銃撃事件を契機として、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡るさまざまな問題が明らかになりました。教団の持つ顕著な反社会性や被害の凄惨(せいさん)さが広く世間に知られるようになり、同時に政治家との癒着の実態も次々と明るみに出て、旧統一教会問題は大きく社会問題化しました。 政界では昨年夏以降、各政党が旧統一教会との従前の関係性を問うアンケートを実施したり、議員が個別に関係を絶つという表明をしたりしたほか、自民党の行動指針に教団との関係断絶を明記すると岸田文雄首相が国会で表明するなど、教団との関係を見直す動きは一定程度進められました。 このような情勢の中で、旧統一教会の宗教法人解散を求める声が飛躍的に���まりましたが、所轄庁である文化庁は長年にわたり、宗教法人法上の解散命令請求の要件を非常に狭く解釈し、刑罰法規の違反に限るとしており、法人や代表者自体が刑事責任に問われたことのない旧統一教会については要件に当たらないとの立場を取り続けていました。 これはそもそも不合理な解釈でしたが、昨年10月、岸田首相は、世論に押される形で国会答弁でその解釈を変更し、民法違反も含まれうるとしました。 そして、解散命令請求の要件に当たるか否かを判断するためとして、文化庁は昨年11月、旧統一教会に対して宗教法人法上の質問権を初めて行使し、現在に至るまで6回実施しています。同時に、旧統一教会問題に長年取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)から資料提供を受けたり、被害者からの聞き取りをしたりするなど調査を進めています。 被害者救済新法の成立 積み上がる被害者や家族の声と世論の大きなうねりの中で、昨年12月10日の臨時国会で不当寄附勧誘防止法(いわゆる被害者救済新法)が成立しました。同法は、主に旧統一教会による高額献金被害を念頭に国会審議が行われ、わずか1カ月という異例の短期間の議論を経て、しかも土曜日に国会が開催され成立したという点で極めて異例でした。 長年、旧統一教会問題に対して何らの対応もせずに放置してきた国が、わずかな期間に被害者救済を目的とした新しい法律を作ったことは驚くべきことであり、被害抑止・救済に向けた取り組みの第一歩として評価できるものでした。 昨年9月以降、国、日弁連、法テラス(日本司法支援センター)に設置された各相談窓口には、旧統一教会の被害者や家族らからの相談が山のようにあふれていました。これは、長年声を上げられなかったり、諦めたりしていた被害者や家族らの叫び声でした。 これら被害者・家族の受け皿となり旧統一教会被害の具体的な救済活動に当たるものとして、昨年11月、全国の200人以上の弁護士が結集し、全国統一教会被害対策弁護団が結成されました。 弁護団は今年2月、旧統一教会に対して第1次集団交渉の申し入れを行い、損害賠償や献金記録の開示などを求めました。その後、第2次、第3次と申し入れ、被害者数は計99人、請求額は26億円を超え、今後も順次申し入れを行っていく予定としています。 「宗教2世」と呼ばれる、カルト宗教の信仰を持つ親の下で育った子どもたちが受けてきたさまざまな人権侵害は、長年社会問題として認知されておらず、家庭内の問題である、あるいは宗教であるとして、行政も介入に極めて消極的でした。 昨年7月以降、それまで声を上げることができなかった多く���宗教2世たちが勇気を出して次々と声を上げ、報道でも大きく取り上げられるようになり、宗教2世の問題はようやく社会問題として認知されました。 昨年12月、厚生労働省は宗教虐待に関するガイドラインを公表しました。このガイドラインは、宗教2世が受けてきた宗教を背景としたさまざまな人権侵害(宗教虐待)が児童虐待に当たることを明記し、行政に対して子どもの側に立った対応を求めるものであり、現在の児童虐待防止法の枠組みの中で図りうる最大限の対応指針を示したものでした。 世間の「終わった感」 このように、安倍元首相銃撃事件から数カ月間での旧統一教会問題を巡る社会のさまざまな変化は、それまでの「空白の30年」とも呼ばれる長く放置された期間を考えると、まさに劇的なものでした。 しかし、これはまだ被害抑止・救済に向けた取り組みの第一歩というべきものに過ぎず、多くの問題はいまだに解決されずに残ったままとなっています。 ところが、昨年12月に被害者救済新法が成立したあたりから、何となく世間に「やった感」「終わった感」が漂い始め、年が明けると世論は次第に沈静化し、マスコミの報道も大幅に減ってしまっています。これに呼応するかのように旧統一教会は勢いを強めており、表向きの改革をアピールするとともに、今年5月には韓国で数年ぶりに大規模な合同結婚式を開催するなどして活動を活発化させ始めています。 1950年代に日本に入ってきた旧統一教会は、これまでも繰り返し社会問題化してきました。しかし、そのたびにさまざまな手を講じて社会の目をくらませ、ほとぼりが冷めるのを待ち、再び被害が発生するということを繰り返してきました。 このままでは同じ轍を踏むことになりかねず、ここでしっかりと旧統一教会被害の根絶を図ることが絶対に必要です。 世論の沈静化とともに、旧統一教会と政治家との過去の癒着の実態についても、十分な調査・検証が行われずにうやむやにされたままとなっています。 米国では76年以降、フレイザー下院議員を座長とする委員会が「コリアゲート事件」(韓国政府などによる米国政界工作事件)に関する調査を行い、「フレイザー報告書」と呼ばれる調査報告書をまとめました。それを基に、旧統一教会の教祖文鮮明が脱税容疑で告発されて服役することになり、以降、米国での教団の活動はそれ以前に比べて下火になりました。 他方、日本における旧統一教会は一部の保守系政治家のお墨付きを得て共存共栄し、それが被害拡大に寄与してきたという現実があります。国は、教団と政治家との過去の癒着の実態について、第三者委員会などを立ち上げて十分に調査し検証を行うべきです。 解散命令と財産保全 旧統一教会は長年、国に認証された宗教法人として大手を振って違法な活動を続けてきました。裁判所の解散命令によって宗教法人格を失えば、「宗教団体」としては存続し得ますが、「宗教法人」としての特権を失い、間違いなく組織は弱体化し被害は減ります。そのためには、文化庁が解散命令請求を行い、裁判所が一刻も早く解散命令を出すことが必要です。 同時に大事なのが、財産保全を図るための特別措置法を制定し、早急に財産保全を行うことです。宗教法人法には財産保全の規定がなく、立法の不備があります。 旧統一教会は、これまで毎年数百億円もの資金を韓国やアメリカに送金してきており、組織的に全国の不動産売却を図ったこともあり、解散命令が近づくにつれ財産隠しを図る可能性は極めて高いといえます。 解散命令が確定し清算手続きに移行すると、裁判所から選任された弁護士である清算人が法人の財産を処分し、債権者へ配当を行うことになります。被害者も債権者と認められれば、清算手続きの中で支払いを受けることにより被害救済を受けることができます。しかし、清算手続きに移行した時点で空っぽであれば目も当てられません。 また、全国統一教会被害対策弁護団による集団交渉申し入れに対しては、教団側は基本的に「被害」なるものは見当らないというスタンスであり、不誠実な対応を取り続けています。 そのため、弁護団としては次の段階として集団調停や集団訴訟を検討せざるを得ませんが、被害者や家族らの被害には、既に消滅時効の期間を過ぎていたり、証拠が残っていなかったり、本人が既に亡くなっていたりするなど、困難な事案も多く含まれています。 そのような事案も、元はといえば教団が長年にわたり自らが生み出してきた「被害」に向き合わず、無責任な対応を続けてきたことに起因するのです。教団の責任を認めなければ不法な利益が教団側に残ることにもなり、正義・公平の観点に反することが明らかです。裁判所においては、被害者・家族の適切な救済が図られるべきです。 宗教虐待への対処には 新たに成立した被害者救済新法は、被害抑止・救済に向けた取り組みの第一歩としては評価できるものの、適用対象や範囲が狭いなどのため実効性としては乏しいものであり、特に家族被害の救済にはほとんど役立たないものとなっています。 同法は、施行後2年をめどとして施行状況などを勘案し検討を加えるものとされています。被害者の声に十分に耳を傾けた上で、被害救済に役立つように適切にその内容を見直していくことが必要です。 また、厚生労働省が出した宗教虐待に関するガイドラインは、児童虐待防止法の枠組みの中での対応指針を示したものでしたが、児童虐待防止法が基本的に親子間の虐待を想定しているため、宗教団体が背後にある宗教虐待への対応には限界があります。 第三者虐待防止法などの制定、または児童虐待防止法の改正によって、宗教虐待の禁止を明記するとともに、組織的な宗教虐待へ対処するための国・自治体の権限の明確化を図ることなどが必要です。 このように旧統一教会の問題はまだ緒に就いたばかりです。人権問題であり、被害が根絶するまで多くの方に関心を持ち続けてほしいと思います。 弁護士 阿部 克臣(あべ・かつおみ)/1978年山形県鶴岡市生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、2009年弁護士登録。第二東京弁護士会、リンク総合法律事務所所属。全国霊感商法対策弁護士連絡会の事務局、全国統一教会被害対策弁護団の事務局次長を務めるほか、多数の消費者被害弁護団に参加している。共著に「統一教会との闘い 三五年、そしてこれから」(旬報社)。
「特集」 旧統一教会問題を止めるな 安倍元首相銃撃事件から1年 | 株式会社共同通信社
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聴講メモ 堀部政男情報法研究会・森田朗行政学研究会共同シンポジウム ~個人情報保護法の見直しと医療・防災における個人情報の利活用~
聴講時に入力したメモです。断片。配布資料等からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
開催案内:https://horibe-morita20190820.peatix.com/ 日 時:2019年8月20日(火)10:00〜17:30 会 場:津田塾大千駄ヶ谷キャンパス 主 催:堀部政男情報法研究会・森田朗行政学研究会 共 催:一般社団法人日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP) 一般財団法人情報法制研究所(JILIS) 後 援:個人情報保護委員会 国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター 理化学研究所AIP(依頼中) 情報法制学会(ALIS) 情報ネットワーク法学会 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 一般財団法人日本データ通信協会 株式会社KDDI総合研究所
(以下、敬称略)
※午前は聴講できず。メモ無し。
総合司会:高野一彦 関西大学教授・堀部情報法研究会理事
開会 10:00 開会の挨拶 堀部 政男 堀部情報法研究会 会長
第1部:我が国における個人情報保護法制のこれから
10:05〜10:35(30分) 1.基調講演「個人情報保護委員会の設置と役割」 堀部 政男 一橋大学名誉教授、前個人情報保護委員会 委員長、KDDI総合研究所 招聘研究員 10:35〜10:55(20分) 2.個人情報保護法三年ごと見直し(法改正)に向けて(ビデオ) 宍戸 常寿 東京大学教授 10:55〜12:30(95分) 3.パネルディスカッション 「個人情報保護法の見直し:中間整理とパブコメ」 司会:高野 一彦 関西大学教授 小向 太郎 日本大学教授 佐脇 紀代志 個人情報保護委員会事務局 鈴木 正朝 新潟大学教授・理研AIP・JILIS理事長 山本 龍彦 慶應義塾大学教授
12:30〜13:30 昼食(60分)
第2部:我が国における医療情報の利活用 13:30〜14:00(30分) 4.基調講演「個人情報が命を救う! 〜 医療と防災における個人情報の活用と保護のバランス〜」 森田 朗 森田行政学研究会 会長、津田塾大学教授・東京大学名誉教授、一般社団法人日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)理事長
医療情報を活用する、日本の医療、世界の医療の発展のために活用すべき。JUMPで活動。
IT推進本部デジタルガバメント分科会会長。
デジタル化がもたらすもの 先進諸国のめざす方向 マイナンバーの活用推進
『第3の波』でも指摘されているが、IT技術をもっと活用すべき。 個人情報の活用、IT技術の活用にはリスクもある。リスクをコントロール、最小化し、ベネフィットを最大にする。
給付、サービスの最適化 一定の基準で平等、公正に。正確に、早くするために個人IDの活用
民間企業が利益のために活用することによる問題
今日の議論における欠落 比較衡量の視点の必要性 リスクを最小化しつつ、メリットを最大化する リスク”ゼロ”は非現実的 私的企業活動と公共的利用 通常時の制限と非常時の活用 利用制限と収集制限 収集しても利用を制限する方法もある 制度整備の促進を 被害者の救済策と被害拡大の抑制 ある程度のリスクが発現した場合に、どうやって被害を最小化するか
現代の医療 疾病構造の変化 高齢化と生活習慣病 医療技術の発展 個別化医療 希少疾病 医療政策の転換 治療から予防へ これらを実現するためには、全国民についての生涯にわたる健康情報の蓄積が必要 PHR
医療分野における情報活用 1.個々の患者に対する最適な医療の提供 2.生涯にわたる国民の健康管理 3.医学及び医薬品・医療機器等のイノベーション 4.医療資源の最適配分 5.医療保険財政の持続可能性
国民IDと情報の結合 全国民に付番されたIDに基づ���て、各所に保存されている健康情報を紐づけられることが必要 →個人情報保護との調整が必要 現状:レセプト(NDB)、DPC、がん登録、特定健診等の既存のDBの結合が課題 医療分野におけるIDの活用は決定済。ただし、マイナンバーは使用しない。被保険者番号を使用し、識別子を使って過去の被保険者情報と結合 ①研究・開発のために匿名化されたビッグデータの活用 ②個別患者の治療において、過去の診療情報の活用を可能に 機微性の高い情報にどうやってアクセスするか
医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みに関する検討会 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05744.html
災害時の個人情報活用 災害時 多数の被災者と限られた救済資源 効率的な安否確認、家族等の安否・所在確認の必要性 医薬品等の必要物資の調達とデリバリー 避難所での生活支援 海外 ID(カード)の活用による情報の結合と共有 非常時における本人確認と救済支援活動の効率化 日常的な個人情報システムの整備 個人情報保護の仕組みと有効かつ効率的システムの構築 リスク評価を含む費用対効果の分析
非常時に使うためには平時に情報の蓄積が必要だが、リスクを無視していいというものではない。 比較評価をして、便益、リスクを取捨選択しなければならない
システムを作るときのコストは産出されるが、長期的なベネフィットは試算されていない
14:00〜14:30(30分) 5.「個人情報保護と医療・医学研究 憲法の観点から」 曽我部 真裕 京都大学教授
基本権同士の調整の問題 情報法の問題であるとともにその背景にある憲法の問題でもある
多くの憲法学者は、憲法で保障されるプライバシー権には自己情報コントロール権が含まれ、個人情報保護制度はそれを具体化したものであるとする。
憲法学説の主流:自己情報コントロール権説 憲法13条で保障 プライバシー権理解は私人間にも通用
佐藤説 道徳的自律存在としての個人
自己決定の観念 実定法上、どの程度貫徹されているか そもそもなぜ自己決定が必要なのか?
個人情報保護法において同意が果たす役割は限定的 行政機関個人情報保護法では更に余地は限られている。
GDPRではもっと同意のプレゼンスは大きいが、限られている。
それ自体が人格的自律に深くかかわるようなものとは異なり、プライバシーの文脈での情報自己決定は、ごく一部のセンシティブ情報を除けば、それ自体が人格的自律に関わるものでは必ずしもなく、手段的なものだと理解される。
社会通念上不当な取り扱い及びそれに起因する不利益を防止するのが目的で、自己紹介・同意の要素は基本的はそのための手段
「同意」は本当に有効か
医療の発展による社会全体の便益 学問の自由 介入制限 研究者共同体の自律
個人情報保護法76条1項3号の趣旨は? 実体法的? 権限分配的?
2000個問題 研究倫理指針
規制の統一性
論究ジュリスト24号
14:30〜15:00(30分) 6.「医療分野におけるAIの活用と法的課題」 新保 史生 慶應義塾大学教授
汎用型AIの開発は途上 薔薇色の夢から現実的な用途へ
AI利用への信頼は?
AIによる読影 医師の診断と異なる場合は?
インフォームドコンセントが意志の責任軽減の手段になってしまう?
希少疾患は患者が分かってしまう確率が高い。通常の疾患でも6割程度は特定可能
過剰反応と過小評価
カルテ等の診療情報の活用に関する検討会報告書
診療録の作成・保存は義務
責任の所在が問題
東京地判平成7年7月28日 承諾が必要
自己決定を由来としてインフォームドコンセント
説明すればいいのか?
自己情報の開示請求権の行使という考え方もできる
21st Century Cures Act
第3部:我が国における防災情報の課題 15:15〜15:45(30分) 7.「防災と名簿」 加藤 尚徳 KDDI総合研究所・理化学研究所AIP
防災と2000個問題 南海トラフ地震 要配慮者名簿の取扱
医療トレーサビリティ推進協議会
真備地区の水害と個人情報の問題 避難所により避難者情報の取扱いに違い 体育館に紙の名簿を張り出すところもあった 受付票の電子化を住民が申し出たが、個人情報への配慮から行われず 別の小学校では住民の個人のPCで入力し、出力したものを張り出した
協力機関に受付票は開示されなかった
被災者 「何回も何回も、同じことを聞かれた」
発災する前に必要な情報は取得する必要がある
倉敷市連合医師会 個人情報保護の観点から情報が共有できない どこに誰がいるのかさえ分からない 昼間、作業している人に晩御飯がない… 必要な支援に繋げられない 在宅被災者の問題 自宅から動けない人と医療
指定避難所に逃げられない 名簿の重複とメンテナンス
災害に関連した3つの名簿 要支援者名簿…事前に名簿化 共有前提 要支援者の定義にばらつき 手上げ方式 避難所名簿 複数作られる 管理者不明・不在の名簿 名簿の拡散 被災者台帳…行政(基礎自治体)が作成 住基台帳とリンク 罹災証明の発行に使われることも 物が中心
3つの名簿は相互関係がないので、紐付けできない
基礎自治体ごとに作られるので、リンクしない 非住民は捕捉できない
単一ID(国内)を使った紐付け+お薬手帳、レセプト、銀行口座、センシングデータ 等々
IDの悉皆性を担保できるか 異同を捕捉できるか 時間軸の中でシームレスに繋げられるか 他の情報追加できるか
レセプトデータ(GS-1コード)
第4部:総 括 15:45〜17:20(95分) 8. パネルディスカッション 「防災、医療と個人情報の利活用」 司会 森田 朗 津田塾大学教授/JUMP理事長 鈴木 正朝 新潟大学教授・理研AIP・JILIS理事長 山本 龍彦 慶應義塾大学教授 加藤 尚徳 KDDI総合研究所・理研AIP
す 3・11で問題が浮上。もう1つの問題は老々介護。医療・防災についてはみんなが考えてくれる。具体的な利活用の問題はシンパシーを得やすい。共通、具体的な問題から考えていく。
や 医療IDを用いた連携については監視国家論からの批判があるが、自分は肯定的である。自由の促進の面もある。システムを作り、どういう場面でファイアウォールを引き抜くのか?医療情報の利用目的は多様。「公共の福祉」の濫用は不信感を招く。製薬会社がどれくらい責任を持つのか?AI関係ではデータの偏りの問題がある。少数派の診断の品質。 スマホを持っていない人の情報は取りこぼされる。
か 防災の場合は、FWを引っこ抜く時期は明白だが、事前の情報収集をどう進めるか。IDがないが故のFW無し状態。バックグラウンドで動くIDは不可欠ではないか。
も 行政の現場で、どういうときに何が必要なのか。認知症で独居の高齢者をどうやって助けるのか。その人達に同意を取るということは?
す 日本の戸籍制度は世代間を貫いて情報が整理されている。一方で、新たなDBは腫れもの扱いされている。 平時の有事に備えた名簿整備は生存権に関わる。法制度が父権主義的に立ち入ることについて提示し、反応を見てもいいのではないか。理論を緻密に積み上げ、やっていいこと、やってはいけないことを考える。
や 同意至上主義、同意絶対主義というのは、どこの地域、どこの国でも取っていない。リスクを防ぐための保護を先に考える必要がある。リスクを踏まえた制度作りが必要。集合的同意の調達と制度 地域包括ケアにおける同意の弊害については、平時のFWであり、発災時の利用をどうするか、正当に使うことをどうやって担保するか。
か 「同意」といった場合、誰に対する同意なのかで違ってくるのではないか。対国家と私人間では違うのではないか。p2pかc2pか2gか。主体をベースに考えられていた同意が、目的に依ってくるのではないか。 データ活用における財政目的をどう考えるのか。
や 保険医療制度の維持と密接に関係している。パブリックなインタレストとガバメントのインタレストが混同されることがある。財政はパブリックというよりもガバメントの利益。ガバメントの利益であることを正面から言って、説明を尽くす。ナッジの議論、健康ファシズムの問題。ナッジが効きすぎると強制になってしまう。
も 財政上に必要なのはアグリゲートされたデータ。個票ベースのデータは必要だが、必要なのは蓄積と数量。エビデンスベースドポリシーメイキング 基礎データを集めておくことは国民にとってプラスになるが、何の為に、誰に使わせるかは注意が必要。 データを資源としてどのように評価するか。
す 金の切れ目が命の切れ目になるのが社会保障制度の問題。国内の分断が共感ベースでの社会保障を切断しかねない。憲法がどこまで支えてくれるのか。 DBの便益を最大化し、リスクを最小化するために、憲法が防波堤になるように、今のうちに検討すべきではないか。大きな弊害の前哨戦として。 最低限をどこに設定するか、価値観の確認をしたい時期。
や 憲法が要請している福祉国家の在り方自体を再検討すべき時期であるということには同意する。どこが民主主義に委ねることができない部分か。救貧の部分はそれであるが、防貧と混同されている。生活保護制度は救貧である。
か 組織的なボランティアは情報もきれいに使う。海外での支援の経験があり、費用についても計画的。精神論で乗り切るのは勘弁してほしい。根性論で社会設計して、根性論で乗り切れというのはあんまりだ。データを蓄積して分析していくことが必要。防貧の面でお金を削っても生きていけるだろうというのは根性論。データを積み上げ、緻密に見ていくべきではないか。
す エビデンスベースで政府を小さくしていくというのが大局であろうが、様々なデータで支えていくしかないだろう。濫用を規制し、どのようなデータを集めるかはパターナリスティックに政府が進めるしかない。この分野に注力するというのを決める。濫用抑止の為に透明性を高めて欲しい。資格の確認、直罰規定などで確認ができるように、権力側の動きを可視化できるように、制度を作ったうえで、プログラムによる社会へ。愚行権と全体に関わる部分の切り分けが必要
や ボランティアに税制的な優遇措置やポイント付与というやり方もあるし、スコアと結びつけるやり方もあるが、それも問題が出てくるのではないか。
か 仕組みがないと情報が使えない、情報が保護できないというところがある。情報管理の仕組み、資格を作って、災害時の情報管理を行うということはどうだろうか。防災の局面では必須ではないか。
も 情報をどうするかということを考えるときに、自由権が重要ではあると思う。 20世紀の後半からは受給権が重要になってきた。「健康で文化的な最低限度の生活」をエビデンスに基づいて決めるためにはきめ細かいデータが必要ではないか。
や どれくらいのお金が必要で、どのようなアーキテクチャが必要なのか、エビデンスに基づいて国民の同意を得ることが必要。データを出すために、どれくらいの特定性が必要なのかは重要。マイナス面をきちんと言っておくのは必要。
も 民主的に政治で決めると言った時に、1票の価値を厳密に同じにするということはどれくらい重要か。
や 最高裁は1対1を憲法は厳密に要請してはいないとしている。
も 都市部の利益が反映されやすい。政治的なバイアスが出てくるのではないか。選挙制度のもたらすバイアスをどうやって是正するか。 世代ごとに代表権を変えるという議論もある。少なくともそういう事実があるということをデータとして出していく、その為のデータ収集は必要。
す エビデンスの一定割合は個々人のデータになり得る。ルールメイキングをする場所をある程度、収斂していく必要があるだろう。人口減少で地方自治が全うできないという段階に至った時に、地方の仕事と中央の仕事を仕分けていくときに、個人情報の扱いを寄せていく必要があるのではないか。 広域災害時のルールはどうなるのか。法治国家の空白ができてしまうのか。テロの時はどうなるのか。先送りはできない。今回の改正でどうなるのか。
も AIが入って来た時にどうなるのか。
や 医療、防災とAIではデータの偏りが気になる。どういうデータを使ったのかが重要になる。マイノリティを弾いてしまうということがあり得る。アルゴリズムの適正さ、データの公正さをチェックする機関が必要になるのではないか、検証可能な仕組みも必要では。
か AIとデータの処理という観点から考えると、偏りによる差別をどう防止するか。処理の禁止、処理に付されない権利の保障、処理に対して異議申し立てをできる権利が考えられるが、最後のものが重要ではないか。 探索の為に解析する段階では広範なデータが必要になる。防災のように万人の命が懸かっているものについては、対象からの除外ではなく、結果に対する異議申し立てが最適ではないか。
す 防災においてはAIによる意思決定支援が初動段階ではあっていいのではないか。 日本はAIでも劣後するのではないか。ゴミデータではなく、構造化され、クレンジングされたデータがでてきた時に初めてAIを使えるのではないか。 やってはならないことをピン止めする。
も AIを入れなかった場合、なんでやるのか。開業医の高齢化が進んでいる。支援をさせる仕組みを入れる方が良いのではないか。高齢者の運転事故の問題もある。災害の場合、非日常の判断を求められる。判断の支援を積極的に考えて良いのではないか。
閉会 17:20〜17:30 閉会のことば 森田 朗 森田行政学研究会 会長
何の為に法制度があるのか。日本社会が変わりつつある今、維持するために、何をすべきか。 基本的なデータを集め、利用については厳しいチェックを入れる。FWを具体的にどのようにしていくのか議論すべき。
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一 はじめに 平成最後の施政方針演説を、ここに申し述べます。 本年四月三十日、天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が翌五月一日に御即位されます。国民こぞって寿(ことほ)ぐことができるよう、万全の準備を進めてまいります。 「内平らかに外成る、地平らかに天成る」 大きな自然災害が相次いだ平成の時代。被災地の現場には必ず、天皇、皇后両陛下のお姿がありました。 阪神・淡路大震災で全焼した神戸市長田の商店街では、皇后陛下が焼け跡に献花された水仙が、復興のシンボルとして、今なお、地域の人々の記憶に刻まれています。 商店街の皆さんは、復興への強い決意と共に、震災後すぐに仮設店舗で営業を再開。全国から集まった延べ二百万人を超えるボランティアも復興の大きな力となりました。かつて水仙が置かれた場所は今、公園に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。 東日本大震災の直後、仙台市の避難所を訪れた皇后陛下に、一人の女性が花束を手渡しました。津波によって大きな被害を受けた自宅の庭で、たくましく咲いていた水仙を手に、その女性はこう語ったそうです。 「この水仙のように、私たちも頑張ります。」 東北の被災地でも、地元の皆さんの情熱によって、復興は一歩一歩着実に進んでいます。平成は、日本人の底力と、人々の絆(きずな)がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもありました。 「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」 明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。 急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。 平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。 二 全世代型社会保障への転換 (成長と分配の好循環) この六年間、三本の矢を放ち、経済は十%以上成長しました。国・地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えています。 そして、この成長の果実を、新三本の矢によって、子育て支援をはじめ現役世代へと大胆に振り向けてきました。 児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇し、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善しました。平成五年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、八万世帯、減少いたしました。 五年間で五十三万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は六千人減少し、十年ぶりに二万人を下回りました。子育て世代の女性就業率は七ポイント上昇し、新たに二百万人の女性が就業しました。 成長の果実をしっかりと分配に回すことで、次なる成長につながっていく。「成長と分配の好循環」によって、アベノミクスは今なお、進化を続けています。 (教育無償化) 我が国の持続的な成長にとって最大の課題は、少子高齢化です。平成の三十年間で、出生率は一・五七から一・二六まで落ち込み、逆に、高齢化率は十%から三十%へと上昇しました。 世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む我が国にあって、もはや、これまでの政策の延長線上では対応できない。次元の異なる政策が必要です。 子どもを産みたい、育てたい。そう願う皆さんの希望を叶(かな)えることができれば、出生率は一・八まで押し上がります。しかし、子どもたちの教育にかかる負担が、その大きな制約となってきました。 これを社会全体で分かち合うことで、子どもたちを産み、育てやすい日本へと、大きく転換していく。そのことによって、「希望出生率一・八」の実現を目指します。 十月から三歳から五歳まで全ての子どもたちの幼児教育を無償化いたします。小学校・中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。 待機児童ゼロの目標は、必ず実現いたします。今年度も十七万人分の保育の受け皿を整備します。保育士の皆さんの更なる処遇改善を行います。自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進めます。 来年四月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します。真に必要な子どもたちの高等教育も無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。 家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちの誰もが、自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる。そうした社会を創り上げてこそ、アベノミクスは完成いたします。 子どもたちこそ、この国の未来そのものであります。 多くの幼い命が、今も、虐待によって奪われている現実があります。僅か五歳の女の子が、死の間際に綴(つづ)ったノートには、日本全体が大きなショックを受けました。 子どもたちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。 あのような悲劇を二度と繰り返してはなりません。何よりも子どもたちの命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取組を警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。 (一億総活躍) 女性比率僅か三%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業があります。時短勤務の導入、託児所の設置などに積極的に取り組み、職人の三割は女性です。 彼女たちが企画した健康に優しい塗料は、家庭用の人気商品となりました。女性でも使いやすい軽量の工具は、高齢の職人たちにも好んで使われるようになりました。この企業の売上げは、三年で二倍、急成長を遂げています。 女性の視点が加わることにより、女性たちが活躍することにより、日本の景色は一変する。人口が減少する日本にあって、次なる成長の大きなエンジンです。 女性活躍推進法を改正し、このうねりを全国津々浦々の中小企業にも広げます。十分な準備期間を設け、経営者の皆さんの負担の軽減を図りながら、女性の働きやすい環境づくりに取り組む中小企業を支援してまいります。 パワハラ、セクハラの根絶に向け、社会が一丸となって取り組んでいかなければなりません。全ての事業者にパワハラ防止を義務付けます。セクハラの相談を理由とした不利益取扱いを禁止するほか、公益通報者保護に向けた取組を強化し、誰もが働きやすい職場づくりを進めてまいります。 働き方改革。いよいよ待ったなしであります。 この四月から、大企業では、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働規制が施行となります。企業経営者の皆さん。改革の時は来ました。準備はよろしいでしょうか。 長年続いてきた長時間労働の慣行を断ち切ることで、育児や介護など様々な事情を抱える皆さんが、その事情に応じて働くことができる。誰もがその能力を思う存分発揮できる社会に向かって、これからも、働き方改革を全力で推し進めてまいります。 障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進めます。 人生百年時代の到来は、大きなチャンスです。 元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただくことができれば、日本はまだまだ成長できる。生涯現役の社会に向かって、六十五歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、七十歳まで就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移します。 この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、多くの女性や高齢者の皆さんが活躍することで、就業者は、逆に二百五十万人増加いたしました。女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。 平成の、その先の時代に向かって、「一億総活躍社会」を、皆さん、共に、創り上げていこうではありませんか。 (全世代型社会保障) 少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方もまた大きく変わらなければならない。お年寄りだけではなく、子どもたち、子育て世代、更には、現役世代まで、広く安心を支えていく。全世代型社会保障への転換を成し遂げなければなりません。 高齢化が急速に進む中で、家族の介護に、現役世代は大きな不安を抱いています。介護のために仕事を辞めなければならない、やりがいを諦めなければならないような社会はあってはなりません。 現役世代の安心を確保するため、「介護離職ゼロ」を目指し、引き続き全力を尽くします。 二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受け皿を整備します。ロボットを活用するなど現場の負担軽減を進めるとともに、十月からリーダー級職員の方々に月額最大八万円の処遇改善を行います。 認知症対策の強化に向けて、夏までに新オレンジプランを改定します。認知症カフェを全市町村で展開するなど、認知症の御家族を持つ皆さんを、地域ぐるみで支え、その負担を軽減します。 勤労統計について、長年にわたり、不適切な調査が行われてきたことは、セーフティネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆様にお詫び申し上げます。雇用保険、労災保険などの過少給付について、できる限り速やかに、簡便な手続で、不足分をお支払いいたします。基幹統計について緊急に点検を行いましたが、引き続き、再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行ってまいります。 全世代型社会保障への転換とは、高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減する、との意味では、全くありません。むしろ、高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提であります。 六十五歳以上の皆さんにも御負担いただいている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に、十月から負担額を三分の二に軽減します。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大六万円支給し、所得をしっかりと確保してまいります。 こうした社会保障改革と同時に、その負担を次の世代へと先送りすることのないよう、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進めます。 少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。十月からの十%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。 八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。 増税分の五分の四を借金返しに充てていた、消費税の使い道を見直し、二兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします。軽減税率を導入するほか、プレミアム商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減します。 同時に、来たるべき外国人観光客四千万人時代を見据え、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんにキャッシュレス決済を普及させるため、思い切ったポイント還元を実施します。自動車や住宅への大幅減税を行い、しっかりと消費を下支えします。 来年度予算では、頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとすることで、「戦後最大のGDP六百兆円」に向けて着実に歩みを進めてまいります。 三 成長戦略 (デフレマインドの払拭) 平成の日本経済はバブル崩壊から始まりました。 出口の見えないデフレに苦しむ中で、企業は人材への投資に消極的になり、若者の就職難が社会問題となりました。設備投資もピーク時から三割落ち込み、未来に向けた投資は先細っていきました。 失われた二十年。その最大の敵は、日本中に蔓延したデフレマインドでありました。 この状況に、私たちは三本の矢で立ち向かいました。 早期にデフレではないという状況を作り、企業の設備投資は十四兆円増加しました。二十年間で最高となっています。人手不足が深刻となって、人材への投資も息を吹き返し、五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました。経団連の調査では、この冬のボーナスは過去最高です。 日本企業に、再び、未来へ投資する機運が生まれてきた。デフレマインドが払拭されようとしている今、未来へのイノベーションを、大胆に後押ししていきます。 (第四次産業革命) 世界は、今、第四次産業革命の真っただ中にあります。人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボットといったイノベーションが、経済社会の有り様を一変させようとしています。 自動運転は、高齢者の皆さんに安全・安心な移動手段をもたらします。体温や血圧といった日々の情報を医療ビッグデータで分析すれば、病気の早期発見も可能となります。 新しいイノベーションは、様々な社会課題を解決し、私たちの暮らしを、より安心で、より豊かなものとする、大きな可能性に満ちている。こうしたSociety 5.0を、世界に先駆けて実現することこそ、我が国の未来を拓く成長戦略であります。 時代遅れの規制や制度を大胆に改革いたします。 交通に関わる規制を全面的に見直し、安全性の向上に応じ、段階的に自動運転を解禁します。寝たきりの高齢者などが、自宅にいながら、オンラインで診療から服薬指導まで一貫して受けられるよう、関係制度を見直します。外国語やプログラミングの専門家による遠隔教育を、五年以内に全ての小中学校で受けられるようにします。 電波は国民共有の財産です。経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入など、有効活用に向けた改革を行います。携帯電話の料金引下げに向け、公正な競争環境を整えます。 電子申請の際の紙の添付書類を全廃します。行政手続の縦割りを打破し、ワンストップ化を行うことで、引っ越しなどの際に同じ書類の提出を何度も求められる現状を改革します。 急速な技術進歩により、経済社会が加速度的に変化する時代にあって最も重要な政府の役割は、人々が信頼し、全員が安心して新しいシステムに移行できる環境を整えることだと考えます。 膨大な個人データが世界を駆け巡る中では、プライバシーやセキュリティを保護するため、透明性が高く、公正かつ互恵的なルールが必要です。その上で、国境を越えたデータの自由な流通を確保する。米国���欧州と連携しながら、信頼される、自由で開かれた国際データ流通網を構築してまいります。 人工知能も、あくまで人間のために利用され、その結果には人間が責任を負わなければならない。我が国がリードして、人間中心のAI倫理原則を打ち立ててまいります。 イノベーションがもたらす社会の変化から、誰一人取り残されてはならない。この夏策定するAI戦略の柱は、教育システムの改革です。 来年から全ての小学校でプログラミングを必修とします。中学校、高校でも、順次、情報処理の授業を充実し、必修化することで、子どもたちの誰もが、人工知能などのイノベーションを使いこなすリテラシーを身に付けられるようにします。 我が国から、新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革してまいります。 経済活動の国境がなくなる中、日本企業の競争力、信頼性を一層グレードアップさせるために、企業ガバナンスの更なる強化が求められています。社外取締役の選任、役員報酬の開示など、グローバルスタンダードに沿って、これからもコーポレートガバナンス改革を進めてまいります。 (中小・小規模事業者) 中小・小規模事業者の海外輸出は、バブル崩壊後、二倍に拡大しました。 下請から脱し、自ら販路を開拓する。オンリーワンのワザを磨く。全国三百六十万者の中小・小規模事業者の皆さんは、様々な困難にあっても、歯を食いしばって頑張ってきました。バブル崩壊後の日本経済を支え、我が国の雇用の七割を守ってきたのは、こうした中小・小規模事業者の皆さんです。 新しいチャレンジをものづくり補助金で応援します。全国的に人手不足が深刻となる中で、IT補助金、持続化補助金により、生産性向上への取組も後押しします。 四月から、即戦力となる外国人材を受け入れます。多くの優秀な方々に日本に来ていただき、経済を担う一員となっていただくことで、新たな成長につなげます。働き方改革のスタートを見据え、納期負担のしわ寄せを禁止するなど、取引慣行の更なる改善を進めます。 後継者の確保も大きな課題です。四十七都道府県の事業引継ぎ支援センターでマッチングを行うとともに、相続税を全額猶予する事業承継税制を個人事業主に拡大します。 TPPやEUとの経済連携協定は、高い技術力を持つ中小・小規模事業者の皆さんにとって、海外展開の大きなチャンスです。「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、海外でのマーケティング、販路開拓を支援してまいります。 四 地方創生 (農林水産新時代) 安全でおいしい日本の農産物にも、海外展開の大きなチャンスが広がります。農林水産品の輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで来ました。 同時に、農家の皆さんの不安にもしっかり向き合います。二次補正予算も活用し、体質改善、経営安定化に万全を尽くします。 素晴らしい田園風景、緑あふれる山並み、豊かな海、伝統ある故郷(ふるさと)。我が国の国柄を守ってきたのは、全国各地の農林水産業です。美しい棚田を次の世代に引き渡していくため、中山間地域への直接支払などを活用し、更に、総合的な支援策を講じます。 農こそ、国の基です。 守るためにこそ、新たな挑戦を進めなければならない。若者が夢や希望を持って飛び込んでいける「強い農業」を創ります。この六年間、新しい農林水産業を切り拓くために充実させてきた政策を更に力強く展開してまいります。 農地バンクの手続を簡素化します。政権交代前の三倍、六千億円を上回る土地改良予算で、意欲と能力ある担い手への農地集積を加速し、生産性を高めます。 国有林野法を改正します。長期間、担い手に国有林の伐採・植林を委ねることで、安定した事業を可能とします。美しい森を守るため、水源の涵養、災害防止を目的とした森林環境税を創設します。 水産業の収益性をしっかりと向上させながら、資源の持続的な利用を確保する。三千億円を超える予算で、新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を力強く支援します。 平成の、その先の時代に向かって、若者が自らの未来を託すことができる「農林水産新時代」を、皆さん、共に、築いていこうではありませんか。 (観光立国) 田植え、稲刈り。石川県能登町にある五十軒ほどの農家民宿には、直近で一万三千人を超える観光客が訪れました。アジアの国々に加え、米国、フランス、イタリア、イスラエルなど、二十か国以上から外国人観光客も集まります。 昨年、日本を訪れる外国人観光客は、六年連続で過去最高を更新し、三千万人の大台に乗りました。北海道、東北、北陸、九州で三倍以上、四国で四倍以上、沖縄では五倍以上に増えています。消費額にして、四兆五千億円の巨大市場。 観光立国によって、全国津々浦々、地方創生の核となる、たくましい一大産業が生まれました。 来年の四千万人目標に向かって、海外と地方をつなぐ空の玄関口、羽田、成田空港の発着枠を八万回増やします。世界一安全・安心な国を実現するため、テロ対策などの一層の強化に取り組みます。国際観光旅客税を活用し、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化を一気に加速します。 来年三月の供用開始に向け、那覇空港第二滑走路の建設を進めます。発着枠を大幅に拡大することで、アジアと日本とをつなぐハブ機能を強化してまいります。 北海道では、昨年、フィリピンからの新たな直行便など、新千歳空港の国際線が二十五便増加しました。雄大な自然を活かした体験型ツーリズムの拡大を後押しします。広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます。 (地方創生) 観光資源などそれぞれの特色を活かし、地方が、自らのアイデアで、自らの未来を切り拓く。これが安倍内閣の地方創生です。 地方の皆さんの熱意を、引き続き一千億円の地方創生交付金で支援します。地方の財政力を強化し、税源の偏在を是正するため、特別法人事業税を創設します。 十年前、東京から地方への移住相談は、その半分近くが六十歳代以上でした。しかし、足元では、相談自体十倍以上に増加するとともに、その九割が五十歳代以下の現役世代で占められています。特に、三十歳未満の若者の相談件数は、五十倍以上になりました。 若者たちの意識が変わってきた今こそ、大きなチャンスです。地方に魅力を感じ、地方に飛び込む若者たちの背中を力強く後押ししてまいります。 地域おこし協力隊を、順次八千人規模へと拡大します。東京から地方へ移住し、起業・就職する際には、最大三百万円を支給し、地方への人の流れを加速します。 若者たちの力で、地方の輝ける未来を切り拓いてまいります。 (国土強靱(じん)化) 集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次ぎました。もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を「想定外」と片付けるわけにはいきません。 七兆円を投じ、異次元の対策を講じます。 全国で二千を超える河川、一千か所のため池の改修、整備、一千キロメートルに及ぶブロック塀の安全対策を行い、命を守る防災・減災に取り組みます。 四千キロメートルを超える水道管の耐震化、八千か所のガソリンスタンドへの自家発電の設置を進め、災害時にも維持できる、強靱(じん)なライフラインを整備します。 風水害専門の広域応援部隊を全ての都道府県に立ち上��、人命救助体制を強化します。 ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で、災害に強い国創り、国土強靱(じん)化を進めてまいります。 (東日本大震災からの復興) 九月二十日からいよいよラグビーワールドカップが始まります。五日後には、強豪フィジーが岩手県釜石のスタジアムに登場します。 津波で大きな被害を受けた場所に、地元の皆さんの復興への熱意と共に建設されました。世界の一流プレーヤーたちの熱戦に目を輝かせる子どもたちは、必ずや、次の時代の東北を担う大きな力となるに違いありません。 東北の被災地では、この春までに、四万七千戸を超える住まいの復興が概ね完了し、津波で浸水した農地の九割以上が復旧する見込みです。 原発事故で大きな被害を受けた大熊町では、この春、町役場が八年ぶりに、町に戻ります。 家々の見回り、草刈り、ため池の管理。将来の避難指示解除を願う地元の皆さんの地道な活動が実を結びました。政府も、インフラ整備など住民の皆さんの帰還に向けた環境づくりを進めます。 福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立って、全力を尽くして取り組んでまいります。 来年、日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、皆さん、共に、世界に発信しようではありませんか。 五 戦後日本外交の総決算 (公正な経済ルールづくり) 昨年末、TPPが発効しました。来月には、欧州との経済連携協定も発効します。 いずれも単に関税の引下げにとどまらない。知的財産、国有企業など幅広い分野で、透明性の高い、公正なルールを整備しています。次なる時代の、自由で、公正な経済圏のモデルです。 自由貿易が、今、大きな岐路に立っています。 WTOが誕生して四半世紀、世界経済は、ますます国境がなくなり、相互依存を高めています。新興国は目覚ましい経済発展を遂げ、経済の��ジタル化が一気に進展しました。 そして、こうした急速な変化に対する不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出しています。 今こそ、私たちは、自由貿易の旗を高く掲げなければならない。こうした時代だからこそ、自由で、公正な経済圏を世界へと広げていくことが、我が国の使命であります。 昨年九月の共同声明に則って、米国との交渉を進めます。広大な経済圏を生み出すRCEPが、野心的な協定となるよう、大詰めの交渉をリードしてまいります。 国際貿易システムの信頼を取り戻すためには、WTOの改革も必要です。米国や欧州と共に、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野で、新しい時代の公正なルールづくりを我が国がリードする。その決意であります。 (安全保障政策の再構築) 平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く。今こそ、戦後日本外交の総決算を行ってまいります。 我が国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟です。 平和安全法制の成立によって、互いに助け合える同盟は、その絆(きずな)を強くした。日米同盟は今、かつてなく強固なものとなっています。 そうした深い信頼関係の下に、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。これまでの二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。 自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。 冷戦の終結と共に始まった平成の三十年間で、我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。そして今、この瞬間も、これまでとは桁違いのスピードで、厳しさと不確実性を増している現実があります。 テクノロジーの進化は、安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。サイバー空間、宇宙空間における活動に、各国がしのぎを削る時代となりました。 もはや、これまでの延長線上の安全保障政策では対応できない。陸、海、空といった従来の枠組みだけでは、新たな脅威に立ち向かうことは不可能であります。 国民の命と平和な暮らしを、我が国自身の主体的・自主的な努力によって、守り抜いていく。新しい防衛大綱の下、そのための体制を抜本的に強化し、自らが果たし得る役割を拡大します。サイバーや宇宙といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進めてまいります。 (地球儀俯瞰(ふかん)外交の総仕上げ) 我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていく。そのためには、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開することが必要です。 この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。 平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時です。 昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。 ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後七十年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年宣言を基礎として、交渉を加速してまいります。 北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。 北東アジアを真に安定した平和と繁栄の地にするため、これまでの発想にとらわれない、新しい時代の近隣外交を力強く展開いたします。 そして、インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を、これからも、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤とする。このビジョンを共有する全ての国々と力を合わせ、日本は、「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げてまいります。 (世界の中の日本外交) 中東地域の国々とは、長年、良好な関係を築いてきました。その歴史の上に、中東の平和と安定のため、日本独自の視点で積極的な外交を展開してまいります。 TICADがスタートして三十年近くが経ち、躍動するアフリカはもはや援助の対象ではありません。共に成長するパートナーです。八月にTICADを開催し、アフリカが描く夢を力強く支援していきます。 世界の平和と繁栄のために、日本外交が果たすべき役割は大きなものがある。地球規模課題の解決についても、日本のリーダーシップに強い期待が寄せられています。 我が国は四年連続で温室効果ガスの排出量を削減しました。他方で、長期目標である二〇五〇年八十%削減のためには非連続的な大幅削減が必要です。環境投資に積極的な企業の情報開示を進め、更なる民間投資を呼び込むという、環境と成長の好循環を回すことで、水素社会の実現など革新的なイノベーションを、我が国がリードしてまいります。 プラスチックによる海洋汚染が、生態系への大きな脅威となっています。美しい海を次の世代に引き渡していくため、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、ごみの適切な回収・処分、海で分解される新素材の開発など、世界の国々と共に、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでまいります。 本年六月、主要国のリーダーたちが一堂に会するG20サミットを、我が国が議長国となり、大阪で開催します。 世界経済の持続的成長、自由で公正な貿易システムの発展、持続可能な開発目標、地球規模課題への新たな挑戦など、世界が直面する様々な課題について、率直な議論を行い、これから世界が向かうべき未来像をしっかりと見定めていく。そうしたサミットにしたいと考えています。 これまでの地球儀俯瞰(ふかん)外交の積み重ねの上に、各国首脳と築き上げた信頼関係の下、世界の中で日本が果たすべき責任を、しっかりと果たしていく決意です。 平成の、その先の時代に向かって、新しい日本外交の地平を拓き、世界から信頼される日本を、皆さん、勇気と誇りを持って、共に、創り上げていこうではありませんか。 六 おわりに 二〇二五年、日本で国際博覧会が開催されます。 一九七〇年の大阪万博。リニアモーターカー、電気自動車、携帯電話。夢のような未来社会に、子どもたちは胸を躍らせました。 「驚異の世界への扉を、いつか開いてくれる鍵。それは、科学に違いない。」 会場で心震わせた八歳の少年は、その後、科学の道に進み、努力を重ね、世界で初めてiPS細胞の作製に成功しました。ノーベル生理学・医学賞を受賞し、今、難病で苦しむ世界の人々に希望の光をもたらしています。 二〇二〇年、二〇二五年を大きなきっかけとしながら、次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな「力」を感じることができる、躍動感あふれる時代を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。 憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待いたします。 平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓く。皆さん、共に、その責任を果たしていこうではありませんか。 御清聴ありがとうございました。
第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
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また、山口組と旧後藤組の関与か。
しかも、フリーメイソン森喜郎の少女買春
他に覚醒剤利用してませんかね?
MDMAとかね。
押尾学冤罪事件のアレなw
以下引用
プチエンジェル事件は、今から16年前に東京で起きた児童監禁売春強要事件だが、「自殺?」したとされる容疑者の単独犯行とされ、2000名もの政財界の大物が羅列された名簿を警察が押収したにもかかわらず、犯行経過と名簿の具体的内を示す、ほぼすべてが警察によって隠蔽され、マスコミもこれを報じずに、見事にうやむやにされた、戦後最悪の権力による極悪犯罪隠蔽事件である。
このとき、日本社会が腐敗した「法治国家」である現実が、世界に明らかになったといってよい。権力と金さえあれば、小学生少女を監禁、強姦しても、事件は隠蔽され、罪にも問われないと警視庁=警察権力が示したのである。
現在、安倍政権によって、法治主義を無視、破壊する権力濫用が続いているが、こうした自民党政権による国家ぐるみのマフィア的犯罪は、すでに、このとき完成していたと考えるべきである。
名簿を一部の記者が見ていて、そのなかに、自民党の現役政治家や元大臣、元警察官僚などが含まれていたと証言している。
中には、森喜朗元総理の息子が含まれていたとの週刊誌の報道もあった。
名簿の捜査は、警察上層部からの命令で停止させられ、その理由は「偽名が多い」というものだったが、捜査現場からのリーク情報では、携帯電話番号まで記載され、番号と公表された氏名が一致していることも多かったといわれる。
この事件には、関わった少女や、事件を調査していたフリーランス記者などに数名の不審死者が出ているが、これらも、すべてうやむやに処理され、徹底した隠蔽が行われた。
私は、この事件の真相について、いつか、まとめて報告したいと思っていたが、情報が少なすぎるため果たせず、今回、YouTubeに現場を取材した記者の証言がアップされて、はじめて詳細を知ることができた。
https://www.youtube.com/watch?v=z7NpsAmX48g
https://kirari-media.net/posts/454
事件の経過
① 2003年7月上旬、稲城市に住む小学生少女が、渋谷周辺で女子高生スカウトから「アルバイトしないか」と誘われ、主犯とされる無店舗型少女売春クラブ経営者の吉里弘太郎(29)と接触、マンションの部屋を1時間くらい掃除して1万円を渡され「友達も連れておいで」と誘った。
このとき、友達を連れてくれば、一人について3万円を渡すと約束していたようだ。
② 誘いに応じて、少女は友人3名を加えて、7月13日、再び吉里の元を訪れた。
彼女らには二台のタクシーが用意され、7月11日に吉里が契約したばかりの赤坂のウイークリーマンションに連れて行かれた。(インターナショナルプラザ赤坂No.1最上階の11階1101号室)
すると、吉里は態度を豹変させ、「ここに来たのは、どういう意味か分かってるな?」と、スタンガンを手に四人の少女を恫喝した。
怯える少女たちに、手錠と目隠しをして、重しのポリタンクにつないで監禁が始まった。少女たちのなかには、逃げだそうとしてスタンガンで負傷させられた者もいた。
吉里がマンションを短期契約した7月11日、彼は保有していた二代のフェラーリを売り払っていて、7月17日には、警察が以前の少女売春事件で、吉里に逮捕状を執行しようとしていた。つまり、死亡した7月17日以前に、吉里は自分が逮捕されることを知っていた。
③ 7月13日、夜になっても帰宅しない少女たちの家族は、不安にかられて、警察に通報、通常、この種の事件では、少女たちの命が危険に晒されるため、ただちに公益報道されるはずなのだが、この事件では、警察は、なぜか7月16日まで、マスコミにも公表せず、秘密裏に、学校教師と家族だけによる捜索が行われた。
④
なぜ、警察が誘拐行方不明事件でありながら、公開捜査を拒否したのかは、まったく理由が分からない。
また、警察上層部から、「少女売春事件であり、本人のプライバシー保護のため、周辺での聞き込み捜査は行うなとの指令が出た」ことで、稲城警察による聞き込み捜査が中断された。
警察は、事件発覚前から、これが少女監禁売春強要事件であることを知っていたようだ。
しかし、事態が進展せず、警察は、これ以上の隠蔽は無理と判断して、16日未明にマスコミに情報公開、やっと報道が始まった。
④ 7月17日、監禁された少女たちは、室内の物音がしなくなったことから、自分で手錠を外して部屋を逃走、裸足で逃げて、インターナショナルプラザ赤坂No.1の隣にあった花屋に駆け込んだ。
通報を受けて1101号室に警察が立ち入ると、そこには、吉里が、椅子に座ってビニールを被って死んでいた。死後、十数時間を経過していたとされる。
⑤ 警察は、吉里の単独犯行で、発覚を恐れて自殺したと「断定」し、捜査を早期に打ち切った。
死因は、ビニールテント内に置かれた七輪の練炭による一酸化炭素中毒という説明だったが、いくつかのメディアが検証したところでは、七輪は高熱を発し、ビニールテントなど、たちまち溶けてしまい、外気が侵入して死には至らないこと。
また、吉里の死体には、ビニールが溶けたり、七輪の熱による火傷があるはずなのに、それらが一切なく、普通のきれいな死体であったこと。
ビニールテントは、外部からテープで目張りされていて、中に入った吉里が外から貼ることは不可能であること、したがって、警察による自殺という結論は、極めて不可解であること、を明らかにした。(『真相報道 バンキシャ!』)
つまり、吉里弘太郎は、事件を起こしてから、外部の人間によって、自殺を装って殺害された可能性が極めて大きい。吉里が逮捕されて、警察にペラペラと自白されては困る人物の指示によって殺害が行われたと考えられる。
つまり、17日に吉里が逮捕されることを知っていた、警察関係の情報を得られる立場の人間によってである。
不可解なことに、警察は、法医学解剖調査など遺体の詳細な調査を行わないまま、慌てて遺体を始末させた。
⑤ 吉里弘太郎は、無店舗型、非合法未成年者デートクラブ「プチエンジェル」を経営。女子高生数人をスカウトとして雇い、渋谷や新宿で「カラオケ5,000円、下着提供10,000円、裸体撮影10,000円」などと書かれたチラシを配ってローティーンの少女を勧誘し、男性客に斡旋、その他わいせつビデオの販売も合わせて多額の利益を得ていた。また本人も過去に買春で逮捕歴があり執行猶予中だった。
吉里は、この種のデートクラブ経営者としては、破格の成功を収めていて、年収は、数億円以上に達していたとみられている。死後発覚した預金は35億円と報道されている。
この金額は、一介のデートクラブ経営で得られるような額ではなく、背後に想像を超える大規模な組織があったことを示すものである。
本人、自ら、小学生少女にしか興奮しないという児童性愛趣味者であり、小学生少女を多数、提供することで莫大な利益を得ていたが、おそらく組織的な活動だっただろう。
その相場は、小学生なら、一回の性行為で、10~20万円というものだったようだ。当時、流行していた「援助交際」で、女子中学高校生との性行為が、一回1万円程度とされていた相場に比べれば、小学生の相場が、どれほど高額なものか分かるが、これに対し、全国の政治家・財界人・医師など社会的地位の高い者たちが、このクラブに殺到していたことが明らかにされている。
この事件が、警察によって完全に隠蔽された理由は、顧客たちの社会的地位を守るためであることは明らかである。
⑥ 吉里弘太郎のプライバシーを調べると、とんでもない事実がたくさん出てきた。
吉里弘太郎容疑者の父親は元警視庁幹部であり、朝日新聞に転職して幹部社員から西部本社社会部長に転属した。
吉里は東京芸術大学出身でデザイナーをしていたが、大学���代から複数の女性と交際しヒモ生活を送っていた。住所は「横浜市港北区篠原東1-2」や「埼玉県久喜市」だと言われている。
吉里は、大学在学中の頃あたりから立て続けに肉親が自殺している。父親は1993年に難病指定されている頭頸部ジストニアを発症し、病苦によるものなのか、朝日新聞社西部本社に異動になったためか1996年に自殺している。
その後、兄が1999年に自殺。母親は悲観して2001年に自殺未遂を起こした。
吉里は、多摩地区を中心に主婦売春組織を運営していたことから警視庁にマークされていたという。
⑦「プチエンジェル事件」は、なぜか突然、メディアから消えて収束を迎えた。
吉里弘太郎の単独犯行とされ、捜査も終了させられた。
「プチエンジェル事件」の顧客リストに、日本を代表する、2000名もの政財界、医療界、司法界、政府官僚などの大物が掲載されていたことが暴露されたが、なぜか警察当局は「偽名が多いため、捜査不能」と警察が発表し、警察も報道陣も示し合わせたようにこの事件から手を引いた。
「プチエンジェル事件」の翌日には警察による一斉補導が渋谷で行われ、約1500人もの少年少女が補導された。
吉里が借りていた埼玉にあるアパートからは1,000本以上の小学生少女が主役となった猥褻ビデオテープと2000人以上が記された顧客リストが押収されたが、警察は、一切摘発に動こうとしなかった。
同時にマスコミも警察と示し合わせたように「プチエンジェル事件」について報道をしなくなり、突然のように事件は終幕を迎えた。
被害に遭った少女たちの証言から、客引きの女子高生やマンションへの誘導役の男、部屋を借りた名義人である”ヤマザキ”という男など、確実に3人以上は共犯、関係者がいることが明らかにされていたが、なぜか、すべて吉里の単独犯行とされて、それ以上の捜査は行われなかった。
1101号室に出入りしていたふたりの男女が目撃されており、ある捜査官は後に「男の方は警視庁幹部の息子だった」と暴露しており、「プチエンジェル事件」はその警視庁幹部の働きかけもあって捜査打ち切りになったとも言われている。
⑧ マンション「インターナショナルプラザ赤坂No.1」は小沢一郎の資金管理団体「陸山会」が所有する物件だと言われている。
この事件について小沢一郎は一切触れていない。
⑨ 顧客リストに糸山英太郎も。
「プチエンジェル事件」顧客リストの人物として名前が上がったのが、糸山英太郎だった。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%B8%E5%B1%B1%E8%8B%B1%E5%A4%AA%E9%83%8E
糸山英太郎は実業家であり個人投資家で、テレビ東京の大株主である他、過去には日本航空の筆頭株主だったこともある日本屈指の富豪で、2007年のフォーブス発表の「日本の富豪ランキング」では7位にランクインし、総資産額は4500億円だった。
「プチエンジェル事件」の筆頭顧客とも言える糸山英太郎は、事件が発覚する4日前の2003年7月12日に所有する自社ビル「ザ・イトヤマタワー」の18階にある自宅で、16歳の少女に15万円を支払って買春をした。
この少女を斡旋したのは元暴力団組長で、警察の捜査にひっかかり組長ら3人が児童福祉法違反で逮捕されている。
しかし、買春をした本人である糸山英太郎は「相手が18歳未満だとは知らなかった」と容疑を否認し、罪には問われなかった。
当時、援助交際による女子中高生の性交渉の相場が一回1万円程度であることを考えれば、糸山が出した一回16万円が何を意味するか分からない者はいないはずだが、これも警察により無罪放免とされた。現在では、小学生相手の売春は重罪で強姦罪が適用され、最低でも5年程度の実刑判決となる。
この事件は当時の五代目山口組若頭補佐だった後藤組組長の後藤忠政により揉み消されており、糸山は後に慰労金を支払ったといわれる。
⑩ フリージャーナリスト・染谷悟が殺される
権力により封殺されてしまった「プチエンジェル事件」を暴こうとしたフリージャーナリストの染谷悟は、中国マフィアに殺された。
「プチエンジェル事件」から約2ヶ月後となる9月12日に、東京都江東区東雲2丁目の東京湾に男性の死体が浮いているのを通りがかりのトラック運転手が発見し通報した。
被害者は「柏原蔵書」の名前で活動していたアングラ情報専門のフリージャーナリスト染谷悟で、背中8箇所を刃物で刺された痕があった他、頭部に2箇所殴られた痕があった。
発見当時、染谷悟は岸壁から2メートルほどのところに浮いており、服の上から鎖で巻きつけられて縛られ、両手は紐で縛られている状態で、両足も紐の痕が残っていた他、腰には潜水用の重しの入ったベルトが巻かれていた。
「プチエンジェル事件」は中国人身売買に通じていた?
染谷悟は殺される直前に周囲に「中国人マフィアに命を狙われている。殺されるかもしれない」とこぼしていた。
警視庁東京水上署の捜査本部が染谷悟さんの刺殺体が発見された2日後の14日に発表した内容では、染谷悟さんは「プチエンジェル事件」が明るみになる前から身の回りに起こる不可解な出来事に悩まされており、2002年頃から自宅の窓を割られたり、空き巣に入られたりしていた。
染谷悟は組織的な児童買春の実態を暴くために動いていたが、2002年9月には当時住んでいた豊島区のアパートで空き巣被害に遭い、取材で使っていたカメラやパソコンなど計77点が盗まれていた。
染谷悟が殺害されてから2日後に、2ちゃんねるに大手出版社の編集員を名乗る人物が事件の詳細について語った。
染谷悟は「中国マフィアのしっぽを踏んでしまった」と語っていたという。
このことを編集員は「(「プチエンジェル事件」を追う内に)中国マフィアと日本やくざの児童売買ネタに当たってしまった」と解釈した。
「プチエンジェル事件」には中国マフィアと日本のやくざが密接に絡んでおり、児童人身売買も疑われた。
吉里が小学6年生の女児4人を拉致監禁した理由は中国マフィアに売り飛ばすつもりだったのかもしれない。
少女らを監禁した翌日にはすでに警察が吉里弘太郎容疑者が犯人だと目星をつけて捜査を開始したため進展が早く、このままだと捕まるのは時間の問題だと踏んだ中国マフィアが吉里弘太郎容疑者を葬った疑いもある。
⑪ 2ちゃん書き込みログ
赤坂署に配属になったから事件資料を調べようとしたら全て処分されていた」
染谷悟は、プチエンジェル事件発生の2003年7月に「歌舞伎町アンダーグラウンド」という著作を出版したばかりでした。次の題材として、プチエンジェル事件を独自に取材を進めていた。
プチエンジェル事件の取材をしていく中で、周囲に「中国人マフィアに命を狙われている」と漏らし始め、プチエンジェル事件から2ヶ月後の2003年9月、染谷は東京湾に浮かんだ。
プチエンジェル事件は赤坂で発生しているにも関わらず、当初「渋谷で発生した」と報じられた。これは永田町の近くでそういった醜聞が報道されるのをいやがった政治家からの圧力があったからだ、と言われている。
参議院議員であった鴻池祥肇(当時:防災担当大臣)は、2003年7月18日の衆議院予算委員会にて、「少女4人も、加害者か被害者か分からない」という答弁を行った。鴻池は藤井孝男委員長から発言の真意を問いただされ、発言を撤回した。
⑦ 冒頭に紹介したリンク動画では、記者が、数百名といわれるプチエンジェルクラブに関係した少女たちに不審な死者が出ていると述べている。
https://www.youtube.com/watch?v=z7NpsAmX48g
また、関係者の家族全員が、稲城市などから遠方に引っ越してしまったとも言われる。この事件の闇は、とてつもなく深い。
*****************************************************************************
以上が、16年前、2003年に起きた、大規模な児童売春事件の概要であるが、問題の核心は、犯人とされた吉里弘太郎が借りていたアパートから発見された、2000名もの顧客名簿に、日本の上流階級、権力者たちが、ずらりと顔を出していたことである。
警察は「偽名」として捜査を中断したが、これを見た、一部の記者や捜査員は、誰でも知っている日本の顔が、そこにあったと証言している。
つまり、大臣や行政官僚、医師、弁護士、警察関係者、著名人たちである。名簿は、ひどく早い捜査終了後、ただちに廃棄され、現在では行方不明になっている。おそらく証拠保全義務を無視して焼却処分されたのであろう。
「日本を代表する権力者・著名人」の性癖が、このように卑しいものであったことに驚愕させられただけでなく、安倍晋三のお友達、山口敬之による詩織さん強姦事件を権力で揉み潰した、安倍官邸の警察官僚、山口格の行為にも通じるものがある。
というより、戦後、日本の自民党権力は、長い間、自分たちに都合の悪い事実が発覚すると、権力を使って隠蔽し、潰してきたのである。
つまり、日本の戦後権力は、中国共産党の悪辣な司法への介入と、それほど変わらないことを行ってきた。
日本は、決して法治国家や民主主義国家とはいえない、深い闇に閉ざされた社会だったことを示している。
この事件は、たとえ長い年月を経ようと、絶対に闇に葬らせてはならない。
児童売春の顧客名簿に掲載された権力者たちは、たった今も、国家権力の第一線で政治経済に携わっていて、こんな犯罪者たちに日本を委ねることは許されない。
あるいは、安倍政権の人脈、安倍首相自身も、もしかしたら名簿に記載されているかもしれない。
もしも、この名簿が、どこかに保全されていて、それが明るみに出たならば、時効は経過しているが、懲役五年相当の犯罪に関与した者として、すべての信用を失う結果になるだろう。
今の、自民党や経団連の体制は根底から崩壊��ることが避けられないのである。
私は、それを強く期待したい。また名簿を覗き見た一部の捜査員や記者たちも、すでに引退した者なら、積極的に真実を公開してもらいたい。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-700.html
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清華大学の法学者、許章潤氏が7月6日、当局に拘束された。(12日に釈放されたが、その件についてはのちに述べる。7月8日公開「習近平政権が改革派言論人を逮捕してまで封殺したかった『批判の中身』」参照、以下、許先生と表記する)。
許先生が捕まったという知らせが入ったのが、7月6日の昼過ぎ、友人の大学教授、Tさんからのメッセージだった。
許先生と親交のあり、共通の友人である北京のKさんから「許先生の自宅の周囲に20台ほどの車が停まり、許先生が連行された」と涙ながらに電話があり、筆者にも伝えてほしいとことづてがあったという。早速Kさんに電話を掛け、同様の内容を直接聞いた。
以前も少し書いたと思うが、許先生とは3年前、来日した中国の自由派知識人グループから案内役を頼まれた旅行で知り合った。
箱根で、許章潤・清華大学教授(筆者撮影)
箱根と伊豆を2日半で回る旅で、筆者は宿や食事の手配からレンタカーの運転、観光地でのガイド役と、彼らの短い旅を満足してもらえるよう、できる限りの「おもてなし」をした。夜、箱根の静かな温泉街を、許先生と2人で歩いたのを覚えている。
ただ正直なところ、その時は許先生について多くを知らず、ましてやその後彼がこのような運命をたどるとは、全く予想していなかったので、あまり深い話はできなかったが、大変物静かな印象だった。
翌日、元箱根から箱根湯本に戻るバスが観光客で満員となり、かろうじて1人分の座席が取れたので許先生に勧めたところ、「クーティエンジュン(古畑君、彼は私のことをこう呼ぶ)は私たちのために大変な思いをし、疲れているのだから座ってください」と固辞され、1時間近く運転席の横で静かに立っていた。全く偉ぶったところがなく、しかも辛抱強い人だと感心した。許先生とは帰国後、メールのやり取りを続け、何本か論文を送ってもらった。
許先生はその約半年後、東大の訪問学者として再び来日、約半年間を東京で過ごしたが、その間の2018年7月、習近平政権を厳しく批判する「我々の現在の恐れと期待」をネットで発表した。帰国が迫っている先生にできればお会いしたいとダメ元でメールを送ったところ、すぐに返事があり、T教授とともにお会いした。
「自分は帰らなければならない」
その時の経緯は以前も書いたが、帰国すれば危険が待っているのではとたずねたところ、「自分は帰らなければならない。国外で声を上げても仕方がない。国内にもこういう声があるということを示さなければならない」と決心を語られたのだった。
ただ正直なところ、先生はその時、清華大学を辞めさせられ、地方の大学に左遷されるのではないかと話しており、学術会議などで再び国外に出られるかどうか、それが大学や当局が自分をどう見ているかの判断基準となるだろうと語ったが、その後の運命は彼の予想を上回る苛烈なものだった。
許先生とは、帰国後も微信などで連絡を取り合っていた。しばしばアカウントが停止されるため、友人から新しいアカウントを教えてもらっては、連絡を取り、無事を確認した。最後に連絡をとったのは5月。「また連絡が取れましたね」「いつか会える日を心待ちにしています」とのメッセージを送り合った。
だが、処分が厳しくなり、教育や研究の機会を奪われると、許先生が書く内容は以前にもまして厳しくなり、当局の逆鱗に触れるのではないかと心配していた。
だから今回のニュースを知っても、「とうとう来るべきものが来たか」というのが正直な印象だった。先生自身も、今年初めに出した「激怒する人民はもはや恐れていない」の中で、「自分がこの文章を発表することで処罰されることも覚悟しており、これが最後の執筆になるかもしれないが、責任逃れはしない」と覚悟を述べていた。
香港問題が引き金か
とはいえ、今回の「買春」という容疑は先生の上述のような人柄を考えたら、全くもって理解できず、許しがたい。
米コロンビア大学のアンドリュー・ネイサン教授はVOAのインタビューで次のように批判した。「(拘束に)驚きはしなかったが、ショックだったのは、中国政府がこの憲法の下でいかなる違法行為をしていない、非常に傑出した教授をこれほど厳しく弾圧したことだ。言論の自由を行使した許氏に対し、当局は『買春』という罪を着せた。このことで恥をかくのは許氏ではなく、中国政府の方だ。今回の事件は、中国の体制がいかに全体主義化したかを示している」
だが、「香港国家安全維持法(国安法)」を香港基本法の原則に反して導入し、言論統制を一気に進めた香港への対応や、攻撃的な「戦狼」外交を見ても、体制維持のためには外国から何を言われようがなりふり構わず突き進む「振っ切れ感」が今回の許先生への対応につながったとの指摘もされている。ある中国人学者の知人はこう語っている。
「習近平は許章潤氏を憎んでいたが、ずっと我慢していた。おそらくは世論への配慮だろう。だが香港問題��、共産党は赤膊上陣(上半身裸で戦いに加わる、何も気にすることなく物事を行う)し、横暴にも香港の自由を奪った。覆っていた布をすべて取り去ったのだから、何のためらいもなく以前から捕まえたかった許氏を捕まえたのだろう」
「香港問題と今回の事件は関係があるだろう。どのみち恥知らずのことをしたのだから、もう1つそれを重ねるのを恐れることはなくなったのだ」
さらに「習近平は決して自分に対する批判を許さない。共産党を厳しく批判しても、彼は許すかもしれないが、自分に対するたとえ温和な批判でも、決して許さず、必ず報復する。ある友人が警察に呼び出された時、警察からは『政府を罵ってもいいが、習主席を絶対に罵ってはいけない』と言われたという」と語った。
最近でも習近平を「権力を渇望する道化役者」などと批判した著名企業家、任志強氏や、新型コロナウイルスへの対応を批判、習の引退を求める文書を発表した法律家、許志永氏らが当局に拘束されている。
それでも許先生を知る知識人の中には、自分たちの思いを許先生は1人で代弁してくれたという声がある。友人で作家のY氏は、筆者に次のように述べている。
ちなみにY氏によると、許先生は1989年の天安門事件当時、中国政法大学の教員で、自らデモやハンガーストに参加したのだという。
「誰かが真実を語らねばならない」
「許章潤先生はここ2年の間、共産党が自分の権利を奪ったことを厳しく批判、特に習近平本人の行為について厳しい批判をしていた。これが逮捕された真の理由だ」
「ある会合で、彼は『どんな時でも、誰かが立ち上がって本当のことを言わなければならない』と語っている。彼はこのことを自分の責任だと感じていた。彼の一連の文章が発表されると、中国の知識人の間に大きなセンセーションを生み、多くの人は彼の勇敢さをほめたたえたが、一方で政府から報復されるのではないかと心配する人もいた」
「ここ数年中国の言論の自由はますます悪化している。体制に異を唱える人々の立場はますます厳しくなっている。許先生の言論は時代の問題を鋭く突き、最も危険な話題から逃げることがなかった。彼はだがこれにより自分にどのような結果が及ぶかは分かっており、すでにそのための準備をしていた」
「彼が警察により連行されたという情報はソーシャルメディアで大きな関心を呼んだ。多くの人が彼の待遇が不公平だと感じ、共産党政権による残酷な管理強化の現れだと受け止めた」
このように語るY氏に「許先生の思想には自分も賛同するが、現在の厳しい言論統制の下で、やり方がやや急進的ではなかったか。他の表現の方法もあったのではないか」と聞いてみた。これに対し彼はこう語った。
危険を知りつつも…
「彼の言論は『急進的』ではなく『危険』と言うべきだ。確かに、最も危険な言論であり、間違いなく報復されるであろう言論だった。だが、許先生の文章が広く尊重されるのは、彼の道徳的勇気のためだ。彼は国民全体に向かって、多くの人々が言いたいが言う勇気がないことを敢えて語ってくれた。現在の中国では、(直截的ではない)よりましな表現方法など私も思いつかない。隠喩式の、指桑罵槐(しそうばかい、遠回しに批判する)の言論すら削除され、処罰される。許先生はこの点を見抜き、思い切って立ち上がり、正々堂々と自分の主張を明確に述べたのだ」
そして、最後にこう語った「ある会合で、彼は次のようなことを言っている。つまり、勇敢とは、危険を知りつつも、それでもやらねばならぬことをやることだと」
つまり、彼は為政者に決しておもねることなく、言うべきことを正々堂々と言う、危険な道を自ら選んだ。このことが彼に対する共感を生んだのだ。
香港の著名な作家、顔純鈎氏もフェイスブックへの投稿で、次のように許先生を評価している。
「許章潤先生は今日最も勇敢な読書人(知識人)である。彼は民間の正気(正しさを貫く気概)を代表し、埋没することない民族精神を代表している。共産党は彼を捕まえたが、彼の声を消し去ることはできないばかりか、人々により深い影響を与え、彼の歴史的な地位はより崇高なものとなるだろう」
許先生が拘束される直前、彼のこの間の主要な論文をまとめた著書が米国から出版された。許先生はこの「戊戌六章」という著書の序文で、次のように書いている。
「立憲民主、人民共和の国家を」
「この書の目的は、人々の思考を刺激し、精神を凝集し、心を合わせて『中国の問題』を解決し、『立憲民主、人民共和』の公共の邦家(国家)を作るためにある。このような大きな転換をしなければ、中国は現代世界の体系に生き残ることはできず、人々の平安や文化の発展など論外だからだ。この公共の邦家がなければ、祖国は党の全体主義の植民地であり、人々はみな搾取される人質にすぎない。この世の中の正しい道に逆らい、赤い帝国へと突き進むのならば、行き止まりが待っているだけだ」
そして「中国が100年の紆余曲折を経て、再びスタートラインに戻るには、世界文明の体制に順応し、その正しい道をひたすら進み、新たな中国の文明を建設し、新しい中国を作ることにかかっている。さもなければ、ここ数年の中国のように再び世界の主流から孤立するのであり、その危機がすでに現れている。大きな転換が実現しなければ、天地は荊棘(いばら)のようであり、人々は安住することができない。人々が恐れおののき、国全体が不安に満ちたなら、この国土と人々はどうして平安を保つことができるだろうか」
つまりは中国が憲政による民主主義を実践し、国や社会の大転換を図ることが、新たな社会参加の力を得て、世界の中で再び輝くことにつながる正しい道だと指摘しており、全くそのとおりである。だが現在の体制はこれに背き、国家主席終身制に代表される権力集中と憲政民主の否定、毛沢東時代への思想的回帰、そして国際的な協調路線からの離脱による危険な道を歩んでいる、つまりある著名な民主活動家が指摘したように、「改革」も「開放」も否定したのだ。
なおこの本は、許先生がこれまでに発表した論文をまとめたもので、香港での出版を予定していたが、香港の出版業者が難色を示したため、米国で出版されることになったという。グーグルで電子版の購入が可能なので、許先生の思想に興味のある方はぜひ先生を応援する意味でもクリックしてほしい。
さて、前述のように、今回の拘束は、香港問題と関係があるとのある知り合いの中国人が指摘している。
以前本欄でも書いたのだが、許先生と並ぶ著名な自由派知識人の張千帆・北京大学教授は、「英中共同声明」や「香港基本法」の精神に則り、一国両制度を完全に実施すれば、香港社会は安定すると述べていた。(「反発と羨望が入りまじる「香港デモ」中国社会の複雑な受け止め方」参照)
だが習近平政権はこれとは正反対の対応を取った。高度な自治という約束を破って、中国本土並みの厳しい言論統制を敷き、香港から自由と民主を奪おうとしており、すでに「物言えば唇寒し」という雰囲気が生まれており、フェイスブックでも中国に批判的な投稿がほぼ消えてしまった。
中国のネットでは、「港独(香港独立派)の害虫を退治する殺虫剤」などと「国安法」を称賛する文章もあるが、筆者の知る多くの中国人は、微信などのSNSで、この問題について沈黙を保っている。
それについて、友人のJ氏が許先生の問題と合わせて、次のように語ってくれた。少々長いが引用する。(前述のY氏を含めいずれも安全性が高いとされる通信アプリを使った。)
人々は分かっている
「西側国家は国安法について、中国が(人の意見に耳を貸さず)ひたすら独断専行していると批判している。だが中国は耳を貸そうとせず、2つの世界の分裂はますます深刻になっている」
「この問題は体制内外の両面から見る必要がある。体制内の人間は恐らく、5割くらいの人は(香港問題を含め)どういうことか分かっている。だが妄議中央(中央をデタラメに論ずる、共産党の方針を批判すること)が許されない規定に加え、18回党大会以降、(国家主席)任期を撤廃し、監視機関を強化し、国家機関を私物化し、無数のアプリによって公務員に対し(習近平に対する)個人崇拝の雰囲気を生み、人々を疲弊させ、(国や社会の)問題について考える時間を与えないようにするなど、体制内の人々の思想を統制し、自ら知り得た政府の内幕を外部に知らせないようにしている。同時に千万もの五毛党(お抱えネットユーザー)らを使ってネットを一掃し、虚偽の“民意”を作り出して権力者に奉仕している」
「一方、体制外の人々の2割は(真相を)分かっているだろう。だが高圧的な統治の下、ネットや現実社会の中で“真相”を語ったら、間違いなく当局による厳しい監視体制により、どんなに軽くても当局の呼び出しを受ける。(ましてや)許教授に降りかかる結果はすでに目に見えている」
「中国本土の人々が国安法をどうみているか?私の周辺の体制内の人間は決してこの問題に触れようとしない。人々は『立派に死ぬより見苦しく生きる方がいい』という処世術を持っている。だから何も語ろうとしないということが、彼らはどういうことか理解しており、つまりは(暗に)反対の態度を表明しているのだ。心から賛成しているのなら、口に出して言うだろう」
「香港はかつて最も人気のある留学先だった。学生は香港の大学の学歴を得ることは名誉だった。だが今彼らの夢を壊そうとしている人がいる。この国安法がどうして大衆の支持を得るだろう?だが(暴政の下で)人々は恐れて口に出せず、道で人とあっても目で合図するしかない。このことが民衆の態度をよく表している」
「外国の反対を権力者は全く意に介さない。それは、(1)防火長城(GFW、ネット規制)により真相を覆い隠している。(2)14億人の韭菜(ニラ、いくら刈っても生えてくることから、いくら搾取してもすぐに代わりがきくこと)を抑えておけば、必要な金はすぐに手に入り、外国の金など大したことではない。(3)彼らは中国を70年統治し、人々の生殺与奪の権利を握っている。人々��跪いて運命を受け入れるしかない―からだ。彼らはさらに14億人を従わせるのに満足するだけでなく、中国モデルを世界に拡散しようとし、その第1歩に香港を選んだのだ」
「彼らにとって、香港は(民主化運動を武力で弾圧した)1989年の北京のようだ。当時彼らは(西側からの制裁を受けたが、)幸運にも西側政府や資本から許しを得て、騙すようなやり方で世界貿易機関(WTO) に入り、山河を汚染し腐敗によって得た金で表面的な経済の繁栄を手に入れた。そして今彼らは香港で賭けに出た。だが彼らは勝てるだろうか?」
「実際には中国は彼らが吹聴するほど富強ではなく、各方面は崩壊に瀕し、骨まで腐っていると言える。でなければなぜあれだけ多くの官僚や金持ちが子女や財産を海外に移すだろうか。彼らはこの国がどのようであるか当然最も理解している。彼らはこのボロ船がいつかは沈むと分かっている。彼らはこの政権の巻き添えを食いたくないのだ。彼らこそ最もお見通しなのだ」
「中国人の中の中国人」
「許章潤さんは、権力者にとっては1匹のアリにすぎず、踏み潰すのに何の力もいらないだろう。だが中国の歴史の中では、彼は時事の良し悪しを論じ、権力者に向かって敢えて『ノー』と言う勇士であり、正々堂々とした中国人の中の中国人だ。彼は将来の中国の歴史の中で、その名前を刻むだろう」
彼やYさんのように、香港問題を含めて一定以上の知識と外国の情報にアクセスできる人々は事の本質を理解しており、許先生を支持している。問題は彼らが声を上げられないということだ。
許先生はこうした言論環境の中で、敢えて自分が声を上げたのだ。先生が書かれた「この世の中、いつも誰かが出てきて語らなければならない」という文章に、先生のこうした思いが述べられている。詳しくは紙幅の関係で紹介できないが、彼は最後にこう述べている。
「この世の中、いつも誰かが出てきて理を説かなければならないのだ。そうすることで人々が住むのにふさわしい世の中となる。誰が最初に声を上げるか、それは法律の天賦の才を持つ法律家が言うべきだ。社会には弁護士という職業がある。人々は弁護士を育てたのは、彼らに理を説いてほしいからだ。理にかなった、安寧な日々を人々が送るために、法律家、そして億万の同胞よ立ち上がれ!」
本稿を編集部に提稿後の12日、許先生が釈放され、自宅に戻ったというニュースが飛び込んできた。この件について、北京にいる友人、Kさんは筆者に次のように語った。
「許先生が釈放されたが、これで終わったわけではない。恐らく当局は、許先生を拘束し、国内外のメディアや社会、学者がどのような反応をするか、試してみたのではないか。それを踏まえて、次の手を打ってくる恐れがある。いずれにせよ、許先生は当局が最も警戒する知識人であり、我々もまだ安心できない」
我々としても、引き続き許先生の動向に関心を持ち、不当な処遇を許さないというメッセージを送り続けることが必要だろう。許先生には、ぜひ再び学者として活躍の場が与えられてほしい。そして日本を再び訪問し、前回の旅の続きをともにしたいと心から願っている。
(本稿は筆者の個人的見解であり、所属組織を代表するものではない。)
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他称「しばき隊リンチ事件」がどうたらこうたらに関する見解
室井幸彦が私を訴えた裁判(終結済み)の書面をすべて公開しようと当初から考えていたが、プライバシー処理がめんどくさすぎることに加え、つまらない論点で膨大な量の低レベルな主張を繰り広げているために、いまいち作業がすすまなかった。
しかし最近、また鹿砦社がデマ本を発行したことによって「他称リンチ事件」の話題が盛り上がっているので、それに関連する部分だけでも公開しておくと、いろんな人の理解の助けになるのではないかと思い、取り急ぎその部分をアップする。
これは、訴訟の被告側第2準備書面で、「他称しばき隊リンチ事件」とこの訴訟が起きる背景について説明したもの。しかしそもそも、リンチ云々はこの訴訟にはもとより無関係な論点である。室井幸彦はこの無関係な論点を裁判所になんとか訴えたかったようだが、判決ではすべて却下されて終了している。一方で、私が主張したスラップとの主張についても、裁判所は却下した。
なお、文中の「暴行傷害事件はなんとしても組織的な性格を帯びたものでなければならず、現在室井および代理人はその証明に四苦八苦している最中であるといえる」については、室井が暴行事件の被告エル金と無関係な李信恵らを訴えた裁判でも、後に共謀の存在が地裁判決によって明白に否定された。
私としては、争点に無関係とはわかっていたものの、何かの機会に全体像を説明するのに役立つだろうと考え、公開を念頭においてこの準備書面を記述した。つまり、本の原稿を書くのと同じような意味で、第三者が読んでなるべくおもしろくなるように心がけている。
では、どうぞ(笑)。
※わかりやすくするために、原文では「原告」となっているところは「室井」に、「被告」となっているところは「野間」に変換している。
平成28年(ワ)第4998号 損害賠償等請求事件
原告 室井幸彦 被告 野間易通
大阪地方裁判所 第9民事部合議2係 御中
第2準備書面
2016年11月10日 野間易通(送達先)
第1 原告第二準備書面について
すべて争う。書面を受け取ったのが11月7日午後であったためいまだ十分な検討を行えておらず、詳細は次回期日までに追って反論する。
第2 被告第一準備書面第6「本件の背景事情」について
第一準備書面第6において「次回期日に詳述する」とした本件の背景事情について述べる。
(1) 総論
本件訴訟は、プライバシー侵害や名誉毀損の不法行為を問うということにかこつけた、一種のスラップである。 (2) 本件提訴が行われた背景
室井はこの訴訟が提起された当初、ツイッターで「私に対する名誉毀損およびプライバシー侵害につき、損害賠償請求の訴えを提起しました��と報告している(乙⑰号証)。しかしながら、実際の訴状には請求の原因としてプライバシー侵害は含まれていなかった。そのため室井は後日、第一準備書面第1の2の(2) において請求を追加した。
このことは、室井本人は訴状をよく確認しておらず、この訴訟が代理人および弁護団主導で行われていたことを意味する。訴状自体は短く内容も稚拙であったため、とりたてて素人に難解な文ではなかった。しかも室井は法社会学を専門とする大学院生でいわば法学徒であるから訴状の内容を理解できないということはありえず、重要な請求の原因のひとつであるプライバシー侵害の記述がないことを見逃すとは考えられない。よって、室井自身は訴状の内容を全く読まずに訴訟に臨んだものと推察される。
また訴状の内容は、野間のツイートから「室井」というワード検索でヒットするもの機械的にすべて抜き出し、「あ、こいつね」「そうだ、法学部でした」といった短文のツイートまで含めて「室井の社会的評価を低下させる」ものとしており、およそ法的にまともな検討を行ったとは思えないずさんなものであった。
しかしながら、代理人の高島章によれば、これらは《大阪の弁護士2名と私(高島章)支援者数名により、綿密に対策を協議してき》たもので、本件提訴は《これらの協議を経た「第1弾」の法的措置》であるという(乙⑱号証)。
代理人高島は、野間および野間周辺の反差別活動に従事する人々、およびときに野間や「レイシストをしばき隊」となんの関係もない人も含めて「しばき隊」「野間一派」「闇の勢力」と呼び、これらについて《「カウンター活動」「差別反対」「人権」という美名に装飾された人権侵害行為は目に余るものがあり、到底黙過できません。あえて強い言葉を使いますが、これらの人のやり方は、ファシズムでありスターリニズムです。微力ではありますが、私は、今後ともこれらのファシスト・スターリニストと対決する所存です》(乙⑲号証)としており、彼が訴訟代理人を受任する理由に、単に室井から依頼を受けたという以上の、ある種の政治的目的があることが明らかである。
高島章は2015年夏ごろから、国会前で安保法制に対する大規模な抗議デモを行うSEALDsに反感を抱くようになり、やがて、その背後に野間をはじめとした複数の人間、多くは高島言うところの「しばき隊」の関係者によって構成される「闇の勢力」がいるという妄想にとりつかれるようになった。高島本人の弁によれば、《本年(註:2015年)10月ころから,私はSEALDs及びSEALDs防衛隊(あざらし防衛隊とも。私は「闇の勢力」と名づけました。私の見るところでは,レイシストしばき隊とほぼメンバーが重なり合っています。)を攻撃するツイートを継続的に行うようになりました》とのことである。
こうしたなか、2014年末の暴行傷害事件(室井言うところの「リンチ事件」)をなんとか表沙汰にして糾弾したいと考える室井およびその支援者たちは、「敵の敵」の立ち位置にいる高島章に接近し、接触を持つようになった。そうしたなかで、本件訴訟が行われたのである。
なお「しばき隊」の呼称であるが、これは「レイシストをしばき隊」に由来するものの、「レイシストをしばき隊」は2013年9月に解散して現在C.R.A.C.という後継組織に移行している。しかし、彼らが言う「しばき隊」とは、C.R.A.C.のメンバーというわけではない。カウンター運動およびその周辺の人々を指して漠然と「しばき隊」と呼んでいるにすぎず、その指し示す範囲は非常に恣意的である。
(3) 本件訴訟と鹿砦社の関係
訴状の段階から代理人を務める橋本太地は西宮市の出版社・鹿砦社と深い関わりを持つ弁護士で、あるジャーナリストの裁判支援を通じて鹿砦社の記者である田所敏夫こと本名鹿野健一とも関係を持つ人物である。この田所こと鹿野は、鹿砦社の雑誌『紙の爆弾』やウェブサイト「デジタル鹿砦社通信」等において、野間および「しばき隊」を批判し続けてきた人物だ。なお鹿砦社は社長の松岡利康自身が雑誌『NO NUKES VOICE』や単行本で野間を批判しているが、これは松岡が首都圏反原発連合(以下、反原連)から絶縁���れたことに起因するもので、いわばその逆恨み的なものとして野間や「しばき隊」を攻撃し続けているものである(野間は現在も反原連のメンバーである)。
(追記)この「絶縁」の背景としては、鹿砦社社長の松岡利康が、ある時期から「野間」への悪感情を理由に反原連に過剰に介入するようになり、いわば内政干渉とも言える行動を繰り返したことなどがある。「絶縁」は、こうした背景のもとに起こった。
松岡が「しばき隊」やSEALDsに反感を持つようになったのも2015年の夏頃からで、先述の高島と共通するのは、反原連やSEALDsが中核派その他の新左翼組織とはっきりと距離をおいていたことに対する不満のようなものが原因にあったと思われる。
鹿砦社から最近刊行された紙の爆弾増刊『ヘイトと暴力の連鎖』は、「反原連、SEALDS、しばき隊を撃つ」がキャッチコピーで、本件訴訟に登場する「リンチ事件」を中心に、おもに室井、代理人高島の主張をそのままなぞる形で野間および「しばき隊」を批判するものである。
(4) 室井および支援者と代理人たちとの関係
このように、本件訴訟について「綿密に対策を協議」した代理人たちにはそれぞれ、野間個人を攻撃する理由があったわけだが、それを利用しようとして彼らに近づき、支援を求めたのが室井およびその支援者たちである。
代理人たちとその関係者にとって、室井言うところの「リンチ事件」は「野間一派」=「しばき隊」=「闇の勢力」を攻撃し、その原因をカウンター運動の体質や思想性(高島言うところのスターリニズム)に求め、そのなかで中心的な位置にいるとみなされている野間の責任を問うのに格好の材料であった。
一方で、その暴行傷害事件の責任を加害者個人ではなく「運動」に求めたいという思惑が室井にはあった(乙⑤号証)。ここで両者の利害が一致し、他罰感情にかられてなんとかして野間を懲らしめようと画策した結果が本件訴訟である。
しかしながら訴状の内容は上記説明の通りずさんなやっつけ仕事としか言いようがないもので、そのことはすなわち、本件訴訟が提訴それ自体を目的とし、野間に金銭的負担や時間的負担を強いる嫌がらせ的な性質のものであることを示している。これが、 冒頭 (1) において「一種のスラップである」とした意味である。
(5) 室井が「リンチ事件」と称する暴行傷害事件の評価を本件訴訟に持ち込む理由
本件訴訟は直接的には、野間が室井のプライバシー侵害および名誉毀損、侮辱等の不法行為を問われているものであるが、本来の請求原因とは関係のない、「リンチの有無」について室井がしきりに問題にしているのは、上述したとおり本件訴訟のスラップ的性格に起因するものである。すなわち室井および代理人がこの訴訟を通して本当に問いたいものは、この暴行傷害事件の野間および運動体としての責任である。そのためには、この暴行傷害事件はなんとしても組織的な性格を帯びたものでなければならず、現在室井および代理人はその証明に四苦八苦している最中であるといえる。
そのことは、室井第2準備書面の内容に、より一層よく表れている。一例として、室井はC.R.A.C. WEST の訴外伊藤健一郎が作成した「説明テンプレ」と「声かけリスト」という2つの文書の存在をもってして、それが野間の指揮命令系統のもとに作成されたものであり、よって組織的な隠蔽工作であったと主張する。
しかし実際にはこの「説明テンプレ」と「声かけリスト」はいずれも野間が運営し伊藤も参加するC.R.A.C. のメーリング・リストに投稿されたことはなく、また野間個人に送信されたこともない。またその存在自体、訴外伊藤と野間の間で話題になったこともなかった。つまり野間は室井提出の甲32・33号証の写しを見て初めてその存在と内容を知ったのである。また内容を見るにつけ、そもそもそれは「隠蔽」のための文書ではなく、2ちゃんねる等の匿名掲示板に流布していた事件のでたらめな情報に対するカウンターとして、正確な情報を知り合いに周知する目的のものであった。
もとより野間はこの暴行傷害事件の発生直後から加害者である訴外エル金および同席していた訴外凡からことの顛末の報告を電話で受け顛末を知っていたが、当初からこの暴行傷害事件を「個人のケンカ」「人間関係のいざこざ」としか捉えていない。電話による2人の報告では、室井を電話で呼び出し集団で暴行したといったような、後に世間に流布する事実は認められなかった。このことは、後に刑事裁判の過程によっても明らかとなる。
報告を受けた際に野間が訴外エル金に伝えたのは「まず全面的に謝罪するように」ということと、「告訴しない等、謝罪に条件をつけてはいけない」という2点のみであった。第二準備書面において室井はこの点を取り上げ(甲35・36号証)「野間はエル金に指揮命令する立場にあった」と述べているが、これは暴行傷害事件の加害者への対応としてはごくごく常識的なもので、指揮命令系統といえるようなものではない。かつ、たとえば「告訴を避けるために謝罪せよ」といった不誠実な内容ではなく、謝罪はそれ自体何かの引き換えではなく誠実に行われるべきであるという考えを示したにすぎない。
さらに、加害者が告訴されたいと考えていることは通常ありえず実際にエル金は謝罪文(甲23号証)を書いて示談交渉を始めたことから考えても「謝罪を告訴しないことの条件にしてはならない」というのはむしろ本人の意志に反することであって、この甲35・36号証は室井の言う「野間は暴行加害者の立場を代弁してきた」を反証する内容だと言える。
実際には野間とエル金の間に個人的な連絡はほとんどなく、個人的にもC.R.A.C.としても、普段から彼に何かを指示、指揮命令することはない。 (6) 室井が「リンチ事件」と称する暴行傷害事件の概要 ここまで述べてきたように、本件訴訟は実質的に、室井が「リンチ」と称する暴行傷害事件の評価をめぐってのものであると言える。そこで、請求原因には直接的に関係がないものの、この暴行傷害事件についての野間の評価をここでまとめて述べておく。
この暴行傷害事件は、2014年12月17日��夜、大阪・北新地のバー店外でエル金が室井を殴打し、全治3週間のケガを負わせたというものである。現場にはエル金のほかに凡、バー店内にほか3名がいた。
このことを室井および代理人・高島章は、「しばき隊によるリンチ事件」「いわゆる十三ベース事件」と称している。先述の通り、「しばき隊」は特定のグループを指すものではなく、カウンター運動をしている人間のうち任意の者を「闇の勢力」として名指したいときに恣意的に使われる呼称である。ちなみにエル金も凡も、実際に存在した「レイシストをしばき隊」のメンバーであったことはない。
事件の後、年明け1月から加害者と室井の間では示談交渉が始まったがこれは決裂し、室井は加害者を告訴した。この結果、簡易裁判所によりエル金は傷害で罰金40万円、凡は暴行で罰金10万円の刑事罰を科された。ほかに李信恵も告訴の対象となったが、不起訴である。
この刑事裁判の結果からは、エル金が主犯で凡が共犯の暴行事件のようにも見えるが、実際の様子はそうではなかったようである。
というのも、凡の暴行はエル金の殴打を止める目的で、軽く室井の頬をはたいたというようなもので、およそ共謀して殴る蹴るの暴行を働いたというものではない。室井の認識としても、どちらかというと凡は「止めてくれた人」という認識であることが、室井の供述調書からもはっきりとわかるのである(乙⑳号証)。 (7) 室井が「リンチ事件」と称する暴行傷害事件に至る経緯
室井は以前からエル金と凡に対して悪感情を抱いており、たびたびトラブルを起こしていた。たとえば2014年11月2日には東京で、ネット上でのいさかいが原因で室井が凡の首を締めるという事件も起きている(乙㉑号証)。またエル金に対しても2014年の5月ごろから個人的な人間関係が原因で悪感情を抱くようになり、7月には完全に距離を置くようになった(乙㉒号証)。
そんな折に、室井はネット上の右翼団体元構成員の書き込み(甲21・22号証)を見て、そこに書かれている「右翼(註:右翼団体を主宰していた竹井という人物)から50万円を受け取った人物」が、エル金ではないかと疑いを持ち、これを凡を含む複数の人間に吹聴した。
室井はこれを噂の存在を知って懸念を表明しただけだとするが、実際には室井はフェイスブックのグループ・メッセージ上で《エル金と竹井、ズブズブに馴れ合ってるんじゃないかと思える》《エル金が竹井を守っているようにしか見えん》《エル金と竹井がつながってると考えると、辻褄の合う話が多すぎます》《「愛国矜持会の金です」って名乗ればいいんですよ》《知れば知るほどエル金が疑わしく思えてきます》《どう考えてもエル金は臭い》などと、ほぼ疑惑が真実であると断定する口調で、複数の第三者に向けてエル金を糾弾している(乙㉓号証 下記写真はその一部)。
なお、室井は後に天満警察署作成の供述調書において「私は金が在特会側の人間から金を受け取っているのではないかという話は凡にしかしていなかった」と、嘘の供述をしている。
このようななかで、室井がエル金に疑いをかけているという話、すなわちエル金が右翼からカネを受け取っている可能性があるという話が、プライベートなグループ・メッセージを越えて外に広がり、多くの人が知るところとなった。野間の言う「(室井は)デマをも活用し気に入らない人物を貶めようとそのデマを吹聴した」は、これらのことを指す。
十三で飲食店「あらい商店」を経営する訴外パク・ミニョンもそうした情報を得た人物の一人であった。この飲食店は関西においてカウンター運動に参加する人たちがよく利用する店であり、室井もその常連の一人であった。この話を聞いたパクは「金の人格を貶め、その人格をも否定する悪質な発言」だと思い、「よりにもよって皆の風よけのように苦労していた在日当事者に対して、ようもそんなこと言えたもんやな」と悔しい思いをしたと語っている(乙⑪号証)。そこでパクは室井に、エル金に対して謝るように促す電話をかけている。
なお、件の暴行傷害事件を「リンチ」と称し、かつての連合赤軍による山岳ベース事件になぞらえて「十三ベース事件」とネット等で命名されるようになったのは、カウンターのたまり場であったこのあらい商店で暴行が行われたかのような印象を世間に与えるためである。実際の現場は十三のあらい商店とはなんの関係もない北新地のバーであり、パクは単に店で接客中にこの話を聞いて室井に電話をしただけであるが、暴行事件とこの店を結びつけるネットの書き込み等により、店は風評被害やいたずら電話などの被害を受けることになった。この店が暴行傷害事件と無関係だと知っているにもかかわらず、室井代理人の高島章は「十三ベース事件」という言葉を現在もことさらに使いつづけ(乙⑯号証)、あろうことかあらい商店の前で撮影した自分の写真をネットにアップロードするなど(乙㉔号証)、その行為は陰険で悪質極まりないといえる。
あらい商店でパクがこの噂の存在を知った直後、2014年12月16日の深夜に室井は凡に電話をかけ、謝罪したい旨申し出た。そのときちょうど別件でエル金、凡、李信恵その他全部で5名のカウンター運動に携わる人間が、別件で北新地のバーに集まっていたところであったため、凡はその場に来るように促し、日付が変わってから室井は現場に到着した。ここでいったんは席について話し合いが始まったが、話はこじれ、激昂したエル金が室井を殴打する暴行傷害事件が発生したのである。
いくら怒ったからといって何発もケガをするほど殴打したことは、それ自体許されないことであり、この暴行の責が室井に帰するとは野間も考えていない。だからこそ事件直後、野間は加害者のエル金に即座に全面的に謝罪すること、告訴されることも視野に入れることなどを伝えたのである。
(8) 暴行事件その後
この事件の経緯が個人的な人間関係のトラブルによるものであること、また、相手は対抗すべき差別主義者ではなくカウンター運動内部の人間であったことから、野間は事件にはノータッチのスタンスを取ることにした。ことさらに解決のために積極的に交渉に介入もしないが、事件が公になるのを食い止めることもしないというスタンスである。
ただし、これは野間が日本社会においてマジョリティに属する日本人であり、なおかつ大阪のカウンター運動とは人脈的にもたいしたつながりがないから取れるスタンスであって、地元の在日社会ではそういうわけにはいかなかった。
室井とエル金との示談交渉は、地元の在日社会が仲立ちしたが、在日社会はできるだけことが公にならないような方向で動いたことは間違いがない。なぜなら、こうした一部の人間の不祥事によって、「だから在日は暴力的である」といった民族差別的風潮を招き寄せてしまうことは過去の経験から明らかであったし、そのことに対する恐怖もあったであろうことは容易に想像できるからである。野間はエル金が自分の暴行事件によって告訴されてもなんのダメージも受けないが、在日社会はそうではないのである。また、相手はそもそもレイシストや右翼排外主義者ではなく、これまで一緒にカウンター運動を担ってきた人物であることも、できるだけ穏便にことを処理したい理由のひとつであったと思われる。
室井は、野間がこの事件を「隠蔽」して「カウンター運動を守」ろうとしてきたと主張するが、単に私人間の争いに介入せず当事者同士の示談交渉、あるいは司法による解決を見守ったにすぎず、野間が直接関係していない事件について公の場で言及しなかったからといって、それを「隠蔽」とすることは無理筋である。
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【ゲスト投稿】単純労働者について
チャーリー様、はじめまして。何度か記事にされている、単純労働者についてお聞きしてみたくて投稿させていただきました。テクノロジーの進化によって仕事がなくなっていく単純労働者は今後どのような生活を送ることになるのでしょうか。数少ない低賃金の単純労働を取り合うのか、失業して再就職の道も断たれるのか。それともなくなった分、今後発展していく分野で人手不足が起こるのか、新たな職業が生まれるのか。現在私は単純労働者の立場です。データ入力が主の事務職をしています。中小企業のためまだ必要とされていますが同業種の大企業ではIT化が進んでおり、IT導入コストが私の人件費を下回った時点で切られるのだろうと思っています。人手不足になる、または新たに生まれる職業に就けるよう行動しなくてはならないのでしょうが、視野が狭く知識も無く、思いつくのは「IT関連資格」「プログラミング」という単純なワードだけで、ひとまず基本情報、応用情報、安全確保支援士のテキストを斜め読みし、(まったく分からないので一から勉強する必要があります)プログラミングに関してはどの言語から手をつければいいのか迷っております。大変不躾なお願いなのですが、私の適正は抜きにしてこの方向性があっているのか、そもそもIT関連という考え方が間違っているのか、何かアドバイスをいただけないでしょうか。これからの時代ひとつのスキルでは生きていけないのでしょうけど、まずは何かひとつ、と思っております。チャーリー様のブログにそぐわないこのような低レベルな質問をお送りして良いものか大変悩んでいたのですが、お聞きしてみたいという気持ちが抑えられず投稿させていただいた次第です。
こんにちは。
決して低レベルな質問ではなく、もっとも難しいテーマの1つです。奥深いのでアレコレ書いていたら長くなってしまいました。2部に分けてみました。
その1。
まずお尋ねの方向性について、私は賛成する立場です。
今儲かっている会社を転々とできる技能をその都度身につけるのがイチバン合理的かと思います。
更に付け足すと、物価とモノ・サービスの値段が釣り合っている仕事です。安くでしか売れないモノ・サービスは、通貨の安い国の方が当然にもっと安く輸出できますし、コスト削減のため真っ先に後述の移民雇用・機械化が進むからです。
資格や技能についても、時代の流れが速く、「子供の頃からやってきたこと」「学生時代に学んだこと」だけで生涯食べていける時代ではなくなりましたし、今後ますます「●●歴」が問われることも減ってくるでしょう。
あまり的を絞りすぎると「せっかくこれをやってきたんだし」が災いする場合もあります。職人世界の「あと継ぎがいない」もソレに似ています。
プログラミングを学ぶのは、物事を論理的・体系的・構造的に捉えるという意味で、これからの時代とても役立つはずですので、仕事として考えなくとも趣味で始められるのもイイと思います。
情報処理技術者試験は、プログラミングとはまた異なる知識を問われます。手始めにITパスポートからでも良いかと思います。
ITパスポートは情報リテラシーという意味で身につけておく価値のあるものです。次に今後業種を問わず必要とされる知識である情報セキュリティマネジメント試験をオススメします。極めて汎用性の高い資格です。
資金不足の日本企業は今後海外資本が入り、経営陣・管理職が外国人というケースも増えるだろうことも含め、もし英語堪能で外資も視野に入るようでしたら、Comptiaのようなアメリカの資格を取られた方が「すぐに通じる」という面で役立つかもしれません。※試験自体は日本語で受けられます。以前アメリカのComptia Security+資格保持者の平均年収について書いています。
現時点では、技術職を除くと基本情報技術者試験に全くもって合格できないレベルの人達がIT業界を占めていますので、あまりハードルを高く見積もりすぎても自分自身が苦しむだけで、いざ合格後周りを見てがっかりということに成りかねません。
プログラミング言語選びは、文体のまとまりから勝手な印象ですが、インタプリタ型の言語をオススメします。
PHPやPython、JavaScript、Perlなどです。
私は最初Perlからでしたがもう古い言語の部類ですので、他の3つあたりから覗いてみるのはいかがでしょう。文法自体は、それぞれまるっきり違うわけではなく、スペイン語とポルトガル語、ロシア語とウクライナ語ほども変わりません。何から手を付けても失敗はありませんので、ノリで始めて問題ありません。
加えて、確率と統計は間違いなくこの先役に立ちます。業種を問わず必要とされます。
その2。
日本政府がどういう方針(主に就労ビザ発給)を採るかわかりませんが、通常先進国は賃金水準の低い移民を雇います。
銀座のデパートも売り場によっては既に2〜3割型中国人スタッフですし、多いところだと半数を占めます。外国人客の多い銀座5丁目のマツモトキヨシではスタッフ同士の会話は中国語しか聞こえてこない程です。※爆買い対応するためなので、もしかすると日本人と同等以上の賃金が支払われているのかもしれませんが。
今後誕生する職に期待したいところですが、人を大量に雇用するスタイルのものはほとんど出てこないだろうと思います。
流れとして自国民(日本人)単純労働者が最初に職を失うため、やむを得ず(買い手市場になり例え低賃金ではあっても)異業種に一旦は散らばるでしょう。そうすると慣れない人材が現場を占め、(ただでさえ低い)生産性が下がり、企業側はますます賃金カットを検討する循環に陥ります。価格に転嫁できる国ではないため特にです。
移民・機械化・移民・自動化・移民・AI化といった具合に入る隙間がありません。
その結果イギリスEU離脱のように移民排除に向かうのが世の常ですが、企業は労働層が安定しないと予定が立ちませんので、できるだけ不確定要素を排除しようとします。
人を雇わないという選択です。※移民を排除して同等条件で自国民を雇うと、あまりの低賃金にストライキが起き不安要素が増します。
この流れから、日本人でなければならない理由がない限り、移民雇用と機械化が進むと考えられます。
「日本人でなければならない」仕事の1つに軍需産業があります。情報漏洩を防ぐために基本的に他国民を使いませんし、民間のように他国に工場を構えて製造するわけにはいきません。また余程の同盟国*でない限り他国に製造委託しません。
*余程の同盟国=先進国なので、賃金水準的に委託するメリットがあまりなく、むしろ技術精度の高い日本が製造を請け負うことはあり得ます。
そういった面で、日本が国産戦闘機を製造する等の動きに期待している人達もいます。※ココでも情報セキュリティに関する知識と教養は役立ちます。
アメリカは同じ理由で、アップルなどテクノロジー大手にアメリカ国内で製造するよう働きかけています。
こうした流れが進めば、大量雇用が見込める国内製造業の復活もあり得ます。
ただし日本は労働人口が減っていく一方なので、必然的に1人あたりの生産性の向上が重要な課題となり、高度成長期のようにひたすら頭数を揃えるといった雇用はもはやないだろうと思います。※質よりも頭数が必要な作業とはパターン化されているため機械学習が可能です。
日本は今人手不足と言われていますが、サービス業が多すぎるという特徴があり、「人手不足の業界5選」からも見てとれます。
「安くで良いサービス」を徹底した手前、値上げもできず品質も落とせず、1人あたりの負担が増えるばかりです。日本のサービス業の生産性の低さの主な原因です。
高齢化社会の次に極端な人口減が待ち受けていますので、内需だけを頼りにしたサービス業は瀕死の重傷を負うでしょう。
よって老人が増えるから介護サービスが儲かるかというとそうではなく(増えはするでしょうが同時に増税がついてきます)、人手不足による素人採用によって生産性と品質が下がり、サービス対価の値下げ圧力が増し、低賃金・重労働が強いられることになり結果として破綻します。価格に転嫁できない日本の悪循環です。
それに対し、ITは見た目は最先端ですが、初めからデジタルデータなため、機械化しやすい職種でもあります。よっていち早く人員が削減される可能性も秘めています。
※いっそ花屋さんの方が機械化しにくく、機械が花を切ったり生けたり見た目を整えたりするのは難しいので。一方でオックスフォード大の予測ではバーテンダーは77%の確率で機械化されるとあります。基本カクテルはレシピが決まっているからですね。バーテンダーと会話を楽しみたい人が減っていることも計算に含まれているでしょう。
別の見方をすると、IT業界は古典的な業種と比べると利益率が高いことから、機械にできることをいつまでも人力で続ける可能性もあります。儲かっている限り積極的なリストラは行われず、転属くらいで済むことが多いですから。
この点がその1の冒頭につながります。
というわけで、決め打ちで特定の業種に絞ってしまうよりは、時代に合わせて柔軟に対応できる方が今後のためになると私は考えています。
その上で情報処理(特に情報セキュリティ)の知識の重要度が増すことは間違いないかと思います。
過去に投稿した内容も含まれますが、一度ココにまとめてみました。
結論としては、先進国の国民は、物価水準、教育水準に見合った職務に就くべき時代と言えます。「移民にもできる仕事」に就いている限り、いつかは“代わり”が押し寄せてきます。安い通貨の国に製造業を奪われたことと同じ流れです。
私の予測と見解が大半を占めていますので、他の方の意見との比較サンプルとして扱っていただけたらと思います。
注)投稿時タイトル空欄。こちらで概略として追加。
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【共感シアターナビ】たくさんの投稿頂きました!「おすすめしたい日本のアニメ映画」投稿全部ご紹介!
先日13日火曜日の21時より放送された共感シアターナビの中で、視聴者の皆さんの声を紹介するコーナー「俺たち共感族!」のお題は「おすすめしたい日本のアニメ映画」でした。 募集をかけたところ、多くの視聴者から熱いコメントをたくさん頂きました!ただ、番組内では放送時間の都合上、全部を紹介することは出来ませんでした。 そこでこの度、放送内ではご紹介できなかった投稿を含めて、視聴者の皆様から頂いた全投稿をこちらに掲載させて頂きます! 視聴者の皆様から寄せられた熱い投稿、ぜひご覧ください!!
番組アーカイブはこちら!
きょたさん
■作品:劇場版シティーハンター<新宿プライベートアイズ> ■おすすめ理由 2019年に公開されたシティーハンター最新作。前作から20年ぶりに作られた新作(パラレルワールドのエンジェル・ハートは除く)シティーハンターは好きだが昔のコンテンツというイメージだったので、正直期待しないで観に行ったが面白すぎて度肝を抜かれた。感想としてはとにかく完璧にシティーハンターをしてるシティーハンターだった。無駄な要素を一切入れていない。 作品のノリや雰囲気、キャラの性格が当時と変わってないから安心して観れる。何より監督や声優が当時のままなのが一番嬉しい!平成最後に神谷明主役のアニメをぶちこんでくれたのは最高でした。山寺宏一、山崎たくみ、茶風林など当時エキストラで出演してた声優が今回メインキャラになったのは感慨深いものがある。 ギャグシーンも多めで、獠は5分に一回くらいはもっこり言ってたイメージ。もちろん戦闘もバッチリ決める!ゲスト芸能人声優が邪魔してないのもGOOD。話題性ばかりで演技がド下手な「大物ゲスト俳優(笑)」を使う作品が多いが、今回のゲストヒロイン役の飯豊まりえが上手くて物語に集中できた。 そしてシティーハンターはあくまで獠と香が主役だからシナリオ的にもでしゃばってない他にも往年のファンのテンションが上がる要素が多くて飽きさせない。特に音楽。シティーハンターシリーズの歴代主題歌が随所で流れるが、タイミングも曲のチョイスもバッチリ過ぎて聴いた瞬間目頭が熱くなった。 原作を知ってるならあっとなる小ネタも多くて探すのが楽しい。劇場公開時よく言われてた感想で「昔馴染みのラーメン屋に入ってラーメンを頼んだらラーメンが出てきた」というのが秀逸。確かに最近はラーメンを頼んだら冷し中華が出てくる作品が多い。そんななかこの作品が完成したのはまさに奇跡としか言いようがない。 一見するとファン向けな作品のイメージだが内容は「いつものシティーハンター」なので入門書としてもオススメ。映像面もシナリオも完璧で、まさにシティーハンターの最高傑作と呼ぶにふさわしい作品だった。 ■作品:デジモンアドベンチャー ぼくらのウォー・ゲーム! ■おすすめ理由 デジモンアニメの中で一番好きな作品。40分という短い尺の中に恋愛、戦争、生活、友情、勝利など様々な要素が詰まってる映画。最初はいたずらメールを送るくらいのコンピューターウィルスがどんどん進化していき、レジの代金をバグらせてとんでもない代金にしたり、交通機関を乗っ取って電車を暴走させたり少しずつ世界を混乱させていく…… それを阻止するため主人公達が立ち向かうというストーリー最終的には核ミサイルまで発射されてしまい、日本を壊滅させようとするスケールのデカさにビックリしたこの映画に「島根にパソコンあるわけないじゃん」という台詞があるが島根県出身の身として言わせてもらうと、一応パソコンは当時から島根にもあったぞ~~!!
鶴岡亮さん
■作品:クラッシャー・ジョウ ■おすすめ理由 僕がオススメしたいアニメ映画は「クラッシャー・ジョー」です。本作の舞台は2160年の宇宙で、主人公ジョウ率いる宇宙の何でも屋の「クラッシャー」がある依頼を受け、壮大な戦いと陰謀の渦に巻き込まれていくというスペースオペラものです。 このアニメの見所は何と言っても監督のみならず、作画監督も務めた安彦良和さんを始めとするアニメーター陣による圧倒的な作画力です。河森正治(かわもりしょうじ)さんデザインのスターファイターが宇宙空間で繰り広げる激しいドッグファイトシーンや、カーチェイスやクリーチャーを相手にした豊富なアクションシーン、人間の身体の動きを滑らかに描いたガンファイトシーン等が、80年代アニメブーム時代の高クオリティな作画で楽しめます。ストーリーも若干フィルムノワールを思わせる敗者の哀愁を漂わせる面があり、一見スタンダードなスペースオペラという体制をとりつつも、そういう所を取り入れてくるのが学生運動経験者の安彦良和監督らしく面白い所です。 後、一部の人にしか判らないでしょうが、安彦良和さん作画の「ダーティペア」が一瞬見れる所も今作の見所です! 高クオリティな作画を楽しみたい方には楽しめる作品だと思いますので、未見の方が居たら是非ともご覧下さい! ■作品: 機動警察パトレイバー2 the Movie ■おすすめ理由 この作品は言わずと知れた押井守監督作品のアニメ映画。 本作は90年代に作られた作品で、当時日本で問題になっていた自衛隊の海外派兵問題や、それを是とする日本国の情勢に対して、押井監督の鋭い指摘が冴えまくった作品です。 横浜ベイブリッジにミサイル発射テロが行われるシーケンスに代表される印象深いカットワークてんこ盛りの本作ですが、中でもテロに対して東京に非常事態宣言が発行され、新宿、渋谷、池袋に自衛隊が駐留し、「日常から非日常」へと転換していくシーケンスは非常にインパクトがあり一見の価値があります。 奇しくも、この映画が公開された1993年の2年後の1995年にオウム真理教による「地下鉄サリン事件」が発生し、「このアニメに影響されたテロでは無いか?」と物議を醸し出しだす事になりました。 社会、こと日本について描いた作品というと、庵野秀明監督の2016年の「シンゴジラ」が挙げられますが、本作「機動警察パトレイバー2 the Movie」は押井守監督が90年代の日本の状況を克明に描き出し、予言とも言える快作を作り上げました。 ポリティカルサスペンスとして非常に完成度が高く、90年代という日本の時代性を語る上で外せない作品だと思うので、未見の方は是非ともご覧下さい。
バッファロー・ビルさん
■作品:今敏監督作品「パーフェクトブルー」 ■おすすめ理由 アイドルを卒業し、女優への転身を決意した主人公。彼女は事務所の要望となりたい自分との狭間で思い悩むようになります。現実と虚構が曖昧になっていく中、彼女にストーカの影が・・・最近では実写でもあまり見かけなくなったサイコホラーという題材。 90年代はセブンとか羊たちの沈黙とかやたら多かったですが、人間というものの気持ち悪さをここまで、それもアニメで本格的に描いた作品はあまりないでしょう。 98年の作品ですが、インターネット、芸能界の思惑、ストーカー等、現代でも十分通じる物語です。この作品がダーレン・アロノフスキー監督の「レクイエム・フォー・ドリーム」「ブラックスワン」に影響を与えたことは有名です。2010年にお亡くなりになった今敏監督。訃報を聞いた時はとてもショックでした。本当に残念でなりません。
肴はサラダチキンでいいさん
■作品: OVA版ブラックジャック カルテX しずむ女 ■おすすめ理由 皆さんに見てもらいたいアニメで考えた結果これしか思いつきませんでした。また変化球気味で映画ではなくVシネマアニメですが、ギリOKという事で。 今作は手塚治虫先生の原作話で週刊チャンピオンで連載される訳でしたが、当時の公害描写などの理由でお蔵入りとなった話がOVAでアニメ化された物です。 ブラックジャックは医療アニメである前にヒューマンドラマだという事が分かる素晴らしい作品です。共感族の皆さんにも機会があれば是非見てもらいたいですね!^_^
nksさん
■作品:デジモンアドベンチャー ぼくらのウォー・ゲーム! ■おすすめ理由 本作は知る人ぞ知る細田守監督の出世作で、東映アニメ祭りで上映された、40分の短編映画です。 アニメーションの革新性、主要登場人物8人の手際良い配置、適度なギャグ、魅力的なアクション、どれを取っても20年前とは思えない出来の良さです。 スピルバーグが〈映画うま男〉なら、細田守は〈アニメうま男〉といったところだと思います。 細田監督がメジャー化してからの作品である「サマーウォーズ」は、実質本作のリメイクですが、個人的にはラスト10分でミサイルが着弾するスリルが現実の上映時間10分とぴったりリンクする所など、完成度において「ぼくらのウォーゲーム」の方が優れていたと思います。
■作品: 海獣の子ども ■おすすめ理由 本作は、主人公の少女(cv.芦田愛菜)が魚と会話できる不思議な力を持った少年と出会い、ひと夏の冒険を通じて海/地球/宇宙の神秘と生命の起源を知るという、ジュブナイルものかと思ったら「2001年宇宙の旅」だった、という映画です(なに言ってるか分からなかったらスミマセン。)。 ストーリーが難解でつまらないといった評価が多いですが、2001年やプロメテウス、エヴァが好きな私にとっては、大好物の作品でした。 しかしなんといっても本作最大の特徴は、一枚一枚が水彩画であるかのような、圧倒的な画力です。日本で同時期に公開された「スパイダーバース」と比較しても、勝るとも劣らない画の密度で、ハリウッドからの挑戦状に日本から回答を示すなら本作「海獣の子ども」だと思います。 2019年10月、制作会社のスタジオ4℃でアニメーターの残業代未払い問題が報道されました。そもそも本作は企画から完成まで6年を要した労作であり、そりゃ作り手が何人か倒れててもおかしくないよなと思いました。が、一観客として、「その成果はちゃんと届いてるよ!!」と、改めてアニメーターさん達に拍手を送りたいと思います。
甘えん坊将軍ユウスケさん
■作品:クレヨンしんちゃん~嵐を呼ぶジャングル~ ■おすすめ理由
しんちゃん映画だときっとオトナ帝国と戦国が挙げられるでしょうが、あの二作はアニメ映画としては最高ですが、しんちゃん映画としては言��たいことがあるので敢えてあの二作の直前の本作をピックしました。 擬似的な親離れ家族離れ体験としていつもの五人でジャングル探検してギャグシーンを満載にした前半(原恵一監督は結構このシチュエーションやってる気がするのですが、このテーマ好きなんですかね?)。一人の兄としてひまわりちゃんを守って頑張る中盤。徹底的にまたギャグに振ったみさえ&ひろしの救出シーン。で、本作最大の見処であるしんちゃんの憧れのヒーローであるアクション仮面のくだりです。 単純な強さで言えば、悪役のパラダイスキングに劣ってしまうアクション仮面ですが、皆の応援、特にどんな時でも憧れのヒーローとして慕ってくれるしんちゃんの声援と、悪役にはない優しさがあるからこそ勝つと言うちゃんと「正義は勝つ!!」のロジックを下手なアメコミ映画よりちゃんとやっている点。 また、ハリボテの城に住み、「力」は手に入れたが、また本当の意味で声援を送ってくれる者の居ない文字通り「猿山の大将」である、ある意味でヒーロー俳優としてあり得たかもしれない別視点の自分が最大の悪役として立ちはだかる点。 これら昨今のアメコミ映画に有りそうな題材をアメコミブームの10年近く前に既に、ちゃんとやっていると言う点ではヒーロー映画としての完成度は抜群に高いとと言いたいです。また、最後はバッチリお下劣ギャグやナンセンスギャグで締めてくれるのも最高ですね。 オトナ帝国や戦国、ロボとーちゃんばかりが、もてはやされがちですが、ギャグとアツい展開のバランスが取れてるクレしん映画としておすすめしたい一本です(特に特撮ヒーロー好きなら大西さんにもおすすめです。既にご覧になられてるかもしれませんが…笑)。
nikiさん
■作品: 時空の旅人 ■おすすめ理由 『火の鳥・鳳凰編』と同時上映の80年代角川アニメです。子供のころ、戦国時代が好きだったこともあり、劇場で見ました。こういったガキの時に見て面白かった作品が今見ても面白いのか?という疑問は昔の作品にはつきまとうと思うのですが、『時空の旅人』は大人になってから見ても面白かったです。 萩尾望都のキャラクターデザインの作画、竹内まりやの曲もいい感じです。ただ、ストーリーが原作ほど緻密ではない点、唐突に挟まれる角川春樹の俳句には目をつぶってください。
きゃわぐちさん
■作品:第5位 「帰ってきたドラえもん」と「サマーウォーズ」をセットで挙げます! ■おすすめ理由 13年前、まだ映画で涙した経験のない、鉄仮面だった高校生の私を大号泣させたのが、アメトークのドラえもん芸人で見た「帰ってきたドラえもん」でした。以来、涙腺がブッ壊れ、ついに映画館でも初めて泣いてしまったのが「サマーウォーズ」の花札のシーンです。 当時はセカチューや「1リットルの涙」から続いていた闘病モノブームもあって、そういう“お涙頂戴”がことさら多かった気がするのですが、“悲しさ”ではない感動で泣く、という経験ができるのもこの2本のいいところですね。
■作品: 第4位 「この世界の片隅に」 ■おすすめ理由 第4位は一転して底無しの“悲しさ”に泣けてしまう「この世界の片隅に」です。戦争モノのアニメ映画といえば、「はだしのゲン」や「火垂るの墓」や、いわゆるグロくて強烈な作品は数あれど、こんなにも穏やかな、それでいて辛い作品があったでしょうか!? 全編にわたりほぼほぼ戦闘シーンがなく、主人公・すずさんのおっとりした性格も相まって、日常系のアニメを観ているかのような気分になりそうな本作。しかし確実に戦時中である、というギャップが、どうしようもなく悲しい。去年の終戦記念日に初めて観たのですが、すずさんの穏やかな暮らし、健気な性格を見ていると「戦争さえなければ、平和に幸せに暮らせていたはずなのに」という思いが込み上げてきて、クライマックスでも何でもないシーンで涙が止まらなくなりました。 そして、当時の日本には何万人、何十万人という“すずさん”がいたのだという事実が現実味を帯びて感じられます。紛れもなく、映画史に残る名作です。 ■作品:第3位 「 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」 ■おすすめ理由 これは「クレヨンしんちゃん」という子供向けコンテンツを、大人の視聴にも耐えられる、むしろ大人こそ感動できる作品へと昇華させた金字塔的作品です。クレヨンしんちゃんの映画として必須な“お下品な笑い”はふんだんに盛り込んでおきながら、成長して見返すと泣かずにはいられない感動もある。 見る年齢によって、泣き所が変わってくるのもポイント。いつ観ても笑って泣ける、最高に楽しい映画です!こっちは何回も観るからブルーレイ化してくれ! ■作品:第2位 「 ルパン三世 カリオストロの城」 ■おすすめ理由 挙げるまでもない名作ですが「ルパン三世 カリオストロの城」! ・言わずもがな抜群の完成度。 ・テレビで流れていればつい観てしまう ・何度も観ているから安心感があるのに、何度観ても飽きのこない面白さまさにアニメ映画界の「ターミネーター2」! 今さら観てない人はいないと思いますが、「クラリスって誰?」という人がいないとも限らないので、念のため第2位にランクインです。 ■作品:第1位 「 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」 ■おすすめ理由 そして第1位は、完全に私の趣味「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」で決まりです!もちろん世代ではなく、小学生のころケーブルテレビで父に見せられたのがきっかけ。テレビ版も見たことがなく、最初に触れたヤマトが劇場版2作目の“さらば”。 まだアニメといえばドラえもんやクレヨンしんちゃんやコナン、あるいは少年漫画の単純な勧善懲悪しか知らなかった私に、いきなりの“さらば”はまさに世界がひっくり返るような衝撃でした。見終わったあとテレビの前で呆然としていたことは、20年以上経った今でも覚えています。ボロボロになっても戦い続ける、ヤマトの不屈のカッコよさ、白色彗星帝国の圧倒的な強さと絶望感、クライマックスの激闘、そしてきゃわぐち少年を衝撃の渦に呑み込んだラスト。最高と言うほかありません! ただ、ヤマトに限りませんが、大人になってから初めて触れると、どうしても奥にいる製作者や、話の辻褄ばかりに目がいってしまって、純粋に作品の世界に没頭することが難しくなるもの。でも子供の頃に観たものなら、大人になってもずっと“あの頃”のまま楽しむことができます。 共感シアターをご覧の皆さんで小さなお子さんを持つ方がいたら、早いうちに「さらば宇宙戦艦ヤマト」を見せることをオススメします。あと「あしたのジョー」。 余談ですが、共感シアターではだ〜れも観てない「鬼滅の刃」、僕は初日に行ったしブルーレイも予約したし、結構感動しました(笑)
アレスさん
■作品:「 マジンガーZ対暗黒大将軍」 ■おすすめ理由 無敵のスーパーロボットと思ってたマジンガーZが新たに現れたミケーネ帝国の戦闘獣軍団にボロボロにされるのは幼心にそれはもうショッキングでしたが、そのピンチを救うべく飛んできたグレートマジンガーの無双ぶりはそれを上回るインパクトでした。 「マジンガーZの兄弟さ」とだけ言い残し飛び去って行くラストシーンの格好良さはアニメ映画の括りだけじゃなく、映画のマイオールタイム・ベストシーンです。
ぜんぞう
■作品:「 餓狼伝説/劇場版」 ■おすすめ理由 さて、おすすめしたい日本のアニメ映画ですが、僕のおすすめ日本アニメ映画は、「餓狼伝説/劇場版」です。「AKIRA」や「オネアミスの翼」等、大好きなアニメ映画は沢山ありますが、他の皆様のおすすめにあがりそうなので、あまり語られることのないであろう、「餓狼伝説/劇場版」をおすすめしたいと思います。 制作当時、隆盛を極めたSNK製のビデオゲーム「餓狼伝説」シリーズを基にした、劇場版ならではのスケールの大きいオリジナルストーリーがとにかく魅力的。ゲームでお馴染みのキャラクター達が、伝説の闘神の鎧を巡ってインディ・ジョーンズよろしく遺跡を巡り、謎を解き、鎧を狙う敵対勢力と超人バトルを繰り広げる展開は圧巻の一言。 ダイナミックなアクションとミステリアスなストーリーは、これぞ日本アニメ!「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」にも影響を与えた(と勝手に推測している)クライマックスも含め、見所満載のスペクタクルアニメ映画です。ぜひぜひ、ご鑑賞ください。
ヱキストラさん
■作品:クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ夕陽のカスカベボーイズ(2004年) ■おすすめ理由 クレヨンしんちゃん界隈の映画秘宝こと「クレヨンしんちゃん研究所」で絶賛された本作品。往年のマカロニ・ウェスタン/アウトロー作品への愛を異常なほど感じさせる本作は、これまでの明るい雰囲気を出さないためか、オカマキャラを一切登場させない徹底ぶり。 「荒野の七人」「夕陽のガンマン」「マッドマックス」「ローン・レンジャー」など自分がわかるだけでも数作品のオマージュ/パロディが随所に散りばめられていて、その上、元ネタを知らなくても楽しめるクオリティの高さでした。加えて最後のオチは、"映画"というギミックを笑っちゃうぐらい見事に活用! 上映時間は95分で、Netflixにも公開されているので、映画好きな共感族の皆さんにも、是非一度ご覧いただきたい作品です( ´-`)
リノス屋さん
■作品: バンパイアハンターD (英題:Vampire Hunter D: Bloodlust) ■おすすめ理由 古典的なモンスターホラー要素に、SFファンタジーや西部劇の要素も併せ持つ作品です。 舞台設定は、遥か未来。“貴族”と呼ばれる吸血鬼に支配された世界で、人類は家畜同然な存在に。貴族達に怯えながらも、なんとか生活を保っている人類に味方をするのが、人間と吸血鬼の混血で、吸血鬼ハンターを生業にしている、主人公“D”。全身黒ずくめで、大きな旅行帽を被り、背中に長い刀を背負い、左手には人面瘡(じんめんそう)を宿し、顔立ちは美形という、一見地味に見えてカリスマ性のあるこのキャラクターがまず魅力的です。 映画の内容は、名門と云われるエルバーン家の少女が、貴族に誘拐される所から物語が始まり、それを知ったエルバーン家の者が、主人公Dや人間の吸血鬼ハンターいち味を雇い、少女救出へと向かわせます。後に、『マトリックス』のオムニバスアニメ『アニマトリックス』の一作品を手掛ける事になる、監督の川尻善昭(かわじりよしあき)さんが描く、道中でのアクション等見所が随所にあり、混血な故に貴族からも人間からも毛嫌いされ、しかしながらも奮闘する主人公Dの孤独な戦いもドラマに絡んできて、終盤には思わず涙を誘われます。 又、この作品の公開時は、英語版での上映のみでしたが、ソフト化の際には、日本語版も発売され、声優ファンには堪らない錚々たるメンバーがキャスティングされております。特に、主人公の左手に宿る人面瘡(じんめんそう)の声を、永井一郎(ながいいちろう)さんがアテられていて、無口な主人公とは対照的に、ユーモアや皮肉に溢れるキャラクターを演じられていたのが印象的でした。『バンパイアハンターD』は、映画以前にもOVAやオーディオドラマ、プレステ用ゲーム等のメディア展開も多くあります。 何より、菊地秀行(きくちひでゆき)さん原作の小説には、キャラクターデザイン兼挿絵をファイナルファンタジーシリーズのイラストでも有名な、天野喜孝(あまのよしたか)さんが手掛けられていて、天野さん自身の個展でも度々、同作品のイラストも出展している為、おそらく共感シアターの皆様も、どこかで一度は“D”を目にしたことがあるかもしれません。
孔明(MOVIE TOUCH)さん
■作品: トランスフォーマー ザ・ムービー 1986年公開作品 ■おすすめ理由 1984年にアメリカでトランスフォーマーの玩具が発売され、テレビアニメ放送もあって大ヒット。それを受けて製作されました。テレビアニメ同様に日米合作で、作画は主に日本の東映動画(現:東映アニメーション)が担当。最初のテレビアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(通称:初代)」の続編ですが、本作は当時の子供達に深い傷痕を残しました。 開始30分以内に玩具の在庫処分のために初代に登場したトランスフォーマーの殆どが無惨にも殺されていき、同時に新商品の宣伝のために新しいトランスフォーマー達が主役の物語が容赦なく始まるという衝撃的な内容。総製作費40億円(尚、半分しか使い切れなかった)をかけた本作はCGと見間違える程の神作画が終始続き、日本のアニメーター達の底力を見られます。特に星帝ユニクロンの変形シーンはロボットアニメ史に残る神シーンです。ジャド・ネルソン、レナード・ニモイ、エリック・アイドル、オーソン・ウェルズらが声優として出演。 また本作はオーソン・ウェルズの遺作でもあります。勢いある80年代を象徴するような本作のアルバムは映画アルバムでもベストに入れたいほどの名盤で、特に主題歌「The Transformers Theme」と挿入歌「The Touch」は海外アニソン屈指の名曲。因みに劇伴は「ロッキー4/炎の友情」のヴィンス・ディコーラ。日本は玩具発売元であるタカラ(現:タカラトミー)の大人の事情で劇場公開に至らなかったものの、後にチャリティ上映やソフト販売が一応行われました。 現在国内で合法的に見る方法は北米版ブルーレイ(勿論日本語音声も字幕も無し)を海外から取り寄せる以外ほぼ皆無で、他はネットに違法アップされた物を見るしか方法がありません。しかしタカラトミーもブルーレイ発売や配信をする気が無いのにも関わらず本作の玩具を出しまくっているので事実上黙認状態(因みに今月も発売予定あり)。実写映画版シリーズで本作から引用されているシーンや台詞、設定がかなり多いので是非見てください。 ■作品: ガールズアンドパンツァー 劇場版 ■おすすめ理由 ある意味戦車アニメ版ワイルドスピード。その熱さは実際に鑑賞した多くの映画ファンから同年公開の「マッドマックス 怒りのデスロード」に匹敵すると言われた程。 砲撃戦のみならず戦車で戦車を投げ飛ばして攻撃、戦車同士で格闘戦、ジェットコースターのレール上で戦車チェイス、窮地を救う観覧車先輩などなど、「戦車でそんな使い方アリ?!」のオンパレード!仲間はファミリー同然に面倒を見る!一度戦った相手はマブダチ!応援大使は蝶野正洋!一見あり得ない戦車戦の裏には膨大なリサーチに裏付けられた世界トップクラスの再現度を誇る戦車描写があり、リアリティとファンタジーが見事に融合した戦車映画になっているのです。 特攻野郎Aチーム的な「どんな奇策でその場を乗り切るか」という展開も見どころです。オーケストラで収録された劇伴も作品を盛り上げる良い仕事ぶりを発揮し、オリジナル楽曲以外にもリパブリック賛歌やフニクリ・フニクラなど様々な国の曲が使われるので大変勉強になります。共感族なら一度は聞いた事があるであろう、あの映画にも出てきたあの楽曲も使われます。また劇中歌「おいらボコだぜ!」は人生何度ボコボコにされても立ち上がる力をくれる素晴らしい歌です。 現在劇場用OVA最新作「ガールズアンドパンツァー最終章 第3話」が公開中。それに合わせてNetflix、dアニメストア、Huluなどの各配信サービスにて本作ほかシリーズ作品が見放題配信中、更にシネマサンシャイン系列劇場などでリバイバル上映中です。以前アニメ業界にいたのですが、業界人として見ても手描きアニメと3DCGを組み合わせる現代のアニメの中でもトップクラスの作品と言える程クオリティは高いと思います。また、私が業界にいた頃にお世話になった方々が関わっていますので、是非ご覧いただければと思います。 因みにガルパンのムック本「不肖・秋山優花里の戦車映画講座」は監修/執筆が青井邦夫さん、執筆協力の1人が高橋ターヤンさん!ガルパンは実質共感シアター案件では?! 以上になります! 今回は「日本のアニメ映画」というように限定しましたが、アニメ映画はまだまだたくさんありますので、また皆様からのお声を募集したいと思います! お楽しみに!!
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