#復活版 地獄に���ちた教師ども
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backstreetsbackalright · 9 months ago
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The staff at the pachinko parlor, in a panel from Ebisu Yoshikazu's comic "Fuck Off," which appears in the 1981 collection The Pits of Hell (available from Breakdown Press).
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kennak · 4 months ago
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1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」は、戦後最大の冤罪の一つと言われ、死刑判決が確定していた袴田巌さん(87)のやり直し裁判が近く静岡地裁で始まる。死刑確定事件の再審では戦後5例目だが、この事件の前にはいくつもの冤罪事件が同じ静岡県で起きていることをご存じだろうか。その一つ、「二俣事件」では、拷問によって無実の少年に一家4人惨殺を“自白”させたばかりか、拷問の事実を告発した刑事を偽証罪で逮捕した揚げ句、精神疾患に仕立て上げるという警察・検察の報復があった。家族もろとも偏見の目にさらされた刑事の妻・山崎まさは今も存命だ。今月27日、106歳になるまさは「当時の苦しみは言葉にできない」と涙ながらに振り返った。(文・写真:秦融/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部/文中敬称略) まさが住む愛知県みよし市は、名古屋市と豊田市に挟まれた位置にある。市街地から少し離れた一軒家で呼び鈴を押すと、次女の天野功子(のりこ、76)が出迎えてくれた。 まさの夫であり、功子の父である山崎兵八(ひょうはち)は静岡県の警察官だった。 昭和の冤罪・二俣事件は1950年1月、同県二俣町(現・浜松市天竜区)で発生した。就寝中の夫妻が刃物で刺されて死亡、2歳の長女が首を絞められ、11カ月の次女が母親の下敷きになり窒息死した。事件後、近所に住む18歳の少年が強盗殺人罪��どで起訴され、一審、二審で死刑判決。その後に逆転無罪となった。 兵八は、現職の警察官ながら警察組織を敵に回し、拷問による取り調べがあったと告発、少年の刑事裁判で証言台に立った人物だ。告発は審理の終盤。巡査だった兵八は読売新聞社と弁護人に宛てて手紙を書き、「(少年は)犯人ではない。新憲法下今なお人権を無視した拷問により罪をなすりつけられたものだ」「江口捜査課長と紅林主任は少年に会った時の第一印象で“彼は犯人だ”と判定、証拠集めの指令を発した」などと記した。 告発前、妻のまさは「そこまでしなくても」と夫の行動に反対だった。夫は「(少年が)自分の子どもだったらどうする?」と妻に問い、固い決意を伝えた。 当時を振り返るまさの受け答えは、とても100歳過ぎとは思えないほど明瞭だ。 「はい、そう言われました。『もしか、この子が私らの子どもだったらどうするかね?』と。間違いないです」 兵八は、弱い人や苦しんでいる人を放っておけない性格だったらしい。夫について、まさはこう語った。 「お父さんにはものすごく、そういうところがあった。きっと、生まれるときからそういう性格を授かってきたんだよね。私も、人を陥れるようなことは絶対にしたくないと思ってね。困っている人には、ねんごろ(親切)にしてね。人が難儀してると『ああ、かわいそうだなあ』って、すぐ思っちゃうんだよね」 しかし、告発は一直線には実を結ばなかった。 二俣警察署の捜査本部で捜査に関わっていた兵八は法廷で「拷問による自白」と証言したにもかかわらず、一審の静岡地裁浜松支部は死刑判決を下す。それどころか、判決の日、兵八は偽証罪で逮捕された。 「正義」の代償は、それにとどまらず、家族もろとも路頭に迷わせる“仕打ち”へと進んでいく。 逮捕後、兵八は名古屋大学医学部の教授による精神鑑定で「妄想性痴呆症」と診断された。裁判では、証人出廷した警察署長が「変人」などと兵八の人格を否定。一審で少年に死刑判決が下ったことから「警察の捜査は正しかった」ということになり、判決に異を唱える兵八は異常者とされたのだ。 辞表を出すと、兵八は精神疾患という診断を理由に、運転免許証をはく奪された。警察を辞めた後は、家族を養うため、トラックの運転手になるつもりだったが、免許なしではそれもできず、他の仕事も簡単に見つからない。逮捕・投獄された兵八は世間の偏見の目にさらされた。 当時10代だった長女・児玉澄子(故人)の手記によると、家族は耐え難い苦しみを味わうことになった。 「父は職も地位も奪われて、仕事を探し、失敗し、書を読み、そして苦しみの多い日は母や私達に当たり散らした」「父母を助けなくては。新聞配達を始めた(のは)五年生の冬でした。学校を休んで早引きをして手伝った畑仕事」「冷たい近所の人たちの目、 幼い弟はいつもいじめられ泣いて帰ってきた。『ボクのおとうちゃんどうしてブタ箱にいるの?』 と…」「母の土方の荒れた手とあかぎれの足のひびわれ」(手記から) 苦難はさらに続く。 1961年3月には自宅が全焼した。報道では「火の不始末が原因」などと伝えられたが、当時中学生だった次女の功子は、火災の数日前、自宅の前で見知らぬ男から「山崎さんのお宅はここか」と尋ねられたことを覚えている。また、功子の弟は「火が出る前に半長靴の男が家から出ていくのを見た」と家族に話し、警察にも伝えた。ところが、警察では「半長靴の男」の目撃証言が、弟自身の火遊びをごまかすためだったのではないかと疑われてしまう。 当時を思い起こし、功子は言った。 「最後は、母の火の不始末にされてしまいました。弟に傷がつくよりはまし、ということで母が全てをかぶったんです……父は名誉を回復するため裁判に訴えることも考え、二俣事件の資料を集めていました。“放火”はその資料を灰にすることが目的だったとしか思えません」 火災の真相は今や確かめようもないが、兵八が裁判を起こせば、警察側は捜査の正当性を主張しただろう。兵八を「変人扱い」した者たちの「偽証」も問われかねない。そのようなタイミングで火災が起きたことは事実だった。 「ようやく、ほっかむりが取れた」 山崎まささん(右)、天野功子さん 二俣事件の上告審で最高裁は、死刑を言い渡した静岡地裁の原判決を破棄し、1958年1月に少年の無罪が確定した。 無罪への転機は、東京高裁が控訴を棄却(1951年9月)した後、らつ腕の弁護士、清瀬一郎(1884‐1967年)が弁護人に就いたことだった。清瀬は衆議院議長などを歴任した大物政治家。戦勝国による極東軍事裁判(東京裁判)では東条英機の弁護人を務めた。 清瀬の無罪主張を受け、最高裁は2年余に及ぶ審理を経て「事実誤認の疑いがある」と原判決を破棄。その後の差し戻し審では、拷問によって警察の筋書き通りに自白させた供述の���用性が否定され、地裁、高裁とも無罪判決となった。筋書きと事実との矛盾が次々に明らかになり、検察は上告を断念、少年(逮捕当時)の冤罪は事件から8年を経てようやく晴れた。少年を犯人と決めつけ、筋書きに合う捜査しかしていない警察が再捜査に動くことはなかった。 傍らに座る母・まさを見やりながら、天野功子が言う。 「少年の無罪判決が出たときに、母は『これでようやく“ほっかむり”が取れた』と言ったんです。ね、そうだよね? お父さんの疑いが晴れた時に言ったよね? それまでお母さんはずっとほっかむりして生きとったんだよね」 顔を隠す頬かむりをせず、堂々と外を歩けるようになったという意味だ。当時を思い出したように、まさが涙ぐむ。 「お父さん(兵八)が逮捕され、自分一人で子どもたちを守らなくてはいけなくなったときの不安や苦しさは、言うに言えません。本当につらい思いをしました」 兵八は2001年、87歳で他界した。 その4年前には『現場刑事の告発 二俣事件の真相』を自費出版している。告発に至る経緯については、次のように記されている。 「心の片隅で『お前は正義の味方ではないのか。警察は国民の生命財産を守るのが使命ではないか。立ち上がるのだ』と叫ぶ声が聞こえてくるのだった。片一方の隅では、『黙っていて見過ごすのだ。あと五年経てばお前には恩給もつくのだ。恩給だけで暮らしてゆけるのだ。何も正義ぶりをする事はない。寄らば大樹の陰。大きな(長い)物には巻かれろ、ではないか』と叫ぶ声が五体に響いてくるのだった」 島田事件対策協議会で、無実の男性救済を話し合う兵八(正面左から2人目)ら(鈴木昂さん提供) 兵八によると、二俣事件の取り調べで少年に拷問していることを薄々知っていた警察官は他にもおり、「少年は無実」と思っていた署員もいた。しかし、誰もが「見ざる聞かざる言わざる」となり、法廷では「捜査は正しかった」と偽証を繰り返した。 この“拷問”に関わった刑事の一人が、捜査チーム主任の紅林麻雄警部補だったとされる。紅林は二俣事件だけでなく、同じ静岡県で起きた1948年の幸浦事件(被告は死刑判決、後に無罪)、1950年の小島事件(無期懲役判決、後に無罪)の捜査に関わり、多くの冤罪を生んだ。1966年の袴田事件では、拷問まがいの取り調べで自白を引き出し、警察が犯行の手口を考え出し、それに合う証拠や証言をつくって自白を裏付ける、という同じ手法が使われた。 二俣事件など同時期に続発した冤罪事件が「袴田事件の源流」と呼ばれる理由はそこにある。 同じ時期に起きた島田事件(1954年、死刑確定後の89年に再審無罪)の支援活動に奔走した元高校教師、鈴木昂は「山崎兵八さんには支援集会で講演をお願いし、熱意にあふれる話に引き込まれた。袴田事件の支援要請にも応じておられ、尽力を惜しまない人だった」と話す。 兵八・まさの夫婦は3男2女をもうけ、それとは別に2人の子どもを養っていた。そのうちの1人は勤務先の警察署で補導された、身寄りのない男児だった。まさによると、兵八が「面倒をみてやってほしい」と連れてきたという。 「放っておくのがつらかったらしくてね。(警察官という)職業柄もそうしてやらないかんと思ってだろうね」 まさの話によると、兵八の人柄をしのぶエピソードは他にもある。 「お百姓さんが、あるとき『これを食べてくれ』と駐在所に麦を2袋持ってきてね。お父さんは『絶対に手をつけるな』と言って。腐るかどうかという寸前で、やっと村の人と分けて食べた。それくらいの人でした」 弱い人、苦しんでいる人を助け、不正には手を染めない。まさが語る「警察官・山崎兵八」からは、組織内での孤立を恐れて自己保身に走るのではなく、人の心を大切にし、正しいと信じる道を貫くという人物像が浮かび上がる。 兵八の「正義」を押しつぶした警察・検察、さらには捜査側に寄った裁判所の不当な判決は、昭和から平成へと続き、真実や人権よりもメンツを重んじて自己検証を拒絶する姿勢は、令和の時代にも地続きのように受け継がれている。 96歳の原口アヤ子さんが無実を訴え続ける大崎事件の弁護人で、日本弁護士連合会の再審法改正実現本部・本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士は「一刻も早く再審法を改正しなければ悲劇が繰り返される」と危機感をにじませ、改正の要点を次のように指摘する。 「一つは証拠開示の問題です。大崎事件の第2次再審では高裁の裁判長の積極的な訴訟指揮で、それまで検察官が『ない、ない』と言い続けてきた証拠が213点出てきました。さらに第3次再審になると新たに18点出た。なぜ、こんなことが起きるのか。証拠開示を定めたルールがないからです。大崎事件だけでなく、布川事件、東電女性社員事件、松橋事件などは、再審を求める中で重要な証拠が開示され、再審開始決定の決め手になった。規定がないために、検察は隠し通そうとし、開示が個々の裁判官の“やる気”に左右されるのです」 二つ目は検察官の抗告(不服申し立て)の問題だという。 「再審開始決定が出ても、検察官が抗告し、いつまでも再審公判が開かれない。再審は本来、無実の人を救済する制度で、検察官といえども立場は同じはず。ドイツでは検察官の抗告は禁止されている。袴田事件では最初の開始決定から9年、大崎事件は21年、名張毒ぶどう酒事件では���西勝・元死刑囚の命が尽きてしまった。抗告の弊害による悲劇をなくさなければいけない」 二俣事件の関係者がほとんど他界した中で、まさは穏やかな日々を生きている。 「天寿をいただいているんだよね。まだこれだけ元気でね、みんなのエネルギーをもらっている。人を見放しておくよりも助けてやりたい、という気持ちで生きてきて本当に良かった、と。そう思ってね。やっぱり人に意地悪はするもんじゃないな、ってね。人を助ければ助けてもらえるな、って思うよね。毎日そう思いながらこうしていますよ」 秦融(はた・とおる)1961年、愛知県生まれ。ジャーナリスト。フロントラインプレス所属。元中日新聞編集委員。滋賀・呼吸器事件の調査報道を描いた著書『冤罪をほどく……“供述弱者”とは誰か』(風媒社)で、2022年の講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。至学館大学コミュニケーション研究所客員研究員。 「#昭和98年」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。仮に昭和が続いていれば、今年で昭和98年。令和になり5年が経ちますが、文化や価値観など現在にも「昭和」「平成」の面影は残っているのではないでしょうか。3つの元号を通して見える違いや残していきたい伝統を振り返り、「今」に活かしたい教訓や、楽しめる情報を発信します。
「拷問」を告発した警察官の夫は逮捕され、異常者扱い――105歳が語る「冤罪」の長い苦しみ #昭和98年(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
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fukagawakaidan · 6 months ago
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「お化けの棲家」に登場したお化け。
1、骨女〔ほねおんな〕 鳥山石燕の「今昔画 図続百鬼』に骨だけ の女として描かれ、 【これは御伽ぼうこうに見えたる年ふる女の骸骨、牡丹の灯籠を携へ、人間の交をなせし形にして、もとは剪灯新話のうちに牡丹灯記とてあり】と記されている。石燕が描いた骨女 は、「伽婢子」「牡丹灯籠」に出てくる女つゆの亡霊、弥子(三遊亭円朝の「怪談牡丹灯 籠」ではお露にあたる)のことをいっている。これとは別物だと思うが、「東北怪談の旅」にも骨女という妖怪がある。 安永7年~8年(1778年~1779年)の青森に現れたもので、盆の晩、骸骨女がカタリカタリと音をたてて町中を歩いたという。この骨女��、生前は醜いといわれていたが、 死んでからの骸骨の容姿が優れているので、 人々に見せるために出歩くのだという。魚の骨をしゃぶることを好み、高僧に出会うと崩れ落ちてしまうという。 「鳥山石燕 画図百鬼夜行」高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 「東北怪談の旅」山田 野理夫
2、堀田様のお人形
以下の話が伝わっている。 「佐賀町に堀田様の下屋敷があって、うちの先祖はそこの出入りだったの。それで、先代のおばあさんが堀田様から“金太郎”の人形を拝領になって「赤ちゃん、赤ちゃん」といわれていたんだけど、この人形に魂が入っちゃって。関東大震災のとき、人形と一緒に逃げたら箱の中であちこちぶつけてこぶができたから、修復してもらうのに鼠屋っていう人形師に預けたんだけど少しすると修復されずに返ってきた。聞くと「夜になると人形が夜泣きしてまずいんです」と言われた。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
3、ハサミの付喪神(つくもがみ)
九十九神とも表記される。室町時代に描かれた「付喪神絵巻」には、「陰陽雑記云器物百年を経て化して精霊を得てよく人を訛かす、是を付喪神と号といへり」 という巻頭の文がある。 煤祓いで捨てられた器物が妖怪となり、物を粗末に扱う人間に対して仕返しをするという内容だ が、古来日本では、器物も歳月を経ると、怪しい能力を持つと考えられていた。 民俗資料にも擂り粉木(すりこぎ)や杓文字、枕や蒲団といった器物や道具が化けた話しがある。それらは付喪神とよばれていないが、基本的な考え方は「付喪神絵巻」にあるようなことと同じで あろう。 (吉川観方『絵画に見えたる妖怪』)
4、五徳猫(ごとくねこ)  五徳猫は鳥山石燕「画図百器徒然袋」に尾が2つに分かれた猫又の姿として描かれており、「七徳の舞をふたつわすれて、五徳の官者と言いしためしも あれば、この猫もいかなることをか忘れけんと、夢の中におもひぬ」とある。鳥山石燕「画図百器徒然袋」の解説によれば、その姿は室町期の伝・土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれた五徳猫を頭に 乗せた妖怪をモデルとし、内容は「徒然袋」にある「平家物語」の 作者といわれる信濃前司行長にまつわる話をもとにしているとある。行長は学識ある人物だったが、七徳の舞という、唐の太宗の武の七徳に基づく舞のうち、2つを忘れてしまったために、五徳の冠者のあだ名がつけられた。そのため、世に嫌気がさし、隠れて生活するようになったという。五徳猫はこのエピソードと、囲炉裏にある五徳(薬缶などを載せる台)を引っ掛けて創作された 妖怪なのであろう。ちなみに土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪は、手には火吹き 竹を持っているが、猫の妖怪ではなさそうである。 ( 高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』)→鳥山石燕『百器徒然袋』より 「五徳猫」
5、のっぺらぼー 設置予定場所:梅の井 柳下 永代の辺りで人魂を見たという古老の話しです。その他にも、背中からおんぶされて、みたら三つ目 小僧だったり、渋沢倉庫の横の河岸の辺りでのっぺらぼーを見たという話しが残っています。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収) のっぺらぼーは、顔になにもない卵のような顔の妖怪。特に小泉八雲『怪談』にある、ムジナの話が良く知られている。ある男が東京赤坂の紀国坂で目鼻口のない女に出会い、驚き逃げて蕎麦 屋台の主人に話すと、その顔も同じだったという話。その顔も同じだったという話。
6、アマビエアマビエ 弘化3年(1846年) 4月中旬と記 された瓦版に書かれているもの。 肥後国(熊本県)の海中に毎夜光るものが あるので、あ��役人が行ってみたところ、ア マビエと名乗る化け物が現れて、「当年より はやりやまいはや 6ヵ月は豊作となるが、もし流行病が流行ったら人々に私の写しを見せるように」といって、再び海中に没したという。この瓦版には、髪の毛が長く、くちばしを持った人魚のようなアマビエの姿が描かれ、肥後の役人が写したとある。 湯本豪一の「明治妖怪新聞」によれば、アマピエはアマピコのことではないかという。 アマピコは瓦版や絵入り新聞に見える妖怪で、 あま彦、天彦、天日子などと書かれる。件やクダ部、神社姫といった、病気や豊凶の予言をし、その絵姿を持っていれば難から逃れられるという妖怪とほぼ同じものといえる。 アマビコの記事を別の瓦版に写す際、間違 えてアマビエと記してしまったのだというのが湯本説である。 『明治妖怪新聞」湯本豪一「『妖怪展 現代に 蘇る百鬼夜行』川崎市市民ミュージアム編
7、かさばけ(傘お化け) 設置予定場所:多田屋の入口作品です。 一つ目あるいは、二つ目がついた傘から2本の腕が伸び、一本足でピョンピョン跳ねまわる傘の化け物とされる。よく知られた妖怪のわりには戯画などに見えるくらいで、実際に現れたなどの記録はないようである。(阿部主計『妖怪学入門』)歌川芳員「百種怪談妖物双六」に描 かれている傘の妖怪「一本足」
8、猫股(ねこまた)  猫股��化け猫で、尻尾が二股になるまで、齢を経た猫 で、さまざまな怪しいふるまいをすると恐れられた。人をあざむき、人を食らうともいわれる。飼い猫が年をとり、猫股になるため、猫を長く飼うもので はないとか、齢を経た飼い猫は家を離れて山に入り、猫股 になるなどと、各地に俗信がある。 このような猫の持つ妖力から、歌舞伎ではお騒動と化け猫をからめて「猫騒動もの」のジャンルがあり、
「岡崎の猫」「鍋島の猫」「有馬の猫」が三代化け猫とされる。
9、毛羽毛現(けうけげん) 設置予定場所:相模屋の庭 鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に毛むくじゃらの妖怪として描かれた もので、 「毛羽毛現は惣身に毛生ひたる事毛女のごとくなればかくいふ か。或いは希有希現とかきて、ある事まれに、見る事まれなれば なりとぞ」とある。毛女とは中国の仙女のことで、華陰の山中(中国陝西省陰県の西 獄華山)に住み、自ら語るところによると、もともとは秦が亡んだため 山に逃げ込んだ。そのとき、谷春という道士に出会い、松葉を食すことを教わって、遂に寒さも飢えも感じなくなり、身は空を飛ぶほど軽くなった。すでに170余年経つなどと「列仙伝」にある。この毛羽毛現は家の周辺でじめじめした場所に現れる妖怪とされるが、実際は石燕の創作妖 怪のようである。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』→鳥山石燕「今昔百鬼 拾遺」より「毛羽毛現」
10、河童(かっぱ) 設置予定場所:猪牙船 ◇ 河童(『耳袋』) 江戸時代、仙台藩の蔵屋敷に近い仙台堀には河童が出たと言われています。これは、子どもたちが、 なんの前触れもなく掘割におちてしまう事が続き探索したところ、泥の中から河童が出てきたというも のです。その河童は、仙台藩の人により塩漬けにして屋敷に保管したそうです。 ◇ 河童、深川で捕獲される「河童・川太郎図」/国立歴史民俗博物館蔵 深川木場で捕獲された河童。河童は川や沼を住処とする妖怪で、人を水中に引き込む等の悪事を働く 反面、水の恵みをもたらす霊力の持ち主として畏怖されていた ◇ 河童の伝説(『江戸深川情緒の研究』) 安永年間(1772~1781) 深川入船町であった話しです。ある男が水浴びをしていると、河童がその男 を捕えようとしました。しかし、男はとても強力だったので逆に河童を捕えて陸に引き上げ三十三間堂の前で殴り殺そうとしたところ、通りかかった人々が河童を助けました。それ以来、深川では河童が人 間を捕らなくなったといいます。→妖怪画で知られる鳥山石燕による河童
11、白容商〔しろうねり〕
鳥山石燕「画図百器 徒然袋」に描かれ、【白うるりは徒然のならいなるよし。この白うねりはふるき布巾のばけたるものなれども、外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ】 と解説されている。白うるりとは、吉田兼好の『徒然草」第六十段に登場する、 芋頭(いもがしら)が異常に好きな坊主のあだ名である。  この白うるりという名前に倣って、布雑巾 の化けたものを白容裔(しろうねり)と名づけたといっているので、つまりは石燕の創作妖怪であろう。古い雑巾などが化けて人を襲う、などの説 明がされることがあるが、これは山田野理夫 の『東北怪談の旅』にある古雑巾の妖怪を白 容裔の話として使ったにすぎない。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編
12、轆轤首〔ろくろくび〕
抜け首、飛頭蛮とも つな いう。身体から首が完全に分離して活動する ものと、細紐のような首で身体と頭が繋がっているものの二形態があるようである。 日本の文献には江戸時代から多くみえはじ め、『古今百物語評判』『太平百物語』『新説 百物語」などの怪談集や、『甲子夜話』『耳 囊」「北窓瑣談」「蕉斎筆記』『閑田耕筆』と いった随筆の他、石燕の『画図百鬼夜行」に 代表される妖怪画にも多く描かれた。 一般的な轆轤首の話としては、夜中に首が 抜け出たところを誰かに目撃されたとする内 容がほとんどで、下働きの女や遊女、女房、 娘などと女性である場合が多い。 男の轆轤首は「蕉斎筆記』にみえる。 ある夜、増上寺の和尚の胸の辺りに人の 首が来たので、そのまま取って投げつけると、 どこかへいってしまった。翌朝、気分が悪いと訴えて寝ていた下総出 身の下働きの男が、昼過ぎに起き出して、和 尚に暇を乞うた。わけ その理由を問えば、「昨夜お部屋に首が参りませんでしたか」と妙なことを訊く。確か に来たと答えると、「私には抜け首の病があります。昨日、手水鉢に水を入れるのが遅い とお叱りを受けましたが、そんなにお叱りに なることもないのにと思っていると、 夜中に首が抜けてしまったのです」 といって、これ以上は奉公に差支えがあるからと里に帰って しまった。 下総国にはこの病が多いそうだと、 「蕉斎筆記』は記している。  轆轤首を飛頭蛮と表記する文献があるが、 これはもともと中国由来のものである。「和漢三才図会』では、『三才図会」「南方異 物誌」「太平広記」「搜神記』といった中国の 書籍を引いて、飛頭蛮が大闍波国(ジャワ) や嶺南(広東、広���、ベトナム)、竜城(熱 洞省朝陽県の西南の地)の西南に出没したことを述べている。昼間は人間と変わらないが、夜になると首 が分離し、耳を翼にして飛び回る。虫、蟹、 ミミズなどを捕食して、朝になると元通りの 身体になる。この種族は首の周囲に赤い糸のような傷跡がある、などの特徴を記している。中国南部や東南アジアには、古くから首だけの妖怪が伝わっており、マレーシアのポン ティアナやペナンガルなどは、現在でもその 存在が信じられている。 日本の轆轤首は、こうした中国、東南アジ アの妖怪がその原型になっているようである。 また、離魂病とでもいうのだろうか、睡眠中に魂が抜け出てしまう怪異譚がある。例えば「曽呂利物語」に「女の妄念迷い歩 <事」という話がある。ある女の魂が睡眠中に身体から抜け出て、 野外で鶏になったり女の首になったりしているところを旅人に目撃される。旅人は刀を抜いてその首を追いかけていく と、首はある家に入っていく。すると、その家から女房らしき声が聞こえ、 「ああ恐ろしい夢を見た。刀を抜いた男が追 いかけてきて、家まで逃げてきたところで目 が醒めた」などといっていたという話である。これの類話は現代の民俗資料にも見え、抜け出た魂は火の玉や首となって目撃されている。先に紹介した「蕉斎筆記』の男の轆轤首 も、これと同じように遊離する魂ということ で説明ができるだろう。 轆轤首という妖怪は、中国や東南アジア由 来の首の妖怪や、離魂病の怪異譚、見世物に 出た作りものの轆轤首などが影響しあって、 日本独自の妖怪となっていったようである。 【和漢三才図会』寺島良安編・島田勇雄・竹 島淳夫・樋口元巳訳注 『江戸怪談集(中)』 高田衛編/校注『妖異博物館』柴田宵曲 『随筆辞典奇談異聞編」柴田宵曲編 『日本 怪談集 妖怪篇』今野円輔編著 『大語園』巌谷小波編
13、加牟波理入道〔がんばりにゅうどう〕
雁婆梨入道、眼張入道とも書く。便所の妖怪。 鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には、便所の台があるよう 脇で口から鳥を吐く入道姿の妖怪として描かれており、【大晦日の夜、厠にゆきて「がんばり入道郭公」と唱ふれば、妖怪を見さるよし、世俗のしる所也。もろこしにては厠 神名を郭登といへり。これ遊天飛騎大殺将軍 とて、人に禍福をあたふと云。郭登郭公同日 は龕のの談なるべし】と解説されている。 松浦静山の『甲子夜話」では雁婆梨入道という字を当て、厠でこの名を唱えると下から入道の頭が現れ、 その頭を取って左の袖に入れてまたとりだすと 頭は小判に変化するなどの記述がある。 「がんばり入道ホ��トギス」と唱えると怪異 にあわないというのは、江戸時代にいわれた 俗信だが、この呪文はよい効果を生む(前述 ことわざわざわい ●小判を得る話を含め)場合と、禍をよぶ 場合があるようで、「諺苑」には、大晦日に この話を思い出せば不祥なりと書かれている。 また、石燕は郭公と書いてホトトギスと読ませているが、これは江戸時代では郭公とホト トギスが混同されていたことによる。 ホトトギスと便所との関係は中国由来のようで、「荊楚歲時記』にその記述が見える。 ホトトギスの初鳴きを一番最初に聞いたもの は別離することになるとか、その声を真似すると吐血するなどといったことが記されており、厠に入ってこの声を聞くと、不祥事が起 こるとある。これを避けるには、犬の声を出 して答えればよいとあるが、なぜかこの部分 だけは日本では広まらなかったようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『江戸文学俗信辞典』 石川一郎編『史実と伝説の間」李家正文
14、三つ目小僧
顔に三つの目を持つ童子姿の妖怪。 長野県東筑摩郡教育委員会による調査資料に名は見られるが、資料中には名前があるのみ で解説は無く、どのような妖怪かは詳細に語られていない。 東京の下谷にあった高厳寺という寺では、タヌキが三つ目小僧に化けて現れたという。このタヌ キは本来、百年以上前の修行熱心な和尚が境内に住まわせて寵愛していたために寺に住みついたものだが、それ以来、寺を汚したり荒らしたりする者に対しては妖怪となって現れるようになり、体の大きさを変えたり提灯を明滅させて人を脅したり、人を溝に放り込んだりしたので、人はこれ を高厳寺小僧と呼んで恐れたという。困った寺は、このタヌキを小僧稲荷として境内に祀った。この寺は現存せず、小僧稲荷は巣鴨町に移転している。 また、本所七不思議の一つ・置行堀の近くに住んでいたタヌキが三つ目小僧に化けて人を脅したという言い伝えもある。日野巌・日野綏彦 著「日本妖怪変化語彙」、村上健司校訂 編『動物妖怪譚』 下、中央公論新社〈中公文庫〉、2006年、301頁。 佐藤隆三『江戸伝説』坂本書店、1926年、79-81頁。 『江戸伝説』、147-148頁。
15、双頭の蛇 設置予定場所:水茶屋 「兎園小説」には、「両頭蛇」��して以下の内容が著してある。 「文政7年(1824)11月24日、本所竪川通りの町方掛り浚場所で、卯之助という男性 が両頭の蛇を捕まえた。長さは3尺あったという。」
文政7年(1824)11月24日、一の橋より二十町程東よりの川(竪川、現墨田区)で、三尺程の 「両頭之蛇」がかかったと言う話です。詳細な図解が示されています。 (曲亭馬���「兎園小説」所収『兎園小説』(屋代弘賢編『弘賢随筆』所収) 滝沢馬琴他編 文政8年(1825) 国立公文書館蔵
16、深川心行寺の泣き茶釜
文福茶釜は「狸」が茶釜に化けて、和尚に恩返しをする昔話でよく知られています。群馬県館林の茂 林寺の話が有名ですが、深川2丁目の心行寺にも文福茶釜が存在したといいます。『新撰東京名所図会』 の心行寺の記述には「什宝には、狩野春湖筆涅槃像一幅 ―及び文福茶釜(泣茶釜と称す)とあり」 とあります。また、小説家の泉鏡花『深川浅景』の中で、この茶釜を紹介しています。残念ながら、関 東大震災(1923年)で泣茶釜は、他の什物とともに焼失してしまい、文福茶釜(泣き茶釜)という狸が 化けたという同名が残るのみです。鳥山石燕「今昔百鬼拾遺」には、館林の茂森寺(もりんじ)に伝わる茶釜の話があります。いくら湯を 汲んでも尽きず、福を分け与える釜といわれています。 【主な参考資料】村上健司 編著/水木しげる 画『日本妖怪大辞典』(角川出版)
17、家鳴(やなり) 設置予定場所:大吉、松次郎の家の下)  家鳴りは鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれたものだが、(石燕は鳴屋と表記)、とくに解説はつけられて いない。石燕はかなりの数の妖怪を創作しているが、初期の 「画図百鬼夜行」では、過去の怪談本や民間でいう妖怪などを選んで描いており、家鳴りも巷(ちまた)に知られた妖怪だったようである。 昔は何でもないのに突然家が軋むことがあると、家鳴りのような妖怪のしわざだと考えたようである。小泉八雲は「化け物の歌」の中で、「ヤナリといふ語の・・・それは地震中、家屋の震動 する音を意味するとだけ我々に語って・・・その薄気 味悪い意義を近時の字書は無視して居る。しかし此語 はもと化け物が動かす家の震動の音を意味して居た もので、眼には見えぬ、その震動者も亦(また) ヤナ リと呼んで居たのである。判然たる原因無くして或る 家が夜中震ひ軋り唸ると、超自然な悪心が外から揺り動かすのだと想像してゐたものである」と延べ、「狂歌百物語」に記載された「床の間に活けし立ち木も倒れけりやなりに山の動く掛軸」という歌を紹介している。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』、『小泉八雲全集』第7巻)
18、しょうけら 設置予定場所:お��づの家の屋根 鳥山石燕「画図百鬼夜行」に、天井の明かり取り窓を覗く妖怪として描かれているもの。石燕による解説はないが、 ショウケラは庚申(こうしん) 信仰に関係したものといわれる。 庚申信仰は道教の三尸(さんし)説がもとにあるといわ れ、60日ごとに巡ってくる庚申の夜に、寝ている人間の身 体から三尸虫(頭と胸、臍の下にいるとされる)が抜け出し、天に昇って天帝にその人の罪科を告げる。この報告により天帝は人の命を奪うと信じられ、対策とし て、庚申の日は眠らずに夜を明かし、三尸虫を体外に出さ ないようにした。また、これによる害を防ぐために「ショウケラはわたとてまたか我宿へねぬぞねたかぞねたかぞ ねぬば」との呪文も伝わっている。 石燕の描いたショウケラは、この庚申の日に現れる鬼、ということがいえるようである。
19、蔵の大足
御手洗主計という旗本の屋敷に現れた、長さ3尺程(約9m)の大足。(「やまと新聞」明治20年4月29日より)
20、お岩ちょうちん
四世鶴屋南北の代表作である「東海道四谷怪談」のお岩 を、葛飾北斎は「百物語シリーズ」の中で破れ提灯にお岩が 宿る斬新な構図で描いている。北斎は同シリーズで、当時の 怪談話のもう一人のヒロインである「番町皿屋敷のお菊」も描 く。「東海道四谷怪談」は、四世南北が暮らし、没した深川を舞台にした生世話物(きぜわもの)の最高傑作。文政8年(1825) 7月中村座初演。深川に住んだ七代目市川團十郎が民谷伊 右衛門を、三代目尾上菊五郎がお岩を演じた。そのストーリーは当時評判だった実話を南北が取材して描 いている。男女が戸板にくくられて神田川に流された話、また 砂村隠亡堀に流れついた心中物の話など。「砂村隠亡堀の場」、「深川三角屋敷の場」など、「四谷怪 談」の中で深川は重要な舞台として登場する。
21、管狐(くだぎつね)  長野県を中心にした中部地方に多く分布し、東海、関東南部、東北の一部でいう憑き物。関東 南部、つまり千葉県や神奈川県以外の土地は、オサキ狐の勢力になるようである。管狐は鼬(いたち)と鼠(ねずみ)の中間くらいの小動物で、名前の通り、竹筒に入ってしまうほどの大きさだという。あるいはマッチ箱に入るほどの大きさで、75匹に増える動物などとも伝わる個人に憑くこともあるが、それよりも家に憑くものとしての伝承が多い。管狐が憑いた家は管屋(くだや)とか管使いとかいわれ、多くの場合は「家に憑いた」ではなく「家で飼っている」という表現をしている。管狐を飼うと��持ちになるといった伝承はほとんどの土地でいわれることで、これは管 狐を使って他���から金や品物を集めているからだなどという。また、一旦は裕福になるが、管狐は 大食漢で、しかも75匹にも増えるのでやがては食いつぶされるといわれている。 同じ狐の憑き物でも、オサキなどは、家の主人が意図しなくても、狐が勝手に行動して金品を集 めたり、他人を病気にするといった特徴があるが、管狐の場合は使う者の意図によって行動すると考えられているようである。もともと管狐は山伏が使う動物とされ、修行を終えた山伏が、金峰山 (きんぷさん)や大峰(おおみね)といった、山伏に官位を出す山から授かるものだという。山伏は それを竹筒の中で飼育し、管狐の能力を使うことで不思議な術を行った。 管狐は食事を与えると、人の心の中や考えていることを悟って飼い主に知らせ、また、飼い主の 命令で人に取り憑き、病気にしたりするのである。このような山伏は狐使いと呼ばれ、自在に狐を 使役すると思われていた。しかし、管狐の扱いは難しく、いったん竹筒から抜け出た狐を再び元に 戻すのさえ容易ではないという。狐使いが死んで、飼い主不在となった管狐は、やがて関東の狐の親分のお膝元である王子村(東京都北区)に棲むといわれた。主をなくした管狐は、命令する者がいないので、人に憑くことはないという。 (石塚尊俊『日本の憑きもの』、桜井徳太郎編『民間信仰辞典』、金子準二編著『日本狐憑史資料 集成』)
22、かいなで 設置予定場所: 長屋の厠 京都府でいう妖怪。カイナゼともいう。節分の夜に便所へ行くとカイナデに撫でられるといい、これを避けるには、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文を唱えればよいという。 昭和17年(1942年)頃の大阪市立木川小学校では、女子便所に入ると、どこからともなく「赤い 紙やろか、白い紙やろか」と声が聞こえてくる。返事をしなければ何事もないが、返事をすると、尻を舐められたり撫でられたりするという怪談があったという。いわゆる学校の怪談というものだが、 類話は各地に見られる。カイナデのような家庭内でいわれた怪異が、学校という公共の場に持ち込まれたものと思われる。普通は夜の学校の便所を使うことはないだろうから、節分の夜という条件が消失してしまったのだろう。 しかし、この節分の夜ということは、実に重要なキーワードなのである。節分の夜とは、古くは年越しの意味があり、年越しに便所神を祭るという風習は各地に見ることができる。その起源は中国に求められるようで、中国には、紫姑神(しこじん)という便所神の由来を説く次のような伝説がある。 寿陽県の李景という県知事が、何媚(かび) (何麗卿(かれいきょう)とも)という女性を��えたが、 本妻がそれを妬み、旧暦正月 15 日に便所で何媚を殺害した。やがて便所で怪異が起こるようになり、それをきっかけに本妻の犯行が明るみに出た。後に、何媚を哀れんだ人々は、正月に何媚を便所の神として祭祀するようになったという(この紫姑神は日本の便所神だけではなく、花子さんや紫婆(むらさきばばあ)などの学校の怪談に登場する妖怪にも影響を与えている。) 紫姑神だけを日本の便所神のルーツとするのは安易だが、影響を受けていることは確かであろう。このような便所神祭祀の意味が忘れられ、その記憶の断片化が進むと、カイナデのような妖怪が生まれてくるようである。 新潟県柏崎では、大晦日に便所神の祭りを行うが、便所に上げた灯明がともっている間は決して便所に入ってはいけないといわれる。このケースは便所神に対する信仰がまだ生きているが、便所神の存在が忘れられた例が山田野理夫『怪談の世界』に見える。同書では、便所の中で「神くれ神くれ」と女の声がしたときは、理由は分からなくとも「正月までまだ遠い」と答えればよいという。便所神は正月に祀るものという断片的記憶が、妖怪として伝えられたものといえる。また、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文も、便所神の祭りの際に行われた行為の名残を伝えて いる。便所神の祭りで紙製の人形を供える土地は多く、茨城県真壁郡では青と赤、あるいは白と赤の 男女の紙人形を便所に供えるという。つまり、カイナデの怪異に遭遇しないために「赤い紙やろう か、白い紙やろうか」と唱えるのは、この供え物を意味していると思われるのである。本来は神様に供えるという行為なのに、「赤とか白の紙をやるから、怪しいふるまいをするなよ」というように変化してしまったのではないだろうか。さらに、学校の怪談で語られる便所の怪異では、妖怪化した便所神のほうから、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」とか「青い紙やろうか、赤い紙やろうか」というようになり、より妖怪化が進ん でいったようである。こうしてみると、近年の小学生は古い信仰の断片を口コミで伝え残しているともいえる。 島根県出雲の佐太神社や出雲大社では、出雲に集まった神々を送り出す神事をカラサデという が、氏子がこの日の夜に便所に入ると、カラサデ婆あるいはカラサデ爺に尻を撫でられるという伝 承がある。このカラサデ婆というものがどのようなものか詳細は不明だが、カイナデと何か関係があるのかもしれない。 (民俗学研究所編『綜合日本民俗語彙』、大塚民俗学会編『日本民俗学事典』、『民間伝承』通巻 173号(川端豊彦「厠神とタカガミと」)ほか)
23、木まくら 展示予定場所:政助の布団の上 江東区富岡にあった三十三間堂の側の家に住んだ医師が病気になり、元凶を探した所 黒く汚れた木枕が出た。その枕を焼くと、死体を焼く���いがして、人を焼くのと同じ時間がかかったという。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
24、油赤子〔あぶらあかご〕鳥山石燕の『今昔 画図続百鬼』に描かれた妖怪。【近江国大津 の八町に、玉のごとくの火飛行する事あり。土人云「むかし志賀の里に油うるものあり。 夜毎に大津辻の地蔵の油をぬすみけるが、その者死て魂魄炎となりて、今に迷いの火となれる」とぞ。しからば油をなむる赤子は此ものの再生せしにや】と記されている。 石燕が引いている【むかし志賀(滋賀) の】の部分は、「諸国里人談』や『本朝故事 因縁集」にある油盗みの火のことである。油盗みの火とは、昔、夜毎に大津辻の地蔵 の油を盗んで売っていた油売りがいたが、死 後は火の玉となり、近江大津(滋賀県大津 市)の八町を縦横に飛行してまわったという もの。石燕はこの怪火をヒントに、油を嘗める赤ん坊を創作したようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『一冊で日本怪異文学 100冊を読む」檜谷昭彦監修『日本随筆大成編集部編
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team-ginga · 2 years ago
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映画『神々の深き欲望』
 Amazon Primeで今村昌平監督の映画『神々の深き欲望』(1968)を見ました。
 学生劇団時代の友人がLineで面白いと言っていたので見たのですが、なんだかいろいろな意味ですごい映画です。
 ネットで調べたところによると、沖縄県南大東島で行われたこの映画のロケは過酷を極めるもので、途中予算を使い果たした今村監督は金策に走り回り、自身のプロダクションを破産寸前にまで追い込んだとか。
 三國連太郎が破傷風で足を一本なくしかけたとか、今村監督は毎晩沖山秀子と同衾していたとか、言葉巧みにロケに連れて行かれた嵐寛寿郎は何度も逃げ出そうとしたが逃げられなかったとか、なんだかすごそうです。
 要するに今村昌平版『地獄の黙示録』なのかなあ。
 でも、今村昌平はコッポラより10年以上早くにそういうことをしていたわけですから、その意味でもすごいと言わざるをえません。
 物語の中心は南方の孤島クラゲ島に住むある家族ーー「じゃじゃ」と呼ばれている祖父(嵐寛寿郎)と父親(三國連太郎)とその息子(河原崎長一郎)と娘(沖山秀子)なのですが、この家族の関係がかなり複雑です。
 祖父は妻の死後、実の娘と肉体関係を持ち、三國連太郎が生まれました。三國連太郎は実の妹(松井康子)と肉体関係を持ち、河原崎長一郎と沖山秀子が生まれました。
 近親相姦を繰り返したせいかどうかはわかりませんが、沖山秀子は……その、どう言えばいいのかな……知的障害を持っているようです。
 一家はもともとは島の名家だったとのことですが、近親相姦という��ブーを犯したことで村八分にされ、島の巫女でもある松井康子は島の長(加藤嘉)の家に引き取られて長の妾になり、三國連太郎は鎖に繋がれてひたすら岩を削っています。
 何年か前、大きな岩が津波で押し上げられ、神様にお供えする大切な米を作る田んぼが埋まってしまった、岩の横に穴を掘り、そこに岩を落とすことで田んぼを復活させれば、一家は村八分を解いてもらえる、三國連太郎はそのために日がな一日岩を削っているのです。
 ね、かなり複雑な設定でしょ。でも、説明らしい説明はほとんどありません。観客は登場人物たちの間の会話の端々から物語を構築するしかありません。面倒と言えば面倒ですが、でもそこがいいとも言えそうです。
 この島の最大の産業はサトウキビで、砂糖の精製工場があります。その工場をどうするか、大きくするのか、それとも廃止するのかを決めるために本土から技師(北村和夫)がやってきます。
 島には彼より先にきた技師(小松方正)がいるのですが、この島の女と結婚してすっかり島の人間になってしまい、会社に報告を怠っていたという設定です。
 島にとって本社からやってきた技師は大切なお客様です。加藤嘉は河原崎長一郎を技師の助手に任命し、技師をもてなすために自分の妾である松井康子を「提供」しようとしますが、北村和夫は自分には本土に妻がいると言って跳ね除けます。
 しかし、なぜか沖山秀子が言い寄るとコロッと落ちてしまい、工場のことなど忘れて、三國連太郎の岩削りを手伝っています。加藤嘉に言われて村の若者たちが迎えに来ても、北村和夫は戻りません。この島には、あるいはこの島の女には魔力のようなものがあり、北村和夫も小松方正もその虜になってしまったということなのですかね。
 三國連太郎は加藤嘉の妾になっている妹であり妻である松井康子とよりを戻したいと思っています。二人は何度か村の人間に隠れて会います。それを知った加藤嘉は松井康子を折檻して、三國連太郎と会ったことを吐かせようとするのですが、その折檻の仕方がまたすごい。
 松井康子の着物の前をはだけて、その乳房を両手で潰れんばかりに強く握って問い詰めます。
 うーん、どう言えばいいんだろう……「匂い立つような」というのか「泥臭い」というのか、とにかく強烈にセクシュアリティーが感じられるシーンです。
 そうこうしているうちについに岩が穴に落ちます。三國連太郎はこれで村八分が解かれる、松井康子とよりを戻せると思っていますが、加藤嘉はにわかには首を縦に振りません。
 時を同じくして、砂糖精製工場の社長がこの島に空港(!?)を作って観光地にしようと決めます。貧しい島民たちは空港建設のために喜んで土地を売りますが、三國連太郎は売らないと言い張ります。
 ある夜、三國連太郎は加藤嘉の家の様子を窺いに行きます。加藤嘉は松井康子と肉体関係を持��ている最中です(加藤嘉の行為のサディスティックなことーーここにも匂い立つような、あるいは非常に泥臭いセクシュアリティーが感じられます)。
[この辺りからネタバレになります。未見の方はご注意を]
 加藤嘉は行為の最中急に倒れ意識を失います。腹上死したということなのでしょうね。三國連太郎は松井康子を連れて、無人島へ行って二人で暮らすために小さな船を漕ぎ出します。
 ところが、加藤嘉の妻(彼には妾もいますが老妻もいるのです。演じるは原泉ーーぴったりですね)は村人に加藤嘉は三國連太郎に殺されたと嘘を吐きます。村人たちは船で三國連太郎を追います。彼らの中には三國連太郎の息子である河原崎長一郎もいます。
 追いつくと村人たちは一斉に仮面を被ります。仮面を被ったままオールで三國連太郎を殴りつけ、海に落としてサメに食わせ、船に残っていた松井康子を赤い帆を張った帆柱に縛り付け、海に放置します。
 ここもなんだかすごい場面です。
 一方、技師の北村和夫は本社の圧力に負けて本土に帰ってしまいます。沖山秀子は本当に北村和夫のことが好きだったのか、岬の突端から海を眺め、戻ってくるはずのない北村和夫をずっと待っています。
 そこからエピローグーー話は5年後に飛びます。
 島はすっかり……というほどではないでしょうが、5年前に比べると見違えるほど近代化しており、港ではコカコーラを売っています(この映画は3時間あるので、途中で休憩が入ります。休憩直前に島の暑さに耐えかねた北村和夫が「スカッと爽やかコカコーラ」とやけになって叫ぶシーンがあるのですが、それと呼応するシーンというべきでしょう。コカコーラは都会の、島の外にある近代の象徴というわけですね)。
 本社から社長たちがやってきます。その中には北村和夫や彼の妻もいます。北村和夫は島での出来事や沖山秀子のことなど完全に忘れた様子で、すっかり「本土の人間」に戻っています。
 河原崎長一郎は三国連太郎の死後、北村和夫の口利きで東京に行ってしばらく働いていたようですが島に戻って、新たに導入された蒸気機関車の運転手をしています。
 彼が運転する蒸気機関車に乗り込んだ社長一行にコカコーラ売りの女(だと思います)が島の説明をします。
 曰くーーその昔、この島は二人の神がまぐわってできた。二人の神は今でも赤い帆を張った小舟に乗って海をさすらっている。
 また、その昔、一人の女が愛する男をずっと待っていた。その女は石になって、海に突き出す小さな岬となった。
 5年前に実際に起きたこと、我々観客がつい先ほどスクリーンで見たことが、島の人々にとってはすでに昔々のこと(=神話)になっているということでしょうか。
 それを聞いた北村和夫は素知らぬ顔をして「島の人間は無知だから」と妻や社長に言います。
 一方、運転士の河原崎長一郎は機関車の行く手に沖山秀子の幻影を見て、慌てて急ブレーキをかけます。
 ね、すごい映画でしょ。
 好きかと言われるとちょっと答えに窮します。
 共感できるかと言われると全くできません。
 この映画が日本土着の神話的世界を描いているというのはわかります。でも、沖山秀子がイノセンス(無垢)の象徴だというのは、個人的には受け入れ難いものがあります。
 白痴=聖性=イノセンス(無垢)という図式があることはもちろん知っています。でも、三國連太郎や河原崎長一郎に「耳が痒い」、「掻いて」と行って地面をのたうち回る(そんなシーンがあるのです)女、島の若者たちが「夜這い、夜這い」と歌いながらやってくる(そんなシーンがあるのです)のを歓迎して胸をはだけ腰を揺らす女が無垢だと言われてもなあというのが、私の率直な思いです。
 物語を読む喜び、映画や芝居を見る悦びには、未知のものを知る喜びと既知のものを再認識する喜びの2種類があります。
 私にとってこの映画は完全に「未知なるもの」を教えてくれるものです。
 1ミリも共感はできないし、ああいう世界に生きるのは嫌だとさえ思いました(私は良くも悪くも都会で生まれ都会で育った人間ですから、ああいう田舎には住めません)が、なんだかすごいものを見たような気になりました。
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taichish · 4 years ago
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好きな映画全部
インターステラー
寄生獣
LIFE!
パルプ・フィクション
インセプション
ファイトクラブ
渇き。
ゼロ・グラビティ
レ・ミゼラブル
ダークナイト
ショーシャンクの空に
セブン
ホーム・アローン
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
風立ちぬ
プリズナーズ
地獄でなぜ悪い
レオン
千と千尋の神隠し
リトル・ミス・サンシャイン
ジャージー・ボーイズ
ソーシャル・ネットワーク
アルゴ
それでも夜は明ける
キック・アス
ダラス・バイヤーズクラブ
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
ホーム・アローン2
ホーム・アローン3
塔の上のラプンツェル
ダークナイト ライジング
ディパーテッド
桐島、部活やめるってよ
かぐや姫の物語
イエスマン “YES”は人生のパスワード
英国王のスピーチ
イングロリアス・バスターズ
ドラゴン・タトゥーの女
ロード・オブ・ザ・リング三部作
白ゆき姫殺人事件
トイ・ストーリー3
モンスターズ・ユニバーシティ
トレインスポッティング
シン・シティ
となりのトトロ
ゴッドファーザー
マルコヴィッチの穴
ホビット三部作
リアリティのダンス
レザボア・ドッグス
ファインディング・ニモ
ノーカントリー
127時間
Mr.インクレディブル
スター・トレック
ヒックとドラゴン
ザ・タウン
レイダース/失われたアーク《聖櫃》
シュガー・ラッシュ
モンスターズ・インク
トイ・ストーリー
レミーのおいしいレストラン
ローン・レンジャー
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
トイ・ストーリー2
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
アラジン
ウォーリー
ライオン・キング
シュレック
フランケンウィニー
カーズ
バグズ・ライフ
プリンセスと魔法のキス
ナショナル・トレジャー
Disney's クリスマス・キャロル
ファンタジア
カーズ2
リロ&スティッチ
ロジャー・ラビット
スラムドッグ$ミリオネア
ジャンゴ 繋がれざる者
ソウ
マイティ・ソー
ウォ��チメン
her/世界でひとつの彼女
アメイジング・スパイダーマン2
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
X-MEN:フューチャー&パスト
青天の霹靂
スタンド・バイ・ミー
月に囚われた男
銀河ヒッチハイクガイド
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
LOOPER/ルーパー
凶悪
ジュラシック・パーク
ハート・ロッカー
クラッシュ
ミリオンダラー・ベイビー
ディア・ハンター
スティング
西部戦線異状なし
ファーゴ
インサイド・ルーウィン・デイヴィス
バーバー
ビッグ・リボウスキ
ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!
グランド・ブダペスト・ホテル
パシフィック・リム
アイアンマン3
ハリー・ポッターと賢者の石
スノーピアサー
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シャッター アイランド
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
アイアンマン
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ウルヴァリン:SAMURAI
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キル・ビル
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アイアンマン2
バイオハザード
ミッション:8ミニッツ
宇宙人ポール
ターミネーター2
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ゾンビランド
硫黄島からの手紙
ボーン・アイデンティティー
プロメテウス
死霊館
ターミネーター
ナルニア国物語:第1章/ライオンと魔女
2001年 宇宙の旅
トランスフォーマー/リベンジ
21ジャンプストリート
セント・オブ・ウーマン/夢の香り
グッドフェローズ
ローマの休日
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宇宙戦争
ゾディアック
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ジョーズ
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コンテイジョン
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
エイリアン
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
マイ・ブラザー
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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
トロピック・サンダー/史上最低の作戦
バットマン リターンズ
悪魔のいけにえ
ターミネーター3
アイアン・ジャイアント
ザ・ファイター
インシディアス
3時10分、決断のとき
プレデター
ジュラシック・パークIII
激突!
アメリカン・グラフィティ
ダーティハリー
タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密
THE 4TH KIND フォース・カインド
AVP エイリアンVS.プレデター
スパイキッズ3-D:ゲームオーバー
デッド・サイレンス
独裁者
市民ケーン
イーグル・アイ
テキサス・チェーンソー
ゴーストシップ
マン・オン・ザ・ムーン
ワイルドバンチ
地獄の黙示録
アンヴィル!夢を��めきれない男たち
くまのプーさん (2011)
エイリアン2
ボラット:栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
ハロウィン(ロブ・ゾンビ版)
ポセイドン
プレデター2
リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
トレジャー・プラネット
ピンクパンサー (2006)
ハワード・ザ・ダック 暗黒魔王の陰謀
ライオン・キング3/ハクナ・マタタ
ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
ショーン・オブ・ザ・デッド
ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
バイオハザード II アポカリプス
ディセント
ウォレスとグルミット、危機一髪!
ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!
崖の上のポニョ
容疑者Xの献身
リアル 完全なる首長竜の日
ポテチ
歩いても 歩いても
ゴジラ
スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
ワンダフルライフ
仁義なき戦い
機動警察パトレイバー2 the Movie
機動警察パトレイバー THE MOVIE
ホーホケキョ となりの山田くん
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
殺人の追憶
少林サッカー
コーヒーをめぐる冒険
カポーティ
MUD -マッド-
トゥモロー・ワールド
96時間
現金に体を張れ
フォックスキャッチャー
はじまりのうた
クロニクル
ミッキーのクリスマス・キャロル
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
奇跡
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT
狼の死刑宣告
ブギーナイツ
アメリカン・スナイパー
ワイルド・スピード EURO MISSION
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
22ジャンプストリート
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
セッション
インヒアレント・ヴァイス
素晴らしき哉、人生!
プールサイド・デイズ
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ザ・レイドGOKUDO
キッズ・リターン
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アウトレイジ ビヨンド
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十三人の刺客
シンデレラ
バック・トゥ・ザ・フューチャー
エターナル・サンシャイン
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
マッドマックス 怒りのデス・ロード
インサイド・ヘッド
ナイトクローラー
ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE2
フロム・ダスク・ティル・ドーン
アントマン
続・荒野の用心棒
ゾンビ
ミーン・ストリート
悪の法則
茄子 アンダルシアの夏
バクマン。
野いちご
ヴィジット
食人族
グリーン・インフェルノ
ダイ・ハー��
007 カジノ・ロワイヤル
007 慰めの報酬
007 スカイフォール
知らない、ふたり
イントゥ・ザ・ワイルド
サイコ
残穢 -住んではいけない部屋-
サウルの息子
鬼談百景
オデッセイ
スティーブ・ジョブズ
恋人たち
ババドック 暗闇の魔物
ヘイトフル・エイト
デスプルーフ in グラインドハウス
横道世之介
冷たい熱帯魚
メガマインド
ビースト・オブ・ノー・ネーション
イコライザー
ドライヴ
[リミット]
マジカル・ガール
スポットライト 世紀のスクープ
ボーダーライン
バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
ズートピア
モヒカン故郷に帰る
ブロンソン
レヴェナント 蘇えりし者
ハロウィン(オリジナル)
ヘイル,シーザー!
アイアムアヒーロー
ディストラクション・ベイビーズ
ヒメアノ~ル
海よりもまだ深く
晩春
クリーピー 偽りの隣人
FAKE
10クローバーフィールド・レーン
エクス・マキナ
死霊館 エンフィールド事件
用心棒
シン・ゴジラ
もらとりあむタマ子
シング・ストリート 未来へのうた
ジャングル・ブック
スキャナー・ダークリー
エンド・オブ・ウォッチ
ナイスガイズ!
ハドソン川の奇跡
怒り
真夏の方程式
永い言い訳
オーバー・フェンス
SCOOP!
ソーセージ・パーティー
アウトロー
ぼくのおじさん
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命
最後の追跡
葛城事件
ダゲレオタイプの女
淵に立つ
無垢の祈り
CURE
GO
回路
ソドムの市
エブリバド・ウォンツ・サム!!
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
ロッキー
ロッキー2
ロッキー3
ロッキー・ザ・ファイナル
アメリカン・スリープオーバー
将軍様、あなたのために映画を撮ります
ミラーズ・クロッシング
アンジェラの灰
トーキョードリフター
アンタッチャブル
パッチギ!
沈黙ーサイレンスー
はなればなれに
くもりときどきミートボール
クリード チャンプを継ぐ男
福福荘の福ちゃん
お嬢さん
鉄男 TETSUO
その男、凶暴につき
アシュラ
哭声/コクソン
ダンボ
ピノキオ
ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日
キングコング:髑髏島の巨神
SING/シング
ムーンライト
牯嶺街少年殺人事件
64 -ロクヨン-
T2 トレインスポッティング
夜は短し歩けよ乙女
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.2
映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
マンチェスター・バイ・ザ・シー
美女と野獣
NINIFUNI
スプリット
昼顔
ラース���その彼女
リング
ヴィンセントが教えてくれたこと
パーソナル・ショッパー
岸辺の旅
ジョン・ウィック:チャプター2
キング・オブ・コメディ
ハウルの動く城
戦争のはらわた
ワンダーウーマン
イップ・マン 序章
はじまりへの旅
仁義なき戦い 広島死闘編
マングラー
20センチュリー・ウーマン
人生タクシー
ミラクル7号
人魚姫
カンフー・ハッスル
西遊記~はじまりのはじまり~
私はゾンビと歩いた!
マイティ・ソー/バトルロイヤル
IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
彼女がその名を知らない鳥たち
スリー・ビルボード
青春の殺人者
ノッティングヒルの恋人
霊的ボリシェヴィキ
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
ぼくの名前はズッキーニ
羊の木
シェイプ・オブ・ウォーター
先生を流産させる会
おかえり
どこまでもいこう
誰も知らない
ノクターナル・アニマルズ
蛇の道
タイタニック
ゲット・アウト
レディ・プレイヤー1
予兆 散歩する侵略者
旧支配者のキャロル
ちはやふる3部作
泳ぎすぎた夜
君の名前で僕を呼んで
幼な子われらに生まれ
太陽がいっぱい
Wの悲劇
ゲティ家の身代金
ピーターラビット
デッドプール2
フロリダ・プロジェクト
緑色の部屋
HYSTERIC
雷魚
デトロイト
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
ファントム・スレッド
海を駆ける
レディ・バード
やくたたず
ウインド・リバー
赤ちゃん泥棒
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
ミッション:インポッシブル/フォールアウト
検察側の罪人
きみの鳥はうたえる
寝ても覚めても
ラッキー
パリ、テキサス
イレイザーヘッド
エレファントマン
インランド・エンパイア
ゼイリブ
大いなる幻影
アンダー・ザ・シルバーレイク
灰とダイヤモンド
ザ・マスター
1987、ある闘いの真実
教誨師
遊星からの物体X
パリの恋人たち
893愚連隊
仕立て屋の恋
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
アレクサンダーの、ヒドクて、ヒサンで、サイテー、サイアクな日
マンディ 地獄のロード・ウォリアー
blue
新宿乱れ街 いくまで待って!
A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
鉄西区
それから
白夜
ヘレディタリー/継承
ジャイアンツ
恐怖の報酬(フリードキン)
スウィートホーム
バムソム海賊団、ソウル・インフェルノ
蜘蛛の巣を払う女
ストライキ
女優霊
サスペリア
ランボー
NAGAHAMA/八月八日
ファースト・マン
ちいさな独裁者
女王陛下のお気に入り
悪夢の香り
バーニング 劇場版
メリー・ポピンズ
アクアマン
わらの犬
大統領の陰謀
グリーンブック
運び屋
スパイダーマン:スパイダーバース
ウィッカーマン
ラブホテル
水で書かれた物語
手をつなぐ子ら
キャプテン・マーベル
暗殺の森
八つ墓村
Seventh Code
13回の新月のある年に
マルタ
ブラック・クランズマン
ドゥ・ザ・ライト・シング
ウォルト・ディズニーの約束
ダンボ(ティム・バートン)
生きてるだけで、愛。
赤い暴行
ワイルドツアー
E.T.
アベンジャーズ/エンドゲーム
北野武、神出鬼没
不滅の女
ヨーロッパ横断特急
THE COCKPIT
囚われの美女
麻雀放浪記2020
トウキョウソナタ
Guava Island
任侠ヘルパー
LOFT
日日是好日
ドッペルゲンガー
ローズマリーの赤ちゃん
リング2
回転
男と女 人生最良の日々
セインツ -約束の果て-
きみと、波にのれたら
ハウス・ジャック・ビルト
ニンゲン合格
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
アンダルシア 女神の報復
蜘蛛の瞳
さらば愛しきアウトロー
シークレット・サンシャイン
ブルース・ブラザース
ブンミおじさんの森
生気の光
アルキメデスの大戦
絞殺魔
リュミエール!
デス・レース2000年
スイス・アーミー・マン
さらば、わが愛 覇王別姫
ベニスに死す
渚のシンドバッド
ドント・ウォーリー
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト
未知との遭遇
あの店長
ミッドナイト・トラベラー
インディアナ州モンロヴィア
クロール -凶暴領域-
サタンタンゴ
イエスタデイ
ノスタルジア
サクリファイス
ガリーボーイ
ポリス・ストーリー 香港国際警察
救いの接吻
象は静かに座っている
ワイルドライフ
ルナシー
幸福なラザロ
COLD WAR あの歌、2つの心
アイリッシュマン
ゾンビランド:ダブルタップ
コマンドー(日本語吹替版)
突然炎のごとく
ブラザー・ベア
こおろぎ
女の中にいる他人
雪の断章ー情熱ー
哀しき獣
裸の町
マリッジ・ストーリー
暴力行為
6アンダーグラウンド
静かについて来い
この世界の(さらにいくつもの)片隅に
クレイマー、クレイマー
卒業
その女を殺せ
女が階段を上る時
フォードvsフェラーリ
書を��てよ町へ出よう
続・激突!カージャック
グエムル -漢江の怪物-
動くな、死ね、甦れ!
初恋
山の焚火
ピクニック
かくも長き不在
炎628
私はモスクワを歩く
凪待ち
火口のふたり
50/50 フィフティ・フィフティ
FRANK -フランク-
ロスト・エモーション
仮面/ペルソナ
パディントン
ドニー・ダーコ
第三の男
ミッション:インポッシブル
海炭市叙景
女は女である
フライト
スプリング・ブレイカーズ
スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団
ソナチネ
ハクソー・リッジ
幻の光
ビトウィーン・トゥ・ファーンズ:ザ・ムービー
ゲームの規則
冬冬の夏休み
夏をゆく人々
デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!
吸血鬼(カール・ドライヤー)
ようこそ、革命シネマへ
戦場のメリークリスマス
フレンチ・コネクション
フランケンシュタイン
ビッグ・フィッシュ
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
死霊のえじき
許された子どもたち
グッド・ボーイズ
キートンの大列車追跡
CLIMAX クライマックス
四季~ユートピアノ
自転車泥棒
透明人間(リー・ワネル)
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
嵐電
フランケンシュタインの花嫁
謎のストレンジャー
DISTANCE
ナイブズ・アウト
タンポポ
無言歌
新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争
極道戦国志 不動
DEAD OR ALIVE 犯罪者
ディア・ホワイト・ピープル
自由への闘い
ドイツ零年
サハラ戦車隊
アンジェリカの微笑み
ラ・ジュテ
スワロウテイル
バスターのバラード
ヒトラーの狂人
脱出
マン・ハント
れいこいるか
マトリックス
ハッピーアワー
ラストレター
ケス
ハスラーズ
コロッサル・ユース
レ・ミゼラブル(ラジ・リ)
何も変えてはならない
外套と短剣
ある女優の不在
豹/ジャガー
殺しが静かにやって来る
オープニング・ナイト
海辺のポーリーヌ
満月の夜
緑の光線
友だちの恋人
ひかりの歌
欲望の翼
ペイン&ゲイン
デンジャラス・プリズンー牢獄の処刑人ー
ブルータル・ジャスティス
鉱 ARAGANE
ヘンリー
フリークス
エヴァの匂い
5時から7時までのクレオ
鵞鳥湖の夜
マリアンヌ
ロシュフォールの恋人たち
PERFECT BLUE
トマホーク ガンマンvs食人族
セノーテ
ヴィタリナ
御用牙 かみそり半��地獄責め
暖流
アンダー・ザ・スキン 種の捕食
悪人伝
しとやかな獣
アニエスによるヴァルダ
幸福(しあわせ)
ジャック・ドゥミの少年期
ムクシン
日子
グッド・タイム
アナトリア・トリップ
楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家
女体
ノー・データ・プラン
サッド ヴァケイション
サンダーロード
アンセイン 狂気の真実
アニエスv.によるジェーンb.
ユリイカ
ロケーション
血を吸うカメラ
喜劇 女は度胸
喜劇 男は愛嬌
オフィシャル・シークレット
TOURISM
ゲンセンカン主人
オン・ザ・ロック
ブックスマート
ワンダーウーマン1984
リバー・オブ・グラス
続ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画
シカゴ7裁判
マザーレス・ブルックリン
ペイン・アンド・グローリー
マーティン・エデン
ウェンディ&ルーシー
風の中の牝鶏
1917 命をかけた伝令
秋刀魚の味
小早川家の秋
ザ・ライダー
赤ひげ
椿三十郎
酔いどれ天使
JSA
ロスト・イン・ラマンチャ
mid90s
息を殺して
KIDS
新しき世界
細い目
ナイト・スリーパーズ
アーリーマン
シチリアーノ 裏切りの美学
ほえる犬は噛まない
子猫をお願い
幸せへのまわり道
花束みたいな恋をした
トキワ荘の青春
はちどり
14 notes · View notes
trinityt2j · 4 years ago
Quote
ダ-ティ・松本 不健全マンガ家歴30年[-α]史 ●はじめに  この文章は同人誌「FUCK OFF!7」において書かれたものをベースにして逐次増補改定を加えていき、いずれ歴史の証言として、[というほど大袈裟なものでは無いが…]一冊の本にまとめたいという意図のもと、近年どんどん脳が劣化していくダ-松の覚え書きとしても使用の予定。事実関係は間違いに気付き次第 訂正。同人誌発表時のものも今回自粛配慮して、実名、エピソード等を削除した箇所有り。有り難い事に某出版社よりすでに出版打診があったがまだまだその時期ではない、マンガを描く事が苦痛になったら活字の方も気分転換にいいかも…。 /*マークは今後書き加える予定のメモと心得たし。 ●前史/修行時代・1970 さいとうプロの短くて濃い日々……  1968年に上京。数カ月後東京は戦場に。熱い季節の始まりだった。 2年後親元を飛び出し友人のアパートに転がり込む。場所は渋谷から井の頭線で駒場東大駅下車、徒歩5分。地図で見ると現在の駒場公園あたり。昼間でも裸電球を付けなければ真っ暗という馬小屋のような部屋。数メートル先には当時の建設大臣の豪邸が…。前を通りかかるだびに警備のおまわりがじろり。  いつまでも友人に迷惑もかけられないのでとりあえずアシスタントでも…と手元にあったマンガ誌をひっくり返し募集を探す。幸いさいとうプロと横山まさみち氏のところでアシ募集があり両方応募。どっちか一つ通れば…と思っていたら何と両方受かってしまい、双方に条件を聞く。当時高円寺 のアパート、風呂無し4畳半の部屋で相場12000円の時代。前者一ケ月の給料10000円、後者20000円との事。給料の方がボロアパートの家賃より安いとは…!どう考えても前者は食う方法がないと判断し、後者さいとうプロへ入社。  ここに居たのはたったの半年に過ぎないけれど今思えばこれだけで本が一冊描ける位の濃い半年だった。しかしこのあと2X年分も書かねばならないことを思えば今回はいくつかのエピソードを書くだけに留めよう。  ダー松が入った時は小池一夫氏[クビ?]、神田たけ志氏や神江里見氏、きしもとのり氏[現・松文館社長]等と入れ替わりの時で、きし氏の女遊びの凄さと神江氏の絵のうまさは伝説になっていた。現在「亀有」「ゴルゴ」が歴代単行本の巻数の多いベスト1、2位だが[ともに100巻を越えた]、3位は神江氏の「弐十手物語」[70巻以上]だという事は知ってる人は少ないだろう。  当時の制作部は、さいとうたかを[以下ゴリ]をトップに石川班[ゴルゴ13、影狩り]、甲良班[バロム1]、竹本班[シュガー、どぶ等]の3つに分かれ、それぞれのキャップにサブ・チーフが一人づついて、ヒラが2~6人いるというシステムで総16名。独立し現在も活躍中の叶精作、小山ゆう、やまさき拓味の3名がそれぞれの班のサブ・チーフ。ダー松は石川班で左右1メートル以内に叶氏とゴリにはさまれ、のんびり出来ない状態で、はなはだ窮屈。叶氏はほとんどマンガ家になりたいとも思った事のなかった人で、設計事務所みたいなところで図面を引いていた人がなぜマンガプロダクションに来たのか不思議だった。格別マンガ好きというわけでもなかったせいか現在まで全ての作品が原作もので、オリジナルは一本もないのはそのせい?祭りなどの人がうじゃうじゃ出てくる群集場面が得意。 やまさき氏は大の競馬好き、現在競馬マンガを多く描くのは当時からの趣味が生きたというべきか。もう一つの趣味である風俗についてはここでは書くのは差し控えよう。小山氏は後日ここの事務の女性と結婚するが、当時はつき合っているとは誰も知らず、スタッフの一人がやめる時その女性に交際を申し込んだら、茶店に呼び出されて小山氏からと凄まれたと聞いたが嘘か本当かは不明。  ここでの生活は新入り[ダー松を含めて3名]は朝の9時前に会社に行き、タイムカードを押し、前日のごみをひとまとめして外に出し、トイレ掃除をして、16人分のお茶を2Fで入れて制作部のある3Fへの狭い階段をふらふら昇り、机ごとに置いて歩き、終れば、一息ついて買っておいたパンと牛乳を3分で食べて、やっとそれから仕事。しかし新入りの3名の内1人折茂は常に遅刻なのでいつも佐藤と2人でやっていた。佐藤も遅れる時はダー松1人で。辞めてから10年位、16人分のお茶を持って階段をふらふら歩きお盆をひっくり返す夢をよく見たものだが、実際ひっくり返したのは折茂と佐藤の2人で、よく茶碗を割っていた。 たまには夕方6時には帰れるが、普通は夜10時までで、アパートに帰って銭湯に行けばもう明日にそなえて寝る時刻、このくり返しの日々。週1日は徹夜で明け方に帰り、その時は当日の昼12時出勤。休日は日曜日のみで忙しい時はそれも取り消し。つまり休みは月3日。[これで給料2万円!]そんな日々の繰り返し。  夕方までは皆和気あいあいと仕事していたが、ゴリが夕方6時頃に「おはようさん」と現れると、全員無駄口がたたけなくなり、仕事場はシーンと静まり返り、以下その日が終わるまでは疲れる時間がただひたすら流れるのみ。 当時石川班は「ゴルゴ13」と「影狩り」を描いていたがゴリは主人公の顔と擬音のみ。マジックで最後に入れる擬音はさすがに入れる位置がうまいと感心。ゴルゴの顔はアルバムに大小取り混ぜてコピーがとってあり、忙しい時は叶氏がピンセットで身体に合わせて「これが合うかな~」といった感じで貼り付けていた。  その頃すでに「ゴルゴ」は近々終わると噂されていたが、現在もまだ続いているとは感嘆ものだ。 ゴリと石川氏が「ゴルゴ」の最終回の終わり方を話しているのを聞いたら、何ともつまらない終わり方。しかしあれから20年以上も経つ事だし、きっともっといい終わり方を考えてあるだろうなと思っていたら、先日TVで本人が最初から考えてある終わり方だと言うのを聞き、がっくり。企業秘密だろうから書かないが、作品の最初の方に伏線が数度出ているのでわかる人にはすぐわかる筈。  辞めた小池一夫氏とさいとうプロに何があったかは知らないが、漏れ聞く話では結構もめ事があったみたいだ。 「子連れ狼」で「ゴルゴ13」と同じ設定の回があった時、「小池のガキャー訴えたる���!」とゴリが吠えていたものだが、結局たち消え。さいとうプロ作品で脚本を書いた本人が辞めた後、他の作品で同趣向の作品を書いても著作権は脚本を書いた原作者のものだと思うがどんなものだろう。その回のタイトルは忘れたが、ある場所に居合わせた人々が武器を持った集団の人質となり、その中に素人だと思われていた主人公、実は殺しのプロフェッショナルがいて、次々とその集団を殺していく、といったプロットで、ミッキー・スピレーンの短編に同じような作品があり、本当に訴えていたら恥をかいたと思うが・・・。  そういえば事務の方には山本又一郎という男がいたが、後年映画プロデューサーとして 「ベル薔薇」や「太陽を盗んだ男」等を創る事になるが、この野郎が生意気な男で当時皆に対して10歳は年上、といった感じの振る舞いだったが後日俺と一つしか年が離れてなかった事を知り、そんな若造だったとは、と皆怒ったものだ。以来奴の事を「マタさん」から「クソマタ」と呼ぶようになる。  さて半年後に先輩たちが積もり積もった不満を爆発させる反乱事件が勃発し、2年は居るつもりでいたここでの生活も、辞めるか残るかの選択を迫られる。残ればさいとうプロの現体制を認める事となるので、ダー松も退社。 しかし反乱グループとは別行動をとって一人だけの肉体労働のアルバイター生活へ突入。超ヘビーな労働の製氷工場、人使いの荒い印刷所、命綱もない高所の足場で働く建設現場等々。トラックの助手をしていた時は運ちゃんが「本宮ひろしって知ってるか?うちの息子の友達でさぁ、昔、おっちゃんメシ食わしてくれーなんて言ってきたもんだが、今は偉くなっちゃってさー、自分のビル建てたらしいよ。赤木圭一郎みたいにいい男なんだ。」とうれしそうに話してくれたが、運ちゃんには悪いがそいつは今も昔も一番嫌いなマンガ家なんだ。あの権力志向はどうにかならんか。天下を取る話ばかりだもんなぁ。  ところで後日、単行本の解説で高取英が「さいとうたかをのヤローぶっ殺してやる!」とダー松が言ったなどと書いているが、小生はそんな危ない事言った覚えはないのでここできっちり訂正しておきます。 「会社に火ィつけてやる!」位は言ったかも・・・[嘘] 。 悪口は言っても別に怨みなど無い。ところでアシスタントとしてのダー松は無遅刻、無欠勤以外は無能なアシだったと反省しきり。理想的なアシスタントとはどんなものか、それはまた別の機会に。 *入社試験はどんな事を? *さいとうプロには当時ほとんどろくな資料は無かった? *ハイジャックの回の飛行機内部の絵は、映画「大空港」を社内カメラマンが映画館で写してきたものをもとに描く。 *当時のトーンは印刷が裏面にしてあり上からカッターでけずったり出来ない。 *トーンの種類は網トーンが数種、それ以外はほんの3、4種類位しかなかった。 *仕事中のB.G.M.はアシの一人が加山雄三ばかりかけるので大ひんしゅく。好評だったのは広沢虎造の浪曲「次郎長三国志」、初代桂春団次の落語。眠気もふっとぶ位笑えた。 ダ-松が岡林信康の「見る前に跳べ」をかけてるとゴリは「何じゃー!この歌は!」と怒る。名曲「私たちの望むものは」はこの男には理解不能。 ●1 9 7 1 ~ 1 9 7 4  持 ち 込 み & 実 話 雑 誌 時 代    当時は青年劇画誌全盛時代で、もともと望月三起也氏や園田光慶氏のファンで活劇志向が強く、 主にアクションもののマンガを描いて持ち込みに行っていた。今のようにマンガ雑誌が溢れかえって、山のようにマンガ出版社がある時代ではなく、数社廻るともう行くところがない、という状態で大手では「ビッグコミック」があっただけで 「モーニング」も「スピリッツ」も「ヤン・ジャン」も当然まだない。テーマを盛り込んだ作品を持って行くと編集から「君ィ、うちは商売でやっているんだからねぇ」と言われ、アクションに徹した作品を持って行くと「君ぃ、ただおもしろいだけじゃあねぇ」と言われ 「おい、おっさん!どっちなんだ?」とむかつく事多し。この辺の事は山のように書く事があるが、有りすぎるのでパス。 *そのうち書く事にする。  ただ金属バットで頭をカチ割って脳みそをぶちまけてやりたいような奴が何人もいたのは事実。今年[’97]「モーニング」に持ち込みに行って、断られた奴が何万回もいやがらせの電話をかけて逮捕された事件があったが、そのうちトカレフを持って殴り込みに行く奴が出てくるとおもしろい。出版社も武装して大銃撃戦だぁ!などと馬鹿な事書いてどうする!とにかく持ち込みにはいい思い出が何もない。そんな中、数本だけ載った作品は渡哲也の映画「無頼」シリーズの人斬り五郎みたいな主人公がドスで斬り合う現代やくざもの[この頃の渡哲也は最高!]、ドン・シーゲルの「殺人者たち」みたいな二人組の殺し屋を主人公にした『汚れたジャングル』、陽水の「傘がない」が好きだという編集さんの出したテーマで車泥棒とブラックパンサーの闘士とのロード・ムービー風『グッバイ・ブラザー』、拳銃セールスマンを主人公にした『ザ・セールスマン』、等々10本ちょい位。  さてその頃並行してまだエロマンガ専門誌といえるようなものがなかったような時代で、実話雑誌という写真と記事ページからなる雑誌に4~10ページ位を雑誌の味付けとして描かせてもらう。当時、お手本になるようなエロマンガなど皆無で、エロ写真雑誌を古本屋で買ってきてからみのポーズを模写。マンガで裸を描く事はほとんど初めてで、これがなかなか難しいのだがエロシーンを描くのは結構楽しい。当時出版社に原稿持って行き帰りにグラフ誌をどっともらって帰るのが楽しみだった。SM雑誌の写真ページも参考になる。なお当時のペンネームは編集部が適当につけた池田達彦、上高地源太[この名前はいけてます。また使いたい]等。その数年後、逆にマンガが主で記事が味付けというエロマンガ誌が続々と創刊される。 *さいとうプロをやめたあと編集や知人に頼まれて数人のマンガ家の所へ手伝いに行く。秋田書店「漫画ホット」で『ジェノサイド』を連載中の峰岸とおる氏の所へ行き、仕事が終わったあとまだ売れてない頃の榊まさる氏も交え酒を飲む/川崎のぼる大先生のところへ数日だけ/3000円たこ部屋/小山ゆうオリオンププロ *当時のアルバイトは記憶によると時給150~200円位/大日本印刷市ヶ谷駐屯地/坂/ *一食100円/どんなに貧しい漫画家もみかん箱の上で書くやつはいない/TV萩原サムデイ *ろくでなし編集者 ●1 9 7 5 ~ エ ロ マ ン  ガ 誌 時 代 に 突 入   実話誌は意外とエロは抑え目で描くように口すっぱく言われていたのだが、以前活劇っぽい作品を描かせてもらってたが潰れてしまった出版社にいた児島さんが編集する「漫画ダイナマイト」で打合せも何にもなしに好きに描かせてもらい、ここでエロマンガ家としての才能[?]が開花する。描いてて実に楽しく眠る時間がもったいない位で、人に睡眠時間が必要な事を恨んだ程。出来る事なら一日中休まず描いていたい気分で完全にはまってしまう。  初の連載作品「屠殺人シリーズ」はこの頃から/『漫画ポポ』。中島史雄氏は大学時代にこの作品を見ていたとの事で、トレンチコートにドクター・ペッパー模様のサイレンサーつきマグナム銃で遊戯人・竜崎一也が犯しまくり殺しまくり、サディスト、マゾヒスト、殺人狂、まともな奴が一人も出てこない性と暴力の祭典。ちなみにタイトルページは描かないでいい、との事でどうするのかと思っていたら編集部が中のワンカットを拡大してタイトルページを創り、1ページぶんの原稿料をけちるというせこいやり方だった。けちるといえば、原稿の1/3にCMを入れる際、原稿料を1/3削った会社もあり。 ●1 9 7 6 ~   後に発禁仲間となる高取英と出逢い、『長編コミック劇場』で「ウルフガイ」みたいのをやろうと、怒りに震えると黒豹に変身してしまう異常体質の主人公を設定し、獣姦のイメージで「性猟鬼」なるエロマンガをスタート!しかしその号で雑誌が潰れる。この路線は今でもいけそうな気がするがどんなものだろう。  この頃の珍品に「��楽痴態公園」がある。タイガースに11-0とワンサイドで打ちまくられ、怒ったジャイアンツファンのおっさんが公園でデート中の女をずこずこに犯りまくり、その間にジャイアンツは9回裏に12-11とゲームをひっくり返してしまうのである!その時のジャイアンツの監督はもちろんミスター長嶋、先発堀内、打者は柴田、土井、高田、王、張本等々がいる。タイガース監督は吉田、ピッチャー江本、キャッチャーフライを落球する田淵、そしてあの川藤もいる。解説は牧野…… ●1 9 7 7 ~   上記2作品を含む初の単行本「肉の奴隷人形」が久保書店より発行。後にリングスの会場で逢った佐竹雅昭氏はこの本が一番好きとの事だった。  「闇の淫虐師」もこの年スタート。一話完結でバレリーナ、バトンガール等々、毎回いろんな女たちをダッチワイフのごとくいたぶりまくるフェチマンガとして1979年まで続け、単行本は「堕天使女王」「裂かれた花嫁」「エロスの狂宴」「陶酔への誘い」「終りなき闇の宴」の全5巻。ちなみに今年「闇の淫虐師’97」を『コミック・ピクシィ』にて発表。いつか『闇の淫虐師・ベスト選集』でも出したいところ。 [’98に実現、’99には続刊が出る] ●1 9 7 8 ~   久保書店より第2弾の単行本「狂った微惑人形」。収録作品の「犯された白鳥」は持ち込み時代に描いた初のバレリーナもの。結構気に入っていた作品なのに、後年再録の際、印刷所の掃除のおばさんが捨ててしまい、この世にもはや存在しない不幸な子となる。[’99に宝島スピード・ブックに本より直接スキャンして収録]  エロ、グロ、ナンセンスの会心作「恍惚下着専科」を発表。サン出版より同名の単行本発行。また同出版より「コミック・ペット/堕天使画集」として今までの作品を続々単行本化。全10巻位。これは今でも古本屋で流通しているとの事で、まだまだ世間様のお役にたっているらしい。  この年、「堕天使たちの狂宴」を描いていた『漫画エロジェニカ』が発禁処分、来年でもう20年目となる事だし、当時の人たちと集まってその大放談を収録し「発禁20周年特集号」でも創ってみようかと計画中。さて当時の秘話としてもう時効だろうから書いてみるけど、前述の『堕天使画集』に「堕天使たちの狂宴」は収録される事となり、当然修正をガンガン入れて出版されるものと覚悟していたら、米国から帰国後出来上がった本を見ると発禁になった状態のまま再録されている!以下桜木編集長との会話 ダ/いや~、いい度胸してますね。 編/だって修正してあるじゃない。 ダ/その修正状態で発禁になったんですよ 編/・・・・・ ダ/・・・・ 以下どんな会話が続いたのか失念…… それにしてもサドの「悪徳の栄え」の翻訳本は発禁後20年以上して復刻されたけれど、「堕天使たちの狂宴」は半年もしない内に単行本になっていたとはエロ本業界とは何といいかげんな世界!しかし作品そのものは、今見るとリメイクする気にもならないどうという事もない可愛い作品で、結局あれもあの時代の姑息な政治のひとかけらに過ぎなかったのだろう。いい点があるとしたら一つだけ、それまでのエロマンガになかった瞳パッチリの少女マンガ的ヒロインを登場させた事位か。今の美少女エロマンガは本家の少女マンガもかくや!という位眼が大きいが当時としては画期的だったかも。 ●1 9 7 9 ~   この年の「淫花蝶の舞踏」は「堕天使たちの狂宴」よりずっといい/『漫画ソフト』。今年出た「別冊宝島/日本一のマンガを探せ!」でベスト2000のマンガがセレクトされているが、ダー松の作品の中ではこの作品が選ばれている。教師と生徒、二人の女たちが様々な男たちの手によってに次々ともてあそばれ、闇の世界を転々として再び巡り会う時、女たちは蝶と化し水平線の彼方に飛び去り、男たちは殺し合い血の海の中で屍と化す。ダー松作品にはこのように男根が女陰の海に飲み込まれてに負けるパターンが多い。[性狩人、遊戯の森の妖精、美少女たちの宴、人魚のたわむれ・・等々]  この年からスタートの「性狩人たち」シリーズ[劇画悦楽号]はバレエ、バイオレンス、SEXの三要素がうまくからみあい、それぞれが頂点まで達する幸福な神話的作品だ。ここから派生した路線も多く、美少年路線は’83の「聖少女黙示録」へ。身体障害者路線は’80の「遊戯の森の妖精」、’84からの「美姉妹肉煉獄」へと繋がる。’81の最終話「ハルマゲドンの戦い」ではせりふなしで24ページ全てが大殺戮シーンという回もあり、中でも一度やりたかった見開きで銃撃戦の擬音のみという事も実現。こんな事がエロマンガ誌で許される時代だった。ちなみにこの回は[OKコラルの決闘・100周年記念]だが、何の意味もない。単行本は最初サン出版より、その後久保書店より「白鳥の飛翔」「少女飼育篇」「ヘラクレスを撃て!」「眼球愛」「海の女神」の全5刊。現在入手出来るのは後の3刊のみ。[「海の女神」も最近在庫切れ]  この年出た「人魚のたわむれ」の表題作は性器に{たこ}を挿入するカットを見た編集長が「・・・[沈黙]・・・頭おかしいんじゃ・・ブツブツ・・気違い・・・ブツブツ・・・」と呆れてつぶやいていたのを記憶している。たこソーニューは今年出た「夜顔武闘伝」で久しぶりに再現。なおこの作品は’83にマンガと実写を噛み合せたビデオの珍品となる。水中スローモーションファックがなかなかよい。 ●1 9 8 0 ~   なぜか「JUNE」の増刊として作品集「美少女たちの宴」がサン出版より出版され、その短編集をもとに脚本化し日活で映画が創られる事となる。[「花の応援団」を当てたこの映画の企画者・成田氏は日活退社後「桜の園」等を創る。]その際、初めて映画撮影所を見学し、せこいセットがスクリーン上ではきちんとした絵になってるのを見て映画のマジックに感心。タイトルはなぜか「性狩人」で、’96にビデオ化された。監督・池田敏春のデビュー第2作となり現在までコンスタントに作品を発表しているが、出来のいい作品も多いのになぜか代表作がない。初期の「人魚伝説」が一番いいか。  この映画に合わせて「美少女たちの宴」を2~3回のつもりで「漫画ラブラブ」で描き出すがどんどん話がふくらみ、おまけに描いてる出版社が潰れたり、雑誌が潰れたりで雑誌を転々とし条例による警告の嵐がきた「漫画大飯店」を経て、「漫画ハンター」誌上で完結したのは’83になる。この作品でクリトリスを手術してペニスのように巨大化させるという人体改造ものを初めて描く。  この年の「遊戯の森の妖精」は身体障害者いじめ鬼畜路線の第2弾!森の中の別荘に乱入したろくでなしの二人組が精薄の少女の両親達を虐殺し、暴行の限りをつくすむちゃくちゃな作品で、雷鳴の中、少女の性器に男達のペニスが2本同時に挿入されるシーンは圧巻!しかしこのとんでもない男達も少女の性のエネルギーに飲み込まれ、朽ち果てていく・・・。 ●1 9 8 1 ~   美少女マンガ誌のはしり「レモン・ピープル」誌創刊。そこで描いたのが「白鳥の湖」。虚構の世界のヒロインを犯すというコンセプトは、アニメやゲームのヒロインをずこずこにするという今の同人誌のコンセプトと同じかも。バレエ「白鳥の湖」において悪魔に捕われたオデット姫が白鳥の姿に変えられる前に何にもされてない筈がないというモチーフにより生まれたこの作品は、悪魔に男根を植えつけられたヒロインが命じられるままに次々と妖精を犯して歩き悪魔の娘となるまでを描くが、あまり成功したとは言えない。ただ人形サイズの妖精をしゃぶりまくり淫核で犯すアイデアは他に「少女破壊幻想」で一回やっただけなのでそろそろもう一度やってみたいところ。「ダーティ松本の白雪姫」はその逆をいき、犯す方を小さくした作品で7人の小人が白雪姫の性器の中にはいり、しゃぶったり、処女膜を食べたり、と乱暴狼藉![ちなみに両者をでかくしたのが同人誌「FUCK YOU!3」の「ゴジラVSジュピター」]この童話シリーズは意外と好評で続いて「ダーティ松本の赤い靴」を上記の単行本に描き下ろして収録。童話は結構残酷なものが多く、この作品も切られた足だけが荒野を踊りながら去って行くラストは原作通り。 *近年童話ブームだがこの頃もっと描いておけば「こんなに危ない童話」として刊行出来たのにとくやまれる。 「2001年快楽の旅」もこの本に収録。快楽マシーンを逆にレイプしてしまう、珍しく映画「2001年宇宙の旅」風のSF作品。  掲載誌を決めずに出来る限り多くのマンガ誌で描こうというコンセプトで始めたのがこの年スタートした「怪人サドラン博士」シリーズ。「不死蝶」シリーズや「美少女たちの宴」シリーズの中にも乱入し、「漫画ハンター」最終号では地球をぶっ壊して[その際地球は絶頂の喘ぎ声をあげ昇天する!]他の惑星へ行ってしまう。今のところ10誌位に登場。いつかこのサドラン・シリーズだけ集めて単行本化したいところ。ちなみに「サド」と「乱歩」を足して「サドラン博士」と命名。作者の分身と言っていい。 [後年、「魔界の怪人」として全作品を収録して刊行、04年現在品切れ中]  この年描いて’82の単行本『妖精たちの宴』に収録の「とけていく・・」はレズの女たちが愛戯の果てに、肉体が溶けて一匹の軟体動物と化す、タイトルも内容も奇妙な作品。作者の頭もとけていた? ●1 9 8 2 ~ 1 9 8 3   ’83年に「美少女たちの宴」が完結。全てが無に帰すラストのページは真っ白のままで、このページの原稿料はいりません、と言ったにもかかわらず払ってくれた久保書店、偉い![明文社やCM頁の稿料を削った出版社=某少年画報社なら払わなかっただろうな……と思われる……]この作品以外は短編が多く、加速度をつけてのっていく描き方が得意のダー松としてはのりの悪い時期に突入。また10年近く走ってきてだれてきた頃でもあり第一次落ち込み期と言っていい。マンガがスタンプを押すように描けないものか、などとふとどきな考えまで湧いてくる。思えば一本の作品には、いったい何本の線を引いて出来上がっているものなのか。数えた馬鹿はいないだろうが数千本は引いている筈。一ヵ月に何万本とペンで線を引く日々・・うんざりする筈です。  この頃のめぼしい短編をいくつか書くと、少女マンガ家の家に税務調査にきた税務署員が過小申告をネタにねちねちいたぶるが、アシスタントに発見された署員は撲殺される。そして板橋税務署は焼き討ちにあう、といった作品「[タイトル失念]xx税務調査」。[後日読者よりこのタイトルを「色欲ダニ野郎」と教えていただく。ひどいタイトル *編集者のつけるタイトルはその人のセンスが実によくわかる。しかしサイテ-の題だなこりゃ…。 果てるまで「おまんこして!」と言わせながら処女をやりまくる「美処女/犯す!」はラスト、狂った少女が歩行者天国の通行人を撃ちまくり血の海にする。「嬲る!」はパンチドランカーとなった矢吹ジョーが白木葉子をサンドバッグに縛りつけ、殴って、殴って、殴りまくる。段平おっちゃんの最後のセリフ「・・ブスブスくすぶっちゃいるが・・・」「打てッ!打つんだ!ジョー!」「お前はまだ燃えつきちゃいねえ!」とはエロ・ドランカーの自分自身に向けて発した言葉だったのかも。トビー・フーパーばりの「淫魔のはらわた」は電気ドリルでアナルを広げてのファック!とどめにチェーンソーで尻を切断!いまだに単行本に収録出来ず。[’98の「絶頂伝説」にやっと収録]「からみあい」は夫の愛人の性器を噛みちぎる。「危険な関係」はアルコール浣腸をして火をつけ尻から火を吹かせる。この手は『FUCK YOU!2』の「セーラー・ハルマゲドン」で復元。そういえばこの作品の序章と終章だけ描いて、間の100章位をとばすやりかたはこの頃の「禁断の性獣」より。女性器にとりつき、男性器に変身するエイリアンの侵略により地球は女性器を失い滅亡する、といったストーリーで当時聞いた話では谷山浩子のD.J.でこの作品がリスナーの投書でとりあげられ、ダー松の名はダーティ・杉本と読まれたそうな。ヒロインの少女がひろ子という名前なのでこのハガキが選ばれたのかもしれないが、作者は薬師丸ひろ子からとったつもりだったのだが・・。[別にファンではない。] 「女教師狩り」は映画館で観客に犯される女教師とスクリーン上の同名のエロ映画の二本が同時進行し、一本で二本分楽しめるお得な作品。 ’83は’80に「漫画エロス」にて描いた「エロスの乱反射」の最終回の原稿が紛失したため単行本が出せないでいたのを、またまた「仏の久保さん」に頼んでラスト近くをふくらませて「漫画ハンター」に3回程描かせてもらい、やっと’85に出版。見られる事に快感を覚えるファッション・モデルが調教される内に、次第に露出狂となっていき、街中で突然裸になって交通事故を起こさせたり、最後はビルの屋上でストリップショー。そしてカメラのフラッシュの中に飛び降りていき、ラスト1ページはその性器のアップでエンド!  本格美少年・ゲイ・マンガ「聖少女黙示録」も’83。レズの姉たちの手によって女装に目覚めた少年がホモのダンサーたちに縛られなぶられ初のポコチンこすり合いの射精シーン。そして性転換して女となった主いるが、その中の’84の「白い肌の湖」はタイトルで解る通りのバレリーナものだがポコチンを焼かれた男が、一緒に暮ら人公が手術で男になった少女と暮らすハッピーエンド。この作品は単行本「美少女ハンター」に収録されてす二人の女と一人の男に復讐するエンディングがすごい!まず男の性器を切り取り、片方の女の性器にねじ込んだあと、その���の性器ごとえぐり取る。そしてその二つの性器をつかんだまま、もう一人の女の性器にフィストファック!のあげく、その二つの性器を入れたままの女性器をナイフでまた切って、ほとんどビックマック状態でまだヒクヒクうごめく血まみれの三つの性器を握りしめるとんでもない終り方!全くダー松はこんな事ばかりやっていたのかとあきれかえる。もう鬼畜としか言い様がない!しかし「ウィンナー」を二枚の「ハム」で包むなんて・・GOODなアイデアだ、又やってみよう。 ●1 9 8 4 ~   「漫画ハンター」で「闇の宴」前後篇を描き、後日これをビデオ化。雪に包まれた六本木のスタジオで痔に苦しみながらの撮影。特別出演として中島史雄氏が絶妙の指使い、東デの学生時代の萩原一至が二役、取材に来たJITAN氏もスタジオに入ってきた瞬間、即出演で生玉子1000個の海で大乱交。カメラマンが凝り性で照明が気に入るまでカメラを廻さず、たった二日の撮影はやりたい事の半分も出来ず。撮影が終ると痔はすぐに完治。どうもプレッシャーからくる神経性だったみたいでこれに懲りてビデオは一本のみ。 この年の「肉の漂流」は親子丼もので、近所の書店のオヤジからこの本はよく売れたと聞いたが、一時よく描いたこのパターンは最近では「FUCK YOU!3」の「母娘シャワー」のみ。熟女と少女の両方が描けるところが利点。「血の舞踏」は久しぶりの吸血鬼もの。股間を針で刺し、噛んで血を吸うシーン等々いい場面はあるが、うまくストーリーが転がらず3回で止める。短編「果てるまで・・」は核戦争後のシェルターの中で、父が娘とタイトル通り果てるまでやりまくる話。被爆していた父が死んだ後、娘はSEXの相手を捜して黒い雨の中をさまよう。  またリサ・ライオンの写真集を見て筋肉美に目覚め、マッチョ女ものをこの頃から描き出す。しかしなかなか筋肉をエロティックに描くのは難しい。 ●1 9 8 5 ~   くたびれ果ててすっかりダレてきたこの頃、8年間働いてくれたアシスタント女史に代わってパワーのかたまり萩原一至、鶴田洋久等が東京デザイナー学院卒業後加わってダーティ・マーケットも第2期に突入!新旧取り混ぜておもしろいマンガをいろいろ教えて貰って読みまくる。「バリバリ伝説」「ビーバップハイスクール」「ペリカンロード」「めぞん一刻」「わたしは真悟」「Be Free!」「緑山高校」「日出処の天子」「吉祥天女」「純情クレイジー・フルーツ」「アクター」「北斗の拳」「炎の転校生」「アイドルをさがせ」「綿の国星」「いつもポケットにショパン」「バツ&テリー」「六三四の剣」永井豪の絶頂期の作品「バイオレンス・ジャック」「凄之王」「デビルマン」等々100冊以上とても書ききれない位で、う~ん・・マンガってこんなにおもしろかったのか、と感動! そこで眠狂四郎を学園にほうり込んで、今まであまり描かなかった学園マンガをエロマンガに、というコンセプトで始めたのが「斬姦狂死郎」。「六三四の剣」ばりに単行本20巻を目指すものの、少年マンガのノリは今では当たり前だが、当時はまだエロマンガとして評価されず、ほんの少し時代が早すぎたかも。’86に中断、今年’97に「ホリディ・コミック」にて復活!果たしていつまで続けられるか? →後に「斬姦狂死郎・制服狩り」、「斬姦狂死郎・美教師狩り」として刊行完結  前年末から始めた「美姉妹肉煉獄」は身障者いじめの鬼畜路線。盲目の姉とその妹を調教して性風俗店等で働かせ、娼婦に堕していく不健全・不道徳な作品で、肉の快楽にひたっていく盲目の姉に対し妹も「春琴抄」の如く己の眼を突き、自らも暗黒の快楽の世界にはいり、快楽の光に目覚めるラスト。 また、これからは女王様物だ!となぜか突然ひらめき「筋肉女」シリーズの延長としてフィットネス・スタジオを舞台に「メタル・クイーン」シリーズも開始。これは単行本2冊分描いたが、連載途中でヒロインの髪型を歌手ステファニーのヘア・スタイルにチェンジしたり、レオタードもたっぷり描けてわりと気に入っている。  10年近く描いた「美蝶」先生シリーズもこの年スタート!こうしてみるとマンガを描く喜びに満ちた大充実の年だったかも。 ●1 9 8 6 ~   この年は前年からの連載ものがほとんどだが、「エレクト・ボーイ」は空中でファックするシーンが描いてみたくて始めた初の超能力エロマンガ。コメディ的要素がうまくいかず2回で止める。この路線は翌年の「堕天使輪舞」で開花。  「夜の彷徨人」は自分の育てた新体操選手が怪我で選手生命を失ったため、その女を馬肉のごとく娼婦として夜の世界に売り渡した主人公という設定。しかし腕を折られ、女にも逆に捨てられ、そして事故によってその女を失ったあげく不能となってしまう。失った快楽を取り戻すため無くした片腕にバイブレーターを取りつけ、夜の街をさすらい次々と女たちをレイプしていくというストーリー。がっちり設定したキャラだったのにまったく話がはずまず、男のポコチンは勃起しないままに作品も不発のまま終る。  「斬姦狂死郎」が不本意のまま終わったため学園エロス・シリーズは「放課後の媚娼女」へと引き継がれる。当時見ていた南野陽子のTV「スケバン刑事・」とS・レオーネの「ウエスタン」風に料理。ラストの「男といっしょじゃ歩けないんだ」のセリフは一番好きな映画、鈴木清順の「東京流れ者」からのもじり。単行本は最初司書房から出て、数年後ミリオン出版から再販、そして’97久保書店より再々販ながら結構売れて今年また再版。この作品は親を助けてくれる有難い孝行息子といったところ。 ●1 9 8 7 ~   さいとうプロOBで那珂川尚という名のマンガ家だった友人の津田が「漫画ダイナマイト」の編集者になっていて、実に久しぶりに同誌で「堕天使輪舞」を描く。超能力エロマンガの第2弾。今回はエロと超能力合戦とがうまくミックスされ一応成功といっていい。この路線は「エレクト・ボーイ」とこの作品、そして’96の「夜顔武闘伝」も含めてもいいかも。一時、この手の作品は数多くあったが最近はめったに見かけない。しかし、まだまだこの路線には鉱脈が眠っているとにらんでいるがどんなものだろう。 ●1 9 8 8 ~   「放課後の媚娼女」に続いて抜かずの凶一無頼控え「放課後の熱い祭り」を2年がかりで描く。’89に完結し司書房より単行本化。そして今年’97に改定してめでたく完全版として復刊!この頃が一番劇画っぽい絵で、たった2~3人のスタッフでよくこれだけ描き込めたなと改めて感心!エロシーンがちょっと少なめながら中島史雄氏がダー松作品でこの作品が一番好き、とお褒めの言葉を頂戴する。  TVで三流アマゾネス映画を見ている内、むくむくとイメージがふくらみ、昔から描きたかった西部劇と時代劇がこれで描けると、この年スタートさせたのが「不死蝶伝説」なるアマゾネス路線。昔々青年誌の創世期にあのケン月影氏がマカロニ・ウエスタンを描いていたことを知る人は少ないだろう。俺もあの頃デビューしていたらウエスタンが描けたのに、と思う事もあったが、このシリーズでほんの少しだけその願望がかなう。  この頃、アシスタントやってくれてた格闘技マニアの鶴田洋久に誘われ、近所の空手道場通いの日々。若い頃修行のため新宿でやくざに喧嘩を売って歩いたという寺内師範は、もう鬼のような人で、行けば地獄が待っていると判っててなぜ行く?と不思議な位休まず通う。体育会系はマゾの世界と知る。組手は寸止めではなく顔面以外は当てて可だったので身体中打撲のあざだらけ、ビデオで研究したという鶴田の体重をかけたムエタイ式の蹴りをくらい、右手が饅頭のように腫れ上がる。先輩たちの組手の試合も蹴りがもろにはいってあばら骨が折れたりで、なぜこんなヘビーな事をする?と思うが、闘う事によって身体の奥から何か沸き上がってくるものがある。スリランカの元コマンドと組手をやった時、格闘家の気持ちが少しだけ判るようになった。 ●1 9 8 9 ~   ’94まで続く「美蝶」シリーズでこの年は『ノスフェラトウ篇』を描き、シリーズ中これが一番のお気に入り。同人誌の「王夢」はこれが原点。  短編では「悪夢の中へ」はスプラッタ・エロマンガで久しぶりにチェーンソゥでお尻のぶった切り!はらわた引きずり出し、人肉食いちぎり!顔面叩き割り等々でラストに「ホラービデオの規制をするバカは俺が許さん!」などと書いているので、この年が宮崎事件の年か?世間は彼が日野日出志・作のホラービデオ「ギニーピッグ」を見てあの犯罪をおかした、としてさんざんホラービデオの規制をやっといて、結局見てもいなかったとわかったあとは誰一人日野日出志氏にもホラービデオさんにも謝らす゛知らんぷり。残ったのは規制だけで、馬鹿のやる事には全く困ったもんである。先日の「酒鬼薔薇・14才」の時も犯罪おたくの心理学者が、「これはマンガやビデオの影響です。」などと相も変わらずたわけた寝言をぬかしていたが、馬鹿はいつまでたっても馬鹿のまま。少しは進歩しろよ!お前だよ、お前!短絡的で幼稚な坊や、小田晋!よぅく首を洗っとけ!コラ!  「獣人たちの儀式」は退学者や少年院送りになつた生徒、暴走族、ヤクザ達が集まって酒盛りしながら女教師たちをずこずこにしてOB会をひらく不健全作品。編集長が「また危ない作品を・・・」とこぼしたものだが、岡野さん、田舎で元気にお過しでしょうか。この頃の「漫画エロス」には「ケンペーくん」だとか「アリスのお茶会」だとかおもしろい作品が載っていたものです。「爆走遊戯」は伝説のストーカー・ろくでなしマンガ家の早見純が一番好きな作品と言ってくれたが、なぜだかわからない。人の好みはいろいろです。以上3本は単行本「熱き唇の女神」に収録。 「ふしだらな女獣たち」はフェミニストの女二人が美少年をいじめる話。これは「氷の部屋の女」に収録。 ●1 9 9 0 ~   この年の「美蝶」シリーズは『ダンシング・クイーン篇』。マネキン工場跡でJ・ブラウンの「セックス・マシーン」にのせて5人プレイをするシーンや文化祭でのダンスシーン等々結構好きな場面多し。暗くて硬い作品が多いので、この「美蝶」シリーズは肩肘張らずに、かなり軽いノリでキャラクターの動きに任せて、ストーリーも、そして次のコマさえも先の事は何にも考えず、ほとんどアドリブで描いた時もある。  「不死蝶伝説」に続いてシリーズ第2弾「不死蝶」は2誌にまたがって2年位続ける。これも結構お気に入りの一遍。 ●1 9 9 1 ~ 1 9 9 3   「性狩人たち」の近未来版、といった感じの「夜戦士」は学園物が多くなったので、マグナム銃で脳天をぶっとばすようなものが又描きたくなって始めたミニシリーズ。全5話位。松文館より単行本「黒い夜と夢魔の闇」に収録。  この年から知り合いの編集者がレディス・コミックを始める人が多く、依頼されてどうしたものかと思ったが、エロなら何でもやってみよう精神と何か新しい世界が開けるかも、という事から’94位までやってみたものの結果的に不毛の時代に終わる。与えられた素材が体験告白物という事で、非現実的なものは描けないという事は得意技を封印して戦うようなもので苦戦を強いられ、これって内山亜紀氏がやまさき十三原作の人情話を描いたようなミス・マッチングで不発だったかな。今後、もしやることがあれば美少年SMのレディス・コミックのみ。そんな雑誌が出来れば、の話だが。  いくつかやったレディコミの編集の一人「アイリス」の鈴木さんは同じさいとうプロOBで、マンガ・アシスタント、マンガ家、マンガ誌の編集、そして今はマンガ学校の講師、とこれだけ多くのマンガに関わる仕事をしてきた人はあまりいないだろう。これでマンガ評論でもやれば全て制覇だが・・・。  この頃はいつもと同じ位の30~40本の作品を毎年描いていたが、レディコミは一本30~40枚とページが多く結構身体にガタがきた頃で、右手のひじが腱傷炎になり1年以上苦痛が続く。医者通いではさっぱり痛みがひかず、電気針で針灸治療を半年位続けてやっと完治。その後、住んでいたマンションの理事長を押しつけられ、マンション戦争の渦中に巻き込まれひどい目にあう。攻撃するのは楽だが、話をまとめるなどというのは社会生活不適格のダー松には大の苦手で「お前等!わがままばかり言うのはいいかげんにしろー!」と頭をカチ割りたくなるような事ばかりで、ひたすら我慢の日々で血圧がガンガン上がり、病院通いの日々。確実に寿命が5年は縮まる。あの時はマジで人に殺意を抱いたものだが、今で���金属バット持って押しかけて奴等の脳みそをクラッシュしたい気分になる時もある。いつかこの時の事をマンガにしようと思っていて、まだ誰も描いてない「マンション・マンガ」というジャンル、タイトルは「我が闘争」。え?誰も読みたくない?  この間に出た単行本は「血を吸う夜」、「赤い月の化身」「熱き唇の女神」[以上・久保書店] /「牝猫の花園」「真夜中の人魚たち」[以上久保書店]、「美蝶/放課後篇」「美蝶/ダンシング・クイーン篇」「不死蝶/鋼鉄の女王篇・上巻」[以上ミリオン出版]。 ●1 9 9 4 ~ 1 9 9 5   ろくでもない事が続くのは厄払いをしなかったせいか、このままここにいたら頭がおかしくなる、と15年以上いたマンションから引っ越し。板橋から巣鴨へ移動し気分一新!以前からうちもやりましょうよ、と言われていた同人誌創りをそのうち、そのうちと伸ばしてきたものの遂に申し込んでしまい、創らざるをえなくなる。しかもそれが引っ越しの時期と重なってしまい大いに後悔する。しかしいろんな人にお願いして何とか一冊でっちあげ、ムシ風呂のような夏コミに初参加。これが運命の分岐点。レディコミもこの年で切り上げ、以下同人街道をまっしぐら。現在まで「FUCK OFF!」が9まで、「FUCK YOU!」が4まで計10+&冊創る。  ’95からダーティ松本の名前にも飽きてきたしJr,Sam名でも描き始める。 レディコミ時代は松本美蝶。あと2つ位違うペンネームも考案中。  この間の単行本「氷の部屋の女」「双子座の戯れ」[久保書店]、「黒い夜と夢魔の闇」[松文館]、「危険な女教師/美蝶」[ミリオン] ●1 9 9 6 ~   美少女路線の絵柄もこの年の「夜顔武闘伝」あたりでほぼ完成、今後また少し変化させる予定。しかしこの作品は超能力、アマゾネス、忍法エロマンガとでも呼ぶべきか。「グラップラー刃牙」みたいに闘技場での勝ち抜き性武道合戦までいきたかったけれど、残念ながらたどり着けず。  「冬の堕天使」は久しぶりの吸血鬼もの。都営住宅で生活保護をうけている吸血鬼母子のイメージが浮かび、そこから漫画家協会・加藤芳郎を撃つ有害図書騒動のマンガへ。吸血鬼少年が光の世界との戦いに旅立つまでを描き、「闇に潜みし者」は時空を越えて近未来での戦い。その間を描く作品を今後創らなければ。  「FUCK CITY 2006」はクソ溜めと化した近未来のTOKYOを舞台に久しぶりにダーティ・バイオレンスが炸裂!ハード・エロ劇画と同人誌風・美少女路線の合体は果たしてうまくいったかどうか?30ページほど描き足して、’97、9月にフランス書院のコミック文庫にて発売。[「少女水中花」]  「放課後の媚娼女」と「人形愛」刊行。[いずれも久保書店刊]前者は以前、上下巻だったのを一冊にまとめて。後者は近作を集めた同人時代を経ての初単行本で、同人誌を知らなかった読者はショックを受ける。メタルフアンから以下のようなお手紙を受け取る。「これはジューダス・プリーストの『ターボ』だ。ラストの『眠れる森の少女』は『レックレス』にあたる。しかしジューダスもその後『ラム・イット・ダウン』や『ペイン・キラー』という傑作を世に出した事だし、今後を期待したい」という意のダー松のようなメタルファン以外は意味不明の激励をうける。 ●1 9 9 7   同人誌「エロス大百科シリーズ」スタート!いろんな項目別に年2刊づつ計100ページ位を別刊シリーズとして出し続ければ10年で1000ページになり、以前「谷岡ヤスジ1000ページ」という枕に最適の本があったが、これも一冊にまとめて枕にして寝れば、目覚める頃は3回夢精しているなんて事に・・・などとまだたった40ページの段階で言っても何の説得力もないか。飽きたら2~3号でSTOPするだろうし・・。[推測通り「毛剃り」「美少年SM」「女装」3号でストップ中]冬にはやおい系にも進出の予定。  今年出した単行本は厚くて濃いエロマンガを集めた久保書店MAXシリーズ第2弾!「放課後の熱い祭り/完全版」と「夜顔武闘伝」オークラ出版。ともに大幅描き足して25周年記念出版として刊行。ティーツー出版よりJr,Sam名で「昼下がりの少女」、9月にはフランス書院より「少女水中花」の文庫本が出る予定で現在、この同人誌と並行して描き足し中。「斬姦狂死郎」第2部も「ホリディ・COMIC」誌にて6月よりスタート!年内創刊予定の『腐肉クラブ』なる死体姦専門のマンガ誌にも執筆予定。  さてさて25年間、旅行の時を除いて、現在まで2日続けてマンガを描かなかった事はほとんどない。これはその昔、伊東元気氏というマンガ家とお会いしたとき「今月何ページ描いた?」との問いに、「今月仕事ないんでぜんぜん描いてません」と答えたら、「そんな事じゃ駄目だ。仕事があろうがなかろうが、毎月100頁は描かなきゃ。」と言われ、以後その教えを守り[描けるページ数は減ったが]、マンガは仕事ではなくなり、朝起きたら顔を洗うのと同じで生活そのものとなり現在に至る。  今は何でも描けそうなハイな状態で、以前はたまには外出しないと煮詰まってしまうので週いち位ガス抜きをしていたものだが、最近はせいぜい月いち休めば十分の「純エロマンガ体」。[純粋にエロマンガを描くためだけの肉体、の意。ダー松の造語]  こうしてふり返ると、この路線はまだえぐり足りない、これはあと数回描くべし、なぜこれを一度しか描かない!等々、残り時間にやるべき事、やりたい事の何と多い事! 爆裂昇天のその日まで・・・      燃 え よ ペ ン !  なお続きは 1997年後期 1998年 INDEX
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skf14 · 4 years ago
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11180143
愛読者が、死んだ。
いや、本当に死んだのかどうかは分からない。が、死んだ、と思うしか、ないのだろう。
そもそも私が小説で脚光を浴びたきっかけは、ある男のルポルタージュを書いたからだった。数多の取材を全て断っていた彼は、なぜか私にだけは心を開いて、全てを話してくれた。だからこそ書けた、そして注目された。
彼は、モラルの欠落した人間だった。善と悪を、その概念から全て捨て去ってしまっていた。人が良いと思うことも、不快に思うことも、彼は理解が出来ず、ただ彼の中のルールを元に生きている、パーソナリティ障害の一種だろうと私は初めて彼に会った時に直感した。
彼は、胸に大きな穴を抱えて、生きていた。無論、それは本当に穴が空いていたわけではないが、彼に���っては本当に穴が空いていて、穴の向こうから人が行き交う景色が見え、空虚、虚無を抱いて生きていた。不思議だ。幻覚、にしては突拍子が無さすぎる。幼い頃にスコンと空いたその穴は成長するごとに広がっていき、穴を埋める為、彼は試行し、画策した。
私が初めて彼に会ったのは、まだ裁判が始まる前のことだった。弁護士すらも遠ざけている、という彼に、私はただ、簡単な挨拶と自己紹介と、そして、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書き添えて、名刺と共に送付した。
その頃の私は書き殴った小説未満をコンテストに送り付けては、音沙汰のない携帯を握り締め、虚無感溢れる日々をなんとか食い繋いでいた。いわゆる底辺、だ。夢もなく、希望もなく、ただ、人並みの能がこれしかない、と、藁よりも脆い小説に、私は縋っていた。
そんな追い込まれた状況で手を伸ばした先が、極刑は免れないだろう男だったのは、今考えてもなぜなのか、よくわからない。ただ、他の囚人に興味があったわけでもなく、ルポルタージュが書きたかったわけでもなく、ただ、話したい。そう思った。
夏の暑い日のことだった。私の家に届いた茶封筒の中には白無地の紙が一枚入っており、筆圧の無い薄い鉛筆の字で「8月24日に、お待ちしています。」と、ただ一文だけが書き記されていた。
こちらから申し込むのに囚人側から日付を指定してくるなんて、風変わりな男だ。と、私は概要程度しか知らない彼の事件について、一通り知っておこうとパソコンを開いた。
『事件の被疑者、高山一途の家は貧しく、母親は風俗で日銭を稼ぎ、父親は勤めていた会社でトラブルを起こしクビになってからずっと、家で酒を飲んでは暴れる日々だった。怒鳴り声、金切声、過去に高山一家の近所に住んでいた住人は、幾度となく喧嘩の声を聞いていたという。高山は友人のない青春時代を送り、高校を卒業し就職した会社でも活躍することは出来ず、社会から孤立しその精神を捻じ曲げていった。高山は己の不出来を己以外の全てのせいだと責任転嫁し、世間を憎み、全てを恨み、そして凶行に至った。
被害者Aは20xx年8月24日午後11時過ぎ、高山の自宅において後頭部をバールで殴打され殺害。その後、高山により身体をバラバラに解体された後ミンチ状に叩き潰された。発見された段階では、人間だったものとは到底思えず修復不可能なほどだったという。
きっかけは近隣住民からの異臭がするという通報だった。高山は殺害から2週間後、Aさんだった腐肉と室内で戯れている所を発見、逮捕に至る。現場はひどい有り様で、近隣住民の中には体調を崩し救急搬送される者もいた。身体に、腐肉とそこから滲み出る汁を塗りたくっていた高山は抵抗することもなく素直に同行し、Aさん殺害及び死体損壊等の罪を認めた。初公判は※月※日予定。』
いくつも情報を拾っていく中で、私は唐突に、彼の名前の意味について気が付き、二の腕にぞわりと鳥肌が立った。
一途。イット。それ。
あぁ、彼は、ずっと忌み嫌われ、居場所もなくただ産み落とされたという理由で必死に生きてきたんだと、何も知らない私ですら胸が締め付けられる思いがした。私は頭に入れた情報から憶測を全て消し、残った彼の人生のカケラを持って、刑務所へと赴いた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「失礼します。」
「どうぞ。」
手錠と腰縄を付けて出てきた青年は、私と大して歳の変わらない、人畜無害、悪く言えば何の印象にも残らない、黒髪と、黒曜石のような真っ黒な瞳の持ち主だった。奥深い、どこまでも底のない瞳をつい値踏みするように見てしまって、慌てて促されるままパイプ椅子へと腰掛けた。彼は開口一番、私の書いている小説のことを聞いた。
「何か一つ、話してくれませんか。」
「え、あ、はい、どんな話がお好きですか。」
「貴方が一番好きな話を。」
「分かりました。では、...世界から言葉が消えたなら。」
私の一番気に入っている話、それは、10万字話すと死んでしまう奇病にかかった、愛し合う二人の話。彼は朗読などしたこともない、世に出てすらいない私の拙い小説を、���を細めて静かに聞いていた。最後まで一度も口を挟むことなく聞いているから、読み上げる私も自然と力が入ってしまう。読み終え、余韻と共に顔を上げると、彼はほろほろ、と、目から雫を溢していた。人が泣く姿を、こんなにまじまじと見たのは初めてだった。
「だ、大丈夫ですか、」
「えぇ。ありがとうございます。」
「あの、すみません、どうして私と、会っていただけることになったんでしょうか。」
ふるふる、と犬のように首を振った彼はにこり、と機械的にはにかんで、机に手を置き私を見つめた。かしゃり、と決して軽くない鉄の音が、無機質な部屋に響く。
「僕に大してアクションを起こしてくる人達は皆、同情や好奇心、粗探しと金儲けの匂いがしました。送られてくる手紙は全て下手に出ているようで、僕を品定めするように舐め回してくる文章ばかり。」
「...それは、お察しします。」
「でも、貴方の手紙には、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書かれていた。面白いな、って思いませんか。」
「何故?」
「だって、貴方、「理解させる」って、僕と同じ目線に立って、物を言ってるでしょう。」
「.........意識、していませんでした。私はただ、憶測が嫌いで、貴方のことを理解したいと、そう思っただけです。」
「また、来てくれますか。」
「勿論。貴方のことを、少しずつでいいので、教えてくれますか。」
「一つ、条件があります。」
「何でしょう。」
「もし本にするなら、僕の言葉じゃなく、貴方の言葉で書いて欲しい。」
そして私は、彼の元へ通うことになった。話を聞けば聞くほど、彼の気持ちが痛いほど分かって、いや、分かっていたのかどうかは分からない。共鳴していただけかもしれない、同情心もあったかもしれない、でも私はただただあくる日も、そのあくる日も、私の言葉で彼を表し続けた。私の記した言葉を聞いて、楽しそうに微笑む彼は、私の言葉を最後まで一度も訂正しなかった。
「貴方はどう思う?僕の、したことについて。」
「...私なら、諦めてしまって、きっと得物を手に取って終わってしまうと思います。最後の最後まで、私が満たされることよりも、世間を気にしてしまう。不幸だと己を憐れんで、見えている答えからは目を背けて、後悔し続けて死ぬことは、きっと貴方の目から見れば不思議に映る、と思います。」
「理性的だけど、道徳的な答えではないね。普通はきっと、「己を満たす為に人を殺すのは躊躇う」って、そう答えるんじゃないかな。」
「でも、乾き続ける己のままで生きることは耐え難い苦痛だった時、己を満たす選択をしたことを、誰が責められるんでしょうか。」
「...貴方に、もう少し早く、出逢いたかった。」
ぽつり、零された言葉と、アクリル板越しに翳された掌。温度が重なることはない。触れ合って、痛みを分かち合うこともない。来園者の真似をする猿のように、彼の手に私の手を合わせて、ただ、じっとその目を見つめた。相変わらず何の感情もない目は、いつもより少しだけ暖かいような、そんな気がした。
彼も、私も、孤独だったのだと、その時初めて気が付いた。世間から隔離され、もしくは自ら距離を置き、人間が信じられず、理解不能な数億もの生き物に囲まれて秩序を保ちながら日々歩かされることに抗えず、翻弄され。きっと彼の胸に空いていた穴は、彼が被害者を殺害し、埋めようと必死に肉塊を塗りたくっていた穴は、彼以外の人間が、もしくは彼が、無意識のうちに彼から抉り取っていった、彼そのものだったのだろう。理解した瞬間止まらなくなった涙を、彼は拭えない。そうだった、最初に私の話で涙した彼の頬を撫でることだって、私には出来なかった。私と彼は、分かり合えたはずなのに、分かり合えない。私の言葉で作り上げた彼は、世間が言う狂人でも可哀想な子でもない、ただ一人の、人間だった。
その数日後、彼が獄中で首を吊ったという報道が流れた時、何となく、そうなるような気がしていて、それでも私は、彼が味わったような、胸に穴が開くような喪失感を抱いた。彼はただ、理解されたかっただけだ。理解のない人間の言葉が、行動が、彼の歩く道を少しずつ曲げていった。
私は書き溜めていた彼の全てを、一冊の本にした。本のタイトルは、「今日も、皮肉なほど空は青い。」。逮捕された彼が手錠をかけられた時、部屋のカーテンの隙間から空が見えた、と言っていた。ぴっちり閉じていたはずなのに、その時だけひらりと翻った暗赤色のカーテンの間から顔を覗かせた青は、目に刺さって痛いほど、青かった、と。
出版社は皆、猟奇的殺人犯のノンフィクションを出版したい、と食い付いた。帯に著名人の寒気がする言葉も書かれた。私の名前も大々的に張り出され、重版が決定し、至る所で賛否両論が巻き起こった。被害者の遺族は怒りを露わにし、会見で私と、彼に対しての呪詛をぶちまけた。
インタビュー、取材、関わってくる人間の全てを私は拒否して、来る日も来る日も、読者から届く手紙、メール、SNS上に散乱する、本の感想を読み漁り続けた。
そこに、私の望むものは何もなかった。
『あなたは犯罪者に対して同情を誘いたいんですか?』
私がいつ、どこに、彼を可哀想だと記したのだろう。
『犯罪者を擁護したいのですか?理解出来ません。彼は人を殺したんですよ。』
彼は許されるべきだとも、悪くない、とも私は書いていない。彼は素直に逮捕され、正式な処罰ではないが、命をもって罪へ対応した。これ以上、何をしろ、と言うのだろう。彼が跪き頭を地面に擦り付け、涙ながらに謝罪する所を見たかったのだろうか。
『とても面白かったです。狂人の世界が何となく理解出来ました。』
何をどう理解したら、この感想が浮かぶのだろう。そもそもこの人は、私の本を読んだのだろうか。
『作者はもしかしたら接していくうちに、高山を愛してしまったのではないか?贔屓目の文章は公平ではなく気持ちが悪い。』
『全てを人のせいにして自分が悪くないと喚く子供に殺された方が哀れでならない。』
『結局人殺しの自己正当化本。それに手を貸した筆者も同罪。裁かれろ。』
『ただただ不快。皆寂しかったり、一人になる瞬間はある。自分だけが苦しい、と言わんばかりの態度に腹が立つ。』
『いくら貰えるんだろうなぁ筆者。羨ましいぜ、人殺しのキチガイの本書いて金貰えるなんて。』
私は、とても愚かだったのだと気付かされた。
皆に理解させよう、などと宣って、彼を、私の言葉で形作ったこと。裏を返せば、その行為は、言葉を尽くせば理解される、と、人間に期待をしていたに他ならない。
私は、彼によって得たわずかな幸福よりも、その後に押し寄せてくる大きな悲しみ、不幸がどうしようもなく耐え難く、心底、己が哀れだった。
胸に穴が空いている、と言う幻覚を見続けた彼は、穴が塞がりそうになるたび、そしてまた無機質な空虚に戻るたび、こんな痛みを感じていたのだろうか。
私は毎日、感想を読み続けた。貰った手紙は、読んだものから燃やしていった。他者に理解される、ということが、どれほど難しいのかを、思い知った。言葉を紡ぐことが怖くなり、彼を理解した私ですら、疑わしく、かといって己と論争するほどの気力はなく、ただ、この世に私以外の、彼の理解者は現れず、唯一の彼の理解者はここにいても、もう彼の話に相槌を打つことは叶わず、陰鬱とする思考の暗闇の中を、堂々巡りしていた。
思考を持つ植物になりたい、と、ずっと思っていた。人間は考える葦である、という言葉が皮肉に聞こえるほど、私はただ、一人で、誰の脳にも引っ掛からず、狭間を生きていた。
孤独、などという言葉で表すのは烏滸がましいほど、私、彼が抱えるソレは哀しく、決して治らない不治の病のようなものだった。私は彼であり、彼は私だった。同じ境遇、というわけではない。赤の他人。彼には守るべき己の秩序があり、私にはそんな誇り高いものすらなく、能動的、怠惰に流されて生きていた。
彼は、目の前にいた人間の頭にバールを振り下ろす瞬間も、身体をミンチにする工程も、全て正気だった。ただ心の中に一つだけ、それをしなければ、生きているのが恐ろしい、今しなければずっと後悔し続ける、胸を掻きむしり大声を上げて暴れたくなるような焦燥感、漠然とした不安感、それらをごちゃ混ぜにした感情、抗えない欲求のようなものが湧き上がってきた、と話していた。上手く呼吸が出来なくなる感覚、と言われて、思わず己の胸を抑えた記憶が懐かしい。
出版から3ヶ月、私は感想を読むのをやめた。人間がもっと憎らしく、恐ろしく、嫌いになった。彼が褒めてくれた、利己的な幸せの話を追い求めよう。そう決めた。私の秩序は、小説を書き続けること。嗚呼と叫ぶ声を、流れた血を、光のない部屋を、全てを飲み込む黒を文字に乗せて、上手く呼吸すること。
出版社は、どこも私の名前を見た瞬間、原稿を送り返し、もしくは廃棄した。『君も人殺したんでしょ?なんだか噂で聞いたよ。』『よくうちで本出せると思ったね、君、自分がしたこと忘れたの?』『無理ですね。会社潰したくないので。』『女ならまだ赤裸々なセックスエッセイでも書かせてやれるけど、男じゃ使えないよ、いらない。』数多の断り文句は見事に各社で違うもので、私は感嘆すると共に、人間がまた嫌いになった。彼が乗せてくれたから、私の言葉が輝いていたのだと痛感した。きっとあの本は、ノンフィクション、ルポルタージュじゃなくても、きっと人の心に突き刺さったはずだと、そう思わずにはいられなかった。
以前に働いていた会社は、ルポの出版の直前に辞表を出した。私がいなくても、普段通り世界は回る。著者の実物を狂ったように探し回っていた人間も、見つからないと分かるや否や他の叩く対象を見つけ、そちらで楽しんでいるようだった。私の書いた彼の本は、悪趣味な三流ルポ、と呼ばれた。貯金は底を尽きた。手当たり次第応募して見つけた仕事で、小銭を稼いだ。家賃と、食事に使えばもう残りは硬貨しか残らない、そんな生活になった。元より、彼の本によって得た利益は、全て燃やしてしまっていた。それが、正しい末路だと思ったからだったが、何故と言われれば説明は出来ない。ただ燃えて、真っ赤になった札が灰白色に色褪せ、風に脆く崩れていく姿を見て、幸せそうだと、そう思った。
名前を伏せ、webサイトで小説を投稿し始めた。アクセス数も、いいね!も、どうでも良かった。私はただ秩序を保つために書き、顎を上げて、夜店の金魚のように、浅い水槽の中で居場所なく肩を縮めながら、ただ、遥か遠くにある空を眺めては、届くはずもない鰭を伸ばした。
ある日、web上のダイレクトメールに一件のメッセージが入った。非難か、批評か、スパムか。開いた画面には文字がつらつらと記されていた。
『貴方の本を、販売当時に読みました。明記はされていませんが、某殺人事件のルポを書かれていた方ですか?文体が、似ていたのでもし勘違いであれば、すみません。』
断言するように言い当てられたのは初めてだったが、画面をスクロールする指はもう今更震えない。
『最新作、読みました。とても...哀しい話でした。ゾンビ、なんてコミカルなテーマなのに、貴方はコメをトラにしてしまう才能があるんでしょうね。悲劇。ただ、二人が次の世界で、二人の望む幸せを得られることを祈りたくなる、そんな話でした。過去作も、全て読みました。目を覆いたくなるリアルな描写も、抽象的なのに五感のどこかに優しく触れるような比喩も、とても素敵です。これからも、書いてください。』
コメとトラ。私が太宰の「人間失格」を好きな事は当然知らないだろうに、不思議と親近感が湧いた。単純だ。と少し笑ってから、私はその奇特な人間に一言、返信した。
『私のルポルタージュを読んで、どう思われましたか。』
無名の人間、それも、ファンタジーやラブコメがランキング上位を占めるwebにおいて、埋もれに埋もれていた私を見つけた人。だからこそ聞きたかった。例えどんな答えが返ってきても構わなかった。もう、罵詈雑言には慣れていた。
数日後、通知音に誘われて開いたDMには、前回よりも短い感想が送られてきていた。
『人を殺めた事実を別にすれば、私は少しだけ、彼の気持ちを理解出来る気がしました。。彼の抱いていた底なしの虚無感が見せた胸の穴も、それを埋めようと無意識のうちに焦がれていたものがやっと現れた時の衝動。共感は微塵も出来ないが、全く理解が出来ない化け物でも狂人でもない、赤色を見て赤色だと思う一人の人間だと思いました。』
何度も読み返していると、もう1通、メッセージが来た。惜しみながらも画面をスクロールする。
『もう一度読み直して、感想を考えました。外野からどうこう言えるほど、彼を軽んじることが出来ませんでした。良い悪いは、彼の起こした行動に対してであれば悪で、それを彼は自死という形で償った。彼の思考について善悪を語れるのは、本人だけ。』
私は、画面の向こうに現れた人間に、頭を下げた。見えるはずもない。自己満足だ。そう知りながらも、下げずにはいられなかった。彼を、私を、理解してくれてありがとう。それが、私が愛読者と出会った瞬間だった。
愛読者は、どうやら私の作風をいたく気に入ったらしかった。あれやこれや、私の言葉で色んな世界を見てみたい、と強請った。その様子はどこか彼にも似ている気がして、私は愛読者の望むまま、数多の世界を創造した。いっそう創作は捗った。愛読者以外の人間は、ろくに寄り付かずたまに冷やかす輩が現れる程度で、私の言葉は、世間には刺さらない。
まるで神にでもなった気分だった。初めて小説を書いた時、私の指先一つで、人が自由に動き、話し、歩き、生きて、死ぬ。理想の愛を作り上げることも、到底現実世界では幸せになれない人を幸せにすることも、なんでも出来た。幸福のシロップが私の脳のタンパク質にじゅわじゅわと染みていって、甘ったるいスポンジになって、溢れ出すのは快楽物質。
そう、私は神になった。上から下界を見下ろし、手に持った無数の糸を引いて切って繋いでダンス。鼻歌まじりに踊るはワルツ。喜悲劇とも呼べるその一人芝居を、私はただ、演じた。
世の偉いベストセラー作家も、私の敬愛する文豪も、ポエムを垂れ流す病んだSNSの住人も、暗闇の中で自慰じみた創作をして死んでいく私も、きっと書く理由なんて、ただ楽しくて気持ちいいから。それに尽きるような気がする。
愛読者は私の思考をよく理解し、ただモラルのない行為にはノーを突きつけ、感想を欠かさずくれた。楽しかった。アクリルの向こうで私の話を聞いていた彼は、感想を口にすることはなかった。核心を突き、時に厳しい指摘をし、それでも全ての登場人物に対して寄り添い、「理解」してくれた。行動の理由を、言動の意味を、目線の行く先を、彼らの見る世界を。
一人で歩いていた暗い世界に、ぽつり、ぽつりと街灯が灯っていく、そんな感覚。じわりじわり暖かくなる肌触りのいい空気が私を包んで、私は初めて、人と共有することの幸せを味わった。不変を自分以外に見出し、脳内を共鳴させることの価値を知った。
幸せは麻薬だ、とかの人が説く。0の状態から1の幸せを得た人間は、気付いた頃にはその1を見失う。10の幸せがないと、幸せを感じなくなる。人間は1の幸せを持っていても、0の時よりも、不幸に感じる。幸福感という魔物に侵され支配されてしまった哀れな脳が見せる、もっと大きな、訪れるはずと信じて疑わない幻影の幸せ。
私はさしずめ、来るはずのプレゼントを玄関先でそわそわと待つ少女のように無垢で、そして、馬鹿だった。無知ゆえの、無垢の信頼ゆえの、馬鹿。救えない。
愛読者は姿を消した。ある日話を更新した私のDMは、いつまで経っても鳴らなかった。震える手で押した愛読者のアカウントは消えていた。私はその時初めて、愛読者の名前も顔も性別も、何もかもを知らないことに気が付いた。遅すぎた、否、知っていたところで何が出来たのだろう。私はただ、愛読者から感想という自己顕示欲を満たせる砂糖を注がれ続けて、その甘さに耽溺していた白痴の蟻だったのに。並ぶ言葉がざらざらと、砂時計の砂の如く崩れて床に散らばっていく幻覚が見えて、私は端末を放り投げ、野良猫を落ち着かせるように布団を被り、何がいけなかったのかをひとしきり考え、そして、やめた。
人間は、皆、勝手だ。何故か。皆、自分が大事だからだ。誰も守ってくれない己を守るため、生きるため、人は必死に崖を這い上がって、その途中で崖にしがみつく他者の手を足場にしていたとしても、気付く術はない。
愛読者は何も悪くない。これは、人間に期待し、信用という目に見えない清らかな物を崇拝し、焦がれ、浅はかにも己の手の中に得られると勘違いし小躍りした、道化師の喜劇だ。
愛読者は今日も、どこかで息をして、空を見上げているのだろうか。彼が亡くなった時と同じ感覚を抱いていた。彼が最後に見た澄んだ空。私が、諦観し絶望しながらも、明日も見るであろう狭い空。人生には不幸も幸せもなく、ただいっさいがすぎていく、そう言った27歳の太宰の言葉が、彼の年に近付いてからやっと分かるようになった。そう、人が生きる、ということに、最初から大して意味はない。今、人間がヒエラルキーの頂点に君臨し、80億弱もひしめき合って睨み合って生きていることにも、意味はない。ただ、そうあったから。
愛読者が消えた意味も、彼が自ら命を絶った理由も、考えるのをやめよう。と思った。呼吸代わりに、ある種の強迫観念に基づいて狂ったように綴っていた世界も、閉じたところで私は死なないし、私は死ぬ。最早私が今こうして生きているのも、植物状態で眠る私の見ている長い長い夢かもしれない。
私は思考を捨て、人でいることをやめた。
途端に、世界が輝きだした。全てが美しく見える。私が今ここにあることが、何よりも楽しく、笑いが止まらない。鉄線入りの窓ガラスが、かの大聖堂のステンドグラスよりも耽美に見える。
太宰先生、貴方はきっと思考を続けたから、あんな話を書いたのよ。私、今、そこかしこに檸檬を置いて回りたいほど愉快。
これがきっと、幸せ。って呼ぶのね。
愛読者は死んだ。もう戻らない。私の世界と共に死んだ、と思っていたが、元から生きても死んでもいなかった。否、生きていて、死んでいた。シュレディンガーの猫だ。
「嗚呼、私、やっぱり、
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xf-2 · 5 years ago
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<ファーウェイCFO逮捕の報復でカナダ人が拘束されて1年、中国で2年間拘束された外国人男性が獄中生活を証言>
2人のカナダ人が中国の秘密警察に身柄を拘束され、悲惨な環境で隔絶された密室に閉じ込められてから、去る12月10日で1年が過ぎた。
元外交官で紛争緩和コンサルタントのマイケル・コブリグと、北朝鮮への業務渡航を手配するコンサルタントのマイケル・スパバは1年前のこの日、滞在先の中国で身柄を拘束された。スパイ活動の容疑とされているが、事実上の人質とみていい。中国共産党と密接な関係を持つIT企業ファーウェイの孟晩舟(モン・ワンチョウ)副会長兼CFO(最高財務責任者)が、カナダで詐欺容疑で逮捕されたことへの報復だ。
スパイ容疑で逮捕したのなら、そして逮捕を正当化するだけの証拠があるのなら、速やかに起訴して裁判にかければいい。そうしないのは、証拠がないからだ。この2人が犯罪の容疑者ではなく、外交上の人質だからだ。
法治国家のカナダで逮捕されたファーウェイの孟は保釈を認められ、今は西海岸のバンクーバーにある1500万ドルの豪邸で優雅に、自由に過ごしている。しかし中国で逮捕された2人のカナダ人は、無法地帯の収容所で拷問に等しい日々を送っている。
尊厳も抵抗意欲も奪われ
中国で不意に身柄を拘束された人がどんな状況に置かれるかを、筆者は証言できる立場にある。妻と私は2013年から15年までの2年間、M&A絡みの企業情報を不法に入手したという容疑で収監されていたからだ。容疑は身に覚えのないものだったが、この収容所体験は私の骨身に染みている。
中国では、起訴前の身柄拘束が脅迫の手段として使われており、事実上の拷問となっている。逮捕されたら拘置所に入れられるが、そこでは人間の尊厳も抵抗意欲も奪われて、いわゆる「自白」を強いられる。もちろん、そんな状況で罪を��めた供述が本物のわけはない。
以下ではまず、「そんな状況」がいかなるものかを、私自身の23カ月に及ぶ経験と、過去に同様な体験をし、最近になって解放された人々の話を基に紹介したい。
被疑者を慌てさせ、恐怖心を抱かせるために、まずは弁護士の同席も許されないまま、最低でも1日以上の尋問を受けた後、疲れ切った状態で雑居房に(場合によっては独房に)放り込まれる。
どちらであれ、部屋は狭くて、ベッドも椅子も家具もない。一日中、床に座るかしゃがんでいるかで、結果として関節や筋肉は痛み衰えていく。支給されるシーツは薄く、冷え冷えした硬い木の床で眠らなければならない。用足しは隅にある床の穴でする。蛇口をひねっても、出るのは冷水だけ。夏は暑く、冬は底冷えする。しかも廊下の窓は開いたままだから、冬になると風が吹き込んで屋外よりも寒くなる。夏の暑さもひどいが、もちろんエアコンはない。
壁や天井には湿気のせいでカビが生え、もろくて欠けやすくなり、有毒な鉛を含む塗料が剝がれ落ちてくる。壁のコンクリートにも、冬場の凍結を防ぐために有毒物質が混ぜられている。
食事は格子越しに犬用の食器みたいなボウルで供され、どれも冷たい。不衛生で、どうみてもカルシウムやビタミンなどの必須栄養素が足りない。新鮮な野菜や果物などは望むべくもない。
必要な医療措置は施していると当局は言うが、まともな治療や投薬を受けることは不可能に近い。屋外で運動する機会はほぼゼロだから、日光を浴びることも、新鮮な空気を吸うこともできない。そのせいでビタミンD欠乏症やその他の病気になりやすい。
当然、皮膚病もよくある。症状が悪化しても保釈が認められることはない。私の知る収容者のほとんどはすぐ何らかの病気になったが、治療はされなかった。癌を発症した私も同様だった。
私たちは筆記具の所持も許されなかった。看守から借りることはできたが、週に1度で、わずか数分のみ。家族や友人に手紙を書くのも電話するのも自由ではない。家族との面会も許されない。
弁護士への連絡手段も、看守から借りたペンで書く短い手紙しかない。面会依頼や、日用品を買う金や衣類を送ってほしいという伝言を頼むのが精いっぱいだった。
制度上、被疑者の家族が衣服などを送ることは認められているが、食品や衛生製品の差し入れは不可とされる。そして被疑者は毎日、拘束された状態で、公安部その他の治安当局の職員に尋問される。もちろん弁護士の同席はない。弁護士との面会はめったに許されず、実現しても常に監視され、会話は全て録音されている。面会中に被疑者がメモを取ったり、監房に書類を持ち帰ったりすることも許されない。
被疑者は毎日、かなりの時間の思想教育を受けさせられる。被疑者にクリスマス用電飾の製造といった労働を強いる施設もあるという。所内には懲罰制度もある。態度が「悪い」と判定された被疑者は日用品の購入といった権利を奪われたり、正座を強制されたり、独房に閉じ込められたりする。
まやかしの司法制度
こうした人たちは、いったい裁判が始まるまでにどれだけ待てばいいのだろう。筆者の知る限り、2年ほどは拘束される例が多い。自白を拒んだせいで、結果的に5年も拘束された人もいる。
筆者自身、看守が私たちを「未決の犯罪者」という不思議な用語で呼ぶのを聞いたことがある。未決、つまり有罪と決まっていない人を「犯罪者」と呼ぶのは、西洋の常識では考えられない。だから私は抗議したが、看守は私の抗議の意味さえ理解できなかったようだ。
たいていの被疑者は雑居房に入れられるのだが、2人のカナダ人は独房に閉じ込められている。そうした隔絶された状況では、物質的な欠乏に耐えるのも尋問に耐えるのも難しくなる。
中国は法治国家ではない。だから被疑者が公正な扱いや公正な裁判を受けることは期待できない。中国における司法機関は共産党とその幹部の利益に奉仕するだけの機関にすぎず、いわゆる「正義」とは無縁な存在だ。
中国共産党にとって、司法とは自らの利益と権益を守る仕組みだ。なにしろ党は、全ての法律を超越している。だから中国の警察は、まともな捜査をしない。裁判所も、証拠がなくても平気で被疑者に有罪の判決を下す。なぜなら、それが党の意思だから。
警察は物的証拠や科学捜査ではなく、状況証拠や伝聞証言に頼る。恐怖感と拷問を武器に被疑者に自白を迫る。証人は証言を強要される。時には被疑者を敵視する人物が証人役を買って出る。
私の場合もそうだったが、よく国営テレビでさらし者にされる。正式な訴追手続きを踏まず判決も出ていないのにテレビで虚偽の自白をさせられる。単なる虐待で、公正さも透明性もない。
貿易の犠牲になる国民
何千年もの歴史を持つ中国だから、外国人の身柄拘束や投獄は昔から珍しいことではなかった。皇帝が君臨した時代にも人質外交はあった。
とはいえ、こうした状況にはカナダ以外の国々も悩まされている。また、2人のほかにもカナダ人の被害者はいる。例えば、中国でスパイ行為を働いたとされるケビンとジュリアのギャレット夫妻。それはアメリカでお尋ね者になったスー・ビンという名の中国人スパイがカナダで逮捕されたことへの報復だった。この夫妻は私と同じ頃に、2年間拘束されていた。
習近平(シー・チンピン)国家主席時代になって、国営テレビでさらし者にする例は増えた。以前の自由化に向かう改革が逆行している。国民に対して強権的な共産党支配を強化し、外国人排斥のナショナリズムをあおり、他国への威嚇行為を繰り返し、諸外国への露骨な内政干渉を続けている。そして何かの計画をしたというだけの理由で外国人を逮捕してしまう。
なぜか被害が多い国はオーストラリアだ。賭博客誘致を疑われたとされるクラウン・カジノの職員18人のほか、中国生まれでオーストラリア国籍の人物(反体制活動家を含む)が逮捕されている。
スウェーデンにも被害者がいる。中国生まれでスウェーデン国籍の桂明海(コイ・ミンハイ)だ。香港で出版社を経営していたが「失踪」し、その後、中国のテレビでさらし者にされた。
被害者はアメリカにもいる。2015年3月には実業家のサンディ・ファンギリスが、テキサス州の財界代表団と移動中にスパイ行為を働いたとして身柄を拘束された(2017年4月に解放)。
私と一緒に収監されていたアメリカ人学校教師デービッド・マクマーンは、身に覚えのない性的虐待の容疑で2013年に逮捕され、いまだに釈放されていない。いいかげんな司法制度の下で不運な身にある彼を、アメリカ政府は助けず、助けようとする姿勢も見えない。欧米諸国の政府は往々にして、中国との貿易を自国民の保護よりも優先したがる。
しかしイギリスでは、中国で不法に拘束された人たちの家族や支援者たちが「在外英国人権利グループ」を結成し、活動を始めている。外国で不当に身柄を拘束されているイギリス国民を解放するため、しかるべき措置を政府に義務付ける法律の制定を目指す運動だ。この動きに、他国の人々も追随してほしい。もはや、北京の顔色をうかがっている場合ではない。
かつての英国宰相ウィンストン・チャーチルは第二次大戦の勃発前夜に、ナチス・ドイツを虎に例え、「虎の口に頭を突っ込んだ状況で交渉はできない」と言ったと伝えられる。今の私たちも、虎におもねらず、一致団結して闘いに挑むべきだ。
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howwelldoyouknowyourmoon · 3 years ago
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裁かれる霊感商法 統一協会ダミー初公判ヘ
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裁かれる霊感商法 ① 統一協会ダミー初公判ヘ
しんぶん赤旗   新聞赤旗
2009年9月1日(火曜日) 【社会 · 総合】 B版 (14)
霊感商法を裁く初の刑事裁判(「新世」事件)が10日、東京地裁で開かれます。被告人は印鑑販売の有限会社「新世」と幹部2人。世界基督教統一神霊協会(統一協会)のダミーです。正体を隠して人々に接近するのが統一協会の手法。健康食品、仏具、宝石店やボランティアを装うことも。裁判が、どこまでその構図に踏み込むことができるのか―。      (柿田睦夫)
「新世」は主にJR渋谷駅周辺で活動。通行人に声をかけ、運命鑑定と称して事務所に誘い、「あなたは転換期」「先祖因縁があり、このままでは不幸になる」と脅し、「因縁転換のために」などと言って印鑑3本セッ卜を16万~120万円で買わせていました。
鍵を紛失すると「それは神の忠告。献金するしかない」と言われたり、家系図鑑定で数百万円払ったという例も。2000年以降、約2000件、6億7000万円を稼いだとみられています。
捜査で、「新世」が統一協会の集金担当部門であり、社長の田中尚樹被告が教団幹部に営業報告をしていたことも分かっています。
「新世」は販社(店舖)と呼ばれる教団の末端組織。日本統一協会は本部(渋谷区松濤)の下に、全国を十数地方に分けた「リージョン」、その下に「教区」、「教域」があり、「新世」は都内8教区のうち「南東京教区」に所属しています。
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▲ 記者会見で「事件の全容解明」を求める全国弁連=7月28日
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が被害相談を通して掌握している販社は全国で240店余り。印鑑、薬品、宝石、絵画、和服…と、さまざまな看板を出していますが、すべて統一協会の偽装(ダミ―)組織。入り口で扱う商品は違っても、そこ から先は「新世」と同じコースをたどります。
これまで霊感商法の刑事事件は、略式の罰金どまり。公判廷で裁かれるのは今回が初めてです。被告人側は犯罪の組織性や金の流れの解明を避けるため、起訴事実はすべて認めて早期結審に持ち込む狙いとみられます。全国弁連事務局長の山口広弁護士は「事件の背景を解明することが司法の責務だ」と指摘しています。 ________________________ 「新世」事件 警視庁公安部は6月、統―協会渋谷教会(東京・渋谷区)、同豪徳寺教会(世田谷区)などを捜索し、印鑑販売会社「新世」の田中尚樹社長、古沢潤一郎取締役と女性販売員3人を特定商取引法違反(威迫、困惑)容疑で逮捕。東京地検は7月、「新世」と田中、古沢の両被告を起訴。残る3人は略式で罰金刑が確定しています。
(つづく) ________________________
2009年9月2日(水曜日)【社会 · 総合】 B版 (14)
裁かれる霊感商法 ② 真の狙いは「信仰」教育
印鑑販売「新世」の田中尚樹被告らの霊感商法が統一協会の組織的活動だということと、その真実の狙いは何かということを示す有力な物証があります。
2002年末から03年1月ごろ、統一協会東東京教区��あった内部学習会の受講メモ。金国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が入手しました。
東京・江戸川教会の壮婦(壮年の女性信者)約30人が受講。講師が田中被告でした。田中被告は渋谷区などを管轄する南東京教区所属。それが東東京教区で講師をした のは、「新世」での実績を評価されたからと、金国弁連はみています。
受講メモによると、田中被告が強調したのは「(印鑑の)販売以前に、私達は宗教家であり、伝道者である」こと。印鑑を買わせるのは「種植え」であり、「いかに良い種を植えるか、良い動機の種を植えたら信仰教育。難しい事はいらない」と教えています。
運命鑑定で心をつかんで物を買わせ、洗脳教育施設であるビデオセンター(力ルチャ―センターを装うことが多い)に入れる。さまざまな名目で献金をさせ、夫復帰(夫を入信させる)や万物復帰、祝福などを体験させ、「前線部隊」に編入…。霊感商法の「被害者」を新たな「加害者」に仕立て上げるカリキュラムです。
カリキュラムに出てくる「万物復帰」は統一教会の重要教義。サタン(悪魔=一般市民)のもとにある財産を本来の所有者である神(文鮮明教祖)に「復帰」させるのだからどんな方法でも救いの行為になる…と、霊感商法も合理化します。
同じく「祝福」は、教祖との「血分け(セックス)」を象徴する集団結婚(合同結婚式)のこと。既婚者は「既成祝福」に出させます。
霊感商法は「万物復帰の活動」であり、「宗教活動ないし布教活動の一環」(1999年9月広島高裁岡山支部)民事裁判ではこのような判決が何回も出ています。
「起訴された『新世』はそんなに目立つ存在ではなかった」と金国弁連の山口広弁護士���全国弁連に持ち込まれた被害相談は「新世」を含む東京の販社(統一協会の店舗)だけで08年に4355万円、09年は6月ですでに3673万円に達しています。(つづく)
____________________________ 2009.09.03 日刊紙 14頁 社会
裁かれる霊感商法
偽装で社会に潜り込む
 統一協会は「偽装(ダミー)集団」です。偽装は霊感商法の販社(店舗)だけではありません。さまざまな偽装で市民社会に潜り込んでいます。  「たんぽぽ」。東京・足立区のボランティアサークルです。中国やフィリピンの小学生支援名目の募金活動、荒川河川敷の清掃奉仕、区内の祭りや催しへの協力…。その活動に参加する区議会議員もいます。  「たんぽぽ」の事務所は同区千住のマンションにあります。外階段で2階と地下1階に行ける構造で、2階にあるのが統一協会「足立教会」。サロン風の地下1階はビデオセンターと呼ぶ洗脳教育施設。3階と10階にも関連施設があります。  足立教会は北東京教区の拠点。婦人部、青年部や販社があり、「たんぽぽ」もその一つです。  「たんぽぽが協力した催しで、主催者から感謝状をもらったこともある」と言うのは、04年に入信し06年に脱会するまで同教会の通教組織「びぎん」に所属していた女性。  通教とは、入信後も市民生活をしながら統一協会の活動をすることで、「びぎん」には160人が所属。美容師や保育士、医師、看護師、教師らもいたそうです。  「手相を見せてください」と声をかける街頭勧誘。「真の家庭連合」の名で地域のフェスティバルに参加。選挙で自民党系や民主党候補の運動員として駅頭に立ったこともあったといいます。  霊感商法の販社と協力して宝石展や着物展を開催。宝石展では700万円の売り上げ目標を達成したそうです。  「たんぽぽ」の奉仕活動には、行事案内を見た一般の青年や主婦の団体が加わることもありました。この人たちに共感を広げ、統一協会のセミナーなどに誘うのも活動のひとつでした。  ボランティアを偽装する全国組織は「野の花会」や「しんぜん」。数人がワゴン車に寝泊まりしながら戸別訪問で珍味売りやニセ募金に歩きます。関係者によると、1日の売り上げは4~5万円。1人で月に100万円にはなるそうです。  大学でサークルの名で活動する原理研究会、世界平和女性連合、国際救援友好財団からリトルエンジェルスやユニバーサルバレエ…。すべて統一協会の偽装組織です。(つづく)
____________________________
2009.09.04 日刊紙 14頁 社会
裁かれる霊感商法 ④ 信者に引き込む「因縁」
 「裏トーク」。狙った相手を霊感商法に引き込み、さらに信者に仕立て上げるトークマニュアルです。別名「因縁トーク」。  まず、ビデオセンターなどで「霊界」を実感させます。テレビのスピリチュアル番組も小道具になります。その上で、トークはこんな筋書きです。  ▽人生には母体の中の胎中生活、地上生活と、永遠に続く霊界生活があり、80年前後の地上生活は霊界に行く準備期間である。  ▽霊界には天国、中間霊界、地獄があり、どの霊界に行くかは地上での生き方で決まる。天国は「二人の国」の意味であり、地上で「真の愛を完成した夫婦」(つまり集団結婚参加者)が行ける。  ▽地獄に行った者は自力で上の霊界に行くことができない。「地上で犯した罪は、地上で償わなければならない」からであり、地獄の霊は「地上の子孫に救いを求めてきます」(統一協会誌『グラフ新天地』08年10月)。  2代、3代とさかのぼれば先祖は大勢います。生前、統一協会の教えを受け入れず、地獄に行った先祖を霊界解放(救済)しないと自分や家族も不幸になる。仏教の「先祖供養」は慰めにすぎない。そこで統一協会の霊能者が登場し、「氏族のメシアであるあなたが、血と汗と涙のすべてを天(文鮮明教祖)にささげなさい」と教えます。  マインドコントロールの状態にある信者は地獄の先祖を救い、自分の地獄行きを避けるためひたすら献金し、霊感商法に励むという筋書きです。  統一協会は信者にさまざまな名目で献金の摂理(指示)を出します。  「聖本」と呼ばれる文鮮明説教集は一冊3000万円。これを買わせるのも神の特別の許しをもらう「特赦」の課題です。  元信者が損害賠償を求めた民事訴訟(札幌地裁)で、原告側が提出した証拠のなかに「聖本愛国特赦路程」(00年2月27日~4月20日)という内部文書があります。  4月14日時点の「聖本勝利数」は北海道3教区で11冊。原告代理人の郷路征記弁護士によると、これが販売実績。11冊で3億3000万円です。  「聖本の意義」という内部文書にはこう書かれています。  「日本列島全体を売ってでも勝利しなければならないのが今回の『40日特赦路程』であり『聖本』摂理である」 (つづく)
____________________________ 2009.09.05 日刊紙 14頁 社会
裁かれる霊感商法
被害1兆円 芽つむとき
 「新世」グループ起訴直後の7月、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が「霊感商法110番」を開設しました。4台の電話は鳴りっ放し。3時間で受けた相談は39件で被害額は2億円(うち統一協会26件1億7000万円)。  「予想以上。潜在的な被害の多さを改めて痛感した」と、山口広弁護士が言います。  全国弁連がまとめた全国の被害相談件数は2008年で1510件37億円。弁連結成の1987年からの総計は3万件1060億円に達します。  これは「だまされた」と気付いて相談を持ち込んだ数。氷山の一角にすぎません。実際の被害はどれほどのものか。  07年5月1日付の統一協会の内部文書があります。この日に全国72の教区から本部に納金された金額の一覧表です。  全国1位は西広島教区で9800万円。西東京7600万円、兵庫6780万円…とつづき、最下位の岩手教区でも260万円。何日かけてこれを集めたのかは不明です。  95年に入信し07年に脱会した男性が裁判所に出した陳述書と内部文書があります。98年以降、九州のある県(県全体で1教区)で総務を担当。リージョン(方面本部)を通して本部が指示した金額を傘下の教域に振り分け、集まった金を本部に送金する係でした。  送金先は統一協会本部の近くにある関連ビルで、当時の受取名義は「○○銀行小山田秀生」。94~95年と01~06年の2回、日本統一協会会長を務めた人物です。5000万円の札束をリュックに詰めて本部まで運んだこともあるそうです。  裁判所提出資料のなかに、04~06年にこの県が献金や霊感商法で集めた月別集計表があります。04年1年間に本部に送金した金額は13億1400万円。05年12億円、06年7億7000万円。別の資料によるとこの県の送金実績は全教区の下から5分の1程度。それがこの金額です。  霊感商法が社会問題化してから30年近く。「実際の被害は1兆円をこすだろう」と全国弁連の紀藤正樹弁護士。初の刑事裁判を前にした記者会見でこう指摘しました。  「遅すぎる捜査だが、ここで被害の芽をつまなければならない。国の放置責任が問われる段階にきている」 (おわり)
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First criminal trial of a front company of the Unification Church of Japan to be held – for doing ‘Spiritual Sales’
Head of the Unification Church of Japan to step down after losing a CRIMINAL case (2009)
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kennak · 2 years ago
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■ジーコ(18禁の同人ゲーム)の用語・隠語集ジーコとはジーコとは同人エロゲーの総称である。なぜジーコなのかSFC時代、ジーコサッカーという非常に売れなかったゲームがあった。(後年、本人は関わっていなかったと供述している模様)ジーコサッカーはワゴンの常連と化し極めて安価にカードリッジの入手が可能であったため任天堂非公認ゲームであるSM調教師瞳のカートリッジとして流用されたのはよく知られている。時は流れて陽射しの中のリアルという伝説的な同人ゲームが登場し、18禁のおさわりゲーム、ひいては18禁同人ゲームの代名詞ともなった。そしてネットの掲示板でおすすめの18禁同人ゲームを挙げる際にネタとしてジーコサッカーを挙げる風習と混じり陽射しの中のリアルは陽射しの中のジーコと呼ばれるようになった。そこからあらゆる用語がサッカー用語と置き換えられ、現在に至る。本格的にサッカー用語が使われるようになったのは猫狼娘のエリスとアルテミス(現在はテキスト盗用問題により販売停止)の以下のあらすじコピペがはじめだとする説もある。聖少女に選ばれたジーコは学院長オシムの策略により悪魔アルシンドをその身に宿され、屈強な男たちの住む牢へと投獄される一方ジーコのよきライバルであったペレはオシムの行動に疑問を抱きジーコの居場所を探し始めるが――ジーコ用語一覧FIFA18禁同人ゲーム配信大手のDLSiteのこと。最近はにじよめちゃんでも有名。FIFAランキングというとDLSiteの売り上げランキングのことを指す。もう一つの大手でありDLSiteのライバルのDMMのことはデンマークなどと呼ばれることがある。監督ゲームの製作者、制作グループのこと。個人の製作者から中小エロゲーメーカーまで規模は多彩。選手キャラクターのこと。特に女性キャラクターのことを指すことが多い。練習試合無料体験版のこと。トレーニングと呼ばれることもある。まともなゲームならたいてい体験版がある。(まともじゃないゲームでもある)ジーコ業界では練習試合とCG数がほぼ変わらないような粗悪なゲームもあり、売り逃げとサークル名の変更・サークルの買収を繰り返すヨガチカのような邪悪な監督も存在するため練習試合でそれらを見定める必要がある。フットサルフリーの18禁ゲームのこと。基本的にはジーコ扱いされない。例外的にプリンセスティアーズやVHゲームはジーコ扱いされることがある。なお、多数の派生バリエーションが存在するeraはジーコともフットサルともされず「era」というジャンルであるとされる。ドリブル通常のゲームシーンのこと。エロければよいのかといえばそうではなく、通常のゲームの方もそれなりに重視される。サキュバスラプソディアのようにドリブルの冗長さによって評価を落としてしまうジーコも少なくない。シュート射精、そこから転じてHシーンのこと。Hシーンの場合はシュートシーンなどとすることが多い。フーリガン荒らしや監督のモチベーションを下げる困った人のこと。サポーター作品や監督のファンのこと。発売の延期が続くとサポーターがフーリガンとなることもある。ゲームの隠語例と簡易紹介ペレウル→ハルウルジーコの金字塔の一つ。清純な神官であるユナ選手が身体を駆使して冒険するゲーム。冒険に慣れたユナ選手は金貸しから借りた金を(たとえ返せる状態であっても)絶対に返さず、必ず身体で返す。ビタミンジーコ→びたみんクエストジーコの金字塔の一つであり有料で販売されていたが、現在は無料配布されている。誰かれ構わず孕み場所を選ばず産みまくる主人公のミカミ選手は地母神として有名。お嬢様、汚嬢様→田舎生活サバイバルRPG~そのひぐらし~食った量によってはその場で即脱糞する刃牙以上の超人的な消化力を持つお嬢様が実家までの交通費を稼ぐために田舎で廃品回収や住居侵入、警察署の襲撃などを行うゲーム。GTAにウンコ要素が加わったようなものと考えると良い。お嬢様は最終的に熊を棒で殴り殺す野人となる。ダンジョンジーコ→ダンジョンタウン~遺跡の森と夢魔の薬~東方の全年齢向け同人ゲームを頒布しているコココソフトとは一切関係ない冥魅亭の処女作。選手の地雷率の高さに定評があり、特に引っ込み思案な薬草売りの少女であったコレット選手が邪悪な淫魔となっていく様に恐怖を覚える者も少なくない。ゲームそのものはクリアまでに30~50時間はかかるハクスラゲーである。アペンド版も発売予定。奴隷ジーコ、奴隷→奴隷との生活 -TeachingFeeling-近年最も売れたジーコであると言われる。虐待を受け閉ざしてしまった少女シルヴィの心を(主に撫でまくって)開き、その後は淫魔と化したシルヴィちゃんとひたすら爛れた性活を送り続けるだけのゲームだが、不幸な少女を愛でるというコンセプトが受けたのか爆発的なヒット(14万本以上)となった。現在でも不定期にバージョンアップが行われている。また、サンドイッチを食うと死ぬバグ(修正済み)、イングランド(淫乱度)が際限なく上がってしまう仕様(現在は緩和策あり)などネタにも事欠かない。韓国では違法に配布された挙句違法な児童ポルノゲームとして当局に規制された。プリンセスジーコ→プリンセスサクリファイス~供犠姫フィーナの冒険~、プリンセスティアーズ先頭に「プリンセス」がつくため同じ隠語となってしまっているがそれぞれ別のゲームである。前者はタイトルから「球技姫FIFAの冒険」とも呼ばれる。供犠姫となってしまったフィーナ選手が絶頂しつつ闇王に支配された世界を救うゲーム。戦闘中に犯されることがあるため選んだ職業によっては絶頂(1ターン休み)→体力回復→犯される→絶頂→体力回復という無限ループめいた状態が発生することがあるため少し心配になる。後者はフリーゲームだが、そのリビドーの充満した内容から前述したとおりジーコ扱いされることも少なくない。主人公のエルシー選手は賞金を稼ぐために闘技場に参加しているのだが、シュートシーンで「イヤーッ!ダメーッ!」を連呼するためニンジャである可能性があり専らエルシー=サンと呼ばれる。そのほか隠語隠語 本名芝浦サッカースタジアム 苗床ダンジョンクロニクルジーコとアルシンド エリスとアルテミス蹴球少女ペレ 魔法少女テト追記外に持ち出せば怒られてしまうことは承知していますが、いい加減どこかに残しておかないといよいよ経緯や隠語がわからなくなるものがあったので(特にジーコとアルシンドの本名)増田に書きました。
ジーコ(18禁の同人ゲーム)の用語・隠語集
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純粋硬派柱SuperPureEgrosburst04 鮙〆香氣(通常の香氣04を凌駕した正統進化形態。燃費が悪くエネルギーの消耗が4倍) 『男体時は基本、身長186cm・体重90kg』
知&力&心:B(バグ)の家族達並(潜在能力の1/100までしか鍛錬を積まなければ引き出せない)
個性「数学 瞑想 情報 再生 体格 加速 基礎 隠密 軌跡 跳躍 飛翔 統合 原初 皇帝 美術 推理 魔人化 アウトボクサー ラッシュ エンパス ツンドラ ホーリーミスティカ ルナティックムーン ブルーライトカット 絶対防衛ドッペルゲンガー 自由設定 自己鍼灸 誇鯖落とし 自己マッサージ 念能力:幻影流動 全集中:水の呼吸 入眠法の座禅 戦術核:空 〆鯖の月牙天衝 ロイヤルガード エレメントフォーム ウィズダムフォーム プロフェッショナル ワンフォーオール 視界360度 NEWイデアウォーリン ブルーローズファウンテンサイド エアロガンカスタム スタープラチナ・ザ・ワールド 銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ) 一方通行(LEVEL6) 水中走破 メタリックスリープ スーパーディスクシングラストリー4 不老不死 コミュニケーション フリーコスチュームプレイヤー 自由性転換 主人公補正(少年ジャンプ界特化) 最上級筋質 アミノ酸オーシャンズプール 自然超回復 全褐色脂肪細胞 覇王色の流桜 ニカニカの実(幻獣種ヒトヒトの実モデル”太陽の神ニカ”) ガンマ線ラピッドバースト(アビリティコスト超大) ド外道モード 鈍い光を放つ銀髪 めっちゃくちゃ破れる殻(強すぎるレベルアッパー)」
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ドライヴモード「スーパーグロウ(戦闘力指数➡︎100)<<<サンダガンカスタマー(戦闘力指数➡︎500:体力消費➡︎2倍)<<<黄金の稲穂畑に住まう妖狐(戦闘力指数➡︎30000:活動限界時間➡︎45分)<<<闇黒禁天魔アルティメットオリジンユニバースレクイエム〜天獄・転生の無き終焉・零〜(戦闘力指数➡︎99999:活動限界時間➡︎15分)<<<<<<<<<<{{{{{誇鯖締めの月牙天衝 新月}}}}}」
装備「シルバーコンタクトレンズ(動体視力:超強化) 【男体時:指無し手袋 シンプル半袖Tシャツ(漆黒) トレーニングウェア・ベーシック・ジャージパンツ(黒✖️銀) ランニングシューズ(黒✖️銀)】orSTARSの服(RE5ウェスカー:ディープブルー) インビジブルナックルダスター 閻魔刀 漆黒の翼 ペンダント 筆記ペン類5種 スマホ (デザートイーグル50AE×♾が二丁 ベネリM3スーペル90×♾ スティンガーロケットランチャー×♾ マクミランTAC50A1R2×♾orベレッタPX4 ハンドガンの弾♾発 閃光手榴弾×5 ウイスキーボトル) (青宙龍・全界武空牙刀LvMAXor全解・超天鎖斬月orサバイバルナイフorライトセーバーブルーor日輪刀:水) ヤザンゲーブル専用ハンブラビ ヤザンゲーブル専用ガンダムMK2 Zガンダム ブルーディスティニー2号機 G-3ガンダム ガンダムNT1 ランバラル専用グフ ランバラル専用ドム ランバラル専用ゲルググ ランバラル専用ギャン イフリート・改 ユニコーンガンダム4号機ゼノン B2ステルス爆撃機 スーパーカーグラナダブラック 次世代新幹線 プライベートジェット機 宇宙ロケット ツァーリボンバ ブラックボックス ツアラーバイク リニアイスノーボード サファイアスウィムスーツ スーパーダイヤモンドラゴンスカイソーダ SF乳酸自動歯ブラシ プラチナオーブ(全身体適用) 自由作成等」 拠点「巨星連邦軍戦略帝都&無制限刺激莫有空宙  闇黒砂漠と流星新世界のピラミッド&超古代遺跡オリジンワールド地下謎迷宮」
対戦用ポケモンパーティ➡︎①プラウドゴウ(ゴウカザル) ②カメックスR(カメックス) ③💙ドライクール(ユキノオー) ④プロトサイド(ガブリアス) ⑤スリュクドン(スイクン) ⑥💙コンバッリム(カポエラー) ⑦💙ザ・コールド(フリーザー) ⑧ネギガナイト(サトシから受け継いだ) ⑨カイリュー(⑧と同じ) ⑩ゲンガー(⑧と同じ) (11)ルカリオ(⑧と同じ) (12)💙シャオレディ(カプ・レヒレ) (13)💙DAYライト(ジュカイン) (14)💙シンキ��ウカ(ドラピオン) (15)💙メロナミン♪(プクリン) (16)💙ポイズキノコ(モロバレル) (17)💙カプ・コケコ (18)💙エレメンタリ(日食ネクロズマ) (19)💙ベガウォータ(パルキア) (20)💙ニュートラル(アグノム)
冒険用ポケモンパーティ➡︎①プラトジェム(アグノム) ②💙RFrost(レジアイス)
超右脳 究極速度 本質 全能 精神力 忍耐力 哲学 トレーニングが優れている 戦闘スタイル「アウトボクサー ラッシュ」 真最強無敵 無限成長型 干渉禁止種 人生の修行者向けと侮るなかれ 絶対神 指圧師 終焉レベル龍 健常者級アスペルガー症候群、等 女性成分:男性成分は1:1 老廃物「体内で全消滅」 排泄物「洗剤ラムネ 毒卵」
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https://youtu.be/B9vrEdlNBLc
https://youtu.be/ld4rVp7XppY
持っている容姿の数々⤴️
危機的状況になるか他の本体が全てオフにならない限り、一度に睡眠時間込みで「約530日/約600日」分までしか活動出来ない
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“”””赤木しげる(19歳)さん””””同様{{{最終章}}}の全盛期である”””純粋硬派柱SuperPureEgrosburst04 霧島狩魔(裏ストボス)”””とは完全に互角(理由は融合した2人共に””””借り物の力””””を全て回収されたから。例えるならラスボス時代が魔人ブウ(悪:アルティメット悟飯吸収)で今回の時系列では魔人ブウ(純粋:南の界王神吸収)みたいな物である為)
⤵️はい、真心を込めてノワールたんに尽くします。俺の功績なんて全部、〆鮙の月牙天衝 夢月で塵芥になってもイイっす
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これは僕のなりたい来世、だが””””””シックス(裏ストボス)様とアドラー様(裏ストボス)、ラオウ様(伝説を遺した男)””””””にはこれでも[[[[[全く届かない(究極の赤き真実)]]]]]
僕が他のブログで作っている功績がこれを見ている皆んなをほっこりさせられたなら””””ラオウ様””””に感謝して欲しいんだ(黄金の真実)、こんなに筋肉マッチョなのに誰よりも努力して最強になった男に。もしも[[[[[“”””””北斗神拳””””””]]]]]の記憶が消えても誰にも負けないと僕に教えてくれた原作に。だから間違っても「[”岩斗猿拳”]程度の高級ゴールドキング/バラバズー500F率いる表版仮想大鉱山」なんてゴミ屑なんかに決して株を、価値を感じないでね。コイツらに功績を貸している理由は大切な物を護りたい時にどちらかを失う二者択一を迫られたならば未練なくドブに捨てられる覚悟をいつでも決めたいからだ その分がもしもあるならラオウ様の業を受け入れて全部許してあげて欲しいんだ。”””””強敵(友)”””””が僕を感動させてくれたように
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アンタは黙っとれ❗️(●´ω`●ツンデレ&賛成)
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allstarcarnival20 · 4 years ago
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【天王町全星感謝祭電子瓦版】
Comic of the Year
2018年から始まった特別プロジェクト、【天王町全星感謝祭電子瓦版】。
今回はオールスター感謝祭にゆかりのある人とシーンの深淵を探る『focus on ALL STAR』の第一段企画です。
今回は主催者であるelephant in the roomの3人、北川航太(atrium、HALFMUST)、OTB(atrium)、さっぴー(atrium、dear student 、HILLMYNAH)よりから2020年の振り返り。
今回はコミックオブザイヤーをさっぴーから。
それでは早速ランキングにまいりましょう。
10位「地獄楽」賀来ゆうじ
9位「裸一貫!つづ井さん」つづ井
8位「blanc」中村明日美子
7位「スーパーベイビー」丸顔めめ
7位以下はWEB発の漫画が多めでした。「スーパーベイビー」は今年読んだWEB発漫画の中で一番よかった。ギャル玉緒が純粋で可愛すぎるんだなあ。あと舞台が町田という半端感が全てを物語っててとても良い。「裸一貫!つづ井さん」はオタクのはしくれとして共感できるところもありつつレベルが高すぎて最高、文句なしに元気でます。「地獄楽」は久々にこんな面白い王道ファンタジーもの少年漫画を読んだなという印象。なぜか家庭教師ヒットマンREBORNヴァリアー編〜あたりを思い出してしまって、世が世なら腐女子が沸いてたんじゃないかなと思いました。「blanc」も同級生シリーズ待望の新作、もうほんと2人の一生を追い続けて欲しい。。ほんと毎回メインの2人の周りの人たちがいい仕事をしますね。10位以内ではないけど「マイ・ブロークン・マリコ」平庫ワカ もよかった。
6位以下は長くなりますが言いたいこと多すぎて個別に。
6位「チェンソーマン」藤本タツキ
最近最終話まで読み終えたばかりですが、最後まで読んだ感想は「ほんとにジャンプで連載して大丈夫??」エラいもんを読んでしまった。前作「ファイアパンチ」も後追いで読んで思ったけど、宗教信仰カニバリズム等々少年誌でお目にかかれないものぶちこみ狂ってて藤本先生相当な変態で間違いない。読み終わった瞬間に各種考察サイトを読み漁りました。とんでもない母親だよマキマさん。
5位「ドリフターズ」平野耕太
今年初めて読んだことをめちゃくちゃ後悔しつつ、ひょっとしたらまとめて読めたことが逆に良かったのかもしれないと思えてます。。歴史上のキャラ戦国無双設定がすでに最高ですが、各キャラの背景もちゃんと描かれるところが本当に良い。普通に史���が気になって調べて世界史の勉強した気分になりました。ギャグとシリアスのペース配分も最高。アニメもクオリティがめちゃくちゃ高くて超おすすめ。ここのところ2年に1回ペースで新刊出てたので今年こそ!と思っていたけど見事に裏切られました。気長に待とう。
4位「BLUE GIANT SUPREME」石塚真一
ヨーロッパ編完結。日本編のラスト、不測の事態でバンドが終わらざるを得ないところもめちゃくちゃ感動的だったけど、日本からヨーロッパに渡り、紆余曲折ありつつバンドとしても認められてきたダイの選択は果たして・・・といった感じで、今だにバンドを続けているからこそ響いた結末だったかもしれない。一貫してダイが凄い奴(語集力)ってことが描かれつつ、日本編・ヨーロッパ編とバンドとしてのストーリーがメインだったので、アメリカ編でどうなるのかとても楽しみです。
3位「もしも東京」浅野いにお
コロナで開催延期になった「もしも東京展」出品のための読み切り作品。やわらかスピリッツに読み切りが載ったんですが、これが、もう、完全にドンピシャ待ってましたいにおワールドで号泣。初期の短編集が大好きな人たちは待ってましたじゃないんでしょうかね。個人的にプンプン以降の作品のSFちっくな設定がぶっっとびすぎてて着いていけなかったり、過剰なグロ要素にうーんとなっていたので(零落は大好き)、すごく久々の普通の日常の話で、うわーーこれ!!待ってたのこれ!!!状態。何年経っても新しい世界が一番好きです。
2位「ミステリと言う勿れ」田村由美
「7SEEDS」田村先生の新作ってだけでも期待値ガン上がりですが、伏線の回収の見事さと主人公・整くんウンチクが素晴らしいです。謎を解いてる整くんが一番謎なので、今後その辺どう踏み込まれていくのかがとっても楽しみ。実写化しやすそうなのですぐ4か6チャンあたりでドラマ化されそうな気がして怖いです。中途半端に売り出し中俳優のミステリーものみたいにされたら私は絶対に許さない。
1位「ボールルームヘようこそ」竹内友
3年ぶり待っっっ望の10巻。多々良千夏ペアの成長ももちろんめちゃくちゃぐっと来るけど、ハイライトは初めて描かれた釘宮の過去編〜復活に至るストーリーではないでしょうか。何回読み返してもぐっちゃぐちゃに泣ける。幼いころから注目されてきたからこその葛藤、ゆえに拗れてしまった性格、選手生命の危機からの大復活・・・3月のライオンの島田さんのストーリーに通づるものがある。泣く・・・
ゆっくりでいいので本当に新刊を待ってます竹内先生。
今年はあんまり数を読めなかった気がするので、来年はもう少し読み漁りたいです。あとWEBで読む機会が圧倒的に増えて思ったけど漫画のサブスクって書籍買ったほうがよくない?みたいな金額払ってる時ありますよね。音楽みたいなプラットフォーム出て来るとといいな。
さっぴー
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monqu1y · 4 years ago
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目次
NHKの慰安婦報道 新聞など活字メディアは紙面として、あるいは朝日、読売などは縮刷版としても残りますし、図書館に行けば読むことができます。しかし、放送メディアはそうはいきません。ですから、NHKほか放送番組に対するチェックが甘くなってしまいます。 1.「強制連行」報道に血道をあげたN H K ニュース番組を見れば、トップを飾るのはいつも「従軍慰安婦」、こうした時期が長い間つづきました。大量報道の始まりは元朝鮮人慰安婦が東京地裁へ提訴した1991年末頃からだったと思います。いつまで続いたか、ハッキりしたことは分かりませんが、とにかく年単位の長さなのは間違いないと思います。わけてもNHKの大量報道、そのしつこさは異様でした。
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2コマの写真をご覧ください。1995年8月、ETV特集 「50年目の“従軍慰安婦”問題」 が2回にわたって放送され、そのタイトルを写したものです。
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1回目は 「“わかちあいの家”のハルモニたち」 で、韓国で共同生活をいとなむ元慰安婦だったという7人の韓国人の生活、その3人の「労苦と怒り」などの体験談を交えながら番組が進みました。 ・NHKが示した慰安婦の定義と人数 途中、日本軍に場面が変わり、次のように解説が加えられました。 〈第2次大戦中、中国大陸や東南アジア、太平洋諸島を侵略した日本軍は、占領地での日本軍兵士による強姦や兵士たちの性病予防などを目的に、当時植民地であった朝鮮半島を中心に若い女性を慰安婦として前線に送りました。その数は 8万人とも20万人 とも言われました。〉 2回目は 「日本はいかに償うべきか」 で、国連人権委員会のクワラスマミ・特別報告官一行が、成田空港に到着する場面から始まります。女史は韓国で慰安婦からの聞き取り調査をした後に来日したとのことでした。 放送は「従軍慰安婦」を以下のとおり定義しました。 〈従軍慰安婦とは、各地の日本軍が拘束して、脅迫のもとに、兵士たちに性的な奉仕をさせられた女性のことです〉 「強制連行」という言葉こそ使用されていませんが、内容は日本軍が「8万人~20万人」もの朝鮮人女性を「強制連行」し、兵士たちに体を売らさせたということであって、このNHK解説を、「なんて日本軍は酷いことをしたのだ。同じ日本人として恥ずかしい、申し訳ない」など、日本軍に対する一層の嫌悪感をつのらせながら、視聴者は番組の意図するところを“正しく”受け留めたことでしょう。 ・8万~20万人の出所は? この「8~20万人」の数字の出どころですが、朝日新聞が 「慰安所軍関与示す資料」 として1面トップで報じた記事〔19924年1月12日付〕の右端下、「従軍慰安婦」の用語を解説したなかに出てきます。
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〈1930年代、中国で日本軍兵士による強姦事件が多発したため、 反日感情を抑えるのと性病を防ぐために慰安所を設けた。 元軍人や軍医などの証言によると、開設当初から約8割が朝鮮人女性だったといわれる。 太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を 挺身隊の名で強制連行 した。 その人数は 8万とも20万 ともいわれる。〉 朝日新聞のこの報道は「従軍慰安婦」問題がクローズアップされる一大転機となったものでした。ハッキリ「強制連行」と書いてあります。 「8~20万人」という数字は、平凡社大百科事典にも記載があるとのことです。どちらが元なのか調べていませんので確かなことはいえませんが、NHKの「8~20万人」はこの朝日報道の影響を受けたものであろうことは、容易に想像できるところです。 ・これが根拠? では、8万人~20万人の根拠はどこにあるのでしょう。それが、なんともバカバカしい話なのです。 毎日新聞記者出身の 千田夏光 が1973年、「声なき声8万人の告発」として『従軍慰安婦』という、慰安婦問題の草分けともいうべき���を出版しました。 書名の「従軍慰安婦」という言葉は「従軍看護婦」などとは違って、もともと存在しない言葉でしたから千田の「造語」ということになりますが、彼が「従軍慰安婦」を最初に使用したといわれています。 このなかで、千田は1969年のソウル新聞を紹介し、挺身隊として動員された数を「約20万人」、うち慰安婦数は「約5万人ないし7万人」としています。 千田は秦郁彦との対談で、20万人の出所について問われると、 〈出所は不明です。ただ、私も新聞記者あがりなもんですから、ちゃんとした新聞が書いた数字ですから、ほぼ信用したわけです〉 と答えています〔「論座」1999年11年9月号〕。 こんなあやふやな根拠でも、朝日という「大新聞」が書いたとたんに日本では事実と認知され、やがて世界で通用してしまうという恐ろしくも腹立たしい実例でしょう。 朝日の解説は、 挺身隊=慰安婦 とした無知な誤説で、このお粗末な解説がまた、日韓間に大きな誤解を与えてしまいました。挺身隊=慰安婦が韓国内で定着し、やがて少女の慰安婦像が韓国国内はもとより、アメリカにまで進出してしまったわけです。 2.NHKの正体見せた「問われる戦時性暴力」 もう1例、お知らせします。2001年1月29日から4回にわたって教育テレビで放送された 〈ETV2001「戦争をどう裁くか」〉 を紹介しておきましょう。 とくに問題となったのは2回目の「問われる戦時性暴力」でした。このなかで、 「女性国際戦犯法廷」 と称する模擬裁判を好意的に取り上げていたからです。
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・「女性国際戦犯法廷」ってなに? この模擬裁判の主催者は、 松井やより ・元朝日新聞記者を代表とするNGO「戦争と女性への暴力日本ネットワーク」で、〈日本軍性奴隷制を裁く「女性国際戦犯法廷」〉という旗印のもと、2000年12月、皇居に近いという理由から東京の九段会館などで裁判が行われました。 裁判の目的は、東京裁判で裁かれなかった日本軍による「性奴隷制度」、つまり慰安婦問題を裁き、日本政府と昭和天皇の責任を追及しようとするものでした。法廷の最終日12月12日、マクドナルド裁判長が、 「天皇裕仁を婦女暴行と性奴隷制についての責任で有罪とする」 と言い渡したことからも、この裁判が何を意図していたのかは容易に読み取れるでしょう。 法廷は弁護人もなく、したがって証人への反対尋問もなく、“被害者”として登場した元慰安婦たちの「証言」で、一方的に審理が進むというとんだ茶番劇でした。笑わせるのが、傍聴者はこの法廷の主旨に賛同するものだけだといい、誰もが自由に傍聴できないことでした。 ・NHK教養番組部がとりあげ このような偏向した法廷をいち早くNHK教養番組部が題材として取りあげ、 「教育番組」 として放送したのです。それも慰安婦の「強制連行」が既定の事実であるかのように制作・放送されました。いかに左がかった考えの持ち主がNHKに巣くっていて、主導権を握っているかがわかります。 昭和天皇を有罪とした下りこそカットされ放送されませんでしたが、これも放送直前、試写を見た吉岡教養番組部長が「女性国際法廷の紹介番組ではないか」「お前らにハメられた」などと怒り、大幅な修正を命じた結果とのことです。カットされたなかには中国戦犯2人の 証言 も含まれていました。 とはいえ、「女性国際戦犯法廷」を軸に番組が展開されているのは間違いないところです。ですが、放送番組を見て怒ったのが主催者のバウネット・ジャパン。早速、カットしたのはケシカランとNHKに対し抗議するやら、提訴するやらの騒ぎとなりました。 ・朝日報道から政治問題化 さらに約4年後の2005年1月12日付けの朝日新聞が、 中川昭一 経産相、 安倍晋三 内閣官房副長官が、放送の前日にNHK幹部を呼んで「偏った内容だ」などと指摘、このためNHKは番組内容を変えて放送したと一面上段で報じました。 政治家の圧力により、NHKの番組が改変されたというのです。朝日報道は「事実を歪曲」したものとNHKは猛反発、 朝日 対 NHK のゴタゴタ騒ぎとなりました。あれからまだ日も浅く、ご記憶の方も多いことでしょう。 この問題は、 NHKが偏向番組を放送したこと自体が問題の核心 であることを忘れてはいけないと思います。 3.多数の慰安婦報道 NHKはこのほかにも慰安婦に関連する番組を多数、放送してきました。下もその一例です。
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これらの放送が重なり、やがてアメリカ下院本会議で、 「慰安婦制度は日本政府による軍用の強制的な売春で、20世紀最大の人身売買の一つ」 などとする対日非難決議案が可決され、日本政府に「公式謝罪」を求めてきました。この腹立たしい出来事の責任の多くを、NHKは朝日などとともに負うべきものと思います。 ・「吉田証言」では素知らぬ顔 ところで、吉田清治証言について、NHKはどう報じたのでしょうか。今回の朝日の記事撤回に関連して、何らかの釈明があるかと思いましたが、間違った報道はなかったとして、「謝罪」はありませんでした。 おそらく、吉田証言を肯定する報道はなかったのでしょう。ですが、私が問題だと思うのは、これだけ吉田証言は「虚偽である」との指摘がでていたのにもかかわらず、NHKは吉田証言に対する検証報道をしなかったことです。 このことは、批判されなければならないでしょう。要するに、狡いのだと私は思っています。
梶井彩子 朝日謝罪から一年二カ月 朝日新聞の「誤報謝罪会見」から一年二カ月が経った。今夏にようやく産経新聞の取材を受けた植村隆氏は、相変わらず「慰安婦問題の拡大は自分や朝日のせいではない」「朝日が日韓関係をこじらせたのではない」と主張した。だが、朝日新聞がことさらに「朝鮮人慰安婦を強制連行した」との構図を強調して書き立ててきたことは論を俟たない。 新聞各社の「慰安婦報道」は縮刷版や記事データベースなどで検証可能であり、だからこそ朝日新聞は慰安婦報道に関する検証記事を発表、一部誤りを認めたのだろう。読者は忘れても、アーカイブはその足跡をすべて覚えているからだ。 では、テレビ番組はどうか。ネット普及以前に放送された番組はほとんど検証できず、稀に動画サイトに上がってもすぐに削除されてしまい、番組内容は出演者や視聴者の記憶に頼る部分が少なくなかった。 各放送局はいったい、慰安婦をどのように報じていたのか……。そこで行きあたったのが、横浜にある「放送ライブラリー」である。〈放送法の指定を受けたわが国唯一の放送番組専門のアーカイブ施設で、時代���伝えるNHK、民放局のテレビ・ラジオ番組、CMを一般に無料で公開〉している施設だ。
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テレビ番組約二万本、ラジオ番組約四千本を保存し、約一万八千本を公開。特にドキュメンタリーや歴史、文化などの教養番組、大河ドラマ、各時代の代表的なバラエティ番組などが充実している。「慰安婦」というキーワードで検索すると、以下の五つの慰安婦に関するドキュメンタリー番組が登録されている。 (1)一九八二年三月一日放送『11PM韓国から見た日本〔2〕(シリーズ・アジアと共に生きる〔4〕)』日本テレビ放送網 (2)一九九二年五月三十日放送『特別番組汚辱の証言朝鮮人従軍慰安婦の戦後』九州朝日放送 (3)一九九二年八月十四日放送『NHKスペシャル 調査報告 アジアからの訴え 問われる日本の戦後処理』NHK (4)一九九六年九月三十日放送 『NNNドキュメント96 IANFU インドネシアの場合には』中京テレビ放送 (5)一九九七年十二月八日放送 『NNNドキュメント97 声閉ざされて、そして インドネシアの「慰安婦」たち 特集・戦争の時代に』中京テレビ放送 これらをすべて視聴したうえで、主に朝鮮半島の慰安婦について扱った1・2の番組に関し、内容を検証してみたい。 まるで「啓発ビデオ」 (1)『11PM 韓国から見た日本〔2〕』 韓国・朝鮮半島とのかかわりを追った五回シリーズのうちの第四回で、従軍慰安婦のほか、樺太残留韓国人、BC級戦犯、在韓被爆者などの問題を取り上げており、その年の日本ジャーナリスト会議賞を受賞している。 結論から言ってしまえば、この番組が五本のなかで最も杜撰、かつおどろおどろしい作りになっていた。ドキュメンタリーというよりも、運転免許更新の際に見せられる「交通事故予防啓発ビデオ」に近い。「事故を起こせば人生終了」といったトーンの、あれだ。 のっけから激しいBGMとともに、〈女子挺身隊という名の慰安婦〉と大間違いのテロップが画面の真ん中にドカンと現れる。 続いて元軍医の麻生徹男氏のインタビューが挟まれているが、麻生氏が「慰安所を設けるよう意見書を提出した」と話す場面に、〈慰安婦に関する軍への意見書が朝鮮女性連行につながった〉と、ここでも意図的なテロップを表示。麻生氏の「かなりどぎつい集めかたをしていますね」のコメントとともに、視聴者に強く印象づけている。 麻生氏はたしかに意見書を提出してはいるが、内容は花柳病の蔓延に関する報告が主であり、なかでも特に強調しているのは「娼楼ではない慰安の場所」、つまり音楽や映画、スポーツなどの軍用娯楽施設の設置を求めるもので、強制連行とは何の関係もない。 麻生氏がこの番組に登場したのは、千田夏光氏の『従軍慰安婦』一九七三年の記述によるものだろう。千田氏は本のなかで、あたかも麻生氏が慰安所を考案した責任者のように書いている。ちなみに、本には「従軍慰安婦は挺身隊の名で集められた」との表現もある。 麻生氏は軍医として慰安婦らの身体検査を行っており、当時の写真や状況を『戦線女人考』にまとめている。そのなかで、「支度金千円を払って急遽集められた女性たちが慰安所に連れてこられた」と書き残している。 ところが千田氏は、『従軍慰安婦』に「レポートの結果として軍の目は当然のようにそこへ向けられていく。それは同時に、朝鮮人女性の怖るべき恐怖のはじまりでもあった。朝鮮半島が若くて健康、つまり理想的慰安婦の草刈場として、認識されていくことになるのだった」と書いたのである。 そのため、麻生氏は世間から「慰安婦強制連行の責任者」であるが如く受け取られてしまい、なかには麻生氏の娘の甘児都氏のところに「民族の恨みを晴らす」「責任者の娘としてどう思うか」などと言って押しかけて来たものもいたという。 甘児氏によれば、〈千田氏はこの件が誤りであり、今後誤解を招く記述はしないと…中略…謝罪してきましたので、三一書房と講談社に改訂を申し入れましたが、二社ともそのままで出版を続けています〉とのことだ(麻生徹男・甘児都『慰安婦と医療の係わりについて』)。 この番組のテロップも、千田氏の本に沿って「麻生氏が慰安所設置の意見書を出した」「それが強制連行につながった」とミスリードを行っている。 朝日より先だった日テレ 番組はその後、韓国放送公社制作の元慰安婦の女性を扱ったドラマ「従軍慰安婦 ポンスンの空」の映像を紹介。〈日本軍は行く先々で従軍慰安婦を連行していた。女子挺身隊という美しい名のもとに一身を捧げる。しかし、現実は兵隊たちに一日何十回となく体を提供することだった〉と説明を述べたのち、ドラマの映像がそのまま流される。
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韓国最大野党がソウル中心部に掲げた日韓合意に反発する横断幕=1月27日(共同) 場面は戦場。日本兵の上官が「慰安所に並べ」と言うや否や、若い兵隊たちが慰安所内の女性に襲いかかる場面に「ギャーッ」と女性の悲鳴。 その次の場面では、兵隊にまぎれて行軍するチマチョゴリ姿の慰安婦。疲労で倒れる慰安婦を無理やり歩かせる日本兵が描かれている。「ヘイタイサン……ヘイタイサン……」と片言の日本語で兵隊に助けを求める慰安婦の姿が痛々しい。 このドラマは、元慰安婦のポンスンが戦後も実家に帰ることを許されず、売春観光に訪れる日本人観光客を相手に売春を強要される女性の代わりに殺人を犯し、投獄されて精神を病む……というストーリーだ。 八〇年代の日本人男性の「売春観光」と慰安婦の存在を結び付け、「今も昔も韓国人女性を蔑視する日本人」「その日本人によって精神病に追いやられたポンスン」を印象付ける。 たしかに、戦後の「売春観光」が慰安婦問題勃発の下地になっていた可能性はある。 だが、11PMのこのシリーズ自体は「ドキュメンタリー」というジャンルでありながら、内容はドラマの筋書きにすっかり乗っかっている。 さらに番組では〈しかし事実はもっと広く大きかった〉とのナレーションのあと、兵隊ではなく労働者の相手をさせられたという元慰安婦のインタビュー映像を挟む。暗い部屋に座る元慰安婦らしい女性のシルエットを映しつつ、証言が流れる。「嫁入りの口がある、と騙された」「日本人が引っ張ってきた」「虐待に耐えられず四人が自殺」「日本人は薄情」 三十四分の番組のうち慰安婦のパートは十四分程度だが、過剰なBGMや再現ドラマ、元軍医の証言と盛りだくさんの内容で、破壊力十分。だが、とても賞に値する番組とは思われない。『11PM』は深夜のワイドショー番組で、一九六五年から九〇年まで続いた長寿番組。当初は硬派な番組だったが視聴率が取れず、麻雀や酒、お色気に至るまで幅広い話題を取り上げる番組に変貌を遂げた。『韓国から見た日本』が放送されたのは「テコ入れ後」の一九八二年三月一日だが、この『韓国から見た日本』以外にも、一九七二年の沖縄の復帰を扱い、こちらも賞を受賞している。 一九八二年三月一日という放映日にも注目である。朝日新聞大阪版が吉田清治証言を初めて掲載したのは、一九八二年九月二日。日本テレビは、朝日新聞の吉田清治報道より半年も前に「従軍慰安婦の強制連行」を取り上げていたことになる。 しかも、早くもこの時点で「女子挺身隊と従軍慰安婦を混同」しており、植村隆記者の一九九二年の記事を先取りしている。 朝日新聞の「慰安婦報道」検証では、読売新聞は産経新聞に次いで「朝日批判」の色を強めていたが、ともすれば「朝日以上」の番組を系列のテレビ放送網が放映していたことを、読売関係者はご存知だろうか。 朝日ソウル支局が協力 (2)『特別番組 汚辱の証言 朝鮮人従軍慰安婦の戦後』 九州朝日放送のこの番組は、(1)に比べれば「ドキュメンタリー番組らしい」内容で、やはり「地方の時代」映像祭一九九二優秀賞受賞作だ。 主に元慰安婦の「文玉珠」を中心に描かれており、彼女が福岡の団体に招かれて来日、「戦後四十七年、ようやく重い口を開き始めた」という、まるで植村記者の金学順報道の見出しのようなトーンで彼女を追うドキュメンタリー。 番組放映日は、一九九二年五月三十日。植村記者の金学順記事は前年の八月十一日だから、この記事の影響するところは多かっただろう。九州朝日放送制作のこの番組のエンドロールにも、制作協力として「朝日新聞ソウル支局」が名を連ねている。 番組は文氏が日本で開催された慰安婦集会に登壇し、「平日は三十人から四十人、日曜には六十人から七十人の相手をさせられた」と語るシーンから始まる。 そして、すぐに韓国挺身隊問題対策協議会の尹貞玉代表が登場。尹氏は「慰安婦問題で日本は彼女たちを三度殺す」と述べ、「一、ひどいことをした。二、忘れられていた。三、謝罪がない」の三重苦を負わされていると発言。このまま謝罪がなく、日本人が日本の若者に慰安婦の事実を教えなければ「三度目の死となる」と述べる。 場面変わって、文氏の来日支援を行った慰安婦研究家の森川万智子氏。彼女は文氏の著作『文玉珠 ビルマ戦線 楯師団の「慰安婦」だった私─教科書に書かれなかった戦争』(梨の木舎、九六年。新装増補版は二〇一五年)の構成と解説を担当している。番組では、福岡で「慰安婦一一〇番」という電話相談を受ける団体の代表として登場。「市民として過去を清算したい」と述べる。 この番組で文氏は、「十八歳でビルマへ行った。食堂に行けば稼げると言われた」と話す。文氏の本によれば、もともとキーセン学校に通っていた文氏は、一度、憲兵らに連れられて慰安婦になったが故郷に戻り、次は友人から「食堂で働き口がある」と聞いて行ってみたところ、実態は慰安所だった。が、「やはりそうか」と納得したという。 「人間的な」兵士との交流 文氏は番組で、涙ながらに「夜明けまで相手をさせられて死にそうでした」と述べているが、文氏の本には意外な場面が描かれている。 それは慰安婦・文がヤマダ(仮名)という日本兵と懇意になるくだりだ。〈わたしは一生懸命ヤマダイチロウの無事を祈った。二、三カ月して、前線からヤマダイチロウの部隊も戻ってきた。ヤマダイチロウは無事だった。すぐに慰安所にきた。「ヤマダ上等兵、無事帰還いたしました」 ヤマダイチロウはわたしに向かって敬礼した。私たちは抱き合って喜んだ。そういう日はマツモト(という朝鮮人の男。慰安所の引率者)公認で、慰安所全体も大騒ぎになり、開店休業だ。さっそくわたしたち慰安婦も一円ずつ出し合って大宴会をしたのだった〉(文玉珠『「慰安婦」だった私』、補足は筆者) もちろん、過酷な記憶と楽しい記憶が共存することはありうるため、これを以て「慰安婦としての生活は悲惨ではなかった」とは必ずしも言えない。また、この本の内容は「真偽定かならぬ部分もないわけではない」(秦郁彦氏)との指摘もあるとおり、兵隊を蹴り飛ばした、刺し殺したなどの箇所もある。しかし、エピソードのすべてが創作とも思えない。 また、番組で文氏の「人間的な」兵隊との交流に全く触れていないのは不自然だ。文氏をことさら「かわいそうな被害者」としてだけ描いており、本にあるような人間性や女性としての逞しさ、明るさは番組からは全く感じられないのである。 番組では、元日本兵や軍関係者も証言者として登場する。「九州の兵隊は慰安婦がいないと元気が出ない」「慰安所は、日本にもあった特殊飲食店の一環。悪いとは思わない」「女は消耗品だから助けなくていいと言われた」 その後、さらに二人の慰安婦が登場。韓国・城南市の沈美子氏の証言。「日本地図に刺繍しろと言われ、朝顔の刺繍を入れたら『桜を入れろ』と叱られ、日本の警察に焼きゴテを当てられた。気を失っている間に連行され、気がつくと福岡にいて、その後、『七番』と番号で呼ばれる慰安婦になった。先生になりたかったが日本に踏みにじられた」 ハルモニ食堂を経営する黄錦周氏。「勤労挺身隊として紡績工場に行くのだと思ったら、樺太に着くなり服を脱げと急に言われた」 封印された記憶 そして文氏が市民グループの手引きで来日し、集会で証言をする場面が流れる。「大日本帝国国民となります、と言わされたのに、この仕打ちは酷い」 この発言には驚いた。番組制作側は、「大日本帝国=悪」だとしてこの発言を削らなかったのだろう。だが文氏の本の記述を読むと、また別の思いを感じ取る。〈戦地の軍人たちの思いと、わたしたちの思いとは同じだった。ここに来たからには、妻も子も命も捨てて天皇陛下のために働かねばならない、と。わたしはその人たちの心持ちがわかるから、一生懸命に慰めて、それらを紛らしてあげるよう話をしたものだった〉(『同』) 番組内の元軍人の証言でも、慰安婦とのこんなやりとりが語られる。「軍が引き揚げるとき、慰安婦たちは『連れて行って下さい』と言っていた。『途中でお金が必要になったら、私たちがたくさん持っています』と言って、もう三文の値打ちもない軍票を見せていた。『死ぬ時は一緒に死にます』と泣きつかれて……」 涙を拭う元軍人。 この二つの場面には胸を打たれた。軍人と慰安婦の間には、戦地特有の一体感さえも生まれていたことになる。「戦地」に置かれた女性と男性の、悲しい「同志の心」だったのだろう。だが、いまや、それは日韓双方で語られることはなくなってしまった。
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日本大使館前で慰安婦像を囲み、慰安婦問題での日韓の最終合意に抗議する元慰安婦や支持団体のメンバーら=2015年12月30日、ソウル(名村隆寛撮影) 彼女たちの真の歴史を奪ったのは挺対協だけではない。朝日新聞などが「強制連行」を強調して報じたことにより、慰安婦になった本当の経緯や、戦地で生まれていた軍人と慰安婦の関係についての真相は「反日」の幕で覆い隠されてしまった。彼女らの真の証言を、朝日新聞や挺対協が封殺したと言っていいだろう。 もはや、元慰安婦たちが「あの頃、日本の軍人さんとどのような関係にあったか」「どんな雰囲気だったか」を率直に話すことはできまい。特に韓国では、「親日売国奴」の汚名を着せられかねない。 真の和解のための“よすが”になりえた共通体験だが、可能性は潰されてしまった。そして、「戦地でたしかに存在していた慰安婦と軍人の関係」は歴史の狭間に葬り去られることになる。 「母に楽をさせたい」 その後、番組は文氏が支援者に付き添われて下関郵便局を訪れ、野戦郵便局から貯金していたお金を返してほしい、と交渉する場面が流れる。日韓協定で決着がついている以上、日本側から個人にお金を払うことはできない、と断られるが、諦められない文氏の表情が大写しになる。 慰安婦が性奴隷ではなく、「高収入の売春婦」だった証として「慰安婦の収入明細」のように紹介される「文原玉珠」名義の貯金通帳明細は、この文氏のものだ。政府の調査でこの記録が出てきたのだが、たしかに文氏は二万六千円もの貯金をしている。当時の二万円は、現在の六千万円相当とも言われる(ただし戦地のインフレ率や軍票との関係により諸説ある)。 文氏は、本にこう書いている。〈事務を仕事にしている軍人に、わたしも貯金できるか尋ねると、もちろんできる、という。兵隊たちも全員、給料を野戦郵便局で貯金していることをわたしは知っていた〉〈どんなに働いても貧しい暮らしから抜け出すことができなかったわたしに、こんな大金が貯金できるなんて信じられないことだ。千円あれば大邱に小さな家が一軒買える。母に少しは楽をさせてあげられる。晴れがましくて、本当��うれしかった。貯金通帳はわたしの宝物となった〉(『同』) 貧しさのなかにあった文氏が、こつこつ貯めた財産だ。それが戻らないのは気の毒ではある。「カネをもらっていたのだから奴隷であるはずがない」という主張はたしかにそのとおりだが、結果として「母を思いながら、春をひさいで貯めたお金が手元に残らなかった」恨み、悲しみに寄り添う必要はあろう。 だが番組内でも説明があるように、補償関係はすべて日韓協定で「解決済み」となっているのである。 個人補償よりも国家の発展を選んだのは韓国政府である。もちろん、その国家の発展の恩恵を文氏も少なからず受けてはいるだろうが、やり場のない怒りがすべて日本に向いてしまっているのは、日本にとっても文氏にとっても不幸なことである。 一生懸命働いたのに、お金が残らなかった。母に楽をさせてあげられなかった……彼女にそんな思いがあったのだろう。その思いを「運動」のために利用した人々がいる。 女性たちの思いに報いようとしたのが、アジア女性基金だった。少しでも元慰安婦たちの心に寄り添い、生活を支援しようとした動きだったが、韓国側運動団体はこれに激しく反発。元慰安婦の女性たちに受け取りを拒否するよう圧力をかけた。 いまでこそ取り組みを評価している朝日新聞も、当時は韓国側の空気を慮ってか、この取り組みを必ずしも支持しなかった。彼女たちが「恨みを残したまま死ぬ」ように仕向けたのは誰だったのか。 元慰安婦の涙 番組では、支援者が開いた文氏の誕生日パーティの模様を映し出す。「自分の誕生日も知らなかった私を祝ってくださってありがとうございます……」 文氏は涙にくれる。そして、「戦場から戻った軍人に呼ばれて同席した宴会のために覚えた」という歌を披露する。 「生れ故郷を 何で忘れてなるもんか 昨夜も夢見て しみじみ泣いた そろそろお山の 雪さえ溶けて 白いリンゴの 花がちらほら ああ 咲いたろな」(「リンゴ花咲く故郷へ」正しくは“咲くだろな”)
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故郷から遠く離れた戦地で、立場は違えど、軍人と慰安婦は、この歌を歌いながらともに故郷を思っていたのだろう。文氏が本に書いたような軍人との交流もあったからこそ、彼らが歌っていた歌を忌み嫌わず、懐かしく口にしたのではないか。 生死の行方も知れない戦争のさなか。いまよりもずっと貧しい時代だ。いまの価値観で善悪を判断することはできない。「連行されたに違いない」「軍人を恨んでいたに決まっている」とするのは、元慰安婦らの生きた足跡を、いまの価値観で全く別のものにしてしまう可能性がある。 番組終盤で再度、挺対協の尹氏が述べる。「日本がやったことは韓国人の人格を貶め、日本人自身も失った。戦後処理をしなければ絶対に忘れません」 だが、慰安婦という職業についた女性に「賤業」のレッテルを貼り、さらには「日帝のために働いた女」として社会から排斥した韓国社会にも問題はなかったか。 番組に登場する元慰安婦・沈氏も、「結婚もできなかった。友人の家族を見ると辛い」と涙を見せている。 誕生日を祝われて涙を見せる文氏にも、元慰安婦として名乗り出たあとには、「お金のためでしょ」「もう付き合いをやめる」という電話があったそうだ。 いまも運動のためにだけ駆り出され、寒空の下、あるいはカンカン照りの路上で泣き、「悲惨な体験」を語ることのみを求められ、世界各国を「ドサ回り」させられている老女たちがいる。そんな姿を見るのは本当に心苦しい。 罪を犯したのは誰か「少女の頃のことを忘れたくなかったから」とピンク色のチマチョゴリを着た理由を語る文氏。取材陣に手を振る姿を映して、番組は終わる。そこにいるのは、戦争という時代と苦労の人生を歩んだ一人の老女である。 和解は双方が目指さなければ決して成り立たない。 歴史には光も影もある。その双方を織り込み、「ありのままの体験を話すことで『和解』を果たす」道を取っていれば、日本人の多くは彼女たちとその人生に心からの深い同情を寄せられたはずだ。 だが慰安婦問題を運動に仕立て上げた人たちは、彼女らに「強制連行」の嘘をつかせ、日本人を恨ませ、生活の足しになるはずのお金を渡すことすら妨害した。そして互いの猜疑心は膨らみ、日本人からの女性たちに対する同情心さえ離反させてしまったのである。 朝日や「強制連行」派の学者、テレビ関係者、運動家は日本人の名誉を貶めただけでなく、このような元慰安婦たちから「真実の歴史」「生きた証」を奪い去った「罪」をも負っているのではないだろうか。
かじい・あやこ 1980年生まれ。中央大学卒業後、企業に勤める傍ら「特定アジアウォッチング」を開始。「若者が日本を考える」きっかけづくりを目指している。月刊誌に寄稿の他、『韓国「食品汚染」の恐怖』や『竹島と慰安婦—韓国の反日プロパガンダを撃て』など日韓関係に関する電子書籍などを無料公開中。
ご批判、ご指摘を歓迎します。 掲示板 に  新規投稿  してくだされば幸いです。言論封殺勢力に抗する決意新たに!
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takahashicleaning · 5 years ago
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TEDにて
ジョアン・ハリファックス:慈悲、そして共感の真の意義について
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
仏教徒であるジョアン・ハリファックス老師は、ホスピスや死刑囚監房など死を目前とした人々の元で活動を行っている。
このスピーチを通してジョアン老師は、死の瀬戸際における慈悲について彼女自身が学んだこと、ダライラマ、インド、ネパール、観音菩薩、脳科学そして、共感の本質についての深い見識を、私たちに伝えてくれる。
これは、テーラワーダ仏教の慈悲の瞑想です。
仏教は、現代から2550年ほど前、お釈迦様(「釈迦牟尼仏陀=通称:ブッダ」とも言われます)によって艱難辛苦(かんなんしんく)の訓練の末
自ら発見、実践、体得、体系化されたテーラワーダ仏教は時代の流れとともに、さまざまな流派に分かれて全世界へと広がってゆきました。
中国・チベット・朝鮮半島や日本には、お釈迦様の死後数百年経って成立した北経由で拡大したの仏教(いわゆる大乗仏教)が伝えられました。
一方、スリランカ・タイ・ミャンマーなどの出家教団によって継承されている南経由で拡大した仏教をテーラワーダ仏教と呼びます(日本では密教と呼ばれる)
つまり、わかりやすく言うと、ブッダの口から直接説かれた形で、現代まで継承されているのが「テーラワーダ仏教」というものです。
時代の流れとともに、さまざまな流派にわかれているけれども根源根本はひとつ!それが、「テーラワーダ仏教」です
アルボムッレ•スマナサーラ長老の本は為になりますので、一読の価値あり!サンガ出版からもでています。
「慈悲」について、今日はお話したいと思います。慈悲というものは、たくさんの側面を持っています。時に激しく、時に怒りとなり、時に優しく、そして、思慮深くもあります。
ダライ・ラマの一説にこんなものがあります。
彼はこう言いました「愛と慈悲は無くてはならないものである。それらは贅沢品ではなく、それら無しに人間は生きていくことが出来ないものなのだ。」と。
私は、愛と慈悲なしで生きていけないのは、人間だけではなく、地球上に存在する全ての生物にも同じことが言えると思っています。
そして、私は、古代インドの大叙事詩である「マハーバーラタ」のある一説を、思い出しました。「ユディシュティラ、この世で一番不思議なこととは一体何だろうか?」そう聞かれ、ユディシュティラはこう答えました。
「この世で一番不思議なことは、私達の周りで、人々は死んでいくのにそれが私達自身にも起こりうるという事に気が付かないことだ。」と。
サンスクリット語も有名です。ヒンドゥー教の礼拝用言語でもあり、仏教でも使用されています。
古代インドの聖典であるヴェーダの1つでもある古代サンスクリット言語は、ヴェーダ語で書かれています。「リグ・ヴェーダ」は、そのうちの一つ。
「リグ・ヴェーダ」は10のマンダラから構成されていて、「マンダラ」とは、一巻、二巻というように「巻(かん)」という意味です。「ヴェーダ」は、「知識」という意味です。
私たちは、疑問に思うかもしれません。慈悲とは、何によって存在しているのでしょうか?慈悲には、様々な面があります。そして、特定の人へ向ける慈悲、生きとし生けるものすべてへの慈悲があります。
しかし、まず慈悲というのは、苦しみの本質をしっかりととらえる能力を必要としています。力強く、その苦しみに耐える力と、私がその苦しみと無関係ではないのだということに気付く力です。
けれど、それだけでは十分でありません。
慈悲は、脳の運動皮質を活発にするのです。つまり、私たちは実際、苦しみを変換させることを熱望しているのです。もし、私たちが恵まれているのなら
それは、苦しみを変換するための活動に参加しているからでしょう。しかし、慈悲はまた別の側面を持ち合わせています。
それはとても大事なものです。それは、結果にこだわりすぎてはいけないということです。
私は、死に行く人々の元で働いてきました。40年以上に渡ってです。重警備の中の死刑囚監房で、6年間働くことが出来ました。死に行く人々とともに働き、介護人を育てることによって、私自身もたくさんの経験を得て、はっきりとあることに気が付いたのです。
結果にこだわることは、すべての悲しみを見渡す自身のキャパシティーをひどく歪ませることになる、ということに。
監獄のシステム下で働いているときに、別のこともはっきりしました。この部屋にいる私たちの多くは、そして、死刑囚監獄で共に働くほとんど全ての男の人たちは、自身の心にある慈悲の種に、一度も水をやっていないことを。
慈悲というのは、人間が生来持ち合わせているものなのです。ひとりひとりの中にあるのです。しかし、ある特定の状況が慈悲を活性化させたり、強めたりするには、必要とされます。
私たちは、恐怖によって麻痺した社会、世界の中で暮らしています。その中で、もちろん、私たちの慈悲に対するキャパシティーは麻痺しています。恐怖(テラー、テロの語源)という言葉は、世界共通です。そして、恐怖(テラー、テロの語源)を感じるのも、世界共通です。
私たちの仕事は、私たちの世界の精神に染み込んでいる恐怖(テラー、テロの語源)という成虫の根源と精神的に正面から対峙する、向き合うことです。
現在、脳科学によって、慈悲にはいくつかの驚くべき特性があることが明らかになっています。例えば、慈悲を養っている人は、悲しみに暮れているときに、他の多くの人よりも大きな苦しみを感じるという事です。
しかしながら、彼らは、元の場所にずっと早く戻って来ます。立ち直る力と言われています。多くの人は、慈悲を感じることは、私たちを消耗させることだと思っています。
しかし、私は確信を持って言います。慈悲は、私たちを活かしてくれるのだと。
また、別の事もわかっています。脳のすべての部分を繋げている、神経統合を慈悲は高めてくれるということを。エモリー大学やディヴィス大学などの研究者たちは、慈悲は私たちの免疫システムを高めてくれるという事を発見しました。
こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、皆さんにお聞きしたいことがあります。私たちの子供を、慈悲をもって育てませんか?こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、健康のために慈悲を身につけさせ、苦しみを軽減させるという彼らの本来為すべきことが為されるようにしませんか?
こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、慈悲に基づいて、投票しませんか?慈悲を持ちあわせた行政府のメンバーに投票をすれば、もっと互いを思いやれる世界になるのではないでしょうか?
仏教には「強さと柔軟性が兼ね備えなさい」という教えがあります。状況の真っただ中に自分を置くのには、確固とした強さを必要とします。それは、心の平静です。
しかし、また、折れない心を持つには、あるがままの世界を受け入れる柔軟性も必要となってきます。仏教におけるこの模範は、観音菩薩様です。女性の模範です。彼女は、世界中の悲しみを感じ取ります。
彼女は、解放を象徴する道具を手にした1000本の腕をもって、立っています。そして、それぞれの手のひらには、目が付いています。知恵の目です。
何千年もの間、女性たちは生き、世界中の悲しみを感じ、受け止める。観音様の教えに向き合い、実証しつづけてきたのです。
古い教訓にこういう話があります。弥勒菩薩に憧れていたアサンカが、12年間。洞穴にとじこもっていたあとに、彼は突然「ここから出ていく」と言って、外へ出ていきます。
その後、道を歩いていると、ふと何かを見つけました。それは、犬でした。その犬が足にひどい怪我を負っているのに気が付きます。しかし、その傷は、ウジ虫にたかられていました。
彼は、すぐさま膝をつき、��るまず自分の舌を出します。どうしてか?ウジ虫を傷つけずに、その傷から取り除くためにです。 そうすると、その犬が、瞬く間に慈悲に溢れた仏陀へと姿を変えていきました。という話です。
したがって、大事なことは、 あなたが、自分の洞穴から出なきゃいけないということ!あなたは、物質的ではなく、精神的な外の世界へと出てこなければいけないのです!!
詳しくは、多神教であるテーラワーダ仏教の「アビダンマ」という書籍に書いてあります。
皆さんにも、「イラっ」とした感覚が生じる瞬間があるはずです。これは、「憎しみ」と誤解して、表現する書物がたくさんある。
しかし、誤りです。ブッタによると、「憎くて憎くて、あんたが憎い!だから、私の最大の敵なんだ〜」として、「イラっという感覚」と「目の前の敵」をリンクさせたがる。
これも、誤りです。ブッタは「私は、おまえの敵ではない!おまえの敵は自分自身なのだ!」と言います。自分自身ほど手強いライバルはいないとも言います。つまり、人間の特質がそうさせる自我がライバルです!
アインシュタインの相対性理論によるとある時点で光が、トポロジー的に反転して、今、自分の見ている対象が、自分自身の姿として写って脳内が認識してしまう!という現象も計算で判明しており、鏡のようになってしまうこともあり得ます。
「イラっという感覚」と「他者を敵という概念」は、リンクせず、関連もない!ただ単に、自分自身の勘違いと言うこと。これが理解できれば、憎しみの連鎖は断ち切れます。他人に教えても減らないプラスサムのブッタの知恵です。
また、ネイティブアメリカンでも、「イラっ」とする感情は、慈愛、慈しみと言うらしいです。
そして、親、兄弟姉妹は、ウザいという感情表現は、最高の慈愛、慈しみを感じてるから!らしいです。最悪、感情を自分自身で消化できないなら、物理的な距離感を大事にすればいい。ということになります。
2018年現在では、サピエンスは20万年前からアフリカで進化し、紀元前3万年に集団が形成され、氷河のまだ残るヨーロッパへ進出。紀元前2万年くらいにネアンデルタール人との生存競争に勝ち残ります。
そして、約1万2千年前のギョベクリ・テペの神殿遺跡(トルコ)から古代シュメール人の可能性もあり得るかもしれないので、今後の発掘作業の進展具合で判明するかもしれません。
メソポタミアのシュメール文明よりも古いことは、年代測定で確認されています。古代エジプトは、約5千年前の紀元前3000年に人類最初の王���が誕生しています。
<おすすめサイト>
ロジェカイヨワ戦争論と日本の神仏習合との偶然の一致について2019
日本テーラワーダ仏教協会
仏教と物理学
ボブ•サーマン:私たちは、だれでも仏陀になれるという話
ギャレット・リージ:万物のE8理論
マチウ・リカール:慈しみと愛他性(アルトルーイズム)に導かれる生き方
マチウ・リカール:幸せの習慣
カイラシュ・サティーアーティ:怒りの昇華で世界に平和をもたらす方法?
デイヴィッド・ブルックス:人間の本質と社会的動物
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2020(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
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groyanderson · 5 years ago
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ひとみに映る影 第七話「紅一美に休みはない」
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◆◆◆
 ただただ真っ白な空と海があった。 天地を分かつ地平線すら見えないほど白いその空間に、私、ワヤン不動という影だけが漂っていた。
 未だ点々と炎がちらつくその身体は、浅い水面に大の字に浮き、穏やかなさざ波に流されていく。 ここ��どこだっけ、私はどうしていたんだっけ。 そういった疑問は水にさらされた炎と共に鎮静していった。
 遠くに誰かがいる気配がした。軋む身体を起こすと、沖縄チックな紅型模様の恐竜が佇んでいる。 濡れて重たい両足を引きずり、そこに近づくにつれて、段々と海は深くなり、かつ水が温かくなっていく。 立ったまま胸まで浸かる程深くなると、まるで露天風呂に入っているように、頭がぼーっとしてくる。
 恐竜の隣には小さな足場とベンチがあり、可愛らしい白装束を着た金髪ボブカットの女性が座っていた。 丸く神々しい後光がさしていて、顔は逆光でよく見えない。天女だろうか。 ベンチから足だけを温水に投げ出し、足湯を楽しんでいるようだ。私は水中からそれを見上げている。  (ああ…誰だっけこの人。どこかで会ったことがある気がするけど…) 挨拶するかどうか迷う。気まずい。いずれにせよ、何か声はかけよう。 ここはどこですか、とか、あなたは誰ですか、とか…  「…アガルダって、何なんですか」 いや、どうしてそうなるの。私。完全に変な人じゃん。 だめだ、頭が回らない。案の定天女は苦笑した。  「いきなり凄い事聞くよね」
 「知らないんですか?金剛楽園アガルダ」  「あんただって知らないんじゃん。 まあでも…金剛有明団(こんごうありあけだん)っていう、なんかこう、黒魔術師達の秘密カルトがあるらしいよ。 世界中から霊能者の魂を収集してて、何かにつけて金剛、金剛ってウザい喋り方するんだって。それじゃない?多分」  「ああ。それですね」  「てか、そんなの聞いてどうするの」  「滅ぼす」  「ウケる」 天女はコロコロと笑った。
 「ここは何なんですか」  「私の夢の中…それかあんたの夢かも? ま、どうでもいいんじゃない?」  「あなたも金剛の使者?」  「まさか。私だって昔、観音和尚様にはお世話になったんだよ?」  「え…」
 逆光の影をエロプティックエネルギーでどかして、私は改めて天女の顔を見た。 ああ、そっか…金髪にしたんだ。中学の時はさすがに黒髪だったよね。 髪、そうだ、髪だよ。私はその天女…いや、その祝女に問うた。
 「あのさ。どうでもいいけど…ゴムか何か持ってたりしない? さっきから髪がメチャクチャお湯に入ってるんだ」
◆◆◆
 何の脈絡もなく目覚めると朝になっていた。 私は怪人屋敷エントランスのソファで眠っていたらしい。 サイレンや話し声が騒々しい。外光が射しこむ窓越しに、救急車や数台のセダンが見える。  「一二、三!」 救急隊員さん達が、担架からストレッチャーに何かを乗せた。白い布にくるまれた、岩のような何かの塊を… そうか。ああやって外に出せているという事は、全て終わったんだ。 私達は殺人鬼を見つけて、悪霊を成仏させて…たくさんの命を救ったんだ。
 「あ…紅さん」 譲司さんがこちらに駆け寄る。  「紅さん起きましたーっ!」  <ヒトミちゃん!>「オモナ!ヒトミちゃーん!」 オリベちゃんとイナちゃんも…みんなボロボロだ。全身煤埃や擦り傷だらけの譲司さんに比べればマシだけど。 オリベちゃんに肩を借りて立ち上がると…バシン!私は超自然的な力に頬を打たれ、衝撃で尻餅をつく。  「リナ…」
 「アナタ、ワヤン不動になって、何回死んだの?」  「…」  「何人分殺されたの」 殺人被害者達の死の追体験。あの時はハイになっていて恐怖を感じなかったけど、今思い出そうとすると、身の毛もよだつ感覚が鮮明に蘇る。  「うう…数えればわかるけどさ…」  「じゃあ、二度と数えないことね。 アナタは…ちゃんと生きて帰ってきたんだから」  「え?」 宇宙人体のリナは長い腕で私を影ごと抱きしめ、子供をあやすようにぐしゃぐしゃに頭を撫でた。  「良かった…。アナタの精神がアレと相打ちにでもなったら、アタシ観音和尚に顔向け出来ないもの…」 初めて見た、いつも気丈なリナの泣き顔。彼女は涙を流しながら、人間の姿に縮んだ。 それはとても綺麗だった。美人だった。
 その後私達は警察やNICの職員さん達から聴取を受け、昼過ぎにようやく解放された。 水家曽良は表向き被疑者死亡で書類送検とされ、未だ脳細胞が活動し続けている遺体は研究対象としてドイツのNIC本部に収容されるらしい。 待ちに待ったお蕎麦屋さんに私達が到着した時、既にテレビではニュース速報が流れていた。 皆神妙な顔で画面に見入っていたが…
 ぐぎゅるるるる…
 私の腹の虫が重い沈黙を破った。慌ててトートバッグを抱きこんでも、もう遅い。  「くくく…やるなぁ、あんた…」 ジャックさんやリナの表情にじわじわと含み笑いが浮かんでくる。 普段なら恥ずかしいとか、タレントとしてはオイシイだとか思うけど、なんかもうダメだ。 ぐぎゅぅぅぅるるる…空腹と疲労と寝不足���、私はリアクションの一つも取れない。  「笑うなや。ワヤン不動様昨日飲まず食わずで、あんだけ働いてくれとったんやから。なあポメ?」  「わぅん」 譲司さんとポメちゃんの優しみ。有難い。 でも、すいません。もう限界です。糸が切れたように私はテーブルに突っ伏した。  <や、やだ、ヒトミちゃん!? ていうか何その手、ダイイングメッセージ!?> 霞む意識の中、私はお品書きを指さしていた。 最後の力を振り絞ってオリベちゃんにテレパシーを送る。  <お願い、こ、これを…注文して下さい…!>  <いや、私日本語読めないんだけど。 イナちゃん、これ(鴨南蛮)なんて書いてあるの?>  「アヒルナンバン大盛り」  「かもなんばん!!」 なんかノリツッコミしたら自力で復活できた。 代わりにリナ、萩姫様、ジャックさん、譲司さんが抱腹絶倒した。
 ようやく腹ごなしを済まし、私達は民宿に戻った。 荷物を下ろすやいなや、全員示し合わせたように脱衣所へ直行。 昨日も入った露天風呂だけど、めちゃくちゃ気持ちいい!  「あーーーー!染み入るーーーーっ!」  「本当よぉ!アナタ達バカだわ、せっかく磐梯熱海に来たのに、ちっともお風呂入らなかったんだもの!ねえ萩ちゃん」  「同感同感!イナちゃんは日本の温泉初めて?韓国の方々も温泉好きなんですってね?」  「そです、私達オンセン大好きヨ!気が清められるですねー!」  <うちの風呂もこれぐらい広かったらなぁー。そっちはどう、ジョージ?> すると衝立一枚隔てた男湯からレスポンス。  「pH結構高いなー!」  <いやダウジングしてどうすんのよ!>  「冗談冗談。あのねー!そもそも空気がめっちゃええの! 湯気で保湿されとるし肺まで癒されるわ!なあポメ?」  「あぉーん!」 ポメちゃんも上機嫌のようだ。
 私も男湯に声をかけてみる。  「ジャックさーん!うちのおんつぁどうしてますー?」 おんつぁは会津弁でバカの意。実は、プルパ型に戻った龍王剣をさっき男性陣に預けたんだ。 霊泉と名高い磐梯熱海温泉を引っ掛ければ、あれも少しはマシな性格になりそうだけど、女湯に入れるのはさすがに嫌だったから。  「おう、同じ湯船に入れたくねーからよ、言われた通り洗面器で漬けておいたぜ。 真っ黒なのは治んねえな!ハッハ…うおぉ!?」  「わぁ!」「きゃわん!」 男湯で異変!女子一同がそれぞれタオルや霊能力を身構える。  「ど…どうしたんですか?ジャックさん!」  「い、いや、その…龍王剣の中から…」  「中から…?」  「アー…剣じゃなくて、持ち手からなんだがな…あんたの和尚が馬頭観音になって出てきた」  「はぁ!?」
 そんな馬鹿な。和尚様は成仏されたはず。 まあ、既に観音菩薩になられた和尚様が『成仏』というのもおかしな話だけど…。  「ま、まさか観音和尚、お風呂入ってるの?裸!?」 リナが衝立を覗こうと飛び上がった。私は咄嗟に影手を伸ばし、阻止する。  「こらっリナ!和尚様の前でそっ、そんな破廉恥をっ!!」  「うるさいわね!いいのよアタシはインターセクシャルだから、どっちに入っても! これは美的好奇心であって猥褻な気持ちは一切ないわよ!」  「ヒゲと声以外ぜんぶ女のクセに何言ってるんだっ!やーめーなーさーいってのーっ!」  「アイタタタ、暴力反対!アナタだって本当は見たいんじゃないの?」  「んなわけあるか!!そりゃもう一度会いたいけど…っていうか小さい頃は一緒にお風呂入ってたもん!!」  「ずるい!このスキモノ!!」
 すると衝立越しにヒョコッとポメちゃんが掲げられた。 もみ合っていた私達は不意をつかれて膠着する。 ポメちゃんの口には、何の異変も起きていない龍王剣プルパが咥えられていた。  「ハーイ、ドッキリ大成功!したたびでーす!」 譲司さんが裏声で腹話術する。 私とリナも、いつもテレビでやっているリアクションを返した。  「「…ぎゃーっ!また騙されたーーっ!!」」
 そうこうしているうちに、また日が沈み始めた。 夕方五時。荷物やお土産をミニバンに詰めこみ、私達は民宿を後にする。 本当は猪苗代湖や会津方面の観光案内もしたかったけど、NIC職員のオリベちゃんや譲司さんが警察で事件の後処理をするため、私達はもう東京へ戻らなければならない。 そこでまず、萩姫様を大峯不動尊へ送りに行った。
 「あんな事があったけど、また遊びに来てね」 萩姫様はまた正装である着物に戻っている。けど、帯飾りや例のロケットランチャー型ポシェットといった小物に、オルチャンファッションの影響が残った。  「もちろん、また来るですヨ。ハギちゃんがバリとか韓国来る時も私呼んで下さいね」 そう言うイナちゃんの耳にも、萩姫様を彷彿とさせる黒い紐飾りピアスが揺れる。 通りがかりに寄ったお土産屋さんで売っていたやつだ。 私達一同と固い握手を交わし、萩姫様はお社へ消えていった。
◆◆◆
 車に戻ると、道路沿いに小さな原付屋台があった。 ポッ、ポポポポ…ガラスケース内で、ポップコーンが爆ぜている。バターの香りが漂う。 その傍らではエプロンを着たジャックさんが、フラスコ型喫煙具を吹かしていた。 彼は私達が戻ってきた事に気付くと、屋台についている顔とお揃いのマスクを被り、スイッチを入れる。 ブゥーン…屋台の顔に仕込まれたスピーカーから、電子的ノイズが漏れる。
 「アー、アー。ポップコーン、ポップコーンダヨ…ヨォ、ガキンチョ共! ポップコーンダッツッテンダロオラ!ポップ・ガイノウェルシー・ポップコーンガオデマシダゼェ!」 ボイスチェンジャー声に合わせて、屋台の顔ポップ・ガイはガコガコと顎を上下する。 何でちょっと逆ギレ気味なのかはよくわからないけど、これが彼の定型口上文なのだろう。  「今日ハ閉店セールダ、トビッキリノポップコーンヲ食ワセテヤル。 マズハオ前ダ、紅一美!」 ガコンッポン!ポップ・ガイの顎が大きく開き、口から焼きたてのポップコーンが一粒飛び出した。 それは物理法則に反して浮遊し、私の手の中に落ちる…あっつ!  「ソラ食エ、騙サレ芸人!アッコラ、フーフースルナ!」  「だ、誰が騙され芸人ですか!…あつつ!」 ポップ・ガイにそそのかされて、私は熱々のポップコーンを口に運んだ。 …結構しょっぱい。そして胸焼けするほど油っこい。けど、麻薬的な美味しさ。 アメリカ人の肥満率が高い原因の片鱗に触れた気がする。
 ポップコーンを嚥下すると、私の足元で、影が独りでに蛇の目模様を描いた。  「これは…」 見覚えがある。安徳森さん…ファティマンドラの種に見られる模様だ。 ジャックさんはマスクを被ったまま、スイッチを切った。  「そいつはファティマの目、トルコではナザール・ボンジュウと呼ばれるシンボルだ。 邪悪な呪いや視線を跳ね返し、目が合った悪しき魂を抜き取る力がある。 あのクソの脳内地獄で、安徳森が俺達タルパを保護するためにばら蒔いてたやつだ。 あんたが本気で金剛ナントカと戦うつもりなら、持っていけ」 蛇の目模様は影に沈んでいった。 つまりジャックさんのポップコーンは、彼の命を構成する欠片だったようだ。  「ありがとうございます」 私はファティマの目という霊能力を授かった。
 ジャックさんが再びスイッチを入れる。  「次ハオ前ダゼ、ジョージ・アルマン!」 ガコンッポン!射出された新たなポップコーンは、譲司さん目がけて飛んでいった。 アルマンは、譲司さんがイスラエルに住んでいた時の旧姓だ。  「あっつ、はふっ…ん? …ポップコーン種総量に対してバターが七〇%、レッドチェダーパウダーが五%、更に米油が…って、嘘やろ!?こんなに油使うん!?」  「バッカ、この野郎!読み上げるんじゃねえ!企業秘密だぞ! 養護教諭になるなら美味いポップコーンの一つも作れねえと、ガキ共にナメられるだろ」  「せ…せやな…?けどこれ、食べさせすぎたらあかんやつや! ほどほどに振る舞わせて貰うわ、ありがと」 譲司さんが授かった魂の欠片は、ポップコーンの秘伝レシピのようだ。 いずれバリ島に遊びに行って、ご馳走になりたいな。
 お次はオリベちゃんだった。  <うわ、確かに凄くジャンクな味だわ。 これは…ああ、懐かしいなあ…!> オリベちゃんは目を煌々と輝かせて、ぼーっと中空を眺める。  「ちょっとアナタ、何が見えてるの?一人で浸ってないで教えてよ、ねーェ」 リナがオリベちゃんの眼前で手を振った。  <ごめんごめん。あまり懐かしいものだから… 私が貰ったのは、これ。テルアビブ・キッズルームの、たくさんの楽しかった思い出よ> オリベちゃんが淡い紫色に発光し、周囲がテレパシー幻影に包まれた。
 オーナメントやおもちゃで彩られたカラフルな家で、様々な脳力を持つNICの子供達が遊んでいる。 人形ジャックさんは、幽霊の女の子とアドリブで物語を話し合い、それを器用そうな男の子が絵本に綴る。 幼いオリベちゃんは、人に感情を与えるエンパス脳力者の女の子と、脳波をぶつけ合いながら睨めっこをしている。 その勝敗を判定しているのは、弱冠八歳で医師免許を持つ天才少年だ。 部屋の奥では彼らの様子を、二人の優しそうな養護教諭さんが暖かい視線で見守る。  「まあ。アナタ、子供の頃から素敵なファッションセンスしてたのね」  <もちろん!なにせテレパシー使いはシックスセンスが命だもの!>  「うふふふ」 こうしてリナと会話するオリベちゃんを見ると、彼女のキラキラした笑顔は子供の頃から変わらないものだったんだとわかる。  『出てこいよ、ジョージ。みんないるぞ』 長い髪のサイコメトラーの少年が、クローゼットの扉をノックした。 すると、中から…分厚い眼鏡をかけた小柄な男の子が、前髪で顔を隠しながら、遠慮がちに現れた。  「オモナ!ヘラガモ先生、とてもちっちゃいなカワイイ男の子だったの!」 イナちゃんが両手を頬に当てた。確かに子供の譲司さんは、精悍な今の顔からは想像がつかないほど可愛い。 というより、先程のサイコメトラーの少年…例の殺された『アッシュ兄ちゃん』の方が、大人になった譲司さんによく似ている。 この二人の少年の魂が混ざりあって、今の彼があるという話を、まさに象徴しているようだ。
 「ねぇジャック、アタシ達にはないの?」  「わう!わう!」 リナとポメちゃんがジャックさんの周りをくるくる回る。  「ア?ドーブツ共ニヤルポップコーンハネエヨ、帰ッタ帰ッタ」  「馬鹿野郎、ポップ・ガイ。宇宙人のお客様なんて上客じゃねえか。無下に扱うんじゃねえぞ」  「ショーガネー、コイツヲ食ライナ!」 器用にポップコーン機構を操作しながらマスクスイッチを切り替え、ジャックさんが腹話術を披露する。 ガコンッポポン!射出された二粒のポップコーンはそれぞれ異なる軌道を描き、リナとポメちゃん目がけて飛んだ。  「先に言っておくとな。リナ、あんたには、水家の中にいたタルパ共の情報だ。 あいつは記憶を失った後も、金剛の呪いの影響で、無意識にあらゆる霊魂を脳内地獄に吸収していた。 人間だけじゃなくて、土地神やら妖怪やら色んな奴を吸い取っていたから、見ていて退屈しなかったぜ。 タルパを作るのがあんたの本能なら、何かの役に立つかもな。だが物騒な怪物だけは作るんじゃねえぞ」  「わかってるわかってるゥ!ああっ凄いわ! ツチノコからゾンビまで…あーっ妖怪亀姫もいるじゃない!」 妖怪亀姫って…猪苗代湖を守る神様の一人じゃん。 まさか、ハゼコちゃんが暴れた時に逃げ出して、そのまま水家に魂を奪われたとか!? 私、昨晩とんでもない方を成仏させちゃったかも…リナが福島の神々を再建してくれる事を祈るばかりだ。  「ポメラー子のは夢の中で発現する。フロリダの農村の記憶だ。 何も無くてだだっ広いだけのクソ田舎だと思っていたが、犬にとっちゃ最高のドッグランになるだろうよ」  「ほんま最高やん!良かったなあ、ポメ。俺仕事さっさと済ますから、今夜は早く寝ような」 譲司さんがポメちゃんの頭を優しくなでた。ポメちゃんは黙々とポップコーンを食べている。 彼女と譲司さんが夢の中の大自然で駆け回る、微笑ましい光景が目に浮かんだ。
 「じゃあ、最後はお前か」 ジャックさんがイナちゃんを見る。でも、イナちゃんは目を逸らした。  「私いらない」  「あ?」 マスクスイッチをオン。  「バカヤロー、オ前。俺ノポップコーンガ食エネエッテカ? 安心シロ、幽体デデキテルカラ、カロリーゼロダゾ」  「いらないもん」  「アァ!?」 スイッチオフ。  「何なんだよ?」  「だって…食べたらジャックさん消えちゃう」  「!」
 ジャックさんとポップコーン屋台は、既に薄れかけていた。 自分の魂を削って私達に分け与える度に、彼は少しずつ摩耗していったんだ。 ジャックさんがマスクを脱いだ。  「あのな、俺は二十年以上前に殺されたんだ。もうとっくにいない筈の人間なんだよ。 だから、そんな事気にするな」  「ウソ。じゃあどうして、ジャックさんずっと成仏しなかった? 本当は、オリベちゃん達が見つけてくれるの待てたでしょ」  「…どうだかな」  「せかく会えたなのに、どうして消えなきゃいけない? これからオリベちゃんの子供育つを見ればいい、これからヘラガモ先生バリで頑張るを、傍で見守ればいい! どうしてあなた今消えなきゃいけない!?」 イナちゃんが握りしめた両手が、ジャックさんの胸を無情にすり抜ける。 ジャックさんは掠れた幽体でその手を優しく掴んだ。  「イナ」  「!」 そして、初めて彼女を名前で呼んだ。
 「霊魂が分解霧散する事を、仏教徒共がどうして成仏だなんて呼ぶか知ってるか? 役目を終えて砕け散った魂は、エクトプラズム粒子になって、自然界に還る。そして、新たな生命に吸収される。 宇宙の営みってやつだ。宗教やってる連中にとっちゃ、それは宇宙や仏と一つになる、尊い事なんだそうだ。 俺は既にジャック・ラーセンじゃねえ。クソ野郎に霊魂を切り貼りされた、人工のクソ怪物だ。 それでも…お前みたいなガキの笑顔に弱い性格は、生前と変わらなかったんだよなあ…」
 ジャックさんの目から涙が零れ始める。彼の霊魂が更に希薄になっていく。  「…オリベ。ジョージ。俺の事…諦めずに見つけてくれて、ありがとう。 おかげで、お前らと遊んだ記憶をまた思い出せた。 歪な関係だったけど…短い時間だったけど…クソ楽しかったよな。 …なあ、イナ。そんな顔するなよ。魂を清めるのが、お前の力なんだろ? だったら祈ってくれよ。俺が世界中に飛び散って、宇宙と一つになって、もっともっと沢山のガキ共を笑顔にできるように。 綺麗な花を咲かせる生命力になって。人間を動かすハッピーな感情になって。…最高に美味ぇポップコーンになって。 スリスリマスリ…って、祈ってくれよ。頼む…!」 ガコンッ!コロロロ…ぼろぼろに涙を零し、声をきらしながら、ジャックさんは最後のポップコーンを作った。 それはポップ・ガイの口から力無くこぼれ落ち、イナちゃんの足元を転がる。  「…頼むよ…」
 イナちゃんはしゃがみこみ、そのポップコーンをそっと拾い上げた。 それはもはや喫煙具から立ち昇る煙のように、今にも消えてしまいそうな朧な塊だった。  「スリスリマスリ。スリスリマスリ」 ポップコーンはイナちゃんの両手に優しく包み込まれ、そのまま彼女の魂に溶けた。  「…それでいい。カナヅチは今日で卒業だ。もう溺れるんじゃねえぞ」  「ウン」
 「イナ」 抱き合って、ぼろぼろに泣く二人。イナちゃんは顔を上げた。 薄れ行くジャックさんが、半魚人から人間の顔になる。 水家に似せられた髪型や背格好。ただ、彼はよりがっしりとした体格で、首が太く、彫りの深い黒い目を持つインド・ネパール系人種の男性だった。  「ジャックさん」  「…おっと、違う。これじゃねえ。これも作られた顔だったな」 魂がほぐれていくにつれ、より深層に眠っていた、彼の自意識があらわになる。 ジャックさんは、ジャック・ラーセンさんは、私達の前で初めて素顔を見せた。
 「アイゴー…!」  「な、諦めがついたか?俺みたいなチンピラにこだわってねえで、もっと良い男を見つけろよ、イナ」
 最後にそう言って、ジャック・ラーセンさんは分解霧散した。 本来の彼は…殺人鬼の言う通り、確かにちょっと魚っぽかったかも。 全身を鱗のような細かいタトゥーで覆い、オレンジ色に染めたモヒカンを側頭部に撫でつけ、ネジや釘が煩雑に飛び出した屋台やマスクと同じようにピアスまみれな… 言うなれば、ポップ・ガイのお父さんみたいな人だった。
 こうして、私達は熱海町を後にした。 リナは千貫森に帰り、タルパ仲間と共に福島のパワースポットを復興する。 オリベちゃんは水家の遺体と共にドイツへ飛び、譲司さんはバリ行きを延期して警視庁公安部に向かう。 その間、イナちゃんは私の家に泊まって待機する事に。私の次のスケジュールは…連ドラ『非常勤刑事(デカ)』のロケで福井へ行くのが、明明後日。それまでは自由だ。 そして明日は私の誕生日!やっとイナちゃんと渋谷や原宿で遊べるぞ。 私はそう思っていた…渋谷スクランブル交差点にあのロリータ服の悪魔が現れるまでは。
◆◆◆
 十一月六日、正午〇時。 ヴー、ヴー…トートバッグ内でスマホが震えた。画面には、『イナちゃん』。  「紅さん鳴ってるよ、ほら出てあげなさいよ」 ディレクター兼カメラマンのタナカDが、ファインダーを覗いたまま言う。 私は不貞腐れて電源を切った。  「二十歳になったのに、まだまだ大人げないなー。ま、ヘリコプターは機内モードってのも正解だけどね」 座席にふんぞり返ったアイドル、志多田佳奈さんが言う。  「私はヘリに乗せられるだなんて聞いてないです。 どうして誕生日にこんな所にいなきゃいけないんですか」
 ここは東京上空千メートル、小型ヘリコプターの中。 だいたい私は非常勤刑事のロケで福井に行くんじゃ…多分、それすら事務所が用意した偽スケジュールなんだろうけど。 今度、ドラマ主演の伶(れい)先輩に言いつけてやるんだから! そもそも、どうしてこんな事になったのか。それは遡ること二時間前。
 私はイナちゃんを連れて、竹下通り(たけしたどおり)でウインドウショッピングをしていた。 あそこはロリータファッションの聖地で、個人的にロリータにはあまり良い思い出がないから、普段足を踏み入れる事は無い。あくまで観光地だから連れて行くんだ。 そう思っていたけど、実際に行くと、普通に楽しかった。 猫の額ほど狭い路地に、各種ファストファッションの直営店から、煩雑なノーブランド品を売るセレクトショップまで所狭しと詰め込まれている。 更に中空には、死後ポップな姿を取るようになった霊魂や、人々の感情の結晶らしき可愛いモンスター、誰かが作ったマスコットタルパなどがひしめき合い、イナちゃんがそれを見て飛び跳ねながら歓喜する。 さながら多感で繁忙な思春期の女子高生の心を、そのまま結界にしたようなカオス空間だった。
 服やアクセサリーなど、両手に戦利品入り紙袋を大量に持って、私達は電車で渋谷駅へ。 (この時、やたらめったら嵩張るロングブーツを二足も買って後悔したのは、言うまでもない。) そのまま観光を続行するのは難しいため、荷物は駅中にある宅配サービスカウンターに預ける事に。 ついでにイナちゃんが、コインロッカーからスーツケースを取り出し、それもバリへ配達して貰えるように手続きしたいと言う。
 「テンピョウ書けました、お願いします」  「はい、少々お待ち下さい」 私はカウンター脇でイナちゃんが送り状を預けるのを眺めていた。 スーツケースの分と、原宿で買った荷物分。  「あと、これもお願いします」  「はい、かしこまりました」 ん、もう一枚?覗きこんでみると、そこにはこう書かれていた。
 『お届け先 ゆめみ台 志多田佳奈様 品名 紅一美 ナマモノ/コワレモノ/天地無用 お届け希望日 今日 したたび通運』
 『ヌーンヌーン、デデデデデン♪ヌーンヌーン、デデデデデン!』 天井スピーカーから阿呆丸出しなイントロが聞こえてくると同時に、私は条件反射でイナちゃんを置いて宅配カウンターから逃走していた。
 『ヌーンヌーン、デデデデデン♪ヌーンヌーン、デデッデーン!』 階段を下り外に出る。こんなところで捕まってたまるものか。
 『背後からっ絞ーめー殺す、鋼鉄入りのーリーボン♪』 出口付近にある待ち合わせスポット、モヤイ像が見えた。 …奇妙な歌を垂れ流すスピーカーと、苺の髪飾り付きツインテールが生えている。あのロリータ悪魔のシンボルが。私は血相を変えて更に走った。
 『返り血をっさーえーぎーる、黒髪ロングのカーテン♪』 私を嘲笑うアイドルポップと、ただただスマホカメラを向ける無情な喧騒。 それらはまるで、昨日までの旅を締めくくるエンディングテーマのようだ。 但し、テレビ番組ではエンディング後に次回予告が入る。
 『仕込みカミッソーリー入りの、フリフリフリルブラーウス♪』 そして次回が来たら、また過酷な旅に出なければならない。 嫌だあああぁぁ!行きたくないいぃぃ!! 私はイナちゃんと渋谷で遊んで、お誕生日ケーキを食べて、空港に見送りに行って、お家に帰ってゆっくり寝て、福井で女優をするんだああぁぁぁ!! ていうか考えてみたらイナちゃんもグルだったあああぁぁぁ!!!裏切り者おおおぉぉぉぉ!!!
  『防刃防弾仕ー様の、コルセットーもー巻ーいてる♪』 スクランブル交差点に、爆音を撒き散らすアドトラックが現れた。…天井に、なんか生えてる。  『…ご通ぅぅぅ行ぉぉぉ中の皆様あああぁぁ!!』 渋谷駅に響き渡るロリータ声。諸行無常の響きあり。 ドゴッ!…体が乱暴にすくい上げられたような浮遊感。���後を振り向くと、宅配業者制服の男達が私を神輿みたいに担ぎあげている。  「オーエス!オーエス!」  『こんにちはァー、したたび通運でーーーす!!』 私はあれよあれよとスクランブル交差点へ運ばれ…トラックに集荷された!
 『あーあー♪なんて恐るべきー、チェリー!キラー!アサシンだ!』  「何!?何!?何なんですか!!?」 男達が私に何かを背負わせ、トートバッグごとベルトで固定していく。 目の前では、いつの間にか宅配業者制服に着替えたイナちゃんが敬礼している。  「ヒトミちゃん、したたび通運空輸便だヨ!」  「え?は?は!?」
 『破壊されしーオタサーからー…』 トラック天井に運ばれる。棒とロープが生えたバルーンクッション。 ああ。空輸便って。察した。『…遺族ーのー声はー確かに届ーいたー♪』
…わたし 童貞を殺す服を着た女を殺す服を作るよ もっともっと可愛くて 殺傷力も女子力も高い服を…
 サビに差し掛かったアイドルポップが遠ざかっていく。 私は…飛んだ。逆バンジージャンプで射出されて、渋谷のど真ん中で空を舞った。 あーあ、結局また騙された。ばーかばーか。テレビ湘南に水家曽良の腐乱死体送りつけてやる。ばーかばーか。
 そして無限にも思える長い一瞬の後、私は再び渋谷の地へ…落ちず。 なんとそのまま、上空を旋回していた小型ヘリに空中で捕縛され、拉致されてしまったのだ…。
 「はーい、ドッキリ大成功!毎度おなじみ、志多田佳奈のドッキリ旅バラエティ、したたびでーす!」 放心状態の私をよそに、悪魔的極悪ロリータアイドル、志多田佳奈さんが『ドッキリ』と書かれたプラカードを掲げた。 異常が、事の顛末だ。(これは誤字じゃない。異常なんだ。)  「ちなみに今回のドッキリは視聴者公募で、ペンネーム『ビニールプール部』さんのアイデアをやらせて頂きました!ありがとうございました~!」  「何が視聴者公募ですか。あんた達全員ビニールプールに沈めてやろうか!? だいたい、どうしてイナちゃんまでグルなんですか!」  「あの子はねぇ」 タナカDが画角外から、私と佳奈さんの会話に割って入る。  「昨夜SNSに紅さんと福島観光してる写真をアップしてたから、アポを取ってみたら、あっさり快諾してくれてですね。 今日あなたが渋谷に行く事も洗いざらい教えてくれたよぉ。『カナさん一番好き日本のアイドル!』とか言ってね」 げ、そうだった!忘れてたあああぁ!! 宅配サービスカウンターに行くのも予定調和だったのかあぁぁ!!  「目的地に着いたら電話かけ直してあげなさいよ」  「目的地じゃなくて渋谷に帰して下さい」  「そう言うなよ、一美ちゃん。 今日から記念すべき新企画が始まるんだから」  「新企画?」
 佳奈さんが座席の下からフリップを取り出す。 おどろおどろしいフォントで『調査せよ!綺麗な地名の闇』と書かれたフリップを。  「じゃじゃーん!新企画、『綺麗な地名の闇』!」  「何ですか、物騒な…」  「一美ちゃんはさ、ゆめみ台って行ったことある?」  「ゆめみ台?電車の乗り換えで通った事ぐらいはありますけど」  「ゆめみ台の旧地名は知ってる?」  「知らないです」  「ジャジャン!これです」 佳奈さんがフリップ上の『ゆめみ台』と書かれたポップなシールをめくる。 するとネガポジ暗転カラーで『蛇流台』と書かれた文言が現れた。  「じ…じゃりゅうだい…」  「蛇流台a.k.a.(アスノウンアス)ゆめみ台は、元々土砂崩れが起きやすい場所だったんだって。 だから今は人が住めるように整備されて、ゆめみ台って綺麗な地名になった。 それって涙ぐましい努力の歴史だと思わない?」  「はぁ」  「そこでね!この企画では、そーいう一癖あるスポットのいい所も暗部も、体を張って紹介していけたらなーって思うの! というわけで一美ちゃん、今日はゆめみ台国立公園でロッククライミングね」  「ああはいはい…はい!?」  「大丈夫!もう蛇流台じゃなくてゆめみ台だから崩落しない!」  「それ以前の問題です!ロッククライミングなんてやった事ないですよ!? どーして突然拉致されて、挙句崖まで登らなきゃいけないんですか!? 私まだ一昨日までの疲れが抜けてないんです!!」  「え?一昨日まで何してたの?」 除霊…とはさすがに言えない。  「…徹夜で…別番組の、廃墟探索ロケ」  「あ、その企画いいね」 しまった!鬼に金棒を与えちゃった!  「い、いえ、私はクライミングがいいな!その方が健康的だし!」  「ひょっとして一美ちゃん、お化けが怖かったのかい?」  「うるさい!」 カメラ外からタナカDにチャチャを入れられた。 怖いも何も、実際は私が分解霧散させちゃったけど。 そんな事より…
 私はフリップ下部に書かれた幾つかのご当地ゆるキャラ達を見ていた。 ゆめみ台の物と思しき台形のパジャマ姿の子や、他にも鳩みたいなもの、犬みたいなものもいる。 その中に一つだけ異質な…毛虫らしきキャラクターを見て、私は戦慄を禁じ得なかった。 灰色の毛、歯茎じみた肌、潰れた目、黄ばんだ舌… 似ている。金剛倶利伽羅龍王に、あまりにも似ている。  「佳奈さん。この下に描かれたゆるキャラ達…まさか、今後これ全部まわるんですか?」  「ん?知ってるキャラがいた?」  どうやら…私に休息の時はないみたいだ。 これもイナちゃんが導いた、『気』の巡り合わせなのかもしれない。
 金剛有明団、きっとすぐ近い将来相見える事だろう。 私はトートバッグの中で、静かにプルパ龍王剣を燃やした。
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