#夢魅の今日の事件
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The second half of April reading (4/16~4/30)
みなさん、こんばんは🌛
4月も中旬となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?暑かったり、寒かったりとからだが忙しい今年の4月後半のリーディングをお届けします💌
みなさん桜はご覧になりましたか!または今見ごろの地域もあるかもしれませんね🌸桜を見るたびに、自然はしっかりと季節を順に巡っていくのだと感じ、その力強さとシンプルさに圧倒されます。それでも人々の中にある季節よりも、もしかしたら変化に弱いのかもしれないと思います。人どちらが良いという話ではなく、人々の中をめぐる季節は、自然で言う雪の下に眠る蕗の薹を育むという形でよわさを抱えることができるのではないかと思います。
外は春でも、あなたの中の季節は今どんな季節でしょうか?きっと春ではない、そんな方もいらっしゃるかと思います。世の中は"新学期""新生活""新年度"だのと強迫観念にまみれているかもしれませんが、どうかここに訪れている間だけでも、ご自身の四季に身を委ねていただければと思います🌱(わたしも、世の中の春の強迫観念から逃れた生活をしている一人間です😉)
いつものように、アイスでもホットでもお好きな飲み物を手にとっていただいて、少し香りをかいでみましょうか☕️
わたしコーヒーの香りをかぐと、下手したら瞑想とかよりも深く深呼吸ができるんですが、同じような方いらっしゃいます??どこまでも深く落ちていく息というのを感じるためにもコーヒーを手に取ってしまうわたしです。。。
ふう............
さて、わたしも深く息を吸ったところで選択肢をお見せしたいと思います💫
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左から
1. THE VISION
2. THE TEAR
3. THANATOS
以上の3つの中から、ピンとくるものを選んでみてください🌛
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それでは1番から順にリーディングしていきますね𓆟𓂃
1. THE VISION
選択肢1番左の絵柄を選んだあなたへのメッセージです。
まずは、あなたの現状をカードたちに教えてもらましょう➸
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・6 of pentaclesの正���置
・Knight of pentacleの逆位置
そうですね、あなたは今周りの方と持ちつ持たれつの関係性を築かれているのではないでしょうか?それは共依存というような形ではなく、"あなたが得意なことはあなたにお願いして、わたしが得意なことはわたしがやる"と言った形でいらっしゃるのではないかと思います。しかしながら、それは"一種の役を引き受ける"という形で成しているとも言えます。もしかすると1番を選ばれた方の中には、あまりポジティブに捉えられない人間関係の渦中にある方もいらっしゃるかもしれませんね。あまり嬉しくないことを言われて意欲的だった気持ちが削がれてしまったり、何だがあの人から嫌われているような気がする、そんな状況で勢いよくスタートを切れないでいるかもしれません。しかし、最終的には走り出すのがあなただと思います。あなたにあまり辛いことは多く会ってほしくありませんが、それでもこの世界はその力を見込んでいるのです。信じているのです。「他人は鏡」とよく言いますが、もしかするとその方もあなたの力強いパワーを映し出すための鏡なのかもしれないなと思います🪞
では、そんなあなたに向けて4月後半の流れは一体どのようになるのか、カードたちに聞いてみましょう🃏
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/a14c42b127b709e79434560213f53369/a77c8a9ab029528c-e6/s540x810/9f1560f511f2fdc13074756138b85cc8e73a359a.jpg)
・Queen of pentacle
・ 10 of pentacles
・The Tower
うん、やはり力強いカードが出ていますね!思わずカードを引いて、「わー!」と言ってしまいました!笑 だって、もうきっとあなたのパワーを取り戻すだろうと分かったからです。力強くもありながら元からの魅力マシマシのあなたが浮かびました👑きっと、持ちつ持たれつの周囲との関係からあなたはたくさんのことを気づかれるのだと思います。先ほど言ったように得意分野を任せ合う関係もあれば、役割を引き受けるような関係もある中で、他人は鏡で、すべては自分の内側にあると広義の意味で実感するのではないでしょうか。そこからのあなたは、たくさんの豊かさを受け取るのだと思います。それは一時的なものではなく将来的に長く続く人間関係や居場所などを指しているのか��しれません。ひとつの小さな芽から、あなたがゆっくりと大木を育むといった豊かさかもしれませんね🌳そのことによって自分の価値観が一度壊されるというような革新的なことが起こるかもしれませんが、それは木で言うところの剪定なのではないでしょうか。これから大きく枝を伸ばしてゆくための、刈り込み。きっと濃厚な時間を過ごされることでしょう。
それでは、そんなあなたへの4月後半に向けたアドバイスを聞いてみましょう🧚♂️
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・Big Picture Thinking
・Gracefully Aging
先ほどの4月後半の流れの中で、Queen of pentacleのカードを見て、あなたは何かビジョンのようなものを受け取るのではないかと思いました。それは眠っているときに夢として表現されるかもしれませんし、「こんな風になったらいいな」という空想として表現されることかもしれませんが、いずれにしてもそのような場面で自分のビジョンを小さく見積もらないでほしいのです。何の条件もいらず、何の心配も不安もないのなら、どんなことを思い浮かべるか?どんな姿の自分がいるか?そのようなことに意識を向けてほしいのです💭そして、大木のようにあなたの豊かさはこれから永く続くものです。だからこそ、ゆっくりと歳をとることに恐れを抱かないでください。すぐに育つことがすべてではないように、あなたはゆっくりと育つその芽に希望を持てる人だと分かっているからこそ、その時間を楽しんでほしいのです🌿幾度の冬を乗り越え、大木となり、たくさんの人を癒すあなたがなるべく多く��顔でいられますように。
あなたに愛を。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
2. THE TEAR
では、真ん中のカードを選んだあなたへのメッセージです。
まずは、あなたの今の現状をカードたちに教えてもらいましょう➸
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/ce4128d671cb8aa1bc50a96af03038c6/a77c8a9ab029528c-6e/s540x810/22fe281068dab0785090fe8a685abc470382d658.jpg)
・The Hierophantの逆位置
・8 of cups正位置
最近ひとりで深く考えるようなことがあったかもしれませんね☁️それは自分の信じるもの、に対してだったかもしれません。いずれにしても、あなたがこれから踏み出す方向はどちらなのかと深く深く自分の内面を追求するような時間を過ごされたのではないかなと思います。またふとした瞬間に自分が孤独に感じたことがあったかもしれませんが、それはあなたが人一倍あなたが信じるもの(愛、仕事、思想、信仰など)に対して向き合っているからです。そのような自分への深い追求ののち、あなたは新たな一歩を踏み出すと決断したのではないでしょうか?大それたことではなくても、小さな習慣を変えたり、思考を変えたりといった変化かもしれません👣
では、そんなあなたの4月後半の流れをカードたちに聞いてみましょう🃏
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/5e1f85d759ce80b60d293741e5ff6a33/a77c8a9ab029528c-cf/s540x810/efe6f054d61b082d55b539db7a6bf19cfc7a469d.jpg)
・Page of swordの逆位置
・The Temperanceの逆位置
・The Justiceの逆位置
やはり、ここ��大アルカナが3枚中2枚出ているので、あなたはとても大切な時期にいるのだろうなと思います。先ほど自分への深い探求があったのではないかと話しましたが、同時に自分や周りに対して疑心暗鬼だった時期があったのではないでしょうか?「こんなこと言ったらどう思われるか?」「果たしてこんなこと自分にできるのだろうか?」...そのような時期を過ぎ、一歩踏み出すと決めたあなたはどこか混沌としていたこころの中に、すうっと一本の光が通るのを感じるようなことがあったかもしれません。この光を信じて、辿っていけば、道はわからなくともいつかその場所に着くと感じられるような、揺るぎなくもしなやかな光。それはきっとご自身の光だろうと思います。誰のものでも、外にあるものでもなく、あなたの中でずっと前から光つづけていたもの。たくさんの雑音やネオンにかき消されても、ずっと前からそこにあった光。その光を今度こそ、にぎりつづけるのだと思います⚪️
それでは、そんなあなたに向けた4月後半のアドバイスをカードたちに聞いてみましょう🧚♂️
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/37ae22b3982cbe09712a45582b8b4d56/a77c8a9ab029528c-a8/s540x810/fa8fc55e15ba26e4c62883a022fce8b9e763127b.jpg)
・Portal
・New career
すでにドアは開かれています🚪それはあなたの一歩をずっと前から待っていたのです。ついにその時を迎えたあなたは、きっとそのドアを開け、次のステージへと踏み出していくことでしょう。心配や不安もあるかと思いますが、きっとご自身にとって厚みのある経験になるのではないかと思います。そして何よりあなたには、内側からしっかりとご自身の進む方向へと光を放つものがあるではないですか。その光をたどり、幾つもの夜を越えた先には生涯に残る日の出を見ることでしょう。やさしさと愛と光に包まれ蝶のように羽ばたくあなたへ、疲れたときはどうぞ、この場所へいらしてくださいね🦋
あなたに愛を。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
3. THANATOS
1番右のカードを選んだあなたに向けてのメッセージです。
まずは、あなたの現状をカードたちに教えてもらいましょう➸
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/2a87345bee606c7a83a78ce5e072f6f2/a77c8a9ab029528c-54/s540x810/eed58d1b75536678a407081e241b87d0870cda3c.jpg)
・7 of swordsの逆位置
・Ace of pentacleの正位置
左手のカード、とても怖い顔がみえているかと思いますが、実は逆位置でしているので解放を示しています⚡️何か最近あなたの立場が明確になって、周囲の状況がはっきりとわかった、なんてことがあったのでしょうか。「ああ、わたしこれ向いてないんだわ」「分かりました、それならそうとこちらでやらせていただきます」みたいな...(どんな?)。でもいつかは明らかになることでもあったのではないかと思います。そのことをきっかけとして、あなたは1からコインを積み上げていくようなことを面倒だとか無駄だとか思わずに、やると決めるのではないでしょうか。なぜなら、そうなる状況になったし、それならそうとやるあなただからです。事実、あなたは物質的にも豊かな流れへと片足を入れている状況なのです🦵
では、そんなあなたの4月後半の流れをカードたちに聞いてみましょう🃏
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/d5312d1f535334dc9694596b8b6ac263/a77c8a9ab029528c-d9/s540x810/2168816095f03b2acce65934d2aaa78eeceed0ee.jpg)
・4 of wandsの逆位置
・6 of cupsの逆位置
・The Worldの正位置
やはり人間関係において周囲の状況が明らかになることにより、コミュニティに変化がもたらされるのではないでしょうか。そのコミュニティは昔からのつながりとか、あの人に頼ってれば上手くいくと前に思っていたとか、何か過去からつながるものがあったのかもしれませんが、そのような過去を懐かしむような、後ろ髪引かれるような思いがこの時すっぱりときれるのではないかと思います✂️そうすることによって、あなたは人生におけるあなたの物語のひとつの章をここで完結するのです。これからもまだまだあなたの物語は終わらないけれども、ここらでひとまず終わる。もしくは休載という形でお休みを取る方もいらっしゃるかもしれません。どちらにせよ、あなたが次にアクセルをグッと踏むための沈みや区切りの時なのではないかと思います。
それでは、そんなあなたに向けた4月後半のアドバイスをカードたちに聞いてみましょう🧚♂️
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/fa353feaca2a9fe2941af1cc0487ebc9/a77c8a9ab029528c-3f/s540x810/79a0f001fff595244a65ab71775fd4906d260747.jpg)
・Breath of The cosmos
・Leaving
先ほどの後ろ髪引かれる思いを断ち切ると言ったようなことを言いましたが、それはあなたのこころに逆らったりと言った形ではなく、すべては流れとして実にすんなりと行われることではないかと思います。宇宙と呼吸を合わせること、簡単に言えば流れに身を任せることです🏄♂️そうすることで、やはりあなたは新しい局面へと動き出すのではないかと思います。それが"去る"という形であっても、あなたは常にさらなる新しい局面へと動き出しているに違いないのです。実は選択されたカードはタナトス、つまり死を擬人化したギリシャの神だったのですが、まさに一度死することによって新たに生まれるのではないかと思います(もちろん、内面的にという話ですよ!)。タロットで言う死神のカードといったところでしょうか。それよりもずっと、なんというか尊くも神々しいものがあるような気がします...。きっとこれまでたくさんの局面を迎えて来られたあなたへ、お疲れさまでした❤️🩹よい方へ歩んでいけますように。
あなたに愛を。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
いかがでしたか?
このリーディングは当たるか当たらないかに念頭を置いていないので���思い当たる節がない方もいらっしゃるかと思いますが、究極的に言えば日常的に耳に入る言葉や音、目にする文字はすべて何かの象徴です。それにひとつひとつ対峙し向き合うのはとても骨の折れる作業ですが、この場所が少しでもそのお手伝いになることを願っています◡̈
今回リーディングしていて思うのは、みなさん新��い一歩を踏み出す方が多いのかなあということです👟真新しいものではなくても、大それたものではなくても、とても小さなことでも、一歩踏み出す方々すべてにわたしはここから応援と愛を送ります🌬〰️🤍
また、この場所で会いましょうね🌝
それまでどうか、健やかにお過ごしください♡⃜
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今回使ったカードはこちらです𓅯
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❁THE WILD UNKNOWN ARCHETYPES DECK&GUIDEBOOK / KIM KRANS
❁THE MUSE TAROT / CHRIS-ANNE
❁THE STARSEED ORACLE / REBECCA CAMPBELL, DANIELLE NOEL
❁Butterfly Oracle Cards for Life Changes / Doreen Virtue
(リンクはドイツ語版です)
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セックスドールとは
セックスドールとは
セックスドールとは、ラブドール、ダッチワイフ、アダルトドールとも呼ばれます。
交際、喜び、セックスを人々に提供するため、巨尻、巨乳、貧乳などや、アニメ顔、ロリ、熟女、人妻、美少女、jk、など様々なタイプなセックスドールが作られて、きらびやかな魅力が輝いています。
現代社会では、セックスドールは芸術作品であり、大人向けのアダルトドールでもあります。素材によってはシリコンドールとTPEドールなど呼ばれることは多い。
個人的のオナニーフェチやセックス癖に合うセックスドール
本物そっくりのセックスドールは、あなたを永遠に大切し、いつでもあなたを喜ばせ、人間の女性と同じくらいセックスを提供します。
最高品質のTPE素材とシリコンでできており、あらゆる部分は可能な限り本物に模倣して、柔軟性が高く、成形が容易で、実際のセックス体験を再現できます。
ほとんどの予算で高価ですが、本物の女性と物理的に見分けがつかないリアルなセックスを自由に手に入れます。
長くて10年、短くて3年、どんなオナニーフェチやセックス癖を満ち、性欲の解放を十分に実感します。
どんな部分でも可能な限りリアルに見える
セックスドールの細部に至るまで細心の注意を払う専門家によって手作りされています。
カジュアルな浮気者を探している場合でも、一生のセックスパートナーを探している場合でも、リアルなセックスドールをカスタマイズするだけでそれを実現します。
カスタマイズの場合は、代理店のスタッフにご連絡してください。
通常、カスタマイズ プロセスには 3 ~ 14 日かかり、精細なセックスドール仕上がりの写真を受け取られます。
無料およびプレミアムオプションのリストが増えているため、ナビゲートしやすい注文プロセス全体でカスタマイズ機能が紹介され、��像できる最も可愛いセックスドールを提供する。
セクシーであるだけでなく、要件や条件なしでご主人様を永続的な愛を与えます。
セックスドール業界は活況を呈しており、セックスドールの世界は他のどの大人のおもちゃより急速に成長しています。
金属骨格
TPEおよびシリコン製のセックスドールには金属製の骨格が内部にあり、さまざまなセックス体位出来ます。最もリアルなセックス体位を存分におたのしめられます。
最高のセックスを体験できるセックスドールは、フルサイズのTPEセックスドールでわずか10万円。高品質のTPEセックスドールを所有して実験し、五感の健全なセックスを楽しんでください。
高予算の人常に世界レベルのモデルとセックス夢が有るなら、18万円以上のシリコンセックスドールはあなたのニーズを十分に満たすします。
セックスドール 価格
セックスドールのスタイル
セックスドールには様々なスタイルがあります。
ロリドール・美少女ドール・熟女ドール・巨尻ドール・パイズリドールなどたくさんあります。
さらに、アニメのキャラクターを再現したアニメドールや、有名人の顔をモデルにしたリアルドールも作られています。
それぞれセックスドールのスタイルについて簡単に紹介します。
ロリドール
色白の美肌でニキビもなく
愛嬌がある
どんな服を着替えでも可愛い
ロリドールは背が低いから、かわいらしい印象を与えやすいのです。
現実の女性よりはるかに可愛いロリドール。
男性は女性に頼られたいという本能があり、ロリドールの小柄な身体はその欲求を刺激するようで......、
ロリドール内で射精した場合、男性の「守りたい」という欲望本能や背徳感を強く刺激されています。
美少女セックスドール
肌や髪に清潔感がある
メイクはナチュラル
容姿端麗
凛としている
美女セックスドールとのセックスの魅力は外見のよさそうので抱きしめたく、抱いていて楽しいになります。
美女という要素を加えると、美人がセックスの時に快楽で顔をゆがめる表情を想像して楽しむことができます。
そして美少女とヤッたこと優位感を身に染みて感じます。
WMDOLL代表として美少女セックスドールは、ぱっちりとした大きな瞳と高い鼻、透明感のある白い肌を持つ正真正銘の美少女。
熟女セックスドール
愛想がない顔
クールビューティ
エッチ非常に情熱的
熟女に甘い誘惑されたい
熟女セックスドールはちょっとぽちゃっとしたところがナイスな綺麗で大人雰���気溢れる年上の女性。
大人の落ち着いたクールビューティな巨乳女の子とエッチの時に、気持ち良すぎてがたまらない!
しかもほっそりとした体型で美尻で美乳という完璧なモデルようなスレンダースタイル!
巨尻セックスドール
肌質がある大きなお尻
ヒトに近い弾力
ボディラインの曲線美
巨尻セックスドールを嫌う人はいないと思います。
巨尻、美尻を持つ女性は、男性にとって独特で並びない魅力を持つ。
彼女の巨尻に匹敵するほど柔らかいものは世界にありません。
尻柔らかい感触を楽しんで、自分の腰を激しく振って、それが男性遺伝子に刻まれた本能的で自然な欲望と言えるでしょう。
パイズリセックスドール
セックス時気持ちいい
色々なプレイ楽しめる
巨乳と爆乳
パイズリセックスドールはパイズリ楽しめるセックスドールです。
主に大きなおっぱいとして、巨乳や爆乳でなければ、自分のペニスがすっぼりと包まれません。。
それにおっぱいを独り占めしている感しも楽しむ事で、パイズリ興奮度を高めます。
パイズリ専用のオナホドールなども販売されていますが、胸の弾力はセックスドールの爆乳には絶対勝てません。
セックスドールの巨乳に包み込んでもらって気持ちいいパイズリ!
柔らかさ感触を気持ちよく感じて射精を味わってみましよう。
【2022年最新版】セックスドール おすすめ ランキング ベスト 15
自宅ではオプションとして用意されている
自宅では、主にオナニーのオプションとして用意されている場合が多いです。
普段のオナニーに価値が生まれ、あらゆる疑似セックス体験ができ、男性の膣内射精障害を予防と改善もできます。
セックスドールとセックス時には、ローションを使って滑りを良くしてセックスしましょ。
【2022年】初心者向けセックスドールの購入方法 セックスドールお迎え前注意事項
オナニーにセックスの勉強になる
大袈裟かもしれませんが、セックスドールはあなたの人生に影響を与える可能性があります。
なぜなら、勉強もセックスも人生に必要な行為です、今までにしてない人はいないはずです。
勉強とセックスどち重要で、セックスために勉強するのも大事だと思いますね。
セックスの効能は男性にも女性にも身体に様々なメリットをもたらしています。
セックスのために勉強するなら最低限の道具が必要です、同じようにセックスするならセックスドールがあったほうがうまくいけるはずです。
セックスドールとセックスするとオナニー価値は更に価値があります。
セックスドール 使い方
オナニーが疑似セックスになる
セックスドールを使うことでオナニーは疑似セックスへと進化します。
現代のセックスドールは『購入できる彼女』もしくは『自分の好きに出来る女性』と考えて購入していいでしょう���
なにより、セックスドールはセックスの練習にもなる。セックスの練習はセックスドールでしかできません。
擬似セックスにも最高の体験、いざ本番で困らないように練習しておくべきと思いますね。
コンドームの付け方、挿入の仕方、腰の振り方、イキそうなのを堪えるセックスなど。セックスドールで色々イってるうちにセックス上手への道が開けてきます!
セックス下手はパートナーに嫌われますし…。
まだ童貞な方でも、セックスを普段からしている人でもセックスドールを使って下さいね。
セックスドールでセックス達人になりましょう
「セックスが下手な男性はモテません」
愛情を確かめ合うのがセックス...でも、彼氏がセックスが下手すぎだと女性は満たされません。
その結果、セフレを求めるようになります。
男にとって、エッチの時セックステクニックが大事です。
セックスのテクニックのやり方覚え、何度も繰り返して行うことで上手になります。
上手になるまでは、時間がかかります。
下手なセックステクニックをしてより、まずセックスドールに頼ってセックスのテクニックを何度も繰り返し覚え方がいいと思います。
恋人をセックスで征服できる男になりましょう。
未来はセックスドールの時代
セックスドールはこの時代では普遍的です。
hitodollセックスドール通販は、市場で最もリアルで見栄えの良いセックスドールであるハイエンドのシリコンセックスドールに焦点を当てています。
ほとんどの本物そっくりのセックスドールは高品質の素材で作られ、セックスドールとセックスするときに健康を心配する必要はありません。
完璧なセックスドールを実現すると目指して設計と改良に多くの時間と労力を費やしています。
hitodollのセックスドールきっとアナタの期待に応え、望む快適さを提供することを間違いはありません。
セックスドールは、アジア (日本と中国) からヨーロッパ、そしてアメリカまで、世界中でトレンドになっています。
人々がバイブレーターやディルドなどの大人のおもちゃを受け入れているように、人々はセックスドールを所有して使用するという考えにますます興味を持っています。
テクノロジーの発展によりますます増加傾向、より多く人はセックスドールで提供できるセックスを楽しんでいます。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)9月14日(火曜日)
通巻第7050号
コロナ禍は何かの祟りではないのだろうか?
科学も医学も合理主義も、疫病解決に役立っていないではないか
**************************
疫病大流行。文献的に最古の事例は崇神天皇の御代である。
『古事記』は以下のごとく惨状を書いた。
「この天皇(崇神)の御代に疫病多に起こりて人民死にて燼きむとしき。この天皇愁��嘆きたまひと神床に坐しし夜、大物主大神、御夢に顕れて曰りたまひしく、『こは我が御心ぞ。故、意富多多泥古(おほたたねこ)をもちて、我が御前に祀らしめたまはば、神の気起こらず、国安らかに平らぎなむ』とのりたまひき」(岩波文庫版112p)。
疫病は崇神天皇以前にも頻繁に起きていたと考えられるが、記録としては、崇神天皇の時代が初で、しかも国民の大半が死んだとの記載があるような猖獗を極めた。
神の怒りを懼れ、タケミカツジの子である「おほたたねこ」を神主として、三輪山に祈祷し、御社を造成したところ、疫病はやんだ。疫病は神々の祟りという認識が古代人には広くあった。
時代はぐんと下がって聖武天皇の時代、平城京を仏都として造り替えた功績、大仏殿の造営で知られる聖武天皇は、じつは平城京の前にいくども遷都している。
疫病と災害の原因は祟りだと考えていたからだ。恭仁京の建設が本格化していた。しかし地の利、水利など諸条件が揃わず、藤原京、平城京が廃止されたように、つぎは柴香楽へと遷都する(現在の滋賀県甲賀郡信楽)。同時に難波にも副都の宮殿を建てていた。柴香楽宮は放火による山火事で廃棄された。
遷都の理由は旧来の風習を打破し、人事を一新し、守旧派と敵対勢力を追い出すためだったと歴史学者は賢しらに「科学的に」「合理的に」解釈したが、かような政治的理由はむろんあっただろう。
しかし一番の動機はじつは疫病対策だった。そのうえ祟りを懼れての遷都ではなかったのか。皇位継承をめぐってのだましあい、謀、暗殺が続き、怨霊が漂っていた、と当時の人々は認識していた。
藤原氏の全盛は中臣鎌足の子、藤原不比等が天皇の外戚となって大活躍し、陰険な策謀をもって政敵をつぎつぎと冤罪を仕掛けて葬り、藤原四兄弟は皇子後継をめぐる政争で、最大の政敵だった長屋王を冤罪をでっち上げて葬った。
ところが、疫病は藤原四兄弟もあいついでに葬る。因果応報、長屋王の祟りだと囁かれた。この四兄弟の死は、それまで権力の下層で燻っていた藤原仲麻呂が中央舞台に踊り出す契機ともなった。
▼神��にかわって仏教寺院が祈りの場所となった
天災は豪雨、洪水、河川の氾濫は凶作と飢餓を産みだし、そのうえ疫病である。国家安泰を祈願するために神道に替わって仏教寺院の造成が急がれ、神社への祈りが仏教寺院へと祈祷場が変わったことに、とりわけの留意が必要である。
聖武天皇は急激に仏教へ帰依し、全国に国分寺の建設を命じた。仏教は人々の不安を吸収し、救いをもたらす信仰に置き換わった。天平六年(734)畿内は大地震に襲われた。この年に遣唐使が帰国したが、入れ替わりに新羅の使者が太宰府にやってきた。
「凶作によって人々が困窮したところを疫病が襲い、恐るべき大流行をもたらした。流行は食糧の乏しくなった夏に、まずは太宰府管内からはじまり、冬までに全国各地に拡がった。発生地からみて、遣唐使か新羅使が列島社会に持ち込んだものと考えられる」(吉川真司『聖武天皇と仏都平城京』、講談社学術文庫)。
疫病が外国からもたらされることは古代からの常識であり、武漢コロナはシナ大陸からやってきた。梅毒も江戸時代に外国人が持ち込んだ。
奈良時代の疫病は三年続いた。藤原四兄弟が次々に死に、これが僥倖となって藤原仲麻呂が急激に台頭したことは述べた。
疫病による朝廷の被害は皇族、官吏の三分の一に及んだ。全国の死亡率は25%から35%とされた。和泉国で45%、駿河で30-34%、豊後で30-31%が死んだという記録は正倉院文書に残る。
令和時代のコロナ災禍は中国湖北省の武漢で発生し、日本にもたらされた。やはり外国との接点が多い地方、都市の被害が甚大になるのも古今東西、同じである。
聖武天皇は、疫病の原因を長屋王の怨念と考えた。古代から中世にかけて、科学は発達しておらず、曖爽から夜明け、日中から夕闇と到り、夜は真っ暗な闇が支配する。古代人は闇に鬼が、魑魅魍魎が存在知ると考え、怨霊を信じていた。電気はない。書物も少なく、医学は未発達である。その不安を人々は宗教に求めるのだ。
伝来の神道より仏教を信仰する人々が増え続け、留学生が帰国したおりにもたらされた仏典や新しい信仰スタイルが急拡大し、皇室も人民も仏教に救済を求めた。
▼神仏習合が本格化した
ならば古来より宮廷人の拠り所としていた神道への信仰はどうなったのか。じつは、ここで初めて神仏混交が本格化するのである。
神社勢力はだまっていたわけではない。強烈な軋轢が生じるのは当然で���り、そこで「有力な神々が仏教に帰依する。あるいは仏教を(神社が)護持するという言説を用いて、新旧イデオロギーの調整が吐かされた」。神仏混交という「日本教」が全土に拡大した。
「神仏習合の深まりとは、日本古来の神祭りが、外来宗教である仏教によって『文明化』されたことへの証しである。これを受容し、あるいは反発するうちに『神道の自覚過程』が訪れる。神祇祭祀に特有のものがあらたに見出され、やがて中世につながる神国意識が形作られて入った。それはイデオロギー面における『国風文化』の生成であった」(吉川前掲書)。
ならば後世、『神皇正統記』で北畠親房は、この聖武天皇と、崩御後の光明皇后の仏教への急傾斜をいかに論じたのか、興味がある。
想定外だが、後醍醐天皇の改革を熱狂的に支持した北畠親房は、聖武天皇、光明皇后の仏寺建設、大仏開眼、国分寺の建設令、外国からの高僧の来日などを淡々と記するのみで批判はなく、むしろ次の称徳天皇が、一時期に仲麻呂に惠美押勝の氏を給え、まつりことを委任したことも客観的にのべる。
そのうえで、「後に道鏡という法師また寵幸ありしに、押勝(藤原仲麻呂)いかりをなし、廃帝をすすめ申て、上皇の宮をかたぶけむとせしに、こと顕れて誅にふしぬ(道鏡を寵愛したため、称徳天皇廃帝を謀して露見し、仲麻呂の乱は潰えた)」と、経過をのべたあと、道鏡批判に移るのである。
「法師の官に任ずることは、もろこしより始めて、僧正、僧統などといふ事のありし、それすら出家の本意にはあらざるべし、いはむや俗の官に任ずる事あるべからぬ事にこそ。されど、唐土にも南朝の宋の世に惠琳といひし人、まつりごとにまじらいしを黒衣の宰相といひき。」などと多数の唐の例を引きつつも「法王の位をさずけられたりし、猶あかずして皇位につかんといふこころざし有りけり。女帝さすがに思ひわずらひ」、和気清麻呂に神託の真偽を調べよと宇佐神宮へ派遣するのである。
仏教に帰依した女性天皇が、神道の託宣に頼ったという視点で見れば、神仏習合が、顕然と進んでいた状況を物語る。
▼無実の罪に陥れられた早良親王の怨霊
早良親王は光仁天皇の皇子である。母は高野新笠(たかのにいがさ)。両親が百済系とされたために正妻とは認められず側室として桓武天皇、能登内親王、そして早良親王の生母である。早良親王は皇位継承権の有���格者だったため桓武天皇の皇太弟に立てられていた。ところが藤原種継の暗殺に関与したとして廃された。
母方が皇族ではなく、側室だったために早良親王は早くに出家し東大寺羂索院や大安寺東院に住み、「親王禅師」と呼ばれた。天応元年(781年)に同母兄・桓武天皇の即位があり、還俗、立太子された。すでに桓武天皇には安殿親王(後の平城天皇)がいたが、万一の備えとして安殿親王の幼帝即位を避けるためだった。もとより東大寺で高位の僧侶だったこともあり、早良親王は妃を迎えず、子もなかった。
延暦4年(785年)、造長岡宮使・藤原種継の暗殺事件に突如、巻き込まれ、乙訓寺に幽閉された。無実を訴えるため絶食、淡路へ配流される途中、守口付近で憤死した。
種継暗殺は桓武天皇留守中の事件だが、東大寺は親王禅師(早良親王)に後事を託したとされ(『東大寺華厳別供縁起』)、還俗後もなにかにつけて東大寺は早良親王に相談していたという。桓武天皇は道鏡事件の経緯から僧侶の政治関与の弊害を懸念し、長岡京遷都を急いだのだ。
長岡京遷都の裏の目的は東大寺など奈良寺院の影響力排除である。
その後、皇太子安殿親王が発病や、桓武天皇妃・藤原旅子・藤原乙牟漏・坂上又子の病死、生母高野新笠の病死と疫病の大流行、くわえて洪水が相次ぎ、それらは早良親王の祟りであるとして幾度か鎮魂の儀式が執り行われた。
そればかりか、延暦19年(800年)には早良親王に「崇道天皇」が追称され、それでも祟りが収まらずとみるや、五年後に「崇道天皇陵」を造営する。
附近には早良親王を祀る嶋田神社があり、奈良町に崇道天皇社、御霊神社で祭神として祀られた。東大寺の高僧が神道で祭られたのである。
令和の疫病は、それなら何の祟りか。いささか神懸かりと思われるかも知れないが、靖国の英霊を蔑ろにしているからではないのか。
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Never Ending Playlist
「賢い刑務所生活」に続いた「賢い医師生活」。
あまりにも愛溢れるドラマの場合、終わりというものが来るのが一年の早さほどに信じられずとりわけ悲しくなる。大好きな登場人物たちに会えなくなるから。それでも終わりを迎えてしまいました。
賢い医師生活を最初に見たシーズン1の1話、いつものように登場人物の顔と名前を一致させつつ物語を楽しむことにした。あの頃は一斉配信だったので割と早い段階で完走した組で、周りで共有できる人が少なかった。なんだかいいドラマだな、そう思って見終わってすぐなのにまた再生して、気づかぬ間にとびっきりの物語、構成、演出、音楽、その全てに魅了されました。ロマンスありきの韓国ドラマも胸に来る切なさや夢見るようなシチュエーションが詰まって最高なのに、賢い医師生活は完全に一線を画していました。これは大変なものに出会ってしまった。
ドラマはまさに、ヒーリングでした。
物語の最初で同じ病院に勤めることになった医大時代の同期5人。イクジュン、ソンファ、ジュンワン、ソッキョン、ジョンウォン。それぞれ違��分野の科を担当し、目も回るほどの忙しさの中で、一人の提案から大学時代にやっていたバンド活動をまた始めることになる。一人が選んだ月ごとの練習曲が、出会う患者と自分たちの生活とリンクするかのように、ときに背中を押し、ときに過去や未来を慰めてくれる。
ドラマを見ているとき、誰かに感情移入したり羨ましくなったりして次が見たくなる、という訳ではなかった。ただただ主演の5人(1999年大学入学組なので99ズと呼ばれている)の関係性、ゆえに繰り出される会話と空気があまりに暖かくて、ずっと見ていたいだけなのだ。もう彼らを知らない人生に戻れないという感じ。物語に特別な事件は起こらない。不条理な会長も、お金絡みで怪しいヤクザも、裏がありそうな患者だって現れない。今までの韓国ドラマで慣れている視聴者側が「何かあるはず」と思えば思うほど、このドラマの良さに気づくことになり呆れてしまうほど。そうだこれは今までのドラマじゃない、「賢い医師生活」だったんだ、と。医師と患者、取り巻く家族、出てくる人物たちの、確かにそこに存在する人生をゆっくりすくい上げるように描いた物語である。
毎度のように泣いてしまうのは、ドラマに対して情が深すぎるのは抜きにしても、人間の心の琴線に触れるのがあまりに上手すぎる脚本の完成度が大きい。どっと目頭から涙が溢れる体験はそうそうないのに、このドラマを見ていると自然と湧き上がる感情に幾度も遭遇する。誰かの言葉に、誰かの表情に自分の心が揺れ動いては抑えられない。そんな脚本を体現する出演者の俳優さんたち、通常フューチャーされる主演陣以外にも丁寧な配慮が物語を通して当たり前に感じれるドラマはこれが初めて。まず99ズの演技力と団結力は言うまでもない。見たらわかる。なるべく素に近いキャラクター設定はメイキングを見たら明瞭で、キャスティング時点で完璧。出会うべくして出会ったような5人がだんだんと砕けて役そのものの関係性のように近づく姿は動物の動画より癒しになる。やっぱり土台がないと役の膨らみには限界があるんだな、と改めて実感する。土台が固まれば固まるほど、上に乗せれるものは多くなる。経験豊富な主演陣を支えるようにとても多くの俳優さんがインターンや外科生、教授や同期役で出演されている。医療モノは登場人物や関わる人がとにかく多いイメージだったので、どうやって全てを配役してキャラクターを肉づけるんだろう、あまりに真ん中の人たちのクオリティが高すぎるし…���思っていたシーズン1序盤、これまた私の中のドラマ常識が崩れる。
とにかく、全員、上手い。余すことなく全員の演技がうますぎる。特に悲しい結末を持つ患者側の家族の方々は表情や空気の作り出し方が只者のそれではなく、完全に領域が桁違いというか、ここのこんな役で、ここまでの深みを出せるの…?と毎回衝撃。そのおかげで一切の緩みのない、本当に真摯なシーンが作られているんだなと感激でした。こんなに丁寧に作られるドラマは、本当にない。そして何と言��ても豪華なゲストの数々。流石のシン・ウォノ監督、配役に一切の無駄も手加減もない。大御所ー!あの人だー!誰この人知らないけどめちゃめちゃ素敵!!そんな感想が湧き上がる中、画面からは「喜んで!」と俳優さんから伝わるような愛を感じる友情出演の多さ。韓国ドラマファンとして大興奮でした。たまらない。生み出される登場人物と彼らが持つ無数の感情が、流されることなく積み重なって一つの物語を豊かにしているんだな、と感動します。
さらなる醍醐味は、人生において欠かせない幸せの瞬間、「食べる」!三度のご飯は元気の源、誰かが美味しそうに食べている姿はなんだか胸がほっこりするはず。賢い医師生活でも食事シーンは必見。ぽんぽん飛び交う身内ネタ混ざりの会話にサムギョプサルの焼ける音、麺をすする音、鍋いっぱいのラーメン、疲れた時に沁みるトッポッギとビール。ご飯は一人より、誰かと食べる方があったかい。韓国ドラマは何故か毎回コーヒー頼んだばっかなのに「もう行こうか」とお店を出たり、フォークを刺してもないパスタを残してお腹いっぱいと言ったり、ご飯好きには心が痛い演出が多くて何かと気になっていました。(関係ないけど、あとはニット着たまんま寝たり)ちょっとしたことで 「ああ、これは作り物だもんな」 と割り切ってしまうシ場面が多かったのです。賢いにはそれがない。どれほど嬉しかったことか!!!リアリティに忠実で、役としてのリアルを追求してくれるおかげで、物語以外に気になる暇もない。純粋に話を楽しめることが幸せ。
そうしてコメディな要素も満載なため、まるで友達との会話を思い出し笑いするかのように普段からシーンを思い出してしまうのです。あのネタ面白かったな、あんな言い方最高だったな、と。面白い友達の話を誰かに共有したくなるような気持ち。「昨日イクジュンがさ〜〜、あっ賢いの話なんだけど。」
そして、賢いシリーズに欠かせない「音楽」という大スパイス。選曲から流すタイミング、全てが完璧。「はじまりのうた」や「シング・ストリート」を思い出すような、韓国作品昇華版。どうしてこんなにぴったりな曲を、慄く。映画��ドラマでも雨はいつもキーポイントになりますが、賢いでも同様。「雨」や「涙」が歌詞に多く出てきました。私が大好きなのは、「With my tears」 「Already one year」 「I like you(チョ・ジョンソクバージョン)」です。シーズン2の選曲がドタイプでした。ジュンワン恋物語曲は胸が締め付けられて聞くたびにあの眼鏡の奥のおぼろげな瞳思い出して泣きます。シーズン2の1話のギョウルとヨヌオモニ with 「Rain and You」 、正直過呼吸なるかと思いました。夕焼け見ながらの 「Already one year」 は滝涙。未見の方、涙の枯れない私をここに置いて、今すぐNetflixを開いてもらいたいです。
ビハインドを見るたび、出演者のインスタを見るたび、インタビュー記事や動画を見るたび、その顔色の良さ、監督の演出する姿、全部に「愛」が見える。愛の具現化=賢い医師生活。
迎えた今回のシーズン2は前と同様、各回放送終了後ツイッターで賢医ヲタクの皆さんが繰り広げる考察大会を私も血眼になって追いながら全力で共感しつつ、同じ温度で賢医が好きな友人に怒涛のラインをする。前シーズンの膨大なメイキングと番外編(主演5人がキャンプをするというこの世で一番平和なバラエティ動画)をYouTubeでBGMかのように再生しながらご飯を食べ、服を選び、メイクをして、仕事へ向かうのが定番。そうしていつの間にか迎えた毎週木曜、私は早寝なので23時の配信を眠らせた金曜の午前中に見て、同日二回再生して復習をするのがルーティーンでした。これからも何度だって見れるし何度も会えるけれど、たった今あの5人は何を食べてどんな患者さんと向き合ってそれぞれがどんな道を歩んでいるか、それを追えないのが悲しくて仕方がない。
偶然にも窓の外は強めの雨が降る中で、室内の私はベッドシーツを涙の跡で濡らしましたが、物語が一度終わったからといって冷める愛で2年間過ごしていません。いつか賢い医師生活がまた始まることを祈って、信じて、また明日からの私の人生を軽やかに歩むつもりです。あー悲しい!寂しい!もう会いたい!でも再履修のしがいがある!全てのキャストさんの次回作が楽しみ!ミドヌナとイェジン様らのドラマも、ギョンホさんの舞台続報も、追う情報はたくさんあるし、これからもきっとずっと仲の良い99ズが存在しているだけで良い。このドラマに出会ったおかげで私自身も大きく成長できる気がしてならない。いつかもしも私が大成して、賢いキャストの皆さんとお会いできる世界線を目指します。日本を代表する賢いヲタクの一部でありたい���
人生で一番好きな「賢い医師生活」というドラマについて少し語って見ましたが、再度、見ていないという方は、ぜひ見てもらいたいです。必ず幸せな気持ちになれます。離脱した方もいつか戻ってきますように。このドラマを作ってくださった全てのスタッフ陣、キャスト陣、制作の方々、本当にお疲れ様でした。大きな感謝と愛だけ抱えて。
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1、"人"が語る、もっとも強い"馬" 武 豊(たけ ゆたか)という騎手が居る。 別業界である羽生善治やイチローと並べられるほどの"天才"と称され、 日本競走馬界で数少ない有名な"人間"であり、数々の歴代最多記録を残している。 そんな偉人がウマ娘プロモーターになって、あんなCMに出るなんて2000m芝不可避なわけだが、話がそれるのでここまでにしよう。 武豊は2018年現在も現役であり、数々の名馬と共にレースを制している。 親子三代で天皇賞制覇し「絶対の強さで人を退屈させた」と言わしめた"メジロマックイーン" 怪物達と共に第二次競馬ブーム期を盛り上げた平成三強の一頭、"スーパークリーク" 武豊としては二度しか乗らなかったものの、騎手としては伝説的ラストランを走り切らせ、 「神は居る」と思わせた、アイドルホースである芦毛の怪物"オグリキャップ" そんな武豊が騎乗した馬達の中でも、一際異様な強さを見せた馬が居る。 "ディープインパクト" 無敗のまま「皐月賞」「東京優駿(日本ダービー)」「菊花賞」を制して三冠馬となり、 「一着至上主義」「奇跡に最も近い馬」と形容されるほど勝ち続け、恐ろしい戦績を残した名馬である。 以下の画像はそのディープインパクトが残した成績である。 世間はこの馬に注目し、社会現象だと言われるまで取材は相次いだ。 馬は喋れないので当然メディアは武豊にマイクを向ける。 様々なインタビューをされていく中、こんな質問が武豊に飛び込んだ。 「もし武豊さんが『武豊&ディープインパクト』と対戦できるとしたら、これまで数多く乗ってきた優駿の中で、打倒ディープとしてどの騎乗馬を選びますか?」 その質問に武豊は一頭の馬の名をあげた。 その馬の名はサイレンススズカ。 日本競馬史上、もっとも人々に夢を見せた馬である。 2、上村洋行とサイレンススズカ サイレンススズカは最初、武豊ではなく上村洋行という騎手が乗っていた。 上村騎手を乗せたサイレンススズカのデビュー戦は堂々の1着でゴール。 だが次の弥生賞ではレース開始前、柔軟な馬体でゲートをくぐってしまう。 ※ゲートをくぐっちゃうサイレンススズカ サイレンススズカは係員に押さえつけられ、なんとか再びゲートに入る。すると今度はスタートで酷い出遅れをしてしまう。 それでも驚異的な脚力で8着にはなったが、当時の関係者達はこれらの気性面をなんとかしたかった。 「走りたいという気持ちが先走り過ぎる」 「スイッチが入ると暴走するぐらい走りたがる」 サイレンススズカは確かに速い。 だがその身に任せたままだとレース終盤スタミナが尽きて、勝つことが難しい。 次のレースで上村はサイレンススズカを必死に抑えつけて走らせようとしたが、我慢しきれないサイレンススズカは先頭を走り続け逃げ切り1着。 東京優駿(日本ダービー)を勝たせたかった関係者たちは不安だった。 2000mならいいだろう。だが勝ちたいレースの距離は2400mなのだ。 ※Sがスタート地点。Gがゴール地点。 ペース配分ができなければ、速さをコントロールしなければ、絶対に勝てない。 もはや上村は「マイル路線(1600m)で行ったほうがいいのでは」とも考えていたという。 しかし次の2200mでなんとサイレンススズカは1着。しかも騎手の上村が上手くサイレンススズカを抑えて、理想的な作戦勝ちだった。 「ダービーもいくらか抑えれば、勝てるだろう」 だが日本ダービーで、サイレンススズカは勝てなかった。なんと9着。 「もう小細工はやめて、逃げて競馬させよう」 関係者達は方針を転換する。 続く神戸新聞杯でサイレンススズカはレースを先行で走った。 走り続け、断然トップ。これは勝ったと見る者は思った。 サイレンススズカはペースを変えず先頭を走る。あとは、ただ走るだけ。 しかし後方からマチカネフクキタルがグングンとスピードをあげ追い抜こうとしていた。 上村騎手が気づいたころには、サイレンススズカは2着になっていた。 振り返れば、八百長さえ疑われてもおかしくないほどの、酷い抜かれ方であった。 この結果を受け、上村騎手は降板させられてしまう。 上村氏は後悔した。自らの失態を泣き、悔しがった。 そしてサイレンススズカの行く末を心配した。 「恋人以上のものが離れて行ってしまった感覚でした」と本人のインタビューも残っている。 「将来を見据えて、なるべく楽に勝たせてあげたかった」「苦しまずに走らせたかった」「勝ちをちゃんと見据えられてなかった」 当時を振り返ったブログ記事では 「出来ればここを何とか楽に勝たせてあげて、 天皇賞に向けて少しでも身体や精神面にダメージを残さない様にしてあげたい。 そしてより万全の状態で天皇賞に向かわせてあげたい」とも残している。 サイレンススズカに鞍上した上村氏は、誰よりもサイレンススズカを愛し、守りたがったがゆえに、本番レースで勝ち切る「勝負師」になりきれなかった。 競馬は勝負の世界。馬は勝たなければいけない。負けて許される馬など、皆認めなかった。 生涯成績113戦0勝のハルウララがメディアに持ち上げられ、大衆から愛された時も、競馬関係者達の声はあまり暖かくなかった。 武豊もその一人だ。 「強い馬が、強い勝ち方をすることに、競馬の真の面白さがあ��」 そんな勝つことに拘る騎手、武豊がサイレンススズカと出会うことになる。 3、大逃げの始まり 「サイレンススズカに乗りたい」 そう申し出たのは、なんと武豊からだった。 乗る馬の依頼が来るのを待つのが本来騎手側の立場なのだが、 その慣習を崩した直談判である。 そして香港国際カップでサイレンススズカと武豊騎手は初めてコンビを組む。 ちぐはぐな日程や、馬房内で左回りに旋回する癖を矯正しようとした結果ストレスをため込んでしまうなど悪条件が重なり、レース終盤に他馬に捲られて結果は5着。 「最初から全力で走り過ぎちゃうというか、サラブレッドの本質の塊のような馬だった」 そんな評価をサイレンススズカに下した武豊は大胆な騎乗を思いつく。 「抑えようと思ってもきかない。だったら、前半から好きなように走らせた方がいいと思った。この馬は走っているときがいちばん楽しそうでしたからね。それでも持つんじゃないかな、と」 いかに逃げて力を配分するか。 大逃げという戦法は古くからあるにはあるものの、「勝つための戦術」としては博打感が拭えないシロモノである。 大逃げでの名馬と言えば、どれも個性的で、数は多くない。 破滅的大逃げを幾度となく繰り返し、最後の直線でスタミナを尽かし大失速して馬群へと沈んでいき最下位。そんな滑稽な姿を何度も魅せ、競馬ファン達を楽しませた"ツインターボ" あまりのハイペースでトウカイテイオーらのレース展開を乱し下位に追いやった、大逃げコンビとして有名な"メジロパーマー"と"ダイタクヘリオス" 世界レコードを叩き出したこともある"セイウンスカイ"なども居るに居るが、現在でも常用される戦術とは言い難い。 次走のバレンタインステークスでサイレンススズカはその「大逃げ」をする。 レース序盤の第三コーナー前でサイレンススズカはここまで逃げ離した。 ※左の赤丸にサイレンススズカ。右の赤丸が他の馬達である。 大逃げは最初からハイペースで走るので、最後の直線ではスタミナがあまり残らない。 なので後方馬との差は縮まっていく……はずなのだが、 サイレンススズカは加速する。加速し続け、後方の馬をさらに逃げ離す。 「逃げて差す」 次のレースも大逃げで勝ち、そしてその次のレースも大逃げで勝ち…… 1998年金鯱賞。またもやサイレンススズカ1着。2着との差なんと11馬身。 平地の重賞競走では6例目の大差勝ちであり、これ以降10馬身以上離れての重賞大差勝ちレースは現れていない。 レース後、アメリカから「サイレンススズカを売ってくれ!」とオファーが本当に来てしまうぐらいの圧勝だった。 「あんな体験、普通はできない。(後ろからくる)足音をまったく聞かないままゴールしちゃったんですから!」と武豊は当時の金鯱賞を振り返る。 この金鯱賞のレースは印象に残るどころか、サイレンススズカが伝説と呼ばれるゆえんのレースとなり、そしてその始まりだった。 次の出るのはG1宝塚記念。しかしここで問題が発生した。 サイレンススズカが宝塚記念に出走するのは急遽決まったことであり、 武豊は同レースに出走するエアグルーヴに乗ることを先に決めていたため、鞍上がいなかったのだ。 そこでなんとか南井克巳氏が乗ることが決定し、武豊とサイレンススズカが敵として戦うことになる。 宝塚記念は芝2200m。 南井騎手は少し抑え気味で慎重に前へと走らせる。最後の直線でもギリギリまで引き付けてから鞭を入れ、そのまま加速しサイレンススズカ1着。 武豊鞍上のエアグルーヴは3着だった。 大差ではないものの、サイレンススズカにとって念願のG1レース初制覇でもあった。 4、最速の証明 毎日王冠はG2レースであり、G1より格が下である。 このレースを勝てば、サイレンススズカがもっとも得意なG1レース条件である「芝2000mの左回り」天皇賞(秋)の出場権を得られる。 しかし当初は調教不足などを理由に、サイレンススズカは毎日王冠への出走を見合わせる検討がされていた。 だがこのレースに二頭の馬が、出走を高々に宣言する。 その馬の名は"グラスワンダー" 「怪物」と騒がれ「JRA史上最強の2歳馬」と評された馬が、故障後の復帰戦にこのレースに出走を表明。 そして"エルコンドルパサー" 年度代表馬を得るために、ジャパンカップで勝つために前哨戦としてこのレースを選択。 両馬共に未だに無敗の外国産馬である。 サイレンススズカ陣営も「これで出走を回避したら『あの二頭に負けるのがわかって尻尾を巻いて逃げた』と言われてしまう」と懸念し始め、この対決を受けることを決めた。 競馬ファン達はこの三強馬による夢の決戦を見逃すわけにはいかなかった。 そして当時のルールでは天皇賞(秋)で外国産馬は出走できない。毎日王冠はこの三強馬が勝負できる数少ない機会なのだ。 こうしてG2という格が下のレースにもかかわらず会場には13万人の大観衆が詰めかけた。 レースが始まり、サイレンススズカは逃げ始める。 グラスワンダーはサイレンススズカの隙を付こうと策を弄し、エルコンドルパサーはそのまま真っ向勝負で立ち向かった。 しかし、サイレンススズカは最後の直線で、いつもの通りに再び加速。 差は縮まらない。二馬身差叶わず、サイレンススズカは1着。 不敗神話を一度のレースで二頭まとめて切ったのである。 「影さえも踏めなかった」 エルコンドルパサーに鞍上した蛯名騎手はそうコメントを残している。 サイレンススズカは6連勝。名実ともに当時の最強馬となった。 サイレンススズカ陣営は「天皇賞(秋)を制したらジャパンカップに挑戦し、そのあとはアメリカへ遠征しよう」とウキウキを隠せなかった。 5、天皇賞(秋)の前評判 サイレンススズカが狙うG1レース、天皇賞(秋) 対抗できるのは前年この天皇賞を制したエアグルーヴぐらいだろうと考えられていたが、 鞍上の関係も考えられ、エアグルーヴは別レースを狙い天皇賞を回避することになる。 (※サイコミ掲載の漫画「STARTING GATE! -ウマ娘プリティーダービー 【第15レース-②】特別な1日 ♯01」において、エアグルーヴが「サイレンススズカとは宝塚記念や天皇賞で戦いたい」と言っていたのは、これに由来する) そしてサイレンススズカがもっとも有利なレースにもはや挑む気力がある馬も無く、多くの陣営が競走を回避。 するともはやサイレンススズカに対抗できる馬はいなかった。 宝塚記念でサイレンススズカに11着で負けたもののそれ以外は戦績の良いメジロブライトが二番人気。 同じく宝塚記念で6着で去年の有馬記念を制覇したシルクジャスティスが三番人気。 またまた宝塚記念の出走馬であり、もっともサイレンススズカに近かった2着ではあったが、最後の1着レースがG3でもない「阿寒湖特別」というステイゴールドが四番人気という有様であった。サイレンススズカはもちろん一番人気。オッズは1.2である。 その馬体や体調面は武豊騎手、担当厩務員ともに口をそろえて「一番具合が良い」と言い、 もはやサイレンススズカが負ける要素を探すのは不可能だった。 誰もがサイレンススズカが勝つことを疑わなかった。 だがひとつ、たったひとつだけ不安要素があった。 天皇賞(秋)には都市伝説が、ジンクスが存在したのだ。 1987年にニッポーテイオーが1番人気で勝った後、 天皇賞(秋)にて1番人気の馬は、一度として勝てなかったのである。 3度も1番人気に支持されながら一度も勝てなかった"オグリキャップ" 1着でゴールしたと思いきや進路妨害により18着へと降着し、天国から地獄へ突き落された"メジロマックイーン" 大逃げコンビのメジロパーマーとダイタクヘリオスにレースペースを乱された"トウカイテイオー" 春にメジロマックイーンの三連覇を阻止したものの、スランプに陥りそのまま敗れた"ライスシャワー" パドックで違和感を感じながらもレースに入りし、5着。レース後ケガが発覚し、競走馬を引退した"ビワハヤヒデ" 故障の復帰から立ち直れずにレースに挑み、覇気なく敗れた三冠馬の"ナリタブライアン" スタートを出遅れ、その後の展開もミスしてしまい、鞍上も「最高に下手に乗った」と後悔した"サクラローレル" そのサクラロールを倒して連覇を狙おうとしたが、大逃げ馬(サイレンススズカ)を早めに捕まえようとしてしまい、最後はエアグルーヴにクビ差で競り負けた"バブルガムフェロー" 府中には、魔物が住んでいる。そう言われても仕方がなかった。 1998年。 第118回天皇賞 11月1日1枠1番で、1番人気はサイレンススズカだった。 6、"沈黙の日曜日"~Sunday Silence~ レース開始。サイレンススズカは抜群のスタートで快調に飛ばし、いつもの大逃げ。 サイレントハンターも大逃げ戦法を取るが、サイレンススズカとの差は10馬身差。 最後方ローゼンカバリーとは6秒のタイム差が離れ、 全ての馬を映さなければならない中継カメラはめいっぱいズームアウトし、馬が小さすぎて見えないほどになった。 ※左の赤丸がサイレンススズカ。右の赤丸が最後方の馬。 「息が入り始めて、いいぞ、いいぞ、と。本当にいい感じだった」 と武豊はレースを振り返る。 大欅を通り過ぎ、サイレンススズカは一度ペースダウンする。 ここで一息入れて、��加速しぶっちぎる気だろう。いつものサイレンススズカだ。 しかし、そのまま失速する。 サイレンススズカは左前足を宙に浮かせ、三本脚で立ち止まっていた。 どよめく会場、そして叫ぶ実況。 「サイレンススズカ!! サイレンススズカに故障発生です!!!」 歩く馬足で、コースの大外によれるサイレンススズカ。 それを抜くサイレントハンター、オフサイドトラップ、ステイゴールド、残りの馬たち…… 「なんということだ!4コーナーを迎えることなく、レースを終えた武豊!! 沈黙の日曜日!!」 そのまま泣き叫ぶ会場の歓声を聞きながら、レースを続ける馬達。 サイレンススズカは故障しながらも、鞍上武豊を落馬させず、馬群を避け安全な場所に運んでいった。 この事を武豊は「サイレンススズカが僕を助けてくれた」と語った。 ケガの内容は結果は左前脚の手根骨粉砕骨折。 直ちに予後不良の診断が出され、安楽死処分が下された。 1998年 11月1日 サイレンススズカ 永眠 結局この天皇賞(秋)はステイゴールドとオフサイドトラップが競り合いながら、決着がつく。 1着はオフサイドトラップ。史上初の7歳での天皇賞優勝。 「不治の病」と言われている屈腱炎を3度克服した高齢馬が念願であるG1レースを制覇し、ひとつのドラマを作った。 だがその偉業は、残念ながら無下に扱われてしまう。 1998年の天皇賞(秋)は、サイレンススズカが、最速の馬が止まってしまった悲劇のレースとして刻まれた。 粉砕骨折の詳しい原因は不明である。 武豊は「原因は分からないのではなく、無いんだ」とレース後マスコミに答えた。 レース後の武豊の落ち込みは相当なものだった。 同レースに出ていたテイエムオオアラシの鞍上である福永騎手は 「あんなに落ち込んだ豊さんを今まで見たことがなかった」と証言している。 その夜、武豊は知り合いとワインを飲み明かした。 「泥酔したの、あんときが生まれて初めてだったんじゃないかな。 夢であって欲しいな、って」 サイレンススズカの死、それは夢を見た競馬ファン達にとって、最大のトラウマになった。 サイレンススズカはまさに夢のように走る馬だった。 1600mのスピードで2000mを制せる、最速の中距離馬だった。 競馬に絶対はない。だからファンは"たられば"を夢想する。 もし、サイレンススズカがケガをしていなかったら、どうなっていただろうか。 ジャパンカップの2400mも軽々と走っただろうか。海外に遠征しても、並み居る強敵達を圧倒しただろうか。 種牡馬になったら、どんな子供が生まれただろうか。 そんな夢想をしてしまうのは競馬ファンだけではなかった。 武豊である。 自ら鞍上を名乗り出て、サイレンススズカの未来に期待し、夢を叶えようとした武豊は、 あろうことかその夢が崩れ落ちる瞬間の馬に、跨っていた。 ジョッキーにとって、一番嫌な、最悪の瞬間。 その瞬間のサイレンススズカに武豊は乗っていたのだ。 2007年になるまで武豊はサイレンススズカに深く言及することはなく、 2013年のインタビューでも、事故の話になると途端に拒絶し、笑顔を引っ込めた。 サイレンススズカの事故���その絶望の感触は、武豊の心の中へと確かに刻まれている。 ウマ娘 プリティーダービー第1Rにて終盤、トレーナーは問いかける。 「日本一のウマ娘とは何か?」 それはG1で勝つことだろうか。 日本競馬界の象徴であり最大級の目標である東京優駿、日本ダービーで勝つことだろうか。 ファン投票で出場馬が決まり、1年を締めくくる大レース。数々の名勝負が繰り広げられた有馬記念で勝つことだろうか。 この問いに擬人化されたサイレンススズカはこう答えた。 「夢……見ている人に夢を与えられるような、そんなウマ娘」 このセリフを聞いてしまった競馬ファン達の心境は如何ほどのものだったろうか。 サイレンススズカ。 日本競馬史上、もっとも人々に夢を見せてしまった馬である。 7、それでも馬達は走り続ける。 サイレンススズカと戦い敗れたエルコンドルパサーは1998年のジャパンカップを制し、海外への遠征を決めた。 「���内に敵はいない」とのコメントは事実その通りであった。 そしてその海外遠征でエルコンドルパサーは大活躍する。 ヨーロッパ最大の競走の一つ、凱旋門賞では惜しくも2着だったが、現地メディアからは「チャンピオンは二頭居た」とその健闘を称えられるほどだった。 2018年現在、国際的に競走馬のレーティング指数を決める「インターナショナル・クラシフィケーション(旧称)」や競走馬の能力を数値化する「タイムフォーム・レーティング」など、どちらもエルコンドルパサーは日本調教馬として史上最高の数値を保持している。 引退後に現れたディープインパクト等の名馬達、それらを差し置いての高評価を未だにエルコンドルパサーは維持したままなのだ。 そのエルコンドルパサーを相手に、国内レースにて唯一勝ち星をあげていたサイレンススズカの評価も未だに止まることがない。 翌年、1999年の天皇賞(秋)レース。これを武豊は再び走り見事1着でゴールインを果たす。 しかもレース記録を塗り替えるレコード勝ちだった。 去年のリベンジを果たした武豊はレース後、 「ゴールの瞬間、まるでサイレンススズカが後押しをしてくれたようでした」と語っている。 サイレンススズカが後押し、天皇賞(秋)をレコード記録で1着を取った馬、 その馬の名はスペシャルウィーク アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」の主人公である。 さらなる余談ではあるが、天皇賞(秋)にかかった一番人気のジンクス、呪いは 2000年にテイエムオペラオーが払拭する。 その後に登場する名馬達も、天皇賞(秋)において1番人気で1着を取れるようになっていった。 名馬達を襲った忌まわしき呪いは完全に掻き消え、今は日本競馬史の一つとして、ただ記されているのみである。
https://ch.nicovideo.jp/yumemura/blomaga/ar996682
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劇場アニメ、AKIRAをニューエイジ思想と重ねる大胆な考察
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バイクのテールランプの尾を引く表現が印象的な作品。���景の緻密な描きこみがCGでは出せない存在感を放っている。人物の表情、特に口まわりの影の描きこみにこだわりを感じる。魅力的な近未来の世界観、と同時に昭和的なノスタルジーもある。すごく引き込まれる作品だ。 1988年公開のアニメ映画、33年前のアニメである。「大友克洋全集」発売記念で無料公開されていたので見た。オタクの教養として10年くらい前にも見たことがあるのだが、当時は「よくわからない」という印象を持っただけだったと思う。テツオの痛みに共感するくらいのことはあったが、感想を書いたわけでもないし、人に薦めたこともない。しかし今回見直してみて違う印象を持った。この変化は自分の経験と知識が増えていたからだろう。AKIRAの世界に暮らす人々が何を感じているのか。"AKIRAの力"が何なのか、ぼくはそれをよく知っているように思えた。
作中のネオ東京が辿った歴史、学生運動、渦巻く欲望、繁華街の吹き溜まりに象徴される虚しさ、閉塞感。何かをしなければならないが何をしたらいいのか分からない若者たちの焦燥、超常的な存在によってブレイクスルーがもたらされることを期待する人々。そして実際に社会を変えようとしている人々。
この世界観は完全につじつまが会っているように思える。理由は簡単で、現実の歴史と韻を踏んでいるからだろう。一回目にAKIRAを見た時には、ぼくは60年代安保闘争の話を知らなかった。ヒッピー文化を知らなかった。反戦とドラッグとロックンロールに象徴される60年代カウンターカルチャーと、その思想的バックボーンになっていたニューエイジカルチャーを知らなかった。オウム真理教の事件を知らなかった。
ヘレナ・ブラヴァツキー(1831–1891)に端を発するニューエイジ思想(後のスピリチュアルの思想)はユダヤ=キリスト教的価値観の否定と東洋思想に対する興味からはじまっている。西洋の価値観では自分の中に神はいないが、東洋の考えでは自分の中に神がいる。西洋の宗教では奇跡を起こす者は聖人で、それは例えば天啓を受けたモーセやキリストなのだが、東洋の考え方では人間ならば誰しもが天啓を受ける能力を持つ。例えば苦行により、例えば断食により、座禅により神を体験することができる。インド哲学ではアートマンとブラフマンは一体なのだ。神に祈る信仰ではなく、神を体験する信仰。これを神秘主義という。
なぜこういう思想が出てきたかというと、教会が良いものを決めるという従来の考え方が、自由主義という考え方の広まりつつあった時代に合わなくなっていたからだ。わたしが良いと思うものは良い。教会に何を言われようと人に迷惑をかけなければ良い。おれの中では教会イチオシのルーベンス、「キリスト降架」より北斎の「蛸と海女」の方が良い。それが自由主義だがキリスト教的価値観が失われていく社会に戸惑う者も少なくなかった。
ブラヴァツキーが活躍していたのが1800年代後半。ニーチェは1882年に「神は死んだ」と宣言している。キリスト教の魔法の解けてしまった世界で、人々は生きる目的を探していた。「奇跡も、魔法も、あるんだよ」(美樹さやか)。人々はそんな言葉が欲しかったのだ。生きることはつらいこともあるけど、その試練には意味があるんだよ。そんな言葉が欲しかったのだ。
AKIRAの作中でケイは「AKIRAの力は誰の中にも存在する」と言っている。やはりこれは神秘主義の考え方である。そしてこの台詞のうらを返せば、人は誰でも潜在能力として"AKIRAの力"をもっており、それを使いこなせていないということだろう。この考え方は1960年代から始まり、のちにニューエイジカルチャーと結びついたヒューマンポテンシャル運動(人間性回復運動)を彷彿とさせる。
アメリカ西海岸からはじまったヒューマンポテンシャル運動は、1962年に鈴木俊隆の創設したサンフランシスコ禅センターとビッグサーのエサレン協会が中心となった。彼らは東洋思想と芸術に強い興味を持ち、ヨガや禅、芸術を通して人間の潜在能力を引き出すことを目指した。彼らは心理学者アブラハム・マズローの人間性心理学やトランスパーソナル心理学に強い興味を持ち、それを科学的根拠にしていた。いずれにせよこの時代、"AKIRAの力"を求める若者がたくさんいたのだ。
これはアメリカの話にとどまらない。あまり意識している人はいないかもしれないがオウム真理教や創価学会、幸福の科学など、この時代の日本の新宗教はニューエイジ思想の影響を受けている。あるいは影響を与え合っている。それが証拠にオウム真理教から分離独立した光の輪のホームページに行くと人間性心理学やトランスパーソナル心理学に関する資料を見ることができる。ニューエイジ思想についてもっとも詳細に、体系的に理解している組織が光の輪かもしれないとさえ思える。
ニューエイジ思想は言葉からも分かるように終末思想を含む。ひとつの時代が終わるというのだが、伝統的な終末思想に比べるとニューエイジはポジティブだった。エイジ・オブ・アクエリアス。うお座の時代が終わり、これからみずがめ座の時代に入る。みずがめ座の時代に人間は霊的進化(アセンション)を遂げるのだ。「オカルティック・ナイン」を見たアニオタならば「アセンション」と言うワードをさんざん聞いた記憶があると思う。あれがだいたい霊的進化論だ(そうか?)。
作中、大佐らがAKIRAの保管されている地下施設に向かうとき、「彼らの能力は人類の新しい進化の形態で、やがては我々にもコントロールできるのでははないかと…‥‥」という台詞がある。若い科学者の言葉を博士が代弁した台詞だが、アセンション思想を感じる。
近代神智学の流れをくむスピリチュアルの世界観では、人間はかつて精神文明の時代に暮らしていたが、精神的退廃を経験したために精神文明を忘れてしまったのだという考え方をする。ニューエイジ思想に大きな影響を与えた預言者エドガー・ケイシー(1877-1945)は自分の前世はアトランティス人であるとし、精神文明の時代を古代アトランティスと関連付けている。我々は精神文明を思い出す時期に来ている。
バカげた主張のように聞こえるかもしれなが、ニューエイジ世代は第二次世界大戦直後を生きた世代だ。科学の破壊的側面を強烈に記憶にとどめていた世代だ。古代の精神文明一辺倒の時代は終末を迎え、次の科学文明の時代は我々が経験したように第二次大戦で破壊された。両方を経験した人間は精神と科学の「調和ある収斂(ハーモニック・コンバージェンス)」を迎え、水瓶座の時代(エイジ・オブ・アクエリアス)へとアセンション(霊的進化)するのだ。こう考えると希望を感じるし、自分たちの犯した過ち、経験した試練は無駄ではなかったと納得させることができる。
作中で最初にアセンションを果たしたのはテツオである。少なくとも赤いマントを羽織っている間はそうだった。テツオを見て新しい時代が来たと実感している人々がミヤコ教団の信者たちだ(アニメでは教団名は出てこないと思う)。マントを羽織ったテツ��がオリンピック建設現場に向かって歩いていくと、その後ろを信者たちがついていく。テツオもテツオで後ろからついてくる彼らにまんざらでもないような顔をしている。テツオは何しろちやほやされたいのだから。直後にそのことを端的に表しているカットが挟まれる。機動隊がテツオに向かって発砲すると、その流れ弾がテツオの後ろを歩く信者に当たってしまう。するとテツオは眉をしかめた。既に何人も殺しているテツオが、後ろからついてくるだけの信者の死に心を動かされているのだ。テツオはちやほやされたいのだ。
前半のシーンに戻るが、病院から抜け出し、カネダに再会したテツオの台詞からはテツオのコンプレックスが読み取れる。
テツオ「うるさい。おれに命令すんな」
カネダ「心配してたんだぞ」
テツオ「どうしていつも助けにくるんだ。おれ一人だってやれたんだ!」
カネダになりたいが自分はカネダになれない。これがテツオのコンプレックスだ。ぼくはこのテツオの心の痛みを知っている。本当は人は何者かになる必要なんてない。人間の長い歴史に於いて、何者かになることを要求される社会が形成されたことはほとんど無かっただろうとおもう。
親の仕事を継がされて、それでも文句を言いながらやるべきことをこなしているというような時代ならば、何者かになることにこんなに悩むことは無かっただろう。理不尽な苦痛を経験することのある時代かもしれないが、理不尽な結果ならば自分の無能を呪わずに済む。インドのカースト制度はきっと多くの人にとって幸せだ。一部の天才と、一番虐げられた少数が不幸なだけだろう。職業選択の自由だなんて言ったって、どこでもいいからと内定を欲しがっている人ばかりだ。もしかすると自由主義は圧倒的多数を占める普通の人からカースト制という言い訳を取り上げてしまったのではないだろうかと思うのだ。
自由主義が幅を利かせるようになると、人々はなぜか閉塞感を感じるのだ。1927年のチャールズ・リンドバーグの大西洋単独無着陸飛行の成功に沸くアメリカの民衆の心境を、スコット・フィッツジェラルドが代弁している。1929年のアメリカの株価の大暴落に端を発した世界恐慌の2年前である。バブル絶頂のアメリカである。
何か光り輝く異様なものが空をよぎった。 同世代の人々とは何も共通点も持たないかに見えた、一人のミネソタ出身の若者が、英雄的行為を成し遂げた。 しばらくのあいだ人びとは、カントリークラブで、もぐり酒場で、グラスをしたに置き、最良の夢に思いをはせた。 「そうか、空を飛べば抜け出せたのか」 われわれの定まることをしらない血は、果てしない大空にならフロンティアを見つけられたかもしれなかったのだ。
好景気に沸くアメリカ。誰もが共有していたであろう万能感。その裏で人々はなぜか閉塞感を感じていたのだ。この閉塞感から生まれてくるのがAKIRA信仰なのではないだろうか。まだ気づいていない自分の能力を信じて自己啓発セミナーに通う人々。情報商材に興味を持つ人々。言霊信仰、断捨離信仰、自然食信仰に見られるような、ひとつ習慣を変えるだけで人生が劇的に上向くという考え方。自分探しのためのインド。これら全てがAKIRA信仰に象徴されているように思える。
AKIRAの原作者がそれを狙ったかどうかはしらないし、その時代を知る人々がみんなニューエイジ思想に触れたわけではないと思う。それでも同時代の人々はニューエイジをはぐくんだ時代の空気を十分に理解していたのではないだろうか。同時代を生きた人でなくても生きにくさを感じていて心に"AKIRAの力"を期待している人は少なくないのではないだろうか。
そしてAKIRAの力は今はまだ人間にコントロールできないものだと作品は結んでいる。
「でも、いつかはわたしたちにも」
「もう始まっているからね」
「ぼくはテツオ」
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無能、それは才能
無職になってはや四か月がすぎた。四か月というのは人を変えるのにはあまりにも早く、十分すぎる時間であると思う。人を殴って事件を起こした。結構。ブタ箱で3週間強を過ごした。結構。新しく同人を立ち上げて2万字とすこしの文章を書きあげた。結構。「結構結構ってなんだか鳥みてーだが」、菊地成孔に言わせれば、それも結構。この数か月で僕が気づいたことは、僕には案外無職の才能がないということだ。留置所を出てすぐ精神病院に入り、シャバに本格的に戻ってしばらくは拘禁症状で外に出れなくなった。僕は起きている時間のほとんどを読書とゲーム(それはもっぱらアイドルマスターシャイニーカラーズだったり、ウマ娘だったりの美少女ソシャゲだった)に費やした。結果としてゲームは上手くなったし、今も熱中しているが、本への興味は上がったり下がったりを繰り返している、というか買った段階で満足してしまう。この2週間でダンテ『神曲』の文庫三冊とルソー『不平等論』を買った。ダンテは読みさえすればいいのでともかくとして、国書刊行会のルソーは訳注と解説が半分以上で、買ってしまったからには勉強しなければならない。それはともかくとして、僕は無職である。幸いなことにそこそこ裕福な家の生まれだから親にもあと10年ぐらいはのんびりしていていいと言われたし、時間も腐るほどある。しかし、僕は時間の有意義な使い方がうまくない。勿論、大学生活を有意義に使えたかという疑問は残るものの、結果的に無駄な時間はなかったと思っている。友人や先輩と喫茶店でしこたまタバコを吸いながらコーヒーで粘った5限後。講義をサボってセックスに明け暮れた���の日。山ほど本をファミレスに持ち込んでドリンクバーで居座りながらほぼ手をつけずに帰って意味もなく一人で公園でビールを呷る。学生時代はそんなことばっかりだった。あの日々に戻りたいかと言われれば、正直戻りたい。精神障害という特級デバフなしであの輝かしい怠惰な学部生活を謳歌したい。障害者の無職という救いようのないモンスターが今、声をあげて泣いている。そこではたと気づく。無能であること、無能であることをよしとすることは、才能であったのだと。学生や社会人という身分なしで本を読んだり映画を観たりするほどには僕は強くなかったのだと。僕は今底なしの無能である――何かの身分に縋りたいと思うほどには――という事実を身に染みて感じて、なお何かを成し遂げたい、何かになりたい、と思うことほど醜悪であることがあるだろうか(それは決して醜悪ではない、という人々は、己の偽善とよく向き合ってみるがよい)。そしてその醜悪さは、何、僕に始まったことではない、世の多くの人々が持つ貧しさと醜悪さなのである。無職という無底で、僕は多くてこれから10年向き合わなければならないのかと一瞬思うだけで海底に沈められたような気持ちになる。だからといって、あと2年や3年でまともに働ける体になれるとは到底思えない。焦るなという言葉が、僕を一層焦らせる。
変な話をするようだが、文章には色があるように思う。エロティックな文章を書けばピンク色なのかとか、冷たい文章なら青色なのかとか、そういう話ではない。濃淡とコントラストがあるという話である。無論、書き手の私生活は文章に反映される――ある程度。色どりがない生活を送っている小説家の文章がつまらない訳ではない。ただ、文豪や哲学者が往々にして凄絶な人生を送っているように、文章がおもしろいから人生がおもしろいのか、人生がおもしろいから文章がおもしろいのか、判然としないが、ともかく文体の問題というのは才能とは別としてあるようだ(それも才能のうちと言われては返す言葉もないのだが)。最近の自分の文章を読み返していると、色がないな、と思う。もっと言うと、色っぽくない。女がいると文章が輝くというのは大抵どこの書き手もそういうものだと思うのだが、例にもれず自分もそうで、特に20歳のときにTumblrに書いていた文章は、なんというか、私小説的で、官能的で、粗野で、ハチャメチャだったが故に、人が読んでも自分が読んでも魅力的だった。昨日か一昨日、当時付き合っていた女性が(またしても)夢に現れた。あのときと変わらず銀髪のショートボブで、ピアスが両耳に30個、背は僕より20cmぐらい小さくて、彼女は僕とセックスしていた。いつか見た光景とまるきり同じで、僕はそれが夢かどうか判然としなかったが、射精を排尿と間違えて寝小便を垂れかけたところで目が覚めた。別れてもう4年が経つというのに、未だに忘れられていないという事実に、情けな��を通り越して自分に憐れみを覚える――去年病気をもらって別れた女にはもはや何の未練もないというのに、あまつさえその後の腋臭のデブ女に至ってはただただ時間を無駄にしたという思いばかりが募る――のだが、しかし僕は彼女と付き合っていたときが最もつらく、同時に生み出すもの一つ一つが煌めいていた時間であったと感じるのだ。「時計の針は自分で進めねばならない」、と最後に言われた。永い間、僕の時間の針は20歳の銀髪ピアス、マルボロ6mgを吸っていた彼女を前に止まっている。僕の文章には多少のレトリックと、コンプレックスと、知識が加えられ、色と才気が失われている。止まった時間を取り戻そうとすらしないまま、僕は無職の才能のない無職になった。無職の才能がなく書く文章に色がなくなった書き手は、なんのことはない、ただの無能以下である。
ある女の子とDMを交換しながら、巻き戻るはずもなく、巻き返せるのかどうかも怪しい時計のネジをくるくると回している。好きな人にフラれたそうだ。どこにでもあるけれど、何よりも悲しい話だと思う。
獄中にいたとき、友人が本をくれた。僕が読んでいないと思って渡したのだが、それは僕の前のTumblrの名前にするぐらい好きな小説だった。冒頭は、こう書いてある。
「自分の一生を外部から回顧してみると、特に幸福には見えない。しかし、迷いは多かったけれど、不幸だったとは、なおさらいえない。あまりに幸不幸をとやこう言うのは、結局まったく愚かしいことである。なぜなら、私の一生の最も不幸なときでも、それを捨ててしまうことは、すべての楽しかったときを捨てるよりも、つらく思われるのだから。」
――ヘルマン・ヘッセ『春の嵐』
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最高のオンラインダンススクールは何を提供しますか?
ダンスフロアで圧倒的な存在感を味わう予定はありますか?あなたの夢を育む確実な方法は、驚くべきサルサの旅の舞台を設定する秘密兵器を選ぶことです。今日の時点で、サルサダンスを学ぶための理想的なプラットフォームとして機能する多くのオプションがあり、愛好家は彼の要件と彼の利便性に合った理想的な媒体を選択することができます。
サルサの必需品を独自の方法で機能させることを目的としたさまざまな媒体には、それぞれ独自の利点があります。オンラインダンススクールは、ダンススキルを次の段階に進めたいと思っているときのように、たまたま完璧な選択です。一流のサルサ教育ビデオへのアクセスを提供することで、このダンススクールは、さまざまなスキルレベルに分類される愛好家に対応するオーダーメイドのオンラインサルサレッスンを所有しています。
非常に多くのオンラインダンススクールが日ごとに出現し、各スクールがサルサマニアの注目を集めるために競い合っているため、最先端の品質とサービスを備えたダンススクールは、熱狂的なファンに関連する主要なシェアを魅了する競争を上回っていますこのダンスフォームのトリックを身に付けたいと切望するバフ。最高のダンススクールは何を提供しなければなりませんか?
たくさんのサルサレッスン
散らかったものを切り抜けてその可能性を確立しようと努力しているこのダンススクールでは、さまざまなスキルレベルに属するサルサバフを対象としたオンラインサルサレッスンがたくさん提供され、適切なサルサトレーニングへの道が開かれます。ダンスレッスンは、熟練した熱心なダンスインストラクターの手仕事となり、初心者から上級者までを対象としたさまざまなサルサの動きをカバーします。
適切なガイダンス
最高のオンラインダンススクールのヒントを競争にもたらすもう1つの機能は、これらのダンスクラスを通じて提供されるガイダンスです。オンラインダンスクラスに最適なカリキュラムを引き出すのに役立つサルサインストラクターは、さまざまな愛好家が最も単純な方法でさまざまなサルサの動きを体験するため、適切なガイダンスへの道を開きます。サルサのステップと動きを指示するために採用された実用的な方法により、サルサ愛好家は、混乱することなくサルサのテクニックを簡単に学ぶことができます。
リズムをつかむ動画
サルサリズムの学習は、学習フェーズの一部として習得する必要がある重要な機能の1つです。最高のオンラインダンススクールは、リズムとラテン打楽器を分解するためのビデオを使ってオンラインダンスレッスンを提供します。これは、愛好家がビートを数えるために正しい方法で何を聞くべきかを知るのに役立ちます。サルサのリズムをつかむことは、愛好家の注意を必要とする最も重要な側面の1つであり、リズムをつかむ方法を与えるオンラインダンスクラスは、競争の中で際立っています。
成長するコミュニティ
理想的なオンラインダンススクールは、成長するサルサコミュニティがそのような学校で目撃されることができるので、多くの愛好家の興味を引き付けるために最終的に指数関数的に成長します。また、サルサ愛好家が地元や他の場所のさまざまなダンサーに関する情報、サルサダンスを楽しむのに最適なサルサクラブに関する情報、オンラインダンススクールについても知ることができるので、愛好家はサルサシーンについてもっと知ることができます。初心者がこのコミュニティに属するメンバーの何人かから励ましとヒントを得る最高のプラットフォームになります。
さまざまなサルサイベントに関する情報
オンラインダンススクールでは、巧妙に作成されたオンラインダンスレッスンを提供するだけでなく、世界中で行われているさまざまなサルサイベントに関する完全な情報も提供しています。サルサマニアは、この学校を通じて、サルサコングレス、楽しいパーティー、サルサダンスクルーズなどの楽しいイベントについて知ることができます。
最高のオンラインダンススクールは、サルサ愛好家にサルサシーンについて十分な情報を提供するための他のさまざまな利点も提供するため、サルサのテクニックとスキルを身に付けるための牧歌的な媒体になります。
If you need any kind of information this topic click here : 海老名ダンス
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明日、結婚しよう
勇利は試合のための荷造りを済ませると、居間へ行き、ソファで雑誌を読んでいるヴィクトルの隣に座った。 「ヴィクトルももう荷物できたの?」 「ああ、大丈夫。勇利もできた?」 「うん。いつかみたいにパスポートを忘れたなんて言わないでよ」 「あれは勇利を驚かせるための冗談だ」 「ヴィクトルの場合、冗談が本当になりそうでこわいんだよ。何が飛び出してくるかわからないひとだから」 「勇利がびっくりしてくれるならうれしいよ」 「そういう驚きはいらない。マッカチン」 勇利は部屋に入ってきたマッカチンを手招きし、腕いっぱいに抱きしめて頬ずりした。 「しばらくのあいだ留守番しててね。ヴィクトル、あずけ先には連絡した?」 「したよ」 「衣装はちゃんと入れた?」 「入れたさ」 ヴィクトルはにっこり笑った。 「できあがったとき着てみたら、勇利がうっとりしてとろけてたあの衣装」 勇利は聞こえないふりをしてマッカチンと交流した。だってかっこうよかったのだ。すてきなヴィクトルに見蕩れることの何が悪いのだ。 「言い返せばいいのに」 「なんて?」 「ヴィクトルこそ、ぼくの衣装姿を見てでれでれしてたじゃない、って。いまにもキスしそうだったよって」 「でれでれしてたのもキスしそうだったのも知らない」 勇利は立ち上がると、マッカチンと一緒にヴィクトルの寝室へ行った。ヴィクトルも明かりを消してついてきた。いつも彼の部屋で寝るわけではないのだけれど、試合におもむく前夜は、三人でこうしてやすむことにしている。このときばかりはヴィクトルもしぶしぶながら、下着とスウェットパンツを身に着ける。勇利としては上も着て欲しいのだけれど。 「おやすみ」 「おやすみ」 勇利が自然に手を伸べると、ヴィクトルがその手をつかんで優しく包みこんだ。彼は勇利にほほえみかけ、額にいつくしむようなやわらかいキスをした。勇利はヴィクトルの頬にそっとくちづけを返した。ふたりは青い闇の中で視線を合わせて微笑を交わし、足元にマッカチンのぬくもりを感じながら口を閉ざした。 勇利はなかなか寝つけなかった。試合の前はいつもそうだ。困るけれど、神経がたかぶるのは仕方のないことだし、どちらにしても時差のせいで体調は���わってしまう。この状況を、もう彼は受け容れていた。 「今夜も眠れないかい?」 勇利のことをよく知っているヴィクトルは、低い、ひそやかな声でささやいた。 「いつものことだよ」 勇利は穏やかに返した。 「ヴィクトルは寝て」 「ああ……」 ヴィクトルは身体を勇利のほうへ向けると、あいている手を勇利の頬に添えた。彼はなめらかな頬を撫で、黒髪を梳き、優しくほほえんだ。 「何も心配することはない」 「うん……」 「いつもそばにいるよ」 「うん」 勇利はヴィクトルの胸に顔をうずめた。そしてちいさく笑った。 「なんだい?」 「やっぱり服を着て欲しい」 「なぜ?」 「こんなふうに顔を寄せると変な感じがするから」 「かまわないじゃないか。いつでも俺の胸に飛びこんでおいで」 勇利はくすくす笑いながらヴィクトルに一度ぎゅっと抱きつき、それから身体を戻してあおのいた。最初のとおり、ヴィクトルは手をつなぐだけの姿勢になったけれど、指がからまっているだけで、勇利はひどく安心し、ヴィクトルからの深い愛を感じた。 勇利はヴィクトルを見た。いまはいつもより濃い色に染まっているうつくしい瞳が、きらりときらめいた。ヴィクトルがささやいた。 「勇利の目はうつくしい」 「え?」 ヴィクトルは黙って勇利の髪にくちづけし、勇利はまぶたを閉ざした。 「ヴィクトルとセックスはしてるの?」 試合のために訪れた中国で、勇利はピチットと会った。久しぶりに会えてうれしかったので、試合後、一緒にお茶を飲んでいたら、彼はそんなことを言いだしたから飲み物を噴き出しそうになった。 「な、なに言ってるのピチットくん……」 「いやあ、だって、そうかなって」 ピチットは頬杖をつきにこにこ笑った。 「普通そう思うでしょ。みんな考えてると思うよ。試合に出た選手も、コーチも関係者も、観客もみんな」 「ちょっと」 勇利はあきれかえった。 「そんなことあるわけないでしょ……なんでそんな大勢がぼくたちの事情を……」 「べつに真剣に考えてるわけじゃないよ。空は青い、海はひろい、雪はつめたい、勇利とヴィクトルは愛しあってる、って感じだよ」 勇利は溜息をついて肩をすくめた。ピチットは興味津々という様子だった。何を言っても恥ずかしい話をひろめられそうで勇利は警戒した。 「何年だっけ?」 ピチットが尋ねた。 「ヴィクトルと一緒に暮らして」 「何年……」 勇利は戸惑った。何年、とただちに正確に答えることができなかった。ヴィクトルといると時間がひどく短く感じて、しかし彼とはずっと以前から親密に暮らしていた気がして、数えることが難しかった。 「おぼえてる? ヴィクトル��勇利のコーチになって初めての国際試合も、この中国だったよ」 勇利はほほえんだ。おぼえている。忘れられるわけがない。あのときはたくさんのことがあった。もちろんそのあとも、いろいろなことがあった。ヴィクトルといると事件ばかりだ。それがどれほど愉快で幸福なことか。 「あのとき、ヴィクトルが勇利を『俺のもの』って抱いてる写真をアップしたら、ものすごい反響だったよね。おもしろかった」 「ちっともおもしろくないよ。ぼくはあれからしばらくネットを見るのがこわかったんだから」 「勇利はもともとあんまりそういうの見ないじゃん。ヴィクトルはあれ、気に入ってくれたよ」 「ヴィクトルとぼくの意見はちがいますから」 「そうだろうね。よく言い争ってるよね。バンケットのときなんかとくに」 ピチットはふくみ笑いを漏らした。 「いちゃいちゃと」 「いちゃいちゃなんかしてない」 「そうかな。ヴィクトルは『勇利はまたわけのわからないことを言いだして』っていう顔をしながら、かわいくてたまらないっていう目つきで勇利をみつめてるし、勇利は『ヴィクトルの言うことはどうしてこんなに理解できないんだろう』っていうふうなのに、好き好き大好きヴィクトルしか見えないっていう熱烈な様子だよ」 「おおげさに言わないでよ」 「ひかえめに言ってるくらい」 そうなのだろうか。勇利はそっと頬に手を当てた。 「してないの?」 ピチットがまた尋ねた。勇利はまつげを伏せ、ゆっくりと瞬いた。 「……してないよ」 「うそ」 「なんで?」 「あんなに愛しあってるのに?」 勇利はちいさく笑った。ヴィクトルと勇利は愛しあっている。確かに。でも、愛しあっているからといってセックスをするわけではない。 「そういう関係じゃないから」 「お互いをあんな目で見ておいて?」 「どんな目か知らないけど……」 「さっき言ったやつだよ。かわいくてたまらない、好き好き大好き」 「そんな目でみつめあえるだけでもうすごいことじゃない?」 ヴィクトルとは、本当にそういうことはしたことがなかった。勇利はヴィクトルを愛しているし、もし求められれば、という気持ちはあった。もしかしたらヴィクトルは自分をそういうふうに愛しているのかもしれないという予感をふと抱くこともあった。しかし結局ヴィクトルはしようとは言わなかったし、勇利も自分から提案するつもりなんてなかった。いまのままでじゅうぶんしあわせで、みたされていた。ヴィクトルに抱かれることになんの抵抗もないけれど、それを口にするなんて、勇利には発想すらなかった。 「それはそうだけど」 ピチットは残念そうに溜息をついた。 「それに、愛しあってたら絶対しなくちゃいけないっていうものでもないよ」 「しちゃいけないっていうものでもない」 勇利は笑っただけだった。ピチットはしばらく難しい顔で考えこみ、紅茶を飲むと、なんでもないことのように言った。 「ヴィクトルに訊いてみるよ」 「何を?」 「勇利とそういうことはしないのかって」 「ピチットくん!」 勇利は仰天して声を上げた。 「やめてよ、そういうのは!」 「どうして?」 ピチットは、なぜそんなに慌てるのかわからないという態度だった。 「勇利が訊けないなら僕が訊くよ」 「べつに訊けないわけじゃないんだよ」 「じゃあ勇利が訊けば?」 「そういうことじゃないんだ」 「どういうことなわけ?」 勇利は答えられなかった。ヴィクトルにそんな話をしてしまったら──そんなことになったら──。 「ヴィクトルと一緒にいなくていいの?」 急に話題が変わったので、勇利はよくわからず、「え?」と瞬いた。 「いま、ヴィクトルは何してるの? 勇利はのんびり僕とお茶なんか飲んでていいの?」 「ああ」 勇利は笑った。 「べつにそんなことはいいんだよ。四六時中一緒にいないと落ち着かないっていうわけじゃない。めんどうを見なくちゃいけない相手がいなくてくつろげるって、ヴィクトル、いまごろ羽を伸ばしてるんじゃない?」 「そうかな」 ピチットがおもしろそうに笑った。 「そう思ってるのは勇利だけみたいだよ」 「え?」 勇利は彼の視線を追い、店の入り口に目を向けた。ヴィクトルがちょうど入ってきたところで、彼は勇利をみつけると笑顔になった。勇利は愛する男の笑みにどうしようもないほどときめいた。 「ほら、好き好き大好き貴方しか見えないっていう顔」 「しっ」 「勇利」 ヴィクトルはふたりのいるテーブルまで来ると、勇利の隣に腰を下ろしてうれしそうにした。 「なかなか帰ってこないから迎えに来たよ」 「ピチットくんとお茶飲んでくるって言ったよね。忘れたの?」 「ちゃんと聞いたよ。忘れてない。でも、『なかなか帰ってこなかった』からね」 平然とするヴィクトルにピチットが噴き出し、勇利は、このひとは何を言ってるんだろうと思った。 「ずいぶん話がはずんだんだね。何を話してたんだい?」 「それがね、勇利とヴィクトルが──」 「わあ!」 ピチットが身を乗り出したので、勇利は思わず声を上げた。さっきのことを尋ねるつもりにきまっている。冗談ではない。そんな話をされてなるものか。 「なんだい?」 ヴィクトルがふしぎそうな顔をした。勇利はぶんぶんとかぶりを振った。 「なんでもない!」 「俺にはひみつなのかい?」 「たいしたことじゃないよ。もう行こう」 勇利は、ヴィクトルとピチットを長く会わせてはいけないと判断した。ピチットがどんなことを口走るかわからない。危険だ。 「勇利、早くヴィクトルとふたりきりになりたいってさ」 ピチットがからかうように言った。勇利はピチットをにらんだ。 「そうなのかい?」 ヴィクトルがはしゃいだ。 「そう、そう、そうだよ。さあ行こうヴィクトル。もう行こう」 勇利は自分のお茶代をテーブルに置き、ヴィクトルの背を押して店を出た。出口でちょっと振り返ると、ピチットがにこにこ笑いながら手を振っていた。まったく……。 「勇利」 ふたりの部屋へ続く廊下を歩いているとき、ヴィクトルが機嫌よく勇利の腰を抱いた。 「早くふたりきりになりたかったって本当かい?」 勇利は驚いてヴィクトルを見た。ヴィクトルは期待をこめた目で勇利をみつめていた。勇利は笑いだし、彼の肩にもたれかかった。 「うん……、本当だよ」 ロシアへ戻っても、勇利はピチットと話したことについてヴィクトルに教えなかったし、もちろん彼とセックスもしなかった。これまでそうしてきたように、試合のことを考え、練習のことを考え、スケートのことを考え、そしてヴィクトルのことを考えて過ごした。ヴィクトルのことを考えると、自然とセックスのことも考えたけれど、やはり、それについてはひとことも口には出さなかった。 ヴィクトルは勇利を深く愛していて、よく抱きしめたり、髪にふれたり、手を握ったり、キスしたりした。勇利はそれをうれしく、気持ちよく受け取っていた。ヴィクトルにさわられるのは胸のときめく、すてきなことだった。身体じゅう、すみずみまで、そして身体の奥までヴィクトルに知ってもらえたらとても幸福だろうなとは思うけれど、そんなことを言うつもりはなかった。 「勇利、着てごらん」 シーズンの途中、これまで着ていたのとは別の衣装をつくったとき、ヴィクトルは勇利以上にはしゃいで、届いたばかりのそれをひろげた。勇利はいまのままでいいと主張したのだけれど、ヴィクトルが「このプログラムの新しい魅力を引き出す手助けになる」と言い張って、意見を通してしまったのだ。 「ど、どう……?」 勇利は、いままでとはまったくちがう印象の、それでいてプログラムの雰囲気を引き立てる衣装を身にまとい、おずおずと尋ねた。鏡をのぞいてみても、自分に似合っているのかどうかわからなかった。こういうことに関して、勇利はいつまでも自信を持てない。 「動きとかは問題ないけど……、見た感じがわからない。変じゃない? 変じゃない?」 不安がって、何度も背中や横からの角度を鏡で確かめる勇利を、ヴィクトルはこわいくらい真剣な顔でみつめていた。彼のその厳しい目つきに、勇利はやはり似合わないのではないかという恐怖をおぼえた。 「勇利……、もっと堂々とするんだ」 「だって……」 「とても似合ってるよ」 「そうかな。そうかな。でもいままでとぜんぜんちがうね」 「だからいいんだ」 「それはわかるんだけど」 「勇利」 ヴィクトルが、鏡の前ですらっとした立ち姿をしている勇利につかつかと歩み寄った。勇利はヴィクトルを見上げた。ヴィクトルは勇利を引き寄せ、すこし身をかがめて、くちびるに優しくキスした。勇利はびっくりして目をまるくした。 「うつくしいよ、勇利」 ヴィクトルははかりしれぬ笑みを浮かべ、勇利だけを熱っぽい瞳に映してささやいた。 「早くみんなに見せたい。俺の綺麗ないとしい勇利を」 ヴィクトルは勇利の腰を抱いてもう一度キスした。勇利は今度は驚かず、まぶたを閉ざして彼の腕にそっと手を添えた。胸が痛いほど高鳴って、うずいて、甘さがあふれた。くちびるが離れたとき、勇利の瞳はしっとりとうるんでいた。それに気がついたヴィクトルがまなじりに接吻した。 「かわいいかわいい俺の勇利」 ヴィクトルは完全にとりのぼせたような目で勇利を見るから、勇利は気恥ずかしくなってうつむいてしまった。ヴィクトルは笑っていとおしそうに勇利を抱きしめた。勇利は、今夜抱かれてもいいと思った。抱いてもらいたいと思った。そうしたらヴィクトルにもっと知ってもらうことができるし、ヴィクトルを知ることもできる。いまより深い愛を伝えられるかもしれない。ヴィクトルとそうすることが当たり前だとさえ勇利は感じた。ヴィクトルとなら──。 しかしやはり、彼はそのことを口にはしなかった。これからさきも言うつもりはなかった。だって──。 言ったら、終わってしまう。 そんな気がした。 もしヴィクトルにそんな気がまったくなかったら? 彼を困らせるだけだ。せっかく仲よく、親密に暮らしているのに、ふたりの生活のいとなみがおびやかされるだろう。勇利が気にしないでと言い、ヴィクトルがわかったと了承したとしても、ふたりのあいだの何かが変わってしまう。もう元には戻れない。もしヴィクトルが同じ気持ちだとしても──、それでもやっぱり変わってしまう。いつかヴィクトルが勇利にそういう気持ちを持たなくなったとしたら──、そのときも、元には戻れない。しかし、このままなにごともなく暮らしていけば、いつまで経ってもふたりはこんなふうに、むつまじくいられるのだ。 勇利はいまがしあわせで、毎日がいとおしく、それをけっして壊したくはなかった。ヴィクトルを愛し、ヴィクトルに愛され、ふれられ、キスをされる輝かしい日々が終わるようなことはしたくなかった。ヴィクトルに抱かれることは喜びだろうけれど、いまこうして、彼のそばにいることもまた喜びなのだ。 季節がめぐり、いくつものシーズンをふたりで乗り越えたけれど、やがてそれにも終わりが来る。勇利はある年、自分の選手生活を終えることを発表した。いちばんにヴィクトルには打ち明けて、ふたりはよく話しあい、新しい未来にすばらしい希望を持った。最後のグランプリシリーズが始まり、グランプリファイナルに出場し、四大陸選手権、そして本当に最後の試合である世界選手権が幕を閉じた。 エキシビションに出場した勇利は終幕の挨拶を終え、スケーターたちのいちばんあとから氷を出ようとした。彼はみんなからもらった大きな花束を抱えており、頭には、青いばらのかんむりを頂いていた。 「勇利」 ふと顔を上げると、退場口のところにヴィクトルがいて、彼はきわだった笑顔で白い歯を見せていた。 「ヴィクトル」 勇利は抱擁を求めて彼に近づこうとした。しかしそれより早く、ヴィクトルが言った。 「結婚しよう」 「──え?」 勇利のスケートシューズが音をたてて止まった。氷から上がったばかりの選手たちが驚いて振り返り、関係者や、近くの席の観客たちが息をのんでヴィクトルを見た。 「ヴィクトル……、いま……、なんて……?」 勇利はささやいた。ヴィクトルはすばらしい笑顔でもう一度言った。 「結婚しよう!」 彼は両手をひろげた。 「と言ったんだよ!」 勇利はなおもぼうぜんとしてヴィクトルをみつめていた。どうして? そう訊きたかった。しかし彼のくちびるから出たのは、疑問の言葉ではなかった。 「する!」 勇利は叫んでヴィクトルの胸に飛びこんだ。 「貴方と結婚するよ、ヴィクトル!」 そのあとのことはおぼえていない。 「いままでずっと我慢してたんだ」 ホテルの部屋でようやくふたりきりになったとき、ベッドに並んで座ったヴィクトルは、勇利の手を、離すものかというふうに握りしめてささやいた。 「どうして?」 勇利はヴィクトルの肩にもたれかかり、うっとりとまぶたを閉ざして、よいこころもちで尋ねた。 「しなければならなかったからさ」 「金メダルを獲っても結婚しようっていう感じじゃなかったから、冗談だったんだろうなって思ってた」 「冗談なものか。俺が人生でいちばん本気だったもののひとつがその宣言だ」 ヴィクトルは言ってから得意そうに笑った。 「ほかの本気は、スケートと、もちろん全部��利のことだよ」 勇利はまぶたを開けると頬をあからめ、熱心にヴィクトルをみつめた。 「勇利はふたつのことは同時にできないだろう?」 ヴィクトルは優しく言った。 「え?」 「スケートと一緒にほかのことはできない。スケートをしているときはスケートのことで頭がいっぱいさ。俺は知ってる」 ヴィクトルは自慢してから、ひとつうなずいて付け足した。 「いまだに勇利のことはよくわからないけど」 勇利は笑いだした。 「矛盾してない?」 「でもそれはわかるよ。勇利が本気だっていうことはね」 「スケートに本気だったのはそのとおりだけど……、そうなのかな」 勇利は首をかしげた。 「ぼくはスケートと同時に何かをすることはできないの?」 「俺は勇利のことはなんでも知ってる」 よくわからないと言ったばかりなのに、ヴィクトルはまたそんなことを宣言した。 「勇利のコーチだからね」 勇利はちいさくおとがいを引くしぐさをし、ヴィクトルの肩に頬をこすりつけた。彼はささやいた。 「……いつ、結婚するの?」 「明日」 ヴィクトルは迷わず答えた。勇利はびっくりして顔を上げた。 「明日?」 「そうだよ」 ヴィクトルはうれしそうに笑った。 「もう一日だって待てないよ。俺は、勇利が引退する日なんて永遠に来なければいいと思いながら、勇利との結婚を夢見てたんだ。つじつまの合わない俺の気持ち、わかるかい?」 「わからない」 勇利があっさり答えると、ヴィクトルは陽気に声を上げて笑った。 「そうだろう。おまえにはわからないだろう。それでいい」 「でも、明日って、どうやって?」 「どうとでもなるさ」 ヴィクトルは平然としていた。 「俺が勇利と結婚したいと思って、勇利も同じ望みを持ってくれたなら、もうそれでなんでもできる」 「そう……、そうだね」 勇利はほほえんだ。ヴィクトルは、どんなことでも可能にしてしまう。彼はいつだってすてきな希望を示してくれた。彼とならなんでもできる。 「明日、結婚しよう」 ヴィクトルが熱っぽくささやいた。 「うん」 勇利はしっかりと握られた手を、こころをこめて握り返しながらうなずいた。ヴィクトルは微笑し、勇利の頬に手を当てて、そっと引き寄せ、キスをした。ヴィクトルとキスするのは初めてではなかったけれど、夢のような接吻だった。どきどきしたし、くらくらしたし、笑いたくなったし、泣きたくなった。 「じゃあ、今夜が独身最後の夜だね」 勇利はいたずらっぽく言った。 「そうだ。勇利は何かしておきたいことがある?」 「ヴィクトルと一緒にいたい」 勇利が声をはずませて望みを述べると、ヴィクトルははしゃいだ笑い声を上げた。 「ヴィクトルは?」 「俺かい? 俺は……」 ヴィクトルはいったん言葉を切り、はかりしれぬ優しい瞳で勇利をじっとみつめた。勇利はその甘いまなざしだけで、もうぽーっとなってしまった。 「勇利とセックスがしたい」 「……えっ?」 勇利はびっくりして目をみひらいた。ヴィクトルはやはり、優しく笑っていた。 「勇利とセックスがしたいな」 「…………」 勇利はまっかになった。何か答えようとし、口を閉ざし、それからぱちぱちと瞬いた。 「勇利は婚前交渉は感心しないたちかい?」 ヴィクトルは勢いこんで、熱意のこもった声で尋ねた。 「初夜は結婚してから迎えるべきかな?」 「え……っと……」 ヴィクトルは青い目を少年のように輝かせ、勇利がいとしくてたまらないというふうにみつめていた。勇利は、どうしようもなく彼が大好きだと思った。 「……そんなこと、訊かなくてもわかるでしょ」 勇利は甘えるようにささやいた。 「ヴィクトルはぼくのことをなんでも知ってるんでしょ?」
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2022年7月30日(土)
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/947861551bc1e30c3d9d37d9fb90c681/3410462488b7cf08-74/s540x810/e9e22f4a29711c1c01b8cff1d091b861128977e7.jpg)
隔週に三重県紀北町・奥川ファームから届く定期便、今回はスイカ・マクワウリ・ゴーヤなど、盛夏のラインナップとなっている。早速スイカを冷蔵庫で冷やし、唐辛子を酢に漬け、ゴーヤは佃煮にした。朝から汗をかきながらの家事、これも夏休みっぽくて結構気に入っているのだ。
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/7559a28c7e4ca7c993c1790dd27018f8/3410462488b7cf08-a0/s640x960/029d565c3dfe6167ab9e5f037f411e543daa04e1.jpg)
5時起床。
日誌書く。
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/b48b8ac88848ee497d8c6171d0d3cd5f/3410462488b7cf08-61/s540x810/66e349396c6288c22573392ebf7e0e2ba6dfcb11.jpg)
奥川ファームの蕎麦もこれが最後、もっとも今日の定期便で新しいものが届くことだろう。
洗濯1回。
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/458956b0c0b83010792fc6a84733696e/3410462488b7cf08-d7/s540x810/d22b463d453ab5cced53857683935ffb141c37ea.jpg)
平飼い有精卵(50個)+手打十割蕎麦(10食)+玄米(5kg)+野菜あれこれ。それに、地鶏とくき漬けも入っている。早速、今月分(3回)+漬物代金を振り込む。
スイカは冷蔵庫に入れて、夜にいただこう(私は食べないが)。
唐辛子は酢に漬ける、減塩調理の強い味方になるのだ。
ゴーヤは佃煮にする。
ナス(半量)とピーマンを煮る。
大葉/キュウリ/ナス/ズッキーニは冷蔵庫の野菜室に入れる。
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奥川ファームと同時に、W姉からルーマニアのワインをいただいた。ランチに早速味見、ラベルが面白いし味も良い。
録画番組視聴。名探偵ポワロ (8)「なぞの盗難事件」
世界が愛した名探偵、エルキュール・ポワロ。アガサ・クリスティー原作の人気ドラマシリーズ。新型戦闘機の設計書が盗まれた。スパイの影で動く真犯人にポワロが迫る!
ポワロは匿名の電話で呼び出される。相手は国防に関わる兵器メーカー、メイフィールド社の社長夫人だった。「ドイツのスパイ」と噂されるバンダリン夫人を、夫が自宅に招いたことを心配し、助けを求めて来た。ポワロはメイフィールド邸に招待される。夕食後、メイフィールドが書斎に戻ると、新型戦闘機の設計書の一部が消えていた。バンダリン夫人に疑いがかかるが、書類は見つからず…
ツレアイは外出、私は午睡。
ファミリーマートで、9/25(日)の天満の銀座@天満天神繁昌亭のチケットを受け取る。
ケーヨーデイツーで、旅行用のUSB充電器を購入する。
セブンイレブンでボタン電池(CR2032)を購入、AirTagの電池交換をする。
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夕飯は、K兄からいただいた熊野地鶏のすき焼き風+半熟酢卵+野菜タップリ。土曜日なので、ツレアイが帰路購入してくれた土佐鶴をいただく。
テレビ視聴、美の壺スペシャル 「昭和レトロ」
初回放送日: 2022年7月30日
若者に大人気の「花柄グラス」。なぜ若手デザイナーは、昭和デザインをリバイバルさせた?▽テレビから掃除機まで、昭和の家電の変遷を徹底解剖!▽クリームソーダやプリンアラモード、ナポリタンまで「昭和グルメ」の魅力とは?▽銭湯の富士山を1日で描き上げる、銭湯絵師のスゴ技に密着!▽渋谷でラジカセとカセットが流行?!▽タブレット純が語る「昭和歌謡」の奥深い世界▽木村多江は黒電話・赤電話と“レトロ放談”!
いやぁ面白い、あれこれ突っ込みを入れながら最後まで見入ってしまった。
風呂の順番を待つ間に、気がつけば夢の中へ。
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夕方の買物で、無事に3つのリング完成。水分は1,800ml。
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鎖を花に 縄を糸に
何もしてないのに、全部が解決してハッピーエンドで永遠に。そんな日が来ないことは重々承知していた。だからこそ、緩慢で怠惰で堕落した生活を受け入れようとしていたんだ。
いつものように同じベッドの上、二人で寝ようとしていたある日、晴ちゃんが少し悲しそうに、でも何かを決心したような強い瞳でこちらを見てきた。
「頼みがあるんだ」
「……なーに?」
一瞬だけ返事をためらってしまう。晴ちゃんはこの生活の中でずっと怯えているのか、話しかけてくるときはあたしの名前を呼んでから話すようにしていた。それなのに、どうして今日は呼んでくれないのだろう。こちらの様子を窺う余裕もないくらい、いや、窺う必要がないくらいに決めたことがあるのだろうか。
ある程度ついている予測と嫌な予感を交えながら、晴ちゃんの口が動くのを待った。
「もう、こんな生活、やめたい……」
「…………そう」
「でも、わかんないんだ……どうしてこんなことになってしまったのか……プロデューサーも……家族も怖くて、ファンの人たちのあたたかった言葉が全部感じ取れなくなって……オレになにがあったのか……オレだけがわからなくて……このままじゃいけないって……わかってるのに……ごめん、ごめん……」
せぐりあげる声で紡がれる謝罪の言葉が、あたしの心も心臓も切り刻んでいくようだ。あんなこと、その場凌ぎでなんの糧にもならないってわかってた。それでも、晴ちゃんにいつものように笑ってほしかった。何もかもが上手くいって、また日常に戻れるはずだという淡い期待が、今あたしも晴ちゃんも傷つけている。
「しきぃ……おしえて……オレ……どうすれば……」
きっと、誤魔化すことだってできる。なんともないよ、あたしがなんとかするからって言ってもいい。でも、その先は?ずっとこのまま一生嘘をついて、地獄の釜で煮られるような苦痛を二人で共にしてていいのだろうか。自分は耐えられる。だって全部自業自得だから。でも、目の前の愛しい恋人は一体なにをしたというのだろうか。酷い目に遭わされて、記憶を無理やり封じてしまってまた苦しんで、今もこうして震えてる。
……大丈夫、細心の注意を払おう。できることさえちゃんとしてれば、きっとなんとかなるはずだ。
「あのね、晴ちゃん。前に交通事故にあったって言ったじゃん?」
「うん……?」
「あれはね、全部嘘。晴ちゃんが傷つかないように、またいつもの日常に戻れるようについたんだ。ごめんね」
「……そっか」
初めて話したはずなのに、さほど驚いた様子がない。きっと薄々察してはいたのだろう。
「だから、これから本当のことを話すね?ずっとずっと残酷で、悲しい話をするけどいい?」
言葉の代わりに、ゆっくり頷いてくれた。
落ち着いて、できるだけマイルドに。変な表現を使いすぎないように。そのせいか、思考のために酸素を使ってしまって、声が上手く出ない。話をする度に晴ちゃんの顔がどんどん青ざめる。あたしに向けられたものじゃないってわかってるのに、胸が締めつけられるように痛い。
「あたしが助けられたら良かったんだよね……ごめんね……」
そんな言葉で強引に話を打ち切った。話が終わって様子を見ると、両腕で自分を抱きしめるようにして震えている。
特になにかを考えたわけじゃないけど、その震えを包み込むようにして抱きしめる。
「……思いだした……」
ぽつりと零れたその言葉に少しだけ解放された気になる。
「ウソだろ……なんで、アイツが…………アイツがぁっ!!?」
「っ!!!」
想像したくはなかった。晴ちゃんがこんなに傷ついてる理由。
晴ちゃんを襲ってナイフで傷つけた犯人は、晴ちゃんが知ってる人だったということ。
晴ちゃんが机の上に立っている。危ないよ、と駆け出そうとした足が動かない。天井から長いものがぶら下がっている。太くて長いソレは、人がぶら下がったとしても切れることはないだろう。
嘘だよね?声を出そうとしているのに、口が開いたり閉まったりするだけで音が出ない。目の前の恋人の身長が少し伸びる。そして、少しだけ宙に浮かんだままになって空中で重力を失ったかのようにぶらん、と横に上下に揺れる。ぎし、ぎしと言う音が痛々しすぎる。まだ間に合う。まだ応急処置をすれば間に合うはずだから、動いてよ、ねえ。
「晴ちゃん!」
はっ、となって目が覚める。今まで見た夢の中で間違いなく最悪の夢だ。背中も手も冷や汗が伝って、びしょびしょだ。両腕で包んでいたぬくもりはまだ確かにそこにあって、大きな息とともに安堵を覚える。ただし、その顔には涙の跡がしっかり残っていて、悲しい気持ちに襲われる。
あの後、ひたすら晴ちゃんを落ち着けさせようと背中を一定のリズムで叩いてかけられる慰めの言葉をずっとかけていた。夜が明けてもずっとそうやって必死に声を出したせいか、喉が少し痛い。アイドル失格だな、なんてもう辞めてしまった世界のことに少しだけ思いを馳せる。
でも、起きた晴ちゃんになんて声をかければいいんだろう。結局二度晴ちゃんを傷つけただけで、これからのことなんて何も考えられない。すぅ、すぅという寝息がなんとも愛おしくて今はこれだけでもいい。
今のあたしにできることは、夢が現実にならないように、強く抱きしめて離さないことだった。
不意の感触で目が覚めると、晴ちゃんの顔が目の前にあった。柔らかい感触があたしの唇に当たっている。
「起きたか?」
口が放され、少し寂しそうな声でそう聞かれる。
「王子さまはお姫さまのキスで目覚めるのでした、あれ?逆だったっけ?どっちでもいいか♪」
わざとらしく明るい口調でそう言うと、少しだけ微笑んでくれた。晴ちゃんの笑顔が見れたことで、少しだけ安心する。
「……どうすればいいんだろう、オレ」
顔見知りの相手、程度だったらこんな風には思わないだろう。きっと晴ちゃんにとって身近な人間が関係しているのかもしれない。あまりこういう時に名案が閃くタイプじゃないから、とりあえず常識的な返答をすることにした。
「とりあえず……警察に行こうか?」
旅館でチェックアウト��済ませて、タクシーを呼んで駅へと向かう。荷物は場所を転々としているのもあるけど、必要な時に必要なものだけ買っているので小さなリュック一つに収まる程度だ。できるだけ現場に近い警察署の方がいいだろう、ということで新幹線で晴ちゃんが元々住んでいたあたりまで戻ることにした。切符の買い方……というか乗り方は正直覚えてはいないけど、晴ちゃんがいればなんとかなるだろう、と思った。
なんだかんだベッドの上で時間を使ってしまったせいか、駅に着いたころには日が落ちてしまっていた。ただ、そのおかげか人が少なくて晴ちゃんが怯えずに済みそうで良かった。もちろん、夜というより土地柄のせいもあるのだろうけど。
券売機の前でフリーズしてると、晴ちゃんがさっさと操作してくれて支払い画面になった。金額が表示されて、少しだけ申し訳なさそうにする姿が少し愛らしい。カードを入れて支払いを済ませると、切符が四枚出てくる。晴ちゃんが取って、あたしに二枚渡してくれる。
「これ、ここに二枚同時に入れればいいから」
改札に入れて晴ちゃんがホームの方に向かって行く。同じようにしてついていこうとすると、振り向いた晴ちゃんが目を見開いて驚いた。
「志希!切符取り忘れてるぞ!」
「あれ?持っとかなきゃいかないの?」
「ったく、しっかりしてくれよな……」
なんだか慌てたり焦ったりしてるものの、少しずつ晴ちゃんが元々の話し方とか喋り方に戻ってる気がする。あたしといることでそうなってるなら、たまらなく嬉しいことだ。とっとと戻って改札から出てたそれをポケットにしまって、晴ちゃんの元へと向かう。
「なんか不安だから、オレが持っておくよ……」
「わーお、一蓮托生だねっ!」
ポケットから切符を差し出して、晴ちゃんについていく。全然人がいない構内を進んで、エスカレーターに乗ると目当てのホームにたどり着いた。なんとなく贅沢、というか移動で不満を抱えたくなくてグリーン車の席をとった。夜の新幹線を待つ人はまばらにいるが、わざわざグリーン車に乗るような人はいなさそうだ。待ってる時間にも人が傍にいると、晴ちゃんが不安がってしまいそうなのでありがたい。
十分ほどして、アナウンスが流れる。晴ちゃんが前に出すぎてたあたしを引っ張ってくれて、黄色い線の内側まで戻される。新幹線が目の前を高速で通って行って、髪型と服がたなびく。速度を落ちていって、静止したかと思うと扉が開いた。
「ねえ、本当に大丈夫?乗ったらもう引き返せないよ?」
別にそんなことはない。途中下車したっていいのだから。これは、ただの確認だ。
「大丈夫、だって今度は志希がいるから」
手を繋いで新幹線へと乗り込む。廊下側だと通る人が近いことがあるため窓側の席に座ってもらう。景色を見るのにも丁度いいし、気晴らしになってくれたらいいな、程度のものだ。しかし、晴ちゃんは席について早々眠ってしまった。そりゃそうか、気疲れもあるだろうしいっぱい泣いてたから。
手を繋いであたしは起きておくことにした。しっかり寝ていて眠くないのもあったが、この二人だけの時間を少しでも長く感じていたかったから。
数時間して、目当ての駅まで来た。晴ちゃんの家まではまだ大分距離があるが、眠そうにしていたため近くのビジネスホテルで一夜を過ごすことにした。さすがに都心に近いせいか、夜中に近い時間だというのに、人がそれなりにいる。人が降りて進んでいくのを見ながら、人ごみにぶつからないように待つ。少しすると、ホームに人っ気が少なくなって進みやすくなった。晴ちゃんの近くに人が来ないように警戒しながら、切符をうけとって改札から出る。
こういう駅の近くには、格安のホテルが複数並んでいることが多い。別にわざわざ安いところを選ぶ理由もなかったが、晴ちゃんを早く寝かせてあげたかったため、とりあえず近場のホテルに駆け込んだ。未成年だからなにかうるさいこと言われないかな、と心配だったが向こうも慣れているのか問題なくチェックインできた。エレベーターに乗って、部屋へと向かう。明日はどうしようかな、シャワーは……明日でいいや。
あたし自身も疲れていたのかもしれない。晴ちゃんを連れて部屋に入った途端に、二人共々ダブルベッドに倒れて意識を失ってしまった。
目が覚めると、全く同時に起きたのか寝ぼけまなこの晴ちゃんと目が合った。
「おはよ、シャワー浴びよっか」
「うん……」
二人で寝ぼけながら、服を脱いでシャワー室へと向かう。ユニットバスなのが少し嫌だけど、今更そんなことを気にしてもしょうがない。服を脱いで、狭い浴槽で二人重なるようにしてシャワーを浴びる。
「なんか……恥ずかしいんだけど」
晴ちゃんとはずっとこうやって一緒にお風呂に入って、身体を洗ってあげたりしたけど、そんなことを祝てたのは久々だ。恥じらい、という感情が生まれたことが嬉しくもあり寂しくもある。
「まぁまぁ、疲れてるだろうしあたしが洗ってあげるから~♪」
「んぅ……」
体に触れると、確かな体温と反応が伝わってくる。恥ずかしいところを手で隠そうとするのがなんともいじらしくて意地悪したくなっちゃうけど、今はまだ抑えておくことにした。一通りボディーソープで身体を包んで、���ャワーで一気に洗い流す。身体から滴り落ちる水と泡が、垢を巻き込んで流してくれる。
「次はオレがやるから」
「そう?じゃあお願い♪」
浴槽に座り込んで、目を閉じて待つ。晴ちゃんの指があたしの髪を掻き分けて、ごしごしと洗ってくれる。髪が長いせいで大変だろうに、しっかり洗ってくれる。こうしているときのあたしの背中は無防備だろうけど、後ろにいる恋人はきっと信頼に応えてくれるって思えるこの時間が心地いい。
そんな時間に浸っていると、シャワーが頭の上から降り注ぐ。しゃあー、という水の音と共に頭が軽くなってスッキリしていくのがわかる。頭を振って目を開けると、晴ちゃんは自分の頭にシャワーを当てていた。
シャワーを元にあった場所に戻して、一緒に浴槽から出る。ホテル特有の大きめのバスタオルが身体を包んでくれる。しっかり拭き残しがないようにして、着替える。朝食をとるには既に時間は過ぎている。今日のやるべきことは決まっているが、さてどうしようか。
「早く行こうぜ、こういうの後に残しとくと気持ち悪いしな」
「そうだねー」
身支度をして、ホテルをチェックアウトする。向かうべきは、とりあえず警察署だろう。
途中のハンバーガー屋さんで遅い朝食を取ってから、警察署で事情聴取を受けた。本当はあたしが付き添って上げたかったけど、守秘義務とかなんとかで同席させてもらえなかった。対応してくれたのは優しそうな婦警さんで、ちゃんと話を聞いてくれたらしい。どうやら騒動も知っていたらしく、ずっと心配していたとのことだった。正直そこまでいくと口だけじゃないのかな、って疑ってしまうのはあたしの悪い癖だ。
「それで、どうだったの?」
「うん、心当たりがある人がいるなら捜査しやすいから助かるって……でもやっぱり証拠がないと大変だって……」
「……そうだよね」
あたしが余計なことをしなければもっと捜査が早くなって、意外にあっさりと事件が解決したのかもしれない。自分の身勝手さに嫌になる。
「あのさ、志希」
「なーに?」
あたしの名前をわざわざ呼んだ。なんとなく嫌な予感がする。
「オレ、そいつの家に行きたいんだ。誤解ならいいんだけど、どうしてそんなことをしたのかって……聞かなくちゃ」
その一軒家はオレの家の近くにある。アニキの友達で、家が近いこともあってかよく遊んでもらっていたんだ。これならプロデューサーの名刺を持っていたことも説明がつく。オレの家に遊びにも来ていたし、名刺を盗んだりこっそりコピーするのもそんなに難しくないだろう。オレが狙われたのも……わからなくもない。ただ、もちろん他人の空似だって可能性がある。その微かな可能性を信じて、呼び鈴を押した。少しして、インターホンがつながる。
「どなたですか?」
「結城……晴です」
「晴ちゃん!?ちょっと待ってね!」
どたどたと音がして、玄関を開けて出てきたのは昔からのアニキの友達で、オレもよく遊んでもらった相手だ。アニキの一つ上だから、大学に入ったばかりだったっけ。髪は茶髪になってるしどことなく遊んでいる雰囲気がある。
「急にどうしたの?まぁいいや、上がって上がって!」
「……っす」
前の印象通り、どちらかというと気のいい兄ちゃんって感じで、とてもオレを襲うようには見えない。家に上がらせてもらおうとすると、靴の様子から一人しかいないことがわかる。
「……一人なんすか?」
「ああ、両親は仕事でね。お茶とお菓子をもってくから先に部屋に行っててよ」
少し古い木材でできた階段を昇って、部屋へと向かう。8畳の狭すぎず広すぎない部屋には、本棚と机とベッドがある。ただ、本当になんとなく机の上の写真立てに目線をやると、そこに映っていたものに驚いて思わず駆け寄ってしまう。
「オレだ……」
そこに入っていた写真は、アイドルをやっているときのオレだ。よく机の上を見てみると、プラスチックの敷台の下にオレが載っている週刊誌の記事や写真が所狭しと敷き詰められている。疑念が確信に変わって、身体に力が入らなくなる。腰が抜けて膝から下の感覚がなくなって、その場に崩れ落ちる。
「あー、見ちゃったか」
振り返ると、そいつは部屋の入口にお茶とお菓子を盆に乗っけてやってきていた。
「せっかくお茶に色々仕込んだのに……無駄骨になっちゃたな」
盆をそ��場に落として、派手に食器が割れる。お茶とお菓子が飛び散って辺りを汚した。
「なんで……こんなことするんだよ……」
その言葉に口端を歪める。汚い大人のような笑みを浮かべてこちらを見る。
「君と会ったのは、三年くらい前だったね。あの頃は小さい子供……弟みたいな子だと思ったんだよ。失礼かもしれないけど、見分けがつかなくてね。でも、そんな君がアイドルになったっていうじゃないか!驚いたね!サッカー仲間だった君が可愛らしい衣装を着てステージの上に立っていたんだから!その時の興奮といったら……もう言葉じゃ言い表せないほどだった。会って話をするために家にも行ったんだけど、忙しそうな君とは中々会えなかったんだ。そんなときにたまたまあいつの部屋で名刺を見つけてね。もう僕にはそれが天国へのチケットに見えたよ!あとはそういうことに詳しい友達に頼んで君を襲ったってわけさ!」
あまりにも衝撃的な言葉が流れてきて、理解が追いつかない。
「そんな……理由で……オレを……」
「君はもっと自分が魅力的だということと、無防備であることを自覚した方がいいよ。あの時の続き……ここでさせてもらおうか!」
そいつがオレに近づこうとした瞬間、声も出さずにその場に前向きに倒れた。立っていた場所に代わりに立っている人物がいる。
「正義のヒーロー志希ちゃん、ここに参上!……こういうのはキャラじゃないけどね」
「……ありがとな」
こっそり家に入ってくれていた志希はぎりぎりのところで助けてくれた。後少し早かったら証拠が掴めなかったし、遅かったとしたらまた酷い目に遭わされていただろう。もっとも、志希がいるってわかっていたから、後者の状況になることは初めから頭になかったのだけれども。
「ナイスタイミングだったね~♪」
志希がこちらに近づいて、オレのポケットからボイスレコーダーを取り出す。
「これがあれば警察もちゃんと動いてくれるでしょ~♪ささ、通報通報」
確かにボイスレコーダーがあれば、さっきの発言で捕まえることができるだろう。しかし、よくよく考えるとなぜオレのポケットにそんなものが入っているのだろう。録音するなら別に志希が持っててもよくないか?確かにオレが持っていた方がちゃんと録音できるだろうけど、壊されでもしたらどうするつもりだったんだろうか。
「大丈夫、予備のボイスレコーダーを晴ちゃんに仕込んでるから♪」
「……なあ、それ聞いてねーんだけど」
気まずい沈黙が流れる。そのうち、どちらからともなく笑ってしまって、全てが解決したことをお互いに喜び合った。
あれからアニキの友達は逮捕されて、押収されたパソコンからもう一人の共犯者も逮捕された。何日も事情聴取に付き合った後、オレは家族の元へと帰った。両親もアニキ達も一日中泣いて、片っ端から出前をとったり、オレの好きなものばっかりの料理で祝ってくれた。ひたすらに喜んで騒いで、戻ってきたものをひたすらに喜んだ。いや、まだ取り戻してないものがある。それを埋めるため、今オレは志希と共に事務所の前にいる。ある資料を持って。
「晴ちゃんとアタシのアイドル復帰から二人の新ユニット結成と新楽曲!これは沸き立つよね!」
今例の二人逮捕されて、またオレの名前が悪い方向に広まってしまっている。それを全部吹き飛ばすために、二人であれこれ作戦を練った結果これしかない!となった。
「でも上手くいくかな……オレら結構サボってたし」
「ん~?事前に連絡したけど別にいいって!アタシこう見えて優秀だからね~♪」
ちゃっかりしている。でもそのおかげで、緊張とか色々そういうのが抜け落ちてしまった。
「……晴ちゃん、本当にいいの?」
「何がだよ」
「アイドル活動してたら、またああいうことになるかもしれないよ?」
「その時は、志希が守ってくれるんだろ」
返事の代わりに、ウィンクで返される。
「せっかくならさー、付き合ってることも公表しちゃおうよ♪そっちのがやりやすいし」
「……好きにしろよ」
「あれ?否定しないんだ」
当たり前だ。というか二人で失踪して復帰してって時点で、なにかあると勘繰られるのは普通だろう。
だけど、本当の理由はそうじゃない。偶然降り注いだ不幸で鳥籠の中に一緒に縛られるよりか、お互いがお互いを愛し合って思いあって縛りあうように生きていくほうが何倍も何十倍も何百倍もいいから。
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『心射方位図の赤道で待ってる』読書会レジュメ
この記事について
この記事は、文芸同人・ねじれ双角錐群が、2019年の第二十九回文学フリマ東京にて発表した第四小説誌『心射方位図の赤道で待ってる』について、文学フリマでの発表を前に同人メンバーにて実施した読書会のレジュメを公開するものである。メンバーは、事前に共有編集状態のレジュメに自由に感想や意見を書き込み合った上で読書会を実施した。読書会当日の熱気は残念ながらお伝えできないものの、レジュメには各作品を楽しむための観点がちりばめられているように思われる。『心射方位図の赤道で待ってる』読者の方に少しでもお楽しみいただけたならば幸いである。
![Tumblr media](https://64.media.tumblr.com/4b1580ff92bdbbc36f6c95996b2cdb27/4ec49f12fcf2cfca-82/s500x750/4eff9aedbe556e5dddaf7a0e61bd6d181f3ab438.jpg)
『心射方位図の赤道で待ってる』についてはこちら
神の裁きと訣別するため
一言感想
実質まちカドまぞく
岸部露伴とジャンケン小僧的な
サウダージを感じる
むらしっと文体はミクロとマクロをシームレスに語るのに向いている、というか何を書いても神話っぽい感じがする。神待ちという地獄に誘う詩人ウェルギリウス的なポジとして冒頭に置かれているのがとてもいい。読者は思わず一切の望みを捨ててしまうだろう
いつもよりむずかしくなくて(?)そのぶんむらしっと文体の魅力に意識を割いて読めた
一読した印象として、古川日出男っぽいなというのがあった
完全なグー まったき真球〜チョキまでのくだり、かっこよさの最大���間風速
細部
箇条書きって進むポイントというか切れ目が明確? みたいな感じはあって、ノベルゲー(いや別にノベルゲーでなくても良い。ゲームで)で次のテキストに進むために決定ボタンを押すじゃないですか。なんかそういう感覚がある。箇条書きが一つ一つ切れていることが。
連打していく感じになる
それが後半で長いのがでてきたときに効いてくる
あとなんか連打のだるさみたいなのがあるじゃないですか? 別に箇条書きじゃなくてつながってるのと負荷変わってないはずなのに。ゲームもつながった文章を読むのと変わらんはずだが決定ボタンを押すリズムがこう負荷を作ってるよな。
上記は箇条書きがあげている効果について書いたんだけれども、そもそもどうしてこの作品は箇条書きなんだろうか? その意図というか、狙ったことがあるんだろうか? そこまでないにしてもなぜ箇条書きにしようと思ったんだろうか?
●のシーン。ナツキ(本田圭佑)が導入されてじゃんけんの話をしてこの時点でギミックと言うか、じゃんけん強いというのが、すでに引き込む力がある。じゃんけんからの視点の飛躍、特に蝉が木から落ちる下りで「次の年」っていきなりなるのは良いなと思った。
池袋西口、昔のおとぎ話、宇宙、キムチチャーハン、みたいな、遠近が入り乱れている世界観に特色がある気がする
★の家族のところが印象強くて、いたりいなかったりする兄とか、石を食べて予言をする姉っていうのが、マジックリアリズムな感じもありつつ、グラース家的なイメージも感じたりした。
▲のところで、つまり地の文のまなざしは父性だったということになるんだけど(実質)、それが変質していくというか、悪夢が変形する感じがちょっとあって。おとぎ話はグイグイ来て良い。
じゃんけんに関する要素が入れ子みたいになっている
完全なグー、外界を寄せ付けない孤独の象徴
P16「完全なグーについて」「ナツキの孤独について」で、ナツキがじゃんけんに絶対に勝ってしまい疎まれることが語られる。孤独。
●の部分がグーということなんだろうけど、ここでナンパの男にじゃんけんで勝ち続けて気味悪がられるナツキの孤独が語られている
完全なパー、記録すなわち過去の象徴
P18「完全なパーについて」「ナツキの記憶について」で、ナツキ(というより、「ぼく」)のナツキのはじめてのじゃんけんの記憶が語られる。
★の部分が(この完全なグーチョキパーを語っているところを含めて)ナツキの過去を語っており全体が記録、過去になっている
完全なチョキ、繋がりを切断する、他者との関係の象徴
P21「完全なチョキについて」ここはグーとパーと異なり「ナツキの●●について」という言葉は続かないんだけど、他者との関係、そしてそのつながりの切断についてということになるんだろう。家族のことが語られる
▲の部分が、逆に★の部分で語られなかった相手である「ぼく」、父親との関係とその断絶になっている
P21ではじめてのじゃんけんでナツキに無意識に出された手が、完全なチョキであったことの意味を噛みしめてる感
我が子に関係を「切断」されたということを否定したくて(その完全性を壊したくて)、躍起になったのかな
ところどころナツキが負けたがっていることを知っている描写があり、自分がナツキの完全性を否定することが彼女の救いになることもわかっているはずだ
でもなんか挑発的だし、やっぱり負けたのがすごく悔しかったのかもしれない
官吏(仮)も天体望遠鏡の順番決めでじゃんけんをしていた。むしろじゃんけんのほうをたのしみにしているようにも読める(P14)。
父もナツキに負けたことで、宇宙をいくつかまわって再び勝負をしかけるくらい入れ込んでいた。
父も実はじゃんけん自信ニキだった?
本田圭佑vs本田圭佑
全然関係ないが、じゃんけんする人の国民的ポジションを一瞬で本田圭佑がサザエさんから奪い去ったのすごいな
自信ニキにしてはパー(過去)を出すのにも「失敗したキムチチャーハン」で負けるあたり、舐めていたのか、地力が低かったのか、ナツキが強すぎたのか。
父は抱きしめてやるべきだったんだよこれ。
おとぎ話、これなんなんだ?
最強の手「グーチョキパー」と、官吏が囚人とのじゃんけんで出した手が官吏にしか分からない(グーとチョキとパーいずれかを事後報告できる)ということは、似ている
並行宇宙の話をしてたから、つまり重ね合わせの状態の手を出しているということか(???)
どの宇宙でも勝つように収束する
やけに星がよく見える池袋でナツキたちのちょうど反対側にいた男の故郷(この国でいっとう星がよく見える土地)と、官吏の故郷(星がいっとうよく見える土地というのがこの世界にはある。おれの故郷はそんな場所の一つだ)の類似
わからん。もう少し考えたい
それはちょっと意識してるのかなーとおもったけど、おもったけど、その先がわからなかったな
よく側を通り過ぎている女二人は官吏の妻と、彼女と密会していた女っぽい(P33)?
あの二人はなんか意味はありそうなんだけど、そうなんですかね? なんか手がかりある?
そもそも官吏の妻が密会していた女っていうのがよくわからん。p33「隣の独り身の女と、三日にいっぺんは会っていた」も最初は読み方がわからないというか、男の誤記か、会っていたの主語は官吏の方かとか考えてしまったから、でもここでその目立つ書き方をしているってことは、通り過ぎている女二人なのかもしれないな、必然性があるはずだと考えるならば。
「~しあわせな結末が待っている/そのまえにすこしだけの試練~(P12)」「おれの女房が、じつはおれのことを好いていない~(P33)」
同性愛で、片方には少なくとも家庭があり云々っていう話で素朴に読んでました。おとぎ話と「現実」が地続きなことを示唆する描写っぽいけど、地続きだとしてどういうことになるのかはまだよくわかりません。
反対側に官吏(仮)がいるので、当然彼女たちのことも見かけているはずだけど、そういうところには踏み込んでいない。
「塔のまわりをぐるぐる回るわたしにまとわりついて、しゃべりはじめた(P30, L9)」
ナツキの父の一人称は「わたし」じゃなくて「ぼく」
ここの「わたし」が「ぼく」の誤りだったら、「実は父の回想でした」筋が通る気がするんだけど
だとしたら反対側にいる男がおとぎ話の官吏で、囚人がナツキの父親なら、ふたりともここにいる/そこにいないのはどういうことかってなるし
おとぎ話パートに一人称が出てきてもなんらおかしくないという当たり前の結論に達した
これがただのおとぎ話だとしたらやっぱり、上記の類似はなに?ってなるな
「官吏のいかさま/それを覆す方法」のどちらかが、ナツキに「勝てる方法(P30, L2)」と対応する?
「つまらない方法」でも「教訓がない」と強調されている
P16で完全なグーチョキパーと「昨日見た夢」が並列に扱われている
おとぎ話との関係ありそうか?
最後のじゃんけんのところ
「親指をひろげて」「人差し指をひろげて」「中指をひろげて」「薬指をとじて」「小指をとじて」なんかじゃんけんの最強の裏の手みたいなやつか?
『ラッキーマン』で勝利マンがじゃんけんで出す最強の手「グーチョキパー」の印象が強かったので読みながらウフフとなった
指を家族にたとえる歌「おはなしゆびさん」
「中指をひろげて おにいさんゆび」って言ってるけどこの宇宙には、もうおにいさんは「すでにいない(P22)」はず
ナツキはおにいさんが「すでにいない」ことを知らないのか
「だからおおむね、いるのだといっていいのだろう(P22)」で解決か
小指=あかちゃんゆび=ナツキ自身
「わたしはもういなくなるから」の意味とは?
めっちゃかっこいいんだが、なんで勝つと神の不在を証明できるんだ?
自分を負かす存在を待っている→やってきた男に勝つ、という構図で、テーマが神待ちだから?
(1)完全性の自覚を打ち砕いてくれるくらい完全なもの(神)に出会いたい→満を持して史上最も期待できそうなやつ(父)が現れるが、勝ってしまう→神の不在に感じ入る
(2)「勝てる方法」を使用してくる父に勝つには「最強の手」を使うしかない→勝つために「最強の手」を使った自分は完全ではなくなった→「じゃんけんの神」であるナツキはいなくなった。(※「最強の手」には完全性が宿らないという前提)
後者だと「わたしはもういなくなるから」に若干繋がりそうな気配があるが……。
「気に入らない男だけれど、負けるのはほんとうらしい(P30)」
実は勝ってないけど負けることによって勝利しているとかそういう話の可能性は、ないか。
なにもわからなくなってきた。
最後のビュレットがないことの意図
ここまでの文が全部、ナツキが最後に出した「最強の手」の動線ってことなのか。
山の神さん
一言感想
広瀬の(声 - 小野大輔)感
笹さんは本当にエッチな男だなあ
広瀬の絶妙なすけべ感がすごいいいんだよな
舞台が大正時代なのもあって、なんとなく森見登美彦風味も感じた
実質ヤマノススメ
過去と未来、機械と人が「重なって」ゆき止揚される様がいい。
私は毎回打倒笹さんを目指してカワイイ女の子を描こうと四苦八苦しているのだが、そんな私の苦闘を尻目に笹さんは毎回さらりと可憐な少女を書いてしまう。私がシャミ子なら笹さんはさな��らちよももといえるのではないか? この観点からね群とまちカドまぞくの類似点について指摘したい。
ね群とまちカドまぞくの類似点について指摘するのはやめろ
おもしろい小説を書くのってむずかしい(今回なぜかとくに思った)んだけど(隙自語)笹さんはすごいよ
時代は姉SF
対比的な文体芸が楽しい
ちゃんとそれぞれの文体の思考法でおのおのの結論に至るという意味での必然性もあり
短文が素打ちされていき、隙間にとぼけた感じが挟まれるこの手の文章が自分は好きなんだよなと思った。というか、思えるくらいに自然でうまいというのがある
p58で一瞬ネタにして明示してくれるの親切というか、やっぱりそうなんだ!っていううれしさがあり、かといってそれ以上しつこくネタにしない慎み深さがある
「機械の身体」にたいする各々の対照的な考えが、登山という身体性をともなう行為によって止揚される云々!テーマの消化のしかたがきれい
おれは登山をしたことはほとんどないが……
とまれ、こういう短いキャッチフレーズにまとめられるくらいの主題があるのは大事だよなあといつも思うんですよね……
会話が四コマ漫画を連想させてまんがタイムきららだろ、これ。
意識して読んだらマジでまんがタイムきららが脳内展開された。
ドキドキビジュアルコミックス
SF的な設定について
ものすごく複雑なことをしてるわけでもないと思うんだけど、人間と機械のきょうだいってのはちょっといろいろ考えがいがありそうなんだよな
血縁がないにもかかわらず姉妹を擬制するというのはひとつの伝統なので……
義姉妹の約を結んだのか……
単純にスペア的な存在のような気が(名前が神籬だし)
医王山登りたいな
プロットで動機や結末などを「重すぎず、軽すぎず」っていう思案してたっぽいけど、それがちゃんと活かされててよいな。
細部
大正15年、大正デモクラシーの流れで前年に男子普通選挙法、昭和が目前、世界恐慌前だしそんな世情はギスギスしてない感じだろうか。張作霖爆殺が昭和3年とかなので徐々に種が撒かれてた感もあるか
舞台は金沢らしい。旧制高校のエリートである
転移時の文章のくずれのかっこよさ、これなにか書くコツとかあるのかな……
実質パプリカ(映画)なんだよな
今敏監督で映画化だ
p52で先を歩かせてるときにスカートがちらちらするのぜったい気にしとるやろがそれを明らかにせず別の理由をつけるあたりのむっつり感
「まったく許しがたいことだ」じゃあないんだよ
p.72「広瀬は次に登る山のことを考え始めた」の爽快感がすごくよかった。
でもじつは神籬のことをめっちゃ考えてたんだけど、私小説的な照れ隠しでこの書きっぷりだった可能性もあるな
エピローグ(p.72の※以降)で広瀬たちと神籬の後日談があることが最高の読後感を提供してくるんだよな
囚獄啓き
一言感想
夜ごと街を走って体力を高めるの草
え、なんで妻は罪を犯したの?
愛だ。小林さんは愛の輪郭線をたどることで愛を浮かびあがらせるのが巧い。直江兼続の兜を想起させる。そして銀河犬が気になる。
いつもよりギュッとしてる
ぼくも同じ印象を持って、最初は漢字のとじひらきがかなり過剰に閉じ寄りになってるからかなと思ったんだけど、むしろいつもより地の文が多く、強めの短文を連打してるからなのかな
どこかに魚が出てくるかなと思ったけど、なかった
ところどころに小林さんの昏い性癖が出てる気がします
冒頭にある「地獄とは心の在り方ではないか」がポイントなんすかね
平等な地獄を作ったはずの主人公が、また別の、その人固有でしかありえない、妻の不在という地獄に……という、やっぱ愛か……
刑罰ってのがそもそも歴史がありその意義などいろいろな話があり現代に照らし返せるものの多い、したがって近未来の世界の「当たり前」がどうなっているかを描くまっとうなSFに向くテーマで、そのへんを上記の愛の話のもう片手として簡潔にまとめてるので、SF!って感じがするのだよな
理屈づけのおもしろさで魅せてく鴻上さんのとか、未来ならではの思索で魅せてく笹さんやばななさんのとあわせて、SFらしさのバリエーションがでてると思う
初読時には時系列というかエピソード間の間隔のことあんま意識して読んでなかったんだけど、妻が事件を起こしてから刑を執行されるまでにけっこう時間が経ってるのがわかって、なかなか大変やなというきもちになった
と言いつつ実はちょっとわかってないんですが、二人称で語られる断章は(多少その前な箇所もあるとして、おおむね)妻が捕まって以降の話ということでいいのかな?p85の妻への言及とかも相まって自信がないんですが
そもそもそのへんの語り全体が妻の見ている地獄という解釈もあるんだろうけど……(でないとなんで語り手がこんな詳らかに知ってるのかが説明できないというのもあり)
「牛乳を含んだ雑巾」みたいな独特の比喩から小林節を感じる。
SFってガジェット自体の新規性や利便性から話の筋を作るというのもあるんだけど、そういう未来を描くことで(かえってその迂回が)現在に通用する倫理とか問題意識を切実にさせる側面もあるんじゃないか、みたいなこと考えることがあり、これはすごくそれよりな感じがします(感の想)。時代によらず共感しうるものだったり、いま揺れている倫理に地続きの問いだったりが中心に据えられている。んじゃなかろうか。
「あなた」の作る地獄(への道)を「無関心」で舗装していたのは、むしろ妻のほうか(P79の後ろからL5、あるいは全体に漂うフラットな語り口から)? 舗装、とは言い得て妙かもしれない。その下に押しつぶされているもののほうをこそ俺はなんとなく想像してしまう。
妻の犯した過ちには子供の死と、ひょっとしたら、球獄とそれを取り巻く感情が関係している。いる?
平等であるというのは、ある意味残酷なことだ。だからこそふさわしいのだろう。意思が介入せず、全くぶれない罰を与える球獄だからこそ、罪の清算(救済)が可能である。それがどんなに償い難い罪だろうと、いやむしろ償い難いものであるほどそう感じられるのかもしれない。「あなた」による偏執的な研究の日々の傍で失われていったものがあるならば、それらの重さは球獄という完全性への期待に加担する。その信仰は、妻の中にも「あなた」の中にも、いつからかあるはずだ。
「神待ち」に関して
これから堕ちる地獄(世界)の創造主(=神)に「そこで待っている」という発言をしたことが、テーマに沿っている気がしたんだけど、どうなんだろう。
こういう発言にも妻の「あなた」への共犯意識が垣間見れるし、なんかやっぱり妻の罪の動機と球獄の製作って関わってるよね。そこをあえてすっぽり省いてる気がして。
脳波の逆位相を……という発想がよく考えたみたらどういうことだってところではあるんだけど、とくに瑕疵にらなないのはいいなというのがある
性的快感の逆位相=性的快感以外のすべてがある
妻がいない世界に生きる「あなた」=妻以外のすべてがある世界に生きる「あなた」
ということで、妻の地獄と、それ以降の「あなた」の生活は相似しており、このことがp.90「僕たちは二人並んで閻魔様に裁かれて、それから長い長い地獄に落ちるんだ」に繋がるところがうまいと思った。
細部
終盤で語り手が妻だとわかるみたいな仕掛けはやっぱりグッときちゃうんだよな
p80 パパ活やってて喫茶店のスティックシュガーパクる?と思って笑ってしまった
p81 京文線、なぜか印象に残る。急に架空の(だよな?)固有名詞が差し込まれるのが異質っぽいのかな?(ワイン、とか、省、とか、固有名詞が割と排除されている空気の中で)
「顔が見えていても私はいいんだけどね」「また来ても良い?」普通は、三倍払うと言われてそれに釣られてやってきた女は、こんな好意的な反応を返さないだろうから、そこに都合の良さというか、あるいは記録者による逆のバイアスがあるのかなとか思ったりする
p82「再び端末のキーを押下」エンジニアしぐさ
p84「君の身勝手な自棄で何人の未来を奪ったんだ」なにやらかしたの?
p.86「銀河犬」「(おばあちゃん)その辺で見ませんでしたか?」の台詞がすごく好き。小林さんは一作目からこの手のシュールさを志向している印象がある
記録の語り手が妻っていうのはなるほどねと思った
p.85「それから数年にわたって女はあなたの研究室に通い続けた」以降は、妻が罪を犯した後?
p.88「語りが過ぎた。ここで記録は結ばれ、以降は記録ではなく〜」記録3の後の最後の断章は、妻が地獄執行される場面であり、妻はその場面の記録を執筆できないということを意味している
p.89「私の心は現在どのレイヤー���あるのだろうか。」レイヤー?わからなかった
杞憂
一言感想
中盤からの加速感
これ絶対あれだろと思って読んでたのにやられた
デジタルタトゥーとかそういう意味じゃないけどわかる単語がずるいよな
インディアンのネーミングについて調べてしまった(おもしろい)
この手の一般名詞(?)をそのまま訳して名前として表すやつがなんか知らんが妙に好きなんだよな
ナツメもライチも中国原産っぽい?
原産というか縁がありそう
両方とも滋養強壮できるらしい
ちゃんと資料にあたり、ネイティブアメリカンの習俗とかJKリフレの店内の様子とかそういう細かいところをしっかりさせてて、小説の足腰ができている、見習いたいんだ……おれは……神は細部に……
SF的な理屈をいかに飽きさせずに読ませるかってところで、JKリフレとの強引な対応関係をつくる手つきがすげえ上手いんだよな
馴染みのある語彙に変な言葉を紛れさせて地の文で展開する、みたいな
オーバーロードが中年男性に……(さらにはそれがエルクに……)っていう絵面的なおもしろさと設定的な必然性を両立してるのとか、漫才っぽいプレイの流れのなかでちゃんと話進めるところとか
文化盗用とかアーミッシュへの皮肉っぽい視線みたいなのは前回の感動ポルノに通じるところあるよな
バトルシーンの手の込みようとおっぱいで窒息するくだらなさの融合だけで“勝ち”なんだよな……
もしかしてこれをやりたいがためにここまでの全部を作り込んできてないか!?!?!?
古事成語オチをつけてなんかやっぱネイティブアメリカンの伝承の話だった?みたいにするふざけかたも好き
あ、ここから怒涛のあれが来るんだって予感でわくわくしてやはり来て、凄かった。
SF的な設定、未来の世界での娯楽・趣味的的な観点がけっこうよくて
意図されたであろう魅力が初読で存分に伝わるつくりで、かつ細部に注目する部分がたくさん残されているのがめちゃくちゃつよい。
人物やガジェットのネーミング、その他取り扱われている文化へのリスペクトなど。
細部
p97「俺たちの世界の理にして〜」、読み返してみると、焼き脛は序盤からちゃんとわかって言ってんだな……
侍ミーて
「ひょっとするとお忍びで欲望を満たしにきた元老院議員の可能性さえある。」ここクソ笑うんだよな。千と千尋のあれかよ。
「あれこれ無駄な心配をする痴れ者をさして杞憂と呼ぶ習慣」これ文脈的に杞憂じゃなくてマウンティングベアって呼ばれるんじゃないの??
なんか笑った
略されて使用されていくうちに逸れていく、みたいな、なんかそういう言葉いくつかある気がする。いまは思いつかないけど
用語について調べて/考えてみる
赫の終端(レッドコーダ):ハンドラ族の長
赫は赤いこと、勢いが盛んであること。コーダは音楽で終わるあれ。なので日本語とルビは直訳的に対応しているっぽい。レッドコーダーだと、競技プログラミングのあれになる。プログラミング力が高いから長なのか?
ポアソンの分霊獣
ポアソン:名前。有名どころだと数学者? ポアソン分布の。
分霊獣:分霊は分け御霊。獣?
分霊という言葉のもともとの意味は、分け御霊ということで、コピーして増えるという意味の分けるなんだけど、作中でこの獣の動きとしては、流れを分ける、分配するという意味の様子。
っていうかロードバランサだよな? だからポアソン分布なのか! 待ち行列だから神待ちなんだ!(今更気づいたの俺だけか?)
待ち行列SFらしいということは垣間みえていたんですけど、まさかこんなん出てくると思わんやろ
杞憂(キユー)
杞憂は空が落ちてくることを心配した故事成語。カタカナでキユウではなくキユーなのはなにか意味あるのかな。待ち行列のキュー?
あー!なんで杞憂なのかと思ってたら、そうか、queueか!気づかなかった……
キューとかレッドコーダーみたいな二重の意味、他のやつにもそういうのあるんじゃないかと思ったけどわからんな
キノコジュース
一言感想
光――
初手「ふざけるなよ」と感想を書こうとしていたんですが、本人がふざけているつもりないとしたらめちゃくちゃ失礼になってしまうな、と口をつぐんでいました。やはりふざけるなよでよさそうです。
そういう意味では、我々としてはかなり楽しく読めるんですが、どこまで本気でやってるのか測れない距離の読者からすれば、読んでいて不安になる可能性もあるのかもですね
購入者の感想がたのしみです(なんなら自分の作品よりも)
ふざけどころの緩急がすき
ナンセンス漫画ってやっぱ絵があるからこそギリギリ成り立つもんなのかなあと思っていたところ、それを小説で成り立たせてる腕力がすごい
理路のつながらなさをゲーム的な世界観と苦しむ顔がかわいい女を好きな思い込みの激しい男とでギリギリもたせている感じというか、一般のナンセンス文学の退屈さを補う怒涛のクリシェというか
ほかの人のはそれぞれに「自分もこういうのできるようになりたい」という部分があり、その一方で「だけど本当にそれが書けるようになることを自分は求めてるのか?」という立ち止まりもあるなかで、国戸さんのは心情的に共感みがすごいんだよな。「これをやりたいし、これをやればおれのやりたいことができるのか!」みたいな
好き。酒呑みながらブコウスキー読んだときとおんなじ仕合わせな気持ちになる作品。
実際完敗した感じはあるんだよな。旋風こよりを前にした上矢あがりみたいな。
国戸さんの料理好きな部分が出てるのか。登場する食べ物飲み物が気になる。苔とか。
笑えすぎて本当にずるい
細部
すべてが細部なので読みながら挙げていきます(正直一文一文挙げてきたいところはあるんだが……)
そもそも冒頭の大剣のくだりからしていきなりバカにしてて、そこから「エロい体」の「悪魔系の魔物」が出てきて(系ってなんだよ)、ハートがパチン、そして光——の畳み掛けで完全に引き込まれちゃうんだよな
本当に最初の3行ですごいじわじわきたところに「セクシーで人間と同じ形状をしたエロい体の悪魔系の魔物」でトドメ刺されるんだよな。笑えすぎる。
くっそお、俺はこいつが好きだ
「大型魔物」、「の」を入れないのが良い
最強の二人のもう片方、だれだっけて
双剣を捨てる言い訳から店主を攻撃して半殺しってところまで一文一文笑いどころしかない
全体的にそうだという気もするんだけど、とくに「ルシエは用心棒で〜」からのくだり、なんか妙にサガフロ2を思い出したんだよな
キノコジュースのくだり正直まったく不要で、リアリティを増すための習俗の描写を馬鹿にしまくってる感がある
そういう意味ではその前の鴻上さんの緻密さと対比的でおもしろいな
「戦闘で、全力でしゃべってるんだと感じた」突然詩的になるな+ペンダントのくだりの思い込みの激しさ
いきなり世界が壊れだしてから第三世界の長井みがこれまでにも増して、ちゃんとゲームの世界なんですよという無用の目配せに笑ってしまうんだよな
素直に強く反省する主人公
p136の唐突な暴力描写の投げやりっぷり
「まさか点滅して消えるだなんて」ほんと好き
「その勢いは凄まじく、まるで矢のような勢いで飛び込んで来たのだ。」ここも好き
ひかりごけをいきなり食って、しかも飢えた人間へと連想をつなげるのをやめろ
もうこのあたり完全にゾーン入ってるんだよな、一文一文が常に笑える
「強い恐怖は、それまで持っていた弱い恐怖を克服する」の決め台詞感に至るまでの思考回路がくだらなすぎる
玉ねぎの連想から無理やり涙につなげて、象徴にもなってない象徴を引っ張り出したうえで「確かに」と結論づけさせるのすごすぎる
「過去の出来事が現在の状況を暗示している」みたいなありがちなアレをばかにしてる
いきなり寝ている、いきなり寝るな
「すると〜」からの段落の描写の雑さが主人公の現実認識の雑さを象徴しててめちゃくちゃいいんだよな
ダグラスの登場あたりからやにわに話が盛り上がるのだが(そもそもこれで盛り上がってる感がちゃんと出てるのがまずすごい)、インベントリがいっぱいなことを心配したり速い虫の話をしたりさらには親の回想がはじまったりしてこいつ集中力がなさすぎないか?
とても速いなにかしらの虫ってなんなんだよ、ほんとに。何回読んでも笑ってしまう
でもなんかちょっとかっこいいんだよな
p140からのなんかいいこと言ってる感の空虚さがすごいし、そもそもなんでダグラス現出してんだよだし、それらすべてが学校の机でガタンの恥ずかしさとなんかしらんが妙にリンクしてる感じがして凄みがすごい
「あれ、これだいぶ前にもやらなかったか?」で突然我に返って、読んでる方も一瞬我に返り、ページをめくると最終ページの登場である
「苦しそうな顔が〜」で最後までふざけて、ロケットが開くのもなんか勢いで、それから光——ではないんだよ
まさしく腕力
リュシー (Lucie)は、フランス語の女性名。 ラテン語の男性名ルキウ��(Lucius)に対応した女性名ルキア(Lucia)に由来し、『光』を意味する。
蟹と待ち合わせ
一言感想
マァンドリン
わりと文章が硬質なんだけど擬音語擬態語とか、こういう音声的な話を印象的に使ってくる印象がばななさんにあったけど今回それが強まっている気がする
いつもより書いてて楽しそうな印象をうけた
どこかでも書いたがばななさんの導入いつもよいと思う(導入以外が、という話ではなく)
今作はわりとエキゾチックなんだよな。キャノンビーチの鳥居を蟹がくぐる光景がエモい。
全体的にアルカイックなのは意識の誕生以前の世界への回帰だからか。
おなじ文献に着想を得てるのに杞憂との落差よ。
御神体フェチ
毎回SFギミックがハードコアではあるのだけど今回もそうで、そのうえ↓の書き手の感想にあるとおり、実際書き方がより挑戦的になってる
んだけど、それなのに!夏の島のバカンスの雰囲気に包まれててめちゃくちゃさわやかなんだよな、なんなんだよ
そう、すごくさわやかなんだよな……本当に
ずっと空と海を描いていて、そのうつくしさは質感としては憧憬に近いんだけど、ラストで急にその突き抜ける青さが手元に戻ってきて調和するのがすきなんだ
人類補完でなにが起こるかのところにこの回答持ってきたのは(↓で書いた情報の出し方のおかげもきっとあるんだけど、個人的な考えとしても)個人的にはめちゃくちゃ納得感がある
収録作のなかでもアジテーション的で、わりと全体通してゆっくりアジってくるので「たしかにそうだよな……」みたいな納得感がある。あるよな?
「鯨」で強めの主張をしてからの「石球」での転調、そこからラストの「蟹」で落とす流れがきれい
というか、全体的に情報の出し方のコントロールという基本ががうまいんだよな。我慢できなくて設定語りしちゃわない?おれは我慢汁出ちゃう!
細部
ちょっと入り組んでいるので整理を試みます(みなさん適宜修正してくれ):
人類
全体と言語野を共有している
読む限り電脳である以外、形としては「普通の人間」でよさそう?
現代から100年後が舞台であること(そう遠くなく、まだ最後の電脳化が終わって間もない)、人間の肉体として考えて不自然な描写が出てこないこと
もし「異形」であるなら、相応の描写があっていいはず
自然な人間の形であるからこそ「四本足」や「七つの目」という描写が活きているんじゃないかと思って
しかし、なんでもいいというのも、この話の主題のひとつだ
「アラスカやシベリアの軍事拠点と並び、地球上で全住民の接続を完了した最後の地のうちの一つだった(P152)」
語り手たちはまだ完全に統合しておらず「人間らしい」雑念に溢れている(ように語っている、が)
笠木
御神体「ヘイスタック・ロック」
「キャノンビーチ」
笠木グループ:腕が各2本、脚が各2本の3体か
彼らの姿を想像することにあまり意味はなさそうだがいちおう
肉体(?)の数と一人称複数形のバリエーションの数は一致しない
p146で「三つの肉体」とあるから上記の解釈をしたんだと思うけど、最初読んだときそう読み取っていなかったのでなるほどと思った。何故かはよくわからないが、6本腕(兼ねる、脚)がある物理的には1つの塊を最初イメージした。p145で「七つの瞳」(3では割り切れない)とか、「三つの声、四つの声」とか書いてあるのを読んで、あまり整合的にわかりやすい体の形をしたものが何体かいるみたいな状況じゃないんだろうなと思ってしまったので。
でも油圧ショベルを操縦してるから、人間みたいな形をしているのだろうか(人間向けの油圧ショベルなのかどうかは定かではないが)
瞳のひとつは「対流圏から熱圏にいたる範囲を巡航する種々の飛行撮影機と衛星によって構成された視線(P163)」とのこと
なるほど!!
どうも彼らは記録をしているらしいことがわかる
マンドリングループ(たぶん)とは異なる一人称複数的な主体を維持しており、(一方的であれ)独立性を保てるらしいことがわかる
性交は非対称的な行為であること
「私たちは背中が三つある獣(P147)」すごいな
マンドリン
御神体「鯨→海自体へのイメージ」(仮)
マンドリングループ:腕が計6本、脚は計4本
……とあるけれど、海岸を歩んでいない2本があったりするかもしれないか
人類全体の意識(というべきではないかもしれないが)が共有されており、各々の肉体は物理的な入出力器官として位置付けられている、入れ替わることもあるていど自由っぽいことがわかる
「四本の足(P150)」という表現、ひとりはかならず共用スペースで開発をこなしているという描写(ここすき)
「肉体と精神の求めに応じて」とあるので海岸を散策する肉体も実際に交代してそうな雰囲気がある
「巨大な一つの意思たる海、それを身に纏う美しい惑星(P154)」(『ソラリス』だ)に自分たちの集合知としての存在を重ねる
パレイドリアがそれなり大事そうな概念として導入される
大戦があったこと、舞台が太平洋の群島であることなど、若干の歴史や場所の情報
環礁・核実験・地形などの情報からビキニ環礁だと思われる
鯨
鯨グループ:7つの眼
あとの「蟹」を読むかぎりでは笠木グループと同一であると思われるが……
パレイドリアの話の続きとして:自他の境界がない(このへんが神々の沈黙っぽい)→パターンを形作ることができず、生の感覚(?)としてしか受容できないみたいな話になってくる(現代的に見れば統合の失調ではある)
人間の意識(?)が完全に同一化するまでの過渡期らしいことがわかる
石球
御神体「石球」
「2121年9月のアラスカ」と明確に述べられている
時系列的にはちょっと前のように見えるが、正直よくわかってない
夢:イリアスっぽい描写
このへんも神々の沈黙で、ゆうたら「自他の境界がない、昔バージョン」の話
「開いた」球
視覚的な描写ができない、よね?
蟹
笠木グループっぽい
7つのうちのひとつの瞳が別の夢を見たらしい
俯瞰することの話ふただび
ここまでときどき出てくる語りのアップロードなどなどの話から徐々に彼らの生態の全体像が見えてくる形になってる
小さなボートのなかに女
「人類すべての言語野がつながったのが、いまからちょうど半年前(P152)」で七つ目の瞳は「一年以上にわたって(P160)」漂流していた女を見ていた(という夢を見ていた?)
P158で大地が揺れたことと関係がありそうなんだけど
鳥居をくぐる。今まで、あえて鳥居をくぐることはしなかった(P161)
純粋な観測者であるはずの7つ目の瞳が女をとらえて震える
「間近で見た御神体の岩肌は、海鳥の糞にまみれて白く汚れていた(P164)」は単純に美醜の描写を行ったり来たりすることで対象の存在感が強まるという効果もあるんだけど、もしかしたら「岩→女」への神性の移行ともとれる
女は一人称単数でしゃべる
濃い日焼け、脇毛ぼうぼう、乳に蟹
その前の段落の「あたしはようやく目を覚ます」の主体がちょっとあいまいで、おそらくこの女なのだけど、どうもここまでの一人称複数であった人間たちのうちの一個体のようにも読める……読めない?
むずかしい……最後の台詞の読解にかかっている気がする
ここで個としての人間が復活しているらしく、たしかにしているっぽいのだが
システムの「手足」に回収されつつある在りかたを、独立した「動物」のほうに引き戻してくれたらということなんだろうけど、この言いかただとそういう流れは止まらないと展望している
しかし七つ目の瞳のほうは、純粋な観測者としてあるまじき挙動をしていて……
もはや個を剥奪された端末になりつつある人間から全体への、人間性の逆流? といえばいいのか?
鳥居(文脈から切り離された木一般の意味が異邦で再構築される)というのが、いや鳥居に限らず漂着物の再構築などが(マンドリンもそうだ)、女の登場と構造的に対応しているように思う
単純な近似ではなく、その異質さを強調するための
イリアスパートの「怒り」は、システムに回収されつつある生の叫び(全体的な語りから読み取れる)に沿っている気がする(捕らわれたクリューセーイスの奪還と、漂着した「女」の物語的な関係やいかに。未読なので詳しくはわかりません)
鯨も同様、またソラリスの話も寓意に富む
女、オフラインなのかな(最後の台詞からははっきりと推測できない)
書こうか迷ったが、もしかしたら「正体」があるんじゃないか
P150の環礁・核実験・軍艦というワード(七つ目の瞳では観測できない海底)
ビキニ環礁のクロスロード作戦
鳥居への祈り��ら、日本の軍艦を連想
クロスロード作戦で沈没した日本艦は長門・酒匂
軍艦の擬人化と言えば艦これ・アズレン
双方のキャラクターの特性に照らす
「あたし」という一人称と「ささやかな乳房」という情報
「酒匂」ちゃん??
艦これの話か?
なんかこうもっとロジカルに導きたいんだけど、まだひらめきに近い
でもこう読むとすっと入ってくる描写とかある気がするんだよ
海への柔らかい執着とか、肉体の話とか
深海棲艦説としか思えなくなってきた
あー、なんかそっちっぽい!
最後の台詞がわかった気がする
元の肉体(艦)が(七つ目の瞳以外に)憧憬?をもって観測されつづけたことによって顕現できた、みたいなことか?
どうなんや
元あたし(傍点)じゃん?
いくつもあった「すれ違う」描写、しかし最後に「越境」して交わり、岐路に立つ!
つまり女の漂着は人類にとっての“クロスロード”だったんだよ!!!(キバヤシ)
ブロックバスター
一言感想
コインを振る。裏。←かっこいい
まったくわからないんだけど、いつもよりわかるよな
Cの盛り上がりがBとDのクライマックスと呼応していく感じが好き
読後感すごくいいからやっぱりこれ最後配置で正解なんだよな
津浦さんの作品一番難解なんだけど、なんか童話的な柔らかさがあるんだよな
ポリフォニック(ね群メンバーの作品は全体的にそうかもだけど)
こーしーもう一杯
王の祈る姿が比例して増えた←感謝の正拳突きしそう
細かな表現のかっこよさはもはや言うに及ばずなんだよな
Aの語りに出てくるモチーフの並置の伸縮自在さとか
あと「その大きさはもはや比喩の範疇を超えて唯一だった」がめっちゃ好き
挙げてくとキリがないのでやめます
細部
こっちもまずは整理してみる(修正求む)構成:4幕。
(1) p.168「「世界」という言葉がきらいだった」
(2) p.171「「世界」という言葉は、ずっと昔のあいまいな約束だった」
(3) p.174「「世界」という言葉は、その実なにも説明できていない」
(4) p.177「「世界」という言葉が薄い殻から芽吹くとき、その平熱の期待を逃してはならない」
語りの種類:5種類。
A:ほかと同じ明朝体のやつ
各挿話の最初に置かれ、「「世界」という言葉」からはじまる
p.168は病院に行く(お見舞い?)シーン?
p173「恋人の手」と「犬のクソ」は素晴らしいものと価値のないものを表しておりそれらを混同しないとみんな言いはるんだけど実際には紙一重だ、みたいなことを言っているように読み取れる、一方でp174では「生きている私たち」の強調によって、両者はいずれも生命を示しているというふうにも止揚されてくる
p.177「意味のある対象が〜
B:丸ゴシックのやつ
母を知らず、物語を作るハルと、魚から這い出したところを見つかった、八つ目の毛玉のキャット
八つ目!魚から!Cの「ものども」あるいは王だ!
母を知らないっていう宣言的な言い方がDとの関係というか、そういうものを感じる
p171「私は無垢を演じているのではないかと~」からも、直截的にはそういう読み方が誘発されると思った。Dの母との問題を無視した空想の世界。p171の描写は作り物感を補強している。p172「自身のスペアを要請」
世界の果てでコインを投げる
世界の果てが出てきて殻を破るって実質ウテナじゃん
p.180「あるいは誰かのその前駆が私と私の世界を作ったのだとしたら〜」エフェメラルな雰囲気がする
最後に揺れて、そのあと魚、でもって「彼」は(世界の)棘を持つ、(Cの)大亀だわな…
C:教科書体(?)のやつ←例のクレー
彷徨し、「世界の棘」を持つ大亀、王とものども
p.183より、ものども(たぶん王も)八つ目である
最後、魚がめっちゃとんできて世界の殻が壊れる
p.183Bによれば、Bにおける「物語」が世界と同一視できそうではある
D:薄めの丸ゴシックのやつ
現代劇っぽさのあるわたし(空想が好き、大学は文学部、就職に困る)と母。二人は折り合いが悪い
p178「世界に目を向けて」という母親の言葉とそれに従わずに目を閉じる私。「世界」という言葉への反発はAにつながっているように思う。
目を閉じて以降、空に魚が出現し母が消えるので、ここで世界に背を向けたように感じられる。というかp182のBにシーン的には合流しているように読める。丸ゴシック繋がりもあり。
ふと思ったがここの「わたし」が神待ち行為を行なっていた可能性があるぞ!!!!(ないです)
最後、やっぱ空に魚(バラクーダ!)が出現する。母はいなくな
E:薄めの明朝体のやつ
わたしと「彼女」(母性を感じはする)、あやとり
p.174「わたしは彼女の暇潰しの相手に過ぎない」が、その前のp.173B「気晴らし」につながらなくはなくて、そうなると物語自体ってことになるのか?
p.183「名づけたのは他でもない、わたしだ」。「世界」を?「世界の棘」を?
「ふだん浮遊している〜彼の棘はもたらす」らしいぞ!(だいじそう)
ストーリー性は希薄で、間投される語り
p.183、やっぱ魚は大亀の斥候なんだよな
あ、ここに寝室(Dの末尾の舞台)出てくんじゃん
あえて階層構造を仮定するなら、基底から順にD→B(Dのわたしの空想あるいは物語)→C(Bのハルの物語)で、大亀による崩壊がC→B→Dと還流してるように読めなくはない気はするんだけども……(BとDは……つーか、いうたら全部上下がなく並列でもいけるか)。で、それで世界がつながるのはわかる。じゃあ「その外に残された」の外って?(火じたいは王の演説にも出てくる)
レイヤーを想定しちゃうのは悪い癖だな。読み返してたらあんま上下関係ない説の方が強まってきた
自分だったらレイヤーを想定して書くのだろうが、多分作風的にはレイヤーとかじゃないんだと思う。しかし相互の関係性とかが変奏していく感じがあって良いんだよな
テーマについて
神待ち
神の裁きと訣別するため:自分を負かす誰かを待っている→勝って神の不在を証明
山の神さん:神待ちアプリ
囚獄啓き: 「地獄とは神の不在なり」なので、不在なんじゃないかな
杞憂:中年男性(世界を維持するための計算資源→神?)待ち、待ち行列理論
キノコジュース:ルシエが宮殿で完全性を持つであろう存在を待っていたこと
蟹と待ち合わせ:蟹待ち
ブロックバスター:亀待ち
むりやりまとめると、神待ちの「神」を、原義側に寄せた、圧倒的なものとか完全なものとかでとって書いたのが多数派、という感じだろうか
とどのつまりは祈りだ。
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ねぎ系男子あらわる。
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『ねぎぼうずのあさたろう』その7 さんぞくまつぼっくりのもんえもんのなみだ 作:飯野和好
この絵本を保育園の子どもたちに読み聞かせた直後、てやんでい化する子が、きまって1人は現れました。「ねえねえまきちゃん」「なあに?」「てやんでい!」「おう、てやんでい!」「また、てやんでいよんでね!」「おう、またてやんでい読むよ!」「てやんでいてやんでいてやんでーい!」
文章量は多めだし、ひらがなで書いてあるとはいえ「たびはみちずれ」「ひとだすけ」「しゅくば」「ほとけごころ」など、子どもには分かりづらい言葉もたくさん出てきます。が、子どもたちの視線はページにびっしり張りついたまま離れません。
●●●
ねぎ系男子あさたろうの奇想天外な冒険譚が、キャッチーな構図と色使いとおどろおどろしい悪役たちに彩られて幕を開けます。
旅の途中で知り合ったおじいさんと孫娘の荷物を宿場まで運ぶことになったあさたろう。茶店で一休みしているところを一服盛られます。山賊・まつぼっくりのもんえもん一味の仕業です。 松の葉っぱを思わせる剛毛とウロコ模様がびっしり刻まれた顔。目からにじみ出ているのは松ヤニでしょうか。すばらしい造形です。実写化するならアル・パチーノで決まりでしょう。
こどもは うって じじいは からすのえさだ ふはははは
ぶっそうなセリフを吐くのは、一の子分・からすうりのきんぞう。頭から血をかぶったような赤い実とざらんばらんにちぢれた花をもとに、サイコパス臭にじむ見事な造形です。木の実や野菜がどのようにキャラクター化されているか実物と比べてみるのも、この絵本の楽しみ方の1つ。 実写化するなら岸田森以外ありえません。
捕まえた女の子に、幼くして亡くした娘をかさねるもんえもんを、きんぞうがからかいます。
へへへへ、そういやあ びょうきで なくした おかしらの むすめさんも ちょうど あのくれえの としごろだったですねえ やっぱり ほとけごころが でますかい
幼いころ、水戸黄門、必殺仕事人、遠山の金さん、大岡越前、銭形平次など、TV各局もれなく時代劇が放送されていた時期がありました。子どもにも分かりやすい勧善懲悪なストーリーで、世を忍ぶ仮の姿はたとえ白髪のご隠居でもかっこよく、「して越後屋、あの件はどうなっておる」「ご安心ください。今ごろ親子そろってあの世でございましょうホッホッホッ」と、悪人はすがすがしいほど極悪でした。
友人は暴れん坊将軍の大ファンでしたが、「上様はね、殺さないのね。ぜんぶ峰打ちなのね。峰打ちっていうのは刀のとがってない方で斬るのね。だから気絶させるだけなのね。でもね、本当に悪い人は斬るのね。上様の大事な友だちが殺されたときは、本当に斬ったのね。悪者を成敗したのね」と目を輝かせながら昼休みぶっ通しでぶっそうな将軍様の魅力を語ってくれました。
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反撃を開始するあさたろう。必殺にゅるにゅるねぎじるで縄抜けです。読み聞かせのときに、子どもたちが前のめりでぎゃあわあ大盛り上がりになる場面です。
しみたしみた ねぎじるしみた ぬれたまぶたに うかぶのは このみとなづけた かわいいわがこ いつつのふゆに かぜをこじらせ いのちをなくした わっとばかりに なくちちの みみにのこるは むすめのこえ
おいはぎしたら かわいそう さんぞくやめてね おとうさまと かわいいねがいに こころがゆらぐ そこにぴりりっと ねぎじるが はっとめざめる もんえもんー
改心したもんえもん。しかし、裏切りの刃がせまります。 「よわねをはく おかしらよりも このきんぞうさまが かしらになろうってんだ」 本当にすばらしいシーンです。すみずみまで晴れわたる夏の空のようなゲスっぷり。やはり、骨の髄まで極悪人の存在があってこそヒーローが輝くのです。
てやんでい てやんでい てやんでーいっ べらぼうに ひきょうだぜ ゆうきいっぱい あさたろう ねぎじるごころが ふるいたつ
「あさたろうがんばれー」「てやんでいー」「ねぎじるごころー」。子どもたちの声援がとびかいます。水戸黄門でいうところの8時40分のこらしめシーン、暴れん坊将軍の成敗シーン、銭形平次の投げ銭シーン、遠山の金さんの桜吹雪ご開帳シーンに匹敵するクライマックスシーンです。読み終えたあと、子どもたちも読み手のわたしもすかっと爽やか、なにかをやりとげた達成感に包まれるのでした。
現在9冊出ているこのシリーズ。弱きを助け、強気をくじく筋書きをベースに、悪党の恨みを買い故郷を出て旅をつづけるあさたろう、惚れっぽくてドジっ子の弟分(にんにくにきち)、あさたろうの命を狙う浪人(きゅうりのきゅうべえ)、幼いころに別れたあさたろうの父など、個性あふれるキャラクターが登場します。人生いろいろ割り切れないことだらけ、でも、ぴゅるるるるるにゅるるるるるぶりんぶりんぶりんたあーっと、必殺ねぎじるで乗り越えてゆくあさたろうの生き様に、子どもたちのねぎじるごころも奮い立つのかもしれません。
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小学6年生の冬、仇討ち系男子が登場する番組が放映されました。里見浩太朗、森繁久彌、丹���哲郎、西郷輝彦、竹脇無我、西村晃、上原謙などの豪華キャストで、期末テストのまっただ中にもかかわらず2時間夢中で見てしまい、気がつくと夜の9��。しかし、わたしの心は燃えていました。
あんなにもがんばってがんばってようやく成果を出した男子たちに比べて、わたしなんてぜんぜんがんばりがたりない。ムダに生きるか何のために死ぬかおまえが決めろと誰かが言っていた。そうだ、手遅れなんて言葉は墓場に捨てろ。このデスロードを完走するのに必要なのは己の拳のみ。教科書を開け、鉛筆を握れ、世紀の一夜漬けで真価を見せろ、フォースと共にあらんことを。
翌日の社会のテストで100点をとり、先生にほめられました。心のなかで、わたしを叱咤激励してくれた恩人にお礼をいいました。今でも人生の師匠です。大石内蔵助先生、あのときは本当にありがとうございました。
※文中の太字は本文より引用
『ねぎぼうずのあさたろう』その7 さんぞくまつぼっくりのもんえもんのなみだ 作:飯野和好 福音館書店
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イタリアにおける新型コロナウイルス感染状況は、凄まじいばかりだ。「全土崩壊前夜」といった類の煽り気味で絶望的なニュースが飛び交う。
だが、なぜイタリアでこれほど感染が拡大したのか、といった視点が決定的に欠落しているように思える。
そこで、鄧小平が断行した対外開放、つまり「中国人の移動」という観点からイタリアを襲っている惨状の背景を考えてみたい。
おそらくイタリア社会における中国人――その大部分は対外開放以後に海外に「走出去」して飛び出して行った新華僑世代――の振る舞いを捉えることで、ヨーロッパ全体を覆いつつあるパンデミック危機の背景を知ることが出来るはずだ。
中国人がいないと米作りが成り立たない 今から7、8年ほど前になるが、香港の中国系書店で『“不死的中国人”――他們干活、掙銭、改変着意大利、因此令当地人害怕』(社会科学文献出版社 2011年)なる書籍を購入した。
地下にしっかりと根を張りながら咲き誇るタンポポの表紙に魅かれたと同時に、日本語に訳すと『“不死身の中国人”――彼らは働いて、カネを稼いで、イタリアを変えている。だから土地の人に怖がられる』となる書名が醸し出す反中・嫌中の雰囲気が気になったからだ。
それにしても不思議に思ったのは、この本が北京の出版社から刊行され、しかも香港の中国系書店に置かれている点だった。
じつは、この本は中国人が著したものではなく、2人の若いイタリア人ジャーナリストがイタリア全土を駆け巡り、イタリア社会で生きる中国人の姿を克明に綴った
『I CINESI NON MUOIONO MAI:LAVORANO,GUADAGNANO,CAMBIANO L’ITALIA E PER QUESTO CI FANNO PAURA』(R.Oriani&R.Stagliano Chiarelettere 2008)
の翻訳である。
筆者にはイタリア語が分からないので、翻訳の出来不出来は判断のしようがない。が、なにはともあれページを追ってみた。
すると、中国人のイタリア社会への逞しくも凄まじいばかりの浸透ぶりが、溢れんばかりに綴られていた。
たとえば西北部の穀倉地帯として知られるピエモンテでのこと。
1980年代末に「紅稲」と呼ばれる雑稲が突然変異のように発生し、増殖をはじめ、稲の生産を急激に低下させた。ところが紅稲は除草剤や除草機では駆除できない。やはり1本1本を人の手で丁寧に抜き取るしかない。だが、肝心の単純労働力は不足するばかり。
そこへ、農家の苦境をどこで聞きつけたのか、大量の中国人がやって来た。イタリアで半世紀以上も昔に忘れ去られてしまった田の草取りの方法のままに、彼らは横一列に並んで前進し、紅稲を抜き取っていく。
<7、8月の灼熱の太陽を受け泥に足をとられながら、手足を虫に咬まれ、腰を曲げ、全神経を紅稲に集中する。想像を超える体力と集中力、それに一定の植物学の知識が必要だ。紅稲は一本残らず抜き取らなければ正常な稲に害が及ぶ。抜くべきか残すべきかを知っておく必要がある>(同書より抜粋)
過酷な作業ながら収入は少ない。だが喜んで中国人は請け負う。
ある日、田圃で中国人が脱水症状で倒れた。彼らに「健康を考慮し、明日からは10時間以上の作業を禁ずる」と告げた翌日、雇い主が田圃に行ってみたが、誰もいない。慌てて宿舎に駆けつけると、彼らは荷物をまとめて立ち去るところだった。
「毎日10時間しか働けないなんて、時間のムダだ」と、口々に言う。雇い主は、「中国人は疲れることを知らない。気が狂っている」と呆れ返る。
かくして同書は、「中国人がいないとイタリアの米作りは成り立たなくなってしまった」と嘆く。
「中国人って1カ所には留まらない」 農業に次いで、大理石の石工、ゴミ処理工場労働者、ソファー・皮革・衣料職人、バー、レストラン、床屋、中国産品の雑貨商などが中国人に依存するようになり、中国人はミラノを「イタリアにおける中国人の首都」にして、ありとあらゆる産業を蚕食していった。
その大部分は浙江省や福建省の出身者で、��くは非合法でイタリア入りしている。教育程度は他国からの移民に比較して低く、それゆえイタリア社会に同化し難い。
苦労をものともせず、倹約に努めるという「美徳」を備えてはいるものの、それ以外に目立つことといえば博打、脱税、密輸、黒社会との繋がりなど……。どれもこれも、胸を張って誇れるビジネスではない。文化程度の低さは、勢い生きるためには手段を選ばないことに繋がる。
これがイタリアで増加一途の中国人の現実である。
イタリア人は彼らを通じて中国を知る。だが中国人は、そんなことはお構いナシだ。
子供をイタリアの学校に通わせ、イタリア人として育てようとしている両親もいることはいるが、カネ儲けに邁進しているので、学校や地域社会で偏見に晒されている子供の苦衷なんぞを推し量る余裕も意識も持ち合わせてはいない。
同書の著者が、アンナと呼ばれる20歳の美しい中国娘に「夢は?」と尋ねる。すると彼女はこう答える。
<夢! そんなもの知らないわ。中国人って1カ所には留まらないものなの。あっちがよければ、あっちに行くわ。おカネの儲かり次第ってとこね。この地に未練なんてないの。もう14年は暮らしたけど、とどのつまりは行きずりのヒトなのネ……>
この印象的なシーンで、同書は終わっている。
アンナも他の中国人と同様に「とどのつまりは行きずりのヒト」なのだろう。
だが、新型コロナウイルスが「行きずりのヒト」と共に世界中を動き回ったとするなら、イタリアのみならず人類にとっては、やはり危険過ぎるというものだ。
対外開放でカネ・ヒト・モノが流入 1975年の時点で、イタリアでは400人前後の中国系住民(旧華僑世代)が報告されているが、鄧小平が対外開放に踏み切った1978年末から7年ほどが過ぎた1986年には、1824人になっている。
以後9880人(1987年)、1万9237人(1990年)、2万2875人(1993年)へと急増していったが、彼らは新華僑世代である。1990年代半ば、新華僑はイタリア在住外国人としては6番目の人口を擁していた。
1986年から1987年の間の1年間に見られた5倍以上の増加の主な要因は、1985年1月にイタリア・中国の両国間で締結(同年3月発効)された条約によって、イタリアへの中国資本の進出が促された点にある。
人民元(カネ)と共にヒト、つまり中国人労働者が大量にイタリアに送り込まれるようになった。また中国料理・食品(モノ)への嗜好が高まったことも、中国人労働者(ヒト)の流入に拍車を掛けたはずだ。カネ・ヒト・モノが中国からイタリアに向かって流れだしたのだ。
新華僑世代も旧華僑世代と同じように、同郷・同姓・同業などの関係をテコにして「会館」と呼ばれる相互扶助組織を持つようになる。1980年代半ばから1990年代末までの10年ほどで十数個の相互扶助組織が生まれた。これこそ新華僑世代増加の明らかな証拠だろう。
商品の発送元は温州市 彼らは強固な団結力をテコに、自らの生活空間の拡大を目指す。
たとえば、2010年前後のローマの商業地区「エスクィリーノ地区」には、衣料品、靴、皮革製品などを中心に2000軒を超える店舗がひしめいていたが、その半数は中国人業者が占めていた。
現在はそれから10年ほどが過ぎているから、その数はさらに増したと考えて間違いないだろう。
彼らが扱う商品の発送元は、浙江省温州市である。温州は、遥か昔の元代(1271~1368年)から中国における日用雑貨の一大拠点として知られる。新型コロナウイルスを巡っては、2月初旬に湖北省武漢市に続いて封鎖措置を受けた。
ローマの商業地区と新型コロナウイルスによって危機的レベルにまで汚染された中国の都市がモノとヒトで日常的に結ばれていたことを考えれば、イタリアの惨状が納得できるはずだ。
友人のイギリス人は、感染拡大の背景にはイタリア人の生活様式もあると指摘する。
イタリア人はオリーブやトマトといった健康的な食生活によって、肥満の多い欧州先進国においては珍しいほどに長寿国で、高齢者が多い。周辺先進国に比べて核家族化が進んでおらず、3世代同居も珍しくない。特に高齢者には敬虔なカトリック信者が多く、教会でお椀を共有してワインを飲む習慣があるという。
であるとするなら、中国人の「移動」という極めて今日的要因がイタリアの社会的・文化的伝統という“宿主”を得たことで、被害の拡大に繋がったとも考えられる。
中国人の数は40万人超 いま手元にある『海外僑情観察 2014-2015』(《海外僑情観察》編委会編 曁南大學出版社 2015年)を参考にし、近年のイタリアにおける中国人の状況を素描しておきたい。
中国人の人口は全人口の0.49%で30万4768人(2013年1月1日現在)。これに非合法入国者を加えると、実際は40万人超ではないか。
中国系企業が集中している地方は西北部のロンバルディア(1400社)、中部のトスカーナ(1万1800社)、東北部のヴェネト(8000社)、北部から中部に広がるエミリア・ロマーニャ(6800社)であり、貿易を主にして2万5000社前後。他にアパレルや製靴関係が1万8200社、レストラン・バー・ホテルなどが1万3700社を数える。
「イタリアにおける中国人の首都」であるミラノを見ると、イタリアが2008年のリーマンショック以後、経済危機に陥ったにもかかわらず、中国系企業、殊に食品関連は急増。同市で外国からの移住者が経営する600社のうち、中国人移住者のそれは17%を占めている。
アパレル産業の中心でもある中部のプラトでは、人口20万人余のうちの3万4000人を中国人が占めている。じつに7人弱に1人だから、一大勢力だ。彼らは有名ブランドの下請けから始まり、いまや伝統的な家内工業的システムを駆逐し、新たなビジネス・モデルを構築しつつあるという。
2014年4月、東北部のパドヴァには中国人経営のアパレル・チェーン店「CVG」が創業し、有名なファストファッションブランドの「H&M」や「ZARA」のライバルとして急成長を見せる。イタリアにおける中国系企業の小売り最大手は「欧売集団」で、イタリア全土で34軒のスーパーマーケットを経営しているという。
――以上は飽くまでも『海外僑情観察 2014-2015』に基づいたものであるが、ここからもイタリア社会への中国人の浸透度がある程度は理解できるだろう。
AC AFP via Getty Images AC Milanのイメージ写真 「ACミラン」の経営にも中国の影 「イタリアにおける中国人の首都」ミラノの象徴といえば名門サッカーチームの「ACミラン」だが、ここの経営にも中国人が大きく関係していた。
2014-15年シーズン終了後、ACミランのオーナーだったシルヴィオ・ベルルスコーニ元首相は、タイの青年実業家「Mr.Bee」ことビー・テチャウボンとの間で売却交渉を始め、2015年5月にACミラン株の48%売却で合意した。
Mr.Beeは、タイの「康蒂集団」と『星暹日報』の両社を傘下に置くサダウット・テチャブーン氏の長男である。
サダウット・テチャブーンは華人2代目で、華字名は鄭芷蓀。父親の鄭継烈が起こした建設業を引き継ぎ、1990年代初頭から積極経営に転じ、タイ国内のみならず中国やオーストラリアでの不動産開発やホテル経営にも乗り出した。
その後、タイの老舗華字紙『星暹日報』を買収し、2013年11月には広東省政府系の「南方報業伝媒集団」からの資本参加を得て、紙面も一新。それまでの繁体字からタイの華字紙としては初の簡体字横組みとし、電子版の配信、中国版Twitter「微博」の活用なども始めた。
当然のように論調にも南方報業伝媒集団の強い影響が感じられる。『星暹日報』は、タイにおける中国メディアの“別動隊”とでも言えそうだ。
さて、アブダビの資産管理会社「ADS Securities」と中国政府幹部が資金源と伝えられていたMr.Beeだが、ACミラン買収資金に苦慮していた。そこで彼が資金援助を申し入れた相手が、「阿巴里里集団」を率いる馬雲(ジャック・マー)であった。
2016年8月、ACミランは中国企業のコンソーシアム(共同事業体)に約832億円(株式の99.93%)で売却され、2017年4月にベルルスコーニ元首相はACミラン経営から撤退した。その後、2017-18年シーズン途中で中国系オーナーの債務不履行が原因で、最終的にはアメリカのヘッジ・ファンドが新オーナーに就任した。
華僑・華人の本質は移動 こう見てくると、「アンナと呼ばれる20歳の美しい中国娘」から現在の中国を代表する企業家・資産家の馬雲まで、じつに多くの中国人がイタリアと関わりを持っていることが分かるだろう。
同時に対外開放以後に顕著��なった中国人の「移動」という現象が、合法・非合法に限らず世界各地の社会に様々な影響を与えていることも確かだ。武漢から感染が始まった新型コロナウイルスもまた、その一環と考えるべきではないか。
華僑・華人研究の第一人者である陳碧笙は、中国が開放政策に踏み切った直後に『世界華僑華人簡史』(厦門大学出版社 1991年)を出版しているが、同書で彼は、帝国主義勢力が植民地開発のために奴隷以下の条件で中国人労働者を連れ出した、つまり華僑・華人は帝国主義の犠牲者だという従来からの見解を否定した。
そして、華僑・華人の本質は、
「歴史的にも現状からみても、中華民族の海外への大移動にある。北から南へ、大陸から海洋へ、経済水準の低いところから高いところへと、南宋から現代まで移動が停止することはなかった。時代を重ねるごとに数を増し、今後はさらに止むことなく移動は続く」
との考えを提示した。
この主張をイタリアのみならず今や危険水域に達しつつあるヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国、東南アジア、さらには感染報告が比較的少ないアフリカ、南米、そしてウズベキスタン、タジクスタン、キルギスタンなど中央アジアの国々にまで重ねてみるなら、新型コロナウイルスはもちろんのこと、中国発の“未知の危機”を今後も想定する必要があるだろう。
極めて逆説的な表現ながら、いまこそ国境を閉じて富強を目指した毛沢東の“叡智”を見返す必要を痛感する。新型コロナウイルスを「毛沢東の怨念」と見做すのは、筆者の偏見だろうか。
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伽藍 01
伽藍 がらん
宮古藍的屏風之下,一只金魚缽放置於檜木紋的櫃檯。
簷廊,彼岸花綻放著,凜冽的鮮紅倒映於三途川的水紋粼粼,錦鯉悠游在水中,和室的琉璃光院,窗櫺懸掛著一只鳥籠,神的使者,八咫烏鴉在籠中啞鳴。
這裡,是「伽藍」,梵語為saṃghārāma,靈魂修習神道的清淨居所。
「今天入住了128個靈魂,出走了56個靈魂。」
低沉嗓音輕聲說,一手托著臉,了無興致的登記於宿泊者名簿。
深藍色髮絲飛舞於風中,俊俏白皙的容顏抬起,幽深的玄黑色眼眸望著入口處,他穿著昭和時代的黑色排釦立領襯衫,一只軍帽斜戴於髮絲之間,斗篷翻飛。
宇智波佐助閉眸,煩悶的嘆了口氣。
此岸與彼岸之間,往生的純淨靈魂會來到伽藍,修行神道,作為「神器」的備選。
「今天也很努力的贖罪呢,佐助。」
一名黑髮的男人微笑著,以雙手揉握著米飯,製作飯糰。
俊秀白皙的容顏映照著晨曦,柔和的黑眸斂下目光,黑長髮於肩膀紮成了一束,他穿著火扇的立領上衣、圍裙,一道「鼬」字的小篆文體刺青,銘刻於頸項之間。
宇智波鼬站在廚房,以飯匙在竹筒掬起了另一斛米飯,回眸,笑彎了眼。
伽藍,因為是靈魂暫住修行的清淨居所,被稱為是「彼岸的酒店」。
大正浪漫時代的木造建築物坐落於石磚街道,紙燈籠搖曳著,燈火照亮了藤屋,男女、老少的靈魂完成了今日的修行,享受著銀山溫泉,一起浸泡於露天風呂。
「啊、好想回到高天原。」
一名黑捲髮的男人打著哈欠,拿起了清掃用具,刷洗著公共澡堂。
俊朗白皙的容顏一臉無奈,英氣的眉宇之間,黑瞳抬起,微捲的黑髮飛舞於風中,他從和室取下了鳥籠,手背,是一道「水」字的小篆文體刺青,作為神明的契約。
宇智波止水打開了鳥籠,以神饌的果物餵食著八咫烏鴉。
伽藍神(がらんじん),是伽藍的守護神,八百萬神明之末,被稱為「酒店經理」。
「這樣的日子不知道還要多久呢。」
止水一手托著臉,似乎是想捉弄佐助,閉眸,故作無奈的嘆了口氣。
「因陀羅的轉世神明,宇智波佐助,觸犯了天條,被貶謫到伽藍作為守護神……
我們這些神器也要跟著一起受罪,擔任酒店經理的侍者。」
他吐了吐舌,眨眼,開朗的漾笑,鼬在一旁也忍不住笑了出聲。
……….。
佐助沉默著,有些心虛的低下頭,兩位哥哥看著他的背影不自覺掩面偷笑。
*
海霧之彼方,低沉的雷鳴隱沒於天空,灰暗厚重的雲靄掩去了陽光,山雨欲來。
煤氣街燈之下,北野町的洋房渲染了異國的風情,摩耶山的纜車搭載著觀光客,神戶港的觀景鐵塔坐落於岸邊,明石海峽大橋下的船隻揚起了風帆,駛入碼頭。
這裡,是明治時代知名的港灣,神戶市。
一名粉緋色髮少女回眸,以雙手提著書包,聽見了隱約的雷鳴。
絕美白皙的容顏抬起,澄澈的翠綠色眼眸望著天空,細雨霏霏,濡濕了鳥囀鶯鳴,她穿著粉色系的高中制服,繫上了格子紋的領結,裙瓣飛舞著,走出三宮車站。
春野櫻旋身,臨風佇立於石階上,雨水碎落於石磚地,暈開了濕潤的痕。
......下雨了?
她以雙手舉起了書包,慌亂的躲進一間神社,雨水濺濕於鞋襪。
明明是晴朗的天氣呀,怎麼會突然......
此時,莊嚴的太鼓聲響錯落於耳畔,似遠似近,神秘、儼然,繚繞於霧隱之森。
「那是......?」
櫻不自覺止步,澄澈的翠綠色眼眸看著神社的鳥居之下,模糊的影子逐漸靠近。
狐狸娶親(狐の嫁入り)。
依據《古事記》的記載,如果晴朗的天氣下雨,就是狐狸舉行婚禮儀式的日子,下雨是為了提醒人類迎親隊伍即將出發,請別任意打擾,也有另一個說法是為了不讓人類看見狐狸新娘的面貌。
紙傘下,一名穿著白無垢的女性走入神社,純潔、典雅,雪白的綿帽掩去了臉龐。
神前式的隊伍演奏著雅樂,另一名穿著紋付羽織袴的男性與新娘並肩,接受祝福,紙燈籠的幽光搖曳著,穿著和服的孩子們走入神社,以雙手捧著一束栀子花。
櫻屏息著,穿著白無垢的新娘抬眸,長睫之下,細長的黑瞳與她對視。
……那不是人類的眼睛。
「唔......」
櫻不自覺掩口失聲,踉蹌著,手中的書包掉落,雙腳癱軟,失去了意識。
宿泊者名簿自動翻閱到最後一頁,“春野サクラ”的名字浮動於半空中。
「人類……?」
佐助低聲說,看著浮動於空中的名字化作墨水,浸入紙張中,綻放了光芒。
「……為什麼人類會出現在這裡?」
宿泊者名簿的備註欄位下方,寫著“人類”。
伽藍的入口,一道朱紅色鳥居佇立於碧藍的海洋之中,刻畫了潮汐的痕跡。
彼岸的酒店於大海延伸了水紋粼粼的倒影,燈影泅沉著,好似永無止盡的迴廊,滿潮,赤紅的朱砂鳥居倒映於水中,退潮,海水退去的岩岸沖蝕了生苔的石階。
一名粉緋色髮的少女閉眸,沉睡著,側躺在海上鳥居的圓柱旁,濕髮散落於水中。
「應該是神隱,誤入了彼岸吧。」
止水俐落的躍上了枝梢,眺望於伽藍的入口,思忖著,環抱雙臂。
「人類在神域是撐不過七天的,必須要趕快送小女孩回去才行,否則她在此岸的緣分會逐漸消失,最後就沒辦法回到此岸了。」
神隱,在日語中的意義是“被神明、妖怪隱藏起來”。
「此岸與彼岸的入口,七天才會再次開啟。」
佐助煩悶的咬牙,一手拋開了宿泊者名簿,走出和室。
「……真的很煩人。」
「這名人類女孩的年紀似乎和佐助相近呢。」
鼬看著佐助的背影,嘴角,是一抹好看的輕哂。
*
夕染暮色的天空之下,穿著和服的孩子們牽起了手,圍繞一圈,唱著童謠。
「籠の中の鳥は(籠中的鳥兒)
いついつ出やる(什麼時候能出來?)
夜明けの晩に(黎明將至的夜晚)
後ろの正面だあれ?(背後的那個人是誰呢?)」
栀子花搖曳著,小男孩、小女孩牽著手,人影錯落,圍繞的圓圈中央,沒有人。
「背後的那個人,是誰呢?」
孩子們回眸,白狐的側臉映照了夕陽的微光,細長的黑瞳半掩,咧嘴笑了。
櫻不自覺瑟縮著身體,驚醒,冷汗濡濕了髮絲,喘息著,以指尖緊抓於床褥。
「……妳醒了?」
低沉嗓音輕聲說,佐助坐在和室的一隅,幽深的玄黑色眼眸抬起,與她對視。
「這裡是……?」
櫻抬眸,看著和室的琉璃光院,在床緣坐起,雪白側顏映照了柔和的微光。
「伽藍,是一個靈魂暫住的地方。」
佐助閉眸,一手摘下軍帽,以指尖輕撥了深藍色髮絲,淡然的開口。
「神明與靈魂簽訂契約,以靈魂作為“神器”,伽藍就是靈魂修行神道的居所,靈魂完成修行之後,神明就會來挑選與自己契合的神器,靈魂就會離開……」
「佐助,你這樣解釋,人類的女孩聽不懂吧?」
鼬忍不住掩嘴,失笑,穿著立領上衣的背影坐在榻榻米的圓墊,砌了一壺茶。
「伽藍,就是彼岸的酒店哦。」
止水坐在簷廊,回眸,開朗的笑了,肩膀上的八咫烏鴉,鳴叫了幾聲。
「各種設施都有,客房、餐廳、健身房,還有風呂,像是人類的五星級飯店一樣,以前是神明的招待所,現在是靈魂實習如何好好當一個神器的地方。」
「你說,彼岸……?」
櫻輕聲說,一臉困惑的以雙手抱著枕頭,看著和室、以及三名陌生的男人。
「還有神明,靈魂,神器?」
「妳的名字是櫻吧?宿泊者名簿是這樣寫的。」
鼬輕聲說,將茶壺放上火缽,柔和的微笑著,散發了成熟的風雅氣質。
「妳失去意識之前的事情,還記得嗎?」
「我記得是放學後,一開始是晴朗的天氣,卻下起了雨。」
櫻回憶著,澄澈的翠綠色眼眸斂下目光,幾綹粉髮滑落於白皙的側臉。
「為了躲雨,我跑進了一間神社,然後聽見奇怪的太鼓聲響,濃霧中,看到一名穿著白無垢的新娘,我不自覺和新娘對上了視線,發現不是人類的臉,是狐狸……」
「啊啊,稻荷神,那傢伙……」
止水忍不住出聲抱怨,似乎是恍然大悟、又惱怒的拍了一下額頭。
「每次都這麼任性,竟然看到想捉弄的人類就丟到這裡來!」
「誒?」
櫻抬眸,長睫之下,清澈的碧綠眼瞳好似花間彌生的湖影,粼粼而動。
「……聽起來,似乎是稻荷神讓妳神隱了呢。」
鼬取下火缽的茶壺,一手斟壺注入茶水,無奈的笑了。
「妳看到了狐狸娶親,是不祥之事。」
佐助輕聲說,反手戴上了軍帽,幽深的玄黑色眼眸與她對視,嘆了口氣。
「稻荷神那傢伙,似乎是覺得妳很有趣,就丟到這裡來了。」
「……誒誒誒誒誒?」
櫻不自覺往後跌落於床邊,以雙手緊抓著枕頭。有、有趣?
*
「佐助是一個神明哦。」
止水佇立於湖畔,以手上下拋擲著一個石頭,似乎在瞄準著最佳的角度。
「伽藍是彼岸靈魂修行的清淨居所,佐助做了一些事情讓其他的神明不太高興,所以呢,就被流放到這裡來了,守護著伽藍的神明,被稱為“伽藍神”。」
鳶尾花綻放著,龍鳳錦鯉泅泳於水紋粼粼之中,柔和的擺尾、悠游,湖光瀲灩。
「那麼,止水哥和鼬哥哥也是神明嗎?」
櫻坐在和室的簷廊,玻璃風鈴旋轉著,清脆的鈴音迴盪於紫藤花飄落的庭園。
「不,我和鼬都是佐助的神器。」
嘿、止水俐落的反手,以準確的20度夾角拋擲出石頭。
「……神器嘛,以人類的語言來說,就是神明的武器吧?」
打水漂的石頭在水面彈跳了一次、兩次、三次、四次、五次,接著,沉入水中。
「伽藍神的工作是登記入住、退房的靈魂。」
止水回眸,一臉開朗的笑了。
「因為工作的內容就像是管理著彼岸酒店的經理一樣,所以又被稱為酒店經理。」
紙拉門被推開,一名黑髮男子探首,俊秀白皙的容顏映照了湖水的微光。
「啊、小櫻,妳在這裡。」
鼬微笑著,拿著親手做的三色丸子,招了招手,示意她過來。
「……我幫妳做了點心,還有一些東西要給妳。」
和室,三色丸子吃完的竹籤擱置於瓷盤中,火缽的茶壺飄散了縈迴繚繞的煙縷。
「……這件穿起來合身嗎?」
鼬欠身,在收納箱翻找著,一手拿起了小紋和服、浴衣。
「如果要在這裡留宿的話,還是要有替換的衣服比較好呢,可以掩蓋人類的氣息……所以,我在倉庫找到了一些女性的衣物,妳試試看哪一件合身,就換上吧。」
鏡中,花樣年華的少女,從紙拉門半掩的另一間和室走了出來。
粉緋色髮絲之下,絕美白皙的容顏抬起,澄澈的翠綠色眼眸望著全身鏡中的自己,她穿著撫子色的振袖和服,華麗的繪羽圖案垂墜於袖口,繫以立矢結的腰帶。
櫻回眸,旋身、原地轉了幾圈,和服的振袖好似吹雪般散落的花舞,如夢似幻。
「看起來很適合妳呢。」
鼬笑了,俊秀白皙的容顏勾起了一綹柔和的弧度,面色溫煦的為她整理衣袖。
「哇啊,好可愛呢。」
止水從廚房拿著另一盤三色丸子,走入和室,回眸,笑彎了眼。
「吶,佐助,你覺得小櫻穿這件好看嗎?」
……….。
佐助不語,軍帽之下,俊俏白皙的容顏沉著臉,環抱著雙臂,煩悶的嘆了口氣。
櫻抬眸,與鏡中的佐助對視,可愛白皙的容顏渲染了淡淡的紅暈,一臉羞怯。
唔……
兩人驚覺對上了視線,羞紅著臉,神色慌亂的別開了目光。
簷廊,八咫烏鴉於鳥籠中啞鳴了幾聲,不安的騷動著,曜黑的羽翎散落。
「......啊啊,今天又出現了呢。」
鼬回眸,俊秀白皙的容顏輕哂,黑瞳望著天空,似乎感受了某種不祥的氣息。
「誒,是什麼出現了嗎?」
櫻看著鼬的側臉,澄澈的翠綠色眼眸倒映了好看的輪廓。
「哼。」
佐助走出和室,俊俏白皙的容顏斂起了神色,幽深的玄黑色眼眸抬起,目光一凜。
「……人類的氣息會吸引妖怪。」
伽藍的入口,一只蜇伏的魔物蠢動著,蛇妖般的身體纏繞於海上鳥居。
妖異舞魅的魔物泅沉於海水中,面色猙獰的咧開了大口,百目鬼的眼睛轉動著,牠嗅聞著人類的氣味,一臉癲狂、嗤笑的以頭部衝撞於神域鳥居所劃下的結界。
「時化了嗎?」
鼬輕聲說,俐落的躍上了瓦簷,黑髮紮起的馬尾飛舞於風中。
棲息於人類的死角之中,那就是……妖。
妖魔身負怨念和詛咒,大小、姿態不一,但是全都沒有生命,是彼岸的謎樣存在,此岸的人類是看不見妖魔的,可以看見它們的是動物與孩童,以人類為食。
「看來是晚了一步,已經時化了。」
佐助望著妖魔身旁的黑暗氣息,一臉淡漠。
妖魔相當喜歡陰鬱的氣氛,斬殺牠們的神明,將之稱為“時化”。
「那麼,只能斬開它了?」
止水輕咬著三色丸子的竹籤,伸了伸懶腰,回眸,自信的一笑。
「但是這種大小的妖怪,佐助應該兩三下就解決了吧。」
「那個是……」
櫻走出了和室,澄澈的翠綠色眼眸望著妖魔,顫然的低語著。
「妳待在這裡。」
佐助旋身,修長指尖握緊了櫻的手,幽深的玄黑色眼眸與她對視,神色凜然。
「那東西是為了妳才出現的,不要靠近它。」
櫻屏息著,絕美白皙的容顏羞紅了臉,感受著指尖的溫度,一時語塞。
「佐助,發動一次讓小櫻看看吧。」
止水微笑著,看著佐助的眼神,像是一名對於後輩感到驕傲的兄長。
「你可是因陀羅,雷電暴風之武神,別忘了,伽藍神只是暫時的職稱而已。」
佐助以指尖解開了頸項之間的鈕扣,黑色斗篷彷彿脫籠之鳥,飄然的飛落風中。
逆光之中,伽藍神的服裝似是流沙般的消散,一瞬幻化為白練色的立領和服。
神器(しんき),就是得到神許可的武器。
往生的靈魂徘徊於彼岸之時,被神召喚,而與神明簽訂契約,賦予其容身之所,從此長久留在該名神明身邊,平時是人類的姿態,主人呼喚時會變化為某種武器,侍奉不同的主人則作為武器的型態也會不同。
神明擁有賜名的權力,賜名會以漢字的形式銘刻在身體上,名為訓讀,器為音讀。
掌管雷電與戰事的武神、軍神,宇智波佐助的目光一凜,深藍色髮絲飛舞於風中。
「獲持諱名,止於此地。」他閉眼,抬起手。「假名已稱,為吾僕眾。」
低沉嗓音在嘴邊輕喃未知的咒文,白練色和服繫著注連繩的腰帶,穿戴了長靴,修長指尖的前端燃起了靛藍色光芒,俐落、傲然的以指尖於風中劃開光之軌跡。
「從此尊名,其皿以音,謹聽吾命,化吾神器。」
佐助睜開了雙眼,以指尖在面前結成刀印。「鼬器、水器。」
此時,銘刻於兩名黑髮男子頸項與手背的漢文「鼬」、「水」二字,綻放了光芒,止水與鼬對視著,微笑,神之契約,具像化的小篆字體躍然的浮動於半空中。
柔和的白色光芒包覆了止水與鼬的身體,化作光箭直抵於佐助的手心。
深藍色髮少年俐落的揮袖,一只火紋的草薙劍於風中閃動著凜然的鋒芒。
「神明、因陀羅……」
櫻不自覺低喃著,澄澈的翠綠色眼眸望著佐助的背影,無聲顫動。
_待續
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誹謗中傷に対しての参加者・スタッフの声
張宇さんはマイケル・ジャクソンのような芸術的で不思議な雰囲気を持っている方です。その分誤解されやすく、男女とも尊敬されている分だけに妬まれやすい方でもあります。しかし、この一年、地球人では想像できない卑劣な手口による誹謗中傷を受けてきました。奔流過去参加者、スタッフたちは誹謗中傷と闘い、張宇さんと奔流の名誉のため、文集の他、たくさんの応援のメッセージを寄せました。
この件を振り返る度に、世の中にいかに陰険な人間が存在し、真実を見極めるにあたって洞察力の大切さ、そして多くの場合、「人性」というものに向き合わなくてはいけないことを知りました。張宇さんの心の辛さ、娘の子玉ちゃんとこれだけ穏やかな親娘の生活がこのようにエンドレスに攪乱されていると思うと涙がこぼれてきます・・・以下:
*************************
「奔流中国という旅が多くの人にとって素晴らしいものであることは声を大にしてお伝えしたいと思います。私にとっての奔流中国は、自由でいられる旅でした。何者かになる必要もなく、感動を押し込める必要もなく、考え方を強制されることもなく、ただ自分が自分のまま、馬と人と向き合って進んでいく旅です。そこには立場や学歴や性別や見た目などで人を差別する人はいませんでしたし、何かを強制したり力でねじ伏せたりしようとする人もいませんでした。それは、張宇さんも同じことですし、むしろ奔流中国のそういった自由な空気は、張宇さんが作り出したものだと思っています。」
―(「主催者に嫌われた場合、危険な目に合うかもしれないという恐れを抱いている」などの悪意な書き込みに対して)
「張宇さん自身は、中国と日本、いくつもの国を行き来していることもあるからか、様々な人を見て、様々な���値観や世界があることを知っている人だと感じていました。年齢や境遇や性別や環境、様々な要素によって人がつくられることを知っているので、人に合わせてコミュニケーションをしてくれる。人との距離の取り方が優しいのです。だから私は張宇さんとのコミュニケーションで不快な思いをしたことはありませんし、私の周囲の人もそうだったと思います。また、歴史やアートやファッションなど様々な分野に知識と好奇心があって、それぞれに考えを深めている方なので、みんな会話を楽しんでいました。主催者で人生の先輩なので当然敬意は持ちつつも、疲れた時やちょっとした隙間に話しかけてくれる、身近な存在でもありました。」
「ここでの出会いで人生が変わった人はたくさんいますし、私もその一人です。そう言った声をしっかり聞いていただければ、性暴力団体だの、主催者の独裁だの、そんな甚だ的外れな発言はできないはずです。」
「奔流中国が多くの人にとって必要とされている、大切な出会いや経験を作ってくれる団体です。それをつくりあげてきたのが張宇さんであるということ。そしてこれから先も、多くの方に張宇さんと出会い、奔流中国を体験して欲しいということです。」
―(奔流中国性暴力団体に対して)
「これまで奔流中国の旅には7回参加し、船のまとめ役を2回ほど務めました。今でもよく説明会に遊びに行っています。三十半ばとなったこの夏も、奔流中国の旅に参加してきました。周りの友人にも強く薦めたいと思っています。奔流中国は私の青春そのものであり、旅を通じて出会った友人、体験、全てがかけがえのない財産です。今、私は教育に携わる仕事をしていますが、この旅は私の原点であり、また希望でもあります。」
「私はこれまでに7回の参加で、多くの参加者、スタッフ、リピーターと出会いましたが、張宇氏が立場を利用して、女性に対して性暴力を振るう、脅迫をするような話を聞いたことはありません。参加者たちは正義感と良識のある人たちなので、性暴力や脅迫を見過ごす人たちではありません。」
ー(「主催者に反抗したら、パスポートを取り上げられる恐れがある」「だから、言われるままに従うしかありませんでした」の悪意な書込みに対して)
「張宇氏の統率力と優れた判断力、人間力をなくして実現できない旅であるということだ。普段は皆に優しく接しているので、男女とも張宇氏に親しみを持ちやすく、信頼している。そのため、過酷な旅でも苦痛に感じることはほとんどない。大学の時に参加した初めての奔流では、参加していたメンバーがよかったのだと思っていたが、回数を重ねるうちに全体を見る余裕ができ、やはり主催者の人間的魅力がこの旅をつくっているのだと分かった。」
―(「張宇が故意に女子と同部屋に部屋割りしていたが、(参加者)が自主的に部屋割を分けた」の不実な内容に対して(明らかにミスと誤解))
「張宇氏が主催する旅は、学生、若者に馬に乗る事、乗馬することとは何か?を考えさせ、常に張宇氏は答えは出さず考えさせ、参加者1人1人が自分なりに答え生むまで待ち続ける。」
「私は大学3年で初めて参加し、当時は張宇氏が言っている事、旅の意義なんてものは全くわからなかった。しかし社会人になり参加し初めて張宇氏が旅の中で学生に伝えたい事がわずかながら理解できる気がし、その魅力、答えを見つけに何度も参加し、それは私の生活、人間関係や考え方までも大きく影響を与えた。」
「私は、張宇氏の主催者としての力量に感服し、「奔流中国」の旅にすっかり魅せられてしまい、何度も参加することになりました。学生時代に参加した若者が、社会人として再びこの旅に参加したくなることも十分に理解できます。中国辺境の大草原の中で、自らを見つめ直し、学生時代の自己を思い返し、それを取り戻そうと思うのでしょう。中には、この経験を糧にして、卒業後、医者、弁護士、ベンチャー企業の経営者として成功している若者もいます。これまでの長い人生において、数多くの人間を見てきた私達の様な高齢者にとっても魅力的な若者が多く、そんな人たちを惹きつける旅とこの旅を主催者として15年以上も続けてきた、張宇氏の人柄には敬意を表するものであります。」
「張宇氏は、参加者の性格、体力、乗馬経験などを的確に見極めて、各自の力量に見合う 馬を当てがい、さらに、各自に適切で、丁寧な個人指導をしながら、現地スタッフを統率し、注意深く旅を進めます。大きな怪我を負った事故などはこれまで聞いたことがありません。帰国後も、旅を共にした仲間で集まり、旅の思い出とそこで得た貴重な経験を共有し、その後の人生に生かそうとする若い人たちの思いには同感します。男女の区別なく、過酷な旅を達成した者としての共感が生まれるからだと思います。私は、そんな旅を誠実に、当初よりブレる事なく、永年続けている、張宇氏の情熱、企画力、行動力に、改めて敬意を表する者であります。」
―(だれかの陰険な目的のため作られた「女子救済」の大義名分に対して)
「旅が素晴らしいので、その後、可能な限り手伝いしている。スタッフという意識ではない。説明会での感想発表はとくに張宇氏から指図がなく、皆自分の中で思っていることをこれからの参加者に伝えるだけ。
説明会前後には都内張宇氏自宅に、旅の参加者たちや張宇氏を慕う歴代の参加者が5〜8人くらい集い肩を寄せ合う。1LDKの6畳ほどの小さな部屋で張宇の愛娘も一緒に船や夜行列車同様に、朝までトランプやサイコロを真剣に勝負する。そこにはいつも真剣に勝負し、過去の参加者や若者とも真剣に向き合う張宇氏が伺える。」
(「寝台車では、張宇は参加者と別のボックスに席をとり、夜間・消灯後は参加者のいるボックス内に入ってはいけない」、「参加女性と個人的にLINEなどの連絡先を交換してはいけない」主催者に妬みを持つ人間からの理不尽な要求に対して)
「他人を批判することで自分の存在を確める小さな人間もいます。辛い状況ですが、奔流によって人間的に育てられた人がたくさんいること、信じてくれている人がたくさんいることも忘れることなく、矜恃を失わずに踏ん張ってもらいたいです!」
―(Twitterの誹謗中傷に対して)
「このような誹謗中傷は張宇さんだけでなく運営スタッフや遊牧民、現地スタッフ、そして過去の参加者も含めたすべての関係者に対する、これまで積み上げてきた歴史への冒涜です。張宇さんがリーダーとなりみんなで作り守ってきた奔流中国の旅をそのような理不尽な方法で潰そうとする行為は断じて許せません。それこそネット社会を悪利用した暴力だと思います。」
―(「(遊牧民スタッフに対して、今後参加者に対して性的な関係を持ちかけたり、連絡先の交換を試みることがないように指導する」主催者に妬みを持つ人間からの理不尽な要求に対して)
「張さんは旅の中で参加者の一人ひとりを尊重し、軽い怪我でも優しく対処していました。こうして多くの参加者と親友になり個人的な絆も深く、当然ながら、その中には女性もいます。それは人間の感情的領域なので、土足で入るべき部分ではないと思います。虚偽な内容をでっち上げることによって相手の評判を下げ、善意的な行動をすべて悪い方向に解釈させる行動は汚い企みしかすぎません。」
「張さんは人の自由な選択と女性の権利をとても尊重する方で、また創造と芸術の価値を信じる方でもあります。だから奔流は常に自己発見と参加者の多様性を大切にしていると感じます。人間の自然な美しい感情を尽く性暴力にすり替えようとする人こそ、日本の陳腐な男尊女卑な考えに見えます。自分の狭い価値観で他人を支配するためにフェイクを作り、ましてネットで歪曲した内容で他人を誹謗中傷する行為はとても許せません。それこそ人の人格を踏みにじる行為だと思います。」
―(Twitter上の「奔流は女性軽視」言論に対して)
「日本はこれだけ中国に対して敵意を抱く人が多い中、奔流の参加者はほぼ全員、中国大好きになり、中国人に対しても友好的な気持ちになります。それは張さんに対する敬意によるものとも言えますし、それだけ張さんの旅は素晴らしいものだったと言えるのでしょう。」
「2019年の夏ツアー募集の為に大学生協で説明会をした際、生協の担当者が好意的に生協のツイッターに私の写真付きの説明会のご案内をツイートされました。しかし、その後、私の写真と実名は、「奔流中国に参加するな」という主旨のコメント付きでツイッター上に頻繁に流されました。相手は複数のアカウントで書き込みをしておりましたが、文章、内容、しつこさから誰なのかはすぐ分かりました。
一般の参加者に歪曲した内容を一方的に伝える事や、インターネット上に許可も得ないで私の実名や顔写真を悪用する一連の行為に当人物の異常さを再認識すると共に憤りを感じました。
ツイッターを見た参加者予定者は「主宰者(張さん)はいきなり性暴力を振るいますか」と聞かれたり、保護者から参加はさせないと直前キャンセルされ奔流は甚大な風説被害を受けました。
私は去年夏のTwitterの件を振り返るたび、やるせない気持ちで一杯になります。23年間にわたる参加者と張が積み上げてきた奔流中国の馬旅と言う、唯一無二の存在。その歴史も参加者の貴重な想い出も、これからの参加予定者の憧れも全てをTwitterと言う卑怯な方法で汚されてしまいました。 事務員ですら、今後の企業運営を心配してしまいます。たった1人の参加者からの誹謗中傷を受けながらも奔流中国、社員やご家族の生活を守る為に冷静に立ち向う代表の張の精神的な苦悩を察すれば言葉になりません。 張はその時その瞬間を精一杯に真剣に生きています。そして張の心に素直な生き方は多くの参加者に憧れと魅力を与えています。 本来、張や奔流中国の魅力となっている「心の自由と“個”の強さ」「真剣に社会と向き合う」と言う高い志がTwitterでは歪んだ表情にすり替えられています。ここに奔流中国の名誉の為、末筆ではございますが私の意見として述べさせて頂きます。」
―(だれかが悪意に作られた「女子救済」の大義名分に対して)
「大学や会社でも仲間内のガールズトークや被害妄想、男女間の誤解はよくあるものです。男女の性差による考え方の違いや不注意、人間の自然な感情などによるものも多く、決してお互いに悪意がある訳ではないのです。同じ女性として、セクハラが許されるべきと言っているのではありません。感情のずれや男女の誤解の場合がほとんどです。ニュースでセクハラとして取り上げられるのは、相手から注意されても、尚しつこく迫ってくるケースだと思います。
これまでの旅での張さんは男女ともに人気が高く支持されています。「セクハラおやじ」と感じる人はまずいません。純粋なファッショナブルな少年であり、落ち着いた先生のように皆さん見ています。日本でも若者たちとオープンカーでドライブをしたり、クラブに行ったり、一緒にゲームしたり、熱い夢を語りあったりしています。それが張さんの生き方です。少年のような純粋な心の持ち主でなければ、大学生たちとこのようなピュアな付き合い、ましてこのような純の奔流の旅を作れないと思います。」(旅の直後)
「奔流マジックと言われるものがあります。奔流のどの陣の参加者は旅が終わる時、あまりにもいい旅なので、「皆良い人」だと言います。しかし、実際はただの普通の大学生たち。サークルにクラスに、様々なタイプの人がいるのと何も変わりはありません。奔流で一時浄化される人もいるけれど、人の根を変えられないことは私達も知っています。
張さんについて語る際 私は20代のファッション、40代の仕事能力、60代の思考力と表現します。皆さんと一緒にいると純粋な少年ですが、やはり経営者としての能力と洞察力があるので、一瞬で相手の“本心”を見抜きます。それに、非常に愛憎が激しく、理性よりも情に生きている人です。当然、社員と子玉ちゃんの生活を守る責任から、奔流を潰す行為は断じて許しません。
今回皆さん簡単にフェイクに支配されたのは、大学生はそこまで不実なもの陰険なもの、汚い企みのための二枚舌な言論を経験したことがないからだと言えます。」(旅の直後)
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