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#異性装 歴史の中の性の越境者たち
misasmemorandum · 1 year
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『異性装 歴史の中の性の越境者たち』
学者さんなど8人による本。それぞれが一章づつ書いている。章の名前と著者名とノートに書いたものを下に。
序章「古典の中の性の越境者たちーー物語、演劇に描かれる異性装」 中根千絵
一章「異性装を解いた彼ら/彼女らはどこへ向かうのか」 本橋裕美
「性の越境が、ジェンダーバイアスを浮き彫りにする」(p49)
二章「装いと身体ーー変奏する『とりかえばや物語』」 東望歩
東堅子(わらわ)、平安時代の男装の女宮。『枕草子』で「ひめまうち君」と言う男装の女性が出て来る。男女の差は、身長を含む体格と髪の長さ。貴族の女性は身長より長く髪の毛を伸ばしていた。稚児も長い。
こう言う異性装の人、本当にいたのかな?
三章「異性装の恋ーー異性愛と同性愛が交わる場所」 江口啓子
四章「巴「女武者」像の展開」 森田貴之
五章「歌舞伎、異性装、そして「なりたい」女たち」 日置貴之
最近の異性装関連の日本の少女漫画は、女だからダメだ/したいことを許されないってのが多いみたい。でも、そこに違う道を見つけて邁進する。まだまだ女性に対する締め付けがあるんだな、、、、。
六章「シェイクスピアのオールメイル上演の愉しみ方」 坂本久美子
異性が演じるキャラは、見る者の「イメージが投影され」、「感情移入がしやすい存在とな」る(p220)、とある。性別の形ははっきり分かれているが、人形が演じる文楽がもっとそうだなと思った。
余談。39歳のマーク・ライランスがクレオパトラを演じた事があったんだって!!!見たい!!!!
七章「稚児と<男の娘>」 伊藤慎吾
この著者さんの単語使いが、非常に現代的ってか、オタク用語(?)を当たり前に使っていて新鮮だった。
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ari0921 · 1 year
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)5月8日(月曜日)弐
    通巻第7741号
 岸田訪韓を評価すべきだが、韓国の外交転換こそ注目だろう
  日本は安禄山の蜂起を三年知らなかった。これが歴史の教訓である 
************************
孝謙、淳仁、称徳、光仁天皇の時代において、日本の最大級の外交的変化は、渤海国からの度重なる使者の来駕である。
 渤海は高麗に替わって建国された。いまの北朝鮮である。渤海使は敵対した新羅の沖合をさけるため船は日本海を縦断し、出羽から越後、能登から若狭へ漂着することが多く、太宰府へ逐一回航して丁寧にもてなし、膨大な土産を持たせた。
 競うように新羅からも使節が太宰府へ入り、最初、大和朝廷は朝貢と受け取って歓待した。文書や使節の態度から判断しても、明らかに朝貢だった。日本の宿敵の国がころりと態度を変えて来日するのだから裏にナニカアルに違いない。
 実態は朝貢を装い日本の防衛体制を観察し、また大和王朝の政治空気を把握することにあった。情報収集である。
 新羅は次第に図に乗って官位の低い大使を派遣するようになった。態度も横柄、傍若無人の無礼を極めるようになったため新羅使は太宰府で留め置かれ追い返された。
新羅の態度が横柄尊大になった背景には唐が乱れ、安禄山が叛乱をおこし、国土は荒廃し、新羅に対しての軍事的な脅威にはならなかったからだ。大和朝廷はこの情報を三年ほど知らなかった。ということは新羅使は安禄山の乱を知っていながら大和朝廷には意図的につたえず日本の反応を確かめに来た可能性がある。日本のこうした情報戦の失態はいまと変わらない。つまり韓国の対日外交激変は裏にナニカアルのだ。
 天智天皇の御代、白村江の闘いで唐の海軍に敗れ、2100名の百済高官が日本に亡命した。天智天皇は水城と防塁、城を構築し、防人を強化したばかりか、各地22ヶ所に築城 防衛力を拡充し、新羅の侵攻に備えた。
 ところが、新羅は逆に日本が攻めてくると防衛態勢を急ぎ、「ご機嫌取り」のため「朝貢」を装い屡々来日した。
 天平宝字二年九月十八日に渤海使の小野朝臣田守らが帰朝し、渤海大使の輔国大将軍・行木ら二十三名を随行した。日本海側に帰着したので越前に滞在し、疫病感染の有無を調べるためニケ月を過ごす。
 帰国十日後に小野田守に従五位上を授け、ほかの随行員六十六人にも位階を授けた。 同年十二月十日、すなわち帰国から七十日後に小野朝臣田守は安禄山の謀反を伝えた。安禄山の挙兵は755年のことだから、なんと三年間、大和朝廷は唐の政変を知らなかったのである。
 ▲安禄山の乱が日本政治にいかなる変化をもたらしたか
 小野田守は次のように上奏した。
 天平勝宝七年の十一月九日に御史太夫兼氾陽節度使の安禄山が蹶起し、自らを大燕聖武皇帝と名乗り、邸宅を潜龍宮と名付けた上、年号を聖武と改元した。安禄山は二十万の兵力を率いて忽ち洛陽を落とした。翌六月に玄宗皇帝は難を避けるために蜀の成都(現在の四川省)へ避難した。
渤海に援軍要請があり、騎兵四万をもって賊徒を平定されたしと懇請された。渤海からだと安禄山の後方を攪乱できる。しかし渤海王は派兵要請を疑い、派兵を見送った。途中から安禄山の反乱に加わったのが史思明だ。だから「安史の乱」とも言う。
 玄宗側の反撃準備が整い、ようやく官軍が乱を平定し、玄宗は長安に戻った。逃亡途中では随行した兵隊たちに不穏の空気が流れたため玄宗は愛妃楊貴妃の自裁を認めざるを得ず、長安に復帰しても嘗ての政治力は失われていた。側近は朝衡(阿部仲麻呂の中国名)だった。
 
 かく上奏した小野田守とて、まだ安禄山が部下に殺害されたという情報を知らなかった。渤海もその後の情報を隠匿したわけではなく長安に派遣した情報員が戻らず実情をつかんでいなかった。
 唐土の異変を知った大和朝廷は太宰府に勅して「安禄山は凶暴なる胡人(ソグド人だが、当時は「胡」と称した)、狡猾である。天命に背いた反乱は必ず失敗するが、寧ろ海東へ兵を進める華もしれず、この緊迫状況を太宰府はよく理解し、たとえ安禄山が来航せずとも防衛を怠るな」とした。
 怡土城築城を任された吉備真備は工事に力を入れ、また京では渤海使の歓待宴が続いた。淳仁天皇はかれらに位階をあたえ、藤原仲麻呂は自邸で宴を催し、賑やかにもてなしたうえ夥しい土産を持たせた。
 この時に大和朝廷を支配した空気は唐が衰弱し、渤海が北から協力して新羅を挟み撃ち出来ないか、今こそチャンスではないかということだった。これは当時権力の頂点にいた藤原仲麻呂の情勢認識に欠陥があったということである。 
 
 ▲むしろ韓国がなぜ外交舵取りを変えたかの背景に謎がある。
 北朝鮮内部で何かが起きている。あるいは静かに秘密裏に中国が北への態度をかえたことを韓国が気づいた。米国からも精度高い情報を得て、日本とは修好する時期だとの判断があった。また従来の反日路線は、北朝鮮が情報操作していた。
 さて岸田首相の訪韓である。
 5月7日、アフリカ四カ国歴訪を終えて帰国したばかりの岸田首相はソウルへ飛んだ。
 ソウルの大統領府で 尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と会談し、「元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)」の訴訟問題など日韓両国の課題に向き合い、関係改善を加速させる方針で一致した。
首相は会談で元徴用工問題に関し、「厳しい環境の下で多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と述べた。
 日本がこれまでの態度を軟化させたのは財産請求権である。
 1965年の日韓請求権協定で「完全に解決済み」とされたが、つねに韓国が蒸し返してきた。
ところが尹政権となって提示してきた徴用工訴訟問題の解決策で突然活路が開けた。岸田首相は「おわび」「反省」は口にせず、尹大統領も謝罪を求めることはしなかった。
 外務省幹部は「大きな前進。文在寅(ムン・ジェイン)政権では実現しなかっただろう」とする。
韓国大統領は「共通の利益」のために歴史問題と切り離し��協力を進めるべきだと言い切った。
(資料編に続く。10分後に配信します)
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hegotthesun · 1 month
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縄文時代
縄文時代の始期に関しては1万6000±850年前と考えられます。
終期は弥生文化の登場を契機としますが、地域差があり、紀元前数世紀~紀元前10世紀頃まで多くの議論があります。
東北の北部から北海道では、弥生文化が伝来した後も、縄文時代の生活様式が継承されました。それを続縄文時代と呼びます。
縄文人は体に刺青を掘る風習がありました。その刺青によって、どこの集落の出身か区別していたようです。
また、集落ごとにアクセサリーの流行もあり、身に着けている装飾品によっても部族の見分けがなされたようです。
縄文時代からファッションの流行があったとは驚きを隠しきれません。
◆竪穴住居の作り方|富山市公式ウェブサイト
◆竪穴式住居模型を作っている木材|文化財課
このように縄文人は地べたに座ります。
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赤坂駅周辺の飲食店が立ち並ぶ雰囲気は、神戸三宮の生田新道と少し似通っております。これで北に山が見えれば神戸市内。
東京の都市開発は、まず山を平らに切り崩して整地し、その土砂で海を埋め立てて面積を増やしてから、地面をアスファルトで固めました。
一方の長崎や神戸などの西日本は、海から山までの平地の範囲が狭く、坂道をそのままアスファルトで固めたため、坂と階段の多い高齢者にとって住みにくい環境になってしまいました。
ヨーロッパの街並みはラウンドアバウト(環状交差点)を中心に、円形状に建物が整列され、一方のアメリカは地図を見て四角形に区分けしてビルディングが整列されました。
東京は江戸からの道幅や建物の向きに影響を受けて、建築物は大雑把な方向に並びます。また車道は幅が狭く少ないので、慢性的に交通渋滞が発生します。ここまで車が普及するとは、当時は誰も想像できなかったのでしょう。
新宿アルタ前の液晶画面は、ニューヨーク州のタイムズスクエアを参考に作られました。
神田川の流域は、井の頭公園まで縄文遺跡が多く残っています。井の頭の奥はもともと湧き水があり、そこを中心に縄文人の集落がありました。
実は東京の適当にも見える建物の配置は、この縄文遺跡や集落の痕跡が影響を及ぼしています。
いわば縄文時代から時を超えて構築された世界最大級の「縄文式都市」が東京の街並みと呼べるでしょう。
東京には八幡神社(神功皇后と応神天皇を祀る神社)が多いのですが、これは縄文時代からあった信仰の拠り所を経て、弥生時代につくられた社の名残りとされます。都市開発でも神社や寺院は簡単に移動できないので今も残り続けたのです。
明治時代にできた慶応や早稲田、青山などの大学は、未開発の土地を利用して建設されました。その中で東京大学の敷地内にて弥生式土器が初めて発掘されました。
このように東京は、縄文遺跡や弥生遺跡を多く残す由緒ある土地でもあります。
◆ほぼ日刊イトイ新聞 - はじめての中沢新一。1 ◆ほぼ日刊イトイ新聞 - はじめての中沢新一。2
ジャズに並び縄文時代はタモリさんの方が詳しいのでバトンタッチ。
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◆山手線の路線図は太極図|都市伝説
日本人のルーツ|DNAと言語
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現代の日本語は、縄文人の言語が土台とされます。
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日本語の単語は「キ(木)」「テ(手)」「イネ(稲)」など、母音と子音の組み合わせがシンプルで一つの単語が短いのが特徴です。
これは南方系・ポリネシア語に語感が近いとされます。
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ポリネシア人の先祖は、東南アジアのインドネシア諸島に住んでいました。インドネシア諸島は氷河期の頃までまとまった巨大な半島でした。ところが氷河期の終わりに、インドネシアは標高の高い所以外は水没しました。
人々はフィリピンや台湾、グアムやポリネシア諸島、日本列島など各地に散らばりました。
▼インドネシア・ジャワ島の馬形土器(1970年)
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▼馬形埴輪(古墳時代)
一方で日本語の文法は北方系だとされます。同じ文法の言語に「モンゴル語」「トルコ語」「韓国語」「満州語」などがあります。また近年の言語研究で、古代メソポタミア文明の「シュメール語」とも同じ文法だと判明しました。
つまり日本語は「単語は南方系、文法は北方系」という他の東アジアと比較して特異な言語体系と言えるでしょう。
縄文人と渡来人の混血比率|東アジア人の分岐と混血の歴史
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サムネイルは日本人と同じY染色体を持つアンダマン諸島オンゲ族の島民。日本人のDNAに含まれるY染色体(ハプログループD)は、縄文人に由来します。
縄文人と同じY染色体を持っているのは、日本列島全土に住む大和民族、北海道のアイヌ民族、沖縄の琉球民族、海外はチベット民族、アンダマン諸島の民族だけとのことです。
▼ハプログループの変遷
A アフリカ南部 B アフリカ南部~中部 C 西アジア、東南アジア、ユーラシア大陸から北米 [D] 日本列島、アフリカ北東部、西アジア、東南アジア E アフリカ、中東、南ヨーロッパ G ヨーロッパ、中東、北アフリカ H インド I ヨーロッパ・北欧 J 北アフリカ~アラビア半島、南ヨーロッパ L 中東、インド、地中海 N 北アジア、ヨーロッパ北東部・ロシア O 中国、東アジア~東南アジア P フィリピン、東南アジア Q 西南アジア、南北アメリカ先住民 R ヨーロッパ、中央アジア、インド
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縄文人と同じY染色体が日本やチベットにしか残らなかった理由は、高山に囲まれたチベット高原や、海に囲まれた日本列島は、他の部族の侵略を受けにくく民族交代が起こらなかったからだと指摘されています。
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↑Y染色体の分布図
国内で縄文人の遺伝子が最も多く残っているのは、北海道のアイヌ民族、次いで沖縄→東京→青森と並んでいることが分かります。
GoogleMapで紐解く古代日本人の起源|小名木善行
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▽内容の箇条書き ・日本人(縄文人)は海洋民族だった ・日本人の遺伝子の54%はフィリピン・マレーシア系
▽2万年前の海面は今より140m高い ・北海道と樺太~ロシア、九州と朝鮮半島、九州から沖縄にかけて陸続きだった ・東シナ海一帯は東東亜平野という広大な平原だった ・宝の原=高天原
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・琉球は「りゅうぐう」が由来 ・鎌倉時代中期に琉球王国が建国(古墳~飛鳥時代からすでに大和から沖縄に移住する倭人も居た) ・薩摩藩(鹿児島)の大隅国に国司がないのは、神武天皇の出生地=聖地だから。政策として聖地を治める国司はいないとされた。
動画を観た感じだと小名木氏は「高天原=沖縄説」支持派でしょうか。
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DNA解析の結果は、韓国と沖縄の中間が現代の本土日本人。「高天原=大陸説」も「高天原=沖縄説」も理に適っていると慮る次第です。
日本美術史①縄文土器
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▲縄文時代前期・中期・後期における縄文土器の変遷
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古代メソポタミア文明
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人類最古の文明とされる古代メソポタミア文明は紀元前4,000年頃に誕生しました。重要都市はイラク南部の都市ウルク。
暦は太陰太陽暦が使用され、紀元前3,000年紀に太陰太陽暦では1年が約11日短くなることが判明し、調整のために閏月が採用されました。六十進法は、メソポタミアで生まれ、現在も時間の単位に用いられます。
一週間を七日間としたのはシュメール時代からで、暦とともに占星術(後の天文学)も発達し、「カルデア人の智恵」と呼ばれました。
紀元前8,000年紀から西アジア一帯で簿記のための印として使われたトークンと呼ばれる道具が印章に変化し、さらに手で書いて絵文字化することで、紀元前3,200年頃にウルク市において最古の文字とされるウルク古拙文字が誕生しました。
このウルク古拙文字は、黄河文明の漢字や古代エジプトの壁画文字と同じく象形文字ですが、紀元前2,500年頃にこれを発展させた楔形文字が誕生。周辺諸民族も楔形文字を表音文字として借用し、紀元後1世紀頃まで西アジア諸国の言語を表すのに利用されました。
初期メソポタミアでは、南部のシュメール人たちは言語系統不明のシュメール語を使用し、北部のアッカド人はセム語族のアッカド語を使用していました。
『メソポタミア神話』
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ギルガメッシュは、古代メソポタミア文明シュメール初期王朝時代(紀元前2,600年頃)の王。多くの物語から構成される『メソポタミア神話』の中でも、とりわけ有名な英雄譚『ギルガメシュ叙事詩』の主人公として描かれました。
「全てのものを国の果てまで見通した」「全てを味わい全てを知った」「知恵を極めた」「深淵を覗き見た人」といった表現が文中でなされています。ウルク第一王朝の王ルガルバンダを父に、女神リマト・ニンスンを母に持ち、シュメールの最高神アヌ、主神エンリル、水と知恵の神エア(エンキ)から知恵を授かりました。その体は3分の2が神、3分の1が人間の半神半人。ギルガメッシュ王の時代より、神代から人間が主権を握る時代へ移り変わったとされます。
ギルガメッシュ王にとっての唯一無二の親友がエルキドゥです。ギルガメッシュ王が若かりし頃は、暴君として民を悩ませていました。そうして救いを求める民の声に応え、神が王を戒めるために遣わせたのがエルキドゥでした。
人の子に神の力を注がれたギルガメッシュと違い、エルキドゥは創造の女神アルルが粘土から生み出した存在。エルキドゥという名は、知恵の神エンキに由来しています。当初のエルキドゥは造られた命であり、人間らしい感情を持ち合わせていませんでした。生まれたばかりのエルキドゥは、人の感情や知性を持たない野獣的な性質で、姿形も全身に毛の生えた動物のようなものだったようです。
始めの頃は荒野や森で動物たちと共に寝起きする獣のような生活を送りながら、そこで動物たちを狩人から守っていたために、エルキドゥの噂はやがてギルガメッシュ王にまで届き、彼の存在に関心を寄せるようになりました。そこで王がエルキドゥのもとに向かわせたのが神聖娼婦のシャムハトという女性でした。
古代においては、人間の理性を妨げる欲求を解消する娼婦の役割は重要視され、神職としての娼婦という職もありました。彼女もまたその一人でした。
シャムハトはエルキドゥと共に過ごし、彼を慰めるのと同時に人間として必要な知識や振舞い方を教えました。二人が7日7晩を共に過ごした頃には、エルキドゥは見違えるほどに人間らしさを備えるようになりました。彼の外見は中性的な容姿ですが、これは恩人であるシャムハトの姿。粘土から生み出された性質から持つ変容の力で、彼女に似せた姿を取っているとされています。シャムハトはエルキドゥと過ごす中で、ギルガメッシュ王のことを彼に教え、エルキドゥも王に興味を惹かれていきます。
相手を強く勇敢な戦士と聞き及んでいた二人は、出会う前から互いに良き仲間になれるだろうという予感を抱き、出会いを心待ちにします。そしてエルキドゥの教育が終わる頃に、ギルガメッシュ王は彼を迎えるための宴を開くことにしました。シャムハトに導かれてエルキドゥは、初めてギルガメッシュの治める都市国家ウルクの地を踏み、王との出会いを果たします。
しかし、実際対面した王の第一印象は最悪のものでした。その暴君ぶりまでは聞かされていなかったエルキドゥは、自由気ままに権力をふるうギルガメッシュの姿に憤慨するあまり、その場で戦いとなってしまいます。神の祝福を受けた王ギルガメッシュと、神の力を注がれて造られたエルキドゥ。人外の力を持つ二人による凄まじい戦いが繰り広げられましたが、両者の力は拮抗しており、結局決着はつきませんでした。
誰��自分に敵うものはいないと思っていたギルガメッシュは、初めて自分と対等に渡り合えるエルキドゥを立派な戦士と讃え、エルキドゥもまた王の強さを認めました。全力をかけた戦いの末、二人の間には互いを認め合う深い友情が生まれたのです。
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■『Fate/Grand Order』ギルガメッシュ&エルキドゥ
女神イシュタル
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『メソポタミア神話』に登場する女���イシュタルは、太陽神シャマシュの妹で、愛と美の女神とされます。
世界の秩序を定める神エアは、それぞれの神に役割を与えましたが、イシュタルには何も与えませんでした。イシュタルは泣いてエアに懇願し、「女性としての美しさ」「滅亡させなくてもいいものを滅亡させる力」「創造しなくていいものを創造する力」を与えられました。これらの神性によりイシュタルは気まぐれで移り気のはげしい自由奔放な性格になりました。
イシュタルは欲しいものを手に入れるために手段を選ばず、馬を長距離走らせ泥水を飲ませたり、子供を生贄にする残忍な資質もありました。また、性愛の神でもあるイシュタルは、夫がいながら120人の愛人がおり、途切れることなく交代に愛人たちと性交渉を繰り広げることもありました。さらに自身と関係を断った男には酷い仕打ちを繰り返しました。
イシュタルはギルガメッシュにも惚れて求愛します。そうして多くの贈呈品を送りましたが、イシュタルと関係を持った男たちが悲運な最期を迎えると知っていたギルガメッシュはその誘いを断りました。それが原因になり、イシュタルはギルガメッシュに対して復讐を決行した話もあります。
冥府の女神エレシュキガル
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エレシュキガルは冥界の女神。前述のイシュタルの姉。
ある日、妹のイシュタルは思いつきでおめかしをして冥界に向かいましたが、事前に姉のエレシュキガルは冥界の前に七つの門を用意していました。イシュタルは通行の許可を得るために服を脱ぐ必要があると聞き、少しずつ服を脱ぎ捨てながら進み、七つの門を通過した頃には全裸になりました。
もともとイシュタルは、姉のエレシュキガルと非常に仲が悪く、そのまま怒りを買い一時的に冥界に幽閉されたエピソードがあります。
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ちなみにイシュタルに力を与えた神エア(エンキ)は『メソポタミア神話』に伝わる水・知恵・生命・魔術などを司る神。また、『バビロニア神話』では都市エリドゥの守護神。
1964年にイタリアの考古学者チームが紀元前3千年紀の都市エブラの一連の発掘調査を行い、大量の文書資料を発掘。さらにフランスの歴史学者により、エブラ人が『カナン神話』の主神エールの名を「イア(Ia)」に置き換えて呼ぶ傾向が発見されました。
語尾の「イア("Ia")」は「エア("Ea")」=アッカド語のエンキを西セム語的に発音したもの。セム語族の衰退とともに神イアフ("Iahu")も消えましたが、これは後に『旧約聖書』の唯一神「ヤハウェ」となった可能性が指摘されました。
ゴッドとアッラー
アラビア語の「アッラー」とは、英語の「ゴッド」に該当し、どちらも《ユダヤ教》『旧約聖書』の唯一神ヤハウェのことを指します。つまり《イスラム教》と《キリスト教》の信仰する神は同一なのです。
ではなぜ《イスラム教》と《キリスト教》が対立したのかというと、『旧約聖書』に記された「いつの日か人類を導くために現れる救世主・預言者」が《キリスト教》の教祖イエス・キリストか、はたまたキリスト没600年後に現れた《イスラム教》の教祖ムハンマドかで意見がわかれることに起因します。
イスラエルにある都市エルサレムは、上記の唯一神を信仰する《ユダヤ教》《キリスト教》《イスラム教》の聖地です。過去にこの聖地エルサレムを巡り、3つの宗派による戦が何度も繰り広げられました。
『新約聖書』におけるルシファーとは、「明けの明星」を指すラテン語であり、「光を掲げる者」という意味をもつ悪魔・堕天使の名。
《キリスト教》特に西方教会カトリック教やプロテスタントにおいて堕天使の長"サタン"の別名であり、魔王サタンの堕落前の天使としての呼称。人類の祖先アダムとイヴを、蛇の姿をかりて騙した張本人でもあり、人間を創造したともされます。
サタンの由来はヘブライ語の「satan」で、これは「敵対者」「反対」を意味し、アラビア圏では「シャイターン(悪魔)」と呼ばれています。
西洋でサタンは高位の悪魔の名称とされることもありますが、元々ルシファーは最高位の天使で、神に次ぐ二番目の存在だったとされます。神から最も愛された天使であり、唯一神の玉座の左側にいることが許されていました。しかし、ルシファーは神の座を欲し、自身のカリスマ性を利用して、賛同する天使達を集めてクーデター(謀叛)を企てます。そうしてルシファーの率いる反乱軍と、神の率いる大天使ミカエル軍との戦いが始まりました。
長期戦が続きましたが最終的にルシファーが敗北し、ルシファーと天使の三分の一は天から地獄に落とされ、ルシファーは悪魔の王「魔王サタン」になったとされます。
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▲ルシファーを成敗する天使ミカエル
ミカエルは《ユダヤ教》《キリスト教》《イスラム教》の天使。『 旧約聖書』ではイスラエルの守護天使とされ、『新約聖書:ヨハネの黙示録』ではルシファーとの闘いを指揮する高位の天使。
《キリスト教グノーシス主義》では「世界の創造神は悪」と断じるので、それに歯向い人類に知恵を与えたサタンは救世主として扱われます。知恵の実がもたらす「知恵」とは「善悪の知恵」であるとされます。「何が正義で、何が悪かを自分で定める能力」と考えられます。
ルシファーは『旧約聖書』にも登場する単語ですが、この時点では悪魔ではありません。上述の通り「光をもたらす者」の意で、聖書の「明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった」の「明けの明星」にあたる言葉です。
この節はバビロニア王国(現イラク周辺)の王が倒れたことの比喩です。《キリスト教》と《ユダヤ教》にとってバビロニアは聖地エルサレムの神殿を破壊し、大量のユダヤ人を強制移住させた怨敵なので、自然と「ルシファー=バビロニア王=神に背く悪魔」という解釈がなされました。
ちなみにイラクはアラビア語を公用語とするスンニ派アラブ人の住むイスラム教の国で、隣接するイランは白人の祖先シーア派のペルシャ人も住む中近東の国です。「アラビア語を公用語とするイスラム教徒の国」がアラブの定義なので、公用語がペルシア語のイランや、ヘブライ語のイスラエルは、精確にはアラブではなく中近東に区分されます。
《キリスト教》では、「神の真名(ヤハウェ)は口にするだけでも失礼にあたる」とされており、それゆえにゴッド(ゲルマン語のGott〈神〉に由来)と呼ばれます。
一方の神道では「神の名を口にするのは、言霊的に考えても良いことなので、積極的に心で念じたり声に発すべき」とされます。
古代日本と一神教では、プライバシーやデリカシー、及びハラスメントの考え方に大きな相違があるのでしょう。
『旧約聖書』
「降って止まない蛙」とは、『旧約聖書』出エジプト記8章2節モーゼの十災。奴隷としてイスラエル発祥のユダヤ人を迫害したエジプト王に、天罰として天からカエルを含めた十の災難を神が降らせたエピソード。カエルは罪と贖いの象徴でもあります。
まず始めにギリシア語で書かれたキリスト教『新約聖書』の前身となるユダヤ教『旧約聖書』はヘブライ語で書かれました。ユダヤ教徒は園児ほどの年齢から聖書で読み書きを覚えていたのだとか。
一方の日本は、江戸時代まで人口の5%だけしかいなかった公家・武家などの神道の上層部や商人しか読み書きを教わる機会が少なかったようです。
《隠れキリシタン》
隠れキリシタンとは、長崎において19世紀に禁教令が撤廃さ��た後も、本来のカトリック教に復帰せず、独特の信仰形態を継承した人々のことです。
学術的には禁教期に仏教徒に見せかけ、ひそかにキリスト教を信仰した人々を潜伏キリシタンと呼び、明治時代に禁教が解けた後も信仰を続けた人々が隠れキリシタンとされます。
本来とは異なり、習俗にも影響された独自の信仰文化を形成し、その信仰は仏教や神道と同居していたようです。
長崎市の市章は、陰陽師の安部晴明や《ユダヤ教》のシンボルとして馴染み深い五芒星です。これは長崎が江戸時代から貿易を開始した5つの港の内のひとつであることを表しています。
平安時代の最先端科学だった《陰陽道》における五芒星は、陰陽師・安部晴明の紋。《陰陽道》の思想として、森羅万象は「陰」と「陽」の二気から生じ、木・火・土・金・水の五行から成り立つとされました。
「陰陽五行」は風水や東洋医学をはじめ、漢方・お灸・針・按摩や指圧などの手技療法・薬草茶などで病気を改善させる自然治癒を目的とした養成法にも用いられます。
陰陽師は、その陰陽と五行の変化を観察し、災厄を予期して人間界の吉凶を占い、地相風水を判断し、天体観測・占星・暦の作成をおこなう人々であり、律令制における中務省陰陽寮の官職でした。
陰陽説
この世の万物を陰と陽でとらえる陰陽説では、「太陽/月」「男/女」「奇数/偶数」「心/体」など対になるものが共存するとされます。そうしてこの陰陽のバランスを保つことが大事だと説かれています。
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▲太極図
陰と陽に優劣や善悪はありませんが、バランスが片方に偏るのは良くないとされます。
▽陰の気が強まりすぎると ・動きや発言が鈍り、心身ともに冷えて停滞 ・優柔不断になり自分で物事を決められない ・依存体質になる ・消極的で言いたいことを言えない ・泣き上戸で落ち込みやすい ・心配症で会話や行動のスピードが遅い ・冷え性、低血圧、貧血気味、寝起きが悪い
▽陽の気が強まりすぎると ・頭に血がのぼり、イライラしがち ・頑固で自己中心的になる ・協調性がなく、和を乱しがち ・イライラしやすく暴力的 ・快楽を追求 ・口数が多く、早口になる ・心拍数が高い、高血圧、のぼせやすい
《儒教》では「中庸」のバランスが理想とされます。中庸は陰にも陽にも偏らない状態とされ、孔子の著書『論語』の中に「中庸の徳たるや、それ至れるかな」と書かれています。「考えが一つの立場に偏らず、過不足もなく、適当なバランスで行動できることは、最高の人徳である」という意味です。
『日本神話』では、女神アマテラスは太陽神(陽)で、その弟のツクヨミは夜を統べる月神(陰)ですが、本来の陰陽思想に基づくと「太陽=陽=男」「月=陰=女」になります。
これでは陰陽的に性別が反転していることになるので「実は天照大神は男神ではないのか」という説もありますが、太古は女性優位社会だった日本では最高神が女神でもふしぎではないのでしょう。
ヨーロッパの神話では、最高神は男神・父神になりますが、『日本神話』では「父神の娘(アマテラス)」や「父神の娘の旦那(オオクニヌシ)」になります。
これを解りやすいように『サザエさん』で例えると、父の"波平"ではなく、娘の"サザエさん"か、その旦那の"マスオさん"が世帯主になることを���味します。
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《カードキャプターさくら》に登場する"李小狼"(リ・シャオラン)の式服や、使用する羅針盤にも太極図が描かれています。
作中の重要人物クロウ・リードのモデルとなったのは、実在するイギリス人の近代魔術師兼占い師のアレイスター・クロウリーです。
彼は『稀代の魔術師』とも呼ばれ、父親はイギリス人、母親は中国人で、その影響により西洋魔術と東洋魔術の融合がなされました。
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後継者の"木之本桜"が使用する魔術の魔封陣に、英語と漢字が混在するのはそのためです。
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『北欧神話』
『北欧神話』主な登場神とアイテム ・オーディン - 主神、創造神の一柱で隻眼 ・グングニル - 主神オーディンの持つ槍 ・ヴァルキュリャ - 主神オーディンに仕える戦乙女 ・フレイ - 豊穣の神、数多い豊穣神の中で最も重要 ・ロキ - 奸計・悪意の神、オーディンの義兄弟 ・フェンリル - ロキの息子の巨大な狼
『北欧神話』の世界は、9つの世界が「世界樹ユグドラシル」により繋がる構造です。さらに3つの魔法の泉「ミーミルの泉」「ウルズの泉」「フヴェルゲルミル」に根を張りそこから水を汲み上げています。その一番下では「嘲笑する虐殺者」の黒竜ニーズヘッグがユグドラシルの3番目の根を齧っています。
▼第1層 ⑴ アース神族の世界「アースガルド」 ⑵ ヴァン神族の世界「ヴァナヘイム」 ⑶ エルフの世界「アルフヘイム」
▼第2層 ⑴ ドワーフや小人の世界「ニダヴェリール�� ⑵ 黒エルフの世界「スヴァルトアルフヘイム」 ⑶ 人間たちの世界「ミッドガルド」 ⑷ 巨人の世界「ヨトゥンヘイム」
▼第3層 ⑴ 炎の巨人スルトの住む灼熱の世界「ムスペルヘイム」 ⑵ 氷の巨人たちの世界「ニヴルヘイム(ヘルヘイム)」
『北欧神話』では、世界の終末が巫女の予言という形で書き記されています。フィンブルの冬と呼ばれる厳しい冬が訪れ、夏がなくなり3度の冬季が続き、人心は荒廃して各地で戦乱が頻発します。さらに光の神バルドルの死を契機に、神族と巨人族の間で最終戦争ラグナロクが勃発します。
ドイツや英国にあった『ゲルマン神話』の多くは、民話などに残滓を残すだけで文書化されることなく消滅しました。しかし北欧ではキリスト教化を受けながらも、9~12世紀に口承の詩という形で神話が保存されました。これが13世紀に詩集『サガ集』として書き起こされ、『北欧神話』の基礎となったのです。
『北欧神話』に登場するユグドラシルとは、世界を体現する世界樹のことです。アースガルズ、ミズガルズ、ヨトゥンヘイム、ヘルヘイムなどの「九つの世界」を内包する存在とされます。ロマン派歌劇の頂点ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』の冒頭では、運命の女神ノルンがワルキューレの岩の上で「一人の神が泉にやって来て、永遠の叡智を得た代償に片方の目を差し出しました。世界樹トネリコの木から枝を一本折り、その枝から槍の柄を作りました――」と歌います。
曜日のTuesdayは戦いの神テュールの日。Wednesdayは主神オーディンの日。Thursdayは雷(thunder)神トールの日。Fridayは愛と豊穣の女神フレイヤ(Freyja)の日。出典は『北欧神話』です。
これらの『北欧神話』は、ノース人の信仰に基づく神話であり『ゲルマン神話』の一種。ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランド、及びフェロー諸島に伝わっていた神話の総称です。しかしながら『フィンランド神話』とは別の系統だとされます。
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▲『ヴァルキリープロファイル(1999年)』~死の先を往く者たちに贈る福音書~
狛犬と狐と獅子とシーサーとスフィンクスと
狛犬の起源はペルシャやインドのライオンを象った像で、古代エジプトやメソポタミアでの神域を守護するライオンの像もその源流とされ、古代オリエント諸国では神や王位の守護神としてライオンを用いる流行があり、その好例がスフィンクス像です。
今も沖縄の民家にはシーサー(獅子)が対で置かれますが、公私混同ながらも民家自体が神社の構造になる発想に驚愕であります。沖縄人は本土人と同じく縄文人の子孫であり、古代エジプト文明や古代マヤ文明と同様に《太陽信仰》などの共通項も多いので、ただの偶然ではないと慮るしだいです。
農耕民族にとって《太陽信仰》は最も原初的な宗教の一つです。
《神道》になぞらえて《琉球神道》とも呼ばれる沖縄の信仰は、本州と共通項が多いことで知られます。
◆最高神 神道:アマテラス(最高神・太陽神・女神) 琉球神道:アマミキヨ(最高神・太陽神・女神)
◆天界の概念 神道:高天原 琉球神道:ニライカナイ
◆神職 神道:巫女、神主 琉球神道:巫女、ノロ、ユタ
ノロやユタは、東北の"イタコ"のような存在。ノロは血筋で任命される公務の巫女で、おもに長女が任命され、結婚も許されません。ユタは霊感が強いと名乗る民間による口寄せの巫女です。
《琉球神道》と《神道》の共通項が多いのは、本州と同じく縄文人の子孫であり、飛鳥時代に沖縄へ渡来した大和民族の支流だからと考えられます。
ハワイ ラニカイ〈Lani(天国)-kai(海)〉
ハワイの高級住宅地カイルアに「ラニカイ」という美しいビーチがあります。地名の語源はハワイ語の「天国のような海〈Lani(天国)-Kai(海)〉」です。
このビーチ名は一帯をリゾート開発した米国の業者が「ハワイ語で『天国のように美しい海』と命名したい」と希望したことが発端ですが、ハワイ語の正しい文法では「Kai(海)-lani(天国)」なのに、語順を誤り「Lani-kai」になってしまったまま定着したとのことです。
古代エジプト文明
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紀元前3000年の古代エジプトでは、毎年起こるナイル川の氾濫を予測するために天文観測が行われ、太陽暦が作成されました。川の氾濫が収まった後、農地を元通り配分するため測量術、幾何学、天文学が発達しました。
古代エジプトでは元号と同じように「『王の名前』の統治何年」と歴史を記録しました。西暦に置き換えた際は学者によりずれが生じます。
"ファラオ"とは、神権を行使しエジプトを支配した皇帝を指す言葉で「太陽神ラーの子」を意味します。王を神格化するために名前の一部に神の名が含まれます。貴族階級は人口の1%ほどで土地を支配し、残りの99%は平民でした。
貴族の教育制度については、どの文献にも明確な記載はありませんが、数学・医学・建築などの体系的な教育システムが必要な分野が発展していたため、教育体制が整備されていたと考えられています。
文献から古代エジプトの教育内容に関する知識が垣間見れます。授業内容は学校の目的によって異なり、神殿付属校では宗教儀礼、宗教文学、葬祭の経典、経典の注解、神話物語などが授業内容で、一方の政府学校では、算数、幾何学、測量術、簿記、官庁の書類作成などが授業内容だったと推測されています。
古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」から派生した「原カナン文字」は、アラビア文字、ギリシア文字、ヘブライ文字、ラテン文字、キリル文字、ティフナグ文字、モンゴル文字、一説によるとパスパ文字を経由してハングルにいたるまで、世界で使用されるほとんどのアルファベットの起源とされます。
ヒエログリフは句読点がなく読みづらい言語の一つですが、横書き・縦書き・左右どちらからでも書けます。横書きの場合は、人が向いている方向と反対側から読みます。
𓁚𓅇𓆃𓆥𓈷𓍦𓀓𓀞𓀥𓀡𓀒𓃬𓍯 →
たとえば上記の場合は人物が左を向いているので左から右に読みます。
ヒエログリフは19世紀にようやく解読されました。ナポレオンのエジプト遠征で発見されたロゼッタストーンという3つの言語で同じ内容が併記された石碑が、古代エジプト言語の解読作業に劇的な進歩をもたらしたのです。
1日を24時間としたのも古代エジプトという説があり、数学は社会に応用するための実学とされ、課税調査や生産物の貯蔵と配分、現物支給の報酬の計算などに単位分数の計算「エジプト式分数」が多く用いられました。また、幾何学は耕地の測量や建設、天文学など理工学の発展にも寄与しました。
「0の概念」などの実社会と関連が薄い分野は発達せず、0の記号もなく偏りがあったようです。しかし「0の概念」は数学に影響を及ぼすので、実社会と関連性がないとは言い切れないと思います。
古代エジプトでも現代と同じく十進法を用いましたが、古代シュメールの影響により、時間のみ十二進法が利用されたことから24時間制(AM12時間・PM12時間)になりました。
「一日25時間あればいいのに」と言う人がいます。
24時間=1440分を25等分にすると、1時間=57分36秒の一日25時間制が成立します。
1440 ÷ 25 = 57.6
古代エジプトの音楽についての研究は、考古学者と音楽研究者の間に交流がなく未だ研究が進まないものの、銀製のトランペットに似た楽器やフルートのような楽器が出土しています。現代の西洋音楽の基礎となったという見解もあります。音階は掛け算・割り算・分数で割り出せるので、数学が発達していたなら音楽も発達していたと推測できます。
エジプト文明と並ぶ農耕文明のメソポタミア文明が、異民族の侵入を被り支配民族が移り変わったのと比べ、地理的に孤立した位置にあったエジプトは比較的治安が安定していました。
モンゴル帝国がアフリカまで侵略できなかった理由は、待ち受けていたエジプト軍に惨敗したからです。蒙古軍はそれまでに何度も強襲を繰り返していたので、その戦法が知れ渡っていたことや、騎馬による突撃は平原では通用したものの市街地戦では本領を発揮できなかったこと。また、上述の通り地理的に蒙古軍がエジプトの北東から攻めて来ることが分かっていたために侵略できなかったのでしょう。
インダス川文明
祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。 『平家物語』
▽『平家物語』現代語訳 祇園精舎の鐘の音には諸行無常、すなわちこの世の総ての現象は絶えず変化して行くものという響きがある。沙羅双樹の花の色は、どれだけ勢いが盛んな者も必ず衰えるという道理を表す。世に栄え得意になる者も、その繁栄は永久に続かず、春の夜の夢のようである。勢い盛んな猛き者もいつか滅び去り、まるで風に吹かれる塵と同じようである。
千年、続きますように
『君が代』の原文は藤原定家らが編纂《へんさん》した『古今和歌集第7巻(912年以前)』に記載されています。
「わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」
現代語に訳すと「あなたは千代も八千代も長生きしてください。小さな砂利が悠久の年月を経て巌となり、さらにそれに苔が生えるほどまでも」という意味になります。
「わが君」とは、皇帝を指すだけではなく広義の意味も含むとされ、主君、両親、親族、配偶者、友人にも当てはまり、敬愛する人に向けた長寿を祝福する歌とされています。
日本では古来より《仏教》のように人は生まれ変わるものだと信じられていました。肉体は老い、死を迎えても、魂は再び人となってこの世に生まれる。つまり「さざれ石の巌となりて」は、「生まれ変わって何度でも」という意味として捉えられます。
忘れてならないのは、さざれ石は、小さな小石が結束して大きな岩石となるという点です。ひとつひとつは小さな小石でも、大きな力で団結したら、それは大きな「巌」となります。
つまりさざれ石は、「きみ=男女」の結束で生まれる子供らや、新たに親戚となる者たち、その総ての人々が固く協力し合うことの象徴でもあります。
そうして最後に『君が代』は、「苔のむすまで」と締めます。苔は冷えきったり、乾燥したところには生えません。濡れていて、水はけの良いところに生育します。
濡れたものと固いものがしっかりと結びついたところに苔は生えます。また、「苔のむす」のむすを漢字で書くと「生す」と書きます。
生すとは子供を養い育てると言う意味合いがあり、苔は永遠に存在するものではなく、その中で新しい生命が誕生し、古いものが死に土となり、徐々に広がりを見せるという子孫の繁栄を示しているというのです。
《神道》の中心にあるのは「生む」ことではなく、「育てる」ということ。「苔の生すまで」とは、古いものが土となり、新しいものを生み、育て繁栄させましょうという意味合いなのです。
すなわち「苔」とは、「きみ=男女」が、互いにしっかりと結びつき、一緒になって互いに協力し合い、時には笑い涙を流し、長い年月をかけて生育する。
男女の慈しみと協力を意味します。
「きみ」=成長した男女が 「代」=時代を超えて 「千代に八千代に」=千年も万年も、生まれ変わっても 「さざれ石の巌となりて」=結束して協力し合い 「苔のむすまで」=固い絆と信頼で結び付こう
以上のように『君が代』とは、人類の持ち得る愛情を高らかに謳い上げた「祝辞の歌」だと慮る次第であります。
釈迦
紀元前5世紀前後の北インドで釈迦(シャカ)族の王子として生まれた“釈迦”(後の仏陀)は、子供の頃に城下町で老い・病み・死にゆく者たちを見てこの世の無常を覚ったのだとか。
それ以来、思い悩み塞ぎ込むようになってしまった釈迦の将来を案じた国王は、釈迦が16歳になる頃に隣国の姫と結婚させた。
そうしてしばらくの間は平穏を取り戻したかのように見えた釈迦だったが、19歳の頃に息子が生まれてからまた何かを思い詰めたように表情に影が差し始めたのだった。
「人は老いるのを免れないのに、他��が老衰したのを見て考え込んでは嫌悪した。そう考える自分もまた老いゆくもので、その宿命は免れない。私はこのように『病』『死』を観察して、健康時における健康の意気はまったく消え失せてしまった。そうして生存時における生存の意気もまったく消え失せてしまった」 (中村元『ブッダ 釈尊の生涯』中村元選集第 11 巻、春秋社)
この世の総てのものは恒常な実体はなく縁起によって存在する。目に映るもの、形創られたもの《色》は、実体として存在せずに時々刻々と変化するものであり、不変なる実体は存在しない《空》。仏教の根本的考えは因果性《縁起》であり、その原因《因果》が失われたら、たちまち現象《色》は消え失せる。それが「色即是空」である。
《此》が有れば《彼》が有り、《此》が無ければ《彼》が無く、《此》が生ずれば《彼》が生じ、《此》が滅すれば《彼》が滅す。《見られる人》がいなければ《見る人》はなく、《読む人》がいなければ《書く人》はいない。
諸行無常、すなわちこの世の総ては移り変わるもので何一つ確かなものはなく、富や名声、愛する人の命も永久には続かない。
釈迦は29歳の頃に安逸な生活に留まらず、人生の真実を追求するために王子の地位を捨てて出家したのだった――
カルマ(業)
インド哲学《仏教》におけるカルマ(業)とは、行為や所作、意志による身心の活動や意志による生活を意味する語。仏教、及びインド発祥の宗教では、善悪の業を作ると因果の道理によってそれ相応の苦楽の報い、果報が発生するとされます。
インドには宗教と哲学の境界線がなく、またこれを東洋哲学とも呼びます。仏教はすべての結果について「偶然による事物の発生」「原因なく事物が突然、生じること」「神による創造を否定」し、その因果応報を説きます。
カルマの思想はインド発祥の宗教と道教において輪廻転生(生まれ変わり)と強く結びつく概念で、これらの説では善因善果、悪因悪果をもたらすとされます。
馬の耳に念仏
「馬の耳に念仏」とは、馬に念仏(お経)を唱えても馬の頭では理解に及ばないという意味合いの諺ですが、そもそも人間に生まれたところで坊さんに読経されたとしても、ほとんどの人類にとって理解不能なのが念仏なので「人類の知能は馬に等しい」という意味合いにも受け取れてしまうのではないでしょうか。
人類史において真っ先に文明が発展した国々の共通項として、"馬"を活用していたことが挙げられます。車のない時代では馬が車の役割を果たしていたからです。荷車を数頭の馬に牽引させれば馬車になり、それを戦場で応用すれば戦車にもなりました。つまり当時は車・電車・貨物車・戦車として馬は必須だったのです。
ちなみに日本では4世紀末頃に中国大陸より騎馬の風習が伝わって6世紀には広まり、武芸の一つとして「弓馬の術」が、鎌倉時代・室町時代以降に盛んになり諸流派を生みました。しかしながら、戦国時代・関ヶ原の戦いを経て江戸時代には戦のない世になり、数百年後には黒船が到来し、明治時代に政府は兵制の改革を行い、日本式馬術は採用せず洋式馬術が取り入れられました。
これにより古来より日本にあった馬術はほぼ廃れ、現在は一部の研究家が実践するに留まっており、時代劇や大河ドラマなどの乗馬シーンのほとんどは、🇬🇧ブリティッシュ(イギリス式)馬術か🇺🇸ウエスタン馬術が用いられます。
■暴れん坊将軍 第一話[公式]|YouTube
『暴れん坊将軍』は東映制作の時代劇シリーズ。江戸幕府の第八代将軍“徳川吉宗”が、身分を偽り貧乏旗本の三男坊“徳田 新之助”を名乗り、江戸庶民の暮らしに紛れ、交流を図りつつも、世にはびこる悪を斬る勧善懲悪ものです。
頭頂部の髪を抜き上げる「月代(さかやき)」は、本来はお武家様の髪型であり、江戸町民の男性全員が手入れの面倒な月代なのは不自然だと思われますが、現在の普及する時代劇はほとんどこの状態です。誰が本当にお武家様なのか第一印象ではよく判らない状況下にあると言えるでしょう。
ちなみに時代劇や大河ドラマで騎乗される大型馬のサラブレッドは、江戸時代までの日本に本来おらず、実際はポニーほどの大きさの馬に乗っていたようです。「丁髷」は韓国から渡来した髷の結い方とされますが、本当に韓国の貴族がこの髷の結い方だったのか疑問です。いずれにしても「辮髪(べんぱつ)」が原案なことは想像できます。また、多くの時代劇のチャンバラシーンで流れるBGMは西部劇風の曲ですが、当時の江戸にはヨーロッパ製の弦楽器やトランペットはありませんでした。
16進数
Google、Microsoft、Adobe等など世界を牽引する著名なIT企業におけるCEO(代表取締役社長)はインド系アメリカ人の方が多いようです。筆者の認識では「0の概念」や仏教発祥の地がインドであり、その他にも義務教育(算数)の学習が4歳から始まり、小学二年生の段階で20×20までの暗算を覚え、小学校を卒業するまでに三桁の掛け算の暗算を会得すると聞き及んでいます。インド人は関節のしわを用いて、片手で16まで数えられますが、それが16進数の礎になったようです。
16進数とは、0から9までの10個の数字と、AからFまでの6個のアルファベットを使って数値を表現する方法。16進数では一つの桁において0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C、D、E、Fと並ぶ16個の数値を扱うことが可能で「A」が10進数における「10」に相当し、「F」は同じく10進数の「15」に相当。「F」の次は位取りをして1桁上がり「10」となります。
日常生活では0から9までの10個の数字を使った10進数が主に使われますが、コンピュータでは2進数と並んで16進数を扱うことが多く、ASCIIコードや日本語の文字コード、色を示すカラーコード等は16進数を使用します。
16進数の3F7Bを10進数に変換すると4096×3+256×15+16×7+1×11=16251になります。また、10進数の12345を16進数に変換するには次のように計算します。
12345=4096×3(余り57) 57=256×0(余り57) 57=16×3(余り9) 9=1×9(余り0)
10進数の12345は、16進数では3039になりますが、わざわざこのような計算をしなくてもweb上には10進数と16進数の相互変換サイトがそこら辺に転がっているので、異なる進数間での変換が必要な際はそちらを利用すればいいでしょう。
■2進数、8進数、10進数、16進数相互変換ツール
その数値が16進数であることを示すために、3F7B(16)や0x3F7B、3F7Bh、&h3F7B、$3F7Bのように記述することもあります。なお、AからFまでの6個のアルファベットは小文字で表記してもいいとのこと。
プログラムや遺伝子は「1《有/優性遺伝子》」「0《無/劣性遺伝子》」の二進数で表記されることが往々にしてあります。インドが「0の概念」を発見していなければ、コンピュータのプログラム表記は今と大きく勝手が違っていたのかも知れません。
ちなみに世界中の人類が使用する数字(1, 2, 3)は、インド数学に起源を持つ「アラビア数字」です。
黄河文明
漢字は、古代四大文明の発祥で唯一現存する象形文字(古代エジプトの壁画文字等)であると同時に世界で最も数の多い字。日本の新聞や公共放送で使用される漢字の種類は約2,300字。香港の常用字は4,759字。台湾の義務教育(12年間)で習う常用国字標準字体表は4,808字。漢字は約75,000種類ほどあり、常用されない漢字を含むと10万種類以上はあるとされます。
漢字の字体一覧
簡体字 ◆使用地域:本土(北京・上海・四川)、シンガポール、マレーシア ◆例文:欢迎来到日本
1950年代の「文字改革」より制定された新しい字体で、これまで使われてきた「繁体字」をもとに偏や旁が簡略化され画数を減らした字体。北京や上海などの本土やシンガポールやマレーシアでも使用されます。
繁体字 ◆使用地域:香港、台湾 ◆例文:歡迎來到日本
本来の画数の多い字体で、日本の「旧字体」と同じつくりの字体。 民主主義・特別行政区の香港と台湾で使用されます。
旧字体
「學」「國」「爲」「屬」「鐵」「體」など、昭和初期まで使われた画数の多い漢字で、���々は上記の「繁体字」と同じつくりの字体です。
新字体
「学」「国」「為」「属」「鉄」「体」など、「旧字体(繁体字)」の画数を簡略化した漢字で今現在の日本で使用される字体。昭和24(1949)年に内閣が告示しました。
◇参考資料:当用漢字字体表|文化庁
日常的に新聞や公共放送などで使用する漢字は約2,300種類ほどにしぼられましたが、それ以外の漢字は「常用外漢字」として殊更に今も小説や詩などでは自由気儘に使用されます。
古代エジプトの壁画文字や黄河文明の漢字などの象形文字は「概念や物の数だけ字がある」ことになります。日本はG7(主要先進国)で唯一、お米が主食で生魚も食べますが、もし寿司職人になるために「鮭」「鯛」「鮪」「鯵」「鰹」「鮃」「魬」「鱒」「鯊」と寿司のネタを全て漢字で書く必要があるとなると多くの人が寿司職人の道を諦めてしてしまうのではないでしょうか。
いくら文化的な希少価値があるとは言え、ヒエログリフを使って授業内容をノートに写したり、ビジネスメールを書くとなると、非効率的で経済にも大打撃を与えかねません。
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▲古代エジプトの壁画文字「ヒエログリフ」
そこで韓国は早々に漢字を撤廃して「ハングル」を考案し、日本は平安時代に世界一画数の少ない漢字体系「ひらがな」を考案しました。
ひらがな
「ひらがな」は漢字の字体を簡略化したもので、「カタカナ」は漢字の字体を崩したものが多くなり���す。
〈ひらがな〉 安 → あ 以 → い 宇 → う 衣 → え 於 → お
カタカナ
〈カタカナ〉 阿 → ア(阿の左部分) 伊 → イ(伊の左部分) 宇 → ウ(宇の上の部分) 江 → エ(江の右部分) 於 → オ(於の左部分)
ハングル
「ハングルはひらがなのようなもの」とよく言われますが、精確にはローマ字に近い文字体系だと思われます。ひらがなは漢字と同じく当て字なので、字の作りで発音までは分かりませんが、ハングルはローマ字と同じく発音記号の組み合わせなので、字の作りから発音が分かるのでしょう。
日本語の活字やWeb記事が読みにくくなる原因は「スペースがない」ことに起因します。ブラウザ上の英文は「一つのスペル」を日本語の文章でいう「一文字」のように認識するので、二字~四字熟語の「右端折り返し」で頻発するような誤読の心配もありません。
英文の世界では、改行・段落が多いと目の左右の動きが増えて疲れやすくなる上に、活字ではページが増え、ブラウザ上ではスクロールが多くなるのであまり好まれないとのこと。しかしながら一行ごとの改行・段落が好まれない英文脈でも、単語ごとのスペースがなければ、どう読めばいいのか解せないただの記号の配列に見えてしまいます。
試しに、日本の活字やWeb記事のように、英文をスペースなしで書くと以下のようになります。
INTHEBEGINNINGWASTHEWORD,ANDTHEWORDWASWITHGOD.HEWASWITHGODINTHEBEGINNING.THROU GHHIMALLTHINGSWEREMADE;WITHOUTHIMNOTHINGWASMADETHATHASBEENMADE.INHIMWASLIFE,AND THATLIFEWASTHELIGHTOFALLMANKIND.THELIGHTSHINESINTHEDARKNESS,ANDTHEDARKNESSHASN OTOVERCOMEIT.THEREWASAMANSENTFROMGODWHOSENAMEWASJOHN.HECAMEASAWITHNESSTOTESTIF YCONCERNINGTHATLIGHT,SOTHATTHROUGHHIMALLMIGHTBELIEVE.HEHIMSELFWASNOTTHELIGHT; HECAMEONLYASAWITHNESSTOTHELIGHT.THETRUELIGHTTHATGIVESLIGHTTOEVERYONEWASCOMINGIN TOTHEWORLD.THETRUELIGHTTHATGIVESLIGHTTOEVERYONEWASCOMINGINTOTHEWORLD.HEWASINTH EWORLD,ANDTHOUGHTHEWORLDWASMADETHROUGHHIM,THEORLDDIDNOTRECOGNIZEHIM.HECAMETOT HATWHICHWASHISOWN,BUTHISOWNDIDNOTRECEIVEHIM.YETTOALLWHODIDRECEIVEHIM,TOTHOSEWHO BELIEVEDINHISNAME,HEGAVETHERIGHTTOBECOMECHILDRENOFGODCHILDRENBORNNOTOFNATURALD ESCENT,NOROFHUMANDECISIONORAHUSBAND'SWILL,BUTBORNOFGOD. BOOK43JOHN
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。上達部、上人なども、あいなく目を側めつつ、「いとまばゆき人の御おぼえなり。唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれ」と、やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひたまふ。 (紫式部『源氏物語』)
たのもしき カミの しもべよ わが きょうかいに どんな ごようじゃな? (『ドラゴンクエスト』神父)
ひらがな・カタカナだけでも、ハングルのようにスペースと改行を使用すると劇的に文章が読みやすくなります。どうやら一行ごとに改行する文化は『芸能人の携帯向けブログ』が普及してからのようです。
ところで世界で最も普及している音楽配信サービスのBandcampでは、数年前まで日本語タイトルの曲をDLして解凍するとすべて文字化けする謎の現象が起こりました。IT技術者の「いい加減に文字化けした漢文じゃなくて英語タイトルをつけてくれ」という意図が込められているような気がしますが、今は日本語タイトルにも対応してくれたようです。国産の音楽専門SNSや販売サイトは普及しないので、海外のWebサービスを利用するしかありません。ちなみにBandcampに含まれる単語の頭文字から二文字をローマ字読みすると……。
縺ィゅ縺薙縺ァ莉ぅ蜑阪ゅぅソア縺ァ髻ウ讌スアウ驟堺ソ。繧オ繝シ繝薙ひ縺ョ律譛ャ隱槭ち繧、繝医Ν縺ョ譖イ繧奪L縺励※隗」蜃阪☆繧九→縺吶∋縺ヲ譁ぅヲマ?ュ怜喧縺代☆繧玖ュャ弱?迴セ雎。縺後≠アミ繧翫∪縺励◆縲ミズらアウ蝗スIT謚?陦楢???縲後>縺?刈貂帙↓譁?ュ怜喧縺代@縺滓シ「譁?ァr菴ラバソ繧上★闍ア隱槭ちガ繧ソバ、繝医Ν繧偵▽縺代※縺上l縲阪→縺?≧諢丞峙ミ縺瑚セシ繧√i繧後※縺?k繧医≧縺ェ豌励′縺励∪縺吶′縲∽サ翫?譌・ャ隱槭ち繧、繝医Ν縺ォ繧ょッセ蠢懊@縺ヲ縺上l縺溘 (文字化け)
まとめ
「陰/女性的/ひらがな/和歌/古今集/古事記」 「陽/男性的/漢字/漢詩/万葉集/日本書紀」
日本語は漢字で書いてもひらがなで書いても声に発すると同じ発音になります。
つまりわたしたちはほんしつてきにひらがなだけでいしそつうしているのです。
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▲縄文時代の暮らし
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考古学的な知見に立つと、壁画を描き、象形文字を創り、歴史と文藝を書き、数学で十二平均律や物理を演算し、さらに歌って踊れる文化的な動物は人類だけだと気付かされます。
識者によると、教会や神殿などの宗教施設の建築技術や『神話体系』の完成度で、その国の文化的なレベルが分かるのだとか。
まず文明が芽生え、文字が創られて書くのは国の歴史書と、王族のルーツや世界のはじまりについて、つまり『神話』になります。
それらを祀る神殿も、その時代の叡智や高��資材をフル導入するので、技術的な妥協が一切ないというわけです。
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nyantria · 1 month
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陰謀論
2024年8月9日 by Lars Meler
Edwin
他人の行動や表明された、あるいは推測された動機に注意を払うことは、集団生活において生存に値する。しかし、それが乱暴に誇張され、他者に対する根拠のない不信感によって煽られるなら、パラノイアである。(重度の)被害妄想は狂気である。そして狂気の場合、判断力が損なわれる。
では、ヨーロッパへの第三世界からの移民が、言論の自由、議会主義、法の支配を含む、われわれが知っている西洋文明の終焉をもたらすための秘密工作であるという視点に賛同する人はいるのだろうか?そして、キリスト教を根絶し、イスラム教をその代わりに据えるというマスタープランは考えられるだろうか?
あるいは、陰謀論は嘲笑によって否定することを意図したあざとい主張だと考えることもできる。冷戦時代には、未来は進歩的前衛(とソビエト帝国または中華帝国)のものだと確信していた左翼知識人の間で、共産主義の全体主義に警告を発する人々を嘲笑することが好んで行われた。
それ以来、(オーストリア出身の哲学者カール・R・ポパーが定義した)「開かれた社会」に共産主義者が広く浸透しているという疑念は十分に根拠のあるものであり、芸術界、教育制度、公務員における日々の優先順位に影響を及ぼしていたことがわかった。典型的な知的優越感をもって行われる嘲笑は、全体主義への反対、つまり自由の声を封じ込めるためのものだった。すでに外敵と手を結んでいる者たち(例えば共産党の党員)は、理想主義的な純朴さと正義の憤りを装うが、内心は冷笑的であり、開かれた社会を破壊する破壊活動が、広範囲ではないにせよ、どれほど集中的なものであるかは十分すぎるほど承知していた。
第二次世界大戦後、西ヨーロッパには外国人が押し寄せた。大陸の一番外側を見違えるほど変貌させた巨大な人口移動の人的要因となった彼らは、波状的に流入してきた。もともとは、政治的独立を果たそうとしていたヨーロッパの植民地から生まれた人々である。アフリカやアジアからやってきた人々のなかには、単にかつての臣民に与えられた植民地支配後の特権によるものもある。文化的統合の見込みがどうであれ、世界で最も遠い場所から来た人々は、大規模な社会実験の一環として快く受け入れられ、帰化を勧められた。
根深い部族主義的感情、経済的優遇、暴力的迫害の犠牲者は、旧植民地支配者に避難しなければならなかった。しかし徐々に、移民は別の形態をとるようになった。
1960年代、アナトリアの恵まれない地域から村人たちが西ヨーロッパ各地の政府によって輸入され、産業における非熟練労働に従事した。当時は経済が活況を呈しており、労働力に対する需要もそれに比例して逼迫していた。大量移民の第二波をもたらした外国人求職者たちは、素朴に "ゲスト・ワーカー "と呼ばれた。この呼称が暗示するように、彼らは村に家を建てるだけの資金を貯めたら祖国に帰ることになっていた。
しかし、西側諸国は自らの "寛容の罠 "にはまった。軽率な楽観主義を特徴とする当時の政治家たちは、自分たちの決定が長期的にどのような結果をもたらすかを理解できなかった。アナトリアの労働者たちは故郷に帰る代わりに、大家族を連れてきた。この点については、産業の一時的なニーズに対応するために自由化された法律によって許可され、彼らは「家族の再統合」などを申請した。
西側諸国の政府によって奨励されたわけではないにせよ、異質な共同体、いわゆる「飛び地」は、急成長するディアスポラの橋頭堡となった。その多くは、信仰と自由に対して不寛容な第三世界からの移住者たちであり、彼らの出現は、「過渡的社会」、すなわち、(a)滅びゆくキリスト教、(b)革命的イデオロギー(社会主義やイスラム主義など)に対するヒューマニズムの最終的な敗北、(c)社会的激変を特徴とする不安定な歴史的実体への共同参入を意味した。
アラブの石油国家の専制的な政府が、アジア人を家事奴隷のような条件で雇っているのとは異なり、ヨーロッパ人は「ゲスト労働者」を自由に処分できないことが証明されている。いったんヨーロッパに定住すれば、外国人は生粋のヨーロッパ人と同じ権利を享受できる。だから、彼らは滞在するようになったのだ。
1980年代、移民の第三の波が西ヨーロッパに押し寄せた。かつての植民地大国だけでなく、西側諸国全般が、国境で「亡命」を主張する者を受け入れることで、過去の不正義(すなわち人種差別主義、植民地主義)を発展途上国に償うことを期待されたようだ。おそらく政治的な懺悔(と罪悪感)の表れであろう、このジェスチャーは西側諸国特有のものだった。
狡猾で気まぐれな暴君の典型であるムアンマル・カダフィは、キリスト教の古くからの拠点(そして中東やアフリカで迫害されているキリスト教徒の避難所)であるヨーロッパは、いずれイスラム教徒に征服されるだろうと予言した。2006年4月10日にティンブクトゥで行われた演説で、彼はこの問題を次のように要約した:
「ヨーロッパには5千万人のイスラム教徒がいます。剣も銃も軍事征服もなく、アッラーがヨーロッパでイスラムに勝利をもたらす兆しがある。ヨーロッパの5千万人のムスリムは、数十年以内にヨーロッパをムスリム大陸に変えるだろう。アッラーはトルコというイスラム国家を動員し、EUに加える。これでまた5千万人のイスラム教徒が増える。ヨーロッパには1億人のイスラム教徒がいることになる。イスラム教国のアルバニアはすでにEUに加盟している。イスラム教国のボスニアはすでにEUに加盟している。国民の50%がイスラム教徒だ。ヨーロッパは苦境に立たされている。」
時間は紛れもなくイスラム主義者のために働いている。ヨーロッパ中のイマームたちは、歴史的な特権である二枚舌(「タキーヤ」の概念を参照)で話しながら、日常的にホスト国のいわゆる「開国」(すなわち征服)を祝福し合っている。彼らは「進歩的エリート」(黒い戦闘服に身を包んだ議会外のストームトルーパーは言うまでもない)の狂信的な支持を当てにすることができ、社会に対する信徒の忠誠を厳粛に保証することができる公共の議論において、伝統的な犠牲者の役割を引き受ける一方で、彼らはアラビア語、ウルドゥー語、ペルシャ語で、西洋の弱点と差し迫った没落について仲間の信者に指導する。
まともな神経の持ち主であれば、国境に出頭してきた一人一人が陰謀に加担していると疑うことはないだろう。移民は、自分たちの生活環境を改善するためなら、あらゆるものを捨ててでも別れ、犠牲にすることを厭わない。結局のところ、「より緑豊かな牧草地」を求めて外へ出ようとする衝動は、人間の根源的なものなのだ。しかし、人身売買業者の手によって、多くの移民が命がけでヨーロッパを目指している。だから正直なところ、小柄なティーンエイジャーも、妊娠中の母親も、ぽっちゃりしたほっぺの幼児も、犯罪の疑いがあるわけではない。
少数派になりつつある非西洋人は、遅かれ早かれ(民主的な能力を持つ)多数派となり、近隣や都市全体を占拠し、抗しがたい権力基盤を構成する。そして、宗教的なひねりを加えた公民権運動家(すなわち「社会的不公正」や「人種差別」に反対する運動)を装う者も含め、外国人の支配の拡大に熱心な人々の多くは、それを利用する用意がある。彼らは一般的な妬みや不信を煽ることをためらわない。社会の分裂は、彼らが支配権を得る究極のチャンスなのだ。対立と混乱を好む彼らは、真の陰謀家として振る舞う。
しかし、エイリアンの陰謀は、日和見主義的なもので、いわば「二次的なもの」にすぎない。したがって、はるかに憂慮すべき別の陰謀が存在する。権力のために自分の家庭や家族を無慈悲に犠牲にするヨーロッパの進歩主義者たちの意欲を中心に展開する、これが「第一の」陰謀である。この陰謀の本質は、世間知らずの域をはるかに超えている。強力な政治家と意思決定者が関与しているのだ。
1997年5月の総選挙と政権交代の後、地滑り的勝利で勢いづき、長期的な成功計画を立てる準備が整ったイギリス新労働党の指導部は、第三世界の大衆に門戸を開き、それによって有権者の構成--そして政治的気質--を永久に変えようと決めた。党中央顧問のアンドリュー・ニーザーはその後、指導部が(明白な理由で)国民に秘密にしていたこの運命的な政策は、「......右派の多様性を鼻にかける」ために明確に考案されたものだったと明らかにした。
つまり、英国の民族構成を変えるという戦略的な目的だったのだ。指導部はその見返りとして、党に対する無限の大衆(つまり外国人)の支持を期待した。そのような背信的な計算があったのだ。それ以来、元ビジネス担当国務長官のマンデルソン卿は以下のように告白しており、その罪深さは天に泣いている:
2004年、私たちはこの国に働きに来る人々を歓迎するだけでなく、捜索隊を派遣していた。
権力を維持するために自国を売り渡す!何世紀もかけて築き上げてきた高信頼社会が解体されようとしている。反対側には無政府状態が待っている。- ホワイトホールの責任者たちの名が、悪名高きものとなりますように。
Conspiracy Theories - Edwin’s Newsletter #1
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unikeni · 3 months
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台湾1周サイクリング
2024/06/05 - 2024/06/14 @台北~台北:約920km
登山の"ついで"、にしては相当ヘビーだし、なんならこっちの方がメインなんじゃないか、という感じもするけど…せっかくの機会だし、台湾1周サイクリングをすることにした。さすがに玉山登頂翌日の朝出発は乱暴だったかもしれない笑。睡眠時間足りてないし、足の疲労もある、その上自転車も組み立ててない。そんな状況でも、玉山から戻った夜は、やけにテンションが高かった。サイクリングが楽しみだったからだと思う。そんな風に感じたことは普段全くないから、なおさらそのままの勢いで出発してしまおう、と思ってしまった。
全部終わって振り返ってみると、やっぱりやってよかったと思う。1回目の退職記念にはキリマンジャロに登り、今回、2回目の退職を前に台湾1周のソロライド、10日間。5年近く勤めた仕事を振り返ったり、労ったり、次のステップに進む英期を養ったり、という意味で僕にはこれが必要だったんだと思う。贅沢ではあるけれど、(仕事を一切しない)長めの休みを取るのも久しぶりだし、職業柄、日常を離れて未知の風景を楽しむ、というのは大事なことだと感じる。幸い、体力とか装備、お金、といった大きなところの心配が不要だったことがハードルを大幅に下げてくれた。一見無謀とも思えるこのチャレンジも、実はそこまで大変なことではなかった。
真ん中に紐みたいな短い赤い軌跡が登山で歩いた距離・場所だから、台湾をかなり堪能したことが分かるな…。
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1日目 (台北から新竹) 86km
6月4日、玉山下山後、夕方6時に台北着。そこから翌朝出発の準備を始める。自転車の組み立ては当然すんなりとはいかず、シンガポールからの移送中に前輪のシーラントがケース内で漏れまくっていた。慌ててシャワー室でスペアチューブを足して、なんとかタイヤが機能するように。結局、前輪はチューブあり、後輪はチューブなしの状態でスタートすることに。加えて、急遽買ったミニ空気入れが上手く使えず、40psiぐらいが限度だった。もうそれで手を打った。
泊まったホテル(Brother Hotel)が親切で、登山グッズの詰まったバイクケースを10日近くただで預かってくれるところだった (引き換えに計4泊滞在)。ホテルの部屋でバイクを組み立て、朝食、荷物を預けて、チェックアウトし、台湾でのライドスタート。ラッシュアワーを避けて、早めに出ようと思ったんだけど、いろいろもたついて、結局8時になってしまう。モロに交通量が多い時間帯。それでも幸い曇りだったし、バイクに異常もなく、無難にスタートできた。河原で記念写真を撮ろうにも、全然笑えない自分がいた。不安要素が多すぎたから、顔がひきつっちゃったんだと思う。台湾政府公認の1周路を辿るにしろ、道に迷わないかとか、事故の心配、荷物が気になったり、天気が心配だったり、ペース配分が分からなかったり、言葉が思った以上に通じなかったり、と最初の2日ぐらいは実はライドを心から楽しめていなかったかもしれない。とにかく細かいことで気が散っていた。
例えば、新しく買ったサドルバッグはこの時初めて取り付けて、僕のバイクと仕様が合わないことに気づく。がっちり固定できないうえに、たぶん荷物が重すぎた(か多すぎた)せいもあって、途中から徐々にずり落ちる事態に。つまり後輪にバッグが当たる最悪の状況。その上、台北出発から1時間も走らないうちに雨が降り始める…。雨対策も万全ではなかった。振り返ってみても、9日間のライドの中で、初日が本当にハードな日だった。右も左も分からないのに加え、結局、昼ぐらいから新竹のホテルに着くまでの数時間、ずっと強い雨に打たれながらの走行で、本当にやる気をくじかれた。ずっと濡れたままだったから、寒さにも襲われて、到着間際は顔が真っ白になっていた。夕方ホテルに着いたあとは、体を洗って、服類を乾燥へ。この先のライドが不安になる…。でも、長いマラソンなんだと理解して、気持ちを切り替えた。その日の失敗から学べばいい、ということでポジティブに捉える。サンダルが壊れ、急遽モールに買いに行ったことと、夕飯を食べただけの夜。
2日目 (新竹から鹿港) 131km
雨のライドがややトラウマになったけど、まあ進むしかない、ということで朝早くから準備開始。なるべくサドルバッグへの負荷を減らすように荷物を分散させて、濡れてもいいものはポケットに収納。レインコートは昨日に引き続き着てスタート。かなり改善。ただ、自転車をストレージにずっと放置したのは良くなかった。朝行くとチェーンにサビがつき始めてた。昨日のライド後に乾拭きせず、相当汚れていたのに、何もしなかったから。結局洗う術もないまま、とりあえず油をさして出発へ。2日目は長い海沿いのコース。事前情報では強い追い風、のはずだったのだけど、あまり風は強くない。途中からパラパラと雨が降り始め、また嫌な予感がよぎったけど、幸い快方へ。苑里で排骨酥麵の昼食後、午後には台湾で初めての太陽を見て、一気にテンションが上がった。晴れるだけで、こんなに嬉しくなれるとは…。ちなみにライド中は1時間半おきにコンビニ休憩・ランチ休憩を取ってた。イートインのできるコンビニはすごい重宝。お店に入る前にTシャツと短パンを重ね着して、それにサンダルに履き替えて、一応きれいさをアピール。おにぎり・パン、バナナ、ジュース類を補給して、ごみ捨て、トイレもさせてもらう。クレジットカードが使えるのも強い。自転車をガラス越しにチェックできるのもいい。台中を過ぎて、彰化市のバイクショップでクリーナーを購入、そして空気も入れてもらう。帰りがけにショップオーナーがエネルギージェルをサービスしてくれた。優しい。この日のライドが全日程中、一番長く、7時間ぐらい。さすがに集中力を維持するのは至難。鹿港という歴史のある街に到着。この宿はb&bスタイルのオシャレなところ(a day in Lukang)で、庭付き。そこでバイクの水洗いをして、チェーン諸々の洗浄ができたのはすごく良かった。ただその最中、蚊にものすごく刺されたのがのちのちまで辛いことに。
3日目 (鹿港から嘉義) 77km
この日はスーパーで買ったパンを食べてスタート。晴れ。正規のコースに合流するまで運河沿いを走行。最高に走りやすい道。お昼は斗南駅近くのバーガー屋さん。この日は一番短い距離を移動。雨の降る気配はほぼなく、この頃には天気予報のあてのならなさに気づく。梅雨の時期でもあり、雨とか雷雨が24時間・1週間連続で予想はされてはいたものの、結局晴れや曇りの場合もすごく多かった。この日以降は、レインジャケットはバイクのフレームに括り付けて、結局最後まで使わなかった。
ホテルには3時ぐらいには到着。お腹がすいて街の方まで歩いていくことに。その途上で再認識する台湾のスクーター・原付文化。これらのためのインフラがあるからこそ、自転車ロードの整備がさほど無理なくできるんだろうなと思った。車とは別の自転車専用レーンがほぼずっとあるから、危険性をほとんど感じずに走行できる。サイクリストにとっては最高な環境でしょう。"環島"の標識や、所々ブルーの線がひかれていて、道しるべとしてもかなり助かる。その反面、台湾は歩行者にはそこまで優しくない気がした。歩道がなかったり、物で塞がってたりという感じで、歩くのには向いてないように思った。
嘉義の街の中心に移動して、現金をおろして(鹿港ではカードがあまり使えなかったから…)、あとは、焼肉丼大盛り定食をぺろり。この旅中、カロリーの高いものをいっぱい飲み食いしてた。と同時に、清涼飲料水からの糖分の摂りすぎも若干気になって、途中麦茶に切り替えたりもしてた。ジェル類は一日に一つか二つの消費量。
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4・5日目 (嘉義から高雄 + 休息日) 123km
台湾西側は平地の中の街や田園地帯を抜けたり、大きな川をこえたり、日本と同じアジアモンスーンの風景が展開されていく。シンガポールにいると分からない、農のある風景;特に稲のある風景というのは日本人の心象風景として心地よい。6月なのに穂が大きいのは亜熱帯地域ならではの特徴だと思った。2期作なのかな。あと、南部に行けば行くほど、果物の作付けも多く、ちょうど今はマンゴーの季節だった。ランチスポットでうまく止まれず、台南新幹線駅までいっきに行く。駅ビルの中に一風堂を見つけ、つい入ってしまった。自転車持ち込みは難しいかな、と思いきやちゃんと預かってくれた。
その後も新幹線と並走しながら、高雄に近づく。晴れた土曜の午後は交通量が多く、市内はやはりちょっと怖い。高雄中央公園の近くの宿で2泊。さすがに休憩日を設けたのは正解だった。足を休めたり、服を洗ったり、バイクメンテしたり、公園でボケーっとしたりする時間は必要だった。翌日曜日は港近くで、ドラゴンボートでのレースを見たり、あと港湾部の再開発地域を見て回っていた。古い倉庫群跡地をカフェやショップにリノベーションしているエリアは特に面白い。建築デザインも多様。大きな再開発エリアを巡るのにも、いろいろなモビリティがあるのも���風でとても参考になった���
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6日目 (高雄から車城) 88km
朝は高雄にちょうど帰省中の元同僚と会って、朝食を一緒にした。一緒に写真を撮ると自分の日焼けが突出する。曇りや雨の日でも日焼け止めが大事なことを思い知る。ソロライドの中において、久々に長々と話ができたのは良かった笑。それにローカルの人が食べそうなものを大量に注文してくれて、しかも奢ってくれたからもう感謝しかない。スタートが10時過ぎ、ということで、ランチをスキップ。真っ直ぐで平な道をひたすら南下。走りやすいところはDHポジションで自転車をこいでた。断然楽。やはりトライバイクの強みはそこなんだけれども、でも出番は正直あまり無かった。今旅もロードバイクやグラベルバイクを勧められたけど、実際トライバイクでも全く問題なかった。ただ、トライアスロンバイクを旅仕様に使ったのは、むしろ罰当たりな感じがした。唯一良かったことは、池上という東部の街で突然少年が話しかけてくれて、「僕もトライアスロンやってます。同じスポーツをやる者同士、応援してます」、と言って、お菓子を1袋くれたこと。些細なことだけど、そんなことが一生の思い出になった。
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車城まで来ると、山と海に囲まれたのどかな田舎、という感じが強くなって、宿もかなり広い。部屋の目の前には畑と山。何人か同じくサイクリストを見かけたのはこの辺りが多かったと思う。最南端まで行くルートもあるのだけど、僕は公式ルートを選択したことで、若干のショートカット。翌朝のヒルクライムに備えて、その晩はガッツリ羊鍋を食べて就寝。
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7日目 (車城から台東) 117km
この日は序盤にヒルクライムがあってからの東海岸沿い(太平洋側)を北上するルート。”来てよかった”、と初めて思ったのはこの辺かもしれない。ここでしか味わえない景色を堪能できたから。
ヒルクライムは500mぐらいのアップのようで、実はそれがどれほどのものなのか想像ができず、当初はかなりびくびくしてた。雨もパラパラと降る中だったから、かなり慎重で遅い登りだったけど、そこまで大変なものじゃなかった。むしろそのあとの長い下り坂が天国に感じられて、幅広な道路を一人占めしながら風をきって下れたことが最高だった。山エリアを抜けると、海岸沿いの道をずんずん北上。海を右手に、山を左手に見ながら、最高の景色を楽しむ。太平洋側は向かい風がきつい、という事前情報もあったけれど、そんなことはなかった。一部エリアで、進む道の先に、海と空が繋がってるように錯覚できる場所があって、まさに空に登っているような感覚をあじわえた。だけど、風をきって気持ちよく走っていた矢先に石(か何か)を後輪が踏んずけてしまい、大きな鈍い音がする。マーフィーの法則、じゃないけど、気分の良いときに限って、そういうアンラッキーなことが起きる。その直後は大丈夫そうだったけど、台東に着いて調べたら、やはりタイヤに穴が空いていた。シーラントのおかげで、全部の空気が抜けるところまでいかなかったよう。台東のホテルでは持っていた最後のスペアチューブを入れて修復。その後、ジャイアントのお店にタイヤを持って行って空気を満杯に入れる。空気入れは結局、台中、高雄、台東の3箇所で借りて補充したことになる。ジャイアントのお店を多用したけれど、どこもみんな親切。お昼は原住民の人たちが住んでいる地域のおしゃれなカフェで食べて(双亭院)、ホテルは台東の旧駅舎の目の前で、アートによる再開発エリア内だった。ここのホテルが唯一部屋に自転車を持ち込んでいいところで、ちょうどタイヤの修理をする必要があったから本当に助かった。
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8日目 (台東から瑞穂) 100km
この日も快晴の中、景色を楽しむ最高のライドができた。米どころ、の池上ではご当地の池上弁当を食べて、のどかな田園地帯をゆっくり北上していく。夜は瑞穂という温泉街で、少し奮発して高い宿に泊まる。プライベート露天風呂で足の疲れを癒す。
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9日目 (瑞穂から礁渓) 87km
瑞穂の宿で朝食をとってからさらに北の花蓮駅まで急ぐことに。というのも花蓮と宜蘭の間は、急峻で道路も狭く、トラックも多い、ということで公式ルートでも列車での輪行を勧めている区間。そのため、1時間に1本弱、という自転車をそのまま乗せられる列車に乗るために、ひとまず駅に向かう。この地域を襲った地震が起きてから1か月半ぐらいの時期だったけど、その爪痕を感じさせないくらいに日常を取り戻している印象。駅で1時間ぐらい待つ間にお弁当を食べて、その後、スムーズに乗車。僕以外にも数人自転車を載せている人たちがいたけど、みんな結構適当な感じで乗せてた。1時間ぐらいの乗車区間だったけど、窓からの景色は絶景だった。僕は羅東という駅で降りて、そこから礁渓という温泉町まで20kmぐらいさらに自転車で進むことに。山の近くの活気ある観光地、という印象かな。おしゃれな宿に泊まって、2日連続でプライベート温泉を楽しむ。ローシーズンということもあって、お客さんの数はまばら。でも質はすごく高いし、値段もそこまで高くない。
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10日目 (礁渓から台北) 100km
ようやく最終日。この日まで無事に走行できたことに感謝。朝、礁渓の街をぶらぶらして、蘭陽博物館に立ち寄ってからのライドスタート。強いて言えば、この日はわりかし辛かった。トラックがとにかく多く通る海岸線の道はものすごく走りづらかったし、1時間ぐらいは雨に降られたこと、それから、台北近くのルートは自転車レーンがなかったり、交通量がとにかく多かったり、ルートが紛らわしかったりと、イライラすることが非常に多かった。疲れと焦りとゴールへの期待が全部混ざって、複雑な気分だった。それに2ヶ所トンネルを通るところがあったけど、(事前情報とは異なって)普通に車道の脇を走らされて、結構怖い思いもした。それでも、台北に近づくにつれて、旅の終わりに向けた高揚感が高まってきて、松山駅に着く頃はかなりの喜びだった。本来は0kmのモニュメントは出発時に立ち寄るべきなんだけど笑。その後、Brother Hotelに向かって3駅分、大通りをさらに進むことに。ホテルに着いた時もかなり感動した。行きはホテルを西に向かったのに、今回は東からたどり着いたわけだから。とにかく10日は長かったー。でも無事に帰ってこれたことが素直に嬉しかった。その日は、友人の友人の旦那さん、という方がご飯をご馳走してくれて、なおかつ車で市内をプチ観光案内してくれた。感謝。翌日はホテルの一角を借りてバイクパッキングをして、その翌日の早朝にシンガポールへの飛行機に乗ったとさ。
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まとめ
たぶん台湾1周サイクリングは誰でもできると思う。(ある程度普段からサイクリングしている人は)体力的な心配はそこまでない気がした。走りやすいし、コンビニもたくさんある。むしろ、それだけの時間を確保できて、なおかつ、その時間をこういう体験に費やしたいか、の問題な気がする。事前にこのアイディアを思いついたときに、面白そう、と思ってしまったことがそもそもの発端で、取り憑かれたら最後、やるしかない。これをフィーチャーしたYouTuberさんの動画に触発された部分も大きい。以下2つ、すごく参考にした情報元を載せておく。
https://www.bikeexpress.com.tw/ja/2024/the-classic-9-day-cycling-around-taiwan-along-cycling-route-no-1-or-alternative-routes-jp/
https://discover-ride.com/taiwan1000km/
プラクティカルなことを言えば、僕の場合、荷物を長期間預かってくれるホテルを探すこと、サイクリストにフレンドリーなホテルを探すことが当初心配だった。今回の旅の経験からいえば、1泊1万円ぐらい(あるいはそれ以上)のところはかなりその辺の融通がきいたように思う。一般化はできないけど。一応、予約の際に、その旨を伝えておいた。全般的にホテルスタッフは優しくて、サービスも良かった。予約に失敗して、Refundできないだろうなー、という場合でも優しく対応してくれた。あとは、空気入れをどうするか問題に関しても、立ち寄った町の自転車屋さんで借りれば、問題なく走れる。
あと細かいことでいえば、中国語が少し話せたなら、もう少し楽しかったのかもしれない。英語と日本語が思いのほか通じず、例えば、同じサイクリストに話しかけられても、全く会話ができなかったり、おすすめの料理が分からなかったり、という場面も結構あった。次にまた台湾へ行く楽しみを取っておくことが出来た、と思えばいいのかなと。
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takahashicleaning · 7 months
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TEDにて
オーレ・シェーレン:優れた建築が語るストーリー
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
建築家オーレ・シェーレンにとっては、建物の中に暮らし働く人々もまた、コンクリートや鉄やガラスと同様に建物を構成する大切な要素です。
彼は問います。「典型的な高層建築がもたらす分断と階層のかわりに、協力と物語を建築の中心に据えることはできないものか?」
中国のよじれた巨大ビルからタイの水上映画館まで、シェーレンが作ってきた5つの建築を見て、その背後にある物語に耳を傾けてください。
20世紀の大部分の間。建築はある有名な原理に捕らわれていました。「形は機能(function)に従う」というのは、モダニズムの野心的な宣言であると同時に有害な足かせともなりました。
建築を装飾から解放した一方で、厳格な功利主義と限られた目的へと押し込めることになったのです。
建築はもちろん、機能に関わるものですが、ベルナール・チュミが、あの標語をどう書き換えたのかを思い返し、まったく違う価値を提案したいと思います。
「形はフィクション(fiction)に従う」のだとしたら、私たちは建築や建物を物語が起きる空間と捉えることができます。そこに住む人々の物語。そこで働く人々の物語です。すると、自分たちの建物がどんな体験を作り出すのか?想像できるようになります。
その意味で私に興味のある物語は、ありそうもない話ではなく、その建物に住み、関わる人たちとっての現実という物語です。私たちの建物は、アイデアを示すものです。
人が暮らし、働く空間は、どのようなものであり得るのか?今日において、カルチャーやメディアの空間は、どんな姿をし得るのか?私たちの建物は現実であり建設されるものです。
物質的現実と概念的可能性が、目に見える形で結びついたものです。
私は、自分たちの建築を「組織構造」として捉えています。核にあるのは、システムのような構造的思考です。機能と体験の両面で物事をどう整理できるか?
一連の関係性や物語を生む構造をいかに作り出せるか?住人や利用者の物語が、建築を紡ぎ出すと同時に、その物語を建築が紡ぎ出すということがいかにして可能になるか?
ここで2番目のキーワードが出てきます。
「複合的物語」私たちが作る建物を巡って展開する複数同時進行する物語の構造です。私たちは、建築を複雑な「関係性のシステム」として考えることができるでしょう。
プログラム的・機能的にもそうだし、体験的・感情的・社会システム的にもそうです。現在の社会システムは、様変わりしています。私たちの住む世界では、もはや何事も明確に線引きや分離ができなくなっています。
異なる領域の間の境界は、曖昧になり、それぞれの独立を保つよりは、協同し相互作用させることの方がずっと重要になっています。
それで、私たちは、カルチャーを生み出す巨大な機械を作りたいと思いました。様々な領域を統合し、活気づけながら相互に作用し協力することを可能にする建物です。コスト削減も重要です。
基本になるのは、ごく単純なリング・モジュールです。
中廊下や日照や換気といった機能を表します。はめ合わせて展示やパフォーマンスのための大きな空間にすることができます。モジュールは、積み重ねられ、時の変化に応じてどの機能をどこのモジュールに配置することも可能です。
それぞれの施設は、コスト削減して小さくすることもできます。カルチャーの未来は、おおよそ予想の付かないものだからです。建物の飛び出た部分が、公共空間と交わっている様や中庭が内部に活気を持たせている様がご覧いただけるでしょう。
それぞれの機関が全体に飲み込まれることなく、自らのアイデンティティを保てるような複雑なシステムを作るというのが、ここでの狙いです。建築というのは物質や環境という領域を越えたものであり、自分はどう生きたいのか?
自分や周りの人の物語をどう紡ぎ出すかに関わるものだと私は信じています。
2018年は、災害に日照りという異常気象。100年前なら歴史的に見ると大飢饉のレベルかもしれません。違いは政治以外のテクノロジーによる大量生産が可能になった、インターネット、金融工学の発展などが貢献してる!
そういえば、昨年の猛暑日は自動販売機クーラー控えめにした?猛暑日になったらやれ!これが夜の都心部を熱くする要因かもしれないのに。
都心部の電柱に霧のスプリンクラーつければ?地中から配管伸ばすだけ!地中に電柱埋めなければ現在の資産を有効活用しつつ、雨の降らない日のみ電柱点灯同様、夜中に自動放水すれば、東京都など都市部のヒートアイランド現象回避できる可能性は高いかも?
都市部でのアスファルト50度以上は火事と同様災害!適正温度に消火するべきです!
都心部の電柱に霧のスプリンクラー搭載で夜中放水と同時に全消防署が神社に夜放水。それと同時に東京都のお祭り日には全員で打ち水する。すべては、猛暑日の夜に同時実行がヒートアイランド対策のポイント?
そして、雨降れば中止!こうして、効率を上げ幸福を増やしつつ、でも、税金だから節約もしていく。
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
(合成の誤謬について)
合成の誤謬とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが、合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じること。物理学では、相転移みたいな現象です。性質が変わってしまうということ。
ミクロのメカニズムが個人同士の経済における仕組みであるのに対して、マクロのメカニズムは、国家間や経済全体の循環における仕組みだからである。
例えば、家計の貯蓄などがよく登場するが悪い例えです。前提条件が、所得が一定の場合!!所得が一定じゃない増加する場合は?これは、論じていませんので参考になりません!!(法人が提供する製品やサービスの価格も一定の場合も前提条件です)
1930年代のアメリカ経済が金融危機2008と似たような状態に陥った時、ケインズは、「倹約のパラドックス」というケインズ経済学の法則を発見しています。
それは、ポール・A・サミュエルソン(1915-2009)が、近代経済学の教科書「経済学」の冒頭で「個人を富裕にする貯金は、経済全体を貧困にする!(所得が一定の場合)」というわかりやすい言葉で表現しました。しかし、庶民の所得が増加し、貯蓄が投資、消費に回る場合には、「倹約のパラドックス」は生じません。
その後、この「倹約のパラドックス」は、アメリカの経済学者・ケネス・J・アロー(1921- )が「合成の誤謬」を数学的論理に基づいて「個人個人がそれぞれ合理的選択をしても、社会システム全体は合理的選択をするとは限らない」を検証してみせた。 要するに、部分最適ではなく、全体最適させていくということ。
つまり、新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との 戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!ということに集約していきます。
なお、金融危機2008では、マイケル・メトカルフェも言うように、「特別資金引出権(SDR)」は、2008年に行われた緊急対策で、一国だけで行われたのではなく、驚くほど足並みの揃った協調の下に国際通貨基金(IMF)を構成する188ヶ国が各国通貨で総額2500億ドル相当を「特別資金引出権(SDR)」を用いて世界中の準備通貨を潤沢にする目的で増刷してます。
このアイデアの根本は、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」です。この研究がなければ、誰一人として、変動相場制での当時の状況を改善し解決できなかったと言われています。
それ以前では、固定相場制でのマーシャルプランが有名です。
続いて、トリクルダウンと新自由主義
インターネットの情報爆発により隠れていた価値観も言葉となり爆発していくことになった。
しかし、法定通貨の方が、その価値、概念に対する通貨量拡大として価格で応じることができず、圧倒的に通貨量が足りない状況が生まれていたのが、2010年代の問題点のひとつでした。
リーマンショックの後に、新自由主義が誤りであることが、ピケティやサンデルによって指摘され、当時のFRBバーナンキ議長が、通貨供給量を大幅に増やした対策により、ベースマネーの金融、銀行間の相互不信を解消して収束した。
それでも、まだ足りないが、適正水準に収まったことで、さらに価値も増幅され、マネーストックの財政政策から再分配、事前分配を大規模に行い、さらなる通貨供給量が重要となっている現在の日本国内。
例えば
Googleがしようとしてた事は、まだ新産業として、基礎研究から発展できない機械学習の先端の成果をすべて持ち込んだ社会実験に近いこと。
シュンペーターの創造的破壊は、一定数の創造の基礎を蓄積後に、未来を高密度なアイデアで練り上げてから破壊をするのが本質です。
こうして、憎しみの連鎖や混乱を最小限にする。
アルビン・トフラーの言うように、法人と行政府とのスピードの違いが縮まらないのは、構造上の違いであって、それを補うためにプラスサムな連携すると��うことが、必要になってくることを説いています。
三権分立が、規制のないGAFAMを非政府部門としてMMT(現代貨幣理論)からプラスサムに連携したらどこで均衡するのか?という社会実験も兼ねています。
このような前提で、あらゆるインターネット企業が、創業時、貢献するためコンセプトの中心であったものが、今では、悪性に変質して違う目的に成り下がっています。
再分配、事前分配の強化がスッポリ抜けてる欠点があり、ここに明かしたくないイノベーションの余地があります!!
2021年には、新自由主義のような弱肉強食では自然とトリクルダウンは生じないことは明らかになる。
確かに、トリクルダウンは発生しないが、法律で人工的に同じ効果は、貨幣の再分配、事前分配という形にできる可能性は高い。
再分配や事前分配をケムにまく「金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない」「価値を生み出している人を罰するつもりがないのであれば税に差をつけないほうがいい」(サッチャー)
とあるが、新自由主義は誤りで、ピケティやサンデルによると違うみたいだ。
(個人的なアイデア)
経済学者で、ケンブリッジ大学名誉教授のパーサ•ダスグプタが、イギリス政府に提出した報告書の中に登場。
経済学を学ぶと、登場する資本や労働などの生産要素の投入量と算出量の関係を示す生産関数があります。
こうした関数は、様々な前提条件に基づきますが、経済学者は、収穫逓減の法則と言うものをよく知っています。
このような人工的な生産関数とは、他に天然由来の生産関数。
つまり、自然から収穫できる生産関数を導き出し、地球全体の生産関数というエコシステムを数値化することでバランスをコントロールできるかもしれないというアイデア。
ここでは、自然資本と呼びます。
自然資本を加味すれば現在の経済成長ペースがどこまで持続可能かを分析することもできます。
人間は、国内総生産GDPを生み出すため、自然から資源を取り出して使い、不要になったものを廃棄物として自然に戻す。
もし、自然が自律回復できなくなるほど、資源が使われて、廃棄されれば、自然資本の蓄積は減少し、それに伴い貴重な生態系サービスの流れも減っていくことになります。
さらに、教授は、経済学者も経済成長には限界があることを認識すべきだと説いています。地球の限りある恵みを効率的に活用しても、それには上限があります。
したがって、持続可能な最高レベルの国内総生産GDPと言う臨界点の水準も存在するということが視野に入るようにもなります。これは、まだ現時点では誰にもわかりませんので解明が必要です。
なお、地球1個分は、ずいぶん昔に超えています。
<おすすめサイト>
ジョン・フランソワ・バスタン:地球に1兆本多く木があったら?
リサ・ジャクソン:2030年までにカーボンニュートラル(気候中立)達成を目指すAppleの誓い
クリスティン・ベル:「ネット・ゼロ(相対的なCO2排出量ゼロ)」とは何か?
ロジェカイヨワ戦争論と日本の神仏習合との偶然の一致について2019
マーク・クシュナー:あなたが作る建築の未来
ロバート・マガー:急成長する都市を成功に導く方法
マイケル・グリーン:なぜ木材を使って高層ビルを建てるべきなのか?
レイチェル・アームストロング:自己修復する建築?
ハビエル・ビラルタ: 国地域に密着した建築を
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komagome-soko · 7 months
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Hyper Yellow
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この度、イム・ミヌクによる個展「Hyper Yellow」を駒込倉庫にて開催致します。 会期:2024年3月1日(金) - 3月12日(火) 時間:12:00 - 20:00 会場:駒込倉庫(東京都豊島区駒込2-14-2) 入場料:無料 公益財団法人大林財団 制作助成事業 Komagome SOKO is pleased to announce a solo show, “Hyper Yellow” by Minouk Lim. Dates: Fri. March 1 - Tue. March 11, 2024 Hours: 12:00 - 20:00 Venue:Komagome SOKO(2-14-2, Komagome, Toshima-ku) Admission:Free The Obayashi Foundation Research Program お問い合わせ: Tel : 03-3546-7581(大林財団事務局) Mail : [email protected] Website : www.obayashifoundation.org/urbanvision/
この度、公益財団法人大林財団が2017年から隔年で行ってきた助成事業《都市のヴィジョン》第4回助成対象者イム・ミヌク(Lim Minouk)のプロジェクト詳細が決定しました。
本事業は、都市のあり方に強い興味を持つ国内外のアーティストを選考、従来の都市計画とは異なる視点から新たな都市のあり方を提案・提言するものです。今回の助成対象者である韓国出身アーティストのイム・ミヌクは、芸術と政治、過去と現在、個人と共同体を横断しながら、現代社会では忘れられ隠された声や存在を様々な手法で呼び起こす創作活動に取り組んでいます。
イム・ミヌクは、2024年2月29日(木)-3月12日(火)に東京の駒込倉庫にて展覧会「Hyper Yellow」を、3月2日(土)-3日(日)に隅田川と東京湾周辺を屋形船で周遊するパフォーマンス「S.O.S – 走れ神々」を開催いたします。
展示のタイトル「Hyper Yellow」、つまり「イエローを超過した」状態は、特定の色や人種を指す言葉を越え、どこにも存在しないが、どこにでも存在する境界線と壊れやすい関係に置かれた原本の意味を問いかけるイエローの感覚へと私たちを誘います。東大寺のお水取りに使われるお松明を再解釈したオブジェや、中国と韓国、日本に伝来した十一面観音が観光客として登場するナラティブを取り入れた映像は、宗教的伝統を遂行する都市の中で、川に浮かぶ観光客のような、他者が持つ新たな認識の可能性に導きます。パフォーマンスでは、屋形船の中に流れる音楽やガイド、川辺で行われる出来事の交錯によって到来すべき海へと案内します。このように、日本における祭儀に現れる平行する世界と流動的な境界に着目し、歴史、国家、信仰、そして生態学的・地理的感覚の再編成を試みる予定です。
イム・ミヌク「Hyper Yellow」 展覧会「Hyper Yellow」 プレビュー:2024年2月29日(木) 16:00- *作家在廊予定 会期:2024年3月1日(金)-3月12日(火) 12:00-20:00 会場:駒込倉庫(東京都豊島区駒込2-14-2) 入場料:無料
パフォーマンス「S.O.S – 走れ神々」 会期:2024年3月2日(土)、3日(日) 17:00-18:30 会場:隅田川屋形船(「越中島桟橋」発着、東京都江東区越中島1丁目先 越中島公園内) 入場料:無料 参加方法:要予約。*受付は終了しました。
トークイベント 本プロジェクト開催にあわせて、イム・ミヌクのトークイベントを開催します。 日時:2023年3月4日(月)17:00-18:30(開場 16:30) 会場:(株)大林組30階レセプションルーム 品川インターシティB棟30階(東京都港区港南2丁目15番2号) 入場料:無料 参加方法:要予約。*受付は終了しました。
「Hyper Yellow」
観光客は常に二重の視線を装着したまま街を旅する。空と地の間で近いものと遠いものを同時に捉えながら、見慣れたものと見知らぬものの間を往復する。彼らは政治的な関心がなく、言語的なコミュニケーションがなくても、包容性と慈悲を与える神のように、風と共にやってきては雲のように散っていく。自分が知っているものと知らないものを比較しながら意識の転換を図ろうとする観光客にとって、都市は常に一歩下がった存在である。これは都市と川の水の関係に似ている。お互いに絶え間ない変化と流れの中で、決してすべてを教えてくれず、一部にのみ参加し、イデオロギーを超越する。なぜ川辺にはいつも走る人がいるのか、手を振る人たちは誰を見送るのか、私に別れを告げるのか。松尾芭蕉とパリの恋人たち、十一面観音が平行する世界は、最も具体的な瞬間と最も抽象的な視点を同時に贈る。これは、観光客が複数の世界の間で自分の人生を振り返り、新たな飛躍を得ようとするとき、過去と未来の間で微かに気づく方向性のようなものだ。屋形船は最後の箱舟以後の放浪を提案する。歴史は友情と信念を守ろうと走る者たちが立てる都市の煙のようなものだからだ。
イム・ミヌク
https://www.obayashifoundation.org/urbanvision/profile/2023_minouk_lim.phphttps://theatercommons.tokyo/news/obayashi-lim-minouk/
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mobilenotary24524 · 7 months
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スタッコとEIFS: 違いを理解する
はじめに: スタッコは、時代を超越した優雅さと外装仕上げとしての多用途性で長い間賞賛されてきました。古典的な地中海のヴィラから現代建築の傑作まで、漆喰はあらゆる建物のファサードに洗練さと魅力を加えます 漆喰。この記事では、漆喰の永続的な魅力と、住宅および商業構造物の美的魅力と機能性を向上させるその多用途性について探ります。
1. スタッコの簡単な歴史: スタッコには何世紀にもわたる豊かな歴史があり、その起源はギリシャ人、ローマ人、エジプト人などの古代文明にまで遡ります。もともと石灰、砂、水で構成されていた漆喰は、その耐久性、多用途性、複雑な建築の細部を作成できる能力で高く評価されていました。
2. 組成と特性: 現在の漆喰は通常、セメント、砂、水の混合物と、作業性と耐久性を向上させるための添加剤で構成されています。この多用途の素材は、滑らかで洗練されたものからテクスチャーのある素朴なものまで、さまざまなテクスチャーや仕上げに適用でき、無限のデザインの可能性を可能にします。
3. 建築の多用途性: スタッコの主な魅力の 1 つは、幅広い建築スタイルやデザイン美学を補完できることです。スペイン風のハシエンダ、現代的な都会のタウンハウス、または伝統的な郊外の住宅のファサードを飾る場合でも、漆喰はあらゆる構造���​​洗練さと視覚的な興味深い要素を加えます。
4. 耐久性と耐候性: スタッコはその優れた耐久性と耐候性で高く評価されており、さまざまな気候における屋外用途に理想的な選択肢となっています。適切に設置および維持されれば、漆喰はその完全性と美的魅力を維持しながら、大雨、極度の暑さ、氷点下などの厳しい気象条件に耐えることができます。
5. 断熱性とエネルギー効率: 漆喰はその美的利点を超えて、断熱性とエネルギー効率の点でも実用的な利点を提供します。スタッコの緻密な組成は、室内温度の調整に役立ち、熱伝達を減らし、エネルギー効率を向上させます。これにより、住宅所有者や建物の居住者の冷暖房費の削減につながります。
6. メンテナンスの必要性が低い: スタッコのもう 1 つの利点は、特に木製サイディングやレンガなどの他の外装仕上げと比較して、メンテナンスの必要性が低いことです。通常、漆喰を最良の状態に保つために必要なのは、定期的な清掃と時折の修理だけであり、住宅所有者や不動産管理者にとって、漆喰は便利で費用対効果の高い選択肢となります。
7. 設計の柔軟性とカスタマイズ: スタッコは、比類のない設計の柔軟性とカスタマイズのオプションを提供し、建築家や住宅所有者が望ましい美的ビジョンを達成できるようにします。手こて仕上げによる伝統的な地中海の外観を求めている場合でも、滑らかでミニマルな表面を備えた現代的な雰囲気を求めている場合でも、漆喰は幅広いデザインの好みに合わせて調整できます。
8. 環境に優しい建築オプション: 環境に配慮した住宅所有者や建築業者にとって、漆喰は持続可能な建築オプションと考えられています。漆喰は主にセメント、砂、水などの天然素材から作られており、毒性がなく、揮発性有機化合物(VOC)の排出が最小限に抑えられ、室内の空気の質をより健康にし、環境への影響を軽減します。
9. 時代を超えた魅力と寿命: おそらくスタッコの最も永続的な品質は、その時代を超えた魅力と寿命です。時間の経過とともに人気がなくなる可能性のあるトレンディな外装仕上げとは異なり、漆喰は古典的な優雅さと美的魅力を維持し、漆喰で覆われた家や建物が将来何世代にもわたってその魅力を維持することを保証します。
10. 結論: 要約すると、スタッコは時代を超えた優雅さ、建築上の多用途性、耐久性、メンテナンスの必要性の低さにより、依然として外装仕上げ材として人気のある選択肢です。歴史的建造物のファサードを飾る場合でも、現代の住宅を飾る場合でも、漆喰は時の試練に耐える洗練さと個性を加えます。実用的な利点と美的魅力により、漆喰は外装仕上げの美しさ、耐久性、機能性を求める住宅所有者や建築業者にとって引き続き好まれる選択肢です。
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mronomasahiro · 11 months
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「小野 正裕 経済学者」 - 経済と市場の再バランス
「小野 正裕 経済学者」 - 経済と市場の再バランス
意思決定は、将来の理解と予測に基づいて行われなければなりません。マクロ経済の力によって、個人や国、地域の視点が変わりつつあります。地政学的緊張が高まっており、社会政治的移行、資源制約、気候変動に関連する潜在的なリスクも高まっています。メーカーは常に機会とリスクを比較検討しています。しかし今日では、メガトレンドとして知られる世界の複雑な問題の影響に内在する前例のない不確実性と変動性も克服する必要があります。
アルビン・トフラーは 50 年前に『Future Shock』を執筆しましたが、この本は今でも驚くほど先見の明があり、今日の製造組織に大きな影響を与えています。 『Future Shock』の中で、アルビン・トフラーは、世界経済と情報化時代に起きている劇的な構造変化、つまり「超産業社会」に向けた技術進歩の加速を指摘し、産業革命後の新たな分水嶺を特定しています。製造業者の回復力、競争力、収益性は、世界を席巻する 5 つの主要な変化の方向を理解し、計画することにかかっています。
1. 人口移動
2030 年までに、世界の人口は 85 億人に達します。一部の地域や国では人口が爆発的に増加し、巨大な労働市場と消費市場が形成されています。その他、特に日本、スペイン、ポルトガルは減少しており、最も急速に増加している年齢層は高齢者で2030 年までに 65 歳以上の人口が 10 億人を超えることになります。たとえば、韓国の首都、ソウル市では 65 歳以上の人口が現在の 2 倍になり、2030 年までに人口の 21% を占めることになるでしょう。
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その時までに、世界人口の3分の2が都市に住み、都市が世界のGDPの80%を生み出すことになるでしょう。そして人口1,000万人を超える大都市が43個も存在することになります。120大都市のうち17都市は現在特定されている新興国に位置し、メキシコシティとサンパウロ、深センと上海、ムンバイとラホール、ラゴスとキンシャサなどの独占都市がこの地域の経済活動を支配することになります。
これは何を意味するのでしょうか?
高齢者には薬や適切な生活用品、ケアが必要です。 2030 年までに、ロボットによる高齢者の介護がますます増え、医療技術メーカーは積層造形 (3D プリンティング) を利用して、高齢者のニーズを満たす効率的な補助装置を設計、製造する可能性があります。
加工食品メーカーに関連して、単身世帯は今後10年間で最も急速に成長する世帯構造となるでしょう。
2. 環境圧力と資源不足
人口圧力はすでに地球資源に負担をかけており、水や食料、エネルギーなど、移動手段における創造的な解決策が必要となっています。現在、世界の人口は地球上の再生可能資源の 150% を毎年消費しており、これが過去 10 年間、綿花からコーヒー、原油、トウモロコシに至るまでの商品の年間平均価格の絶え間ない変動を引き起こしています。
気候変動はさらなる影響をもたらす前兆で、異常気象は大規模なインフラ被害を引き起こす可能性があり、同時に海面上昇も沿岸地域を危険にさらす可能性があります。生物多様性の損失は生態系の持続可能性を脅かし、世界中で乾燥地帯が拡大し、気温の上昇が農業を脅かしています。しかし、2030 年までに、人類は現在より 50% 多くのエネルギーと40% 多くの水、そして 3 分の 1 多くの食料を必要とするでしょう。
これは何を意味するのでしょうか?
廃棄物を削減するだけでなく、総合的な再製造や材料の再利用を通じて循環経済(サーキュラーエコノミー)を受け入れる必要があります。食料生産、持続可能な建築材料、輸送ソリューション用の次世代バッテリ、エネルギー生産はすべて、深いイノベーションを必要とします。目的を持った組織は、社会的良心と企業倫理に対する消費者の期待にも応える必要があります。
3. テクノロジーの台頭
人間と機械の間の境界線はまだ曖昧ではないかもしれませんが、日本のロボット工学の専門家である石黒宏氏は、その時代はそう遠くないと信じており、「場合によってはコンピューターはすでに人間より超越しており、テクノロジーは進化の一形態にすぎない。私たちは人間の定義を変えつつある」と述べています。人工知能 (AI) が深層学習(ディープラーニング)とパターン認識が飛躍するにつれて、何らかの形式の人間と機械の合成が増加しています。
この議題を優先事項とするならば企業が勝利するでしょう。 AI のさまざまな導入率をモデル化すると、前者は最も早く投資を損益分岐点にし、2030 年までの 10 年間で 122% の累積キャッシュ フロー増加を生み出すのに対し、後者はわずか 10% であることがわかります。 導入が遅れている企業は、純キャッシュフローのマイナスに反映される重大な競争上の不利を予見する必要があります。インダストリー 4.0 は間もなく 5.0 に移行し、まったく新しい産業が誕生します。 2030 年までに、人工知能の応用と導入により、世界の GDP は 13 ~ 15 兆ドル増加すると予想、最前線に立つメーカーは、これらの増加の大部分を獲得することとなります。
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これは何を意味するのでしょうか?
テクノロジーと推定された消費者の選択によって引き起こされる損壊は、所有権の性質を変えています。世界最大手のタクシー業界ウーバーは自社に車を所有しておらず、小売大手アリババは在庫を持たないが買い手と売り手の仲介役を務め、写真業界のインスタグラムはカメラの製造も販売もしていません。
サービスとしての製造 マース(MaaS) プラットフォームは、特に自動車や航空宇宙などの業界で供給ネットワークを再構築し、オランダのマースに拠点を置く 3DHub 社の例を考えてみましょう。同社は年間 200,000 件の製造取引を可能にし、「部品は 5 分以内に生産される」と言われています。
積層造形はまもなくライフサイエンスに革命をもたらすかもしれません。サンディエゴに本拠を置くバイオテクノロジー新興企業Organovoは、3Dプリンティングを使って人間の肝臓組織を「修復」する試験の資金が不足していますが、この画期的なコンセプトは近い将来に普及し始めるかもしれません。迅速な医薬品研究と試験の促進により、製薬メーカーは新薬開発にかかる大幅なコスト (平均 10 億ドル以上) と時間 (10 ~ 15 年) を節約できるようになります。
4. 経済と市場のリバランス
経済力は西側から東側に移りつつあります。今後20年のどこかの時点で、中国、ブラジル、インドネシア、インド、ロシア、メキシコ、トルコの新興7カ国のGDPの合計はG7のGDPを超えるでしょう。
アジアの多くの国が輸出主導の成長から脱却する中、中間層が急速に成長しています。2030年までに、アジア太平洋地域は世界の中流階級の人口の3分の2、中流階級の消費の60%近くを占めるようになり、2010年の28%と23%から増加するでしょう。今日の新興市場がほぼすべての消費者製品カテゴリーの原動力となるため、これはほぼすべてのブランドオーナーやメーカーにとって良いことです。
中国経済が消費ベースのモデルへの移行を続けており、デジタル接続、サイバーフィジカルシステム接続、中国の一帯一路構想などのインフラ接続など、地域の接続性が拡大し続けています。
これは何を意味するのでしょうか?
アジア太平洋地域内の貿易、投資、資本の流れは日に日に増加しており、世界経済は多極化が進んでいます。すべての製造業において、競争環境は変化し、アジア太平洋地域での存在感を高めるためには、グローバルな価値ネットワークを構築する必要があります。
5. 新たなリスク
30年前、政治学者のフランシス・フクヤマは、ベルリンの壁の崩壊は「歴史の終わり」を示したと宣言しました。これは西側の自由民主主義の覇権とそれに関連する経済秩序が広がり、安定とより広範な繁栄をもたらすということです。
彼の予測は時期尚早でした。所得格差の統計的尺度であるジニ係数は、低所得国から高所得国に至るまで、国の資産のあらゆるレベルで上昇しています。 この拡大する不平等は現在、フランスの「黄色いベスト運動」から香港の街頭抗議活動や英国の EU 離脱、「アメリカ第一主義」の孤立主義感情に至るまで、ポピュリズムと不満として現れています。
ポピュリズムは保護主義的な政策と結びついています。貿易戦争と関税戦争はまだ始まったばかりかもしれません。今年9月、トランプ政権は1,250億ドル相当の中国からの輸入品に15%の追加関税を課し、中国からの輸入品に対する平均関税は21%に引き上げられました。中国は直ちに反応し、自動車部品や大豆を含む1,700以上の米国製品に対する関税を引き上げ、米国産原油には5%の関税を課しました。その影響は明らかで、中国の製造業は8月に4カ月連続で減速し、関税により米国の家庭は今後1年間で平均970ドルの損害を受けると予想されています。
新しいテクノロジーや人口動態の変化に関連した地政学は、継続的なリスクを引き起こす可能性があり、現在のビジネスリーダーは、この新たな変動パターンを軽減する必要があります。
貿易はますます政治的武器として利用されるでしょう。中国と米国と同様、日本と韓国も、1910年から1945年までの日本の植民地支配に対する賠償をめぐる対立に根ざした報復関税による貿易戦争に巻き込まれています。結果、両国のGDP予測は下方修正されました。
世界貿易機関(WTO)は2019年10月、世界の貿易量の伸び予測を4月時点の予想2.6%から1.2%に引き下げ、半分以下の減少となりました。同様に、世界のGDP成長率予測も2.6%から2.3%に引き下げられ、WTOのロベルト・アゼベド事務局長は「貿易摩擦は直接的な影響以外にも不確実性を高めており、一部の企業が生産性向上のための投資を遅らせている」と述べています。
これは何を意味するのでしょうか?
貿易障壁と関税障壁が地政学的リスクと社会経済的リスクをどの程度悪化させるかは不明です。しかし、新しいテクノロジーや人口動態の変化に伴い、地政学が継続的なリスクをもたらすことは明らかであり、現在のビジネスリーダーは、この新たな変動パターンを緩和する必要があります。
メガトレンドの影響はあらゆるところに及んでおり2030 年の将来を見据えて、次の 5 つの主要分野から戦略的見通しを実行する必要があります。
(1)『人々を第一に考える』
現在の重要なスキル不足はさらに悪化するでしょう。同時に、今日の製造業の労働力の 5 分の 1 以上が技術の代替に直面しています。
Q.組織は将来を見据えた人材戦略を採用していますか?
(2)『新しいテクノロジーを導入』
オートメーションと人工知能、ブロックチェーンとビッグデータ、インダストリー 4.0 のこれらの要素には、大きな競争上の優位性を生み出す能力があります。
Q.組織はスマート マニュファクチャリングの新しい機能に適応していますか?
(3)『市場の変化に適応し、理解する』
この課題には、世界の人口動態に合わせて市場浸透度や取引量を再評価し、社会経済のバランスを再調整することが含まれます。
Q.同社は 2030 年の世界市場と機会を見据えた立場にありますか?
(4)『イノベーションの再開』
ビジネスモデルはメガトレンドによって破壊されるでしょう。製品の提供は、顧客の期待の変化に応じて進化する必要があります。
Q.企業は「デジタル・ファースト時代」に自社の製品イメージをどのように再形成できるでしょうか?
(5)『リスクを管理するために多角的な戦略を採用する』
不確実性と変動性が増大する中、先見性がありながらも規律あるリーダーシップが必要です。
Q.供給ネットワークのあらゆる側面を保護するために、包括的なリスクとシナリオの管理計画が策定されていますか?
結論
今後 10 年間で、すべての業界が世界的なメガトレンドの暗黙的に含まれる課題に直面することになります。急速に変化する世界に直面して、今日下される優先順位と決定は、製造業の回復力と競争力に影響を与えます。
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ono-masahiro · 11 months
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小野正裕のアドバイス:経済と市場の再バランス
意思決定は、将来の理解と予測に基づいて行われなければなりません。マクロ経済の力によって、個人や国、地域の視点が変わりつつあります。地政学的緊張が高まっており、社会政治的移行、資源制約、気候変動に関連する潜在的なリスクも高まっています。メーカーは常に機会とリスクを比較検討しています。しかし今日では、メガトレンドとして知られる世界の複雑な問題の影響に内在する前例のない不確実性と変動性も克服する必要があります。
アルビン・トフラーは 50 年前に『Future Shock』を執筆しましたが、この本は今でも驚くほど先見の明があり、今日の製造組織に大きな影響を与えています。 『Future Shock』の中で、アルビン・トフラーは、世界経済と情報化時代に起きている劇的な構造変化、つまり「超産業社会」に向けた技術進歩の加速を指摘し、産業革命後の新たな分水嶺を特定しています。製造業者の回復力、競争力、収益性は、世界を席巻する 5 つの主要な変化の方向を理解し、計画することにかかっています。
1. 人口移動 2030 年までに、世界の人口は 85 億人に達します。一部の地域や国では人口が爆発的に増加し、巨大な労働市場と消費市場が形成されています。その他、特に日本、スペイン、ポルトガルは減少しており、最も急速に増加している年齢層は高齢者で2030 年までに 65 歳以上の人口が 10 億人を超えることになります。たとえば、韓国の首都、ソウル市では 65 歳以上の人口が現在の 2 倍になり、2030 年までに人口の 21% を占めることになるでしょう。
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その時までに、世界人口の3分の2が都市に住み、都市が世界のGDPの80%を生み出すことになるでしょう。そして人口1,000万人を超える大都市が43個も存在することになります。120大都市のうち17都市は現在特定されている新興国に位置し、メキシコシティとサンパウロ、深センと上海、ムンバイとラホール、ラゴスとキンシャサなどの独占都市がこの地域の経済活動を支配することになります。
これは何を意味するのでしょうか? 高齢者には薬や適切な生活用品、ケアが必要です。 2030 年までに、ロボットによる高齢者の介護がますます増え、医療技術メーカーは積層造形 (3D プリンティング) を利用して、高齢者のニーズを満たす効率的な補助装置を設計、製造する可能性があります。 加工食品メーカーに関連して、単身世帯は今後10年間で最も急速に成長する世帯構造となるでしょう。
2. 環境圧力と資源不足 人口圧力はすでに地球資源に負担をかけており、水や食料、エネルギーなど、移動手段における創造的な解決策が必要となっています。現在、世界の人口は地球上の再生可能資源の 150% を毎年消費しており、これが過去 10 年間、綿花からコーヒー、原油、トウモロコシに至るまでの商品の年間平均価格の絶え間ない変動を引き起こしています。 気候変動はさらなる影響をもたらす前兆で、異常気象は大規模なインフラ被害を引き起こす可能性があり、同時に海面上昇も沿岸地域を危険にさらす可能性があります。生物多様性の損失は生態系の持続可能性を脅かし、世界中で乾燥地帯が拡大し、気温の上昇が農業を脅かしています。しかし、2030 年までに、人類は現在より 50% 多くのエネルギーと40% 多くの水、そして 3 分の 1 多くの食料を必要とするでしょう。 これは何を意味するのでしょうか? 廃棄物を削減するだけでなく、総合的な再製造や材料の再利用を通じて循環経済(サーキュラーエコノミー)を受け入れる必要があります。食料生産、持続可能な建築材料、輸送ソリューション用の次世代バッテリ、エネルギー生産はすべて、深いイノベーションを必要とします。目的を持った組織は、社会的良心と企業倫理に対する消費者の期待にも応える必要があります。
3. テクノロジーの台頭 人間と機械の間の境界線はまだ曖昧ではないかもしれませんが、日本のロボット工学の専門家である石黒宏氏は、その時代はそう遠くないと信じており、「場合によってはコンピューターはすでに人間より超越しており、テクノロジーは進化の一形態にすぎない。私たちは人間の定義を変えつつある」と述べています。人工知能 (AI) が深層学習(ディープラーニング)とパターン認識が飛躍するにつれて、何らかの形式の人間と機械の合成が増加しています。
この議題を優先事項とするならば企業が勝利するでしょう。 AI のさまざまな導入率をモデル化すると、前者は最も早く投資を損益分岐点にし、2030 年までの 10 年間で 122% の累積キャッシュ フロー増加を生み出すのに対し、後者はわずか 10% であることがわかります。 導入が遅れている企業は、純キャッシュフローのマイナスに反映される重大な競争上の不利を予見する必要があります。インダストリー 4.0 は間もなく 5.0 に移行し、まったく新しい産業が誕生します。 2030 年までに、人工知能の応用と導入により、世界の GDP は 13 ~ 15 兆ドル増加すると予想、最前線に立つメーカーは、これらの増加の大部分を獲得することとなります。
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これは何を意味するのでしょうか? テクノロジーと推定された消費者の選択によって引き起こされる損壊は、所有権の性質を変えています。世界最大手のタクシー業界ウーバーは自社に車を所有しておらず、小売大手アリババは在庫を持たないが買い手と売り手の仲介役を務め、写真業界のインスタグラムはカメラの製造も販売もしていません。 サービスとしての製造 マース(MaaS) プラットフォームは、特に自動車や航空宇宙などの業界で供給ネットワークを再構築し、オランダのマースに拠点を置く 3DHub 社の例を考えてみましょう。同社は年間 200,000 件の製造取引を可能にし、「部品は 5 分以内に生産される」と言われています。
積層造形はまもなくライフサイエンスに革命をもたらすかもしれません。サンディエゴに本拠を置くバイオテクノロジー新興企業Organovoは、3Dプリンティングを使って人間の肝臓組織を「修復」する試験の資金が不足していますが、この画期的なコンセプトは近い将来に普及し始めるかもしれません。迅速な医薬品研究と試験の促進により、製薬メーカーは新薬開発にかかる大幅なコスト (平均 10 億ドル以上) と時間 (10 ~ 15 年) を節約できるようになります。
4. 経済と市場のリバランス 経済力は西側から東側に移りつつあります。今後20年のどこかの時点で、中国、ブラジル、インドネシア、インド、ロシア、メキシコ、トルコの新興7カ国のGDPの合計はG7のGDPを超えるでしょう。
アジアの多くの国が輸出主導の成長から脱却する中、中間層が急速に成長しています。2030年までに、アジア太平洋地域は世界の中流階級の人口の3分の2、中流階級の消費の60%近くを占めるようになり、2010年の28%と23%から増加するでしょう。今日の新興市場がほぼすべての消費者製品カテゴリーの原動力となるため、これはほぼすべてのブランドオーナーやメーカーにとって良いことです。 中国経済が消費ベースのモデルへの移行を続けており、デジタル接続、サイバーフィジカルシステム接続、中国の一帯一路構想などのインフラ接続など、地域の接続性が拡大し続けています。 これは何を意味するのでしょうか? アジア太平洋地域内の貿易、投資、資本の流れは日に日に増加しており、世界経済は多極化が進んでいます。すべての製造業において、競争環境は変化し、アジア太平洋地域での存在感を高めるためには、グローバルな価値ネットワークを構築する必要があります。
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5. 新たなリスク 30年前、政治学者のフランシス・フクヤマは、ベルリンの壁の崩壊は「歴史の終わり」を示したと宣言しました。これは西側の自由民主主義の覇権とそれに関連する経済秩序が広がり、安定とより広範な繁栄をもたらすということです。 彼の予測は時期尚早でした。所得格差の統計的尺度であるジニ係数は、低所得国から高所得国に至るまで、国の資産のあらゆるレベルで上昇しています。 この拡大する不平等は現在、フランスの「黄色いベスト運動」から香港の街頭抗議活動や英国の EU 離脱、「アメリカ第一主義」の孤立主義感情に至るまで、ポピュリズムと不満として現れています。
ポピュリズムは保護主義的な政策と結びついています。貿易戦争と関税戦争はまだ始まったばかりかもしれません。今年9月、トランプ政権は1,250億ドル相当の中国からの輸入品に15%の追加関税を課し、中国からの輸入品に対する平均関税は21%に引き上げられました。中国は直ちに反応し、自動車部品や大豆を含む1,700以上の米国製品に対する関税を引き上げ、米国産原油には5%の関税を課しました。その影響は明らかで、中国の製造業は8月に4カ月連続で減速し、関税により米国の家庭は今後1年間で平均970ドルの損害を受けると予想されています。
新しいテクノロジーや人口動態の変化に関連した地政学は、継続的なリスクを引き起こす可能性があり、現在のビジネスリーダーは、この新たな変動パターンを軽減する必要があります。
貿易はますます政治的武器として利用されるでしょう。中国と米国と同様、日本と韓国も、1910年から1945年までの日本の植民地支配に対する賠償をめぐる対立に根ざした報復関税による貿易戦争に巻き込まれています。結果、両国のGDP予測は下方修正されました。 世界貿易機関(WTO)は2019年10月、世界の貿易量の伸び予測を4月時点の予想2.6%から1.2%に引き下げ、半分以下の減少となりました。同様に、世界のGDP成長率予測も2.6%から2.3%に引き下げられ、WTOのロベルト・アゼベド事務局長は「貿易摩擦は直接的な影響以外にも不確実性を高めており、一部の企業が生産性向上のための投資を遅らせている」と述べています。 これは何を意味するのでしょうか? 貿易障壁と関税障壁が地政学的リスクと社会経済的リスクをどの程度悪化させるかは不明です。しかし、新しいテクノロジーや人口動態の変化に伴い、地政学が継続的なリスクをもたらすことは明らかであり、現在のビジネスリーダーは、この新たな変動パターンを緩和する必要があります。 メガトレンドの影響はあらゆるところに及んでおり2030 年の将来を見据えて、次の 5 つの主要分野から戦略的見通しを実行する必要があります。
(1)『人々を第一に考える』 現在の重要なスキル不足はさらに悪化するでしょう。同時に、今日の製造業の労働力の 5 分の 1 以上が技術の代替に直面しています。 Q.組織は将来を見据えた人材戦略を採用していますか?
(2)『新しいテクノロジーを導入』 オートメーションと人工知能、ブロックチェーンとビッグデータ、インダストリー 4.0 のこれらの要素には、大きな競争上の優位性を生み出す能力があります。 Q.組織はスマート マニュファクチャリングの新しい機能に適応していますか?
(3)『市場の変化に適応し、理解する』 この課題には、世界の人口動態に合わせて市場浸透度や取引量を再評価し、社会経済のバランスを再調整することが含まれます。 Q.同社は 2030 年の世界市場と機会を見据えた立場にありますか?
(4)『イノベーションの再開』 ビジネスモデルはメガトレンドによって破壊されるでしょう。製品の提供は、顧客の期待の変化に応じて進化する必要があります。 Q.企業は「デジタル・ファースト時代」に自社の製品イメージをどのように再形成できるでしょうか?
(5)『リスクを管理するために多角的な戦略を採用する』 不確実性と変動性が増大する中、先見性がありながらも規律あるリーダーシップが必要です。 Q.供給ネットワークのあらゆる側面を保護するために、包括的なリスクとシナリオの管理計画が策定されていますか?
結論 今後 10 年間で、すべての業界が世界的なメガトレンドの暗黙的に含まれる課題に直面することになります。急速に変化する世界に直面して、今日下される優先順位と決定は、製造業の回復力と競争力に影響を与えます。
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xf-2 · 4 years
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沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船が日本の領海のすぐ外側の接続水域を航行していて、接続水域内の航行は、22日で100日連続となりました。これは日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も長く、海上保安本部が警戒を続けています。
第11管区海上保安本部によりますと、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船4隻が日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行しています。 4隻は、22日午後3時現在、尖閣諸島の久場島の北東およそ39キロから東北東およそ41キロを航行しているということです。 尖閣諸島の沖合では、中国海警局の船がことし4月14日以降、22日で100日連続で接続水域内を航行していて、これは日本政府が8年前に尖閣諸島を国有化して以降、最も長くなっています。 また、この間には、領海に侵入して操業中の日本の漁船に接近する動きを繰り返すなどしていて、海上保安本部が領海に近づかないよう警告と監視を続けています。
官房長官「極めて深刻 きぜんとした態度で冷静に対応」
菅官房長官は、午前の記者会見で、「中国側による活動が継続していることは極めて深刻に考えており、中国側に対し、現場海域での海上保安庁の巡視船による警告のほか、外交ルートを通じて繰り返し厳重抗議をしている」と述べました。
そのうえで、「政府としては、領土、領海、領空は断固として守るという方針のもとに、引き続き、緊張感をもって、関係省庁と連携して情報収集に努めつつ、尖閣諸島周辺の警戒に万全を尽くしていきたい。同時に、中国側に対しては、引き続き、きぜんとした態度で冷静に対応していきたい」と述べました。
米国務省「尖閣諸島は日本の施政下」
アメリカ国務省の報道担当者は21日、NHKの取材に対し、「われわれの立場は変わらない。アメリカは尖閣諸島が日本の施政下にあり、日米安全保障条約第5条が日本の施政下にある領域に適用されると認識している」として、アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲だという立場は変わらないと強調しました。
日本政府 領有権の問題はそもそも存在しない
日本政府は沖縄県の尖閣諸島について、歴史的にも国際法上も日本固有の領土であり、現に日本はこれを有効に支配しているとして、尖閣諸島をめぐって解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないとしています。
尖閣諸島の周辺海域で中国海警局の船が日本の接続水域を航行した場合には、そのつど外交ルートを通じて申し入れを行い、領海に侵入した場合は、中国による一方的な現状変更の試みに厳重に抗議するとして、繰り返し退去要求を行っています。
そのうえで、日本政府は「東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はない」と、外交当局間などの協議を通じて日本の立場を主張するとともに、信頼醸成に向けて意思疎通を続けています。
軍の影響力を増す「中国海警局」
沖縄県の尖閣諸島の周辺海域で活動を活発化させている「中国海警局」は、ここ数年、機構改革などを重ねて軍の影響力を増し、体制を強化しています。
「中国海警局」は2013年の機構改革で、それまで複数の省庁に分散して行ってきた、海上での巡視活動にあたる組織を統合する形で誕生し、「国家海洋局」という政府組織に属していました。
その後、おととしの機構改革で、政府組織から軍の指揮下にある「武装警察」に編入され、トップに軍の出身者が就任したほか、人員や装備も増強したものとみられています。
さらに、先月の法改正では有事の際、軍の最高指導機関である「中央軍事委員会」か、その下部組織の「戦区」の指揮を受けると定められ、軍と同じ指揮系統のもとで一体的に運用することを明確化しました。
一連の機構改革などによって、中国海警局は軍との統合作戦運用能力を高め、軍隊に匹敵する性格を帯びるようになっています。
活動は長期的な国家戦略も
沖縄県の尖閣諸島周辺での中国の公船などの活動は、習近平指導部が描く長期的な国家戦略に基づいて進められているという見方もあります。
習近平国家主席は2017年の共産党大会で、来年の中国共産党創立100年を経て、中華人民共和国建国から100年となる2049年には「社会主義の現代化強国を築く」という目標を掲げました。
さらに「今世紀半ばまでに世界一流の軍隊を作り上げる」としていて、軍事力を含む国力を高め、アメリカを超える世界一の強国を目指しているとみられます。
同時に、海洋権益の確保やシーレーン=海上交通路の確保などを目的に「海洋強国」の建設を掲げ、海軍や空軍の装備を増強して遠方での展開能力の向上を図っています。
尖閣諸島は、中国が防衛ラインとみなし、太平洋と東シナ海を隔てる「第1列島線」のそばに位置することから、中国としては戦略的な観点からも、この海域での影響力を誇示し、領有権の主張を強めていくものとみられます。
中国 日本の実効支配を突き崩すねらいか
中国政府は沖縄県の尖閣諸島について「中国固有の領土だ」と主張し、日本政府が国有化した2012年9月以降、周辺海域での公船の活動を一気に活発化させ、接続水域での航行だけでなく、日本の領海への侵入を繰り返しています。
日中関係が改善に向かう中で、去年6月には、習近平国家主席の国賓としての日本訪問が合意されましたが、外交上の姿勢とは裏腹に尖閣諸島周辺での挑発的な動きを続けています。
ことし5月には、尖閣諸島沖の日本の領海に侵入した中国海警局の船が日本の漁船を追尾したほか、今月にも、一時、日本の漁船に接近しました。
これについて、中国外務省の報道官は「日本の漁船が中国の領海で違法に操業していたため、海域から出るよう求めた」と述べて、みずからの行動を正当化したうえで、逆に日本に対し「新たな争いごとを作り出さないよう求める」と一方的に主張しました。
さらに先月には、尖閣諸島周辺とみられる東シナ海の海底地形、合わせて50か所に名称をつけたと発表し、この中には中国が主張する「釣魚島」という呼称の一部を使った地名も含まれ、日本政府が中国側に強く抗議しています。
中国としては、尖閣諸島周辺での公船の活動を既成事実として積み重ねるとともに、パトロールや取締りと称した活動を繰り返して主権を行使しているかのようにアピールすることで、日本による実効支配を突き崩すねらいがあるものとみられます。
中国は去年、4年ぶりに発表した国防白書でも「島の海域でパトロールを行い主権を行使していく」と明記していて、みずからの領有権の主張については一切妥協しない姿勢を示しています。
中国の海洋進出に対抗する米
アメリカ政府は沖縄県の尖閣諸島について、日本の施政下にあり、アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲だという立場で一貫しています。
アメリカ政府のこうした立場は、トランプ政権になって以降も日米首脳会談などの場で確認されてきたほか、国務省は今月15日、NHKの取材に対し、尖閣諸島について「日本の施政下にあり、日本の施政下にある領域には日米安全保障条約第5条が適用されると認識している」とコメントしました。
また、エスパー国防長官は21日の講演で「中国の人民解放軍が、日本の施政下にある尖閣諸島の周辺水域に侵入する回数も時間も増えている」と述べ、中国の艦船が沖縄県の尖閣諸島の周辺で活動を活発化させているという認識を示し、警戒感をあらわにしました。
一方、南シナ海をめぐって、トランプ政権は、領有権争いの当事国どうしでの解決を促すとしてきた、これまでの立場を転換しました。
ポンペイオ国務長官は13日、中国が南シナ海のほぼ全域の権益を主張するのは「完全に違法だ」とする声明を発表。中国の違法な領有権の主張に対しては、フィリピンなど相手国の側を支援して対抗していく新たな方針を打ち出したのです。
アメリカが立場を転換した背景には、各国が新型コロナウイルスへの対応に追われるさなかにも、中国が南シナ海や東シナ海での軍事的な活動を活発化させているとの強い危機感があります。
中国海軍が今月上旬、南シナ海と東シナ海、それに黄海の3つの海域で、同じ時期に異例の軍事演習を実施したのに対し、アメリカ海軍も今月上旬、2隻の原子力空母を南シナ海に派遣し、軍事演習を実施。米中が同じ時期に同じ海域で大規模な軍事演習を実施するという異例の事態となりました。
さらに、アメリカ海軍は今月中旬にも再び南シナ海に2隻の原子力空母を派遣して軍事演習を実施しており、中国の海洋進出に対抗する姿勢を鮮明に打ち出しています。
中国船の活動に「執よう」の表現は初 防衛白書
防衛省は、ことしの防衛白書で、中国当局の船が沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域で活発に活動している状況を取り上げ「力を背景とした一方的な現状変更の試みを執ように継続しており、事態をエスカレートさせる行動は全く容認できるものではない」としています。
尖閣諸島周辺での中国当局の船の活動をめぐって、防衛白書で「執よう」という表現が用いられたのは、ことしが初めてで、防衛省は「たび重なる抗議にもかかわらず、活動を繰り返している実態を反映させた」としています。
尖閣諸島周辺で主に活動している中国海警局の船には、海上保安庁が対応していますが、過去には中国の潜水艦やフリゲート艦が、領海のすぐ外側の接続水域を航行したこともあります。
一方、中国はことし、空母を沖縄本島と宮古島の間の海域で初めて往復させるなど、太平洋側への進出も強めていて、防衛省は護衛艦や航空機などによる警戒を強化しています。
中国公船のこれまでの動き
尖閣諸島の周辺海域における中国公船の動きをまとめました。
海上保安庁によりますと、日本政府が尖閣諸島を国有化した平成24年9月以降、尖閣諸島の沖合では、中国公船による接続水域での航行や領海侵入が頻繁に確認されています。
中国公船の接続水域での航行を年別に見てみると、平成24年が91日、平成25年は232日、平成26年は243日、平成27年は240日、平成28年は211日、平成29年は171日、平成30年は159日となっていて、平成27年からは減少傾向にありましたが、去年は一転して急増し、282日と過去最多となりました。
また、今回のケースを除くと、これまでの連続航行した日数で最も長かったのは、去年4月から6月にかけて続いた64日でした。
24時間体制で警戒・監視
中国が海洋進出を強める中、海上保安庁は体制を強化して警戒・監視を行っています。
尖閣諸島の周辺海域の警備を巡っては海上保安庁は大型の巡視船12隻を専従としているほか、複数の航空機も運用することで24時間体制で警戒・監視にあたっています。
また、海上保安庁では所有する船や職員も増やしています。
大型の巡視船は平成24年度の51隻から昨年度は67隻に増やしたほか、ことしの定員はおよそ1万4300人で、平成24年と比べると1600人ほど増えています。
中国は尖閣諸島以外でも領有権を主張
中国は沖縄県の尖閣諸島のほかにも、みずからの領有権を主張する動きを強め、周辺国との対立を深めています。
このうち、各国が領有権を争う南シナ海では、「九段線」と呼ぶ独自の境界線をもとに、ほぼ全域の管轄権を主張し、ことし4月には南沙諸島=英語名・スプラトリー諸島と西沙諸島=英語名・パラセル諸島などを、それぞれ管轄する新たな行政区を設置すると、一方的に発表しました。
また、南沙諸島では、岩礁を埋め立てて人工島を造成し、滑走路やレーダー設備など軍事関連の施設を整備するなど、実効支配を強めています。
こうした中、ベトナム政府によりますと、ことし4月から先月にかけてベトナムの漁船が中国海警局の船に沈没させられたり、中国の船に襲撃されたりする被害が相次いで起きているということです。
こうした動きを受けて、アメリカのポンペイオ国務長官は今月13日、声明を出し「中国の南シナ海のほぼ全域における海洋権益の主張は完全に違法だ」として、これまでの当事国どうしでの解決を促す立場から踏み込んで、中国への対抗姿勢を鮮明にしています。
また、これまで経済面での関係を重視して直接的な対立を避けてきたASEANの国々の間でも、中国への不信感から外交姿勢を転換する動きが顕著になっています。
このほか、中国とインドの国境地域にある係争地帯では、先月15日、双方の軍が衝突し、インド軍はインド側の20人が死亡したと発表しています。
中国はさらに、インドが影響力を持つブータンでも、東部にある野生生物保護区の領有権を主張していたことがわかり、周辺国の間で警戒感が強まっています。
台湾外交トップ「中国の現状変更に警戒」
台湾の呉※ショウ燮外交部長は22日、海外メディアを対象に記者会見を開きました。
台湾は、沖縄県の尖閣諸島について領有権を主張していますが、呉部長は、尖閣諸島周辺海域での中国公船の活動について「中国海警局の船が連続で100日間も入ったことは過去になく、もし日本の公船や漁業者が追い払われることになれば現状の変更となり、心配している」と警戒感を示しました。
また、呉部長は、中国軍機が先月、ほぼ連日にわたって台湾の空域に進入していたことを明らかにし、「中国は台湾周辺の現状も変えようとしている」として強い懸念を示しました。
そのうえで、尖閣諸島や台湾の周辺で活発化する中国の活動を念頭に「台湾と日本の運命は緊密に結び付いており、関係を促進しなければならない」と述べました。
※金へんに「りっとう」
中国外務省「島は中国固有の領土」
中国外務省の汪文斌報道官は22日の記者会見で「島は古くから中国固有の領土であり、中国海警局の船が周辺海域のパトロールを行うことは中国固有の権利だ」と述べ、従来の立場を改めて主張しました。
そのうえで、日本政府が繰り返し抗議していることについて「受け入れない」としたうえで、「両国は双方の共通認識にもとづいて、事態をエスカレートさせないようにすべきだ」と述べて、日本側に反論しました。
専門家「中国の最終目標は領有権を日本から奪うこと」
中国の安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の飯田将史主任研究官は「中国としては、尖閣諸島周辺でのプレゼンスを着実に高めるのがねらいだ。最終的な目標は、尖閣諸島の領有権を日本から奪うことであり、そこに向けて着実に一歩一歩ステップを踏んできていて、今回の事態は起こるべくして起きた」と話しています。
そのうえで「中国はアメリカとの関係が悪化する中で、防衛上の観点から西太平洋に軍事力を展開する動きを強めているが、その通り道である東シナ海や南シナ海は戦略的に重要な地域だ。各国が新型コロナウイルスへの対応に追われる中、中国はアメリカ軍や自衛隊、海上保安庁の対応能力が低下しているのではないかと見ている向きもあり、尖閣諸島周辺での活動を通じて、日本やアメリカの出方を探ろうとしているのではないか」と指摘しています。
飯田氏は、中国は公船の大型化や武装化を進めながら、今後も尖閣諸島周辺での活動をエスカレートさせることが考えられると分析したうえで、「中国によるプレゼンスの高まりを止められていないのが現状だが、日本の対応次第では、中国がより強硬な姿勢に出る口実を与えることも懸念される。日本としては『この一線を越えることは許されない』という決意を中国にどのように示すかが問われている。政策面での周到な準備や対応能力の強化を図るとともに、場合によっては法整備なども含め、対応を抜本的に見直していくことが不可欠な状況になりつつある」と話しています。
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ari0921 · 3 years
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【全文】2020年アーミテージ・ナイ・レポート(翻訳)
2020/12/08 12:28
米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)が新たに日米同盟に関するレポート発表しました。このレポートはいわゆる「アーミテージ・ナイ」レポートの最新版です。
序文
大きな不確実性と急速な変化の時代にあって、米国と日本は並々ならぬ課題に直面している。それは、容赦のないパンデミック、ナショナリズムとポピュリズムの台頭、世界経済の混乱、複数の技術革命、新たな地政学的競争などである。日米同盟は、この大きな不確実性の時代において、安定性と継続性の最も重要な源泉の一つである。しかし、日米両国が共に、過去70年のどの時代よりも大きなストレス下にある地域秩序と世界秩序に備えなければならないことに疑いの余地はない。
米国ではバイデン政権が誕生し共和党が上院の多数派を占める見通しで、ワシントンではこの課題に対処することになる。ねじれ議会の可能性はあるが、日米同盟は超党派のコンセンサスに基づいた重要な分野の一つであるため、米国が前向きなアジェンダを持って前進できると信じる強い理由がある。
これは、超党派の「アーミテージ・ナイ」レポート・シリーズの最新作であり、日米同盟の状況を評価し、新たな課題と機会に向けた新しいアジェンダを提案している。今回の報告書は、アジアのパワー・ダイナミクスの変化と日本への新たな期待から、特に重要である。実際、日米同盟の歴史の中で初めて、日本は、主導的とまではいかないまでも、同盟の中で対等な役割を果たしている。日本のリーダーシップを奨励し、より対等な同盟から最大限の価値を引き出すことは、ワシントンと東京の双方の指導者にとって重要な課題である。
日本がより積極的な姿勢を示すようになった背景には、2つの要因がある。第一に、日本はますます厳しい国家安全保障環境に直面している。第二に、米国の一貫性のないリーダーシップが、日本にアジアや世界の戦略的問題をリードする力を与えてきたことである。
この変革の多くの功績は、安倍晋三元首相にある。安倍晋三元首相は、日本が国連憲章に基づき集団的自衛権を行使することを認める日本国憲法第9条の解釈変更を実現し、米国や他の志を同じくする国々との新たなレベルの共同国際安全保障協力に乗り出したのである。また、環太平洋経済連携協定(CPTPP)を完成に導いた。さらに、「自由で開かれたインド太平洋構想」を掲げ、中国の非自由主義的な野心に対抗するための戦略的枠組みを構築した。
日本の革新的でダイナミックな地域的リーダーシップ��、米国と地域に利益をもたらす。著者らは日本のリーダーシップの役割を維持しようとする菅義偉首相の努力を熱烈に支持し、ジョー・バイデン大統領と最も早く会談する訪問者の一人になるよう奨励している。世論調査によると、日本への信頼度は米国だけでなく、南アジアや東南アジアでもかつてないほど高くなっている。かつては日本のイニシアティブがワシントンで懸念された時期もあったかもしれないが、現在では日本の戦略が米国の目的に沿ったものであることは明らかである。米国と日本は共通の利益を共有している。さらに、日米両国は共通の価値観を共有しており、それが日米同盟の基盤となっている。米国の縮小が懸念されているにもかかわらず、主要な世論調査では、世界における米国の積極的な役割を一貫して支持していることが示されている。さらに世論調査は日米同盟が両国で依然として支持されていることも示している。
米国と日本は今日、歴史上、これまでにないほどお互いを必要としている。世界の中でも両同盟国は、前向きな未来像を実現し、中国の台頭に対応するために必要な地政学、経済、技術、ガバナンスの4つの戦略的課題のすべてに不可欠な国である。共通の枠組みを創設し、優先順位と実施を調整することが、今後数年間の同盟の最重要任務であるべきである。
同盟の前進
日本は必要不可欠で対等な同盟国になっただけでなく、アイデアの創案者(innovator:イノベーター)にもなっている。自由で開かれたインド太平洋構想から地域的パートナーシップのネットワーク化に至るまで、東京は共通の価値観を推進するための考える作業の多くを行っている。その結果、日米同盟は相互運用から相互依存へと移行しつつあり、危機に対応するだけでなく、長期的な課題にも対応するために、双方がお互いを必要とするようになってきている。これは、アメリカの外圧の時代から日本のリーダーシップへの大きな転換である。
同盟にとって最大の安全保障上の課題は中国である。アジアの現状を変えようとする北京の努力は、中国のほとんどの近隣諸国の間で安全保障上の懸念を高めている。米国が支援する日本の航空・海上活動、米国の尖閣諸島を含む第5条へのコミットメント、日本の南西諸島の軍事力を強化するための共同計画の実施は、同盟の対応の重要な部分である。しかし、米国、日本、および他の志を同じくする国々が取り組まなければならないもっと大きな課題がある。それは、競争的共存(competitive coexistence)のための新しい枠組みをどのように構築するかということである。
中国のいわゆる「グレーゾーン」の威圧は、日米両国が、日本から台湾、フィリピン、マレーシアを経てマレーシアに至る第一列島の戦略的性を重視していることを浮き彫りにした。日本は米国のように台湾関係法を通じた台湾の安全保障を支援する法的・外交的義務はない。しかし、中国の台湾に対する軍事的・政治的圧力の増加に対するワシントンの懸念を日本が共有していることに疑いの余地はない。このような中国の圧力の増加は、日米両国が台湾との政治的・経済的な関わり方において、より一層の協力を必要としている。
第二の地域的安全保障上の懸念は、北朝鮮である。25 年間の外交的失敗を経て、非核化は長期的な目標ではあるが、短期的には非現実的であることは明らかである。だからといって、米国が新たなアプローチへの扉を閉ざすべきということではないが、北朝鮮の新たな能力に直面した際の抑止力と防衛力を強化することで、核武装した北朝鮮をいかにして封じ込めるかを考えることが優先である。良いニュースは、金正恩氏が政権の存続を心配していることであり、自殺願望がないことである。したがって、抑止力と封じ込めは容易ではないが、可能である。これは日米同盟と米韓韓同盟にとって優先事項である。また、日米韓三国間の情報・防衛協力を強化する必要性もある。
これらの課題は、地域の安全保障上の課題に対して、より多くの調整と資源の投入を必要としている。しかし、防衛予算は、東京とワシントンの両方でより一層の圧力下に置かれている。このため、共同技術開発や、同盟協力の効率性を高めるための努力が重視される。日本は「多次元防衛力」を実現するため、防衛予算を6年連続で増加しており、現在はは年間約500億ドルである。今後は、二国間および内部の指揮統制、地域の平和と安定への貢献、同盟の枠組みの中で役割、任務、能力に関する大きな議論の中で、反撃能力とミサイル防衛が重要な問題となる。同様に、ミサイル防衛も有用であるが、同盟国は、過度にコストを課す可能性のある高額な投資や重複投資を避けるために協力しなければならない。日本の能力向上の質は量と同様に重要であるが、数も重要である。日本は国内総生産(GDP)のわずか1%しか防衛に費やしておらず、日本の防衛予算の総額は現在、英国を上回っているが、中国が拡大する人民解放軍の予算のほんの少しに過ぎない。
もう一つの協力の機会は、米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドとの情報共有ネットワーク「ファイブアイズ」に日本を含めることである。米国と日本は、シックス・アイズのネットワークに向けて真剣に努力すべきである。
現在、米国と日本は、同盟を強化し、地域協力を構築し、地域経済と世界経済を統合するために力を共有している。重要なのはこの力の共有であり、同盟をどのように活用するかについての議論は、この概念に焦点を当てるべきである。同盟は重荷ではない。著者らが主張してきたように、日米同盟は今、共有された戦略的ビジョンの実現に目を向け、努力しなければならない。米国は言説をリセットし、一刻も早く日本との間で在日米軍駐留経費負担に係る特別協定(a Host Nation Support Agreement)を締結しなければならない。二国間および地域全体での戦略的協力の実施が、今後の米国の関心の焦点となるべきである。
パートナーシップと連携の拡大
日米同盟は、地域内又は欧州などの価値を共有する国々との間で、多くの補完的で協力的な関係を強化しなければならない。共通の利益と価値観に基づく一連のネットワーク化された連携は、共通の地政学的、経済的、 技術的、ガバナンス的目標を守るために極めて重要である。これらの連合は、強要や武力行使を抑止し、国際経済秩序を刷新し、重要なサプライチェーンと情報の流れを保護し、ルールに基づく秩序を刷新する新たな技術に関する世界基準を設定することを目的とすべきである。日米同盟は、この一連の連携(coalitions)の核となるべきである。
過去20年間、北京の活動は、日米の支援によって促進されたアジア域内協力の新たなパターンに拍車をかけてきた。日本はオーストラリアやインドとの二国間、三国間の連携を強化し、クアッドが有望な新たな役割を担うようになった。しかし、クアッドが地域の秩序にとってより不可欠な存在となるためには、他の地域機関や連合に影 響を与えないよう、包括的でなければならないだろう。北朝鮮に関する日米韓三国間の政策調整は、地域の安全保障にとって引き続き重要である。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム、ASEAN 国防相会議、東アジアサミットなどの制度化されたフォーラムとは異なり、この種の非公式なネットワークは、プロセスではなく、機能性を中心としたものである。アジアにおける共通の利益と価値観を守るためには、このような制度の網を強化することが非常に重要である。
ワシントンと東京は、これらの連携を構築する上でいくつかの課題を克服しなければならない。その中でも特に重要なのは、日本と韓国の間の緊張が続いていることである。米国は、北東アジアの2つの同盟国が、さまざまな地域的・世界的な問題について建設的かつ現実的に協力することを必要としている。北朝鮮や中国の課題に対処し、より広範な経済、技術、ガバナンスの課題を設定するためには、両同盟国は極めて重要である。双方は、過去ではなく未来に焦点を当てる必要がある。東京とソウルの関係を強化することは、米国の同盟国との二国間関係を強化することになる。菅首相と文大統領が再出発の重要な機会として捉えるべき漸進的な進展の兆しがある。その意味では、五輪に向けた二国間協力が目前に迫っている。
ロシアや中国との協力は、もう一つの課題である。日米両国の指導者は、モスクワや北京との交渉には時間がかかるが、目に見える成果は少ないことを学んできた。とはいえ、北朝鮮、気候変動、パンデミックなど、地域的・世界的な様々な課題に対処するためには、これらの国々との協力のあり方を明確にすることが必要であろう。
経済技術協力の強化
日米の経済・技術協力の深化は、日米同盟の基礎である。日米安保条約第二条は、日米両国に対し、「両国の国際経済政策における紛争の解消を図り、両国間の経済協力を奨励する」ことを求めている。貿易、技術、インフラ、エネルギーを含む強固な経済的要素がなければ、インド太平洋戦略は空虚で持続不可能である。この地域における貿易や技術のルール、基準、規範は南シナ海と同様に争われており、日米はこれらの問題の大部分で緊密に連携している。宇宙もまた、日米両国が民間・防衛分野で協力を強化すべき分野の一つであり、競争が激化している。さらに、コロナウィルスのパンデミックで明白になったように、日米両国は、地域の繁栄と経済安全保障を維持するために不可欠な安全なサプライチェーンに関わる利害関係を持っている。
米国はCPTPPに参加し、経済ルールを形成するリーダーとして日本と連携すべきである。参加への政治的困難さは明らかだが、米国の繁栄と安全保障に対するより大きなリスクがあるため、参加は必須である。11月15日に調印された地域的な包括的経済連携協定(RCEP)は、米国を含まないアジア太平洋地域の広範な貿易協定であり、ワシントンは目を覚ますべきである。
CPTPPは、米国が地域の経済空間を取り戻し、日本と協力して経済ルール作りのリーダーシップを強化するための不可欠な手段である。2017年初頭にトランプ氏が離脱した後、当初のTPP協定を救うための日本の大胆な策略は、ルールに基づく秩序のために重要であった。東京は、米国の再参加を促進するために、新協定を構造化した。新政権がCPTPPの変更を合理的に期待する場合には、既存の参加国との交渉で対応することができる。しかし、まずはワシントンが参加の意思を示し、テーブルの上に座る必要がある。米国、日本、その他の地域のパートナーにとっての経済的・戦略的利益に加え、米国を含むCPTPPは世界経済の40%以上をカバーすることになり、その基準や規範に世界的な重みを与え、世界貿易機関(WTO)の改革に向けて志を同じくする国々と結束するための力を与えることになる。
CPTPPの美点の一つは、デジタルガバナンスの高水準にある。データは21世紀の経済の石油であるが、インターネットはEU、米国、中国が主導する3つのデジタルレジームに分断され始めている。米メキシコ・カナダ協定(USMCA)や2019年9月の日米デジタル貿易協定でさらに強化されたCPTPPの規律は、この重要な領域におけるルールや規範をグローバル化するために構築される可能性がある。これらには、国境を越えたデータの自��な流れ、デジタル製品への無関税、データのローカライズ要件不要などの原則が含まれる。日本は、G20 大阪サミットにおいて、世界貿易機関(WTO)の電子商取引交渉において、このような原則を推進するプロセスの上で、重要なリーダーシップを担った。ワシントンと東京は、G7やアジア太平洋経済協力(APEC)を通じて志を同じくする国々を動員し、データガバナンスのより一貫したシステムに向けたコンセンサスを構築することで、この作業を推進していくことができるだろう。
一方、人工知能、ロボティクス、バイオテクノロジー、ナノエンジニアリング、新素材、5G ネットワークなどの新技術は、デジタルと物理的世界を融合させ、今後数十年の経済成長を牽引し、地政学を形成していくものと思われる。米国と日本は、新技術を管理する技術標準や規則がオープンで、包括的で、相互運用性を促進することに重大な関心を持っている。
そのためには、主要な新興技術(5G、IoT、AIなど)を管理する技術基準や規範が世界的に互換性のあるものとなるように、国際電気通信連合(International Telecommunications Union)などの国際的な基準設定機関における日米の連携を強化する必要がある。北京は「中国標準2035」構想で、中国の技術に有利になるような新しい基準を策定しようとしている。米国は、日本やその他の国々と協力して、より効果的な官民パートナーシップを促進するために、国際的な基準設定に力を入れる必要がある。
5Gは21世紀の知識経済における重要な実現技術であり、日米両国はこの分野での共同作業を優先すべきである。両政府は、ファーウェイに代わる代替技術を生み出すための民間部門の努力を促進すべきである。日本は、5G(最終的には6G)へのソフトウェア・ベースのアプローチであるオープン無線アクセス・ネットワーク(O-RAN)の開発で主導的な役割を果たしており、垂直調達モデルに代わるコスト競争力と相互運用性のある代替手段となり得る。
インド太平洋地域における日本のリーダーシップのもう一つの重要な分野は、地域インフラと経済発展である。中国の「一帯一路」が汚職、負債、劣悪な基準の上に成り立っているという指摘が強まっていることは、実行可能で透明性の高いインフラプロジェクトを形成する機会を示唆している。東京は2015年に2000億ドルの「質の高いインフラパートナーシップ」を設立し、オープンな調達、環境と債務の持続可能性、インフラファイナンスの透明性などの原則を定めた。日本は2019年の大阪サミットでこれらの原則についてG20首脳の承認に勝ち取った。バランスシートと戦略的マンデートを強化した新しい米国国際開発金融公社は、国際協力銀行(JBIC)、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行グループと協力し、2030年までに25兆ドルの地域インフラニーズに対応すべきである。ワシントン、東京をはじめ、オーストラリアや韓国など、他の主要な地域・地域外のプレーヤーとの間でこれらの活動を調整することは、日米両国の指導者にとってますます重要な役割となるであろう。米国と日本は、インフラに関する決定が完全な透明性をもって行われるよう、良好なガバナンスと説明責任を促進するために、受益国への支援を拡大すべきである。
最後に、エネルギーと気候変動は日米経済同盟の重要な側面である。2050年までに日本経済をカーボンニュートラルにするという菅首相の公約は、韓国の同様の公約と一致しており、クリーン・エネルギーの拡大の緊急性を強調している。日本の国内と国際的な目標を達成するためには日本は石炭の使用と投資を抑制する必要がある。原子力と天然ガスの協力に基づき、日米両国はクリーンエネルギーと気候に関するパートナーシップを拡大すべきである。共同開発のための優先的なクリーンエネルギー技術には、水素、蓄電池(輸送の電化と再生可能エネルギーの拡大の鍵となる)、二酸化炭素回収貯留(CCS)、リサイクル、スマートグリッドなどがある。これらの技術は、市場ベースの効果的な気候変動緩和のために有望である。
結論
ここで概説されているように、より対等な日米同盟を構築することは、地域的課題と世界的課題の両方に対処する上で重要である。日本は、あらゆる面で米国の利益と価値観に最も沿った同盟国である。いくつかの分野では、日本はすでに主導権を握っており、共通の価値観、高い基準、自由な規範を推進している。実際、米国は多くの分野で東京のアプローチとより緊密に連携することで利益を得ることができる。日米同盟は、進化する多極化した世界をリードする立場にある。本報告書では、日米同盟が関係を前進させるために優先すべき課題を明らかにした。世界の安全保障と繁栄のために 東京とワシントンの新政権は、これらの課題に立ち向かうべきである。
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eigaonkyo · 4 years
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COMMENT
8/28(金)より全国順次公開の映画『ようこそ映画音響の世界へ』へ寄せられた、超豪華推奨コメントをご紹介!
(敬称略/順不同)
LiLiCo(映画コメンテーター)
萌えたぁ!職人の気持ちに感動しっぱなし!
彼らの頑張りを体感したらあなたも映画をもっと愛してしまう!
これは観なきゃ損!
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樋口真嗣(映画監督)
視覚と違って聴覚は任意に遮断する方法がないので、目を閉じても耳から映画はとめどなく入ってくる。
だから映画にとって耳から入る情報は、映像以上に作り手の意図を挿し入れることができる。
現実にない映像の説得力は、その映像のクオリティよりも音響によって決まるのだ。
歴史の節目にあらわれる革命の数々———
そこに関わる関係者の言葉は音響に対する自信と愛情と信頼が溢れている。
とてつもなく嬉しいことばかりで彩られている素晴らしい映画だ。
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押井守(映画監督)
セルジオ・レオーネの傍らにエンニオ・モリコーネがいたように、不肖この私にも川井憲次と若林和弘がいましたし、
いまも一緒に仕事をしています。なぜかと言えば「映画の半分は音響」だからなのです。
彼らの存在なくして映画を語ることはできません。彼らの存在なくして映画監督の仕事も成立しません。
その当たり前の事実を、この映画はたいへん面白く伝えています。映画の正体に興味のある人には、お薦めの一本です。
それにしても、苦悩するカントクに較べて音響スタッフたちの楽しそうなこと!あれが「映画に魂を吹き込む」人間たちの顔なのです。
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阪本順治(映画監督)
映像と音響、このふたつが“同等”に相まって映画はできている。が、鑑賞時、聴覚にあまり意識が行かぬことも。
『ようこそ映画音響の世界へ』を観れば、音響のマジックを知ることとなる。地道すぎる作業と、その種明かしにもびっくりだろう。
耳を澄ませれば、銀幕には違う世界が広がる。そんなことをこの作品は教えてくれる。本作を観た後と前では、映画の楽しみ方が
変わるに違いない。映画を愛するひとは、もうひとつの愛し方を見つけてくれるだろう。是非、劇場へ!
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鶴田法男(映画監督)
『トップガン』の戦闘機の爆音はライオンや猿の声で迫力増量。『スパルタカス』の兵士の鎧の音は車のキーの束の音。
デジタル全盛の時代に、いまだ創意と工夫のアナログ魂が息づいているのが映画音響の現場。本作を見終わったとき、
あなたは耳でも映画を観ることが出来るようになり、あなたの好きな映画がもっともっと愛おしくなる。必見!!
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宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
映画館で映画を観る最大の理由は、音響にある。本作を観れば、それがどうしてかがわかるだろう。
「映画の音は錯覚のアートだ」という言葉に込められた映画の本質。そのいかがわしさに魅せられた、すべての人へ。
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春日太一(映画史・時代劇研究家)
本作には、名作映画にたずさわってきた音響スタッフたちが登場します。
彼らの語る創意工夫の数々を聞いていると、映画は監督だけが作っているものではないこと、
映画は映像だけではなく音も重要なファクターであること……がよく理解できます。
映画の奥深さに触れることができ、既に観た映画もまた改めて見たくなる。そんな作品です。
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荻野洋一(番組等映像演出/映画評論家)
レストランで食事をする時、一皿一皿の伝統、食材、産地など心得ていると、いっそう食事の楽しみが深まる。
映画の楽しみ方もまだまだ未開拓。そのことを『ようこそ映画音響の世界へ』は雄弁に教えてくれる。
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樋口泰人(映画・音楽評論家)
今後映画を観るときにほんのちょっとだけ耳を澄ましてみるといい。
たったそれだけのことでわれわれの視界は鮮明になりどこまでも広がっていくはずだ。
そしてわれわれはいくつもの新しい人生を生きることになる。出会いと驚きは映画の中で無限に生まれ続けているのである。
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小沼純一(音楽・文芸批評家)著書:「映画に耳を 聴覚からはじめる新しい映画の話」
歴史的な軸、個別の切り口(声・環境音・効果音・音楽、等など)で語られる「映画音響の世界」を体験すると、
映画にむかったときのあなたの耳は、以前とはべつのものになっている。
映画音響の歴史はさほど長くないから、生き証人の声がきこえるのもうれしい。
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泉哲也(オーディオビジュアル総合サイト StereoSound ONLINE)
映画の感動の半分は音にあった! そんな単純だけど大切なことに、改めて気づかせてくれる必見作。
映画音響スタッフの努力を知ってからお気に入りの作品を見返したら、これまで以上の感動に出会えること間違いなし。
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長門洋平(映画音響研究)著書:「映画音響論――溝口健二映画を聴く」
聞こえているけど聴いてはいない「映画音響の世界」への最良のガイド。
映画の音というものがどれだけ「不自然」なのかということがよく分かる。
この作品をとおして映画の聴き方、というか見方がまた変わりました。
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吉田俊太郎(翻訳家)翻訳:「映画の瞬き[新装版] 映像編集という仕事」、「映画もまた編集である――ウォルター・マーチとの対話」
真に人を虜にしてきた映画作品のほとんどが音響を単なる付属物として扱わずに芸術の核として中心に据えていたんだなぁと
改めて実感。音響デザイナーたちのそれぞれ独創的でイマジネーション豊かな創作過程を垣間見れるのもとても楽しい。
映画制作の舞台裏に興味のある方にはもちろん、クリエイティブな日常を過ごしたい万人に勧めたくなる、
創作脳がビリビリ刺激される映画でした。
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賀来タクト(映画&映画音楽関連文筆家) 
ウォルター・マーチがいなければ『地獄の黙示録』のヘリも飛ぶことはなかった。
ベン・バートがいなければ『スター・ウォーズ』も嘘くさい親子チャンバラだった。
ゲイリー・ライドストロームがいなければ『トイ・ストーリー』もただのおもちゃごっこだった。
音で映画を本物にした音響三銃士の活躍がここに!
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岩代太郎(作曲家)代表作:『Fukushima 50』(20)、『新聞記者』(19)、『レッドクリフ』シリーズ、『殺人の追憶』(03)
父の命が終わりを告げようとした時、主治医が私に「聴力は最後まで残っていますから話しかけて下さい」と囁いた。
人生は「音」に始まり「音」に終わる。映画も又、同様だと気づかせてくれる貴重な作品だと思う。
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川井憲次(作曲家)代表作:『イップ・マン』シリーズ、『機動警察パトレイバー THE MOVIE』シリーズ
当たり前ですが、映画は映像と音でできています。
音とは、セリフ、効果音、音楽ですが、それらを丁寧に説明してくれるこの作品は素晴らしかったです。
映画を支えるサウンドチームはそれぞれ役割が異なるものの、それらが一つのサウンドトラックになっていく課程は、
今まであまり紹介されていなかったと思います。
特にフォーリーと呼ばれる現実音でも、実際にはない音を工夫して効果的に作られていたりして、実に興味深かったです。
実際にない音を入れるのは音楽も同じで、実は正解がありません。ただ監督やプロデューサー、そして作曲家の好みや勘で作られているんです。私は作るたび、これでいいのかなあ・・・と毎回超不安になりますが、きっとこの映画に出てくる人もみんなそんな気持ちで作っているのかも・・・と自分に言い聞かせることにしました。
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菅野祐悟(作曲家)代表作:『太陽は動かない』(20)、『カイジ ファイナルゲーム』(20)、『マチネの終わりに』(19)
この映画を観ると、これから映画を観る時の楽しみ方に、新しい視点が一つ加わるのではないかと思います。
僕はこれから映画音響チームの一員として、より一層、映画音楽の作曲に真剣に向き合い、味わい尽くしたいと思います。
そう思わせてくれる映画でした。
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世武裕子(映画音楽作曲家)代表作:『星の子』(20)、『風の電話』(18)、『日々是好日』(18)、『生きてるだけで、愛』(18)
大事なこと全部詰まってる!
映画館行ったことない人にも、映画を愛する人にも等しくワクワクさせてくれるドキュメンタリー映画。
普段は映画の音楽だけを作っていますが、映画の「音」の秘密は実はもっと深くて壮大◎
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岩浪美和(音響監督)代表作:『ガールズ&パンツアー 劇場版』(15)、『劇場版 ソードアート・オンライン−オーディナル・スケール』(17)
音を知れば映画はもっと楽しくなる!映画音響をめぐる冒険者たちの挑戦が数々の名作と共に語られます。
この偉大なる冒険譚をぜひ劇場の音響で体験してください!
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えびなやすのり(音響監督)代表作:『プロメア』(19)、『劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝』(07)など
まず僕たちがいる業界に入ってきた人に見てほしい。
あなた達がこれからどんな仕事をするのか、今やっている事がどんな意味を持っているのかわかる事でしょう。
次にこの業界に携わる音響以外の関係者に見てほしい。
音を革新的に良くすることは音響の情熱だけでは如何ともしがたいことに気づいて欲しい。
「音?モノでいいじゃん」この台詞を何度言われたことだろう。
是非良い音響の映画館で見て欲しい。サラウンドの何たるかが分かるでしょう。
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鶴岡陽太(音響監督)代表作:『映画 聲の形』(16)
80年代から私のアイドルであったゲイリー・ライドストロームに触れられて、感無量でした。
とは言え、如何にして今に至るかを知る恰好の教材として、若い方にこそ、是非見ていただきたい映画だと思います。
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山田陽(音響監督/音響技術)代表作:『天気の子』(19)、『君の名は。』(16)、『シン・ゴジラ』(16) 、『巨神兵東京に現わる 劇場版』(12)
日本とハリウッド。音響制作の現場には大きな違いがあり、細かく役割を分けて制作できる環境は正直うらやましい。
ただ、音響技術者たちの“音”に対するこだわり、想いは国や環境など関係ないものだと分かり嬉しかった。
ベン・バートも私と同じで機械いじりが好きな少年だったのだ。“音”は観客が意識することなく、自然に聞こえるようにするのが理想。
一方で映画の盛り上がりに“音”は欠かすことができない。
映画を影で支える音響技術者たちの活躍を知ることができる素晴らしい作品だ。
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赤澤勇二(音響効果)代表作:『とんかつDJアゲ太郎』(20)、『犬鳴村』(20)
多くの方に見て欲しい映画だと思いました。映画の見方に新しい視点が加わり、より楽しめるようになると思います。
改めて音の可能性を感じました。
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勝亦さくら(音響効果)代表作:『アイネクライネナハトムジーク』(19)、『最高の人生の見つけ方』(19)
映画の中の音が目に見えないけれど観る人の感情を如何様にも動かすものだということを改めて思いました。
映画が好きな人、映画づくりに携わる人、映画づくりを目指す人、色んな人が楽しめる映画だと思います。
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松浦大樹(音響効果)代表作:『ステップ』(20)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)
邦題のとおり、観客にとっては映画の音がどのように作られているのかを知ることができる貴重な作品。沢山の驚きと発見があります。
また映画制作に従事している者にとっては、映画音響史を学ぶに最良の教材。沢山のアイデアとヒントであふれています。
この映画は、私たち映画技術者に初心に返るきっかけを与えてくれる作品です。日本映画の実際はともかく、
この映画で描かれているような仕事がしたい。少なくとも自分は、いつもそう思っています。そして、ウォルター・マーチ最高。
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井上奈津子(音響効果/フォーリーアーティスト)代表作:『君が世界のはじまり』(20)、『惡の華』(19)
本当に胸がいっぱいになってしまった。効果音は爆発や銃声、魔法やアクションなど派手なものが注目されがちだが、
「プライベート・ライアン」のゲイリー・ライドストロームが「画面の外の音が大切だ」と言ったことに凄く共感した。
目に見えなく尚且つ画面の外にある空間を演出することでその世界に匂いや質感を与えることができるのではないかと思う。
台詞にしてもガヤにしても、一音一音にその音を扱う人の意思や演出があり、それを監督が演出していく、
それをこの作品では丁寧に描いていて感動した。
日本にいるとハリウッドや世界の映像音響との技術の隔たりを感じて悔しく思うこともたくさんある。
ですが、この作品に登場する全ての技術者は私たちとあまり変わらない音の変態なのだと、
劣等感を勝手に感じていないでもっと楽しめよと言われている気がした。
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北田雅也(効果音/フォーリーアーティスト)代表作:『映画ドラえもん のび太と新恐竜』(20)、『ザ・ファブル』(19)
雲をつかむような…という慣用表現があるのだけれど、
音の仕事というのは再現性の少なさや音の受け取りかたが個人の体験に依存すること、
空気の振動が消えた瞬間に存在そのものが消えることなど確固たるものが何もない雲をつかむような職業と言えると思う。
雲をつかむことに夢中になった人と雲をつかんで映像に魔法の息吹を吹き込みたい演出家の物語でもあるし、
人々が雲をつかめるようになった歴史の話でもある。映像に対する音響の作り方を体系的に理解することもできる。
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小山吾郎(フォーリーアーティスト)代表作:『クリード 炎の宿敵』(18)、『ブレードランナー2049』(17)、『グレイテスト・ショーマン』(17)
ピューピュー、パタパタ、びゅっ、ドカーン、カキン!、ザバーッ、ぶぉん、ちゅんちゅん、ジャジャーン、パカパカ、ガオーッ!、てくてく。
ワクワク、ドキドキ、素晴らしき音いっぱいの、音の映画! (拍手)
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笠松広司(sound designer/re-recording mixer)代表作:『きみと、波にのれたら』(19)、『海獣の子供』(18)、 『風立ちぬ』(13)
映画は総合芸術という事を再認識。”ある瞬間”の為に、やってダメな事もないし、やらなきゃイケない事もない。
作る側の音響技術者にも、観る側の映画好きなオーディエンスにもきっと刺激になる。
”その瞬間”『ハマった時の爽快感は病みつきになる』
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柴崎憲治(音響効果/サウンドデザイナー)代表作:『Fukushima 50』(20)、『海猿 ウミザル』(04)、『リング』(98)
コレから音響の世界を目指す人たちにとって、教科書の様な映画です。
foley は人の動きや物音を表現して人間たちの存在感を増して、fxは画に奥行きを与えて、立体感を作る。
backgroundは、frameの、内・外の映画の世界観を作る、それにより どうゆう場所なのか、どういう空間なのかを説明する。
画に対する柔軟な創造・想像力・アイデアが、音響技師達の感性とセンスによって画を引き立たせ、
当たり前の様にそんな音がするんじゃ無いかと、錯覚させる世界観を創り出す遊び心と情熱と創意工夫が描かれています。
とても魅力的な映画です。
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高木創(録音/整音/音響デザイン)代表作:『ゲド戦記』(06)、『機動戦士Zガンダム A New Translation Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(05,06)、『攻殻機動隊 SAC_2045』(20)など
映像作品の半分は音響で成立している。この映画ではそれが国境を越えた共通認識である事を示している。
そして各時代の同時期に映画音響制作をしている日本の大先輩達にも想いを馳せた。
この映画に登場する敬愛するレジェンドな先輩方の証言をスクリーンで目の当たりにしながら「なんてこった」とつい呟く。
スピリットは国は変われど何ら変わらなかったのだ。
素晴らしい映画では音響は寧ろ意識されない。只々ワクワク感が掻き立てられるが、
そのワクワク感を紐解いてゆくと「音響」そのものだったという『ようこそ映画音響の世界へ』。とても良い映画だ。
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山本タカアキ(録音技師/サウンドデザイナー)代表作:『風の電話』(20)、『アイネクライネナハトムジーク』(19)、『モリのいる場所』 (18)
映画業界において音の分野はコストであったりスケジュールであったり色々と冷遇されていると日頃から思っているのですが、
優れた監督たちの音表現への信頼の言葉やこだわり続けて映画音響の歴史を作ってきた先駆者の姿を見て勇気をもらいました。個人的には作品作りで心が折れそうになった時、行き詰まった時に見返したい作品になりました。
それとやはり!映画を志す人たちには是非見てもらいたいです。たくさんの名作を通じて映画音響のあれこれがわかります。
映画音響を志す人は勿論ですが、監督、プロデューサーを目指す人たちにも見て欲しい!
音の表現力を知っている映画人が増えて日本映画がステップアップすることを望みます!!
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浦田和治(映画録音技師)代表作:『孤狼の血』(18)、『ノルウェイの森』(10)、『ジョゼと虎と魚たち』(03)
映像と音という二つのものが、同化したり、異化したり、対立したりして映画は出来上がっていくのでしょうね。
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木原広滋(録音技師)代表作:『よこがお』(19)
監督やプロデューサー等、プリプロダクション(撮影の前段階)から映像制作に関わる方々に是非観ていただきたいです。
作ろうとしている映像に本当に必要な音は、もしかすると『同録』ではなく『アフレコ』の音かも知れないですし、
はたまた『効果音』だけで殆ど表現できてしまうのかも知れません。
そういった事を再認識できる作品だと思いました。
またそれによって、新しい撮影のやり方や、新しいバジェットの使い方が見えてくる。そんな可能性も感じます。
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根本飛鳥(録音技師)代表作:『許された子どもたち』(20)、『愛がなんだ』(19)
まだ見ぬ風景を思い描き、あるかも分からないその景色を見るため、そこに眠る財宝を探して旅をする、映画音響の仕事とは
まるで開拓時代の冒険者の様だ。このドキュメンタリーに登場する人物達は超一流の冒険者であり、探求者である。
「その音」にたどり着いた彼等の眼差しの慎ましく美しいことよ。たかが空気の振動とあなどるなかれ。
冒険者達が掴んだ「その音」は私たちの心まで震わせてくるのだから。
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弥栄裕樹(サウンドデザイナー/録音技師)代表作:『ファンシー』(19)、『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』(19)『ソワレ』(20)
正直こんなに感情が動かされるとは思ってなかったです。声・感情・空間・夢・時間・ソング….。
鑑賞中はユリイカと焦燥感の連続でした。映画音響は重要性とは裏腹に、あまり表に出てこない世界。
そこがクールだけども、もったいないとも思ってました。時代を作ってきた人たちの言葉やスタンスが、
この映画を通じていろんな人に伝われば、もっと豊かな作品が増えると信じています。この映画に関わるすべての人に感謝です!
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佐藤敦紀 (予告編演出/編集/VFXスーパーバイザー) 代表作:『シン・ゴジラ』 (16)
1970年代以降、音響技術の世界で革新を成し遂げたウォルター・マーチ、ベン・バート、ゲイリー・ライドストロームら
レジェンドの姿に胸アツ。そしてラストのベン・バートの言葉に深く感動。
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cuttercourier · 4 years
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[翻訳] コロナ禍と印中対立のなかのインド華人
中国系インド人の愛と憧憬
2020年7月25日 アスミター・バクシー
ガルワーン渓谷事件後の印中関係緊迫化、コロナウイルス・パンデミックによる反中感情の高まりとともに、インド系中国人コミュニティは集中砲火を受けている
3月17日、41歳のミュージシャン、フランシス・イー・レプチャは、急遽切り上げたプリー〔※オリッサ州の都市〕旅行からコルカタに戻る列車の中にいた。新型コロナウイルスは全国でその存在感を示しつつあり、ナレーンドラ・モーディー首相が厳重な全国ロックダウンを発表する日も近かった。レプチャが家族と一緒にまだプリーにいた間も、彼がチェックインしようとするとホテルの宿泊客は反対の声を上げ、路上では「コロナウイルス」と呼ばれ揶揄された。
フランシスは中国系インド人で、母方と父方の祖父は1930年代に他の多くの人と同様に日本の侵略から逃れてインドに来た。彼らはダージリンで大工として働き、地元のレプチャ族の女性と結婚した。のちに彼の両親はコルカタに移り住み、そこで彼は生まれ育った。
このミュージシャンは1980年代に幼少期を過ごし、ドゥールダルシャン〔※インド国営TV局〕で『ミッキー・マウス』や『チトラハール』を見たり、マドンナに憧れたり、クリフ・リチャードの「ダンシング・シューズ」に合わせて頭を振ったりと、これらを6歳で楽しんでいたわけだが、童歌「ジャック・アンド・ジル」に関係があるという理由が大半だった。彼は流暢なベンガル語と「荒削りなヒンディー語」を話し、そして、彼によれば「ほとんどお向かいのチャタルジー一家に育てられた」という。
列車がガタンゴトンと進むなか、冷房寝台車の他の乗客たちは、彼には自分たちが何を言っているのかわからないと思い込んで、「中国人」について疑いの声を上げはじめた。フランシスはすぐさま口を挟んだ。「私は流暢なベンガル語で、自分がコルカタ出身で、中国に行ったことはなく、彼らに感染させることはないと説明した」のだという。「彼らの顔を見せてあげたかった」。
コルカタに戻ると、フランシスはプリントTシャツを注文した。彼はコルカタ・メトロのセントラル駅の真上に住んでいるのだが、それが明るい否定のメッセージとなり、かつ人種差別に対して有効なツールとなるだろうと考えた。フランシスのさっぱりとした白いTシャツの上の端正なベンガル語のレタリングには「私はコロナウイルスじゃない。コルカタ生まれで中国には行ったこともない」とある。
6月15日、国土の反対側では、俳優兼歌手のメイヤン・チャンが、過去13年にわたって本拠地と思ってきた都市ムンバイで、夕食をともにするために友人宅を訪れていた。彼らはテレビのニュースを見ていたが、その放送は特に憂慮すべきものだった。2つの核保有国が数十年間争ってきた境界である実効支配線に沿ったラダックのガルワーン渓谷でインド兵20人が中国軍に殺害されたのだ。
「衝突の後、ダウン・トゥ・アース誌のインタビューに答えた時、私の最初の反応は怒りでした。『どうして私が自分の愛国心を証明しないといけないのか。どうして私がインドを愛し、中国を憎んでいると言わなければならないのか』。私はその国のことを知りもしません。中国というレンズを通して自分が引き継いでいるものは理解していますが、それだけです。私にはインド以外の故郷はありません」と彼は言う。しかし、彼の経験上、怒りは何の役にも立たない。「その代わりに、私は異文化交流の美しさについて話しました。それはインド全土に存在するものです。私たちの外見だけを理由に自分たちの仲間ではないと考える人々には驚かされます」。
チャンもまた中国系である。彼はジャールカンド州ダンバードに生まれ、ウッタラーカンド州で学校教育を受けた。彼の父親は歯科医で、チャンもベンガルールで歯学の学位を取得している。彼は自分の家系を詳細に遡ることはできていないが、先祖が湖北省の出身であることはわかっており、そこは1月以来、ニュースを席捲している。新型コロナウイルスが最初に報告された武漢とは、同省の首都である。
37歳の彼は、主流エンタテインメント産業で名声を得たおそらく唯一の中国系インド人コミュニティ出身者である。2007年にTV番組『インディアン・アイドル』の第3シーズンで5位になり、2011年にはダンス・リアリティ番組『ジャラク・ディクラー・ジャー』で優勝し、さまざまなTV番組やクリケットのインディアン・プレミアリーグなどのスポーツイベントの司会を務め、『バドマーシュ・カンパニー』『探偵ビョームケーシュ・バクシー!』『スルターン』『バーラト』という4本の大作ヒンディー語映画に出演してきた。
しかし、この数ヶ月の間、彼もまたCOVID-19についての世間の興奮と、そして��下の印中対決についてのそれを感じている。パンデミックのせいで人々が人種差別的発言を黙認しているため、彼はオンラインや路上で野次られてきた。実効支配線での印中対峙後は、これに無言の圧力、あるいは彼が言うところの飽くなき 「愛国欲」が続いた。「医療、経済、そしてある程度の人道的危機の最中に国境での小競り合いや恐ろしい話が出てきて、どう考えていいのかわからなかった」と彼は言う。
中国系インド人3世として、チャンとフランシスは共通点が多いように見える。二人ともインドで生まれ、家系は中国に遡り、家業を継ぐという中国的伝統から逸脱し、ディーワーリー、イード、クリスマス、旧正月をまぜこぜに祝って育ち、フランシスが的確にもこの国の「微小マイノリティ」と呼ぶものに属している。
この二人はまた、パンデミックが世界中で反中国の波を引き起こし、米国のドナルド・トランプ大統領が新型コロナウイルスを繰り返し「中国ウイルス」と表現している時にあって、中国系インド人が味わっている苦難を象徴している。インドでは中国との国境問題が状況をさらに悪化させている。怒りの高まりにより、政府は59の中国製アプリを禁止し、大臣たちは中華食品やレストラン(大半はインド人によって経営されている)のボイコットを求め、中国の習近平国家主席の肖像が燃やされ、COVID-19と紛争は危険なまでに一体視された。
この敵意の副作用はチャンやフランシスのような市民や北東部インド人が被ることになり、路上で暴言を吐かれたり、家から追い出されたりした。デリー在住の中国系ジャーナリスト、リウ・チュエン・チェン(27歳)は、地元のスーパーで人種差別的な悪罵を浴びせられた。「私の母はいつもならウイルスから身を守るためにマスクをするように電話で言ってきたはずですが、国境紛争の後は顔を隠すためにマスクをするよう言われました」と彼女は言う。
印中関係が緊迫するなか、世代を越えて広がりつづけているトラウマである1962年の中印戦争の記憶が前面に出てきた。では、こんな時代にあって中国系インド人であることは何を意味するのだろうか。
中国人の到来
インドにおける中国系インド人コミュニティの起源は、1778年に海路でインドに上陸した商人、トン・アチュー〔塘園伯公〕、またの名を楊大釗に遡る。伝承によれば、アチューは当時のイギリス総督ウォーレン・ヘイスティングスより、日の出から日没まで馬に乗るよう、そしてその間に彼が通過した土地は彼のものになると言われたと、あるいは(より公式なヴァージョンでは)彼のホストとなったイギリス人に茶を一箱プレゼントしたおかげで土地を与えられたとされている。
フーグリー川沿いにあったアチューの土地は、現在はアチプルとして知られている。彼を讃えて記念碑が建てられ、中国系インド人の巡礼地となっている。アチューの後を追って何千人もの中国系移民が続いた。彼らの上陸港はコルカタであり、長年にわたっていろいろな職業の多様な集団が植民地インドの当時の首都にやってきた。
「1901年の国勢調査はカルカッタに1640 人の中国人がいたと記録している。中国人移民の数は20世紀最初の40年間、特に内戦と日本の中国侵略のために増加しつづけた」と、デバルチャナ・ビスワスは2017年8月に『国際科学研究機構人文社会科学雑誌』に掲載された論文「コルカタの中国人コミュニティ:社会地理学によるケーススタディ」1の中で書いている。
ダナ・ロイの祖父母も、日本による侵略の時期にインドにやってきた。コルカタの学校で演劇を教えている36歳の彼女は、『亡命』と題した作劇のプロジェクトに取り組んでいるときに、母方の中国人家系を辿った。「中国の家庭は一夫多妻制だったので、私の祖父は三度結婚しました。そのうち一人は中国で亡くなり、二人目は第二次世界大戦中に日本の侵略から4人の子供を連れて逃れました」と彼女は説明する。彼らの家は、広東省の小さな村唯一の二階建ての建物で、日本軍はそれを司令部としたのだという。
ロイの祖父は、その頃には既にインドで輸出入業を営んでおり、インドにはヒンディー語と広東語の両方を話す中国系の妻がいた。彼の職業柄、家族を船で渡らせるのは容易だった。「叔父の一人には眩暈症があり、大きな音を怖がっていたのですが、(道々)聞いたところでは、村から逃げる際に日本の戦闘機に追われたからだとのことでした」と彼女は言う。
長い間、彼らは均質的集団として見られてきたが、インドに来た中国人は実際には相異なるコミュニティの出身だった。その中でも最大のものは客家人で、まず皮なめしに、最終的には靴作りに従事した。彼らはコルカタのタングラ地区に住み着いた(市内に2つあるチャイナタウンのうちの1つであり、もう1つはティレッタ・バザール)。このコミュニティは他のいくつかのグループのように一つの技術に特化してはいなかったが、ヒンドゥー教のカースト制度が皮革を扱う仕事をダリトのコミュニティに委ねていて、客家人にはそのような階層的制約がなかったため、彼らはコルカタで皮なめし工場の経営に成功することができた。
チャンが属する湖北人コミュニティは歯医者と紙花の製造に従事していた。「ラージ・カプールやスニール・ダット主演の古いヒンディー語映画に出てくる花は全部私たちが作りました。俳優がピアノを弾き、メフフィル〔舞台〕の上に花々が吊り下がっていたなら、それは全部我が家の女たちが作った物です」とコルカタ湖北同郷会会長、65歳のマオ・チー・ウェイは言う。
広東人は大半が大工で、造船所や鉄道に雇われたり、茶を入れる木製コンテナづくりに雇われたりしていた。1838年、イギリス当局はアッサムの茶園で働かせるため、多くが広東人の職工や茶栽培農夫からなる中国人熟練・非熟練労働者を導入している。
1949年に毛沢東率いる共産党が政権を握ると、中国への帰国は問題外であることが明らかになった。そのため、女性たちはインド在住の家族と合流しはじめ、すぐに東部諸州の中国人居住区にはヘアサロンやレストラン、ドライクリーニング店などが点在するようになった。
寺院が建てられ、コルカタのタングラとティレッタ・バザール、アッサム州のティンスキアには中国人学校ができた。賭博場や中国語新聞、同郷会館などもでき、春節や中秋節を祝うほか、中国の儀礼に従って結婚式や葬儀を行うようになった。
「彼らがコルカタに定住し始めた18世紀後半から、1960年代初めまで、中国人移民は、とりわけ同じ方言グループでの内婚や、文化実践、独特の教育システム、住居の排他的なあり方を通じて『中国人アイデンティティ』を維持することに成功した」と、張幸は彼の論文「中国系インド人とは誰か?:コルカタ、四会、トロント在住中国系インド人の文化的アイデンティティ調査」の中で述べている2。
このコミュニティと祝い事の時代は、1962年の印中紛争で突然終わった。戦前には5万人と推定されていた中国系インド人の人口は約5,000人にまで減少した。彼らの多くはその後、海外に移住した。
融合する文化
「アイデンティティとは、単に『私は中国人か、それともベンガル人か』というよりも複雑なものです」とロイは言う。「アイデンティティを主張したり断言したりする必要性を本当に感じるのは、それが奪われつつあると感じたときだけです。アイデンティティについて聞かれたとき、特にこのような時世には、『他のインドのパスポート保持者はこんなことを聞かれるだろうか』と疑問に思うのです」。
ロイは中国系移民と地元民との不可避的な混ざり合いの象徴である。彼の母親は中国系で、ベンガル人と結婚しており、一家はタングラやティレッタ・バザールから離れたコルカタ南部に住んでいる。ロイがこれらの地区を訪れるのは、たいてい中国式ソーセージを買うためか、たまに友人と中華の朝食を食べたりするためだ。
今日の中国系インド人は、中国的伝統が失われていく一方、国籍と文化遺産の間の摩擦が増えていくという二重の現実に直面している。例えば、かつてコルカタのチャイナタウンで行われていた旧正月の祝賀会は、ほとんどがプライベートなものになっている。チャンはただ友人を家に招待することが多い。ロイは親戚とご馳走で盛大に祝ったり、「みんなが忙しければ」ただオレンジを食べて祝ったりしている。
若い世代が広東語や北京語ではなくヒンディー語や英語を学びながら成長し、儒教のような中国の伝統的な宗教的習慣から遠ざかるにつれ、彼らのアイデンティティの中国的側面はますます衰えつつある。以前はそのアイデンティティの別称として機能していたタングラも、今や混合文化に道を譲った。また、環境問題により1996年には皮なめし工場が閉鎖された。
それでもフランシスのように、自分たちの文化を守るためにできることをしている人もいる。彼は友人と毎年の旧正月にはコルカタで龍の踊りを披露する。「私たちは衣装と太鼓を身につけ、旧チャイナタウン、新チャイナタウンその他、コミュニティが散在しているコルカタの各地で4日間にわたって上演するのです」とのことだ。彼らは彼が子供の頃に喜んで受け取っていた赤い封筒入りのお金を配る。
しかし、帰属と受容という、より大きな問題は残ったままである。チャンによれば、自身がエンタテインメント産業に加わっていることと「ヒンディー語とウルドゥー語に堪能」であること(彼はボリウッド作品を観て育ち、父親はマフディー・ハサンのガザル歌謡が大好きだった)は、人々が常に彼を「インド人」として受け入れてきたことを意味する。彼のファンは年齢層やエスニック・グループを跨いで存在する――『インディアン・アイドル』に参加していたときには中国人コミュニティが彼を支持し、より若いファンは彼が「K-POPスターやアニメ・キャラクターを彷彿とさせる」ゆえに彼を愛している。しかし、ソーシャルメディアで意見を表明することは、特に最近では危険であり、時に大騒ぎになる。
「CAA(修正市民権法)のような問題については、間接的に言及して自分の意見を伝えるようにしています。これは大事なことだからです」、彼は言う。ガルワーン渓谷での衝突の後、陸軍大尉を名乗る匿名アカウントが、彼のYouTube動画の一つにコメントして、国家に忠誠を誓い、インド人兵士への支持を公に表明するよう彼に求めた。「私はそれを大したことではないと思い、〔陸軍大尉という〕彼の名乗りに引っかけて『敵との戦いに集中してください、あなたの仲間の国民とではなく』と言いました」。
ジャーナリストのリウ・チュエン・チェンは、アイデンティティとインド政治の両方についての自身の率直な物言いは、コミュニティ内では異例であり、しばしばオンラインやオフラインで嫌がらせの標的になることにつながっていると述べる。「一度、エアインディアの飛行機に乗るとき、係員たちが私に有権者証ではなくパスポートを見せろと言い張ったことがありました。彼らは私がインド出身でないと信じていたからです」、彼女は言う。「私はパスポートを取ってすらいなかったのに」。
年長世代の政治との関わり方はやや異なっている。彼らは今でも中国政治を追いかけてはいるが、距離を置いている。「調査中、国民党シンパと共産党シンパの間にあるコミュニティ内の分断を感じました」とジャーナリストのディリープ・ディースーザは言う。彼は1962年の印中戦争の歴史を、当時強制収容されていたジョイ・マーの口頭の語りとともに記録した『ザ・デオリワーラーズ』3の共著者である。
「しかし、それだけです。彼らは台湾とPRC(中華人民共和国)の対立を私と同じように見ています。そこに親戚はいるかもしれませんが、台湾市民になりたいとか、PRCに忠誠を誓いたいというようなものではありません」。
このような関わりの多くは目に見えない。このコミュニティに共通する話として、彼らは頭を低くして注目されずにいることを好む。これは1962年に中国系コミュニティと関係者が強制収容された結果という部分が大きい。
消えない恐怖
1962年の戦争後、中国軍が国境東部のNEFA〔北東辺境管区〕、国境西部のアクサイチンに進出したとき、インド世論は怒りと疑念に満ちていた。インド人は当時のジャワーハルラール・ネルー首相の保証に憤慨し、中国に裏切られたと感じていた。今回もまた、この敵意の矛先はインドの中国系コミュニティに向けられていた。
作家クワイユン・リー氏が学位論文『デーウリー収容所:1962~1966年の中国系インド人オーラル・ヒストリー』4で書いているように、「国民的な熱狂に駆り立てられ、主流派インド人は中国人住民を追放し、時に暴力を振るい、また、彼らの家や事業を攻撃したり破壊したりした」。
リーは付け加える。インド当局は「毛沢東支持に傾いた中国語学校や新聞、中国系団体を閉鎖した。蒋介石(台湾)を支持する学校、クラブ、新聞は活動を許された。これらの学校やクラブは、マハートマー・ガーンディーの肖像とインド国旗を孫逸仙〔の肖像〕と十二芒星の〔ママ〕国民党旗の横に加えた」。
これらの状況は、当局に「敵国出身者」を逮捕する権限を与えるインド国防法が1962年に成立し、1946年外国人法と外国人(制限区域)令の改正が行われたことと相まって、ラージャスターン州のデーウリー収容所で中国系インド人を抑留するための「法的なイチジクの葉〔方便〕」になった、とディースーザは言う。
3000人近くの中国国民または中国系の親族をもつインド国民がスパイ容疑で逮捕され、最長で5年間拘束された。
「ガルワーン渓谷の小競り合いが起こったとき、私はそれについて思いもしませんでした。祖母が最初にそれを口にしました。『もし雲行きが悪くなったら、私たちは逮捕されるかもしれない』」、チャンは言う。「たとえ私達も同じことを考えていようがいまいが、そんなことは起こらないと彼女を説得するのが私のおじと私の役目でした」。
フランシスは1962年に当時10代前半だった母親がダージリンの祖母を訪ねており、二人とも収容されたという思い出話を語る。イン・マーシュも同様であり、1962年11月に13歳でダージリンのチャウラスタ地区から父、祖母、8歳の弟と一緒に収容所に連行された5。
マーシュのように、このコミュニティの多数の人がインドを離れカナダ、米国、オーストラリアに向かった。しかし、歴代の政府がこの歴史の一章を認めたり、謝罪したりしていないことを考えると、圧倒的なトラウマと裏切られたという感情は今日に至るまで残っている。
中国系インド人はなおも傷を癒やす途上にある。アッサム州の同コミュニティ出身の48歳の女性(匿名希望)は、ガルワーン渓谷事件の後、89歳の父方のおばから電話を受けた。彼女はまたも強制収容されるのではないかと心配していた。「私はそれを笑い飛ばし、心配させまいとしました。私はね、もしまたそんなことになったら、皆一緒に行ってダルバートを食べましょうって言ったんです」と彼女は言う。
大昔の法改正はまた、1950年以前にインドに来た、あるいはインドで生まれた中国人移民のほとんどは決してインド市民権を与えられないということを確実にした。例えば、彼女のおばは今や87年間インドに住んでいる。「彼女は今でも毎年外国人登録事務所に行って滞在許可証の更新をしなければいけません。ここは彼女が知っている唯一の故郷ですが、法的には決して帰属することはなく、常に部外者のままです」と彼女は言う。
以上のような要因が、生まれた国への忠誠心を公にするようインドのこのコミュニティをせっついている。例えば、ガルワーン渓谷の衝突の後、コルカタでは中国系インド人が「我々はインド軍を支持する」と書かれた横断幕を掲げてデモ行進をした。
「人々には中国共産党(CCP)が中国系インド人のことを大して気にかけていないことに気づいてほしい。彼らはおそらく我々が存在していることすら知らない。もし私が完全ボリウッド風でやりたいと思ったら、『マェーンネー・イス・デーシュ・カー・ナマク・カーヤー・ハェー〔※私はこの国の塩を食べてきた、の意〕』と言う〔=愛国心を歌い上げる〕ところまでやります」とフランシスは言う。「私の優先順位は単純です。私はインド市民であり、インド憲法に従って暮らしており、私の支持は常にこの国にあります」。
印中間の緊張がすぐには緩和されそうにないなか、アイデンティティと帰属意識の問題が頻繁に前景化されるかもしれない。チャンの不安もまた、このような思慮をめぐるものだ。「エンタテインメント産業の誰もが仕事はいつ再開できるのかと心配していたとき、敵のような見た目の顔をしているから自分には誰も仕事をやりたくないのではないかなどと、余計な不安を私が感じていたのはどうしてでしょうか」と彼は問いかける。
http://www.iosrjournals.org/iosr-jhss/papers/Vol.%2022%20Issue8/Version-15/J2208154854.pdf ↩︎
張幸(北京大学外国語学院南亜学系副教授)は女性。引用論文は2015年刊行の論集に掲載されたもの。これを補訂したと思われる2017年の雑誌論文あり。 ↩︎
http://panmacmillan.co.in/bookdetail/9789389109382/The-Deoliwallahs/3305/37 デオリワーラー(デーウリーワーラー)はデーウリー収容所帰りの意。 ↩︎
1950年カルカッタに生まれ、強制収容は免れたが1970年代にカナダに移民した著者が、トロント在住の客家人元収容者4人の聞き取りをもとに2011年にトロント大学オンタリオ教育研究所に提出した修士論文。 ↩︎
元デーウリー収容者で、収容経験を述べた『ネルーと同じ獄中で』(初版2012年、シカゴ大学出版会より2016年再刊)の著者。 ↩︎
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zentalol · 4 years
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New epidemic
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なんだかんだで唐突なとんぼ返りで日本に帰ってもう3週間くらい経ちます。
相変わらず仕事はなく、というか探す努力すらしていないという。ただ、何かしたいとは思っていて、
とにかく、来たる日に備えて今は自分を高めるのみ。虎視眈々といろんな方面で準備中です。
今回のCovid-19の発生によって起こった世界情勢の変化、そして今後どんな風になっていくのかという妄想的まとめをつらつらとしてみたいと思います。
2019年末、僕が新たな希望に心を燃やしながらヨーロッパへと旅立った頃、中国武漢市周辺で最初に確認されたと言われているこのウイルス。
野生動物を取り扱う生鮮市場から発生したとか、ウイルス研究所から流出したとか色んな話が飛び交っていますが、天然由来のウイルスが何らかの形で下界に持ち込まれたんじゃないかな、と素人ながらの推測をしています。
根拠はそんなにありません。だって専門家じゃないし、原因を突き止めるのは僕の仕事じゃないし、好きなことでもないし。
それよりも、起こってしまったことに対して、手元にある武器や知恵でどう乗り切って次につなげていくのか、そういう考え方をするタイプなので、原因調査は専門の人を信じるのみと思っています。今の僕は。
とにかく、この中国発のウイルスが現在世界中で猛威をふるっていて、300万人近い人が感染、数万人もの人が世界中で同時多発的に亡くなっています。
結論から言うと、これからもこのカーブは止められないものでしょうし、はしかなどのように根絶までに非常に長い期間を要することになると思います。このウイルスの性質上特に。
前にビルゲイツがTEDで警鐘を鳴らしていたような事態に実際に陥っていて、イタリアやスペインなどでは医療崩壊に陥りました。
イタリアは特に、その直前まで旅行していた場所とあって、にわかに信じ難かったです。
このウイルスの流行によって、これまで少しずつ動いていた世界情勢の構造が、現在進行形でかなり大きく変容しています。
まるで巨大地震が起きたときのように。
以下の項目について、僕が思うこれまでの傾向、現在、そして将来を、自分メモ的にまとめてみようと思います。
・疫学上のリスク
・自然環境の変化
・社会活動の変容
・金融市場の動向
・国際政治、外交関係
【疫学上のリスク】
現在の事態の直結している項目ですね。
これまでは、経済活動に重点が置かれていたこともあり、ビルゲイツが警鐘を鳴らしていたように、少しおざなりにされていたことは否めません。
ただ、未知のウイルスの中でどのウイルスが流行するかなんて、宇宙の中からある特定の塵を見つけにいくようなものなのでしょう、きっと。
しかし、SARS, MERS, H5N1インフルエンザなど、基本的にはコロナウイルスの一種であることから、今後、コロナウイルスに対する研究に対して、さらに政府から資金が投入されることで進められていくことでしょう。
数年間は。
その後は、国によりけりですが、日本とかはまた今まで通り、少しずつ資金を削減していって、経済活動へまたシフトしていくことになるんじゃないかな、とは思います。
一方ドイツを始めとするEUや、巨大な資金力を持つ中国などは、研究に資金を投じ続けるだろうと推測できるので、ここで疫学上のリスク管理に温度差が生まれることに、長期的になっていくと思います。
中国、アメリカ、EUの覇権争いがここでも台頭してきます。(すでに争いが始まっているけども)
個人的には、生命のリスクを天秤にかけて覇権争いをするくらいなら協調してその利益を全世界で共有してほしいのですが、きっと無理な話なんでしょうね...
【自然環境の変化】
企業の生産活動が、世界的なロックダウン、活動自粛によって落ちている中、環境汚染が一時的にストップしているという話をあちこちで聞きます。
中国の空が青いとか、南米ペルーの街もきれいになって、鳥がさえずっているとか。
そもそも地球は、約10年程前から緩やかに活動期に入ったと僕は思っています。
10年前に起こった、ハイチの大地震、ニュージーランド、そして日本。この辺の大地震がトリガーとなって、火山活動なども含めての地球の活動にスイッチが入ったように思います。
それに加えて、かねてから指摘されている、環境破壊による地球温暖化の加速化、それに起因する、台風や大規模森林火災、干ばつなどの異常気象。
あまり科学的ではないですが、ここにきて発生したパンデミック。
さらには今コロナ騒動の影に隠れてしまっている大災害、アフリカからアジアにかけての蝗害。
<これらは人間の社会活動、経済活動による環境破壊に対する地球からの警告/悲鳴だと僕は考えています。>
そう考える人はきっと僕だけではないと確信しています。
環境汚染の進行が遅れている今の状況は一時的なものでしょう。
ただ、地球環境をこれ以上破壊してはいけない、もっと大きな災害を引き起こすと考える人は、この一件を機にさらに増えると思います。
(日本はそういうアクティビストが少ないので、パンデミックから環境破壊を結びつける人は多くないと思いますが、欧米ではそう考える人は一定数います。欧米の全てが正しいとは思わないですが、僕もこの点に関して見解は同じす。)
そのため、今後はさらに、環境保護への取り組みが重視されるようになり、企業活動も含めてそうした方向へ社会全体が傾くことが想定できます。
【社会活動の変容】
環境変化に起因して、社会活動のあり方も変わっていくのではないかと思います。
これまで、環境保護が取りざたされるようになり、single useのものから、リサイクルできるものへと移行する動きが盛んになってきているように思います。
プラスチックの買い物袋の削減、ストローをプラスチックではなく、紙や竹、金属製にするなど、身近なところから少しずつ変わってきているように思います。
ヨーロッパを旅行していて驚いたのが、果物などの包装に使うプラスチックを減らしていたこと。
量り売りによる個数単位、重さ単位での値段決めはもちろん、りんごなどのパッケージにボール紙を使ったり、ネット売りにすることで小さい単位からでもプラスチックを少しずつでも減らそう、という努力が見られました。
日本に帰ってきて、スーパーがプラスチックで溢れかえっていたのは見ていて少し残念な気持ちになりました。
今後もそのような、環境保全と社会活動を両立しうる形態を模索していく動きは広まりつつ、さらにその方面が盛り上がるのではないかと思います。(特に日本は余地が大きい分、盛り上がること間違いなしだと思っています!)
また、今回は野生動物を食材として密猟、取引していたことが直接的な原因になったと言われています。
実際のところはどうであれ、現在中国内における野生動物の取引は一時的に全面禁止されているようです。希望的観測にはなりますが、中国は今回こそは取引をこのまま禁止してくれないかなぁ、と個人的に願っています。
習近平政権に代わってから、汚職廃絶と称して、政府高官への接待や賄賂などの取り締まりを行っていたので、ここにもメスを切り込んでくる可能性はあると思います。
ただ、この取引による利益が政府にとっても見過ごせない量の収入になるみたいなので、どっちに転んでも不思議ではないと思います。
中国の他にも、アフリカの奥地の方でも野生動物を密猟して食べる風習があると言われていて、それとエボラ出血熱の発生が関連していると言われています。そこは見過ごすような発言が欧米各国から出ているようなので、それも少し気がかりではありますね。
しかし、今後は動物性の食事量を減らしていく、ベジタリアンやビーガン生活がブームになる可能性や、植物肉、代替肉、昆虫食などの代替策の研究と商品化がさらに大きなブームになるでしょう。
ビーガンは、一時期に比べてギブアップした人も出てきているようなので、ブームにまではなかなかならないのかな...。
僕は、肉の摂取量を減らして、たまにベジタリアンの週を作ったり、肉を食べない日を何日かとるような、たまーにベジタリアンをするようにしていました。(今は実家に居候させてもらっていて、毎日肉が出てきてtoo muchな思いをしているので、また一人暮らしを再開したらすぐにでもやろうと思っています。これが結構家を早く出たい気持ちのモチベーションになっています笑)
【金融市場の動向】
今回の騒動によって、株価は世界中で軒並み下落、経済は縮小方面へ、一気にデフレに突入、という言い方があちこちでされています。
しかし、経済的な観点から見て、まぎれもなくこの事態は必然的に起こっています。
そもそも2009年頃をリーマンショックの底として、これまで世界経済は堅調に伸びていました。(日本は震災とそれに付随する原子力問題で一度経済は不調に陥っていましたが、それでも過去数年は株価最高値を更新し続けるなど、堅調でした)
ただ、その反面で、次のリーマンショックに匹敵する大不況がいつ起こっても不思議ではないと、2015年頃にはすでに言われ始めていました。
次は中国発の不況になるだろう、とも。
そもそも中国はリーマンショック前まで毎年、対前年比でGDP成長率2桁を達成し続けていました(公式の統計によると)
しかし一方で、国内では経済活動が過熱していて、需要なき建設ラッシュやローン問題など、いつバブルが弾けても不思議ではない状況でした。
そこでリーマンショックを経て、GDP成長率が8%、そして少しずつ緩やかになっていきましたが、構造的な問題は全く手付かずだったため、いつデフレに傾いてもおかしくない状況が続いていました。
そして今回、中国のみならず、世界中のロックダウンによって生産活動が強制的にストップしたことによって金融市場も反応し、株価が暴落、一気に不況に突入しました。
でも世界的に見たら不況入りするのは時間の問題だっただけなので、ある意味必然。このウイルスの発生はただのきっかけに過ぎなかったわけです。
とはいえ、ここまでのロックダウンが起こることは去年の段階では誰も予想していなかったはずなので、想像以上の大きな反動を世界的に受けている最中なのです。
それに、このウイルス、中国発でしたね。そういう意味ではこの不況も中国発ですね。
今後の金融市場の動向についてですが、企業の生産活動が大方再開するまでもうしばらく底をのさばることになるでしょう。ただ、市場はすでに現状を織り込んで動いているはずなので、ロックダウンの緩和や、生産活動の段階的な再開のニュースが報じられるたびに小さい範囲での上下動はあるでしょう。
ただ、また景気が回復基調に戻るまであと数年は尾を引くと思います。
【国際政治、外交関係】
個人的には一番の関心事です。やっぱり気軽に旅行できる世界になってくれることが一番なので。
元々は、America Firstと言い始めた人がいるように、国際協調の波が後退して、自国主義が世界的に勢力を増してきていました。
中流階級の労働者を中心に、今まであまり目を向けられずにいて、外国を利するような取引ばかりしていて、自分たちをもっと認めてほしい!という声が高まったのでしょうか。
オーストラリアの農業地帯にある住宅地とか、イタリアの中でもあまり裕福ではない南部エリアやイギリス中部などのエリアでは、実際に自分で訪れてみて、そういう雰囲気を感じ取った気がします。
あとは一般的にはアメリカ中西部やドイツ西部などの工業地帯に多いのでしょうか。
自分が実際に行ったそういうエリアで思ったのは、そのようなところで見かけた一部の人が少しレイシストというか、やっぱりよそから人が来るから自分の立場が狭くなっているというマインドがあるのではないか、という分析をしています。
今回の危機を経て、国際政治関係はどちらにも転ぶことはできると思います。現にドイツは医療体制に余裕があることもあって、イタリアやフランスから重症患者を受け入れて手術を施しているそうです。
しかし一方で、中国のマスク外交であったり世界中で起こっていると言われるマスク争奪戦、欧米各国が中国に今回のパンデミックの責任があると糾弾していたり、アメリカが情報戦を中国に仕掛けているところから察するに、自国主義の風潮が強まっていくように思います。
元々この自国主義と他国協調主義はトレンドのサイクルになっていると言われていて、それは過去の歴史を見てみても同じように寄せては返す波のように交互にこのトレンドが入れ替わっているので、
もうしばらくはこの自国主義の風潮が続くとは元々思っていたので、そうそう変わらないでしょう。
国がどんなスタンスを取ろうとも、ビジネスや民間の国際交流までそこに囚われる必要はないので、今後とも色んな国の人や多様な価値観を持った人との交流を続けて行きたいと思っています。
また、この流れで一つ懸念しているのが、最近巷で噂になっている、今後はパスポート一つで旅行できなくなるのでは?という話です。
元々、アメリカのESTAと呼ばれる、事前にビザ登録をしておかないと、乗り継ぎを含めた入国を拒否されるようなシステムがあって、今はオーストラリアや来年にはEUも導入を検討しているなど、少しずつセキュリティーチェックが厳しくなってきています。
元々テロ対策や移民の過度の流入防止、国防の側面などがあると思いますが、この流れは今後さらに広まっていくものと思います。
さらに、今回のCovid-19の特性である、無症状、軽症患者が多く、さらに感染力がとても強い、そして一部の患者には致命的となりうることを勘案すると、ここのセキュリティーチェックの項目に、過去の発症歴やワクチンを受けたかどうか、ということが聞かれる(もしくは海外渡航に際する必須項目としてのワクチン接種)という風に規制がかかることが将来的には予測できます。
今回、インフルエンザなども種類に含まれるコロナウイルスによってこのようなパンデミックが起こったことから、冬になると再度流行する可能性が高いです。(そのように考えて備えておくことが必要でしょう。)
日本などの北半球の国は今後季節が変わるにつれて(もちろんSocial distancingなどの予防策がまず第一ですが)少しずつ落ち着きを取り戻す方向に向かうと個人的には期待をしています。
一方、僕が前に住んでいたオーストラリアや、今回早めのロックダウンを断行して流行を食い止めたニュージーランドのような南半球の国々はこれから冬に向かっていくので、そのような国々の対応と、どのように事態が今後変わっていくのか、これからも注視しています。
このような季節の逆転も含めて考えると、海外渡航が全世界的に再びできるようになるまでには、まだまだ越えなければならないハードルも多く、時間を要するものと思っています。
オーストラリアにはまた近いうちに行きたいと思っていたので、どうにかなってくれるといいなぁ...。
個人的に、まだまだ世界に出足りない、もっと自分の目で見て、肌で感じて学ぶべきことが非常に多いと思っていて、もっともっと色んな場所に行きたいと思っているので、この状況は非常に寂しく、息苦しいですが、
むしろ、冷静になって色んなことを分析し、今後の戦略を練ることができるまたとないチャンスだとも思っています。
誰かが将来の展望を考えるきっかけにこの文章がなれば幸いです。
そして、未来の自分がここに立ち返って答え合わせをできるように、備忘録として書き残しておきます。
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takahashicleaning · 7 months
Text
TEDにて
ラファエロ・ダンドリーア:魅惑的な未来の飛行ロボットを披露
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
「ドローン」と聞いて何を思いますか? 恐らく「便利なもの」か「恐ろしいもの」のどちらかでしょう?
でも、ドローンが美的価値を持ち得ると思いますか?
飛行ロボットを開発している自律システムの専門家ラファエロ・ダンドリーアの最新のプロジェクトでは、制御不能状態からの復帰やホバリングができる全翼機や方向が存在しないような8枚のプロペラがある飛行体から、協調する小型クアッドコプターの群れまで、自律飛行の新境地を開拓しています。
TEDのステージの上を、まるで蛍が舞うかのように、飛行ロボットの編隊が美しく旋回する様子は見る者を魅了します。
さあ、心の準備はできていますか?
今日は、現在、手がけている新プロジェクトを紹介します。自律飛行で可能なことの限界を押し広げようというのが狙いです。
システムが、自律的に働くためには、各移動体の空間的位置を集合的に把握する必要があります。
チューリッヒ工科大学の我々の研究室では、物体の位置把握を外部カメラですることで高度にダイナミックな作業を短期開発することに集中できました。今日、ご覧いただく実演では我々の研究室からスピンオフしたベリティー・スタジオが開発した新しい測位技術を使います。
外部カメラはなく、各飛行体に空間における自分の位置を把握するセンサーと取るべき行動を決定するコンピューターを搭載しています。外から与える指示は「離陸せよ」「着陸せよ」といった高水準のものだけです。
これは「テイルシッター」と呼ばれるもので2つの相反する要求をテクノロジーのパワーで実現します。
他の固定翼機と同様にヘリコプター型のものと比べ、効率よく水平飛行できます。しかし、固定翼機の多くとは違ってホバリングが可能です。これにより、離着陸が容易で多様な使い方ができます。
しかし、利点がただで手に入るわけではなく、テイルシッターの欠点の1つは、突風のような大気の乱れに弱いことです。その点を補うための新たな制御機構とアルゴリズムを開発しています。
基本的な方針は、どのような状態からでも制御を回復できるようにすること。また、経験から性能を改善できるようにするということです。
研究においては、私たちは、よく問題の核心を突くような根本的で抽象的なことを自問します。例えば、こんな質問です。飛行制御には可動部分が最低いくつ必要か?この答えを知りたいと思う実用的な理由があります。
例えば、ヘリコプターは、何千もの可動部分がひしめいていて人を傷つけようとする機械としてお馴染みです。何十年か前に熟練パイロットが遠隔操作に成功した飛行機には、可動部分がたった2つ。
プロペラと方向舵しかありませんでした。最近、我々は、可動部分を1つにできることを発見しました。
他には、これは「モノスピナー」で、構造的に最もシンプルな制御飛行可能な機体です。ほんの数か月前に開発しました。可動部分はたった1つ。プロペラだけです。
フラップも蝶番も補助翼もなく、作動装置も操縦翼面も一切ありません。プロペラが1枚だけです。機械的にはシンプルでも安定した姿勢で自由に飛べるようにするために中の電子頭脳では複雑なことをしています。
モノスピナーが、質素を追求する試みだとするとこのプロペラが8枚あるオムニコプターは過剰を追求する試みです。
この過剰分で何ができるか?注目すべきはその高い対称性です。結果として、方向性が曖昧になり、驚くべき能力がもたらされました。空間を自由に飛び回れ、どっちを向いていようとどう回転していようとお構いなしです。
最後にご覧いただくのは人工的な群れを作る試みです。
多数の協調する自律的な機体が、美的表現のための新しいパレットとなります。市販の小型クワッドコプターを使っていて食パン1枚より軽くできています。それに、私たちの測位技術と専用アルゴリズムを付けました。
各々が、自分の位置を認識して自律制御しているので機体数には制限がまったくありません。
MITの物理学者であり、AIの研究者であるマックス・テグマークの言うように・・・
ロケットの話と似ていて技術が単に強力になれば良いというものではなく、もし、本当に野心的になろうとするなら、コントロールの仕方と、どこへ向かうべきかも理解しないといけません。
エリエゼル・ユドカウスキーが、「友好的なAI」と呼ぶものです。そして、これができれば素晴らしいことでしょう。病気、貧困、犯罪など苦痛というマイナスの経験を無くすことができるだけではなく、様々な新しいプラスの経験から、選択する自由を与えてくれるかもしれません。
そうなれば、私たちは自分の手で運命を決められるのです。そして、準備がないままにつまづきながらアジャイル(=機敏さ)で進んで行くとおそらく人類史上最大の間違いとなるでしょう。
それは認めるべきです。冷酷な全世界的独裁政権が可能になり、前代未聞の差別、監視社会と苦しみが産まれ、さらに、人類の絶滅さえ起こるかもしれません。
しかし、注意深くコントロールすれば、誰もが裕福になれる素晴らしい未来にたどり着くかもしれません。貧乏人は、金持ちにより近づき、金持ちはさらに金持ちになり、みんなが健康で夢を追い求めながら自由に人生を送れることでしょう。
その他に、行政府自身が社会システム全体の資源配分の効率化を目的とする保証はないため政治家や官僚は自らの私的利益のために行動を歪め、市場の失敗を矯正するどころか資源配分をより非効率にする可能性すらあります。
続いて
前提として、公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
日本は、民放テレビの過剰な無法行為で視聴者を混乱させ、新産業(テクノロジー)で余計な規制がかけられ実現不可能?
Japan is to confuse the audience with an excess of lawless act of commercial television, unfeasible unnecessary regulation is multiplied by the new industry?
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