#佐伯ごまだしの日
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私の手元に、古ぼけた書類の束がある。手製の表紙をめくると目に入ってくるのは軍の最高機密を意味する「軍機」の朱印だ。昭和16年12月8日、日米開戦の象徴となった真珠湾攻撃に関する詳細な計画、命令書である。なぜこんなものが私の元に来たのか、そして軍の機密のその中身とは――。 「進藤三郎」という男 昭和15年9月13日、圧倒的勝利に終わった零戦のデビュー戦を指揮し、漢口基地に帰還した進藤三郎大尉 平成12(2000)年2月2日、ひとりの元海軍少佐が88年の生涯を終えた。その人の名は進藤三郎。太平洋戦争に興味のある人ならまず知らない人はいないであろう戦闘機乗りである。 進藤は昭和15(1940)年9月13日、制式採用されたばかりの零式艦上戦闘機(零戦)13機を率い、中国・重慶上空で中華民国空軍のソ連製戦闘機33機と交戦、27機を撃墜(日本側記録。中華民国側記録では被撃墜13機、被弾損傷11機)、空戦による零戦の損失ゼロという鮮烈なデビュー戦を飾った。続いて、昭和16(1941)年12月8日のハワイ・真珠湾攻撃では、空母赤城戦闘機分隊長として第二次発進部隊制空隊の零戦35機を率いた。その後、激戦地ラバウルの第五八二海軍航空隊飛行隊長、空母龍鳳飛行長などを歴任し、筑波海軍航空隊飛行長として派遣先の福知山基地で終戦を迎えた。 戦後はトラック運転手や福島県の沼沢鉱山長などの職を転々としたのち、生家のある広島に戻って東洋工業株式会社に入社、出向した山口マツダで常務取締役まで務めた。 戦争中はその華々しい「活躍」がしばしば新聞にも載るほど著名な海軍軍人だったが、戦後は一転して平凡な会社員生活で、戦争の話はよほど心を許した相手にしか、最後まですることを好まなかった。 進藤が保管していた書類に入る前に、進藤自身の「真珠湾攻撃」について、1996年から99年にかけての私のインタビューをもとに再現しよう。 突然の転勤命令 昭和16年4月、新編された当時の赤城戦闘機隊搭乗員たち。中列中央・飛行隊長板谷茂少佐、その右・分隊長進藤三郎大尉。このメンバーのうち数人は、のちに第五航空戦隊に異動した 昭和14(1939)年、ドイツ軍がポーランドに侵攻したことに端を発する欧州での大戦は、日本がドイツと軍事同盟を結んだことで、もはや対岸の火事とは言えなくなっていた。日米関係は悪化の一途をたどり、昭和16年7月28日、日本軍の南部仏印進駐を機に、アメリカは日本への石油輸出を全面的に禁止、イギリス、オランダもこれに同調する。世にいう「ABCD包囲網」である。 この制裁措置は、石油その他の工業物資の多くをアメリカからの輸入に依存してきた日本にとって、まさに死命を制するものだったった。米英蘭との戦争は、もはや不可避と考えられた。海軍も、極秘裏に開戦準備に入る。 航空母艦赤城、加賀の第一航空戦隊、蒼龍、飛龍の第二航空戦隊を主力に、第一航空艦隊(一航艦=司令長官・南雲忠一中将)が新たに編成されたのは、昭和16(1941)年4月のことである。一航艦は、空母と少数の駆逐艦だけで編成されたが、実戦に際しては、臨時に配属する速力の速い戦艦、巡洋艦、駆逐艦などを合わせ、これが世界初の試みとなる「機動部隊」として作戦に従事することになっていた。 進藤は、機動部隊の編成にともなう人事異動で、南雲中将の座乗する旗艦赤城の戦闘機分隊長に転勤を命ぜられた。進藤の直接の上官、赤城戦闘機隊の飛行隊長は板谷茂少佐である。 「支那事変での長く続いた戦地勤務で、私の体は疲れ切っていました。できれば今度は内地の練習航空隊の教官配置につけてもらえないかと思っていた矢先の転勤命令。空母乗組は“搭乗員の華”、誰もが羨む配置なんですが、正直なところ、はじめはうんざりしましたね」 と、進藤は振り返る。 猛訓練で体が悲鳴を上げていた 機動部隊の旗艦・空母赤城。巡洋戦艦を建造中に空母に改装。当時世界最大級の航空母艦だった 空母搭載の飛行機隊は、洋上訓練や出撃のとき以外は、陸上基地で訓練を行うのを常としていた。搭乗員が揃うと、赤城戦闘機隊は、鹿児島・鴨池基地を拠点に、飛行訓練を開始した。 まずは、搭乗員全員の零戦での慣熟飛行から始まり、着艦訓練の前段階として、母艦の飛行甲板を想定した、飛行場の限られた範囲に飛行機をピタリと着陸させる定着訓練が行われる。5月になると空戦、無線電話、着艦訓練と、訓練もより実戦的になり、空戦訓練は、1機対1機の単���空戦よりもチームワークを重視する編隊空戦に重点が置かれ、2機対3機、3機対6機の編隊同士の空戦訓練が、実戦さながらに行なわれた。吹流しを標的とする射撃訓練も、さかんに行われた。 9月に入ると空母翔鶴、瑞鶴からなる第五航空戦隊が新たに機動部隊に加わり、赤城の搭乗員の一部は五航戦に転勤する。進藤の回想。 「猛訓練が進むにつれ、疲労がどうしようもないほど蓄積してきました。体がだるく、食欲もない。8月には黄疸の症状も出始め、周囲から『君の目は黄色いじゃないか』と言われるほどでした。これはもう、海軍をクビになっても仕方がない、休暇療養を願い出ようと決心したんですが……」 ところが、そう決心した矢先の、進藤の記憶によれば10月1日頃、各航空戦隊の司令官、幕僚、空母の艦長、飛行長、飛行隊長クラスの幹部が、志布志湾に停泊中の赤城の参謀長室に集められ、ここで南雲中将より、「絶対他言無用」との前置きのもと、真珠湾攻撃計画が伝えられた。航空参謀・源田実中佐からは、この作戦に対応するための訓練を急ピッチで進める旨の指示もあった。 少佐の本音 揚子江上空を飛ぶ零戦一一型。進藤大尉が撮影した 「しまった。これを聞いたからには、休ませてくれとは言えないな」 と、進藤は観念したと言う。傍らにいた板谷少佐が、やや興奮の面持ちで、 「進藤君、こりゃ、しっかりやらんといかんな」 と、声をかけてきた。だが、解散が告げられ、基地に帰る内火艇に乗り込むときに、 「俺たちはただ命令通りに死力を尽くして戦うだけだが、その後始末はどうやってつけるつもりなのかな」 と、誰にともなくつぶやいた板谷少佐の言葉がいつまでも心に残った。こちらのほうが本音なんだろうな、と進藤は思った。 昭和16年10月には、戦闘機隊の訓練は仕上げの段階に入りつつあった。訓練項目に航法通信訓練が加えられ、コンパスと、波頭を目視して判断する風向、風力を頼りに長距離を飛ぶ三角航法、無線でモールス信号を受信する訓練などが行なわれた。高高度飛行の訓練も実施され、耐寒グリスを塗った20ミリ機銃による、高度8000メートルでの射撃訓練も行われた。一航戦では、18機対18機の大規模な空戦訓練も実施された。二航戦は9機対9機、五航戦は3機対3機までしかできなかったという。 11月に入ると、志布志湾に機動部隊の6隻の空母と飛行機が集められ、11月3日、南雲中将より機動部隊の各艦長にハワイ作戦実施が伝達された。その日の夜半、「特別集合訓練」が発動され、翌4日から3日間にわたって、全機全力をもって、佐伯湾を真珠湾に見立てた攻撃訓練が、作戦に定められた通りの手順で行なわれた。 〈十一月四日 「ハワイ」攻撃ヲ想定 第一次攻撃隊 〇七〇〇(注:午前7時)発進、第二次攻撃隊〇八三〇発進。十一月五日 第一次〇六〇〇、第二次〇七三〇。十一月六日〇五〇〇ヨリ訓練開始〉 と、進藤はメモに書き残している。11月6日には、戦闘機隊が半数ずつ、攻撃隊と邀撃(ようげき)隊の二手にわかれ、攻撃隊はいかに敵戦闘機の邀撃を排除して攻撃を成功させるか、邀撃隊はいかに攻撃隊を撃退するか、という訓練も行なわれた。激しい訓練で、攻撃隊の九九式艦上爆撃機のなかには不時着する機も出た。 特別集合訓練が終了すると、赤城、蒼龍は横須賀、加賀、飛龍は佐世保、翔鶴、瑞鶴は呉と、それぞれの母港に入って準備を行い、飛行機隊はふたたび、陸上基地に戻って訓練を続けた。このとき、戦闘機が洋上で単機になってしまった場合に備えて、無線帰投方位測定機(クルシー)を使っての帰投訓練が熊本放送局の電波を利用して実施されている。 覚悟を決めた日 第二次発進部隊制空隊(零戦)指揮官・進藤三郎大尉の命令書(軍機) 11月中旬には、各母艦は飛行機隊を収容し、可燃物、私物の陸揚げや兵器弾薬、食糧の最後の積み込みを終え、佐伯湾に集結した。 赤城が佐伯湾を出たのは、11月18日のことである。行動を隠匿するため、出航と同時に、各艦は厳重な無線封鎖を実施した。 空母6隻を主力とする機動部隊は北へ向かい、千島列島の択捉島(えとろふとう)単冠湾(ひとかっぷわん)に集結した。湾の西に見える単冠山は、すでに裾まで雪に覆われていた。11月24日、6隻の空母の全搭乗員が赤城に集められ、真珠湾の全景模型を前に、米軍の状況説明と作戦の打ち合わせが行われた。機動部隊の行動についてはもちろん、攻撃隊の編成や各隊ごとの無線周波数など、詳細な作戦計画が、すでにでき上がっていた。進藤が保管していた機密書類はこの日の日付から始まっている。 11月26日、機動部隊は単冠湾を抜錨、各艦、単冠山に向かって副砲、高角砲の試射を行った。凍てつく空気に、砲声が轟いた。艦隊はそのまま針路を東にとった。 「自信を持って戦いに臨める。しかし、今度こそは生きて帰れないだろうな」 と、進藤は、遠ざかってゆく雪の単冠山を見ながら、しばし物思いにふけった。 時化模様の航海が続いた。護衛の戦艦、巡洋艦、駆逐艦、補給船、潜水艦など、総勢31隻もの艦隊を、隠密裏にハワイ北方までたどり着かせなければならない赤城艦上の機動部隊司令部は緊張の連続だった。 12月1日、機動部隊は日付変更線を越えた。機動部隊は日本時間で行動するので、時差で時間感覚がずれてくる。この日の御前会議で、日本は英米との開戦を決定する。 12月2日、「新高山ノボレ 一二〇八」 という暗号電報が、聯合艦隊司令部より届いた。これは、「X日(開戦日)を12月8日とす」という意味である。開戦は、12月8日午前零時と決まった。ただし、日米の外交交渉次第では、まだ作戦が中止になることもあり得る。しかし反転命令は出ず、矢はついに弦を放れた。 12月8日午前1時半(日本時間)。第一次発進部隊が次々と6隻の空母を発艦した。 第一次発進部隊は、零戦43機、九九艦爆51機、九七艦攻89機(うち雷撃隊40機、水平爆撃隊49機)、計183機で、総指揮官は淵田美津雄中佐である。第一次攻撃では、雷撃隊が二列に並んで停泊している米戦艦の外側の艦を攻撃、水平爆撃隊が上空より内側の艦を爆撃する。さらに艦爆隊は飛行場施設を爆撃することになっていた。 そこらじゅうで火柱が 九九式艦上爆撃機。急降下爆撃を行う 機動部隊の各母艦では、第一次の発艦後、すぐに第二次発進部隊の準備が始められた。 第二次は零戦36機、九九艦爆78機、九七艦攻(水平爆撃のみ)54機、計168機が発艦し、うち零戦1機と艦爆2機が故障で引き返している。こんどは、艦爆が第一次で撃ちもらした敵艦と飛行場を狙い、艦攻が敵飛行場を水平爆撃することになっていた。 赤城から発艦するのは、零戦9機と九九艦爆18機。2時13分、進藤の搭乗する零戦、A1(本来はローマ数字だが、機種依存文字のためアラビア数字で表記)‐102号機は、その先頭を切って発艦した。第二次発進部隊の総指揮官は瑞鶴艦攻隊の嶋崎重和少佐、進藤は、制空隊(零戦隊)全体の指揮官を務める。 「第一次の発進を見送ったときにはさすがに興奮しましたが、いざ自分が発進する段になると平常心に戻りました。真珠湾に向け進撃中、クルシーのスイッチを入れたら、ホノルル放送が聞こえてきた。陽気な音楽が流れていたのが突然止まって早口の英語でワイワイ言い出したから、これは第一次の連中やってるな、と奇襲成功を確信しました」 第一次に遅れること約1時間、真珠湾上空に差しかかると、湾内はす��に爆煙に覆われ、ものすごい火柱が上がっていた。心配した敵戦闘機の姿も見えない。空戦がなければ地上銃撃が零戦隊の主任務になる。進藤はバンクを振って(機体を左右に傾ける合図で)各隊ごとに散開し、それぞれの目標に向かうことを命じた。 「艦攻の水平爆撃が終わるのを待って、私は赤城の零戦9機を率いてヒッカム飛行場に銃撃に入りました。しかし、敵の対空砲火はものすごかったですね。飛行場は黒煙に覆われていましたが、風上に数機のB-17が確認でき、それを銃撃しました。高度を下げると、きな臭いにおいが鼻をつき、あまりの煙に戦果の確認も困難なほどでした。それで、銃撃を二撃で切り上げて、いったん上昇したんですが」 頭によぎった最悪のシナリオ 開戦を告げる昭和16年12月9日の新聞紙面 銃撃を続行しようにも、煙で目標が視認できず、味方同士の空中衝突の危険も懸念された。進藤は、あらかじめ最終的な戦果確認を命じられていたので、高度を1000メートル以下にまで下げ、単機でふたたび真珠湾上空に戻った。 「立ちのぼる黒煙の間から、上甲板まで海中に没したり、横転して赤腹を見せている敵艦が見えますが、海が浅いので、沈没したかどうかまでは判断できないもののほうが多い。それでも、噴き上がる炎や爆煙、次々に起こる誘爆のすさまじさを見れば、完膚なきまでにやっつけたことはまちがいなさそうだと思いました。胸がすくような喜びがふつふつと湧いてくる。 しかしそれと同時に、ここで枕を蹴飛ばしたのはいいが、目を覚ましたアメリカが、このまま黙って降参するわけがない、という思いも胸中をよぎります。私は昭和8年、少尉候補生のときの遠洋航海でアメリカに行き、そのケタ違いの国力と豊かさをまのあたりにしていますから、タダで済むはずがないことは容易に想像できる。これだけ派手に攻撃を仕掛けたら、もはや引き返すことはできまい。戦争は行くところまで行くだろう、そうなれば日本は…………負けることになるかもしれないと、このときふと考えました」 空襲を終えた攻撃隊、制空隊は、次々と母艦に帰投し、各指揮官が発着艦指揮所の前に搭乗員を集め、戦果を集計した。進藤は、赤城の艦爆隊と合流して帰還した。南雲中将が、わざわざ艦橋から飛行甲板上に下りてきて、「ご苦労だった」と進藤の手を握った。 ほどなく、最後まで真珠湾上空にとどまっていた総指揮官・淵田中佐の九七艦攻が帰艦する。大戦果の報に、艦内は沸き立った。しかし日本側にとって残念なことに、いるはずの敵空母は真珠湾に在泊していなかった。 艦上では、第三次発進部隊の準備が進められている。蒼龍の二航戦司令官・山口多聞少将からは、蒼龍、飛龍の発艦準備が完了したとの信号が送られてきた。しかし、南雲中将は、第三次発進部隊の発艦をとりやめ、日本への帰投針路をとることを命じた。 激しい戦闘の代償 日本機の空襲を受けるハワイ・真珠湾の米艦隊 「当然もう一度出撃するつもりで、戦闘配食のぼた餅を食いながら準備をしていましたが、中止になったと聞いて、正直ホッとしました。詰めが甘いな、とは思いましたが…………」 体調不良を押してここまできたが、ようやく任務が果たせた。緊張の糸が切れた進藤は、そのまま士官室の祝宴にも出ず、私室で寝込んでしまった。 真珠湾攻撃で日本側は、米戦艦4隻と標的艦1隻を撃沈したのをはじめ���戦艦4隻、その他13隻に大きな損害を与え、飛行機231機を撃墜、あるいは撃破するなどの戦果を挙げた。資料によって異なるが、米側の死者・行方不明者は2402名、負傷者1382名を数えた。いっぽう、日本側の損失は、飛行機29機(第一次9機、第二次20機。うち零戦9機、九九艦爆15機、九七艦攻5機)と特殊潜航艇5隻で、戦死者は64名(うち飛行機搭乗員55名。別に、12月9日、上空哨戒の零戦1機が着艦に失敗、搭乗員1名死亡)。米軍の激しい対空砲火を浴びて、要修理の飛行機は100機あまりにのぼった。 ――ちなみに、真珠湾攻撃当時、連合艦隊司令長官・山本五十六大将57歳、機動部隊指揮官・南雲忠一中将54歳、航空参謀・源田実中佐37歳、攻撃隊総指揮官・淵田美津雄中佐39歳、第二次発進部隊指揮官・島崎重和少佐33歳、雷撃隊指揮官・村田重治少佐32歳、第一次制空隊指揮官・板谷茂少佐32歳、第二次制空隊指揮官・進藤三郎大尉30歳、加賀戦闘機分隊長・志賀淑雄大尉27歳、そして昭和天皇40歳だった。 真珠湾攻撃の帰途、二航戦の蒼龍、飛龍は、ウェーク島攻略作戦に参加するため、本隊を離れた。残る赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴は、12月23日から24日にかけ瀬戸内海・柱島の泊地に投錨する。各艦の飛行機隊は、零戦隊は佐伯基地経由で岩国基地へ、艦爆、艦攻は鹿屋基地経由で宇佐基地へと向かい、ここでしばしの休養が与えられた。 進藤は、12月25日、岩国基地から呉海軍病院に直行し、軍医の診察を受けた。診断の結果は、「航空神経症兼『カタール性』黄疸」、二週間の加療が必要とのことで、そのまま入院することになった。十二月三十日付で赤城分隊長の職を解かれ、さしあたって任務のない「呉鎮守府附」の辞令が出る。この日から広島の生家での転地療養が認められ、進藤は、ひさびさに正月を両親と迎えることができた。 再び始まる苦しい戦い 昭和17年11月、進藤大尉がラバウルに向け出発直前、東京駅にて 「海鷲・進藤大尉」の帰郷は誰からともなく近所に伝わり、毎日のように真珠湾の話をねだりに客がやってくる。子供たちは、道で進藤の姿を認めると、憧憬のまなざしで、直立不動になって挙手の敬礼をした。 真珠湾攻撃から帰った進藤は、療養生活を送ること2ヵ月半、ようやく黄疸の症状もおさまり、昭和17(1942)年2月12日、〈大分海軍航空隊司令ノ命ヲ受ケ服務スベシ〉の辞令を受けて大分空に着任。四月一日、戦闘機搭乗員の訓練部隊として徳島海軍航空隊が新たに創設されると、その飛行隊長兼教官に補せられた。 最前線・ニューブリテン島ラバウルで作戦中の第五八二海軍航空隊飛行隊長兼分隊長への転勤辞令が出たのは、昭和17年11月8日のことである。処分しそびれていた真珠湾攻撃の軍機書類の保管を元海軍機関大佐の父に託してラバウルに向かう。五八二空に着任したとき、進藤は新たに部下となる隊員たちに、 「海軍戦闘機隊のモットーは編隊協同空戦だ。搭乗員が戦果を挙げる陰には、整備員や兵器員といった裏方の努力が不可欠である。けっして一人の手柄を立てようなどとは思わず、より長く、より強く、一致団結して戦い抜くように」 と訓示をした。そして、進藤の長く苦しい戦いがここから始まる。
1941年12月8日の「真珠湾攻撃」に「零戦35機」を率いて参加した当事者の「貴重な証言」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
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松本零士ファンアート大賞2018年 松本零士全般作品全般部門で部門賞を受賞させて頂きました。 ありがとうございます。 これも「参加しましょう」とお声をかけて下さった同じファンの方のお蔭です。 私としては、賞よりも松本零士先生が私の描いた作品に目を止めて下さったのが何よりも光栄な思い出です。 (※画像の2枚目の写真が私の宝物)
賞品に松本零士先生のサインを頂きました。 素敵なメーテルでした。
受賞した出来事を親に報告したら「沖田艦長を描いて欲しい」とリクエストする始末。 実は第二次世界大戦、私の父の腹違いの兄(伯父)が戦艦大和で19歳で戦死しまして、その大和の繋がりで松本零士先生のサインを仏壇に置きたかったみたいです。(骨は海の底に眠って骨無墓ですが、靖国神社や乗組員名簿には名前あるそうです) 「大和と共に散った3000人の乗組員の無念を晴らしたい」という先生のお言葉が、遺族にとってとても救われるようでありがたかったです。 松本零士先生のおかげで、極秘だった戦艦大和の存在を日本中が知る事が出来たのですからね。
ちなみに両親は、軍港の町、長崎・佐世保出身で、長崎・佐世保⇔東京間を往復する寝台特急ブルートレイン「さくら号」を利用していました。 松本零士作品に出会う前から、作品が好きになる要素の環境で育っていたのですね私…
#銀河鉄道999#galaxy express 999#galaxyexpress999#ginga tetsudou 999#松本零士#leiji matsumoto#leijiverse#イラスト#illustration#ファンアート#fanart#メーテル#maetel#999#tetsuro hoshino#星野鉄郎#車掌さん
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2024年8月4日(日)
昨日に続いて今日も梅を干す・・・、ところが昼前に急に雨が降り出したので慌てて取り込んだ。もう少し陽に当てたいところではあったが、午後の天気も不安そうなので瓶に詰めて紫蘇を加えて作業終了。今年は紫蘇も梅もすべて契約農家の無農薬栽培のもの、生産者に感謝して大事に頂こう。奥川さん、いつもありがとうございます。
4時起床。
日誌書く。
5時15分シャワー、体重は500g増。
ツレアイ起床、昨日から元気のないココに点滴する。
朝食。
珈琲。
洗濯。
彼女は月一の奈良での太鼓練習の日、京都駅まで送る。
段ボール箱の整���。
11時過ぎ、佐川急便が集荷に来てくれた。<古着deワクチン>、貼付されていた配達票は不要とのことで、佐川が作成した伝票をくれた。今回初めてだが、断捨離するには良い手段だと思う。
雨が降り出したので、ベランダの梅干しを取り込む。
息子たちのランチ、鮭入り炒飯。
ツレアイを京都駅まで迎えに行く。
私たちのランチは残りもの掃除。
録画番組視聴、名探偵ポワロ。
第4話「なぞの遺言書」/ The Case of the Missing Willシーズン 5, エピソード 4 ポワロはヘイスティングスと共に友人アンドルーの邸に招かれる。妻子のないアンドルーは友人の娘バイオレットを養育しており、遺言書の内容を変え、全財産を彼女に相続させたいとポワロに告白する。だが翌日、アンドルーの死体が敷地内��はなれで発見される。
第5話「イタリア貴族殺害事件」/ The Adventure of the Italian Noblemanシーズン 5, エピソード 5 ミス・レモンの友人でイタリアのとある伯爵秘書グレイブスは、伯爵が文書買取を交渉中の相手が信用できないとポワロに話す。翌日ポワロとヘイスティングスが知人の医師宅で食事中、伯爵から殺られたと電話が。3人がかけつけると伯爵が撲殺されていた。
それまでポツポツ程度だった雨が、いきなり激しい雷雨になった。
雨が上がるのを待って、彼女は買い物に出る。
私は早めに夕飯準備、炊飯器をセットして揚げ物を始める。
手羽中の唐揚げ・ジャンボ焼売・キュウリのしょうゆ漬け・レタスとトマト、息子たちはスパークリングワイン、私たちはW姉からいただいた京丹後市の生酒。
テレビでオリンピックの陸上競技、やはりスポーツ��陸上と水泳が大好きだ。
ココの体調が思わしくなく、食事が入らない。彼女が明日の夕方のクリニックの予約を取る。
片付け、入浴・・・のはずが、今日もダウンしてしまった。
歩数は足らないが、なんとか3つのリング完成。
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【お知らせ】参加決定!!大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
スイッチ総研が越後妻有に初見参!!「大地の芸術祭」の拠点施設である「越後妻有里山現代美術館 MonET」を舞台にスイッチをスペシャルミニ上演いたします。
豊かな緑に囲まれ、端正な四角い池を有する美術館MonET。美術館オリジナルの企画展『モネ船長と87日間の四角い冒険』にお招きいただき、ご機嫌な現代美術があふれる空間でMonETならではの作品を展開予定!
各地で研究開発してきた「スイッチ」のなかから選りすぐりの演目をMonETバージョンにアレンジし、回廊のあちこちへ設置。と予定していたスイッチ総研ですが、現地下見を経て新作演目も複数展開ありの予感!「現代美術」×「鑑賞者がスイッチを押すと出現する一瞬の演劇」の饗宴やいかに!?
1日限りのクレイジーかつピースフルな祝祭空間がMonETの池の周りに出現!来たれ!愉快な四角い池のほとりへ!!
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024参加 スイッチ総研 『越後妻有 MonETスイッチ』 2024年10月14日(月祝)
【作】 スイッチ総研
【脚本/演出】 光瀬指絵
【研究開発/出演】 大石将弘 光瀬指絵
<契約所員> 矢野昌幸
<遠隔契約所員> 細谷貴宏 ※研究開発のみ
<非常勤研究員> 石田菜々子 上杉智恵子 大田浩志 可知瑞季 川口雅子 喜田裕也(はちどり空港) 小嶋直子 琴松蘭児(ひょっこり船) 佐伯ウイ 佐々木優樹(トム・プロジェクト) 實近順次 関口真生 手代木花野(CI部) 遠田風馬 長井健一 渚 まな美 平嶋恵璃香 深海哲哉(グンジョーブタイ/アマヤドリ) 松井絵里(さるさるさる松井絵里) 松井里美(劇団ハンニャーズ) 松田 蓮(演劇調理集団ビストロカプリチョ) 三浦真央(Souer+(スール)) 森田 亘 容原 静(カムパネルラ)
※非常勤研究員としてご出演予定だった石橋奈那子さんは、ご体調不良のため大事をとり今回のご参画は無しとなりました。
【日時】 2024年10月14日(月祝) ①11:30~11:45 ②13:30~13:45 ※お客様が会場に点在する「スイッチ」を押すと始まる作品です。上演時間内の何時からでもお楽しみいただけます。
【会場】 越後妻有里山現代美術館 MonET 回廊 〒948-0003 新潟県十日町市本町6-1-71-2 https://www.echigo-tsumari.jp/travelinformation/monet/
【料金】 無料・予約不要
【主催】 大地の芸術祭実���委員会、NPO法人越後妻有里山協働機構、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
[大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ] 世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニア。アートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めている。過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、新潟県の越後妻有地域(=大地の芸術祭の里)が舞台。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、1年を通して自然の中に作品を展示。(公式サイトより) https://www.echigo-tsumari.jp/
[越後妻有里山現代美術館 MonET] 2003年に竣工、地域の物産や観光を扱う拠点施設「越後妻有交流館キナーレ」として開業。2021年、大幅な内装のリニューアルを経て、「越後妻有里山現代美術館MonET」(モネ、Museum on Echigo-Tsumari)としてスタート。越後妻有の風土や文化の特質に深く向き合う作品、あるいは展示された場所の空間、時間の変容を観る者に体感させる作品を展示している。(公式サイトより) https://www.echigo-tsumari.jp/travelinformation/monet/
『モネ船長と87日間の四角い冒険』 MonETの回廊や明石の湯エントランスを使った、MonETオリジナル企画。国内外の作家が参加し、池の周りで繰り広げられるのは「モネ船長」の “冒険と遊び ”!?たとえばスリル満点の《阿弥陀渡り》や、パターゴルフ、巨大彫刻など、楽しみながら体験できる作品が盛りだくさん。夜間はライトアップされ、昼とは異なる静謐な世界観��味わうことができる。[キュレーター]原倫太郎+原游(公式サイトより) https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/monet_2024/
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2023年に読んで「オォッ!」と思った本や作品……その2
『中銀カプセルタワービル 最後の記録』(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト編/装幀:上清涼太/草思社) 『ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天��と究極の解読レース』(エドワード・ドルニック著/杉田七重訳/東京創元社/Kindle版) 『AXIS August 2023 vol.224 特集シン宇宙時代 The New Space Age』(株式会社アクシス) 『ジブリの立体建造物展 図録〈復刻版〉』(藤森照信監修/コンセプト・デザイナー:種田陽平/編集:株式会社スタジオジブリ/デザイン:細山田デザイン事務所/トゥーヴァージンズ) 『 湖の秘密─川は湖になった』(編集・執筆:前田礼、戸谷莉維裟(市原湖畔美術館)/地図制作:吉田健洋(一般財団法人日本地図センター)/デザイン:大西隆介(direction Q)/写真:田村融市郎、市原市観光協会、『写真集/市原市の昭和史』(千秋社)/市原湖畔美術館発行) 『ジョセフ・アルバースの授業──色と素材の実験室』(執筆:ブレンダ・ダニロウィッツ、永原康史、沢山遼、亀山裕亮/和文英訳:中野勉/欧文和訳:水野俊、林寿美、亀山裕亮/編集:林寿美、亀山裕亮、飛田陽子(水声社)、関根慶(水声社)/ブックデザイン:木村稔将、阿部原己(Tanuki)/水声社) 『相分離生物学の冒険──分子の「あいだ」に生命は宿る』(白木賢太郎著/装丁:細野綾子/みすず書房) 『「生きている」とはどういうことか 生命の境界領域に挑む科学者たち』(カール・ジンマー著/斉藤隆央訳/装幀:大倉真一郎/白揚社) 『食虫植物 多様性と進化』(長谷部光泰著/裳華房) 『What is Tanuki?』(佐伯緑著/題字:森井(藤原)敏惠/表紙イラスト:佐伯緑/装丁:designfolio/佐々木由美/東京大学出版会) 『線虫 1ミリの生命ドラマ』(長谷川浩一著/装丁:鈴木成一デザイン室/dZERO) 『新・動物記8 土の塔に木が生えて シロアリ塚からはじまる小さな森の話』(山科千里著/新・動物記シリーズ編集:黒田末壽、西江仁徳/ブックデザイン・装画:森華/京都大学学術出版会) 『新・動物記7 白黒つけないベニガオザル やられたらやり返すサルの「平和」の秘訣』(豊田有著/新・動物記シリーズ編集:黒田末壽、西江仁徳/ブックデザイン・装画:森華/京都大学学術出版会) 『新・動物記6 アザラシ語入門─水中のふしぎな音に耳を澄ませて』(水口大輔著/ブックデザイン・装画:森華/シリーズ編集:黒田末壽、西江仁徳/京都大学学術出版会) 『フィールドの生物学24 ミツバチの世界へ旅する』(原野健一著/東海大学出版部) 『哺乳類前史:起源と進化をめぐる語られざる物語』(エルサ・パンチローリ著/的場知之訳/青土社/Kindle版) 『招かれた天敵──生物多様性が生んだ夢と罠』(千葉聡著/みすず書房/Kindle版) 『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』(千葉聡著/講談社ブルーバックス/Kindle版) 『ビーバー:世界を救う可愛すぎる生物』(ベン・ゴールドファーブ著/木高恵子訳/草思社/Kindle版) 『タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源』(ピーター・ゴドフリー=スミス著/夏目大訳/みすず書房/Kindle版) 『幻のシロン・チーズを探せ 熟成でダニが活躍するチーズ工房』(島野智之著/デザイン、イラストレーション:佐々木宏/帯文:坂上あき、森節子/八坂書房) 『すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線』(多田将著/イラスト:上路ナオ子/イースト・プレス/Kindle版) 『ビッグコミックススペシャル 藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス7 ポストの中の明日』『ビッグコミックススペシャル 藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス1 ミノタウロスの皿』(藤子・F・不二雄著/装幀:佐々木暁/小学館) 『北極百貨店のコンシェルジュさん 1・2巻』(西村ツチカ著/装幀:井上則人(井上則人デザイン事務所)/小学館) 『ぼっち死の館』(齋藤なずな著/小学館ビッグコミックスフロントライン) 『すとまとねことがんけんしん1』(内田春菊著/装画:内田春菊/装丁:秋山具義(Dairy Fresh)/デザイン:横倉清恵(Dairy Fresh)/ぶんか社) 『すとまとねことがんけんしん2』(内田春菊著/装画:内田春菊/装丁:秋山具義(Dairy Fresh)/デザイン:山口百合香(Dairy Fresh)/ぶんか社) 『大金星』(黒田硫黄著/講談社アフタヌーンコミックス/電子書籍版) 『ころぶところがる』(黒田硫黄著/小学館/電子書籍版) 『大日本天狗党絵詞1〜4』(黒田硫黄著/アフタヌーンKC/電子書籍版) 『映像研には手を出すな!1〜8巻』(大童澄瞳著/小学館/電子書籍版)
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おはようございます、LET'S KENDOです。 全国高校剣道選抜大会編集版動画をレッツ剣道YouTubeにて続々公開中! 試合結果 男子 優勝 福大大濠 二位 長崎南山 三位 三養基、四天王寺東 女子 優勝 守谷 二位 中村学園女子 三位 佐伯鶴城、東奥義塾 速報結果はLET'S KENDOにて〜 http://www.letskendo.com ライブ配信 https://www.youtube.com/user/letsKENDO ※最近、TikTokやSNSでLET'S KENDOの動画を無断使用している方おります。 特に選抜大会などの動画は使用が多いです。使用している人を見かけたら、ご連絡いただけると幸いです。違反申請をおこない、悪質な場合は法的措置もしていきます。 「剣道普及」みたなことを言っている人もいますが、他人の動画を勝手に使って、いわば盗んで、自分のもののように動画アップしている人の感覚が理解できません・・・ ※ LET'S KENDO SNS ●【Twitter】https://twitter.com/letskendo ●【YouTube】 https://www.youtube.com/user/letsKENDO ●【インスタ】https://www.instagram.com/letskendo/ ●【Facebook】https://www.facebook.com/LETSKENDO/ ●【LET'S KENDOショップ!】https://letskendo.thebase.in/ ●【LET'S KENDOブログ】http://letskendo.diary.to/ #全国高校剣道選抜大会 #japan #剣道大会 #武道 #letskendo #kendo #剣道 #レッツケンドー #YouTube (春日井市総合体育館) https://www.instagram.com/p/CqZA99Yvh5m/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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「叫び」を執筆した経緯について
私の書いたSF掌編「叫び」が、第3回かぐやSFコンテストにて審査員特別賞を受賞しました。
私にとって、かぐやSFコンテストで最終候補に残ること、もしくはKaguya Planetに作品が掲載されることは、ひとつの大きな目標でした。それを上回る結果に驚きつつ、喜びを噛みしめています。
大賞を受賞された暴力と破滅の運び手さん(「マジック・ボール」推し作品でした!)、読者賞を受賞された牧野大寧さん、おめでとうございます。
他の候補作も素晴らしいものばかりで、この10作で最終レースを走れて幸せでした。『新月2』でまたご一緒できることが、光栄で、恐ろしいです。
***
以下の文章は、「叫び」を執筆した経緯について書いたものです。
い��たん送り出した作品については、あまりコメントしないようにしています。作品の陰から糸川という人間が顔を出したところで、ノイズになることはあっても、プラスに作用することはない、余計なことはしゃべらず黙っとこ、という考えです。
今回、例外的にやってみようかな、という気になったのは、過去の二度のかぐやSFコンテストの際に、最終候補作の著者の幾人かが思考の過程をブログなどで明かしてくださったことを思いだしたからでした。それらの文章に、その向こうに覗く生身の人間のすがたに、技術面においても精神面においても、大いに助けられてきた。その一つひとつをふりかえっていたら、自分もなにか書いておきたくなりました。
長くなりますが、よろしければお付き合いください。
ーーー
・テーマ「未来のスポーツ」への率直な感想:
お題発表を受けての率直な感想は「むり」でした。
スポーツは苦手です。興味も、あるかないかで言えば、ありません。
なんとか書けるかもしれないのは、経験のある水泳、持久走、バスケットボール?
あるいは(ここ数年の自分の関心事項のひとつが「人間以外の生き物との共生」なので)動物が関わる流鏑馬、乗馬、競馬、ドッグレースあたりならば、興味が持てるかもしれない。
そんなところからネタ出しをはじめたのですが、良い案が浮かばず、足踏み状態がつづきました。
ちなみに、オリジナルの競技を作ることについては、考えもしませんでした。4,000字の尺のなかにルール説明から競技シーンまでを収めるのは技術的に不可能だと思ったからです。この難題に果敢に挑んだ作品のひとつ「城南小学校運動会午後の部『マルチバース借り物競走』」の読者賞受賞は、嬉しく、気持ちのよいものでした。
ーーー
・「かぐやSFコンテスト」という場をふまえて:
「私たちは、”世界の人々に読まれる”という前提でSF小説を書いてもらうこと(略)で、日本のSFを更に前進させていきたいと考えています。」
コンテストのステートメントにあったこの言葉を、私は以下のように解釈しました。
「もしも世界中のひとと対話ができるなら、なにについて話したい?」
わくわくする問いかけです。遠くを見ようとすることで視野が広がり、ふだんの自分には書けないものが書けるような気がしてきます。
伝えたい、とか、訴えたい、とかではなくて、意見を交換し、語りに耳を傾けあい、それぞれの日常に戻ってからも考えつづけたい。そんな、私たちみんなにとって大切な話題ってなんだろう?
ただ、これに拘りすぎると、おそらく作品が押し��けがましくなってしまいます。
あまり意識せず、だけどふんわりと頭の片���に漂わせておく。そのていどに留め、モチーフやテーマを探しつづけました。
ーーー
・はじめに書こうとした話:
デザインド・アスリート(競技をするために遺伝子操作で作り出された強化人間の意。造語)の女子短距離走選手が、事故によって心身に傷を負う。乗馬療法を受けるために訪れた牧場で、彼女は、今は存在しない競馬という競技のために作られた、サラブレッドという種の馬と出会う。役目を失い絶滅危惧種となったサラブレッドと交流するなかで、その姿に自分自身を重ねるようになり……
という話を考えていました。
ざっと書き、捨てました。
これじゃ、馬が人間を描くための道具になっている。
ーーー
・馬を描くなら馬の話を:
人間を描くための道具として、馬を使いたくない。そう思ったのは、私が日頃から人間中心主義を居心地悪く感じているからです。馬を出すならば馬の話を書こう。そう決めて、最初の案はボツにしました。
でも「今は存在しない競馬という競技」という切り口は、悪くないかも。その世界の競馬は、どうしてなくなったのだろう?
答えを探しつつ調べものをしてゆくうちに、徐々に「叫び」の原型が定まってゆきました。
人間を描くための道具として馬を使いたくないと書きましたが、馬を描いたことで人間の話にもなるのは、大いにありです。
結果的にはそういう話が書けたのではないかと思っており、また、感想のなかにもその部分を汲み取ってくださったものをみかけ、ありがたいなあ……と頭を下げました。
ーーー
・馬をどう描くか:
おおまかな形が定まってからも、考えることは尽きませんでした。
もっとも大きく、かつ根本的な悩みは、「馬と人間の関係」や「馬(をはじめとする動物)の倫理」というテーマの難しさでした。
この複雑で繊細な問題を、資料から得た知識しか持たない自分に扱えるだろうか。馬の関わる産業と文化を、覚悟をもったうえで馬とともに生きている人たちを、ただ雑に批判することになってしまわないだろうか。
また、語るための言葉をもたない相手の声を都合よく捏造して「代弁」するのは、暴力的な行為でもあります。
馬という、おそらく人間とはまったく異なる形をした心をもつ存在を、人間に寄せた形で描くことが、このテーマを扱う上で最適な方法だとも思われない。
にも関わらず書かずにいられなかったのは、改めて資料にあたればあたるほど、前々から気になっていた馬と人間の関係の不均衡性から、いよいよ目を逸らすことができなくなっていったからです。
人間とともに走ることを愛し、競走馬として生きることに幸福を感じる馬も、もちろんいるでしょう。
けれど、かれらの陰ではデビューに至らなかった馬や引退��た馬がモノのように処分されている。その数は、日本だけでも年間七千頭と言われています。競走馬として脚光を浴びた馬であっても、レース中や調教中の怪我が原因で安楽死させられるケースは跡を絶ちません。過酷な日々を通じて身体に蓄積してゆく負担の大きさゆえに、寿命も短くなる傾向にある。
この状況を「そういうもの」として見過ごしていいのか?
私には、そうは思えませんでした。
馬と言語によるコミュニケーションをとることが現実的に不可能である以上、その「声」は想像することしかできません。それは代弁と紙一重の危うい行為であり、どこまでいってもエゴの域を越えられない。それでもなお、そういった試みがまったく存在しないよりは、マシなのではないか。少なくとも私自身は、一度作中で扱った問題に対して無関心でいられなくなる。ひとりの人間を変えることができるのであれば、その物語は、書くに値する。
こういった思考のすえ、「叫び」を書くことに決めました。
「叫び」は、馬と人間の対話の、単にひとつの可能性にすぎません。まだまだ、もっともっと、他の可能性も見てみたいです。作品としても、作品の外でも。この掌編がそのための呼び水となるのであれば、本望です。
ーーー
以上が、私が「叫び」を書くに至った経緯です。
「未来のスポーツ」というお題と真っ向から向きあったというよりは、テーマを足がかりに自分の書きたいものを書いた。それが率直な実感です。
このお題がなければ書けなかったものが書けたし、今の自分にできることを全力でやりきった。その点では満足していました。
でも、これじゃ受賞は無理だな、とも思いました。大賞や読者賞にふさわしいのは、もっと正面から未来のスポーツを描いた作品です。
だったら、「最終候補入り」は?
それならば、ひょっとしたら、あり得るかもしれない。
ふたを開けてみるまではわかりませんが、なんとなく、応募作には人間の競技者を主人公とするものが多いのではないかな、という気がしていました。
もしも最終候補に残った作品がぜんぶ人間の話だったら?
それよりも、9人の人間にまじって馬が1頭走ってる眺めのほうが、なんかよくない?
そんな光景が見たくない?
最終候補作が発表される前の数日は、そんなことをぶつぶつ言って、自分を奮い立たせていました。
が、いざ「叫び」が選ばれたと知ると、やってきたのは驚きでした。
ひとしきり騒いだあとで、じーんとしました。
あれを? 選んでくださったのですか? 未来のスポーツというテーマで? 本当に?
審査員方々の懐の深さに打たれ、清々しい敗北を喫したような、おかしな気分になりました。
それだけで十分に嬉しく、ありがたかったのに。まさか審査員特別賞という賞までいただけるだなんて。
審査員を務められた磯上竜也さん、井上彼方さん、岸谷薄荷さん、佐伯真洋さんは、いずれも作品や活動を通じて一方的に存じ上げてい���方でした。読み手としてだけではなく、人としても信頼できる方々。優しく誠実であろうとするがゆえの、シビアな目をお持ちの方々。そのようにお見受けしていたため、この4人に作品を読んでもらうのか……と思うと、わくわくするのと同じぐらい、胃が痛くなったものです。
選評を読む際は、緊張しました。
すべて読み終えてから、手紙みたいだ、と思いました。全力で書いた手紙に、全力のお返事をいただいた。そんな感覚です。
尽くしてくださった言葉から、「未来?」と戸惑い「スポーツ?」と疑問符を浮かべつつも、作品の声に耳を澄ませるようにして読んでくださったことが窺い知れ、「叫び」の肩をたたいてやりたくなりました。よかったねえ、こんなに真剣に、大切に読んでもらえて、お前は幸せものだねえ、と。
また、期間中の感想にはレギュレーション違反を避けるために反応できませんでしたが、みつけられたものはすべてスクショを撮り、何度も何度も読み返しています。
審査員のみなさん、読者のみなさん、読んでくださり、感想を言葉にしてくださって、本当にありがとうございました。
受賞はこのうえなく幸せなことです。
が、終わってしまえば、これもまた、ひとつの通過点にすぎません。
『新月』では何を書こうかと、今はそれで頭がいっぱいで、すでに胃がキリキリしはじめています。
ーーー
最後に。
冒頭にも書いたとおり、私にとって、かぐやSFコンテストで最終選考に残ること、もしくはKaguya Planetに作品が掲載されることは、ひとつの大きな目標でした。
Kaguyaにこだわる理由はたくさんあります。
そのうちのひとつが、Kaguyaは物語の力に対して自覚的な人たちが集まる場所だから、です。
SFには未来を引っぱってくる力がある。そのSFのための場を作る人たちと、そこに集う人たちの多くが「誰の足も踏まない」という意識を共有していることに、大きな希望を感じています。
その一員でありつづけられるよう、いっそう精進いたします。間違えることだらけの未熟な人間ですが、これからも見守っていただけますと嬉しいです。
ーーー
〈補足〉
作中にマヌエラという人物が登場します。説明不足で伝わらない部分があったようですが、私は彼女を女性として書きました。(「マヌエラ」は、女性に多くみられる名前だと認識しています)マヌエラとエバは、レズビアンのカップルです。
SFを書く際は、現実の社会にふつうに存在しているのに透明化されがちな人たちを「なんの必然性もなく」登場させるよう心がけています。善良でもなければ悲運を背負わされるわけでもない、ただふつうに生活していてふつうに恋愛をしてふつうに破局したのであろうふつうのカップルとして、二人を描きました。
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我が国の未来を見通す(83)
『強靭な国家』を造る(20)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その10)
宗像久男(元陸将)
───────────────────────
□はじめに
今回は、「国力」の要素として「政治力」を取り
上げようと思います。私は、依頼された様々��仕事
をこなしながら、原稿をしたため、時に講話資料な
どを作成したりしている自分専用の部屋を持ってい
ます。書斎というほど立派なものでありませんが、
そこには、部屋を囲む壁一面に固定された本棚から
溢れた書籍や資料の数々が“所狭し”と平積みされ
ています。
このたび、改めて気がついたことがあります。これ
ら数千冊の書籍の中で、「政治」と冠する書籍がほ
とんどないのです。振り返れば、著名な有識者の書
や内外の政治家の伝記などを通じて政治や外交を学
ぶとともに、様々な経験を通じて、「政治」につい
ては人並み以上に色々考えてきたと自負しています
が、これまでの人生で、「政治」について特別に学
んでみようと思ったことは一度もなかったのでした。
「政治家はもっと安全保障や防衛について知見を持
つべし」などといつも偉そうに書いたり、話したり
はしています。しかし、大部分の国民もそうであろ
うとは思いますが、国民の1人としてこちら側から、
「政治」とか「政治家」について理解を深め、歩み
寄ろうとする努力をしないままだったのです。これ
は反省すべき点と考えていますが、“時すでに遅
し”です。
このように、「政治」についてはまさに“浅学菲
才”の身で恥ずかしい限りなのですが、逆な言い方
をすれば、“開き直り”というか、あらゆる既存の
先入観とか主義主張のようなものとは“かけ離れ
た”第三者的な立場で、「政治力」について論じて
みようと思います。
さて、前回取り上げた話題を少し補足しておきます。
福島原発の処理水に関して中国から殺到している迷
惑電話に対する新たな対応策として、東京都は「あ
なたはご存じですか、中国の原発の中には、福島原
発の処理水のおよそ10倍のトリチウムを出すもの
があります」との自動音声で対応しているとのこと
です。これはあっぱれです。
しかし、政府や外務省、それに有識者やマスコミも
なぜこのような「事実」を声高に発信しないのか、
本当に不思議です。岸田首相も李強首相に面と向か
ってその「事実」を言えばよいのです。トリチウム
が本当に有害なら、だいぶ前から汚染されて迷惑を
受けているのは日本を含む周辺国なのです。
与野党議員やマスコミの中にも、いわゆる“親中
派”といわれる人たちがたくさんいるようですが、
中国の“いいなり”になっているのが親中派のある
べき姿ではないはずです。今の日本は「外交力」で
すでに負けている証���なのでしょう。困ったもので
す。
▼「政治力」が「国力」に及ぼす影響
筆を進めましょう。古今東西の歴史をみるに、「政
治力」を発揮する国のリーダー(為政者)の良否が、
「国力」の発揮を左右し、その結果が、良くも悪く
も「歴史」として刻まれた例は枚挙にいとまがない
と考えます。
国民主権である民主主義国家においては、国民の精
神と選挙によって選ばれる政治家は不離一体です。
一方、京都大学名誉教授の中西輝政氏は自書『強い
日本をめざす道』の中で、「『政治は集票マシンで
票を集め、選挙で勝って権力を維持すればよい』と
いうような考えは『破滅の思想』である」旨を主張
し、自民党が民主党と政権交代し、下野した頃の自
民党を厳しく批判していたことを思い出します。
中西氏は、「政治家は自ら国際認識、歴史観、価値
観を保持するばかりでなく、国民の健全な価値観を
育て上げなければならず、戦後、それを怠ってきた」
と痛烈に批判したのでした。
確かに、最近の欧米列国において為政者を選ぶ際の
混乱などをみるにつけても、民主主義国家において
政治家を目指すには、国民の支持を得る必要があり、
国民に健全な価値観が育っていないと、それ相応の
政治家が選出され、その結果、国家が“あらぬ方
向”に向かってしまう可能性があります。
歴史をみれば、自分本位の身勝手な意図を持つ者た
ちが大衆を先導し、ポピュリスムに陥った例は数え
切れません。民主主義とポピュリスムの先にある衆
愚政治(暴民政治)はまさに“紙一重”なのでしょ
う。このような特性に加え、「意思決定に手間と時
間がかかる」とか「政策の継続性が失われる」など
民主主義国家には、大きな“弱点”(“落とし穴”
というべきか)があるのも事実なのです。
2021年7月、中国共産党100年式典において、
習近平総書記は、中国共産党の歴史の中で数千万人
の犠牲者を出したといわれる大躍進や文化大革命な
どの“人命軽視”には全く触れず、上記のような民
主主義の“弱点”を突いて、「社会主義以外の政治
は失敗した」と共産主義の正当性を主張したのは記
憶に新しいところです。
さて、本メルマガでは他の識者に倣って、「国力」
を構成する「ハード・パワー」の一つとして「政治
力」を位置付けていますが、のちに触れる「ソフト
・パワー」としての「国家戦略」や「国家意思」は、
まさに指導者が「政治力」を発揮し、国家や国民の
価値観を集約したものであることなどを考えれば、
「政治力」は、「国力」の「ハード・パワー」の1要
素というよりも、「ソフト・パワー」に分類された
方が適切なのかも知れません。
しかし実際には、対外的な「政治力」(「外交力」)
は、「経済力」や「軍事力」などとともに国家の諸
力を総合した「強さ」として、“国際社会にどの程
度影響を与えるか”の尺度になるものでもあります。
「政治力」単独の国際比較は見当たりませんが、こ
れら国家諸力の比較という点では、すでに紹介しま
したように、米誌「USニューズ&ワールドレポー
ト」が「世界で『強い』国のランキング」を発表し
ており、1位アメリカ、2位ロシア、3位中国、4
位ドイツ、5位イギリス、6位フランスに続き、日
本は7位にランクされています。
アメリカ発のレポートということもあって、少し
“買いかぶっている”という印象を持たざるを得ま
せんが、日本に対する総評は、「世界で最も洗練さ
れ、技術発展の進んだ国の1つ」とありますので、
「政治力」(外交力)よりも「経済力」とか「技術
力」が評価されたものと考える必要があるでしょう。
話題は変わりますが、選挙��よって選ばれる政治家
に対して「自分たちの代表である」と考えているの
か否かについて興味深い調査結果があります。特定
非営利活動法人「言論NPO」が2019年に実施
した「日本の政治・民主主義に関する世論調査」で
す。それによると、「政治家を自分たちの代表だと
思わない」との見方が45%となって、「代表だと
思う」(42%)を上回っていました。特に、若い
世代ほど「代表と思わない」との傾向にあるようで
す。
さらに、「政党や政治家に日本が直面する課題の解
決を期待できない」と考えている人は71%を超え
るなど、政治に対する国民の信頼が低下しているこ
とが明らかになっています。これまでの歴史に加え、
毎度の国家の議論などから、そう思いたくなる気持
ちも理解できるような気がします。
実はもっとショッキングなデータもあります。「ベ
ネッセ教育総合研究所」が中学生や高校生に対して
行なった、若者の“政治離れ”の象徴といえるよう
な調査結果です。調査自体はかなり前ですが、「私
個人の力では政府の決定に影響を与えられない」と
いう問いに対して、「全くそう思う」40%、「ま
あそう思う」41%を加えると81%を超える若者
が肯定しているのです。
同じ問いの調査に対して、アメリカは43%、韓国
は55%。中国であっても44%となっており、我
が国の若者たちは、自分自身の力と政府の決定の間
に、選挙によって政治家を選出するシステムのない
中国を上回る「距離感」を感じているのです。
これは由々し��問題であると思いますが、このよう
な「政治に対する国民意識」には、戦後の若者教育
が強く影響を与えていると考えます。中西氏の指摘
のように、国民の健全な価値観を育てる「教育」の
改善を放置してきたことを含め、「政治」の分野に
おいても、戦後70数年の“ツケ”が溜まりに溜ま
っていると考えざるを得ないのです。
▼「政治力」が「国力」に及ぼす影響(続き)
もう少し続けましょう。同じく京都大学名誉教授の
佐伯啓思氏は、自書『反・民主主義論』において、
戦後の我が国の民主主義の論理矛盾について「日本
を滅ぼす『異形の民主主義』である」として鋭く詰
め寄っています。なかでも「デモクラッシーは基本
的には大衆という多数派の支配の政治なのだが、そ
れがうまくゆくためには、少数の賢者がこの多数派
を指導していかねばならない」と述べています。
つまり、「指導者は、社会の日々の変動や情緒が渦
巻くこの時間と空間を相対化し、過去や未来という
長い時間のうちに現在を置き、世界という視野に立
ち、ある程度、状況から身を引き離して眺める時間
と能力をもって、その立場から国民が本当は何を求
めているかを解釈する位置にいなければならない。
そして、新聞調査などによって即興のイエスかノー
かを集計した『世論』ではなく、目には見えない、
統計数字には出てこない経験や思慮を通じた『輿論』
の中にある『民意』を理解し、多数派の精神的な指
導者として『世論』を『輿論』に変えていく役割を
果たすことによって、はじめて『主権は人民(国民)
にあり』が成立する」旨のことを、吉野作造氏の主
張を引用しつつ展開しています。
これらの言葉の一つ一つに全く納得するものがあり
ます。国の指導者たる政治家は、国民から選ばれな
がらも、一般の国民などがはるかに及ばない知恵や
リーダーシップを保持し、官僚や各界の専門家を凌
駕する“ジェネラリスト”として、“国家として何
をすれば良いのか”の視点に立って「国家の舵取り」
を果敢に実施する気概と知恵と実行力が求められて
いるのです。
そのためには、中西氏や佐伯氏が指摘するように、
政治家は、主義主張に多少の違いはあっても、その
根底に国家観や歴史観や愛国心を保持し、過去、現
在、未来という歴史の繋がりの中で、世界的な視野
に立ち、客観的な立場で物事を判断できる「資質」
を保持する必要があると考えるべきでしょう。
実際には、選挙によって当選さえすれば、政治家と
しての「資質」を何ら問われることなく、“だれで
も”政治家になれます。だからこそ、一度も登院す
ることなく外国に所在し続けたような人物でも国会
議員になれたわけだし、収賄事件などに関与する政
治���も後を絶たないのです。
「落選すればただの人」とよく言われますが、私は、
逆に「当選さえすれば誰でも政治家になれる」よう
な“現状”をこのまま放置してよいのかという疑問
を消え去ることができません。
個々の政治家が、政治家の必要条件としての「資質」
を保持しておれば、アプローチが異なる政党が複数
存在し、相互に活発な議論を交わしても、国民の政
治に対する信頼は揺るがないし、我が国の「政治力」
は、世界に伍して評価されるレベルに届くと確信し
ます。
特に、対外的な意味で言えば、細部の紹介は省略し
ますが、戦後政治の中で、安倍元首相のように、日
本の「外交力」を世界に知らしめた政治家が輩出さ
れていますので、要はやはり「資質」なのだろうと
思います。
この「外交力」の行使にあたって最も優先すべきは
「真の国益」であることは論を俟ちません。現下の
情勢において、我が国の「国益」上最優先すべきは、
日米同盟などと連携を図りながら「台湾有事」を何
としても回避することでしょうから、そのためにあ
らゆる国家諸力を総和して対処するとの強い意志を
もって「外交力」を駆使することが求められている
と考えます。
冒頭の福島原発の処理水をめぐる岸田首相の発言な
どについても、“外交上の最優先課題を念頭におき、
「何を発言すべきか」を考えているのか”と言いた
くなるのです。逆に中国側は、発言の一言一言が自
分たちにとって“最も有利な態勢造り”(つまり
「国益」)を考えつくした上での内容であることは
明白です。中国との間では、しばらくこのような
「外交戦」や非軍事面の“戦い”が続くことでしょ
う。ひるんだ方が負けですし、実際に「台湾有事」
が現実になった場合に被る影響は途方もないものが
あります。
ポスト・ウクライナ戦争において、我が国はロシア
とどのように向き合っていくべきかについても外交
上の課題となることでしょう。中国、ロシア、それ
に北朝鮮を相手に、我が国の「政治力」(外交力)
が本当にその力を試されるのはこれからでしょう。
▼「国力」の1要素としての「政治力」総括
様々な危機に直面している今、「国力」の維持に代
表されるような、次の世代に残していかなければな
らない「国家のあり様」に関する根本的改革に向け
た議論が待っていると私は考えます。その牽引車は、
何と言っても政治家の先生方であり、強い「政治力」
をもってはじめて成し遂げられることでしょう。
前にも、「政治家のだれかが『君子豹変』すること
をひたすら祈り続けている」と書きましたが、今を
生きる世代の先頭に立って、我が国の「政治力」、
ひいては「国力」の大幅アップにチャレンジしよう
とする、卑近な言葉を使えば、“真っ当な政治家
(達)”の出現を待望したいものです。
思いの丈をだらだらと書き綴ってしまいました。門
外漢の立場であまり口���出すと、様々な批判の声が
聞こえてきそうなのでこのあたりで止めますが、さ
ほど優先順位が高いとは思わないような案件が政局
となって貴重な時間を費やし、それを年中行事のよ
うに繰り返していることが、結果として国民の政治
不信と政治離れを加速し、「選挙と政局しか関心が
ない政治家」と揶揄されるような“現状”になって
いるのではないでしょうか。
政治家の先生方には、我が国が直面するであろう厳
しい将来環境とともに、このような“現状”の根本
原因の究明と対策について、“自らの身を切る”覚
悟で分析・検討して改善してほしいと願っています。
実際に少子高齢化に向かう我が国にあっては、国政
も地方自治体も現在のような政治家や官僚(地方公
務員)の規模を抱えている余裕はなくなることでし
ょう。そんなに遠くない将来に、政治家の質と量両
面から“大ナタを振って”大改革を断行しなければ
ならない時期が迫っていると考えます。
一方、有権者たる国民の方も、このままでは将来に
禍根を残すことでしょう。前に紹介しましたが、イ
ギリスの歴史家トーマス・カーライルの「この国民
にしてこの政府あり」の言葉のように、選ぶ側のレ
ベル以上の政治家が輩出されることはなく、その延
長で政府もそのレベルに留まるということは、戦後、
我が国が“最適な制度”として選択した(選択させ
られたというのが真実かも知れませんが)民主主義
の本質です。
どちらが鶏か卵か、は難しいですが、政治家として
の「資質」を有する人物を指導者として選ぶのは有
権者たる国民です。そのため、国民のレベルを上げ
ていく必要があることもすでに述べました。しかし、
戦後70数年の間に定着し、「戦後の形」を形成し
ている国民の「行動原理」を“1ミリでも変える”
ことは容易なことではありません。
このあたりの「国民意識」についは最後に取り上げ
ようと思いますが、その第1歩として、次回以降取
り上げる「科学技術」や「教育」にも“メスを入れ
る”必要があるでしょう。私たち・戦後世代の責任
として真剣に取り組まなければならい分野はまだま
だあると思っています。“間に合えば良いが”と、
つい考えてしまいます。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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薬膳汁なし担担麺のハルキヨさんで、5辛ダブル1100円 今度は薬膳スープもいただこうかな^_^ ごちそうさまでした(^人^) #五日市ランチ #薬膳汁なし担担麺ハルキヨ #汁なし担担麺 #hitひろしま観光大使 (佐伯区五日市) https://www.instagram.com/p/CoYuEoBPJSY/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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2024年の文化活動(一覧)
全部で130件。2024年も美術館を中心に巡ったのだがその中でも、金にものを言わせて地方の県立・市立美術も範疇としたのが大きな変化だった。取っ掛かりは宇都宮美術館。酷暑の真っただ中に行ったカスヤの森現代美術館、佐倉市美術館。念願だった茨城県近代美術館、ひらめきで思い立った郡山市立美術館。母親と行った東京国立博物館、意外に良かった国際こども図書館なども印象深かった。 一方、美術館巡りのサイクルは飽和状態なので新機軸を作りたいところでもある。その一つはクラシック・コンサートか。少しずつ楽しめる場所を増やしていきたい。
私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために@森美術館
即興 ホンマタカシ@東京都写真美術館
見るまえに跳べ 日本の新進作家 vol.20@東京都写真美術館
プリピクテ Human/人間@東京都写真美術館
テオ・ヤンセン展@千葉県立美術館
千葉ポートタワー
坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア@NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
ICC アニュアル 2023 ものごとのかたち@NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
第21回東京音楽コンクール 優勝者コンサート@東京文化会館
キュビズム展 美の革命@国立西洋美術館
もうひとつの19世紀 ―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち@国立西洋美術館
マリー・ローランサン ― 時代をうつす眼@アーティゾン美術館
石橋財団コレクション展@アーティゾン美術館
恵比寿映像祭 2024@東京都写真美術館
中平卓馬 火―氾濫@国立近代美術館
古代エジプト美術館
星野概念氏&いとうせいこう「心のことを話してみる場所」
消防博物館
FACE展2024@SOMPO美術館
広がるコラージュ@目黒区美術館
IIDA 101 飯田善國@目黒区美術館
VOCA展2024@上野の森美術館
ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家@東京オペラシティアートギャラリー
『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本@板橋区立美術館
印象派 モネからアメリカへ@東京都美術館
オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期@麻布台ヒルズギャラリー
イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い@宇都宮美術館
マティス 自由なフォルム@国立新美術館
早稲田大学演劇博物館
没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる@東京都写真美術館
TOPコレクション 時間旅行@東京都写真美術館
記憶:リメンブランス―現代写真・映像の表現から@東京都写真美術館
ヒロ杉山 個展「Sculpture」@Lurf MUSEUM
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ@国立西洋美術館
真理はよみがえるだろうか:ゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面@国立西洋美術館
ブランクーシ 本質を象(かたど)る@アーティゾン美術館
石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 清水多嘉示@アーティゾン美術館
第8回 横浜トリエンナーレ@横浜美術館
パーフェクト・カモフラージュ展@ワタリウム美術館
マイケル・ケンナ写真展@代官山ヒルサイドフォーラム
Playground Becomes Dark Slowly@日比谷公園
昭和を駆け抜けた超特急 ~燕、そして新幹線へ~@昭和館
北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画@SOMPO美術館
マイ祭2024@自由学園明日館
第75回 東京みなと祭@東京国際クルーズターミナル
デザインフェスタvol.59@東京国際展示場
LOVE LIGHTPIA@お台場シンボルプロムナード公園
SusHi Tech TOKYO 2024@シンボルプロムナード公園
海王祭@東京海洋大学
池口史子展@美術愛住館
特別展「法然と極楽浄土」@東京国立博物館
デ・キリコ展@東京都美術館
都美セレクション グループ展 2024@東京都美術館
上野動物園
三島喜美代―未来への記憶@練馬区立美術館
ホー・ツーニェン エージェントのA@東京都美術館
翻訳できない わたしの言葉@東京都美術館
サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」@東京都美術館
MOTコレクション@東京都美術館
日本映画と音楽 1950年代から1960年代の作曲家たち@国立映画アーカイブ
谷川町子のデザイン@長谷川町子記念館
TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション@国立近代美術館
日本のグラフィックデザイン2024@東京ミッドタウン デザインハブ
徳川美術館展 尾張徳川家の至宝@サントリー美術館
海の日プロジェクト@東京国際クルーズターミナル
ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展@GYRE GALLERY
若江漢字《地中海 ― I・始まり》@カスヤの森現代美術館
三笠公園
2024イタリア・ボローニャ国際絵本原画展@板橋区立美術館
2024 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展@ギンザグラフィックギャラリー
絵本で知る世界の国々―IFLAからのおくりもの@国際こども図書館
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝@森美術館
フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線@SOMPO美術館
111年目の中原淳一@松濤美術館
台湾好包フェス2024@HANEDA INNOVATION CITY
開館30周年記念 生誕100年記念 深沢幸雄展@佐倉市美術館
空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン@東京ステ��ションギャラリー
ポール・マッカートニー写真展 Paul McCartney Photographs 1963–64 Eyes of the Storm@東京シティビュー
東京おもちゃショー2024@東京ビッグサイト
作品と空間@アーティゾン美術館
高田賢三 夢をかける@東京オペラシティアートギャラリー
となりの不可思議 収蔵品展080 寺田コレクションより@東京オペラシティアートギャラリー
平田晃久―人間の波打ちぎわ@練馬区美術館
サラダ音楽祭 メインコンサート@東京芸術劇場
TOPコレクション 見ることの重奏@東京都写真美術館
今森光彦 にっぽんの里山@東京都写真美術館
いわいとしお×東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ@東京都写真美術館
マインドフルネス(基礎編)
田中一村展 奄美の光 魂の絵画@東京都美術館
大地に耳をすます 気配と手ざわり@東京都美術館
Maker Faire Tokyo@東京ビッグサイト
物、ものを呼ぶ─伴大納言絵巻から若冲へ@出光美術館
日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション@東京都現代美術館
開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ@東京都現代美術館
MOTコレクション 竹林之七妍 特集展示 野村和弘 Eye to Eye—見ること
ツーリズムEXPO JAPAN@東京ビッグサイ
東京都交響楽団 第1009回定期演奏会Aシリーズ@東京文化会館
レガシー ―美を受け継ぐ モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ@松岡美術館
田名網敬一 RETROSPECTIVE@国立新美術館
第70回記念 一陽展@国立新美術館
2024 国際航空宇宙展@東京ビッグサイト
ICC アニュアル 2024 とても近い遠さ@NTTインターコミュニケーション・センター
サイエンスアゴラ2024@テレコムセンタービル
産総研一般公開2024@産総研 臨海副都心センター
国際交流フェスティバル2024@東京国際交流館
「みんなの選んだグッドデザイン」プレゼン大会@東京ミッドタウン デザインハブ
東京都交響楽団 プロムナードコンサート@サントリーホール
コレクション・ストーリー ー諸橋近代美術館のあゆみー@諸橋近代美術館
ART WEEK TOKYOその1:渡辺志桜里 宿/Syuku@資生堂ギャラリー
ART WEEK TOKYOその2:束芋「そのあと」@ギャラリー小柳
ART WEEK TOKYOその3:青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」@ミヅマアートギャラリー
ART WEEK TOKYOその4:オノデラユキ@ウェイティングルーム
ART WEEK TOKYOその5:ヴァジコ・チャッキアーニ@スカイザバスハウス
オルガンコンサート@東京オペラシティ
松谷武判 Takesada Matsutani@東京オペラシティアートギャラリー
北川民次展―メキシコから日本へ@世田谷美術館
ミュージアム コレクションⅡ かわりゆくもの、かわらないもの―TRANSITION@世田谷美術館
デザインフェスタvol.60@東京ビッグサイト
レオ・レオーニと仲間たち@板橋区立美術館
Vintage Market@東京ビッグサイト
没後100年 中村 彝 展―アトリエから世界へ@茨城県近代美術館
SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット@ワタリウム美術館
奇想の版画 1500ー1650 帝都プラハを交差するヨーロッパ版画@郡山市立美術館
中村彝アトリエ記念館
佐伯祐三アトリエ記念館
ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に@パナソニック汐留美術館
オープニング展@URSHIMA MUSEUM
松本かづち展@江東区森下文化センター
再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル@三菱一号館美術館
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首都圏で住宅を狙った強盗事件が相次ぐ中、広島県内で「トイレを貸して」などと言って民家を訪ねる不審者情報が10月以降、少なくとも10件以上、県警に寄せられている。県警は資産状況や家族構成を把握する「下見」の可能性があるとみて警戒を強めている。 県警によると、不審な人物の訪問は広島市佐伯区や東区、安佐南区のほか、廿日市市や東広島市で1~4件発生。単独か複数人で日中や夜間に「トイレを貸して」「ジュースをくれ」などと言って訪れ、家族構成、家が留守になる時間帯などを聞いてきた。30代くらいの男2人組が県外ナンバーの車で訪れるケースもあった。 首都圏の事件では、事前に現場周辺でリフォーム業者などを装った不審な訪問が確認されている。山口県光市では10月、民家に強盗に入ろうとしたとして関東地方の14~18歳の中高生3人が強盗予備容疑で山口県警に逮捕される事件も起きた。 中国地方の5県警は、住宅街や山間部のパトロールを強化するなどしている。広島県警は、施錠の徹底▽知らない相手を家に入れない▽個人情報を伝えない―などの対策をホームページや防犯アプリで情報発信。「怪しいと感じたらすぐに110番して」と呼びかけている。 朝食を済ませくつろいでいるときに 「トイレを貸��て」。10月に不審な男の訪問を受けた広島市内の80代女性が中国新聞の取材に応じた。男は勝手口から無断で入り、女性がトイレを貸すと「両替してくれ」「1人か?」とも言ったという。「(強盗などの)下見だったのかもしれない。最初から断ればよかった」と女性は悔やむ。 男が勝手口から入ってきたのは10月10日午前8時半ごろ。朝食を済ませ、リビングでくつろいでいるときだった。突然、台所の勝手口が開き、シャツに黒髪の30代くらいの男が現れた。 男は黒色のかばんをテーブルに置くと「トイレを貸してくれ」と告げてきた。状況がつかめないまま女性が場所を教えると、数分後に男は戻ってきた。すると小銭を握り「両替してくれ」と言う。「お金はないです」。そう返すと「1人か?」とも聞かれた。とっさにうなずくと、返答することなく男は勝手口から去ったという。 勝手口の鍵は必ず閉めるように 女性はその後、��内会長を通じて警察に通報した。首都圏で相次ぐ強盗事件についてはニュースで知っていたが、当日は結び付けて考えることはできなかったという。両替は、現金がある場所を探るためだったのではないか、と今は思う。 「玄関なら追い返したり、断ったりできたが、勝手口は盲点だった。鍵を閉めていなかったことや問いかけにうなずいたことを反省している」。現在、自宅には防犯カメラを設置し、警備会社とも契約した。洗濯やごみ出しのために開けていた勝手口の鍵は必ず閉めるようになった。 「下見や強盗はいつどこで起きるか分からない。人が入ったら急変する可能性もある。とにかく中に入れないことが大切だと思った」と話す。
突然、勝手口開き「トイレ貸して」 不審者訪問、広島県内で10件以上 「両替して」「1人か」の問いかけ、強盗の下見だったのかも(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
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2024-10-26 土
朝から頭痛。服薬。
「fish(2)」読了。
夜は「優しい劇団」を観に東高円寺。最近よく来る気がする東高円寺。夏の王者舘スズナリで客入れを一緒にやった小野寺マリーさんとそして佐伯ピン子ちんが出るってことで初めて見に来た。
開場して中に入ったらずーっと主宰の人がお客さんに向かってしゃべっててすげえ。あんなずーっとしゃべれない。
それによると、どうやらこのままこうやって始まるみた��。楽屋もなにもなく、始まったら役者もずーっとそのままいる、と。とかって話を聞いてたら羽鳥さん現れた。名古屋から?
始まった。
照明、会場のものは使ってなくて、役者が手に持って自分や他の人に当てていくスタイル。って、そんなスタイル見たことないんえすけど。
音楽も主宰の人がスマホで操作してBluetoothスピーカーから流してて、よくもこんなにタイミング合わせられるなあ。で、流れてくる音楽も渋さ知らズのナーダムだったりパスカルズのワンダーだったりペンギンカフェのPerpetuum Mobileだったりで、この主宰の人、おいくつ?
唐組のような怒涛の台詞と、これはオマージュ?な天野演出なカケラの数々。
あと、それいゆスズナリで客入れしてる時は気づかなかったのだけど、マリーさん、職場のW本さんに激似。
というわけで、たいそう面白かったしすごかった。また観たい。
帰りに二万電圧を覗いたら、中学生棺桶の名前。先日、自分が配信した時の人たち!
新宿駅の成城石井を覗いたら、プレッツェル売ってた。最近ちょっと見かけるようになってる気がする。
そんな新宿駅はそこいら中ユニクロ広告だった。それはいいんだけど、この全面ディスプレイ、近寄るとすげえ熱いんだよね。夏とか最悪だった。
夜のおやつ。
macOS セコイアでのiPhoneとの連携、素晴らしいんだけど、iPhoneの通知もMac側に出るようにしたら気が散って仕方ない! オフにした。
それいゆ2024のDVDジャケット、確認用にありちゃんに送信。そして久美浜の記録写真と映像をパスカルズメンバへ共有。
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今週末14日、3CO2(SANCOTSU)の初となるZINE+CDアルバム「Zine Kotz」リリースイベントがあります。よろしくお願いします。
12/14(土)
東京 高円寺 Fourth Floor Ⅱ
3CO2 1st Work "Zine Kotz" release party " 出力C extra!! "
Open. 18:00 / Start. 18:30 Adv. / Door. ¥2,500- (+1drink)
■Live P.O.V. gloptin × 佐伯武昇 3CO2(SANCOTSU)
■Timetable 18:00 Open 18:30-19:10 gloptin × 佐伯武昇 19:30-20:10 P.O.V 20:30-21:10 3CO2 -22:00 Bar Time
Facebook Event Page https://www.facebook.com/events/1106392884204368/
Fourth Floor Ⅱ second 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-6-7 第5日東ビル B1 Twitter: @kouenji4th https://twitter.com/kouenji4th https://fourthfloor.jp/
【NEWS】ノイズバンド3CO2 初のリリース作品としてZINE付きのアルバム『Zine Kotz』12/14にリリース & リリースイベント開催 IndieGrab https://indiegrab.jp/news/161972/
ノイズバンド 3CO2(SANCOTSU)CD + ZINE作品を12月14日リリース。イベントも開催 Onigiri Media https://onigirimedia.com/2024/12/09/3co2_release_event202412/
■3CO2 1st Work "Zine Kotz" release party " Output C extra!! "
●Date and Time Saturday, December 14th, 2024 Open. 18:00 / Start. 18:30
●Venue " Fourth Floor Ⅱ " Koenji B1F No.5 Nitto Bldg. 4-6-7 Koenjiminami, Suginami-ku, Tokyo 166-0003 Japan
●Charge ¥2,500- (+1drink)
●Live Act P.O.V. gloptin × Takenori Saeki 3CO2(SANCOTSU)
●Timetable 18:00 Open 18:30-19:10 gloptin × Takenori Saeki 19:30-20:10 P.O.V 20:30-21:10 3CO2 -22:00 Bar Time
Japanese Improvisation Noise Band "3CO2 (SANCOTSU)"
コーラ Cola … Voice 虫野十九 Juke Mushino … Bass 礼拝 Reihai … Guitar (Synthesizer) ムラカミロキ MurakamiLoki … Voice
Instagram https://www.instagram.com/3co2.sancotsu/
深夜なので。後でちょい消すかもですが…。
12/14、一応我ら3CO2のレコ発なんでそういう体でみんんな告知しくれてるんですけど、目玉は俺等ではなく gloptin × 佐伯武昇 なんですよ。 「レコ発どうしよっか?」って相談しててこの話出た時に、3CO2メンバー全員「あ、それは(客として)見たい!」と満場一致したんすよ。(なお発案は虫野十九です。ケツはこちらで持ちますが) ご両人知ってる方からしてもこのタイマンみたくないですか。俺等は見たいです。 (さらにどうでもいい話ですが「12月14日、決戦」はゴジラvsキングギドラからまんまパクってます。たまたま同じ日だったので)
以下、3CO2メッセンジャー上にて(かなり自分目線の意訳なので事実関係的には間違っているとこ多数です)
「さて、グロさん佐伯さんは決まりましたが…」 「決まりましたが…2マンでいきますか」 「2マンでもいいですがもう1人組ぐらい、いても…」 「正直に言えば3組ぐらいでいきたいですね」 「なんか知り合いのロックバンド呼んで、って体の3マンはできますけどね」 「それでもいいんですけど」 「なんかこう、もうちょっとガツッと『ノイズ』って人いると」 「誰かいますかね」 「ボソ…) P.O.V. さん」 「!?」 「P.O.V.さん!?」 「P.O.V.さん!」 「その言葉が聞きたかった」
みたいな形で出ていただけることになった(多分)もあって、 Onigiri Media さんに拾っていただいた「ノイズミュージック・即興音楽を多角的に楽しんでいただけるラインナップとなっている」がこれで完成したんすよ。
(※画像は勝手にSNSから拝借したので怒られたら消します)
gloptin vs 佐伯武昇
#3CO2 #SANCOTSU
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2024年12月10日に発売予定の翻訳書
12月10日(火)には7点の翻訳書が発売予定です。
金時鐘 ずれの存在論
李珍景/著 影本剛/訳
共和国
リヒャルト・シュトラウス/楽劇 ばらの騎士
広瀬大介/訳・著
アルテスパブリッシング
3びきのおばけ
グレゴワール・ソロタレフ/著 やま/翻訳
東京ニュース通信社
「お金」と「すごい成果」の法則 : 億万長者に学ぶ不安を減らして資産を増やす大切な教え
ブライアン・トレーシー/著 狩野綾子/翻訳
日経BPマーケティング
わたしのからだはわたしのもの
アニータ・ガネリ/著 ヴェーラ・ポポーワ/イラスト 野井真吾/監修 佐藤淑子/翻訳
サイエンティスト社
伯爵の都合のいい花嫁
エラ・クイン/著 高橋佳奈子/翻訳
竹書房
スクール・フォー・グッド・アンド・イービル 2 : プリンスのいない世界
ソマン・チャイナニ/著 金原瑞人/翻訳 小林みき/翻訳
すばる舎
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2024.11月日記
2024/11/01
2024/11/01
ひどい寝不足なのに残業となり、仕事を済ませるとからだがしんどく、やっとの思いで帰宅。週明けからは異動となる。
興味本位で(個人企画)に提出した作品が最終候補作に残っていておどろいた。文フリいかないと。改めての見直すと内容の矛盾がひどく修正の必要がある。
2024/11/02
祖母と伯母夫婦、従兄弟が来て、家族で寿司屋へ。ZOZOTOWNのポイントを消化し、そのままアプリをアンインストールした。
今月末に石沢麻依のエッセイが出るなら、貝より続く場所はそろそろ読み始めなければならないし、月の三相も読み直したい。
2024/11/03
体調悪いと思っていると生理が来る。生理中より前のほうが体調悪くなりやすい。そもそもわたしは普段の生活が生理前の体調に響くタイプなので日々ちゃんとしていればよいものを、10月はたびたび2時くらいまで起きていた気がする。反省。
2024/11/04
体調が悪いから一周回ってカラオケに行きたくなり行く。ふらふらしながら4時間いて、そのあとはFrancfrancでクリスマスオーナメントをながめた。まんまるのサンタクロースのオーナメントは3色あり、エメラルドグリーンのおじさんが両手に星を3つずつも抱えて真顔で浮かれている様子が良く、けれど銀色のおじさんにひとりものすごく気難しい顔をしたひとがいて、さらには赤色のおじさんも誠実そうな顔をしていたので迷いに迷ってひとつもかわなかった。
2024/11/05
極悪体調。極悪体調の日はカレンダーに書くようにしているが、なんと3ヶ月ぶりだった。
2024/11/06
あまりに吐き気がひどいので欠勤。はじめて体調不良で有給を使ったが、これで今年の有給消化は5日目になり、こんなお休みでもう有給を取らなくて良くなってしまった。
2024/11/07
職場、友人はみんななんとなく風邪を引いている。
2024/11/08
いくつか歌集が届く。いますぐ読まない本ばかりが増えていくがメンタリストの視聴をやめられない。ときおり挟まれるパトリック・ジェーンの感傷的な表情には胸を締め付けられるが、レッド・ジョンに家族を殺された悲哀の滲むリアリストとしての彼が魅力的なのであって、家族を殺されていない(記憶を失っていた)頃の彼はあんまりだった。クリミナル・マインドとかNCISばかり見ていたころが懐かしい。
2024/11/09
恋愛についてはだいたい良い思い出がなく、傷つけられたというよりはだるかったというのが大半で、その手の話になるとぐちばかりでてまだ元彼が自分のことを好きだと思っている元彼女をやってしまう。じっさい(ぜんぜんわたしのことをもう好きではない)元彼氏は今彼女の後ろ姿ばかりをインスタに投稿して、クリープハイプを熱心に聴いては男女交際の感傷にずぶ濡れで、村上龍作品の感銘を受けた部分をストーリーに無断転載しているところをみるとやはり別れてよかったと思う。
2024/11/10
メンタリストのほぼまるまる5シーズンを一日で見てぐうたらしていた。あとは会社に持っていく内職用のノートができたのでよい休日だったといえるかも。
2024/11/11
ポッキーの日だがポッキー買い忘れる。気づいたら仕事が終わっていた。我慢できずレッド・ジョンの正体を見るが、正直流し見でマカリスター保安官が出てきたところでこの人!となることができなかった。rijのスケジュールが発表される。たのしみにしていたキンハは大トリ、夢島と大地の汽笛は並んでいてどちらもたのしみ。
2024/11/12-18
2024/11/12
記憶なし
2024/11/13
記憶なし
2024/11/14
記憶なし
2024/11/15
体調が悪い。とにかく9時間寝たら少しは良くなったので仕事に行ったが、帰りはへろへろだった。のど飴と、よくわからない免疫力上昇を謳うタブレット、いつもの2倍の白米をたべる。コロナだったら仕事に行けないし、科博もたのしみにしていたのにとめそめそする。
2024/11/16
必死に寝て体調不良が良くなってくる。ポケモンスリープのポケモンがどんどんあつまる。メンタリストを見終えてサイモン・ベイカーの出演作をWikipediaで調べたりするが、パトリック・ジェーンの飄々とした手品が見たいので意味ない。
2024/11/17
国立科学博物館『鳥展』へゆく。大きい鳥の剥製をたくさん見る。剥製を見るのは好きだからもっとやってほしい。写真ももっとたくさん撮ったらよかった。友人のひとりに恋人ができて、でも上手くいかない気がすると怖気づいていたのでさいごの食事代を多めに払ったら一生懸命突き返され、わたしが「幸せになってほしいから」と押しつけると(恋人のいないわたしに対して)「客観的に見たら俺のほうが幸せだから」とさらに突き返され、やかましく、愛しかった。
2024/11/18
タンブラーを会社に持っていくと座席て温かいお茶が飲めるから良い。ただ毎日ティーパックをひとつ使うのはもったいないので、そのうちインスタントのデカフェにしたりするかも。
2024/11/19
朝から泥酔した人が駅に座り込んでいて、駅員が一生懸命話しかけていた。寒くなってきたというのに。寝ていたら寒いことにも気付かないんだろうか。仕事。良い機会があって、リーダーにここぞとばかりにわからなかったところを聞いたら笑って教えてもらえる。笑ってくれるだけで明日も頑張れるからずっと笑っていてほしい。机の上にルルアタックが出ていて、可哀想だった。
2024/11/20
Francfrancで買ったタンブラーを労働に導入して、八時間労働を八時間茶話会にしようとしている。●お仕事一生懸命していますというアピールがなかなか効いて、はじめてリーダーにスタンプを押してもらう。●『サミュエル・ジョンソンが怒っている』を読んでいるが、ほんとうにただ読んでいるだけ。
それらはいわば、彼女という人の「自分観察日記」だ。一人の人間が実人生とぶつかりあって立てる火花をていねいにすくい取り、幾重にもろ過して言葉の形に結晶させたような。
リディア・デイヴィス『サミュエル・ジョンソンが怒っている』訳・岸本佐知子
●骨なしオデュッセイアも読んでいるといえば読んでいる…
目を覚ませ、もう正午だ、幸福は朝の時間に似ている、どちらも絶対的なみずみずしそのうちにあり、それと一瞬交錯する眩暈を生きることはできても、それを固定したり、持続させたりすることはできない、目を覚ませ、もう正午だ、あまねく白けた光の支配を、おまえは死ぬまで受けなければならない
野村喜和夫『骨なしオデュッセイア』 79頁
そういう意味では、私はまさに骨がなかった、気骨がなかった、反骨もなかった、比喩的な意味で��骨がなかった、女のところに背骨を置いてきてしまったらしい私のこの無脊椎的夢遊も、つまるところ、骨のない私の生き様への寓意にすぎない?
野村喜和夫『骨なしオデュッセイア』 97-98頁
敵は社会であること、自分を責めないこと、負い目をつくらないこと、こう生きるべきだとは考えないこと、ほめられないようにふるまうこと、アイデンティティを植え付けられないこと、頭を緑にすること、光を浴びること、雲であること、虹の根となるような場所で涙を流すこと、 野村喜和夫『骨なしオデュッセイア』
野村喜和夫『骨なしオデュッセイア』 121頁
●『メンタリスト』の代わりになるサスペンスドラマがない。なにをみてもつまらない。
2024/11/21
フェーズがひと段落し、べつのフェーズのために資料を作ってもらう。気難しいひとが横展開するための資料に、とくにわたしにわかりやすいよう工夫を施してくれたのでうれしかった。資料を確認した後ひととおり確認すべきことを定時内に終え、今日は完ぺきと言ってよい仕事ぶりだった。●昨日はお弁当をわすれてしまい温かいお茶を飲むことができなかった、今日こそタンブラーでお茶をすると意気込んでいたのに、今日はティーパックを忘れてしまって、空のタンブラーを鞄に入れたまま一日じゅう切なかった。今日はティーパックと、粉末スープも用意したので明日は職場でも家のように過ごせるはず。ウルの歩行が、一連の行為全体が精神となって肉体を追い越すように、わたしは職場を追い越してあそこまでを家にしたい。●『塚本邦雄全集』と水原紫苑『光儀』を読む。少女を通ることなく、透明な子どもと女性の中庸をとることがいまの自分のもっとも保ちたいバランスかもしれない。少女性というのにぴんとこず、けれどひとりのひととしてみずからの性を引き受けることに、使命に似たものを感じている。●『サミュエル・ジョンソンが怒っている』ー『変身』人間から木に、木から石になる娘。いまのところはこの話が一番好き、灰色が好きだから。
2024/11/22
よい夫婦の日だというからガトーフェスタハラダのチョコレートを買って帰ろうとはたらきながら考えていた。この間そのチョコレートを母が食べておいしいと言っていて、残っている私の分をみて「食べないの?」「食べたいの?」「そういうわけじゃないよ」と笑ったばかりだったから。けれど今日の帰宅中待ち合わせを提案され、時間を伝えると待てないと言われ、さいごは置いてゆかれたのに落ち込んでいたら買うのを忘れてしまった。●妹が待遇の良い企業に引き抜かれ、年収が上がるらしい。すごいなあ。●あるところにしまっておきたい語彙が少ないと感じているので、できれば個人的にアプリで辞書をつくりたい。あたらしいminiPCにもeclipsをいれ、とりあえずhello world。●資料を渡されたと思い読み続けていたら、その資料を見ながら資料を作ってほしいというタスクを指示されていたらしく、出だしか���わたわた。そのあともあまりうまくゆかず。少し残って作業していると、「でもそんなに急ぎの仕事ではないので」「来週まで見積もっているので」と声をかけてもらい、温かかった。●9月に出ていたfabrizio peterliniの新しいアルバム『summer stories』を聞くため、ひさびさにapple musicに登録。重複登録がこわくてすべてのappleIDを一度削除していたから保存していた音楽はすべてきえていた。けれど好きな曲はいくつか覚えている。SOFIANE PAMART『PLANETーplanet』など。ただ人の声を歌でなく楽器として扱い曲を作った、ドイツの作曲家の名前は忘れてしまった。
2024/11/23
大学受験の時に母親に買ってもらった時計を直したく、いつものデパートへ。ソーラー充電なのに動かないのは中の部品を交換する必要があるらしい。修理が終わるとしたら年内で、買った分くらいのお金がかかるということでいったん持ち帰りにした。ネットで色々調べていると、ブラックフライデー(ってあまり良く分かっていないのだけど)でダニエル・ウェリントンの時計が半額になっていた。革の黒いバンドの時計が可愛く、だいたい修理費とおなじくらいなので一層悩んでしまった。●Excelで一行おきにコピーしたいというのを妹に相談すると、ChatGPTに聞いてすぐに教えてくれた。引き抜かれるだけある。ChatGPTのことはそんなに信用していないので、明日試してみよう。●声のよい人と会話。だいたい仕事の話。●本にはさむタイプのブックライトほしい。
2024/11/24
やっぱり時計は直してもらうことにした。7年前なら部品の在庫もあるだろうと言われ、直したくても直せない日がこれからくると思うと、直せるうちは直して使おう。ダニエルウェリントンのブラックフライデーは毎年あるのだろうし。●ノンワイヤーブラをはじめて試着したところすごくよかったので2着購入。ワイヤーの締め付けによっては体調を崩したりしていたので、もっと早く導入すべきだったのかも。●何年ぶりかにトレーナーを購入。こういうカジュアルな服を着るのいつぶりだろう。ギャップのVネックで、袖と裾のところに白いラインが入った紺色のトレーナーを購入した。ジーパンと合わせると普段着らしくてかわいい。
●水原紫苑『光儀』読み終える。
投身の瞬間にしてわが歌を直したき思ひ来べきや否や
水原紫苑『光儀』
すごい歌。
帰宅すなはち解かれたるわがたましひは白きけものの形象を得つ
水原紫苑『光儀』
『光儀』には白い犬がたびたび登場する。ほかの歌集にも登場するのかな。1句目の字余りも雪崩れるように帰宅してからだから「たましひ」が吹き出すのをかんじるし、わたしもそういうふうに帰宅する。
2024/11/25
朝はさむく、心臓に穴があいたみたいに体に力が入らなかった。●『オレンジだけが果実じゃない』読んでいる。イヤなかんじのママが訳っぽい。●目がひまで電子で買ったウルフの『波』を読むとあまりによく、こういう文章をずっと読んでいたい。さいきんは短歌の比喩に触れていたけれど、小説のほうがずっと自由で飛躍したところにゆけるのではないかと思う。
すぐに収まるよ。ほら、ぼくたちからだを寄せあってる。ぼくが息するのが聞こえるだろう。カブトムシが葉っぱをかついでいるのも見えるだろう。あっちへ走りこっちへ走りするから、それを見ていれば、何かを(いまはルイだ)なにがなんでも独占したい、というきみの気持ちも、きっとゆらぐ。ブナの葉のあいだにちらつく日の光みたいにね。そのうちきみの心の奥深くで暗くうごめくことばが、このハンカチにねじこまれた固い塊をほどいてくれるよ」
ヴァージニア・ウルフ 『波』 森山恵訳
それ自体を比喩で説明するとき、比喩に対しては説明的でならなければならない。短歌という定型の中では比喩へ誠実に意味を持たせるほどその比喩に対して比喩をつかえないジレンマがあるが、小説という形態ならそれを簡単に打破できてしまうのではないだろうか。●仕事は反省。わからないのに後々わかるかな、と疑問のままを放置してのろのろ調べていたことが結局わからず、同じことを二回聞きに行き情けなかった。いつものひとはいつものとおりに「うん、うん」と聞いてくれ、それがいっそう申し訳なかった。「うん、うん」と言ってもらっていると、菅原百合絵の短歌に見る「聞きくれぬ」が思い浮かぶ。そのひとの横顔におぼろげなフレーズを見出しながら、ログってどこで見れますか…と半泣きで聞いた。
2024/11/26
職場で温かいお茶を作るようにしたら、毎日つめたいほうの水筒を飲まなくなったから作らなくてもよいかもしれない。そろそろティーパックはなくなるから買い足さなくてはいけないけれど、こう毎日消費するなら大容量のものをみつけたい。1週間に5個ずつ使っていくとして、膨大な数になりそう。●仕事にならず。解決できてないけど明日になったら解決するかな、と放置。だめなら後悔することになる。●
その日を境に、学校では誰もわたしに寄りつかなくなった。でも自分は正しいという確信があったから、悲しくなんかなかった。 (中略) 「選ばれしものは孤独なんだよ 」母は言った。
ジャネット・ウィンターソン『オレンジだけが果物じゃない』 岸本佐知子訳
このあとの「自分に理解できないものだからといって、価値がないと決めつけるのは間違いです」は爽快だった。けれど、このお話そこではないだろうからおしまい。●ファミリーマートはいっぱいクーポンくれるから好き。
2024/11/27
仕事は解決せず。同じことを2度聞いたけれど、そもそも資料に誤りがあったのでそれほど反省すべきこともなかった。●大森静佳『カミーユ』読む。
顔の奥になにかともっているひとだ風に破れた駅舎のような 彼らの世に彼らの灰色の顔はどんなにしずかな穴であったか 鈴のように一日ひとひがふるえてる その鈴のなかのきみを撫でおり 見えぬものは見えないままにそのひとの海の暗さを告げられている いないのは誰だったのか夕雲よ怒りのどんづまりに触れてみよ 紫陽花の重さを知っているひとだ 心のほかは何も見せない
大森静佳『カミーユ』
深度の差が特徴的でそれは重さの差であり、沈み、沈まれ、表面に見える/見えないのもの同士のありかたを描きながら
八月のわたしだけには見えていたあなたの奥の動かない水 心底と言うとき急に深くなるこころに沈めたし観覧車 陰影のつけ方などにそのひとの欲望透けて素描はのこる
同上
その中心に据え置かれるものをまなざす歌が多かった。それは個人の抱える内面的なある場所でもあり、
曇天に火照った胸を開きつつ水鳥はゆくあなたの死後へ
同上
生きものの心臓であり、
感情にすべては繋がるべきなのに鉄路にひどくひたむきな雨が
同上
心としての感情で、
弟はすべての季節の奥にいてすべての季節を殴っていたが あ、あれはむかしのわたしの掌じゃないか蛍を潰す余白なき愛 雨沁みて重たいつばさ 感情は尖がもっとも滅びやすくて
同上
いっぽう感情はときに猛々しさや狂気をともなって描かれる。
八月のわたしだけには見えていたあなたの奥の動かない水 夢に逢う、ということもなくわれのみが土偶のごとく息しておりぬ 感情がいま釣り鐘のように重い 錆びながら、もっとかがやきながら
同上
だれもが渦の中にあり、渦を抱えるひととして描かれながら、そのさなかにどこまでも重く沈む一点はけっしてその荒さに巻き込まれない。ほか、ふかくとどめる/木/きみとこの世を横切ってゆくも同様。
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幸運を引き寄せた「プチ奇跡」の感動がすごいのなんの 8選
「え、マジで!?」って叫びたくなる日常で起きた小さな奇跡。日々の行いが運を引き寄せた「プチ奇跡」の感動を全世界にシェアさせていただきます。あなたにも幸運が訪れますように! 1. 適当に焼いたら猫になった!!! pic.twitter.com/nq4oSYlU3q — よもぎ (@0moty) September 22, 2024 2. 売店行ったら揃った pic.twitter.com/aMpaoUM6n9 — 佐伯∃ (@saekisandayooo) August 6, 2024 3. この世に生を受けて以来こんなことは一度もなかったのだが、お外歩いてたら正面から飛んできた蝶が俺の口に止まり、羊たちの沈黙になってしまった — 末素虚子 (@nnachtwachen) August 15,…
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