#本末転倒
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moko1590m · 1 year ago
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ブランドには強制力はない   人は隷従したがる   納税が趣味の人は多い   納税が我が誇り   プライドオブ納税   ブランドめぐり   ブランド訪問を旅と勘違い   結局どんどん手段に隷従してゆく
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jaguarmen99 · 8 months ago
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344: 名無し:24/08/21(水) 19:11:29 ID:pe.rf.L1 コインランドリーのおかげで死なずに済んだこと。 どういうことかというと、数年前、職場のベテランが複数名辞めて皺寄せがこちらにきたことがあった。 精神を病んで、洗濯物を洗っても洗濯物が干せなくなった。
洗濯物を洗ってもそのまま洗濯機から出さずカビだらけに。 怖くなって服を洗えなくなり、下着だけ手洗いしてなんとか干してた。
洗濯物を干さないと綺麗な服も着られないので、毎週新しい服を買う意味のわからない行動に出てた。 罪悪感で胸が潰れそうだった。 ある夜コンビニにおやつを買いに出かけたら、住んでるマンションのお隣さんが私に「こんばんは〜」と挨拶して 大量の洗濯物を抱えて出かけて行った。 不思議に思ってこっそりと後をつけた。
そしたらお隣さん、大量の洗濯物をコインランドリーに放り込んでた。 徒歩2分くらいのところにあったようなのに、私は全く気づいてなかった。 それでも 「コインランドリーに頼るのは大人として失格だ。きちんと手で干さないと、太陽の光に���てないと、洗濯したとはいえないんだ」 とその時は思っていた。 さらに惨めになって死にたくなって、練炭も用意し、いざという時はこれを使おうと決めていた。
数ヶ月が経って、過労で職場で気絶し床に倒れた時、頭の中にパッとあの夜見つけたコインランドリーが浮かび上がった。
真っ白で清潔なコインランドリー、お隣さんが洗濯物を放り込んだ洗濯機の洗剤の匂い、看板に書かれた「10分100円」の文字。 そのまま暗転した。
目を覚ました時には病院だった。丸一日眠ってた。 看護師さんが名前はわかりますかと聞いているのに、 「私、コインランドリーに行かなくちゃいけないんです。 今すぐにコインランドリーに行ったら、これから全部うまくいく気がするんです」 と開口一番伝えて看護師さんを困惑させた。
病気ではなく、睡眠不足が祟ってぶっ倒れただけだったのでなんともなかった。
しばらく私は見舞いに来た上司や同僚に「コインランドリーに行けばすべてうまく行くんです」と何度も何度も伝えた。
「なぜうまく行くと思うの?」と理由を聞かれたけれど、 「わかりません。でも今の私を満たせるものはコインランドリーしかない」 とわけのわからない回答をしていた。
上司が不気味がって、休職していろと指示があった。
退院し、すぐさま床に散らばった家中の服、下着、タオルを家の洗濯機で洗濯して、脱水まで済ませたものを せっせとコインランドリーに運んだ。ちょっと贅沢に40分400円コースにした。
ゴウンゴウンと音を立てて洗濯機が乾燥していくのを、40分呆然と立ち尽くし、ずっと乾燥機の前で見つめていた。 どんどん心がスッキリしていくのを感じた。
それから洗濯物をきれいにしまい、途端に家事をやりたくなり、家中綺麗にした。 そして「あんな苦しい職場辞めちまえ」という気になり、貰うもんだけ貰って辞めた。
今はちゃんとした会社で、たまに残業しながらものんびり過ごせている。 週末お洗濯して、洗濯物の乾燥はコインランドリーに頼ってる。 大体10分もあれば乾く量なので、月額400円であの苦しさから解放された。 前の職場の同期曰く、「明らかに普通ではなかった。何を聞いてもコインランドリーの話しかしてなくて、本当に病んでた」 と言われた。
多分、家事の中でダントツめんどくさい「洗濯物干し」が楽になって助かったというだけの話なんだけれど、 私はそれ以上に、心が助けられたと信じてる。
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koch-snowflake-blog · 4 months ago
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上西 怜(じょうにし れい、2001年〈平成13年〉5月28日- )は、日本のアイドル、グラビアアイドル、ファッションモデル。女性アイドルグループ・NMB48のメンバーおよび派生ユニットLAPIS ARCHの元メンバー、『S Cawaii!』のレギュラーモデルである。滋賀県湖南市出身。Showtitle所属。愛称はれーちゃん、いーだ。
愛称 れーちゃん、いーだ
生年月日 2001年5月28日
現年齢 23歳
出身地 滋賀県
血液型 A型
身長 154.5 cm
カップサイズ F
姉、兄の3姉弟の末っ子である。将来の夢はモデルになること。部活はバスケットボール部。
公式ニックネームはれーちゃん。姉や友人からは「いーだ」と呼ばれることがある。由来は兄が小さい頃に怜をちゃんと言えなかったからと以前に話していたこともあるが、本当のところは不明である。キャッチフレーズは『れーちゃんレーダーがみんなの笑顔を見つけれーちゃん(見つかっちゃったー)。滋賀県出身 19歳のれーちゃんこと上西怜です。』
特技は兄に教えてもらったハンドスプリング(前方倒立回転跳び)。
好きな食べ物はオムライス、グラタン、カレーライス、キウイ。好きなキャラクターはエルモで、ベッドの周りにエルモのぬいぐるみがたくさん置いている様子が、NMB48の23rdシングル『だってだってだって』のstay home ver.の映像で確認ができる。
推しメンは元NMB48で2期生の村瀬紗英。村瀬が卒業後はドラフト3期生の安部若菜、7期生の和田海佑を公言している。また、渋谷凪咲から推されている。仲の良いメンバーは小嶋花梨、水田詩織。元メンバーの山本彩加とも、プライベートで買い物や旅行に行ったりするほど仲が良い。
姉:上西恵 - 女優。NMB48の元メンバー。
従姉妹:上西星来 - 歌手、モデル。東京パフォーマンスドールの元メンバー。Rayの専属モデル。
  
  
  
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onibi-onibi · 3 months ago
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(本末転倒 | 伊東 さんのマンガ | ツイコミ(仮)から)
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plumlichtman · 16 days ago
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新年度だからとか関係なく最近の多忙さが異常で、なかなかお返事できる時間をとれない。少なからず番宣はなんとかできているが、どうしても皆さんと会話する機会が減ってしまった。昨日も帰ってきて食事も取らず22時に寝てしまい…無論スキンケア云々もしていないのでお肌の治安も最悪ときた。皆さんのポストに目を通して「読んだよ!読んだからね!そのお洋服かわよい!今日もビジュいいじゃん!ライブや撮影頑張ってね!ドラマ観ます!」のハートを飛ばすことで精いっぱい。カカオはもちろんDMなんか全然目を通せてない。リプライも然り。このままこの宙ぶらりん状態でここに居ていいのか、仕事中に考えることも多々。いっそのことこれを機にここで終わりにしてしまった方がいいのではないか。せっかく皆さんと築き上げた時間や想い出を蔑ろにしてしまうのはだいぶ気が引けるが、今までのように出来る自信がまるでない。この世界は文字で繋がっている世界であって、文字がなければ出逢うこともできぬしお互いを知ることもできない。その文字が、多忙が理由で綴れないんじゃ本末転倒では?現にフォロワーも5〜6人減ってしまう始末。やりとりができていないので僕は需要がないですし、妥当ですが。「あゝまたひとり失ってしまった…」とずっしり落ち込んでしまう毎日。まったく時間が無い訳ではないが、どうしても自分の中で優先順位があってそちらを優先してしまうのである。個人的に、存在は置いておきたい。だって皆さんのポストが好きだし、その中に自分の話題があったりすると幸せで仕方ないでしょう。でも話せないんじゃ、皆さんにとって、板垣としての存在価値がありませんよね。と、こう頭の中を天使垣と悪魔垣がぐるぐるしてる日々。いつものようにゲームしたいよう。お電話したいよう。今日は何食べた?今日は少し寒かったね。どこのなにが期間限定らしいよ!この映画観たいんだよねー、と他愛もないお話ししたいよう。徐々に距離が離れていってしまうのが目に見えてしまっていやだよう…
淋しいよう…
「あれこれ理由が欲しい、私だけ独りのような寂しい夜には何に抱きつけばいい?羨ましい、ただ虚しい、嫌われたくもないけど自分を好きで居たい」
今日に限って、この曲が凄い刺さってしまう。
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ari0921 · 1 month ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和七年(2025年)3月13日(木曜日)
     通巻第8692号 <前日発行>
 日本で文科省を解体すると教育はまともになる?
  全米教員組合猛烈に反対するが、すでに内堀も埋められていた
*************************
 トランプの教育省解体が始まった。日本で言うと文科省解体、赤い教師追放、裏返して言えばレッドパージである。だがそのことは口にださない。
教育システムの効率化、頭のよい子を育てるより、コミュにティに於ける教育のほうが重要で、テストの成績ではなく人間の成長にこそ教育の意義があるというのがトランプの一貫した主張である。
教育の役割を州に与えることを重視するトランプ大統領は「教育省の将来を再評価」しなければならないとし、リンダ・マクマホン教育長官に対し、「法律で認められる最大限の範囲で」、教育省の閉鎖を促進するために必要なあらゆる措置を講じるよう指示した。
年初に教育省の職員は4133人だった。削減対象をのぞき、2183人の所帯とする。ただし教育省を廃止するには、議会の承認、とく上院で少なくとも60票の賛成が必要となる。民主党はたとえ教育省解体に賛成であったも、トランプのやることはすべて反対だから解体には到らないだろう。 
 3月11日、教育省職員1315名にレイオフを通達し、そのうえ全職員に自宅待機を命じた。勤続年数1年未満の試用期間中の職員63名は先月すでに解雇された。
 
 教育省の設立以来1兆ドルを超える連邦支出にもかかわらず、テスト成績が急落した。表向き、これを大幅な削減の理由とした。マクマホン教育長官は「教育を州に戻す。これらすべては、教育の改善、官僚主義の削減、各州が自らの教育決定を主導できるようにする」と意気��昂である。
 全米教師連盟のランディ・ウェインガーテン会長は、トランプ大統領が米国教育省を閉鎖しようと動き始めたため激しく反撥し、教員組合の団結を呼びかけた。
 しかし内堀も埋まっていた。教員組合の自壊作用が拍車をかけた。
 たとえば日本で日教組は共産党が支えているが、党員はピーク時から半減し、1980年には赤旗購読者が355万部もあったが、現在は公称85万部。駅前の共産党の情宣活動をみても往時のエネルギーはない。
 アメリカ教育組合は教師不足が原因だと主張し、解決策として納税者の資金をさらに増やすよう議員に働きかけてきた。本末転倒、教育現場はますます荒廃した。
一部の過激教員の暴走とはいえ、無残な結果はトランスジェンダーになりたい少女たちを育てることだった。教師ではなく狂師だった。
 ▼サンクチュアリでは治安悪化、言葉の通じない子どもが増えて、学力が顕著に低下していた
 ニューヨークを例に取ると、「ニューヨークの子ども達のテストの点数が急落し、子どもたちは逃げ出した。空っぽの学校は開校したまま、数十億ドルが無駄になっている」という悲惨の事実がある。ところが教員組合はさらなる支出を要求している。パンデミックの初期に学校が閉鎖されたとき、かれらは教師不足だと言いつくろい、連邦議員は学校への追加支出約1900億ドルを計上した。
 多くの管理者は、その現金を昇給や転校する教師の契約金に充てた。そうやって対策資金を使い果たし、組合は再び資金不足を宣言している 公立学校の生徒数は 2019年以降減少している。
 新規採用者の多くは教師ですらない。過去半世紀、学校管理職の割合はなぜか急増し、教室担当ではない学校職員が七倍となっていた。
ともかく教育省を閉鎖すれば、 DEI(多様性、公平性、包括性)を重視する教師研修などの左翼プロジェクトに連邦政府の補助金交付がなくなる。トランプ政権はすでに補助金を6億ドル削減した。
DEI は単なる労働組合の道徳的運動ではない。個人の態度や行動を変えるのに効果がないことが判明している。にもかかわらず納税者の支出を増やすよう呼びかける政治スローガンだったのだ。
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falseandrealultravival · 3 months ago
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Stingy Ministry of Finance: Adherence to fiscal discipline (Essay)
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Takashi Kawamura
Lao Tzu said, "Sometimes things can be increased by decreasing them, and decreased by increasing them" (Chapter 42). Japan's Ministry of Finance is stingy and knows nothing but how to tax the people. Even if they raise taxes and take money, they do not reduce it and do not use it for the people.
Japanese agriculture is on the verge of collapse, but even if there is a surplus of milk and rice and farmers are in trouble, the government does not buy it up, and farmers suffer losses. This is because the Ministry of Finance is so attached to fiscal discipline that it does not allow the Ministry of Agriculture, Forestry, and Fisheries to make financial efforts. A nation that neglects agriculture will eventually collapse. There will naturally be a shortage of farmers, but Japan's current policy of introducing foreigners to fill the gap is putting the cart before the horse.
Also, because they only think about raising taxes, the example of former Nagoya Mayor Takashi Kawamura reducing resident taxes by 10% (100 billion yen:70 million dollars), which in turn stimulated economic activity among citizens and increased revenue by 300 billion yen, would be an ugly story from the perspective of the Ministry of Finance, which insists on fiscal discipline. It is a tragedy for Japan that such a central government agency is the most powerful government agency in Japan. If the Ministry of Finance is not reformed, there is no future.
Rei Morishita
2024.11.30
ケチな財務省:財政規律への固執(エッセイ)
老子は「物はそれ、減らすことによってかえって増えることがあり、それを増やすことによって、かえって減ることがあるのだ。」と言っている(42章)。日本の財務省はケチで、国民から税を取ることしか知らない。増税して金を巻き上げても、それを減らして、国民のためには使わない。
日本の農業は壊滅寸前だが、牛乳や米が余って困っていても、政府は買い上げず、農民は損をする。これは財務省が財政規律に固執するあまり、農水省に財政出動をさせないからだ。農業を軽視する国家はいずれ潰れる。農家の担い手は当然不足するが、穴埋めに外国人を導入するという今の日本の方針は、本末転倒である。
また、増税しか頭にないから、前名古屋市長の河村たかしが住民税10%(1000億円)減税して、かえって市民の経済活動が活発になり、3000億円増収したという実例は、財政規律に固執する財務省から見ると憎いお話となろう。こんな中央省庁が日本最強の役所だというのが、日本の悲劇だ。財務省を改革しないと、未来はない。
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mbr-br · 4 months ago
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ちょっとしたきっかけで、科学とAIについてのアドベントカレンダーの記事を一つ書くことになったのだが、書くのはいいとしてどこで書けばいいのか良くわからないので、ここで書くことにした。
ここは普段はてなブログを拠点にしている自分が軽い独り言を書くための場所で、どちらかというとX(Twitter)のような短文が中心なので、あまり長々と書く場所ではない(と自分で勝手に決めてい���)のだけども、内容が内容なのでここに記すことにした。
普段は独り言なのでいきなり本題から入ってしまうが、今回はアドベントカレンダーなので自己紹介をしなければならない。自分は、AlphaFold2というAIに自分の専門分野の中核を撃たれたこと(そしてそこからある種のドミノ倒しが起きたこと)で、学生の頃から数えて20年あまり所属している分野が混乱とともに「バラバラ」になっていくのを見ている、大学の一教員である。
世間はAlphaFoldがノーベル賞を取ったこともあり、かなりの歓迎ムードだが、分野史を追えばAlphaFold2を作ったDeepMindがある種の侵略者・征服者(他分野からいきなりやってきて、コンテスト荒らしどころか20年以上続いたコンテストそのものを数年で終わらせた)であるのは明らかで、この個人的な体験が今回のこのポストを書く上での発端になっている。
正直なところ、実際に科学研究というものを曲がりなりにも職業として行っている立場として、科学分野の大きな問いや分野そのものが「唐突に終わりうる」ということ、特に当該分野で長年知見を積んできた人間ではなく、全く異なる技術を持って横から来た人間が分野を終わらせることがあるという事態に直面すると、専門性を維持するモチベーションを保つのが難しくなることを、じわじわと実感しつつある。自分は大学の講義などでこの一連の歴史の流れを年に数回口にすることもあってか、そのたびに少しずつ心の中に澱のようなものが溜まるように思う。
AlphaFold2の存在が明らかになったのは2020年の11月末だが、一般に公開されたのは2021年7月のことだった。DeepMindは前バージョンのAlphaFoldを出し渋ったこともあり、AlphaFold2が計算済み予測モデルのデータベースと共に全面フリーで公開されたことは今思い返しても信じがたい。当時の混乱をエッセイとして書けと言われればいくらでも書けるくらいで、たぶん同分野の自分と同世代~上の世代の人たちはみな同じだろう。
そしてそれから1年半ほどあとの2022年11月末、ChatGPTが世に出た。ChatGPTを使ってみてしばらくして思ったのは「自分たちが味わった衝撃を、全ての分野の全ての人が味わうのか」という感覚だった。ただ、この時点では、AlphaFold2にしてもChatGPTにしても、単独の機能に優れたAIであって、それほど広がりを持たないものだったように思う。もちろんこの時点では、だけれども。
さらにあれから2年弱が経ち、自分の分野はAlphaFold2が引き起こしたドミノ倒しによって次々と問題が解かれるようになり���「解く問題がなくなる」という方向で分野が崩壊しつつあるが、世界はまだAIによってすべてが崩壊する程ではない。ちょうどこのアドベントカレンダーを書く予定になっていた12月20日にOpenAIからo3が発表され、ベンチマークの都合か数学方面が狙い撃ちされつつあるようだけれども、まだAlphaFold2ほどの衝撃はないように見える(ひょっとしたらAlphaFold1の瞬間かもしれない)。
これまでの4年間、AlphaFold2からo3までを自分の立場で振り返ると、研究分野は中核を撃たれる(重要な問題を解かれる)とそこからドミノ倒しが発生し得る・次々と問題が解決していく可能性があること、撃ってくるのは分野外の人間かもしれずタイミングは分からないこと(ここが一番つらい)、ドミノ倒しが始まると分野の流れが急激に速まり、多くの研究者はいわば土砂崩れから逃げ惑うような苦しい立場に立たされること、だろうか。この苦しさから逃れるため(そして研究業績を上げ続けるため)に、多くの研究者は当然もがきながら方針転換するのだけども、転換するより早く分野が崩壊する可能性もあって、正直なところこれが他分野でも同様に起こるとすると、あまりにも厳しすぎるし、気の毒すぎるように思う。
この苦しさは崩壊の過程が引き延ばされればされるほど長く続くと思われる(もちろん、従前のように崩壊が非常にゆっくりであれば問題ないが、もはやそこまでスローダウンすることは考えられない)ので、AIの進歩が加速し科学のすべてを「早く終わらせる」ことでしか、この苦境を脱することはできないのではないかと感じている
…というのが、過去4年を踏まえた2024年末の現在の心境だが、また来年再来年には考えが変わっているかもしれない。それと、自分がここに書いた分野観はそれほど異端ではないはずだけども、まだあからさまに口にできる状況でもない(皆悪いことはあまり口に出したくない)ので、できればそろそろ自分の分野以外にも、AIで崩壊し始める分野が出てきてくれて、こうした見方が一般化してほしいものだ。
追記: 今年の1月に似た話題(AIと科学研究と自身のキャリア)について独り言を書いていた。自分がこの崩壊の中である程度冷静でいられるのは、「自分は他人にとって代わられて当然である」という価値観であるからかもしれない。 https://mbr-br.tumblr.com/post/739340490648043520/
追記2: 自分が科学の発展に何を望むかについて書いたものがあったので、参考としてここにつけておく。正確には「科学の発展で何が可能になって欲しいか」という問いで、自分の回答は「生死の境界・生物無生物の差異・自他の区別を完全に破壊したい」である。書いたのは3年数か月ほど前だが、そこにある「現在ほぼ全ての人に���え付けられている生命とか自我とか社会とかの概念をぶち壊して、その先に何が出てくるか見てみたい」のは今でもそうで、現在のAIは生物無生物の壁を破壊しつつある点で、自分にとってはとても好ましい存在だと感じている。 追記3(2024年12月31日6:41AM): アドベントカレンダーに載せたせいかそれなりに読んでもらっているようで、某所では面白いと評してもらったりもしてやや恥ずかしい気分になっている。せっかくなので、このブログポストに関連する話題としてVirtual Lab論文にも触れておきたい。これは2024年11月半ばに発表されたAIによる生命科学(タンパク質工学)研究自動化の試みで、取り組みとしては課題設定も含めそれほど目新しいものはないのだけども、研究チームを率いるAIを設定し仮想のチーム作りからAIにやらせるところと、AIが計算で設計したものを人間が実験で検証するところがやや新しい。12月初旬にNatureのNewsで取り上げられて、12月下旬には日本国内のSNSでも生命科学者の間で(恐怖を伴いながら)話題になった。
すでに書いた通り、GPT-4oなどの商用AIを活用した研究自動化の取り組み自体は新しくないし、生命科学者が自分がAIに代替されるかもしれない未来に思いを馳せながら、あれこれ騒ぐのも理解できる。ただ自分としては、論文のイントロダクションにあった「学際領域の研究は大事だが、そういう研究者は少ないのでAIで代替する」という文言が一番堪えた。実際、この論文ではComputational BiologistとMachine Learning SpecialistがAIチームメンバーとして登場するが、これらはまさに自分たちをリプレースする存在である(つまり、多くの生命科学者と違い、自分は「すでにAIに代替されうる」側に立たされている)。
これがただでさえAlphaFoldで崩壊しつつある自分の分野に何をもたらすのか。元々、この展開は予想していたことではあるし、書けることもたくさんあるのだけれど、一つ言えるのは「人間が学際領域を研究するインセンティブ、そういう人材を教育するインセンティブが極端に減ってしまう」ことだと思う。もともと複数の学問領域にまたがる分野を研究するのは複数の分野の知識が必要な点でやや大変だし、そういうところを目指す学生もそれほどは多くないので大事に教育してきたつもりだけども、���初から無数の分野のそれなりのエキスパートとしてAIが降臨してしまうと、新しく分野に参入する気持ちはくじかれてしまうだろう。企業研究者であれば新卒の代わりにAIを雇用することでとりあえずは解決できるかもしれないが、教育を担う大学教員としてはこれをどのように扱えばいいのか正直まだ答えはない。そして、流入する人間が減ってくると分野は実質的に「蒸発」するだろう。
結局のところ、AIによって分野の問題がすべて解かれるという崩壊と、AIによって研究者が代替されるという蒸発の二方向から、研究分野は消滅に追い込まれていくのかもしれない。
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moko1590m · 1 year ago
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仕事の出来不出来・プロジェクトのクオリティより、個々人のステータス意識を尊重する 全体の風景、全身の様子より、顔に出ている表情を重視する、 なんか「官位」みたいやつをもらって、病床で満足 上様、 森を見ず、木を見る
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leomacgivena · 5 months ago
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しかしつくづく思うのは、愛読書とか最近どんな本を読んだかを質問するのが、思想信条の自由に抵触するから大学入試の面接でもNGというのは、本末転倒というか隔靴掻痒というか、じゃあ逆にその学生の思考力とか想像力とか学習意欲をつまびらかにするのに何を聞けばいいのかという感。
XユーザーのMasanari Sakuraiさん
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kennak · 3 months ago
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ネットいじめの事例 仙台市立中学校(2006年) ネットに特定生徒を名指ししての中傷が書き込まれ、被害生徒が転校。書き込みをおこなった生徒が書類送検される。 京都市立中学校(2007年) 転入してきたばかりの生徒が「早く友達を作りたい」としてブログを同級生らに紹介したが、同級生がブログに中傷書き込みを繰り返したために抑うつ症状を発症した。 兵庫県・私立高校(2007年) 3年男子生徒が自殺。いじめの手段の一つとして、「学校裏サイト」での当該生徒への中傷があったと指摘された。 福岡県・私立高校(2008年) 1年生の女子生徒が、同級生からインターネット上に悪口を書かれたことを苦にする遺書を残して自殺。 さいたま市立中学校(2008年10月) 同級生の実名を名指しして「ネットに悪口を書かれた」とする遺書を残し、当時3年生の女子生徒が自殺。 熊本県立高校(2013年8月) 1年の女子生徒が自殺。生徒寮で物を隠されるなどのいじめのほか、「LINE」に「レスキュー呼んどけよ」と脅迫書き込み。 新潟県立高校(2016年11月) 1年の男子生徒が自殺。不快なあだ名で呼ばれるなどのほか、同級生が「LINE」でこの生徒のコラ画像を作成してアップするなどもあった。 新潟県立高校(2018年1月) 女子生徒2人が、教室に座っている同級生の男子生徒に対して、生理用品のナプキンを顔に貼り付けるいじめ行為をおこない、その動画を「インスタグラム」にアップする。 三重県立高校(2018年5月) 2年の女子生徒が同じクラスの男子生徒から事実無根の噂を振りまかれる。学校側が男子生徒を指導して当該生徒は謹慎処分となったが、男子生徒と交際していた別の女子生徒Xと、かねてから被害生徒と折り合いが悪かった上にXの友人でもある女子生徒Yがそれぞれ、男子生徒が謹慎のために体育祭に参加できなくなったことを逆恨みするなどして、女子生徒に対して「殺してやろうか」「ヘラヘラしやがって」などと攻撃する書き込みをSNSにアップ。女子生徒は不登校になった。 東京都八王子市立中学校(2018年8月) 2年の女子生徒が自殺。1年の時に部活動で上級生から罵倒されたり、「LINE」に悪口が書き込まれるなどして不登校に。その後転校したものの「LINE」での中傷が続いていたとされる。 三重県立高校(2018年8月) 1年の男子生徒が自殺。「LINE」に複数回にわたり、生徒を攻撃する書き込みがあったと指摘される。 愛知県・私立高校(2018年11月) 2年の男子生徒が、所属していた部活動について「部活やめろ」などと他の部員から「LINE」に書き込まれるなどして自殺を図る。 東京都町田市立小学校(2020年11月) 6年の女子児童が、いじめを受けたとするメモを残して自殺。当該校ではICT教育の推進校として児童に1台ずつChromebook端末を貸与していたが、学校端末を経由したネットでの悪口の書き込みなどがあったと指摘される。学校側の管理体制にも問題があり、ログインIDは「クラスと出席番号」、パスワードは全員共通のものを使用させていた。そのことから、他人のIDでログインして気に入らない児童の悪口を書き込む・他人の作成中の課題を消したり落書きするなどの「なりすまし」などが横行していたとされる。
ネットいじめ - きょういくブログ
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80236 · 4 months ago
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年収156万円未満のパートの社会保険料を企業が肩代わり…政府は減税の話になると『財源が足りない』と渋るのに、平気で企業には負担増を強いるなんて、本当に理不尽だと思います。『財源が足りない』のは企業だって同じです。そして、その財源確保のために労働者の給与が犠牲になるなら本末転倒かと…
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capybara-is-watching · 2 months ago
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押井:やっぱり映画って、つくった側が用意したものの2割か3割しか見られないものなんですよ。どんなに頑張っても半分見られたらたいしたものです。実写映画だと、演じた役者さんの思いみたいなものが1カット1カット全部にあるわけだけど、それを全部受けとめられる人は当たり前だけどいない。これはつくる側と見る側の決定的なギャップで、だからこそ観客ひとりひとりが別のものを見ている。映画の感想をつっこんで話しあってみると、実はそれぞれまったく違うものを見ているなんてことが判明することもよくあるんです。 ――そういうことよくあります。 押井:「そんなことあったっけ」「何を見てたの?」って話に必ずなるものなんです。表現ってそういうもので、特に映画は見逃したり勘違いしたりがめちゃくちゃ多い表現ですからね。だから面白いし、繰り返し見る意味がある。映画を見るんだったら、気にいったものを10回、20回と見たほうが良いに決まってますから。僕はそうしているし、実は数を見ても意味がないんですよ。仕事でやっているときなどは、数を見ないといけない時期もあるのかもしれないけれど、僕自身はあるときから「数なんてどうでもいいよ」となった。テレビでなんとなく垂れ流して見ることは多いけれど、映画館では今は年間1、2本ぐらいしか見ないから。そのかわり見ているあいだはがっちり見ます。そうすると、いろんなものが見えてくるから。それで気に入ったらそれこそ何十回でも見る。  見る数のこともそうだけど、僕が考える映画の見方と一般に流布されているものは決定的に違うなと思うことが多くて、どうしてそういう��うに見ちゃうかなということを最近は特に思う。それこそコスパやタイパのために倍速で映画を見るのは、何も見ていないのと同じなんだよね。コスパにもなってないというか、倍速で見たその半分の時間を損しているだけで、元も子もない。本末転倒もいいところっていうさ。それだったら映画の頭10分を見て、見るのをやめたほうがよっぽどましだと思う。倍速で見ても「見た」と思いこんじゃうだけなんだよね。
押井守監督が20年目の“今だから”語れる「イノセンス」の真実 そして本作を“今”劇場で観る意義とは? : ニュース - アニメハック
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yutakayagai · 1 year ago
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拓也が伯父の長谷川から「性の手ほどき」を受けてから、これまで潜んでいた肉欲を解放せずにはいられなくなった。彼はぽっちゃりとした体格だったので、長谷川からよく乳房を弄ばされた。揉まれるとすぐ一物が硬くなり反り返るので、そのまま下半身も愛撫され、彼は欲情してしまうのだった。
一方、昌平は県立M一高を受験したが合格せず、結局、高等部に進学した。彼は、
「拓也と一緒に過ごせる!」
と期待に胸を膨らませた。
二人は、県立図書館でよく待ち合わせをした。時折、閲覧室で勉強もしたが、そのまま人気ないところで「密会」をすることもあった。三の丸庁舎の裏にある梅林で接吻を交わし、抱擁し合うこともしばしばあった。
そんな二人を佐伯は授業の合間に「カウンセリング」した。昌平は、県立M一高は不合格になったがこうして拓也と一緒になれたから後悔はないと話した。彼は言った。
「拓也が欲しくて仕方ないンです。今度、二人っきりでエッチできそうな場所に行こうと予定してます」
かなり積極的な様だった。また、中等部の制服はネクタイが臙脂色でスラックスも目立たないチャコールグレーの大きい格子柄だが、高等部の方は紺色で緑と灰色の縦縞であった。印象も若干大人っぽく見えた。
それに対し、拓也は今後の進路で悩んでいた。卒業すれば昌平と会えなくなるのが不安な様だった。彼は言った。
「一応、母からは仕送りが大変なので関東圏内で、と言われていますが…。僕としては国立I大学に行きたいンです。でも、公務員試験の合格率があまり良くないンで…」
拓也は文系だった。現代文は得意だが化学や数学が苦手だった。佐伯はきちんと勉強しているのかと聞いた。すると、
「…実は、最近ダメなンです。性欲に負けちゃって…。伯父さんや昌平が欲しくてウズウズしちゃうンです。オ○ニーも止められなくて…。僕、変態になっちゃった」
と赤面した。
佐伯は、すっかり第二の額田大樹だなと苦笑した。しかし、大樹も最近は週一回あるかないかと絡み自体は少なくなっていた。嶋田や宇佐見との情事もあまりない様だった。
『単に、やり過ぎただけだろう��
流石に、大樹と寝た後の疲労感は翌日には回復しなくなってきた。それでも、浩志が悪さをするのが情事(こと)の際には、後になって顔から火が出るほどに大樹の肉体を弄んでいることに気付くのだ。ぐったりと疲れ果てた彼に、
「おじさん、今夜もすごかったね…」
と大樹が満足そうに話すのだ。その度に、
「父さんがまた悪さをした」
と言った。
長谷川と再会してから、夢の中に浩志が現れることはなかった。もしかしたら、「愛のキューピット」としての役目は終わったと大人しくなったのかもしれない。佐伯は若干淋しい気もした。何かの折にまた出て来て欲しいと願った。
夏休みが終わる数日前、拓也が言ったあの台詞通り、人生がメチャクチャにならなければいいが…。佐伯は彼の異常な性欲を怖れた。昌平は未だ一年生だから余裕があるが、拓也は来年の一月末までに成績を上げなければならない。長谷川に話をした方がいいなと、休みの日に彼の家を訪問することにした。
予め拓也には話をしたが、後になり長谷川の家に行くと彼から聞いた。まさか真っ昼間から絡んではいないよなと、佐伯は若宮にある長谷川の家��行った。
周囲はとうもろこし畑だがすでに収穫を終え、時折刈り取った茎の断面を残しているだけだった。長谷川の家の敷地内にはかつて養鶏場だった小屋があり、現在は自分で食べる分か、数羽の鶏がいるだけだった。佐伯は呼鈴を鳴らしたが応答がないので、縁側の方に回り、掃き出し窓にはカーテンが閉められていたかそのすき間から室内を覗いた。すると、下着姿の長谷川が背後から拓也の乳房を鷲づかみにし、弄んでいた。時折、真っ白な前閉じブリーフが卑猥なテントをつくっているその下方を擦られ、くねくねと腰を動かす拓也の甲高い声が聞こえてくる。
「…お、おじさん。もっと撫でて!」
そう求めつつ、時折長谷川は唇を奪い、舌を絡ませ合っていた。
「…ああン、拓也がこんなにエッチなんて」
「おじさんが欲しいの、身体が求めちゃうの…」
「…勉強しなきゃダメだよ」
「これだって勉強だもン!」
二人はそのまま布団の上に倒れ込み、互いに下着を脱ぎ捨てた。いきり勃つ長谷川の肉棒からは、ラヴオイルを塗る必要がないほどに先走り汁が滴っていた。佐伯は、自分と寝た時は勃たないと言っていたのにと、疑問に思った。
二人は一体になると乱れに乱れた。恐らく、長谷川の家族が過去に使っていたのだろう、縁側の手前には姿見があるのだが自分たちの姿が映されると更に動きが激しく、いやらしくなった。拓也の肉棒が先走り汁を滴らせながら上下に揺らぶられ、
「あんッ! ああン! あんッ!」
と声を上げた。
佐伯は、制服を着た拓也しか知らなかったが、あまりに卑猥過ぎるので血の気が引いてしまった。長谷川も、再会後に寝た時と人格そのものが正反対だと思った。誰かが二人を操っているとしか考えられなかった。彼は、閉口しながら縁側から離れようとしたが、ちょうど背後に自転車が置いてあったことを忘れ、倒してしまった。
『し、しまった!』
佐伯は慌てて戻したが、室内の二人は気付かずにいた。長谷川は、
「…拓也、伯父さんイッちゃうよ」
と訴えた。その直後、
「あぁぁぁぁん!」
と、拓也もオルガズムに達したのか叫んだ。
乱れた布団の上に拓也はうつ伏せに倒れ、それでもなお長谷川を求める様子に佐伯はただ圧倒されるだけだった。大樹より淫乱なヤツがいたと、彼は腰を抜かしてしまった。長谷川は朦朧としていたが、彼は拓也の乳房を再び鷲づかみにした。
「いやァァァァん…」
女の様な甲高い声を上げ、挙げ句に「潮吹き」をしてしまった。そんな拓也の大失態に長谷川は、
「…伯父さん、もう疲れたよ」
と喘いだ。確かにぐったりとした様子だった。彼はそのまま拓也の隣に並ぶ様に仰向けで横たわり、ふと掃き出し窓の方を見た。視界に佐伯が覗き込んでいるのが入ると、彼は絶叫した。
「あわわわわ、どうして浩二君が!」
その声に気付いた拓也も慌てふためき、
「先生、 いやだァ!」
と急いでシャワーを浴びに行った。
数分後、二人は服を着て佐伯を迎えた。突然の訪問に長谷川は赤面し、拓也はすすり泣いていた。そんな二人を目前に佐伯は苦笑しながら、
「…あ、あの、おじさん、否、長谷川さん。あなた、拓也君から話は聞いてますけど、何故甥っ子である彼に手を出したンですか?」
と聞いた。その問いに長谷川は頭を掻きながら、
「…あれは昨年の夏だったかな? 何だか拓也が可愛く見えちゃって…。ちょうど浩二君から同性に興味を持ったって聞いたものだから、つい…」
と答えた。彼は続けた。
「実は、オレが教師の職を辞することになった教え子にそっくりで…。彼も『おっ○い』を揉まれると欲情したものだから…。気持ちがあの頃に戻っちゃって、チ○ポもビンビン勃っちゃうくらい興奮して…。拓也がこんなスケベだったとは、想像もしてなかった」
佐伯は、長谷川がこんなにスケベだとは思わなかった。昔出会った頃は、もしかしたら教職を辞めて間もなく、性欲を抑えていたのかもしれない。もし拓也と同様の絡みをしていたのなら、その教え子もかなりの淫乱だったと思う。
拓也はずっとうつむいていたが、涙をティッシュで拭いながら、
「…精通は小学六年の時にしてたけど、ずっと我慢してた。でも、昌平と出会って『可愛いな』と思ったら抑えきれなくなって…。そのことを伯父さんに打ち明けたら、『我慢することない』と優しくしてくれたンです。初めてイッた時、伯父さんのことが一気に好きになっちゃって…」
と話した。
嗚呼、大樹���同じことを話していたなと、佐伯は思った。最初に寝た男(ひと)が拓也の場合は長谷川で、初めて父親以外の同性を知ったことがそのまま「好き」と言う感情に結び付いたのだなと、佐伯なりに分析した。拓也は言った。
「…僕、『おっ○い』を揉まれるとダメなンです。女の子の気持ちになっちゃって、エッチな声が勝手に出ちゃって…。伯父さんも激しく求めてくるし」
「拓也、お前こそオレを求めてくるだろ!?」
「…だ、だって、伯父さんが欲しいンだもン!」
これでは並行線で終わってしまうなと、佐伯は本題に切り出した。彼はお茶を一口飲むと、
「長谷川さん。拓也君ですけど、今受験生なンです。二ヶ月後にはセンター試験も控えている。彼、希望としては国立I大学なンですけど、まァ、センター試験では何とか教育学部に受かるレベルではある。しかし、拓也君は人文学部に行きたいと言っています。もうちょっと頑張らないといけないンです。長谷川さんも、拓也君が好きな気持ちは解ります。でも、いつもセックスしていては彼の将来に影響を及ぼします。嫌でしょ?」
と言った。
このことを聞いて長谷川は両腕を組み、
「…そうか。ちなみに、不得意な科目ってあるンですか?」
と聞いた。
「化学と数学です」
佐伯がそう答えると、彼は言った。
「…もし学習指導要領が大きく変わっていなければ、理系の科目は教えられますよ」
こうして、長谷川は非番の時には拓也に理系の科目を教えることになった。彼が赴任していた高校は大学進学率があまり良くなかったが、県内の私立大学へ何人か合格させた実績はあった。そんな過去を後になって拓也は知ったが、
「もっと早く知ってれば良かった!」
と悔やんだ。
一方、昌平も拓也と会うのは図書室だけにとどめた。二ヶ月以内に偏差値を上げなければならなかった。もしダメなら県外の私立大学を受験するしかない。浪人はさせてもらえなかった。佐伯は時折、
「頑張るのはイイけど、大丈夫?」
と拓也を気遣った。しかし、
「もしI大学がダメだったら、伯父さんとも昌平とも一緒にいられないもン!」
と拓也は言った。
センター試験の当日、佐伯は早朝にT神社をお詣りした。体調を万全にして出掛けた様だと長谷川から聞き、内心は大丈夫だろうと思っていたが、やはり気になってしまった。この日の夜は大樹が泊まりに来たが、
「大樹、大学はどうするの?」
と夕食時に確認した。すると、
「う〜ん、文学部がある大学がイイな。文学の研究がしたい」
と答えた。そのことに佐伯は首を傾げながら言った。
「文学部か…。就職する時、大変だぞ?」
「そうなの? おじさんから仏語教わってるし、何とかなるンじゃない?」
と、大樹の両親も将来については何も言わないらしく、かなり楽天的だった。まァ、偏差値の高い大学に行ってもこのご時世、どうなるか解らないだろう。かえって彼の様な考えの方が後々苦労しないと思う。佐伯はそう感じた。
センター試験が終わった翌日、拓也が職員室を訪れた。自己採点をしたと、佐伯に報���した。彼は喜びを隠せない様子だった。I大学人文学部を受験するのに必要な点数が取れたらしく、
「これも先生のお陰です!」
と言った。佐伯はそんな様子の拓也に未だ本番があると、気を抜かないよう話した。耳元で、
「未だおじさんとのエッチはお預けだぞ…」
と囁く様に話した。
もし受験が終わったら、これまで絡みができなかった反動がなければイイがと、佐伯は心配した。彼は一応、K百貨店にいる長谷川にも、
「おじさん。拓也君、とりあえずセンター試験は大丈夫だって喜んでいたけど、本番が終わるまでセックスはお預けだよ」
と伝えた。そのことに長谷川は、
「…そんな、オレだってそこまで『セックス依存症』じゃないよ」
と苦笑したが、
『いやいや、むっつりスケベだろ…』
と、佐伯は心の中で突っ込んだ。
I大学の試験も、拓也は最善を尽くしたと、翌日、佐伯に報告した。センター試験が終わった後は職員室で話をしたが、佐伯が長谷川について色々聞きたかったので、今回は相談室に拓也を招いた。彼は、この追い込み期間について、
「伯父さんとエッチできなかったけど、どうしてたの?」
と聞いた。拓也は赤面しながら、
「…自分で『抜いて』ました。ベッドの上でおっ○い揉みながら…。目をつぶりながら、あたかも伯父さんが覆いかぶさっている様な想像をしながら、
『あッ、ああん!』
って…。でも、ちっとも気持ちよくならなかった」
と告白した。
何だ、オ○ニーしてたンじゃねぇかと、佐伯は落胆した。少しは長谷川と肉体同士を絡ませるだけの関係でなくなるかと期待していたが…。それだけ「性のめざめ」が訪れた中学生の時に、再三抑圧されてきた反動が今日に起こったのだなと、彼はため息をついた。拓也は言った。
「伯父さん、話してたンですけど、僕とセックスできない間、水戸市内の成人映画館で遊んでたンですって…。でも、『ろくな男(やつ)いなかった!』って、結局『大人の玩具』で紛らわせてたそうです」
嗚呼、おじさんまで…。佐伯は頭を抱えながら、
「…君たち、どれだけスケベなンだよ!」
と言い放った。
相変わらず佐伯はT神社でお詣りをし、拓也がI大学に合格するよう祈願した。まァ、結果はすでに出ているだろうが…。彼の家は、原則として浪人はさせてもらえないらしく、もし不合格であれば県外の私大に進学するしかなかった。しかし、県外だと仕送りは大変だし、アルバイトもしなければならない。佐伯自身はI大学を卒業したが、自宅から通えたから助かった。学生部で紹介してもらった家庭教師のアルバイトだけで済み、時折県外への旅行資金にもできたからだった。それよりも、拓也の場合は長谷川や昌平との関係が切れるのが嫌なだけだが。
合格発表当日、たまたま長谷川が非番だったので、拓也は彼の車でI大学へ行った。掲示板を祈る様に自分の番号を探し、見つかると拓也は嬉しさのあまりに号泣してしまい、長谷川と抱き合った。長谷川も一緒に泣きじゃくり、二人は軽快な足取りで車に乗り込み、そのまま飯富町の方へ走って行った。特別支援学校の近くにモーテルがあるのだが、二人はこれまで我慢してきた絡みを「解禁」した。ベッドの上で歓喜の声を上げながら、愛液が枯れるほど激しく愛し合った。
「伯父さん! もっと愛して!」
「拓也! おっ○い吸わせて!」
二人は恥じらいをかなぐり捨て、肉欲のままに求め合った。
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ari0921 · 1 month ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
 令和七年(2025年)3月9日(日曜日)弐
     通巻第8687号 
1947年から1989年の間に64件の米国の秘密政権転覆作戦
 ウクライナも「かれら」の目標だった
*************************
 第二次世界大戦がおわり、世界秩序は米ソ二大支配と言われたものの秩序は安定しないまま、世界はずるずると生き延びてきた。
1947年以来、米国による諸外国の政権転覆作戦はおよそ100回行われたというのは政治学者リンジー・オルーク(ボストン大学準教授)だ。
彼女は、1947年から1989年の間に行われた64件の米国の秘密政権転覆作戦と6件の公然活動を実施したと書いた(オルーク准教授、『Covert Regime Change: America’s Secret Cold War』、本邦未訳)
「政権転覆作戦、就中、秘密裏に行われたものは、影響を受けた地域で長期にわたる不安定を招来し、内戦、人道危機につながることが多い」。
米国の政権転覆活動が収まることはなく、米国は長年にわたり、中南米で政情不安を引き起こし、「アラブの春」など中東を政治的混乱に巻き込み、欧州やアジア地域で「カラー革命」を扇動し、米高官が直接街頭に出て他国の反対派を支援した。
この『秘密政権転覆』が出版された1989年以降も、CIAがシリア、リビア、ウクライナ、ベネズエラ、その他多くの国に関与していた
中国はこうして一連の動きをアメリカの謀略と見立てる。
「冷戦終結後、米国はみだりに干渉主義を推し進め、頻繁に「カラー革命」を策動した。2003年末には、グルジア(ジョージア)のシェワルナゼ大統領(当時)を、議会選挙の「不正集計」を理由に辞任に追い込み、反シェワルナゼ派の指導者サアカシュヴィリ氏の大統領就任を支援した。これがいわゆる「バラ革命」だ。2004年10月には、ウクライナの大統領選でいわゆる「不正」スキャンダルをでっち上げ、ウクライナの若者の街頭デモを扇動し、ユシチェンコ氏の大統領就任を支援した。これがいわゆる「オレンジ革命」だ。そして2005年3月には、キルギスの
議会選挙において選挙結果に対する反体制派の抗議活動を扇動し、最終的に騒乱を引き起こし、アカエフ大統領を辞任に追い込んだ。これがいわゆる「チューリップ革命」だ」(『人民日報』日本語版。2022年7月21日)
2010年以降、米国は中東各国で「アラブの春」なる政治キャンペーンを支援した。フランス情報研究センターは「アラブの春は入念に画策された出来事であり、民衆への扇動、非政府組織(NGO)への物理的支援、メディアの操作、外交的圧力など、様々な手法は、いずれも共通してい���」と指摘する。
▼グローバリスト経済学者ジェフリー・サックスの発言
 2025年2月19日に欧州議会で開催された「平和の地政学」イベントでジェフリー・サックス教授が講演し、トランプとプーチンの対話の行く末を話した。
サックスは地域経済の研究を積み重ねて「臨床経済学」を提唱し、グローバリズム推進、中国擁護派として知られる。ファーウェイ擁護のキャンペーンを張ったときは、一斉に批判が起きた。このコロンビア大学教授には20冊近い著作があり、数冊が邦訳されている。
 サックスは過去36年間、東ヨーロッパ、旧ソ連、ロシア、ウクライナの出来事に自らが直接的に関係を持ち、とくに旧ソ連の迅速かつ過激な資本主義化を助言してきた世界的有名人だ。
1989年にはポーランド政府、1990年と1991年にはゴルバチョフ大統領の経済チーム顧問、1991年から1993年にはエリツィン大統領の経済チームの顧問、1993年から1994年にはウクライナのクチマ大統領の経済チームの顧問を務めた。
この間、ウクライナ戦争のみならず、1999年のセルビア、イラク、シリアを含む中東での戦争、スーダン、ソマリア、リビアを含むアフリカで戦争がおきたが「米国の政策がひどく誤った結果だ」とサックスは総括した。
 1994年にクリントン大統領がNATOの東方拡大に署名した。その四年前にベーカー国務長官がゴルバチョフと会談し「NATO は東方へは進まない」と約束していた。「NATO は 1 インチたりとも東に進まない」という合意が成立した。
その約束を平然と破ったのはアメリカである(というよりそれがリアルポリティックスだが)。
クリントンは「NATOをウクライナまで拡大する」と決定した。これは米国の「長期プロジェクト」となった。
1997年にズビグニュー・ブレジンスキーは 「大チェス盤」(中国語訳はあるが、本邦未薬)を執筆し、NATOの東方拡大について記述した。
この長期プロジェクトは1994年に本格的に始まり、おそらく昨日まで30年間、政府の政策は継続されてきた。
アメリカの考えは、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、ジョージアがすべて NATO に加盟し、黒海を封鎖してロシアを実質的に地域大国にすぎない無力化することで、ロシアの国際的地位を奪うというものだった。
▼ロシアだけが悪なのか?
 たとえば戦争を引き起こすにしても、軍事作戦には費用がかかる。装備、訓練、キャンプ、諜報などの資金は大国から来る。地元の反乱からは来ない。南スーダンは部族間の争いでスーダンを倒したのではない。スーダンを壊滅させるのは米国のプロジェクトだった。
NATO の拡大は 1999 年にハンガリー、ポーランド、チェコ共和国から始まりロシアは抗議したが、無駄だった。米国の長期プロジェクトなのだ。
2004 年に NATO 拡大の第二波が起こり、バルト三国、ルーマニア、ブルガリア、スロベニア、スロバキアの 7 か国が加わった。ウクライナ戦争以後はフィンランド、スウェーデンもNATO入りした。
ヴィクトル・ヤヌコビッチは2010年にウクライナの中立を掲げて大統領に選出された。ロシアはウクライナに領土的利益や計画を持っていなかった。ロシアが2010年に交渉していたのは、セヴァストポリ海軍基地の2042年までの25年間のリースだったのだ。
 しかし米国はヤヌコビッチを打倒するために舞台裏で積極的に暗躍した。とくにビクトリア・ヌーランド(前国務次官)と米国大使のジェフリー・ピアットが傍受した電話は誰もが知っている。
▼英米エスタブリッシュメントの策謀は一貫してきたのだが。。。
 ミンスク合意とは「東ウクライナのロシア語を話す住民たちの自治権と言語権を求めたものでしかなく、国連安全保障理事会で満場一致で支持された」(サックス教授)。
しかし、米国とウクライナは、この合意を履行せず、保証人だったドイツとフランスも当該合意を無視した。 
 ロシアの侵攻の目的は、NATOをウクライナから締め出すことである。
なぜウクライナは早期の段階で存在した和平交渉から離脱したのか? それは米国がそうするように指示したからだ。
そして2023年4月、ジョンソン英国首相(当時)をキエフに派遣して追い討ちをかけたからだとサックス教授は結語した。
ジョンソン英首相は戦争中のキエフを三回訪問し、ゼレンスキーを鼓舞した。ゼレンスキーはNATOの支援が永続的なものだと早合点してしまった。ジョンソンもバイデンも政界を去り、早急な停戦を唱えたトランプが目の前に現れた。
こうした米国エスタブリッシュメントの「長期プロジェクト」の“ちゃぶ台返し”を意図しているのがトランプである。
トランプ大統領戦争を終わらせることに合意する可能性が高い。
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vicisono · 7 months ago
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羂索 Vs. 髙羽 戦まとめ
第一ラウンド
羂索:呪霊で先制攻撃 髙羽:事象書き換えにより攻撃結果をリセット 羂索:事象創造系の術式と判断 髙羽:羂索のコスチュームにアイテム追加 羂索:術者自身のイメージを具現化し他者にも強制する術式と分析
羂索:ギャグへのダメ出しによる精神攻撃で出力抑制を図る 髙羽:オーディション会場を創出し羂索のコスチュームもTVディレクターに変更(羂索のイメージを取り込んだ?髙羽自身のイメージ?) 羂索:通常攻撃が通るようになったのを確認し、術師のメンタルが術式発動に影響すると推論
羂索:髙羽のギャグを独りよがりとダメ出しをした上で、より面白いギャグを披露 髙羽:羂索からの評価を否定して対抗しようとするも黄櫨の死体を見て動揺
※お笑い芸人としての原点を確認した髙羽が自己開示とコミュニケーションを諦めない意思表示
第二ラウンド
羂索:特級叛霊で先制攻撃 髙羽:トラックを具現化し呪霊を一撃破壊、羂索にもダメージ(おそらく通常は特級クラスにトラックが衝突��てもノーダメージだが、「もったい付けて登場したバケモノが出オチ一発退場したら面白い」という髙羽の発想により世界観が押し付けられた)
羂索:警官コントから病院コントに誘導し、その流れで髙羽に電撃 髙羽:次のコントに移行しダメージリセット
羂索:看護婦コントで自身の肉体変容を確認 自分が仕掛けたコントのイメージもフィードバックにより具現化されるのを確認(クイズ番組への移行は髙羽が素で知らない「ハドロン」が出題されたので羂索の意志か?)
羂索:猫に変化し髙羽をタクシーに撥ねさせる 髙羽:そのままロケーションを海に変更したコントを続行しダメージリセット(水平線が見えるような広大な背景を現出、対戦相手を質量ともに変幻自在な生得領域に閉じ込めるという領域展開に等しいことをやっている)
※全てがコントの一幕として如何なるダメージも「なかったこと」にされる髙羽に対し、ダメージの蓄積により疲弊していく羂索(死者を出さない術式なので、おそらく羂索は呪力も体力も尽きた状態でも表面的には無傷に修復されて延々コントに付き合わされるはず)
第三ラウンド
羂索:髙羽を満足させることで術式を終了させる目論見でM-1の舞台をイメージし相方を務める(自分がボケ役を引き受けて舞台を主導) 髙羽:夢の舞台で相方と漫才を演じきって満足、術式終了
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感想戦
私は『呪術廻戦』という作品の良い読者ではなかったけれど、この羂索 Vs. 髙羽 戦というカードは能力バトルもの漫画の歴史に刻まれる傑作だったと思う。
ギャグ世界の住人が能力バトルに参加したらどうなる?という試みは作中でも引用されたフリーザVs.両津や『遊戯王』のトゥーン系カードとかでもやってるし、明確な下敷きであるボーボボのハジケバトルの構造がそういうものだ。 個人的には領域という自分の世界観を押しつける呪術バトルの中でギャグ世界の法則に巻き込むというのはTRPG『TORG』のカートゥーン・レルムを思い出した。カートゥーン・レルムは流石に実装したらGMの負担が大きすぎて扱いきれないのでエイプリルフール企画で終わったが、あれを真面目に実現したらどうなっていたかを突き詰めると「超人」術式になるわけだ。
初手から一切舐めプせずに必殺攻撃を放ち、コントに巻き込まれてダメージを負いながら試行錯誤して術式を分析し、遂に攻略法を発見する羂索の姿は、完全に「理不尽な強敵に��躙されながらも粘り強く戦って勝機を見出すチャレンジャー」であり、全力でぶつかり合った結果として強敵との間に友情が生まれちゃってるのも込みで、本作中では非常に珍しい「さわやかで熱い少年漫画バトル」の一戦になっている……いやまあ、そもそも羂索は準ラスボスで物語の黒幕なんですけど。
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「宿儺に全力を出させてやれなくて申し訳ない」&「孤独だが寂しくはない、生物として隔絶しているので他者に理解を求めない」という五条、「挑んできたものを返り討ちにするという形でしか他者との関りがもてなかった」カシモ、長生きし過ぎて友達がいなくなったせいで独り語りが増えた羂索という描写が重ねられた後に見ると、寂しさを認めて自己開示し、羂索を笑わせることを諦めないと宣言する髙羽はみっともなくも美しい(この戦いの裏では宿儺の「孤独を恐れぬゆえの強さ」を称える裏梅のバトルが繰り広げられていたりする)。
今際の際のヨロズが宿儺に対して「私のことを知っていてくれた」と喜んでいたように、相手の術式を真剣に解析して攻略するというのは相手の世界観を理解することなので、「俺のことを知ってほしい」がお笑いの原点である髙羽の本願は倒されてこそ成就するのだろう。
でも、羂索は全身全霊で髙羽に挑んで理解しようとしてくれたけど、髙羽の方は羂索のことを理解してないから、やっぱり「ひとりよがりな三流芸人」ではあるのだよな。
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すべてが終わり日常に帰った後、髙羽は「夢の舞台」を心にしまい込み、あえて「最高の相方・羂索」の幻を追わず、本来はツッコミ適正でありながら羂索を手本にして相方を幸せにできるボケを目指す……というあたりが健全な落としどころかなと思うけど、この漫画はあくまで「呪い」の物語ですからね……
アレはリカちゃん2号と同じ呪力によって再構築された仮想の羂索だと思うんだけど、だとすると適性のある観客にしか目視できないしTVにも映らないから漫才は成立しないはず。髙羽がピンで舞台に出ても、ノリによっては客前で収拾のつかない事態になるので芸人として詰んでいる。呪術師に転職して、自分の術式について自覚することで大幅に出力を落として制御するしかないか。いろんな意味で強烈な呪いを残していったな、羂索。
髙羽の末路は物悲しくも恐ろしいけど、『破壊神マグちゃん』の単行本加筆版最終回の相似といえないこともない……か? あちらは���とりの人間の一生をかたわらでしっかりと見守り続けたからこそ、その記憶と権能によって非物質的な永遠の存在として再構築できたけど、髙羽は羂索のこと全然知らないからなぁ。少ない情報を元に作り上げた人形だと、「他者」ではなく作り手の可能性の域を出ない成果物になっちゃう。やっぱり羂索らしいエグい呪いですよ。
でもまあ、千年を生きたバケモノがその命の最期に「運命の人」と巡り合い、ほんの一瞬、心を通い合わせて死ぬという羂索の末路はやっぱりロマンティックで大好きなんだ。髙羽は気の毒だけど、古来から化生のモノに魅入られた人間は破滅すると相場が決まってるから、しょうがないね~~。
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