#温泉夢物語館
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考えてみる、サバイバル
今年は元日に突然携帯の地震を知らせるアラームが鳴り出し、ギョッとなった。まもなく、能登で大きな地震があったことを知った。本当にいつどこで地震に遭うのかわからない今日この頃だ。日頃の備えが大事というが、どんな備えをすればいいのだろうか。どうすれば、自分や家族や周りの人の命や財産を守れるのだろうか。
「サバイバルファミリー」という映画を観た。どういう話かというと、主人公は東京のマンションに住む、中年の夫婦と高校生の息子と娘の一家。お父さんは平凡なサラリーマンで、会社から帰れば、晩酌しながらテレビをみている。息子と娘は親に関心がなく、勝手なものを食べている。お母さんはひとり台所で、実家の鹿児島から送られてきた大きな丸一匹の魚を捌こうと格闘しているけれど、誰も手伝わないし、食べたがらない。
そんなある日朝、突然電気という電気がみな停まってしまう。電気ばかりでなく、乾電池や車のバッテリーも全く働らかなくなる。お父さんと子どもたちは、文句を言いながらとりあえず会社や学校に向かう。自分のマンションだけでなく、かなり広範囲に停電していることがわかってくる。スマホで検索しようと思っても、画面には何も映らない。お母さんがスーパーに行くと、みな買い出しに来ているが、レジが動かずそろばんで計算するので、長蛇の列となる。
���日ぐらいは、ロウソクとカセットコンロとレトルト食品で凌いでいるが、水道からの水も出なくなり、会社や学校も休みとなり、多くの人がだんだんと東京脱出を始める。大勢の人が家族を伴って、ガラガラとスーツケースを引いていく。この一家はお父さんがうまく調達したおかげで、一人一台自転車がある。途中の商店では、ペットボトルの水が一本2500円の高値で売りに出されている。この家族も高値承知でありったけを買い占め、旅を始める。お母さんの実家の鹿児島を目指して。途中のお米屋さんでは、水や食べ物を持って行くと、お米一合と交換してくれる。そこにロレックスや高級車の鍵を持って交換に来る人物が現れるが、「そんなもの食えるかい! 」と突き返される。
「大阪から先の関西では電気が来ているらしい」という噂が飛び交い、今や車の走らない東名高速道路を大勢の人が歩いたり、自転車だったり、中には荷車を引く人も、西に向かう。途中のサービスエリアで野宿。寒い季節ではないのが、まだよかった。寝ている間に、水を一本盗まれて、息子がすぐに追いかけるのだが、盗んだ家族には赤ちゃんがいて、取り返すのをやめる。
脱出から16日目高速道路を降りて、川で洗濯をする。水が一見きれいだからと飲んだお父さんが下痢をする。強風に煽られて転倒し、自転車やお母さんのメガネが壊れる。次に通りかかったちょっと大きい街の無人のホームセンターを覗くと、食べ物はとうに無いが、キャットフード、精製水( コンタクトレンズに使うもの? )、自転車の修理材料などを手に入れる。火おこししようとしたもできないお父さんを横目で見つつ、おいしくないキャットフードを食べる。
さらに高速道路を走り続ける。長いトンネルの入り口で報酬と引き換えに、トンネルの案内を買って出る盲目のお婆さんたち。無視してトンネルに入るも、真っ暗な中、停まっている車や障害物に阻まれて進めなくなり、盲目のお婆さんに手引きしてもらう。
次はいやに元気な家族と遭遇する。彼らは日頃サイクリングしながらキャンプをしているらしく、装備も揃っていて、みなで楽しそうに食事をしている。「食料や水はどうしているんですか」と尋ねると、山の中の岩場の間から湧き出ている水は、周りに苔が生えていればそれは安全な証拠なのでそういう水を汲んだり、地面から直に生えているオオバコのような植物は食べられますよ、セミなどもおいしいですよ、と教えてくれる。
43日目、やっと大阪に到着。電気は来ていない。通天閣のタワーの入り口には、たくさんのメモ紙が貼ってある。「岡山のおじさんのところに行く。◯◯」などの伝言が。娘がブチ切れて「もう嫌だ! お父さんが大阪に来ればなんとかなるって言ったよね?」「そんなこと俺いったか? 」「ほら、そうやってまたいつもの責任のがれ」「親に向かってなんだ、その口の聞き方は! 」すると息子が「親らしいことしてくれたことあったかよ! 」今度はお母さんが、「いい加減にして! そんなこととっくにわかっているじゃないの、お父さんがそういう人だってこと」ここでお父さんはがっくりとなってしゃがみ込んでしまう。水族館の前で、飼っている魚を調理した炊き出しの列に並ぶも、自分たちの前で終わってしまった。お父さんは調理していた人に、土下座をして「せめてこの子たちだけにでも何か食べ物を」と懇願するが、「無いものは無い」と断られる。
67日目、食料も水も無くなり、岡山あたりの田舎道をとぼとぼ歩いている。と、一頭の豚が目の前を通り過ぎていく。えっ、となり夢中で追いかける。四人でやっと捕まえてみたものの、どうやってとどめを刺すのと手間取っているところ、後ろから「うちの豚に何をする! 」とお爺さんの怒鳴り声。お爺さんのうちの電気柵が働かなくなり、豚たちが逃げ出したのだった。お爺さんが、持っていたナイフで手早くとどめを刺し、豚を運ぶのを手伝い、そのお爺さんの家に。庭先の井戸水を汲ませてもらい、ごくごく飲む。久しぶりの白いご飯に、卵や野菜のおかずに豚肉の燻製。近所のお婆さんがキャベツや大根を届けてくれる。「あれまあ、お客さん? お孫さんたちが帰っているのかと思った」お爺さんの家族はアメリカにいて、連絡もつかないのだ。
ご飯の後は、さっきの豚の解体を手伝う。バラバラにした肉に塩をすり込む。一週間ほど熟成させてから燻製にするのだそうだ。逃げた他の豚も、みんなで追いかけ回して捕まえる。井戸水をバケツで汲んでは、お風呂に運び薪でお風呂を沸かす。何十日ぶりのお風呂に入り、夜はお孫さんたちが着る予定だった新しい寝巻きを貸してもらい、これまた久しぶりの布団に横になる。
毎日薪割りしたり、洗濯をしたり、お爺さんの手伝いをして過ごす。一週間後、豚肉を燻製にしながらお爺さんが語る。「お前さんたちさえよければ、ここにずーっと住んでもいいんじゃぞ。わしも年取って、一人で車も洗濯機も使えない生活では大変でなぁ・・」と誘われるが、この一家は鹿児島にいるお母さんの実家のお父さんの安否も気になっていて、結局お爺さんの申し出を断り、たくさんの食料をもらって、また自転車の旅を続ける。
そのあともいろいろあって、命の危険に���晒されて、奇跡的に誰かが動かしてくれたSLに拾われて、ようやく108日目に鹿児島のお祖父ちゃんの家にたどり着く。お祖父ちゃんは元気だった! お祖父ちゃんは浜で魚釣りをしていた。それからは村人同士助け合って、魚を捕りに行ったり、畑をしたり、鶏の世話をしたり、お婆さんに機織りを教えてもらったりして、みんなで元気に楽しく一生懸命に暮らし始める。
それから、2年と126日目の朝、突然村のスピーカーから埴生の宿のメロディーが流れてくる。みんなが驚いて家を出てみると、街灯が次々と点き始めた。すっかり忘れていた電気が戻ってきたのだ。そして場面は変わって、東京の一家のマンション。日常を取り戻し、以前の生活に戻る。テレビからは、「世界同時停電の原因は、太陽フレアか彗星の異常接近ではないかと、専門家からは語っている。サイバーテロの疑いはなくなったとのことです・・」停電前はそれぞれ勝手に心もばらばらに生きていた家族だったのが、思いやりのある温かい家族になっていた。
とまあ、そういう話であったが、いろいろといいヒントがあった。非常時にはアナログが強いこと。キャンプ生活などに慣れておくこと。北杜市に住んでいて、地震などで自分の家が壊れていない限りは、ここにいた方が湧き水もそばにあるし、薪や焚き木を燃やして暖を取ったり煮炊きすることもできる。むしろここは、首都圏からの避難地域となるだろう。今できることといったら、いつでも人を迎えられるように、家の中を整えておくこと、食料や薪を備蓄しておくこと?
もうひとつ気になるのが、「年長者としての知恵」のようなもの。年長者はパソコンやスマホに弱く、操作方法などは若者に訊かないとわからないことばかり。でももしパソコンやスマホが一切使えない世の中になった時に、どこまで年長者がサバイバルの知恵を出せるだろうか。本当に長く生きた分だけいい知恵があればいいけど。
さっきの映画の話では、最初はばらばらだった家族の気持ちもだんだんとひとつになり、お互いにかけがいのない家族として心が結ばれる。停電が終わり東京に戻るのだけど、本当に戻る必要はあったのかなぁ。鹿児島にいた二年半は、みなで漁をしたり、畑をしたり、はた織りしたりして、お金も介在せずに生きていたわけだ。これからこの地震や災害の多い日本で生き抜くには、都会を出て地方でコミュニティを作って、いろんな年齢の人が、各々出せる力を合わせて生きていく以外の得策は無いのではないかしら。
2024年1月
映画「サバイバルファミリー」は、2017年2月に��開された。監督 ���口史靖。
主演 小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな
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SOLD OUT!!-キャンセル待ち受付中-
『帰省する音楽』 -絵と音の即興演奏会-
[日時]2023.8.11(金祝) open 14:30 / start 15:00 [会場]稲毛海岸cafeどんぐりの木(千葉市美浜区高洲1-16-46) [ライブペインティング]矢野ミチル [演奏]宮内優里、小畑亮吾 [チケット]¥3,000(+1D)※小中学生¥1,500/未就学児無料 [詳細&予約]sold out!!キャンセル待ち受付中
下記フォームより必要事項を明記の上、送信ください。ご精算は当日になります。 予約フォーム
*店舗予約 cafeどんぐりの木 メール[email protected] 3日��内に返信がない場合は043-386-4468にお電話をお願いします。
[小畑亮吾]
音楽家/ヴァイオリン弾き/シンガーソングライター ヴァイオリン一梃弾き語り。リアルタイムサンプリングを用いたプレイを得意とするストリングストロニカ音楽家。 映像や絵画、舞台、植物といった様々な分野とのコラボレーションやインプロビゼーションなど全環境型パフォーマンスを行う。 また、自身を再生装置とした時報インスタレーション『夕刻のヴァイオリン弾き』を各地で行い生演奏に触れる場を拡張し続けている。
【すみだ向島EXPO】【ととのう温泉美術館】などの芸術祭での時報演奏の他、山形県大石田町では防災無線を使った実際の町の時報音楽も手がける。 平野絢士監督のファッションフィルム【LEPUS CORNUTUS】などの音楽、カナダのAliison Mooreのニューメディアアート【向島ジオラマ】での即興演奏、上野の森美術館で行われた【THE WORLD OF UKIYO-E】の空間サウンドデザインなども担当した。 http://goomi.jp/rygk/
[ 宮内優里]
音楽作家。1983年生まれ。千葉県八街市在住。2006年にRallye LabelよりCDデビュー。生楽器の演奏とプログラミングを織り交ぜた、有機的な電子音楽の制作を得意とする。最新作は2023年リリースの「Instruments 2」。ライブ演奏では即興での多重録音によるパフォーマンスを行う。WORLD HAPPINESS、FUJI ROCK FESTIVALなどにも出演。近年はBGM演奏という形の活動もしており、全国の美術館、図書館または書店など、様々な場所で演奏をしている。自身の活動以外では、映画「岬のマヨイガ」(監督:川面真也 / CV:芦田愛菜ほか / 原作:柏葉幸子)、映画「リトル・フォレスト」(監督:森淳一 / 出演:橋本愛ほか / 原作:五十嵐大介)などの映画音楽をはじめ、NHK・Eテレ「あおきいろ」、「Q~こどものための哲学」や、ドラマ・舞台・CMなどの音楽や空間BGMの設計など、様々な形で音楽制作・楽曲提供を行っている。KENJI KIHARAとの音楽プロジェクト「BGM LAB.」や、映像作家・川嶋鉄工所との映像制作ユニット「MIYAGAWATEC」などでも活動中。 https://miyauchiyuri.com/
[矢野ミチル]
無意識下のイメージを描き続ける蠍座の画家。茅ヶ崎に生まれ、2014年に東京から瀬戸内の因島に移住する。自動筆記画集「色を歩く」や「夢意識のオラクルカード」を出版。N-qia、CLOUD NI9E、キスミワコ、ふらむきりん など数多くのアルバムアートワークを担当する。屋号はアトリエ可視光線。 www.yanomichiru.net
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万��乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智���照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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- 𝐀𝐁𝐎𝐔𝐓 𝐌𝐄
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𝐍𝐀𝐌𝐄
鮫島 藍子 ( サメジマ アイコ )
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𝐁𝐈𝐑𝐓𝐇
6月30日┋22歳┋非加齢式
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𝐈𝐌𝐀𝐆𝐄
#𝐁𝟗𝐃𝟗𝐄𝐁 #紫陽花
- 𝐋𝐎𝐎𝐊𝐒
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𝐇𝐭 𝟏𝟔𝟗±𝐜𝐦 ┋ 𝐖𝐭 𝟓𝟓𝐤𝐠
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𝐇𝐚𝐢𝐫 : 𝐑𝐚𝐦𝐮𝐧𝐞 #𝐁𝟗𝐃𝟐𝐄𝐀 + #𝐂𝐁𝐂𝟑𝐄𝐄
𝐄𝐲𝐞𝐬 : 𝐖𝐚𝐬𝐚𝐛𝐢 #𝐂𝐂𝐃𝟖𝐁𝐂
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𝐇𝐎𝐁𝐁𝐘
映画鑑賞(ホラー)
伝統芸能鑑賞┋寺社巡拝
文房具蒐集┋読書┋落語
旅行┋温泉巡り ♨︎
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𝐅𝐎𝐎𝐃
おにぎり(昆布)┋白米┋唐揚げ
オムライス┋蕎麦┋拉麺( 味噌 )
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𝐌𝐔𝐒𝐈𝐂
サカナクション┋ヨルシカ┋米津玄師
KingGnu┋amazarasi┋キタニタツヤ
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𝐋𝐎𝐕𝐄
宮沢賢治┋市川春子┋最果タヒ
紫陽花┋水族館┋夜明け┋雨音
𝐃𝐫𝐞𝐚𝐦 𝐜𝐨𝐫𝐞┋𝐋𝐢𝐦𝐢𝐧𝐚𝐥 𝐒𝐩𝐚𝐜𝐞
- 𝐒𝐔𝐌𝐌𝐀𝐑𝐘
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戦国生まれ、平成育ち、令和を生きる自称忍者のたまご。
旧套墨守に身を包み、忍者と戦国武将に浪漫を抱く元気なオタクです。時代交錯した一人称と古風な語り口が特徴的。日本史や純文学などの文化、また落語や歌舞伎などの伝統芸能分野をこよなく愛しており、造詣が深い。最近は殺陣稽古を本格的に習い始めたり、美術館や博物館に足を運んだりと自分の趣味や嗜好を思う存分に楽しみながら人生を謳歌する道楽人。ド田舎生まれド田舎育ち、都会で暮らすことを夢見るしがない田舎娘。明朗快活、剽軽者で楽天的。自分の気持ちに素直に生きる豪放磊落とした思考構造。
三度の飯よりも食べることがダイスキです!食に関することなら食材選別から調理過程、食べることに幸せを感じており、好き嫌いもありません。味噌と醤油は自家製。自分で作れるものであれば何でも作るし野菜も一から育てます。家庭菜園と自給自足は大得意。いつか自分の育てた米を使って日本酒を作ることを夢見ています。「いつも美味しいごはんが食べたい」と言う己の欲望を満たす為に、食に関するスキルを磨き、自分の機嫌を取りながら暮らしています。
老舗温泉旅館「あたらよ」にて仲居見習いとして働いている。
旅館から少し離れた辺鄙な田舎町に古書店兼自宅となる古民家を所有しており、オフの日は家屋の修繕や本の手当の為、定期的に自宅に帰るようにしています。 所蔵している本の数はおよそ一万冊以上。本の情報は全て記憶しています。
- 𝐎𝐓𝐇𝐄𝐑
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𝐏𝐋 : 成人済 社会人┋ 𝐏𝐋≠𝐏𝐂
𝟏𝐏𝐋𝟏𝐏𝐂 𝟏𝐂𝐏思考
𝐑𝐏 :𝐓𝐋 𝟓𝟎𝟎+┋𝐃𝐌 𝟏𝟎𝟎𝟎±
𝐃𝐌:𝐒𝐍𝐒または自室として利用可能 ご自由にどうぞ!
@𝐃:独白または日常生活の描写┋反応 𝐎𝐊
- 𝐂𝐎𝐍𝐓𝐀𝐂𝐓
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映画 動画など 同時視聴 𝐎𝐊❕
長文思考 熟考型 感覚<会話重視!
私生活最優先の為、置きレスを主体に交流しています。じっくり、ゆっくり、のんびりと交流を楽しみたいスタンスですので基本的にレスポンスを継続させがちですが、収まりの良い場合はこちらから留めることもあります。会話を経て親睦を深めていきたいので、積極的にお声掛けをしています。また既知設定の相談、こちらの設定に合わせた交流など、双方が楽しめる交流でしたら何時でも歓迎しております。一方通行の交流にならないように配慮をしていますが、至らぬ点などございましたら何時でも気軽にお声掛けください。恋愛発展はご縁がありましたら程度なので、今のところは考えていません。
- 𝟐𝟎𝟐𝟒.𝟎𝟗.𝟐𝟑
✦ 𝐜𝐫𝐞𝐝𝐢𝐭
𝐏𝐅𝐏:智瀬 @_𝟐𝟐𝟏𝟏𝟐𝟏
たくさん の ありがとう!
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びっくりするほど秋でびっくりした
9月も終わりました 急に気温も下がり、世の中が秋に染まり始めてきてる中、僕はネクタリンを踊れるようになり、風邪をひきました なんで?
ポケットモンスター金をやり始めました
今から25年前のゲームらしいです 第2世代は本当にやったことも見たことも無くて(身内がリメイクをやっていたところを軽く見ていたくらい)本当に新鮮な気持ちでプレイしているのでやっていて本当に楽しいです 今VSアカネ戦までやって、ミルタンクが本当にアホみたいに強くてびっくりしました きんにく(ワンリキー)を使ってやっと勝てたんだけどあれたぶん公式の救済処置ですよね
作業配信してる時にいるこいつ
↑こいつ ニコ生とかで作業してる時画面がどうしても寂しいので僕の声に合わせて口が動いたりランダムに瞬きしてくれる置物みたいなのを作ってみました 僕はあまり絵を描くのが得意ではないので なんか違和感とかすごいんですけどそこらへんは気にしないでもらえると嬉しいです
グランドフェスを最高に楽しんだ
もう本当に楽しかった 改めてこのゲームが好きでよかったと思いました ライブのクオリティというかダンスとか演出とかがすごく良かったし写真もいっぱい撮れたし100倍マッチも勝てたしもうすごく満足です ただ僕はフレンドとフェスをやったことが無かったのでそこだけがちょっと心残りです しょうがないか これからもスプラトゥーンを楽しんでプレイしていきたいです というかみんなもスプラやろう
CITYアニメ化決定
ありがとう 本当にありがとう すべてに感謝 CITY本当に好きなのでめちゃくちゃ嬉しいです 最終回を迎えてだいぶ経つのでアニメ化は厳しいのかなと思ってたらアニメ化してくれました こんなことってあるんですね しかも京アニなのが嬉しい 泉 りこが動いてる姿が見れると考えるとわくわくが止まりません 個人的にはOPとかEDがどうなるのかがすごく楽しみです あと京アニ関連だとメイドラゴンが映画化するらしい 見に行きたいけど見に行けるかな 映画館滅多に行けないんだよな…
マックの芳醇ふわとろ月見バーガーを食べた
間違いなく今まで食べたハンバーガーの中で一番おいしかった なんだろう、あのタマゴのちょうどいい半熟の感じとかソースとか いろいろあるんだろうけどその色々がいい感じにかみ合ってもう最高においしい また食べたいな
中古のiPhone11proを買いました
買っちった 「なぜ今更11なの?」という声が聞こえますね 簡単に説明すると今メインで使ってるスマホ(Galaxys10)のバッテリーの消耗が激しくなってきて1日に数回も充電するのもだるいし、充電してる間にスマホをいじれないのが割としんどいので(スマホ中毒)中古のiPhone11を買いました なんか色々調べた感じ10より前のスマホはアップデートの都合上おすすめできないと言われたので11を買うことにしました まぁ動画とTwitter見るだけなんですけどね それ以外のことはメインのスマホでやります ん?「なんで無印じゃなくてproを買ったの?」という声も聞こえますね proを買った理由は中古ショップで売ってたiPhone11シリーズで一番バッテリー容量が多かったのがproのモデルのものだったのでそれを買うことにしました 正直バッテリーの容量が多かったら無印でもよかったです カメラの画質とかにこだわりはありません まぁ詳しいことは近々公開される動画で全部話すので良ければそちらもご覧いただけると幸いです というか見て
ルリドラゴン(2)を読んだ
2年ぶりくらいに新刊が出たらしい そんなに経つのか… でもルリドラゴン好きなので新刊が出てくれただけでも嬉しいです 青木 瑠璃の母親がまじで親としてできすぎていてすごかった ちゃんと子供のこと考えているんだろうなとか、自分の子供が好きなんだということがしっかりと伝わった 前田 明里が青木 瑠璃に対して「話しかけないでくれる?」って言ったシーンで心が痛くなった そんなこと言わなくていいじゃん;;ってなった 9話の扉絵(?)が個人的に好きで何とも言えない表情で何とも言えないポーズをとって背景は雷が落ちててなんかよくわかんないけど個人的に刺さった 無表情なのがいい あと10話の扉絵でなぜか青木 瑠璃がゲーミングキーボードを持っててよかった ゲーミングキーボードとか好きなのかな? ゲーミングキーボードは沼ると大変なことになるから気を付けたほうがいい キーボードに限った話じゃないけど 最後の作者コメントで「待っててくれて本当にありがとう」って書いてあっていいなと思いました
クロシオカレント(3)を読んだ
最終巻です ウロボロスのウロがしっぽを口にくわえてるシーンがかわいかったです 『一例』の回で突然登場してきた誰かわからない謎の少年が悪魔たちを狩っていって成長していく話なんだけど、魔女から真実を告げられ、「現実と向き合おうか」と言われ魔女が笑っていたシーンを見たときはかなりえぐいなと思った そしてその悪魔を狩ってきた少年が戸梶だと知ったときは衝撃を受けた それでそのあとのマナのガチャを引くシーンがすごく良かった 温度差みたいなのがすごかった 藤がサメミに左手を食われてて、それを悟った岡林がドン引きしてるシーンで笑った 藤は多分長生きしない 最終話で朱砂が「なんで引きこもってる人のために私達が頑張らなきゃいけないんだよ」っていうシーンで普通にダメージを食らってしまった 死のうかな クロシオカレント、終わってしまったけどいい感じに終わってくれたし作者が「次回作でまたお会いできると幸いです」って言ってくれたからよかった 本当にいい漫画だった
苺ましまろ(4)を読んだ
化粧品のセールスマンが一コマで急にボコ��コにされてて笑った 災難すぎるというか相手が悪すぎるというか 桜木 茉莉の見てた夢で松岡 美羽が犬になってめちゃくちゃ飼い主に舐めた態度とってたの良い クックドゥードゥルドゥーって言ってアナ(犬)をぶん殴ったの面白すぎる 『恋』の回でラブレターを書いたのが松岡 美羽だと判明した後に急にチーターが獲物を追いかけるコマになったの面白すぎる めっちゃリアルだったし あと笹原が相変わらずめちゃくちゃ不憫だった どうしたらあいつは報われるの? 苺ましまろのシュールな世界観がめっちゃ好きです
プロセカ4周年らしい
もうそんなに経つんだ… 僕は割とプロセカを最初のほうからプレイしているのでなんか感慨深いですね というか時の流れ早すぎ 僕はプロセカのストーリーもキャラも詳しくは知らないんですけど音ゲーとしてはすごく楽しんでるのでこれからも楽しんでいきたいです ? もしかして日本語が変? どうだろ
最後に
というわけで9月はこんな感じです え?9月終わったの? やばw
9月も特に何もしてませんが、動画は常に更新してるし作りたい動画も作れているのでひとまずよし
働いてないから何もよくないけどね 何をしているんでしょう僕は
あ、というか今月アニメ見てない 10月はゆるキャン△3期見たいな 秋なので
ていうかなんで敬語なんだ? いつもこんなだったっけ?
10月からさらに寒くなるので体調管理に気を付けて死なないことを目標に生きていきたいと思います
終わり
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〖イベントレポート〗6/22(土)大ヒット御礼舞台挨拶実施!
6/22(土)にTOHOシネマズ日本橋にて大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の平泉成さん、佐野晶哉さん、秋山純監督が登壇しました。
映画公開��ら約2週間経過したこの日、満員の観客で迎えた大ヒット御礼舞台挨拶に立った平泉さんは「いやあ、夢のようですね」とキャリア60年にして自身初の主演映画の大好評ぶりに感慨無量の様子。周囲の反応・反響については「温かく優しい映画が久しぶりに見られて嬉しいという反応ばかりです。娘や息子に見せたい、両親にこの映画をプレゼントしたい、などと言ってくれる方もいました」と述べて、顔をほころばせていました。
一方、平泉さんから「うちの孫」と紹介された佐野さんは「成さんは大先輩だけれど、もう地元の学校の先輩みたい。いや、うちのじいちゃんです!」とすっかり仲良し。映画公開後の周囲の反響を聞かれると「中学時代の先生から友達経由で連絡がありました。映画を観て成長を感じて嬉しいと。同世代の友達は、そろそろ実家に帰らなければと思ってくれたり、友達の心を動かせたのが嬉しくて、全国的にそんな人たちが少しでもいたらいいなと思います」とさらなるヒットを祈願していました。
この日の平泉さんのネクタイは、佐野さんが映画公開初日に誕生日プレゼントとして贈ったもの。「今日もメンカラ(メンバーカラー)のネクタイをしてきました」と平泉さんが言うと「僕がいないところでもつけてくださっているようで本当に嬉しい」とニッコリ。また平泉さんが「どういうわけか私が持っている上着のどれにも合う」と太鼓判を押すと「成さんの過去60年の色々なスーツをネットで調べて、これや!と思って決めたから」と明かして平泉さんを驚かせていました。
一方、自身を“エゴサの鬼”という秋山監督は「ほとんどの感想に“いいね!”を押して、DMにもすべて返信しています。親に会いたくなった、親の写真を撮りたくなったなどと家族について書いてくれるのが嬉しい」と高評価に大喜び。すると平泉さんは「さっきから会話についていけないのだけれど…エゴサって何?」と首をかしげて、佐野さんからエゴサについての説明を受けていました。
そんな中、サプライズで平泉さんの愛妻・里香さんから想いのたっぷりこもった手紙が届き、司会が代読しました。
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成さんへ
「大輪の花 咲かずとも 充つる日々」 色紙に成さんがずっと書いて来た言葉です 脇役として沢山のお仕事をしながら 必死に自分を奮い立たせて来た言葉です けれど サインを書く横顔は何処か寂しげで… 「幸せは家族の総合点だよ」と声をかけ 何とか「充つる日々」をと 心掛けて来ました 秋山監督や出演者、スタッフの皆様に 心から感謝申し上げます ありがとうございました そして…成さん おめでとう! 大輪の花 咲かせたね! 晴れやかな面持ちで 明日からどんなサインを綴りましょうか… 幼い孫達が おじいちゃんの代表作 「明日を綴る写真館」を胸に刻める日を楽しみに…
2024.6.22 里香
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これに平泉さんは「泣かせにきたね!」と笑いつつも「大輪の花を今まで咲かせられなかった。横でいつも主役を見ながら悔しかったね」と語りだすと、「ダメだ!」とハンカチで目頭を押さえて感涙。「自分に悔しくてそんなサインばかりを書いていたけれど、今回主演をやらせてもらって…ありがとうございました」と感謝していました。
さらに、平泉さんの家族からも続々メッセージが届きました。
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19歳で役者を志し、ホテルを辞めた頃に想い描いた夢はいつしか「家族のため」として、少し形を変えてきたと思います。そんな���父さんを誇りに思い感謝してきました。夢が叶ったこと。60年間で関わった多くの人が喜んでくれると思います。本当におめでとう! ――長男・陽太さん
コツコツと努力を続けていれば、いくつになっても夢は叶うんだと、勇気と感動をもらえました。 お父さんは私たちの誇りです。 本当におめでとうございます。 ――陽太さんの妻・愛(めぐみ)さん
映画の主演、おめでとう! 僕も頑張るから、成さんも頑張ってね! 自慢のおじいちゃんだよ。また、会える日を楽しみにしてるね! ――陽太さんの長男・凛人(りひと)さん
すごいです。おめでとう!!!お母さんをはじめ芸歴60年支えてくれた人たちのお陰…そして何よりお父さんの人柄、努力の賜物だと思います。家族のために…ありがとう!!!この映画が沢山の人の心に響きますように! ――長女・季里子(きりこ)さん
「ひとつのことを60年続ける」…簡単なことではないと思います。家族のために走り続ける姿、多くの人に夢や希望を与えるお父さんの生き様が映画を通して伝わることを願っています。本当におめでとうございます。 ――季里子さんの夫・裕介さん
せいさん えいがこうかい おめでとう ――季里子さんの娘と息子・あかりさん&あおとさん
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妻のみならず、親族からも届いたサプライズ!しかも客席には妻をはじめ家族の姿が。平泉さんは「本当に嬉しい。我慢したけれど涙が…。この場に立たせていただくのに60年の月日が経ってもう80歳。長い事かかったなと思うけれど、本当にありがとうございます。家族として、今ひとつかっこよくない僕をずっと支え続けてくれた。かみさんにも、家族にも感謝です。ありがとう」としみじみ。その横で佐野さんも「成さんからご家族の話を聞くことが多かったので、こうして直接お会いできて、ご家族からの激励の言葉を聞かせてもらえて…うちのじいちゃんカッコいいです」とウルウルして「このタイミングに成さんと出会えて、僕は出会いの運が良いなと感じました」と平泉さんとの出会いに感謝していました。
最後に佐野さんは「成さんに出会って人生が何十倍も豊かになりました。58歳年下の僕と仲良くしてくださる成さんには頭が上がりません。観客の皆さんがこの映画に出会い、皆さんの日常の中でのちょっとした心の変化があったら幸せです」と挨拶。平泉さんも「こんなに晴れがましいところに立たせてもらえるのは生涯で一度きりかもしれないけれど、まだ元気なのでやれるところまで頑張ってやっていきたいです。その際はぜひ応援してください」と呼び掛けていました。
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映画公式Xでは感想投稿キャンペーンを実施中です! 映画のご感想は〈#写真館の感想を綴ろう〉をつけて投稿してくださいね。
スマホアプリを使ったオーディオコメンタリー上映も実施中です。
映画『明日を綴る写真館』絶賛上映中!
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【坂本龍一監督追悼 定期演奏会2024】仙台も終了、30日(土)は郡山!
盛岡の朝は早い。 市内のホテルから団員が宿泊する紫波(しわ)郡紫波町の「ラ・フランス温泉館」までタクシーで移動し、団員と合流しなければならないというミッションを背負っていたのです。宿泊施設の名前を聞いてから「ラ・フランス」と「温泉」の二語の不協和音ぶりに不審さが拭えなかったのですが、実際にありました。
さらに「湯楽々」(しかも文字の級数がデカい!)です。この斬新なネーミングの施設ですが、朝6時頃の眺望をOB中村祐登(トランペット、今は小学校の教諭、地元は仙台)にシェアしてもらいました。
雲海が広がる絶景に日の出。もっと早起き駆けつけて見たかった!(たぶんできなかった)
さて、バスの添乗担当としては、
3号車に乗り込み、7時半に出発。寝台バスのごとく寝ること2時間。やって来ました、本日の会場です。寝ぼけながらバスから降りて普通に会場に入ろうとしていたら、前で写真を撮っている団員がいました。
OBOGから畏敬の念を持って「酒豪」と称される佐々木潮里さん(ヴィオラ、今は化学品系メーカー研究職、地元は仙台)でした。きっとアルコール分解の人体実験としてお酒を嗜まれているに違いないと解釈しております。
東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)では、二人の来客がマエストロの入り時間よりも早く待ち構えていました。
第三期のコンサートミストレス、千葉はづきさん(旧姓、地元は仙台)が、生後4か月の洋榮(ひろは)くんを連れてやってきてくれました。いったい何人がこのヒーローを抱っこしたことでしょう。
しかし、OG佐藤実夢さん(ヴァイ��リン)の抱っこの安定感はナンバーワンでした。今は保育士さんですからね。
ゲネプロ中をいいことに「乗っちゃいなよ、ベイビー」とは言いませんでしたが、オンステージのデビューをしてもらいました。
すでに孫のためにチェロが買い与えられたとか。これから「東北ユースオーケストラ・ジュニア」ができるのか、いや「東北ユースオーケストラ」に入って欲しいものです。
はずきママ、律儀に差し入れも持ってきてくれました。
そう、盛岡のヴァイオリン駒井さんの手芸による栁澤さんはすでにご紹介しましたが、その左は手芸の福島事務局竹田学さん(直前合宿初日にご指導)と判明いたしました。
OBの吉田飛鳥くんも差し入れ持参で駆けつけてくれたのです。だんだん「ひよこクラブ」記事のようになってきたので、このへんで修正いたしますと、今日は東北ユースオーケストラの宮城公演です。
ゲネプロは着々と進行、終了し、あとはお客さんを待つのみ。
こちら下手の舞台袖では、
クラリネットの渡邊理沙子さんが、シエナ・ウィンド・オーケストラの飯島泉さんに個別指導をしていただいていました。なんという贅沢! 本番がんばって!!
一方、ロビーでは、
TYOオリジナル商品の物販準備です。三期の齋藤玲利くん(チェロ、盛岡出身)が、大学入学で復団したいと体も大きくなって手伝いに来てくれました。うれしいし、心強いぞ。わたしが書いた書籍『響け、希望の音〜東北ユースオーケストラからつながる未来』(フレーベル館)もオンデマンド版を販売しています。初版は売り切れたものの、重版までには至らずとの版元判断でございます。ドカンと増刷になると、このオケの活動費になりますので、そのような事態の到来を待ち望んでおります。Netflixとかで映画にならないかな・・・。
オシャレでコンパクトなTYOロゴ入り防災セットも残りわずかですので、郡山、東京での公演での入手を切にお願いいたします!
こちらは20日に発売されたばかりのCD、東北ユースオーケストラと坂本龍一 『The Best of Tohoku Youth Orchestra 2013~2023』の販売ブース。こちら会場での購入特典としてA4サイズのオリジナルデザインのクリアファイルがもらえます。ぜひこの機会にお求めください。
そろそろ開演間近となり、舞台袖にはTYO定期演奏会では恒例の影アナ隊が集まってきました。普通は舞台袖で行う注意喚起ご協力お願い系のアナウンスを団員がステージの正面に陣取り堂々と行うという演出の一部です。
えー、今日は男3人に女2人ということは、TYOのTRF!
こちらはパーカッションのみなさん。
んー、女4人、男2人、むむむ、TYOの男女混合バレーボールチームです(にしておこう)!
仙台が地元の二人がそろっていました。
TYOの「けいことみなみ」です!(昭和に活躍した女性漫才コンビ風ですが、そのままです)
日の出を撮影した仙台が地元、中村くんが自撮り棒を使っていました。
生徒のみなさん、中村先生は元気ですよ。
もはや開演直前。管メンバーのチューニングがはじまりました。
開演しました、1曲目の演奏風景です。
昨日の盛岡公演を上回る、自己ベストの勢いで着々と演目が進んでいきます。
その頃、MCの渡辺真理さんから休憩前のロビー物販を紹介するアナウンスにあたり、舞台袖で油断していた3人に協力要請がありました。
昨日の盛岡での「にわかTYOなんとか」グループとの被りもありますが、TYOのMISAMO! あと6人の女子団員を編成して、「TYOのTWICE」を郡山公演か、東京公演で、名乗り出てきてくださいね。
休憩をはさんで後半。暗めの下手舞台袖でテスト的にシャッターを切っていたら、我���家の姉、弟のトランペッターズが視界に入りました。
TYOの満島ひかりと満島真之介! ということでお願いします。
うかうかしていると、もうアンコールに。
『ETUDE』は、東北ユースオーケストラの前身である、「こどもの音楽再生基金」の毎年8月に行った宮城県での被災三県の音楽系部活動によるライブ大会のテーマ曲でした。先にご紹介した書籍でも取り上げていますが、まさにこのホールでステージに出演者が300人以上乗って、合奏した曲です。当時「足ぶみで舞台がこわれるんじゃないかと思ったよ。」と言った、その坂本監督も、ここにいました。
直前合宿ではソロで立って演奏することに躊躇していた二人、堂々と演奏してくれました。影練の成果が出ましたね。
終演後、みんなで舞台袖大集合写真を撮りました。
海津キャプテンから朗読ゲストのんさんへ、団員寄せ書き色紙の贈呈です。
色紙中央の似顔絵を描いてくれた丸山周くんと。
アンコールでソロを決めてくれた、トランペット長沼くんとトロンボーン内藤さんと。
さらに舞台袖では、2015年に小学5年生だった息子の姿を撮影した福澄くん父からの写真が送られてきました。当時の写真と並びが一緒だったので、上に埋め込んでみました。
人は成長する! 今や二人とも大学一年生。TYOの「そらとまお」(そのまま)です。
終演後のバックステージに訪れてくれた、もう一人のOGゲストは、もう一人をお腹の中に携えて、激励に来てくれました。第1期からの団員だったホルン、曽根瑞貴さん(旧姓)です。
もうすぐ次世代東北ユースオーケストラメンバー候補が、この世に誕生します。みんなで抱っこするのが楽しみです!
311をきっかけに集まって、活動を続けているわたしたち。その中心には坂本龍一監督がいらっしゃいました。「音楽、音がめっちゃ好き過ぎるおじさん」の求心力で、いつのまにか、なんだかまるで親戚のようなコミュニティができていました。 ユング曰くの「グレート・マザー」ならぬ「グレート・ファザー」に、この演奏が届きますように。
今週末、30日(土)郡山(ゲストは吉永小百合さん)の演奏会は、まだチケットがございます。坂本龍一監督のプライベートアーカイブからの写真や、東北ユースオーケストラの団員と過ごした日々の動画など、未発表素材をふんだんに使った映像も見どころです。
ぜひ、ぜひご来場ください。
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【アンケート企画】 「ふりかえる私の2023年」
WLでは恒例のこの1年に見た舞台作品の中で印象に残った3本を観客のみなさんから募るアンケートを実施しました。WLスタート以来毎年行っているこの企画、9回目の今回は6名の方にご参加いただきました。ご参加いただいたみなさん本当にありがとうございました。 舞台芸術を取り巻く環境は今激しく変化をしているように感じています。ここでは今一度2023年の名演を振り返り、2024年の新たな観劇のスタートにしていただければと思います。
谷岡健彦(教員) 2023年の観劇本数:60本 文学座『アナトミー・オブ・ア・スーサイド』(文学座アトリエ)) 東京乾電池『十二人の怒れる男』(ザ・スズナリ)) 新国立劇場『エンジェルス・イン・アメリカ』(新国立劇場) 1はもともと2021年の国際演劇協会のリーディング企画から出発した上演。断続的ではあれ、かれこれ2年にわたる準備期間を経て、完成度の高い舞台に仕上がっていた。 2は東京乾電池には珍しい現代の翻訳劇の上演。劇団ならではのアンサンブルの緻密さが目を引いた。 3はとにかく主演の岩永達也が素晴らしかった。全役をオーディションでキャスティングしたのが奏功。
kiki(地方公務員) 2023年の観劇本数:116本 イキウメ『人魂を届けに』 パルコ・プロデュース『笑の大学』 萩島商店街青年部『未開の議場 2023』 こう並べてみると、やはり会話劇が好きなのだと思う。歌もダンスもアクションもなくただ人と人が言葉を交わす、それがこんなに面白い。 イキウメ『人魂を届けに』:深い森の奥の一軒家に吹き寄せられるように集まった人々。その家の主に届け物を持ってきた男。寓話性の強い作品だが、物語の持つメッセージとともにその中で生きる一人ひとりの息吹を感じた。 『笑の大学』:言わずと知れた名作のリメイクだが初演は未見。映画版でストーリーを知ったが、劇場で観る面白さはひとしお。それも東京公演からツアーへと回を重ねた仙台公演がいっそう素晴らしかった。 『未開の議場 2023』:2020年3月に上演されたオンライン版がとても面白かったので、今回の劇場公演をとても楽しみにしていた。戯曲の良さとキャスト陣の実力に加えて、「分断」と「連携」をテーマにしたさまざまな工夫と準備が観客にも物語への主体的な関わりを促すように感じられた。
りいちろ(無職) 2023年の観劇本数:205本 ルサンチカ『殺意(ストリップショウ)』(アトリエ春風舎) あんよはじょうず。『蟲』(新宿眼科画廊地下) #Q『紫にリボン結び』(スタジオ空洞) 閉塞から解かれ豊かな表現が劇場に溢れた一年。他にはない印象を持った3作を選んだ。 ルサンチカは12月の『SO LONG GOODBYE』などにも新たな取り込まれ方が残る。 あんよはじょうず。は12月の『なるべく強く踏みつけて、』の尖り方にも捉えられる。 #Qは5月の『無地にしかみえない』10月の『セルフカバーVol1』も含め久保磨介作劇から滲む温度に嵌った。 その他、avenir`e、猿博打、海外戯曲をやってみる会、エンニュイ、東葛スポーツ、月間根本宗子、紙魚、あるいはエナメルの目をもつ乙女、ムニ、waqu:iraz、妖精大図鑑、かるがも団地等々、書ききれない程の作り手の様々な彩に日々異なり染められる。劇団普通、ロロ、MCR、鵺的など実績の上に更に良作を作り続ける団体にも繋がれた。 座・高円寺での視点『SHARE’S』8団体の公演に圧倒された。ムケイチョウコクの公演も新たな体験だった。
片山幹生(教員) 2023年の観劇本数:65本 名取事務所『慈善家─フィランソロピスト』(下北沢「劇」小劇場)「劇」小劇場) 演劇集団円『孤児のミューズたち』(スタジオ円) 前進座朗読劇『或る「小倉日記」伝』(吉祥寺シアター) 俳優が発声することばの魅力と文学性の高い戯曲の面白さを堪能できるオーソドックスな新劇スタイルの台詞劇が2023年の私のベスト3となった。 名取事務所『慈善家─フィランソロピスト』はカナダの劇作家ニコラス・ビヨンの書き下ろし新作。アメリカの製薬会社のスキャンダル事件から敷衍された美術館を舞台とする台詞劇だった。感嘆し、唸らざるを得ない見事な戯曲、そしてその戯曲をテンポよく明瞭に提示する俳優の演技も素晴らしい。 円の『孤児のミューズたち』もカナダの劇作家、ミシェル=マルク・ブシャールの作品。LGBTQの主題を織り込んだ繊細な家族劇の魅力を丁寧に引き出した演出、演技だった。 前進座『或る「小倉日記」伝』は松本清張の芥川受賞作を朗読劇にしたもの。緊張感に満ちた声の応答によって、観客の頭のなかにリアルな物語の風景を描き出してた。
薙野信喜(無職) 2023年の観劇本数:99本 太陽劇団『金夢島』(東京芸術劇場) SBS『ブロードウェイミュージカル シカゴ』(ブルースクエア-ソウル-) 博多活弁パラダイス『澤登翠独演会 第七天国』(福岡市美術館ホール) 中劇場規模の舞台の福岡への来演数が減った。地元劇団もまだ本格的には回復してはいない。 そんななか、能楽協会の「日本全国 能楽キャラバン!」で多くの能楽公演を観られたのはよかった。なかでは特に、喜多流能楽公演 ろうそく能で観た大蔵流「二人袴」の茂山千之丞がすばらしかった。 手塚夏子「あなたにしか見えないダンス 2023」、真山隼人浪曲会「青山殺人事件」が楽しめた。
小泉うめ(観客発信メディアWL) 2023年の観劇本数:100本 akakilike『15:00(静かに)電子レンジを壊す』(NEUTRAL・Gallery PARC) 餓鬼の断食 戯れその1『近代能楽集より 班女』(THE SITE 4Fギャラリー) ルサンチカ『殺意(ストリップショウ)』(UrBANGUILD) 大活躍中の倉田翠(akakilike)はファンもプロデューサーも舞台人ではない人を舞台に上げることに期待が集中しがちだが本作はがっつり踊れる3人のパフォーマーと組んだ意図がしっかりと見えて彼女のダンスと演出を存分に楽しませてくれる作品だった。 餓鬼の断食の取り上げた作品は戯れシリーズと称しての上演だったが川村智基の力の疑いの無さを感じさせてくれた。関西の演劇は向こう10年大丈夫だと思えた。 ルサンチカは策略にも仕掛けにも河井朗の「らしさ」が溢れていた。演じた渡辺綾子も彼女のこれまでのBest Actだったのではないかと思う。もう一度言っておく。関西の「アヤ」には要注意だ。 3団体とも会場選択もとても良かった。 時に辛辣なことも言ってはいるが舞台芸術を取り巻く環境は少しずつ良くなっていると思っている。
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七夕の奇跡、まさに俺らは現代の織姫と彦星。1年に1度の御本家と較べてもまあ、2ヶ月から3ヶ月に1度のペースでの逢瀬ってのは傍から言わせるとロマンに欠けるかもしれない。それでも俺たちにとっては実に耐え難い日々なんだ。最後の逢瀬からまた次の日までカウントを始めて、近くなれば電話越しでも興奮が伝わるほどに御前は指折り数えて今日を待ち侘びていた。
おもてなしをしてもらった4月、次は俺がおもてなしをする7月。4月よりも前の逢瀬から俺も実はずっと北斗へのおもてなしのプランを練っていて、4月のおもてなしを迎えてから一層あいつを喜ばせたい気持ちは高まった。ダチすら泊めたことのない自宅に初めて泊める相手は恋人だった、なんて誇らしい初めてなんだろう。でも自宅なんて質素なプランじゃなくて本当なら大きなテーマパークやら綺麗なホテルやらに泊めてやりたかったけど俺の私生活ががらりと変わって途方に暮れてた頃、自分がおもてなしをされる側だってのに逢いに来てくれるその強かさに俺は凄く救われたんだ。ありがとう。
お願いされていた通り、手料理を振る舞うための仕込みを済ませ言われた通りの待ち合わせ時間まで余裕をもって過ごそうと思っていたのに、破天荒な御前と来たら言った時間よりも2時間近く早く待ち合わせ場所に着いたとか言って俺も慌てて家を出た。迷うことないからすぐ迎えるよって何度も教えたのにほんとに、よっぽど俺に逢いたくて急いだんだろうなって思うことにしたよ。俺も早く逢いたかった、見慣れた街並みが御前で彩られる事が楽しみで仕方なかった。20数年見てきた街を愛おしい人と歩けた景色は生涯脳裏に焼き付いて消えないだろう。とは言えすっかり見慣れたその立ち姿に俺は迷うことなく突撃した、途端に目尻を細めて笑うその顔がずっと見たかった。いらっしゃい、俺の街へ。
慣れてる土地を優雅に案内しようにも相変わらず何も無い場所だからちょっとかっこつかずにウロウロ歩いてたけど、クソ暑いこの土地でも御前は相変わらず笑顔で暑さで不機嫌になる素振りもなく一緒に歩いてくれたね。仕事場に連れていけて、いつもの仕事を身を持って体験してくれて緊張もあったけど俺はこの瞬間を糧にこの先もこの仕事場で頑張れる気がした。世界一可愛くしてしまったよ、今回ばかりは。
今夜振る舞う料理の為の皿を選んで自宅に帰る。「ちょっと家の中綺麗かチェックしてから入ってもらうから待ってて」なんて適当に嘘をついて部屋の電気を付けて部屋をよく見えるようにしてから俺の自室に荷物を置いてきて、と扉を開けさせた。初めて見るであろう部屋に普段からあるわけではなさそうなその飾り付けを見て北斗は一瞬フリーズした。レールに引っ掛けたハッピーバースデーの幕、そしてソファに飾られた大振りの数字風船、散らばるシルバーの風船に黒薔薇で作られたクマの飾り物。それが自分に向けての飾りだと気付いた御前はやっぱり想像以上のリアクションをしてくれて、興奮気味にプレゼントに気付いて開けてくれたね。中身はまあ、恥ずかしながら低予算のおふざけアイテムだったけど。
俺の愛犬と戯れて、一緒にYouTubeを観て少しのんびり過ごしたら腹が減ってきたから飯を作った。朝仕込んだハンバーグに、夜のうちに揉みこんだ唐揚げ、どっちも御前のリクエスト。そこまで作り慣れない俺は美味しいかな?と不安になりながらも作り上げた。思ったよりもボリューミーになった夜ご飯にも関わらず北斗は満腹の仕草を見せることなくぺろりと完食してしまった。
この家は居心地が良いと言ってソファでだらけながら手を繋いだ、当たり前に過ごしてる自宅での時間はなんかむず痒かった。風呂を済ませて宿泊用に広げたソファベッドでうたた寝する北斗がちゃんと俺の部屋で寛げているんだと感じて安心した。デザートのワインゼリーを食してからアルコールを嗜んで配信をしていたけど2人して眠たさと闘ってたね、そして暑いけどくっついてたい御前は俺にじわじわとくっついて来ては逃げられてたね。
辛うじて眠気に打ち勝って迎えた0時の瞬間、おめでとうに溢れる中俺はトイレに行くと飛んで部屋を出て行った。0時まで我慢していたのだろうと見せかけてちゃっかりトイレをしてから紙袋を持って戻る。ハッピーバースデーの歌を歌いながら戻ってくれば御前は目を丸くさせながら「え!まだあるの?!」と声を弾ませた。
そう、あのふざけた1個目のプレゼントはダミーに過ぎなかった。とんでもなくちゃっちいものを渡して幻滅されるかどうかのすれすれながらもこの瞬間を迎えられて心底安心した。プレゼントはもう3ヶ月も前から用意してた北斗に似合いそうな洋服。服を広げた御前はどの瞬間よりもテンションが高く、めちゃくちゃ好みに刺さったらしく目の前でなんの惜しげも無く寝間着を脱いで試着したね。見立て通り北斗のために作られたのかと思うほどよく似合う服を纏った御前は嬉しそうに明日はこれを着る!と張り切ってたね。すかさず送った動画を残して席を外したら、戻ってきて泣いてる御前を見て思わず笑った。動画を見て泣いたと話し、幸せな誕生日だと語る御前は二度も涙がぶり返してたね。誰よりも感性が豊かですぐ顔に出る、俺の本当に大好きな御前の一面。あのふざけたプレゼントにさえも貰えるだけで嬉しいと混じりっけない本音で笑える北斗が、幸せ過ぎて泣いてしまうほど純粋な北斗が大好きで仕方ない。おめでとうと3ヶ月分の逢いたいが溶け合って弾けた夜。
7時30分のアラームで目を覚ます、隣でまだぐっすり眠る姿を確認してから静かに台所へ向かう。2人分の朝食を用意して自室に戻ればまだすやすや眠る無邪気な寝顔、白いシーツに包まれた御前は本当にお姫様みたいでずっと眺めたかった。寝ぼけ眼で見つめる北斗に口付けを落とせばふにゃりと笑う、甘酸っぱく愛おしい朝。
早めに済ませた朝支度、ごっこ遊びを混じえてはしゃぎながら髪を整える。2人で過ごした初めての時間もまた、自宅でぼんやりと過ごす瞬間でさえも俺を幸せな思い出で満たすだろう。愛犬にまたねと別れを告げて自宅を後にした。今日のスケジュールはつめつめだ。プレゼントした洋服に合う靴やらインナーを探し求めて街へ繰り出す、トータルコーデをして大満足な俺は世界一可愛い北斗と盛れるプリクラを撮った。予約したランチのお店は俺も初めてながらにめちゃくちゃ好みの内装で、飯も美味くて終始感動してた。腹も満たされた頃、急に店内の灯りが消されてハッピーバースデーの曲が流れる。俺も思わず御前とキョロキョロしながらも、ちゃんと予定してたサプライズだと確信した俺は北斗にウン度目のおめでとうを伝えた。周りの客にも祝われて感動でまた泣きそうなのを堪える御前を見て北斗を超えるサプライズのしがいがある人間は居ないなと更に確信したよ。お揃いで北斗が選んだブレスを買い与えると大はしゃぎで腕を見せびらかして写真を撮って、今日生まれてきたのかなってくらい何でも喜ぶ天使みたいな御前に俺も夢中だった。スタバを嗜みながら次の目的地のために俺らは電車に乗った。座れぬ満員電車の中、御前はよろよろしながらも外の景色に子どもみたいに目を輝かせながらはしゃいでた。俺はすっかり見慣れてるものだけど初めて見る人間からすると凄いのかな?それでも御前は世界一リアクションの良い人間だと思うよ、ほんとに。
少し長めに電車に揺られて着いた場所は内風呂温泉のついた旅館。一緒に風呂に入ること���お願い事の一つでもあり念願でもあったらしい、人と風呂に入るのが苦手な俺はどのホテルでも断ってたけど今回ばかりはせっかく温泉に来たんだしの気持ちで入ることにした。遅めにした夕飯は想像以上にボリュームがあって、2人で気まずそうに目を合わせながら食ってたね。連日食いまくりで空腹ってどんな感覚だっけ?ってくらい常に腹は満たされてたからあれは本当に申し訳ないことをしたなと思った。それでもめちゃくちゃ美味しかったよね、何でも美味しいと言って笑う御前を見てるだけで俺も幸せだった。
部屋に戻って一休みしてからじんわりと暑い外で2人で花火をした。花火がしけっていたのか俺らが下手くそなのか分からないけど上手く火は付かないしロウソクの火さえ消えるしで花火を静かに楽しむことなく爆笑して終わったね、思えばほぼ座ってたけど。
先に温泉に入って窓越しにベッドから話しかける御前に来ないの?と言えば食い気味に「良いの?」と返してくる、物凄いスピードで服を脱いで洗って湯船に入ってくる御前を見て本当に一緒に入りたかったんだなと嬉しさが滲み出ている顔を見て思わず笑った。1度入ればちょっと慣れも出て朝も一緒に入ったね。
また眠気に負けてソッコーで寝る、寝心地の良いベッドで朝までぐっすり寝てたけど安定にアラーム前に目を覚ます。起きた、と言葉の代わりにスマホを弄るその腕に触れれば俺の腕に潜り込んできて静かに泣き出す。まだ朝だって言うのに北斗ときたら帰ることを考えて泣けて来たらしい、本当に泣き虫な奴。すんすんと泣き続ける御前の頭やら頬やら撫でて、泣き止む頃に朝食の前に温泉に入ろうと誘って入る。朝焼けに照らされた朝風呂はめちゃくちゃ気持ちよかったね。
ちょっと元気になった北斗を連れて朝食会場へ行く。用意された郷土料理を教えてあげて一緒に食べて、俺のコップにだけ虫が入る不憫を安定に発動させて満腹になったら部屋に戻る。照りつける太陽の下を歩きたくて一緒に散歩に出た、なんにも無い森と田んぼだらけの土地を歩くのが珍しい御前は夢中でカメラを向けてたね。そんな人が珍しくて俺も思わず動画を撮ったけど、俺が居るからって理由だけでこんなところにまで足を運んでくれる北斗をこの先もずっと大事にしていたいなって強く感じたんだ。
限界まで2人きりの時間を楽しんで、空港に降り立つ。荷物を預けてから暑さの中無言になりながらもコンビニでアイスを買い求めた。秒で溶ける炎天下に似合わぬリッチなアイスを食べて、隣の小洒落たカフェで軽食にする。もう長いこと空腹の感覚に陥ってない、それでも何かしら時間になれば食べ続けてるもんだからしばらくはお互い胃の時間感覚もバグりそうだよね。なんて思いながら頼んだパフェは馬鹿みたいにデカかった。なのにぺろっと食った。人間の神秘、田中の神秘。
空港までの帰り道は次の逢瀬の話をしながら、行きはあんなにしんどかったのに楽しい話をしていたら一瞬なのはまじなんだね。行ったことのない土地、行き慣れた土地、どこにせよ御前に逢うという事が最大の目的だからこそどこで逢おうか悩む、何をしようか悩む。だけど逢う度に飽きるどころか次が待ち遠しくなって、落ち着いた関係になるどころかどんどん好きになる。こういうところが好きなんだよな、と目で見て肌で感じて愛を実感するからこそなんだろうね。
自由な俺とすぐ迷子の子どもみたいにキョロキョロする御前、お土産を買った時だって割と近くに居るのにすぐ俺を探してキョロキョロする、泣くほどではないけど泣き出しそうな不安顔で俺を探すとこを見て実は愛おしさを覚えてたよ。ほんとに何をしても可愛い北斗、今までほっといてきた色んな人間にありがとなって言いたいくらい俺の隣に居てくれることに感動と感謝を抱いてる。何よりも俺を選んでくれてありがとう、北斗。
朝あんだけ泣いてもやっぱり涙が溢れてくる、3秒で泣ける俳優なのかってくらい次見た時には瞳いっぱいに涙を滲ませて眉を顰めてる。おかしくて笑いながらも涙が止まらない御前の頭を撫でる。
「またすぐ逢えるもんね、行くだけだもんね。また帰れるもんね。」色んな言葉で自分を奮い立たせて搭乗ゲートへ向かう御前、そうだよまたすぐ逢えるよ。すぐ帰っておいでね。俺はいつでも御前の帰る場所だからね。たくさんの言葉を込めて手を振る、何度も振り向いて手を振り返す御前が見えなくなるまで。
北斗と出逢えた去年の七夕、こだまする哀しみの声を断ち切って掴めた幸せ。去年の今頃は誕生日だったなんて知りもせずに話してた、初めて迎える誕生日を同じ空間で過ごせて俺も最高に幸せだったよ。人生で1番幸せな誕生日だったと語る御前を見てこの先ももっと、その1番を更新してやりたいって思ったんだ。もう来月は付き合って1年が経つのかと驚きが隠せない、こんなに好きに溢れて迎える1年なんてあっても良いのかってくらい北斗のことが好きだから。
次はどこへ行こうか、何をしようか。予定なんてみっちり立てなくたってただ同じ空間で北斗と過ごせるだけで俺は幸せなんだ。多分御前も同じなんだろうけど。
誕生日おめでとう、生まれて来てくれてありがとう。
たくさんの喜びと幸せと初めてを俺に味あわせてくれてありがとう。これからも一緒に歳を重ねていこうね。
大好きだよ北斗。
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幅広い心を くだらないアイデアを 軽く笑えるユーモアを うまくやり抜く賢さを
2022よかったもの 基本的に2022のことを書くがそれ以前のものも登場する
<香水>
ビュリー 庭園での語らい 薔薇、ミント、茶 とにかく上品で今年一番好きな匂い 限定、このまま廃盤らしいが定番化してほしかった
Aiam chapter65 清潔な温泉の匂い そんな貧相な語彙での表現以外思いつかないがお店の前を通るとこの香りに引き寄せられてつい入る chapterというコンセプトやアートワークもか���いい
<コスメ>
キャンメイク ラスティングマルチアイベースWP アイシャドウの発色とモチがよくなる
キャンメイク マシュマロフィニッシュファンデーション ファンデ迷子から脱出 デパコスからミネラル、韓国コスメまで試したがキャンメイクが正解だと気づく グリセリンが合わない人、パウダー派、荒れやすい人におすすめ
レブロン キスシュガースクラブ 前評判の期待を裏切らなかったリップスクラブ ラッシュの瓶入りのに似ているが洗い流し不要で塗りっぱなしにできるのがよい
あと今年は口紅はケイトのリップモンスターしか塗ってない 名品
<基礎化粧品>
シェルクルール ベーシッククリーム 過去使ってきた中で三つの指に入るくらい好きなクレンジングかも 負担が少ない+流した後肌がやわらかくなる
bsコスメ ローションGE(超敏感肌用化粧水) 何を使っても肌痛かったときこれは痛くなかった
イニスフリー アップルシードポイントメイクリムーバー アイメイクがよく落ちる!
<髪類>
なにしても頭かゆい、頭皮の皮脂で髪乾かない人はシャンプーh&sで洗ってスカルプブラシを使うのがよい これは前年からの発見 ヘアケア(トリートメント)は個人的な記録だがukaのウィンディレディとミ��ボンのエルジューダエマルジョン+が結局よい
お財布と相談の時はアハロバターのアウトバストリートメントもよい
就寝時毎日シルクのキャップを被る習慣に加え今年から髪ゴムもシルクのシュシュにした ほどくときクセがつきにくくよい プロダクトのドライシャンプーは風呂に入れないときのレスキューアイテム 匂いもよい
<健康>
呉茱萸湯(ゴシュユトウ) 冷えがある人の頭痛に使う漢方を処方された 頭痛にもまあ……効く気がしたがそんなことよりいきなり数年続いた異常な寒さや食欲不振が回復傾向にあることに感動している はっきりいって大変驚いている 漢方は体質があるので一概にはいえないが合えば合うケースもあるということで 頭痛薬としては単体というより鎮痛剤を併用した時切れ味が良くなる感触だった
ピルクルミラクルケア 私の場合は不眠っぽさが十分軽減される ただやや夢の質感が変わる それでも寝た感覚は得られる 普段の睡眠が5-10点ならピルクルミラクルケア飲用時は75-80点くらい ヤクルト1000も数日飲んだだけでかなり効果を感じたのだが品薄で入手できずピルクルに手を染めた経緯がある
ハウスオブローゼ ボディエイドリフレッシャー 薄荷の香りのジェル これをこめかみとか耳の裏に塗ると頭痛が楽になる 気分転換にも
アリナミンメディカルゴールド 眼精疲労がヤバすぎる時のめちゃ高ビタミン剤
森永 プロテイン効果(ソイプロテイン) ソイカカオ味がさすが森永という感じで飲みやすかった 食欲がない時や朝食置き換えで飲んでいた
<場所>
金沢: 室生犀星記念館、カメリアイン雪椿、雨の詩(ショコラトリー) 滋賀: 田村辻町公園(写真) 埼玉: 川越近辺 東京:早稲田奉仕園 スコットホール、甘露(中華スイーツショップ) 愛知 :蒲郡 りんくうビーチ、覚王山 揚輝荘 大阪:国立国際美術館
北陸のことがかなり好きかもしれない 滋賀の田村辻町公園はみずうみを見るだけのために行って本当にみずうみだけ見て帰った 人生で一番好きな公園かも
川越は建物が低くておもしろかった 高層の建物がないと空が広くてよい
<音楽>
新たにルナシーとdeadmanと黒夢を聴いた 自分の中のVのポテンシャルを感じた 黒夢「少年」や「BEAMS」のMVに夢中になる https://www.youtube.com/watch?v=d-aECx9FyIc https://www.youtube.com/watch?v=cSfwQVdZelk
ファンブックとTシャツを買う いちばん好きになったのはdeadmanで音源を買った
<本>
過剰可視化社会: 「見えすぎる」時代をどう生きるか/與那覇潤 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―/斎藤環,與那覇潤 単純な脳、複雑な「私」: または、自分を使い回しながら進化した脳をめぐる4つの講義/池谷裕二 彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ 教養悪口本/堀元見
<続けていること>
セルフお灸、アレクサンダーテクニーク、鼻歌の録音、冬場の加湿器
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余力があれば2022の振り返りを書く
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各地句会報
花鳥誌 令和4年12月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年9月1日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
散歩する頭上に置きし蟬時雨 喜代子 初老なる夫婦八人墓参り 同 名月やうるはしき夜はゆつたりと さとみ 新涼やメダルの如き耳飾り 都 月白し八十路女の薄化粧 同 漁火や月より遠き船の道 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月5日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
蝸牛進退ここに尽きたるか 雪 静もれる故山はみだす虫の声 かづを 鬼ヤンマ唯我独尊そのままに 数幸 虫の音や今日の命のつきるまで 雪子 彼岸花蕊の情念撓めけり 笑 秋の蝶縺れて解けてまた縺れ 希 倶利伽羅の谷底埋めし曼珠沙華 千代子 山門の落慶法要赤のまま 天空 山門の檜の香り曼珠沙華 々
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
縁台が身の置き所盆の月 宇太郎 去ぬ燕神の杜へと集まり来 和子 秋時雨幽かに日射す山の裾 益恵 雨上がるぽつてり重き鶏頭花 都 つみれ汁どんな魚かと盆の客 すみ子 蹌踉けくる秋の蚊を打つ掌 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月7日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
九頭竜に手波で送る万灯会 世詩明 大根を種蒔くごとく踊りの輪 同 近松の碑黒き露葎 ただし 花鳥誌を拾ひ読みする柏翠忌 同 胸を開け峠を行くや青葉風 輝一 秋深し山粧ふや手をかざす 同 針山に待ち針錆びてゐる残暑 清女 今朝の秋きりりと髪を結ひ上げて 同 抱かれし赤子も一人墓参り 蓑輪洋子 空蟬の銅色をいとほしむ 同 ふるさとの火祭を恋ふ孟蘭盆会 同 犬引いて犬に引かれる青田道 秋子 陶の里古き甕墓秋陽濃し やす香 秋草に隠る甕二つ三つ 同 通り過ぐ風のささやき大花野 誠 団栗の十津川淵へ落つる音 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月10日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
多摩川の風の広さやねこじやらし 美枝子 待宵の月にかかりし雲動く 和代 太刀魚の尾まで隈なく光伸び 秋尚 香を辿り見上げる空に葛の花 教子 一叢の露草の青向き向きに 多美女 一山を覆ひ尽して葛咲けり 三無 手際よく太刀魚捌く島の嫁 多美女 露草の儚く萎える句碑の午後 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月12日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
暫晴間急ぎ稲刈り火蓋切る さよ子 陽が沈み無人駅舎に秋津飛ぶ 世詩明 お十夜の庭石ことに湿りをり さよ子 芋虫も愁ひの時のあるらしき 上嶋昭子 黒数珠や梅の家紋の墓参り ただし 一人暮しと見られたくなし秋すだれ ミチ子 人住まぬ屋根にも月は影落とし 英美子 銀河濃し鬼籍の人を懐かしむ みす枝 虫を聞く闇に心を近づけて 信子 細くなる髪を眺めてゐる秋思 中山昭子 洗ひ髪口に咥へて甘えけり 世詩明 朝霧の緞帳音なく上りゆく 時江 父は父私は私鳳仙花 三四郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月12日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
名月や巻雲淡く細くあり 和魚 一晩の伽となりゆくちちろかな 聰 木道の空何処までも秋の雲 秋尚 こほろぎの屋敷稲荷に住みついて 怜 草むらを抜け露草の楚楚として 秋尚 湯煙もやがて紛れて秋の雲 怜 さつきまで庫裏に人居りちちろ虫 あき子 つゆ草を残し置くなり墓掃除 エイ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月13日 さくら花鳥句会 岡田順子選 特選句
かなかなや夢二の絵にも黒い猫 令子 植物園はるかな道に桔咲く 裕子 蜩や一里を登る尼の寺 登美子 柏翠忌師の口癖よ「しようがないや」 令子 学校のこと話す道鰯雲 裕子 師弟なる五灰子生きろ柏翠忌 令子 青い目のバックパッカー秋澄めり 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月13日 萩花鳥会
大相撲元気を貰ふ秋場所に 祐子 たつぷりと生かされ米寿の彼岸花 健雄 宝石か朝露庭の曼殊沙華 恒雄 爽やかさ簞笥から出たシャツズボン 俊文 秋の灯や沁沁友と語り合ひ ゆかり 文書けば秋蝶ゆるやか折りかへし 陽子 爽やかや一分音読はじめたり 美恵子
………………………………………………………………
令和4年9月16日 伊藤柏翠忌俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
飛べば憂し飛ばねば淋し火取虫 雪 地に落ちし火蛾の七転八倒す 同 裸火搦め取られし火取虫 同 炎帝に万物黙す他は無し 同 忘れずに約束のごと曼珠沙華 みす枝 兜虫見つけ揚揚子の戻る 同 紺碧の空に小さく燕去る 同 剝落の蔵を背にさるすべり 上嶋昭子 砂時計くびれ見てゐる庭の秋 同 甕墓に離れ離れに彼岸婆 ただし 曼珠沙華淋しき風の甕の墓 同 甕墓の底の暗さや盆の月 同 浅間山焼りは雪の峰となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月16日 さきたま花鳥句会
人待ちの小半酒や秋しぐれ 月惑 銀漢をよぎる宇宙観測船 一馬 新都心ビルの凹みに秋入日 八草 秋暁や路地に酵母の甘き湯気 裕章 四方に散り芒に沈むかくれんぼ とし江 歳時記の手摺れのあとや秋灯火 ふじ穂 綾なして咲き継ぐ窓や牽牛花 ふゆ子 朝顔をからませ町家昼灯す 康子 草むらの道なき土手にカンナ燃ゆ 恵美子 白粉花咲きて従妹の嫁入日 静子 居酒屋に恩師と出会ふ良夜かな 良江 鶏頭の赤さを増して咲き揃ふ 彩香
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令和4年9月18日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
地虫鳴く甲深き靴はく朝 久子 白樫の森黒々と台風来 眞理子 雨粒を玉と飾れば花野かな 眞理子 昼の虫静かに聴きぬ濡れ鴉 久子 一面に火群立ちたる曼珠沙華 幸風
栗林圭魚選 特選句
白樫の森黒々と台風来 眞理子 かまつかや燃えあがらんと翳深く 千種 四阿に鴉と宿る秋の雨 斉 登高をためらふ今日の風雨かな 真理子 団栗の袴はづれて光りけり 久子 開門の前のしづけさ萩しだる 千種 秋出水さわは飛石を隠すまで 眞理子 群れも良し一茎もまた曼珠沙華 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月21日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
江戸生れ浅草育ち柏翠忌 世詩明 柏翠忌三国に残る墓一つ 同 柏翠師みなし児にして月仰ぐ 同 虫時雨して父恋し母恋し 同 ちらり見ゆ女の素顔柏翠忌 令子 河口から虹屋へつづく月の道 笑子 柏翠忌城下にのこる里神楽 同 月窓寺ふたつの墓碑に星月夜 同 草相撲では一寸鳴らしたる漢 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月21日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
水鶏笛一人夜更に吹く女 雪 男有り愛子の墓の草を引く 同 虫すだく九頭竜に闇引寄せて かづを 大花火人なき家を照らしけり たけし 弔句書く筆の悲しさ蚯蚓鳴く みす枝 夕月を崩してをりぬ池の鯉 同 過疎の村今は花野の風の中 英美子 日焼して盗人冠りの農婦かな 千代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月25日 月例会 坊城俊樹選 特選句
どの窓も歪むことなき秋の空 和子 銀杏の匂ひ拭へと下乗札 順子 なめらかに吹かれ秋蝶それつきり 和子 風うねる度敗荷になりかけて 小鳥 手庇の薄きに秋の蝶が消え 和子 碑のうしろ一切曼珠沙華 同 昼はまだ黄泉へ遠しと法師蟬 順子 人々は秋日に溶けて印象派 小鳥 竜淵に潜み国葬待てる森 はるか
岡田順子選 特選句
冷やかや手渡されたる阿弥陀籤 ゆう子 石橋を掃く庭番や柳散る 眞理子 落葉のみ掻き寄する音陰陰と 要 秋蟬の大音声の骸なり 俊樹 落蟬の眼とはなほ瑠璃なりし 同 香具師の声ありし境内昼の虫 要 地に転ぶまま靖国の銀杏の実 昌文 眼裏に黒き温みや秋日濃し 小鳥 金風を乗せ大仏を真似たる手 光子 秋天へ金の擬宝珠の衒ひなく 要
栗林圭魚選 特選句
石橋を渡る人影水澄めり て津子 銀杏の匂ひ拭へと下乗札 順子 お守りの小さき鈴の音野分晴 美奈子 桜紅葉いよいよ昏き能舞台 佑天 碑のうしろ一切曼珠沙華 和子 雅楽部の復習ひ音零す宮の秋 順子 敗れ蓮と成り切るまでを濠の風 はるか
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年9月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
天高しバベルの塔は小指ほど 古賀睦子 うす衣の雲の行方よ女郎花 由紀子 夕映えて剥落のなき鱗雲 美穂 露の身を映す鏡架のくもりぐせ かおり 蚯蚓鳴く誰もゐぬ時計屋の時計 ひとみ 大漁旗鰯の山のてつぺんに 喜和 揚花火空に遊びて降りて来ず 朝子 眠られぬままに秋思のままにをり 光子 夏彦の怪談と行く秋の夜 桂 城門の乳鋲は無言盆の月 朝子 あの夏の天地の焔壕暗く 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月11日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
したたかに顔を打つなり化粧水 世詩明 天平の庭白牡丹眩しけり 同 み仏のなんじやもんじや風光る ただし 羅や大方に父似一寸母似 清女 桜満開の軍旗祭りや七十五年 輝一 聞き役も時にははづしつつじ見る 蓑輪洋子 丈六の金の観音寺の春 やす香 海原に風の道あり波の綺羅 同 馬酔木咲く近くて遠き明治の世 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
立待花鳥俳句会 令和4年6月1日 坊城俊樹選 特選句
鯉幟風の階段ありにけり 世詩明 老夫婦夏痩せの身の重かりし 同 美しき日傘の人の振り向かず 同 相寄りて源氏蛍の河和田川 ただし 葉桜や茶筅に残る薄みどり 同 老いの肘掬ふや目髙五匹まで 輝一 鮎置いて門を去り行く釣り師かな 誠 村の子の手足を洗ふ清水かな 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
立待花鳥俳句会 令和4年7月6日 坊城俊樹選 特選句
手花火や素足に女下駄を履く 世詩明 一筋の水を落して滝白し 同 釈迦仏渡と共に祭らる六地蔵 ただし この奥に東光寺あり地蔵盆 同 軋みかと思へば虫や秋の風 輝一 何となく筆持ちたき夜天の川 清女 明易やドラマの様な夢を見て 同 眉と目に力あふるる大日焼 蓑輪洋子 勤行の夫の後行く夕立風 同 落雷に神木青く光りけり 誠 図書館の茂りの中の大欅 同 猿田彦夏越し祓ひ輪をくぐる 信義
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
立待花鳥俳句会 令和4年8月3日 坊城俊樹選 特選句
枯れた字を書くと言はれし生身魂 世詩明 三國山車祭に見合ふ辻屋台 同 飛ばされてゆく星もある天の川 同 古里へ立つ汽車減りし盆の月 ただし 子供達木魚を打てり地蔵盆 同 山寺や老鶯の声心洗はる 輝一 川泳ぐ蛇とかけつこ下校の子 同 兵一人炎天の中帰り来ぬ 誠 家々の火影の中を花火船 同 ぺちやんこの胸の谷間を流る汗 清女 太公望さつぱりですと日焼顔 同 蓮池に生まれて蓮葉に寝る蛙 やす香
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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zusoh jonsya railway #豆相人車鉄道 #奥湯河原 #味楽庵 #人車レプリカ #復元 #熱海軽便鉄道 #小田原駅跡 #温泉夢物語館 #片野屋呉服店 #zusoh_jinsya_raileay #okuyugawara #mirakuan #replica #old_odawara_station #satami_railway #train ✱以前、行けなかった人車レプリカのある味楽庵さんを訪問。お礼に名物みかん最中を購入。美味し。 https://www.instagram.com/tatsuo.karasawa/p/CYBL5Z9vprH/?utm_medium=tumblr
#豆相人車鉄道#奥湯河原#味楽庵#人車レプリカ#復元#熱海軽便鉄道#小田原駅跡#温泉夢物語館#片野屋呉服店#zusoh_jinsya_raileay#okuyugawara#mirakuan#replica#old_odawara_station#satami_railway#train
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ジグシアターの2022年第一弾は、太田光海監督の『カナルタ 螺旋状の夢』と小田香監督の『セノーテ』を同期間に上映します!
【予約フォーム】
【上映期間】 2022年2月26日(土)27日(日) 3月4日(金)5日(土)6日(日)7日(月) 【上映時間】 『カナルタ』121分(2時間01分) 『セノーテ』75分(1時間15分) 各回30分前に開場します
【料金】 一般・シニア 1,800円 25歳以下 1,300円
あるインタビュー(※)の中で太田光海監督が、近代社会の人たちに対してシュアール族の人たちは「世界からの疎外の感覚が薄いのではないか」と話していた。
19世紀の産業革命以後、機械化・分業化・管理化によって人間の働きがその人間の生活から遠く離れてしまった状況を、マルクスは「疎外」という言葉で表している。
そして、その感覚は私たちの日常に転がっている。深夜のコンビニに缶ビールとポテチを買いに行く時、蛇口をひねれば温かいお湯が出てくる時、地球の反対側で作られた音楽をサブスクでチェックする時。自分の暮らしの中に当たり前にあるのに、そこに関わった人の仕事の過程を想像することができない。実感のなさ。手応えのなさ。
太田光海監督が撮った『カナルタ』はエクアドル南部アマゾンの熱帯雨林、小田香監督が撮った『セノーテ』はメキシコユカタン半島北部に点在する洞窟内の泉を映している。そのどちらもが「世界からの疎外」に対峙した作品のように思える。
そこにあるのは自らの身体で試すこと。
カメラを持ってその土地に分け入り、そこで暮らす人と交わり、撮影という行為とその後の編集という作業を通して、気が遠くなるほどに他者の記憶や風土を知ること、感じること、わかれないこと。
それは、既存のドキュメンタリーやフィクションというジャンル区分からは逸脱し、「ドキュメンタリーは何かを知るためのもの」「フィクションは物語りを楽しむためのもの」といったような枠組みを宙吊りにしてしまう。
安心できる決まりも指針もなく、どこか頼りなく疑わしげでもある。アマゾンの森の中で足元はぐらつき、メキシコの水中では前後左右も定かでなく浮遊する。バランスを失い、見通しが悪い。
しかし、全身の感覚を研ぎ澄まして味わうこの体験や徒労に居心地の良さも感じる。
つまりは我々の、世界からの疎外感をできるだけ薄くするために。
※2021.12.18 尹雄大 公開インタビューセッション vol.10
『カナルタ 螺旋状の夢』 公式イントロダクション
セバスティアンとパストーラは、エクアドル南部アマゾン熱帯雨林に住むシュアール族。かつて首狩り族として恐れられたシュアール族は、スペインによる植民地化後も武力征服されたことがない民族として知られる。口噛み酒を飲み交わしながら日々森��分け入り、生活の糧を得る一方で、彼らはアヤワスカをはじめとする覚醒植物がもたらす「ヴィジョン」や、自ら発見した薬草によって、柔軟に世界を把握していく。変化し続ける森との関係の中で、自己の存在を新たに紡ぎだしながら。しかし、ある日彼らに試練が訪れる...。
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https://akimiota.net/Kanarta-1
2020年/イギリス・日本/シュアール語・スペイン語/121分 監督・撮影・録音・編集:太田光海 サウンドデザイン:マーティン・サロモンセン カラーグレーディング:アリーヌ・ビズ 出演:セバスティアン・ツァマライン、パストーラ・タンチ��マ 制作協力:マンチェスター大学グラナダ映像人類学センター
配給:トケスタジオ
『セノーテ』 公式イントロダクション
メキシコの泉セノーテをめぐる神秘の旅 カメラは浮遊する 失われた光と記憶を呼び戻すために
メキシコ、ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉。 セノーテはかつてマヤ文明の時代、唯一の水源であり雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。現在もマヤにルーツを持つ人々がこの泉の近辺に暮らしている。現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐって交錯する、人々の過去と現在の記憶。そこに流れるのは「精霊の声」、「マヤ演劇のセリフテキスト」など、マヤの人たちによって伝えられてきた言葉の数々。カメラは水中と地上を浮遊し、光と闇の魅惑の映像に遠い記憶がこだまする。
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http://aragane-film.info/cenote/
2019年/メキシコ・日本/マヤ語・スペイン語/75分
監督・撮影・編集:小田香 現場録音:アウグスト・カスティーリョ・アンコナ 整音:長崎隼人 現地オーガナイザー:マルタ・エルナイズ・ピダル 声の出演:アラセリ・デル・ロサリオ・チュリム・トゥム、 フォアン・デ・ラ・ロサ・ミンバイ 企画:愛知芸術文化センター、シネ・ヴェンダバル、フィールドレイン 制作:愛知県美術館 エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司 プロデューサー:マルタ・エルナイズ・ピダル、ホルヘ・ボラド、小田香 配給:スリーピン
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🎼 00705 「Biotech Is Godzilla」。
「ゴジラの超常識 (秋田英夫さん、双葉社 2016年)」 という東宝監修のゴジラ本を読んでいます。「ゴジラの常識 (双���社 2014年)」 の改訂版っぽい (そちらは読んだことがありませんので何とも言えませんけれど) この本は、大まかに 3章に分かれています。昭和のゴジラ映画、平成のゴジラ映画、東宝のゴジラ抜きの特撮映画といった感じです。えっと "シン・ゴジラ" が封切られる少し前に発売されたやうなので "シン・ゴジラ" に関しては やんわりと紹介していました。テキトーに書き留めます。
・1954年 (昭和29年)
「ゴジラ」。
菅井きんさんの熱い演技見たさに フラッと観たくなってしまう ゴジラ映画第1作です。この映画のエーキョーで 放射能測定器は "ガーガー・バリバリ" 言わないと嘘っぽく見えるやうになりました。
・1955年 (昭和30年)
「ゴジラの逆襲」。
わたしの好きな "暴竜アンギラス" が登場する シリーズ第2作です。千秋實さんが出演されていますけれど、残念ながら 巨大化して大阪城前で暴れ回ったりしません。
・1956年 (昭和31年)
「空の大怪獣 ラドン」。
わたしが思う、最強最大の傑作都市破壊映画です。こどものころ、ラドン温泉という看板を見る度に ラドンが棲んでいるのかと思ってヒヤヒヤしました。
・1957年 (昭和32年)
「地球防衛軍」。
カラフルなミステリアンと ユニークな最新科学兵器に 恋焦がれる、シネスコサイズな 富士山映画です。
・1958年 (昭和33年)
「大怪獣バラン」。
やや地味さを感じる大怪獣バランが それなりに暴れる怪獣映画です。"Toho Pan Scope (トーホー・パン・スコープ)" 映画ということなのですけれど、イマイチよく分かりません。
・1959年 (昭和34年)
「宇宙大戦争」。
ナタール星人と地球人の攻防を描いた SF映画です。アポロ11号が辿り着く何年も前に 月の裏側を登場させた凄い映画です。
・1961年 (昭和36年)
「モスラ」。
わたしのラブリー "ザ・ピーナッツ" のおふたりと フランキー堺さんを観ているだけで 幸せ気分に浸れる 東京タワー映画です。こどものころから インファント島に憧れを抱いているわたしですけれど、行き方がよく分かっていません。
・1962年 (昭和37年)
「妖星ゴラス」。
海外映画 "メテオ(1979)" や "アルマゲドン(1998)" を先取った 近未来SF惑星地球衝突映画です。科特隊から借りて来たのでせうか、ジェットビートルふう飛行機が登場します。
「キングコング対ゴジラ」。
前作から 7年も経ってしまったゴジラ映画は 何と アメリカ合衆国が誇る大スタア "キングコング" を登場させ、テキトーな戦いを繰り広げます。
・1963年 (昭和38年)
「海底軍艦」。
地球上で暮らす人々に戦線を布告した、海底で暮らす "ムウ帝国" と その国のペット "マンダ" や、それらに立ち向かう 海底軍艦 "轟天号" よりも、藤木悠さんの演技に釘付けになる戦争映画です。
・1964年 (昭和39年)
「モスラ対ゴジラ」。
わたしのラブリー "ザ・ピーナッツ" と 星由里子さんのW主演映画です。わたしは はじめてモスラを観たときから ずっと "モスラ" は 成虫になるよりも 幼虫のままでいるほうが強いんじゃないかなって思っています。
「宇宙大怪獣 ドゴラ」。
近年、蜂が減少しています。この映画を観ていると この世の終わりを感じます。
「三大怪獣地球最大の決戦」。
わたしの好きな 暴竜アンギラスは 何故か不在の怪獣映画です。怪獣は 4体出演しているのですけれど、タイトルは 3大怪獣だったりするところがトンチンカンで好いです。劇中、わたしのラブリー ザ・ピーナッツ演じる "小美人" は うちの国では 知名度がそれなりに高いやうで、ふつうにテレビ出演していても 誰も驚いたり騒いだりしません。
・1965年 (昭和40年)
「フランケンシュタイン対地底怪獣」。
広島の原子爆弾を浴びてもびくともしなかった ドイツ生まれのフランケンシュタインは 大人の事情からか、シリーズ化は叶いませんでした。エンディングは複数のバージョンがあるやうです。
「怪獣大戦争」。
おかしな宇宙服にサングラス姿の "X星人" が登場する 近未来SF巨作です。こちらの作品のほうが "三大怪獣地球最大の決戦" なんてタイトルがお似合いなやうな気がします。
・1966年 (昭和41年)
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」。
"フランケンシュタインの怪獣" というその意味が分かるやうで分かりません。巨大な兄弟が仲良く喧嘩する映画です。
「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」。
小美人が "ちがう小美人" になってしまった シリーズ 第7作です。当初の予定では ゴジラは登場せず、キングコングが主役の映画だったさうです。
・1967年 (昭和42年)
「キングコングの逆襲」。
東宝創立35周年記念映画です。メカニコングが可愛いです。浜美枝さんも可愛いです。ドクター・フーも可愛いです。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」。
やさしいゴジラに癒されるカマキリ映画です。ラストの場面が冬眠なのかどうか少し気になります。
・1968年 (昭和43年)
「怪獣総進撃」。
夢いっぱいな オールスター総出演の大作です。その物語がどうであれ、山のやうに登場する東宝怪獣たちに うっとりさせられました。アンギラスもモチのロンで登場します。
・1969年 (昭和44年)
「緯度0大作戦」。
ジョセフ・コットンの出演料がとても気になります、巨大生物の島映画です。
「オール怪獣大進撃」。
前作ほどには オール怪獣していなかったりする ミニラ映画です。
・1970年 (昭和45年)
「決戦!南海の大怪獣」。
烏賊、蟹、亀の激闘を描いたトロピカル映画です。
・1971年 (昭和46年)
「ゴジラ対ヘドラ」。
サイケデリックな映像と音楽が爆発する、飛ぶゴジラが魅力的な 低予算公害映画です。
・1972年 (昭和47年)
「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」。
地球人の味方をする (ほぼ日本国内でしか戦っていませんけれど)、正義の味方ゴジラのイメージを作った M宇宙映画です。この映画からしばらくの間 正義のヒーローとして戦いつづけるゴジラにキュンキュンし過ぎてしまったわたしは、1984年以降の 悪役ふうゴジラ映画に とてつもない違和感を感じます。
・1973年 (昭和48年)
「ゴジラ対メガロ」。
人間大のサイズから ゴジラサイズまで その身体の仕組みはさておき ギューンと巨大化するロボット "ジェットジャガー" が それなりに活躍するシリーズ 第13作です。シートピア海底王国なる海底王国と そこで暮らす人々が登場するのですけれど、深海怪獣ジグラは登場しません。
・1974年 (昭和49年)
「ゴジラ対メカゴジラ」。
ゴジラ誕生20周年記念映画です。わたしの好きな 暴竜アンギラスや、飛行している姿が めっちゃ格好良いメカゴジラや、猿の惑星やら 猿の軍団みたいなのが たくさん登場する 大迫力の岸田森映画です。ちなみに 沖縄が返還されたのは 1972年5月15日です。
・1975年 (昭和50年)
「メカゴジラの逆襲」。
シリーズ第15作。暴竜アンギラスはどこへ行ってしまった?な感じの、すこしだけ印象が変わった "メカゴジラ2号機" が出撃する、ブラックホール第三惑星人の逆襲映画です。"恐龍怪獣" なる、恐竜なのか怪獣なのか良く分からない "チタノザウルス" も登場します。
・1977年 (昭和52年)
「惑星大戦争」。
"宇宙からのメッセージ 銀河大戦" を映画にしたやうな映画です。
・1984年 (昭和59年)
「ゴジラ」。
別名 "テツヤ・ゴジラ" 略して "テツラ" なんて呼んでいるのはわたしくらいでせう。当時話題になりました "サイボット・テツラ" が登場したことで ゴジラの表情が とても豊かになりました。東京の高層建築物に負けまいと 身長・体重共にパワーアップした、ゴジラ誕生30周年記念映画です。東宝のある 日比谷・有楽町界隈を目指して突き進むテツラの勇姿に痺れるこの映画、その後、散々東京を踏み付けたテツラは 何を思ったか、突然に山登りを始めます。
・1989年 (平成元年)
「ゴジラ VS ビオランテ」。
前作で山登りをしたテツラが、再び帰って来て暴れ回る シリーズ 第17作です。その物語はさておき、バイオな怪獣 "ビオランテ" の 全身像はイマイチ良く分からないものの ゴジラ怪獣らしからぬ その美しいデザインにキュンとします。
・1991年 (平成3年)
「ゴジラ VS キングギドラ」。
この辺りから 映画館でゴジラ映画を観なくなりました。お腹に 鉄の腹巻きを巻いた キングギドラが登場してがっかりしますけれど、ゴジラ映画と ガメラ映画の両方に出演していたりする 我らがキャップでおやっさんな 小林昭二さんの活躍は見逃せません。
・1992年 (平成4年)
「ゴジラ VS モスラ」。
醜悪なモスラ "バトラ" が登場する シリーズ第19作です。物語はさておき、1990年代の横浜が見れます。
・1993年 (平成5年)
「ゴジラ VS メカゴジラ」。
物語以前に、丸っこいメカゴジラが駄目でした。観に行きませんでした。ゴジラ誕生40周年記念作品です。"ガルーダ" なる、どこかのガンダムの背中にくっ付けたやうな "スーパーメカゴジラ" を見て、少しの間 ゴジラ映画を離れました。
・1994年 (平成6年)
「ヤマトタケル」。
観たはずなのですけれど、物語をまったく覚えていません。
「ゴジラ VS スペースゴジラ」。
或る日の "2時のロードショー" で観ました。スペースゴジラって そのネーミングにポンコツさを感じます。ミステリアンは未登場ですけれど、ミステリアンから借りて来たっぽい "モゲラ(Mogera)" が登場します。
・1995年 (平成7年)
「ゴジラ VS デストロイア」。
この映画で、うちの国の原子力発電所がメルトダウンする前に、ゴジラが先立ってメルトダウンしました。映画のラストを思うと、メルトダウンするということは "そういうこと" になるのだらうと深く考えさせられる映画です。ところが、宿敵怪獣デストロイアは ダサダサで、強いんだか弱いんだか ちっとも分かりません。余談ですけれど、わたしは ある日の銀座で "デストロイヤー" を見かけたことがあります。デストロイアよりも強そうでした。
・1996, 1997年 (平成8, 9年)
「モスラ」 と 「モスラ2 海底の大決戦」。
"モスラ2" は観ました。シリーズは 3作目 (「モスラ3 キングギドラ来襲 (1998)」) まであります。
・1998年 (平成10年)
「Godzilla」。
たまにやらかす ローランド・エメリッヒ監督が手掛けたゴジラ映画です。マシュー・ブロデリックがいます。続編に続きさうな終わりなのにも関わらず、作る気配すらありません。
・1999年 (平成11年)
「ゴジラ 2000ミレニアム」。
海中を泳ぐゴジラが CGで描かれていたとかで話題になったのと、世紀末ということで ���々に映画館に観に行ったゴジラ映画です。ポンコツ宇宙人の乗る UFO と 円盤生物みたいなのがゴジラに喧嘩を売ります。
・2000年 (平成12年)
「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」。
たぶん観たことがないゴジラ映画です。だのでよく知りません。星由里子さんが出演されているやうです。
・2001年 (平成13年)
「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」。
ガメラ映画 3本を手掛けた 金子修介監督が やっとこ手掛けたゴジラ映画です。タイトルに バラゴンがいないのが気になりますけれど、白目のゴジラがスリリングで好いです。
・2002年 (平成14年)
「ゴジラ×メカゴジラ」。
ガンキャノンみたいなメカゴジラが登場します。
・2003年 (平成15年)
「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」。
シリーズ27作目は とってもヤングな 長澤まさみさんと、カメーバ(「決戦!南海の大怪獣」) が登場するさうですけれど、観たことがありません。
・2004年 (平成16年)
「ゴジラ Final Wars」。
シリーズ 第28作品、北村龍平監督が手掛けた、やっちまったゴジラ映画です。そのやっちまったぶりは ハリウッド映画を凌ぎます。好き嫌いがヒジョーに分かれさうです。
・2014年 (平成26年)
「Godzilla ゴジラ」。
たまにやらかすエメリッヒ映画と区別するため、この映画は "ケン・ゴジラ" って呼んでいます。ムトーだか ムトゥだか ムートーだか そんな醜悪怪獣が登場して ケン・ワタナベを困らせます。物語冒頭、ジュリエット・ビノシュが 木っ端微塵に吹き飛ぶ役で好演しています。
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天気がいい日はどうも空を眺めたくなって、ドライブがてら空の開けた場まで車を走らせるのがオフの楽しみの一つ。神社巡りや温泉が好きだったり、ふと自然を感じたいなと思ったり。現に今まで人に尋ねられた時はそれらが好きだと口にしてきた。本当に好きなものは中々変わらないようだ。今日も、空や景色が綺麗に見えるお気に入りの場所へ。好きな音楽をシャッフルで流しながら好きな飲み物を手に取って、無意識に上がる速度。車窓を流れるありふれた景色すらも何故か心地良く感じ、緩やかな風に揺られて木々が舞い踊っているように見える程今の俺は上機嫌らしい。きっと一気に辺りを包み始めたこの暖かさのせいだ。冬の終わりと春の目覚めを思わせる、一時の夢を見ているようで。多くの人間に漏れず自分もこの温もりに浮かされている。外を歩く人々の表情がいつもより明るく見えたのも、きっと同じ理由だ。…今は舞い散る木花の脅威は忘れよう。
車内に広がる音の波に乗って口遊んでいるうちに目的地に到着。空が開けた場所ということは、そびえ立つものも空間を遮る人工物も、透明な硝子の壁も何一つ無い。つまり。そう、今君が思い浮かべた場所かもね。幸い周りに車も人もいないから今日は俺一人だ。よっしゃ、独り占めできんじゃん。なんて子供地味た喜びを口元に含みつつ適当に車を止めて降りる。今の時期だと昼下がりのこの時間くらいが意外と丁度いいんだよな。遅くても3時半過ぎくらい。日差しがまだそんなに強くなくて、でも明るいから空の青が鮮やかで。そんなことを考えながら数メートル先に進むと待望の景観が目の前に広がった。思わず辺りを一望する。ああ、空ってやっぱこんなに青いんだな。でも一色じゃなくて濃淡があって、光の具合で彩度も変わってる。めちゃくちゃ心洗われるわ。いや、そう言うと普段どんだけ汚れてんだよってなるけど。俺はそうでもないはず。まぁ人間だから色々あるし、ってそんな事はどうでもよくて。やっぱ人間は地球に生きてんだなーって漠然と思うわけよ。心做しか風の匂いが今日はちがう気がする。何かの鳥の囀りもどこからか聞こえたような。
この場所に来ると空と景色の写真を撮るのが知らずのうちに恒例となっている。今回も掌に収まる機器を掲げ、あの夜と同じように時を切り取った。あの日とは真逆の、光に包まれた世界。少しずつ高まりつつある湿度に煽られて膨らむ雲達が穏やかに漂っており、一際輝く真っ直ぐな筋がその隙間を通り抜けているのがはっきりと見える。淡い青空にかかった光のカーテンは、太陽の有無に関わらずそこに佇む雲があるからこそ人間の瞳に映るのだと、ふと頬に触れて走り去った風が得意げに囁いた。俺は太陽よりも月の方が好きだけど、お前がいないと月を見ることができないな。今はまだ穏やかに世界を照らしている遠い存在にささやかな感謝を捧げたところで。何も、自分の為に写真を撮った訳じゃない。俺が一方的にやっている日常の共有。いつからか始まった、二人だけの空間に送られる世界。見せる度に綺麗だと素直に感動してくれる彼が愛しくて。いつだって少数派だと看做され恐怖心を抱かれた感性と本能は変えられないまま時を過ごした中で、自分が美しいと感じたものを同じく美しいと共感してくれることが嬉しくて。何気ない日々が互いの瞳には違って見えるのが当たり前だと分かっていたはずなのに。俺の見ている世界を知りたいと望まれるなんて思ってもいなかったから。つい、心が緩んでいく。嗚呼、知らない世界を知ってしまった。俺も彼奴もこのまま元に戻らなくていい。などと零れ落ちた少しの欲まで、まだ沈んでいない光が世界の全てと同等にそして無邪気に照らす。これは胸の内に収めておこう。まぁそんなことしなくても彼奴の日常に溶け込んでしまえばいいんだし。…あ、撮るだけ撮って満足してたわ。送ってなかった。よし、目的達成。彼奴今日は何してんだろ。なんだかんだのんびり過ごしてそうだな。確か休みだったはず。あー、いつでもいいから今度は温泉に行きたい。旅館に泊まって美味しいもの食べて、酒飲んで気持ちよくなって、あたたかい温泉に好きなだけつかりたい。欲望が湧き出てくる時って語彙力どっか行くよな。最近行けてないから気持ちだけが募ってるし、考えるより感じろって脳も言ってるんだよ。きっと。うん、気持ちいい自己の正当化。そんな取り留めもない思考を脳内でぐるぐると掻き混ぜていると、聞き慣れた通知音と共に液晶に文字が浮かび上がる。どうやら此方の唐突な贈り物に気付いたらしい。
『うわっ、めっちゃ綺麗!』
「だろ?すげぇいい天気だよ。」
『一人で行ったの?』
「ん、そうだけど?」
『今度は俺も連れてってよ。俺助手席ね。』
「ふは。いいよ。そこ、お前にあげるわ。」
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告白、いくつめ
畳の上に座り、勇利の母が支度してくれた煎餅とほうじ茶を楽しみながら、ヴィクトルは勇利とテレビを見ていた。日本語なので意味はわからない。だが、勇利が説明してくれるので話はなんとなく理解できた。毎週この時間に放映しているドラマだ。しかしいつも視聴しているわけではない。 「ヴィクトル、これ、おもしろいの?」 勇利はもっとほかの番組がよいのではないかという顔つきだ。 「変えようか?」 「いや、これでいい」 とくに見たいものもないので、ヴィクトルはそう言った。画面を見ながら、日本人はまったく幼く見える、とそんなことで感心していた。勇利はその中でもかなりのものだと思う。この前、ベビーフェイスと言ってからかったら、頬をふくらませてそっぽを向いてしまった。その顔がますますおさなげで、ヴィクトルは可笑しかった。 画面の中では、真剣な表情をした女が男に何か言っているところだった。こわいくらいの目つきだ。怒っているようにも見える。だが声は刺々しくはない。いったい何の話をしているのだろう。ヴィクトルは首をかしげた。 「勇利、これはなんて言ってる?」 「あー……」 勇利は言いよどんだ。さっきまでは、質問したらすぐにすらすらと答えてくれたのに、いまはちょっとためらっている。 「なに? いやらしい話?」 「ちがうよ!」 勇利がヴィクトルをにらんだ。ヴィクトルはくすくす笑った。勇利は頬を赤くして説明した。 「そうじゃなくて……好��だっていうこと」 「え?」 ヴィクトルはびっくりした。もう一度テレビを見る。そういう会話をしている雰囲気ではない。 「……好きだと言っているわりにはこわい顔だね。それに、女性が口説いてるの?」 「べつに甘い語らいをしてるわけじゃないんだよ」 ヴィクトルはきょとんとした。好きだという話なのに甘い語らいではないと勇利は言う。意味がわからない。 「矛盾してないか?」 「してない。日本はこういう感じなんだよ」 「デートのときには怒った顔をするのが日本?」 「べつに怒ってないし、これはデートじゃないんだ。なんていうのかな……」 勇利は溜息をついた。あまりこういう話題は得意ではないのだろう。 「告白してるところなんだ」 「告白?」 ヴィクトルには、その英語の表現がわからなかった。意味はなんとなく理解できるのだが、普段に使う言い方ではないし、具体的にどういった場面か思い浮かばなかったのだ。 「えーっと、わからないよね。なんて言えばいいのかな……あなたを愛してます、交際しましょう、みたいな宣言だよ」 ヴィクトルはきょとんとした。 「……宣言?」 「そう、宣言」 勇利がまじめくさってうなずく。ヴィクトルは首をかしげた。 「……日本では、そういう宣言をするものなのかい?」 「そうだよ。区切りをつけるための習慣なんだよ」 ヴィクトルは感心した。勤勉な日本人らしい、と奇妙に納得してしまった。ロシアでは──ロシアに限らないが、日本以外の国では、そういうことはまずしない。仲よくなり、デートに誘い、それで親密になるのだ。宣言が必要だというなら、それは結婚を申しこむときだ。 「……おもしろい文化だね」 ヴィクトルはつぶやいた。 「英語で言われてもぴんと来ないよ。日本語ではなんていうんだい?」 「告白」 「コクハク」 ヴィクトルは二、三度うなずいた。 「ジャパニーズコクハク」 「なんか恥ずかしいからやめて」 「ジャパニーズドゲザみたいなものだね」 「ぜんぜんちがいます」 「日本特有の現象だろう?」 「それはそうだけど……」 ふうん。告白か。そういうことをするのか。 「女性からするものなの?」 ヴィクトルはテレビを目をやった。「告白」は上手くいったらしく、男女が抱きあって熱烈なくちづけを交わしている。勇利はもうテレビのほうは見なかった。気恥ずかしいらしい。かわいいやつめ、とヴィクトルはこっそり笑った。 「べつにどっちからでもいいんだよ。告白したい、と思ったほうがする」 「明確に愛を伝えるわけだね」 「そう」 なるほど、とヴィクトルはほほえんでうなずいた。なじみのない行事ではあるけれど、なかなか情緒的ですてきな習慣だ。おもしろい。 「それで愛しあうのか」 「ふられることもあるよ」 「そうなのかい?」 ヴィクトルは目をまるくした。 「でも、デートとか、もうしてるんだろう?」 「してる場合もあるし、してない場合もあるんじゃない」 「何度かデートして、雰囲気がよくなって、それで愛を伝えるんじゃないのか?」 「そういうこともあるだろうけど、それでもだめなときはだめだし、そもそも、中学生や高校生でもすることだからね。デートするより学校で親しくなることのほうが多いと思うよ。ぜんぜんちがうクラスで、口も利いたことないのに告白することもあるし。ひと目惚れとかそういうのだろうね。あと、体育祭や文化祭でかっこよかったとか、クラブ活動をしてるところを見てとか、廊下ですれちがったとき気になったとか……、集団生活をしてるといろいろあるんだろうね」 説明してから、勇利はかすかに笑って付け足した。 「ぼくのそんな時代はもうずいぶん前だけど」 「そうかい? どこからどう見ても十代だけどね」 ヴィクトルがなにげなく言うと、勇利がヴィクトルのことをにらみつけた。その顔だよ、それが子どもっぽいんだ、とヴィクトルは愉快だった。 そうか。勇利の学生時代か。勇利は……。ヴィクトルは勇利の横顔をみつめた。眼鏡をかけて野暮ったい様子をしているが、試合のときの彼はこのうえなくうつくしい。温泉オンアイスで見たし、競技の動画も目にした。勇利は清楚で、気品高く、すてきだった。 「勇利」 「なに?」 「勇利も告白をされた?」 勇利はさっと目をそらした。ヴィクトルはにっこり笑った。 「あるんだね」 「な、なに言ってんの……ないよ」 「そんなに赤くなってるのに?」 「赤くなってなんかない」 「…………」 「……こ、これは、ヴィクトルがいきなりそんなことを言うから、びっくりして……」 「どんな子?」 ヴィクトルは身を乗り出した。勇利はテレビに視線をやり、「あ、ヴィクトル、ほら、ヴィクトルの好きな芸人さん出てるよ、俳優もやってるんだ」と注意をうながした。ヴィクトルは気にしなかった。 「クラスの子? それとも……、ああ、勇利がさっき、口を利いたことがなくても告白するって言ったのは、実際、そういう子にされたからなんだね。勇利はなんて返事をしたんだい? 受け容れた? 断った? 好みの子だった? どういうところでデートした? 勇利はどういう子が好きなの?」 「ちょっと!」 勇利は口をとがらせて怒り出した。 「勝手に話を進めないでよ! 告白されたなんてひとことも言ってないじゃん」 「でもされたんだろう?」 「されてません」 「どんな感じなんだい? ふたりきりだよね? どこかに呼び出されるのかな? どうやって? あ、手紙か何か? その手紙はどんなふうに渡されるんだい? 家に届くの? 勇利の住所を知ってないと無理だよね」 「もう!」 勇利は両手でこぶしを握り、耐えられないというように文句を言った。 「どうでもいいだろ!」 「よくないよ。勇利のことはなんでも知っておきたい」 「スケートのことだけにして!」 「なんで? 俺は勇利のコーチで、勇利はプログラムで愛を表現するんだろ? 勇利の心情はわきまえておかないと……」 「ぼくが告白されたことと、ぼくが愛を表現したいことのあいだには、何のつながりもありませんから!」 「あ、やっぱり告白されたことがあるんだね」 「そうは言ってないだろ! もしそういうことがあったならっていうことで……」 勇利はもうそれ以上は話したくないらしく、そっぽを向いて口をつぐんでしまった。こんなことでこんなに照れて、かわいいな、とヴィクトルはほほえましく見守った。 勇利は学校では地味だったかもしれないけれど、きっと有名だったにちがいない。勇利の部屋や、店のいたるところに飾ってあるトロフィーや盾の数を見れば、幼いころから彼がどれほどよい成績をおさめていたかがわかる。国際大会にも出るような選手なら、目を引かないはずがない。そして実際、勇利は綺麗で上品だ。 「……たくさん告白されたの?」 ヴィクトルは尋ねた。勇利はつんとしたまま言った。 「そんなことないよ」 そんなことないことはないだろう、とヴィクトルは見当をつけた。ヴィクトルは、さっきのドラマの女性みたいな真剣な目をした女子生徒に、好きだから交際したい、と告げられる勇利の姿を想像した。 「……なんで付き合わなかったんだい?」 勇利が振り返った。ヴィクトルの声の調子がこれまでとちがうと気がついたのだろう。 「……べつに」 「べつにって? 好きじゃなかった?」 「……好きとかそういうの、考えたことない。ぼく学校であまり話さなかったし、友達もいなかったから」 「告白してくるのは口を利いたこともない子ばっかり?」 「…………」 勇利はうつむいた。彼は凛とした横顔を見せ、はっきりと言った。 「頭の中、スケートのことしかなかったから」 「…………」 ヴィクトルはほほえんだ。彼はふいに身を乗り出すと、勇利の瞳をのぞきこみ、笑顔で言った。 「勇利、俺、ジャパニーズコクハクされたい!」 「え?」 勇利がいぶかしげに首をもたげた。ヴィクトルははしゃいだようにくり返した。 「言われたい! ジャパニーズコクハクされたい!」 「そんなの……」 勇利が苦笑いを浮かべた。 「ヴィクトルのことを好きな人たちなんてたくさんいるんだから、簡単なんじゃない? でも、本気で告白されたいの? だって、付き合うとか付き合わないとか、返事をしないといけないんだよ。ヴィクトル、誰かと付き合いたいの?」 「そういうことじゃない」 ヴィクトルは勇利のあどけない瞳をじっとみつめた。 「勇利に告白されたい」 「え?」 「勇利、してくれ。俺に告白してくれ」 「……なに言ってんの?」 勇利はあきれ返った。ヴィクトルは熱心に頼んだ。 「だって勇利は俺が好きだろう? 告白したいくらい好きだろう?」 「そういうことじゃなくて……」 「してくれ。告白してくれ。されたい」 「あのねえ……」 勇利は溜息をついた。彼は首をかたげ、どうしようもないなというようにヴィクトルを眺めた。ヴィクトルはこの、「まったくもう、ヴィクトルは、しょうがないんだから」という勇利の優しい顔つきが好きだった。 「変な興味持たれちゃったな……教えるんじゃなかった」 「なに?」 「なんでもありません」 勇利は口元に手を当てて考えこんだ。彼はくすっと笑い、いたずらっぽくヴィクトルを見て言った。 「告白って一大決心だし、『やってみて』『いいよ』ってするようなことじゃないんだよ」 ヴィクトルは目をきらきらさせながらうなずいた。 「するから、ちょっと待って。いますぐはだめ。そういうのは告白じゃない」 「でもしてくれるんだね?」 「するよ」 勇利は指を一本立て、それを振って、学校の先生のように教え諭した。 「告白にも作法ってものがあるんだよ。かるいものじゃないの」 ヴィクトルは大きくうなずいた。さっきのドラマの女性の表情を見ればわかる。 「しきたりにのっとって告白するから、覚悟してて」 「わかった」 ヴィクトルはまじめに了承した。 「勇利もジャパニーズコクハクのとき、俺にこわい顔する?」 「ちょっと!」 朝の練習が済むと、勇利は「ぼくは用事があるから」と言ってさっさとさきに帰ってしまった。ヴィクトルは、勇利はつめたい、と優子に嘆き、しばらく談笑してから更衣室へ行った。ロッカーを開けたら、荷物の上に白い封筒がのっていた。 「?……」 表書きは「親愛なるヴィクトル」となっていた。裏返して差出人を見る。 「勇利からだ」 ヴィクトルはうれしそうに笑って封を切った。うすい便せんが一枚だけ入っており、それには、「お城のベンチでお待ちしています」と書いてあった。 「勇利!」 これが作法というものなのだろうか。ヴィクトルは急いで着替え、はずむ足取りで長谷津城へと駆けていった。勇利は緊張した様子でベンチに座っていたが、ヴィクトルを見ると立ち上がり、きまじめな態度で「突然、ごめんね。びっくりした?」と言った。 「勇利、告白かい? ジャパニーズコクハク?」 「しっ」 勇利はしかつめらしい顔でヴィクトルをとがめた。 「告白されるときにそんな態度だと、相手の子に軽薄だと思われるよ」 確かにそうだ。ちゃんとした話をするのにこのふるまいでは、愛を打ち明けようと決心している者は、からかわれているのかと思うだろう。 「失礼」 ヴィクトルは表情を改めた。こういうときはどう言えばよいのだろう? 「……手紙をありがとう」 「いいえ」 勇利は頬をほんのりとさくら色に染め、ヴィクトルのことをいちずにみつめた。ヴィクトルはどきっとした。 「こちらこそ……、来てくれてありがとう」 勇利はささやくように言った。 「いや……」 「そこに座らない?」 「うん」 ふたりは青々とした緑に囲まれた、街を一望できるすがすがしいベンチに腰を下ろした。 「ぶしつけな手紙でごめんね」 「いや、うれしかったよ」 「そう?」 「ああ。勇利とゆっくり話したいと思っていたんだ」 「ええ……、お話があって来ていただきました」 勇利は濡れたような瞳をまっすぐヴィクトルに向けた。ヴィクトルはわけもなく鼓動が高鳴り、感激してしまった。すごい。ジャパニーズコクハク。これほど胸がときめいたのは──、そう、勇利と経験したあのバンケット以来だ。こんなにすてきなものだなんて。 「ヴィクトル、あのね……」 勇利はゆっくりと言った。 「貴方はぼくのスケートそのものなんだ」 彼の口ぶりは、真剣で、敬愛にみちており、ひどく誠実で優しかった。 「ぼくが貴方に出会ったのは、十二のときでした」 「……うん」 「貴方は世界ジュニアで金メダルを獲ってたよ。そう、ぼくに貸してくれたあの衣装を着てね」 勇利は思い出すようにまぶたを閉ざし、口元をわずかにほころばせた。彼はすぐにぱっと目を開け、ヴィクトルにそっと笑いかけた。 「あのときから、ぼくは貴方に夢中なんです」 「……そうか」 「貴方のことを調べて、いろんなことを知りました。貴方の過去のプログラム、得意なジャンプ、経歴、コーチは誰か、どこで練習しているのか。それから、貴方の暮らす街、貴方の相棒、休日には何をしているか、好きな食べ物、好きな色……たくさんの貴方がぼくの中にあふれました」 「……うん」 「ぼくは貴方にあこがれ続けて、苦しいときも、つらいときも、貴方のことを思い浮かべてがんばりました。いつか会いたいと思っていました」 「……うん」 「初めて���ったとき、ぼくは身体がふるえてしまって、頭が真っ白でした。ぼくはもう、熱烈に貴方を想っていたんです」 「……うん……」 勇利が瞳をきらきらと輝かせた。ヴィクトルはまぶしい思いでそれをみつめていた。 「ぼくの気持ちは、貴方をテレビで初めて見たとき、試合で初めて一緒になったとき、その情熱から何も変わっていません」 「……うん」 「いまでもあこがれ続けています」 「…………」 「ヴィクトル」 勇利はヴィクトルに熱っぽくささやいた。 「貴方のことが大好きです」 「…………」 ヴィクトルは目を閉じた。 「これからもずっとそうです……」 黙って勇利を引き寄せ、胸に抱きしめる。静かだった。 勇利がくすっと笑った。 「……さあ、これでいい? ちゃんと告白したよ」 「…………」 「言ってお��けど、しぶしぶしたわけじゃないからね。まあ、告白することにしたのはしぶしぶだけど……、気持ちは本当だから」 「……ああ」 勇利は、あのベビーフェイスをヴィクトルに近づけた。なぜかヴィクトルは、そのおさなげな顔立ちを、このときは子どもだと思わなかった。 「満足した?」 いま告白してくれと言ったら、あのときとはちがうことを言ってくれるだろうか? ヴィクトルはこのところ、そんなことばかり思案していた。 ジャパニーズコクハクの話なんて聞いたら、きっとヴィクトルの友人は残らず笑うことだろう。珍しい文化だと。ヴィクトルがそうだったように。しかしいま、ヴィクトルは、勇利にそれをされたくてたまらないのだった。 「最近、難しい顔してるね」 勇利が心配そうに言った。 「何か問題がある? ぼく、もしかしてよく思われてない?」 彼は目下、新しいリンクになじもうと努力中だ。チムピオーンスポーツクラブは世界的にも有名な名門のクラブなので、おいていかれないようにと一生懸命になっているのだろう。ヴィクトルの生徒として恥ずかしいことはできないとも思っているにちがいない。 「そうじゃないんだ」 ヴィクトルはかぶりを振った。 「気にしないでくれ」 しばらくロシアと日本とではなればなれになり、ようやく待ちわびた勇利との親密な日々が到来した。ヴィクトルは毎日が楽しく、うれしく、幸福だったけれど、何かが足りない、これではいけない、という思いがぬぐえなかった。それは勇利が告白をしてくれたあの初夏の日に感じた気持ちに似ていた。あのとき──、ヴィクトルは喜んだ。貴方はぼくのスケートのすべてだと言われて興奮した。けれど──、物足りなかったのだ。きっと。あのときは気づかなかった。でも、胸の奥で感じていた。ひどくうれしいのに、こうではない、もうひとつ欲しいものがある、というわずかな不満を。 もう一度告白してくれ。そう言ったら、勇利はなんと言うだろう。いいよ、とあのときのように笑うだろうか。了承してくれたとして、いったい何と言ってくれるだろう。あのときと──、貴方はぼくのスケートです、と打ち明けたときと同じだろうか? それとも──。 だが、そんなことを求めるわけにはいかない。いま勇利は毎日の暮らしだけで精いっぱいなのである。愛してくれ、その言葉を聞かせてくれ、なんて、そんな大変な要求はできない。 「変なヴィクトル」 勇利は笑った。そのかわいい笑顔を見て、ヴィクトルの胸はあまく痛んだ。勇利といると、このうずきは増すばかりだ。 我慢できなかった。ヴィクトルはその夜、あのときと同じようにふたりでテレビを眺めているとき、つい口に出してしまった。 「勇利、きみは俺に告白してくれたことがあったね」 「え?」 勇利は不思議そうな顔をした。ヴィクトルは、そのことも忘れてしまったのか、と衝撃を受けた。勇利はすぐにヴィクトルとのことを忘れるのである。しかし彼は言った。 「どれのこと?」 「えっ?」 「ヴィクトルに告白はいっぱいしたからね」 勇利は笑顔で言った。 「告白してくれって言われたときもしたし……」 「ほかには?」 「おぼえてないの?」 「いや……」 「忘れんぼ」 勇利は笑ってヴィクトルを責めた。 「中国大会のときに泣きわめいてしたでしょ?」 ヴィクトルはどきりとした。黙ってていいから離れずにそばにいてよ。そう叫んだ勇利が思い出された。 「それに、ロシア大会から帰ってきたとき、ヴィクトルにプロポーズみたいだねって言われたし」 「……そうだったね」 「あとは……、」 勇利の視線がすこし上に向く。 「ぼくと競技生活続けてくださいって言ったのも、告白だよ」 彼はあどけなく言った。 「気持ちを打ち明けることが告白だからね」 「……指輪は?」 「これはおまじない」 勇利はとり澄まして答えた。それから口の端を上げて意地悪く笑う。かわいいだけだった。 「ヴィクトルだってしたことあるんだよ。告白」 「え? 俺が?」 「そう」 「俺が、ジャパニーズコクハクを? いつ?」 「それは……」 勇利は白い歯を見せて明るく言った。 「世界選手権五連覇してもらわないとわりに合わない、って言ったとき」 彼はすこしはしゃいでいた。 「コーチしながらじゃ、もとのように戻れるか不安って、あれ……、うそでしょ」 「…………」 ヴィクトルは黙って勇利を抱きしめた。勇利はくすくす笑いながらヴィクトルの背に手を添えた。 「ヴィクトル」 「……なんだい」 「好きだよ」 勇利のいちずな黒い瞳が、慕わしくきらめいた。ヴィクトルの鼓動は激しく高鳴り、胸がふるえた。 「……これも告白?」 「そうだよ」 「作法は?」 「思ったときに、思ったようにするのが作法だよ」 ヴィクトルは自室に戻ると、勇利に手紙を書いた。彼は翌朝、それをテーブルの上に置いておき、ひとりで家を出た。一時間のあいだ、いろいろなことを考えた。勇利の笑った顔、怒った顔、泣いた顔、酔っ払った顔を思い浮かべた。すべての勇利がいとおしく、かわいかった。勇利は相変わらず子どもっぽいけれど、ヴィクトルと対等で、ヴィクトルを夢中にさせる大人だった。 ヴィクトルは、美術館の広場にあるベンチにいた。いつか、マッカチンのぬくもりだけを頼りに座ったここに、間もなく勇利がやってくる。 「ヴィクトル」 勇利が笑顔で駆けてきた。彼はヴィクトルを見るといつもすてきに笑うのだ。ヴィクトルは急いで立ち上がった。 「手紙をありがとう」 「うん……」 ヴィクトルはたどたどしく言った。 「座って」 「うん」 勇利は素直にうなずいた。ふたりで並んで腰を下ろす。 「何か話があるの?」 勇利が無邪気に尋ねた。ヴィクトルは、言いたいことが何なのか、よくわからなくなってしまった。 告白をしようと思ったのだ。勇利が最初に教えてくれた、行儀作法にのっとって。思うようにすればよいと彼は言ってくれたけれど、だからこそこんなふうにしたかった。だが、いざ想いを告げるとなると、どうすればよいのかまったくわからなかった。 「勇利……」 頬がこわばった。上手く言葉が出てこない。声は喉の奥でこり固まり、気持ちは胸につまった。ヴィクトルは思った。いま俺は、とんでもなくこわい顔をしている。そうか。告白のときはそうなるのか。 「きみが告白をするとき、こわい顔にならなかったのは、どうしてだ?」 勇利は目をまるくし、可笑しそうに笑い出した。 「そんなことを訊くためにここへ呼んだの?」 「なぜ?」 「こわい顔になるのは緊張するからだよ。ぼくだって、それなりのときにはこわい顔になるよ」 「たとえば?」 「黙ってていいから離れずにそばにいて、って言うときとか」 「あれはちがう。あれは……」 「ぼくと競技生活続けてくださいって言ったときも、こわかったでしょ?」 「かわいいだけだった」 「それに……」 勇利は口元を上げてヴィクトルを横目で見た。 「指輪をはめるとき、とびきりこわい顔してなかった?」 ヴィクトルは瞬いた。 「……可憐だったよ」 「そう。でも緊張してたんだよ」 「あれはおまじまいだ」 「そうだっけ」 勇利はくすっと笑った。ヴィクトルは勇利の手をぎゅっと握った。 「ゆ、勇利」 「……なに?」 「お、俺は、その……」 言わなければ。でも、なんて? わかりきっているのに。きまっているのに。これまで態度で、視線で、しぐさで、ふるまいで、さんざん示してきたのに。なのにどうして、いまこのとき、こんなに緊張して、自分はふるえているのだろう? 「き、きみのことが……」 「…………」 「勇利、俺は、おまえを……」 勇利がじっとヴィクトルをみつめた。そのみずみずしい瞳に、ヴィクトルは夢中だった。 「あ──愛してるんだ」 ヴィクトルは熱心に、かすれた声でささやいた。 「好きだ、ゆ、勇利……勇利、きみのことが……きみが……俺は……」 なんという無様……。ヴィクトルはめまいをおぼえた。告白というものがこんなに難しいとは思わなかった。こんなに緊張して、身体がふるえて、言葉がままならないものだとは……。 ヴィクトルは緊張しきって勇利を見た。言うことを言ってしまうと、告白のあとにはどうなるか、ということが思い出された。勇利は教えてくれた。ふられることもあると。ヴィクトルは全身がつめたくなり、ものが言えなくなった。 拒絶されるのだろうか。いままで勇利に告白した者たちのように。あっさりと。ためらいもなく。だめなときはだめ。そうなのだ。だめなときはだめ……。 「ありがとう。うれしい」 勇利が眉を下げてふわっと笑った。 「ぼくも好き」 「…………」 ヴィクトルはまだ緊張していた。 「どうしたの?」 「……勇利」 「ん?」 「俺……、ふられないの……?」 勇利は目を大きくし、それから口元をほころばせた。 「なんで?」 「俺への気持ちはあこがれだろう?」 「どうして?」 「だって最初の告白がそうだった」 「最初の告白って、コーチになって、っていうやつ? おぼえてないけど」 ヴィクトルはどきっとした。 「勇利の頭の中はスケートでいっぱいなんだろ?」 「ぼくのスケートはヴィクトルだよ」 「それがあこがれということじゃないのか」 「ぼくがいままで何度もして、昨日もした告白、ぜんぜん伝わってないみたいだ」 勇利は考え深そうにつぶやいた。 「全部、あこがれだと思われてたのかな?」 彼はヴィクトルを見た。ヴィクトルの手はまだふるえていた。 「ヴィクトル……」 勇利はつぶやいた。すこし不安そうだった。 「ぼく……、ふられたの?」 「勇利」 ヴィクトルはたまらず勇利を抱きしめた。もう緊張のためにはふるえなかった。ただ、こわいくらいに幸福で、そのためにヴィクトルの全身はまたおののいた。 「勇利、愛してる」 このほどはなめらかにその言葉はすべり出た。 「うん」 「離れずにそばにいて」 「うん」 勇利はまどかな笑みをヴィクトルに向け、ヴィクトルの頬にふれていとおしそうな目をした。その瞳は、すぐれてやわらかい、糖蜜をふくんだようなきらめきを帯びていた。 「ぼくがそう言ったときみたいにみっともなくないね……。ぼく、泣きわめいて、あれ、恥ずかしい。でもぼくが泣き出したときのヴィクトルの顔、おもしろかったよ。いまのぼくはどう……?」 ヴィクトルは、親しい友人に、得意げに教えてまわった。 「知ってるかい? 日本には『コクハク』っていうすてきな習慣があるんだよ。聞いたことがない? それは惜しいな。好きな相手に愛を伝える文化だ。プロポーズじゃない。特別な関係を結ぶための第一歩さ。愛を確かめるんだ。普段の交流からでも感じ取れるけどね、それとはまたちがうんだ。コクハクっていうのは、なんともいえずすてきな感じがするものなんだよ。するのと、されるのと? ──もちろん、どっちも最高に興奮するさ。一度体験してみるといい。ものすごい緊張と、このうえない幸福が、きわめて崇高な経験になるよ」
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