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#モスクワは涙を信じない
anamon-book · 11 months
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モスクワは涙を信じない Cinema square Magazine No.2 シネマスクエアとうきゅう 監督=ウラジミール・メニショフ/出演=ヴェーラ・アレントワ、アレクセイ・バターロフ ほか
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miu2d · 2 years
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ウクライナ大統領府が動画と演説テキストを公開した。ウクルインフォルムによる全訳以下のとおり。
親愛なるウクライナ人よ!
今年は、2月24日に始まった。前文も前奏曲もなく、唐突に。朝4時にだ。
暗かった。大きな音がした。多くの人にとっては困難だったろうし、人によっては恐ろしかったであろう。311日が過ぎた。私たちのところはまだ、暗くて、大きな音がするし、困難かもしれない。しかし、確実なことは、私たちはもう二度と恐ろしさは感じないということだ。そして、もう二度と、恥ずかしくもない。
今年は私たちの年だった。ウクライナの年だった。ウクライナ人の年だった。
2月24日、私たちは目を覚ました。別の人となった。別の民となった。別のウクライナ人となった。最初のミサイルは、幻想の迷宮を完全に破壊した。私たちは、誰が誰であるかを目にした。友に何ができるのか、敵に何ができるのかを目にした。そして、大切なことは、私たち自身に何ができるのかを目にしたことだ。
2月24日、私たちの内の何百万人もの人が選択をした。白旗ではなく、青と黄の旗を選んだ。逃亡ではなく、出迎えを、敵を迎え撃つことを選んだ。抵抗と戦いをだ。
2月24日の爆発は私たちに衝撃をもたらした。以降、私たちには全てが聞こえるわけではなくなった。必ずしも皆のことは聞かなくなった。私たちは『あなた方には降伏する以外の他の選択肢はない』と言われた。私たちは『私たちには勝利する以外の他の選択肢はない』と述べている。
2月24日、私たちは、勝利を生み出し始めた。多くのレンガから、何百もの勝利をだ。
私たちはパニックに勝利した。逃げ惑うのではなく、集まった。私たちは疑念、不信、恐怖に勝利した。私たちは自分と自らの力を信じた。ウクライナ軍を、インテリジェンスを、国家警護隊を、保安庁を、特殊作戦軍を、国境警備隊を、領土防衛部隊を、防空システムを、警察を、国家非常事態庁を信じた。私たちの防衛・治安戦力全てを信じた。戦士たちよ、私は、あなた方皆を誇っている!
今年は、ウクライナにとって、欧州全体にとって、世界全体にとっての喪失の年と呼べるかもしれない。しかし、それは正しくない。私たちは、そのように言うべきではない。
私たちは何も失ってはいない。私たちは奪われたのだ。ウクライナは、息子や娘を失ったのではない。彼らは殺人者にさらわれたのだ。ウクライナ人は家を失ったのではない。家はテロリストに破壊されたのだ。私たちは自らの大地を失ったのではない。大地に侵略者が入ってきたのだ。世界は平和を失ったのではない。ロシアが平和を破壊したのだ。
今年は、私たちの心を傷付けた。私たちは、あらゆる涙を出し切った。あらゆる祈りを叫んだ。311日間。私たちには1分1分に言うべきことがある。しかし、大半の言葉は余計だ。言葉は必要ない。説明や装飾は必要ない。必要なのは静寂だ、聞くために。必要なのは停止だ、意識するために。
2月24日、朝。
ホストメリ。ブチャ。イルピン。ボロジャンカ。ハルキウ。
「ムリーヤ」。
クラマトルシク。駅。ぬいぐるみ。
チェルニヒウ。
マリウポリ。劇場。「子供」と書かれた文字。
オレニウカ。
オデーサ。集合住宅。女の子。生後3か月。
ヴィリニャンシク。産院。赤ちゃん。生後2日。
「アゾフスタリ」。
これらを忘れることはできない。そして、許すこともできない。しかし、勝つことはできる。
私たちは、自らの足で耐え切った。なぜなら、私たちを支える、私たちの心があったからだ。
キーウの防衛。
ハルキウ。
ミコライウ。
チョルノバイウカ。
ズミーニー島。
HIMARS。
アントニウシキー橋。
「木綿」
クリミア橋。
「ネプトゥーン」。
巡洋艦「モスクワ」。
ロシアの戦艦。
イジューム、バラクリヤ、クプヤンシク。
ヘルソン。
私たちは、クレミンナ、スヴァトヴェ、メリトポリ、ドンバス全域、クリミアについても祈っている。
私たちは、戦っており、戦い続けていく。大切な言葉、「勝利」のために。
勝利は必ず訪れる。私たちは、勝利に向かい311日歩んでいる。
多くの力を注ぎ込んだ。しかし、もうこれ以上進めないと思えた時には、私たちがあなたたちと何を乗り越えてきたのかを思い出して欲しい。
私は、あなた方皆に言いたい。ウクライナ人よ、あなた方は信じられない人たちだ、と! 私たちが実現したこと、私たちが行っていることを見て欲しい!
私たちの戦士が、初日から、どのようにその「世界第2の軍」を潰しているか。
私たちの人々が、彼らの車列をどのように止めたか。
おじいさんがどのように手で戦車を止めたか。
女性がどうやってトマトの瓶で無人機を撃墜したか。
占領下でどのように敵の戦車、走行輸送車、ヘリ、砲弾を奪ったか。
どのようにして数時間で「シャヘド退治機」、無人水上艇、装甲車、救急車、バイラクタルのための資金を集めたか。
脅迫、砲撃、クラスター弾、巡航ミサイル、暗闇、寒さにどのように耐えたか。
どのように互いに支え合ったか。国を支えてきたか。
戦争では、一人一人が大切だ。
手に武器を持つ者、自動車のハンドルを握る者、船の操舵輪を回す者、飛行機を操縦する者、メスを握る者、指示棒を握る者一人一人だ。
ノートブックを使う者、コンバインを操縦する者、電車を運転する者。
検問所に立つ者、発電所で働く者。
記者、外交官、公共サービス従事者、救助隊員。
働く者皆だ。大学や学校で学ぶ者もだ。歩くことを学び始めた者すらもだ。
それら全てが、彼らのため、私たちの子供、私たちの人々、私たちの国ためなのだ。
大戦争には、些細な事などない。不必要なことなどない。私たち一人一人が戦士だ。私たち一人一人が前線だ。私たち一人一人が防衛基盤だ。
私たちは、国全体、全ての地域が、1つのチームとして戦っている。私はあなた方皆に夢中だ。私は、ウクライナの不屈の地域1つ1つに感謝を述べたい。
ハルキウ。壊されはしたが、屈してはいない。あなた方は、敵に対して、領土が隣でも、精神的にも隣なわけではないということを証明した。ハルキウはウクライナの町、英雄の町だ。
不屈の町ミコライウ。全ての攻撃を英雄的に耐えている。全ての嵐を克服する波の上の町だ。
スーミ州とスーミ。あなた方は、占領者の全面的侵攻を感じ取った最初の人たちだ。彼らにとって、スーミ州は、喉に刺さる小骨となった。普通の人々が火炎瓶を作り、敵の車列を燃やし、最初に敵を拘束したのだ。スーミ州は、力だ。
ドニプロ。支柱であり、私たちの前線の理想的な後衛だ。あなた方は、人々を受け入れ、負傷した戦士に生命を取り戻してきた。常に攻撃を受けているが、ドニプロは生きている。
オデーサ。太陽の光あふれる歓迎する町は、今は要塞だ。世界的な要塞だ。オデーサは、私たちを守り、世界を守っている。世界に食べ物を与えている。毎日、海を通じて、何百万トンの救いを送り出している。なぜなら、オデーサはママだからだ。
ヘルソン! あなた方は、英雄的な人々だ! あなた方は、占領下で8か月以上も過ごした。ニュースもなく、通信もないままに。ウクライナと断絶した中でだ。
あなた方は何千人も集まって露シスト(編集注:ロシア+ファシストの造語)に対する抗議に通りへ出た。あなた方は、ウクライナの人々がそれを目にするかどうか、そのことを知っているかどうかを知らなかった。占領者は、あなた方に対して、ウクライナはあなた方を見捨てた、あなた方のためには戦わないと嘘をついた。しかし、あなた方は信じて、何があっても待ち続けた。ヘルソンの顔は、砲弾の破片で欠けてしまったが、しかし、大切なことは、私たちが新年を、自由な人として、青と黄の旗の下で迎えているということだ。全てを再生し、全てを再建するのだ。チェルニヒウ、ザポリッジャ、クラマトルシク、バフムートも同様だ。
何百万人のウクライナ人のためのシェルターとなった、リウネ、イヴァノ=フランキウシク、テルノーピリ、ヴィンニツャ、ありがとう! 欧州や世界からの何百万トンの支援を受け取り渡している、リヴィウ、ウジホロド、チェルニウツィー、ルーツィク、ありがとう!避難するビジネス、企業、大学を受け入れているフメリニツィキー、ジトーミル、クロピウニツィキー、ポルタヴァ、チェルカーシ、ありがとう!
そして、ウクライナを待っており、最後まで待つ、ドンバス、ルハンシク州、クリミア。私たちの戦士よ。あなた方に感謝している。
そして、もちろん、キーウ州とキーウ市。私たちの心であり、常にあなた方のために鼓動を慣らしている。
ウクライナ人皆、私たち皆が、1つの��族、1つのウクライナなのだ。
今年は、ウクライナが世界を変えた年だ。世界はウクライナを開いた。私たちは、『降伏』と言われた。私たちは、『反攻』を選んだ! 私たちは、譲歩や妥協へ向かうようにと言われた。私たちは、EUとNATOに向かって進んでいる。
世界がウクライナのことを聞いたのだ。欧州議会、ドイツ議会、英国議会、イスラエル議会、米国議会がだ。
世界がウクライナを感じたのだ。ウクライナはメディアの中にいる。人々の心の中にいる。グーグル検索のトップ検索単語だ。
世界はウクライナを見たのだ。トロント、ニューヨーク、ロンドン、ワルシャワ、フィレンツェ、シドニー、その他の町々のメインの広場でだ。
ウクライナ人は他の人々をびっくりさせている。ウクライナ人は拍手を受けている。ウクライナ人は人々を鼓舞している。
私たちのことを脅せるものが何かあるだろうか? ない。私たちのことを止められる人が誰かいるだろうか? いない。
なぜなら、私たちは一緒にいるからだ。
私たちが戦っているのは、お互いのためだ。
私たちにとっての最高の花火は、占領者の倉庫の花火だ。最高のプレゼントは、参謀本部の報告書上の数字だ。
私たちは、新年、2023年が何を私たちにもたらすかを完全には知らない。しかし、あらゆることへの準備はできている。戦いを続けること? 戦い続けよう。そして、勝利した暁には、互いに抱きしめ合おう。
親愛なるウクライナ人よ!
新年まであと数分だ。私は、皆に今、1つのことを願いたい。それは、勝利だ。それが主要なことだ。全てのウクライナ人にとっての1つの願いである。
この年が回帰の年になりますように。私たちの人々の回帰。戦士たちの家族のもとへの帰還。被拘束者の自分の家への帰還。
避難民の自分のウクライナへの帰還。
私たちの大地の回帰。そして、一時的被占領地は、永遠に自由となる。
普通の生活への回帰。外出禁止時間のない幸せな時間への回帰。空襲警報なく屋外へ出る喜びへの回帰。
私たちが奪われたものの返還。私たちの子供の「子供時代」の返還。私たちの親の穏やかな老後の返還。
孫がおじいさんおばあさんのところへ休みになったら行けますように。ヘルソンへとスイカを目掛けて行けますように。メリトポリへサクランボを食べに行けますように。
私たちの町が自由になりますように。私たちの友達が誠実でいてくれますように。
そして、報告書にて、10万の殲滅された敵、何千の破壊されたロシアの装備の数字の隣に、私たちの主要な数字、主要な成功の数字が現れますように。それは60万3628平方メートルだ。独立ウクライナの1991年当時の面積だ。常にその数字であり続ける。
新しい年がこれら全てをもたらしますように。私たちは、そのために戦う準備がある。だからこそ、私たち一人一人がここにいる。私はここにいる。私たちはここにいる。あなたたちはここにいる。皆、ここにいる。私たち皆が、ウクライナだ。
ウクライナに栄光あれ!
あけましておめでとう!
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sorairono-neko · 5 years
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おまえって子は
 ここ数日、ヴィクトルは家にいなかった。勇利はマッカチンと一緒に留守を守っていた。ヴィクトルはいま忙しく、泊まりがけでモスクワへ出掛けることが多い。このときもそうで、一週間の予定だった。ヴィクトルは家を出るとき気遣うように言った。 「すぐに帰ってくるからね。俺がいないあいだ、気をつけるんだよ」 「大丈夫だよ。ちゃんと練習するから」 「スケートのことだけじゃない。夜遅くに出歩いちゃだめだ。知らない人に声をかけられても簡単に信用しないで」 「子どもじゃないんだから」 「ヴィクトル・ニキフォロフに会わせてあげると言われてもついていっちゃいけないよ」 「なにそれ?」 「ヴィクトル・ニキフォロフのグッズをあげると言われてもついていっちゃいけないよ」 「ばかにしてるの?」 「勇利はヴィクトル・ニキフォロフが好きすぎるから心配なんだよ」  ヴィクトルは名残惜しそうに旅立っていった。 「マッカチン、さびしい?」  夕食のあと、勇利がソファに座ると、マッカチンがそばにやってきた。勇利は前脚の脇に手を入れて持ち上げてやり、顔をのぞきこんだ。 「ヴィクトルは明日帰ってくるよ。たぶんおみやげたくさんだから、楽しみに待っていようね」  マッカチンが元気に返事をした。 「でも、そうだね……」  口元に手を当て、勇利はちょっと考えた。彼はマッカチンを見やり、何かひらめいたというように笑みを浮かべた。 「あ��……、やっちゃう……?」  マッカチンが不思議そうに首をかしげた。 「ぼくは昔からよくしてたんだ。すごくすてきな、うれしい時間になるんだよ。しあわせなんだ」 「くぅん」 「もう夢中になっちゃう。うっとりして、ほかのことを考えられなくなるし……」 「わう」 「すごく気持ちよくなって……」  胸に手を当てると、自然と吐息が漏れた。 「べつにいけないことじゃないんだから……、いいよね?」  勇利は自分の部屋へ行き、いろいろなものを持って居間へ戻った。幾度か往復しなければ、必要なものはそろわなかった。 「ちょっと待ってね」  マッカチンが興味深そうに見守る中、勇利は筒状に丸めてあるポスターをひろげ、それを壁一面に貼っていった。もちろんヴィクトルのポスターである。大切に長谷津から持ってきたのだ。これを持ちこんだことはヴィクトルにはひみつにしてあった。べつに怒られないだろうけれど、なんとなく気恥ずかしい。 「ちょっと斜めになってるかな……だめだめ……まっすぐ……」  もちろん、壁にもポスターにも傷をつけるようなことはしない。専用の留め具を使って勇利は綺麗にポスターを展示した。大きいもの、ちいさいもの、いろいろあるけれど、どれもすばらしくすてきなヴィクトルだった。衣装を身に着けた演技中のものも、正装の気取った表情のものも、日常的なくつろいだ雰囲気のものも、たまらなくなるほど勇利を高揚させる。 「どう、マッカチン。ヴィクトルかっこいいでしょ?」  勇利は得意げに自慢した。 「これは手に入れるのに苦労したんだ……ほんとに大変だったんだから」  勇利は苦労話を披露しながら、すべてのポスターを貼りつけた。並べ方にも工夫を凝らした。他人が見たらわからないだろうけれど、勇利にとっては意味のある並べ順だった。 「これでよし、と……。次」  勇利は手持ちの映像ディスクを映し出すため、テレビのスイッチを入れた。部屋でコンピュータを使って見るのもいいけれど、居間のテレビはおそろしく大きいのだ。一度この大画面でヴィクトルの演技を鑑賞したいと思っていた。ヴィクトルがいるときには気恥ずかしくてなかなか言い出せなかったが、いないいまなら見放題である。 「どれから行こうかな……、やっぱり復帰戦? いやいや、でも、ヴィクトルの原点である昔の映像も捨てがたい……。シニアデビューなんて、もうたまらなくぞくぞくするし、ファイナルを初めて制したときのは泣いちゃうし……迷うなあ」  同居していた時代のピチットにさんざん「いいから早く選びなよ!」と注意されたにもかかわらず、勇利はいまもこういうことでいつまでも悩むのだった。この「どれにしようかな」と考えている時間も楽しいのである。 「じゃあ……、まずはこれ。世界ジュニアね」  勇利はようやくひとつを選び出した。 「マッカチン、ぼくはね、この映像を見てヴィクトルに夢中になったんだよ。なんていうか、その、ひ、ひと目惚れってやつ……」  勇利は赤くなりながら説明した。 「だってもうほんとにすごかったんだ! 高貴で……華麗で……マッカチンならわかってくれるよね!?」  マッカチンは勇利の言い分に理解を示してくれた。マッカチンはいつだってぼくのヴィクトルへの愛をわかってくれる、と勇利は大満足だった。 「じゃあ、行くよ……再生するよ……えいっ」  勇利は順ぐりにヴィクトルの試合動画を次々と再生していった。演技に興奮しすぎて感極まったときは、インタビュー映像を挟んで気持ちを落ち着かせた。しかし、インタビューの内容も勇利を感激させるものばかりで、勇利は冷静になれる時間など一秒もなかった。 「マッカチン、見てる? 見てる? ヴィクトルだよ……見てる……?」  勇利はマッカチンを抱きしめ、熱烈なまなざしを画面にそそいだ。 「このときはね、ヴィクトル、あまり調子がよくないって言われてたんだ。公式練習でもいつものあざやかさがないとかなんとか……。確かに、上がりきってないのかなっていう感じはあって、ぼくすごく心配だったんだけど、でもヴィクトルだからね! もちろん試合では最高の演技だったよ! 金メダル! やっぱりね、ヴィクトルはどんな調子でも、試合にはばっちり合わせられるんだよ! 練習でいくら失敗しても、本番できまれば問題ない。ヴィクトルはね、そうなんだ。練習でいまひとつだなあって顔してるときでも、あまり気にしてないんだよね。『まあ本番ではきめるから』って感じ。それで実際そうしちゃうんだよ! すごくない? さすがじゃない? かっこよくない?」  勇利はマッカチンを上から抱きかかえ、つむりにおとがいを押しつけた。 「あっ、もちろん、練習から完璧なときもあるよ! 軽々と四回転を跳んじゃってさ……それも次々。失敗しないんだ。あんまり簡単に跳ぶから、あれ、いまのって四回転じゃないの? って不思議になったりする。四回転なんだけどね。ふわっと跳ぶんだよ。ふわっと! 着氷もね、すーって。すーっ!」  言ったあとに、ヴィクトルが「すーっ」と着氷したものだから、勇利は声を上げ、「いまの! いまのやつ! いまのやつねマッカチン!」と教えた。 「あとさ……衣装もさ……いつもすてきだよね……似合う……。ヴィクトルは衣装にもすごくこだわってるから。細部までうつくしくて……。それに、同じプログラムでもいろんなのがあるんだよ。ヴィクトル・ニキフォロフは、演技だけではなく、彼の衣装も人々の関心を集めるすばらしい要素のひとつである」  フィギュアスケート雑誌の解説のようなことを言って、勇利はうんうんとうなずいた。 「あっ、これね、これ、ヴィクトルが初めて全部自分でしたやつ。音楽も、振付も、衣装も、自分が主導でやったやつだよ。前から意見は言ってたけど、とうとう彼が……。インタビューでね、最初のころはコーチに心配されたし、いろいろだめなところを指摘されたって言ってた。でも最終的にはこうなったんだよ。最高だよね。ぼくこれ大好きなんだ……」  勇利はうっとりと画面の中のヴィクトルに見入った。 「すごくなじんでるし……ヴィクトルのいいところが最大限に引き出された……って感じ……」  それから勇利はふふっと笑った。 「でもヴィクトルの『いいところ』なんてたくさんあるから困っちゃうね。ぜんぜん印象のちがうプログラムでも、全部ヴィクトルは自分のものにしちゃうから」  勇利は映像を変えながら、「このときはヴィクトルはこうで」「試合前こんなことを言ってて」「このジャンプはなかなか完全にきまらなくて、この試合で初めて文句なしの出来になったんだよ」「いまの! いまの見た!? GOEプラス3! 完璧! 最高!」「この鬼ステップ見てよ。ヴィクトル以外できないよ」「ヴィクトルのスピン! スピンは芸術! 芸術はスピン!」とおしゃべりに夢中になった。マッカチンは熱心に聞いていた。気持ちがどんどん高揚した勇利は、どきどきしながら次のプログラムに移った。 「マッカチン、これね……ぼくがいちばん好きなやつ……、ううん、ヴィクトルのは全部いちばん好きなんだけど、とにかく好きなんだ……見て……」  ヴィクトルが優雅に、高潔に、このうえなくうつくしく舞った。勇利はほとんど泣きそうだった。ヴィクトルのことで頭がいっぱいだった。彼のことしか考えられない。ヴィクトルへのたまらない気持ちが大きくて、言葉も浮かんでこなかった。勇利の目元に涙がにじんだ。 「ヴィクトル……ヴィクトル……」  ヴィクトルが四回転フリップを跳んだ。 「ヴィクトル、大好き! 大好き、好き! ほんとに好き!」  勇利は瞳をうるませながら、高ぶる感情にまかせて叫んだ。 「ヴィクトル大好き! 結婚して!」 「いいよ」 「──は……?」  なんだいまの声……。勇利はぱちりと瞬いた。空耳かな? マッカチンの鳴き声? テレビから聞こえた? でも演技にそんな声が入っているなんておかしいし、すごく近いところから聞こえたような気がする……。  勇利はゆっくりと振り返った。ヴィクトルが勇利のすぐ後ろに立ち、口元に手を当てて画面をみつめていた。 「これいつだっけ? どの大会? フランスだったかなあ」  勇利は頭の中が真っ白になった。なんで? なんでヴィクトルがここに? 仕事は? モスクワは? 動画見てるあいだに二十四時間経っちゃったの?  勇利は黙って立ち上がった。 「いつだったかはおぼえてないけど、氷の具合はおぼえてる。この会場は……、勇利?」  勇利はヴィクトルの腕を引いて方向を変えさせ、扉のほうを向かせた。そして背中をぐいぐい押して部屋から出てもらった。 「なんだ? どうしたんだい?」  勇利は戸を締めた。一度大きく深呼吸し、それから猛烈な勢いで働き始めた。動画を停止させ、ディスクをすべて入れ物に戻し、ポスターもみんな剥がした。もちろん破れたりしないように細心の注意を払ったけれど、とにかくものすごい速さの仕事だった。勇利は綺麗に私物をまとめてしまうと、自分の部屋へそれを片づけた。居間は元通りになり、勇利が熱狂していた形跡などなくなった。マッカチンがソファの上で勇利を見ていた。 「おかえり、ヴィクトル」  勇利は扉を開け、ヴィクトルを迎え入れた。 「疲れた? 仕事大変だったでしょ?」 「まあね。ああ、どうもありがとう」  勇利はヴィクトルからかばんや大きな紙袋を受け取り、居間のソファの上に置いた。 「ごはんは?」 「食べてきた」 「そう。じゃお茶淹れるね」  ヴィクトルがソファでマッカチンとくつろいでいるあいだに、勇利は丁寧に紅茶を淹れた。しずしずと運んでいくと、ヴィクトルが笑顔で礼を述べた。 「帰るの明日じゃなかった?」 「勇利とマッカチンに早く会いたくてね。今日のうちに帰れそうだったからそうした」 「無理したんじゃないの」 「こんなの無理のうちに入らないさ」 「そう」 「おみやげがあるよ」 「ありがとう」 「食べ物もあるけど……勇利はほどほどにね」 「うん」  ふたりはしばらく、静かに紅茶を飲んだ。マッカチンはヴィクトルにぴったりとくっついていた。マッカチンがうれしそうでよかったなと勇利は思った。もちろん、ヴィクトルが帰ってきて勇利もうれしい。 「ところで勇利」 「はい」 「結婚式はいつにする?」  勇利は口にふくんでいた紅茶を噴き出しそうになった。彼は噎せながらカップを置き、ヴィクトルに向かって声を高くした。 「なんで連絡してくれなかったの!?」 「驚かせようと思って」 「確かに驚いたよ! 驚いたけど、ああいうのよくないと思う!」 「俺の動画見ておおはしゃぎしてたから?」 「……言わないで」  勇利は両手でおもてを覆った。恥ずかしくてたまらなかった。頭がおかしいくらいヴィクトルに騒いでいるところを見られた。 「……いつから見てたの?」 「いつからだろう。わりと長いことかな」 「なんですぐ声かけてくれないの!?」 「いや、楽しそうな勇利がかわいくて。俺のこと大好きなんだなあと思って」 「そんなの前から���ってるじゃん! いまさら確認しなくてもいいでしょ!?」 「そうだ。前から知っている。なのになんでいまさらそんなに照れてるんだ?」 「好きだって知られてるのと、好きなのを大々的に態度に出してるところを見られるのとではぜんぜんちがうんだよ……」  うう、と勇利はうめいた。涙が出そうだ。ヴィクトルに見られていたなんて。 「あんなにポスター持ってたんだね」 「言わないで」 「いつごろのなのか、何のポスターなのかおぼえてないのがたくさんあった。あとで見せてくれるかい?」 「やだ」 「そう恥ずかしがらないで。心配しなくても、普段リンクで俺の演技を見てる勇利はあんな感じだよ」 「ぜんぜん安心できないんだけど! それにそういうときはべらべら感想しゃべってないでしょ!?」 「でも目が言ってるからね」  ヴィクトルはくすっと笑った。 「好き好きヴィクトル、愛してる、結婚してって」 「ばか!」 「ポスターは? 剥がしちゃったのかい?」 「ヴィクトル」  勇利は真剣な顔をヴィクトルに近づけた。 「忘れて」 「え?」 「いま見たことを忘れるのです」 「いま見たことって? 勇利がヴィクトル・ニキフォロフにきゃーきゃー言って好き好き騒いでたこと?」 「黙って!」  勇利はヴィクトルと額をごつんとくっつけた。 「なお、この話が終わった三秒後、貴方の記憶は自動的に消滅します」 「自動的に」 「3・2・1……ゼロ」  勇利はヴィクトルから離れた。ふうと息をつき、優雅に紅茶を飲んでいると、ヴィクトルが口をひらいた。 「結婚式の服装はどういうのがいい? 和装? 洋装? 勇利はどちらも似合うだろうね」 「忘れてって言っただろ!?」  勇利はものすごい勢いで振り返って苦情を述べた。ヴィクトルは笑った。 「いくら俺が忘れっぽくても、勇利のことは忘れないよ」 「そういうことじゃなくてさ! ヴィクトルには情けってものがないの!?」 「勇利、さっきのディスクを持っておいで。一緒に見よう」 「拷問なんだけど!!」 「俺が取ってこようか」 「ぼくが行きます!」  勇利は慌てて立ち上がった。ヴィクトルを部屋へ入れたら、きっとポスターまであばかれてひろげられてしまうだろう。冗談ではない。 「……これですけど」 「たくさんあるね」 「言わないでよ…��」 「何が恥ずかしい? 勇利は俺のことが好きだろ? それがいけないことなのか?」 「いけないことじゃないけど、とにかく恥ずかしいんだよ」 「勇利の愛は崇高だ。堂々としていればいい」 「好きな相手にそんなふうになぐさめられるなんて思いもしなかったよ」  勇利には過酷なことだった。あんなことがあったのに、ヴィクトルと一緒にヴィクトルの動画を見るというのは、かなりの責め苦だ。正直なところ、逃げ出したかった。とはいえ、映像が始まればヴィクトルに夢中になってしまうこともまた事実で……。 「ヴィクトル、いまの見た?」 「ああ、見たよ」 「すごいよね」 「あれはちょっとばかり練習したよ」 「ちょっとばかり!? ちょっとでできるの!?」  勇利は動画に熱中し、きらきらと輝く瞳でヴィクトルをみつめた。ヴィクトルは笑いながら勇利の髪に頬を寄せ、かるくくちづけた。 「あっ、いまの! いまのすごい! あれ、できる?」 「できるよ」 「すごい! すごいすごい!」 「勇利はこのプログラムのどんなところが好き?」 「え……、かっこいいし……優美だし……なんかもうすごくて……」 「勇利、きみは技術的にも芸術的にもこの演技を解説できるはずだよ。やってごらん」 「えー、無理! そんなのできない!」  勇利は頬に両手を当て、いやいやとかぶりを振った。 「前に自分の動画を見たとき、これにはこういうところが不足していて、こういう練習をしてここを補えばよくなる、そう思ったからやってみた、と教えてくれたじゃないか」 「ヴィクトルの演技は無理だよ! そんなふうに冷静に見られないよ!」 「興奮しちゃう?」 「興奮しちゃう!」  勇利は画面の中のヴィクトルに見入った。ジャンプやスピン、ステップはもちろん、ヴィクトルの視線、ヴィクトルの指先、ヴィクトルの表情、衣装がなびく様子にさえも感じ入った。勇利は熱心にヴィクトルに話しかけた。 「ね、ヴィクトル、かっこいいでしょ? ヴィクトルかっこいいでしょ?」  ヴィクトルはくすっと笑うと、「ああ、かっこいいよ」とうなずいた。 「やっぱりヴィクトルもそう思う? どのあたりがかっこいいと思う?」 「だいたいにおいて他人に興味のない勇利をここまでめろめろにするなんて、かっこよくないわけがない」 「あっ、いま、着氷乱れた? なんで乱れたの?」 「俺だってたまにはそういうこともある」 「うそだ、ヴィクトルにはそんなことないよ。もう完璧なリビングレジェンドだもん」 「この演技、まだそう呼ばれてないころのやつじゃないか」 「じゃあもう乱れない?」  勇利は真剣にヴィクトルをみつめた。 「これからあとの演技は完璧?」  ヴィクトルは笑い出し、勇利の肩を引き寄せて髪にキスした。 「ああ、完璧だよ」 「やったー」  勇利は無邪気に喜んだ。 「さすがヴィクトル……」 「こんなに熱狂的なファンの期待は裏切れないからね」 「あっ、いまの振り好き! 好き!」 「そうかい?」 「うん。いまのとこかっこいい! もう一回見ていい?」 「いいよ」 「あっ、ほらかっこいい……。ね?」 「そうだね」 「すごい……。ヴィクトル、この演技解説して。悪いところないよね。もう全部最高」 「そうかな。そんなに速さが出てないし、乗りきれてないよ。ステップも途中で転びそうになってたね。上手くごまかしたけど。プログラムがまだなじんでないのか、いかにも慣れない感じだし、調子が悪いせいかジャンプが重そうだ。いまのジャンプも着氷がちょっと詰まってるね」  勇利はむっとしてヴィクトルをにらんだ。 「そんなことないよ。すごい演技だよ。だって金メダルだよ」 「ああ、金メダルだよ。でもそんなのは関係ない。演技として、こんなんじゃだめだね」 「…………」  勇利は隣にいるヴィクトルをうっとりとみつめた。ヴィクトルが「どうしたんだい?」とほほえんだ。 「ヴィクトル……かっこいい……」  ヴィクトルが笑った。 「自分に厳しいんだね……。さすがヴィクトル・ニキフォロフ……。そうやって研鑽を積んでいくんだ……」  ヴィクトルは笑いで肩を揺らしながら勇利を抱き寄せ、頭をこつんとくっつけてささやいた。 「まったく、勇利のヴィクトル熱にはまいるよ」 「だって──」  勇利はヴィクトルがどれほどかっこうよいか、どれだけ鋭い目を持っているか、どれくらい努力しているかを熱烈に語ろうとしてはっと我に返った。そんなことを教えられるまでもなく、ヴィクトルはヴィクトルのスケートに対する情熱を知っているのだった。  やっちゃった……。  勇利は赤くなった。ヴィクトルの前でヴィクトルヴィクトルと騒ぐのがあんなに恥ずかしかったのに、またやってしまった。 「あ、あの……」  勇利はおずおずと切り出した。 「なんだい?」 「もうそろそろ、寝ない……?」 「そうだね」  ヴィクトルはおもしろがって提案した。 「大好きなヴィクトル・ニキフォロフと一緒に寝るっていうのは、どうかな?」 「け、けっこうです!」 「ただいま」  勇利は練習を終えてひとりで帰宅した。ヴィクトルは今日は休みだ。マッカチンが奥から駆けてきて、おかえりというようにひと声吠えた。 「ただいま、マッカチン。ヴィクトルは?」  勇利はマッカチンに話しかけながら居間のほうへ歩いていった。扉の向こうから音楽が聞こえた。何か聴いているのだろうか。いや、これはテレビの音だろうか? 勇利は戸を開けようとしてはっとした。知っている曲だった。勇利の過去のプログラム使用曲だ。 「ああ、勇利、綺麗だ、うつくしいよ!」  ヴィクトルの声がした。まさかと思った。まさか。まさか。こんなことが……。 「すてきだ。いいね、いまのアクセル! その入り方で軽々跳べるんだね。さすがは俺の勇利だ」  勇利は勢いよく扉を開けた。顔がまっかになっていた。思った通り、ヴィクトルはあの大画面のテレビで、勇利の演技を鑑賞していた。 「いまの振り向き方! ぞくぞくするね。なんて目つきなんだ。冷静で、挑戦的だ……」  さすがにポスターは貼っていなかった。勇利はほっとしたけれど、それでもじゅうぶんに気恥ずかしいことだった。やめて欲しい。 「勇利! 勇利、いいよ……きみは最高だ!」 「ヴィクトル!」  勇利はなかば怒りながらヴィクトルに近づいていった。 「何やってるんだよ!」 「ああ、おかえり、勇利」  ヴィクトルはにっこり笑って振り返った。いかにもいま気がついたというようなそぶりだが、絶対にわかっていたにきまっている。 「勇利の過去の映像を見てるんだ。一緒に見ないか?」 「見ません!」 「そう言わずに。綺麗だよ」  ヴィクトルは勇利を無理やり隣に座らせた。勇利としては断固として拒絶したいところだったけれど、ヴィクトルにしっかりと肩を抱かれたので逃れることができなかった。 「ほら、見てごらん」  ヴィクトルが上機嫌で画面を指さした。 「これはいくつのとき? かわいいね。いまもかわいいけどね。でもいまより幼いね。いや、だけどどうだろう。勇利はいつもかわいらしいからわからないね。変わらないかな?」 「これは十九のときだよ。変わってるにきまってる」 「ワオ、そんなに前? 確かにいまより顔つきは子どもっぽいね。でも綺麗だよ。十九のみずみずしさがある。十九歳の勝生勇利か。なんだかどきっとする響きだね」 「意味がわからないんだけど」 「いまは二十四歳だね。二十四歳の勝生勇利……。ぞくぞくするね」 「結局何歳でもいいんじゃないか」 「そうだよ。俺は勇利ならいくつでもたまらない魅力を感じるんだ」 「ヴィクトル、酔ってるの?」 「ほら、いまのところ。いいね。清麗だね。すばらしいよ」  何がすばらしいのか勇利にはさっぱりわからなかった。反論しか思い浮かばない。 「そうかな。未熟だよ。おそるおそるって感じ。もっと思いきりよく行かなきゃ」 「そうかもしれないが、その初々しさがいいんだ」 「そう? 恥ずかしいよ。もっと、こう……」 「清廉潔白って感じだね。素直な、綺麗な演技だよ。勇利の魂が澄んでいるからだろうね」 「ちょっと……」  そういう褒め方をされるとそわそわする。もっと技術的な話をして欲しい。 「なんていうか、たたずまいが可憐だ。でも、凛々しいね。このぴんと張り詰めた空気。これが勇利のうつくしさにつながるんだろうね」 「あの、ヴィクトル、やめてください……」 「背筋が伸びて凛としてる。負けてたまるかっていう目つきだね。こういうの、大好きだよ。静かな決意がうかがえる」 「黙って見てられないの?」 「綺麗だよ、勇利。綺麗だ……」 「やめて……」 「うつくしい」  ヴィクトルはそのあとも、「この水際立った物腰」「鋭い集中力」「慎ましやかなしぐさ」と勇利のことを褒めちぎった。勇利は気恥ずかしくて聞いていられなかった。 「ああ、勇利、綺麗だ。本当に綺麗だ。うつくしい。勇利が好きだ。大好きだ!」 「ヴィ、ヴィクトル……」 「どうしようもなく好きだよ。おまえがいとおしいよ。勇利」  勇利は両手でおもてを覆った。 「好きだ。たまらなく好きだ。勇利、大好きだ。結婚してくれ!」  勇利ははっとして目をみひらいた。ゆっくりと瞬き、手を顔から外し、おずおずとヴィクトルを見た。ヴィクトルは優しく笑って勇利をみつめていた。彼の青い瞳がきらめいた。勇利は口をひらいた。 「……はい」 「……この動画、どこで手に入れたの?」  くちびるが離れると、勇利はうすくまぶたを開けて尋ねた。ヴィクトルは勇利の目元にキスしてから楽しそうに答えた。 「ミナコがくれたよ。彼女は勇利の秘蔵映像をたくさん持っている。今度ポスターももらおうかな」 「絶対だめ」 「勇利は俺のを何枚持ってる?」  勇利はヴィクトルにもたれかかり、彼をおおげさににらみつけて尋ねてやった。 「結婚式はいつにするの?」  ヴィクトルは笑い出した。 「好きな相手の映像を見て、ああして声を上げてはしゃぐというのはなかなかいいものだね。気に入ったよ。勇利の気持ちがわかった」 「そう」  勇利はつんとそっぽを向いた。 「ヴィクトルの動画を見るのは楽しいけど、ぼくの映像を見て楽しむヴィクトルの気持ちは、ぼくにはさっぱりわからないよ」  ヴィクトルは目をまるくし、それから、たまらないというように勇利を抱きしめた。 「勇利、おまえって子は!」
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shintani22 · 3 years
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2022年3月7日
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河井元法相の選挙買収事件、広島の地元議員ら34人を一転起訴へ(朝日新聞デジタル)
参院選買収「起訴相当」34人の事件 広島地検に移送 起訴へ(NHKニュース)
河井克行元法務大臣の実刑判決が確定した3年前の参議院選挙をめぐる大規模買収事件で、東京地検特捜部は、検察審査会から「起訴相当」と議決された広島の地方議員らのうち、体調不良の1人を除く34人の事件について、広島地方検察庁に移送したことが、関係者への取材で分かりました。
広島地検は今後、34人を起訴するものとみられます。
河井克行元法務大臣の実刑判決が確定した3年前の参議院選挙をめぐる大規模買収事件ではことし1月、東京の検察審査会が、裁判で現金を受け取ったと認定されたものの、不起訴となった広島の地方議員ら100人のうち、35人を「起訴相当」、46人を「不起訴不当」と議決したと公表しました。
これを受けて東京地検特捜部が、「起訴相当」とされた地方議員ら35人のうち、体調不良の1人を除く34人の事件を、7日までに広島地方検察庁に移送したことが関係者への取材で分かりました。
これにより、広島地検が事件を担当することになり、今後、大半を略式起訴し、買収の趣旨を否定している一部の議員らについては、広島地裁に正式に起訴するものとみられます。
一方、特捜部は、「不起訴不当」とされた46人は改めて不起訴にするとみられ、その場合、検察審査会の2回目の審査は行われず、捜査は終わることになります。
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原発攻撃「世界の脅威」 空��阻止へ「日本も声を」―チェルノブイリ博物館の副館長(時事通信)
ウクライナの首都キエフにある国立チェルノブイリ博物館の副館長アンナ・コロレフスカさん(63)が6日、時事通信のオンライン取材に応じた。ロシア軍の原発制圧を非難した上で「原発が攻撃されれば、全世界の脅威となる」と警鐘を鳴らした。
コロレフスカさんは「(原発事故を経験した)日本人は誰よりもこの意味を理解している」と強調。地上からの攻撃に加えて空爆も阻止するため、ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定が必要だとし、日本も国際社会で声を上げるよう訴えた。
1986年のチェルノブイリ原発事故の記憶を伝える博物館は、92年の開館から今年で30年を迎える。2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以降、日本との交流事業にも力を入れてきた。
家族とキエフにとどまっているというコロレフスカさんは、最近も「家から400メートル離れた場所でミサイルが爆発した」と明かす。「(ロシア軍は)銃弾や砲弾を民間人に撃ち込んでいる。子連れで道を歩く母親たちを守らねばならない」。北大西洋条約機構(NATO)はロシアとの衝突を恐れて飛行禁止区域の設定に否定的だが、「ウクライナ上空を封鎖しなければならない。子供の頭上に爆弾が落ちないことが必要だ」と話す。
ロシア軍が南東部のザポロジエ原発を攻撃して占拠したことに関しては、「テロリスト(ロシア軍)に制圧された」と述べ、核による大惨事に発展しかねないと危機感をあらわにした。
「光は闇に勝つ」と信じ、ウクライナ軍や、丸腰で戦車の前進を阻んでいるとされる住民に信頼を寄せるコロレフスカさん。子供を含む多くの命が失われていることに「涙を流している」とも吐露した。
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ロシア軍、ウクライナ首都近郊で市民の脱出ルート砲撃 避難する家族が犠牲に(BBC News Japan)
ウクライナの首都キーウ(キエフ)から北西約20キロに位置するイルピンの町では、ロシア軍の空爆と砲撃によって多くの住宅やインフラが破壊された。砲撃のあった路上では、避難しようとしていた家族3人と同行していた知人男性が死亡した。
少なくとも集合住宅1棟が攻撃のためほぼ全壊したほか、避難しようとする家族連れの一般市民も攻撃された。
多くの市民はイルピンから脱出しようと、ロシア軍の侵入阻止のためウクライナ軍が破壊した橋を渡っていた。その周辺で、ロシア軍の砲撃が続いた。避難中の母親と子ども2人の少なくとも3人が、橋から続く道路で即死した。現場で取材していた米紙ニューヨーク・タイムズによると、避難を助けて同行していた家族の知人男性も、後に亡くなった(注:リンク先のニューヨーク・タイムズ記事では、亡くなった方々をはっきり写した写真が掲載されています)。
首都キーウに侵攻しようとするロシア軍はここ1週間近く、イルピンを徹底的に攻撃している。
BBCのジェレミー・ボウエン記者が、現地イルピンから報告する。
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ウクライナ難民、150万人超に 国連(AFPBB)
【3月7日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は6日、ロシアの侵攻に伴うウクライナから近隣諸国への難民が150万人を超えたと明らかにした。
UNHCRの統計によれば、グリニッジ標準時(GMT)6日午後1時35分(日本時間同10時35分)時点で難民は153万4792人となった。いずれ400万人に達する可能性もあるという。
フィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官はツイッター(Twitter)に、難民の増加ペースについて「第2次世界大戦(World War II)以降の欧州で最速」と投稿した。
UNHCRによると、ポーランドへの難民はこれまでに累計88万5303人、ハンガリーは16万9053人、スロバキア11万3967人前後、モルドバ8万4067人前後、ルーマニア7万1640人となっている。その他の欧州諸国が15万7056人。ロシアへも約5万3000人が逃れた。
ロシアに渡航中止勧告、在留邦人の安全確保に万全期す=官房長官(ロイター)
[東京 7日 ロイター] - 松野博一官房長官は7日午前の会見で、外務省がロシアの危険情報を渡航中止勧告に引き上げたことに関連して、現地に在留する日本人の安全確保に万全を期すと述べた。ロシアには3月6日時点で約2400人の在留邦人が登録されているという。
外務省は7日、ロシア全土の危険情報を渡航中止勧告(レベル3)に引き上げたと発表した。ロシアへの渡航を目的を問わず止めるよう呼び掛けるとともに、今後出国手段がより制限されることを念頭に商用便による出国を検討するよう求めた。
松野官房長官は、希望する日本人が帰国できるよう政府としてしっかり対応すると説明。新型コロナウイルスの水際対策として実施している入国制限とは基本的に別枠とする考えを示した。
原油市場では、米WTI先物が一時1バレル=130ドル台に上昇し、2008年7月以来13年8カ月ぶりの高値を付けた。松野官房長官は、原油価格は上昇傾向が続いており、企業活動や暮らしへの影響が懸念されると指摘。政府として国際社会と協調し備蓄している石油を速やかに放出するとともに、産油国に対する増産の働きかけを継続していくと語った。
株価 一時900円以上値下がり 終値2万5221円 ことしの最安値(NHKニュース)
週明けの7日の東京株式市場は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり、原油の供給不足への警戒感から世界経済の先行きへの懸念が広がり、日経平均株価は一時、900円以上値下がりして、ことしの最安値を更新しました。
週明けの7日の東京株式市場は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり、アメリカが同盟国と協調して、ロシアからの原油の輸入禁止を検討していることが明らかになり、供給不足への警戒感から原油価格が急激に上昇したことに加え、ウクライナの住民を避難させる試みが実現せず、停戦に向けた事態打開のめどが立たない中、投資家の間に世界経済の先行きへの懸念が広がりました。
このため、リスクを避けようと売り注文が広がって、ほぼ全面安の展開となり、日経平均株価は一時、900円以上値下がりしました。
日経平均株価、7日の終値は、先週末より764円6銭安い2万5221円41銭と、終値として、ことしの最安値を更新し、およそ1年4か月ぶりの低い水準となりました。
また、東証株価指数=トピックスは50.91下がって1794.03。
1日の出来高は17億5053万株でした。
市場関係者は「午後に日銀が、ETF=上場投資信託の買い入れを行うのではないかとの観測が広がり、買い戻しの動きも出たが、ウクライナ情勢の緊迫化が続く中で、下げ幅の縮小は限定的だった。投資家の間では、原油価格の上昇で企業の業績が圧迫されることへの懸念が広がっている」と話しています。
ルーブルが過去最安値更新(ロイター)
[ロンドン 7日 ロイター] - 7日の取引でロシアの通貨ルーブルが過去最安値を更新した。国内市場は少なくとも9日まで休場で、オフショアでの取引は薄い。
リフィニティブのデータによると、ルーブルは1ドル=130.9338ルーブルまで下落。4日終値は121.037ルーブルだった。EBSでは1ドル=140.00ルーブルまで下げた。
ビッドとオファーのスプレッドは0.10─0.15ドルで、流動性の低さを示している。
モスクワ取引所は9日まで休場の予定。
ルーブルは年初から対ドルで40%超下落。2月24日のウクライナ侵攻以降に下げが加速している。侵攻後の西側諸国による制裁でロシアは国際金融市場から孤立した状態にある。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの為替部門シニアポートフォリオマネジャー、アーロン・ハード氏は、「制裁の後、ルーブルの取引は非常に困難になった。流動性は消え、市場は非常に振れやすくなっている」と述べた。
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ロシアの戦争犯罪、「信頼できる」報告書確認 米国務長官(AFPBB)
【3月7日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は6日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、民間人を標的にした攻撃などロシア側が戦争犯罪を実行していることを示す「信頼度の高い報告書」を確認したと明らかにした。
ブリンケン氏は、訪問中のモルドバから米CNNのトーク番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン(State of the Union)」に出演。「(ロシア軍が)民間人を意図的に攻撃していることを示す信頼度の高い報告書を確認した。戦争犯罪に該当するものだ」と述べた。
ロシア軍はウクライナの複数の都市に攻撃を加えている。ウクライナや西側諸国は、学校や病院、住宅も標的になっているとしている。
3日には、欧州最大のザポロジエ(Zaporizhzhia)原子力発電所が攻撃された。米国務省は被害状況については検証中としながら、民間人や原発などの民間施設を意図的に標的にするのは「戦争犯罪」に当たるとの見解を示している。
一方、ブリンケン氏は同日、米NBCのトーク番組「ミート・ザ・プレス(Meet the Press)」で、ロシアへの追加経済制裁として、同国産原油の輸入禁止に向け欧州各国と「活発な協議」を行っていると語った。ただ、禁輸の発動に言及するには至らなかった。
これに対し、ウクライナのドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は「ロシア産の原油や天然ガスはウクライナ人の血のにおいがする」と述べ、禁輸に向けた議論を進めるよう訴えた。
米コンサルタント会社、リポウ・オイル・アソシエーツ(Lipow Oil Associates)によると、米国の原油・石油製品の輸入に占めるロシア産の割合は8%にとどまっている。
米政府 ロシア軍の95%がウクライナ国内に侵入(TBS NEWS)
アメリカ政府は、ウクライナ周辺に集結しているロシア軍のおよそ95%がウクライナ国内に侵入したとの分析を明らかにしました。
これはウクライナの首都キエフ近郊イルピンで撮影された映像です。ロシア軍によるロケット攻撃が行われたものとみられます。
イルピンでは6日、ロシア軍による砲撃が続き、多くの住民が避難しましたが、AP通信によりますと、子供を含む8人が死亡したということです。
アメリカ国防総省の高官は6日、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を始めてからおよそ600発のミサイルを発射したと指摘しました。さらに、ウクライナ周辺に集結しているロシア軍のおよそ95%がウクライナ国内に侵入したとの分析を明らかにしています。
一方で、ロシア軍は首都キエフや第2の都市・ハリコフへの進軍や孤立化を試みているものの、「ウクライナ軍の強い応戦」を受けていると強調しました。(07日10:37)
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「ツイッターも戦争努力の一つ」 ウクライナ防衛を支える31歳のデジタル相(BBC News Japan)
ウクライナではロシア軍の侵攻を受けて、軍も市民も戦っている。そしてウクライナは、新しい前線を開いた。テクノロジーの専門能力を活用してシリコンバレーの支援を集め、敵を揺るがそうという作戦だ。先頭に立��のは31歳のデジタル相、ミハイロ・フェドロフ氏。しかし、フェドロフ氏の戦術には、賛否両論の声が出ている。
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ロシア、市街戦経験豊富なシリア兵募集 米紙(AFPBB)
【3月7日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、米当局者4人の話として、ロシアがウクライナの首都キエフ攻撃のため市街戦の経験のあるシリア人兵士を募集していると報じた。
シリアでは、市街戦を中心とした泥沼の内戦が10年以上続いている。ロシアは2015年、内戦に介入。バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援している。
ある米当局者はWSJに、複数のシリア人戦闘員がすでにロシア入りし、ウクライナ侵攻に加わる準備を進めていると語った。ロシア軍に加わった人数など、それ以上の詳細は不明だという。
ロシアによるウクライナ侵攻では、双方に外国人戦闘員が参加している。
ロシア南部チェチェン共和国の強権的指導者ラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長は、ウクライナ侵攻に参加するチェチェン人兵士の動画を公開した。死者も出ているという。
また、ウクライナのドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は、約2万人の外国人義勇兵がウクライナ軍に加わったとしている。
プーチン氏「原発攻撃はウクライナ側の挑発」仏ロ電話会談(TBS NEWS)
ロシアのプーチン大統領は、フランスのマクロン大統領と電話会談を行い、攻撃を受けたウクライナの原発について「ウクライナ側の挑発行為だ」と主張しました。
プーチン氏は6日、マクロン氏との電話会談で、攻撃を受けたザポロジエ原発について「ウクライナ側の過激派による挑発行為だ」と主張しました。
一方のマクロン氏はIAEA=国際原子力機関のルールに則り、核施設の安全性の確保が必須で、「攻撃は絶対に控えなければいけない」と強調。ウクライナの規制当局の下で安全確保が行われることの重要性を主張しました。
こうした中、ウクライナの治安当局は6日、東部ハリコフにある物理技術研究所がロシア軍から砲撃を受けたと発表しました。現地メディアによりますと、物理技術研究所には研究用の原子力施設などがあるということです。
一方、ロシア各地ではウクライナ侵攻に反対するデモが連日行われていて、ロシアの人権団体によりますと6日、デモに参加したおよそ4800人が拘束されました。
またロシアによる侵攻開始から10日間で、合わせて1万3000人あまりが拘束されているということです。
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日本や米欧「非友好国」指定 ルーブルによる債務返済可能に(共同通信)
タス通信によると、ロシア政府は7日、ロシアのウクライナ侵攻に関連して対ロ制裁に踏み切った国・地域を「非友好国」に指定し、リストを公表した。欧米などの制裁に同調した日本も含まれた。
「非友好国」とされたのは米国、英国、欧州連合(EU)加盟国のほかカナダ、オーストラリア、シンガポール、台湾など。
非友好国の指定は大統領令に基づく。指定された国・地域の企業などから投資を受ける事業の契約締結にはロシア政府側の許可が必要になるほか、政府や自治体、企業を含むロシアの債務者は、指定された国・地域の債権者に対してはロシアの通貨ルーブルによる債務返済が可能になる。
岸田首相、北方領土「固有の領土」 追加制裁にも言及 参院予算委(毎日新聞)
岸田文雄首相は7日の参院予算委員会で、北方領土を日本の「固有の領土」と表現した。当時の安倍晋三首相が2018年11月の日露首脳会談で平和条約交渉の加速を合意して以降、ロシア側の反発に配慮し極力控えてきた表現だが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて元の表現に戻した。
立憲民主党の小西洋之氏は安倍政権以降、北方領土を「主権を有する領土」と表現してきたと指摘し、表現の変更を求めた。首相は「外交的には『主権を有する領土』という表現を使っていた」と説明し、「『固有の領土』『主権を有する領土』はともに我が国の対応だ」と述べた。
首相はまた、ロシアへの対応を巡り「さまざまな制裁の可能性はまだある」とさらなる追加制裁の可能性に言及。「状況の変化を見ながら効果的な制裁措置を国際社会と意思疎通を図りながら発動していくことが重要だ」と述べた。日本維新の会の片山大介氏への答弁。
首相はガソリン税の一部を引き下げる「トリガー条項」の凍結解除を巡り、小西氏から国民民主党の玉木雄一郎代表との間で約束があるのか問われ「今後さらに(燃油)価格が高騰した場合には今の対策の効果を見極め、何が効果的なのか検討した上で、あらゆる選択肢を排除せず検討する。約束しているのはそれに尽きている」と述べた。【田中裕之】
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【本日 (3/7)の広島県内の感染状況】(広島県)
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本日、まん延防止等重点措置が解除されました。皆さま、2ヶ月間本当にありがとうございました。
感染を再拡大させないためにも、お一人お一人が「感染しない」「拡げない」行動を継続することが重要です。引き続き、感染対策へのご協力をお願いします。
広島県が重点措置解除、「安堵と不安が半々」 感染なお高水準(朝日新聞デジタル 3月8日)
広島県内に適用されていた新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が6日で解除された。飲食店などが約2カ月ぶりに通常営業を開始した7日、店や街の人たちからは歓迎と不安の声が聞かれた。感染者数は依然として高い水準だが、県は独自の目安に基づき解除を判断した。
広島市中区の本通商店街は7日、買い物客らでにぎわっていた。商店街の名産品店で働く50代女性は「昨日に比べて、今日は買い物客が多い。やっと解除されて、これから売り上げも期待できる」と喜ぶ。
広島市安芸区の女子高校生(17)は重点措置の期間、親から友人宅に遊びに行くのを止められていたという。「また友達と遊べるのが楽しみ。春休みは県外に家族で旅行も行きたい」。一方、広島市内に住む60代の男性は「解除されたが、不安はある。感染者はまだ多い。これからも外出せず、家でご飯を食べる」と話した。
午後5時過ぎ、広島市中区の繁華街・流川では、夜の営業に向けて飲食店に食材や酒を運ぶ車が行き交っていた。
居酒屋「貝や 廉」は6日まで休業し、7日から営業を再開した。店長の原田聖士さん(42)は「やっと仕事を始められてうれしい」と歓迎する。ただ、「お客が入るか心配。安堵(あんど)と不安が半々です」とも語った。これまでも県の営業時間短縮や休業の要請に応じてきたが、「再開直後はお客が入るのかが毎回心配です」。
原田さんは「感染者が多いと、流川の人出は少なくなる。感染者数が減ったから解除になったと思うが、このタイミングが正しかったかどうかは、客が戻るかによるかな」と話した。
「中華料理 龍王」の店主、中尾美智代さん(52)は「解除されたからといって、まだ街に出る雰囲気でないのでは。すぐには戻らんでしょう」と言った。
店はこれまで午後9時までに営業時間を短縮してきたが、7日からは深夜3時までに戻す。ただ、重点措置の期間中は、周囲で通常営業を続けていた店に客が流れていたことが気になったという。中尾さんは「認証店だからといって得したことはほとんどなかった。まじめにやってきたのが馬鹿みたい」と不満を漏らした。(松尾葉奈、宮城奈々)
新規感染 なお高水準
感染者数は昨年の第4波や第5波のピーク時に比べても、まだ高い水準にあるが、2カ月近くに及んだ「まん延防止等重点措置」は6日で解除された。県が解除の目安を、直近1週間の10万人あたりの新規感染者数「100~150人」と決め、近く達すると見込んだためだ。これまでの目安だった「15人」より大幅に高い水準での解除となった。
昨年6月の緊急事態宣言の解除時は10万人あたりの新規感染者数が、5・51人。続く昨年9月の緊急事態宣言の解除時は、8・4人だった。
県によると、これまで解除の根拠としていた国の目安では、重点措置の解除は直近1週間の10万人あたりの新規感染者数が15人以下。緊急事態宣言であれば25人以下だった。しかし、県は今回、コロナ患者の診療と一般医療の両立ができる程度の感染者数まで抑え込めたと判断した。
現在も県独自の解除の目安をわずかに上回っているが、県の担当者は「経済との両立もにらみ、早めに解除の判断をした」と説明する。県は13日までは同じテーブルでの会食を4人以内にするよう求めるなど、重点措置の解除後も感染対策の徹底を呼びかけている。
県医師会で新型コロナウイルス対応を担当する西野繁樹常任理事は、「外出の門戸が開かれるが、対策が不要になったわけではない。少人数での食事は結構だが、宴会をできる状況ではない」と話した。(比嘉展玖)
13県のまん延防止解除 時短営業、人数制限が終了(時事通信)
新潟、長野、福島など13県に適用されていた新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置が7日、解除された。飲食店の営業時間短縮やイベントの人数制限が終了。学校の部活動の自粛なども多くの地域で緩和される。
解除はほかに、三重、和歌山、岡山、広島、高知、福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の各県。新規感染者数が減少し、医療への負荷をコントロールできると判断した。重点措置の適用は1月9日以降、36都道府県に上ったが、これにより半数の18県で終了したことになる。
【国内感染】新型コロナ 120人死亡 3万7083人感染 (7日18:00)(NHKニュース)
北海道 新型コロナ 6人死亡 新たに1106人感染確認(NHKニュース)
青森県 新型コロナ 新たに277人感染確認(NHKニュース)
栃木県 新型コロナ 2人死亡 新たに312人感染確認(NHKニュース)
茨城県 新型コロナ 5人死亡 新たに1139人感染確認(NHKニュース)
千葉県 新型コロナ 14人死亡 新たに2406人感染確認(NHKニュース)
埼玉県 新型コロナ 2人死亡 新たに3536人感染確認(NHKニュース)
【速報 JUST IN 】東京都 新型コロナ 5374人感染確認 前週月曜日より4000人余減(NHKニュース)
神奈川県 新型コロナ 11人死亡 新たに5622人感染確認(NHKニュース)
静岡県 新型コロナ 1人死亡 新たに629人感染確認(NHKニュース)
石川県 新型コロナ 1人死亡 新たに290人感染確認(NHKニュース)
愛知県 新型コロナ 10人死亡 新たに2198人感染確認(NHKニュース)
岐阜県 新型コロナ 1人死亡 新たに363人感染確認(NHKニュース)
京都府 新型コロナ 8人死亡 新たに761人感染確認(NHKニュース)
大阪府 新型コロナ 9人死亡 新たに2037人感染確認(NHKニュース)
兵庫県 新型コロナ 6人死亡 新たに1362人感染確認(NHKニュース)
香川県 新型コロナ 3人死亡 新たに179人感染確認(NHKニュース)
熊本県 新型コロナ 1人死亡 新たに419人感染確認(NHKニュース)
新型コロナ 世界の死者数600万人超 WHO「感染対策の徹底を」(NHKニュース)
新型コロナウイルスで亡くなった人が世界全体で600万人を超えました。
WHO=世界保健機関は「入院や死亡の割合が高い国はまだ多くある」として、追加のワクチン接種や感染対策の徹底を重ねて呼びかけています。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染による死者数は、日本時間の7日午後7時の時点で世界全体で600万97人と600万人を超えました。
死者が最も多いのはアメリカで95万8621人、次いでブラジルが65万2438人、インドが51万5102人、ロシアが34万9850人、メキシコが31万9859人などとなっています。
世界全体の死者数は100万人を超えるまでが250日だったのに対し、そこから200万人を超えるまでが108日、300万人を超えるまでが93日、400万人を超えるまでが82日と、間隔が次第に短くなっていました。
しかしその後は、500万人を超えるまでが116日、そして今回、600万人を超えるまでが126日となり、ペースが遅くなってきています。
WHOのテドロス事務局長は2日の記者会見で「死者数が世界的にそしてほとんどの地域で減少してきているのは心強いが、入院や死亡の割合が高くワクチンの接種率が低い国はまだ多くある」として追加のワクチン接種や感染対策の徹底を重ねて呼びかけています。
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harvardwang · 4 years
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三浦春馬
維基百科介紹:
三浦春馬(日語:三浦 春馬/みうら はるま Miura Haruma,1990年4月5日-2020年7月18日)[1],日本男演員,茨城縣土浦市人,所屬經紀公司為Amuse。
快速預覽: 三浦春馬, 男演員 ...
三浦春馬
2019年8月29日台灣舉辦首場海外見面會
男演員羅馬拼音Miura Haruma國籍 日本出生1990年4月5日
 日本茨城縣土浦市逝世2020年7月18日(30歲)
 日本東京都港區職業演員語言日語、華語、英語教育程度堀越高等學校出道作品1997年 《亞久里》代表作品2007年 《戀空》
2008年 《極道鮮師》
2008年 《血色星期一》
2010年 《只想告訴你》
2013年 《最後的灰姑娘》
2015年 《進擊的巨人》系列活躍年代1997年-2020年經紀公司Amuse網站三浦春馬官方網站網路電影資料庫(IMDb)資訊
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生平
1990年4月5日出生於日本茨城縣土浦市,就讀於土浦市立真鍋小學、土浦市立第二中學,堀越高中,在培養藝人的學校Actors Studio築波分校學習歌舞和表演,是該分校受關注的畢業生。
在校期間,三浦春馬和松永一哉、鈴木和也組成少年偶像組合「Brash Brats」。但由於另兩位成員和他的人氣差距實在太大,三浦春馬不久後便開始單飛。
1996年,出演電視劇《人間の十字架・飛騨高山、刑事の妻の秘密旅行が連続殺人を呼ぶ》演出,飾演「町野公」(子供時代)。
1997年,三浦春馬出演講述女髮型師一生的NHK連續劇《亞久里》而出道,飾演「正太郎」。
1999年1月,出演電視劇《十津川警部シリーズ(寢台急行銀河殺人事件)》演出,飾演「新見慎一郎」;同年出演電影《尼羅河》演出,飾演「西山海」;同年,出演電影金融腐蝕列島演出,飾演「北野浩」。11月,出演電視劇《女探偵・朝岡彩子》演出,飾演「和久井一太郎」。
2000年5月,出演電視劇《雨に眠れ(SP)》演出,飾演「中原圭太」。10月,出演電視劇《真夏的聖誕節》演出,飾演「樹下涼」(少年時代)。
2001年1月,出演電視劇《藤沢周平の人情しぐれ町(第3・11話)》演出,飾演「長太」。10月出演電視劇《監察醫 室生亜季子・30震える顏》演出,飾演「水谷光太」。12月,出演電影《千年之戀之源氏物語》演出,飾演「頭の中將」少年時代。
2002年6月,出演電影《森林學校》演出,飾演「河合雅雄」 (子役)。6月,出演電視劇《はぐれ刑事純情派》演出,飾演「菊池充」。8月,出演電視劇《明智小五郎対怪人二十面相》演出,飾演「相川泰」。
2003年,出演電視劇《武藏MUSASHI》演出,飾演「城太郎」;同年,出演電視劇《夢みる葡萄~本を読む女~》演出,飾演「田部末吉」(少年時代)。8月,出演電視劇《はぐれ刑事純情派》演出,飾演「松山利夫」。
2004年,加入AMUSE事務所。2005年,三浦春馬憑借《Fight》打開知名度。3月,出演電視劇《青空戀星》演出,飾演「石川啓太」。7月,出演電視劇《現在,很想見你》演出,飾演「工藤明宏」(初中時代的長跑健將)。
2006年1月,出演電視劇《Unfair》演出,飾演「ユタカ」。4月,首次主演電影《那年夏天的第一次》。9月,參與電影《秋葉原@DEEP》,飾演「イズム」。5月,出演電影《犯罪少年》演出,飾演「木原志朗」。10月,於日本電視台電視劇《14歲的媽媽》,飾演令14歲女初中生懷孕的男生「桐野智志」。12月,出演電視劇《功名十字路》演出,飾演「湘南宗化」。
2007年,三浦春馬在大銀幕上大放異彩的代表作是與新垣結衣主演的《戀空》,票房大收三十億日元,三浦春馬也憑藉此片獲得日本電影學院獎最佳新人獎,一躍成為了日本影壇受關注的新生代男星,三浦春馬還為電影《戀空》的攝影把頭髮染為白色。
2008年1月,三浦春馬出演電影《消極的快樂,電鋸的邊緣》,飾演「能登」和出演電視劇《貧乏男子》,飾演「白石涼」。2月,出演電影《奈緒子》,飾演「壱岐雄介」;同年出演《極道鮮師3》,飾演「風間廉」,三浦春馬因接演《極道鮮師3》成為該系列的第三代當家小生,星路一片大好;同年繼《極道鮮師3》後,三浦春馬又接拍了首次由他個人主演的反恐連續劇《Bloody Monday》,該劇是根據同名漫畫翻拍而成,三浦春馬所飾演的是一名與恐怖組織相對抗的高中天才駭客「高木藤丸」。
2009年,三浦春馬首次演出舞台劇《星の大地に降る涙》。4月,三浦春馬和小栗旬繼《貧乏男子》後,再度合作電影《熱血高校2》上映。9月,出演電影《極道鮮師電影版》,飾演「風間廉」。10月17日,由三浦春馬主演的《武士高校》在日本電視台開播,飾演「望月小太郎」,也是首次主演日本NTV電視台的連續劇。
2010年,三浦春馬主演電視劇《Bloody Monday》(即《血色星期一》)第二季在TBS播出,飾演主角「高木藤丸」,再次主演TBS連續劇。4月,出演電影《好想告訴你》,飾演「風早翔太」,該電影於9月25日日本全國公映。
2011年1月,首次與戶田惠梨香聯袂主演富士電視台月九檔期日劇《你教會了我什麼最重要》,飾演「柏木修二」,三浦春馬因接演《你教會了我什麼最重要》成為日本平成代第一個主演月九的男優。5月,出演春季特別篇電視劇《最後的晚餐》客串演出。7月,出演電視劇《太陽再次升起》演出,飾演「宮田英二」。9月,三浦春馬主演的電影《東京公園》首映,在片中扮演大學生攝影師,跟榮倉奈奈對戲。11月,出演電視劇《世界奇妙物語2011秋季特別篇(猜拳篇)》。
2012年3月8日,三浦春馬參演的第二部舞台劇《七海盜》開始公演。8月,出演電視劇《東野圭吾推理系列(第八回)》演出,飾演「岡良」。12月29日,三浦春馬參演的第三部舞台劇《ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ》開始公演。
2013年,三浦春馬參加了在東京日本武道館舉辦,由演員岸谷五朗發起的演員、歌手共演,愛滋病慈善活動「Act Against AIDS 2013(AAA)」,三浦春馬則在現場演唱了EXILE的歌曲《愛すべき未來へ》,並在觀眾熱烈的應援聲中唱完了全曲。
2013年4月,三浦春馬以新造型出演4月期富士台木十檔新劇《最後的灰姑娘》,飾演「佐伯広鬥」與筱原涼子和藤木直人合作;5月,小栗旬攜手三浦春馬 為《哈洛克船長》劇場版獻聲,三浦春馬將首次挑戰為雅馬的角色配音,雅馬在劇中是一名潛入到哈洛克的船上,假借同伴身份卻在暗中準備秘密暗殺哈洛克的刺客,預定於9月7日公開上映。同年岡田准一、井上真央、三浦春馬等人領銜主演的感人愛情戰爭史詩鉅作《永遠的0》同年年底上映,三浦春馬在該電影《永遠的0》飾演「佐伯健太郎」。
2014年1月,主演富士電視台水十檔新劇《我存在的時間》,飾演「澤田拓人」與多部未華子主演;同年出演日本電視台「日テレ」SP《殺人偏差值70》飾演「圭介」與城田優主演。10月2日因電影《深夜前的五分鐘》作為第19屆釜山電影節的展映電影,與亞洲電影大師行定勳、劉詩詩、張孝全參加第19屆釜山國際電影節。10月23日,出演電影《深夜前的五分鐘》與劉詩詩合作,三浦春馬在片中飾演一名鐘錶匠,為了追求完美電影效果,他便在上海跟隨一名高級鐘錶匠,每天用兩個小時學習修理手錶和中文,飾演「阿良」。
2015年,8月9月主演的人氣漫畫真人版《進擊的巨人 ATTACK ON TITAN》和《進擊的巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLD》先後上映。同年參演來年1月在TBS金十檔期播出的新劇《別讓我走》。
2016年,出演7月21日在東京新國立劇場開幕的百老匯音樂劇《長靴妖姬》日本版。參演2017年的NHK大河劇《女城主直虎》。2017年,接拍十月開播朝日台劇集《成人高校》,飾演30歲童貞精英。
2018年,主演伊阪幸太郎的戀愛小說集《一首小夜曲》改編真人電影。5月12日出演《世界奇妙物語2018春季特別篇》開篇故事《面向明天的穿越》,飾演以電影導演為夢想的青年小林峰雄。參演冬天上映的電影《三更半夜居然要香蕉 愛的真實故事》。出演電影《銀魂2》。出演的原創日劇《tourist》秋季在影片網站「Paravi」播出。
2019年1月,搭檔大島優子主演根據俄羅斯作家陀思妥耶夫斯基創作的長篇小說《罪與罰》改編的同名舞台劇,飾演為了自己堅持的正義殺了人的青年拉斯柯爾尼科夫。7月,主演懸疑劇《兩周》,飾演為救白血病女兒逃亡的逃犯結城大地。
2020年7月18日下午,三浦當日原定計劃為拍攝TBS電視台電視劇《金錢的結束是愛情的開始(日語:おカネの切れ目が恋のはじまり)》,但其未在規定時間出現在片場。三浦的經紀人於日本時間下午1點前往其位於東京都港區的住處,登門發現三浦在寓所的衣櫥內自縊,送往醫院後確認死亡,享年30歲[2][3][4]。
學校
小學:土浦市立真鍋小學校
中學:土浦市立第二中學校(畢業)
高中:堀越高等學校(畢業)
出演作品
電視劇
電視劇
晨間小說連續劇「亞久里(日語:あぐり)」(1997年、NHK)飾演 正太郎
十津川警部シリーズ(日語:十津川警部シリーズ (渡瀬恒彦))「寢台急行「銀河」殺人事件」(1999年1月4日、TBS)飾演 新見慎一郎
星期六wide劇場「女探偵・朝岡彩子」(1999年11月13日、朝日電視台)飾演 和久井一太郎
「盛夏的Merry Christmas(日語:真夏のメリークリスマス)」(2000年、TBS)飾演 樹下涼(少年時代)
監察醫・室生亞季子(日語:監察医・室生亜季子) 30「震える顔」(2001年10月、日本電視台)飾演 水谷光太
はぐれ刑事純情派(日語:はぐれ刑事純情派)(2002年6月26日、朝日電視台)飾演 菊池充
明智小五郎對怪人二十面相(日語:明智小五郎対怪人二十面相)(2002年8月27日、TBS)飾演 相川泰
NHK大河劇「武藏MUSASHI」(2003年、NHK)飾演 城太郎
夢みる葡萄(日語:夢みる葡萄〜本を読む女〜)(2003年、NHK)飾演 田部末吉(少年時代)
はぐれ刑事純情派(日語:はぐれ刑事純情派)(2003年8月13日、朝日電視台)飾演 松山利夫
division1「青空戀星」(日語:ディビジョン1 (テレビドラマ))(2005年3月、富士電視台)飾演 石川啟太
小說連續劇「比賽」(2005年3月-10月、NHK)飾演 岡部聖也
現在,很想見你(2005年7月-9月、TBS)飾演 工藤明宏
NHK大河劇「功名十字路」(2006年1月-12月、NHK)飾演 湘南宗化(山內一豐的養子)
Unfair(2006年1月 - 3月、富士電視台)飾演 齊藤ユタカ
チルドレン(日語:チルドレン)(2006年5月21日、WOWOW)飾演 木原志朗
14歲媽媽(2006年10月-12月、日本電視台)飾演 桐野智志
貧窮男子(2008年1月-3月、日本電視台)飾演 白石涼
極道鮮師3(2008年4月-6月、日本電視台)飾演 風間廉
偵探伽利略SP(2008年10月4日、富士電視台)飾演 湯川學(大學時期)
BLOODY MONDAY(2008年10月-12月、TBS)主演 高木藤丸
極道鮮師3 畢業SP(2009年3月28日、日本電視台)飾演 風間廉
武士高校(2009年10月17日、日本電視台)主演 望月小太郎
BLOODY MONDAY 2(2010年1月-3月、TBS)主演 高木藤丸
教我愛的一切 (2011年1月-3月、富士電視台) 主演 柏木修二
最後的晚餐 (2011年5月14日、朝日電視台) 飾演 警校新生(宮田英二)
太陽會再昇起(日語:陽はまた昇る (2011年のテレビドラマ))���2011年7月-9月、朝日電視台)主演 宮田英二
世界奇妙物語2011年秋季特別篇(2011年11月26日、富士電視台)主演 真田賢輔
東野圭吾 懸疑故事 第8話(2012年8月、富士電視台)主演 中岡良
最後的灰姑娘(2013年4月-6月、富士電視台)飾演 佐伯廣斗
我存在的時間(2014年1月8日~2014年3月19日、富士電視台)主演 澤田拓人
殺人偏差値70(日語:受験地獄#2014年版)(2014年7月2日、日本電視台)主演 宮原圭介
別讓我走(2016年1月15日、TBS)飾演 土井友彥
NHK大河劇「女城主 直虎」(2017年1月-12月、NHK)飾演 井伊直親
成人高校(2017年10月-12月、朝日電視台)主演 荒川英人
世界奇妙物語2018年春季特別篇(2018年5月12日、富士電視台)主演 小林峰雄
旅行者(2018年9月28日、TBS × 東京電視台 × WOWOW)飾演 天久真
ダイイング・アイ瀕死之眼 (2019年3月16日 - 4月20日、WOWOW) ‐ 主演・雨村慎介
TWO WEEKS(日語:TWO_WEEKS_(テレビドラマ)#リメイクテレビドラマ)(2019年7月16日、關西電視台 × 富士電視台)主演 結城大地
國際共同製作 特集ドラマ『太陽の子』(2020年8月15日預計播放、NHK總合/BS4K/BS8K) - 飾演 石村裕之
錢的盡頭是愛情的開始(日語:おカネの切れ目が恋のはじまり)(預計2020年9月15日播放、TBS)主演 猿渡慶太[注 1][5]
電視節目(旅遊·紀錄片)
~淡藍色graffiti~想遇到你(2005年4月-9月、東京電視台)解說員
BS4K放送開始記念・BS民放4局共同企畫「大いなる鉄路 16,000km走破 東京発→パリ行き」 - ナレーション
第1話 東京 - モスクワ(2018年12月1日、BSフジ) 第2話 モスクワ - ブダペスト(2018年12月1日、BS朝日) 第3話 ブダペスト - ジュネーブ(2018年12月2日、BS-TBS) 第4話 ジュネーブ - パリ(2018年12月2日、BSテレ東)
世界はほしいモノにあふれてる(2018年4月12日 ~毎週木曜日に放送 、NHK総合) - MC
電影
Nile 尼羅河(1999年)飾演 西山海
金融腐食列島~呪縛~(1999年)飾演 北野浩一
森の學校(2002年)飾演 河合雅雄
那年夏天的第一次(2006年4月)主演 佐佐木大洋
秋葉原@DEEP(2006年9月2日)飾演 イズム
CHILDREN チルドレン(2006年11月)飾演 木原志朗
戀空(2007年11月3日)飾演 櫻井弘樹
消極的快樂 電鋸的邊緣(2008年1月1日)飾演 能登
奈緒子純愛練習曲(2008年2月16日上映)飾演 壹岐雄介
漂撇男子漢2(2009年4月4日)飾演 美藤龍也
極道鮮師(2009年7月11日)飾演 風間廉
只想告訴你(2010年9月25日)主演 風早翔太
東京公園(2011年6月18日)主演 志田光司
宇宙海賊哈洛克(2013年9月7日)出演(配音)Yama
永遠的0 (2013年12月21日)飾演 佐伯健太郎
深夜前的五分鐘(2014年)主演 阿良
進擊的巨人(2015年)主演 艾倫
進擊的巨人2:世界終結(2015年)主演 艾倫
銀魂2:規矩是為了被打破而存在的(2018年)飾演 伊東鴨太郎
Sunny我們的青春(2018年)飾演 藤井涉
三更半夜居然要香蕉 愛的真實故事(2018年)飾演 田中久
信用欺詐師JP:香港浪漫篇(2019年)飾演 Jesse傑西
小小夜曲(2019年9月20日、GAGA)主演 佐藤
信用欺詐師JP:公主篇(2020年7月23日公開)飾演 Jesse傑西
ブレイブ 群青戦記(2021年公開予定、監督:本広克行) - 飾演 松平元康
PV
Candy「Promise」(2005年)
GReeeeN 「BE FREE」- Movie Ver.(2008年)
ゆず「うまく言えない」(2008年)
C&K「みかんハート」(2013年)
NICO Touches the Walls「バケモノ」(2014年)
DVD
HT 〜N.Y.の中心で、鍋をつつく〜(2010年2月17日)
HT 〜赤道の真下で、鍋をつつく〜(2011年11月11日)
舞台劇
降臨在星之大地的淚(星の大地に降る涙)(2009年6月20日-7月26日)
海盜七(海盜セブン)(2012年3月8日-5月31日)
劇団☆新感線「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII」(2012年12月19日-2013年2月28日)
地獄のオルフェウス(2015年5月 - 6月、Bunkamuraシアターコクーン/森ノ宮ピロティホール) - ヴァル 役
キンキーブーツKinky Boots(2016年7月 - 8月、新國立劇場中劇場 / オリックス劇場) - 主演・ローラ 役
シアターコクーン・オンレパートリー2019 DISCOVER WORLD THEATRE vol.5 Bunkamura 30周年記念「罪と罰」(2019年1月 - 2月、Bunkamura シアターコクーン/森ノ宮ピロティホール)- 主演・ラスコーリニコフ 役
キンキーブーツKinky Boots再演(2019年4月 - 5月、東急シアターオーブ / オリックス劇場)主演・ローラ 役
ミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜」(2020年3月、日生劇場) - 主演・男(ザ・マン) 役
ミュージカル「The Illusionist-イリュージョニスト-」(2020年12月~2021年1月、日生劇場) - 主演・イリュージョニスト・アイゼンハイム 役
CD單曲唱片
1st: Fight for your heart(發行日2019年8月7日)
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jessicanesan · 7 years
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ユーリ!!!On ice 第九滑走解説
お久しぶりです。随分間が空いての更新になってしまいました。流石に中途半端にしておくのも嫌だったので、もうアニメ完結しちゃってるけど、追っかけという形でもブログ完成させようと思います。腕がなまってるのは、お許し下さい。  話はロシアはモスクワ、GPシリーズ最終戦、ロシア大会FS。決戦の行方やいかに!!!  のどに大福を詰まらせて瀕死のマッカチンを見舞うために帰国(?)したヴィクトルに代わって、ヤコフが勇利のコーチを受け持つことに。私は実際の試合で、コーチ代理をしたという状況を見たことがないのですが、どうやら代理コーチは実際にもありえることらしいです。ヤコフもユーリの面倒を見なくてはいけないわけですから、二人のゆーりを気にかける必要が出てくるとなると大変なはずなのに、愛弟子のヴィクトルの頼みだったこともあって引き受けてくれたようです。流石ベテランコーチだなと思いますし、ある意味ヴィクトルがコーチを頑張っていることをここで認めてあげた証明のようにも見えます。  じいちゃんが作ってくれたカツ丼ピロシキを食べるユーリの愛らしさたるや。カツ丼ピロシキって、ユーリのじいちゃんが創設者なのかな…などと考えたりします。  いよいよGPシリーズ最終戦。この試合の結果で、ファイナル出場者が決定します。第一滑走者はSP6位のエミル・ネコラ。曲は『アナスタシス』、テーマは「人間やめました」。4回転を4本組み込むという、間違いなく世界レベルで高難度なプログラム。事後的な感想になってしまいますが、このアニメがリアルタイムで放映されていた当時(2016年秋)の実際のスケーターたちは、4回転を1つのプログラムに4本組み込む選手など1人いるかいないかでした。しかし、アニメの話数が進むのと同時並行して実際のスケーターたちもどんどん前進し、そのシーズンの後半には4回転を4本入れる挑戦をする選手がどんどん出てきました。このアニメの、「現実世界より0.5歩だけ前を歩いてる」そして「現実もアニメの理想に引き離される事無く、むしろ追い抜かんほどの勢いで成長している」感じ、近未来への希望に溢れていて、だからこんなにわくわくしながら見れるのかなと思います。今でこそ、クワド(4回転ね)4本ってマジで人間じゃないわ…って多くのスケオタも思うのですが、だんだん4クワドも当たり前になっていくのかな…と思うと恐ろしいです。  エミル、後半少し崩れてしまいましたが合計271.58点。完璧な出来では無かったにせよ、キスクラでのいつも通りの笑顔に安心しますね。  エミルのエレクトロニックな曲をバックに、ミッキーとサーラは修羅場の模様。ミッキーが、サーラは自分の全てだ、今の自分があるのは全てサーラのおかげだ、だからいつまでも互いにそのように想い合いたいし支え合いたいと感じているのに対して、双子の妹であるサーラは、ミッキーと自分自身の自立を望んでいます。大事な試合直前に、ミッキーにとってはメンタルブレイクの危険があることを言うサーラの行動力に、彼女の強い意志が感じられます。  第二滑走者はイタリアのミケーレ・クリスピーノ。曲は『セレナーデフォートゥー』。サーラが離れていってしまったというショックから立ち直れないままリンクに登り、今まではサーラ愛する気持ちを捧げていたこの曲に、別れの気持ちを込めて舞います。サーラはワシが守ると言っていた愛情がいつの間にか依存にも似たそれになっていたそれになっていたと、サーラが手元を離れてはっきりと気づき、その悲しみと抜け殻のようになった愛は観客席まで届いた様子です。「行き場を失った愛」って、良い言葉ですね…。今までサーラに捧げていた愛が、このプログラムの中に全て流れ出たような演技で、得点は193.24、合計282.89。自己ベストを大きく更新。ほんとに、良いプログラムでした…としか言えないです。神演技ってやつだったと思います…。  余談ですが、ミッキーのSPとFSは、曲そのものに関連性はないですが、滑っている時の気持ちにはSPとFSにかけてとても素敵な物語があると思います。ただ純粋に、愛しい妹を守りたいという感情か���、妹が離れていく悲しみと真実の愛情という、一つのストーリーができあがっているんです。普段私たちが実際の試合を観戦者として見るとき、目に見えるのは滑っている選手、感じられるのは場の空気で、滑走者の本当の気持ちは絶対に見ることができませんよね。でも、選手が何を想い何をその演技で伝えたいのかが全て明らかにされるのがこのユーリオンアイス。ただ観戦しているという域を超えて選手に感情移入できるので、曲と演技と感情の波がダイレクトに伝わってきて、新鮮な気持ちでした。  続く第3滑走は韓国のイ・スンギル。表彰台とファイナル出場を狙える位置にいて、前の選手が素晴らしい演技をしたこともあってか、緊張している様子。ジャンプで精彩を欠き、合計256.2点。思わず悔し涙を零してしまいます。四大陸頑張れ…!!!  ユリオ「ジャンプの構成を変えるぞ。前半4本を前半2本にする。じゃなきゃJJや勇利に勝てないだろ」 フリーは4分半滑らなくてはいけない、そしてユーリはシニアデビューしたばかり。シニアのフリーはジュニアより長いので、ただでさえ長く滑る必要があるのに、体力の落ちる後半にジャンプを6本も跳ぶというのはかなり鬼畜なことだと思います。魂を売ることも厭わないくらい勝利への欲望が人一倍強くて末恐ろしいです。 カツ丼じゃなくてブタでもなくてちゃんと勇利って呼んでるよこの子は…!  第4滑走者はSP3位のユーリ・プリセツキー。観客席でかのロシアの皇帝、エフゲニー・プルシェンコ選手も見守る中(チラリズムしてたの気づきました?) プリマになるべく舞います。曲は『ピアノ協奏曲ロ短調 アレグロ・アパッショナート』。「美しさは圧倒的な正しさ。強くても、美しくなければ意味が無い」。リリアの教えの元に気合い全開で滑ってノーミス!得点は297.96と、300点台に迫る勢いでパーソナルベスト。強さと美しさを同時に証明して、リリアも感激の涙です。  また余談になってしまうんですが、プログラム中盤の4Tの後に、足を後ろ手に持ち上げてある程度の距離を片足で滑るものがありました。あれはコレオスパイラルシークエンスといい、数年前までは女子の必須エレメンツでした。しかし、数年前に女子の必須エレメンツから除外されたので、たまにやってくれる選手はいますがいつでも見られる要素ではなくなってしまったんです。男子はというと、そもそもコレオは必須要素ではないので、男子でコレオをやってくれる選手は少ないんですね。でも、ユーリは、女子ですら要素から外されたコレオをプログラムで見せてくれました。コレオは柔軟性を必要とするため、男子ではなかなか難しいのですが、見ていて美しいので人気のあるエレメンツです。振り付けてくれたリリアありがとう…。 そして滑るのはショートをノーミスでまとめ2位につけた勝生勇利。ヴィクトルが自分のコーチになってくれたことに自責のような感情を未だに抱いている勇利は、このヴィクトルがいない状況でも滑りきることで成長を見せ、世界に、そしてヴィクトルに、この1年間が無駄じゃなかったことを照明しようとします。コンビネーション2つ目の2Tが抜けて1Tに。勇利の言う、「僕の気持ち」って、要するにどの気持ちの事なのか少し考えてみました。勇利は「何で、僕の気持ちを知っていたんだろう」と言っていて、「僕の気持ちがわかったんだろう」ではないので、ここでの「僕の気持ち」というのはヴィクトルがコーチになる前から勇利がずっと思っていたこと全部なのではないかと思います。昨年のGPFだって、口にこそ出さなかったけれど本当は優勝したかったこと、いつも勝ちたいと思って強い気持ちで滑っていたこと、ヴィクトルにそれはそれは強く憧れていたこと。それを知っていた上で、第4話、海辺のシーンでヴィクトルは「勇利は弱くないよ」と言ってくれた。勇利がずっと思っていたことを、弱さとしてではなく強い想いとして受け止め、信じて育ててくれたヴィクトルを裏切らないために、自分の心の内にある強さを証明するために、滑ると決意したのかなと思います。  難しいことを考えて滑っていた前半から、「シンプルに考え」て滑った後半はジャンプを立て直してなんとか滑りきりました。最初のジャンプで失敗したのでどこでリカバリー(ジャンプには跳んでいい個数と種類の条件があるので、ジャンプをどれか失敗してしまった時に、その条件に違反しないように、また得点を少しでも上げるために、滑りながらリアルタイムでジャンプ構成を変更すること)するかなと思いながら見ていたんですが、最後のジャンプを4F→3T2Tに変更していました(多分)。かなり混乱していたんだと思います。ルール上、コンビネーションジャンプは3回までしか跳べない事になっているのですが、最後の3T2Tは4回目のコンビネーションになってしまっているので…全くリカバリーになってないです(笑)。だからキスクラでヤコフに、ジャンプの失敗を想定した練習しろって言われてしまうんですね(笑)。FS172.87でトータル282.84。ショートの貯金が効きました。  最終滑走はSP首位のカナダ、ジャン・ジャック・ルロワ。曲は『パルチザンホープ』。まだ19歳だなんて到底信じられないこの自信は一体どこから湧いてくるのだろう…と少し思います。コレオスパイラルのフリーレッグ(片足を高く上げて片足で滑る時の、高く上げた方の足)がピンと伸びていて感嘆ものです。ヴィクトルはJJに負けるのが怖くて一線を退いたわけではないと思いますが、王者であるヴィクトルさえも恐れずに自分こそがキングだと言って滑る彼には確かにキングの貫禄を感じます。アニメの中で得点は明らかにされませんでしたが、後日調べではFS204.73、総合318.29という驚異的な得点を叩き出し優勝です。  ロシア大会最終結果、こんな感じで… 1、ジャン・ジャック・ルロワ 318.29 2、ユーリ・プリセツキー 297.96 3、ミケーレ・クリスピーノ 282.89 4、勝生勇利 282.84 5、エミル・ネコラ 271.58 6、イ・スンギル 256.20  試合が終わり、雪の中。ユーリは勇利のことをライバルとして強く意識していることはこれまでの言動でかなりしっかり伝わってきていましたが、誕生日が近いからといってカツ丼ピロシキを分けてあげるこの笑顔を見て、ライバルとしてと同時に一緒に戦う仲間として親しく思っていることが分かって、嬉しくなりました。お前が落ち込む資格なんかないという一見きつい言葉も、ユーリなりの鼓舞の言葉なのかなと思います。  帰国した勇利。空港でヴィクトルと再会します。「引退まで、よろしくお願いします」と、「勇利がずっと引退しなければいいのにな」という言葉。勇利にとっては、ファイナル終了までの残り少ない時間。ヴィクトルにとっては、まだ終わりの決まっていない、でも確実にいつか終わる未知数な時間。このすれ違いが、後の涙に繋がっていくのかなと思います…。でも、ヴィクトルが自分のコーチになったことを後悔してるんじゃないかとか、自分を信じてくれたヴィクトルの期待に応えて優勝しなきゃとかいろいろ考えている勇利にとって、ヴィクトルのこの言葉は何にも代えがたい、2人の信頼の証になったんじゃないかと思います。一度互いに距離を置き、そしてこの会話を通したことで、やっと勇利はヴィクトルとの間にあった不安の壁のようなものを乗り越えたのかな、とも思えます。  「引退までよろしくお願いします」。これ、原作者の久保ミツロウ先生の愛する町田樹元選手が、引退直前までコーチに言っていたという「あと少し。よろしくお願いします」という言葉と重なります。町田選手は、引退することをコーチや周りの人に相談することなく、全日本選手権の表彰式の最中に突然発表し、フィギュア界を一時騒然とさせました。なので、スケオタはこういう引退系の話には若干敏感になっているので、勇利はヴィクトルにどう話を切り出していくのかな…と、不安になったりもしたものです。  全ての試合が終わり、きたるGPFに出場する選手が出そろいました。ポイントランキング順に、ジャン・ジャック・ルロワ、オタベック・アルティン、クリストフ・ジャコメッティ、ユーリ・プリセツキー、ピチット・チュラノン、勝生勇利。次回は決戦の前の一休みタイム。ではまた
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jamirajamira · 8 years
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NONAI10
信じるという感覚に長けていないと彼は言った。それだけでなく、二十代の後半から三十路をさしかかるその時まで、彼にはあらゆる感情や感覚が欠如していた、と自己分析をする。 ここまで読み進めた方に今更説明の必要もないが、これは彼の、じぶんの話だ。とにかくじぶんによるじぶんのための脳内運動会だ。 昔から、映画やドラマ、動物を深く知ることのできる奇想天外なバラエティ番組などをみて感動の涙を流すことはあったが、それは単純に絵空事というか、別世界の出来事としてとらえたうえでの感動であったように、彼は思う。 他人に共感し、共に喜び共に悲しみ、共に怒るということが、心の底からはできなかった。かといって冷徹なサイコパスないしソシオパス、というわけでもないし、皆無なわけでもない。ただ、人々が心底共感しているのと同じように感じることができなかった。 人を愛する感覚も知らないままなんとなく楽しい風な人生を進めていくのかな、それはそれでいいか、と彼は少し空虚な気持ちを抱えたが、実生活に何か支障をきたしているでもないので、それなりに日々楽しく過ごした。 そんなある日、カナダである人と出会い、何故か夜眠れなくなった。「それが恋やで」友人に指摘され、こ、これが。そこからは毎日がフレッシュお野菜のようにみずみずしく変化した。と思った二分後にこの世の終わりかのごとく沈んだりもした。こ、これが恋か。 結局その人とは彼自身の未熟なところや、思考の相違、ビザの問題などから別れることとなったが、自分の中にこんなにも他人を思って一喜一憂し、涙をも流す心があることを見いだせたことをありがたく思った。 ロンドンに移り住んだ彼は、再びある人と出会い、出会ったその瞬間から恋に落ちた。やはり夜眠れなくなった。テキストメッセージの来るだけでフレッシュお野菜と化した。 この出会いまでの約一年間、彼はKOIをみつけようとデスパレートだった。これはKOIにつながるかもしれないとKOIにKOIして期待したこともままあった。そのうちの一つは、肉体試合目的でのみ知り合った相手だったが、試合の前後も会話を楽しめる方だった。自宅のクリーナーがやめちゃったというので、代わりに家の掃除をして小遣いをもらってなおかつ試合も楽しむという一石二鳥をしばらく続けた。 ある日、いつものようにお掃除兼試合を楽しみにルンルンとその相手の家に向かったが、友人が訪れていて、そのあとは出かけるということをその場で知らされ、結果掃除だけしにきたアジア人クリーナー、という悲惨な現場に、絶望し、終了した。 その次は、年上の相手だったが、出会った初日にS&M的な流れになり、肉体試合前にビンタされ、いやそれはちょっと求めてない、と拒否した。なんだったんだろうあいつは、もう会うこともないなと思っていたが、翌週風邪で寝込んでいるとスープを持ってきてくれるという真逆の待遇に、心が揺れた。が、彼がモスクワに数か月仕事で滞在するなど、タイミングやら何やらで会わないうちにその相手に恋人ができ、終了した。 その他にも散らかり放題だった彼がようやく恋に���ちた。散らかしきった後、半ばあきらめきっていたようなタイミングで。物事は、期待していないとやってくる。官製はがきで応募していた懸賞も、それ自体忘れきっていたころに当選の通知がくる。そんなものだ。 彼は、フレッシュお野菜とこの世の終わりを、その恋人と過ごした一年弱の間に、山ほど経験した。結果これまたビザの関係その他諸々でさようならと相成ったが、これまで他人や友人に共感できなかった自分が随分変わった。誰かを深く愛することでぷよぷよの超連鎖ぱよえーん並みにその他の感情もつられて大きく成長した。 人とのつながりをきちんと無意識に意識できるようになった。失っても得る物のあることを学んだ。フィジカルにも、エモーショナルにも、他人と触れ合い人間関係を築いていくことの愛おしさを学んだ。 信じるという部分は、まだ完全に心が理解できていないな、信じるという気持ちには絶対的な要素が含まれているためだと彼は捉える。信じた結果その絶対が覆されると人は動揺し、失望する。これはこの先の人生でゆっくりつかんでいけばよい。と信じることを考えるのをやめた。「ぱよえーん」
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hiro-inami · 8 years
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桜の樹の下の女(私小説風)
 これは先月末、とあるバーでクラフトビールを飲んでいたときの話。
 その店内の棚にプーチン大統領のラベルのビール瓶が飾ってあって、それを手にとって眺めていたら、近くで飲んでいた女性に声をかけられた。黒縁の眼鏡をかけ、髪は無造作にまとめただけ、おそらく20代後半くらい、化粧気はほとんどなく、さっきまで相模湖周辺をトレッキングしてきたという雰囲気の人だった。なんでもそのビールのラベルのデザインがお気に入りで、独露首脳会談時にメルケル首相の犬嫌いを知って、強面の大型犬を従えて会談の場に登場したプーチンのエピソードを愉快気に話していた。
「この人なら北方領土もいつか返してくれると思うし、アメリカもトランプになってロシアと仲良くなることは良いと思うし、日本にとってもプラスだと思う、トランプ大統領にも期待してるの、彼の言うように移民は制限されるべきよ」
 要約するとこのようなことを、ディズニーランドに来てはしゃぐ女の子みたいなきらきらした眼差しで早口で語った。あまりの屈託のなさに、自分がこれまで分厚い本を図書館で借りたりしてコツコツ読んで得た知識や自分の感性が間違っているのか?と動揺したくらいだ。
 恐る恐るこちらから、プーチン政権下でジャーナリストや有力な政敵が暗殺されていること、モスクワのホテルのご乱行の証拠をロシアの情報部に掴まれトランプが脅されてるのではと大騒ぎになったこと等々話したら、彼女はかなり驚いていたけれど信じてもらえたかはわからない。
 雰囲気を変えようと趣味は何かと尋ねてみた。
「バイクや車の運転が大好きなの、これ私の愛車」
 そう言ってスマホを操作し見せてくれたのは、赤と白でカラーリングされたフルカウルのヤマハTZRの画像だった。
「実は車を買い替えようと思っているんだけど、どっちがいいと思う?」
 次に見せてくれたのは外車専門の販売店で撮ったらしい赤いフェラーリとイエローとポルシェボクスターの画像だった。彼女によれば中古車ならフェラーリでもポルシェでも5年ローンで現実的に購入できるものがあるらしい。
 僕にとってはあまり現実的とは思えぬ話に戸惑いつつも、昔外車好きの知り合いから聞いた薀蓄を基にそれらしいアドバイスをした。
「フェラーリは故障した場合パーツに費用がかかるから維持費が大変で、余裕があれば別だけど、故障が少なさそうなドイツ車のボクスターがいいんじゃないかな。この車のホイールだけでトヨタの小型車が軽く買えそうな価格だって知り合いから聞いたことがある」と彼女のスマホのフェラーリの画像を示しながら話した。
 そのときそのフェラーリの隣に、緩やなカールを施した髪に艶やかなメイク、黒のドレッシーなミニのワンピースの女性が立っているのに気付いた。右脚を軸にしてすらりと伸びた白い足を肩幅に開き、ファッション誌のモデルのようなポーズでこちらに向かって微笑んでいる。フェラーリが隣だと、まるでモナコのクラブへ踊りに出かけるセレブリティの女の子みたいだった。
「あれ?これ、あなたですか?」
 彼女は、一瞬戸惑いながら頷いた。
「素敵じゃないですか、次はこのバージョンのあなたに会ってみたいですね。」  とっさに浮かんだ思いのまま言葉にしたが、彼女にはおもしろくなかったようで、戸惑いながらもフンと鼻で軽く笑っただけだった。
「僕の趣味はクラフトビールと読んだ本の画像を撮ってネットに投稿することなんです、ほら」 とお返しのつもりで自分の投稿画像を見せたが、「海外文学はよくわからないし」と、プーチンの瓶の時から明らかにテンションが下がっている。 「日本文学も読みますよ。お勧めの作家や作品があったら教えてくだいよ」と努めて明るく振舞って訊ねた。
 すると彼女は「梶井基次郎」とボソッと言った。
 その作家が小説「檸檬」の作者と思い出すのに約5秒、それでも彼女には遅すぎたみたいで、僕を見る目がみるみる冷ややかになった。僕の「随分渋いですね」という率直な感想がさらに機嫌を損ねてねしまった。
「何を言ってんのよ、彼の『桜の樹の下には』は涙無しでは読めない私のバイブルみたいな存在なのよ、それをまったく」
と口を尖らせ僕をにらんだ。
  ええっ!そんなに凄いんですか、いや無知ですみません。梶井基次郎さんなら多分iBookでダウンロードできるかも、おおお、「桜の樹の下には」ありますよ、しかも無料ですよ。はい、ダウンロードしちゃってすぐ読みます、はい。
 彼女の不機嫌に、あえて笑顔で軽佻なオジさんを装いつつ、「桜の樹の下には」をダウンロードした。正直なところ、この女性のお気に入り作品がどんなものか大変興味があった。予想もしない梶井基次郎作品との出会いに戸惑いながら、ダウンロード完了と同時に急いで読み始めた。
 梶井基次郎の「桜の樹の下には」は、桜の花のあまりの美しさに魅入られ、その根には人や動物の屍体が埋まっているといるをグロテスクな夢想を書いた散文詩のような短編だった。猛スピードで一読したときは、帝政ドイツから第二次大戦後の激動の時代を生きたゴットフリート・ベンの初期の詩に雰囲気が似てる気がした。軍国主義化前の日本で書かれた作品と、後期ロマン派の時代から世界を二分する戦争に突入しようとしている頃のドイツ詩人の作品に共通点がある、という仮説はなかなか面白いことに思えた。しかしそれより、そんな作品がプーチンやトランプ支持の一癖二癖ありそうな平成の女性のお気に入りというも不思議だ。
 でもその謎を追求する時間は残されていなかった。そもそもこのバーに来たのは夜10時近く、一杯だけサクッと飲んで帰るつもりだったのだ。それがプーチンやらトランプやらフェラーリやらポルシェやら話してる間にもう一杯頼んで、そのグラスも空になって乾きつつある。時刻も11時を回っていた。翌日もハードな残業が待っている。まず今夜の睡眠時間の確保が優先だろう。もやもやした気分が残るが仕方がない。
 白々しいとは思いつつも、素晴らしい、いやなかなか面白い作品教えてくれてありがとう、大したもんですね、とお世辞と見え見えなセリフを言って、懐疑的な眼差しを向ける彼女に、また会いましょう、あのバッチリキメキメのあなたに会えたら嬉しいです、と逃げるように店を出た。
 この件以後、トランプ支持者を追うNHKのドキュメント���見たりして、是非はともあれ様々な状況の中で現状をとにかく思い切り変えてほいしという願望に囚われた切実な人たちの存在を知った。しかしその一方、トランプのニュースの度に、フェラーリの隣に立つ魅惑的な脚線美のあの女性の姿も浮かんでしまう。そんな時は桜の樹の下にビールバーでのほぼすっぴんの彼女と、セレブリティのようなゴージャスな彼女が並んで眠って埋まっている姿を想像してみるが、なかなか絵にならない。
 なんなのだ、あの人は。
 しかしこの謎を解くのは色々面倒そうで、「保留案件」のボックスに放り込んだまま忘れたほうがいいような気もしている。
 彼女に出会ったビールバーにはそれ以来行っていない。
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simplecleanlife · 7 years
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[Theatre-Going Report] February 26th, 2017 ラフマニノフ (라흐마니노프, Rachmaninoff) @ Sejong Center for Performing Arts, Seoul (Jae Yeong An & Dong Hwa Jeong)
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 2017年2月末の渡韓の締めくくりは韓国の二人ミュージカル『ラフマニノフ』(라흐마니노프, Rachmaninoff) を観劇してきました。私が観た回のキャストは、
Rachmaninoff (ラフマニノフ) : アン・ジェヨン さん Nicolai Dahl (ニコライ・ダール) : チョン・ドンファ さん
でした。
 ジェヨンさんは2016年のN2N以来、ドンファさんは今回がお初。初めて観るジェヨンさんの主演作品、しかも泣く演技が大評判、そして多数の大学路ミュージカルに出演している人気ミュージカル俳優のドンファさんが観れるということでかなり楽しみにしていた観劇でした。
インターパークに掲載されてる『ラフマニノフ』のあらすじをざっくり意訳するとこんな感じです。
優れたピアノの実力と作曲によって ロシア音楽界の期待を一身に集めていた若い音楽家ラフマニノフ 彼は若くして自身の交響曲第1番を発表する しかし、演奏会は失敗に終わり その後ラフマニノフは人々の目を避けて隠遁生活を送る
一方、フランス留学の最中に帰国した精神医学者ダール博士は 「弟の治療をお願いしたい」という手紙を受け取るが、 その対象はまさにラフマニノフ! ダール博士はラフマニノフの心理を覗き 彼を苦しめるトラウマを探ろうとするが・・・
 観劇のタイミングってやっぱり凄く大事ですね。もうまさに当時の私が一番求めてるものを観せてくれた作品でした。偉大な作曲家ラフマニノフの音楽に感動し、激しく揺れ動くジェヨンさんラフマニノフの感情とともに泣き笑い、お茶目で懐の深いドンファさんダール先生に癒されてやっぱり笑って泣く90分間でした。観劇直後は涙と鼻水で顔がそれはヒドイことになっていました。
不器用で優しくて一生懸命なジェヨンさんのラフマニノフが愛おしい
— satoko (@_simpleandclean)
February 26, 2017
ダール先生に励まされたい
— satoko (@_simpleandclean)
February 26, 2017
ジェヨンさんもドンファさんもピアノもオケも素敵だった。私が今求めてたのはこういう作品だった。何より偉大な音楽家達の音楽に心揺さぶられた
— satoko (@_simpleandclean)
February 26, 2017
  なんかもう観劇直後にツイートしてる上記3つのツイートに全てが集約されますね。
(以下、ネタバレありなのでご注意下さい。)
 真面目で不器用、純粋で何事にも全力投球なジェヨンさんラフマニノフの姿はただただ愛おしく、苦しみもがきながらも一生懸命に前に進もうと頑張る姿に心打たれます。ダール先生のセラピーを経て、病弱だったラフマニノフのお姉さんのエレナに対してラフマニノフが抱いていた罪悪感を吐露するシーンはまさにラフマニノフの魂の叫びを聞いているような熱演。ジェヨンさんラフマニノフは本当にすごい勢いで泣いて叫んで鼻水もすごいことになっていて。一日の公演が終わった後にジェヨンさんがパッタリ倒れてしまわないか心配になるくらいに熱のこもった演技で魅せてくれました。ラストでダール先生に手を振ってる姿まで一生懸命でかわいい。
 お茶目でひょうきんなドンファさんのダール先生はとてもチャーミング。思い切りの良いビオラの演奏にズッコケそうになったり、一転、ズベレフ先生を演じている時の厳格で怖い雰囲気にびっくりさせられたり、穏やかに包み込むような笑顔に蕩けそうになったり。モスクワ音楽院時代のラフマニノフとその恩師ズベレフ先生の回想の、二人が心の底ではお互いを思いやってるのにすれ違って傷ついてる様子の演技は切なくて本当に凄く良かったです。そしてフィナーレに向かって気分が最高に盛り上がっている直後の
당신은 이미 사랑받는 음악가입니다. 貴方はすでに愛されている音楽家です
당신이 새로운 곡을 쓰던 쓰지 않던 관객들은 당신을 사랑해 줄 것입니다. 貴方が新しい曲を書いても書かなくても 観客達は貴方を愛してくれるでしょう
の台詞はズルすぎます。あんな優しい笑顔で言われたら泣くしかないやんか〜。・゜・(ノД`)・゜・。
 傷つきながらも一生懸命に頑張ってる人に対して救いの手が差し伸べられて、最後には評価されて報われるストーリー。当時私は日々に忙殺されて相当疲れを溜め込んでいたので、ジェヨンさんラフマニノフの心が癒され自信を取り戻していく姿に一緒に泣きながら、自分の心も涙で洗われていくのを感じました。これぞカタルシス。
 またラフマニノフの曲をほとんどそのままベースにした楽曲が本当に素晴らしいんですよね。ジェヨンさんとドンファさんの演技も本当に素晴らしいし、小編成のオケのみなさまの演奏も素晴らしい。自身が稀代のピアノ演奏家だったラフマニノフはこのミュージカルでも多分に使われている「ピアノ協奏曲第2番」、「ピアノ協奏曲第3番」などのピアノ協奏曲の作品が特に人気ですが、当然ながらそんなミュージカル作品の指揮振りをされるピアニストの方の演奏も素晴らしく。台詞の大部分がチンプンカンプンでも、偉大な作曲家の遺した音楽の力と俳優様達の表情の演技だけでも十二分に楽しめる作品でした。だからこそあのカーテンコールの構成はすごくニクい。カーテンコールで再び涙腺崩壊。
 裏キャストのパク・ユドクさんのラフマニノフとキム・ギョンスさんのダール先生の回もできれば観たかった!公演期間が終了してもOSTを何度も聞き返しては思い出に浸っていました。今後再演が決定されたら是非ともまた観に行きたいし、オススメしたい素敵な作品です。(*´꒳`*)
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facets-and-rainbows · 10 years
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Japanese saying Russian movie title of the week!
モスクワは涙を信じない (モスクワはなみだをしんじない) Moscow Does Not Believe in Tears
モスクワ (Mosukuwa) Moscow
は (wa) marks the topic of a sentence (Moscow here)
涙(なみだ/namida) tear, tears (like the crying kind of tear)
信じない(しんじない/shinjinai) doesn't believe (信じる believe, ~ない doesn't)
Sooooo this one isn't a saying, it's the title of a Russian movie from 1979.
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*passes the baton to wikipedia*
http://en.wikipedia.org/wiki/Moscow_Does_Not_Believe_in_Tears
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sorairono-neko · 5 years
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 ヴィクトルの演技を、勇利はもう何十回も見直していた。幼いころから、ヴィクトルの踊っているところは夢中で見ていたし、姉に「またなの?」とあきれられるほどくり返し再生したけれど、これは特別だった。だってヴィクトルの復帰試合なのだ。ヴィクトルは長いあいだ、勇利のコーチとして働き、競技のほうは休養していたのである。もちろんそのあいだ、ヴィクトルがまったくすべっていなかったというわけではない。勇利と一緒にいつも氷にのっていた。しかしそれはあくまで勇利のためで、試合に出ることを考えた真剣な練習ではない。ときおり、思い出したように過去のプログラムを演じて見せてくれたけれど、それだけのことだ。たとえば勇利がその程度の稽古で試合に出ろと言われたら、きわめてみじめな結果になるだろう。それなのにヴィクトルは、ロシア選手権で、これまでとはまるでちがう、これまで以上のすばらしい演技をして見せたのだ。その復帰試合の映像を初めて目にしたとき、勇利は、ヴィクトルはこんなにうつくしいんだ、と思い、頬には知らず知らずのうちに涙が流れた。  それからは、寝てもさめてもヴィクトルのことばかり考えた。あんなに神々しい演技、あれほどのことができるヴィクトル、なんてすばらしいんだろう、なんてすてきなんだろう、とそればかりだった。ヴィクトルが自分のコーチだということも勇利は思い出せなかったくらいだ。とにかく氷上のヴィクトルに夢中で、ほかのことは考えられなかった。表彰台のヴィクトルが、気取ったしぐさで金メダルにキスしたとき、勇利は、ああ、この光景がまた見られるんだ、とそのことにも泣いてしまった。どうしようもなくヴィクトルのことが好きで、ヴィクトルのことだけを想い、ヴィクトルしか目に入らなかった。 「ヴィクトル、かっこよか……」  ああ、ヴィクトル。ヴィクトルの試合が見たい。彼の姿を瞳に直接焼き付けたい。これまで以上にうつくしく、華麗で荘厳なヴィクトルの演技。神々しいほどのプログラム。皇帝の名にふさわしいあの威厳。すべてを肌で感じたい。 「ヴィクトルを見たい……」  そうつぶやいた瞬間、勇利はもう立ち上がっていた。彼はバックパックに必要なものをつめこみ、「しばらく帰ってこないから!」と家族に声をかけて家を飛び出した。電車に飛び乗り、移動しながらすべての手配を済ませた。勇利はのんびりしているように見えるかもしれないけれど、やるときは熱中する性質なので、あっという間にチェコはオストラウにたどり着いていた。それはヨーロッパ選手権が開催される地だった。雪がひどかったので、ちゃんと飛行機が着陸できるか心配だったのだが、それほど待つこともなく望み通りオストラウの地を踏みしめることができた。 「さむっ……」  外へ出た勇利は、ニット帽をかぶり直し、下げていたマスクを鼻の上まで引き上げて身をふるわせた。眼鏡がすこし曇った。 「えっと……」  とりあえずホテルへ向かった。荷物を置いたら散策しようと思っていたけれど、それどころではなかった。時差に勇利はまいってしまったのだ。バルセロナに行ったときもそうだったが、差が八時間あると体内時計は狂ってしまう。チェコと日本の時差は、スペインと日本のそれと同じである。 「あー、だめ……」  勇利は早々にベッドにもぐりこみ、深く眠った。目ざめる前に夢を見た。ヴィクトルが出てきた。彼は氷の上で優雅に舞っており、勇利は客席から彼をうっとりとみつめているのだ。ヴィクトル、かっこよか、と感激したところで目がさめた。 「いい夢だった……」  勇利はふわっと笑ってつぶやいた。これは正夢だ。もうすぐヴィクトルを見ることができるのだ。  食事を済ませてから、持ってきた雑誌をひろげた。それはフィギュアスケート雑誌の最新号で、ヴィクトルの記事がたっぷりと掲載されていた。もともと世界的に有名なヴィクトル・ニキフォロフだが、彼は日本の勝生勇利のコーチでもあるので、このところ、日本ではますます知名度が上がっているのだ。勇利は、勝生勇利のおかげでヴィクトルの記事が増える、と感謝した。 「あ、勝生勇利ってぼくだ」  それはともかく、勇利は雑誌を読み耽り、満足してから再び眠りについた。  翌日は、道に迷いながら、雪の中を一生懸命会場へ向かった。今日は男子のショートプログラムがある。しかし、勇利の目当てはそれだけではない。 「ヴィクトルー!」 「クリス!」 「エミル!」 「ユーラチカー!」  黄色い声援が飛び交う中、選手たちが会場入りする。もちろん勇利も大勢のファンに紛れこんでその様子を見学した。ものすごい揉み合いである。ファンとしてこういう場に参加するのは、じつは勇利は初めてではないのだけれど、過去にないほど活気にあふれていた。それだけヴィクトルの復帰をみんなが待ちわびていたということだろう。よくチケット取れたなあ、と勇利は息をついた。開催地がチェコだからよかったのかもしれない。ロシアでは無理だっただろう。確か来年はモスクワで開催だ。次はチケット争奪戦だぞ……と勇利は気を引き締めた。  ヴィクトル、ヴィクトル、と呼ぶ声が多かった。勇利も一緒になって叫んだ。 「ヴィクトル、かっこよかー!」  日本語で言った。ものすごく気持ちよかった。すると、戸口の前でヴィクトルが立ち止まり、振り返ったからどきっとした。でも、もちろん勇利の声が聞こえたわけではないだろう。彼はかけていたサングラスを外すと、にっこり笑い、片目を閉じて愛嬌を振りまいた。悲鳴と歓声が上がる。勇利も両手を握り合わせて、みんなと一緒に「きゃー!」と叫んだ。ヴィクトルのファンでいられるって最高……。  ヴィクトルが笑顔で手を振って中へ入っていく。勇利はいつまでも彼の消えた扉をみつめていた。ヴィクトルだ……。なんだか泣きそうだった。かっこいい。すごくかっこいい。ぼくの神様。王子様。 「あなたもヴィクトルのファンなの?」  隣にいた女の子が話しかけてきた。金髪でそばかすのある、気のよさそうな少女だった。癖のある英語を話す。 「うん、そうだよ」  勇利は興奮気味に答えた。 「男の子でも彼の魅力がわかるのね。当然よね。かっこいいわよね、彼!」 「うん! ぞくぞくきちゃう! 最高!」 「ああ、ヴィクトルにほほえみかけられたいわ。ちょっとでもいいから話したいわ。彼、去年、自分の生徒にリンクでキスしたのよ。見た? すごいわよね。ユーリ・カツキって選手。知ってる?」 「知ってる。うらやましいよね!」 「みんなは、あれはしてない、ぎりぎりだ、とか言ってたけど、私はしてると思うわ。あなたは?」 「ぼくもそう思う!」  会場に入り、客席に腰を下ろした勇利は、もう完全にのぼせ上がってしまっており、あとでいくら思い出そうとしても、ヴィクトルが登場するまでの記憶がなかった。ヴィクトルがもうすぐすべる、それを見られる、ぼくが、ぼくがこの目で、と思うと全身がふるえるほどだった。勇利の頭の中はヴィクトルでいっぱいだったのだ。ヴィクトルの滑走順は最後で、彼がリンクサイドに姿を現したとき、勇利は興奮のあまり泣き出してしまった。 「ちょっと、大丈夫?」  隣にいた女性に心配された。 「だ、大丈夫です……問題ありません……」 「ヴィクトルを見に来たの?」 「はい……」 「わかるわ。そうなるわよね。ロシア選手権の演技もすごかったわよね」  勇利は、ヴィクトルのロシア選手権の演技がどれほどすばらしかったかを演説したかったけれど、ヴィクトルを見るのに夢中でものが言えなかった。  前の選手の演技が終わり、ヴィクトルが氷にのる。地響きのような歓声が上がった。勇利も喉を嗄らして「ヴィクトル!」と叫んだ。ヴィクトルがコーチと何か話している。彼はまったく緊張しているようには見えなかった。微笑さえ浮かべ、くつろいだ様子でうなずいていた。ヤコフが何か言いかけるのを、「わかったわかった」というように愛嬌のあるしぐさで遮ったのでみんなが笑った。 「はあ……ヴィクトル、かっこよか……演技前でもぜんぜん緊張しとらん……さすがヴィクトルばい……」  ヴィクトルの名前が読み上げられ、彼は歓声に応えながらリンクの中央へ向かった。勇利は再び涙ぐんでいた。両手をかたくかたく握り合わせ、ヴィクトルの一挙手一投足を見守る。スタートポジションについたヴィクトルは、目を伏せ、優しいまなざしでみずからの手を見た。何をしているのだろう? 勇利は首をかしげた。ヴィクトルのルーティンにこういうものはなかったはずだけれど。 「指輪を見てる」  隣の女性がつぶやいた。勇利は瞬いたが、その瞬間、ヴィクトルが静止し、わずかな間のあと、音楽が流れ出した。ヴィクトルがなめらかにすべり始める。  それからの約一分半は、勇利にとって目がくらむほどの陶酔の時間だった。勇利は、ぼくはあの一分半のために生まれてきたのではないかとあとになって思った。それほど濃密で、息もできないほどうつくしく、崇高な時だった。勇利は夢見るような瞳でヴィクトルの姿を追い続けた。釘付けだった。  ヴィクトルの演技が終わった瞬間、勇利は勢いよく立ち上がって思い切り手を叩いた。もちろん、まわりの観客もそうしていた。数々の花束がリンクに投げこまれる。そこで勇利はようやく気がついた。花を支度していない。そんなことも思いつけないほど、勇利の頭の中はヴィクトルでいっぱいだったのだ。  ヴィクトルが丁寧な挨拶をし、ぬいぐるみをひとつ拾った。まわりの女性が「かわいい!」と叫んだ。プードルのぬいぐるみだ。マッカチンだ、と勇利はにこにこした。  キスアンドクライで、ヴィクトルはマッカチンのぬいぐるみを膝に置き、マッカチンのティッシュカバーの奥からティッシュペーパーを引き出した。あのカバーはいまぼくのところにあるはずなのに、と勇利は思い、ヴィクトル、マッカチンたくさん持ってるんだなあ、とほわっとした感情をおぼえた。ヴィクトルが手を振ってから鼻をかんだ。さすがヴィクトル、鼻をかむ姿もかっこよか……。  ヴィクトルの得点が出た。二位を大きく引き離して、いちばんだった。勇利は当然だと思いながらも、歓喜の悲鳴をまわりのみんなと一緒に上げた。ヴィクトルは笑みを浮かべ、うんうんとうなずいた。ヤコフが何か言っている。ヴィクトルは怒られているのだろうか? どこがいけなかったのか、勇利には想像もつかなかった。ていうか、ヴィクトル、パーソナルベスト更新してもいいんじゃないの? 採点員はわかってないな!  そのあと、どうやってホテルへ戻ったのかよ���おぼえていない。とにかく気持ちがふわふわと浮ついて、夢見ごこちだった。興奮で食事が喉を通らなかった。  ああ、ヴィクトル……。  かっこよかった……。  すごかった……。 「……ヴィクトル」  勇利はベッドの上を転げまわり、ヴィクトルのすばらしい演技に思いをめぐらせた。指先の繊細な動き、視線の使い方、思いのこもった表情、身体のしなり、音楽のとらえ方、そしてジャンプの入り方、着氷――何もかもが完璧だった。八ヶ月もやすんでいたとは思えない。ヴィクトル・ニキフォロフは絶対王者だというのが演技から伝わってきた。これが最高ではない。もっともっと、今後、どんどん彼のすばらしさがあますところなく発揮される。そんな予感をおぼえるプログラムだった。 「ああ、ヴィクトル、ヴィクトル、ヴィクトル……」  勇利は幾度も吐息を漏らした。頬は紅潮し、ちょっとしたことで目がうるんでしまう。 「ヴィクトル、好き、好き好き……」  その夜は、ヴィクトルの比類ない姿を思い浮かべながら眠りについた。勇利はしあわせだった。  翌日はシングル男子の試合はなかったので、勇利は一日ホテルにこもって過ごした。雪がひどく、外は寒そうだったけれど、そんなことは頭になかった。勇利は退屈しなかった。彼は両手を組み合わせ、ぼんやりと視線を宙に投げ、うっとりした表情で昨日のヴィクトルの演技を思い出していた。そうしているだけで時間は飛ぶように過ぎた。ときおりは、会場入りするときのヴィクトルを思い浮かべた。スケートをしていないおりでも彼は優雅な身のこなしをしており、すばらしく洗練された物腰でふるまうのだ。振り返り方、そのときの髪の揺れ方、サングラスを取るときの手つき、片目を閉じる上品さ――、どれをとっても文句のつけようがない。勇利は上気させた頬に手を当て、「ヴィクトル……」と幾度もつぶやいた。彼は恋に落ちた乙女のようだった。  夜になると勇利は、明日のフリースケーティングに備え、早めにやすんだ。翌朝はきちんと朝食をとり、心構えをしっかりした。万全の体調でヴィクトルを見るのだと彼は意気込んでいた。ああ、またヴィクトルに会える、彼の姿を目に焼き付けることができる――そう思うと勇利はこれまでにないほど気持ちが高揚した。  もちろん、今日もヴィクトルの会場入りを見守った。勇利はもみくちゃにされながら、大勢のファンに交じって声を張り上げた。 「ヴィクトル、ヴィクトル、かっこいい! ヴィクトル、ショート最高だった。ヴィクトル好き! 大好き!」  ヴィクトルは親切にファンたちを振り返り、にっこり笑って手を振った。勇利は思わず隣にいた少女に話しかけてしまった。 「見た? 見た? いまのヴィクトル見た!? クッソかっこいい!!」 「見た! ほんとかっこいい!」  ほかの者たちも同意した。ファンのこころはひとつだった。 「すごいわよね、ヴィクトルと普通に話せる人もこの世に存在するんだもんね」 「ほんとにね! ヴィクトルを目の前にして落ち着いてられるってどういう人間なんだろう。もう、信じられないよ! ぼくだったら絶対興奮して頭が変になっちゃう!」  勇利はこぶしを握って力説した。  先日もそうだったけれど、勇利は客席で、まわりを見まわす余裕もなかった。ただヴィクトルの出番を待ちわび、彼の姿を望んだ。精神状態がおかしくなっているんじゃ、と自分で疑ったので、とにかく深呼吸をして気持ちを鎮めた。ヴィクトルの演技前に倒れて医務室へ運びこまれる、なんていう事態は絶対に避けなければならない。落ち着け、落ち着け。  ヴィクトルは今日も最終滑走だった。彼がリンクサイドにやってくると、勇利は目をきらきらと輝かせ、じっと見入った。眼鏡を押し上げて、最適な位置にレンズを動かすことも忘れない。眼鏡の度数を変えておけばよかったかな? そんなこと、いま考えても仕方がない。ヴィクトルだ。ああ、ヴィクトルだ! 「ヴィクトルー! ダバーイ!!」  ヴィクトルがスタートポジションへ向かってすべり出すと、勇利は声を限りに叫んだ。うつくしい衣装の裾がひらりと翻る。勇利はヴィクトルのこの衣装が大好きだった。色といい、デザインといい、完璧だ。いかにも気高く、皇帝にふさわしい。昨季から着用しているものなので、勇利はヴィクトルが衣装を変えてしまうのではないかと心配していたのだ。ヴィクトルのことだから、どんなものでもうつくしく着こなすだろうけれど、しかし勇利はこれがよかった。作製の時間がないからか、それともヴィクトル自身も気に入っているのか、彼がロシア選手権でこの衣装をまとって現れたときは、少なからず感激した。これを着こなせるのはヴィクトルしかいない、と思った。  ヴィクトルが静止した。彼はふうっと息をつくと、右手を持ち上げ、そっと薬指にはめた金色の指輪に接吻した。観客がどよめき、勇利も陶酔したようにそのしぐさをみつめた。  ヴィクトル、かっこよか……。  金メダルにするときもそうだが、ヴィクトルは、キスという動作が本当に似合うのである。  ヴィクトルが優しいまなざしで指輪をみつめ、ゆっくりと手を下ろした。ひと呼吸おいたあと、アリアの叙情的な旋律がささやくように流れ出る。それに乗って、なめらかにヴィクトルがすべり始める――。  勇利はほうっと溜息をついた。なんてうつくしいのだろう。この世のものとは思えない。「離れずにそばにいて」。昨季からのプログラムである。しかし勇利は、それが新鮮さをともなってこころに迫ってくるのを感じた。ちっとも見慣れたという気がしない。ヴィクトルはいつだって新しい感性をくれる。去年までのヴィクトルとぜんぜんちがう。あのときもすてきだったけれど、いまはもっと――もっと――ああ、言葉にできない!  ヴィクトルはほほえみさえ浮かべて踊っていた。「とんでもない鬼プロ」とスケート仲間のあいだでささやかれるそれを、甘く魅惑的に。舞いを見ているかのようだ。そうして人々を惹きつけておいて、難しいジャンプを鋭く跳ぶのである。はっとめざめさせられる。  ヴィクトル、貴方はなんて綺麗で威厳があるのでしょう。ぼくはもう、貴方にすべてを捧げたくなる。ううん、でも、そんなふうに考えることさえ畏れ多い――。  勇利はつぶらな瞳を大きくみはり、くちびるをわずかにひらいてヴィクトルに見蕩れていた。ヴィクトルが最後に両手を肩に添え、天を仰いだとき、勇利の瞳からは大粒の涙があふれた。 「ヴィクトル……」  しかしヴィクトルの姿を見逃すわけにはいかない。勇利は急いで眼鏡を上げ、手の甲で目元をこすると、風格のある長身に目をこらした。ヴィクトルは両手を下ろしたあと、右手だけをすっと上げ、最初と同じように指輪にうやうやしくくちづけした。それから笑顔で手を振った。彼は丁寧な挨拶を幾度もした。勇利は立ち上がり、てのひらが痛くなるほど拍手した。ヴィクトルはリンクの出口へ向かう途中、ふと視線をめぐらせ、ひとつのぬいぐるみへ寄っていった。マッカチンかな、と思った勇利は大きく瞬いた。思わずつぶやいた。 「あのぬいぐるみ、なに?」  勇利のちいさな声を聞き取った隣の観客が答えた。 「ユーリ・カツキよ! 手作りみたいね。『エロス』の衣装着てる。かわいい!」  ああ、なるほど。ユーリ・カツキか……。ヴィクトルの生徒のぬいぐるみを誰かが気遣って投げ入れたのだ、と勇利は納得した。ヴィクトルうれしそう。よっぽど自分の生徒が好きなんだね……。  キスアンドクライに座ったヴィクトルは、ぬいぐるみの手を取り、左右に振ってにこにこ笑っていた。勇利は、ヴィクトルが歴代最高得点を塗り替えるのではないかと考えた。胸がどきどきした。勇利は瞳を輝かせながら採点を待った。  会場の大型モニタに、ヴィクトルが足元にあるモニタをみつめる光景が映し出されている。結果を知らせるアナウンスが流れた。歓声が上がった。「Rank1」という文字が映し出される。ヴィクトルが金メダルだ。  予想していたことなのに、勇利はたまらなくうれしくてまた泣いてしまった。歴代最高得点は更新できなかった。しかしヴィクトルならそのうち抜いてくれるだろう。とにかくヴィクトルは最高だった。  表彰式のあいだも、勇利はずっと夢見ごこちだった。さらにその気分は続いた。翌日のエキシビションで、ヴィクトルはなんと勝生勇利のショートプログラム「エロス」を披露したのだ。これには会場じゅうが悲鳴を漏らした。勇利は両手を頬に当て、歓声を上げっぱなしだった。ヴィクトルかっこいい、と瞳は常にうるんでいた。勝生勇利の見せる誘う駆け引きとはちがう、まるで最初から「おまえは俺を愛してるだろう?」と魅了するような「エロス」だった。さあおいで。そんな目をするなら抱いてあげるよ。その代わり、忘れられなくなっても知らないよ。――そうして惹きこまれた。勇利はふるふるとふるえながら、「抱いてください……」とつぶやいてしまった。日本語だったので誰にもわからなかっただろうけれど、もし通じる者がいたとしても問題はなかっただろう。なぜなら、会場じゅうがそんな感情でいっぱいだったからである。勇利は、「ヴィクトル、ぼくを抱いてー!」と今度は叫んだ。  勇利はみちたり、これ以上ない幸福感を抱いてホテルへ戻った。彼は何をするにもヴィクトルのことを考え、ヴィクトルの圧倒的に男っぽい微笑、なまめかしい���先、そして胸がずきずきするほどのつ���っぽさと色気を思い起こしては涙を流して時間を過ごした。人間が暮らしをいとなむために必要なこともするにはしたけれど、食事も入浴もすべて上の空だった。勇利は自分が何を食べたか思い出せなかった。  ベッドにもぐりこんだ勇利は、来てよかった、とこころからの満足を感じていた。これで明日からまた生きていける。ヴィクトルがいればこの世界は輝くし、勇利の人生はばら色だ。  翌朝勇利は上機嫌でホテルをチェックアウトし、空港へ向かおうとした。しかし、ものすごい吹雪に遭い、行き倒れそうになった。そのときもまだ勇利はヴィクトルのすべてにこころを奪われていたので、まるで理解していなかったのだけれど、交通機関は麻痺し、道をゆく人はまったくいない状態だった。さすがに生命の危機を感じたとき、ようやく勇利は我に返り、このままではまずい、と青ざめた。これではきっと飛行機は飛ばないだろう。そもそも空港にたどり着けないし、あたたかいところへ避難しなければ大変なことになる。  勇利はホテルへ引き返そうとした。しかし、ずいぶん歩いてきてしまったので、とても帰れそうになかった。どうしよう?  そういえば、もう一軒ホテルがあった、と思い出した。そちらのほうが都合がよかったのだけれど、泊まり賃が高くて断念したのである。だが、いまはそんなことは言っていられない。ここからならたどり着けるはずだ。勇利はふらふらしながら記憶を頼りに道を曲がった。  雪にまみれ、ほとんど雪だるまになって、勇利はようやくホテルにたどり着いた。泊まっていたところより豪華なつくりにいくらか気後れしたけれどどうしようもない。とりあえず部屋が空いてるか訊いて……と中へ入ろうとしたとき、ちょうど出てきた宿泊客にぶつかってしまった。 「あ、ごめんなさい……」  勇利はしりもちをつき、ずれた眼鏡に手をやった。 「こちらこそ。失礼」  長身の男性が言った。勇利は曇った眼鏡越しに相手を見たが、その瞬間、一気にのぼせ上がった。  ヴィクトルだ! 「えっ、あ、あ、えっ、えっ、なっ……」  まともにしゃべれなくなってしまった。こんなところにヴィクトルがいるなんて! 信じられない。ここは選手が泊まるホテルだったのだろうか? 勇利はそこまでは知らなかった。なんという幸運。でもいま自分は、甚だしくみっともない姿をしているのである。勇利は急に気恥ずかしくなった。なんだこの垢抜けない貧しそうな子どもは、と思われたかもしれない。サインが欲しいけれど、そんなことを言っている場合ではない。 「あ、うんと、ヴィ、ヴィクトル、え、えっと、や……」  しどろもどろになった勇利をヴィクトルは助け起こし、それからぱちりと瞬いた。彼は大きく目をみひらき、どうして、というようにつぶやいた。 「勇利……?」 「えっ」  そこでようやく勇利は、自分がヴィクトルの生徒なのだということを思い出した。いや――もちろんそれは事実として頭の片隅にあったのだけれど、勇利はひと月ほどずっとひとりで練習していたし、そのあいだ、ヴィクトルのことを画面越しにしか見ていなかったし、オストラウに来てからはファンとしての感情しかなかったしで、そういう心構えが吹き飛んでしまっていたのだ。 「す、すみませんでした!」  勇利は反射的に逃げ出そうとした。なぜかはわからないけれど、自分の存在をヴィクトルに知られたくない、と思った。たぶん、練習もせずにこんなところにいることとか、そこまでしたかったファン心理とか、それを気持ち悪いやつだと思われるのではないかとか、そんなことが心配だったのだろう。勇利はヴィクトルにくるりと背を向け、重厚な扉を押し開けて外へ飛び出した。 「わっ」  雪に足を取られて勢いよく転んだ。勇利は雪につっぷした。 「勇利!」  ヴィクトルが慌てて出てきて勇利を抱き起こ��た。 「大丈夫かい? 急に外へ出るから……」  どこも痛くなかった。そんなことよりヴィクトルから逃げ出したかった。勇利はまっかになり、マスクを引き上げ、マフラーに顔をうめるようにしてうつむいた。 「ぼ、ぼくは勝生勇利ではありません」 「え?」 「人違いです。失礼します」 「あ、ちょっと」 「さよなら!」 「勇利!」  勇利は立ち上がり、よろよろと駆け出した。幸い、風はよわまり、雪もさっきほど降っていなかった。これなら前も見えるし歩ける。もとのホテルへ戻れそうだ。勇利は雪の深さに不自由しながら、脇目もふらず歩いた。とにかく安全な場所へ行きたかった。この寒さがなく、ヴィクトルもいないところへ。 「はあ、はあ」  息を弾ませつつ、ようやく目当てのホテルへたどり着く。一時間ほど前に出たばかりの建物なのに、ひどくなつかしく感じた。とにかく疲れた。もう一泊できるか訊かなければ。ロビーには人が多い。勇利のように予定の狂った旅行客だろう。泊まれるだろうか、と不安になった。扉の前で雪を払い落とし、ふらふらしながら受付へ行こうとしたとき――。 「勇利」  やわらかくて艶のある声にはっきりと呼ばれ、勇利は飛び上がった。おそるおそる振り返ると、観葉植物の陰にヴィクトルがいて、腕を組み、にこにこしながら勇利を見ていた。 「やあ。ひどいな。なぜさっきは逃げ出したりしたんだい?」 「あ、あの……」  勇利は青ざめた。どうしてここに? なんで? なぜ勇利の居場所がわかったのかも不思議だし、勇利よりさきにたどり着いているのもおそろしい。 「ぼ、ぼくは勝生勇利ではありません……」  勇利はちいさな声で反論した。ヴィクトルがおおげさに目をみひらく。 「勝生勇利じゃないだって?」 「は、はい……」 「この俺を置いてきぼりにするなんて、そんなこと、この世界で勝生勇利しかしないはずなんだけどね」  ヴィクトルはつかつかと歩み寄ってきた。勇利はうろたえ、ヴィクトルは勇利の手首をしっかりとつかんだ。もう一方の手でマスクとマフラーを下ろし、ニット帽も取ってしまう。 「ああ、やっぱり俺の勇利だ。こんなにかわいい子は俺の生徒しかいないよ。きみは勝生勇利だよ」 「い、いえ、あの……」 「で、俺の最愛の生徒がなんでこんなところにいるんだろうね? 俺のいとしい勇利はいまごろ日本の長谷津にいて、四大陸選手権のために練習をしているはずなんだけど。俺は夢を見ているのかな?」 「えっと……」 「まあいい。話は部屋で聞くよ。こんなところで言いあっていても仕方がない。おいで」 「えっ」 「こっちだ。勇利が逃げたりするから手間がかかるじゃないか。雪が激しくなったら移動できなくなるよ。早く」 「ぼ、ぼくはここに泊まるんです」 「残念ながら部屋は空いてないそうだよ。俺のところへおいで」 「でも……」 「野宿する気かい? 来るんだ」  勇利はヴィクトルに手を取られ、ふらふらしながらついていった。部屋が空いていない? 本当だろうか? しかし、どちらでも同じことだ。ヴィクトルにみつかってしまった以上、もう事態は勇利の思うようにならないのだ。  勇利は再び外へひっぱり出され、ヴィクトルのホテルへ連行された。ヴィクトルは受付でもうひとり泊まることを伝え、そのぶんの金額を支払った。 「ヴィクトル、ぼく、自分で払います」 「そんなことはいいからおいで。寒いだろう。俺のところはダブルだから問題ないよ。もともともう一泊する予定だったんだ。ちょうどよかった。明日にはこの天候もおさまるといいね。ちなみに、俺が勇利のホテルへ行けたのは、ここからいちばん近いホテルを考えて見当をつけたからで、きみより早くたどり着けたのは、俺がきみよりこのあたりの道を知っていたからというだけの理由だよ」  勇利はヴィクトルの部屋へ連れていかれた。勇利としては、引き立てられるという気持ちだった。ヴィクトルの部屋はそれほどひろくはなかったけれど、寝台が大きく、そして、枕元にぬいぐるみが置いてあった。マッカチンと、「エロス」の衣装を着た勝生勇利だった。 「さあ、服を脱いで。濡れただろう。着替えはある?」 「あ、あります」  本当に少ない荷物で来たから、それはすでに着た服だった。しかしほかに乾いているものはないし、どうしようもないので勇利はうなずいた。ヴィクトルはすこし考え、自分のトランクの中から清潔なジャージを取り出し、勇利に手渡した。 「これを着るといい」 「あの、結構です。悪いから……」 「いいから着て。下着は……」 「あっ、下着はいいです。あります」  前夜、入浴したときに手洗いして干しておいたのだ。勇利が慌てて手を振ると、ヴィクトルはふっと笑い、「じゃあ浴室を使って」と扉を示した。 「あの……」 「なんだい?」 「……すみません」 「いいよ。早く入って。試合前に風邪をひいたら大変だ。試合前じゃなくても大変だけどね」  勇利はおずおずと浴室へ行き、そこで熱いシャワーを浴びた。ああどうしよう、と頭の中はそればかりだった。ヴィクトルと会ってしまった。怒ってるかな? でもそんなことより、ヴィクトルはあのヴィクトル・ニキフォロフなのだ。どうしよう。どうしよう。どうしよう……。  ほかほかとあたたまった身体で部屋のほうへ行くと、ヴィクトルが窓際のテーブルで紅茶を飲んでいるところだった。 「おいで」  ヴィクトルがほほえんだ。勇利はぽーっとなった。遠慮がちにそちらへ行き、彼の前にちょこんと腰を下ろした。 「服、ありがとうございます」  ヴィクトルのジャージは勇利にはすこし大きかった。そしてよい匂いがした。ぼく、ヴィクトルのジャージ着てる……と勇利は興奮ぎみだった。  ヴィクトルは勇利のために、優雅な手つきでカップに紅茶をついだ。勇利は低い声で礼を言ってそれを飲んだ。 「さてと……」  ヴィクトルはソファの背もたれにもたれ、脚を高々と組んで勇利を打ち眺めた。勇利は赤くなって目を伏せた。ヴィクトル、かっこよか……試合でもかっこよかったけど、いまも……。 「説明してもらえるかな」 「え?」 「どうして勇利がこんなところにいるんだろう? 俺はびっくりしたんだよ。思いがけず勇利に会えてとてもうれしい。でもかなり混乱している。だから話して欲しい。どうして勇利はここにいるんだ?」 「え、えっと、あの、ぼく……」  何か言わなければ。ヴィクトルが説明を求めている。話さなければ。そう思うのに、勇利の舌はいっこうに動いてくれなかった。目の前にヴィクトルがいるのだ。あのヴィクトル・ニキフォロフが。あれほどのすばらしい、感動的な、たぐいまれな演技をしたヴィクトルが。勇利は喜びと興奮とで気持ちが高揚し、口が利けなかった。その代わり、どんどん頬が紅潮してくる。さっきまで雪にまみれて凍えていたのに、熱い湯を使ったり紅茶を飲んだりしたからではなく、内側から熱があふれてくるようだった。 「勇利? どうしたんだ?」 「…………」 「なんだい? そんなにじっと見て。きみは……」 「ヴィ、ヴィクトル」  勇利の口がようやく動いた。話せるとなると、勇利は一気に語り始めた。とめどなく言葉があふれた。 「あの、あの、ぼく、ヴィクトルの試合見ました。演技、見ました!」 「え?」 「すごかったです。すばらしかったです。気品高いヴィクトルの演技……、最高でした。泣きました。あの、上手く言えないんですけど、本当に感激しました。貴方が氷の上に戻ってきてくれてうれしいです。また貴方のスケートが見られると思うと、ぼくは喜びで胸が苦しくなります」 「……勇利?」 「かっこよかったです。綺麗でした。うつくしかった。すみません、月並みな言葉しか出てこなくて……ちょっといまぼく、とりみだしてて……。あのヴィクトルに会えるなんて思っていなかったし」 「…………」 「会場入りする貴方を待ってました。みんなに笑顔を振りまいてくれてうれしかった。どきどきしました。ヴィクトルはやっぱりファンに優しいなあって、ファン同士で盛り上がりました。みんな、貴方のことを偉大だって言ってました」 「…………」 「エキシビションも見ました。気高くて、崇高で、それから大人っぽくて、すっごくエロスで……ぞくぞくしました。抱いてあげるって言われてるみたいでした。ぼく、ヴィクトル、抱いて! って思いました。ホテルへ戻ってからもずっと、寝てもさめても貴方のことを想っていました」 「…………」 「来てよかったです。ありがとうございます。ヴィクトルが復帰してくれて本当にうれしい。それで、あの、ぼくずうずうしいと思うんですけど、いままでこんなこと言ったことないし、近づくのも無理だったんですけど、もうここまで来てしまったので、恥知らずだけどおねがいしてしまいます。よかったら、あの、あの……」  勇利はバックパックを探り、いつも持ち歩いているおぼえ書き用の大切なノートを取り出した。 「サインください!」 「…………」  ヴィクトルは黙って勇利をみつめていた。彼は静かにノートを受け取ると、新しいページを出し、ペンでさらさらと名前を書いた。 「宛名入れるの?」 「で、できれば……! あの、ぼく勝生勇利っていいます」  ヴィクトルは微笑を浮かべながら、「かわいらしい俺の勇利へ」と宛名を入れ、そのページを勇利のほうへ向けて差し出した。勇利はふるえる手でノートを引き取ると、胸に抱きしめ、泣きそうになりながらつぶやいた。 「ありがとうございます。宝物にします……!」 「どういたしまして」  にっこり笑ったヴィクトルはペンを置き、頬杖をついてからかうように言った。 「……で? つまり勇利は、ロシア選手権の俺の演技を見て気持ちが高揚し、いてもたってもいられなくなってヨーロッパ選手権を観戦しに来たということなのかい?」 「えっ……、は、はい、そうです」 「俺の演技を自分の目で見るまでは落ち着いて練習もできないと」 「は、はい」 「見ることさえできれば四大陸選手権に集中できるし、勉強にも、力にもなるからと」 「はい……」 「俺に連絡したら怒られるから、こっそり来たと」 「こっそりというか……そういうこと考えてなくて……」 「なるほど」  ヴィクトルはゆっくりとうなずいた。 「かわいいね……、勇利」 「あ、あの、ヴィクトル」 「なんだい?」 「訊いてもいいですか? ヴィクトルの演技、昨季とぜんぜんちがったんですけど、今回の心構えとか意識とか」 「おやおや。だんだんファン式からいつもの遠慮のない勝生勇利式に変わってきたな」 「あとジャンプ構成が……」 「あのかっこうでファンにまぎれこまれたら、さすがに俺も勇利だとはわからないよ。試合用の姿で来てくれたらよかったのに。でもね、おやっとは思ったんだ。なんとなく勇利の声が聞こえた気がしたんだよ。あまりにもおまえを恋しがっているから幻聴が聞こえるんだと思ったけどね。勇利、きみ、俺の演技前に『ダバーイ』と叫んだね」 「えっ」 「『エロス』はきみへ向けて踊ったプログラムだよ。抱いて欲しくなった? オーケィ。きみの解釈でまちがいない」 「あ、あの、ヴィクトル……?」  ヴィクトルは立ち上がると、勇利の手を取り、うやうやしく、しかし強引にベッドへ案内した。 「何を……」  押し倒され、勇利はとりみだした。ヴィクトル何なの!? 何しようとしてるの!? 「ファ、ファンにこんなこと……」 「まだそんなことを言ってるのか。皇帝ヴィクトル・ニキフォロフの魔法にかかっているようだね。俺がその魔術をといてあげよう」 「ちょ、ちょっとヴィクトル――」 「勇利……、会いたかったよ。あとで金メダルにキスさせてあげる。いまは俺にキスをして」 「あっ……」 「信じられない!」  身体のけだるさからようやくさめた勇利は、頬をふくらませて文句を言った。ヴィクトルは勇利に腕枕をし、のんびりと笑っている。 「なんでえっちなことなんてするの!? ぼくはヴィクトルの演技に本当に感動してたんだよ!」 「演技に感動することとセックスに感激することは相反しない」 「べつに感激なんてしてませんから!」 「いやだった?」 「……いやじゃないけど」  勇利がヴィクトルの胸に顔をうめて甘えると、ヴィクトルは陽気に笑って勇利の髪を撫で、耳元にささやいた。 「魔法がとけたようだね」 「う……」  ヴィクトルの親しみ深い愛撫を受ければ、遠くからあこがれているだけの子どものような精神ではいられない。 「……もうちょっとあのままがよかった」 「勇利は楽しいかもしれないけどね、俺はつまらないよ」 「だって……」  勇利は拗ねた。 「本当によかったんだもん、ヴィクトルの演技……」 「じゃあファンの言葉じゃなく、俺が溺愛する、俺の勇利の言葉で褒めてくれ」 「…………」  勇利はヴィクトルの喉元に接吻し、あえかな息をついた。 「ヴィクトル……」 「うん?」 「……すてきだった……」 「ああ」 「かっこよかった……もうわけがわからないくらいよかった……ロシア選手権も……。よすぎて、思わず家を飛び出しちゃったし、チェコにまで来ちゃったし、完全なファンに戻っちゃったよ……」 「勇利の愛情表現は複雑だ」  ヴィクトルが明るく笑った。彼のてのひらを背中に感じながら、ああ、ヴィクトルだ……と勇利は目を閉じた。 「ぼくのヴィク���ルは最高……」 「ふ……」  ヴィクトルは勇利のまなじりにかるく接吻した。勇利はすりすりとすり寄った。ヴィクトルは手を伸べて携帯電話を取り、時刻を確かめた。それからすこし何か操作した。 「……あ」 「なに?」 「勇利、撮られてるよ」 「え?」 「ニュースになってる」  勇利は目をみひらいた。 「うそ!」 「本当。『ヴィクトル・ニキフォロフの秘蔵っ子、勝生勇利、ヨーロッパ選手権を観戦。関係者席にいないことから、ファンとして見に行ったものだと思われる。勝生は会場入りする選手を行儀よく待って、ほかのファンとともにニキフォロフに声援を送り、満足の様子だった。観戦中はニキフォロフの演技に夢中になっており、勝生勇利はヴィクトル・ニキフォロフのファンなのだということを改めて我々に思い出させた』だって」 「見せて!」  勇利はヴィクトルの腕をぐいと引いた。読んでみると、確かにヴィクトルが言ったようなことが書いてあった。眼鏡とマスクという姿の勇利の写真もある。両手を握り合わせて、目をうるませているではないか。勇利はまっかになった。この顔! こんなにとろけきって……。世界じゅうに知れ渡ってしまった。  気恥ずかしさのあまりヴィクトルに抱きつくと、彼は笑いながら携帯電話を戻し、勇利を抱き直した。 「俺のファンとどんな交流したの?」  勇利はすぐに立ち直った。確かにきまりが悪い。けれどよいではないか。ヴィクトルなのだ。誰だってヴィクトルの試合は見たいだろう。勇利は当たり前のことをしただけなのである。何も恥じることはない。 「みんなヴィクトルかっこいいって。ヴィクトルに話しかけられたい、笑いかけられたいって言ってたよ。そうそう、勝生勇利とリンクでキスしたかしてないかっていう話があるんだって」 「勇利はなんて答えたんだ?」 「してたと思う、って。あと、うらやましいよねって」 「おまえはどうかしている」 「そうかな……」  ヴィクトルがくちびるを重ねた。勇利はふるっとふるえた。 「……それから?」 「ヴィクトルの『エロス』見て、みんな『抱いて!』って雰囲気だった」 「俺が抱くのは勇利だけだよ」 「ぼく、ヴィクトルかっこよか! って叫ぶの最高に気持ちよかった。ヴィクトルのファンサービスうれしかった」 「普段、勇利にはもっとサービスしてるだろう?」 「そういうのとはちがうんだよ……」 「わからない子だな……」 「それに……、」  勇利はつぶやいた。 「このところは会ってなかったから、ヴィクトルのぼくへのそういうサービスとも無縁だったし……」  ヴィクトルはもう一度優しく勇利にキスし、ほほえんだ。 「いましてるじゃないか……」 「じゃあ、もっとして」 「何をしてもらいたい?」  勇利はおとがいを上げると、のんびりと笑っているヴィクトルを熱心にみつめた。 「いまになって気がついたんだけどね、ぼく、一ヶ月とすこしあとには、あのヴィクトル・ニキフォロフと戦わなくちゃならないんだよ」 「その通りだね」 「ヴィクトルは強くて、品位が高く、絶対的な威厳にみちていた……」 「勇利は可憐で凛々しく、逆らえないうつくしさにみちているよ」 「ねえヴィクトル」  勇利はヴィクトルに顔を近づけた。 「どうすればヴィクトル・ニキフォロフに勝てると思う?」 「…………」 「ヴィクトルはぼくのコーチでしょ。勝てる方法を考えてよ。そして練習の項目一覧をつくり直してよ」  ヴィクトルはおもしろそうな目で勇利をしばらく眺めていたが、「ファン式の勝生勇利は完全に終わったようだね」とうなずいた。 「そうだよ。ヴィクトルが魔法をといたんじゃない」 「しかし、ベッドの中でする会話じゃないな」 「そんなの知らない。ヴィクトル、ぼくをヴィクトルに勝てるようにして!」 「まさに勝生勇利式だ……」  勇利はベッドから裸で飛び降りると、テーブルにのっていたノートとペンを取り、再びヴィクトルの隣へすべりこんだ。 「ぼくがいま朝からやってる練習をおさらいするね。いい? まず基礎練をして、コンパルソリーをして、パート練習をして、ジャンプをやって、走りに行って……、三日に一度はランスルーをして……」  勇利はそれから一時間ほど、ヴィクトルと稽古についてまじめに話しあった。ヴィクトルに注意されたこと、新しくする練習について、こまかくノートに書いておき、あとで見直して役立てることにする。作戦会議が終わるころには、勇利は大満足のていでにこにこしていた。 「ありがとうコーチ。ぼく勝てそうな気がしてきたよ」 「その前に四大陸選手権があるけどね」 「練習のききめをためすいい機会だね」  勇利は機嫌よくノートをまくらべに置いた。ヴィクトルは勇利の髪にくちびるを寄せ、しばらく黙っていた。 「……勇利」 「なに」 「こっそり俺の試合を観戦するのは楽しかったかい?」 「うん、すごく」 「不公平だな」 「何が?」 「俺は勇利の試合でそうすることができない」  勇利は笑った。 「ヴィクトルはいつもぼくのいちばんそばにいて見ていてくれなきゃいやだよ」  ヴィクトルの長い指が勇利の黒髪をかるく梳いた。 「……前もって言って欲しかった?」 「うん?」 「ぼくが会場にいるってわかってたほうがよかった?」 「…………」  ヴィクトルは目を伏せて優雅に微笑した。 「いや……」 「そう?」 「もちろん、勇利がいると思えばうれしいけどね。ただ……」  ヴィクトルのくちびるが勇利の耳元に寄る。 「いつも、勇利が見ていると思いながら演技をしているよ。だから、同じことさ……」  勇利はその甘美な声にぞくぞくした。ファンの勝生勇利では味わえない、ヴィクトルの特別な愛だった。ヴィクトルは皇帝ヴィクトル・ニキフォロフの魔法はといたかもしれないが、ヴィクトルだけの魔術的な誘惑で、勇利をこうしてとろとろにとろけさせるのである。  勇利は頬を上気させ、とりのぼせたようにヴィクトルを見た。ヴィクトルが笑って、「夕食にするかい?」と起き上がろうとした。勇利はヴィクトルに抱きついた。 「勇利?」 「ファン式の勝生勇利は終わったの」 「ああ」 「生徒式の勝生勇利も終了だよ」 「うん?」 「ここからは……」  勇利は指先でヴィクトルのくちびるにふれ、世にも稀な清楚にみちたまなざしで彼をみつめた。若ざかりといった感じのしなやかな裸身が、ヴィクトルの身体にすり寄っていく。ヴィクトルが何かを耐えるような顔つきになった。 「勇利……、俺、試合を終えたばかりなんだけどね……」 「だめ……?」  勇利はけなげな表情で瞬き、慎ましやかにくちびるをふるわせた。 「いや……?」  ヴィクトルがまいったというように笑い出した。彼は勇利を抱きしめ、寄り添って楽しそうにささやいた。 「勇利……、本当におまえは俺を驚かせるな。こんなところへ現れたことも、そんなふうに『エロス』とはちがう方法で悩殺することも」  勇利は、四大陸選手権での再会をかたく約束してヴィクトルと別れた。たった二週間なのに永遠の別れのような気がして、勇利は泣いてしまった。ヴィクトルは優しくいつくしむように勇利の頬を撫で、愛情のこもった接吻を念入りにしてくれた。  帰国した勇利はまた時差にまいってしまって寝こみ、翌日、稽古を再開した。早朝、リンクへ行き、誰もいない氷の上に立つと、すがすがしい、さわやかな気持ちでいっぱいになった。しかし、ここにヴィクトルはいないのだ。あんなに一緒に練習したのに。ひとりにようやく慣れたというのに、チェコで彼に再会したことで、また勇利はさびしくなってしまった。 「ヴィクトル、さびしいよ!」  勇利はせつなさでいっぱいになり、リンクの中央で叫んだ。 「なんだって? それはいけない!」  そんな答えが反響し、勇利はこころの底からびっくりした。  なに? いまの……。  ヴィクトルの声……。  信じられない気持ちでおそるおそる振り返った。ヴィクトルが氷の上に立ってにこにこしていた。 「ヴィクトル……」  勇利の全身に、ぞくぞくっとした戦慄が走った。 「本物……?」 「驚かされっぱなしは性に合わないものでね。どう、びっくりしたかい?」  勇利の目に涙があふれた。勇利はものすごい勢いでヴィクトルのもとまで駆けつけ、彼に思い切り抱きついた。 「チェコで勇利に会ったときの俺の気持ちがわかった?」  勇利は泣きながらささやいた。 「いまのヴィクトル、何式?」 「勇利は何式でいてもらいたい? 皇帝式? コーチ式? それとも……」 「リンクではコーチ式でいてもらいたいけど、いまだけは我慢できないよ……!」 「オーケィ」  ヴィクトルはいつでも勇利を驚かせるし、いつだって勇利の望みをかなえてくれる、最高の男なのだ。
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