#のえピー隊
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※2024/1/24更新 1 新年早々死にそう 2 なんでもない僕にババアが3億くれた 3 父が中学生ラッパーに論破されました 4 僕の年収は芦田愛菜ちゃんの15分 5 母親の手料理がまずくて死にそう 6 世界を征服した上で責任もって平和にしたい 7 石田純一のサマーセーター 8 成人式に行く娘が小梅太夫そっくりでした 9 浅田魔王 10 ファック石松 11 スーパースケベタイム 12 赤面のどちんこ 13 右足が沼にはまって動けません 14 イナバの白うなぎ 15 小栗旬筋太郎 16 右手にコーラ 17 嘘ついたら針千本トーマス 18 ジャスティンヒーハー 19 天草大王 20 チンコフランダース 21 じっちゃんになりかけて 22 ヒデ中田と自分探しーズ 23 そんなことされたらタマランチ会長 24 しらすの底力 25 ビショビショ美少女 26 俺だけはセンテンススプリングを忘れない 27 シロマティー 28 冷たい爪 29 ピープルピープル 30 はんだごてお 31 マジックミラーマン 32 まいたけタイマー 33 概念覆す 34 M字おじさん 35 アナルじじい 36 お腹ヘルタースケルター 37 ペロペロ銀酸ナトリウム 38 ポン酢で目薬 39 安室波平 40 アーノルドシュワルツェネッガー改めアナルイジルホドセイシガドッバー 41 ユースケキャンタマリア 42 ちんこダイニング若 43 ワックス一気飲み 44 FANZA松之丞 45 ハリケンみきサブロー 46 みそクリームコロッケ 47 トゥルーマン翔 48 異次元の豚バラ 49 父は公務員 50 手コキうどん 51 冬の鬼 52 りんご定食��盛り 53 岐阜とカード 54 元ヤクルトレディ 55 壊れたメガネ使ってます 56 デビル夫人 57 コンジローム小林 58 おーい北海道検定 59 三本のシワ 60 ダリの贋作 61 美しすぎる受付嬢 62 永69輔 63 青春のアナル二等兵は夕方のコスモスに涙した 64 一蘭食ってまた一蘭 65 落合のカミさんのウンコ 66 パンティライン学園 67 時 任三郎 68 ピンクのお豆さん 69 論より証拠の大ライス 70 婆さんたまにはあんたが芝刈りに行ってくれ 71 ナースコール二連打略してN2 72 ずっと春休みでいいのに 73 パラダイス銀紙 74 睡眠時無呼吸症候群 75 行けたら行くマン 76 おっさんコロコロ 77 ゴメンなサイドステップアタックよしき 78 ハットリ三世 79 最近ココアよく飲むマン 80 スマホがないから友達ができないんだ 81 やっと目を見て話してくれたよ 82 ミッシェルガンエレファントカシマシ男 83 あなたのチンポお褒めします、ユアチンポ・ホメタゲル 84 森進一最高意思決定機関ポマト 85 船越英一郎の指なしグローブ 86 青梅などで人は死なぬ 87 買い物お手のものモノポリー 88 赤ちゃんのおしりふき 89 亀頭おじさん 90 棚からボッタボタ 91 金のマンタ 92 木更津ジャンキー 93 松平健プライドゼロネーム背中にはいつも幸せのポップコーン 94 雨粒マン 95 ベネットは静かに暮らしたい 96 木工用ジェームス・ボンド 97 今に見てろドッカーン 98 ガッツいちもつ 99 プラダを着たカズマ 100 ぱいぱいちっちゃ美 101 サイレント失格 102 扶養義務 103 アマチュアダックスフンド 104 佐藤たけらない 105 西野かなわない 106 松崎しげらない 107 ビーチ坊主 108 人工衛星 ひまわりの約束 109 仙台駅西口集合 110 懲役160年 111 前立腺四天王朱雀カウパー飲み放題 112 ちんたま乱太郎 113 チーズ撲滅派 114 島倉千代の富士 115 シリアナ・グランデ 116 掲示板で知り合った巨乳 117 ミミズぐちゅぐちゅ 118 北斗の健介 119 謎の存在Q 120 パチンコが生きがい 121 五臓六腑Tiktok 122 どうにもならんよ 123 一寸先はマグロ女 124 希望も何もない 125 テマンゲリオン 126 お萬田久子 127 へちょのすけ 128 レンジでチン太郎 129 本能寺の変態 130 はんぺんサムライ 131 ムダ毛処理大臣 132 試作品622 133 高膣圧ガール 134 ミセスチルドレン 135 君の黄色いマフラーになって吐息を感じたい 136 社交性ゲロ以下 137 シャーブ・ルース 138 デパ地下でパチカ 139 マスメディア大好きっ子ちゃん 140 落合のダッチワイフ 141 幸先ワルイージ 142 怪盗ソルト 143 大入袋 144 駄作 145 薄毛のロン毛 146 高速シンカーワ・優愛 147 私の傘だけありません 148 魔王の刺し身改め天ぷらという概念 149 雨も風も去れば僕の心に残るのは君だけ 150 ちんぽGメン 151 ダーツ部部長 152 甚六さんの宴 153 朝型忍言 154 おしゃクソ 155 ある女 156 橋本奈々未 157 私立探偵ふくないようこ 158 来世はアサガオ。 159 他力本願寺の子 160 毒霧記念日 161 ミートカーソルは広め 162 公園のロケット 163 ミニラーメン大盛り 164 便所ンソン 165 笑い屋キャリー 166 朝挿入 167 パンティ改めブラ 168 下痢 169 浦沢直樹目がイッてる 170 それいけ!残飯マン 171 今日の晩飯カレーとカレイ 172 しごく先生ま〜ら〜 173 元カレとのセックスが忘れられない 174 さだ馬刺し 175 Mr.いいひとどまり 176 明石のふしだら女 177 政府にとって危険な思想の持ち主 178 白石麻衣を思い浮かべてTENGAを使ったらそれはもう白石TENGA 179 金玉院巨大居士 180 溜め息と飲み薬 181 海外旅行に畳持参 182 親が浮気してる 183 耳ほじるり 184 テロリスト 185 嬉し涙じゃじゃ丸 186 シドジェット気流 187 雰囲気8点顔2点 188 ジョニー・デップり 189 手羽先コウ 190 AV大好き 191 中田花奈の五臓六腑に染み渡りたい 192 綾波レイ・セフォー 193 火曜どうですか 194 ゲスの極みオナベ。 195 いちご100%中の100% 196 平井堅fromヘル 197 東北自動車道 198 アホくさい北斎 199 あるある 200 佐藤遅漏 201 鳥獣戯画ジャクソン 202 おちんちん出しときますね 203 女の柔肌の温もりを知りたい 204 知らない土地の松屋 205 ドリンクバーメモリー 206 やーい、お前の母ちゃんドンキの店員 207 ピンフストロガノフ 208 ボランチは要 209 ぽこちんペニックス 210 熱海のたこやきマントマン 211 パンチドランカー斎藤 212 とある無職の糞童貞 213 五月みどりのシャツ黄緑 214 匿名希望(とくなのぞみ) 215 内山田洋とクールポコ 216 スタン・番宣 217 弔辞ルーカス 218 黒ひつじ 219 らりるれ論 220 まぜ餅 221 日本の子供たち 222 バクの耳を引っ張りたい 223 羊羹、羊羹、雨、羊羹 224 DJ口内炎 225 実績ゼロ 226 この世界の片桐仁 227 白の金字塔 228 確変ベイベー 229 左目からコーヒー 230 セルジオ越後の日本語講座 231 ギンギンしてんじゃねーよ 232 ブスだ三日で慣れろ 233 チンポフラペチーノ 234 借りぐらしのチピロッティ 235 おかあさんといっしょ。そう、今も。 236 ローマは一日にして奈良漬 237 うんこ大将軍46歳会社員 238 熊木丑五郎 239 身から出たサバ 240 釈迦ベイベー 241 ぶつぶつ二の腕 242 しくじり先生にのりピーを 243 慰謝料払えバカ 244 食べるサラダ 245 雪への憎しみ 246 タキシードは風に舞う 247 満腹亭いなり 248 脱糞名人 249 ゆっくり勃起 250 人 251 沼袋 252 オッス、オラ、山村紅葉 253 デカいカマキリ 254 ブラザーフッド・オブ・スティール 255 ミヒマルED 256 ポストカードクラフトスマン 257 金玉 258 ジェントルマンコーラ 259 マニー・タッキャオ 260 髭剃りジョニー 261 変態改め変わった態度 262 聖なる靴下 263 膝に爆弾 264 エレファントかさ増し 265 滝川に栗捨てる 266 サッポロ百番 267 目には目をハニワ顔 268 三度のメシよりサンドイッチ 269 軍手のイボ対ロシア女 270 綺麗な花が好きだから 271 イボ痔 272 もうダメだな 273 僕のアソコはガンダムSEED 274 アソコ・デラックス 275 遠山の金さん銀さん 276 人は、いずれパイナポー 277 僕のことはほっといてください 278 人はいずれ死ぬ 279 私は再生紙で出来てます 280 人間はもう終わりだ 281 じっちゃんの顔にかけて 282 チョコモナカジャンボウンコ 283 俺は神を見放した 284 都立前立腺 285 ヘッドフォンマスターピース 286 僕は絶望の中にいる 287 ラッパーザキバチョフ 288 おやすミッフィー 289 ひょろ長いアネモネ 290 五軍の突撃隊長 291 崖の上の船越 292 フクロウのから揚げ 293 ノンフィクションあつみ 294 悶絶 295 犬の心 296 無回転観覧車 297 爆笑問題の大ファン 298 大黒柱オレオ 299 ダマシ屋 スケシン 300 市川海老反り 301 キューティクルは死にました 302 昔も良くなかった 303 目から鱗滝 304 回らない観覧車 305 アイルトン背中 306 ベンジャミン羊肉(マトン) 307 性犯罪者予備軍(離婚断念) 308 口癖はソイソース 309 大きめの犬 310 犬は先に死ぬ 311 アナルパールなにわ 312 豆腐小僧 313 おかずバナナ 314 フィニッシュ丸 315 需要もないのに勝手に供給 316 本名OKミゲル・マクドナルド・池上 317 オナ禁誓いウォーカー 318 クジャクのジャック 319 DJ本田医師 320 パパ活この指とまれ 321 遮るブルーギル 322 村上春樹 323 年収5万 324 ケツ出しエッフェル塔 325 直腸三銃士ポリープでき放題 326 藤原基央スマブラ参戦 327 しおふきんちゃん 328 部分積分いい気分 329 ルサンチマン 330 あの角曲がれば恋の予感 331 さかいわさび 332 帝国歌劇団ひとり 333 離婚寸前 334 ガイルガーゴイル 335 あの日、知恵熱が出たんだ。 336 正面からのダメージに弱次郎 337 環八太郎 338 指紋食べ郎 339 君はチョップなんて効かない 340 パンケーキで浮かれる人だけを見下してます 341 ニューヨークにゃんちゅうス 342 テンガリオン 343 汚い手でいじりました 344 山口火照る 345 むけ男 346 角質炒め定食 347 股関節痛 348 チーズケーキ夫人 349 ラッコフェスティバル 350 ガン勃ちの巨人 351 弟はバカ 352 七転びヤモリ 353 ポテチ食べたいあとモテたい 354 口はざわちんの元 355 タンパク��に花束を 356 ソンソンソンソンエマワトソン 357 江戸川区になんの恨みがある 358 形状記憶老人 359 すべての道は女性器に通ずる 360 だいぶ強い良い大仏 361 センズリ 362 バカも休み休みyeah! 363 遥かなる花粉症 364 ボールは家族 365 へびつかい座 366 無知な豚キムチ 367 塩 368 私はセンテンススプリングを忘れない 369 寂しさが生きる原動力 370 半ケツズバットルロルロロ 371 ラッセンの元カノ 372 おばあちゃんの本名OK海老沢ミツ 373 おもちもちもちももち 374 女房一筋八十年 375 ひろだ☆つの 376 仮釈放まさみ 377 君に降る雨はいつも輝いている 378 手乗り番長 379 最中を食べてる最中 380 友とスムージーと嘘と胃袋 381 犬大丈夫 382 コッペピンポンパン 383 蘇る倦怠感 384 シーズン・イン・ザ 385 石原頑張れる 386 ファンタスティック原田 387 夜嫌いの夜行性 388 アサガタ蚊サス 389 ハウルのすごく後ろ 390 ニーヌ・マッケンジー 391 本名トム・クルーズ 392 寝ても覚めてもダメ人間 393 青いブルマ 394 桃色苦労ババア 395 天真爛漫なブス 396 孤独なコンビナート 397 セッチモニ 398 ねぇ、おぬしって言って! 399 東洋のマゾ ユースケ・キンタマクラ3世 400 ロマンティックえねごり 401 お金がない 402 抱きつかれたのにキスを拒否��れた 403 ワーギナーマイク 404 老婆の肛門 405 前世が金玉 406 そんなことしてる場合じゃない 407 中田膣彦のコンドーム大学 408 藤田悦しーたん 409 もっこりひょうたん島 410 雪が綺麗と笑うのは君がいい 411 少年カラーに染まったあたし 412 ティッシュ職人水戸アナル 413 ケツデカマシーンの母 414 近江路快速 415 弱みを握る寿司屋の大将 416 チンポ剥けなくていいから君に振り向いてほしい 417 しろくまのバター炒め 418 スケスケ・パンチライン 419 むちむちプリンアラモード 420 鳩子は授乳中 421 オナラ・ダスチカ 422 舘ひろし 423 ももぐちやまえ 424 ご先祖ネーム勝又伊左衛門 425 ウルトラマンキダタロー 426 親の陰毛 427 ジャムおじさんとバター犬 428 お前って呼んでいいよ 429 レッドa.k.a.赤 430 脱糞ガム宮殿 431 私の肛門おとしてくださいマイアナル蔑んで 432 激アツうんこの子守唄 433 坂口ケンタウロス 434 ブランキーじっとして 435 内角低めゴリラ 436 尿道院法尿道 437 神のみぞ知るカニのみそ汁 438 もずんのす 439 等身大ゴリラ 440 手が2本増量したっぽいしっとりマンチカン 441 家政婦エツコさんが作るフォーサイドで大ブームのいちごとうふ 442 既婚者トーマス 443 光浦靖子か、光浦靖子以外か 444 光浦靖子(偽物) 445 室伏広治(本物) 446 お前はどうしたいの? 447 母をたずねてさぁゼンリー 448 漁夫の利 449 家入レオタード 450 オダジョリギー 451 読んでも来ない 452 困る駒 453 おシャケは二十歳になってから 454 おもしろリスナー 455 ガンジー須川 456 全知全能のクズ 457 団地妻になりたい 458 甘いものはベルばら 459 なにぬねノーブラ 460 キャタピラなぎさ 461 飛んで火にいる夏の寿司 462 土佐犬人間 463 ぽんぽこマヨネーズ 464 馬のクリに念仏 465 Simple2000シリーズ THE 罵倒 466 CR源氏物語 467 シン・安住紳一郎 468 すみっコひとりぐらし 469 ねぇねぇ尾身さん 470 多目的トイレの神様 471 防災乳首 472 腰椎ガタガタ 473 毎日がサンデー 474 カルマだん吉 475 エロゴルファー猿 476 トラファルガー・ボディーブロー 477 裏スージーQ 478 でかいカマキリ 479 私は人ではない 480 カンガルー男 481 核地下庫 482 壁に耳あり障子にメアリー 483 恐竜バットヘッド 484 スーチン大統領 485 細工しても不細工 486 持ちビルハゲ太郎 487 男の中の男 488 万年金欠ストリッパー 489 クソみちょゴリラ 490 お湯の水割り 491 そこのけそこのけあそこの毛 492 泉ピン 493 切断面からこんにちは 494 巨乳ゆずる 495 ベントレー上重 496 林家三百平 497 浦安チンチン裸族 498 昼休みのおちんぽ訓練兵 499 人類は600人 500 継続率 501 同じ釜の釜飯 502 健介コストコ行ってこい 503 神社&お寺 504 頭取 505 赤羽ザウルス 506 スラッシュパウロ 507 逃げるは恥だがやくみつる 508 大福包み放題 509 クイニーアマンマン 510 裏筋ナメ太郎 511 プラトニックラブファントム 512 豆山ビーン 513 ��委奴美穂 514 ポーク&ビーンズ 515 チンポコポッコリーン 516 アイアム神社 517 モモンガ 518 玄人チェリー 519 坂下レッドホット千里子 520 エレガントナノマシン 521 膝の皿チュパチュパ 522 見て肛門 523 まんじゅうも怖いしアンミカも怖い 524 ナオト・いもけんぴライミ 525 はぎおはぎ 526 島流され男 527 水漏れかおり 528 高速生焼けジビエ 529 都会の小学生 530 ハッスル運動会 531 うんちぶりぶりステーション 532 凍ったチンポブレード 533 太もも丸太にしたい 534 マザファ寛平 535 肉、買い、食う 536 ツッコミロボ 537 人生ガチ勢 538 左手は添えるだけ 539 魁!河合塾 540 うんちパフェ 541 おでこサンシャイン 542 場所は伏す 543 黄昏の憧れ 544 野良ゴリラ 545 おかかオかかお 546 酸欠ですがなにか? 547 小島瑠璃男 548 新品の靴下についてるアレ 549 花より談合 550 トリケラとブス 551 本格派茶碗 552 でんでん推し推し空回り 553 明太子は炙ったほうが美味しい 554 扁桃パンダ 555 プリングルス玲奈 556 呼ばれてないけどジャージャー麺 557 ガパオライスは飲み物 558 足の小指くらい存在感のない僕 559 サモハン銀行 560 マッケンじゃないよ、マッキンの友達のユッキンだよ 561 君の名はジャイアン 562 月曜からおひたし 563 まえだまえだはお前だ 564 ワイルドピッチは突然に 565 傘のない時だけ雨が降る 566 畔村重蔵 567 W.Cニコル 568 懲役230年 569 かさ増しチャーハン 570 スライダーは中指で切る派 571 大塩pay八郎のお味噌ディル 572 モモコグミカンパニー 573 力持ちチンコ 574 うんこ製造マシーン 575 クソ豚ニート 576 湯婆婆は元女子アナ 577 ゴールドジム・イデア店 578 来世暴れる 579 山里納税 580 三杯酢アイル 581 花言葉は純愛 582 テレビは4K旦那は0毛 583 窒素 584 宇宙の仕事 585 鷲見玲奈 586 角栓しゃぶしゃぶ 587 潔癖北京 588 お便り 589 HLLSPDF 590 よしこは三銃士 591 レンネンカンプ 592 広島の喧嘩最強王 593 もこう大好き衛門 594 東京都 595 澤部派 596 ボールペン返して 597 川合俊一Tシャツ 598 原告側のたぬき 599 新垣結衣 600 化粧を落としただけなのに 601 腋臭で水虫 602 睾丸フリーマン 603 三代目鈴木福くん 604 劇団筋肉おしり 605 尻の穴に軟膏 606 母をたずねて前立腺 607 骨太クソ女 608 渡辺パチ代 609 伯方の塩吹き 610 酒税 611 敏感ペットボトル 612 今いくよ・だすよ 613 トナカイをむさぼり食うサンタクロース 614 ノルウェイの森進一 615 鬼滅のパイパン 616 お小水 617 ベッキーのタッパー 618 不幸中のWi-Fi 619 オビ=ワン・セノービ 620 おへそにたまった水 621 レアルマヨネーズ 622 正岡子規の顔下から見るか横から見るか 623 山の日 624 ハウススタジオ 625 自分の事すら他人事 626 妖怪小皿洗い 627 女教師 628 教習中に信号無視 629 瀕死の囚人 630 銀河鉄道69 631 キューピー3分ボクシング 632 君が代のCメロ 633 可愛い子にはタピを飲ませよ 634 サメ呼吸 635 タッキー&与沢 636 冷やしうんこぜんざい 637 はみ出しチンアナゴ 638 武者小路膣圧 639 角刈りだけど中身はキムタク 640 本当にうっせぇわなのは宮根誠司だけ 641 恵俊彰は許さない 642 寺門ジモンを心から憎んでいます 643 ニコ田藤ル 644 優しさ 645 煮込みチンパン 646 千のリキュール 647 火傷したんやけど 648 カギアナ・アワンデ 649 醤油ラーメンガチ勢 650 翠星石のマスター 651 ゴジラの馬子マゴラ 652 牛乳雑巾 653 飯ライス定食 654 カレーに飽きた福神漬け 655 全優連時々運荷連 656 土に還るまでが遠足です 657 若ハゲの至り 658 東を向けば西が見えない 659 フランスパンを桂剥き 660 オッス、オラ虚空 661 山口県は世も末 662 ビデ男爵 663 道端センズリカ 664 家出レオ 665 遊ぶ金欲しさに 666 胃潰瘍の末裔 667 ソーシャル・D・スタンス 668 神奈川県町田市 669 手汗が半端ない 670 家中ゴミ袋 671 101匹わんちゃん大交尾 672 おジャ魔女平野レミ 673 一秒金縛り 674 マイケル寂聴 675 キリン組 676 バッキンガム留年 677 乳首かじり虫 678 馬の脇毛 679 タガメの便器ん術士 680 クニック・ノー���ック 681 お前らの墓に小銭まいてやる 682 餃子DOPENESS 683 ようこそ西川口 684 歯を磨いたのにお菓子食べちゃう 685 イソジンの匂いとタバコの残り香 686 榊原育英会 687 隠し砦の酸辣湯 688 生き生きゾンビ 689 オードリーが壊した椅子 690 万策尽きた 691 ずっと微熱 692 バタ子の苦いところ 693 国家の柴犬 694 SSR藤本 695 おじゃるばつ 696 バツイチ子持ちししゃも 697 富岡製糸ぶっかけ工場 698 小峠英二の下の口 699 フナの解剖 700 村上ホームラン打ったよ 701 無し 702 田中樹の全てが大好き 703 闇金ぺんてる 704 目を閉じておいでやす 705 伊達メガネ政宗 706 北風と太陽vsエアコン 707 好き好き大好き超愛してる 708 不味い高い早い店 709 リチャードセカンドギア 710 ギャンブル大好きネキ 711 あいつら全員町内会 712 山下じゃない達郎 713 井口マリ男 714 今日の放送聴いてなんかヤバいなと思ったおじさん 715 オワコンポンチ 716 松尾微笑 717 留置場住みます芸人 718 ピーマンの箱詰め 719 最初はグーテンモルゲン 720 おっぱいファイヤー大爆発 721 知ルベキダー・家ローン 722 ヒザが爆発 723 下から数えたほうが早い 724 小2で盲腸 725 百発七中 726 トモ・クルーズ 727 アダルトヒデオ 728 略すマサムネ 729 骨盤ガクガク 730 素直なお茄子 731 真空パック巻旋風脚 732 今朝、袈裟切り 733 タイトルショルダー 734 本名OK柴田理恵(4歳) 735 バタコの苦いところ 736 下の毛姫 737 母の純血を奪った刺青の男 738 チンカス弁当まる 739 ブルルンでんまくん 740 ボジョレー女房 741 あいうえお 742 ガキの腰使いやあらへんで 743 ブルーノ・マーズクワーズ 744 平成手コキ合戦チンポコ 745 めんま1/5 746 よい子悪い子どうでもいい子 747 セーラー服と一晩中 748 エド・スリーラン 749 篠田麻里子 750 うなぎニョロニョロ 751 チョーシ・クルーニー 752 ハーメル・チンダース 753 生ハムの裏側 754 ミトン大好き婆さん 755 紫敷布団 756 蘇る頻尿 757 オレンジレンチン 758 しまいにゃポコチン 759 持ち物は磁石 760 中身はダンゴムシ 761 オレンジ���ュースで泣けてくる 762 服おっきいね 763 股間のデビルハンター 764 令和に着地 765 あかあかあかちゃんです私は 766 HLLSPD 767 ポン酢アンドハーデス 768 煉獄ガチアンチ 769 1日中空いてます 770 ごめんなサイスニード 771 赤味噌は報われてほしい 772 デッドリフト 260キロおじさん 773 ガショートコラ 774 お主と拙者と洗濯物 775 犬のしっこで育つ 776 カレーに飽きた福神漬け 777 チンポコジャンケンあいこでしょ 778 ガチの妹 779 クワトロ・ヴァギーナ 780 小麦粉に埋もれたい 781 脳味噌の調子 782 下柳に投げつけられたグラブ 783 iPhoneシャワー 784 チー牛の嫁 785 けつあな確定 786 ちんこタイ米 787 常識を知っている初ガツオさん 788 レオナルド・デカケツプリオ 789 上地雄輔大好きっ子ちゃん 790 ヒカルの碁が好き 791 下痢コーンひじき 792 おちんぽラーメンパワーメイクアップ 793 逆アフロ 794 ガダルアナルチャハ 795 マーライオンにキス 796 広島の最強喧嘩王 797 牛タンのたまった落とし穴 798 ツァリ 799 100キロニキ 800 ガチャピンの股間がムックムック 801 ミスチル桜井 802 2個で10円 803 御茶ノ水全部飲んでみた 804 祖母から産まれた孫 805 じっくり煮込んだチンパンジー 806 失楽園ベイベー 807 イヤホンしてるから君に気付いてないだけ 808 ヌレヨンちんちゃん 809 お通しでお腹いっぱい 810 ドッジボールは常に外野 811 ビビンバにビビんな 812 アムラーに乗り遅れたサーファー 813 皿で皿を洗う 814 まさかのサメと遭遇も余裕シャークシャク 815 カツオの袋叩き 816 非社会勢力 817 裸眼の目玉焼き 818 不健康運動 819 ダスチンコフマン 820 ジョンダイナマイト 821 ロマンスカーに乗ったフレンチブル 822 金玉コレステロール 823 派遣のサンタ 824 なかよくいこうぜ 825 前蹴りジャクソン 826 左右非対称の唐揚げ 827 福山はさまる 828 シーマン大量確保 829 イカ作家 830 タマ白髪 831 ちんこそば 832 高田文子 833 机の行方 834 セクシャル汁男ディズム 835 失恋したら絨毯を洗え 836 上田晋也の隠し子 837 木村カポエラ 838 チャームポイントは蟻の門渡り 839 サーモンの煮付け 840 柄本マルチタスク 841 ベルリンの��ドン 842 Shape of 優 843 尿道まだ攻めてる途中でしょうが 844 ヤバイチーズ屋さん 845 ひらがなでこしいたい 846 タカチャンホンポ 847 ビニールおっぱい 848 熱血硬派鶴屋くん 849 先っぽで精一杯 850 パンダの好きピ 851 童貞紳士 852 虎の屁を嗅ぐ狐 853 ジュンドルキャン 854 センズリッチ大学 855 グッドナイトボーイ 856 ブラ紐ザウルス 857 浜ちゃんのフレンチクルーラー 858 警察 859 おばあちゃんにドラゴンスクリュー 860 愛をこめて生卵 861 ハリーポッターと賢者タイム 862 秋元産むが易し 863 質実剛健 右乳首カリカリ丸 864 お寿司爆発事件対策本部 865 マイブラッディ派遣社員 866 キンタマモンダミン 867 ボサノババージョンですがよろしいですか? 868 現役音大生ベーシストジャニーズJr.(本物) 869 ザク専用シャア 870 乳袋揉み太郎 871 生肉食べたい 872 チンタン 873 ラリホー 874 堕落ッマ 875 来世はちゃんとする 876 マリー洗濯ネットさん 877 2度目の結婚 878 マジで腰振る5秒前 879 寝バック・トゥ・ザ・フューチャー 880 当社比100% 881 アクセルペダルぶっ飛ぶ 882 最寄りのホテルはエアシューター 883 モリッとウンチくん 884 屁の呼吸 885 超社会人 886 笑い方バッファロー 887 HIRUASOBI 888 でかきも 889 あらやだ奥さん 890 ぱいぱいしぼ美 891 永久ラブソング 892 ファックス 893 一旦木綿豆腐 894 ヘガ・デルト・ミガデル 895 限界受験生 896 釈迦に説教 897 僕のエーローアカデミア 898 お線香のハサウェイ 899 公園のベンチでひとり飯 900 岸田文雄 901 春はあけぼの、僕はのけもの 902 スヌーピーナッツ 903 ショートスリーパー美神 904 お胸パット・メセニー 905 あの娘としてからチンポが痒い 906 ミュータントギャートルズ 907 サカサマサカサ 908 リリーフランキー堺すすむ 909 はんぺん教師 910 いちばんきれいなひらがな 911 遠い国の音楽 912 隠キャのインポ 913 具なしパスタ 914 靴紐の干物 915 エリートなのに複雑骨折 916 全裸で南極に行く 917 ジェネリック美人 918 ルービックキューブかと思ったら親戚のおじさんだった 919 愛しさと切なさと森高千里 920 シュッとしたデブ 921 焼酎スーパーノヴァ 922 くだらない質問 923 ガス100000 924 絵に描いたような馬鹿 925 爪切りの世界大会 926 ラッキーサモエド空間 927 ウーピンゴールドバーグ 928 シャクレンジャー 929 クソみたいな人生 930 最近は二足歩行 931 気づかない女猛省中 932 夜は腹減りさすればお米 933 セーラーフレディーマーキュリー 934 スープよりソープが好き 935 ガッツイチモツ 936 松潤 937 漁業従事者 938 俺の爺さん今でも髪フッサフサ 939 扇風機ぐるぐる 940 節穴確定 941 色白のどちんこ 942 きら星もろり 943 カリフェラ君 944 アジの開きを開かせない協会会長 945 生麦生米訛った孫 946 鎖骨真っ二つ 947 ボインランドリー 948 最寄りのホテルはエアシューター 949 うんこママ 950 元ラストアイドル 951 あっちいけコンディショナー 952 ユーモア0男 953 控えめなピース 954 げきしこジャパン 955 鼻糞マニア 956 林家東南西北 957 ブンブンセックス(56歳) 958 神聖しこってちゃん 959 カマンベールチズ男 960 藤森慎吾は楽しんご 961 前前前戯 962 ブスは恥だし角が立つ 963 生肉食べたい 964 シーマン大量確保 965 頸動脈 966 都会の駄菓子屋 967 ピカソの本名は長い 968 名探偵ゴメン 969 ヒステリックブラジャー 970 故郷は地球 971 むらむら帝国 972 生エビ10貫 973 紐パンツドキドキ 974 長男なのに痔なんです 975 すすめ!パイケーツ 976 フレッシュレスバーガー 977 ヅラグループの夢社長 978 二階からメタリカ 979 メーロン・マスク 980 あのこは鳥貴族 981 射精爆弾 982 よつ葉乳業のパンケーキミックス美味い 983 魚が焼けたけど食べますか? 984 お先真っくライト 985 腰痛本舗 986 混ぜそばは混ぜるな 987 鶴の倍返し 988 コブクロに謝れ 989 スヴェンソン広報部 990 オジンゲリオン初老機 991 ホシゲノン 992 血圧高杉晋作 993 ビーフガノンドロフ 994 肩関節えぐ子 995 過労キティ 996 どうせ俺様なんか 997 週4下痢 998 いいとしのエリー 999 母乳で作ったヨーグルト 1000 藤井壁 1001 コアラで子洗う 1002 エアグルーヴの足の指の間を舐めたい 1003 ササミオリジナル 1004 ほぐし水サワー 1005 放尿魔 1006 中出さない犬 1007 犬と歩いて棒を避ける 1008 蘇った梅干し 1009 頼むから目を覚ませ 1010 尿 1011 鮫洲の3Bの検査官が出てるAV 1012 アソーカタノ子 1013 ニートたけし 1014 スケベイスで椅子取りゲーム 1015 キャベジン激辛ハバネロ味 1016 フル勃起大学 1017 筋肉にメロディー 1018 間違ったSDGs 1019 半勃ちひろし 1020 クリス松村アローラのすがた 1021 食える公園 1022 ルンバに積もったホコリ 1023 白雪姫と七人の悪魔超人 1024 バイオ山村紅葉 1025 パイ乙付け難い 1026 寝溜めカンタービレ 1027 猫の乳搾り 1028 大鶴VIVANT 1029 テンガをクンニする男 1030 OL(お風呂屋レディ) 1031 もりもりうんこくん 1032 わくわくうんちくん 1033 瑠璃色の海 1034 錆びたコーンスープ 1035 セーラー服と一晩中 1036 ジャンヌ・ダルシム 1037 猫にカート・コバーン 1038 水金近本同点タイムリー 1039 振りすぎファンタ 1040 山口もえ大好きっ子 1041 ブラヒモザウルス 1042 風呂上がりの夜空に 1043 尿ひろみ 1044 ふくらはぎゴツ子 1045 向井しか勝たん 1046 ダイナミックファイター 1047 愛のままにわがままに僕は着るものを身に着けない 1048 豚プードル 1049 イルカドラゴン温泉 1050 痔にはトライフォース 1051 どちらかというと揚げシュウマイ派 1052 なに見てんだてめえ 1053 ナイス国務長官 1054 象のつま先 1055 ちゃんこちゃんこちゃんこちゃんこ 1056 よくしまるひろこ 1057 消しゴムマジックでも消えない愛 1058 乾燥えぐすぎ 1059 窓から茄子 1060 トマト栽培者 1061 窒素 1062 ふがふがふーがふが 1063 若いキツネと淫らなタヌキ 1064 すっとこおむすび 1065 心斎橋のブロッコリー 1066 しゃかりきコロンブス 1067 どうだ世界は広いだろ 1068 パラダイス楽園 1069 るーしーそみお 1070 100点アメリカ 1071 10秒ペテン師 1072 突き指 1073 習字の時間 1074 連れてってクリオネ 1075 布製の醤油差し 1076 おぴんぴん 1077 田中の部屋の住人 1078 ジャミロ村井 1079 好物の寿司ネタに赤身ない銀次 1080 帰る場所がない 1081 変革者フューチャーマン 1082 飛べない紙飛行機 1083 ホ別パンナちゃん 1084 木パンツハンガー 1085 前立腺隊マッサージャー 1086 トシフィコ横浜 1087 谷間の中の谷まりあ 1088 自転車乗れるかな 1089 股関節爆発 1090 D-51ですら泣く出来事 1091 肩関節えぐ子 1092 ありがとんこつラーメンパラダイスどっこいしょ 1093 こけしだけが話し相手 1094 ゴミ野郎 1095 嫁が実家に帰った 1096 正直スマンかった 1097 実家が太い 1098 利息で暮らそう 1099 俺に期待するな 1100 痔主 1101 NEXT膝小僧 1102 一円からの全身脱毛アンチ 1103 ぽんず侍 1104 大惨事のヒロイン 1105 屁出るとすげえ出る 1106 陰毛ごはん 1107 下白石ラテ 1108 オチンポス16闘神 1109 奥歯ガタガタ言わせ太郎 1110 ミッドナイトに大乱闘 1111 ケンティー2世 1112 名探偵コカン 1113 私の彼は御用聞き 1114 俺に憧れるのをやめましょう 1115 保安官 1116 おなかすいたよ 1117 もう小学生 1118 すき家しか勝たん 1119 ファーストサマースイカ 1120 カードキャプター桜田門 1121 タマの痒み 1122 寿司繋がり2連 1123 毎日パンまつり 1124 細麺パラダイス 1125 にじゅういんひかる 1126 乳首をいじったら花粉症が治った 1127 揚げ出し毛布 1128 筋肉ハイビスカス 1129 滝沢アヘン 1130 仕方ないな、タカシ 1131 人生フィルダースチョイス 1132 世界の中心でマシュマロ焼いちゃお 1133 錆びたコンパス 1134 ヘビースモーカー中将 1135 ピラニアの干物 1136 メッシの通訳 1137 日経平均パスタ 1138 ルシファー吉岡里帆 1139 クッキーばばあ 1140 炊きこまれた白米 1141 中型犬ハチコ 1142 踊れない方のTAKAHIRO 1143 ブサイクルショップ 1144 ミラノ風のび太さん 1145 受験失敗したあとの人生 1146 ABCD?いいえ、藤井 1147 みすぼらしいチンコのリーダーズ 1148 血管一方通行 1149 廉くんの鎖骨に住みたい 1150 ハートを奪われたこけし 1151 句読点の女 1152 とりあえず南無 1153 光バイト募集中 1154 五月雨を集めてハヤシライス食う 1155 コンビニの前でたむろなみえ 1156 ジャンヌ・ダルシム 1157 独特な髪型 1158 お茶飲み過ぎ博士 1159 ピンク風呂色 1160 男の人っていつもそうですね 1161 オセンベイ・オリバ 1162 馬術部手術中 1163 さすらいの鶏肉 1164 チェ・カピバラ 1165 アンジェラアキ(Bluetooth機能搭載) 1166 こけしだけが喋り相手 1167 かいみょん 1168 食パン食べたい 1169 三度の飯よりガリガリが好き 1170 夜ごはんはオムそば 1171 ゴリラババア 1172 悪代官の子孫 1173 ムックの法則 1174 好きなガムは��ュードベリンガム 1175 戸塚ヨットスクール生徒 1176 左遷島耕作 1177 周富徳のシュート見とく 1178 夏目尿石 1179 徒歩100分 1180 ヨーグルトは俺のもの 1181 橋本パンダ 1183 足が痺れた中3女子 1184 昼の女帝 1185 パパは金持ち 1186 茄子皮に転身 1187 習字の月謝 1188 試作型プロトタイプ 1189 サタデー太鼓フィーバー 1190 頭蓋骨窪み 1191 歯茎の再生能力 1192 ドクロ坊主 1193 三代目CHAGEandASKA 1194 口だけ女 1195 水分 1196 痩せたら深津絵里 1197 社会不適合犬 1198 メイキングTHE道路 1199 Xの二条城 1200 つくねをつっつくね
好きなラジオネーム1200選 - kansou
ラジオ,ポッドキャスト,投稿,ゲスナー,視聴者,ラジオネーム,ペンネーム,サンドリ,サンデーナイトドリーマー,有吉,太田上田,
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目次
子供たちが怖い、放置され無教育
日本人支援者の迷惑、教育が壊れる
教育で未来を変えようとするクルド人学生
日本人が外国人の犯罪・迷惑行為に声をあげる
子供たちが怖い、放置され無教育
【70代女性、川口市上青木在住、取材】
子供たちが怖いです。昼間からウロウロしています。私の知り合いの70代の男性が10歳前後の男の子がゴミを散らかしていたので注意をすると、ピーと指笛を吹かれて、すると男の子たちが集まってにらまれました。何も言えないでいると、唾を目の前で地面に吐かれて去っていったそうです。
近くのショッピングモールで、小さい5歳ぐらいと少し年下の男の子が、泥靴で走り回っていました。「静かにしなさい」というと、流暢な日本語で「僕たちはかわいそうなクルド人です。弟はまだ小さいので何もわからないから許してく���さい」と言われ、じっと見つめられました。そうすると、何もこちらは言えなくなってしまいました。
(私:同じような話がXで書いてありました。誰かが教えているのかもしれません。)
私はXをやっていませんが、誰かが日本人が黙るように教えているのかもしれませんね。「僕は弱者だ」なんて言われると、日本人は何も言えなくなってしまうのでしょう
この地域は、工場の労働者向けの安いアパートが並んでいました。1970年代に建てられたものです。工場が川口から減って人がいなくなって、そうした古いアパートに中国人、最近はクルド人が入っています。
中国人は日本語が話せるのですが、クルド人は日本語を話せないし、生活で態度が悪いので困っています。日本人は高齢者ばかりで、注意するのが怖いので黙って我慢をしています。
隣のアパートにクルド人が、数ヶ月で入れ替わり住んでいます。入れ替わる理由はよくわかりません。時々騒音が聞こえます。女の人は家にこもって、買い物の時しか出てきません。
あるとき若い20歳ぐらいの母親が、子供が病気になったのか救急車を呼んだようです。しかし住所不定で、そして日本語が全く話せないので、救急車は搬送できなかったのです。すると昼間、救急車の前に座って路上で、子供を抱えて大泣きしました。そんな行為より子供を助けるための行動をしなさいとハラハラしました。救急隊員も困りました。私が話を聞こうとしても、聞かずに泣き続けました。泣けば主張が通ると思っているのでしょうか。
すると工事の泥で汚れた作業服の姿のまま夫がトラックでやってきて、片言の日本語で説明し、病院に行ったようです。迷惑をかけた周囲の日本人に、その後、クルド人夫婦から説明もありませんでした。変わった人たちです。日本語を少しでも学び、最低限のルールを知らないと。
日本人支援者の迷惑、教育が壊れる
【40代女性、川口市在住】
娘が高校生です。クルド人の友達もいます。公立小学校、中学校にクルド人、中国人など外国人の子供がいるのですが、日本語の授業が成り立たなくなっています。私の見たかぎり、日本人の子供たちは差別をしていません。逆に外国人の子供に気を使っている話ばかり聞きます。
クルド人を巡っては困った話がありました。あるクルド人の子供(男か女か、小学校か中学校は、私の判断で明示しない。クルド人の児童の特定、学校の特定を避けるためだ)が、クラスで孤立しました。ものを壊してもそのままにする、当番をしないなどの問題行為をしたそうです。同じクラスにいたクルド人の子供も距離を置きました。
すると東京の活動家がそれを聞きつけて、いきなりネットメディアで「クルド人の子供がいじめられている」と報道しました。毎日新聞もいじめと断定して報じました。活動家は学校に怒鳴り込み、卒業式にまで乗り込んできて、カメラマンを連れてきて、パチパチ写真を撮ったのです。公開されないか、父兄も子供も、怖がりました。卒業式はクルド人1人のためのものでも、この人のものでもありません。この活動家は、他の何百人の子供達の卒業式を台無しにしました。
(私:その活動家、イスラム教徒のクルド人の子供たちをクリスマスパーティーに誘って、クルド人に笑われていたらしいです。クルド人のことを知りません。)
変な人なんですね。当事者の生徒の話も聞かず、川口の子供がいじめているという話を日本中に報道するのはおかしいです。日本人の子どもたちは、報道に傷つきました。
クルド人を支援する人は、今は川口市にはほとんどいなくなりました。これだけ迷惑行為をしているから離れて行きました。支援者は「変わった人」扱いです。ただし川口市民の方ではクルド人を差別したり、嫌がらせをする話はありません。逆に外国人に気を使っています。
日本人の子供が今、外国人によって、学校教育で、適切に教育を受けられない状況になっています。外国人が多いと、学校の学習進度がどうしても遅れてしまいます。私の子供は塾でほとんど勉強せざるを得ない状況でした。日本人への逆差別です。ですから、小学校、中学校で私立に行かせようとしている親が多いです。市役所も先生たちも、対応に疲弊しています。国はこうした外国人の教育の現実を知っているのでしょうか。
教育で未来を変えようとするクルド人学生
【70代男性、川口市】
以前は教師でした。定年後に、外国人に日本語を教える川口市の日本語教室の教師ををしています。
(川口市、蕨市ではボランティア、NPO、また私塾の形で日本語が教えられている。身元をぼかすため、詳細は記さない。)
他の外国人は積極的に日本語を学びにきます。クルド人は来る人が少ないです。クルド人は、ささいなこと、例えば授業の遅刻、また態度の改善を注意しただけで、すぐ怒り出します。根気もなく、すぐに教室に来なくなってしまいます。
他の国の人は合法な居住の人が多く、たいてい日本語がある程度話せます。クルド人は、難民と称して滞在しているので、言葉を学習せずに、日本にやってきます。他の民族の人は日本は好きですが、クルド人は大半が日本のことを知りません。加えて、クルド語もトルコ語も上手に読み書きできないようです。彼らは中学校を出ているかも怪しく、勉強の文化がないと、石井さんが記事に書いていました。納得できました。そのために、日本語も上手くなりません。
ただし、悪い人ばかりではありません。一生懸命学習するクルド人の中学生もいます。同胞や親が、「出稼ぎなのに難民と嘘をついて日本に来ている。それは良くない」と、状況を分かっていました。クルド人が同胞の経営者を儲けさせるために安く働かされたり、変な日本人活動家に利用されたり、弁護士や行政書士などにお金を吸い取られていることも、理解していました。石井さんの報道の通りですね。
この子は、そうした境遇を抜け出すため、また自立するために一生懸命勉強をしています。学校の成績も良いです。私は大学まで行って奨学金を取り、滞在の資格を、仮放免の立場から、留学ビザ、正規滞在に変更することを勧めています。その子も、その意欲があります。
石井さんの報道は正しいと思います。ですがクルド人に取材するほど、彼らに冷たく、厳しくなっていますね。脅迫されたためでしょうか。
(私:そうです。)
あなたの感情は理解できますが、真面目に、頑張る子供がいることは、ぜひ知ってほしいと思います。
日本人が外国人の犯罪・迷惑行為に声をあげる
ようやく川口では人々が「おかしい」と声をあげ、ほんの少しだが状況が変わりつつある。行政が動き、不法行為の摘発が少しだけ始まった。
外国人差別は許されない。合法的に、また日本人と協調して暮らそうとするクルド人、その他外国人とは共生しなければならない。しかし違法行為、違法滞在をする外国人には、法適用をし、速やかに帰国をさせなければならない。その方向に、微々たる動きだが変わりつつある。
暗い話ばかりがクルド人問題で聞こえるが、埼玉県民、川口市民が変化の希望を抱いていることも紹介して、この原稿を終えたい。私にいただいた評価も、少し恥ずかしいがそのまま残しておこう。
【川口市民、メール】
クルド人問題については「おかしい」ということに、私はためらいがありました。私の周囲の川口の住人にもあります。私たち日本人は、小さい頃から「外国人と仲良く」と刷り込まれますから。
そして国とメディアと学校が「ヘイトスピーチはダメだ」キャンペーンを続けていますよね。これはこのクルド人問題では悪い方向に働いて、日本人が物を言えない状況を生んでいるように思えます。
【埼玉県民、メール】
石井さん、身の危険を感じることと拝察します。くれぐれもお気をつけて取材を続けてください。あなたのような記者がいらっしゃることで、日本のジャーナリズムもまだ死んでないんだ、と思えました。あなたは正義感から川口市に突っ込んで「なんで自分がこんな目に」とぼやいていますし、気の毒と思いますが、そうした勇気が社会を変えます。
記者会見で権力者を怒鳴りつけたり、偉そうなことを言う記者はたくさんいますが、何の役にも立ちません。社会問題を調査し、客観的にそれを私たち国民に伝えることがメディアの役割と思います。しかし、誰も、クルド人問題でやりませんでした。大手の新聞社やテレビはいったい何をしているのでしょうか。
どうぞご自愛ください。川口市の奥富市議とか、心ある人と連携して頑張ってください。私たちの手で、川口、埼玉、日本を守りましょう!
石井孝明 経済記者 with ENERGY運営 ツイッター:@ishiitakaaki メール:[email protected]
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中国の深圳で日本人学校に通う10歳の男子児童が襲われ死亡した事件は衝撃的だった。だが、悲しいことに驚くには当たらない。これは日中関係を悪化させてきた中国による一連の行動の帰結だ。 自国にとって最も重要な外交関係の一つを損なうことになった責任の大半は中国指導部にある。そのため、中国には緊張を緩和する責任がある。そうすべき動機もある。 日中の複雑な近代史を考えると、友好的かつ協力的な関係を維持することは常に困難だったが、改革派の中国指導者が日本の投資を求めた1980年代は日中関係にとって黄金時代だった。 当時の中国最高指導者、鄧小平氏は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡る対立を棚上げする英断を下した。中国共産党の総書記として改革開放を進めた胡耀邦氏は、日本の首脳らと個人的な友好関係を築き、人的交流を強化するために精力的に活動した。 だが、こうした良好な関係は89年6月に起きた民主化デモ弾圧「天安門事件」によって終焉(しゅうえん)を迎えた。90年代には、中国指導部は体制の正統性を強化するために、積極的なナショナリズム政策を推進し始めた。その中心的な要素の一つが、組織的な反日プロパガンダキャンペーンだ。 また、90年代は中国の軍備現代化が本格的に始まった時期でもあり、日本側の不安を深めた。日本政府が2012年に尖閣諸島を国有化すると、中国政府は暴徒化した反日デモを容認し、デモ隊が日本企業や日本側が所有する建物を襲撃。 中国は、その被害を修復するのではなく、尖閣諸島の周辺海域に公船を定期的に送り込み主権を主張し、危険な現状を生み出した。 二つの要因 以来、日中関係は悪化の一途をたどっている。今年6月上旬、中国は海警局の武装した船舶4隻を派遣し、さらに一線を越えた。同じ月、江蘇省蘇州で日本人の母親と子どもが刃物を持った男に襲われる事件が起きた。 8月下旬には中国の偵察機が日本の領空に侵入し、日本政府は強く抗議。9月中旬になると中国の空母が日本の接続水域を初めて航行した。 習近平氏が共産党総書記に12年11月に就任して以来、中国がより攻撃的な姿勢を見せるようになった背景には二つの要因がある。 一つは日本の経済力衰退だ。10年に中国はドル建てで世界2位の経済大国となり、日本を抜いた。現在、中国の国内総生産(GDP)は日本の4倍以上だ。 経済的な優位性から、中国は傲慢(ごうまん)で無神経になった。さらに悪いことに、日本を従わせるためレアアース(希土類)の対日輸出を禁止し経済的ないじめを始めた。 二つ目の要因は、日本が米国との安全保障協力関係を深めていることだ。21年1月に就任したバイデン米大統領は、インド太平洋戦略の一環として日米同盟の強化を重視した。 日米は在日米軍を再編し「統合軍司令部」を設けることで合意。防衛費の大幅増額を承認した日本政府は、中国国内の標的を攻撃できる長射程ミサイルの保有を促進する。 中国政府は対日政策の策定に当たり、自国にとっての日本の重要性を唯一の基準とすることはない。愚かにも、ほぼ専ら米国との対立という観点から日中関係を捉えている。 国家主席でもある習氏は米国に代償を支払わせる手段を持たず、主に日本やフィリピンといった米国の同盟国を罰する戦略を採用。そのため中国は、ロシアと合同で日本海上空の哨戒活動を何度も実施している。また、中国の���船は21-23年に尖閣諸島の接続水域に年平均1200回も侵入した。 反日プロパガンダ その結果、日本は米国との安全保障上の連携を、かつてであれば想像もできなかった水準にまで強化した。自衛隊が米軍と共に台湾防衛のために戦うという考えさえ、もはや非現実的なものではなくなった。 中国にとって明らかな得策は方針転換だ。より有意な戦略は、日本のフラストレーションと不安の根源に対処することだ。 最も簡便かつ速やかなやり方は、反日プロパガンダを弱めることだろう。このプロパガンダは、日本人児童に対する先週の卑劣な攻撃の大きな要因だと広く非難されている。 中国は、その誠意を強調するために、殺人容疑者に対する刑事訴訟手続きを透明化し、日本の外交官がそのプロセスにアクセスできるようにすべきだ。 中国が尖閣諸島の周辺海域への侵入を一時的にでもやめることは、象徴的な意味合いを超えて賢明だろう。自国よりはるかに大きな隣国から直接かつ継続的な安全保障上の脅威を感じている限り、日本は米国および他の域内同盟国との防衛連携を強化し続ける。 罪のない日本人男児の死は、胸が張り裂けるような悲劇だ。中国が今後、より深刻な惨事を防ぐ唯一の方法は、無意味かつ逆効果しか生まない挑発行為をやめることだ。 (ミンシン・ペイ氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストで、米クレアモント・マッケナ大学の行政学教授です。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません) 原題:China Bears the Blame for Breakup With Japan: Minxin Pei (抜粋)
【コラム】中国は無意味な挑発やめよ、深圳の悲劇繰り返すなーペイ - Bloomberg
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我が国の未来を見通す(85)
『強靭な国家』を造る(22)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その12)
宗像久男(元陸将)
────────────────────
□はじめに
前回も書きましたが、私は、1978年から2年間、
アメリカに留学し、航空宇宙工学という工学部では
当時、最先端を走る分野を学ばせて頂く機会があり
ました。
これもすでに触れましたが、当時はアメリカ経済が
停滞し、その反動で円高が進み、毎月の円建て給料
がベースアップするなどお陰で助かりました(今は
その逆で、留学生は日々の生活も大変だと聞いてい
ます)。また、アメリカ国内にはベトナム戦争の
“後遺症”が残っていて大学構内でも反戦集会が開
かれるなど、アメリカ全体の“士気”が落ちている
ような時期でもありました。
この間、アメリカ人の他、留学生仲間で親しくなっ
たのは台湾人、韓国人、ベトナム人、フランス人、
エジプト人、アルジェリア人、イラン人、コロンビ
ア人などで、当時は中国大陸からの留学生はおりま
せんでした。
滞在間に、イラン革命が発生し、イラン人留学生が
帰国するかどうか悩んでいたこと、そして台湾が国
連から脱退し、台湾人留学生を慰めたことなどが昨
日のことのように思い出されます。
留学先のコロラド大学はコロラド州立ですが、アメ
リカでは規模もレベルも中堅クラスの大学でした。
大学が所在するボルダー市は標高(約1マイル〔1
600m〕)が高いという立地条件も手伝って、航空
宇宙工学などは割と有名でしたが、ほかの学部にも
日本からの留学生がたくさんおりました。
また、大学には、夏季を利用した留学生のための英
語の集中講義があり、秋に全米のビジネススクール
などに入学する日本人も夏季期間中だけキャンパス
に滞在していました。当時は、数多くの名立たる企
業が優秀な社員をアメリカのビジネススクールに留
学させていたのです。前回、“日本にも誇らしい時
代があった”と書きましたが、現在はどうなってい
るかについては本論で触れましょう。
もう一つの思い出が、大学の研究費のほとんどが政
府や州、それに軍などの公共セクターや企業から援
助を受け、割と潤沢だったことです。ほとんどの教
授たちがそれを当たり前のように活用していました
が、大学では「基礎研究のための資金を集められる
教授が優秀な教授」というレッテルが貼られていた
ことをおぼろげながら覚えています。
わが国では、いわゆる「産軍学複合体」を悪いこと
の象徴のような観点からの解説が多いですが、アメ
リカのみならず、中国やロシアを含む先進国はすべ
て、政府も産・軍・学も共同して、必死になって
「国益」を追求しているような現実を、私は40数
年前に(その一端ではありますが)を自分の経験と
して触れることになりました。
もう一つの思い出が「よく勉強した」ことです。私
の人生の中で、まさに“寝食を惜しんで”あれほど
勉強したのは後にも先にも経験がありません。英語
のハンディもあったとはいえ、「アメリカの大学は
入るのは簡単だが、出るのは難しい」と言われるよ
うに、授業では毎回、課題(宿題)が出ますし、半
年の学期の間に中間試験が3回もあったります。そ
れらはすべて成績に反映され、及第点をとれなけれ
ば容赦なく「F」(Failure:不合格)と判定されま
すので、学生はみな、必死でした。
さて現在、わが国の「教育」はどうなっているので
しょうか。本論で日本の「教育」に関する諸問題を
取り上げ、いかに「国力」に影響を与えているかな
どについて考えてみましょう。
▼「教育」が「国力」に与える影響
わが国の「教育」の現状についての“切り口”はた
くさんありますが、いつものように国際比較からス
タートしましょう。最初の出典は、「大学教育が普
及し、教育水準が高い。そんなニッポン像はもはや
幻想」として教育の構造的な問題をあぶり出してい
る『「低学歴国」ニッポン』(日本経済新聞社編)
です。書籍のタイトルのように、「教育もここまで
落ちたか」というのが正直な読後感です。
目についた所を少し紹介します。まずは次の数字で
す。日本人120人、米国人281人、韓国人28
4人、ドイツ人336人、英国人374人……読者
の皆様は、これが何を意味する数字かわかるでしょ
うか。
答えは、「人口100万人あたりの博士号取得数」
の2018年のデータです。(前回も少し触れまし
たが)10年前の2008年より減少しているのは
日本だけだそうで、修士課程を経て博士課程まで進
んだ学生は、2003年度の1万1637人をピー
クに減少し続け、2018年度は約半分の6022
人まで落ち込んだようです。その原因として、博士
号をとっても正規雇用で安定した研究ポストが減り、
その先の展望を描きにくいことが背景にあるといわ
れます。
実際に、2019年度のデータによると、米国の博
士は、企業で21万5千人、大学で24万1千人働
くなどその差はほとんどありませんが、日本の場合、
企業ではわずかに2万4千人余りしか働いておらず、
博士号保持者の75%に相当する13万6千人が大
学で働いています。企業の研究者に占める博士の割
合も、フランスの12%、米国の10%を大きく下
回り、韓国(7%)、台湾(6%)にも後れをとる
4.4%に留まっています。
その結果として、前回紹介しましたように、注目度
の高い科学論文数の順位が落ちつつあること、そし
て鉄鋼や造船のような重厚長大型産業のみならず、
ハイテク分野などの産業競争力の低下が進む要因に
もなっているのです。
経営者の学歴も違いは鮮明です。日本の時価総額上
位100社のうち、84%の経営者が大卒ですが、
米国の経営者の67%が大学院卒で博士課程修了者
も約1割おります。つまり、経営者の「低学歴」も
日本企業の競争力向上を妨げているとの見方も出来
るのです。
個人的な体験に戻れば、コロラド大学の修士課程に
は、陸海空軍の将校たちもたくさんおりました。時
々、校内で軍事訓練をしている光��も目にしました
が、当時、アメリカの将校の約30%は修士以上の
学歴を保有していました(陸上自衛隊では、約30
0名の同期のうち、米留と国内留学合わせて5名ほ
ど、防大の研究科を加えても10数名でしたので、
その差は歴然です。今も変わらないと思います)。
話は変わりますが、だいぶ前に“リケジョ”という
言葉が話題になりました。理工系の学部に進む女性
の割合に関するOECDの2019年の調査結果で
は、工学・製造・建築分野における女性割合は16
%、自然科学・数学・統計学では27%でした。い
ずれも36カ国中、日本は最下位の36位です。そ
の要因として、工学部の就職先は多様で��進学した
後の将来像が見えにくいことがあるようですが、時
代が変わり、工学部卒の女性は産業界から引く手あ
またで、“女性の発想が不可欠になっている”と言
われているにもかかわらず、女性の割合は増えてい
ないようです。“リケジョ”が少ない原因に、その
ような「産業界の実態を高校の教員がほとんど知ら
ない」ことにもあるようで、今後の普及が望まれて
います。
さて、歴史をさかのぼれば、明治期には、近代国家
の国づくりの担い手となる官僚の養成機関として東
京大学などの帝国大学が創設されました。しかし、
近年は、東京大学卒でキャリア官僚を目指す若者が
減り続け、2020年合格者は349人と1999
年以来最少となっています。
法学部卒の優秀な学生は官僚よりも外資系コンサル
タントを選ぶことが珍しくなくなっているとのこと
です。外資系のコンサルでは20代から高給が得ら
れ、各省庁などからの委託を受けて政策立案にも携
われるなど、官僚より“うま味”があることにその
理由があるようです。
かつては、「立志」と「立国」が同時に実現できた
のが、現在は、日本の「国力」が落ち、国際社会の
地位が相対的に低下しているなど、国の将来像が不
透明なうえ、人々の価値観も多様化して、“志と倫
理意識が希薄化している”との分析があります。な
かでも、「今の受験エリートは、勉強するのは自分
のためと教えられて育つため、ノブレス・オブリー
ジェ(高貴さに伴う義務感)や社会に恩返しする感
覚がない」(昭和女子大総長・坂東真理子氏)のよ
うな危機意識を持つ見方もあります。
これらから、「教育」の分野も「鶏が先か卵が先か」
の議論が当てはまるようです。つまり、「このよう
な若者の価値観の変化が『国力』が低下する要因と
なっている」と考えるか、「『国力』の低下が若者
��価値観を変化させている」と考えるか、悩むとこ
ろではありますが、将来の解決に向けて、一つのヒ
ントを与えてくれていることは間違いないでしょう。
本書には、「ゆとり教育」をはじめ、その他の「教
育」に関して山積している問題や課題がほぼ網羅さ
れていますが、良し悪しは別として「Z世代」とい
われるような若者の資質が育まれる、その要因の一
つも「教育」があると考えられます。紙面の都合で
細部は省略します。
本書以外の「教育」に絡む国際比較を少し追ってみ
ましょう。はじめにアメリカに留学している最新
(2021/22年度)の国別ランキングを見てお
きましょう。第1位はダントツで中国(29万人)
であり、2位インド(20万人)、3位韓国(4万
人)、4位カナダ(2.7万人)、5位ベトナム
(2万人)と続きます。1990年代から中国とイ
ンドの留学生が急増し、全体の約半数を占めている
ようです。
中国人がアメリカに留学する理由はさまざまあると
は思いますが、逆に中国に留学しているアメリカ人
は、2020/21年度には382人まで減り、全
体でも1.1万人ほどにしかいないことからすると、
両国の“教育格差は歴然”と言って過言でないと考
えます。
さて日本です。日本からアメリカへの留学は、19
50年ごろから1990年代前半までは増加の一途
をたどります。特に1980年代中頃から急速に増
加し、90年代前半には約4万7千人に及びます。
しかし、2000年代に入った頃から急速に減り続
け、最新のデータで1.3万人余り(11位)まで
減っています。その原因の筆頭に挙げられるのが日
本経済の長期停滞にあると言われています。
経済の長期停滞は国内の教育支出にも影響があった
と推測されます。OECDによると、2019年時
点の「GDPに占める教育機関への公的支出の割合」
は、日本は2.8%であり、37か国中36位でし
た。前年の同率最下位からは改善しましたが、依然
として低い状況が続いています。ちなみに上位3か
国はノルウェー(6.4%)、コスタリカ(5.6
%)、アイスランド(5.5%)で、主要な先進国
は3%半ばのようです。
これに関しては、わが国は、2008年、福田内閣
の頃、文部科学省がGDPの3.5%(当時)の教
育支出を10年間で5%に引き上げる数値目標を盛
り込むことをも目指し、教育会や自民党の文教関係
議員の賛同を得るところまで漕ぎつけましたが、財
務省の反発にあって“頓挫”したという経験がある
ようです。
「国家100年の計は教育にあり」のように、人材
育成こそが国家の要であり、長期的視点に立って人
を育てることが即、「国力」に影響を及ぼすことは、
時代の変化や洋の東西を問わず、普遍の真理である
はずなのですが、財務省の抵抗とそれを跳ね返す力
が当時の政府になかったことが、結果として、「低
学歴国」の“現状”を招いているとすれば由々しき
問題であるのです。
それだけではありません。その結果として、大学な
どの高等教育を受ける学生の「私費負担」の割合は、
日本は67%と、OECD平均の31%を大きく上
回っています。つまり、“子育てには金がかかる”、
よって“子供をあまり作らない”との少子化の要因
にもなっているのです。今頃になって、慌てて育児
手当などを引き上げようとしていますが、当時の
「国家100年」の大義など全く頭になかった罪は
大きいと言わねばならないでしょう。
まだまだあります。2020年時点の高等教育を受
ける学生の私立教育機関に在籍する割合も79%と、
OECD平均(17%)の4倍以上になっています。
再び上記『「低学歴国」ニッポン』によれば、「東
大生の世帯年収は950万円超が5割を超す」との
結果も明らかになっています。つまり、「所得格差」
による教育機会の差異が生じているのです。さらに
は、「東京と沖縄の大学進学率は26.9ポイント
の差」があるなど、「地域格差」による教育機会の
差異も明らかになっています。
面白いデータもあります。の東京都の合計特殊出生
率(2020年)は1.08で47都道府県中ワー
ストですが、沖縄県は1.86で、1974年以降
47年連続で全国1位を維持しています。当然、
「教育」以外の要因があるとはいえ、ここにも将来
のヒントがあるような気がしてならないのです。
▼「教育」は、「未来の国力」維持増強の“一丁目
一番地”
改めて、戦後GHQの占領政策以降の我が国の教育
体制を振り返ってみましょう。GHQの教育改革は、
戦前の教育の抜本的に改革を狙いとして5本の柱を
建てて断行しました。つまり、(1)軍国主義や国家神
道を排除するための「教育関係者の追放」、(2)思想
の自由化を推進するための「教育勅語の廃止」、
(3)性別による教育差別をなくす「男女共学の導入」、
(4)地域ごとに教育内容を決定する「教育の地方分権
化」、(5)「6・3・3・4制度」の確立と小・中学
校を義務教育化、でした。この改革にはさまざまな
意見がありますが、現在のわが国の教育体制の基礎
となりました。
戦後のわが国の「教育」を抜本的に見直そうとした
のも安倍元首相でした。首相着任前から、���ギリス
のサッチャー首相の教育改革を参考に、「教育再生」
を推進しようと決意されたようです。安部氏の『美
しい国へ』から抜粋しますと、サッチャー教育改革
の柱は、(1)自虐的な偏向教育の是正、(2)教育水準
の向上にありました。あまり知られていませんが、
当時のイギリスも、歴史教育において、長い間の植
民地政策の「負」の側面を重視するあまり、わが国
と同じような“自虐的な自国の歴史観”が生まれて
いたそうです。
サッチャーは、歴史の否定的な部分と肯定的な部分
のバランスのとる方向で教科書を書き直すとともに、
教育水準の向上のために、教育省から独立した「学
校査察機関」をつくり5千人以上の査察官を全国に派
遣して徹底的にチェックし、水準に達していない学
校は容赦なく廃校にしたようです。当然ながら、学
校現場からはデモやストライキなどの猛反発を受け
ましたが、サッチャーは一切妥協せず、ついに改革
をやり遂げました。
安倍元首相は、幹事長時代にイギリスに調査団を派
遣し、その実態を研究するともに、首相に就任する
や「戦後レジームからの脱却」を掲げ、「教育再生」
にも取り組みました。
そのために、「教育再生実行会議」を設置し、「教
育の質の向上」「教育機会の均等化」「生涯学習の
推進」「国際理解教育の強化」「道徳教育の位置づ
けの明確化」などの改革の方向を定め、GHQによ
る教育改革の結果として、“国に対して誇りを持っ
ている若者が少ない”現状を改善するために、「日
本の伝統や愛国心を育むことを教育の目標」に掲げ、
「我が国の郷土を愛する」という文言を条文に追加
するなどの「基本教育法」の改正を実行しました。
案の定、「戦前の価値観に回帰する可能性がある」
とか「行政がゆがめられた」など論理矛盾している
ような批判が文部科学省内部からも噴出しました。
さて、その成果が現在の若者教育にどのように反映
されているのでしょうか。聞くところによると、小
中学校では、「道徳」の時間がいじめ防止を目的に
「特別の教科」に格上げされたり、大学では返済不
要の給付付奨学金が導入され、授業料減免も拡充さ
れるなど「所得格差」による教育機会も改善されつ
つ、現在に至っているのでしょう。
岸田政権は、これらの教育改革を継承して「教育未
来創造会議」���立ち上げ、昨今のさまざまな環境の
変化を受けて、「オンライン教育体制の推進」「リ
カレント教育の強化」「拠点大学を指定して再編を
先導する大学改革」などに取り組んでいるようです
が、それらを含め、近年の「教育改革」の成果が見
えるのはもっと先なのかも知れません。
一方、わが国の「少子高齢化」は待ったなしです。
現在大学進学率は5���%を超えていますが、私立大
学の定員全体に占める入学者数は100%を切り、
大学の50%超が定員割れを起こし、定員50%に
満たない大学も約5%あるようです。しかも首都圏
など都会地の大学と地方の大学の定員充足率も広が
りつつあり、将来、少子化と過疎化が加速すること
によって、この現象がますます顕著になることでし
ょう。
すでに、「東京工業大学」と「東京医科歯科大学」
が統合するとか、「早稲田大学」と「慶応大学」ま
でも近い将来、統合するとの話も出ているようです
が、遅かれ早かれ大学の統廃合は避けられないので
す。
政府は、2022年に「国際卓越研究大学法」を制
定し、この大学に認定されれば600億円規模の予
算が投入されることを担保しているようです。学生
や研究者から「選ばれる大学」を政府が支援をする
のは当然としても、前述したような過疎化を助長す
るようなものであってはならず、ほかの政策との連
携は必須でしょう。
将来の「教育改革」は、純粋に「国家100年の計」
に基づくものであるべきで、予算投入の条件として
“無用な縛り”を加えたり、文科省役人の天下り先
の確保のようなものにならないことを国民は注視し
なければならないでしょう。
バイデン大統領は、今後10年間、幼児教育や子育
て支援などに4000億ドル(約45兆円)を投じ
る計画を打ち出し、同様に、中国は、2035年の
「教育強国」実現に向かって高等教育の機会拡大を
目論んでいるなど、「国家100年の計」はどの国
も同じです。改革する側が、大義を忘れて姑息な思
惑で目先の結果だけを追い求めていると、現時点は
おろか、50年先、100年先の世代も「戦わずし
て負ける」ことになりはしないかと懸念します。
改めて、「教育」は、「未来の国力」を維持増強の
ための“一丁目一番地”であることを肝に銘じる必
要があるのです。
次回は、「国力」を構成する「ハード・パワー」の
最後である「文化」を取り上げ、その後、「ソフト・
パワー」を取り上げて読者の皆様とともに、わが
国はいったいぜんたいどうすればよいのか、考えて
みたいと思います。長くなりました。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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2023年に買ったボードゲームのまとめ
(記憶が正しければ、)2023年に届いたものが対象。ミニ拡張は除く。
Twilight Struggle: Red Sea - Conflict in the Horn of Africa 7.5: 居合のようなタイム感にアレンジされたTwilight Struggle。クーデターはできるけど、その前のカードガチャでしくるとDEFCON 1下げになるというエチオピア&ソマリアのFlashpointが緊張感を作っている。どう転んでも、比較的短期間で勝負がつくので、良くも悪くも本家のような湿った悔しさは生まれない。
ルナックの失われし遺跡:調査隊長 日本語版 (Lost Ruins of Arnak: Expedition Leaders) 未プレイ
ドミニオン:略奪 日本語版 (Dominion: Plunder) 7.0: 半ば��地になって拡張を買っているような。最近は新しい拡張が出るとアプリでも買っており、そこでカードをなんとなく覚え、なんとなくプレイしている習慣となっております。戦利品ガチャ+特性(サプライの特定のカード山に効果を与えるやつ)はここのところの似たり寄ったりの拡張の中では新鮮さのある方。
ロフォーテン 日本語版 (Lofoten) 4.5: 2人専用ゲーム。バイキング船をカードプレイで移動&回転させて、物資を場から自分のストレージにピック&デリバリー。複数あるセットコレクションのスコアリング条件で優勢を決める。手なりで進みそうなゲームだと思ったら、まったくその通り。Pearl Gamesの遺作だとすると悲しいな。レコード会社との契約で出さざるを得ない、不仲で解散したバンドのラストアルバムの雰囲気!
ドミニオン:繁栄 第二版 日本語版 (Dominion: Prosperity Second Edition) 評価保留: 新カード何枚か入れて遊んだんだけど(もちろんアプリで!)、全然覚えてません。
エクスペディションズ (Expeditions) 7.0: Scytheの世界観で遊ぶ劣化版コンコルディア、という印象。Scytheの目標早取りルールもそのまま踏襲しているので、ゴチャゴチャしてるけと案外ルールの入りは良い。Scytheのガチガチすぎるプレイングと比較すると、カードでふわっとしているこちらのほうが最近の自分の好みかもしれない。
キューボサウルス 日本語版 (Cubosaurs) 5.5: カード押し付けも可能なドラフト&セットコレクション。ゲーム中に1度か2度だけ痺れるような場面がやってくるが、それ以外の時間は手なり of 手なり。それをじっと待つゲーム。
ダーウィンズ・ジャーニー コレクターズエディション (Darwin's Journey Collector's Edition) 7.5: ルチアーニらしい、PvE味の強い(=プレイヤーに攻略したいと思わせる)ゲーム。徐々にアクションエリアが開いていくところは好き。なんとかテーマは乗っているので、ルチアーニにしてはルールの入りも良い。
蒸気の時代DX 拡張マップパックVol.2 (Age of Steam: Expansion Volume II) 未プレイ: 蹴っていたのを忘れてた。IVは終了するまでプロジェクトをやっていたことすら知らなかったのに!
蒸気の時代DX 拡張マップパックVol.3 (Age of Steam: Expansion Volume III) 未プレイ
蒸気の時代DX フランス/ポーランドマップ (Age of Steam: France / Poland) 未プレイ
ワイマール:民主主義の戦い 日本語版 (Weimar: The Fight for Democracy) 7.5: ユーロゲーム���ドイツ人作家がこの題材を選んで、4人のプレイヤーを8時間とか拘束させる&こんなニッチなものをホビージャパンがカッチリ日本語版を出したということだけで100点! ほとんどの時間で与党だった自分は、ただただ面倒な仕事に追われるだけで、脳汁の出る瞬間などなかったけど、後半にかけて、そろそろ自分も連立さんみたいに得点が欲しいな!と欲が出て外交仕事をやりやじめたら、「やーい、弱腰~!」と、国内で急進右翼がブイブイいわせはじめて、5R最終ターンに国がぶっ壊れました。このバランスはシリアスゲーム的でもあり、メッセージ性が強い!
チャレンジャーズ! 日本語版 (Challengers!) 8.0: オートチェスのボードゲーム化が完成。しかもTCGトーナメントのごっこ遊びで。インストコストの安さも正義。ギャラクシートラッカーもそうだけど、他人と一緒に答え合わせをあーだこーだ言いながら眺めるのは単純に楽しい。
チャレンジャーズ! ビーチカップ 日本語版 (Challengers!: Beach Cup) 7.5: 味変したいのはよくわかるが、途中あれこれ人間さまが判断して手を加えたら、それはオートチェスではない。
Evacuation 7.5: あれこれ持ってきている個々のメカニクスに特に新鮮味はないんだけど、太陽系死ぬわ~のお引越しテーマが上手く乗っているのがすばらしい。汽車系の読み取りが難しい類のものではなく、プレイヤーボード上での旧世界/新世界という二元のロジスティクスなので、なんとかコントロールしきれるバランスなのもちょうど良いという感じ。中重量級。
アルナックの失われし遺跡:消えた調査隊 (Lost Ruins of Arnak: The Missing Expedition) 未プレイ
テラミスティカ:革新の時代 日本語版 (Age of Innovation) 未プレイ
パパヨー (Papayoo) 6.5: 入手性が悪く安いゲームということで、海外旅行のお土産に手配いただきました。誰かが盛大に死ぬゲームって楽しいですよね。自分でなければ。
グレート・ウエスタン・トレイル 拡張 北部への道 第2版 (Great Western Trail: Second Edition – Rails To The North) 未プレイ: たまたま見かけて「あらいいですね」と思わず買ってしまった。ニュージーランドを遊んだあとに、これ、遊ぶかなぁ……
インペリアルマイナーズ 日本語版 (Imperial Miners) 6.0: マウンテンキングの資源の湧き方のところだけを借りてきたようなタブロービルド。ルールを読んで想像した以上の面白さはないが、後半きれいに組み上げたコンボルートが���ークしている姿を見れば、ゲーマーはニンマリしてしまう。
Orleans: The Plague 未プレイ
カスカディア 拡張:ランドマーク 日本語版 (Cascadia: Landmarks) 未プレイ
マッチオブザセンチュリー 日本語版 (Match of the Century) 7.0: カードドリブンの超シンプルな切り取り。駆け上がるべき階段の一段目として持ち出して様子を見てみよう! ゲームとしては、しゃがみ力が非常に問われる。しゃがむための準備(=ハンドマネジメント)とタイミング。初プレイでは、パワー5のカードを開いてプレビューしたほうが良いと思う。
今年初めて遊んだゲームベスト5
1位 チャレンジャーズ
2位 マラカイボ
だいぶ詰んでいたブツを売却前に遊んでみるかとやってみたら、これが思いの外楽しい…… 出版社との契約でリリースしたベストアルバムみたいなこんなゲームでキャッキャしてしまい、自分の意識の低さが恥ずかしい! 後述のGWT: アルゼンチンの方向性が最近の自分の好みになっているので、プレイした時期も良かったと思っております。
3位 ワイマール:民主主義の戦い
4位 サビカ
2020年代のロンデルのあり方! 三重ロンデルの移動ルールとリソースの所持上限の厳しい設定のおかげで、プレイ順の計画が非常に悩ましい。ミスっても、いまどきのヘビーゲームっぽく、得点ルートがわんさかあるのでなんとかなりそうな雰囲気なんだけど、やはりベストで打てないとライバルには勝てねえ。騙されちゃダメ! そーいや、Bitoku遊んでねえ。
5位 グレート・ウエスタン・トレイル:アルゼンチン
はいはい、きみらこんなん好きっショ!という感じで、その商売っ気にちょっとイラついたりもするのですが、こんな全部乗せ、配膳されたらバクバク食っちゃいますよね。競技性高めのアルゼンチンよりも、カードのあれこれで、新しくできるようになることを段積みしてもてなしてくれるこっちのほうが断然好き。あと、あんな風におじさんを拉致したくない!
総括
去年からの傾向がさらに加速。可処分時間のやりくりでボードゲームを遊ぶ機会が減っていくと、他の方からも段々と声が掛からなくなってくる&自分であれこれをオーガナイズするモチベーションにもなく、更に遊ばなくなっていくスパイラル。
「ピーさん、まだボードゲーム遊んでるんですか?www」とか訊かれました。
家族の立ち退き運動が激化して、ボードゲームを150個くらい売却しました。それでも、棚にちょっとでもスペースが空くと、息を吸うようにまた買ってしまう。また溢れた。
自分で好んで買ってるヘビーゲームのルール(おおよそ英語)を読み込む手間にイライラしはじめて、「自分、狂人なのでは? いや、ヘビーゲーマー全体が!?」と思い始めました。
ボードゲーム遊びましょう!(行けたら行く)
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推し活メモ
アンデラでれてぽんの推しといえば…もはやフォロワーの皆さまには知れ渡っていることかとは思いますが、アニメで声帯が安元さんになったことで他の出演作品を意識的にチェックする様になりました。せっかくなので広がればいいなという気持ちもこめて簡単にまとめます。
◇デキる猫は今日も憂鬱(履修完了)
猫有識者の方々がどうみるかはわかりませんか大変良い作品でした 諭吉ィ…アマプラ入ってたら全話見られるの強すぎる。作画が綺麗で演出もカッコいいです。いやほんとに、カッコよくてオシャレなんですよ……諭吉と幸来の絆に後半ずっと泣いてた 海牛の伏線回収(?)も愛おしく…疲れた人にもほっとひと息おすすめしたい名作。
◇恋は世界征服のあとで(履修完了)
カルバリンベアがもふもふです こちらはPrimeでもレンタルのやつですが戦隊モノが好きなので思わず…『氷結戦隊ジェラートファイブ!甘く見てるとヤケドするぜ!!』の決め台詞は天才だなと。演出面諸々スーパー戦隊へのリスペクトも高く素敵な作品でしたね…“お決まりのパターン”を最後まで貫いてくれる作品は信頼できると個人的に思います。
◇佐々木とピーちゃん
主演は杉田さん&悠木さんという安定感 安元さんはサラサラプラチナブロンドの下睫毛貴族 強い 属性が強い 現在2話まで確認したのですが色んなヒロインが沢山出てくる系か…しかも若いな……というところで今後の履修をどうするか悩んでいる段階です。3話までは…見てみようかな。
◇メタリックルージュ
作品としての期待値がめちゃくちゃ高いし1話みたらやっぱりオシャレで今後もチェックしていく予定です。スーツのデザインはわりと細身なのでそのうちもう少し重めのやつ出てこないかなと(これは個人的な意見)…安元さんは何話で見られるかな。SFでしか見られない栄養素満載。ブレードランナーとかデトロイトとか好きな人は刺さる世界観だと思うなど…キャラ設定読んでるだけで楽しいです。今は録画したものを確認しているのですが、配信が始まったらウォッチパーティーも開催したいなと考えています。できるかな?初見でも2回目でも楽しく鑑賞会しませんか。
◇最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました
八代さんや杉田さんのお名前もありワクワクしています。こちらは配信でチェック予定なので来週のどこかで1話を見られるはず。安元さんの演じられる“可愛いモノが好きな髭”の言葉の威力がもうすごいので登場が楽しみ。
◇アクアマン(履修完了)
別で感想記事も出しましたが面白かったです。年末の配信で中村さんと吹き替えの話してたけれど1日で収録凄いな…息子であり王子であり兄であり夫であり父親であり王であり英雄であり脳筋である安元さんが一度に浴びられるとんでもなくご機嫌な吹き替えとなっております。
あとは声優と夜あそびやコーポ安元をチェックしているのですが、他にもおすすめ作品などありましたらお題箱等でご意見いただければと。
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推し活な一日!でした。 本日は、推しの23回目のお誕生日! ということで、 朝から眠い目こすりながら、神社に行き、推しの明るい未来を祈願。 (おみくじは吉でした。) 昼には聖地にて、プチ生誕祭開催。 久々の仲間の集いでしたので、話に花が咲きまくり! (長々と居座りすみませんでした💦) 夜には、推しが行きつけだったお店にて食事会。 お腹パンパンになるまで食べ、大満足! 今日一日を通して感じたこと。 愛情の注ぎ方は人それぞれ。 だけど、「推しが大好き!」って気持ちはみんな一緒。 そんな仲間だから、集まった時間の楽しはハンパない。 そんな人達と 巡り合わせてくれた推しには『感謝』という言葉以外、思いつきません。 やっぱり貴女を推してて、良かった☺️���� と思える一日でした。 #山田野絵生誕祭2022 #のえピー隊 #のえピー隊は最高 #フランボワーズ #麺屋来華 #聖地巡礼 #推しサイは黄×赤 https://www.instagram.com/p/CjarxS9vf-U/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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動画をもう一度見てるんですけど、レーダー照射は7分28秒くらいから始まってますよね!19秒連続ではなかったんですけど・・・。断続的に照射されてます! https://www.youtube.com/watch?v=s93-l68D3Eo ワトソン君、もっと前だよ。6:51に戻してみ?ばっちり聞こえるから。 えっ?・・・あ~っ! な?聞こえただろ? キュピーンって一瞬聞こえます!公開された音声と全く同じです! 「はいこの音、覚えといてください」の直後だね。音声が伏せられてるのはかなりの広範囲に渡ることが分かった。てっきりピーの部分だけが非公開部分だと思ってただろ? そうです・・・。違ったんですね。もっと前から音がカットされてたなんて!今初めて気付きました! 哨戒機の飛行音らしきキーーーンという音だけは鳴ってるからな。韓国側に状況を誤認させるための計らいだったのかもしれない。韓国もおそらくピーの部分だけが非公開だと思ったんだろう。 えっ?韓国軍がですか? 国防部だよ。素人集団なんだろ?だから防衛省の動画に実はすでにレーダー照射音が含まれてるかどうかも分からなかったんだ。ピーの部分だけがレーダーの音声なんだ、ここでは我々は照射してないはず!自衛隊はウソをついている!と思い込んで強気姿勢で出たに違いない。完全にトラップだったわけだね。 ホントに素人なんですね・・・。ボクの方が詳しいような気がしてきました。 いやはやお見事だな!これは韓国マジで詰みだよ詰み。ぐうの音も出ない。1919派も駆逐艦の射撃レーダー音声を全世界に公開されて身震いが止まらないだろう。これでもう広開土大王は海に出ることができなくなるね。当然瀬取り活動も全面的にストップだ。 すごいです!この防衛省のページと音声を、もっと色んな人に広めたいです! 事あるごとに取り上げてもいいかもね。何度も何度も繰り返し中身を検証しよう。補足資料だけでも新情報の宝庫だからな。とにかく韓国はこれで謝罪の機会さえも失ったということだけは理解すべきだね。マジで終わったと思う。世界中の軍事関係者から見放されて国際的に孤立するのは間違いないよ。まあそれでも日本は知らんぷりをして”日米韓の軍事協力”という幻想を社交辞令として振りかざすけどね。韓国がどうなろうが日本は関係ないから。
【速報】防衛省が韓国レーダー照射の音声を公開! 韓国との協議打ち切りを宣言! 事実上の最後通告だった… – News U.S.
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私は宮城県名取市閖上(ゆりあげ)出身です。
今日は2011年から7年。2018年3月11日、午後2時46分から1分間の黙祷を終えたところです。
2011年3月11日
私は中学2年生で、卒業式の予行練習で午前授業だった。お昼過ぎには家に帰って、両親の部屋でテレビを見ていた。高校生だった兄も帰宅していて、家には私と兄と猫の太郎がいた。
こたつに入って横になっていると、突然、「ゴーーーー」というものすごい音がした。長かった。びっくりして固まっていると、次は激しい地震がおこった。体がゆさぶられるような揺れだった。太郎は驚いてこたつの中にとびこんだ。見ていたテレビが倒れ、画面が割れ、ここにいては危ないと思った私は、ベッドの上にあがり、上になにもない部屋のすみに避難した。クローゼットの扉は全開になり、中の荷物が全て床に落ちた。お母さんが使っていた、普段はうごかせないほど重いドレッサーも、揺れに合わせて生き物のようにズ、ズ、と前に動いていた。ガタガタと揺れる音や、ガシャーンと1階の台所からか食器の割れるような音が聞こえ、すごく怖かった。揺れはなかなか収まらず、もしかしてこのままずっと揺れているんじゃないかと怖くなり、耳をふさぎながら「あーあー!」と大きな声で叫んでやりすごした。
しばらくして揺れがおさまったので、自分の部屋に戻ろうとすると、ふた間続きになっている手前の兄の部屋は、タンスの引き出しや勉強机の上にあったものが全て落ち、足の踏み場がなくなっていた。地層みたいだった。物を踏みながら奥の自分の部屋に行くと、そこも同じように物の海になっていた。
兄に「とりあえずお父さんのところに行こう( お父さんは家の近くの公民館職員)。」と言われ、部活で使っていたエナメルバッグに持ち出せそうなものを入れ、ラックの上にひっかかっていた薄手の黒いジャンパーを着た。
もしかしたら役に立つかもしれないとお母さんドレッサーの引き出しに入っていた、カード会社や保険会社からの郵便物もカバンに入れた。無意識だったけど、もう家に戻ってこられないかもしれないと思ったのかもしれない。
兄が「避難所では猫の食べるようなものはもらえないと思う」と言うので太郎のご飯が入ったタッパーも鞄に入れた。太郎が怖がってこたつの中から出てこなかったので、兄に頼んで無理やり引っ張り出してもらった。このとき、兄は膝を悪くしていて、無理をすると膝の皿がずれてしまう状態だった。太郎を無理にだしたので膝が痛んだようで、少し休憩してから家をでた。その間も何回か揺れがきていて、家の壁には亀裂が入っていた。
外にでると、道路はでこぼこになっていて、マンホールからは水が溢れていた。家や電柱は傾いて、いつもの景色がゆがんでいるようだった。私たちと同じように、みんな近くの避難所へ移動しようとしている様子で、公民館に向かった。公民館のグラウンドでは小さい子たちが楽しそうに遊んでいた。状況がよくわかっておらず、興奮しているようだった。
公民館の中で誘導をしていたお父さんに会いに行くと、「津波がくるそうだ。公民館は津波の指定避難所ではないから( 公民館は二階建てで低い建物) 小学校か中学校に誘導するよう連絡がきたから、お前たちもそっちに早く避難しろ。」と言われた。
お父さんに話しかけるまで舞台の上で座っているときに、自分の膝から血が出ていたことに初めて気づいた。どこかにこすったようだったけど、不思議と痛くなかったことを覚えている。
お父さんから、津波がくると言われたけど、いつも津波がきても何センチかで結局大したことなかったので、今回もそんなもんだろうと思っていた。いつだったかのチリ地震の際もそうだったからだ。同じようなことを話している人もたくさんいた。私たちは2キロ先の小学校に向かった。
小学校に向かう途中、生協の前でNちゃんに会った。お兄ちゃんとはぐれたらしく、家に一回戻ると言っていた。私は津波が来るらしいから戻らないほうがいいと言ったが、大丈夫だからとNちゃんは戻ってしまった。
Nちゃんは津波にのまれて死んでしまった。
もっと強く引き止めていればよかった。
消防車が走って避難を呼びかけていた。
いつも何かあると鳴る、町のサイレンはこの日、鳴らなかった。
中学校の前で兄の膝が痛み出したので、予定を変更して中学校に避難することにした。中に入ると誰かが「3階か屋上へ!」と叫んでいた。兄と私は上へと向かった。外階段から中へ入られるドアをガンガン叩く音が聞こえ、見ると女の人が必死にドアを叩いていた。ドアの前に机が置いてあり、開かないようだった。でも、みんな自分の避難に必死で誰もどかそうとはしなかった。兄と机をどかし、ドアを開けた。「津波だ!」と、窓の外を見た。黒い水がじわじわと学校の駐車場に流れてくるのが見え、おじいちゃんが一人、まだ外にいるのを見つけた。「逃げて!」と叫んだけど、そのおじいちゃんが助かったかはわからない。
少し遠くを見ると。ず……、と、景色がそのままゆっくりゆっくりと動いた。町の中に船が見えた。船が家にぶつかり、家はぼろぼろになって崩れていった。あちこちに水の上なのに火が見えた。町全体が濃い灰色だった。兄と三階の教室から、水没したグラウンドを見た。水でいっぱいで、まるで映画を見ているようだった。夜になるにつれてどんどん暗くなり、懐中電灯を教室の真ん中あたりに置き、壁や周りにアルミホイルを貼って反射させて明かりを作った。持ってきたラジオからは、「絶対に水辺には近寄らないでください。被害の状況は———」というような声が繰り返し聞こえていた。私は湿った教室の床に横になり、太郎を抱いていた。何も食べていないはずなのにお腹は空いていなかったし、眠気も全く来なかった。気づいたら朝になっていた。
朝になると水は引いていた。町を見たくて屋上にいった。それと、太郎がトイレをするかなと思って。屋上から見た景色に、町はもうなかった。グラウンドには車や船や瓦礫のようなものがぐちゃぐちゃになっていた。目の前にあった生協もなかった。今度は町が茶色だった。
あのときのトイレは今でも思い出すと吐きそうになる。人の用を足したものが積み重なり、ひどい臭いだった。吐きそうになりながら用をたした。学校には知ってる人がたくさんいて、Sちゃんに会った。Sちゃんは学校のジャージで、お腹から下は泥まみれだった。津波に少し飲まれたらしい。Sちゃんはお母さんとまだ合流できてない、小学校の方にいるかなあと言っていた。あとから知ったが、Sちゃんのお母さんは津波で死んでしまっていた。
お昼前ぐらいに兄が自宅の様子を見に行くと言って、少しして戻って来た。うちがあった場所には、うちの二階の屋根があっただけだったようだ。まだ実感がなく、そうなんだうちはもうないのか、と冷静に思った。
そのうちに大人の人たちが崩れてしまったお店から、食べ物や飲み物を持ち出してきた。避難した時に食料を持ち出すことのできた人たちから少しだけお裾分けをもらった。でも全員分はもちろんないので、たしか私はベビーチーズのようなものを一口分食べた。太郎にはお水を少しだけもらえたのでそれをあげた。
安全な内陸の避難所に全員移動することになったが、中学校の出入り口やバスが迎えに来てくれるおおきな道路にでるまでの道には、船や車や瓦礫などがたくさんあって、大勢の人が移動できるような状況ではなかった。なので自衛隊が道を作ってくれるまで待機するように言われた。
暗くなる前に作業は終わり、みんなでバスのところまで歩いた。海水のようなにおいと、ものが燃えたこげたにおいとガソリンのようなにおいがした。いたるところに車や船があって、きっと中には人がいたかもしれない。水は引いていたけど泥がすごくて、靴はすぐにぐしゃぐしゃになった。靴にビニールをかぶせていた人もいたけど、結局みんなどろどろになって歩いていた。
私と兄と太郎は、内陸の小学校の体育館に避難することになった。着くと���でに近隣の地域の人も避難していて、人がいっぱいいた。入り口でおにぎり一つと使い捨ておしぼりを一つずつ配られた。どこか寝る場所を確保しようとしたけど全然場所がなくて、体育館の中のゴミ回収のスペースの前が少し空いていたのでそこに落ち着いた。おにぎりを食べて、おしぼりで足を拭いた。毛布やシートも物資で配られたりしたようだったけどわたしたちがついた頃にはもうなかったので、余っている段ボールをもらって、段ボールを床に敷いて横になった。近くから避難してきた人たちは、自分の家から持ってきた毛布や服などであたたかそうで、わたしたちみたいな海から逃げてきた人たちとはギャップを感じた。目も怖かった。太郎も不安なのか、私のジャンパーの中から出てこようとしなかった。でもそのおかげで、すごく寒かったけど、お腹はあったかかった。中学の先生が状況把握のため点呼をとっていて、太郎をお腹に抱えた様子をちょっと笑われた。
夜、暗い中で何回か余震があって、そのたびに体育館の照明が大きく揺れて、ざわざわした夜だった。
朝になると支援物資が届いた。飲み物はコップがないともらえないと言われて、考えて、ひとり一個もらえるパンの中からサンドイッチ用のパンを選んで、その空き容器で飲み物をもらうことにした。兄はマヨネーズ入りのカロリーの高いロールパンを選んで、とにかく栄養を確保するように2人で食べた。トイレは、プールの水をバケツでくんで流せたので困らなかった。古着も物資で届いたので、パーカーなどの着られそうなものをもらった。わたしたちの隣にいた老夫婦が小さな犬を連れて避難していて、太郎は犬に懐かれていて面白かった。
兄と座っていると、名前を呼ばれた。お母さんとお姉ちゃんが走ってこちらに向かって来ていた。
生きててよかったと抱きしめられた。みんなで号泣した。
お母さんは仕事で内陸にいて、お姉ちゃんもバイトで海からは少し離れたコンビニにいて、津波が来る前に東部道路に避難して助かっていた。2 人は違う小学校で合流できていたようで、わたしたちの地域の人たちが避難している場所を探していてくれたようだった。お母さんが働いていた保育所の休憩室を間借りしていいといわれたらしく、そこに移動することにした。車できたからそれでいこうと外にでると、血の繋がっている方の父がいた( 私の両親は離婚していて、お母さんは再婚して、新しいお父さんがいます)。私は父のことを嫌っていたし、何年も会ってなかったけど、そのときはなぜだかとっても安心して、頭を撫でられて肩を抱かれると泣いてしまった。非常事態だったので、お母さんも連絡をとって食料や布団などをわけてもらったらしい。
車に乗り、保育所に向かう途中、太郎が安心しておしっこをもらした。避難所では粗相をしなかったので、太郎もがんばっていたのだなと思った。
保育所の休憩室は、5畳ないくらいのスペースで小上がりの畳になっていた。畳の上に段ボールを敷いて、布団を敷いて、家族で川の字になって眠った。やっぱり寒くてなかなか寝付けなかったけど、お母さんが抱きしめてくれたおかげで、よく眠れた。
次はお父さんと合流しようと、情報を求めて市役所に向かった。市役所の中に入ると、壁いっぱいに「◯◯に避難しています◯◯みたらここに連絡をください」といったような内容の紙がびっしりと貼られていた。その中には知っている名前も幾つかあって、ああ無事だったのだなと安心したこともあった。お父さんの名前を見つけたけど、けがをしている、というようなことが書いてあったので焦った。とりあえずお父さんがいるという避難所へ向かうと、お父さんは元気そうに出入り口近くの椅子に座っていた。安心したお母さんはへなへなになって笑った。あのときは情報が錯綜していたので、間違ってそう書かれてしまったらしい。すぐに同じ場所にお父さんも移動したかったけど、お父さんは公務員なので被災者の誘導等の仕事があったのですぐには保育所に一緒に戻れなかった。
保育所での生活は体育館にいるときよりずっと過ごしやすかった。狭かったけど、家族がみんないて、人の目を気にしなくていいのはすごく救われた。電気はまだ復旧していなかったけど、水道が使えて嬉しかった。ごはんも、お母さんの仕事仲間の人が炊き出してくれたりして、あたたかいものを食べられた。ずっとお風呂に入れてなかったので気持ち悪くなって一度、水で頭だけ洗ったけど、寒すぎて凍えた。被災してから一週間たたないくらいに、電気が復旧し始めて、近くの家に住んでいたお母さんの職場の人の好意でお風呂に入らせてもらった。久しぶりのお湯はあったかくてきもちよかった。
お店もすこしずつものを売られるようになって、学校もない私と兄と姉はそれぞれ生活に必要なものを行ける範囲で探し回った。持ち出せたお小遣いをもって、とにかくいろんなお店でなにか買えないか歩き回った。個数制限で、ひとり3個までしかものが買えなかったり、なにも残ってなかったり、3時間以上並んだりした。
あるとき、ひとりでお店の列に並んでいると、知らないおじいちゃんに話しかけられた。どこからきたのかなんでひとりなのか聞かれ、答えると「大変だったね」と自分が買ったバナナを分けてくれた。少し泣いてしまった。いろいろなところで食べ物などを買えてうれしかったけど、そのころは物資不足で窃盗や空き巣が多発していたので、ビクビクしながら保育所に帰る道を早歩きでいつも帰っていた。
銀行でお金をおろせるようになり、保育所も再開するので長くはいられないと、アパートを借りることになった。お父さんががんばって見つけてくれた。引越して、いろんな人の好意で家電や家具をもらって、なんとか避難所生活はひとまず終わった。
アパートで炊飯器をつかって炊いた、炊きたてごはんをたべたときはすごくすごくおいしくて、おかずは缶詰の鯖だったけど、何杯もおかわりをした。あのとき食べたごはん以上に美味しいと感じたものは今もない。
アパートで暮らし始めて少しして、携帯の電話番号を覚えていた友達に電話をかけてみた。その子は飼っていたペットたちは犠牲になってしまったけど無事だった。ただ、その子との電話で「Aちゃん残念だったね。」と言われた。Aちゃんは私のすごく仲良しの女の子で、どういうことなのか理解できなかった。
Aちゃんの妹の名前と避難先の書かれたメモを市役所でみていたので、A��ゃんもきっと無事だろうと思っていた。「新聞の犠牲者の欄に名前が載っていた」そう言われて、後の会話は覚えていない。電話の後に新聞を読み返して犠牲者の欄を探したら、Aちゃんの名前を見つけてしまった。新聞に名前が載っている,という証拠のようなものをつきつけられて、一気に怖くなり、悔しくて信じられなくてまた泣いてしまった。
兄もその欄に仲の良かった友達の名前を見つけてしまったようで、リビングのテーブルに突っ伏して、「なんでだよ」とつぶやきながらテーブルを叩いていた。
4月のある日の夜、また大きな地震が起こった。また津波が来るのではないかと家族全員で車に乗り、指定避難所に急いだ。幸い、なにもなかったが、その日の夜は怖くて車から降りられず、朝まで起きていた。
通っていた中学校から一度学生も職員も集まるよう連絡が来た。当日は市の文化会館に集合し、そこからバスで市内の小学校に移動した。久しぶりに同級生と再会して、今どこに住んでいるのか家族は無事だったのかたくさん喋った。そしてみんなが集まった前で先生が、犠牲になった同級生の名前を読み上げた。Aちゃんの名前も呼ばれた。先生の声は震えていて、最後は泣きながら私たちに向かって話していた。7人の友達が死んでしまった。学校全体では、14人の生徒が犠牲になった。
私はすごく後悔していることがある。遺体安置所に行かなかったことだ。市内のボーリング場が安置所になっていて、そこにAちゃんがいることもわかっていたが、怖気づいていけなかった。私とAちゃんともう一人とで三人で仲良くしていて、そのもうひとりの子は会いに行っていた。顔中があざだらけでむくんでいた、と言っていた。お化粧をしてあげたよと聞いた。私も会いに行けば良かった。
学校は市内の小学校の旧校舎を間借りして再開した。歩いて行ける距離ではなく、駅から毎日臨時のスクールバスが出ていたので、私はそこから毎日学校に通った。文房具や教材は支援物資が届いて、しばらくは制服もなかったので私服登校だった。何週間も字を書いてなかったので、文字が下手くそになっていた。遠くに避難して、転校してしまった子もいたけど毎日家族以外の人とも会えるのは嬉しかった。でも、間借りしていることは肩身が狭かった。間借り先の小学校の子とは話した記憶がない。支援物資や有名人がきた時は「ずるい」、「 そっちばっかり」と言われるようなこともあった。自分は生徒会役員だったため、お礼状や物資管理を手伝っていたけど、千羽鶴や「頑張って!」、「絆」などのメッセージを見るたびに複雑な気持ちになった。無理やり前向きになれと言われているようだった。
学校も落ち着いた頃、同級生の一人のお葬式に参加した。小学校の頃から係活動で仲良くなった子だった。その子はお母さんも亡くなって、その子のお父さんから良かったらきてほしいと連絡があった。とても天気のいい暑い日で、田舎の方の緑がたくさんあるところでお葬式が行われた。久しぶりに会ったKちゃんは小さな箱になっていた。焼かれて骨になって骨壷に入ったKちゃんは、軽くて白かった。お墓にお箸で骨を一つ入れさせてもらった。「ああ、Kちゃんはもういないんだ」と、「こんなに小さくなってるなんて」と、脱力した。
私は夢を見るようになっていた。夢の中で津波から逃げたり、友達と会ったりしていた。その中でも強烈だったのが二つ
ある。一つは、どこかのホテルに友達と泊まりに来ていて、ホテルのベッドで飛び跳ねて遊んでいた。途中までは私も遊んでいたけど、何か変だと感じて、だんだん飛び跳ねている音がうるさくなってきて、「ねえもうやめようよ」と声をかけた。するとその音は「ゴーーーー」という地鳴りの音に変わって、私は耳を塞いでしゃがみこみ、叫んだところで目が覚めた。自分の叫び声で起きた。
もう一つは、なぜか私は小学生で、小学校の帰り道をAちゃんと何人かの友達と歩いていた。夢の中では納得していたけど、不思議なことにみんなでAちゃんのお葬式に行こうとしていた。道の途中で、2本に分かれているけど少し行くとまた繋がる道があり、そこで私はAちゃんをびっくりさせようと「また後でね!」と違う方の道を走って待ち伏せしていた。でも、だんだん不安になって、泣きながらAちゃんを探した。立ち止まっているAちゃんを見つけて、「 行かないで!」と抱きついた、Aちゃんは静かに「なんで私のお葬式があるの?」と、聞いてきた。
そこで目が覚めた。しばらく体は動かず、寝ながら泣いていたようで、頬が涙でカピカピになっていた。
冬になって、12月11日の早朝、お母さんとお姉ちゃんの声で起きた。どうしたのかとリビングに行くと、2人が「お父さん!」と声をかけて、体を揺すっていた。後から聞いた話によると、朝、お姉ちゃんがバイトの支度をしているときに、お父さんから寝息が聞こえず、お母さんに「変じゃない?」と言って、2 人で起こそうとしたようだった。私も声をかけたが起きず、お母さんは「かなこ!( お姉ちゃんの名前) 救急車!」と叫んで、心臓マッサージを始めた。バキバキと骨の折れる音が聞こえた。お父さんの胸はベコベコにされていたが、起きない。私も交代でマッサージをして、救急車を待った。救急車が到着して運ばれる直前、そっとお父さんの足を触った、氷のように冷たくて硬かった。救急車を後ろからお母さんの車で追いかけ、病院についた。ドラマで見たような部屋に運ばれ、看護師に心臓マッサージをされていた。心電図はまっすぐで、「ピー」という音がなっていた。何分間かどれくらい経ったか、マッサージが止まり、瞳孔を見られていた。「すいません」と看護師の方が言い、「ご臨終です」と、初めて聞く言葉を耳にした。病室には「ピー」という音とが響いていた。
みんな無言で家に戻り、お母さんがリビングに座ったところで、「どうして!」と泣き叫んだ。お母さんがそんなに泣いているところ��初めて見た。お父さんのことはまだショックでよくわかっていなかったけど、その姿がどうしようもなく悲しくて、お姉ちゃんと抱き合って泣いた。
中学校には、お母さんが色々な手続きで忙しそうだったので、自分で電話をした。担任の先生に繋がり、ほぼ文章になっていなかったけど泣きながら事情を説明した。先生はゆっくり聞いてくれて、学校のことは心配しなくていいよと言ってくれた。
お葬式までの間、斎場でお父さんと過ごした、ドライアイスで冷やされて、冷たかったけど、箱の中にはずっといて、怖くもなかったし、もしかしたら起きるんじゃないかなんて思ったりもした。まあ、当たり前にそんなことはなく、火葬の日がきた。
お父さんが焼かれる場所へ、親族一同で向かった。炉の中へ入れられるとき、もう体さえもなくなってしまうんだと、お父さんに会えなくなるんだと理解した私は一気に悲しくなり、「お父さん」とつぶやいた。涙が止まらなくなり、「行かないでよ」とつぶやいた。お母さんが私の背中をさすった。兄が私の頭に手を添えた。
お父さんは焼かれた。ちゃんとお骨を拾い、壺の中にお父さんは収まった。
お父さんは公民館職員で、そして糖尿病を患っていた。震災の日、公民館は建物が低いので、違う避難場所に誘導している途中で津波が来た。目の前で他の職員が流されるのを見たそうだ。公民館にいた人はギリギリ二階に登り助かったものの、船が建物にぶつかって半壊し、もう少しでみんな死んでしまうところだった。でも、避難途中で犠牲になった人の遺族からすれば、いたら助かったじゃないか! とひどく責められていたらしい。
避難場所でも、公務員はずるい優遇されていると同じ被災者なのに責められ、ストレスで体がおかしくなっていた。持病の糖尿病が悪化し、20キロ体重が増えていた。お母さんから後から聞いた話によると、毎晩のように公民館のグラウンドいっぱいに遺体が並び、こっちに来いと呼ばれる夢を見ていたそうだ。死因は無呼吸からの心肺停止だった。
お父さんは震災に殺された。
お父さんの死と、自分の受験のシーズンが重なり、私は少しおかしくなっていた。受験している場合なのかと悩んで、身が入らなくなっていた。トイレで隠れて手首を切るようなこともあった。今思えば、なにも考えたくなかったからそういうことをしてしまったのかもしれない。様子がおかしいと思われたのか、スクールカウンセラーの先生に、週1回、カウンセリングを受けることになった。行きたくなくてサボった日もあるけど、先生は怒らなかった。優しくいろんな話をしてくれた。友達にも支えられて、なんとかいつも通りに過ごせるようになった。
高校受験もおわり、合格発表の日、私は1人で受験した高校に結果を見に来ていた。無事番号を見つけてお母さんに連絡すると、すぐにメールで返事が帰ってきた。メールが2通届いて、確認してみると、もう1通はお父さんの携帯からだった。「合格おめでとう!」と、本当にお父さんからきたかと思って嬉しかった。すぐにお母さんがお父さんの携帯で送ってくれたのだろうと気づいたけどとっても嬉しかった。
高校では美術科に在籍していたため、常にコンペに向けて制作をしていた。一度だけ、Aちゃんを描いたことがあったけど、周りには誰ということはなにも言わずにただ描いた。それっきり震災関連で制作をすることはなかった。
高校生活の中で辛かった授業がある。保健体育の授業だ。心肺蘇生の心臓マッサージを学ぶ授業の時は、お父さんの感触を思い出して辛かった。避難について学ぶ授業では、ふざけた男子生徒が、避難のシミュレーションを発表するときに「津波だー!」とヘラヘラしながら津波のモノマネをしていて腹がたった。そういう授業があった日は、その日1日は震災のことなどで頭がいっぱいになり、帰ってからいつもお母さんやお姉ちゃんに慰めてもらった。
そして何度か震災復興のためのアートプロジェクトに参加した。被災者として何かしなければと義務感に駆られて、割と積極的に参加した。でも、いつも心の隅には、こんなことをしてなにになるのだと皮肉な自分もいた。震災の時のことを公演してくれ、文章にしてくれ、という依頼は全て断った。語ったりはしたくなかった。
高校の卒業制作展で、ゲストを迎えたパネルディスカッションを行った。ゲストは有名な大学の先生で、私は卒展の実行委員長としてトークをした。その中で、「地域復興」の話題を担当し、いろいろなことを話したけど、「私もゆくゆくは自分の地域をなにかしら盛り上げたい」と口にした後は「本当にそう思っているのか?」と、苦しい気持ちになった。立派なことを言わなければ、というプレッシャーがあった。
いつも3月11日は家で家族と過ごすようにしていたけど、2015年のその日は、震災以来初めて閖上にいた。
京都に引っ越す前にみんなに挨拶がしたいと思ったからだ。お花を持って友達と待ち合わせをして、久しぶりに来た日和山は、前はみんなで鬼ごっこをして遊んだ場所だったけど、今は慰霊の場所になっていて、上から街を見渡すと、何にもなかった。まっさらでたまに草が伸びている、そんな景色だった。
中学校に移動して、2時46分を待った。鳩の形の風船が配られて、メッセージを書いた。「行って来ます。」と。そして2時46分、みんなで風船を飛ばした。
でもその瞬間はひどいものだった。多くの人がスマホを構えて、風船を飛ばす瞬間を撮っていた。カメラの音がたくさん聞こえて悲しくなった。なんのためにやっていることなのか、気持ち悪かった。一緒に来ていた友達も怒っていた。イベントじゃないんだ、と叫びたかった。
京造に進学してからは、震災の話題に触れることは少なくなった。し、自分でも避けるようになった。
宮城出身です、というと大体「震災大変だったでしょ?」と言われた。「そうですね」と正直に言うと、気まずそうな申し訳なさそうな対応をされた。それが嫌で、出身は言いづらくなって、「震災大変だったでしょ?」と言われても、「大丈夫でしたよ」と言うようにした。一回生の授業である先生が、どんな内容で言ったのかは忘れてしまったけど、「津波はあっけなく人を殺すからね〜。」と、さらっと言ったことがあった。私はショックで涙がとまらなくなった。俯いて、寝てるふりをした。周りの子にはバレていたかもしれない。その日はずっと気分が上がらず、帰ってからお母さんに電話をした。当時一緒に住んでいたルームメイトに抱きしめてもらった。
二回生の時は、授業中に阪神淡路大震災の映像が流されて、震災の時の記憶がフラッシュバックしたこともあった。イヤホンをつけて目をつぶってやり過ごして、大階段を登ってすぐ横の芝生のベンチで家族に片っ端から電話をかけた。午前中でなかなか繋がらず、体育すわりをしながらずっと待っていた��お姉ちゃんとつながって、落ち着かせてもらって、その日は授業があったけど、一度家に帰った。夜は眠れなかった。
7年経った今でも、津波の映像や写真は見ることができない。彷彿とさせるようなものも苦手だ。3月はいつものように睡眠を取ることもできなくなる。11 日は家族と実家で過ごすようにしている。閖上の方向を向いて必ず黙祷をして、黙祷している時は、悲しい、悔しい、いろんな感情が混ざったように涙が出る。
私はずっと震災に潰されている。それが、とても嫌だ。
——
でも、このままでいるのはもっと嫌だ!
だから私は向き合うことにした。
制作をはじめると同時にひまわりの種を植えた。ひまわりは、お父さんの1番好きな花だったから。
だけど、ひまわりは咲かずに途中で枯れてしまった。
私にはもう少し、時間が必要なようだ。
もうすぐ、8年目の3月11日がくる。
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ニューブリテン島のココポという船着場で、日本軍の兵士たちが「ピー屋」、つまり慰安所の前で長蛇の列をなしている。「一人三十秒だぞ」と言う兵士。対し、慰安所の女性は「皆さんもう五時ですからおしまいですよ」と言う。兵士たちは「そんなこというなよ御国のためだ」「もう少し営業しろい」と食い下がるが、慰安婦はため息をつきながら「もう体がもたないわ……」。しかし、兵士は懇願する。 「ねえちゃんあと七十人くらいだがまんしてけれ」 同作は、最終盤に兵士たちが敵隊に突入し、全員が玉砕するのだが、最後の数ページはひとつのセリフもなく、倒れ重なる死体のカットが繰り返されるだけ。死体はやがて白骨となり、まるでゴミかなにかのように積もっていく。その静寂のなかで幕を降ろす。
追悼! 水木しげるが描いていたラバウルの戦争体験と慰安婦…「80人の兵隊を相手に…あれはやっぱり地獄だ」|LITERA/リテラ
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チャーファンクラブの諸国炒飯廻り ・ ・ご紹介するお店のデータ ・店名【湘南新感覚中華 湘味】 ・住所【横浜市都筑区中川中央1-31-1 モザイクモール港北5F阪急百貨店内】 ・炒名【青菜入り豚バラチャーハン】 ・金額【750円 税込 ◯税抜】 ・私的猛烈感動LV【★★★★☆】 ・ ■モザイクモール港北のフードコート内にある 湘味さんでチャーハンを喰らってきた!■ ・ 湘南新感覚中華って何?(笑) 気になる気になる気になるから 序でにウインドウショッピングもしてYO! 脱小汚いおじさん宣言!(嘘) ・ モザイクモール港北の5Fにフードコートが あって湘味さん以外にもう1店舗中華料理の 上海灘 DININGさんがあるYO!今回はパス したけどね!(メンゴ)フードコート内は 猛烈に暑いし混んでいて居心地はバッド だけど(豪汗)そんなクソ暑いなかの炒飯! おじさんは汗だくで喰ってやろうじゃないか! なんだかワクワクしてきたぞっ!(笑) ・ でもなぁー! フードコートだから きっと中華鍋を振ってないよなぁ! 結局湘南新感覚中華ってなんだよ!(笑) ・ でだ青菜入り豚バラチャーハンは 厨房が見えるからガン見したのYO! ヤッホー!ヤッホーヤッホー!(笑) 力強く鍋を振っているアルヨー! 並んでいるお客さんにハイタッチしたい! Mooo おれっピ(俺)マンモスうれピー! おめでたマンモス! すっからピー(素晴らしい) 法子もこんな感じで喜んでくれるはず(笑) ・ 青菜入り豚バラチャーハンのフォルムは君 みたいに美しいのだっ!(キモっ!)八角で 味付けをしている豚バラ肉はジュー���ーで 柔らかく旨味と甘味がお口の中で絡みつき もう最高!ちゃまい!炒飯との相性も抜群 だが青菜がもう少しダイナミックにカット しているとさらに食感もよくなるかと私的 には思うけど。忘れちゃいけないココは フードコートだということを! ・ 中国料理 湘南 菊華大飯店さんが経営している みたいだね(多分) ・ 湘南新感覚中華っていうのは最後まで 分からなかったけど美味しかったから まぁいいかぁ(笑) ・ モォ〜!腹一杯幸せ一杯で ごちそうさまでした。 ・ We stuff bellies with japan fried rice and happiness !! ・ 日本炒飯協会ではチャーファンクラブの 会員を募集中です!マーヒーな方は 当協会のHPをご覧ください(笑) ・ Report 炒飯切込隊長 葛飾炒飯 #ちゃまい #チャーハン #焼飯 #横浜市 #炒飯 #friedrice #美味い #日本炒飯協会 #チャーファンクラブ #葛飾炒飯 #中華料理 https://www.instagram.com/p/ByC78ptgwOa/?igshid=6vggjiodwamb
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23歳、おめでとうございます🎉 社会に出てからも、独りでうるさく頑張ってますか? 同い歳の家の娘も、今年の春から1社会人として頑張ってます。 その姿をみては、貴女のことも「頑張ってるかな?」気にかけてます。 そして、時々あがってくる元気で楽しそうな姿にホッとしております。 23歳もその持ち前の明るさで、楽しく過ごされることを祈っております。 23歳、おめでとうございます🎉🎉 #のえピー隊 #山田野絵生誕祭2022 #山田野絵 #今日は寒い #風邪ひくなよ https://www.instagram.com/p/CjYPeCEPoli/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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Nurse With Wound – Thunder Perfect Mind(1992)
はいっピンク入りましたよ、つぎ黄色入り、、、緑、、、青入った、最後に赤。特撮の戦隊モノの合体の様に段々と音が足算される、その一つ一つがハッキリとガーやピーにチチチチ、ワンワンと犬まで吠える、皮を剥ぎ取られた剥き出しの分かり易い音が出入することで、音はイメージとして観るものでもあると、音楽知識皆無に等しい私に教えてくれたのがこのアルバム。それまで聴いているようで聴いていなかったのだと痛感しました。まぁ、あらやだ、文章見れば分かる?偉そうに〜である。〜なのだ。などと記し残していながら、知っている事と言えばドレミファがあったなという程度であります。リズム感も一切ございませんし、そうカラオケを聴いて頂ければその実力を存分に発揮致しますのでまた機会あれば是非。それと、この不気味なジャケットスリーブはBabs Santini、Steven Stapletonのアートワークの時の変名。リリースは勿論United Dairiesから。
https://youtu.be/nEEB4wqFrTE
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有安検定(ももパワー充電所から)
問題1. 有安杏果の好きな食べ物は?
1.からあげ 2.トマト 3.お刺身 4.カレー
問題2. 10月11日発売、有安杏果の1stアルバムのタイトルは?
1.ココロ��コエ 2.ココロノセンリツ 3.ココロノオト 4.ココロノウタ
問題3. ココセンVol.0横アリで有安杏果がカバーした英語の歌は?(2つ) 1. ベットミドラー;ザ・ローズ 2. キャロル・キング; ユーガットアフレンド 3. Mr.Big;To be with you 4. イーグルス;ホテル・カリフォルニア
問題4. 有安杏果がプライベートで良く着けているお気に入りのヘアピン ある果物がアクセントとなっていますがそれはいったい何? 1. 桃 2. さくらんぼ 3. りんご 4. 牛タン
問題5. 有安杏果の2014年の初詣。おみくじを引いて出てきたのは? 1. 大吉 2. 吉 3. 大凶 4. 半吉 5. 諭吉
問題6. 2011年5月20日、Zepp名古屋での出来事です。 ももクロchanの企画でマジカルバナナをして有安杏果が負けてしまいました。 「ありがとうのプレゼント」の曲中に罰ゲームを披露することになりました。その罰ゲームの内容とは何でしょう!
1. ムーンウォーク 2. 早口言葉 3. 変顔 4. コマネチ
問題7. ももいろクローバーには最後に加入した有安さんですが、他の4人は初めの頃、有安さんをどのような人と感じたでしょうか。
1. 頼もしい人(百田) 2. 手下が増えた(佐々木) 3. 妹設定を取られる(玉井) 4. ケバブっぽい(高城)
問題8. 有安杏果がフォーク村でまだ歌ってないのはどれ?
1 のうぜんかつら 2 小さきもの 3 青春の輝き 4 そばかす
問題9. 有安杏果が富士見市に住んでいる時に、髪を切っていた場所は?
1. めろん 2. とまと 3. きゅうり 4. いちご
問題10. 有安杏果が中学時代に文化祭で披露した楽器は?
1.ドラム 2. ピアノ 3. ギター 4. 尺八
問題11. 『words of the mind』で有安杏果が客席に投げる物といえば?
1.手袋 2.砲丸 3.手裏剣 4.ぱちゅぱ
問題12. はぐれ刑事純情派 第15シリーズ 第25話にて、有安杏果演じる中里絵美が 後をつけてくる林勇作に どこへ行く事を伝えるでしょうか
1.「ひみちきちへ行くんだよ」 2.「ひちつみきへ行くんだよ」
3.「ひみつちきへ行くんだよ」
4.「ひみつきちへ行くんだよ」
問題13. 映画「幕が上がる」で 中西さんがさおりとがるるに出会うのは何月何日? 1.7月8日 2.6月8日
3.5月8日
4.4月8日
問題14. 映画「幕が上がる」で 中西さんのクラスは3年何組? 1.1組
2.2組
3.3組
4.4組
問題15. 有安杏果が幼少期にいた事務所の名前は? 1.アップル
2.キャロット
3.トマト
4.ストロベリー
問題16. 裸を提供してくれた小谷美紗子さんに 裸を作ってもらうイメージとして有安杏果が渡した歌詞の仮タイトルは?
1.自分
2.私
3.なくしもの
4.皮肉
問題17. 有安杏果が多保孝一さんから頂いた エレキギターのメーカーは?
1.ギブソン
2.フェンダー
3.バッカス
4.アイバニーズ
問題18. 有安杏果は横アリでライブをしたいと 20歳の有安杏果に手紙を書いています。
何歳の有安杏果からの手紙?
1.11歳
2.12歳
3.13歳
4.14歳
問題19. 有安杏果のAnother storyの歌詞は 元々は何の曲の歌詞に入る予定だった? 1.ハムスター 2.愛されたくて
3.Drive Drive 4.ペダル
問題20. 有安杏果が産まれた場所は? 1.埼玉の病院
2.東京の病院 3.京都の病院
4.大阪の病院
問題21. 19歳の誕生日、2014年3月15日は どこでコンサートをしていた?
1.横浜アリーナ 2.横浜国際総合競技場 3.さいたまスーパーアリーナ 4.国立競技場
問題22. ももクロのメンバーで有安杏果の家に泊まったことがあるのは?
1.玉井詩織 2.百田夏菜子 3.佐々木彩夏 4.高城れに
問題23. 青春ツアー第1弾で非公式写真に登場したのは 大阪府とどこ?
1.奈良県 2.滋賀県 3.兵庫県 4.京都府
問題24. 2012年の女祭りのアンコール1曲目で、張り切って踊り過ぎたため、身に着けていたものが、とれてしまいました。 さて、そのとれてしまったものとは、 いったいなんでしょうか?
1:緑の帽子 2:頭の緑のリボン 3:緑の腕輪 4:首に巻いていた緑のスカーフ
問題25. 実は中学の文化祭でドラムを演奏したことがありました。 その時、演奏した曲は何?
1. aiko「カブトムシ」 2. Mr. Children 「HANABI」 3. ORANGE RANGE「花」 4. Aqua Timez 「決意の朝に」
問題26. スケッチャーズの靴を買った時の靴のサイズは?
1. 22.5cm 2. 22cm 3. 21.5cm 4. 21cm
問題27. 有安杏果が『ココロノセンリツ Vol.0』を終えたあと、 なぜか「私ったらバカバカバカ」と自分に言ったのはなぜ?
1) 最初の曲の歌声に、納得いかない部分があったから。 2) 本番で、ファンと同じ形のペンダントを付けていたから。 3) テーブルのペットボトルを倒したから。 4) 7月3日と思って意気揚々と会場入りしたら、6月3日だった。
問題28 . ももクロChanの企画「クイズももChanクロChan」で 「解せないよちゃんちゃらおかしい」と言った三四郎・小宮さんに有安杏果が放った一言��は?
1.「ピーだプー」 2.「なんだよ~」 3.「マジうっせぇ」 4.「チッ‼」
問題29 . 2014.2.20に行われた「おしいろマンハッタン♡~なんてこったパンナコッタ~」で 有安杏果はピンク担当でしたが、 有安杏果のカラー、緑を担当したのは誰だったでしょうか?
1.高城れに 2.百田夏菜子 3.玉井詩織 4.佐々木彩夏
問題30 . 次の言葉はいずれもライブの自己紹介のときに有安杏果が言った言葉です。 この中で女祭り2012のときに言った言葉はどれでしょう?
1.カエルじゃないよ杏果だよ、ゲロッパ! 2.みんなー、会いたかったー! 3.みんなー、見ての通り杏果は元気だー! 4.ももパワーを届けるので受け取れよ!
問題31 . ももクロのメンバーで行った銭湯で 有安杏果は、身体を洗っている時に、 隣のおばちゃんから突然水をかけられてしまいました。
さて、そのおばちゃんが怒って水をかけた理由は何でしょう。
1.シャンプーハットを被って髪を洗っていたから
2.シャワーがそのおばちゃんにかかってしまったから
3.歌いながら身体を洗っていて、その歌声がうるさいといわれた
4.隣のおばちゃんのシャンプーを使ったから
問題32. 有安杏果が坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXTで 初めて1人で歌った曲は何?
1 22才の別れ 2 なごり雪
3 To Be With You 4 ありがとうのプレゼント
問題33. 楽曲「Feel a heartbeat」を ライブで演奏する時は曲中に 有安杏果とお客さんのかけあいが入ります。
それは次のうちどれ?
1 Wow Wow Yeah Yeah! 2 Yeah Yeah Wow Wow!
3 Yeah Yeah Yeah!
4 ももか!ももか!ももか!ももか!ももか!ももか!ももか!!
問題34. 2017年7月6日に行われた 「ももクロ試練の七番勝負2017 ~ももクロ VS. 6人の巨匠~」の中で ブラザー・トムとフリートークを繰り広げた有安杏果が ポンキッキーズ時代に唄っていたある歌をブラザー・トムと一緒に唄いました。 その歌はいったい何だったでしょう?
1.歩いて帰ろう 2.みんなともだち
3.およげ!たいやきくん 4.ジャカジャカジャンケンポン
問題35. ココロノセンリツ~Feel a heartbeat Vol.0~で販売されたネックレスは次のうちどれ?
1 星型のネックレス
2 ハート形のネックレス 3 ハートでつながるネックレス 4 ビーズのネックレス
問題36. 2017年11月26日
ココロノセンリツ~Feel a heartbeat Vol.0.5~ビーコンプラザ(別府市)
で発表された楽曲は次のうちどれ?
1 べっぴょんと温泉 2 ペダル 3 爆弾こわい
4 小さな勇気
問題37. 有安杏果が始めて作詞作曲に挑戦した楽曲はどれ?
1 ペダル
2 ハムスター 3 小さな勇気
4 Feel a heartbeat
問題38. ココロノセンリツvol.0にて、 有安杏果が最初に歌った曲は?
1.ありがとうのプレゼント
2.feel a heart beat
3.心の旋律
4.Drive Drive
問題39. あるテレビ番組で 「コラボした時、その度胸に嫉妬した」と褒めてくださったこともある、大物アーティストはどなたでしょう?
1.和田アキ子 2.さだまさし 3.イルカ 4.坂本冬美
問題40. アイドルになりたての頃、 有安杏果は「趣味は『歌を歌うこと』で、 これから頑張って「○○」に変えていきたい」と語っていました。○○とは?
1.職業
2.特技
3.武器
4.才能
問題41. 「かぶりもの」が似合うコトに定評のある有安杏果ですが、 この中でやったことの「ない」ものはどれでしょう。
1.蚊取り線香
2.フライドチキン
3.めざまし時計
4. ギョウザ
問題42. 有安杏果に関する様々なコトをファンは 「もも○○○」と呼びますが、 この中でご本人がブログで使ったコトがない「非公認」ワードはどれでしょう。
1.何回自撮りしてもブレない「ももかくど」 2.滑舌悪いの生まれつき「ももかつぜつ」
3.背が小さすぎて見えなくなる「ももかくれ」
4. めでたい時はみんなで乾杯「ももかんぱい」
問題43. 2015年の月刊TAKAHASHIのライブビューィングで
有安さんだけを映す有安スクリーンが開催されましたが
ライブが行われた会場は何処だったでしょうか?
1.Zepp Fukuoka
2.Zepp Sapporo
3.Zepp Nagoya
4.Zepp Namba
問題44. 有安杏果が人前で初めてドラムの演奏を披露した時曲はどれでしょうか?
1. ツヨクツヨク 2. コノウタ 3. 黒い週末
4. 走れ
問題45. 以前にももクロChanでバンジージャンプに挑戦した有安杏果が 1回目に飛んだ時に叫んだ言葉はどれでしょう?
1.夢咲かせてやんぞ! 2.ももクロの緑をなめんじゃねえぞ! 3.私の度胸をなめんじゃねえぞ!
4.元気でありやす!
問題46. 有安杏果のおじいちゃんおばあちゃんちの愛犬の名前は?
1. はなちゃん
2. クロちゃん 3. ユメちゃん
4. ももちゃん
問題47. 映画「幕が上がる」で有安杏果が演じた中西さんの転校前の学校名は?
A.県立桃葉 学園高等学校
B.清進学院高等学校
C.私立恵比寿中学校 D.県立富士ケ丘高等学校
問題48. 2016年のテレビ「あたしの音楽」で、 杏果が今年やりたいことに挙げたのは何でしょう?
A.フェーシャルマッサージ
B.みんなで乾杯
C.一人旅
D.アロマ検定
E.ピアノと英語の上達
問題49. 有安杏果が昔、出演した映画は次のどれでしょう?
1) パワーレンジャー
2) パワーエイジ 3
3) キャプテン・カリスマ 2 サマーソルジャー 4) 岸和田少年愚連隊 ゴーイング・マイ・ウェイ
問題50. 2015年11月に開催された有安杏果さんしか映らないライブビューイング企画『ありやスクリーン』。 その開演直前に書かれたメッセージとは?
1.今日は私が主役! 2.盛り上がっていくぞー
3.むっちゃ緊張する… 4. 私のエラがバレる
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me ñ are ñ la ñ Qreator ñ de ñ viajero ñ⠀⠀ ⠀⠀ you ñ is ñ iñ ñ the ñ ñeed ñ おいñ 種市はñ 左か?ñ おいñ なっñ なっñ なっñ おいñ 今ñ 5600Ñ?ñ あまりñ 意味ないñ 永久追放のñ ピーさんとñ 同じやろ?ñ 銀姐は?ñ 自分のñ またñ リードにñ 酔ってるの?ñ おいñ なっñ なっñ なっñ おいñ なっñ ゼク待ちñ 選手ñ スタッフはñ 絶対にñ見るなñ #選手ñ #スタッフのñ #安心#安全ñ #万が一の #補償 #保証してくれるならñ 派遣ñ さしたりしたいんやわñ 大丈夫か?ñ 球団がñ 全部ñ #胃腸薬ñ ボックス買いñ したれよñ 俺はñ いつものñ 京セラñドームñ 三ノ宮からñ 大吟醸ñ 飲んだらñ 着くよñ 背番号ñ あるんやろ?ñ 美味しくñ 調理したもの出してñ 手厚くñ 心温かくñ ベンチにñ 迎え入れたれñ なっñ なっñ なっñ おいñ パチンコのñ 777ñ みたいにñ 神風特攻隊ñみたいにñ 俺はñ スカッとñ スッキリしたいんよñ おいñ あとñ 左ñ スカッとñ スッキリしたñ 左投げのñ サウスポーñ おらんのか?ñ あとñ 4枚ñ どうすんねん?ñ おらんのか? the ñ spoñsors ñ añd ñ the ñ supporters ñ wañted ñ ⠀⠀ ⠀⠀ #faith #detox #love #añd #peacer https://www.instagram.com/p/CAH2Jp9AKX_/?igshid=3rso7mn8neiu
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『ドラゴンボール』をはじめとする数多くの名作コミックを生み出し、今もなお『僕のヒーローアカデミア』『鬼滅の刃』といった新たなヒット作を送り出している『週刊少年ジャンプ』。 (画像はDRAGON BALL 1 (ジャンプコミックス) | 鳥山 明 、僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス) | 堀越 耕平、鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス) | 吾峠 呼世晴 | Amazonより) そんな『ジャンプ』の強さの秘密はどこにあるのか。そして紙の雑誌の売れ行きが急速に落ち込んでいる現在、『ジャンプ』を中心とした少年漫画はこの先、どんな方向を目指していくべきなのか。 それは漫画業界だけでなく、『ジャンプ』の連載漫画を原作とした作品が大きなウェイトを占めているゲームやアニメなどの世界においても、大きな関心事だと言えるだろう。 2019年8月27日にDiscordで配信されたラジオ「居酒屋:でんふぁみにこげーまー」では、ホスト役にTAITAI編集長と鳥嶋和彦氏、鵜之澤伸氏、そしてゲストにサイバーコネクトツーの松山洋氏と、集英社の矢作康介氏を迎えて、「漫画はこの先どうしていくべきか?」というテーマについて、大いに語り合ってもらった。 放送に参加したメンバーのうち、白泉社代表取締役会長の鳥嶋氏は、かつて『週刊少年ジャンプ』編集者として鳥山明氏や桂正和氏を発掘し、後に『ジャンプ』第6代編集長を務めた人物だ。 そして矢作氏は、同じく『週刊少年ジャンプ』編集者として『NARUTO-ナルト-』を連載当初から約9年にわたって担当し、『ジャンプ』の副編集長を経て、現在は『月刊ジャンプスクエア』の編集長を務めている。つまり、『ドラゴンボール』と『NARUTO-ナルト-』を世界的な成功に導いた『ジャンプ』の元編集者が、漫画について語るというわけだ。 一方、鵜之澤氏は元バンダイナムコゲームス社長として、『ジャンプ』をはじめとする数々の漫画原作ゲームを世に送り出してきた。 そしてサイバーコネクトツー代表取締役社長の松山氏は、鵜之澤氏と協力して『NARUTO-ナルト-』や『ジョジョの奇妙な冒険』のゲームを制作してきただけでなく、ゲーム業界の中でもとりわけ漫画に対する愛情が強いことでも、広く知られている。 左奥から鳥嶋和彦氏、鵜之澤伸氏、TAITAI、左手前から松山洋氏、矢作康介氏 このようなメンバーが“居酒屋”のノリで自由なトークを繰り広げているだけに、登場する話題も非常に興味深いものだ。なかでも鳥嶋氏や矢作氏は、読者アンケートや連載会議といった『ジャンプ』編集部の“核心”部分を、元当事者の視点で明らかにしてくれている。 『ドラゴンボール』や『NARUTO-ナルト-』を、漫画家と共にいかにして作り上げていったかというエピソードは、ファンならずとも注目だ。 なお、この記事の内容は、「居酒屋:でんふぁみにこげーまー」で放送された発言に、放送後に行われた現場見学者との質疑応答を加えて、再構成したものとなっている。 聞き手/TAITAI 文/伊藤誠之介 編集/クリモトコウダイ 「僕は松山君のことを半分も理解していなかったようです」と、鳥嶋氏からのメールが ──それでは始めたいと思います。会場はすでに宴会ムードになっておりまして。唐突ですが、乾杯のコールから入りたいと思います。乾杯! 一同: カンパ~イ! ──もともと鳥嶋さん、松山さん、鵜之澤さん、集英社の矢作さんという4人での飲み会があったと聞きまして。ご存知の方も多いかもしれませんが、松山さんはすごいしゃべる方なんですね。ところがその会では、松山さんはなかなかしゃべれなかったらしいんですよ。 それで、あの松山さんがしゃべられなかったなんて、いったいどんな会話が繰り広げられたんだろうと、興味を持ったんです。なぜか?と聞いてみると、集英社の矢作さんが鳥嶋さんに対して、漫画について熱く語っていたらしくて、松山さんが介入する隙がなかったという話を聞いて。 その会を再現してみたら面白そうだなというのが、今回の趣旨になります。 松山氏: 覚えてないでしょ? 矢作氏: 覚えてない(笑)。 松山氏: じゃあ、覚えていないのは幸いだね。 矢作氏: もう一回話せるから。 ──そもそもは、矢作さんと鳥嶋さんのあいだでどんな話をしていたんですか? 鳥嶋氏: それがよく覚えていないんだよね(笑)。5時間半も盛り上がっていたのに、中身は誰もよく覚えていないという(笑)。 鳥嶋和彦氏 そもそものきっかけはね、松山さんが泥酔した写真がツイートに載っけられていて。それをたまたま見て「松山さん、どうしてるかな?」と思って連絡したんです。 松山氏: そうですね。 鳥嶋氏: 松山さんは『ジョジョの奇妙な冒険』のゲーム【※1】だとか、その前に『NARUTO-ナルト-』のゲーム【※2】を、非常にちゃんと作ってくれていて。 鵜之澤さんからも、九州のレベルファイブ、ガンバリオン、それからサイバー���ネクトツーが、非常にがんばっていると。バンダイナムコが頼りにして��るゲーム会社だという話を聞いていて、その存在自体は知っていたんです。だけど松山さんとは、挨拶するぐらいだったので。 ※ 1 『ジョジョの奇妙な冒険』のゲーム……サイバーコネクトツーは、2013年発売のPS3用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』と、2015年発売のPS3&PS4用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』の開発を担当している。 (画像はゲームソフト | ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン | プレイステーション より) ※2 『NARUTO-ナルト-』のゲーム……サイバーコネクトツーは、2003年発売のPS2用ソフト『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー』から、2016年発売のPS4用ソフト『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4』まで、『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズ14作品の開発を、13年以上にわたって続けてきた。 (画像はゲームソフト | NARUTO―ナルト― 疾風伝 ナルティメットストーム4 | プレイステーションより それで松山さんにメールを差し上げたら、本が2冊送られてきまして。1冊は『熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則』(星海社)という、どうやって今に至るか、なぜサイバーコネクトツーなのかという話。 それともう1冊、1人の少年を絡めての話があってね。『エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-』(KADOKAWA)という本。その2冊を読んだら、松山さんは面白い人だなと。 (画像は熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則 (星海社新書) 、エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの- | Amazonより) それで1冊目の中に、鵜之澤さんや矢作の話が出てきて、僕が知らなかったような話も書かれていて。だから4人で一回会って、話をしてみたいねということで、その4人で寿司屋で会ったのが始まりなんです。 松山氏: そうですね、もう何カ月も前の話ですけども。 鳥嶋氏: どうでした? メールが届いて。 松山氏: いやもう、メールの一行目から怖かったんですけど(笑)。普通ほら、「サイバーコネクトツー 松山様」とか、あるじゃないですか。そういうのが何もないですから。いきなり1行目に、「僕は松山君のことを半分も理解していなかったようです」と書いてあって。もうスクロールさせるのが怖くて(笑)。メールの下のほうに何を書いてあるのかなと。 松山洋氏 そうしたら、私の書いた本を読んでくださって、面白かったと。つきましては、本に登場している2人を呼ぶから、一回4人でご飯を食べようと言っていただいて。それでお店に入ったら……まぁ、5時間半でしたよ。 鳥嶋氏: そんなにしゃべってた?(笑) 鵜之澤氏: あの時はシラフだよね? 松山氏: ビールを飲んでノンアル飲んでというのを交互で。ていうか、あの日からですから。オレはあの日以降、アルコールを飲んだら同じ量のノンアルコールを飲むというルールを作って。 なにしろあの場で鵜之澤さんがオレに対して、めちゃめちゃブチギレたので。鳥嶋さんの会なのに、その横でなぜか鵜之澤さんが、めっちゃ怒ってましたからね。 鵜之澤氏: あの時ね、矢作さんがちょっと遅れて来たんだけど、その時もお前が酔っ払った話しかしてなかったの。 鵜之澤伸氏 そんなふうにお前が酔っ払ってるのを、みんなに知られているのはマズいなと。一応、社長じゃないですか。 今、ゲームってお金がかかるじゃないですか。バンダイナムコはそれだけのお金をこの男に任せて、ましてやこの男の思いだけでゲームができあがっているようなものなのに、その社長がどっかで酔っ払って、まるで死んだみたいな格好になってると。 これは経営問題だ、取引停止にするぞと怒ったら、多少は抑えるようになったのよ。良い話ですよ(笑)。 松山氏: 久々に、大人から頭ごなしに怒られた感じがして(笑)。 鵜之澤氏: 本当は、私が鳥嶋さんに怒られるぐらいのつもりで行ってたのに(笑)。 松山氏: まさか真横のバンダイナムコから怒られるという(笑)。 鳥嶋氏: いやでもね、その後で『若ゲのいたり』という漫画があって。あの中に松山さんと鵜之澤さんのエピソードがあった時に、「これはいかにも鵜之澤さんらしいエピソードだな」と。あのやり取りの状況が目の前にあったんだなと、後から思ったね(笑)。 矢作氏: 僕はそのやり取りが終わってから入っていったんですよ、その日は。 松山氏: さんざん怒られた後でしたね。 矢作氏: 遅れて入ったので、今、そういう話だったんだと分かりました。いなくて良かったと思いました(笑)。 矢作康介氏 鳥嶋氏: 遅れて入ってきて、このテンションで矢作は大丈夫かな? と思って。それで一言振ったんだよね。「今どう? 編集部の状況は」って。 そうしたら、ものすごく真剣に、いろんな話を始めて。それで違う形で盛り上がったんだよね。 ──その話は、どういうものだったんですか? 矢作氏: それがぜんぜん覚えてないですよ(笑)。その時に憤っていたことを、鳥嶋さんだからしゃべったんだと思うんですけど。ちょっと覚えてないですね。 鳥嶋氏: じゃあ今日現在、憤っていることを(笑)。 矢作氏: 話が進められなくなりますよ。「ピー」って流さないと(笑)。 鳥嶋氏: じゃあ、ここしばらく憤っていることを話してみて。 矢作氏: そんなにはないですけどね。なんて言ったらいいんだろう、難しいじゃないですか。話の流れの中で言いたいですよね。 鳥嶋氏: でも会社、ロクでもないでしょ? 矢作氏: いや、そんなことないですよ(笑)。 松山氏: 「そうですね」って、絶対に言えないじゃないですか(笑)。 鳥嶋氏: 矢作さんの会社って、どんな会社なのか知らないんだけど。ひょっとして、小学館の方でしたっけ?(笑) 一同: (爆笑) 同じ漫画を10年も20年も連載して、それで完結しないお話って何なの!? 松山氏: ちょっと1つお伺いしたいですけど。『ベルセルク』【※】、ついにキャスカが目覚めましたね。 ※『ベルセルク』……三浦建太郎氏により1989年から執筆されているダーク・ファンタジーコミック。主人公ガッツの親友グリフィスが魔に落ちた「蝕」の際に、女剣士キャスカは凌辱されて正気を失っていたが、2018年に刊行された第40巻で、ついに意識を取り戻した。 (画像はベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス) | Amazonより) 鳥嶋氏: あんまり関心がない。 松山氏: ええッ!? 22年ぶりですよ、キャスカ。 鳥嶋氏: 三浦さん本人にも言ったけど、「蝕」以降の『ベルセルク』って、話の展開があんまり好きじゃないんだ。正直言って、読者として興味がないから、読んでない。ごめん(笑)。 松山氏: 白泉社の方ですよね? 鳥嶋氏: オレはもう会長で、現場に直接の責任はないから(笑)。 でもね……旬の時に描き切っていなくて、話の流れの中で今ここに来て描くというのは、ファンにとっては良いかもしれないけど、ほとんどの人にとっては「だから?」って感じがあると思う。 身も蓋もない言い方だけど、同じ漫画を10年も20年もやっちゃダメ。 なぜかというと、週刊誌って年間50冊でしょ。50話だよね。ということは、10年間やったら500話だ。それで完結しない話って何なの? 基本的に1カ月に4週じゃない、週刊誌は。だったら4週で1エピソード、サイクルで終えて行かなきゃいけない。 せめて2カ月だよね。それが何カ月も続くと、新しい読者が入ってこれなくなる。漫画の良さって、誰でも読める、誰でも入ってこられる、いちばん安価な娯楽だから。それが途中から入っていけない形になってるのは、ビジネスとしてマズい作り方だと思う。 これを言うと、元いた会社批判になっちゃうけど。僕が会社に入った時の野球漫画が読めなかったんですよ。 なぜかというと、ボール一球を投げるのに何カ月もかかってる。冗談じゃないと。 アンケートがあるから、山場をずっと見せたいという気持ちは分かるけど、そこのところを誤解すると、ある種のオナニーになっちゃう。やっぱり、もうちょっと見たいっていう時に切っていくとかね、どういうふうに読者を意識しながら綱引きをするかを、やらなきゃいけない。 そういう意味で言うと、今は編集者が作家に寄りすぎていて、作家と読者の中間にちゃんと位置していない感じです。ということで、矢作さんにお返ししましょう(笑)。 矢作氏: まあでもやっぱり、引き込まれていっちゃうというのはありますね。あと、これだけの数のお客さんを掴んだら、そのお客さんを楽しませるように作るというのも、1つの考え方になっているかもしれないと思って。 本当に、新しい読者を入れる努力というのは難しくて。 たとえば、雑誌には「このタイミングで売るぞ」というのがあるんです。スゴい作家が新連載を始めるとか。 その時に僕らとしては、ここから読んでくれる読者、新しく入ってくれる読者がいるわけだから、その新しい読者に向けて、今やってる連載を読んでもらえるようにしなさい、という話をするわけですよ。 でも、これまでの展開とか自分のやりたいことに引きずられていって、そこにきちんとついてこれる作家さんは少なくて。そんななかで、本当に新しい読者を取り込んでいきたいという貪欲な人は、そこにしがみついてくる。 どんどんと貪欲に行く作家さんもいるし、「もうオレはいいよ」という人もいるんで、そこは一概に言えないところもあると思うんですけど。 『ジャンプ』で連載している漫画家なら、全員がアンケート1位を目指している 鳥嶋氏: 松山さんに2つ、漫画ファンということで聞いてみたいことがあるんです。 まず1つ目。ナンバーワンの漫画が10年変わらないということは、雑誌のカラーが10年間変わらないわけですよ。そんな雑誌をあなたは見たいと思いますか? 2つ目。何週かに1回お休みして、良い原稿を描く。 単行本も売れます。だけど載っている号と載っていない号がある。載っていない号は、その漫画のファンからすると欠陥商品だよね。それでもあなたはその雑誌を買いますか? この2つを答えてください。 松山氏: マジメに答えちゃうと、どっちも「NO」ですね。 10年間同じ作品が1位を取ってるのは、やっぱりおかしいですよ。新しい作品が次から次に、予想もしなかった新しいエンタメが生まれてくるのが、そもそも『少年ジャンプ』だったわけじゃないですか。言い方が悪いですけど、蟲毒みたいな場所で。……これはたとえが悪いな(笑)。 だけどやっぱり他誌��比べて、化け物みたいな発明作品が生まれるのが、『ジャンプ』だと思います。しかも、そういうメガヒットを生み出す人はみんな、ベ��ランじゃなくて若手じゃないですか。 それこそが『ジャンプ』だと、私はずっと思っているので。 矢作氏: 『ジャンプ』でも、みんなトップを目指しているとは思うんですよ。ただ結果的に、1位の作品が他から抜かれなかっただけで。 それにいちばん辛いのは、トップに立った人ですよ。だって抜かれたくないじゃないですか。 そうすると、ずっとトップを取り続けないといけないんですよ。僕だって、自分が担当した作品でトップを一回取ったら、次の週からゲロ吐きそうになりますよ。だって落ちちゃうしかないんだもん(笑)。 ところがそれをね、クリアし続ける漫画もたしかにあるんですよ、『ドラゴンボール』とか。アンケートで800票とか取っちゃうと、「あぁ勝てないな」みたいな。 もちろん、そういう「勝てない」という気持ちは、持っちゃいけないと思うんですけど。 ただ、僕らの頃はやっぱり、絶対に1位になるというのを目指していましたから。アンケートで1位になったら、編集者が漫画家の言うことをなんでも聞いてくれる、ってことにしたりして。 たとえば自由に描かせてもらうとか。 僕が高橋陽一先生から聞いたのは、「原稿のフキダシにセリフを書かなくていい」と。「自分の代わりに担当編集が全部、ネームから書き写してくれるんだ」って。 『キャプテン翼』が過去に1位を取った時にそういうシステムを考案して、そのおかげで僕が担当になったら、ずっと書き写すハメになったんですけど(笑)。 鳥嶋氏: それはダメでしょ(笑)。 矢作氏: でもそれは、高橋先生が自分でそう言って、達成して得た権利ですから。僕はそれに対して文句を言いたいわけじゃなくて。 要するに、読者アンケートで1位を取るというのは、『ジャンプ』においては全作家の目標なんですよ。『ジャンプ』の漫画って、20本しかないじゃないですか。 20本の中の1位って、イメージしやすいんですよ。アレとアレが1位、2位、3位となったら、それを超えればいいんだと。 だから結果的に、1位の漫画はずっと変わらないように見えるかもしれないですけど、じつは週ごとには、けっこう入れ替わったりしているところもあるんですよ。 松山氏: たとえば今って、載れば1位の『ONE PIECE』があって、絶対に不動の1位じゃないですか。 (画像はONE PIECE 1 (��ャンプコミックス) | 尾田 栄一郎 |Amazonより) 矢作氏: でも『ONE PIECE』だって、抜かれる時はあるし。 松山氏: あるんですか!? 矢作氏: ありますよ、それは。僕も抜いた時はありますし。 松山氏: それは『NARUTO-ナルト-』でしょ。 (画像はNARUTO-ナルト- 1 (ジャンプコミックス) | 岸本 斉史 |Amazonより) 矢作氏: 『NARUTO-ナルト-』でもありますし、他の漫画が抜いてるのを見たこともありますよ。 ただ年間1位は当然、ダントツで『ONE PIECE』です。10年続くのはおかしいと言われても、それはやっぱり尾田栄一郎先生の努力がナンバーワンだからだと思うんですよね。 なんか変な力が加わって1位になってるわけではないですから。読者は本当に面白いものを1位にするので。 松山氏: それは間違いなくそうですよね。 矢作氏: 尾田先生の何がスゴいかというと、今でも進化しているところがあって。 「なんでもいいから欠点を言え」って、編集者に言うんですって。そこに尾田先生の凄みがあるというか。なんか、若い編集者が愚にもつかないことを言っても、尾田先生にはそれを取り入れる感じがあるんですよね。 松山氏: 毎週のネームで、強いてあげればどこが気になるかというのを、必ず担当の方に言わせるらしいんですよ。 鳥嶋氏: そんなの当たり前じゃん。 松山氏: もちろんそうですけどぉ(笑)。 矢作氏: 新入社員が担当になったら、そんなの普通は何も言えないですよ。そもそも数年前まで、卒業文集に「『ONE PIECE』大好き」って書いたりしていた人間なんですから。 松山氏: 子どもの時に読んでいた『ONE PIECE』の作家さんですからね。 新人漫画家のデビュー作を表紙にする雑誌なんて、世界の中で『ジャンプ』だけ 鳥嶋氏: ずっと1位の話はちょっと置いといてね、僕は鵜之澤さんに話を振って聞いてみたいんだけど。 矢作も僕も、『少年ジャンプ』の編集部にどっぷり浸かってきたわけですけど。そうすると外から見てね、『ジャンプ』編集部のこういう、良くも悪くも煮詰まっている感じ、それはどういうふうに見えてました? 鵜之澤さんは『ジャンプ』以外の漫画雑誌やその編集部も知っていると思うんですけど。 鵜之澤氏: いろんな漫画が原作のゲームをやらせてもらうけど、やっぱり『ジャンプ』って別だよね。一個だけまったく別の体系っていうんですかね。 NHKのドキュメントでもやってましたけど、編集部自体が下克上じゃないですか。電話を誰よりも早く取って有望な新人を捕まえよう、みたいな。 松山氏: 編集部全員がライバルですからね。 鵜之澤氏: 僕のいたバンダイも、けっこうエグい会社でしたけどね。わりと肉食系の、狩猟民族と言われていたんだけど。でもそれ以上に、『ジャンプ』はスゴイなと思うし。 その結果として、バンダイナムコが商売をさせてもらうと、売れるのが『ジャンプ』モノばっかりになるでしょ。面白い原作は集英社以外でもいっぱいあるんだけど、売り上げはそこまでいかないんだよね。 これが不思議なところで。 松山氏: バンダイナムコのそこそこの成分が、『ドラゴンボール』と『ONE PIECE』と『NARUTO-ナルト-』でできてますから(笑)。 鵜之澤氏: あと『ガンダム』ね(笑)。戦隊、ライダーという子ども向けのものもあるけど、小学校高学年以上だと『ジャンプ』になっちゃうんだよね。 僕はたまたま『機動警察パトレイバー』【※】とかをやってたんで、『週刊少年サンデー』編集部なんかも当時、いろいろ行ったりしていたんだけど、向こうは平和ですよ(笑)。空気がぜんぜん違う。 ※『機動警察パトレイバー』……作業用ロボット「レイバー」が普及した東京を舞台とする、アニメ・コミックなど多岐に渡るメディアミックスプロジェクト。ゆうきまさみ氏による漫画版は、1988年から1994年まで『週刊少年サンデー』で連載された。 (画像は愛蔵版機動警察パトレイバー (1) (少年サンデーコミックススペシャル) | ゆうき まさみ | Amazonより) どっちが好きかというとまた別だから。単純に漫画雑誌で言うと、僕は『サンデー』がけっこう好きで。 でも『ジャンプ』ってまったく別物だもんね。今の10年続いたりする話とかも、僕は特殊だと思うし。 誰にでも分かりやすくないと、1位にはなれないじゃないですか。いくら作家性があったからといって、たとえば大友克洋が描いたからって、必ず1位になるわけではないですから。 矢作氏: それとは別のベクトルになっちゃうんですよね、売れるとか、話題になるとかいったことは。 『ジャンプ』は若者どうしが組んで、そういうものを生み出すんです、『バクマン。』じゃないですけど。ベテランが活躍するところでは一切なくて。 (画像はバクマン。 1 (ジャンプコミックス) | 小畑 健, 大場 つぐみ | Amazonより) たとえば、鳥嶋さんや僕が新しい漫画を立ち上げて、スゴい漫画を作ろうという発想は、『ジャンプ』ではゼロなんです。新入社員が入ってきて、その新入社員と同じぐらいの年齢の漫画家と出会って。 『ジャンプ』って、みんなが最初に読んでいた漫画雑誌だから、みんなが持ち込みに来てくれるんですよ。 そうするとそこにいる編集者が、どんなに若い漫画家だろうとちゃんと相手をして、付き合ってくれるんです。 だから漫画家としては、この人の言うことをちゃんと聞こうと思うし、その漫画家の姿を見て、編集者のほうも成長していく。この人に尽くさないといけないと、お互いに思うようになって伸びていく。 そうやって1位になるじゃないですか。1位になってなくてもある程度の順位になると、今度はそこから落ちたくない。それも漫画家だけじゃなくて、編集者にとっても自分ごとなんです。 だけどベテランの編集者がついちゃうと、そうでもないというか。わりと客観的に「それはそうだよな」「この位置だよな」と見えちゃうというのが、僕らはあるんですよね。 だから『ジャンプ』編集部って、歳を取ったらみんな外に出ていくし。 鵜之澤氏: それはあえて出すの? それとも自然と出ていっちゃうの? 鳥嶋氏: どっちを? 鵜之澤氏: 両方ですよ。編集者も漫画家も。 矢作氏: 編集者も漫画家も、両方ですね。 『ジャンプ』としては、新連載は新しい漫画家でやりたいと。まったく世の中に出ていない作家、この漫画で初めて世に出る作家を、新連載号の表紙にするんですよ。そんな雑誌なんて『ジャンプ』しかないですよ、たぶん世界中で。 だからそのぐらい、他の雑誌とはやり方が違うんです。方法論が違うし、考え方も違うし。 そういう雑誌だと思います。だから唯一売れているんだろうし、新しいものも出てくるし。 鵜之澤氏: 逆に言うと、他の雑誌は何でやらないの? 矢作氏: できないですよ。怖いし。 鵜之澤氏: アンケートハガキを入れて、それを冷酷なまでにやるっていう。今のソシャゲみたいに。 松山氏: アンケートやKPIだけの話じゃ、たぶんないんですよね。他の雑誌にもアンケートは付いてますし、もちろん集計もしてますから。 鳥嶋氏: だからもう1回、『ジャンプ』が大好きな松山君に質問します。 「面白いもの3つに○をつけてください」っていうハガキがあるじゃないですか。今、鵜之澤さんから出た『ジャンプ』のアンケートシステムね。批判の的でもあるけれど。 松山さんはたとえばハガキを送るとして、20本全部読んで、点数をつけて、上位3つに○をつける? 面白いもの3つって、どういう心持ちで○をつけると思います? 松山氏: 私は子どもの時も含めて、アンケートに○をつけて送っていた側なので。その時の感覚で言うと、私はこの週の『ジャンプ』でいちばん面白かったもの3つを、ちゃんと選んでいましたね。 鳥嶋氏: ほう。 松山氏: もともとこの作品は好きなんだけども、今週はちょっとそうじゃなかったというのは、入れていなかったです。 矢作氏: ちゃんと批判もするんだ。 鳥嶋氏: これは、ちょっと少ない気がするな(笑)。 矢作氏: 珍しいタイプですよね。 松山氏: ほとんどの人が、みんなまず盲目的に『ONE PIECE』は絶対につけちゃうと思うんですよ。 鳥嶋氏: だいたいは、もともと好きなもの3つなんですね。あとはその時に目に留まったもので。 これを言うと極論だけど、面白いか面白くないかは、あまり関係がないの。だって1本の漫画の19ページは「悩んでも19ページ」だから。 要するに、一生懸命考えた19ページでも、印象に残っているコマがいくつかあっての19ページでも、○がついたものが勝ちなんですよ。 ということは、一週間の使い方を間違えて、7日間のところを9日間使って漫画を描きました、今週は面白いですよと言っても、次の週で使えるのは5日になっちゃうんですよ。そうなるぐらいなら「今週はもうこれでいいや」って割り切るべき。 だから鳥山君が『Dr.スランプ』から『ドラゴンボール』に変わった時に、「鳥嶋さん、ストーリー漫画はラクでいいですね、ページが来たら終わりますから」と言ったんですよ(笑)。 (画像はDr.スランプ 1 (ジャンプコミックス) | 鳥山 明 | Amazonより) 松山氏: ギャグ漫画は1話完結で、オチをつけないといけないから。 矢作氏: それはある種の境地ですよね。 『ドラゴンボール』��魔人ブウ編の前に終了できなかったのは、今もって悔いている 松山氏: だけど私の感覚だと、『ドラゴンボール』の連載は延べ11年、少年編から最後の魔人ブウの戦いまでで、10年ちょっとなんですけども。 『ドラゴンボール』がそれだけ長く続いたことが、その後の『ジャンプ』の漫画が長くなったきっかけになっている気がするんですよ。 それ以降だと、『ONE PIECE』も『NARUTO-ナルト-』も10年以上やってるし、『銀魂』も『BLEACH』もやってるじゃないですか。そういう長寿連載って、今は『ONE PIECE』以外はだいたい終わりましたけど。 (画像は銀魂-ぎんたま- 1 | 空知 英秋 、BLEACH 1 (ジャンプコミックス) | 久保 帯人 | Amazonより) 鳥嶋氏: それはね、オレはもう卒業生だから言っちゃうけど、『ドラゴンボール』は止めたかったのに止めさせてもらえなかったんだよ。はっきり言うと、僕の前の編集長とその前の編集長の判断だよね。 あの時、僕が『Vジャンプ』にいて、鳥山君を助けてあげられなかったのは、今もって悔いている。魔人ブウ編はやるべきじゃなかったよね。 どういうことかと言うと、前の編集長と前の前の編集長は、雑誌の部数しか見ていない。誰が描いていて、誰が支持しているかを見ていない。 お金を払ってるのは読者。描いているのは作家。会社のためじゃないんだよね、オレたちがやってるのは。読者のためなんだ。それを忘れちゃうと、ああいうことになる。 それで『ジャンプ』の部数は、『ドラゴンボール』が終わってどんどん落ちた。結果、僕はそのために『Vジャンプ』から『少年ジャンプ』に戻された。 矢作氏: 怒ってましたね、当時(笑)。「ふざけんな」って。その下につく人たちの気持ち、分かります?(笑) 鳥嶋氏: ハハハ(笑)。さっき矢作が言った、新人の新連載で表紙にするっていうのは、じつは僕が戻ってからなの。 矢作氏: そうでしたっけ。そうなんだ。 鳥嶋氏: それはどうしてかというと、やっぱり戻った時に「『ジャンプ』って何だろう?」って、もう一回問い直さざるを得ないわけ。ガタガタになっているわけだから。 部数は一見すると、まだ600万部弱ぐらいあるんだけど、この先もう落ちていくのは見えてるし。編集部はみんな暗い顔をしてるし、会社の中はガタガタしてるし。 松山氏: それでも600万部ですけどね。 鳥嶋氏: そうやって問い直すと、さっき矢作が言ったように、『ジャンプ』には新人の新連載しかないわけ。なぜ新人の新連載をやるかというと、読者にいちばん近い感覚でモノを作っているから。空気感をつかんでいるから。 ただ新人だから、絵がヘタじゃん。構成力もないじゃん。だからそれをちゃんとした形にするには、編集と打ち合わせをしなきゃいけない。それで形にするわけ。 もう1つ、新人の新連載は何が良いかと言うと、さっき矢作が言った通り、作家と編集者が一緒に育っていくから、何かを掴んだ時の覚醒力、爆発力が違う。ホントに一気に伸びるから。 まるで3歳馬がダービーに出たら一気にクラシックで勝てるようになった、あんな感じだよね。 矢作氏: 編集も2回までは使えると思っていて。1本、新人と一緒に当てるじゃないですか。そうすると、次の作品までは使えるんですよ。 その次のもう1本は、編集者が道理を知りすぎちゃって、自分の方向性に持って行こうとし過ぎちゃって、作家の良さが活かしきれない。だから編集もどんどん追い出したほうがいい。 鳥嶋氏: それはその通りで、作家にしても連載を続けて3回失敗したら、もう無理。その作家に関しては可能性がない。『ジャンプ』においてはね。 僕が編集部に戻った時は、そういう作家が多かったの。「新連載」って言ってるけど、失敗した作家がまた違うものをやってるわけ。でも読者は見てるから。「これじゃあパチンコ屋の新装開店と一緒じゃないか」って��笑)。 矢作氏: いやでも新人の新連載は、やっぱりこの表紙じゃ売れないなと思ってましたよ(笑)。表紙を見て「これで売れるのかなぁ」と思ったら、やっぱり部数が落ちるんですよね、結局は。 松山氏: 今でも思いますよ。 矢作氏: 「この雑誌、欲しくねぇな」って思うじゃないですか。でもそういう作家が、将来的に売れてくる。 鳥嶋氏: 『ジャンプ』の新人の新連載は、4色(カラーページ)の使い方を見てください。センスないですよ。あれだけカラーページがあるのに、何を描いているんだと思う。 矢作氏: 4色はみんなヘタですよ、最初は。 鳥嶋氏: そんなにヘタな新人になぜ表紙を描かせるか、分かります? 会社の部数会議でも、ロクでもないことを言われるわけ。「絵がヘタだね、当たるのこれ?」って聞かれたら、どう答えるの? 編集長として。 松山氏: 聞いている限りの理解で言うと、新人作家を生み出すことを一番に重きを置いているというのが『ジャンプ』の姿勢であって。 1話の巻頭カラーと表紙に関してはある種、ご祝儀みたいなもんだという感覚ですよね? 鳥嶋氏: 松山さんが今言ったように、『ジャンプ』の覚悟を見せるわけ。そのことをちゃんと重みに感じて描いてほしい。でも3週目のアンケートの結果によってはもう、終了候補になってしまう(笑)。 矢作氏: そうなんですよ。『ジャンプ』で新連載が始まる時に、表紙をやるというのが当たり前のことになっている。読者も編集者も。 だけど結局、それが売れるか売れないかというのを、どこまで考えるかということが大切で。 それを考えている人って、わりと残っていくなと。「そうか、新しいものを『ジャンプ』で始めようと思っているんだな」という雰囲気を出してくる人は、やっぱり漫画も新しいものを描いてくる。 新しいものを世に出すのは勇気がいるが、新しいものしか起爆力を持たない 鳥嶋氏: でも昨日ね、『ルパン三世』のアニメは最初の放送ではぜんぜん当たらなくて、再放送でブレイクしたっていう話を、BSの番組で見たの。アニメーションで言えば『ガンダム』もそうだし、『エヴァンゲリオン』もそうだし。 新しいものが最初に出てきた時には、なかなか見ている人に対して刺さらない。そのへんはどうですか? (画像はAmazon.co.jp | ルパン三世 first-TV. BD-1 [Blu-ray]、新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray STANDARD EDITIONより) 鵜之澤氏: 狙ったターゲットとは違うところで当たるもののほうが、残りますよね。だって『ガンダム』なんかね、最初は子どもに超合金みたいなものを売るためにやってるわけですよ。要するに幼稚園から小学校低学年向け。 それであの内容はないよね、あり得ないよね(笑)。あれは完全にスタッフがスポンサーを騙したよね。最初のスポンサーはバンダイじゃないんだけど。 矢作氏: でもアニメってけっこう、そういう歴史ですよね。 松山氏: 『進撃の巨人』もある意味、そうじゃないですか。 (画像は進撃の巨人(1) (少年マガジンKC) | 諫山 創 | Amazonより) 鳥嶋氏: だからやっぱり、新しいものを世に出すのには勇気がいるけど、新しいものしか起爆力を持たないんですよ。時代を変えてきたのはみんな、そういうものなんです。 松山氏: その新しいものを作り続けるためにも、冒頭の話に戻るかもしれないですけど、10年はサイクルが長すぎだと思うんです。私は5年でいいと思うんですよ。どれだけ長くても5年。 だって、私が大好きだった『リングにかけろ』も『北斗の拳』も『聖闘士星矢』も、どれも連載期間は5年ぐらいじゃないですか。それぞれが。 (画像はリングにかけろ1 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 車田正美、北斗の拳 1巻 | 武論尊, 原哲夫 | Kindleストア、聖闘士星矢 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 車田正美 | Amazonより) 矢作氏: 全部好き(笑)。 松山氏: ですよね(笑)。たった5年の連載がそれぞれ、一財産稼げる伝説の作品になってるわけじゃないですか。『スラムダンク』だってそうだったわけですから。 (画像はSLAM DUNK 1 (ジャンプコミックス) | 井上 雄彦 | Amazonより) 矢作氏: 『スラムダンク』の連載期間は? 松山氏: 5年半ぐらいですね。 鳥嶋氏: 『スラムダンク』は作家がね、あそこでね。 松山氏: いやいやいやいや(笑)。 矢作氏: 危ない、危ない(笑)。僕なんて、どんだけ読んだか分かんないですよ。 鳥嶋氏: でも松山さんが言ったように、昔は『ジャンプ』でも連載が1年を超えるたびに表彰式をやって、5年を過ぎるとハワイ旅行に行けるっていうご褒美があったの。 松山氏: 作家先生に対して? 鳥嶋氏: 奥さんとどうぞとか、アシスタントとどうぞとか。それで6年目からは、好きなところに行っていいの。 矢作氏: しかも、誰も行ってないんですよね(笑)。 松山氏: あっ、そうなの!? 鳥嶋氏: それは逆に言うと、連載が5年を超えるのが、いかに難しいかということ。ところが今や、いとも簡単だもん。 なぜある時期から『ジャンプ』の連載が長期化したか。 『ONE PIECE』が出てきた時は、『ジャンプ』の部数がどんどん落ちてる最中なんですよ。雑誌の力がない時の1位なの、イヤな言い方をすると。だから長く続いたっていう見え方もある。 矢作氏: コメントしづらい(笑)。 一同: (苦笑) 鳥嶋氏: だからこれは『ONE PIECE』の責任とか、他の漫画の責任どうこうよりも、『ジャンプ』という雑誌自体の持っている生命力とか、市場性の問題が片方にあるんじゃないかと。 鳥嶋氏が明かす『少年ジャンプ』連載会議の茶封筒システム ──でも『ジャンプ』って、一線級の場にド新人がいきなり乗り込んでくるという、めちゃくちゃ珍しい場じゃないですか。広くエンタメを見渡しても、そんな場って世界中であります? Steamとかで、新興のデベロッパーのゲームがたまたま売れたとかいうことはあっても、『ジャンプ』って本当に、新人を強制的にスターダムに乗っけるシステムになっていて。 じつは以前、鳥嶋さんに、『ジャンプ』の編集の仕組みの話を伺ったことがあって。 松山氏: それは連載会議を取材したんですか? ──直接取材したわけではなくて、『ジャンプ』がどういうシステムで動いているのか、鳥嶋さんが知っている時代の話を聞いたんです。その時に感じたのが、属人性がないところで。 有名なアンケートシステムにしたって、連載が始まる���どうかは編集長が気に入ったら採用とかじゃなくて、あくまで「仕組み」なんですよね。とにかくシステマチックに回っていく形で。 一方で、他の漫画雑誌の話を聞くと、やっぱり属人的な裁量の部分に比重があるように感じるんです。 松山氏: 私が知る限り、アンケートはじつは結果だけの話であって。『ジャンプ』でいちばんスゴいのは、新連載を始めるかどうかを決める連載会議なんです。 さっきから出ている話だと、『ジャンプ』って名もなき新人がポッと出てくるみたいに聞こえるから、簡単に載りそうに感じるかもしれないですけど。 『鬼滅の刃』の吾峠先生の話を伺ったんですけども、あの人は1年以上に渡って編集部にネームを持ち込んで、描き直して、描き直して、持ち込み続けて1年以上たって、ようやく連載会議にかかったと。 それで載ったのが『鬼滅の刃』ですから。その間は、複数人で判断をしているわけじゃないですか。3話分の連載ネームを見て。 鳥嶋氏: 担当に力がなかったんじゃない? 矢作氏: いやいやいや!(笑) 松山氏: こら!(笑) 矢作氏: でも『ONE PIECE』だってそうですよ。連載が決まるまでに1年ぐらいかかったんですよ。 松山氏: 1年かかったんですか! 『ONE PIECE』が!? 鵜之澤氏: そうなんだ! 鳥嶋氏: かかったね。連載会議で通ったのは、3回目だから。 松山氏: 3回テーブルに上がって、2回落ちてるんですか!? 矢作氏: 僕はその時の連載会議には出てないんですよ、まだ若かったから。だから下で見ていて「こんなに面白い漫画がなんで通らないんだろう?」って、ずっと思ってました。 ──その時の編集長が鳥嶋さんですよね。 鳥嶋氏: なぜ通らなかったのか簡単に言うと、構成がメチャメチャだったから。 矢作氏: 今、そう言われると分かるんです。でも当時は「こんなに面白いものが通らないってどうなの?」って思ってました。 鳥嶋氏: 持ち込みから連載に至るまで、どういうふうに進むかっていう話を簡単にすると。 まず投稿なり持ち込みで、その作家に編集者がつきますよね。そうすると編集者は編集部に対して、この作家がどういう作品を描いて、どのぐらいの力があるヤツなのかというのを、アピールしないといけない。 そのためには増刊に載っけたり、副編集長が「本誌に読み切り枠があるから出して」って言って、そこからセレクションされて載ったりするわけ。その中でアンケートの票とか、他の連載との票の兼ね合いで、こいつは可能性がある、こいつはない、というのを見ていく。 そうすると、3~4名の編集スタッフの前にデスクがいるんだけど、このデスクが「そろそろ連載でもやってみたら」と声をかけるの。 それで作家と編集スタッフが、3回分の連載ネームを作るわけ。デスクが無能で一向にそういうことを言わなかったら、勝手に作って出したりするんだろうけど(笑)。 それで、デスクが「これは可能性があるな」って思ったら、副編集長のところに上げられる。そこでようやく、連載会議にかかるかどうかが決まるの。 松山氏: 連載会議にかかるかどうかは、副編集長が判断するんですか? 鳥嶋氏: デスクの判断です。それで連載会議にかけて、3本終わったら3本始めるわけ。4本始めるんだったら、4本終わる。 松山氏: それはどっちなんですか? 連載が終わるから新連載を始めるのか、新連載を始めるから終わるのか。 鳥嶋氏: 新しく起こす漫画と、やめる漫画の兼ね合いで見ている。バランスを。 松山氏: 3つ始まるから3つやめましょう、ではないんですか? 鳥嶋氏: 違う。何を始めたいかで、終わるものを決める。たとえば年少向けの漫画が3本始まるんだったら、年齢が上に向けたものを残すとか、そういうバランスを見るの。 大事なことは、その過程を全部オープンにするんですよ。 「上書き」って言って、茶封筒に担当がタイトル・作家名・1話何ページ・2話何ページって書いて、担当が自分で推薦する言葉を書いて、その茶封筒に3回分の連載ネームとキャラ表を入れて回すわけ。 するとデスクがそれに対して「これは今回いけると思う、こういう問題点はあるけど」と、茶封筒にコメントを書く。 それでデスクを通って連載会議に出ることになったら、他の班のデスクも副編も、同じようにコメントを書くんですよ。 松山氏: 『バクマン。』に載ってた通りや! 矢作氏: その通り。 鳥嶋氏: その茶封筒が、副編の机の上に重ねて置かれるわけ。するとそれを編集部全員が見る。 松山氏: 誰がどういうコメントを書いたか、丸見えなんですね。 鳥嶋氏: 知恵が回る担当だと、「この3話目は弱いな」って、茶封筒の中身のネームをこっそり差し替えたりするの。ギリギリで。 松山氏: 途中で!? それアリなの? 鳥嶋氏: ありあり。差し替えもあり。 矢作氏: 良くなるんだったらアリですよ。 鳥嶋氏: 他の担当から出てきたものを見て、「これだと負けそうだから露出を多くしよう」とかね。そういうことも含めてやります。 松山氏: リアルタイムに変えてるんだ! 鳥嶋氏: それで連載会議にかけて、1本1本落としていくわけ。ディスカッションしていく。だいたい2時間か3時間ぐらいでね。 そこで、自分のデスクがちゃんと自分の作品を推してくれないとか、返ってきたコメントが中途半端だったりすると大変だよ。もうね、火を吹くから。「何なんですか、あなたは!?」って。 鵜之澤氏: それ、言えるんだ。 鳥嶋氏: 言える。僕なんか、茶封筒にお手紙を貼られたことがありますよ、編集スタッフから。 松山氏: それはなんて書いてあるんですか? 鳥嶋氏: 「納得がいかない」とか、直訴状が(笑)。イヤだなぁ、これ読みたくないなぁって。みんなニコニコして見てるんだけど。 松山氏: その作品が落ちたのも、会議の中で明確な理由があって落ちてるわけじゃないですか。 鳥嶋氏: それをちゃんと伝えてるんだよ。でも納得がいかないと。 松山氏: それでも納得いかないんですか!? 鳥嶋氏: だから、ここで大事なのはね、常にオープンに作品論を、その競争原理の中でやっているから、ちゃんとした作品評価軸を持たない人間は、幹部としてやっていけないし、信用がないんですよ。 だから作品をヒットさせてないヤツは副編集長になれない。そこは『ジャンプ』のね、明快なところです。 矢作氏: 「お前に言われたくねぇよ」ってなるから。 松山氏: あぁ、なるほど。その目利き集団が『ジャンプ』編集部の強みということですね。 鳥嶋氏: そう。あと、新入社員を優先的に2人とか3人、『ジャンプ』編集部に入れるわけですよ。その代わりに3人を必ず��に出すわけ。それは編集長に指名権がある。 他の編集部は『ジャンプ』で揉まれた人なら誰でも欲しいいのよ。即戦力だから。 『少年ジャンプ』にいるということは、それだけ鍛えられている。梶原一騎さんの虎の穴みたいなところはあるよね(笑)。 松山氏: だけど、そのまんま『バクマン。』の、あのシステムの通りなんですね。今もそうなんですか? 矢作氏: 今もそうです。だって結局、みんな『ジャンプ』に集まってるんですから、『ジャンプ』を読んで育って漫画家になりましたという子は、みんな『ジャンプ』に持ち込んでくるんです。 いちばん売れている雑誌で、いちばんたくさん母数がいるわけですから。それは集まってくるじゃないですか。 スポーツ漫画の概念を変える『キャプテン翼』が突然出てくるのが、『ジャンプ』の怖さ 矢作氏: 終わらせる、終わらせないで言うと、さっき言ったように始まる本数と同じだけ、絶対に終わらせないといけないので。 松山氏: 連載の本数が決まっている以上は、入らないですからね。 矢作氏: 僕が『ジャンプ』にいた時に、編集者でいちばん大切だと思っていたのは、何を終わらせるかというジャッジなんですよ。始めるのはけっこう簡単なんです。 鳥嶋氏: そう。 矢作氏: 新連載の候補になる作品はだいたい面白いですし。 鳥嶋氏: 新しいからね。 矢作氏: でもじゃあ、さっき鳥嶋さんが言ったように、他のどれと引き換えにするのかというのを含めて、考えないといけないから。終わらせる漫画を考えないといけない。 でもこれが漫画アプリで配信する形式だったら、どうなるのか。とりあえず全部続けておいて、さらに新しいものも始めようという、そんなジャッジになってくる。 今こんなにいろんな漫画のアプリが出ていて、でもそこからメガヒットが出ないのは、こういうところに問題があるのかなと、ちょっと思ってます。 それぐらい、終わらせるのがいちばん難しいんです。才能のある作家が「ちょっとこれは違ったかな」というものを描いたら、本当は早く終わらせて、次の作品を描かせてあげたほうがいいですよね。 それは読者も分かるじゃないですか。 鳥嶋氏: それは『BLEACH』の前の『ZOMBIE POWDER.』のことかな? (画像はZOMBIE POWDER. 1 (ジャンプコミックス) | 久保 帯人 | Amazonより) 松山氏: いやいやいや!(笑) 矢作氏: その時はリアルにいちばん下の現場だったので、そんなのは思ったことないですけど(笑)。 それはともかく、そうやって早く終わらせてあげることが、その作家の次につながってきますから。『ジャンプ』でも10週で終わって、その次の作品が当たったりする人もいるんですよ。 でも「3本続けて外れたらダメ」と鳥嶋さんがおっしゃいましたけど、たしかにその通りで。 松山氏: 『ジョジョ』も3本目ですからね。 (画像はジョジョの奇妙な冒険 1 (ジャンプコミックス) | 荒木 飛呂彦 | Amazonより) 鳥嶋氏: それで言うと、井上雄彦さんも『カメレオンジェイル』があったし、『テニスの王子様』の許斐剛さんも2本目なんですよ。1本目は2人とも、ハードボイルドの探偵モノを描いてダメだった。 (画像はテニスの王子様 1 (ジャンプコミックス) | 許斐 剛 | Amazonより) じゃあ、井上さんがなんで『スラムダンク』は良かったかというと、バスケが好きだから。そういう単純なこと。 許斐さんはテニスのインストラクターだったから。そういう理由で描いてもらったのが良かったわけ。 だから描きたいものは当たらないんですよ。その作家が描きたいものじゃなくて、その作家が描けるものじゃないといけない。 松山氏: なるほど! バスケとテニスは描けるものだったから、あれだけ続いたわけですか。 鳥嶋氏: 今やスポーツ漫画は、そのスポーツをプレイしている人じゃないと描けない。それはなぜかというと、どんなに写真集を持ってきて模写しても、それって第三者視点ですよね。プレイヤーの視点で描けるのは、そのスポーツを経験した人だけだから。 それが漫画の主人公視点の素晴らしさだから。これはね、プレイしていた人じゃないと描けない。 松山氏: なるほど。 矢作氏: 本当にスポーツ漫画はそうですね。 鳥嶋氏: 僕がそれを実感したのは『キャプテン翼』。 『キャプテン翼』のアンケートが良くて、矢作がさっき言ったとおり、たしか1位になって。その時に見たのかな。正直に言うとね、「なんでこの絵で1位になれるの?」と(笑)。どこが面白いんだと。 (画像はキャプテン翼 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | 高橋陽一 | Kindleストア | Amazonより) 松山氏: いやいや(笑)。 鳥嶋氏: それで、何週か見て分かりました。それまでのサッカー漫画とはぜんぜん違うと。どこだと思う? 画期的に違ったのよ『キャプテン翼』が。 松山氏: そんなに違いましたっけ? 鳥嶋氏: 『キャプテン翼』以前にはなくて、『キャプテン翼』から始まったもの。それはつまりね、“カメラが人じゃなくてボールにフォーカスされている”ってことなんですよ。 松山氏: たしかにカメラ低いわ! 鳥嶋氏: カメラがいつも追わなきゃいけないものは、主人公じゃなくてボールなの。だからボールは友達なんだよ(笑)。 一同: (笑) 鳥嶋氏: この時に高橋陽一さんの運動神経というか、漫画家としてのスゴさにビックリしたね。読者がこれにそのまま反応してるんだと。これから後のスポーツ漫画は大変だなと。 松山氏: だってあれ、誰も真似できないですよ。コマを縦と横に割ってなかったんですよ。 線が入っていないのに、見開きの中に5コマぐらいあるの。でも、ちゃんと目線の誘導ができていて。それはたしかに、カメラがボールに向いているんですよね。 鳥嶋氏: あれからスポーツ漫画がガラッと変わったの。じつは『キャプテン翼』より前は、漫画業界でヒットしたサッカー漫画ってないんだよ。 松山氏: ないですね。全部野球漫画ですよね。 鳥嶋氏: だから矢作が言ったように、新人が描くことの『ジャンプ』の怖さはそこにあるね。それまでの視点を持ってないヤツが出てくるからね。 『ドラゴンボール』は読んだ後に何も残らない漫画を目指した ──先ほど、『ジャンプ』では編集部員��うしがライバル関係で争っているというお話があったんですが。ライバル関係にありながらも、それぞれの担当者が別の担当者に対してアドバイスしたりはするんですか? 鳥嶋氏: デスクになると、せざるを得ないね。同じポジションだったらしないだろうけど。 矢作氏: その人のキャラにもよると思うんですよ。僕はしない派でした(笑)。 一同: (笑) 鳥嶋氏: 僕も基本的には矢作と一緒で、やらないかな。なぜなら漫画に対する考え方が違うから。 『北斗の拳』の担当だった堀江(信彦氏)【※】は、泥臭い漫画が好きなんです。僕はそういうのが嫌いで、邪魔だったんですね。 だって好きな方向が違うから、同じことを言っても伝わらないの。『ドラゴンボール』は読んだ後に何も残らない漫画を目指したから。 ※堀江信彦 『週刊少年ジャンプ』の編集者として『北斗の拳』などを担当。『ジャンプ』5代目の編集長を務めた。集英社を退社後、株式会社コアミックスの代表取締役社長に就任し、『週刊コミックバンチ』の編集長を務めた。同誌の休刊後、コアミックスは『月刊コミックゼノン』の編集を行っている。 松山氏: 両方あっていいと思うんですよ。たしかに『ドラゴンボール』には説教がないので。 鳥嶋氏: 僕が『ドラゴンボール』でいちばん好きなシーンは、悟空がつまづいて「なんで身体が軽いんだろう? あっ、シッポがついてないからか! まぁいいか」っていう。それが『ドラゴンボール』ですよ。 松山氏: クソ明るいんですよね。あれは作れないですね。作家さんはみんな「オレはそんなに明るくない」って言うんですよ。 鳥嶋氏: 作家の中にない感情を、キャラクターは外に出せないんです。それを人工的に作ろうとすると、すぐバレるの。 松山氏: 『ドラゴンボール』って、鳥山先生ご自身も言われてますけど、登場人物が変人しかいないんです。言われてみるとそうなんですけど。みんなどこかズレてるんですよ。 あれは全部、鳥山先生の中にある感情というか、キャラクターなんですか? 鳥嶋氏: まあ基本的に鳥山明は、亀仙人と則巻千兵衛であることはたしかですね(笑)。 松山氏: あぁ、そこがベースなんだ。 海外では『ONE PIECE』よりも『NARUTO-ナルト-』のほうが人気が高い理由とは? 鳥嶋氏: 松山さんは『ジャンプ』が好きだから1つ質問を出しますね。国内であれだけヒットしている『ONE PIECE』が、海外では『NARUTO-ナルト-』に及ばないのはなぜだと思う? よく海外で聞かれたの。「なぜ『ONE PIECE』は海外で『NARUTO-ナルト-』ほどヒットしないのか?」って。 海外の人もみんな、『ONE PIECE』が日本でスゴイのは知ってるんです。でもなぜ海外でヒットしないのか。その理由は分かる? 松山氏: 私の感覚ですけども、『ONE PIECE』がやっていることって、歌舞伎というとヘンですけども、任侠道ですよね。昔のヤクザ映画とかの。 そういう、日本人はグッとくるお涙頂戴の部分も含めて、演劇というか舞台劇っぽいものになっているんで。 『NARUTO-ナルト-』はある意味、展開も含めてハリウッド志向というか。だから世界で売れる性質が違うんだろうなって感じてますね。 鳥嶋氏: 鵜之澤さんは両方扱ってるけど、どうなの? 鵜之澤氏: そうなんだよね。聞くとみんな「海賊は人気がない」とか言うんだけど。でもきっとそういうことじゃないよね、たぶん。不思議なんだよね。 松山氏: 面白さのベクトルが違うんだと、私は思うんですけど。 鵜之澤氏: 逆に言うと、『NARUTO-ナルト-』はなんで海外であそこまでウケるんだろうと。 矢作氏: ナルトが金髪で青い目ですから。 松山氏: そんな単純な(笑)。 鵜之澤氏: でもそれは大きいよね。僕らもそうだよね。 矢作氏: 海外の人から見てもカッコ良いんですよ。 『ONE PIECE』はドラマがすごく面白いんですよ。それに対して『NARUTO-ナルト-』はドラマの部分よりも、やっぱりアクションとか、そのへんが分かりやすいというのがありますね。 僕は子どもがいるんですけど、子どもに見せるといちばん分からないのが、ドラマなんです。 子どもって、気持ちのいい絵を見ただけで「気持ちいい」って思うんです。たとえばパースが効いていたり、空がきちんと見えてる絵だと、「これ好き」って言うんですよ。 だから、パッと見で面白いかどうか。 僕らはずっと漫画を読んで来ているから、漫画の面白さを深読みしていくじゃないですか。でも海外の人の多くは、日本の漫画って分かんないですよね。 それはたぶん、リテラシーとか読解力がないから、分からないと思うんです。だからつまるところ、『NARUTO-ナルト-』はそういう読解力がいらないんじゃないかと思うんです。 鳥嶋氏: 答えは出てると思うけど。まず1つは、海賊じゃなくて忍者だから。忍者が大好きなんですよ、海外の人は。それに対して、海賊の概念は日本以外にもあるから。 次に松山さんや矢作が言ったように、『ONE PIECE』は泣きのドラマだよね。泣きのドラマは日本人にしか通用しない。海外では泣きのドラマは嫌われる。ウェットだから。 もう1つは画面構成やキャラクターの見せ方が、残念だけれども、岸本斉史さんのほうが上手い。 矢作氏: どっちを取るかということだと思うんですけども。 鳥嶋氏: 見やすいんだよね。その結果どうなるかというと、アニメにした時に映えるのは『NARUTO-ナルト-』なんですよ。アニメは動くからね。そういう意味でいうと、海外に伝わりやすい漫画の作り方は『NARUTO-ナルト-』のほうなんです。 そのへんは鵜之澤さんがいろんなコンテンツを扱っていても、海外に通じるものと通じないものがあると思うんだけど。 鵜之澤氏: そうなんだよね、それが分かれば苦労しないよね(笑)。 たしかにある時点から、漫画家の先生もそうだし、アニメのスタッフもゲームを作るスタッフも、海外を意識するんですよね。イベントに出たりして。 それで「海外に向けて作るには、こういうふうにやるんだ」って。でも一発じゃ無理だよね。続けるうちにだんだん分かってきて。 『NARUTO-ナルト-』も最初は日本だけで。それが『疾風伝』【※】になった頃に、海外で爆発的に売れて。こんなに売れるんだと正直ビックリしたよね、国内では『ONE PIECE』のほうがパワーがあったからさ。 海賊をアメリカ人が分かるかどうかはともかく、『ONE PIECE』はキャラが外国人っぽいじゃないですか。だからいけるのかなと思ったけど、海外ではダメでしたね。 たしかにね、さっき矢作さんが言われたように、金髪と青い目っていうのも大きいんじゃないかな。金髪ってすごく大事で、分かりやすいよね。 ※『疾風伝』……『NARUTO-ナルト-』のTVアニメは原作の第1部でいったん終了し、原作の第2部からは『NARUTO -ナルト- 疾風伝』として新たにスタートしている。 ��画像はAmazon | NARUTO -ナルト- 疾風伝 風影奪還の章 一 [DVD]より) 外国の人はたぶん、悟空やナルトのことを日本人だと思ってないよね。アニメは現地の言葉で吹き替えられてるんで、日本人が芝居してるように見えないじゃないですか。それもやっぱり大きいんだろうなと。 鳥嶋氏: 漫画やアニメの持っている無国籍性だね。 『NARUTO-ナルト-』を始めるにあたって、『ONE PIECE』を徹底的に分析した 矢作氏: そもそも『NARUTO-ナルト-』よりも『ONE PIECE』のほうが、先に連載が始まってるんですよね。作家も「『ONE PIECE』には絶対に敵わない」と言っていて。「『ONE PIECE』は面白すぎる」と。 僕も面白すぎると思いつつも、「そんなこと言っちゃダメだ」と(笑)。 鵜之澤氏: そりゃそうだよね。 矢作氏: 1位にならないとダメですから、『ジャンプ』では。そう思っていたので、一応そういうふうに話をして。「まぁ、10巻ぐらい続くといいね」ぐらいの感じで『NARUTO-ナルト-』を始めたんです。 鵜之澤氏: それぐらいで一区切りなんですか? 鳥嶋氏: 10巻ということは2年ね。 矢作氏: それぐらい続けば、ある程度のお金が作家さんに入るだろうから、次の作品に対して準備ができるんじゃないかと。 鳥嶋氏: たしかにそれは考えるよね、編集者としてはね。 矢作氏: それで『NARUTO-ナルト-』を始めるにあたって、「『ONE PIECE』はどこがスゴいのか?」というのを分解して、分析したんです。 鳥嶋氏: 分析したんだ。 矢作氏: めちゃくちゃ分析しました。“イーストブルー”や“アラバスタ”、“空島”と沢山舞台があるわけですが、それらはRPGで言うマップなんですよ。 で、『ONE PIECE』がスゴいのは、新たなマップに入ると、出だしでそのマップでの目的が提示されて、それをクリアすると主人公は成長し、さらそれが次のマップでの目的に繋がっていく。 つまり、最初に振りがあって、オチがあるというのを繰り返していくんですよ。しかも次のマップで全然違う世界観を提示してくるので、否が応でも盛り上がる。 さらにスゴいのは、周りのキャラのことを描いていながら、主人公が前に進む話を描いているんですね。ルフィが人を集めるということが、ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)につながっていく。 そもそも漫画は主人公のことしか描いちゃダメなので。主人公以外のことを描くと面白くないんですよ。 だからこれは、研究すればするほどスゴい漫画だと。これは敵わない。 これに対抗するとしたら、やっぱりアクションで驚かせようと。それは意識してやってます。作家本人も「『ONE PIECE』より感動的な話は描けない」と言ってるから、だったら他のところで勝負しようと。 同じ雑誌で、同じベクトルで勝負してもしょうがないじゃないですか。だから『NARUTO-ナルト-』はそういう方向に行って。しかも作家の絵の力がスゴかったんですね。 鳥嶋氏: 矢作が『NARUTO-ナルト-』を始めるにあたって『ONE PIECE』を研究した。ナンバーワンを研究したって聞いて、さすがだと思ったの。 じつは僕も『ドラゴンボール』が中だるみというか、人気が落ち始めてマズいなと思った時に、自分が好きじゃない『北斗の拳』を初めて研究したんですよ(笑)。編集部で読むのが癪(しゃく)だから、コミックスを家で読んで(笑)。 ナンバーワン漫画だから、読者がいちばん好きな要素がそこにあるわけですよ。だからナンバーワンを分析するのは、読者の趣味嗜好を分析するということ。そこに意味がある。 『北斗の拳』を研究している時に思ったのは、「うわっ、この1話目は良くできてるな」と感心したんだよね。原哲夫さんの持っている絵の良さを上手く使っている。 逆に言うと、原さんが持っているダメさを表さないように作っている。 原さんは一枚絵はスゴいんだけど、アクションを描けないんです。あの全身のあの劇画タッチで描くから、アクションを描いちゃいけないんです。 どういうことかというと、止め絵の連続で描くから、秘孔を突いて前後で見せるしかない。 松山氏: あぁ、なるほど。 鳥嶋氏: だから原さんの絵の持っている良さだけを抽出した形が、秘孔を突くという形なんです。おまけにそれを、『マッドマックス』とブルース・リーから持ってきてるから、そのへんのイメージの取り方も上手いわけ。 (画像はAmazon | マッドマックス [DVD]、死亡遊戯〈日本語吹替収録版〉 [DVD]より) 『ドラゴンボール』でこれを抜くにはどうしたらいいか。あぁ、簡単だなと。 鳥山さんは自由自在にアングルが取れる。原さんは一定方向からしか描けない。だったら『ドラゴンボール』は上下左右、前から奥と、自由自在にアクションが出来る形にしようと。 天下一武道会の展開はまさにそういうこと。だから、当初の『ドラゴンボール』の元になったジャッキー・チェンのアクションを、もっと徹底的に、意図的に、漫画の中で再現しようと。 それと、『北斗の拳』はドラマを見せていくものだから、展開がやっぱり長いんですよ。セリフで決めていくやり方ですから。 僕らはもっと下の年齢層を狙って、4週単位で展開を変えていく、スピーディーな見せ方をした。 何回かインタビューで答えてるけど、修行編を長くやったらもっと人気が落ちちゃうから、修行を短くして。亀仙人とクリリン以外のサブキャラは全部落としちゃって、その修行の成果を天下一武道会で見せた。 天下一武道会はトーナメント制なので、1つの戦いはみんな1週か2週で終わるんです。 あと、トーナメントが面白いのは、どこで誰と会うかというのを読者が予測してくれるから。その予測をどう裏切るかで、読者の興味を引きつけていった。 そうしたら、このへんで『北斗の拳』を抜けたらいいなと考えていた半分ぐらいのところで、大したキャラでもないバクテリアンとの対戦の回で、『北斗の拳』を抜いちゃってね(笑)。 松山氏: そこからなんだ。へぇ~。 鳥嶋氏: だからそういう意味で言うと、『NARUTO-ナルト-』が『ONE PIECE』を研究したのはよく分かる。 矢作氏: 僕らは『ONE PIECE』を抜けなかったですけどね(笑)。 『ONE PIECE』の連載を開始するかどうかだけで、会議に2時間かかった ──さっきの連載会議の話に戻りますけど、会議の時間がいちばん長かった漫画は? 鳥嶋氏: やっぱり『ONE PIECE』じゃないの。『ONE PIECE』は2時間かかったから。 矢作氏: 連載会議にかけるネームって、全部で3話あるんですけど、確か『ONE PIECE』は、2〜3回めくらいのネームだったかな? 結果的に連載会議に通らなかったヤツなんですけど、そのネームで島で宝を守ってるキャラクターが出ていて。その話がかなり面白かったんです。めっちゃ泣けるし。 ──でも、会議では通らなかった? 矢作氏: そう。こんなに面白いのに、なんで通らないんだろうと、当時は不思議で。 鳥嶋氏: なぜ連載会議の際に、3話までのネームを用意するかというと、基本が10週だから、3話までで1/3のストーリーを展開するわけでしょ。そうすると、主人公は誰でどういう話なのかっていうのを、その3話の間に見せてほしいの。 それが見せられない漫画は、構成が悪いということ。それで言うと『ONE PIECE』は、構成が悪かったんですよ。 矢作氏: ええ。いま考えたら、なぜ通らなかったのか分かるんです。というのも、そのネームの話は主人公が成長したり、物語が先に進む話ではなかった。漫画において、主人公って絶対に、少しずつでもいいから前に進まないといけないんです。たとえば主人公を出さない回があってもいいんですけど、その代わり、主人公が何かやっているぞというのは読者に常に意識させておく。 ──なるほど。 矢作氏: その視点で考えると、あのときのネームって、話は確かに面白いんだけど、主人公が先に進んでいなかった。だから通らなかったんだなと。そうね、今そのことを考えたら、分かるんです。でも、あのときは、こんな面白いもの、なんで連載を始めないんだろう? 余裕あるなぁ、みたいな感じで見てましたね(笑)。 鳥嶋氏: 余裕なかったよ。編集長だったけど(笑)。 松山氏: 『NARUTO-ナルト-』でカカシを3話まで出さなかったのも、そういう理由なんでしょ。 矢作氏: いや、そういうことじゃないんですけど。でも『NARUTO-ナルト-』の時は他の漫画をすごく研究して。 1話目は、周りの大人たちはナルトをどう見るか、2話目は子どもたちがナルトを認めるのかという話にしたんですよ。なぜかというと、『北斗の拳』は1話目でそういう形になって、2話目でおじいさんを助けるんですね。 結局、いろんな人がナルトをどう見るか、認めるかっていう。主人公って他の人に認められると、成長したと見えるんですよ。 だからいろんな人に認められる話にしようというのが、そもそものコンセプトだったんです。そうすると、2話目はゲストキャラの話なのに、話が進んでいるように見えるんですよ。 でも『ONE PIECE』の場合は、あの2話目だと主人公がまったく先に進まないんですよ。救われた男の話だけなんですよ。それは今ならすごく分かります。 鳥嶋氏: 連載会議で『NARUTO-ナルト-』について議論したのは、たぶん5分ぐらい。『ワンピース』は2時間。この差だよね。 矢作氏: 『HUNTER×HUNTER』も5分ぐらい。5分もかからなかったですね。 (画像はHUNTER X HUNTER 1 (ジャンプコミックス) | 冨樫 義博 | Amazonより) ナルトの修行では、子どもたちが自分で試してみたくなるものを考えた 矢作氏: 『ONE PIECE』だけじゃなくて、『ドラゴンボール』もすごく研究しましたよ。修行シーンがなんでこんなに上手いんだろうと。 修行って、やってるというのを見せないと、強くなる理由が描けないんですよ。でも『ドラゴンボール』は、修行を楽しく描けるんです。重力何倍とかズルすぎません?(笑) ナルトも強くなるために修行をしないといけないんだけど、修行が長くなるんですよ。修行が長いってイヤじゃないですか。 さっき鳥嶋さんが言ったように、アンケートの票が落ちちゃいますからね。でも「修行してきたぞ」って、急に帰ってくるのもイヤじゃないですか。それはズルいってなるので。 松山氏: 『BLEACH』が多かったですね、そのパターンは(笑)。 矢作氏: それは僕、知らないですよ(笑)。もっと他の漫画で、そういうのがたくさんあって。洞窟から出てきたら強くなってるとか、これは絶対にやっちゃダメだと。子どもも分かってるから。 何の努力をして、どこを鍛えたから強くなったっていう、やっぱりそれはほしいんです。 それで、『ドラゴンボール』はあんな感じで楽しくやったけど、『NARUTO-ナルト-』の雰囲気で同じようにやるのは無理だと。それでいろんな漫画を見て、修行が上手い漫画ってどうしたらいいのかなと。 子どもが実際に試してみたい授業というのも考えて。螺旋丸の、祭の水風船やボールの中で水を動かすというのは、子どももちょっと試してみたいと思うだろうとか、そういうのをいろいろ考えて、考えて、ああいう結論に落ち着くんですけど。 ただ長いし、成功だったかどうか分かんないんですけどね。 松山氏: ナルトが螺旋丸を習得する時に、四代目火影は片手で螺旋丸を作っていたのを、『NARUTO-ナルト-』はチャクラのコントロールがヘタだから両手でやるってなって、結局、手が足りないのを分身で補うっていうのは、あれは修行を始める前から……。 矢作氏: 決まってないですよ! 松山氏: ウソ~!?(笑) めちゃめちゃスゲェって思ったんですけど! あの答えの出し方! 矢作氏: 岸本先生の中では決まってたかもしれないです。僕の中ではぜんぜん(笑)。 「こういうのどう?」って提案するじゃないですか。たとえば風船を置いて、この中でチャクラを動かしてっていうのは言うんです。 でもその後どうなるのかは、やっぱり先生の中で……。 松山氏: そうなんだ! 矢作氏: そうなんです。そういうのはたくさんあって。 鳥嶋氏: 松山さんね、打ち合わせをし過ぎるとつまんないんですよ。 僕らは漫画家から上がってきた絵コンテを、読者の視点で最初に見るわけですよ。その時に僕らが感じる驚きは、読者の驚きだから。そこで先のストーリーを知っていたら……。 松山氏: ああ、そういうこと! 鳥嶋氏: だから大きな流れは作っておくけど、細かい打ち合わせは逆に、あえてしないの。 矢作氏: 鳥嶋さんは本当に「長い打ち合わせはするな」って言いますよね。僕はけっこう長いんです。 松山氏: ガッツリやられてたって聞いてますよ。 矢作氏: ファミレスに4、5時間ぐらいいたりして、全部決めて帰ってきたりするんですけど。そうすると鳥嶋さんから「それは作家に迷惑だから止めなさい」と怒られて(笑)。 鳥嶋氏: 僕は打ち合わせ、30分で終わり。 松山氏: 30分!? 鳥嶋氏: 絵コンテを2回見て終わり。 矢作氏: 何もできないです。 松山氏: その原稿の話だけで終わるんですね。だけど、不安じゃないですか? 矢作氏: 大枠は決まってるんですよね? ここまでは行くっていう。そこでどういう決着があるかと。 鳥��氏: そうだね。昔、『スパルタンX』【※】ってゲームがあったじゃん。あれが出た時に「これはいいな!」と思ったの。でも横にするとバレちゃうから縦にしようと。それが『ドラゴンボール』のマッスルタワーだよ。 ※『スパルタンX』……1984年にアイレムが開発してリリースしたアーケードゲーム。1985年に任天堂がファミコン用ソフトに移植して発売した。ジャッキー・チェン主演の同名映画が題材となっているが、ゲームの展開は映画とまったく異なり、むしろブルース・リー主演映画『死亡遊戯』のクライマックスに登場する、五重塔での戦いを彷彿とさせるものになっている。 (画像はKung-Fu Master for Amstrad CPC (1987) – MobyGamesより。Screenshot via Mobygames) 松山氏: あぁ! 矢作氏: 必ず終わりが見えてないと、読者はやっぱりイヤなんですよ。ドラマでも「あと何回って分かっていれば見るけど」というのがあるじゃないですか。 だから、終わりがどこなのかはあらかじめ見せておきたい。五重塔システムは、それが便利なんです。 鳥嶋氏: だよね。 松山氏: 天下一武道会もそうですよね。 矢作氏: そうです。ここまで行けば勝ち、とか。 鳥嶋氏: 上に行けば行くほど強いヤツが出てくるとあらかじめ言っておけば、次はどんなのが出てくるんだと、予想してくれるじゃないですか。その想像力がプラスになる。 矢作氏: 十二宮もそうですよ。『聖闘士星矢』の。 松山氏: 12はさすがに多いなと思いましたけどね(笑)。だから始まった瞬間まず、牡羊座のムウが聖衣を修理するところから始まって、実質2つ目からバトルでしたからね。 鳥嶋氏: 子どもは数を数えたり、集めたりするのが大好きなんですよ。 松山氏: それはそうですよね。 矢作氏: そういう方法論がいくつかあって。でも、これからの漫画はまた新しい方法論というか、今の子はこれが好きだからこう、と変わってくるから、それが楽しみですよね。 今の子どもたちはコミックの単行本は読むが、雑誌の『ジャンプ』を読んでいない 松山氏: 今、僕が不思議なのが、『鬼滅の刃』だと“十二鬼月”って12人の敵がいて、その中に上弦と下弦が6人ずついるという、数の楽しみがあるんですけど。 でも『僕のヒーローアカデミア』や『呪術廻戦』だと、今どこに向かっているのか、なかなか見えないところがあるじゃないですか。敵の数も決まっていないし。 (画像は呪術廻戦 1 (ジャンプコミックス) | 芥見 下々 | Amazonより) 矢作氏: 僕だったら「それはちゃんと見せようね」って言いますね。とりあえずのゴールは見せておかないと。 鳥嶋氏: 今の話を聞くと、その2つの漫画は年齢層が上だと思う。矢作が今言ったような形で、下の年齢層を取り入れる努力をやるべきだね。今の『少年ジャンプ』の漫画は難し過ぎる。漫画は誰にでも分かるという、分かりやすさがなければダメ。 何回か苦言を呈しているんだけど、今は『少年ジャンプ』の“少年”が意味を成してないよね。少年っていうのは、小学生の低学年から中学生までよ。 このターゲットを今、『ジャンプ』が押さえられているのか。 松山氏: アンケートの平均が20代後半って聞いてますから。 矢作氏: 下の子も読んでるんですけど、上の人もついてきているので。ただ、今はもう……僕と松山さんって、同じぐらいの歳じゃないですか。今は子どもの数が、僕らの頃の6割ちょっとだって、知ってます? 松山氏: いや、半分以下ですよ。我々が生まれた時は、1年間で生まれた子どもの数が250万人ですよ。今はそれが80万人ですよ。100万人を切ってるんですよ。 矢作氏: 中学生はもうちょっと多いですよね。この前調べて、ビックリしたんです。そんなに減ってたら、たしかに子どもに売れないよな、って。 鳥嶋氏: いや矢作ね、『コロコロコミック』は今でも、毎月50~60万部刷ってるわけだよ。それで言うと、『ジャンプ』ももっと数字を出してもいいじゃないかと、僕は思うね。 任天堂もそうだし、バンダイが扱っている『アンパンマン』を見ていて思うんだけど、進化しないスゴさね。定番キャラクター。 常にここを間口として押さえるというキャラクタービジネスや作品の作り方って、忘れてはいけないと思うんだ。 矢作氏: 『ジャンプ』って昔から、小学4年生ぐらいから中学生が主だったと思うんですよ。今は中学生の7割ぐらいがスマホを持ってるじゃないですか。そういう意味で言うと、多少逃げちゃうんですよ。 そこが『コロコロ』とは少しだけ違うと思うんです。『コロコロ』はまだスマホを持っていない世代なので。その『コロコロ』を読んでる子たちが、次にどこに行くのかを考えないといけないですね。 鳥嶋氏: 『ジャンプ』には上がっていないよね。 矢作氏: でも、同じ小学館の『サンデー』にも上がってはいないでしょ。 松山氏: いきなりスマホになってるんですよ。みんなYouTubeになっちゃってる。 鳥嶋氏: それはYouTubeやスマホがあるからなのか。それとも、そこまでして読みたい漫画がないからなのか。そのへんはキチッと考えるべき問題だと思う。 矢作氏: YouTubeを見るより面白い漫画があれば、読むと思いますよ。 松山氏: うちのスタッフの子どもを見てると、『コロコロ』はやっぱりみんな読んでるんです。でも小学校高学年になって、「『ジャンプ』は読まないの?」って何度聞いても、読まないんですよ。 読まないんですけど、ある時、その子が『斉木楠雄のΨ難』の単行本を持っていたんです。 (画像は斉木楠雄のΨ難 1 (ジャンプコミックス) | 麻生 周一 | Amazonより) 「おっ! ついに『ジャンプ』読んでるじゃん!」と思ったら、『ジャンプ』の雑誌は読んでないんですよ。『斉木楠雄』の単行本だけを読んでるんです。 「なんで『ジャンプ』を読んでないのに『斉木楠雄』を知ったの?」と聞くと、「アニメ」だと。アニメきっかけで作品を知っているのに、『ジャンプ』を通ってはいないんです。 「『斉木楠雄』が載ってるんだから『ジャンプ』を読みたくならない?」と聞いても、単行本で十分らしくて。 矢作氏: うちの子どもも『ジャンプ』は読んでないですよ、雑誌はね。 松山氏: えー!? 鳥嶋氏: それは何年生? 矢作氏: 中1の男の子と、高2の女の子なんですけど。 鳥嶋氏: 中1が読んでないのはイヤだな。 矢作氏: ただ、『ヒロアカ』とかは大好きですね。『ハイキュー!!』とか。 (画像はハイキュー!! 1 (ジャンプコミックス) | 古舘 春一 | Amazonより) 松山氏: それは単行本で読んでるんだ。あとアニメとか。 ──単行本は読むけど、雑誌は読まないというのは、なんでだと思います? 矢作氏: 雑誌を買えないというのは、あると思いますね。 松山氏: 1週飛ばすと買えないじゃないですか、簡単に心が折れて。単行本はいつ本屋さんに行っても、1個前の巻が売ってるんですけど。 鳥嶋氏: それは違うと思う。1週飛ばしても、買わなくても平気だから、買わないんだよ。 松山氏: そもそも熱量が足りないということですか? 鳥嶋氏: というか、1話19ページを、ちゃんと次週も読みたくなるような引きで作っていないから。もっと言うと、雑誌にライブ感がない。 矢作氏: ライブ感がないというのはそうですね。読者がそういう読み方になっていないと思います。コミックスを読む楽しみ方になっている。要するに、週刊で楽しむやり方ができていないんじゃないかと思います。 鳥嶋氏: たとえばさっき『コロコロ』の話が出たけど、『コロコロ』はYouTubeとかそういうものについての情報も、ちゃんと雑誌の中に取り入れていると思うよ。 子どもたちの身近にあるそういう情報や、そうした見え方あり方を、『少年ジャンプ』が漫画の中に、要素として取り込めているのか。 それで言うと、『ジャンプ』についてある種の既成概念、「『ジャンプ』ってこんなもの」「『ジャンプ』ってこうだよね」で作られているんじゃないか。 さっきから話に出てきたように、これまでにない新しいもの、「これ何?」というものが『ジャンプ』だったはずなのに、今は「これ何?」がないんじゃないの。 矢作氏: そうですね。でも、それを僕らが作るのは無理なので。 今の子って、育ちも生活も人生観も友達も人付き合いも、僕らとは全部違うんですね。放課後に集まったりもしないし。 おじいちゃんやおばあちゃんと死に別れたりとか、そういう経験がなかったりもするし。 それで言えば、本当は鳥嶋さんの時代と僕の時代も違うはずなんですよ、厳密に言うと。貧しさに対する感覚も違うし。 でも今の子の貧しさは「オレはスマホを持っていないけど、アイツは持っている」とかなので、そこは隔絶してると思うんです。 逆に言うと、中学生の7割がスマホを持っていて、3割が持っていないというのなら、それはとんでもない差だと思うんです。僕らの頃は、そこまでの差はなかったので。 鳥嶋氏: 資本格差があるってこと? 矢作氏: ご飯が食べられないとか、そういうことではないんですけど。 僕らの頃はたとえば、児童館で手塚治虫先生の漫画を読んでいたり、学級文庫で『はだしのゲン』を読んだりしていたんですけど。 今の子はそういう経験がないし、場もないし。ぜんぜん違うんですよね。 (画像ははだしのゲン(1) (中公文庫コミック版) | 中沢啓治 | Kindleストア | Amazonより) 今の子どもたちが何で遊ぶかというと、スマホで一緒に『フォートナイト』をやってたりするんですよ(笑)。そういう子たちが読む漫画を作れるのは、それは僕らじゃなくて、今の子ですよ。 今の子たちが感じていることとか、人生の課題だとか、そういうことを考えて作らないと、今の漫画って新しくないわけで。僕らみたいなおじさんが集まって、「どんな漫画を作ろうか」と言ってること自体が、愚の骨頂だと思うんです(笑)。 (画像はフォートナイト 公式サイト | Epic Gamesより) 鳥嶋氏: でも矢作ね、ツッコミを入れるようで申し訳ないけど、今の子供の置かれているメディア状況は、それは我々とは違うでしょうと。だけど子どもひとりひとりが大人に比べて、親の管理下に置かれて自由ではなくて。 なかなか友達と遊べない孤独な状況だとか、その中で時間を合わせて『フォートナイト』をするだとか、子どもが不自由な状況に置かれているということに関しては、昔も今も一緒じゃない。ただその周りで、関わるものが違うだけで。 矢作氏: そうですね。 鳥嶋氏: 逆に言うと、そういう子どもたちを僕らは、漫画は、どうやって救えるかということをちゃんと見るべきで。 矢作氏: そうなんですよ。だから僕は、今入ってくる若い編集者に、それを期待しているところがあって。 君らのほうが分かっているでしょと。「課題は何だ?」って。みんなやっぱり、悩みや苦しみといった課題があるからこそ、漫画を読んでそれが解消されるわけで。 「貧しい」とか「お金がない」とか、僕らの時の課題と今の課題は違うと思うので。だからそれを解消できるのは、どういう漫画なのか見せてほしいと。 『ジャンプ』って唯一、それができる雑誌なんですよ。新入社員が必ず2人ぐらい入ってきて、その新入社員と同じぐらいの年齢や、それ以下の10代の新人作家が持ち込みにやってくる。 その子たちはちょっと前の『ジャンプ』作品、『鬼滅の刃』や『約束のネバーランド』を見て、「これは面白い!」と持ち込みにやってくる。 この編集者と漫画家の組み合わせで作られるものを見たいというのが、すごくあるんですよね。 (画像は約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス) | 出水 ぽすか, 白井 カイウ | Amazonより) “少年”が見ることのできない漫画アプリは、はたして『少年ジャンプ』なのか 鳥嶋氏: そういうさ、新しく入ってきた社員たちを見ていて、彼らに作れると思う? 矢作氏: それはまだ分からないです。僕だって「会社やめろ」って何回も言われましたからね(笑)。鳥嶋さんには言われてないですよ。鳥嶋さんは優しかったです。直接関係なかったから(笑)。 鳥嶋氏: 矢作に聞いてみたいのはね、漫画を読んで入ってきたヤツに、はたして漫画が作れるのか? っていうこと。集英社には『ジャンプ』っていうブランドがあるじゃない。 鵜之澤さんにも聞きたいんだけど。バンダイナムコもそうだけど、昔、それぞれの会社が大して知名度もなかった頃に入ってきた人たちと、知名度ができてから入ってきた人たちとでは、やっぱり違うよね、資質が。 だから今、会社のブランドを知って入ってくる人たちに、はたしてモノが作れるの? って思いますね。 鵜之澤氏: 僕は今、62歳になるんだけど、僕が入った当時のバンダイなんて、まだ上場もしてないし。 僕は大学時代、おもちゃ屋でバイトしてたんですよ。だからおもちゃは詳しいんだけど、おもちゃ会社のことは知らなくて。 その中でいい加減そうな、何でもやらせてくれる会社だと思って、バンダイに入ったの(笑)。3年いたら会社を辞めて、その後は自分で仕事を始めようと思って。それぐらい、いい加減でね。 ちょうどアニメやゲームが始まるぐらいの年なんで���よ。1981年。 ファミコンもまだ出てない。アニメと呼ばれるようになったのは『ヤマト』『ガンダム』『うる星やつら』といった作品で、ちょうど僕がバンダイに入った頃に、アニメという文化ができるんだよね。 (画像はAmazon | 宇宙戦艦ヤマト DVD MEMORIAL BOX、機動戦士ガンダム 1 [DVD]、うる星やつら TVシリーズ 完全収録版 DVD-BOX1より) ビデオデッキが出たのもその頃。僕はその後で、ビデオカセット用のアニメを作る仕事【※】を、バンダイの中で新規事業としてやらせてもらうんだけどさ。 そのぐらい誰もやっていなくて、だからチャンスだったんですね。 ※ビデオカセット用のアニメを作る仕事……鵜之澤氏は1983年より、当時の株式会社バンダイで映像ソフト事業を手がける、フロンティア事業部に異動。同事業部は、世界初のオリジナルビデオアニメ(OVA)となる『ダロス』を企画・製作している。 (画像はAmazon | ダロス [DVD]より) なにしろ新入社員の時に、富野由悠季監督と会ってるからね。『ガンダム』が当たったから、次の番組をどうしましょうか? という打ち合わせに僕と、今、バンダイナムコエンターテインメントの社長をやってる宮河恭夫っていう、同期の新入社員が2人、参加していて。 急に『ガンダム』ブームが来たから、会社の先輩たちはアニメという言葉も知らないんだよね。そりゃ知らないでしょ、先輩たちはアニメなんて、子どもの見るものだと思ってるんだから。 でも僕らは新入社員で、感性がまだ若かったから。学生時代に『ガンダム』なんか見てなかったけど、いざ見たらやっぱり面白いと分かるんだよね。 それで今から考えると恐ろしいけど、新入社員が富野監督に向かって、「次の『ザブングル』ではこういうメカを出してほしいです」と打ち合わせしているっていうね(笑)。 若いから怖いものも知らないし、逆に言うとスポンサーのバンダイからしても、そういうことを言うようなヤツがまだ誰もいなかった。 誰もいないところの開拓者だったんだよね、新規事業の。 (画像はAmazon | 戦闘メカ ザブングル DVD-BOX PART1 より) そういう意味じゃ、僕らの上には誰もいなかったから、全部自分でやるしかなかった。今の20代、30代のみなさんは、必ず会社の先輩がいるわけですよ。 自分がやる仕事のことをよく知っている、ゲームも漫画もアニメもなんでも知っている、先輩がいるようになっちゃったんだよね。 鳥嶋氏: 鵜之澤さんの話を聞いてるとね、僕も漫画を読んでなかったし、『ジャンプ』を知らなかった。だから漫画というものを「なんで面白いんだろう?」と自分で考えながらやったから、漫画が作れた。それまでの編集者とは違った作り方ができたんだけど。 さっき矢作が『ONE PIECE』を解体したって言ってたけど、もう1回ね、漫画を解体して考えてもいいんじゃないかなと。どこかで『ジャンプ』とか漫画ってこういうものだと、みんな思い込み過ぎてるんじゃないか。 矢作に意見を聞いてみたいんだけど、『少年ジャンプ+』ってネットで始めて、ついに年齢制限がついた【※】じゃん。もはや“少年”じゃないよね。 でも“少年”って名前がついてるよね。ああいう状況って、現場からどう見える? ※『少年ジャンプ+』の年齢制限 『少年ジャンプ+』のiOS版アプリは、17歳以上が対象となっている。ちなみにAndroid版アプリでは12歳以上が推奨されており、ブラウザ版の利用には特に年齢制限はない。 矢作氏: そうですね……。『ジャンプ+』に関してはいろいろと難しいところがあるとは思うんですけど。今、Webも含めてですけど、売れるものってどういうものかを考えると、「こういうものを扱わないといけない」というのも出てくるし、やっぱり制限がついちゃってもしょうがないと。そこで何をするのかってことだとは思うんですけど。 松山氏: そもそも『ジャンプ+』自体が、ぜんぜん少年向けにはなってないんですよ、最初から。エロもバイオレンスも含めてですけど。 矢作氏: ていうか、本当に幅広いんですよ。だから逆に言うと、これとこの作品が競っているとか、この作品のほうが人気あるだとかいった、競っているものがない。 これだけ読まれていればまあいいだろうってところでやっちゃうと、編集も作家も、原稿料が入って、自分が担当している本数があって、仕事している気になってくるじゃないですか。 だから年齢制限とかが問題なんじゃなくて、面白いものとか売れるものがちゃんと作れているのか、というのがいちばんの問題で。 年齢制限はついてもいいんですよ、別に。 さっき言いましたけど中学生の3割はスマホを持っていないから、漫画アプリを読めないんですよ。その3割が読めない漫画アプリに作っているわけですよ、漫画を。 そういうことも考えると、じゃあどこに出していくのかと。 鳥嶋氏: そういうことだよな。 だからね、今ちょっと意地悪な質問を投げかけて。結局、何をもって雑誌を作り続けるのか。 雑誌のテーマとか哲学がどこにあるのかにこだわる一方で、「漫画って何? 誰のためのものなのか?」ということを考え続けてやってかないと、仕事がブレてくるんだよね。 新人漫画家に対しては、才能を磨くための編集者が絶対に必要だ 鳥嶋氏: じつはこのまえコミティアに行って、同人誌を僕、30年ぶりに見たのね。持ち込みを見たんですよ。 新人はやっぱり常に、自分がどこでデビューできるのか、どこで描けばいいのか、っていうのをちゃんと見ている。だから、そこのところも一方で見ておかないと。 常に僕らは、読者がどこにいて、作家がどこにいるか、この2つをどうつなぐかということを考えなきゃいけない。 僕が30年ぶりに見に行った理由は、今持ち込みをする人たちはどんなマインドで、どんな人たちなのか、見てみたかったの。実質ね、30年前とあんまり変わらない。 すごく真面目。むしろちょっと真面目過ぎるぐらい。「いっちょ当てたろ!」っていう野心も、もう少し出してほしかったね。 松山氏: 白泉社自身は、持ち込みってやっぱりあるんですか? 鳥嶋氏: 白泉社は「マンガラボ!」って形で。コミティアも、白泉社はギリギリ第3位ぐらいだったね。 矢作氏: 「鳥嶋さんがいたから増えた」って言ってましたよ。 鳥嶋氏: 僕はあんまり聞いてないから(笑)。 矢作氏: でも、デジタルに集まるのは分かりやすい。デビューしやすいって皆、思っていると思います。 鳥嶋氏: これは平君(電ファミニコゲーマー編集長)からの宿題なんだけど、「編集者って必要?」という議論がずーっとあるじゃん、ここしばらくネットで。矢作はどう思う? 矢作氏: たとえば作品があって、それをより良くできないんだったら、編集者なんていらないだろうし。あと、作家と作品をプロデュースできないんだったら、いらないでしょうね。 だけど、こと新人に至ってはですよ、これは僕の持論なんですけど、編集者は必要ですよ。 僕も何人も見たことありますけど、ベテラン作家で本当にスゴイ人たちはたくさんいて。鳥嶋さんももちろんご存じだと思いますけど、もうこの人は1人でいいじゃん、毎回「面白いです、ありがとうございます」って言うだけの作家もいるんですよ。 鳥嶋氏: そんな作家、いないと思うよ。 矢作氏: いるんですよ、名前は言わないですけど(笑)。 でも新人作家にとっては、編集者は絶対に必要だと思うので。 「編集がいたら自分の描きたいもの描けないんじゃないか」とか、「自分1人で描いて連載ができたらいいから連載しやすいところに行こう」、というふうになると、やっぱりそれはかわいそうというか、残念だと思っていて。 ピッチャーとキャッチャーってよく言うじゃないですか。ピッチャーはもちろん作家で、キャッチャーが編集者なんですけど。 球を受けているほうは、ピッチャーが今どういう球を投げてきているかとか、今日は調子悪いとかが分かるんですよ。今週は調子悪いからこれぐらいにしとこうかとか。 さっき鳥嶋さんが言ってましたけど、漫画って毎回面白くなくても、キャラクターが良ければアンケートの票を取れるんで。1週、2週だったら我慢してもらえるし。 それなら「マックスを3週目に持っていこう」でいいんですよ。その判断をするのがキャッチャーで。ここは点数を取られても大丈夫。ここはヒットを打たせても大丈夫、とかね。そういうのをやるのが編集で、編集の力がないと、作家って伸びないんですよ。 編集者がいないと、誰もイヤなことを言ってくれない。「お前これ、クソだろう」って言ってくれる編集がいないと、周りがファンだけだと、ピッチャーが壁当てしてるのと一緒ですよね。 たとえ良くなくても、「今日もスゴい球を投げてました」ってなっちゃう。 スポーツ選手でも、トレーナーのいない人って絶対にいないと思いますよ。だって、客観的に見て「ここがダメだ」とか「今ここがイイよ」とか言ってくれる人がいないと、やりがいもないし、どこを修正したらいいかも分からないから。 そういう意味で、使えない編集はいらないと思います。それだったら自分1人で描いたほうがいい。 自信があるなら1人で描いてもいいし、それで当たる人も絶対いると思うんです。でも編集者は、その作家の才能を信じて愛しているからこそ、何を言ってくれるかっていうのがすごく大切で。 もう1つ、作家って絶対に作れないんですよね。才能って作れないんです。 そこにあるんですよ。だから編集の仕事は、その才能をどう磨くかなので。それができるかどうかだと思うんですよね。ダメな人もたまにいますけど(笑)。集英社の編集に限って言うと、これは宣伝ですけど、できると思います。 鳥嶋氏: いま矢作が言ってることに突っかかるとね、最初にどれだけ的確に「NO」を言えるかなんだよね。 さっきの話だけど、ベテランであればあるほど、自分で簡単に作れちゃうわけですよ。でもそれが本当に面白いかどうか疑問に思ったら、夜も眠れないはずで。それをいかに的確に、評価として言ってくれるかなの。 作家が表現をしたい、伝えたいということは「売りたい」だよ、たくさんの人に。だったら編集はそれを伝えるために、どこに読者がいて、どういうふうに表現すれば伝わるかを知っているべき人間なの。 それが編集の役割なの。さっき矢作が言ったように、才能そのものは作れない。だけど、才能を形作ったり、どこかに運ぶことは���きるから。編集の役割はそこなんだよね。 矢作氏: 僕は話が長いから打ち合わせに4時間かかるんです(笑)。これだとたしかに、鳥嶋さんは30分で終わる。僕は作家の時間を無駄にしてますね(笑)。 一同: (笑) 他人の話を聞いて直しをできる人間性が、作家の才能 ──編集者がヘボくても、作家さんだけの力でヒットするということは、『ジャンプ』ではあるんですか? 矢作氏: それは絶対ありますよ。 鳥嶋氏: 逆に、低迷していた漫画が編集の力で盛り返した、というのはあったけどね。『キン肉マン』がつらかった時に、僕の後輩が担当になって。そいつが格闘技に詳しいヤツだったので、『キン肉マン』をプロレス路線にしたら、一気に火がついた。 だから、そういうこともある。どの編集がつくかによって、作家の運命は変わるね。 (画像はキン肉マン 3 (ジャンプコミックス) | ゆでたまご | Amazonより) 矢作氏: 相性もありますしね。すごい才能があっても、担当によっては潰されちゃうというか、それは違うんじゃないか、みたいなことになる場合もあるでしょうし。 ──作家さんの才能というのは、具体的にどんなところで感じ取るんですか? 矢作氏: いちばん分かりやすいのは、人の話が聞けるかどうかですね。 鳥嶋氏: その通り。つまり、直しができるかどうか。 矢作氏: 逆に、それしかないかもしれない。だって、いくら言っても直してくれないのなら、面白くなりようがないですからね。 ──それは解釈力ということ? 矢作氏: 解釈というよりは、本当に聞く耳を持っているかどうかですね。 鳥嶋氏: 人間性かな? 矢作氏: 人間性ですね。聞こうという意志があれば、10時間かけて話しても聞いてくれますから。 ──言うことを聞かないんだけど、アウトプットはスゴイなぁ、みたいなパターンはないんですか? 鳥嶋氏: ない。 矢作氏: スマッシュヒットはあると思うんですよ。作家のいいところだけを、他はいいからそこだけを描くことにすれば。『ジャンプ』だったら10万部ぐらいはいけるかもしれないけれど、でも100万部は決していかないですね。 鳥嶋氏: そうだね。100万部いくか、いかないかは大きな違いだね。100万部を超える作家と、そうでない作家はぜんぜん違う。 矢作氏: 聞く耳は本当に大きいですね。 ──10万部の作家と100万部の作家の違いが分かる肌感覚って、たぶん『ジャンプ』編集部ぐらいしかない気がしていて。この手の話って、正直、僕も含めて“その肌感のない普通の人”が何を聞いても、本当の意味ではピンと来づらいんですよね。 矢作氏: 画力が大きいと思いますよ、説得力のある絵が描けるとか。できる人は大勢いるんですけど。その中でも特にできる人。 あ���は打ち合わせがちゃんとできる人。そういう人は「いけるんじゃないか」って雰囲気が出るんです。 ──漫画の絵って、イラストレーターとはぜんぜん違うじゃないですか。ちょっと前に三浦建太郎さんを取材させていただいたんですけど、その時にすごく興味深いと思ったのが、“絵の身体性”みたいなお話��。 ガッツが剣を振った時に、どういう角度で当たると、どういうふうに吹っ飛ぶか。そういう言葉では説明できない、絵を見た時の気持ち良さみたいなものを追求しているってお話だったんですけど。 その気持ち良さをどこで学んだかというと、『北斗の拳』で拳が読者に向かって飛んでくる表現だというんですね。 あれは横から見るパンチと違って、身体性があると。もっと具体的にいうと読者に対して向かってくるみたいな描き方だって話をされていて。 それを見た時に「あっ」ていう感じがあったんだと。そういった身体の感覚みたいなところまで踏み込んだ「動きの表現」をしているのが、漫画とそれ以外のイラストの決定的な違いだと思うんです。 鳥嶋氏: もっと言うと、表情を描けるかどうかだね。イラストレーターに表情は描けない。漫画家は顔を描くだけじゃなくて、たとえば手の指を描いても、そこに表情をつけられるんだね。 少年漫画は主人公の成長“しか”描いてはいけない ──漫画の説得力って、お話とかプロットとかの構成だけではなくて、コマの描写1つだとか、いま言われたような絵の描写における情報量が、ぜんぜん違うと思うんです。 鳥嶋氏: あとはキャラクターだね。そういえば、『NARUTO-ナルト-』の主人公はなんでナルトって名前で、ハチマキをつけさせたの? 矢作氏: ハチマキは、忍者ってもともと鉢金をつけてるじゃないですか。 ナルトは普通に、最初から出てきましたね。主人公の名前が「うずまきナルト」っていうのは、いかにも『ジャンプ』っぽいし、少年漫画っぽいじゃないですか。そんなふうに何も考えずにつけてます。「NO」は1つも出なかったですね。 鳥嶋氏: このネーミングのセンスと、鉢金のところの渦巻き模様ね。パッとキャラ表を見た時に、「こいつ上手いな」って。センスあるわって思うよね。 矢作氏: 天然なんですよ。岸本先生はいろんな作家の影響を受けているんですけど、描いていて気持ちいい絵じゃないですか。 鳥嶋氏: キャラクターっていう話をもっと深めていくと、さっき矢作が言ったように、主人公を描けない作家はダメなの。100万部を超えられないよね。主人公が出てきた時に、こいつが主人公だ、と見えないといけない。 矢作氏: ナルトは明らかに主人公ですからね。 鳥嶋氏: あれが少年漫画の主人公だね。それをスッと描けるのがセンスなんだよ。サスケじゃ主人公じゃないんだよね。 矢作氏: 僕もじつは、ナルトはそんなに好きじゃないというか、共感できるキャラクターが最初はいなかったんですよ。どっちかというとサスケのほうが共感できる。 でも、だからこそナルトみたいな主人公をスッと描けるのは、才能だなと。この才能の原石をどう磨くのかはけっこう簡単で。 自分みたいな普通の人がどういうものを求めているのか、という話をしていくだけなので。 鳥嶋氏: もっと言うと、サスケは隙間が少ないんですよ。キャラとしての手足の本数が少ない。だから逆に、出てきた時にはキャラが立ってて分かりやすいわけ。 それに対して、主人公には隙間が必要。キャラとしての手足をたくさん持っていれば、いろんな人間と手を握り合ったり、どうのこうのができるわけ。 そういう隙間を持っているキャラクターを設計できるかどうか。それがセンスなの。 矢作氏: 岸本先生自身は、サスケがいちばん描きづらいって言いますけどね。あんな分かりやすいキャラを。ずっと「理解できない」って言ってましたから。 松山氏: 結局、サスケの気持ちは最後まで分かんなかったからですね。 鳥嶋氏: あれは1回殺すべきだったね、早めに(笑)。 矢作氏: それは分かってるんですよ。僕が担当を離れる時に「サスケをなんとかしてね」と言って別れたので。だから申し訳ないなと。最後は逃げましたから。もっと早く片付けるべきでしたね。 鳥嶋氏: キャラクターに関して言うと、敵キャラって人気が出やすいんだよ。だけど主人公はちゃんと毎回出して、真ん中に置かなきゃいけない。そうじゃないと少年漫画じゃなくなるから。そこが厄介なの。 松山氏: 主人公の成長はちゃんと描くべきだと、私も思うんですけれども。敵の成長をダラダラと描くのは、絶対に要らなくて。 鳥嶋氏: 僕もね、敵の成長は要らない。 矢作氏: 主人公しか描いちゃダメなんですよ。他のキャラクターが可愛くなって描いちゃうのは、作家のエゴだと思います。だって読者は、主人公を見たくて読んでいるはずなんです。 鳥嶋氏: 全面的に賛成だな。 矢作氏: 作家はついつい、「この敵キャラをもっと描きたい」って可愛がりそうになるんですよ。それで1回、エピソードを作ろうとするんで、「それは主人公と関係あるの?」って聞くんです。 そのエピソードは主人公が伸びていくのに関係があるのかどうかを聞いて、「関係ない」って言ったらやらせない。「じゃあ、むりやりにでも関係づけて」って(笑)。このキャラが成長することで主人公も成長するんだったらイイよと。 『ドラゴンボール』のスゴイところはそこなんですよね。主人公だけを描いている。 最後まで悟空で終わっているという。誰もセルの気持ちになんか、なっていないわけですからね(笑)。 松山氏: なろうとも思わないし(笑)。 「ゲームの画面写真に映っているナルトの足の指が、カッコ良くないから描き直せ!」 ──昔と今では、編集者の役割が変わっているのかどうかをお聞きしたいんです。『ジャンプ』ひとつとっても、昔は600万部を超えていたのが、今は200万部を切ったぐらいですか。 昔だったら『ジャンプ』で人気になれば自動的に売れるっていう道が見えていたけれども、今は必ずしもそうではない世界が来つつある。これからもっとそうなっていった時に、編集者がカバーすべき領域や、果たす役割はどうなると思います? 矢作氏: 僕は『ジャンプ』にずっといたので、だから正直分かんないです。『ジャンプ』とそれ以外というのが、すごくあるんですよ。 『ジャンプ』以外の雑誌って、作家と作品をどうプロデュースするかっていう能力を持っている編集者も必要なので。ヘタすると才能があるのに売れない作家もいて、それをどうプロデュースをするかという能力のほうが必要なのかもしれないと思いますね。 特に今こういうご時世だと。 松山氏: 実際、面白い漫画を作って売るのって、じつは漫画ビジネスとしては入口で。ある時から、おそらく鳥嶋さんぐらいからだと思うんですけど、漫画を作るということと、ビッグIPを作るという意味合いがイコールになっていて。 どのタイミングでアニメ化して、映画化して、ゲーム化してというふうに、漫画以外の商品を作っていくか。あとはそれをどれだけ持続できるかっていうところまでが、編集者の担当なので。 最初は漫画家さんと向き合う編集担当だと思うんですけど、途中から完全に、やってることはほぼプロデュースという状態に、こちら側からすると見えていますけどね。 鳥嶋氏: あのね、見え方はそうかもしれないけど、順番を間違えちゃいけない。やっぱり作家と一対一で対面して、その作品を磨かないことには、その後は全部ない。 松山氏: なるほど、たしかにそうですね。 矢作氏: 僕はプロデュースするのが苦手だったので、そういう意味で、仕事をしたっていう記憶はひとつもないんです(笑)。邪魔しかしてないんじゃないかって(笑)。 松山氏: いやいやいや(笑)。 鳥嶋氏: 今の矢作の発言を聞くと、松山さんの本に出てくるエピソードがね、いかにも矢作らしい、『ジャンプ』の編集らしいエピソードだと思うよ。「足がちゃんと作れてないじゃん」と本に書いてあるわけ。 矢作氏: 足の指ですよ(笑)。 鳥嶋氏: 「ナルトの足の指がちゃんと描かれてない」ってさ。それはゲームの中ではどうでもいいことだよね。 松山氏: なにしろPS2のゲームですからね(笑)。 (画像はAmazon | NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー | プレイステーション2より) 鳥嶋氏: だけど、そこに目がいって、こだわってしまうところが漫画編集だから。 矢作氏: それは違うんですよ。ゲームの中で動いてるのは別にいいんですけど、画面を撮影して誌面に載っける時に、「カッコ良くしてくれ」って言ったんです。 動いてるのを止めて、ちょっと変なのは当たり前じゃないですか。いいアニメでも、動いてるのを途中で止めたら、とんでもない絵になってるじゃないですか。でも誌面に載せる時は、めっちゃカッコ良くしてくれないと困る。だから描き直してくれって(笑)。 松山氏: 我々からすると、画面のスクリーンショットを撮った後に、そこに手を入れる���いうのは、お客様にバレたらどうすんだっていう(笑)。 鳥嶋氏: 結局、足を全部描き直したの? 松山氏: 描き直しましたね。『ジャンプ』に載るってこういうことなんだと、現場のスタッフに説明して。「描き直していいんですか?」「じゃないと載らないから」って(笑)。 矢作氏: ウソをついているわけじゃないんですよ。動いているのを見たらカッコ良いと思うんですから。でも止めるとカッコ悪いから、それをカッコ良く描き直してほしいと(笑)。 だってカッコ良い絵じゃないと、そのゲームを欲しくならないじゃないですか。ゲームの中ではカッコ良いんだから。それがダメなんですか? 松山氏: 結果的に正解でしたけど(笑)。 鳥嶋氏: これね、すっごくよく分かる。僕も『ドラゴンボール』の監修を上がってきた時、見た瞬間に……。 鵜之澤氏: 「捨ててくれ」って(笑)【※】。似てないからってだけだからね。「似てないから全部捨てろ」と。 ※『ドラゴンボール』のゲームを「捨ててくれ」 この「事件」については、2019年10月26日に「Unite Tokyo 2019」で行われた講演「出版社とゲーム会社はなぜすれ違う? ドラゴンボールのゲーム化で酷い目にあった…もとい勉強させて頂いた話」で、鳥嶋氏や鵜之澤氏のコメントも交えて、詳しく紹介されている。 鳥嶋氏: 3億円近くかかったヤツを「全部捨てて」って(笑)。それも矢作が言ってるのと同じだよ。 鵜之澤氏: 絵しか見てないんですよ。「似てる」「似てない」しかない。でも、それが基本だよね。たしかにそう。ましてや『ジャンプ』本誌や『Vジャンプ』に載る絵が似てないって、編集部としては絶対に認められないじゃないですか。 矢作氏: だから僕は毎回、赤ボールペンで「こうやって直してくれ」って、レタッチの指示を出して。 松山氏: 指の爪まで描いてましたからね(笑)。 矢作氏: そしたら松山さんが不思議な顔してるから、なんだろうと思って(笑)。 鳥嶋氏: 衝撃だった? 松山氏: 衝撃でしたね(笑)。 鳥嶋氏: それはね、担当編集は絵コンテから、原稿チェックから、入稿から、本になったものも含めて、そのビジュアルをどのぐらいの時間、見てるかなんですよ。だから見た瞬間「違う」っていうのが分かる。 これは、さっき矢作が言った一言に尽きるんだよね。「読者にカッコ良く見せたい」。それだけの時間を作家が費やしているんだから、そのベストを見せたい。 矢作氏: あと、ゲーム自体もカッコ良いんですよ、動いているのを見ると。でも、止めてこんなにカッコ悪いのはマズいだろうと(笑)。損じゃんっていう。 鳥嶋氏: 止めるかな? 松山氏: 止めないと写真が撮れないですから(笑)。 矢作氏: その止めた画面をそのまま載せるっていうから、「それは損でしょう」と。 松山氏: だから、PVとかで動画で見せるぶんには、何もおっしゃらないんですよ。ただ、『ジャンプ』に載せるのは写真だから、これは全部描き直してって(笑)。それで足の指を全部描き直しました。ちなみに手の指も描き直しましたね。 矢作氏: こんなナルトを雑誌に出せないって思いましたから。あまり知らないからですけどね、���ームを。 松山氏: 当時のPS2のゲームって、五本指を表現できなかったんですよ。指とかも3本くらいしか関節がないから。 ナルトの指っていっても、影分身の印もまともに結べない状態なので。少なくともこれなら印を結んでるように見えるだろうということでポリゴンを当てたんです。でも「これは印が違う」って(笑)。そりゃ違いますけど(笑)。 矢作氏: 動いてれば、そう見えてるのに(笑)。 松山氏: 「どこに関節があるか分からない」とか言って(笑)。 矢作氏: そうですね、すいませんでした(笑)。 松山氏: いえいえ、とんでもないです(笑)。 鳥嶋氏: いい話だわ、いい話だ(笑)。でも、それが結果的にね、読者に伝わるんですよ。なぜかというと、ゲームを待っている読者はジーッと、その画面を見ているんだよね。 矢作氏: それしか情報��ないですからね。 松山氏: 『ジャンプ』は動かないんで。 矢作氏: 買うか買わないかって迷ってる子に、カッコ良いと思ってもらいたいなと。当時は他のゲームも『ジャンプ』に載ってて、そっちはカッコ良かったんですよ、わりと。顔だけカッコ良いとか。 松山氏: 他のゲームはみんな拳を握ってるんですよ。関節がいらないんです。グーの状態でパンチを前に出しているだけなんで、ぜんぜん問題ないんです。『NARUTO-ナルト-』はとにかく指の演技がすごく多かったんですよ。印を結ぶから。 鳥嶋氏: たしかに『ドラゴンボール』は印を結ばないからなぁ(笑)。 漫画の未来は、明るいと思いますよ 鳥嶋氏: 「残り時間、あとわずかです」だって。 松山氏: どうまとめますか?(笑) ──僕はさっきの漫画アプリの話を、すごく興味深いと思いました。アプリの話をすると、ダウンロード数がどうのこうのとか、マーケット寄りの話になることがすごく多いんですけど、矢作さんからは、作り手の視点でのアプリの話がすごく出てきて。 漫画アプリには入れ替える判断がないから本当にいい作品が磨かれる土壌がないというのは、ものすごく本質的というか、あまり語られていない部分のお話ですよね。 矢作氏: 漫画アプリからは、すごく才能のある人が出てきていると思いますよ。ただ、その密度は薄いんじゃないですか。そんなには出てこない。 ──ネットメディアから本当のヒット作がなかなか出ないのはなぜだろうと、僕はずっと疑問に思っていて。ネットメディアって、見る人の数だけで言えば膨大なんですよ。 それなのに本当のヒット作が出てこないのは、何か原因があると思っていて。それはマーケットとかそういう話じゃなくて、おそらく作る側の仕組みだとか作り手の空気みたいなものが、1つの原因じゃないかと思うんです。 松山氏: 作家さんが今、ネットで自分で発信するだけで、読者の反応があるじゃないですか。「編集者なんかいなくたって、自分は読者から“いいね”をいっぱいもらってる」という、そういった勘違いが起きているだけだと思うんです。 鳥嶋氏: そういう良い評判を持っている人が、中途半端なところで妥協してしまうと、もっとたくさんのものを持っているはずなのに、埋蔵量が見えていないんだよね。それを僕はもったいないと思うわけ。 さっき矢作が言ったけど、やっぱりキャッチャーがいることで、単に球速が何キロってだけじゃなくて、受けた時の球のキレとかね、そういうものも含めた資質を見ることができる。 鵜之澤氏: ネットにこれだけいろんなものがあって、たとえばYouTubeにしても、その場さえ面白ければいいわけじゃないですか。 それに対してお金を払う価値のあるものは、漫画の単行本もそうだし、ゲームもそうだけど、いわゆる作家性、作品性みたいなものを持っている。それに感動して、作っている人のためにお金を払おうって、みんな頭では分かってるんだよね、子どもでも。これを買ってあげると連載が続くとか、アニメが続くとかってことを。 1円でもいいからお金を払うかどうか。やっぱりそこがアマチュアとプロの差じゃないかと思う。 でもアマチュアが今、お金を稼げるようになっちゃった。e-Sportsにしても、YouTuberにしても。ゲームを作った人よりも、そのゲームを遊んで実況する人のほうがお金を稼いでる。それはちょっと悔しいよね、モノを作ってきた人間としては。 松山氏: でもそれはホントに、一握りの例外の話じゃないですか? 鵜之澤氏: 『ジャンプ』ってね、ソシャゲとかと同じようにアンケートを基準にしているけれど、決してそれだけじゃない。 ネットの場合はそれだけだから。フォロワー数、ビューワー数で今日はいくら入りました、というところで。そこからは本物は出てこないですよね。絶対に残らない。 矢作氏: 僕もそう思うんですよね。そう思うんですけど、その一方で今は、e-Sportsの選手に憧れる子どもたちもいるし。ウチの娘はインスタばっかり見ているし、息子も動画ばっかり見てます。『FORTNITE』の動画も見てますよ。 僕はけっこうスマホで漫画を読むんです。縦読みの漫画も読みますし。だけど娘は「面倒くさい」って言うんです。 そういう子たちがどういうものを作っていくのか。そういう子たちが次は何を楽しいと思うのかは、その子たちにしか分からないですから。 そういう意味で言うと、次の子たちが出てきた時にどう育ててあげられるかは、ここにいるみなさんの使命というか。松山さんも、いつまでもディレクターではダメなので(笑)。 若い子に「何がいいの?」って、聞いてあげたほうがいいし。 松山氏: もちろん、もちろん! 若い人間にはドンドンやらせてますよ。 矢作氏: 僕は編集作業を38歳で外れちゃって。『ジャンプ』って早いんですよ。だからよけいに、そう思うんです。 鳥嶋氏: オレも38で離れたな。 鵜之澤氏: やっぱり40過ぎちゃダメだよね。 矢作氏: だから鳥嶋さんが今、コミティアで新人の作品を見ているって聞いて、スゴいなと思ったんですけど。 僕も若い作家の連載ネームを見て、自分の意見を言うんだけれども、「今の若い子がこう言うのなら、そっちが正しいのかな?」って気持ちもあるし。これは別に老いとか老化でもなく。 だから逆に言うと、若い子が作ってきたものを感じ取れるというのは、僕らの力だと思うんですよ。だって僕の親が今の若い子の漫画を見て、それを面白いとは絶対に言わないですから(笑)。 だから僕はそれを「今はこうなんだ」って感じられるようになりたいですね。 でも漫画の未来は、明るいと思いますよ。 鳥嶋氏: なぜ? 矢作氏: だって今現在も、漫画がいちばんIPを生んでいますから。他で出てくることって、ほとんどないので。しかも紙がまだ優勢です。それは僕が紙の雑誌をやっているからなんですけど(笑)。 でもさっき言った理由で、紙の雑誌はページ数が決まっている以上、始めるぶんだけ終わらないといけないので、そのぶん平等で、自浄作用がありますから。 ──今日はこんなところで。いろいろ興味深い話が聞けたと思います。けっこう本音の話も出たのかなと。お疲れさまでした! (了) ここで語られているように、『ドラゴンボール』や『NARUTO-ナルト-』『ONE PIECE』といった『ジャンプ』の人気タイトルは、連載当初から大ヒットが約束されていたわけでは、決してない。 読者アンケートによる他の連載漫画との人気争いに勝ち残るため、時には他の漫画を徹底的に分析して、より多くの読者に“届く”作品となるように磨きをかけていく。そうした不断の努力によって、世界的な大ヒット作へと成長していったことが、鳥嶋氏や矢作氏のコメントからよく分かる。 なかでも驚きなのが、『週刊少年ジャンプ』における新人発掘のシステムだ。読者に感性がより近い、新人漫画家と新人編集者のタッグを意識的に作り上げて、そうした若い才能が活躍する場を、属人性を廃したシステムとして提供しているという。 このシステムこそがまさに、革新的なヒット作がどの時代でも次々と生まれてくる、『ジャンプ』の“強さ”の秘密なのだ。 だが現在、『ジャンプ』だけでなく漫画業界は大きな岐路に立っている。対談の中で矢作氏が投げかけていたように、WEBでの漫画アプリをはじめとする新しいメディアにおいて、『ジャンプ』のような新人発掘のシステムを作り上げることができるかどうかは、今後の漫画を左右する重要な鍵となるのではないだろうか。 もちろんこれは、漫画業界に限った話ではない。ゲームから小説、音楽、映像といったあらゆるエンターテインメント、ひいてはあらゆる産業において、若い才能をどのようにして発掘し、その若い才能が活躍する場を“システムとして”どう整えるのか。 未来へのビジョンを考える上で、これは非常に重要な課題だと言えるだろう。 週刊少年ジャンプ 公式サイトはこちら 【この記事を面白い!と思った方へ】 電ファミニコゲーマーでは独立に伴い、読者様からのご支援を募集しております。もしこの記事を気に入っていただき、「お金を払ってもいい」と思われましたら、ご支援いただけますと幸いです。ファンクラブ(世界征服大作戦)には興味がないけど、電ファミを応援したい(記事をもっと作ってほしい)と思っている方もぜひ。 頂いた支援金は電ファミの運営のために使用させていただきます。 支援金を送る(PayPal.Me) ※クレジットカード / 銀行口座に対応 メッセージと支援金を送る(Ofuse) ※クレジットカードにのみ対応 【あわせて読みたい】 一体、伝説の漫画編集者とゲーム業界との関わりはどんなものだったのか? ほとんどメディアに姿を現さない氏に、長年の友人というカドカワ会長・佐藤辰男氏の紹介で我々が出会ったのは、とある都内の老舗ホテルの一室。 白髪頭におしゃれなブランド服の出で立ちで現れた鳥嶋氏は……確かにマシリトの面影がある。そして話し始めてみると、60歳を超えた人間とは思えないほどの俊敏な頭の回転で、カミソリのような切れ味鋭い言葉が次々に飛び出してきた。 ──かくして我々はその日、『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『クロノ・トリガー』など数々の名作ゲームたちが生まれるに至った、ゲーム業界黎明期における知られざるエピソードと人間関係の逸話の数々を、その中心人物の口から聞いていくことになったのであった。 インタビュアー TAITAI 電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。 元々は、ゲーム情報サイト「 4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「 ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」��どの人気コーナーを担当。本サイトの方でも、主に「 ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。 Twitter: @TAITAI999 ライター 伊藤誠之介 過去には『電撃王』『電撃姫』で、クリエイターインタビューや業界分析記事などを担当。現在は『電撃オンライン』『サンデーGX』などでゲーム記事を執筆中。また、アニメに関する著作も。 Twitter:@ito_seinosuke 編集 クリモトコウダイ 新聞配達中にトラックに跳ね飛ばされたことがきっかけで編集者になる。過去に「ロックマンエグゼ 15周年特別スタッフ座談会」「マフィア梶田がフリーライターになるまでの軌跡」などを担当し、2017年4月より電ファミニコゲーマー編集部のメンバーに。ゲームと同じぐらいアニメや漫画も好き。 Twitter:@ed_koudai
『ドラゴンボール』と『ナルト』の元担当編集が語る「ジャンプ」の裏側 ― 絶対に敵わない『ワンピース』に勝つために『ナルト』が取った戦略とは【鳥嶋和彦×矢作康介×鵜之澤伸×松山洋】
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