#うさ耳帽子
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【13話】 留置官に「ブチ殺すぞ」と言われたので弁護士にチクっておいたときのレポ 【大麻取り締まられレポ】
――逮捕から6日目。いつものように、頼んでもいないのに朝食が出てくる。ベトナム人はいつものルーティーンのように、味噌風味のお湯が入った容器にソースと醤油を入れて啜っている。
僕は昨日、自弁のカツ丼を食べて舌が肥えてしまっていたので、味噌風味のお湯を啜る気にはならず、もはや視界に入っているのも煩わしく感じたため、味噌風味のお湯の入った容器をゴザの上から床の上に移動させて食事を続ける。
すると、ヤクザ風の留置官が「オイ5番! ゴザの上に置いて食えよ? こぼしたら床が汚れるだろォ?」などと恫喝めいた口調で僕を叱ってくる。僕は一瞬頭にきたが、(たしかにコイツの言い分は一理ある)と思い、素直に「はい」と答えて、その容器をゴザの上に戻した。
朝食後、この日は留置場内にある風呂場に入れる日であったので、順番を待��、留置官に自分の番号を呼ばれてから風呂場へ向かう。
風呂場の前に立っている留置官からリンスインシャンプーを借りると、その場で少し待つように指示される。留置官は風呂場に向かって「19番、あと3分~!」などと言って、早く風呂場から出るように催促している。
19番が出てくると、留置官から入場の許可がおりたので、脱衣所から風呂場に入ると、髪を洗っている男の背中に彫られた般若と目が合った。
僕は和彫の刺青を生で見たのは初めてだったし、そもそも浴場で大きな刺青を見るのも初めてだったので、これにはなかなか面を食らった。和彫の男は隣の居室でよく騒いでいたギョロ目のじじいで、目が合うと、「おう5番!!」などと完全に音量を間違えている大きな声で挨拶をされた。
風呂場は6人分程の身体を洗うスペースと、3人程入れそうな大きさの浴槽があり、定員は3人に絞られていたので、割とゆとりのある空間だった。
僕は悪臭を放っていた頭皮と髪を洗い、石鹸を泡立てて手で体を洗ってから浴槽に入る。浴槽は垢が浮いていて気色悪さはあったが、そんなことはどうでもよくなる程、熱い湯に全身が浸かる気持ちよさに蕩けてしまう。
時間も忘れて蕩けていると、タイマーで入浴時間を計っていた留置官が「5番、あと3分!」などと急かしてきたので、しぶしぶ風呂場を後にする。
風呂場から出ると、留置官から綿棒を2本提供されたので、その場で耳掃除をし、耳糞のついた綿棒が多く捨てられているバケツに綿棒を捨てる。
入浴後、同じ居室のベトナム人と筋トレやヨガをして、漫画の続きを読み、昼食を終えてうたた寝をしていると、ヤクザ風の留置官とギョロ目のじじいによる、完全に音量を間違えている会話が聞こえてきて、目を覚ます。
「なあ6番、三浦春馬って知ってるか? 俳優の」「あ、よく知らねっすけど、知ってます」「あぁ…じゃあやっぱ有名なんだなあ」「おれはそういうの全然興味ねぇんですけど…それで、三浦春馬がどうしたんですか?」「自殺したんだって、首吊り」
寝ぼけ眼で寝転がっていた僕はそれを聞いて仰天し、膝立ちになり、ヤクザ留置官の方を見て「え!?」と声を発する。するとヤクザ留置官は「あ゛?」と何故か威嚇をしてきたので、僕は無視してまた寝転がった。
それから仰向けの状態で漫画の続きを読んでいると、首が痛くなってきたので、長袖のスウェットを脱いで、それを枕にし、再び漫画を読んでいた。
すると、しばらくしてヤクザ留置官が「何やってんだこらァ!」と急に大声で怒鳴ってきた。僕は目を丸くしてヤクザ留置官の方を見ると、ヤクザ留置官は「てめぇ枕にしてんじゃねえぞ!」と怒鳴ってくる。
僕はムカついて反射的に舌打ちをし、「うっせーな…」と小声でぼやきながら、枕にしていたスウェットを手に取って着ようとすると、ヤクザ留置官は鬼のような剣幕で「てめぇ…! 次やったらブチ殺すぞッ!!」と場内に響き渡る大声で怒鳴ってきた。
僕は大声で露骨な脅迫をされたことで、急激に心拍数が上がり、身がすくんだ。しかしこれは好機だと察知して、「…あ、今ブチ殺すぞって言いました?」などと震えた声で聞き直す。
すると、ヤクザは若干ひるんだ表情で、「……ブチこむって言ったんだよ!」などと言うので、僕が「ブチ殺すって言いましたよね?」と再度聞き直すと、ヤクザは「日本語分かんねえのかァ!? ブチこむって言ったんだよ…! 刑務所に…」などと咄嗟に出たらしい言い逃れをしてくる。
僕は負けじと「ブチこむでも脅迫ですよ? それにここにいる人たちは全員ブチ殺すぞって言ったのを聞いてると思うんで、言い訳しても無駄ですよ」などと平静を装って言い返す。
すると、ヤクザ留置官は見事に何も言い返せなくなったようで、わなわなと顔を震わせて立ち尽くしていたので、僕は手元にあった便箋とペンを手にとり、「すみません、あなたのお名前を教えてもらえますか?」と尋ねる。
ヤクザ留置官は「…教えねーよ」と言うので、僕が「なんで教えられないんですか?」と尋ねると、「教えちゃいけない規則なんだよ」などと言い返してくるので、「その規則見せてくださいよ」と言うと、「見せちゃいけないことになってるんだよ」などと幼稚な返答をしてくる。
僕は埒があかないと思い、「ええと…16時25分。50代くらいの、暗いレンズのメガネをかけて、髪を七三分けにした男性警官に「���チ殺すぞ」と大声で脅迫をされました…」などと、わざとらしく声に出しながら、声に出した内容を便箋に書く。
さらに補足として、ヤクザ留置官の特徴をメモに取り出すと、ヤクザ留置官はおもしろいくらいにシュンとして、事務机のある椅子に無言で座った。
僕は既にヤクザ留置官の特徴を十分にメモしていたが、ヤクザ留置官を虐めるのが楽しくなっていたので、「ええと…肌はやや赤黒く、耳は若干潰れており、ええと…よく見えないな……あ、一重まぶたで…」などと言って、ヤクザ留置官の特徴を執拗に記録する。
ヤクザ留置官は、さすがに僕の挙動に不安になったのか、帽子を深く被ったり、マスクを鼻の付け根が隠れるほどに覆ったりし始めたので、僕は「私が男性警官の特徴をメモにとっていると、帽子を深く被ったり、マスクで顔を隠したりしていました」などと記録しながら実況をしてやる。
すると、ヤクザ留置官は顔をうつ向かせて体を丸めだし、とうとう玉のようになってしまったので、「これだけ特徴書いておけば誰だか分かるか…よし!」などと台詞じみ��独り言を言って、ようやくペンを置く。ふとベトナム人の方を見ると、ベトナム人は隅っこのほうで気まずそうな表情をしていた。
夕食後、弁護士がやってきたので、今日の一連の騒動を報告すると、弁護士は「それはいいネタを掴みましたね!」などといつになく興奮した様子で、「検察も人間ですから、勾留している被疑者が警察から脅迫されたとなれば、身内の弱みを握られているようなものなので、起訴に踏切りづらくなるものですよ」などと言う。
弁護士は続けて、「私からは担当の検察官宛に抗議書を送付しますが、これから警察や検察の取調べの際には、留置担当官から脅迫をされて、警察や検察を信用できなくなったので、取調べに協力はできませんと言って、黙秘と署名拒否をしてください」と僕にアドバイスをする。
僕は普段の悪態が幸いして、思いがけない武器を手にしたことに胸が高鳴っていたが、弁護士は水を差すように、「ただ、次の検察の取調べは注意してください。そろそろ共謀で捕まっている友人や売人がなにか自白しているかもしれませんから、検察が知り得ない情報を語っていたら、忘れずに覚えておいてください」と忠告する。
弁護士が帰り、自分の居室に戻ると、しばらくしてヤクザでない留置官が「5番、明日地検入ったから」と伝えてきたので、少し不安になりそわそわしていたが、就寝前にデパスを飲んだら、そんなことは忘れてぐっすりと眠ることができた。
・
つ��く
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この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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雀始巣
春の足音がする。聴覚だけじゃなくて触覚も視覚も春が目覚めていると気づく。来月から3年目になる。後輩がまた同じ部署に入ってくるらしい。男女1人ずつ。周りの同期も同じようで悔いなく本社に行けるね、と話す。従兄もようやく社会人になって、2つ下の従弟が先輩という院生ならではの上下が生まれる。3月に入って3人の学部学科も違う大学の後輩に会社説明会兼面接やESの説明をした。筍みたいに年数だけ重ねてグングンと竹になる気分だけど、私は��わらず毎日学びを続けている。連続学習14週とログが残っているので続けたいという意欲がある。編み物も1ヶ月経とうとしていて、電車での移動中編みながら耳では学びを得て、なんだか一石二鳥、三鳥な気分でいる。ポーチを沢山作成した後帽子作りを齷齪している。不正利用されたクレカの再発行は1ヶ月かかるらしい。周りは不憫だったと言うけどお金取られてなくてよくない?なポジティブな私がいる。どういうところで寛大になってるんだか。婦人科で定期検診で診てもらっている子宮は少し悪化したらしい。せっかく半年毎に定期検診がなったのに3ヶ月に逆戻り。ただ、異動前に診てもらえると思えば。異動になったら紹介状ではないけど手順を教えてもらわなくちゃ。皮膚科もそう。次の異動地では歯医者にもしっかり通いたい。先日ホワイトデーにばぶから花束をもらった。丁度欲しいなと願っていた時期だったのでとても嬉しかった。目標の一つである毎月何かしらの本を読むでは今月は加藤千恵著の本を読んだ。相変わらず私みたいな人が存在している。私みたいなというより本のような人になっていることがなんか不思議。初めて加藤千恵の本を手に取ったのは14歳だった。14年後の私がそうなるとは1ミリも思ってなかった。明日は休みにした。映画なりゲームなり進めて有意義にすごしたい。
私はばぶからちゅんちゅんと呼ばれている。
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制作日:2023/1/20 使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT
2023年に年賀状をサボってしまったので、寒中見舞い用に描いたイラストです。
桜吹雪の中で、下ろし立ての和ロリの衣装を着て喜んでいる女の子です。 寒中見舞いですが、春っぽい!笑
早く暖かくなって欲しいなと思って描きました。
卯年なので、うさ耳ベレー帽です^^
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2024-7月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「猫」です◆
今月は参加者の皆様に「猫」のお題でアンビグラムを制作していただいております。今月も逆さまな作字が集まっておりますので、ごゆるりとご鑑賞ください。今号は失礼ながら簡易的なコメントとさせていただいております。皆様のコメントがいただけますと幸いです。
「猫/ネコ」 図地反転型:ぺんぺん草氏
「猫」の隙間に「ネコ」が見える、ラングドン御大の作品でも見られる伝統的Figure-Groundタイプ。我々が現在��義している図地反転型の定義より弱いアンビグラムとはなりますが、ネコっぽいタイポグラフィも楽しい良い作品ですね。
「三毛猫」 旋回型:ヨウヘイ氏
「三毛」を回転重畳すると「猫」になる作品。文字幅がアンバランスでも読みやすくて面白いです。
「虎/猫」 旋回型: いとうさとし氏
虎のような模様のネコ。アンビグラマビリティは高くない語句だと思うのですがキレイに回っていて素晴らしいです。
「わんこ/ねこ」 交換型:kawahar氏
「わんこ」をうまく敷詰めると「ねこ」になり、さらに重ねるようにすると犬か猫かのような絵になる面白いデザインです。
「捨て猫」 回転重畳型:ラティエ氏
「捨/猫」の共存対応がキレイです。背景の絵も併せて回転重畳になっているのがすごいですね。素晴らしい。
「ネコ/液体」 敷詰振動型:Jinanbou氏
「液」の敷詰と「体」の敷詰と「ネコ」の敷詰が一致するようになっています。確かにネコは液体であるようです。
「肉球」 回転型:lszk氏
猫と言えば。図形を欠けさせつつ読ませるデザインに驚愕です。
「CAT TOWER」 図地反転鏡像型:ちくわああ氏
「TT/W」のハマり具合が気持ちいいですね。折り返しの「O」の自然さに驚きます。
「熊猫」 図地反転敷詰鏡像型:松茸氏
「熊」はパーツ反転しています。「正図」「図地反転」「逆図」「逆図地反転」を敷き詰めると、「非自明な対称軸や回転対称中心」が現れるのでアンビグラムの定義に当てはまる、という意図の驚異の作品。
「家族同然」 鏡像型:.38氏
「家/然」の対応がキレイですね���「族」の変形が楽しいです。
「ギコ猫」 旋回型 「ゴルァ」 回転型:無限氏
匿名掲示板で流行したAAの一つ「ギコ猫」とギコ猫のセリフ「ゴルァ」をAAベースのアンビグラムに仕立てるという面白い作品。
「逝ってよし!」 回転型:うら紙氏
こちらもギコ猫のセリフより。吹き出しとしんにょうの一体化が面白いです。
「猫娘」 図地反転型: いとうさとし氏
ゲゲゲの鬼太郎より。「猫」は字画がバラバラになっているのに重要なパーツ分けはしっかりしているので読めてしまいます。
「F.D.C.WILLARD/CHESTER」 回転共存型:兼吉共心堂氏
科学論文誌を執筆した物理学猫の名前より。F.D.C.ウィラードがペンネーム、チェスターが本名です。文字数の差の吸収のさせ方に注目です。
「ドラえもん」 図地反転回転型: いとうさとし氏
言わずと知れたネコ型ロボット。読みやすくていうことがありません。
「仲良くケンカしな」 回転型:繋氏
「トムとジェリー」の主題歌の歌詞より。同作のロゴ風の処理ですね。「ケ」第一画の思い切った処理が好きです。
「ねこねこ日本史」 回転型:あおやゆびぜい氏 日本の史実の人物を猫にして歴��を描く4コマ漫画シリーズでアニメ化もされました。読みやすくなるように文字組が工夫されていますね。「ね」のループは飾りとして処理しやすいのですね。
「黒船屋」 回転型:douse氏
竹久夢二の代表作の一つで、和服の女性が黒猫を抱いているさまを描いた絵画。「船」の自然さをはじめ、「黒/屋」も自然に読めすぎて脱帽です。
「吾輩は猫である」 回転型:きいろいビタ氏
夏目漱石の代表作。ひらがなをすべて袋文字風にすることで漢字との字画密度差を解消していますね。素晴らしいです。
「猫の手も借りたい!」 回転型:peanuts氏
近松門左衛門の浄瑠璃の一節が由来と言われています。文字組が面白いですね。最後の「!」が工夫できれいに対応付くようになっています。
「猫に小判」 回転型:つーさま!氏
猫の付くことわざと言えば。ひっそりと猫の横顔と猫の目のようなあしらいが楽しいですね。
「猫も杓子も」 回転型:lszk氏
何もかも。「杓子」の二つのハネがち��うど猫耳になるのが気持ちよいですね。
「猫の恩返し」 回転型:douse氏
図案が非対称のため共存型と見る方が良いかも知れません。全体的に網目のような文字が面白いです。
「宅急便」 内包型:螺旋氏
3重内包型。本家ロゴに似せているのもあり一目で読めますね。内包の関係にあることの発見が素晴らしいです。
「��測するまで猫の生死は判らない」 内包型:超階乗氏
現実に書いたものを実際に重ねて表現された3重内包。細かい調整と猫の絵が見所ですね。
「窮鼠猫を嚙む」 敷詰振動式旋回型:Σ氏
「窮鼠+を」の敷詰と「猫+噛む」の敷詰が一致します。「窮/猫」「鼠/噛」「を/む」の対応がピッタリですね。
最後に私の作品を。
「異郷で会える猫」 回転型:igatoxin
旅先で猫に出会う。
お題 猫 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「夢」です。真夏の夜の夢、レム睡眠、無我夢中、夢の島、トロイメライ、枕、荘子、儚、夢窓国���、枯野 など 参加者が自由に 夢 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は7/31、発行は8/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー} 2月{TV} 3月{クイズ} 4月{健康} 5月{回文} 6月{本} 7月{神話} 8月{ジャングル} 9月{日本史} 10月{ヒーロー} 11月{ゲーム} 12月{時事}
2024年 1月{フリー} 2月{レトロ} 3月{うた} 4月{アニメ} 5月{遊園地} 6月{中華} 7月{猫}
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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エマージェンシーズ! 046 おおしまたくろう「耳奏耳シリーズ」
【展示・トーク・パフォーマンス】
日時:2024年6月22日 - 2024年8月25日 11:00 ~ 18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌日),保守点検日(8/4[日])
場所:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] (東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階)
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](���日本電信電話株式会社)
「耳奏耳(みみそうじ)シリーズ」は,自作の耳型マイク装置「擬似耳(ぎじじ)」を用いたマイキングの実験的な音楽作品シリーズです.
おおしまたくろうは,録音における音源とマイクの距離や角度の設定および配置などを考慮するマイキングという技術に関心を持ち,そうした録音工程は,主観的に感じている音を客観的に捉えなおす,イヤー・クリーニングでもあると考えています.
コロナ禍中に発表された《帰省されるイヤー》は,おおしま自身の耳をかたどった大きな耳型のマイクを耳かきで演奏するというパフォーマンスです.それによっておおしまは「楽器としてのマイク」の可能性を見出し,続く《擬似耳人 鴨江アートセンターのための2階建ての回旋曲(ロンド)》では,演奏者となる二人がそれぞれ左右の耳の形をしたマイクの帽子をかぶり建物の中を移動することで,「街や建物の空間を楽譜(および演奏対象)と見立てる」ことを試みています.新作の《レコードRAM缶・レコードROM缶》は,繰り返し録音可能だが,最後に収録された音源しか再生することができないRAM缶と,いちど録音したら書き換え不可能なROM缶の2種類のデヴァイスによって「マイキングのライヴ性」とは何かを問うています.
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B-T TRAINに何度でも
ボーカルのタニグチです。
もし、日本の男性ボーカルで最も影響を受けたのは誰かと問われたら、それは間違いなくBUCK-TICKの故・櫻井敦司氏であると答えられます。過去に制作したあの曲にもこの曲にも、櫻井敦司の血が通っているなとしみじみ思うこの頃です。
とはいえ、BUCK-TICKおよび櫻井氏の熱狂的なファンであったかというとそうでもなく、数年に一度よく聴く時期がある、という距離感の気安いリスナーでした。ちなみに、BUCK-TICKファンと思しき知人・友人もいません。
わたしがなぜそのように周期的なリスナーであったかというと、BUCK-TICKの音楽性がアルバムによって全く異なるというのが一番の理由だと思います。
不動のメンバー5人で、35年間コンスタントにアルバムを発表し続ける一方で、その音楽性が安住の地を見つけることはなかったようです。攻撃的なハードロック、おとぎ話のようなダークポップ、耽美なゴシックロック、ほとんどギター弾いてへんやんけドラムンベース等、本当に同じバンドかしらと疑うくらい、BUCK-TICKの世界観は常に変容し続けていました。
化け物のようだ、と心底思います。
そんな化け物バンドの中で、やはり化け物であった櫻井氏のボーカルは一切衰えることなく、年々深みと繊細さを���し、常に現在が最盛期であるかのようでした。その素晴らしさや、彼が喪われたことを、わたしのようなリスナーは言葉に尽くすことができません。
そこで、大変に勝手ながら、「BUCK-TICKってちゃんと聴いたことないな」という方を想定して、YouTube上の公式音源の中から、代表的なシングル曲をいくつか挙げてみようと思います。
※BUCK-TICKは頻繁にレコード会社を移籍している都合、2000年~2010年代前半頃の楽曲については、公式音源がYouTube上に存在しないようです(名曲揃いなのに!)。選曲にはやや偏りがあることをご承知おきください。
① 幻想的なギターロック
『MISS TAKE ~僕はミス・テイク~』(2012年)
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インダストリアルとゴシックとテクノがギターロックに調和した、最もBUCK-TICKの遺伝子を感じる曲のひとつ。歌詞はギターでメインコンポーザーの今井寿氏によるもので��切れ味鋭い短文が連なっています。
「悲しい曲を上手く歌うおまえ」
「永遠さえ追い越してゆく
本当に自由な天使」
まるで、櫻井氏のことを描いているようだと勝手に思っていました。一番好きな曲です。
② 異端のドラムンベース
『ヒロイン』(1997年)
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不気味さと疾走感を目一杯詰め込んだ、テクノ全盛期を象徴する曲。わたしがBUCK-TICKを聴くようになったきっかけの曲でもあります。
この曲が収録されているアルバムのタイトル『SEXY STREAM LINER』は、「最新型の流線形」という意味で名付けられたそうです。確かに、ボーカルもギターも曲線的なフレーズを多用しています。ツインギターのロックバンドであるとは信じがたい、混沌とした打ち込みっぷりは未だに新鮮です。
③ ザ・星野英彦ワールド
『ミウ』(1999年)
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今井氏と対をなすギタリスト、星野英彦氏の世界観を顕現した、アルバム未収録の人気曲。普遍的で美しいコード進行から一度も外れることなく、淡々としたアコースティックギターのバッキングの上に、櫻井氏の話しかけるような歌が重なります。
星野氏が作る、どこまでもシンプルで優しい曲もまた、BUCK-TICKの核心であるようです。
④ 重厚なゴシックロック
『BABEL』(2018年)
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力強いベースのリードの上で、まるで魔王のような、低く深く響きわたる櫻井氏の美声を堪能できます。
「頽(ぐずお)れて尚 我��BABEL
月光よ愛せ」
という歌詞が衝撃的です。月光に愛を命ずるとは、なんという不遜。ちょっとやそっとでは出せない壮大な重厚感なので、『ミウ』の後に聴くと気圧差でどうにかなりそうです。
たぶんギターのことをシンセサイザーだと思っている今井氏の弾きっぷり(弾いてない)も面白いです。
⑤ 正気を疑うダンスロック
『Go-Go B-T TRAIN』(2021年)
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は? これ(2021年)で合ってる? と誰もが目と耳を疑った、原点回帰的ダンスロックチューン。ピンと来ない方は、レッチリが『Run! Run! RHC』という新曲をリリースしたと想像してみてください。正気の沙汰ではないと思われませんか。
BUCK-TICKにおいて、正気の沙汰ではない曲は枚挙に暇がありませんが、シングル曲のタイトルはここ20年間正気だったように思います。なのに、まさかのアラ還で『Go-Go B-T TRAIN』。
ファンを裏切り続けるという点でファンを裏切らず、梯子を外すことを恐れないバンドの意欲に脱帽せざるを得ません。今井氏は絶好調にノイズを鳴らしています。
タイトルの通り、歌詞はほとんど言葉遊びのようです。
「片道だけの素敵なTRIP
サヨナラネ地球 アナタトチューリップ」
文字だけを見ると、韻を踏んでいるんだかいないんだかよく分かりませんが、「TRIP」の部分は「チューリップ」と発音されています。自由が過ぎる。
しかし、バンドマンならこれくらい自由でありたいものです。
今井氏は、櫻井氏の訃報に際して、「ずっと、あっちゃんの横でギターを弾いていたかった」とおっしゃっていました。
わたしも、B-T TRAINにいつまでも乗っていたかったなと思います。これからも、気まぐれに、何度でも乗ろうと思います。
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ROAD TO Käärijä-フィンランド旅レポ-①
Tumblrの投稿が久しぶりになってしまって申し訳なしです。 以前こちらにも書きましたが、先日ついに!Käärijäのライブを見るために、フィンランドに行ってきました!! 一言で総括すれば、1€170円↑の地獄のような状況の中でも、がんばって行ってきて大正解でした…! と、いうことで、今後カーリヤに会いにフィンランドへ行くジャパニーズファンが増えること、また行きたい方のための参考になることを願って、旅レポ+ライブレポをこちらにつづっていきたいと思います。 フィンランド旅情報、けっこう少なくて私自身色々調べるのに苦労したので、今後行かれる皆様の参考になれば幸いです!
■出発準備編
1. カーリヤに会いたい!どのライブを見よう? 今回私が参��したのは、7/5のAllas Sea Pool(ヘルシンキ)でのワンマン野外ライブと、7/7のRuisrock(トゥルク)という夏フェスでのステージの2つでした。 今回は、会場がヘルシンキとトゥルクという、フィンランド行ったことない私でも場所と名前のわかる街だったこと、またJoker OutやBlind Channelといった他の��しアーティストも同じ日程で出演することから、この2つのライブを選んだのでした。 また、詳細はライブレポのほうで書きますが、ワンマンとフェス、それぞれ違う雰囲気を楽しめたことがとてもよかったので、ぜひ皆様スケジュールが合えば、どちらも体験されることをお勧めします! なので検討にあたっては ・ワンマンライブとフェスを見れる日程であること ・初フィンランドの方(特に個人での海外旅行に慣れてない方)は、会場となる街が行きやすいこと を重視するとよいかと思います。 そして今回はどっちも野外でのライブだったのですが、雨に濡れるのはちょっと…という方は、室内でのライブ(ライブハウスやバー、クルーズ船など)があればそちらに行かれることをお勧めします。 ただし天気のよいフィンランドの夏は最高に爽やかでしたので、万が一雨でも楽しめる!という方は、野外のほうがいいかも。
2. いざフィンランドへ!航空券を買おう! まぁこれは皆さん私のブログを参考にせずともご自分で調べられることかと思うのですが、ご参考までに。 日本からフィンランドは羽田・成田・セントレア・関空からフィンエア―の直行便が飛んでいます。 今回の私のフライトスケジュールは 7/4 23:05 成田発→7/5 5:55 ヘルシンキ着 7/8 18:30 ヘルシンキ発→7/9 13:50羽田発 の便でした。どちらも絶妙にいい時間で、ほとんど時差ぼけを感じることなく過ごせたのがよかった! 私は北海道在住なので、23:05であれば余裕をもって成田に到着できるのも魅力でした。関東の方であれば、お仕事帰りにもちょうどいい便ですね。 日本発着のフィンエアーは、JALとの共同運航便です。私はJALのHPからチケットを買いましたが、フィンエアーのホームページも日本語ページがちゃんとあるので、どちらから買ってもいいかなと思います。 ちなみにフィンエア―は事前の座席指定にお金がかかりますが、東京からだと約12~13時間の長時間フライトになりますし、エコノミーはかなり席が狭かったので、足元広い席やプレミアムエコノミー、通路側や窓側などなど、お金はかかってもお好みで事前に指定しておくのをお勧めします。 なお座席指定はフィンエア―のサイトからのみです。JALのサイトで購入しても、予約番号を入力すればフィンエア―のサイトから座席指定ができますのでご安心ください◎ 3. ホテルはどこがいいのか? これはもう実際泊ってみないと当たり外れがわかりませんが… とりあえず、初めての地での個人旅行だったので、私は安心をお金で買いたくてHIS/JTB経由でホテルを探しました(結果JTBから予約)。でも特にその辺は気にしない・慣れてるという方は、安さ重視で別のサイトからでもいいし、ホテルのサイトから直接予約のほうがいいです(特に円安の今は…)。 ①ヘルシンキのホテル ヘルシンキ中心部であれば、かなり細かくメトロやトラム、バスが走っているので、どのホテルでもわりとどれかの駅には近い感じでした。また観光するにも、ヘルシンキは見どころがコンパクトにまとまっている街だったので、あまり場所は気にしなくていいかも…? 今回私が利用したのは、Scandic Hakaniemiというホテル。
ハカニエミマーケットという、観光地でも有名なマーケットのすぐそばで、メトロ・トラム・バスどの停留所もすぐ目の前。たいへん便利な場所でした。 飛行機が早朝の到着だったのでアーリーチェックインをしたく、身銭を切って1泊分多く予約+念のためホテルに直接メールで朝からチェックインしたい旨を連絡しておきました。 ②トゥルクのホテル 本当はホテルは1か所がよかったのですが、Ruisrockは夜中までやってるフェスだったので、ヘルシンキまでは戻れなかろうとトゥルクの街中のホテルを予約。Original Sokos Hotel Wiklundというホテルをとりました。
あとで詳しく書きますが、トゥルク市内からフェス会場への行き来の詳細がわからないまま、Sokosデパートと直結してるようなとこだし町の中心部っぽい、たぶん夜中に帰ってきてもそれなりに明るくそうだなという安全上の理由でこのホテルを選んだのですが、これがたまたま大正解!このホテルのすぐ近くが、フェス会場と往来するシャトルバスの乗降場でした。
①②どちらも朝食付きで1泊2万ちょいというかなりの高値でしたが、どちらもとても快適な部屋だったし交通の便もよかったので結果よしとしよう…笑 ユースホステルやもっと安いとこでも全然生きていける!という方は、もっと安いホテルいっぱいあると思いますので探してみてください。 なおRuisrockに行きたい方は、かなりはやくからホテルを探さないと、はやいうちからトゥルクのホテルがほぼ埋まってしまいますので要注意!
4. フィンランド旅の持ち物は? ①衣類は寒暖で調節可能なものを 私が行った期間は昼間でも気温が20℃いかず、夜は海風がけっこう強くて肌寒いくらいだったので、寒がりの方はウィンドブレーカーやパーカーなど、羽織れるものを持っていくことをお勧めします。 あと天気のよい日は、フィンランドと言えど(?)日差しがかなりきついです!帽子・日焼け止め・サングラスがあるとよいかも。 ②機内持ち込みグッズ フィンエア―の機内はあまり寒くありませんでした。でもさすがに半そで一枚とかだとジャパニーズ的には寒いと思いますので、もともとついてるブランケットにプラスでもう1枚ストールなどor厚手のカーディガンがあるとよさそうです。 また、12時間超えの長距離フライトになりますので、ぐっすり寝たいという方、ノイズキャンセリングイヤホンめちゃくちゃおすすめです! 私が持って行ったのはこれ⇩
個人的には、ノイキャンイヤホンつけて頭からブランケットをかぶっちゃえば、アイマスクや乾燥対策マスクも��要なく、顔回りすっきりした状態で爆睡できました。 あとネックピローも、私はもともと座席についてるヘッドレストの両耳を立てることで首を固定したら特に必要感じませんでしたが、小柄な方はヘッドレストの位置が合わないかもなので、持っていくとよいと思います。 ③虫よけ Ruisrockの会場は島なのですが、シャトルバス乗降場から会場までは森の中の小道を歩きました。またほかにも野外で森の中のようなライブ会場に行く方は、虫よけスプレーがあるとよいです。これのおかげなのか、そもそもあんまり虫いなかったのかはよくかわかりませんが、普段蚊によくさされる私もまったく虫にさされませんでした。 ちなみに私が持って行った虫よけはこれ⇩
Ruisrockでは入り口で手荷物検査があり、スプレーものなのでこれは何か聞かれたのですが、缶(ガス?)タイプではなくミストタイプなので、バグスプレーです!と説明したら持ち込みOKでした(一緒に行ったお友達によればガスタイプは没収されたようです)。 ④モバイルバッテリー 向こうのライブは、スマホでの撮影オールオッケーです。特に長時間にわたるフェスでは、ついつい推しの写真や動画をとりまくって電池切れ…なんてこともありますし、暑いとそれだけで電池消費しますので、モバイルバッテリーは最低1つ(余裕があ��ば2つ)持っていくことをお勧めします。フェス会場には充電ブースありましたが、すごく混んでました。
⑤レジャーシート 結局使わなかったのですが、とにかくカーリヤのライブは、いい位置で見ようと思うとかなりの時間並びます!そしてRuisrockも会場内に椅子はありますが、人が多いので座れないことも… そんなとき、レジャーシートがあると足がパンパンにならずに助かります。
⑥ライブ会場にもっていくバッグ これ、悩みました。一応クローク的なところはありましたが、貴重品ならずとも荷物を自分の手元から離すのは心配、でもあまり大きな荷物はもっていきたくないし…と考えた結果、こちらのちょうどいいボディバッグを見つけたので購入しました⇩
サイズが大きめで、ペットボトルも入るし、レジャーシートや、小さくたためるものなら上着も入るくらいの大容量ですが、そこまでかさばることなくすっきり持ち運べてセキュリティ面も安心。 やはりライブ会場では斜め掛けショルダーかこのようなボディバッグを持って行って、両手があいてたほうがいいです!リュックもいいのですが、後ろの人にぶつかってしまうため結局前に抱えることになるので、あまりおすすめしません。 あとカーリヤはグッズもTシャツなどいろいろありましたので、購入される方はエコバッグ的なものを持っていくと荷物が増えても安心ですね!
⑦ごはん フィン飯が合わずお腹こわしたら大変、と思って、アルファ米とお味噌汁(乾燥のやつ)を2食分持っていきましたが、結果それを食べたのはフィン飯が合わなかったからではなく、疲れて外に買いに行く��気がなかったから(&時間がなかったから)という理由でした。笑 正直なことを言うとあまり北欧にごはんのおいしいイメージはなく、そこまで期待せずに行ったのですが、どこで食べても思ったよりおいしく、また水も軟水でとてもきれい、水道水がふつうに飲めたので、おそらく油があわなかったと思われるフライドポテトを摂取したとき以外はおなかもこわさず、大変満足できました。 なので、おなかが弱い方やものすごいグルメの方、またはスケジュールきつきつで外に行く余裕のない方・滞在長くて現地メシ飽きそうという方以外は、日本から食料持っていかなくても大丈夫じゃないかなーと思います。 ただし、ご飯代はめちゃくちゃ高いです。もともと高いうえに円安の影響もあり、軽いランチだけでも噂どおり3000円↑という感じでした。なので、味がどうこうとかより節約したい、という方は、食料は持って行った方がよさそうです。 あとカップ麺やアルファ米など持っていく方は、ホテルの部屋にポットがあるかの確認をお忘れなく!(私は持っていきませんでしたが、折り畳みのポットやキャンプ用の湯沸かしコイルなども売ってるので、なくてもなんとかなるとは思いますが。)
⑧その他 お友達と行く、カメラやiPadなど電子機器が多い、という方は、海外用タコ足を持っていくとよさそうです。また、フィンランドのコンセントはタイプCとなりますので、変換プラグもお忘れなく! あとホテルのお風呂はほとんどユニットバスだと思いますが、ホテル用のスリッパを布のやつじゃなくクロックスにすると、多少シャワーがはみ出て洗面所の床が濡れようが、スリッパべちゃべちゃで悲しい状態にならないのでおすすめです。
以上、準備編だけで長々と書いてしまいましたが、何かの参考になれば!
→続き:レポ②
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2023!1月1日!!初詣!!!
誰よりも目立つ格好で初詣に行くぞって張り切ってたのが可愛かった!カラフルな上着てたのにコートで隠れてるし、卯年だしってうさみみの帽子被ったのに、外出たら耳しまってるし、全然目立ってなかったよ!
初詣に行き、神社コロッケと豚汁を食べて、お守り(お揃い)を買い、おみくじして、そのあとは少し散歩して、猫と犬に会って、のどかかと思いきや、意外とそうでもなかったけど、良いこともして、犬も無事に飼い主のところへ戻れて、みたいなことがあった。
そこでも彼の人の良さを感じたのを覚えています!2023彼に任すぞ!と、決めた!
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Technical Dry Hoodie Pike & Grayling
すごく久しぶりのBlogを書いてみてます。昔のように釣りに行く度に釣行記を書くわけでもないし海外の釣りもどちらかというと動画で見せたいこの頃に、じゃあ何を書いていけばいいんでしょうね。と言うことで、今回はかなり苦労して出来上がったアパレルの告知をしておきましょう。
テクニカルドライフーディーは、その名の通り機能性を重視した薄手のパーカーです。速乾素材はもちろん紫外線対策もUPF50+でバッチリ。過去にドライロングを制作した時よりもより軽やかな生地を採用してます。
こだわりは色々とあるのですが、一番目立つ部分はやっぱりフード。フードをかなり大型にすることで、帽子を着用時や僕のようにもともと頭のデカイ人間でも、フードを被った時に首周りは引っ張られないようにしました。「大きめのフード」と言っても実際ここまでゆとりを持ったフーディーは少ないかなと思います。このサイズにすることで着心地はもちろん、横からの日差しも遮りやすく顔への照り返しを緩和するなど、夏の本流やオフショアなど日差しの強いシチュエーション���活躍できるディテールです。
リブもサンプルを複数試して、程よい絞りとフィット感に仕上げてます。リブのないデザインも嫌いじゃないのですが、時計をする時やグローブを嵌める時なんかも視野に入れると、程よく手首周りを抑えてくれて干渉してこないリブはやっぱり欲しかった。インナーとして着る時もリブの有無は結構重要だったりしますね。
ボディカラーも本当に悩みましたが、大人のオシャレには可愛らしさが必要不可欠だと思っているので、大胆に見えて意外と馴染むオレンジを先ずは選びました。ここ数年は毎年の行事となっている南西諸島の遠征時もこのカラーはとにかく活躍します。日差しの青い海の中でのコントラストは最高ですし、特に西表のマンゴージュースとの色の相性は抜群ですね。
もう1色はステルスグレー。これはもう本当に誰にでも選びやすい普遍的なカラーでもあり、実際にたくさんいても姿の見えないトラウトたちにもちなんだカラーです。見た目にも涼しく、パステルカラーのショーツを履いているお客さんも多そうに感じたので落ち着いたカラーを採用しました。僕個人的には渓流はこっちかなぁ、プリントもグレイリングだし。
どこまで行ってもフィッシングを忘れるわけにはいかないので、パイクストリートのアパレルには当然魚のモチーフが多くなる訳なのですが、今回のドライフーディーはそこを限界まで抑えたデザインに仕上げてます。
きっと帽子にも魚がプリントされていたり刺繍されていたりするでしょうし、大きく魚をあしらったシャツは他にもリリースしていることもあり、このドライフーディーの魚に関してはフードを着用時にさりげなく存在感をアピールしてくる場所とサイズ感にプリント。生地の機能性を最大限に発揮するのにも一役買ってくれます。
それとサイズに関してですが、1からオリジナルボディを制作してますのでSから4XLまで展開してます。Sサイズは女性にもおすすめできるし、海外のアウトドアメーカーでしかなかなかぴったりのサイズに出会えないBIG BOYSも着てもらえると思います。
とまぁこんな感じがざっくりとしたアパレルの解説でした。
今年の目標は「真面目にやる」です。釣りばっかりやってないで色々企画していきますので2024年も何卒よろしくお願いします。
さて、最近よく考えていることとしては僕ぐらいの中年のアングラーで業界に携わる人間ってどんな風にたち振る舞うのがいいのかです。例えばキャリアが進むにつれて、関係者が集まった時なんかは〇〇さんとか〇〇君を知っているかとか、どこどこのアレ作ったの俺とか、なんかマウントチックな会話が多くなって来まして、本当に無知な僕は誰々さんは知らんし興味もないため、自分が知られていなくても何も感じない、、、。
最終的には釣りが上手いとか下手とか、大御所たちの話に話題が進むと遂に耳が塞がってしまって困ってます。別にリスペクトがないとかじゃないんです。自分なりにキャッチしてきた情報とか出会いとか様々なきっかけで好きな先輩も大御所もいます。でもなんか、世界がとっても狭くなってこちらに迫ってくるような恐怖を感じる時があり、そもそも群れるのが本当に苦手なのと、その根底にあるのは自分の知名度がまだまだ低いことに対するコンプレックスからくる一種の”逃避欲”だったりするのかなぁとか、考えたりする訳です。
僕はよっぽど嘘を並べたり話ばかりで実際釣りしているのか分からないアングラーでもない限り、上手いとか下手で判断して関わり方を変えたり嫌ったりっていうのは本当にないし、どれだけ有名だろうが大きなメーカーの代表だろうか「こいつはダメだ」って判断したらそれっきりです。皆そうでしょう。同じ会社の上司で今後も関わっていくとかなら話は別だけど。
で、多分それがカッコイイってどこかで思ってきたけどこんな歳になると無駄につっぱってるだけなのか?とか思う時もあり、、、。きっと寝込んだ時に島耕作を読みすぎたせいだと思うので、これまで通り好きにやってこうと思います。
何が言いたかったのかよくわかりませんが、僕の心の軌跡を残しておきますね(笑)
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旅記録② in Australia🇦🇺
Uluru,Kata Tjuta編
絶景写真と共に振り返る。
ついに、ずっと行ってみたかったUluruへ。
UluruことAyers Rockは、ノーザンテリトリーの中心にある大きな一枚岩のこと。先住民アナング族にとっての神聖な土地で、約5億年前からある、大きな大きな一枚岩。Uluruは、彼らの言葉で「偉大な岩」という意味。写真だと分かりにくいけど、東京タワーより高いらしい🗼
感想①こんな大きいのが一枚の岩ってやばい、②岩以外マジで何もない、③ハエやばい。
3日間の滞在で、先住民アナング族の歴史を目で見て、耳で聞いて、かなり深く知ることができた。
(アナング族のことを白人はアボリジニと呼ぶけど、これは差別用語で、Australiaの人たちは皆『Anangu』とか『first nations(最初に住んでいた人)』って呼ぶらしい。)
アナングの人たちは文字を持たないから、昔話で子供たちに文化や歴史を伝えていくとのこと。たくさんのストーリーを教わったけど、物語に含まれる教えはどれも、どの時代でもどの地域でも共通なんだな〜って感じて、面白かった。(例えば、女の人の勘は当たる、嫌な予感は現実になる、人の忠告は聞け、謝られたら許せ、などなど)
世界遺産を見にいくなら、絶対に歴史を一緒に学んだ方が良いなと改めて痛感。おかげさまで、実り大きい観光になった。
朝4時に起きてバスで2時間ほど移動して拝んだ景色。朝日に照らされる一枚岩。↓
一生に一度は見たい景色だったので、もう訪れることがあるのかは分からないけど(旅費高いし)、でも一生忘れられない景色だったのは確かで。
雄大なランドマークの迫力がえげつなくて、ホッとため息が出る美しさ。自分が日常で感じてるモヤモヤとかって大したことないんだなってリアルに感じた。
自分の両親がまだ足腰元気なうちに、ぜひ行ってほしいな〜って思った^^
ハエよけ帽子は絶対みんな持って行った方がいいです。快適さがちがいます。
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雷遠く海が鳴る
この数日間なんなら名古屋はとても暑くて、アスファルトからの熱気に負け、私は頭の奥底で唸る頭痛に泣かされた日々を過ごした。
8/18(金)
私は有給を取り名古屋に向かう。片道4時間近くとしっかりした移動時間で一瞬考えるのをやめたくなったけど、地元の電車に乗り向かった。東京から東海道新幹線に乗り、母親から「富士山撮ってきてね」と言われ座席をアプリで覗くものの富士山側が埋まっていた為、普通席ではなくグリーン席に乗ることにした。結果は曇りで撮れずじまいだったけどゆったり出来たため結果オーライだった。(帰りもグリーンで帰った)今回の目的も、も、とは言ったら失礼だけど、恋人を連れ戻しに来た。正しくは彼の地元に遊びに行った。名古屋に着いた後慣れた足取りで地下鉄に向かう。彼の地元に来たのは3回目。1回目はものすごい喧嘩をした後で、2回目は年始だった。彼と合流して、コメダで休憩した。コメダはメロンソーダが1番好き。その後、宿泊先に荷物を置いて夜ご飯を食べに行った。台湾ラーメン。黄身と麺と肉の絡まりに惚れ惚れとしたけど、味の濃さにやられ初日からダウンしてしまった。台湾ラーメンは台湾で名古屋ラーメンと言われているらしい。名前の擦り付け合い。
8/19(土)
名古屋駅前のホテルに荷物を置き、カフェにて本日の行くところを探す。ノリタケの森と明治村に行こうと話をしたけど、外気温38度という暑さで後者は断念した。お昼にヒッコリーのハンバーグを食べた。肉肉しいハンバーグがとても美味しくて2個ペロリと食べてしまった。その後頭痛がひどくて薬を貰った。暑さからだとわかったけどどこにも吐き出せない痛みから、些細なことでイライラしてしまった。温泉に連れてってもらった後、腹痛に悩まされて前日に引き続き泣いた。申し訳なかった。ノリタケの森では小皿を買った。運転沢山してくれてありがとう。
8/20(日)
引き続き頭痛と腹痛に悩まされながら起床して帰る準備をする。チェックアウトギリギリまで寝る彼にイライラした。出る直前彼がキャップがないというので、知らんわ、と心がなってしまっていたが、彼が苛立つ姿に、八つ当たりする姿に呆れてしまった。そんな立場じゃないのに。いろんな場所に問い合わせたけど見当たらなくて、カーシェアで借りた車についても問い合わせたら夜に返却ということで、彼の親に捜索を頼むことになった。暫くしてから、「○○からもらった帽子、無くしちゃってごめんね」と悲しい顔で謝られた時、こちらも悲しくなった。駅前で待ち合わせている最中お土産を買って頭痛薬を飲んだ。別に泣かなくてもいいのに彼の前では涙が溢れてしまって、自分が弱くなった、と思った。彼が再合流した後、新幹線の発車時刻までエキチカのお寿司屋さんでお昼を食べた。セットに含まれていた茶碗蒸しに銀杏が入っていた。とても嬉しかった。チェーン店でも最近見当たらなくて落ち込んでいたから、より一層。新幹線の中で本日泊まるホテル探しをしている最中、隣でゲームする彼に腹立たしくなって、愚痴を吐いた。端的に動く彼が嫌になって、当初向こうに頼んでいた予約も私が取り、不貞腐れた私は涙が止まらなくなりながらイヤホンを耳にさして『愛がなんだ』を観た。愛ってなんだろうね、となりながら平生に戻ろうとして無になった。感情の起伏が激しかったなって、書きながら思うわ。ホテルについてからゲームをしながら寛ぐ彼を横目に何処か行ってやろうと思って部屋を出た。「どこに行くの!」と強くいう彼を放って近くのカフェで頭を冷やそうと思った。ら。電話の嵐。結局コンビニに寄ってホテルの部屋に戻った。戻ったことを確認した彼はマンガを読み始めて、いる意味ないだろうが、と思って私も私でアニメを観た。彼から隣に来てと合図されて、嫌々ながらもベッドに入り横になった。横になると頭痛と腹痛が思い起こされたので、どうしようも無くなり、ごめんなさい、と発したと同時に涙が溢れて声を荒げて泣いてしまった。いつもなら、「泣くな、情けない」という彼も、背中をさすって「大丈夫だよ」と言ってくれたことに、より一層泣いてしまった。一緒に映画を2本観た。2本目の映画でボロ泣きする私を見て彼は笑ったが、涙をマイナスからプラスに変えてくれた気がした。結局キャップは運転席の下にあったらしい。よかった、と思うと共に「○○からもらったキャップがあってよかった」と言われた。
泣き虫な自分を包み隠さず居られる場所になったことに改めて気づいたこと。去年の旅行時にも私が張り詰めてしまった時と比べて、遠くではなく近くまできて寄り添ってくれたことに嬉しかった数日間でした。夏の空のように不安定な自分を愛し続けたいね。
食べ物ばっかり!
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「BC L2327 S.S」♯1 ルー2327の通り
アフリカにあるベナン、湾岸都市コトヌー。
レストラン「ルー・ダノン」近く、2327通り。
そこには多くの売春婦がいる。
イエロー・セットソリッドスーツに、ブラックネクタイをした男は1人の売春婦に話しかける。その売春婦は金髪のアフリカ系の女性。身長は大体170cmほどだろう。この男性は167cmだ。その男は女性にヨルバ語で話す。
君、いくらだい?
私は安くないわよ。20000フランよ。
そうか、いますぐ行こう。
男は20000フランを払い、ホテルに向かった。
あなた、何者? 20000フラン払えるって…… ?
男は無言のまま歩く。
ホテルに着くと、女性はいきなり男性をベッドに押し倒す。
そして、キスをする。キスは舌と舌を絡め合う、その定か女性は男性のペニスを触る。男性はおっぱいを触っている。
女性は口から離し、耳から首にキスをする。その間にシャツを脱がす。お互いに脱ぐ。
脱ぎ終わると、女性は猫のような目で見ている。
研ぎ澄まされた、なにかをしでかしそうな目だ。
女性は首にキスをすると、その次は乳首を舐める。
舐めていると、男性は話す。
君はなぜこの仕事をしている?
女性は舐めるのを辞める。
あなたの知ることじゃない。それにいまは楽しみましょう。
と、ペニスを加えようと触ると、まるで雛のように硬くはなってはいなく、小さいままだった。
え!? なんで? 私の体は世界一綺麗で、素晴らしい芸術よ! 勃たないわけがない!
俺は、自分の勃起をコントロールできる。もっとも射精はコントロールはできないが。
なによそれ! 私は値しないってこと!?
そうじゃない、まずは話をしようじゃないか。君の名は?
待った、この話の途中私はあなたに忍び寄る。このままでは終われない。もし、私が勝ったら20000フランから30000フラン貰う。どう? やる?
いいだろう。 名前は?
カリーヌ、カリーヌ・シャリエよ。
話をしながら、器用にカリーヌは男を責める。
ん…… 俺はトンドルだ。ではなぜこの仕事を?
生活のためよ、そして夢のため。
夢? なんの夢だ?
私の夢は写真家よ。
学校に行ってるのか?
行ってたら、こんな所にいない。
家族は?
妹がこっちにいる。ガボンから連れてきた。妹の名前は…… 。
名前はいい、いずれ分かるだろう。
と、トンドルは苦しそうな顔をみせる。
どうしたの? 半勃ちよ? コントロール出来るんじゃないの?
君というやつは、普通の女性で俺を半勃ちにさせたのは初めてだ。
私は普通の女じゃない。これはどう?
くっ! ん…… 。
あら? どうしたのかしら?
���リーヌはトンドルのペニスの亀頭だけを責めた。
まるでチュッパチャプスを舐めるように舐める。
ぺろ、ぺろ、チュッ… レロレロッ…… ジョボジョボッ
激しく舐める。すると、カリーヌはその深い銃口のスキマをカリッと甘噛みをした。
トンドルはこれには衝撃が強すぎて、ペニスを固くさせてしまった。トンドルは手で口を抑えた。
カリーヌはすかさず手を握って、口からどかした。
くそ…… ッ!
ふふふ、あらあらこの太くて硬いものは私には正直なのね。
チッ! 負けだ。こんな女性は初めてだ。
と、言うのだが、カリーヌは舐めるのを辞めず、舐め続けた。すると、その太くて硬いものの先から白い液をびゅびゅびゅ、びゅびゅびゅと脈を撃ちながら、カリーヌの口に出した。
カリーヌはその白い液を呑み込んだ。
あなたのミルクは美味しいわね♡ 私の勝ちね。
…… ハァ…… わかった、30000フランだな。
30000西アフリカcfaフランは日本円で7300円だ。
毎度あり♪
シャワーを浴びて、服を着替えながら少し、ゆっくりする2人。
君は写真家を目指していたな?
え? ええ、そうよ。まだカメラもないから撮ってないけどね。
気に入った、君は俺と働け。
え? どういうこと? あなた何者なの?
俺はトンドル・サジュマン、コトヌーに住む起業家さ。
トンドルはカリーヌに名刺を渡した。
君に力をやろう、もしやりたいと思ったらその名刺の連絡先に連絡するといい。
と、ハット帽子を被り、トンドルはホテルを出た。
帰り際に「銃に撃たれたような衝撃の快感だった」そう言った。
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■Skeb(https://skeb.jp/@ssamanthass/works/13)より、リクエストいただきました。
今回はVtuberのAkiさんからリクエストいただきました! とっても可愛らしい女の子で、芝犬の耳つき帽子&尻尾が特にツボでした。 拝見した資料から過発で明るく元気な女の子!という印象を受けたので、色使いやポーズでそれらを表現したつもりです。 水彩で描いた絵をソフトで加筆し、背景もつけました。 実際に活動の告知動画やSNSのアイコンにご使用いただいているところをお見かけできた時はとても嬉しかったです。
この度は制作の機会をいただき、どうもありがとうございました!
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ある画家の手記if.39 告白
三人で家族旅行をして、香澄の睡眠も落ち着きだしてからしばらく経ったある日に、情香ちゃんは唐突にこの家を出て行った。 もともとこのままずっとここにいる気じゃないのは僕も香澄も分かってたし、出ていくことに変な他意はなくて、そろそろいつもの体を動かす忙しい仕事に戻りたくなったんだろうなと思った。
荷物もないし玄関まででいいというから、香澄と二人で玄関で見送る。 一人靴を履いた情香ちゃんは玄関で香澄の頭を髪が爆発したみたいになるまでわしわし撫でたあとで、満足したみたいに笑った。 「ん。もうそんな痩せこけてないな」 「…うん。ありがとう。情香さんの料理おいしかった」 情香ちゃんが香澄をまっすぐ見つめる。 「困ったらいつでも呼びなよ」 「うん」 「…香澄の目は綺麗だな」 そう言って情香ちゃんが香澄の頭を両手で挟んで持って引き寄せ て 「?!」 「ちょっ…」 香澄の目元に軽くキスしていった。香澄はフリーズして目をぱちくりさせてる。 僕は後ろから香澄を抱きしめて牽制する。 「…情香ちゃん、や、やめて…。香澄口説かないで」絶対僕が負けるから。 「そう思うならもう少しお前も大人になるんだな」 情香ちゃんは笑いながら颯爽と扉の向こうに消えていった。 「……。」 「………。」 室内に残された二人でしばらく同じ体勢のまま固まる。 「……香澄…情香ちゃんに心変わり「してないよ?!」 つっこまれるみたいに否定されてほっと息をつく。…へんな感じだ。前だったらそんな、香澄が誰を好きだって、こんなに焦ったりしなかったのに…今僕に気持ちの余裕がないのかな、家族になろうって言ったときだって僕は、香澄にほかに彼女とかがいるならそれで…って思ったり…してたのに。 ……もしかしてこれが独占欲ってやつかな。 もやもやを新鮮に感じながら、香澄に提案する。 「…ねえ香澄。僕はこれからどうしてもやりたいことがあるんだけど、香澄も手伝ってくれる?」 香澄は後ろから抱きしめてくる僕の腕の上に手を乗せて、僕の足の上に足を乗せて、僕もそれに合わせて足をぶらぶらさせたり体をゆらゆらさせて二人で玄関先で一緒に揺れる。 「いいよ。やりたいこと?」 僕はそのまま足の甲に香澄を乗せて二人羽織みたいな二足歩行を戯れにしながらリビングまで戻った。 香澄をソファに待機させると、家族旅行で買ったばかりの防寒具一式をすばやく取ってくる。 ソファに座った香澄にぐるぐるマフラーを巻いて頭に大きめのニット帽をしっかりかぶせて耳まで覆った。体にコートをかける。 僕は寒さに強いから適当なコート一枚でいいや。 「よし、出発」 二人で家を出て、すぐ隣のひらけた公園まできた。 まだ雪が積もったままで、隅のほうに少しだけ子供が雪で遊んだあとが残ってる。 一番綺麗に高く積もったあたりを二人で探して見つけた。 「…よし。香澄、雪だるま作るよ」 僕の真剣な声にとなりの香澄がふっと息を噴き出すみたいに笑った。 「…え。なにに笑ったの」 香澄は手袋をした手で口をおさえて笑いを堪えるみたいにしてる。 「な、なんでもないよ…作ろっか」 …また僕へんなことやらかしたのかな…でも香澄は嫌な気になってるわけじゃないみたいだ 「香澄…」 じと…と香澄を半目で見たら、香澄が笑って両手を掲げて降参しながら白状する。 「直人かわいいなと思ってつい、だってすごく気合い入ってて、ほんとに真剣にやりたいことみたいだったから、なにかと思ったら…」 まだ笑ってる。雪だるまは子供の遊びじゃないんだぞ。 二人で小さな雪玉を転がしながら、僕が胴体、香澄が頭を担当することになった。 香澄が凍った空気に白い息を吐く。 「はー…… 今日からもう情香さんいないんだね…」 「香澄が呼べばきっといつでもまた来てくれるよ。僕が呼んでもあんまり来てくれないけど…」 「そういえば直人は情香さんと一緒に暮らしたことないって言ってたけど、二人が一緒にいるのすごく自然だったよ。幸せそうだった。どうして別々に暮らしてたの?」 「………」 僕の返事がそこで途切れたから香澄は慌ててつけくわえた。 「ごめん、口出しなんて…「いや、なんでも聞いていいよ。香澄も家族なんだから」 笑って香澄が謝るのを遮ったものの、質問には答えられずに、話は自然と別のことにうつっていった。 かなり大きくなった雪玉を、バランスをとりながらふたつ重ねて、二人で支えてしっかり立たせる。 長身の男二人で丸め続けた雪だるまの身長はなかなかのものになった。少なくとも子供が集まって作れるサイズ感じゃない。 「僕は目を探してくるから、香澄は鼻か口を見つけてきてくれる?」 「なんでもいいの?」 「いいよ」 二人で手分けして公園内の木や石を見て回って、手頃なものを探す。僕は黒々としたつぶらな石の瞳と元気に広がった枝の腕二本を見つけた。香澄も尖った石を持ってきて、顔の真ん中に鼻にして刺した。 目も腕もついて、ちょっとだけ天を仰ぐ顔の角度で、かわいくできた。完成だ。 「香澄、ケータイ持ってきた?」 「持ってるよ。写真撮ろうか」 「うん、……誰か…撮ってくれる人がいたら…」公園内は平日だからか閑散としてる。香澄と僕と雪だるまを撮ってくれそうな人が通りがからないか待ってみる。 すると一匹の大きなシェパードが遠くから僕らのほうに向かって猛スピードで走り寄ってくるのが見えた。 人なつこいのか、雪だるまに興味があるのかな。 「首輪つけてるね、飼い主に写真が頼めないかな」 二人で飼い主の影がどこかにないか見回す。 すぐに体に触れられるほど近くにきた犬の頭を撫でる。吠えたり噛んだりもしない、よく躾けられたいい子だ。 「直人、犬には嫌われないんだ」 「ね、猫だけだよ…あんなに嫌われるのは」 「犬も好き?」 聞かれて一瞬ぼうっとする …似てるってよく言われるな 犬は好き 特に大きい犬は僕がぎゅって抱きしめても骨を折ったりしなくて安心だし 犬は好きだったよ 飼い主が …いや、飼い主のことだって別に嫌ってたわけじゃ その時、雪上に大きな指笛の音がまっすぐ空間を貫通するように響き渡った 「…あ、この子の飼い主さんかな」 香澄が音のしたほうに振り返って、丘の上の散策路に人影を見つけた。 笛の音で犬は全身をぴしっと引き締めてまた一直線に音のしたほうへ駆け出した。 犬の…首輪に下がってたあれは名札? BU…STER…? 「come,バスター」 散策路の人影が一言発した 介助犬とかの訓練用に共通で決められてる命令語だ 犬と一緒にすぐ木立の陰に消えていって僕にはほとんど見えなかった 襟を立てたロングコートだけちらりと見えた 「………人違い…」 …だと思う。あの人はこの時期に日本に滞在してることは滅多にないし ここに居るほうが変だ 「直人」 横から怪我してないほうの腕を香澄にひっぱられた。顔を覗き込まれる。 「変な顔してるよ。大丈夫?」 「…うん。なんでもない」 いつも通り笑ったつもりだったけど香澄に手袋をはめた手で顔を挟まれる。…心配かけちゃってる。 「…さっきの人、知り合いだった?」 「…ううん、人違いだよ」 今度こそうまくちゃんと笑って、香澄をぎゅっと抱きしめる。 「雪だるま…大きく作ったからきっと明日もまだちゃんと残ってる。今日は写真は諦めて帰ろうか」 「…うん」 二人で雪だるまを公園に残して家のほうへ歩き出す。 まだちょっと心配そうにする香澄の頭をわしゃわしゃ撫でて頭を胸に引き寄せてこめかみにキスした。 香澄の右手から手袋をすぽっと取ると、素手になった香澄の指に自分の指を絡めて、しっかり繋いだ手を僕のコートの左ポケットに突っ込んだ。 夜。久しぶりに二人だけで夕飯を作って食べる。 ひとり分の賑やかさが消えて、ほんの少しだけ寂しいような、不安なような。 それをかき消すように二人でいつもより手間をかけて凝った料理をいくつも作った。 食事が終わって片付けも済んで、僕がソファに座ったら香澄が横からするりと僕の膝の上に座った。…かわいいな。 香澄の体を包むように抱きしめる。 「…こういうの久しぶりだね」 って、自分で口に出しておいてだんだん恥ずかしくなる。 情香ちゃんもいたときはそういうことを意識して避けてたわけではなくて、自然とそういう気分にはならなかった。 「…香澄、こっち向いて」 僕の腕の中でゆったりリラックスしてた香澄が顔をあげて僕を見る、手で顎をとって軽く開かせると舌をさし入れて深くキスした。香澄も目を閉じて舌が口内でゆっくり絡み合う。一度少し唇を離してもう一度、角度を変えてもう一度、そうやって何度も深いキスを繰り返してるうちに、身体の芯からじんわり溶けそうになる。…気持ちよくて目が潤む。 一旦休憩。口を離すと少しだけあ��った息が至近距離で混ざり合う。 「…香澄… …したい」 正直にこう言っても大丈夫。香澄はもう嫌なときはちゃんと嫌って言える。迫られても襲われても、意に沿わないときは自分の身を守れる。…帰ってきてくれた。それがすべてだった。 香澄の両腕が僕の背中に回って、ぎゅっと僕の体に絡められた。 「……うん…」 首元にあてられた香澄の顔は見えないけど、ちゃんと聞こえた、返事。 そのまま香澄の脚の下に腕を通してもう片腕で背中を支えて、横抱きにしてソファから抱え上げる。 左腕に少しだけ痛みがあった。負担がそっちにいかないように香澄の体の重心を少しずらす。 ドアを開けっぱなしだった僕の部屋に入ってベッドの上に香澄をおろすと、少し赤らんだ頰にキスを落とした。
続き
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2023/6/24
6月24日 今日は生活のミステイクが重なってしまい、お外で楽しかったことが薄らいでしまった。生活を正さないと何も楽しめない。
ちーちゃんから「そだつのをやめる、をお誕生日にもらった」というメッセージが届いていた。とても素敵なプレゼントだけれど、ちーちゃんって8月生まれでは?
生活のミステイク1は、朝少しまた鳩の気配を感じたこと。出かけ際にバルコニーを見ると羽が一枚落ちていて何かメッセージ性を感じてしまう。
有楽町から銀座へ歩いてメゾンエルメスへ。 国際フォーラムでは骨董市?みたいなのをやっていて、下の展示場では音展を開催していた。 なんとなーく眺めていると、国際フォーラムのカウンターにうさぎのぬいぐるみがいる! それは毎年、クリスマスからお正月にかけて国際フォーラムの地下で展示される干支ツリーのぬいぐるみ! こんなところに…!と近づくとカウンターのお姉さんが「1年間こちらに飾っているんです。」と、アクリル板の内側から出してくれた。 紅白それぞれ写真を撮って、窓口内へお返しする時、初めて干支のぬいぐるみを触ることができた。梅雨なので耳に紫陽花の飾りをつけていた。
メゾンエルメスで“エマイユと身体”を鑑賞。 釉薬を使った表現の作品。メゾンエルメスで観る作家さんはいつも新しくて世の中には本当にたくさんの美術表現があるな〜と思う。 帽子とスリッパを粘土で作った作品が印象的だった。病院でセラピーをしているらしい。 あとジュネーヴで作家をしている方の建築と記憶を表現している作品に、リヨン駅やヴィトラミュージアム、ゲーテアヌム等行ったことのあるスポットを見つけられて、また海外の建築を観たい気持ちになる。
資生堂ギャラリーには時間がなくて行けず、そのまま新橋からゆりかもめに乗って日本科学未来館へ。 国際ターミナル駅で友人とばったり会えて、一緒に未来館へ向かう。 転職した話や人間ドッグのエピソードを聞かせてもらった。バリウムは医療機関によって味が異なるらしい。 7月から新しい職場で全く異業種とのことで「久しぶりの新天地なのでがんばる」と言っていた。えらいね〜と思ってしまう。
未来館は思ったより空いていた。 人工衛星が撮影した?地球が投影された地球儀や、インターネットのつながりを物理的に示した展示、ハザードの循環をドミノやボールで表現した装置など、なんとなく高度な内容だった。 アザラシのロボットは可愛かった。
シアターも予約して、はやぶさ2の制作に関わった人々のお話をみた。プラネタリウムのようなドーム型シアターにワクワクしたけれど、映像の内容はNHKの番組みたい。 はやぶさ2がリュウグウから持ち帰ったかけらは、これまで発見された星よりも炭素が多いらしく、それが人類の誕生の研究材料になっているとのこと。人は炭素と強く結びついているの? その他にもはやぶさ2は今どこでなにを?とか、謎だらけになった。友人とも謎が謎を呼ぶ会話をして、2人ともiPhoneで調べるわけでもなく、帰ってNHKをみよう、みたいな流れになった。
帰り、今日は桃を買う!と決めていたので、桃と、万が一桃をうまく捌けなかった時用に、補欠でカットフルーツのりんごを買う。 帰るとポストがなんかおかしい。
生活のミステイク2は、ポストに入れていたバナナが液状化していた!つらい!マンションの全住民に謝りたい!エントランスホール異臭事件ごめんなさい! 塩素でポストを拭き上げたけれど、匂いが酷く鼻にこびりついてしまい、シャワーを終えても、お香を焚いても、バナナと塩素の混ざった匂いを感じ続けている。
日記を書いていたらいつの間にか外が真っ暗。 でもちーちゃんのおかげで夏至を更新中。
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