#三浦透子
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ここに生きられたことへの誇り
/ドラマ10大奥 /大奥 /大奥完結
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miura toko — kaze ni nare
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三浦透子 / 通過点 [music video]
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(ポッドキャスト番組「チャポンと行こう!」6周年記念!主題歌「わたしの星 feat.三浦透子」MV公開 – Tokyo Nowから)
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Drive My Car
Doraibu mai kâ
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Heart Sutra ~ A sutra that describes “The Heart of the Perfection of Wisdom" (9)
Hoichi the Earless – A Japanese tale about spiritual merit of the Heart Surtra
When Xuanzang crossed the Silk Road to India, recited the heart Sutra and protected himself from evil demons through its spiritual power. (Ref). There is a folk tale in Japan that tells its spiritual merit.
A young Biwa-hōshi (lute monks) named Hoichi lived at Amida-dera Temple in Akamaseki. Hoichi was a master storyteller of the Tale of the Heike, especially the Dannoura battle, which is said to ‘make even the demons shed tears’.
The Battle of Dannoura was a historical fact, once a decisive battle between the Genji and Heike clans, with many Heike warriors and court nobles sinking to their deaths in the sea, and perished. The temple was built on the coast overlooking Dannoura to commemorate the Heike family.
One night, when the abbot is away, a warrior suddenly appears out of nowhere. Hoichi is begged by the warrior to go to the palace of the ‘nobleman’ to play his biwa. Although the blind Hoichi could not understand them, many noblemen seemed gathering. They requested a piece about the battle of Dannoura. Everyone is sobbing aloud and looking intensely moved. Hoichi is asked to play a whole week, and starts going out every night.
The abbot became suspicious and had temple men follow him one night. It was raining heavily, and Hoichi was alone in the empty cemetery of the Heike clan, playing his biwa in front of the grave of Emperor Antoku, who had died an untimely death as a child, surrounded by a frighteningly large number of demon firebrands. The astonished temple men forcefully bring Hoichi back home. The abbot then, knowing the nature of the grudge spirits that the body parts on which the sutras are written are transparently reflected and invisible, copied the Heart Sutra on Hoichi's whole body together with the temple men, so that the grudge spirits could not recognise Hoichi. However, they did not realise at the time that they had forgotten to copy the sutra on his ears (auricularia).
That night, as Hoichi sat alone, the warrior came for him as usual. However, Hoichi's body, on which a scripture is written, is invisible to the grudge spirit. Puzzled, the grudge spirit looked around for Hoichi, and found only his ears in the darkness, which were forgotten to copy the sutra. The grudge spirit used its monstrous power to tear the ear off Hoichi's head. The spirit left, silently. When the abbot returned at dawn, he realised that when he had written the Heart Sutra on Hoichi's body, he had forgotten to write the sutra only on his ears, and apologised to the bloodied Hoichi for his oversight.
After that, the Heike ghost never appeared before Hoichi again, and the wound in Hoichi's ear was soon healed by the good doctor. This strange event spread throughout the world, and he came to be known as ‘Hoichi the Earless’.
(There is also a version where Hoichi dies.)
[Image below: The tragedy of the young Emperor Antoku drowning in the arms of his grandmother, Taira no Tokiko]
般若心経 〜「智慧の完成」の精髄を述べる経典 (9)
耳なし芳一 〜『般若心経』の霊験にまつわる日本の物語
玄奘三蔵がシルクロードを越えインドに渡るとき、『般若心経』の霊験を信じ口誦し悪鬼どもから身を守ったことは先にも述べた(参照)。その霊験を物語る日本の民話がある。
赤間関の阿弥陀寺に芳一という若い琵琶法師が住んでいた。芳一は盲目だったが、平家物語、特に「鬼も涙を流す」といわれる壇ノ浦の合戦を語る名手だった。(琵琶法師とは、平安時代から鎌倉時代にかけて活躍した僧侶の姿をした琵琶の弾き語りで、ほとんどが盲目だった。)
壇ノ浦の戦いは、かつて源平の決戦となり、多くの平家の武士や公家が海に沈んで没した、という史実である。壇ノ浦を見下ろす海岸に、平家を弔うために阿弥陀寺が建てられた。
ある夜、住職の留守の時に、突然どこからともなく一人の武者が現われる。芳一はその武者に請われて「高貴なお方」の御殿に琵琶を弾きに行く。
盲目の芳一にはよく分からなかったが、そこには多くの貴人が集っているようであった。彼らは壇ノ浦の戦いについての曲を所望した。皆、声を上げてすすり泣き、激しく感動している様子で、芳一は自分の演奏への反響の大きさに内心驚く。芳一は七日七晩の演奏を依頼され、毎晩出かけるようになる。
不審に思った住職は、ある夜、寺の者たちに尾行させた。大雨の降る中、誰もいない平家の墓地で、幼くして非業の死を遂げた安徳天皇の墓の前で琵琶を弾いていた芳一は、おびただしい数の鬼火に囲まれていた。驚いた寺男たちは、強引に芳一を連れ帰る。
そこで住職は、怨霊の「お経が書かれた体の部分は透明に反射して見えない」という性質を知っていたので、寺男たちと一緒に芳一の全身に般若心経を写し、怨霊が芳一を認識できないようにした。し��し、その時、耳(耳介)にお経を写すのを忘れていたことには気づかなかった。
その夜、芳一が一人で座っていると、いつものように武者が迎えにきた。しかし、経文の書かれた芳一の体は怨霊である武者には見えない。怨霊は当惑し、芳一の姿を探し回った挙句、写経し忘れた耳のみを暗闇の中に見つけ出した。怨霊は怪力でもって芳一の頭から耳をもぎ取った。怨霊はそのまま去っていった。 夜明けに戻ってきた住職は、芳一の全身に般若心経を書いたとき、耳だけにお経を書くのを忘れていたことに気づき、血まみれの芳一に自分の見落としを詫びた。
その後、平家の亡霊は二度と芳一の前に現れることはなく、芳一の耳の傷はすぐに良医によって癒やされた。この不思議な出来事は世間に広まり、彼は「耳なし芳一」として知られるようになった。
(芳一が死亡してしまうバージョンもある)
#heart sutra#spiritual power#buddhism#spiritual merit#ghost story#kwaidan#dannoura battle#emperor antoku#japanese folklore#hoichi the earless#the tale of heike
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NEW CD : 大きな蔵、小さいうた
2023年5月、Ett・泊・ふちがみとふなと の三組六人が千葉県佐倉市佐原の大きな土蔵で二日間にわたり戦前型のマイク一本を前に一発録りした音源が2024年12月22日、発売になりました。タイトルは「大きな蔵、ちいさいうた」 「おおどぞう」さんと地元で親しまれている蔵は明治22年(1989年)に建てられた元醤油蔵だそうで、蔵といえば拾得や磔磔を思い出す我々には驚きの、京都のひと区画ぐらいの大きさで心底驚きました。マイクは戦前のSP盤録音に使われていたのと同型の、1948年製。SP時代の、修正できない録音の気持ちを味わいたいとふちがみとふなとは一曲ワンテイクの決まりを勝手に課し、なんとか三曲、収録できるものがあってよかったと、実は今になってほっと胸をなでおろしています。 各組それぞれの持ち歌三曲ずつと、三組一緒に三曲、計12曲が、まさに十二曲で六人でひとつの世界を作り上げるごとく並んでなんとも温かい心地よいアルバムが出来上がりました。 ふちがみとふなとの三曲は、上野茂都さん詞曲「庭の木」、モロ師岡さん作詞の「シアワセ」、ふちがみとふなとになる前から酒場で演奏してきた「私の青空」。いずれも初めての音源化です。六人では泊のレパートリー「マルゲリータ・ハポネサ」、Ettがずっと大事にカバーしている「茶目子の一日」、Ettさゆりちゃんと渕上の共作「ワルツ」の三曲を演奏。 期間限定で「マルゲリータ・ハポネーサ」を全員で録音している様子、1曲まるごと、Youtube でご覧いただけます。ぜひご覧いただき、アルバムごとお聴きいただけたらうれしいです。
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『大きな蔵、小さいうた』 Ett・泊・ふちがみとふなと ¥3,300 (税込) 発売日:2024年12月22日 戦前SPレコード音源復刻専門レーベル「ぐらもくらぶ」による『大土蔵録音シリーズ』 千葉県香取市佐原地区にある与倉屋大土蔵をスタジオとして、戦前型のリボンマイク1本で新たに録音する企画の第五弾となる今回のアルバムは、シリーズ初期からの参加メンバーである山田参助とギタリスト・武村篤彦によるデュオの「泊」、そして『大土蔵録音2023』で印象的な歌を聴かせたばかりの西本さゆりとギタリスト・渓とのデュオ「Ett」、さらに京都を中心に国内外で演奏活動を行いSP時代の音楽カバーのレパートリーも多いボーカリスト渕上純子とコントラバスの船戸博史のデュオ「ふちがみとふなと」、それぞれが最小限の編成でていねいに歌を伝えるライブで愛されている三組のバンドによる録音。 オリジナルソングから戦前流行歌のカバー、6人でのセッションで織りなす全12曲の『小さなうた』たちを集めたアルバム。 企画/制作:保利透 フォト:長谷川健太郎 デザイン:岡田崇 エンジニア:速水直樹 使用マイク:マツダ A 型ベロシティマイク(東京芝浦電気工業 昭和 23 年製) 制作:ぐらもくらぶ(G.C.R.スタヂオ)
●収録曲 1 『マルゲリータ・ハポネサ』 Ett・泊・ふちがみとふなと 2 『柳の手』 Ett 3 『シアワセ』 ふちがみとふなと 4 『満洲里小唄』(1940) 泊 5 『茶目子の一日』(1919) Ett・泊・ふちがみとふなと 6 『おや!!シックだね』(1931) 泊 7 『庭の木(原詩「山房春事」岑參)』 ふちがみとふなと 8 『ひふみのうた』 Ett 9 『好いてゐたのに』(1937) 泊 10 『私の青空 MY BLUE HEAVEN』(1927) ふちがみとふなと 11 『さよなら小径』 Ett 12 『ワルツ』 Ett・泊・ふちがみとふなと
歌と演奏:Ett(西本さゆり・渓)、泊(山田参助・武村篤彦)、ふちがみとふなと(渕上純子・船戸博史)
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Kitsch Volume 8 - Various
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[ANTENNA牛魚 葉明軒 nyaroro 李隆杰 (聞き手 呉塵?(ゴ ジンカン) 構成協力 洪文茜(アカネ))] 台湾漫画家大探訪 [Morpho] 浦島太郎子 [R・リンドストロム] SHAPESHIFTER [[土居豊(イラスト 鬼山龍宿)]] 名探偵ブロッくんとお城のおばけ [おがわさとし] パピリオと死体泥棒第3話 [ひさうちみちお] 創世記第11章 [もぷ子] 大海原に×をこけば [シゲケンジ] らくがき [ムライ] 夏天吃挫冰 [加部勇一郎] 台湾を描いた連環画を読む [吉村智樹] 京都の死にたい場所 [市田響] 視界の端?モトコーに咲く花隈ソファーズ? [森環] 12月の手紙 [森雅之] 遠く [浅倉俊樹(イラスト 沢渡鳶)] 愛すべき廃人たち [瀬戸響生] 真面目なんかじゃない [画 風狸けん 原作 川上大典] 今夜、バーで [石川次郎] やらせろばかやろこのやろ [紺野まこと(イラスト モツ子)] なんば恵比寿座物語 第三話 ゴッドファーザー [藤原カムイ 花輪和一 ほし埜 日高トモキチ 阿部洋一] 須彌山 [透村] 宝くじ女子! [關眼陣梧(イラスト ヒノデエイジュン)] 国際探偵 ? チェイス・オブ・ザ・ワールド 中編 “ガロ”の まんが道・後編 ?手塚能理子編?
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大口病院連続点滴中毒死事件(おおぐちびょういん れんぞくてんてきちゅうどくしじけん)とは、神奈川県横浜市神奈川区の大口病院(当時、現・横浜はじめ病院)で2016年(平成28年)9月に発覚し、2018年(平成30年)7月、同病院で当時勤務していた看護師の女が逮捕された連続殺人事件。事件の名称について、神奈川県警察は「大口病院"入院患者殺人事件"」[3]、『神奈川新聞』は「(旧)大口病院"点滴連続殺人事件"」[4][5][6]としている。 被害者として立件された死亡者2人のほか、同時期に死亡していた別の2人の入院患者の遺体からもヂアミトールが検出された。事件発覚前の7〜9月の82日間で48人の患者が死亡し、その後の約70日間の間は死亡者がゼロということから、4人以上の被害人数が��われたが、発覚以前の死亡者は医師の診断により“自然死”扱いで火葬されていたため、既に証拠は失われていた[7]。 経緯 捜査 事件は2016年9月、最初に判明した被害者の容体が急変した際、看護師が投与中の点滴袋をベッドに落とし、袋内の輸液が急激に泡立ったことから偶然にヂアミトールの点滴混入が発覚した。さらに調べると2日前に同じ部屋で死亡した別の患者の遺体からも同成分が検出された。ナースステーションに残されていた未使用の点滴袋約50個を調べると、10個ほどの点滴袋でゴム栓部分に封をする保護フィルムに細い針で刺した穴が見つかった。そして、同じフロアで亡くなった患者の数が、事件発覚までのおよそ3か月の間に48人に上ることが明らかになった。神奈川県警察は、何者かが点滴から異物を体内に入れ、被害者を殺害した殺人事件と断定し、神奈川警察署に特別捜査本部を設置[2]。点滴に混入させる手口から病院内部の者による殺人事件の犯行が疑われたが、捜査は難航した[8]。 犯行に使われたヂアミトールは、業務上使われるもので、院内各所に置かれており、犯人を特定することは困難を極めた。県警は院内にあるものの鑑定を実施[9]。当時担当していた看護師全員の看護服を調べたところ、被疑者の服からのみ、ポケット付近からヂアミトールの成分が検出された[10]。他にも、被疑者が事件発覚直後の夜勤中、投与する予定のない製剤を手に院内を歩き回る姿が県警の設置した防犯カメラに映っていた[11]ことや、被害者の病室に1人で入っていくのを同僚が目撃していて、そのおよそ5分後に容体が急変し死亡していた[12]、といった状況証拠から絞り込んでいった。 被疑者の逮捕 2018年6月末、県警は状況証拠を踏まえ被疑者の看護師に任意の事情聴取を開始。この看護師は消毒薬(ヂアミトール)を注入したことを認めたうえで、「入院患者20人ぐらいにやった」との趣旨の話をした。7月7日、神奈川県警は被疑者を殺人容疑で逮捕した[13]。また同月28日には、2016年9月に死亡した入院患者の点滴に消毒液を混入し殺害したとして、殺人容疑で再逮捕した[14]。 被疑者は、事件後、様々なテレビ局や新聞社によるインタビューや取材に応じ、逮捕前にもテレビ局に「何故、こんなひどいことをしたのか、自分の家族が同じことをされたらどう思うのか。絶対許せません」と、直筆の手紙を送る[15][16]などして自らの関与を否定する発言をしていた。 「点滴にヂアミトールを入れた」事に関し「間違いありません」と容疑を認めた上で、「入院患者20人ぐらいにやった」と供述。犯行の動機については「自分の勤務時に患者に死なれると、家族への説明が面倒だった」という趣旨を供述した[17]。さらに「患者が亡くなったときに同僚から自分の落ち度を指摘されたことがあり、それ以来、勤務時間外に死亡させることを考えるようになった」[18]、「勤務を交代する看護師との引き継ぎの時間帯に混入させていた」[19]、「混入を繰り返すうちに感覚がマヒしていった」[20]とも話している。 供述では「(事件の)2か月くらい前から点滴に消毒液を入れた」[21]と話しており、その時期同病院に勤務していた看護師は「(亡くなったのは)最初は1日1人。それが3人になり、5人になり、9月になったらもっとひどくなって(1日に)8人とか。4階はおかしいな、という話があった」[15]と証言している。 事件前、現場病棟では「看護師の筆箱に、10本以上の注射針が刺され、針山のような状態になっていた」ことや「白衣が切り裂かれる」「カルテが紛失する」「ペットボトル飲料を飲んだ看護師スタッフの唇がただれる」などの看護師同士の壮絶ないじめトラブルが報告されており[22]、以前より「『あのクリニックの先生は嫌いだから』『あの患者の家族は嫌いだから』患者を受け入れない」といったことまで言う「『女帝』と呼ばれる60代パワハラ看護師の存在」や「人事査定でえこひいきがあったり、自分だけ忙しい仕事を回されたりしているといった不平不満があり、看護師同士で言い争いになったこともあった」という。被疑者自身も、逮捕前に「看護部長は看護師たちをランク付けして、気に入った子とそうでない子の扱いが極端だった。そういうのってよくないですよね」と述べている[23]。 病院では、そういった人間関係のトラブルや虐めが原因で複数の看護師が辞職しており、「看護師同士の世代間の対立が原因で、大口病院では患者のケアまでもが疎かになっていた」といい、「見舞いに行った家族の前で看護師が患者さんを怒鳴りつけ、その家族が『本当にひどい。ビデオに撮って告発すればよかった』と激怒していた」こともあったという[24]。事件の被害者遺族も「女性看護師が別の看護師を怒鳴りつけたり、点滴袋が公共スペースに散見されたりするなど『今考えればおかしいところもあったかもしれない』」[25]と指摘している。 精神科医の片田珠美は「担当患者が以前死亡した際に同僚らから自分のミスの可能性を指摘されたとも説明しているので、もともと同僚や上司などに対して怒りを覚えていた可能性がある」と指摘し、(「白衣切り裂き」や「カルテの紛失」���ペットボトル異物混入」も同一犯によるものだとすると)他の看護師に対する怒りをこのような形で表現したので��と推測する。その怒りの矛先を患者に向け変えて(精神分析では「置き換え」)、患者の点滴に無差別に消毒液を入れる事によって「別の看護師の勤務時間中に患者が死亡するように仕向けたわけで、復讐願望を満たそうとしたともいえる」としている[26]。 刑事裁判 横浜地方検察庁は2018年12月7日、患者3人の殺人罪と5人分の点滴液に消毒液を混入した殺人予備罪で、看護師を横浜地方裁判所へ起訴した。4人目に対する殺人罪については、別の患者を殺害しようと消毒液を混ぜた点滴が結果的にこの患者に投与された可能性があるとして不起訴処分とした[27]。 横浜地裁における本件の事件番号は、平成30年第2033号(殺人、殺人予備)[28][29]。審理を担当する裁判長は家令和典で[注 2][32]、家令が当時担当していた係属部は第1刑事部(合議係)である[33]。起訴後、横浜地裁から委託を受けた精神科医の岩波明(昭和大学附属烏山病院長)が2019年(令和元年)8月から11月まで被告人の精神鑑定を実施した[6]。 第一審 2021年(令和3年)10月1日、横浜地裁(家令和典裁判長)で裁判員裁判の初公判が開かれ、被告人の元看護師は起訴内容を全面的に認めた一方で、弁護側は「被告人は犯行当時、統合失調症により心神耗弱の状態だった」と主張した[32]。 同年10月22日に論告求刑公判が開かれ、横浜地検は元看護師に死刑を求刑した[34]。 同年11月9日に判決公判が開かれ、横浜地裁は被告人の責任能力について、「犯行時は(発達障害の一種の)自閉スペクトラム症の特性があった」と認定[35][36][37]。その上で、弁護側が主張した統合失調症の影響については否定し、「違法な行為であることを認識していた」として完全責任能力があったと認めた上で、元看護師に無期懲役を言い渡した[35][36][37]。横浜地裁は被告人の完全責任能力や計画性を認定し、動機も「酌むべき事情はない」としたが、被告人に自閉スペクトラム症の特性(対人関係が苦手、問題解決に対する視野が狭いなど)があり、患者の家族から怒鳴られて強い恐怖を感じた経験が殺人の動機形成に至った点を挙げ[38]、それに対する情状酌量の余地や、自ら死刑を望むなど贖罪の意思を強く示している点などから「更生可能性が認められる」と判断、死刑を回避した[35]。1983年(昭和58年)に最高裁判所から死刑適用基準として、いわゆる「永山基準」が示されて以降、3人以上を殺害した被告人の完全責任能力を認めた上で死刑を回避した司法判断は異例とされている[39]。 同年11月22日、検察側と弁護側の双方が一審の無期懲役判決を不服として東京高等裁判所に控訴した[40]。 控訴審 控訴審における事件番号は令和3年(う)第2081���[41]。控訴審初公判は東京高裁(三浦透裁判長)[注 3]で2023年(令和5年)12月15日に開かれ、検察官は「無差別型の連続殺人」として改めて死刑適用を求めた一方、弁護人は「死刑選択は裁判員裁判の否定だ」と主張した[43]。また検察官は第一審で採用されなかったKの供述調書を取り調べるよう申請したが、東京高裁はこれを却下した[44]。2024年(令和6年)3月12日の第2回公判で被告人質問が予定されていたが、弁護人の申し出によって撤回され、公判は結審した[45]。 同年6月19日の判決公判で、東京高裁は双方の控訴を棄却する判決を宣告した。同高裁は殺害された被害者が3人に上る結果の重大性、犯行の計画性などから死刑選択も十分に考えられると指摘した一方、原判決が死刑回避の理由として示した動機形成過程や更生可能性は、死刑選択の可否を検討するにあたって相応の意味があるものであるとして、原判決の判断は不合理ではないと結論付けた[46]。また、犯行は確定的殺意を伴う残虐なものではあったが、恨みや不満から他人の命を積極的に奪ったような犯行とは異なるとも指摘し、裁判員裁判による慎重な評議で死刑選択が真にやむを得ないと認められた事件でなければ、死刑選択は許されないという判断を示した[47]。 検察側と弁護側がそれぞれ上告を断念し、同年7月4日付で無期懲役の判決が確定した[48]。 横浜市・病院の対応と課題 横浜市には事件前、「看護師のエプロンが切り裂かれた」、「看護師の飲み物に異物が混入された」など、この病院内のトラブルに関する情報が複数寄せられていたが、市は病院に詳細な内容を確認しなかった。市が設置した第三者検証委員会は「患者の安全に関わる内容もあったのに、後手に回った」と、市の対応を批判した[49]。市が設置した第三者検証委員会による報告書「横浜市の医療安全業務に関する検証報告書(大口病院に関する対応について)」[50]の中で、医療法上、病院から市への報告義務も、市から病院への検査・指導権限も無いという問題が指摘された。医療法を根拠に市と病院の関係がある以上、医療法の範囲を超えた「制度の狭間」となるところに問題が発生したとき、市はどこまで対応できるのかという課題があり、今後、法的、制度上の課題に対しては、国に改善に向けた要望を行うことも考えられる、としている。 病院側にも、複数の看護師のエプロンが切り裂かれているのが見つかったり、6月にはカルテの一部が抜き取られ、8月には看護師のペットボトルに異物が混入されていたにも関わらず、院長は「院内の出来事で、まして看護師の中の出来事だったので院内で何とか処理すべきだと思った」[51]としながら、有効な手立てをとれず病院から県警に相談するという事もしなかった[52]ため、「病院が対処していれば事件はなかったかもしれない」などの批判の声が病院関係者からも寄せられた[53]。 脚注 [脚注の使い方] 注釈 ^ 犯人である看護師の女は1987年(昭和62年)1月7日に福島県で生まれ、小学校6年生で神奈川県に引っ越した[1]。 ^ 家令は本事件の第一審判決から約20年前の2001年、福岡地裁に赴任していた際、市民との交流イベントで死刑制度について「自分の名で死刑を言い渡したい裁判官はいない。廃止してほしいが、世論は違う」と発言していた[30][31]。 ^ 三浦の担当する裁判部は第11刑事部[42]。 出典 ^ 加藤益丈「【詳報・第9回】×××被告 出会い系サイトを利用「男性に褒められるのがうれしくて」 3人点滴中毒死」『東京新聞』中日新聞東京本社、2021年10月20日。オリジナルの2022年9月11日時点におけるアーカイブ。2022年9月11日閲覧。 ^ a b 「異物投与され入院患者が死亡、殺人容疑で捜査 横浜」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2016年9月23日。オリジナルの2016年9月23日時点におけるアーカイブ。 ^ 点滴中毒死、元看護師逮捕 消毒液「20人に入れた」 KyodoNews(共同通信)/YouTube 2018年7月7日公開 ^ 「県警の歴史で最も難しい事件の一つ」大口病院・点滴連続殺人事件1年 神奈川新聞〈カナロコ〉 2017年9月23日配信 ^ 『神奈川新聞』2023年12月10日朝刊一面1頁「旧大口病院事件控訴審 量刑 更生可能性焦点 15日、東京高裁で初公判」(神奈川新聞社) ^ a b 『神奈川新聞』2023年12月10日朝刊第二社会面22頁「旧大口病院事件 一審精神鑑定医 岩波明氏に聞く 診断 非常に難しい事案 現行方法への課題指摘」(神奈川新聞社 聞き手・田崎基) ^ 大口病院の点滴殺人 2カ月で48人死亡も44人は自然死扱いに デイリースポーツ/ライブドアニュース 2018年7月10日配信 ^ 病院で何が? 点滴異物混入事件の深層 NHK クローズアップ現代+ 2016年10月5日放送 ^ 横浜「大口病院」、事件発覚以降に死亡患者が激減 捜査は難航 デイリー新潮/週刊新潮 2016年12月8日号掲載 ^ 決め手は看護服のポケット、消毒液成分付着 連続中毒死 朝日新聞デジタル 2018年7月7日配信 ^ 防犯カメラに「インスリン手に院内巡回」 毎日新聞 2018年7月11日配信 ^ 病室に逮捕の女 5分後急変 横浜・連続点滴中毒死 FNNプライムオンライン 2018年7月8日配信 ^ 患者中毒死 31歳○○を逮捕 殺人容疑で神奈川県警 毎日新聞 2018年7月7日配信 ^ 点滴中毒死、元看護師を再逮捕 共同通信/ロイター 2018年7月28日配信 ^ a b 「犯人を絶対許せません」 元看護師 逮捕前 直筆400文字の手紙 FNNプライムオンライン 2018年7月9日配信 ^ 大口病院事件「私は関わりありません」 本紙などに元看護師 東京新聞〈TOKYO Web〉 2018年7月8日配信 ^ 「20人前後に消毒液」=患者中毒死で元看護師-勤務時死亡は「面倒」 時事ドットコム 2018年7月9日配信 ^ “落ち度”指摘され消毒液混入か NHKニュース 2018年7月10日配信 ^ 逮捕の元看護師「20人以上殺害した」横浜 日テレNEWS24 2018年7月8日配信 ^ 「次第に感覚マヒ」 1日5人死亡���も、犯行エスカレートか 産経ニュース 2018年7月13日配信 ^ 患者中毒死、元看護師「2か月前から点滴に消毒液を入れた」と供述 TBS NEWS 2018年7月11日配信 ^ 「点滴殺人の大口病院 現場病棟で看護師同士のいじめトラブル」 NEWSポストセブン/女性セブン 2016年10月20日号掲載 ^ 大口病院事件逮捕1カ月 実像と乖離「***容疑者像」 神奈川 産経ニュース 2018年8月8日配信 ^ 「点滴殺人」の病院 患者を怒鳴りつける看護師の対応に家族が激怒 NEWSポストセブン/女性セブン 2016年10月27日号掲載(ライブドアニュース 2016年10月13日配信) ^ 「大口病院選ばなければ」 中毒死から1年 遺族、心境語る 産経ニュース 2017年9月19日配信 ^ 大口病院・20人殺害か…○○容疑者、他の看護師への復讐願望を患者に「置き換え」か (2/2) Business Journal 2018年7月11日配信。記事名に実名が使われているため、この箇所を省略した。 ^ 「大口病院事件、患者8人への罪で一括起訴 産経新聞 2018年12月7日配信 ^ “裁判員裁判開廷期日情報(横浜地方裁判所本庁)”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所 (2021年10月1日). 2021年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月1日閲覧。 “殺人,殺人予備(事件番号平成30年(わ)第2033号)” ^ “傍聴券交付情報”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所 (2021年11月9日). 2022年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月1日閲覧。 ^ 『朝日新聞』2001年11月1日西部朝刊福岡県版第一地方面31頁「居酒屋でクダ巻く判事嫌でしょ 福岡・早良区で裁判官と討論/福岡」(朝日新聞西部本社) ^ 山本浩輔、「文春オンライン」特集班「《死刑制度の矛盾》「20人以上殺った」女性看護師の“異例の死刑回避判決”はなぜ下されたか?「自分の名で死刑を言い渡したい裁判官はいない」 判例から死刑制度を考える #3」『文春オンライン』文藝春秋、2022年8月27日、3面。オリジナルの2022年9月11日時点におけるアーカイブ。2022年9月11日閲覧。 ^ a b 「横浜・旧大口病院点滴中毒殺人 元看護師、起訴内容認める」『カナロコ』神奈川新聞社、2021年10月1日。オリジナルの2021年10月1日時点におけるアーカイブ。2021年10月1日閲覧。 ^ “横浜地方裁判所担当裁判官一覧”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所 (2021年10月1日). 2021年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月1日閲覧。 “横浜地方裁判所第1刑事部の担当裁判官一覧 > 合議係 家令和典,橋本健,大西惠美,増田雄太” ^ 「旧大口病院の連続中毒死、元看護師に死刑求刑」『読売新聞』2021年10月22日。2021年10月22日閲覧。 ^ a b c 「元看護師は「更生の道が相当」 無期懲役判決で横浜地裁」『産経新聞』2021年11月9日。2021年11月9日閲覧。 ^ a b 「横浜・旧大口病院点滴殺人 元看護師に無期懲役判決 責任能力認定も「死刑に躊躇」」『神奈川新聞』2021年11月9日。2021年11月9日閲覧。 ^ a b 「元看護師に無期懲役判決 患者連続死事件、責任能力認めつつ死刑回避」『朝日新聞』2021年11月9日。2021年11月9日閲覧。 ^ 「死刑回避に点滴死遺族「納得できない」…裁判長「苦しい評議」」『読売新聞オンライン』読売新聞社、2021年10月10日。オリジナルの2022年9月11日時点におけるアーカイブ。2022年9月11日閲覧。 ^ 加藤益丈「なぜ3人殺害でも死刑回避されたのか? 旧大口病院事件の判決読み解き」『東京新聞』中日新聞東京本社、2021年11月10日。オリジナルの2022年9月11日時点におけるアーカイブ。2022年9月11日閲覧。 ^ “入院患者3人の中毒死事件、検察・弁護側が控訴 無期懲役判決に不服”. 朝日新聞. (2021年11月22日) 2021年11月22日閲覧。 ^ 「傍聴券交付情報詳細」『裁判所ウェブサイト』最高裁判所、2024年6月19日。2024年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月19日閲覧。 ^ 「東京高等裁判所 担当裁判官一覧」最高裁判所、2024年5月15日。2024年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月19日閲覧。 ^ 「入院患者連続死「死刑を」 元看護師控訴審で検察側―東京高裁」『時事ドットコム』(時事通信社)2023年12月15日。オリジナルの2023年12月16日時点におけるアーカイブ。2024年6月18日閲覧。 ^ 「横浜点滴3人中毒死、極刑回避維持求める 控訴審始まる」『日本経済新聞』日本経済新聞社(共同)、2023年12月15日。オリジナルの2023年12月18日時点におけるアーカイブ。2024年6月18日閲覧。 ^ 中山岳「旧大口病院の3人点滴中毒死事件 被告人質問を撤回して控訴審結審 判決は6月19日」『東京新聞』中日新聞東京本社、2024年3月12日。オリジナルの2024年5月30日時点におけるアーカイブ。2024年6月18日閲覧。 ^ 加藤益丈「旧大口病院の3人点滴中毒死、二審も無期懲役 「元看護師の死刑、やむを得ないとは言えない」 東京高裁判決」『東京新聞』中日新聞東京本社、2024年6月19日。オリジナルの2024年6月19日時点におけるアーカイブ。2024年6月19日閲覧。 ^ 井口慎太郎「患者3人連続死 旧大口病院の元看護師、2審も無期懲役 東京高裁」『毎日新聞』毎日新聞東京本社、2024年6月19日。オリジナルの2024年6月19日時点におけるアーカイブ。2024年6月19日閲覧。 ^ “入院患者3人の点滴に消毒液を入れて中毒死の殺人罪で無期確定 検察、弁護側が上告断念”. 産経新聞. (2024年7月5日) 2024年7月5日閲覧。 ^ 点滴中毒死逮捕 医療への信頼が大きく揺らぐ 読売新聞 2018年7月10日配信 ^ 横浜市の医療安全業務に関する検証報告書(大口病院に関する対応について) (PDF) - 横浜市医療安全業務検証委員会 2017年3月 ^ 点滴混入殺人「大口病院」看護師たちにトラブル?風評恐れて警察届けず J-CASTテレビウォッチ 2016年9月26日公開 ^ 解決至らぬ“点滴殺人” 元看護師からの手紙 テレ朝news 2017年4月8日配信 ^ 大口病院中毒死 消毒液、原液投与か 元看護師の殺意、裏付け 毎日新聞 2018年7月10日配信
大口病院連続点滴中毒死事件 - Wikipedia
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2023年に読んで「オォッ!」と思った本や作品……その1
『長靴をはいた猫』(シャルル・ペロー著/澁澤龍彦訳/河出文庫/Kindle版) 『台湾漫遊鉄道のふたり』(楊双子著/三浦裕子訳/装画:Naffy/装幀:田中久子/中央公論新社/Kindle版) 『聊斎志異(上下巻)』(蒲松齢作/立間祥介編訳/岩波文庫) 『灯台守の話』(ジャネット・ウィンターソン著/岸本佐知子訳/装幀:吉田浩美、吉田篤弘〔クラフト・エヴィング商會〕/白水社) 『新版 小さなトロールと大きな洪水』(ヤンソン著/冨原眞弓訳/さし絵・カバー装画:ヤンソン/講談社文庫/Kindle版) 『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ著/木下眞穂訳/書肆侃侃房/Kindle版) 『リリアンと燃える双子の終わらない夏』(ケヴィン・ウィルソン著/芹澤恵訳/イラストレーション:中島ミドリ/ブックデザイン:アルビレオ/集英社) 『透明人間』(ハーバート・ジョージ ウェルズ、著/海野十三訳/青空文庫/Kindle版) 『世界の終わりの天文台』(リリー・ブルックス=ダルトン著/佐田千織訳/創元SF文庫/Kindle版) 『去年を待ちながら 新訳版』(フィリップ・Kディック著/山形浩生訳/カバーデザイン:土井宏明/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『ザップガン』(フィリップ・K・ディック著/大森望訳/扉デザイン:土井宏明/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』(フィリップ・K・ディック著/浅倉久志訳/早川書房) 『火星のタイム・スリップ』(フィリップ・K・ディック著/小尾芙佐訳/扉デザイン:土井宏明/ハヤカワ文庫SF/Kindle版) 『マーダーボット・ダイアリー 上下』(マーサ・ウェルズ著/中原尚哉訳/カバーイラスト:安倍吉俊/東京創元社/創元SF文庫/Kindle版) 『珈琲と煙草』(フェルディナント・フォン・シーラッハ著/酒寄進一訳/東京創元社/Kindle版) 『シャーロック・ホームズ シリーズ全10巻 合本版』(コナン・ドイル著/延原謙訳解説/新潮文庫/Kindle版) 『イラハイ』(佐藤哲也著/佐藤亜紀発行/Kindle版) 『シンドローム』(佐藤哲也著/森見登美彦解説/カバー装画:西村ツチカ/カバーデザイン:祖父江慎+コズフィッシュ/キノブックス文庫) 『俺の自叙伝』(大泉黒石著/四方田犬彦解説/岩波文庫) 『ブサとジェジェ』(嶽本野ばら著/『三田文學 153 春季号 2023』掲載作品) 『珈琲挽き』(小沼丹著/清水良典解説/年譜・著書目録:中村明/講談社文芸文庫) 『不機嫌な姫とブルックナー団』(高原英理著/講談社/Kindle版) 『祝福』(高原英理著/装幀:水戸部功/帯文:渡辺祐真/河出書房新社) 『若芽』(島田清次郎著/青空文庫Kindle版) 『交尾』(梶井基次郎著/青空文庫/Kindle版) 『のんきな患者』(梶井基次郎著/青空文庫/Kindle版) 『城のある町にて』(梶井基次郎著/青空文庫/Kindle版) 『風立ちぬ』(堀辰雄著/青空文庫/Kindle版) 『自分の羽根』(庄野潤三著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『幾度目かの最期 久坂葉子作品集』(久坂葉子著/久坂部羊解説/年譜・著書目録:久米勲/デザイン:菊地信義/講談社文芸文庫) 『現代語訳 南総里見八犬伝 上下巻』(曲亭馬琴著/白井喬二訳/カバーデザイン:渡辺和雄/河出書房新社/Kindle版) 『キッチン』(吉本ばなな著/カバーデザイン:増子由美/幻冬舎文庫/Kindle版) 『かもめ食堂』(群ようこ著/装画:牧野伊三夫/カバーデザイン:井上庸子/幻冬舎文庫/Kindle版) 『ハピネス』(嶽本野ばら著/カバーイラスト:カスヤナガト/カバーデザイン:松田行正/小学館文庫/小学館eBooks/Kindle版) 『猫の木のある庭』(大濱普美子著/金井美恵子解説/装幀:大久保伸子/装画:武田史子/カバーフォーマット:佐々木暁/河出文庫) 『ハンチバック』(市川沙央著/装幀:大久保明子/装画:Title: mohohan Year: 2020 Photo: Ina Jang / Art + Commerce/文藝春秋) 『文豪たちの妙な旅』(徳田秋聲、石川啄木、林芙美子、田山花袋、室生犀星、宇野浩二、堀辰雄、中島敦、萩原朔太郎著/山前譲編/カバーデザイン:坂野公一+吉田友美(welle design)/カバー装画:樋口モエ/カバーフォーマット:佐々木暁/河出文庫) 『作家の仕事部屋』(ジャン=ルイ・ド・ランビュール編/岩崎力訳/読書猿解説/カバーイラスト:Guillaume Reynard/カバーデザイン:細野綾子/中公文庫) 『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』(深掘骨著/左右社/Kindle版) 『硝子戸の中』(夏目漱石著/石原千秋解説/カバー装画:安野光雅/新潮文庫) 『思い出す事など』(夏目漱石著/青空文庫/Kindle版) 『文鳥』(夏目漱石著/青空文庫/Kindle版) 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(川本直著/文庫版解説:若島正/ロゴ・表紙デザイン:粟津潔/本文・カバーフォーマット:佐々木暁/カバー装幀:大島依提亜/カバー装画:宇野亞喜良/帯文:魔夜峰央/河出文庫) 『駅前旅館』(井伏鱒二著/解説:池内紀/カバー装画・文字:峰岸達/新潮文庫)『硝子戸の中』(夏目漱石著/カバー:津田青楓装幀「色鳥」より/注解:紅野敏郎/解説:荒正人/新潮文庫) 『村のエトランジェ』(小沼丹著/講談社文芸文庫/Kindle版) 『午後三時にビールを 酒場作品集』(萩原朔太郎、井伏鱒二、大岡昇平、森敦、太宰治、坂口安吾、山之口貘、檀一雄、久世光彦、小沼丹、内田百閒、池波正太郎、吉村昭、開高健、向田邦子、安西水丸、田中小実昌、石川桂郎、寺田博、中上健次、島田雅彦、戌井昭人、吉田健一、野坂昭如、倉橋由美子、松浦寿輝、山高登著/カバー画:山高登「ビヤホール」/カバーデザイン:高林昭太/中央公論新社編/中公文庫/Kindle版) 『対談 日本の文学 素顔の文豪たち』(中央公論新社編/巻末付録:全集『日本の文学』資料/中公文庫) 『40歳だけど大人になりたい』(王谷晶著/デザイン:アルビレオ/平凡社/Kindle版) 『人生ミスっても自殺しないで、旅』(諸隈元著/ブックデザイン:祖父江慎+根本匠(コズフィッシュ)/晶文社) 『ロバのスーコと旅をする』(髙田晃太郎著/装幀:大倉真一郎/地図制作:小野寺美恵/河出書房新社) 『本当の翻訳の話をしよう 増補版』(村上春樹、柴田元幸著/カバー装画:横山雄(BOOTLEG)/新潮文庫) 『書籍修繕という仕事 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる』(ジェヨン著/牧野美加訳/装幀:藤田知子/装画:谷山彩子/原書房)
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はやく結婚したい、同棲して家賃抑えながらそこそこの家に住みたい、と言われて、私はお前の生活レベルを上げる手段じゃないんだけど?と思った。
私がしたいのは結婚ではなく恋愛。別に見据えないわけではない、むしろめちゃくちゃに見据えている。いつだって恋に落ちるときはこの人と添い遂げられたら、と思っている。それでも、はじまる前から夢想されては堪らない。ここ1年で会う男性の口から結婚を仄めかされることが増えた。だから、配偶者候補として査定されだす前に、男の子をいち人間として、査定しなくちゃならない。今のうちに。
正直私が不動産なら、ラトゥールには及ばないもののブリリアくらいには優良物件だと思う。共働き子持ち希望、平均以上の年収貯蓄、地に足のついた経済観念、ひとり暮らし7年目の生活スキル、夜職で荒稼ぎできる程度の身綺麗さとコミュ力。今の年齢は担保になる。でもそんなもので推し測らないでほしい。やすく買い叩かないでほしい。もっと狂っている。どんなにスーモで検索条件を増やしたとて、私はワケアリなんだから。
年収が、学歴が、身長が、年齢が私より低くても、そういう人を異性として好ましいなと思うたびに、自分のことを撫でられる気がする。まだ、他者の記号性以外を愛でられる良心が残っていると安堵する。それでも放つ言葉を甘く噛み砕いてくれる人は、キャリアを模索し続けていて、人文を齧ってきた、つまるところ教育投資を受けてきた人に収斂して、偶然にも結果として「東大卒外コンくん♡」とか「私大医卒研修医くん♡」と痛い婚活アカウントのそれになってしまっているだけの話。私だってそんなの持て余している。
かよ先輩が、「UIって言葉が通じなくて、無理だなと思った」と言っていた。ああ、そういうのわかるな。「繁忙期」「フラストレーション」という語彙すら持ち合わせていない人、モネがなんなのかさえぴんとこない人は本当にいるし、無理なのだ。それが持つ側の断罪だとしても。
「そばかす」を観た。三浦透子が前田敦子との同居をちゃぶ台返しされる様にある種諦めを抱いた。じゃあどれだけシスターフッドがあったとして。阿佐ヶ谷姉妹に憧憬を覚えたとして。もし、恋に落ちたら、プロポーズされたら、妊娠したら、別居婚での育児を選べる人がどれだけいるんだろう。
私はいまだに婚姻制度に中指を立てているけど、これだけ言語や記号に規定されている私たちが、揺らぎの中で足場を守れる自信がない。だから人を人として慈しめるうちに、恋愛を、そして結婚を済ませたい。だって私は、阿佐ヶ谷姉妹になれないんだもの。
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三輪隊の小説(二次創作)
四畳半にいらっしゃい
狭い。
狭いですよね、四畳半。
すみません。
ここにお客様を通したおれ、間違ってたと古寺章平は思う。特に、背の高い彼の場合は。
「奥寺を頼むな」
B級部隊隊長、東春秋はにこりと微笑んだ。
ここは、三輪隊作戦室の奥にある四畳半ほどのスペースである。部隊に与えられた部屋は自由にやりくりしてよいのだが、三輪隊の場合、その狭いスペースに畳を敷いて使っている。用途は主にお茶をすること、靴を脱いでリラックスすることである。
おそらく間取りの帳尻を合わせるように作った狭小空間は本来使いづらく、いわば『浮いた』スペースなのだが、三輪隊においては、これが意外と役に立っていた。睡眠時間の不規則な三輪秀次がタオルケットをかぶって寝ている時もあれば、米屋陽介がタブレットを片手にゴロゴロしている時もある。奈良坂透がぼんやりと考え事をしている時もあるし、月見蓮が楽しそうに部屋に飾る絵画や花瓶を見立てている時もあった。古寺は古寺で、ふとした瞬間に彼らのそんな姿を垣間見るのが好きだった。
この空間になぜ東隊長を通したのか。
月見蓮がメインになって整えた部屋は小綺麗で品があり、賓客をもてなすのにふさわしいと思えたからだが、古寺にとって心地のよい空間であることも大きな理由である。
今日は、三月十四日で、先日、長期遠征選抜試験の内容が発表されたばかりだ。古寺は試験のために臨時に編成された部隊の隊長を務める。その際、部隊メンバーのひとりに東隊所属の奥寺常幸を選んだのだ。
東の来訪はアポイントのみで、用件には触れられていなかったが、内容は間違いなく奥寺のことであろう。立ち入った話になるかもしれないと大部屋を遠慮したのも理由のひとつだ。
作戦室には三輪と奈良坂が在室していた。米屋は個人ランク戦に出かけている。
「みんな、元気そうだな」
ところが、当然のように三輪、奈良坂も古寺と共に小さな座卓を囲んでいる。正面には東がいる。結果、部屋が狭い。
(先輩方、東さんのこと、好きすぎでしょ)
キリッとしているが、嬉しさの滲み出ている三輪を横目に見ながら思う。奈良坂も妙にウキウキしている。
二人にとって、東は、かたや元隊長、かたや師匠にあたる。
微妙に張り合っている気がしないでもない。もちろん、自分を心配してもくれてるとは思う。思いたい。
「古寺のことは心配していません」
(えー?!)
奈良坂はきっぱりと言う。
「俺もです」
三輪も負けずに宣言する。
(えーえー)
意図はわかる。いや、意図はわかるんですが。もうちょっと。
「そうだな」
東もうなずく。
「俺も奥寺のことは心配していないが、挨拶だけはと思ってな」
「こちらこそよろしくお願いします」
古寺は頭を下げた。用件は本当にそれだけだったらしい。
「しかし、この部屋はのんびりしていいな」
東は窮屈そうなのに、三人を順に見渡してそう言った。
「木虎が世話になるが、よろしく頼むな」
A級部隊隊長、嵐山准が爽やかに微笑んだ。三輪が台所で淹れてきたお茶を座卓に並べている。彼の表情筋が全く動いていない。怖い。スンが過ぎると古寺はハラハラしている。そのまま、一礼して席を外そうとした三輪を奈良坂が目で座れと言っている。
「せっかくだから、三輪も座ってくれ」
気をきかせたのか、嵐山はそう言った。メンタル強者です、嵐山さん。三輪は黙りこくったまま、座った。
今更ながらに、四畳半に通したのはまずかったかと古寺は後悔する。しかし、東さんを通した流れでそうなっちゃったんです、三輪先輩。
三輪が嵐山のことが苦手、苦手と言うより相性が良くない、相性が良くないと言うよりは三輪が一方的に避けているのは知っている。なぜかは知らない。
「こちらこそよろしくお願いします。嵐山隊からは木虎だけが遠征に参加希望なんですね」
遠征に際してのアンケートの��容を思い出しながら聞く。
「ああ、広報部隊の仕事があるにはあるんだが、本人の希望もあるし、経験を積ませてやりたいと思ってな」
ざっくばらんに嵐山が答える。
「そうなんですね···」
そこで話は途切れる。先輩二人の沈黙が重い。しかし、嵐山は平気そうだ。気まずいの、おれだけ?
そう思った時、
「お、嵐山さん、来て��んだ?」
陽介の名に恥じない明るい声が響いた。
「米屋先輩」
「米屋か」
彼は三輪と嵐山の間にどかっと座る。四畳半に十代後半男子が五人。月見が今日は席を外すわねと言った理由がわかった気がした。ぎゅうぎゅうと言っていい。
急に嵐山がクスリと笑った。は?何か文句があるのか?と言った表情で三輪が鋭く目線をあげる。やはり、嵐山はこたえなかった。
「この部屋、忍者屋敷の隠し部屋みたいでいいな」
「三浦のこと、よろしくな」
本日は三月十六日、隊長面接が終わった直後である。
若村麓郎はB級香取隊の攻撃手だ。同じく香取隊の三浦雄太が古寺のチームの一員となる。彼の機動力を買っての選出だった。
香取隊は戦闘員が十七歳と十六歳で構成されている点で三輪隊と似ているチームだ。違うのは、年長者がいないという点とエースである香取葉子がいるという点だ。三輪隊は連携を重視するチーム構成なので、エースはいない。
香取隊の隊長は香取であるはずだが、年上だからか若村麓郎は香取に替わるように古寺に頭を下げた。
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
若村も今回の試験で臨時隊長を務める。突然の抜擢に戸惑っているようだったが、上層部の見解として香取隊のようなエースが隊長を兼任している隊は、その役割を分けた方が望ましいとされる。嵐山隊が良い例だ。そのため若村に隊長職を担ってもらいたいのであろうと古寺は推察している。
それじゃあと別れようとした、そのときである。
ピコンと若村のタブレットに通知が入り、画面を見つめた若村の表情がみるみる険しくなった。
「···あいつ」
「どうしました?」
「あ、う、いや」
話を聞けば、香取隊の作戦室に内側からロックがかかったらしい。かけたのは、香取だと言う。若村は入れない。なるほどと古寺は思う。女子が多いチームはこういう苦労があるのか。
「あ、じゃあウチに来ます?」
東さんも嵐山さんも来てくれたことだし、若村先輩もいいだろう。
「あれ? 若村? 章平、休みじゃねえの?」
米屋が的確にツッコミを入れた。三輪隊作戦室である。
「隊長面接の帰りです。若村先輩は挨拶ですかね?」
締め出されたというのは言わなくてもいい気がする。
若村は、米屋、三輪と同じ学年で同じ高校だ。
「三浦のことは俺がわかる範囲で教えたから、大丈夫だろう」
三輪が珍しく気安い。三浦雄太は三輪と同じクラスだった。
「まあ、そうなんだけど」
若村も気安い。
「お茶はペットボトルでいいよな?」
「あ? ああ」
若村はなんでもないように返事をするが、古寺はそれはどうかと慌てた。お客様なのだ。
「いや、おれが淹れますよ」
若村は初めて入る三輪隊作戦室に興味津々だった。台所にもついてくる。
「悪いな」
「せっかくですから」
台所の横には四畳半の部屋がある。
「���んなとこに畳の部屋があるんだ。お、奈良坂いた」
くつろいでいた奈良坂が黙ってうなずく。
「女の子のいないチームっていいな」
「月見さんいるけど」
「あ、そうか。いや、違うよ。こういうとき、挨拶とかしなくていいし」
「しろよ。挨拶しにきたんだろ?」
奈良坂が呆れたような声を出した。
月見ももうすぐ出勤してくる。三輪隊の防衛任務はこれからなのだ。古寺がお茶を出してきたので、畳の部屋に上がり込む。男子三人が入って、もう狭かった。
「三輪先輩、米屋先輩、お茶が入りました」
男子二人がさらに詰め込まれる。
若村はため息をついた。
「のびのびできていいな」
「いや、狭いだろ」
奈良坂の発言に、古寺はそういう意味ではないのでは?と心のなかでツッコミをいれた。
終わり
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監督
濱口竜介
脚本
濱口竜介
大江崇允
原作
村上春樹「ドライブ・マイ・カー」など
(『女のいない男たち』 文藝春秋刊収録)
製作
中西一雄
山本晃久
出演者
西島秀俊
三浦透子
霧島れいか
岡田将生
製作会社
『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
配給
ビターズ・エンド
公開
日本の旗 2021年8月20日
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