#手首タトゥー
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【それは小さな可愛い嫉妬】
※Tamura blood X Reader
※Japanese
※時系列: 火事のちょっと前くらい。
※モブキャラが登場します。主人公の過��捏造あり。
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ある日の休日。
買い物へ行った際に、高校の同級生だったジェシカにばったり会ってしまった。
「やだ久しぶり!元気だったー?」
「ジェシカ、久しぶりね!」
この女性は当時のクラスメイトで、一時期ランチを一緒にしたりしていた時があったのだ。そんな彼女の左手に、結婚指輪がキラリと輝くのが見えた。
「あれ…結婚したの?」
「そうなのー!相手は誰だと思う?ニックなの!」
「わあ!おめでとう!」
ニック。その名前に、あまり思い出しくない過去が蘇る。高校の頃、クラスにニックという男がいたのだが、私はなぜか彼に好意を寄せられていた。しかし当時の私は恋愛に興味がなく、むしろ私と仲良くしていたジェシカが彼の事を好きになってしまうという、学園もののくだらない恋愛ドラマみたいな三角関係だったのだ。だがジェシカは猛アタックの末にニックと付き合うも数ヶ月で振られていたはずだ。その頃から私はジェシカに軽くシカトされていたので、思い出さないようにしていただけで実際はよく覚えている。
ジェシカはというとそんな過去など無かったかのように明るく私を誘う。
「ねえ、実は今度同窓会やるんだって!あなたもおいでよ!もちろんパートナーがいるなら一緒に!」
「本当?あー…パートナーはいないけど、せっかくだし参加させてもらおうかな」
「うんうん!後でチャットで開催場所と時間送っておくねー!…あ、ごめん!ニック車に待たせてるからもう行くね!またね!」
ジェシカは笑顔でそう言って去っていく。
……はあ。複雑だ
正直あんな過去があった手前、少し面倒くさい。それでも、もしかするとまた彼女と仲良くなれるかもと思い、今回は成り行きに任せて参加してみようと思った。
数日後。
私は何気なく田村にメッセージを送ることにした。
『この間、偶然昔の同級生に会ったの。それで同窓会に誘われたから、明日行ってくるよ!』
するとすぐに返信が来る。
『何?そんな誰が来るかもわからないような集まりはだめだ』
『誰が来るかって、みんな同級生だよ?』
誘拐の一件から過保護になったとは思っていたが、まさかプライベートのことで反対されるとは思っていなかった。
『何があるかわからない。この間誘拐されたばかりなのを忘れたか?』
『まさかマフィアが紛れ込んでいるとでも言いたいの?そんなのありえない!』
���俺は今街の反対側にいるんだ。用心してくれ、いいか?』
『大丈夫、心配無い!あなたは気にしすぎだよ』
私は心配性な彼にハートの絵文字を送ってあげる。今日はもう寝よう。
翌日の夜。
同窓会の会場に着いた私はジェシカや当時のクラスメイトと少し話をしたが、皆仕事やパートナーの自慢話ばかりだ。つまらなくなってしまった私は、お手洗いに行ってくると告げ、カクテルを持ったまま気分転換に外に出る。
「来てたんだね」
背後から声をかけられ振り返ると、そこにはニックがいた。ジェシカと結婚したから、彼女と一緒に来ていたらしい。
「ニック!ええと、結婚おめでとう」
「ありがとう、久しぶりに会えて嬉しいよ」
ニコリと笑顔を向けられるが、彼に対して興味の無い私は何を話していいかわからず、気まづい沈黙が流れる。その沈黙を破ったのはニックだった。
「……君は綺麗になったね」
ニックからの熱い視線を感じ、これが社交辞令でない事はすぐにわかった。
「……え?」
「良かったら今度2人で飲みに行こうよ。色々話したい」
だからこそ、聞き間違いかと思った。この男はジェシカと結婚しているはずだし、すぐ向こうには彼女がいる。それなのに私に好意を向けていることが気持ち悪くて仕方ない。たぶん今の私はすごく引き攣った表情をしていると思う。
「ありがとう、でも冗談きついかな」
「たしかにジェシカとは結婚したけど!違うんだ!俺は君のこと忘れられなかったんだ…」
ハッとしたニックが慌てて言い訳をしだす。
なんだかジェシカのことが気の毒になってきた。
「ごめん、もう帰るね。ジェシカによろしく」
とにかくここにいたくなくて、私は飲みかけのカクテルをニックに押し付けて早足に会場を出る。しかし歩道の目の前まで来たところでニックに手首を掴まれた。
「ちょっと…!」
「なあなんでだよ?!俺がこんなに言ってるのに!」
ああ!面倒なことになってきた。
「落ち着いてってば!」
「1回でいいから!2人で落ち着いて話をしたい!」
ニックってこんなやばい男だったの?
周りにいるろくに話したこともない同級生達が、痴話喧嘩かと面白そうにチラチラとこちらを見てくる。みんなクソ野郎だ!
ジェシカに見られたら最悪な勘違いをされかねない。早くあしらわなければと思い、咄嗟に嘘をつく。
「ねえ悪いけど、私彼氏いるからそういうの困るってば!」
「彼氏?嘘をつくなよ。じゃあ今日はなんで一緒じゃないんだ?」
うっ。そんなのでまかせだからに決まっているが、つい頭に田村がよぎってしまい、私は言葉に詰まる。
その時、目の前に一台の高級車が停まり、ドアが開いた。車から出てきたのは、よく知った派手な髪の男���田村だった。
ああ!なんてタイミングが良いんだ!
「!!ニック、彼だよ!私の彼氏なの!」
よく聞こえるようハッキリとそう言い、私は田村に口パクで話を合わせてと懇願する。
すると田村は大股で私へ近づき、強い力で肩を抱き寄せた。
「おい。彼女に何か用か?クソ野郎」
田村がギロリとニックを睨む。その様子を見ていた周囲の野次馬達がざわめく。田村の髪色、タトゥー、高そうなスーツは間違いなく会場で1番目立っていた。
「だ、誰だお前…」
ニックは田村のオーラに圧倒されているようだ。
その様子を見た田村はニックを煽るように、私の口の端にキスを落とした。突然の出来事に私は動揺し頬が赤くなる。そこまでしろとは言ってない…!
「知っているとは思うが、俺達はこういう仲なんだ」
「クソッ!なんなんだよ!」
しかし幸いなことに、見せつけられたニックは捨て台詞を吐くと、私を一瞥してそそくさと会場へ戻っていた。
「田村、ありがとう!本当に良いタイミングだった!」
まだ心臓がドキドキしているが、私は彼を見上げて礼を言う。
「脅しても良かったんだが」
田村は不機嫌そうにフンと鼻を鳴らすと、私にだけ見えるように、スーツの内ポケットに入っている拳銃をチラリと見せる。
「それは本当にやめて」
この男なら本当にやりかねない。
「……でもなんでここがわかったの?」
昨日連絡した時は、場所と日時については教えていなかったはずだ。すると田村がニヤリと笑った。
「どこかの馬鹿共は何でもInstagramに載せるんだ。おかげですぐに迎えに来られた」
「あなたもInstagramやってるの?」
「情報収集用だ。滅多に使わない」
私が意外そうにそう聞けば、田村は肩をすくめて車に乗り込む。私も田村に続いて助手席に乗ると、田村は車を出した。
「逆恨みされないよね…?」
流れる景色を片目に眺め、私はふと心配になりぼやく。
「俺がいる限り心配無い。…君もあんなカス野郎には二度と近づくな」
田村には悪いが、ちょっとからかいたくなった。わたしはニヤニヤして彼を見る。
「もしかしてだけど、嫉妬してる?」
「黙れ」
そう言って田村もニヤッと笑った。
「そういう君は俺に嫉妬されて嬉しいんだろ?可愛いね」
「うーん、私ってしつこい人に好かれるみたい」
図星をつかれて内心ドキッとするが、なんとかそう言い返した。
「おい、あんなやつと一緒にするな」
「あはは!どこが違うの?」
「俺はもっと、情熱的だ」
「あぁそうだよ、田村は私が出会ってきた人の中で最も情熱的にしつこいよ」
こんなやり取りが楽しくて仕方がなくて、私達は互いに笑みが溢れる。
「さあ、着いた」
しばらくして、アパートの前に車を停める。私は車から出ようとするが、田村はシートに座ったままだ。
「帰らないの?」
「ああ、まだ仕事の途中なんだ。明日の夜には戻るよ」
わざわざ私のために抜け出してきてくれたのだろうか。そう考えると愛おしくなってきて、私はじっと田村を見つめた。
「…わかった、気をつけてね」
「あぁ。また連絡する」
私の視線に応えるように、田村が私を見つめ頬にキスを落とす。
「おやすみ」
そのまま耳元で囁かれ、再び頬が熱くなった。
「…!おやすみ」
私は田村へおやすみの挨拶をし、満足そうに微笑む田村を後に車を出た。
色々あったが今の私の機嫌はとても良くて、今日はなんだか良い夢が見れそうだ。
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【対談 #4】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)が語る、<悪夢69>と確かな関係性「“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら社長クラス」
MUCCとNIGHTMAREが8月、東名阪ツーマンツアー<悪夢69>を開催する。同ツーマンツアーは8月17日のZepp Nagoyaを皮切りに、8月18日のZepp Osaka Bayside、ファイナルとなる8月24日のZepp Hanedaといった3会場をまわるもの。両者はこれまでにもイベント等で共演しているが、対バンは今回が初となる。
◆逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE) 画像
結成24年目のNIGHTMAREに対し、MUCCは27年目であり先輩にあたるが、メジャーデビューは両バンド共に2003年だ。ヴィジュアル系というジャンルで括れば同じフィールドではあるものの、音楽性の差異は大きいかもしれない。しかし、NIGHTMAREは仙台を中心とする宮城、MUCCは茨城という同郷メンバーから成り立つバンド、という共通点もある。
そもそもなぜこのタイミングでツーマンツアーを企画したのか? どのようなライブ内容になりそうなのか? 開幕に向けて両バンドの関係性、それぞれの現在地、このツアーに懸ける想いなどを紐解く全四回の対談連載第一弾は両バンドのヴォーカリスト逹瑯(MUCC) × YOMI(NIGHTMARE)、第二弾はギタリストのミヤ(MUCC) × 咲人(NIGHTMARE)、第三弾はリズム隊のYUKKE(MUCC) × Ni~yaとRUKA(NIGHTMARE)対談をお届けした。そして最終回となる今回は、ツーマン<悪夢69>の首謀者ともいえる逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)だ。気心の知れた両者のトークセッションは終始笑いが止まらない。「うちらはたぶん、会社で言ったら社長クラスだと思う」といった深い話も飛び出す多面的な対談となった。
▲<NIGHTMARE × MUCC「悪夢69」>
◆ ◆ ◆
■もう20年近くですね ■フランクに話できる唯一の先輩なんで
──8月に<NIGHTMARE×MUCC ツーマンツアー『悪夢69』>を東名阪で開催します。もともと言い出しっぺは誰なんですか?
柩:逹瑯さんです。
逹瑯:そう、俺です。
──MUCCは現在、結成25周年イヤーを掲げたワンマンツアーで忙しくしています。その最中にツーマンツアーを企画したのは、どういう理由からですか?
逹瑯:去年ぐらいだっけ、話したのは?
柩:タッツー(逹瑯)から急に連絡がきた感じで。今、LINEを見返してみたら、タッツーから「ツーマンできないかね?」って連絡来たのは、去年5月23日でした。
逹瑯:1年ちょい前ぐらいか。
柩:だから実現するまでに時間はけっこう掛かってます。
逹瑯:でもタイミングはいつでもよかったんだよね。早くできるんだったら早くでもいいし、うちの周年ツアーやライヴが終わって時間が空いたときでもよかった。お互いのタイミングが合って、ライヴできる会場が取れるときみたいな感じで。
──つまり逹瑯さんとしては、是が非でもやりたかったツーマンだったんですか?
逹瑯:まず、楽しいことが好きなんで。おもしろそうじゃないですか、NIGHTMAREとのツーマンは。こっちがおもしろそうだと思ったというのもあるけど、ファンのみんなも、おもしろそうだと思ってくれそうだなと。そっちのほうが大きかった。
柩:過去にイベントでMUCCと一緒になったことはあるんですけど、ツーマンはなかったんで。しかも若いときからめっちゃカッコいいなと思っていたバンドで、そのMUCCとツーマンできるのは、俺も嬉しかったですね。
──「若いとき」ってMUCCのことを初めて知ったのは、いつぐらいだったんですか?
柩:10代でしたね。17〜18歳ぐらい。だからMUCCもかなり初期のころ。
逹瑯:1stアルバムぐらいのときかね?
柩:そう。1stミニアルバム『アンティーク』(1999年発表)とかのころ。“このMUCCというバンドは、絶対に変な人たちなんだろうな”って勝手に思ってた(笑)。いわゆるヴィジュアル系でもないなって印象は当時からあって。
逹瑯:それを言ったらさ、俺が柩と初めて会ったとき、柩は猫目の全眼カラコンしていたからね。もう、コイツは普通のヤツじゃないだろうなって思った(笑)。
柩:いやいや、勘弁してください。『アンティーク』のころのMUCCって、メンバー写真もモノクロで、メンバー全員のメイクも統一されているような、見るからに暗い雰囲気もあって。明らかに普通じゃなかった(笑)。
──普通じゃないのは、お互い様という。
逹瑯:いや、でもどのバンドもそうでしょう。普通のことをしたい人は、まずバンドやらないからね。
柩:確かに。特にこのジャンル��。
逹瑯:みんな普通じゃないものを好きになって、それでヴィジュアル系のバンドを始める感じだったから。
──はみ出してこそカッコいいところがありますからね。
逹瑯:俺らは高校生のころからそうだったけど、“みんなと違うことをやってるほうが目立つ”と思っていたんですよ。だから“今、なにが流行っているんだろう?”ってのを知ったうえで、それとは違うことをやりつつ、上手に採り入れるというのが、一番の正解だと思ってたんですよ、目立つという意味ではね。あと、自分にできることや得意なことってのを、ちゃんと分かっていた…という意味では、柩もそんな感じだったよね?
柩:他の人とかぶりたくないなってのはありましたね。俺の場合、身近な人とも、それこそメンバーともかぶりたくなかったし。
▲逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──柩さんはピアスを顔中に付けているじゃないですか。それも普通じゃない、というスタンスからだったんですか?
柩:ああ、かもしれない。
逹瑯:いや、オマエはドMだからでしょ(笑)?
柩:違う違う(笑)。
逹瑯:自傷行為の延長じゃないの? メンヘラでしょ(笑)?
柩:やめろって、その言い方は、違うっつうの(笑)。言い方がおかしいだろ。普通じゃないっていうか、ちょっとした変身願望から来ているかもしれないですね。
逹瑯:ああ、変態願望?
柩:変身! ヘ・ン・シ・ンだっていうの!!
逹瑯:あははは!
柩:やっぱり他とは違うこと、普通じゃないことって考えていったら、結果、こうなっていったんですよね。
──ピアスやタトゥーなど、最初は覚悟とか勇気も必要だったんですか?
柩:う〜ん、最初は勢いでしたね。15歳ぐらいからピアスを開け始めたんで。
逹瑯:最初は耳でしょ?
柩:耳だったかな…いや、違うわ。最初が口だ。
逹瑯:えっ!? 耳じゃねえんだ?
▲<V系って知ってる?>2022年12月27日@日本武道館【BUCK-TICK Respect Session】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──最初から普通じゃない。やっぱり変態ってことですか(笑)。
柩:その言い方しないで(笑)。で、2つ目が耳だったかな。
逹瑯:ファーストタトゥーは?
柩:タトゥーは腕というか、肩のあたりに。
逹瑯:どんな絵が入ってんの?
柩:普通のやつ。
逹瑯:普通のタトゥーってなんだよ(笑)? よく分かんねえって。
柩:龍。
逹瑯:おお、ドラゴンね。なんで龍にしたん? 一発目だからたぶん、すげぇ慎重になったと思うんだけど。
柩:最初にタトゥー雑誌とかカタログとかを見てたら、東京の彫師さんのカッコいい龍が載っていて。それがいいなと思ったので、その彫師さんのスタジオに行って入れてもらったんです。
逹瑯:やっぱり彫師さんによって、彫りの上手い下手もあるんだろうけど、絵の上手い下手もあるんでしょ?
柩:あるし、色のぼかし方にクセみたいなのもあるし。
逹瑯:気に入ってないタトゥーはないの?
柩:ない!
逹瑯:スゲーな。
──タトゥーは意味を持って入れる人も多いじゃないですか。
柩:自分への戒めという意味を込めて入れる人もいますね。俺も、ラクガキみたいに入れたものもあれば、そういう思いを持って入れたものもあるし。
逹瑯:戒め? そうか。じゃあ、前に酔っぱらって周りのみんなに迷惑を掛けた、その自分への戒めで入れたタトゥーというのは、どれ(笑)?
柩:そんなタトゥーないって。それに、その話はやめろ(笑)! 書けないやつだから。
──詳細が気になる。でも余計なこともいろいろ知ってそうなぐらい仲がいいんですね(笑)。
逹瑯:まあ、普通に遊び仲間だから。
柩:もう20年近く。フランクに話ができる唯一の先輩なんで、タッツーが。 ■みんなすげーことをやってきたんだなって ■自分で歌い始めて思ったから
──NIGHTMAREが一時活動を止めたときとか、ソロプロジェクトGREMLINSをスタートさせたときなど、逹瑯さんに相談もしたんですか?
柩:いや、俺からはなくて。タッツーから後で「あれはどうだったの?」とか聞いてもらうことはありましたね。
逹瑯:「自分で歌ってみてどうだったの?」とか。それぐらいの話で。
柩:やっぱ難しいですよね、歌って。上手い下手だけではどうにもならないってのが、露骨に出るパートかなと。
逹瑯:物理的に、出ねえ声は出ねえからな。
柩:そうそう。
逹瑯:ギタリスト的に言うなら、「ギター1本でなんとかしろ」って言われてる感じじゃん?
柩:そう、エフ��クターもなしでね。
逹瑯:エフェクターはギリ使ってもいいけど、このギターしか弾いちゃダメだ、みたいなさ。このギターとこのアンプとこのキャビしか使っちゃいけませんって言われてる感じ。
柩:それでも、いかに表現するかっていう。やろうとしたら、やっぱすげぇ難しい。YOMIに対しても、他のバンドのボーカリストに対しても、みんなすげーことをやってきたんだなって、自分で歌い始めて思ったから。
逹瑯:しかも自分で選んで買った好きなギターじゃなくて、ずっと前から家にあったギターしか使っちゃダメだよって言われてる感じで(笑)。
柩:そうそう(笑)。理想と現実をまず思い知らされて、それでもいかに表現をしていくかって。
▲逹瑯(MUCC)
──歌うということでは、逹瑯さんのここ数年の成長ぶりは、ライヴを観るたびに感激するんですよ。2022年からソロワークスを本格スタートさせたのも、いい効果につながっているんですか?
逹瑯:それで言うと、SATOちが抜けたタイミングで、いろいろ時間もできたので、根本的なところから見直したんですよ。まず環境を整えたかな、歌いやすい環境を。良くも悪くも、MUCC全体がスポ根みたいな感じというか、“できない理由は自分にあるんじゃないか”って思ってしまう人種の集まりで(笑)。環境を整えようって考える前に、自分に問題があるんだろって感じの脳みそを持ってる人ばかりで。SATOち脱退後にサポートドラムを入れて練習する時間が多くなったとき、まず歌う環境を見直して、歌いやすい状況を作っていく時間もあったんですよ。だから、その過程で気づきがたくさんあったかな。
──そういう経験をした逹瑯さんから、ソロではボーカルも兼任する柩さんにアドバイスもありますか?
逹瑯:GREMLINSは結成してから何年経った?
柩:今年で10年。でも全然やってない時期もあったから。ライヴはトータルで50本ぐらいかな。音源はアルバム2枚、ミニアルバム1枚、あとシングルが3〜4枚。今日もさっきまでGREMLINSのリハで歌ってて。この対談が終わってからもまた歌うんですけど、リハのときから大変な���いをしてます(笑)。
逹瑯:GREMLINSでは、全���でギターとボーカルを?
柩:ギターはAメロだけ美月(G / TheTHIRTEEN, Sadie)が弾くとかもあるけど、ギターソロとかは基本俺が全曲で弾いてるんで。
逹瑯:そりゃ大変だわ。歌ってないところではずっとギターを弾いてるんでしょう?
柩:そう。あとサビでは、歌いながら弾いているんで。
逹瑯:そうなると水分補給する時間も隙間もないでしょ?
柩:曲の途中にはないよ。曲と曲の合間しかない。
逹瑯:そりゃキツいな。楽器をやっている人は、曲の途中にノドを湿らせるっていう考えがないんだよね。ボーカリストは、曲の途中でノドを湿らせて、一度仕切り直すってのが、実はけっこう大事だから。
柩:あっ、それやってないかも。タッツーの助言を聞いて、この後のリハ中はノドを潤します。
▲柩(NIGHTMARE)
──歌の表現とか声の表情という面で、“こうすればいいかも”というアドバイスもあります?
逹瑯:それは好みとか歌のスタイルにもよるでしょう。K-POPとかR&Bとかが好きな人、泥臭いフォークソングが好きな人、ハードロックが好きな人、ミクスチャーが好きな人とか。それぞれによって歌い方も目指すスタイルも違うから。どのスタイルで、どういうボーカリストに憧れているかによっても、表現とか表情の付け方も違ってくると思うな。
柩:ちなみにタッツーは、細かいピッチとか気にしながら歌ってる感じ? それとも、そういうのはわりと自由にフィーリングのままで?
逹瑯:ピッチは気にするよ。今、自分がどのピッチで歌っていて、どういう声を出しているんだろうってのが、すごく分かるようなモニターの作り方を頑張ってる。自分が今、どれぐらいの声量で、どんな声を出しているのかが分からないと、それってそのまま歌のニュアンスに直結していくからさ。モニター環境も含めて、けっこう細かく煮詰めているかも。
柩:そんなところまで? 器用な人じゃないとできないパートだなって改めて思う、ボーカルは。
逹瑯:うん、そうだと思う。しかもライヴって、演奏して歌っていればいいってだけではないからさ。今、ライヴ全体がどんな空気感だとか、どういうふうに次の曲へつないでいこうとか、��れはボーカルが考えなくちゃいけないから。ここで煽りを一発入れて、盛り上がったところで次だなとか。
柩:ライヴ全体を引っ張っていくというか。
逹瑯:そうそう。だから曲に没頭しつつも、どこかひとつ冷静になって、ライヴ全体の状況や空気感を見ていないとダメかもな。
柩:そこがすごいんだよな。俺、いっぱいいっぱいになるんだよ。
逹瑯:実際、難しいと思うよ。YOMIもアホなようでいて、ちゃんとやってるもんね(笑)。
柩:いや、アホだけどね(笑)。「アホなようで」ではなくて、YOMIはアホだけどやってる。この間、タッツーと飲んでいるときにもちらっと言ったんだけど、「いつかタッツーのソロとGREMLINSで一緒になにかやれたらな」って。
逹瑯:そうそう、やりたいよね。おもしろそうだから。
柩:俺も勉強になるし、絶対に。
逹瑯:勉強とかしないだろ、オマエは(笑)。
柩:いや、こう見えてすぐに刺激を受けるタイプだから、俺は(笑)。
▲<V系って知ってる?>2022年12月27日@日本武道館【BUCK-TICK Respect Session】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──お互いに受ける刺激があるでしょうし。
逹瑯:NIGHTMAREとMUCCの対バンもさ、一回だけで終わらせずに、何回もやりたいよね。今回の対バンに合わせて、こういう対談で、俺と柩以外のメンバーも仲良くなっているじゃん?
柩:そうそう。RUKAさんもYUKKEさんとの対談でけっこうしゃべったみたいで。
逹瑯:RUKA君なんて、そもそも強めに引っ張り出さないと出てこないからね。
──今までは、2バンドの全員がワチャワチャ仲いいって感じでもなかったんですか?
柩:今までは個々で仲がいい、という感じでした。俺とタッツーが一番面識ある感じだったかな。
逹瑯:柩とNi〜yaとはちょこちょこ会ったりしていたけど、意外とYOMIとは遊ばなかったもんね。昔、アイジさん(LM.C)と飲むこともたまにあったから、そのへんのつながりで咲人と飲んだことがあった程度かな。RUKA君とは全然遊んだことないな。街中で偶然会って話すことがあったぐらいで。
柩:そっちのほうがレアケースだけどな(笑)。
逹瑯:「今、あそこにいました?」って突然LINEに連絡が来て、「おおっ、確かにいたよ」って(笑)。でも、結局本人とは出会わずで、どういうこと?みたいなこともあったり(笑)。
──全員がグッと急接近して絡むツーマンツアーだから、楽屋もそうだし、ステージ上でも刺激的なことしか起こらないでしょうね。
逹瑯:絶対に起こる。この前、2バンド全体の生配信番組の雑談からの流れで、ツーマンライヴのセッション企画にRUKA君が参加することになってね。RUKA君をセッションに引っ張り出せただけでも、すでにすごいと思ってる(笑)。
柩:確かに(笑)。RUKAさんは、みんなでワイワイやらなそうな人だから。それを引っ張り出したタッツーはすげえな、と横で見てて思ってたから(笑)。
逹瑯:しかも、すげえ自然な会話の流れのままセッション企画に引っ張り出すというね。
柩:さすが、全体をコントロールするボーカリスト=逹瑯だなって(笑)。やるなーと。
逹瑯:ツーマンツアーがスタートする前から、楽しそうなライヴになりそうって感じでしょ。
柩:NIGHTMAREのファンも嬉しいと思います。あんまり見たことのないRUKAさんの姿を目撃できることになるから。引っ張り出したタッツーに対して、NIGHTMAREのファンみんな、すごく感謝すると思います。
逹瑯:それは嬉しい。それにRUKA君の笑顔を取り戻してあげないと。
柩:いやいや、笑顔はあるよ(笑)。笑顔がない人ってことじゃないから。
■SATOちを知らないお客さんを ■もっと増やさなきゃいけない
──NIGHTMAREもMUCCも、20年以上の活動の歴史を積み重ねています。それぞれの現在の立ち位置から過去の自分たちを振り返ると、どう映りますか?
逹瑯:柩ってNIGHTMAREの前にバンドやってたの?
柩:ちゃんとしたバンド活動はやってない。
逹瑯:初バンドか。じゃあ俺と一緒だね。
柩:でも、セッション的にコピーバンドみたいなのはやったことあるけどね。
逹瑯:オリジナル曲をやるバンドは、NIGHTMAREが初めてでしょう? 俺もMUCCが初めてだから。ミヤさんはその前にバンドやっていて、YUKKEさんもちょこっとセッションバンド的なことをやってた。SATOちも前のバンドあったし。それで質問の答えだけど、この間、ボーッと振り返るような時間があったんですよ。バンドをやっていないプライベートの友達とか同じ歳の地元の仲間とかって、社会的にけっこう偉い立場や役職に就いてたりするんですよね。で、ヴィジュアル系バンド全体を一個の会社として考えたら、我々の役職はなんだろう?ってさ(笑)。
柩:すごい考え方するな。
逹瑯:いろんなパターンを考えていったとき、うちらはたぶん、会社で言ったら社長クラスだと思うよ。
柩:えっ!? うちら社長なの?
逹瑯:いやいや、先輩方はいっぱいいるんだよ。だけど、あの人たちは会社で言ったら会長クラスだから。たぶん我々世代が“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら、いろんなところの支社長とか社長クラスなんだよ。
柩:まじ!? そんな話をされるとちょっと責任感が……(笑)。
逹瑯:ちょっと姿勢が変わってくるよね(笑)。
柩:うん、変わってくる。好き勝手やってるのもどうなのかな?って話になるし、でも好き勝手やりたいし。
▲MUCC
逹瑯:そう。でも業界全体で考えたら、我々は社長クラスになってる世代だし、意識してそうなっていなきゃいけないんだろうなって。そう考えたら、���っこう痺れたよー(笑)。
柩:そっかー、たしかに世代的にはそうかもな。自分たちがバンドを始めたころ、今の俺らの年齢の人たちって、すごい年上の方々、という印象だったもんね。
逹瑯:うちらがバンド活動をかじるか、かじらないかぐらいの10代のころに、第一線ですでにバカ売れしていた先輩たちは、ヴィジュアル系会社を設立した人たちだよ。会社の創設者ってことだね。それから何年も経って、我々は今、もう何代目って感じだろうけどさ。そういう立ち位置になってくると、今度は下の世代に対して、会社をよりいい状態にしていかなきゃいけないじゃん。
柩:そうだね。次の世代へ受け継いでいってもらうために。
逹瑯:そうそう。そうなっていくことが、我々世代が会長クラスとかになったときの住みやすさにもつながっていくからさ(笑)。
柩:あははは。すごいこと言うね(笑)。
逹瑯:だから自分たちのことばかり考えていてもいられねえんだろうなって。
柩:そうだよね。俺ら世代が刺激していかなきゃいけない。
逹瑯:そういう意味で言うと、NIGHTMAREとMUCCのツーマンツアーは、そういうことのひとつの要因になったらいいな、とは思うよ。
柩:確かに。直接的な後輩バンドたちもそうだけど、面識のないバンドマンとかにも観に来てもらいたいな。特に年下の頑張っているバンドマンたちに。
──単なるツーマンツアーではなく、シーン全体を活性化させるツアーにするという意気込みですか?
逹瑯:うん、そうなったらいい。
柩:ファンも、もうお母さんになっている世代が多いので、ライヴ離れしていった人たちもやっぱりいて。
逹瑯:子育てに忙しくて、ライヴに来れないって方もやっぱり多いからね。
柩:子育てしつつ仕事もしつつ、日々忙しくて、仕方なくライヴから離れてしまった方々がね。でも今回のツーマンツアーだけはちょっと観てみたいって、そういう方々も刺激したいですよね。青春を思い出してもらいたい。我々が活動をスタートさせたころにライヴハウスに来てくれてた高校生とかが、あの当時の気持ちになれるように。
▲NIGHTMARE
──でもMUCCもNIGHTMAREも、ライヴにけっこう若い世代もいますよね? この前、MUCCの野音ワンマンに行ったら、周りは若い子ばっかりで熱かったですから。
逹瑯:いいですね。ここ最近、ずっと思っていることがあるんですよ。全体の活性化もそうだけど、俺が今MUCCに関して思っていることを言うと、“SATOちさんのいた時代のMUCCを観てみたかった”という世代をもっと増やさなきゃいけないと思っていて。SATOちを知らないお客さんが増えないと。
柩:それだけ若い世代が来てるっていうことか。
逹瑯:そうそう。「SATOちがいなくて寂しい」って言ってる方ばかりでは、まだ新しい世代に向けてアピールできていないなって。今、MUCCの現場を手伝ってくれる若いスタッフが2人いるんだけど、彼らはSATOちの時代を知らないからさ。“今、一緒にものを作っているスタッフの中に、SATOちを知らない若い子がいるのか。すごいな”と思ってさ。
柩:SATOちさんって何年前でしたっけ?
逹瑯:えっ、死んだの(笑)?
柩:死んでないし(笑)。なんでSATOちさんを殺すの。
逹瑯:今、SATOちはムキムキだからね(笑)。
──パーソナルトレーナーとして生命力に溢れる体つきですから。
逹瑯:ほんとにそう。SATOちが脱退したのは、もう2年ちょい前か。
柩:衝撃だったもん、脱退。めっちゃ寂しい、と思って。
逹瑯:NIGHTMAREはそういう時期なかったの? 例えば誰かがしんどそうだな、とか。柩はしんどいと思ってた時期ないの? NIGHTMAREがバーンと売れ出したたとき、スケジュール的にもしんどかったとか。
柩:確かにしんどかったけど、“これが当たり前で、こういうもんだ”と思ってやっていたからね。俺は飼い慣らされてた(笑)。
逹瑯:よく言うよ(笑)。そのへんはメンバーみんなの地元が一緒というのもデカいかもね。
柩:そうそう。MUCCもメンバー全員、地元が一緒でしょ。地元が一緒で、みんなでこっちに出てきたっていう絆的なものがあるよね。
逹瑯:NIGHTMAREのメンバーは、通ってた学校も一緒なの?
柩:いや、別。俺とRUKAさんとは同じ高校だったけど、通っていた時期はかぶってないよ。
逹瑯:3つぐらい違うの?
柩:ううん、2つだけど…かぶってないってこと(笑)。
逹瑯:ああ、学校を辞めてるってことだね。で、どっちが?
柩:そこまで言わせるのか…どっちもだよ(笑)!
逹瑯:本来ならかぶってたはずなのに、やめてたからかぶらずと(笑)。で、高校を?
柩:中学を辞めるって無理でしょ(笑)。そんなの茨城でも無理でしょ。
逹瑯:高校が別なのに、よくRUKAさん以外は同じ歳のメンバーが集まったよね。
柩:友達を通して、それぞれ知り合っていったんだよね。
逹瑯:地元が一緒だと、メンバー間でバンド以外の共通項も持ってるわけじゃん。それがすごくいいなと思う、や���てて。
柩:昔話も普通にできるから。
逹瑯:そう。昔からのツレが、メンバー間で一緒だったりするし。
柩:それで言うと、俺からしたらタッツーは先輩だけど、10代からの知り合いだし、地元のツレに近いものを勝手に感じている。
逹瑯:MUCCが仙台に行き始めたのも早かったしな。
柩:そう。昔からタッツーはあんま変わんないもん。ズケズケとモノを言う感じとか(笑)。
■一緒にものを作っていくときに ■ひとつのムーブメントって生まれる
──そういう近しい間柄だと、たとえば、ちょっとした行き詰まりを感じたり悩んだりしたとき、少し話しただけで力の出る言葉を掛けてくれたりとか?
柩:うん、まさにそう。
逹瑯:でも、柩はあまり悩むことなさそうだよな。
柩:いや、あるよ。なに、その勝手な決めつけは(笑)。
逹瑯:自分で解決してそうだから。
柩:ああ。いや、けっこう悩んだり、ストレス溜まったりするタイプなんだよ。
逹瑯:ほんと? いろんなタイプがいるじゃん。DEZERTのSORAとかアルルカンの暁とかは、一生悩んでそうなタイプじゃん。
柩:ああ。俺はそういう感じでもないかな。
逹瑯:人種的にそうじゃないじゃん。あと、メリーのガラは悩んでるとかじゃなくて、誰かに愚痴を聞いてほしいだけだからさ。悩みとかじゃなくて、ただぼやきたいだけでさ、一生(笑)。
柩:ひどいな、言ってることが(笑)。ガラさんはめちゃくちゃ優しいよ。
逹瑯:俺は悩み事がないわけじゃないけど、人に話して解決するような感じでもねえし。
柩:タッツーは人からアドバイスもらって悩みを解決するような人じゃない気がするな。
逹瑯:うん、人に話して解決するようなことだったら、自分で解決できるし。自分で解決できるんだったら、人に話したところで解決できない感じ。
柩:分かる。俺は溜め込んじゃう時期があるんだよな。
逹瑯:俺は溜め込まないんだよ。忘れちゃうんだよね(笑)。とりあえず目に付かないところに置いとくと、そのまま忘れちゃう。で、賞味期限が切れてる。もう、いいかって。
柩:その考え方、ちょっといいかもしれない。
──逹瑯さんは常に前向きだってことですね。
柩:うん。前向きなほうがいいですよ、基本的には。
逹瑯:それに、たいがいのことは時間が経てば解決しているからね。だってさ、20代のころに抱えていたような悩みは、今となってはどうでもよくない(笑)? それって時間が経てば解決したってことでさ。
柩:どうでもいいし、当時の悩みも覚えてないもん。
逹瑯:でしょ? そんなもんなんだよ。その程度の悩みしかない人生を送れているのは、幸せなことだよね。
柩:確かに。いろんな事情があって、ずーっと同じ悩みを抱えている人もいるから。
逹瑯:我々は好きなことやれているし、少数精鋭のクリエイティヴなスタッフに囲まれているから、まず、職場の人間関係で悩むことがほぼないじゃん。たいがいの人の悩みって、職場の人間関係だったりするでしょう。そこに関して我々は経験したことがないから、なんの助言もできないよね。相談されても綺麗事しか言えないと思う。
──“株式会社ヴィジュアル系”の社長として、これから若いバンドマンたちに頼りにされる場面も多くなりそうですよ。
逹瑯:むしろ、うちらが力を貸してほしい気がしてるんだよね。“なにかイベントやろうぜ” “フェスやろうぜ”ってときに、“出てくれ”とか“一緒にやってくれ”とかさ。誘われるほうも出させてもらったというよりも、一緒に作りましょうってスタンスのほうが、絶対に楽しいよ。
柩:変な遠慮はしないでくれっていう。
逹瑯:うん。一緒にものを作っていくときに、ひとつのムーブメントって生まれると思う。それは一人の力ではどうにもならないからさ。ムーブメントを作っていくとき、力を合わせるのが必要だと思う。
柩:タッツー主導でフェスやってよ。
逹瑯:やりたいと思うんだけど、やるんだったら、継続して毎年もやらないと意味がないと思ってるんだよね。一発で終わっちゃったら、ただのイベントだから。継続して毎年やることで、ひとつの文化やコミュニティになっていくわけじゃん。だからやるとなったとき、相当な覚悟が必要だと思ってる。
柩:MUCCがやるときは呼んでほしいです。
逹瑯:絶対に呼ぶんじゃないかな、うん。
柩:うちのボーカルの弟のバンドとかも。
逹瑯:YOMIの弟…?
柩:YOMIの弟が、仙台貨物ってバンドをやってるんで。
逹瑯:あっ、あれ弟なんだ!? 俺は同じ人かと思ってた(笑)。
柩:いや、別人です!
逹瑯:じゃあ、スリーマンしよう(笑)。MUCCがトップバッターやるから。
柩:その順番はどうなの(笑)? 仙台貨物とNIGHTMAREが続いちゃうんだよね。ちょっといろいろ相談をしないといけないかも(笑)。
──仙台貨物のフルフェイスさんにも話を通さないとマズいですよね、きっと(笑)。
柩:あ、ギターの人ですか? 僕は全く面識ないんですけどね(笑)。
逹瑯:あ、そう来る(笑)? メンバーさんに“本当はこんなバンドやりたくないんだよな”と思ってる人はいないんかね?
柩:いや〜、いないんじゃないかな。まっ、そういう時期もあったかもしれないけど(笑)。
逹瑯:俺、ずっとベースの人はオウチンチン(王珍々)…おちんちんかと思ってた。そしたらワン・チェンチェンなんだよな。
柩:ああ、そうらしいですね。俺もちょっとあんまり詳しくないんで(笑)。株式会社ヴィジュアル系の話に戻るけど、社長という立場にいるって自覚しなきゃいけないのであれば、俺らも今後はイベントとかいろいろやっていきたいし。
逹瑯:いや〜、でもNIGHTMAREは友達が少ねぇからな。
柩:だからそれ言うの、やめてもらっていい(笑)? 俺ら���舎から出てきてますから。
逹瑯:いや、うちらも田舎から出てきてんだよ(笑)。
柩:でも茨城のほうが東京に近いし。
逹瑯:若干ね(笑)。ところで普段、なにして遊んでんの?
柩:遊ぶ……たとえば2週間ぐらい休みがあったら、夏ならダイビングとか。沖縄はやっぱ綺麗。
逹瑯:本島より離島がいいんでしょう? 沖縄のバンドマンに言わせると、「沖縄本島はこれでも汚くなったんですよ」ってことだからね。全然綺麗なのに。
柩:すごく綺麗だよね。あとサクッとダイビングに行くときは伊豆とか。
逹瑯:大島とか新島とか、あっちのほうも良さそうだよね。俺、今年は秋口ぐらいにキャンプに手を出してみようかと思ってて。
柩:ちょっとそれ、俺も行きたい! 去年、初めて行ったんだけど。
逹瑯:テントとか持ってんの?
柩:寝るときはバンガローだった。
逹瑯:それキャンプじゃねえーし! バカ野郎!! 自分で建てろ、寝るところは。テントと寝袋だよ。だから、ちょっとずつキャンプ用品を揃えていこうと思ってて。
柩:行くなら9月?
逹瑯:10月後半ぐらいから狙えたらなと思ってる。
──ツーマンツアーの打ち上げは、キャンプ場に決まった感じですか?
柩:しますか、2人打ち上げをキャンプ場で(笑)。
逹瑯:キャンプ部結成だな。YUKKEさんが部長で。
柩:あっ、それ最高です。
──最高なキャンプの前に、大事なのがツーマンツアーですよ。
柩:そうですよね。ステージ上だけじゃなくて、フロアのみんなも、我々と同じようにテンション上げて盛り上がってほしいですね。別々のバンドのファンの子が一ヵ所に集まるわけだけど、ギクシャクしないでほしいっていうか(笑)。仲良く盛り上がってほしい。
逹瑯:そこに関してはうちらよりフロアのほうが慣れてるでしょう。ファンのみんなは、いろんなライヴに行ってるだろうから、経験値も高いよ。
──そんなオーディエンスのみなさんに、最後に言葉をいただけたらと思います。
逹瑯:なんも深く考えずに、遊びに来て楽しんでもらうだけでいいので。いい意味でライトな気持ちで遊びに来てもらえばいいと思っています。
柩:構えないで来てほしいね。お互いのバンドの曲は、事前にある程度は聴いてきてほしいですけど。
逹瑯:ある程度? 難しいよ、300曲以上はあるからね(笑)。
柩:じゃあ、ちょこっとでも、最新曲とかだけでも(笑)。まあ、夏の思い出を作るぐらいに、夏祭りに行くような感じで来てもらえればなと思います。自分も構えるというよりは、ライヴ当日を楽しく迎えたいと思ってます。
取材・文◎長谷川幸信 撮影◎冨田味我(MUCC LIVE)/菅沼剛弘(NIGHTMARE LIVE)
13.08.2023 quelle: barks.jp
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コールガール
酒場で歌いほろ酔いで帰ったホテルのシングルルーム。
ふと誰かの温もりを感じたくなってしまった。
ネットで調べた番号に電話をかけると無機質な声で料金を言われ、それに応じて電話を切る。
部屋に来るまでの十分間で歯を磨いてパジャマに着替えた。
扉をノックする音。
静かに開けた扉から、中��で痩せ型若い色白の女性が姿を見せ、中へと招いた。
目元が可愛らしくマスクを外すと優しさを感じる顔立ちで少しあった緊張が解けた。
派手さは無いが例えるならマーガレットのようなしおらしい可愛さがある。
「あかりです」
鼻から抜けてどこに気持ちがあるんだろうという声質が耳に残る。
シャワーを浴びる。
恐らく仕事に慣れてないのだろうという手際。
「生まれは?」
「北の方」
「俺も北だよ」
「同じかもねぇ」
彼女の首筋に顔をうずめる。ボディーソープと頭皮の脂の香りが安らぎを与えてくれる。
タトゥーも自傷跡もない白く綺麗な体を抱いた。
話をしていくと、県は違うがとても近いところの出身だと言うことがわかった。そこは祖父とドライブでよく行っていた海沿いの街。
地元の進学校を出て東北の都市部に出た。普段はOLで、今は出稼ぎで来ているらしい。
話していてストレスなく返答や言葉が出てくるから、そこに頭の良さを感じた。
話の流れで連絡先を交換した。
本当の名前はゆかだった。
アイコンが馬の写真で背景が競走馬のぬいぐるみだった。
「競馬好きなの?」
「好きです」
そこから会話が弾んだ。
今流行のゲームより前にYou Tubeでオススメされたライスシャワーのヒストリーを見たのがきっかけだという。
ライスシャワーを簡単に説明すると、記録がかかったレースで対象馬をマークして勝つという、所謂ヒールと呼ばれる馬だった。
そんな中、ファンから一番人気で選出されたレースでようやくヒールがヒーローになる時に、レース中の怪我で命を落としてしまう。
それに感銘を受けて競馬にハマるという感受性に興味がわいた。
そんな中、一緒にいる時間も終わりに近づく。
「よかったらこの水あげるよ」
フロントでもらった水を冷蔵庫で冷やしていたからそれを渡した。
「ありがとうごさいます。嬉しい」
「よかったよ」
「もしね」
「うん」
「店長の気分が変わってなければこれで今日ラストなんです」
「そうなんだ」
「泊まってるホテルも近いし、よかったらお話しませんか?」
まさかの誘いだった。
「いいよ、ぜひ話そう」
「やった!競馬の話たくさんしてください」
店に電話してゆかは仕事の終わりを伝えて帰宅を許された。
夜ご飯を食べてないというゆかとコンビニへ向かった。甘いお酒とボンゴレビアンコ、おにぎりを買った帰り道。
「あのさ」
「なに」
「一生のお願い程ではないんだけど」
「うん」
「手繋ぎたい」
「これが一生のお願いなの」
彼女から手を繋いでくる。
「いや、違う。程ではないって言ったよ」
「ふふふ」
部屋へ戻って食事をとる彼女と話をした。
競馬の話。それに因んだゲームの話。ひとしきり話した後、彼女について聞きたくなった。
「彼氏は?」
「いるよ」
「だよね」
「同棲してる」
「よく出てこれたね」
「GWだからお互いに実家に帰るってなって」
「なるほど」
「こんな事聞くのもあれなんだけどさ」
「なんでこの仕事したのって?」
「うん、気になった」
「うつになってね、休職したんだ。その間はある程度給料で出てたんだけど、時短で復職したら全然お金貰えなくなって」
「そうだったんだ」
「同棲してるから家賃も生活費も半分ずつだし、それじゃあ足りないから…」
「彼氏は出してくれないの?」
「半分以上は出してくれないし、あんまり頼ると嫌な顔されるから。うつでしんどいときも家事はやらなきゃだったし、やらないと嫌味言われてさ」
恋人とか、パートナーとか、夫や妻って何だろう。
苦しいときに何かしてあげたいと思うのがそれらではないんだろうか。
去年俺が経験した事とも重なって、目頭に熱さを感じた。
「それでなんだ」
「それでもやっとなんだ。彼氏が仕事終わるまでに帰らなきゃいけないから長い時間できないし」
「彼とは病気の話はしてるの?」
「したけどあんまりわかってくれなくて。薬飲んでも変わってないじゃんって言われて。私が悪いんだよね」
椅子に座って机を見つめるゆかを抱きしめた。
「ゆかは悪くないよ」
「えっ」
「ゆかは全然悪くない。悪いのはまわりだ」
ゆかが俺の背中に手を回してふっと笑った。
「ありがとう」
「ほんとだよ、ゆかは悪くないから」
ゆかの髪に口づけて、顔を見合わせてキスをした。
シングルベッドの上で何度もゆかを求めて、ゆかも俺を求めた。
「一緒に帰ろうか?」
「帰れないよ」
「そうか」
「だって、まだ気持ちあるから」
「好きってなんだろうね」
「なんだろうね」
このままゆかを連れ去りたいけど出来ない。
そして離してしまうと二度と会えないこともわかっていた。
「会えたのって奇跡だね」
「なにそれ」
「ゆかがここに来なかったら、俺らは会ってないからさ」
「そうだねぇ」
変わらず気持ちがどこにあるのかわからない声だ。
でもそれが堪らなく愛しいと思った。
夜は更けて過ぎていく。
ゆかの推してるアニメキャラの同人の話を聞いて眠った。
ゆかがセットしたアラームが鳴って起きた。
六時だった。
ゆかはまだ眠っている。
気持ちよさそうに寝息を立てる顔を見て静かにシャッターを切った。
唇を重ねる。そこでゆかは目を覚ました。
「おはよう」
ゆかが頷く。
ベッドでゴロゴロして寝ぼけながら話をした。
「俺、バツイチなんだ���
「そうなの?」
「娘もいるよ」
「なんで別れたの」
「子供がお腹にいる頃にうつになって、仕事見つけられなくなって、そしたら別れを言われた。」
「辛かったね…」
「発達障害も見つかってさ。通院してるよ今も」
「私もある。ADHD。薬も飲んでるし」
「そっか、一緒だったんだ」
「うん、そうだね」
ゆかが俺の頭を撫でる。そのあと俺はゆかに抱かれた。
別れの時が近づく。
「今度帰ってきたら会おうよ」
「うち過保護だから夜は無理だよ」
「昼でいいよ」
「私の車ないから迎えに来てもらわなきゃいけない」
「どこにでも行くよ」
「ありがとう」
部屋からエレベーターまで手を繋いで歩いた。
下行きのボタンを押す。
「実はね…私六階なんだ」
「えー、早く言ってよ!」
「ふふっ」
上行きのボタンを押す。
「だからか、エアコンの効き悪いとか知ってたもんね」
「そういうことでした」
エレベーターの扉が何度も開いて閉じてを繰り返す間、最後に口づけをした。
「また会おうね」
「ありがとうございました」
手を振ってわかれた。
またいつか会えるといいな。
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英国のスターマー首相は5日、労働党のアンジェラ・レイナー副党首(44)を新政権の副首相に任命した。16歳で妊娠して学校を中退し、周囲から「見下されてきた」という若き日々から、時を経て英国の「ナンバー2」になったレイナー氏とはどんな人物なのか。 「公営住宅に住んでいるとか、片親だとか、そうした理由で他人を見下す人がいた」 英メディアによると、レイナー氏は1日、ロンドンでの選挙集会で自らの生い立ちを語った。そしてケアワーカーとして働いた自身の体験を踏まえ、介護現場などで働く人に正当な賃金が支払われるよう、「日々闘っていく」と訴えた。 ドッグフードを食べさせられそうにも 本名アンジェラ・ボウエン。1980年3月、英中部ストックポートに生まれた。英紙ガーディアンなどによると、3人きょうだいの2番目で、公営住宅で育った。母はそう状態とうつ状態を繰り返す双極性障害だったが、父がほとんど家に帰らなかったため、10歳から母の世話をしたヤングケアラーだった。母は字が読めず、ドッグフードを牛肉のステーキと思い込んで子供たちに食べさせようとしたという。 荒れた10代を送り、14歳でナイトクラブに通い始め、16歳で妊娠して学校を中退した。 転機は長男を出産した97年だ。この年、労働党のブレア政権が誕生。低所得者層の子育てを支援する教室が地域に誕生し、ここで育児を学ぶことができた。手話を学び、介護職の資格を取り、地元ストックポートでケアワーカーとして働けるようになった。 人生を変えてくれた労働党 自らの人生を変えてくれた労働党に親近感を持ち、労働組合勤務を経て2015年に下院議員に初当選。10年に労組幹部のマーク・レイナー氏と結婚し���20年の離婚後もレイナー姓を名乗る。37歳で「祖母」になり、現在は3人の子と1人の孫がいる。 「私は社会主義者だが、現実主義者でもある」。自らをそう語るレイナー氏は、その現場体験から、社会福祉や教育分野に強い政治家として知られる。脚には、労働党のシンボル「赤いバラ」のタトゥーを彫っている。 その強烈な個性もあり、政敵の保守党からはしばしば攻撃対象となる。22年には下院の議場で、当時のジョンソン首相(保守党)の前で足を何度も組み直したことが「首相の気をそらすため」などと保守党側から批判された。これに対しレイナー氏は、「変態的な中傷だ」と激怒し、政界にはミソジニー(女性嫌悪)が根強いと訴えた。この時は保守党の女性議員らもレイナー氏を支持した。 一方で過去には脱税疑惑なども報じられ、「彼女は常に正しいわけではない」(ガーディアン紙)とも評される。 レイナー氏は副首相のほか、住宅・地域社会相も兼務する。【ロンドン篠田航一】
10歳から母の世話、16歳で妊娠 44歳で英国の新副首相 レイナー氏 | 毎日新聞
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The Green Knight
“A24”のお気に入り作品は?
映画を見ようと思うキッカケの多くは、そもそも原作のファン。好きな俳優や監督だったり、劇中を彩るサントラが好き。あのカメラマンのカメラワークが見たいなど多種多様。でも、どこが作ったのか?などの制作会社の情報だけでワクワクさせてくれるのは、現在の映画界において“A24”が頭ひとつ抜けていると思います。
初めのクエスチョンにアンサーすると、僕のお気に入りはデヴィッド・ロウリー監督の「A GOHST STORY」
妻を残して先に逝ってしまった夫が幽霊として現れ、最愛の妻と過ごした家の中から見守るだけの物語。本当にただそれだけ。淡々という表現がピッタリな物語をロウリー監督といえばな長回しで繋いでいく世界観。1年。1時間。1秒などの概念は皆等しく同じ。しかし、体感するスピード感は人それぞれ違う事。愛しい人の記憶から徐々に消えていく事の切なさ。それらを一度見ると忘れられない幽霊像で教えてくれます。
そして、誰しもが何かしらのタイミングでふと想ったり、考えたり、ぶつかってしまう「時」の流れる描写が本当に抜群。この作品に出会ってからはすっかりロウリー監督のファンになってしまった僕。
ルーニー・マーラだとやはり“ドラゴン・タトゥーの女”で演じたリスベットが真っ先に浮かんでしまいます。でも、彼女の自然体の綺麗さに惚れ惚れしてしまったこちらも大好きですし、ほぼ顔が出てこない出演ながらも、シーツオバケの夫を演じたケイシー・アフレックも最高すぎ。
そんなロウリー監督の最新作「The Green Knight」
原作は「サー・ガウェインと緑の騎士」という作者不明の叙事詩。これを聞いてピンとくる方は中世のファンタジー好きだと察します。でも、僕は正直に言うとあまりファンタジー作品を通って来ていません。変に凝り固まった偏見が邪魔をし続けているジャンルとも言えます。しかし、A24制作かつ監督がデヴィッド・ロウリー。こうも好きを揃えられては見ない理由が思い当たらないです。
あらすじをすんごいざっくりと説明すれば、舞台は中世ヨーロッパ。アーサー王の甥っ子ガウェインが物語の主人公。クリスマスの日に開かれた宴に、ほぼ木な出で立ち緑の騎士が突如現れます。そこで緑の騎士は“クリスマスの遊び事”の首切りゲームを持ちかけ、その挑発に乗ったガウェインが聖剣エクスカリバーで緑の騎士の首を一太刀。しかし、緑の騎士は何事なく自分の首を拾い、ガウェインに「1年後のクリスマスに私を捜し出し、ひざまずいて、私からの一撃を受けるのだ」と言い残し去っていきました。その出来事から死亡フラグをビンビンに立てられたガウェインの苦悩と成長を見届ける物語。
アーサー王、エクスカリバーなど厨��病が思わずゾクッとしてしまう単語も並びますが、大作ファンタジー作品の様なわかりやすい展開は待ってませんし、ファンタジー系の代名詞である圧巻なCGで魅せる事も少ない。でも、衣装や小道具などを上手く使い、美しい中世の匂いやテクスチャーが伝わる映像にはうっとり。更に、セリフなんかで多くを語らず画で感じろ!なデヴィッド・ロウリー節は健在。
映画やアニメなど物語を見る際に気になってしまうのが、主人公のダメさ具合。やはり主人公が出来杉くんではダメなのです。完璧にはほど遠いからこそこちらは感情移入してしまうのです。では、ガウェインはどうでしょうか? 安心して下さい。ちゃんと自堕落でどうしようもない主人公像でした。少々イラッとしてしまうかもですが、そこも含めてA24。
劇中ではそんなガウェインが緑の騎士から突きつけられた呪いであり、試練に立ち向かっていきます。緑の騎士を探す道中では、言葉を話すキツネなどのファンタジーらしいキャラクターや、人であり人でない存在などなど。様々な出会いを経験していきます。そして、それらは忘れる事の出来ない“記憶”となりガウェイン��心に刻まれていきます。
いつもは好き勝手にネタバレを長々かつダラダラと書いているブログですが、“THE GREEN KNIGHT”や“A GHOST STORY”は見終わった後に残った余韻は近いものがありました。なので、今回はある方の名言を総括にします。「人は思い出を忘れることで生きていける。だが、決して忘れてはならないこともある」
youtube
そして、ここからが本題です。
A24×MIN-NANOによる「The Green Knight」のアイテムをTOXGOでリリースします。2020年の「Midsommar」から続く第二弾。A24とMIN-NANO。リスペクトしかない両者のアイテムをTOXGOで販売出来る嬉しさ。個人的にとても感慨深いです。
THE GREEN KNIGHT × MINNANO L/S TEE
我喜屋位瑳務さんによる劇中のキービジュアルを散りばめたバックのグラフィック。
Sz: M , L , XL , XXL / ¥9900-
THE GREEN KNIGHT × MIN-NANO 6PANEL CAP
CUP AND CONEの間違いないボディを使用しております。
¥8800-
THE GREEN KNIGHT × MIN-NANO BUMPER STICKER
物語のチャプターテロップで登場するメッセージを落とし込んだステッカー2枚セット。メッセージステッカーの代名詞なバンパーサイズなので少し大きめ。
¥1650-
THE GREEN KNIGHT BLANKET
2mオーバーのUSAメイドブランケット。
Art Work by 我喜屋位瑳務
¥33000-
THE GREEN KNIGHT SILK SCREEN POSTER
シルクスクリーンスタジオZigameによる豪華6色刷りのポスター。サインとシリアルナンバー入り。
Art Work by 我喜屋位瑳務
¥26400-
日本公開日の初日である11.25の12:00より店頭先行で販売します。オンラインは11.27の20:00にアップ予定。是非映画も合わせてチェックしてみて下さい。
NARI
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【2023-11-23】 勤労感謝の日
晴れ。午前七時三十五分起床。祝日。アラームで目覚める。顔を洗い、歯を磨きアパートを出る。セカンドストリートで1500円で購入した、グリーンのミリタリージャケットに胸にピースマークの缶バッジ、ボーダーのハイネックのニット、デニムパンツ、スニーカーという格好。今日は、祝日のため、平日通っている、精神病院のデイケアが休みだ。今日は、特に予定を入れていないが、暇なので、とりあえず地下鉄で、天神へ向かう。電車内、スマホをみたり、読書。数日前、ジュンク堂書店の古本まつりで250円で購入した、大島亮吉著「山ー随想ー」の続きを読む。大島亮吉は、学生時代から登山サークルに入っており、人生のすべてを山にかけていた。「山ー随想ー」には、ただ、登山している時に見える風景や、その日に摂った食事のことがただただ淡々と記されているだけだ。退屈と言えば退屈な随筆だ。ソローの「森の生活」のように。しかし、小説のように、ドラマティックな出来事が何も起こらず、著者の感じたことや、出来事をただ羅列しているだけの退屈な文章が、私は好きなのだ。そういう生き方をする人に「無常の愛」を感じるのだ。しいて、私が興味を惹かれた箇所は、「アイヌ民族」についての事柄が記されている箇所だ。そのことは、また、のちのち触れることにしよう。天神へ着き、まだどこも店は開いていないので、ただ、あてもなく天神の街を、タバコをくゆらせながらぶらぶら歩く。腹が減ったので、ロッテリアへ行き、野菜バーガーセットを食べる。サイドドリンクはメロンソーダ。私は、コーラやカルピス以外にメロンソーダも好きなのだ。向かいの席には、若い二人組の男が向かい合って座っている。前日、飲みすぎたのか、途中から、テーブルに突っ伏して寝始める。私も、若い頃はよくやった。せっかくなので、記念に二人が突っ伏して寝ているところを写真におさめ、SNSに投稿する。食後、ロッテリアを出て、ブック・オフへ向かう。途中、破れたデニムパンツを発見したので、迷わずリュックザックの中に入れる。この「リュックザック」という単語の「ザック」の部分は、大島亮吉氏が、「リュックサック」ではなく、「リュックザック」と「サ」を濁らせて「ザ」と書いていたため、普段私は、「リュックサック」と記入するのだが、今度からは私も、「リュックザック」と記すことにしよう。「ナップザック」でも良いような気もしてくる。そう、私は、古臭い言葉の言い回しや、現在では、「死語」となっている「言葉」が好きなのだ。ブック・オフで、無地のグレーのセーターを試着してみる。サイズ感はバッチリだし、デザインも悪くない。しかし値段だ。プライスタグには、二千円と記されている。最近の私の服を購入する基準は、千五百円以下なのだ。ちと高い。結局、商品を元あった場所に戻し、ブック・オフをあとにする。勿論、先程のセーターが、もっと面白い柄が入っていたり、かわいい胸ポケットがついていたら、多分二千円でも購入しただろう。しかし、あくまで無地なのでもう一歩購入に至らなかったのだ。しかし、この日記を書いていると、そのシンプルな無地も悪くない気がしてくる。書いていて、だんだん欲しくなってきたので、また週末にでもブック・オフへ行き、まだ商品が残っていたら購入することにしよう。ブック・オフを出たら、突然、体にタトゥーを入れたくなったので、どこに入れる��?を想像してみる。思いついたのが、手のひらだ。手のひらへ「Pain」と入れたいのだ。私が、日々投稿しているTumblrで、手のひらに「Pain」と入れている男性の画像を発見して以来、ずっと同じ箇所に同じ「文字」を入れたいと思っていたのだ。特に、予約はしていないが、とりあえず、タトゥーショップへ向かう。タトゥーショップは、最近、私がよく彫ってもらっている「KーTATTOO」だ。KーTATTOOでは、アンカー(イカリマーク)や、聖母マリアや、イエス・キリストや、誰かわからないが、首を切られた生首の男の写真の画像を入れてもらった。最近では、首筋に十字架や、肩に星マーク、足首にアルファベットで「MOM」と彫ってもらった。そして、KーTATTOOのど真ん前には、クリニックの駐車場があるのだが、なんと、私の名字と同じ「いわさきクリニック」というクリニックの駐車場があるのだ。「主」は、私がKーTATTOOで入れ墨を入れることを望まれているのだ。私が、聖母マリアやイエス・キリストのタトゥーをKーTATTOOで入れようと思ったきっかけは、別に「いわさきクリニック」がKーTATTOOの前にあるからではない。勿論、そんなことは、知らなかった。知ったのは、最初の予約をした日、グーグルマップでKーTATTOOへ到着してから知ったのだ。ある時(2023年6月初旬頃)、タトゥーが入れたくなり、たまたまネットの検索で引っかかったのが、KーTATTOOだったのだ。アンカーは、私は、佐世保出身であり、幼少期から米軍基地の近くを、よく車で通っていた。その時、走行する車の窓から、米軍基地の近くを通ったとき、大きなアンカーの彫刻が建てられているのを見ていた記憶が脳裏に焼き付いているのだ。子供心にカッコいい形だなと思いながら、見ていた。それでアンカーを腕に彫ってもらったのだ。彫師さんに聞いた話だが、アンカーは、縁起の良い彫り物らしい。KーTATTOOへ到着して、スタッフに「Pain」の画像を見せる。運良く、今日は予約がそんなに入っていないので、当日入れることができるとのこと。ただ、本日一人、十二時から予約が入っているため、その後の、午後一時からであれば入れることが可能とのこと。ただ、手のひらは、タトゥーを入れる体の中でも、特に痛い箇所らしく、おまけに手のひらというのは、人間の体の中でも特に墨が入りにくい箇所であり、入れても時間が経つと消えてしまう可能性が高いとのことを告げられる。それでも、いいから、私は、入れたい旨を伝え、上機嫌で店をあとにする。時間まで、1時間半ほどあるので、H&Mへ行き、レディース、メンズ服、くまなくチェックする。欲しい服も何着かあったが、どれも二千円以上するため買い控えする。時間になったので、KーTATTOOへ向かう。到着したら、女性の客がうつ伏せになり、左背中に何やら彫ってもらっている。私の順番がきて、「Pain」を入れてもらう。針が、手のひらを刺した瞬間激痛が走る。私が、今まで入れたどこのタトゥーよりも痛いし、痛みの種類が違う。途中から、手がブルブル震えてきたので、彫師さんが、しっかり抑えて「彫り」を続けられる。約、三十分ほどで彫り終わる。痛かったが、とてもカッコよく入ったので、もう先程の痛みを忘れて、上機嫌で店をあとにする。ジュンク堂書店で、「古本まつり」をまだやっているのを思い出したので、足を向ける。大平健一著「貧困の精神病理」、色川武大の(タイトルは忘れたが)書籍と、あとは、これもタイトルも著者名も忘れたが二冊合わせて計四冊の書籍を購入する。四冊で千三百円ぐらい。地下鉄で帰り、途中、セブンイレブンで、カップの担々麺、タルタルフィッシュバーガー、コーラ、カルピスを購入。アパートに帰り、買った食材をリュックザックが取り出してみたら、カップの担々麺を買ったつもりが、カレー味のカップ麺を購入していたことに気づく。気分は担々麺だったのだが後の祭り。(私は、基本、日々同じ食べ物を毎日食べることを好む。変化が嫌いなのだ。)シャワーを浴びて洗濯機をまわし、イソジンでうがいし、テレビを観ながら晩飯。食後、数日前、食べ残したポテトチップスの輪ゴムを外し食べる。食後、気持ち悪くなったので、胃腸薬を服用。他に、私が日々、服薬している薬も飲む。あのちゃんのユーチューブ動画(本田翼とのラジオ動画)を視聴して就寝。何時に寝たのかは覚えていないが、最後にスマホの時刻を見たのが23時過ぎだった。
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桜林美佐の「美佐日記」(234)
他人事ではないパレスチナの戦火
桜林美佐(防衛問題研究家)
───────────────────────
おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、234回目となりま
す。
ハマスによるイスラエルに対する奇襲攻撃で現時
点でも激しい戦闘が続いています。日本の地上波ニ
ュースではイスラエルとパレスチナの関係という文
脈での解説が多いですが、その問題と今回のテロは
果たして同じ次元で語ってよいのかという気がして
なりません。
当時開催されていた音楽フェス、これは平和を願
う集会だったのだそうですが、その会場も襲撃され、
周辺では少なくとも260人の遺体が見つかったと
いいます。
SNSなどでは偽情報が多くなっていますので事実関
係は慎重に掌握していく必要がありますが、様々な
報道によれば、会場に空襲サイレンが鳴り、人々が
混乱する中、電気が遮断され、そこにハマスの車両
が現れ、武装したテロリスト100人余りが逃げよ
うとしていた参加者に向け銃を乱射したというので
す。
ハマスの車両で道が塞がれ、また音楽祭の場所も
遮蔽物のない砂漠地帯だったため、隠れる所がなか
ったといいます。
裸同然でトラックの荷台に載せられ拉致されたド
イツ人女性は暴行され手足を折られたとみられます。
SNS上では、武装勢力が彼女の頭に唾を吐きかけて
「神は偉大なり」と叫んでいる映像がアップされ、
女性の母親がこの画像を見て、タトゥーや髪型から
娘であることを確認したそうです。
他にも高齢者や子どもが連れ去られたり、子ども
まで無差別に殺害、家に侵入して庭にいた犬まで射
殺するなどの蛮行があったとされています。
イスラエルも同じようなことをしていたとか、パ
レスチナの人々を追いやっていることはいけないと
か、色々な解説が報じられていますが、いかなる理
由でもこのような犯罪が許されるものではありませ
ん。
音楽フェス会場から拉致され安否が分からない女
性がドイツ人であることは偶然なのだとは思います
が、イスラエルとパレスチナそしてドイツという関
連からは、かつてのミュンヘンオリンピック事件を
連想させられます。
これは「黒い9月」(ブラック・セプテンバー)
というパレスチナの過激派組織が1972年のミュ
ンヘン五輪で選手村に侵入しイスラエルの選手ら11
人を人質に取り、イスラエルの刑務所に収容されて
いるパレスチナ人などの解放を要求したものです。
「黒い9月」はその場で2人を射殺し、他の9人を国外
へ連れ出すため空港に向かうも、ドイツ警察による
作戦の失敗で残りのイスラエル人全員とドイツの警
官1人が死亡するという最悪の結果となったのです。
この時の銃撃戦で「黒い9月」のメンバー5人も死亡
しましたが、首謀者はその後イスラエルの「モサド」
が殺害したとされます。スピルバーグ監督の『ミュ
ンヘン』がこの事件を題材にしていますのでご存じ
の方も多いかと思います。
実は、2年前の東京オリンピックも、この事件とは無
縁ではありませんでした。2021年の東京オリン
ピック開会式では五輪史上初めて開会式においてこ
の事件の犠牲者への黙祷が行なわれていたのです。
これは、長年、開会式での黙祷を訴えて来た事件の
遺族の悲願だったといいます。49年間、オリンピ
ック開会式での犠牲者の追悼を求めてきましたが
「開会式にふさわしくない」と拒否され、事件から
50周年を前にようやく実現したものでした。
IOCのバッハ会長がドイツ人で「ホロコーストの加害
国」であったことからも、ユダヤ人が戦後のしかも
ドイツで行われた「平和の祭典」での虐殺行為に対
し相応の対応をするという責任を果たしたかったの
ではないかといった見方もあります。
いずれにしても、日本で開催されたオリンピックに
このような画期的な側面もあったことに驚かされま
す。
そしてさらに驚いたのは、昨年の9月にドイツ政
府と被害者遺族との間での補償がようやく合意した
ということです。
選手の親族たちは長年にわたり、ドイツの警備と警
察による救出の失敗を非難していました。そもそも
武装組織を選手村に侵入させてしまい、イスラエル
軍による支援は拒否、挙句に、ドイツ軍も出動しな
い、マスコミの報道で空港を取り囲んだ警察の存在
を察知したテロリストたちは後ろ手に縛られた人質
を射殺したのですから言い訳のしようがないでしょ
う。
しかし、日本としてもわが事と捉えてみると、もし、
同じような事件が起こったらどうしたのだろうかと
考えさせられます。
もちろん事件を起こさないことがまず大切ですが、
もし万が一起きてしまったら、当然、イスラエル軍
が日本に入って掃討作戦をする? そんなことは受
け入れられないでしょうし、自衛隊が出ていく?
これも当時のドイツ同様、法的な根拠が難しいでし
ょう。メディアの統制もとてもできそうにありませ
ん。
このように考えると、実際には日本も今回のハマス
によるテロに端を発するイスラエルとパレスチナの
戦火は決して他人事ではなく、国立競技場で起きて
いてもおかしくないものだったかもしれませんし、
もし起きたら、日本もドイツと同じような対応にな
りはしなかったか? そんなことを考えさせられる
のです。
昔の日本なら、外国人が歩いていたら目立っていま
したが、今はどうですか。今日も東京は外国人で溢
れています。
とにかく日本のニュースでは「憎悪の連鎖」に対す
る嘆きや、武力の応酬に対する批判ばかりですが、
これは残虐なテロであるという認識が必要だと思い
ますし、自国の危機管理体制についても考えを深め
てもいいのではないかと思います。
少なくともジャニーズ事務所問題をいつまでもトッ
プニュースにしている場合ではないはずです。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆様にとって良い1週間でありますように。困難の中
にいる全ての人のために祈りあらゆる紛争の犠牲者
を悼みながら。
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日記11/13
午前から、父の仕事場周辺のネットワーク修理完了作業。資格なしでできる範囲を完了し、NTTからの返事を聞くと「交換局に不具合がありました。確認してください」とのことで、冷たい雨の中を震えながら少しの距離、自転車。完了。
食事の前から震え出す。師走並みの冷え込みに、自律神経異常が重なり、さらには午後からの予定への予期恐怖があった。サバの味噌煮がほぐせないレベルに手が震える。聴覚過敏と閉所恐怖症には最悪のシチュエーション。それは何か?
午後から、母の運転で総合病院へ。基礎疾患のてんかんの初めての検査。つまりMRI。幸いタトゥーや体内に金属はないが、閉所恐怖が騒音に耐えられるか。MRI室へ。気さくな技師が耳栓とヘッドフォンとさらには全身をきつめに布で包んでくれ、という注文を了承してくれた。赤ちゃんでいう「おくるみ」である。
検査開始。最初は騒音だと思っていたが、電子機器の発するノイズミュージックだと思考を変えると、非常に面白い。Rage ageinst machineの反対。機械が人間を磁気で晒し首にしているような怒りの音。しかし音楽。対話のようで面白い。20分ほど楽しんで、検査室を出る。先だってから問い合わせていたドラムスに最適な音作りのアイデアが浮かぶ。
検査結果を医師に伝えてもらう。視床に四ミリぐらいの病変ありとのこと。おためごかしに「撮影のバグかも」とか言われたが、専門機材はそこまでバグが発生しないし、脳に四ミリって、相対的にでかい。体だと、蒙古斑みたいなほくろがあるということだ。さらに、脳の深いところなので、悪性か良性かを判断するための検体を取るのでさえリスクが高いと合意。経過観察に三か月後の予約を抑える。
個人的な歴史に基づいて自己診断すると、てんかんや脳腫瘍はそもそも生まれたときからあった可能性は検討してもいいかもしれない。脳腫瘍特有の頭痛や自律神経の異常、また「少しネジが外れた人」という印象を関わった人に与え続けている。ただ救いは、こちらが不義理を働かないという単純な人間観は、必ず伝わっていた。大昔の双子の友人に久しぶりに(腫瘍判明前に)連絡をとって、感謝を述べたら、すごく喜んでくれた。あなたがハッピーなら、私もハッピーです。それは、この記事を読んでいるあなたでもある。
心残りは、悪性か良性かわからないので、懐刀として心の中にずっとあった、ガン宣告時の「ガーン」というギャグが使えなかったこと。不謹慎なジョークこそ、最悪のタイミングで言わないとね。
帰宅。父から連絡あり。状態は状態として報告し、父の打ち合わせ結果と展望について個人的に紹介したい人がいるので、参考ページのリンクを用意する前に書いている。
結。
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7.10(月)
帰りの電車で星のタトゥーが入った女の子を見た。いっぱい入っていた。手首の反対側に大きく塗りつぶした星と、指にも散りばめられていた。
おしゃれなな女の子と、昨晩先輩がキラキラしながら話してたレッチリ聞いていたら「わたしがやるべきこととは」とおもった。
7.11(火)
いつもLINEで嬉しい言葉をくれる人。「いいじゃん綺麗だし」。たった一言だけでも、嬉しくいられる。ありがとう、友達。
7.13(木)
5年日記なるものを書いていて、こことは違って思ったことではなく出来事を淡々と書いているのだけど、最悪で時が止まってしまった6月は空白だった。それもいいのかも知れないけれど。いつか少しずつ埋められるかな。
1年後の自分に手紙を書けるサービスがあって、誕生日の1週間前に届くように送ったのに、まだ開けていなかった。楽しみに取っておいたのに、すっかり忘れていた。
サッと開いた先には「私の人生なら大丈夫」と書かれていて、またじっくり読もうと決めて、そっと閉じた。ありがたいけれど、今の私には辛くて、蓋をできていた思い出を甦らせてしまって辛いんだよね。そう私は傷ついてるんだ。悲しいんだ。少しずつ傷が癒えたとしても。
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金髪LA美女!健康的なエロい身体で笑顔がかわいい。セックス超積極的で2回ヤリました。 - 無料動画付き(サンプル動画)
金髪LA美女!健康的なエロい身体で笑顔がかわいい。セックス超積極的で2回ヤリました。 - 無料動画付き(サンプル動画) スタジオ: FC2 更新日: 2024/04/26 時間: 82分 女優: めちゃくちゃ薄着で来ました、短いニットのタンクトップにめっちゃ短いショートパンツ、うっすら乳首見えてるし。。夏に撮ったわけじゃなくて最近撮ってます、普通に寒いです、僕も周りの人もコート着てます。一緒に歩くと明らかに注目集めてるので少し恥ずかしかったです。アメリカ人はちょいちょいこういうぶっとんだ人いますね。山とか砂漠にドライブ行くのが好き。ノーブラですが、ブラ自体持ってないらしいです。貧乳だからいらないって感じじゃないです、そこそこおっぱいあります。というか完全にノーメイクですね、そういう自然なスタイルが好きなんでしょう、タトゥーも無し。健康的な美しい身体、おっぱいもお尻も綺麗。ちょうどいいム ***********************************
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2024年4月22日月曜日
大丈夫
名前も知らない彼女の冒険の話。いつも優秀な姉と比べられていた彼女は家出をした。絵の勉強をしたくて高松から和歌山の方へ行くつもりだった。和歌山に彼女の憧れの絵描きがいたから。連絡も取ったことがあるから大丈夫。とても綺麗な顔立ちの少女が着の身着のままで家を出る。一応大きなトランクに荷物を詰め込んで。なぜ旅立ちの日が冬の雪の降る日だったのかは知らない。天気はいつも思い通りにいかない。野良猫の出産の日に雨を降らしたり、疫病が流行ってるのにピーカンにしたりする。彼女はトランクから着れる服全てを出し、小さめの衣服から着ていき、重ね着でまんまるになった。まんまるで駅のベンチに横たわる。夜だから。朝が来るまで、始発が来るまで横たわる。雪が降っている。悪意が示し合わせたように雪が降っている。まあ別にこのままあの世行きでもいいのかもしれない。どうせこの世に居場所はないし。なんとなく明るくなってきたので、朝が瞼の外に来ているのかもしれないと思って目を開けると、知らない男の人と目が合った。
「大丈夫だったの?」
「私その時、髪短かったんですよ、だからよく男の子に間違えられて。その時もそれで大丈夫でした」
そんな訳ないと思うが、彼女の話だと大丈夫だった。寒くて雪が降ってるから大丈夫かなと思った、俺も家がないから気持ちがよくわかった、とにかく心配になったと、捲し立てるように彼女と同じくまんまるになった年老いた男は言ったのだった。やがて始発電車が来て、彼女は和歌山に向けて出発し、和歌山に辿り着き、憧れの絵描きの家に押しかけ、住み込みの弟子のようになり、やがて師匠と喧嘩別れして、今はマッサージの仕事をしながら、絵を描いている。Instagramに絵を載せているんです、と言うので見ると、釣り堀の壁に描いた、綺麗な魚の絵が載っていた。
「すごく上手なんですね」
「このくらい描けるひとはいくらでもいますから」
彼女はとても綺麗な顔立ちをしているので、それを褒めると、でも姉の方がもっと美人なんです、と言う。このセリフを何度も言っているのだろう、妙に生気の抜かれたその声は、サンプラーにアサインされたボイスサンプルのようだった。他のボタンにアサインされていたのが、このくらい描けるひとはいくらでもいますから、だった。そのInstagramには筋骨隆々の、退屈な柄のタトゥーが入った太い腕をタンクトップから生やし、首元に金ネックレスを光らせている男性が映っていて、誰かと聞くと彼氏だと言う。格闘技やってるんですよ、とのこと。
ねえ
どうせあなたも
最後にはつまんない男と結婚しちゃったりするんでしょ
あなたは私の憧れだったのに
くだらない
とにかくうまくいかなかった。何もかも思い通りにならなかった。でも今の私は、元気になっていってる。大丈夫。普通に考えたら四十歳で無職ってやばい。しかも六ヶ月くらい何もしてない。何もしてないことはないけど、その内容を詳細に話して他人はきっとこいつなんもしてないと思うだろう。でも大丈夫。私は前に進んでいる。毎日全力で生きている。そう思える���四十歳で無職で無資格(車の免許以外)で��気力だったのが、四十歳で無職で無資格(車の免許以外)になっている。大丈夫。これだけ冷静に分析しても死にたくならない。地獄だと思わない。何もうまくいってない。でも私は大丈夫。天気と元気を聞き間違えてしまうおっちょこちょいだけど、私は大丈夫。前に進める。私は全然元気じゃないのかもしれない、他の人と比べたら。でも大丈夫。前の自分と比べたら元気だから。大丈夫。大丈夫だと思える時は大丈夫。そしてこの後大丈夫じゃなくなったとしても、それに対して全力で挑んだかどうかが大事なの。そこが肝腎要。全部やって駄目だったら仕方ない。その時はあの世行きでもいいのかもしれない。この世に居場所なんてなかったってことなんだから。それがわかったというだけでも儲け物だよね。ちょっと!もう5時じゃん!朝がカーテンの外に来ているかもしれない!
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坊主憎けりゃ袈裟まで案件
※※今回は若干口が悪くなります※※
「あなたの立ち振る舞いによっては、あなただけでなくあなたの推しまで嫌われるぞ」
ー坊主憎けりゃ袈裟まで案件ー
個人的に「吉本芸人のファン」が苦手だ。
「○○(コンビ名/ピン芸人名)好きでぇ〜」と言われると身構える。
芸人さん自体は嫌いでなくむしろ好きな人もいる。
でも、心臓がギュッとなる。
なぜならば、吉本ファンから嫌がらせされ、彼らが好きな芸人さんたちまで嫌いになりかけた事案に遭遇したから。
二桁年も経った今でもモヤモヤする。
そして、そんな自分は狭小(きょうしょう)な人間なのか?と悩むのだった。
インターネットでチケットが買えない時代(トシがバレるw)、ザ・ハイロウズ(※1)のチケット一般発売日に始発電車に乗り、チケットぴあ窓口(※2)に並びに行っていた。その並んでいる最中に吉本芸人ファンから嫌がらせを受けたのだ。
ここで、アナログでチケットを買ったことがない方に説明する(ぴあの場合)。
ご存知の方は「=」囲み部分は飛ばしていただいてOK。
====================================================================
【1】ぴあが入っているショッピングモールや文化会館の指定された入り口に壁沿いに並んでいく。
【2】9時30分、ぴあスタッフさんからチケット申込用紙を挟んだ画板と筆記具が配布される。
【3】9時45分、スタッフさんが用紙を回収。
【4】9時55分、入店・待機。
【5】スタッフさんが申し込み用紙の情報を端末に入力。
【6】10時〜、並んだ順番にカウンターで支払い(完売→申し込みキャンセル、希望と違う席種が空いている→キャンセルor購入)店舗によっては端末2つで2組ずつさばいていたかも。
このため、人気公演のチケット争奪戦では、「いかに1組でも前に並んでお姉さんに申し込み内容をぴあの端末に打ち込んでもらうか」にかかっていた。
電話は繋がらなくても、窓口なら申し込みまでは100%できるため、チケットが欲しいキッズは一縷の望みを賭けてカウンターに並ぶのである。
====================================================================
話を戻すと、9時30分、申込用紙に記入し画板を持っていたら、すぐ後ろの女子2人組が私の画板をチラ見し「へぇ〜ハイロウズだって?〜ケッw」と明らかに貶める口調で聞こえるように揶揄してきた。
さすがに振り返ったが、相手は変わらず「へぇ〜ww」とナメた態度だった。
その女子2人は記入時に「吉本○○○○○」(※3)という若手芸人イベントに申し込むことを話していたので、出演者の誰かのファンであるのは明白である。
10時、自分の順番になり、私はなんとかチケットが買えた。
カバンの中を整理するフリをしてカウンターの方へ聞き耳を立てていたところ、彼女らの希望公演のチケットは完売で買えずにいたwザマアw。
事象はそれだけ。
だが、支払いまでの時間が非常に苦痛で「吉本ファンはこんな程度の低い奴らしかおらんのか」という怒りの感情過積載。
チケット列でなかったらガチで襟首掴んでぶん殴るところだった(中学受験塾でスギモト先生から暴力を振るわれていたので他人に手を出すことへの抵抗感が低下していた(※5))。
その日をきっかけに、「吉本興業」「吉本芸人」という単語を聞いただけで、嫌な気分になってしまうようになった。しかもメジャーだから迂闊にボヤけない。
最初に書いたが、好きな芸人さんもいるのである。だから余計モヤモヤする。
人として、そこはわざわざ相手に口に出して言うもんじゃあないんではないのか?
心で思っておいて、後で内輪で話すだけやSNS個人垢でつぶやく(※4)だけにはできないのか?
自分はそれをされて平気なのか?
そして、バカにされたことに腹が立つが、相手選んでるところが更に腹が立つ。
「1人だし(見てくれ的にも)コイツは言い返さないだろう」とナメているのだろう。
こちらがガタイのいい男性またはタトゥーごりごりの男性、または女子でも複数で並んでいたら怖くて何も言ってこないだろう。
迂闊な行動はあなただけでなくあなたの推しの高感度も駄々下がりだ。
私の脳内標語は「吉本ファンはクソ」です。
ここまで読んで、「似たような体験をしたよ」という感想をお持ちの方もおられるだろう。その一方で、
「主語を大きくするな、十把一絡げにクソとか言うな」
「好きな芸人いるなら黙ってろ」
「彼女らは買えず自分はスカッとしたのにまだネチネチ言うの?」
と思う人もいるのだろう。
いいですよ、なんなら吉本にもチクればいい。相手にしないと思うけど。
だいたい、関西人なのに関西発祥の娯楽コンテンツにモヤモヤする私の気持ちなんて、吉本からしたらゾウリムシのうんこより軽いだろうし痛くも痒くもないだろう。
人間の生死に関係ない娯楽を扱う企業さんなので、好いてくれる人もいれば嫌う人もいるのは百も承知、好きな人に響くコンテンツをお届けできればいいはず。
最後に、吉本関係の情報。
ダウンタウン松ちゃんは熱心なブルーハーツファンで、松ちゃんの上京時からヒロトと今でもお友達である。
その影響で吉本芸人をはじめ松ちゃんと交流のある芸能人には割とヒロト大好きな人が多い。件のイベント出演者もこれに当てはまるかは不明だが。
当該の女子はそんなことも知らなかったのかな?
推しの好きなもの/好きな人までは把握してなかったのかな?(もしかして:にわか)(※6)
もう一度言う。
あなたの迂闊な行動はあなただけでなくあなたの推しも嫌われる。
追記
松ちゃんが休業してしまったが、今回の��タとは関係ありません。だいぶ前から書き進めていたものです。
※1 ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利の前のバンド。ブルーハーツの2人がリズム隊とキーボーディストを加えて発足。リズム隊の首を挿げ替えただけやんかと思うが、まぁその…(また別の機会に書くことができれば!)。
ツアーでは太平洋ベルト以外の細かい地域まで回ってくれる神。
「○×市民会館」など全席指定会場は良席以外は余裕だが、ツアー前半のライブハウスだと即完。イベンター先行の争奪戦に破れると一般発売デスロード突入。
※2 「eプラス」の登場や、その後の各種プレイガイドのネット販売対応、コンビニチケット発券機の普及のおかげで、アナログチケット売り場は激減。「eプラス」の登場は、(送料がどうしても高額など不満はあるものの)当時画期的だった。今はイベンターのネット会員・有料会員先行抽選予約や各種プレイガイド先行抽選予約が充実してかなり楽になったので、隔世の感がある。今は転売ヤー対策やチケットリセールの難しさが問題ですよね。
※3 当時、若者を中心にお笑い大ブームがおこり、このイベントはダンスもできる若手芸人ユニットのイベントとして特に若い女性にアイドル的に大人気だった。当日はややピークを過ぎてはいたもののまだまだ人気だった。出演者は今では中堅〜ベテラン初級クラスにいる人たち。コンビのままあるいはピンで活躍しているあの人やあの人。
※4 自分の垢で独り言を言う分には何を言ってもヨシ。他人のツイートにリプで噛みつくのはアウト。
※5 スギモト先生の体罰については別で書きました。
※6 にわか/ミーハーがダメなのではない。にわかからちゃんとしたファンになることもよくある。迂闊なことをするのがダメなだけ。
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スイスのある施設のベッドに横たわったその男性は、40年にわたる生涯を自ら閉じ、旅立とうとしていた。枕元のスマートフォンからは、自身が最期に選んだ曲「ラ・リベルテ(自由を)」が流れている。医師は点滴に致死薬を投入し、その準備を終えた。 医師:「この病院に来た理由は何ですか」 男性:「安楽死するためです」 医師:「点滴を開けたら、何が起こるか理解していますか」 男性:「静かに眠りに入り、数分後に心臓が止まります」 医師:「そうです。あなたの心臓は止まって死にます」 男性:「はい」 四肢麻痺の男性は、鼻で点滴のストッパーを開けた。致死薬が体内に徐々に投入されていく。やがて、彼は永遠の眠りについた。つい先ほどまで、私に笑顔を見せて話してくれた男性が、わずか数分後に眠るようにして亡くなってしまう現実。目の前で展開された「死」を、私は現実として実感することができなかった。(TBSテレビ 西村匡史) ■交通事故後の耐え難い痛み 「生きるのを諦めた」 「ボンジュール。ジュリアンです。初めまして、よろしく」。2022年6月、フランス南部ペルピニャンの病院に入院していたジュリアン・クレイさんは、初めて訪ねた私を笑顔で迎え入れてくれた。 市役所の職員として森林を管理する仕事をしていたクレイさんは、32歳の時に交通事故で脊髄を損傷し、首から下の自由を失った。慢性的な痛みに悩まされ、軽減するための手術を複数回受けたが、効果はない。膀胱を除去した手術後はさらなる痛みに襲われた。 「刺すような、燃えるような、電気ショックを受けているような痛みです。2,3日間続けて眠れずに一晩中、泣くこともあり、気が狂いそうになります」 同居する両親に何度も「殺してくれ」と頼んできたという。 「医者は痛みをとると約束したのに、できませんでした。私は生きることを諦めたのです」 ■安楽死のためスイスへ 移動後も激しい痛み 2022年7月、クレイさんは共にリハビリを続けてきた仲間たちに付き添われて、車でスイスに向かっていた。フランスでは安楽死が認められていないため、海外からの希望者も受け入れているスイスの団体を探し続けた。そして、2か月前にスイスのある団体がクレイさんの受け入れを決めたのだ。 ペルピニャンを発って11時間後、一行はスイスのバーゼルに到着した。 一夜明けてクレイさんの体調が急変した。長時間での移動に伴う疲労から高熱が出て、吐き気を催し、息も絶え絶えになっていく。呼吸不全が起きたため、看護師が腹部を突き上げ、気道を拡げる応急処置を行った。苦痛で顔を歪めたその表情は、痛みを背負いながら生きてきた9年の歳月の重さを私に感じさせた。 ■安楽死へ厳格な審査 団体が定める4条件 翌日、体調を少し持ち直したクレイさんのもとに、安楽死団体「ライフサークル」の代表、エリカ・プライシック医師がやってきた。ライフサークルは、2011年に設立されたスイスの団体の1つで、海外からの希望者も受け入れている(現在は新規会員の受け入れを終了)。ここに会員登録しているクレイさんは、医師による審査の結果、許可が下りれば安楽死することができる。 ライフサークルが定めている安楽死の要件は「耐え難い苦痛」、「回復の見込みがない」、「治療の代替手段がない」、「明確な意思表示」の4つだ。「耐え難い苦痛」は肉体的な痛みである必要はなく、精神的な痛みも含まれる。プライシック医師は、クレイさんとの対面での審査や別の医師の意見も踏まえて、4つの要件を満たしていると判断し、安楽死を許可した。 「本当は安楽死よりも治してあげたいのだけど、治療の方法がありません」 そう話すプライシック医師に対し、クレイさんはこう答えた。 「私を死なせてくれるのが治療なのです」 ■両親への心残り 声を上げて泣いた妹 安楽死の選択に迷いはないが、クレイさんは9年間、献身的に介護してくれた両親を残して旅立つことだけが心残りだった。父は高齢で末期がん、母は父の看病があるため、スイスまで来ることができない。2人は「フランスに安楽死法があれば、息子を看取ることができたのに」と悔やんでいたという。 クレイさんの胸には、両親と、4人兄妹の中でも最も可愛がっていた末妹の名前がタトゥーとして彫られている。その名前の下には「どんなに感謝しても感謝しきれない」というメッセージが入っていた。「一緒に旅立ちたいという思いから、タトゥーを入れました」 末妹のブランディーヌさんは、兄の反対を押し切り、家族の中で唯一人スイスまでやってきた。当初は兄の決断を「自分たちを捨てて旅立つ」と感じ、受け入れることができなかったが、次第に「利己的なのは自分であり、兄の決断を尊重しなければならない」と考えるようになったという。 ブランディーヌさんは平静を保とうと努めていたが、安楽死の許可が下りると堪えきれずに、椅子から立ち上がった。兄の方に向かっていき、抱きしめ、その胸に顔をうずめて声を上げて泣いた。 ■安楽死当日 両親に告げた「愛している」 安楽死当日の朝を迎えた。前日は雹が降るほどの荒れた天気だったが、この日は嘘のように空が晴れ渡っていた。 誓約書への署名を終え、安楽死の準備が整う。ベッドに横たわったクレイさんは、共にリハビリをして励まし合ってきた仲間たち一人一人に対して、最後の別れの言葉を告げた。 フランスに残してきた両親とは、スマートフォンで最後のテレビ電話をつないだ。重い病気と高齢のために、スイスで息子を看取ることができなかった両親の無念さを、クレイさんは十分にわかっていた クレイさん:「もしもし。今、準備しているところ」 父:「そうか」 クレイさん:「さよならだね」 父:「うん」 最後の別れを前に、父は言葉を返すことが精一杯のようだった。 クレイさん:「二人を本当に愛している」 父:「うん。俺たちもだ」 クレイさん:「さよなら」 父:「さよなら」 クレイさん:「本当に愛している」 母:「私たちもよ」 クレイさんは投げキッスを送り、両親に別れを告げた。 ■安楽死の瞬間 目を閉じ、口ずさむ「自由を」 致死薬が点滴に投入された。スイスでは医師が患者に薬物を投与して、死に至らせる行為は禁止されているため、処方された致死薬を、患者本人が体内に取り込む必要がある。四肢麻痺のクレイさんは点滴のストッパーを自身の鼻で開けて安楽死することになる。 妹との別れの時が近づいていた。「大好きだよ。気をつけるんだよ」と、妹の行く末を心配する兄の涙が頬を伝う。クレイさんは妹にトラウマを残さないため、最後の瞬間だけは立ち合わないよう伝えていた。「愛しい妹よ。そろそろ逝かなければ。音楽を聴けるように準備してくれ。音楽を聴きながら死ねるように」 ブランディーヌさんがスマートフォンで音楽をかけて枕元に置く。流れたのは「ラ・リベルテ(自由を)」。クレイさんが苦しい闘病中に何度も聞いていた曲だ。兄妹は別れのキスを交わし、ブランディーヌさんは、振り返ることなく部屋を立ち去った。 ライフサークルのスタッフが、警察に提出するためのビデオを撮影する。プライシック医師によるクレイさんへの最後の質問が行われた。 プライシック医師:「あなたの名前は」 クレイさん:「ジュリアン・クレイ」 プライシック医師:「この病院に来た理由は何ですか」 クレイさん:「安楽死するためです」 プライシック医師:「それがあなたの最後の願いならば、点滴のストッパーを開けてもいいですよ」 クレイさんはそっと目を閉じ、「ラ・リベルテ」を噛みしめるようにして口ずさむ。そして、鼻でストッパーを開けた。致死薬が体内に投入されていく。2分後、「眠くなってきた」と呟き、小さないびきをかいた後、息を引き取った。 ■「妹よ、強く生きろ」 安楽死した男性が残した生きる意味 安楽死を遂げてから1年。クレイさんの死は、スイスで看取った人たちに何を残したのか。2023年7月、私は再びフランスを訪ねた。 全身の筋肉が徐々に衰えていくALS患者のマリンさんは、闘病中のクレイさんと安楽死について、夜を徹して何度も語り合った。 最後の別れの際、クレイさんは「あきらめるな、生き続けろ、強くあれ。ここで人生が終わるわけではないのだから」という言葉を残してくれたという。マリンさんは「彼のアドバイスを聞き、私は最善を尽くして生きようと思っています」と話す。 事故で腰から下の自由を失い、生きることに絶望していたキリアンさん。クレイさんは「絵が上手なお前の才能を活かせ」と、タトゥー彫り師になる道を勧めてくれた。兄貴分のクレイさんに贈ってもらった道具を大切そうに手に取り、私に見せてくれた。 「私が彫り師になって生きがいを持てるように、彼は自分の身体まで実験台として提供してくれました。『頭から足の先、全ての皮膚をお前のために使ってくれ』と。彼が亡くなった時に、自分はもっと頑張って生きなければと勇気づけられた気がします」 クレイさんの末妹、ブランディーヌさんの自宅には、兄の写真立てが置かれ、花が添えられていた。私が訪ねたこの日の前日は、クレイさんが亡くなってからちょうど1年だった。 「兄の安楽死を受け入れることは難しいことでしたが、彼に残された唯一の選択肢だったと、1年経ってやっと思えるようになりました。そう思えるようになってから、四肢麻痺だった兄が元気に歩いている夢を見ることができたのです。私の心が少し落ち着きました。兄は私が強く生きて、幸せになることを、心から願っていました。幸せな人生を謳歌できるよう、私を見守ってほしい。私は兄と二人分、生きていくからです」 ■取材を終えて 「自分のような1人の人間の死でも、日本人に安楽死を考えてもらえるきっかけになるのは嬉しいんだ。命が活かされることになるのだから。あんたに会えてよかった。しっかり伝えてくれよ」 最後の晩餐で、私に託してくれたクレイさんの思い。その時の彼の温かな眼差しは、今も私の心を捉えて離さないでいる。 私がクレイさんと共に過ごしたのはわずか5日間にすぎない。だが、フランスからスイスまでの車中を含め、非常に濃密な時間だった。彼は自身が生きた40年の命を精一杯、伝えようとしていたし、私もその命の輝きを一瞬たりとも逃すまい、と目を凝らし、耳を傾けた。いつしか、5歳年下の彼に対して、友情のような気持ちすら芽生えていたことを覚えている。「明日が彼との永遠の別れになるのか」。胸が張り裂ける思いをしながら、二人でピザを食べたことを思い出す。 クレイさんは幼い頃から、家の外を駆け回って遊ぶ元気な子どもだった。近所の家の郵便物を一か月間、全て抜き取って隠したり、カエルをテープに巻き付けて太陽にかざして眉間に皴が寄るかを実験したりするなど、いたずら好きの面もあり、その度に両親からこっぴどく叱られたという。森林を管理する仕事を選んだのも、山中を駆け巡って猟をできるのが楽しかったからだ。そんな彼が交通事故で四肢麻痺になり、自由を制限される生活を余儀なくされた苦しさは察するに余りある。 事故後は、なんとか生きる道を模索して懸命に努力してきた。立ちはだかったのは「痛み」という壁である。夜、眠ることができないのは、彼にとって「逃げる場がない」ことを意味した。 誤解なきように記しておきたいが、彼は「生きる」ことの尊さを信じていた。安易に安楽死を賛美することには加担しなくない、という思いが強くあった。その一方で、安楽死を選択せざるを得ないほどの痛みや苦しみを抱えた人がいるのに、自分事として捉えずに見て見ぬふりして法制化やそれに至る議論さえしない国や社会に憤りを感じていた。 「自分は痛みから安楽死を選択せざるを得なかったけど、お前たちには頑張って生きる道を模索してほしい」。それが愛する妹や友人へ残した最後のメッセージだった。 * * * * * 西村匡史 TBSテレビ「報道特集」記者。2003年入社以来「いのち」をテーマに追い続ける。社会部、NEWS23を経てロ��ドン特派員として安楽死を取材。著書に「悲しみを抱きしめて 御巣鷹・日航機墜落事故の30年」(講談社)、映画監督として「"死刑囚"に会い続ける男」、「さっちゃん最後のメッセージ 地下鉄サリン被害者家族の25年」を制作。TBS NEWS DIGの特集記事「安楽死を考える スイスで最期を迎えた日本人 生きる道を選んだ難病患者」で、LINEジャーナリズム賞(24年2月~4月期)を受賞 ※この記事は、TBS テレビと Yahoo!ニュースによる共同連携企画です
私は生きることを諦めた―― “安楽死”を選択した男性、耐え難い激痛の日々 声をあげて泣く妹へ「強く生きて」(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
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ある画家の手記IF.?-7 雪村絢視点 告白
もう要らないよ、刺青なんかよりずっと香澄を守れる俺がいるから そう言おうとして、何度目だろう、愕然として、なにも言えなかった。俺はもう、香澄の人生にそうやって関わることができない、現実を見ながら香澄を守ろうと今の俺がなにか考えるとき、 俺の存在は無いものとして考えなきゃいけない。 俺の居ない世界を、香澄の現実として未来に想定しなきゃいけない。 …充分わかってる、もうこの先なにひとつ使えないアテにならない自分が、その未来に俺がいない前提で今俺が考えて行動することが、香澄の人生を守るなら…
“Fais de ta vie un rêve, et d'un rêve, une réalité.” ーーーーあなたの人生から夢を作りなさい。そして夢から現実を作りなさい。 -アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ Antoine de Saint-Exupéry( 1900 –1944 ) 作家、パイロット
俺には香澄に言わなきゃいけないことがあった。 ぐずぐずしてたのは調べものとかしてたから。検索で出るネットの記事とかあるけど、大事なことだからちゃんとリアルの人間からの責任ある言葉がほしくて。それでビミョーに不愉快なような変な気持ちがしながらも、虚彦くんに連絡した。 彼は小学生の低学年でピアス開けたって言ってたし、ピアスと…刺青って、無関係じゃない気がして。実際お店とかこの二つは近場にあったりする。広く人体改造とかイメチェンって言葉でも括れなくはないんだろうし。 直にぃのデータにあった、山雪穣って画家。この人は虚彦くんの師にあたる人だ。画像見る限りこの人は片腕から首までガッツリ刺青入ってる。暴力団の和彫とかじゃなくてオシャレなタトゥーってほうかもしれないけど。 それで虚彦くんにこの人を紹介してもらって、通話だけど、山雪さん本人から刺青についての話を聞けた。 やっぱり刺青ってまだ社会の一部からは敬遠されるし、MRIとか現実的に不利な事情を抱えやすいせいもあるのか、会社勤めとか堅実な人生ではあまり入れようって人はいない。自営業とか画家やアーティストや一部のスポーツ選手とか、なかば孤立した状態で暮らしていける屈強な人が入れやすい。一側面に過ぎないだろうけど現実だろう。 山雪さんのおかげで香澄に話したいことも大体リサーチできた。俺に社交辞令っぽくない感じで今度遊びにくるよう誘ってくれたりしたけど、…実現は難しい、かな。
明日は久しぶりに香澄と遊びにいく。久しぶりでもないか? 俺はまだ少し緊張する、この黒髪で外出するのって。…できれば俺がいなくなる前に名廊がどうなってるか、暴走して直にぃや香澄に累が及ばないか確認したいけど…直にぃのことも偵察に行かせるような真似はさせたくないしな…。 鏡の前に立つ。ゆるゆるうねった黒髪をいじりながら、ソファにダイブして横に座ってた真澄さんの膝に頭を乗せる。 「明日香澄と近くのお店に遊びいってくる~」 絢ちゃんのおててで真澄さんのほっぺたを押しながらじゃれついて続ける。 「香澄に明日、背中の刺青、跡形もなく消してもらう話するけど問題ないよね?」 急に話題ぶっ飛んだけど、いつどのタイミングを選んでもこれについてはスムーズに話し出せるわけでもないしね。
香澄の背中の刺青が本人の意思か否かは確かめるまでもないとして、いつ頃、誰に入れられた?関与した人間は今、どこにいる。あれだけ精巧な刺青なら入れたがった本人の持つ技巧じゃなくプロの彫り師やその周辺も咬んでるかもしれない。 俺が望むのは香澄が刺青を消すこと。 俺が言えばおそらく香澄は消す。ただ、関与した人間次第では消すことが却ってとんでもなく悪く転ぶ可能性もある。このあたりを香澄は考えられないから俺が先回りして、香澄が俺の際限のないワガママにやれやれって付き合ってたらいつの間にか不穏分子はすべて滅んでいました、これが一番いい。 刺青も、こうなればベストだ。 そしてあと少しの間に俺にできる、香澄に「遺していける」残らないもの、でもある。 「あの刺青って本人の趣味嗜好じゃないよねーーーーだれ?」 笑ってても声が冷ややかになるのを感じた。 聞かなくたってそれくらい分かる。香澄に「刺青を入れた人間」だ、殴ったの蹴ったのって暴力とはまったくの別種の加害行為。人によりけり、香澄に綺麗な飾りを施したような気にもなるかもしれない、可愛がってやったような気に。知る中で近い例は井原生良とか。香澄のことを通りすがりの他人Aとだけ見るのでは済まなかった人間。 無関心の暴力じゃない、あの刺青は逆。香澄個人への凄まじい執着だ。 「樹だよ」 頭上の真澄さんから予想通りの答えが落ちてくる。 「綾瀬樹さん?真澄さんの双子の兄弟だっけ。それって真澄さんにとってどういう人?兄弟だから一概に仲いいとも悪いとも言えないしね」 まだ軽いトーンを装って話せる、核心部を避けて。けど話題の散らし方や言葉の端々が制御できなくなってきた、…怒りが滲む。 …怒るのは苦手だ、疲れるし、もともと激しく怒れない、体も心臓もきついから。感情の起伏が激しいこととか情緒が乱れたりとかも、泣けば水分不足になるし熱が出る、俺にも相手にもいいことない。最近そんなんばっかだったけど。 少し答え方に迷ってるみたいに真澄さんが時間をあけて答える。 「…どう…も何もないな…樹はもう随分前に亡くなってる。香澄が僕と暮らし始めたのは香澄の父親が限界だったせいもあるが…樹が死んだからでもあるね…」
…限界? 誰が限界だって? 父親として香澄を扶養とか虐待することが? 父親、奥さん亡くなってからメンタルにきちゃった人だっけ、精神的な限界とか、そういうアレ? 限界を失った息子の香澄がいて?さっすが、面の皮の厚さじゃ俺なんて比になんないな。 「香澄の父親が限界。」 真澄さんの膝の上でしばらくころころ転がって笑う。おかしくって 「じゃあなに、刺青彫ってった樹さんも限界とやらで亡くなったわけ」 別に死んだからどうってことでもないけどね、なにが償われたわけでもなし、死んでようやく本人の目的達成って例もあるんだし。死者ってのがいつだって一番タチ悪いよ、人間の死は単純な消滅とは違う。 一度真澄さんに体を起こされてソファにきちんと座り直させられる。その行程で俺が笑うのをやめたら真澄さんが言った。 「他殺だよ」 「…」 嘘がないことを前提として、綾瀬樹の死を「他殺」だとわざわざ語る理由はいくつか思い浮かぶ。今は俺の状態と空気感を加味して、黙して語らずで済ませられた場面、だからこそ。 ひとつじゃないとしてもしその中のうち重点が集中したもののひとつが”俺に語っておく”ってことだったなら、…俺はここまでみたいな姿勢で聞いていられないな。 俺も、話のあとにも場の空気を悪くせずにお互いに流して済ませられるように、って構えを完全に捨てて話さないといけない。ここから先は、真澄さんに気に入られたくていい顔しながらできる話じゃないから。 ストンと顔から余計な表情が落ちる。 沈黙。 「ーーーー香澄に刺青を彫ることの意味が俺には分からない。いくら考えても香澄の人生で足を引っぱる余計なものだ」 でも彫った人間…綾瀬樹の目的は香澄に消えない暴力の跡を残すただ悪趣味で残虐なだけのものだったのか、そうは思えない、それは刺青という凝った仕掛けそのものと、彫られた刺青の美しさからも推し量れる。 けど、もしあの刺青のモチーフに暗喩的な綾瀬樹か香澄にしか通じない悪趣味な裏の意味合いがあるならそれもまた違ってくるのか… 「真澄さんは知ってるの。あの刺青に何か妥当な理由があるのか」 さっきまでと違って、落ち着いた声でちゃんと訊いた。 俺の中での呼び名に過ぎないけど、「彫った人間」って頭の中で呼んだのを「綾瀬樹」にわざわざ修正した。 これは俺の知りもしないどこかの誰かへの憶測じゃなくて、存在した一人の名のある人間にあててだってことを、自分自身に言い含めるために。
ずっと綾瀬樹なんてどうだってよかった。 俺自身の目で死亡確認してないから死んだって言われてもまだ生きてるつもりで対処することをやめずにきたけど、それも真澄さんを信頼してないわけじゃない、信頼してないのは綾瀬樹だ。 どうでもよかった。それが俺の、綾瀬樹に向けられる最大の憎悪の示し方だった。 でもこうやって話すとき、たとえ憎悪を捨てる気がなくても、綾瀬樹も一人の人間だったことを認めなくちゃいけない。そうやって考えていかないと、香澄が大勢から悪意なく落とされたように、今度は俺が綾瀬樹を知らず落として、それはいずれ俺自身の致命的なミスになってかえってくる。 「理由か」 いつも眇められた双眸が少し開いて表情もなく俺のほうを見ていた。 「弱い女子供だと思って手を出してくるような輩は狙った相手が刺青を入れてたら怯むだろ。実際に多少の効果はあったぜ」 あなたらしくない。物事の、良い点悪い点のうち片方だけを悪戯に論うなんて。それも…この場合は良い点とするか…良い点だけを。 あなたは分かってるはずだ、刺青の抱える悪い点も。…あなたが言わないで俺が言うのか、あなたに、そんなこと。 …ひどい茶番劇の中で一人、興に乗れない冷めたやつみたいで自分の滑稽さに内心自嘲が漏れる。 「刺青は威嚇と牽制になる、でもあるのはどこ?地肌の上だ。それを見た相手は香澄の裸の体を見れる距離にもう入ってる、…遅すぎる力だ。 威嚇っていうのは相手からの行為や害意や関心を圧して強制的に退かせるものでもある、それは相手に相応のマ��ナスの圧力をかけるってことだ、その場凌ぎでしかなくて後に危険が増す可能性もある。 そういう手合いがいざ探すとき香澄はどこか、いい目印が背中にある、簡単には消せない変えられない、派手に主張する見間違えようのないいい目印が。 刺青を見た相手が、刺青を入れる決定を下した香澄の背後にいる力を持った人物にまで思い至ってくれるか、想像してくれるか、その人物に震え上がってくれるか。今まさに香澄に害をなそうとする人間が、そこまで香澄にとって都合のいいことを察せられる人間か、ただの運だ。 馬鹿でもわかる、そうじゃない可能性のほうが年々高くなっていくこと。香澄はいずれ時とともに成長して女子供と間違われることは減っていって、刺青も入れたのは本人の意思だと見做される。 事実、刺青なんて通じなかった人間、直にぃや情香さんや俺が、今の香澄の周囲にいる。 …なんの意味もなかったよ、なんのプラスの意味もなかった。 あの刺青が例えばほんの少し実際に香澄を守ったとしても、どんなふうにも良いようには言ったらだめだ」 口の中で唇を噛んで小さく引き結ぶ。 涙は出ない。それでも酷く哀しい。 見た目だけでもちゃんとしてようと思うのに、目線が下に落ちる。髪が黒いおかげできっと前髪が眉の表情を隠してくれてる。 よりによって真澄さんに俺がこんなこと言わなきゃいけないの。どうして 「ごもっともだね」 返された言葉にさらに眼を伏せる。 視界の端で真澄さんは片方の口端だけでわらってた。 「樹が香澄を守るような何かしたいと望んだ、樹の気がすんだだけさ。…あの刺青があれば顔を潰されても背中見ればあの子だと判別できるだろ。燃やされても沈められても墨の反応が出る。…ギリギリで生きてさえいてくれりゃよかったんだよ。香澄は樹のための贄だった」
か す み の こ と だ と お も っ て き く と
…………だ めだ 俺は 真澄さんを選ぼうとしてるのか? 香澄のことだと思って聞いたら 無理だ、…そう聞けないから だから…? 嫌だ 誰の ことだともおもいたくない おもえない ただ そういうことと ーーがどこかであったっていうふうに 俺の大好きな人たち誰も関係なくて 映画とか 小説みたいに 文章化して 文字にして、訳して フランス語に変えたら つらくないかも … 辛くない? 辛くないってなに 現実はどこまでも苦しいよ きっと誰より恵まれてて大好きな人に可愛がって愛してもらえる、心の底から最高に幸せな瞬間にも 「…俺は今、場合によってはつまらない愚にも付かない誰から見てももっともでお綺麗な正論と常識を言ったけど…真澄さんも言えたはずだ、こんな香澄のいない場所で俺なんかと顔突き合わせて俺が今真澄さんにむかって話すなんて馬鹿げたことになるよりずっと前に。…どうしてこうなってるの」 真澄さんを少し睨むようにただじっと眼を見て訊いた。 真澄さんはもうわらってない。 俺が今、表出すべき感情はなんなのか。 少なくとも綺麗に言葉にのせていかなきゃ、感情任せじゃほんとうに伝わってほしい感情こそ取り落とされるから、任せずに俺が主導権を握って言葉を操らなきゃ。 この人に届いてほしいことを。俺が訊きたいことを。 隣に座ってるけどソファの上で脚を崩して真澄さんの方を向いてた俺に、真澄さんも一度足を組み替えた。 俺のほうをまっすぐ見る、睫毛の奥の黒い瞳は陰ることも濁ることもなく、これまでのどの瞬間とも同じように、月が完全に覆われた夜の静けさだけ湛えていた。 「…お綺麗な正論や常識より樹が優先だったのさ」 正論も常識もあの人を守ってはくれないから 「言ってたまるかよ、どうでもいいガキを擁護するための正論なんざ 誰しも生きるために他の命を食い物にする 他のってのはその他全てってことだ 樹以外全て」 そうか だから俺 そうだ…だから俺もあの部屋で 誰も 「樹を肯定するのにあらゆる正しさが邪魔だった 邪魔だったから遠ざけた」 「………」 駄目だよそれじゃあ。 分かってただろ、どうでもいいガキだからあの部屋にあの人のオモチャに放り込まれたのさ。 火傷で脚がだめになればここにいるしかないからずっと一緒だとか、刺青を入れれば自分の印付きだからどこへ行っても守れるだとか、 短絡的で 安直で 愚劣で 浅はかで 馬鹿丸出しで 耐えがたいほど下品で それでもなんだかある種の哀しい美しさを受胎してるようにも聞こえる、もしも全てが物語だったならね ! 「…それが結果的に綾瀬樹の首を絞めて殺すことに繋がったところまで、真澄さんの思惑通りってことでいいのかな? それで長くも穏便にも続くわけないじゃない、たった一人に犠牲が集中することで安寧を得られる仕組みなんて当然すでに破綻してる、その中での日々が平和に見えたとしても終わりはいつもすぐそこだったはずだ、そのすぐそこを真澄さんがこまめに一々お掃除していったのかな? 他殺って、それは真澄さんが殺したんでしょう」 黒い瞳は無表情のまま、威圧するでも萎縮するでもなく返される。 「そうかもな」 自分の顔から強張りを解く。真澄さんに向けて、にっこり優しく微笑んだ。 「綾瀬樹を肯定したくてたまらない真澄さん、肯定するために綾瀬樹本人の存在も命も邪魔になっちゃった?」
カシャン
…しばらくじっとしてたけど、ふとコートを取りに立ち上がる。 ソファから降りてちゃんと立ち上がる前に真澄さんに体を引かれて膝の上に強制的に乗せられた。腕でぎゅってホールドされて身動きできない。…。 「……。」 抱きしめたり、すり寄ったり、言葉をかける、謝りたい、何もできない、そうしたい全部を堪えながら、今こうしてここにいるべきなのは俺じゃないんだって非現実的なことをぼんやり思う。 真澄さんのことをもっと徹底して許さないで厳しい言葉で容赦なくなじって責め抜けるような、俺はそうなれない、真澄さんがあんな話し方したのはわざとだ。 言っても滑稽なことか、言っちゃいけないことしか、言えなかった。俺は今この場にふさわしくない。 捕まえられてる状況に、一年前を思い出す、自分のここでの思考。 ーーーー俺が寒いなか勝手にここを出てっちゃったら体弱いからそれだけで真澄さんが殺人未遂になっちゃうしなーーーー 今は違う、こうして俺が出てかないようにしてるのも真澄さんの保身じゃなくて、これは俺が真澄さんに愛されてるから。俺が今真澄さんにすり寄ったり謝ったり一つも愛情表現できないでじっと固まってるのも、俺が真澄さんのこと愛してるから。 俺も真澄さんもそのことがお互いに分かってるから、この時間は辛くても、俺はここから逃げ出したいとは思わない。一人で頭冷やして少し考えたいとは思うけどね。 … なんとなく指先ざらついて、なんだろうと思って両手を見てみる。ホラー映画みたいで一瞬ちょっとびっくりした。両手の指が血みどろでボロボロだ。爪も割れてたり、何枚か剥がれて指からズレてるのとか、剥がれそうに根元ガタついてるのと、指先の皮も剥げて… さっきまで自分が座ってたソファを見る。ちょうど手がくるあたりの位置のソファ生地が血まみれでボロボロに破壊されてる。…話してた間に…俺がやったのか… 指先…これじゃ万年筆を持てない 遺せるもの…残す手段が ひとつしかなかったのに。 だんだんじわじわ指先が痛くなる。でも痺れたみたいな、激痛じゃない。 ホールドされたままそっぽ向いて一度も目も合わせなかった真澄さんのほうに、じろっと目線を上げる。目を合わせたまま暴れるんじゃなく静かに身動きしたら、何か考えがあるのを察して腕をはなしてくれた。 ソファから降りて、真澄さんの服を引っぱる。 俺に服の裾引っぱられながら真澄さんはされるがままになって寝室までついて来てくれた。 ベッドの上に上がって真澄さんもベッドに乗るように服を引っぱる。 ベッドの上で俺の横に座った真澄さんの服の襟を掴んで引き寄せる。体重差あるから俺のほうが引き寄せられるみたいになった。目の前の双眸に向かって言う。 「俺のこと抱いて。今すぐに。」
カシャン、
割れて 壊れて 俺 は… 本当に今も ちゃんと俺かな ひどいこと 傷つくような言い方 わざと聞いたことを曲解して 返した 傷つけたかった? 傷ついてほしかった でも 俺じゃ 傷ひとつつけられない でも 嫌 いや 嫌だ 嫌だ、いやだ いや いや! …やめて 香澄が 香澄を、 あんなふうに言ったから
血に濡れて滑った背中 滴ってベッドもシーツも血痕が 染めて 汚していく なんども 執拗に重ねた傷口の上から 手をとめないで 残った7本の爪を立てる 爪をなくした指が痛む ずれた爪がとれて 7本が6本に、 「…っ 、ぅ…」 爪、ピリッと疾るいたみ 体 頭も ちから抜けて 思わず漏れたちいさな呻きに 俺の体を撫でてた優しい大きな手が反応した 黒い前髪をかきあげて 髪に指をとおして頭を撫でながら …表情 確認されてる ? 心配されても、大丈夫って 言えない かわりに背中に回した両腕で 力いっぱい爪を立ててまた縦に引っかく 乾く間もない傷口から血が伝って 俺の体に落ちる ふたりして 血塗れだ 背中に負えばいい このくらいの痛みじゃ 刺青を彫るのに比べたら、まるでおままごとだ どうして…? 俺は、 大好きで 恋してて 憧れで 心から深く愛するひとに …こんなこと 許されてほしい、愛されてほしい、幸せを享受してほしい、…どれもきっと俺の 果たせる役目じゃない… 今はどれも 言葉に出して言っただけで 真澄さんはまたひとりになる だめ 繰り返し爪を立ててた血塗れの背中を 抱きしめる いれたままのが ようやくゆっくり体を揺さぶられて 我慢できない嬌声といっしょに すがりつく 反った体が真澄さんの体とぴったり合わさる 真澄さんの肩口に俺の口元がきて 首筋に歯を立てて噛みついた 死ぬまで痕 遺ればいい ほんとうに香澄のことが大事なら こんなひと 目もくれてやらなくて いい 綾瀬樹と…同じように 害なすときだけ対処すればいい 人間として尊重なんてしなくていい きっとそうなのに あなたを愛してる あいしてる …どうにもできないくらいに 心から許せないのと同じくらい 許したくて 許されてほしくて こうしてあなたに抱かれるのが 幸せで 繋がったまま、体を起こして ベッドの上に胡座をかいて座った真澄さんの脚の上に、両脚を開いて乗る 向かいあう姿勢に真澄さんが 俺の背中を包むように抱いて支えてくれた 両手を真澄さんの顔にそっと添えて、顔の輪郭や造形を確かめるように 指先で丁寧に触れてなぞっていく 薄い唇を親指でなぞってから 頰を手で包んで唇に唇を寄せた 長い時間かけて唇を屠りながら 唇が離れる瞬間に軽く真澄さんの舌を噛んだ ほんのり血の味が俺の口内にも伝って残る いまは「愛してる」って言えない 伝えられない あなたに憎悪の言葉ばかりさんざん吐いた もう言いたくない…苦しかった
疲れたのか うとうとしだして 真澄さんの首筋に顔を寄せながら、眠ってしまう前に ボロボロにしてしまった、いつも頼れる逞しい背中を残った爪で細く引っかいた
…Ce n'est pas ton amour. Vous n'aimez pas non plus Itsuki Ayase. Ce n'est pas de l'amour. Imitation d'amour. Je voulais penser que j'aime Licht. Je voulais être une personne capable d'aimer les gens. Licht jouait avec amour. C'est stupide contre les humains. Personne ne connaît la vraie nature de l'amour. Vous avez appeléles plus terrifiants plutôt que…
”あなたのそれは愛じゃない 綾瀬樹のことだって愛してもいない それは愛じゃない 愛の真似事だ 俺があの人を愛していると思いたかったのと同じくらい、人を愛せる人間でありたかったのと同じくらい あの人が愛を玩具にしていたのと同じくらい ひとに仇なす愚かさだ 愛の正体なんて誰も知らない ただあなたはよりにもよって、最悪のものにそう名付けて呼んだ”
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テリトリアル
「君だから話すんだよ、こんな事」
そう笑う先輩は、紫煙を吐く。少し上を向いたから首元から鎖骨に掛けてが見えた。そこには傷痕みたいに薔薇のタトゥーが入っていた。
「一本吸う?」
そう言って先輩はセブンスターを一本僕に差し出してくれた。お言葉に甘えて、その一本を咥えて、火をつける。
さっきまで僕が吸っていたピースのガラはクシャッと潰して、ポケットに突っ込んでいた。
紫煙をゆっくり喫みこみ、吐き出す。
「セッタもたまには良いでしょ?」
「そうっすね」
僕はそう返して、またゆっくりと煙を吐く。そして、さっき先輩が言った言葉を反芻していた。
『バカみたいだよね。でも、あの人の事が好きなんだ』
僕には先輩が大変な恋愛をしているようにしか見えなかった。
先輩が好きな人は結局のところ何が本業なのかよく分からない会社の社長で、いつもクラブのVIPルームに入り浸っているような、その人が主催する六本木の店を貸し切った飲み会に行くとただただ虚しい思いをするだけのような、そんな人だった。
でも、先輩はその人の事が好きだった。
先輩の口から出てくるその人とのエピソードは到底楽しいとは思えないモノばかりだ。先輩はそれを淡々と話し、僕が聞く。
先輩は上を向いて、紫煙をゆっくり吐く。肩口まである髪がさらりと揺れて、首筋にある赫い痕が目に入る。僕はその度に嫉妬で狂いそうな気分になった。
吸い口近くまで燃えた煙��の火種を、灰皿で押し消した瞬間、先輩の目から一粒、涙が溢れた。
「あー、煙が目に」
嘘だ。でも、嘘じゃないのかも。
僕は咄嗟に、煙草を持ってない左手で涙を拭った。
すると先輩も僕の頬に手を当てた。
「君は、私と似すぎているね」
先輩の指は、少しだけ濡れていた。
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桜林美佐の「美佐日記」(221)
「刺青(イレズミ)」と「タトゥー」
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、221回目となりま
す。
告知をすっかり忘れてしまったのですが、5月末に
1週間、夕刊フジで「国防最前線」の連載をしていま
した。ZAKZAKというサイトにも転載されているよう
です。読んで下さった多くの方にお声がけ頂きまし
た。ありがとうございます。
https://www.zakzak.co.jp/search/?kw=%E6%A1%9C%E6%9E%97%E7%BE%8E%E4%BD%90
最終日に自衛隊における「人」の問題を書きまし
たが、やはり関心が高いようです。防衛省ができる
対策として、今回は僻地に赴任する隊員さんたちが
不自由しているWi-Fiの充実をすべしと書いてみまし
たが、その部分はあまりヒットしなかったようで、
もっと構造的な問題に対しご意見が多かったです。
とはいえ、例えば、給与を上げるといったことは
防衛省が決めることはできません。警察官の高卒者
新規採用者の給与は18万円ですが、自衛官候補生
の初任給は146,000円と15万円以下ですの
で、これが募集の大きな壁になっていることは言う
までもありませんが、ここは防衛省だけでは変えら
れません。
また、こんな意見も頂戴しました。なぜ、曹のク
ラスに上がる試験に受からないのか?と。もっと頑
張ればいいじゃないかと。
毎年、自衛隊に残りたくても試験に通らず泣く泣
く辞めていく人がいると書いたからです。
このあたりも言葉足らずになっていたのだと思い
ますが、「士」よりも「曹」が多くなるわけにはい
かず、軍という組織の特質上、どうしてもふるいに
かけなくてはならないわけです。
「士」クラスでも終身雇用にし、ずっとそのまま
の階級で残れるように制度を変えるとか、抜本的に
変更すれば状況は変わるのかもしれません。そして
各所で書いているようにシビリアンへの転換や警察
等への人事の融通に道を開くなど・・。
これらは国が着手しなければできないことで、さ
らに、総務省、財務省、防衛省などの省庁にまたが
っている構造になっています。
実際、防衛省としてできることは限定的であり、
その一つとして、通信環境の充実などせめてものこ
とを拾い上げた次第です。
あと、最近はタトゥーを入れている人も採用できる
ようにすべきではないかという指摘も国会でなされ、
賛否が分かれているようです。
そもそもタトゥーは使用されている鉄がMRI検査を
する時に反応し、火傷をする恐れがあるため禁止さ
れているという説もあるようですが、だとすれば、
米軍の人たちのあのタトゥー率の高さはどうなんで
しょうか。みんなMRIは受けないのか!?
多くのタトゥーを入れている米軍関係者は手首や
足首ですので、支障がないのかもしれませんね。
日本人にとってはまだ「刺青」のイメージが強く、
どうしても「昇り龍」とか、かつての任侠映画を思
い出してしまうのではないでしょうか。
藤純子さん(現・富司純子)主演の「緋牡丹博徒」
ではお竜が「おばちゃんは汚れとるとよ」と着物を
はだけて緋牡丹の刺青を見せる場面など実にぞくっ
としたものですし、若尾文子さん主演の映画「刺青」
もとても美しかったですよね!イレズミなんてイカ
ン!と言っているおじ様方はそっちの方を想像して
いるのかもしれませんが、若い人たちのタトゥーは
全く違うものだと言っていいのでしょう。
大きさ、程度によっては認めるなど検討の余地は
あるように思います。ただし、日本の若い人にどれ
くらいのタトゥー人口があるのか不明ですが。
いずれにしても間口を広げつつ、今や生活に欠か
せない通信など環境整備は進めなくてはならないで
しょう。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した。皆様にとって素晴らしい1週間となりますよう
に!
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