#原宿ニット
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12/9 好きなチョコ屋のイベントがあり代官山に向かった。場所が代官山と渋谷のちょうど中間のわけわからん立地のため渋谷で降り、せっかく渋谷で降りたので行きつけの服屋の新入荷を監視に行った。これかわいいっすねが1着あったが、セールじゃない時期に服を買うのは正気を失ったとき以外やらないので正気の俺は何も買わずいたずらに店員の時間を消費するのみだった。そのあと2軒目の服屋に行った。この前心斎橋でふらっと入って良い感じだった服屋の渋谷店。ここではずっとこんなの欲��かってんのニットを見つけて正気を失ってしまったので定価で購入した。服を見過ぎてチョコの閉店まで45分しかない。そしてここから徒歩25分らしい。渋谷から代官山はたった一駅だが、同じ隣駅でも原宿や表参道のようにシームレスに繋がっておらず、誰も通らん暗い道を進んだ先で線路際の下層と線路を跨ぐ陸橋の上層の2層に分かれたエリアを階段で行き来しないと代官山の街までたどり着けないようになっている。そんなだから駅前ずっと空きテナントなんだよ。ボケが。でもまあなんとか間に合ったので滑り込むといかにもファッションとかデザイン関係の仕事してます風おじさんとか小金持ってそうなお姉様とかで結構混雑していて店の偉い人と談笑とかしていていけ好かない。え〜どれにしよ〜とか言ってる奴らを尻目に店のすべての商品を購入してスタイリッシュにカードを切り風のように退店した。俺は冬の嵐。そのまま荷物を抱えて地元に戻り、友達と焼肉アンドレモンサワーでひと暴れし2軒目で日本酒をしこたま飲み頭痛を抱えながら泥のように眠った。休日最高!
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2022年に京都に見に行ったブライアン・イーノの77 Millionは2006年にラフォーレ原宿に見に行ったものの最新作だった。
2006年、ラフォーレのミュージアムにまだブラウン管のモニタが積まれていて、音楽を聴きながら目を閉じて開けるとふんわりと映像が変わって、見つめたままでも見ていなくてもいつまでもそこにいられた感覚を今でも覚えている。
2022年の夏に新幹線に乗って、私の嫌いな政治家が銃撃されたニュースを後ろの座席の人たちの会話から知り、そのニュースをあまり見ないで美術館やお寺でぼんやりとしていられることを良かったと思った。
2022年夏のブライアン・イーノは音響がもっと良くなっていて、人がごろごろ転がっていて、ソファに溶けて時間を忘れるような場所だった。
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2009年の国立新美術で見た野口里佳さんの写真は光に満ちていて、変な鳥がいて、ふんわりと心が遠くへ行ったのを覚えている。
2022年の都写美で見た写真も、映像も、世界の秘密をこっそり耳打ちしてくれるような楽しさがあった。まだ撮りたいものに満ちている世界。
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2004年に青山で川内倫子さんの写真を見た。「AILA」に収められている写真は徹夜明けの頭に真っ直ぐに届いて、たかれたフラッシュが艶やかな命を吹き込んでくれた。
2022年にオペラシティで見たM/Eでの光はおだやかで、展示空間のつくりがドラマティックだった。
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2009年に鶴岡八幡宮そばの神奈川県近代美術館 鎌倉で見た内藤礼さんの「すべて動物は 世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」は、既に古くなっていた建物にそっと豆電球を灯し、布を置き、赤ちゃんの両足を地上に下ろした大きさの白い薄い紙が積まれ、風が吹くとテグスが揺れていた。池のほとりの欄干に水が満たされている。
2023年の葉山の海のそばで、またニコニコしたイサムノグチの彫刻と出会い、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」を見た。
2009年にはまだ登場していなかった、小さな白いニット帽。その子のためにあるような小さい部屋は、私たちが展示室に入ってきた細長い入り口と大きな窓が同じ形でミニチュアになっている。
天井から吊るされたテグスには透明なビーズが連なり、海の上の太陽が細く照らしている。
人が静かに歩くと薄く白い風船が揺れ、イサムノグチに似たニコニコしたボタンが2つ、壁で微笑んでいる。窓からの光を鏡が受けて、照らし返す。窓辺のガラス瓶は曲面になるほどの水で満たされている。空が光に満ちていて、海が照らし返すようにずっと満ち満ちていている。
ちいさなものがポツンポツンと置かれ、それを見つめようとする私たちもゆっくりとそっと動く。雲と太陽の傾きで部屋の色が変わるのがわかる。
私たちがまだ生きていて、作家もまだ生きていて、同じ光を見つめるために作られた場所。
何年も前から好きなもののことをまだ好きで、作家それぞれの人もまだ生きていて、まだ私も生き延びていて、じっと見つめたり耳を澄ませたりし続けている。
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POPな色で冬を楽しむ - osakentaro "knit vest" / "knit muffler" / "knit glove"
こんばんは。
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今年の秋、東野圭吾の「加賀��一郎シリーズ」から新作が発表された。
そんな訳で、9月半ばから過去10作品を読み直していたのだけど、昨晩無事読み終えた。
正直、かなり昔に読んだので忘れているストーリーも多く、読み進めるうちに思いだしはじめるというのが多かった。
改めて読み直して、8作目の「新参者」、9作目の「麒麟の翼」、10作目の「祈りの幕が降りる時」は特に面白い。
ちなみに、本を読みたいけど、何から読んだらいいのか分からない。
そんな方におすすめしている1冊が「新参者」になる。
ドラマ化もされたけど、ドラマは少しストーリーが改変されていたりして、個人的にはやっぱり原作の方が好きなので、原作���おすすめしたい。
シリーズ途中からなんだけど、8作目から読んでも問題ない。
その代わり、必ず、8作目からは順番を守った方がよい。
8〜10で一つの作品にもなるので。
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かなり読み易いので、もし良かったらお近くの書店で探してみてほしい。
さて、僕はこの2ヶ月、読書の秋を堪能していた訳だけど、気がつけばあっという間に冬へ。
そんな冬だからこそ、ちょっとポップな印象を受けるアイテムを装いに取り入れて、寒い日も明るい気持ちで楽しんでもらえると嬉しく思う。
そんな訳で今日はポップなアイテムをピックしたいと思う。
osakentaro : knit vest (pink) ¥48,400 (tax in)
osakentaro : knit vest (orange × yellow) ¥48,400 (tax in)
osakentaro : knit muffler (multi color) ¥35,200 (tax in)
osakentaro : knit muffler (multi color) ¥35,200 (tax in) sold out
osakentaro : knit glove (pink) ¥15,400 (tax in)
osakentaro : knit glove (orange × yellow) ¥15,400 (tax in)
今年も"osakentaro"からポップな色の組み合わせが可愛らしいニットアイテムが到着した。
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昨年はニットグローブとニットトップスを当店で取り扱いさせてもらっていたけど、引き続きニットグローブを始め、ニットベストやマフラーも今季は取り扱いさせてもらっている。
"osakentaro"のニットといえば、やっぱりこの「ほつれ」のデザインは欠かせない。
僕のお気に入りのデザインにもなる。
初めて"osakentaro"のアイテムを購入したのも「ほつれ」が施された1着で、あれから10年近くが経とうとしているけど、未だに飽きることなく、��するデザインの一つだ。
ちなみに、今季当店がニットベストをオーダーした理由は、袖があるニットよりもコートのインナーに合わせて頂き易いのではないかと思ったからである。
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アームホールなどがコートに引っかかってしまったり、コートのインナーに着用した時にアーム周りがキツかったりしないよう、秋から冬、そして初春にかけてまで長く活用できるアイテムにもなるなぁと思ったからだ。
インナーにシャツや薄手のニットを合わせてみたり、冬にはコートのインナーとして差し色として合わせてみたり。
さまざまなスタイリングの中で活躍する1着ではないだろうか。
そして、今季より初めて店頭でご覧いただけるアイテムがマフラーになる。
普通に首に巻いても良いのだけど、生地の継ぎ目にホールがあり、そこに通してバラクラバのような使い方もできてしまう。
結構厚みもある、しっかりとしたニットなので、保温性も十分だ。
冬の寒い冷気からもしっかりと身を守る。
そして、何よりも可愛い。
気分やスタイリングに応じて、マフラーとして楽しんだり、バラクラバのようにアレンジを利かせてみたり、色々と合わせていただくと良いでのはないだろうか。
そして、最後にニットグローブ。
秋冬になるとダークトーンのコートを纏う機会も増えるのではないだろうか。
僕は結構色好きな方だと思うのだけど、やっぱりアウターは黒が多い。
そんな重たいコートを着用する日、手元に差し色で、こんなポップな色のグローブを合わせてみてはどうだろうか。
手首を守るだけで体感温度も変わり、それでいて手元に華やかさも出る。
こういったアイテムが1つあるととても便利だ。
僕も"osakentaro"のニットグローブを愛用しているけど、色が違うと合わせるアイテムも変わるので、正直もう1つ欲しいくらいだ。
さて、簡単にはなるけど、ざっと紹介をさせてもらった。
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ポップなニットは装いに彩りを与えてくれる。
冬になると、黒やネイビーといった重たい色のアイテムを纏う日が多くなる。
だからこそ、ちょっと装いにポップな色のアイテムを入れるだけで、印象もガラッと変わる。
それはほんの少しでいいのだ。
グローブやマフラーのように小物で見せるだけであったり、コートのインナーからチラッと見せるだけでも良い。
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寒い冬が苦手だという方も多い。
でも、僕は冬が好きだ。
なぜなら、こんな素敵なニットを着れるからだ。
冬こそ装いの幅も広く、色んなアイテムを楽しめる。
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冬が苦手な人も、ぜひ装い���楽しみ、辛い冬のお出かけも楽しい時間に変えてみてはどうだろうか。
そして、"osakentaro"のニットアイテムにはそんな力が宿っていると僕は思っている。
なお、一部アイテムはオンラインショップでもご覧いただける。
合わせてご覧いただけると嬉しく思う。
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冬の始まり。
今年の冬を、装いから明るく、楽しく過ごすためのアイテム。
せっかくなら冬を楽しく過ごしませんか。
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"osaknetaro"のアイテムにはそんな力があるはずだ。
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それでは次回もお楽しみに。
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* 【💝おnew💝】 * お気に入り過ぎて、 vacaさん行った時あったら、必ず買い占めるカメオ @vaca_material_room * 上田匡志さんのホワイトタイガーとも合わせてみました😁✨ ただしさんお母さん▶ @tadashigaeru373 * ホワイトタイガーは、実は自然界には存在しないそう * ベンガルトラの変異種ていうのかな?やねんて んで、 ちょうど、愛するYUKIちゃんが最新のインタビューで、ベンガルトラではなく、ベンガル猫の話をしていて、 何か運命感じて、 仕上げをツヤッ艶にしました☺️🌈✨✨✨ 行動意味不明やけど、自分なりには意味があるのです * カメオシリーズは、全てブローチです♡ ふわふわモヘアのニットに艶とキラキラしてる質感のブローチ、絶対かわいいし、 春になれば、おとぼけキャラに 敢えてのトレンチコートやステンカラーコートを合わせてほしい!!! * もちろん、ストールやマフラーのポイントにも☻ * それから、愛と狂気のマーケットに出すか、自分で使うか悩んでる、 ぱっちん留めも、ホワイトタイガーで作りました☺️☺️ * 参考までに、お写真あげてます * * * ラフォーレ原宿地下0.5階 『愛と狂気のマーケット』 @aitokyouki @laforet_h * 2/1〜2/28 ※2/7.8は、休館日 11時〜20時 ※2/1 16時open 2/28 〜18時まで * 🌷きらりのお店番🌷 2/1㈬ 16時〜20時 2/2㈭ 14時くらい〜20時 2/3㈮ 14時くらい〜18時半くらい ・ ・ ・ 2/26㈰ ???〜20時 2/27㈪ 14時くらい〜20時 2/28㈫ 14時くらい〜18時 * #ラフォーレ原宿 #愛と狂気のマーケット #愛と狂気 #aitokyouki #harajuku #きらりと障害 #障害者アート 使用 #障害者アートをお洒落に商品化 #Kirari_Kirameku #きらり煌めく #上田匡志 #自閉症スペクトラム #アウトサイダーアート #大阪 #原宿 #原宿ファッション #大阪クリエイター #大阪ハンドメイド #個性派ハンドメイド #個性派ファッション #個性派アクセサリー #個性派クリエイター #派手ファッション #派手アクセサリー #派手ハンドメイド #カラフルファッション #カラフルハンドメイド #カラフルアクセサリー #colorfulfashion #カラフルクリエイター (愛と狂気のマーケット@ラフォーレ原宿) https://www.instagram.com/p/CoA5hE_h-oD/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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原宿・表参道でメンズのニット・セーター🧶が買える人気ショップをまとめました。
https://harao.tokyo/blog-jing/p34263
“ニット・セーター”は、1枚で着ても存在感のあるものや着こなしのアクセントとなるもの💡タイプの違うニット・セーターを揃えておくと、暖かくておしゃれに過ごせます✨
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today's style ・ ・ knit on knit on knit...ついでにknit tie 📸 @matchy21 #beams #beamsf #brillaperilgusto #internationalgallerybeams #ootd #outfit #harajuku #fashion #styling #mensfashion #mensstyle #原宿 #ニット#ボーダー #ニューバランス #ジャケットスタイル #ファッション (Harajuku, Tokyo(原宿)) https://www.instagram.com/p/Bq9sUbyBwB2/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1u195gfmtr2k6
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年始からとてもステキなお写真見つけてしまった❤️ マリマリアイテムを頭から下までフル装備でモリモリコーディネートされてるー🤣✨ 面白いなー!アートやなぁー!! マリマリの作品たちが色んな方の手によってアレンジされるの本当に面白いしワクワクドキドキ鼻息がフンフンしちゃいます☺️ 今年も楽しいお話があれば沢山チャレンジしていきたいな👍🏻 @yoshimihono さん @oxmizukixo さんありがとうございます😊🌈✨ #marinco_maringo #3月15から17まで #デザインフェスタギャラリーで個展します #kidsfashion #kidsphoto #キッズフォト #ニット #ニットアクセサリー #knitting #knit #デザインフェスタギャラリー #原宿 https://www.instagram.com/p/B6y9YflFHrw/?igshid=1qkuouwpy66wb
#marinco_maringo#3月15から17まで#デザインフェスタギャラリーで個展します#kidsfashion#kidsphoto#キッズフォト#ニット#ニットアクセサリー#knitting#knit#デザインフェスタギャラリー#原宿
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可愛い笑顔柄のデザインがポイント。クルーネックがコーディネートしやすく、バックスタイルも印象的。 ルーズシルエットなのでデニムパンツと相性バツグン! #セーター#ニットトップス#インナー#ニット#カジュアル#シンプル#可愛い#おしゃれ#トップス#原宿系スタイル#コーディネート#本日のコーデ#秋コーデ #dailylook#ootd#outfit#instagood#instafashion#fashion#dress##패션#스웨터 https://www.instagram.com/p/B4q8Z1aDMlR/?igshid=160fcb5m6dtg7
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#bendavis で#ニット帽 買ってきた。#bendavisjp #原宿 #表参道 #ベンデイビス #fujifilm #x100f #fujifilmx100f #classicchrome #urahara #harajuku #omotesando https://www.instagram.com/p/B4hXOP7JU2h/?igshid=12ol9yvk6gu30
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2022.9.1-9.15
↑これはロンドンで現像した赤羽の写真。 以下ほぼ写真日記。備忘録。
2022.9.1
Darhamの宿を出発。朝のパブ。
スーツケースで朝ごはん。
なんかヨーグルトに入れるオーツみたいなのの中にスプーン雑に入ってた。日本だったら絶対にスプーンでもう1包装あると思う。私は雑に入ってるのが好き。
今度こそ窓側取れた。 雲が低くて空がものすごく青い。丘が綺麗。 だけどやっぱり後ろ向きに進む。 座席の方向転換が出来ない仕様なのであれば、日本ならきっと上りの方向が前になると思う。しかしこちらはいずれもロンドン方面(進行方向)が背面だった。不思議だけど、まあそういうもんか、と順応し始める。
途中で原子力発電所みたいなのが見えたけどどこかはわからなかった。 シンプソンズで見たことある形。
ロンドンついたけど人多いのとスーツケース重くて疲れすぎてスーパーの寿司の写真しかない。
ゲストハウスに宿泊。 同室に日本人��名前を見つけたけど帰ってくる前に寝落ちした。 英語版『日常』5巻を読み始めた。
2022.9.2
エジンバラで撮ったフィルムが終わったので写真屋さんで現像に出す。 Googleマップを見ると近くに大英博物館があるようだったので、散策しながら向かった。
日本で絶滅したAeroを途中で見つけたのだけど、散策してる最中に全部溶けた。
めちゃいいつま先
モアイの体 cute
日本ブース(?)に三島由紀夫いた。
広すぎてまたしても諦めた。 朝から来れる日にまた来ます。
スーパーで夜ご飯を買って帰る。 生ハムが食べたかったけど、どれが生で食べられるのかわからなくてやめた。前日に見た寿司を買ってみた。Mini Tokyo salmon Set
部屋に戻ろうと思ったらベッドに鍵置きっぱなしだった。 「鍵を部屋に忘れました」の英語を覚えた。
明日、ロンドンに住んでる大学院の頃の同期の卒業公演を見に行くことになった。
2022.9.3
本当に家にする才能がある。
同期の卒業公演のプレビューを見せてもらった。 観客と俳優が交流をするタイプの上演形態で、ああ日本でしばらく見てない光景だ、とおそらく私1人だけ違うベクトルで胸がいっぱいになっていた。 上演作品自体もすごくよかった。”私たちにしか出来ない演劇”というものに立ち会うために非常に有効な劇場と人数だったと思う。
入り口のセキュリティーにビビりながら入ったお店で食べたアーリオオーリオ。パスタの種類わからなすぎて普通の頼んだつもりがきしめんだった。これがロンドンの普通麺なのか? おいしかったけど脂っこすぎておしまいになった。
帰宅してから共同スペースで作業してたらパーティが始まって困惑した。 金曜日の夜。
完全に残り体力が減っている。
2022.9.4
パッキングがクソ大変だった。朝から汗だく。 もう既にキャリーに入りきらなかったんだけどまじでなんでなの?エジンバラでバグパイプ買ったから?
チェックアウトして TATE Britain に向かう。宿から徒歩圏内だということに前日に気がついた。
Cornelia Parkerの展示が良すぎて、朝のパッキングで既に溢れてたのに作品集を買ってしまった。
常設展示の方は一本道ではなく一部屋に4つ通路があって、ゼルダの伝説 時オカ版の迷いの森かと思った。サリアの歌が大きくなる通路がなかったので迷いました。
私が唯一自信を持ってできるモノマネ、ジャコメッティの彫刻があった。 めちゃいい。
ずっと実物を見たかった”Hope”。 想像以上に大きかった。 とてもいい場所に堂々と展示されていた。
描いた絵が展示になる部屋。迫り来る猫を描いた。
またマフィン食べた。
いよいよホームステイ先に移動。 緊張しながらバスに乗ろうとしたら、乗りたかったのがバス停に止まらない。イギリスでは手を上げないとバスは止まらないらしい。学んだ。 荷物も重すぎるしこれは楽しろということだな、と思い近くの駅からタクシーで向かう。
ホストファミリーがものすごく暖かく迎え入れてくれた。 大きい黒のラブラドールレトリバーもフガフガ私の匂いを嗅いでいた。 人生で good boy をリアルに言う日が来るとは思わなかった。
私の部屋は屋根裏部屋だった。憧れの天窓!
夕ご飯をホストファミリーとルームメイトと一緒に食べる。 ルームメイトのNarrimanはブラジル出身で、私の一つ下だった。「明日一緒に学校に行くから安心してね」「困ったことあったらなんでも聞いてね」とにこにこ優しくしてくれた。ありがたすぎる。
まじで不安だ…と思いながらみりんの安否を確認して就寝。
2022.9.5
初日。 ガイダンスを受けて午後から授業に参加。 チ���イム鳴っても誰も来ない。何のチャイム?
学校終わり、ルームメイトがpubに誘ってくれた。 イギリス初飲酒はguinnessでした。
2022.9.6
Good boy の Billy どうして階段のすぐ下にベッドがあるんだ…?これは土足で跨いでいいのか…?と思いながら毎回通ってる。
キットカットがめちゃくちゃでかいし、チョコの味が全然違う。 果物が安い。
相変わらずチャイム鳴っても誰もこない。何のチャイムなの本当に誰か教えて。
放課後、Narriと近所のpubへ。 夕飯前にでかいハンバーガー食べながら2時間恋バナした。
あとリアルのBless youを初めて聞いた。
2022.9.7
クラスメートがジャム挟んだクラッカーくれた。
ドイツ語とスペイン語の「さようなら」を覚えた。
放課後はMAMMA MIA!を見にロンドン市街地へ。 時間までNariとBig Ben周辺を散策。
ピーターパンだーーーー
ロンドンの空、ターナーが描く空に本当にそっくりでいちいち感動する。 彼はこの空を描いてたのか。
城?
城じゃん。 石造の建物はいいな。 歴史ある建築でここに来ること自体でテンションが上がる。
MAMMA MIA! は最高すぎて一場から爆泣きした。 カーテンコールでも爆泣きしてたらクラスメート達に抱きしめられた。 お芝居がよかったのは当然だけど、お客さんの観劇姿勢に感無量だった。客席の反応がすごく大きくて、舞台上と客席との交歓を感じて胸がいっぱいになってしまった。演劇を見ている!という感じがしたし、演劇��こういうところが好きだった、と思い出した。
2022.9.8
疲れすぎて何も写真がない。 普通に授業を受けて速攻帰宅して夕ご飯まで寝た。
夜中に現像した写真のデータが届いた。 色味が途中から変だった。 おそらく、日本から持ってきたので、空港のX線の影響だと思う。すごく綺麗だったエジンバラの空がうまく残せなかったのは残念だけど、これもその時を残してるのは一緒か、と思うことにした。
エリザベス女王が亡くなった。 「黒い服を着た方がいいですか?」と英語で聞くことになると思わなかった。これから10日間イギリスは喪に服すらしい。
2022.9.9
観劇しに市街地へ。 地下鉄や街中のモニター、お店の看板など、変えられるところはみなエリザベス女王に代わっていた。 けれど、それ以外は普通だった。喪に服すって、交通が���まったりお店が閉まったりするのかなと想像していたけれど、そうかあ、社会はそのまま回し続けるしかないよな、と思った。
観劇前に以前から気になっていたUZUMAKIというラーメン屋に寄ってみた。
どちらかというと全体的にAKATSUKIだった。 ラーメンは普通に美味しかった。 著作権どうなってる?と思う箇所が多々あったけど、これって著作権どうなってる?
見たのは”The Seagull” in ハロルドピンター劇場 客席の反応が日本と違いすぎて(再び)びっくりした。かなり終盤までみんな笑っていて、まじで…⁉︎という感じだった。私としては、マーシャとか可哀想すぎて全然笑えないのだけど、喜劇と悲劇は紙一重を真に感じた観劇体験だった。 ラストシーンが邪悪すぎて最高に素晴らしかった。
一体私は人生であと何回『かもめ』を見るんだろうか…。
2022.9.10
この日も観劇しに市街地へ。
バイオハザードの地下鉄?
この日は”FROZEN” めっちゃ真横の席だったし見切れてたけどとてもよかった。 小さいエルサがたくさんいて可愛かった。心なしか客席も全体的に水色だった気がするし、私も水色のニットを着てた。
古そうな天井に穴開けて吊ってる
ピンスポ
オケピ
こういうとこばかり見てしまう…。
休憩中、客席でアイスを売っていた。 飛ぶように売れていたしすぐ隣で売っていたので思わず買ってしまった写真。ブレすぎ。 ロンドンの大きな劇場の多くにBARが入っていて、お客さんはワイン瓶とグラスを片手に鑑賞している。歌舞伎スタイル。 観劇体験としてはめちゃくちゃ最高なのだけど、終演後の客席は映画館でも見たことないくらい食べ飲みのゴミが散らばっていてかなりの衝撃を受けている。この掃除だけでどのくらい手間と時間がかかるのか…と想像して怯える。 ドバイ→エジンバラの飛行機を降りる時も田舎のお祭りかと思うくらい荒れてて笑ったのを思い出した。
観劇後、ネガを受け取りにカメラ屋さんへ。 新しいフィルムを買いたかったのだけど、「今品薄で売ってなくて、来る前に電話してもらった方がいいかも。」と言われた。電話のハードルよ…。
夜は大学院の同期とご飯。 久々に対面で日本語を喋った。 タイ料理屋さんと日本食屋さんに行った。
2022.9.11
月曜日。 2人ともギリギリに起きてパンを食べながら登校。
放課後は、今週のお弁当の具材を買うために、普段行かない大きなスーパーに行った。
白いままのフィギュアがついていて、自分で着色するタイプの付録。
行ってみたスーパーに写真屋さんが入っていて、普通にフィルムを売っていた。
2022.9.12
何の写真もなかった。
サラミとほうれん草みたいな草とチーズをオリーブオイルと塩だけで食べるお弁当を編み出した。うまい。
2022.9.13
何の写真もなかった。2
Narriのカバンから無限に物が出てきたので、ドラえもんの「あれでもないこれでもない…」を見せた。私だー!と言っていた。 DORAEMONっていうのは未来から来た猫型ロボットで…という説明で既に面白そうなのすごすぎる。
2022.9.14
「劇場で出来ないことは何ですか?」と聞かれたのだけど、劇場で出来ないことなんてないのでは…?と宇宙猫になった末に出した苦肉の答え→「ペットの販売」 もしかしたら何かの基準をクリアしたら出来るのかもしれない。わからない。
フランス語ネイティブのChocolatを聞いてテンション上がる。
日本の夜ご飯タコス(?)とイギリスの昼ごはんin庭
放課後はライオンキングを見に行く予定だったので、再びNariと市街地の観光。 ロンドン塔を見て、Five guys へ。
新しい街と300年前の建物が共存している。 石造の建物と地震がない国、本当に素晴らしいな。
ロンドン市街地は、エリザベス女王の棺が到着したようで、物々しい警戒体制だった。大きい銃を持っている警官、やっぱりびっくりする。韓国の空港で見た時もカルチャーショックだった。
飛行機雲がいつもよりたくさん出ていた気がするけど、中継などで多く飛んでたのだろうか。
ライオンキングの最寄りの地下鉄、ホームまで階段��降りたら200段くらい永遠に螺旋階段で目が回った。 写真は疲れてる私を尻目に元気よく降りていくNariman
家に帰ったら、シーツを変えてくれたホストファミリーの手によって身代わり人形が堂々としてた。
2022.9.15
フランス語ネイティブのChamps-Élyséesを聞いてテンション上がる。
サラミとほうれん草みたいな草とチーズで作ったサラダ、毎日液漏れしてる。 タッパーとジッパーをくぐり抜けて必ず液漏れしてくる。 液体強すぎる。
ガムを捨てるために破ったノートの余りをファイルに入れたらONE PIECEのビブルカードみたいになった。
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おわり
また気が向いたら書く
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金曜日
内定式だった。1回目の就職先と比べ同期が沢山いた。不安しかないものの、来年また社会人として働くことに安心を抱いた。
土曜日
朝7時に恋人から連絡があってそろそろ向かうと言われ、早いと思いつつも私も早くベッドから出て布団を干した。前日の台風が過ぎ去りとても晴れて暑かった。早く家に着いた彼氏を出迎えつつ街に出ようと準備をした。向こうは麻雀で暇をつぶしていた。昨日届いたセットアップを着た。恋人に絶対に会うと言われて買ったもので着ると、「やっぱり似合いますね」といわれた。家から大通りまでの通りでいつも写真を撮ってくれる恋人が「最近の中で今日のEuちゃんが1番可愛い」と褒めてくれた。井の頭公園に行きたいという彼と手を繋いで歩いて向かった。吉祥寺につくとえらい人で、緊急事態宣言が明けたから、と改めて気づく。友人に教えてもらった地下のコーヒーショップでミックスソフトを頼んだ。彼氏にもあげると、めちゃくちゃおいしいと食べていた。公園に向かいベンチが丁度空いていたので座ってのんびりした。「Euちゃん撮りたいんだ」といってたくさん写真を撮ってくれた。やっぱり上手。嬉しい。SNSにあげると友達からDMが沢山来た。私が一人でも最近の写真をあげ続けるのには高校の時に現代文の先生が結構話が面白い、社会人落語大会優勝した実力もある人で、その人が、「今後結婚だったり出産だったり人生変わりに変わるだろうけど、年賀状とか子供の写真だけとかじゃなくて自分の写真をあげなさい、他人の赤ちゃんより友達の方が気になるでしょう」とかなんか授業中に言っていたので、元々話が面白い先生とだけ認識していたけど、納得して大学卒業した今でも、誰かに取ってもらった写真を最近の私と称してストーリーにあげる。帰り道、またも歩いて帰った。今度は中央線沿線上に帰ろうと決めて、その前に行きの道中で恋人が気になっていた「はらドーナツ」を一緒に買って散歩しながら食べた。恋人と台場から新宿まで歩いた時、吉祥寺から新宿まで歩いた時、5-6年前を思い出していた。一緒に手をつなぎながらいろんな話をして歩いてたことが今も続いていることに嬉しいと思った。家に帰ってきてから、少し休憩してまたスーパーまで歩いて晩御飯を買った。キングオブコントをしっかりと観た。空気階段が優勝したことがとても嬉しかった。夜、久しぶりに行為をしようと思ったけど私が狭すぎて断念した。インスタントオナニーしばらく封印して指で頑張ろ。。。。。
日曜日
7時に恋人とぬいぐるみたちに起こされた。ヌイコグマの花子とブルーナウサギの押上。両方彼氏の所有物で私の家に住んでいる。花子と押上に起こされながら頑張って起きた。名付け親は彼氏なので色々不安になる。今日は大学でとても仲いい子からポップアップストアの開店から乗り込みに行きたいという願いに乗って原宿へ向かった。新宿で彼氏とさよならして向かった。朝と夜の寒暖差が激しすぎて服装に困った。前に買ったニットワンピを着てベロア素材のショートブーツを履いた。結果暑くてマツキヨでヘアゴムを買ってポニーテールにした。そしてニットを脱いでノースリーブのワンピースとなった。早くただただ寒い冬になってほしい。お店について向こうの欲しかったものが買えてランチに向かった。道中、最近の話をしたら、まあ、いいんじゃない?といつものように甘ちゃんで肯定してくれたので気にしないことにした。木漏れ日の中ハンバーガーを食べた。私はハンバーガーが好き。沢山話すと3時になっていた。渋谷まで歩いてまた服を見て解散した。家に帰ってからは少し寝て実家から送られてくる新米を待った。新米を炊くととてもいい匂いで、炊き立てほやほやを食べるととても美味しかった。1人で食べるのも心の余裕で苦じゃなくなるのかあっとちょっとだけ思った。明日から大学でゼミなので沢山仕込みを作った。作り置きか。お弁当を作るのも好きなので、少しでも明日からの苦しいことが軽減されますようにと燻る線香を見ながら願った。ボーっとする時間も大事。研究も、職場も、人間関係も、授業も、友達も、論文もいろいろ悩みも何やらいろいろありますが100点満点の日はないので、60-70点でも残りの点数は自分を甘やかして、加点していく週にしたい。一番に頑張るけどねん
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アイスランドに連れてって
つかの間の晴天。
程よく雲がかかり、青空が顔を覗かせる。
パーカー1枚でちょうどいい気候。
洗濯物のチャンスかな。
そんな日曜日の昼時の原宿は
いつしか人で溢れかえっていた。
ブランニューなニットに身を包む女の子。
子供の両手を引っ張って歩く家族。
アニメキャラのプリントが
施された服を着る男性。
絵に描いたようにヘッドフォンを添えて。
何故だか忙しい日々はこういった日常が
ひたすらに目につく。
そんな18日の日曜日。
温泉でも入って、サウナ行って、
ゆっくり友達と
仕事大変だよとか
彼女とどこどこ行ったとか
金曜ロードショーが感動的だったとか
新しいニット買ったとか
世の中もーと悪い奴がいるんだぜ
とかいう話を聞いて、話して、整えたい。
って忙しくなると毎回同じことを思いますね。
旬な症候群
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ボツ2
おっぱい、大食い。最後まで書いたけど胸糞なのでここに途中まで投稿してお蔵入り予定。
時: 午前8時05分
所: ○○中学正門前
身長: 標準的。155センチ程度。
衣服: 〇〇中学指定の制服。黒のセーラー。リボンの色より二年生と断定。
年齢: 中学二年生なので14、5。
持ち物: 右手に〇〇中学指定の鞄。左手にスマホを所持。
同行者: 友人1名。興味無しのため略。
背格好: やや細身か。冬服のため殆ど見えなかったが、スカートから覗く脚、そして周りの生徒と見比べるに、肩や腕も細いと思われる。腰回りもほっそりとしていると感じた。正確には引き締まっていると言うべきか。
顔: いと凛々し。小顔。頬は真白く、唇には薄い色付き。笑うと凄まじく整った歯が見え隠れする。この時髪をかき上げ血の色の鮮やかな耳が露出する。
髪: ボブ系統。ほぼストレートだが肩のあたりで丸くなる。色は黒、艶あり。
胸: 推定バスト98センチ、推定アンダーバスト62センチのK カップ。立ち止まることは無かったが、姿勢が良いのでほぼ正確かと思われる。しっかりとブラジャーに支えられていて、それほど揺れず。体格的に胸元が突出している印象を受ける。隣の友人と比べるとなお顕著である。制服のサイズがあっておらず、リボンが上を向き、裾が胸のために浮いていた。そのため、始終胸下に手を当てていた。揺れないのもそのせいであろう。制服と言えば、胸を無理に押し込んだかのように皺が伸び、脇下の縫い目が傷んでおり、肩甲骨の辺りにはブラジャーのホックが浮き出ている。されば制服は入学時に購入したものと思われ、胸は彼女が入学してから大きくなった可能性が大である。元来彼女のような肉体には脂肪が付きづらいはずなのだが、一年と半年を以てK カップにまで成長を遂げたところを見ると、期待はまずまずと言ったところか。要経過観察。名前は○○。胸ポケットに入れてあったボールペンが落ちたので拾ってあげたところ、「ありがとうございます」と丁寧にお辞儀をされる。
時: 午前10時28分
所: 〇〇駅構内
身長: 高い。170センチ強
衣服: 薄く色味がかった白、つまりクリーム色のファー付きコート。内には簡素なグリーンのニットを羽織る。首元に赤のマフラー。
年齢: 22、3。休み期間中の大学生かと思われる。
持ち物: キャリーバッグ。手提げのバッグ。
同行者: 友人2名。先輩1名。何れも女性。貧。
背格好: 体格が良いと言った他には特に無し。腕も見えず、脚も見えず、首も見えず。肩幅の広さ、腰つきの良さから水泳を営んでいると推定される。
顔: その背に似合わず童顔。人懐っこい。マフラーに顔を埋め、視線を下げ、常に同行者に向かって微笑む。愛嬌よし。
髪: ショート。これより水泳を営んでいると断定。色は茶、染め上げてはいるがつやつやと輝く。
胸: 推定バスト129センチ、推定アンダーバスト75センチのR カップ。冬である上に、胸元が目立たないよう全身を地味に作っており、某コーヒーショップにてコートを取っても、無地のニットのために膨らみが分かりづらかった。さらに、胸の落ち具合から小さく見せるブラジャーを着用しているかもしれない。そのため、推定カップはR カップより3、4カップは大きい可能性がある。コートを取った際、胸元が一層膨らんだように感じられた。机の上に胸が乗って、本人は気にしていないか、もしくは気づいていなかったが、柔らかさは至高のようである。他の男性客の腕が肩にぶつかって、驚いた際に胸で食べかけのドーナツを落とす。以降会話��彼女の胸に話題が移ったらしく、左右に居た友人二名が所構わず触れるようになり、両手を使って片胸片胸を突っついたり、揺らしたりして遊ぶ。「机まで揺れる」と言う声が聞こえてくる。「ちょっとやめてよ」と言いつつ顔は相変わらず微笑むでいる。しばらくして四人とも席を立って、地下鉄筋の方へ消えていく。童顔ゆえに顔より大きい胸は驚くに値するが、体格からして胸元に自然に収まっているのを見ると、やはりなるべくしてなったとしか思えず。
時: 午後00時14分
所: 〇〇市〇〇にあるスーパー前
身長: 低い。150センチに満たない。
衣服: 所謂マタニティウェア。ゆったりとした紺のワンピースに濃い灰色のポンチョ。
年齢: 26、7
持ち物: 買い物袋。ベビーカー。
同行者: ベビーカーの中に赤ん坊が一人。女の子である。
背格好: 小柄。寸胴で、かつ脚も長くはあらず、そして手足が細く、脂肪が程よくついている。つまりは未成熟な体つき。身長以上に小さく見える。
顔: かなりの童顔。着るものが着るものであれば高校生にも見える。可愛いがやつれていて、目の下に隈あり。子供が可愛くて仕方ないのか、そちらを見ては微笑む。
髪: セミロングを後ろで一束。中々の癖毛であるかと思われるが、目のやつれ具合からして、もしかしたら本当はもっと綺麗なのかもしれない。髪色は黒。可愛らし。
胸: 推定バスト110センチ、推定アンダーバスト58センチのQ カップ。体格が小柄であるのでQ カップよりもずっと大きく見える。というより迫力がある。私が訪れた時は買い物袋をベビーカーに吊っている最中であった。ほどなくして赤ん坊が泣き出したので、胸に抱えてあやしたが、赤ん坊は泣き止まず。片胸と赤ん坊の大きさはほぼ同じくらいであっただろう。また、胸と赤ん坊とで腕は目一杯伸ばされていた。胸に抱いて「よしよし」と揺らすのはしばらく続いたが、赤ん坊が泣き止むことはなかった。そこで、座る場所を求めて公園へと向かおうと、一度ベビーカーへと戻そうとしたのであるが、一度胸に食らいついた赤ん坊は離さない。「さっきも飲んだじゃない」とため息をついて片手で危なっかしくベビーカーを引こうとする。「押しましょうか」と接近してみたところ、意外にもあっさりと「よろしくおねがいします」と言って、私にベビーカーを預けた。中には玩具が数種類あった。道から離れた日差しの良いベンチに腰掛け、ケープを取り出して肩にかけ、赤ん坊をその中へ入れる。それでもしばらくは駄々をこねていたであったが、母親が甘い声をかけているうちに大人しくなった。私が「お腹が空いてたんですね」と笑うと、「困ったことに、食いしん坊なんです。女の子なのに」と笑い返して赤ん坊をあやす。話を聞いていると、母親の母乳でなければ我慢がならないと言う。授乳が終わってケープを外した時、子供はすやすやと眠りについていた。「胸が大きくなりすぎて、上手く抱っこできなかったんです。大変助かりました。ありがとうございます」と分かれたが、その言葉を考えるに、妊娠してから一気に胸が大きくなったのであろう。授乳期を終えたときの反動が恐ろしい。むしろベビーカーの中に居た赤ん坊の方に興味を唆られる。
時: 午後01時47分
所: 〇〇市市営の図書館。某書架。
身長: 標準的。158センチ程度。
衣服: 白のブラウスにブラウンのカーディガン。
年齢: 30前後か。
持ち物: 白のタブレット
同行者: 無し
背格好: 小太りである。全体的に肉がふっくらとついている。けれども目を煩わすような太り方ではない。豊かである。ただし、著しく尻が大きい。
顔: 目尻は美しいが、柔らかな頬に愛嬌があって、どちらかと言えば可愛らしい方の顔立ち。鼻がやや低く、口元はリップクリームで赤々と照りを帯びている。色白とは言えないが、光の加減かと思われる。眼鏡をかけており、リムの色は大人しい赤。非常によく似合う。
髪: ストレートなミディアムヘア。髪色は黒であるが、不思議なことに眼鏡の赤色とよく合い、前髪の垂れかかるのが美しい。
備考: 司書である。
胸: 推定バスト128センチ、推定アンダーバスト81センチのO カップ。本日の夜のお供にと本を物色中に、書架にて本を正していた。胸が喉の下辺りから流麗な曲線を描いて20センチほど突き出ているばかりでなく、縦にも大きく膨れており、体積としてはP カップ、Q カップ相当かもしれない。頭一つ分背が低いので上からも望めたのであるが、カーディガンで見え隠れする上部のボタンが取れかけていた。本を取る度に胸が突っかかって煩わしいのか、肩を揺すって胸の位置を直す。本棚に胸が当たるのは当然で、文庫本などはその上に乗せる。一つの書架を片付け終わった辺りで、適当に思いついたジャンルを訪ねて接近すると、如何にも人の良さそうな顔で案内をしてくれた。脚を踏み出す度に甲高い音が鳴るのは、恐らくブラジャーのせいかと思われる。歩き方が大胆で胸が揺れるのである。途中、階段を下りなければならないところでは、一層音が大きくなって、臍のあたりで抱えていた本を胸に押し付けて誤魔化していた。そのため、ブラジャーのストラップがズレたかと見え、書棚の方へ目を向けている隙に、大胆にも胸を持ち上げて直していた。なまめかしい人ではあるが、年が年なので望みは無い。
時: 午後02時22分
所: 〇〇小学校校庭
身長: 140センチ前後か
衣服: 体操服
年齢: 10、11歳
持ち物: 特に無し
同行者: 友人数名
背格好: ほっそりとしなやかである。幼い。腕も脚もまだ少女特有の肉が付いている。今日見た中で最も昔の「彼女」に似ている体つきであったが、この女子児童は単に骨格が華奢なだけで、痩せ細った体ではない。健康的である。脚が長く、短足な男子の隣に立つと、股下が彼の腰と同位置に来る。
顔: あどけなさは言うまでもないが、目元口元共に上品。笑う時もクスクスと擽るような、品の良い笑い方をする。眼鏡はテンプルに赤色が混じった、基本色黒のアンダーリム。そのせいで甚だ可愛らしく見えるが、本来は甚く聡い顔立ちをしているかと推定される。が、全般的に可愛らしい。
髪: 腰まで届く黒髪。ほぼストレートだが若干の癖あり。また、若干茶色がかっているように見えた。髪の質がかなり良く、時折肩にかかったのを払う度に、雪のように舞う。
胸: 推定バスト81センチ、推定アンダーバスト48センチのI カップ。体育の授業中のことである。男子は球技を、女子はマラソンでもやらされていたのか、校庭を走っていた。身体自体は小柄であるから胸はそう大きくはないのだが、無邪気に走るから激しく揺れる。揺れるごとに体操服が捲れ上がって腹部が見えそうである。明らかに胸元だけサイズが合っていない。何度か裾を直しながら走った後、耐えかねて胸元を押さえつけていたのであるが、いよいよ先生の元へ駆け寄って校舎内へ入った。そして出てきてから再び走り初めたけれども、その後の胸の揺れは一層激しくなっていた。ブラジャーに何かあったのだろうと思われる。顔には余裕がありながら、走る速さがこれまでとは段違いに遅く、これまで一緒に走ってきた友人に追い抜かれる。結局、彼女は胸を抑えながら、周回遅れで走りを終えた。しかし可哀想なことに、息を整えていると友人に後ろから手で掬われて、そのまま揉みしだかれる。小学生の手には余る大きさである。寄せあげて、掬い上げて、体操服をしわくちゃにしながら堪能する。私にはそう見えただけで、実際にはじゃれついていただけであろうが、指が深く沈み込んでいる様は男子児童の視線を寄せるのに足る。なされるがままにされていた彼女は、そのうちに顔を真っ赤にして何かを言いつつ手をはたき落とし「今はダメ」と言い、以降はすっかり両腕を胸元で組んで、猫背になって拗ねてしまった。この生徒は要観察である。下校時に再び見えてみれば、制服下の胸はブラジャーは着けていないながら見事な球形を為している。先程の光景から張りも柔らかさも極上のものと想像される。名前は○○。名札の色から小学5年生だと断定。ここ一ヶ月の中で最も期待すべき逸材。
時: 午後05時03分
所: 〇〇市〇〇町〇〇にある某コンビニ
身長: やや高い。163センチほど。
衣服: ○○の制服。
年齢: 17歳
持ち物: 特に書くべきにあらず
同行者: 無し
背格好: 標準的だがやや痩せ型。恐らくは着痩せするタイプである。一見してただの女子高生の体であるが、肩、腰つきともに十分な量の肉量がある。その代わり腕は細い。右手に絆創膏。
顔: あどけない。非常に可愛らしい顔。人柄の良さが顔と表情に出ていると言ったところ。眉は優しく、目はぱっちり。常に口が緩んで、白い頬に赤みが差す。が、どこか儚げである。分厚くない唇と優しい目が原因か。
髪: 後ろに一束した���ディアムヘア。一種の清潔さを表すと共に、若干の田舎臭さあり。後ろ髪をまとめて一束にしているので、うなじから首元へかけての白い肌が露出。これが殊に綺麗であった。
備考: 高校生アルバイター
胸: 推定バスト118センチ、推定アンダーバスト68センチのP カップ。服が腰元で閉じられているので、高さ24センチほどの見事な山が形成されている。そのため余計に大きく感じられる。手を前で組む癖があるのか胸が二の腕によって盛り上がって、さらに大きく見える。レジ打ちを担当していた。面倒くさい支払い方法を聞いて接近。レジにて紙を用いて説明してくれるのであるが、胸元が邪魔で始終押さえつけながらでの説明となり、体を斜めにしての説明となり、終いには胸の先での説明となる。ブラジャーの跡あり。よほどカップが分厚いのか胸と下着との境目がはっきりと浮き出ている。この大きさでこのタイプのブラジャーは、1メーカーの1ブランドしかないため、懐かしさに浸る。大体分かりました、では後日よろしくおねがいしますと言うと、にこやかにありがとうございましたと言う。腕の細さと胸の大きさとが全くもって合っていない。腰つきとは大方合っている。顔があどけないところから、胸に関しては期待して良いのではないだろうか? それを知るには彼女の中学時代、ひいては小学時代を知る必要があるが、そこまで熱心に入れ込めるほど、魅力的ではない。
本日も予が真に求むる者居らず、―――と最後に付け足した日記帳を、俺は俺が恐れを抱くまでに叫び声を上げながら床へと叩きつけ、足で幾度も踏みつけ、拾って壁に殴りつけ、力の限り二つに引き裂いて、背表紙だけになったそれをゴミ箱へ投げつけた。八畳の部屋の隅にある机の下に蹲り、自分の頭をその柱に打ちつけ、顎を気絶寸前まで殴り、彼女の残した下着、―――ブラジャーに顔を埋めて髪を掻き毟る。手元に残りたる最後の一枚の匂いに全身の力を抜かされて、一時は平静を取り戻すが、真暗な部屋に散乱した日記帳の残骸が肌へと触れるや、彼女の匂いは途端に、内蔵という内蔵を酸で溶かすが如く、血管という血管に煮えたぎった湯を巡らせるが如く、俺の体を蝕んでくる。衝動的にブラジャーから手を離して、壁に頭を、時折本当に気絶するまで、何度も何度も何度も打ちつけ、忌々しい日記帳を踏みしめて、机の上に置いてあるナイフを手にとる。以前は右足の脹脛(ふくらはぎ)を数え始めて26回切りつけた。今日はどこを虐めようかなどと考えていると、彼女の残したブラジャーが目につく。一転して俺のこころは、天にのぼるかのようにうっとりと、くもをただよっているかのようにふわふわと、あたたかく、はれやかになっていく。―――
―――あゝ、いいきもちだ。彼女にはさまれたときもこのような感じであった。俺の体は彼女の巨大な胸が作り出す谷間の中でもみくちゃにされ、手足さえ動かせないまま、顔だけが彼女の目を見据える。ガリガリに痩せ細って頬骨が浮き出てはいるが、元来が美しい顔立ちであるから、俺の目の前には確かにいつもと変わらない彼女が居る。我儘で、可愛くて、薄幸で、目立ちたがり屋で、その癖恥ずかしがり屋で、内気で、卑屈で、でも負けん気が強くて、甘えん坊で、癇癪持ちで、いつもいつもいつも俺の手を煩わせる。冷え切った手で俺の頬を撫でても、少しも気持ちよくは無い、この胸、この胸の谷間が冬の夜に丁度良いのだ。この熱い位に火照った肉の塊が、俺を天に昇らせるかの如き高揚感を與えるのだ。
だがそれは後年の事。床に広がったブラジャーを拾って、ベッド脇のランプの燈を点けて、ぶらぶらと下へと垂れるカップの布をじっくりと眺める。華奢で肉のつかない彼女のブラジャーだったのだから、サイドボーンからサイドボーンまでの距離は30センチ程もあれば良く、カップの幅も中指より少し長い程度の長さしかない。が、その深さと広さはそこらで見かけるブラジャーとは一線を画す。手を入れれば腕が消え、頭を入れればもう一つ分は余裕がある。記念すべき「初ブラ」だった。
それが何たることか! 今日、いや昨日、いや一昨日、いやこの一ヶ月、いやこの一年間、いや彼女が居なくなってから実に6年もの間、このブラジャーが合う女性には出会うどころか、見かけることも出来ないではないか。細ければサイズが足りず、サイズが足りればぶくぶくと肥え、年増の乳房では張りが足らず、ならばと小学生の後を付け回してはお巡りに声をかけられ、近所中の中高にて要注意人物の名をほしいままにし、飽きる迄北から南の女という女を見ても、彼女のような体格美貌の持ち主は居なかった。風俗嬢へすら肩入れをし、ネットで調子に乗る女どもにも媚びへつらった。
恭しくブラジャーを箱へと収めて床に散らばりたる日記帳の屑を見るや、またしても怒りの感情が迸ってくる。今日は左太腿の上をざっくりとやってやろうか。紙屑をさらに歯で引きちぎり、喉に流し込みながらそう思ったけれども、指を切る程度に留め、代わりに床を突き抜ける位力を入れて、硬い板の上に差す。今日書いた文面はその上にあった。
「なんで、なんで俺はあんなことを、……」
気がつけば奇声を上げつつ髪の毛を毟り取っていた。時計を見れば午後11時28分。点けっぱなしにしておいたパソコンの画面にはbroadcasting soon! という文字が浮かび上がって居る。忘れた訳では無かったが、その英単語二文字を見るだけで、怒りも何も今日の女どもも忘れ、急に血の巡りが頭から下半身へと下り、呼吸が激しくなる。まるで彼女を前にした時のようである。急いで駆けつけて音量を最大限まで上げて、画面に食い入ると、直にパッとある部屋が映し出され、俺の呼吸はさらに激しくなった。
部屋はここと同じ八畳ほど、ベッドが一台、机が一つ、………のみ。
机の上にはありきたりな文房具と、食器類��一式、それに錠剤がいくつか。ベッドの上には質の良さそうな寝具、端に一枚のショーツ、その横に犬用のリードが一つ。これはこれから現れる者が、謂わばご主人さまに可愛がられるために着けている首輪につながっているのである。そしてその横に、あゝ、彼女がまだ傍に居ればぜひこの手で着けて差し上げたい巨大なブラジャーが一つ、………。ダブルベッドをたった一枚で埋め尽くすほど大きく、分厚く、ストラップは太く、今は見えないが12段のホックがあり、2週間前から着けているらしいけれどもカップは痛み、刺繍は掠れ、ストラップは撚れ、もう何ヶ月も着たかのようである。
しばらく見えているのはそれだけだったが、程なくしてブラジャーが画面外へ消えて行き、ショーツが消えて行きして、ついに放送主が現れる。病的なまでに痩せ細って骨の浮き出る肩、肘、手首、足首、膝、太腿、それに反して美しくしなやかな指が見える。顔は残念ながら白い仮面で見えないが、見えたところで一瞬である。すぐさま画面の殆どは、中央に縦線の入った肌色の物体に埋められるのだから。その肌色の物体は彼女の胸元から生え、大きく前へ、横へと広がりながら腰元を覆い、開けっ広げになった脚の間を通って、床へとゆるやかにの垂れており、ベッドに腰掛けた主の、脚の一部分と、肩と、首を除いて、体の殆どを隠してしまっている。床に垂れた部分は、部分というにはおかしなくらい床に広がる。浮き出た静脈は仄かに青々として、見る者によっては不快を感ずるだろう。
言うまでもなく、女性の乳房である。主は何も言わずにただそこに佇むのみで、何も行動をしない。仮面を着けた顔も、たまに意外と艶のある黒髪が揺れるだけで動かないのであるが、極稀に乳房を抑える仕草をして、愛おしそうに撫でることがある。けれどもそれは本当に極稀で、一回の配信につき一度の頻度でしかなく、殆どの場合は、一時間もしたらベッドに倒れ込んで寝てしまうのである。
この配信を見つけてからというもの、俺の日中の行動は、その寝姿を見るための暇つぶしでしか無い。彼女そっくりな体つきに、彼女そっくりな胸の大きさ、―――しかもこちらの方が大きいかもしれない上に、彼女そっくりな寝相、………見れば見るほど彼女に似て来て、また奇声を発しそうになる。無言で、手元にあった本の背表紙で頭を打ちつけて落ち着きを取り戻し、画面を見ると、ゴロンとベッドから落ちてしまったその女の姿。彼女もよくやった寝相の悪さに、途端懐かしさが込み上げて来て、
「あゝ、こら、叶(かなえ)、寝るんだったらベッドの上で寝ないと、……。手伝ってやるからさっさと起きなさい」
と頬を叩いたつもりだが、空を切るのみで、消息不明となっている者の名前を呼んだだけ、羨ましさと虚しさが募ってしまった。
幼馴染の叶が居なくなってから早6年、片時も忘れた事はないのであるが、隣に住んでいながら出会いは意外と遅いものであった。当時俺は11歳の小学5年生、物凄く寒かったのを思えば冬から春前であったろうか、俺の家は閑静な住宅街の中に突如として現れる豪邸で、建物よりも庭に意匠を凝らしたいという父上の意思で、洋館が一つと離れが一つ庭に面する形で建てられ、俺はその離れを子供部屋として与えられていた。球状の天井を持つその部屋は、本当に子供のために閉ざされた世界かのようだった。庭の垣根が高く、木に埋もれる形で建っているのであるから、内は兎も角、外からだとそもそも離れがあることすら分からない。音も完全に防音されていて、車が通りかかるのすら、微妙な振動でようやく分かるくらい���界から切り離されているのである。いつも学校から帰ると、俺はその部屋で母上と共に話をしたり、ごっこ遊びをしたり、宿題をしたりする。食事もそこで取って、風呂には本館の方へ向かう必要はあるけれども、学校に居る7、8時間を除けば一日の殆どをそこで過ごしていた。だから、近隣の様子なぞ目については居なかったし、そもそも父上から関わるなというお達しがあったのだから、あえて触れるわけにはいかない。学校も、近くにある公立校へは通わずに、ずっと私立の学校へ入れられたのだから、関わろうにも、友人と言える者も知り合いと言える者も、誰も居ないのである。
そんな生活の中でも、よく離れの2階にある窓から顔を突き出して、燦々と輝く陽に照らされて輝く街並みを眺めたものだった。今はすっかりしなくなってしまったけれども、木々の合間合間から見える街並みは殊に美しい。一家の住んでいる住宅街というのが、高台に建っているので、街並みとは言ってもずっと遠くまで、―――遥かその先にある海までも見えるのである。
そう、やっぱり冬のことだ、あのしっとりとした美しさは夏や秋には無い。いつもどおり、俺はうっとりと椅子に凭れかかって街並みを眺めていたのであるが、ふとした瞬間から、女の子の声で、
「ねぇ、ねぇ、ねぇってば」
と誰かを呼びかける声がしきりに聞こえてきていたのだけれども、それが少し遠くから聞こえてくるものだから、まさか自分が呼ばれているとは思わず、無視していると、
「ねぇ!」
と一層激しい声が聞こえてくる。下を見てみると、同年代らしい女の子が、彼女の家の敷地内からこちらを不満そうに見つめてきている。
「僕ですか?」
「そう! 君!」
と満面の笑みを浮かべる。
この女の子が叶であることは言及する必要も無いかと思うが、なんと見窄らしい子だっただろう! 着ている物と言えば、姉のお下がりのよれよれになった召し物であったし、足元には汚らしいサンダルを履いていたし、髪は何らの手入れもされていなかったし、いや、そんな彼女の姿よりも、その家の古さ、ボロさ、貧しさは余りにも憐れである。流石に木造建築では無いものの、築20年や30年は越えていそうな家の壁は、すっかりと黒ずんで蜘蛛の巣が蔓延っており、屋根は黒いのが傷んで白くトゲトゲとしているし、庭? にある物干し竿は弓なりに曲がってしまっていて、痛みに傷んだ服やタオルが干されている。全体的に暗くて、不衛生で、手に触れるのも汚らわしい。広さ大きさは普通の一軒家程度だけれども、物がごちゃごちゃと置かれて居るのでかなり狭苦しく感じられ、俺は父上がどうして近隣の者と関わるなと言ったのか、なんとなく理解したのだった。目が合った上に、反応してしまったからには相手をしなくちゃいけないか、でも、できるだけ早く切り上げて本の続きでも読もう。―――俺は一瞬そう思ったが、ようようそう思えば思うほど、彼女に興味を抱いてしまい、小っ恥ずかしい感情がしきりに俺の心を唆していた。
それは一目惚れにも近い感情だっただろうと思う。というもの、その時の叶の外見は、着ているものが着ているものだけに見窄らしく見えただけで、顔立ちは悪くないどころかクラスに居る女子どもなぞよりずっと可愛いかった。いや、俺がそう感じただけで、実際は同じくらいかもしれないが、普段お嬢様と言うべき女の子に囲まれていた俺にとっては、ああいう儚い趣のある顔は、一種の新鮮さがあって、非常に魅力的に見える。どこか卑屈で、どこか苦心があって、しかしそれを押し隠すが如く笑う、………そういう健気な感じが俺の心を打ったと思って良い。また、体つきも普段見るお嬢様たちとは大きく変わっていた。彼女たちは美味しいものを美味しく頂いて、線の細い中にもふっくらとした柔らかさがあるのだが、叶はそうではない。栄養失調からの病気じみた痩せ方をしていて、ただ線が細いだけ、ただ貧相なだけで、腕や脚などは子供の俺が叩いても折れそうなほどに肉が付いておらず、手や足先は、肌が白いがために骨がそのまま見えているかのようである。兎に角貧相である。が、彼女にはただ一点、不自然なほど脂肪が蓄えられた箇所があった。
それはもちろん胸部である。叶は姉から譲り受けた服を着ているがために、袖や裾はだいぶ余らしていたのであるが、胸元だけはピンと張って、乳房と乳房の間には皺が出来ていて、むしろサイズが足りないように見える。恐らく裾を無理やり下に引っ張って、胸を押し込めたのか、下はダボダボと垂れているけれども、胸の上は変にきっちりしている。体の前で手をもじもじさせつつ、楽しげに体を揺らすので、胸があっちへ行ったり、こっちへ行ったりする。俺は最初、胸に詰め物をしているのであろうかと思われた。そう言えば、一昨日くらいにクラスの女子が、私の姉さんはこんなの! と言いつつ、体操服の胸元にソフトボールを入れてはしゃいでいたが、その姿がちょうどこの時の叶くらいであったから、自然にやっぱりこの年の女子は大きな胸に憧れるものなのだと納得したのである。だが、叶の胸は変に柔らかそうに見える。いや、それだけでなく、ソフトボールを入れたぐらいでは脇のあたりが空虚になって、はっきりと入れ物だと心づくが、彼女の体に描かれる、首元から始まって脇を通り、へその上部で終りを迎える曲線は、ひどく滑らかである。手が当たればそこを中心に丸く凹み、屈んで裾を払おうとすれば重そうに下で揺れる。
俺が女性の乳房なるものに目を奪われた初めての瞬間である。
それは物心ついた少年の心には余りにも蠱惑的だった。余りにも蠱惑的過ぎて、俺の体には背中をバットで殴られたような衝撃が走り、手が震え、肩が強張り、妙に臀部の辺りに力が入る。頭の中は真っ白で、少しずつ顔と耳たぶが赤くなっていくのが分かる。途端に彼女の胸から目が離せなくなり、じっと見るのはダメだと思って視線を上げると、さっきとは打って変わって潤いのある目がこちらを見てきている。微笑んでくる。その瞬間、徐々に赤くなって行っていた顔に、血が一気に上る感覚がし、また視線を下げると、そこにはこれまで見たことがない程の大きさの胸。胸。胸。………あゝ、なんと魅力的だったことか。
「こんにちは」
「うん、こんにちは。今日は寒いね」
彼女に挨拶されたので、俺はなんとか声を出したのだった。
「私は全然。むしろあったかいくらい」
「元気だなぁ」
「君が元気ないだけじゃないの」
「熱は無いんだけどね」
「ふふ」
と彼女は笑って、
「君どのクラスの子?」
「いや、たぶん知らないと思う。この辺の学校には通ってないから」
「どおりで学校じゃ、見ないと思った。何年生なの?」
彼女がこの時、俺を年下だと思っていたことは笑止。実際には同い年である。
「へぇ、あっちの学校はどうなの?」
「どうもこうもないよ。たぶん雰囲気なんかは変わんないと思う」
「そうなんだ」
と、そこでトラックが道端を通ったために、会話が区切れてしまって、早くも別れの雰囲気となった。
「ねぇ」
先に声をかけたのは彼女だった。
「うん?」
「またお話してくれない?」
少年はしばし悩んだ。近くの者とは関わるなと言う父上の言葉が頭にちらついて、それが殆ど彼女の家庭とは関わるなとの意味であることに、今更ながら気がついたのであったが、目の前に居る少女が目をうるませて、希望も無さげに手をもじもじと弄っているのを見ると、彼女の学校での扱われ方が目に見えてしまって仕方がなかった。そっと目を外すと、隣に住んでいなければ、多分一生関わること無く一生を終えるであろう貧しい家が目に飛び込んできて、だとすれば、良い育ちはしていないに違いはあるまい。だが、今言葉を交わした感じからすれば、意外にも言葉遣いはぞんざいではなく、笑い方もおっとりとしている。それに何より、自分がここまで心臓の鼓動がうるさいと思ったことはないのである。少年の心はこの時、「またお話したい」などというレベルではなく、彼女に近づきたい気持ちでいっぱいであった。近づいて、もっともっとお話をして、その体に触れて、夜のひと時をこのメルヘンチックな我が部屋で過ごせたら、どんなに素敵だろう。この窓から夜景を見て、手を取って、顔を突き合わして、行く行くは唇を重ねる、………あゝ、この部屋だけじゃない、綺麗に見繕って、二人��遊びに行くのも良い、いや、もはや二人きりでその場に居るだけでも僕の心は満足しそうだ。………実際にはこんなに沢山ことを考えた訳ではなかったけれども、しかしそういうことが、父上の言いつけから少年をすっかり遮断してしまった。つまりは、彼女の言葉に頷いたのである。
「もちろん。こうやって顔だしてたら、また話しかけてよ」
「ふふ、ありがとう。またね」
「またね。―――」
これが俺と叶の馴れ初めなのだが、それから俺た���は休みの日になると、窓を通じて10分20分もしない会話を楽しんだ。尤もそれは俺が父上と母上を怖がって、勉強しなくちゃいけないだとか、習い事があるとか、そういう理由をつけて早々に切り上げるからではあるけれども、もし何の後ろめたさも無かったら日が暮れても喋りあったに違いない。
「えー、……もう? 私はもっとお話してたい!」
「ごめんね。明日もこうやって外を眺めてあげるからさ」
その言葉に嘘はなく、俺は休日になれば、堪えきれない楽しみから朝食を終え、両親を煙に巻くや窓から顔を突き出していた。すると叶はいつも直ぐに家から出てきて、
「おはよう」
と痩せ細った顔に笑みを浮かべる。彼女もまた、楽しみで楽しみで仕方ないと言った風采なのである。
「おはよう。今日はいつにもまして早いね」
「ふふ」
会話の内容はありきたりなこと、―――例えば学校のこと、家のこと(彼女はあまり話したがらなかったが)、近くにある店のこと、近くにある交番がどうのこうのということ、近くにある家のおばさんが変人なことなど、強いて言えば、近所の人たちに関する話題が多かった。というのも、この住宅街に住んでいながら、今まで何も知らなかったので、俺の方からよく聞いたのが理由ではあるけれども、話に関係ないから述べる必要はあるまい。
それよりも、あんまり叶が早く出てくるので、いつのことだったか、聞いてみたことがあった。すると、彼女は心底意地の悪い笑顔で、
「私の部屋から丸見えなんだもん。そんなに楽しみ?」
と言うので、無性に恥ずかしさが込み上げてきたのは覚えている。どう返したのか忘れたが、その後の彼女の笑う様子が、強烈に頭に残っているのを考慮すれば、さらに恥ずかしい言い訳を放ったのは確かである。………
そんなある日のことであった。確か、叶と出会って一ヶ月経った日だったように思う。何でも学校が春の休み期間に入ったために、俺達は毎日顔を合わせていたのであるから多分そうで、非常に小っ恥ずかしい日々を送っていたのであるが、この日は俺しか俺の家には居ないのであった。それも朝一から深夜まで、何故だったのかは忘れてしまったが、両親も居なければ、ハウスキーパーも、確実に居ないのである。然れば初恋に目の暗んだ少年が悪巧みをするのも当然であろう。つまり俺はこの日、叶をこのメルヘンチックな離れに招待しようとしていたのである。
一種の期待を胸に抱きながら、いつもどおり窓から顔を突き出して、今や見慣れてしまった貧しい家の壁に視線を沿わせては、深呼吸で荒れそうになる息を整えようとする。一見、「いつもどおり」の光景だけれども、この時の俺はどうしても、初めての彼女をデートに誘うような心地よい緊張感ではない、恐ろしい罪悪感で押しつぶされそうだった。別に子供が同級生の女の子を連れてくることなど、親からしたら微笑ましい以外何者でもないかもしれない。が、これから呼ぶのは、父上が関わるなと言った、隣家の貧しい娘なのであるから、どうしても後々バレた時の事を考えると、喉が渇いて仕方ないのである。―――出来れば叶が今日に限って出てきてくれなければ、なんて思っても、それはそれで淋しくて死ぬ。まぁ、期待と緊張と罪悪感でいっぱいいっぱいだった少年の頭では、上手い具合に言い訳を考えることすら出来なかったのである。
「おはよう」
そうこうするうちに、いつの間にか外に出てきていた叶が声をかけてきた。一ヶ月のうちに、さらに胸が大きくなったのか、お下がりの服の袖はさらに長くなり、………というのは、服のサイズを大きくしないと胸が入らないからで、その肝心の胸の膨らみは今やバレーボール大に近くなりつつある。
で、俺は焦ることは何もないのに、挨拶を返すこともせずに誘うことにしたのであった。
「ねぇ」
「うん?」
「きょ、今日、僕の家にはだ、だれも居ないんだけど、………」
「え? うん、そうなの」
それから俺が叶を誘う言葉を出したのは、しばらくしてのことだったが、兎に角俺は彼女を頷かせて門の前まで来させることに成功して、庭を駆けている時に鳴った呼び鈴にギョッとしつつ、正門を開けると、さっきまでその気になっていた顔が、妙に神妙なので聞いてみると、
「なんか急に入って良いのか分からなくなっちゃった」
ともじもじしながら言う。それは引け目を感じると言うべき恥であることは言うまでもないが、一度勢いづいた少年にはそれが分からず、不思議な顔をするだけであった。それよりも少年は歓喜の渦に心臓を打たせており、今日という今日を記憶に焼き付けようと必死になっていた。というのは、普段遠目から見下ろすだけであった少女が目の前に現れたからではあるけれども、その少女の姿というのが、想像よりもずっと可愛いような気がしただけでなく、意外と背丈がひょろ高いことや、意外と服は小綺麗に整えてあることや、手も脚も、痩せ細った中にも一種の妖艶さが滲み出ていることなど、様々な発見をしたからであった。特に、胸元の膨らみにはただただ威圧されるばかり。大きさは想像通りだったものの、いざ目の前に来られると迫力が段違い。試しに顔を近づけてこっそりと大きさを比べて見ると、自分の頭よりも大きいような感じがし、隣に並んでみると、彼女の胸元にはこんな大きな乳房が生えているのかと驚かれる。
「ちょっと、どうしたの」
と言われてハッとなって、叶の手を引きながら広大な庭を歩き始めたが、少年の目はやはり一歩一歩ふるふると揺れる彼女の乳房に釘付けであった。
庭の様子は今後必要ないから述べないが、一方はお坊ちゃん、一方は女中にもならない卑しい少女が手を取り合いながら、花々の芽の萌ゆる庭園を歩く様子は、或いは美しさがあるかもしれない。
離れについて、「や、やっぱり私帰るね」と言い出す叶を無理に押し込んで、鍵をかけると、一気に体中の力が抜けて行くような気がした。何となく庭を歩いているうちは、誰かに見られているかのようで、気が気でなかったのに、今となっては何と簡単なことだったであろう。とうとう成功した、成功してしまったのである、叶を一目見た瞬間に思い描いていた夢が、一つ叶ったのみならず、この心の底から沸き起こる高揚感はなんだろうか。期待? それとも単に興奮しているだけ? いや、恐らくは彼女が隣に居ること、手を触れようとすれば触れられる位置に居ること、つまり、彼女に近づいたという事実が、嬉しくて嬉しくて仕方がないのだ。そしてそれが、自分の住処で起こっている、………俺は多分この時気持ち悪いくらいに笑っていたように思ふ。頭は冷静に叶をもてなしているつもりでも、行動の一つ一つに抜けている箇所が、どうしても出てしまって、土足のまま上がろうとしたり、段差に足をひっかけて転けそうになったり、お茶を溢しそうになったり、最初からひどい有り様であったが、彼女は引け目を感じながらも笑って、
「ほんとにどうしたの、熱でも出てるんじゃ、………」
と心配さえもしてきて、その優しさもまた、俺には嬉しくて仕方がなくって、ますます惚けてしまったように思われる。が、それが出たのは昼前のことだったろう、あの時俺は、目の前ある叶の乳房が大きく重たく膨れ上がっているのに対し、それを支える身体が余り痩せすぎている、それもただ単に痩せているのではなくて、こうして間近で見てみると、骨格からして華奢であるので、身長はどっこいどっこいでも(―――当時の俺は背が低かったのである)、どこか小さく感じられるし、そのために、余計に体と胸元の膨らみとが釣り合っていない上に、胸が重いのか、ふらふらとして上半身が風で煽られているかの如く触れる時がある、それが緊張で体が強張っている今でも起こるので、段々と心配になってきて、
「す、すごい部屋、………」
ときちんと正座をしながら目を輝かす彼女が、今にも倒れてしまいそうに思われたのだった。しかし惚けた少年の頭では、ああ言えば失礼だろうか、こう言えば婉曲的に尋ねられるだろうか、などと言ったことは考えられない。ただ、この眼の前に居るかぁいい少女が、かぁいくってしょうがない。あれ? 叶ってこんなにかぁいかっただろうか? と、彼女の一挙一動がなんだか魅力的に見えて来て、手の甲を掻くのすらもかぁいくって、言葉が詰まり、今や何とか頭に浮き出てきた単語を並べるのみ、彼女を一人部屋に残して外で気持ちを落ち着けようにも、今ここに叶が居るのだと思えばすぐさま頬が燃え上がってくる。再び部屋に入れば入ればで、自分の思い描いていたのよりかぁいい少女が、きちんと正座をしながらも、未だに目をキラキラとさせ、口をぽかんと開けて部屋中を眺めている。そんなだから、一層少年の頭は惚けてしまった。同時に、胸の前で、乳房を押しつぶしながらしっかりと握られている両の手が目について、その細さ、そのか弱さに惹き込まれて無遠慮に、
「ねぇ、前々から気になってたんだけど、どうしてそんなに細いの? どうしてそんなに痩せてるの?」
と、彼女の正面に座りながら聞いた。
「あっ、うっ、……」
「ん? だって手とか僕が握っても折れそうだし」
「え、えとね?」
「うん」
「その、食べては居るんですけれど、………」
叶はここに来てからすっかり敬語である。
「食べても食べても、全然身につかなくって、………その、おっぱいだけが大きくなってしまってるの。だから、こんなにガリガリ。骨も脆いそう。………あはは、��んだか骸骨みたいだね」
「全然笑い事じゃないんだけど」
「うん、ありがとう。それだけでも嬉しいな」
とにっこりするので、
「もう」
とにっこりとして返すと、叶はすっかり普段の無邪気な顔に戻った。
「あ、でね、もちろんお母さんも心配してくれて、お金が無いのに、私のためにたくさんご飯を作ってくれててね、―――」
「たくさんって、どのくらい?」
「えっと、………」
と言葉に詰まるので、
「���ぁ、別に笑わないからさ。言ってごらん?」
とたしなめた。すると返ってきた言葉は、俺の想像を軽く飛び越していたのだった。
毎日微妙に違うから昨日のだけと、はにかんだ叶の昨夜の夕食は、米を4合、味噌汁が鍋一杯、豆腐を3丁肉豆腐、その肉も牛肉1キロ、半分を肉豆腐へ、半分を焼いて、野菜はキャベツとレタスと半々に、鶏胸肉2枚、パスタ500グラム、………を食した後に寒天のデザートを丼に一杯、食パンを2斤、牛乳一リットルで流し込んだ、と、ご飯中は喉が乾いて仕方がないと言って、水もペットボトルで2本計4リットル飲んだ、いつもこれくらいだが、それでも食欲が収まらない時は、さらにご飯を何合か炊いて卵粥として食べるのだと言う。
笑わないとは言ったけれども、流石に苦笑も出来ずに唖然とするばかりで、俺は、スポーツ選手でも食べきれない食い物が、一体全体、目の前で顔を覆って恥ずかしがる少女のどこに入って、どこに消えたのか、想像をたくましくすることしか出来なかったが、そうしているうちに、今日の朝はねと、朝食までおっしゃる。それもまた米が4合に、やっぱり味噌汁を鍋一杯。そして、知り合いが店を構えているとか何とかでくれる蕎麦を、両手で二束、大鍋で茹でてざる蕎麦に、インスタントラーメンを2人前、水を2リットル。言い忘れてけどご飯は大きなおにぎりとして、中に色々と具材を入れて食うと言って、最後に、デザートとは言い難いが、デザートとしてシリアルを、やっぱり牛乳1リットルかけて食べる。その後パンがあればあるだけ食べる。水も何リットルか飲む。で、大体食事の時間は1時間半から2時間くらいで終わるけれども、お腹が空いていたら30分でもこれだけの量は平らげられるらしい。
「いやいやいやいや、………えっ?」
俺のそんな反応も当然であろう。ところで以上の事を言った本人は、言っちゃった、恥ずかしい、と言ったきり黙って俯いているが、益々見窄らしく、小さく見え、やはり可哀想でならなかった。
ポーン、と鳴って、時計が12時を示した。叶の告白から随分時間が経ったように思っていたら、もうそんな時間である。空腹を訴えかけている腹には悪いが、今ここで食事の話題を振れば恐ろしい結果になるかもしれない、一応自分の昼食は、父上が予め出前を取ってくれたのが、さっき届いたからあるし、母上が夕食もと、下拵えだ��して行った料理の数々があるので、それを二人で分けて、一緒に食べる予定ではあったのだが、しかし先の話が本当だとすれば、とても量が足りない。だが、恐ろしい物は逆に見たくなるのが、人間の常である。俺は、叶がご飯を食べている様を見たくてたまらなかった。普段、外食は両親に連れられてのものだったけれども、幸い街を歩けばいくらでも食事処にはありつける。日本食屋に、寿司屋に、洋食屋に、喫茶店に、中華料理屋に、蕎麦屋饂飩屋鰻屋カレー屋、果ては創作料理屋まであるから、彼女をそこに連れて行ってみてはどうか。もちろん一軒と言わずに何軒も訪れて、彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげてみてはどうだろうか? 俺はそんなことを思って、心の内で嫌な笑みを浮かべていたのであったが、偶然か必然か、その思いつきは叶の願いにぴったり沿うのであった。
「あはは、………やっぱり引いた?」
と叶がもじもじしながら言う。
「若干だけど、驚いただけだよ」
「ほんとに?」
「ほんとほんと」
「じゃ、じゃあ、もう一つ打ち明けるんだけどね、………あ、本当に引かないでよ」
「大丈夫だって、言ってごらん?」
と言って顔を緩めると、叶は一つ深呼吸してから、もじもじさせている手を見つめながら口を開くのであった。
「えとね、私、………実はそれだけ食べても全然たりなくて、ずっとお腹が空いてるの」
「今も?」
「今も。ほら、―――」
叶が服の裾をめくり上げると、そこにはべっこりと凹んでいる腹が丸見えになる。
「すっかり元通りになっちゃった。君と会うために外に出た時は、まだぼっこりしてたんだけど、………」
「お昼は?」
「え?」
「お昼。お昼ごはん。どうするの?」
「我慢かなぁ。いつもお昼ごはんは給食だから、全然平気だよ!」
この時、図らずも俺の画策と、彼女の願い、というよりは欲望が、同じ方向を向いたことに歓喜したのは言うまでもない。俺はこの後のことをあまり覚えていないが、遠慮する叶に向かって、
「ご飯一緒に食べよう!!」
と無理やり立たせて、取ってあった出前を彼女の目の前に差し出したのは、微かに記憶に残っている。彼女はそれをぺろりと平らげた。口に入れる量、噛むスピード、飲み込む速度、どれもが尋常ではなく、するすると彼女の胃袋の中へと消えていった。母上が下ごしらえして行った料理もまた、子供では食べきれないほどあったが、5分とかからなかった。こちらは食べにくいものばかりであったけれども、叶は水を大量に飲みつつ、喉へと流し込んで行く。それがテレビでよく見る大食い自慢のそれとは違って、コクコクと可愛らしく飲むものだから、俺はうっとりとして彼女の様子を見つめていた。食べ終わってから、俺は彼女の腹部に触れさせてもらった。その腹は、3人前、4人前の量の食事が入ったとは思えないほど平たく、ぐるぐると唸って、今まさに消化中だと思うと、またもや俺の背中はバットで殴られたかのような衝撃に見舞われてしまった。ちょうど、叶の乳房に目を奪われた時と同じような衝撃である。思わず耳を叶のヘソの辺りに押し付けて、たった今食べ物だったものが排泄物になろうとしている音を聞く。ゴロゴロと、血管を通る血のような音だった。
「まだ食べられる?」
「もちろん!」
叶は元気よく答えた。俺は彼女がケチャップで赤くなってしまった口を、手渡されたナプキンで綺麗に拭き終わるのを待って、
「じゃあ、行こうか」
と、財布と上着を取りながら聞いた。
「どこへ?」
「今日はお腹いっぱいになるまで食べさせてあげるよ」
俺の昼食夕食を軽く平らげた彼女は、今更遅いというのに遠慮をするのであった。「いや、私、もうお腹いっぱいで」とか、「お金持ってない」とか、「別にいいって、いいってば」とか、終いには「ごめん、ごめんなさい」と言って泣き出しそうにもなったり、なんとかなだめて離れから飛び出ても、動こうとしなかったり、自分の家に入ろうとする。「だ、大丈夫! 嘘! 嘘だから! 忘れて! もう食べられないから!」など、矛盾に満ちた言葉を放っていたのは覚えている。俺はそれをなんとかなだめて、気持ちが先行してしまって不機嫌になりつつも、最終的には弱々しい彼女の腰を抱きかかえるようにして引っ張って行った。
「ごめんね、ごめんね。ちょっとでいいからね。私よりも君がたくさん食べてね」
と食べることには堪忍したらしい叶が、物悲しそうにしたのは、確か家からまっすぐ歩いて、3つめの交差点を曲がって、広めの県道を西に沿ってしばらく行った所にある小綺麗な中華料理屋だっただろう。前にも述べたが、俺はこの日のことをあまり詳しく憶えていないのである。何故この中華料理屋に訪れたかと言えば、ようやく落ち着いた叶に何が食べたい? と聞くと、渋々、春巻きが食べたいとの答えが返ってきたからであるのだが、この店は昔も今も量が多いとの文句が聞こえてくる名店で、俺はよく、父上が天津飯一つすら苦しんで食べていたのを思い出すのである。とまぁ、そんな店であるのだから、そんな店にありがちな、所謂デカ盛りメニューなるものがあって、例えば丼物、―――麻婆丼だったり、炒飯だったり、それこそ天津飯だったり、そういうのはだいたい揃ってるし、酢豚とか、八宝菜の定食メニューもそれ専用の器すらあったりする。そしてそれを30分以内に食べきったら無料なので、これならお金を気にする彼女も安心してくれるだろうと、少年は考えた訳であったが、いざ入ってみて、奥の席へ通されて、
「この春巻きを10人前と、デカ盛りメニューの麻婆丼一つと、それと僕は、………エビチリ定食をご飯少なめでください!」
と注文すると、
「ぼ、僕? 冗談で言ってる?」
と、まず俺を見、そして叶を見して怪訝な顔をするのであった。
「冗談じゃないよ。ねぇ?」
と叶を見るが、彼女は静かに俯いている。
「ま、そういうことだから、お金は出すんだから、早く! 早く!」
「でもね、これはとっても量が多いんだよ?」
「うん、知ってる。だけど叶ちゃんが全部食べてくれるから、平気だよ」
「え、えぇ、………? この子が? 嘘おっしゃい」
そういう押し問答は10分乃至15分は続いたのであったが、とうとう店側が折れる形で、俺達の前には山になった春巻きと、山になった麻婆丼と、それ比べればすずめの涙程のエビチリが、テーブルの上に現れたのであった。俺も驚いたし、店員も驚いたし、何より他の客の驚きようと言ったら無い。奥の席だったから、人気はあまりないものの、写真を撮る者、頑張れよと冷やかしてくる者、わざわざ席を変わってくる者も居れば、自分たちも負けじとデカ盛りメニューを頼む者も居る。彼らの興味は殆どテーブルの上に置かれた理���尽な量の料理と、それに向かう華奢な少女であったが、妙に俺は良い気になって、ピースして写真に写ったり、冷やかして来た者を煽ったりして、相手をしたものだった。本当に、あの時の俺は、自分が一時の有名人になったかのような心持ちで、サインでも握手でもしてやろうかと思った。いや、そんなことよりも、もっと写真に撮って、もっと騒ぎ立てて、もっと人を集めてくれという気持ちであった。有頂天と言っても良い状態だった。が、ふと叶の方を見てみると矢張り俯いたままでいる。―――あゝ、こんなに騒がしかったら美味しいものも美味しくは無いだろうな、早く食べないと冷えてしまう、それに、自分もお腹が空いて仕方がない、そろそろ追っ払おうかしらん。叶の様子にいくらか冷静になった俺はそう思ったのであった。
「ごめんね、彼女、恥ずかしがり屋だから、ほら、あっち行ってて」
そう言うと、店主のハラハラした視線だけはどうすることも出来なかったが、皆次第に散り散りになった。叶もまた、周りに人が居なくなって安心したのか、顔を上げる。
「騒がしかったね」
「うん」
「まったく、野次馬はいつもこうだよ」
「うん」
「足りなかったら、もう一つ頼むことにしようか」
「あ、あの、………」
「うん?」
「いただきます」
この時の彼女の心境は、後になって聞いたことがある。たった一言、ああいう状況に慣れていなかったせいで、食べて良いのか分からなかった、と。実際には、中華店へ入る前から匂いに釣られて腹が減って死にそうになっていたところに、いざ目の前に好物の春巻きと、こってりとした匂いを漂わせている麻婆丼が現れて、遠慮も恥も何もかも忘れて食らいつきたかったのだそうである。事実、麻婆丼は物凄い勢いで彼女の口の中へと消えていった。
ところで麻婆丼は、後で聞けば10人分の具材を使っているのだと言う。重さで言えば8.7キロ、米は5合6合はつぎ込んで、女性の店員では持ち運べないので、男が抱えなければならない。時たま米の分量を誤って、餡のマーボーが指定分乗り切らない時があって、そういう時は乗り切らなかった餡だけ別の器に盛って出す。かつて挑戦した者はたくさんいるが、無事にただで食べられたのはこれまで1人か2人くらい、それも大柄な男ばかりで、女性はまだだと言う。
そんな麻婆丼が、11歳の、それも痩せ細った体つきの少女の口の中へ消えていくのである。休むこと無く蓮華を動かし、時折春巻きを箸に取っては、殆ど一口で飲み込むが如く胃の中へ流し込み、真剣ながらも幸せの滲み出た顔をしながら、水をグイグイ飲む。見れば、心配で様子を見に来ていた店主は、いつの間にか厨房に引っ込んで呆れ顔をしている。叶はそれにも気が付かずに黙々と口を動かして、喉が微かに動いたかと思ったら、蓮華を丼の中に差し込んで、幸せそうな顔で頬張る。あれよあれよという間にもう半分である。こういうのは後半になればなるほど勢いが落ちるものだのに、叶の食べるスピードは落ちないどころか、ますます早くなっていく。やがて蓮華では一口一口の大きさが物足りないと感じたのか、一緒に付いてきたスプーンで上から米もろとも抉って食べる。叶は普段から綺麗に食べることを心がけていて、大口を開けて食い物を口へ運んだとしても、それが決して醜くなく、逆に、実に美味そうで食欲が掻き立てられる。優雅で、美しい食べ方は、彼女が言うには、体の動かし方が重要なのだと、かつて教えてもらったことがある。気がついた時には、もう普通の麻婆丼と殆ど変わらない分量になっていた。一個もらうつもりだった春巻きは、………もう無かった。
俺は、叶の料理を食べている姿をついに見ることが出来て、ただただ感激だった。先程は恐ろしい勢いで食べたと言っても、量は大食いの者ならば簡単に平らげる程度しか無かったのである。それが今や10人前の巨大な麻婆丼を前にして、淡々と頬張っていき、残るは殆ど一口のみになっている。彼女はここに来てようやくペースが落ちたのだが、その顔つき、その手付き、その姿勢からして、腹が一杯になったのではなくて、あれほどあった麻婆丼がとうとうここまで無くなったので、急に名残惜しくなったのであろう。その証拠に、一口一口、よく噛み締めて食べている。俺は、またもや背中をバットで殴られたかのような衝撃に身を震わせてしまい、その様子をじっくりと穴が空くほどに見つめていたのであったが、汗もかかずに平然と、最後の豆腐に口をつける彼女を見て、とうとう食欲がさっぱり無くなってしまった。代わりに無性に苛立つような、体の内側が燃えるような、そんな堪えきれない欲が体の中心から沸き起こってきて、今までそんなに気にしてなかった、―――実際は気にしないようにしていた胸元の膨らみが、途端に何かを唆しているように思えて、もっともっと叶の食事風景を見ていたくなった。
「ごちそうさまでした」
と、声がしたので見てみると、澄ました顔で水を飲んでいらっしゃる。俺は慌てて、店主がテーブルの上に乗せて行ったタイマーを止めて時間を見てみた。
「16分39秒」
「えっ? 食べ終わった?」
「ほんまに?」
「本当に一人で食べたんだろうか。………」
気がつけば観客たちがぞろぞろと戻ってきていた。彼らの様子は、もうあんまりくだくだしくなるから書かないが、俺はまたしても注目を浴びている彼女を見て、ただならぬ喜びを感じたということは、一言申し上げておく必���がある。少年は輪の中心に居る少女の手を取るに飽き足らず、その体に抱きついて(―――何と柔らかかったことか!)、
「やったね叶ちゃん。やっぱり出来るじゃないか」
と歓声を放ち、
「ほら、ほら、この子はデカ盛りを16分で食べきったんだぞ。男ならそれくらいできなきゃ」
と、まるで我が手柄のように、奮闘中の大学生らしき男性客に言うのであった。俺の感性はまたしても有頂天に上り詰めて、多幸感で身がふわふわと浮いていた。隣で叶がはにかんで居るのを見ては、優越感で酔っ払ってしまいそうだった、いや、酔いに酔って、―――彼女の隣に居るのは僕なんだぞ。少年はそう叫んだつもりであるのだが、実際には心の中で叫んだだけなようである。俺がこの日の記憶をおぼろげにしか覚えていないのは、そんな感情に身も心も流されていたからなのである。………
騒ぎが収まってから、俺は半分近く残っていたエビチリを叶にあげた。もちろんぺろりと平らげた訳なのだが、しかしその後余りにも平然としてデザートの杏仁豆腐を食べているので、ひょっとしたら、………というよりは、やっぱりそうなんだなと思って、
「もしかしてさ、もう一回くらいいける余裕ある?」
「あ、………もちろん」
もちろんの部分は小声で言うのであった。そして小声のままその後に続けて、今体験した感じで言うと、もう一回あのデカ盛りを食べるどころか、さらにもう一回くらいは多分入ると思う。なんて言っても、まだ空腹感が拭えない。実のことを言えば、あれだけ店主が期待させてくるから楽しみだったのだけれども、いざ出てきてみれば、美味しかったものの、いつも食べてる分量より少なかったから、拍子抜けしてしまった、30分という時間制限も、頑張ったらさっきの麻婆丼2つ分でも達成できると思う。いや、たぶん余裕だと思う、出来ることならもう一回挑戦してみたいが、あの騒ぎを起こされた後だとやる気は起きないかなと言う。少年は彼女の食欲が未だに失せないことに、感謝さえしそうであった。なぜかと言って、この日の俺の願望は、彼女の食事姿を眺めること、そして、街にある食事処をはしごして、彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげること、―――この2つだったのである。しかし、前者は達成したからと言って、それが満足に値するかどうかは別な問題であって、既に願望が「彼女の食事姿を飽きるまで眺めること」となっていた当時の俺には、元々の望みなどどうでもよく、叶がお腹いっぱいになっちゃったなどと言う心配の方が、先に頭に上っていた。が、今の彼女の言葉を聞くに、彼女はまだまだ満足していない。腹で言えば、三分ほどしか胃袋を満たしていない。となれば、第二の願望である「彼女が満足するまでたくさんご飯を食べさせてあげること」を達成していない。然れば、僕が叶の食事風景を飽きるまで眺めるためにも、そして叶が満腹を感じるまでに食事を取るためにも、今日はこのまま延々と飯屋という飯屋を巡ってやろうではないか。そして、あのメルヘンチックな子供部屋で、二人で夜景を眺めようではないか。………斯くして三度、俺の願望と叶の欲とは一致してしまったのであった。
結局叶は、春巻きをもう一度10人前注文して幸せそうな顔で味わい、その間に俺は会計を済ましたのであったが、あっぱれと未だに称賛し続けている店主の計らいで杏仁豆腐分だけで済んでしまった。本当にあの体にあの量が入ってるとは信じられんとおっしゃっていたが、全くその通りであるので、店を出てから叶に断ってお腹に手を触れさせてもらったところ、ちょうど横隔膜の下辺りから股上までぽっこりと、あるところでは突き出ているようにして膨らんでいる。ここに8.7キロの麻婆丼と、春巻き20人前が入っているのである。ついでに水何リットルと、申し訳程度の定食が入っている。そう思うと、愛おしくなって手が勝手に動き初めてしまいそうになったけれども、人通りの多い道であるから、少年は軽く触れただけで、再び少女の手を引いて、街中を練り歩き出した。
それから家に帰るまでの出来事は、先の中華料理屋とだいたい似ているので詳しくは書かないが、何を食べたかぐらいは書いておこう。次に向かった店は近くにあったかつれつ屋で、ここで彼女は再びデカ盛りのカツ丼4.3キロを、今度は初めてと言うべき味に舌鼓をうちながらゆっくりと、しかしそれでも半額になる25分を6分24秒下回るペースで平らげ、次はカレーが食べたくなったと言って、1つ2つ角を曲がってよく知らないインドカレー屋に入り、ご飯を5回おかわり、ナンを10枚食べる。おぉ、すごいねぇ、とインド人が片言��日本語で歓声を上げるので、叶はどう反応していいのか分からずに、むず痒そうな顔を浮かべていた。で、次はラーメン屋が目についたので、特盛のチャーシ��ー麺と特盛の豚骨、そして追加で餃子を頼んで、伸びたらいけない、伸びたらいけないと念仏のように唱えながら、汁まで飲み干す。この時既に、一体何キロの料理が彼女の腹に入っていたのか、考えるだけでも恐ろしいので数えはしないが、店を出た時に少々フラフラとするから心配してみたところ、
「いや、体が重いだけで、お腹はまだ大丈夫」
という答えが返ってくる。事実、その移動ついでにドーナツを10個買うと、うち9個は叶の胃袋へ、うち1個は俺の胃袋へと収まった。そして今度は洋食屋に行きたいとご所望であったから、先の中華料理屋の向かい側にある何とか言う店に入って、ナポリタン、―――のデカ盛りを頼んで無料となる19分17秒で完食す。とまあ、こんな感じで店をはしごした訳であったが、その洋食屋を後にしてようやく、ちょっと苦しくなってきたと言い出したので、シメとして喫茶店のジャンボパフェを食べることにした。彼女にしてみれば、どれだけ苦しくても甘いものだけはいくらでも腹に入れられるのだそうで、その言葉通り、パフェに乗っていたアイスが溶けるまでにバケツのような器は空になっていた。そして、喫茶店を出た時、叶は急に俺の体に凭れかかってきたのであった。
「あ、あ、………苦しい、………これがお腹一杯って感覚なんだね」
と、俺の背中に手を回してすっかり抱きついてくる。うっとりとして、今が幸せの絶頂であるような顔をこちらに向けたり、道の向かい側に向けたりする。人目もはばからず、今にもキスしそうで、その実ゴロンと寝転がってしまうのではないかと思われる身のこなし。心ここにあらずと言ったような様子。………彼女は今言った量の料理を食べて初めて、満腹感を感じられたのであった。―――あゝ、とうとう僕の願望と叶ちゃんとの欲望が、叶い、そして満たされたしまったのだ。見よ見よこの満足そうな顔を。ここまで幸せそうな顔を浮かべている者を皆は知っているか。―――少年も嬉しさに涙さえ出てくるのを感じながら、抱きついてくる少女のお腹に手を触れさせた。妊娠どころか人が一人入っているかのようにパンパンに張って、元の病的なまでに窪んでいた腹はもうどこにもなかった。胸元だけではなく、腹部にある布地もはちきれそうになっていた。思えばここに全てが詰まっているのである。今日食べた何十キロという食べ物が、………そう考えれば本来の彼女の体重の半分近くが、この腹に収まって、今まさに消化されているのである。少年と少女はついに唇を重ねるや、そっとお腹に耳をつけてその音を聞いてみると、じゅるじゅると時々水っぽい音を立てながら、しかしグウウウ、………! と言った音が、この往来の激しい道沿いにおいても聞こえてきて、この可愛らしい少女からこんな生々しい、胎児が聞くような音を立てているとは! 途端に、股間の辺りから妙な、濁流を決壊寸前の堤防で堰き止めているかのような、耐え難い感覚がして、少年は咄嗟に彼女から身を引いた。今度の今度は背中をバットで殴られたような衝撃ではなく、内側からぷくぷくと太って破裂してしまいそうな、死を感じるほどのねっとりとした何かだった。そしてそれは何故か叶の体、―――特に異様に膨らんだ胸元と腹を見るだけでも沸き起こってくるのであった。少年は恐怖で怯えきってしまった。この得体の知れない感覚が怖くて仕方なかった。目の前でふらふらとしている少女から逃げたくもなった。が、無情なことに、その少女はうっとりと近づいてきて、少年の体にすがりつくので、彼は逃げようにも逃げられず、為されるがままに、その痩せきってはいるけれども上半身の異様に膨れた体を抱いてやって、少女の希望ゆえにお腹を両手で支えながら帰路につくのであった。
「お母さんに何言われるか分からないから、楽になるまで遊んで」
離れに戻ってから、叶はそう言って俺の体に寄りかかってきた。道沿いでしてきた時はまだ遠慮があったらしく、俺はすっかり重くなった彼女の体を支えきれずにベッドに倒れてしまい、じっと見つめる格好になったのであるが、そのうちに堪えきれなくなって、どちらからともなく、
「あははは」
「あははは」
と笑い出した。
「ねぇねぇ」
「うん?」
「さっきキスしてきたでしょ」
「………うん」
俺はこっ恥ずかしくなって、素っ気なく答えた。
「もう一度しない?」
「………うん」
今度はしっかりと叶の顔を見つめながら答えた。
これで俺たちは二度目の接吻をした訳であるが、俺の手はその後、自然に彼女の胸に行った。この時、叶の方がベッドに大きく寝そべっていたので、俺の方が彼女より頭一つ下がった位置にあり、目の前で上下する乳房が気になったのかもしれない。俺の手が触れた時、彼女はピクリと体を震わせただけで、その熱っぽい顔はじっとこちらを向けていた。嫌がっている様子が見えないとなれば、少年は図に乗って、両手を突き出して乳房に触れるのであったが、それでも少女は何も言わない。思えば、少年が恋する少女の胸に手をかけた初めての時であった。やわらかく、あたたかく、頭ぐらい大きく、手を突っ込めばいくらでもズブズブと沈み込んでいき、寄せれば盛り上がり、揉めば指が飲み込まれ、掬い上げれば重く、少年はいつまででも触っていられそうな感じがした。と、その時気がついたことに、着ている物の感触として、女性にはあって然るべき重要な衣服の感覚が無いのである。
「ぶ、ぶ、ぶ、ぶらは、………?」
と少年は何度もどもりながら聞いた。
「高くって買えないの。………それに、おっぱいが大きすぎて店に行っても売ってないの。………」
と少女は儚げな表情を、赤らめた顔に浮かべる。
それきり、言葉は無かった。少年も少女も、大人にしか許されざる行為に、罪悪感と背徳感を感じて何も言い出せないのである。少年の方は、父上の言いつけに背くばかりか、この部屋に連れ込んで淫らな行為に及んでいるがため、少女の方は、相手が自分の手に届かない物持ちの息子であることから、果たしてこんなことをして良いのかと迷っているところに、突然の出来事舞い込んできたため。しかし両者とも、気が高揚して、場の雰囲気もそういうものでないから、止めるに止められない。そして、どうしてその行動を取ったのか分からないが、少年は少女に跨って下半身を曝け出し、少女もまた裾を捲って肩まで曝け出した。玉のような肌をしながらも、はちきれんばかりになったお腹に、少年はまず驚いた。驚いてグルグルと唸るそれを撫で擦り、次に仰向けになっているのにしっかりと上を向く、丸い乳房に目を奪われた。生で触った彼女の乳房は、服を通して触るよりも、何十倍も心地が良かった。少年は、少女の腹を押しつぶさないように、腰を浮かしながら、曝け出した物を乳房と乳房が作る谷間の間に据えた。と、同時に少女が頷いた。右手で左の乳房を取り、左手で右の乳房を取り、間に己の物を入れて、すっぽりと挟み込み、少年は腰を前後に振り始めた。―――少年が射精を憶えた初めての時であった。
叶の腹がほぼ元通りに収まったのは、日も暮れかかった頃であったろうか、彼女を無事家まで送って行き、すっかり寂しくなった部屋で、俺はその日を終えたのであるが、それからというもの、お話をするという日課は無くなって、代わりに、休みの日になると叶を引き連れて、街にある食事処を次々に訪れては大量に注文し、訪れてはテーブルを一杯にし、訪れては客を呼び寄せる。その度に彼女は幸せそうな顔を浮かべて料理を平らげ、満足そうな顔を浮かべて店を後にし、日の最後は必ずその体を俺に凭れさせる。彼女にとって嬉しかったのは、そうやっていくら食っても俺の懐が傷まないことで、というのは、だいたいどこの店にもデカ盛りを制限時間内に食べられれば無料になるとか、半額になるとか、そんなキャンペーンをやっているのだけれども、叶はその半分の時間で完食してしまうのである。「頑張ったら、別に2倍にしても時間内に食べられるよ」と言って、見事に成し遂げたこともあった。その店には以降出入り禁止になってしまったけれども、痛いのはそれくらいで、俺は俺の願望を、叶は叶の欲望を満たす日々を送ったのであった。
だが、叶を初めて連れて行ってから一ヶ月ほど経った時の事、父上に呼ばれて書斎へと向かうと、いつもは朗らかな父上が、パソコンの前で真剣な表情で睨んで来ていらっしゃった。俺は咄嗟に叶との行動が知れたのだなと感づいて、心臓をドキドキと打たせていると、
「まぁ、別に怒りはしないから、隣に来てくれ」
とおっしゃるので、すぐ傍にあった椅子に腰掛けて、父上が真剣に見ていたであろうパソコンの画面を見てみた。そこには家中に配置されている監視カメラの映像が映し出されていたのであったが、その映像をよく見てみると、若い少年と少女が手を繋いで庭を渡る様子と、端に俺が叶を連れ込んだ日の日付と時間が刻銘に刻まれているのである。俺は頭が真白になって、どういい訳をしたらいいのか、どうやれば許して頂けるのか、―――そういう言葉ばかりが浮かんで結局何も考えられなかったが、兎に角、叶と会っていたことが父上にバレた、それだけははっきりと分かった。
「この映像に思い当たる節はないか?」
無いと言っても、そこに写っている少年の顔は俺であるし、後ろ姿も俺であるし、背丈も俺であるし、況や叶をや。言い訳をしたところで、事実は事実である上に、父上に向かってこれ以上見苦しい姿を見せたくなかったし、嘘を言うなんて事は俺には出来ないので、正直に告白することにした。もちろん、彼女に一杯物を食べさせてたなんて言うべきではないから、ただ一言会っていたとだけ伝えることにした。
「ふむ、正直でよいよい。そんなとこだろう。いや、それにしても、いきなり自分の部屋に連れ込むとは」
と、一転して朗らかになったので、急に恥ずかしくなってきて、キュッと縮こまったのであった。
ところで俺がこの監視カメラを甘く見ていたのには、少しばかり理由がある。1つには、庭は木が生い茂っていて見通しが悪いこと、そしてもう1つには、子供部屋として使っている離れには設置していないこと、だから俺はあ��日の朝、部屋にさえ連れ込んだらこちらのものと思っていたのであったが、それ以上の理由として、父上がその防犯カメラの映像をあまりチェックし給はないことが挙げられる。父上は抑止力としてカメラを設置していらっしゃるだけで、その映像を見ることは月に一回あるかないか、それもたまに半年間もすっぽ抜かすこともあれば、チェックをするのも適当に何日かを選んで、早送りをして見るだけというずさんさがあった。俺はしばしばその様子を眺める機会があったのだが、いまいち鮮明でない画面であるがゆえに、もはや人が居るかどうかが辛うじて分かる程度であった。だから、俺はあの時、叶を部屋に連れ込んだとしても、見つかるはずは無いと高をくくっていたのである。
で、子供が一人で家の中で何をしているのか気になった父上が、ひょんなことから防犯カメラの映像を、ぼんやり眺めていると、何者かと共に離れにまで入っていく事を確認し、それが何とも見窄らしい格好をした少女であるから、2、3回繰り返して見ているうちに、隣家の貧家の娘であることに気がついたのであろう。
俺はそれから、また真剣な顔つきになった父上に、たんまりと諭されてしまった。この住宅街は、その大半が一般庶民の暮らしている家で埋められているのであるが、とある一画にだけは物騒な人(に売られる)が住んでいる。不幸なことにこの家を建てる時に、上手い土地が無かったために、ある一つの家を挟んで、そこと向かい合わせになってしまった。それならば、せめて家の裏にして、木で生け垣を作って完璧に仲を隔ててしまおうと思って、お前の部屋からも分かる通り、風景は見えるようにだけしたのである。もちろん、それなら別に他の所に住めば良いではないかと思うかもしれないが、しかしこの地は俺が子供時代に何年か過ごしたことがある土地であって、そして、お前のお母さんの生まれ育った土地である。つまりは夫婦の思い出の地であって、(言葉を濁しながら、)つまりは俺もお前と同じ穴の狢であるから、近所に住む女の子を一人や二人呼んだところで何も言いはしない。が、裏にある地区だけはダメだ。別にそういう地区ではないが、何しろ物騒な噂ばかり聞く。で、彼女の家はそんな地区と我々とのちょうど境目に建っていて、一番可哀想な境遇を経ているのであるが、向こうから色々と入れ知恵されていると人はよく言う。もし問題が起これば面倒事になるかもしれないし、お前に怪我でもあったら良くない。実際、昔お前のお母さんの友人が、あの地区にいる人といざこざを起こした時に、上辺だけは丸く済んだけれども、その後に復讐として連れ去られそうになったことがあった。彼らは放っておくとどこまで非情なことをするのか分からない。だからあの言いつけはお前を心配してのことだったのだ。そもそも、俺はお前にはもっとふさわしい女性とお付き合いしてほしい。ほら、一人二人くらい学校で仲良くなった子は居るだろう。いたらぜひ言ってくれと、最終的には学校生活の話をするのであったが、父上は諭している途中ずっと真面目であった。俺はそれをふんふんと頷きながら、その実父上がそういうことを話てくれることが嬉しくて、内容はあまり耳に入ってなかった。ただ叶が可哀想なんだなと思うくらいで、始まった父上の詰りに、すっかり考えを逸らされてしまったのであったのだが、
「しかし、可愛い子だな。あんな家に住ませておくのがもったいない。転校して会えなくなる前に、分かれの挨拶くらいは許してやるから、やっておけよ」
と、突然父上が衝撃的な事を言ってのけるので、
「え? 転校?」
と聞き返してしまった。全く、転校するなどとは俺には初耳で、椅子の上でぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
「もう少ししたら、気晴らしに別荘の方で何年か過ごすからな、―――あゝ、そうそう本当に何年間かだぞ、一週間などではなくて。だからそのつもりでな」
俺はぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
それからは急に頭がぼんやりとしてしまって、引っ越しまでどう過ごしたのか憶えて居ない。ただ、最後に叶に会ったことだけは憶えていて、彼女は泣いていたように思う。ようやく自分が満足する量の食事を隔週ではあるけれども、取っている彼女の体つきは、微かに肉付きがよくなっているのだが矢張りガリガリに痩せ細っていた。逆に、胸元だけは一層膨らみ始めていて、その大きさはバレーボールよりも大きかった。俺は木陰に入って、最後にもう一度触らせてもらった。もうこれが最後だと思うと、お腹にも耳を当てた。朝食後直ぐに出てきたというその腹からは、矢張りゴロゴロと中で何かが蠢く音が聞こえてきた。そして泣いて泣いて仕方がない彼女と最後のキスをして、また会う約束を交わして、蕾を付け始めた桜の花を、雲の下にてあわれに見ながら袂を分かった。
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ニブンノイチ
暇だったから古めのヨウジを探しに行った。裏原宿のデブは通れないような裏路地にある古着屋。いわゆる原宿系をやってるサントニブンノイチの系列店で、ヴィンテージのヨウジヤマモト、ギャルソン、ヴィヴィアンが多い。壁一面に銀紙を張ってて、遠くから見るとマルジェラっぽいけど近くで見ると学芸会感が強め。労働環境が悪いのか、いつ行っても違う新卒の店員がいる。なぜか灰皿を置かずに吸殻を店の前に捨てるスタイル。ちょっとかっこいい。
鹿鳴館期(95aw)のコートに心惹かれたけど、流石に高すぎるので2003年のニットを買った。帰ろうと思ったらタバコに誘われてそのまま2時間ぐらい雑談した。LAの同じ地区に住んでたことが分かって盛り上がってしまった。
店員に同意してもらえた、最近見つけた法則。
タバコは第一関節で挟むより第二関節の下ぐらいで持った方が美味しく感じる。でもちょっと灰を落としづらい。ゆっくり深く吸うからかな。
金曜にセックスしないと週末を長く感じる。これは多分土曜に早く起きれるから。
ファミレスのチョコレートパフェを2つ食べると砂糖でハイになって大麻を吸ってるような気分になれる。シュガーラッシュというらしい。
秋葉原の観光客はチョロい。日本人に妙な幻想を持ってるから話さえできれば余裕。
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