#オレたちひょうきん族
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「アダモちゃん」で人気、島崎俊郎さんが急性心不全で死去、68歳
民放のバラエティー番組「オレたちひょうきん族」などに出演し、「アダモちゃん」のキャラクターで人気を博したお笑いタレントの島崎俊郎さんが亡くなったことが7日、分かった。68歳だった。 関係者によると、島崎さんは6日に都内の自宅で倒れ、救急搬送されたが、病院で死亡が確認されたという。死因は、急性心不全だった。数日前から体調不良を訴えていたという。 島崎さんは、1973年にお笑いタレントを目指して上京。クレージーキャッツのハナ肇さんの付き人となった。1979年に川上泰生、小林すすむと、お笑いトリオの「ヒップアップ」を結成。ギターを手にした歌謡コントで人気となり、漫才ブームの1980年に、お笑い番組で勝ち抜き、人気を博した。その後、島崎は「アダモちゃん」の人気キャラクターを確立した。 2012年5月には「ヒップアップ」メンバーの小林さんが胃がんで58歳で亡くなっている。
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テレビの黎明期において、コメディは通常観客のいる舞台で演じられるものであり、収録には観客の笑いが入っているのが当然であった。しかし、スタジオでの撮影が普及するにつれ、舞台での臨場感を代替するため、録音笑いの技法が考え出された。 録音笑いがテレビ番組の技法として初めて用いられたのは、アメリカで1950年に放映されたシチュエーション・コメディである『ザ・ハンク・マッキューン・ショウ』であった[1]。その後、普及を重ねる中で、アメリカのシチュエーション・コメディを特徴付ける重要なアイコンになるまで至った。『アイ・ラブ・ルーシー』、『奥さまは魔女』、『じゃじゃ馬億万長者』、『アーノルド坊やは人気者』、『フルハウス』、『iCarly』など、日本でも人気となった作品で盛んに録音笑いが用いられ、日本人にとってもなじみの��る技法となった。 ヨーロッパにおいても用いられ、『空飛ぶモンティ・パイソン』『Mr.ビーン』などのコメディ番組で録音笑いが盛んに使われた。 昭和期の日本のコメディやバラエティ番組においては、観客のいる場でのライブ収録が多かったため、録音笑いが用いられることは多くなかったが、『ドリフ大爆笑』が盛んにこれを用い、日本のテレビ番組における録音笑いのパイオニアとなった。 その後、コメディにおいてもスタジオセット撮影やカメラの切り替えといった技法が普及すると、観客がいない場での収録が増加したため、昭和終期に『オレたちひょうきん族』をはじめとするコメディ番組が録音笑いを用いるようになり、一時期日本のテレビ番組においても一般的な技法となったが、平成期に入ると前述のとおり無観客のシーンはスタッフの笑い声を直接取り入れる方式が台頭してきたため、録音笑いは衰退の一途を辿っていった。
録音笑い - Wikipedia
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夢や目標の話を書いてみる
なんだか少しパターン化されてきているから、それもおもしろくないので少し自分の幼少の頃〜大人、現在までの思い描いていた?夢や目標を書いてみようと思う。 昨日の投稿で50日間連続投稿を達成したからパターンを変えてみたいと考えた♪ たまに通りすがりの人のアクセスはあるんだけど、誰だかはわからない同じIPアドレスの人で定期的に見に来てくれている人が居て、昔から知ってくれている人なのかな? その人のおかげで毎日更新のモチベーションになっている。 誰だかわからないけど、とても感謝の気持ち。 あなたのおかげで頑張れています! ここから夢や目標の話を再開。 幼少の頃の夢目標 オレたちひょうきん族を見ていてお笑い芸人に憧れていたり、ドラマを見て俳優になりたいと思っていた。 単純に���能人?的なものになりたいと思っていた。 この頃、臆病者なのに…
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1980年代にフジテレビの人気番組「オレたちひょうきん族」などに出演し「アダモちゃん」のキャラクターで人気を博したタレントの島崎俊郎さんが68歳で亡くなったことを受け、追悼した。 80年代中盤に日本テレビ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の名物企画「早朝バズーカ」から親交を深め、40年以上も交友関係を続けてきた。突然の訃報にサンコンは目に涙をためながら当時を振り返った。「僕、台本に書いてある漢字が読めないんで。台本が全部日本語なんで。(島崎さんが)『サンコンさん、ちょっと待って。読んであげるから』って。もう結構助けてもらった。だから一生忘れない」と語った。
オスマン・サンコン、島崎俊郎さんに涙で感謝 漢字読めず「台本読んであげるから」一生忘れない(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
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虎の威を借る狐の威を借る
Podcast『虎の威を借る狐』にお招きいただき、おしゃべりしてきました。説明不要で通じるタメトークはめちゃくちゃ楽しかったのですが、いざ録音されると緊張で全く思うように話せなかったので…プレイリスト含め少し補完的なものを書きたいと思います。
⚫︎虎の威を借る狐 (#33〜#35に出てます)
【カバーアートについて】 事前に聞いていたキーワードや番組のイントロから’80〜’90年代っぽい感じをイメージしました。具体的にはうる星やつらのOPやED、サンリオ、ファミコンのカセット(シティコネクションとか)、を頭の隅に置きつつ5つ提案してめでたく3つ採用となりました。
【マイファーストユーミンの話】 「オレたちひょうきん族」のEDや、TVCMで聴くともなしに 耳にしてたけど誰が歌っているかなんて長らく意識することもないまま。
中学生になってラジオを聴く習慣ができるとオールナイトニッポンも聴くようになって、そこで初めてサビしか知らなかったいろんな曲をほぼフル尺で聴くようになります。でもラジオだから途中でCMに入ったり、オートリバースの折り返しで録音できてなかったり苦労しました。田舎ゆえ生活圏内にレンタルCD屋がなかなかできなかったんですよね…。
そこで歌から鮮明に情景が浮かんだり、ノスタルジーとも違う(と思う)知らないのに懐かしい、みたいな感覚を覚えたのが初めてで感動してハマりました。それと言葉の美しさ、面白さ、歌詞を読む楽しさも教わったし、それは今でも続いています。
で、一番好きな曲は?という質問?え!そんな?愚問!w いやでもまぁ当然訊かれますよね…全然考えてなかったので焦りましたが、あのころ慌てて歌詞を書き留めた曲の中から「水の影」を選びました。ラジカセの前で一時停止を繰り返しながらルーズリーフに歌詞を書き留めたのを今でもはっきり覚えています。
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黄昏色とゆっくり流れる(時の)川の心象風景。穏やかだけど抗えない時の流れに、切なさと少し怖いような気持ちになったのを覚えています。まだ中学生だった自分には「遠くなった過去たちを振り返る」ことは想像するのも難しかったけど、なんかめっちゃエエやん(雑)!と初めて聴いた時から大好きな曲です。
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まず大訂正。 今年(2023年)はユーミン51周年ですね…失礼しました。 1972年7月5日「返事はいらない」でデビュー。 プロデューサーは、かまやつひろし。ムッシュ! このシングルのアレンジも可愛らしくて好き。
「牛乳瓶にダリア」 たしかデートしてる時に「何の花が好き?」という質問にユーミンが「ダリアの花が好き」って答えたのを覚えていて、���日スタジオのピアノにそっと飾ってくれてた〜というエピソードだったと思います。正隆さんはオシャレで、キザというよりロマンチストというイメージがあります。ポジティブなイメージはそんな感じでしょうか…w
『ユーミン万歳!』 番組内で全曲リマスタリング言うてますけど全曲エディット&リミックスですね。上手く聴こえる!なんて言いましたが、声の解像度がグンと上がってユーミンの声の魅力を改めて感じられるアルバムだと思います。アレンジの違いも楽しいです。 ちなみに配信用リマスタリングはサブスク解禁の時、全423曲に施されています。
『Man In the Moon』 これはヤンエグ男ではなくそれを目指している上昇志向強めな若い男の歌ですね。 彼の夢は白いロールス プール付きの家 他人の鍵を腰で鳴らして クロークに戻す ってことなのでホテルの駐車場とかで働いてるイメージかな。マッチョでギラギラ。
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【プレイリストについて】 最初にユーミンの曲にちゃんと触れたのはオールナイトニッポン(ANN)だったという話にちなんで、ラジオ経由で初めて聴いて好きになった曲、『天国のドア』以降は発売日にCDを買ってるので、それ以前の曲を中心に選んで当時の印象など添えてみました。
⚫︎あなただけのもの それまで聴いたことのある曲たちのイメージと全く違う、ファンキーな曲調にびっくりして、かっこいいー!ってなった曲。
⚫︎あの頃のまま ANN恒例の苗場からの放送、弾かな語りライブのコーナーで聴いて、その歌詞に強いゲイネスを感じた曲。のちにセルフカバーアルバム『FACES』に収録。元はブレッド&バターへの提供曲でオリジナルも良い。
⚫︎青いエアメイル それぞれの決断とその行方を信じる気持ちが尊い。 “青い”という言葉(色)が情景や心情にも掛かっているようで切ない。
⚫︎ジャコビニ彗星の日 歌詞の解釈で友達と意見が対立した思い出… “流星群”は電話が少なくなった”あなた”のことで、”寂しくなればまた(私のところへ)来るかしら”と歌っている。という友人。 僕は、もうその”あなた”はどうでもよくなってきてて、また誰かを好きになることができるかな…って歌。”流星群”は誰かを好きになる気持ちの隠喩なのでは?と反論。 もちろん答えは出ないままー。
⚫︎影になって メロディーも歌詞も、なんか知らんけど都会的やん!って思った。 真夜中は全てが媚びることもなく それでいてやさしい えーかっこよ…
⚫︎星空の誘惑 車の助手席で勝手に盛り上がってるオンナの歌なんですがー(好) オレンヂのトンネルの中は 横顔がネガのようだわ というフレーズが映像的でハマりました。
⚫︎夕涼み イントロから少し気だるい夏の夕暮れ時の映像が目に浮かぶ。 虹も雲も風も濡れた髪も焼けたうなじも全て儚い。 ちょうど夏の終わり頃に聴いて刺さりました。
⚫︎晩夏 (ひとりの季節) 空色は水色に 茜は紅にー 藍色は群青に 薄暮は紫にー ただちに色の名前とどんな色なのか調べました。空の色の変化と季節の移り変わりに気持ちの変化をなぞらえる繊細さと美しさよ!
⚫︎青い船で 初めて聴いたときイントロから完全に宇宙の映像しか見えなくて、どんな歌かと聴いてると実際そういう歌詞で、え…イントロのイメージすごい…てなっりました。愛を天体で語るスケールの大きさも好きです。
⚫︎TROPIC OF CAPRICORN ドラマチックで好き! アルバトロス=アホウドリというのもこの曲で知りました。
⚫︎かんらん車 TROPIC OF CAPRICORNが”動”ならこちらは”静”のドラマチック。静かに雪が降り積もる遊園地のモノクロの情景が、とても冷たくて悲しくて美しい大好きな曲。
⚫︎水の影 シモンズ版は具体的な情景で、ビルの間を車のライトが流れる都会の川のイメージ。同じ曲なのに印象が全然違うのが面白い。
⚫︎A HAPPY NEW YEAR 今年も沢山いいことがあなたにあるように いつも いつも 恋人のもとへ真っ直ぐ向かう気持ちとその姿が初々しくて清々しい。素敵だなぁと素直に憧れました。年賀状に「今年も沢山いいことが⚫︎⚫︎さんにありますように」とか書いたなぁーw
⚫︎翳りゆく部屋 戻らない「輝き」って恋人や過ごした時間や愛情のことだけではなく、本当に失ってしまったのは有ると思っていた未来のことかー(むしろ過去は変わらない)!と気づき、歌詞を読む楽しさを知った曲のひとつ。そんなの聴けばわかるやろと思われるかもしれませんが自発的にわかった(と思えた)時は快感なんですよね。
⚫︎経る時(ふるとき) 四月ごとに同じ席�� うす紅の砂時計の底になる 転調のドラマチックさ最高。情景描写の積み重ねで、巡る時間と季節の移ろいをこんなに美しく表現できるものかと。アルバム『REINCARNATION』のラスト曲。この曲も輪廻転生やん!って気づいて興奮。
▶︎MY FIRST YUMING PLAYLIST
あなただけのもの あの頃のまま 青いエアメイル ジャコビニ彗星の日 影になって 星空の誘惑 夕涼み 晩夏 (ひとりの季節) 青い船で TROPIC OF CAPRICORN かんらん車 水の影 A HAPPY NEW YEAR 翳りゆく部屋 経る時
以上14曲。 よろしければサブスクなどで聴いてみてください。
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「アダモちゃん」で人気を集めたタレントの島崎俊郎(しまざき・としろう)さんが6日、急性心不全で死去した。68歳だった。
オレたちひょうきん族でアダモちゃん…島崎俊郎さん死去、68歳 | ヨミドクター(読売新聞)
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P3 Club Book Fuuka Yamagishi short story scan and transcription.
風花☆すたんぴーど!
証言1: 「山岸?ああ、あの地味で大人しい子だろ?前はちょっと暗かったけど、最近少し明るくなったよな。趣味······とかないんじゃねえの?たまに何か難しそうな本読んでるくらいで。あ、でも確か文化部入ってんだよな?あとはぁ、ゴメン、よくわかんねえや」
証言2: 「風花ちゃんは最高っす!あの儚げな姿、聞く者を夢に誘うようなほわほわした声、成績だって常に上位に入る明晰な頭脳、すべてが理想のままの美少女っす!そういや噂では、医学部目指して猛勉強中らしいっすよ。ああ、白衣姿の風花ちゃんに癒されたいっす~!」
証言3: 「山岸風花ぁ?なんかさぁ、あいつって妙にイライラすんだよね。 いつもオドオドラじうじしててさ。まぁ、確かに最近雰囲気変わったけどさ。いつも夏紀と一緒にいたじゃん?こーいうの何て言うの?虎のいを······かる羊だっけ?あはは、アタシってなんか普通に頭良くなーい?」
---人は、さまざまな仮面を持っている。友達と一緒にいる自分、家族と一緒にいる自分、恋人と一緒にいる自分、それぞれ違った顔を持つ。それは山岸風花にしても同様で、さまざまな証言からは得られない一面を、隠し持っていたりする。そしてそれは、同じ巌戸台分寮に住む仲間たちの前では、ごくまれに明らかにされることがある。例えば、こんな風に。
「ふぁ~あ······ん?風花、何やってんだ?」
とある休日の午後、惰眠を貪った順平が自室からラウンジに降りてきたとき、風花はソファに座って目の前の何かに集中していた。テーブルの上には、小さな人形が20数個ほど整然と並べられており、その横にはそれら人形が入れられていたと思しき袋の残骸が山となっている。
「あ、 順平くんおはよ······あはは、ちょっとね」
「ん?これってもしかしてボトルキャップってヤツか?そういやオレも昔集めてたぜ、大リーグシリーズのヤツ。懐かしいなぁ」
順平が言うとおり、それはボトルキャップに小さなフィギュアがついた、ソフトドリンクのおまけとして知られる物だった。
「実は······私けっこうこういうの好きで、たくさん集めてるんだ。ヘン······かな?」
確かにコレクターには男性が多いといわれ、収集癖がある女性は珍しいほうに入るだろう。しかも、いま目の前に並ぶそれは、多少、いやかなりマニアックな部類に入るものだった。
「つか、何だこれ?怪獣?」
「ち、違うよぉ!これはね、“懐かしのモンスターシリーズ・シーズン3 B級ホラー映画の怪物たち” だよ。 怪獣なんかじゃないんだから」
そちら方面にあまり興味がない順平にとっては、幼いころに見た特撮怪獣と見分けがつかないのだが、風花にとっては大きな違いがあるらしい。意外といえば意外な風花の趣味に、順平はちょっと新鮮味を覚える。
「あのね、こっちが『トレマーズ』に出てた地底生物でしょ、そしてこっちが『バスケットケース』に出てたお兄さんのほうね」
お兄さんのほう、とか言われても、弟が誰かすら知らない順平は「そ、そうか」としか返事ができない。そんな順平に構わず、徐々に興奮をあらわにしつつ風花は説明を続け���。
「で、これは有名な物体X。 もちろんジョン・カーペンターじゃなくて旧作のほう。あ、こっちは取るのに苦労したんだよ、『死霊のはらわた』のアッシュの手首!ちょっとかわいいよね」
勢いが止まらない風花に、暑くもないのに順平は汗だくになる。軽く朝の (もう昼だが) 挨拶をしただけのはずが、妙なスイッチを押して風花の中の何かをはじけさせてしまったらしい。
だが、なぜかそこで風花はふっと表情を曇らせ、はぁと大きく溜め息をついた。
「でも······」
「ど、どうした?」
その憂いを刻んだ横顔に、少しだけ順平はどきりとする。何のかんの言って、風花はかなりの美少女なのだ。だが、その小さい唇から紡がれた言葉は、順平の不埒な馬っ気などしおしおに萎えさせるものだった。
「見つからないの、レア物が」
「へ?レア物?」
「そう。『バタリアン』に出てた、ゾンビ化ガスで生きっちゃった犬の標本。すごいんだよ、身体の真ん中で真っ二つに割れちゃってるのに、わんわん吠えるんだよ。おかしいよね」
屈託なく笑う風花。順平がふとテレビのほうを見ると、横でコロマルがだらりと寝そべって眠っている。風花って、確か犬好きだったよな?それでどうして、真っ二つになった犬でころころ笑えるのか、順平には不思議でならない。
「でね、それが超レアらしくって、いくら買っても出てこないの。シークレットだから個数とかの情報もないし······。いままで全部コンプリートしてたから、このシリーズも揃えたいんだけどな······ちょっと疲れて来ちゃった」
目の前に並ぶ20体以上のボトルキャップは、横に積まれた開封済みの袋からわかるとおり、おそらく今日買ってきたものだろう。いつ頃からコレクションしているか知らないが、これまでに買ったのは相当数に上るのではなかろうか。そして、ややへコみ気味の風花の顔を見ていた順平は、やがてある結論にたどり着いた。
「よっし、 風花!何かオレにできることあるか?そのレア物とやら手に入れるの、オレが手伝ってやるよ。あ、でも金貸してくれってのはナシな。オレってビンボーだからさ」
「え?順平くん······ホントに?······あ、ありがとう······嬉しい」
はにかむような笑顔を見せる風花。ああ、これだ、と順平は思う。以前、チドリを喪って生きる気力すらなくしかけた順平を、さりげなく気遣い癒してくれたのはこの風花の笑顔。それは決して恋愛感情ではなかったが、この子に悲しい顔をさせてはいけないという、ただそれだけの純粋で暖かな想いだった。
「いや~、しかし風花がホラー好きだなんて、ぜんぜん知らなかったぜ」
「え?別に私ホラー好きじゃないよ?」
「は?」
「純粋にコレクション��好きなの。ホラー映画のことは、集めてるうちに詳しくなっちゃった」
「そ、そう、なの······?」
一般人には理解不能なコレクター根性に触れ、先ほどの温かい想いはどこへやら、順平の背筋にちょっとだけ寒気が走る。だが、一度決めたことを反故にするわけにはいかないと、普段は見せない男気を精一杯奮って、順平は風花に対して力強く宣言した。
「おしっ!それじゃ明日から、幻のレア物探しをさっそく始めるぜっ!」
「うん!」
それが、順平受難の日々の始まりだった。
そして、レア物探しの協力宣言から1週間。 早くも順平は根をあげつつあった。
「ぜぇ······はぁ······ぜぇ······。ふ、風花······ちょ、 ちょっと休まない······か?」
「ダメだよ順平くん、さっき休憩したばかりじゃない。ほら、もう少しで寮も見えてくるよ」
レア物探しの協力、それは放課後に風花の買い物に付き合い、荷物持ちを引き受けるというものだった。だが、ひと口に荷物持ちといっても、その量が尋常ではなかったのだ。学校を出て寮までの道中にある、ありとあらゆるデパート、スーパー、駄菓子屋に立ち寄り、連日3~4ダースのドリンクを買い込むのである。単純計算で通常サイズのペットボトル1本500グラムだとして、4ダースでじつに25キロ!子供の頃からのマメな貯蓄で、風花の財力はそれだけの買い物に耐えられるものだった。不幸にも。
しかも、苦行はそれだけではない。ドリンクを買ったら、そのあとに飲むという作業が残っている。無駄を嫌う風花は、今まですべてをひとりで飲み干していたらしい。そのため1回に買える本数は限られていたが、順平の手伝いのおかげでそれが大幅に増えたと、めっきりご機嫌な様子である。だが、しかし······。
「出ねえな······レア物······げふっ」
「そうだね······くっ」
いったい確率的にどれほどのものかは知らないが、レア物ボトルキャップはいっこうにその姿を現わさなかった。
「さすがに······これ以上貯金使っちゃうのもマズイよねえ······くっぷ」
「つか······げぷつ······その前に······うぷっ······オレ の胃袋が······げーっぷ」
「でも······後には引けないよ、順平くん。最後まで、手伝って······くれるよね?」
思い詰めた表情で、順平を見つめる風花。そうか。こいつって、こんな負けず嫌いのところもあったんだ······。再度、自分が知らない風花の一面を見て、 順平はまた新鮮な気持ちになる。そして、そんな風花の知られざる顔は、次々と順平の前にさらされることとなった。
それが、風花の暴走の始まりであった。
「お願いしますっ!もしこのボトルキャップが出たら、譲っていただけませんかっ?あ、これ連絡先ですっ!」
「ふ、風花······さすがに恥ずかしいから······」
あるときは、たまたま同じドリンクを買った客を捕まえ、レア物が出た場合の譲渡契約を取り付けようとする強引な風花の一面を見た。
「レア物ボトルキャップを感じる······ユノの指先」
「って、ここでペルソナ召喚はマズイって��」
またあるときは、ユノのサーチ能力を使って開封せずに中身のボトルキャップを当てようとする、なりふり構わない風花の一面を見た。
「順平くん !これでもう大丈夫!あのね、アイギスのメンテ用に開発された、非破壊検査スキャナを桐条のラボから借りてきたの。これでボトルキャップなんか簡単に見つかるよ!ただ重量が2トン近くあるんだけど······スーパーまでどうやって運ぼう?」
「運べるかあーっ!」
そしてまたあるときは、万事そつがないようでいて意外と後先考えない風花の一面を見た。
······どちらかというと、できれば見せてもらわないほうがいい一面が多かった。
だが、それでもレア物ボトルキャップは見つからず······ついにキャンペーン最終日という日を、ふたりは失意のうちに迎えたのだった。
「結局······ダメだったね」
「ま、そういうこともあるさ。オレの人生なんか、ダメダメのダメばっかりだぜ?」
ポロニアンモールのベンチに並んで座り、おどけて言う順平に、彼が実際どのような気持ちで逆境を乗り越えてきたかを知る風花は、ただ優しく微笑みをもって答える。
「でも、ちょっと悔しいな」
「コレクター魂ってヤツか?」
「ううん、そうじゃなくて······順平くんとか、色々な人に力を貸してもらって、それに応えることができなかったのが、少し悔しいの」
「ま、オレは風花の意外なとこが一杯見れて、面白 かったからオールオッケーだけどな」
冗談めいて、でもかなり本音を覗かせて、順平は風花の無念を慰める。と、そこで。
「そういや、オレとか色々な人にって、ほかにも誰かレア物探し手伝ってくれてたのか?」
「あ、それはね······」
そう、風花が言いかけたときだった。
「風花ぁ!」
「え······え?な、夏紀ちゃん!?」
そこに突然現われたのは、先日家庭の事情で転校したはずの、風花の親友、夏紀の姿だった。
「う、ウソっ!どうしたの!?」
「いや、今日明日って連休じゃん?ちょっとヒマだから足伸ばしてみただけ。急に決めたから都合悪いかもと思って、何も知らせてなかったのにさ、会えるなんて運命っぽくない?」
「うん、うん!ホント運命的だよ!」
子供のようにはしゃぎながら、「何アイツ、 風花のカレシ?」、「ち、違うよぉ、お、同じ寮の人で······」と楽しげに会話する風花。これもまた、順平があまり見たことがない彼女の一面。
「あ、そうそう順平くん」
と、そのとき風花が順平のほうに向かい、夏紀の肩を軽く押し出した。
「さっき言ってた、もうひとりの協力者。 夏紀ちゃんもボトルキャップなんか興味ないのに、いろいろ情 報とか調べてくれたんだよ」
「あ、なんだ風花。まだ��きずに集めてんの?マジ変なシュミだよね。そう思わない?」
おお、なるほどと順平が思ったそのとき、 夏紀が衝撃的なことを口走った。
「あ、そういやさ風花。前に教えてやった、えっと······バタリアン、だっけ?シークレットのやつ。いよいよ明日からキャンペーン開始だよね。しっかりゲットしなよ」
「··················え?」
「············は?」
「ん?アタシなんか変なコト言った?」
「明日······から?」
「そうそう。忘れたの?シーズン “4” のシークレット情報。アタシのケータイネットワークでゲットした、超貴重な情報なんだからね」
しーん。
不自然な沈黙が3人の間を支配する。
やがて。
「······ふーか?」
「······は、はい······」
「今までの、オレの、苦労は······?」
「············えーと············ごめん」
がっくりと、順平の全身から力が抜け、ボロニアンモールの冷たい大理石の床に突っ伏して動けなくなる。そういや、夏期講習騒ぎのときにもコイツ、うっかり連絡忘れてたっけ、と順平は思い出した。真面目でしっかりしているようで、じつはかなり間抜けでうっかり者。それもまた、風花の愛すべき一面なのであった。
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日本語版のティガーの歌は映画の中でも歌われています。でも、英語版と歌詞がちょっと違うせいで、ティガーの魅力を最大限引き出せていないんですよね。正直、早口言葉のあの歌詞に日本語訳の全てを充てるのって難しいと思うので、仕方ないんですけれど。
英語版のティガーは、トラのスペル(Tiger)をティガー(Tigger)だと勘違いしています。なので、「トラ達は飛び跳ねるのが得意なんだ!」と言おうとして、「ティガー達は飛び跳ねるのが得意なんだ!」って言っちゃうんです。
つまり、ティガーは自分はトラ(ティガー)という種族の一人だけど、トラ(ティガー)でいるのに一番素晴らしいのは、自分一人しかいないことなんだ!と思っている訳です。ややこしいね。
一方日本語版のティガーは、自分がトラ(のぬいぐるみ)である事を自覚していて、数多いるトラ達の中でも自分は世界一であり唯一であると思っています。
日本語は一人称が豊富な故、ティガーは沢山使いこなしています。ティガーだったり、ティガー様だったり、オレだったり、オレ様だったりまぁ…色々と。
ただ、種族としてティガーと自称することはあまり無いです。そう呼ぶことがあるとしたら、大体トラと言いますし。一応、ティガーがトラのスペルミスであるのは日本でもそれなりに有名です。
しかしティガー本人は、自分はトラという種族の中のティガーという個人であり、世界でたった一人の存在なんだ!それって最高じゃん!という認識でいるようです。
言語化が難しい上にながくなってしまったので、上手く伝わるかどうかわかりませんが、日本語翻訳は色んな都合が組み合わさった結果、細かい齟齬が発生しているのです。新解釈として受け取って下さい…
↓English↓
The Japanese version of Tigger's song is also sung in the movie. However, because the lyrics are a bit different from the English version, it doesn't bring out the best of Tigger's charm. Frankly speaking, it would be difficult to fit all of the Japanese translation into those fast-talking lyrics, so it can't be helped.
The English version of Tigger misunderstands the spelling of tiger as Tigger. So, trying to say, "Bouncing is what tigers do best!" and he world say, "Bouncing is what tigers do best!" by mistake.
In other words, Tigger is aware that he is part of a tribe of tigers. And the most wonderful thing about Tiggers (tigers) is that I'm the only one!. It's complicated.
The Japanese version of Tigger, on the other hand, is aware that he is a tiger (stuffed animal) and thinks he is the best and only tiger in the world among all the tigers.
The Japanese language is rich in first person, so Tigger has a lot of uses for it. Tigger, Tigger-sama, Ore, Ore-sama, and...so on.
However, He don't often refer to himself as Tigger as a species. When Tigger do call myself as species, I usually say "tiger"(Japanese say Tora). Somewhat It is known in Japan that "Tigger" is a misspelling of "tiger".
But "I'm one of the tigers, and the only one in the world! That's wonderful!" Tigger seems to think.
I'm not sure if this is well conveyed, since it is difficult to verbalize and has become lengthy. Anyway, the Japanese translation is the result of a combination of various circumstances, and there are some minor discrepancies. Please accept this as a new interpretation...
Ex.齟齬の例
日本語:飛び跳ねるのはティガー様(個人)の得意技だぜ!(Bouncing is what my specialty!)
英語:飛び跳ねるのはティガー達(種族)の得意技だぜ!(Bouncing is what Tiggers do best!)
↓英語版の歌詞(English ver)↓
The wonderful thing about tiggers is tiggers are wonderful things Their tops are made out of rubber Their bottoms are made out of springs They’re bouncy, trouncy, flouncy pouncy fun, fun, fun, fun, fun But the most wonderful thing about tiggers is I’m the only one I’m the only one!
ティガー達の素晴らしいことは ティガー達は素晴らしいということだ 体はゴムで出来ていて しっぽはバネでできている ぴょんぴょん、ポンポンと楽しく飛び跳ねる でもティガー達の一番素晴らしいことは ティガーはオレ一人だってこと!オレ一人!
↓日本語版の歌詞(Japanese ver)↓
オレ様はティガー 世界一のトラ はずむからだに おしゃれなシッポ
ピョンピョン トントンジャンプする 世界一のトラはおれひとり おーれひとり!
My name is Tigger. I'm the world's greatest tiger. I have a bouncy body and a stylish tail. Jumping, popping, thumping, and I do jumping! The best tiger in the world is I'm the only one, I'm the only one!
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明石家さんま、ビートたけしの発案だった『オレたちひょうきん族』復活話が流れた理由
2024年11月23日放送のMBSラジオのラジオ番組『ヤングタウン土曜日』にて、明石家さんまが、ビートたけしの発案だった『オレたちひょうきん族』復活話が流れた理由について語っていた。 明石家さんま:昔ね、ビートたけしさんが俺が34で『ひょうきん族』っていうのは終わってるんですけども。 石田亜佑美:うん。 明石家さんま:たけしさんが8つ上ですから、44か。その時代に終わるって決まった時に、「さんまが60になったら、もう1度『ひょうきん族』やりてぇなぁ」って、よくおっしゃったんです。 石田亜佑美:へぇ。 明石家さんま:「だって、年取ったおじいちゃん2人がタケちゃんマンだ、ブラックデビルだって言ってるのは面白ぇぜ」って、もうずっと言うてはったんです。 櫻井梨央:うん。 明石家さんま:「だから、さんまが60になったらやろう」っていうの、暗黙で2人で決めてたんですよ。 石田亜佑美:おお。 明石…
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赤司征十郎
「これ名前ちゃんにだって」 「うわ、すご」 「名前やるー」 「名前というか、赤司様がさすがだよね」 私の手には花束、それを見てニヤニヤしている部活の友達数人。 「演奏楽しみにしている。名字のことを見ているよ、だって」 キャーッと黄色い声が私の周りで上がったのを余所に、私はやたら達筆な字でそう書かれたメッセージカードを眺めていた。 今日は洛山高校吹奏楽部の定期演奏会だった。ロビーは吹奏楽部の部員や、OBOG、お客さんたちで溢れかえっている。お客さんは洛山への進学を考えている中学生や部員���家族、友達が多いらしく、私が知っている人もちらほらいた。私も吹部の一員として定演に参加していて、彼氏の赤司くんにぜひ来て��しいと声をかけたのだけど、まさか花束を貰えるとは考えていなかった。さすが赤司くん、抜かりない……と感心していると、当の本人が目の前から歩いてきた。 「赤司くん」 「やあ、お疲れ様」 「ううん、赤司くんこそ部活終わりにわざわざありがとう」 あとこれも、そう言って花束を少し傾ける。 「こんなすごいもの貰っちゃっていいの?」 全くいないというわけではないけど、でもやはり花束を贈られる部員は少ない。しかも赤司くんがくれた花束はやけに豪華で、なんだか私には分不相応な気もした。私がそう言っても赤司くんはとくに何か気にする様子も見せず、ふわりと微笑んだだけだった。私の手には花束、目の前には今日も今日とて麗しい赤司くん。 「是非受け取ってくれ。名字に似合うと思って選んだんだ」 赤司くんの王子様オーラがすごくて一瞬プロポーズされたのかと思った。別に全然そんなことなかった。 本当のプロポーズはあの時の比ではなかった。私の両手はバラの花束によって埋め尽くされている。 「でもよかった、普通のプロポーズで」 「どんなものを想像してたんだ」 「馬に乗って参上したり、ヘリコプターで降りてきたり、そのあと跪いて花と指輪差し出してきたりとか?」 「それは漫画の読みすぎだろ」 「まあ確かにこれは冗談だけど。でもそういう規格外なこともできそうなのが征十郎くんだなって」 人が思っているよりずっと一般的な価値観を持っているのだけど、それでもたまに大胆なこともしてくるというのが赤司征十郎という人だった。定演であれならプロポーズはどうなってしまうんだろうと、私は高校生のときから密かにビビっていたのだ。そう征十郎くんに言うと、彼はきょとんとして目を見開いた。 「そんな昔からオレと結婚すること考えていたのか」 そう言われてハッとする。もしかして私、今かなり恥ずかしいこと言ったかもしれない。 「いや、今のはその」 「もしかしてオレが雪丸に乗って参上したり、ヘリから降りてきたりするのがご所望だったのかい?」 か、からかわれている……! 征十郎くんはくすくすと、まるでお気に入りのおもちゃを見つけたときの子どものように笑っていた。 「名前が望むならしてもいいけれど」 「結構です!」
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一回戦が終わり、二回戦が始まる
このブログは基本的に私が置鮎さんという声優さんにはまったことと作品・イベントの感想を書いていますが、最近いろいろ思うところがあったので、これまでとはちょっと違った内容を書きます。
声優さんにはまると、アニメやゲームの作品に触れるだけでなく、配信でトークを聞き、イベントでもトークを聞く。そして別の声優さんも見ることになる。そのたくさんの声優さんたちの中で、私は置鮎さんの先輩声優でありさまざまな作品・配信で共演している小野坂さんに対して常に批判的だったわけです。が、状況が変わってきた。で、その変わった状況で、置鮎さんってどんなポジションなんだろな?というのの覚え書きです。
ここにある文章は覚え書き以上でも以下でもありません。先に書いておくと、業界違いの私の古巣もわりと最悪で、私が通っていた場所と同じフロアの人は身体への暴力を含むパワハラでひっそりと退場、上のフロアの人はセクハラで訴えられ、別のフロアのチームは3人がそれぞれ1人ずつをパワハラで退職もしくは休職させています。え、あらためてまとめると私の古巣やばくないですか…?とにかく、私の古巣もそんなふうに最悪なときに、私は声優さんにはまって、いろいろなトークを眺め、「なるほどこっちではそういうことが起きるのか…」と思っている。その覚え書きだと思ってください。これもまた、声優さんにどはまりすることがなければ見ることのなかった景色。
大枠としては、①試合開始前、②一回戦、③二回戦、という話の流れになっております。①と②は小野坂さんについてしか書いていません。③が置鮎さんについて。
試合開始前
まず、数年前までの状況。端的に言うと、私はほぼまったく二次元ジャンルおよび声優業界に縁がないところから突然声優さんにはまったわけです。そして配信を視聴し、イベントに参加し、常に思っていた。声優業界の倫理観はどーなっとんのや!!!(しかし前述のように私の古巣だって最悪です。業界が違い、問題の表出の仕方が違うというだけです)
実際には「思っていた」どころではないですね。しばしばSNSで吠えておりました。
小野坂さんの「笑い」の問題点は、現在ダウンタウンの「笑い」に向けられている批判とほぼ同じです。笑いには、パンチ・アップの笑いとパンチ・ダウンの笑いがある。パンチ・アップの笑いというのは、上の立場の相手を笑うもの。たとえば風刺です。政治家をいじったりね。古い慣習のばからしさを暴く笑いもそう。対してパンチ・ダウンの笑いは、下の立場の相手を笑うもの。こっちにはたとえばいじめがあります。小野坂さんの笑いは後者ですよね。つっこむ笑い、いじる笑いだけど、先輩はいじらない、エライ人はいじらない。ここでの「いじり」とは、先輩-後輩という権力関係での有利さにふんぞりかえって目下の隙をあげつらうことを「面白さ」とすることです。たとえそれがどんなに当意即妙であっても。
それから、もし小野坂さんが声優業界のタブーに思えるものに触れるときにも、それはパンチ・アップの笑いとして機能するのではなく、「これを言えるオレ」のアピールのため、つまりは小野坂さんを「上」におくために機能する。なんだこんなもん!あいつらなあ!とディスるときなど。大昔から反骨精神にも見えたかもしれない、でも今ではただの空疎なマウンティングでしかないもの。それに、タブーに言及することを含むいわゆる不謹慎な笑いって、ネタそのものが面白いというよりも、不謹慎さが生み出す場の緊張を弛緩させるために笑いが誘発されるっていう側面があるので、「笑い」としてはさぼっているとも言えます。
小野坂さんは常に「上」をとり、相手を「下」におく。小野坂さんの「笑い」の性質自体に、上下関係がある。ならばそこでは権力が発動している。小野坂さんが有利な側であるからこそ発動でき、そしてそれを発動することで小野坂さんがさらに有利な側におかれる権力が。こうして、「笑い」の名のもとに、ハラスメントが発生する環境が用意される。
これはその「笑い」の場で発動する権力の問題なので、「面白いからいい」とはならない。「何を面白いと思ったのか」「な���面白いと思ったのか」が問題にされる必要がある。もちろん、「その面白さの効果は」も。面白いからこそダメ、ってことも世の中にはたくさんあるわけじゃないですか。やってる人たちは心底面白いと思ってるけど明らかにいじめ、とか。集団で笑ってる人たちがいるけどやってるのは拷問、とか。
小野坂さんの「笑い」が上下関係を前提とし、相手を「下」におき、かつ相手の弱みを突くことを「いじり」という笑いの型にあてはめる以上、共演する置鮎さんは常にいじられる側、下げられる側になる。端的に言って、どはまりした声優さんが侮辱されるところを繰り返し見ることになる。このブログを書くために自分の過去のツイートを振り返ってみると、よく飽きないなってくらいに小野坂さんに怒っている。もう単純に倫理的に絶対にNGなことを言っていることを怒ってるときもあるんですけど、そうじゃないときもある。なんでそんな上手くもない男に先輩ってだけで置鮎さんがこんなこと言われなきゃいけないの!?って感じです。いやもちろん仮に小野坂さんが天才で置鮎さんの数百倍声の演技が上手くてもやっぱりダメなんですけど。あと置鮎さんの声の演技より数百倍上手い声の演技なんて誰にも不可能なんですけども、置鮎さんの声の演技のレベルが高いので。話が逸れた。小野坂さんは置鮎さんを尊重しない。たとえ小野坂さんが置鮎さんを「かわいがっている」と、あるいは「フォローしている」と心から思っていても、です。気持ちの話ではなく、小野坂さんの「笑い」の性質と作用が置鮎さんを尊重しない。
こうして、小野坂さんはその笑いの性質ゆえに、そしてそれを許す声優業界・声優ファンたちの反応ゆえに、ハラスメント生産装置になっていた。しかし、ダウンタウン系の「笑い」が日本で(常に批判がありつつも)受け入れられていたように、その系列にある小野坂さんの「面白さ」も問題にはなってこなかった。時期としては、私が声優さんにどはまりし、小野坂さんのアウトさにどんびきしたのもこのあたりです。これが少し前までの状況。
一回戦が始まった
しかし潮目は変わります。世間の潮目が変わったように。たいてい「ポリコレ」「コンプラ」という(実際には本来の意味とはかなり違う意味合いで流通している)単語で取り沙汰されているものが考慮されるようになってくる。ここでは、試合のルールが変わった、と言っておきたいと思います。社会のどの側面においても、より人権が尊重され、公正さが指向されるようになります。たとえそれがどれだけ中途半端な理解のもとでだとしても、そうあるべきだという合意ができつつある時代。
この転換について、二次元ジャンルの声優さんにはまったオタクのブログらしく、『ベルサイユのばら』を例にしてみます。『ベルばら』の革命前の世界で、貴族が平民を馬車で轢き殺すとします。まだ世界に人権の概念がなく、平民には権力がないので、平民は泣き寝入りです。さて、革命が起き、平民を轢き殺した貴族が運良くイギリスに逃れたとします。そして貴族は言います、「昔は良かった」と。でも本当にそうだったでしょうか?貴族が平民を馬車で轢き殺してもおとがめなしでいられる社会には、貴族に馬車で轢き殺される平民がいた。轢き殺される平民の側にとっては、革命の前でも後でも、轢き殺されて平気だったわけではない。ただ貴族たちがそれを気にかけなかっただけ。
そうすると、しばしば聞かれる「昔は良かった」というフレーズが二重に間違っていることがわかります。「昔は良かった」はまず、昔だって良くはなかった(ただ馬車で轢き殺される側の声が力をもたず聞かれなかっただけ)という側面を無視している点で間違っている。そして、そのような不公正な状況(そしてその状況での自分の特権ポジション)を無視してノスタルジーにひたる点でも間違っている。
ある意味では、この文脈で「昔は良かった」と言う人々は、それによりあらためて自己紹介をしているようなものです。自分はハラスメントを炸裂させながらそれを見過ごされてきた側の人間��す、と。『ベルばら』世界のたとえでいうなら、貴族が「最近は馬車で平民を轢き殺すとうるさく言われて困る、昔は良かった」と言ったとして、そうですねたいへんですねって言ってあげる平民はいない。たとえ貴族の側が、心からそう思って言っていたとしても。馬車で轢き殺されてきた側からは、「昔はよかった」なんてフレーズは絶対に出てこない。
このような転換が起き、新しい試合のルールのもと、一回戦が繰り広げられる。この新しい時代に、誰がプレイヤーになっているのか?をめぐる選抜トーナメントです。まあ私は最初から小野坂さんに怒り続けていたわけですが、いち配信視聴者、いちイベント参加者である私が怒る段階は過ぎ、業界あるいは「界隈」が選抜を始めていた。誰がまだセーフなのか、誰がもうNGなのか。
先に書いたように、小野坂さんの「笑い」はある権力構造を前提とし、その権力構造を利用し、かつその権力構造を温存するべくはたらくので、根本的な対等さ(=人権)を前提とする新しいルールとは相性が悪い。道徳が「先輩に従え」と説くとき、人権は「後輩を尊重しろ」と説く。小野坂さんの笑いが「下」への「いじり」(=下にいる相手の弱みを付く)やぼやきを多用するときに、新しい試合のルールはその上下関係を拒否し、相手の弱みをつき侮辱することを批判する。それまで「面白い」とされてきたことに、ぴぴーっと警告の笛が鳴る。
そんなわけで小野坂さんは、この一回戦で落ちるべくして落とされた。私は小野坂さん拒否勢なので、接点は『テニプリ』関連のイベントくらいしかないんですが(え?『アザゼルさん』?なんでしたっけ…)、それだけでも状況の変化の痕跡をたどれそうです。小野坂さんが古参の参加声優であり、司会担当であり、現在進行形の一大コンテンツである『テニプリ』だからこそ、定点観測のように、小野坂さんのポジションの変化を見て取ることがいえるともいえます。
ツイートをさかのぼると、まず2019年、『テニプリ』のキャラ人気投票を発表する配信のときに、もう同じことを言っている痕跡があります。「わたしもし下位キャラのファンだったら小野坂さんのコメントかなりいやだな…」とか、「声優さんには声優さんに見える景色があるのはわかるけど、もうちょっとキャラという存在を尊重してもいいんじゃないの…?」とか。
2020年7月の『テニラビ』配信のときも同じく。「小野坂さんがやってみせたようなコンテンツへの敬意のなさも、日本のバラエティの病のひとつ」「小野坂さんが盛り上げてるようで小野坂さんが接待され甘やかされている」「小野坂さんが予習もしないできて知らないとか人気がないとかさんざん放言して、ゲームのこともキャラのこともディスられてて平気なん?みんなの好きなもの、そんなに尊重される価値がないものなの?」など。
大きな節目となったのが、2021年の『テニプリ』20周年のイベント。私はちょうど『テニラビ』の手塚先輩イベを走っていて(結果的に20位をとりました)、イベントでの手塚というキャラ+置鮎さんのシナジーにテンションが上がっていたのか、置鮎さんにかわいいかわいい連発した痕跡も残っていますが…そう、このイベントといえば、後夜祭トークの配信中止→再配信です。明らかに小野坂さんのNG発言に端を発するトラブル。
当時のツイートを振り返ると、「お金払ってるコンテンツでなんでこっちが好きなものディスられたりバカ呼ばわりされたりしないといけないの?」という哀れな叫びを確認できます。か、かわいそう…。でも「え、この人たちなんでこんなパワハラエピソードこんなたのしげに話してんの…?」と、怒りというより引いてるツイートも残されている。このときは、「パワハラいじめトーク」「乙女ゲーをディスる」「下品ワード」の三方向でNGだったので、まあお察しです。
記憶が確かなら、声優さんたちがキャラを誉めるという設定の場で、小野坂さんは担当キャラをディスったんですよね。自分を「上」において、担当キャラを「下」においた。でもこのイベントってテニプリのイベントで、たとえ人前に出ているのが声優さんでも、本当に前に出ているのはキャラであるべきじゃないですか。そこで小野坂さんは自分を上に出した。
それから、このとき小野坂さんは、下ネタを言いながら、ファンが面白いコメントを送ってこないからだとディスった。仮にも客商売、というかファン向けイベントで、自分を「上」に、ファンを「下」においた。それに、「俺がこんなことするのはお前のせいだから」というロジックは、完全にモラハラ男のそれですね。たまに、小野坂さんを擁護する人たちが「本当は優しい」「小野坂さんを責める人はわかってない」「小野坂さんにそう言われてしまう自分が悪い」系のことを言ってるのを見かけるんですが、これってモラハラの被害者でありながらまだ自分が被害者であることをわかっていない段階の人が言うフレーズの典型じゃないですか。もはやファンの人たちの擁護が小野坂さんのモラハラ的な側面を証明してしまっている。
小野坂さんのトークには一貫して、その場で尊重されるべきものに対する尊重がない。そして私は一貫してそのことに腹を立てていた。しかしこのときの騒動の結果として私は、小野坂さんの「笑い」や発言の是非ではなく、小野坂さんの起用そのものについて疑問視することになります。
そりゃ長年の付き合いだなんだで小野坂さんをかばいたいならかばえばいいけど、どんなにいい音がしたってノイズがのるスピーカーは使えないスピーカーだよ。小野坂さんはノイズが大きすぎ。いい音だけ聞こうとしたって無理だよ、スピーカーなんだもん。ノイズまで含めて判断するしかないんだよ。 https://x.com/The4thDiamond/status/1447432776936947714
つか青学ファンはあれが青学のキャラだと思われてていいの?小野坂さんのせいで「青学(笑)」って感じやん https://x.com/The4thDiamond/status/1447198654339579906
本来なら不要だったはずの編集のコストをかけなきゃいけないほど、有料コンテンツを買ったファンに配信予定変更のアナウンスをしなきゃいけないほど、公式のモラルや倫理観が問われるリスクをとらなきゃいけないほど、小野坂さんって面白いの?小野坂さんの出演に価値あるの? https://x.com/The4thDiamond/status/1447254001704050697
でも、この疑問により切実に回答する必要があるのは、公式の側ですよね。私はもう配信のお金を払っていて、追加の料金が発生するわけではなかったけど、公式は配信停止、編集、配信再開、もろもろの告知という追加のコストを負担しなければならなかった。そもそもコンテンツの魅力度や方向性をコントロールするのも公式のお仕事です。私はいやになったらコンテンツから離れればいいだけですが、公式は投げ出すわけにはいかないし。
2021年の騒動を経て、一回戦の勝敗が決したのが、2023年に『テニプリ』全体のイベント。以下に、そのときの感想の下書きを載せます。
(下書きここから)
『テニプリ』は、いまでも絶賛稼働中の一大商業コンテンツであり続けている。そのとき、『テニフェス』を、老舗コンテンツの同窓会にはできない。小野坂さんをぬるい目で見守る、「終わった」コンテンツにはできない。してほしくない以上に、単純にそれができる規模のコンテンツじゃない。
今回の『テニフェス』は、小野坂さんと成さんがやりすぎて前回みたいなトラブルにならないようにだいぶ手が入ってるのを感じた。それでも出る小野坂さんのキレ芸(?という名のパワハラムーブ)に、他のキャストから「言うやん」「ステージ上で」みたいなコメントも入ってた。コメントというより牽制。
そういうのを見てたら、そこまでしてあの二人に司会させる意味とは?ってふつうに思った。前回のイベントは中学校各校+高校生だった布陣が、今回は中学生+高校生+海外勢の布陣に変わってたみたいに、古い笑いと司会しかできない小野坂さんたちの次の新しい司会を立ててもいいんじゃないの?若手にあのベテラン勢をまわすのは難しいよってなるかもしれないけど、そこで若手の司会に協力できないベテラン勢のほうがどうなのって時代になってるし。小野坂さんたちの持ち味自体が時代遅れになってるときに、その持ち味を捨てた司会を続けさせるより、ふつうに新しい司会が見たい。
実際、今回の『テニフェス』は、『テニフェス』が新しい方向に行こうとしてるのを感じた。「サマバレ」が弾かれる。盛り上げ曲として、跡部のパロディとしてのキャラソンから、君島のキャラを反映したキャラソンに移る。高校生とかの新キャスト陣は、キャラと声優さんのビジュアルを似せてる。それに、今までのようなバラエティ的なノリも抑制されてた。これまでの、パロディとしてのキャラソン、声優さんが悪乗りするバラエティっていう方向性から、ある意味ではふつうの声優・キャラソンのイベントになっていこうとしてる印象があった。
でもいっぽうで、周りのキャストに牽制を入れられないといけないくらいに小野坂さんの「キレ芸(という名のパワハラの構図の強化)」も残ってるし、「ナンパの王子様」みたいなご時世も倫理観もわかってないネタを大ねたとしてもってきちゃうし、トレンドを意識して外面を整えてみても古さは残る。
青学の学校曲でみんながぐっとくるとか、キャストの思い入れとオタクの愛とに、「テニフェス・スピリッツ」とでも呼びたいような特別な絆が生まれるとか、『テニプリ』の歴史が良いほうに作用してるところもある。私もそれを感じられる。だけど、『テニプリ』の悪い意味での古さもはっきり残ってた。みんなが感じているテニフェス・スピリッツと、本質的にはそれとは関係のない古さ(そして悪さ)を切り分けて捨てていけなかったら、『テニプリ』はやっぱり日本の二次元ジャンルの現在進行形のコンテンツであり続けることはできなくなるんだと思う。
(下書きここまで)
つまり、小野坂さんのトークや、それを温存するあのノリが、もう『テニプリ』というコンテンツに要らないんじゃないかっていうことを思ってますね。20周年イベントでのやらかしがあったあと、次のイベントでも小野坂さんと成さんは司会としては残留したけど、かなりの抑制が要求された。それはある意味では二人の持ち味を殺すことであり、実際、巨大な「要・気遣い」という見えない看板がぶら下がっているような微妙さがあった。牽制のコメントも飛んだ。
そんなのもう、わざわざ小野坂さんを起用する意味がなくなってきてるじゃないですか。これまでプラスとされてきたものが減って、マイナスが増えているので。これはもう「終わった人」、そうとまで言わなくても「いまの時代に起用するメリットが少ない人」です。この先小野坂さんがテニプリのイベントに起用されるとしても、小野坂さんのポジションは決定的に変わった。こうしてまず小野坂さんが一回戦を敗退した。
成さんも、一回戦敗退か二回戦進出かのはざまにいるのかも?不二先輩のお誕生日配信のとき、小野坂さんなしの成さんもまあまあパワハラ芸みたいなことをやっていたので。いずれにせよ、成さんのトークの持ち味も小野坂さんほどではないにせよ危うく、そして成さんのその側面も「古い」「終わった」そして望ましくないものだということははっきりしている。ただ成さんのほうは、風向きを読みつつ、その風を読むのに四苦八苦してる印象です。
いずれにせよ、こうして新しいルールのもとでの一回戦は終わろうとしています。すると何がくるか。当然、二回戦がやってきます。
そして二回戦が始まる
一回戦は、「明らかにヤバい人」と「それ以外の人」の振り分けだったので、そんなに難しくない。見る人が見れば火を見るより明らかにNGな人が「古い」枠、「終わった」枠、場合によっては「使えない」枠(コンテンツの大きなイベント配信で配信停止と編集のコストを追加発生させるなんて「使えない」枠ですよね)に送られていく。
じゃあ二回戦はどんな人とどんな人のあいだの振り分けになるんでしょうか。ちゃんとできてる人と、実はちゃんとできてなかったにもかかわらず、もっとやばい人がいることによってそのことが隠されていた人のあいだの振り分けになるんじゃないかと思います。
ここでも小野坂さんを例にとり��しょう���ただし今回は、小野坂さん本人ではなく、小野坂さんを周りがどう扱ったか、です。ここまで小野坂さんの発言にNGが発生した局面をつらつら書いていたわけですが、そのとき、そこには周りの人々がいた。その人々は、小野坂さんのNGさになんらかの反応をすることになる。一緒に笑うこともできるし、受け流すこともできる。フォローすることもできるし、いさめることもできる。二回戦のプレイヤーはこの人々です。
繰り返しますが誰が良くて誰がダメだということを分類したいわけではないので、行動で見ていきます。何回か見かけたのが、小野坂さんとトーク配信などで共演した人が、配信後に、小野坂さんをフォローするようなツイートをしているというパターン。そういうリアクションが必要だと共演者に判断されるようなふるまいを小野坂さんがしていたということです。そして、そのふるまいにより、小野坂さんをフォローするという追加のコストが共演者に発生しているということ。そうした、小野坂さんのふるまいへのリアクションとしてのツイートが小野坂さんへの牽制として機能するのか、「共演者である自分はそれを必ずしもOKと思っていない」というサインとして機能するのか、文字通りのフォローとして小野坂さんのNGさを延命もさせるのかはわかりません。
小野坂さんのNGさに距離をとったりいさめたりする発言をするキャストの人もいる。『テニフェス』で小野坂さんを牽制する一言を投げる、など。確か、配信停止になったトークのときも、津田さんが、かなりクールに距離をとっていた記憶があります。「相手にしない」「笑いに与しない」というのは、ハラスメントが生成しつつある場で、けっこう重要な対処法のひとつです。津田さんはそれをしていた。
新しいルールのもとでNGな行動を前にして、そのNGさを結局は温存させる方向の対応と、NGさをいさめ、拒否する方向の対応がある。望ましいのは後者ですよね。いや奇特にもこの文章を読んでいる人がどちらが望ましいと思うのかはわかりませんが、新しいルールでは、後者が望ましい対応です。二回戦で勝ち残るのはこういう人たちです。
さて、このふたつのグループで、置鮎さんはどっちに属しているか。私は、後者ではないのかもしれないと思うんです。というか、小野坂さんと長年一緒にトークをやれている時点で、後者の人だとすぐには言い切れない。前述のように、私は小野坂さんが「笑い」「いじり」のていで置鮎さんを侮辱することにしばしば本気でキレています。しかし、小野坂さんと長年一緒にトークをやれているということは、置鮎さんも小野坂さんという問題を温存してきた要因のひとつだということでもある。だって、置鮎さんより後輩の声優さんたちが、小野坂さんを牽制できるんですよ。置鮎さんだってできたはずでしょう。もっと前から。でも置鮎さんはそれをしてこなかった。
二回戦のもうひとつのポイントは、一回戦落ちするような明らかにNGな人への反応が問われるだけでなく、そのような明らかにNGな人がいるがゆえに問題になってこなかった、他の人々のNGさも問題になってくるという点です。置鮎さんもそう。そして置鮎さん自身のNGさも確かにそこにある。そもそもこのお題でブログを書くことにしたのは、最近ひしひしそれを感じるからです。
たとえばヘロQ。関さんという超ド級のNGさについてはここでは触れませんが、ヘロQだけをとってもあの劇団は非常にミソジ��スティックな場所です。長沢さんへの「いじり」、というていの侮辱がすごい。カーテンコールやトークを見てて、長沢さんがあんなに年齢や容姿をディスられる必要ないじゃないですか。ただ女性だってだけで。直球の差別です。それが新しいルール。でもヘロQでは長澤さんへの侮辱が流通している。しかも面白いものとして。で、そのとき置鮎さんは何をしてたんでしょうか。
ヘロQでは長沢さんいじりが文化になってしまっているというだけでじゅうぶんひどいんですが、それがある種の「お約束」であるヘロQの外に出せば、そのひどさはさらに露になる。3月の佐藤拓也さんの朗読劇で、置鮎さんはそれをやってしまった。後輩が中心の企画のトークで、先輩の声優が、ナチュラルに、女性の声優を「いじり」、ディスる。しかも、長沢さん本人が、そういうのはひどい、自分はいやだと言っているのに、置鮎さんはその反論をちゃんと受け止めてなかった。『ベルばら』でいえば、平民を轢き殺す貴族ポジですよこれは。
しかもこれは、佐藤さんにしてみればもらい事故みたいなもの。声優さんがより若ければ、ファンもより若い。ということは上の世代より、そうしたハラスメントについての意識がちゃんとしている。それなのに、自分のイベントで、先輩に女性ディスをやられてしまった。佐藤さんは後輩だし、あくまで楽しいトークの場だから、正面からのNGは出しにくい。でもその縛りの中で佐藤さんははっきり、先輩それはNGです!っていう合図を出していた。ネタにされた長沢さんにとってNG、周りにいた佐藤さんにとってNG、そういうNGを出されることを言い、しかもNGのサインを受け取らなかった置鮎さん、という構図。小野坂さんのような傍若無人で一発アウトなNGではないけど、でもふつうにNGです。
それからさらに最近の7月、野島兄弟のくじメイト特番のトークにゲストで呼ばれたとき。相手の声優さんが、街中の女性を性的に見る話をしたときに、置鮎さんはふつうに話を進めた。でも、「街中の女性を性的に見る」ましてや「それを公の場で面白いこととして話す」は完全にNGです。ただ女性だっていうだけで、そんな知らん男性にエロ目線で身体パーツを眺められる筋合いも、トークの場でネタにされる筋合いも、誰にもない。女性っていうのは、女性っていうだけでそんな都合のいい扱いをされる・されていい存在ではないんです。それが新しいルール。このトークも小野坂さんのような露悪的なNGではないけど、ふつうに完全にNG。一歩間違えばアホほど炎上しててもおかしくないレベルのNGです。
SNSの投稿もたまにあやうい。置鮎さんのツイートはたいてい驚異的に無害ながら(無害を超越して解読不明なときもありますがそれもまた愛しき個性)、最近もびっくりするような脇の甘いツイートをしていた。まともな会社だったら一発でセクハラ認定されそうなツイートを。もし私の知り合いがそれをツイートしていたら、LINEでそれやばいよって送ってそうなツイートを。
置鮎さんが、二回戦プレイヤーとしてOKなときもたくさんあります。たとえばこれまた最近の7月の『テニプリ』配信は、非常に若手の声優さんたちとの共演でした。全体として、この場に小野坂さんは無理だ、でも置鮎さんは置ける、と強く思いました。
何度でも繰り返しますが小野坂さんの「笑い」「いじり」は上下関係を前提としていて、それを利用する。小野坂さんと世代が近い声優さんたちとのトークなら、そもそもの上下関係の差が小さいので、発動される権力も少ない。それに、小野坂さんに近い世代なら、それまでに培われた感性で、その笑いを「おいしい」と思うこともできる。でも若い声優さんとは上下関係の差が大きいので、発動される権力も大きくなる。この権力は、若い声優さんに対して攻撃的にはたらく。つまりパワハラ・モラハラがより起きやすいということです。しかも、若い世代のほうがそういうものを感覚的により理解しているときに。つまり、新しいルールのもとでは、もう小野坂さんと若い声優を同席させるトークは無理だってことです。小野坂さんの「笑い」の質がそもそも有害さを内包していただけじゃなく、その「面白さ」が賞味期限になったっていうだけじゃなく、そういう小野坂さんと若い声優さんを一緒に起用するのがもう無理。
でも置鮎さんは置ける。この配信で、若手の声優さんが原稿を読んでいるときに、他の声優さんのお名前を読み間違えるということが起きました。なにしろ若手の声優さんなので、お名前を読み間違えた声優さんはその声優さんにとって大先輩にあたります。このとき、置鮎さんは横でそっと訂正した。訂正しただけ。小野坂さんだったら、ここぞとばかりに、お前なー、先輩の名前をなー、と弱みを突きにいきそうなところを。でも、こういう公の場でそうやって相手のミスを指摘してなじるのって、パワハラです。以前、何かのトークかイベントで、小野坂さんはすでに後輩に直接公開ダメ出しをしており、私の中で小野坂さんの株がド下がりしたことがあります。でもこの配信で置鮎さんはそうじゃなくて、しゅっと訂正しただけ。訂正してあげないとそれも無情ですからね。訂正するべきは訂正しつつ、そこからパワハラムーブにいかないのはいいところ。
…と、一回戦ならカウントできた。でもトーナメントはもう二回戦に移動している。二回戦では、「パワハラをしない」というのはふつうのことです。それは二回戦まで残るために必要な態度であって、二回戦を生き残るにはそれでは足りない。二回戦を生き残れるのは、パワハラやモラハラ、侮辱をしない人、というだけでなく、それを見たときに止められる人です。
実際、それをしている声優さんたちもいる。私も、置鮎さんの参加されるイベントやトークしか見ないのに、そういう声優さんたちを見かけている。『テニプリ』のイベントで、小野坂さんを牽制するコメントを入れる人。小野坂さんの作った「笑い」にのらない人。『タチヨミ』で主宰の人のパワハラ・モラハラがひどいときに止める人。諏訪部さんは声優業界のモラルの指針かつご意見番のようになっていらっしゃる気もしますが…そういう人たち。
最初も今も、置鮎さんがいい人だってことを疑ってはいないんです。むしろ逆で、配信を聞きながら置鮎さんのいい人エピソードに「ごめんこれ私が聞いていいタイプのいい話だった??」ってひいてしまったこともあります。私も置鮎さんにはまった側だし、置鮎さんの存在に助けられてる側の人間です。たとえば、置鮎さんが雷のたびに明るく呟くので前ほど雷が怖くなくなった、などの持ちネタもあります(持ちネタ…?)。でも、いま私が書いていることは、その人がいい人かどうかとはあんまり関係がない。いい人かどうかは道徳の範疇で、いまはたらいている新しいルールは人権の問題だからです。
置鮎さんは長沢さんをいじらないままでいることもできたし、いじったのにNGを出されたときに引くこともできたし、街中の女性を性的に見るという声優さんをいさめることもできた。ツイートを投稿する前に、それがどう読まれる可能性がある文面なのかを検討することもできた。二回戦を勝ち抜くにはそれができる必要がある。でも置鮎さんはそれをしなかった。
この先、置鮎さんはどういうポジションになっていくんでしょう。持ち前の愛嬌といい人さで、しばらくは二回戦進出グループに留まるのかもしれない。ここで私が「二回戦」と言っているものがどれくらい続くのか、私だってわからないし。でも置鮎さんは、二回戦を勝ち抜けるんだろうか。私がどはまりした声優さんである人は。
そんなようなことを最近思ったりします。
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