Tumgik
#無限射精拷問
takahashicleaning · 7 months
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TEDにて
ラス・オルトマン:薬を併用したときに何が起きるか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
前提条件として、ウイルスと細菌は異なります。
ウイルスの治療薬も必要ですが、ウイルスに有効なワクチン開発は、一般的に3段階に分けられます。
ワクチンの場合は、複数併用して注射を打つこともあります。
2つの薬を別々の理由で飲んでいるのなら、1つ怖いことをお教えしましょう。
薬の相互作用は研究が極めて難しいため、医者は薬を組み合わせたとき何が起こるかすっかり理解しているわけではないということです。
ラス・オルトマンがこの大変刺激的かつ分かりやすい講演で聞かせてくれるのは、薬の予期せぬ相互作用を見つけるために、ちょっと意外な方法 — 検索語を使うという話です。
私は、インフォマティクスとデータサイエンスを専門とする人間ですが、私の考えでは、そのような薬の相互作用について理解する唯一、見込みのある方法は、様々な異なる情報源のデータを活用することなんです。
それによって薬が併用して安全か安全でないか分かるようになります。
データサイエンスの方法をお聞かせしましょう。
実際後で分かったことですが、その当時でパロキセチンは1500万人。プラバスタチンも1500万人のアメリカ人が服用しており、両方服用している人が百万人ほどいると推定されました。
つまり、百万人もの人が、薬のせいで血糖の問題を抱えているかもしれないのです。
ニックが、FDAのデータを機械学習にかけてごちゃごちゃやった結果が、もし正しいのであれば「でも、まだ論文にはできないな。君のやっている機械学習とか言うやつを私は面白いと思うが、我々の分野で確立した実証方法とは言えない」
もっと、何かやる必要があります。
スタンフォードの電子医療記録にあたってみることにしました。研究室にコピーがあって、個人情報を取り除けば、研究目的に使えました「この2つの薬を使っている患者に血糖の問題がないか?見てみよう」
証拠はすべてデータです。FDAのデータ。スタンフォード大のデータ。ヴァンダービルト大のデータ。ハーバード大のデータ。自分で実験は1つもしていませんが、実験も大事です。
ここから得られることは何か?なぜ、この話をしたのか?
まず、我々は、今や 薬の相互作用や薬の効果そのものについての理解を助ける有望なビッグテータや中規模データを手にしているということ。
薬がどう効き、薬の使用をどう最適化できるか?理解するための新しいエコシステムができつつあるということです。ニックは、研究を続け、今ではコロンビア大学の教授です。
彼は、博士論文で何百という薬の組み合わせについて調べ、非常に重要な薬の相互作用をいくつも見つけました。我々は、同じ方法を適用して、これが薬の相互作用を見つける有効な方法であることを 示したんです。
いくつか考えるべきことがあります。
薬というのは、1度に2種類までしか使わないわけではありません。
前に言ったように、薬を、3種、5種、7種、9種。使う患者がいます。9種の薬の相互作用について研究されているのでしょうか?2つずつ組にして研究することはできます。AとB。AとC。AとD。というように。
しかし、同じ患者が飲む薬「A」「B」「C」「D」「E」「F」「G」全部一緒にはどうでしょう?
相互作用によって効果が増減したり、予期しない副作用が出たりするかもしれません。まったく分かっていません。データを使って、薬の相互作用を理解するといのうは、手つかずで開かれた新産業の研究領域なんです。
教訓がもう2つあります。
私たちが、データによって得た力について考えてほしいのです。
薬剤師や医師を通し、あるいは、患者自ら薬害反応について進んで情報提供し、スタンフォード大。ハーバード大。ヴァンダービルト大のデータベースで研究利用できるようにしてくれた人々のデータです。
みんなデータについては懸念を持っています。プライバシーやセキュリティについて心配しているし、そうあるべきです。安全なシステムが必要です。しかし、オープンデータを封印してしまうわけにはいきません。
医学において新しいことを発見し、革新し、インスピレーションを得るための非常に豊かな源なんです。
現在ある薬物療法を考えてみると大きな飛躍は、結核にせよ。うつ病にせよ。糖尿病にせよ。みんな薬の混合から生まれているのです!!
なお、ビックデータは教育や医療に限定してなら、多少は有効かもしれません。それ以外は、日本の場合、プライバシーの侵害です。
通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!
さらに、オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が
望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジー
サイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
(個人的なアイデア)
前提として、公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
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mokkung · 3 years
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映画『デス・ウィッシュ』 〜キレた外科医の坐骨神経攻撃〜
2018年 アメリカ合衆国 原題:Death Wish 監督:イーライ・ロス 脚本:ジョー・カーナハン 原作:ブライアン・ガーフィールド『狼よさらば』 製作:ロジャー・バーンボーム 音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン 撮影:ローヒエ・ストファース 編集:マーク・ゴールドブラット 出演者:ブルース・ウィリス、ヴィンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー、ディーン・ノリス、キンバリー・エリス
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あらすじ
 犯罪が多発するシカゴ。外科医として救急医療現場で働くポール・カージーは、たとえ犯罪者であろうと命を救うために忙しく働きながら、妻と娘とともに穏やかに暮らしていた。ある夜、ポールが働いている間に自宅に強盗団が押し入り、妻を殺害、娘も銃撃を受けて昏睡状態となってしまう。家族を失い、精神的に不安定になってしまったポールは、ひょんなことから拳銃を入手してしまったことを契機に、街に繰り出して犯罪行為を行う者を銃殺する自警団活動を開始する。この活動が市民の間で話題となり、次第に充実感を覚えるようになるポールだが、仕事中に偶然救急搬送されてきた男が、自分の妻の殺害に関与したことを知ってしまう・・・。
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引用元
外科医を主人公とした斬新なビジランテ映画
 1974年の映画『狼よさらば』のリメイクです。過去にもいくつか作られたビジランテもの、家族の復讐もの映画を踏襲した作品ながら、外科医という本来は命を救うために働く立場の人間が、無骨に人を撃ち殺すキャラクターに変化していくという設定はオリジナリティーがあって良かったです。
映画『狼よさらば』予告編
 細かいディテールも面白いです。
 主人公のポールは訓練された兵士や殺し屋ではなく、あくまで外科医なので、まずは銃の使い方やメンテナンスをYouTubeで勉強するシーンがしっかり描かれていました。この場面は銃のメンテナンスや練習と、外科手術をスプリットビューで重ねながら映し出していて、彼の外科医としての丁寧な仕事ぶりと、銃器の扱いが重なることを暗に示していて見事。
 最初は扱いが下手でドジしたりもするんですが、防犯カメラで相手の隠れている位置を確認して攻撃したりなど工夫した戦闘法が面白いし、終盤はかなり戦闘慣れしてました。
 またポールが街に繰り出す時は、パーカーを着てフードをかぶって顔を隠すんですが、これが僕の好きな映画で同じブルース・ウィルスが主演である、M・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』のオマージュになっててアガりました!!
映画『アンブレイカブル』予告編
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引用元
坐骨神経攻撃は本当に成功している?
 この映画を観ていて医師として気になってしまった部分は、観た人にとって特に印象的なシーンとなったであろう、中盤の“坐骨神経攻撃”の場面です。
 ポールが、妻を殺した一団の1人の居場所を突き止め、他のメンバーの情報を聞き出すために拷問をする場面なんですが、外科医である彼ならではの拷問が行われます。
 彼はまず、仰向け状態で拘束された男の太ももにいきなりプロポフォールという麻酔薬を注射します。しかも見る限り静脈注射ではなく筋肉注射です。その後、ニコニコしながら太ももの裏からメスを突き立てて、手術のごとく筋肉を切り裂きます。さらにその傷口から、エンジンオイル?を流し込んでオイルに含まれる防腐剤で坐骨神経を刺激して痛めつけるのです。「こうやって痛めつけるとめちゃくちゃ苦しいと医学部で習ったんだよ」みたいなことをドヤ顔で言いながら。
 このシーンは医者らしく医学的なアプローチで拷問するという、他の映画では観たことのない独特のテイストが面白く、直後のゴアシーン含め強烈なインパクトがありました。あの人体破壊描写はイーライ・ロス監督っぽくて良かったです。
 さて、このように坐骨神経を痛めつけると激痛となるのは間違いないです。しかしあの体勢からサクッと坐骨神経に直接メスと突き立てられるのかというと疑問です。
 坐骨神経はざっくりいうとお尻から太ももの裏の筋肉の間を通って足先に向けて走行する大きな神経なんですが、仰向けという坐骨神経に達しにくい体勢で、太ももの裏をメスで切り裂いて坐骨神経を一発で斬りつけるというのは、かなり難易度が高いと思います。うつ伏せの体勢で、太ももの裏やお尻をしっかり確認しながら、結構深く切って探さないと分からないと思うんです。
 なので、ポールはメスで一発切開しただけで、さも坐骨神経を直接傷つけたかのような説明をしていますが、実際はちゃんと当たってない可能性があります(神がかった技術を持っているのかもしれませんが)。彼は救急外来で外傷の治療を行う外科医なので、そのくらいの知識は十分あるでしょうから、おそらく無知な相手をビビらせるために大袈裟に説明しているか、自分の能力を誇示しようとイキっていたのではないかと、同業者として感じました。
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引用元
何でプロポフォールを投与したの?
 坐骨神経をメスで切開して直接刺激するのは不可能ではないので、多分上手にやっていたのだろうと飲み込むしか無いのですが、意味がよく分からなかったのは、足を切開する前にプロポフォールを注射したことです。
 ポールが拷問に使うため病院から薬剤を持ち出すときに、白い液体の入った薬瓶のラベルに間違いなくPropofolと書かれていました。プロポフォールは手術や集中治療室で用いられる代表的な静脈麻酔薬なのですが、鎮静作用、抗不安作用が主な効果で、痛みを抑える作用はありません。早く効いて早く醒めるので、上手くコントロールすれば微調整ができるし、よく寝られる薬です。ただ急に多い量を投与すると呼吸が止まったり、血圧が下がったりするなどの危険性があり、きめ細やかに管理しないと死ぬことがあります。ですから手術などの麻酔中は血液中の濃度を機械でシュミレーションしながら使用することも多いくらいです。故マイケル・ジャクソンはこのプロポフォールを白いので“ミルク”と呼んで頻用していたようで、2009年に亡くなった原因はプロポフォール過量投与による影響だと考えられています。
 ポールはこのプロポフォールを筋肉注射しているように見えましたが、基本的には静脈内投与する薬剤で、筋注したときにどの程度の効果どのようなタイミングで発現するのかはよくわかりません(普通はやらないことですから)。一般に筋肉注射すると薬剤はじんわりと時間をかけて効果を発揮するので、プロポフォールの効果を調整するには不向きと考えられます。しかも今から坐骨神経を刺激して痛めつけようとしているのにプロポフォールで鎮静しようとする理由が分かりません。プロポフォールを使用すると気持ちの良い夢を見ることが多く、投与された人は眠る直前や醒めるときにたまに変な寝言を言うことがありますので、自白剤的に使う感覚で投与したのかもしれませんが、痛みを与えればなかなか眠れないのでそんな効果は期待できませんし、そもそも寝言は言うかもしれませんが別に自白剤として有用な薬剤ではないです。
 以上の通り、プロポフォールを投与する意味が分からなかったのですが、多分、外科医だし麻酔薬注射したほうが雰囲気でるからやってみようという程度の演出なのでしょう。実際、注射器が登場したほうがぐっと手術感が感じられるようになりますからね。
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引用元
挿管チューブの管理ヤバくね?
 あとは細かいことを言えば、昏睡状態になってしまった娘が集中治療室に入り、人工呼吸管理されている描写も違和感がありました。
 人工呼吸をするためには、挿管といって、口から気管にチューブを入れて、そのチューブに人工呼吸器を繋ぐ必要があります。この挿管チューブは人工呼吸管理で最重要部分であり、これが抜けたり破損すると場合によっては呼吸が止まって死んでしまう可能性があります。また挿管という行為自体も大きなリスクを伴う行為なので、気楽にできることではないです。
 よって挿管チューブは抜けないようにしっかり固定するのが普通ですが、この映画の挿管チューブの固定はテープ1枚で簡易的に行われているだけでした。一時的にあのようなテープ固定をすることはありますが、あのままずっと人工呼吸管理をしているのは危険すぎて、見ただけでギョッとしてしまいました。北米ではあのようなやり方をするのでしょうか。日本の集中治療室だとあんなことしていたら上級医や上級看護師に激怒されることは間違いないです。
 また挿管チューブの内側や接続された配管内が全く曇らないのも違和感がありました。まあこれは演技なので言ってもしょうがないことなのですが、挿管されると呼吸に合わせて息で挿管チューブが曇るんです。それを見て、ああちゃんと挿管チューブは気管内に留置されていると安心する判断材料の一つとなるんですが、この映画ではクローズアップされたときも挿管チューブが全く曇っていなかったので、あれを見ると職業柄、なぜなぜなぜ?とびっくりしてしまうのでした。
 胃管の位置も気になりました。胃管は一般に鼻から入れて食道を通って胃の中に先端を留置する管で、胃内に直接薬剤や食物の代用となる栄養剤を投与するために用いる細いチューブのことです。基本的には鼻から管を入れるのですが、この映画では挿管チューブと同様、口から胃管が入っていました。北米ではこんなやり方をするのか、俳優さんの鼻に突っ込むのは忍びなくやらなかったのか分かりませんが、本来は適切なやり方ではないでしょう。
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引用
最後に
 色々と医学的に気になる点を書いてしまいましたが、ぶっちゃけこれらは演技上仕方ない点や、演出上の面白さを高める味付けになっている部分で、医療関係者でなければあまり気にならないことでしょうし、ストーリーと直接関係はない上、映画の質を落とすようなことではありません。僕がいちいち気にしてしまっただけです。映画を楽しむ上では本当にどうでも良いです。めんどくせーな!と思われた方、ごめんなさいね。
 映画自体は面白くて、最後の幕切れも気持ちが良い、ビジランテムービーの良作でした!
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cuttercourier · 4 years
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[翻訳] ブラック・ライヴズ・マター運動から考えるインドのマイノリティ問題(1)
ブラック・ライヴズ・マター運動から見たインド
――インドも構造的差別や警察の暴力という深刻な問題に早急に対処する必要があることは明らか
2020年6月9日
ディヴヤ・チェリヤン(プリンストン大学歴史学部助教)
アメリカが揺れている。
建国の理想「生命、自由及び幸福追求」の選択的適用がまたぞろ前面に現れた。警察による非武装の黒人市民の殺害と、コロナウイルスが黒人コミュニティに与えた不釣り合いなインパクトは、アメリカが黒人の命を軽視し、そのくせ黒人の身体からは労働力を搾取していることを浮き彫りにしている。
インドとの共通点がある。それは、既に抑圧されている人々とその支援者を悪意をもって叩きのめす警察、憲法と法律に基づく権利を尊重しない警察、そして、少数派や反対勢力に敵対的な国家指導者である。
どちらの社会においても、これらの不正義は歴史に深く根づいている。アメリカの建国の理想はアフリカ人奴隷やその子孫には及ばなかった。彼らは1861年の南北戦争勃発までに約400万人を数え、無給労働でアメリカの繁栄に貢献したにもかかわらずである。
公的な差別は数十年前に終わったが、黒人のアメリカ人は他の人々よりも大きな経済的・社会的障壁に直面しつづけている。ダリット〔旧不可触民〕、アーディヴァーシー〔先住部族民〕、ムスリムに対するインドの構造的差別、極度の経済的不平等、そして、既にカースト・階級秩序の被害者である人々に対する警察の暴力的でしばしば違法な弾圧を考えると、アメリカでの抗議行動はインドを悩ませている多くの問題にも通じる。
アメリカの抗議活動という鏡の中のインドを見れば、インドも構造的差別と警察の暴力という深刻な問題に早急に取り組む必要があることが明らかになる。また、インドがそのような変化のための戦いからはほど遠いことも明らかになる。
背景
ジョージ・フロイド殺害は最後の引き金を引いた。
近年、携帯電話カメラの普及により、警察による黒人男女殺人事件を記録することが可能になった。これらの記録により、非武装の黒人男女がジョギングや運転、自宅にいたなどの「犯罪」のために、どのように銃で撃たれたり、首を絞められたりしていたかが明らかになっている。それらは警察が事件についての公式見解でいかに露骨な嘘をつくことができるかも明らかにした。
黒人コミュニティでは数十年前から警察の手によるこの不当で違法な黒人の死のパターンが認識されていたが、これらの携帯電話記録によってアメリカの他の人々も見て見ぬ振りをすることが難しくなっていった。2014年に黒人少年マイケル・ブラウンが警察に殺害されて以来、怒りは繰り返し街頭での抗議行動に発展し、時には暴力を伴った。まさにその怒りこそが、警察官のボディカメラ義務化から人種偏見トレーニングの導入まで、全米の当局に改革への努力を促してきたのである。
一方、コロナウイルスは有色人種コミュニティに非常に大きな被害を与えている。黒人はコロナウイルスに感染し、またそれによって死亡する率が不釣り合いに高い。また、黒人は低賃金ではあるが必要不可欠な仕事に就いている割合がはるかに高く、裕福な人々が自宅で仕事ができるようにするため毎日命を危険に晒している。
コロナウイルスはまた、給料ぎりぎりで生活している何百万人もの人々の失業により、大規模な経済的苦痛をもたらした。多くの人が家族を養ったり、家賃や住宅ローンの支払いをしたりするのに苦労している。政府の緊急財政支援プログラムが助けになっているが、何百万人もの人々が依然として極度の財政難と不確実性に直面している。
しかし、最近の事件は、警察が黒人をどう扱うかについて重要な点ではほとんど変わっていないことを浮き立たせた。
2月には、ジョージア州の小さな町にある白人が多い地区をジョギングしていた黒人男性アーモード・アーバリーが白人父子2人組に追い回されて射殺された。
3月には、ケンタッキー州ルイヴィルの警察が、自宅にいた黒人女性ブレオナ・テイラーを別人の捜索中に殺害した。
5月のフロイド殺害事件の数日前には、白人女性エイミー・クーパーが黒人男性について警察に虚偽の告訴をしている様子を伝えるニューヨーク市発の動画が表に出た。この女性は公園の一角の管理規則に従って犬をつなぐように言った男性に仕返ししようとしたのである。クーパーが自分の個人的な復讐の道具として手軽に警察の暴力を呼び込もうとしたことは、広範な怒りと非難を呼び起こした。
「警察予算を打ち切れ」
しかし、今アメリカは岐路にあるように思われる。
黒人コミュニティと、より公正な社会を求める人々は、法執行機関の手で黒人の男女が殺害されつづけることにうんざりしている。今まさに抗議活動から生じている最も緊急の要求は警察予算の打ち切りである。
現下の定式化においては、これは警察予算と警察活動を大幅に削減せよという要求である。それは、犯罪の根本的な原因に対処し、また、可能なかぎり多くの状況について、信頼関係によって状況を鎮めることができるコミュニティ組織を通じて対応せよという叫びである。
それは、これらのより全体的なアプローチを支える方向に可能な限り大きな額を振り向けよという要求である。
改革に向けた努力にもかかわらず警察の手による黒人の死が続いていることに鑑みて、活動家たちは警官隊の監視や再訓練のような措置が黒人に対する警察の差別と暴力を防ぐのに役立っていないと主張している。抗議者の一部は今、アメリカと警察との関係を再考するよう要求している。
彼らの指摘によれば、過去数十年の間にアメリカでは社会問題が治安問題として捉えられるようになった。ホームレスのような問題を処理するために警察が派遣されている。社会経済的な根をもつさまざまな問題が犯罪としてのみ扱われ、その犯罪の背景にあるかもしれない貧困、薬物乱用、精神衛生上の問題を緩和するために注意が払われたり投資がなされたりすることはほとんど、あるいはまったくない。
このような警察への過度の依存と、警察の権限と業務の範囲の拡大が事態をここまで悪化させた大きな要因である。
それに加え、アメリカが海外で戦っている戦争が本国に持ち帰られてきている。アメリカの都市警察は装甲車やさまざまな重火器に投資し、ますます軍事化している。SWAT(特殊武装・戦術)チームはますます軍の強襲部隊のようになっている。アメリカは今、自国社会の一部に対して、戦線の向こうの「敵」にするのと同じように接している。
以上は、その多くが人種的マイノリティである都市部貧困層が「他者化」されていることを示唆している。
最後に、評論家らが指摘しているように、ますます不平等になる社会の中で、アメリカの政治指導者のアプローチは緊縮財政に傾いている。民主・共和両党いずれのエスタブリッシュメントも、アメリカには福祉的な解決策をとる余裕がないと主張している。それにもかかわらず、警察予算は富裕層の銀行口座や企業の利益率と同じく膨張しているのだ。
抗議活動自体は平和的ながら活気のある集会から、公共や私有の財産を標的にした暴力的なものまで多岐にわたっている。大都市だけでなく、小さな町でも抗議集会が行われてきた。
暴力に発展した一部がニュースの見出しを飾ったとはいえ、ほとんどの抗議行動は平和的であった。アメリカ全土の抗議集会に共通しているのは参加者の多様性である。人種や年齢を超えた人々が、パンデミックの真っ只中で、黒人に対する非常に不平等で人種差別的な暴力に立ち向かうため、大きな個人的リスクを冒して外に出てきたのだ。
コンセンサスが形成されたことで、数日のうちに警察予算の打ち切り要求が主流となった。ロサンゼルス市当局は、警察予算を最大1億5000万ドル削減することを検討している。フロイドが殺害され、抗議行動が始まったミネアポリスの市議会は、市警を解体し、コミュニティ主導の安全という代替モデルを模索することを決議した。
南アジア系(Desi)の少年少女
この激動の中で、インド系アメリカ人はさまざまな役割を果たしてきた。多くの人が自ら人種差別に苦しんできた経験を持ち、反人種主義的な動機に共感を示している。
ワシントンDCのラーフル・ドゥベーのように、抗議者を支援するために、それ以上のことをしてきた人もいる。より広く南アジア系アメリカ人コミュニティの中には、個人的に大きな犠牲を払ってでもブラック・ライヴズ・マター運動を支持している人もいる。バングラデシュ系アメリカ人のある家族は、経営するミネアポリスのレストランが抗議活動中に全焼したにもかかわらず、運動を断固として���持したことでニュースになった。多くのインド系アメリカ人���特に若い人たちが抗議行動に参加し、行進し、プラカードを持ち、コールを唱和している。
そのほかに、ドナルド・トランプの忠実な支持者であり、アメリカの右派とイスラム恐怖症で手を結んでいるインド系アメリカ人の少数派もいる。
南アジア系アメリカ人の多くは、トランプ支持者であろうとなかろうと反黒人的であり、その世界観は彼らが米国に一緒に持ち込んだカーストや肌色差別に一部由来するものである。このコミュニティの多くの人は、たとえドナルド・トランプを軽蔑し、人種的正義を擁護していたとしても、自分の子供が黒人と結婚するとなったら大いに動揺するだろう。
多くの南アジア系リベラル派の人々は、本国インドでのムスリムやダリットに対する迫害の高まりに目をつぶっており、家族やコミュニティの中で横行しているイスラム恐怖症やカースト主義的な態度にもあえて異議を唱えない。このグループは、アメリカにおける平等と正義を熱烈に支持する一方で、インドおよびインド人ディアスポラ内部における差別に無関心、あるいは差別を支持さえしているということに皮肉を感じていない。
悲しむべきことに、ほとんどの南アジア人は、彼らが19世紀後半に初めてアメリカに移住したとき、彼らを庇護し、友情や結婚による結びつきの中に入れてくれたのは黒人やヒスパニック系の隣人たちであったことを忘れてしまっている。黒人の公民権闘争の成功は、1965年まで南アジア人も排除していた人種差別政策を打ち倒す役割を果たしたのである。
それ以降、インド系アメリカ人がアメリカで生活や事業の基盤を築いていく中で、アジア人はアメリカで成功するために必要な「正しい」労働倫理と家族の絆を授けられているとする「模範的マイノリティ」神話を多くの人が信じ込んでしまった。
多くのインド人は、このようなステレオタイプと結びつけられていることに何の問題もないと考えている。しかし、すべてのステレオタイプと同様に、アジア人=模範的マイノリティという考え方は、アメリカにおけるインド人の歴史的経験の多様性を消し去ってしまう。また、もしも黒人が十分勤勉に働き、「正しい」価値観をもっていれば、自分たちが置かれている社会経済的条件に苦しむことはないだろうと示唆することで、反黒人的立場を正当化する働きもしている。
模範的マイノリティという枠組みを受け入れることで、アメリカにおける黒人の苦しみの根本原因である構造的・人種的な非対称性を却下することができる。南アジア系アメリカ人コミュニティの進歩的な人々は、模範的マイノリティ・パラダイムを拒否し、インド人ディアスポラに対して黒人の兄弟姉妹とともに立ち上がって意味のある変化を要求するよう訴えている。
インドと黒人の命
マイノリティに対する警察の暴力の問題は、インドの状況と共鳴している。インド警察は「交戦殺害(encounter killing)」〔被疑者の抵抗を受けた警察側の正当防衛を建前とする超法規的殺害〕などの手法を用いており、その標的は主にムスリムや低カーストの男性である。インドでは警察拘禁下の死亡や拷問がはびこっている。
コロナウイルスは警察の暴力を激化させたとしか思えない。インドの警察官が、自分たちの村まで徒歩で困難な旅をしている貧しい、しばしば飢えた出稼ぎ労働者たちを容赦なく殴りつけたという報告が多数ある。
警察は多様性の欠如が顕著で、留保枠があるにもかかわらず、指定カースト・指定部族からの採用は立ち遅れている。これは、留保された職位の多くが空席のままで許されているためである。インドの警察ではムスリムも十分代表されていない。
したがって、インドの警察官の間に反ムスリムの偏見やカースト主義的な態度がはびこっていることが研究で明らかになっているのは驚くべきことではないだろう。現場の警察はムスリムやダリット、あるいはより公正な社会を求めて抗議する人々を鎮圧すべきものと認識し、党派的な態度をとることがある。
アメリカにおける抗議運動は、インドが自国の警察問題について真剣に話し合うときが来たことを痛感させる。
アメリカに住むインド人として私が強い印象を受けたのは、今この瞬間との共通点だけでなく相違点にでもある。インドでは、米国と同様に、携帯電話の普及により不当な死や暴力を記録することが可能になった。
しかし、インドでは通常、関係者や無力な傍観者はこうした記録をしない。むしろ動画は一般的に、血塗られたスポーツのトロフィーとして記念し、回覧しようとする楽しげな参加者によって記録されている。
牛を傷つけたとされたためであったり、あるいは「ジャイ・シュリー・ラーム〔ラーマ様万歳〕」と唱えるように迫られながら行われたりするダリットやムスリムのリンチはありふれたことになっている。しかし、その種の事件の最初、2015年にダードリー〔ウッタル・プラデーシュ州〕でムハンマド・アクラークが群衆にリンチされたときでさえ、広範な怒りを呼び起こすことはなかった。
カシミール地方や北東部でのインド軍による人権侵害については、たとえ記録があったとしても、一般的にインドの主流派の評論家たちは非難しない。インドのほとんどの人々にとって、ショックを受けたり恥じたりして自分たちの命令による残忍な不正義に対して立ち上がるに値することは何もないようだ。
インド人やインド系アメリカ人の中にはジョージ・フロイド殺害に激怒している人もいるが、彼らはそう、ペヘルー・カーンが殴り殺されたときにはまったく動じなかった〔2017年のリンチ殺人事件〕。最近のアメリカにおけるブラック・ライヴズ・マター運動への多くの公的な支持表明と同じように、インドの機関や公人、産業界のトップがムスリムやダリットのリンチ事件に対して悲嘆と連帯の声明を出すことは想像しがたい。参考までに、米国の大企業、有名人、そして共和党の指導者(ミット・ロムニー)までもが抗議者への支持を公然と表明している。インドではエスタブリッシュメントによって抑圧されている人々を支持するこのような立場は想像しがたい。
アメリカとインドのもう一つの相違点は、少なくともこれまでのところ、抗議活動の性質である。
アメリカでの最近の抗議活動はコロナウイルスがもたらした苦難によって増幅されているように見える。インドでは対照的に、コロナウイルス対応における州の不手際によって被害を受けた何百万もの人々から抗議の声が上がっていないことが目立っている。
飢えて都市部に足止めされている、村からの出稼ぎ労働者たちがいる。別の出稼ぎ労働者たちは実家に帰ってほんの少しでもましな状況に戻ろうと何百キロも歩いていった。失業した都市生活者もいる。破綻寸前の零細事業者もある。
これらは既にデマネタイゼーション〔2016年の高額紙幣廃止〕と物品サービス税の導入〔2017年〕によって引き起こされた大規模なショックと経済減速に苦しんできたのと同じグループである。
インドの歴史には、飢饉や過酷な税制が引き金となった、農民が苦境に陥ったときの反乱の例が数多くある。インド国内の経済格差が拡大し、少数のエリートがドル価表示のコーヒーやルイ・ヴィトンの店舗、広大なバンガローにアクセスするなかで残る問い、それはインドの貧困層はどれだけ我慢すればいいのか? である。
インドのエリートが貧困層をいかに追い詰めているかを考えれば、これは全国民が知りたがっていることだろう。
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無限射精拷問 5 ダウンロード
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2jigenyome-blog · 7 years
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無限射精拷問(4) cache この2次元嫁はどうでしょうか?
コメント: この2次元嫁ですが無限射精拷問(4) cacheですがなのですが俺的にはエロくて・・たまらん♪ 「 詳細はこちら 」 — Delivered by Feed43 service
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eromangmoe-blog · 7 years
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無限射精拷問(4) cache は今日の気になる作品はこれです
コメント: この気になる作品は 無限射精拷問(4) cacheですがなのですが俺的には気になってるエロ作品ですね! 「 詳細はこちら 」 — Delivered by Feed43 service
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2ttf · 12 years
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xf-2 · 6 years
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最近、ソシオパス(社会病質者)という言葉が良く使われるようになった。サイコパスと同義語として使われているようだが、このふたつは若干の違いがある。  両者とも反社会性パーソナリティ障害なので、「他者のことをまったく考えない。人を巧みに操り利用する。法やルールを軽視し、罪の意識が乏しく衝動的な行動に走る傾向がある」という部分では似ている。  一般的に言われている大きな違いはサイコパシーは総じて先天性のものであり、ソシオパシーは後天性なものだというものだ。
他にもサイコパスの方が罪悪感の欠如が激しいとか、ソシオパスの方が、頭がよく魅力的な人物に見せるのがうまいとか、衝動的で行動に一貫性がないなどの違いはあるようだが、一般の人がどちらかを見分けるのは難しいのかもしれない。 サイコパスとソシオパス(社会病質者)の違いと共通点、危険性を検証(米研究) : カラパイア  サイコパスか、ソシオパスかを判断するのは専門家で、罪を犯した彼らの心を開かせ、真実を聞き出すのは、訓練されたセラピストや臨床心理士の仕事だ。  海外掲示板で、実際にソシオパスやサイコパスの治療に関わったことのあるセラピストや臨床心理士などが、その体験談を投稿している。
1. すべてがでっちあげの殺人事件の真相
 わたしをすっかり信頼してくれたあるソシオパス患者は、他の二人と一緒に拷問し半殺しにした相手のことについて話してくれた。  その事件はニュースになったのでわたしも知っていた。そのため、彼は刑務所に入ったのだが、彼は、被害者の体を何百回も切りつけたり、酸の風呂に入れたりといった拷問について事細かに説明した。  なぜ、こんなことをしたのかというと、この被害者が近所のダウン症の少女を暴行したので、その報いだという。  この男は、わたしたちの病棟に1ヶ月ほどいた。その間、退院したら自殺してやるとずっと脅されていた。  彼のことを知って数週間たち、信頼を得たところで、彼は暴行の話は実は嘘だったとわたしに明かした。  何年も前に言い争いがあって(おそらくドラッグ絡み)、単に被害者のことが嫌いだったから、理由をでっちあげてボコボコにしてやったのだと告白したのだ。  つまり、その患者は暴行事件があったと嘘をつき、ふたりの友人をそそのかして、ささいな言い争いをした相手を拉致、拷問した、ということだ。  彼は未成年として裁判にかけられたが、今度はそのふたりの友人を裏切った。首謀者は彼らのほうで、自分はそそのかされて言われるままに犯行に及んだまでだと主張したのだ。友人たちはまだ刑務所に入っている。
 最悪なのは、この男が嘘の前提をふきこんで友人を操り、一緒になって恐ろしい犯罪を犯したということだ。さらに悪いのは、友人たちは塀の中なのに、彼は外にいて、こうした恐ろしいことを自にやり続けるだろうということだ。
2. 良い子を演じていた子の裏の顔
 彼は昼はいい子どもなのに、夜になると里親の子どもをいじめて、それをわざわざビデオに録画していた。  昼間はいい子なので家族から愛されていて、なぜ、ジミーが大声をあげてそんなに暴れるのか、わからないと言っていた。ジミーとは彼の夜のいじめのターゲットで、言葉がよくしゃべれなかったので、いじめられていることを誰にも話すことができなかった。  ソシオパスはたいてい言葉が不自由な子どもには優しいが、ジミーだけは餌食になっていた。里親の前では、彼は模範的な十代のようにふるまっていたようだ。  ついにその虐待ビデオが明るみに出た。そして現在彼は拘置されている。ハンサムで魅力的なので、ビデオを見るまで誰も彼がそんな残酷な人間だとは信じなかった。  未成年ということもあって前科がつかないため、今後、多くの人の人生を破壊することになるかもしれない。  ソシオパスは自分を被害者に仕立てあげて逃げおおせ、あなたに助けを求める。同情して助けてあげたくなるが実は違う。  この子は自分の里親のやさしさにつけこみ、いかにも自分は弱者であるように見せかけ、女性を引き込んで苦しめたり、操ったりしていた。  本当に恐ろしいことだ。特にまわりのすべての人間を操るそのやり方がおぞましい。権限をもつ立場にあるあらゆる人、言葉で発信できる人たちの前ではいつもいい顔をするようだ。
 まわりのすべての人間を操るそのやり方がおぞましい。権限をもつ立場にあるあらゆる人、言葉で発信できる人たちの前ではいつもいい顔をするようだ。
 さらに始末に負えないのは、彼が自分の犠牲者を逆に加害者に仕立て上げたことだ。捕まらない限り、同じことをやり続けるだろう。
3. 人が苦しんでいる様を見て楽しむ
 わたしは何人かのケアをしていたが、もっとも不穏な相手はこの軍人あがりだった。彼は2000年代始めにイラクにいて、任務で人を殺したことがある。彼はいつも少し人と距離をおいている感じがしたが、わたしに語った話は彼がまぎれもなくソシオパスであることを示していた。  彼はヤギを殺したことを事細かに話した。イラク現地の家族は生活の糧としてこの家畜に頼っていたので、とくに咎められずに済んだからだという。  飢えたこどもたちがキャンディをめぐって争う場面を見ていた話もした。彼が地面に投げたキャンディに群がって、子どもたちが石を使って殺し合いをするのを見ていたというのだ。 あまりにひどいことなのに、彼は今は自由に生活している。  二番目の患者は、典型的なソシオパスだった。彼はドラッグ所持で捕まったが、その際に自分を数回刺し、警官も刺そうとした。非常に頭の切れる男だったが、凶暴だったせいか意図的に麻薬の売人としての人生を選んだ。  人殺しまではしなかったようだが、明らかにひどく残忍なやり方で人を虐待した。メチルアルコールを使って中毒者が苦しんでいく様子を楽しんでいた。  彼は痛みを感じない。いとも簡単に自らを傷つけて悲惨な犠牲者を演出する。そのことを証明するため、彼は私の前で自らの体にペンを刺した。彼の体に刺さったペンやあちこちに飛び散った血は本物だった。
 これらの話は両方とも、複合的な面で恐ろしい。ヤギを殺すという最初の話はもちろん恐ろしいが、彼が現地の家族がヤギに頼って生きていることをわかっていて、意図的に殺したことがよけいに悪い。この男は事実上、子供を含めた現地の人々を餓死させようとしていたのだ。
4.恐怖で支配しようとする男
 わたしは精神科病棟で5年間働いた。ぞっとするようなことをたくさん見てきたが、心底震えあがった患者は、ハンサムで魅力的な35歳の男だった。マークと呼ぶことにしよう。  わたしのユニットでは、強い自殺願望を看護師に話したりすると、1対1の監視下におかれる。つまり、自殺願望の強い患者ひとりにひとりのスタッフが割り当てられ、自傷行為をしないよう、四六時中、あらゆる場所で見張るのだ。  ある日、マークは平然と看護師のところへやってきて、自殺願望があるので個人的にスタッフをつけて欲しいと自ら申告した。  彼が嘘をついているのはわかっていても、看護師をひとりつけなくてはならない。わたしだけがそのとき対応可能だったので、担当した。マークに一緒に病棟まで歩いて欲しいと言われ、わたしは承諾した。  歩きながら、マークはわたしの好きな食べ物とか、休日の楽しみ方など、一見無意味な質問をした。わたしはいつもこうした情報を与えることに注意しているが、彼の質問は無害な気がした。  1時間ほど歩いていると、マークはわたしが他の人に対しても親身になって世話をしていると言いがかりをつけ始めた。  そしていきなりガラス窓に自分の頭を激しく打ちつけた。マークの顔から血が噴き出し、ガラスが彼の頭上に飛び散った。わたしたちは救急車で慌てて彼を救命部へ運んだ。  2日後、マークはすっかり回復して病棟に戻ってきた。わたしのところへやってきて、怖がらせてしまったことを謝罪し、ウィンクして去っていった。  マークがしたあの行為は、私の脳裏に恐怖を焼きつけることで、絶対的に服従させるためのものだと信じている。
 この話のもっともぞっとするところは、ソシオパスの行動の裏にある意図だ。彼は自殺願望があると宣言して、わざとこの看護師を自分の担当にさせ、看護師の個人的なことを事細かに訊き出した。
 それから、訊き出した詳細を利用して、もっともおぞましい方法で看護師にトラウマを与えた。その間じゅうずっと、非常に鋭い警告を発していたのだ。
5. 恐ろしい捕食者と対峙しているような底知れぬ恐怖
 正直いって彼と同じ部屋にいると、恐怖に苛まれ、パニックになりそうになった。セラピストであるということは、クライアントとの間にかなり強い絆をつくりあげるということで、クライアントと向かい合う部屋の中には、共感と心を割って話す雰囲気がただようのが普通だ。  だがこの男とひとつ部屋の中にいると、まるで危険な捕食者と対峙してしまった、絶体絶命の小動物のような気分になった。  彼は自分の行動になんの良心の呵責も感じない人間だった。言葉の端々に相手を脅かすような言葉をこっそり挿入し、相手(わたし)が表面的に無反応なときは(内心では大いに反応していたが)、いくぶん困ったような様子を見せた。  彼の名前や顔立ちははっきり思い出せないが、外見はまったく普通で、実際問題のないタイプに見えた。でも、しばらく彼と話した後、空虚な思いばかりが残り、不穏な感じが否めなかった。  彼はわたしに対して、たまたま廊下の電気をつけっぱなしにしてしまったというようなことを認めるのと同じような調子で、家庭内暴力があったことをあっさり認めた。  しかも、自分のパートナーの前でだ。彼はこれまでその話を持ち出したことはなく、訓練を受けている者として、わたしが家庭内暴力のケースを扱うべきではなかった。  こうしたケースは経験のあるスペシャリストに問い合わせるのが普通だ。守秘という理由から、わたしには細かいところまで踏み込むことはできなかったが、あまりにあっけらか��と明かされた出来事に過剰に反応した。  彼は本当に話のついでにDVのことにふれ、"なんてこった、こんなことは話す価値さえない。どうしてこんな話を持ち出したのかな? むしろ自分のことについて話すつもりだったんだ。パートナーを絞め殺そうとした話よりもね" というような感じだった。彼は本当になにも気にしていなかった。  わたしはただうなずいて、平静を保っていたが、自分のノートにはばかでかい感嘆符!を書きなぐっていた。なんとかそのセッションは終わらせたが、すぐに監督者に彼の担当を別のカウンセラーに替えてもらうよう話した。  正直言って、その人物がそこにいる雰囲気だけでこんなに恐怖を感じたのは初めてだった。
6. 自殺殺人
 彼ら2人は、ある人物と一緒に自殺するという契約をしたが、自分たちは実行せずにその人物だけが死に、生き残って病院に運ばれた。  彼らは罪の意識を痛感していると言い、それは本心のように思えたが、すべては演技だった。  病院にいる間、彼らは病棟で自殺願望のある別の入院患者を煽ってふたたび自殺の契約を結び、計画をたて、決行日まで決めていたのだ。  少なくとも3人と同様の契約を交わしたようで、彼らは精神病棟へ入れられることになった。だが、これは無防備な新たなターゲットを見つける彼らのやり方だった。  3度の自殺契約は、決行には至らなかったが、のちに家族から見返りが出されたことがわかった。  彼らはその後、またしても問題を起こしわたしたちの病棟に入院した。  最初の入院のときは不起訴だったが、彼らは極めて危険な人物であると感じていた。自殺契約をしながら、毎回自分たちだけ生き残る。既に警察の監視の対象になっていると思った。  わたしはそのうちのひとりを世話したが、実にまともな印象を受けた。かなり知能程度が高く、一見魅力的な人物という感じだった。  同僚のひとりは犯罪心理学者だが、プロの彼女でさえ彼らを止められなかった。彼らが病棟の誰かとまた自殺契約をしようとしているのを聞いたときは驚いた。  これまで人生でこんなに誰かと話すのが恐ろしいと思ったことはない今回の人物の二面性には心底動揺し、自分の臨床管理者とこのケースについて多くを話すようになった。
 このふたりはある意味連続殺人犯だ。だが一番恐ろしいことは、彼らは実際には誰にも直接手を下していないということだ。無防備な人々をうまく操って、自殺に追い込み、犠牲者が死ぬとショックを受け、詳しいことはなにも知らないというふりをしたのだ。
7. 子犬をいとも簡単に虐待する子ども
 反社会性パーソナリティ障害と診断されなくても、同じ基準を満たす成人前の子どもたちには、行動障害という診断が下されることが多い。  精神衛生関係の臨床医として働いているときに、6歳の息子を連れてきた両親と出会った。この子はとてもかわいらしくて穏やかに話す礼儀正しい子どもだったが、これまでのことをいろいろ質問すると、たびたび動物に対して虐待を行ったことを両親が明かした。  新たに飼ったメスの小犬の穴にほうきの柄をつっこんだというのだ。傷は深く、小犬は安楽死させなくてはならなくなったという。いまだに悪夢をみそうな話だった。
 将来、怪物になるかもしれない子供を育てているのがわかったときのこの両親が、いったいどんな気持ちだったか、考えずにはいられない。
8. 自分は悪くない。すべてまわりのせい
 住み込みで薬物中毒を改善するプログラムを実施する職場で働いている。ほとんどのクライアントの行動に腹をたてることはない。彼らは中毒の過渡期にあって、自己のため、家族のため、さまざまな理由で良くなろうと努力している。  有罪になった殺人犯もいるが、彼らは非常に後悔していて、真面目に更生に取り組んでいる。だが、反社会的人格障害だと思うある人物だけは別だった。彼について話そう。  受け入れ後、30分ほど話した後で、彼は自分よりも劣ると思った相手を巧みに操作する人間かもしれないと強く感じた。  彼は、わたしの言葉遣いやわたしのポーズを真似したり、雄弁にものを語り、非常にカリスマ性があった。だが、どこか浮世離れしていた。  もっと情報が必要だったので、わたしはメモをとりながら続けた。彼が更生プログラムを続けるうちに、それははっきりしてきた。  彼にとって、人間関係の破綻、ドラッグ中毒、無職、無責任など、すべては誰か、もしくはなにかのせいなのだ。  怒り狂って自分の弟を刺したことすら、弟が悪いのだと言う。真夜中に弟の車を盗んで運転したが、溝にはまってしまいそのまま車を放置した。そのことについて彼は嘘をつき、"うるさくガミガミ言われた"という理由で弟を刺した。  入所後は、他の患者や数人を除くスタッフを巧みに操っていた。  彼はわたしの個人的な患者だった。セッションの間、彼の話に矛盾点があったため、それに言及すると、とやっと彼は白状した。  実は彼はHIV+(わたしは気づいていた)だが、それを隠してパートナーとつきあい、ドラッグの針を共有したという。  さらに、彼はこのパートナーを薬づけにした。このパートナーにはメチル中毒の過去をもつ家族がいたが、パートナー自身は薬物を使ったことはなかった。彼はまわりのみんなが自分を信用するのが信じられないと言って笑った。他人がどうなってもまったく興味がないのだ。  彼はプログラムを素直に実行するふりをして、完全に治療を終え、今は社会に復帰している。彼はまだ若く、いつかもっと悪意ある行為に出るだろうと強く感じる。将来、彼が殺人を犯しても驚かないだろう。
9. 人の感情が理解できない15歳の少女
 セラピストではないが、学生相手のカウンセリングをしている。その学生は15歳の聡明な女の子で、友だちも多くかわいらしいものが大好きだ。  彼女がわたしに話した内容が、あまりにも異常だった。わたしに診断を下す資格はないのだが、何らかの問題を抱えているかもしれない。 ・ボーイフレンドに関して  男の子とデートしたそうだが、彼に対してはなんの感情もないと言う。でも、彼は"役にたつ"し、彼女のためにいろいろやってくれるのでデートしているらしい。  でも彼は、彼女が何もしてあげないことにがっかりしているという。彼を悲しませたら気分が悪いのではないか、と言うと、彼女はこう答えた。 「いいえ。わたしが彼を悲しませているというなら、それは彼の問題だわ。どうしてわたしが彼の気持ちを気にしてやらなくちゃいけないの? 彼の感情をわたしが感じることはできないのに。わたしにはなんの関係もないわ。」  ボーイフレンドを利用していることについて罪悪感はないか、と訊くと、彼女はこう答えた。「いいえ。彼のほうからわたしにまとわりつき始めたのよ。彼がわたしのことを好きなのだから当然でしょ。ほかに彼になんの取り柄があるの? 」 ・友達の犬に関して  彼女の友だちの飼い犬が死んだ。彼女は全くなんとも思わなかったけれど、そうするべきだと思ったから同情するふりをしたという。  犬の死は友人の問題であって、なぜ悲しまなければならないのか、彼女は理解できなかったという。 ・作られた感情  先生のひとりが彼女の友だちに、彼女と距離をおくよう言ったという話を聞いた。その先生は彼女の表情は嘘で無理やり作っているもののように見えることに気づいたからだという。  彼女はどうしてこれが問題なのかわからずわたしに質問した。「みんな感情的な反応を偽っていないの? 誰かの言ったジョークに笑うふりをするのはダメなの? 誰かが死んだと聞かされて、悲しむふりをしてはいけないの?本当の感情とか、共感ってなに?」  説明すると彼女はすっかり混乱して、わたしの言っていることはまったくわからない、まわりのみんなが感情や共感を偽っていない証拠はないと言った。  結局彼女は自分が正常で、まわりのみんながちょっとおかしいのだと断言して会話を終わらせた。  彼女の複数の知人は、彼女がソシオパスであることに気づき、彼女から去って行った。彼女は誰にも愛着を感じていないのでべつになんの支障もなく、自分にとって生活が楽になる便利な相手だけをキープしておけばいいと言った。  彼女は自分のイメージ、とくに話す言葉に気を遣っていた。同年代と話すときには、流行りの言葉を使ったりかわいらしいく見せる声色で話すよう気をつけていた。  それは15歳だからという理由だという。「だって15歳らしく話さなかったら変でしょう。ほかのみんなもわたしと同じように話すわ。わたしは若いのだから、若いようにふるまわなくちゃならないの」と言った。
10. 悪魔のような子どもの成功物語
 行動にかなり問題があったり、精神的な問題を抱える12歳以下の子どもたちのための施設で働いていた。そのときわたしはまだ大学生だった。  反社会的人格障害(ASPD)と診断された子どももいたが、わたしはいつも小さな子供にそうしたレッテルをはるのはどうかと疑問視していた。  AP(仮名)もそう診断された子の1人である。6歳で入所してきたこの子はとてもかわいくて、良い子に見えた。  そこでスタッフは彼が本性を表わすのを待った。彼の品行方正なふるまいは8ヶ月も続いた。もはや彼がどうしてここに入れられたのかわからなくなるほどだ。  父親と一緒の写真はなく、母親は服役中だった。里親のところで問題を起こし、この施設にくることになった。最初の8ヶ月の間はまったく問題はなく、完璧な子どもだった。  だがある日、APは豹変した。わたしは子供たちを自転車に乗せてあげようと外に連れ出した。彼はドアから出るなり、裏庭に走っていって、子猫をつかまえ、その頭をぐしゃりとつぶした。  APの寝室は地下にあったが、地面の高さに窓があり、外が見えるようになっている。自分の部屋の窓から彼は子猫のたまり場があるのを知ったのだろう。  わたしはぞっとして、子どもたち全員を家の中に入れた。APは落ち着いた様子で施設のマネージャーに対して、わたしの言っていることはさっぱりわからないと話した。マネージャーがわたしに質問している間に困惑した顔をしていた。  わたしは外へ出て、死んだ子ネコを運んでこなくてはならなかった。APはそんなわたしを見て、ほくそ笑んでいた。  それが、まさか!の瞬間の始まりだった。APはよく過激な行動をし、それを抑制しなければならなかった。  一度つかまえると、30分ほど拘束しておく。この地点での止められないと、臨時の看護師が鎮静剤を打って落ち着かせる。APは針が好きで、一日一回注射してもらうのが目的で暴れるのだとさらりと言った。  またべつの事件では、あまりにも暴れるAPを、ふたりのスタッフがつきそって隔離エリアに連れていかなくてはならなくなった。  その途中、なにかが起こり(金属のドアに彼がはさまれたのだと思う)APは足をかなり切った。看護師が到着すると、APは自分の足の傷をさらにほじくって血だらけになりながら笑っていたという。さらにその血で壁に文字を書いていた。  ほとんどの子どもたちが病棟にいるときに、APには祖父母が面会に来た。ほかの子どもたちは羨ましがったが、APはわざと祖父母のことを無視するような態度をとり、後で面会者のいない子どもたちをなじった。  わたしが退職するとき、APはわたしを描いたという絵をくれた。典型的な子どもの絵だったが、口は×、目はぞんざいに描きなぐってあった。  どうしてそんな風に描いたのかを訊いてみると、APは"ぼくを見るときのあなたの目が気に入らないから、それにふさわしい目にした。ぼくが気に入らないないことを言うから、口もないんだ"と答えた。  今でも、行動障害や精神障害、疾病をもった問題のある子どもたちを相手に仕事をしているが、わたしは彼らを愛している。  これまで何百人というこどもたちと一緒に過ごしてきたが、いまだにAPのことを考える。わたしがあの施設を辞めてまもなく、7歳になったAPはもっと監視が厳しいところへ移された。  最後に彼の消息を聞いたのは、彼が施設の成功例になったということだ。  母親が出所して一緒に家に帰り、天使のような子どもになり、たまに施設に戻ってきては、どのように行動すべきか、ほかの子どもたちを激励するような話をしているという。  これが本当のことで、彼の治療が成功したと思いたい。だが、とても恐ろしい不気味な子どもだったので、わたしは半信半疑だ。  わたしはAPを中傷しようとしているのではない。彼は長期にわたって施設に入れられてケアを受けていた。"恐ろしい"というのは適切な言葉ではないかもしれないが、彼は明らかに病んでいた。
 この話は多くの点で恐ろしい。この子はまだ6歳であるにもかかわらず、本当の自分を表わすのに8ヶ月も待つことができた。この年齢で自分をここまでコントロールできるのはすごい。
 嘘をついたり、子ネコを殺したり、施設の子をいじめていながら、それでも、この子は成功物語の一例となったことがもしかしたら一番恐ろしいのかもしれない。
written by
konohazuku
/ edited by parumo
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iseilio-blog · 3 years
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異 域
一個中階將校的回憶
在我們被扣留的一段時間內 我深切的體會到 「 度日如年 」
這句話的份量,只有身臨其境的人,才能體會出它深刻的
含意。我整天都在恐懼中,每一個在門外響起的腳步聲都使
我發抖。我睡不著,剛闔上眼便被猛烈的心跳驚醒。我在
斗室裡徘迴著,思念我的妻子與兩個孩子。她和我結褵十年,
她是一個嬌小的南方女兒。我雖然轉戰南北,但總沒有讓她
受苦。我不禁想到我死了之後,她和孩子將怎麼活下去,她
是不是要攜著兒女,哀哀討乞?還是被解回她從沒有回去過的
我的故鄉,受那些瘋狂的人審判?我哭了;一個中年人是不
容易哭的,但我竟忍不住擺在眼前的生離死別。p . 3
我被他們嚴刑拷打是被扣三天後的事。一直到今天我都記得
很清楚,那一天是十二月十三日,黃昏之後,我被帶進一間
房間,一個穿中山裝的人,是的,一個穿中山裝的人,天會
詛咒他,他褻瀆了那有著嚴肅意義的服裝。他像禮賓司的官員
迎接一個國王似的迎接我,熱情的握著我的手。
「 這是誤會,將軍!」
他��中的將軍充滿了敬意,我老老實實的告訴他,我說我只是
中校。
「 簽吧 ,克保兄!」 他溫和的叫我。
( “末代皇帝” 電影中的一個場景,可能就是參考了上面這一段。)
我不答話,於是便像一條狗一樣的被他們打下窄凳,在地上
滾來滾去,鞭子、皮靴,和種種咒罵。我最後惓伏到牆角,用
我的背抵抗他們的撻擊,我的背就是那時被打傷的,我哭叫著,
每一次鞭子打下,我都哀號一聲,當我受不住的時候,我用頭
猛撞,我希望我撞死。世界上有一種比死更可怕的東西,那就是
嚴刑拷打,但他們不能讓我死,他們把我拉到屋子當中,打一回
問一回,我爬到地下,昏迷不醒。p . 5、7
二十六軍,共六萬餘人,那時候的士氣十分高昂,武器精良,
雖然只剩下小小一片河山,局勢還大有可為。可是往往事與
願違,一連串令人回想起來都要痛苦的不幸事件,使我們轉攻
為守,轉守為退,以後便一瀉千里的潰敗下去,陷於全軍覆沒。
假定這是氣數,我們復夫何言,假定這不是氣數,我們本身便是
敗軍之將,雖然滿身是血,滿眼是淚,仍不能洗滌面上的羞愧。
我被送到澂江療養。澂江是一個美麗的縣城,妻子和兩個孩子
住在那裡。
(560) 澂江 - YouTube
只是我背部被鞭打的創傷,似乎凝結成一個和背一樣大小的血笳,
兩個兄弟扶著我下車,大家都怔住了。他們不知道我受過苦刑。
同僚們在門口放起鞭炮,四五個朋友送來了一些酒菜。
這一次家庭團聚,留給我最深刻的印象。就在一個月後,大軍
潰敗,那天晚上在我家為我舉杯的朋友們,不是被俘,就是
戰死。寫到這裡,我感到無限的惆悵,但我對他們沒有愧疚,
總有那一天我也將戰死,或被殺死,被毒蛇咬死。我會在另
一個世界裡看到我的朋友們,抱著我那兩個孩子,笑臉相迎
我的兩個孩子,他們在一年後,先後走了。一個死在我的懷抱,
一個爬到椰子樹上望父歸來,摔了下來。啊,蒼天 !p . 9
元江一戰,應該是在大陸的最後一戰,結局是悲慘的。六萬大軍
(包括第八軍全軍、二十六軍的六分之五)除了李國輝將軍那個
團的一千人外,竟全軍覆沒,屍首和鮮血塞滿了元江,便是鐵石
心腸,回憶起來都會落淚。事到如今我們還能再講什麼 ?大軍
指揮官與副總司令在元江橋被俘,一年後在昆明被槍斃。當然他們
不是存心如此,我和我的夥伴們每逢談起來,便為兩位將軍哭,
他們把六萬大軍帶到一個可怕的絕地,毫無抵抗的遭受屠戮。
p . 12、16
柏楊《異域》掃射傷害大 李彌怒說:我要拿手槍斃了他|譚兵讀武EP47精華 (youtube.com)
【緬北歴史】逃往緬甸的國軍殘部,竟締造了金三角罪惡帝國,成了緬甸“土皇帝”,留下6萬後代。#大案紀實 #紀錄片 #大案 #要案 #案件紀實 #大案實錄 #檔案 #案件還原 #緬北 #果敢 #缅北历史 (youtube.com)
孤軍之復國大業/一九四九大撤退/孤軍、馬幫、坤沙軍/泰皇的英雄【@ebcapocalypse 】復刻版 第99集|洪培翔 - YouTube
【邊城啟示錄】│泰北孤軍等待50年,一直未能反攻大陸;他們生長在異域的後代該何去何從│李立劭 - YouTube
異域 鄧克保 http://www.haodoo.net/?M=u&P=A526:6
被遺忘的異域 - 聚焦泰北金三角 - YouTube
金三角第一大毒梟坤沙,以海洛因建國,以海洛因養軍,卻從不向中國大陸販毒。#坤沙#緬北#金三角——持續更新訂閱🔔點讚 - YouTube
金三角毒梟的祖師爺 https://www.youtube.com/watch?v=W-RsPa9srJQ&t=84s
坤沙 https://www.youtube.com/watch?v=Na0dVm22ZBE
金三角 佤邦 https://www.youtube.com/watch?v=T69eHeWIkcc
缅北佤邦 https://www.youtube.com/watch?v=mffcZJyabhI
果敢 果敢 - YouTube
異域 全文 http://www.haodoo.net/?M=u&P=A526:1 井本雄男-參謀 https://iseilio-blog.tumblr.com/post/179669541227 https://www.youtube.com/watch?v=1Mf8zu4g7r0
How To Make Spaghetti and Meatballs https://www.youtube.com/watch?v=YyCRnAZ4eCc
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likebluesky · 3 years
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THUNDER SWORD VIOLENCE RESISTANCE MISSION【武力闘争のセオリー】
この記事では反体制武力闘争を行う上でのエッセンシャルを記述する。シリアとミャンマーを例に取る。
シリア内戦抗争兵器:
RPG
誘導ミサイル
スティンガーミサイル
迫撃砲
手榴弾
カメラ付き銃
AK-47/CF-61
コルトシリーズ70
荷台付き軽トラ
防弾盾
銃眼
空爆
ライフル
防弾チョッキ
シリア自由軍作戦認識:
敵が拠点を作った場合は迫撃砲で拠点をぶっ飛ばすこと
敵より少し強い兵器や武器を使って敵を撃破すること、無駄に兵装を損耗しないこと、威圧のために物陰から物陰に隠れた敵に対して銃を連射するのは必要なことかも知れないが、有効な攻撃法とも言いがたい
銃撃戦をするなら、むしろ敵の位置に手榴弾を投げ込む方法もある、天井が空いているならMEDの無い兵員がZ的に無意識で正確に弾道計算した上でその兵員が正確に敵の拠点に放物線を描いて投げ込むこと
拠点を作るなら当然銃眼は作るだろう、そうすれば敵を安全な拠点から狙い打ちできる、ただし迫撃砲で撃破され得る
狙撃手は狙撃手で撃破する、ライフルで特に長距離を飛ぶライフルを用意し、精密に狙えるスナイパーを用意して狙撃する、敵の狙撃手の位置は視認だけでなくGCでも特定する
qswは当然戦闘状態でも有効な攻撃手法である、システム的にダメージを与えて破壊及び疲弊させた所で銃撃して殺害する
軽トラで機動性を確保して、荷台から武器を持って敵を攻撃する、防弾盾もあり
マシンガンは銃弾を無駄にし過ぎる、自動小銃の方が良いかも
防弾仕様にした軽トラを用意すれば敵の射撃や狙撃も防ぐことができるかも知れない、装甲車でも対戦車弾には勝てないので、諦めて軽トラのほうが良いか
sherinarで周りから対戦車弾が飛んで来ることを哨戒して標的にされた乗っている車からスペース・リープで逃げる
室内近接戦闘ではコルトシリーズ70は少し有効な白兵戦用武器である
ミャンマー自由革命解放戦線体制及び作戦認識:
体制は大衆である、悪は大衆である、これを忘れないこと、国軍は民衆に支持されているし、特権階級である
生活基盤が必要、必ず自分たちの生活圏を確保するように戦略を立てること
土地基盤が必要、善人の地域を活かすこと、社会をそれらの上で動かせるようにすること
GCで武器をコピーして入手すること、あるいは協力者や海外から武器を供給すること
悪人の子供は生まれた時点で殺害すれば土地基盤を悪に奪われないが、これはNO.6的には難しい
善人の支配領域や地域を作れるなら作るか、ただし普通はNO.6でそのようなことは出来ない
住民には手を出さずに体制だけ転覆して悪人の住民との抗争は避けるか
RPGが有れば戦車対策になる、歩兵で戦車を撃破できる下克上兵器である
警察は警察署を襲撃して殺害するか、重武装すれば警察は殺せなくはない
ただし治安は守らなければいけないため、治安部を作って善として治安を守る
治安が悪くなればミャンマー自由戦線側が住民から敵意を持たれる
住民に対して不利益を与えればそれだけ住民から反感を受けやすくなる
ミャンマー国軍が住民を抑圧して不利益を与えればそれだけ国軍は普通の住民からも反感を持たれやすくなる
AXISの青でも協力者が居るかもしれない、協力関係を作って提携すること
刑務所への収監・処刑は覚悟すること、最早命をかけた戦いをしているのである
救護班は必要、医療の知識や技能があるなら銃後の守りとする
NO.6が強ければ、武力闘争より情報・芸術闘争をする、現状でも情報・芸術闘争は有効である
LightPod touchは常に多人数で持ち歩いて撮影しまくって投稿しまくること、これはプロパガンダ作戦の一貫である、皆が発信者になれば記者の逮捕はほぼ有効でない、海外の協力者とも連携すること
GCで武器の利用方法などは軍人などからZの実装をコピーして習得すること、パッケージ化して頒布すること
Light Gridを構築して隊規に従って統率をとって連携して行動すること
sherinarやGCを駆使して敵の位置を知ること、特に敵の接近に使いやすい
GCを保全するためにCのデバイスは活かすこと、無線通信に暗号化は必要、暗号化の強度は上げておく
CのデバイスはGCで権限を上げておくこと、そうでないと情報が漏れたり破壊されたりする
誘導ミサイルは制御用コンピュータをGCで権限を上げて保護しておくこと、掟より敵が強い場合はGCで干渉されて外れる
GCの変身能力で怪我を治すこと、クオリアが剥がされる傷害を特に注意して避ける
DGの仲間が死亡した場合は変身能力で生き返らせることが出来る
最終的にNO.6による民主主義を達成するのが最善策で最終目標だと私は思っているが、それだけでは不本意かもしれない
L.L.T.理論は把握しておくこと、戦争のための戦略はこうである
物資の補給はLightを使って行うこと、損耗したら補充すればよいのである
GC Toolsで調べて味方に悪心がないか調べること、赤の場合は光でも悪人である、全体で善を信じていても、状況次第では悪心に従うというシステムの人物もいる、よってそれらの問題も含めた上でGC Toolsで調べること
悪人がいたら人数で圧倒して武器で脅して武装解除すること、GCでスリープさせても良い、拷問を掛けて動画を公開すれば斥候に対する威圧と出来る
青色をモチーフにすれば光の青の部隊であることを解りやすく示せるため、味方同士での敵対が少なくなるが、敵からは狙い撃ちにされるだろうか(笑)
敵を撃破したら破損していない武器は必ず接収すること、破損していても修理可能なら接収して修理して配備すること
敵はなるべく捕虜にして、敵との交渉に使い、交渉にならないなら拷問を掛けて処刑してその映像を撮影してインターネット上に投稿する、ただしバカの善人の人からは誤解されて敵意を持たれるだろう
国軍にも善人の部隊は要るかもしれない、その人達とは交戦しないか共闘するか
敵に「お前はゲイか?本当のことを口に出して言え」とGCでログインして天命を掛ければ腐っている敵ならゲイは多いため味方同士で相反する
組織体制はジャハナムにすること、一定以上強いGCと言うのは等価交換の法則に依る代償を払わず周りから潰されることを考えない赤の指導者であるため、光の青が信用する上官ではない
よって光の青の範疇に収まる強さの最高の指導者以下で組織を建て、その組織の合議制の集合体で全体の組織を編成すること
システムを開いている別のGCにインストールしてもらった異能を使ってシステムを開いていないGCでも武器をコピー、異能は他にも様々な使い方が考えられる
戦闘に関わっている人にお��てはPhoenix Desktopg GC-TP-voisはたとえシステムエンジニアリングが本来自己責任でも空のインターフェイスだけでも使えるのでアリかもしれない
善のための支配領域を作るなら、善人が多い地域を中心にして善人と悪人の半強制的移住を行って善人の支配領域及び土地基盤を形成すること
XRounderから未来の情報を入手するこ���、武力闘争が上手く行くか、犠牲者は減るのか、善のための支配領域を作ることが成功するか、どの拠点がいつ国軍に襲撃されるかなど、未来を占うためにはXRounderの能力を活かすべきである
楪涼及びCobaltLightが善を信じていればXRounderの情報は当てになるはずである
国民防衛隊が善人の組織であるなら、協力して武力闘争を行うこと、共産主義者の組織でないことを確認する必要がある【共産主義者は大抵は憎しみを信じている赤である】、市民で構成された自由戦線と出自が違うなら組織を統合する必要はないかもしれないが
寝こみを襲われないよう、記者などが夜中に逮捕されたりしないよう、味方や重要人物の周りは武装した兵員で時間分担して哨戒及び警備すること
カテドラル=バザール方式で組織を構成し、統率を取りながら組織全体の意思は草の根運動の集合体として形成すること
シビュラに依る管理が徹底されていなく有効でないのなら、武装した自由戦線の市民は普通の一般市民の服装などを取ることで一般市民に紛れて国軍の敵の目を欺き、ゲリラ活動を行いやすくなる
参加者・加入者を増やすための広報・宣伝活動は行うこと、当然人手は多いほうが戦力になる
※以上全て掟に注意して掟に違反しないことを確認し、また可能な手法か正しい手法か安全な手法か自分たち自身で考えて精査した上で実行すること。
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2jigenyome-blog · 7 years
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無限射精拷問(3) この2次元嫁はどうでしょうか?
コメント: この2次元嫁ですが無限射精拷問(3)ですが未来から来た女性型ター○ネーターが僕と僕の姉を拉致して、ひたすら逆レ○プ!何度射精しても搾精拷問は終わらない!無限射精拷…なのですが俺的にはエロくて・・たまらん♪ 「 詳細はこちら 」 — Delivered by Feed43 service
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eromangmoe-blog · 7 years
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無限射精拷問 cache は今日の気になる作品はこれです
コメント: この気になる作品は 無限射精拷問 cacheですがなのですが俺的には気になってるエロ作品ですね! 「 詳細はこちら 」 — Delivered by Feed43 service
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takahashicleaning · 3 years
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TEDにて
ラス・オルトマン:薬を併用したときに何が起きるか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
前提条件として、ウイルスと細菌は異なります。
ウイルスの治療薬も必要ですが、ウイルスに有効なワクチン開発は、一般的に3段階に分けられます。
ワクチンの場合は、複数併用して注射を打つこともあります。
2つの薬を別々の理由で飲んでいるのなら、1つ怖いことをお教えしましょう。
薬の相互作用は研究が極めて難しいため、医者は薬を組み合わせたとき何が起こるかすっかり理解しているわけではないということです。
ラス・オルトマンがこの大変刺激的かつ分かりやすい講演で聞かせてくれるのは、薬の予期せぬ相互作用を見つけるために、ちょっと意外な方法 — 検索語を使うという話です。
私は、インフォマティクスとデータサイエンスを専門とする人間ですが、私の考えでは、そのような薬の相互作用について理解する唯一、見込みのある方法は、様々な異なる情報源のデータを活用することなんです。
それによって薬が併用して安全か安全でないか分かるようになります。
データサイエンスの方法をお聞かせしましょう。
実際後で分かったことですが、その当時でパロキセチンは1500万人。プラバスタチンも1500万人のアメリカ人が服用しており、両方服用している人が百万人ほどいると推定されました。
つまり、百万人もの人が、薬のせいで血糖の問題を抱えているかもしれないのです。
ニックが、FDAのデータを機械学習にかけてごちゃごちゃやった結果が、もし正しいのであれば「でも、まだ論文にはできないな。君のやっている機械学習とか言うやつを私は面白いと思うが、我々の分野で確立した実証方法とは言えない」
もっと、何かやる必要があります。
スタンフォードの電子医療記録にあたってみることにしました。研究室にコピーがあって、個人情報を取り除けば、研究目的に使えました「この2つの薬を使っている患者に血糖の問題がないか?見てみよう」
証拠はすべてデータです。FDAのデータ。スタンフォード大のデータ。ヴァンダービルト大のデータ。ハーバード大のデータ。自分で実験は1つもしていませんが、実験も大事です。
ここから得られることは何か?なぜ、この話をしたのか?
まず、我々は、今や 薬の相互作用や薬の効果そのものについての理解を助ける有望なビッグテータや中規模データを手にしているということ。
薬がどう効き、薬の使用をどう最適化できるか?理解するための新しいエコシステムができつつあるということです。ニックは、研究を続け、今ではコロンビア大学の教授です。
彼は、博士論文で何百という薬の組み合わせについて調べ、非常に重要な薬の相互作用をいくつも見つけました。我々は、同じ方法を適用して、これが薬の相互作用を見つける有効な方法であることを 示したんです。
いくつか考えるべきことがあります。
薬というのは、1度に2種類までしか使わないわけではありません。
前に言ったように、薬を、3種、5種、7種、9種。使う患者がいます。9種の薬の相互作用について研究されているのでしょうか?2つずつ組にして研究することはできます。AとB。AとC。AとD。というように。
しかし、同じ患者が飲む薬「A」「B」「C」「D」「E」「F」「G」全部一緒にはどうでしょう?
相互作用によって効果が増減したり、予期しない副作用が出たりするかもしれません。まったく分かっていません。データを使って、薬の相互作用を理解するといのうは、手つかずで開かれた新産業の研究領域なんです。
教訓がもう2つあります。
私たちが、データによって得た力について考えてほしいのです。
薬剤師や医師を通し、あるいは、患者自ら薬害反応について進んで情報提供し、スタンフォード大。ハーバード大。ヴァンダービルト大のデータベースで研究利用できるようにしてくれた人々のデータです。
みんなデータについては懸念を持っています。プライバシーやセキュリティについて心配しているし、そうあるべきです。安全なシステムが必要です。しかし、オープンデータを封印してしまうわけにはいきません。
医学において新しいことを発見し、革新し、インスピレーションを得るための非常に豊かな源なんです。
現在ある薬物療法を考えてみると大きな飛躍は、結核にせよ。うつ病にせよ。糖尿病にせよ。みんな薬の混合から生まれているのです!!
なお、ビックデータは教育や医療に限定してなら、多少は有効かもしれません。それ以外は、日本の場合、プライバシーの侵害です。
通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!
さらに、オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が
望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジー
サイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
こういう新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との
戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!
<おすすめサイト>
ダン・クワトラー:ワクチンはどのくらい速く作れるのか?
<個人的なアイデア>
前提として、公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じに形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
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shibatakanojo · 4 years
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守ってあげたい
 毎週、土曜日の午後、二時から三時まで。彼女はそのカフェでひたすらにペンを走らせていた。二人掛けのテーブル、注ぎ込む陽光を全身で受け取るかのように、ガラス窓へ向かって彼女は座っている。向かい側の椅子の背もたれには、彼女が着���きたベージュのチェスターコートと赤いグレンチェックのマフラーがかけられ、向かい合う座面には人間の代わりに黒いリュックサックが置かれた。テーブルの一冊の大学ノートには隙間なく文字が並ぶ。値の張りそうな橙色のボールペンは手帳型の付箋紙と共に真四角のポーチから取り出され、付箋紙は常に開きっぱなしだ。
 彼女の「書く」という一連の行動は、僕にはどうも儀式じみたそれのように思えてならない。週二回、あの席で一心不乱に言葉を綴り続ける彼女は一体何を、何のために書いているのだろうか。僕がそれを知ることはない。
   彼女と出会ったのは全くの偶然だったけれど、いま思えば僕にとっては必然としか言い表せないものだったし、つまりそれを奇跡と言い換えることだって容易いと言えるだろう。言葉通り『拷問』のような就職試験を死に物狂いで突破し、勤め始めた職場は絵に描いたようなブラック企業だった。退職するまでの約二年半、僕はインスタグラムやツイッターに並ぶ『仕事が原因でうつになりました漫画』のテンプレートをなぞるように少しずつ精神を蝕まれ、家族や友人と距離を置き、笑いかたを忘れ、入浴を億劫がるようになり、布団から起き上がれなくなり、出社できなくなり、そうしてある日心療内科で「うつ病ですね」と告げられた。白髪交じりの担当医は重くもなく軽くもない調子で「しばらくお休みましょう」「ご家族と連絡はとれますか」「今後は隔週で通院してくださいね」「薬はあくまで薬ですから、怖がる必要なんてありませんよ」「ちょっと疲れちゃっただけのことですからね」「どうか心配しないで」「これもあなたがきょうまで頑張ってきた証拠なんですよ」などと、定型の文言を少々僕向けにカスタマイズしたうえでいくつも並べ立ててみせた。僕が曖昧な返事をすると彼は、
「大丈夫。うつは心の風邪です。きっとよくなりますよ」
 原型から外したばかりの仮面みたいな笑顔で僕にそう告げる。きっとよくなる、と話す彼の目がひどく澱んでいることを、僕は少し怖いと思った。医師の指示通り、職場へしばらく休職させてほしいと告げると上司は一切渋る様子もなく、「あ、はい。そういうことなら了解です」と言って、へらへらと笑った。細かな手続きを行う過程の中でも、僕は自分がこの会社の手駒にすら勘定されていないことを改めて思い知る。誰も僕を引き止めない。誰も僕に同情しない。誰も僕の復帰を期待していない。誰もが皆、無表情で書類や画面を睨み、死体みたいな顔のまま異常なほどに明るい声色で電話を取る。嬉々として罵ってくる上司とあわせる部下の両眼は、あの日の担当医のそれと酷似していた。
 ああ、そうか。ここにいる僕らは人じゃない。ただのリビングデッドなんだ。
 僕は休職を撤回し、退職願を提出した。肌寒い秋の始め、僕はもう一度人になりたいと思っていた。
   治療らしい治療をした実感はない。
 毎日決められたタイミングで薬を飲み、隔週で心療内科へ行って、その間の出来事や感情の変化、体調の良し悪しなどを伝え、それを聞いた医者は僕へ相応の言葉を返しながら薬を増減させる。たったそれだけのことで僕の世界はみるみる優しさを取り戻していった。最初のうちは医者や看護師がいう「お大事にどうぞ」という言葉にすら「こいつらは一体僕に、僕の何を大事にしろというのだろうか?」などと内心腹を立てていたというのに、数ヵ月もしたころには僕も “僕の平均値”に戻りつつあり、彼らへ、
「ありがとうございました」
 と穏やかな顔で返せるようになっていた。渡された定型文へ、そっくり定型文を投げ返すだけのことがこんなにも難しいだなんて、僕は自らの精神を病むまでずっと知らずにいた。なんてことない出来事に笑うだけのことがこんなにも心を満たしてくれる。家族や友人がいる幸せ、温かな湯船を心地よいと感じる瞬間の安堵、朝陽の眩しさ。僕にとってはあまりに過酷すぎた会社勤めで失った美しくやわらかで希少な生活の一つ一つを、そうして僕はまた一つずつ取り戻していく。
「ああ、あなたは花が咲くように笑うのねえ」
 担当医に薦められ、勇気を振り絞って顔を出した『交流会』で隣の席になった初老の女性にそう言われたとき、僕は「これを患ったことは決してマイナスじゃない」と心から思った。通院が隔週からひと月に一度になり、さらにふた月に一度になったころ、季節はまた冬を迎えていた。
  「気が向いたときでいいですから、外に出かけてみるといいかもしれませんね。たとえば、日中の散歩だとか」
 医師の提案を受け、その日僕は近所をふらふらと歩いていた。気温は低く吐く息も白んでいるが、きんと尖った空気はむしろ僕にとっては清潔なものだと感じられ、不快感なんてどこにもなかった。僕のアパートはおんぼろな代わりに立地がよく、十分も歩けば街中へ出ることができる。そういえばここしばらく、買い物はインターネットか最寄りのホームセンター、食料品はスーパーマーケットやコンビニエンスストアで値下げ品ばかり買っている。きょうは随分気分がいい、イヤホンを嵌めていれば人目もそれほど気にせずに動けそうだった。久しぶりに本屋にでも行ってみようか。余裕があれば服屋に行ってパーカーの一つでも買ってきたっていい。ああ、そういえばこの履き古したスニーカーもずっと買い替えたいと思っていたんだったな。
 進行方向を変え、銀杏並木を東に進む。頬をかすめる風が冷たい。フライトジャケットに突っ込んだ両手の関節がきしむ。日曜の午後、午後三時過ぎ。どこまでも冷え切った、気持ちのいい、空の高い日だった。
   僕の機嫌は二十分ももたなかった。
 駅ビルに入り、本屋までの長い通路を歩くだけのことで僕は十二分に精神をすり減らしていて、周囲の人間が気になり立ち読みをしようにも内容は一切頭に入ってこなかった。イヤホンから流れる音楽を今の自分に寄り添ってくれるような歌詞のものに変えても、限界まで音量を上げても効果は一切ない。掌が汗ばんでくる。心臓はバクバクと暴れ、目が泳ぐ。本棚の透き間、狭い通路を何人もの他人が通り過ぎる。そのたび互いのアウターが擦れ、布越しに人間の気配がべったりと僕の肌にこびりつく。
 気持ち悪い。吐き気がする。鳥肌が立つ。あまりの不快感に後頭部を掻きむしりたくなってくる。今にも叫び出しそうだった。
 乱暴に本を戻し早足で店を出た。音量をさらに上げて世界から自分を完全に隔離する。駅ビルが勢いよく僕を吐瀉する。全身からだらだらと汗がふき出しているのに、手足は氷のように冷え切っていた。震える両手で自動販売機を操作し缶コーヒーを買う。必死の思いで駅裏の公園に行き冷たいベンチに腰掛け、そこでようやくプルトップを開けることができた。カシュ、と空気が漏れる。深呼吸を繰り返し、あえて時間をかけてそれを味わいながら、僕は僕に「もう一人きりだから」と何度���繰り返し説いた。もう一人だから。もう誰も僕を見ていないから。もう誰にも僕は見えていないから。もう落ち着いていいから。もう大丈夫だから。
 あまりの情けなさに、油断すると涙が溢れそうだった。
 今の僕は本屋で立ち読みすらできない。服屋なんてもっての外、靴なんて買えるわけがなかった。土埃で黒ずんだ爪先を見る。ソールは斜めにすり減り、全体的に黄ばんで何ともみすぼらしい。今の僕とよく似ていると気づき、軽く笑い飛ばしてみる。どのみち惨めだった。
 缶コーヒーを飲み終えても、僕はなかなかその場を立ち去れずにいた。どれだけ待っても立ち上がる気力が湧いてこなかったのだ。家族に迎えを頼みたいけれど、実家はここから車で一時間以上かかる場所にある。かかりつけの病院に電話をかけてみようか、いやしかしこの程度のことで対処してもらえるとも思えない。あるいは担当医が話くらいは聞いてくれるかもしれないけれど、どうせ適当な励ましの言葉をいくつか投げかけられ、「だからどうにかして一人で帰ってくれ」とでも言われるのだろう。あの日会社から引き留めてもらえなかった僕は、やはり誰からも助けてもらえそうになかった。
「あー、死にてえなあ」
 不意に口から出たその言葉は、極めて自然な表情をしていた。ああ、それもいいかもしれないな。そんなふうに思っているうち、ぼろ、と涙が零れる。あ、やべ。慌てて手の甲で涙を拭うが、一度溢れた涙はなかなか止めることができないもので、必死に瞳をこすっても次から次へと大粒の雫が両頬を濡らしていった。いっそけらけらと笑い飛ばしてやりたいような、あるいは大声を上げ怒り狂いたいような、けれどどちらも現実的ではない、そういったやり切れなさがなおさら涙を促す。ああ、本当に、もう死んでしまいたいなあ。いよいよ僕は涙を拭うことも諦めて、じっと俯き、時折しゃくり上げながら自身の感情が落ち着くのを待った。
「あの……、どうかなさいましたか?」
 ふと頭上から若い女の声がした。ぱっと顔を上げると、目の前には品のいいショートカットの女性が立っていて、
「具合、悪いんですか? 大丈夫ですか?」
 彼女は僕へ向かって白いハンカチを差し出している。何か返事をしなければ。今の僕にとって、医者以外の他人と向かい合って話すことはあまりにも久しいものだった。うまく言葉が出てこない。彼女は一方的に話を始めている。
「すみません、少し前からあなたが泣いてらっしゃるのには気づいていて。声をかけるか迷っていたんですけど、その……、ご迷惑でしたか?」
「あ、あの、いえ……、ありがとうございます。で、でも大丈夫ですので、はい。あの、少しだけ休んでいこうと思っていただけで……。コーヒーを飲み切るまで」
 とっくに飲み切ってあったコーヒーの缶を顔の横で振ってみせる。彼女は「ああ、そうなんですね」と言い、それから、
「私も、休んでいこうかな」
 僕から一人分より少し足りない程度に間隔を開け、そっとベンチに腰掛けた。
「もう冬だから仕方ないけれど、やっぱり外は冷えますね。はー、寒い。でもこう寒いと温かい飲み物がおいしいんですよね。朝に目が覚めて、布団から出るのは勇気が要るけれど、寒い台所に立って丁寧にコーヒーを淹れて、それを暖まりかけた居室で飲むの、何より好きだなあ」
 女性はつらつらと一人で話しながら、鞄から掌より少し大きい水筒を取り出した。口をひねり、それをカップにして中身を注ぐ。
「ホットレモネードをね、毎朝ポットに入れて持ち歩いているんです。休日に蜂蜜漬けのレモンを作っておいて、そのシロップを少し濃い目にお湯で割って、ポットに注いで。職場ではサーバーのコーヒーが常に飲める状態になっているからそれを飲んで、行き帰りだけ、このホットレモネードをバスに揺られながらこっそり飲むんです。仕事ってどうしても疲れちゃうけど、そこから離れたときに温かい飲み物があるとちょっとだけ、ほんのちょっとだけ落ち着けるんですよ。まあ、私の場合は、ですけどね。あ、ちなみに夏場は水で割って、氷を入れてキンと冷やして持っていくんです。帰るころには氷も溶けちゃって薄まっているんですけど、まあそれもそれでおいしくて。ふふ、いわゆる“馬鹿舌”なのかもしれませんね」
 彼女が注いだ液体からは柑橘の甘酸っぱい香りがする。かすかに湯気の立つそれを、彼女は大切そうにゆっくりと口に含んだ。ああ、おいしい。彼女が呟く。
「この辺りにはよくいらっしゃるんですか?」
 女性の問いかけに、いえ、と短く答える。彼女は、そうなんですね、とワンクッション置いてから、
「私は毎日二回、この公園の前を通るんです。ほら、この道を真っ直ぐ下るとバスターミナルがあるでしょう? 毎朝あそこで降りて会社に向かって、毎晩あそこから家に帰るんです。だから」
「ああ、なるほど。そうなんですね」
「ええ。それで、朝にこの公園の前を通ると三日に一回くらい、灰色の毛の猫の親子に会えるんです。親猫も、子猫も、ふたりして桜耳でね。最初は目が合ってもプイっとすぐにそっぽを向かれてしまったんですけど、朝会うたびに『おはよう、きょうもかわいいね』って声をかけるようにしていたら、最近は親猫が私の声に答えるみたいに尻尾をふわって一回だけ揺らしてくれるようになったんです。それがもう、すっごくかわいくて。野良の子に餌をあげるのはあまりよくないって話も聞くからそういうのはやらないようにしているんですけど、でももう、なんていうか、そうやって会うたび『おはよう』って話しかけていると次第にその子たちが友達みたいに思えてくるんです。何日も会えない日が続くと、ああ元気かな、怪我とかしてないかな、ごはんは満足に食べられてるのかな、あったかい場所で眠れてるかな……って。飼ってあげられたら一番いいんでしょうけど、私が住んでいるところはペット禁止だし、そもそも動物、見ている分はともかく、触るとかそういうのはあんまり得意じゃなくて。あはは、ひどい話なんですけどね。それでもやっぱり、うん……、私はあの二匹のことが好きだな」
 女性がホットレモネードを含む。うん、おいしいな。そう呟く。女性が確かに僕を見る。それから静かに口を開いて、
「うまく言えなくて申し訳ないんですけど、その、なんていうか、だから……死んじゃうのって勿体ないと思うんです」
 と言った。
「本当に、大したことは言えないけれど、寒い朝に飲むコーヒーがおいしいとか、疲れた身体にレモネードが沁みるとか、時々会う猫がかわいいとか、その猫に会えなくて心配になっちゃう気持ちとか……。そういうの、死んじゃったら全部わかんなくなると思うんです、それはすごく勿体ないって思うんです。生きるってきっと、結論を先延ばしにし続けるだけのことでいいはずなんですよ。何か、確かな希望をもって生きるなんてそうそうできることじゃなくて、でも毎日……毎朝、毎晩『別に死ぬのは今日じゃなくてもいいかな、とりあえず明日まで生きておくか』って、その程度でいいって、私は思うんです」
 彼女は水筒を強く握りしめていた。いつの間にか彼女の視線は自身の履いている革靴に移動している。焦げ茶色のサイドゴアブーツ。丁寧に磨かれたそれは彼女のやわらかな雰囲気とよく合っていた。
「あはは、あの、すみませんお節介なこと言ってしまって。なんていうか、私も、昔ちょっと死にたいって思っていた時期があって。そういう時期がすごく長くて……。だからその、死にたいって声が聞こえてきて、ああこの人に話しかけたいなって、そう思っちゃって。ごめんなさい、いきなり。ご迷惑でしたでしょうね」
 まあ、じゃあ、私はここで。そういって彼女はやおら立ち上がると僕に向かい合って、左手を顔の横で小さく振りながら去っていく。彼女のその華奢な手首には横向きの古傷が何本も走っていて、彼女の言葉を無言で裏付けていた。
 その夜、僕は一人の部屋で彼女のことばかり考えていた。毎朝一日二回、朝と晩と通りすがる公園。親子猫と会える日。冷え切った部屋と温かいコーヒー。手づくりのレモネード。先延ばしにし続けた希死念慮。手首の傷痕。
「『別に死ぬのは今日じゃなくてもいいかな、とりあえず明日まで生きておくか』……」
 彼女の言葉を反芻する。
 彼女のことだけを思い出している。
   翌朝、目が覚めてからも僕はずっと彼女のことを考えていた。いつの間にか思考は彼女の言葉から彼女自身のことに移っている。丸みを帯びたショートカット。直線的な眉。末広がりのつぶらな二重。小さな鼻と唇。水筒を開ける指先の繊細さ。ベージュ色に塗られた艶やかな爪。飼い犬のように親しげな笑顔でありながら、いくらか広めに距離をとってベンチに腰掛けるところはまるで野良猫が互いのパーソナルスペースを侵すまいと神経を尖らせているふうだとも思えた。
 彼女は、非常にかわいらしい女性だった。
 時計を見る。午後五時十分前。彼女は今頃職場だろうか。一体どんな仕事をしているのだろう。どうして昨日はあんな時間にあの公園の前を通ったのだろう。いくら僕が「死にたい」と漏らしていたとはいえ、そして自身も死にたいと思っていた過去があるとはいえ、なぜ僕なんかに話しかけてくれたのだろう。
 立ち上がり、昨日と同じフライトジャケットを羽織る。マフラーを巻き、手袋をはめ、財布をポケットにねじ込み部屋を出る。すっかり暗くなった宵の道、公園へ向かった。
 いくらか急ぎ足で歩いたこともあり、六時過ぎには駅前に辿り着いていた。できる限り人間と目を合わせないよう気を配りながら自動販売機で缶コーヒーを二本買い、それを両手に駅裏の公園を目指す。通り過ぎる女性全員の風貌をそれとなく観察し、彼女ではないかと期待してはすぐに落胆させられる。
 そこから午後九時半まで、昨日と同じベンチの同じ場所に座りながら、僕は公園前を過ぎる人々を眺め続けた。真っ暗な公園、街灯は申し訳程度の明るさしかなく、その場に三時間以上留まっていた僕は誰が見ても不審者そのものだっただろう。実際その場にいた僕は不審だったのだと思う。
 様々の偶然が重なって、その日、その数十分だけ話しただけの女性にもう一度会いたいと願う男。何か伝えたいことがあるわけではないし、何か言ってほしいことがあるわけでもなかった。ただ僕は彼女にもう一度会いたいと思ってしまった、それだけだ。きっとそれは彼女がきょうも猫の親子を見られたら嬉しいと、毎朝その姿を探してしまう感覚に限りなく近い。ほんの小さな幸運を、幸福を、彼女が二匹の猫や温かな飲み物に見出すように、僕は彼女の存在に小さな幸運を見出したのだ。
 その夜、僕は彼女を見つけられなかった。
   以来、僕は毎日二回、公園で彼女を待つようになった。彼女が言った“朝”や“晩”が具体的に何時なのかを知らない僕は、朝は七時から九時まで、晩は六時から九時半まで公園のベンチに居座り続けた。行くたび駅前の自動販売機で温かなコーヒーを二本買い、通りを眺めながら彼女を待ち、一本だけ時間をかけて飲む。もう一本は彼女と出会えたら渡そうと思っているのだが、今のところそれは叶わず、帰り道にとぼとぼと歩きながら冷え切った状態のそれを飲んだ。
 そのようにして僕は四日連続で彼女を待ってみたが、しかし不思議なくらい彼女に出会えはしなかった。あるいは彼女はもっと早い時間に公園の前を通り、もっと遅い時間にあの公園を通るのかもしれない。
 彼女のいう猫の親子にも会える気配はなかった。アウターのポケットに猫用のペットフードを仕込んでいる意味は、今のところない。
  「少し、痩せましたか?」
 二週間前に会ったばかりの医者からそう指摘され、取り繕うように「体力を戻そうと思って、毎日走るようにしているんです」と返した。医者は「それはとってもいいですね」と言い、それから、
「でもまあ、あまり無理はしないでくださいね。何事も適度に行うのがベストですから」
「ああ、はい。わかりました。適度に」
「ええ、適度に」
 彼は僕に対して何かを言いたげなようにも見えたし、一刻も早く診察を切り上げたがっているようにも見えた。薬の飲み忘れはありませんか。飲んでいて、何か気になる点などはありませんか。夜はしっかり眠れていますか、途中で目が覚めてしまうことはありませんか。定型的な医師の質問へ一つ一つ「ありません、ありません、ありません」と同じ言葉だけを繰り返す。
「最後に、何か気になることがあれば」
 普段であればこの質問へも「特にありません」と返している。ただ、その日の僕は普段の僕と少し違う僕だった。彼女、という人間を知り、そのうえで再び会うことが叶わず、そして僕は今彼女にもう一度会いたいと思っていた。僕は彼女を切望する人間に変わっていた。
「あの、ええと……」
 その事実をどのようにして伝え、相談すればいいのだろうと思惟する。恥はかきたくなかったし、不必要に訝しがられることも避けたかった。この四日間で不審がられることには十二分に慣れたが、だからといってそのような扱いを受け入れられるようになったわけでもなかったのだ。
「なんというか……、その、気になる人ができたんですけど、なかなかタイミングがあわなくて。親しくなりたいというか、うまく話しせたらいいのにというか……。えー、その……、こういう場合って、一体どう立ち回ったらいいんでしょうか?」
 僕の的を射ない話を受け、医師はなぜか困ったように笑った。そうですね、と一度間を置いてから、
「自分をよく見せようとか、大きく見せようとか、そういうことではなく……、まあ、素直に笑い合えるようになれたなら、きっと、楽しいのでしょうね」
 僕とはまた違う、けれど僕と似たように的を射ない物言いで彼はやはり僕に笑いかける。ああ、はい、わかりました、ありがとうございます。医師の発言の意味は理解できなかったけれど、ひとまず礼を伝えて頭を下げる。彼は「いえ、では、きょうは」と僕に別れを告げた。僕も再び頭を下げて、
「ありがとうございました」
 そういって困惑したまま診察室を出る。僕と話しながら、医師は眉を下げ、口角を上げ、頬を持ち上げて確かに笑っていた。笑ってはいたが、彼の目は弧を描いてはいなかった。もうずっとひどく疲れたままなのだろう、前々から両眼は澱んでいたが、先ほどの彼はそういう次元ではない、まるで何かを警戒するような、何かを危惧するような、そんな目をしていたように思えて仕方がなかった。
   その日の朝にも僕は彼女と会いたくてあの公園で座っていたし、その日の晩にも僕は公園で彼女を待ち伏せていた。きょうは月末の金曜日の夜だった。退勤後、このまま街中で飲んでいくのだろう男女が笑いながら公園の前を過ぎていく。いつもよりも早い時間なのに人の通りは激しかった。さすがはプレミアムフライデーだな、と鼻で嗤う。
 半分ほど中身の残る缶コーヒーを手の中で持て余している最中、僕はようやくそのベージュのチェスターコートの女性を目にした。品のいいショートカット、グレンチェックの赤いマフラー。間違いない。彼女だった。
 彼女は同年代の男性と、年配の女性と共に、笑いながら歩いていた。彼女の瞳は年配女性の手元を捉えている。はめられた手袋を見ているらしかった。不思議なくらい彼女の目線はそこから移らない。彼女と女性が何度か頷いている。話しかけに行きたかったが、僕の足は動く気配などなかった。このままでは彼女が行ってしまう、僕は何とか情報を手に入れようと、必死に耳を澄ます。彼女と年配女性の声は聞こえてこなかったが、同年代らしき男性が、
「ってことは、明日も×××で?」
 と割合大きな声で彼女に訊ねる。彼女は一度曖昧に笑って、しかし何かを言いながら頷いたのを僕は確かに見た。彼が挙げた名前は、駅中にあるチェーンの喫茶店の店名だった。明日、彼女はそこに行くのかもしれない。
 結局そのまま彼女は行ってしまい、僕は彼女に話しかけられなかった。
「明日、も」
 いつの間にか足元には二匹の猫がいた。僕のほうを見上げ、物欲しそうに鳴いている。僕はポケットに入れていたペットフードを開封し地面に放り投げる。猫たちが餌を貪る様を眺めながら、僕は明日の自分が彼女にどう話しかけるべきかを考えていた。
   帰宅後スマートフォンで調べると、その喫茶店は朝七時半から開いているらしかった。一晩考え続け、結局翌朝七時に家を出る。彼女が朝一でその喫茶店にやってこないとは言い切れなかった。開店十五分前から店の前に並ぶ。僕以外の人間は誰もいない。しばらくして店が開き、店内へ招かれる。朝食としてホットコーヒーとミルクレープを注文し、支払いを済ませ、他の座席をよく見渡せる、隅の席に腰掛けた。昨日まで寒空の下公園のベンチに座っていたせいで、店内の程よく調節された空調が天国のようにも思える。多少インストゥルメンタルの音楽が賑やかすぎるとは思ったが、それもコーヒーを飲み干すころにはすっかり慣れてしまった。店員に促されるままにコーヒーのおかわりをもらう。今のところ彼女がやってくる気配はなかった。さすがに早すぎたのかもしれない。あの男性は、彼女が何時にこの店にやってくるのかを知っていたのだろうか。
 彼女がこの店に入ってきた後のことを想像する。真っ先にレジへ向かった彼女は何か、温かな飲み物を注文する。僕と同じようにミルクレープも頼むかもしれない。それらを受け取った彼女は席を探しに歩き出し、
「あれ? もしかして……?」
 僕を“僕”だと認識した彼女は、笑いながら僕に近づいてきてくれるだろうか。あるいは軽く会釈をするだけに留めるのかもしれない。そうしたら僕は立ち上がって彼女に近づいて、この間の礼を伝えるのだ。うまくいけばその後相席させてもらえるかもしれない。きっと僕らは何か意味のある会話をするのだろうが、けれど僕は彼女の左手首の傷の理由にはあえて触れないだろう。その���えで僕は僕のことを少しだけ話すのだ、この間の涙の言い訳として。彼女はそっと慰めてくれるかもしれないし、よくある話だと軽快に笑い飛ばしてくれるかもしれない。どちらにせよそれは僕にとって明確な救いとなる。
 静かにコーヒーを含む。しっかりと苦くコクがあり、酸味は微かで、深い香りは鼻腔を満たす。ここ数日飲み続けた缶コーヒーとは比べ物にならない味わいに、今日まで彼女に会えずにいたことをむしろありがたいと思った。
   昼を過ぎても彼女は現れなかった。入店して四時間も経つと店員は鬱陶しそうに僕を睨むようになり、いつの間にかおかわりを訊ねてくることもなくなっている。申し訳程度に何度か別のメニューを頼むが、心なしか応対も冷たくなっているように感じた。さすがに居づらくなってきて、四度目の注文を食べ切った午後二時手前、逃げ出すように店を後にする。他の客には必ず告げていた、ありがとうございました、の一言はどの店員からも言ってもらえなかった。
 背を丸め、件の公園のほうへと歩き出す。彼女がきょうもあの公園前の道を通る可能性に賭けようと思っていた。いくら冬だとはいえ、きょうはやけに気温が低い。風邪をひかないといいのだが、この寒空の下どう対処すべきだろうなどと考えていると、ふと遠くからベージュのチェスターコートの女性が歩いてくるのが見えた。目を凝らす。赤いグレンチェックのマフラーに丸みを帯びたショートカット。じっと顔を見つめる――間違いない。彼女だ。きょうの彼女は両耳にイヤホンを挿していた。大振りの、キャンバス地のトートバッ��が重そうだ。おそらくこれからあの喫茶店に入るのだろう。店内で会うシーンはシミュレーション済みでも、こうしてすれ違うことは全くの想定外だった。何か話しかけなければ、彼女が行ってしまう。しかし彼女はイヤホンをはめていて、いっそ奇妙なくらい目線も合わない。何かを伝えようにも僕の声はきっと届かないだろう。身振り手振りで彼女にアピールする必要があった。しかし、どうやって。考えを巡らせているうちにも順調に彼女は僕に近づいてくる。残り、あと数メートル。
「あ、あの」
 イヤホンをはめこちらを見ようともしない彼女に、案の定僕のか細い声は届かなかった。僕の横を通り過ぎた彼女が喫茶店に入る様を振り向いて見届ける。もう一度あの店に入る勇気はなかったが、せっかく得たチャンスを手放す勇気も僕にはない。
 僕はただじっとその場に立って、彼女が店から出てくるのを待った。
   一時間後、彼女が店から出てくる。重そうな鞄を左肩に、駅地下へと向かっていく。おおよそ彼女と同年代だろう若い女が複数人並ぶデリカテッセンの前で立ち止まった彼女は、その店でいくつかの商品を買った。その後、彼女は駅前のバス停に並ぶ。数分ほどスマートフォンをいじっているうちに某バスターミナルへと向かうバスがやってきて、彼女はそれに乗り込み僕の前から消え去った。僕はそれらを物陰から、走りゆくバスが全く見えなくなるまでじっと見つめていた。
 駅に戻り、先ほどの店に入る。彼女が何を買ったかまでは見えなかったが、その店に並んだやたらに値の張る品のいい数々の総菜は彼女の雰囲気によくあっている気がした。ほうれん草とグリュイエールチーズのキッシュ、という商品を買うと、店員はそれを彼女が受け取っていたものとサイズ違いの白い小箱に納めて渡してくれる。帰宅後、電子レンジで加熱して食べたそれはよくわからない香辛料の複雑な香りがした。
   翌日の日曜は一日中家にいたが、さらに翌日、月曜の朝になると僕はまたあの公園のベンチに座っていた。月曜から金曜、朝は七時から九時、晩は六時から九時半。数日に一度やってくる二匹の猫をかわいいと思ったことはただの一度もなかったが、いつ彼女に見られるかはわからない、僕は「そのふたつの命が愛しくて仕方ない」という演技をしながら会うたびその二匹にペットフードを与えた。残念ながらあの夜を除き平日に彼女とすれ違えることはなく、しかし彼女は毎週土曜、午後二時から三時までをあの喫茶店で過ごすと気づいてからは平日の公園も苦ではなくなった。土曜日にだけ会える彼女のために、僕はそれ以外の日々をうまくやりこなすのだ。何の愛情も持てない猫への餌づけも、日に日に寒くなってくる気候も、味気ないだけの缶コーヒーも、他人の冷たい目線も、土曜の午後に見つめられる彼女の姿を思えば何の苦でもなかった。彼女が喫茶店にやってくる三十分前に喫茶店へ入り、ホットコーヒーとミルクレープを頼んで一番隅の席に座る。彼女は毎回違う席に座るが、店内の座席は僕にとって都合のいい配置となっていて、窓際の、薄暗くうまく暖房の届かない、人気のないこの席だけは他のすべての席を確認できる位置にあった。
 最初の数回こそ「今日こそは彼女に声をかけよう」と腹に決めながらその席に座り、結局何も言えないまま彼女を見送る自分に落胆していたが、次第に僕は別にこのままでもいいのではないかと自身の考えを改め始めた。僕にとって彼女は、誰がどう見ても高嶺の花だった。整った顔立ち、やわらかな笑顔、しなやかな指先。店員への応対を見ていても彼女の優しさは明らかで、僕のような人間が触れていい生き物だとは到底思えなかった。長袖を着ている彼女の左手首の古傷に気づいている人間は、この店内、きっと僕ひとりだろう。彼女との秘密の共有は思い出すだけでもひどく甘美なことで、僕の心はそれだけで充分すぎるほどに満たされていた。
 僕は陰として、彼女からは見えない場所で、彼女をそっと見守っていよう。
 店の中で彼女はいつも大学ノートを開き、そこへ何かを書き込んでいる。そのノートに書かれている文章が何なのかを僕は知らない。知りたいとは思ったが、だからといって彼女に話しかけようとはもう考えもしなかった。陰はあくまでも陰だ。話しかける、という行為は陰にそぐわない。ミルクレープを頬張る。もう何度目かもわからないその味に、今更何かを思うことなどなかった。
   彼女を見守り始めて二か月と少し、数日に一度は春めいた日差しが降り注ぐようになった土曜日。きょうも僕は駅中の喫茶店で彼女を待っていた。コーヒーとミルクレープを頼み、いつもの席に座って腕時計を確認する。あと十分程度で彼女もやってくるだろう。きょうの彼女はどんな服を着ているだろうか。彼女は女性らしい服装を好んでいるらしく、ワンピースやスカートが多く、パンツスタイルは一度しか見たことがなかった。俯いてノートに向かうとき、彼女は両耳に髪をかける。露わになる華奢な首筋は加護欲を駆り立てられるそれで、見るたびに美しいと思った。彼女がくるまで、あと五分――
「あの、すみません。少しお時間いいですか?」
 目の前にひとりの男が立っていた。彼は、明らかに僕に向かって話しかけている。どこかで見たことのある顔だが、どうしてだろうそこまでしか思い出せない。
「え、あの、いや……はい?」
 男の目的が理解できず、曖昧に笑ってみせる。すると男は、
「単刀直入にお訊ねします。あなた、ある女性に付きまとっていますよね?」
「……は?」
「毎週土曜日、ここで彼女のことを見張っていますよね。駅裏の公園では月曜から金曜、それも朝と晩、二回も待ち伏せしている。違いますか?」
 どうやら男は彼女のことを言っているらしかった。少しずつ記憶が繋がっていく。ああ、そうだ、この男は、あの夜彼女が喫茶店に現れることを教えてくれた男だ。男は、僕が彼女を見張っていると言った。男は、僕が、彼女を、待ち伏せしていると言った。
 ふと店のレジカウンターのほうを見るとそこには彼女がいた。彼女の隣には若い男の店員が立っていて、僕をきつく睨みつけている。彼女は僕のほうを見ていなかったけれど、その表情は男性店員とよく似ているようにもみえた。
「彼女から話はある程度聞いてあります。彼女の言葉を受けてあなたがどう感じたかは知りませんけど、毎日毎日待ち伏せる、そのうえつけ回して見張っているなんて……どうかしているとは思わないんですか? 何の権利があって彼女にそんなことを?」
「え、いや、あの、僕はべつにそんな……」
「べつに? それは言い訳ですか?」
 男は僕が彼女をつけ回していると信じて疑わないようだった。早急に誤解を解かなければならない、僕は席を立ち彼女のほうへと歩き出す。すると彼女は短い悲鳴を上げ、店員は僕から彼女を隠すようにずいと前に立ち、男は僕の右腕を掴んだ。店内が一気にざわつく。
「あの、どういう意味かよくわからないのですが、僕はべつにそんな、彼女をつけ回してなんていませんよ、それは誤解です、僕はただ彼女ともう一度話がしたくて、ただそれだけのことですよ、つけ回すなんてそんな言い方、まるで僕がストーカーみたいじゃないですか、いやだなあ困りますよ、僕があなたを見張っていた? 違いますよ、誤解ですよ、ただ僕はあなたを見ていたかっただけのことで、それを見張っているだなんて――」
「“見ていたかったから、声もかけずに待ち伏せてじっと見張っていた”。世間ではそれをストーカーと呼ぶんです」
 男がいくらか声を荒らげて僕にいう。掴まれた右腕が痛い。
「それはあなたの考えですよね? これは僕と彼女の関わりです、あなたは黙っていてください」
「自分はその“彼女”に頼まれて、こうしてあなたに訊いているんですよ。駅裏で泣いている男に声をかけたら、何がどうなったのかわからないけれど毎日待ち伏せられるようになった、週に一度の楽しみの喫茶店にも毎回いる気がする、つけられているんだと思う、気味が悪い、助けてほしい、と」
 僕には男の話した言葉の意味が一切理解できなかった。
 気味が悪い? 僕が? 彼女にとって? 助けてほしいと頼まれた?
 彼女を見る。目が合う。あなたの誤解なんですよ、という意味を込め、僕は彼女へそっと、素直に、花が咲くように微笑んでみせた。その瞬間、彼女はボロッと大粒の涙を溢し、
「ひっ」
 と短く声を上げる。
 僕の腕を掴んでいた男は座席に置いてあった僕の鞄を乱暴に抱えると、
「あの、すみませんが近くに交番がありますよね? 電話をかけていただいてもよろしいですか?」
 彼は彼女の前に立ち塞がる男に声をかける。店員は短く「かしこまりました」と言うと、レジカウンターの奥でこちらの様子を窺っていた女性店員に「お願いできる?」と伝える。女性店員は慌てながらも二、三度頷き、そのまま奥へと下がって行った。その間も男性店員は彼女の前から退こうとしない。
 気がつけば僕の周りでは遠巻きに、けれどいざとなったなら全員で取り押さえられるように、複数の男たちが僕を囲んでじっと睨んでいる。その輪の後ろ側には女性が何人も立っていて、皆一様に口元や胸元へ手を宛がいながらまるで化物でも見ているかのような形相でこちらを見ていた。電話を終えた女性店員がカウンターから出てきて、男性店員に耳打ちした後、彼女の肩をそっと抱き、
「きっともう大丈夫ですよ」
 と言った。涙声で、はい、と返事をした彼女は、しかしそのまま膝からくずおれ、小さく震えて荒い呼吸を繰り返している。女性店員は何度も彼女の肩をさすり上げながら、
「もう心配いらないですよ、きょうまでよく頑張りましたね。もう大丈夫です」
 ほんの数ヵ月前、僕が担当医から言われたような定型の慰めの言葉を、どこまでも優しい声でかけられていた。店の外が少しずつざわついている。きっともうすぐ警察がくる。僕は彼らに連れられ、どうしてこのようなことをしたのかと問われるのだろう。僕はその問いに何と答えればいいのかわからない。今の僕ではその先延ばしにできないだろう答えを支度できそうもなかった。
 彼女が嗚咽を上げて泣いている。そえはまるでいつかの僕のようだった。
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sassy324 · 4 years
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第十世班禪喇嘛死因之謎探究 文/桑傑嘉 上世紀八十年代,中共最高掌權者在圖伯特(西藏)實施了一起重大謀殺行動,在這次謀殺行動中圖伯特第二大著名領袖—第十世班禪額爾德尼•確吉堅贊遇害。這對圖伯特國家和人民造成無法估量的損失,更不能容忍的是中共謀殺了班禪喇嘛後稱其是“中國共產黨的忠誠朋友”,這是對第十世班禪喇嘛極大的侮辱。
雖然,中共掩蓋了謀殺班禪喇嘛真相二十多年,但是,他們無法永遠掩蓋,隨著境內外藏人和學者以及關注這件謀殺案的人們經過多年的調查、研究後,由中共高層領導人經過長時間策劃的謀殺事件之真相逐漸浮出了水面。中共有關班禪喇嘛圓寂的謊言編造的再好也經不起事實真相的拷問。
圖伯特第二大領袖第十世班禪喇嘛額爾德尼•確吉堅贊於1989年1月28日圓寂的噩耗傳來時,整個雪域高原沉浸在了無限的悲痛中—。昨天還不是好好的嗎?我們的仁波切(班禪喇嘛)也沒有什麼健康問題—悲痛的同時幾乎每個圖伯特人產生了一連串的問號。但是,這不能公開講,而且,更不能讓政府聽到,所以,大人們確定沒有其他人在場的時候,談論班禪喇嘛圓寂的事。雖然他們只有中國官方公開的消息,但是,他們還是非常堅定的認為“加米仲當尼應”(藏語,是中國人害死的)。當時在境內的圖伯特人無法公開質疑中共公佈的有關班禪喇嘛圓寂的說法,但是每一個圖伯特人堅定地認為中國人殺害了班禪喇嘛。也因此,“第十世班禪喇嘛圓寂後圖伯特一位高級珠古冒著生命危險通過各種渠道從法體上成功獲取了頭髮和唾液,並想辦法送到印度進行鑑定,但由於有人告密而未能送達印度。” 如何謀殺班禪喇嘛? 中共高層掌權者秘密決定謀殺班禪喇嘛後,精選了必要的人員,同時也選擇了實施計劃的地點、時間等。
為了避免懷疑班禪喇嘛遭謀殺,地點選擇在圖伯特班禪喇嘛的寺院扎什倫布寺,而非北京和中國其它地方。這一計對圖伯特人起到一定的欺騙作用,因為,一般情況下圖伯特大喇嘛們選擇回到自己的寺院顯示圓寂。時間是班禪喇嘛在扎什倫布寺主持第五世至九世班禪喇嘛合葬靈塔開光大典之際。
首先,中共利用謀殺班禪喇嘛前一年的時間“有組織、有計劃地進行輿論準備,既透過中共控制的國內外的所有媒體,用生動有效的方式,廣泛傳播十世班禪同我黨同心同德,堅決反對分裂主義”的信息。其目的是謀殺班禪喇嘛之後消除懷疑和分化內外藏人,減弱國際反應。
其次,研究者發現為了不引起對胡錦濤參與謀殺的懷疑,雖然胡於一九八八年初已經開始主持中共西藏黨委工作,但到離謀殺班禪喇嘛不到兩個月的十二月中共才正式宣布胡錦濤的任命。
第三,“一九八八年初,溫家寶和胡錦濤研究確定用毒藥造成突發性疾病死亡方式” 13謀殺班禪喇嘛。方案由王敏清策劃,具體施放毒藥的任務由周美珍承擔。 “只要用一根比頭髮還細的金屬芒刺,塗上藥物,刺入皮膚,見血即可生效;而且,在芒刺上同時塗一些高效麻醉劑,芒刺刺入皮膚時便不會有任何疼感,因此,只需要一名醫護人員,利用給施藥對象量血壓或者聽診心肺的機會,便可以不露痕跡地完成施放藥物。”14
第四,班禪喇嘛從北京出發前往圖伯特時,溫家寶的命令更換了警衛和服務人員,隨行的保健醫生則由腫瘤科醫師周美珍擔任,這次臨時警衛任務的負責人叫孟宏偉。
《殺佛》認為:1989年“1月26日晚,胡錦濤透過胡春華,向周美珍下達了第二天實施“特別處置”的指令。
“二十七日晚,班禪大師就寢之前,周美珍利用例行的測量血壓和聽診心肺的機會,將塗好毒藥的金屬芒刺刺入了班禪大師的皮膚。
數小時後,一月二十八日凌晨,毒性發作。 ”
有關班禪喇嘛圓寂情況的說法 有關班禪喇嘛的圓寂“新華社日喀則1月29日電記者從班禪副委員長搶救小組獲悉,班禪副委員長是1989年1月28日清晨4時30分突然發病的。當時,他說他後背疼痛并波及兩上臂。隨身醫生立即進行檢查,當時班禪副委員長神誌清楚,呼吸每分20次,血壓120、90毫米汞柱,心率每分86次,律齊。心電圖顯示急性下壁及廣泛前壁心肌梗塞。醫務人員立即予以吸氧、擴張血管劑、止疼鎮靜和抗心律失常藥物治療,並先後組織日喀則、拉薩各醫院專家會診及搶救。8時25分複查心電圖的過程中,突然抽搐、神誌不清,8時34分心電圖示室顫,當即採取胸外扣擊、心內註射強心藥物、胸外按摩、用呼吸機進行人工呼吸等搶救措施。 18時30分,由中央保健局局長王敏清、北京醫院副院長心血管專家劉元恕、心血管專家主任醫師沈瑾等組成的專家組到達後,先後兩次作心內起搏,持續搶救,仍未見效,於20時16分逝世。”
《悲劇英雄班禪喇嘛》:“一月二十八日凌晨四時,班禪大師感到身體不適,胸部疼痛,找醫務人員,服藥後又躺下,小睡一會兒。八點三十分醒來,說了句“好多了”,神誌清醒。醫務人員過來給他做心電圖。八點三十五分,大師“噢”地大叫一聲,隨即昏了過去。”後經中央派來的專家小組和自治區的醫務人員多方搶救, 但無濟於事—-”
“我們立刻通知了北京跟來的那些人,也通知了自治區。一個小時左右吧,都來了。他們看到上師的臉上還很亮,說要搶救。阿襄就阻止,說:'人都圓寂了,還搶救什麼呀'。可是,他們不聽,就拉開大師的被子,解開了睡衣鈕扣,先是輕輕地按壓,越壓越重,越來越快,就這樣,大師的臉慢慢地變了,先是發青,然後就變黑了,越來越黑。大約到了下午四點鐘左右吧,一直等到溫家寶他們來了。大師夫人李潔也在那個飛機上,一起來了,這才算停止了搶救。”15
中共對外宣稱的有關班禪喇嘛圓寂之事疑問重重,矛盾百出,如沒有什麼陰謀根本不需要胡編亂造,也不需要做賊心虛,表演的如此過火。
據《殺佛》揭露1月28日早晨中共派遣“西藏自治區人民醫院、中國人民解放軍西藏軍區總醫院、日客則地區人民醫院、中國人民解放軍第八醫院等醫療單位的專家和醫護人員,分頭趕到,齊聚班禪大師的搶救現場,人數竟達近百人。
稍有醫學知識的人都應該當清楚,把這麼多醫療單位和醫護人員糾集在一起,對於搶救病人不僅於事無補,而且反而會徒增混亂。不過,中共當局就是要透過近乎誇張的龐大的搶救陣容,以證明他們多麼想班禪大師活下去,證明他們對於班禪大師之死完全無辜。 ”16
《逆風順水》說:“一個小時左右吧,都來了。他們看到上師的臉上還很亮,說要搶救。阿襄就阻止,說:'人都圓寂了,還搶救什麼呀' 。可是,他們不聽—”這時應該是七點左右,由這麼多醫護人員“搶救到18時30分,由中央保健局局長王敏清、北京醫院副院長心血管專家劉元恕、心血管專家主任醫師沈瑾等組成的專家組到達後,先後兩次作心內起搏,持續搶救,仍未見效,於20時16分逝世。”很明顯是在表演,而且表演的過了頭。
結論:經過多方證實,第十班禪喇嘛額爾德尼•確吉堅贊健康狀況一直沒有問題,因此,中共所說的突發心髒病的可能性幾乎是零。 “班禪喇嘛的御醫噶瑪曲培先生特別說明了健康狀況極佳,最後一次圖伯特之行時也一樣健康狀況沒有任何問題。”17
另外,當時班禪喇嘛突然圓寂後,境內外很多組織和學者、研究人員質疑,對此,中共至今無法作出一個具有說服力的說明。
總之,眾多的調查結果證實班禪喇嘛是遭到了中共謀殺。因為,他是圖伯特天空中的月亮;18是民族“英雄”; 19是“當代藏傳佛教復興運動、西藏文化復興運動、西藏復國運動的精神領袖。”20在他的努力下圖伯特文化未能被徹底地消滅,使他拯救了奄奄一息的圖伯特民族。為三百五十萬圖伯特信眾摸頂祝福,為達賴喇嘛為主的流亡藏人分憂,從不公開玷污達賴喇嘛。在圖伯特人民中的威信遠遠超過了中共。這一切,在中共看來是極大的威脅,所以,中共最高掌權者策劃和實施了謀殺。班禪喇嘛的圓寂對圖伯特人民造成無法彌補的損失,圖伯特和圖伯特人的守護神遠離了他的土地和人民。中共清除了對圖伯特實施文化、種族滅絕政策的巨大阻力,這在班禪喇嘛圓寂後的二十多年裡得到了證明,也從此,中共空前地加大了圖伯特種族滅絕進行式。導致了圖伯特境內145名圖伯特人自焚抗議,2千多名政治犯遭關押的悲慘局面。
2016年9月30日
註明:本文原標題為《中共在圖伯特的一起重大謀殺案》
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 照明を落とした会議室は水を打ったようで、ただ肉を打つ鈍い音が響いていた。ビデオカメラに濾され、若干迫力と現実味を欠いた殴打の音が。  とは言え、それは20人ほどの若者を釘付けへするには十分な効果を持つ。四角く配置された古い長机はおろか、彼らが埋まるフェイクレザーの椅子すら、軋みの一つも上げない。もちろん、研修旅行の2日目ということで、集中講義に疲れ果て居眠りをしているわけでもない。白いスクリーンの中の光景に、身じろぎはおろか息すらこらしているのだろう。  映像の中の人物は息も絶え絶え、薄暗い独房の天井からぶら下げられた鎖のおかげで、辛うじて直立の状態を保っている。一時間近く、二人の男から代わる代わる殴られていたのだから当然の話だ――講義用にと青年が手を加えたので、今流れているのは10分ほどの総集編という趣。おかげで先ほどまでは端正だった顔が、次の瞬間には血まみれになっている始末。画面の左端には、ご丁寧にも時間と殴打した回数を示すカウンターまで付いていた。  まるで安っぽいスナッフ・フィ���ムじゃないか――教授は部屋の隅を見遣った。パイプ椅子に腰掛ける編集者の青年が、視線へ気付くのは早い。あくびをこぼしそうだった表情が引き締まり、すぐさま微笑みに変わる。まるで自らの仕事を誇り、称賛をねだる様に――彼が自らに心酔している事は知っていた。少なくとも、そういう態度を取れるくらいの処世術を心得ている事は。   男達が濡れたコンクリートの床を歩き回るピチャピチャという水音が、場面転換の合図となる。とは言っても、それまで集中的に顔を攻撃していた男が引き下がり、拳を氷の入ったバケツに突っ込んだだけの変化なのだが。傍らで煙草を吸っていたもう一人が、グローブのような手に砂を擦り付ける。  厄災が近付いてきても、捕虜は頭上でひとまとめにされた手首を軽く揺するだけで、逃げようとはしなかった。ひたすら殴られた顔は赤黒く腫れ上がり、虫の蛹を思わせる。血と汗に汚された顔へ、漆黒の髪がべっとり張り付いていた。もう目も禄に見えていないのだろう。  いや、果たしてそうだろうか。何度繰り返し鑑賞しても、この場面は専門家たる教授へ疑問を呈した。  重たげで叩くような足音が正面で止まった瞬間、俯いていた顔がゆっくり持ち上がった。閉じた瞼の針のような隙間から、榛色の瞳が僅かに覗いている。そう、その瞳は、間違いなく目の前の男を映していた。自らを拷問する男の顔を。相手がまるで、取るに足らない存在であるかの如く毅然とした無表情で。  カウンターが121回目の殴打を数えたとき、教授は手にしていたリモコンを弄った。一時停止ボタンは融通が利かず、122回目のフックは無防備な鳩尾を捉え、くの字に折り曲がった体が後ろへ吹っ飛ばされる残像を画面に残す。 「さて、ここまでの映像で気付いたことは、ミズ・ブロディ?」  目を皿のようにして画面へ見入っていた女子生徒が、はっと顔を跳ね上げる。逆光であることを差し引いても、その瞳は溶けた飴玉のように光が滲み、焦点を失っていた。 「ええ、はい……その、爪先立った体勢は、心身への負荷を掛ける意味で効果的だったと思います」 「その通り。それにあの格好は、椅子へ腰掛けた人間を相手にするより殴りやすいからね。ミスター・ロバーツ、執行者については?」 「二人の男性が、一言も対象者に話しかけなかったのが気になりました」  途中から手元へ視線を落としたきり、決して顔を上げようとしなかった男子生徒が、ぼそぼそと答えた。 「笑い者にしたり、罵ったりばかりで……もっと積極的に自白を強要するべきなのでは」 「これまでにも、この……M……」  机上のレジュメをひっくり返したが、該当資料は見あたらない。パイプ椅子から身を乗り出した青年が、さして潜めてもいない声でそっと助け船を出した。 「そう、ヒカル・K・マツモト……私達がMと呼んでいる男性には、ありとあらゆる方法で自白を促した。これまでにも見てきたとおり、ガスバーナーで背中を炙り、脚に冷水を掛け続け――今の映像の中で、彼の足元がおぼづかなかったと言う指摘は誰もしなかったね? とにかく、全ての手段に効果が得られなかった訳だ」  スマートフォンのバイブレーションが、空調の利きが悪い室内の空気を震わせる。小声で云々しながら部屋を出ていく青年を片目で見送り、教授は一際声の調子を高めた。 「つまり今回の目的は、自白ではない。暴力そのものだ。この行為の中で、彼の精神は価値を持たない。肉体は、ただ男達のフラストレーションの捌け口にされるばかり」  フラストレーションの代わりに「マスターベーション」と口走りそうになって、危うく言葉を飲み込んだのは、女性の受講生も多いからだ。5年前なら考えられなかったことだ――黴の生えた理事会の連中も、ようやく象牙の塔の外から出るとまでは言わなくとも、窓から首を突き出す位のことをし始めたのだろう。 「これまで彼は、一流の諜報員、捜査官として、自らのアイデンティティを固めてきた。ここでの扱いも、どれだけ肉体に苦痛を与えられたところで、それは彼にとって自らが価値ある存在であることの証明に他ならなかった。敢えて見せなかったが、この行為が始まる前に、我らはMと同時に捕縛された女性Cの事を彼に通告してある――彼女が全ての情報を吐いたので、君はもう用済みだ、とね」 「それは餌としての偽情報でしょうか、それとも本当にCは自白していたのですか」 「いや、Cもまだこの時点では黙秘している。Mに披露した情報は、ケース・オフィサーから仕入れた最新のものだ」  ようやく対峙する勇気を振り絞れたのだろう。ミスター・ロバーツは、そろそろと顔を持ち上げて、しんねりとした上目を作った。 「それにしても、彼への暴力は行き過ぎだと思いますが」 「身長180センチ、体重82キロもある屈強な25歳の男性に対してかね? 彼は深窓の令嬢ではない、我々の情報を抜き取ろうとした手練れの諜報員だぞ」  浮かんだ苦笑いを噛み殺し、教授は首を振った。 「まあ、衛生状態が悪いから、目方はもう少し減っているかもしれんがね。さあ、後半を流すから、Mと執行者、両方に注目するように」  ぶれた状態で制止していた体が思い切り後ろへふれ、鎖がめいいっぱいまで伸びきる。黄色く濁った胃液を床へ吐き散らす捕虜の姿を見て、男の一人が呆れ半分、はしゃぎ半分の声を上げる。「汚ぇなあ、しょんべんが上がってきてるんじゃないのかよ」  今年は受講者を20人程に絞った。抽選だったとは言え、単位取得が簡単でないことは周知の事実なので、応募してきた時点で彼らは自分を精鋭と見なしているのだろう。  それが、どうだ。ある者は暴力に魅せられて頬を火照らせ、ある者は今になって怖じ気付き、正義感ぶることで心の平穏を保とうとする。  経験していない��はこう言うことか。教授は今更ながら心中で嘆息を漏らした。ここのところ、現場慣れした小生意気な下士官向けの講義を受け持つことが多かったので、すっかり自らの感覚が鈍っていた。  つまり、生徒が悪いのでは一切ない。彼らが血の臭いを知らないのは、当然のことなのだ。人を殴ったとき、どれだけ拳が疼くのかを教えるのは、自らの仕事に他ならない。  手垢にまみれていないだけ、吸収も早いことだろう。余計なことを考えず、素直に。ドアを開けて入ってきたあの青年の如く。  足音もなく、すっと影のように近付いてきた青年は、僅かに高い位置へある教授の耳に小さな声で囁いた。 「例のマウンテンバイク、確保できたようです」  針を刺されたように、倦んでいた心が普段通りの大きさへ萎む。ほうっと息をつき、教授は頷いた。 「助かったよ。すまないな」 「いいや、この程度の事なら喜んで」  息子が12歳を迎えるまで、あと半月を切っている。祝いに欲しがるモデルは何でも非常に人気があるそうで、どれだけ自転車屋に掛け合っても首を振られるばかり。  日頃はあまり構ってやれないからこそ、約束を違えるような真似はしたくない。妻と二人ほとほと弱り果てていたとき、手を挙げたのが他ならぬ目の前の青年だった。何でも知人の趣味がロードバイクだとかで、さんざん拝み倒して新古品を探させたらしい。  誕生パーティーまでの猶予が一ヶ月を切った頃から、教授は青年へ厳しく言い渡していた。見つかり次第、どんな状況でもすぐに知らせてくれと。夜中でも、仕事の最中でも。 「奥様に連絡しておきましょうか。また頭痛でお悩みじゃなきゃいいんですけど」 「この季節はいつでも低気圧だ何だとごねているさ。悪いが頼むよ」  ちらつく画像を前にし、青年はまるで自らのプレゼントを手に入れたかの如くにっこりしてみせる。再びパイプ椅子に腰を下ろし、スマートフォンを弄くっている顔は真剣そのものだ。  ふと頭に浮かんだのは、彼が妻と寝ているか否かという、これまでも何度か考えたことのある想像だった。確かに毎週の如く彼を家へ連れ帰り、彼女もこの才気あふれる若者を気に入っている風ではあるが。  まさか、あり得ない。ファンタジーとしてならば面白いかもしれないが。  そう考えているうちは、大丈夫だろう。事実がどうであれ。 「こんな拷問を、そうだな、2ヶ月程続けた。自白を強要する真似は一切せず、ただ肉の人形の用に弄び、心身を疲弊させる事に集中した。詳細はレジュメの3ページに譲るとして……背中に水を皮下注射か。これは以前にも言ったが、対象が仰向けで寝る場合、主に有効だ。事前に確認するように」  紙を捲る音が一通り収まったのを確認してから、教授は手の中のリモコンを軽く振った。 「前回も話したが、囚人が陥りやすいクワシオルコルなど低タンパク血症の判断基準は脚の浮腫だ。だが今回は捕獲時に右靱帯を損傷し中足骨を剥離骨折したこと、何度も逃亡を試みた事から脚への拘束及び重点的に攻撃を加えたため、目視では少し判断が難しいな。そういうときは、圧痕の確認を……太ももを掴んで指の型が数秒間戻らなければ栄養失調だ」  似たような仕置きの続く数分が早送りされ、席のそこかしこから詰まったような息が吐き出される。一度飛ばした写真まで巻き戻せば、その呼吸は再びくびられたかのように止まった。 「さて、意識が混濁しかけた頃を見計らい、我々は彼を移送した。本国の収容所から、国境を越えてこの街に。そして抵抗のできない肉体を、一見無造作に投棄したんだ。汚い、掃き溜めに……えー、この国の言葉では何と?」 「『ゴミ捨て場』」 「そう、『ゴミ捨て場』に」  青年の囁きを、生徒達は耳にしていたはずだ。それ以外で満ちた沈黙を阻害するのは、プロジェクターの立てる微かなモーター音だけだった。  彼らの本国にもありふれた集合住宅へ――もっとも、今画面に映っている場所の方がもう少し設備は整っていたが。距離で言えば100キロも離れていないのに、こんな所からも、旧東側と西側の違いは如実に現れるのだ――よくある、ゴミ捨て場だった。三方を囲うのはコンクリート製の壁。腰程の高さへ積んだゴミ袋の山へ、野生動物避けの緑色をしたネットを掛けてあるような。  その身体は、野菜の切りくずやタンポンが詰められているのだろうゴミ袋達の上に打ち捨てられていた。横向きの姿勢でぐんにゃり弛緩しきっていたが、最後の意志で内臓を守ろうとした努力が窺える。腕を腹の前で交差し、身を縮める姿は胎児を思わせた。ユーラシアンらしい照り卵を塗ったパイ生地を思わせる肌の色味は、焚かれたフラッシュのせいで消し飛ばされる。 絡みもつれた髪の向こうで、血管が透けて見えるほど薄い瞼はぴたりと閉じられていた。一見すると死んでいるかのように見える。 「この国が我が祖国と国交を正常化したのは?」 「2002年です」 「よろしい、ミズ・グッドバー。だがミハイル・ゴルバチョフが衛星国の解放を宣言する以前から、両国間で非公式な交流は続けられていた。主に経済面でだが。ところで、Mがいた地点からほど近くにあるタイユロール記念病院は、あの鋼鉄商フォミン一族、リンゼイ・フォミン氏の働きかけで設立された、一種の『前哨基地』であることは、ごく一部のものだけが知る事実だ。彼は我が校にも多額の寄付を行っているのだから、ゆめゆめ備品を粗末に扱わぬよう」  小さな笑いが遠慮がちに湧いた矢先、突如画面が明るくなる。生徒達同様、教授も満ちる眩しさに目を細めた。 「Mは近所の通報を受け、この病院に担ぎ込まれた……カルテにはそう記載されている。もちろん、事実は違う。全ては我々の手配だ。彼は現在に至るまでの3ヶ月、個室で手厚く看護を受けている。最新の医療、滋養のある食事、尽くしてくれる看護士……もちろん彼は、自らの正体を明かしてはいないし、完全に心を開いてはいない。だが、病院の上にいる人間の存在には気付いていないようだ」 「気付いていながら、我々を欺いている可能性は?」 「限りなく低いだろう。外部との接触は行われていない……行える状態ではないし、とある看護士にはかなり心を許し、私的な話も幾らか打ち明けたようだ」  後は病室へ取り付けた監視用のカメラが、全てを語ってくれる。ベッドへ渡したテーブルへ屈み込むようにしてステーキをがっつく姿――健康状態はすっかり回復し、かつて教授がミラーガラス越しに眺めた時と殆ど変わらぬ軒昂さを取り戻していた。  両脚にはめられたギプスをものともせず、点滴の管を抜くというおいたをしてリハビリに励む姿――パジャマを脱いだ広い背中は、拷問の痕の他に、訓練や実践的な格闘で培われたしなやかな筋肉で覆われている。  車椅子を押す看護士を振り返り、微笑み掛ける姿――彼女は決して美人ではないが、がっしりした体つきやきいきびした物言いは母性を感じさせるものだった。だからこそ一流諜報員をして、生き別れの恋人やアルコール中毒であった父親の話まで、自らの思いの丈を洗いざらい彼女に白状せしめたのだろう。「彼女を本国へスカウトしましょうよ」報告書を読んだ青年が軽口を叩いていたのを思い出す。「看護士の給料って安いんでしょう? 今なら簡単に引き抜けますよ」 「今から10分ほど、この三ヶ月の記録からの抜粋を流す。その後はここを出て、西棟502号室前に移動を――Mが現在入院する病室の前だ。持ち物は筆記具だけでい���」  暗がりの中に戸惑いが広がる様子は、まるで目に見えるかのようだった。敢えて無視し、部屋を出る。  追いかけてきた青年は、ドアが完全に閉まりきる前から既にくすくす笑いで肩を震わせていた。 「ヘンリー・ロバーツの顔を見ましたか。今にも顎が落ちそうでしたよ」 「当然の話だろう」  煤けたような色のLEDライトは、細長く人気のない廊下を最低限カバーし、それ以上贅沢を望むのは許さないと言わんばかり。それでも闇に慣れた眼球の奥をじんじんと痺れさせる。大きく息をつき、教授は何度も目を瞬かせた。 「彼らは現場に出たこともなければ、百戦錬磨の諜報員を尋問したこともない。何不自由なく育った二十歳だ」 「そんなもんですかね」  ひんやりした白塗りの壁へ背中を押しつけ、青年はきらりと目を輝かせた。 「俺は彼ら位の頃、チェチェン人と一緒にウラル山脈へこもって、ロシアのくそったれ共を片っ端から廃鉱山の立坑に放り込んでましたよ」 「『育ちゆけよ、地に満ちて』だ。平和は有り難いことさ」  スマートフォンの振動は無視するつもりだったが、結局ポケットへ手を突っ込み、液晶をタップする。現れたテキストをまじまじと見つめた後、教授は紳士的に視線を逸らしていた青年へ向き直った。 「君のところにもメッセージが行っていると思うが、妻が改めて礼を言ってくれと」 「お安い御用ですよ」 「それと、ああ、その自転車は包装されているのか?」 「ほうそうですか」  最初繰り返したとき、彼は自らが口にした言葉の意味を飲み込めていなかったに違いない。日に焼けた精悍な顔が、途端にぽかんとした間抜け面に変わる。奨学金を得てどれだけ懸命に勉強しても、この表情を取り繕う方法は、ついぞ学べなかったらしい。普段の明朗な口振りが嘘のように、言葉付きは歯切れが悪い。 「……ええっと、多分フェデックスか何かで来ると思うので、ダンボールか緩衝材にくるんであるんじゃないでしょうか……あいつは慣れてるから、配送中に壊れるような送り方は絶対しませんよ」 「いや、そうじゃないんだ。誕生日の贈り物だから、可愛らしい包み紙をこちらのほうで用意すべきかということで」 「ああ、なるほど……」  何とか混乱から立ち直った口元に、決まり悪げなはにかみが浮かぶ。 「しかし……先生の息子さんが羨ましい。俺の親父もマツモトの父親とそうそう変わらないろくでなしでしたから」  僅かに赤らんだ顔を俯かせて頭を掻き、ぽつりと呟いた言葉に普段の芝居掛かった気負いは見られない。鈍い輝きを帯びた瞳が、おもねるような上目遣いを見せた。 「先生のような父親がいれば、きっと世界がとてつもなく安全で、素晴らしい物のように見えるでしょうね」  皮肉を言われているのか、と一瞬思ったが、どうやら違うらしい。  息子とはここ数週間顔を合わせていなかった。打ち込んでいるサッカーの試合や学校の発表会に来て欲しいと何度もせがまれているが、積み重なる仕事は叶えてやる機会を許してはくれない。  いや、本当に自らは、努力を重ねたか? 確たる意志を以て、向き合う努力を続けただろうか。  自らが妻子を愛していると、教授は知っている。彼は己のことを分析し、律していた。自らが家庭向きの人間ではないことを理解しなから、家族を崩壊させないだけのツボを的確に押さえている事実へ、怒りの叫びを上げない程度には。  目の前の男は、まだ期待の籠もった眼差しを向け続けている。一体何を寄越せば良いと言うのだ。今度こそ苦い笑いを隠しもせず、教授は再びドアノブに手を伸ばした。  着慣れない白衣姿に忍び笑いが漏れるのへ、わざとらしいしかめっ面を作って見せる。 「これから先、私は傍観者だ。今回の実習を主導するのは彼だから」  「皆の良い兄貴分」を気取っている青年が、芝居掛かった仕草のお辞儀をしてみせる。生徒達と同じように拍手を与え、教授は頷いた。 「私はいないものとして考えるように……皆、彼の指示に従うこと」 「指示なんて仰々しい物は特にない、みんな気楽にしてくれ」  他の患者も含め人払いを済ませた廊下へ響かぬよう、普段よりは少し落とした声が、それでも軽やかに耳を打った。 「俺が定める禁止事項は一つだけ――禁止事項だ。これからここで君たちがやった事は、全てが許される。例え法に反することでも」  わざとらしく強い物言いに、顔を見合わせる若者達の姿は、これから飛ぶ練習を始める雛鳥そのものだった。彼らをぐるりと見回す青年の胸は、愉悦でぱんぱんに膨れ上がっているに違いない。大袈裟な身振りで手にしたファイルを振りながら、むずつかせる唇はどうだろう。心地よく浸る鷹揚さが今にも溢れ出し、顔を満面の笑みに変えてしまいそうだった。 「何故ならこれから君達が会う人間は、その法律の上では存在しない人間なんだから……寧ろ俺は、君達に積極的にこのショーへ参加して欲しいと思ってる。それじゃあ、始めようか」  最後にちらりと青年が寄越した眼差しへ、教授はもう一度頷いて見せた。ここまでは及第点。生徒達は不安を抱えつつも、好奇心を隠せないでいる。  ぞろぞろと向かった先、502号室の扉は閉じられ、物音一つしない。ちょうど昼食が終わったばかりだから、看護士から借りた本でも読みながら憩っているのだろう――日報はルーティンと化していたが、それでも教授は欠かさず目を通し続けていた。  生徒達は皆息を詰め、これから始まる出し物を待ちかまえている。青年は最後にもう一度彼らを振り向き、シッ、と人差し指を口元に当てた。ぴいん、と緊張が音を立てそうなほど張り詰められたのは、世事に疎い学生達も気がついたからに違いない。目の前の男の目尻から、普段刻まれている笑い皺がすっかり失せていると。  分厚い引き戸が勢いよく開かれる。自らの姿を、病室の中の人間が2秒以上見つめたと確認してから、青年はあくまで穏やかな、だがよく聞こえる声で問いかけた。 「あんた、ここで何をしているんだ」  何度も尋問を起こった青年と違い、教授がヒカル・K・マツモトを何の遮蔽物もなくこの目で見たのは、今日が初めての事だった。  教授が抱いた印象は、初見時と同じ――よく飼い慣らされた犬だ。はしっこく動いて辺りを確認したかと思えば、射るように獲物を見据える切れ長で黒目がちの瞳。すっと通った細長い鼻筋。桜色の形良い唇はいつでも引き結ばれ、自らが慎重に選んだ言葉のみ、舌先に乗せる機会を待っているかのよう。  見れば見るほど、犬に思えてくる。教授がまだ作戦本部にいた頃、基地の中を警邏していたシェパード。栄養状態が回復したせいか、艶を取り戻した石炭色の髪までそっくりだった。もっともあの軍用犬達はベッドと車椅子を往復していなかったので、髪に寝癖を付けたりなんかしていなかったが。  犬は自らへしっぽを振り、手綱を握っている時にのみ役に立つ。牙を剥いたら射殺せねばならない――どれだけ気に入っていたとしても。教授は心底、その摂理を嘆いた。  自らを散々痛めつけた男の顔を、一瞬にして思い出したのだろう。Mは驚愕に目を見開いたものの、次の瞬間車椅子の中で身構えた。 「おまえは…!」 「何をしているかと聞いているんだ、マツモト。ひなたぼっこか?」  もしもある程度予測できていた事態ならば、この敏腕諜報員のことだ。ベッド脇にあるナイトスタンドから取り上げた花瓶を、敵の頭に叩きつける位の事をしたかもしれない。だが不幸にも、青年の身のこなしは機敏だった。パジャマの襟首を掴みざま、まだ衰弱から完全に抜けきっていない体を床に引き倒す。 「どうやら、少しは健康も回復したようだな」  自らの足元にくずおれる姿を莞爾と見下ろし、青年は手にしていたファイルを広げた。 「脚はどうだ」 「おかげさまで」  ギプスをはめた脚をかばいながら、Mは小さく、はっきりとした声で答えた。 「どうやってここを見つけた」 「見つけたんじゃない。最初から知っていたんだ。ここへお前を入院させたのは俺たちなんだから」  一瞬見開かれた目は、すぐさま平静を取り戻す。膝の上から滑り落ちたガルシア・マルケスの短編集を押し退けるようにして床へ手を滑らせ、首を振る。 「逐一監視していた訳か」 「ああ、その様子だと、この病院そのものが俺たちの手中にあったとは、気付いていなかったらしいな」  背後を振り返り、青年は中を覗き込む生徒達に向かって繰り返した。 「重要な点だ。この囚人は、自分が未だ捕らわれの身だという事を知らなかったそうだ」  清潔な縞模様のパジャマの中で、背中が緩やかな湾曲を描く。顔を持ち上げ、Mは生徒達をまっすぐ見つめた���  またこの目だ。出来る限り人だかりへ紛れながらも、教授はその眼差しから意識を逸らすことだけは出来なかった。有利な手札など何一つ持っていないにも関わらず、決して失われない榛色の光。確かにその瞳は森の奥の泉のように静まり返り、暗い憂いを帯びている。あらかじめ悲しみで心を満たし、もうそれ以上の感情を注げなくしているかのように。  ねめ回している青年も、Mのこの堅固さならよく理解しているだろう――何せ数ヶ月前、その頑強な鎧を叩き壊そうと、手ずから車のバッテリーに繋いだコードを彼の足に接触させていたのだから。  もはや今、鸚鵡のように「口を割れ」と繰り返す段階は過ぎ去っていた。ファイルの中から写真の束を取り出して二、三枚繰り、眉根を寄せる。 「本当はもう少し早く面会するつもりだったんだが、待たせて悪かった。あんたがここに来て、確か3ヶ月だったな。救助は来なかったようだ」 「ここの電話が交換式になってる理由がようやく分かったよ。看護士に渡した手紙も握りつぶされていた訳だな」 「気付いていたのに、何もしなかったのか」 「うちの組織は、簡単にとかげの尻尾を切る」  さも沈痛なそぶりで、Mは目を伏せた。 「大義を為すためなら、末端の諜報員など簡単に見捨てるし、皆それを承知で働いている」  投げ出されていた手が、そろそろと左足のギプスの方へ這っていく。そこへ削って尖らせたスプーンを隠してある事は、監視カメラで確認していた。知っていたからこそ、昨晩のうちに点滴へ鎮静剤を混ぜ、眠っているうちに取り上げてしまう事はたやすかった。  ほつれかけたガーゼに先細りの指先が触れるより早く、青年は動いた。 「確かに、お前の所属する組織は、仲間がどんな目に遭おうと全く気に掛けないらしいな」  手にしていた写真を、傷が目立つビニール張りの床へ、一枚、二枚と散らす。Mが身を凍り付かせたのは、まだ僅かに充血を残したままの目でも、その被写体が誰かすぐ知ることが出来たからだろう。 「例え女であったとしても、我が国の情報局が手加減など一切しないことは熟知しているだろうに」  最初の数枚においては、CもまだMが知る頃の容姿を保っていた。枚数が増えるにつれ、コマの荒いアニメーションの如く、美しい女は徐々に人間の尊厳を奪われていく――撮影日時は、写真の右端に焼き付けられていた。  Mがされていたのと同じくらい容赦なく殴られ、糞尿や血溜まりの中で倒れ伏す姿。覚醒剤で朦朧としながら複数の男達に辱められる。時には薬を打たれることもなく、苦痛と恥辱の叫びを上げている歪んだ顔を大写しにしたものもある。分かるのは、施されるいたぶりに終わりがなく、彼女は時を経るごとにやせ細っていくということだ。 「あんたがここで骨休めをしている間、キャシー・ファイクは毎日尋問に引き出されていた。健気に耐えたよ、全く驚嘆すべき話だ。そういう意味では、君たちの組織は実に優秀だと言わざるを得ない」  次々と舞い落ちてくる写真の一枚を拾い上げ、Mは食い入るように見つめていた。養生生活でただでも青白くなった横顔が、俯いて影になることで死人のような灰色に変わる。 「彼女は最終的に情報を白状したが……恐らく苦痛から解放して欲しかったのだろう。この三ヶ月で随分衰弱してしまったから」  Mは自らの持てる技術の全てを駆使し、動揺を押さえ込もうとしていた。その努力は殆ど成功している。ここだけは仄かな血色を上らせた、薄く柔い唇を震わせる以外は。  その様をつくづくと見下ろしながら、青年はどこまでも静かな口調で言った。 「もう一度聞くが、あんた、ここで何をしていた?」  再び太ももへ伸ばされた左手を、踏みつけにする足の動きは機敏だった。固い靴底で手の甲を踏みにじられ、Mはぐっと奥歯を噛みしめ、相手を睨み上げた。教授が初めて目にする、燃えたぎるような憎悪の色を視線に織り込みながら。その頬は病的なほど紅潮し、まるで年端も行かない子供を思わせる。  そして相手がたかぶるほど、青年は感情を鎮静化させていくのだ。全ての写真を手放した後、彼は左腕の時計を確認し、それから壁に掛かっていた丸い時計にも目を走らせた。 「数日前、Cはこの病院に運び込まれた。お偉方は頑なでね。まだ彼女が情報を隠していると思っているようだ」 「これ以上、彼女に危害を加えるな」  遂にMは口を開き、喉の奥から絞り出すようにして声を放った。 「情報ならば、僕が話す」 「あんたにそんな役割は求めていない」  眉一つ動かすことなく、青年は言葉を遮った。 「あんたは3���月前に、その言葉を口にすべきだった。もう遅い」  唇を噛むMから目を離さないまま、部屋の前の生徒達に手だけの合図が送られる。今やすっかりその場の空気に飲まれ、彼らはおたおたと足を動かすのが精一杯。一番賢い生徒ですら、質問を寄越そうとはしなかった。 「彼女に会わせてやろう。もしも君が自分の足でそこにたどり着けるのならば。俺の上官が出した指示はこうだ。この廊下の突き当たりにある手術室にCを運び込み、麻酔を掛ける。5分毎に、彼女の体の一部は切り取られなければならない。まずは右腕、次に右脚、四肢が終わったら目を抉り、鼻を削いで口を縫い合わせ、喉を潰す。耳を切りとったら次は内臓だ……まあ、この順番は多少前後するかもしれない。医者の気まぐと彼女の体調次第で」  Mはそれ以上、抗弁や懇願を口にしようとはしなかった。ただ歯を食いしばり、黙ってゲームのルールに耳を澄ましている。敵の陣地で戦うしか、今は方法がないのだと、聡い彼は理解しているのだろう。 「もしも君が部屋までたどり着けば、その時点で手術を終了させても良いと許可を貰ってる。彼女の美しい肉体をどれだけ守れるかは、君の努力に掛かっているというわけだ」  足を離して解放しざま、青年はすっと身を傍らに引いた。 「予定じゃ、もうカウントダウンは始まっている。そろそろ医者も、彼女の右腕に局部麻酔を打っているんじゃないか?」  青年が言い終わらないうちに、Mは床に投げ出されていた腕へ力を込めた。  殆ど完治しているはずの脚はしかし、過剰なギプスと長い車椅子生活のせいですっかり萎えていた。壁に手をつき、立ち上がろうとする奮闘が繰り返される。それだけの動作で、全身に脂汗が滲み、細かい震えが走っていた。  壁紙に爪を立てて縋り付き、何とか前かがみの姿勢になれたとき、青年はその肩に手を掛けた。力任せに押され、受け身を取ることも叶わなかったらしい。無様に尻餅をつき、Mは顔を歪めた。 「さあ」  人を突き飛ばした手で部屋の外に並ぶ顔を招き、青年はもぞつくMを顎でしゃくる。 「君達の出番だ」  部屋の中へ足を踏み入れようとするものは、誰もいなかった。  その後3度か4度、起き上がっては突き飛ばされるが繰り返される。結局Mは、それ以上立ち上がろうとする事を諦めた。歯を食いしばって頭を垂れ、四つん這いになる。出来る限り避けようとはしているのだろう。だが一歩手を前へ進めるたび、床へ広がったままの写真が掌にくっついては剥がれるを繰り返す。汗を掻いた手の下で、印画紙は皺を作り、折れ曲がった。 「このままだと、あっさり部屋にたどり着くぞ」  薄いネルの布越しに尻を蹴飛ばされ、何度かその場へ蛙のように潰れながらも、Mは部屋の外に出た。生徒達は彼の行く手を阻まない。かといって、手を貸したり「こんな事はよくない」と口にするものもいなかったが。  細く長い廊下は一直線で、突き当たりにある手術室までの距離は50メートル程。その気になれば10分も掛からない距離だ。  何とも奇妙な光景が繰り広げられた。一人の男が、黙々と床を這い続ける。その後ろを、20人近い若者が一定の距離を開けてぞろぞろと付いていく。誰も質問をするものはいなかった。ノートに記録を取るものもいなかった。 少し距離を開けたところから、教授は様子を眺めていた。次に起こる事を待ちながら――どういう形にせよ、何かが起こる。これまでの経験から、教授は理解していた。 道のりの半分程まで進んだ頃、青年はそれまでMを見張っていた視線を後ろへ振り向けた。肩が上下するほど大きな息を付き、ねだる様な表情で微笑んで見せる。 「セルゲイ、ラマー、手を貸してくれ。奴をスタートまで引き戻すんだ」  学生達の中でも一際体格の良い二人の男子生徒は、お互いの顔を見合わせた。その口元は緊張で引きつり、目ははっきりと怯えの色に染まっている。 「心配しなくてもいい。さっきも話したが、ここでは何もかもが許される……ぐずぐずするな、単位をやらないぞ」  最後の一言が利いたのかは分からないが、二人はのそのそと中から歩み出てきた。他の学生が顔に浮かべるのは非難であり、同情であり、それでも決して手を出すことはおろか、口を開こうとすらしないのだ。  話を聞いていたMは、必死で手足の動きを早めていた。どんどんと開き始める距離に、青年が再び促せば、結局男子生徒は小走りで後を追う。一人が腕を掴んだとき、Mはまるで弾かれたかのように顔を上げた。その表情は、自らを捕まえた男と同じくらい、固く強張っている。 「頼む」  掠れた声に混ざるのは、間違いなく懇願だった。小さな声は、静寂に満ちた廊下をはっきりと貫き通る。 「頼むから」 「ラマー」  それはしかし、力強い指導者の声にあっけなくかき消されるものだった。意を決した顔で、二人はMの腕を掴み直し、背後へと引きずり始めた。  Mの抵抗は激しかった。出来る限り身を捩り、ギプスのはまった脚を蠢かす。たまたま、固められたグラスファイバーが臑に当たったか、爪が腕を引っ掻いたのだろう。かっと眦をつり上げたセルゲイが、平手でMの頭を叩いた。あっ、と後悔の顔が浮かんだのもつかの間、拘束をふりほどいたMは再び手術室を目指そうと膝を突く。追いかけたラマーに、明確な抑止の気持ちがあったのか、それともただ単に魔が差したのかは分からない。だがギプスを蹴り付ける彼の足は、決して生ぬるい力加減のものではなかった。  その場へ横倒しになり、呻きを上げる敵対性人種を、二人の男子生徒はしばらくの間見つめていた。汗みずくで、時折せわしなく目配せを交わしあっている。やがてどちらともなく、再び仕事へ取りかかろうとしたとき、その足取りは最初と比べて随分とスムーズなものになっていた。  病室の入り口まで連れ戻され、身を丸めるMに、青年がしずしずと歩み寄る。腕時計をこれ見よがしに掲げながら放つ言葉は、あくまでも淡々としたものだった。 「今、キャシーは右腕を失った」  Mは全身を硬直させ、そして弛緩させた。何も語らず、目を伏せたまま、また一からやり直そうと努力を続ける。 不屈の精神。だがそれは青年を面白がらせる役にしか立たなかった。  同じような事が何度も繰り返されるうち、ただの背景でしかなかった生徒達に動きが見え始めた。  最初のうちは、一番に手助けを求められた男子生徒達がちょっかいをかける程度だった。足を掴んだり、行く手を塞いだり。ある程度進めばまた病室まで引きずっていく。そのうち連れ戻す役割に、数人が関わるようになった。そうなると、全員が共犯者になるまで時間が掛からない。  やがて、誰かが声を上げた。 「このスパイ」  つられて、一人の女子生徒がMを指さした。 「この男は、私たちの国を滅ぼそうとしているのよ」 「悪魔、けだもの!」  糾弾は、ほとんど悲鳴に近い音程で迸った。 「私の叔母は、戦争中こいつの国の人間に犯されて殺された! まだたった12歳だったのに!」  生徒達の目の焦点が絞られる。  病室へ駆け込んだ一人が戻ってきたとき手にしていたのは、ピンク色のコスモスを差した重たげな花瓶だった。花を引き抜くと、その白く分厚い瀬戸物を、Mの頭上で逆さまにする。見る見るうちに汚れた冷水が髪を濡らし、パジャマをぐっしょり背中へと張り付かせる様へ、さすがに一同が息を飲む。  さて、どうなることやら。教授は一歩離れた場所から、その光景を見守っていた。  幸い、杞憂は杞憂のままで終わる。すぐさま、どっと歓声が弾けたからだ。笑いは伝染する。誰か一人が声を発すれば、皆が真似をする。免罪符を手に入れたと思い込む。  そうなれば、後は野蛮で未熟な度胸試しの世界になった。 殴る、蹴るは当たり前に行われた。直接手を出さない者も、もう目を逸らしたり、及び腰になる必要はない。鋏がパジャマを切り裂き、無造作に掴まれた髪を黒い束へと変えていく様子を、炯々と目を光らせて眺めていられるのだ。 「まあ、素敵な格好ですこと」  また嘲笑がさざ波のように広がる。その発作が収まる隙を縫って、時折腕時計を見つめたままの青年が冷静に告げる。「今、左脚が失われた」  Mは殆ど抵抗しなかった。噛みしめ過ぎて破れた唇から血を流し、目尻に玉の涙を浮かべながら。彼は利口だから、既に気付いていたのだろう。まさぐったギプスに頼みの暗器がない事にも、Cの命が彼らの機嫌一つで簡単に失われるという事も――その経験と知識と理性により、がんじがらめにされた思考が辿り着く結論は、一つしかない――手術室を目指せ。  まだ、この男は意志を折ってはいない。作戦本部へ忍び込もうとして捕らえられた時と、何一つ変わっていない。教授は顎を撫で、青年を見遣った。彼はこのまま、稚拙な狂乱に全てを任せるつもりなのだろうか。  罵りはやし立てる声はますます激しくなった。上擦った声の多重奏は狭い廊下を跳ね回っては、甲高く不気味な音程へと姿を変え戻ってくる。 短くなった髪を手綱のように掴まれ、顎を逸らされるうち、呼吸が続かなくなったのだろう。強い拒絶の仕草で、Mの首が振られる。彼の背中へ馬乗りになり、尻を叩いていた女子学生達が、体勢を崩して小さく悲鳴を上げた。 「このクズに思い知らせてやれ」  仕置きとばかりに脇腹へ爪先を蹴込んだ男子生徒が、罵声をとどろかせた。 「自分の身分を思い知らせろ、大声を上げて泣かせてやれ」  津波のような足音が、身を硬直させる囚人に殺到する。その体躯を高々と掲げ上げた一人が、青年に向かって声を張り上げた。 「便所はどこですか」  指で示しながら、青年は口を開いた。 「今、鼻が削ぎ落とされた」  天井すれすれの位置まで持ち上げられた瞬間、全身に張り巡らされた筋肉の緊張と抵抗が、ふっと抜ける。力を無くした四肢は生徒達の興奮の波に合わせてぶらぶらと揺れるが、その事実に気付いたのは教授と、恐らく青年しかいないようだった。  びしょ濡れで、破れた服を痣だらけで、見るも惨めな存在。仰向けのまま、蛍光灯の白々とした光に全身を晒し、その輪郭は柔らかくぼやけて見えた。逸らされた喉元が震え、虚ろな目はもう、ここではないどこかをさまよってる――あるいは閉じこもったのだろうか?  一つの固い意志で身を満たす人間は、荘厳で、純化される。まるで死のように――教授が想像したのは、『ハムレット』の終幕で、栄光を授けられ、兵達に運び出されるデンマーク王子の亡骸だった。  実際のところ、彼は気高い王子ではなく、物語がここで終わる訳でもないのだが。  男子トイレから上がるはしゃいだ声が熱を帯び始めた頃、スラックスのポケットでスマートフォンが振動する。発信者を確認した教授は、一度深呼吸をし、それから妻の名前を呼んだ。 「どうしたんだい、お義父さんの容態が変わった?」 「それは大丈夫」  妻の声は相変わらず、よく着こなされた毛糸のセーターのように柔らかで、温かかった。特に差し向かいで話をしていない時、その傾向は顕著になる。 「あのね、自転車の事なんだけれど、いつぐらいに着くのかしら」  スピーカーを手で押さえながら、教授は壁に寄りかかってスマートフォンを弄っていた青年に向かって叫んだ。 「君の友達は、マウンテンバイクの到着日時を指定したって言っていたか」 「いえ」 「もしもし、多分来週の頭くらいには配送されると思うよ」 「困ったわ、来週は婦人会とか読書会とか、家を空けるのよ」 「私がいるから受け取っておく、心配しないでいい。何なら再配達して貰えば良いし」 「そうね、サプライズがばれなければ」 「子供達は元気にしてるかい」 「変わらずよ。来週の休暇で、貴方とサッカーの試合を観に行くのを楽しみにしてる」 「そうだった。君はゆっくり骨休めをするといいよ……そういえば、さっきの包装の事だけれど、わざわざ紙で包まなくても、ハンドルにリボンでも付けておけばいいんじゃないかな」 「でも、もうさっき玩具屋で包装紙を買っちゃったのよ!」 「なら、それで箱を包んで……誕生日まで隠しておけるところは? クローゼットには入らないか」 「今物置を片づけてるんだけど、貴方の荷物には手を付けられないから、帰ったら見てくれる?」 「分かった」 「そっちで無理をしないでね……ねえ、今どこにいるの? 人の悲鳴が聞こえたわ」 「生徒達が騒いでるんだよ。皆研修旅行ではしゃいでるから……明日は一日、勉強を休んで遊園地だし」 「貴方も一緒になって羽目を外さないで、彼がお目付け役で付いていってくれて一安心だわ……」 「みんないい子にしてるさ。もう行かないと。愛してるよ、土産を買って帰るからね」 「私も愛してるわ、貴方」  通話を終えたとき、また廊下の向こうで青年がニヤニヤ笑いを浮かべているものかと思っていたが――既に���は、職務に戻っていた。  頭から便器へ突っ込まれたか、小便でも掛けられたか、連れ戻されたMは床へぐったり横たわり、激しく噎せ続けていた。昼に食べた病院食は既に吐き出したのか、今彼が口から絶え間なく溢れさせているのは黄色っぽい胃液だけだった。床の上をじわじわと広がるすえた臭いの液体に、横顔や髪がべったりと汚される。 「うわ、汚い」 ��こいつ、下からも漏らしてるぞ」  自らがしでかした行為の結果であるにも関わらず、心底嫌悪に満ちた声がそこかしこから上がる。 「早く動けよ」  どれだけ蔑みの言葉を投げつけられ、汚れた靴で蹴られようとも、もうMはその場に横たわったきり決して動こうとしなかった。頑なに閉じる事で薄い瞼と長い睫を震わせ、力の抜けきった肉体を冷たい床へと投げ出している。  糸の切れた操り人形のようなMの元へ、青年が近付いたのはそのときのことだった。枕元にしゃがみ込み、指先でこつこつと腕時計の文字盤を叩いてみせる。 「あんたはもう、神に身を委ねるつもりなんだな」  噤まれた口などお構いなしに、話は続けられる。まるで眠りに落ちようとしている息子へ、優しく語り掛ける母のように。 「彼女はもう、手足もなく、目も見えず耳も聞こえない、今頃舌も切り取られただろう……生きる屍だ。これ以上、彼女を生かすのはあまりにも残酷過ぎる……だからこのまま、手術が進み、彼女の肉体が耐えられなくなり、天に召されるのを待とうとしているんだな」  Mは是とも否とも答えなかい。ただ微かに顔を背け、眉間にきつく皺を寄せたのが肯定の証だった。 「俺は手術室に連絡を入れた。手術を中断するようにと。これでもう、終わりだ。彼女は念入りに手当されて、生かされるだろう。彼女は強い。生き続ければ、いつかはあんたに会えると、自分の存在があんたを生かし続けると信じているからだ。例え病もうとも、健やかであろうとも……彼女はあんたを待っていると、俺は思う」  Mの唇がゆっくりと開き、それから固まる。何かを、言おうと思ったのだろう。まるで痙攣を起こしたように顎ががくがくと震え、小粒なエナメル質がカチカチと音を立てる。今にも舌を噛みそうだった。青年は顔を近付け、吐息に混じる潰れた声へ耳を傾けた。 「彼女を……彼女を、助けてやってくれ。早く殺してやってくれ」 「だめだ。それは俺の仕事じゃない」  ぴしゃりと哀願をはねのけると、青年は腰を上げた。 「それはあんたの仕事だ。手術室にはメスも、薬もある。あんたがそうしたいのなら、彼女を楽にしてやれ。俺は止めはしない」  Mはそれ以上の話を聞こうとしなかった。失われていた力が漲る。傷ついた体は再び床を這い始めた。  それまで黙って様子を見守っていた生徒達が、顎をしゃくって見せた青年の合図に再び殺到する。無力な腕に、脚に、襟首に、胴に、絡み付くかのごとく手が伸ばされる。  今度こそMは、全身の力を使って体を突っ張らせ、もがき、声を限りに叫んだ。生徒達が望んでいたように。獣のような咆哮が、耳を聾する。 「やめてくれ……行かせてくれ!! 頼む、お願いだ、お願いだから!!」 「俺達の国の人間は、もっと酷い目に遭ったぞ」  それはだが、やがて生徒達の狂躁的な笑い声に飲み込まれる。引きずられる体は、病室を通り過ぎ、廊下を曲がり、そして、とうとう見えなくなった。Mの血を吐くような叫びだけが、いつまでも、いつまでも聞こえ続けていた。  再びMの姿が教授の前へと現れるまで、30分程掛かっただろうか。もう彼を邪魔するものは居なかった。時々小馬鹿にしたような罵声が投げかけられるだけで。  力の入らない手足を叱咤し、がくがくと震わせながら、それでもMは這い続けた。彼はもう、前を見ようとしなかった。ただ自分の手元を凝視し、一歩一歩、渾身の力を振り絞って歩みを進めていく。割れた花瓶の破片が掌に刺さっても、顔をしかめる事すらしない。全ての表情はすっぽりと抜け落ち、顔は仮面のように、限りなく端正な無表情を保っていた。まるで精巧なからくり人形の、動作訓練を行っているかのようだった。彼が人間であることを示す、手から溢れた薄い血の痕が、ビニールの床へ長い線を描いている。  その後ろを、生徒達は呆けたような顔でのろのろと追った。髪がめちゃくちゃに逆立っているものもいれば、ネクタイを失ったものもいる。一様に疲れ果て、後はただ緩慢に、事の成り行きを見守っていた。  やがて、汚れ果てた身体は、手術室にたどり着いた。  伸ばされた手が、白い扉とドアノブに赤黒い模様を刻む。全身でぶつかるようにしてドアを押し開け、そのままその場へ倒れ込んだ。  身を起こした時、彼はすぐに気が付いたはずだ。  その部屋が無人だと。  手術など、最初から行われていなかったと。  自らが犯した、取り返しの付かない過ちと、どれだけ足掻いても決して変えることの出来なかった運命を。 「彼女は手術を施された」  入り口に寄りかかり、口を開いた青年の声が、空っぽの室内に涼々と広がる。 「彼女はあんたに会いたがっていた。あんたを待っていた。それは過去の話だ」  血と汗と唾液と、数え切れない程の汚物にまみれた頭を掴んでぐっと持ち上げ、叱責は畳みかけられる。 「彼女は最後まで、あんたを助けてくれと懇願し続けた。半年前、この病院へ放り込まれても、あんたに会おうと這いずり回って何度も逃げ出そうとした。もちろん、ここがどんな場所かすぐに気付いたよ。だがどれだけ宥めても、あんたと同じところに返してくれの一点張りだ。愛情深く、誇り高い、立派な女性だな。涙なしには見られなかった」  丸く開かれたMの口から、ぜいぜいと息とも声とも付かない音が漏れるのは、固まって鼻孔を塞ぐ血のせいだけではないのだろう。それでも青年は、髪を握る手を離さなかった。 「だから俺達は、彼女の望みを叶えてやった。あんたと共にありたいという望みをな……ステーキは美味かったか? スープは最後の一匙まで飲み干したか? 彼女は今頃、どこかの病院のベッドの上で喜んでいるはずだ。あんたと二度と離れなくなっただけじゃない。自分の肉体が、これだけの責め苦に耐えられる程の健康さをあんたに取り戻させたんだからな」  全身を震わせ、Mは嘔吐した。もう胃の中には何も残っていないにも関わらず。髪がぶちぶちと引きちぎられることなどお構いなしで俯き、背中を丸めながら。 「吐くんじゃない。彼女を拒絶するつもりか」  最後に一際大きく喉が震えたのを確認してから、ぱっと手が離される。 「どれだけ彼女を悲しませたら、気が済むんだ」  Mがもう、それ以上の責め苦を与えられる事はなかった。白目を剥いた顔は吐瀉物――に埋まり、ぴくりとも動かない。もうしばらく、彼が意識を取り戻すことはないだろう――なんなら、永遠に取り戻したくはないと思っているかもしれない。 「彼はこの後すぐ麻酔を打たれ、死体袋に詰め込まれて移送される……所属する組織の故国へか、彼の父の生まれ故郷か、どこ行きの飛行機が手頃かによるが……またどこかの街角へ置き去りにされるだろう」  ドアに鍵を掛け、青年は立ち尽くす生徒達に語り掛けた。 「君達は、俺が随分ひどい仕打ちをしでかしたと思っているだろう。だが、あの男はスパイだ。彼が基地への潜入の際撃ち殺した守衛には、二人の幼い子供達と、身重の妻がいる……これは君達への気休めに言ってるんじゃない。彼を生かし続け、このまま他の諜報員達に甘い顔をさせていたら、それだけ未亡人と父無し子が増え続けるってことだ」  今になって泣いている女子生徒も、壁に肩を押しつけることで辛うじてその場へ立っている男子生徒も、同じ静謐な目が捉え、慰撫していく。 「君達は、12歳の少女が犯されて殺される可能性を根絶するため、ありとあらゆる手段を用いることが許される。それだけ頭に入れておけばいい」  生徒達はぼんやりと、青年の顔を見つめていた。何の感情も表さず、ただ見つめ続けていた。  この辺りが潮時だ。ぽんぽんと手を叩き、教授は沈黙に割って入った。 「さあ、今日はここまでにしよう。バスに戻って。レポートの提出日は休み明け最初の講義だ」  普段と代わり映えのしない教授の声は、生徒達を一気に現実へ引き戻した。目をぱちぱちとさせたり、ぐったりと頭を振ったり。まだ片足は興奮の坩堝へ突っ込んでいると言え、彼らはとろとろとした歩みで動き出した。 「明日に備えてよく食べ、よく眠りなさい。遊園地で居眠りするのはもったいないぞ」  従順な家畜のように去っていく中から、まだひそひそ話をする余力を残していた一人が呟く。 「すごかったな」   白衣を受付に返し、馴染みの医師と立ち話をしている間も、青年は辛抱強く教授の後ろで控えていた。その視線が余りにも雄弁なので、あまりじらすのも忍びなくなってくる――結局のところ、彼は自らの手中にある人間へ大いに甘いのだ。 「若干芝居掛かっていたとは言え、大したものだ」  まだ敵と対決する時に浮かべるのと同じ、緊張の片鱗を残していた頬が、その一言で緩む。 「ありがとうございます」 「立案から実行までも迅速でスムーズに進めたし、囚人の扱いも文句のつけようがない。そして、学生達への接し方と御し方は実に見事なものだ。普段からこまめに交流を深めていた賜だな」 「そう言って頂けたら、報われました」  事実、彼の努力は報われるだろう。教授の書く作戦本部への推薦状という形で。  青年は教授の隣に並んで歩き出した。期待で星のように目を輝かせ、胸を張りながら。意欲も、才能も、未来もある若者。自らが手塩にかけて全てを教え込み、誇りを持って送り出す事の出来る弟子。  彼が近いうちに自らの元を去るのだと、今になってまざまざ実感する。 「Mはどこに棄てられるんでしょうね。きっとここからずっと離れた、遙か遠い場所へ……」  今ほど愛する者の元へ帰りたいと思ったことは、これまで一度もなかった。  終
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