#天空のブランコ
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240509
朝、20°くらいの角度で上向きの気持ち。 本屋さんがすきだ、と思う。 本屋さんにわたしの本を置いてください、と営業みたいなこと、性格的には得意ではないのに、こう、できるのは本屋さんがすきだからだと思う。 帯広にお気にいりの本屋さんをみつけられていなくて、さみしい。 ないななら、自分でやればいいじゃんっていう考えがちらついてしまう。
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240510
朝、部屋があかるい。今日は晴れそうだ。 散歩する。 公園にはたんぽぽが咲き乱れていて、そこに、赤青黄色の遊具があって、天国ってこういうところなんじゃないかと思った。 死んだら、みんな童心にかえって、ブランコをこぐんだ。
最近、ホットミルクにはまっている。 小学生の頃、牛乳が嫌いだったのは、牛乳がきらいだったのではなく、牛乳と給食を組み合わせることだったんじゃないか、て思う。 牛乳は甘い。
夜、肩にシップを貼って、ねた。
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240511
朝、起きたくなかった。 なにもかもがめんどうで、億劫で、つまらない、と思う。 だめだな、と図書館へいく。 やさしい言葉が読みたかった。 詩と絵の本があって、蛍光��ンクの糸で綴じられていて、きゅんとする(『僕はひとりで夜がひろがる』立原道造、魚喃 キリコ)。けれど、何かが億劫な空気は変わらず、ページが進まない。 喫茶店でチーズケーキを食べる。 この間、コーヒーを飲んだら、カフェインにやられてしまったからカフェラテにする。 カフェラテの方がカフェインが少ない気がしているけれど、実際のところはそうでもないのかもしれない。牛乳で薄まる分、濃いコーヒーにしているわけで。結局は同じかもしれない。 詩がかけた。 このぐずぐずとしたものをそのまま詩にかいた。そしたら、少し、立ち直ってきて、わたしはこうやっていくしかないのかもしれない、と思った。 詩をかくと、詩をかいているうちに、わたしが何に落ち込んでいるのか、みえてきて、そして、できた詩を読んで、癒される、ような。そんな。
夜、深く息をして、ねた。力を抜きたい。
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240512
朝、起きたくない、ではなく、ねむっていたいと思って、二度寝した。 ひさしぶりによくねた感覚がある。 歯の詰め物がとれる夢をみた。 歯医者に行った方がいいかもしれない。 昨日つくったゆで卵の殻が比較的するんと剥ける。 できなかったことができるようになってきた。
次につくる詩集について、通話をする。 書いた詩の説明をするの、むずかしい。 通話のあと、疲れてしまったのか、ぐずぐずとしていた。 なかなか動き出せなかった。
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今、中国では川端康成文学の出版ラッシュが続いています。その人気ぶりはまるで一つの社会現象が起きていると言っても過言ではありません。長年、中国と日本の双方で著述や翻訳などを続けている私も少し驚いているほどです。先日、中国から日本を訪れてきた約二十人の観光客を、大阪の茨木市にある川端康成文学館にご案内いたしました。みなさんは日本文学の愛読者で、川端ゆかりの地を巡るツアーに参加している人々でした。文学館の館長先生も「ブームのおかげでたくさんの中国の方々が来るようになった」と言いました。しかし、なぜ今になって、中国で川端文学がブームになったのでしょうか。これは実に興味深いものがあります。 その理由はいくつかありますが、ひとつは今年、川端康成の死から五〇年を迎えたということで彼の作品の著作権保護期間が切れたためでした。 著作物の保護期間については、日本や中国を含む主要国が加盟する「ベルヌ条約」で作者の死後50年としています。しかし、実際のところ、国によって定めている期間は異なります。欧米では70年が主流です。日本は旧著作権法で50年としてきましたが、環太平洋パートナーシップ協定発効に伴う同法改正により、2018年12月、70年に延長されました。保護期間が切れると、著作物は「パブリック・ドメイン」となり、許諾を受けたり使用料を払わなくても、原則的にだれでも利用できるようになります。 ここでは、50年とする中国の著作権法では「著作者の死後50年目の12月31日に満了する」と定めています。川端康成は1972年4月16日に逝去したため、日本では保護期間内が続いていますが、中国では今年1月からパブリック・ドメインとして扱われるようになりました。 そして、各社が競うように川端作品を出版し始めたのです。翻訳本としてこれだけ一気に噴き出すのは、稀なことです。その中でもっとも多く刊行されたのは名作『雪国』で、私が知っている限りでは、もう二〇以上の中国語訳バージョンが激しく競い合っています。 中国の書籍販売サイトで検索すると今年1月に入ってから、川端作品の出版点数は今後の予定を含め80冊を超えています。 実をいいますと、2021年に三島由紀夫が没後50年を迎えた時も、やはり三島ブームが起こりました。しかし今回の川端ブームはその比ではありません。この差はかならずしも二人の作品の優劣といったようなことではなく、現在の中国の社会情勢に大きく関係していると、私は考えています。 中国では2013年の習近平政権誕生以来、言論政策における統制色が強まってきました。出版物に対する管理の厳しさも増す一方で、特に海外からの書籍などは今まで以上に細かく検閲されています。その影響で、民間の出版プロダクションや国営の出版社も含めて、さまざまなジャンルの作品を選定するのに神経を使います。いかにして検閲を通すのか、あるいは内容的にダメだという自己規制で諦めるのか、いろいろと工夫をしなければなりません。 最近、私が翻訳したある日本の学術書も過激な主張はないにもかかわらず、なんだかの理由で出版することができませんでした。しかし川端康成の文学は、「世離れ」をしています。日本の大正から昭和にかけての、戦争がない平和な期間を舞台にしているものが多い。作品の多く���反体制運動や戦争をテーマにしていないので、検閲に通りやすいのです。 さらに、こうした規制による不自由な社会で、人々は川端文学の美しく詩的な情景描写に「癒し」を求めはじめています。元々、中国では川端康成の類まれな表現力について評価が高く、2012年ノーベル文学賞を受賞した作家の莫言さんも『雪国』の美しい描写に大きな影響を受けたと公言していました。そして書き上げたのが後に、映画にもなった小説『白い犬とブランコ』でした。1999年の秋、莫言さんははじめて日本を訪れてきた時に、川端康成が執筆した���に泊まりたいと言いました。私は彼を伊豆の天城湯ケ島温泉の旅館までご案内いたしました。とても喜んでいました。 現在の中国は、例えば、軍のスローガンをネタにしただけで、コメディアンに二億円の罰金が課されるなど、小説よりも現実社会のほうがもっとも魔術的で、エキサイティングな出来事が次々と起こるような社会です。残念ながら、小説がそのような現実の刺激には勝てないのです。そのため、人々は文学に物語の筋立てというよりむしろ、川端文学のように心を豊かにし、生活に潤いを与えるような美しい言葉を求めています。彼らは文学をまるで「癒しグッズ」のように消費するということで、日々の不満や生きづらさを解消しようとしているのです。 また、優れた若手翻訳者が多くいるという点も、ブームに拍車をかけていると言えます。最近、言論空間がますます厳しく制限され、作家を志す才能がある人でも言論統制による出版禁止や、場合によっては逮捕されるそのリスクまで考えなければなりませんから、ものを書くことを避ける人が多くなりました。彼らの中には、海外文学の翻訳者に転身する人も少なくありません。元々は作品を生み出す能力がある人ですから翻訳のクオリティは高く、大勢のファンがついている翻訳者もいます。さらに、若い彼らはソーシャルメディアを駆使した作品のアピールにも長けていて、翻訳者兼プロモーターの役割を積極的に果たしているのです。 そして今回の川端ブームは、中国の出版社の戦略勝ちという側面も大きいでしょう。日本の出版社と比べて中国の出版社は非常にビジネスに対して貪欲で、著作権保護期間が切れることや、検閲を通りやすい作品が多いことを見越し、準備を進めていたのです。私もある中国の出版社から数年前に川端作品の翻訳を頼まれたことがありました。 さらに、中国の出版社は装丁のデザインやノベルティといった、本の中身以外にも力を入れています。中国の書店には質感の高いデザイン性を誇る本が並び、コーヒーカップやトートバッグとセットで売られている本もあります。その力の入れようは、私にはやや病的にも思えるほどですが、多くの人々がスマートフォンやタブレット端末で本を読む今現在、逆に紙の本に求められているというのは、それを持っているだけで自分の価値を高めてくれるものと信じ込んでいるからです。川端ブームに乗っている人の中には、作品は大して読まず、流行の川端文学を手に持つことで時代の最先端をいく自分を演出する人もいます。 川端文学が素晴らしいことは言うまでもありませんが、現在の中国では、教養のためというより、心を癒し生活の質を向上させるために川端作品が選ばれているのです。
毛丹青「川端ブーム」広がる中国 NHK解説委員室
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230901 記憶喪失の夏
どういうことなんだ。もう八月も終わりだというのに、それにしても暑すぎる。今朝「一年で唯一好きだった9月も、ここ数年の暑さのせいでついに嫌いになってしまう。今年はもう終わりだ」とだけ LINE が飛んできた。どちらかと言えば私は幼少の頃から九月はあまり好きな月ではなかったし、夏が好きだった。ガキは案外、夏好きだからね。市営プールからの帰り、夕方になってもまだ明るい日に照らされた、緑の木の葉一枚一枚が静かに風に吹かれている。公園の日陰にあった錆びた青いブランコが揺れている。投げ出していた両手両足を蚊に刺されすぎた。夏休みが終わってしまい学校に行くことが(子どもの頃から根っからの怠け者ゆえ)本当に嫌だと思いながらも、ただ流れていく時間を無意識に感じ取っているみたいに、日々のそれら風景のなかでぼけっと過ごしていた。それでいて前日の記憶はいつも曖昧だった。いまではそんな風に時間を感じることができないだろう。当たり前のように年をとったから、いや、あの頃と比べて毎日こうも暑いからじゃないの。
(230830)
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盆休みに姉が東京から帰省してきた。転職するとかで長期有休を取ったらしく、珍らしく一週間も「こんな何もないところ(これぞ地方の常套句)」で過ごしていた。全国で比較的には名の知れたところなのかもしれないが、私が戻ってきてからも人口はますます減少する一途をたどり続けていて、文化的にも色んな意味で不毛地帯(最寄りの映画館まで片道1時間半以上かかる。oh~)と化している。そんなところなのだから、休日に帰ってきても動画配信を流しながら酒を飲むかものを食うかくらいしかやることがない。それが極まってきたからなのか、日が燃えている午後の炎天下にもかかわらず、仕方ないから散歩でもしに行こうとなる(正気ではない)。後から聞くと全く意味が分からないのだが(私も酔っていて記憶なし)、誰かが急にミスドを食べたいと言い出し、おつかいがてらということだったらしい。人の出入りがまだわりと多い駅前まで向かってから、古い町並みが保存されたまま改築された建物が並ぶ観光客向けの通りを歩き、二人とも子どもの頃から馴染のある商店街に入っていく。どの時期でもこの商店街はもうすっかり閑散としていて、���きテナントが目立っている。
歩きながらぼんやり話していると、地元で過ごした高校を卒業するまでのことを、お互い大して覚えていないことに気づく。私が地元に戻ってから生活しているなかで不意に思い出す印象的な出来事(良きにつけ悪しきにつけ)のほとんどは、東京で暮らしていた頃のことばかりだ。姉の場合は、私と正反対の性格だし、地元にそこまで嫌な思い出があるわけでもないはずで、その頃の記憶を積極的に忘れようとはしていないと勝手に思うけれど、どうなのだろう。思春期の記憶は大部分が碌なものではないと決まっているが(?)、子どもの頃のことをほとんどよく思い出せないのは、何だか虚しい気がする。しかし、過去の記憶のほとんどが意識できる心的なものだけに限ったものではないとするならば、記憶は意識されることのないままに身体そのものに存続しているのではないか、と根拠もなく考えてみたくなる。「無意識」という言葉からは身体的な意味合いが強く感じられる。そもそも身体による/への作用が伴わない限り、心的なものは働きえないし、その両者の絡み合いや拮抗、浸透や離反が、生を形作っていく……なんて当たり前のことをここで繰り返し書く必要はないか。いまだに「記憶」という言葉を心的なものとして捉えてしまうことが多いけれど、あくまでも潜在的なものは身体の領分にあるのだ。
(230831、最高気温37.5℃)
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その帰り道、通っていた小学校の手前にある横断歩道で信号待ちしていると、校門の近くに植えられた木の前に女の子が一人立っていた。木のすぐそばにある花壇の囲いのブロックには男の子と女の子が座っていたが、三人とも何も話さずに黙っている。すると、木をじっと見ていた女の子(背が高くて、長い髪に楽天イーグルスのキャップを被っている)がさっと手を伸ばして、太い幹から何か掴み取った。座っている二人の前に来てまた素早く地面にそれを置く。クワガタだった。見ていた私は「すごっ」と声を上げてしまったが、そのとき三人の子どもたちと目が合った。こちらを一瞥するとすぐに視線を地べたに落として、何も言わずにじっとクワガタの様子を見ている。日に焼けた男の子は暑さで少し疲れているようで、隣に座っているハンディ扇風機を首から下げた女の子はガリガリ君を食べていた。三人とも小学3、4年生くらいの子たちだろうか。姉どころか私も、何かの間違いで(!)親にでもなっていたら、今頃はそんな年齢の子がいたとしても別におかしくないんだよな、とか働かない頭で適当に話していた。結局、駅前のミスドに寄っていくことなんてもちろん忘れていたが、コンビニで氷結と煙草だけ買って帰って来��ことは覚えている。
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新刊『光や風にさえ』試読
プロローグ アサイラムにて
おぼえているかしら、ねえさん、裏庭にあったブランコのこと。古びたユーカリの木の枝からぶら下がっていた。嵐の晩にどこかへ飛ばされてしまって、どんなに探してもみつからずに、枯れ葉の下で朽ちて、土に還っていった。 妹の声がよみがえってきたのは、シャワールームにいるときのこと、わたしはバスタブに寄りかかってシャワーの水があたたまるのを待っていた。給湯器の調子が悪くて、適温になるまで何分もかかったから。わたしは両足を開いて���に座り、陰部にできたしこりをいじっている。クリトリスを挟むようにできたしこりは痛みこそないけれど、時間をかけ、ゆっくり成長している。 妹とは夕方に十五分くらいビデオ通話で話した。電話代だってばかにならないのに、水曜日になるとかならずかかってくる、儀式めいたもの。でも、このところの彼女は、どうにも歯切れが悪く、あたりさわりのない話題ばかり選んでいるようだ。衛星がぐるぐる回るように、迂遠な語りばかり重ねている。だからふたりの会話はいつも迷走して、着地点を見失って終わ���。頻繁に話しているわりには印象に残りづらい、無意味な語りかけは、けれどもトゲのようにわたしの胸に刺さった。 かつて家族で暮らした一軒家には、たしかにユーカリの木があった。赤土にどっしり根を張り、枝という枝からボロ布のようにウスネオイデスをぶらさげていた。けれども、その枝にブランコをぶらさげたことは一度もなかったと記憶している。妹と一緒に暮らす両親すらおぼえていないと言うのなら、もうたしかめようのないことだ。火の不始末で、わたしたちの生家は祖母ごと燃えてなくなってしまったことだし。 でも、たしかめようがないからこそ、おぼえているかしら、と妹は語りかけてきたのかもしれない。記憶という本来わかちがたいものを共有したいと思い、願ったから。不幸にもその記憶はだれにも受けとめられず、宙に浮いてしまった。蓋然性を失し、空想の、あたかも物語であるかのような語りに変質していった。ただ生きているだけの、とるにたらない人間の記憶の正誤など、いちいち検証してはいられない。記憶を共有する誰かが、たしからしいと証明しないかぎりは。だから、記憶を共有できないというのは、物語と区別がつかなくなることに近しいのではないか、とわたしは思う。 眩暈が波のように押し寄せてくる。貧血からくるそれを床に伏せてじっとやり過ごす。気を取り直して、シャワーが適温になったことを手のひらでたしかめた。 バスタブに入り、半身に湯水を浴びて、肉体の痛みがどこか遠い場所に去ってくれることを期待する。湯気にかすむ天井をぼんやりながめていると、ふと、半年くらい前におなじ体験をしたのだ、ということに思い至った。あのときの彼女も、わたしに対してこのように語りかけた。Tal vez te acuerdes(おぼえているかしら)、と。耳朶に直接吹きつけられたかのように、息づかいや吐息の熱とともに、なまなましくよみがえるその声。 泡沫のように予期せず浮かび上がってきた記憶が、異なる記憶と共鳴し合い、痛みからの逃避を求めるわたしをその渦に飲みこんでいく。 ――きっかけはロドリゴだった。半年ほど前だったか、彼から電話がかかってきて、たまたまそれを受けた。テニ���ア審査に落ちた彼が市内の別の大学に転籍するのと、わたしが自分の研究室を閉めたのはほぼ同時期で、以来、一年半にわたって彼からの連絡を無視していた。だからわたし電話口に出ると、彼はとてもびっくりした。 彼は興奮ぎみに近況を話し、非常勤講師としてなんとか食いつないでいると言った。わたしはすでに大学を退職していたけれど、自分からは話さなかった。用件はこうだ――調査に同行してくれる日本語通訳者をさがしている。 たしかにわたしは日系三世で、日系移民の帰国事業を見越して親も桂(ケイ)なんていう日本的な名前をつけ、日本語の教育を受けさせた。でも、第一言語は彼とおなじスペイン語で、妹ほど流暢にはしゃべれない。正直にそう話すと、いいから、とロドリゴは言った。実は、日系移民の女性に会いに行くんだ。貴重な一世さ。スペイン語が通じなかったとき、ちょっと手助けしてくれるだけでも――本音をいうと、きみに会えるかもしれない、ってのがうれしくてたまらないんだ。ロドリゴの声は弾んで、涙まじりだった。すこし前だったら、不愉快になっていたかもしれない。あなたが想像したり、ときに期待したりするほど、あっというまに死ぬわけじゃないんだと嫌味を言っていたかもしれない。でも、電話に出る気になったのと同じ理由で、わたしは柄にもなく浮かれていた。病気が寛解し、経過観察になったから。血流に放たれたエクソソームが臓器を耕し、いずれはまた悪いものの芽を生やすとしても、たとえいっときでも心身をどろどろにする化学療法から離れられた。 ロドリゴは以前とかわらず、『トラタミエント』と呼ばれる処置を受けた臓器提供者たちの追跡調査を続けていると話した。くだんの日系移民の女性もそのひとりだった。長く非合法の臓器提供者として生計を立て、その最後の段階として、いまは心臓の提供先を探しているという。わたしの祖母と世代が近く、長く市内のアサイラムで暮らしているとの話で、どこかで祖母とかかわりがあったかも、と考えたことをおぼえている。昔からここに住んでいる日系人はめずらしかったので。 約束をとりつけて、数日後には彼女のもとに足を運んだ。彼女の暮らすアサイラムまでは、最寄りのバス停からけっこう距離があって、何度も階段路地をのぼったりおりたりするはめになった。歩きながら、ロドリゴは飼っているデグーの話をした。わたしは適当に相づちを打ちながら、どうしてこのあたりはこんなに臭いんだろうと考えていた。アサイラムは移民街のなかほどに位置していたが、腐った歯のようにバラックが密集して、有機物の発酵しゆく臭いが充満していた。 さんざ迷った末に目的地に到着し、受付にいたアサイラムのスタッフに彼女の所在をたずねると���あのひとならいつも中庭よ、と言われた。日陰で根を生やして、じっとしているはずよ。案内された中庭は狭く、きたならしかった。年老いた女性が地面を転がりながら煤けた肌をかきむしっていた。なにをそんなに恐れているのか、ずっと声を震わせながら怒鳴っている男性もいた。でも、大抵のひとは、死んだように目を閉じて、その場でじっとしていた。コントロールしやすいように毎日多量の鎮静剤を与えて、市街からかき集めてきた浮浪者や精神異常者を押しこめているから。公的給付金を得るためだけに運営される福祉施設のひとつ。 狭い中庭をロドリゴは歩き、すぐひとりの女性に目をつけた。大柄な彼の影にすっぽり収まってしまうくらい小柄な女性で、膝を抱えて座りながら、じっと地面の一点をみつめていた。 ――なにをみているんですか? 地面に膝をつき、ロドリゴが問いかけるが、女性はひび割れたタイルを凝視するだけで答えない。まばたきをしないので、眼球がすっかり乾いて、充血していた。目許には脂(やに)が溜まって複雑な地層をなしていたことをおぼえている。 ロドリゴがしばらく無意味な呼びかけを続けていると、屋内からスタッフが出てきて、備えつけのホースで水をまきはじめた。ロドリゴがさっと立ち上がる。彼女の隣には排水溝があって、地面の傾斜に従って水がそこに流れていった――でも、彼女はくるぶしまで水に浸かっても平然としていた。みじろぎひとつせず、修行僧のようにじっと座り続けている。 事前に渡された診断書には、彼女が多数の臓器を喪失している事実とともに、認知能力が極端に低下していることが記載されていた。くずれゆく脳では記憶が更新されず、判断力と遂行力も消失する。外界からの刺激に鈍くなっていた。 スタッフがおもむろに歩み寄ってくる。水の通りが悪くなったのか、排水溝に引っかかるものをつかんで放る。 放り投げられたものは、偶然、彼女の目先に落ちた。 すると、はだしの指の先が、ぴくりと動いた。 彼女はまぶしそうに片目をすがめると、ささやくようにこう言った。 ――あれは蘭。アングロアの根。 何年ぶりかに話したかのように、声はかすれている。 ロドリゴはかすかに身じろぎし、前のめりになると自然と傾聴の姿勢をとった。彼女はスペイン語を話しはしたがひどくなまっていたので、正確に聴き取るためには用心深く耳を澄まさねばならなかった。 ――もともとは寒いところの花……だから、低地で育てると夏越えができなかった。毎年そうだった。 それだけ言うと、また押し黙ってしまう。 ――蘭を育てたことがあるのですね。私の実家の裏庭にも、原種の蘭がたくさん咲いていましたよ。 彼女の目線の先にあるものは、たしかに植物の根のようにもみえた。腐ってカビが密集し���もとが何だったのかは判別がつかなかったけれど。 ――私の家の庭には、アロエやベゴニアがあって……それから。 意外にもしっかり会話がつながったことにおどろいていると、彼女はゆっくり顔を上げ、相手と目を合わそうとすることさえ試みた。 でも、視線の先にいたのは話しかけたロドリゴではなく、どうしてかわたしった――彼女は表情らしき表情を浮かべていた。不自然に顔をしかめるだけだったが、驚愕ともとれた。 ――おぼえているかしら? 口の端にほほ笑みをにじませ、彼女は語りかけた。分かちがたく、不可侵の記憶の一片を、わたしが受けってくれることを願いながら。 ――わたしの庭に蘭があったこと、おぼえているかしら、アングロアの、赤ん坊の花。 あとになってわたしは思う。もしかしたら、あの瞬間、彼女はみずからをとりまいていた深い暗闇をぬけだして、くずれゆく自己をほんの一片でもつかみとったのかもしれないと。 この不可解なできごとを前に、ひとつ思い出すものがある。 いつかSNSで拡散されていた、ある動画のこと。再生をはじめると、どこかの高級な養老院とおぼしき明るいホールが映る。そこでは老人たちが談笑しており、カメラのレンズはそのなかのひとり、車椅子に座った老女に近づいていく。赤子のように無垢な目で虚空を眺めていた老女は、ホールに音楽が鳴り出すやいなや、不自由な上半身を繰って、何とも生き生きと踊りはじめる。見間違いようもなく、アルゼンチン・タンゴのふりつけで。タンゴは足さばきに目がいきがちだが、軸が置かれるのは上半身だ。上半身の動きがあってこそ、複雑なステップが生まれる。だからこそ老女が上半身をよじり、そらすだけで、タンゴという共通言語をもつ者の目には自然と優雅な足どりが浮かぶ――動画の最後には、老女がかつて一世を風靡したアルゼンチン・タンゴのスターであり、現在は深刻な認知症で自分の名前すら思い出せない旨が記される。奇跡の数分間。でも、そのうつくしい再現はけっして奇跡の賜物ではないことをわたしは知っている。単に彼女が長い時間をかけて軟骨をすり減らしながら、必死にタンゴのリズムを身体に記憶させたという証左でしかない。身体記憶は、自我や認知とは異なる場所に保管されるものだから。ゆえに自分の名前を忘れても、タンゴは忘れないという不可解な状況も成立する。 だから、彼女はあの腐った根をみて、土をいじる感触、花と緑葉の香りを想起したんじゃないだろうかとわたしは想像する。身体記憶をきっかけに、ほどかけかた自己が偶然にも結び直されて、泥河に沈んでいた物語に光が当てられたのではないかと。 そうでなければ、説明できないとも思う。 ――だいじょうぶ、ちゃんとやるわ、私。あなたのためなら、心臓をあげたってかまわない。約束したものね。 ――約束って? ロドリゴの質問に、彼女は穏やかに話した。 ――���さまに近づけるって、あなたが言ったんじゃない、マヤ。 ――マヤって? ――私の娘。そうでしょう? わたしはとっさにかぶりを振る。 すると彼女は語りはじめた。 真偽不明で信憑性に欠けた、一編の長い物語について。
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【中園孔ニと、話した、2023年、夏の思い出】
あの、兄ちゃんな、中園孔ニと、実は、近所の公園で、去年の夏、会って、話してるんよ👀で、それは、霊天上界の、交信とかじゃなくて、もろに、精神病の、男の子に、乗り移ってと、言おうとしたけど、完全な肉体を備えた、幽霊として、話したんよ👀18歳ぐらいの。真夏の炎天下に、兄ちゃんが、ぐるぐる、公園まわってたら、ベンチに座って、チラチラこちらを、見てくるんよ👀で、兄ちゃんから、話しかけたんよ👀暑いですね、か、なんか、忘れたけど、それで、音楽好きそうな感じしたから、音楽なに聞くの?って、聞いたら、【どうせ、言っても、わからんから、いいです。】って、言うんよ👀で、兄ちゃんにしては、珍しく、それでも良いから、名前を教えてくれって、言ったら、いいです。って言うんよ、で、話変えて、しばらく、雑談したんよ👀で、少し、心を開いたかなって、ときに、さり気なく、音楽の話に戻して、自分の聴く音楽の話を、林檎とか、ブランキーとか、あのちゃん?言うたか、忘れたこど、とにかく、俺の好きな音楽の話をしたんよ👀普通なら、それで、自分の好きなジャンルとか、人間なら、話してくるんやけど、中園やから、話さんのよ👀で、もう、とにかく、何でもいいから、教えてくれって、もう一回聞いたんよ👀そしたら、ようやく、教えてくれて、案の定、ようわからん音楽やったんよ👀で、彼は、その後、下を向いて黙ってたんよ👀で、俺、あ、こりゃ、ちょっと、距離置いたが良いと思って、また、公園グルグル歩き出したんよ👀で、彼を、見たら、ブランコに乗って、ブンブンしてたんよ👀で、また、しばらくして、ベンチで二人は、話しだしたんよ👀で、話に行き詰まったら、公園グルグルまわりーの、中園は、ブランコ。に、ブンブンしーの、のやり取りを、3回から、4回やったあとに、いつの間にか、兄ちゃん、彼の存在を、忘れて、一人、公園を、グルグル回ってたんよで、ふと、そう言えば、中園おったなと、思い出して、ベンチを見たら、彼、おらんのよ👀そして、勿論、ブランコにも、おらんのよ👀で、そう言えば、彼、リュックサックからってて、自分で、家で、作ったような、ペットボトルの冷たいお茶を、リュックサックから、出しては、飲み���兄ちゃんと、話しては、飲みを、繰り返して、たんよ👀そんとき、中園、っぽいな、ぐらいの感じで、話してたんやけど、やはり、中園やったらしいのよ👀で、今、Tumblrに、上げた、兄ちゃんの、撮った心霊写真と、兄ちゃんの、描いた絵は、中園孔ニなんよ👀💬👌
【令和=霊和】
令和=霊和=霊と和む=幽霊と和解する年号なのです。私が、小学生頃の、1900年代初頭、テレビでは、毎週土曜日の昼の番組で「あなたの知らない世界」という幽霊の怖い番組をやっていました。そして、本屋に行けば、どこの本屋にも幽霊の話や、心霊写真、心霊現象をとりあつかった本が並んでいました。ホラーや幽霊好きの私は、親に買ってもらって毎日毎日夢中で読んでいました。当時、スーパーファミコンが流行っていたのですが、ホラー好きな私は、テレビゲームでさえ、「かまいたちの夜」や「弟切草」という、幽霊、殺人のゲームをくる日もくる日も夢中でやっていました。つまり、早い話、地球が今、異常気象や動物たちが人間を襲ったり、コロナウイルス、大地震、戦争が行われているのは、人間が科学や医学に傾倒してしまい、本来忘れてはならない、神様や幽霊、宗教離れしてしまったことが原因なんです。インターネットの普及がそうですね。ネットの誹謗中傷で心を傷め、自殺する有名人、若者が続出していますね。ネットの誹謗中傷も立派な殺人です。誹謗中傷している人たちは、勿論、心の中でバカにしている人もカルマは受けます。昔は、少なくとも私が小学生の頃は、まだ、世界は、幽霊を怖れる存在として扱い、宗教や神様に対しての興味を今よりかは、失っていませんでした。それが、インターネットが普及した頃から、心霊写真や心霊現象を科学で証明ができないもんですから、気味悪がって、知識人たちが勝手に「オフレコ」「都市伝説」にしてしまったのです。それが、いけなかったのです。実は。それ故、地球人たちは幽霊や神の怒りをかうことになってしまったのです。そして、勿論、自然界の空や海、山、川、動物たちからも憎まれる存在となってしまったのです。
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20240306
ピコ @picoron_n 2024/03/06 (水) 19:56:08 Replying to @Ryota_Fujimaki あと3日!!!!✨ 写真嬉しいです☺️🤍 楽しみだな〜! yasuko🍇 @merychan_0903 2024/03/06 (水) 19:04:46 Replying to @hiroko_fujimaki and @Ryota_Fujimaki ブランコのところがスローモーションになってて、込み上げてきました。 えりちゃーん @erichaaan39 2024/03/06 (水) 19:01:21 Replying to @Ryota_Fujimaki お姉さんが、幼い頃に姉妹でブランコに乗っている映像を観ているシーンが好きです☺️ 私は一人っ子なので、姉妹っていいなぁ、羨ましいなぁ♪とじんわりしながら見ています🍀 あとは披露宴で男の子がひっくり返ってるシーンが何だかリアルで、私の4歳の息子と重なりますw ことら @rrmakikomaki 2024/03/06 (水) 18:43:59 Replying to @Ryota_Fujimaki 私もブランコのシーンが1番好きです。仲の良い姉妹がリアルに描かれていてじんわりします モーリー @EkuCm7RlB4uQba1 2024/03/06 (水) 18:28:36 Replying to @Ryota_Fujimaki あと3日だー!!って私も思ってました🥰会社でも皆さんカウントダウンで言ってくれてます😊 楽しみで仕方なくて仕事終わった瞬間、小躍りしたら笑われました🤣 グッズも楽しみにしてます🎵 フラー @uiniemini 2024/03/06 (水) 17:51:13 Replying to @Ryota_Fujimaki 3900万回達成しますように✨
お気に入りシーン沢山ありますが… 最後のラ〜ラララ〜のブランコのシーンがいつ見ても感動しますし、 披露宴で男の子が床に転がるシーンでほっこりします☺️ まおママ♪ @maoricomama 2024/03/06 (水) 17:48:52 Replying to @Ryota_Fujimaki もう3日後ですね‼︎色々ワクワクドキドキです💓楽しみにしています😊 izu- @Izugamin 2024/03/06 (水) 17:34:30 Replying to @Ryota_Fujimaki あと3日❗ もうすぐですね、楽しみにしています🎵 カモノハシ @SanyoS_839A 2024/03/06 (水) 17:30:47 Replying to @inausa2508
@Ryota_Fujimaki and @ojro_men ついに届いてよかったです☺️ acco♡ @JalanSalan 2024/03/06 (水) 17:20:04 Replying to @Ryota_Fujimaki 心ザワザワが止みません💗 どうしましょう笑 リハがんばってください🥰 ありひろちゃん @arihiro_CHAN 2024/03/06 (水) 16:54:39 Replying to @Ryota_Fujimaki 私も昼間の月を見上げている場面でお姉さんも見上げている、あの場面大好きです 裕子(ヒロコ)🌸 @hiroko_fujimaki 2024/03/06 (水) 16:37:00 Replying to @Ryota_Fujimaki 素敵なリハ写真観られて嬉しいです🎶 仕事中なのにテンション上がりました‼️ 当日はもちろんオフィシャルグッズをもって(笑)盛り上がりたいと思います❗😆✨ 空雲 日晴 @soRaguMO_hisei 2024/03/06 (水) 16:36:22 Replying to @Ryota_Fujimaki 0:26の下駄箱からポンポンを取り出す所で 学生時代を思い出すのと
「明日から…明日から…」 「よろしくね〜」 「駅からタクシー使いなさい母より」 「大切な妹へ、姉より」
と、人から人へのメッセージが 行き交うところが好きです
公式からのツイート嬉しいです🥹🥹🥹 #3月9日3900万回チャレンジ 裕子(ヒロコ)🌸 @hiroko_fujimaki 2024/03/06 (水) 16:34:36 Replying to @Ryota_Fujimaki 私も参加させていただき、朝夕の通勤時やふと思い出す度毎に聴いてます🎵 私にとって一番印象的なのは幼い姉妹がブランコに乗ってるところ。ちょうど我が家の娘たちと同じような感じなので·· そして堀北真希さんの直前に出る女の子が次女に少し似ていて、観る毎に次女本人に見えるようになりました❗笑 こきち @IgmS18dgH3o8aiz 2024/03/06 (水) 15:57:01 Replying to @Ryota_Fujimaki もうすぐですね🎵 楽しみしかないです🙃 リハ写真ありがと��ございます✨ グッズ持って盛り上がりますよー🙌 ayu @ayu_rf112 2024/03/06 (水) 15:54:48 Replying to @Ryota_Fujimaki めちゃくちゃ楽しみにしてます!!! もんちゃん @monchan0309 2024/03/06 (水) 15:54:01 Replying to @Ryota_Fujimaki うわぁ~💕💕💕😭 私も参加させていただき、毎日聴いています🎶 亮太さんもぜひ、参加してください!笑
えいむさん😊ファンの皆さまありがとうございます🌸 3月9日楽しみですね✨ 盛り上げていきましょう👍😉 mitcheeeee @ganzo1305 2024/03/06 (水) 15:48:36 Replying to @Ryota_Fujimaki グッズ何に使うんだろー😆 セトリなんだろー? 藤巻さんの衣装どんなんだろー? ミーグリ何するんだろー? 楽しみしか無いよー💖💖 いなうさ @inausa2508 2024/03/06 (水) 15:34:25 Replying to @SanyoS_839A
@Ryota_Fujimaki and @ojro_men 届きましたね😭嬉しすぎますね😭 pompom*藤巻っこ @remi_pompom 2024/03/06 (水) 15:32:35 Replying to @Ryota_Fujimaki 堀北さん演ずる妹が淡々とビデオ係とかしてた式のあと、自宅に戻ってお姉さんからの手紙とプレゼントのスーツ見て、やっと緊張がほどけて涙ぐむシーンですかね〜⁈ gash @a_kie_1123 2024/03/06 (水) 15:28:25 Replying to @Ryota_Fujimaki 天気予報では、晴れ☀️ リハ、ガンバです🎶 3月9日楽しみにしてます~😃 Big brother 小林フェスティバル @daice1990 2024/03/06 (水) 15:23:34 Replying to @Ryota_Fujimaki CDジャケットが1番好きです! いなうさ @inausa2508 2024/03/06 (水) 15:16:23 Replying to @Ryota_Fujimaki リハーサル風景ありがとうございます🎸 ワクワクが止まりません! 盛り上がりましょー❣️💪🌸 えりちゃーん @erichaaan39 2024/03/06 (水) 15:13:43 Replying to @Ryota_Fujimaki どんなライブになるのかな♪ めちゃ楽しみですー!😍 今年も3月9日が素敵な日となりますように🍀 ありひろちゃん @arihiro_CHAN 2024/03/06 (水) 15:10:43 Replying to @Ryota_Fujimaki あと三日ですねー! 楽しみです😊♪ リハーサル頑張ってください 裕子(ヒロコ)🌸 @hiroko_fujimaki 2024/03/06 (水) 13:41:45 Replying to @Ryota_Fujimaki 素敵なリハ写真観られて嬉しいです🎶 仕事中なのにテンション上がりました‼️ 当日はもちろんオフィグッズを持って盛り上がりたいと思います❗😆✨
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なりたい自分、変わりたい自分、叶えたい夢や願望、変えたい状況、そして本当にあなたが望む未来へと、私が持つスピリチュアルな能力と、あなたのガイドやハイヤーセルフと繋がり、メッセージを通訳しながら��あなたの望む現実・未来の創造や本当の自分の人生を生きる為のお手伝いします。
伊勢神宮のお膝元 伊勢のスピリチュアルヒーラー 松本 じゅんこです☺︎
第三回 倭姫の足跡を巡る旅
井手口克利さんにお願いして
ご案内・教えて頂きながら 伊勢神宮の勉強会✏️
第三回目は
倭姫御陵を出発して隠岡遺跡
遺跡ではなんと普段は入る事のできない
竪穴式住居(天地権現式住居)に入らせて頂き
土器まで触らせて頂くとゆうミラクルが起きました。
そして
川添神社→園相神社
和井野のお祠→川上の清水→乙女岩
南伊勢では
鵜倉公園でハートの入江 天空のブランコ
信じられないくらいに美しい南島からの太平洋
そして
仙宮神社では365段の階段を登って
巨大な磐座に感動しました。
磯部では
佐美長神社ではまさかの仙宮神社から受け取った
メッセージが繋がっていてビックリしました。
伊雑宮では井手口さんのおかげで
また違った伊雑宮に出逢いました。
1日で時代と時空を超えた濃厚な倭姫の足跡を巡る旅
そして伊勢志摩の美しい自然に癒され、透明になって
また、��の様な場所に住まわせてもらっている事に感謝しかありませんでした✨
今日も知らない事ばかり1つ1つ知れて嬉しかったです。
素晴らしい1日をありがとうございました✨🙏✨
感性、感覚、感情を日々大切に
自分と繋がり
自分の望む人生を創造する
1人でも多くの方が
本来の自分の生き方を見つけ
イキイキとした毎日を過ごして頂けますように🙏✨
Enjoy🌝❤️
Shangrilaスピリチュアルリーディングセッションでは、あなたのハイヤーセルフやガイドと繋がり、お一人お一人丁寧にあなたへのメッセージや現実に沿ったアドバイスをお伝えしていきます🌝
☆ 本当の自分の気持ちや自分自身に触れると様々なことが変化しはじめ、人生が動き出します。
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ヒーラー
松本 じゅんこ
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あの天才精神科医伊良部せんせーが帰って来た(とはいえ忘れてましたけど〜)
13桁ISBN9784163916873 第一話、 もうプロデューサーとディレクターは 不安増し増しやったけど、 読んでるこっちは期待感溢れてました😆 さてどうなるのかとワクワクしてると、 こっちの想像を遥かに凌駕しました🤣 出演者たちもナイスフォローで 盛り上がりましたね🧐 しかも伊良部せんせーが シリーズ主役とは2話目読み進めてびっくり‼️ それとロックンローラーいや 看護師のまゆみさんとのコンビは すごくマッチしてる。 何気に受付事務員さんもええ味出してます🧐 もうこうなると3話目以降も めっちゃ期待できますし、 実際満足のお二人の行動でした。 こんなのも奥田英朗さんが書くんやって …いや「空中ブランコ」 も伊良部せんせーやったんやね、 忘れてた😅
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美容師の目、見たことない
9/18
中目黒。エスコバーのサインだけ貼ってある蕎麦屋に行った。エスコバーのサインだけ貼ってある状況が気になりすぎて。普通に時空が歪んでいて、提供までに恐ろしく時間がかかったけど、美味しかった。たぶん。
じぇんさんとなりきりnewjeans旅をした。いや本当はもともと俺もじぇんさんもnewjeansで、人気メンバー5人が精力的に活動しているだけなんだけど。(俺以外のnewjeansのカカオのグループがある)
アイス屋さんがオシャレすぎて全然声が出なくなったり、フルーツサンドが喉に詰まって声が出なくなったり、脈絡もなく大声を出したりした。
ダニエルをビビらせた牛カツを食べて、下北沢までダラダラ歩いて、公園でブランコに乗りながら酒を飲んでいたら高校生カップルの別れ話に鉢あってしまってパニクったりした。目黒天空公園(誇張だろこれ)��は乳首丸出しのおじいさんがプルプル震えていた。
高校生のメランコリーに、夜な夜な登場してごぜぇますのかもしれないと思うと怖くて眠れなかった。
本当は夜道で踊りたいし、見えない猫を撫でたいし、ガラス片みたいな恋バナは聞きたくないし、世界全員から愛されたい!!!!!!!
紙ストローは噛めないから嫌いだ!
エスコバーは退場処分になりました。草。
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うさぎ組わくわくおでかけday
今日は「わくわくおでかけday」で駅裏公園に行ってきました。���気も良く遊具でいっぱい遊んできました。新幹線や電車も見ることができ、大興奮の子ども達でしたよ。園に戻って来てからは美味しいお弁当を頂きました!お忙しい中お弁当を作って頂きましてありがとうございました。
「眺めがいいよ~気持ちいい~~」
「ブランコ楽しいね!先生も一緒に乗ろうよ!」
「新幹線見れたよ!早くてかっこいい!!」みんなが手を振っていると、窓から車掌さんが手を振り返してくれました。
「赤い実見つけた!パパとママに持っていくんだ!」
大野さんに支えてもらいながら シーソーに乗りました。「ギッコンバッタン」ちょっぴりお尻が痛いかも~笑
ロープ登りにチャレンジ!!最初は出来なかったけど、遊んでいるうちに出来るようになったよ!
「なでしこのお花いいにお~い」「甘いにおいがするよ」「ピンクのお花可愛いね」
遊んでいる途中から「お腹空いた~」と言っていた子ども達。涼しいホールで美味しくお弁当を頂きました。「うまい!!」「おいしい~」が何度も聞かれました。ニコニコ笑顔で大満足のうさぎ組さんでした。
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小豆島の地表
小豆島へ行ってきた。数日前、天気予報を見ていて当日大雨だったので、これでは山に登れまいと宿をキャンセルしていた。休みの前日になってみると、1日目だけ晴れの予報に変わっていたので、弾丸日帰りで行ってみることにした。
小豆島は小さいのに800mの山(星ヶ城山)があり、寒霞渓周辺だけではなくハイキングスポットがたくさんあったり、雰囲気ある祠や景観が点在する。散策好きにはたまらない島だ。車無しの日帰りではさすがに山頂へ登って帰っては来られないけれど、絵の材料になる写真は撮れよう。
当日、電車のダイヤがみだれてあやうくフェリーを逃すところだったが、無事乗船して島へ渡った。春休みなので、学生さんの団体で船の中は賑々しい。途中スマホの電波が途絶えたので、図書館で借りて積読していた本「極北へ」(石川直樹著)を読み出す。スヴァールバルの陰鬱な冬の港町の様子を読んでいたらいつの間にか福田港へ到着した。
港発のバスに乗り、山地をぐるっと回り込んで役場などがある市街地につく。ここから見上げる山はだいぶ圧迫感がある。普段よく見ている六甲山系(もけっこう的急に海からせり上がっているけど)よりもさらに急角度でそそり立っている。まだ春のはじめだからか、乾いて固く引き締まった雰囲気の山々だ。海辺のカフェでホットドックを食べ一服したあと、海岸線にそって岬のつけ根にある低山へ向かう。
道々、農地や民家を通りすぎると露地がたくさんあり、庭木に花が咲き誇っていたり大きな犬が寝そべっていたり。八朔のあかるいオレンジと海風が、地元の浜名湖のそばの山を歩いたときに似た、ゆったりした空気を醸していた。
山道にさしかかると、周りの森はほとんどウバメガシのようだ。乾いて密度の高い森がずっとつづいている。途中石垣や山桜を見物し、もうこれ以上行っても植生は変わらないだろう、と思ったところでUターンした。バスの時間だ。
土庄港に着いてみると周りをぶらぶらする時間はあまりなかった。最終のフェリーは夕方早々に出てしまうのだ。瀬戸内の島にある小さいけれど趣のある神社が好きで、いくつかチェックしていたがまた今度来ることにして、残った時間でお土産を選んだ(醤油のアソートセットを買った)。
帰りのフェリーは西へ向けて出港した。まだ明るい時間で、島影が遠ざかるのを甲板にあったブランコを思いきり漕ぎながら眺めた。
追記:
帰ってから、地形の由来が気になり「小豆島 地質」で調べると���質図がわんさか出てきた。様々な火山岩で構築された特徴的な島、ということもあるが、数十年前に大規模な土砂災害があり、防災研究の必要性から調査されてきたようだ。私がのんびりホットドックを食べながらウィンドサーファーをながめていたあたりは土砂がせまってきた場所だった。
オリーブの街路樹が印象にのこって、植生図を調べだすと今度は全国版の植生マップを見つけた。これは森の写真を撮りに行くときにとっても役立ちそうだ。やわらかな緑の濃淡がどこまでも奥につづくブナ林なんか、次は探しに行きたいと思う。
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春。目の覚めるような青空と公園の角の桜のコントラストが綺麗だと感じた時に、来年は家の近所の何でもない景色を君に見せたいと思った。やっぱり君とは、お弁当を持って公園にお花見をしに行こう。
夏。仕事帰り、昼間の余韻で蒸し暑い空気の中でアルコールが恋しくなって。次の夏は、君と夜の公園に行ってブランコを揺らしながら、チューハイ片手に二人の未来の話をしよう。
秋。少しずつ夜が長くなって満月が空に昇る頃。君と果物狩りに行って実りの秋を満喫しよう。そして木の葉が色付き始めたら、お店で互いに選んだ着物で紅葉の名所に出掛けよう。
冬。コタツで暖を取りながらアイスを食べよう。雪が降ったら一緒に小さな雪だるまを作って。寒いねって二人手を繋いで、煌めく街にプレゼントを買いに行って、君の好きなケーキと俺の好きなサラダを買って帰ろう。
どの季節も夜は1つのベッドで寝よう。喧嘩をしても勢いで別れの言葉を口にしないで話し合おう。朝が苦手な君を起こすのは俺の仕事で、月に数回俺が寝落ちた時は君が眠る前に起こして。補い合って与え合って支え合って。想いの天秤は常に平行じゃなくていいけど、思い遣りは忘れずにいよう。
ぐっすり眠る君の横で、こんな理想を思い描きながら眠気が訪れるのを待つ。隣に居るはずなのに君と俺の心の間には、ちょうど地球一周分の距離があって。まずはこの約4万キロをどうにか���ロにする。すべてはそこからなんだよなと、溜息を飲み込む明け方4時30分。
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野澤ゼミの休日 in にこたま ②
皆さんこんにちは!
今回は、年末に3期生の有志で行った
『街歩き in にこたま』のレポートの���半編をお届けします!
※前半編まだご覧になっていない方はこちら
都会でありながら、国分寺崖線や多摩川といった自然あふれるエリアの二子玉川。
今回は、屋上緑化や生物多様性への取り組みについて2人のメンバーが執筆してくれました!
5. 周辺の自然環境との一体感 と 心豊かな街づくり (なめこ)
6. 玉川高島屋の緑化・デザインについて (OT)
それではぜひ最後までご覧ください!!!
5. 周辺の自然環境との一体感 と 心豊かな街づくり (なめこ)
ここからは、ブログ初参加の なめこ が書かせていただきます!
読みづらい点が多々あると思いますが、どうかご容赦ください。
まず、二子玉川の自然環境や生物多様性について語るには、
二子玉川まちづくりのベースである
「国分寺崖線と多摩川をつなぐ」
という考え方は欠かせません!
そこで、二子玉川ライズは、環境に配慮した取り組みも多く行っています。
それを象徴する一つが、「ルーフガーデン」
眺めの良い広場やデッキだけでなく、めだかの池や菜園広場もあるんです!
ただ緑があるだけではなく、多摩川の生態系を学んだり、食育にも貢献できたり、盛りだくさんな楽しみ方をもつ屋上です。
これによって、
“周辺の学生が生態系や自然への関心を持つきっかけづくり”
にもつながっているのではないでしょうか?
また、このルーフガーデンが、国分寺崖線と多摩川の中間地点として
国分寺崖線の「みどり」
↓
二子玉川ライズの「ルーフガーデン」
↓
多摩川の「みず」
となることで、周辺の自然との連続性が維持され、一体感が生まれています。
以上のことから、二子玉川ライズの取り組みは、
「自然と人が繋がる場」と「自然同士が繋がる場」
の二つの役割を果たしているのではないか、と思いました!
広場を抜けてまっすぐ歩いていくと、二子玉川公園に到着します。
まず感じるのは、圧倒的な見晴らしのよさ!
ここが東京であることを忘れてしまう程の空の広さです!
そんな二子玉川公園は「みどりとみずをつなぐネットワーク実現」のため、元々あった道路の一部をトンネル化し、その上部を公園にすることで“多摩川河川敷との一体性” を確保しています。
そして、その影響で生まれた
“高低差を活かしたゾーニング”がされているのが特徴です。
憩い・くつろぎがテーマの「静のゾーン」には、
落ち着いた雰囲気の空間にベンチが多数設けられています。
また、日本庭園や旧清水邸書院もあり、歴史を感じられます。
一方で、にぎわいがテーマの「動のゾーン」には、
開放的な広場や遊具が沢山あります。
さらに、公園内にはスタバもあるんです!
お気に入りの飲み物を片手に、多摩川の夕焼けを眺めることもできます。
まさに、都会の喧騒を忘れるにはもってこいの場所ですね。
どの世代の人でも、多様な楽しみ方ができる二子玉川公園。
みなさまも、ぜひ一度訪れてみてください^^
6. 玉川高島屋の緑化・デザインについて (OT)
ここからは、私、OTが玉川高島屋についてレポートします!
玉川高島屋については、前半編のブログでハナマルくんもレポートしているので、まだご覧でない方はぜひ見てください。
・本館ファザード
駅からほど近くの二子玉川交差点に立つと、高島屋の本館を覆う、白くて有機的な構造物が目に飛び込んできます。
「なんかもにょもにょしててお洒落」としか私には表現しようがなく、駅をでた瞬間から圧倒されてしまいます。
これは、2010年の本館ファザード改修でできたもの。
手がけたのは隈研吾さん。
(ファサードとは、建物を正面から見たときの外観のこと。)
調べてみると、
「玉川髙島屋の中層棟に、歩行者用のアーケードを増築し、都市と建築(ハコ)をやわらかく接合しようと試みた。(中略)アーケードの下部にはプラントボックスを設け、やがて「緑の洞窟」となって、心地良い立体的遊歩道となるであろう。」 (隈研吾建築都市設計事務所HPより)
玉川高島屋S・C本館ファサード改修 | 隈研吾建築都市設計事務所 (kkaa.co.jp)
有機的なデザインには、直線的な建築物と緑を接合するという意味が込められているのでしょうか。
単なるオシャレさではなく、アーケードという機能があり、都市と建築の接合や緑化という意味とデザインがリンクしているのが素敵です。
さて、このファザードからは上のフロアに上がることができます。
中から見ても日に照らされた板がなんかお洒落です。
・ローズガーデン
上には居心地のいい空間が広がっています。
ここはローズガーデンという名前で、たくさんのバラが植えられていて、ヨーロッパっぽい雰囲気ですね!
壁面も緑化されていて木目調と相まっていい感じです。
天気のいい日には公園みたいな感じで読書しながら滞在できます。
訪れたときには、平日ということもあってかあまり使っている人は多くなかったようにも。
しかし、玉川高島屋の緑化はこれだけではありません。
・本館・南館にまたがる屋上庭園
玉川高島屋 本館屋上庭園 | 子連れのおでかけ・子どもの遊び場探しならコモリブ (comolib.com)
屋上には入園料を払わなくていいの?と思ってしまうような庭園が広がっています。
それもそのはず、玉川高島屋は1969年の開業当初から屋上緑化を行っているそう。
現在の本館の庭園は、2003年に本館と南館の屋上の連絡が可能になる際にリニューアルされたんだとか。
かなり凝った空間です。エリアごとに分かれていて、滝が流れていたり、丘のような高低差があったり!子どもも大人も楽しめる空間です。
詳しくは玉川高島屋のHPがあるので興味のある方はぜひご覧ください!
フォレストガーデン - 玉川高島屋S・C (takashimaya.co.jp)
連絡橋を渡って南館に入ってもきれいな庭園が続いています。
こちらはPARK&TERRACE OSOTOという名前で、2019年と最近リニューアルされました。
飲食店のテラスと一体となったような作りで、ブランコのようなベンチがあったり。
ちょっと遊園地みたいなビアガーデンみたいな、新しいけれど昔ながらの百貨店を彷彿とさせるように私は感じました。
最後の晩餐が出来そうなテーブルも置いてありました。
8階には見晴らしのいい空間が広がっています。富士山も見えました!
ここでは天体観測などのアクティビティが行われることもあるそうです。
・マロニエコート
そして本館のはす向かいにも、高島屋の一部であるマロニエコートがあります。こちらも隈研吾さんによるもので、「緑の庇」により建物のバルコニーが囲われています。
隈研吾さん曰く、
「普通、建築物は、一番目につくところには、石やレンガを貼ります。しかし、建物の主役を緑にしたことで、その緑の印象が建築全体のイメージを決めることになります。建物の主役を緑にすることで、建物全体の印象を柔らかくしたい。そうやって自然豊かな玉川の街に自ずと馴染む建物にしたかったのです。」
玉川高島屋S・Cでつながる人と建物、街への思い | 玉川高島屋S・C (tamagawa-takashimayasc-sdgs.com)
たしかに、道路の街路樹の延長に緑が続いている感じですよね!
本館のファザード、庭園、そして西館(駐車場と店舗が入っている建物です)も含めた玉川高島屋全体を通して一貫しているコンセプトなのではないかと感じました。
↑西館も緑化されてます
ということで、玉川高島屋全体を見てきたわけですが…とにかく盛りだくさんです。私の要約力不足もあるのですが、
S・Cという言葉では片づけられないスケールの大きさ。
それでありながら、植物・白・ガラスを用いて都心にある百貨店がもつ重厚感とは対照的な軽やかさを全体から感じる、とんでもなく完成された一連の建物群であると感じました(偉そうにすみません)。
そしていろいろな意味で余裕を感じさせる贅沢・ゆとりのある空間設計です。
さて、先ほどからたびたび引用している隈研吾さんのインタビューからのこの一節を。
「玉川SCは、いつも街全体のことを考えているのです。この街で人間がどう歩くか、どのように生活するのか。常に、総合的な視点を持って考えているなと感じました。その思いは、開発に携わった担当の方々とのやり取りからもすごく伝わってきました。」
玉川高島屋S・Cでつながる人と建物、街への思い | 玉川高島屋S・C (tamagawa-takashimayasc-sdgs.com)
私も高島屋全体を見ていて、回遊性の高さに驚きました。
本館のファザードからはローズガーデンへ、南館の階段からは7階の屋上庭園へと、建物の中を通らずにたどり着くことができますし、本館と南館は2フロアごとにデッキが設けられている充実ぶり。
そして二子玉川駅方面からも、地上デッキと地下通路でしっかりとつながれています。
高島屋の建物に入らなくても、屋外にたくさんのベンチ・テーブルがあって、そこで憩うことができるつくりになっていて、形骸的ではなく開かれた空間になっていると思います。
治安などの問題が発生しないのか気になってしまうくらいです。しかも庭園にはゴミ箱も充実していて、デザインまで凝っていてすごい。これらが可能なのは二子玉川の土地柄ゆえなのか…
少し話がそれましたが、実は玉川高島屋は「日本初の本格的な郊外型ショッピングセンター」だそう。
このことが、街全体を考えたショッピングセンターづくりや緑化に対する先進的な取り組みに関連しているのかもしれません。
そして、二子玉川ライズなどの後続の開発をみても、
玉川高島屋の開発こそが、二子玉川の街の在り方そのものを基礎づけた
といっても過言ではない、と感じます。
同時に、そのような開発を可能にしたものは何なのかについても考えさせられます。
百貨店だから当然ということもできますが、贅沢な空間の使い方ですよね。
「入園料を払わなくていいの?」と途中で書きましたが、庭園であればメンテナンスにも相応のコストがかかるはずですし、解放感のある空間づくりをするにも、そこをテナントにした方が儲かる、と考えることもできそうです。
第一にはブランディングの一環であるという風に言えると思います。でもそれだけなのでしょうか…別の要因があるのなら知りたいです。
最後に二子玉川街全体の緑について。
「緑というのは、生き物です。周辺に住んでいる方々、ここに遊びに来る方も、ある意味同じ‟生き物“です。生き物同士が色々と会話をしたり、友達になったりしているという感じがします。人間だけで住んでいる街と、人間と緑が一緒に住んでいる街は、豊かさの質が違うと思います。」
またまた引用。
私は一日FWをして、美しく整えられた植栽や広々とした空間の中にいる居心地の良さを満喫しました。
同時に、
二子玉川の魅力は、自然が豊かでありながら同時に都会的だということにあると思いました。
都会的という言葉を使ったのは、二子玉川の緑が洗練されていると同時に、それを可能にするものとして都心近郊の潤沢な需要が大前提となっていると思ったからです。
例えばただでさえ百貨店の存続が厳しい地方部に同じものを作るのは難しいのではないでしょうか。
ところで、マロニエコートのテナントにこんな掲示が。
↑「豊かな生活を送るのに大金は必要ありません」
「豊かさ」って難しいですね…
これから災害の激甚化などが見込まれる中、洪水リスクも抱える二子玉川。単に堤防で洪水を防ぐのではなく、河川流域周辺の保水力に注目する必要もでてきています。
自然を単に私たちを豊かにしてくれるものとしてではなく、脅威も含めたものとして捉え、それも含めて共存していく街になったらもっと面白い、と勝手に妄想してしまいました。
7.おわりに
いかがだったでしょうか。
5人それぞれ、全く異なる視点からブログを執筆できるほど、二子玉川というエリアは街歩きスポットとして抜群の環境でした。
事前学習として、二子玉川エリアのまちづくり関係の資料集めをする中で、様々なデベロッパーや住民、行政の想いが詰まったまちづくりの姿を知ることができ、そして実際に歩ている中でもまた新たな発見があることを実感し、とても刺激的な経験になりました。
ふらっと思いのままに街を歩くことももちろん、
事前に設計者や様々な人の想いをインプットしてから二子玉川という街を歩いてみるのもぜひおすすめしたいと思います!
このように野澤ゼミには、まちづくりや都市政策を軸として様々な分野に関心を持つメンバーがたくさんいます!
そして、Instagramでもゼミ活動や、休日に行うまち歩きなどについて発信しています!
ぜひ、Instagramや他のブログ記事も覗いてみてください!
それではまたの機会にお会いしましょう!さようなら~
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エマ・トンプソン
…And ジョン・ギャラガーJr.
*今年の新作映画2本は日本公開されないまま終わったけど、ドキュメンタリー『Spring Awakening: Those You've Known』(U-Next配信)がある! **************************
【The Most Impressive Directors】
☆ローズ・グラス
☆Cody Clarke
シャカ・キング
ショーン・レヴィ
クリスティアン・ペッツォルト
リチャード・リンクレイター
スティーヴン・ソダーバーグ
ミランダ・ジュライ
ジャック・オーディアール **************************
【バディ of the year】
☆カイル・ガルナー&エミリー・スケッグス/ディナー・イン・アメリカ
ライアン・レイノルズ&子役ウォーカー・スコーベル/アダム&アダム
マッケンナ・グレイス&ポッドキャストくん/ゴーストバスターズ/アフターライフ
エルネスト爺さん&隣の爺さん/ぶあいそうな手紙
【BF/GF of the year】
☆エドゥアール・ベア/5月の花嫁学校
アルフィー・アレン/ビルド・ア・ガール
【ベラミー(フラれ役)of the year】
☆スコット・イーストウッド/恋人を取り戻すには
スウェーデンのミュージカル&クイア・アイ好き男子スティグ/トール・ガール2
【最も不憫なキャラクター of the year】
スティーヴ・ユァン/NOPE/ノープ
【最優秀歌唱賞】
☆オースティン・バトラー/エルヴィス
"You've Got to Do It"(フレッド・ロジャース)/幸せへのまわり道
ダニー・ボーイ/ベルファスト
そこでエイミー・ワインハウス?/天空の結婚式
【サントラ of the year】
☆スパークス/アネット
エルヴィス
ジョニー・グリーンウッド/パワー・オブ・ザ・ドッグ&スペンサー ダイアナの決意
ミックステープ 伝えられずにいたこと
You'll Never Walk Alone/Mr.ノーバディ
Watermelon(John and Jane Q. Public)/ディナー・イン・アメリカ
Started Alone(Toby Goodshank)/ノー・シャーク New Body Rhumba(LCD Soundsystem)/ホワイト・ノイズ
【ミュージカル of the year】
☆バスタブとブロードウェイ: もうひとつのミュージカル世界
5月の花嫁学校
イン・ザ・ハイツ
トールガール 2
小学校ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』/恋人を取り戻すには
アネット
マチルダ・ザ・ミュージカル ホワイト・ノイズ
【憧れの力 of the year】
☆マイ・ニューヨーク・ダイアリー
ミセス・ハリス、パリへ行く
若きユグオの喜びと悩み
【イスの人 of the year】
☆政府職員/ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結
クリストファー・ロイド/Mr.ノーバディ
【タイプライター映画 of the year】
☆マイ・ニューヨーク・ダイアリー
Summer of 85
ビーチ・バム まじめに不真面目
【宇宙飛行士 of the year】
☆アポロ10号 1/2: 宇宙時代のア��ベンチャー
約束の宇宙(そら)
GAGARINE/ガガーリン
【ブロマンス of the year】
☆ビル&テッド/ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!
戦闘員コンビ/モンスター・バレー
【DIY映画 of the year】
☆GAGARINE/ガガーリン
サンドラの小さな家
【ドキュメンタリー of the year】
☆バスタブとブロードウェイ: もうひとつのミュージカル世界
ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命
画家と泥棒
【ジョイ・ディヴィジョン案件 of the year】
☆アウェイ・デイズ
ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
【1969年案件 of the year】
☆アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー
ベルファスト
【亡霊映画 of the year】
☆スペンサー ダイアナの決意
領主館のゴースト
獣の棲む家
ザ・フォッグ
シェラ・デ・コブレの幽霊
ブロンド
【赤悪魔映画 of the year】
☆ ベルファスト
ミセス・ハリス、パリへ行く
【帳面派映画 of the year】
☆ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明け
ミセス・ハリス、パリへ行く
おしえて!ドクター・ルース
ザ・フォッグ
プロミシング・ヤング・ウーマン
ミックステープ 伝えられずにいたこと
【洞窟映画 of the year】
☆洞窟
コーポレート・アニマルズ
【灯台映画 of the year】
☆ザ・フォッグ
ライトハウス
【生きもの of the year】
☆警察犬/ヒッチャー ニューマスター版
ウサギ/パワー・オブ・ザ・ドッグ&説得
猫のライカ/約束の宇宙(そら)
馬/アメリカン・ガール&NOPEノープ
ロバが無事に帰りますように/バクラウ 地図から消された村
猫/ビーチ・バム まじめに不真面目
カモメ/ライトハウス
ナメクジ/ザ・ビーチ
ハナグマ/世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方
キジ(屍)/スペンサー ダイアナの決意
運命の糸を絡ませる犬/ザッハトルテ
【乗りもの of the year】
☆車(大型トレイラーからバス、パトカーまで)/ヒッチャー ニューマスター版
バス/Mr.ノーバディ
ブランコ/ミックステープ 伝えられずにいたこと
【探偵 of the year】
☆ブノワ・ブラン/ナイブズ・アウト:グラス・オニオン
☆ルーカス・ヘッジズ/レット・ゼム・オール・トーク
亡き両親が残したプレイリストを探す女子トリオ/ミックステープ 伝えられずにいたこと
【フード of the year】
☆特製バーガーとポテト/ヒッチャー ニューマスター版
中華薬膳料理とフィンランドのソーセージ&ポテト/世界で一番しあわせな食堂
食べ放題のパフェ/アメリカン・ガール
荒地の労働者が無骨に食べる描写/アンモナイトの目覚め
プチケーキ/この世界に残されて
林檎かオレンジ/林檎とポラロイド
クリスマス・ディナー/スペンサー ダイアナの決意
屋台のソーセージ/ザッハトルテ
【Tシャツ of the year】
☆ダメ人間定番・鷲のプリントTシャツ/領主館のゴースト
ママのTシャツ/約束の宇宙(そら)
【メガネ of the year】
☆ジェイデン・マーテル/目指せメタルロード
エミリー・スケッグス/ディナー・イン・アメリカ
ギャランス・マリリアー/ジュニア
マッケンナ・グレイス/ゴーストバスターズ/アフターライフ
【泣く男 of the year】
☆コリン・ファース/スーパーノヴァ
マックス・フーバッヒャー/ザッハトルテ
マシュー・リス/幸せへのまわり道
【ライン of the year】
☆ 「メタルは決意」/目指せメタルロード
「オレのコレクションを甘く見るな」/グッド・ヴァイブレーションズ
「be excellent to each other!」/ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!
「『バスルームの誕生』は頂点だ」/バスタブとブロードウェイ: もうひとつのミュージカル世界
「NOPE」/NOPE ノープ
【バトル of the year】
☆バンドバトル/目指せメタルロード
ザジー・ビーツVSレジーナ・キング/ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野
女子高校生同士のやけにガチなバトル/降霊会 ー血塗られた女子寮ー
【ダンス of the year】
☆TOVE/トーベ
マッツ・ミケルセンのジャズバレエ・ダンス/アナザーラウンド
ダンスバトル/ノーザン・ソウル
エド・ハリスのダンス/ロスト・ドーター
マーガレット・クアリー/マイ・ニューヨーク・ダイアリー
ハカ版スリラー/ボーイ
【ワースト邦題 of the year】
☆どん底作家の人生に幸あれ!
幸せへのまわり��
元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件
幸せの答え合わせ
【特訓 of the year】
☆メタル初心者がその気になって打ち込む特訓シーンが真剣そのもので熱い!/目指せメタルロード
音楽の代わりにアダム・サンドラーの喋りで畳み掛ける坂道ダッシュ/HUSTLE ハッスル
【映画内映画 of the year】
☆悪魔のいけにえ/林檎とポラロイド
ベティ・ブルー/イン・ビトゥイーン
【スローバーン・ホラー of the year】
☆NOPE/ノープ
レリック 遺物レリック ー遺物ー
**************************
【旧作ベスト】
☆グッド・ヴァイブレーションズ
☆ディナーラッシュ
☆愛しのアクアマリン
冬物語
グーニーズ
アンジェリカの微笑み
ビルとテッドの地獄旅行
ダゲール街の人々
ラ・ポワント・クールト
ステージ・ドア
シェラ・デ・コブレの幽霊
生きるべきか死ぬべきか
第七天国
ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー
チェンジリング(1980)
死刑執行人もまた死す
アニエスによるヴァルダ
トラック29
おしえて!ドクター・ルース
イーディ、83歳 はじめての山登り
旅立ちの時
デーヴ
ウェールズの山
*実は観てなかった90年代映画と、ルビッチとアニエス・ヴァルダを色々と観られたのが収穫でした。
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こひなら不如意
こひ は 恋のことです。
1.
俺の舌はよくまわる。本音でもないことをいくらでも言葉にできる。けれど本当は、あの人の手の中、グラスの氷がたてる音だけに耳をすませる——そんな時間が一番好きだ。 あの人が沈黙に沈むとき、俺はあえて声をかけなかった。ときどき、沈黙の途中であてもなく名前を呼ばれた。 「はぁい」と答えると、炎司さんは呆けた顔で俺を見た。呼ばれたのはおそらく俺ではなかったのだ。その視線はどこか別のところへ向いていたのだと思う。そうでなければ、昔のことだけに。 それでもよかった。こんな俺が、矮小な心が、この世界でテーブルに肘をついてグラスを眺めることが許されるなら、それは誰でもないあの人のそばがよかった。 背中押します、支えます。そこに「守ってあげます」が書き添えられたのはいつだったか。 そんなことだけをずっと身のうちに抱えていた。
アスファルトが晩秋の日差しに蓄熱されきった頃、ようやく俺はいつものベランダにたどり着いた。 開け放した掃き出し窓の先でノートパソコンを眺めていた炎司さんは俺に一瞥だけをよこし、いつものように良いも悪いも言わなかった。 「ホークス便でえす」「受け取り拒��だ」 靴を脱ぎ揃えて部屋に上がり、勝手に椅子を引いて彼の斜め前に腰を下ろす。彼の前に封筒を、自分の前に紙袋を置く。「お昼まだなんで失礼します」道すがら買ったスモークチキンサンドは冷め切っていたがあまりべたつかず甘さを滲ませた。メニュー横のPR文章も何も見ずに買ったけれど特別な品種だったりするんだろうか。脂の融点が低いとか。 炎司さんはチャコールグレーの襟付きシャツをを着ていて、そうしていると何だか休日のお父さんという体だった。本人が目の前にいるのに俺はいつもこの人のことを考える、指や髪や所在なげに揺れる右袖のことなんかを。そして本物を見て答え合わせをして遊ぶ。本体とは真逆に慎ましさを知らない俺の目はどんどん先に進んでいき、太い首をなぞって肩に降りる。でっか。いつもながら胸まわりがパツパツでどうなってるんだろうって思う。こんなのもうおっぱいじゃん。なんで乳首浮かんのじゃ、ニプレスでもしとんのか。肘上から喪失した右腕は体全体のバランスをとるためか不規則に動く。ストイックを絵に描いたような体をしているくせに少しくたびれた目元だとか眉間の皺には若くない男の退廃があって、おまけに不揃いの四肢という危うさも加わりこの人に会うたび俺の性癖はおかしな方向に捻じ曲がっていく。甘い脂を飲み込む音がやけに大きく響いた。前言撤回だ、こんなすけべな休日のお父さんがいてたまるか。 「テイクアウトっていうじゃないですか、日本だと。イギリスとかオーストラリアではテイクアウェイっていうらしいですよ意味は一緒ですけど。あとイートインって英語圏だとほとんど伝わんないんですって。あ、その封筒の中身ですけど確認して月末までに戻してほしいって目良さんが。俺また持ってくんで用意できたら教えてください」 「黙って食え」 「ところできいてほしい話があるんですけど」 「後にしろ」 「じゃあテレビつけていいです? 今日の野球、昼試合なんですよ」返事を待たずにリモコンを手に取る。炎司さんがキッチンに立ち、湯気のたつマグカップを持って戻ってきた。 ぎこちない左手から離れたマグカップが天板を強く鳴らす。残響を遠く聞きながら、俺はひいきのチームのつながりきらない打線を眺めていた。
誰も彼もがぼろぼろになってAFOをぶっ殺したあと、俺は日本中から瓦礫やゴミが消える速やかさにちょっと感嘆した。庇護の対象だったたくさんの「一般市民」は機械的にすら感じる切り替えの速さで復興へ舵をきり、熱病のように絆を語り、資材不足にあえぎながら市街地はみるみる整然さを取り戻した。「ヒーローが人を守る」なんて考え方がそもそも烏滸がましいもんだな、だってこの人たちのほうがよっぽど現実的でタフだ、と復興の大きなうねりに放り込まれた俺は少し小さくなった心地がした。瓦礫撤去の現場で一緒にタバコを吸った爺さんは俺が生まれるはるか前の災害をいくつか挙げて「復興も3回目だから慣れたもんだすけ」と強い訛りで声を張り、俺は老兵のさまざまなものを飲み下した頑堅さに畏敬の念すら覚えたのだった。 右腕をなくして内臓をいくつも損傷した炎司さんはほどなくして第一線を退き、初夏の頃に正式に引退した。エンデヴァーでなくなった彼がこの社会に不要なんてことはもちろんなくて、ブッキングに後方支援、各所への根回しなど忙しく過ごしている。 ありがたいことに俺も仕事をさせてもらえて「ヒーローが暇を持て余す世の中」とはいささか意味が違うけれど、あの頃のような世界ごと屠られる警戒からはずっと遠い場所で今、生きている。ついでに炎司さんがひとりで暮らすマンションに用事があってもなくても顔を出している。歓待はされないが追い払われることもない。 「東海道新幹線の復旧、おかげさまで順調らしいですよ。来月ですって」 「福岡からこのあたりまで五時間だな。だからってお前はこれ以上うちに来なくていいからな」 「まだ何にも言ってなくないですかあ。それに俺は飛行機派ですう」 「この画面から進めない。わかるか?」 この人がエンデヴァーさんから炎司さんになった頃、俺の呼称も貴様からお前に変わった。突き出されたPC画面を処理して戻してやる。 「どこもこうやってどんどん電子化になってるのにお役所っていつまでも紙文化でどうなの、って最近まで思ってたんですよ。でもヴィランの襲撃でパソコンぶっ壊れて焼け残った紙の情報が復興の役に立ったなんて聞いちゃうと何でも知った気になっちゃいけないなって思いましたわ」 「アナログなものをあまり侮らない方がいい。削ぎ落とされたものがそのまま無価値になる訳じゃないからな。そもそもお前ら、わからないことがあると3秒以内にスマホで調べ始めるだろう。あれも時々俺はどうかと思うぞ」 「ええ? だって早いじゃないですか」 「想像力が発揮される余地がないだろう」 「うーーーーーん」 「答えを探しているうちに今まで出会ったものとの有機的なつながりだとか体系的なものが見えてきたりする経験はないか?」 「例えば重要でないけど便利な情報ってあるじゃないですか。最寄りのトイレとかコンビニの場所とか。そういうものを簡単に得られる代わりに、俺たちは思考を訓練する機会を失ってるってことですか?」 「そうだ。お前たちの方が高度な検索機能を持っている分だけ自分を相対化できているし良い社会を作れるのだとは思うが。誰かの主張を無防備に取り入れる若者を見ると心配になる」 この2LDKのマンションではない彼の以前の住居を思い出す。一度だけ訪れたことがある、厳しい佇まいの大きくて静かな日本家屋。あの見事な枝振りの松、晩夏の撫子と女郎花。欄間に切り取られた午後の日差しに床の間の控えめな掛け軸。暴徒かヴィランなのか結局判明しなかったが、放火されてもうどこにもない住まい。あの空間を思い返せば仕事を離れた炎司さんが案外物静かなのがわかる気がした。手のかかるものやアナログなものを否定しきらないことも。 「そうかもですね。俺らって多分根っから効率厨なんですよ。あー…効率重視ってことです。やらなきゃいけないことは効率的にぱぱっと済ませて、自分の好きなことに時間を割きたいっていうか。あんまり余白、とか、ままならないものを愉しむ、とかかがわかんないんですよ。逆に教えてほしいくらい」 「茶道でも習え」 「あ、自分で話振っててめんどくさくなってるでしょ」 「本当に知りたいか? ままならないことを?」 「そりゃもう」あなた以上にままならないものがあってたまるか。 炎司さんは壁時計に目をやって少し思案した。16時少し前。晩秋の日差しはすっかり黄色い。 「今から明日の朝までの予定は?」「オフです。何も決めてません」「なら泊まってけ。その前に一件付き合え」「ええ、事件ですか?」「いや私用だ」 外出とお泊まりの誘いをいただいて浮かれる俺を嘲笑うように、炎司さんが片頬を上げた。 「アナログな、あるいはもっと原始的な案件だ」
2. かくして、俺は住宅街の中にぽっかり作られたその名も『なかよし公園』のベンチにてコーヒーを啜ることとなった。観光名所でもなくカップルが遊びに来るような場所でもなく、雲梯、鉄棒、滑り台、ブランコ、東屋に小さな山、公衆トイレに動物を模した遊具、ささやかな広場、それらを見守るようにそびえる銀杏の木。ふたりがけのベンチでコーヒーをすする男ふたり、それもひとりはガタイのいいオッサン。公園を取り囲む家家を眺めて造成されてから20年ほどの住宅地と勝手に目算する。ふりあおげば高層の団地がやや遠くに見えた。ほとんどの家庭のベランダに生活の色がついている。 「で、何なんですかここは…」 炎司さんが車を出してくれるという突然のイベントにまず俺は面食らった。次はドライブデートやね♡ かさばるから羽根は落としとかなきゃいかんね♡ と浮き立つ気持ちと、この車ってほぼ俺の年収じゃね? とおののく気持ちで頭が混乱した。走る年収について炎司さんは「ガソリンスタンドは鬼門だから電気自動車、日本製はどれも手狭だったから海外製」と大変セレブな消去法を披露してくださった。ついでに片腕でも運転できる仕様にしたので納車にえらい時間がかかったとか。俺が勝手に当たりにいってるのは百も承知だが経済力で殴るのはやめてほしい。硬さを感じさせないのにしっかりホールドされるシートは全然落ち着かずいっそパトカーが恋しかった。そんなBで始まるドイツ製の車は住宅街から顔を覗かせるドラッグストアに停めてある。 「すぐ終わるから待っていろ。人生には余白も必要だ」 「仕事は超合理主義のくせに」 この人の片頬笑みは凶悪だけど慣れてくれば人懐っこさもある。全く『なかよし公園』にはそぐわないが。 小学校低学年くらいだろうか、柔らかそうな体をした子どもたちがブランコで遊んでいる。板の上に立ち上がって膝を屈伸するアグレッシブな立ち漕ぎだ。 「聞いてほしい話があるって言ったじゃないですか、悩み相談なんですけど。最近、気合の入ったストーカーがいましてね、俺に」 「午後の公園にはふさわしくない話題だな」 「あなたの顔よりはマシだと思いますよ…。まあそれでね、俺を自分の恋人だと思ってる系の人なんですけど。事務所で出待ちされるので撒いて帰ってたんですよ。そしたら消印のない手紙が自宅のポストに届くようになりまして。‘今日の私服素敵でした’から始まって、次の日にはどうして返事をよこさないのか、になって、その次はもう俺とその人が結婚してる前提で話が進んでいきまして。自分の身くらいは守れるしってほっといてるんですけど。最寄りのコンビニにも来るので行けなくなっちゃいました。炎司さんって現役時代、ストーカーの類ってどうしてました?」 「俺をストーキングするような物好きはおらん」 「うっそぉ。‘エンデヴァーに殺されたいヴィラン’いたでしょ。全然説得力ないっすわ。あれも一種のストーカーですよ」 炎司さんは眉間の皺を深くして下唇を突き出した。これで喜怒哀楽を表現する彼も、それがわかる俺もどうかと思う。ちなみに今はご不満であらせられる。 「そういうことなら身の回りに気をつけろ。エスカレートすると親しい人間に矛先がいく。俺は家族を襲われた」 「親しい人…炎司さん…⁉︎」 「お前本当に友達がいないのか…?」 「襲われたら返り討ちにしてくださいね」 「くだらないことを言ってる暇があったら面倒がらず専門家を入れろ。何かあってからでは遅い。それから」 まあそうなるよな、よしよし不安だね大丈夫? とか言わんよなあ。俺の構ってちゃんマインドを一刀両断して、彼は腕時計を見下ろす。 「そろそろだ」 ぼん、と背中に衝撃がはしった。振り返ると男の子がいた。家庭の甘い香りを漂わせた小学一年生、あるいは未就学児。彼は声もあげずにったり笑っていて、その足元にはサッカーボールが転がっている。 これがベンチの背に当てられた、全身に警告が走る。雨覆だけにしてパーカの下に隠していた剛翼が反応しなかったのだ。 子どもがボールを拾い上げて振りかぶると、彼の手を離れたボールの軌道がスローに見える。尻がベンチに縫い付けられたように動かない、目を逸らすことができない。 左肩が熱くなった。熱い? いや痛い。炎司さんに突き飛ばされたと理解した瞬間に受け身をとる。顔を上げると子どもは真っ赤な口を開けて声もなく笑い、背を向けて走り出した。 「追え」 その言葉より早く剛翼を飛ばす。 個性でも使っているのか、子どもは生身とは思えない速さで駆けて公衆トイレの裏手に周り—— 「は?」 あったとしてコンマ1秒。遅れはとらなかったはずだ。けれど俺が壁に手をかけて身を乗り出した時には、子どもの姿はもうどこにもなかった。 剛翼は初めから最後まで一度も伝えてこなかった。生き物の反応も、そうでない反応も。 街に17時を告げる『峠の我が家』が遠く響いている。
3. 本当に何げない時に右腕の喪失を感じるという。 あの人が缶ビールのプルタブを開けようとして、肘から上が欠損した腕に気づいてふと呆けるなんでもない時間、それに続くわずかな照れと自嘲、はにかみの意味を俺は正確に理解はできなかった。だからそんな時俺はいつも、彼の残された左手の指先を見つめている。 自分の缶ビールを開けて炎司さんの未開封のそれと交換すると、彼は罰が悪そうに礼を言った。もう何回目かもわからない四川麻婆豆腐を平らげて風呂をいただいたばかりだ。初めて作ってもらってから俺がそればかりねだるものだから、炎司さんは麻婆豆腐が俺の好物だと思っている節がある(冬美さんのレシピなのだと教えてくれた時の顔といったら! )。もう一度プルタブを上げてビールを煽る。風呂上がりの体に苦みの強い銘柄が染みていった。 テレビのチャンネルをニュースに合わせて、今度こそ逃さない腹づもりで炎司さんを睨む。 「そろそろ教えてください、夕方のアレはなんだったんですか」 あのあと、あっけにとられる俺の後ろで「ふむ」と頷いて彼さんは公園を後にした。何を聞いても「後で話す」と教えてくれなかった。 「お前はなんだと思う?」 「気配を消す個性か、すぐ消失させられる人間を作る個性かと考えました。でも足の早さが説明つきません。足の速い動物を人間の姿にするとか? でも目的がよくわからない。愉快犯にしたってボールをぶつけるだけじゃその線は考えづらい。そしてあなたがわざわざ俺に見せるくらいだから、そんな薄味なものじゃないでしょう」 「冷静だな。主観的な感想は?」 「不気味でした。体が固まって、あなたに突き飛ばされるまで動けなかった」 炎司さんが片眉を上げて意地悪く笑った。ばりカッコいいな、腹たつわあ。 「お前の頃もあったか? 学校の七不思議というものは」 「エンデヴァーが随分とファンシーなこと言いますね…トイレの花子さん的なやつですか?」 「無人の音楽室からエリーゼのためにが聴こえてくるだとか踊り場の鏡に何かが映るだとか、な。口伝だろうによく何十年も続くもんだ」 「いや待って、全然話が見えないんですけど」 「冬美の勤める小学校があの近くだ。今の子どもたちもそういった怪談が好きなんだそうだ。それでトイレの三番目がどうとかよくある話の中に、地味だが他所では聞かない話が混じってるらしい。17時にあの公園のベンチに座っていると子ども現れてがボール遊びに誘ってくる。それに応じると」 ぼん。 「家までついてくる」 俺が出入りする掃き出し窓が軋んだ。ちょうど、まるで、硬い球体が当たったみたいに。それも大人のフルスイングでなくて子どもの力で精一杯ぶつけたくらいの衝撃で。 剛翼はぴくりともしない。この部屋は地上5階だ。 深刻なことほど遠ざけたいもので、俺はまずドッキリを疑った。炎司さんはこんな手の込んだことはしない、却下。では何かの拍子でボールが飛んできた。それなら散らしてある剛翼で感知できる、却下。そもそもどこからボールが飛んでくるというのか。 「パーナム効果でしょ…」 占いなんかで、誰にでも該当することを言われているのに「自分にだけ当てはまっている」と思い込む現象——そんな一致だろう、音が似てるだけで家鳴りかも知れないし鳥がぶつかったのかも知れない、と思うも脳みそ裏側からの警告音が止まない。 「ボールを受け取らなければいいかと思ったがそうでもなかったようだな。走って追いかけたのが‘遊び’にカウントされたか?」 「待って待って本気ですか⁉︎」 「剛翼は何かを感知したか?」 「してませんけど⁉︎」 「では個性ではないだろう。ついでに家まで来た彼はボールの代わりに生首を持ってるらしいぞ」 炎司さんは立ち上がって、キッチンから小皿と塩を持ってきた。俺に目もくれず片腕でぎこちなく窓際に盛り塩を始める。 「あんた自分の家を幽霊屋敷にする気ですか⁉︎」 「AFOに比べれば怪異くらいなんてことはない。それに古今東西、この手のものは招かれなければ入れない。朝まで窓も玄関も開けるなよ」 「そうなの? そういう問題なの? ていうか初めてじゃないってこと? 俺が公園の後やっぱり帰るとか言い出したらどうするつもりだったんですか⁉︎」 「この怪異が海を越えて福岡まで行けるか否かがわかるな」 ぼん。再び窓が鳴る。 「ままならない出来事はどうだ、小僧?」 ぼん。 外の景色が見られない。
突如足先を濡れた感覚が襲い、喉からヒュッと空気が漏れた。床は何の変哲もないフローリングなのにひたひたと冷気が上がってくる。見えるはずもない映像が脳裏によぎる。はねるボール。鱗の生えた足。黒く壊死した指先。縫い合わされた瞼。水を吸って膨らんだ猫の死体。室内に浸水する泥水。家中にぶら下がったロープの結び目。藻に覆われた水面から生える黒い手。 目の前でひとつだけ知っている、電信柱のように太い炎司さんの左腕を掴んだ。 「玄関に盛り塩するから邪魔をするな」 「いや無理! 行かんでください‼︎」 自分でも信じられない力が腕にこもり、普段は組み合ってもびくともしない炎司さんが俺を押しのけるのに手間取った。 ぼん。リビングと廊下を隔てるドアが鳴る。 炎司さんのデカい体が静止する。気温が急に下がった。天井のシーリングライトが明滅している。 ドアの向こうにあの子どもがいる、そんなイメージが脳内で像を結び、炎司さんのシャツを千切れるくらい握りしめた。 「招かなきゃ入ってこれないんじゃないんですか…?」 「はいれるよおおおー」 ぼん。ぼん。ぼん。そんなはずはないのにドアの向こうから音楽が聞こえる。古いスピーカーから流れる、音のひずんだ『峠の我が家』。 「はいれるはいれるはいれるはいれる」 下水の臭いが鼻をついた瞬間、俺は炎司さんの襟首を掴んだ。 「ちんこ出してください」 「あぁ⁉︎」 部屋中にビリビリ反響する声量も今ばかりは気にならなかった。 「これ、想定外の事態でしょ⁉︎」 「そうだが」 「幽霊って汚いものとくだらないものが嫌いなんですよ、例えば糞尿とかえっちなことです。ちんこ出してください、うんこ出ないでしょ。部屋におしっこするのとちんこだすのどっちがいいですか⁉︎」 「何言ってるんだお前は⁉︎」 「俺も一緒にやりますから! 男ふたりでマスかくとか最強に馬鹿馬鹿しいからそれで行きましょ‼︎」 「この状況で勃つか馬鹿者‼︎」 「勃たせるんですよ、男でしょ⁉︎」 炎司さんの股間を握る。デカいちんこを揉みながら全体重をかけてソファに押し倒した。彼の視界にドアが入らないように剛翼で覆うのとほぼ同時に照明が落ちた。 こんな状況なのに、あるいはこんな状況だからなのか俺のちんこは硬くなり始めていて、俺は炎司さんにまたがってふたりのスウェットと下着を下ろした。 「集中してください」 合意がない。そんな悠長なこと言ってられるか。今この人を守れるの俺しかいない。舌で指先を濡らして先端を撫でると、炎司さんのちんこが少し反応した。二本のちんこを握り一度深呼吸をして、俺はふたり分のオナニーを始める。ぼんぼんぼん。つるつるした粘膜に指を引っ掛けて棒を擦って根元から搾乳するみたいに揉み上げる。「はいれるはいれるはいれるはいれるはいれる」まだ足りない。首筋に舌を這わせて右耳を含んだ。わざとぐちゅぐちゅ音をたてて耳介を舐め回して上半身も擦り付ける。彼の硬い髪をこめかみに感じて冷えた体が熱を取り戻していく。「どうしてえええ」剛翼の密度を上げて炎司さんをぴったり包む。ふたり分のシェルターの中で、空いている手で彼の左耳をふさぐ。直接伝わる身じろぎがたまんなくて下半身が重くなる。全身がぴりぴりするくらい気持ちよくて足の指先まで熱い。炎司さんの筋肉が弛緩したのかふかふかになって気持ちいい、俺が乗っかってるだけなのに抱かれてるみたいに錯覚する。耳の後ろでちりりと火花がまたたいた。ああ俺この人に好きっていつになったら言えるっちゃろ。もっと奥まで知りたい。その先が奈落でもいいから奥までもっともっともっと奥まで舌を入れたい。「おおおおおおと」彼の頭を抱き込むようにして、羽根と上半身を使って音を遮断する。「うさああああああん」この大きな体もあかぐろい顔面の傷も高い鼻梁も腹に響く声も右腕の皮膚が張った断面も何もかも好きだ。好き。ばり好き。 全身が強張って、張り詰めたこころが決壊する。手のひらに精液が散った。 賢者タイムは訪れずむしろ体は熱くなるばかりで、引き続きもう一本のちんこに奉仕する。もっと力を入れた方がいいんだろうか。ていうか右手ないとオナニーのときどうすんだろ、左手? 当たり前だけどこの人が好きなところとか��も知らんわ。なら手当たり次第やるしかない。腹に気合を込めて炎司さんのシャツをたくし上げた。したい。時間かけてキスとかたくさんしたいんだけど、今は出してもらわなきゃいけない。いきなり乳首舐めるってどうなんだ、童貞だと思われたらどうしよ。いや今そんな値踏みされないから構うな、できることは全部やれ俺。乾いた胸に鼻を擦り付けて乳首を口に含むと、炎司さんからくぐもった声が漏れた。慣れてない女の子みたいに。吸い上げると水を含んだように硬くなる。 下から盗み見た彼は下唇を突き出し眉根を寄せていて、それを見たら無性に腹が立って唇に指をねじ込んだ。俺はわかるはずなのだ、この人が下唇を突き出す仕草から喜怒哀楽が。 (今ぜんっぜんわからん!) 上顎をなぞって舌を指で挟む。喉の奥に指を入れると嘔吐反射が起きて彼の瞳に生理的な涙が張る。なんな。何考えてるん。本当になんでこんな、ままならないことばかり俺は。彼のほとんどえづきに近い、こもった声が鼓膜を揺らすたび体がどんどん熱くなる。 大きな手で後頭部を掴まれたかと思うと、全身を潰されそうなほど四肢で締め付けられた。同時に手のひらに体液が滲む。 …でた、俺はやりきった‼︎ 体液ができるまでちんこに奉仕すると、気が抜けて炎司さんの体に倒れ込む。俺より高い体温に包まれて全身がたゆたう心地だ。 余韻が足先から抜ける頃、照明が瞬き、部屋がぱっと照らされた。 部屋に残されたのはニュースを読み上げるアナウンサーの声と床にこぼれた塩と、ちんこを出した俺たちふたりだけ。 廊下に続くドアは開いていた。
「ふぎゃ」炎司さんが体を揺すり俺はラグの上に転がる羽目になった。 怒られも殴られも焼かれもしなかった。エンドロールの終わった映画館みたいな薄情さで炎司さんは「風呂に入り直す」と言い出し、俺は彼に追い縋って廊下に出ることを何とか阻止し、体を拭いてそのまま寝室へ押し込んだ。普段俺はソファで寝るが今日は何を言われようが同じ部屋で寝る以外の選択肢はなかった。トイレについてきてもらう約束も取り付けた。 ちんこ擦り合わせたどころかさらなる無体を働いた気恥ずかしさとおののきががようやく襲ってきた頃、炎司さんから健やかな寝息が聞こえてきた。恐ろしくて馬鹿馬鹿しくて恥ずかしい最低な夜なのに俺以外の全てが恬淡としていて、それが余計に俺の小胆さを際立たせるようで身悶えながら、寝た。
4. 朝には炊き立ての米と煎茶を出すのが炎司さんの決まりごとだ。粒のたった米が美味い。 「昨日みたいなことってよくあるんですか?」 「初めてだ。モノがよく落ちるようになったりやたら家鳴りがするようになったことはあるが、一週間もすれば収まっていた」 「そもそもああいう怪異…的なものに興味があるとは知りませんでした」 「興味はないぞ。お前だってあるだろう、夜中に学校の窓から手を振られるとか山中で救助をしていたら覚えのない案内人がやってくるとか水難現場で足を引っ張られるとか、それが家までついてくるなんてヒーローをやっていればよくある話だ。お前のストーカーよりはマシな話だろう」 「全然マシじゃないし俺そんな経験ないですよ⁉︎」 「昨日はお前を驚かそうと思ったら思いのほか活きのいいものを引いてしまったが」 「今日帰りたくないんですけど」 「俺は平気だぞ」 「あなたはよくても! 俺が! 怖いの! ていうかあなた俺が撃退法思いつかなかったらどうするつもりだったんですか」 朝の話題におよそ似つかわしくない。白米のお供に出された松前漬は上品な塩加減だし窓から差し込む光は真っ白で、ドアの向こうにはいつも通りの廊下だけがあった。もちろん鍵は施錠されたまま。何か問題でも? とでも言いたげな部屋と部屋の主がいまいましい。 「玄関を破られたときは驚いたが、それでもどうとでもなると思っていた。ただそれは個性を使って逃げるとか物理的にどうこうするという意味で、まさかあんなやり方を出してくるとは思わんかったが…お前のあの必死な顔…」 語尾は俺まで届かなかった。顔は伏せられ山脈みたいな肩が震えている。そりゃこの人に笑ってほしいと俺は常から思っているが、笑わせると笑われるじゃ意味が違うのだ。「いやあんただってちんこ出しましたからね」「痛み分けだ」「何が! 本当に怖くなかったんですか?」「お前のあの鬼気迫った顔を見たら吹っ飛んだ」「俺のゴッドハンドでイったくせに! いだっ」強めの手刀が降ってきた。 炎司さんの無邪気ともいえる振る舞いに拍子抜けして朝からぐったりする。ちんこの形の前に知りたいことが山ほどある。キスもしなかった、そもそも俺はこの人に好意すら伝えていないのだ。そして俺は昨晩を思い出してしばらく悶々とした夜を過ごすことが確定したというのに。もはや俺が純情を弄ばれた気分だ、責任とってほしい。 「普段はお前のペースに巻きこまれてばかりだから溜飲が下がったぞ、俺は」 「そりゃ何よりですよぉ…」 「しかしあれはセクハラになる。自分より立場の���い人間にはするなよ」 「しませんて!」 俺と彼がどこまで同じものを知覚していたのかは確認していない。あの時浮かんだ数々のおぞましいイメージだけならまだしも、あの悲痛な「おとうさーん」の呼び声聞いても同じこと言えますかあなた。俺が耳塞いでおいてよかったですね。誰かを思い出して取り乱したり心を痛めたりしませんか。一昨日は医療刑務所の面会日でしたね、長男さんはお元気でしたか。 そんなことは死んでも口にしてやらない。 「どうして玄関破られたんすかね」 「あまり己を疑うな、魔につけ込まれるぞ。地上はどこも荒野みたいなものだ」 やかんの音が俺たちの間を切り裂いて、炎司さんがキッチンに消える。 何の話だ。スマホを取り出して検索窓に「荒野 悪魔」と打ち込む。昨日「思考力が培われない」と言われたばかりだが俺は効率厨なので待ちきれないのだ。トップに出てきたWikipedia「荒野の誘惑」項を斜め読みする。有名な神様が荒野を引き回されて悪魔に誘惑される。3度誘惑されても神様は揺るがず悪魔は去る。ブラウザバックして知恵袋やら個人のブログやらを眺めていると、転じて「悪魔の声を聞いて3回自分の信仰を疑うと悪魔に魅入れられる」ような意味で使われることがあるらしい。天井を仰ぐのとキッチンからコーヒーの匂いが漂ってくるのはほぼ同時だった。俺に信仰はない、この場合はどう解釈すればいいんだ。そもそもこれって新約聖書の話であって昨日のアレは日本の怪異なわけで、ここにキリスト教は適用されるのか。そういえば日本神話にも3って数字は出てくるな、まで考えたところでスマホをソファに放り投げた。俺は最短最速で答えの引き出しを開けたいわけですよ、どういう意味で言ったの教えて炎司さん。でもこれって絶対「自分で考えろ」って言われるやつ、絶対そう。答えの出ない問題に直面した時に自分がこうも混乱するとは知らなかった。本当にままならない。 焦がされてちりちりになった髪のひと房を、やるせなく弄んだ。
炎司さんの街から俺の街に帰るときはいつも季節を越境する。 群青の空にふくよかな月がのぼっていて、空気は湿気を含んで活気付いていてる。炎司さんが別れ側に言ってくれた「またな」がゆっくりと崩れ形を変えていく。ああちんこ触ってしまった乳首も舐めてしまった。そりゃ「守りたい」とは常々思っているがあんな形で暴走するってある? あのときもっと顔見とけばよかった俺のバカ。あの人俺にあんなことされてなんであんな平気な顔でいられるんだろう。炎司さんが本気出したら俺なんて2秒で投げ飛ばされるのに、焼き鳥にもされなかったし。あの時されるがままになってくれたのは何で。その心は。昨日から1000000回は繰り返した問いがまた頭を駆け巡る。 「たぶんなんも考えてなか…犬に噛まれた的な…あの人天然なとこあるし…」 スマホを手に取ると、炎司さんからストーカー問題に強い弁護士の連絡先が送られて来ていた。ありがたいがそうじゃない。「●●市 男児 水死」で検索しかけて指を止める。知らない方がいいこともある。 自宅のソファで脱力して明日の予定を頭の中で並べていると、インターフォンが立て続けに三回鳴った。Amazonの宅配だろうか。オートロックに手を伸ばそうとして違和感を覚え、音声を繋がずエントランスの画像を呼び出すと髪の長い女が見えた。件のストーカーだ。ひと抱えもある荷物を胸に抱いていて、赤黒いそれが何なのかモニターの荒い映像ではとらえきれない。 ついにインターフォンを鳴らすようになったのか。カーテンを引く前に家の灯りは点けてしまったから在宅もバレているだろう。 とりあえずここは無視だ。しつこいなら窓から出て事務所に避難だ。そんなことを考えているとまた三度、インターフォンが鳴る。炎司さんの言葉を思いだす。
許可がなければ入れない。 あまり自分を疑うな、魔につけ込まれるぞ。
ストーカーはエスカレートすれば許可がなくても入ってくるだろうし、俺が何を疑わなくてもストーキングをやめないだろう。まだ悪魔や怪異の方が慎みがある。そう思うと投げやりに笑えた。インターフォンの音声を切ってソファに転がり、炎司さんに電話をかける。 ぼん。 背後で窓が鳴る。
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