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#お化けのポーズをする猫
meowmoedotcom · 21 days
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へそ天うらめしや~な猫☆へそ天上手な猫ガーちゃん【リキちゃんねる 猫動画】 キジトラ 猫のいる暮らし
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teruterubox · 8 months
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Get to know you@シムズスタイル日本語Ver.
@yorithesims さんがタグをくださったので私も書いてみました
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・あなたが気に入ってるシムの死因は何? 焼死です!だいたい料理中に燃えはじめて、自分で消化するか他シムが消火してくれるかの駆け引きが楽しめるので!
・アルファCCとマキシスマッチならどっち派? 最近はマキシスマッチです!(…ところであるふぁ㏄とは…?)
・シムの体重をごまかす? セーブデータ分けしたときにそっとスライダー戻すことは…あはは
・オブジェクトを動かしますか? やる気があるときは頑張ってチート使って部屋を盛ります
・お気に入りのMODはある? マスコンとポーズプレイヤー、あと各スライダー無しではもうゲームができないです とくにポーズ関連はシムズ4にハマりなおしたきっかけです
・あなたにとって初めてのゲームパック/スタッフパックは? 犬猫と触れ合いたくてシムズ4をはじめたのでcats&dogsでした
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・ライブモードは「aLIVE」または「LIVing」と発音しますか? (日本語ではなんて言ってる?また質問の2つならどっちがしっくりくる?) 上記の2つならLIVingですかね…?
・あなたが作ったお気に入りのシムは誰? シムズ3を遊んだ時に作ったこの子です←
「悪い」と「非常識」で何しでかすか分からなくて面白い子でした
一応4の方でも作ってます→
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・自分自身をシム化した? してないですね…でもこれまで作ったシム達にはどこか自分自身の好みは入ってるかも
・お気に入りのEAのヘアカラーはどれ? 赤がとてもきれいだと思ってます!
・お気に入りのEAのヘアスタイルは?
3のにもあったような気がする→です
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・あなたの好きなライフステージ(年代)は? 幼児、後最近きた乳幼児がすごくかわいいのですが、今の世帯まったくカップルができなくて…憧れのまま
・あなたはビルダー?それともゲームプレイがメイン? 基本はゲームプレイです!建築は楽しいけど1日が終わってしまってゲームがプレイできなくなるので大体形ができれば終わらせちゃいます
・あなたはCCクリエイターですか? CCクリエイター様方の崇拝者です(いつか…挑戦する日がくるかも?)
・Simblr(Tumblrをやっているシムズプレイヤー)の友達や、シムズ仲間はいる? はじめて1,2か月ほどですがかまってくれる方がいてすっごく嬉しいです!ありがとうございます!!
・シムズのグッズを持ってる? 存在を最近知りました
・長年のプレイを通じて、あなたの「シムズ・スタイル」はどのように変化しましたか? ずっと紆余曲折なのですが、最近はtumblrに載せたりするのが主体です あと更新がストップしてしまっているのですが https://medisize-starbottle.blogspot.com/ でシムズ3のチャレンジプレイ記録もしてました 今は私の環境下でのシムズ3があまり安定してなくて更新できてないのですが、安定したらまた続けたい…
・あなたのお気に入りのCCクリエイターは誰? s club様やkijiko様、icchi様、johnnysims様、northern siberia winds様 ポーズ系だとToys of dukeness様やes439lotus様などなど でもmodや㏄を作成して配布してくださる方はほんとうに素晴らしい方だと思ってます
・Simblr(Tumblrをやっているシムズプレイヤー)になってどれくらい? 1か月から2か月くらい
・スクリーンショットはどうやって編集してる? gshade使っているのでほぼそのまま、またはWindows標準のフォトで色合い変えてるくらいです
・あなたのお気に入りのEP/SPは何? CATS & DOGSとSEASONSあと温泉が追加されたSNOWY ESCAPEも! あとMY WEDDING STORIES はワールドだけでも十分購入してよかったと思いました
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なかなか長くなっちゃいましたがとりあえずこんなとこです
楽しかったです!ありがとうございました〜(*≧∀≦*)
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guys9love · 11 months
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エブリスタさんの『極道恋事情』スター特典に、読み切り短編「ワクワク健康診断大騒動」を更新しました。今回は嫁組猫化の第5弾です。
※こちらの画像もAIで作成しています。
エブさんの方でも書きましたが、先日からAI画像弄りにはまっています。 私は元々自分の創作文に出てくるキャラ子たちを何とかしてビジュアル化したいと思っていて、ですが絵はまったく描けないしで、何年もいろいろなツールを探して渡り歩いてきました。 アバターメーカーやアプリ、ドール、シムズ、どれもそれぞれ楽しくて夢中になりました。シムズは現在進行形でのめり込んでいます。 そして今回はAIに描いてもらう画像作成ツールに手を出しまして、キャラ子を作ってみました。 AIでキャラ子画像を――というのはツイッター(現X)などで流れてくる投稿を見ていて、ぼんやりと「ああ、こういうのできたらいいなぁ」と思っていたのですが、実はそのツイッターとシムズを通してお知り合いになった方のブログを拝見して、俄然自分でもやってみたいと思うようになりました! きっかけをくださったことにとても感謝しています(´ー`人) イメージでこの場面を画像化できたらなと思うことは多々あり、AIだったらそれが叶うのではと思い始めたのですが、しかしAI、なかなか難しくて脳内で思っている絵面になってくれない! まだ取らせたいポーズとか表情とか思い通りにいっていませんが、今後いろいろ弄ってみるのが楽しみです!(´︶`) 始めたばかりなのでヘンなところは多々あると思いますが、とにかく頭の中にあるイメージを具現化できるということの幸福感に睡眠もろくにせずに遊んでいます; 試行錯誤しながら今後もシムズと合わせて楽しんでいけたらなと思っております。 エブさんの方ではスター特典で恐縮なのですが、画像に合わせた短編やSSなども置いていきたいと思っております。
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仔猫Ver.の嫁たちもAIで画像化してみました。
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長毛種の紫月。
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白猫の冰。
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shredderwastesnow · 1 year
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クィアたちのZINE交換【後編】
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前回の記事に書いたが、ZINE交換会で、私は7冊のZINEをいただいた。 今回の後編では、それぞれを読んだ感想をまとめてみる。
※作者がセクシュアリティをどの程度オープンにしているか分からないため、ZINEの作者名は伏せています。 ※オンラインで公開・販売されているものについては、末尾にリンクを貼っています。
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■「ノンバイナリーがわからない」というテーマ詩またはエッセイ シンプルな紙面から、生きているだけで「男/女」と申告させる社会への失望が伝わってくる。これまで深く知る機会のなかった生きづらさに気付かされる。 「お兄さん」「お姉さん」という呼びかけも、時として相手のメンタルを削ることを学んだ。会話の端々で、知らず知らずのうちに相手を「男/女」のカテゴリーに当てはめていたかもしれない……と怖くなる。
「男/女」のあわいにいる人と同じ社会に生きているのだと、もっと意識して生活しなければと思う。 そして、無意味な性別の振り分けをなくす方向に社会を変えることも必要だ。当事者を死に追いやるレベルの苛烈なトランスヘイトが実際に起きている今、一層強く感じる。 シスジェンダーの自分には、まだまだ見えていないことがあると気付かせてもらえた一冊。
■YOGA HAMSTER STAMP ヨガのポーズを、素朴なハムスターのイラストと共に解説するZINE。 モフモフしたハムスターが、1ページごとに「チャイルドポーズ」「猫のポーズ」などを決めている。手足が短いなりに頑張っていて可愛い。
様々な研究で、クィアが精神を病む率は、そうでない人よりも高いことが分かっている。 体をほぐし、リラックスする時間を意識的に取ることも、クィアとして豊かに生きる上では大事だなと認識した。いや……いっそハムスター飼う?
■LIFE LIFE LIFE vol.3 そうだ、京都行こう 写真が趣味の6人(Gender Identityは男性寄りと思われる)が、京都で撮った作品をまとめたZINE。 作品と共に、撮影エピソードも載っている。歴史ある町並みや自然の佇まい、旅の興奮が伝わってくる。
ZINE作りに参加した6人のうち、3人は一緒に撮影旅行をしたそう。 1人では挑戦しづらい着付け体験に連れ立って行き、着物姿で街を散策しながらお互いを撮り合う。スーパーで食材を買い、airbnbの宿で一緒に料理をする。朝は古い喫茶店でモーニングを楽しみ、香り高いコーヒーを優雅に味わう。 エッセイパートで若者たちの予測不能な旅の面白さを追体験しながら、友達が家庭を持ってしまった今はこんな旅行もしづらくなった……と少し切なさもよぎる。
なお、この3人のうちの1人が、旅先で気分が落ち込んでしまったときに2人がそっとしておいてくれて嬉しかったと書いており、印象に残った。 自分が相手より優位に立っていることをアピールしたり、キャバクラなどの空間で女性にケアしてもらいながら親睦を深めたりする「ホモソーシャル」なノリではなく、お互いに褒め合ったりケアし合ったりする友情の育み方が、読んでいて気持ちよかった。 作者のクィアネスについては特に触れられていなかったが、シスへテロ男性らしさを要求されないコミュニティが、作者の精神を支えているのかもしれない。
■Q&Q スモールトークが苦手なわたしのための質問カンペZINE A6版の手に収まるサイズ感と、ポップなイラスト、ドミノピザの箱のような色使いが可愛い。 イベントで初対面の人と実のある対話ができるようにという心遣いから、各ページに「今日はどうしてこちらへ?」「今の社会に足りないものはなんだと思いますか?」などの質問が並び、読者(ユーザー?)はページを指差したりめくったりして会話を進めるという仕組み。便利!
趣味や好きなカルチャーに関する比較的軽い質問もあれば、「どんなジェンダーの相手とでも、友情は成り立つと思いますか?」「自分の力で社会は変えられると思いますか?これまでに何か変えられた経験はありますか?」など、ぱっと答えられないような深い質問もある。
後ろの方には、作者が推している海外ドラマや本などの紹介も付いていて、世界が広がる。 最近はセクシュアリティの問題を扱った作品の数が増えて嬉しい反面、作り手側に深い理解や考察のない作品は観ても傷つくだけなのでうかつに手を出せないという現実もある。 セクシュアリティについて日々真剣に考えている人から、口コミで良作を教えてもらえるのは有難い。
読んだのがイベントから帰った後だったので、作者の方と会場でこれを使って喋れたら更によかったかも。次回に期待。
★おまけ★ 「どんなジェンダーの相手とでも友情は成り立つか」について: 友達になれないと感じるジェンダーの人は思い浮かばないが、テレビに出ているゲイやトランスジェンダー(ドラァグクイーン)に時折見受けられる「自由=性的に奔放」という考え方は苦手だなと思う。 タレントの恋愛相談に「積極的にどんどん行っちゃいなさいよ!そうやって経験を積んで人は大人になるんだから~」と答えるオネエ言葉の人たちは、恋愛やセックスをしない自由という発想がなさそうなので、友達になれる気がしない。知り合い止まりにしたい。 でも、あの人たちも、テレビが作り上げたステレオタイプを演じさせられているのかもしれない……どうなんだろう。 ドラァグクイーンでも文化人寄りのヴィヴィアン佐藤さんあたりは、恋愛相談に対してもっと深みのある言葉を返すのではないかと思う。
■アセクシュアルである私がどのようにしてサトシに救われ、今回の件でどのようなことを考えたか 2022年の冬、25年もの期間にわたって放送されてきたアニメ版ポケットモンスター(以下「アニポケ」)の主人公が、次のシーズンからサトシではなくなることが発表された。 このニュースは、アニポケのオタクであり、アセクシュアルでアロマンティック傾向のある作者にとって、人生を揺るがす出来事だった。
作者は、小学校時代から自身のセクシュアリティを自覚し、友人の恋バナについてゆけず疎外感を味わってきたという。 恋愛に無頓着でありつつポケモンバトルに魂を燃やし、そのまっすぐな生き方で人々に愛されるサトシの姿は、作者にとって救いだった。 脚本を書いた人は意図していなかったかもしれないが、テレビの前でアニポケを観ていた一人の小学生は、恋愛がなくても充実した人生を送ることができるというメッセージを受け取ったのだ。
主人公の少年が戦いを通じて成長するストーリーの少年向けアニメでは、多くの場合、サイドストーリーとして恋愛が描かれる。 「るろうに剣心」「NARUTO」「鬼滅の刃」など、主人公と女性キャラクターのカップルをぱっと思い浮かべられる作品は多い。 これらの恋愛は基本的に異性愛であり、同性カップルは登場しない。ほとんどの少年向けアニメの世界観は、シスへテロ恋愛規範に基づいていると言えるだろう。 こういった状況にあって、物語に恋愛を持ち込まないアニポケは、作者にとって抵抗なく楽しめる希有な作品だった。 サトシに好意を持つ女性キャラクターが登場しても、サトシにはぴんと来ず、「そんなことよりバトルしようぜ!」という態度を取る。そして、周囲はそんなサトシを責めたり馬鹿にしたりせず、「まあサトシだからね」と受け入れる。 こういった物語に触れることで、恋愛感情の湧かない作者は、自分自身も肯定されたと感じていた。
しかし、サトシが主人公のアニポケは、もう制作されない。作者の心の支えが、一つ失われてしまうのだ。
そして作者が危惧しているのは、「NARUTO」→「BORUTO」のような続編への移行だ。 「NARUTO」の続編である「BORUTO」は、「NARUTO」の主人公うずまきナルトとヒナタの息子が主人公。 この展開によって、主人公が異性と結婚して家庭を持つ=ハッピーエンド、という原作者と制作者の世界観が鮮明になった。 もし、同じように次期アニポケの主人公がサトシの子供になってしまったら――それはつまり、制作者の中に、「バトルに熱中していた少年も、大きくなれば異性を好きになって恋愛→結婚・セックスするのが当たり前」という考え方があることを意味する。 これまでアロマンティックやアセクシュアルを肯定する存在だったサトシが、シスへテロ恋愛の模範として再定義されてしまうことを想像し、作者は何度も泣いたという。 やり場のない不安を整理すべく、このZINEが作られた。
このZINEが突きつけてくるのは、恋愛や性愛のない人生を肯定してくれる物語の少なさだ。 純文学などの中には探せばあると思うが(谷崎潤一郎「細雪」とか)、沢山の人が楽しむアニメや漫画などのポップカルチャーの中に、主人公が恋愛なしで満たされている作品を見つけるのは難しい。 2022年、主人公がアロマンティック・アセクシュアルのドラマ「恋せぬふたり」がNHKで放送され、話題を呼んだ。 このような、恋愛に縛られない幸せの形を提示できる物語が、もっと作られてほしい。 そして、私も何か書けるかな……。
https://note.com/ichijosayaka_59/n/n93046e8a589f
■2306 最悪のプライド月間を、なんとかやり過ごすZINE 1968年にアメリカで起こったクィアによる反差別運動(通称「ストーンウォールの蜂起」「ストーンウォール事件」)にちなみ、6月は「プライド月間」とされている。 今年の6月も、世界各地でセクシュアルマイノリティへの理解を深めるキャンペーンやイベントが行われた。 日本でもこうした取り組みは盛り上がりを見せたが、一方でLGBT理解増進法案が保守勢力によって骨抜きにされるなど、国や社会によるクィアへの抑圧が鮮明になるような出来事もあり、国内のクィアにとっては希望を感じづらい1ヶ月となってしまった。
このZINEには、ゲイであり鬱療養中の作者がこの6月をどう過ごし、何を考えたかが記録されている。文章の合間にゆるい漫画や犬の写真が配置されているので、深刻な内容があってもそこまで肩肘張らずに読めて有難い。
鬱によって思い通りに動かない身体。過去に受けた性被害のトラウマ。 反差別というメッセージが限りなく薄められたLGBT理解増進法案や、SNSでのトランスバッシング。 彼氏が両親の留守中に犬の世話をするため実家に帰ることになり、こっそり同行させてもらうという楽しいイベント。 彼氏が両親にカミングアウトしていないため、表向きは友人を装わなければならない現実。 彼氏と犬のユズちゃんと共に過ごした穏やかな時間。 無職である後ろめたさ。梅雨時の湿気。 その時々の作者の感情が、グラデーションになって迫ってくる。
二人と一匹の間に流れる温かい空気を感じながら、二人が堂々と一緒に暮らせないことを悔しく思う。 また、病気などの理由で一日八時間労働が難しい人が社会から零れ落ちてゆくような現状も、もっと改善できないものかと感じた。 (「Marriage for All」に署名し、選挙の時も人権意識のありそうな人に投票するようにはしているが、まだ足りないんだろうな……。) 一応、作者が欲しいものリストを公開した時に、応援を込めて1品ポチッとした。まだ足りないだろうけど。
※「はじめに」のみ公開 https://nigenige2020108.hatenadiary.jp/entry/2023/06/30/090000
■恋愛も結婚もセックスもしたくない人がいるんです アロマンティック・アセクシュアルである作者が、自身のこれまでの人生と現状、将来のビジョンをエッセイ漫画にしたZINE。
作者は30代で、性自認は女性。アロマンティック・アセクシュアルでありつつ、BLが好きで百合も読む「腐女子」。 自分が恋愛や性愛の当事者になりたくはないが、フィクションの恋愛や性愛は読者として楽しめる、ということにな��。
恋愛を経ての結婚をする気はないが、何かあったときに助け合える人がいてほしい気持ちもあり、いわゆる「友情結婚」にも興味がある。 助け合うことと恋愛・血縁が分かちがたく結びついている現代社会では、恋愛感情や性欲がなかったり少なかったりすると孤立しがちだな……と改めて認識する。 「恋愛経験がない/少ない=人間的に未熟」というバイアスに苦しめられるくだりは、共感しかなかった。
平日は金融機関で働き、週末にオタ活を楽しむ作者の人生は、ちゃんと充実している。 変わるべきは、「人生には恋愛と性愛があるべき」という価値観を振りかざし、無駄なコンプレックスを味わわせる世間の側だろう。 恋愛・性愛のない豊かな人生はあり得るという希望を見せてくれる、爽やかな読後感のZINEだった。
※8/11時点でこのZINEは完売、続編は購入可能 https://hinotoya-akari.booth.pm/
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こうして感想を並べてみると、作者7人のセクシュアリティと抱えている事情が千差万別であることに、改めて驚く。 本やウェブで「LGBTQ+とは?」みたいな解説を読んだだけでは絶対に見えてこない現実と実感が、それぞれのZINEから生々しく伝わってくる。
社会がカテゴライズした性別や恋愛・性愛規範に自分を無理矢理当てはめて解釈しようとすると、どこかで無理が生じる。 クィアはそうでない人より無理をしなければならないが、自分がクィアだと明確に認識していない人も、実は無理をしていることがあるのではないかと思う。 (「性自認が男なのにメイクしたいと思うのは変かな?」「恋人との時間より友達との時間が楽しいと思う私は間違ってるのかな?」といったように。)
既存の枠組みに囚われずに自分のセクシュアリティを語ることは、社会や権力の都合によって奪われた自分の一部を取り戻し、自分の生を自分に合う形にカスタマイズする第一歩なのかもしれない。
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t82475 · 3 months
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イリュージョンワークショップ
[Part.1 仁衣那さん] 1. ちょっと挨拶に寄っだけのはずなのに、夕食とビールをご馳走になってオヤジとオフクロはすっかり盛り上がってしまった。 出水さんとうちのオヤジは従兄弟同士、出水さんの奥さんとオフクロは中学高校の同級生。 直接会うのは10年ぶりというから話に花が咲く。 昔好きだった歌手の話題になって、やがて昭和ポップスのカラオケ大会になってしまった。 この家、こんなにデカいカラオケ機があるのか。 カラオケルームの装置より大きいぞ。
オヤジが拳を突き上げて熱唱している。 隣でおばさん二人がダンスの練習を始めた。ピンクレディーって誰? 僕はじっと座っているだけだった。 いつまでこんなのに付き合わされるのだろうか。
「終わりそうにないわねぇ。・・わたしの部屋に来る? 将司くん」 隣にいたお姉さんが声をかけてくれた。 助かった。 僕はお姉さんに連れられてカラオケ会場と化した客間から逃げ出した。
2. 僕は畑本将司(はたもとまさし)、18歳の高校3年生。 お姉さんは出水仁衣那(でみずにいな)さん。年齢は教えてもらってない。 親同士が従兄弟だから、僕から見て仁衣那さんは再従姉妹(はとこ)にあたる人だ。
「わたしのこと覚えてる?」 「いえ、全然」 「わたしは覚えてるよ。10年前の将司くん」 そう言われても困る。 ひい爺さんの三回忌だか七回忌だかで親戚が集まったとき、8歳だった僕もそこにいたらしい。 「可愛いかったなー。それがこんなイケメンになるんだから」 「仁衣那さん、そのときいくつだったんですか?」 「内緒。それ言ったら今の歳が分っちゃうでしょー?」
話しながら階段を上がって2階の仁衣那さんの部屋に来た。 淡い色のカーテンとベッドカバー。ドレッサーっていうんだっけ化粧のための台。 床に籐のカゴがあって中に猫のぬいぐるみが寝ている。 女の人の部屋ってこういう感じなんだな。
「女の部屋が珍しい?」「まあ一人っ子なもので」 「彼女くらいいるでしょ? その子の部屋とか知らないの?」 残念ながら、たった一人だけ付き合った女の子とは部屋に入れてもらえる関係になる前に別れました。 「あらごめんなさい。わたしつい余計なこと言っちゃうのよねぇ」 「いえ、大丈夫です」 「そう? ・・えっと、将司くんは高校2年だっけ」「3年生です」 「そっか。なら進学?」「一応そのつもりです」 「行きたい大学は決まってるの?」「第一志望はJ大ですけど」 「あら、わたしJ大卒だよ」 「そうなんですか」 「そうそう! 自由でいい大学だよっ」 「・・」 「自由過ぎて放ったらかしというか」 「・・」 「将司くん?」
僕は机の上に飾られているペーパークラフトを見ていた。 丸い台座からまっすぐ立った棒とその上に女性の人形が浮かんでいた。 その人形の顔はどことなく仁衣那さんに似ていた。 水着みたいな服。片肘をついて横になったポーズ。やや頭を下にして全体が傾いた構図。 これ、イリュージョンじゃないか。
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「あ、それ?」 仁衣那さんは手を伸ばして人形の足を指で押し下げた。 指を離すとそれは棒の上でゆらゆら揺れた。 [動画] 「よくできてるでしょ? これはブルームサスペンション・・って言っても分からないか」 「イリュージョンですよね。こんな風に棒一本で浮くっていう」 「知ってるんだ。将司くん」 「はい。ちなみにブルームは英語でホウキって意味だけど、ホウキを使ってなくてもこんな形だとブルームサスって呼ぶんですね」 「よく知ってるねぇ。ホウキのことなのかぁ。知らなかったよー」
僕は小さい頃からイリュージョンマジックに興味があった。 人体切断や空中浮揚などテレビやネットで見てはタネを調べたりしていた。
「わたし、イリュージョンやってるんだよ。アマチュアだけどね」 「え、仁衣那さんが?」 「うん。このお人形はね、大学で同好会にいたときのわたしなの。ステージ見た人が作ってくれたんだ」 これは驚いた。親戚にイリュージョンをやる人がいたなんて。 しかもこの人形。この人形は。 「仁衣那さん、あの」 「はい?」 「こんなエロ、いやセクシーな恰好でイリュージョンやったんですか」 仁衣那さんは一瞬呆れた顔をしてから笑った。 「男の子ねぇ。・・確かにこのハイレグに生足だもの。エロいに同意するわ!」
僕は仁衣那さんを見る。ごく普通にTシャツとジーンズの仁衣那さん。 この人がへそ出しのハイレグで生足で。 「そんな目で女の子を見たら嫌われるぞ、少年」 「そこで少年呼びはやめて下さい」 「このときの録画があるけど、見たい?」 「見たいです」 「素直でよろしい」
・・
仁衣那さんのタブレットでブルームサスの動画を見せてもらった。 あのエロいコスチュームで登場した仁衣那さん。 たった一本のサーベルに支えられて空中浮揚。ハイヒールの足が斜め上に向いてすらりと伸びる。 これ、サーベルの先端を受ける仕掛けがあるんだよな。
「こんなこと聞いて答えてもらえるか分からないですけど」 「いいわよ。年齢以外なら何でも教えてあげる」 「太りました?」「うるさい」 「じゃあ別の質問」「めげないのね」 「このイリュージョン、腰から下が大変じゃないですか?」 「あら、分かるの!?」
映像を見る限り仁衣那さんの身体は上半身でホールドされている。腰から下には何もない。 だから仁衣那さんは自力で下半身のポーズを維持している、と思う。 筋肉に力を込めて、まるで体操の選手みたいに。 僕の質問が通じたんだろう。仁衣那さんはにやっと笑ってくれた。
「さすがだね、少年!」 「だから少年は止めて欲しいと」 「イリュージョンはね、アシスタントの汗と涙で成立するんだよ!」 「大雑把な答えですね」 「あっははは」 豪快に笑われた。仕方ないので僕も笑う。
「そうだ! 再来週の土曜日だけど、ヒマしてない?」 「何ですか?」 「イリュージョン同好会の公演があるの。わたしは用事があって行けないけど、将司くん見に来ない?」 行きたい。 でも、知らない大学生の集まりに一人で行くのはちょっと。
「誰でも大歓迎のイベントだから心配ないわ。それに来年は将司くんも入会するでしょ? 今から顔売っといて悪いことないと思うけどなー」 「僕は同好会に入るとは決めてません。だいいちJ大に通るかどうかも分からないっていうか」 「大丈夫大丈夫! きっとうまく行くよ」 「んな気楽に」 「公演会、きっとエロいコスチュームの美女が登場するよ」 「え」 「我がJ大イリュージョン同好会の伝統だからね、女子のコスがセクシーなのは」 「行きます」 「よし! チケット代はわたしが出すから安心して」 「お金取るんですか」 「イリュージョンはお金がかかるからねー。ここはOBとして協力してあげたいのよ」 「何枚買わされてるんですか?」 「え?」 「何枚買わされてるんですか? チケット」 「・・10枚」 「そ、れ、は、た、い、へ、ん、だー」 「もちょっと気持ちを込めて同情してよぉ~」
[Part.2 J大イリュージョン同好会公演] 3. イリュージョン同好会公演の会場は小さなライブハウスだった。 入口で紙切れを渡された。 そこには QR コードが一つあるだけで出演者もプログラムも書かれていなかった。 試しにスマホで QR コードを読んでアクセスしてみると、ただ真っ黒な画面が写るだけだった。
フロア前方の椅子席に座る。 フロアの後ろ半分は椅子のない広場になっていて、そこに揃いの黄色いハッピを纏いメガホンやうちわを持った兄ちゃんたちが群れていた。 うちわには蛍光色の派手な丸ゴシックで『知里』とか『琳琳』とかの字が見える。まるでアイドルの応援グッズだ。
ステージは少しだけ高くなっていて、袖とバックに黒幕が掛かっている。 客席とステージを仕切る幕(緞帳)はないから、開始前からステージの様子が分った。 今、ステージには一人掛けの黒い椅子が置かれている。その隣には大きな造花の植栽。 あの椅子は知ってるぞ。美女の出現椅子だ。 ということはあの中にはもう。
○ 公演会オープニング やがて会場が暗くなり、スポットライトがステージの椅子を照らし出した。 椅子に黒布が掛けられる。ほとんど同時に水色のドレスの美女が登場した。 足を組んで座り、髪をかきあげて微笑む。 ちーりちゃーん! 後ろの方で野太い声が湧き起こった。
続いて、隣の植栽に黒布が掛けられた。 プランターの中に別の美女が立ち上がる。 彼女はピンクのフリルドレス。その場で両手を広げて回って見せた。 りんりーんちゃーん! 再び声援。 お前ら、さっきからちょっと五月蠅い。
それにしても二人とも速かったな。 あの布の下に出現すると判っていても、ほんの一瞬で移動するのは驚きだった。 この後のイリュージョンも期待していいんじゃないか。
ステージにイリュージョン同好会のメンバーが並んで挨拶した。 全部で5人。少ないな。 男性メンバーは3名。全員グレーのスーツ姿。 女性は2名。 「朝比奈知里(あさひなちり)です! 3年で会長です!」 「岩淵琳琳(いわぶちりんりん)、1年生です!」 知里さんは青いドレス。切れ長の目でちょっと知的な美人という感じ。 琳琳さんはピンクのドレス。大きな瞳をしていて可愛い美少女という感じ。 どっちも魅力的だ。 来年この人たちと一緒に活動できるのなら、ちょっとは受験勉強も頑張ろうという気になるね。
続いて男性メンバーも自己紹介をしたらしいけど、知里さんと琳琳さんを見ていて耳に入らなかった。 まあ男の名前はどうでもいいわな。 それよりイリュージョンをしっかり見ないと。 できればタネも見破りたい。
男3人は袖に引っ込み、ステージには女性だけが残った。 美女2人で演じるイリュージョン!? 知里さんがマイクを持って深呼吸し、そして叫んだ。 「お待たせしましたーっ。歌いまーっす!!」 うぉお~~!! 待ってましたぁ~っ!!! 怒涛のような歓声が起こる。 え? 何? 「♪あ・な・た~のアイドぉルぅ、サインはビビビ!!」 二人は踊りながら歌い出した。
うりゃおい!うりゃおい! うりゃおい!うりゃおい! ちーりちゃーんっ!! りんりーんっ!! 耳を覆いたくなる音量の音楽と声援。 一斉にコールをかけながら踊る兄ちゃんたち。 椅子席の観客も飛び跳ねながら手拍子。 イリュージョン、しないの?
・・
それから知里さんと琳琳さんは3曲歌い、会場はむちゃくちゃ盛り上がった。 2曲目の途中で衣装の早変わりがあった。 二人は衝立(ついたて)の陰でショートパンツに変身した。 「おおっ」と思ったけど、他にイリュージョンっぽいことは何もなかった。
「10分間休憩でーす!! 握手とチェキタイムは後半の終了後になりまーす!」 チェキまで撮るんかい。
休憩時間中、僕は椅子に座ったまま憮然としていた。 僕は何を見にきたんだろう? ねえ、仁衣那さん。全然エロくないっすよー。 おっと違う違う。 エロは目的じゃなかった、イリュージョンを見に来たんだ。 まあエロいのも期待してるんだけど。
4. 後半の部。
○ マジカルマミーの人体交換 男性メンバーが二人、細長い白布を持って登場した。 二人は左右に分かれて立ち、間に細長い布を掲げて見せた。 それは高さ2メートル、横4メートルほどもある白布で、まるでステージに白い壁ができたように見えた。
右側の男性がくるくる回りながら左に進んだ。自分の身体に布を巻き付けてミイラのようになってゆく。 4メートル分すべて巻き終えて止まると、左にいた男性がその頭と肩の部分を押さえて中身が人間であることを示した。 するとミイラが逆に回って今度は布を解いてゆく。 すべて解き終えて右側に現れたのは男性ではなく知里さんだった。 ハイレグの青いレオタード。兎の耳はないけど付いてたらバニーガール。ハイレグの下は網タイツにハイヒール。 右手で白布を掲げたまま、身をくねらせて微笑みながらウインクしてくれた。 え~!? ちりちゃーん!! 応援団の声援も驚き混じりだ。
続いて左側の男性がくるくる回って布を巻きつけミイラになった。 知里さんがその頭と肩を押さえて中身の人型を示す。 ミイラは逆向きに回転して布を解き、そして琳琳さんが登場した。 知里さんと同じデザインの赤いレオタード。胸の谷間もくっきり。 うわぁ~っ。りんりーん!!
知里さんと琳琳さんは互いの肩と太ももに手を当ててポーズ。 僕は思い切り拍手した。 これだこれ。見たかったのは。 お二人とも文句なしにエロいです。
・・
その後はイリュージョンが続いた。
○ 逆さヒンズーバスケット キャスター付きの台に載って登場したのは台形の籠。ヒンズーバスケットだった。 目隠しの黒布を手前にかざし、その間にハイヒールを脱いだ琳琳さんがバスケットの中に隠れた。 黒布を外すとバスケットの口から琳琳さんが手だけ出して振っている。 これで蓋を乗せるのかと思ったら、細かい発泡スチロールのボールが注ぎ込まれた。 大きなビニールの袋で1杯、2杯。 あーあ、琳琳さん、すっかり埋もれちゃったな。 琳琳さんの手が発泡スチロールの中に引っ込んで、その上に蓋が被せられた。
知里さんが長い棒を振りかざした。 棒の先端を蓋の小穴に刺し、バスケット側面の穴まで斜めに突き通す。 さらに次の棒を刺す。全部で6本。 何箇所かバスケットの穴から白いボールが押し出されてこぼれる。 最後の棒を垂直に刺した。その先端がバスケットの底から突き出るのが見えた。
ヒンズーバスケットはとてもメジャーなイリュージョンだし、仕掛けも簡単だ。 でも発泡スチロールボールでバスケットの中を埋めてしまうとは。 あそこにいる琳琳さんは視界が遮られてやりにくいだろうし、それに閉塞感が増して心理的にも大変だろう。 "イリュージョンはね、アシスタントの汗と涙で成立するんだよ!" 仁衣那さんの言葉が蘇った。 本当だ。頑張っている琳琳さんを想像して少しドキドキした。
全部の棒が引き抜かれ、上面の蓋も外された。 せーの、ほいっ。 男性メンバーが3人がかりでバスケットを持ち上げた。 え? 何するの? 腰の高さまで持ち上げたバスケットを上下逆に向けた。 発泡スチロールのボールがざぁっとこぼれる。 知里さんが下から手を入れて奥の方のボールをかき出した。 さらに4人でバスケットを揺さぶる。逆さに持ったバスケットを何度もぶんぶん揺さぶった。
これはマジで驚いた。 こんなヒンズーバスケットは見たことがない。琳琳さんはどこに消えたのか。 会場もざわついている。
やがてバスケットは元の向きで床に置かれた。 目隠しの布をかざす。バスケットの中から琳琳さんが立ち上がった。 発泡スチロールのボールが纏わりついている。払い落とそうとするけど静電気でくっついたボールは簡単に落ちない。 諦めて琳琳さんはにっこり笑い、皆で並んでお辞儀をした。
・・
○手首ギロチンと切断手首 男性メンバーが床に散乱したボールを掃除機で吸い取っている。 その前で知里さんがマイクを持った。 「次は会場のお客様にお手伝いお願いしましょう」 はいはーい! おれオレ!! 一斉に手を上げる兄ちゃんたちを制して言った。 「ごめんなさい。ここはやっぱり女の子で♥」 えーっ? 仕方ないなー。 知里さんは何人か手を上げた女性の中から一人を指差した。 「はい、あなた。どうぞこちらへ!」 琳琳さんが走って行ってその女性の手を取り、ステージの上に連れてきた。
客席から上がって来たのは元気な感じの子だった。高校生ぽく見える。 薄いピンクのシャツと白いハーフパンツ。シャツと合わせたピンクのネイル。 「お名前は?」 「玻名城(はなしろ)れいらですっ」 「れいらちゃん。今日は生贄になってもらいます」 「はい?」 「この椅子に座って下さいねー」
ステージに小さなギロチン台が登場する。 このサイズは首じゃなくて手首だな。 手首と野菜を同時に切断する、そしたら野菜だけ切れて落ちるってやつだろう。 知里さんは女の子の右手首をギロチンにはめ、外れ止めのフックをかけた。
「準備完了!」 「え? え? えーっ?」 「うふふ。何度やっても楽しいわ。処刑のしゅ・ん・か・ん!」 芝居がかった台詞を言う知里さん。 白いパラソルを持った男性メンバーが二人出て来た。 両側に分かれて屈むと、持って来たパラソルをギロチンに向けて開いた。 知里さんはギロチンの向こう側。 女の子は不安そうな顔をしている。
「ではさっそく♥」 知里さんがギロチン台の紐を引いた。 かちゃん! ギロチンの刃が落ちて手首が床に転がった。 パラソルに赤い飛沫が飛んだ。 「きゃぁ!!」 短い悲鳴を上げて女の子は動かなくなった。 その頭に麻の袋が被せられる。
ええーっ。本当に切ったの? 近くで女性の声がした。 まさか。本当に切る訳ないさ。演出だよ。 僕は密やかに笑った。
男性メンバーがテーブルを押して出てきた。 テーブルといってもそれほど大きくない。花瓶を一つ飾るのにちょうどくらいのサイズ。 テーブルには床まで届くテーブルクロスが掛けられている。 ギロチンから少し離れたところに停めた。テーブルクロスが外される。 テーブルの下は細い脚が4本あるだけで何もない空間だった。
知里さんは床に落ちた手首を拾い上げ、それをテーブルの上に置いた。 手首は切断面が流血して赤くなっている。そこへ白いレースのフリンジ(ふさ飾り)を巻き留め紐で縛った。 手首を覆うようにガラスの箱を置いた。 一辺 30 センチくらいの立方体のガラス箱だった。
透明なキューブの中に安置された女性の手首。 まるで美術館のオブジェだ。近くで見たい。 そう思っていたら、すかさずアナウンスが入った。 「お手元のスマホで QR コードにアクセスして下さい」
わ、見えた! 周囲で声が上がる。 僕もあの紙切れの QR コードを読み込んだ。 スマホの画面に手首のアップが映し出された。 男性の一人がスマホを持ってガラス越しに撮影しているのだった。
それは正に女性の手首だった。 このリアルさはマネキンなんかじゃ無理と思った。 カメラがゆっくり移動する。 ピンクのネイルがはっきり見えた。 切断箇所は白いレースで覆われているのが分かる。 僕は無意識に二本指でピンチアウトして映像を���大した。 レースの表面にうっすら血が滲んでいた。 全然グロテスクじゃない。むしろ綺麗だと思える。
たぶん会場の全員が自分のスマホを見ていただろう。 きゃっ!! うぉ!? 一斉に悲鳴が上がった。 画面に映る指がぴくりと動いたのだった。 人差し指から中指、薬指と小指から親指まで順に動き出した。 やがて五本の指がテーブルを掻くように動き、それに引きずられて手首全体がわずかに移動した。 何だよこれ!! やだやだぁ~!! 僕はスマホから顔を上げて直接ステージを見た。もしかしたら映像フェイクかもと思ったのだ。 でも客席から遠目に見ても、ガラス箱の中で手首がゆっくり動いているのが分った。
すごい演出だと思った。 プロのイリュージョンでも見たことないぞ。 僕は口をぽかんと開けたまま、スマホの画面とステージを交互に見るのだった。
やがて手首は動きを止め、知里さんはその手首をガラス箱から持ち上げた。 ぐったり動かない女の子の腕に手首を押し付ける。 ギロチン台の拘束を解放し首に被せた麻袋を外すと、女の子は笑顔で立ち上がった。 手首が繋がって元通りになった腕にはレースのフリンジが巻いたままになっていた。
・・
ステージは次の演目のために模様替えされる。 「次が最後のイリュージョンです!」
○ ドラム缶脱出 男性メンバーが3人でドラム缶を担いできた。重そうだ。 直径 80 センチくらい。長さ 120 センチくらい。 ステージの床に立てて置き、梯子付きの台を押してきてドラム缶の後ろに据えた。 客席から見えるようにドラム缶を前に傾けて中に何もないことを示した。
知里さんがハイヒールを脱いで梯子を登った。 ドラム缶の中に降り立って手を振る。客席からは知里さんの胸から上だけが見えている。 男性メンバーが金属の円盤を持って来た。 それはドラム缶の断面に合わせた蓋で、手首が通る丸い穴が二つ開いていた。 上から蓋を被せると、知里さんの姿はドラム缶の中に屈むようにして消えた。 軽くノックをすると蓋の穴から右手と左手が差し出された。その手に手錠が掛けられる。 蓋の周囲にバンドを掛け、外れないよう周囲に南京錠を6個掛けた。 これで完成。梯子が外された。
ステージが暗くなる。 スポットライトの中にドラム缶だけが浮かび上がって見えた。 ドラム缶の上面には手錠を掛けた手が生えていて、交互にグーとパーの形を作っている。 男性メンバーがドラム缶の手前に黒幕を掲げた。 ドラム缶の本体は隠されたものの、知里さんの手は幕の上に見えていた。 仰々しいドラムロール。 知里さんの手がすっと下がって見えなくなった。すかさず黒幕が外される。 おおーっ。 ドラム缶の前に知里さんが立っていた。
ステージが明るくなった。 ドラム缶の蓋を取り外すと中から女性が立ち上がった。 琳琳さんだった。 ええー!? 両手を水平に広げた琳琳さんを男性メンバーが左右から持ち上げた。 ドラム缶の前に全員が並んで頭を下げる。
うわーーーっ。すごい!! ちーりちゃーん!! りんりーん!!! 拍手と声援が終わらない。僕も拍手していた。 今まで見た中で一番面白いイリュージョンショーだと思った。
5. ステージは握手会になった。 1回 500 円で知里さんか琳琳さんと握手とツーショットのチェキを1枚撮影できる。 応援団の兄ちゃんたちだけでなく一般のお客さんたちも並んでいて繁盛していた。
僕はチェキなんて趣味ではない。 荷物を持って帰ろうとしたら知らない人から声を掛けられた。 「畑本将司くんですか?」 背の高い、お兄さんというよりおじさんに近い人だった。 髪がぼさぼさで眼鏡かけて、三日三晩部屋に籠ってアニメ観てそうな感じ。 「OBの酒井です。来年はイリュージョン同好会に参加してもらえると聞いて」 仁衣那さんから伝わってるのか。 「あ、それは僕がJ大に合格できたらの話でして」 「大丈夫。君なら合格するよ」 適当なこと言わないで下さい。仁衣那さんと同じじゃないですか。
「今日はどうでしたか? 本来なら現役のメンバーから伺うべきだけど、あの通りの忙しさなので」 酒井さんはそう言って握手会の列を目で指す。 「そうですね。とても面白かったです。これまで見たどのイリュージョンと比べても」 「ほう、例えば」 いちいち聞くの? 「ええっと、ヒンズーバスケット。発泡スチロールを入れたり逆さにしたり、普通のヒンズーと違ってて驚きました」 「うん、あれはうちのオリジナルだからね」 「中に入ってる女の人は大変ですよね。イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立するって、その通りだなぁ、と」 「ほう」 酒井さんの目がきらりと光った、ような気がした。 仁衣那さんから聞いたのをそのまま言っちゃったけど、マズかったかな?
「あの、えーっと、あの」 「はい?」 そうだ。 「あの歌とダンスは意味があるんですか? その、イリュージョンの同好会なのに」 僕は何を聞いてるんだろう。 「それは朝比奈知里会長の趣味」 「・・趣味、ですか?」 「我々OBは現役のすることにいちいち口を出さず、距離を置いて見守る方針なんだ」 距離を置くって、あなた真っ黄色のハッピ羽織って、背中に『知里』『琳琳』って書いたド派手なうちわ2本背負ってるじゃないですか。
「これをあげよう。握手券2枚」 「え」 「せっかくだから記念のツーショットを撮ってもらうといいよ。あの子たち、ノリノリだから」 「・・はい」 「またの機会に語り合いたいね」 またの機会? 酒井さんは手を振って離れていった。
それから僕は列に並び、知里さんと琳琳さんと握手してツーショットのチェキを撮ってもらった。 二人ともサービス満点だった。 知里さんは並んでピースサインしながら横乳をぎゅっと押し付けてくれたし、琳琳さんはけたけた笑いながら胸の谷間にまぎれていた発泡スチロールのかけらを僕にくれた。
[Part.3 ワークショップ1日目] 6. 二週間経って仁衣那さんから電話があった。 「イリュージョン同好会とOB会で一泊二日の合同ワークショップをやるんだ。メインはバーベキューだよ。将司くんもどうですかって」 知里さんと琳琳さんの網タイツ姿が浮かんだ。 夏休みに入った最初の週末。 オヤジとオフクロは仁衣那さんと一緒なら行ってもいいと許してくれた。
・・
絶好のバーベキュー日和だった。 仁衣那さんと駅で待ち合わせる。 「OBの酒井さんって人と会いました」 「ああ、あの人はイリュージョン同好会の創設者だよ。今も現役の指導してくれてるし」 「そうなんですか」 「同好会にある道具の半分は酒井さんが作ったんじゃないかな」 なんか分る。 ああいうオタクっぽい人って何でも器用に作っちゃうんだな。 「初めて会った時はオタクっぽい感じの人だなーって思ったけどね」 「それ僕も思いました。おじさんに見えるけど案外若いんじゃないですか」 「酒井さんまだ20代だよ」 「あはは」 僕らは揃って笑った。 「そーいや仁衣那さんはいくつなんですか?」 「わたし? って、さらりと年齢を聞くな。うっかり白状しちゃうところだったわ」 「だめか」
「それよりどうだった? 現役の子たちの公演は」 「楽しかったです。知里さんと琳琳さん、セクシーで綺麗だったし」 「そっちかよ」 「りんりんって本名ですか?」 「知らないわ。わたしは知里ちゃんが1年生のとき一緒だっただけだし」
ほう。知里さん1年で仁衣那さん4年だったのね。 ということは、2年経って仁衣那さん今は23か24。歳バレするの嫌がってるからきっと24だな。 僕は頭の中で計算して勝利感に浸る。 性格悪いって思われるの嫌だから、口には出さずしっかり覚えておこう。
・・
郊外の駅で電車を降り、大きなコンビニの前にやって来た。 人気(ひとけ)のない駐車場の隅で待つ。酒井さんが車で迎えに来てくれるという。 「どうしてこんなところで落ち合うんですか?」 「車に乗るところを見られたくないのよ」 「?」
ほどなく酒井さんの運転する車がやって来た。 背の高いバンタイプの軽自動車。 車内は積荷でいっぱいだった。後席シートを畳んで天井まで荷物が積み上がっている。 空いているのは助手席だけ。
「バーベキューの材料やら何やらでいっぱいになっちゃってね」 どーするんですか? 仁衣那さんと僕、二人が乗るのは無理みたいですけど。 「んー」 酒井さんは頭を掻きむしる。その仕草がわざとらしい。 「仕方ないね。一人は荷物ということで」 「え」
バンのリアゲートを開けるといろいろな小物とダンボールが積まれていた。 一番下のダンボール箱は寝かして置かれていて、蓋がこちらを向いていた。 セロテープで簡単に留めた蓋を開けると中は空だった。 「ここに入るのは」 「わたしね」 仁衣那さんはにっこり笑うと、お尻から潜り込んでダンボール箱の中で丸くなった。 「手錠されたい?」「されたい♥」 揃えて差し出された両手に酒井さんが手錠を掛けた。 どうして手錠なんか持っているんだろう? 酒井さんは仁衣那さんの手を箱の中に押し込むと、蓋を締めてガムテープをHの字に貼って封をした。 いったい何ですか、この流れは。
「これでいいね」 酒井さんはリアゲートをばたんと閉じた。 「さ、行こうか」
・・
車の中で酒井さんに聞かれた。 「畑本くんは "拘束" に興味ある?」 「えっと、女性アシスタントが手錠を掛けられるとか、小さい箱に閉じ込められるとか?」 「そうだね。最初に同好会を始めた僕の責任でもあるんだけど、そういうイリュージョンが多くなってね」 「・・」 「女の子たちも自然に受け入れてくれるというか、積極的に喜ぶ子もいて」 「マゾ、ということですか?」 「理解が速いね。皆がそうとは言わないけど、そんな傾向はあるということ」 「ははぁ」
道路の段差を越えて車が大きく揺れた。 後ろから「きゃん♥」という悲鳴が聞こえた。 僕はダンボールに収まって荷物になっている仁衣那さんのことを考える。 仁衣那さん全然拒んでいなかったし、そもそも最初から仕込まれていたのは明らかだ。 そういえば、あの人自分から手錠を希望したな。 もしかして仁衣那さんも・・?
「実は今夜、拘束に関するアクティビティがあるんだ。イリュージョンの一部としてではなく拘束そのもののね」 アクティビティってどういう意味だっけ。 「ま、ぶっちゃけて言えば、緊縛の体験会だね」 「!」 「君に知っておいて欲しいのは、みんな良識ある人たちだってこと。だからそういう場になっても驚かないで欲しい」 「・・はい」 「実は君を招待していいか迷ったんだ。でも来年同好会に参加してくれる子が "そっちの世界" を知ってる子でね」 来年参加する子って、僕と同じ高校3年? 「だから今の会長とも相談して、畑本くんに知ってもらうことにした。個人的には君自身にも適性があると思うし」 「適性ですか?」 「そう。・・もちろん無理強いはしないよ。イリュージョン同好会にはそんな側面もあると理解して、来年加入するかどうか決めてくれたらいい」 「分かりました」
不思議な気持ちだった。 女の子との経験はキスが1度だけだった。 なのに、拘束とか緊縛とか、そっちの世界を先に見るのか。
・・
森の中にぽつんと一軒のコテージに到着した。 2階建ての赤い三角屋根。正面にコンクリートを敷いたテラス。 駐車場には自動車やトラックが何台も停まっていた。 隣の広場ではバーベキューの準備をする人たちの姿も見えた。
車が停まると僕は急いで降りて後方に回った。 酒井さんがリアゲートを跳ね上げた。 ダンボールのガムテープを勢いよく剥がす。 「え!?」 箱に入っていたのは仁衣那さんではなかった。 知らない女の人が手錠を掛けられて、ものすごく色っぽい目で僕を見つめていた。 「あら・・、着いたのね♥」 「紹介するよ。妻の多華乃(たかの)だよ」 !!!!
仁衣那さんは・・? かちゃ。助手席のドアが開いて女性が降りてきた。 その人は両手に手錠を掛けたままだった。 「やっほ! 将司くん」 仁衣那さんだった。 さっきまで僕がいた場所に仁衣那さんが座っていたのだった。
7. 先に来ていた人々が集まって来た。 僕は最後に到着したゲストだったらしい。 「タネ明かししてあげたら? 彼、口ぽかんと開けたまま固まってるわよ」 そう言ってくれたのは知里さんだった。 おお、知里さんっ。来ていて下さったんですね。
「大した仕掛けじゃないけどね」 酒井さんはもう一度バンのリアゲートを開けて荷室を見せてくれた。 多華乃さんが入っていたダンボールを引くと、手前にすぽっと引き抜けた。 上の荷物が落ちて来ない。 すぐ分った。二重床だ。 本来の床の上にもう一枚、合板の床が張ってあるのだった。 工事業者のワゴンなどでよく見るのと同じだから、注意して見ていれば気付いたはずだった。 本当の床と二重床の間隔は 50 センチ。 幅 49 センチのダンボール箱を横に倒してちょうと収まる寸法だ。 このダンボールはリアゲート反対側(室内側)の蓋が密封されていない。 合わせ目に小さな鉄板と磁石が貼ってあって、内側から押せば開くことができる。
二重床の前端には半径 25 センチくらいの半円形の切り欠き穴があった。 運転席と助手席の直後の場所だ。 そして運転席と助手席の背もたれの間は少しだけ開���ているので跨ぎ易い。 仁衣那さんはここを通って助手席に移動した。
分ってしまえばシンプルな仕掛けだった。 車が走り出したら仁衣那さんはダンボールの蓋を足で押して開き、二重床の下に這い出る。 待機していた多華乃さんが交代でダンボールに入り、その蓋は仁衣那さんが閉める。 あとは目的地に到着するまで隠れているだけだ。 僕が車を降りるのを待って、前端の切り欠き穴を抜けて助手席に移動した。 リアゲートを開けても荷物が積み上がっているから仁衣那さんの姿は見えない。
「酒井さんの奥さんはいつから隠れてたんですか?」 「んー、東京のマンションを出るときに手錠掛けて、それからずっと入ってたね」 「東京から?」 「隠れるのは直前でいいじゃないかって言っても、それじゃ勿体ないって言うんだよ。うちの妻は」 「うふふ♥」 多華乃さんが笑った。 この人はどうしてこんなに色っぽく笑うんだろうか。 「この人、こんなことするためにひと月かけて新車を改造したのよ。わざわざ商用車を買って。バカでしょ?」 「フルフラットのバンだから何でも使えて便利なんだよ。だいたい、最初にダンボールに詰めて運ばれたいって言い出したのはタカノじゃないか」 「私は誘拐された気分を味わいたいって言っただけ。イリュージョンやるつもりなんてなかったんだから」 ぷ。 何人かが吹き出した。
「俺たち全員、春の新歓合宿のときこのネタ仕掛けられたんだよね」 そう教えてくれたのは公演会に出ていた男性メンバーの一人だった。 「わざわざ一人ずつ呼び出されて、この車に乗せられて」 「まあ驚くわよね。まさか奥様が登場するとは思ってもいないし」 現役の人たちまで引っ掛けられたのか。 騙されたのが僕だけじゃないと分って、少しだけ安心した。
「わたしも巻き込まれたんだよー」 仁衣那さんも笑いながら教えてくれた。 「知らないうちにダンボールに入るって決まってたんだから」 「仁衣那センパイが断るはずないですものね」知里さんが言う。 「あはは、多華乃さんじゃないけど誘拐されたみたいな気分になれて楽しかった」 「いいですよねー、誘拐」 「こら琳琳」「あれ、知里さん。嫌ですか誘拐?」 「いやちょっと憧れる」 その場の全員が笑った。 笑わなかったのは僕だけだった。
酒井さんと目が合ったら、笑いながらウインクされた。 何を言いたいのか何となく分かったけど、おじさんのウインクが気持ち悪くてそれ以上何も考えられなかった。
8. 「カンパ~イ!!」 バーベキューが始まった。 集まったのは僕を含めて男6人女6人の合計12人。 あらためて紹介してもらったので、皆の名前を整理しておこう。
・同好会現役  3年 朝比奈知里さん(会長)  2年 占野(しめの)陽介さん(副会長)     八代亘さん  1年 高浦仁志さん     岩淵琳琳さん ・同好会OB  酒井功さん、多華乃さん夫妻  小谷真幸さん  出水仁衣那さん ・ゲスト  玻名城れいらさん(高校3年)  桧垣梢(こずえ)ちゃん(中学3年)
ゲストのれいらさんと梢ちゃんは、あのギロチンイリュージョンに出ていた女の子だった。 客席から上がって手首を切断されたのがれいらさん。 そして切断された手首を演じたのが梢ちゃんだった。 二人はイリュージョンが好きで酒井夫妻と仲良くしていて、その縁で同好会の公演をお手伝いしてくれたそうだ。 あのイリュージョンはスマホのカメラで中継する演出がすごかったけど、ガラス箱の中でぴくぴく動く手首も迫力があった。 誰かがテーブルの下から手を出しているのは分かっていたけど、まさか中学生がやっていたとは。
「畑本サン、ウチがやった手首見ました?」 「うん、あれは凄かったよね」 「でしょ? 自分でも渾身の演技やった思てますもん。将来手タレになろかて真剣に考えたくらい」 梢ちゃんは関西弁を駆使してよく喋る子だった。 「特殊メイクの専門家に来てもろて手首のメイクに4時間、そのあとテーブルの中半日待機で頑張ったんですよー」 「そんなに!?」 「こら、」れいらさんが突っ込む。 「調子に乗って誇張しちゃダメ。畑本さん真面目そうだから信じちゃうでしょー」 違うの? 「えへへ、メイクは知里さんがぱぱっとしてくれて、ネタ場に入ったんは休憩のとき。その後は放置されてましたけどね」 「あら、直前に入ったんじゃなかったの?」 「だってヒンズーのときは皆さん出演中で誰もおらへんし、一人やと入られませんから」 「そっかー」 「ええんです。ウチは耐えられる子やから。イッくんにご褒美も約束してもろてますしね!」 途中から二人の会話が分らなくなった。 放置で耐えるって、どういう意味なのか?
「梢ちゃ~ん、おいでーっ。一緒に飲もー!!」 琳琳さんの呼ぶ声がした。 「はーい!! ・・すんません、ウチ人気モンで」 梢ちゃんはペコリと頭を下げると琳琳さんのいる輪の方に走って行った。 残されたのは僕とれいらさんの二人。
「・・面白い子でしょ?」「そうですね」 「コミュ力が高いというか、誰とでもすぐに友達になるのよね、あの子」 「一緒に飲もうって、梢ちゃん中学生なのに?」 「乾杯以外は全員ノンアルかコーラよ。後のアクティビティに影響しないように。・・イッくんの指導がしっかりしてるのよね」 「イッくんって誰ですか? 梢ちゃんも言ってましたけど」 「酒井さんのことよ。酒井イサオさんだから "イッくん" って呼んでるの」 あのおじさんが、イッくん・・。
「ね、同じ学年だし、そろそろあたしに敬語は止めて欲しいな。それに "れいらさん" じゃなくて "れいらちゃん" でいいんじゃない?」 「分かりました、じゃなくて分った。れいらちゃん」 「あたしも来年はJ大でイリュージョン同好会に入るから仲間だよね、畑本くん」
"畑本さん" が "畑本くん" に変わって、少し嬉しくて少し残念だった。 もしや "将司くん" って呼ばれるかと思ったのだった。 今日初めて会話したばかりの相手に名前呼びを期待するのは図々しいことではあるけどね。
そもそも僕はれいらちゃんのことを何も知らない。 酒井さんが「そっちの世界を知ってる子」って言ったのは彼女のことだろうか。 僕は隣に座るれいらちゃんを横目で見る。 白いシャツの上にパーカー、デニムのミニスカート。とても可愛いと思う。 この子が拘束や緊縛に詳しい? まさか。
「そんな目で女の子を見たら嫌われるわよ、畑本くん」 うわ、同じこと誰かに言われたような。 「でも今はその目で見てもいいわ。呆れて愛想をつかされるのはあたしの方かもしれないしね」 「どういう意味?」
れいらちゃんは笑ってテラスの方を指差した。 「始まるみたいよ!」
9. ○ ドラム缶水中脱出 「さあさあ、現役諸君並びにゲストの皆様。本日OBが贈るスペシャルイリュージョンへようこそ!!」 酒井さんが芝居がかった喋り方で呼びかけた。
テラスにドラム缶が置かれている。 あの公演で最後のイリュージョンに使われたドラム缶だった。 真上に差し掛かる太い木の枝にワイヤを巻いて��車が取り付けられていた。 ドラム缶の前にOBの酒井さんと小谷さんが立っている。 黒いタ��シードに蝶ネクタイと白手袋。この季節に暑そうな恰好だ。
待ち兼ねたように同好会メンバーとゲストがドラム缶の前に集まる。 OBがイリュージョンをすると知らなかったのは僕だけらしい。 とりあえず後ろの方で見ていたら、れいらちゃんが隣に来てくれた。
「さてここにあるのは容量 400 リットルのドラム缶。先日現役諸君が使ったものだね」 酒井さんは後ろのドラム缶を手で示した。 「実はこれ中古品をたった千円で買って改造したものなんだ。値段より持って帰って来る方が大変だったよ」 現役2年生と3年生が笑った。そのときの苦労はよく覚えているのだろう。
「先のステージで使ったとき、この中は "空気" だった。しかし、」 ドラム缶の側面を手で叩く。 どぅん。重い音が響いた。 「美女をドラム缶に入れるなら、本来その空間は "水" で満たされているべきではないか」 「そうだー!」れいらちゃんが両手を口に添えて叫んだ。 「ありがとう」 酒井さんはにやりと笑った。
「そもそも我々アマチュアに水中イリュージョンはハードルが高い。どうやって現地で大量の水を確保するか。どうやって短時間で注排水するか。重量も満タンで 430 キロ。下手な会場じゃ床が抜ける」 うんうんと頷く現役の人たち。 「しかしここなら問題はない。今しがた水道水をホースで入れたところだよ。1時間かかったけどね」 小谷さんがドラム缶の中に手を入れ水をすくってみせた。 「という訳で、本日はセクシーな美女の水中脱出をみんなで楽しもうと思う」
酒井さんと小谷さんは振り返ってコテージの玄関を示した。 「お待たせしました。美女の登場ーっ!!」 ドアが開いて多華乃さんと仁衣那さんが登場した。 うわぁーっ。ぱちぱちぱち。 きゃあっ!! 色っぽ~い!!
二人とも水着だった。 髪を上げて括り、身に着けているものといえば極端に布地の少ないマイクロビキニとハイヒールのみ。 恥ずかしそうなそぶりはまったく見せない。 堂々と胸を張って微笑みながら、腰に片手を当ててモデルみたいな歩き方でやって来た。 多華乃さんはスレンダーでセクシー。どこかで本当にモデルやってたんじゃないかと思うほど。 仁衣那さんは前に見た学生時代の動画から少しだけ丸くなった感じ。でも大きな胸とお尻はやっぱりセクシーだ。 「キレイ~!」「色っぽいよねぇ」 梢ちゃんと琳琳さんの声が聞こえる。
待ち構えていた酒井さんと小谷さんが二人を迎えた。 タキシードのマジシャンにはさまれてポーズをとるマイクロビキニの美女二人。 エロい構図だなぁ。 「うわぁ、エロいなぁ」 れいらちゃんが同じことを呟いて思わず隣を見た。 「あれ? あたし何か変なこと口にした?」 「変とは思わないけど、エロいって言ったよ」 「あは」 れいらちゃんの頬が少し赤くなった。 「・・あのね、イリュージョンのお約束だから当然なんだけどね、あんな風に正装した男の人の隣で女だけカラダ見せる恰好。畑本くんはケシカラン!って思わない?」 「思う。とんでもなくケシカランね」 「よかった、あたしと同じだ」 「そういうのを喜ぶのは男だけかと思ってたよ」 「女子でも好きだよ。多華乃さんや仁衣那さんみたいに綺麗な人なら」
・・
小谷さんが頭上の滑車にかかるロープを下ろした。 ロープの先は輪になっていた。 「では美女たちがドラム缶に入ります。まずはタカノから」 「はい」 多華乃さんがロープの輪を両手で握ると、小谷さんと酒井さんは二人がかりで滑車の反対側のロープを引いた。
ふわり。 テラスにハイヒールを残して多華乃さんが浮かび上がった。 握力だけで自分を支えながらポーズを決める。 片膝を引き上げて静止。続いて後ろに曲げた脚を反らして後頭部にあてた。美しい逆海老ポーズ。 マイクロビキニの身体を撓らせブランコのように揺れる。 揺れながらゆっくり降下し、やがて爪先でドラム缶の縁を捉えて水の中にするりと降りた。 胸まで沈んで妖しく微笑む。 溢れた水が周囲に流れてテラスを濡らした。
水に入るだけでこのパフォーマンス。 いったいこの人は何者? 「多華乃さんは昔クラシックバレーやってたんだって。恰好いいでしょ?」 れいらちゃんが教えてくれた。 なるほど。それであの身のこなし。
「次は出水さん」「はい」 仁衣那さんがロープの輪を掴んで吊り上がった。 身体を伸ばして静止。それから。 ? 仁衣那さんの笑顔がこわばっていた。 腰だけが前後にばたばた動いて、伸ばした爪先は空中の一点に固定されていた。 どうやら多華乃さんみたいに優雅に動くのは無理そうだった。 そのうち力尽きて落ちるんじゃないか。
「畑本くん、悪いけど手伝ってくれるかい」 酒井さんに呼ばれた。何で僕が。 「そこに立って、彼女を受け止めて」 目の前に仁衣那さんが降りてきた。 「抱いてあげて、お姫様抱っこで」「え」 背中と膝の下に手を入れて支えた。 柔らかい! 腕の中に小さなビキニを着けただけの女体があった。 「ごめんねー」「いえ」 仁衣那さんが謝って視線を下ろすと目の前にふくよかな胸の谷間。
「彼女を運んでくれるかい」 覚悟を決めて仁衣那さんをドラム缶まで運んだ。 そこには多華乃さんが微笑みながら待っていた。 仁衣那さんは僕の腕の中から手を伸ばすと、そのままドラム缶に転がり込んだ。 ぼちゃんっ。 波がたって多華乃さんのときより大量の水が溢れた。
「うふふふ♥」 仁衣那さんと多華乃さんがドラム缶の中に立った。 互いに抱き合ってビキニの胸を合わせた。二人の胸の谷間を波が洗っている。 「・・���司くん、ちょっと待ってくれる?」 仁衣那さんが僕を呼び止めた。
仁衣那さんは微笑みながら両手を背中に回した。 身をくねらせてブラの紐を解くと、多華乃さんと密着した胸からブラを引き抜いた。 「わたしを運んでくれたお礼♥」 親指と人差し指につまんだブラが差し出された。
梢ちゃんが口に手を当てて固まっているのが見えた。 いいのかね、中学生の前でこんなことをして。
「やるわね」「ふふん」 多華乃さんが悔しそうに言うと仁衣那さんは誇らしげに笑った。 「負けられないわね」 多華乃さんは両手を水の中に沈めた。 くねくねと腰を動かす。 え? 「私からもプ・レ・ゼ・ン・ト♥」 渡されたのは脇の紐を解いたビキニのボトムだった。 多華乃さん、下を脱いだんですか!!
こ、これはさすがに高校生の僕にも刺激が強いです。 同好会の人たちは笑い出し、れいらちゃんは手を叩いて喜んでいる。 梢ちゃんは、といえば両手を口に当てたままコロリと倒れ、右に左に転がりながら悶絶していた。 「終わりましたか? ・・じゃあ畑本くんは戻って下さい」 酒井さんが言った。 「美女からのプレゼントはちゃんと持って帰るように」
僕はたぶん耳まで赤くなっていたと思う。 れいらちゃんの隣に戻ると、にやにや笑いながら背中をどんと叩かれた。 仁衣那さんのブラと多華乃さんのパンツは手の中に丸めて握れるくらい小さかった。 これ、どうしたらいいの?
・・
はぁ~っ。ふぅ~っ。 多華乃さんと仁衣那さんが抱き合いながら呼吸を整えた。 大きく息を吸って互いに頷くと、水の中に頭を沈めた。 再び溢れた水がこぼれる。
酒井さんと小谷さんが上から蓋をした。 これは前回のドラム缶イリュージョンで使ったのと同じ、丸い穴が二つ開いた円盤だった。 蓋の穴から濡れた手が2本出た。 よく見るとどちらも左手だった。 多華乃さんと仁衣那さんが左手をさし上げているのだった。 酒井さんは手錠を持ってきて、二人の左手に掛けた。 これで手を下げるころはできない。 小谷さんが蓋の周囲にバンドを掛け、さらに南京錠を6個取り付けた。
・・
コンコン。 ドラム缶の側面を軽くノックすると二人の手の指がひらひら動いた。 「一般に息止めの限界は3~4分程度と言われています。今はまだ1分経っただけだから心配ないね」 酒井さんが腕時計を見ながら話した。 「本来なら次は美女の脱出シーンになるけど、今日は現役諸君のために質疑応答の時間をとろう。まずはこちらへ来て機材をチェックしてくれるかい」 同好会現役メンバーがドラム缶の傍に集まった。僕たちゲストも手招きされて集まる。
2年生で副会長の占野さんが指摘した。 「全体が上下反対になっていますね」 「そう。先のイリュージョンとは逆の向きで置いている。このドラム缶は両方の面が開いたオープンタイプ仕様なんだよ。どちらかに底板を取り付ければ任意の向きで使える」 酒井さんは腰を屈めてドラム缶の底を示した。 そこにはボルトで締めた底板が固定されていた。
「前回はこの底板は逆の側についていたんだ。・・では、なぜ上下をひっくり返したのか? 理由は側面にあるこの隠し扉」 ドラム缶の側面上部に扉が付いていた。 縦 30 センチ、横は缶側面の円弧に沿って約 60 センチ。 ドラム缶本体と同色に塗られて目立たないように工夫されているけれど、近くで見ると存在が分かる。
「君たちのとき、この扉はドラム缶の下の方にあって梯子の台と繋がっていただろう? 朝比奈さんと岩淵さんはここを通って交換した」 知里さんと琳琳さんが頷く。 「でも水を入れてしまうと、この扉は邪魔物になるなんだ。たった水深1メートルでも扉全体に 180 キロの力がかかる。水漏れを防ぐのは大変だし、下手すると扉そのものが弾け飛んでしまう」 なるほどという顔をする一部メンバー。きょとんとしている残りのメンバー。 「まあ、水圧は恐ろしいということだね。海外のタネ明かし動画ではドラム缶の底に水密構造の蓋があったりするけど、あれはプロがお金をかけて作らせたものさ」 酒井さんは学校の先生みたいに説明を続ける。 「隠し扉を最上部にすれば水圧でかかる力は 36 キロ。これなら僕でも何とかなるから最初からその強度で作ったんだ。・・念のために付け加えると、水圧が低くても扉を開けば当然水はこぼれるよ。だから中に水が入っている限りこの扉を開くことはできない」 ポンと手を叩いた。 「以上が上下逆にした理由さ。・・他に質問は?」
「あの、」 次に手を上げたのは知里さんだった。 「この手錠、前に使ったのと違うようですけど」
それは蓋の穴から突き出された多華乃さんと仁衣那さんの手に掛かる手錠のことだった。 同好会現役のイリュージョンのとき、ドラム缶から手を出して手錠を掛けられていたのは琳琳さんだった。 最後の瞬間に琳琳さんは手を引き下げ、そのタイミングに合わせて知里さんが黒幕の後ろから登場した。 あのときの手錠は軽く引けば外れるフェイクの手錠だった。
「よく気付いたね、朝比奈さん。さすが会長だ」 酒井さんは嬉しそうに説明する。 「これはね、正真正銘の本物なんだ。フェイクじゃない」 「は?」 「だから、ここに閉じ込められている彼女たちが自分で外すことはできないんだよ」
知里さんと琳琳さんが目を丸くしてる。 「試しに岩淵さん、その手錠を両側から引っ張ってみてくれる」「はい」 琳琳さんが手錠の輪を掴んで引いた。 「外れません」 「本当に引いてる? もっと強くやってみて」 さらに力を入れて手錠を引っ張った。 と、手錠を掛けられた左手がくいと動いて琳琳さんの手を掴んだ。 「きゃ!!」 皆が笑った。
「上手ねぇ、イッくん。多華乃さんか仁衣那さんか、どっちの手か分からないけど」 れいらちゃんが僕にだけ聞こえるように小声で言った。 そうか、これもイリュージョンの演出なんだよね。 相手に知識がある前提のイリュージョン。こんなやり方もあるんだな。
・・
「いいかい、半トン近くある重量物だからね、途中で傾いたり倒れ掛かったりしても絶対に自分で支えようとしないこと」 酒井さんの説明が続いている。 急いでいるように見えない。
多華乃さんと仁衣那さんは無事なんだろうか。 何か仕掛けがあるのは違いないから、無事には決まってるんだけど。 誰も心配しているように見えないし、れいらちゃんに至ってはにやにや笑っている。
「事故は何でもないときに起こるんだ。僕の知ってる人に倉庫の現場で骨折した人がいて・・」 「おーい酒井よ。そろそろ先へ進んだらどうかな」 小谷さんが催促した。 「おっと、話に夢中になって忘れていた。・・もう12分も経ったのか」 酒井さんは時計を見て大げさに驚く。
蓋の穴から生える二本の手が前に垂れていた。 その指を持ち上げても再び力なく垂れるだけだった。 「これは手遅れかもしれないね」 そう言うと酒井さんはどこからともなく赤いバラの造花を2本出し、ドラム缶の手に持たせた。 「これは美女を復活させる魔法の花」
小谷さんが大きな黒布を持って来て酒井さんに渡した。 酒井さんは両手で布を持ちドラム缶の前に掲げた。 布の上に二本の手が見えた。
れいらちゃんが言った。 「やっとクライマックスだね」 「いつもこんなに仰々しいの?」 「何でも大袈裟にするのよ、イッくんは」
酒井さんがカウントした。 「ワン、ツウー、スリー!」 次の瞬間、二人の美女の手がぴんと伸びて下に消えた。
数秒後。 黒布の後ろから、仁衣那さんが小谷さんにエスコートされて出て来た。 裸の胸を片手で隠しながらポーズをとる。 次は小谷さんが黒布を持ってドラム缶の前に掲げた。 すぐに酒井さんに手を引かれた多華乃さんが布の陰から半身を見せた。 前を巧みに隠しながら布を二つ折りにして腰に巻く。 二人ともたったいま水の中から出てきたみたいに濡れていた。 髪から雫がぽたぽた垂れている。 小谷さんが仁衣那さんの肩を、酒井さんが多華乃さんの腰を抱いてお辞儀をした。
その直後、仁衣那さんがふぅっと息をついて座り込んだ。 大きな胸を押さえて震えている。 押さえようにも押さえられない何かを我慢しているようだった。 小谷さんがバスタオルを肩に掛けると、それを頬に当ててやっと笑った。
多華乃さんは酒井さんの肩に爪先立ちでしがみついていた。 腰の布が下に落ち、セクシーアクション映画のヒロインかと思わせる綺麗なお尻が全員に公開された。 小谷さんがバスタオルを持って来たけれど多華乃さんは離れる気配を見せない。あきらめて二人の上にまとめてタオルを被せた。 やがて酒井さんが腰を屈め、タオルの下で多華乃さんとキスをした。 きゃあ~っ!! 女性陣が一斉に歓声を上げた。
・・
いつまでも離れようとしない多華乃さんをようやく引き剝し、酒井さんは再び皆の前に立った。 タキシードのジャケットが濡れているのが分る。 「最後にハプニングがあったけどこれで演技終了だよ。・・君たちが知りたいと思っているであろうポイントはおそらく次の二つ。美女が水中でどうやって生き延びたのか、そして封印されたドラム缶からどうやって脱出したか」 全員が頷いた。 「まさにその二つがこのイリュージョンの肝だね。ただし、それを説明するのは明日までお預けにしようと思う」 「ええ~っ?」 「勿体をつけるのが好きなんだよ、僕は」 酒井さんはそう言ってにやると笑った。 「イリュージョン好きが揃ってるんだ。皆で考察して楽しんでくれたら嬉しいね」
10. それからバーベキューパーティは知里さんと琳琳さんのアイドルソングで盛り上がった。 アイドル服とかではなくバーベキューのパンツスタイルのままだったけど、僕にはそのほうが二人を身近に感じられていいと思った。 やがて梢ちゃんとれいらちゃんも立ち上がって一緒に踊り始めた。 可愛いな、この子たち。特にれいらちゃん。 気がつけばれいらちゃんだけを見ていて、慌てて目を反らせたりした。
・・
夕方になってバーベキューはお開きになった。 会長の知里さんがこの後のスケジュールを説明する。 「1階の食堂にチェア・アピアランスとヒンズーを置いたから触っていいわよ。アクティビティは20時から。女の子はそれまでにシャワーを使っておくこと!」 アクティビティってのは酒井さんが言ってたアレか。 全員が参加するんだろうか? 中学生の子もいるのに。
バーベキューの片づけを手伝ってから一人でコテージに入った。 1階は2~30人くらいが座れそうなダイニングになっていた。 テーブルと椅子を片付けたフローリングの窓際に一人掛けの黒い椅子があった。 人体出現椅子だ。チェア・アピアランスっていうのか。 その隣はヒンズーバスケット。 公演会で使ったのを運んできたんだね。
椅子はキャスターが付いていてどの方向にも押せるようになっている。実際に押してみると案外軽い。 中を見たい。でも勝手に開けたら叱られるかも。 躊躇しているところへ知里さんが通りがかった。 「知里さんっ」 ダメ元でお願いしたら笑って椅子の中を見せてくれた。 ・・そうか、こんな風になってたのか。 知里さんここからあの速さで出現。僕ならとても無理だ。
次にヒンズーの蓋を外して中を覗かせてもらった。 それは想像していたのと違った。 内側の壁に沿って細いパイプの梁が張ってあった。もちろんちゃんと剣を刺せるようになっている。 入口裏の四隅、手で握ったり足を掛けたりできるんじゃないか。 そうか。あのステージで逆さになったとき、琳琳さんはここに掴まって。 「このヒンズーはイリュージョン同好会で一番古い資産なのよ。酒井さんが会長時代に魔改造したって聞いたけど、全然壊れないの」 「ここのフレーム、手作りなんですね」 「興味深々ね」「そりゃそうですよ」
「少し時間あるかな、畑本くん」 「はい?」 「酒井さんからキミのこと聞いて、一度お話ししたいって思ってたの」 知里さんと並んで床に座った。
・・
「ドラム缶のイリュージョン、畑本くんはどう思った?」 「凄かったです。説明が長すぎましたけど」 「話が長いのは酒井さんの芸風だから許してあげて」 芸風、ですか。 「最後に出てきた多華乃さんと仁衣那さんを見たでしょ? あの人たちのこと畑本くんにはどう見えた?」 あの時の二人を思い浮かべる。 疲労困憊していて、でも満足してて、エッチな気分になっていて。 「はっきり言ってくれていいわよ」 「はい。エロかったです」 「好きだなぁその答。ウチの1年2年の男の子たち、オブラートで包んだ言い方しかしてくれなくって物足りないのよね」 「そうですか」 「酒井さんのイリュージョンって、ときどき女の子はエロくなっちゃうのよ」 「知里さんは水中脱出のタネを知ってるんですか?」 「知らないわ。でも何となく想像はできるな。聞きたい?」 「はい」
「多華乃さんと仁衣那さん、ドラム缶の中でずっと水に浸かってたと思う。それと楽に呼吸する手段もなかったんじゃないかな」 「それじゃあ、」 死んじゃうじゃないですか。 「落ち着いて意識を保っていたら無事でいられるよう配慮していたと思う」 「僕はシリコンとかゴムのチューブを使って息してるのかなって思ってましたけど」 マ○ク・マジシャンのタネ明かし動画じゃそうだったぞ。 「そうかもしれないけど、多華乃さんと仁衣那さんの様子見て何となく思ったのよね。酒井さん、狙ってるなって」 「何をですか?」 「アシスタント、というより女の子に楽させない。わざと苦しい思いをさせる。それを観客の見えないところでする」 「それ、イリュージョンに必要ですか?」 「要らないよねぇ。他に安全な手段があるなら」 知里さんはそう言って笑った。
「そう思った理由はもう一つあるのよね。それはあの手錠」 「知里さんが質問した手錠のことですね」 「そう。あれは絶対に本物だと思う」 「本物だって言ってましたよね」 「実は本物と説明して、本当の本当はフェイクって、珍しくない方法よ」「そうですか」 「そもそもあの質疑応答がなければフェイクの手錠で十分でしょ? その方が楽に脱出できるんだし」 「そうですね、あれは誰かから指摘されるのを想定して。・・いや違うな。本当の本当はフェイクにすればいいんだから」 「思ったのよね。あの説明は私たちにしてたんじゃなくて、ドラム缶の中の多華乃さんと仁衣那さんにしてたんじゃないかって」 「え」 「あれは二人に思い知らせたのよ。君たちはより困難な方法で脱出させられるんだよって」
「あの、」 「何?」 「酒井さんって、ドSですか?」
「いいわねぇ、ストレートな質問!」 知里さんは楽しそうに笑いながら答えてくれた」 「答はもちろんイエスよ。そんな人の作るイリュージョンだもの、女の子はエロくなっちゃうわよ!」 つまりそれは。 「女性の方もドMになってしまうってことですか?」 「うふふ」 知里さんは笑った。ちょっと不思議で妖しい笑い方だった。 「そうかもしれないわねぇ」 何ですか、急に含みのある言い方。
・・
「誰がドSだって? 朝比奈さん」 「きゃ! 酒井さんっ、いつの間に」 「この椅子のことなんだけど、」 「はい?」
酒井さんはチェア・アピアランスの椅子を指差した。 ドSって言われて叱るんじゃないの?
「これ今年買ったんだよね。中古には見えないけどいくらだった?」 「はい。新品で20万円、くらいだったかしら」 「どうしても欲しいなら中古を安く買ってレストアしてあげるのに」 「そんな、いつもいつもお願いする訳には」 「今年の活動費は残ってるの? 遠征の輸送費は?」 「それは、足りないときは皆で出し合って」 「困ったら僕に連絡して、朝比奈さん。OB会からも援助するから」 「はい、ありがとうございます」 「ところでこの椅子はどんな使い方を考えてるのかな」 「それは出現と消失」「あとは人体交換?」 「はい」 「20万円も使ってそれだけじゃ勿体ないよ。ぜひ新しい使い方を提案して欲しいね」 「は?」 「ムチャ振りのつもりはないよ。皆で相談してみたらどうかな」
酒井さんはそう言うとフロアを出て行った。 「新しい使い方考えて」を言いたかったのね。 予算がどうのとか、回りくどい人だな。 それにしてもムチャ振りされましたね、知里さん。 酒井さん、やっぱりドS。
「む!」 知里さんが唸った。 「出現椅子の新しい使い方。よーし、考えてやろーじゃないの!」 「大丈夫ですか?」 「なせばなる! ・・あーん、どうしよう!?」
[Part.4 体験緊縛] 11. 1階ダイニングの床にイリュージョン同好会の現役メンバー5人全員と、梢ちゃん、そして僕が座っていた。 梢ちゃんも体験緊縛に参加するんだね。 れいらちゃんがいないのは意外だった。絶対に来ると思っていたのに。
梢ちゃんが琳琳さんの方を向いて、口元を手で隠しながら言った。 「ウチ、ノーブラにしました。外した方がいいって聞きまして」 「アタシもノーブラだよ」「私も」 琳琳さんと知里さんも口元を手で隠して返した。 まる聞こえだった。内緒話になってない。 占野さん、八代さん、高浦さんの男性メンバーが顔を赤らめている。
知里さんはメンズのワイシャツ1枚。琳琳さんと梢ちゃんは白いTシャツにショートパンツ。 ワイシャツから延びる知里さんの生足がセクシーだった。 あのワイシャツの下はノーブラで、まさかパンツも履いてない? 知里さんが言った。 「畑本くん、そんな目で女の子を見たら嫌われちゃうわよ」 うわうわうわ! またしても。 「でも私は自分に素直な男の子が好きよ。だから安心して」 知里さんは自分でワイシャツの裾を持ち上げて白いショーツを見せてくれた。 「ほら、穿いてるわよ♥」 皆が笑った。僕も笑った。
・・
OBの人たちが入って来た。 多華乃さんと仁衣那さんは、キャバ服だっけ、身体のラインくっきりの真っ赤な超ミニドレス。多華乃さんのドレスは片方の肩を出してて、仁衣那さんのは脇腹が出ている。 酒井さんと小谷さんは紺の作務衣。やっぱりこの二人が緊縛の担当なんだね。 そのうしろには、れいらちゃんがいた。前の二人と同じ作務衣を着ている。 れいらちゃんも緊縛担当なの!?
「今日が初めての人は?」 酒井さんが聞くと、琳琳さん、高浦さん、そして梢ちゃんと僕が手を上げた。2年生以上の人は初めてではないのか。 「分かりました。体験の前にまずは見本として出水さんとうちの妻を縛ります」 「皆さん、固くならずにくつろいでね」 小谷さんが安心させるように言った。
輪になって座った僕たちの中央に、れいらちゃんが 1.5 メートル四方くらいの小さなカーペットを敷いた。 その上に多華乃さんと仁衣那さんが立つ。作業が始まった。 れいらちゃんが縄を手渡し、それを使って酒井さんと小谷さんが縛る。 酒井さんの獲物は多華乃さん。小谷さんの獲物は仁衣那さん。 「これは高手小手縛り」「こっちは鉄砲縛り」 するすると魔法のように縄が掛かる。 胸の上下に縄が掛かると、多華乃さんの綺麗な胸がふっくら盛り上がった。仁衣那さんの大きな胸が一層大きく盛り上がった。 多華乃さんも仁衣那さんも胸の先端がつんと突き出ている。おへその窪みもくっきり解る。 こんなに薄い衣装で縛るから身体の凹凸がはっきり出るのか。 縄で締まる女体、ものすごくエロい。
「はぁ・・」 作業を見ていた琳琳さんが溜息をついた。少し震えているようだった。 知里さんが黙って横から琳琳さんの手を握った。 梢ちゃんは身動き一つしない。目だけが酒井さんたちの手の動きを追っている。
やがて多華乃さんと仁衣那さんは背中合わせで繋がれ、そのままカーペットにお尻をついて両脚を胡坐で縛られた。 新しい縄を二人の口に噛ませながら二周、三周。 ぐるぐる巻いて押し付け合った後頭部が離れないようにした。 最後は二人の頭に巻いた縄に別の縄を直角に掛けて絞る。これは酒井さんの指導でれいらちゃんが施した。
「完成です」 カーペットごと引きずって、多華乃さんと仁衣那さんを窓際へ移動させる。 二人の髪をれいらちゃんがブラシで整えた。 「しばらく置物にしましょう」
ほぇ~。 思わず唸ってしまった。 置物にされるって、どんな気持ちだろう。 隣に座る一年生の高浦さんと目が合ってお互い苦笑した。 高浦さんも初めて生の緊縛を見たんだろうな。僕と同じだ。
・・
「次は、岩淵さんと梢ちゃんに被虐を体験していただきます」 酒井さんが言った。 「岩淵さんはこちらの小谷が担当します。梢ちゃんは僕がお世話するね」
琳琳さんがびっくと震えた。 その後ろに小谷さんが立つ。 「両手を後ろで組んでください」「・・はい」 おそるおそる回した手に縄が掛かった。 「あ・・、っ」 上半身を縛った後、うつ伏せに寝かせて膝と足首を縛る。さらに足首の縄を背中に繋ぐ。 「あ、あ、あぁ、・・」 可愛い声で囀る琳琳さん。まるで歌っているみたいだった。 アイドルソングを元気に歌う時とは全然違う声だったけれども。
梢ちゃんは急に慌て始めた。 「あ、あの、ウチ!」 急に立ち上がって酒井さんに頭を下げる。 「お、お世話になりますぅ!」 「座ったままでいいよ」 「そやっ。ウチの母ちゃ、母もよろしくお願いします言(ゆ)うてました!!」 「お母さん?」
「梢ちゃん、可愛い♥」「本当♥」知里さんとれいらさんの声が聞こえる。
「落ち着いてね。不安なら目を閉じていたらいいよ」 酒井さんはそう言うと縄を持って梢ちゃんを縛り始めた。 「はぁ~っ」 両手を腰の後ろで緊縛。その後椅子に座らせて背中と足首を緊縛。 「あーっ、動かれへん!」 部屋じゅうに聞こえる声で梢ちゃんが叫んだ。 「動かれへんっ、動かれへん! ウチ、縛られてるぅー!! ・・そや写真!」 急に周囲をきょろきょろ見る。 「誰かっ、誰でもええからウチの写真、撮ってくださーいっ。こんなん一生の宝モンやんかー!」
窓の方から「ブファっ」「ンファファっ」という音が聞こえた。 多華乃さんと仁衣那さんが縄の猿轡の下で拭き出した声だった。
・・
れいらちゃんが縄を持って来た。 「畑本くん、体験してみる?」 僕も? 「あたしに縛られるのが嫌だったら、酒井さんか小谷さんが縛ってくれるけど?」 そんなことはないよ。
僕はれいらちゃんに縛ってもらうことにした。 手首を後ろで縛られる。 胸に縄が回された。手首が吊り上がる感覚。 胴と腕の間に縦に通した縄を絞られた。 きゅ。 「うわ」 全部の縄が締まって上半身が固められた。 動けない。動けないけど痛くない。 「どう?」 「すごいよ!」 れいらちゃん、縄師じゃないか。
「高浦さんはどうですか?」 れいらちゃんは1年生の高浦さんにも聞いて縛り始めた。 酒井さんや小谷さんに負けないくらい、れいらちゃんの緊縛は手早く見えた。 「動けないよ!」 高浦さんも驚いている。
初めて味わう感覚だった。 イリュージョンで使う拘束具、手錠や枷なんかとは全然違うと思った。 縄ってすごいな。
12. みんな縄を解いてもらって、体験緊縛は一旦休憩になった。 多華乃さんと仁衣那さんは緊縛を解かれた後しばらく立てなかった。床に手をついて身を震わせている。 泣いてる? ちょっと違う。 二人とも、満ち足りていて、とてもエッチな気持ちに溢れている。 「軽い縄酔いだから心配ないよ」酒井さんが言った。
なわよい? 初めて聞く言葉だけど、多華乃さんと仁衣那さんを見ていて何となく想像はついた。 一度縛られたら解いてもらった後も気持ちいいんじゃないか。まるでお酒に酔ったみたいに。 縄酔いの多華乃さんと仁衣那さん、何となく昼間のイリュージョンでドラム缶から脱出したときに似ていると思った。 そういえば知里さんが言ってたな。 多華乃さんと仁衣那さんはあのイリュージョンで苦しい思いをしたはずだって。 そんなイリュージョンをやったら女の子はエロくなる、とも。 さっきの緊縛も同じなんだろうか?
もう一度知里さんと話したいと思った。 知里さんの姿を探したけど部屋にいない。お手洗いかな?
「将司く~ん♥」 仁衣那さんが這い寄って来て僕の膝に乗った。 「うわ」 「ごめんねー、何だかんだお世話になって」「別にお世話してませんけど」 「そんなことないよー。昼間わたしを抱っこしてくれたでしょ。今もほら、抱っこ♥」 両手で抱きつかれた。 唇を突き出してキスしようとするので必死に逃げる。 れいらちゃんと梢ちゃんがこっちを見て笑いこけているのが見えた。 「に、仁衣那さん! どーしてそんな急にハイになるですか。さっき立てなかったくせに」 「許せ少年そういう癖(へき)の女じゃ、きゃはは」
「今の仁衣那ちゃん、調子に乗ったら何でもしてくれるわよ♥」 いつの間にか多華乃さんが傍にいて言った。この人も縄酔いから復活したみたいだ。 「あら先輩、もう大丈夫?」 「ごめんなさいね。私、あなたより繊細だから」 む。 仁衣那さんの顔が一瞬強張り、それからにやあっと笑った。 「・・わたしをこんな女にしたの、多華乃さんと功さんなのに」 「その言い方、高校生の彼が誤解するんじゃない?」
二人の顔がぐっと数センチの距離まで近づいた。 一瞬女同士でキスするのかと驚いたけどそんなことはなく、仁衣那さんが多華乃さんの肩に右手を当てただけだった。 その肩に刻まれた模様。うわ、縄の痕だ。 仁衣那さんの手首と多華乃さんの肩に縄の痕があった。 二人のキャバ服からむき出しの肩、二の腕、手首のそこかしこにも縄で縛られた痕がある。 柔らかい肌に縄の刻み目。 エロ過ぎるよ。これは。 緊縛って、女性を何もかもエロくするんだなぁ。
「・・パンツ脱ぐなんてシナリオになかったのに、あれは将司くんを誘惑したんですか? 多華乃さん」 「そんなつもりはないわ。ただ彼が可愛かっただけよ」 「それを誘惑って言うんですよ」「うふふ」 僕がお二人のエロに感動しているのに、まだしょーもないマウント取り合ってるんですか。
「多華乃さんって可愛い男の子が好きですよね。功さんもああ見えて実は可愛いし」 「仁衣那ちゃん人のこと言う前に早く彼氏見つけなさい」 「ぐわぁっ」 仁衣那さんがのけ反った。 「人が気にしていることを~っ」 「確かもう25だっけ?」「ああああ~!!」
あれ、25? 計算が合わないぞ。 24だと思ってたのに。 「すみません、仁衣那さんは大学出て2年ですよね。なのに25って」思わず質問してしまった。 「あれ、畑本くん知らないの?」「ああっ。言わないでぇ~っ」 「うふふ。ちょっと道草しちゃったのよ彼女」「え、と、いうことは」 「お慈悲を、お慈悲を~、多華乃さまぁ」 「遊び過ぎて留年したのよね、仁衣那ちゃん」「あらら」 「うわーん」 多華乃さん、普段はMなのにこういうときはSなのね。
・・
休憩タイムが済んで、次は占野さんと八代さんの2年生男性コンビが多華乃さんと仁衣那さんを縛り始めた。 亀甲縛り、は難しいから菱縄という縛り方に挑戦するみたいだ。 小谷さんがつきっきりで指導している。
琳琳さん、高浦さん、梢ちゃん、そして僕の初心者グループはれいらちゃんから "本結び" という縛り方を教わった。 緊縛の世界では腕や足首を縛るときの基本中の基本ともいえる手順らしい。 れいらちゃんが自分の足首を縛ってみせ、それを見本に各自がそれぞれの足首を縛った。 「じゃあペアを組んで、お互いの手首を縛って下さい」 女の子を縛れる! ・・と思ったら、すぐに琳琳さんと梢ちゃんがペアになって縛り始めてしまった。 僕と高浦さんは顔を見合わせて苦笑する。・・男同士で、縛る? れいらちゃんがすぐに察して申し出てくれた。 「縛るなら女の子がいいよね。じゃあ、あたしの手首を順にどーぞ!」
・・
酒井さんが来て言った。 「まだ時間があるから、梢ちゃんと岩淵さん、もう一度縛ってあげようか」 「うわーい!」「お願いします!」
酒井さんの緊縛はとても速かった。 梢ちゃんと琳琳さんをそれぞれ後ろ手に縛る。 二人を隣り合わせで床に膝を崩して座らせた。 梢ちゃんが右側、琳琳さんが左側。足を崩す方向も梢ちゃんは右側、琳琳さんは左側。 やや小柄な梢ちゃんが琳琳さんに甘えているようにも見える。 酒井さんは二人の背中に縄を足して連結した。 梢ちゃんと琳琳さんは互いに横座りで体重をかけ合っているから立てない。 下半身は自由なのに立てない。
「どこか痛いかな?」「いいえ」 二人は首を横に振った。 「君たちの身体のどこにも無理はかけていないはずだよ。どこも痛くないのに拘束感だけはある。・・そんな感覚をしばらく楽しむといいよ」 酒井さんは白布の目隠しを二人に掛けた。
・・
梢ちゃんと琳琳さんが目隠しで過ごしたのは15分くらいだと思う。 その間に酒井さんがやったのは僕も予想外のことだった。 目隠しを外されて、二人は叫んだ。 「えっ、れいらさん?」「れいらちゃん!!」
れいらちゃんが正座で縛られていた。 衣装は作務衣のまま。 後ろ手の縛りは一見似ているけれど、両手が背中の高い位置で直角に交差していた。 女の子ってこんな姿勢で平気なのか。 下半身は脛と太ももをまとめて縛られていて、正座の姿勢から動けないようになっている。
「えへへ、イッくんにお願いして即興で縛ってもらったの」 れいらちゃんは明るく笑って言った。 「あたしも梢ちゃんや琳琳さんと同じ仲間だよ」
僕はれいらちゃんから目を離せなかった。 縛る方と思っていたれいらちゃんが縛られている。衝撃で心臓が止まりそうだった。 作務衣姿で笑顔だから、普通に考えたらエロいはずがない。 エロくないのにドキドキする。どうしてだろう。 れいらちゃんが縛られている。自由を奪われて、それなのに笑ってる。 それだけで興奮するのは何故だろう。
・・
「ねぇ会長は?」 「あれ? そういやどこ行ったんだろう」 緊縛体験会が終わる頃になって、知里さんがいないことに皆が気付いた。 バスルームや2階の部屋を探しても見つからない。
「・・誰を探してるの?」 酒井さんがのんびり聞いた。 「だからさっきから知里さんがいないんですよ!」 「朝比奈さんなら外にいるけど?」 え?
全員で外に出た。 コテージ正面のテラスに昼間のドラム缶が置いたままになっている。 その頭上、木の枝に取り付けられた滑車。 そこから全身をがんじがらめに縛られた知里さんが吊られていた。
Tumblr media
白いシャツと素肌が夜目に浮かび上がる。 仰向けで半ば逆さ吊り。 膝で折って縛られた太ももと脛に食い込む縄が痛々しい。 両脚の間の縄、あれ股縄っていうんじゃなかったかな。 くしゃくしゃになった顔で喘ぎながら振り子のように揺れる知里さん。
「かなり手間かけて縛ったんじゃない? イッくん」 れいらちゃんが聞いた。 「そうだね。僕一人で30分くらいかかったかな」 「いつ?」 「休憩のとき。一緒に抜け出して吊ってあげたんだよ」 酒井さんが説明した。 「朝比奈さんの希望は "吊り" だったんだ。食堂は吊り床がないからここへ来て。そうしたら、ドラム缶に逆さ吊りで沈めて欲しいって言い出されて、いくらなんでもそれは危険だから・・」
「わあ~!!!」 上の方から声がした。 「酒井さんっ。そこから先は言わないでぇ~」 無残な宙吊り緊縛で苦しんでいるとは思えない、大きな声だった。
「知里会長、僕らが思ってた以上にドMだった」 副会長の占野さんがぼそっと言った。他の1~2年男子も頷く。
「いいなぁ、次はアタシも吊って下さいってお願いしようかな」 琳琳さんが言った。隣で梢ちゃんがうんうんと頷く。
「イサオったら、"吊り" なんて私には長いことご無沙汰なのに」 多華乃さんが文句を言った。れいらちゃんがまあまあと慰める。
「あれ? あそこにいるの、知里ちゃん?」 仁衣那さんが初めて気が付いたみたいに言った。 誰もフォローしないから仕方ないので僕がズッこけてあげた。
13. ベッドに入って眠ろうとしたけど眠れなかった。 頭の中に浮かんで消えないのは、ドラム缶イリュージョンの多華乃さん仁衣那さんではなく、宙吊り緊縛の知里さんでもなく、ぜんぜんエロくない作務衣で緊縛されたれいらちゃんだった。
1階に降りてくるとダイニングの灯りが点いていた。 同好会の人たちが人体出現椅子を囲んで何か相談していた。 ダイニングの仕切り衝立(ついたて)を持ってきて、その手前で椅子を何度も左右に押して動かす。
・・分かった。酒井さんのムチャ振りだ。 出現椅子の新しい使い方を考えなさい。 皆さん大変だな。 邪魔する訳にいかないから僕はそのままコテージの外に出た。
・・
森の中に遊歩道があった。 ところどころ照明灯が点いていて歩き易かった。 「畑本くん!?」 れいらちゃんがいた。 小さなタンクトップとショートパンツ。素足にサンダルを履いているだけ。 何その可愛い恰好。
「れいらちゃん、こんなところでどうしたの?」 「梢ちゃんがぐっすり寝ちゃったのよ。今夜はいっぱいお話ししましょって言ってたのにね。・・それで冷たいモノ飲もうと思って降りてきたら同好会の人たちがいるでしょ。仕方ないから出てきたの」 「僕もそんな感じ」 梢ちゃんとれいらちゃん、同じ部屋に泊ってるんだね。
「梢ちゃん、疲れたんだろうね」 「そうね。人生で一番衝撃的な体験をしたと思うわ、彼女」 「聞いてもいいかな。梢ちゃんはどうして体験緊縛なんて」 「あれはね、梢ちゃんが手首のイリュージョンで頑張ったご褒美なの」 「意味が分かりません」 「イッくんを通して出演頼まれたときにね、縛ってくれるなら出ますって言ったのよあの子。・・イッくんの特技が緊縛だって、どこで気付いたのかしら」 「中学3年生を縛ってもいいの?」 「いけない理由って何かある? あたしの初体験は中2だったよ」 え、えええっ。 「あ、誤解しないでね。初体験ってのはキンバクのことだから」 そんな補足されたら、かえって誤解するじゃないですか。
「そんな訳で、梢ちゃんのご両親に体験緊縛のお話したらすぐに了解して下さって」 「り、理解あるご家族だね」 仁衣那さんとバーベ���ューに���ったら緊縛されたって、オヤジとオフクロに報告したらどんな顔するだろう?
「梢ちゃんのお母さんもすごいのよ。初めて男の子から縛ってもらったのは中学3年のときだったわって」 「それ向こうから教えてくれたの?」「そうよ。オープンなお母さんだわ」 「それは梢ちゃんも知ってるの?」 「もちろんよ。ウチも一緒や!って喜んでたわ」
・・
深夜の遊歩道を並んで歩いた。 こんな可愛い女の子と出会ったその日の夜に二人きりで歩いている。でき過ぎの展開じゃないか。 もう手くらい繋いで、いい雰囲気になって、それから。
「畑本くん、あたしのことどう思った?」 「えっ。そりゃ、明るくて可愛くて」 「違うよ。縄で男の子縛っちゃうような女のことどう思うって聞いたの。・・引いた? やっぱり」 「そんなことはないよ。いきなりだったから驚いたけどね」 「よかった。これでも変なことやってる自覚はあるから、嫌われても仕方ないとは思ってるの」 「・・あのさ、れいらちゃんってドSなの?」 酒井さんみたいに。 「へっ? あたしがドエスぅ!?」 れいらちゃんが目を丸くした。 いけね。またド直球で聞いてしまった。
「ごめん、からかうつもりはないんだ」 「いいよ。あたしは緊縛に興味があるだけだからSにもMにもなるよ。縛るならイッくんみたいに格好良く縛りたいし、縛られるなら多華乃さんみたいに色っぽく縛られたい」 「緊縛って僕にはまだ分からないな。全然動けなくてすごい技術だと思うし、多華乃さんや知里さんの緊縛見て超エロいとも思ったけど」 「酒井さんが感心してたわよ。畑本くん、"イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立する" って言ったんだって?」 そんなこと言ったっけ? ・・あ、仁衣那さんのセリフ。 「素敵よね。そんな風に言える畑本くん、きっと素質があると思うわ」 「酒井さんにも同じようなこと言われたよ。でもイリュージョンと緊縛は全然違うでしょ」 「そりゃエンタメとプライベートパフォーマンスだもんね。あ、これイッくんの受け売りだから突っ込まないでね」 「?」 「目的は違ってもやってることは似てると思わない? どっちもだいたい被虐の役目は女性だし」 「そう言われればそうだけど」
れいらちゃんは急に立ち止まってこちらを向いた。ものすごく距離が近かった。 どきんとした。 「ほら!」 手首を前で合わせ僕に向けて差し上げた。まるで縛られているみたいに。 「本結びの練習であたしの手首縛ったでしょ? ドキドキしなかった?」 「した」 「あたしもドキドキしたんだよ。"縛るなら女の子がいいよね!" なんて今思い出すだけでも赤面することよく言ったと思う」 薄暗がりの中でれいらちゃんの頬が赤くなっているのが分った。 何となくれいらちゃんの言いたいことが解った気がした。
「その役目って、同好会やOBの人たちには普通のことなんだね。女性の方も嫌がってないし、むしろ楽しんでやっている?」 「うん。それが水中脱出でも、縛られて置き物にされることでもね」 「エロくなっちゃうよね」 「なっちゃうねー。だからだいたいマゾに目覚めるし、元々マゾの人はもっとこじらせちゃう」 「それが知里さん?」「仁衣那さんとか」 「多華乃さん?」「あの人はJ大でイッくんと出会う前から超ドM」 「ははは」「うふふ」
・・れいらちゃんは? 聞きたかったけど、面と向かって聞くと引っ叩かれそうな気がしたので止めた。
くしゅんっ。 れいらちゃんがくしゃみをした。 「夜中に薄着過ぎるんじゃない?」 「えへへ、そうかも。・・今何時かしら?」 「分からない。スマホ持って来なかったし。そろそろ戻ろうか」 再び並んで歩き出した。 れいらちゃんの肩がさっきより近いような。
「ね、畑本くんはお付き合いしてる人いるの?」 え、れいらちゃんから聞いてくる? 「いないよ。れいらちゃんは?」 「あたしもいないわ。・・大学に入ったら一緒にイリュージョンやってくれる彼を見つけるつもり」 「それ、僕のことじゃない?」 「あ、言われてみれば」
「僕はれいらちゃんとイリュージョンをやりたい。酒井さんみたいにオリジナルのイリュージョンを作って」 「オリジナル? 畑本くん、あんなすごいの作れるの?」 「それは分からないけど、やってみたいんだ」 「よぉし頑張れ! できたらあたしが一緒にやったげる。・・酷い目に会う役でもいいよ」 「なら逆さ吊りで火炙りとか」 「ばか。死んじゃうでしょ」
れいらちゃんが笑った。 おお、いい雰囲気じゃないか。これはもう肩抱いても。 手を伸ばそうとしたらするっと逃げられた。
「こら。男の子ってすぐにこうなんだから」 「メンボクないです」 「じゃあ手だけ繋いであげる」 「やった」「現金ねぇ」 「素直なのがよいと知里会長にも評価していただきました」 「何それ、あはは」
14. コテージの前でれいらちゃんと別れた。 ダイニングでは同好会の人たちがまだ練習をしているようだった。
僕もやって見せたいな、イリュージョン。 立ち止まって考えた。 体験緊縛で習った縄。 頭の中でアイディアを整理する。
・・
酒井さんと小谷さんは駐車場にいた。 あのバンタイプの軽自動車の脇に小さなテーブルと椅子を置いてランタンの灯りでお酒を吞んでいた。
傍に行くなり酒井さんに言われた。 「れいらちゃんと一緒にいたね」 見られちゃったか。もしかして手を繋いだところも? 「心配無用。我々は誰にも漏らさないから」小谷さんにも言われた。 「まあ、梢ちゃんあたりに気付かれないようにね。あの子やたら勘がいいから」 「・・心得ました」
「それで何か用?」 あ、そうだった。 「僕もイリュージョンやっていいですか?」 「え」「ほう」 二人が身を乗り出してきた。
緊縛の縄を1本借りれますか。7メートルくらいの柔らかい縄があったら嬉しいんですけど。 「10メートルの綿ロープがあるから切ってあげるよ」 針金のクリップ2~3個。できるだけ太目のやつで。あとラジオペンチを貸して下さい。 「クリップってゼムクリップ? 工具箱に入ってるかな」 最後にもう一つ。本結びを習いましたけど全然自信がありません。もう一回特訓してもらえませんか? 「もちろんいいよ」
本結びで誰を縛るつもりでいるのか、酒井さんにも小谷さんにも聞かれなかった。 もうバレバレだとは思うけど。
[Part.5 ワークショップ2日目] 15. ○ チェア・アピアランスのバックステージ 明朝。 朝食の後、知里さんたちによるイリュージョンの発表があった。 お題は "チェア・アピアランスの新しい使い方"。
1階ダイニングに現役メンバー5人が整列する。 ステージ衣装を用意していないから、バーベキューのときと同じ服装だった。 僕たち観客は手前で一列に座って見ていた。その真ん中で酒井さんが腕組みをしている。 知里さんが挨拶した。 「バックステージ(backstage)というカテゴリのイリュージョンがあります。今皆さんは舞台の奥にいてイリュージョンを後ろから見ています。向かい側に仮想の客席があると思って下さい」 自分の後ろを手で示した。 「客席から見えない秘密が皆さんにだけ見える。・・それではチェア・アピアランスのバックステージイリュージョン、よろしくお願いします!」
2年の占野さんと八代さんがチェア・アピアランス=人体出現椅子を押して来た。 知里さんが足を組んで座る。その上から大きな黒布。 数秒後、黒布を外すと知里さんは消失していた。 占野さんと八代さんは椅子を左側に押して行き、僕たちの反対(=仮想客席がある側)を向けて置いた。 僕たちからは椅子の背中が見えるだけになった。
・・
琳琳さんが出てきた。腰に手を当ててお尻をくねくね振りながら歩いている。本人はモンローウォークのつもりなんだろう。 ステージ中央で立ち止まると僕たちにお尻を向けて(=仮想客席を向いて)手を振る。
高浦さんがダイニングの仕切り衝立を運んできて、琳琳さんの向こう側(=仮想客席の側)に立てた。 衝立の高さは2メートルくらい。 僕たちからは琳琳さんの後ろ姿が丸見えだけど、仮想客席からは衝立の陰になって見えない想定だ。
・・
左側にあった椅子を占野さんと八代さんが押して出てきた。僕たちからは相変わらず椅子の背しか見えない。 衝立の手前(仮想客席から見ると衝立の陰)に椅子を停める。 その直後、椅子の背もたれの陰から知里さんが立ち上がった。 交代して琳琳さんが背もたれの陰に入って消える。 占野さんと八代さんは椅子を押して右側に移動して行った。 ほんの数秒の交換だった。
高浦さんが衝立を外し、知里さんが(仮想客席に向かって)手を振る。 仮想客席からは琳琳さんが消失して知里さんが出現したように見えるはずだ。 再び衝立が戻されて、知里さんを(仮想客席から)隠した。
・・
右側にあった椅子が押されて戻って来た。 衝立の手前(仮想客席から見ると衝立の陰)で椅子を停める。 今度は椅子から琳琳さんが立ち上がり、椅子の中へ知里さんが消えた。 椅子は再び左側に押されて移動する。 高浦さんが衝立を外し、琳琳さんが(仮想客席に向かって)手を振った。 さっきとは逆の交換だった。
・・
占野さんと八代さんが三たび椅子を押して出てきた。 衝立は脇に退けたままだから、適当な場所に椅子を停めた。
椅子に黒布が被せられた。 脇に立っていた琳琳さんが駆け寄って椅子を指差す。 布を外すと・・、 「じゃーん!」 そこに座ってポーズをとっていたのは知里さん、じゃなくて梢ちゃんだった。
・・
酒井さんが立ち上がって拍手した。 他の観客・・小谷さん、多華乃さん、仁衣那さん、れいらちゃんと僕も拍手した。 観客の中に梢ちゃんがいないのは最初から分かっているから、ラストで梢ちゃんが出現したこと自体には驚かない。 それでも拍手したのは、イリュージョンとして素晴らしい出来だったからだ。 これなら実際のステージでも通用するんじゃないかな。
「えっと、講評の前に、」 酒井さんが椅子を指差して聞いた。 「よく二人も入れたねぇ」 「梢ちゃんとなら入れるんです。アタシと知里さんじゃ無理でした」琳琳さんが説明した。 「えへへ。ちっちゃい女の子が要るときはいつでも使(つ)こて下さいっ」梢ちゃんがおどけて言った。
「朝比奈さんはどうしたの?」 「あれ?」「会長っ」「知里さん!」 現役メンバーが椅子を開くと、知里さんが中で動けなくなっていた。 「ふにゃぁ~」 「大丈夫ですか?」 「成功したと思ったら、腰が抜けて」 「じゃ、そこでそのまま聞いてくれるかい」 「ふわぁい」
酒井さんが講評する。 「チェア・アピアランスのスピード感とバックステージの面白さ。両方を楽しめる素晴らしいイリュージョンだったよ。同好会連合の交流会辺りでやったらウケると思う。ただし通常のステージに出すのは難しいかもしれないね」 え、駄目なの? 「このバックステージのコアキャラクターは椅子そのものと二人のアシスタントだね。観客がその動きを追ってくれることが前提になっている」 皆が頷いた。 「だから最初の朝比奈さんの消失シーケンス。あれは "消失" ではなく椅子の内部への "移動" だと客が自然と思うように仕向けなけばならない」 「そうか。僕らは当たり前のように "移動" と捉えてた」占野さんが呟いた。 「その通り。チェア・アピアランスは最近よく見るとはいえ、まだまだ新しいイリュージョンだよ。椅子に腰かけた美女が一瞬で消える。それだけで驚く客が大半だろう。その先まで考えるのはプロかマニアだけじゃないかな」 「それなら、布で隠さずに椅子に入ったら?」高浦さんが聞いた。 「そんなシーンを見せるのはオリジナルのチェア・アピアランスに対して敬意がないと思うね、僕は」 酒井さん、厳しい。でもその通りだ。 「アイディアはあるよ。椅子の背中に丸い穴を開けて朝比奈さんが手を出して振るんだ。それなら中に女性が入っていることは誰にでも理解できるし、椅子に入る方法そのものは秘密にできる」 ああ、なるほど。それなら。 「でもね。それをはっきり見せてしまったら、次に普通の人体出現や消失で驚けると思うかい?」 「無理でしょうね」
「・・整理しよう。このバックステージの面白さは、椅子に潜む女性の姿は見せず、出入りを後方から見せることでお客を騙すところにある。だから最初に女性が椅子の中へ移動するシーケンスは欠かせない。でもそのシーケンスを理解してもらうのは容易でない」 「ダメかなぁ」八代さんがぽつりと言う。 「僕は決してダメ出ししてる訳じゃないよ。本当に面白かったし、現役諸君がこれを一晩で考えてくれたことを賞賛するよ。・・ただ、あのバックステージは少し未来に行き過ぎてる。そう感じただけなんだ」 「その未来は、いつでしょうか?」 琳琳さんが聞いた。 「申し訳ないけど、分からない。・・あの "あたまグルグル" とか "ウォーキングテーブル" くらい誰でも解るようになったとき、かな」 「その二つ並べるんですか」 「僕はウォーキングテーブルについてはそろそろ次のブレークスルーが欲しい段階と思っていて、その理由はあれ見て大げさに悲鳴上げる観客がスタジオ収録のマジック番組だけになったから、なんだけど」 「イッくんその発言ヤバいからもう止めよう」
・・
知里さんの救出は難航した。 本当に力が入らないらしくて、男性二人がかりでようやく引っ張り出してあげることができた。 「ふにゃあ、私このままでいい~」 「しっかりして知里さん!」 「もう、私、何されてもいいよぉ」 「会長いつの間にドMモード」
知里さんが平静を取り戻すまで30分くらいかかった。 その間に次のイベント "ドラム缶水中脱出のタネ明かし" の準備が進められたのだった。
16. ○ ドラム缶水中脱出 タネ明かし 正面テラスのドラム缶は水を入れ替えて再び満水になっていた。 酒井さん、小谷さん、そして多華乃さんと仁衣那さんがその前に立つ。 多華乃さんと仁衣那さんは昨日と同じセクシーなマイクロビキニ。
「今日は不要な演出を止めて、閉じ込めと脱出のプロセスだけを再現します。近くて見てもらって構わないよ」 酒井さんが言って全���がドラム缶の傍に集まった。 「これはUSBの水中カメラ」 酒井さんは小さな装置を皆に見せた。長いケーブルの先に丸いカメラが付いている。 「直径2センチ、長さ2センチ。レンズの回りにLEDが点くから暗くても撮影できるよ。これに磁石をつけてドラム缶の内側に貼れるようにした。ケーブルの取り回しが面倒だけどね」 水の中にカメラを入れてドラム缶の内側に貼った。 「こんな風に見える」 ケーブルを繋いだタブレットに映像が映った。水面から射す光に照らされてドラム缶の内部が明るく映っている。
「じゃあ、早速始めよう」 多華乃さんと仁衣那さんが水に入った。 前みたいにロープにぶら下がって入ることはなくて、酒井さんと小谷さんがさっと抱き上げて入らせてしまった。 また仁衣那さんを抱っこさせてもらえるのかと一瞬期待したけど、仕方ない。
溢れた水が周囲に流れた。 多華乃さんと仁衣那さんがドラム缶の中に立っている。 「昨日と違うのが分るかい?」 昨日と違う? 前回の光景を思い出そうとしたけど分からなかった。
「あ!」叫んだのは梢ちゃんだった。 「お腹が見えるっ。前はもっと沈んでました!」 え、そうだったっけ?
「その通り。前はこうだったんだ。・・やってくれるかい」 「うふふ」 多華乃さんと仁衣那さんが妖しく笑った。 互いに抱き合って胸を押し付け合う。 二人の背がすっと低くなった。 ドラム缶の縁からさらに水が溢れる。
ああ! 皆が声を上げた。 思い出した。胸の谷間を洗う波。
「せめて将司くんには気付いて欲しかったなー」仁衣那さんが言った。 「わざわざサービスしてあげたのに」 「も一回、脱いだら?」多華乃さんも言う。 「そうね、やっちゃおっか♥」
「あ、それは止めてくれるかな。また皆の目が惑わされてしまう」 「皆の目じゃなくて男性の目でしょ?」れいらちゃんが突っ込む。 「いいえ、私も惑わされました。仁衣那センパイのおっぱいが立派過ぎて」 「知里さんもですか? アタシも」「ウチも」 この同好会、女同士でこんな会話が多すぎるぞ。
「・・ええっと、」 酒井さんが続ける。調子が狂ったようだ。 「まあ、もう分かったと思うけど、前回は膝を折って屈んでたんだ。そうしなければならない理由は」 「上げ底なんですね」占野さんが指摘した。 「その通り。まっすぐ立ったら底が浅くなっているのが分ってしまうからね」
このドラム缶の深さは約 120 センチ。しかし 30 センチ底上げされていて実際の深さは 90 センチだという。 その 30 センチの部分は? 「金属の容器が置いてあるよ。中身は空っぽで入っているのは空気だけ。水圧で潰れないよう補強して底板にボルトで留めてある」
酒井さんは水中カメラを外して多華乃さんに持たせた。多華乃さんがカメラを底まで沈める。 タブレットの画面に多華乃さんと仁衣那さんの足元が写った。 水中で組み合わさった膝と足先、丸いお尻も見えている。 そして底に小さなペダルがあった。
「0.5 秒だけ押して」「はい」 多華乃さんが身を沈め右手でペダルを押した。 ぼこ。 卓球の球くらいのサイズの泡が浮かび上がった。 「ペダルを手で押すか足で踏むかすると、容器の栓が開くようになってる。栓が開いている間は水が流れ込み、同じだけ空気が出てくるんだ」 「その容器に空気はどれくらい入ってるんですか?」占野さんが質問する。 「だいたい 100 リットルだね」 「100 リットルの空気で呼吸できますか?」 「密室に 100 リットルの空気だけで二人が生きていられるかという質問なら答えはノー。前に調べてみたんだけど酸素濃度の低下と二酸化炭素濃度の上昇が原因でほんの2分くらいで呼吸が苦しくなる。4~5分で命の危険が生じる」 それじゃ無理じゃないか。 「この容器の目的は呼吸のための空気を提供することじゃないんだ。水を流し込むことでドラム缶内部の水面を下げることなんだよ」
酒井さんは多華乃さんから水中カメラを受け取ると、ドラム缶の内側に再度貼り付けた。 カメラのケーブルを蓋の手首用の穴に通しタブレットと再接続した。
「ここから先は実際にやって見せよう」
・・
多華乃さんと仁衣那さんが大きく息を吸って水の中に頭を沈めた。 上から蓋が閉められる。 蓋の穴から付き出された二人の左手に手錠を掛ける。 さらに蓋にバンドと南京錠を取り付けた。
「カメラの映像を注意して見ていてね」
タブレットの画面に多華乃さんと仁衣那さんが写った。 フィルター越しに撮ったみたいな青みがかった映像だった。 水中撮影だとすぐに思い出した。
二人は抱き合った互いの肩に頭を乗せてうずくまり、左手だけを真上に上げていた。 多華乃さんの顔が見えた。目を閉じてじっと呼吸を我慢している。 仁衣那さんの顔は陰になって見えない。
「・・案外狭いな」占野さんと八代さんが話している。 「上下 90 センチでしょ? 横はドラム缶の直径 80 センチだもの。ほとんど動けないわ」知里さんも言う。
ぽこぽこ浮かび上がる泡が見えた。 多華乃さんか仁衣那さんのどちらかが容器のペダルを踏んでいるのだろう。 泡は二人のお腹に当たり、そこから胸と肩を伝ってさらに上へ浮かんで行く。
画面の上方に水面が見えた。 さっきは水面なんてなかったのに。 その水面がゆっくり下がって多華乃さんと仁衣那さんの後頭部に掛かった。 なるほど、下の容器に水が流れ込んで水面が下がっているのか。 酒井さんの言った意味が分かった。
水面が下がって顔面が、いや鼻か口さえ水の上に出たら、後は呼吸ができる。 狭いドラム缶の中でも手首の穴の空隙から新鮮な空気が入ってくる。 それまで頑張れば窒息して死ぬことはないんだ。
ぽこぽこ浮かび続ける泡。 仁衣那さんが右手をぎゅっと握った。 二人の顔面はまだ水の中だ。 しまった、時間のチェックを忘れてた。 多華乃さんも仁衣那さんも、水中に沈んでから一度も呼吸をしていない。許されていない。
ゆっくり、ゆっくり、水面が下がる。 うつ伏せの顔面の端から空気に触れる。 多華乃さんが眉を寄せている。鼻と口はまだ水の中。 頭を捩じる。どうにか口が水面に出た。 わずかに空気を吸う。
顔が水面に出た。 二人の肩が揺れている。苦しそうだ。 多華乃さんと仁衣那さん、どれくらいの時間苦しんだろう。
「・・容器の空気が水と入れ替わって満タンになるまでの時間は容器の栓の直径で決まるんだ。直径 10 ミリだと 820 秒かかるけど、50 ミリなら 30 秒くらいで済む。通り道が広い方が速いということだね」 酒井さんが説明してくれた。 「じゃあ、できるだけ大きな栓にしてるんですね?」知里さんが聞いた。 「逆だよ。できるだけ小さな栓にしている。今使ってるのは直径 20 ミリで 205 秒」 「3分半? どうして!?」 「鼻口が水面に出るまでの時間はその半分くらいだよ」 「それでも・・」 「���女が苦しむ時間は長い方がいいと思わないかい?」 「!」 知里さんの顔色が変わった。
「絶対安全な方法なら外から空気管を引いて咥えればいい。でもそれは安易過ぎるとみなすのが僕の美学なんだ。・・イリュージョンはアシスタントの汗と涙で成立する」 酒井さんはドラム缶の上に出た多華乃さんと仁衣那さんの手を取った。 「幸い、ぼくの美学に賛同してくれる美女が今もこの中で頑張ってくれている。・・朝比奈さん、」 「は、はい」 「誰かが僕のことをドSと言ったみたいだけど、僕が見る限りそのドSが考えたイリュージョンに君も賛同してくれていると思うな」 「あ・・」
「公開調教♥」僕の隣でれいらちゃんが言った。 「嬉しそうだね。れいらちゃん」 「だって知里さんドMだって、みんなもう知ってるじゃない」 「そりゃそうだけど」
「・・はい、苦しい役、私も興味・・あります」 「OB会に入ったら是非、ね」 「はい」 知里さん、チョロい。
・・
ドラム缶の中では多華乃さんと仁衣那さんの肩まで水面が下がった。 「下の容器が満杯になったとき上端から水面まで約 40 センチ。ここまで下がれば隠し扉が水の上に出るよ」
酒井さんはドラム缶をノックした。 蓋の上にで出た多華乃さんと仁衣那さんの手が振られた。 その手首には手錠が掛かったままだ。
「では脱出のプロセスに移ります。映像をよく見ていて下さい。・・ワン、ツウー、スリー!」 二人が手を���き下げた。 ドラム缶の蓋に大きな穴が開いて、二人は手錠で繋がったまま手を下げたのだった。
多華乃さんが仁衣那さんの左手の手錠を解錠した。 同時に仁衣那さんが右手で隠し扉を開ける。 隠し扉はドラム缶の内壁に沿ってスライドするように開いた。 仁衣那さんが隠し扉を抜け出た。外で小谷さんが仁衣那さんを受け止める! すぐに多華乃さんが自分で手錠を解錠した。 隠し扉から脱出した多華乃さんを酒井さんが受け止めた・・!! ドラム缶の前に並んだ4人に皆が拍手した。
「いくつか補足説明します」 酒井さんが手錠を見せた。 多華乃さんと仁衣那さんが掛けられた手錠だった。 「これは本物だから引っ張っても外れない。だから細工するのは当然蓋の側になる」 ドラム缶の蓋の手を通す部分はダンボール製で裏にカッターで筋が入っていた。 手錠のまま手を下げれば筋の箇所が割れて開くのだった。 手錠の鍵は最初からドラム缶の内側に貼ってあって、多華乃さんはそれをずっと右手に握っていたのである。
「はい」占野さんが手を上げた。 「隠し扉が開いたままですが」 「そうだね。コテージから丸見えになるから後で閉めておいたよ。蓋の上から手を入れて」 「手を入れたのはダンボールの穴を通してですか?」 「もちろん」 「だったらその穴は、開いたままですか?」 「誰も覗き込まなかったからね。アイドルソング大会の間に蓋を外して水も抜いたから、それで証拠は消滅さ」
17. 水中脱出のタネ明かしが済んで、これで終わりという雰囲気になったとき。 酒井さんと小谷さんが僕を見てニヤリとした。 ・・やるのかい? やります。 僕は立ち上がって言った。 「皆さん、僕にもイリュージョンをさせて下さい!」 え? 皆の目が集まったところで追加して言った。 「相手は、玻名城れいらさんにお願いします」
・・
○ ロープイリュージョン 同好会とOB、梢ちゃん。 にこにこしながら僕とれいらちゃんを見ている。 多華乃さんと仁衣那さんなんてビキニのままで笑ってる。
「あたしでいいの?」 「れいらちゃんがいいんだ」 おおー。 歓声が上がったけど僕は怯まない。 「やってくれるかな」 「はい。喜んで・・。あたしはどうしたらいいの?」 「あの木の前に立つだけでいいよ」
テラスの近くに生えるハルニレの木。 その木の幹は、れいらちゃんが背中をつけて立ち、前から僕が抱きつけば反対側に余裕で手が回る太さ。 早朝から手頃なサイズを探して決めた木だった。 れいらちゃんがその前に立ってくれた。 白いシャツとデニムのミニスカート。 恥ずかしそうな笑顔。
「ようこそ皆様! これより世紀のイリュージョン。これなる美女を縄で縛り上げてお見せします!」 酒井さんの真似をして口上を述べたけど、全然決まってないのが自分で分る。 まあいいや。大切なのは勢いだ。 よーし、行くぞ。
酒井さんから借りた7メートルの縄は、前後 3.5 メートルずつまとめて、互いに繋がった二つの縄束にしてあった。 両手に握り、真ん中の縄をれいらちゃんの胸の上に当てた。 れいらちゃんの肩の両側から木の後ろへ縄束を送る。 前から抱くみたいにして手だけ木の後ろへ出し、手さぐりで縄をクロスさせる。 れいらちゃんの顔が近い。本当に抱いているみたいだ。 クロスさせた縄はそのまま反対側かられいらちゃんの腕の外に掛けてお腹の前へ。 縄はハルニレの幹の凹凸に掛かっているから自重で落ちることはないと思うけど、それでも少しきつめを意識する。 「痛かったらゴメン」「平気だよ」
お腹に来た縄はまたクロスさせ、手首の外から再び後ろ側へ。 前と後ろでクロスを繰り返しながら、れいらちゃんの身体とハルニレの木をまとめて縛って行く。 今、僕はれいらちゃんの身体を縛ってるんだ。 胸がばくばくして息が止まりそうだ。
身体の前だけで4回クロスさせた縄が足首に達したところで、クロスさせずに縛った。 足首はわざと縛らない。上から降りて来た二本の縄を本結びで縛り合わせるだけだ。 酒井さんに特訓してもらった手順だった。 体験緊縛で教わった手順は腕や足に縄を巻くことから始まるから、同じ本結びでも手順が違う。 これで完成。 れいらちゃんはまっすぐ立って両手を脇に添えた姿勢で縛られている。
・・
木の回りを一周してチェックした。 後ろでクロスする縄のうち、実は上から2番目と3番目はクロスしていない。 針金のクリップを曲げて作ったフックを掛けて、"クロス" じゃなく "折り返し" になっている。 OK。ぶっつけ本番で我ながらよくやったよ。 「さて、これからがイリュージョンっ。一瞬で縄抜けする美女をお見せいたしまぁす!」
「え、え、」 れいらちゃんが焦っている。 「あたし縄抜けなんかできない」 本気で困っているらしい様子が可愛い。このまま困らせておきたいね。 「ワンツースリーで力を込めて腕を左右に開いてくれる」 「それだけでいいの?」 「大丈夫。僕を信じて」 「はい」
"僕を信じて" なんて言ってしまった。 恰好いいじゃないか、僕!
「では行きます! ・・ワン、ツー、スリー!!」 れいらちゃんが腕を開いた。 後ろで針金のフックが開いて、折り返しの縄が外れた。 全体の絞め付けが緩み、巻き付いていた縄がばらばらと足元に落ちた。
おーっ。やった!! パチパチパチ。 僕はれいらちゃんの傍に行くと手をとってお辞儀をした。
・・
「いきなり頼んだのに受けてくれてありがとう。どうしてもれいらちゃんとやりかったんだ」 「こちらこそ。畑本くんが指名してくれて嬉しかったわ」 「本当はもっとすごいのをやりたかったんだけどね。昨夜考えた方法だし、あれが精一杯だった」 「あれ、畑本くんのオリジナルだったの?」 「まぁね。でも似たのはたくさんあるよ、きっと」 「すごい!! ・・実はね、」 れいらちゃんは周囲を見て近くで誰も聞いてないことをチェックした。
「ちょっと期待しちゃったの。畑本くんが縄を持ってあたしの前に立ったとき」 「期待?」 「うん。もしかして本当にあたしに酷いことするんじゃないかって」 「する訳ないだろ。れいらちゃんに酷いことなんて」
「昨夜あたしが言ったこと覚えてる? あれ半分は社交辞令だけど、半分は本気だったんだよ」 「何のこと?」 「忘れちゃった? 畑本くんと一緒にするイリュージョン、"酷い目に会う役でもいいよ" って言ったこと」 思い出した! ということは、つまり。
「次はJ大で一緒にやろうね、イリュージョン!」 「え」 れいらちゃんは僕が返事をする前にコテージの方へ走り去ったのだった。
18. 帰りは皆が乗って来た車でそれぞれ帰ることになっていた。
れいらちゃんと梢ちゃんは知里さんの車。 他の現役メンバーは八代さんの車。 イリュージョンの機材は小谷さんの2トントラックに積んで大学の倉庫へ運ぶそうだ。
ドラム缶は今まではOBからの貸し出しだったけど、水中脱出を教示したので正式に寄贈して同好会の所有品になる。 ということは、次は知里さんと琳琳さんが水の中で頑張るんだろうか。 酒井さんが説明していたように実際のステージで水を使うのは難しいから、できるのはこんな郊外の合宿だけかもしれないけどね。 僕としては知里さんの次の代、つまり琳琳さんとれいらちゃんの水中脱出に期待したいところだ。
知里さんと現役メンバーに挨拶する。 「お世話になりました。来年からまたお世話になりますけど」 「畑本くんは期待の星よ。楽しみにしてるわ」 「弱小サークルだけどよろしく!」「待ってるよ!」 「一緒にイリュージョンやりましょうね!」 「いつでも顔出してくれよな。歓迎するよ」
そうだ、これだけは伝えておかないと。 「僕はイリュージョン同好会に入ったらオリジナルのイリュージョンを作りたいと思ってます」 「おお、いいじゃないか」「どんなイリュージョンを作りたいの?」 「ここへ来て酒井さんのイリュージョンに驚きました。作るならあんなイリュージョンをやりたいです。・・その、」 僕は知里さんと琳琳さんの顔をうかがう。 「知里さんと琳琳さんがOKしてくれたらですが」 知里さんが察してくれた。 「・・女の子がエロくなるイリュージョン?」 「はい」 「会長何ですかそれ」占野さんが不思議そうに聞く。
「うふふ。私は大賛成。琳琳ちゃんも大丈夫よ。でもれいらちゃんにも聞かなくちゃダメよ」 「もちろんです」 実はれいらちゃんの答はもう知っている。 ・・酷い目に会う役でもいいよ! でもここで僕がそれを言うのは反則だね。 一緒に同好会に入って、皆の前で本人が賛成してくれたら、僕は自分の望むイリュージョンを作ろうと思う。
「あ、もしかして」占野さんが声を上げた。 「ドラム缶のタネ明かしで知里会長がドM全開になったアレ」 「ああ、アレね!」琳琳さんも分かったみたいだった。 「知里さん、アシスタントが苦しいイリュージョンをやりたいって言ったんですよね!」
知里さんの顔がぶわっと赤くなった。 「ち、違うわっ。あの、あの、あのときは」 「会長っ、落ち着いて下さい!」 「あのときは、苦しい役に興味ある、って言っただけ!」 「・・同じじゃん」高浦さんがぼそっと言った。
知里さん、後輩の前でもM女を隠せない。 可愛い人だね。 J大に入ったらどうぞよろしくお願いします。
・・
「畑本くんっ」 れいらちゃんから声を掛けられた。 まさか最後に告白? 「秋の学園祭でイリュージョン同好会も模擬店やるんだって! 行くでしょ?」 おお、学園祭デートのお誘い! もちろん行きます。絶対に行きます。 カレンダーにマルしておかなくちゃ。
「ウチもおりますよー!!」 梢ちゃんが割り込んだ。 「ウチも忘れんと連れて行って下さいねっ。それともウチがおったらジャマですか?」 そうか、梢ちゃんがくっついて来るのかー。 「邪魔なはずないでしょう? 梢ちゃんも一緒よ」 「そやかて畑本サン一瞬イヤって思たでしょ? ウチの勘は外れないんですよー」 梢ちゃんの勘、侮りがたし。
僕はれいらちゃん、梢ちゃんとJ大学園祭での再会を約束して別れた。
・・
同好会の人たちとれいらちゃん梢ちゃんの乗った車、そして小谷さんのトラックが出て行った。 後に残るのは僕と仁衣那さん、そして酒井さん夫妻の4人。 僕たちは酒井さんの車で帰ることになっている。 酒井さんの軽バンは二重床。荷室は荷物で一杯。 後席はない・・。
ここは譲るべきだよね。 「多華乃さんが助手席に座って下さい。僕は後ろに行きますから」 「偉いぞ少年。でも今はそんなマナー、どこかへやっちゃえ」
仁衣那さんが寄ってきて右側に密着した。重ねた掌を右の肩に乗せ、耳元で囁かれた。 「狭い場所に押し込まれるも美女の務めだよ♥」 多華乃さんも寄ってきて囁かれた。 「男性は前のシートでゆったりお寛ぎ下さい・ま・せ♥」 囁くなり多華乃さんは僕の耳を舐めた。耳穴に舌を入れられた。 うわぁっ。
「二人とも、遅くなるからそろそろ用意して」 酒井さんが止めてくれた。た、助かった・・。 「畑本くんは助手席に座ってくれるかい」 「は、はい」
「うふふふ」 多華乃さんと仁衣那さんは楽しそうに自分でガムテープを口に貼った。 互いに後ろ手錠を掛け合う。 それからバンの後ろから二重床の下に這って入っていった。 酒井さんがバタンとリアゲートを閉めた。
「東京まで乗って行くだろう?」 「はい。お願いします」 当たり前のように聞かれて答えた。
車が走り出した。 「驚かせて悪かったね。妻はああいう悪ふざけが好きなんだ。今日は出水さんも一緒だから余計に悪乗りして」 「大丈夫です。僕にはむしろ奥さんが何やらかしても動じない酒井さんの方が驚きです」 「そうかな」
・・
溜息をつきながら流れる景色を眺める。 僕を取り巻く世界、昨日と今日で激変したな。 イリュージョン、緊縛、そしてれいらちゃん。 今だって手錠掛けた女の人を荷物みたいに積んだ車で走ってるだぜ。
いろいろ変わり過ぎてしばらく混乱しそうだけど、迷いはない。 僕には目標ができた。 イリュージョン同好会に入って新しいイリュージョンを作ること。 れいらちゃんに正式な彼女になってもらうこと。 もちろんその前に絶対に達成すべき目標。それはJ大合格だ。 死ぬ気で勉強する。れいらちゃんと一緒にJ大に行く。
「畑本くん、大学に入ったらうちに遊びにおいで」 酒井さんが言った。 「イリュージョンの話をしよう。それから縛り方も教えてあげるよ」 「いいんですか?」 「ああ。昔はJ大にも緊縛研究会があって僕もタカノも世話になったんだけどね、最近は活動停止しているらしい。うちに来たらタカノを受け手にして練習できるよ」 「ありがとうございます!」 「畑本くんはれいらちゃんを縛りたいんだろう?」 「!!」 「そのつもりじゃないのかい?」 「はい! もちろんそのつもりです!!」
そうだ。もう一つ目標があったんだ。 それはれいらちゃんを一人前に縛れるようになること。
「僕はあの子が小学生の頃から知ってるんだよ。大きくなってまさか緊縛に興味を持つとは思わなかったけどね」 「れい、いえ玻名城さんの緊縛の師匠は酒井さんですか?」 「そうだよ。れいらちゃんもタカノを縛って練習したんだ。縛られる方は僕が経験させてあげた。あの子は縛る方も縛られる方も適性があるよ」 そうか、やっぱり。 「畑本くんが縛れるようになったら、れいらちゃんにきちんと申し込んだらいい。緊縛でもパートナーになって下さいって」 「普通のパートナーになってもらう方が先だと思いますけど」 「ええっ、まだだったの!?」 珍しく大きな声で驚く酒井さん。
「ヌフ!」「ンフフ!!」 後ろで変な声がした。 振り返ると、二重床の切り欠きの下に仁衣那さんの顔があった。 ガムテープの猿轡の下で器用に笑っている。 あ、多華乃さんも笑ってる。 後ろ手錠の身体をひくひく揺すりながら笑っている。 よく盗み聞きできるもんだね、そんな狭いところに転がってて。
・・
「ちょっと五月蠅いね」 酒井さんが運転席の横のレバーを引いた。 かしゃ。 二重床切り欠きのシャッターが閉じて、仁衣那さんと多華乃さんの姿が見えなくなった。 笑い声も途絶えた。 まるで鮮やかなイリュージョンの幕切れのように美女が消え去った。
「何すかこれ!!」 「こんなこともあろうかと作っておいたんだ」 「真田班長ですか」 「誰だい、それ」
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~登場人物紹介~ 畑本 将司 (はたもとまさし): 18歳(高3) イリュージョンに興味がある高校生。 朝比奈 知里 (あさひなちり): 20歳(大3) J大イリュージョン同好会会長。アイドルコスで歌うのも好き。 占野 陽介 (しめのようすけ): 20歳(大2) 同好会副会長。 八代 亘 (やしろわたる): 19歳(大2) 同好会メンバー。 高浦 仁志 (たかうらひとし): 18歳(大1) 同好会メンバー。 岩淵 琳琳 (いわぶちりんりん): 19歳(大1) 同好会メンバー。 酒井 功 (さかいいさお): 26歳 同好会OBで初代会長。特技はイリュージョン製作と緊縛。 酒井 多華乃 (さかいたかの): 26歳 同好会OB。功の妻。身体が柔らかい。 出水 仁衣那 (でみずにいな): 25歳 同好会OB。将司の再従姉妹(はとこ)。巨乳。 小谷 真幸 (こたにまさき): 26歳 同好会OB。功と共に緊縛ができる。 玻名城 れいら (はなしろれいら): 18歳(高3) 酒井夫妻の友人。功から緊縛を習っている。 桧垣 梢 (ひがきこずえ): 15歳(中3) 酒井夫妻の友人。大阪出身。
酒井功・多華乃さんが関係するお話もずいぶん増えましたので、関連する過去作を一覧にします。 本話だけ読んでも楽しめるように書いていますが、これらもご覧いただけば一層楽めると思います。  『体験イリュージョン』 (功くん、多華乃さん、仁衣那さん登場)  『多華乃の彼氏』 (功くんと多華乃さんの出会い、小学生のれいらちゃん登場)  『多華乃の彼氏2』 (イリュージョン同好会設立)  『美術モデル』 (れいらちゃん高校生)  『梢ちゃん、初めてのイリュージョン』 (梢ちゃん登場) 上の流れとは独立していますが、こんなお話もありますのでよろしければどうぞ。  『アネモネ女学院高校文化祭マジック研究会公演記』 (仁衣那さん高校時代)  『キョートサプライズ・水色の思い出』 (梢ちゃんお母さんの中学生時代)
今回は本文だけで4万5千文字の巨大サイズになりました。 イリュージョンの数も多く、そちら方面に興味のない方には読み難いと思います。 一部のイリュージョンには見出しをつけましたので、適当に読み飛ばしてもらってもストーリーは追える、かな?
新キャラは主人公の畑本くんと、J大イリュージョン同好系現役の面々です。 畑本くんはイリュージョン好きでネットで情報収集するタイプ。 SNSや動画サイトはもちろん、無料で見られるなら英文のイリュージョンブック(イリュージョンを演じるための説明本)まで探して読む、まあ私や皆様^^と仲間です(笑。 そんな彼も功くんが作る 変態的 マニアックなイリュージョンを初めて知って 道を誤る 新たな道を選ぶことになりました。 畑本くんの設定を考えていたら、偶然れいらちゃんも同学年。となれば若いモン同士でいい雰囲気になってしまうのはもうお約束ですよね!
同好会メンバーでは知里会長が可愛らしいM女になってくれました。下級生にもバレバレなのに本人は隠そうとしているところが私の好みです。 琳琳ちゃんもM性たっぷりですがまだ1年生。彼女には男性メンバーの誰かをボーイフレンドにしたいと思っていましたが描けませんでした。
それでは登場したイリュージョンを順に振り返ります。 作者オリジナルのイリュージョンがいくつかありますが、どれも実現性を考えたガチです。今回ファンタジーのイリュージョンはありません。 ネタバレ/タネ明かしがあるので、本文未読の方は先にそちらをお読みになることを強くお勧めします。
1) ブルームサスペンション人形 仁衣那さんの部屋にある人形を畑本くんが見つけたことからお話が始まります。 私も欲しくなって簡単なペーパークラフトを作ってみました。やじろべえ構造にしたので本当に揺れます。 (実物のブルームサスはこんな揺れ方はしません) 使ったのは手持ちの古ハガキ、プラ板、ナット。台座は 100 均で見つけた「ミニ王冠と杖」です。 製作期間1日以内のお手軽作品です。 参考までに 裏面はこんな感じ です。
2) イリュージョン同好会公演オープニング 一人掛けの椅子と巨大造花からそれぞれ美女が出現します。どちらも現実にあるイリュージョンです。 特に美女が出現する椅子(チェア・アピアランス)は最近よく見かけるイリュージョンで Amazon でも買えてしまったりします(笑。
3) マジカルマミーの人体交換 巨大な布を人間にぐるぐる巻いて、再び解くと別の人間が出てきます。 たぶん昔からあるイリュージョンです。 私は同じ布の左右で2回巻くアレンジをしてみましたが、すでにどこかで演じられているかもしれません。
4) 逆さヒンズーバスケット 美女が入ったまま上下を逆にできるオリジナルのヒンズーバスケットです。 『多華乃の彼氏2』でイリュージョン同好会初代会長の功くんが出来合のヒンズーバスケットを魔改造しました。 あまりに丈夫で壊れないので、7年経った今も使われ続けている設定です。 本話では発泡スチロールのボールを流し込むバリエーションをやりました。
5) 手首ギロチンと切断手首 首が落ちるギロチンイリュージョンはよく見かけるので手首でやってみました。 落ちた手首をガラス箱の中に収めること、その手首が動くこと、それをカメラで接写して観客のスマホに中継するのはオリジナルです。 実は倉橋由美子さんの『怪奇掌篇』に含まれる『カニバリスト夫妻』のエンディングにインスパイアされたのがこの手首です。 『カニバリスト夫妻』で女性の手首はアクリルキューブに入っていましたが、ここではガラス箱に変更。 切断面を覆う白いレースが洒落ていたので真似させていただきました。
6) ドラム缶脱出 千円で買った中古の 400 リットルドラム缶を改造して作ったオリジナルイリュージョンです。後述の水中脱出にも使用する前提で改造されています。 隠し扉の追加などでドラム缶本体よりはるかにお金がかかっていると思います。
7) 軽自動車ダンボールの人体交換 イリュージョンというよりイタズラです。 助手席に座る人物一人を騙すためにばかばかしい手間をかけています。こういう遊びが大好きなんですよね。 (言わずもがなですが、本当にやったら乗車積載方法違反になりますよー^^) 想定車種はズズ○のエ○リイ。床面フラットの軽バンというだけで、車に詳しい方ならお判りかも。 図面をダウンロードして調べましたが、エ○リイの収容力はすごいですね。床面から 500mm の二重床の下に(女性を詰めた)490×730×630mm のダンボール箱を3個収納できます。 功くんがわざわざ選んで買って多華乃さんに呆れられるのも分かりますね(笑。
8) ドラム缶水中脱出 功くんこだわりのイリュージョンです。 「女の子に楽させない。わざと苦しい思いをさせる。それを観客の見えないところでする」(知里さん談)を実現するため無茶をやってます。 ドラム缶内の水面が下がることでアシスタントが呼吸可能になる構造です。呼吸菅はあえて設けません。 水面が下がる速度はできるだけ遅く、時間をかけて・・(笑。 詳細の構造/効果については作中で功くんが長々と語っていますので、そちらを参照して下さい。
今回このイリュージョンの検討ではいろいろ楽しい計算をしました。水圧、水栓の直径毎の通水時間と水深変化、限られた空気での限度時間、etc. こういうとき ChatGPT は便利ですね。 「XX 立方メートルの密室(換気なし)に成人女性N名を閉じ込めた場合、酸素濃度と二酸化炭素濃度の変化を計算し、時間毎の健康影響を示せ」なんて指示にも「お前何するつもりやねん」と疑わず親切に答えてくれますから^^。
9) チェア・アピアランスのバックステージ 美女が出現する椅子(チェア・アピアランス)について、単純な出現/消失に留まらない使い方ができるはずという話題を X(Twitter)でしたことがありまして、本話でそれをやってみました。 バックステージとは、観客に向けて演じるイリュージョンを後ろ(観客の反対側)から眺めさせる、という手法のイリュージョンです。途中まで仕掛けを見せて「なるほど」と思わせておき、最後は「あれ?」と驚かすのがお約束。 自分では面白いプランができたと思っていましたが、「椅子の中に女性が隠れている」ことを暗黙のうちに分かっているから成立するバックステージだと執筆中に気付きました。 功くんに「面白いけど未来に行き過ぎている」と講評させたのはこの理由です。 椅子を使わなくても、キャスター付の箱やスーツケースで(一定の大きさがあれば)近いことができるでしょうね。 あと、功くんが違うイリュージョンのことをいろいろ言ってますが、ネタで言ってるだけですから突っ込まないで下さいね。
10) ロープイリュージョン 主人公の畑本くんが一人でできるネタとして選びました。 ストーリー上は重要なイベントですが、イリュージョン自体は特に珍しくありません。 仕掛けにクリップを使ったのはオリジナルです。 ちなみにロープを使うイリュージョンとしては「ジプシーロープ」が有名ですが、まったく別のものです。
イラストは今回すべて(ペーパークラフト原図も)AI出力です。 自分の過去絵を i2i して時短しました。
さて、J大イリュージョン同好会やOBの功くん多華乃さん、れいらちゃんや梢ちゃん、(本話では未登場ですが)三田先生の造形美術教室 が登場する一連のシリーズをこの先どうしようか思案中です。 新しいお話のたびにキャラを追加して過去の登場人物と絡ませるのは楽しいです。キャラの成長や人生の変化(結婚・出産など)を描けるのもよいですね。 しかしお話の数がずいぶん増えてしまいました。毎回イリュージョンと緊縛の似たような内容になるのも避けられません。 ゆっくり考えて結論は X(Twitter)で報告することにします。
それではまた。 長文お読みいただきありがとうございました。
[Pixiv ページご案内] こちら(Pixiv の小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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usono-musuko · 5 months
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2024年4月30日
「このJホラーの傾向に関しては、「未知の存在に対する恐怖」だけでは説明しきれなくて「自分が加害した対象からの復讐を恐れる気持ち」が底にあるのが、またグロテスクだよなあと思います」
「(世紀末オカルト学院)
未来が変わるのはここからだ! ワシはヘタレがなけなしの勇気を振り絞って大事を成し遂げる展開に弱いぞっ!」
「CoCのキーパーやってたときに「一般人が考える狂人は支離滅裂な事をいうが実際はそうじゃなくて理路整然とおかしなことをいう」と考えて演出していたのを思い出す」
「上岡龍太郎のお父さんが「身体が動かなくなったら、老後は小説書く」ってずっと言うていたけど書いてなかったから、「どうして書かないの?」って聞いたら、「あんな龍太郎、脳も身体やったわ」って返答した話がずっと心に引っかかって生きてる。」
「教授が「皆さんなら岩波文庫の青帯は当然すべて読んでいると思いますが~」と言っていてなんて嫌味なやつなんだと思ったけど、1年も彼の講義を聞いているうちにこの人はたぶん本気でそう思ってるんだろうなということが徐々にわかってきた」
「駅蕎麦なんて文化には無縁の田舎住まいの俺 たまにアキバに遠征した時に新田毎に立ち寄るのが楽しみ 見ず知らずの客に挟まれて蕎麦をすすりながら 「今だけは俺も都会人と同じ日常を経験しているんだなぁ」 って束の間の一体感を感じるささやかな満足感」
「「怒りはいちばん安易な娯楽」だからな 肩まで浸かると抜け出せない」
「麻雀ちょっとだけ教えてもらった 来る牌は選べないけど捨てる牌は選べるの人生っぽかった」
「人生で一番ヤバいのは間違った勝ち方をした瞬間ですよ。勝って兜の緒を締めよって諺がありますけど、あれ慢心するなって事以上に、間違って勝っちゃった時に脳が狂うって事を警告してるんだなって、今なら思います。間違って勝つと、自分が神様だと誤認識しちゃうんですよね。
良くも悪くも人生はサイコロなので、たまーに勝ち目が薄いのに運良く(運悪く?)サイコロの6が出ちゃう事があるんですよね。これの逆の、間違った負けは「運が悪かった」って諦めがつくからまだマシなんですけど、間違った勝ちは「俺は神だ」ってなるから、ガチで死ぬんよ。」
「高1の子が、不規則な生活は時間を考えないということだから安心する、規則的な生活は時間を意識させられるということだからそれだけで辛いと言う。なんで辛いのとさらに尋ねたら、時間を意識することは、自分に対する意識が鋭くなるから、それが辛いと言っていた。
なぜ人が不規則な生活に陥りやすいかといえば、それは自分を意識しなくてすむから(自堕落とはそういうことだ)というのはなるほどと思った。
自堕落であることで保たれる生がある。」
「自分の中で決着がついていない問題について 創作の中で安易な結論を出せないタイプ それは商業では厳しいタイプ…」
「ウマ娘のアストンマーチャンのシナリオがまんま葉鍵系を彷彿させて古のヲタク涙するなか 若いオタクはなにこれホラー?ってなった 言われてみると確かにホラーだわ」
「作者がストーリーのナカで起きることを全部決められるという構造上、ゲームの面白さはめちゃくちゃスポイルされてしまって、ゲームとしてはクソゲーなほど読み物としては面白いという構造がある」
「小説のなかで一番大きな分野が「娯楽」と「文学」なんだけど、文学が読者の解釈の余地をできるだけ残す書き方なのに対して娯楽は誤読の余地をできるだけ潰していったほうがいいジャンルなので、そういう意味ではMMOのMMO性を表現するには純文学が向いてるかもしれないな」
「アンチする人はまあアンチする人でいいんだけど、アンチすることが自己目的化するとやべーなと思っている。 叩くためにゆがんだ見方をする、叩く対象よりも自分のアンチコメの字面の面白さを追いはじめる、そういうのはじめるとよくない。予後が。」
「俺たちはいつまでデレマスのロリに熱狂してるのかなあ、と思うこともあるんですけど、プルツーに未だに熱狂している人達を見るとまだまだやれるぞ、という気持ちになるので感謝しています」
「見舞いに来るならネコ連れてきてってカーチャンは言ってたなあ 飼い猫にどうしても会いたいって言うから 病院の駐車場の隅で連れてきて会わせたんだが ネコもネコでしがみついて離れねえの」
「新宿ピカデリーで四十数年ぶりに銀幕(素敵な言葉)で『荒野の用心棒』を見る。帰り道、(別の映画の)大きなポスターの前で記念写真を撮っている女子高校生三人組(一人が撮影、他の二人がポーズを取っていた)を目撃。俺があの映画を見た時と同じくらいの年であった。少し気が遠くなる。」
「大河ドラマの主人公なんかに顕著だが、大衆娯楽の主人公なんてのは得てして冷静なノンポリで、何か周囲に流されがちで、ゆえに激動の作品世界の観察者たりうる。」
「(劇光仮面)
りまの回想で実相寺に惹かれたってのは どの程度のものだったのかな おもしれー奴止まりかなやっぱ 世間体考えず自分の好きなことにまっすぐな人が眩しく見えるのは若い頃あるよね 憧れに近かったんじゃないかな」
「ラノベに出てくるVTuber、配信切り忘れやマイクミュートし忘れでバズるやつばかりなんだけど、「がんばって演じた姿よりも、ありのままの自分の素を好かれたい」という欲望は万人共通だし、作者にも編集者にもVTuber産業の理解なんかなかなかないので、必然的にそうなるのは道理としてはわかる。」
「そもそも我々生物は、自分は他者を喰いたがるけど、自分が喰われるのはイヤがる。対称性ではなく、ベクトルなんでしょうね。 ・人の落ち度を徹底追求する人が、自分の落ち度については、頭をかいての反省くらいで大目に見てもらいたがる ・人にすぐ口出しする人が、自分に口出しされると怒る。 など。」
「「公式がこれやるなら二次創作する意味ないじゃん」と嘆いている人がちらほらいるけれど、二次創作は基本的に修験者が仏像掘るようなもんなので勝てなかろうがなんだろうがやる意味はあるよ 祈りだよ」
「一族郎党なんて言葉、皆殺しにする時にしか使わないよ」
「だいぶ時代遅れの感覚だと思うけど、社会通念上良いとされるものを「良いもの」としてベタにやられると引いちゃうのよね。そういう学校道徳を信じられない人間にとっては、一回ギャグとかエロとか萌えとかでくるんでもらって初めて見られるようになる。真面目な話を真面目にやられると無理なんだよ」
「この「ギリギリで乗り越える方法」さえ、オリジナルであれば、それ以外の部分が「お約束」であっても、面白くなる。この部分を、どこかで見たような「お約束」を引っ張ってきて楽をすると、凡百の海に沈む。と個人的に思っている。」
「入院中、ほんとうに外に出られなかった頃、検査で移動するたび壁にかけられてた絵に救われていたことを思い出す。キャンバスに描かれた、いろんな外国の絵。そこにも「ここではない場所」が描かれてることが、こんなに救いになるんだな……って。」
「オタクがエロいことばっか考えているのは、エロいこと考えている時だけは“全て”の苦しみを忘れられるから」
「近所にあったハンバーグとカレーの店は "男は夢を追うもの"と書き置き残して沖縄に移転したぞ」
「>懐石料理はすっげぇーって思うのと雰囲気もすごい和って感じで感動するんだけど
この場に俺という存在がノイズだなってなるのが辛い 両親つれて懐石食べに行ったら「この場に場違いな田舎者が三人…」ってなったからわかる」
「>高いもん食いたいけどお一人様お断りのとこ多くてかなしい だから俺はSNSでグルメメディア作って取材というテイで申し込んでる」
「いけ好かない奴のことをスルーできなくなったらお前がヤバくなっているから気をつけろ(金言)」
「百貨店の美術展を見に行くのが好きです。知らなかった作品・作家さんに出会ういい機会になります。また、作品のお値段が示されていることもあるので、美術の金銭感覚の涵養にもなります。」
「死は最高の責任逃れなので、甲斐性なし側の人類としてはどうしても目を逸らせない魅力があるんだよなー。
(中略)
そもそも、誰も責任を取らずに逃げるためにこそ「死んだら責任を取ったことになる」というデザインになってるように思われるからだ。言葉の向きがそうなってる。責任を追求する世の中に変わっていくためには、まず言葉遣いを変えないとたぶんおかしい。」
「セカイ系の本質とは世界観とか物語そのものではなく、それを若さ故の狭窄した視野で切り取って描き出すという描写手法にある。別の言い方をすると、真の世界は緻密で強固なので、当然ながら少年一人の力ではどうにかなるはずがなく、セカイの破滅も少女の消滅もすべて少年の妄想である。」
「取引先の先代が近衛兵で赤坂御所詰めてて時々食わして貰える恩賜のとらや羊羹が最高の御馳走だったらしく20回位聞かされた 何年か前に死んじゃったけど赤坂本店で買ってプレゼントしてたわ 砂糖が無い時代に恩賜とくればシビれる程美味かったんだろうな」
「>すでにご覧になった方々には説明不要かとも思いますが、その評価は賛否両論とか毀誉褒貶とかいうより、ハッキリ言って9割までがボロクソだった不幸な作品ではありますが、なぜかごく一部の呪われた映画好きの人々と、あの「黒い動甲冑」の発する奇怪なフェロモンに惹かれたフェチな方々にとっては「酢豆腐のように後を引く」映画になったようで、現在に至るも原版は廃棄処分されずに生き残っております。 まあカルト映画って本来こういうものを意味する言葉だよな」
以上。
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takachan · 9 months
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初の AI 内蔵スマートフォン、Google Pixel 8 Pro にて Gemini の実行開始。Google Pixel ポートフォリオにさらなる AI アップデートを追加
Google は、本日、高性能 AI モデル「Gemini」を発表しました。3 つのサイズがある Gemini は、データセンターからモバイル デバイスまであらゆる場所で動作するように最適化されています。Gemini Nano は、デバイス上のタスクに最も効率的なモデルで、本日より Google Pixel 8 Pro で提供されます。(英語版のみ)Gemini Nano が体験できる初のスマートフォンとして、Google Pixel 8 Pro は、Google Tensor G3 を使用し、レコーダー アプリの Summarize(英語版のみに提供) と、Gboard のスマート リプライ(英語版のみに提供) でお使いいただけます。Google Pixel 8 Pro で動作する Gemini Nano は、携帯電話から機密データが漏れるのを防いだり、ネットワーク接続がなくても機能の利用を可能にするなどの設計上の優位性をもたらします。(これらは、日本を含むグローバルで提供を開始しますが、対応言語は英語のみとなります。)さらに、Gemini のその他のモデルを使用した Assistant with Bard の体験の利用を Google Pixel で来年初頭から開始させる予定です。(日本語対応は未定。) 先述の生成 AI モデルと並んで、Google Pixel 製品は、他の AI ツールも通して、日々の作業をサポートします。新機能や、生産性を上げ、カスタマイズを可能にするその他のアップデートは、Google Pixel スマートフォン、タブレット、スマートウォッチで本日から順次、展開されます。   Gemini Nano を搭載した Google Pixel 8 Pro のオンデバイス AI によるサポート レコーダーの要約(日本を含むグローバルで提供開始。対応言語は英語のみ) オンデバイス利用のために構築された最も効率的なモデルである Gemini Nano が、Google Pixel 8 Pro のレコーダー アプリで Summarize を実行するようになりました。ネットワーク接続がオフラインであっても、録音された会話、インタビュー、講義、プレゼンテーションなどの要約を取得できます。 Gboard のスマート リプライ(日本を含むグローバルで提供開始。対応言語は US キーボードの英語のみ) Google Pixel 8 Pro 上で、Gemini Nano が Gboard のスマート リプライを実行できるようになりました。設定の開発者プレビューとして利用可能なこの機能は、デバイス上の AI が受信メッセージに基づいて応答を提案します。   AI を活用した写真と動画で思い出をより鮮明に記録   最先端の動画 動画の手ぶれや画像の粗さを心配する必要はもうありません。Tensor G3 によって可能になる、 Google Pixel 8 Pro に新たに搭載される機能「動画ブースト」が、色、明るさ、手ぶれ補正、画像の粗さを自動的に調整します。*1 これにより、まるで実物を撮影したかのような動画を撮影できます。 「動画ブースト」内にあるビデオ夜景モードの AI によって、夜間や暗い場所で撮影した動画のノイズを低減し、暗い場所で撮影しても映像がより色鮮やかでクリアになります。*1  鮮やかなタイムラプス動画を暗い場所でも Google Pixel 8 と Google Pixel 8 Pro だけで使える夜景モードのタイムラプスなら、暗い中でもディテールまで鮮明に捉えたタイムラプス動画を撮影できます。三脚などの安定した場所にスマートフォンを置くだけで、夜間の映像を Google Pixel カメラで録画できます。夜空の移り変わりを動画で撮影したいときに、ぜひ試してみてください。   みんなをより明るく 改善された Google フォトのポートレート ライトにより、AI モデルが極端な影をすばやく除去し、過去に撮ったものも含めて人物写真を改善します。これにより、照明が十分でなくても、すべての人を明るくきれいな写真を残せます。*2 ボケ補正のアップグレード ペットの鮮明な画像を撮影するのは簡単ではありません。「ボケ補正」を使うと、犬や猫が動き回っていても、写真を鮮明にすることができ、最高の写真を共有できるようになりました。*3 人物の顔や背景に焦点を合わせ直すことも引き続き可能で、ワンタップで完璧な写真を作成できます。*1, 2   日々をもっと楽にするツールの追加   確認しながら撮影 Google Pixel Fold のデュアル スクリーン プレビューを使用すると、友人や家族の写真を簡単に撮影できます。撮影者が見ている内側の画面を、被写体となっている人が外側の画面で自分自身をプレビューできるので、自分自身でポーズを調整したりして、最高の写真を撮ってもらうことができます。   パソコンで高画質のビデオ通話を ノートパソコンやデスクトップ パソコンに内蔵されている画質の粗いウェブカメラを使ってビデオ通話をする必要はもうありません。Google Pixel Fold または Google Pixel 6 以降のデバイスを USB でノートパソコンやデスクトップ パソコンに接続するだけで、高画質のビデオ通話を利用できます。*4   スキャンしたドキュメントをスワイプするだけできれいに Google Pixel の新しい機能は、スキャンした文書の汚れ、シミ、折りじわなどを取り除くのに役立ちます。カメラ アプリからアクセスして、数回スワイプするだけで画像を変換できます。*5   修理中にパーソナル データの安全を保つ デバイスを修理に出したり、サービスセンターに持ち込んだりするなど、デバイスが自分の手の届かないところにある際に、個人データが保護される修理モードを使用すれば安心です。 スマートフォンのロックを簡単に解除 両手が塞がっていたり、サングラスをかけているなどで顔認証ができないときなど、スマートフォンのロックを解除する便利な機能が Google Pixel Watch に加わります。Google Pixel Watch を使用して、パスワードを入力したり、指紋や顔認証をせずに、近くにある Google Pixel スマートフォンのロックを解除できるようになります。*6   気が散る騒音を除去 Google Pixel Tablet のビデオ通話で、雑音を軽減し、音声を強調できるようになりました。Google AI によるクリア音声通話は、タブレットのビデオ通話で最高の音声品質を実現します。*7 臨場感あふれる音を 新しく空間オーディオを楽しめるようになった Google Pixel Tablet を使用して、お気に入りの映画や番組を鑑賞すると、自分自身が映像の中にいるかのように感じることができます。*8 違いを実感するために、まずはスピーカーで音を聴いてから、 Google Pixel Buds Pro をペアリングして、没入感あふれるヘッド トラッキング付き空間オーディオを体験してみてください。*9   自分らしさを表現するためのさらなるカスタマイズ オプション   天気と時計がひとつに 時計アプリの世界時計タブとウィジェットに気象状況と毎日の天気予報を追加することで、目覚めたときからその日の天気を把握することができます。この機能は、Google Pixel 5a 以降のスマートフォン、Google Pixel Fold、Google Pixel Tablet に展開されます。*6   Google Pixel Watch (第 1 世代) の新機能 Google Pixel スマートフォンと Google Pixel Watch (第 1 世代) の連携と利便性が向上し、Google Pixel Watch (第 1 世代) でも Google Pixel Watch 2 と同様に、おやすみモードと就寝時間モードをデバイス間で同期できるようになります。また、文字盤のデザインとコンプリケーションもご利用いただけるようになります。 注釈: *1  Google フォト アプリが必要です。 *2 Google Pixel Tablet、Google Pixel Fold、Google Pixel 6 以降のスマートフォンでご利用いただけます。 *3 これまでの Google Pixel スマートフォンと比較して。 *4 UVC(USB Video Class)に対応しているデバイスが必要です。 *5 Google ドライブ アプリが必要です。ドキュメントの不要な要素をすべて取り除けない場合もあります。Google Pixel Tablet、Google Pixel Fold、Google Pixel 5a (5G) 以降のスマートフォンでご利用いただけます。 *6 Google Pixel Tablet、Google Pixel Fold、Google Pixel 5a (5G) 以降のスマートフォンでご利用いただけます。 *7 Google Pixel Tablet… http://japan.googleblog.com/2023/12/feature-drop-december-2023.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=tumblr Google Japan Blog
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extrance178 · 11 months
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23.10.19 新宿の考察
先日からオフィスが都庁前になった。バキバキオフィス。
都庁前駅の方が職場は近いけれど、京王線から大江戸線のホームまでの行き方を知らないため、新宿駅から歩く。
1人で無数のビルが倒れてくる妄想をしている。小さい頃にTSUTAYAでレンタルして狂ったように見ていたウルトラマンの足元はこんな感じだっただろうか。
先週の土日、法事で実家に帰ったら近所のTSUTAYAは潰れていた。スイミングをサボるためにトイレで水着を濡らした思い出のTSUTAYA。たくさんCDを借りたし漫画も文房具も買った。こうやって少しずつ覚えている映像は消えていつか誰かが思い出せなくなってしまう。
はなしは新宿に戻る。おれは等間隔のみどりを見て目を休ませる。空が遠い感覚。せまい。これ全部のビルに会社があんの?嘘だー。こんなに世の中に仕事って必要か?お値打ちのポップ、フォントの違う文字、カラフルな自販機、地下通路。テレビで見たことある建物。オフィスの窓には向こう側のビルが映る。本当に知らない場所、昼間なのに点滅する光。あまりにも資本主義。おもしろいけどおもしろくない。
帰り道、ヨドバシカメラの前にある白いベンチに腰掛ける人たちは全員スマホを見ている。おれもこの文章はスマホで書いている。全員が同じポーズできもちわるい。猫背は悪化の一途をたどり、眼精疲労、睡眠の質が落ちる。おれはなんかつまんない人間になる。
真っ暗な場所で眠りたい。「いごこち」っていい概念だと思う。決して都会のアンチではない。大概クソだと思うけれど、田舎もクソ。(別にそれでいいと思う。)街は生き物みたいだとも思う。道路や線路は血管で、おれらは血とか細胞。建物は肉とか皮膚とか臓器とか。血湧き肉躍るってそういうことか!あと、血も悲しいし肉も変わる。
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kuutosuzoo · 1 year
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またもや春の夜の珍客
何処から入ってきたのか?招かざる客に我が家は大騒動!
 春になると新芽が出て草木が成長していこうとする。たおやかに空間を彩る桜は夜も穏やかで綺麗だ。その下にはタンポポやスズメノエンドウやスノーフレークやらが自生している。
 近くの公園の芝が様々な花に彩られているのだが、我が家の庭も好き勝手に自生した草花が所かしこに咲いている。麗らかなこの季節、私の悩みは季節風が運ぶ黄砂と花粉、雑草と形容し難いこの草花の存在だ。
 黄砂や花粉はまだ良い。部屋を閉め切って数台の空気清浄機を花粉除去で運転すれば良いのだから。問題は勝手に自生してしまっている草花だ。
 花粉症が酷くならないように、出かけるのもマスクとメガネは必須アイテム。コロナ以前に花粉症対策でなくてはならないものだ。そんな私に草むしりは苛烈極まる自殺行為になってしまう。いつもは根っこまで枯らす除草剤を撒く主人だが、忙しさもあり放置状態になっていたため、これ幸いに伸び放題になってしまった。
 別段、雑草ぐらいで大げさなと思われるかもしれない。しかし、雑草が伸びてしまうと、コンクリートで固められた家の土台に葉が付くため、虫が隙間から入って来てしまうのだ。そのため、除草剤の後に蜘蛛やムカデやゲジゲジにカマドウマのようなものまでの侵入を阻むため、殺虫剤や虫よけを周囲に撒いている。
 現に過去には、それはそれは大きなムカデが堂々と入って来た。古来より毘沙門天様の使いとされているウンチクを知っていた私は殺生などできず、どうやって家の外に出てもらうか考えGoogle先生で調べたら、掃除機で吸引して逃がすのが良いとあったので試してみた。
 いや、ムカデよ・・・滅茶苦茶素早い!!足がいっぱいあるからなのか?とんでもなく素早い高速移動だ。この時も真夜中の珍事であったが、見過ごすわけにはゆかない。
 我が家には動くものに反応して喜々と飛び掛かる猫様がいるのだ。ムカデの毒は強烈なので、惨事になることは避けたい。
 ゆえに、私と主人は是が非でもムカデにご退出願うしかなかった。吸引力抜群のダイ〇ンハンディクリーナーを片手に、ムカデを追いかける私。傍らには愛猫を抱きしめて見守る主人。
・・・・なんか、違う気がするんですけど?立場、逆っぽくない?
「ムカデ、居なくなった!!」
 主人の声に我に返ると、ムカデの姿が消えていた。洒落にならない。真面目に刺されたら人間でもやばいから。恐怖しかない。
「あ、居た!」
 主人の目線を見ると、下ではなく上を見ている。
「上?!なぜ、上?」
「カーテン伝いに上ったんだな、俺たちを見下ろしてる。」
 奇妙な殺気を感じて見上げた先に、カーテンレールの上に上半身を起こして手?足?をワラワラと動かしながら見下ろすムカデの姿。完全にロックオン状態だ。
怒ってらっしゃる~~!!!
 ムンクの叫びの如く、ひょぇぇぇっ!と叫びながら一瞬で涙目になった。
「マジでお使い様なんかっ?いやいや、殺生不味いから!!しないし!真面目に外に返すから!」
 ナウ〇カのように噛まれても「ほら大丈夫」なんて言えない。パニック状態で掃除機のノズルを向けると、一層威嚇のポーズをとられる。昆虫という枠組み外の何かなのだろう、彼は私たちの行動を理解して行動をとっているのだ。彼をただのムカデとしてみてはいけない。
「あの、弱で吸うんで入ってくれませんかね。お外に返ってもらうだけなんで。」
 誰と交渉してんのさ?と思うかもしれないが、この時の私に人間の矜持なんて無かった。頼んでどうにかなるものなら、円満解決が一番だからだ。
「お願い入って!!」
 覚悟を決めてノズルを前に突き出し、カーテンレールをなぞるとコトッと音がしてムカデ様が入ってくれた。奇跡だ・・・。
「捕獲できたね。」
 ホッとした主人の言葉に、やはり立ち位置が違うんじゃないか?とツッコミたかったが、ムカデ様との約束がある。
「近くの林に返してくるよ。」
 入った瞬間に吸引を止めたので、ムカデ様は元気に動き回っている。虫かご化したダイ〇ンを小脇に抱え、夜道を歩く。
「放しても、戻ってこないでくださいね。」とか「できるだけ草が多いところが良いですかね。」とか、掃除機を抱えた女の独り言はなかなかシュールだっただろう。すれ違う人が居なかったことに感謝しつつ、家から離れた林の地面に近いところで蓋を開けた。
 パサッと音がしてムカデが地面に降りたのを確認してから、その後ろ姿を見送った。
 このような経緯があったため、草を家の土台に付けないことと、虫よけを家の周囲に撒くのは必須だった。しかし、最近を振り返ってみても除草剤を撒いただろうか?いやまだ撒いていない。しかも、虫よけも・・・だ。
 こんな懸念を覚えていたある日の夜、主人が愛猫の奇妙な仕草を怪しんで私に確認する様に促した。
 そっと覗き込むと、いつもカーテンに隠れて窓越しに外を見ている愛猫が、真逆の事をしていたのだ。彼女はカーテンから顔だけ出して天井を見上げている。しかも、その目が小刻みに揺れて何かをロックオンしているのだ。脳裏に何時ぞやのムカデ様がよぎったが、さすがに天井にはいないだろうとホッとした。
「な・・・何を見ているの?」
 話しかけた瞬間、低重音のブーン!という嫌な羽音!居間を飛び回る大きなカメムシ!
 スズメバチでは無いことに安堵しつつ、無言でダイ〇ンのハンディクリーナーを持ってきた。しかし、肝心のカメムシの姿が無い。またもや、見失ってしまったのだ。入念に辺りを見渡しながら視線を上に向けると、天井近くの額縁にいた。
「届かないから採って。」
 むんずと掃除機を差し出し、主人に渡した。あっという間にカメムシを捕獲した彼は、「外に逃がしてくる」と言って出ていった。
 ムカデ騒動から、きっと癖になっているのだろう。「二度と入ってくるなよ」と思いを込めて、今日も虫を放したのは言うまでもない。
こちらの記事は下記サイトで掲載しています。Tumblr登録前の過去記事はプログラムの余分設定で自動共有ができなかったので、愛猫の話だけこちらのTumblrで載せてます。
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sawakotanaka · 1 year
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全国ツアーヨガと日本の心2023
#ヨガと日本の心#ご挨拶リレー
シュリカリジャパン全国ツアーは���今各地で開催中!
ご挨拶リレーは、広島県の尾道市で6/3開催の石橋優希先生からバトンをもらいました。いつもありがとうございます♪
@yuuki__yoga
「6/4(日)シュリカリと日本文化の魅力1dayリトリート」を開催する、田中佐和子です。
『アーユルヴェーダのウォーキングマッサージとヨガ2時間とお話会』
ヨガの内容は、いつものように体の柔軟性は気にせず、静かに自分を見つめ、初心者も経験者も一緒にヨガのポーズを楽しみます。私たちの心身をすこやかに保ち、日常生活をより豊かに向上させてくれるものです。
お話のトピックは、「シュリカリとは?ズバリ気持ちのよさ。一見ヨガのポーズをしているんだけど、気持ちがいいってどうゆうこと?」「ニコニコしてるそんな自分に会いたくて」「素直な心が一番」などなど。
そしてヨガと日本人の感性は、とてもよく似てるんですよ〜♪というお話トピックは、「美しき人」「世界にひと花」「私たちのすぐそばで」etc etc...
いっきにヨガに距離が近づいて、体を動かす習慣で毎日リフレッシュしていくと、日常生活がもっとワクワクするものに。暮らしの中に根付いてる日本人の心を掘り起こして、毎日生活にスパイスを。
肩の力を抜いて、どうぞお楽しみください☆
◇日程 
2023年6月4日(日)
◇時間 
開場 9:50 / スタート10:00 / 終了予定 16:00
◇会場
曹洞禅宗 恵運寺 
和歌山市吹上3-1-66
@daihouzaneunji
◇アクセス
車:和歌山ICより30分 無料駐車場あり(約20台)
バス:JR和歌山駅、または南海和歌山市駅よりバスにて「日赤医療センター前」下車徒歩5分
◇参加費 
6,000円 ペア割 −500円
nowaさんのお弁当(地元農家の無農薬の季節野菜を中心に全7品)
@nowa_kurashi
ケイトシィさんの焼き菓子(猫の肉球の形のマドレーヌ)
@patisserie_kaitsith
◇定員 15名
◇予約 
プロフィールのURLレゼルバ予約サイトから
Instagram DM
公式ライン: @201wqxny
☆あと若干名で受付終了です
◇スケジュール
  9:50〜受付開始
 10:00〜アーユルヴェーダのマッサージ(ペアになってお互いの全身を足で揉みほぐし)
 12:15〜お昼ご飯
 13:00〜お話『シュリカリの特徴と魅力』
 13:30〜ヨガ2時間
 15:30〜お話『ヨガと日本人の感性』
※時間は多少前後する可能性があります
※それぞれのプログラムの間に休憩時間あり
恵運寺さんは、和歌山城の南側の住宅やお寺が立ち並ぶエリアにあります。近くに八代将軍・徳川吉宗生誕の地があります。
和歌山の忍者に伝わる書物を書いた人物の墓石があり、歴史が詰まったお寺です。
境内に一歩入ると、静かでゆったりと落ち着き、気持ちのいい空間です。綺麗で大切にされています。
乳房のあるお地蔵さんをはじめとする十三体のお地蔵さんがお祀りされています。和歌山県紀美野町にかつて祀られていたお地蔵さんは、建物の老朽化と堂主の高齢化により行き場を失っていました。ある日、抜魂のため恵運寺を訪れた人が、恵運寺の稲荷社再興の際、素性を明かさず社殿を寄進し立ち去った人、その人であったことを知った住職がこれぞ仏縁と感じ、処分する事なくお祀りするに到ったそうです。
このお話で私は、「情けは人の為ならず」という日本のことわざと、「鬼滅の刃」で出てくるセリフ『人のためにすることは、巡り巡って自分のためになる。』を連想しました。
かっこいい素敵な御朱印は、イベントの日、終日対応可能の予定だそうです♪
どうぞよろしくお願いします。
さて続いては、6/10(土)に名古屋で1dayリトリート開催の、私の俳句の師匠、千葉律子先生に、
@ritsuko_go_go
バトンタッチします☆
全国各地で開催☟
総合案内
@yoga_life_shri_kali
https://shrikali.jp/ws2023/
▼ お話し会とヨガクラス
#全国ツアーワークショップ
#ヨガと日本の心
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Shri Kali Japan
https://shrikali.jp
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#好きな事しよう
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yuupsychedelic · 3 years
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詩集「いつかの君に逢いにゆく」
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詩集「いつかの君に逢いにゆく」
1.「君の唄うラブソングが好きでした」 2.「プリマドンナは君だけ」 3.「君と僕とオースチン・ミニ」 4.「硝子のココロは君のせい?」 5.「君はハートブレイカー」 6.「いつかの君に逢いにゆく」 7.「嫉妬」 8.「私たちの結婚」 9.「あなたと私とユナ」 10.「シンガーソングライターの時代」 11.「最後のツイスト」 12.「SINCE 2022」
1.「君の唄うラブソングが好きでした」
大人になったら 無邪気な恋を懐かしむ 大人になったら 穏やかな愛に憧れる 私もそうなるのだと信じてた
ウエディング・ベルは遥か遠く ラブソングさえも似合わない 野良猫のような青春を 風に吹かれながら生きてしまった
あなたに出逢う前は知らなかった こんな気持ちになるなんて 嬉しい 悲しい 楽しい 当たり前の気持ちが愛おしい
愛とは互いを認めあうこと あなたの音楽が好きでした
大人になったら 無意識の恋をしなくなり 大人になったら 爽やかな愛に憧れる 私に無縁だった日々の決めつけ
パクチーもコーヒーも嫌いなまま お酒もタバコも未体験 野良猫のような青春を なんとなくで生きてきてしまった
あなたに出逢う前は知らなかった こんな気持ちになるなんて 辛い 切ない 悔しい 当たり前の気持ちが愛おしい
あなたのために大人になる 僕だって大人になれる 恋も 愛も 夢も いつかわかるようになるから
愛とは互いを認め���うこと あなたの音楽が好きでした
熱に浮かされたように 初めて恋に堕ちた だけど時を重ねるうち 現実へ還っていく
あなたを何故好きになり あなたの音楽に何故惹かれたのか…… ふと正気に返る瞬間が深い傷になる
あなたに出逢う前は知らなかった こんな気持ちになるなんて 辛い 切ない 悔しい 当たり前の気持ちが愛おしい
あなたに出逢ってからの私と あなたに出逢う前の私は 確かに変わったけど 今の私にあなたは居なくてもいい
愛とは互いを認めあうこと あなたの音楽が好きでした
本当はあなたのことも好きになりたかった…… 君の唄うラブソングが好きでした
2.「プリマドンナは君だけ」
もし君が傍にいるなら こんなに不安にならないのさ 僕はもう吹っ切れたよ
未熟を涙で誤魔化さず すべて捧げた青春 それでも君の幸せを願ってる!!
出逢った時から 君は学校のスタアで 何故恋人なのか不思議だった
今思えば…… 見透かされてたんだよね なんて愚かなんだろう
仮に時を戻せても きっと同じ過ちを犯す 嘆くだけじゃ始まらない 人生という名の物語
もし君と恋が続いたら やりたいこともあったのに 未だ上の空
孤独を涙で誤魔化せず すべて晒した青春よ それでも君を好きになって 僕は変わった
誰かと手を繋いだのも ファーストキスも いつも君が初めてで 大人になってからも 君と恋がしたかった
でもアイツと出逢って 君も変わってしまったよ
もし君の想いを縛れたら ここに繋いでおけるのに 現実は残酷すぎて
うつろな瞳で 僕を見つめる君は もうかつての君じゃなく 誰かの恋人
本音はアイツを懲らしめて 君を奪い返したい
だけど……そんなことをしたら 君が傷つくと知ってる
ここは僕が引き下がった方がいい 大粒の雨よこの愛を流して
もし君が傍にいるなら こんなに不安にならないのさ 僕はもう吹っ切れたよ
未熟を涙で誤魔化さず すべて捧げた青春よ それでも君の幸せを願ってる!!
どんなに時が流れても プリマドンナは君だけ 素直に愛を注げるのは今も君だけ
孤独を涙で誤魔化せず すべて晒した青春よ
それでも君を好きになって 僕は変わった
3.「君と僕とオースチン・ミニ」
壊れかけのドアに なけなしの身を委ねた 遥か昔 青春の頃 オンボロ・ワゴンで行こう!
出来立てのハイウェイ 朝焼けに向かって走れ 水平線 まだゴールは見えず 昔話を弾ませて
カリフォルニアの風が サンルーフを揺らす 三速から四速に上げて 少し先へ急げ
散らかったままの夢の痕 始まりのトレーラーハウス 屋上で二人誓った 夢をこれから叶えにゆく
あの赤い橋を越えて アイツの背中を掴め!
かつての恋人や 好きだった君の面影 目��地が近づくほど 気分はセンチメンタル
今やジャーニーマン 夢のために Here we Go…… 水平線 明日はどこへ? その日暮らしの俺でも
カリフォルニアの風が 涙を誤魔化すよ 人の暮らしと自由な生き方 信じてほしい
ありふれた言葉じゃ語れない 平凡な夢じゃやり尽くせない だから素晴らしき人生 この夢は終わらない
怒りも抱きしめて アイツの背中を掴め!
リアシートで眠るギターが すべてを慰める 叶わなかった恋や 掴めなかった夢さえも
散らかったままの夢の痕 始まりのトレーラーハウス 屋上で二人誓った 夢をこれから叶えにゆく
ありふれた言葉じゃ語れない 平凡な夢じゃやり尽くせない だから素晴らしき人生 この夢は終わらせない
カリフォルニア・ドリーマー 赤いクルマからすべてを始めよう
4.「硝子のココロは君のせい?」
春かすみ 昼下がり 目に留まる その背中 すべての始まり……
春宵 卒業の日 何も始まらぬ 虚無感 すべては片想い……
好きになればなるほど 嫌いが怖くて 愛が強ければ強いほど 見えぬ何かに怯えてる
そんな情けない俺を お前はどう感じただろう どうせ目にも留まらず ただの知り合いだったろう
嗚呼 未だ忘れられない 青春時代の恋心
夏祭り 友と訪れ 目に留まる その黒髪 心 燃え上がる……
だが涼風 また後悔 消えてゆく 面影に 心 崩れていった……
時が経てば経つほど 好きが怖くなる 距離が縮まるほど 些細な綻びは目に留まる
こんな俺だからこそ お前は愛さなかっただろう どうせ視界にも入らず ただの知り合いだったろう
嗚呼 未だ解けない 青春時代よ…… 恋の魔法よ……
「あなたの心には他の誰かがいる」 恋をするたび 最後はいつもこの言葉
嗚呼 未だ忘れられない 青春時代の恋心
嗚呼 未だ解けない 青春時代よ…… 恋の魔法よ……
愛が深くなるほど 嫌いになる
5.「君はハートブレイカー」
たとえ都会に染まっても あなただけは忘れない……
いつか、こんなことを君は言ったよね 久しぶりにばったり会ったら 見知らぬ誰かと手を繋いでいた 思わず他人のフリをして 通り過ぎるしかなかったよ
あなた色に染まりたい あなた色に染まってみたい
僕なんかじゃ不満だったよな 負け犬は静かに去るだけ 君はハートブレイカー
たとえ人混みの中でも あなたを見つける自信がある……
いつか、こう笑顔で指切りしてくれたよね アプリの中の君に かつての無垢な姿を重ねる 思わず涙が溢れてきて また世界が君色に染まってしまったよ
わたし色を知りたい わたし色を知ってみたい
僕が最初に見つけたんだ 星空に呟いても虚しすぎて 君はハートブレイカー
愛ゆえに悲しい 君を本気で愛してたから
初めて出逢った時の僕らは 少しだけ髪が長くて短かった でも幼いなら幼いなりに 君のことをちゃんと覚えてた そしていつの日か君に告白した
あなた色に染まりたい あなた色に染まってみたい
その決め台詞(キラーフレーズ)は かつての僕への決め台詞 時を戻してよ
今の君も好きだけど 昔はもっと輝いてた ねえ、覚えてるよね?
この言葉に一瞬目が泳いでも 表情に迷いはなかった 剥がされた瞬間 僕は悟ったよ 恋も青春も終わったこと
それでも君を好きになってよかった ハートブレイカー
6.「いつかの君に逢いにゆく」
君と交わした約束を頼りに あの街へ帰ってきた 変わらぬ景色 懐かしの友 白黒写真に色がつくよう
大人になったら 私たち結婚しようね
無邪気な言葉に 確かな愛情 忘れられない記憶
ふと君のことを尋ねると いきなり友は沈黙して 口を噤んだまま 何も言えなくなった その瞬間 僕はすべてを悟った……
ずっと傍にいれたら こんな結末はなかったのかな 後悔の海に身を投げたまま この罪を一生背負わなければならないのか
僕らのまっすぐ過ぎた愛に 慰め���言葉はいらない 君の笑顔も 怒った顔も 全部守ってあげたかった
ごめんね 今更遅過ぎたよね
君のことが心配だったんだ 押しが強いけど決められないところとか 情に脆いところも 困ってる人を放っとけないところも 僕がついてたら何か変わったのかな
春になったら この街を出るんだ
無邪気な言葉に 唖然とする君 今思えば……
叶いもしない夢を追いかけた日々 友は僕を責めるけど あの頃は走ることしか頭になかったんだ 誰の顔でもなく自分しか責められない どんな言葉も綺麗すぎるんだ
ずっと夢中だったら こんな結末はなかったのかな あの子は少しばかり優しすぎたんだ 友の言葉が胸に刺さったまま
僕は君のぬくもりを求めて 故郷をただ彷徨うだけ 別れ際、飛び切りの笑顔を見せてくれた あの表情がすべての餞別……
ごめんね 未だ信じられない
次の日…… ある友から見せられた写真に ぬくもりを求める君の姿が映っていた 見たこともないポーズに舌を出して まるで別人のように笑ってた
そして「これがあの子の最期の写真だ」と 彼は力なく呟いた
守ってあげたかった 一緒にいたかった もっと話がしたかった 優しくなりたかった
痛みをわかりたかった 笑いたかった そして何より…… もっともっと君を知りたかった
いつかの君に逢いにゆく この虚しさを責めてほしい 誰の声でもなく君の声で 僕に「何してるんだ」と言ってほしい
もっともっと君を好きになりたかった ぎゅっと君を抱きしめたかった 最期くらいは傍で君を守りたかった
7.「嫉妬」
決して見えぬように 心にかさぶたを貼った
自分自身を演じて ここまで生きてきたけど 本当に残ったのは素直な僕だけ
遥か彼方のステージで 君は君の歌を唄う そのメッセージで狂喜乱舞 いつか憧れた姿さ
何度でも 何歳でも 倒れたら立ち上がって やり直す勇気があるなら 泥だらけでもいい
いくつになっても 自分だけの意地を持って 人は死ぬまで生まれ変われる だから今日からLet's Try!!
つらいことはつらいと言えず 嬉しいことも誤魔化して 似合いもしない仮面劇(ポーカーフェイス) ひとり演じてきた
いつかの君に憧れて 君の真似もしたけど そう簡単に上手くはいかない 言葉じゃわかっているさ
はじめてのときめきを 僕は忘れてないかい? 倒れても立ち上がり ずっと愛のままに
僕は僕なりに素直に生きる 必ず叶えてみせるよ 何度でも 何歳でも 走る!! いつでもTry Again!!
叶いそうで叶わなかった あと一歩が大差だった 何度見たかわからない 悔しさの河の中に 眩い光をもう一度だけ見つけてみたいよ
星空の海に言葉の橋を架けよう たとえ届かぬ虹の先も 今の僕なら手が届く気がする
何度でも 何歳でも 倒れたら立ち上がって やり直す勇気があるなら 泥だらけでもいい
明日も 明後日も 胸を張って失敗しよう 何度でも諦めず 未来の風向きを信じて
いくつになっても 自分だけの意地を持って 人は死ぬまで毎日生まれ変わる だから今日からLet's Try!!
僕は僕なりに素直に生きる 必ず叶えてみせるよ 何度でも 何歳でも 走る!! いつでもTry Again!!
僕の未来に見えるのは 輝ける明日さ
8.「私たちの結婚」
静けさのベルリネッタ 穏やかに微笑む 神戸港が美しい
階段下ですれ違った女(ひと) 何者でもないその瞳(め)に どうしようもなく 惹かれてしまったわ
優柔不断が売りなのに この日だけは違った いきなり足が動き出し 両手掴むまで止まらずに
きらめくオリオンの調べに乗せ ふたりの恋が深呼吸する 夜空の星に誓った愛は きっと永遠になるの
出逢いの街 チャペルで交わしたキスは 恋が結ばれた証
麗しのビドゥルボ 月夜に照らされ ネオンは旋律を奏でる
指輪では判らない 言葉では現せない こんなに強い気持ち 生まれて初めてよ
普段は何も言えないのに あの日だけは違った 運命の悪戯みたく 次々と言葉が生まれたの
ときめくカニス・ミノルの導くまま ふたりの恋は天体を飛び立つ 幾多の時が刻まれたこの宇宙で あなたのすべてを愛したい
出逢い��街 ふたりで築いたテラスは 恋が愛になった証
こんなに深く美しく 私達は愛し合っているのに 夜明けを待つばかりで何も出来ない 歯がゆい想いはもう終わりにしたいの
さあ、行こう! カニス・マヨルの奇跡を信じて 喜望への道 ここはドーバー海峡
この街ならふたり結ばれる 狂おしく愛おしい生活(くらし)を手放しても 遠く離れた街で願う いつか戻れるよね
出逢いの街で 答えを求めた 青春の日々が懐かしい
今は見知らぬ街で 新しい生活(くらし)を…… ふたり捜している
9.「あなたと私とユナと」
きっと幼馴染だよ みんなはこう表すけど 実は最近出逢ったばかり
同じクラスになって 一気に仲良くなってさ
あっという間にお決まりの三人
好きとか嫌いとか そんなのじゃなくて 一緒にいないと落ち着かないの 離れたら恋しくなるの
ふたりと友達になれて 本当に幸せ
あと一年もしたら 別々の道を歩むけど それまでにいっぱい作りたい とっておきの思い出
大切なあなたと 恋って言葉じゃ測れない 私たちの記憶を 残したい
休み時間も帰り道も ずっと三人だった 一緒にいないと淋しいの 離れたら私じゃないの
いつもわがままばかりでごめんね My Friends……
このまま大人になれるって 高校時代は誰もが一度は思い込む 本当は違うのにね 笑いたくなるほど私達は純粋で 現実を知ったとき 立ち尽くす……
いつも最初はユナだった 何かを決める時は そんなユナを信じてる 幸せ・恋愛・その未来 もちろん……あなただって
好きとか嫌いとか そんなのじゃなくて 一緒にいないと落ち着かないの 離れたら恋しくなるの
ふたりと友達になれて 本当に幸せ
いつまでも私達 たまには逢おうね
10.「シンガーソングライターの時代」
自分の想いも考えも伝え方を知らずに 気づけばギターをつま弾き歌ってた あの時めきが運命でした
数えきれぬほどの歌を作り 時に罵声も浴びました それでも自分だけを信じて 歌ってきて良かったと思います
“シンガーソングライター”なんて呼ばれて カラーページに顔を出すようになって 何か変わったわけでもないのに 「あいつは変わってしまった」とか 「商業主義に走った」とか 勝手なこと言ってんじゃねえよ
今の私を愛して 私の歌だけを信じて 心が闇に包まれた時こそ 私だけを見てほしい
私だけが季節に取り残された気がして レゲエとかフュージョンとか なんでもやってましたよね
でも自分のいいと思ったものが やっぱ一番いいんですよ そんな当たり前に気づいたのは ちょっと遠回りしたからなの
“シンガーソングライター”なんて呼ばれて 若いからってチヤホヤする奴がいる 「男だから」「女だから」ってなんだよ 「あいつは生意気だ」とか 「その態度が気に食わねえ」とか 勝手なこと言ってんじゃねえよ
今の私を愛して 私の歌だけを信じて 心が闇に包まれた時こそ 私だけを見てほしい
私があなたを愛して あなただけを抱きしめて 共感のぬくもりをあなただけに 私だけを見てほしい
すぐ側を通り過ぎていった仲間へ 階段を降りていった仲間へ あの日の教室で語らった夢 それぞれの場所で今も覚えていますか?
今の私を愛して 私の歌だけを信じて 心が闇に包まれた時こそ 私だけを見てほしい
私があなたを愛して あなただけを抱きしめて 共感のぬくもりをあなただけに 私だけを見てほしい
11.「最後のツイスト」
ナイトクラブで夜通し 踊り明かしていた頃 私はちょっと天狗気取りで 腰を振っていたよ
あなたに出逢っても 時々知らんぷりして いつか頬を叩かれるまでは ロクに話もしなかった
フォークソングの季節は過ぎ去り 冬の街をふたり歩く たしかな愛も掴んだけれど 恋愛よりも大切なあなただけは忘れられない
最後のツイスト 若かったあの頃 身も心も歳を取ったが 忘れられない…… 忘れたくない夢がある
アルバトロスが潰れて 行き場を失った時 ボブ・ディランはもう合わぬと 楽譜を燃やしてしまった
かつてのあなたによく似た若者 街ですれ違う度 その面影 気付いて振り向いても 矛盾混じりの溜息
熱に浮かされた季節は過ぎ去り 冬の街をふたり歩く 子どもも幸せも巡り逢えたけど 今でもあの頃のあなたが忘れられない
最後のツイスト 歳を重ねた今こそ 身も心も歳を取ったが 負けられない…… 負けてられない意地がある
いつかあなたの好きなアイドルも 時代が終わる時は来る そして振り返ると気づくだろう 早送りのビデオみたいだ…… まるで
若さだけで走れた季節は とうの昔に過ぎ去り 冬の街をひとり歩く 今だからわかったことがある 時代は気まぐれさ
最後のツイスト 若かったあの頃 身も心も歳を取ったが 忘れられない…… 忘れたくない夢がある
最後のツイスト 歳を重ねた今こそ 身も心も歳を取ったが 負けられない…… 負けてられない意地がある
最初で最後のツイスト 始まりはあなたから
12.「SINCE 2022」
ひとつ上の先輩に憧れて 私もピアノを始めたよ 最初はこんなステージに立てるなんて 想像もしてなかったけど
今はあなたがいるから どんな歌も声も力になる 大切な人や愛を守るために 今日もここで音楽を奏でるわ
三国ヶ丘のステージで 恋の歌を歌っていた頃 聞いてくれたのはふたりでも 心は胸いっぱいのぬくもりに満たされてた
今こそあの頃に感謝を あなたと青春を謳おう
明日に向かって 一歩目を踏み出す 勇気があれば それでいいよ
夕陽が沈む寸前の公園で あなたとよくセッションをしたよね 庄内の街で愛を叫んでいた頃は まだ大人になりきっていなかった
いつか友と夢を語り合った日は どんな歌も届く気がした 遠い国で音を見つめるあなたに この声は届いているかな?
心斎橋のステージで 無邪気に歌っていた日は どんなに叫ぼうとも明日は見えずに 帰りの電車で愚痴をこぼしてばかりだった
今こそあの頃に感謝を あなたと青春を謳おう
夢があるなら 私と一緒に 勇気があれば それでいいよ
もう愛の歌を唄いたくはないと 恋人とぶつかった日もある 大恋愛が終わった夜 かつての友に久々に電話をした
嫌いになりかけていた音楽が 友と歌うだけでまた好きになった
私はやっぱり音楽しかないの 愛すべきものがわかった気がした
三国ヶ丘のステージで 恋の歌を歌っていた頃 聞いてくれたのはふたりでも 心は胸いっぱいのぬくもりに満たされてた
今こそあの頃に感謝を あなたと青春を謳おう
明日に向かって 一歩目を踏み出す 勇気があれば それでいいよ
あなたと私のこのステージは すべての物語の始まり かつて私が音楽を始めた頃 無邪気に夢見てた場所
夢は叶えるためにあるもの 一緒に手を取り合って 私はそれが偶然音楽だっただけ あなたとまだ見ぬ夢を叶えよう
今こそあの頃に感謝を これからもあなたと…… 青春を謳ってゆこう
2021年12月20日:詩集「いつかの君に逢いにゆく」 作 = 坂岡 優 リスペクト = あいみょん, 松井五郎, 売野雅勇, イーグルス, 松本隆, 山下達郎, 高見沢俊彦, 高橋研, 辻村深月, 生田絵梨花, 幾田りら, LGBTQ+の権利のために闘い続けている人たち, かつてのクラスメイト, 中島みゆき, 吉田拓郎, すべての夢を追いかけるあなた, 私を応援してくれたすべての人たち, マックス・フェルスタッペン, 私のヒーロー(すべて敬称略)
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chibiutsubo · 3 years
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#猫
エリザベスカラーを付け���れて帰ってきた猫です。
いつも人間の姿を見ると「それ以上近寄んじゃねぇ!近寄るんなら遊んでいけよ!」とばかりに威嚇ポーズを見せてくるのですが↓
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この日は帰ってくるなりこれです
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自ら人間に寄ってきて、膝に乗ってくるではないか……。
「やっぱり猫がおかしい」
「よっぽど怖かったんやな……」
結局半日ぐらいずっと、私の膝に乗って過ごしていました。こんな日ぐらいは甘やかしてやろう。
いつもはあまり寄ってきてくれない猫なので、これはこれで可愛いな……これも去勢の影響なんだろうか?などと考えていましたが、翌日にはあっさり元の野生猫に戻っていたので、単にこの日は手術の傷が痛かっただけのようです。ほっとしたような、いや、でもゴロニャン猫の夢は夢と消えた……。
去勢をすると性格がちょっと変わる猫もあります、とは聞きますが、この猫に関しては特に何ら変化はなかったですね……。
人間の踝を追っかけ回して噛み付いてきたり、手を見ると襲いかかってきたり、シッコはトイレを飛び越していったり……
ひとつ、鳴き声だけは小さくなりました。
去勢すればきっとこいつもゴロニャン猫に!などと言っていた1ヶ月前の私に伝えたい。
「無理だったわ」
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endekashi · 3 years
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春の陽気に任せて。
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もうすぐは〜るですねえ♪ちょっと気取ってみませんかってコラァー!春早すぎじゃー!天気もいいし風も弱そうだから上連れてけやー!とのゲストからのリクエスト。上等じゃコラー!行ったるわい!
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本日はこちらのお二人。2人とも50代のおじ様。ゆっくりペースで上目指しましょ。
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かつてほうていというものが存在していたそうだが、今ではもうみられなくなり、滑り手達は姿を消し、代わりに多くの登り手達で埋め尽くされている。
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しかし、景色は変わらず美しい。というか、今日も黄砂がひでえんじゃねえかと覚悟していたが、上はすっきりと青空が見え2000m位より下が霞んでいました。
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ハードコア安室ちゃんファンの彼。い、いや、綿のTシャツはあんまり良くないんじゃないかな〜…。なんて言っても、どうやら大切なお守りらしく、過去に一度だけ安室ちゃんグッズを持って行かなかった時に怪我をしたそうです。さ、左様でございますか…。安室ちゃん、化繊のTシャツ出してくんねえかな?
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佐々木大輔さんや、伊藤悠規君達は今日、カクネ里で野宿して明日あそこ攻めるらしいっすよ。すごいですね〜。
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定番スポットなんでね、一応撮っときましょうかね。
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昨日、シットスキーヤーがドロップした斜面。登り返したトレースがまるでキャットの跡みたいっす。
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更に標高を上げ猫ちゃんの前でにゃー!
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どんどん標高が上がり目まぐるしく変わっていく景色に上機嫌なゲスト。
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ゆっくり登って遂にここまで来ました。折角なんで頂上まで行っときますか。
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二年前の九死に一生スペシャルな斜面。実は今日のゲストはあの時の彼です。
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猫の横顔。
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登頂成功!!お、えんでかしが現れた!ポーズ。ありがとうございます!
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ぎゃー!イノシシだー!助けてジョニー君!!
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天界から霞む下界を臨む。さーて、どこ滑りましょうかねえ。北面落とそうなんて思ってたけど、風で全然緩んでねえし、降りてからも雪少なくて大変そうだから来た道ちょこちょこ滑って帰りましょうか。
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てな訳でドロップ。いい感じに緩んで走るいいザラメちゃんです。
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極の上!
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Body feels EXIT!!
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キャンユセレブレイ〜!!
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あんま落とすと後が大変なんでこの辺で。いや〜下まで滑りてー!!
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ちょっとだけなんでね、これで登りましょ。
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ここで安室おじさんの電池が切れる。ねえ、もうこの辺でいい?ダメダメ!俺んとこまで来て!
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さー隣の斜面行ってみよー。
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縦溝がちょっと気になるけどまだまだ走る雪!
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いいですね〜。
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本日、一番気持ちよかったのはこの斜面!昇天しました。
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ここは天国かー!!
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更に隣のボウルも美味しそうですよ〜!とヨダレを垂らしていると、おじ様2人がもう���が限界と訴えかけてきます。あんまりいじめると、もう来てもらえなくなりそうなんで我慢しときました。
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終始走る雪で快適な移動。
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最後にデザート斜面をいただき、
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バック2リゾート!
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完全に足が終了している安室おじさん。終始この状態で降りて行きました。
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ゴンドラ駅に着くなり伸ばし始める。ゴンドラ下山が寧ろありがたい。
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いや〜よく頑張りましたね!いい景色見れて、雪も良かったし楽しかったすねー!!お疲れ山でした!&おしょっ様でした!!
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okdroiro · 5 years
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いんんー、睡眠薬いい仕事をしてる
ぷかりぷかりと浮かぶような気持ちよさ…誤字脱字多かったらごめんね
ってのは置いてお正月のお話です
嬉しいなぁ、とっても嬉しい
壱兄から年賀状が届きました💟近代化していく社会の中で変わらず紙媒体での挨拶ができる素敵な1年の幕開けなのです。
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壱兄の絵は筆の質感が残さているあたりや明暗のバランス、あと影にも青がはいっていて軽やかさが表現できているし
ポーズも動きがあって素晴らしいですよね🖼
私と一緒に物作りしたいっておもってくれているの恐らく壱兄しかいないから、嬉しくてすでに回復した𐤔𐤔
きっときっと合作絶対しよおね!約束だ!年賀状ありがとう🙏💟
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
今日は家事を頑張った一日だった
料理とか床ふきに洗濯、猫のうんちとかね
今日作ったのは鮭のちゃんちゃん焼きとお隣さんからもらったセロリが大量すぎるのでセロリのかきたまスープつくった、いいかんじ。
おいしかったどん🍽
明日は3時から2社面接、家に帰るのが7時とかになりそうだ。
話題は変わるが全くTwitterに顔出してなくて存在を忘れられそうで怖い、覚えていろ(他力本願)
ひと段落したらまたTwitterにもいきたいね…
ブログかくの慣れてきて楽しくなってきましたわ。またね
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ngttv · 5 years
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[番外]2019.2.8 - 23 パタゴニア フィッツロイ編
アルゼンチン3日目の朝。
時差ボケのおかげで、早朝からの朝食の活動がはかどるはかどる。
この旅行で毎日食べることになる同じような朝食も美味しくいただけた。
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7時過ぎにはホテルをチェックアウトし、この日の目的地のフィッツロイの登山口、チャルテンへとバスで移動。
移動時間はだいたい約3時間半。
24時間以上の飛行機移動を経て来ているので、3時間ぐらいなら屁でもない。
途中、鷹(?)のお出迎えを受けたり、ドライブインに住みついていた子猫とたわむれたり、何でもない川の辺りで記念撮影したり。
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フィッツロイのが遠くに見えるフォトスポットでは、おかしなポーズで記念撮影。
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とにもかくにも始終テンション高め。
チャルテンのホテルには11時に到着。
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チェックインするにはまだ早すぎるので、ホテルに荷物を預けてフィッツロイが望める展望スペースへトレッキングに出かけた。
話が少しそれるが、僕はここチャルテンがパタゴニアツアーの中で、一番楽しみにしている街だった。
数年前、「クライマー」という映画を見て、ダーフィット・ラマがフリー化したセロトーレを自分の目で見てみたいと思った。
本当はこの日はセロトーレへのトレッキングが予定されていたが、好天時にセロトーレを見ておいた方が良いとの添乗員さんの判断によりフィッツロイが望める展望スペースへと目的地が変更された。
ツアーである以上、他の参加者のみなさんの意見が尊重されて然るべきではあったものの、ダーフィット・ラマが事故で亡くなってしまった今、あの時セロトーレを見ておきけば…という気持ちが出て来てしまった。
後悔先に立たず。
さて、話を戻して…。
この日のトレッキング時間は約4時間。
翌日に控える本番フィッツロイトレッキングに備えての足慣らしも兼ねている。
ラマもこの風景を見ていたのかな…と嫁と交わした会話を思い出すと、今となっては何とも言えない寂しい気持ちになる。
フィッツロイの登山口はチャルテンの街はずれにある。
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添乗員さんから大まかなルートの説明を受けて、いざ展望スペースへトレッキング開始。
まずは登山口からほどないところで、ゆうに5m以上はありそうなチョーク跡のあるボルダー(岩)が僕らを迎えてくれた。
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パッと見た印象だと2〜3段ぐらいの難易度はありそうだったが、後日調べてみても正確なところはわからずじまい。
もう少し本腰を入れて調べるか、トポを買うでもしないと分からないのかもしれない。
その予想外のボルダーから少し歩き、視界がひらけたところに着いた。
まだ1時間も歩いてはいないものの、とりあえずここで一休み。
ここから見下ろす風景は、いま振り返れば何ということのないものではあるものの、旅の空気が感覚を麻痺させたのか、意味もなくジャンプして記念写真なんかを撮っていた。
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どっからどう見ても運動神経悪そうなジャンプで今更ながらに恥ずかしい。
ここから目的の展望スペースまでは1時間ちょっと。
途中でキツツキに遭遇することはあったものの、基本的にはあまり風景を楽しめるポイントも少なく、ただ黙々と歩き続けた。
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そしてたどり着いた展望スペース。
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セロトーレへの未練が、この風景を見て一発で吹き飛んだ。(この時は)
さすがパタゴニアを象徴する山、迫力半端ない。
ここでお昼休憩を取り、帰りは 別ルートで下山することに。
途中、カプリ湖越しにフィッツロイを見ることができ、これはこれでなかなかのロケーション。
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当然、ここでも記念撮影。
帰りもキツツキにお見送りしてもらいつつ、無事にチャルテンの街へ下山。
ここまで綺麗にフィッツロイを見れるのはとても運が良いことだったらしく、添乗員さんもかなりテンションが高まったようで、お祝いにクラフトビールをご馳走してくれた。
カラカラの喉に流し込むクラフトビールは非常に美味だった。
ただ疲れてしまってビールの写真を取り忘れたのは痛恨のミス。
取り返せない失敗ってあるよね。
夜ご飯はアサードばかりでは…となったので、ピザが美味しいレストランを予約してくれた。
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食後、21時をゆうに回っているにもかかわらず、空はまだまだ明るい。
この時期のパタゴニアは日が長く、時差ボケも合間って、21時ぐらいではまだ夕方ぐらいの感覚になってしまう。
せっかくなのでチャルテンの入り口まで散歩したり、その途中、放し飼いにされていた小型犬に妻が絡まれたりしつつ、パタゴニアの夜長を楽しんでフィッツロイの初日を終えた。
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そして翌日。
フィッツロイへのトレッキング本番。
ホテルのチェックアウトを済ませ、前日とは別の登山口へバス向かった。
この日のルートは、登山口からもフィッツロイを臨むことが出来るので、スタート直後から非常に気持ちが良い。
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途中、鬱蒼としたところも確かにあったが、要所要所で氷河などが望めるポイントがあるので、飽きることがなかった。
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ただ…、時期的なものなのか分からないが、この日のフィッツロイは毛虫が大量発生…。
記念写真ではもちろん楽しそうにはしているものの、本音を言えば、木々が生い茂っているところは早々に脱出してしまいたかった。
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こんなに最高のロケーションでも、道の両サイドにはおびただしい数の毛虫が…。
途中のキャンプ場も例外ではなく、嫁と「このキャンプ場には泊まれないね…」と話すほど。
ちなみにこのキャンプ場でトイレをお借りしたのだが、床が薄め&古めのベニヤ板で作られた汲み取り式便所(いわゆるボットン便所)だったので、ロシアンルーレットさながらのスリルを味わうことが出来た。
そこら辺の肝試しよりもよっぽど恐怖だったので、スリルを求める方はぜひ使って見てほしい。(非推奨)
このキャンプ場を越えた頃から、傾斜が徐々に急に、さらには気温もだんだんと高くなってきた。
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否応なしに足取りも重くなってくるはずだったが、少しずつフィッツロイに近づいている実感からか、疲れよりも高揚感の方が勝り、疲れをあまり感じることなく歩き続けることが出来た。
展望ポイント直前の踊り場に着く頃には、フィッツロイがもう目の前に。
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そして最後の坂を登りきった先に、僕らを待っていたのがこの絶景。
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目の前のフィッツロイも素晴らしいが、背後に広がる山麓の風景も開放感があり心地が良い。
360°どこを見ても、(多少人は多いものの)気持ちの良い景色が広がっている。
毛虫の恐怖も、ボットン便所のスリルも、そして約4時間歩いた疲れも一気に吹き飛んだ。
場の空気を乱していたのは僕ら夫婦のカワウソTシャツぐらいなものだ。
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この展望ポイントで30分ほど休憩を取り、下山の途へ。
時間はもう15時近く。
19時過ぎのバスでカラファテへと帰る予定になっていたので、あまりのんびりすることは出来ない。
とはいえ、下りの方が足腰への負担が大きく、体格の小さい嫁には一段一段の段差がかなり厳しい様子。
ただ日本からストックにだいぶ助けられたようで、なんとか最後まで歩ききることが出来た。
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下山後に簡単な食事でも…と添乗員さんは言ってくれたものの、ツアー参加者全員が疲労困憊。
とてもまともな食事が喉を通るような状況ではなかったので、スーパーでビール(大切)と軽食だけを購入して、これをこの日の晩御飯にした。
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犬の真似をしながら買い出しを待つ妻に、冷ややかな目線をあびせる外人さんの図。
カラファテへのバスではもちろん爆睡。
わずかなに途中のドライブインで人懐っこい子猫と再開した記憶だけは残っている。
カラファテに着いてからの記憶なんて言わずもがな…。
そして翌日は、プエルトタナレスへと向かう。
続く。
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konyokoudou-sk · 5 years
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Hellsinker.をめぐる備忘録④~DEAD LIARと決別の霊廟~
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(前回よりの続き)
前回は自機の一つのFOSSIL MAIDENとSeg5からSeg7までの攻略を概ね進めていました。 その時にSeg8のことにも少し触れましたが、それについては次の記事に書くのでちょっと待っていてくださいね。 今回は自機の一つなんだけど私の使用率がいまひとつなDEAD LIARさんと決別の霊廟について解説します。
(この記事の内容はSteam版に準拠しております。オリジナル版にはないことをも記述していますのでオリジナル版のみしかプレイしてない方はご容赦のほどを)
いかにも主人公というオーラを放っているお人だし設定的にも半分そんな気もするお人ですが、私が使い慣れてないのかヘタなのか相性が悪いのかこの備忘録でも出番がほとんどないDEAD LIARさん。
ですが、この人にもそれなりに使うメリットはあります。
1) 近距離における火力がすごい 2) サブウェポンを適所に配置するとわりとどこでも柔軟に攻撃できる 3) 超連射すれば貫通ショットとか出せる 4) 60秒耐えればすごいのが出るよ!
やっぱり1)と2)が大きいのですが、すごくクセの強い機体(まぁHellsinker.はそんな機体ばっかなのですが)で尖りまくってるのでなかなか使いこなすのが難しいのです。 なのでこの備忘録でも出番があまりないのです。
そしてDEAD LIARでは、SOLもLUNAもそれぞれ重要な意味を持っています。SOLもLUNAも以前の記事でざっくりと説明しました。その時はこんな感じで説明したように思います。
SOL 必要量まで溜まったらディスチャージが使えるようになるケージ LUNA 満タンまで溜まったらFOSSIL MAIDENの弾消しレーザーが使えるようになるケージ
ですが、SOLやLUNAのケージはそれら以外にも意味を持っています。 というか本来はこんな意味です。
SOL
・段階によってショットの火力やディスチャージの火力・持続時間が変わる。 ・ディスチャージを撃つと空になるけど自動回復する。 ・SOLイコンというアイテム(敵を倒せば取れることがある黒い正方形にSと書いてあるアイテム)を取れば回復速度が上がる。 ・LUNAが低いと回復速度が少し上がる。 ・規定の段階以上になるとディスチャージが使用可能になる ・オートリジェクション(被弾した時に発動することがある無敵判定を一時的に得るオートボムのようなもの)を発動してしまうと空になってしまいます。
LUNA
・量によってショットの連射力が変わります。 ・しかし、メインショットを撃っていると徐々に下がってしまいます(つまり連射力が落ちる)。 ・ただしLUNAが低い時はショットの火力がわずかに上がるらしい。 ・そしてメインショットを撃たないか溜めていると自動的に回復します。 ・LUNAイコンという紫色のアイテム(何種類かある)を取ると回復速度が上がります。 ・FOSSIL MAIDENだとHIの時に弾消しレーザーを撃つことができます。 ・DEAD LIARはLO以外の時は貫通ショットを撃つことができます。 ・KAGURAの神弥(おみわたり)では最大240発の残弾を示す値になります。
ざっとこんな感じです。 これを踏まえてDEAD LIARやほかの自機を使ってみると楽しくなるかもしれません。
メインショットその1:ルーザーズスピット ショット連打 メインショットその2:ナロウピアース ショット超連打 メインショットその3:デッドアレイ ショット溜め撃ち メインショットその4:60秒ブレード(通称) ショットを60秒溜め撃ち サブウェポンその1:離れた位置にサブウェポンを設置 サブウェポンその2:カーソルで指定した位置にサブウェポンを設置 ディスチャージ:カーネイジレイド
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メインショットその1:ルーザーズスピット
ショットを普通に連打してると出る攻撃。SOLとLUNAの量によって性能が変わってしまうショット。SOLの量が多ければ派手なエフェクトになって火力も上がるけど、少なければエフェクトも寂しいし火力も低いです。LUNAの量が高い時は連射性能は高いのですが、撃ち続けているとLUNAの値が下がって連射性能も落ちてしまいます。 このショットを撃ってる時は自機の周りに羽根のようなオーラが出たりするけどそれにも攻撃判定が微妙にあってたまに便利なことがあります。 ただし撃っているとサプレッションを張れないデメリットも(ちなみにサブウェポンのケージも溜まらないのでサブウェポンの火力が下がってしまう)。 MINOGAMEのメインショットと比べると使う場面は多いけどやっぱり使わない局面も多いです。
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メインショットその2:ナロウピアース
ショットを超連射しないと出ない攻撃。わりと強力なショットですが撃つのにコツがいる上に、撃っているとLUNAが徐々に下がっていきLOになると撃てなくなります。技量が低いとそう簡単に狙って撃てません。
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メインショットその3:デッドアレイ
ショット溜め撃ちで出る攻撃。三段階のチャージがありますが、わりとすぐ三段階目まで上がります。サプレッションとの相性が良いこともあってサブウェポンと並んでメインで使うことが多い攻撃。自機の目の前に浮いている白いロックのところで敵を攻撃すると高い火力が出る。わりと遠いポイントでも黄色いロックが出ている箇所なら距離を無視してダメージを与えられる。
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メインショットその4:60秒ブレード(通称)
デッドアレイを60秒ほど溜めていくと白いロックの部分が渦を巻き始めます。そのタイミングでぶっ放せばだいたいの敵を瞬殺出来るほどの斬撃が出ます。通常のデッドアレイよりもリーチが伸びてるのでなおお得。溜めに60秒も必要なことからロマン技かと思われるかもしれませんが、サブウェポンでだいたい障害を排除できるため意外と狙えるチャンスはあります。実用性については犬丼帝国Wikiの記事を参照のこと。
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サブウェポンその1:離れた位置にサブウェポンを設置
サブウェポンをちょん押しして発動。青(レベル1)とオレンジ(レベル2)の二種類があるが、オレンジ色の方が火力が高い。発動位置と自機の間に糸のようなものが発生し、それにも攻撃判定がある(しかもこれはショットボタンを溜めている状態だと火力と範囲が強化される)。使いこなせれば非常に便利。 方向キーやレバーで発動方向を微妙に変えられます。発動したあとにもう一度サブウェポンを押せば自機に近づくように調節出来ます。(発動する前にもう一度サブウェポンを押すと発動位置が自機よりもさらに遠い方向へ調節できる裏技も)
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オレンジ色の時のみ設置した位置に自機が近づくと火力と範囲が大きくなる。 一定時間が経つと自動的に解除されるほか、設置後サブウェポンを3回押せば設置を解除できる。
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サブウェポンその2:カーソルで指定した位置にサブウェポンを設置
サブウェポンを長押しするとカーソルが出るのでそれを動かすと任意の位置に設置できる。青とオレンジの二種類があるがサブウェポンその1同様にオレンジの方が火力が高い。サブウェポンその1よりは火力が低いものの制限時間もなく、雑魚のお掃除にはちょうどいい。 しかし、ショットの火力が下がってしまうというデメリットも。 サブウェポンその1と違って、設置後ボタンをもう1回押せば戻ってくる。
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なんと自機選択場面でKAGURAの装備を変更する要領でポーズを押せばサブウェポンのタイプを切り替えることができる。FOLLOWING TYPEは自機の位置によってサブウェポンも移動してくれるタイプ。SOLITUDE TYPEは最初に設置した位置に固定されるタイプ。なんと面倒くさいゲームなんだ…。
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ディスチャージ:カーネイジレイド
自機の場所を中心に光をまき散らす攻撃。発動にはSOL3以上が必要で発動すると全消費。SOLの段階によって範囲と持続時間が変わる。 ボタンを長押しすると無敵のまま発動のタイミングを遅らせることができる。
その場を中心に攻撃するタイプのディスチャージなので攻撃するには接近が必須である分扱いが難しい。
まぁおおよそDEAD LIARの機体性能を飲み込んだところで今回もそれを使うわけでもなく、今回もFOSSIL MAIDENを使って決別の霊廟の攻略へ行きたいところですがその前に。
STELLAとTERRAというパラメータについて解説しておきたいと思います。 二つともライフやSOL・LUNA、サブウェポンゲージと同じようにゲームの左側にあるパラメータですが、これらが決別の霊廟に大きく関わってきます。なので、先にこの二つのパラメータについて説明します。
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まず、STELLAとはほかのSTG(たとえばバトルガレッガとか)で言うところのランクに相当します。ただしバトルガレッガなどのように露骨に難易度に出る局面は少ないです。 STELLAの高さが難易度に露骨に出る場面は錆び付いた竜の開幕弾幕や一部の針弾ぐらいですね。とはいえ、安全に攻略したい場合はSTELLAを下げていく方が安全です。ただ稼ぎを行いたい人はSTELLAをあげると有利になります。
STELLAをあげる行動としては長い時間ミスしない、時々出てくる緑色の☆アイテムを取る、敵に攻撃を打ち込む、サプレッションで敵弾を消すと出てくるLUNA屑という小さなアイテムを取るなどがあります。
逆にSTELLAを下げる行動としてはミスをする(ライフが少ない状態でミスをしたり、前のミスから30秒以内にミスをするとさらに下がります)、ディスチャージやサプレッションなどで敵弾を消す、時々出てくる紫色の☆アイテムを取る
余談ですが、ミスした時に出る銀色のパチンコ玉のようなアイテムを取るとSTELLAがあがりますので気をつけましょう。(正確に言えばミスで失ったSTELLAが戻ってしまう)
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そして、TERRAというのは決別の霊廟に行くまでの目安みたいなものです。何らかの形でTERRAが0になってしまった時、次のステージに進む前に決別の霊廟に突入します。
TERRAはエクステンドやボスが倒れた時に出る金色のアイテム(遺骸イコン)を取得するなどすれば上昇しますが、被弾(オートリジェクションが発動してミスしなかった時も含めて)やSegmentのクリアや敵を倒して出てきたライフチップを取れずに落とすなどすると下がっていきます(前回のミスから30秒以内にミスをするとさらに下がる)。
なおTERRAはSeg1やSeg2のBEHINDを選択すれば、そのステージの間はどんなことをしてもTERRAが最大値から下がることはありません。確実に霊廟行きを遅らせたければそれらのステージを行くのも手でしょう。
TERRAをなるべく下げずにプレイしていくコツはできる限りライフチップを取ってエクステンドを狙いかつ短時間での連続ミスを避けていくのが一番確実でしょう。
STELLAとTERRAについてなんとなく飲み込めたところで決別の霊廟の説明に入ります。
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決別の霊廟はTERRAが0になった時に突入するのですが、まだTERRAが残っていてもSeg7をクリアした後に突入します。つまり、決別の霊廟自体を避ける方法はゲームオーバーにならずにプレイしてる限りはありません。
ちなみにコンティニューしていても条件を満たせば決別の霊廟に入ることはできますが、その時は入る直前と直後のテキスト(「星を見た、等と言えば笑われるだろう。」から始まるくだり)が省略されていきなり霊廟に突入します。 そして、このステージを終えて以降はコンティニューは二度とできません。つまり、Seg8は絶対にコンティニューできません。
決別の霊廟は、平たく言うと一種のボーナスステージのようなものです。一度通り抜けさえすればライフもSPIRIT(ほかのゲームで言うところの打ち込み点)もモリモリ稼げます。それ故に、できるだけゲームの終盤に出てくれる方が都合が良いです。そして、何度被弾してもゲームオーバーになることはなく残機は減りません。(入った瞬間にライフがUNCHAINEDになる) ボーナスステージのくせに難易度そのものはまったくヌルくなく、通常のステージのようにオートリジェクションが発動しないこともあって、慣れなければ何度も被弾してしまう最狂のボスラッシュです。
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ステージに入った瞬間、アイコンがいっぱい並んだ不思議な床に入りました。このアイコンの入った床はただの背景ではなく、床のパターンのうちのどれかに入ればこれからのボスラッシュに登場するボスの順番を決められます。
黒猫のマーク=英霊・ミリオンライヴズ 白猫のマーク=英霊・ナインライヴズ 球形のマーク=不浄の王・アルフォース ハンマーのマーク=物故・テンペラメント断章
一応制限時間もあるのでさっさと決めてしまいましょう。順番を決めないまま制限時間が切れてしまうと英霊・ナインライヴズ(白猫)→不浄の王・アルフォース(球形)→英霊・ミリオンライヴズ(黒猫)→物故・テンペラメント断章(ハンマー)での順番で固定されます。
ボスとボスの間には要石のような敵が挟まるのですがこれを倒せば次のボスが出てきます。
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そして本番スタート。スタートすると今までのステージで稼いできたSPIRITが一度没収されます。没収されたSPIRITは再び戻ってくるのでご安心下さい。
ステージ自体に制限時間が設定されており、その間に4体の人型ボスを倒して終端の雑魚ラッシュまで行って結晶を稼ぎまくりましょう。 この結晶の量によって獲得出来るライフやSPIRITの量が決まります。
結晶の量は概ねSTELLAの値に依存します。 STELLAの最大値Aを9として。
ボスの第1・第2攻撃 STELLA×2 ボスの第3攻撃 STELLA×4 要石 STELLA×2
霊廟に突入した瞬間、強制的にSTELLAが最大値のAになるのでノーミスであればボスと要石のセットで結晶が90個も稼げます。 そしてボスの攻撃でミスをすれば獲得出来る結晶の量が落ちてしまいます。 要石が何度ミスをしても結晶には影響はないですが、ディスチャージを撃つと結晶が獲得出来なくなります。 さらに最後の雑魚ラッシュでミスをしなければ最大64個も結晶を獲得出来ます。
そんでもって霊廟の愉快なボスたちを一人ずつ紹介していきます。
英霊・ナインライヴズ(白猫)
たぶん慣れれば一番弱いです。初見殺しの弾幕のオンパレードですが落ち着いて対処していきましょう。
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第一攻撃 SCARE SWALLOW 気の向く侭に 燕狩り
高速のワインダーで動きを拘束しながら自機狙いを撃ってくるのを繰り返してきます。途中でワインダーがだんだん閉じてくるけど動揺せずに避け続けましょう。
数秒ほどで防御力が落ちるのでそこを狙って落としましょう。
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第二攻撃 BONDAGE DIVIDER 影を射る眼差し 四肢を断つ刃
最初の弾幕は自機狙いの高速弾なのでちょん避けを心がけていけば当たりません。その後高速の奇数弾を滝のように流してくるのでうまく避けましょう。
防御力の低下のタイミングは第一攻撃と同じ。
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第三攻撃 UNDER THE SILENCE 彷徨う者共よ 無言のままに
最初から防御力が低いのでさっさと落としてしまいましょう。 弾幕も抜け出すことはそう難しくないので。
不浄の王・アルフォース(球形)
慣れなければ苦戦することも多いボスですが、ある程度からくりがわかれば案外怖くはないです。
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第一攻撃 STRANGE MOON 異形の月
この攻撃は仕様が特殊なので気をつけましょう。 なんとディスチャージを使用してしまうと体力が回復してしまいます。なのでできるだけディスチャージに頼らない戦法で切り抜けていくことが望ましいです。 FOSSIL MAIDENのバチルスクロークだとなぜか回復しません。
アルフォースが出してくるまがまがしい色をした不浄の膜を一つ一つ破壊してあげると防御力が下がります。体力と防御力は別口なので開幕ディスチャージで膜を破壊してしまうのも手です。
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第二攻撃 INVERSAL BAPTISM 錆釘の雨/逆の禊
ワインダーがぐねぐねうねってるので事故に注意。なお針弾も厄介。 後半の弾幕は半ば不意打ちのようなもので危険なのでそれまでには倒すことが望ましいです。
第一攻撃のようにディスチャージを使うと回復してくるわけではないので、開幕ディスチャージで膜を潰しつつ速攻で倒しましょう。
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第三攻撃 DESPERATE ANNULUS 散華の宝冠/無尽の礫
不浄の膜が自機を覆ってから破裂すると菱弾やらが飛んでくるので怖いです。あとワインダーで閉じ込められるので怖い。
ディスチャージが溜まったら速攻で片付けましょう。
英霊・ミリオンライヴズ(黒猫)
こちらの攻撃を遮る弾幕が多いしどう攻めるのかタイミングを掴みにくい局面が多いのでなかなかやりにくいです。
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第一攻撃 NOSTALGIC PAIN 面影を語る爪痕
攻撃中に斬撃のようなものが飛んできますが、攻撃判定はないのでご安心下さい。 でもこちらの攻撃を妨げてくるので非常に面倒くさいです。
自機狙い弾を飛ばしてくるので事故らないように。
ミリオンライヴズの攻撃は最初の数秒間は防御力が高いので速攻がしにくいです。
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第二攻撃 INNOCENT CLOCKWORKS 古びた振子の舞踏
適度にミリオンライヴズから距離を保ちながら弾幕が展開されたらさっさと中に入ってしまいましょう。自機との距離が近いと防御力が下がるようなので攻撃が当たってしまわないギリギリに位置しつつ頑張りましょう。
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第三攻撃 VOLCANIC LIBIDO 狂った鬼灯の接吻
最初の炎の壁のようなものが押し寄せてくる攻撃は簡単には避けられないのでディスチャージで。
炎の波になった瞬間からうまく合間を縫って打ち込みましょう。
物故・テンペラメント断章(ハンマー)
とにかく変則的な弾幕が多い上に避けづらいモノも多いので本当に気が抜けません。とくに第二攻撃は厄介なので速攻を心がけましょう。
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第一攻撃 ORIGINATOR'S REGAL ただ一張の弦
開幕だと防御力が低いのでディスチャージを決めたあとは追尾してくる弾幕をひたすら避けましょう。
避けた弾幕がテンペラメント断章に当たるとダメージを与えられるのでうまくダメージを与えられるように誘導しましょう。
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第二攻撃 VIRGINAL ORDER 霄を模る六十鍵
あんまり放置するとワケがわからなくなってしまうのでその前にディスチャージを決めてしまいましょう。 自機から近い距離にテンペラメント断章がいると防御力が落ちるのでそれを意識しながら落としましょう。
鍵盤のような弾はこちらの攻撃を遮断するだけでなく当たるとノックバックしてしまうので気をつけましょう。
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第三攻撃 FATAL STRINGS 定めを紡ぐ糸
ワインダーに気をつけながら両サイドから迫る菱弾をかいくぐりつつ、ディスチャージが溜まったら速攻で撃って落としましょう。
やっぱり厄介なところしかない弾幕なので慣れないと厳しいです。
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ボスとボスの合間に出る要石たちは基本的に後ろを取りながら攻撃すると比較的安全に倒せます。ただ二つ目の要石は注意が必要です。
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霊廟終端の雑魚ラッシュはとにかく被弾しない程度に攻撃を続けましょう。自機狙いを放ってくるのでそれだけには気をつけて。
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というわけで出てきた結晶を回収していけばライフとSPIRITもたんまり貰えます。ライフがIMMORTALになってる時はSPIRITがさらにもらえます。
次回はお待ちかね。ラスボスのSeg8の攻略です。 EXにもちょっと触れるかもしれません。
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