#ぐるぐる目眩の対策
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・ 受験シーズンとなってまいりました。 昨年より 受験生の方で 頭痛や目眩の方が急増しております。 そのお一人の方ですが 頭を動かすと 目眩がとても酷くなります。 学校にも行けなくて お悩みでした。 ぐらぐらする めまいだそうです。 回転性の目眩の場合 耳鳴りや難聴などがない場合は 安静時でも目眩があるか どうかを確認いたします。 全てがフローチャートに当てはまることはありませんが 目安をつけて施術にあたらせていただいております。 この方の場合 耳鳴りなどはありませんので 蝸牛の問題はなさそうでした。 そして 安静にしていると目眩はありません。 安静でも目眩がするのは 前庭神経が関係することが多いです。 頭を動かすと目眩がします。 そして 眼振といって 目が震えるように動くことも確認できました。 また指を両目で追いかけてもらう検査でも機能低下がみられました。 ただ 特徴的に首や頭を動かす時に 目眩が酷くなるので 首からの問題が大きいと判断しました。 首の横には 椎骨動脈という血管があり 首の骨の横の穴を通ります。 ですので しっかりとパルスオキシメーターをつけながら刺激が多くなりすぎないように注意して施術にあたりました。 特に 首と頭の調整をさせていただき、目が明るくなった! 呼吸がやりやすくなり首と肩が軽くなったとご感想をいただきました。 2月中旬には本番が始まります。 しっかりと サポートさせていただきます。 もしも 受験前で 不眠、集中力が低下、頭痛、目が疲れる、やる気が低下、イライラしすぎて勉強できないなどの場合は、時々、リラックスする神経のスイッチを入れる必要があるかもしれません。 私で少しでも お役に立てることがありましたら どうぞご相談ください。 また周りに そのようなお悩みの方がいらっしゃいましたら どうぞご連絡ください。 誠意を持って対応させていただきます。 あなたの夢を応援します!😊 #目眩 #めまい #良性発作性頭位目眩症 #頸性目眩 #メニエル病 #眼振 #前庭神経炎 #耳管開放症 #耳管狭窄症 #炎症で水脹れ #炎症で水が集まる #過分極 #刺激過多に注意 #酸欠に注意 #機能低下による目眩 #ぐるぐる目眩の対策 #ふわふわめまいの対策 #回転性めまい #起立性調節障害 https://www.instagram.com/p/CnEowEwpXfo/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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(1/4/2023)
Raging Supermarket
Here I will put the original version of the stories. If you find any errors or want to add translation, please tell me. May put translations here if I find it. May add the images later. Will make it look better later.
001
Eiichi
Q01
エンジェルの好きなところ
エンジェルの好ましい点など数限りなくある。あえて挙げるとすれば、一途さだろうか。いつも細かなところまで見てくれているのが本当にありがたい。お前の愛に応えるべく、さらに上を目指す。相思相愛という言葉がこれほど似つかわしい関係性もないだろう。
002
Kira
Q01
エンジェルの好きなところ
清らかで美しくありながら、情熱的な部分も持ち合わせているその心。エンジェルが俺へと届けてくれる想いには、どんな表現であれ必ずひたむきな強さを感じる。それが俺に限りない喜びをくれる。俺がどれだけ愛を伝えていても、いつもお前には敵わないと思う。
003
Nagi
Q01
エンジェルの好きなところ
やっぱり、とびっきりカワイイところだよ☆ ナギたちってずっと一緒にいるから、段々似てきてるのかも♪ エンジェルがボクを褒めてくれたり、笑ってくれたりするたびにすっごくドキドキしちゃう。だって大好きな相手なんだもん。そこも、ナギと同じだよね?
004
Eiji
Q01
エンジェルの好きなところ
俺を優しく見守ってくれるところ、かな。どんな時もエンジェルが傍にいるって思ったら、できないことなんて何もないかもしれない。それくらい前向きな気持ちになれるんだ。いつもありがとう、たくさんの勇気をくれて。俺の心の支えは、いつだって君なんだ。
005
Van
Q01
エンジェルの好きなところ
ワイらのことをしっかり信じてついてきてくれる、眩しい姿を特に愛しとる。ワイが好きやでって伝えた時はちゃんとそれに応えてくれるから、エンジェルは人生における最高のパートナーなんや! このまま2人3脚で進んでって、楽しいことたくさんしよな!
006
Yamato
Q01
エンジェルの好きなところ
いつも素直なところ。どんなおれの一面も笑顔で受け入れてくれてるだろ。心があったかくて、真っ直ぐなんだよな。見てるだけで、こっちまでなんだかうれしくなっちまう。すげぇパワーだ。これからもおまえのことを教えてほしい。もっと好きになるために。
007
Shion
Q01
エンジェルの好きなところ
包み込むような癒しをもたらしてくれるところだろうか。エンジェルは常に我を理解しようと、そっと寄り添ってくれる。おかげで天草の胸はいつでも温かい。贈ってくれる愛の深さも、想像を容易に凌駕していく。どうかこの先も傍にいてほしいと願うばかりだ。
008
Eiichi
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
好みに合わせて、俺が最高のひとときを贈る側でありたいと思う。全て俺に委ねてほしい。お前はその心ひとつで来��ばいい。少し遠出して、その場所でしか得られない経験を分かち合うのも楽しいだろう。お前の良い思い出の中でも、いつも共にありたいのだ。
009
Kira
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
最初にお前の希望を聞きたい。おおよその方向性が決まったら、後は俺がプランニングを��よう。俺の趣味はインドアなものが多いが、もちろんそれに合わせる必要はない。相手に喜んでもらう���それが何より優先すべきことだ。お前の幸せは俺の幸せでもある。
010
Nagi
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
ボクがしっかりリードしてあげる☆ 流行ってるところとかナギのお気に入りスポットをたっくさん入れた、完璧なデートプランを作っていくんだから♪ おうちデートもいいけど、一緒に外にお出かけする方がナギは好きかな~。もちろん、手を繋いでね☆
011
Eiji
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
君がしたいことを俺も一緒にしたいな。リードされたいっていうか、君を笑顔にする手伝いがしたいっていうのが正しいのかもしれない。だから、遠慮しないで何でも言ってほしい。もし俺が場所を選ぶなら、外かな。やっぱり緑が綺麗なところになる気がする。
012
Van
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
アンタが行きたい場所でも、ワイのおすすめでも、どんな希望でも叶えたるで! ワイはどっちかって言うたらアウトドア派やけど、部屋でまったり過ごすんも外とはまた違うよさがたくさんあるもんや。どこでもしっかり楽しませたる! 安心して任せといてや。
013
Yamato
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
行き先はおまえに合わせて考えるのがいいと思う。おれに付き合わせると、絶対外で体を動かすもんになるからな。そればっかじゃ面白くねぇだろ。あとはその時の気分を大事にする。その日の天気とかもあるし、直接顔を見て、ぴんと来たところに行くのはどうだ?
014
Shion
Q02
エンジェルをおもてなしするなら?
前に立ち力強く引っ張っていくという行為は、少々不得手だ……。ゆえにそなたとは、肩を並べ互いを気遣いつつ、ゆっくり歩みたいと思っている。行き先は落ち着いて過ごせるところが望ましい。家の中や、外ならばゆったりと散策を楽しめる場所などだろうか。
015
Eiichi
Q03
自分にとってHE★VENSとは
HE★VENSは俺の全てだ。常に心を傾けるべき存在であり、心を預けられる素晴らしい相手でもある。才能に溢れるメンバーたちを率いるリーダーとして責任感を持ち、新しい世界を見せねばならないと肝に銘じている。俺が一番楽しませてもらっているな。
Q16
Kira
Q03
自分にとってHE★VENSとは
この手で守るべきもの。俺1人では到底叶えられないことであっても、7人であれば達成できる。この奇跡が俺を成長させると共に、志を同じくすることによる喜びを与えてくれる。これからも陰日向にメンバーのことを支え、エンジェルを楽園へ導きたい。
017
Nagi
Q03
自分にとってHE★VENSとは
最上のものを生み出せる最高のグループ。パフォーマンスの時は凸凹な個性がパズルのピースみたいにぴったりハマる。想像もつかない化学反応を生み出したりして、すっごく気持ちいいの! ちょ~っと抜けてるとこもあるけど、そこはナギがフォローしてあげる☆
018
Eiji
Q03
自分にとってHE★VENSとは
一緒にいると心強い。立ち止まっちゃいそうな時は背中を押してくれるし、年齢差なんて感じないくらい、ありのままの自分でいられる。でも馴れ合いってわけじゃない。俺もみんなに相応しい自分でいたいから、頑張れるんだ。幸せな毎日をもらってばかりだよ。
019
Van
Q03
自分にとってHE★VENSとは
いいところは伸ばし合って、足りひんところは補い合える。エンジェルを想う心は同じ、バランスのええグループや! 共同生活しとるだけあって、規則正しいし相手への気遣いも持っとるから、心地よく過ごせるんやな。盛り上げ役のワイがみんなを笑顔にしたる!
020
Yamato
Q03
自分にとってHE★VENSとは
最強! それ以外にねぇだろ。信じあってるからこそ、遠慮なしに本気でぶつかりあえる。一緒にいれば未来がひらけてく。立ち止まってる時が全然ねぇのがいい。そんなやつらの中でも、斬り込み隊長はおれの役目だ。いつも結果を出せるようにそなえてるぜ。
021
Shion
Q03
自分にとってHE★VENSとは
なくてはならぬもの。温かな受容を我に感じさせてくれた、唯一無二の仲間たちを愛おしく思う。そして、HE★VENSだからこそ紡ぐことが叶う美しい音色は何ものにも代えがたい幸福……。皆に支えられるばかりでなく、我にできることで役に立ちたい。
022
Eiichi
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
予知能力だな。危機を事前に察知していれば、対策を立てそれを回避することが可能になるだろう。ただし、それ以外のことは知りたくはない。お前との未来は、俺自身の力で切り拓いてこそだ。時に予想もつかないことが起きるのもまた、人生の素晴らしさだろう。
023
Kira
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
物や場所に宿る残留思念を読み取る能力だ。誰かに大切にされていた思い出。作り上げるまでの秘められた努力。どんなところにも、何らかの物語が存在する。歴史から学ぶことは多い。先達の姿をしっかりと見据えた上で、常に新しい俺をお前に見せたいと思う。
024
Nagi
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
瞬間移動で決まりだよね☆ 仕事の時にも便利だし、気になってた遠いところにもあっという間に到着できちゃう♪ もちろん、キミの近くにもね! 困るのは、運動不足になっちゃうかもしれないのと、途中の景色が楽しめないくらい。他はいいことずくめでしょ☆
025
Eiji
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
テレパシーとかよさそう。相手が何を望んでいるのかがきちんとわかったら、全部叶えてあげたいなって思う。そしたら、もっと君と近づける。でも、誰にでも秘密はあるものだし、勝手に全部知っちゃうのは絶対良くないよね。だから、君に直接聞��ことにする。
026
Van
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
せっかくなら、めっちゃ魔法!って感じの能力が欲しいわ~! ��とか水とか風とか雷を操るようなやつや。ま、現実やと出番がいつになるのかワイにもわからんけど(笑) エンジェルのピンチに颯爽と駆けつけてさっとカッコよく助けるんが、理想の姿やな!
027
Yamato
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
今より遠くまで見渡せるようになるとか、すげぇ力が強くなるとか、そういうやつだ。いろいろべんりだし、力はあればあるほどいい。おまえを守るためにもな。ま、トレーニングでもなんとかなるけどよ。そういうもん以外は、おれには使いこなせる気がしねぇ。
028
Shion
Q04
特別な力を持てるなら何がいい?
空を自在に飛べる能力が望ましい。鳥のように心のままに羽ばたき、樹々や大地を高い場所からゆったりと眺める。同じ風景でも、陸を踏みしめ歩く時とはまた違う心地になるだろう。歌詞を作るにも、新たな発想が生まれるやもしれぬ。さぁ、そなたも共に……。
029
Eiichi
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
妥協せず己の心に向き合っていくこと。エンジェルに伝えたいことをどう表現すべきか、どこまでも考え抜き、そのためにできることは何でもしたい。グループ曲でもそのスタンスは変わらない。理想を追い求め、仲間とともに最高の音楽を目指している。
030
Kira
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
歌に込めた想いが伝わるように、言葉選びや歌い方にこだわることだ。おしゃべりな方ではないから、普段俺自身の心の内を伝えることは少ない。だからこそ、歌にはあらゆる想いをのせたいと思っている。そのために必要な挑戦は続けていきたい。
031
Nagi
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
一緒に曲を作っていく人たちとのコミュニケーションは大切にしてる☆ グループ曲だと、メンバーとの話し合いをナギが仕切ることもあるんだよ~? みんな個性的だから大変なこともあるけど、腕の見せ所って感じ♪ 主体的に関わることで成長もできるしね☆
032
Eiji
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
ちょっと前までは、自分の中にある感覚に任せて、自由に歌うことを大切にしてたんだ。最近はもう少し踏み込んで、歌を聴いてくれた人がどういう風になってほしいかも考えて、いろんなバリエーションを試すようにもしてる。音楽の幅も広がってる感じがするよ。
033
Van
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
今も昔も、音楽は楽しく! がモットーやな。だからこそ、テンション高めのソロ曲が多かったんやけど、最近は曲のテイストも広がってきた気がするわ。ソロやグループのどんな曲調でも、ワイなりに本気で楽しんどるで。何事も、中途半端が一番カッコ悪いやろ?
034
Yamato
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
いろいろと考えるのは性にあわねぇ。とにかく、自分の中からわきあがってくる感覚っつーもんを大事にしてる。それを納得のいく形でエンジェルに見せられるようになるまで、がむしゃらに突き詰めていく。おれにはそのやり方がぴったりだと思ってるぜ。
035
Shion
Q05
曲を制作する上で大切にしていることは?
至高の音楽のため、死力を尽くすこと。詞も、歌も、パフォーマンスも、妥協は許されぬ。我らの音楽は愛するエンジェルに贈るものだからな。そしてそれが、HE★VENSの輝きにも繋がっていく。理想とする音楽に向け、たゆまぬ努力を続けていきたい。
036
Eiichi
Q06
自分のチャームポイントは?
「口元のほくろ」だろうな。外見の中でも特徴的な部分であり、他者から見てもわかりやすい。これがあるとないとでは、随分印象も変わってしまうだろう。表情を豊かに見せてくれる生まれついてのギフトとでもいうべきもので、俺自身気に入っている。
037
Kira
Q06
自分のチャームポイントは?
難しい質問だが「目」と答えたい。「目は口程に物を言う」という言葉もあるが、俺が口下手なことを差し引いても、視線を���わせば通じ合うものがあるだろう。自分の感覚というより、周囲の人々が褒めてくれることが多いので、嬉しくて挙げさせてもらった。
038
Nagi
Q06
自分のチャームポイントは?
全部☆ って言いたいところだけど、あえて言うなら「唇」かな。撮影の時とか、開き方や閉じ方を意識的に調整するの。ナギのプロフェッショナルな表情管理に必要不可欠! だから特に念入りにケアするよ。エンジェルをこの唇で、もっと魅了していかなきゃね☆
039
Eiji
Q06
自分のチャームポイントは?
あまり具体的なところが思いつかなくて。「雰囲気」って答えでもいい? 優しいとか、一緒にいると落ち着くって言ってもらえることが多いから、本当に強いて言えばなんだけど。君が良いと思ったところを知りたい。見た目だけじゃなく中身も大切にしたいから。
040
Van
Q06
自分のチャームポイントは?
待ってたで~その質問! そりゃもちろん、このキリッとキマった眉毛やんな! 身だしなみとして簡単に整えとるけど、基本は元々の形を活かしてるんや。意外と忘れられがちなとこやけど、少し変わっただけで人相も違うもんになるから、重要やな。
041
Yamato
Q06
自分のチャームポイントは?
「筋肉」。毎日トレーニングして鍛えてるから、自信あるぜ。だれに見せても恥ずかしくねぇってやつだ。とくに好きなパーツは、背中だ。自分じゃあまり見えねぇから、しっかり意識してきたえることにしてる。男はごちゃごちゃ言わず背中で語るもんだからな。
042
Shion
Q06
自分のチャームポイントは?
「髪の毛」は我ながら好ましいパーツだ。取り立ててケアやセットを施さずとも、指先をくすぐる触り心地や、風になびき頬に当たる感覚も気に入っている。頭を撫でてもらうことが多いのもそういった理由だろうか。ただ、前髪の伸びすぎには注意せねば。
043
Eiichi
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
この命に関する研究だ。何故、このように生まれ付いたのか。何故、死ぬことはないのか。尽きない謎を解き明かさずに���置しておく手はないだろう。俺はエイベルとは違う。真実を掴み、己の望む生を全うしたい。急ぐことのない永遠の旅路には、いい供だしな。
044
Kira
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
自分とゆっくり向き合い、心穏やかにひとり暮らしたいと思う。心ゆくまでピアノを奏でる。様々な本のページをめくる。世界の中で俺だけが異なる時間に生きている。下手に周囲と関わりを持つことはしたくない。庭に留まったキースと似ているかもしれない。
045
Nagi
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
ずっとやりたい!って思ってたことを順番にぜ~んぶやってく♪ 諦めなければ、人生には思いもよらない素敵なことが起きるんだって、ミカは知らなくても今のボクは知ってる。だからきっと、ひとつ叶えたらまた次って、すぐに新しい願いが生まれてくるはず☆
046
Eiji
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
エリックがしてたみたいに、真剣に造園に向き合いたいな。新しい品種の花を生み出したりね。かけ合わせをいろいろ試して、庭の中での配置にこだわりながら、お気に入りの形や色の花をたくさん作りたい。それで、その花たちと長い人生を分かち合っていくんだ。
047
Van
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
冒険の旅に出る! いろんなもんを見て、いろんな人と出会って、新しいもんをどんどん取り入れていくんや。陽気に生きるっちゅうヴァージル本来の希望と同じやな。世界は広いし、もしかしたらワイみたいに永遠に生きとる仲間がどこかにおるかもしれんしな!
048
Yamato
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
今と同じだ。わざわざ特別なことはしねぇ。7人で暮らしてた頃のヒューゴみてぇにな。長く生きるほど特別だって思うことはどんどん減ってく気もする。それなら変に構えずに、普通に暮らすのがいいんじゃねぇか。なんてことない小さな楽しみを大事にしながら。
049
Shion
Q07
もし永遠に生きられるとしたら?
世界がどこにたどり着くのか。行く末を最後まで、この目で見届けたい。栄えてはまた滅びゆく国々。新たに生まれる生命の息吹。宇宙への広がり……。きっと今の天草には計り知れないような未来が味わえるのだろう。閉じた世界を愛したシモンとは異なる部分だ。
050
Eiichi
Q08
恋愛をするとどうなる?
アイドルに恋愛は厳禁。ゆえに特定の1人に対して恋愛感情を抱くこともないのだが……。尊敬できる相手であれば恋に落ちる可能性もあるかもしれないな。とはいえ、依存し合う仲ではなく、対等なパートナーとして互いに高め合えるような関係を築いていきたい。
051
Kira
Q08
恋愛をするとどうなる?
相手への好意を表に出すことはあまりないだろう。自分の想いが正しいのかどうか、慎重になるからだ。交際するからには、先を見据えて相手の人生に責任を持つ必要もある。例え両想いになれたとしても、距離感は大事にしたい。「親しき仲にも礼儀あり」だ。
052
Nagi
Q08
恋愛をするとどうなる?
気になる子がいたら、アプローチは積極的にするかも☆ だってその子のことをいろいろ知りたいでしょ? こんなことを言ったら、あんな顔をするんだ、とかさ♪ キミのことはナギがいっぱい可愛がってあげるから、ぜ~んぶボクに見せてよね☆
053
Eiji
Q08
恋愛をするとどうなる?
好きな子のことは何でも知りたいんだけど、いざって時に上手な質問をしたりとかは難しいかも。ちょっとした時に声をかけたり、料理を振る舞ってみたりして距離を縮める感じかな? 案外、メンバーに対してやってることとあまり変わらないのかも……。
054
Van
Q08
恋愛をするとどうなる?
ええなと思ったら猛アプローチやな! もちろん誰でもってわけやないで。ちゃんとワイの中に好きになった理由も持っとる。それに、自分で言うのもなんやけど、好きになったら一途な方やと思うわ(笑) 断られたって諦めへん。何度でもアタックするで~!
055
Yamato
Q08
恋愛をするとどうなる?
別にいつもと変わらねぇんじゃねぇか? 駆け引きとか回りくどいことは苦手だから、どうしてほしいか直接聞いたりするかもな。あとは、おれができることを全力でやる。それだけだ。腕っぷしには自信があるから、危ねぇことから守ってやれるとは思うぜ。
056
Shion
Q08
恋愛をするとどうなる?
愛が芽生えるほどに心を許した相手ならば、片時も離れず、常に共にいたいと願ってしまうかもしれぬ。我の考えを汲み取り、尊重してくれる者ならなおのこと、希少な存在ゆえ、失うことが恐ろしくすらある。我の全てを捧げ、大切に関係を紡ぎたいものだ。
057
Eiichi
Q09
意外だと思われそうなところは?
1人だと静かなことが意外だと言われるな。メンバーやエンジェルの前では無意識に気を張っているが、普段からそのイメージだと思われがちだ。特に眼鏡を外すと己のスイッチが切れる感覚がある。何も考えない時間を寝る前に必ず取り、心をリセットしている。
058
Kira
Q09
意外だと思われそうなところは?
表情には出にくいが照れ屋なところがある。新しい環境には戸惑うし、初めての人に会う時は緊張する。極力そうした部分を見せないように努めるのは、俺の理想のアイドル像に近づくためだ。堂々としていると評されるのは、努力が実っているようでありがたい。
059
Nagi
Q09
意外だと思われそうなところは?
エンジェルたちには伝わってると思うけど~、ナギはかっこいいことも大好き☆ いつでも宇宙一キュートなナギだけど、プライベートではクールなコーデを着たりして、色んな自分を楽しんでるんだ。あまり決めつけずに、自分がいいと思うものを取り入れたいな♪
060
Eiji
Q09
意外だと思われそうなところは?
意外かどうかはわからないけど、俺って結構わがままで、自分勝手だなって思うことがあるよ。良く言えば、マイペースなんだけど……。特に兄さんやメンバーには、こうしたい!ってこだわりを伝えることも多い。甘えすぎてないかなって、反省してる。
061
Van
Q09
意外だと思われそうなところは?
あまり見えへんやろうけど、ワイ結構几帳面なタイプなんやで? きっちりするところはしておきたい。なんや本棚に抜けがあると気になるし、それこそコンプリート癖みたいなもんもあるわ。��なとこ細かいっちゅうことやな(笑)
062
Yamato
Q09
意外だと思われそうなところは?
普段の自分つっても、おなじだぜ。仕事の時とリラックスしてる時でそんなに差はねぇよ。……あー、できて当たり前って思ってることもほめられたりはするな。漢字の読み書きとか。そりゃ、難しいやつはわかんねぇけどよ。こういうのもギャップってもんか?
063
Shion
Q09
意外だと思われそうなところは?
普段とは自然体ということであろうか。興味を抱いたことには積極的に携わるようにしている。自身で望んだことは貪欲に突き詰め、極め抜きたいという想いがあるのだ。常日頃、メンバーに助けられる姿を見せることが多いゆえ、エンジェルには意外やもしれぬな。
064
Eiichi
Q10
カフェで頼みがちなものは?
コーヒーだな。あまり豆の種類にこだわりはないが、アイスアメリカーノがあればそれを頼んでいる。ホットも悪くはないのだが、温度が高すぎず手軽に水分を摂取できる点と、すっきりとした味わいが時と場合を選ばないのが、注文の頻度が高まる要因だろう。
065
Kira
Q10
カフェで頼みがちなものは?
これを注文しようと決めて店に足を踏み入れることが少ないので、自分の中で普段から必ず頼むメニューというものはない。幸い好き嫌いもあまりない。誰かが選んだものと同じものを注文することが多いと思う。提供も早く、効率的だからな。
066
Nagi
Q10
カフェで頼みがちなものは?
限定のスイーツは絶対選ぶよ☆ 大抵は旬のものが使われてるから、美味しさは約束されてるもん。その時にしか食べられないって特別さが素敵だし、経験したことのない味にときめくよね~。定番系だとプリンかな? お店によって全然違うのが面白いんだ��
067
Eiji
Q10
カフェで頼みがちなものは?
うーん、そのお店の人気のメニューを選んじゃうかな。メニューを開いて、定番!とかおすすめ!って書かれてるとついつい目に入ってきちゃって。ドリンクだけじゃなくて、軽食もよく頼んでるよ。卵のサンドイッチとか、シンプルで優しい味が好きなんだ。
068
Van
Q10
カフェで頼みがちなものは?
ワイ、遊び心のあるメニューが好きでな~。ワンプレートにいろんな料理が乗ってるのとか、セットメニューがええな。お得やし、どれから食べようか考えるのも楽しいやん。一度に目の前に並ぶから賑やかな感じも最高! このワクワクが外食の醍醐味やんな!
069
Yamato
Q10
カフェで頼みがちなものは?
どうせ店に入るんだったらガッツリ食いてぇ。毎回、1つにしぼりきれなくて困る。オムライスやビーフシチューなんかをよくたのんでる。和食よりは洋食を選ぶことの方が多いな。デザートはそこまでこだわらねぇが、一緒に行ったやつが頼むんなら付き合うぜ。
070
Shion
Q10
カフェで頼みがちなものは?
喫茶店は、立地や同行者如何で、我にとって安らぐ場所とは限らぬ。それゆえ心乱されても構わぬよう、軽く済ませ��ことにしている。豊かな香りを漂わせるハーブティーなど、癒されるものが望ましい。あまり挑戦は好まぬ……。普段からよく知る味のものが良い。
071
Eiichi
Q11
冬の思い出といえば?
クリスマスに赤いセーターを着ていたらサンタみたいだと瑛二が羨ましがったことがあってな。翌年からは、2人で同じセーターとサンタの帽子を被ってクリスマスを祝うことにした。お揃いを喜ぶ瑛二の姿を見ていたら、子供ながらに嬉しい気持ちになったものだ。
072
Kira
Q11
冬の思い出といえば?
冬は空気が澄んでいて星がよく見えるから、他の季節よりも空を見上げる時間が増える。幼い頃に見た、満天の星空の記憶が強いせいだな。長い夜の間、本を読み、疲れたら部屋の窓から星を見上げる。今も暇があれば、そんな風に過ごしている。俺の好きな時間だ。
073
Nagi
Q11
冬の思い出といえば?
お正月に家族と過ごすのが好きだったな~☆ あったかい部屋でごちそうが食べられるし。トランプとかすごろくも恒例になってて、大人たちに勝てるまで挑戦したりして。家族ももちろん子供相手だからって手を抜かないから、天才のボクといい勝負だったんだよ♪
074
Eiji
Q11
冬の思い出といえば?
クリスマスは兄さんとお揃いのセーターを着てお祝いしてたよ。洋服の模様がとても可愛かったし、何よりお揃いなのが嬉しくて、いつもよりもはしゃいでた気がする。ツリーの飾りつけをして、ごちそうを食べて、プレゼントを開けて……全部が素敵な思い出だよ。
075
Van
Q11
冬の思い出といえば?
冬はワイの誕生日もあって、イベントも目白押しやからワクワクするわ~! イルミネーションを勢いで見に行ったら、カップルだらけで場違いな感じやったこともあったけどな。ま、1人でも景色には感動したし、ロマンチックな時間を過ごせたわ。1人やけど!
076
Yamato
Q11
冬の思い出といえば?
雪かきが大仕事だったな。実家の神社の境内が広いから、すげぇ時間がかかるんだよ。体を動かすのは昔も嫌いじゃなかったし、楽しみもあったからいいけどな。積もった雪を雪だるまにしてみたりな。掃除が終わってからもずっと遊んでたもんだ。
077
Shion
Q11
冬の思い出といえば?
生まれた地では雪は珍しく、たまに降ると不思議に思ったものだ。ずっと外で眺めていたこともあるのだが、頭や体に雪が積もり、真っ白になってしまった。周囲の大人は驚いていたが、雪と一体になれたようで嬉しかったな。翌日には風邪を引いてしまったが。
078
Eiichi
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
レイジングマーケットへようこそ、エンジェル! 美しく誇り高いお前には、レッドソーダを勧めたい。フルーツの風味豊かなソーダで、刺激的な味がポイントだ。爽やかな口当たりはリフレッシュに最適だろう。普段の生活にも必ずや新鮮さ��与えてくれるはずだ。
079
Kira
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
マイルドな味で、芳醇な香りに癒されるコーヒー��どうだ? 朝、豆からコーヒーを淹れてみると、ゆっくりとした時間の流れを感じられて、生活の質が上がるような気がする。自分で淹れたコーヒーは格別の味だ。お前にも、俺と同じ幸福を味わってみてほしい。
080
Nagi
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
ボクのおすすめは、上質な素材を使ったコーンフレーク☆ 甘くてハッピーな味で、ミルクをたっぷりかけて食べれば、栄養のバランスもGood♪ フルーツでアレンジするのも良いよね☆ で・も、キミと一緒に食べたらも~っと美味しくなっちゃうかも♪
081
Eiji
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
オーガニックなブルーベリーを添加物なしで仕上げた優しい味のジャムを食べてみて。ゴロゴロした果肉で食べ応えも抜群で、パンに塗っても、アイスのトッピングでも美味しく食べられるよ。君の日常が、このジャムでちょっとでも華やかなものになるといいな。
082
Van
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
ポテトチップスは無性に食べたくなるよな~。ワイのおすすめは、とれたてのジャガイモを厳選して使っとるやつや。ウェーブカットで厚切りやから歯ごたえも良くて、食べ出したらもう止まらん! アンタと食べさせあったら、にっこりスマイル間違いなしやで。
083
Yamato
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
トレーニングするなら、欠かせねぇのがプロテインだ。効率よく栄養を摂取できるのがいい。おまけにこいつはストロベリーヨーグルト味で飲みやすいから、もっと飲みたくなっちまう。おまえも同じやつ飲んで、力つけてみねぇか? 後はおれが教えてやるからよ。
084
Shion
Q12
レイジングマーケットのおすすめは?
我が選んだのは栄養価の高い緑の野菜が入ったグリーンスープ。具だくさんで野菜の旨みが凝縮され、濃厚な味わいが特徴だ。温めるだけで飲めるゆえ、貯蔵にも向いている。仲間と分け合うのも良いな。そなたにもきっと温もりと笑顔をもたらしてくれるであろう。
#heavens#uta no prince sama#eiichi otori#kira sumeragi#nagi mikado#eiji otori#van ku#van kiryuin#yamato hyuga#shion amakusa#text
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【8話】 弁護士に言われたとおり取調べで黙秘してみたときのレポ・前編 【大麻取り締まられレポ】
前回のあらすじ 僕とプッシャーと友人の3人で、共謀の上に大麻を所持した容疑で捕まった僕は、接見で当番弁護士に「50パーの確率で不起訴を狙える」と言われていた。
僕は「どういう理屈で50パーなんでしょうか?」と弁護士に尋ねると、弁護士は「共謀の罪での逮捕は、他の方が自白してしまうケースが多いんです」と答える。
僕は「一緒に捕まった2人は自白しないと思うので、大丈夫だと思います」などと言うと、弁護士は「ところが、いざ捕まってみると喋っちゃうんですよ、これが。そういうケースを何件も見てきましたから」と恐ろしいことを言うので、僕は少し勘ぐって黙りこくる。
弁護士は続けて「むしろ、ほとんどの人が喋っちゃいます。黙秘を続けられる人はサイコパスみたいなひとしかいませんね」と笑いながら言う。僕が「まぁ…2人はサイコパスっぽい感じはあります」と応えると、弁護士は「そうですか。いずれにせよ、不起訴を狙うのであれば、現段階では2人を信用するしかないですからね」と身も蓋もないことを言う。
しかし弁護士は、僕が気落ちしているのを見てか「まあ、売人の車で大麻が見つかっていて、持ち主が判明していないという状況ですから、このままいけば、犯行の主体を立証できず、証��不十分のために不起訴となる可能性は高いでしょう」などと僕に期待を持たせてくれた。
それから1時間ほど、弁護士に今後の対策について色々と教えて貰った。ただ、僕がやるべきことは、黙秘と署名押印拒否ということであった。不起訴を狙うにあたって、黙秘は自分の利益にはならないが、不利益にもならない。また、調書の署名押印を拒否すれば、調書を証拠資料として使用することを防ぐことができるのである。
また弁護士は、国選弁護人として就いてくれることになり、僕が黙秘を続けるメンタルを保てるよう、頻繁に接見に来てくれると言うので、とても心強い味方がついてくれたと思った。
※このときに弁護士に貰った「取調べをウケる心がまえ」というプリントがよく出来ていたので、pdfのURLを貼っておきます。
接見を終えると、消灯・就寝時間の21時が過ぎ、22時をまわっていた。場内は暗くなっていたが、監視のため蛍光灯がついており、居室内も天井の蛍光灯3本中1本だけ明かりがついていた。
居室に戻ると、留置官が「今日は5番の布団敷いといたから。あと寝る前の薬あるから、このコップに水入れてきて」などと言うので、僕は洗面で水を入れ、鉄格子の前に行く。留置官は配膳口を開き、僕に手を出すように言って、薬の包装シートのプラスチック部分を押して、中の薬でアルミ部分を破り、僕の手の上に直接薬を落とす。
僕はマイスリーとデパスを飲むのは久しぶりだったので、少しわくわくしていた。僕は薬を水で流し込み、コップを留置官に返すと、布団の中に入り込む。布団は非常に粗末なもので、敷き布団はこれぞ煎餅布団といった具合に入れ綿の少ない薄く固い布団で、掛け布団は薄い割に重く、ちりちりしていて触り心地の悪い毛布であった。
寝具は粗末、天井の蛍光灯は眩しい、加えて隣室からはいびきが聞こえるので、この環境で寝るのは、睡眠に神経質な僕には難しいことであったが、こんなこともあろうかと、あらかじめ睡眠薬をゲットしておいたのである。
薬を飲んでから、1分ほどでデパスが効いてきて、強ばった筋肉が弛緩し、あらゆる不安が和らいでくるので、(今日は本当に長い一日だったけど、未体験のことばかりで結構おもし���かったな…)などと天井を見つめながら前向きな回想をしていた。
さらに10分ほど経つとマイスリーが効いてきて、眠たくなってくると同時に、思考が少し加速し、個人的におもしろい発想が連続して生成されているように感じるので、結構楽しい。そうして自分の思考にニヤけたり感心したりしていると、次第に意識が遠のき、いつの間にか眠っていた。
――逮捕から2日目。朝、起床時間とされる6時30分の10分前に目が覚めた。6時30分になると、消えていた蛍光灯が点灯するとともに、留置官が「起床―!」と大声を出して、まだ眠っている収容者を起こす。
布団を畳み、右隣の居室のベトナム人と入れ違いで布団置き場に布団を置いてから居室に戻ると、配膳口にブラシと雑巾の��った桶が置かれており、トイレと洗面を掃除するように指示をされた。
トイレと洗面はステンレス製で、水垢や尿石もなく清潔であったが、パフォーマンスとして掃除をし、ブラシと雑巾を桶に入れて配膳口に戻した。留置官がその桶を回収すると、今度は扉を開けて掃除機を渡し、床を掃除するように指示をしてきた。床は誰かの抜け毛が多く落ちていたので、割と丁寧に掃除機をかけておいた。
掃除機をかけている間、留置官が配膳口にタオルと石鹸、コップに歯ブラシと歯磨き粉を置いていたので、僕は掃除機を留置官に返してから、洗面で歯を磨き、顔を洗った。
タオルなどを抱え、鉄格子の前で待機していると、昨日左隣の居室でいびきをかきながら寝ていた、ガタイがよく目がギョロリとした50代くらいのヒゲの男が、ロッカーに向かう際にこちらを見てきた。
ギョロ目の男は僕と目が合うと、30度くらい頭を下げて「こんにちは!」と大声で挨拶してきたので、僕は少し萎縮して「あ、ちわ…」とぼそぼそした声で挨拶を返しておいた。ギョロ目の男は続いて、僕の右隣の居室にいるベトナム人にもかしこまって大声で挨拶をしていた。
↑ギョロ目の男は清原を老けさせてもう少し色白にさせた感じ
ロッカーにタオル等をしまい、自分の居室に戻ると、すぐに朝食の支度が始まった。今回の朝食は、コンビニ弁当のようなプラスチック製の容器の中に、白米、きゅうりの漬物少々、マカロニサラダ少々、千切りされたたくあん少々に、メインのおかずとして野菜の入った薄く丸い形をした小さい天ぷら1つが入っている質素なものであった。
朝食を終えると、時刻は7時15分だった。本を読めるのは8時かららしく、仕方がないので文字通りゴロゴロしていると、「点呼開始―ッ!」という爆音が留置場内に響き渡った。
点呼の合図からすぐに、遠くの方で「第6号室!27番!」という大きなかけ声の後、「ハイ!」という収容者の声が聞こえ、「以上1名!」という大声の後、4人の留置官が「「「「おはようございます!」」」」と大声で挨拶をし、隣の居室へ移っていく。
それから、留置官らは僕の居室の前に立ち、「第2号室!5番!」と大声を出すので、僕は寝っ転がりながら「あい」と応えると、居室の後ろの小窓の前に立っていた暗い色のレンズの眼鏡をかけたヤクザ風の留置官が「座れぇ!!」と大声で怒鳴ってくる。
僕はまぬけ面で「はい?」と言ってみると、ヤクザ風の留置官は「座れ!座って返事しろ!」と大声で指図してくるので、僕は仕方なしに上体を起こし、「はーい」と間の抜けた返事をする。
しかし留置官からのリアクションはなく、3秒ほど無音の空間になる。僕は少し戸惑った感じで「はい…」と言い直すと、留置官は「以上1名!」「「「「おはようございます!」」」」と大声を出し、次の居室へ移っていく。僕は彼らを人間らしくふるまっているNPCだと思う。
7時30分になり、“運動”の時間になる。この運動の時間とは、留置場の敷地内にある屋根のない狭い場所に出られるというだけの時間である。また運動場では、貸し出しの爪切りや電動ひげ剃りを借りることもできる。
僕はなんとなく日差しを浴びたかったので、運動場で伸びをしていると、隣の居室にいる若いベトナム人が「何で捕まりましたか?」と急に話しかけてきた。僕は「ああ。大麻持ってたのが見つかったんだよね」と応えると、ベトナム人は「ハハ。日本人はだいたいドラッグです。若い人は大麻ですね」と言う。
僕は「そうなんだ。よく知ってるね。ここに来て結構経つの?」と聞くと、ベトナム人は「6ヶ月います」と言うので、僕は驚いて「何をしたらそんなに拘留されるの?」と聞くと、ベトナム人は「ビザが切れて不法滞在で捕まりましたが、コロナのせいで入管は人がいっぱいですから、入管が空くまでここで待機させられています」と言う。
僕は「へえ。それは不憫だなあ。辛くない?」と聞くと、ベトナム人は「もう辛くないです。ここに来て日本語が少し上手くなりました」と言う。話を聞くと、ベトナム人はこれ���機に、留置場内で積極的に日本人と喋り、日本語を上達させようとしていたらしい。立派だ。
また、運動の時間が終わる寸前に、左隣の居室にいるギョロ目のじじいとも少しだけ会話をした。ギョロ目のじじいは、僕とベトナム人の会話を聞いていたようで、「おう、5番は大麻か。おれは覚醒剤だよ。よろしく」と言いながら、僕と握手をして去って行った。
・
つづく
・
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
#フィクション#エッセイ#大麻#大麻取り締まられレポ
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増田はチビデブの女。 謙遜ゼロでぽっちゃりを超えたデブだ。 コミケ参加は企業ブース目的で、今までサークルも一般もコミケに参加したことはあった。 ただコロナ禍で40kgくらい太ったので参加していた頃と体型はかなり違う。 酷暑が予想されていたから思いつく限りの対策はした。 デブだから数ヶ月前から運動や日差しに慣れた生活をしたし、前日の睡眠も今朝の朝食も待機時間中の水分補給も欠かさなかった。 日傘も差して暑さを凌いでると待機列が動き始めようとした時に嫌な眩暈がした。 一人参加だったし待機列のド真ん中だったから何かあった時に抜け出せなくなった時が怖かった。 慌てて列を抜けて、少し休もうと思ったが、その頃には地面を踏むとフワフワとした感覚がしてやばいとすぐにわかった。 最初は歩いて救護室に行くつもりだったが歩く速度もどんどん遅くなっておぼつかなくなってきて「車椅子で搬送される人」になった。「男相手に言いにくいと思うけどお手洗いとか行きたくないですか?」って聞かれた時に、そういう聞き方してくれるんだと思った。こんな状況だから性差は気にしてなかったけどいい人だなって思った。そこから車椅子で搬送される中、気分が悪くなっていく中で声をかけてくれたのは男性スタッフだったのは覚えてる。がんばれとか言ってくれた。それどころじゃなくて顔見れなくて申し訳ないけど、こちらへの言葉というのはちゃんと伝わってた。 後ろ押してくれる人も時々「こんなに暑いと普段は平気でもキツイですよね」とか声かけてくれてて、意識確認とか気を使ってくれてるのはわかっててもありがたかった。頷くことしかできなかったが。で、増田はデブだから横断歩道の段差移動の時にすげー大変そうなんだ。普通に運ぶだけでキツイと思う。 でも「デブだから」みたいなニュアンスは使わずに「次の段差の時にちょっと手伝える?」って近くのスタッフに声かけてるの。 すまねえと思うし改めてもっと痩せようと思った���。もうすぐ救護室ってところで私以外に搬送してるスタッフの人が「重いんじゃないですか?」って私を運ぶスタッフの人に言ったんだ。 そうしたら私を運んでるスタッフが「今重いとかそういう話してる場合じゃない」って言ってて、言われた時は症状の重さかと思ったけど、多分体重の話をされたんだよね。 なんか、デブでごめんだし人間として扱われてる感じがして嬉しかったって話。 あとなんで急に重いって言われたのかわかんなかったし病人とはいえちゃんと聞いてるってことは言いたいな。その後「塩分不足ですね」ってことでOS1飲んで休んだら楽になった。 救護室には医者に帰るよう促されてるくらい辛そうな人もいた。軽度の人は少し休んで戻る人もいた。 私は辛かったから数十分くらい横になって、指先の痺れや眩暈がないことを確認して これ以上迷惑かけたくないし動けるうちに帰りたかったから企業ブースは行かずに帰った。 帰るとき救護室の人(女)に優しい言葉かけてもらったりして、申し訳ないやらありがたいやらでいっぱいだった。眩暈がした時、とにかく列から抜けることを優先して後のことは何も考えられなかった。 こんなに対策をしているのに、もっと長時間炎天下に晒された時は平気だったのにとか、焦りが大きかった。 塩分不足で回復したから結局対策不足ではあるんだけど。今回に懲りて夏コミの参加はやめるよ。 もし参加するときは今の体重から40kg落としてからにするわ。
夏コミ参加したら熱中症で救護室に運ばれた
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カラスレーザーポインターの仕組みと効果
【カラス撃退レーザーポインターの効果的な活用方法,はこちらへ︎】
【第1位人気No1カラス撃退器レーザーポインター】
カラスは、知能が高く、人々の生活に時折大きな被害を与えることがあります。ゴミを荒らしたり、農作物を食い荒らしたりすることで、農業や都市部での生活に悪影響を及ぼすことも珍しくありません。
そんなカラス対策に新たな効果的な方法として注目されているのが、「カラス撃退レーザーポインター」です。 https://www.youtube.com/embed/t-JjdBSvXLc
【 カラスレーザーポインターの仕組みと効果】
レーザーポインターは、強力な光線を放射する装置で、これをカラスに向けると強い不快感を与えます。
カラスは非常に鋭い視力を持っており、レーザーの眩しい光を目にした瞬間に恐怖を感じ、すぐにその場から飛び去ります。
特に夜間や薄暗い場所では、レーザーポインターの効果が一層強まり、カラスを即座に撃退することが可能です。
【超強力レーザーポインター安全性と持続的な効果】
レーザーポインターは、物理的にカラスに害を与えるわけではなく、光によって撃退するため、安全かつ人道的な方法として評価されています。
定期的にレーザーポインターを使用することで、カラスにその場所が危険だと学習させ、長期的に寄り付かなくなる可能性もあります。
また、音や臭いを使った従来の撃退方法とは異なり、周囲の環境に影響を与えることも少なく、より簡単に使用できるという点でも優れています。
【最強レーザーポインターの利用シーン】
カラス撃退レーザーポインターは、主に以下のようなシーンで活用されています。
農地や畑での使用: 農作物を守るため、カラスが近づいた際に���ーザーを照射することで、農業被害を最小限に抑えることができます。
都市部のゴミ集積所: 都市部では、ゴミを荒らすカラスを防ぐために有効です。特にゴミ収集日前後は効果的な使用タイミングです。
工場や倉庫などの大規模施設: 広い敷地内にカラスが入り込むことが多いため、レーザーポインターを使って迅速に対応できます。
【おすすめのカラス撃退高出力レーザーポインターの特徴】
高出力のレーザー: カラスを効果的に撃退するためには、十分な出力が必要です。
当社製のレーザーポインターは、高出力で遠距離でも正確に狙うことができ、効率よくカラスを撃退します。
持ち運びやすいデザイン: 軽量でコンパクトなデザインのため、農業現場や都市部の各所で簡単に持ち運びが可能です。
バッテリーの持続性: 長時間の使用に対応した充電式バッテリーを搭載し、メンテナンスも容易です。
カラス撃退レーザーポインターは、効率的かつ安全にカラスやその他の害鳥を追い払うための画期的なツールです。
視覚的な刺激を与えることで、カラスにストレスを与え、被害を防ぐことができます。
ぜひ、当社の製品を試してみてください。効果的な害鳥対策により、日常の生活や農作物を守りましょう!
お問い合わせやご購入は、以下のリンクからどうぞ。
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5: Stairway to Heaven
「はっ!?」
会場が壊れた。まず望夢が体感的に感じたのは、『足場が無くなり、落ちる』だった。
そもそも高さのある場所で戦っていたわけではない。なのでこれは五感に伝わるただの幻覚なのだと、望夢は間もなく理解した。
眩暈がする。そのせいですぐに状況を計算できない。五感のバグのくせに、しっかり落ちて転んだ痛みがある。そして体を圧迫する重量感と、微かに脳裏で鳴る異常事態のアラート。
目を開ける。瓦礫の中に望夢は倒れ伏していた。
悪夢のような光景が広がっていた。
瓦礫が現れたり消えたり、ちかちかと景色を移り変わらせている。その途中で見覚えのある壁や岩、水流が出現してはくねり、視線を阻害する。ある場所では遊具のようなカラフルなキャラクターの顔が、ゴシック様の建築壁の中から突き出ている。
半ば無意識で、自分の体を取り巻くように転がっていた瓦礫に、解析・解除を走らせた。ヴン、と音を立てて瓦礫が消える。
この会場のためにセットされていた、ありとあらゆる仮想空間のストックが、暴走してこのありさまになっているのだと、しばらく見ていれば理解できた。
自分の動きを邪魔していた周りの瓦礫が消えてしまえば、立ち上がることができる。おそるおそる、望夢は身体を立てるが、すぐに別のブロックが足元に出現して躓いた。
「でっ」
足先を引っ掛けてまた転び、あやうく、そのブロックに膝を打ち付けそうになる。相当痛いだろう、とギュッと目を閉じたところで、ひらめく。この固形は仮想の感触だ。協会式のペタルがイルミナント意識点の持ち主に錯覚の圧力を与えているだけ。
ペタルを込めなければ無視して動ける。協会式の仮想空間とはそういうものだ。日本の協会の演習場でもいつか瑠真とやったはずだ。
とっさに脳を切り替える。望夢は元々協会式のペタル解釈には「合わせて」いるだけだ。大会のために常に協会式に合わせ、秘力を練り続ける方式を取っていたが、もう必要はない。
ブロックにぶつかる前にイルミナント励起を解除。ぶつかったはずのブロックを膝がすり抜けた。そして少しだけもう一度、協会式ペタルを自身に込める。最後にクッション様に抵抗が生じ、転んだにも関わらずふわりと地面に手をつくことができた。
何度か地面についた手を握ったり開いたりして、感覚を確かめてみる。
この要領なら、多分このカオス空間の中も歩ける。
望夢は見渡した。極彩色の景色に邪魔されているが、試合はどうなった 放送も音沙汰がないが、自分が聞こえていないだけなのか。点数はもう誰も見ていないのか
「……瑠真」
それより何より、相方が何をしているのかが気になった。
邪魔な障害物をすり抜け、迷路のような元アリーナを歩き始める。
最も敵になるのが方向感覚だった。神経を研ぎ澄ましても、会場に存在するあらゆる出場者のペタルを吸い上げた仮想空間から、ペアのものだけを探すのは甚だ難しい。
それでも歩き続ければ誰かとは遭遇するだろうと進んでいたとき、ふと五感の端に気配が引っかかった。
ペアのペタルだけを探すのは難しい。そのはずだった。
「……瑠真」
正確には。
瑠真であるはずなのに瑠真ではない、瑠真のペタルをベースにしたような何か、を、感じる。
×××
予期しなかった平衡感覚の混乱に、瑠真もまず尻餅を付き、ここがどこか見失うところから始まった。
「あ いたいた。いやぁ、君の場所は視認していたからすぐ来られたにせよ、このカオスは最悪だね」
──そこに聞こえてきたのは、考えうる限り最悪の声だった。
「は……」
瑠真は咳き込みながら顔をあげる。これは……確か、望夢の先祖の。
夏のヘリポートで聞いた、悪辣な少年の声だった。
一度で覚えてやる義理はなかった。なのに覚えていたのは、それだけその声が身の毛もよだつトラウマのように耳朶に張り付いていたからだ。
視界がぼやける。イルミナント意識点に過負荷が掛かっているのを感じる。会場にいたすべての異能者のペタルの残滓が増幅されて場を渦巻いている。感知系が苦手な瑠真にも明確だ。
目を擦って、もう一度薄目を景色に向けたとき、その極彩色の光景の中に、黒服の少年が佇んでいた。
初めて見る姿だ。子供が着るものとしては見慣れないお坊さんのような和服を着ている。
だが、彼は背格好と顔立ちが──やはり望夢に、よく似ていた。
高瀬誉。
春姫の宿敵だ。なぜか蘇った幽霊なのだと聞いていた。
だからだろうか。彼の輪郭は、まるで背後の仮想空間の景色の一部であるかのように、うごめき、刻一刻とブレている。
「待たせたね、悪魔のお迎えだよ、瑠真ちゃん」
少年は、仄かに望夢より表情が薄く見える瞳をこちらに向けて、ことんと首を傾げた。
瑠真はとっさに答えなかった。なぜこいつにこの状況で迎えられなければならない
「……何、これ」
まずは周囲を示して、端的に尋ねた。
「試合中だったよね。アンタたちが何かしたの」
「うん。眺めてたら瑠真ちゃんが負けそうだったから、助けに来た」
あっさりと、誉はそう言った。
「助けに こんな、試合無理やり壊して」
「だって、嫌だろ あんな大人の策略に乗せられるのなんか」
誉は話しながら、瑠真の向かいに膝を折った。尻餅をついている瑠真に視線を合わせ、見つめてくる。そこはかとなくじっとりと嫌な感覚がし、瑠真はいざるように少し下がった。
「……まだやれた」
「どうだか」
誉は首を振る。
「君は謀られたんだよ。極論、アメリカチームは君のことなんてどうでも良かった。日本の協会の邪魔をするのに良い釣り餌がそこに転がってただけ」
「アンタにそれを言われる筋合いはない」
「あー、そういう反応かぁ。まあ、いいよ」
瑠真が噛みつくと、誉は肩をすくめてみせた。
「君もだいぶ鍛えられたみたいだし。ここまでの話はカノへの義理立て。振られたら続けて口説くもんでもないや」
「何言ってるの」
「俺には俺の目的があるって話」
ぽん、と誉が手を叩いた。そ��とき、周囲の仮想物体から一斉に蔓のようなものが伸びて、瑠真を巻き取った。
「はっ」
「待ってね。ここから本題」
誉は言うと、瑠真に向けて膝を摺ってにじり寄ってくる。
「それ、私関係あるの 美葉乃のこと」
「カノへの義理立ては終わったって言っただろ。俺はあの子とは関係なく君に用事があるの。いや君の体、いつの間にか大分高瀬式ナイズされてて助かるよ。干渉しやすい」
瑠真は迫ってくる誉を目線で威嚇した。
「縛り上げて何が用事よ」
「なんだろうね。これを話すのは初めてかな」
誉は傍に腰を下ろして微笑む。友人としてお近づきになりたいとでも言わんばかりの微笑みだった。
「俺は君を見つけたときから、カノとはまた違う理由で君に興味を持っていたんだ」
その微笑みを、口調を、瑠真は吐き気がするほど憎らしく感じる。瑠真のペアが絶対にしない表情をした同じ顔。
「三月の協会戦。君は神名春姫の力を身に借りて戦ったね 俺はその時から、君を個人的に追っていた。カノを通してね」
「……」
そんなこともあった。だが誉はそれをどこから見ていたのか。わざわざ相槌を打ってやる義理も、問い返すほどの好意もない。
誉は瞳を三日月のように細めた。
「いやぁ、ちょっと閑話休題してからにしようかな 自己紹介ができなきゃ寂しいもの」
瑠真は自己紹介など望んでいない。だが誉も勝手であるのは百も承知で話しているのだろう。少年はあぐらをかいた膝の上にひじをついた。
「俺、もう死んでるって話は春ちゃんか望夢くんから聞いてるよね だったらどうして成仏できなかったんだと思う 瑠真ちゃんって幽霊信じる」
「今、いるんだから、それしかないでしょ……どうしてなんて知るわけない」
「俺に未練があったんだよ、結局。この世界の行く先にね」
瑠真の小声の反抗に構わず、誉はゆっくりと言った。
手元に持った数珠を弄っている。虎の模様のような色をした数珠だ。
「いや、理論的には春ちゃんが流し込んだ不老の神の力が俺の肉体を消しても存在を維持したとか、色々言いようはあるかもしれない。だけど俺の目線からしたらそう。俺は長いこと、『無』と呼べる時間の中で俺の魂が輪廻できない理由を考えていた」
話の、意味は分からない。ただ、幽霊でしかなかったはずの誉の重量感が目の前で膨らんでいくようで、怖気をおぼえる。
「俺は殺される前、春ちゃんに少しだけ期待してた。旧弊した高瀬式が情報統制できる時代はとっくに終わってた。だからその後継を作るのはきっと俺たちとは違うものだって。
だけどきっと俺も少し夢を見すぎていたんだろうね。彼女は結局、神さまであるよりも一人の女の子だった。俺は正直、それに失望してしまった。そうなるだろうと思ってたから、俺は高瀬式の精神が存続する��う望夢を��したんだけどね」
誉は、瑠真の知らない長い時間をあまりに全て把握している。それが話術なのか、事実なのか。瑠真は、ブラックホールに浮かんでいるような錯覚にとらわれる。
「望夢の父親の篝は感知系がとにかく強くて、死人の俺と普通に話せた。だから俺はさっさと奥さん作って息子にも感知教育をするように言った。篝自身はちょっと古い男だったから、あまり春ちゃんと渡り合えそうにもなかったのだけど。生まれた息子は狙いどおり霊感が強かったから、俺はその霊感が薄れない子供の頃のうちに、ことあるごとに高瀬式の精神を囁きかけておいた。だから望夢の育て親は直球で俺みたいなもん」
「高瀬式の、精神……」
「俺はこの世界を自由にしたいのさ」
誉はこともなげに言った。
「しがらみに囚われ、欲で傷つけ合い、己が正しいと思う者が殺し合う世界を救済したい」
「できるわけない。何カミサマみたいなこと言ってんのよ」
「俺、仏教徒だよ。そこはよろしく。西洋の神さまの考え方とはまた違うと思うな」
瑠真に宗教の違いなどはわからない。ただ睨み返すと、誉はとん、と自身の胸を叩いた。
「とはいえ世界をより良くしたいという想いに貴賤はないからね。ヒイラギ会の子たちのことも普通に応援してる。『みんな望んだものが手に入って、みんなハッピー』」
「もっと無理よ。わかってて言ってるの? そんなの成り立たないでしょ」
「そう、でもだから君も聞いているだろう あの子達は、みんなを幸せにして、その瞬間世界を終わらせたいんだよ」
誉はくつくつと笑う。それは朗らかで、子供の悪戯を愛おしむ祖父母のようにさえ見えた。
「死ぬ瞬間幸せだなんて、なんて幸福」
「……勝手に押し付けないでよ、そんな理想」
「ああ、そういうところが春ちゃんと相性いいのかね 俺は個人レベルで行える救済手段の一つだとは思うけどね。まあ、個人レベルじゃない視点でできることを、本当は神の力を持つ春ちゃんに望んでいたのだけど」
瑠真の激高を、誉はこともなげにいなして頬杖をついた。
「ここで話題を戻って、ヒント。春ちゃんには『神の力』がある。俺は高瀬式の旧支配者。高瀬式が春ちゃんと仲良くなかったのは知ってるよね」
「……」
瑠真はとっさに話題を辿った。何のヒントだ 内容は当然知っている。だから何だ。
「春ちゃんにある『神の力』。俺はそいつで殺されたから、分析サンプルは十分。やろうと思えば干渉操作することができる。ただ今あの子の力は、半分うちのご当主の協会式能力維持に使われている。『契約』だね。春ちゃんの憎き高瀬式に首輪をつけて自分の支配下に置こうっていう、あの子なりの復讐」
これも事実としては知っているが、それを誉がどう解釈しているかなどは知らない。春姫が私情で望夢を使っていることはなんとなく知っているつもりだった。
「その『契約』のデータもちゃんと手元にあるのさ。斎くんが頑張ってホムラグループに流してくれたから��。俺たちはそれをホムラグループから拾ってる。
有り体に言えば、俺も同じ契約ができるってコト」
誉はそう言った。
「……待ってよ」
じわじわと、脳内で話が繋がり始める。世界を救済したい誉。望夢と春姫の間にある契約。
「何、する、気」
「それを今説明してるんだってば。俺は春ちゃんに神の力を渡して後悔した。その未練が俺をここまで生かした。望夢は俺の救世主になり得る視点を持っているけれど、今のところ春ちゃんの犬で、世界の上に立つ覚悟も持ってない」
誉はひらりと手を挙げ、人差し指を立てた。講釈する優しい先輩のような口調だった。
「神を降ろすには、新たな神を産むのが一番いいと思うのさ」
その指が瑠真に向く。
「なに……」
息をつまらせる瑠真の、胸に誉の手が這う。びくりと全身を強張らせた瑠真の胸元に、誉の、霊体の手が、『入り込んだ』。
本人も言うように仮想空間技術で作られているだけの体だ。痛いはずも、感触があるはずもない。なのになぜか生命の危機を感じる。触れられてはいけないものが触れている気がする。
「望夢は君のことが好きだからね。君が力を持てば、春ちゃんの時よりその制御に必死になるだろう。それが目的だから、別に俺は君自身のことはどうでもいいわけ。とはいえ俺を悪魔として生かしてくれたカノへの義理はあるしね それに、俺は人を一人使うなら、その心に敬意を払わないことは本意に反する」
誉の声がガンガン響く。それが心理的効果なのか、既に何か異常が始まっているのか瑠真は理解できない。
「タイミングが今だったことにも必然性はあった。まずは君が治癒の能力を得たこと。その願望の根底にあるのが『戦える力がほしい』であったこと。俺はその気持ち、よくわかるよ。眼の前にある世界に触れられないのはもどかしいものな。君の場合それが戦いという概念だった。極めつけに今、とやかく言う大人はみんな太平洋の海の向こう」
誉の手は、最早とっぷりと手首まで瑠真の胸に埋まっている。身体の中で熱が暴れ狂う。平衡感覚が上下左右どれもわからなくなっていく。
「君はとても、とても強くなるよ、瑠真ちゃん」
誉の声が、まるで身体の繋がりから直接伝わるように聞こえる。
「壊れても、傷ついても戦い続けられるだけの力が手に入る」
その言葉は。
誉には伝えたことのない叫びのはずで。知っているのかなんて、今更問うのも馬鹿らしく。
耳元で、吐きそうなほど望夢とよく似た甘い声が囁いた。
「君の願い、叶えてあげる。一緒に終わろうぜ」
その日、フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク西部では崩落事故が起こり、ニューヨーク地下のメトロ路線まで会場の一部が落下した。
偶然試合中でそこにいた少年が一人巻き込まれた他は、試合相手のアメリカチームも無事に引き上げ、現在は救助・捜索活動に当たっている��うだ。
それ以降の瑠真の記憶はない。
次>>
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私のトップニュース2023
1位『本当にテキスト以外の活��本を読まなかった』 恐ろしい話です。 幼少の頃、大好きな絵本に出会って以来、何かしらの本を常に読み続けてきた私が、人生で初めて読書を絶った一年でありました(漫画は少し読みましたが)。 なので、今年は「今年の読了本リスト」がありません。 年末年始は読書したいので、そこで1~最高4冊位出るかも知れませんが。 まあそれは一旦脇によけときまして、昨年末に決意だけ固め、 今年の半ば位までは自分でも半信半疑でしたが、 あっという間に本当に一年が経とうとしています。 とは言うものの、代わりにやたらとSNSを覗いたりもしました。 しかし、秋以降にもう一段奮起して、資格試験の予定を毎月のように押し込んだ為、SNSですら、かつてなく遠ざかっています。 全く絶った訳ではないですが。 でも、SNSで神経すり減らす位なら、広告だらけの無料アプリで 資格関係のの一問一答をやっている時間の方が長いですよ。
同率1位『日経経済知力テスト(日経TEST)で870点越え』 この今年の振り返り自体、この事を誰かに見て欲しくて書いてるとこあるわ。 小学四年生で社会科が好きになって二十余年、遂にその「好き」が日の目を見た、という感じです。 偏差値78、パーセンタイルランク(後ろに何割の受験者がいるか)で100%を取りました。 ぶっちぎりやん。東大生や。 センター試験の世界史Bで85点以上を得点した時より嬉しいです(奇数点ってあったっけ?)。 現代文の全国模試で上位数百人に入れた時と同じかそれ以上に嬉しいかも。 尚センター試験では120~130点程度で散々でした(しょうもないことをよう覚えとんな)。 ちなみに日経テストとは、広く浅い時事的な政経ネタにどこまでついていけるかという1000点満点のテストです。 日経新聞の入社試験問題と同等らしいですよ。 公式テキストを2,3周とベンダー系コンサル会社数社のビジネス��コラムと、NHK NEWS WEBを頼りに頑張りました。 テストセンターで受けました。
3位『めちゃくちゃ資格試験受けてるしまだまだ受けなきゃいけない』
上述の日経テスト以外にも色々受けたり準備したりしています。
・夏~秋に受けた本命の試験 この試験の為に読書を絶っていたものの、私は最高気温が摂氏25度を越えるとパフォーマンスが落ちるタイプの人間なので勉強は全然頑張れなかったです。 結構ボリュームがあるのですが、前半はギリギリ足切り点以上あると思います。 後半の得点は運任せです。自己採点も出来ていません。 経済産業省所管の国家資格。
・ITパスポート 今時大卒の新入社員が入社前の課題で取らされたりしているそうです。 無料アプリで特訓して合格しました。点数も良かったと思います。 独立行政法人情報処理推進機構が実施。 経済産業省所管(総務省じゃないんだ!)の国家資格。
・ビジネス実務法務検定3級 この試験は、躓いたら他の資格も含め、頑張る事を辞めていたと思います。 いっぱい資格とったろまい、と意気込んだ矢先に受けたものですから。 そんな背水の陣効果かどうか、合格水準点丁度で合格しました。 「いや私、これでも学士(法学)なんだけどな…」 と自虐しつつ、民法は好きじゃなかった事を再確認。 受験の形式ですが、これは自宅で受けました。 片付けても片付けても汚い部屋をぐるっと試験監督にウェブカメラで見せたり、 色々不正のないようにさせられて、自宅だけど滅茶苦茶居心地が悪い時間でした。 テストはせめてテストセンターで受けるべきですね。 他人と席が近い所はそれはそれで別種の嫌さがありますが。 受験対策として、事前に公式テキストを2、3周読みました。 しかしテキストだけでは不十分で、巷間言われている通り、 過去問なり想定問題なりを解かないとダメだな、という事に気が付かされた貴重な経験となりました。 東京商工会議所が実施の民間資格。
・めちゃくちゃマイナーな試験 年500人位も受けていないぐらい(実施団体の令和3年度事業報告に依る)。 難しい訳ではない。 民間資格。
・勉強中で、1月に詰め込んだ試験達 テキスト読んでみた限り何とかなりそうだった国家資格(総務省所管)。 日商簿記三級。今読んでいるテキストの貸倒以降が全然頭に入らない。 危険物取扱主任者乙四種。無料の試験対策アプリで勉強中。でもテキスト要りそう。
・来年やる気が続けば取りたい資格 一つは、今年受けてどうせ駄目だった本命国家資格。リベンジ。 次に、似た分野で1つ資格を既に持っている国家資格の等級が低いのん。 そして、ビジネス実務会計3級。こちらは大阪商工会議所主催。 できれば、ビジネス実務法務2級。問題集も解いてテストセンターで受けるぞ。 ついでに、日商簿記2級は1月に3級取れたら頑張ります。 加えて、情報セキュリティマネジメント。ITパスポートがすんなり通ったので気を良くしてます。
と言う風で、今年は後半に何かのスイッチが入って実学的な事に挑戦し続けています。 同じだけの熱量で、大学受験の時にもっと…大学の四回生の時にできなくて何を今更…関西おる時にこんだけできたら…と色々考えたりもしますが、そうした反省の上に今がある事は重々承知。 精々1月の試験とまた本命の国家資格だけは来年頑張りたいと思います。
さて、資格試験を受けたり準備したりしている中で、ちょっとした夢が出来ました。 本気で取り組むと宣言する程ではないですが。 それは、官報に名前が載る試験に合格する事。 なんというかこう…個人のできることのある意味究極な気がしませんか。 そういうふわっとした動機で目指すレベルの事ではないでしょうから、まあ戯言と思って下さい。 当然、官報に名前が載るのは、司法試験を筆頭に超難関資格だらけ。 でも、ネットで色々調べた感じだけで言っちゃうとすれば、 技術士一次試験と、税理士は狙い目なのではないかと…。 前者は理系という所に躊躇を感じますし、食べていける系の資格ではないのですよね。独占業務がないので。箔はつくらしいものの。 ただ、危険物取扱主任者乙四種ですらヒーヒー言うてるのに、大卒レベルの理系科目を私が解けるのか…? そして税理士の方は科目合格がある事から狙い目と言ってのけてしまいましたが、必須科目の簿記論は簿記1級レベルの更に上を行く難易度らしいので、もはや眩暈がしてきます。 こちとら貸倒で躓いて三級レベルの試算表ですら訳ワカメ意味トロロですよ。 歴史に名を刻むのも大変だなあ…。
そこから少し外れますが、通信制大学で法学以外の学士号を取るとか、それか思い切って東海地方の大学院で修士号に挑戦するかという事にも興味が出て来ました。
資格試験、確かに苦しいのだけど、料理と同じで手間暇をかければ応えてくれるのではないかという期待もあり、人間関係から離れたフラットな基準で評価される事で得られる充足感もあり、続ける価値は充分にあると感じられます。 ただ、「確かに苦しい」と断りを入れる程には苦しく、短期間に幾つも申し込んだりして私、何やってんねやろうと思うのも事実。 お金も時間も掛けているし、ビジ法3を受けた時にも感じたけど、躓いたらそこで終わりそうな気もしています。 自分で自分を騙すこの綱渡り。 有名だから…と思って乙四まで手を広げて、これ以上は社会人としての基礎的な資格はあんまりなさそうでもあるし、じゃあ何かに特化していくか、と自問自答すると、本当の本当に辛い事は避けたいというのが本音でもあり。 級数のある試験だって、本当にステップアップしていけるだろうか? ビジ法1なんて、業務上の問題点を弁護士と対等に話し合えるレベルの力が試されるらしいですよ。 ううん…そこまでは…。取れたら格好いいし、見える世界も違ってくるのだろうけど。 この資格取得ブームが続くのか、予断を許しません。
4位『ブルーインパルス2回見た』 小牧基地と岐阜基地の航空祭でブルーインパルスの訓練展示を観覧しました。 近畿地方には奈良の教育隊しかいてないので、東海地方の航空自衛隊施設の充実ぶりには驚かされます。 流石戦前からの航空産業集積地。 浜松も頑張って段取りすれば来年にでも行けそう。 小松も何とかなる距離かな、日帰りは無理かな。 知人にブルーインパルスいいですねと話を振ったら、那覇基地の航空祭が滅法いいよと教えてくれた。 沖縄観光にあまり興味のない私だけれども、そういう理由で訪れてみるのは一興かなとは思いました。 まあそうやって無邪気に言っちゃうのはちょっと違うかも知れないけど…。
5位『COVID-19のワクチン5回目打ってないやん』 新型コロナウィルス感染症もやばいですし、流行性感冒もビックリするほど猛威を振るっている今日この頃。 マスク、手洗い(うがい)は継続しておりますが、やっぱりプラスアルファ免疫をつけなければなあと思いつつ、のど元過ぎればなんとやら…。
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08/10/2019 - #1
ヒューストンから早朝の飛行機でユタ州ソルトレイクシティに向かう。子供は4か月になっている。飛行機の中ではうまい具合に寝てくれたため余裕をもって着陸。大量の荷物のほとんどはストローラー・着替え・ミルク用各種器具などほとんどが乳児用のもの。今回はオムツを現地調達するために少なくしてきた。
飛行機の窓からとんでもない規模の採掘場が見える。しばらくするとソルトレイクの名にふさわしい塩湖がいくつも見えてくる。その間の道を豆粒のような自動車が走っていく。
ユタ州は通称モルモン教と呼ばれている人達がイチから作った州だ。キリスト教から異端とされて全国をさまよった結果、この地を開拓して定住した。モルモン教徒は今では全国各地に強大なコミュニティを築いている。って、会社の同僚のモルモン教徒に教えてもらった。勤めている会社でもモルモン教どうしの結束で人事が決まっているような場面や、逆にしがらみがややこしくなっているような場面に遭遇した。
2017年にハリケーンがテキサス州を襲った時には、モルモン教の同僚にお願いして、破壊された家々を訪ねてゴミ整理、清掃、片付けするボランティア活動に何回か参加させてもらった。地区ごとにチームを組んで動くが老若男女関係なく出動。教会の力およびアメリカのキリスト教系の敬虔な人たちの行動規範というものをすごく感じた出来事だった。
午前10時前には着陸。レンタカーを取りに行く前、空港の構内で宿泊先の施設から妻に電話がかかってくる。それによると妻が宿泊予定を1日間違えて伝えており、明日のお泊まりは予定通りですか?と。いや、今日に泊まります…でも今日は予約が取れていないという。急遽予約をやり直してもらいなんとか事なきを得る。
ワイオミング州にあるイエローストーン国立公園の入り口を目指してひたすら走る。アメリカの国立公園はだいたいが1870代ぐらいに各地探検しすばらしい場所を発見した白人がこの自然を守るべき、ということで国立公園化を推進したものが多い。他には、広大な鉱物の採掘場だったものを残したり。ヨセミテのトレイル名にもなっているジョン・ミューアはその第一人者だ。
ワイオミング州まではアイダホ州を通っていかなければならない。国立公園の周りに空港を建てて良いわけもなく、最寄り空港を選ぶと今回の形になる。距離は350マイル以上。時間は7時間となる。前回サンアントニオで練習はしてみたが、はたして4か月児と行うこの片道500kmの長距離ドライブは成功するのだろうか。
ガソリンスタンドの休憩以外は走り続ける。とにかく「Idaho」と書いたグラスやマグカップ マグネットしか売っていないお土産コーナー。いま思えば買っておけば良かったのだろうか。
17時半ごろ、イエローストーン国立公園内の宿泊施設オールドフェイスフルイン(Old Faithful Inn)に到着する。1904年に建てられたこの公園のランドマークとなる施設だ。
結局無事に走り切れてしまったのだった。子供をベッドに解き放った後は施設のバルコニーから見える間欠泉を見学。もう夜になって来て子どもを寝かす時間だ。大人用ベッドは高すぎて落ちたら危ないと思い、部屋にクリブを用意してもらったのでそこに寝かせる。ところが夜中に泣いて起きてしまった。寒すぎたようだ。
夏でも夜は寒い。南国のヒューストンに暮らしているとついその辺がおろそかになる。なんとか1つのベッドの真ん中に寝かせて大人が挟む形で対応する。その夜どんな夕食を食べたかは忘れてしまった。
次の朝は施設内の食堂で遅めの朝ごはんを食べる。スクランブルエッグ・ベーコン・ソーセージ・ポテト・パンケーキ・メロン(緑とオレンジのメロンがどこでも基本となる)といったごく普通の食事。
レストランの受付で使っているシステムが自分の勤めている会社のERPシステムと同じMAPICSだったのが記憶に残る。こんな古くさいシステムがアメリカの各企業で依然として使われてるのか。
バッファローが集団で暮らしているエリアまで車で移動する。広大な草原にたくさんいるのを遠めに眺める。
次はGrand Canyon of Yellowstone という大きな谷になってる所の北側North Rimを走る。Upper Fallという巨大な滝を見るためにトレイルヘッドから降りていく。天気も最高で虹が出ている。駐車場まで登り返すときに妻がかなり疲労していたので少し歩いては休みながら帰る。ヨセミテの時はかなりのハイキングをこなしていた事を考えると、出産というのはこんなに女性の体力を奪ったりするとんでもない作業。
次はNorris Geyser Basinというエリアに移動。鉱物を含んだ熱湯が沸いてる池が点在するのでBasinていうのか。ウッドデッキの遊歩道が整備されてそこから見物しつつ歩く形。乾燥してて暑い。日本の各地にある「地獄」とは比較にならない広さ。
今日はこのぐらいで終わりにして宿泊施設に帰る。夜も朝と同じようなアメリカン食事。その後外に出ると夕焼け。今日の夜は子供もベッドに乗せて寝て寒さ対策。
翌朝は片方が乳児の世話をしている間にOld Faithful Innの前に点在している熱湯の池を交代で見学。コイン投げ込むと泉質が変わってしまうから投げ込み禁止の表示。限られた時間なのでランニングを兼ねて走って見学。
朝食もまた同じ食堂で同じ食事。コテージを超巨大にしたような建築物であるOld Faithful Innを改めて見学。その後 Black Sand Basinというエリアに移動する。まずは遊歩道で間近でみるエリア。眩しい光のなかもうもうと湯気を発している中を赤や水色の池を見てまわる。つぎに小高い丘から全体を眺められる場所を目指して少しハイキングする。4ヶ月児に日差しが当たらないようにしているけど、そんなに長くはいられない感じ。
Emerald Poolという有名な池が見渡せる場所まで来た。日本では福島県に五色沼という同様のところがあって子供の頃に行ったことがあるが、それとは規模が違いすぎる。とにかくでかい。帰りの駐車場に人を恐れる様子のない大きなカラスがいた。 カラスは北米大陸ではネイティブアメリカンによって神聖なものとして扱われたというストーリーをいつも思い出す。
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2023/04/30
海を消すように、という言葉が聞こえたので、思わず上司ではあるがはあ、と答えた。
我々はただの営業で、ここは乳製品飲料の販売店なのだ。
目が細くなる上司に向かいどの様にすればいいのですかと問う。
確かにここは海辺の街であるが、そう言われても天地創造を取り仕切る偉大な神様にでもならないと無理な話だろうと告げた。
すると「潮賀原合併30年記念祭開催実施について」と書かれた書類を私の方へ向けて、開催要項の欄に書かれた近くの公民館の名を指差し、「ここで潮賀浜のことを綺麗さっぱり記憶から消してしまうくらいに売り込んでこい」と私に叩きつける様に言った。それが今日から丁度三ヶ月前のことだ。
すっかり忌々しい存在となった潮賀浜の波音が耳に届く。
少し先の浜辺には、楽しそうに子供が楽しそうに走り回っていた。
まだ朝早い時間ではあるが公民館の扉を開ける。すでに手前に無駄に広がっている駐車スペースには夕方から開店する予定の屋台たちが集合し始めていた。
公民館の中の小さなホールでは、地元の名産品の紹介やら、我々のような企業の紹介ブースやら、海にちなんだハンドメイド雑貨やらを行っている。
ホールの中腹あたりに割り当てられた長机二つ分ほどの我々のスペースに荷物を運び込む。
サンプル品がいくつか入ったクーラーボックスと定期配送契約の契約書が入った書類ケース、ポスターがいくつかと商品のCMを再生するための小さいモニター、それやこれやを簡単に養生テープのみで区切られたそこへ社用車から何度も往復して運ぶ。
そして、周りのスペースはあの上司の想定通り、海の爽やかな印象を形にしたような青や緑の色使いばかりだったので、正反対の暗い赤色を貴重とした雑貨でスペースを設営した。
この策が有効なのかどうかは始まってみないとわからないが、たしかに目立っていると納得ができた。
終わった今としては、本当にあっさりとした時間だったと思う。目立つ配色ブースや、屋台のエリアの方へサンプルを持出し、契約しそうな保護者と共に動いている子供を狙って配布、これからの季節へ向けて暑さ対策商品の定期配送に付いて簡略に説明したページに繋がるQRコード入りの会社のマスコットキャラクターのステッカーも合わせて配る。3ヶ月間かけて必死に練った策は瞬く間に過ぎてしまい、気がつけば手伝いに来てくれた後輩によって、荷物と一緒に社用車に詰め込まれていた。それに運転席には件の上司が乗っているのが見えた。
事務的に感謝を述べたあと、すぐに車は走り出す。ポスターの筒によって斜めに座ることを強いられたまますっかり暗くなった町中を走っていると「目標は達成できたのか」と運転席から質問を投げられた。「なんとかですが、達成できました」と言うと「ステッカーの配布率は」と返される。後輩が「8割ほどです」と簡素に返す。車内が静かになる。
少しだけ開けていた窓から我々の敵であった潮賀浜による優雅な波の音だけが響いていた。
会社に到着して、車から降りる。
横を見ると持ち出した備品を後輩が台車に乗せ始めていた。
すると「ちょっと」と私の後ろから声が聞こえた、反射的に振り返ると予想の通りに上司が手招きをこちらにしていた。咄嗟に近くまで寄る。
静かにこちらを見ているな、と他人事のように思うが、その目の前の人から出た「本当に、海は消せなかった?」はっきりとしたその言葉に押し黙った。
この3ヶ月間私と共に、今日のために計画を必死に練っていたはずの目の前の男の言葉に、目眩がしたが必死に足元に力を入れて踏み止まる。
無意識に「すみません、」と言ってその場を離れようとする自分を引き止めるように、計画にの脆弱性ついて洗いざらい話しだしたそれから逃げるために、数時間前に起き��出来事が自分の最善の選択だったと言い聞かせるしかできなかった。
ずっと台車がコンクリートの上を走る音が私の中を占めている。嫌な汗が吹き出て体の中の何かが萎んでいく感覚を覚える。
目の前の人間が私の何度も練り直した案を見てこれで、と許可を出したのではなかったか、目の前の人間の助言を聞いて今日を迎えたはずではなかったか?立てられた目標は越えているのに?
満足したようにその場を立ち去ったそれを目で追っていると、社長が知らぬ間に現れて「助言を貰ったのか、そうか参考にするようにな」と私に声をかけて、高そうな自分の車に乗り込んでいった。
私にはもう長く長く息を吐いて、今日のことを辛い過去として、振り分けることしかできない。
あの潮賀浜に私は負けたのだ。
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8/24
あなたの街の駅のホームであなたを待っている。知らない街の知らない景色がある。とてもいい街だと思いながらあなたを待っている。目当てのカフェに行って、軽く食べてきたあなたはアイスコーヒーを、私はランチを頼む。あなたは昨日の健康診断で視力が落ちていたと言って私の眼鏡を奪って(私はあなたが私の眼鏡を掛けるのを眺めることが好きだ)、採血の注射のあとが残ったと愚痴をこぼす(私はその痕に触れる)。少し残しておくからといって、食べ終わる頃にはあなたはほとんどコーヒーを飲み干してしまう。そのまま歩いて近大(それはあなたの母校であり、あなたの家から5分と離れていないもころである)まで向かう。図書館に忍び込んで、まるで学生のように。あなたが過ごしたキャンバスだ。そして今ここで、あなたと並んで闊歩している。カフェテリアで恋人のように戯れ合っている。おれはあなたの英語の先生となる。それを喜んで引き受ける。仮定法の話をする。仮定法は切ない文法だ、と。仮定法は決して現実ではあり得ないことを話すときに使うのだ、と。I wish〜。「I wish I knew you wanted me」。「Wish we’d grow up on the same advice」。ほらスティーヴもフランクも、こんなふうに歌っているよ、と。知らない街の知らない居酒屋に入る。コロナ対策の仕切りをお店の人がはずしてくれる。それは本当に必要がないものだ。思わずいろいろなことを話してしまう。あなたになら、こんなふうに本当はあなたに話すべきではないことも話してしまう、と話す。横並びのカウンターで、少し酔っ払ったあなたは足を私の椅子の足置きに置いて私の方を向きながらそれを聞いている���私はあなたの脚の上に手を置いて、あなたはそれを握っている。また駅の方に向かって歩き始める。2人はよく歩く。肩を組んで、手を握って。こうして歩きながら中身のない会話をする。駅の改札へ向かうエスカレーターで密やかな口づけをする。改札をくぐってホームへの階段で抑えきれずにそれを反復させる。私はその衝動と快楽に眩暈をする。電車が来て、最後の手の感触を惜しみながら飛び乗る。ドアが閉まってこちらに手を振るあなたを閉まるガラス越しに見送る。しばらく何も考えることができずにボーッとしている。「日本語には日本語の世界があって、英語には英語の世界がある。だから外国語を学ぶことは新しい世界を見ることでもある。だから私があなたに英語を教えるのは、私がどう世界を見ているかを教えることでもあって、それってとてもロマンチックなことだと思わない?」。「とてもそう思う。現にわたしはあなたと出会って、今までわたしは何をしてきたんだろってくらい世界がひっくり返ってる」。「でも、あなたはあなたで私に別の世界を見せてくれてるんだってことを、言いたかった」。「見せれてるかな?って心配してたとこだった。お互い様ってことね。なんかいろんな概念がどうでもよくなっちゃう」。
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2022.4
4/1
今日は新月。アファメーションをしようね。私は私だけのものです。
4/2
すぐに色落ちする髪質なので2ヶ月開くともうキンキンになっちまう彩村、やっと美容院に行きました。ラベンダーベージュにしてもろたヨ〜。次回は梅雨入り前なのでトリートメントかストレートをやるとパヤパヤ毛がおさまると聞き、そりゃあやるしか��いなあと思った。
4/3
お花見に行こう!と早起きしてコーヒー淹れて玄関開けたら雨。なんということでしょう……と二人でおうちで朝ごはん。こんなときでもパンオショコラはおいしい。
4/4
いちごの季節なのでフルーツサンド。マスカルポーネを買うのを忘れて生クリームのみで作ったらちょっと軽すぎたかも。台湾パイナップルが特売だったので久しぶりに捌いてみるなどした。
4/5
スカートは柄物しか穿きません。テンションが上がるからです。故にクローゼットは花柄で満ち溢れているのですが、うっかり柄物トップスを着てしまった日にゃ「どれが一番控えめなスカートなのか……」と色とりどりの布の前で悩むことになります。チェック×花柄も可愛いよね!
4/6
クレンジングを変えてから肌がみるみる改善される。うれしい。生え際の吹き出物が消えるしあごのざらつきも消えるし魔法のような油です。高いけど!
4/7
事務所にいたくないので昼休みは外をひたすらぶらついている。近くに公園でもあれば良いのですが。前の勤め先は川や公園がすぐそばにあったのでしょっちゅうベンチでお弁当を食べていたのを思い出す。さすがに雨の日は誰もいないだろうと思ったら意外とサラリーマンが雨の当たらない木蔭に座っていたり。お気持ちわかります。
4/8
ラベンダーの図案はおおかた決まる。その次は何にしようかしら。おそらく秋頃のレッスンになるので、秋っぽい植物……。グラス系かなあ? いつか十二月分を刺してぐるっと並べたい。
4/9
お花見にドライブしてたら妙見山に辿り着いたり一庫ダムを回ったり道の駅でジェラートを食べたりした。風が吹くたびに桜が散って、猛吹雪のなかでくるくると桜のダンスを踊りました。やっぱり私は散り際の桜が好きです。
4/10
アイスコーヒーの日々が到来。今まで家で挽いていたのですがアイスに関してはお店で挽いてもらったほうがおいしいな……。ドリップしているとブロックアイスがぱちぱち鳴いて、季節の変わり目を実感しますね。
4/11
ラナンキュラスラックス アリアドネが開花中。ぴかぴかの花びら!年々花数が増えていて嬉しい限り。球根の醍醐味ですね。今年は葉が枯れるまでちゃんとお世話して球根を太らせるぞ!
4/12
北海道展の垂れ幕が見えたのでふらふらと誘い込まれたところ三方六を発見し素早く買った。大好物なのです。バームクーヘンにホワイトチ��コレートがかかっていて、冷凍庫にちょっと入れてパリッとさせるのが好き。最近始めたあすけんというヘルスケアアプリに怒られたけど四切れくらい食べました。
4/13
注射を打たれ、ベッドに横たわっているとにわかにグラグラと揺れ。いつもの目眩かと思ったら本当に地震だった。さらに具合が悪くなりました。踏んだり蹴ったり。
4/14
三回目ともなれば身体の方も慣れて来とるやろ!と思いきや37.9度ですか。なるほどね。寝ます。
4/15
アクアアレゴリアのポップアップショップの前を通りかかったら販売員さんがムエットを渡してくれました。ペラグラニータだって。爽やかで良い香り。
4/16
健康診断で視力の低下を指摘されたので眼鏡屋さんに行く。と、特に問題ない結果が出てしまった。店員さんによるとその日によって視力は変わってくるのでたまたま悪い日に検査されたのでしょうとのこと。でもちゃっかり新しい眼鏡を買いましたとさ。ベージュ系で肌馴染みが良くてお気に入り。
4/17
ネイルの塗り替え。いつもジェルミーワンでぱぱっと塗っています。透け感が好きなのでシアーカラーが多い。自分で気軽にジェルネイルができる時代ってすごいなあ。クリアルビーにピンクダストを重ねて血色感のある爪にしたよ。
4/18
チップドモヘアを手に入れたので大きい子の型紙を書いた。お腹がぽてっとした子です。あともうひとつクラシックタイプな子と小さい糸ジョイントの子を作りたいのよね。なかなか狙った生地が手に入らない世の中……。
4/19
薔薇がぐんぐん水を吸うので水やりが追いつかないほど!今年は蕾がたくさんで嬉しい。もう四年目だったかな?手を掛けた分応えてくれる植物。
4/20
雨がざんざんと降る。手持ちの傘は柄が曲がってるわサビのシミがついてるわ(そりゃ十年近く使ってればそうなる)という出来なのでそろそろ買い替えたい!
4/21
アイスコーヒーには肌寒い朝でした。初夏の入り口に立っているね。ベランダの緑がきらきらしている。
4/22
まだまだあすけんを続けています。毎日鉄分とカルシウムが足りない……。レバーと牛乳を摂れば良いのか?高得点を取れている人はどうやっているんだろう。あすけんゼミを開いてほしい。
4/23
ラナンキュラスを切ったりエバーフレッシュの散髪をしたり薔薇の水やりをしたりしました。エバーフレッシュちゃんは窓ガラスを突き破る勢いで生長している。買った頃は膝下丈だったんですよ。今は2m超えの大木です。
4/24
実家から筍が届いたので筍ご飯を炊きました。口がかゆい!おいしい!と言いながら食べました。その後廃品回収に出すソファと箪笥をひいひい言いながら外まで運び、ご褒美と称してハーゲンダッツを食べるなど。
4/25
ワイヤレスイヤホンが届きました。通勤革命だ!ついでにSpotifyプレミアムにも登録。楽しく仕事に行けて良いです。
4/26
春の嵐に薔薇の鉢を倒されてしまいました@夜。もう手の施しようがないので朝を待つしかありません。祈りながら寝ます。
4/27
恐々ベランダを覗いてみたら、植木鉢の下敷きになったラレーヌビクトリアの枝がポッキリいっていて半泣き。若い苗なのでどうにかシュートを出してほしい。
4/28
明日から大型連休と浮かれながら仕事をしていたら夕方からえらく忙しくなり、残業を決め込んでしまいました。でもすっきりした気持ちで休みに入れるので良し!帰り道に百貨店に寄って大きいクレンジングオイルと草餅を買いました。
4/29
連休初日から大雨。前回の反省を活かして薔薇の倒れ対策をした。ベランダの床がピカピカになるほど雨が降りました。雨後にお花の被害チェックをしていたらアメージンググレイの蕾が綻んでいるのを発見!綺麗な灰紫色でうっとり。まだまだ蕾が上がってきそう。初めてポピーを育てたので不安だったけどちゃんと咲いてくれて良かったな。
4/30
フレンチトースト食べてテディベア教室へ。三つ型紙を作りました。今回は難易度高め。もひとつ大きい子の型紙作りたい。お教室に行くと仲間の皆さんが色んな子を作っているので刺激になります。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)8月13日(金曜日)
通巻第7012号
新任の秦剛(駐米中国大使)がワシントンで話し合いを始めた
イエーレン米国財務長官が近く訪中の観測
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イエーレン米国財務長官が訪中する予定という。
8月12日にブルームバーグが報じたが、財務省のリリー・アダムズ報道官は、「イエーレン長官が秋に中国を訪問する計画はない」と否定した。もし訪中となれば、現職閣僚だから、バイデン政権では最高位の訪問となる。
情報通が解説するには「長官訪中の場合、気候変動対策など米中共通の課題のほか、貿易などの協議が目的となる」とし、対談相手は劉鶴副首相だろうとした。
しかし、先のシェルマン国務副長官の訪中は中国側が罵倒を繰り返し、天津に留め置いて、文句ばかりを並べて追い返した。米国は相当の不快感を抱いたが、同時に中国はまったく譲歩する姿勢にないことを掌握した。
イエーレン米国財務省官はFRB議長を務めた金融、財務のベテランであり、現在のバイデン政権が進めているバラマキ路線の中枢にいる。
彼女が中国へ行って知りたいことは、第一にデジタル人民元の本気度と、その可能性、そして米国はいかに対応するべきかのヒントを得ることだろう。というのもブレトンウッズ体制下のドル覇権が何時まで維持できるかという米国の戦略に絡むからだ。
第二に中国企業のウォール街への上場がピタリ止んでいることと、中国企業の社債償還、株式市場の下落予測などの参考となる実態を把握することだろう。二年以内に230兆円の償還がくる中国の債券市場はパニックを回避できるか、どうか。
第三に中国共産党は教育産業の予備校や、ゲーム産業は不健全として市場介入を間接的に行ったが、この悪影響が中国国内ばかりか、すでに日本のソフトバンクGや楽天に甚大な悪影響が出ており、市場の今後の予測に繋がる。
中国は世界に先駈けて「デジタル人民元」を普及せんと実験を繰り返している。そのうえで、潜在的な阻害要因を駆除しており、例えば、ビットコインなどの暗号通貨の取引所を閉鎖した。
中国人はビットコインに集中的に投機してきたため、世界シェアは80%にも及び、同時にビットコイン現金化闇市場も出現した。顧客のなかにはハッカーで稼ぐ北朝鮮の集団があった。また電力消費が膨大なため、国内取引所を畳み、米国テキサス州へ移動する「業者」も目立つようになった。
またアリババ、テンセントのモバイル決済は国民から支持されており、最初は奨励してきた中国共産党だったが、データ管理とデータ流失に問題があるとして、規制を強化した。デジタル人民元を世界市場に普及させ、国家がそのデータを管理すると中国の全体主義体制は、管理監査が完璧となる。しかし、そうした中国の目標は可能なのか、どうか。
デジタル通貨は国際的流通性を獲得すれば、当該国の通貨管理、すなわち通貨発行という主権はどうなるか。
仮想通貨は、ドル基軸の世銀IMF体制と、どういう整合性を取るのか、デジタル人民元などの仮想通貨は、どうやってドルと交換できるのかという問題だ。こうした重要な問題で米中は突っ込んだ話し合いをしていない。
▼二年以内の中国国有企業の社債償還は230兆円
昨秋から噂されたデベロッパー大手の「恒大集団」が債務危機に陥って中国の不動産業界は青ざめた。香港では開発中のマンション販売に関して、主幹事のHSBCは住宅ローンを停止した。広東省では広発銀行の要請により二軒のマンション開発販売を停止した。
恒大集団は全物件を30%割引で販売して手元現金をかき集めた。償還の迫った社債のために急いだが恒大の社債は金利が14%に跳ね上がった。
恒大集団の倒産が秒読みだということではなく、GDP躍進の基軸だった不動産ビジネスが本当に危殆に瀕しているのであり、値崩れのあと住宅ローン、個人破産のラッシュとなるだろう。
すでに北京大学系の方正集団や、鳴り物入り国策企業だった紫光集団が外貨建て社債をデフォルト(13億元)。王岐山系といわれる海南集団は事実上倒産している。
ほかにも華夏幸福基業(157億元の債務不履行だった)、天津地産が社債デフォルト。
2021年第一四半期だけでも格力電器などがデフォルトをやらかし、前期比で24・3%の増加、合計で61社の社債が紙くずとなった(2020年は通年で142社の社債が紙くずに化けた。このペースだと、今年は240社以上になる)。
このため新規に社債の起債もしくはCP(コマーシャルペーパー)の発行を予定していた248社が社債発行を見送った。
国有企業大手も債務不履行危機が近いとされ、国家鉄路集団が900億元、国家電網が140億元の社債残高を抱えるなど公的企業の債務は、6000億元とされる。
23年までに償還���期が来る債務は邦貨換算で230兆円。このうちドル建て社債は1720億ドル(19兆円)で全体の8・3%。西側投資家の杞憂は後者のデフォルトだ。
▼ウォール街の関心事は中国の株価の行方だ
イエーレンはFRB議長と財務省との格差をわきまえている。財務省はドル札を印刷し、そのグリーンバックにサインをするのは大統領ではなく財務長官の特権である。
米国の投資家やファンド筋は、これまでにも中国株式で大いに潤ってきた。とくにゴールドマンサックスなど証券会社は、上場の主幹事となることで、巨額の手数料を稼いできた。だからこそ中国の最近の動きが気になるのだ。
滴滴(DIDI)は6月30日にNY市場に上場し、予定価格14ドルのとこ��、初値が18ドル。時価総額はいきなり7兆5700億円となった。
四日後、中国はDIDIの審査に入ったため株価は暴落した。7月9日の時価総額はピークから2兆3000億円ほど減らして、5兆2000億円ほどになった。
ついで7月26日、学習塾規制強化により、香港株式市場で中国教育銘柄の株価が半値以下に暴落した。新東方教育科技などはオンライン個別指導で業績を伸ばしたが、いきなり47%下落した。四日間続いた続落で中国の株式市場から6兆3000億円弱が蒸発した。
中国当局は学習塾、補習斑、家庭教師センターなど「教育産業は利益追求であってはならない」とし、「免許交付を新ルールにかえる」とした。
中国の教育産業界は大学進学率の急上昇(ことしの大卒は909万人)に伴い、たとえば、宿題アプリで急発展してきた「猿輔導」は、時価総額1・6兆円。昨年に猿輔導が上場した折には、2300億円をかき集めた。教育補習など広く利用されるアプリゆえに利用者は四億人を超えたという。
この当局の措置により、大手のTAL(米国でも上場)の株価は71%の暴落、「GAOTU TECHEDU」が53%、新東方教育が41%の下落と、いずれも土石流被害は甚大。付帯して校舎賃貸オーナーから参考書出版社、流通など、猛烈な被害がでるが、じつは出資側のほうの被害がもっと大きい。
補習産業の急伸ぶりをみてアリババ、テンセント、バイトダンスなど中国の大手ベンチャーはファンドを通じて教育産業に投資した。2020年だけで、この業界には100億ドルもの巨額が雪崩れ込んで、まるでマネーゲーム。教育者としてはふさわしくない行為に目が眩んでいたことも事実ではある。
そして中国はセキュリティ安全法の観点から新規海外上場を規制するとした。上場に際して幹事行となると、膨大な手数料を手中にできるのが、ゴールドマンサックス、JPモルガンなどのウォール街の禿鷹金融軍団だから、錬金術の手伝いが出来ないとなれば、また次の手口を考えなければならなくなる。
ラッキン珈琲の不正経理、水増し決算による上場は、投資家が大損をしたと言われ、中国企業への不信感の増大、中国企業の社債格付けの劣化などから、ファンドの投資マインド後退とともに、中国企業そのものが上場を延期、もしくは取りやめも目立つ。
中国の習近平にとってみれば、中国のエクサレントカンパニィが、そろいもそろって自国では上場せず、中国を避けてNY市場で資金調達する行為そのものが、共産党統治を馬鹿にしている証拠だといきり立っている。しかしながら、それこそが中国の金融への国際的評価であり、客観的状況だといえる。中国側からみると、海外へ中国の情報が漏洩する安全保障上のリスクがあるとも考える。NY上場の中国企業は400社、これからの運命は?
7月29日、米上院議員らSECにNY上場のすべての中国企業を調査せよと要求した。
正反対の動きがある。
第一に米国企業の中国への直接投資は増えている。1160億ドルに対して中国の米国への直接投資は376億ドル。差引き874億ドルが米国からの流失だ。
第二に証券投資はバランスが逆で、中国の米国再建保有は1兆960億ドル、米国のそれは3000億ドルである。
第三に中国の対米貿易黒字は依然として2850億ドルである。最近とくに目立つ手口は「変動持ち分事業体(VIE)を通じておこなう「迂回上場」という巧妙なやり方で、アリババ、ピンドウドウ、京東集団、ネットイーズ、百度、滴滴などが採用した。
▼「宗教はアヘンだ」じゃなかった「ゲームはアヘンだ」
ついで中国共産党は「ゲームは精神のアヘンだ」として規制に乗り出した。
宗教はアヘンと早くから共産党は唱えて来たが、文字通りに受け取る向きは少なく、ようするに共産党独裁そのものが一神教だから、ほかのカルトの存在は認めない、抹殺の対象である、と宣言していたことになる。
8月3日、共産党御用達の国営通信社・新華社系の『経済参考報』が「子どものオンラインゲーム中毒の蔓延に苦言を呈し、「ゲームの有害性が高まっている。まさに『精神のアヘン』、『電子薬物』という批判があるが、どのような産業であれ、スポーツであれ、社会をむしばむような発展は望ましくない」としたのだ。
これによって中国最大のゲームソフト企業テンセントの株価が暴落、日本のゲーム業界の株価にも波及した。日本のゲーム大手はソニー、任天堂、バンダイナムコなどで、この業界の規模は5・3兆円(ほぼ日本の防衛予算に匹敵)、9・7%の成長率を誇った。地下鉄や電車に乗ると分かるが、90%近い乗客はスマホを見ている。その半分近くがゲームをしている。精神の荒廃が、ここまで来ている暗黒は、中国に限った現象ではない。
テンセントは三月に日本企業「楽天」への出資をしている。「テンセント・リスク」と大騒ぎになった。楽天へ日本郵政が8・32%、テンセントは3・65%を出資したのだが、楽天の幹部は「なにも問題はない」と言い切った。ところが、市場では楽天の社債格付けがドカンとさげられてことに懸念が拡がった。
8月12日、新任の秦剛(駐米中国大使)はワシントンで国務省高官らとの話し合いを始めた
#新人の駐米中国大使が話し合いを始めた#イエ��レン米国財務長官が訪中予定#デジタル人民元の本気度#中国の社債償還期限に向けて#ビットコイン市場の停止#2年以内の国有企業の社債償還230兆円#ウォール街の関心事は中国株価の行方#ゲーム業界への弾圧#ゲームは精神を蝕むアヘンだ#宮崎正弘の国際情勢解題#宮崎正弘の国際問題早読み#宮崎正弘の国際問題速読み#宮崎正弘の国際問題先読み
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856 名無しさんにズームイン! 2021/03/13(土) 09:04:11.65 sL69hCC70神戸の復興のスピードって凄かったな10年後なんでこんなぐだぐだしてなかっただろ901 名無しさんにズームイン! sage 2021/03/13(土) 09:05:58.87 pSn7T8k4a>>856潰れた所だけ瓦礫撤去すれば後は建て直して済んだからな神戸は東北は町ごと全部流された所も多いからインフラ整備から全部やり直さないといけないから932 名無しさんにズームイン! 2021/03/13(土) 09:08:05.89 sL69hCC70>>901あの火の海見てないのか953 名無しさんにズームイン! sage 2021/03/13(土) 09:09:25.26 pSn7T8k4a>>932まああれも長田とかの一部だけで阪神地区全体で見ればインフラまで全部消えたわけでも無いから982 名無しさんにズームイン! 2021/03/13(土) 09:11:20.72 sL69hCC70>>953阪神があって震災対応とか整ってるのにこんなグダるのはなぁ阪神は対応策のマニュアルも誰も持ってなくって大混乱だけどマンパワーで乗り切ったイメージ文句ばっかり言ってると復興は進まないわあとは金に目が眩んだ奴らとか多いとダメかもね64 名無しさんにズームイン! sage 2021/03/13(土) 09:17:27.94 cJkY/uzY0>>982理由は簡単阪神淡路の時は自民党が大手ゼネコン使って一気に復興させた東北は民主党が地元弱小工務店()に仕事与えるんだとゼネコンを切って機材も持ってないような個人経営レベルをバラバラに雇った復興計画がまとまるわけ無いしショベル一機で何が出来るw民主党の完全なミスリード74 名無しさんにズームイン! sage 2021/03/13(土) 09:18:46.97 cJkY/uzY0>>64加えて外部から自称工務店のヤクザが入り込み義捐金を食い物にされたwあれは酷かった
続・妄想的日常 神戸の復興のスピードって凄かったな
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厚着紳士
夜明けと共に吹き始めた強い風が乱暴に街の中を掻き回していた。猛烈な嵐到来の予感に包まれた私の心は落ち着く場所を失い、未だ薄暗い部屋の中を一人右往左往していた。 昼どきになると空の面は不気味な黒雲に覆われ、強面の風が不気味な金切り声を上げながら羊雲の群れを四方八方に追い散らしていた。今にも荒れた空が真っ二つに裂けて豪雨が降り注ぎ蒼白い雷の閃光とともに耳をつんざく雷鳴が辺りに轟きそうな気配だったが、一向に空は割れずに雨も雷も落ちて来はしなかった。半ば待ち草臥れて半ば裏切られたような心持ちとなって家を飛び出した私はあり合わせの目的地を決めると道端を歩き始めた。
家の中に居た時分、壁の隙間から止め処なく吹き込んで来る冷たい風にやや肌寒さを身に感じていた私は念には念を押して冬の格好をして居た。私は不意に遭遇する寒さと雷鳴と人間というものが大嫌いな人間だった。しかし家の玄関を出てしばらく歩いてみると暑さを感じた。季節は四月の半ばだから当然である。だが暑さよりもなおのこと強く肌身に染みているのは季節外れの格好をして外を歩いている事への羞恥心だった。家に戻って着替えて来ようかとも考えたが、引き返すには惜しいくらいに遠くまで歩いて来てしまったし、つまらない羞恥心に左右される事も馬鹿馬鹿しく思えた。しかしやはり恥ずかしさはしつこく消えなかった。ダウンジャケットの前ボタンを外して身体の表面を涼風に晒す事も考えたが、そんな事をするのは自らの過ちを強調する様なものでなおのこと恥ずかしさが増すばかりだと考え直した。 みるみると赤い悪魔の虜にされていった私の視線は自然と自分の同族を探し始めていた。この羞恥心を少しでも和らげようと躍起になっていたのだった。併せて薄着の蛮族達に心中で盛大な罵詈雑言を浴びせ掛けることも忘れなかった。風に短いスカートの裾を靡かせている女を見れば「けしからん破廉恥だ」と心中で眉をしかめ、ポロシャツの胸襟を開いてがに股で歩いている男を見れば「軟派な山羊男め」と心中で毒づき、ランニングシャツと短パンで道をひた向きに走る男を見れば「全く君は野蛮人なのか」と心中で断罪した。蛮族達は吐いて捨てる程居るようであり、片時も絶える事無く非情の裁きを司る私の目の前に現れた。しかし一方肝心の同志眷属とは中々出逢う事が叶わなかった。私は軽薄な薄着蛮族達と擦れ違うばかりの状況に段々と言い知れぬ寂寥の感を覚え始めた。今日の空が浮かべている雲の表情と同じように目まぐるしく移り変わって行く街色の片隅にぽつ念と取り残されている季節外れの男の顔に吹き付けられる風は全く容赦がなかった。 すると暫くして遠く前方に黒っぽい影が現れた。最初はそれが何であるか判然としなかったが、姿が近付いて来るにつれて紺のロングコートを着た中年の紳士だという事が判明した。厚着紳士の顔にはその服装とは対照的に冷ややかで侮蔑的な瞳と余情を許さない厳粛な皺が幾重も刻まれていて、風に靡く薄く毛の細い頭髪がなおのこと厳しく薄ら寒い印象に氷の華を添えていた。瞬く間に私の身内を冷ややかな緊張が走り抜けていった。強張った背筋は一直線に伸びていた。私の立場は裁く側から裁かれる側へと速やかに移行していた。しかし同時にそんな私の顔にも彼と同じ冷たい眼差しと威厳ある皺がおそらくは刻まれて居たのに違いない。私の面持ちと服装に疾風の如く視線を走らせた厚着紳士の瞳に刹那ではあるが同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情が浮かんでいた。 かくして二人の孤独な紳士はようやく相まみえたのだった。しかし紳士たる者その感情を面に出すことをしてはいけない。笑顔を見せたり握手をする等は全くの論外だった。寂しく風音が響くだけの沈黙の内に二人は互いのぶれない矜持を盛大に讃え合い、今後ともその厚着ダンディズムが街中に蔓延る悪しき蛮習に負けずに成就する事を祈りつつ、何事も無かったかの様に颯然と擦れ違うと、そのまま振り返りもせずに各々の目指すべき場所へと歩いて行った。 名乗りもせずに風と共に去って行った厚着紳士を私は密かな心中でプルースト君と呼ぶ事にした。プルースト君と出逢い、列風に掻き消されそうだった私の矜持は不思議なくらい息を吹き返した。羞恥心の赤い炎は青く清浄な冷や水によって打ち消されたのだった。先程まで脱ぎたくて仕方のなかった恥ずかしいダウンジャケットは紳士の礼服の風格を帯び、私は風荒れる街の道を威風堂々と闊歩し始めた。 しかし道を一歩一歩進む毎に紳士の誇りやプルースト君の面影は嘘のように薄らいでいった。再び羞恥心が生い茂る雑草の如く私の清らかな魂の庭園を脅かし始めるのに大して時間は必要無かった。気が付かないうちに恥ずかしい事だが私はこの不自然な恰好が何とか自然に見える方法を思案し始めていた。 例えば私が熱帯や南国から日本に遣って来て間もない異国人だという設定はどうだろうか?温かい国から訪れた彼らにとっては日本の春の気候ですら寒く感じるはずだろう。当然彼らは冬の格好をして外を出歩き、彼らを見る人々も「ああ彼らは暑い国の人々だからまだ寒く感じるのだな」と自然に思うに違いない。しかし私の風貌はどう見ても平たい顔の日本人であり、彼らの顔に深々と刻まれて居る野蛮な太陽の燃える面影は何処にも見出す事が出来無かった。それよりも風邪を引いて高熱を出して震えている病人を装った方が良いだろう。悪寒に襲われながらも近くはない病院へと歩いて行かねばならぬ、重苦を肩に背負った病の人を演じれば、見る人は冬の格好を嘲笑うどころか同情と憐憫の眼差しで私を見つめる事に違いない。こんな事ならばマスクを持ってくれば良かったが、マスク一つを取りに帰るには果てしなく遠い場所まで歩いて来てしまった。マスクに意識が囚われると、マスクをしている街の人間の多さに気付かされた。しかし彼らは半袖のシャツにマスクをしていたりスカートを履きながらマスクをしている。一体彼らは何の為にマスクをしているのか理解に苦しんだ��� 暫くすると、私は重篤な病の暗い影が差した紳士見習いの面持ちをして難渋そうに道を歩いていた。それは紳士である事と羞恥心を軽減する事の折衷策、悪く言うならば私は自分を誤魔化し始めたのだった。しかしその効果は大きいらしく、擦れ違う人々は皆同情と憐憫の眼差しで私の顔を伺っているのが何となく察せられた。しかしかの人々は安易な慰めを拒絶する紳士の矜持をも察したらしく私に声を掛けて来る野暮な人間は誰一人として居なかった。ただ、紐に繋がれて散歩をしている小さな犬がやたらと私に向かって吠えて来たが、所詮は犬や猫、獣の類にこの病の暗い影が差した厚着紳士の美学が理解出来るはずも無かった。私は子犬に吠えられ背中や腋に大量の汗を掻きながらも未だ誇りを失わずに道を歩いていた。 しかし度々通行人達の服装を目にするにつれて、段々と私は自分自身が自分で予想していたよりは少数部族では無いという事に気が付き始めていた。歴然とした厚着紳士は皆無だったが、私のようにダウンを着た厚着紳士見習い程度であったら見つける事もそう難しくはなかった。恥ずかしさが少しずつ消えて無くなると抑え込んでいた暑さが急激に肌を熱し始めた。視線が四方に落ち着かなくなった私は頻りと人の視線を遮る物陰を探し始めた。 泳ぐ視線がようやく道の傍らに置かれた自動販売機を捉えると、駆けるように近付いて行ってその狭い陰に身を隠した。恐る恐る背後を振り返り誰か人が歩いて来ないかを確認すると運悪く背後から腰の曲がった老婆が強風の中難渋そうに手押し車を押して歩いて来るのが見えた。私は老婆の間の悪さに苛立ちを隠せなかったが、幸いな事に老婆の背後には人影が見られなかった。あの老婆さえ遣り過ごしてしまえばここは人々の視線から完全な死角となる事が予測出来たのだった。しかしこのまま微動だにせず自動販売機の陰に長い間身を隠しているのは怪し過ぎるという思いに駆られて、渋々と歩み出て自動販売機の目の前に仁王立ちになると私は腕を組んで眉間に深い皺を作った。買うべきジュースを真剣に吟味選抜している紳士の厳粛な態度を装ったのだった。 しかし風はなお強く老婆の手押し車は遅々として進まなかった。自動販売機と私の間の空間はそこだけ時間が止まっているかのようだった。私は緊張に強いられる沈黙の重さに耐えきれず、渋々ポケットから財布を取り出し、小銭を掴んで自動販売機の硬貨投入口に滑り込ませた。買いたくもない飲み物を選ばさられている不条理や屈辱感に最初は腹立たしかった私もケース内に陳列された色取り取りのジュース缶を目の前にしているうちに段々と本当にジュースを飲みたくなって来てその行き場の無い怒りは早くボタンを押してジュースを手に入れたいというもどかしさへと移り変わっていった。しかし強風に負けじとか細い腕二つで精一杯手押し車を押して何とか歩いている老婆を責める事は器量甚大懐深き紳士が為す所業では無い。そもそも恨むべきはこの強烈な風を吹かせている天だと考えた私は空を見上げると恨めしい視線を天に投げ掛けた。 ようやく老婆の足音とともに手押し車が地面を擦る音が背中に迫った時、私は満を持して自動販売機のボタンを押した。ジュースの落下する音と共に私はペットボトルに入ったメロンソーダを手に入れた。ダウンの中で汗を掻き火照った身体にメロンソーダの冷たさが手の平を通して心地よく伝わった。暫くの間余韻に浸っていると老婆の手押し車が私の横に現れ、みるみると通り過ぎて行った。遂に機は熟したのだった。私は再び自動販売機の物陰に身を隠すと念のため背後を振り返り人の姿が見えない事を確認した。誰も居ないことが解ると急ぐ指先でダウンジャケットのボタンを一つまた一つと外していった。最後に上から下へとファスナーが降ろされると、うっとりとする様な涼しい風が開けた中のシャツを通して素肌へと心地良く伝わって来た。涼しさと開放感に浸りながら手にしたメロンソーダを飲んで喉の渇きを潤した私は何事も無かったかのように再び道を歩き始めた。 坂口安吾はかの著名な堕落論の中で昨日の英雄も今日では闇屋になり貞淑な未亡人も娼婦になるというような意味の事を言っていたが、先程まで厚着紳士見習いだった私は破廉恥な軟派山羊男に成り下がってしまった。こんな格好をプルースト君が見たらさぞかし軽蔑の眼差しで私を見詰める事に違いない。たどり着いた駅のホームの長椅子に腰をかけて、何だか自身がどうしようもなく汚れてしまったような心持ちになった私は暗く深く沈み込んでいた。膝の上に置かれた飲みかけのメロンソーダも言い知れぬ哀愁を帯びているようだった。胸を内を駆け巡り始めた耐えられぬ想いの脱出口を求めるように視線を駅の窓硝子越しに垣間見える空に送ると遠方に高く聳え立つ白い煙突塔が見えた。煙突の先端から濛々と吐き出される排煙が恐ろしい程の速さで荒れた空の彼岸へと流されている。 耐えられぬ思いが胸の内を駆け駅の窓硝子越しに見える空に視線を遣ると遠方に聳える白い煙突塔から濛々と吐き出されている排煙が恐ろしい速度で空の彼岸へと流されている様子が見えた。目には見えない風に流されて行く灰色に汚れた煙に対して、黒い雲に覆われた空の中に浮かぶ白い煙突塔は普段青い空の中で見ている雄姿よりもなおのこと白く純潔に光り輝いて見えた。何とも言えぬ気持の昂ぶりを覚えた私は思わずメロンソーダを傍らに除けた。ダウンジャケットの前ボタンに右手を掛けた。しかしすぐにまた思い直すと右手の位置を元の場所に戻した。そうして幾度となく決意と逡巡の間を行き来している間に段々と駅のホーム内には人間が溢れ始めた。強風の影響なのか電車は暫く駅に来ないようだった。 すると駅の階段を昇って来る黒い影があった。その物々しく重厚な風貌は軽薄に薄着を纏った人間の群れの中でひと際異彩を放っている。プルースト君だった。依然として彼は分厚いロングコートに厳しく身を包み込み、冷ややかな面持ちで堂々と駅のホームを歩いていたが、薄い頭髪と額には薄っすらと汗が浮かび、幅広い額を包むその辛苦の結晶は天井の蛍光灯に照らされて燦燦と四方八方に輝きを放っていた。私にはそれが不撓不屈の王者だけが戴く栄光の冠に見えた。未だ変わらずプルースト君は厚着紳士で在り続けていた。 私は彼の胸中に宿る鋼鉄の信念に感激を覚えると共に、それとは対照的に驚く程簡単に退転してしまった自分自身の脆弱な信念を恥じた。俯いて視線をホームの床に敷き詰められた正方形タイルの繋ぎ目の暗い溝へと落とした。この惨めな敗残の姿が彼の冷たい視線に晒される事を恐れ心臓から足の指の先までが慄き震えていた。しかしそんな事は露とも知らぬプルースト君はゆっくりとこちらへ歩いて来る。迫り来る脅威に戦慄した私は慌ててダウンのファスナーを下から上へと引き上げた。紳士の体裁を整えようと手先を闇雲に動かした。途中ダウンの布地が間に挟まって中々ファスナーが上がらない問題が浮上したものの、結局は何とかファスナーを上まで閉め切った。続けてボタンを嵌め終えると辛うじて私は張りぼてだがあの厚着紳士見習いの姿へと復活する事に成功した。 膝の上に置いてあった哀愁のメロンソーダも何となく恥ずかしく邪魔に思えて、隠してしまおうとダウンのポケットの中へとペットボトルを仕舞い込んでいた時、華麗颯爽とロングコートの紺色の裾端が視界の真横に映り込んだ。思わず私は顔を見上げた。顔を上方に上げ過ぎた私は天井の蛍光灯の光を直接見てしまった。眩んだ目を閉じて直ぐにまた開くとプルースト君が真横に厳然と仁王立ちしていた。汗ばんだ蒼白い顔は白い光に包まれてなおのこと白く、紺のコートに包まれた首から上は先程窓から垣間見えた純潔の白い塔そのものだった。神々しくさえあるその立ち姿に畏敬の念を覚え始めた私の横で微塵も表情を崩さないプルースト君は優雅な動作で座席に腰を降ろすとロダンの考える人の様に拳を作った左手に顎を乗せて対岸のホームに、いやおそらくはその先の彼方にある白い塔にじっと厳しい視線を注ぎ始めた。私は期待を裏切らない彼の態度及び所作に感服感激していたが、一方でいつ自分の棄教退転が彼に見破られるかと気が気ではなくダウンジャケットの中は冷や汗で夥しく濡れ湿っていた。 プルースト君が真実の威厳に輝けば輝く程に、その冷たい眼差しの一撃が私を跡形もなく打ち砕くであろう事は否応無しに予想出来る事だった。一刻も早く電車が来て欲しかったが、依然として電車は暫くこの駅にはやって来そうになかった。緊張と沈黙を強いられる時間が二人の座る長椅子周辺を包み込み、その異様な空気を察してか今ではホーム中に人が溢れ返っているのにも関わらず私とプルースト君の周りには誰一人近寄っては来なかった。群衆の騒めきでホーム内は煩いはずなのに不思議と彼らの出す雑音は聞こえなかった。蟻のように蠢く彼らの姿も全く目に入らず、沈黙の静寂の中で私はただプルースト君の一挙手に全神経を注いでいた。 すると不意にプルースト君が私の座る右斜め前に視線を落とした。突然の動きに驚いて気が動転しつつも私も追ってその視線の先に目を遣った。プルースト君は私のダウンジャケットのポケットからはみ出しているメロンソーダの頭部を見ていた。私は愕然たる思いに駆られた。しかし今やどうする事も出来ない。怜悧な思考力と電光石火の直観力を併せ持つ彼ならばすぐにそれが棄教退転の証拠だという事に気が付くだろう。私は半ば観念して恐る恐るプルースト君の横顔を伺った。悪い予感は良く当たると云う。案の定プルースト君の蒼白い顔の口元には哀れみにも似た冷笑が至極鮮明に浮かんでいた。 私はというとそれからもう身を固く縮めて頑なに瞼を閉じる事しか出来なかった。遂に私が厚着紳士道から転がり落ちて軟派な薄着蛮族の一員と成り下がった事を見破られてしまった。卑怯千万な棄教退転者という消す事の出来ない烙印を隣に座る厳然たる厚着紳士に押されてしまった。 白い煙突塔から吐き出された排煙は永久に恥辱の空を漂い続けるのだ。あの笑みはかつて一心同体であった純白の塔から汚れてしまった灰色の煙へと送られた悲しみを押し隠した訣別の笑みだったのだろう。私は彼の隣でこのまま電車が来るのを待ち続ける事が耐えられなくなって来た。私にはプルースト君と同じ電車に乗る資格はもう既に失われているのだった。今すぐにでも立ち上がってそのまま逃げるように駅を出て、家に帰ってポップコーンでも焼け食いしよう、そうして全てを忘却の風に流してしまおう。そう思っていた矢先、隣のプルースト君が何やら慌ただしく動いている気配が伝わってきた。私は薄目を開いた。プルースト君はロングコートのポケットの中から何かを取り出そうとしていた。メロンソーダだった。驚きを隠せない私を尻目にプルースト君は渇き飢えた飼い豚のようにその薄緑色の炭酸ジュースを勢い良く飲み始めた。みるみるとペットボトルの中のメロンソーダが半分以上が無くなった。するとプルースト君は下品極まりないげっぷを数回したかと思うと「暑い、いや暑いなあ」と一人小さく呟いてコートのボタンをそそくさと外し始めた。瞬く間にコートの前門は解放された。中から汚い染みの沢山付着した白いシャツとその白布に包まれただらしのない太鼓腹が堂々と姿を現した。 私は暫くの間呆気に取られていた。しかしすぐに憤然と立ち上がった。長椅子に座ってメロンソーダを飲むかつてプルースト君と言われた汚物を背にしてホームの反対方向へ歩き始めた。出来る限りあの醜悪な棄教退転者から遠く離れたかった。暫く歩いていると、擦れ違う人々の怪訝そうな視線を感じた。自分の顔に哀れな裏切り者に対する軽侮の冷笑が浮かんでいる事に私は気が付いた。 ホームの端に辿り着くと私は視線をホームの対岸にその先の彼方にある白い塔へと注いた。黒雲に覆われた白い塔の陰には在りし日のプルースト君の面影がぼんやりとちらついた。しかしすぐにまた消えて無くなった。暫くすると白い塔さえも風に流れて来た黒雲に掻き消されてしまった。四角い窓枠からは何も見え無くなり、軽薄な人間達の姿と騒めきが壁に包まれたホーム中に充満していった。 言い知れぬ虚無と寂寥が肌身に沁みて私は静かに両の瞳を閉じた。周囲の雑音と共に色々な想念が目まぐるしく心中を通り過ぎて行った。プルースト君の事、厚着紳士で在り続けるという事、メロンソーダ、白い塔…、プルースト君の事。凡そ全てが雲や煙となって無辺の彼方へと押し流されて行った。真夜中と見紛う暗黒に私の全視界は覆われた。 間もなくすると闇の天頂に薄っすらと白い点が浮かんだ。最初は小さく朧げに白く映るだけだった点は徐々に膨張し始めた。同時に目も眩む程に光り輝き始めた。終いには白銀の光を溢れんばかりに湛えた満月並みの大円となった。実際に光は丸い稜線から溢れ始めて、激しい滝のように闇の下へと流れ落ち始めた。天頂から底辺へと一直線に落下する直瀑の白銀滝は段々と野太くなった。反対に大円は徐々に縮小していって再び小さな点へと戻っていった。更にはその点すらも闇に消えて、視界から見え無くなった直後、不意に全ての動きが止まった。 流れ落ちていた白銀滝の軌跡はそのままの光と形に凝固して、寂滅の真空に荘厳な光の巨塔が顕現した。その美々しく神々しい立ち姿に私は息をする事さえも忘れて見入った。最初は塔全体が一つの光源体の様に見えたが、よく目を凝らすと恐ろしく小さい光の結晶が高速で点滅していて、そうした極小微細の光片が寄り集まって一本の巨塔を形成しているのだという事が解った。その光の源が何なのかは判別出来なかったが、それよりも光に隙間無く埋められている塔の外壁の内で唯一不自然に切り取られている黒い正方形の個所がある事が気になった。塔の頂付近にその不可解な切り取り口はあった。怪しみながら私はその内側にじっと視線を集中させた。 徐々に瞳が慣れて来ると暗闇の中に茫漠とした人影の様なものが見え始めた。どうやら黒い正方形は窓枠である事が解った。しかしそれ以上は如何程目を凝らしても人影の相貌は明確にならなかった。ただ私の方を見ているらしい彼が恐ろしい程までに厚着している事だけは解った。あれは幻の厚着紳士なのか。思わず私は手を振ろうとした。しかし紳士という言葉の響きが振りかけた手を虚しく元の位置へと返した。 すると間も無く塔の根本周辺が波を打って揺らぎ始めた。下方からから少しずつ光の塔は崩れて霧散しだした。朦朧と四方へ流れ出した光群は丸く可愛い尻を光らせて夜の河を渡っていく銀蛍のように闇の彼方此方へと思い思いに飛んで行った。瞬く間に百千幾万の光片が暗闇一面を覆い尽くした。 冬の夜空に散りばめられた銀星のように暗闇の満天に煌く光の屑は各々少しずつその輝きと大きさを拡大させていった。間もなく見つめて居られ無い程に白く眩しくなった。耐えられ無くなった私は思わず目を見開いた。するとまた今度は天井の白い蛍光灯の眩しさが瞳を焼いた。いつの間にか自分の顔が斜め上を向いていた事に気が付いた。顔を元の位置に戻すと、焼き付いた白光が徐々に色褪せていった。依然として変わらぬホームの光景と。周囲の雑多なざわめきが目と耳に戻ると、依然として黒雲に覆い隠されている窓枠が目に付いた。すぐにまた私は目を閉じた。暗闇の中をを凝視してつい先程まで輝いていた光の面影を探してみたが、瞼の裏にはただ沈黙が広がるばかりだった。 しかし光り輝く巨塔の幻影は孤高の紳士たる決意を新たに芽生えさせた。私の心中は言い知れない高揚に包まれ始めた。是が非でも守らなければならない厚着矜持信念の実像をこの両の瞳で見た気がした。すると周囲の雑音も不思議と耳に心地よく聞こえ始めた。 『この者達があの神聖な光を見る事は決して無い事だろう。あの光は選ばれた孤高の厚着紳士だけが垣間見る事の出来る祝福の光なのだ。光の巨塔の窓に微かに垣間見えたあの人影はおそらく未来の自分だったのだろう。完全に厚着紳士と化した私が現在の中途半端な私に道を反れることの無いように暗示訓戒していたに違いない。しかしもはや誰に言われなくても私が道を踏み外す事は無い。私の上着のボタンが開かれる事はもう決して無い。あの白い光は私の脳裏に深く焼き付いた』 高揚感は体中の血を上気させて段々と私は喉の渇きを感じ始めた。するとポケットから頭を出したメロンソーダが目に付いた。再び私の心は激しく揺れ動き始めた。 一度は目を逸らし二度目も逸らした。三度目になると私はメロンソーダを凝視していた。しかし迷いを振り払うかの様に視線を逸らすとまたすぐに前を向いた。四度目、私はメロンソーダを手に持っていた。三分の二以上減っていて非常に軽い。しかしまだ三分の一弱は残っている。ペットボトルの底の方で妖しく光る液体の薄緑色は喉の渇き切った私の瞳に避け難く魅惑的に映った。 まあ、喉を潤すぐらいは良��だろう、ダウンの前を開かない限りは。私はそう自分に言い聞かせるとペットボトルの口を開けた。間を置かないで一息にメロンソーダを飲み干した。 飲みかけのメロンソーダは炭酸が抜けきってしつこい程に甘く、更には生ぬるかった。それは紛れも無く堕落の味だった。腐った果実の味だった。私は何とも言えない苦い気持ちと後悔、更には自己嫌悪の念を覚えて早くこの嫌な味を忘れようと盛んに努めた。しかし舌の粘膜に絡み付いた甘さはなかなか消える事が無かった。私はどうしようも無く苛立った。すると突然隣に黒く長い影が映った。プルースト君だった。不意の再再会に思考が停止した私は手に持った空のメロンソーダを隠す事も出来ず、ただ茫然と突っ立っていたが、すぐに自分が手に握るそれがとても恥ずかしい物のように思えて来てメロンソーダを慌ててポケットの中に隠した。しかしプルースト君は私の隠蔽工作を見逃しては居ないようだった。すぐに自分のポケットから飲みかけのメロンソーダを取り出すとプルースト君は旨そうに大きな音を立ててソーダを飲み干した。乾いたゲップの音の響きが���える間もなく、透明になったペットボトルの蓋を華麗優雅な手捌きで閉めるとプルースト君はゆっくりとこちらに視線を向けた。その瞳に浮かんでいたのは紛れもなく同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情だった。 間もなくしてようやく電車が駅にやって来た。プルースト君と私は仲良く同じ車両に乗った。駅に溢れていた乗客達が逃げ場無く鮨詰めにされて居る狭い車内は冷房もまだ付いておらず蒸し暑かった。夥しい汗で額や脇を濡らしたプルースト君の隣で私はゆっくりとダウンのボタンに手を掛けた。視界の端に白い塔の残映が素早く流れ去っていった。
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「一帯一路」盟友のイタリアが欧州で感染者最多 イタリアの感染者数は、3月9日までに9172人確認された。死亡者数も463人に達し、中国とイランを除く各国の死亡者の合計を上回った。イタリアの感染状況は中国に次いで深刻である。 9日、同国のコンテ首相は10日から全土で封鎖措置を実施すると発表した。6000万人以上のイタリア国民は、仕事や緊急状況の場合を除き、外出自粛を求められた。 昔日、落ち着きのある大人の街であるイタリアではこの直後、受刑者の暴動、市民による買いだめなどの大混乱が起きた。この主因は、イタリア政府が誤って中国共産党を信用したためだ。同国政府は、中国共産党と親中国共産党の世界保健機関(WHO)の発表を信じ、厳格な防疫対策を実施せず、中国人観光客の入国を禁止しなかった。 しかし、イタリアで中共肺炎の感染者が急増した根本的な原因は、同国政府と中国共産党の「密接な関係」にあると言わざるを得ない。 G7の一員で先進民主主義の国であるイタリアは、西側同盟国の反対を押し切って、2019年3月23日、中国当局との間で「戦略的パートナー関係を全面的に強化する」ことで合意し、欧州各国の中で最初に中国側の「一帯一路」構想に関する覚書を締結した。 ここ数年、イタリア経済が低迷していたため、政府は中国当局の「一帯一路」政策を通じて、国内の景気回復を期待した。このため、イタリアに中国人観光客が増加し、同国に一定の経済効果が現れた。しかし、同時に一部中国人観光客のマナーの悪さがさまざまな問題を引き起こした。さらに、イタリア政府の予想外に起きた今回の感染拡大は、経済だけではなく、国民の命まで脅かしている。この損失は計り知れないものだろう。 イタリアの74の都市は中国と「姉妹都市」関係を結んだ。このなかに、感染が最も深刻なロンバルディア州とミラノ市、ベネチア市、ベルガモ市も含まれている。 中国共産党に近い仏独も深刻 欧州主要国のフランスとドイツでも、中共肺炎の感染者が1000人を超えた。毎日の新規感染者は速いペースで増えており、深刻な状況に陥っている。フランスの文化相も感染したと報じられた。 両国には1つの共通点がある。両国はこの頃、中国共産党寄りの姿勢が目立った。たとえば、ファーウェイを通じて次世代通信規格(5G)の世界覇権を狙う中国共産党の野心に対して、フランスとドイツの政府は見て見ぬふりをしている。両国の政府は同盟国のアメリカの警告を無視し、最近ファーウェイを国内の5G網構築から排除しない方針を決めた。 2019年3月26日、習近平国家主席と会談後、ドイツの首相はフランス・パリで行われた記者会見で「一帯一路」について、「非常に重要な構想で欧州も参加したい」と述べた。 感染者が最も多いフランス・オワーズ県とドイツ・ノルトライン・ヴェストファーレン州はそれぞれ、中国の青海省と江蘇省との間で友好省関係を結んでおり、中国共産党政権と非常に近い関係にある。 中国共産党との親密度が命取り 地理的に中国に近いアジア諸国は、感染度合が中国共産党との親密度によって異なるという事実を如実に表している。 3月9日まで、韓国では7478人の感染者が確認された。この数字は中国に次ぐ第2位だ。 海を隔てた日本では512人の感染者が確認された。一方、中国に極めて近い香港と台湾では、感染者数はそれぞれ115人と45人だった。台湾では死者1人、香港では死者3人だ。その上、香港における初期感染者は全て中国本土からの渡航者であった。その後、中共肺炎は警察機動隊や親中国派にも広がった。 日本、韓国、香港、台湾は同じく中国の周辺に位置しているが、中共肺炎の感染状況は中国共産党との親密度と密接に関係している。 韓国は1992年に中国共産党政権と国交を樹立した後、進んで歩み寄り、貿易関係を強化した。現政権は進んで中国共産党を取り込もうとし、投資プロジェクトを乱発した。中国はすでに韓国の最大貿易相手国であり、同時に最大の市場と最大輸入相手国でもある。 中国で中共肺炎の発生が明らかになったあとでも、韓国政府は中国共産党との関係を損なわないよう、国境で検疫を行わなかった。韓国は中国と190もの姉妹都市関係を構築した。その中には最も感染が広まっている大邱市と慶尚北道も含まれている。 日本政府は中国共産党政権と親しいわけではないが、多くの日系企業が中国で投資を行っているため、中国共産党政権に対して強気に出ることができない状態だ。さらに日本の256もの地方自治体が姉妹都市関係を締結した。その中には突出して感染者が多い北海道や東京都、愛知県などが含まれている。 中国と中国共産党を明白に区別する点において、香港と台湾は日本と韓国の態度とは大きく異なる。この差が感染度合の違いをもたらしている。 香港と台湾も中国本土と活発に貿易を行っているが、住民たちは利益に目を眩ませることがなかった。2019年に香港の民衆は覚醒し、悪法に抵抗した。この流れは非暴力的な抗議活動につながり、中国共産党解体の序曲を高らかに奏でた。同時に台湾人はこの事件を通して中国共産党の邪悪な本質を目のあたりにし、抵抗の意志を固めた。 特に台湾は中国共産党の妨害工作により、WHOに加入できていない。そのため中共肺炎の対策でも中国共産党とWHOに歩調を合わせることはなかった。結果的に、中国との強いつながりがありながら、台湾はウイルスの拡散を効果的に抑制することに成功し、世界に模範を示した。 中国共産党を拒否し、距離を置いた香港と台湾は、ウイルスをも拒否することができた。 同じく中国と国境を接するインドやロシア、モンゴルといった国々でも感染は拡大していない。これらの国家の共通点は、中国共産党と馬が合わないことだ。
<社説>このウイルスは中国共産党に狙いを定めている
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03290220
好き、の、ただ一言が口から出てこないまま、時計の針はもう随分と周ってしまった。こんなご時世じゃ、ゆっくり食事すら出来ないと今更気付いたのは、俺がろくに出歩かず模範囚の如く「自粛生活」を頑張っていたからだろうか。いや、違う。誰かと出掛けよう、なんて気にならなかったから、だ。
街の明かりはいつもと同じように灯っている。高等生物である人類が、叡智を結集しても到底敵わない目に見えないナニカに脅かされてから、もう1年以上が経過した。毎日くだらないことで喚き立てるメディアにも、過敏な人間達にも辟易していたのに、そんな喧騒が嘘みたいにここは、静かだ。
「ねぇ、寒くないの?」
「寒い。」
「だろうね。」
「でもいいんだ。寒さを感じると、生きてるって感じがする。」
「それで風邪引いたら全部台無しなんだけどな。」
「確かに。」
横でパックのコーヒー牛乳を飲んでいる彼女。マスクを外してコーヒー牛乳を飲み、マスクを付け直す不自然さにも目が慣れてきたが、よく考えれば滑稽だ、と思う。感染症対策についての講釈を垂れ流す俺はマスクを顎にかけたまま、飛沫とよろしくやっている。
彼女のことが好きだ。
冬がまだ名残惜しく居座っているせいで、あわよくば肩でも寄せ合えるんじゃないかと思ったのに、結局俺と彼女の間には買ってきたおやつとコーヒー牛乳と、俺の好きないちごオレが並べて置かれている。今流行りのソーシャルディスタンス、だとしたらくそくらえだ。
結局飯屋からも、20時に締め出されてしまった。外で立ち飲みする若者は、朝のニュース番組で晒しあげられていた。結果、適切な距離を保ちながら、小腹を満たそう、ということになった。つくづく、色気がない。
「なぁ、」
「ん?」
「水槽の脳、って知ってる?」
「何それ、新種のペット?」
「だとしたら飼いたいか?お前。」
「え、やだよ。臓器じゃん。」
「だろうな。」
「で、何?」
彼女は最近行ったらしいマツエク屋でつけてもらった控え目な睫毛(俺には十分派手に見える)をぱさぱさと揺らして、誰もいない公園をぼーっと眺めている。横顔から覗く眼が好きだ、目ではなく。と伝えたら、変態じみていると笑って流すんだろう。
「この世界って、実際に、実在してると思う?」
「えーっと…うん、思う。だって今私の足は、土を踏んでるし。」
彼女のお気に入りの白のドクターマーチンが、公園の地面をガリガリと擦って、現金な俺は少しもったいない、と思ってしまった。結構するのに、その靴。でもそれくらいやんちゃな方が、俺は好きだ。
「その、地面を踏んでる感覚も込みで、俺達が体験してるこの世の全てが、一つの水槽に浮かんだ脳が見ている夢だ、っていう仮説があるんだよ。」
「へぇ。それって、世界が10秒前に作られた説、の友達みたいなもの?」
「あー、なのかな?多分。よく知ってんね。原理は似てるかな。」
「世界には、難しいことを考える人もいるんだね。」
全部を疑うなんて、疲れちゃう。彼女はまた律儀に付けていたマスクを外して、甘さ控えめのコーヒー牛乳を飲んだ。
恋愛ってのは酷く億劫なものだと、それなりに生きてきた人生の中で嫌というほど学んでいた。妥協と擦り合わせ。他人と共存していく必要性すら見直しつつあった俺の前に、彼女はふらっと現れ、俺の恋愛においてはまだ幼稚な心を掻っ攫っていった。
彼女のことが好きだ。
不毛だ、と思う。尖る唇は奪えても、彼女の人生を背負う覚悟はない。子供より、親が大事と思いたい。とこぼしたどこかの父親を思い出した。美味しい貴重な桜桃を、不味そうに食べては種を吐く男。色々なしがらみの中でなんとか生きてはいるものの、人生というものに酷く疲れて、加護を得て解き放たれたい、と望む無力で無責任な人間。しかし、人間のあるべき姿でもある。
あのある意味駄作とも呼べる作品がここまで世間に浸透したのは、皆が心の中で同じようなことを思っているから、だ。当然、こうして彼女を前にした俺も。彼女より、俺が大事と思いたい。
しかし同時に、かの人間失格な男のように、この先どんな悲しみが待ち受けていたとしても、今俺の前でけらけらと楽しそうにしている彼女と添い遂げる幸せが欲しい、とも思う。
俺の大して面白くない人生において、生きる、ということは、飲み残した一杯のアブサン、そのもののようだった。焦燥感、漠然とした不安、喪失感、胸に巣食う孤独と虚空。何も得られなかったのに、何か得られたはずだと追い求める不毛さ。不毛な道を、もう数十年���だ歩いてきた。強迫観念に基づく歩行を、続けてきた。
それなのに、彼女と結婚したい。自転車で青葉の滝を見に行って、帰りに古書店にでも寄って、互いの好む本を一冊ずつ買って帰りたい。なんて、我ながら、太宰を読みすぎてしまっている。
「星、全然見えないね。」
「明るいからな。仕方ない。田舎にでも行かなきゃ、あ、でも、あれ、星じゃない?」
「あ、本当だ。星だぁ。光ってんね。」
彼女は小さな手を空に翳して、ポツンと夜闇に空いた白い穴をゆびさした。無邪気な、まるで植物のようだと思う。刈られるとも知らず、蹂��されるやもしれない道端でも、構わず生き、咲いて、生を謳歌する植物。ごちゃごちゃと思考ばかりを絡めて墓穴を掘り続ける俺とは、対極にいる存在。
「眩しいな。」
「そだね。いっそのことさ、地球停電デー、みたいなの作ってみたらどうだろう。」
「地球停電デー?」
「そ。必要最低限の電気は維持して、あとはぜーんぶ消すの。そしたらきっと、今生きてる人���が、誰も見たことないような星空になるよ。」
喉元まで出かかった、好きだという言葉を飲み込んで、俺は返事の代わりに手に握っていたいちごオレに口を付けた。彼女は何も気にせず、自分の言った「地球停電デー」の響きが気に入ったのか、くふふ、と笑っている。
元来、理屈でうまく表すことが出来ない事象は苦手だ。感情論も、悲壮感も、恋愛感情も。昔からずっと、説明出来ないことは悪だと思ってきた。しかし今、少し間を空けた隣で笑う彼女を抱き締めたいな、と思った気持ちは説明出来ないし、説明出来ないでいてほしい、と思う。俺が大人になったのか、もしくは彼女が俺を大人にさせたのか。分からない。
「案外、賛成するかもな。」
「残業無くなるよ。君の嫌いなお仕事も、その日はぜーんぶ無し。」
「まぁ、1日休んだところで会社は潰れないしなぁ。実現不可能ではない。」
「めちゃくちゃ偉くなったら、私がその日作ってあげる。」
「ちなみにいつ?」
「勿論、今日。」
「なんで?」
「んー、君と星を見つけた日だから。」
彼女のことが好きだ。
不幸を食べて育つ俺の中の太宰かぶれな俺も、すっかり黙り込んでしまった。勝てないんだ。彼女には勝てない。どんな陰鬱も凄惨な記憶も、悲しみも哀しみも、彼女が触れれば忽ち芽を吹き花を咲かせてしまうんじゃないか。
二人の間のおやつはとうに食べ切ったのに、俺は手を膝に置いたまま、無防備に放り出された彼女の手をちらちらと見るだけ。目の前に出された幸福を、どう受け取っていいのかわからない。
「君は、不器用だね。」
「なんで急にディスるんだよ。」
「あ、もうすぐ電車、終わっちゃうよ。」
「え、まだ早いだろ。」
「ほら、今こんな状況だから、終電早まってんの。」
口を挟む間もなくゴミを片付けた彼女がさっさと歩き出したので、その小柄な背中を慌てて追い掛けた。ソーシャルディスタンスが終わらないまま、今日が終わりを告げようとしていた。
「ねぇ、楽しかった。また行こうね。」
「うん、また行こう。」
「ねぇ、美味しいものも食べようね。」
「食べような。お前が好きなパンケーキも。」
「ねぇ。」
「ん?」
「手、繋ぐ?」
差し出された小さな手。無邪気で悪意のない、愛おしい手。あぁ、今日行った水族館で見た、ヒトデみたいだ。誘われるように手を伸ばす。目の前の信号が赤に変わって、二人同時に足を止める。一瞬普通に繋いだ手を、君は恋人繋ぎに直して笑った。
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