#朝倉商工会議所
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2023.9.8fri_tokyo
8時半起床、夜中に流れてきた岡田索雲さんの「追燈」というネットcomicを読み始めて、読み終えた後眠れなくなって3時に寝たので眠いです。漫画は関東大震災が起きた100年前の東京を舞台に、朝鮮半島出身者の男の子が目の当たりにした出来事のお話。受け止めなきゃと思いながら、人間の狂気が怖くて眠れなかった。 ※リンクから無料で読めます
ちょうど昨日、俳優のカトウシンスケくんに偶然あって、彼が出演している現在上映中の”福田村事件”の話をしたところ。これも関東大震災直後の実話に基づくお話で、映画の予告を見ると「十五円五十銭」と言わされるシーンがあり、胸が痛すぎる。漫画にも出てくる狂気の言葉。映画、絶対見なければいけない。
そういえば5時半に寒くて一回起きてしまったのだった。暑すぎた夏だったけど、もう寒くてかけ布団を探すなんて。寂しい気持ちになりながら、台風が近づいている雨の音に耳をすます。静かにしとしと、地面や草花に雨が当たる音、きれい。
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7月から、下北沢のボーナストラックという施設を運営している会社で、週に2回くらい働き始めていて、10時半からはその金曜定例会議。雨が強すぎるので、オンラインで参加することにして準備。こないだ鎌倉で買ったパラダイスアレイのパンを食べながら(酸味がうま〜)、報告内容をまとめる。余った時間で、個人活動として動いている案件を進める。秋に開催のいくつかのイベントの更新や、各所にメールの返信をするも、永遠にタスクが溜まっていくのだ。告知もめっちゃ溜まっている。自分のキャパせま、おそ、つら。うそ、順番にやるしかないだけなので、シンプル。やる。
新しい仕事が始まってからは、インプットが多い毎日で、リズムがうまく生み出せなくて、この2ヶ月は、飲み会もライブも遠ざけてきた。人と話すのも、音楽聴くのも、ちょっとキャパオーバーで断りまくり。(みなさんごめんなさい)特に音は聞けない泣 だけど9月に入ってから、これだ!っていう感じで、うまく気持ちを抜けるようになってきたので、心も暮らしも復活してきた。それでも、コロナが落ち着いてきたここ半年くらいの世の中の急な全力疾走にはついていけなくて。けど、ついては行かずに、でも、止まらずに歩いて行き先を決めていくことをしながら、バランス取って休む。みたいなことができるようになった。あと、毎日歳もとっているので。
10時半。会議は毎度面白いなーと思う。毎回約10人が参加していて、それぞれ発言の時間があるのだが、発表の仕方も話の聞き方にも個性があって、勉強になる。自分が今進めていることも信じてくれることとか、すぐに自由にやらせてもらえることとか、とても嬉しいし気力になるし応えたい。
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12時に終了して、今日は朝からずっと卵焼き食べたいと思ってたので、白米を食べようと、ささっと茄子の味噌汁も作る。家に必ず常備している鳥取の”陶山商店”さんの乾物のうるめ(ワカメみたいだけど強い食感がおいしい)と奥出雲の干し椎茸で出汁をとる。うまい〜 この乾物シリーズには太田夏来さんのレシピがついていてそれも最高なのだ。納豆と、山クラゲの和物、キューリ塩揉み、茗荷の梅酢漬、質素で簡単なご飯だけど、こういうのが一番贅沢。10分で準備して、15分間で食べる。テレビも音楽も聞かずに携帯も遠くに投げて、食べるだけをする時間をする。食べるを意識することだけの時間、だいじ。
14時から打ち合わせがあるので、カッパを着て駅まで向かい電車で3分の下北沢へ。施設で毎月開催している本のマルシェの担当になるので、施設内の本屋さんとも、もっと連動できないか相談と、これからの進め方について。やるからには、自分が一番楽しいと思えることがやりたいし、諦めるをしたくないので、伝える。いい話ができた1時間だった。無理なく、だけど熱量を持ってやっていきたい。
この後の会議の前に、施設内ギャラリーでやってる新潟のツバメコーヒーさんの10周年を記念した、”工芸と工業のあわいにあるもの”という展示会へ。今展示会で初お披露目のオリジナルドリッパーを試しながら自分でコーヒーを淹れることができるので、久々にコーヒーを淹れる。「丁寧に淹れますね」と言われるが、自分にとっては心地よいリズムなのと、どんなに癖のある豆を使っても、コクとかを飛ばして、スッキリシンプルな味わいになっちゃうのが悩みだったので、相談すると、「スッキリって何事にも良くないですか」と返してくれた。ツバメの田中さん、すごくおもしろそうな方だった。もっと喋ってみたかった。
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16時からのイベント反省会は、みんなが正直ですごく良い会議だった。ここが好きだよ!ここむかついたよ!気づかなくてごめんね!みたいな、正直な大人たちの優しいぶつかり合い、大好き。会社のみんなは本当に個性強くて、それぞれのやり方や、得意・不得意があるけど(自分も然り)人の話をちゃんと聞いてくれる優しい人たち。頭の回転が早く、柔軟で、おもしろい。ちゃんと愛があるし。
そんなブレストは2時間を超えて、飲み会へと移行されていき、それぞれの人生における大事な音楽を発表→みんなに聴いてもらう→それについてみんなで語る。という、胸熱な時間になっていきました。久々に聞いたラポン・シュポンのライブ映像、めちゃくちゃよかった。
最初はカラオケの順番みたいに、ルールを守ってたけど、最後はみんなかけたいタイミングで音楽を流していく始末(とてもいい始末)。時間は流れていき、舞台を見るために途中抜けしたはずのあやかたんも(まだやってるの?笑 と)戻ってきてくれて、酒を飲みながら、スナック菓子をひたすら食べまくる永久時間は終電ゴングで終了。雨が降っていなければ、半分はチャリメンだから、永遠に終わらない飲み会だったので、終電様感謝。雨も小雨になってきた。
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その後、降りる駅が一緒のミヤジと歩いて帰りながら「この信号が変わったらもういくからね!」を繰り返して30分後、無事帰宅。 今日のタスク全然終わってない、やばいな…………みんなごめん…って思いながら、顔だけ洗って寝転んで、さらに超眠いのに、どうしても「ハヤブサ消防団」が見たくて、パソコン開いてTverつけたままご臨終。
日記で振り返りながら、今年は特に、1日が終わっていくのが、1週間が、1年が早すぎる。仕事も友達と遊ぶのも大好きで大事だけど、それより何より、誰かとデートがしたいです。旅行いって、ダラダラする感じ、やらないと。改めて感じたのであります。赤裸々日記終わりでございます!
-プロフィール- 鷹取愛 40 山ト波 @opantoc
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
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“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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「芸術実験旧喫茶ますみと甘木鉄道」②
空間との共鳴。朝倉という地域性。8名の作家のコラボレーション…鑑賞者により様々な捉え方が生まれるユニークな展覧会です。
会 期丨2024年3月2日〜17日
会 場丨①旧喫茶ますみ
朝倉市本町1186-16
②甘木鉄道甘木駅
朝倉市甘木1320
入場料丨800円
参加アーティスト
青栁隆之介 @pinojam_the_artist
冨永剛 @tomi_39saku
中園唯 @dreaming_offtone
中村公泰@kimiyasu_art
宮野英治 @eiji_miyano
MIRAI @miraizukunft
山口貴一 @yamaguchi.takakazu
岑國希 @blue.bone
グラフィックデザイン
#須藤史貴[anno lab]、宮垣貴宏
山口貴一作品画像 photo by 西山雄大
主催 芸術実験準備室
gallery cobaco @gallery_cobaco
協働 朝倉市
後援 あさくら観光協会
朝倉商工会議所
協賛(敬称略):株式会社 敬愛、株式会社 篠崎、原鶴温泉旅館協同組合
あさくら 税理士法人、阿さひ飴本舗菓蔵家、甘木観光ホテル甘木館、有限会社 甘木白蟻、甘鉄エージェンシー株式会社、株式会社 泉組、有限会社 チェック保険サービス、株式会社 手嶋組、天ぷら 七八、福岡銀行、Ponte クラシックギター教室、弁護士法人 松本・永野法律事務所、美奈宜神社、夢ごごち らくや
個人協賛(敬称略):草場啓子、行徳美千代、尾花洋子、鋤本禮子、国分恵美子 他
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過保護と、自立
大田区は、随分と創価学会員がいる。
環境、それが区民殆ど創価学会みたいな状況を作ったのかもしれない。
徳川幕府の罪悪、士農工商というカースト。
そこには、“穢多非人”という、言われのない差別発生回路が、仕組まれていた…
大田区こそ、被差別部落、そして敗戦寸前まで、
「戦争万歳」
の、町だった。
なんてことはない、武器下請け業者の町だったゆえ。
そして終戦を迎える。
原爆投下の少し前、アメリカはサイパンという攻撃拠点を得て、
1945年3月9日〜10日、
東京大空襲…
死者なんと、10万人…
私の居る大田区の人々は、そんな悲劇を体験した…
家もない…
食べ物もない…
勿論お金も、全て何もない…
そんな時、人はどうするだろう?
ただ天を仰ぎ、祈るしかない…
復興、再出発に向けて、人々は、協力なしには、先に進めない。
池上本門寺には、力道山も埋葬されている。
玉音放送があり、ポツダム宣言受諾、敗戦日本の庶民に希望を与えたのは何か?
そう…
街頭テレビ。
まさに、大田区体育館、力道山は、体の大きな外国人を、空手チョップでやっつける…
さて、
日蓮。
日蓮は、鎌倉時代に、法華経を開祖したそうな。
鎌倉時代と言えば、“禅宗”まっさかりw
つまり、己を律して、座禅を組む、内観する、そんな流れの中、
「南無妙法蓮華経を唱えれば、皆救われる」
それが、日蓮宗。
池上さんとは、日蓮を支持した金持ち。
そして、日蓮が病気療養で茨城に向かう途中、今の池上本門寺で息を引き取った。
これは本当に、ルターの宗教改革そっくりだw🙂
ルターの宗教改革の背景、それはローマカトリック教会が売り捌いた、“免罪符”。
《免罪符さえあれば、どんな罪人も救われる!》
として、ルターの居たドイツにて、乱売騒ぎとなった…
日蓮の200年くらい後の、神聖ローマ帝国の話。
ローマカトリック教会は腐敗し、堕落し、お金を使い〘レオ10世による贖宥状〙さえ買えば、あらゆる罪は許さ���るというw🤣✨
さて、
一方日蓮。
鎌倉時代、
《南無妙法蓮華経さえ唱えれば、救われる》
、禅宗のような厳しさがなく、わかりやすい。
そして、日蓮の、強引さ、過激さ。
他の宗教を徹底批判、幕府に、そして朝廷に、「法華経に改宗せよ」、と迫る。
日蓮は、「外国が攻めてきて、日本は滅びる」という予言もした。
最初は相手にされなかった日蓮は、元寇により、各方面から着目される。
その日蓮の縁の地、大田区。
創価学会は、「我々は日蓮正宗だ」と主張するが、破門されてるw🤣
55年体制崩壊、あの頃、
「日本は政教分離なのに、創価学会は堂々と“公明党”を掲げている!」
、そんな批判は沢山あり、今のように、当たり前に創価学会が政治に口出しするなど、考えられない時代だった…
大田区の人々が広く知る、日蓮入滅の大田区。
そして、単なる利益団体の創価学会が、あたかも日蓮と直接的に関係あるかのごとく、物凄い勢いで信者を集めた。
簡単に言えば、
創価学会とは詐欺団体だw🤣
パソコンのプリンターで作った御札を、数万円で売ったり、仏壇を法外な値段で売りつけたり、信者は餌にしかなっていない…
だが、
親が創価学会、或いは地域丸ごと創価学会、人間関係上、抜けられない、結果、大田区丸ごと創価学会、SDGsみたいな惨状となったわけだw🤣✨
さて、本題に戻りたいw
過保護と、自立
、過保護とはつまり、
《親��子の同化》
を指す。
「おまえは俺の子供だ!だから、おまえは俺のコピーだ!」
、それが同化だ。
コピーな訳だから、自由意志など認めないw🤣
親の言う事を聞き、親の示す道を進め!、って訳だ。
そして、親が年老いたら、親の面倒を見ろ!、その代わり、財産はやる!
これが、大日本過保護帝国なわけだw🤣🤣🤣✨😎🥸💨
じゃあ、新しく生まれる生命は?
何も新しい物は生まれず、何も新しい意見も、文化も、生まれない。
今までやってきた事をひたすら踏襲し、その《維持》だけを考える…
つまり、
搾取する側に都合の良い、奴隷ファーム製造システムが、過保護であるw🥸💨🤣✨
わかるだろうか?🤣
さて、
万教帰一を、知って欲しい。
5教合一という、世界紅卍。
何かしらの真摯な信者が入会条件の、フリーメイソン。
そして、カオダイ教。
万教帰一。
全ての宗教は、一つである…
当たり前やん、
宗教とは、家畜育成インフラストラクチャーだよw🤣✨😎
おかしいと思いませんか?
有名な宗教たちは、一つだ、一つだと叫ぶ中、
ヴェーダ、ヨガ、ウパニシャッド、禅宗だけ、除外されてるんです…
つまり何か?
国家という概念自体、選民思想そのものです。
つまり、国民、市民、臣民、庶民には、自立させないというねw🤣✌️
アセンション。
私達もれなく幸せになるには、私達もれなく、自立する必要がある。
フローレンス.スコーヴェルシンさん。
私達には、“表層意識”、“潜在意識”、それだけではなく、“超意識”があると、説く。
それこそが、キリストが示した道、
許すという事。
許す、許容、寛大さ、これこそが、超意識の扉を開きます。
宗教とは、人間の“潜在意識”に働きかける。
だから、だから信者は、色々不思議な体験も出来るが、《カルマ》因果応報から、逃れられない…
しかし、許すことにより、許される…
つまり、普通なら出来ない、《リセット》を可能にする、それが許す、寛大さだ。
だからキリストの示した��、病気が治る、つまり、許された。
死者が生き返る、リセットされた…
現状もそう。
誰か支配者がいて、誰か搾取され続ける。
奴隷の歴史は、とてつもなく、長い…
それを終わりにするのが、アセンションだ。
しかし、ニューソートだの、生長の家だの、馬鹿どものトンチンカンな解釈により、アセンションは随分遅れてしまったw🤣🤣🤣✨
艱難辛苦を愛で越した者だけが、本当のアセンションの意味を、紐解ける。
艱難辛苦を金やら、憎しみやら、戦いで越した者は、永遠にアセンションに辿り着かない。
生きるとは、己を知る事である。
己を、愛する事である。
己を愛し輝き始め、お互いがお互いを、照らす。
他力本願では、駄目、他力本願=宗教ですw🤣
私達に必要なのは、
己を知る、ヨガ、禅宗。
逃げる必要は、もう無いw✨
己を知れば知るほど、他人をも知ってゆく。
自己否定を強いる毒親に、逆に子供であるあなたが教えてあげて下さい。
親という字を良く見て下さい。
木に、立って、見てるんです、親。
つまり、ケツを拭いてやる必要が無くなれば、見ていてあげて下さい。
子供は、決して親のコピーではありません。
血肉をあげたんです。
「なんで!?じゃあ親は損ばかりじゃないか!」
…馬鹿を言うな。
今親であるあなたも、その親から血肉をわけて貰ったんだ。
今の立場でのぼせ上がり、あなたはあなたの親から貰ったものまで、最初から自分のものみたいに考えてる。
だから、子供をコピーだと思える。
さあ、簡単で、難しい扉が開きます。
己を知れ。
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@gallery_cobaco さんでのキリンテンが次の日曜日までとなっております🙇🏻♂️ . 「キリン10」~キリンにまつわる10のこと~ 会期|7.16sat~8.7sun 場所|gallery cobaco 時間|11:00~17:00 入場|無料 【参加アーティスト】 #雨宮康子 #江頭良介 #金澤郁弥 #谷口亮 #中園唯 #原田透 #福井安紀 #前原正広 #MIRAI 【後援】 #朝倉市 #あさくら観光協会 #朝倉商工会議所 【協力】 #福岡市動物園 動物情報館 9名のアーティストによる作品展。福岡市動物園 動物情報館からの“キリン豆知識コーナー” “キリン雑貨”のコーナーもあります。 *************** 貴方も私も知っている。 ゆらゆらロマンチックな長い頸。 可愛いかな…とも びっくりする睫毛の長さ。 カラダのその柄、なんだろう? スマートなんだけど、 不便そうだし。 色んなキリンが見えてくる。 この世界に生きてるキリンもいるし、空想の世界の麒麟もいるんだよ…なんてことも楽しめる。 サバンナのキリンには 会いに行けないけど、 ギャラリーコバコの キリン&麒麟&きりんちゃんに 会いに来て。 キリンにまつわる 10のこと。 キリン10 *************** #asakura #art#gallery #gallerycobaco #exhibition #artspace #朝倉市#朝倉市カフェ #ギャラリー#アートスペース #古民家 #アート #キリン#麒麟#きりん (gallery cobaco) https://www.instagram.com/p/CgyhfgLv8uN/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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米中覇権争いと日本
元東部方面総監
渡部 悦和 氏
皆さんこんにちは。ご紹介にあずかりました渡部です。
私は「日米中の安全保障」をテーマとして研究していますが、世界では2018年にトランプ政権が米中貿易戦争を始めて、今や「米中覇権争い」或いは「米中新冷戦」という言葉が踊っています。本日は「米中覇権争いと日本」いう演題で、「日米中の安全保障」の観点からいろいろお話をさせていただきたいと思います。
私は自衛隊在職中、1991年から93年までドイツに留学させていただき、1989年の冷戦終結後間もないヨーロッパで、身をもって国際情勢をはじめさまざまなことを勉強することができました。特に印象に残ったのが、理想を謳う社会主義、共産主義の実態に触れたことでした。第2次世界大戦後同じゲルマン民族のドイツ人が東西に分かれ、片や西ドイツは経済発展を遂げ、一方東ドイツは決して豊かとは言えない状態が続き、その後東西冷戦が終結して東西ドイツは統一したわけですが、統一直後の旧西ドイツと旧東ドイツの人たちの姿を見たときに、その大きな格差に驚いたことを今でもはっきりと覚えています。
そして、自衛隊退職後は富士通システム統合研究所長として、安全保障に関して研究できる機会をいただくことができ、有り難く思っている次第です。
我われは今、平成の終わりの1ヶ月を過ごしております。冷戦終結の1989年に平成が始まったわけですが、この3年間を振り返ったときに、経済同友会の小林喜光代表幹事は「平成は失敗と挫折の30年間であった」と厳しい評価をしています。それに反発する方もおられると思いますが、令和の時代を迎える将来の日本にとって、平成の出来事をしっかり見つめることが大切なことではないかと思います。
一 ハーバードで感じたこと ~見捨てられ、忘れられた日本~
平成が始まってから約10~20年後、2010年にGDPで日本は中国に追い抜かれ、国防費についても圧倒的に引き離されています。私がなぜ中国、特に中国人民解放軍を研究しているかといいますと、2015年から17年にかけてハーバード大学のアジアセンターでシニアフェローとして2年間研究生活を送っていたときの体験が大きく影響しています。ハーバードの研究生活の中で痛感したことは「日本は見捨てられている、忘れられている」ということでした。
アジアセンターには日本の企業が寄付をして建てた立派な建物が2つあります。しかし日本の企業が建設に貢献した建物であるにもかかわらず、今そこを占領しているのは中国の教授、研究者、学生たちです。かつての「東アジア研究センター」が「フェアバンク中国研究センター」に名称が変わって中国研究のメッカとなり、「ジャパ���・アズ・ナンバーワン」で有名なエズラ・ヴォーゲル教授が週に一回、日本ではなく中国関係のセミナーを行っています。そのセミナーにおいては、中国は高く評価され、一方日本については否定的な教育がなされているのです。留学中、そのような体験を通じて「これではいけない」と切実に思いました。
今、アメリカの大学に留学している中国人学生は33万人ほどいますが、日本人は1万9000人ぐらいしかいません。この差は何なのでしょうか。中国留学生に次いで多いのが、16万人のインド留学生、7万人のサウジアラビア留学生、そしてアジアでは韓国留学生でさえ5万人、台湾留学生も2万人以上います。このような状況から明らかなように、将来の国際的発信力において、中国、インド、サウジアラビアに負けて、韓国、台湾にも後れをとっている現実があるわけです。これが平成30年間の結果ではないかと私は思っています。
ハーバードにおいては、世界で昔から語られている格言「無知の知」を実感しました。自分としては自衛隊で36年間日本の防衛に携わり、安全保障について少しは分かっていると自負していましたが、多くの体験を通して「何も知らない自分自身」というものを痛感したわけです。また自分の体験だけではなく実際に、安全保障の研究に関してアメリカと日本の格差も目の当たりにしました。例えば「東アジア戦略報告(ナイ・イニシアティブ)」を提唱したジョセフ・ナイ教授、或いは「ツキディデスの罠」で有名なグレアム・アリソン教授など彼らが講演した後に、安全保障を専門とする「日本の著名な教授」が演壇に立ったとき、彼らはいなくなってしまうのです。大きな関心を引かなかったのでしょうが、このような実態を見せられたときに私はある種の危機感を感じました。日本がパッシングされているとまでは言いませんが、日本の存在感がないのです。そこで議論されているのは中国のことで、中国の政治・経済・軍事が語られています。そこで私は米中関係、特に元自衛官ですから、その中でも米軍と中国人民解放軍を研究しようと決意したわけです。
私がアメリカにいた2016年に大統領選挙がありました。その大統領選挙においてロシアのプーチン大統領が「アメリカ民主主義を代表する大統領選挙に大きな影響を及ぼす」ことを目的として大々的な情報作戦「インフルエンス・オペレーション(影響工作作戦)」を行ってみごとに成功しました。プーチンが狙ったのは「ヒラリー・クリントン候補を貶めてトランプ候補を有利にする」ことでした。ロシアが行ったフェイク作戦は、ヒラリー・クリントン陣営を不利にするため、ヒラリーの個人的生活に関する偽情報をコンピュータで作成してツイッター、フェイスブ��クに投稿し、さらにユーチューブに偽動画を載せたものです。この作戦ではツイッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と云われているメディアを使いながら「ディスインフォメーション(偽情報)」を行ったわけですが、最新の技術を使った情報作戦の重要性を世界は深く認識しました。
中国には国内及び海外の工作活動を行う統一戦線工作部というのがありますが、その工作の実態をハーバードにおいて目の当たりにする機会がありました。皆さん、孔子学院というのをご承知のことと思います。日本にも孔子学院にどっぷり浸かった大学が幾つもあります。中国の文化、中国語を勉強すると言いながら、中国共産党の宣伝機関としてアメリカの国内でも活動しています。そして、ハーバードにおいて私自身もその渦中に巻き込まれ、アジアセンターの中で中国の学生、研究者、教授に取り囲まれる羽目になりました。どうしてかと言いますと、私は毎週水曜日のエズラ・ヴォーゲル教授のセミナーに参加し、前に座ってよく質問をしていましたが、いつも中国に対して厳しい質問ばっかりしていたので、しまいには中国の人たちに囲まれて「招待するから中国に来ませんか、中国の大学で議論しましょう」と誘われたことがありました。しかし、これを真に受けてうっかり乗っかったら大変なことになりますのでお断りしました。
二 重視されるジオテクノロジー(テクノ地政学)~AI(人口頭脳)の重要性~
本日の講演で特に強調したいのは科学技術、先端技術の重要性ということです。安全保障を考えるときに、地理的条件・環境要素を重視した「ジオポリティックス(地政学)」、経済的な要素を中心とした「ジオエコノミクス(地経学)」ということは皆さん聞かれたことがあると思います。トランプ政権はジオエコノミクスを重視して、今中国に対して経済制裁を行っています。軍事力ではなく経済的な手段を使って中国と戦っているわけです。実はオバマ前大統領もそうでした。ロシアがクリミアを併合したときにオバマ政権は経済制裁を徹底的に行って効果をあげ、いまだに制裁が続いていますからロシア経済は大変な状況になっているわけです。また今回、トランプ大統領が北朝鮮に対し経済制裁を国連と共同して実施しましたが、これも大きな効果をあげています。
近年、安全保障に影響を与えるものとして、ジオポリティックス、ジオエコノミクスと並んで先端技術を重視した「ジオテクノロジー(テクノ地政学)」が重視されてきています。本日はこれについてお話ししたいと思います。最先端技術が今日の世界の安全保障に直結する重要な要素であるということをお分かりいただきたいと思います。
世界では今、「AI(人工知能)」の重要性が注目され、米軍も中国人民解放軍もAIを軍事のすべての分野に適用しようとしています。その点、日本の自衛隊はAIの重要性をまだまだ深く認識していないようにも思えます。昨年の防衛予算では「AIを人事業務で活用する」とありました。私も人事の補任課長をしていましたので、膨大かつ複雑な人事作業にAIを使って短時間・少人数で処理しようというのはよく分かりますが、人事だけではなく他の分野にも積極的に、例えば兵站業務で、装備品の故障確率を予���して「どのような部品が必要か」を見積もる作業などにもどんどん適用していってもらいたいと思います。
サイバー戦が今非常に重要な分野になっています。サイバー戦には「攻撃的サイバー戦」、「防衛的サイバー戦」、「サイバーを使った情報活動」の3つがありますが、AIはいずれにも適用することができます。例えば中国の過去のサイバー攻撃に関する膨大なデータをインプットして、それに基づき中国がどのような攻撃をしてくるかを予測して防御要領を検討します。向こうもAIを使っていますから、互いに相手の出方を考慮しながら、無数の組み合わせの戦い方に対処していくわけです。
日本の防衛省情報本部においては今まで、一人の担当者が膨大な情報を集めて整理、分析して多くの時間を要してきましたが、AIにテーマを与えて任せれば極短時間で同じ作業を行うことができます。これは情報、人事、兵站、作戦の分野でも同じです。今日本は少子化で人手不足が深刻で、自衛隊でも隊員の確保に四苦八苦しています。人がいないとすれば何をしなければならないかははっきりしています。省人化と無人化、この分野を無視しては将来の自衛隊は組織として成り立っていきません。「AIを軍事に適用する」ということが如何に大切かということを、声を大にして言いたいわけです。
中国の人民解放軍は「AIによる軍事革命」、これを狙っています。かつて米軍が「軍事革命(Revolution in Military Affairs)」を掲げ、IT情報技術を使って軍事革命を達成しました。その結果が湾岸戦争の大戦果につながっていくわけです。米軍が行ったITによる情報革命を、今度は中国人民解放軍がAIを使って行おうとしています。
AIの軍事適用の代表例としてはロボットが挙げられます。日本では原子力発電所の事故でお馴染みになったカメラを搭載した無人キャタピラー、運送会社の倉庫で荷物自動選別運搬ロボットなどが活躍していますが、今や世界では人間と同じ形をして、人間よりもはるかに運動能力の優れたロボットの開発が進んでいます。早く走ることができ、高く跳びあがりながら障害を越え階段を登る、そしてダンスなど繊細な運動もできるロボットなど、すぐにでも軍事に適用できる状況になってきています。AIを活用していますので、ロボット自身が周囲の環境を認識しながら移動していくことができるわけです。
空の世界においても同様です。今年の3月、ジェット戦闘機の無人機が初めて空を飛びました。「ヴァルキリーXQ-58」というステルス戦闘機です。これは本当に優れもので偵察用にも使いますが攻撃もできる無人戦闘機です。自ら判断して行動することができます。そしてネットワークで結びつけてF-35或いはF-22と連携をしながら、有人機と無人機のコラボレーション作戦ができるというわけです。これは1機3億円ぐらいですが、最新鋭機のF-35Aは100倍くらいの値段ですので経済的にも効率よく運用することができます。有人機であれば破壊されてしまえば機体のみならずパイロットも損傷を被ります。しかし、有人機が行く前方に先駆けとして無人機を飛ばすことによって、敵のレーダの状況、通信の状況、或いは兵器の展開状況を確認して情報を後方から追随する有人機に教えて人的損害を軽減し、作戦を有利に展開するということができます。また、このバリエーションとして無人の空中給油機を作っていますし、機体を大きめに設計すれば無人爆撃機も可能になります。
三 5G(第5世代移動通信システム)をめぐるアメリカと中国の角逐
5Gをめぐっては安全保障や経済の面から、世界はアメリカのブロックと中国のブロックに分かれていこうとしています。アメリカのブロックには日本、オーストラリア、イスラエルなどが入っており、これらの国々はアメリカの意向を受け「中国製の5Gは購入しません」ということを宣言しています。
5Gについては、中国の「ファーウェイ(華為技術)」が世界一の技術を持っています。技術に加えてコスト面など、トータルパフォーマンスで比べると誰が考えてもファーウェイの5Gを導入するというのが最も合理的な選択です。しかし、日本はアメリカから「ファーウェイは使用しないで欲しい」という要請を受けて導入を拒もうとしています。日本のソフトバンクはファーウェイの製品を一番多く導入していますので、これを日本がシャットアウトするということになると大きな打撃を受けます。
ところが今、5Gの世界においてはアメリカによる同盟国をまとめる力が弱くなってきています。例えば「ファイブアイズ」というアメリカを中心とするアングロサクソンの五つの国の情報機関の集まりがあります。アメリカの他にはイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどですが、この中で、5Gで明確に反中国の立場を取っているのは2カ国だけです。イギリスもカナダもはっきりとは中国製を排除するとは言っていません。NATO諸国においてもそうですから、ましてやNATO以外の東欧諸国或いは中東、アフリカ、アジア諸国などは、安くて品質のよい中国製の5Gを導入するに決まっているのです。私は5Gの戦いにおいては、アメリカのブロックは非常に難しい状況に陥っていると思っています。
ファーウェイはアメリカから拒否されたとき、トランプ政権の「ファーウェイを排除しようとする政策は合衆国憲法違反」と訴えてアメリカで裁判を起こしました。この会社は現在、情報通信では世界一の会社ですがAIの分野でも力を付けてきています。中国は半導体産業全体としてはアメリカにまだまだ敵いませんが、AI用の半導体チップに関しては、ファーウェイの子会社の「ハイシリコン(海思半導体)」という会社がアメリカのクアルコムにも匹敵する技術レベルを有していると言われ、半導体を他の会社に供給せずファーウェイだけに供給しています。
平成の30年間の衰退は半導体産業を見たら一目瞭然です。1991(平成3)年、私は留学先のドイツ��世界の留学生を前にして「世界の半導体会社のベストテンに日本の会社が半分以上入っている」と胸を張ってスピーチしました。しかし今や、日本にその面影はありません。AIを考えるとき、頭脳となる半導体チップが不可欠になりますが、それを作れる会社は今やアメリカ、中国の会社などに限られてきています。
中国ではファーウェイをはじめとして、会社は中国共産党の命令に従わなければいけません。国防動員法と国家情報法第7条に規定されています。国防動員法には「いかなる人、会社も中国共産党が指示する動員に従わなければならない」とあり、もちろん中国国内にある日本の会社も対象となります。もうひとつの国家情報法第7条は「いかなる組織・個人も国家の情報活動に協力する義務を負う」というものです。これは厳格に実行されていて、日本がファーウェイの5Gネットワークを導入した場合、情報は全部持っていかれるわけです。
四 中国の「一帯一路」の現状と「デジタル・シルクロード(DSR)」構想で目指すもの
中国の「一帯一路」構想は習近平国家主席が展開した「大風呂敷」です。これほど雄大な戦略を描ける国は世界でも中国しかありません。この「一帯一路」戦略は中国の影響圏を拡げようというのが元々の発想です。海のシルクロード、陸のシルクロード、中国を起点として影響をアジア、アフリカを越えてヨーロッパまで及ぼそうという考えです。その構想の中では「重要な港、高速道路、空港などインフラ整備を中国が行います」といって、さまざまな発展途上国にインフラを提供しています。しかし皆さんご承知のとおり、これについては非常に評判が悪くなっています。結局「債務の罠」ということで、中国は発展途上国が払うことができない債務をインフラ整備という名目で意図的に作り、完成した港などのインフラ設備を中国の管轄下に置こうとしています。ですから現在、世界各国で反発され、中国と仲のよかったパキスタンでさえ問題視するようになり、マレーシア、スリランカなどアジア諸国、そしてヨーロッパの国々も警戒感を持って「一帯一路」の行方を見ている状況です。
この「一帯一路構想」の中で、私が「成功するであろう」と思っているのが「デジタル・シルクロード構想」です。デジタル・シルクロードというのは海陸のシルクロード沿線国に対して、光ケーブル、Wi-Fi、5G通信ネットワークなどを構築し、インターネットの世界、デジタルの世界で主導権を確立しようとするものです。
そして今国内で行っているデジタル監視社会というシステムを海外に普及することを考えているのでしょう。デジタル監視というのは社会主義国として、国民を監視しコントロールできる理想のシステムなのです。世界に対して「中国のデジタル網を導入することにより、国民を管理するデジタル監視社会が可能になります」と言って影響力の拡大を図っているのです。今、世界には独裁者が増えてきており、彼らは「国民を管理し易いシステムを如何にして構築するか」ということに大きな関心を寄せていますが、そのお手本ともいうべきものを中国は作り上げているのです。監視社会ではAIも徹底して活用されています。皆さんご承知のように、中国では国民一人ひと���が個人情報を含めて完全に把握、評��されています。評価ランキングの上位の人たちにとってはこれほど住みやすい世界はありません。就職するときも有利ですし、海外旅行など私生活面でも大変便利です。一方、ランキングの下の方に設定された人たちは、再び浮かび上がれないような不利益を被ります。敗者復活などはありません。国民はDNAレベルまで管理されます。例えば小学生のときに学校の身体検査で唾液を採取してDNAを解析します。そうして最終的には14億国民のデータを全部把握しながら、一人ひとりを管理していく恐ろしい社会、これを習近平は作り上げようとしているわけです。
中国はデジタル覇権を狙っています。サイバー空間や5Gの建設、ブロードバンドの拡大と質の向上、ビッグデータの導入などから始まり、最終的にはシルクロード沿線国をコントロールするために電子商取引を主導してデジタル化経済での覇権獲得を狙っているのでしょう。そしてこれらが「スマートシティ」の建設につながっていくわけです。「自動運転」の開発は世界的な競争になっていますが、元々はグーグルが先行し、今や中国の企業がどんどん追い上げてきています。スマートシティにおいては自動運転の車が走り回ります。アメリカの自動運転は既存の道路、道路標識などのインフラをそのまま使用していますが、中国のスマートシティにおける自動運転は人が使いやすい道路など、インフラを全部新しく作り直していますから、そこでは極めて精密に自動運転車を走らせることができるわけです。このように中国のデジタル優勢についていろいろ見てきましたが、中国版のデジタル監視社会、スマートシティなどが世界に波及することをアメリカは恐れ、阻止しようとしているのです。
ここで中国の量子技術についてお話ししておきたいと思います。最先端技術においてAIの重要性は言うまでもありませんが、このAIと切っても切れない関係にあるのが量子技術です。量子コンピュータはスーパーコンピュータより遥かに能力の高いコンピュータで、なぜこの量子コンピュータが必要かというと、AI開発のためには今のスーパーコンピュータでは十分対応できないのです。量子技術による量子コンピュータの開発、これが今世界で大きな競争となっています。また、量子レーダの開発もあります。量子レーダはF-35とかF-22といったステルス性能をゼロにします。これらについて中国は国を挙げて取り組んでいるのです。
そして特筆すべきことは、中国は宇宙衛星と地上局との間で量子暗号を使った量子通信を世界で初めて達成しました。従来の無線は簡単に傍受して解読することができますが、量子暗号は解読できないと言われています。「暗号を制する者は世界を制する」という言葉もあるように、情報収集の分野ではこれまで、暗号傍受の分野も含めて圧倒的にアメリカが進んでいましたが、中国の量子通信技術の進歩により今やアメリカの優位が崩れようとしているのです。
五 中国のデジタル覇権を断固として拒む、国を挙げてのアメリカの決意
中国のデジタル・シルクロードによる世界秩序の再構築に対するアメリカの恐れ、警戒感は相当なものがあります。ですから、トランプ大統領��中国に対して米中貿易戦争を仕掛けているのです。最初はZTE(中興通訊)を目標にして倒産寸前まで追い詰め、今はファーウェイがこれ以上拡大成長しないようにと徹底的に叩いています。
現在の中国の躍進には、経済建設優先の鄧小平の改革開放路線が大きく貢献しています。私が習近平を見ていて「まだまだだな」と思うのは、中国の躍進を支えてきた、鄧小平が掲げた「韜光養晦(自らの力を隠し蓄える)」という考え方をよく理解していないのではないかというところです。
習近平が国家主席になったのは2012年ですが、彼は従来の「韜光養晦」をかなぐり捨てて中華民族の偉大なる復興というアドバルーンをあげました。即ち、中華人民共和国建国100周年の2049年までに「アメリカを追い越して世界一の国家になる」という目標を掲げました。それ以降習近平は、「海洋強国として太平洋を二分する」、「宇宙強国として宇宙衛星で世界を支配する」、「航空強国としてボーイングを追い越す」、そして「2030年までにAIで世界トップになり、2049年までに世界一の科学技術強国になる」などの目標を公表しています。
そして「中国製造2025」、即ち「2025年までにAI等の半導体製造において自給率70パーセントを目指す」ということを具体的に世界に宣言したところで、それに対するアメリカの反発を買っているわけです。「アメリカに追いつく」ことから大きく踏み出し、「アメリカに挑戦する」という露わな姿勢に対してトランプ大統領が怒りを爆発させたのが米中貿易戦争、ひいては米中覇権争いになっているのです。
ここ数年、米国における反中国感情はトランプ大統領だけではなく、共和党も民主党も超党派で凄まじい勢いで湧き起っています。私がハーバードに行った2015年にはこれほどの反中国感情はアメリカ国内には見られませんでした、オバマ大統領からトランプ大統領に替わり劇的に中国脅威論が高まりました。民主党の議員たちも中国に関しては、共和党と共通の脅威認識を持っています。トランプ大統領の対中国強硬政策、米中貿易戦争は超党派の支持を受け、アメリカの多くの国民が中国の覇権を認めてはいけないと思っているのです。
アメリカはいろいろなシステムが整っていますので、例えばUSCC(米中経済安全保障調査委員会)という議会の超党派の調査委員会がありますが、中国の脅威に関して事細かく調査報告を行っています。アメリカのCIA(中央情報局)、FBI(連邦捜査局)、DIA(国防情報局)、NSA(国家安全保障局)など16の情報機関とこれらの人事・予算を統括する国家情報長官(DNI)のみんながこぞって中国の脅威というものを訴えているのです。
「対米外国投資委員会(CFIUS)」は、アメリカに投資をする外国企業をしっかりと審査しています。かつては、アメリカをはじめイギリス、ドイツの企業が中国に買収されて最先端の技術が随分流れました。しかし今は、CFIUSが厳しく中国によるアメリカ企業の買収を監督しています。またそれだけではなく、CFIUSは中国企業が日本の会社を買収するときに、その日本の会社が「アメリカの安全保障に関係していないか」についても審査をしています。例えば、中国���台湾に買ってもらっているジャパンディスプレイも、これからはCFIUSの審査により難しい局面を迎えるのではないかと言われています。このように中国の最先端技術に対して、アメリカがさまざまな手段を使って妨害する傾向はこれからも続くでしょうし、米中の派遣争いは日本にとっても無関心ではいられないことなのです。
今、中国経済が危機的な状況にあると言われていますが、国防費だけは増大しています。経済の動向にかかわらず、社会主義、共産主義の独裁国家は国防費を下げることはありません。中国の「覇権の追求」は止むことはないと私は思っています。
中国は簡単には倒れません。トランプ政権がなぜあれほどまでに中国に対して厳しい態度を取っているかというと、中国の実力を認めているからなのです。習近平が築き上げてきた独裁体制はある面から見れば危機に対して迅速、効率的に対応できるシステムとも思われます。我われが価値を置いている民主主義や自由は確かに大切ではありますが、それに勝るとも劣らないメリットを独裁体制は持っているかも知れないわけです。この問題は、これから我われが心してかからなければいけないことだと思います。いずれにしろ冒頭にお話ししたように、私は社会主義、共産主義による独裁体制は最終的には悲惨な結果を迎えると思っていますので、現在の米中貿易戦争、米中覇権争いの行方を注視しながら、最悪の事態をも想定して対応策を検討していかなくてはと思っています。
六 米中の狭間で日本が生き延びる道 ~原点に戻り、国を挙げて国力をつけること~
それでは結言に入りたいと思います。サミュエル・ハンチントンは「文明の衝突」の中で「日本はアメリカ側につくか、中国側につくか決断を迫られる」ということを言っています。彼が「文明の衝突」を書いたのは1990年代ですが、その時点で「中国はアメリカの強敵になり覇権を争う」ということを予言しているのです。そしてその中で「日本は蝙蝠のようにどっちつかずの対応にならないように気をつけなければならない」ということを警告しているのです。もちろん私は「日本はアメリカ側につくべきだ」と思っていますが、中国は力のないものは軽蔑して「力のあるもの」しか尊敬しません。日本がこれから米中覇権争いの中にあって存在感のある国家として生き延びるためには、日本自身がもう一度国力を復活させなければいけないと思います。それは政治力、経済力、科学技術力、国防力、人口など広範に亘りますが、国を挙げて日本の国力を上げる努力をしない限り、米中覇権争いの中で日本は埋没してしまうでしょう。「失われた平成の30年」を取り戻すことさえできない事態になるかも知れません。
日本は戦略的に思考する努力をしなければいけません。日本は国家安全保障戦略を策定していますが、今回の防衛計画の大綱、あるいは中期防衛力整備計画を策定する段階において国家安全保障戦略を改定しませんでした。私が一番危惧するのは、国家安全保障戦略では「中国が明確な脅威だ」とは書いていないことです。脅威を明確にしていない国家安全保障戦略に基づいて、防衛計画の大綱或いは中期防衛力整備計画が今回改定されました。明らかに限界があります。中国を脅威だと明確に言えない日本、これに私は限界を感じるわけです。日本の防衛費はGDPの2パーセントまでは増大すべきです。毎年7パーセントずつ日本の防衛費を増やしていくと6年後には1.5倍になります。10年後には2倍になります。10年かけて防衛費をGDPの2倍にする努力は絶対必要なことだと思っています。しかし、防衛力を如何に整備するかという議論をするときに「中国は脅威でない」と言ってしまえば説得力は全くなくなってしまいます。中国を脅威と言わずして、日本の防衛力はこれ以上強くなりようがないのです。
日本の人口はこれからどんどん減っていきます。このまま時が推移すれば、日本の国力は低下するばかりです。何よりも「失われた平成の30年」から脱皮する特段の努力が必要になります。このように考えると、これからの日本はAI、量子技術、5Gなど最先端の技術分野において、過去そうであったようにもう一度中国を追い越し、アメリカにも負けない意気込みで突き進んでいかないと、日本の将来はないのではないかと思います。
日本では「働き方改革」について議論が盛んですが、私はこれを「働かない改革」と言っています。ファーウェイの強さは何かというと、軍隊的な経営方針なのです。任正非は人民解放軍の元将校で、ファーウェイを軍隊式に経営してきました。甘さはそこにはありません。日本の1970・80年代には猛烈社員という言葉がありましたが、このエネルギーが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、経済的にもアメリカの脅威となるぐらいに発展していった原動力となったと思います。そして今、日本から失われた「猛烈に働く精神」は中国の会社、特にファーウェイに見られるわけです。
今、防衛産業を見てみますと大変な状況になっています。これから国を挙げて「防衛技術イコール最先端技術」、「最先端技術イコール成長産業」と位置づけて開発を進めていかなければなりません。考えてみてください。アメリカの最先端技術は「国防高等研究計画局(DARPA)」をはじめとする国防省のさまざまな研究開発によって発展してきました。コンピュータ、インターネット、半導体、自動化の技術などすべて、国防産業、国防技術と連動しながら発展してきたものです。最先端技術の開発は軍事技術と切り離すことはできないのです。そして、最先端の技術において活路を見出さない限り日本の将来はありません。
中国人民解放軍は今、徹底的に最先端技術を導入した戦い方を追求しています。日本の防衛にも赤信号が点ろうとしています。中国の経済力、技術力、軍事力、このような手ごわい相手を前にしたとき、これまでのやり方で勝負することはできません。国を挙げての努力が必要なのです。
本日は皆さんに日本の明るい材料を提供できなくて申し訳なく思っていますが、明るい未来は閉ざされているわけではありません。そこに至る道は未知の世界でもありません。何よりも国民一人ひとりの意識改革、そして30年前の日本の黄金期を築いたファイティング・スピリットを取り戻すことが必要なのです。
以上で私の話を終わりますが、ご質問があればお受けしたいと思います。
どうもありがとうございました。
平成三十一年四月十日 公益財団法人日本国防協会 国防問題講演会講演録より
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貧困なる精神 ハーバード大教授の珍学説 Ⅳ
マーク・ラムザイヤーの論文は、間違いが異常に多い。読んでいて、いちいちひっかかる。それを逐一指摘していたら、一向に前に進まない。漫才でたとえるなら、次々とボケを連発するため、その都度ツッコミを入れなければならない。これではまるで、すべてを言い間違え、それに訂正を入れるナイツの漫才ではないか(当然、ラムザイヤーが塙、私が土屋である)。
当連載では、昨年に発表された『On the Invention of Identity Polotics : The Buraku Outcast in Japan』の結論を読みながら、本文に分け入り、その内容を検証することにしている。論文は部落の起源から始まり、近代の共同体の特徴、反差別運動の勃興、補助金の略奪、同和対策事業を経た現在の部落の実態へと続く。
これまで部落の起源と近代のムラの特徴を見てきたが、まだ論文の三分の一ほどを消化したに過ぎない。数回で連載を終えるつもりだったのだが、けっこうもたついている。引用文を検証していたら、あまりにも齟齬が多く、看過できなくなったのである。「もうええわ!」とツッコミを入れずに、最後までお付き合い願いたい。
※ ※ ※
1922年(大正11)に全国水平社が結成されるまでに、ラムザイヤーはどうしても触れたい項目があった。米騒動である。ここでも全国の部落民は、目立った行動を見せているという。
<1918年、多くの府県にまたがる部落民は、暴力的な犯罪で耳目を集める。米価は1年で3倍になり、暴力的な群集の先頭には部落民がいた。もしそれ以前に、誰かが部落民と犯罪を結びつけていなかったとしても、1918年に新聞はそれを報じた>
米騒動は、同年7月~9月、米価の暴騰のため、生活難にあえいでいた大衆が、米の廉売を要求して米屋・富豪・警察などを襲撃した事件である。富山県から始まり、全国に波及した。労働者・農民を主力とする未曾有の大民衆暴動に発展し、軍隊が鎮圧に出動し、寺内正毅内閣が倒れた(広辞苑)。
ラムザイヤーは、官憲側の資料を使い、解説している。
<検察側は8200人を取調べ、4200人が有罪判決を受けた。不法侵入と放火が猛威を振るい、場合によっては死者が出たにもかかわらず、裁判官は比較的寛大な刑罰を与えた。死刑判決はなく、3件の無期懲役があっただけだった>
確かに、後に検事によってめとめられた『所謂米騒動事件の研究』(司法省刑事局、1939年)には、そう書いてある。だが、後世の研究では、<第一審では死刑二名、無期懲役一二名、一〇年以上の有期刑五九名>を数えている(『日本史大事典』平凡社、1993年)。少なくとも死刑は確定しているので、平仄に合わない。なぜ、わざわざ80年前の当局の資料だけから引用するのだろうか。
体制側の資料を重宝する���ムザイヤーの本領は、ここから発揮される。
<暴徒は商店や倉庫、富豪から略奪し、焼き討ちした。暴動を主導したのは部落民だった。当時のジャーナリストや警察は、部落民をそう位置づけ、現代の研究者たちはその役割を追認している(Takayama 2005,p.66-69)。警察は大阪だけで9300人以上の部落民が米騒動に参加していると報告した。京都、大阪、兵庫、そして奈良の部落民は、平均して30~40%の部落民が参加した(Mitani 1985,p.82)。当時のジャーナリストや警察は、暴徒の中で部落民が最も暴力的であると位置づけた>
米騒動で検事処分を受けた8000人余りのうち、部落出身者はその1割を超える900人弱にのぼる。前掲の『日本史大事典』には、<とくに被差別部落民はねらいうちに検挙され、総人口の二㌫を占めるにすぎない部落民が検事処分者の一〇㌫を超えるという差別裁判を受けた。大審院で死刑を宣告された二名も部落民であった>と記載されている。
”ねらいうち”にされたのか、それともそもそも”暴力的”だったのか? 見る者の視点が問われよう。ラムザイヤーの論文には、部落民が暴力的であった背景については、述べられていない。ただ、それが言いたかっただけなのだろう。
※ ※ ※
ラムザイヤーが断罪するように、果たして当時のジャーナリストや警察は、<暴徒の中で部落民が最も暴力的>だと位置づけたのだろうか?
少なくない部落大衆が、米騒動に参加したのは事実である。当時の内政・治安担当者には、部落民先導説を唱える者がいた。『中央新聞』は「某内務当局談」として、以下の談話を伝えている。『米騒動と被差別部落』(雄山閣、1988年)所収の藤野豊による「米騒動における被差別部落主導論の成立」から引用する。
<最初に起つた富山県の暴動は特種部落民には関係なきも京都、大阪、神戸及び岡山、三重県等に於ける暴動は何れも特殊部落民にて其他の群集は単に是等特殊部落民に雷同したるに過ぎざるが如くである・・・彼等は常に一般の人民より穢多として軽蔑さるヽを憤慨して居れば偶今回の米価暴騰を機として平常の鬱憤勃発して斯かる暴動をやつたのであらうと思はれる>
部落民が中心であったとし、その背景についても述べている。
部落民主導説を唱える者もいれば、それに否定的な官僚や治安担当者もいた。たとえば内務省の天野藤男は、和歌山・熊本・京都・埼玉などで、部落の青年が米騒動の防止に活躍したことを挙げ、部落民が参加したケースでも「普通都会にある良民が不穏な行動をしたのと何の異なる事はない」と喝破している(前掲の藤野論文)。
暴動が起こる際、それなりの社会的背景があるのは、洋の東西、過去現在を問わない。現在よりはるかに���別が厳しかった時代に、仮に部落民が暴動を主導したとして、それに部落外の人々が従っただろうか。
要は京都市内のように、地域によっては部落民が大きな役割を果たしたところもあ��が、全国的に見て、一概にそうは言えないということであろう。
ところがこれまでの研究をまったく無視するかのように、ラムザイヤーは<暴動を主導したのは部落民>と断じ、<現代の研究者たちはその役割を追認している>と書いている。
引用した論文中の” Takayama 2005,p.66-69”は、ラムザイヤーが参照すべき資料として挙げた、高山文彦著の『水平記 松本治一郎と部落解放運動の一〇〇年』(新潮社、2005年)である。ページ数は、米騒動と部落民について叙述されている箇所だ。
ノンフィクション作家の高山は、同書で<米騒動に多数参加したのは、もっとも貧しい生活を強いられた部落民であった>と述べたうえで、ふたりの部落民の死刑判決に関し、次のように書いている。
<これは見せしめのためにおこなわれた判決としか考えようがない。というのも、米騒動に加わった部落民は、これまで露骨な差別を自分たちにおこなってきた豪農や米屋を、焼き討ちや打ち込みといったはげしいやり方で襲撃した。同じ部落内のボス層を襲った者もいる。しかし、なにも部落民だけがそのようなことをしたのではなく、一般農村の小作人が積年の恨みを晴らそうと地主を襲ったり、高利貸しを兼ねる遊郭を焼き討ちしたりしている。部落出身の侠客も、それに加わった。
そうした人びとのエネルギーが、社会主義者と結びついて反体制運動へと盛り上がらぬよう、民衆を分断し騒動の鎮静化をはかろうとの目的で部落民を騒動の首謀者に仕立て、見せしめにたたいておけという判断が政府内にあったものと思われる>
明確に、部落民主導説を否定している。原文の文意を無視し、自論の援軍とするのは、ラムザイヤーの常套手段である。
※ ※ ※
高山は、権力側の部落民主導論に追随したマスコミも批判している。
<たまりにたまった鬱憤を部落民が晴らそうとして暴動にいたったという政府筋の観測は、ほとんど確信といってよい角度でジャーナリズムにも伝搬した。たとえば『やまと新聞』(八月二十五日)は「京都、神戸、大阪、名古屋等に於ける特種部落人の暴行は、最も凶悪残忍にして、掠奪強姦に及べるもあり、蓋し三百年来彼等が社会的に圧迫されし深刻なる復讐心の手伝えるなるべきも、凶険の度の甚だしきは、彼等特性の然らしむ所に外ならざるべし」と書き、『中外商業日報』(八月二十六日)は「(部落の)住民の中には、生活上の余裕無く、称して細民と云うべきもの亦甚だ多し。殊に牛馬等の屠殺を業とする者少からず。其生活状態の細民にして、屠殺を業とする者は、自然其性質は粗暴に動(やや)もすれば残忍に陥るの弊あり」として、部落民の職業や生活ぶりが彼らに凶暴な性質をあたえ、それによって暴動が引き起こされたのだと断定的にしるした。
こうした論説はジャーナリズムのあるべき��から程遠く、冷静な分析や取材の労を欠いた差別意識まるだしの悪質な宣伝にすぎなかった。雑誌ジャーナリズムも同じ論調をとり、いかにも米騒動の首謀者は部落民であるかのような記事を連発した>
ここでも部落民主導説を否定し、差別意識に沿ったマスコミを批難している。<現代の研究者たちはその役割を追認している >などとよく書けたものだ。ラムザイヤーこそ、暴徒と呼ぶべきであろう。
※ ※ ※
<京都、大阪、兵庫そして奈良の部落民は、平均して30~40%の部落民が参加した>というラムザイヤーの記述(引用)についても、疑義を呈しておく。
高山の『水平記』と同様に、引用資料として挙げているのは『火の鎖』(三谷秀治、草土文化、1885年)である。同書は、大阪の水平運動の活動家・和島為太郎を描いた小説だ。
該当するページには、<米騒動による検挙者は・・・そのほぼ一割が部落の住民だった。部落の多い京都、大阪、兵庫、奈良などは、三割から四割にのぼった>とある。著者の三谷は”三割から四割”という数字の典拠を記していない。それに三、四割は、検挙された部落民であって、参加者ではない。
ラムザイヤーは、こういった手口をよく使う。賀川豊彦が自著『貧民心理の研究』(警醒社、1920年)の中で、和歌山県の部落民の犯罪は部落外の3倍にのぼると書いている、と引用したが、賀川が���いた原典は書かれていない。賀川がそう書いている、というだけである。これでは、〇〇がそう言っていた、という噂話に等しい。まともな研究者の論文とは、とうてい言えない(そもそも賀川がまともだったのか、という疑問はぬぐえないのだが)。
ちなみに『火の鎖』の著者の三谷は、共産党公認の大阪府議、衆議院議員を長らく務めた。同書では、米騒動において社会改革を求めて闘った部落民を<組織的で機動性に富>み<痛苦の深さと連帯意識の強さを示していた>と褒め称えている。そのエールが、”三割から四割”という根拠なき数字へと押し上げたのだろう。
この数字は、ウィキペディアの「米騒動」の項目にも引用されている(ただし参加者ではなく、刑事処分者)。ハーバード大学教授はそれを見て、誤って引き写したのかもしれない。
※ ※ ※
ラムザイヤーは、米騒動における部落民の横暴を前掲の資料『所謂米騒動事件の研究』(司法省刑事局)を読み込んだうえで、次のようにまとめている。
<基本的に米騒動は抗議ではなく、略奪と強奪が目的だった。暴徒は米の仲買人や商家、富豪をしばしば標的にした。彼らは現金の引き出しや米価の値引きを求め、それに応じない場合は放火をほのめかして脅した。もし攻撃目標が、躊躇もしくは固辞した場合、家中から強奪し、家屋に油をかけて火を放った。観察者がいうところの ” 窃盗団 ” の一味である女子供たちは、暴徒に付き従い、貴重品を持ち去り、暴徒が夜に焼き討ちした翌���朝には、焼け残った貴重品を持ち帰った>
この文章で、ラムザイヤーが引用・参照したのは、前掲資料で計5点(5カ所)。うち騒動の主体が部落民ではないのが3カ所もある。部落に該当するふたつのうちひとつは、<特殊部落民多数を混じたる暴徒>で、部落外も含まれる。
該当する、もうひとつ<神戸市騒擾に対し特殊部落民の参加したる状況>には、以下の記述がある。読みやすいよう句読点を付した。
<元来彼等の特性は、事変に乗じ、窃盗又は恐喝を為すに長ずるも、騒擾の主動者たるか如きは敢て為さゞるが如し。特殊民中或は仲仕と為り、又は鍛冶職工と為りて普通民と相伍する者は、騒擾に当りても亦夫等の者と行動を共にせる者無きに非ず。然れども是極めて少数にして騒擾の為、警察の力及ばざるに乗じ、不正を働きたる者最も多数とす>
部落民は騒擾の主導者とは言えない、部落民で参加した者はきわめて少数と明記している。ラムザイヤーの自論である部落民主導説と、参照した文献の内容が、まったく逆ではないか。
ラムザイヤーは、論文の米騒動の項目を次の文章でしめくくっている。
<暴徒の放火や略奪などの暴力は、全国にまたがった。時には火災現場に到着した消防士が襲われた。福井県では市長と警察署長の家宅が破壊され、警察署は焼き討ちされた。神戸では27ヶ所の鈴木商店の建物が放火された。福岡では暴徒はダイナマイトを投げ、銃で出動した軍隊を蹴散らした。最も大規模な暴動は大阪府で起こった。暴徒はときどき金庫を強奪して2万円を奪取し、建物に火をつけた>
もうおわかりであろう。インパクトがある事件を並べ立ててはいるものの、記述のほとんどが部落とは関係がない。そもそもダイナマイト云々は軍部のデマだし、2万円強奪は私が調べた限りでは、1200円だった。
そうしたいい加減な情報もさることながら、米騒動と部落民をテーマにした項目で、部落民以外の事件を取り上げるのは、倫理的にも学術的にも問題である。
ラムザイヤーは、なにか部落に恨みでもあるのだろうか。いちど本人に、直接といただしてみたい。<2020・6・29>
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あるいは永遠の未来都市(東雲キャナルコートCODAN生活記)
都市について語るのは難しい。同様に、自宅や仕事場について語るのも難しい。それを語ることができるのは、おそらく、その中にいながら常にはじき出されている人間か、実際にそこから出てしまった人間だけだろう。わたしにはできるだろうか? まず、自宅から徒歩三秒のアトリエに移動しよう。北側のカーテンを開けて、掃き出し窓と鉄格子の向こうに団地とタワーマンション、彼方の青空に聳える東京スカイツリーの姿を認める。次に東側の白い引き戸を一枚、二枚とスライドしていき、団地とタワーマンションの窓が反射した陽光がテラスとアトリエを優しく温めるのをじっくりと待つ。その間、テラスに置かれた黒竹がかすかに揺れているのを眺める。外から共用廊下に向かって、つまり左から右へさらさらと葉が靡く。一枚の枯れた葉が宙に舞う。お前、とわたしは念じる。お前、お隣さんには行くんじゃないぞ。このテラスは、腰よりも低いフェンスによってお隣さんのテラスと接しているのだ。それだけでなく、共用廊下とも接している。エレベーターへと急ぐ人の背中が見える。枯れ葉はテラスと共用廊下との境目に設置されたベンチの上に落ちた。わたしは今日の風の強さを知る。アトリエはまだ温まらない。 徒歩三秒の自宅に戻ろう。リビング・ダイニングのカーテンを開けると、北に向いた壁の一面に「田」の形をしたアルミ製のフレームが現れる。窓はわたしの背より高く、広げた両手より大きかった。真下にはウッドデッキを設えた人工地盤の中庭があって、それを取り囲むように高層の住棟が建ち並び、さらにその外周にタワーマンションが林立している。視界の半分は集合住宅で、残りの半分は青空だった。そのちょうど境目に、まるで空に落書きをしようとする鉛筆のように東京スカイツリーが伸びている。 ここから望む風景の中にわたしは何かしらを発見する。たとえば、斜め向かいの部屋の窓に無数の小さな写真が踊っている。その下の鉄格子つきのベランダに男が出てきて、パジャマ姿のままたばこを吸い始める。最上階の渡り廊下では若い男が三脚を据えて西側の風景を撮影している。今日は富士山とレインボーブリッジが綺麗に見えるに違いない。その二つ下の渡り廊下を右から左に、つまり一二号棟から一一号棟に向かって黒いコートの男が横切り、さらに一つ下の渡り廊下を、今度は左から右に向かって若い母親と黄色い帽子の息子が横切っていく。タワーマンションの間を抜けてきた陽光が数百の窓に当たって輝く。たばこを吸っていた男がいつの間にか部屋に戻ってワイシャツにネクタイ姿になっている。六階部分にある共用のテラスでは赤いダウンジャケットの男が外を眺めながら電話をかけている。地上ではフォーマルな洋服に身を包んだ人々が左から右に向かって流れていて、ウッドデッキの上では老婦が杖をついて……いくらでも観察と発見は可能だ。けれども、それを書き留めることはしない。ただ新しい出来事が無数に生成していることを確認するだけだ。世界は死んでいないし、今日の都市は昨日の都市とは異なる何ものかに変化しつつあると認識する。こうして仕事をする準備が整う。
東雲キャナルコートCODAN一一号棟に越してきたのは今から四年前だった。内陸部より体感温度が二度ほど低いな、というのが東雲に来て初めに思ったことだ。この土地は海と運河と高速道路に囲まれていて、物流倉庫とバスの車庫とオートバックスがひしめく都市のバックヤードだった。東雲キャナルコートと呼ばれるエリアはその名のとおり運河沿いにある。ただし、東雲運河に沿っているのではなく、辰巳運河に沿っているのだった。かつては三菱製鋼の工場だったと聞いたが、今ではその名残はない。東雲キャナルコートが擁するのは、三千戸の賃貸住宅と三千戸の分譲住宅、大型のイオン、児童・高齢者施設、警察庁などが入る合同庁舎、辰巳運河沿いの区立公園で、エリアの中央部分に都市基盤整備公団(現・都市再生機構/UR)が計画した高層板状の集合住宅群が並ぶ。中央部分は六街区に分けられ、それぞれ著名な建築家が設計者として割り当てられた。そのうち、もっとも南側に位置する一街区は山本理顕による設計で、L字型に連なる一一号棟と一二号棟が中庭を囲むようにして建ち、やや小ぶりの一三号棟が島のように浮かんでいる。この一街区は二〇〇三年七月に竣工した。それから一三年後の二〇一六年五月一四日、わたしと妻は二人で一一号棟の一三階に越してきた。四年の歳月が流れてその部屋を出ることになったとき、わたしはあの限りない循環について思い出していた。
アトリエに戻るとそこは既に温まっている。さあ、仕事を始めよう。ものを書くのがわたしの仕事だった。だからまずMacを立ち上げ、テキストエディ��かワードを開く。さっきリビング・ダイニングで行った準備運動によって既に意識は覚醒している。ただし、その日の頭とからだのコンディションによってはすぐに書き始められないこともある。そういった場合はアトリエの東側に面したテラスに一時的に避難してもよい。 掃き出し窓を開けてサンダルを履く。黒竹の鉢に水を入れてやる。近くの部屋の原状回復工事に来たと思しき作業服姿の男がこんちは、と挨拶をしてくる。挨拶を返す。お隣さんのテラスにはベビーカーとキックボード、それに傘が四本置かれている。テラスに面した三枚の引き戸はぴったりと閉められている。緑色のボーダー柄があしらわれた、目隠しと防犯を兼ねた白い戸。この戸が開かれることはほとんどなかった。わたしのアトリエや共用廊下から部屋の中が丸見えになってしまうからだ。こちらも条件は同じだが、わたしはアトリエとして使っているので開けているわけだ。とはいえ、お隣さんが戸を開けたときにあまり中を見てしまうと気まずいので、二年前に豊洲のホームセンターで見つけた黒竹を置いた。共用廊下から外側に向かって風が吹いていて、葉が光を食らうように靡いている。この住棟にはところどころに大穴が空いているのでこういうことが起きる。つまり、風向きが反転するのだった。 通風と採光のために設けられた空洞、それがこのテラスだった。ここから東雲キャナルコートCODANのほぼ全体が見渡せる。だが、もう特に集中して観察したりしない。隈研吾が設計した三街区の住棟に陽光が当たっていて、ベランダで父子が日光浴をしていようが、島のような一三号棟の屋上に設置されたソーラーパネルが紺碧に輝いていて、その傍の芝生に二羽の鳩が舞い降りてこようが、伊東豊雄が設計した二街区の住棟で影がゆらめいて、テラスに出てきた老爺が異様にうまいフラフープを披露しようが、気に留めない。アトリエに戻ってどういうふうに書くか、それだけを考える。だから、目の前のすべてはバックグラウンド・スケープと化す。ただし、ここに広がるのは上質なそれだった。たとえば、ここにはさまざまな匂いが漂ってきた。雨が降った次の日には海の匂いがした。東京湾の匂いだが、それはいつも微妙に違っていた。同じ匂いはない。生成される現実に呼応して新しい文字の組み合わせが発生する。アトリエに戻ろう。
わたしはここで、広島の中心部に建つ巨大な公営住宅、横川という街に形成された魅力的な高架下商店街、シンガポールのベイサイドに屹立するリトル・タイランド、ソウルの中心部を一キロメートルにわたって貫く線状の建築物などについて書いてきた。既に世に出たものもあるし、今から出るものもあるし、たぶん永遠にMacの中に封じ込められると思われるものもある。いずれにせよ、考えてきたことのコアはひとつで、なぜ人は集まって生きるのか、ということだった。 人間の高密度な集合体、つまり都市は、なぜ人類にとって必要なのか? そしてこの先、都市と人類はいかなる進化を遂げるのか? あるいは都市は既に死んだ? 人類はかつて都市だった廃墟の上をさまよい続ける? このアトリエはそういうことを考えるのに最適だった。この一街区そのものが新しい都市をつくるように設計されていたからだ。 実際、ここに来てから、思考のプロセスが根本的に変わった。ここに来るまでの朝の日課といえば、とにかく怒りの炎を燃やすことだった。閉じられた小さなワンルームの中で、自分が外側から遮断され、都市の中にいるにもかかわらず隔離状態にあることに怒り、その怒りを炎上させることで思考を開いた。穴蔵から出ようともがくように。息苦しくて、ひとりで部屋の中で暴れたし、壁や床に穴を開けようと試みることもあった。客観的に見るとかなりやばい奴だったに違いない。けれども、こうした循環は一生続くのだと、当時のわたしは信じて疑わなかった。都市はそもそも息苦しい場所なのだと、そう信じていたのだ。だが、ここに来てからは息苦しさを感じることはなくなった。怒りの炎を燃やす朝の日課は、カーテンを開け、その向こうを観察するあの循環へと置き換えられた。では、怒りは消滅したのか?
白く光沢のあるアトリエの床タイルに青空が輝いている。ここにはこの街の上半分がリアルタイムで描き出される。床の隅にはプロジェクトごとに振り分けられた資料の箱が積まれていて、剥き出しの灰色の柱に沿って山積みの本と額に入ったいくつかの写真や絵が並んでいる。デスクは東向きの掃き出し窓の傍に置かれていて、ここからテラスの半分と共用廊下、それに斜向かいの部屋の玄関が見える。このアトリエは空中につくられた庭と道に面しているのだった。斜向かいの玄関ドアには透明のガラスが使用されていて、中の様子が透けて見える。靴を履く住人の姿がガラス越しに浮かんでいる。視線をアトリエ内に戻そう。このアトリエは専用の玄関を有していた。玄関ドアは斜向かいの部屋のそれと異なり、全面が白く塗装された鉄扉だった。玄関の脇にある木製のドアを開けると、そこは既に徒歩三秒の自宅だ。まずキッチンがあって、奥にリビング・ダイニングがあり、その先に自宅用の玄関ドアがあった。だから、このアトリエは自宅と繋がってもいるが、独立してもいた。 午後になると仕事仲間や友人がこのアトリエを訪ねてくることがある。アトリエの玄関から入ってもらってもいいし、共用廊下からテラス経由でアトリエに招き入れてもよい。いずれにせよ、共用廊下からすぐに仕事場に入ることができるので効率的だ。打ち合わせをする場合にはテーブルと椅子をセッティングする。ここでの打ち合わせはいつも妙に捗った。自宅と都市の両方に隣接し、同時に独立してもいるこのアトリエの雰囲気は、最小のものと最大のものとを同時に掴み取るための刺激に満ちている。いくつかの重要なアイデアがここで産み落とされた。議論が白熱し、日が暮れると、徒歩三秒の自宅で妻が用意してくれた料理を囲んだり、東雲の鉄鋼団地に出かけて闇の中にぼうっと浮かぶ屋台で打ち上げを敢行したりした。 こうしてあの循環は完成したかに見えた。わたしはこうして都市への怒りを反転させ都市とともに歩み始めた、と結論づけられそうだった。お前はついに穴蔵から出たのだ、と。本当にそうだろうか? 都市の穴蔵とはそんなに浅いものだったのか?
いやぁ、 未来都市ですね、
ある編集者がこのアトリエでそう言ったことを思い出す。それは決して消えない残響のようにアトリエの中にこだまする。ある濃密な打ち合わせが一段落したあと、おそらくはほとんど無意識に発された言葉だった。 未来都市? だってこんなの、見たことないですよ。 ああ、そうかもね、とわたしが返して、その会話は流れた。だが、わたしはどこか引っかかっていた。若く鋭い編集者が発した言葉だったから、余計に。未来都市? ここは現在なのに? ちょうどそのころ、続けて示唆的な出来事があった。地上に降り、一三号棟の脇の通路を歩いていたときのことだ。団地内の案内図を兼ねたスツールの上に、ピーテル・ブリューゲルの画集が広げられていたのだった。なぜブリューゲルとわかったかといえば、開かれていたページが「バベルの塔」だったからだ。ウィーンの美術史美術館所蔵のものではなく、ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館所蔵の作品で、天に昇る茶褐色の塔がアクリル製のスツールの上で異様なオーラを放っていた。その画集はしばらくそこにあって、ある日ふいになくなったかと思うと、数日後にまた同じように置かれていた。まるで「もっとよく見ろ」と言わんばかりに。
おい、お前。このあいだは軽くスルーしただろう。もっとよく見ろ。
わたしは近寄ってその絵を見た。新しい地面を積み重ねるようにして伸びていく塔。その上には無数の人々の蠢きがあった。塔の建設に従事する労働者たちだった。既に雲の高さに届いた塔はさらに先へと工事が進んでいて、先端部分は焼きたての新しい煉瓦で真っ赤に染まっている。未来都市だな、これは、と思う。それは天地が創造され、原初の人類が文明を築きつつある時代のことだった。その地では人々はひとつの民で、同じ言葉を話していた。だが、人々が天に届くほどの塔をつくろうとしていたそのとき、神は全地の言葉を乱し、人を全地に散らされたのだった。ただし、塔は破壊されたわけではなかった。少なくとも『創世記』にはそのような記述はない。だから、バベルの塔は今なお未来都市であり続けている。決して完成することがないから未来都市なのだ。世界は変わったが、バベルは永遠の未来都市として存在し続ける。
ようやく気づいたか。 ああ。 それで? おれは永遠の未来都市をさまよう亡霊だと? どうかな、 本当は都市なんか存在しないのか? どうかな、 すべては幻想だった? そうだな、 どっちなんだ。 まあ結論を急ぐなよ。 おれはさっさと結論を出して原稿を書かなきゃならないんだよ。 知ってる、だから急ぐなと言ったんだ。 あんたは誰なんだ。 まあ息抜きに歩いてこいよ。 息抜き? いつもやっているだろう。あの循環だよ。 ああ、わかった……。いや、ちょっと待ってくれ。先に腹ごしらえだ。
もう昼を過ぎて久しいんだな、と鉄格子越しの風景を一瞥して気づく。陽光は人工地盤上の芝生と一本木を通過して一三号棟の廊下を照らし始めていた。タワーマンションをかすめて赤色のヘリコプターが東へと飛んでいき、青空に白線を引きながら飛行機が西へと進む。もちろん、時間を忘れて書くのは悪いことではない。だが、無理をしすぎるとあとになって深刻な不調に見舞われることになる。だから徒歩三秒の自宅に移動しよう。 キッチンの明かりをつける。ここには陽光が入ってこない。窓側に風呂場とトイレがあるからだ。キッチンの背後に洗面所へと続くドアがある。それを開けると陽光が降り注ぐ。風呂場に入った光が透明なドアを通過して洗面所へと至るのだった。洗面台で手を洗い、鏡に目を向けると、風呂場と窓のサッシと鉄格子と団地とスカイツリーが万華鏡のように複雑な模様を見せる。手を拭いたら、キッチンに戻って冷蔵庫を開け、中を眺める。食材は豊富だった。そのうちの九五パーセントはここから徒歩五分のイオンで仕入れた。で、遅めの昼食はどうする? 豚バラとキャベツで回鍋肉にしてもいいが、飯を炊くのに時間がかかる。そうだな……、カルボナーラでいこう。鍋に湯を沸かして塩を入れ、パスタを茹でる。ベーコンと玉葱、にんにくを刻んでオリーブオイルで炒める。それをボウルに入れ、パルメザンチーズと生卵も加え、茹で上がったパスタを投入する。オリーブオイルとたっぷりの黒胡椒とともにすべてを混ぜ合わせれば、カルボナーラは完成する。もっとも手順の少ない料理のひとつだった。文字の世界に没頭しているときは簡単な料理のほうがいい。逆に、どうにも集中できない日は、複雑な料理に取り組んで思考回路を開くとよい。まあ、何をやっても駄目な日もあるのだが。 リビング・ダイニングの窓際に置かれたテーブルでカルボナーラを食べながら、散歩の計画を練る。籠もって原稿を書く日はできるだけ歩く時間を取るようにしていた。あまり動かないと頭も指先も鈍るからだ。走ってもいいのだが、そこそこ気合いを入れなければならないし、何よりも風景がよく見えない。だから、平均して一時間、長いときで二時間程度の散歩をするのが午後の日課になっていた。たとえば、辰巳運河沿いを南下しながら首都高の高架と森と物流倉庫群を眺めてもいいし、辰巳運河を越えて辰巳団地の中を通り、辰巳の森海浜公園まで行ってもよい。あるいは有明から東雲運河を越えて豊洲市場あたりに出てもいいし、そこからさらに晴海運河を越えて晴海第一公園まで足を伸ばし、日本住宅公団が手がけた最初の高層アパートの跡地に巡礼する手もある。だが、わたしにとってもっとも重要なのは、この東雲キャナルコートCODAN一街区をめぐるルートだった。つまり、空中に張りめぐらされた道を歩いて、東京湾岸のタブラ・ラサに立ち上がった新都市を内側から体感するのだ。 と、このように書くと、何か劇的な旅が想像されるかもしれない。アトリエや事務所、さらにはギャラリーのようなものが住棟内に点在していて、まさに都市を立体化したような人々の躍動が見られると思うかもしれない。生活と仕事が混在した活動が積み重なり、文化と言えるようなものすら発生しつつあるかもしれないと、期待を抱くかもしれない。少なくともわたしはそうだった。実際にここに来るまでは。さて、靴を履いてアトリエの玄関ドアを開けよう。
それは二つの世界をめぐる旅だ。一方にここに埋め込まれたはずの思想があり、他方には生成する現実があった。二つの世界は常に並行して存在する。だが、実際に見えているのは現実のほうだけだし、歴史は二つの世界の存在を許さない。とはいえ、わたしが最初に遭遇したのは見えない世界のほうだった。その世界では、実際に都市がひとつの建築として立ち上がっていた。ただ家が集積されただけでなく、その中に住みながら働いたり、ショールームやギャラリーを開設したりすることができて、さまざまな形で人と人とが接続されていた。全体の半数近くを占める透明な玄関ドアの向こうに談笑する人の姿が見え、共用廊下に向かって開かれたテラスで人々は語り合っていた。テラスに向かって設けられた大きな掃き出し窓には、子どもたちが遊ぶ姿や、趣味のコレクション、打ち合わせをする人と人、アトリエと作品群などが浮かんでいた。それは���はや集合住宅ではなかった。都市で発生する多様で複雑な活動をそのまま受け入れる文化保全地区だった。ゾーニングによって分断された都市の攪拌装置であり、過剰な接続の果てに衰退期を迎えた人類の新・進化論でもあった。 なあ、そうだろう? 応答はない。静かな空中の散歩道だけがある。わたしのアトリエに隣接するテラスとお隣さんのテラスを通り過ぎると、やや薄暗い内廊下のゾーンに入る。日が暮れるまでは照明が半分しか点灯しないので光がいくらか不足するのだった。透明な玄関ドアがあり、その傍の壁に廣村正彰によってデザインされたボーダー柄と部屋番号の表示がある。ボーダー柄は階ごとに色が異なっていて、この一三階は緑だった。少し歩くと右側にエレベーターホールが現れる。外との境界線上にはめ込まれたパンチングメタルから風が吹き込んできて、ぴゅうぴゅうと騒ぐ。普段はここでエレベーターに乗り込むのだが、今日は通り過ぎよう。廊下の両側に玄関と緑色のボーダー柄が点々と続いている。左右に四つの透明な玄関ドアが連なったあと、二つの白く塗装された鉄扉がある。透明な玄関ドアの向こうは見えない。カーテンやブラインドや黒いフィルムによって塞がれているからだ。でも陰鬱な気分になる必要はない。間もなく左右に光が満ちてくる。 コモンテラスと名づけられた空洞のひとつに出た。二階分の大穴が南側と北側に空いていて、共用廊下とテラスとを仕切るフェンスはなく、住民に開放されていた。コモンテラスは住棟内にいくつか存在するが、ここはその中でも最大だ。一四階の高さが通常の一・五倍ほどあるので、一三階と合わせて計二・五階分の空洞になっているのだ。それはさながら、天空の劇場だった。南側には巨大な長方形によって縁取られた東京湾の風景がある。左右と真ん中に計三棟のタワーマンションが陣取り、そのあいだで辰巳運河の水が東京湾に注ぎ、東京ゲートブリッジの橋脚と出会って、「海の森」と名づけられた人工島の縁でしぶきを上げる様が見える。天気のいい日には対岸に広がる千葉の工業地帯とその先の山々まで望むことができた。海から来た風がこのコモンテラスを通過し、東京の内側へと抜けていく。北側にその風景が広がる。視界の半分は集合住宅で、残りの半分は青空だった。タワーマンションの陰に隠れて東京スカイツリーは確認できないが、豊洲のビル群が団地の上から頭を覗かせている。眼下にはこの団地を南北に貫くS字アベニューが伸び、一街区と二街区の人工地盤を繋ぐブリッジが横切っていて、長谷川浩己率いるオンサイト計画設計事務所によるランドスケープ・デザインの骨格が見て取れる。 さあ、公演が始まる。コモンテラスの中心に灰色の巨大な柱が伸びている。一三階の共用廊下の上に一四階の共用廊下が浮かんでいる。ガラス製のパネルには「CODAN Shinonome」の文字が刻まれている。この空間の両側に、六つの部屋が立体的に配置されている。半分は一三階に属し、残りの半分は一四階に属しているのだった。したがって、壁にあしらわれたボーダー柄は緑から青へと遷移する。その色は、掃き出し窓の向こうに設えられた目隠しと防犯を兼ねた引き戸にも連続している。そう、六つの部屋はこのコモンテラスに向かって大きく開くことができた。少なくとも設計上は。引き戸を全開にすれば、六つの部屋の中身がすべて露わになる。それらの部屋の住人たちは観客なのではない。この劇場で物語を紡ぎ出す主役たちなのだった。両サイドに見える美しい風景もここではただの背景にすぎない。近田玲子によって計画された照明がこの空間そのものを照らすように上向きに取り付けられている。ただし、今はまだ点灯していない。わたしはたったひとりで幕が上がるのを待っている。だが、動きはない。戸は厳重に閉じられるか、採光のために数センチだけ開いているかだ。ひとつだけ開かれている戸があるが、レースカーテンで視界が完全に遮られ、窓際にはいくつかの段ボールと紙袋が無造作に積まれていた。風がこのコモンテラスを素通りしていく。
ほら、 幕は上がらないだろう、 お前はわかっていたはずだ、ここでは人と出会うことがないと。横浜のことを思い出してみろ。お前はかつて横浜の湾岸に住んでいた。住宅と事務所と店舗が街の中に混在し、近所の雑居ビルやカフェスペースで毎日のように文化的なイベントが催されていて、お前はよくそういうところにふらっと行っていた。で、いくつかの重要な出会いを経験した。つけ加えるなら、そのあたりは山本理顕設計工場の所在地でもあった。だから、東雲に移るとき、お前はそういうものが垂直に立ち上がる様を思い描いていただろう。だが、どうだ? あのアトリエと自宅は東京の空中にぽつんと浮かんでいるのではないか? それも悪くない、とお前は言うかもしれない。物書きには都市の孤独な拠点が必要だったのだ、と。多くの人に会って濃密な取材をこなしたあと、ふと自分自身に戻ることができるアトリエを欲していたのだ、と。所詮自分は穴蔵の住人だし、たまに訪ねてくる仕事仲間や友人もいなくはない、と。実際、お前はここではマイノリティだった。ここの住民の大半は幼い子どもを連れた核家族だったし、大人たちのほとんどはこの住棟の外に職場があった。もちろん、二階のウッドデッキ沿いを中心にいくつかの仕事場は存在した。不動産屋、建築家や写真家のアトリエ、ネットショップのオフィス、アメリカのコンサルティング会社の連絡事務所、いくつかの謎の会社、秘かに行われている英会話教室や料理教室、かつては違法民泊らしきものもあった。だが、それもかすかな蠢きにすぎなかった。ほとんどの住民の仕事はどこか別の場所で行われていて、この一街区には活動が積み重ねられず、したがって文化は育たなかったのだ。周囲の住人は頻繁に入れ替わって、コミュニケーションも生まれなかった。お前のアトリエと自宅のまわりにある五軒のうち四軒の住人が、この四年間で入れ替わったのだった。隣人が去ったことにしばらく気づかないことすらあった。何週間か経って新しい住人が入り、透明な玄関ドアが黒い布で塞がれ、テラスに向いた戸が閉じられていくのを、お前は満足して見ていたか? 胸を抉られるような気持ちだったはずだ。 そうした状況にもかかわらず、お前はこの一街区を愛した。家というものにこれほどの帰属意識を持ったことはこれまでになかったはずだ。遠くの街から戻り、暗闇に浮かぶ格子状の光を見たとき、心底ほっとしたし、帰ってきたんだな、と感じただろう。なぜお前はこの一街区を愛したのか? もちろん、第一には妻との生活が充実したものだったことが挙げられる。そもそも、ここに住むことを提案したのは妻のほうだった。四年前の春だ。「家で仕事をするんだったらここがいいんじゃない?」とお前の妻はあの奇妙な間取りが載った図面を示した。だから、お前が恵まれた環境にいたことは指摘されなければならない。だが、第二に挙げるべきはお前の本性だ。つまり、お前は現実のみに生きているのではない。お前の頭の中には常に想像の世界がある。そのレイヤーを現実に重ねることでようやく生きている。だから、お前はあのアトリエから見える現実に落胆しながら、この都市のような構造体の可能性を想像し続けた。簡単に言えば、この一街区はお前の想像力を搔き立てたのだ。 では、お前は想像の世界に満足したか? そうではなかった。想像すればするほどに現実との溝は大きく深くなっていった。しばらく想像の世界にいたお前は、どこまでが現実だったのか見失いつつあるだろう。それはとても危険なことだ。だから確認しよう。お前が住む東雲キャナルコートCODAN一街区には四二〇戸の住宅があるが、それはかつて日本住宅公団であり、住宅・都市整備公団であり、都市基盤整備公団であって、今の独立行政法人都市再生機構、つまりURが供給してきた一五〇万戸以上の住宅の中でも特異なものだった。お前が言うようにそれは都市を構築することが目指された。ところが、そこには公団の亡霊としか言い表しようのない矛盾が内包されていた。たとえば、当時の都市基盤整備公団は四二〇戸のうちの三七八戸を一般の住宅にしようとした。だが、設計者の山本理顕は表面上はそれに応じながら、実際には大半の住戸にアトリエや事務所やギャラリーを実装できる仕掛けを忍ばせたのだ。玄関や壁は透明で、仕事場にできる開放的なスペースが用意された。間取りはありとあらゆる活動を受け入れるべく多種多様で、メゾネット��アネックスつきの部屋も存在した。で、実際にそれは東雲の地に建った。それは現実のものとなったのだった。だが、実はここで世界が分岐した。公団およびのちのURは、例の三七八戸を結局、一般の住宅として貸し出した。したがって大半の住戸では、アトリエはまだしも、事務所やギャラリーは現実的に不可だった。ほかに「在宅ワーク型住宅」と呼ばれる部屋が三二戸あるが、不特定多数が出入りしたり、従業員を雇って行ったりする業務は不可とされたし、そもそも、家で仕事をしない人が普通に借りることもできた。残るは「SOHO住宅」だ。これは確かに事務所やギャラリーとして使うことができる部屋だが、ウッドデッキ沿いの一〇戸にすぎなかった。 結果、この一街区は集合住宅へと回帰した。これがお前の立っている現実だ。都市として運営されていないのだから、都市にならないのは当然の帰結だ。もちろん、ゲリラ的に別の使い方をすることは可能だろう。ここにはそういう人間たちも確かにいる。お前も含めて。だが、お前はもうすぐここから去るのだろう? こうしてまたひとり、都市を望む者が消えていく。二つの世界はさらに乖離する。まあ、ここではよくあることだ。ブリューゲルの「バベルの塔」、あの絵の中にお前の姿を認めることはできなくなる。 とはいえ、心配は無用だ。誰もそのことに気づかないから。おれだけがそれを知っている。おれは別の場所からそれを見ている。ここでは、永遠の未来都市は循環を脱して都市へと移行した。いずれにせよ、お前が立つ現実とは別世界の話だがな。
実際、人には出会わなかった。一四階から二階へ、階段を使ってすべてのフロアを歩いたが、誰とも顔を合わせることはなかった。その間、ずっとあの声が頭の中に響いていた。うるさいな、せっかくひとりで静かに散歩しているのに、と文句を言おうかとも考えたが、やめた。あの声の正体はわからない。どのようにして聞こえているのかもはっきりしない。ただ、ふと何かを諦めようとしたとき、周波数が突然合うような感じで、周囲の雑音が消え、かわりにあの声が聞こえてくる。こちらが応答すれば会話ができるが、黙っていると勝手に喋って、勝手に切り上げてしまう。あまり考えたくなかったことを矢継ぎ早に投げかけてくるので、面倒なときもあるが、重要なヒントをくれもするのだ。 あの声が聞こえていることを除くと、いつもの散歩道だった。まず一三階のコモンテラスの脇にある階段で一四階に上り、一一号棟の共用廊下を東から西へ一直線に歩き、右折して一〇メートルほどの渡り廊下を辿り、一二号棟に到達する。南から北へ一二号棟を踏破すると、エレベーターホールの脇にある階段で一三階に下り、あらためて一三階の共用廊下を歩く。以下同様に、二階まで辿っていく。その間、各階の壁にあしらわれたボーダー柄は青、緑、黄緑、黄、橙、赤、紫、青、緑、黄緑、黄、橙、赤と遷移する。二階に到達したら、人工地盤上のウッドデッキをめぐりながら島のように浮かぶ一三号棟へと移動する。その際、人工地盤に空いた長方形の穴から、地上レベルの駐車場や学童クラブ、子ども写真館の様子が目に入る。一三号棟は一〇階建てで共用廊下も短いので踏破するのにそれほど時間はかからない。二階には集会所があり、住宅は三階から始まる。橙、黄、黄緑、緑、青、紫、赤、橙。 この旅では風景がさまざまに変化する。フロアごとにあしらわれた色については既に述べた。ほかにも、二〇〇もの透明な玄関ドアが住人の個性を露わにする。たとえば、入ってすぐのところに大きなテーブルが置かれた部屋。子どもがつくったと思しき切り絵と人気ユーチューバーのステッカーが浮かぶ部屋。玄関に置かれた飾り棚に仏像や陶器が並べられた部屋。家の一部が透けて見える。とはいえ、透明な玄関ドアの四割近くは完全に閉じられている。ただし、そのやり方にも個性は現れる。たとえば、白い紙で雑に塞がれた玄関ドア。一面が英字新聞で覆われた玄関ドア。鏡面シートが一分の隙もなく貼りつけられた玄関ドア。そうした玄関ドアが共用廊下の両側に現れては消えていく。ときどき、外に向かって開かれた空洞に出会う。この一街区には東西南北に合わせて三六の空洞がある。そのうち、隣接する住戸が占有する空洞はプライベートテラスと呼ばれる。わたしのアトリエに面したテラスがそれだ。部屋からテラスに向かって戸を開くことができるが、ほとんどの戸は閉じられたうえ、テラスは物置になっている。たとえば、山のような箱。不要になった椅子やテーブル。何かを覆う青いビニールシート。その先に広がるこの団地の風景はどこか殺伐としている。一方、共用廊下の両側に広がる空洞、つまりコモンテラスには物が置かれることはないが、テラスに面したほとんどの戸はやはり、閉じられている。ただし、閉じられたボーダー柄の戸とガラスとの間に、その部屋の個性を示すものが置かれることがある。たとえば、黄緑色のボーダー柄を背景としたいくつかの油絵。黄色のボーダー柄の海を漂う古代の船の模型。橙色のボーダー柄と調和する黄色いサーフボードと高波を警告する看板のレプリカ。何かが始まりそうな予感はある。今にも幕が上がりそうな。だが、コモンテラスはいつも無言だった。ある柱の側面にこう書かれている。「コモンテラスで騒ぐこと禁止」と。なるほど、無言でいなければならないわけか。都市として運営されていない、とあの声は言った。 長いあいだ、わたしはこの一街区をさまよっていた。街区の外には出なかった。そろそろアトリエに戻らないとな、と思いながら歩き続けた。その距離と時間は日課の域をとうに超えていて、あの循環を逸脱しつつあった。アトリエに戻ったら、わたしはこのことについて書くだろう。今や、すべての風景は書き留められる。見過ごされてきたものの言語化が行われる。そうしたものが、気の遠くなるほど長いあいだ、連綿と積み重ねられなければ、文化は発生しない。ほら、見えるだろう? 一一号棟と一二号棟とを繋ぐ渡り廊下の上から、東京都心の風景が確認できる。東雲運河の向こうに豊洲市場とレインボーブリッジがあり、遥か遠くに真っ赤に染まった富士山があって、そのあいだの土地に超高層ビルがびっしりと生えている。都市は、瀕死だった。炎は上がっていないが、息も絶え絶えだった。密集すればするほど人々は分断されるのだ。
まあいい。そろそろ帰ろう。陽光は地平線の彼方へと姿を消し、かわりに闇が、濃紺から黒へと変化を遂げながらこの街に降りた。もうじき妻が都心の職場から戻るだろう。今日は有楽町のもつ鍋屋で持ち帰りのセットを買ってきてくれるはずだ。有楽町線の有楽町駅から辰巳駅まで地下鉄で移動し、辰巳桜橋を渡ってここまでたどり着く。それまでに締めに投入する飯を炊いておきたい。 わたしは一二号棟一二階のコモンテラスにいる。ここから右斜め先に一一号棟の北側の面が見える。コンクリートで縁取られた四角形が規則正しく並び、ところどころに色とりどりの空洞が光を放っている。緑と青に光る空洞がわたしのアトリエの左隣にあり、黄と黄緑に光る空洞がわたしの自宅のリビング・ダイニングおよびベッドルームの真下にある。家々の窓がひとつ、ひとつと、琥珀色に輝き始めた。そのときだ。わたしのアトリエの明かりが点灯した。妻ではなかった。まだ妻が戻る時間ではないし、そもそも妻は自宅用の玄関ドアから戻る。闇の中に、机とそこに座る人の姿が浮かんでいる。鉄格子とガラス越しだからはっきりしないが、たぶん……男だ。男は机に向かって何かを書いているらしい。テラスから身を乗り出してそれを見る。それは、わたしだった。いつものアトリエで文章を書くわたしだ。だが、何かが違っている。男の手元にはMacがなかった。机の上にあるのは原稿用紙だった。男はそこに万年筆で文字を書き入れ、原稿の束が次々と積み上げられていく。それでわたしは悟った。
��んたは、もうひとつの世界にいるんだな。 どうかな、 で、さまざまに見逃されてきたものを書き連ねてきたんだろう? そうだな。
もうひとりのわたしは立ち上がって、掃き出し窓の近くに寄り、コモンテラスの縁にいるこのわたしに向かって右手を振ってみせた。こっちへ来いよ、と言っているのか、もう行けよ、と言っているのか、どちらとも取れるような、妙に間の抜けた仕草で。
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聴講メモ #JILIS_PFC #JILIS 「第2回JILIS情報法セミナー in 東京」 就活サイト「内定辞退予測」で揺れる“個人スコア社会”到来の法的問題を考える 〜現行法の解釈における課題と個人情報保護法改正への提言〜
聴講時に入力したメモです。断片。配布資料等からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
開催案内:https://www.jilis.org/events/2019/2019-09-09.html https://jilis-tokyo-02.peatix.com/ 主 催:一般財団法人情報法制研究所(JILIS) 共 催:情報法制学会(ALIS) 日 時:2019年9月9日(月)14:30〜18:30(受付開始14:00) ※台風による交通への影響で、当初予定より1時間繰り下げ 会 場:一橋大学 一橋講堂
(以下、敬称略)
総合司会: 白石 紘一 弁護士(東京八丁堀法律事務所)
開会挨拶 鈴木 正朝 情報法制研究所(JILIS)理事長
台風のため、当初予定より1時間遅れのスケジュールとなる。 投書企画した時点では、これほど広範な問題となるとは考えていなかった。会場を急遽変更した。 各省庁の指導、記者の質問等により、省庁横断で検討されるようになった。事実の方がどんどん先に進んでいる。思いのほか、役所にスピード感がある。 業界全体に及ぶ様々な問題点が浮かび上がっている。本件問題は台風のように多くの企業を巻き込んだものになると思われる。 法の支配が隅々に及ぶように、このセミナーが本件検討のキックオフとなるようにしたい。
※個人情報の保護に関する法律第 42 条第1項の規定に基づく勧告等について 令和元年8月26日 個人情報保護委員会 https://www.ppc.go.jp/files/pdf/190826_houdou.pdf
1.パネル:就活サイト「内定辞退予測」問題とは 司会:山本 一郎 JILIS上席研究員 板倉陽一郎 JILIS参与・弁護士・理化学研究所AIP 鈴木 正朝 JILIS理事長・新潟大学教授・理研AIP 高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究所主任研究員
や 今回の問題については、一企業の問題に限らないものと考える。事実関係について話しを進めていきたい。 た 本件事案については、企業が就活生の情報を集め、企業に辞退率を算出して提供していたというものである。
や 報道としてはクッキーで串を刺したということだが。
た どうやって紐づけるかというのが問題だが、配布したアンケートに個人IDをつけて紐づけるという例が出されている。
や 完全な個人突合になるのでは。
た 前年度実績から辞退者リストを企業からもらい、そのリストの人の閲覧履歴を用いて機械学習を行い、今年度の候補者リストも企業からもらい、辞退予測スコアを算出ということであるらしい。
や 個人情報保護委員会がもう一段、重い処分を下すのではないかという話があるが。
た スコアの正確性、スコアの採用への利用の有無など、解明してもらいたい。
た 求人企業側への失効が行われていないので、処理を行った企業としても何も言えないということではないか。 2019と2020ではスキームが違うという釈明をしているが。
す 各省庁ごとの個人情報のとらえ方はそれぞれの法目的により違っていていい。
や 今回、読売新聞で酷い事例が報じられたが。
た 書類選考の段階でことごとく落とされた。当該学生は国家公務員試験も受けており、処理企業のシステムにもそれを登録していた。それが原因ではないかという疑問が出ている。
す 何が問題であったのか、立証しにくい問題であるからこそ、個人情報保護法の形式的なところで縛っていくべきものではないか。
や 個人情報保護委員会の勧告・指導の内容についてはどうか。
い 勧告はプライバシーポリシーで確実な同意を得ていないという点。安全管理措置については分別管理の問題と、プライバシーポリシーをきちんと直していないという問題を挙げている。自社に適用される法律の理解もされていないと。 旧スキームではプライバシーポリシーに第三者提供について記述はあるが、委員会は不十分であると。 厚労省は指導自体が公表されていないが、旧スキームの方も適法ではないとしている。秘密保持に触れると。
や 職業安定法についてはどうか。
た 業界団体あての「募集情報等提供事業等の適正な運営について」という文書では「あらかじめ明示的に指定された客観的な条件に音づくことなく、募集情報等提供事業者の判断により選別または加工を行うことは認められないこと」と指摘されている。本人同意があっても直ちに違法状態は解消されないと。
や 記述がやや、曖昧に感じられるが。
た 労働分野の個人情報保護について安全管理措置のみ重視しているように読めていたが、指針をもって、ここまで踏み込んだと。
い ガイドラインが少なくなったところか。
す そもそも論として���本質的な業務とは何かとの𠮟責ではないか。立法事実が起きてしまった以上は、個人情報保護法も労働法も、検討をしなければならない。また、1社ではなく、業界全体を対象として指導ではないか。ユーザー企業側も点検が必要だろう。
い スキームが組めていないというのが個人情報保護委員会からの𠮟責に含まれている。そもそも、同意されるわけがない。これを受けて、厚労省の処理があったのは妥当ではないか。人事労務部門は法律の検討が甘い。 人事のKPIが辞退率であれば、母数を大きくさせるというやり方は武器商人と同じではないか。
や 厚労省がこの期に及んで、やっと問題にしたというのは違和感がある。
い 雇用の個人情報保護ガイドラインが無くなったのは気の毒なことではある。が、規範がある以上はきちんと運用しなければ。
や 就職情報サービスの寡占性については公取も問題にし始めた。対消費者問題ではないかとの声もあるが。
い 欧州や米FTCは消費者も独禁法で扱う。どこまで公取が扱うかは切り分けが難しい。
た パブコメにかけられた指針案を見ると、データによる不利益選別は入っていない。提供、取得はそれを間接的に守るためのものではないか。
す 公取の個人情報の捉え方が、財産的に見えるところが気になる。
や 処理企業は個人情報のとらえ方をなぜ勘違いしたのか。
た IDを使って突合しているので個人情報ではないという捉え方をしていた。新スキームでも氏名をハッシュ化しているので個人情報ではないととらえていた。個人情報保護委員会も旧スキームのIDによる突合を問題視していない。
す 推測だが、個人情報保護委員会はクッキーIDについて踏み込むとアドテクに被弾するので、もう少し整理したいと考えているのではないか。個人情報の定義がふらふらしているのであれば、ガイドラインをしっかりすべき。
た クッキーについては改正時に先送りされた。アドテクは人ではなく、ブラウザに紐づけることを厳守していた。今回の事案はもろに人間に紐づいている。
や 今回の事案は統計データであって個人データではないとの声もあるが。
た 一人一人のデータである以上は個人データである。個人情報は不変情報であるとの考え方が見受けられるが、採用区分や特性等も個人情報である。
や 人材会社は評価は個人情報ではないとよく言ってしまうが。
す 一人一人のレコードに突っ込んだものは全部、個人情報である。
い 議論の前提がGDPRになってきているので、スキームを組むにはGDPRを指標とした方が楽である。
た 「個人情報」ではなく、「個人に関する情報」あるいは「パーソナルデータ」とした方が良いのではないか。
や 処理企業のやったことを擁護する声があるが。
た 同意されないような内容の事業は、本来、生まれないはずである。ルールは何のためにあるのか。
や 今回、情報を他のサイトのものも含めて突合してしまったことが委託ではなく第三者提供ではないかとの声があるが。
す コールセンター企業で切り分けの問題があった。これを安全管理上、塀を立てるように持って行った。しかし、本件は委託で処理すべきものであるか。漏えい等の問題となるのではないか。
た 混ぜるな危険はガイドラインで明言されている。処理企業の同業他社は別のやり方をしていると弁明している。エントリーシートを解析しているとのことで、混ぜずに機械学習をさせているのであれば、適法だろう。但し、当該企業が氏名を抜いているので個人情報ではないと言っていることは不味い。
す suica事案と同じ問題を孕んでいる。
や 求人企業側は自分達の問題ではないとみている節がある。
す controller概念が希薄である。
い 結局、何と何を混ぜたというと、受託企業のデータを発注企業のものと混ぜたということ。
す 委託先の監督義務と言いつつ、受託側にスキルが集約されているので、監督能力がない。受託企業の責務として、適法化まで含めてお仕事であると。
や 人工知能については。
た AIの限界が明らかになったと思う。ワトソンで足切りした例は、人間が処理したものと同じ結果になるまでやり、違う結果になったものは改めて人間が見ている。辞退可能性のような複雑なものは人間が判断できるか。公平性という観点が出てきている。偏りを排除したデータ分析が研究として出てきている。正確かつ公正なAIが出てきたとして、どうしても寡占化してしまう。たまたま外れている人はどうなるのか。
や 健康情報や教育に関わる者もこれからは問題になっていくのでは。
す 現状の手続き的規定の中で、きっちりと捌いていくものと、人権侵害に係るようなものについてはきっちりと。
や 人材会社同士で生データを回しているという話がある。
2.報告:就活サイト「内定辞退予測」問題と経済法・経済学 依田 高典 京都大学 大学院経済学研究科 教授 ※資料「行動経済学から迫るプラットフォーマー規制:リクナビ事件を題材として」 https://onedrive.live.com/?authkey=%21AIXzYqvkjEj6Tzk&cid=B93AFBB89AE46138&id=B93AFBB89AE46138%21288&parId=B93AFBB89AE46138%21251&o=OneUp
内閣官房デジタル市場競争本部(仮称)「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法(仮称)」を来年の国会提出を目指す。
GDPRでは反トラスト等については飛躍がある。が、従来の法理、経済学では取り扱えない部分も。
旧反トラスト法で扱えた企業と、扱えない企業 ネットワーク効果と両面市場
行動経済学と限定合理性 うまい話に飛びつく人
憲法論的、プライバシー権的な裏付けの必要性 社会的に受���されるところはどこか
機械学習によるターゲティング、プロファイリングはどこまでやっていいのか 倫理 受容 合意
経済的な取引で生じる余剰が正しく分配されているか。
プラットフォーム上で問題になるのは間接ネットワーク効果
イノベーションの芽を刈り取る間引き買収
市場独占力をどこまでコントロールできるか。
グーグルは集めた情報を他に販売していないので、取り締まりがしづらい。
限定合理性 ありの~ままで~♪
ナッジ 予防原則
ただほど高いものはない。本当は無料ではなくて、個人情報を吸い取られている。
読まれない、理解されない利用規約
「濫用の濫用」?
優越的地位の乱用は対消費者にも成り立つと言わざるを得ない 限定合理性に付け込む 両面市場における市場支配力
中小企業やプロシューマ―は? こちらは合理性基準で切り分ける
今回の事案は外に販売するので規制にかかりやすい 再発防止大事
リクナビ事件は消費者に不利益を与えかねない点で、消費者優越に該当する
企業は学生を集めるために、学生は就活するために、リクナビは両面市場性を有し、両者に不可欠性が高いプラットフォームである
リクルートにとって、個人データは仕入原材料のようなもの データ主体は対価を請求できる
損失を蒙る学生に正当な対価を支払うことなく、リクルートは経済的利益を貪った点で、優越的地位濫用に該当する経済事件性がある
機械学習を使って個人データから推定値を計算する時に、情報提供者が現状よりも不利益を蒙らないような経済的保証が必要である
経済学では「現状維持公正性」と呼んだりするが、現状維持公正性を満たす経済的保証の制度的担保が必要ではないか。
無料・両面市場ビジネスのからくりを分かりやすく周知し、市民の理解を得ないと、プラットフォーマー規制は功を奏さないだろう
プラットフォーマー規制は、ネットワーク効果、限定合理性、プライバシー権、人工知能と倫理の4本柱を総動員する必要がある
反トラスト法が完成するまでは100年かかった。
3.報告:就活サイト「内定辞退予測」問題と労働法 倉重公太朗 弁護士(倉重・近衞・森田法律事務所)
※本事案についての厚生労働省通達 職発0906第3号、同第4号 令和元年9月6日 募集情報等提供事業等の適正な運営について https://www.mhlw.go.jp/content/000545728.pdf
こんなに職安法が注目される日が来るとは思わなかった。
サイト側 職安法における個人情報保護の問題 有料職業紹介事業該当性の問題 有料職業紹介事業許可基準の問題
求人企業側 職安法上の個人情報保護の問題 「公正な採用選考」の問題
顧客情報、従業員情報に属さない求人者情報 エアポケット
女衒、タコ部屋問題から規制へ
あっせんの定義はあいまい
募集情報等提供事業は職業紹介よりも緩い
緩いけど報告徴求できる
有料職業紹介なら刑事罰ある
職業紹介なら求人求職管理簿の作成・保管義務あり
「あっせん」求人者と求職者との間を取り持って雇用関係の成立が円滑に行われるように第三者として世話すること
募集情報提供事業者でも、事業全体としては職業紹介に該当することがある
ヘッドハンティングも「世話」
雇用仲介事業等の在り方に関する検討会 第8回(h271125)
民間企業が行うインターネットによる求人情報・求職者情報提供と職業紹介との区分に関する基準について h120727 職発第512号都道府県労働局長あて労働省職業安定局長通知
なにが選別加工?
今回適用されたのは職安法51条
マッチングシステムと職業紹介該当性の問題 「連絡」の範囲
求人企業側「公正な採用選考」との関係 憲法14条 本籍地の調査、身元調査などはそもそも取得することがふさわしくない情報とされている 同意を取ればいいという問題ではない
「内定辞退率」 情報の制度、前提となる情報の範囲、検証可能性、差別的取り扱いの有無などにより「そもそも取得することがふさわしくない」か否かを判断すべき。
そもそも本件問題は日本型雇用に起因する
採用担当にとって自分の評価になるとなれば無理が起こる
内定後の引き留めに用いる可能性は、目的を明示した上であれば可能な余地があろう
「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」報告書(h280603)
重要なのは労働条件の明示と個人情報の取扱い
何を守って何に生かすのかという観点から関係省庁が連携して検討することが必要
フェアに、どの情報を、何の目的で利用しているか、堂々と明示できないサービスは存在すべきではない。 →堂々と利用目的を説明できるかが問題
4.個人情報保護法の観点から提言(次期改正への提案) 高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究所主任研究員
差別的な取り扱いの禁止 人権侵害的な行為を防止
どこで線引きするかは難しい→データによる人間の選別に着目
プロファイリングへの対応にもつながる
個人情報保護法の限界 利用目的の特定はどこまで書けば適法なのか 容易照合性の解釈、未だ定まらず
求人企業側の問題としての限界 スコアの利用目的を特定していたか(取得について) マイナビ利用者ではどうか 委託なので取得に当たらないとして、特定していない疑い
選別 法目的の明確化 利用定義の復活
評価情報作成 個人データ化する時点を取得とする
個人情報とは何か 「容易に照合することができ」を昭和63年法の初期案に戻す 容易照合性 個人データ定義に「(構成することを予定しているものを含む)」と明確化
読まれないスタイルのプライバシーポリシーの横行 利用目的を事業者単位からサービス単位へ変更
統計量として傾向分析に使われるか、自分を選別する材料として使われるか
データプライバシーの保護
利用のカテゴリ 統計量への集計の入力とする GDPRでは明示的に除外 行政機関個人情報保護法も除外 連絡する データによる選別をする ターゲティング広告 優先サービス提供 人事評価 いわゆる「プロファイリング」も手段として含まれる 第三者に提供する サービス提供に用いる
社会保障・税番号大綱 選別されて差別的に取り扱われたりするのではないかといった懸念
労働者の個人情報保護に関する行動指針 個人情報のコンピュータ等による自動処理(中略)の結果のみに基づいて労働者に対する評価又は雇用上の決定を行ってはならない ※後年のガイドラインには入れられていない
本人の関与しないところで作られたプロファイルによる選別
中間整理 利用停止請求権の強化が予定されている ターゲティングを拒否するが、ただのダイレクトめーつは認めるという利用停止が可能になる(日経リーク) 事実上のプロファイリング対応と言えるか
問題点 利用目的にプロファイリングの事が書かれていないと、利用停止を求めることもできない
今回提案と併せると 「データによる選別」が利用目的として特定され通知・公表されていれば停止請求できる
評価情報の生成は取得ではない? 問題とすべきは「個人データ」(レコード)の「列」に「要配慮」相当のものを作る(同意なく)こと 入力するところではなく、出力(使う)準備をするところで縛るべき
評価情報の生成は属性の追加である 追加時に利用目的を特定
列に入れる時点を取得とするように解釈を変える
データによる選別を「データプライバシー」の問題と捉える
個人データ定義の明確化 容易照合 昭和63年案では当該機関が保有する他のファイルまたは台帳等と照合することにより識別できる 現行法でも本事案は容易性に該当するはず DBに格納する前段階のものは「個人情報」とされている 欧州では予定されているものも個人データ
利用目的をサービス単位へ
5.登壇者の総括コメントと質疑応答 司会:山本 一郎 JILIS上席研究員 依田 高典 京都大学 大学院経済学研究科 教授 倉重公太朗 弁護士(倉重・近衞・森田法律事務所) 板倉陽一郎 JILIS参与・弁護士・理化学研究所AIP 鈴木 正朝 JILIS理事長・新潟大学教授・理研AIP 高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究所主任研究員
板 自分のところの適用方が分からないのではという𠮟責は個人情報保護委員会にも戻っているのではないか。指導案件で終わらせず、改正議論に繋げたい。
い 自社利用で表に出なかったら叩かれなかったのではないか。一社をいじめても仕方ない。
く 恣意的な行政であってはならない。基準を明確化すべき。
す 法律家だけで立法政策をすることに限界を感じる。欧米の規律から離れていて、結局はGDPRをみて仕事をすることになってしまっている。ルールを明確化して攻めていかないとGAFA対応どころではない。
た 単純なルールの導入でも一歩ずつ
や GAFA対応について公取が対応すべきとのことだが。曖昧さが疑心暗鬼で真面目な企業を縛ることをどうやって防ぐ。
い グーグルやアマゾンが取引データを採用や差別的取引に使っていたとして、それが問題になるか。
や 日本でケンブリッジ・アナリティカのような問題が起きたときにどうなるか。国内事業者だけが縛られるのではないか。海外に無制限に情報が流れるのでは。
板 GAFAは国内にない。GDPRは代理人を置くことを義務付け、懲罰的な罰金を科すことでテーブルに引きずり出している。呼んでも出てこない日本。
く デジタル労働の問題もある。契約がなくてもワーカーということがある。実効性のある規制をどうするか。 板 デジタル労働とはランサーズのようなものを指す。個人労働者なので、組合を作るとカルテルになるという人もいるが、それはどうか。
や 情報から出てきた話がどんどん広くなっている。設計の組み合わせ方の妙味とは。
た GAFAは自社で持っていて外に出さないから問題にならないと言うが、自社の従業員に使ったらどうなるかというのは面白い論点だと思う。ユーザーと従業員を混ぜてはいけないというのはなぜか。
板 それぞれプライバシーポリシーの立て方が違うので、混ぜないというのが良いと思う。ただ、従業員向けのものが遅れている。
く 要配慮情報の推知はどうなるか。同意を取ればいいというものではないのでは。
や 哲学の部分が凹っと抜けているので、対外対応が難しいのでは。
す 本人同意は自明のように思われているが、民法のものと同じではない。個人情報保護法では本人関与の仕組みである。設計上の理論が詰まっていない。インフォームドコンセント的なものを求めるが、それを法に落とし込めるか。
や 多くの法が絡んでくる。
す 複数の法に情報の取扱いの問題が出てきている。情報法プロパーだけでは対応できない。
や 横串が必要
す 潮目が変わってきており、今後どう、手を打つか。
板 欧州でも独禁法との絡みがある。それを追っかけて行ってもしょうがない。FTCは分厚いケースの積み重ねがある。日本でも指導、勧告等を積み重ね、それを検討していくのが良いのではないか。
す 論点の創出機能はメディアの仕事。
や 現在、公取が積極的に出てきているが。
い 中身がスカスカ。たためない風呂敷でも、何か動かなければならないのが公取の立場。社会的必要もあり、手伝っていくしかないのでは。事例の積み重ねで議論をし、���ンセンサスを得て、アップデートしていく取組みをしていく必要があるのでは。本事案の処理企業だけを叩けばいいのではない。イコールフッティングを考えていかないとGAFA対応はできないのでは。
や 何をもってフェアネスとするか。脊髄反射的に叩いて終わらせるのでは駄目。
い どこが悪かったかをひたすら探し、そこを叩いていくだけでは何も良くならない。小さな改正でも予防、原状回復を。
く 堂々と目的を言えないビジネスモデル自体が駄目。どうなるのか分からないまま同意しても意味がない。
や とりあえずとってやれ的なところはある。
た データの活用という話を混ぜてきて、利益を出そうとしてきているのがPHRではちょっと危ないなと。拙いのはエドテックで、学習データを電子化して使おうという人がいるが、漏えいだけを問題視している。教育の分野で出てくる履歴を使って、本人にどこまで影響を及ぼすかを議論しなければ。個人情報保護法では透明性の確保しかできない。
す ヤフーに呼ばれるまで4年かかった。
い データ主体が利用結果を聞いたときにびっくりしないようにすれば問題は起きない。自分たちの利益だけに目を向け、想像力が欠けていたことが本事案。出発点で国民目線、消費者目線に立ち、何か問題が起きたときに手当をできるようにすべき。
板 想像を絶するようなことをするときは同意を取らなければならないということ。やる前にじっくり考える。B2Cでは顧客に嫌われたらおしまい。
閉会挨拶 江口 清貴 情報法制研究所(JILIS)専務理事
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[友の会メール]友の会10期更新は10月末まで受付中!/『ゲンロン10』全国書店販売開始!/『ゲンロンβ41』配信中!
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[友の会メールvol.332]友の会10期更新は10月末まで受付中!/『ゲンロン10』全国書店販売開始!/『ゲンロンβ41』配信中!(2019年10月08日配信)
★noteで読む: https://note.mu/genron/n/ndb07712875fc
☆**:..。o○o。:..**☆
こんにちは、スタッフの宮田です。
『ゲンロン10』が全国書店にて販売開始されました。ツイッターでも嬉しいご感想をたくさんいただいております。 ゲンロンカフェでは『ゲンロン10』に関連するイベントを開催していきますので、こちらもお楽しみに! また、ゲンロン友の会9期から10期への更新を今月いっぱいまで受け付けております。 更新特典の『ゲンロン10.5』が手に入るラストチャンスです。友の会更新をお忘れなく!
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★友の会 第10期への更新は10/31まで受付中!★
友の会会員のみなさまには、日頃よりゲンロンを支えていただきまして誠にありがとうございます。
この度、ゲンロン友の会 第10期への更新時期となりました。 10月31日までに第9期から更新していただいた方には、特別冊子『ゲンロン10.5』(非売品)を進呈いたします。こちらは『ゲンロンβ29』から『ゲンロンβ39』の記事を集めた特装版です。 (新規ご入会の方は『ゲンロン10.5』進呈の対象外となります。ご了承ください) すでに更新していただいた会員の皆さまには、『ゲンロン10.5』をまもなく発送いたします。 『ゲンロン10.5』のラインナップは、國分功一郎さんと東浩紀の対談「正義は剰余から生まれる」や、 星野博美さん、本田晃子さんの新連載、リレーエッセイ「つながりロシア」、 そして本書表紙の写真も担当された大山顕さんの「スマホの写真論」など豪華なコンテンツが目白押しです。
友の会第10期では他にも、『ゲンロン11』、「10期会期内発行の選べる単行本2冊」、『ゲンロンβ42~53』をお届けするほか、カフェ割引など多様なサービスがついてきます。
更新締め切りは10/31までとさせていただきます。詳細は以下の商品ページをご覧ください。 友の会10期への更新をよろしくお願いします。 https://genron.co.jp/shop/products/detail/244
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★『ゲンロン10』全国書店販売開始・電子書籍版も発売!★
『ゲンロン10』がついに9/26全国書店にて発売となりました!もうお手に取っていただけましたでしょうか? また、電子書籍版も発売いたしました。ぜひお好きな媒体でお楽しみください。 Twitterではすでに嬉しいご感想を多数いただいております。ぜひたくさんのご感想をお待ちしております。 『ゲンロン10』感想まとめはこちら。 https://togetter.com/li/1409795
『ゲンロン10』の試し読みもできる特設ページも公開しました。ぜひご覧ください。 https://genron-tomonokai.com/genron10/
『ゲンロン10』 Amazonでのご購入はこちら。 物理書籍版 2,640円(税込) https://amzn.to/2oW4uh9 電子書籍(Kindle)版 2,300円(税込) https://amzn.to/2MzB4hl
すべて必読の、大充実のコンテンツです。ぜひ一度お手に取ってごらんください!
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★「東浩紀がいま考えていること」(2019/06/14)第1弾をVimeo公開!★
大好評に終わった、先日の東浩紀一人語りイベント第二弾。 そこで、6月に行われた第一弾をVimeo緊急公開いたします。 レンタル(7日間)600円、ご購入(無制限)1,200円です。
東浩紀「東浩紀がいま考えていること」(2019/6/14収録) https://vimeo.com/ondemand/genron20190614
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★『ゲンロンβ41』配信中!★
1.【新連載】「小松理虔 当事者から共事者へ」
『新復興論』の著者待望の新連載では、内部でも外部でもない立場を「共事者」いう言葉で掘り下げます。今回はNPO法人「レッツ」を取材。福祉と表現・個性の在り方を考えます。
2.東浩紀「ドストエフスキーとシミュラークル(1)」
東による連載、今回はドストエフスキーの「聖地巡礼」録の前半です。『罪と罰』の舞台の観光地化は、ラスコーリニコフの虚構への敗北なのか。現地から問いかけます。
3.星野博美「世界は五反田から始まった」
人気エッセイの最新回では一枚の家族写真から、避暑をめぐる父の家と母の家の対比が語られます。両者はやがて空襲と疎開に巻き込まれていく――家族と戦争の歴史を結ぶ必読の文章です。
4.【特別再録】速水健朗「よい子のためのツーリズム」
来年予定の単行本化に先立ち、ゲンロン黎明期の連載の初回を特別再録。震災翌年、小説作品と眺めるビーチの風景はどう見えたか。今後の配信号で追加原稿も掲載予定です!
5.伊勢康平「哲学と世界を変えるには――石田英敬×ユク・ホイ×東浩紀イベントレポート」
ゲンロンカフェ初の英語イベントの模様を、充実の注解でお届け。東洋哲学と技術は結びつくか――『新記号論』に連なる白熱の議論です。
6.藤城嘘さんによるアトリエコーナー、今回は新規展示のご紹介はお休みし、新芸術校グループ展のお知らせを掲載しています。トップバッターのグループ展A『ホンヂスイジャク』の写真付きレポートは次号掲載します。
今号も魅力的なトピックが目白押しの『ゲンロンβ41』。ぜひご一読ください!
『ゲンロンβ41』550円(税込) ゲンロンショップ(ePub版) https://genron.co.jp/shop/products/detail/245 アマゾン(Kindle版) https://amzn.to/2IwkgXb
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★新芸術校 第5期 グループB「摩訶神隠し」展開催★
2019年9月から12月まで、毎月、新芸術校5期の受講生による、新しいグループ展を五反田アトリエにて開催します。 10月12日(土)には第2弾となるグループBの展示「摩訶神隠し」がオープンします。
【グループB】摩訶神隠し 出展作家:大島有香子 / 木谷優太 / 小林毅大 / 鈴木知史 / 田中愛理 / 繭見 / zzz キュレーション:NIL(CL課程)、マリコム(CL課程) デザイン:6:30 会期:2019年10月12日(土)- 20日(日) ※10月19日(土)は講評のため終日休廊 開廊時間:15:00-20:00 https://genron-cafe.jp/event/20191019/
【講評会日時】2019年10月19日(土) 14:15~17:30 ※会場参加は受講生のみとなります。 講評会ゲスト講師 飴屋法水氏 講評会中継URL http://nico.ms/lv322231585 ※会場参加は受講生のみとなります。 ※今回はアトリエでのプレゼン中継のみとなります。講評の中継はございませんのでご了承ください。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
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それでは以下���今週のカフェ&編集部からのお知らせです。
◆◇ ゲンロンカフェからのお知らせ ◇ーー◆ーー◇ーー◆ーー◇ーー◆
◇◇ 発売中の会場チケット ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆10/18(金)19:00- 佐久間裕美子×速水健朗 「マリファナはアメリカをどう変えたか ――『真面目にマリファナの話をしよう』刊行記念イベント」 ☆会場参加: http://ptix.at/m3KO3k ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322049263
★新着イベント★ ◆10/21(月)19:00- 菊地信義×川名潤×水戸部功×長田年伸 【『アイデア』387号 刊行記念トークショー 】 「来るべき『本と出版』を探る ――現代日本のブックデザインめぐる対話」 ☆会場参加: http://ptix.at/wzx8D9 ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322245159
◆10/24(木)19:00- 小川哲×アマサワトキオ×櫻木みわ 「SFを可能にする構想力と取材力 ――『嘘と正典』刊行記念イベント」 ☆会場参加: http://ptix.at/9H87zN ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322245451
★新着イベント★ ◆10/25(金)19:00- 【ゲンロン10 刊行記念】 鴻野わか菜×本田晃子×上田洋子 「ユートピアを記録/記憶する ――コンセプチュアリズムとペーパーアーキテクチャから見るロシア芸術」 ☆会場参加: http://ptix.at/5PFcNm ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322327356
★新着イベント★ ◆10/26(土)19:00- 岩渕貞太×平倉圭 「ほどかれるからだと思考 ――『かたちは思考する:芸術制作の分析』刊行記念イベント」 ☆会場参加: http://ptix.at/ntIhJ9 ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322245873
★新着イベント★ ◆10/28(月)19:00- 西田亮介×辻田真佐憲 【ゲンロン10 刊行記念】 「国威発揚文化の現在地 ――メディア戦略から政治を読む #3」 ☆会場参加: http://ptix.at/c5bDNb ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322327897
★新着イベント★ ◆10/31(木)19:00- 夏野剛×東浩紀 「男たちが語る『エンドゲーム』 ――2010年代というゲームはエンドを迎えたのか?」 ☆会場参加: http://ptix.at/pt5DtB ☆放送視聴: http://nico.ms/lv322246511
◇◇ 今週・来週の放送情報 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆10/9(水)18:00- 【再放送】松尾豊×東浩紀 「人工知能はどこまで社会を変えるのか」 (2015/10/20収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322165447
◆10/10(木)13:00- 【再放送】佐藤カフジ×シン石丸×東浩紀 「FPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R』で巡るチェルノブイリ!」 (2013/9/16収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322168596
◆10/10(木)18:00- 【再放送】西田亮介×辻田真佐憲 「令和における政治広報の行方 ――メディア戦略から政治を読む #2」 (2019/07/03収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322168923
◆10/11(金)13:00- 【再放送】井田茂×東浩紀 「系外惑星から考える ――太陽系は唯一の可能性か」 (2015/5/13収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322169348
◆10/11(金)18:00- 【再放送】國分功一郎×東浩紀 「いま哲学の場所はどこにあるのか」 【ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMA #2】 (2017/12/10収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322328995
◆10/15(火)18:00- 【再放送】法月綸太郎×東浩紀 「ふたたび謎解きの世界 ――名探偵と愛のゆくえ」 (2014/3/14収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322339317
◆10/16(水)18:00- 【再放送】本田晃子×上田洋子 「全体主義とユートピア建築 ――『天体建築論 レオニドフとソ連邦の紙上建築時代』サントリー学芸賞受賞記念トークショー」 (2015/4/28放送) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322339662
◆10/17(木)13:00- 【再放送】冲方丁×深見真×吉上亮×大森望 【『PSYCHO-PASS3』放送開始!】 「エンターテインメントの極大射程」 (2019/4/23収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322339937
◆10/17(木)22:00- 【講評・無料生放送】長谷敏司×塩澤快浩(早川書房)×大森望 「第5回」 【ゲンロン 大森望 SF創作講座 第4期 #5】 https://live.nicovideo.jp/watch/lv322243479 (※こちらの放送はタイムシフトには対応しておりません)
◆10/18(金)13:00- 【再放送】祖父江慎×津田淳子×山本貴光 【ゲンロンカフェ at ボルボスタジオ青山 #20】 「紙の本のつくりかた」 (2019/07/26収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322340367
◆10/18(金)19:00- 【生放送】佐久間裕美子×速水健朗 「マリファナはアメリカをどう変えたか ――『真面目にマリファナの話をしよう』刊行記念イベント」 https://live.nicovideo.jp/watch/lv322049263
◆10/19(土)14:15- 【展示・無料生放送】飴屋法水×黒瀬陽平 【ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第5期 #18】 「グループ展B『摩訶神隠し』展示 ――講評会2」 https://live.nicovideo.jp/watch/lv322231585
◇◇ 現在視聴可能なタイムシフト ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆10/9(水)23:59まで 【再放送】川名潤×水戸部功 司会=長田年伸 「日本のブックデザイン史を記述する 1960-2020」 (2019/2/7収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322122122
◆10/10(木)23:59まで 【再放送】金子遊×清水高志×渡邉大輔 「哲学と映像の『存在論的転回』 ――『実在への殺到』と『映像の境域』の交点から考える」 (2017/10/14収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322122604
◆10/10(木)23:59まで 【再放送】ウティット・ヘーマムーン×岡田利規×福冨渉 司会=上田洋子 「舞台と小説の交感 ――『プラータナー:憑依のポートレート』『憑依のバンコク オレンジブック』出版&東京公演開催記念」 (2019/07/02収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322122826
◆10/11(金)23:59まで 【再放送】鴻英良×危口統之×黒瀬陽平 「ラディカルな芸術とはなにか ――芸術祭におけるアーティストと観客」 (2016/4/28収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322123164
◆10/11(金)23:59まで 【再放送】鈴木忠志×東浩紀×上田洋子 「テロの時代の芸術 ――批判的知性の復活をめぐって」 (2015/5/23放送) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322123438
◆10/12(土)23:59まで 【チャンネル会員限定・生放送】高山明 × 黒瀬陽平 「展示を批評する1 ――展示指導9」 【ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第5期 #16】 https://live2.nicovideo.jp/watch/lv322230846
◆10/15(火)23:59まで 【再放送】橋爪大三郎×仲俣暁生×さやわか 「『橋本治』とはなにものだったのか ――優しいお人好しをめぐって」 (2019/07/11収録) https://live.nicovideo.jp/watch/lv322164547
※ご視聴は23:59まで可能ですが、ご購入いただけるのは視聴終了日の18:00までです。ご注意ください。
◇◇ 今週のおすすめアーカイブ動画 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆【vimeo】東浩紀 「東浩紀がいま考えていること ――『テーマパーク化する地球』刊行記念」 https://vimeo.com/ondemand/genron20190614 (2019/6/14収録)
◆【vimeo】卯城竜太×aggiiiiiii×上田洋子 「アート・アクティヴィズムは社会を変えるか? ――『プッシー・ライオットの革命』(DU BOOKS)刊行記念」 https://vimeo.com/ondemand/genron20181211 (2018/12/11収録)
◆【vimeo】『ゲンロン』第2期始動!『ゲンロン10』パック https://vimeo.com/ondemand/genron10
パック内容は以下の通りです。 1. 原武史×東浩紀「平成において皇后とはなんだったか」 https://genron-cafe.jp/event/20190405/
2. 高橋沙奈美×本田晃子×上田洋子「ツーリズムとナショナリズムからみる現代ロシア――建築、教会、収容所」 https://genron-cafe.jp/event/20190416/
3. 長谷敏司×三宅陽一郎×大森望「AI研究の現在とSFの想像力」【大森望のSF喫茶 #28】 https://genron-cafe.jp/event/20190417/
◆【vimeo】ゲンロンカフェ『ニッポンの演劇』セレクション https://vimeo.com/ondemand/genrontheater
パック内容は以下の通りです。 1.岡田利規×佐々木敦「新しい日本語、新しい身体――チェルフィッチュと演劇の現在」【ニッポンの演劇#1】 https://genron-cafe.jp/event/20151217/
2.飴屋法水×佐々木敦「なにが演劇なのか――パフォーマンスの「正体」をめぐって」【ニッポンの演劇#3】 https://genron-cafe.jp/event/20160413/
3.平田オリザ×佐々木敦「現代口語演劇はいかに更新されたか?」【ニッポンの演劇#4】 https://genron-cafe.jp/event/20160628/
◆【vimeo】『大森望のSF喫茶』セレクション#1 https://vimeo.com/ondemand/genronsf1
パック内容は以下の通りです。 1. 円城塔×東浩紀×大森望「テクノロジーと文学のゆくえ――小説をプログラミングする」 genron-cafe.jp/event/20151024b/
2. 飛浩隆×東浩紀×大森望「『自生の夢』刊行記念トークイベント」 genron-cafe.jp/event/20161210b/
3. 瀬名秀明×東浩紀×大森望「SFと復興――小松左京から考える」 genron-cafe.jp/event/20140111/
★ゲンロンカフェ Vimeo On Demand 公開動画一覧 https://genron-tomonokai.com/vimeo/
◆◇ 五反田アトリエからのお知らせ ◆ーー◇ーー◆ーー◇ーー◆ーー◇
開催予定の展示
◆2019年10月12日(土) - 10月20日(日) ※10月19日(土)は講評のため終日休廊です ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第5期生展覧会グループB「摩訶神隠し」 開廊時間:15:00 - 20:00
出展作家:大島有香子 / 木谷優太 / 小林毅大 / 鈴木知史 / 田中愛理 / 繭見 / zzz キュレーション:NIL(CL課程) / マリコム(CL課程) デザイン:6:30
展覧会特設サイトはこちら https://makakamikakushi.com/
新芸術校第5期生による展覧会、グループAにつづいてグループBの展示がはじまります! 「サバイバル」型のプログラムが組まれている新芸術校では、4グループに分かれて4回の展示が行われ、その中で成績優秀者が最終成果展へ選出されます。 今もっとも注目される美術学校のひとつとなった新芸術校生徒たちの作品が、毎月ご覧いただけます。 どのグループの展示もどうぞお楽しみに、お見逃しなく!
新芸術校について・新芸術校関連の予定についてはこちら↓ https://school.genron.co.jp/gcls/
(藤城嘘/カオス*ラウンジ)
◆◇ 編集部からのお知らせ ◆ーー◇ーー◆ーー◇ーー◆ーー◇
★『ゲンロン10』全国書店にて販売開始!電子書籍版も配信開始!★
『ゲンロン10』 Amazonでのご購入はこちら。 物理書籍版: https://amzn.to/2oW4uh9 電子書籍(Kindle)版: https://amzn.to/2MzB4hl
★東浩紀『テーマパーク化する地球』好評発売中!
批評家として、哲学者として、そして経営者として、独自の思索と実践を積み重ねてきた東浩紀。 その震災以降の原稿から47のテクストを選び出し、「世界のテーマパーク化」「慰霊と記憶」「批評の役割」を軸に配列した評論集。 ゲンロンショップ [物理書籍版] https://genron.co.jp/shop/products/detail/224 [電子書籍(ePub)版] https://genron.co.jp/shop/products/detail/228
アマゾン [物理書籍版] https://amzn.to/2XvICFV [電子書籍(Kindle)版] https://amzn.to/2Ik7Emd
→試し読みページはこちら! https://genron-tomonokai.com/themepark/no1/
★『新記号論 脳とメディアが出会うとき』Kindle版値下げキャンペーン開催中!
『テーマパーク化する地球』発売を記念して、『新記号論』Kindle版は通常価格より580円お得な2,500円(税込み)に! [Amazon Kindle版] https://amzn.to/2JgQlln
以下はゲンロンショップサイトのリンクとなります。 「脳とメディアが出会うとき――記号論は新たに生まれ変わる!」 [物理書籍版] https://genron.co.jp/shop/products/detail/215 [電子書籍版] https://genron.co.jp/shop/products/detail/220
→試し読みページはこちら! https://genron-tomonokai.com/shinkigouron/no1/
★『マンガ家になる!――ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第1期講義録』絶賛販売中! 絵がうまいだけじゃダメ、マンガが描けるだけでもダメ。業界騒然のマンガ家育成講義録! https://genron.co.jp/shop/products/detail/193 →試し読みページはこちら! https://issuu.com/genroninfo/docs/20181125/16
★小松理虔『新復興論』絶賛販売中! 第18回大佛次郎論壇賞受賞! 「課題先進地区・浜通り」から全国に問う、新たな復興のビジョン! https://genron.co.jp/shop/products/detail/178 →『新復興論』特設ページはこちら! https://genron.co.jp/books/shinfukkou/
★毎日出版文化賞受賞&朝日新聞社「平成の30冊」第4位!『ゲンロン0 観光客の哲学』絶賛販売中! https://genron.co.jp/shop/products/detail/103 →『ゲンロン0』特設ページはこちら! https://genron-tomonokai.com/genron0/
★今だけお得な友の会第9期かけこみ&第10期更新を受付中! https://genron.co.jp/shop/products/detail/242
◆「ゲンロン友の声」サイト、質問募集中です! 知られざるTumblrサイト「ゲンロン友の声」では、友の会会員のみなさまからお寄せいただいたご意見・ご質問に対して、 東浩紀をはじめとするスタッフがお返事を差し上げております。 また、ゲンロンnoteも開始いたしました。noteにも「ゲンロン友の声」を掲載していきます。
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◆河出書房新社より東浩紀『ゆるく考える』発売中! いつの間にか中小企業ゲンロンのオヤジ経営者になっていた。 人生の選択肢は無限だ。ゆるく、ラジカルにゆるく。東浩紀のエッセイ集! http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309027449/
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「芸術実験旧喫茶ますみと甘木鉄道」①
空間との共鳴。朝倉という地域性。8名の作家のコラボレーション…鑑賞者により様々な捉え方が生まれるユニークな展覧会。
会 期丨2024年3月2日〜17日
会 場丨①旧喫茶ますみ
朝倉市本町1186-16
②甘木鉄道甘木駅
朝倉市甘木1320
入場料丨800円
参加アーティスト
青栁隆之介 @pinojam_the_artist
冨永剛 @tomi_39saku
中園唯 @dreaming_offtone
中村公泰@kimiyasu_art
宮野英治 @eiji_miyano
MIRAI @miraizukunft
山口貴一 @yamaguchi.takakazu
岑國希 @blue.bone
グラフィックデザイン
#須藤史貴[anno lab]、宮垣貴宏
主催 芸術実験準備室
gallery cobaco @gallery_cobaco
協働 朝倉市
後援 あさくら観光協会
朝倉商工会議所
協賛(敬称略):株式会社 敬愛、株式会社 篠崎、原鶴温泉旅館協同組合
あさくら 税理士法人、阿さひ飴本舗菓蔵家、甘木観光ホテル甘木館、有限会社 甘木白蟻、甘鉄エージェンシー株式会社、株式会社 泉組、有限会社 チェック保険サービス、株式会社 手嶋組、天ぷら 七八、福岡銀行、Ponte クラシックギター教室、弁護士法人 松本・永野法律事務所、美奈宜神社、夢ごごち らくや
個人協賛(敬称略):草場啓子、行徳美千代、尾花洋子、鋤本禮子、国分恵美子 他
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明日より🦒 @gallery_cobaco にて「キリン10」が始まります🍉お近くの方は、是非🤲🦒😆 . 「キリン10」~キリンにまつわる10のこと~ 会期|7.16sat~8.7sun 場所|gallery cobaco 時間|11:00~17:00 入場|無料 【参加アーティスト】 #雨宮康子 #江頭良介 #金澤郁弥 #谷口亮 #中園唯 #原田透 #福井安紀 #前原正広 #MIRAI 【後援】 #朝倉市 #あさくら観光協会 #朝倉商工会議所 【協力】 #福岡市動物園 動物情報館 9名のアーティストによる作品展。福岡市動物園 動物情報館からの“キリン豆知識コーナー” “キリン雑貨”のコーナーもあります。 *************** 貴方も私も知っている。 ゆらゆらロマンチックな長い頸。 可愛いかな…とも びっくりする睫毛の長さ。 カラダのその柄、なんだろう? スマートなんだけど、 不便そうだし。 色んなキリンが見えてくる。 この世界に生きてるキリンもいるし、空想の世界の麒麟もいるんだよ…なんてことも楽しめる。 サバンナのキリンには 会いに行けないけど、 ギャラリーコバコの キリン&麒麟&きりんちゃんに 会いに来て。 キリンにまつわる 10のこと。 キリン10 *************** #asakura #art#gallery #gallerycobaco #exhibition #artspace #朝倉市#朝倉市カフェ #ギャラリー#アートスペース #古民家 #アート #キリン#麒麟#きりん (gallery cobaco) https://www.instagram.com/p/CgCF6VyvnIQ/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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毛沢東はソ連と仲違いした時、長年にわたって途方もない予算と将兵の養成が必要な通常兵器より、短期間に決定的な抑止力を高める核・ミサイルが効果的であると認識した。
そこで人民の半分が餓死してでも「両弾一星」(原・水爆と人工衛星)を完遂するという決断をした。
その根底には、中国という国家は人民(約8億人)の半分、4億人を犠牲にしても国家は生き残れるという意識であった。
また、「政権は銃口より生まれる」と喝破したように、国共合作で国民党軍を日本軍と戦わせ、共産党軍は後方にいて増勢につなげ、続く内戦で勝利して政権奪取につなげる考えがあった。
実際、430万人いた国民党軍は150万人となり、120万人しかいなかった共産党軍は400万人となり、累次の内戦で約800万人が戦死したとも言われる。
中華人民共和国の建国後の犠牲者
毛沢東は建国10年後の1958年から61年までの3年間、人民公社を地方ごとに造って自給自足で生き延びることができるように大躍進運動を行う。
しかし、公社間の競争精神は実体の伴わない過大報告となり、結果的には約2300万人が餓死したと言われる。
毛は失敗を認めて国家主席を辞任。1962年1月の中央工作会議で劉少奇国家主席が「三分の天災、七分の人災」と述べて大躍進を批判する。
しかし、建国以来続けてきた反右派闘争に勝利して1964年に復権する。この15年間に約950万人を虐殺したとされる。
1966年からは10年に及ぶ文化大革命が続く。この間の政治的な痛めつけでの死亡(約2000万人)や餓死者はほぼ1億人にも上ったとみられている。
3度の批判を生き残った鄧小平は毛の死去(1976年)後の78年末に「改革開放」の大号令をかけ、今日の大発展につながっていく。
しかし、どこまでも社会主義市場経済で、共産主義体制の維持が前提であった。
胡耀邦が総書記に就任(1980年2月)してチベットの惨憺たる有様に衝撃を受け、失政の責任は共産党にあるとして、政治犯の釈放や信教の自由と僧院の再建などの自由化政策を進めるが、共産党幹部の批判を受け87年1月解任される。
続く趙紫陽も学生たちの民主化要求に柔軟な対応を示し、天安門広場に出かけ学生を説得するが失敗に終わる。
鄧小平は共産党政権維持への懸念を深め、中国人民解放軍による武力弾圧を決断し、民主的な抵抗を戦車で粉砕する(「天安門事件」、「6・4事件」とも呼称)。
趙は3週間後(6月23日)に解任され、上海市委員会書記であった江沢民が抜擢される。
天安門事件の死者は発表されていないが、米国の秘密文書によると、死者は1万454人、死傷者は4万人以上となっている(方政・釈量子対談「生き証人が語る 血塗られた天安門の虐殺」、『WiLL』2016.7号所収)。
改革開放後の経済的発展は貧富の差を拡大させ、犯罪や暴動も頻発した。400万人の死刑囚収容施設は不足する状況で、死刑免除と引き換えに外国への労働者として派遣しているとも言われる。
すべてにおいてスケールが違う中国
列挙すればきりがないが、広大な領土と巨大な人口、困難な統一、近代化の遅れ、そして何よりも言論の自由がない共産党独裁の強権政治で「物言えば唇寒し」だ。
他方、愛国無罪が大きな「虚言」を蔓延らせる。
日本では厚生労働省の為体で統計の信頼性が揺れているが、中国は国家ぐるみで、GDP(国内総生産)さえ疑問視されている。
内乱や自然災害、イナゴの異常発生による蝗害などが絶え間なく起き、その都度100万単位の死者・餓死者を出してきたとされるが、何一つ正確な数字の公表はない。
秦の始皇帝が即位したBC221年から共産党結成の直前1920年までの2140年間に160回の内乱があり、累計年数は896年で、13年おきに約6年間の戦闘が起きてきたとされる。
また、この間に5150回の天災、うち1035回の旱魃、1037回の水害が発生。旱魃や水害は2年に1回、蝗害も含めた天災は5カ月に1回の頻度で発生してきたことになる。
施政が行き届かない広大な領土ゆえに、何か起きれば大飢饉に直面した。1810年900万人、1811年2000万人、1849年1375万人、1876~78年1300万人の死者を出す大飢饉が発生している。
20世紀に入ってからも、1928~30年の大飢饉では西安市のある陝西省で200万人が流民となり、1930~32年には1000万人が餓死している。
なお、支那事変で日本軍が開封を占領した1938年、蒋介石軍が日本軍の追撃阻止のため、黄河の堤防を決壊させ、下流域(河南省・安徽省・江蘇省にまたがる54000平方キロ���北海道の6割)の水没で100万人死亡、被害者は600万人に上ったとされる(『郭沫若自伝』は日本軍の無差別爆撃と対外宣伝した)。
このため、3省の農地が農作物ごと破壊され、河南省では1942年に凶作、続く翌年は蝗の大群発生で、300万人が餓死したという。
こうした餓死者が出ると、得体の知れない茸も食し、子供を交換して食すこともあったとされる(易子而食…子を替えて食らう)。
中国人による中国人の斬殺
問題は人為的な残虐行為で、『揚州十日記』がある。
明朝滅亡��、満清の軍隊が南下して勢力を南京に及ぼそうとした時、南京政府の要所、揚州城の攻防で王秀楚という人物が家族や兄弟と逃げ回る間に体験した記録である。
わずか10日間の出来事であるが、中国社会で昔から蔓延るあらゆる慣習が見て取れる。
指揮官の逃亡、兵士の略奪・強姦・放火・惨殺などの暴虐、金品の強要や強奪などが展開される。
2人の女性が逃げ回り、足が泥の中にぬかって脛まで没している。「1人が女の子を抱いていたのを、兵卒は鞭で叩いてその子を泥の中に捨てさせ、そのまますぐ追い立てて行った」。
数十人のものは牛か羊かのように駆り立てられて「少しでも進まぬと直ちに笞を加えられ、あるいはただちに殺された。女たちは長い綱で数珠を通したように頸をつながれ、一足ごとに躓き転んで、全身泥まみれになった」。
「どこにもかしこにも幼児が馬の蹄にかけられ、人の足に踏まれて、臓腑は泥にまみれ、その泣き声は曠野に満ち満ちていた」
「途中の溝や池には死骸がうず高く積み上げられ、手と足が重なり合っていた。池はそのために平らになっていた」
逃げ回った挙げ句、通りに出た。
「通りには人の首が重なりあって横たわっていたが、真っ暗で誰が誰やら見分けがつかなかった」
「(中略)城壁の下には死骸が積み上げてあるため、歩くのに難渋した。何度つまづいては起き上がったか知れなかった。何かに驚かされるたびに、地面に倒れて死骸の真似をした」
彼らは掠奪や強姦ばかりでなく、火災も起こす。四方に火事が起こり、「こっそり戸外に出て見ると、畑の中には死骸が積み重なっていて、中には息絶え絶えにまだ生きているのもあった」。
男(兵士)は幼女と男児を連れた婦人を捕えた。
「男の児が母を呼んで食べ物をねだった。その男は怒って一撃すると、脳が砕けて男の児は死んだ。男は婦人と幼女を引いて行った」
隠れていた場所に「数人の兵卒がやって来て引き出されたことが二度ほどあったが、その都度少しばかりの金を握らせると行ってしまった」。
こうして10日間で80万人が清軍の刀下で虐殺されるという血腥い「大屠殺」が展開され、繁華の揚州は凄惨な生き地獄と化したという。
揚州を落とした清軍は騎虎の勢で数日後に南京に入る。南京王朝の福王や陪臣はいち早く逃亡し、文武百官はみな薙髪して清軍に降伏する。
余談であるが、清軍豫王とまみえた揚州督鎮は「史可法ここに在り!」と大呼するが、武運拙く、ついに捕えられる。
豫王は「降れば則ち富貴ならん」と諭すが、史可法は「われは天朝の重臣なり。あにいやしくも生を偸(ぬす)みて万世の罪人となるべけんや。わが頭(こうべ)、断つべし、身屈すべからず」と断る。
豫王は3日間説得し続けるが、最後は涙を揮って部下に斬らせたという。
中国の極刑さまざま
手元に『図説 中国酷刑史』(尾鷲卓彦著、徳間書店)がある。
酷刑とは残酷極まりない刑罰のことで、中国の酷刑を可能な範囲で紹介したものである。
「彼らは手足を釘で打ちつけられ、鮮血をしたたらせて架刑(はりつけ)にされている劫賊(ごうとう)に、これっぽちの憐みすら寄せないどころか、その“五花斬人(きりきざみ)”のさまを観賞するという奇怪な光景まで演じた」
「街頭や横丁において、首が切り落とされた様子を微に入り細をうがって、活き活きとしゃべりたてるかと思えば、われ先に鮮血にまみれた人頭や半裸の女性の屍体を覗き込む。なかには饅頭に血を吸いこませ、それを食べて肺結核を治そうとする者さえあった」などの記述もある。
酷刑には官刑と私刑の別があり、官刑では「拷問・斬首・絞縊・首枷・足枷・站籠(立った姿勢で首枷)・抽腸・鞭打ち・凌遅(寸刻みで切り裂く)・銃殺・見せしめ」が列挙されている。
私刑では「吊り下げ・熱湯あびせ・目えぐり・耳削ぎ・活き埋め・舌抜き・火あぶり・沈め殺し・釜ゆで・圧殺・宮刑・人喰い・足ぜめ・頭髪そり・入れ墨・首切断・バラバラ屍体」などが記されている。
読んでいて、「心胆を寒からしめる」どころか、こんな国家・社会があるのかと恐ろしくなってくる。日本人には想像を絶する奇想天外な国家・社会のようだ。
本多勝一著『中国の旅』にも、「飢えた軍用犬の餌」にした話(文庫本p20)や「電線にコウモリのようにぶらさげ火あぶり」にした話(同p231)、「腹をたち割り、心臓と肝臓を抜き取って食う」話(同)などがある。
臓器を煮て食したのは日本兵ということになっているが、筆者には日本人の行動様式とは思えない。読者はどう思われるだろうか。
月刊誌『SAPIO』(2015年7月号)は、「毛沢東は『資治通鑑』を17回も読み、ライバル抹殺の手本としていた」とのリードで、「『人ブタ』『食人』『生きたまま肉を削ぐ』 歴史書に描かれた中国4千年『残虐の伝統』」の表題を付けた一文を掲げた。
その中で、「人ブタ(手足を切断し丸裸で厠に放る)」「凌遅」「大量虐殺(一族の公開処刑や赤ん坊を空中に投げ槍で刺す)」「人食い」「ムチ打ち・炮烙(銅製円柱に罪人を縛り付けて焼き殺す)」「站籠」などを挿絵入りで説明している。
中国人による日本人大虐殺
拙論の本題は中国人が日本の軍民に暴行を加え、また惨殺・虐殺した事件の検討である。いくつもあるが、ここでは3つを取り上げたい。
(1)旅順猟奇虐殺事件
日清戦争(1894.8~95.5)間の11月21日に起きた事件である。
近代化に邁進中の日本は、戦争においては勝利することと国際法を順守する文明国家であることを強調する必要があり、戦場に国際法の専門家を同道し、第2軍司令官大山巌大将は「我軍は仁義を以て動き、文明に由て戦ふものなり」と訓示していた。
勝利の報が続々と届いていた矢先の惨事に、影響を最小限にする方策で伊藤博文首相と陸奥宗光外相は振り回される。
旅順市街に突入した日本軍兵士は、3日前に生け捕りされた3人の生首が、道路わきの柳の木につるされているのを見る。鼻はそがれ、耳もなくなっていた。さらに進むと、家屋の軒先に針金でつるされた2つの生首があった。
米国人記者も「ワールド」紙で、「日本軍が旅順になだれ込んだ時、鼻と耳がなくなった仲間の首が、紐でつるされているのを見た。また、表通りには、血の滴る日本人の首で飾られた恐ろしい門があった。その後、大規模な殺戮が起った。激怒した兵士たちは、見るものすべてを殺した」と書いている。
清国兵は残酷を極めた方法で傷をつけ、第2軍兵士の死体を放置した。
死者、あるいは負傷者に対して、首を刎ね、腹部を切り裂き石を詰め、左腕を切り取り、さらに睾丸などまで切り取り、その死体を路傍に放置した。これは捕虜の扱いではなく、猟奇事件でしかない。
この残酷さが日本軍に復讐心を燃え上がらせ、生首が兵士たちの激昂を誘ったとされる。
攻撃の包囲網を狭められた清国兵は「袋の鼠」同然となり、軍服を脱ぎ捨て便衣兵となって民家に逃げ込んだ。
復讐心は便衣兵の徹底捜査となる。また、市民の中には武器をもつ者もいた関係から、彼らも加害者とみなされた。
歩兵第2連隊の加部東常七上等兵は「旅順市街に闖入するや、戸々軒々、家中を捜りて、(略)小暗き家の片隅に潜む一人の敵兵。オノレッ!とばかり・・・。直突一閃! 胸板深く突き通せば、彼、苦しさの余り、我剣刃を握れり。コワ・・・仕損じたり。と力を極めて引けば、四指を落としてがくりと倒るる所を亦一刺。魂、天涯に飛んで骸のみ」と手記に記している。
この連隊では清国兵28人を斬殺した一等兵を筆頭に、21人、17人など、11人で166人の清国兵を屠ったという(以上、井上晴樹著『旅順虐殺事件』)。
旅順郊外の萬忠墓には被難者計1万8百余名(かなりが便衣兵か)と明記されているそうである。数はともかく、事件は両国の将兵が確認し、内外の記者数名が報道し確認している。
しかし、非は我に有りとのことか、中国は旅順の猟奇・虐殺をほとんど報道してこなかった。
(2)昭和2年の「南京事件」
「長江(注:揚子江の上流域)流域上下二千浬(カイリ)に亘り、三千余名の在留邦人が暴徒の迫害から遁れて、財産を捨て地盤を棄てて内地への引揚げを断行したことは、我日本としては空前の史実であり世界的にも希有の事変である」
「彼らの我邦人に対する嫌悪と軽侮の念は、十数年来の排日によりて遺憾なきまでに蓄養された。その今日あるはむしろ予想されていなければならなかったはずだ」と悔しさを隠さない。
これは、合法的に南京・蘇州・漢口・重慶などに居留していた日本人が昭和2年の春、中国人によって襲われ、引揚げざるを得なかった日本人襲撃事件の実相を、直後に結成した「中支被難者連合会」が証言や公文書を用いて再現した『南京漢口事件真相 揚子江流域邦人遭難実記』の「序」である。
少し説明が必要であろう。事件発生時までの3年間、外務大臣は幣原喜重郎であった。
上海などで中国の横暴がしばしばあり、英米などは軍艦を出動させて鎮圧してきた。しかし、幣原外相は話し合い解決を主張し、軟弱外交と批判されていた。
こうしたことから、南京の日本領事は「北伐軍を刺激しない」「無抵抗主義で対応する方が効果的」として、荒木海軍大尉らが準備した領事館前の土嚢を撤去し、機関銃は倉庫に隠した。
そこに事件が起き、兵士と暴徒の侵入を許し、婦人までが凌辱・強姦の「忍ブベカラザル検査」(「検査」は領事の表現)を受けたのだ。
中国が事件を起こしても、武力対処は一切斥けた。こうした日本外交に対する思いが「今日あるはむしろ予想されて」の謂いであり、悔しさが滲んでいる。
これこそが「南京事件(昭和2年)」と呼ばれるもので、今日、「南京大虐殺」(昭和12年)として非難されているものは、事件でなく追撃戦であった。
(3)通州虐殺事件
北京の東方約20キロのところに通州がある。「冀東(きとう)防共自治政府」の管理下にある通州保安隊に守られて日本人居留民は生活していた。
盧溝橋事件から3週間後の29日(1937年7月)から翌30日未明の間に、保安隊は国民党軍と示し合わせたかのように警備を解き、女子供を含む邦人257人(日本の警備隊32人を含む)が惨殺された。
居留民たちの救援活動を取材するために、たまたま来ていた同盟通信社の安藤利男記者も襲撃を受けるが九死に一生のチャンスを得て脱出に成功し、後に『虐殺の通州脱出記』を書いている。
午前2時半ごろ保安隊の動きが怪しいとの電話があり、その後は不通。4時頃からは銃声も聞こえる。7時ごろになると市街南方辺りで白煙や黒煙が上がり、銃砲声も激しくなる。
8時になると、記者たちが泊まっていた近水楼の支那人ボーイが他所から口も利けない状態で駆け込んできて、「特務機関付近の通りの邦人商家、カフェー辺りで、日本人が多勢殺されてゐる。太変です・・・」の第一報をくれたという。
また、奇跡的に生き残った人たちも、色々と証言しており、虐殺事件の状況はかなり正確に伝わっている。
1か月後には『主婦の友』が人気作家吉屋信子をカメラマンともども派遣。その時も証拠は至る所に残っており、女性の目で子細に記録している。
しかし、平成28(2016)年7月、現地を訪ね『慟哭の通州―昭和12年夏の虐殺事件』を上梓した加藤康男氏によると、通州市は北京市に吸収されて、「もはやこのあたり一帯に通州虐殺事件に関連した建物は何一つ残されていない。旧城内は、90年代ごろから徹底的に破壊し尽くされてきた」という。
事件から5カ月経った12月下旬(日本軍が南京で入城式を行った1週間後)、冀東防共自治政府と日本側との間で弔意賠償金の支払いや慰霊碑建立の決着が図られた。
都合の悪い慰霊碑はいつしか地下に埋め隠されたが、再開発で偶然に発見された。
その状況を「北京日報」(2001.8.24付)は、「日本軍が中国を侵略した証拠、通州区で慰霊碑が見つかる」との見出しで報じたという。
「1938年日本軍のもので、我が国の抗戦軍民が倒した日寇��いわゆる『慰霊碑』だった。・・・文字はいずれもひどくかすれているが、『大東亜共栄』など日本の侵略理論も記されている」
「通州区の文物所所長によれば、・・・1937年7月29日早朝に通州の2万人余が蜂起、この偽政府(注:冀東防共自治政府)を占領した上、日本人五百人余りを撃ち殺した。翌日、日本軍は大規模な報復を行い、偽政府に二つの慰霊塔を立てることを要求、塔の前には慰霊碑も立てた」
殺害者二百数十人を「五百人余」に倍増し〝抗日の成果″を誇っているし、また5か月後の話し合い決着を「翌日」として日本の傲慢な要求に見せかける中国一流の誤魔化しがある。
加藤氏は、「南京や盧溝橋はもとより、満州各地にある旧大和ホテルに至るまでが『対日歴史戦』の遺跡として宣伝利用されていることを考えると、雲泥の差である。『通州虐殺事件』の痕跡は極めて都合が悪いので、完膚なきまでに消し去ったものとしか考えられなかった」と述べる。
おわりに
通州虐殺事件について、「東京日日新聞」(昭和12年8月6日付、毎日新聞の前身)は、「敵は第29軍の首脳部の命を受け26日頃から通州襲撃の保安隊及び正規兵と連絡をとり、北清事変議定書によって正規兵は天津市内に入るを得ざるを以て便服に着替へて大胆にもトラックを以て続々天津付近に侵入。機関銃、迫撃砲、小銃、青竜刀などを蔬菜や貨物の下に隠して運び込み、時の到るのを待って居た」と報道している。
天津では中国軍から攻撃を受けるや否や、日本軍が反撃に出て撃滅したため大事に至らなかったが、通州虐殺事件は天津の日本租界・軍関係機関、その他の邦人多数居留区域と共に、2年前から襲撃計画が練られていた同時多発テロであったのだ。
同紙は「約1万5千人を虐殺し、掠奪を恣にしたうえ、日本租界を占領しここに青天白日旗を翻して天津から邦人を一掃する」ことになっていたかもしれないと書いている。
加藤氏によると、中国共産党は、通州事件を「反正」(過ちを正すこと、即ち冀東防共自治政府の消滅)として評価し公認しているという。それなのに、「なぜ痕跡を抹殺しようとするのだろうか」と疑問が沸く。
筆者は次のように思う。旅順猟奇虐殺事件や通州虐殺事件は、虐殺現場の目撃者があり、「事件の存在」が証明される。これらの事件を大きく取り上げると、「南京大虐殺」についても「事件存在」の「明確な証明」が求められる。
しかし、習近平さえ英国女王の晩餐会で「存在の証明」で「友好のプレイアップ」を図ったが、逆に「非存在」の暴露になってしまい、“はい それまでよッ!”となりかねなかった。
南京事件は大虐殺の「状況証拠」から離れていくばかりだ。いかがであろうか。
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. (^o^)/おはよー(^▽^)ゴザイマース(^_-)-☆. . . 2月16日(水) #仏滅(庚子) 旧暦 1/16 月齢 14.9 年始から47日目にあたり、年末まであと318日(閏年では319日)です。 . . 朝は希望に起き⤴️昼は努力に生き💪 夜を感謝に眠ろう😪💤夜が来ない 朝はありませんし、朝が来ない夜 はない💦睡眠は明日を迎える為の ☀️未来へのスタートです🏃♂💦 でお馴染みのRascalでございます😅. . 1分寝坊😅💦アラームに起こされた💦 もう完全にペースにのまれてる🤣😆 通常の私なら先に目が覚めてアラームが 正常に作動するかの確認なんです💦 で疲れも蓄積してくると障害があり ますよね⤵️って事で1分での寝坊が 30分以上もstartが出遅れて居ます⤵️ 流石に仏滅ですわ🤣😁ソンナコトナイ💦 . 今日一日どなた様も💁お体ご自愛 なさって❤️お過ごし下さいませ🙋 モウ!頑張るしか✋はない! ガンバリマショウ\(^O^)/ ワーイ! ✨本日もご安全に参りましょう✌️ . . ■今日は何の日■. #記憶にございません. 1976(昭和51)年2月16日(月)より衆議院予算委員会で、ロッキード事件の証人喚問を開始した。 証人喚問の場に立った国際興業創業者で同社社主(当時)の小佐野賢治が発した「記憶にございません」が流行語になる。 . #仏滅(ブツメツ). 六曜における大凶日。 もとは「虚亡」といい勝負なしという意味で、さらに「空亡」とも称されていたが、これを全てが虚しいと解釈して「物滅」と呼ぶようになり、仏の功徳もないという意味に転じて「佛(仏)」の字が当てられたものである。 仏滅は万事に凶であるとされる。 この日は六曜の中で最も凶の日とされ、婚礼などの祝儀を忌む習慣がある。 この日に結婚式を挙げる人は少ない。そのため仏滅には料金の割引を行う結婚式場もある。他の六曜は読みが複数あるが、仏滅は「ぶつめつ」としか読まれない。 字面から仏陀(釈迦)が入滅した(死亡した)日と誤解されることが多い。 しかし、六曜は仏教に由来するものではなく上述のように無関係である。 釈迦の死亡日とされる2月15日が旧暦では必ず仏滅になるのは、偶然そうなっただけである。 「何事も遠慮する日、病めば長引く、仏事はよろしい」ともいわれる。 また『物滅』として「物が一旦滅び、新たに物事が始まる」とされ、「大安」よりも物事を始めるには良い日との解釈もある。 . #母倉日(ボソウニチ). 暦で、母が子を育てるように、天が人間をいつくしむという日。 春は、亥・子の日。夏は、寅・卯の日。 秋は、辰・戌・丑・未の日。 冬は申・酉の日。 他に四季の土用には巳・午の日がこれにあたり大吉の日とされる。 . #日本初の天気図. 1883年(明治16年)2月16日に東京気象台が日本初の天気図を作成。 . #天気図記念日. 1833(明治16)年のこの日、ドイツ人の気象学者エリヴィン・クニッピングの指導により、日本初の天気図が作成されました。 同年3月1日からは印刷して毎日発行されるようになりました。 . #寒天の日. 長野県茅野商工会議所と長野県寒天加工業協同組合が制定。 2005(平成17)年のこの日、NHKテレビ『ためしてガッテン』で寒天が取り上げられ、寒天が大ブームとなったことを記念。 . #全国狩猟禁止の日. 11月15日の解禁日まで北海道以外の全国で狩猟禁止となっています。 北海道は2月1日~9月30日。 . #日蓮大聖人御誕生会(日蓮宗各派). 日蓮の貞応元年2月16日(旧暦。新暦では1222年3月30日)の誕生を記念したもの。 . #似合う色の日. . #トロの日(毎月16日). . #十六茶の日(毎月16日). . #リトアニア国家再建記念日. 1918年のこの日、ポーランド・リトアニア分割でロシア帝国領となっていたリトアニアが独立を宣言した。 . #ニコライ祭(#日本ハリストス正教会). 聖ニコライが1912年2月16日に亡くなったことを記念したもの。 . #光明星節(#朝鮮民主主義人民共和国). 1942年のこの日、金正日総書記が誕生したことを記念したもので、朝鮮民主主義人民共和国の祝日。 . . ■今日のつぶやき■. #知恵は小出しにせよ(チエハコダシニセヨ) 【意味】 一度に全ての知恵を出さない方が良いと云う事。 「知恵の小出し」 . . 1993平成5)年2月16日(火)��#寺本來可 (#てらもとゆきか) 【韓国で活動する日本出身のK-POP歌手、女優、ファッションモデル、元声優】 〔静岡県〕 . . (南千住駅) https://www.instagram.com/p/CaA5wsMh4aNNla99ZRpXY71Y_Ru-mFydy4djgM0/?utm_medium=tumblr
#仏滅#記憶にございません#母倉日#日本初の天気図#天気図記念日#寒天の日#全国狩猟禁止の日#日蓮大聖人御誕生会#似合う色の日#トロの日#十六茶の日#リトアニア国家再建記念日#ニコライ祭#日本ハリストス正教会#光明星節#朝鮮民主主義人民共和国#知恵は小出しにせよ#寺本來可#てらもとゆきか
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聴講メモ 情報ネットワーク法学会第18回研究大会1日目 #inlaw #inlaw1 #inlaw3 #inlaw5
聴講時に入力したメモです。断片。配布資料等からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
開催案内:http://www.in-law.jp/taikai/2018/index.html 日 時:22018年12月8日(土)11:50~18:20 場 所:立正大学品川キャンパス
研究大会の前に学会総会が行われた。第19回研究大会は来年11月2日(土)、3日(日)に大阪府内にて開催予定。
※発表者敬称略
【開会挨拶】 情報ネットワーク法学会理事長 中川 裕志
技術系の出身。工学部出身で人工知能の研究、テキスト処理をやってきた。10年ほど前からプライバシー保護を研究対象に。技術だけでは足りず、法律も必要と感じた。理研 革新知能統合センターで研究に携わる。総務省、内閣府で仕事。
人工知能、生命科学等の研究で、人間の自由意思の存在について疑義が呈されるようになってきた。人間はアルゴリズムであるとの主張も。人間中心の法体系とどのようにすり合わせていくか。
【開催校挨拶】 位田央 立正大学法学部長
本学は開学より146周年になる。2年後にはキャンパス再開発事業が完了する。
【基調講演】 情報ネットワーク化の進展とプライバシー・個人情報保護論議の展開 堀部政男 一橋大学名誉教授
19世紀末から現代まで8期に大きく分けて考えられる。第4期では1980年のOECDガイドライン採択、欧州評議会の条約採択というトピック。第5期1990年代には欧州のデータ保護指令、国連のガイドラインなど。日本では1988年に旧行政機関個人情報保護法ができたが、民間を律するのは第6期2000年代の個人情報保護法。 情報ネットワーク法学会は2002年設立。世界人権宣言70周年、第12条でプライバシーという言葉が使われている。表現の自由に関する19条もあり。 情報ネットワーク化の進展と法的対応のうち、現法体制内対応論に”プライバシー外交的”対応論。 欧州評議会条約第108号諮問委員会に日本はオブザーバー参加。 1982年、当時の行政管理庁プライバシー保護研究会で立法化の提案。 日本では1980年代から自治省個人情報保護対策研究会。1985年に総務庁 行政機関における個人情報保護研究会。 住基台帳NW訴訟は全国で54件、最高裁は合憲判決、但し高裁レベルでは違憲判決も。 第6期2010年代には個人情報保護法の改正論議が出てきた。 EUから十分性認知に基づいて移転した個人データの取扱いに係る規律を定めるガイドライン案 日EUの個人データ移転枠組み構築最終合意2018年7月17日 第40回コミッショナー会議サイドセッションでもスピーチ 今月中に欧州委員会の十分性認定に結論が出るか?
第1分科会 12月8日(土)13:30-15:00 会場9B21 #inlaw1 【プロバイダ責任制限法研究会:ブロッキングを巡る議論とプロバイダ関連訴訟】 主査:板倉陽一郎(弁護士 ひかり総合法律事務所/理研AIP/立正大学非常勤講師)
登壇者: 中澤佑一(弁護士 弁護士法人戸田総合法律事務所)司会 壇俊光(弁護士 北尻総合法律事務所) ブロッキング ブロッキングを巡る議論とプロバイダ責任制限法・総論
2つのブロッキング 4・13政府決定とこれに基づく民間事業者の自主的取り組みとしてのブロッキング いわゆる忖度ブロッキング 立法ブロッキング
海賊版サイトは日本の著作権法上違法なのか? ほぼすべての海賊版サイトはリーチサイト リーチサイトが著作権侵害かは不明 リツイート裁判 ロケットニュース24事件 海外サーバーで海外事業者が運営している場合
ブロッキングの対象は何なのか?
大規模サイトにはCDNに対する法的措置で足りる
電気通信事業法とDNSポイズニング 知得、窃用
補充性の要件とLRA
ブロッキングは妻の妊娠中における飢餓による窃盗よりも緊急?
ほかに手段があるか無いかはスキルのある弁護士を基準に考えるべき
米国subpoenaを用いた手続き 日本のプロ責は使いづらいのは事実 プロ責の見直しが本筋
米国に比べると 開示範囲が限定 開示拒否に対するサンクションのなさ 現行民訴は匿名訴訟ができない 公示送達の問題 非開示免責
民訴は相手方をはっきりさせなければならない 外国における送達は時間がかかる 民事保全法も大変 保全命令を当事者に送達するのに数か月かかる
ブロッキングの議論はプロ責と民訴法の出来が悪いから必要性が論じられている
神田知宏(弁護士 小笠原六川国際総合法律事務所) H29Google裁判の射程 送信防止措置依頼としてのブロッキング請求の体系的地位 最決H29.1.31の運用結果と射程
判事2353号判例評釈708号 多額の負債:認容 4年、示談して不起訴:認容 つつもたせ被害による風評:認容 元AV女優身バレ事案:認容
犯罪報道の削除には高いハードル 東京高判290629 12年オレオレ詐欺 棄却 最決不受理 東京高判300125 11年歯科医師法違反 棄却 最決不受理 東京高判301109
東京高決H300810(犯罪報道だが認容) 不起訴処分 今後起訴される現実的な可能性は事実上ない 法律上は無罪推定だが現実的には有罪の嫌疑を抱くものが多く名誉や信用が毀損される 伝達範囲は限定的であるとはいえ、具体的被害の程度は大きい
名誉毀損の検索結果削除 射程外? 東京高決H291030 係属中 東京高決H300420 抗告不許可 加重不要 リンク先は読まないとの規範を示し、グーグル側が大いに引用中 高判H300823 上告中 検索結果の提供の差し止めは、事前抑制であることの性質上(もう提供されとるが…) 最高裁S61判決が判示する要件が基本的に妥当(北方ジャーナル事件)
ツイッター・コンテンツプロバイダへの波及(グーグル基準の採用)
東京高決H290810(平成29年ラ1184号) グーグルと同じ基準を採用 抗告許可申立て理由
預金保険機構 振り込め詐欺救済法27条 解釈と運用変更により、削除要件が定められた
��井和明(弁護士 弁護士法人ALAW&GOODLOOP) オンライン地図サービスに付随するレビューに関するプロバイダ関連訴訟の動向
Googleマップ口コミ機能 口コミはログインした上で投稿
口コミの閲覧を目的としないものに対しても、評価を晒されることになる 実質匿名投稿になっている
Googleマップ上の施設は、他人が登録することができる 位置情報や店舗情報が投稿内容が正しいものである限り、他の要素が無ければ削除は難しい
法的問題 内容が抽象的 反真実性を示すことが難しい 口コミが存在する限り、被害が刻々と発生する
Google側の主張H29年決定の「明らか」基準適用の素地 公共性 口コミ全体の話 媒介者 単なる媒介者ではない 投稿者の反論の機会 大部分のコンテンツプロバイダで々 萎縮効果 裁判所の特定の決定
利用者側敗訴判決ばかり裁判所に顕出される問題 訴えられる側の企業には情報の蓄積があるが、裁判所や地方の弁護士にはない 裁判所に提出されるのは、企業側に有利な裁判例だらけになっていく
弁護士唐澤貴洋 ログインIP訴訟事例
なりすましアカウントによる有名人の訃報をツイート ツイッター社から特定の時間帯のログインIPアドレスの提供を受ける ログイン時IPアドレスに関する氏名等の情報はプロ責における発信者情報に相当するのか 被告 開示請求の対象となる「当該権利の侵害に係る発信者情報」は侵害情報に係る特定電気通信の家庭で把握された発信者を識別するための情報を意味すると解すべきである
裁判所の判断 ログイン情報から、当該ログインに係る発信者が侵害情報の発信者であることが推認される場合があり、このような時には、当該ログインに係る発信者情報は、法4条1項の発信者の特定に資する情報に当たると解することができる
本件契約者がなぜ、匿名化担保されていたことを知り得るのか
異なるプロバイダを経由して同一のIDにログイン 裁判所は不自然と。
パネルディスカッション
な プロ責実務、どの辺がきついのか
か 発信者情報目録が難しい。何を開示しろというのが。コンテンツプロバイダの住所氏名開示を請求すればいいというのは分かったが、住所氏名が何と紐づいているのか分からない。クラウドフレア目線で分かるようにしないと。主文の書き方も難しい。
だ とりあえずやってみるのが良いのでは。
か 裁判所はこちらが言った内容でクラウドフレアに送ってくれるかもしれないが、受けとった側が納得しないとどうしようもない。
よ 民訴にも難点。管轄の問題。プロ責はプロバイダの所在地が管轄になることが多い。地方でやると変な判断が出ることもある。匿名訴訟ができれば民訴で解決できる部分もある。送達に時間がかかりすぎて、依頼者の被害拡大も。
か 弁護士会照会で開示してくれるという話があるのだが。ログインIPの問題が出てくるのがおかしいのではないか。事業展開の中で発生したトラブルについて、応分の負担で開示できるようにするべきでは。
だ 発信者情報開示は東京、削除は大阪と分かれてしまう。Googleの責任を問わなければ情報を開示すると言われる。
な 海外からの資格証明取り寄せが訴訟費用にならない。翻訳費用も馬鹿にならない。間接強制絡みで海外事業者が保有の有無を照会しても回答してくれない。回答義務があってもいいのでは。 匿名訴訟の話だが、仮名、例えば口座番号等で照会を同時にかけるという手段では?
だ 民訴規則を変えれば行けるのではないか。
な 何も書かないのか?
だ 住所不明、氏名不明で訴訟できれば、裁判所が開示命令を出してくれる。
か 判決までに何らかの手段で確定できればいいという話なのか?
だ 一番のメリットは開示される内容が限定されていない。訴訟の補正で対応できる。
か 通信の秘密の侵害にならないか
だ 違法性阻却になるのでは。
よ 無駄な訴訟をしなくて済む。プロ責で開示請求をすると権利侵害等の申し立てをしなければならないが、それは本案と同じ内容になる。本来なら言わなくても済むことを言わずに済む。
か 被害を受けた人が自分の名前を出して訴訟しなければならないという点を改善できないのか。発信者情報開示で原告の名前を晒す意味があるのか。
よ 判決を何らかの形で共有できないだろうか。
会場 開示に当たって同意書を求めるのは酷い。発信者情報開示ガイドラインではそのようなことを言っていない。対クラウドフレアについては技術的なことを相談する相手が原告側にいないのか。
だ このような分野は実質3人に情報が集約されている。(だかよ)
よ 未経験者に手取り足取り教えるのは難しい。
か 教えてくださいコピーください的な依頼がくるが多忙を理由で断ってる。
よ 変な判決が出てくるとこちらの首が締まるので、難しい。
か ツイッターにIPアドレスださせるのに訴訟でやっている例があり、仮処分ではないのかと疑問。
よ 仮処分と本訴の選択だが、どのように考えるか。
か 本案訴訟にすると違法性阻却事由を出さなくていいのか?どちらでも要件事実が変わるわけではないと主張しているので、本案であっても主張がいるのでは。
よ 立証責任の問題
か Googleだけは起訴命令を送ってきてくれるので、本案訴訟しているが、基本はあまりしない。
だ 担保の問題をクリアすれば仮処分の方が簡単。掲示板でスレごと消したい場合は仮処分では対応していない。
第3分科会 12月8日(土)15:10-16:40 会場9B21 #inlaw3 【システム開発プロジェクトの中止〜その手法とタイミングの見極め〜】 主査:伊藤雅浩(弁護士 シティライツ法律事務所) 登壇者: 伊藤雅浩(弁護士 シティライツ法律事務所) 影島広泰(弁護士 牛島総合法律事務所) 訴訟ではベンダ側、相談は発注側が多い 大井哲也(弁護士 TMI総合法律事務所) データの利活用、サイバーセキュリティ等が多い 杦岡充宏 ITコンサルタントで実務者としての立場。
スライドシェアに資料はアップしてある。 リンクは https://masahiroito.hatenablog.com/entry/2018/12/07/170739 にあり。
システム開発は未だ失敗が多い。 ヤバくなった時に、どうやって撤退するのか。どこだったら引き上げられるのかが現場としては悩みどころではないか。
ユーザー 早く損切りしたいとか、自分達の責任も感じたりとか。
ベンダ このままだとメンバーが潰れる 被害を最小限にして撤退したい 「中止提言義務」?
紛争の予防・早期解決の観点から、中止することの法的根拠、リスクを整理し、実務にフィードバックする。
影島広泰(弁護士 牛島総合法律事務所) ユーザ(発注者)から見た論点の整理
ユーザ側の法的主張 債務不履行 履行遅滞 催告するか 悪化しないか? 履行期よりも前に主張できない 信頼関係の破壊 履行不能 物理的/技術的不能 社会的不能 債権者がプロジェクトを注視するといえば、履行不能なのか ユーザ側が変えたいと思っている 受領拒絶? それは債務不履行で言う「不能」なのか 「不能」と「帰責性」の交錯 追加仕様がてんこ盛りだったら? ベンダ側に帰責事由の不在を立証させる 付随義務違反(PM義務違反)
瑕疵担保責任 完成しているので請求権は発生
ベンダ側からの反訴リスク 中止した場合の残額支払 追加コスト
注文者解除の損害倍書請求 641条の(任意)解除ではないと認定してもらえるような内容証明を作る必要
532条2項 債権者の責に帰すべき事由 不況に伴う業務縮小 カスタマイズ費用の増大
商法512条
黙示の合意 認定されるだけの事実関係の存在が必要 説明したか 指示があったか、それが追加であることを知っていたか
ユーザ側のプロジェクト管理(協力) ベンダ側のPM義務違反の時期を、なるべく遡らせる 瑕疵担保責任が認められたフェーズよりも前のフェーズの個別契約は、相当因果関係なしとして損害賠償の対象とせず 「相当因果関係」 スルガ銀行事件 ある時点での不法行為
「検収」
一括契約はユーザ側にリスクあり。多段階契約はリスクコントロールしやすいのでは。
大井哲也(弁護士 TMI総合法律事務所) ベンダ(受注者)から見た論点の整理
履行遅滞は認められないことが多い 履行遅滞はユーザの追加要望に従ったもの
PM義務違反 ユーザがシステム機能の追加や変更の要求等をした場合で、当該要求が委託料や納入期限、ほかの機能の内容等に影響を及ぼすものであった場合等に、ユーザに対し適示その旨説明して、要求の撤回や追加の委託料の負担、納入期限の延期等を求めるなどすべき義務 要求の撤回、追加の委託料の負担、納期延長の申し入れがあったかによる
瑕疵担保責任に対する反論 システムの完成があったか? 民641条 債務不履行解除崩れの注文者解除 注文者に対して不要な仕事の完成を強制することはなく、かつ社会経済的見地からも不当 注文者に損害を賠償してもらえれば請負人に不利はない
損害賠償の範囲 すでに支出した費用 逸失利益(報酬-下請費用) 完成が前提 介助によってベンダが逆に利益を得ている場合は「損益相殺」
意思表示の転換 ステアリング・コミッティの必要的アジェンダ システム開発基本契約及び個別契約の変更等を必要とする理由、変更提案書の提出の有無 変更管理手続き 変更提案書を提出し、かつ、次の事項を記載した書面を甲府 費用、スケジュール、その他変更が本契約及び個別契約の条件に与える影響 協力義務違反の証拠化 Redmineを使う 誰が相手方にボールを返していないのか
杦岡充宏 事例紹介
課題管理はプロジェクト完成の基本条件。 課題管理とリスク管理をセットで。
ケース 販売管理システムを請負で構築。ホスト→webベースへ。 現行システム機能をWebベースのシステムに単純移行 内容は1日間のヒアリング内容を基に提案し合意
結果 4か月が4年半に。ベンダは完成したと主張。
要件定義の段階で多くの追加要件の存在が確認され、当初計画と費用では実現不可能なことが判明 7か月で大体ソリューションを検討し、4か月の追加を提案 設計と開発を並行して行い、更に4か月の遅延 追加がぼこぼこ出てくる ベンダの主担当が産休に入る 納品後もユーザの指摘が継続し、ベンダも対応を継続した挙句、ユーザは検収を拒否
ベンダに ない袖は振れぬ やらないことを決めろ! ユーザの言いなりになるな!
期待値コントロール大事 適正なところに戻す
ディスカッション
い この場合の解除にどのような問題があるか
か 最終バージョンに書かれた仕様が満たされていないのであれば不履行
お 変更対応がトレースされているはず
い ユーザはどうすべきだったか。
す ユーザから辞められるタイミングもあったのでは
か 代替検討の時は難しいだろう。その後の提案に沿った開発が不調であったのであれば、そこで解除すればすっきりしていたのでは。
お 設計・開発・テストが基本設計で終わった段階で実現可能性を疑うべき。ここで合意解約の打診をし始めてもいいのでは。
す 4か月を守れなかった時点で契約解除はできないのか。
か ユーザ側に問題があったのでは。現場の意見をきちんとまとめてベンダに伝えることができていたのか。となると、債務不履行解除は難しいのではないか。
お 使用固めの段階でキャッチボールしており、ここで債務不履行主張は難しい。
い 定期的に打ち合わせ等をやっており、延期の合意があったと主張したらどうなるか。
か 納期と履行期の関係は難しい。定められている納期の日にカットオーバーにどれだけ意味があるか。
お 黙示的な納期の延長合意がなされているとみなされるのでは。
い あとこれだけあれば対応できるといえば遅延ではないのか。
お それも危険がある。
い ユーザ側からベンダ側の能力不足をどうやって立証するか。
か 基本的なミス、納期遅延等の積み重ねで立証。
お 完成度の立証を裁判官にするのは難しい。数量基準で定量的に示す。
い 証拠化はどうすればいいか
す ドキュメントのレビューと指摘内容をしっかり記録する。
い 最終の交渉でユーザ側はどうすべきだったか。
か 解除すべきだったのでは。要求をきちんとまとめられておらず、反訴リスクが高い。
お 課題の棚卸をして、多くの課題が未着手、あるいは内容不十分であることを記録しておかないと、ユーザの検証不足となるのでは。
す 交渉せずに引き上げることはベンダの不利になるのか。
い 信頼関係の破壊を解除理由にしてくるのではないか。
お 裁判所の見方としては説明なしの撤退はインパクトが大きい。
す 対応を続けるのは未完成であることと同視されてしまうのではないか。それよりも撤退の方がリスクが多いのか。
い それはないのでは。裁判所は技術的な評価を避け、振舞いから両者の関係を見ているように思える。
か 謝らせるよりも事実を認めさせる。
お なぜ謝罪したのかの理由の方が大事。機能要件の充足こそが肝。プロダクトそのものの鑑定をプロにして欲しい。
い 検証は現実的には難しい。
か オンラインゲームの開発である時点での機能を裁判所で見せたことがある。下請が元請に請求した事例。
お 医療裁判で鑑定書の合理性を裁判官の目で判断する。システム開発でも意見書を出したことがあるが、裁判官に理解してもらうのは難しい。
す ADRで係争中のケースを見たことがある。フローに沿って見て、一応の完成をしていると判断した。
か ユーザに気をつけて欲しいのは、ベンダ側の内部的なコストが発生しているということを理解していないと、本訴、反訴共に金額が大きくなってしまう。
お 紛争の種、芽の段階で法務がどのように関与するか。リーガルがしっかりコントロールしてほしい。
す ベンダはユーザのパートナーである。きつくし過ぎると問題が隠れてしまう。
第5分科会 12月8日(土)16:50-18:20 会場9B21 #inlaw5 【個人情報保護法制『2000個問題』を考える】 主査:岡本正(弁護士 銀座パートナーズ法律事務所) 登壇者: 岡本正(弁護士 銀座パートナーズ法律事務所) 自然災害と2000個問題
鈴木正朝(新潟大学・教授/理研AIP) 2000個問題最新動向~官民データ活用推進基本法から規制改革答申まで~
湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学) 自治体からの情報提供をめぐる現状:情報提供・情報公開・個人情報の提供・非識別加工情報・官民データの間 板倉陽一郎(弁護士 ひかり総合法律事務所/理研AIP/立正大学非常勤講師) 2000個問題の負の側面:自治体ネグレクト及び自治体の多重事務
お 2000個問題についてご紹介願いたい
す 1800個問題と最初は言っていた。市町村の数がそれくらいだったので。上原教授から広域連合等の存在を指摘され、切りの良いところで2000個に。湯淺先生が実際に条例を集め、上原先生が分析した。 ルールが2000個存在する現状でデータ連携、越境データ、環境が激変する中でルールが2000個存在するのは問題ではないか。
お 実際には2000個では済まないのでは。 西日本豪雨など大災害が続発している。広島の土砂災害の時には行方不明者の発表に3日かかった。その数年後にも県と市でデータの共有をしていない。法律あっても、条例あっても実務の運用がない。
す 岩手日報社が3・11の継続報道をしている。救助復興の時にリアルタイムで情報を共有できず足かせとなった。
お 今年も同じ問題が起きた。ルールの策定を提唱しているが、国は関与できないとしている。法律上はそう答えざるを得ない��最低限のルールが無くていいのか。命の問題を条例の問題としていいのか。安否情報を家族に答えられないところまでもある。
ゆ 自治体が持っている情報を出すのは第三者提供だけではない。観光として公にすることが予定されている情報は除外→定めがない。ウェブサイトに掲載するのが「オンライン結合」になるのか?非識別加工は自治体の手に余るものがある。基準や対象を国が示してほしい。市町村は官民データの作成を義務付けられていない。データの保存規定もない。保存年限のさだまっている文書類は逆にそれを超えてあってはならず、データを作れない。
お 2013年に伊豆大島で土砂災害があった。居所がうつってしまった人に支援を届けるために大島町がトレースしたかったが、手に余る。東京都がやろうとしたが、大島町の条例でデータ結合が禁止されていた。同年に改正された災害基本法で上書きされ、結合が可能になった。
す オンライン結合はお手本から丸写しだが、解釈が分かれている。
い 地域医療連携において、自治体の病院が手続きの煩雑さから連携されないことを「自治体ネグレクト」と名付けた。条例に対応したシステム開発が必要で、病院を所管する個人情報保護条例がない場合もある。医療IDの導入でも自治体の病院が無視される可能性がある。条例はマイナンバー法にも対応しなければならない。法定受託事務だから。加工基準の条文は国だってコピペでやっつけているのに、非識別加工情報が自治体の手におえるのか。
ゆ 地域医療では大きな自治体は連携を自前で構築してしまう。同じ市立病院でも指定管理者がやっているところと直営のところではシステムが違う。指定管理者は処分性はあるが、事業者として民間法の個人情報保護法がてきおうされるとかんがえられる。直営は条例。
す 病院は私立病院の方が圧倒的に多いが、難病等については公立病院がネットワークを作っている。指針の方が緩いが、真面目なところは条例に対応しようとする。
ゆ 真面目なところほど苦労する。
す 国立大学法人、公立大学、私学でデータ連携が難しい。データの足回りの悪さをどこまで放置するのか。告示で法律、条例を上書きしようとする国が十分性認定と言えるのか。
ゆ 個人情報の定義についての教材にも間違いがある。
お 学術除外の条項が10以上の県の条例にはない。
す 医療分野だと3000個問題、倫理審査会の数。
い 例外事由は予算も人もつかない。最小限のところが同じなら、解釈も共通で使える。さいたま市と千葉市で、そんなに地域の実情が違うのか。港区と渋谷区でそんなに違うのか。
す 個人情報保護法5条に「地域の特性」の文言がある。上乗せ横出し条例で対応可能な中身が殆どなのに。
ゆ 「地域の特性」というのは、先進的な自治体への配慮や、現代も深刻な同和問題、宗教団体等の問題があるが、殆どの場合は上乗せ横出しで対応可能。
す JILISで開示をかけた資料を見ると、過去の経緯を尊重する意味であって、「地方自治の本旨」がもとではなかった。
お 地方自治の人は実際にはどう言っているのか。現場の判断になってしまう。���支援者名簿に載っているのは同意した人だけ。
す 国会では2000個問題の解決の必要性は認識されている。官庁でも課題となっている。自治側からは県域構想が出てきている。自治体の在り方を憲法レベルで検討する動きはすでに出ている。基礎自治体単位の条例が維持できるのか。
お 官民データ活用法19条には国の政策と自治体の政策の整合性について記述されている。災害、医療、福祉の側面から考える必要がある。
す 丁寧に特別法を作ればいいのではないかという反論が想定される。一般法レベルで土台に手を付ける必要があるのかと。
お 災害時の弱者名簿は事前に共有する必要があるが、この部分は自治体任せになっている。消費生活上の弱者リストもあるが、協議会とリストを作って保護するのは自治体任せ。困窮者の自立支援も協議会が必要。これを全部やるのか。特別法をいくら作っても漏れは出る。
ゆ 非識別加工情報が官民データみなされてしまったので、各自治体は基準も何もなし、徒手空拳で非識別加工情報を作らなければならい羽目に
い 非識別加工情報についてだけ立法しても他はほったらかしではしょうがない。3年に1回しか協議会を開催しないのでは知見なんか貯まるわけがない。都会の自治体だけ呼んでどうするのか。新宿区だってやらかしている。
お 新宿区ですら消費者安全確保地域協議会が無く、いきなり区議会で審議にかけられた。
い 普通の自治体で普通に運用できるようになっていないのは欠陥だ。
す 個人情報の定義が確定していない、解釈基準にバラエティがある現状で、非識別加工情報の基準を概念として出すことができるのか。
ゆ 国の場合は非識別加工情報は個人情報性が残っているとしている。自治体は情報公開条例における個人情報性を判断しなければならない。加工基準も自分で作らなければならない。
す 基礎自治体の持つ情報は大きいが、手助け無しでいいのか。
ゆ 官民データ作成の義務付けがあるのは都道府県レベルで基礎自治体にはない。
す 出口はあるのか。
ゆ 具体的な提言に入る前に、日本の「地方自治の本旨」はミニマムを定めた方が良い領域と、地方の自主性に任せた方が良い部分に別れることに気がついた。個人情報法制はミニマムを定めた方がいい領域ではないか。
す 憲法と国際連携など課題は山積している。
お 災害救助の主体は都道府県だが、大事な個人情報はどこにあるのか。基礎自治体にある。住民票、障碍者手帳、母子手帳などに眠っている。都道府県の条例で基礎自治体に条例の制定と情報共有を呼び掛けても実効性があるのか。市町村のインセンティブがない。地方自治体個人情報保護法の必要性があるのではないか。
い 犯歴情報は選挙の関係で本籍地市区町村にある。根拠法の明文規定なし。経済活動にも支障が出るのではないか。
ゆ 全国の市区町村の条例を集めたが、収集できなかったところがある。情報公開請求をする必要があったが、住民でなければ請求できない。暴力団の構成員であることが要配慮情報かどうかもばらばら。
す 国会職員と裁判所職員に罰則がない。地方行政文書についても罰則規定を設けるべき。公的部門のチェックの為に個人情報保護委員会は独立性の高い委員会にした。グローバル対応するならプライバシー保護に対応するのはナショナルセキュリティ。
お 震災被害地の復興のための法制を。
会場 法務省にも犯歴データはある。犯歴データが照会できないと困るのは海外人材を採用したり、海外取引があるFinTech業界での採用活動。越境データ問題も絡む。
会場 情報銀行の態様はは共同利用になるのか?民間が経営している情報銀行であれば自治体間で個人情報を共同利用可能か?
ゆ 地方公共団体には民間と個人情報を共同利用する規定がないので、情報銀行の利用自体が無理ではないか。
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