#オオカミの誘惑
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この映画には猫がいる-2022-
今年の映画、なんだか猫が出ている率が高いな?
そう思ったのは、2022年も秋に差し掛かった時期でしょうか。私は2019年に猫と生活することを選びました。そうなると、日常の猫ニュース、SNSの猫写真、そして、映画に出てくる猫ちゃんが以前の1000倍気になってきました。
2022年は、2022年2月22日というスーパー猫の日もありましたし、この機会に私が鑑賞した猫の出てくる映画をまとめてみました。
見るポイントは、重要度・猫度・人間度の3つです。
重要度:その映画において、登場する猫ちゃんがどれだけ設定やストーリーに絡んだかです。
猫度:映画は人間が作りあげた虚構なので、猫も作り手の都合にあわせて登場して扱われます。それでも「猫は猫のままで尊いのだから、人間の欲望を押しつけず、手が加えられない姿や仕草を映したい」という意図が反映されている…と私が勝手に判断した度合いです。
人間度:猫度の反対ですね。虚構なんだから、人間がかわいく格好良くアレンジした役割にしちゃうぞという度合いです。もちろんその逆……残酷な使い方も可能です。どちらがいいとか悪いではないです。猫にヒト語を喋らせた写真や映像を見て、かわいいと思わなかった人間はいない!!!そういうことです。
それでは、映画の中の猫ちゃんを見ていきましょう。
――その前に、うちのミロにゃんを見てください。宇宙一かわいい!!
私が鑑賞した順に紹介しています。ネタバレはないようにしています。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
コウモリと猫、そしてペンギンと鷹とネズミの映画でしたね。それぞれの動物はメタファーだったり実際に登場したりです。野良犬が一瞬だけ出るなど、動物の演出は総じて良かったな。監督のマット・リーヴスは『猿の惑星』も二作撮っているので、動物の撮影ノウハウを持ってるんでしょう。
のちにキャットウーマンとなるセリーナ・カイルは孤児で、野良猫を自分のようだと保護していました。女性の恋人と暮らすアパートには、5、6匹の猫がいらっしゃった。ただ、セリーナは自分のケアができないキャラでしたので、猫ちゃんの数も彼女のキャパを超えていたのではと思います。
最後に、セリーナは街を去ります。一緒に連れて行く猫は1匹だけ。黒が強めのサビ猫かな?他の猫ちゃんは保護主が見つけられたんじゃないかな。
セリーナ役のゾーイ・クラヴィッツには、猫とたわむれる時間もあったそうです。大事だね!
重要度 ★★★☆☆
猫度 ★★★★☆
人間度 ★☆☆☆☆
猫ちゃんがスクリーンに映っているのは10分もないでしょう。しかし、セリーナの思い入れ先・インスパイア元としては重要です。バットマンが猫ちゃんたちに懐かれるシーン、猫の顔がどアップになるシーンが見どころです。
『モービウス』
コウモリの血清で、難病を克服して特殊能力を得たヒーローの映画です。
『ザ・バットマン』が3月公開、『モービウス』が4月公開、しかも同じアメコミ映画なので、見に来たお客さんの半分以上は「こないだもコウモリがヒーローの映画見たな……」と思っていたのでは?
そして猫も!猫も登場するんですよね。一瞬ね。
主人公マイケル・モービウスの同僚、マルティーヌ・バンクロフトが自宅で飼っているのです。ごはんを上げるシーンがあります。「お!猫じゃん」と身を乗り出す私だったが、伏線や役割には程遠かった。その後、いろいろあってこのマルティーヌは自宅から逃げ、捜査に入った刑事が猫のトイレやフードボウルをチェックしてたくらい。手がかりにもならない。たしか、黒っぽい猫でした。
重要度 ★☆☆☆☆
猫度 ★★★☆☆
人間度 ★☆☆☆☆
猫度は高かったですが、出番も一瞬でアレンジしようもなかったな。
『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』
高齢女性のレズビアンものです。南フランスのアパートで、長年の恋人2人が廊下を挟んで向かいの部屋に住んでいる。片方は独り身で、アパートを売って2人で思い出のローマで暮らしたいと考える。しかしもう片方は、娘一家へのカミングアウトもできずに、内に閉じこもろうとする。そんな2人にさらなる悲劇が訪れ……。
猫ちゃんは、途中から登場します。老齢の暮らしに彩りをとプレゼントされるので、すげー余計なお世話だなとは思った。でも部屋が舞台だと変化を与える役割はあるし、監督���最初から猫ちゃんを出す予定だったそう。お名前はバートくんなんだ。
重要度 ★★☆☆☆
猫度 ★★★☆☆
人間度 ★★★☆☆
猫ちゃんは伏線や展開には使われませんが、最後に、猫ちゃんから部屋の中へとカメラが動いて、主役2人をうつすシーンが美しかったです。
『バズ・ライトイヤー』
紹介4作目にして、メインキャラクターの猫ちゃんです。お名前はソックスくん。茶白に緑の目、青い首輪をお召しです。
しかし彼は、猫型ロボットなのでした。
『バズ・ライトイヤー』は『トイ・ストーリー』シリーズのスピンオフ映画です。『トイ・ストーリー』はおもちゃたちのCGアニメなので、バズ・ライトイヤーもおもちゃとして登場します。子供とごっこ遊びを行い、ボタンを押されたらキメ台詞を言う。ポケモンやガンダムのようにです。 つまり『トイ・ストーリー』の世界では、おもちゃの元となったアニメが存在する。そのアニメがこの映画、という設定です。
本作のバズは、生真面目な宇宙飛行士です。多くの人類が乗った星間飛行船を自分のミスで危ない惑星に不時着させてしまいます。惑星からうまく脱出できず、バズは自分の失敗に苦しみ、試行錯誤を続けます。作中では、何十年もの時間が経過します。
猫型ロボットのソックスくんは、バズの相棒です。同僚から一方的にプレゼントされて、最初はバズに見向きもされない。しかし、ソックスくんは喋れて、計算ができて、目はライトになって、攻撃できて、コンピューターと接続もできる。スターウォーズのR2-D2のような存在です。1人と1匹は次��に信頼を育みます。
重要度 ★★★★★
猫度 ★☆☆☆☆
人間度 ★★★★★
猫が大好き!でも、猫は犬とは役割が違う!人間の役に立つ猫なんて猫じゃない!でも、たとえば、ロボットだったら……?
そんな作り手の気持ちを、私は勝手に受信しました。ロボットだから、寿命はないし、危うい場所に行ってもハラハラせずに見ていられた。こんな猫ちゃんがいたらとは思わないけど、こんな猫型ロボットが実現したらうれしいですね。キャラクターグッズにもなるしね。 作中で、このソックスくんはもう一匹出てきます。その使い方も素晴らしかった。
『LOVE LIFE』
スリリングな映画でした。 一見、平凡で幸せそうな夫婦と息子、アパートの一室で行われるお祝いの席。しかし、その水面下には軋轢や大きな過去があり、想いの歯車がすれ違っている。そして決定的な悲劇が起こる。傷の回復はうまくいかず、登場人物たちは近い距離ですれ違い続けます。
そのさなかに登場する猫ちゃん!!!!
「やめろ!猫を出すな!!」
映画を見ていて、そんな気持ちになったことはありますか?私はあります。何回か。こんなにしんどい映画で登場する猫ちゃんは、ぜったいろくな目に遭わないだろう、と。
フィクションなんでね、本物の猫がひどいめに遭うわけじゃないんでね。気持ちを切り替えることは可能です。でもダメージは受ける。だから本作で猫が出てからの私は、緊張しっぱなしでした。防御力を高めるために、あらゆるひどいパターンを予想して、心拍数を上げていた。
重要度 ★★★☆☆
猫度 ★★★★☆
人間度 ★★☆☆☆
猫は、無事でした!!
本作の猫は、とある「可哀想な境遇」のキャラクターが保護します。弱いキャラクターがさらに弱いもの、動物を保護して自立心や承認欲求を高める。このパターンに近かった。「無責任の象徴」という感想も見かけたので、その意味でもわかる。
保護されてからの猫ちゃんは、自由に振る舞っていて幸せそうでした。淡い色の茶白で、たぶん子猫です。本作には犬も登場しまして、2匹ともエンディングクレジットに名前が載っていました。
『LAMB/ラム』
羊飼いの夫婦が、半獣半身の子供、アダちゃんを得る映画です。
羊と犬と猫が出てきます。アイルランドの広大で孤独な自然の中で、羊飼いの夫婦は、過去に亡くした子供のかわりに新たな生命を得たのだと信じます。
このアダちゃん、スチル等ではリアルさに及び腰でしたが、スクリーンでは不気味の谷を超えて可愛く、保護欲を誘う造形と仕草ですばらしかった。
猫は、キジトラでした。飼い主に懐いたり愛でられたりする様子はなく、おうちの中で自由に過ごしていました。監督いわく、この俳優猫ちゃんは、作り手の思惑にほとんど従わなかったようです。
重要度 ★★☆☆☆
猫度 ★★★★☆
人間度 ★★☆☆☆
出番は5分もないと思います。でも、彼が映画的役割を果たしているシーンは「それだ!」て使われ方でしたね。
カンヌ映画祭には、パルムドッグ賞という映画に出演した犬に贈られる賞があります。2021年は、本作に出演した俳優犬のパンダちゃんが受賞。ただし、映画祭よりも前に亡くなってしまったので、ブリーダーさんに授与されたそうです。黒と白のボーダーコリーでした。
『バッドガイズ』
オオカミとヘビとキツネとタランチュラとハムスターとサメとピラニアと……つまり、いっぱい動物が出てきます。しかも、擬人化された動物キャラと、動物のままの動物、そのうえ人間のキャラも出てくるというごちゃまぜでフリーダムな世界観。
けれど、それぞれの動物の種類はストーリー上でも設定でも重要でした。彼らへのイメージは、偏見という名前にも置き換えられます。『ズートピア』の次のステージの映画だね。オオカミとヘビの関係が非常に濃かったのも含めて振り切っていたな。
重要度 ★★★☆☆
猫度 ★★★☆☆
人間度 ★★★★☆
猫は擬人化されません。そのかわり、現代らしいネットメディアの寵児となった猫ちゃんでした。茶白で赤い首輪をお召しで、最後はサングラス姿を披露してらっしゃった。
『すずめの戸締まり』
この白猫ちゃんは、リアルな猫ではありません。アニメーションの魅力を活かした、キャッチーなデザインで、フォルムも伸び縮みします。私は最初、猫じゃなくて、この世界の特別な生き物かと思ったもん。
そして、喋る。不思議な力を持ち、主人公たちの旅を先導し、大きな秘密を持っている。旅の途中で、ダイジンと呼ばれるようになる。彼は人間を愛し、人間に見捨てられたら悲しみます。気ままというイメージが強い猫ですが、人間への執着は大きいよね。
重要度 ★★★★★
猫度 ★☆☆☆☆
人間度 ★★★★★
『バズ・ライトイヤー』と同じように、キャラクターグッズのための登場キャラという側面は強い。だからリアルな猫を避けたのかもしれません。私の感情としては、猫らしくないから感情移入しなくてすんだという長所もありました。
途中でもう一匹、黒猫も出てきます。そっちはトラほどもあるでっかい猫ちゃんでサダイジンと呼ばれます。 協賛のミサワホームの、この白猫ちゃん設定を活かしたCMが���かったな。
『ザリガニの鳴くところ』
舞台は1960年代のアメリカ、ノースカロライナ州の沼地です。主人公の女の子は家族に見捨てられて育ちます。過酷な環境で彼女を育んだのは、家の周りの自然だった。鳥や貝類や虫たちを、毎日観察して利用して、主人公はひとりで生計を立てていく。 動物がたくさん出てくるのは、ここまでの猫登場映画の傾向に沿っていますね。
重要度 ★★☆☆☆
猫度 ★★★☆☆
人間度 ★★★☆☆
主人公は冒頭で、殺人の疑いで逮捕されます。猫ちゃんは、逮捕された先の拘置所で飼われているキジトラでした。名前も呼ばれていたけど、忘れちゃった。
檻の中の主人公にとって、猫は自然のよすがであり、自由な世界の象徴です。猫のほうも生き物と親しんで育ってきた主人公を受け入れます。一緒に眠るシーンは安らぎに満ちていたな。他の動物との共演シーンも多く、撮影時は配慮がいっぱいでした。安全大事ね!
『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』
ルイス・ウェインの伝記映画です。猫のイラスト界の手塚治虫のような方で、英国のみならず、世界的有名人です。
今年一番の猫映画であり、そこそこのダメージを受けるぞと心構えをして鑑賞しました。なぜなら、ルイス・ウェインは、後年、精神疾患を発症したことでも有名だからです。
作中でもっとも重要な猫が、写真の真ん中のピーターくんです。黒白のハチワレ――英語圏ではタキシードと呼ばれる柄です。彼は、妻のエミリーが末期癌だとわかったときに登場します。夫婦は、庭で雨に濡れたピーターくんを発見して、保護して、我が子のように可愛がります。ルイスのイラストのインスピレーション元にもなり、エミリーが天国に旅立ったあとも、彼の心と彼の実家の生活を支えます。
それまではペットといえば犬で、猫の地位は低かったそうですが、ルイス・ウェインのイラストが人気になったおかげで、猫の価値が上がったそうです。人間として生きている以上、猫も人間社会というフィルターを通して存在しているもんなあ。
重要度 ★★★★★
猫度 ★★★★☆
人間度 ★★☆☆☆
イラストの人気は得られたものの、ルイス・ウェインの社会性のなさや様々な差別によって、彼らの生活は困窮し、ついにルイスは精神疾患を発症します。この転落が大変つらかった。不幸のスパイラルに出口はなく、猫は心を慰めてくれるけど問題の解決にはならず、人間の愛情だけでは猫も存在できない。お互いの不可侵性がスクリーンの上に描写されていた。できるだけ、猫が猫であるように撮られていた。
といっても、ピーターくんは群衆に見せられるための登場もありました。猫と飼い主の交流会シーンには、たくさんの猫ちゃんが登場していて、世の中には、大勢の人間や猫に囲まれても大丈夫な猫がいるんだなあと感心していた。
そうそう、ネットでは、疾患の影響で彼の描く猫イラストがおかしくなっていったという論調がありますが、本作では、新たな作風という描写でしたね。20世紀初頭だもんな。真実は断定できないよね。
エンディングでは、実際にルイス・ウェインが描いたピーターくんのイラストが登場。赤いリボンがお似合いでした。
『ファイブ・デビルズ』
タイトルからしてホラーかなと思ったら、超常系の恐怖よりも日常的な恐怖が強い映画でしたねえ。差別やクィア性など、現代社会も取り込んでいて、不思議な手触りだった。
舞台は、フランスの田舎町です。猫ちゃんは、主人公の父親のアパートを訪問するハチワレでした。ごはん目当てなのですが、父親は「人間の食べ物は贅沢だけどな」と100%善意でツナ缶をあげている。
ピピー!猫飼い警察の登場だ!猫ちゃんに人間のごはんをあげてはいけません!……フィクションだとわかりつつも、つい気になってしまう。
重要度 ★☆☆☆☆
猫度 ★★★☆☆
人間度 ★★☆☆☆
分析…難しい……出てるシーンはここと、主人公のお子さんと遊んでるところだけなんですよね。 本作には、もう1種類の動物が登場するので、並列的な役割はあった。それと、この父親がのちのち困った人物だとわかるので、猫ちゃんへの扱いも彼の視野の狭さと傲慢さの表現ではないでしょうか。
以上、2022年に鑑賞した映画のうち、11本に猫ちゃんが登場していました。
と、締めくくりかけていましたら、もう1匹登場しました。 12月31日の大晦日。京都みなみ会館の、アニメ『平家物語』全11話一挙上映イベントに行きましたら、猫ちゃんがけっこう出てたんですよ。映画じゃないけど入れちゃおう! ということで、紹介します。
テレビアニメ『平家物語』
『平家物語』って、平家没落の話、琵琶法師が語ってる、『鎌倉殿の13人』は見��、という程度の知識で鑑賞しましたが、ついていけました。
主人公は「びわ」と名乗る女の子で、アニメオリジナルの登場人物です。彼女は、平清盛の長男、平重盛の屋敷に世話になることになり、重盛や息子や娘たちと交流を育みます。平家の奢りや権力争い、没落から都落ち、滅亡をつぶさに見ていく役割です。
猫が出てくるのは、7話…だったはず。一挙上映で話数の感覚が危うい。平家は福原京という、現代の神戸に都を移そうとしており、びわは福原に滞在しているときに、この白猫ちゃんを拾います。
なんと、眉がある猫です。これもアニメならではの表現だ。びわは、右目が青で左目が茶色のオッドアイの持ち主なので、オッドアイが出やすい白猫にしたのでは…と思いますが、作中では言及がなかった。
重要度 ★★☆☆☆
猫度 ★★☆☆☆
人間度 ★★★★☆
登場シーンは多いのですが、重要な伏線や役割の担い手ではなかった。びわは、8話から平家と離れて旅に出るので、その相棒としての登場ですねえ。このように、魚籠のような籠に入って運ばれます。
名前は「ねこ」。飼い主びわも、自分の名前がわからず、父親の持っている琵琶から自分の名前を決めたので、猫ちゃんも同じ法則にしたのでしょう。
旅が終わってから、びわはねこを地元の漁師に譲ります。お別れのシーンもありませんでした。死別が多く悲しいお話なので、猫ちゃんが無事なことはすこし慰めになりましたね。
まとめてみると、作り手がどういうときに猫ちゃんを登場させたいのか、猫ちゃんにどういう役割が与えられがちなのかの傾向がわかってきましたね。猫がそういう生き物だから、というよりも、人間から猫への認識、価値観が理由でしょう。この傾向も、年月を経ると変化していくのかもしれません。ルイス・ウェインのイラストの登場や、ネットメディアの影響によって猫のイメージが変わったように。
2023年は、ドキュメンタリー『猫たちのアパートメント』やアニメ『長ぐつをはいたネコと9つの命』などが待っています。今年も、リアル猫ちゃんと映画内猫ちゃんを愛でていきます。
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赤ずきん 4
オオカミが赤ずきんを誘惑しているところです。 https://www.borderlessart.or.jp/ https://artnowa.org/ #障がい者アート #アート #芸術 #イラスト #絵 #絵画 #アウトサイダーアート #アールブリュット #Art #paint #picture #SDGs #福祉 #社会貢献 #CSR #障害者 ----------------------- 新作アートをFacebookでチェック! ----------------------- 日本最大数の障がい者アートが掲示される 障がい者アート専門ギャラリー「アートの輪」の作品は 毎日アートの輪フェイスブックページで公開中です! 「いいね!」いただければ新作がチェックできます! コチラから→ https://www.facebook.com/BAOArtNoWa Read the full article
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「ワルプルギスの廻天」が待ち遠しくて、一人で考察してみた
10/29、体調が悪くてベッドで少し休んでいたところ、「魔法少女まどかマギカ ワルプルギスの廻天」の新しい告知動画が公開されました。
何を隠そう、私はこの「魔法少女まどかマギカ」が大好きで、本編を一体どのくらい見返したか分からないくらいで、それでいて毎度号泣するという状態です。
そして今回、新たなまどかの衣装が公開されたPVが突然発表。 実は以前の動画から、自分なりにこの作品についての考察をずっと続けており、このあたりで公開しようと思った次第です。
なお自身の考えも含まれているため、内容の正確性には責任を持ちません…。事前考察が苦手な方、自身で考察や現在公開されている情報のみを楽しみにされている方は閲覧をお控えください。 また当然ですが、内容には「魔法少女まどかマギカ」の本編および映画「反逆の物語」のネタバレが含まれています。
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00:08 謎のモニュメント このでっかいモニュメントみたいなのは恐らく、タロットカードの「月」のカード(番号が同じなため) タロットカードには正位置、逆位置があり、それによって一部意味が異なったり真逆の意味となることがあるのですが、ここでは表示的に「正位置(数字部分が上にきてるため)」として考えます。
正位置および本来のカードの意味は【状況がクリアに見えていないこと、それによって不安や心配を募らせることを暗示。幻想、誘惑、動揺】など。 本来のカードに描かれているような「建物、サソリ、オオカミ」が存在してないので、一旦これらの意味は無視しています(これらのものについてもタロットカード上としては意味があります。もしかしたら回りにある蝶々などがその代用かもしれませんが…)
00:17 「ワルプルギスの夜」の説明について 「舞台装置」というのが、先述した「月のカード」の装置と何かしら関連があるとしたら、「ワルプルギス」の【囚われた姿】と見てとれると考えました。 というのは、説明にあるように、この場面に「性質は無力。回り続ける愚者の象徴」とありますが、ここでもタロットカードの「愚者」のワードが登場する。 「愚者」は「0番」のカードでまさしく「最初の魔女」と取れます。しかし、本来の「ワルプルギスの夜」は女性が逆さまの状態で徘徊する姿を考えると(00:23でも「愚者」の文字が逆さまになってる)逆位置の意味で捉えると【現実は甘くない、放浪、無責任、孤独】と、街を点々と巡り、天災と災厄を撒き散らす存在であるとされます。 そしてこの天災は、まどかの最後の力(円環の理)によって救済。 しかし、まどか自身が映画版にてほむらに囚われてしまってことにより、「舞台装置の魔女」もあのような形で囚われてしまっているのではないかと考えました。 (ほかの魔女���、円環の理によって救済されていたが、何かしらの理由で「舞台装置の魔女」は消えていない?それが本当なら、ほむらの最初のセリフでもある「貴方は危険と責任を引き受けられる?この世の呪いと戦える?」のセリフから、恐らくほむらは切り札として「舞台装置の魔女」を所持してるとみると辻褄があう)
00:24 「舞台装置の魔女」について ここで「舞台装置の魔女」の説明登場。 「かつて希望を運び、いつか呪いを振りまいた存在」とあります。前半部分は「愚者」のカードの正位置の意味でもある【一切の束縛がなく、自由なまでに動く存在。無限の可能性】と繋がりのある説明が合います。
00:34 謎の魔法少女 この謎の魔法少女ですが、これは最初まどかの新衣装だと考えたのですが、上の考察がそのまま通じるなら、「舞台装置の魔女」の魔法少女だった頃の姿ではないかと仮説しました(仮にこの魔法少女を「魔法少女A」とします) 見た目や使用武器など、まどかに似た部分がありますが、まどかが「魔法少女(魔女)」としての素質がある程度高いということ、かつ、もしこの魔法少女Aが、まどかと同格の力をもつ存在だとしたら、「円環の理」で消えずに同調し、そして「まどかのいない世界」が完成したのではないかと考えました。 ちなみに、まどかについて「魔法少女としての力が最強」というわけではなく、あくまで同格もしくは同様の力を保持していたと考えられます(前回の映画版にて、魔法少女としてはマミさんが一番素質としては高い部類とのことらしいので。まどかはあくまで、ほむらの時間操作の弊害によって、力が増幅してしまっている) つまり、「まどかだけが存在しなくなった世界」のではく、「まどかと魔法少女Aが存在しない世界」となった。もしそうだとすれば、ほむらがまどかを捕らえた後、魔法少女Aもとい「舞台装置の魔女」の力を保持しててもおかしくないと考えました。
また、もし本当に魔法少女Aがまどかと似た能力を保持し、かつマミさんのように素質の高い存在だとしたら、最後の力で魔女化した場合、確かにあのような天災を引き起こす魔女となってもおかしくはない…?(なぜ魔女化してしまったかまでは分かりませんが、おそらくこのシーンで最後の力を使い切ってしまったのではと考えます)
00:40 ここは「魔女」ではなく、「魔獣」が存在する世界線が描いてるため(画面に「魔獣」の文字が散りばめられてる)、まどかの存在が消滅してるシーンと思われます(ここの説明はもう皆知ってるよね?だと思うので割愛)
00:46 囚われの魔法少女 一瞬この魔法少女はマミさんだと思ったのですが、なぜここでマミさんが囚われるシーンが登場するのかが謎すぎる…また衣装等異なる部分も多い。 また、00:34の弓を放つ少女と衣装や髪型などが近しいため、恐らく「舞台装置の魔女(魔法少女A)」もしくは、少なくとも00:34で登場した少女ではないかと位置付けました。
00:54 夢の中? このシーンは恐らく、まどかが捕われて夢の中で見てるシーン?となると、まどかは延々と学校生活やほむらと暮らす世界を見続けさせられている?そう考えると、ほむらはやっぱりずっと自分の中にまどかを閉じ込めたかった、けれども「自分は傍観者である」という位置は崩さないんだと思いました。
01:06 美樹さやかというイレギュラー 何故かここで美樹さやかがぐるぐる巻きにされて登場。恐らく ・さやかは本来「円環の理」によって消えている存在だが、この世界(やたら建物が開発されている背景)は未だほむらの世界である ・何かしらの力(恐らくキュウべえあたり)によって魔法少女としての力を持っているが、本来持っていた治癒能力がない、もしくは存在を隠すためにわざとこうしてる(全然隠れてないけど) とにかく、さやかは前回の映画同様、イレギュラーな存在ではあることには変わりない。このイレギュラーな存在がこの物語にどう関連してくるのかとても楽しみです。
01:11 本の塔 後ほど登場するシーンである通り、本を立てた上に立つほむらのシーン。ここでもタロットカードを模してると考えました。内容は「塔」。 「塔」の正位置(恐らく正位置)は、【破壊と創造の繰り返し、激変、突然の別れ】などショッキングな内容が多いのですが、本来は「壊して再生する」という意味も込められています。しかし、この塔を形成するにあたり、「鎖」がところどころに存在しています。この鎖が登場するタロットカードがあり、それが「塔���の前番にあたる「悪魔」のカード。
「悪魔」のカードはほむらが前回で悪魔化したように、象徴的な存在であり、またこの場所は彼女の砦でもあるのでしょう。ちなみに悪魔のカードの意味は【束縛したり執着したりして変化を嫌う様子】。 また、下にシーンを向けていくと複数のほむらが居ることを考えると、これはほむらの時間操作によって作られた歴史とも取れます。
今回追加されたシーンについて
最後の追加シーンにて、まどかの新衣装が登場。 と同時に、胸の部分が施錠されている。これまでの考察が正しければ、鍵を持つのはほむらではなく、まどかと同格の力を持つ「魔法少女A(舞台装置の魔女)」と考えられます。 もしくは、キュウべえの集合体が集まってるのをみると(あの映像、集合体恐怖症の人にはキツそう…)、まどか自身が力を取り戻し、施錠を壊すかのか…。キュウべえもとい、インキュベーターからすれば、まどかの力は例え「魔獣」の世界線であったとしても欲しいと思う存在のはずなので、まどかに何か吹き込んで力を与えてもおかしくない…。
タイトル回収とエンディングについて
ちなみに、タイトルの「廻天(回転)」の意味は【天下の形勢を一変させること。また、��えた勢いをもり返すこと(Google先生辞書)】これを意味するタロットカードも存在しており、恐らくは「運命の輪」。 「運命の輪」は、【それまでは行き詰まっていたことの突破口、円滑に進む】など、事態が好転する意味が込められています。この好転が、まどかの救出につながるのではと考えます。
ちなみに、タロットカードの所謂「大アルカナ」と呼ばれるカードは、カードそれぞれの意味と、関連するカードが存在します。 「世界」はタロットカードの中では1番最後の「21番」のカードとなっており、意味は【1つの旅の完成、達成】そしてカードには【ウロボロス】が描かれていることが多く(人物の周りと囲っている輪っか)、これは「円環」を意味することがあります。 そしてこの世界のカードにはもう1つ意味があり、【0番の愚者】が到達した【21番の世界(つまり、さまざまな困難を乗り越え完成、達成させる)】そして再び旅に出る(つまり【愚者】に戻る)とされています。
このことから、このほむらが作った世界が、何かしらの力によって一変し、それは愚者である「最初の魔女」に戻るのではと考えられます。 これがどのような結末になるのか、恐らく何かしらの匂わせ演出があると思いますが、できればハッピーエンドと呼べる結末だと良いなと、私個人としては思っております。
以上、長文となりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。 映画、じぇったい公開初日に観に行く!!!!!
※タロットカードの意味について(参考サイト) https://honkaku-uranai.jp/article/1837/
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本日観た映画 『オオカミの誘惑』 一番言いたいこと 言い出せない現象 #オオカミの誘惑 #キム・テギュン #チョ・ハンソン #カン・ドンウォン #イ・チョンア :チョン・タヘ #イ・ジヒ https://www.instagram.com/p/CDVI5vLjUO_/?igshid=5n40igscob08
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220716 MINWOO OFFICIAL INSTAGRAM UPDATE ~
during shooting!!!
wondering what kind of shooting this is about!
i'm working hard for the stage “オオカミの誘惑” (Ookami no yuuwaku)! please come to join us a lot☺️
Cr: boyminwoo_ | Trans by me youngmar4 ^-^💓
#Minwoo#No Minwoo#boyfriendband#BF#Boyfriend#stage#Ookami no yuuwaku#Japan#instagram#shooting#my translation
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2021.12.16〜31
12/16
急なお使いで三宮に行くことに。えらいキレイになってて驚いた。阪急も出来てるし。大昔に家人とデートしたセンプラを歩いて帰りました。先日「元町行きたい」と綴ったのが現実になったわね。これが引き寄せの法則か?とりあえず御座候の赤白二つずつをお土産にして帰ります。
12/17
たまたま梅田に家人がいたので街に繰り出しておでんなどをつつきました。変わらずおいしかったです。
12/18
パン屋モーニング。さすがにテラスは寒すぎると思って店内にしたけど、やっぱりテラスがよかったな……と人間のひよこたちを見ながら思いました。人間のひよこも鳥のひよこもパンが好きね。
12/19
宿題のハンカチ刺繍を仕上げた。真っ白なハンカチに、ほんの少しだけグリーンの入ったアイボリーの糸を合わせるととても可憐な仕上がりに。レースの縁編みを入れても可愛いだろうなー。夜は岸辺露伴は動かないを見ながらテディベアを作るなどしました。
12/20
来年のお教室の打ち合わせ。参加者多数でキャンセル待ちとのこと、とても嬉しい。うまくいきますように。打ち合わせ場所のカフェがとても素敵な雰囲気だったのでまた行こうと思ったよ。
12/21
目が回りそうなほど忙しいけど可愛いテディベアちゃんを作っています。茶系の刺繍糸を全然持ってなくてびっくりした。今度ユザワヤで見てこよう。大きい耳か小さい耳かどっちがいいかな、ペレットでくたっとさせたいな、爪の刺繍も……(以下略)。
12/22
本日をもってぬいぐるみ作家を名乗ることにしました。前からずっと「この日にしよう」と決めていたのでどきどきするわね。一番長い夜、陰が陽に転じる日、はじまりの日、静かに萌え出る芽を手の内にかくまうように。物を作るときはYuleという名前でやっていきます。どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
12/23
今日は制作���みにしようと言いながらちくちくやっていた。重さを出すときはガラスビーズを使っていたのですがステンレスボールの方が少量で重みが出て使い勝手が良いですね。でも高いのよ。いつかオオカミを作るときは小石を拾って詰めることにします。
12/24
仕事を納め、楽しいクリスマスがやってきた!今年のプレゼントは各々ジュンク堂で好きな本を選ぶやり方でした。私は『葛原妙子歌集』『レスボスの女王―誘惑者ナタリー・バーネイの肖像』を選びました。冬休みはこれ読んで過ごします。ディナーはもちろんチキン(手羽先の唐揚げ)を食べました。
12/25
紅茶が無くなりかけなのでムジカ行ってクリスマスブレンドと鉄観音、いつものカトマンズフレグランスを買う。その足でティーサルーンにも行ってウィークエンドシトロンとダージリンセカンドフラッシュをキメました。夜には会社の慰労品でもらったお菓子とクリスマスブレンドでナイトティー。ニルギリが効きつつもすっきり飲めておいしい。スパイス入ってないしね。
12/26
初雪観測。手足がちぎれそうなくらい寒かった。クリスマスリースを仕舞ってから玄関にしめ飾りを吊るしました。
12/27
焼売を手作りしました。挽き肉を包んだ小麦粉料理が妙に好きです。前世は中央アジアあたりで馬に乗っていたのかもしれない。
12/28
帰省の手土産を買いに百貨店へ行ったらものすごい人出。40分くらい列に並んで御年賀のお菓子を買いました。疲れたのでたねやでおぜんざい食べて休憩。帰ってからはひたすらテディベアを縫っていました。えらいドヤ顔になったな……。
12/29
実家に帰る。当日の朝まで高速道路が通行止めだったので何にも用意しておらずバタバタで荷物を積んだ。家に帰るとさっそく二升分の餅をちぎって丸めて手を火傷しました。帰省それは無賃労働。
12/30
またえらい大雪が降るとニュースが言うので慌てて蕎麦を打ち帰宅。さながら弾丸ツアーでしたが祖母のカレイの煮付けが食べられたので良かったです。おうちでコーヒーを飲みながら明日の家人実家の帰省のことを考えている。
12/31
雪のちらつく明石海峡大橋を眺めながら温泉につかり、年越し蕎麦を食べ、テレビは紅白を流して完璧な大晦日を演出しています。今年もよく頑張りました。来年もますますのご活躍をお見せしたい所存でございますのでよろしくお願い申し上げます。良いお年を!
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【SPN】庭師と騎士
警告:R18※性描写、差別的描写
ペアリング:サム/ディーン、オリキャラ/ディーン
登場人物:ディーン・ウィンチェスター、サム・ウィンチェスター、ボビー・シンガー・ルーファス・ターナー、ケビン・トラン、チャーリー・ブラッドベリー、クラウス神父(モデル:クラウリー)
文字数:��16000字
設定: 修道院の囚われ庭師ディーン(20)と宿を頼みに来た騎士サム(24)。年齢逆転、中世AU。
言い訳: 映画「天使たちのビッチナイト」に影響を受けました。ボソボソと書いてましたがちょっと行き詰まり、詰まってまで書くほどのものじゃないので一旦停止します。
◇
自分のことなら肋骨の二本や三本が折れていたとしても気づかないふりをしていられるが、部下たちを休ませる必要があった。
王国騎士の象徴である深紅のマントは彼ら自身の血に染められ、疲労と傷の痛みとで意識がもうろうとしている者も数名いた。何よりも空腹だった。狩りをしようにも、矢がなく、矢を作るためにキャンプを張る体力もない。 一度腰を下ろせばそこが墓地になるかもしれなかった。 辺境の村を救うために命じられた出征だった。王はどこまで知っていたのか……。おそらくは何も知らなかったのに違いない。そうだと信じたかった。辺境の村はすでに隣国に占領されていた。彼らは罠にかけられたのだった。 待ち構えていた敵兵に大勢の仲間の命と馬を奪われ、サムは惨めな敗走を余儀なくされた。 森の中を、王城とは微妙にずれた方向へ進んでいるのに、サムに率いられた騎士たちは何もいわなかった。彼らもまた、サムと同じ疑いを胸に抱いていたのだ。全ては王に仕組まれたのではないかと。 誰一人口には出さなかったが、森の中をさ迷うサムに行き先を尋ねる者もいなかった。 なけなしの食糧を持たせて斥候に出していたケビンが、隊のもとに戻ってきた。彼は森の中に修道院を発見した。サムはその修道院に避難するべきか迷った。森は王国の領内だ。もしも王が裏切っていた場合、修道院にまで手を回されていたら彼らは殺される。 だが、このままでは夜を越せない者もいるかもしれなかった。サムは未だ六人の騎士を率いていて、王国よりサムに忠実な彼らを何としても生かさなければならない。 サムはケビンに案内を命じた。
◇
ディーンは自分の名前を気に入っていたが、今ではその名前を呼ぶ者はほとんどいなかった。 修道院では誰もがディーンのことを「あれ」とか「そこの」とか表現する。もしくは彼自身の職業である「庭師」とか。彼自身に、直接呼びかける者はいない。なぜなら彼は耳が聞こえないし、口も利けないから。 ディーンは今年で二十歳になる……らしい。彼は子供のころに両親を盗賊に殺されて、もともと身を寄せる予定だったこの修道院に引き取られた。ただし支払うべき寄付金も盗賊に奪われたので、修道士としてではなく庭師として働いて暮らしている。 夜中、ディーンは���ラフラになりながら修道院を出て、納屋に帰り着いた。家畜小屋の横の納屋が彼の住処だ。神父が彼に酒を飲ませたので、藁の下に敷いた板のわずかな段差にも躓いてしまった。 そのまま藁の中にうずくまって、眠ってしまおうと思った時だ。納屋の戸の下の隙間から、赤い炎の色と複数の人影がちらついて見えた。 ディーンは、静かに身を起こした。少し胸やけはするが、幻覚を見るほど酔ってはいない。ディーンがいる納屋は、修道院の庭の中にある。修道士たちをオオカミやクマから守る塀の、内側だ。修道士たちは夜中にうろついたりしないから、この人影は外部からの――塀の外、森からの――侵入者たちのものだ。 門番の爺さんは何をしていたのか。もちろん、寝ているんだろう、夜更かしするには年を取りすぎている。今までも修道院が盗賊被害には遭ったことはあるが、こんな夜中じゃなかった。オオカミにとってはボロを着ていようが聖職者のローブを着ていようが肉は肉。強襲も山菜取りも日差しの入る間にやるのが最善だ。 では何者か。ディーンはそっと戸を開けて姿を見ようとした。ところが戸に手をかける間もなく、外から勢いよく開けられて転がり出てしまう。うつ伏せに倒れた鼻先に松明の火を受けてきらめく刃のきっさきを見て、そういえば、神父に持たされたロウソクが小屋の中で灯しっぱなしだったなと気づく。 「こそこそと覗き見をしていたな」 ざらついて低い声がディーンを脅した。ディーンはその一声だけで、彼がとても疲れて、痛みを堪えているのがわかった。 「やめろ、ルーファス! 何をしている」 若い男の声がした。ディーンを脅している男は剣のきっさきを外に向けた。「こいつが、俺たちを見張っていた。きっと刺客だ。俺たちがここに来るのを知っていて、殺そうとしてたんだ」 刺客、という言葉に、側にいた男たちが反応した。いったい何人いるんだ。すっかりと敵意を向けられて、ディーンはひるんだ。 「馬鹿な、彼を見ろ。丸腰だ。それに刺客なら小屋の中でロウソクなんて灯して待っているわけがない」 若い声の男が手を握って、ディーンを立たせた。俯いていると首から上が視界にも入らない。とても背の高い男だった。 「すまない、怖がらせてしまった。我々は……森で迷ってしまって、怪我を負った者もいる。宿と手当てが必要で、どうかここを頼らせてもらいたいと思って訪ねた」 背の高さのわりに、威圧的なところのない声だった。ディーンが頷くのを見て、男は続けた。 「君は――君は、修道士か?」 ディーンは首をかしげる。「そうか、でも、ここの人間だ。そうだろ? 神父に会わせてもらえるかい?」 ディーンはまた、首をかしげる。 「なんだ、こいつ、ぼんやりして」 さっき脅してきた男――闇夜に溶け込むような黒い肌をした――が、胡乱そうに顔をゆがめて吐き捨てる。「おお、酒臭いぞ。おおかた雑用係が、くすねた赤ワインをこっそり飲んでいたんだろう」 「いや、もしかして――君、耳が聞こえないの?」 若い男が自分の耳辺りを指さしてそういったので、ディーンは頷いた。それから彼は自分の口を指さして、声が出ないことをアピールする。 男の肩が一段下がったように見えて、ディーンは胸が重くなった。相手が自分を役立たずと判断して失望したのがわかるとき、いつもそうなる。 彼らは盗賊には見えなかった。何に見えるかって、それは一目でわかった。彼らは深紅の騎士だ。王国の誇り高い戦士たち。 幼いころに憧れた存在に囲まれて、これまで以上に自分が矮小な存在に思えた。 「聞こえないし、しゃべれもしないんじゃ、役に立たない。行こう、ケビンに神父を探させればいい」 疲れた男の声。 抗議のため息が松明の明かりの外から聞こえた。「また僕一人? 構いませんけどね、僕だって交渉するには疲れ過ぎて……」 「一番若いしまともに歩いてるじゃないか! 俺なんか見ろ、腕が折れて肩も外れてる、それに多分、日が上る前に止血しないと死ぬ!」 ディーンは初めて彼らの悲惨な状態に気が付いた。 松明を持っているのは一番背の高い、若い声の男で、彼はどうやら肋骨が折れているようだった。肩が下がっているのはそのせいかもしれなかった。ルーファスと呼ばれた、やや年配の黒い肌の男は、無事なところは剣を握った右腕だけというありさまだった。左半身が黒ずんでいて、それが全て彼自身の血であるのなら一晩もたないというのも納得だ。女性もいた。兜から零れた髪が松明の炎とそっくりの色に輝いて見えた。しかしその顔は血と泥で汚れていて、別の騎士が彼女の左足が地面に付かないように支えていた。その騎士自身も、兜の外された頭に傷を受けているのか、額から流れた血で耳が濡れている。 六人――いや、七人だろうか。みんな満身創痍だ。最強の騎士たちが、どうしてこんなに傷ついて、夜中に森の中をゆく羽目に。 ディーンは松明を持った男の腕を引っ張った。折れた肋骨に響いたのか、呻きながら彼は腕を振り払おうとする。 「待って、彼、案内してくれるんじゃない? 中に、神父様のところに」 女性の騎士がそういった。ディーンはそれを聞こえないが、何となく表情で理解した振りをして頷き、ますます騎士��腕を引っ張った。 騎士はそれきりディーンの誘導に素直についてきた。彼が歩き出すとみんなも黙って歩き出す。どうやらこの背の高い男が、この一団のリーダーであるらしかった。 修道院の正面扉の鍵はいつでも開いているが、神父の居室はたいていの場合――とりわけ夜はそうだ――鍵がかかっている。ディーンはいつも自分が来たことを示す独特のリズムでノックをした。 「……なんだ?」 すぐに扉の向こうで、眠りから起こされて不機嫌そうな声が聞こえてほっとする。もう一度ノックすると、今度は苛立たし気に寝台から降りる音がした。「なんだ、ディーン、忘れ物でもしたのか……」 戸を開いた神父は、ディーンと彼の後ろに立つ騎士たちの姿を見て、ぎょっとして仰け反った。いつも偉そうにしている神父のそんな顔を見られてディーンは少しおかしかった。 ディーンは背の高い男が事情を説明できるように脇にのいた。 「夜半にこのような不意の訪問をして申し訳ない。緊急の事態ですのでどうかお許し頂きたい。私は王国騎士のサミュエル・ウィンチェスター。彼は同じく騎士のルーファス。彼は重傷を負っていて一刻も早い治療が必要です。他にも手当と休息が必要な者たちがいる」 神父は、突然現れた傷だらけの騎士たちと、さっき別れたばかりの庭師を代わる代わる、忙しなく視線を動かして見て、それから普段着のような体面をするりと羽織った。深刻そうに頷き、それから騎士たちを安心させるようにほほ笑む。「騎士の皆様、もう安全です。すぐに治癒師を呼びます。食堂がいいでしょう、治療は厨房で行います。おい」 目線でディーンは呼びかけられ、あわてて神父のひざ元に跪いて彼の唇を読むふりをする。 「治癒師を、起こして、食堂に、連れてきなさい。わかったか?」 ディーンは三回頷いて、立ち上がると治癒師のいる棟へ駆け出す。 「ご親切に感謝する」 男のやわらかい礼が聞こえる。「……彼はディーンという名なのか? あとでもう一度会いたい、ずいぶんと怖がらせてしまったのに、我々の窮状を理解して中へ案内してくれた……」 ディーンはその声を立ち止まって聞いていたかったが、”聞こえない”のに盗み聞きなどできるはずがなかった。
◇
明け方にルーファスは熱を出し、治癒師は回復まで数日はかかるだろうといった。サムは騎士たちと目を合わせた。今はまだ、森の深いところにあるこの修道院には何の知らせも来ていないようだが、いずれは王国から兵士が遣わされ、この当たりで姿を消した騎士たち――”反逆者たち”と呼ばれるかもしれない――がいることを知らされるだろう。俗世から離れているとはいえ修道院には多くの貴族や裕福な商家の息子が、いずれはまた世俗へ戻ることを前提にここで生活している。彼らの耳に王宮での噂が届いていないことはまずあり得なく、彼らがどちらの派閥を支持しているかはサムにはわからない。もっとも王が追っている失踪騎士を庇おうなどという不届きな者が、たくさんいては困るのだった。 出征の命令が罠であったのなら、彼らは尾けられていたはずだった。サムの死体を探しに捜索がしかれるのは間違いない。この修道院もいずれ見つかるだろう。長く留まるのは良策ではない。 かといって昏睡状態のルーファスを担いで森に戻るわけにもいかず、止む無くサムたちはしばらくの滞在を請うことになった。 修道院長のクラウス神父は快く応じてくれたが、用意されたのは厨房の下の���下室で、そこはかとなく歓迎とは真逆の意図を読み取れる程度には不快だった。彼には腹に一物ありそうな感じがした。サムの予感はしばしば王の占い師をも勝るが、騎士たちを不安させるような予感は口には出せなかった。 厨房の火の前で休ませているルーファスと、彼に付き添っているボビーを除く、五人の騎士が地下に立ち尽くし、ひとまず寝られる場所を求めて目をさ迷わせている。探すまでもない狭い空間だった。横になれるのは三人、あとの二人は壁に寄せた空き箱の上で膝を枕に眠るしかないだろう。 「お腹がすいた」 疲れて表情もないチャーリーが言った。「立ったままでもいいから寝たい。でもその前に、生の人参でもいいから食べたいわ」 「僕も同感。もちろんできれば生じゃなくて、熱々のシチューに煮込まれた人参がいいけど」 ガースの言葉に、チャーリーとケビンが深い溜息をついた。 地下室の入口からボビーの声が下りてきた。「おい、今から食べ物がそっちに行くぞ」 まるでパンに足が生えているかのように言い方にサムが階段の上に入口を見上げると、ほっそりした足首が現れた。 足首の持ち主は片手に重ねた平皿の上にゴブレットとワイン瓶を乗せ、革の手袋をはめたもう片方の手には湯気のたつ小鍋を下げて階段を下りてきた。 家畜小屋の隣にいた青年、ディーンだった。神父が彼を使いによこしたのだろう。 「シチューだ!」 ガースが喜びの声を上げた。チャーリーとケビンも控え目な歓声を上げる。みんなの目がおいしそうな匂いを発する小鍋に向かっているのに対し、サムは青年の足首から目が離せないでいた。 彼はなぜ裸足なんだろう。何かの罰か? 神父は修道士や雑用係に体罰を与えるような指導をしているのか? サムは薄暗い地下室にあってほの白く光って見える足首から視線を引きはがし、もっと上に目をやった。まだ夜着のままの薄着、庭でルーファスが引き倒したせいで薄汚れている。細いが力のありそうなしっかりとした肩から腕。まっすぐに伸びた首の上には信じられないほど繊細な美貌が乗っていた。 サムは青年から皿を受け取ってやろうと手を伸ばした。ところがサムが皿に手をかけたとたん、びっくりした彼はバランスを崩して階段を一段踏みそこねた。 転びそうになった彼を、サムは慌てて抱き止めた。耳元に、彼の声にならない悲鳴のような、驚きの吐息を感じる。そうだ、彼は耳が聞こえないのだった。話すことが出来ないのはわかるが、声を出すこともできないとは。 「急に触っちゃだめよ、サム!」 床に落ちた皿を拾いながらチャーリーがいう。「彼は耳が聞こえないんでしょ、彼に見えないところから現れたらびっくりするじゃない」 「ディーンだっけ? いや、救世主だ、なんておいしそうなシチュー��スープか? これで僕らは生き延びられる」 ガースが恭しく小鍋を受け取り、空き箱の上に並べた皿にさっさと盛り付けていく。階段の一番下でサムに抱き止められたままのディーンは、自分の仕事を取られたように見えたのか焦って体をよじったが、サムはどうしてか離しがたくて、すぐには解放してやれなかった。 まったく、どうして裸足なんだ?
修道士たちが詩を読みながら朝食を終えるのを交代で横になりながら過ごして待ち、穴倉のような地下室から出て騎士たちは食堂で体を伸ばした。一晩中ルーファスの看病をしていたボビーにも休めと命じて、サムが代わりに厨房の隅に居座ることにした。 厨房番の修道士は彼らがまるでそこに居ないかのように振る舞う。サムも彼らの日課を邪魔する意思はないのでただ黙って石窯の火と、マントでくるんだ藁の上に寝かせた熟練の騎士の寝顔を見るだけだ。 ルーファスは気難しく人の好き嫌いが激しい男だが、サムが幼い頃から”ウィンチェスター家”に仕えていた忠臣だ。もし彼がこのまま目覚めなかったら……。自分が王宮でもっとうまく立ち回れていたら、こんなことにはならなかったかもしれない。 若き王の父と――つまり前王とサムの父親が従弟同士だったために、サムにも王位継承権があった。実際、前王が危篤の際には若すぎる王太子を不安視する者たちからサムを王にと推す声も上がった。不穏な声が派閥化する前にサムは自ら継承権を放棄し、領地の大半を王に返還して王宮に留まり一騎士としての振る舞いに徹した。 その無欲さと節制した態度が逆に信奉者を集めることとなり、サムが最も望まないもの――”ウィンチェスター派”の存在が宮殿内に囁かれるようになった。国王派――この場合は年若き王をいいように操ろうとする老練な大臣たちという意味だ――が敵意と警戒心を募らせるのも無理はないとサムが理解するくらいには、噂は公然と囁かれた。何とか火消しに回ったが、疑いを持つ者にとっては、それが有罪の証に見えただろう。 自分のせいで部下たちを失い、また失いつつあるのかと思うと、サムはたまらないむなしさに襲われた。 ペタペタと石の床を踏む足音が聞こえ顔を上げる。ディーンが水差しを持って厨房にやってきた。彼は石窯の横に置かれた桶の中に水を入れる。サムは声もかけずに暗がりから彼の横顔をぼうっと眺めた。声をかけたところで、彼には聞こえないが―― 床で寝ているルーファスが呻きながら寝返りを打った。動きに気づいたディーンが彼のほうを見て、その奥にいるサムにも気づいた。 「やあ」 サムは聞こえないとわかりつつ声をかけた。まるきり無駄ではないだろう。神父の唇を読んで指示を受けていたようだから、言葉を知らないわけではないようだ。 彼が自分の唇を読めるように火の前に近づく。 「あー、僕は、サムだ。サム、王国の騎士。サムだ。君はディーン、ディーンだね? そう呼んでいいかい?」 ディーンは目を丸く見開いて頷いた。零れそうなほど大きな目だ。狼を前にしたうさぎみたいに警戒している。 「怖がらないでいい。昨夜はありがとう。乱暴なことをしてすまなかった。怪我はないか?」 強ばった顔で頷かれる。彼は自らの喉を指して話せないことをアピールした。サムは手を上げてわかっていることを示す。 「ごめん――君の仕事の邪魔をするつもりはないんだ。ただ、何か困ってることがあるなら――」 じっと見つめられたまま首を振られる。「――ない?」 今度は頷かれる。「――……そうか、わかった。邪魔をしてごめん」 ディーンは一度瞬きをしてサムを見つめた。彼は本当に美しい青年だった。薄汚れてはいるし、お世辞にも清潔な香りがするとは言い難かったが、王宮でもお目にかかったことのないほど端正な顔立ちをしている。こんな森の奥深くの修道院で雑用係をしているのが信じられないくらいだ。耳と口が不自由なことがその理由に間違いないだろうが、それにしても――。 水差しの水を全て桶に注いでしまうと、ディーンはしばし躊躇った後、サムを指さして、それから自分の胸をさすった。 彼が動くのを眺めるだけでぼうっとしてしまう自分をサムは自覚した。ディーンは何かを伝えたいのだ。もう一度同じ仕草をした。 「君の? 僕の、胸?」 ディーンは、今度は地下に繋がる階段のほうを指さして、その場で転ぶ真似をした。そしてまたサムの胸のあたりを指さす。 理解されてないとわかるとディーンの行動は早かった。彼はルーファスをまたいでサムの前にしゃがみ込み、彼の胸に直接触れた。 サムは戦闘中以外に初めて、自分の心臓の音を聞いた。 ディーンの瞳の色は鮮やかな新緑だった。夜にはわからなかったが、髪の色も暗い金髪だ。厨房に差し込む埃っぽい日差しを浴びてキラキラと輝いている。 呆然と瞳を見つめていると、やっとその目が自分を心配していることに気が付いた。 「……ああ、そっか。僕が骨折してること、君は気づいてるんだね」 ”骨折”という言葉に彼が頷いたので、サムは納得した。さっき階段から落ちかけた彼を抱き止めたから、痛みが悪化していないか心配してくれたのだろう。サムは、彼が理解されるのが困難と知りながら、わざわざその心配を伝えようとしてくれたことに、非常な喜びを感じた。 「大丈夫だよ、自分で包帯を巻いた。よくあることなんだ、小さいころは馬に乗るたびに落馬して骨を折ってた。僕は治りが早いんだ。治るたびに背が伸びる」 少し早口で言ってしまったから、ディーンが読み取ってくれたかはわからなかった。だが照れくさくて笑ったサムにつられるように、ディーンも笑顔になった。 まさに魂を吸い取られるような美しさだった。魔術にかかったように目が逸らせない。完璧な頬の稜線に触れたくなって、サムは思わず手を伸ばした。 厨房の入口で大きな音がした。ボビーが戸にかかっていたモップを倒した音のようだった。 「やれやれ、どこもかしこも、掃除道具と本ばかりだ。一生ここにいても退屈しないぞ」 「ボビー?」 「ああ、水が一杯ほしくてな。ルーファスの調子はどうだ?」 サムが立ち上がる前に、ディーンは驚くほどの素早さで裏戸から出て行ってしまった。
◇
キラキラしてる��� ディーンは昔からキラキラしたものに弱かった。 木漏れ日を浴びながら一時の昼寝は何物にも得難い喜びだ。太陽は全てを輝かせる。泥だまりの水だってきらめく。生まれたばかりの子ヤギの瞳、朝露に濡れた花と重たげな羽を開く蝶。礼拝堂でかしずいた修道士の手から下がるロザリオ。水差しから桶に水を注ぐときの小気味よい飛沫。 彼はそういったものを愛していた。キラキラしたものを。つまりは美しいもの。彼が持ち得なかったもの。 サムという騎士はディーンが今までに見た何よりも輝いていた。 あまりにもまぶしくて直視しているのが辛くなったほどだ。彼の瞳の色に見入っていた���いで、厨房で大きな音に反応してしまった。幸いサムは音を立てた騎士のほうに目がいってディーンの反応には気づかなかったようだ。 もう一度彼の目を見て彼に触れてみたかったが、近づくのが恐ろしくもあった。
ディーン何某という男の子がこの世に生を受けたとき、彼は両親にとても祝福された子供だった。彼は美しい子だと言われて育った。親というのは自分の子が世界で一番美しく愛らしいと信じるものだから仕方ない。おかげでディーンは両親が殺され、修道院に引き取られる八つか九つの頃まで、自分が怪物だと知らずに生きてこられた。 修道院長のクラウス神父は親と寄付金を失った彼を憐れみ深く受け入れてくれたが、幼い孤児を見る目に嫌悪感が宿っているのをディーンは見逃さなかった。 「お前は醜い、ディーン。稀に見る醜さだ」と神父は、気の毒だが率直に言わざるを得ないといった。「その幼さでその醜さ、成長すれば見る者が怖気をふるう怪物のごとき醜悪な存在となるだろう。無視できない悪評を招く。もし怪物を飼っていると噂が立てば、修道院の名が傷つき、私と修道士たちは教会を追われるだろう。お前も森に戻るしかなくなる」 しかしと神父は続けた。「拾った怪物が不具となれば話は違う。耳も聞こえなければ口もきけないただの醜い哀れな子供を保護したとなれば、教皇も納得なさるだろう。いいかね、ディーン。お前をそう呼ぶのは今日この日から私だけだ。他の者たちの話に耳を傾けてはいけないし、口を聞いてもいけない。おまえは不具だ。不具でなければ、ここを追い出される。ただの唾棄すべき怪物だ。わかったかね? 本当にわかっているなら、誓いを立てるのだ」 「神様に嘘をつけとおっしゃるのですか?」 まろやかな頬を打たれてディーンは床に這いつくばった。礼拝堂の高窓から差し込む明かりを背負って神父は怒りをあらわにした。 「何という身勝手な物言いだ、すでに悪魔がその身に宿っている! お前の言葉は毒、お前の耳は地獄に通じている! 盗賊どもがお前を見逃したのも、生かしておいたほうが悪が世に蔓延るとわかっていたからに違いない。そんな者を神聖な修道院で養おうとは、愚かな考えだった。今すぐに出ていきなさい」 ディーンは、恐ろしくて泣いてすがった。修道院を追い出されたら行くところがない。森へ��り出されたら一晩のうちに狼の餌食になって死んでしまうだろう。生き延びられたとしても、神父ですら嫌悪するほど醜い自分が、他に受け入れてくれる場所があるはずもない。 ディーンは誓った。何度も誓って神父に許しを請うた。「話しません、聞きません。修道院のみなさまのご迷惑になることは決してしません。お願いです。追い出さないでください」 「お前を信じよう。我が子よ」 打たれた頬をやさしく撫でられ、跪いてディーンを起こした神父に、ディーンは一生返せぬ恩を負った。
ぼんやりと昔を思い出しながら草をむしっていたディーンの手元に影が落ちた。 「やあ、ディーン……だめだ、こっちを向いてもらってからじゃないと」 後ろでサムがぼやくのが聞こえた。 ディーンは手についた草を払って、振り向いた。太陽は真上にあり、彼は太陽よりも背が高いことがわかって、ディーンはまた草むしりに戻った。 「あの、えっと……。ディーン? ディーン」 正面に回り込まれて、ディーンは仕方なく目線を上げた。屈んだサムはディーンと目が合うと、白い歯をこぼして笑った。 ああ、やっぱりキラキラしてる。 ディーンは困った。
◇
サムは困っていた。どうにもこの雑用係の庭師が気になって仕方ない。 厨房から風のように消えた彼を追って修道院の中庭を探していると、ネズの木の下で草をむしっている背中を見つけた。話しかけようとして彼が聞こえないことを改めて思い出す。聞こえない相手と会話がしたいと思うなんてどうかしてる。 それなのに気づけば彼の前に腰を下ろして、身振り手振りを交えながら話しかけていた。仕事中のディーンは、あまり興味のない顔と時々サムに向けてくれる。それだけでなぜか心が満たされた。 ネズの実を採って指の中で転がしていると、その実をディーンが取ろうとした。修道院の土地で採れる実は全て神が修道士に恵まれた貴重なもの――それがたとえ一粒の未熟な実でも――だからサムは素直に彼に渡してやればよかった。だがサムは反射的に手をひっこめた。ディーンの反応がみたかったのだ。彼は騎士にからかわれて恥じ入るような男か、それとも立ち向かってくるか? 答えはすぐにわかった。彼は明らかにむっとした顔でサムを見上げ、身を乗り出し手を伸ばしてきた。 サムはさらに後ろに下がり、ディーンは膝で土を蹴って追いすがる。怒りのせいか日差しを長く浴びすぎたせいか――おそらくそのどちらも原因だ――額まで紅潮した顔をまっすぐに向けられて、サムは胸の奥底に歓喜が生まれるのを感じた。 「ハハハ……! ああ……」 するりと言葉がこぼれ出てきた。「ああ、君はなんて美しいんだ!」 ディーンがサムの手を取ったのと、サムがディーンの腕を掴んだのと、どちらが早かったかわからかない。サムはディーンに飛びつかれたと思ったし、ディーンはサムに引き倒されたと思ったかもしれない。どっちにしろ、結果的に彼らはネズの根のくぼみに入ってキスをした。 長いキスをした。サムはディーンの髪の中に手を入れた。やわらかい髪は土のにおいがした。彼の唾液はみずみずしい草の味がした。耳を指で挟んで引っ張ると、ん、ん、と喉を鳴らす音が聞こえた。���ても小さな音だったが初めて聞いた彼の”声”だった。もっと聞きたくて、サムは色んなところを触った。耳、うなじ、肩、胸、直接肌に触れたくて、腹に手を伸ばしたところでディーンが抵抗した。 初めは抵抗だとわからなかった。嫌なことは嫌と言ってくれる相手としか寝たことがなかったからだ。ところが強く手首を掴まれて我に返った。 「ごめん!」 サムは慌てて手を離した。「ご、ごめん、本当にごめん! こんなこと……こんなことするべきじゃなかった。僕は……だめだ、どうかしてる」 額を抱えてネズの根に尻を押し付け、できるだけディーンから離れようとした。「僕はどうかしてる。いつもはもっと……何というか……こんなにがっついてなくて、それに君は男で修道院に住んでるし――ま、まあ、そういう問題じゃないけど――ディーン――本当にごめん――ディーン?」 ディーンは泣いていた。静かに一筋の涙を頬に流してサムを見ていた。 「待って!」 またも彼の身の軽さを証明する動きを見届けることになった。納屋のほうに走っていく彼の姿を、今度はとても追う気にはなれなかった。
◇
夜、クラウス神父の部屋でディーンは跪いていた。 「神父様、私は罪を犯しました。二日ぶりの告解です」 「続けて」 「私は罪を犯しました……」 ディーンはごくりとつばを飲み込んだ。「私は、自らの毒で、ある人を……ある人を、侵してしまったかもしれません」 暖炉の前に置かれたイスに座り、本を読んでいた神父は、鼻にかけていた眼鏡を外してディーンを見た。 「それは由々しきことだ、ディーン。お前の毒はとても強い。いったい誰を毒に侵したのだ。修道士か?」 「いいえ、騎士です」 「騎士! 昨日ここに侵入してきたばかりの、あの狼藉者どものことか? ディーン、おお、ディーン。お前の中の悪魔はいつになったら消えるのだろう」 神父は叩きつけるように本を閉じ、立ち上がった。「新顔とくれば誘惑せずにはおれないのか? どうやって、毒を仕込んだ。どの騎士だ」 「一番背のたかい騎士です。クラウス神父。彼の唇を吸いました。その時、もしかしたら声を出してしまったかもしれません。ほんの少しですが、とても近くにいたので聞こえたかもしれません」 「なんてことだ」 「あと、彼の上に乗ったときに胸を強く圧迫してしまったように思います。骨折がひどくなっていなければいいのですが、あとで治癒師にみてもらうことはできますか?」 「ディーン……」 神父は長い溜息をついた。「ディーン。お前の悪魔は強くなっている。聖餐のワインを飲ませても、毒を薄めることはできなかった。お前と唯一こうして言葉を交わし、お前の毒を一身に受けている私の体はもうボロボロだ」 「そんな」 「これ以上ひどくなれば、告解を聞くことも困難になるかもしれない」 ディーンはうろたえた。「神父様が許しを与えて下さらなければおれは……本物の怪物になってしまいます」 「そうだ。だから私は耐えているのだ。だが今日はこれが限界だ。日に日にお前の毒は強くなっていくからな」 神父はローブを脱いで寝台に横たわった。「頼む、やってくれ、ディーン」 ディーンは頷いて寝台に片膝を乗せると、神父の下衣を下ろして屈み込んだ。現れたペニスを手にとって丁寧に舐め始める。 「私の中からお前の毒を吸い取り、���て飲み込むのだ。一滴でも零せば修道院に毒が広がってしまう。お前のためにもそれは防がなくてはならない」 「はい、神父様」 「黙りなさい! 黙って、もっと強く吸うんだ!」 神父は厳しく叱責したが、不出来な子に向けて優しくアドバイスをくれた。「口の中に、全部入れてしまったほうがいい。強く全体を頬の内側でこすりながら吸ったほうが、毒が出てくるのも早いだろう」 心の中でだけ頷いて、ディーンはいわれた通り吸い続けた。もう何度もやっていることなのに、一度としてうまくやれたことがない。いつも最後には、神父の手を煩わせてしまう。彼は自分のために毒で苦しんでいるのにだ。 今回も毒が出る前に疲れて吸う力が弱まってしまい、神父に手伝ってもらうことになった。 「歯を立てたら地獄行きだからな。お前を地獄に堕としたくはない」 神父は忠告してから、両手でディーンの頭を抱えて上下にゆすった。昨夜はワインを飲んだあとにこれをやったからしばらく目眩が治まらなかった。今日はしらふだし、神父がこうやって手を借してくれるとすぐに終わるのでディーンはほっとした。 硬く張りつめたペニスから熱い液体が出てきた。ディーンは舌を使って慎重に喉の奥に送り、飲み込んでいった。飲み込むときにどうしても少し声が出てしまうが、神父がそれを咎めたことはなかった。ディーンが努力して抑えているのを知っているのだろう。 注意深く全て飲み込んで、それでも以前、もう出ないと思って口を離した瞬間に吹き出てきたことがあったので、もう一度根本から絞るように吸っていき、本当に終わったと確信してからペニスを解放した。神父の体は汗ばんでいて、四肢はぐったりと投げ出されていた。 ディーンはテーブルに置かれた水差しの水を自分の上着にしみこませ、神父の顔をぬぐった。まどろみから覚めたような穏やかな顔で、神父はディーンを見つめた。 「これで私の毒はお前に戻った。私は救われたが、お前は違う。許しを得るために、また私を毒に侵さねばならない。哀れな醜い我が子よ」 そういって背を向け、神父は眠りに入った。その背中をしばし見つめて、ディーンは今夜彼から与えられなかった神の許しが得られるよう、心の中祈った。
◇
修道士たちが寝静まった夜、一人の騎士が目を覚ました。 「うーん、とうとう地獄に落ちたか……どうりで犬の腐ったような臭いがするはずだ」 「ルーファス!」 ボビーの声でサムは目を覚ました。地下は狭すぎるが、サムがいなければ全員が横になれるとわかったから厨房の隅で寝ていたのだ。 「ルーファス! このアホンダラ、いつまで寝てるつもりだった!」 ボビーが歓喜の声を上げて長い付き合いの騎士を起こしてやっていた。サムはゴブレットに水を注いで彼らのもとへ運んだ。 「サミュエル」 「ルーファス。よく戻ってきた」 皮肉っぽい騎士は眉を上げた。「大げさだな。ちょっと寝てただけだ」 ボビーの手からゴブレットを取り、一口飲んで元気よく咳き込んだあと、周囲を見回す。「それより、ここはどこだ、なんでお前らまで床に寝てる?」 「厨房だよ。他の皆はこの地下で寝てる。修道院長はあまり僕らを歓迎していないみたいだ。いきなり殺されないだけマシだけどね」 「なんてこった。のん気にしすぎだ。食糧をいただいてさっさと出発しよう」 「馬鹿言ってないで寝てろ。死にかけたんだぞ」 起き上がろうとするルーファスをボビーが押し戻す。しかしその腕を掴んで傷ついた騎士は強引に起きようとする。 「おい、寝てろって」 「うるさい、腹が減って寝るどころじゃない!」 サムとボビーは顔を見合わせた。
三人の騎士は食堂に移動した。一本のロウソクを囲んで、鍋に入れっぱなしのシチューをルーファスが食べるのを見守る。 「で、どうする」 まずそうな顔でルーファスはいう。もっともルーファスは何を食べてもこういう顔だから別にシチューが腐っているわけではない。例外が強い酒を飲む時くらいで、一度密造酒を売って儲けていた商売上手な盗賊団を摘発した時には大喜びだった(酒類は国庫に押収されると知ってからも喜んでいたからサムは心配だった)。 修道院にある酒といえば聖体のワインくらいだろう。ブドウ園を持っている裕福な修道院もあるが、この清貧を絵にしたような辺境の修道院ではワインは貴重品のはずだ。ルーファスが酒に手を出せない環境でよかった。しかし――サムは思い出した。そんな貴重なワインの匂いを、あのみすぼらしい身なりの、納屋で寝ている青年は纏わせていたのだった。 「どうするって?」 ボビーが聞き返す。ルーファスは舌打ちしそうな顔になってスプーンを振った。「これからどこへ行くかってことだよ! 王都に戻って裏切者だか敗走者だかの烙印を押されて処刑されるのはごめんだぜ」 「おい、ルーファス!」 「いいんだ、ボビー。はっきりさせなきゃならないことだ」 サムはロウソクの火を見つめながらいった。「誤魔化してもしょうがない。我々は罠にかけられた。仕掛けたのは王だ。もう王都には戻れない――戻れば僕だけでなく、全員が殺される」 「もとからお前さんの居ない所で生き延びようとは思っていないさ。だが俺とルーファスはともかく……」 「若くて将来有望で王都に恋人がいる私でも同じように思ってるわよ」 チャーリーが食堂に来た。ルーファスの隣に座って平皿に移したシチューを覗き込む。「それおいしい?」 「土まみれのカブよりはな」 「なあ、今の話だが、俺はこう思ってる」 ボビーがいった。「この状況になって初めて言えることだが、王国は腐ってる。王に信念がないせいだ。私欲にまみれた大臣どもが好き放題している。民は仕える主を選べないが、俺たちは違う。もとから誰に忠義を尽くすべきか知っている。もう選んでいる。もうすでに、自分の望む王の下にいる」 「その話、なんだか素敵に聞こえる。続けて」 チャーリーがいう。 「いや、まったく素敵じゃない。むしろ危険だ」 サムはいったが、彼の言葉を取り合う者はいなかった。 ゴブレットの水を飲み干してルーファスが頷いた。「サムを王にするって? それはいい。そうしよう。四年前にあの棒みたいなガキに冠を乗せる前にそうしとけばよかったんだ。野生馬を捕まえて藁で編んだ鞍に乗り、折れた剣を振りかざして、七人の騎士で玉座を奪還する!」 そしてまた顔をしかめながらシチューを食べ始める。「俺はそれでもいいよ。少なくとも戦って死ねる」 ボビーがうなった。「これは死ぬ話じゃない。最後まで聞け、ルーファス」 「そうよ、死ぬのは怖くないけど賢く生きたっていい」 チャーリーが細い指でテーブルを叩く。「ねえ、私に案がある。ここの修道院長に相談するのよ。彼から教皇に仲裁を頼んでもらうの。時間を稼いで仲間を集める。探せば腐った大臣の中にもまだウジ虫が沸いてないヤツもいるかもしれない。血を流さなくても王を変える手はある。アダムだって冠の重さから解放されさえすればいい子に戻るわよ」 「それよりウィンチェスター領に戻ってしばらく潜伏すべきだ。あそこの領民は王よりもサムに従う。俺たちを王兵に差し出したりしない」 「だから、それからどうするのかって話よ。潜伏もいいけど結局王と対決するしかないじゃない、このまま森で朽ち果てるか北の隣国に情報を売って保護してもらって本物の売国奴になる他には!」 「ちょっと落ち着け、二人とも。修道士たちが起きてくる。それから僕の計画も聞け」 「ろくな計画じゃない」 「ルーファス! ぼやくな」 「そうよルーファス、死にかけたくせに。黙ってさっさと食べなさいよ」 サムはため息を吐きそうになるのを堪えて皆に宣言した。「王都には僕一人で行く」 「ほらな」とスプーンを放ってルーファスが特大のため息を吐いた。「ろくな計画じゃない」
◇
行商売りの見習い少年と仲良くなったことがあった。同年代の子と遊ぶのは初めてだったから嬉しくて、ディーンは思わず自分の秘密をもらしてしまった。自分の口で見の上を語る彼に、少年はそんなのはおかしいといった。 「君は神父に騙されているんだよ。君は醜くなんかない、夏の蝶の羽のように美しいよ」 「神様の家で嘘をついちゃいけないよ」 「嘘なんかじゃない。ホントにホントだよ。僕は師匠について色んな場所へ行くけれど、どんなお貴族様の家でだって君みたいな綺麗な人を見たことがないよ」 ディーンは嬉しかった。少年の優しさに感謝した。次の日の朝、出発するはずの行商売りが見習いがいなくなったと騒ぎ出し、修道士たちが探すと、裏の枯れ井戸の底で見つかった。 井戸は淵が朽ちていて、遺体を引き上げることもできなかった。神父は木の板で封印をした。ひと夏の友人は永遠に枯れ井戸の中に閉じ込められた。 修道院は巨大な棺桶だ。 ディーンは二度と友人を作らなかった。
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赤ずきんちゃん、ご用心
「勇利、これはなに? 何してる?」 「え?」 ヴィクトルは、勇利の母親に出してもらったアルバムをひろげ、ベッドの上で楽しそうに眺めているところだった。マッカチンを撫でていた勇利は、ソファからベッドへ座る場所を変え、ヴィクトルの示している写真をのぞきこんだ。 「ああ……、学校時代の写真だね。文化祭だよ」 「勇利はなんでこんな恰好してる?」 勇利は苦笑いを浮かべた。ヴィクトルがそう尋ねたくなるのも無理はない。いまよりいくらか幼い勇利は、まっかなずきんのついた外套を着こんでいるのだ。 「これは劇の衣装だよ。赤ずきんって知ってるよね?」 「赤ずきん? 勇利は赤ずきんちゃんをやったのかい?」 ヴィクトルがまじ��に勇利の目を見て言ったので、勇利はすこしきまりが悪くなった。 「そりゃ男がするのはおかしいと思うけど」 「そんなことぜんぜん思わない」 「そういうの、女子は恥ずかしがるんだよね。せりふもあるし……。演劇部の子でもいればちがったんだろうけど、あんまり目立つことしたくないっていう子ばっかりで。じゃあ、どうせならもうみんな男子でやっちゃおうってことで、赤ずきんのお母さんも、おばあさんも、オオカミも、猟師もみんな男子がやったんだよ」 「勇利はかわいいから赤ずきんになったの?」 「ちがうよ。スケートをやってたから……。なぜだか演技力があるっていう評価だったんだよね。スケートと劇はぜんぜんちがうけど、文句を言うほどぼくは積極的じゃなかったっていうか、そんなに長い話でもないしまあいいかっていう……」 「ずいぶん後ろ向きなヒロインだね」 ヴィクトルが楽しそうに笑った。彼は写真に目を落とし、赤い衣装で控えめにほほえんでいる勇利をじっとみつめる。 「……似合ってる」 「真剣に言うのやめて」 「似合ってるよ。かわいい」 まるでスケートの衣装を着たときに「似合ってる」と褒めるみたいに言うので、勇利は気恥ずかしくなってしまった。 「もういいでしょ。おしまい」 勇利はアルバムを閉じ、さっと背中に隠した。ヴィクトルが不満げに眉を寄せる。 「まだ見てるのに」 「こんなの、見てもおもしろくないでしょ」 「かわいいよ」 「もうほっといて」 急に拗ねた勇利を、ヴィクトルはおもしろそうに眺めていた。「子ども時代のことなんだからね」と勇利はつんとして言った。 「で、その劇は成功したの?」 「何をもって成功というかはわからないけど、まあ、とくに問題はなかったね」 「そう。そうか。へえ」 勇利は首をかしげた。ヴィクトルの物言いに何かふくみのようなものを感じた。けれど、そんなことはすぐに忘れてしまった。 ロシアでの暮らしにもずいぶんと慣れ、街の様子もわかってきた。もう勇利ひとりで出かけられるし、買い物だってできる。快適な日々だ。しかし、まだ大気はつめたく、あたたかい日が続いたかと思えば冷えこんで羽織り物が手放せない、ということも多かった。ロシアってやっぱり寒いんだな、でもすてきなところだな、というのが勇利の感想だ。 「勇利、ちょっとお使いを頼まれて欲しいんだけど、いいかい?」 ある日ヴィクトルがにこにこしながら切り出した。勇利は、買い物かな、と思って気軽に「いいよ」と答えた。 「これをある人のところへ届けてもらいたいんだ」 ヴィクトルは手で提げられる籠を勇利に手渡した。上には真っ白い清潔そうな布がかけてある。 「なに? 食べ物?」 「パンとぶどう酒だよ。知り合いがね、ちょっとベッドから離れられないものだから。でも俺には用事があって届けに行けないんだよね」 「わかった。いいよ。家はどこ?」 「これを見て。わかりやすく書いたから、迷ったりはしないと思う」 勇利は手書きの地図を受け取った。すこし遠いけれど、歩いていける地区だし、目印もあるから問題はなさそうだ。 「うん、わかった。すぐ行けばいいの?」 「そうだよ。道草を食ったりしないようにね。気をつけて行くんだよ」 「その人の名前はなんていうの?」 「ヴォールク」 「ヴォールクさんね。わかりました。じゃあいってきます」 「勇利、外は寒い。これを着て行きなさい」 「え? 自分のがあるよ」 「いいから。勇利に似合いそうだと思って新しく買ったんだ」 「またそんな勝手なことをして……」 勇利はヴィクトルに赤いダッフルコートを着せかけられ、後ろにくっついているずきんをかぶせられた。ぼく、赤は似合わないんじゃ、と思ったけれど、ヴィクトルの美的感覚に文句を言っても始まらないので黙っていた。 「さ、行っておいで」 ヴィクトルは勇利の頬を包むと、かるくキスして勇利を送り出した。勇利は地図を見ながら、勤勉に通りを歩いていった。今日はすこし寒い日だったので、ヴィクトルがくれた赤いコートはちょうどよく、役に立った。ヴィクトルはなんでもわかってるな、と勇利は得意になった。 途中で花屋の前を通りかかった。勇利はちょっと考えた。ベッドから離れられない、というのは、病気だということだろう。お見舞いの花を持っていったほうがよいかもしれない。ヴィクトルは何も言わなかったけれど、彼の知り合いなら、勇利が気遣って悪いことはないはずだ。 「あの、すみません」 勇利はたどたどしいロシア語で頼み、青と白と紫のかわいらしい花束をつくってもらった。それを籠にかけてある布の上にそっと置き、彼はまたてくてくと歩いていった。 ヴィクトルの言う通り、迷子になることはなかった。すこし街から外れたところにあるその家は、おもむきのある石造りの家で、とても歴史がありそうに思われた。やっぱりヴィクトルの知り合いだからお金持ちなんだな、と勇利は勝手に納得した。すごいな、とちょっと気後れしながら呼び鈴を押す。誰も出てこない。 「あれ……?」 留守だろうか? ためらってから取っ手をまわしてみたら、あっさりそれはひらいた。勇利はおどおどしつつ中へ入った。すぐ前はひろい玄関広間で、赤いじゅうたんが敷き詰めてあった。奥への扉と、二階へ上がる階段が見える。 「あの、どなたかいらっしゃいませんか……?」 勝手に人の家に入ったりしていいのかな、と困ったけれど、病気ということだったから出てこられないのかもしれない。具合が悪くなっていたら大変だと勇利は考えた。 「ヴィクトル・ニキフォロフの使いで来たんですけれど……」 あ、英語でしゃべっちゃった。通じるかな……。勇利は不安になった。 「ヴォールクさん……?」 家じゅう、しんと静まり返っている。勇利の胸がどきどきと鳴った。寝てるのかな。容態が悪くて返事ができないんだったらどうしよう。救急車ってどうやって呼べばいいの。ヴィクトルに連絡すればなんとかしてくれるかな。 そのとき、二階で物音がした。びくりとしたら、「こちらへ上がってきてくれないか……」というかすれた声が聞こえた。勇利はほっとした。ちゃんと起きられるようだ。病気のせいで声に元気がないのだろう。 「失礼します」 相手も英語だったし、話はできそうだ。勇利はすこし気持ちがかるくなり、とんとんと階段を上がっていった。 「こっちだよ……」 「はい」 いくつかある扉の前を通り過ぎ、奥の部屋の前で立ち止まる。たぶんここだ。 「失礼します。ぼく、勝生勇利といいます。ヴィクトル・ニキフォロフの生徒です」 「入りなさい……」 勇利は、重厚な扉を開けて中へ入った。そこは貴族的な感じの部屋で、書き物机やひろいベッド、暖炉や書棚があった。ベッドには人が寝ているようで、大きくふくらんでいた。 「初めまして。お加減はいかがですか? あの、ニキフォロフがパンとぶどう酒を寄越しました。ヴォールクさんの食事を心配しているのだと思います」 「ああ、どうもありがとう……」 「それから、お見舞いにと思って、花もお持ちしました」 「きみが気にかけてくれたのかい? 優しい子だ……」 「いえ、あの……」 勇利は赤くなった。なんだかいまのは、ヴィクトルが勇利を褒めるときみたいな物言いだった。 「花瓶はどこでしょう? このままだと枯れてしまうので」 「そこの机にあるのを使ってくれ。洗面所は廊下の突き当たりだよ……」 「はい」 勇利は青くて華奢な花瓶に水をくむと、花を生けて机に飾った。すると室内がぱっと明るくなったようだった。 「ああ、綺麗だね……」 「はい」 「でもきみも綺麗だね。赤いコートがよく似合っている」 「え……」 勇利はどぎまぎした。 「あ、あの、食べ物の入った籠はどこに置いたらいいでしょう? このまま机の上に置いておいても?」 「いいとも……」 勇利はなんだかうっとりした。さわやかなよい匂いがする。それに、この甘ったるい音楽のような話しぶり! まるでヴィクトルみたいだ。 「具合は悪くないですか? 何かお手伝いできることはありますか?」 勇利は丁寧に話しかけた。 「そうだな……、すこしここで過ごしていってくれるとうれしい」 「はい、わかりました」 病気で寝ているのではつまらないだろう。話し相手になろうと勇利は思った。──初対面の相手に、こんなふうに思ったことなんてないのに。ヴィクトルの知り合いだから親切にしたくなるのだろうか? 「コートを脱いでそこの椅子にかけなさい……」 「はい」 勇利はヴィクトルが贈ってくれたコートを脱いだ。椅子の背にそっとかけてベッドのほうを見る。 「それから、シャツも脱いで同じようにかけなさい」 「え!?」 勇利は耳を疑った。シャツって──このシャツ? 自分の衣服を見下ろす。それもヴィクトルが買ってくれたものだった。 「あの、でも、ぼく、これを脱ぐと……」 「早くしなさい」 勇利はくらくらした。何か意味があるのだろうか? なぜ? 不思議に思いながらも、彼はつい言う通りにしてしまっていた。命令する声は、優しいけれど、なぜか逆らえない、勇利のこころの奥に訴えるあるものが混じっていた。 「……脱ぎました」 「ボトムも脱いで、同じようにかけなさい」 「あ、あの、それは……」 「勇利」 勇利はびくっとした。なんだかこの呼び方は……、それに……、最初と声もちがうのでは……。 勇利は服を脱いだ。 「次は下着」 「あ……」 「下着も脱いで、同じようにかけなさい」 「ぼ、ぼく、ぼく……」 「全部脱ぎなさい」 勇利はまっかになった。 「どうせここでは必要ないのだから」 彼はふらつきながら下着を下ろし、足先から抜いた。今日勇利が着ていたものは、すべてヴィクトルが勇利のために贈ったものだった。 「全裸になってここへ来なさい」 最後に眼鏡をそっと置いた勇利は、ふらふらとベッドに近づいた。ヴィクトルの匂いがする。さっきよりも濃く……。 「上掛けを持ち上げて」 「……はい」 「ふとんに入っておいで」 勇利はちいさくふるえながら、ベッドの中にすべりこんだ。あたたかくて力強い腕が彼のしなやかな裸身を抱きしめる。ふれたたくましい身体にはまとっているものなどなく、ふたりの素肌がとろけるように寄り添った。 「さあつかまえた」 やわらかな吐息が耳元をくすぐった。勇利は声の主にしがみついた。 「今日はひどく寒いね。���たためてくれないか」 もう声はかすれてなどいなかった。甘美で音楽的な響きを持つ、聞き慣れたロシア語なまりの英語をつむぐ声音だった。 「ヴォールクさん……」 勇利は甘えるように呼び、おずおずと目を上げて、すばらしく澄んだ青い瞳をみつめた。このうえもなくうつくしい、端正な顔立ちがそこにあった。 「ヴォールクさん、なんて綺麗な顔をしているんでしょう……」 勇利はうっとりしながらささやいた。 「おまえをとりこにしてしまうためさ」 「ヴォールクさんの目はひどくうつくしいですね……」 「おまえをこうしてみつめるためさ」 「ヴォールクさん、声が魅力的でとろけてしまいそう……」 「おまえの名前を呼ぶためさ」 「ヴォールクさん……貴方の手は大きくて優しいんですね……」 「おまえを愛撫するためさ」 「ヴォールクさん……、なんてかたちのよいくちびるなんでしょう……」 「おまえにキスするのにいいようにさ」 勇利はくちびるをふさがれ、それと同時にまぶたを閉ざした。その瞬間、彼は「ヴォールク」というロシア語の意味を思い出した。勇利は夢中でちいさなつむりに手を伸べ、髪をかき乱しながら相手を引き寄せた。 「狼さん……」 「勇利」 それからしばらく勇利は、「ヴォールク氏」の「話し相手」になった。 「美味しい……」 「そうだろう」 ふたりはベッドに寝そべり、ぶどう酒と、ハムや野菜の挟まったパンで空腹をみたしていた。 「たくさん運動したあとだからね」 ヴィクトルは片目を閉じ、勇利の頬をあからめさせた。 「ここ、何の家なの?」 「俺の別宅。衣装やなんかをしまっておくために購入したんだ。あまり普段使ってないんだけど、たまには足を運ばないとね。勇利に教えておきたくもあったし。それにしても、花を買ってきてくれるなんて勇利はいい子だね。持参金つきとは」 ヴィクトルは勇利の生けた花へ目をやり、それから勇利を見た。 「もっとも、これだけでもじゅうぶんだけど」 彼は勇利の身体をおおっている上掛けを意味ぶかそうな手つきではぐり、勇利は慌ててパンを置くと、その手をぴしゃりと叩いた。 「もう! 何してるの!」 「いいだろ、べつに。愛してる相手の身体はいつだって見たい」 「さっきさんざん見たじゃない」 「見てはいない。ふれていただけさ」 「ふれればじゅうぶんです。わかります」 「気持ちよかった?」 勇利はそっぽを向いて無視した。ヴィクトルがくすくす笑う。 「もう、何なの?」 「道草を食っちゃいけないといったのに花屋に寄ってきたからね。おしおきさ」 「うそばっかり。花を持ってこなくてもしたでしょ」 「したくなかった?」 「知りません」 ヴィクトルはグラスを取ると、ぶどう酒を口にふくみ、勇利にくちづけて器用に流しこんだ。勇利は喉を鳴らしてゆっくりと飲みくだす。ヴィクトルにこうされると、さっき飲んだのよりも甘い気がするから不思議だ。 「ずっと気になってたんだ」 ヴィクトルは勇利のくちびるをついばみながらささやいた。 「勇利が赤ずきんを演じたと知って……」 「そんなことをおぼえてたの?」 「ああ、勇利を食べた狼がいたんだなって」 「ヴィクトルみたいに食べたんじゃないよ」 「わかってるよ。でも腹が立つじゃないか」 「変なの」 「俺の勇利なのにさ……」 ヴィクトルは勇利の顔じゅうに接吻し、くすっと笑ってつぶやいた。 「だからいつか、俺がちゃんと赤ずきんの勇利を食べてやろうと思ってたんだ」 「ヴィクトル、わかってる? 狼は猟師にやっつけられちゃうんだよ」 「勇利こそ知ってるかい。猟師が助ける、というのはのちに付け足された創作だ。もとの話は、狼に食べられておしまいなんだよ」 「服を一枚一枚脱げっていうのは?」 「それももとの話さ。食べやすいようにそうさせるんだ」 「いやらしい」 「赤ずきんというのは、もとは性的な話だという風刺もある」 ヴィクトルは片目を閉じた。 「『男はみんな狼だ』なんていうだろう。きみの最愛の俺もどうやら例に漏れないらしいよ」 勇利はおとがいを上げた。 「ヴィクトルはそんなことはないよ。いつだって紳士的だ」 「そう? こんなことしたのに?」 ヴィクトルが指先で勇利の素肌をたどった。勇利はたしなめるようにその手を押さえる。 「赤ずきんは自分で脱いだみたいだからね。はしたない赤ずきんだ。赤ずきんの風上にもおけないよ」 ヴィクトルは楽しそうに声を上げて笑った。 「俺はそんな赤ずきんも大歓迎だけど」 「ヴィクトルはそういうことも言いません」 「勇利の理想を守るのは難しいな。赤ずきんを食べたいと思ってこういう計画をするのはいいのかい?」 「もしかしたら狼は赤ずきんに恋をしていて、ただふたりきりで会いたいために呼んだのかもしれないからね。だってヴォールクさんはおばあさんを食べたりしてないでしょ? 食べたのは赤ずきんだけだよ。ヴォールクさんはいちずだね。赤ずきんより早くここへ着くために急いで来たの?」 「きみに渡した地図はまわり道のだ」 「そんなことだろうと思った」 「なかなか来ないから、どこかで悪い狼にさらわれたのかと思ったよ。どきどきさせてくれるね」 「ヴォールクさんはいい狼?」 「赤ずきんに恋をしてる狼なんだろう?」 「それはぼくの推測であって、事実とは異なるかもしれないからね」 ヴィクトルは勇利を抱きしめてこころのこもったくちづけをした。勇利はそれをうっとりしながら受けた。 「……赤ずきんちゃん、美味しかった?」 「ああ……」 「狼は赤ずきんに会った瞬間、美味しそうだと思って食べたくなったらしいよ。ヴォールクさんはいつ食べたくなったの?」 「俺も会った瞬間さ」 「それっていつ?」 「バンケットでシャンパンの瓶を抱いて俺のところへ来たときだよ」 「だめ。あのときのヴィクトルはぼくなんか知らない感じでかっこよかったからそんなこと考えない」 「じゃあ長谷津へ行ったとき」 「それもだめ。あのときのヴィクトルはもっと余裕だった」 「勇利がなじんでくれたくらいかな」 「ただの生徒として扱ってただけでしょ」 「リンクでキスしたときにぐっと来たんだ」 「キスくらいで興奮するなんてヴィクトルじゃない」 「ロシアにいる勇利を日本から見守っているときはひどくいとおしかった」 「いとおしいのと性的な感情はまた別だからね」 「グランプリファイナルのエキシビションを一緒にやったときは、高揚して止まらなかった」 「そこで初めて考えたの? 遅すぎるよ」 「勇利の理想を守るのは難しいな!」 ヴィクトルは陽気に笑い、それから、誘惑するように勇利の耳元にささやいた。 「本当は、バンケットで踊ったときさ……」 勇利はヴィクトルのおとがいにくちびるをつけた。 「……最近の赤ずきんは、狼の正体を見破って銃で撃つらしいよ」 「こわいこわい。勇利はそんなものを持っていない、かわいい赤ずきんだからよかったよ」 「ぼくがもし銃を持ってたら、ヴォールクさんは食べようとなんてしない?」 「いや……、」 ヴィクトルは低く答えた。 「正体を見破られても、『食べて』って言わせる自信がある……」 勇利は黙ってヴィクトルの腕をつねった。ヴィクトルは笑いながら、籠の中に残っていたパンに手を伸べた。勇利は彼にぴったりと寄り添うと、その手を取り、自分の胸へと導いた。じっとヴィクトルをみつめてささやく。 「パンなんか食べないで、ぼく食べてよ……」 「ワオ……」 「こんなことになったけど……、ぼく……、狼さんのこと……、ずっと前からすてきだと思ってたんだ……こうされたいって……」 「……銃もないのに撃ち抜くね……」 ヴィクトルは目をほそめて口元に笑みを漂わせた。 「さっき食べたけど……もっと?」 「もっと食べたいでしょ?」 勇利の指がヴィクトルのくちびるにふれる。 「このくちびるは……何のためにあるんだっけ……?」 そして腕をそっとなぞっていった。 「貴方の目は? 声は? ……手は……?」 手にたどりつくと、なんともいえぬ力加減で握る。 「ぼくの身体が、何のためにあるか知���たい……?」 ヴィクトルが悩ましい吐息をついた。 「ぼくも……、一度食べたくらいじゃ足りずに『食べたい』って言わせる自信あるよ……」 勇利は大胆にヴィクトルに脚をからませた。 「パンよりもぶどう酒よりも美味しいと思うけど……いかが?」
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事実を知らしめることが親善に
豊田有恒(作家)
愛国の一方で政府批判
このところ、韓国の反日が常軌を逸したものになっている。いわゆる従軍慰安婦の問題は、日本の巨大新聞が、その強大な影響力を行使した結果、世界中にまき散らされた虚構なのだが、いわば韓国との連携のもとで、拡大した側面も見逃せない。
明らかに、韓国は、変わってきている。なぜなのだろうか? 私は、1970年代の初頭から、韓国へ通い始め、韓国語も学び、多くの著書を上梓してきた。しばしば、親韓派と目されてもきた。弁解になるが、これには、理由がある。70年代の当時、例の巨悪の源泉である新聞社は、北朝鮮一辺倒だったのである。今日では考えられないことだが、北朝鮮を「地上の楽園」と美化し、相対的に韓国を独裁政権と規定し貶(おとし)めてきたのである。
私は、もともと、小説家であり、思想的な背景はない。韓国へ行くようになったきっかけは、小説の取材のためでしかなかった。韓国は、あの新聞社が報じるように、独裁政権の国だと思いこんでいた。これは、おおかたの日本人の当時の平均的な理解だったろう。なにしろ、良心的と目されていた大新聞が、北朝鮮への帰国事業などを後援し、後にノーベル賞を受賞する有名作家や、国際無銭旅行で大ベストセラーを出した評論家などが、すっかり賛同しているのだから、実際に韓国へも北朝鮮へも行ったことのない人間は、そうだと信じこむしかなかった。
しかし、韓国へ通ううちに、日本の報道が、おかしいのではないかと、うすうす思いはじめた。三十代はじめで若かったせいだろう、フットワークが良かったから、取材目的の古代遺跡のほかにも、あちこち歩きまわる。ディスコで知り合ったディスクジョッキーをやっているという同年輩の韓国人と意気投合したが、この男、どこでも政府批判ばかり口にする。こちらが、心配になって、周囲を見回したほどだった。日本では、KCIA(韓国中央情報部)の悪行ばかりが報道されていたから、言論の自由はないという先入観にとらわれていたが、こうした報道が、変ではないかと感じはじめた。
また、一方では、政府批判もするが、この男、愛国心を口にする。ディスクジョッキーという軟らかい職業の男が、愛国心を口にすることに、違和感も持ったが、やや羨ましくもあった。当時、日本のマスコミは、左翼デマゴーグに牛耳られていたから、愛国心などと言えば、右翼と間違われかねないような風潮が、蔓延していた。しかし、韓国では、こうした言説は、この男だけではなかった。あちこちで、北朝鮮に偏している日本の報道がおかしいとする、多くの韓国人の批判を耳にするようになった。また、必ず日本に追いついて見せるという、愛国心をむき出しにした意見にも接した。
韓国の実情紹介に誹謗中傷
韓国語が判るようになると、行動範囲も広がってくる。こうした韓国人が、KCIAに監視されているから、点数かせぎに愛国心を口にしていたわけではないと、だんだん判ってきた。バイク・カーマニアだったので、現代(ヒョンデ)自動車(チャドンチャ)や大林産業(テーリムサノプ)のショールームに足を運んで、韓国の自動車・バイク事情に関心を持ちはじめた。
日本で報道されるような「暗く抑圧された独裁国」といったイメージでないことが、しだいに判ってきた。日本で、しばしば誤解されていることだが、反日の激しさから、韓国人に険しいイメージを持つ日本人が多い。一面では当たっていないこともないが、日常の生身の韓国人は、妙になれなれしく陽気で人懐(ひとなつ)こい。
あの大新聞は、「暗く抑圧された独裁国」という疑似イベントを売りまくって、北朝鮮を美化し、韓国を貶める方向へ、日本国民をマインドコントロールしていたのだ。
韓国では、確かに日本より言論の自由が制限されていた。しかし、それは、金日成の個人崇拝による究極の独裁国家である北朝鮮と対峙するためであり、ある程度は強権政治を敷くしかなかったのである。当時、韓国では「誤判(オバン)」という表現が、しばしば使われていた。韓国国内が混乱していると見てとり、好機とばかりに北朝鮮が南進に踏み切るのではないかというわけだ。つまり、北朝鮮に誤判させないように、常に国内を安定させておかなければならなかったのだ。全ての韓国人が、ほん(・・)もの(・・)の(・)独裁国家である北朝鮮を恐れていたからだ。
こうした韓国の実情を、広く知らせたくなった。小説家という職業柄、書くメディアには、事欠かない。小説家の仕事ではないという躊躇(ためら)いもあったが、最初のノンフィクションとして「韓国の挑戦」(祥伝社)を上梓したのが、昭和53(78)年のことだった。書評では、これまでの日本の対韓認識を一変させたとまで、評された。当時の私には、巨悪と戦おうなどという大それた問題意識は、まったくなかった。
だが、ベストセラーにはなったものの、あれこれ、雑音が耳に入ってきた。この問題が、当時のマスコミ界では、タブーになっていると知ったのは、発売されてからだった。つまり、ほんとうのことを言ってしまったため、このタブーに抵触した。期せずして、あの大新聞と言う虎の尾を踏んでしまったわけだ。
朴政権に買収されている―は、まだしも上品なほうで、韓国に愛人がいるとか、韓国成り金だとか、いろいろ悪罵を聞かされることになった。そこで、子供たちもつれて、一家5人で毎年夏休みに韓国へ遊びにいき、印税を使い果たした。
日韓のため尽くした金思燁氏
あの大新聞が主導して、日本人を親北朝鮮、反韓国という方向へ誘導していたわけだが、最近は、かつての報道姿勢が嘘だったかのように、あの大新聞は、北朝鮮を賛美するようなこともなくなり、いつのまにか北朝鮮への批判を、臆面もなく展開するようになった。
それどころか、70年代当時あれほど嫌っていたはずの韓国に過剰に感情移入し、悪いのは全て日本人式の報道姿勢で、虚構に基づく従軍(・・)慰安婦(・・・)なる疑似イベントを垂れ流す始末である。多分、従軍(・・)慰安婦(・・・)報道についても、いったん非を認めたものの、真剣に謝罪するつもりなどなく、なし崩し的に、鉄面皮を決め込んで、風当たりが収まるのを待っているのだろう。
実際、当時、私は、韓国人の魅力にハマってもいた。日本人のように、控え目でなく、陽気に自己主張する姿勢が、一度も宮仕えしたことのない私のような一匹オオカミの作家には、波長が合っていると錯覚したせいでもある。
当時、知り合った韓国人のなかには、私の終生の師と仰ぐ人も、少なくなかった。東国大学の金思燁(キムサヨプ)先生とは、シンポジウムの席で知り合った。日韓バイリンガルの世代的な体験から、「日本書紀」「万葉集」を韓国語に、「三国(サムグク)史記(サギ)」「三国遺事(サムグンニュサ)」を日本語へ翻訳され、日韓古代史の研究におおいに貢献され、また、東国大学に日本学研究所を設立され、初代所長として、日本研究を韓国に定着させた功績は、おおいに評価されるべきだろう。
金先生に招かれ、東国大学で講演したこともある。最初、韓国語で話しはじめたのだが、見るに見かねて、助け船を出してくださったのは、先生の優しさだった。私のほうも、日本人を知る方々が物故して、日本語スピーカーが減っていることに危惧を覚え、毎年、拙著も含めた文庫本を教材として日本学研究所へ寄贈し、日韓親善に努めたものである。金先生は、私のささやかな協力に、研究所からの表彰という栄誉で応えてくださった。ほんとうに尊敬できる立派な方だった。
また、在日の人では、作家の故・金(キム)達(ダル)寿(ス)さんとは、古代史の会を通じて、親しくしていただいた。「日本の中の朝鮮文化」は、十数巻にわたる大著だが、日本全国に足を運んで、いわばライフワークとして書かれる際、金さんが自分に課していたことが、ひとつだけあった。韓国・朝鮮人の書いたものは、絶対に引用しないことだった。韓国・朝鮮人の書いたものなら、例の剣道の起源の捏造のように、なんでも朝鮮半島から渡来したと、こじつける文献が、いくらでも見つかるだろう。
おそらく、金さんは、韓国・朝鮮人の書いた文章を引用したいという誘惑に駆られたこともあったにちがいない。しかし、日本人が書いたものしか引用しないと、いわば、痩せ我慢のように、心に決めていたのだ。
金達寿さんとは、酒を呑んだり、旅行したり、また拙著の解説をお願いしたりしたこともある。艶福家で豪快な人だった。
今に伝わらぬ統治のプラス面
時の政権を批判して、亡命同様に日本へ渡り、「コリア評論」を主宰されていた金三(キムサム)圭(ギュ)さんとも、知り合った。何度か、同誌をお手伝いした記憶がある。金さんは、東亜(トンア)日報(イルボ)の主筆の体験を生かして、当時は画期的だったクロス承認方式を提唱して、健筆を奮っておられた。南北朝鮮の対立状況を解消するため、中ソ(当時)が韓国を、日米が北朝鮮を、それぞれ承認することによって、平和を担保するというアイデアだった。
しかし、その後の経緯を考えれば、中露は韓国を承認したが、日米は、北朝鮮と国交を持たないままである。あの当時は、かの大新聞の陰謀で、日本では伏せられていたが、北朝鮮という史上かつてない独裁国家の実像と戦略が、今や全世界で周知のものとなったからである。
例の大新聞は、韓国を独裁国家と決めつけて、あれこれ捏造報道を繰り返したが、まもなく馬脚をあらわすことになった。あまり、褒められた話ではないのだが、不純な動機ながら、多くの日本男性が、韓国を訪れるようになり、本物の韓国を実際に目で見るようになったからだ。
今も変わらぬ売春大国は、当時から有名だったのだ。空港などでは、団体旅行の男たちが、昨夜の女がどうのこうのと、聞えよがしに話しているのは、同じ日本人として、気が引ける思いだった。当時は、日本世代の韓国人が健在だったから、日本語を理解できる。あまりの傍若無人さに、舌打ちをしながら、露骨に「ウェノム」だの「チョッパリ」だの、差別用語を口にしている韓国人も、珍しくなかった。こうした日本人は、韓国語が判らないから、差別用語で呼ばれても、判らないのだから、おめでたい話だ。
しかし、不純な動機から訪韓しようと、実際の韓国を見てくれば、韓国が制限付きながら、自由主義の国だと判る人が増えてくる。とうとう、例の大新聞も、疑似イベントのような韓国=独裁国家論を、引っ込めるしかなくなったようである。
免税店などでは、日本世代の年配の女性が、若い人に日本語を教えているケースもあった。何度か訪れ、親しくなると、世間話のようなこともするようになる。さる女性は、つい最近(当時)、女学校の同窓会を行なったところ、多くの同窓生が日本から駆けつけてくれたと、嬉しそうに話してくれた。
当時、女子の高等教育は、日本でも朝鮮でも、まだ途上だった。女学校は、いわば最高学歴で、いい家の子女しか、通えなかった。したがって、この方の同窓生は、かつてソウルに住んでいた日本人が多かったわけだ。いや、この方も、元日本人であり、内地か朝鮮かなどと、出自を気にすることなく、自由に青春を共にしていたのである。
多くの悲劇も誤解も矛盾もあったが、こうした日本統治時代のプラス面が、日本でも韓国でも、今の世代に正確に伝わっていないことが、日韓の最大の問題なのだろう。
良好になりつつあった日韓関係
70~80年代にかけて、韓国では、慰安婦も歴史認識も、話題にすら昇ったことはなかった。その後、韓国を独裁政権扱いする報道も影をひそめ、日韓関係は、良好な方向へ向かいはじめた。もちろん、一部では、反日もあるにはあったものの、顕在化しなかった。
むしろ、日本人のほうが、韓国への好感度を増していった。「冬のソナタ」のヒットの影響もあったろう。元のタイトルは「冬(キョウル)恋歌(・ヨンガ)」である。主役の裴(ペ)勇(ヨン)俊(ジュン)の魅力もあったろうが、誰が訳したのか、ソナタという言葉が効いたせいもあるだろう。
70年代、日本世代の免税店のおばさんたちは、男ばかり来ないで、女性にも韓国へきてもらいたいと、いつもぼやいていた。家内を同行すると、おおいに喜ばれた。当時、ビーズのハンドバッグ、螺鈿(らでん)の漆器、絞り染めの生地など、男には価値の判らない土産物が、韓国では安く買えたのである。時代は、様変わりして、多くの中年女性が、日本から韓国を訪れるようになった。
私も個人的に、日韓親善に尽くしてきたつもりである。東国大学以外にも、たまたま知り合いができた祥(サン)明女子(ミョンヨジャ)大学(テーハク)など、いくつかの大学へ、文庫本を教材として寄贈しつづけた。韓国の日本語スピーカーを減らさないためである。
また、本業に関して言えば、日韓の推理作家協会の交流プロジェクトが、行なわれた際には、おおいに働いたと自負している。韓国では、減ったとはいっても、日本語で案内してくれる作家に、事欠かない。しかし、日本では、「韓国の独裁政権、やっつけろ」式の景気のいいスローガンをぶち上げる作家は、たくさんいたものの、韓国語で案内できる作家が、ほとんどいなかった。「あれ(イッチョ)に(ゲ・)見えます(ポイヌン・)建物(コンムル)は(・ン)、国会(クッケ)議事堂(ウィサタン)で(・イ)ございます(ムニダ)」などと、東京観光ではバスガイドのようなことも、しなければならなかった。
90年代には、日本人の韓国に対する関心と、好感度も高まり、韓国人の日本への興味、関心も、増していった。サッカーW杯の共同開催に向けて、日韓関係は、新たなステージに向かうかに見えた。
日韓離反狙う慰安婦捏造報道
だが、ここで、あの大新聞は、またしても、その強大な権力を行使して、日韓離反の挙に出た。
1991年、いわゆる従軍慰安婦なる虚構が、報道されたのである。この巨大新聞は、現在では、いちおう虚妄だったことを認めてはいる。だが、軍隊相手の売春婦である慰安婦と、勤労動員で働いた挺身隊を、混同した報道に関しては、当時は事実関係の研究が進んでいなかったためと、弁解している。
しかし、年齢の離れた姉が、あのころ女学生で、勤労動員により中島飛行機の工場へ、自転車で通っていたのを、私ははっきり覚えている。もちろん、慰安婦とは、何の関係もない。ことは、姉の名誉とも関わってくる。
平成に入って早々のころには、あの新聞社にも、私と同世代の社員が、まだ現役でたくさん働いていたはずである。知らないはずがない。二十数年も訂正することなく、頬かぶりをしてきたのは、単なる誤報などではなく、あの大新聞が仕掛けた日韓離反策の一環で、意図的なものだからなのだろう。
日韓離反を図る大きな意思は、あの新聞の言論支配のもうひとつの柱として、吉田某なる人物による、済州(チェジュ)島(ド)における日本官憲の女狩りという、とんでもない虚構を付け加えることによって、さらに拡大していく。
しかし、その後の十数年は、この大新聞の企みは、まだ功を奏さなかった。日本では、韓国ブームが続いていたからである。これまで訪韓したことのない、中年婦人層が、韓国を訪れることが多くなり、韓流にはまった韓国語学習者も、増えていった。そればかりでなく、男性のなかにも、韓流ドラマにはまる人が多くなった。韓国の大河ドラマ「朱蒙(チュモン)」は、高句麗の開祖朱蒙を主人公とした作品だが、私の近くのDVD店では、新作が十巻入っても、即日借りだされるほどの人気だった。
朱蒙は、もともと「三国(サムグク)史記(サギ)」に記録される神話上の人物なのだが、それを強引に歴史ドラマ風に、仕立て上げるところが、まさに韓国人である。元ネタが僅かしかないので、古今東西のエンタテインメントから、使えそうな要素を、流用している。水戸黄門のような部分も、大奥のような部分もあるが、臆面もなく、受けそうな要素を投入しているから、たしかに面白いことは面白い。
また、韓国側も経済力の伸長と共に、訪日して実際の日本を肌で知る人々が増えてきてもいた。別府の大ホテルなど、経営危機に陥った苦境を、韓国からの観光客の増大で乗り切ったほどである。国際化というスローガンが、しばしばマスコミを賑わすが、お互い知り合う以外に、国際理解が進むことはない。
慰安婦と同構造の原発報道
だが、挺身隊=慰安婦という虚妄、済州島女狩りという捏造は、徐々にボディブローのように効いていった。韓国では、従軍慰安婦像なるものが、日本大使館の前に設置され、アメリカ各地へ飛び火していく。あの像は、新聞報道にあった12歳の少女として造られている。挺身隊=勤労動員には、中学生、女学生も動員されたから、その年齢の生徒たちも少なくなかったが、軍隊相手の慰安婦に、その年代の少女がいたという記録もないし、事実もなかった。
韓国では、挺身隊問題対策協議会という団体が、活動し続けている。あまりにも長ったらしいので、挺(チョン)対(テ)協(ヒョプ)と略している。あの大新聞が垂れ流した挺身隊=慰安婦という虚構を、そのまま踏襲しているわけだ。語るに落ちるとは、このことだろう。
事実関係が、はっきりしたのだから、あの新聞の責任で、韓国側に訂正を求めるのが、筋だろう。だが、あの新聞は、それをしない。それどころか、慰安婦の存在は事実だから、これまでの方針に変わりないという態度を、とりつづけている。
なぜ、こうなるのだろうか? 韓国の問題と離れるが、私も筆禍に遭ったことがある。あの新聞社は、取材も検証もしないで、記事を書くことが、はっきり判った。私が受けた筆禍など、些細なことだが、問題の根は、共通している。
私は、本業のSF小説の未来エネルギーとして、昭和30年代から、原子力に興味���持っていた。そして、日本中の原発と、建設予定地の全てを、取材した。当時、人気の「朝日ジャーナル」誌が、特集を組んだなかに、私の名前も、名誉なことに入れてあった。その特集とは、「わたしたち(原発反対派)を未開人と罵った識者十人」というものだった。もしかしたら、原発反対派を未開人と罵った粗雑な人間が、その十人の中に、いたのかもしれない。
しかし、私は、そういうことを言ったこともないし、書いたこともない。それどころか、立地点の住民の反対を尊重すべきだと、常日頃から主張してきた。また、すでに物故したが、反対派の大立者の高木仁三郎は、私の中学の同級生で、同じ大学に入った間柄であり、かれが反対意見を発表できないような事態になったら、私と意見が異なってはいても、かれの言論の自由を守ると宣言してきた。さらに、原発に反対する自由のない国は、原発を建造すべきではないと、何度も書いたことがある。
ことは、原発賛成、反対という問題ではない。こうした報道をするからには、私をふくめて、そこに記された十人が、そういう発言をしたかどうかを、取材確認する必要がある。
ところが、私には、まったく取材は来ていない。そこで、私は、雑誌「諸君」のページを借りて、当時人気だった筑紫哲也編集長宛てに、私が、いつ、どんなメディアで、そういう発言をしたかと、問い合わせた。もちろん、そんな発言など、あるわけがない。筑紫編集長の回答は、のらりくらりと、話題をすりかえることに終始した。
韓国人と〝あの新聞〟の共通点
つまり、あの大新聞は、取材も検証もしないで、主義主張に基づくフィクションを、報道の形を借りて、読者に垂れ流しているわけだ。原発などに賛成し、傲慢な発言をする非国民が、十人必要になった。そこで、関係ない人間もふくめて、誌上でさらし者にしたわけだ。つまり、原発推進めいた意見を、圧殺する方針だったのだろう。
いわゆる従軍慰安婦の報道と、まったく同様の構造である。
従軍慰安婦なるフィクションを、あたかも事実であるかのように、売りまくって読者を欺いた責任は、まさに重大である。しかも、日韓関係を破壊したばかりでなく、全世界にわたって日本の名誉を泥にまみれさせた罪科は、きわめて悪質である。
誤報ではなく、明らかに意図的な捏造である。この捏造が,韓国に飛び火すると、さらに拡大していく。その意味では、この大新聞の離反策に、うまうまと乗せられた韓国も、いわば被害者と言えるかもしれない。主義主張を真っ向から掲げて、事実の確認も検証もしない韓国の国民性と、あの新聞の社是(?)は似ているかもしれない。
私は、過去四十数年にわたって、韓国と関わってきた。最初、自宅ちかくの笹塚の小さな教室で、韓国語を学びはじめた一人に産経新聞の黒田勝弘さんがいる。あちらは、ソウル在住が長いから、私など到底及ばないネィティブスピーカーに近い語学力だが、スタートは一緒だった。
以後、折々に韓国関係の著書を上梓してきたわけだが、その都度、親韓派、嫌韓派などと、勝手に分類されてきた。例の大新聞もふくめて、日本のマスコミが北朝鮮に淫していたころは、日本のマスコミ批判とともに、韓国擁護の論陣を張り、顰蹙を買った。また、韓国の反日が、度を過ぎたと思えば、遠慮なく韓国批判を展開してきたつもりである。
国際親善には、王道はないから、知る以外に近道はないと考え、「日本人と韓国人、ここが大違い」(文藝春秋)「いま韓国人は、なにを考えているのか」(青春出版社)など、比較文化論ふうの著書もあり、口はばったい話だが、日本人の韓国理解に貢献してきたつもりである。
もちろん、私の独断と偏見に堕す危険があるから、多くのコリア・ウォッチャー仲間から、助言や意見も頂戴し、拙著の間違いも指摘された。
転向左翼の韓国利用
いわゆる韓国病にはまりかけていたとき、早大名誉教授の鳥羽欽一郎先生から、たしなめられた。「豊田さん、日本人と韓国人は、おたがい外国人なのだから、同じ視点に立つということはできませんよ」と、確か、こんなことを言われた。そのときは、むっとしたが、先生は、韓国にのめりこみすぎている私に、ブレーキをかけてくださったのだ。
70年代、韓国にまじめに取り組もうという日本人は、それほど多くはなかった。田中明氏のような大先達のほか、外交評論の大御所岡崎久彦氏にも、お目にかかり、励ましを頂戴したことがある。外務省在勤中で、本名をはばかったのか、「隣の国で考えたこと」を、長坂覚のペンネームで、早い時期に刊行され���いる。現在は、本名で再版されているから、入手可能な名著である。
また、産経新聞の柴田穂さんも、大先達の一人だった。韓国関係の会合で、何度か、お目にかかり、アドバイスを頂戴したこともある。なにしろ、中国政府に批判的な記事を書き、産経新聞が北京支局の閉鎖に追いこまれたとき、支局長として残務を整理し、従容として北京を退去された剛直な方である。支局閉鎖という事態を招いたのだから、本来なら責任重大なはずだが、言論の自由を守ることを優先したのである。
それに引き換え、当時あの大新聞は、中国べったりの記事を、垂れ流しつづけていた。この新聞社には、Aという名物特派員がいた。中国通をもって自任していたはいいが、他社の記者まで、このA特派員に、お伺いを立てるようになったという。どこまで書いたら、中国政府の逆鱗にふれるか、A特派員に、判断を仰ぎに来たのだ。早い話が、あの大新聞が、日本の中国報道を検閲していたことになる。
70年代、北朝鮮一辺倒だった日本の文化ジャーナリズムの世界で、一つの伝説があった。いわゆる進歩的文化人は、自分の名前だけ、ハングルで書けたというのである。申し合わせたのかもしれないし、あるいは、あの大新聞の関与があったのかもしれない。現在からは、信じられない話だが、ハングルで名前を書いてみせるだけで、朝鮮問題(?)の権威扱いされたそうである。
しかし、現在の日韓の確執を眺めると、妙なねじれ現象がある。竹島問題にしても、従軍(・・)慰安婦(・・・)にしても、韓国側と共同歩調を取っているのは、70~80年代、あれほど韓国を独裁国家扱いして、忌み嫌っていた進歩的文化人なのである。節操もなにも、あったものではない。日本叩きに資する、あるいは、商売になると判ったら、かつて贔屓にした北朝鮮を見捨て、韓国に媚びるのだから、こういう世渡り上手と戦うのは、容易なことではない。
事実伝えることが真の親善に
翻って、現在の韓国である。反日は、狂気の沙汰の域に達している。これには、日本世代が現場から退き、あるいは物故したという事実が、おおいに関係している。私が、多くの教示を受けた方々は、もし存命なら、こんなことを言うと怒られるかもしれないが、日韓双方の美点を兼ね備えておられた。
もう一歩、踏み込んで言えば、日本の教育を受けた方々だった。立派な方というと、ややニュアンスがずれるが、韓国語でいう「アルンダウン・サラム」という方が多かった。こういう世代が亡くなり、反日が質量ともに、変わってしまった。まず、かれらが考える仮想の日本人に対して、際限なく敵意をむき出しにした、いわばバーチャル・リアリティの反日になっている。
日本では、韓国人は、険しいイメージでとらえられがちである。反日の激しさを見れば、間違いではないが、一面的に過ぎる。日頃の生身の韓国人は、お喋りで、陽気で、図々しいくらい人懐こい。日本人は、以心伝心を理想とする文化を生きているが、韓国人は、口にしたことが全てである。発信能力を磨かないと、生きていけない社会である。たとえ嘘でも、自分の主義主張を正面に掲げないと、たえず足をすくわれる危険に直面している。
そのため、国際的には、日本人より判りやすいと定評がある。よく見てもらえれば、日本人の誠意が通じるはずだが、韓国人のほうが声が大きいから、知らない人が聞くと本気にする、と言った程度には、説得力を持ってしまう。
大方の日本人の対韓姿勢は、「また、韓国人が騒いでおる。放っておくのが、大人の態度」といったものだろう。これが、日韓摩擦を拡大した主な原因のひとつである。日本からの反撃がないから、向こうは、さらに反日をエスカレートさせるのだ。
日本は、和の社会だとされる。これには、聖徳太子が引き合いに出されることが多いが、贔屓の引き倒しの面がある。有名な十七条憲法の第一条が、はきちがえられている。太子は、談合のような和を勧めているわけではない。あくまで論じてからと、なれあいを戒めている。
まさに韓国相手では、論じなければ駄目なのだ。相手は、合理的な議論が苦手だから、徹底して、論拠を上げて、言い負かすつもりで、追いつめなければ、非を認めない。一見、乱暴なようだが、反日が、高くつくという事実を、知らしめないかぎり、韓国の反日は、拡大するばかりで、絶対に解消しない。
現在の韓国は、日本世代がいなくなり、歯止めがかからなくなっている。さながら李朝時代の政争のような、権力闘争すら起こりはじめている。日本が、関わりを持つ以前の時代へ、先祖がえり(atavism)してしまった感がある。ここに乗じて、あの大新聞が、新たなテーマで反日の捏造を加えて、逆襲してくる畏れもある。いや、その萌芽は、すでに現れている。
私の「どの面下げての韓国人」(祥伝社)は、やや刺激的になるのを承知のうえで、出版社と協議して決めたタイトルである。さっそく、左翼弁護士が、噛みついてきた。ヘイトスピーチだというのである。しかし、ネットでは、すぐ反論されている。つまり読んでいないことを白状したようなものだというのである。なかには、あの本は韓国に同情しているのだ、とする感想もあった。こういう応援は、ありがたい。
私は、あるときは親韓派、あるときは嫌韓派というレッテルを、貼られてきた。私は、日本人であり、日本を愛している。その都度、批判すべきことは、日本であれ韓国であれ、批判してきたつもりである。
あの大新聞は、苦境を打破するため開き直って、韓国批判の本には、すべてヘイトスピーチだという烙印を押して、葬り去ろうというわけなのだろう。また、いわゆる従軍慰安婦の仕掛け人の元記者の就職先や自社に、脅迫があったという事実をもとに、言論の自由を盾にして、被害者の立場へ逃げこもうとしている。自分が、強大な権力をふりかざして、異なる言論を圧殺してきたことには、すっかり頬かぶりしている。
韓国には怒りを込めた反論を、あの大新聞には、厳しい追及の手を緩めてはならない。それが、ほんとうの日韓親善につながるからだ。
とよた・ありつね 昭和13年前橋市生まれ。父の医院を継ごうと医者をめざし、合格した東大を嫌い慶應大に入るも、目標が変わり武蔵大に入学。第1回日本SFコンテストなどに相次いで入賞して在学中の37年作家・シナリオライターとしてデビュー。手塚治虫のもとで「鉄腕アトム」のシナリオを二十数本担当。「スーパージェッタ―」「宇宙少年ソラン」の脚本も手掛ける。『倭王の末裔 小説・騎馬民族征服説』が46年にベストセラーとなる。47年東アジアの古代史を考える会創設に幹事として参画。50年「宇宙戦艦ヤマト」の企画原案、SF設定を担当。SF作家クラブ会長、島根県立大学教授などを歴任。63年オートバイ日本一周を達成。近著に『日本の原発技術が世界を変える』『どの面下げての韓国人』(ともに祥伝社新書)など。
※別冊正論23号「総復習『日韓併合』」 (日工ムック) より転載
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赤い誘惑 -ヒステリア シベリアカ-
「ヒステリア シベリアカ」 訳すとシベリアのヒステリーとなる。 わたしがこの話を知ったのは遠野物語の隠し念仏の話を読んでいた五木寛之の本の中でだった。 佐々木喜善は昭和3年に出た「東北文化研究」創刊号,「オシラ神に就いての小報告」でこう言った。
◆(一年に一回オシラ遊びの時にオシラサマに)「新しい花染めの赤い布」を着せる
「花染めの赤い布」すてきな色だと思う。 遠野物語に出てくるような昔の家に入ると,家の中は薄暗く,その暗さの中に赤い色は実に映える。赤い色は何か人間の根底を覆すような力を持っている。遠野物語の中でも赤い色が出てくると何かが違っているという約束のようにも思えてくる。マヨイガに出てきた赤い椀,赤い巾着の女,赤い顔の河童,ザシキワラシ,女の赤い抜け毛,山男,翁・・・。みんな赤である。
◆雪女の赤い櫛が薄暗い風呂桶の湯気の中にゆらりゆらりと���いている
その赤い色が印象に残ります。 伊豆沼 朝の赤い時 そして「山の人生」の冒頭の印象的な赤の話を思い出す。
◆一 山に埋もれたる人生あること 今では記憶している者が、私の外には一人もあるまい。三十年あまり前、世間のひどく不景気であった年に、西美濃の山の中で炭を焼く五十ばかりの男が、子供を二人まで、鉞(まさかり)で斫(き)り殺したことがあった。で始まる話である。
この話の殺人の場面は真っ赤な夕陽の中で行われる。
◆小屋の口一ぱいに夕日がさしていた。秋の末の事であったという。二人の子供がその日当りのところにしゃがんで、頻りに何かしているので、傍へ行って見たら一生懸命に仕事に使う大きな斧おのを磨といでいた。 おとう、これでわしたちを殺してくれといったそうである。そうして入口の材木を枕にして、二人ながら仰向あおむけに寝たそうである。 それを見るとくらくらとして、前後の考えもなく二人の首を打ち落してしまった。 遠野卯子酉(うねとり)神社の赤 赤い色にくらくらするのである。そして自分が前後不覚に陥り,何をどうしたのかも分からなくなる。まるで,カミュの「太陽が眩しかったから」である。 さて,「ヒステリア シベリアカ」の話。 訳すとシベリアのヒステリーとなる。
◆19世紀のロシア,シベリアに住んでいる人間に独特の病気があった。女性が罹るヒステリー���はなく男,特に働き盛りの男が罹るヒステリーです。 シベリアの大平原の一角に,ある家族が農業を営んで住んでいる。大概が百姓をしている。見渡す限りの広い耕地を耕して夏の間だけでもかろうじて農業をしている。朝は日の出前から夜は星が出るまでひたすら働き続ける。そのように父も生きてきたし母も生きてきた。わたしもそう生きることが当たり前だと思って生きている。都会になど出かけたこともないし興味もなかった。その日も落日まで働き続けて男はふと顔を上げた。シベリアの大地に大きな夕陽がかかっている。なんと大きな赤い夕陽であることか。男はみるみる沈む真っ赤な夕陽を憑かれたように見入ります。 すると突然心の中に不思議な衝動が湧き上がってきて,彼はポッと持っていた鍬を捨てて,夕陽に向かってトコトコと歩き始めた。どんどんどんどん畑を越え,林を越え,草原を越えてひたすら憑かれたように夕陽の方向に歩き続けるのです。どこまで行っても果てがない。やがて行き倒れるのです。またオオカミにでも食べられてしまう。
この不思議な衝動は「山の人生」の冒頭の話と同じように真っ赤な夕陽の中で突然に「くらくらとして」湧き起こってくるものです。 奥に刺す光 この「ヒステリア シベリアカ」の話は村上春樹の「太陽の南 国境の西」にも出てきます。「太陽の南 国境の西」は1991年頃に書かれたものらしいですが,このように書かれているようです。
◆「そしてある日、あなたの中で何かが死んでしまうの」 「死ぬって、どんなものが?」 彼女は首を振った。 「わからないわ。何かよ。東の地平線から上がって、中空を通り過ぎて、西の地平線に沈んでいく太陽を毎日毎日繰り返して見ているうちに、あなたの中で何かがぷつんと切れて死んでしまうの。そしてあなたは地面に鋤を放り出し、そのまま何も考えずにずっと西に向けて歩いていくの。太陽の西に向けて。そして憑かれたように何日も何日も飲まず食わずで歩き続けて、そのまま地面に倒れて死んでしまうの。それがヒステリア・シベリアナ」 僕は大地につっぷして死んでいくシベリアの農夫の姿を思い浮かべた。 「太陽の西には一体何があるの?」
この話は五木寛之の話を村上春樹がまねしたとかそんな話でもなく,聞いた人はやっぱり強い印象として残ると思います。 赤に取り憑かれるということ。それも夕陽の沈む中に起こる心の変化。 夕陽の中に阿弥陀如来が現れるという阿弥陀信仰と重ねると,夕陽の沈む瞬間の赤にこそ見失っていたことが見えてくるのかもしれません。
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Takeshi KINOSHITA @kinoshitakeshi - 午前10:20 ・ 2020年6月3日 : https://twitter.com/kinoshitakeshi/status/1267989469015076866 : https://archive.vn/D6LzV
足立区の荒川河川敷にシカさんが現れたというニュースはよかった。川沿いを移動してきたんだろうな。オープンスペースが人間だけでなく野生生物にも開かれている(opened)ということ、特にcorridor状のそれが都市に動物を誘引するのに効果的であることが、図らずも実証された。 ≫――――――≪
Takeshi KINOSHITA @kinoshitakeshi - 午前10:31 ・ 2020年6月3日 : https://twitter.com/kinoshitakeshi/status/1267992292901580801 : https://archive.vn/4MKZY
野生生物にとってのオープンスペースの開放性opennessを左右するのはもちろん人間のプレッシャーであるが、今回の危機で、人間にとってのOSの開放性を左右するのもまた人間であることが露見。 ≫――――――≪
Takeshi KINOSHITA @kinoshitakeshi - 午前10:32 ・ 2020年6月3日 : https://twitter.com/kinoshitakeshi/status/1267992641813147648 : https://archive.vn/6R41m
ただウィルスだけが人間のプレッシャーすなわち密を好む。だから奴らは生物ではないのだが、人間と生物の距離distanceが近づきすぎた結果でもあり、それもまた人間の成したことである。 ≫――――――≪
Takeshi KINOSHITA @kinoshitakeshi - 午後9:28 ・ 2020年6月3日 : https://twitter.com/kinoshitakeshi/status/1268157576413208577 : https://archive.vn/8Xo2K
シカさん捕まったか ≫――――――≪
さとやまん @satoyamanagain - 午後9:12 ・ 2020年6月3日 : https://twitter.com/satoyamanagain/status/1268153641883459585 : https://archive.vn/LpoEM
あのシカをどうすべきかは難しい問題だとは思いますけどね, 生態系に興味のない方々の「山に返してあげて」という"やさしさ"がアライグマの分布を拡大させ, 年間何万頭も殺さなきゃいけない現状を生んでいることは知ってほしいですね
在来・外来やらで今回の件と完全に一致するわけではないですけども ≫――――――≪
さとやまん @satoyamanagain - 午後9:15 ・ 2020年6月3日 : https://twitter.com/satoyamanagain/status/1268154326452547584 : https://archive.vn/BIIub
アライグマ侵入初期は捕獲後に「奥山に返してあげる」というとても"やさしい"対処をされる地域もあったそうで...
もちろん今ほど情報がない中でそういう選択をした行政を声高に批判したりはしないですけど ≫――――――≪
つつみん @34PtgClzqWRP9qa - 午後1:13 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/34PtgClzqWRP9qa/status/1268395541869719552 : https://archive.vn/eaH6d 返信先: @satoyamanagain @dadasiko
野生のシカなので、捕獲したヒトが食べればいいのでは。 こういったときのシカの所有権は誰にあるのたかという問題なのでしょうか。 都会のルールがよくわからず、ツイートしてますが。 ≫――――――≪
さとやまん @satoyamanagain - 午後9:54 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/satoyamanagain/status/1268526626179964930 : https://archive.vn/EQHwg 返信先: @34PtgClzqWRP9qa
通常(狩猟・有害鳥獣捕獲)の場合はそれでいいのですが, 警察がどういう法的枠組み・権限を適用して捕獲したのかがわからないのでなんともいえませんね... (原則としてシカの捕獲は禁止, 狩猟・有害鳥獣捕獲などはあらかじめ許可が必要) ≫――――――≪
ぺいた @toritori_gt - 午後0:40 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/toritori_gt/status/1268387062605950977 : https://archive.vn/PDd5T
荒川区のシカ、GPS発信機付けてまた河川敷に放してどんな行動してるかトラッキング調査した方が今後の管理計画にめっちゃ役立つのでは? ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前8:56 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268330806977556482 : https://archive.vn/kqGan
「区は複数の動物園に引き取りを打診したが、野生動物が持つ病気が園内の飼育動物に感染する恐れもあるとして、断られたという」まったくもって動物園側が正しい対応としか言いようがないです。後ほどいくつか「誰でも読める」参考資料をぶら下げます。 #鳥獣害
{{ 画像 1 : 荒川のシカ、サッカーゴールで捕獲 引き取り手を募集中 - 朝日新聞デジタル : https://www.asahi.com/articles/ASN636JQVN63UTIL01Z.html : https://archive.is/OeECv }} ≫――――――≪
ぐったり @phakutaku - 午前10:31 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/phakutaku/status/1268354747607572481 : https://archive.vn/tODgC 返信先: @SciKotz
失礼します。 動物園の対応、私も正しいと思います。すべての責任を負うべきは捕獲した警察、もしくは通報した人、だと思います。殺処分するか、一生飼育するか、の覚悟なしに手を出すのが悪い。 それにしても今回の件、何故、放置ではダメだったのでしょうかね? シカがいてそれほど迷惑でしょうか? ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午後1:23 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268397844366372866 : https://archive.vn/VxhHm 返信先: @phakutaku
ありがとうございます。動物園の対応へのご意見は同意です。 後段は少し意見が違います。警察は、警察法2条において「公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする」と定められていますので、シカの「危険性」を排除することはなんら責められるべきではないと考えます。 ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午後1:24 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268398204892016640 : https://archive.vn/argVq 返信先: @SciKotz @phakutaku
また、鳥獣害対策では初期対応が重要なので、通報は極めて適切な対応だと思います。むしろ、出口を示さずに保護という判断を下したことが最も問題ではないか、というのが私の考えです。しかし、ご意見本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。 ≫――――――≪
ぐったり @phakutaku - 午後1:55 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/phakutaku/status/1268406059577667584 : https://archive.vn/0KAKP 返信先: @SciKotz
河川敷にいるだけのシカの危険性の評価は誰がするのでしょうか? 排除するべき危険性をはらんでいるとは、私は思っていないのですが。だから、安全を見て排除したのであれば、警察がシカに対して責任を負ってしかるべきと思った次第です。 そこんとこ、何か法律による基準でもあるんですかね。 ≫――――――≪
ぐったり @phakutaku - 午後2:07 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/phakutaku/status/1268409079992446976 : https://archive.vn/stfbz 返信先: @phakutaku @SciKotz
基準がないのであれば「一般者が危険だと思ったから通報した」場合どうであろうと「警察は事前に危険を防ぐために排除」という図式が成り立ちます。 これ、シカじゃなくて狂犬病のタヌキだったら、よほど危険なのに捕獲は不可能として放置だったんじゃないですか? ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午後3:08 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268424245052231680 : https://archive.vn/vBedE 返信先: @phakutaku
ありがとうございます。 「シカは放置でもよかったのでは」というご意見は理解しております。その余については意見表明、問題提起として受け止めますが、私とは意見や考え方は少し違うように感じます。参考にさせていただきます。 ≫――――――≪
井上不二子 @fujikoinoue2 - 午後4:46 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/fujikoinoue2/status/1268448905173192706 : https://archive.vn/yJdfJ 返信先: @SciKotz @phakutaku
「河川敷にいるだけ」という保証がないことが捕獲の大前提でしょう。数年前に大阪の淀川河川敷に出た時も、河川敷を出て住宅街に出没していました。市街地の鹿の一番の危険性は交通事故の要因になることで、死亡事故もありえますから警察が緊急出動したこと自体は妥当です。 ≫――――――≪
ぐったり @phakutaku - 午後6:26 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/phakutaku/status/1268474276039913472 : https://archive.vn/o2w48 返信先: @fujikoinoue2 @SciKotz
なるほど。交通事故の危険性、となると都会に慣れていないシカ、シカに慣れていない運転者のいる都会では、捕獲はやむを得ない措置かも知れませんね。 ≫――――――≪
井上不二子 @fujikoinoue2 - 午後4:53 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/fujikoinoue2/status/1268450754546696195 : https://archive.vn/2xbHR 返信先: @fujikoinoue2 @SciKotz @phakutaku
また場所が足立区では、追い払いで山に帰すというのも遠すぎて難しいでしょう。これが��方都市だと捕獲→移動→放獣が通常の対応ですが、それは同じ都道府県内でこそスムーズにできます。今回の件は、東京都と埼玉県でどういう協議をしていたかが一つの焦点で、警察行政の責任ではないと思います。 ≫――――――≪
井上不二子 @fujikoinoue2 - 午後4:57 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/fujikoinoue2/status/1268451737725091841 : https://archive.vn/RNQwz 返信先: @fujikoinoue2 @SciKotz @phakutaku
東京都と特別区の間で、野���鳥獣についての取り扱いがどういう分担になっているのかわかりませんが、少なくとも今回の件の警察は、無策の尻拭いをさせられている側の可能性が高いと思います。 ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午後6:44 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268478643639992321 : https://archive.vn/G4vlh 返信先: @fujikoinoue2 @phakutaku
ありがとうございます。ご指摘、全く同意です(でも私が説明するよりはるかに分かりやすい…)。 ≫――――――≪
井上不二子 @fujikoinoue2 - 午後7:41 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/fujikoinoue2/status/1268493097551331329 : https://archive.vn/Om8p8 返信先: @SciKotz @phakutaku
出没場所は環七のすぐ脇ですね。
野生動物の動きを平面だけで推測するのは間違いの元ですが、だいぶ怖いロケーションかと。
{{ 画像 2 }} ≫――――――≪
ぐったり @phakutaku - 午後8:39 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/phakutaku/status/1268507692542210048 : https://archive.vn/sUr3y 返信先: @fujikoinoue2 @SciKotz
まあ、人間の都合も分かります。 こんな調子で山林にも平野部にも居場所がないなら、最終的には絶滅させる以外にないってことでしょうかね。 ≫――――――≪
井上不二子 @fujikoinoue2 - 午後9:34 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/fujikoinoue2/status/1268521569141153792 : https://archive.vn/5mrFA 返信先: @phakutaku @SciKotz
ご自身のお気持ちは大切にしていただきたいと思いますが、鳥獣害対策は種を絶滅させない為にこそあります。その為には情緒的な判断ではすまないのです。↓はご参考までに。野生動物問題 {{ 野生動物問題 羽山 伸一(著) : https://amazon.co.jp/dp/4805206896/ }} ≫――――――≪
ぐったり @phakutaku - 午後10:45 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/phakutaku/status/1268539444971417601 : https://archive.vn/M1Kk5 返信先: @fujikoinoue2 @SciKotz
いや、そりゃ綺麗ごとですな。 それに、勘違いされているようですが、私は別に情緒的な話はしてません。 ≫――――――≪
しとろ @citrutos - 午後1:19 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/citrutos/status/1268396833165832192 : https://archive.vn/l21QG 返信先: @SciKotz
そもそも野生の動物さんと私らは本来関わっちゃいけない。自然レベルでそうできてる。
優しい自然派気取りつつ今回の疫病騒ぎでそこを学んでない人たちがあまりに多くてうんざりします。モノを知らないってより、知識を結び付けて応用することをしない人達にうんざり。 ≫――――――≪
万物創造房店主 @banbutsusozobo - 午前0:35 ・ 2020年6月5日 : https://twitter.com/banbutsusozobo/status/1268567141684412418 : https://archive.vn/NLGhq 返信先: @citrutos @SciKotz
人間も自然の一部なんで逆に関わらないといけないと思います
もう日本にオオカミはいないから、代わりに誰かが鹿を食べないと増えすぎて大変なことになります ≫――――――≪
サラセン帝国 @garasuhibar - 午後0:35 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/garasuhibar/status/1268385844919799808 : https://archive.vn/1C0uN 返信先: @SciKotz @harufoot
捕獲したはいいが、「引き取り手がないなら殺処分」・・・元々害獣駆除の対象だから最初からそれでも良かったのでは?と思ったりもするのが一つ。 ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午後1:25 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268398468592103424 : https://archive.vn/iCjKf 返信先: @garasuhibar @harufoot
よく分かります。 ≫――――――≪
サラセン帝国 @garasuhibar - 午後0:34 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/garasuhibar/status/1268385703131402247 : https://archive.vn/lKiMk 返信先: @SciKotz @harufoot
この件、河川敷に鹿がいてもそう不自然ではないとは思う。人家に近いことからの処置であろうが、捕獲しなければならないことか?奈良のように共存している地域もあるし。と言うのが一つ。 ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午後1:25 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268398379832193024 : https://archive.vn/nPCNI 返信先: @garasuhibar @harufoot
誰かがエサを与え出すのでは(ry ≫――――――≪
サラセン帝国 @garasuhibar - 午後2:26 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/garasuhibar/status/1268413672021352448 : https://archive.vn/pUWO6 返信先: @SciKotz @harufoot
言えてますね。「可愛そーな鹿さんにおせんべいあげよう」 ≫――――――≪
なんちゃっ亭 ふまじめ @nanchattei_f - 午後2:44 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/nanchattei_f/status/1268418235944206336 : https://archive.vn/r0gQu 返信先: @garasuhibar
道路に飛び出しますよ…?? [シカ] [自動車] [ダッシュ] [ダッシュ] [絶叫した顔] ≫――――――≪
サラセン帝国 @garasuhibar - 午後2:51 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/garasuhibar/status/1268420212744806402 : https://archive.vn/GUf4y 返信先: @nanchattei_f
奈良もそうですよ。でもこっちはそれでどちらも馴れてるからなあ・・・河川敷にだけとどまってはくれないか・・・ ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前9:43 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268342591000477696 : https://archive.vn/IZz5W
さて、この荒川のシカ問題、引き取りを断った動物園の対応を「正しいとしか言いようがない」と書きましたが、それを理解する上で参考になりそうな資料をいくつかあげておきます。「どうして引き取ってあげないんだろう」と思った人ほどぜひご一読下さい。 #鳥獣害
============≫ 小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前8:56 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268330806977556482 : https://archive.vn/kqGan
「区は複数の動物園に引き取りを打診したが、野生動物が持つ病気が園内の飼育動物に感染する恐れもあるとして、断られたという」まったくもって動物園側が正しい対応としか言いようがないです。後ほどいくつか「誰でも読める」参考資料をぶら下げます。 #鳥獣害
{{ 画像 1 : 荒川のシカ、サッカーゴールで捕獲 引き取り手を募集中 - 朝日新聞デジタル : https://www.asahi.com/articles/ASN636JQVN63UTIL01Z.html : https://archive.is/OeECv }} ≪============ ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前9:51 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268344533844021249 : https://archive.vn/01yl5
①前提として、現在、シカは全国的に農林水産業や生態系への悪影響を及ぼしており、多くの自治体で被害防止策に加えて、捕獲、駆除が進められています。国レベルで2013年には、2011年の個体数を基準に、2023年までに半減させるという目標を立てています。 #鳥獣害 https://maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/attach/pdf/index-356.pdf
{{ 画像 3 : 【抜本的な鳥獣捕獲強化対策 イメージ】 }} ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前9:56 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268345932799545345 : https://archive.vn/fVxz9
②東京都も、シカの第二種管理計画を策定して、個体数の管理に取り組んでいます。5期(今期)の計画ではフィードバックを前提に「狩猟規制の緩和として、狩猟期間の延長及び捕獲頭数の制限の撤廃を行う」(2p)としてます。どんどん捕って欲しいということです。 #鳥獣害
https://kankyo.metro.tokyo.lg.jp/basic/plan/nature/deer_protection.files/5th_deer_plan.pdf ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前10:02 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268347355406807041 : https://archive.vn/6eRpy
③また、捕獲の際に警察官の方々への「感染症対策」がどうだったのか、非常に危惧されます。こちらの図を見てください。主な感染源「シカ等」「シカ等」「シカ等」「シカ」… (図は環境省、先ほどの図は農水省、クレジットを忘れていました。失礼しました) https://env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-7.pdf
{{ 画像 4 : 主な感染症 感染源となる主な狩猟鳥獣 }} ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前10:05 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268348168317460483 : https://archive.vn/wUQPB
④感染症対策は、人だけでなく、シカ肉を与える動物園でも非常に神経を使っています。例えば、こちらの記事から引用「感染症の危険がある内蔵と頭部は取り除き、一度冷凍してダニや寄生虫を殺す。その後、約60度で湯煎し殺菌する」。 #鳥獣害
{{ 画像 5 : 目覚めよ野性、丸ごとシカにライオン歓喜 でもトラは - 朝日新聞デジタル : https://www.asahi.com/articles/ASMCZ4GV3MCZOBJB001.html : https://archive.is/zB4uO }} ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前10:10 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268349476554412033 : https://archive.vn/ez9u6
⑤また、環境省の調査によれば、多くの自治体で有害鳥獣は、傷病個体であっても救護対象外です。限られたリソースを圧迫する上に、①などで触れた国、自治体の政策とも矛盾するからです(図は環境省「行政における傷病鳥獣救護の考え方と地域の取組み事例」より)。 #鳥獣害
https://env.go.jp/nature/choju/effort/effort13/jirei.pdf
{{ 画像 6 : 表 3-1-1 受入対象外の種類(複数回答有り) }} ≫――――――≪
小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前10:16 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268350830408687616 : https://archive.vn/Ff8U9
⑥こうした事実を踏まえ、もう一度記事を読んでいただければ、受け入れを断った動物園の対応も、保護というやり方も、「引き取り手を探している」という情報発信のあり方も(自社批判に聞こえるかもしれませんが)、違った見え方になるのではないでしょうか? 了 #鳥獣害 ≫――――――≪
井上不二子 @fujikoinoue2 - 午後5:15 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/fujikoinoue2/status/1268456235017224192 : https://archive.vn/S7s8w 返信先: @SciKotz
私も別に動物園も警察も問題ないと思いますが、東京都はいまだに河川沿いに彷徨い出る野生動物についての対応マニュアルを作っていないということでしょうか。
↓これは、管理が多摩地区限定で、それは出没ではなく生息を管理する計画ですから当然ですよね。
============≫ 小坪 遊 Yu Kotsubo(Black K?k?p?) @SciKotz - 午前9:56 ・ 2020年6月4日 : https://twitter.com/SciKotz/status/1268345932799545345 : https://archive.vn/fVxz9
②東京都も、シカの第二種管理計画を策定して、個体数の管理に取り組んでいます。5期(今期)の計画ではフィードバックを前提に「狩猟規制の緩和として、狩猟期間の延長及び捕獲頭数の制限の撤廃を行う」(2p)としてます。どんどん捕って欲しいということです。 #鳥獣害
https://kankyo.metro.tokyo.lg.jp/basic/plan/nature/deer_protection.files/5th_deer_plan.pdf ≪============ ≫――――――≪
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創作童話 赤ずきん オオカミを退治してその後のお話です。 オオカミの息子の小オオカミが赤ずきんにリベンジしに来ました。 父のようにと甘い言葉で誘惑してみるも、赤ずきんにため息をつかれてしまいました。 「全然ダメね。なってない」 赤ずきんに冷たくあしらわれてしまいます。 「あなたのお父さんはもっと誘うのが上手だったわ」 そう言われた小オオカミはおずおずとその場を去ることしかできませんでした。 いつか誘惑してやる……そう胸に誓って。
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『ひねくれオオカミさんの誘惑』5話がRenta!さんより本日から配信です。
すったもんだあった二人もようやく…って感じで兄ちゃんがデレてるのでどうぞよろしくお願いします~(*´◒`*)
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れいぽよ&中島健が急接近?「オオカミくんには騙されない」シーズン2は初回から驚きの連続 - ニコニコニュース
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れいぽよ&中島健が急接近?「オオカミくんには騙されない」シーズン2は初回から驚きの連続 ニコニコニュース 同番組は、本気で恋愛したい女子高生と同世代男子の、出会いからデートを繰り返して恋に落ちていくまでを追った恋愛ドキュメンタリーの第2弾。男子の中には嘘をついて、好きでもないのに好きというフリをしている「オオカミくん」が最低でも1人混ざっており、誘惑や混乱を招くよう ... AbemaTV『真夏のオオカミくんには騙されない』 第1話がTwitterトレンド入り!AbemaTIMES all 7 news articles »
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