#七分丈ブラウス
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フレアーブラウス
wガーゼ布使用
半袖・チュニック丈で、サンプル作成
ゆったりしたフレアーライン
ブラウス丈かチュニック丈
七分袖か半袖
お好きなパターンをお選び下さい
パンツは、麻布使用
別布仕立布にゴムを通し
スッキリしたウエストまわり
ストレートパンツパターン使用
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久しぶりに歌集を買った。俵万智の「未来のサイズ」
読み始めたら、その日が「七月六日」であることに気づいてそんな偶然ある?と自分で少し笑ってしまった。この歌集はコロナ禍の2020年にはじまり、2013年から2019年を振り返るような構成で短歌が収められている。
トランプの絵札のように集まって我ら画面に密を楽しむ
知らぬ間に鬼かもしれぬ鬼ごっこ東京の人と宮崎で会う
コロナ禍の世界の模様を決して悲劇的にではなく、新しいものとしてどこか面白く、それでいてコロナという見えない脅威の迫る様をこうして切り取ってみせるのはやはりさすがだった。
夏らしいことしてみたき夏が来てカフェフラペチーノ丁寧に飲む
なんてのも好きだ。
どのページを開いても必ず1つは好きな歌があり、味わいながらゆっくりとページをめくった。貪るように読む物語やじっくりと頭の中で吟味しながら読む学術の本を普段は読むけれど、歌集には歌集独特のテンポがあって楽しい。俵万智は中学生ぐらいのお子さんがいるようで、お子さんを見つめる歌はどれも様々な味わいがある。
10センチ背丈伸びたる息子いてTシャツみんな新品の夏
服を買い替えるなんてちょっとナーバスになってしまう気もするけれど、俵万智の視点は爽やかで清々しい。結句の「新品の夏」の見事さ!こどもの成長をうれしく思う気持ちがかわいらしく気持ちいい。
私の好みでは「空と口づけ」とまとめられた歌がどれも好きだった。
インスタの桜が騒ぐ幾つもの「いいね」の中に君を見つけて
はずみつつつんのめりつつ来るメール小さい「つ」の字ちりばめながら
ひとことで私を夏に変えるひと白のブラウスほめられている
どれも好きだから全部挙げていきたいぐらいなのだけど、描かれている内容も言葉のリズムも、今まで自分が使っている言葉の有り様を新しく見せてくれるようで気持ちがいい。インスタや先のフラペチーノなど、現代ならではの言葉と感性もさすがで、しかしまるで昔の詩人のような言葉遣いの歌もいい。
ひとひらの雲となりたし千年のかくれんぼして君を見つける
私はもしかすると今回これが1番好きかもしれない。
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◆PINKO (ピンコ) 2023年秋冬メインコレクション御予約会◆ 日時:5/23火から28日まで 場所:Gallery なんばCITY本館1階店 PINKO (ピンコ)の2023年秋冬メインコレクション御予約会を開催致します。 公式正規取扱い。 今回の予約受付は、当店が既にオーダーしている秋冬物の中からのみ入金不要で御好きなだけ御予約頂けます。 ただし、御入金の御客様優先、次に先着優先で数量満了の型から受付終了していきます。 【以下御予約可能商品の一部御紹介】 ★スペンサージャケット ¥91,300(込) 素材:ポリ��ステル45%、アクリル24%、毛21%、レーヨン8%、ポリウレタン2% カラー:グレー×ブラック サイズ:36、38 フランネル素材、グレンチェックのスペンサージャケット。 七分袖になっております。 トラッドファッションには最適です。 トレンドなスタイルです。 ★タイトスカート ¥71,500(込) 素材:ポリエステル45%、アクリル24%、毛21%、レーヨン8%、ポリウレタン2% カラー:グレー×ブラック サイズ:38 フランネル素材、グレンチェックのタイトスカート。 ダブルバックルベルト付き。 サイドスリットが深めに入っているデザインです。 同素材のジャケットとスーツになります。 トレンドなスタイルです。 ★ミニスカート ¥73,700(込) 素材:ポリエステル45%、アクリル24%、毛21%、レーヨン8%、ポリウレタン2% カラー:グレー×ブラック サイズ:36 フランネル素材、グレンチェックのミニスカート。 ダブルバックルベルト付き。 サイドの袋ポケットの様なデザインがポイントです。 同素材のジャケットとスーツになります。 ★ジャケット ¥105,600(込) 素材:ナイロン49%、レーヨン44%、ポリウレタン7% カラー:ブラック サイズ:36,38 ネオプレーン素材のジャケット。 コルセットを上から重ね着した様な特殊なデザインになっています。 ウエストシェイプシルエットです。 ★ワイドパンツ ¥57,200(込) 素材:ナイロン49%、レーヨン44%、ポリウレタン7% カラー:ブラック サイズ:38 ネオプレーン素材のパンツ。 センタープレスでストレッチが効いています。 ★ラムレザージャケット ¥148,500(込) 素材:羊革 カラー:ブラック サイズ:38 半光沢の加工がなされているラムレザージャケット。 トレンチコートをライダース化したようなレトロなレザージャケット。 レトロなパイロットライダース。 上衿はフェイクファーのボア付き。 アンティークゴールドのバックルベルト付きで、ウエスト調節が可能です。 ★タイツ ¥49,500(込) 素材:ポリエステル95%、ポリウレタン5% カラー:ブラック サイズ:XXS,S 珍しいストレッチエコレザーのタイツ。 ★コート ¥116,600(込) 素材:ナイロン100% カラー:ピンク サイズ:S テクニカルツイルのロングコート。 前を閉じるとドレスの様なデザイン。 首元と腰位置にドローストリングが付いており、シルエットを変えることができます。 前身頃の腰から下はレイヤード。 後下がりのデザインで、両サイドに深めのスリットが入っています。 今っぽいデザインです。 ★ツイードジャケット ¥112,200(込) 素材:綿42%、アクリル22%、ポリエステル21%、毛8%、ナイロン4%、レーヨン3% カラー:ピンク サイズ:36 ピンクのミックスツイード。 肩はエコレザーで切り替えになっています。 60年代に見られるウエスタンジャケット調のデザインです。 ショート丈でボタンはゴールド色。 商品は2023年9~10月頃 随時入荷予定。 ・御予約頂いた方順に入荷次第御連絡させて頂きます。 ・入荷予定の商品の数に限りがある為、予約完売の可能性が御座います。 ・キャンセル待ちの御予約も承ります。予約完売の商品は、キャンセルが発生次第 キャンセル待ち御予約の方を優先にご連絡させて頂きます。 全てシーズン限定商品です。 非常に希少なこの機会に、是非当店をご利用下さい。 スタッフ一同、心より御待ちしております。 【ピンコとは】 イタリアのファッションブランド。 ピンコは、シーズンごとにトップモデルなどをディー���として広告に起用。 最近では、エリン・ワッソンがディーバを務め、ファッションフォトグラファーにミケランジェロ・ディ・バッティスタを迎えた。 これまでに、ナオミ・キャンベルをはじめ、エヴァ・ハーツィゴヴァ、エル・マックファーソンやマライア・キャリーを起用している。 また、広告では、スティーブン・クラインや、テリー・リチャードソンなど有名ファッションフォトグラファーと組んでいることでも有名。 ピンコ(PINKO)は、1980年代後半に設立されて以来、世界的に拡大。 イタリアでの販売拠点は直営店70店舗を含む410店舗、世界800ヵ所にピンコの販売拠点があり、その中にはロンドンのハロッズやパリのギャラリー・ラファイエットなどの有力百貨店も含まれている。 その他、アントワープやナポリ、コルソ・コモにオープンするなど今なお拡大し続けています。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】5月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected] 【なんばCITY店Facebook】https://goo.gl/qYXf6I 【ゴルチェ派Facebook】https://goo.gl/EVY9fs 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg_vw 【Blog】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【online shop】http://gallery-jpg.com/ #ピンコ #ライダースジャケット #レザーライダース #レディスライダース #dress #ドレス #ツイードジャケット #コルセット #ビスチェ #テーラードジャケット #ジャケット #スペンサージャケット #スーツ #ブラウス #ヘビ柄ドレス #ヘビ柄ワンピース #ヘビ柄スカート #ミニスカート #ヘビ柄パンツ #ワイドパンツ #バギーパンツ #ヘビ柄シャツ #プリントドレス #プリントワンピース #ワンピース #ラムレザージャケット #合皮スカート #合皮タイツ #ライダースコート
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60代からのソーイング
最近、「60代からのソーイング」という本を教科書にして、服作りにはまっている。まあ、はまっている、というほど作ってはいないのだが、この夏2枚のワンピースを「いい感じ」で作ることができた。今までにも、ワンピースやブラウスは自己流で作ってきたのだが、この本の通りに作ると実にスムーズに作れる。
この本との最初の出会いは本屋さんで、まだ私は50代の終わりだったのだか、ふと手に取ったこの本の「作り方」のページ��カラーで大きくて見やすかった。
当時東京に住んでいた私の楽しみのひとつは、大型書店の「手芸・ソーイング」コーナーに行って、最近の手芸・ソーイング事情を時々チェックすることだった。
手芸は刺繍でも編み物でもやり尽くされていると思いきや、後から後からいくらでも新しい切り口で、魅力的な写真とともに出版される。ソーイングの方はいかに簡単にステキな服が作れるか、ということに主眼が置かれて、やはり次から次へと出版される。
思えば、昔の服作りは大変なスキルを要求されていた。小さい頃から、母が服を作るのを横から見ていたのだが、まずスタイルブックを見てどの服を作るか決めたら、後ろに載ってる白黒の小さな製図の仕方を方眼ノートに書き写し、自分のサイズに計算して型紙を起こす。布地への印つけは、たいてい「切りじつけ」といって白い糸で型紙の輪郭やダーツを縫いながら印をつけていた。母は決してはしょったり手を抜いたりせずに、きちんと工程を踏んで、身体にフィットしたすばらしい服を作っていたと思う。昔の婦人服は胸のダーツをとって、ウエストも細くくびれさせた服が主流だったのだ。
母は服が出来上がると、残りぎれの一部を切手大に切って方眼ノートに貼り付けていた。私はその母の方眼ノートをパラパラめくって、色とりどりの小さなきれを眺めるのが好きだった。母が亡くなった後、押入れの奥から出てきた何冊もの方眼ノートは、パラパラとすると、変色したセロテープの跡のついた小きれがいくつも落ちてきた。どれも見覚えがあり、懐かしい若き母のワンピース姿が目に浮かんだ。
さて、「私はまだ50代なんだけど」と心の中でつぶやきながら、「60代からのソーイング」を買って帰った。スタイルブックを見ながら、どれを作ろうか、生地はどれにしようかと思いを巡らすのも、またたまらなく楽しい。こんな楽しいことがあるだろうか、と思ってしまう。けれど時間だけはどんどん経ってしまう。当時の私は週に2回は両親のいるホームに通っていたし、世の中ではコロナ騒動が始まっていた。両親は相次いで亡くなり、私たち家族は山梨に移住した。
山梨に来てから、買い物をする場所が少ないこともあって、生協に入った。いや、東京にいる時だって、子どもが生まれてからずっと生協に入っていたのだが。私はスーパーやらデパ地下で買い物するのは、時間がかかるのであまり好きではない。今までも、食べ物から日用品からパジャマや下着など、何もかも生協で買ってきた。いろんな本もまた生協で買ってきた。山梨��入った生協は、カタログを広げて見ると、東京で入っていたのとは品揃えがちょっと違うところがなんか新鮮だ。そして今度のカタログにも、わずかだが書籍のページもある。
ある日、その書籍案内のページに「60代からのソーイング」を発見した。春夏版だった。私が買ったのは秋冬版だった。へー、懐かしい友人に久しぶりに会った気持ち��った。調べてみるとその本は年2回出版で、私が最初に買ったのはVol.4だった。今度の新しいのはVol.7だ。
早速注文して、またあれこれ思いを巡らせる。春夏物だから、秋冬物より作りやすそうだ。母の遺した布地がいっぱいあって、どの生地でどれを作る? 楽しい時間の始まりだ。
そんなある日、我が家から車で20分ほどのところにある、「アフリカンアートミュージアム」に出かけた。展示品のアフリカの仮面もおもしろかったのだが、ミュージアムショップに色鮮やかな布が売っているのが気になった。布地はいっぱい持っているのに、新しいものを見るとまた欲しくなる、これは一種の病気だ。
その布は「カンガ」という、アフリカの女性が体に巻いて胸から膝までを覆う布で長方形の布で、太い額縁と中の絵があるような構図になっているのは、どの布も同じだ。そして絵のタイトルのように、スワヒリ語で「KUELEWANA KWA NDUGU NI UTAJIRI」とプリントしてある。意味は「親身になってくれる人がそばにいるのはいいものだ」とのこと。色も大好きなターコイズブルーで、これで何としてもワンピースが作りたいと思った。
家に戻って「60代からのソーイング」春夏版を広げる。どの型だったら、カンガの柄を生かせるか。これだったら、というのが見つかり、実物大型紙をハトロン紙に写す。母が洋裁をしていた時代のスタイルブックは製図しか載っていなかったのが、今の本は逆で、製図はまず載っていない。SMLのサイズのどれかの型紙を選んで写すのだ。
以前はそうした本の型紙をそのまま写して、生地に乗せてから周囲に縫い代を、ここは1センチ、ここは1.5センチとチャコペンで印をつけていた私だが、最近は( 以前からあった方法なのに、私が知らなかっただけかもしれないが)縫い代付きの型紙にして、縫うときにここは1.5センチの縫い代だからと、ミシンの針が落ちる板に刻印してある1.5センチの刻み線に沿って、布端から1.5センチのところを縫うというルールだ。母のやっていたような糸による切りじつけや、あるいはチャコペンで簡単に印をつけることさえ省略しているのだ。昔の服は身体にきちっと沿っていたから、厳密な印付けが必要だったが、現代はゆとりのある服を着るのが普通になっいるので、そうなったのだろう。
「60代からのソーイング」も大きめサイズをスポンとかぶるスタイルが多く、胸のダーツを取るスタイルは少なく、ボタン開きのデザインも少ない。普段はM~Lサイズを選ぶ私だが、「60代からのソーイング」ではSを選んだ。
縫い代付き型紙を作って布に乗せる。例の「親身になってくれる人が・・・」の文字が、ちょうど切れないようにスカートの幅いっぱいになるように置く。布のど真ん中で前身頃を取ったので、後ろ見頃は布の両端で取って、背中の真ん中ではぎを取る。でもそれを額縁の絵の両端同士をはぎ合わせて、背中にも新たな長方形を作るか、前身頃から続いているようにして、額縁の外側同士をはぐか迷ったが、前者にすることにした。残りのわずかな部分で、襟ぐりの見返しを取った。
こうして移住一年目にして、初の「60代からのソーイング」ができた。気づけば私もちょうど60歳になっていた。母のやり方に比べれば、随分ラフな作り方だが、サイズ感もちょうどよく、これが現代にマッチした服作りなのではないだろうか。
今までも自己流で作ってきた型紙は、一作ずつビニールに入れていた。タイトルも「何の本の何ページの服Lサイズ」などと書いたシールをビニールに貼って保存してきたが、いざ「あの型紙はどこだっけ」と探すとなかなか見つからない。みんなどうやって整理しているのかなとネットで調べると、出るわ出るわいっぱい参考になる整理法がある。
「とにかく人間は忘れやすいので、襟だとか見返しだとか小さい型紙の全部に、何の型紙か書くこと。一枚だけ部屋に落ちていてもどの型紙とセットかすぐわかる」なるほど。型紙は畳んで、A4のクリアファイルに収めている人が多いようだ。「作り方の順番も全部書いて型紙と一緒に保存して置くと、すぐ取りかかれる」なるほど。作り方のページをコピーして、自分なりのメモも忘れないうちに書き出しておく。「作った布地のはし切れを型紙に貼って置くと、次回あの服を作った型紙はと探すとき一目瞭然」なるほど。
こうして私の宝物のような型紙ファイルができた。同じ型の服を作るならすぐ作ることができる。そして最初のワンピースに続いて、次に秋冬物の本から、袖が七部丈のワンピースを作ることができた。布地は母が遺していたものだ。母がこの布を買ってから、40年ぐらい経っているのではなかろうか。でも、布の柔らかさとワンピースの型がうまくマッチしたようで嬉しい。山梨の風景にも合っている服だと思う。「60代からのソーイング」の新しい秋冬号も今から楽しみだ。
2021年8月
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A3! × earth music&ecology Japan Labelコラボ第2弾!
2018年1月に1周年を迎えた大人気ゲームアプリ「A3!」とearth music&ecology Japan Labelのコラボ企画第2弾、受注生産の詳細が決定いたしました!
コラボ第2弾ではアプリ配信1周年を記念し、 第一部に登場したの劇団員20名のモチーフフラワーやカラーなどを落とし込んだアイテムが登場。 MANKAIカンパニーの4つのユニット「春組」「夏組」「秋組」「冬組」、それぞれのユニットをイメージしたコーディネートをお楽しみいただけます。 受注生産となっておりますので、お見逃しなく!
■受注期間 2018/4/10(火)17:00 ~ 2018/4/18(水)23:59
earth公式通販サイト『ストライプクラブ』
■お届��日 2018年6月中旬~下旬を予定しております。
■通常販売 発売開始日:2018年6月23日(土) 発売場所:Japan Label store 東京/池袋サンシャイン店・大阪/梅田ヘップファイブ店 入荷数量はごくわずかとなりますので、ご購入予定のあるお客様はWEB受注をお勧め致します。記載店舗以外の店舗での発売はございません。
【コラボアイテムのご紹介】
<A3!コラボ第2弾 「春組」コーデ>
・A3! 春組 フラワープリント ブラウス
価格 :4,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:ピンク 春組メンバーのモチーフフラワーであるさくら、すみれ、たんぽぽ、ガーベラ、ジャスミンの花を落とし込んだオリジナルの花柄プリントのブラウス。 軽くて柔らかいジョーゼット素材を使用しており、ゴムシャーリングでふんわり仕上げた袖のデザインもポイントです。前後どちらもフロントにできる2WAY仕様で、気分やスタイルに合わせて表情の変化が楽しめます。 セットアップ対応の【春組 フラワープリント スカート】と合わせて女性らしいワンピース風のスタイルもお楽しみ頂けます。
・A3! 春組 フラワープリント スカート
価格 :5,990円+税 サイズ:Fサイズ カラー:ピンク 春組メンバーのモチーフフラワーであるさくら、すみれ、たんぽぽ、ガーベラ、ジャスミンの花を落とし込んだオリジナルの花柄プリントのギャザースカート。 ふんわり軽いジョーゼット素材を使用しており、程よく広がる綺麗なフレアーシルエットです。フロントフラットのウエストは、全体のシルエットをスッキリ魅せてくれます。バックゴムシャーリングで快適な穿き心地。 セットアップ対応の【春組 フラワープリント スカート】と合わせて女性らしいワンピース風のスタイルもお楽しみ頂けます。
<A3!コラボ第2弾 「夏組」コーデ>
・A3! 夏組 フラワープリント ブラウス
価格 :4,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:イエロー
夏組メンバーのモチーフフラワーであるひまわり、ゆり、ききょう、ダリア、ハイビスカスを落とし込んだオリジナルの総柄が目を引くブラウス。 軽やかな着心地で清涼感のあるコットンライクな素材を使用しています。 肩と袖口にシャーリングを施した女性らしい立体感のあるシルエットもポイント。コーディネートのアクセントになってくれるデザインです。
・A3! 夏組 デニムタイト スカート
価格 :4,990円+税 サイズ:S/M サイズ カラー:インディゴ
タイトシルエットとミディ丈が今年らしい雰囲気のデニムスカート。 デニム素材にアウトポケットのデザインやステッチを施し、キレイめなワークデザインに。 夏組メンバーのモチーフフラワーロゴと、ポケットからひょっこり顔を出すスーパーさんかくクンの刺繍もポイントです。バックウエストはゴム仕様になっており、リラックスして快適に着用頂けるのも特長。 ベーシックなシルエットなのでトップスを選ばず、様々な着こなしをお楽しみ頂けます。
<A3!コラボ第2弾 「秋組」コーデ>
・A3! 秋組 フラワープリント ブラウス
価格 :4,590円+税 サイズ:F サイズ カラー:ブラック 秋組メンバーのモチーフフラワーであるコスモス、ヒガンバナ、パンジー、カーネーション、キクを落とし込んだオリジナルのモノトーン柄がポイントのブラウス。 ふんわりとしたフレアスリーブは腕をすっきりと見せ、センシュアルな透け感のあるシフォン素材が大人っぽい印象をプラスしてくれています。 フロントのボタンを開けて、スキッパ―風の着こなしもおすすめです。 タイトボトムから、トレンドのワイドタイ��のボトムまで幅広く着こなせるのも着回しの効くデザインに仕上げました。
・A3! 秋組 サス付き ラップパンツ
価格 :6,990円+税 サイズ:S/M サイズ カラー:カーキ
ラップ風のデザインが印象的なトレンドのサスペンダー付きワイドパンツ。 柔らかく落ち感のある素材を使用し、ゆったりとしたシルエットで着心地も抜群です。ウエストにはベルトを付け、サイズの微調整も可能な優れもの。 フロントの左ポケットには秋組メンバーのモチーフフラワーロゴをオレンジの糸で刺繍してポイントにしました。 サスペンダーは取り外し可能なので様々な着こなしを楽しめます。
<A3!コラボ第2弾 「冬組」コーデ>
・A3! 冬組 ドルマン プルオーバー
価格 :4,100円+税 サイズ:Fサイズ カラー:ホワイト
冬組メンバーのモチーフフラワーであるすいせん、らん、アネモネ、バラ、つばきを落とし込んだプリントデザインが印象的なドルマンプルオーバー。 ゆったりシルエット+ドルマンスリーブのデザインが、女性らしい華奢な着こなしを演出してくれます。 柔らか風合いのカットソー素材は肌触りがよく、涼しげな着心地。 袖のロールアップと梯子レースもアクセントになっています。
・A3! 冬組 フラワープリント スカート
価格 :6,450円+税 サイズ:Fサイズ カラー:サックスブルー トレンドのランダムドット柄に冬組メンバーのモチーフフラワーを散りばめたオリジナルのプリントがポイントのフレアスカート。 フロントの飾りボタンがトラッドな印象を与えつつ、ふわりと広がるシルエットでナチュラルに着用して頂けます。 落ち感のある柔らかいジョーゼット素材を使用し、着心地も軽やか。 フロントフラットのウエストは、スッキリ魅せつつバックゴムシャーリングで快適な穿き心地です。
<A3!コラボ第2弾 バッグチャーム>
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ ゴールド箔でオリジナルロゴをプリントした三角のレザーパーツがポイントのバッグチャーム。 第一部登場の劇団員20名のモチーフカラーを落とし込んだタッセルが、同室ペアごとに2個セットになっています。 タ���セルは金具で着脱可能。チェーン部分やパールの横につけたり、お手持ちのグッズを付けてオリジナルのデコレーションをお楽しみいただけます。普段使いのバッグはもちろん、痛バに付けてもアクセントになるデザインです。 ・A3! 春組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【佐久間咲也&シトロン セット ⇒ カラーA】 【碓氷真澄&皆木綴 セット ⇒ カラーB】 【茅ケ崎至&春組カラー(ピンク) セット ⇒ カラーC】
・A3! 夏組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【皇天馬&瑠璃川幸 セット ⇒ カラーA】 【向坂椋&三好一成 セット ⇒ カラーB】 【斑鳩三角&夏組カラー(イエロー) セット ⇒ カラーC】
・A3! 秋組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【摂津万里&兵頭十座 セット ⇒ カラーA】 【七尾太一&伏見臣 セット ⇒ カラーB】 【古市左京&秋組カラー(オレンジ) セット ⇒ カラーC】
・A3! 冬組 バッグチャーム
価格 :1,590円+税 サイズ:Fサイズ カラー:A/B/C
【月岡紬&高遠丞 セット ⇒ カラーA】 【御影密&有栖川誉 セット ⇒ カラーB】 【雪白東&冬組カラー(サックス) セット ⇒ カラーC】
【ご注意事項】 ※サンプルにて撮影を行っております。 実際にお届けする商品と仕様やサイズが異なる場合がございます。
A3!とは…
劇団の主宰兼『総監督』となりイケメン劇団員たちをキャスティングして青春ストーリーが楽しめる、リベル・エンタテインメントより配信中のスマートフォン向けイケメン役者育成ゲーム。2018年2月より待望の第二部の配信がスタートし、2018年3月には500万ダウンロードを達成。
【メインストーリー】
「カントク!オレたちを…咲かせてください!」 東京の郊外の街、天鵞絨(ビロード)町。この町には『ビロードウェイ』と呼ばれる通りがあり、多くの劇団が拠点にする劇団員の聖地となっている。 突然届いた一通の手紙を頼りにこの地に降り立ったあなた。元舞台役者のあなたが出会ったのは―… 【借金まみれ!・お客ゼロ!・劇団員たった1名!】かつての栄光を失った潰れかけのボロ劇団! ひょんなことからその劇団を立て直す事になったあなたは、劇団の主宰兼『総監督』を任されることになって―…?
© Liber Entertainment Inc.
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ひとみに映る影シーズン2 第六話「どこまでも白い海で」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。) ☆キャラソン企画第六弾 金城玲蘭「ニライカナイ」はこちら!☆
དང་པོ་
アブが、飛んでいる。天井のペンダントライトに誘われたアブが、蛍光灯を囲う四角い木枠に囚われ足掻くように飛んでいる。一度電気を消してあげれば、外光に気がついて窓へ逃げていくだろう。そう思ったのに、動こうとすると手足が上がらない。なら蛍光灯を影で覆えば、と思うと、念力も込もらない。 「一美ちゃん」 呼ばれた方向を見ると、私の手を握って座っている佳奈さん。私はホテルの宴会場まで運ばれて、布団で眠っていたようだ。 「起きた?」 障子を隔てた男性側から万狸ちゃんの声。 「うん、起きたよ」 「佳奈ちゃん、一美ちゃん、ごめん。パパがまだ目を覚まさなくて……また後でね」 「うん」 佳奈さんは万狸ちゃんとしっかり会話出来ている。愛輪珠に霊感を植え付けられたためだ。 「……タナカDはまだ帰って来ないから、私が一美ちゃんのご両親に電話した。私達が千里が島に連れてきたせいでこんな事になったのに、全然怒られなかった。それどころか、『いつか娘が戦わなければいけない時が来るのは覚悟していた。それより貴女やカメラマンさんは無事なのか』だって……」 ああ。その冷静な受け答えは、きっとお母さんだ。お父さんやお爺ちゃんお婆ちゃんだったらきっと、『今すぐ千里が島に行って俺が敵を返り討ちにしてやる』とかなんとか言うに決まってるもん。 「お母さんから全部聞いたよ。一美ちゃんは赤ちゃんの時、金剛有明団っていう悪霊の集団に呪いをかけられた。呪われた子は死んじゃうか、乗り越えられれば強い霊能者に成長する。でも生き残っても、いつか死んだら金剛にさらわれて、結局悪い奴に霊力を利用されちゃう」 佳奈さんは正座していた足を崩した。 「だけど一美ちゃんに呪いをかけた奴の仲間に、金剛が悪い集団だって知らなくて騙されてたお坊さんがいた。その人は一美ちゃんの呪いを解くために、身代わりになって自殺した。その後も仏様になって、一美ちゃんや金城さんに修行をつけてあげた」 和尚様……。 「一美ちゃんはそうして特訓した力で、今まで金剛や悪霊と戦い続けてた。私達と普通にロケしてた時も、この千里が島でもずっと。霊感がない私やタナカDには何も言わないで……たった一人で……」 佳奈さんは私から手を離し、膝の上でぎゅっと握った。 「ねえ。そんなに私達って信用できない? そりゃさ。私達は所詮、友達じゃないただの同僚かもしれないよ。けど、それでも仲間じゃん。幽霊見えないし、いっぱい迷惑かけてたのかもしれないけど」 ……そんな風に思った事はない、と答えたいのに、体が動かなくて声も出せない。 「いいよ。それは本当の事だし。てかだぶか、迷惑しかかけてこなかったよね。いつもドッキリで騙して、企画も行先も告げずに連れ回して」 そこは否定しません。 「だって、また一美ちゃんと旅に出たいんだもん。行った事のない場所に三人で殴り込んで、無茶して、笑い合って、喧嘩して、それでも懲りずにまた旅に出るの。もう何度も勝手に電源が落ちるボロボロのワイヤレス付けて、そのへんの電器屋さんで買えそうなカメラ回してね。そうやって互いが互いにいっぱい迷惑かけながら、旅をしたいんだよ」 …… 「なのに……どうして一人で抱えこむの? 一美ちゃんだって私達に迷惑かければいいじゃん! そうすれば面白半分でこんな所には来なかったし、誰も傷つかずに済んだのに!」 「っ……」 どの口が言うんですか。私が危ないって言ったって、あなた達だぶか面白半分で首を突っ込もうとする癖に。 「私達だって本当にヤバい事とネタの分別ぐらいつくもん! それとも何? 『カラキシ』なんて足手まといでしかないからってワケ!?」 「っ……うっ……」 そんな事思ってないってば!! ああ、反論したいのに口が動かない! 「それともいざという時は一人でどうにかできると思ってたワケ? それで結局あの変態煙野郎に惨敗して、そんなボロボロになったんだ。この……ダメ人間!」 「くっ……ぅぅうううう……」 うるさい、うるさい! ダメ人間はどっちだ! 逃げろって言ったのにどうして戻ってきたんだ! そのせいで佳奈さんが……それに…… 「何その目!? 仲間が悪霊と取り残されてて、そこがもう遠目でわかるぐらいドッカンドッカンしてたら心配して当然でしょ!? あーそうですよ。私があの時余計な事しなければ、ラスタな狸さんが殺されて狸おじさんが危篤になる事もなかったよ! 何もかも私のせいですよーっ!!」 「ううう、あああああ! わああぁぁ!」 だからそんな事思ってないってば!! ていうか、中途半端に私の気持ち読み取らないでよ! 私の苦労なんて何も知らなかったクセに!! 「そーだよ! 私何もわかってなかったもん! 一美ちゃんがひた隠しにするから当たり前でしょぉ!?」 「うわあああぁぁぁ!! うっぢゃぁしいいいぃぃ、ごの極悪ロリーダァァァ!!」 「なん……なんだどおぉ、グスッ……この小心者のっ……ダメ人間!」 「ダメ人間!」 「ダメ人間!!」 「「ダメ人間ーーーっ!!!」」 いつの間にか手足も口も動くようになっていた。私と佳奈さんは互いの胸ぐらを掴み合い、今まで番組でもした事がない程本気で罵り合う。佳奈さんは涙で曇った伊達眼鏡を投げ捨て、私の腰を持ち上げて無理やり立たせた。 「わああぁぁーーっ!」 一旦一歩引き、寄り切りを仕掛けてくる。甘いわ! 懐に入ってきた佳奈さんの右肩を引き体勢を浮かせ、 「やああぁぁぁーーっ!!」 思いっきり仏壇返し! しかし宙を回転して倒れた佳奈さんは小柄な体型を活かし即時復帰、助走をつけて私の頬骨にドロップキックを叩きこんだ!! 「ぎゃふッ……あヤバいボキっていった! いっだあぁぁ!!」 「やば、ゴメン! 大丈夫?」 「だ……だいじょばないです……」 と弱った振りをしつつ天井で飛んでいるアブを捕獲! 「んにゃろぉアブ食らえアブ!」 「ぎゃああああぁぁ!!!」 <あんた達、何やってんの?> 「「あ」」 突然のテレパシー。我に返った私達が出入口を見ると、口に血まみれのタオルを当てて全身傷だらけの玲蘭ちゃんが立っていた。
གཉིས་པ་
アブを外に逃がしてやり、私は玲蘭ちゃんを手当てした。無惨にも前歯がほぼ全部抜け落ちてしまっている。でも診療所は怪我人多数で混雑率二〇〇%越えだという。佳奈さんに色んな応急手当についてネットで調べてもらい、初心者ながらにできる処置は全て行った。 「その傷、やっぱり散減と戦ったの?」 <うん。口欠湿地で。本当に口が欠けるとかウケる> 「いや洒落になんないでしょ」 <てか私そもそも武闘派じゃないのに、あんなデカブツ相手だなんて聞いてないし> 「大体何メートル級だった?」 <五メートル弱? 足は八本あった> なるほど。なら牛久大師と同じ、大散減の足から顕現したものだろう。つまり地中に潜む大散減は、残りあと六本足。 <てか一美、志多田さんいるのに普通に返事してていいの?> 「あ……私、もうソレ聞こえてます」 <は?> 私もこちらに何があったかを説明する。牛久大師が大散減に取り込まれた。後女津親子がそれを倒すと、御戌神が現れた。私は御戌神が本当は戦いたくない事に気付き、キョンジャクで気を正した。けど次の瞬間金剛愛輪珠如来が現れて、御戌神と私をケチョンケチョンに叩き潰した。奴は私を助けに来た佳奈さんにも呪いをかけようとして、それを防いだ斉二さんがやられた。以降斉一さんは目を覚まさず、タナカDと青木さんもまだ戻ってきていないみたいだ、と。そこまで説明すると、玲蘭ちゃんは頭を抱えて深々とため息をついた。 <最ッ悪……金剛マターとか、マジ聞いてないんだけど……。てか、一美もたいがい化け物だよね。金剛の如来級悪霊と戦って生きて帰れ���とか> 「本当、なんで助かったんだろ……。あの時は全身砕かれて内臓ぜんぶ引きずり出されたはずなんだけど」 <ワヤン化してたからでしょ> 「あーそっか……」 砕けたのは影の体だけだったようだ。 「けど和尚様から貰ったプルパを愛輪珠に取られちゃって、今じゃ私何にもできない。だっ��あいつが、和尚様の事……実は邪尊教の信者だとか言い出すから……」 <は!? 観音和尚が!? いや、そんなのただの侮辱に決まってるし……> 「…………」 <……なに、一美? まさか心当たりあるの!?> 「あの」 佳奈さんが挙手する。 「あの。何なんですか? そのジャソン教とかいうのって」 <ああ、チベットのカルト宗教です。悪魔崇拝の仏教版と言いましょうか> 「じゃあ、河童の家みたいな物?」 とんでもない。 「テロリストですよ。ドマル・イダムという邪尊の力を操ってチベットを支配していた、最悪の独裁宗派です」 「そ、そうなの!?」 ドマル・イダム。その昔、とある心優しい僧侶が瀕死の悪魔を助け、その情け深さに心打たれた悪魔から不滅の心臓を授かった。そうして彼は衆生の苦しみを安らぎに変える抜苦与楽(ばっくよらく)の仏、『ドマル・イダム(紅の守護尊)』となった。しかしドマルは強欲な霊能者や権力者達に囚われて、巨岩に磔にされてしまう。ドマルには権力者に虐げられた貧民の苦しみや怒りを日夜強制的に注ぎ込まれ、やがてチベットはごく少数の貴族と無抵抗で穏やかな奴隷の極端な格差社会になってしまった。 「この事態を重く見た当時のダライ・ラマはドマル信仰を固く禁じて、邪尊教と呼ぶようにしたんです」 「う、う���ぁ……悪代官だしなんか罰当たりだし、邪尊教まじで最悪じゃん……」 <罰当たり、そうですね。チベットでは邪尊教を戒めるために、ドマルの仏画が痛々しい姿で描かれてます。まるで心臓と神経線維だけ燃えずに残ったような赤黒い体、絶望的な目つき、何百年も磔にされているせいで常人の倍近く伸びた長い両腕……みたいな> 「やだやだやだ、そんな可哀想な仏画とか怖くて絶対見れない!」 そう、普通の人はこういう反応だ。だからチベット出身の仏教徒にむやみに邪尊教徒だと言いがかりをつけるのは、最大の侮辱なんだ。だけど、和尚様は……いや、それ以上考えたくない。幼い頃、和尚様と修行した一年間。大人になって再会できた時のこと。そして、彼に授かった力……幸せだったはずの記憶を思い起こす度に、色んな伏線が頭を過ぎってしまう。 <……でも、一美さぁ> 玲蘭ちゃんは口に当てていた氷を下ろし、私を真正��から見据えた。 <和尚にどんな秘密があったのか知らないけど、落ちこむのは後にしてくれる? このまま大散減が完全復活したら、明日の便に乗る前に全員死ぬの。今まともな戦力になるの、五寸釘愚連隊とあんたしかいないんだけど> 「私……無理だよ。プルパを奪われて、影も動かせなくなって」 <それなら新しい武器と法力を探しに行くよ> 「!」 <志多田さんも、来て> 「え? ……ふええぇっ!?」 玲蘭ちゃんは首にかけていた長い数珠を静かに持ち上げる。するとどこからか潮騒に似た音が聞こえ、私達の視界が次第に白く薄れていく。これは、まさか……!
གསུམ་པ་
気がつくと私達は、白一色の世界にいた。足元にはお風呂のように温かい乳白色の海が無限に広がり、空はどこまでも冷たげな霧で覆われている。その境界線は曖昧だ。大気に磯臭はなく、微かに酒粕や米ぬかのような香りがする。 「綺麗……」 佳奈さんが呆然と呟いた。なんとなく、この白い世界に私は来たことがある気がする。確か初めてワヤン不動に変身した直後だったような。すると霧の向こうから、白装束に身を包む天女が現れた。いや、あれは…… 「めんそーれ、ニライカナイへ」 「玲蘭ちゃん!?」「金城さん!?」 初めてちゃんと見たその天女の姿は、半人半魚に変身した玲蘭ちゃん。肌は黄色とパールホワイトのツートーンで、本来耳があった辺りにガラスのように透き通ったヒレが生えている。元々茶髪ボブだった頭も金髪……というより寧ろ、琉球紅型を彷彿とさせる鮮やかな黄色になっていた。燕尾のマーメイドドレス型白装束も裏地は黄色。首から下げたホタル玉の数珠と、裾に近づくにつれてグラデーションしている紅型模様が美しく映える。 「ニライカナイ、母なる乳海。全ての縁と繋がり『必要な物』だけを抜粋して見る事ができる仮想空間。で、この姿は、いわゆる神人(かみんちゅ)ってやつ。わかった?」 「さっぱりわかりません!」 私も佳奈さんに同じく。 「よーするにここは全ての魂と繋がる母乳の海で、どんな相手にもアクセスできるんです。私が何か招き入れないと、ひたすら真っ白なだけだけど」 母乳の海。これこそまさに、金剛が欲しがってやまない『縁の母乳』だ。足元に広がる海水は、散減が吐く穢れた物とはまるで違い、暖かくて淀みない。 「今からこの海で、『マブイグミ』って儀式をする。一美の前世を呼んでパワーを分けて貰うってわけ。でもまず、折角だし……志多田さんもやってみますか?」 「え、私の前世も探してくれるんですか!? えーどうしよ、緊張するー!」 「アー……多分、思ってる感じと違��ますよ」 玲蘭ちゃんは尾ビレで海水を打ち上げ、飛沫から瞬く間にススキの葉を錬成した。そして佳奈さんの背中をその葉でペンペンと叩きながら、 「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー」 とユルい調子で呪文を唱えた。すると佳奈さんから幾つもの物体がシュッと飛び出す。それらは人や動物、虫、お守りに家具など様々で、佳奈さんと半透明の線で繋がったまま宙に浮いている。 「なにこれ! もしかして、これって全部私の前世!? ええっ私って昔は桐箪笥だったのぉ!?」 「正確には箪笥に付着していた魂の欠片、いわゆる付喪神です。人間は物心つくまでに周囲の霊的物質を吸収して、七歳ぐらいで魂が完成すると言われています。私が呼び戻したのは、あなたを構成する物質の記憶。強い記憶ほど鮮明に復元できているのがわかりますか?」 そう言われてみると、幾つかの前世は形が朽ちかけている。人間の霊は割と形がはっきりしているけど、箪笥や虫などは朽ちた物が多い。 「たしかに……このおじさん、実家のお仏壇部屋にある写真で見たことあるかも。写真ではもっとおじいさんだったけど」 「亡くなった方が必ずしも亡くなったご年齢で現れるとは限らないんですよ」 私が補足した。そう、有名なスターとか軍人さんとかは、自分にとって全盛期の姿で現れがちなんだ。佳奈さんが言うおじさんも軍服を着ているから、戦時中の御姿なんだろう。 すると玲蘭ちゃんは手ビレ振り、佳奈さんの前世達を等間隔に整列させた。 「志多田さん。この中で一番、あなたにとって『しっくりくる』者を選んで下さい。その者が一つだけ、あなたに力を授けてくれます」 「しっくりくるもの?」 佳奈さんは海中でザブザブと足を引きずり、きちんと並んだ前世達を一つずつ見回っていく。 「うーん……。やっぱり、見たことある人はこのおじさんだけかな。家に写真があったなら、私と血が繋がったご先祖様だと思うし……あれ?」 ふと佳奈さんが立ち止まる。そこにあったのは、殆ど朽ちかけた日本人形。 「この子……!」 どうやら、佳奈さんは『しっくりくる前世』を見つけたようだ。 「私覚えてる。この子は昔、おじいちゃん家の反物屋にいたお人形さんなの。けど隣の中華食堂が火事になった時、うちも半焼しちゃって、多分だからこんなにボロボロなんだと思う」 佳奈さんは屈んで日本人形を手に取る。そして今にも壊れそうなそれに、火傷で火照った肌を癒すように優しく海水をかけた。 「まだ幼稚園ぐらいの時だからうろ覚えだけど。家族で京都のおじいちゃん家に遊びに行ったら、お店にこの子が着てる着物と同じ生地が売ってて。それでおそろいのドレスを作ってほしいっておじいちゃんにお願いしたんだ。それで東京帰った直後だよね、火事。誰も死ななかったけど約束の生地は燃えちゃって、お人形さんが私達を守って��れたんだろうって話になったんだよ」 佳奈さんが水をかける度に、他の魂達は満足そうな様子で佳奈さんと人形に集約していく。すると玲蘭ちゃんはまた手ビレを振る。二人を淡い光が包みこみ……次の瞬間、人形は紺色の京友禅に身を包む麗しい等身大舞妓に変身した! 「あなたは……!?」 「あら、思い出してくれはったんやないの? お久しぶりどすえ、佳奈ちゃん」 それは見事な『タルパ』だった。魂の素となるエクトプラズム粒子を集め、人工的に作られた霊魂だ。そういえば玲蘭ちゃんが和尚様から習っていたのはこのタルパを作る術だった。なるほど、こういう風に使うために修行していたんだね。 佳奈さんは顕現したての舞妓さんに問う。 「あ、あのね! 外でザトウムシの化け物が暴れてるの! できれば私もみんなと一緒に戦いたいんだけど、あなたの力を貸してくれないかな?」 ところが舞妓さんは困ったような顔で口元を隠した。 「あらあら、随分無茶を言いはりますなぁ。うちはただの人形やさかい、他の方法を考えはった方がええんと違います?」 「そっかぁ……。うーん、どうしよう」 「佳奈さん、だぶか霊能力とは別の事を聞いてみればいいんじゃないですか? せっかく再会できたんだから勿体ないですよ」 「そう? じゃあー……」 佳奈さんはわざとらしいポーズでしばらく考える。そして何かを閃くと、わざとらしく手のひらに拳をポンと乗せた。 「ねえ。童貞を殺す服を着た女を殺す服って、結局どんな服だと思う? 人生最大の謎なんだけど!」 「はいぃ???」 舞妓さんがわかっていないだろうからと、玲蘭ちゃんがタルパで『童貞を殺す服』を顕現してみせた。 「所謂、こーいうのです。女に耐性のない男はこれが好きらしいですよ」 玲蘭ちゃんが再現した童貞を殺す服は完璧だ。フリル付きの長袖ブラウスにリボンタイ、コルセット付きジャンパースカート、ニーハイソックス、童話の『赤い靴』みたいなラウンドトゥパンプス。一見露出が少なく清楚なようで、着ると実は物凄く体型が強調される。まんま佳奈さんの歌詞通りのコーデだ。 「って、だからってどうして私に着せるの!」 「ふっ、ウケる」 キツキツのコルセットに締め付けられた私を、舞妓さんが物珍しそうにシゲシゲと眺める。なんだか気恥ずかしくなってきた。舞妓さんはヒラヒラしたブラウスの襟を持ち上げて苦笑する。 「まあまあ……外国のお人形さんみたいやね。それにしても今時の初心な殿方は、機械で織った今時の生地がお好きなんやなあ。うちみたいな反物屋育ちの古い人形には、こんなはいからなお洋服着こなせんどす」 おお。これこそ噂の京都式皮肉、京ことば! 要するに生地がペラッペラで安っぽいと言っているようだ。 「でも佳奈ちゃんは、『おたさーの姫』はん程度にならもう勝っとるんやないの?」 「え?」 舞妓さんは摘んでいたブラウスを離す。すると彼女が触れていた部分の生地感が、心なしかぱりっとした気がする。 「ぶっちゃけた話ね。どんなに可愛らしい服でも、着る人に品がなければ『こすぷれ』と変わらへん。その点、佳奈ちゃんは立派な『あいどる』やないの。お歌も踊りもぎょうさん練習しはったんやろ? 昔はよちよち歩きやったけど、歩き方や立ち方がえろう綺麗になってはるさかい」 話しながらも舞妓さんは、童貞を殺す服を摘んだり撫でたりしている。その度に童貞を殺す服は少しずつ上等になっていく。形や色は変わらなくても、シワが消え縫製が丁寧になり、まるでオーダーメイドのように着心地が良くなった。そうか、生地だ。生地の素材が格段にグレードアップしているんだ! 「うちらは物の怪には勝てへんかもしれんけど、童貞を殺す服を着た女に負けるほど弱い女やありまへん。反物屋の娘の誇りを忘れたらあかんよ、佳奈ちゃん」 舞妓さんは童貞を殺す服タルパを私から剥がすと、佳奈さんに当てがった。すると佳奈さんが今着ているサマーワンピースは輝きながら消滅。代わりにアイドルステージ上で彼女のトレードマークである、紺色のメイド服姿へと変身した。けどただの衣装じゃない、その生地は仙姿玉質な京友禅だ! 「いつものメイド服が……あ、これってもしかして、おそろいのドレス!?」 舞妓さんはにっこりと微笑み、輝くオーラになって佳奈さんと一体化する。京友禅メイド服とオーラを纏った佳奈さんは、見違えるほど上品な風格を帯びた。童貞やオタサーの姫どころか、全老若男女に好感を持たれる国宝級生人形(スーパーアイドル)の誕生だ!
བཞི་པ་
「まぶやー、まぶやー、ゆくみそーれー」 またしても玲蘭ちゃんがゆるい呪文を唱えると、佳奈さんの周囲に残っていた僅かな前世残滓も全て佳奈さんに吸収された。これでマブイグミは終了だ。 「金城さんごめんなさい。やっぱり私、バトルには参加できなさそうです……」 「お気になさらないで下さい。その霊的衣装は強いので、多少の魔物(マジムン)を避けるお守り効果もあります。私達が戦っている間、ある程度護身してて頂けるだけでも十分助かります」 「りょーかいです! じゃあ、次は一美ちゃんの番だね!」 いよいよ、私の前世が明らかになる。家は代々影法師使いの家系だから、力を取り戻してくれる先代がいると信じたい。 「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー」 玲蘭ちゃんが私の背中を叩く。全身の毛穴が水を吹くような感覚の後、さっき見たものと同じ半透明の線が飛び出した。ところが…… 「あれ? 一美ちゃんの前世、それだけ??」 佳奈さんに言われて自分から生えた前世達を見渡す。……確かに、佳奈さんと比べて圧倒的に少ない。それに形も、指先ほど小さなシジミ蝶とか、書道で使ってた筆とか、小物ばっかり。玲蘭ちゃんも首を傾げる。 「有り得ないんだけど。こんな量でまともに生きていけるの、大きくてもフェレットぐらいだよ」 「うぅ……一美ちゃん、可哀想に。心だけじゃなくて魂���小さいんだ……」 「悪かったですね、小心者で」 一番考えられる可能性としては、ワヤン不動に変身するためのプルパを愛輪珠に奪われたからだろう。念力を使う時、魂の殆どが影に集中する影法師の性質が仇となったんだ。それでも今、こうして肉体を維持できているのはどういう事か。 「小さくても強いもの、魔除けとか石とか……も、うーん。ないし……」 「じゃあ、斉一さんのドッペルゲンガーみたいに別の場所にも魂があるってパターンは?」 「そういうタイプなら、一本だけ遠くまで伸びてる線があるからすぐわかる」 「そっか……」 すると、その会話を聞いていた佳奈さんが私の足元の海中を覗きこんだ。 「ねえこれ、下にもう一本生えてない?」 「え?」 まじまじと見ると、確かにうっすらと線が見えなくもない。すると玲蘭ちゃん���尾ビレを振って、私の周囲だけ海水を退けてくれた。 「あ、本当だ!」 それは水が掃け、足元に残った影溜まりの中。まるで風前の灯火のように薄目を開けた『ファティマの目』が、一筋の赤黒い線で私と繋がっている。そうか。行きの飛行機内で万狸ちゃんを遠隔視するのに使ったファティマの目は、本来邪悪な物から身を守る結界術だ。私の魂は無意識に、これで愛輪珠から身を守っていたらしい。 「そこにあったんだ。やっぱり影法師使いだね」 玲蘭ちゃんがファティマの目を屈んで掬い取ろうとする。ところが、それは意志を持っているように影の奥深くに沈んでしまった。 「ガード固っ……一美、これどうにかして取れない?」 参ったな。念力が使えれば影を動かせるんだけど……とりあえず、影法師の真言を唱えてみる。 (ナウマク・サマンダ・バザラダン・カン・オム・チャーヤー・ソワカ) だめだ、ビクともしない。じゃあ次は、和尚様の観世音菩薩の真言。 (オム・マニ・パドメ・フム) ……ん? 足の指先が若干ピリッときたような。なら和尚様タイプⅡ、プルパを発動する時にも使う馬頭観音真言ならどうか。 (オム・アムリトドバヴァ・フム・パット!) ピクッ。 「あ、今ちょっと動いた? おーい、一美ちゃんの前世さーん!」 佳奈さんがちょんちょんと私の影をつつく。他の真言やお経も試してみるべきか? けど総当りしている時間はないし…… —シムジャナンコ、リンポチェ……— 「!」 —和尚様?— —あなたの中で眠る仏様へ、お休みなさい、と申したのです。私は彼の『ムナル』ですから……— 脳裏に突然蘇った、和尚様と幼い私の会話。シムジャナンコ(お休みなさい)……チベット語……? 「タシデレ、リンポチェ」 ヴァンッ! ビンゴだ。薄目だった瞳がギョロリと見開いて肥大化し、私の影から飛び出した! だけどそれは、私が知っているファティマの目とまるで違う。眼球ではなく、まるで視神経のように真っ赤なエネルギーの線維が球体型にドクドクと脈動している。上下左右に睫毛じみた線維が突き出し、瞳孔に当たる部分はダマになった神経線維の塊だ。その眼差しは邪悪な物から身を守るどころか、この世の全てを拒絶しているような絶望感を帯びている。玲蘭ちゃんと佳奈さんも堪らず視線を逸らした。 「ぜ、前世さん、怒ってる?」 「……ウケる」 チベット語に反応した謎のエネルギー眼。それが私の大部分を占める前世なら、間違いなく和尚様にまつわる者だろう。正直、今私は和尚様に対してどういう感情を抱いたらいいのかわからなくなっている。でも、たとえ邪尊教徒であろうとなかろうと、彼が私の恩師である事に変わりはない。 「玲蘭ちゃん、佳奈さん。すいません。五分だけ、ちょっと瞑想させて下さい」 どうやら私にも、自分の『縁』と向き合うべき時が来たようだ。
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……釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩……。座して目を閉じ、自分の影が十三仏を象る様を心に思い描く。本来影法師の修行で行う瞑想では、ティンシャやシンギング・ボウルといった密教法具を使う。けど千里が島には持ってきていないし、今の私にそれらを使いこなせる力もない。それでも、私は自らの影に佇むエネルギー眼と接続を試み続ける。繋がれ、動け。私は影。私はお前だ。前世よ、そこにいるのなら応えて下さい。目を覚まして下さい…… 「……ッ……!」 心が観世音菩薩のシルエットを想った瞬間、それは充血するように赤く滲んだ。するうち私の心臓がドクンと弾け、業火で煮えくり返ったような血が全身を巡る。私はその熱量と激痛に思わず座禅を崩してしまうが、次の瞬間には何事もなかったかのように体が楽になった。そしてそっと目を開けてみると、ニライカナイだったはずの世界は見覚えのある場所に変わっていた。 「石筵観音寺……!?」 玲蘭ちゃんが代わりに呟く。そう。ここは彼女も昔よく通っていた、私達の和尚様のお寺だ。けどよく見ると、記憶と色々違う箇所がある。 「玲蘭ちゃん、このお御堂、こんなに広かったっけ……?」 「そんなわけない。だってあの観音寺って、和尚が廃墟のガレージに張って作ったタルパ結界でしょ」 「そうだよ。それにあの外の山も、安達太良山じゃないよね? なんかかき氷みたいに細長いけど」 「あれ須弥山(しゅみせん)じゃん。仏教界の中心にある山。だぶか和尚はこの風景を基に石筵観音寺を作ったんじゃない? てーか、何よりさ……」 「うん。……いなくなってるよね、和尚様」 このお御堂には、重大な物が欠けている。御本尊である仏像だ。石筵観音寺では和尚様の宿る金剛観世音菩薩像がいらした須弥壇には、何も置かれていない。ここは、一体……。 「ねーえ! 一美ちゃんの和尚さんってチベットのお坊さんなんだよね? ここにいるよ!」 「「え?」」 振り返ると、佳奈さんがお御堂の奥にある扉を開けて中を指さしている。勿論観音寺にはなかった扉だ。私と玲蘭ちゃんが中を覗くと、部屋は赤い壁のシンプルな寝室だった。中心に火葬場の収骨で使��ようなやたらと背の高いベッドが一つだけ設置されている。入室すると、そのベッドで誰かが眠っていた。枕元にはチベット密教徒特有の赤い袈裟が畳まれている。佳奈さんがいて顔がよく見えないけど、どうやら��主頭……僧侶のようだ。不思議な事に、その僧侶の周りには殆ど影がない。 「もしもーし、和尚さん起きて下さい! 一美ちゃんが大ピンチなんですーっ!」 佳奈さんは大胆にも、僧侶をバシバシと叩き起こそうと試みる。ただ問題がある。彼は和尚様より明らかに背が低いんだ。 「ちょ、佳奈さんまずいですって! この人は和尚様じゃないです!」 「え、そうなの? ごめんごめん、てへっ!」 「てへっじゃないですよ………………!!?!?!??」 佳奈さんが退き僧侶の顔が見えた瞬間、私は全身から冷や汗を噴出した。この……この男は……!!! 「あれ? でも和尚さんじゃないなら、この人が一美ちゃんの前世なんじゃない? おーい、前世さムググム~??」 ヤバいヤバいヤバい!! 佳奈さんが再び僧侶をぶっ叩こうとするのを必死で制止した。 「一美?」 玲蘭ちゃんが訝しんだ。面識はない。初めて見る人だ。だけどこの男が起きたら絶対人類がなんかヤバくなると直感で理解してしまったんだ! ところが…… ༼ ……ン…… ༽ 嘘でしょ。 「あ、一美ちゃん! 前世さん起きたよ! わーやば、このお坊さん三つ目じゃん! きっとなんか凄い悟り開いてる人だよ!」 あぁ、終わった……。したたび綺麗な地名の闇シリーズ第六弾、千里が島宝探し編終了。お疲れ様でした。 「ねー前世さん聞いて! 一美ちゃんが大ピンチなの! あ、一美ちゃんっていうのはこの子、あなたの生まれ変わりでー」 ༼ えっ、え?? ガレ……? ジャルペン……?? ༽ 僧侶はキョトンとしている。そりゃそうだ、寝起きに京友禅ロリータが何やらまくし立てていれば、誰だって困惑する。 「じゃる……ん? ひょっとして、この人日本語通じない!?」 「一美、通訳できる?」 「むむ、無理無理無理! 習ってたわけじゃないし、和尚様からちょこちょこ聞いてただけだもん!」 「嘘だぁ。一美ちゃんさっきいっぱいなんかモゴモゴ言ってたじゃん。ツンデレとかなんとか」 「あ、あれは真言です! てか最後なんて『おはようございます猊下(げいか)』って言っただけだし」 私だけ腰を抜かしている一方で、佳奈さんと玲蘭ちゃんは変わらずマイペースに会話している。僧侶もまだキョトン顔だ。 「他に知らないの? チベット語」 「えぇー……。あ、挨拶は『タシデレ』で、お休みなさいが『シムジャナンコ』、あと印象に残ってるのは『鏡』が『レモン』って言うとか……後は何だろう。ああ、『眠り』が『ムナル』です」 ༼ ! ༽ 私が『ムナル』と発音した瞬間、寝ぼけ眼だった僧侶が急に血相を変えて布団から飛び出した。 ༼ ムナルを知っているのか!? ༽ 「ふわあぁ!?」 僧侶は怖気づいている私の両腕をがっしと掴み、心臓を握り潰すような響きで問う。まるで視神経が溢れ出したような紅茶色の長い睫毛、所々ほつれたように神経線維が露出した肌、そして今までの人生で見てきた誰よりも深い悲壮感を湛える眼差し……やっぱり、間違いない。この僧侶こそが…… 「え? な、なーんだ! お坊さん、日本語喋れるんじゃん……」 「佳奈さん、ちょっと静かにしてて下さい」 「え?」 残酷にも、この僧侶はムナルという言葉に強い反応を示した。これで私の杞憂が事実だったと証明されてしまったんだ。だけど、どんな過去があったのかはともかく、私はやっぱり和尚様を信じたい。そして、自分の魂が内包していたこの男の事も。私は一度深呼吸して、彼の問いに答えた。 「最低限の経緯だけ説明します。私は一美。ムナル様の弟子で、恐らくあなたの来世……いえ、多分、ムナル様によって創られたあなたの神影(ワヤン)です。金剛の大散減という怪物と戦っていたんですが、ムナル様が私の肋骨で作られた法具プルパを金剛愛輪珠如来に奪われました。それでそこの神人にマブイグミして貰って、今ここにいる次第です」 ༼ …… ༽ 僧侶は瞬き一つせず私の話を聞く。同時に彼の脳内で凄まじい速度で情報が整理されていくのが、表情でなんとなくわかる。 ༼ 概ね理解した。ムナルは、そこか ༽ 僧侶は何故か佳奈さんを見る。すると京友禅ロリータドレスのスカートポケットに、僧侶と同じ目の形をしたエネルギー眼がバツッと音を立てて生じた。 「きゃあ!」 一方僧侶の掌は拭き掃除をしたティッシュのようにグズグズに綻び、真っ二つに砕けたキョンジャクが乗っていた。 「あ、それ……神社で見つけたんだけど、後で返そうと思って。でも壊れてて……あれ?」 キョンジャクは佳奈さんが話している間に元の形に戻っていた。というより、僧侶がエネルギー眼で金属を溶かし再鋳造したようだ。綻んでいた掌もじわじわと回復していく。 「ど、どういう事? 一美。ムナルって確か、観音和尚の俗名か何かだったよね……そのペンダント、なんなの?」 僧侶の異様な力に気圧されながら、玲蘭ちゃんが問う。 「キョンジャク(羂索)、法具だよ。和尚様の遺骨をメモリアルダイヤにして、友達から貰ったお守りのペンダントに埋め込んでおいたんだ」 ༼ この遺骨ダイヤ、更に形を変えても構わんか? ༽ 「え? はい」 僧侶は私にキョンジャクを返却し、お御堂へ向かった。見ると、和尚様のダイヤが埋まっていた箇所は跡一つなくなっている。私達も続いてお御堂に戻ると、彼はティグクという斧型の法具を持ち、装飾部分に和尚様のダイヤを埋め込んでいた。……ところが次の瞬間、それを露台から須弥山目掛けて思い切り投げた! 「何やってるんですか!?」 ティグクはヒュンヒュンと回転しながら須弥山へ到達する。すると、ヴァダダダダガァン!!! 須弥山の山肌が爆ぜ、さっきの何百倍もの強烈なエネルギー眼が炸裂! 地面が激しく揺れて、僧侶以外それぞれ付近の物や壁に掴まる。 ༼ ���僧が介入するとなれば、悪戯に事が大きくなる…… ༽ 爆風と閃光が鎮まった後の須弥山はグズグズに綻び、血のように赤い断面で神経線維が揺らめいた。そしてエネルギー眼を直撃したはずのティグクは、フリスビーのように回転しながら帰還。僧侶が器用にキャッチすると、次の瞬間それはダイヤの埋め込まれた小さなホイッスルのような形状に変化していた。 ༼ だからあなたは、あくまでムナルから力を授かった事にしなさい。これを吹けばティグクが顕現する ༽ 「この笛は……『カンリン』ですか!?」 ༼ 本来のカンリンは大腿骨でできたもっと大きな物だけどな。元がダイヤにされてたから、復元はこれが限界だ ༽ カンリン、人骨笛。古来よりチベットでは、悪い人の骨にはその人の使っていない良心が残留していて、死んだ悪人の遺骨でできた笛を吹くと霊を鎮められるという言い伝えがあるんだ。 ༼ 悪人の骨は癒しの音色を奏で、悪魔の心臓は煩悩を菩提に変換する。それなら逆に……あの心優しかった男の遺骨は、どんな恐ろしい業火を吹くのだろうな? ༽ 顔を上げ、再び僧侶と目が合う。やっぱり彼は、和尚様の事を話している時は少し表情が穏やかになっているように見える。 ༼ ま、ムナルの弟子なら使いこなせるだろ。ところで、『鏡』はレモンじゃなくて『メロン』な? ༽ 「あっ、そうでしたね」 未だどこか悲しげな表情のままだけど、多少フランクになった気がする。恐らく、彼を見た最初は心臓バクバクだった私もまた同様だろう。 「じゃあ、一美……そろそろ、お帰ししてもいい……?」 だぶか打って変わって、玲蘭ちゃんはすっかり及び腰だ。まあそれは仕方ない。僧侶もこの気まずい状況を理解して、あえて彼女と目を合わさないように気遣っている。 「うん。……リンポチェ(猊下)、ありがとうございました」 「一美ちゃんの前世のお坊さん、ありがとー!」 ༼ 報恩謝徳、礼には及ばぬ。こちらこそ、良き未来を見せて貰った ༽ 「え?」 ༼ かつて拙僧を救った愛弟子が巣立ち、弟子を得て帰ってきた。そして今度は、拙僧があなたに報いる運びとなった ༽ 玲蘭ちゃんが帰還呪文を唱えるより前に、僧侶は自らこの寺院空間を畳み始めた��神経線維状のエネルギーが竜巻のように這い回りながら、景色を急速に無へ還していく。中心で残像に巻かれて消えていく僧侶は、最後、僅かに笑っていた。 ༼ 衆生と斯様にもエモい縁を結んだのは久しぶりだ。また会おう、ムナルそっくりに育った来世よ ༽
ལྔ་པ་
竜巻が明けた時、私達はニライカナイをすっ飛ばして宴会場に戻っていた。佳奈さんは泥だらけのサマードレスに戻っているけどオーラを帯びていて、玲蘭ちゃんの口の怪我は何故か完���している。そして私の手には新品のように状態の良くなったキョンジャクと、僅かな視神経の残滓をほつれ糸のように纏う小さなカンリンがあった。 「あー、楽しかった! 金城さん、お人形さんと再会させてくれてありがとうございました! 一美ちゃんも、あのお坊さんめっちゃ良い人で良かったね! 最後エモいとか言ってたし、実はパリピなのかな!? ……あれ、金城さん?」 佳奈さんが振り返ると同時に、玲蘭ちゃんは焦燥しきった様子で私の首根っこを掴んだ。今日は色んな人に掴みかかられる日だ。 「なんなの、あの前世は」 その問いに答える代わりに、私は和尚様の遺骨(カンリン)を吹いてみた。パゥーーーー……決して癒しの音色とは言い難い、小動物の断末魔みたいな音が鳴った。すると私の心臓に焼けるような激痛が走り、全身に煮えたぎった血が迸る! それが足元の影に到達点すると、カセットコンロが点火するように私の全身は業火に包まれた。この一連のプロセスは、実に〇.五秒にも満たなかった。 「そんなっ……その姿……!!」 変身した私を、玲蘭ちゃんは核ミサイルでも見るような驚愕の目で仰いだ。そうか。彼女がワヤン不動の全身をちゃんと見るのは初めてだったっけ。 「一美ちゃん! また変身できるようになったね! あ、前世さんの影響でまつ毛伸びた? いいなー!」 玲蘭ちゃんは慌ててスマホで何かを検索し、悠長に笑っている佳奈さんにそれを見せた。 「ん、ドマル・イダム? ああ、これがさっき話してた邪尊さん……え?」 二人はスマホ画面と私を交互に三度見し、ドッと冷や汗を吹き出した。憤怒相に、背中に背負った業火。私は最初、この姿は不動明王様を模したものだと思っていた。けど私の『衆生の苦しみを業火に変え成仏を促す』力、変身中の痛みや恐怖に対する異常なまでの耐久性、一睨みで他者を黙らせる眼圧、そしてさっき牛久大師に指摘されるまで意識していなかった、伸びた腕。これらは明らかに、抜苦与楽の化身ドマル・イダムと合致している! 「……恐らく、あの前世こそがドマルだ。和尚様は幼い頃の私を金剛から助けるために、文字通り彼を私の守護尊にしたんだと思う。でもドマルは和尚様に『救われた』と言っていた。邪尊教に囚われる前の人間の姿で、私達が来るまで安らかに眠っていたのが何よりの証拠だ。観世音菩薩が時として憤怒の馬頭観音になるように、眠れる抜苦与楽の化身に代わり邪道を討つ憤怒の化身。それが私……」 「ワヤン不動だったってわけ……ウケる」 ウケる、と言いつつも、玲蘭ちゃんはまるで笑っていなかった。私は変身を解き、キョンジャクのネックレスチェーンにカンリンを通した。結局ドマルと和尚様がどういう関係だったのか、未だにはっきりしていない。それでも、この不可思議な縁がなければ今の私は存在し��いんだ。この新たな法具カンリンで皆を、そして御戌神や千里が島の人々も守るんだ。 私は紅一美。金剛観世音菩薩に寵愛を賜りし紅の守護尊、ワヤン不動だ。瞳に映る縁無き影を、業火で焼いて救済する!
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今日もありがとうございました。 久しぶりにオンラインを更新しています。 1960年代の蕾柄トップス。おそらく東ドイツのものかな?と思います。手描き風のタッチやブローチのような大きなボタンが60年代らしい。ブラウスよりはしっかり目の生地ですが七分袖で丈も短くかわいいバランスです。 https://www.instagram.com/p/CF6mgtGlZ3Q/?igshid=12kor0xypuqwq
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レーディス服(チェック柄)のお得な情報!割引キャンペーン開催!最大80%OFF!! レーディス洋服をおすすめします!今週のポイントはチェック柄です。では一緒にチェック柄からのファッション感を楽しめましょう。 ①Doresuweオンラインショップ 七分袖 チェック柄 レディースファッション ブラウス Vネック 商品説明: シーズン:秋、春 長さ:標準 袖丈:七分袖 クロージュアー:プルオーバー ネックライン:Vネック パターン:チェック柄 スリーブ:Lantern Sleeve ①この値段でこれは買いでした。私のような体型でも問題無く着用できます。生地もちゃんとしているし、洗濯しても型崩れもしませんでした。そして、柔らかいで着やすいですし、良かったです。画像通りで可愛いです。着やせしてるようにも見えるし、大活躍しようです。 ②仕事用で安格なシャツを探していて購入しました。透けないです。お値段からすると十分満足です。これからの季節に向けて色違いを買いたいと思います。 ➂着やすいしデザインも可愛くてよかったです。キレイな形で気に入ってます。着心地いいし、着痩せして見えます!手触りもとてもやわらかで、チクチクしません。袖と裾が短すぎず長すぎず、見��たくないもの(笑)をきれいにカバーしてくれてると思います。痩せて見えます。 Doresuweオンラインショップで開催中のお得なキャンペーンを紹介します。 秋先取りセール:10998円以上ご購入で2200円OFF。コードdw22;在庫一掃大処分セール;3点購入で1000OFFセール;秋冬物半額セールなどがあります。 購入サイト:https://ift.tt/2Ph1cwU ②ナチュランオンラインショップ インディゴ切り替えワンピース(C・ギンガムチェック) 商品詳細: カラー:ギンガムチェック ブランド:eka 素材:コットン100% 原産国:インド 洗濯表示:手洗い 上身頃はボーダー、スカート部分はストライブ。生地の向きを変えて切替えを施したデザインワンピースです。ウエスト部分のギャザー切替えの視覚効果で見た目はツーピースのような印象。さっと袖を通すだけでコーディネートがきれいに決まる優等生アイテムです。両サイドに便利なポケット付き。折り返した袖口がシルエットに抜けた感をプラスしてくれます。 【色落ちについて】 こちらの商品は染色の性質上、移染・色落ちの可能性がございます。コーディネート・洗濯の際などは十分ご注意ください。 漂白成分が入っていない洗剤で手洗いをおすすめしております。 ナチュランオンラインショップのお得な情報: 15000円以上で送料無料! サーマーファイナルセール:最大80%OFF情報 【人気18ブランド対象】総額から7%割引クーポンプレゼント!【8月31日(金)13時まで】 購入サイト:https://ift.tt/2okTkzd ➂バーニーズ ニューヨークオンラインショップ: テェックウールドレス 商品詳細: スタイリングに差し色効果を発揮するテェック柄 日常的でコンテンポラリーなラインとして提案されています。 こちらは表情豊かなチェック柄の生地で仕立てたキャミソールドレス。ワイドシャーリングがやさしくフィットし、女性らしいラインを描く美しいフォルムです。落ち感ある滑らかな素材がドレープを揺らめかせ、軽やかな印象に。 そのままでもシンプルなトップスと合わせてもおしゃれです。 また、ストラップを取り外し、ロングスカートとしてもお召しいただけます。 イタリア製。 タイプ:ウィメンズ カテゴリ:カジュアルドレス サイズ:s m 素材:レーヨン75%、毛:25% ポケットラニング:レーヨン100% バーニーズ ニューヨークオンラインショップで開催しているキャンペーン: オンライン限定ファイナルセール FINAL MARKDOWNS!のお買上げも「B(ビー)」の換算対象となります セール対象アイテムのお買上げ金額 1円=0.2B 定価商品のお買上げ金額 1円=1B ・「B(ビー)」の換算は、お買い上げ金額の税抜価格です。 ・「B(ビー)」の後付けはできません。 購入サイト:https://ift.tt/2PksVNq ④ランウェイチャンネル: BOY’sフランネルシャツ 商品詳細: 人気のボーイズフランネルシャツの秋冬バージョンが登場。ヨークやポケットデザインも変更し、デザイン性もプラスされています。ほどよい肉感のネル生地を使用しているので、羽織としてもインナーとしてもロングシーズン着用可能シャツになっています。 【スタイリング】 ベルトでウエストマークするのがおすすめ!シャツは少し後ろに落とした着こなしがGOOD。オーバーサイズなので、ボタンを閉めてミニワンピース風に着ても、ざっくり羽織っても可愛い1枚! 【このアイテムは予約商品です】 予約商品は、商品入荷次第の発送となっております。 発送予定時期は、商品の入荷状況により前後する場合がございます。 入荷次第ご注文順のお届けとなりますので、予めご了承お願い致します。 こちらの商品は、通常商品・発送時期・ブランドが異なる予約商品と同時に購入することができません。 商品画像は、サンプルでの撮影のため、色味や仕様の変更がある場合がございます。 予約商品の場合、サイズ・混率の表記がない場合がございます。 また、サイズ・混率については変更になることがございますので、 予めご了承をお願い致します。 予約商品の支払い方法は、代金引換、クレジットカード、クロネコ代金後払いのみとなっております。 ランウェイチャンネルオンラインショップで開催されているお得なキャンペーン: 予約アイテム全品ポイント10倍!8.30 23:59まで 『参考になった』レビューを書いて貰える3000円OFFクーポンプレゼント!(八月中に) 購入サイト:https://ift.tt/2rwhBUG https://ift.tt/2Pj8W1o
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今月はフェアトレード月間ということで、フェアトレードアイテムの週替わりセールを開催中! . 今日から一週間は主にシャツ・ブラウスがお買い得となっております♪ . 長袖や七分袖、半袖に、丈もショートからロングのチュニックタイプまで、いますぐ活躍するアイテムがよりどりみどり。 . 日ざしが一気に夏モードな火曜日もハリキッテ営業しておりま~す♪ #fairtradeday #wftdイベント2018 #ethical #ethicalfashion #fairtrade #fairtradefashion #エシカル #エシカルファッション #フェアトレード #フェアトレードファッション #宇部市 #山口県 #sweetthings
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女心くすぐる大人のレースアイテム着こなし術。
この春夏はONもOFFも
とにかくレースアイテムが充実!!
ラインナップと共に、
甘くなり過ぎない大人の着こなしをチェック!
▼ アイテム一覧 ▼
レースキャミチュニック
¥8,532税込
ZOZOTOWN
bd ONLINE
腰が隠れるくらいのチュニック丈が
新鮮なバランスで使いやすいのも魅力♪
レースブロッキングブラウス
¥7,452税込
ZOZOTOWN
bd ONLINE
春らしいふんわりしたガーゼタッチな素材感で
着心地のよい仕上がりが◎
コットンレーススカラップ七分袖ブラウス
¥7,452税込
ZOZOTOWN
釦を留めてボトムINしたコーディネートから、
前を開けて羽織っても着られるデザインです
\ 2018SS WEB LOOK Ⅱ/
\ APP DOWNLOAD CAMPAIGN /
\ SANEI bd ONLINE /
→ZOZOTOWN
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絶望からの這い上がり
こんばんわ。
今日は寒かったですね、
でも、何故でしょうか。
私は、七分丈のブラウスにサロペットを着て、その上にパーカーを羽織って、朝出かけました。
全然寒くなかったです。
やっぱり、少し熱があるのか?(笑)
んー、まだ風邪が万全には治ってないみたいです。
そんな今日は、気持ちの変化が激しかった一日。
一歩を踏み出すことができなかった。
その踏み出せなかった一歩で、大切な人に悲しい顔をさせてしまった。
事実を確認せずその人の顔色を見ただけで、
『何て自分は、情けなくて、惨めで、ダメな人間なんだろう』
という、根拠のない自己嫌悪のループに陥った。
もう、私は誰も笑顔にすることが出来ないんじゃないか。
周りにとっても、社会にとっても、お荷物なだけなんじゃないか。
そこまで追い詰めました、自分自身で。
最近、うつヌケという有名な漫画を購入して読んだり、図書館で借りてきた認知行動療法の本を読んだりしてるんです。
それらを読んで、
『自分の認知は歪んでる』
『考え方を少し変えるだけで生きやすくなる』
『人間の心の奥の信念を変えることは時間がかかるけど、そこから派生している表面上の考え方のくせを変えるのは難しくない』
という事を学び、少しずつ自分の認知の歪みに気づき、心と向き合ってます。
それなのに、まだ私は自分で自分をいじめてしまう。
学んだことはすぐ結果に残したいと思うのですが、難しいですね。
それにしても、心理学って本当に奥が深い。
もっと知りたいことが沢山あるな、と思います。
心理系の勉強をして資格を取りたいな、と思ったりもしますが、今はそれよりも優先的にやらねばならない事があるので、意欲だけ持ち続けて余裕が出来たら資格が取れたらな、と思います。
そんな自分をとことんいじめ抜いた午後。
お昼ご飯も食べないで、自己嫌悪に陥って泣いてたら、抗不安薬が効いたようで眠りについてました。
大切な人の悲しい顔、困った顔を見るのが辛くて、申し訳なくて、部屋から出るのが凄く怖かったのですが、トイレに行こうと部屋を出たら、
『お腹すいたでしょ?おやつ食べにおいで。』
と、いつもの笑顔で祖母が声をかけてくれました。
あまり食欲がなかったので小さなカップケーキ1つとコーヒーだけ飲んでたら、
『おじいちゃん、凄い心配してたよ。後で、心配かけたこと、ちゃんと謝るのよ。』
そう言われました。
やっぱり。
私の弱い部分が垣間見えてしまっていた��たいで、祖父に心配をかけていました。
情けない。何て、不孝な孫なんだろう。
やっぱり、私のちょっとしたことで、周りの人の表情が曇ったり、場の雰囲気が暗くなったりするのは、とても辛いです。
だからこそ、私はどんな時でも暗い顔や悲しい顔、不安な顔を見せずに笑顔でいたい。
それなのに、笑顔でごまかせない自分はまだまだ弱いな、と痛感した日でした。
それと、もう一つ。
今日から挑戦し始めた新しいこと。
ずばり、ジョギングです。
前のブログにも書いたと思うのですが、ジョギングは始めたいとずっと思ってたんです。
今日みたいな心がモヤモヤした日を忘れたい。
そして、ZOZOTOWNで注文したシースルーワンピースを綺麗に着こなすためにも体を引き締めたい。
そう思い立ち、今日からジョギングを始めました。
���日の今日は、2kmの距離を一定のペースで走ってきました。
最初はやっぱりきつかった。
息がすぐに苦しくなるし、身体も重たい。
でも、だんだんと走っていくにつれて、走るのに夢中になって、気付いたら自分のペースで気持ちいいくらいの感覚で走れていました。
帰宅してからは、とにかく暑くて、汗もたくさんかいて、息も程よく上がり、
『完全燃焼!!』
という感じでした。
水分をあまり取らず、汗がひくのを待ってからお風呂に入ったのですが、ジョギング後のお風呂ってあんなに気持ちいいんですね。
ここ最近で、1番幸せな瞬間だったかもしれません。
あまりにも気持ちよくて、お風呂での一人リサイタルも今日は調子が良かったです。
(ボリューム抑えてるけど、お隣に聴こえてないか少し心配)
この前、元合唱部の友達に部活時代にジョギングや筋トレをしてたという話を聞いたのですが、その意味が何だか少し分かった気がします。
腹筋を使うことで、出る声の伸びが全然違いました。
ジョギングをする目的が、また一つ増えましたね。
何だか嬉しい。
きっと、ジョギングしてる最中や、お風呂で一人リサイタルしている時は、アドレナリンの放出が半端なかったと思います(笑)
それに気付くくらい、本当に気持ちいい一日の終わりを過ごせました。
さて、もう寝るので、ノルアドレナリンさんに働いて頂いて、質のいい睡眠を取りたいと思います。
明日も踏み出さなければならないステップがありますが、きっと大丈夫…
今日の自分の頑張りを褒めて、自信につなげよう。
毎日、少しずつでも自分の中にポジティブな変化を感じられますように。
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◆ラムネ ピエカウタイテ 2019年 秋冬物 受注会◆ 開催場所:Galleryなんば店 開催期間:2/27~3/9 【ブラウス】¥52,920-(税込) 【スカート】¥51,840-(税込) RAMUNE PIEKAUTAITE (ラムネピエカウタイテ)の2019年 秋冬物 受注会をGalleryなんばCITY本館1F店で開催致します。 プロのバイヤー向けの展示会と同じスタイルで、海外からのサンプル全品をご用意し、絵型と展示会写真をご覧頂きながら御要望の商品の受注を承ります。 サイズ・色・素材などお選び頂いたものは、結果的に国内に1点しかないレベルの希少性となります。 日本到着の全てのサンプルを揃えた受注会は国内で数ヶ所しか開催しておりません。 実用性の高いレディススーツやコートなどがサンプルの中心です。 アヴァンギャルドさが全く気にならないシックな作品群です。 世界的に貴重な機会の為、是非、ご検討下さいませ。 1997年、リトアニアのビリニュスに設立したブランド「RAMUNE PIEKAUTAITE(ラムネ ピーカウタイト)」。 リトアニアにおいて最も有名なファッション ブランドの1つです。 プレタポルテ以外に本国ではビスポークも手掛け、クラシック、New Wave、モードをMIXしたデザイン、ハイエンド クオリティと卓越したクラフツマンシップが世界的に評価されている。 日本への入荷は非常に少なく希少。 是非、この機会にGalleryにご来店下さい。 スタッフ一同、心よりお待ちしております。 Gallery 心斎橋日航ホテルB1F店 〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-3-3 ホテル日航ビルB1F 【営業時間】11:00~20:00 ※営業時間が「なんばCITY店」と異なりますのでお間違いの無いようお願いします。 心斎橋日航ホテルは地下鉄 御堂筋線 心斎橋駅 南北改札からすぐの8号出口直結。 日航ホテルのB1F美容室「AVEDA」の隣にGalleryはあります。 【休館日】3月20日(木) 【PHONE&FAX】06-6243-0023 【tumblr.】https://galleryshinsaibashi.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/ #RAMUNEPIEKAUTAITE #ラムネピエカウタイテ #受注会 #受注会サンプル #SKIRT #スカート #七分丈スカート #ペンシルスカート #タイトスカート #チェック柄 #チェック柄スカート #チェック柄ブラウス #blouse #ブラウス #Vネックブラウス #七分丈ブラウス #アンサンブル #チェック柄アンサンブル #抜き衿ブラウス #フォーマルウェア #パーティウェア #スーツ #レディーススーツ https://www.instagram.com/p/BufzWFslJxx/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=db35tsoyxyfu
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慟哭は復讐の声 1.奴が帰ってきた
2017年3月に行われたサタスペのキャンペーン・青空爆発ドッグスの最終話を小説風に脚色したものです。
いつの間にか久し振りに飲もうぜなどと言い合える連中になってしまった。それに二つ返事で喜べる仲になってしまったのだ。誰がなんと言おうとも、自分たちが実のところどう思っていようとも。
「みっちゃんとリーダーはまだ来てないみたいですねえ」 ダイキリを片手に呟いたのは崔恭一だった。紫の瞳は壁に掛かっていた時計を確認したがさっき見たときと変わらず二時十七分で止まっているらしく、当てにならないと顔をしかめては酒を煽った。よく見たらガラスが割れているし中に蜘蛛の巣が入り込んでいる。 「まあリーダーが時間にルーズなのは今に始まったことじゃないですしね」 酒を勧めてくる悪い大人にNOが言える優等生DB・マヤンはカラシニコフを玩具のようにして遊んでいる。チョコレートの盛り合わせは地下の籠った熱で溶け始めているところ。室内でのマナーと言って着こんでいた帽子とコートとジャケットも脱いでいた崔も少し暑そうだ。 「一松も適当なところあるしな」 黒くないビールをぐっと傾けて一気に飲み干したのはヴィンセント・ジョーンズ。空いた腹にアルコールは良くないと頼んだつまみに手を付けないまま三杯目だった。口に白いヒゲがついたのを褐色肌の少年が揶揄い、黙って手の甲で拭う大男を横目で見ながら、自分は次にどんなものを飲もうかと崔は考える。昔から所以だの謂れだのを考えるのが好きで、特に拘ってるのがジンクスだ。ちなみにダイキリについた意味合いとは、希望らしい。 例え亜侠などと言うボンクラであったとしても酒を飲むなら日が落ちてから、全員が揃ってからと思っていたのにリーダーであるパット・ユーディーともう一人の一松三子が現れる気配が無いので痺れを切らして諸々を注文したのが三十分前になる。お決まりになってしまったこの個室はそれはもう店の奥の奥で、料理の映えなど気にもかけない白熱灯が光るばかりで外が今どんな様子なのかは把握できない。相変わらず狭い部屋はあと二人を収容出来るのかも疑わしいくらいだがパットはまだ成長しきっていない少年だし一松は枝みたいに細いから結局は大丈夫なのだろう。 「なんだっけ? パソコンのCPUのクロックアップ? あれに凝ってるって言ってたっけ。僕わかんないです」 銃を傍らに置いたマヤンがもうぬるくなってしまったオレンジジュースを少しだけ飲んだ。 「まあ……一松のほうは最近恋人も出来たしな」 「最近? もう半年も前の話ですよ。若いんだからその感覚は治しましょうよ」 「いやいや忙しかったからさ、時間が経つのが早かっただろ」 最年長に老いを指摘されてヴィンセントが焦る。言い分はまぁ、わからなくもないが。 「この半年の間になにがありましたっけ?」 因幡の白兎が頼んできた件は何ヶ月前でしたっけという少年の問いに、三人は六ヶ月を思い浮かべ始めた。ワニとサメが合体した化物を海上に浮かぶ船から相手するのはシビアなものだった、舵を取ったマヤンは免許を取れる腕前に変わり果て、依頼人のウサギに騙されたとわかるとこういうときはパイにするんだよと一松が喜々として包丁を研いでいたこととか。さるかに合戦は親の敵討ちをとカニが頼んできたが実際にはサルはむしろ良い奴で、カニ率いる詐欺師集団が豪邸を奪い取る算段だったらしい。甲羅が嘘みたいに硬くて銃弾を物ともしないので崔が無理だと泣き喚き、結局ヴィンセントが手足をもいで物理で解決させた。あと一回だけ珍しく人間がやってきて某盟約で秘密裏に開発されているウィーゼルの詳細を調べてくれとのことがあったが、実際に生み出されていたのは洗脳された殺人イタチであった。結局動物じゃねえかとパットが叫んでいたが同情禁じ得ないぇ 「どうでもいいですけど本当に動物関係多いですね、ウチは」 ようやくグラスを空にして、店員を呼ぶのに立ち上がりながら崔は呟いた。 「なんか呪いなんじゃないですか」 マヤンが言った。割と呪い染みた運命だと。錬金術師が言うと洒落にならんなとヴィンセントは追加のジョッキを頼んでいた。
それから十数分、パットと一松は未だ来て居らず、幸運にも趣味の近い者同士であったため途切れなかった会話に割り込んでマヤンの携帯が鳴った。数年前にヒットした映画の荘厳な主題歌はチープなアレンジに変えられ、すぐに通話ボタンを押される。聞こえたのは荒い息遣いで、その向こうから意味を成さない騒音が重なっていた。正確には動物の鳴き声がほとんどだった。苦しそうな呼吸が三回、それから相手は声を発する。 「すまぬ、マヤン」 この声を知っている。マヤンの脳裏にはエンペラーペンギンの顔が浮かんでいた。もう若干懐かしいくらいのあのペンギンである、一時は長電話した仲ではあるがその後についてはお互いなんの音沙汰も無く過ごしていた。 「どうしたんですか、なにがあったんですか?」 彼に何故こんなにも余裕がないのか心当たりがない。それはもう当然のように喉から出てきた。マヤンの不安を滲ませた声に崔とヴィンセントも動きを止める。 「奴が帰ってきた」 エンペラーの声に油断は許されていなかった。奴について尋ねる前に動物園の惨劇は彼を吞み込まんとしていた。多くを語れないと判断した彼が慎重に付け加える。 「私もここまでのようだ……奴らには気をつけろ」 「ど、どうしたんですか! なにがあったんですか、返事をしてください! エンペラー!」 続いて、爆発音。マヤンの耳が壊れる前に電話はぶつ切りされ、状況から取り残された故の空しい呼び掛けが残り、その余韻もいよいよ無くなると温情とばかりにラジオにノイズが走った。ブレイク三歩手前のバンドミュージックを流していた店内放送は公共の電波に切り替わり、たった今の速報を流す。 『臨時ニュースです、天王寺動物園が爆破されました。被害のほうはまだわかっておりません。近隣の住人はすぐさま避難をお願いします』 なんと他人事な声なのか。繰り返しを聞き流しながら、��十三は呆然としたままなんとか携帯を落とさないように必死だった。 「一体なにが……」 「なにか……爆発があったとかなんとかって言ってますねぇ」 崔はいつの間にか上着を着ていた。エンペラーどうこうって、ひょっとしてあの? と腕を横に曲げて手のひらをぱたぱた動かしているが、それはペンギンのつもりなのだろうか。 「天王寺動物園は今や彼のキングダムです、そこが爆発されたということは」 言葉はどうしても続かなかった。予測出来た会話ほど無駄な時間があるだろうか。一瞬で誰もが無口になり、焦燥感が追い立てるように神経を焼く。この町で最も静かな場所に違いなかったが、やがて扉のノックが三人を、少なくともこちら側へ呼び戻した。しかしそれが安心できる切っ掛けだとは思えない。 「雲行きが怪しいですねぇ」 眉を顰める崔がちらりと長年の友人を見た。嗚呼、了解、言われなくてもとヴィンセントが扉に近寄る。何者だ、尋ねる前にガチャガチャと言った複数の銃の準備に気付いた。途端に吹き飛ばされたドアノブがマスターキーによるものだと言う認識は後で良い、それよりもまず。 「物陰に隠れろ!」 戦闘力に特化した男の剛腕が、物量が乗った木製のテーブルを倒した。入口を塞ぐように天板を向けたがしかし、食器が割れるよりも先に手榴弾が投げ込まれるのを目撃する。キン、と光が飛ぶような音が耳をつんざいた。 「ヴィンス!」 真っ先に反応出来たのはマヤンだったが余りにも唐突過ぎて体が追い付かない、足は床の凹凸に引っかかって大きくバランスを崩した。勢いのままヴィンセントを倒し、大男は幼い身を庇うために受け身を取らずに少年を抱えて壁際に転がる。後ろにいた崔は奇しくも巻き込まれ潰されたが、全員が部屋の隅でギリギリ爆風を避けたと言うことになった。 まだ晴れない土煙を薙ぐ如く重い一撃が振り下ろされたのも、ヴィンセントが咄嗟に起き上がってバットを握れたのも、片膝に体重を掛けて力任せにスイングしたのも、まるで瞬間的で、脅威は男の横に逸れてぐざんと床を抉った。ちょうど腰の抜けた崔の足元で、動きを止めてようやくごつい斧であることがわかった。ぱらぱらと破片が落ちる音。 「もう勘弁してくださいよ!」 崔が悲鳴を上げながら襲撃者を確認しようと上を向けば、開幕とでも言うように視界は良くなり、そこに蜜のような髪をふわりとなびかせた少女がいた。よくある組み合わせだと思う奴は現実を見たほうが良い、マヤンよりもずっと小さい女性が体格を遥かに凌ぐ斧を使ってこちらを真っ二つにしようとしてきたのだから。彼女は幼い顔立ちで丸く大きな目をしていたが、そこに光は見えず黒い鏡のような球に男を映すばかりだった。そしてまた同じように少女を凝視していた三人の傍へカツン、カツン、誰かがこちらへ近寄ってくる。 「モミジさんモミジさん、早まり過ぎですよ」 名前を聞いた瞬間に、全身が赤の匂いを思い出した。それが秋の葉の色なのか、血の溜まりだったか、判別を拒む程度に遠慮願いたい相手である。しかも非常に信じられないことにだが、やってきた男の声は知っているものだった。キングと呼ばれた男のものだ。 「その女はもしかして……あの……俺らが島で殺した奴か」 ヴィンセントは珍しくしかめっ面で、であるにも関わらずモミジと名称のある少女は静かにこちらを見つめるばかり。 「モミジさんは最近転生したばかりで言葉は喋れないようなんですよ、ご了承ください」 部屋に立ち込めていた砂埃はもうすっかり無くなっている。それでも聞き慣れない言葉を耳から入れた脳は困惑していた。一体何処のファンタジー時空からやってきた方々なのか、そう本気で思えたらどれだけ平静で居られたことだろう、まあ恐らく同時に死んでいるだろうけれど。 改めて確認すると、大斧を持ち必要最低限のプロテクターを身に着けた少女と、ペストマスクで顔の見えない軍服の男がいた。男のほうはやけに嵩張る外套と艶やかな素材で出来た傘を持っている。属性過多。その二人の後ろからもう一人が顔を出した。まだ増えるのかよ。 「やぁやぁやぁ! 皆さん、お久し振り……へけっ!」 うわ。 「いやー、この格好だと『へけっ』まで言わないとたぶんわかってもらえないからなー」 そう困ったように笑う白衣の青年は流石元マスコットの肩書を持っていただけあると言うか、だとしても素性を知っている分腹の立つ顔ではあるのだが、小動物的な愛らしさはあったかと思う。イメージカラーのオレンジが鮮やかだ。 「状況はわかってきたかな?」 「ジャパニーズノベルに帰れ!」 今まで黙っていただけだったマヤンが耐え切れず声を上げた。それでも歯牙にもかけないと彼らは笑っている、いや一人は無表情だしもう一人はマスクを被っているから読み取れないが。 「地獄の閻魔様に復讐がしたいと言ったら、帰してくれたんでね? このチャンスをものにしに来ただけですよ」 東洋の冥界というのは、サボタージュが問題にならないのかな。動物から人間に生まれ変わる確率と言うのはかなり低い、それを少なくとも三回通しているのだからちょっと仏様を信じられなくなる。 「今日はただ遊びに来ただけです。当初の目的は達成していますので」 そのうちまた顔を合わせることになるでしょう、キングは言った。 「今この場で即行二度と顔も見たくないんだけど」 間髪入れずにマヤンは返す。素直で良いことだ、苦い顔の少年にやはり男はさも愉快と息を漏らす。 「人の姿なら殺れるんじゃないんですか、ヴィンス。やっちゃってください!」 「そういう問題じゃないだろ」 「だってあの巨大なクマがその可愛い女の子なんでしょ? なんとかなるんじゃないんですか!」 「さっきの斧結構ギリギリだったぞ?」 「またまた御冗談を」 「恭一さん、ただの女の子が、斧を振り回したりなんか、しない」 ならば試しにと崔はヴィンセントを壁にしながらモスバーグの銃口を少女に向けた。この距離なら当たらないこともあるまい、引き金を引くまでの時間は一秒も無かったがそれを見越していたかのようにキングが前に躍り出て持っていた傘を広げた。随分広い面積のそれはどんな細工を施しているのか全ての散弾を受け止める。崔が短い悲鳴を上げたとき、ヴィンセントは飛び出した。防衛線なら破壊すべき、と、しかし傘の先端に穴が空いているのを見たとき、そして瞬時に火花が散ったとき、なんとか銃弾を受け止めたバットは手から撃ち落とされていた。 「手が早いのはそちらも一緒でしたか」 その声はもう悦を隠すのを止めたようだ。けらけらと明らかにこちらを下に見る態度にヴィンセントがいよいよ声を低く唸らせる。 「……舐められたままでいられるかよ」 「いえいえいえ? しかし、本気になって貰えるのは嬉しいですね」 「命狙われて本気にならない奴がどこにいるんだこの野郎」 「本気を出してもらわなきゃ困りますよ、こちらも狩りのつもりで来ていますので」 「獣が人の姿を持ってから調子に乗りやがって」 その言葉にふん、と鼻を鳴らしたのは公太郎だった。細めた目にわざとらしく上がった口角、彼は耳に残る声で言い放つ。 「調子に乗っているのは皆さん人間のほうじゃないか」 ぎっとヴィンセントが睨み返せばやーいやーいと手をぴろぴろさせてくるので、駄目だこれは低レベルだとマヤンがスーツの裾を引っ張って静止させた。 「あなた方の命は私たちが頂きます。それまで余生をお楽しみください」 キングの右手が高く掲げられると、小気味好く高い音が響く。空気を弾くようなその合図は、遥か彼方からなにかを呼び寄せていた。それがなにか、と言うのは唐突に地層が軋み地下に位置するこのロクでもない酒場が崩壊しそうな揺れと激しい噴射音で、ただ大きなものであることしかわからない。そんな疑問も個室の天井の一角がごりっと盛り上がり穴が空くことで解決する。ちょっと訂正しよう、ロクでもない酒場が崩壊した。 冗談かなにかのように、ペンギンを象った巨大ロボがそこにいた。そうして差し込んだ手のひらにひょいひょいと元動物たちが乗り込み、用は済んだとこちらに振り返りもせずに帰っていく。そういえばロボットと戦ったこともあったな、あれは差し詰め百万ペンギン力と言ったところだろうか、パットが喜んだらどうしよう。ぽっかり空いた大きな穴から飛び去るロボット��憎しみを差し引いても恰好良かった。超絶技巧には付き物な盛大な効果音が聞こえなくなると、今度は結構な雨の音が聞こえる。季節外れにもほどがある夕立だ。 「夢じゃないですよね……」と崔恭一。 「ほっぺでも引っ張りましょうか?」とDB・マヤン。 「死にかけたのは現実だぞ」とヴィンセント・ジョーンズ。 「とりあえずリーダーとみっちゃんにも連絡を取らないと」 「……と言うか、二人の身のほうがよっぽど危ないんじゃないですか?」 「一人だしな」 「特に一松さんが一番危ない気がするんですけど」 「……アリエルがいるだろ?」 「なにはともあれ仲間がピンチなんだから急ぎましょうよ」 「おう、そうだな」 電話番号を探しながら三人は思う。どうか、どうか無事で居てくれと。
◇
ベンチマークの結果はなかなかに良いものだったし、今月中はランキング十位圏内は安定だろう。別に誰かと競争したいわけでもないが、記録は残しておきたかった。楽しすぎて時が止まったかのような感覚だったのだ。無論あくまで感覚の話で現実は足早に動き続け、結局約束の時間の五分後に家を出た。遅刻は確定しているとわかっているが出来るだけ急ごうと思う。半年前から愛用しているマル��ボードに乗っかって人の合間を縫いながら最高速度だ。 しかし、JAIL HOUSEまであと十数分というところで。つまりは天王寺動物園を横切ろうというところで、その公共施設から大きな爆発音が聞こえ、パットは足を止めた。今日はなにかのパーティーだっただろうか、だとしたら随分オーバーすぎる花火だけど、領地を区別するための柵の向こうに煌々と燃え上がる火の海を見てしまえばそれは厄介ごとの類であるという認識に変わる。それにあの場所にはかつて依頼で知り合ったエンペラーがいるはずだった。荷物の中からごそごそと取り出すのはペンギン帽子だ。使えるかもしれない、いや使いたいわけじゃないけど、絶対に使いたいとかじゃないけど、念のため。誰に言うでもない言い訳が心に渦巻いているとその出会いは突然に訪れた。 「パーット!」 可憐ではつらつとした透き通る声だった。それは聞いた者の脳に春を呼んで蝶が飛ぶように目の前をチカチカさせた。体温は先走りすぎて夏の暑さだったし、比喩的に空まで跳ねた心臓はびくびくと脈打っていた。そういう体の症状を無視するかのように頭の上からサアと血の気が引いているような気がしている。目の前が真っ暗になりかけた。ここで意識を失ったらどうなってしまうのだろう、考えたくない。それでもパットはぎこちなく後ろを向いた。 見た目は全然知らない女性だった。天使を思わせる純白の髪に鮮やかな青いリボンのカチューシャ。目は大きくてあくまで美しく長い睫毛を持っている、虹彩は深い緑で、白い肌に際立っている。ブラウスは透けたフリルが軽やかで上品なリボンが装飾としてついていてまるでお嬢様のようだ。全然知らなかったが、重なる部分がどうしてもあのネズミを思い出してしまう女性だった。ロマンスの神様、この人でしょうか? 「誰だお前は?!」 これでどうかまったく違う名前だったら良かったのに、彼女はにこにこしながら、えー覚えてないのー、などとからかってくる。可愛い。違う。埒が明かないと思ったのでじりじりと後退りをしたが、柔らかな指がそっと腕を這うだけで鉛を飲み込んだように足が重たくなる。逃げないで。呟いたか、そうではなかったかは定かではないがパットの体は本当に動かなくなってしまった。 「パット、どこにいくのよ?」 全然怖くないちょっと怒った声でパットに詰め寄る。甘い良い香りがした。違う、違う今本当にそういうことはいらない。 「な、何故貴様が生きている?!」 あの時確かに死ぬような目に合わせたはずだった。ていうか一回死んだよな? 赤い糸って地獄まで続くものなのか、マジか、知らなかったなぁ。今すぐ縁を切りたいと思った。そんな心情を露ほども知らずにパットに愛玩的な視線を送る乙女は、やっぱり可愛いわーなどと非常にマイペースである。そこに前ほどの策略は感じられないが、それでも怖いものは怖いのである。年下の男の子に合わせて少し屈み、どうしたのと覗き込む愛らしい顔を見て、気が付いたら周囲が思わず振り向くほどの悲鳴を上げていた。パットの叫び声はそれはもう天を穿つほどで、曇り空からは破裂したように雨が落ちてくる。思春期の仁義無き戦いだった。 思考停止は悪手だ、アドバンテージをどうにか上手く使いたい。本当は金輪際アプローチをしてこないで頂きたいが果たしてこの百戦錬磨を言いくるめられるかと言われると残念ながら自信が無い。昔から女と付き合って上手く別れられた試しが無いんだよな。嗚呼、ここにチームの皆がいてくれたら形振り構わず助けを求めているところだ、最悪こういうのが得意な恭ちゃんだけでもいいから居て欲しかった、自分が遅刻したのが悪いんだけど。仕方ないからせめて時間を稼ごう、そうせめて皆に会いに行って対処を考える時間を、そしてチームを揃える時間を。ここまで1.4秒。 「……二十四時間」 臨戦態勢と言うべき状況に女はくすくすと笑うだけだった。潰したい、こいつを潰したい。 「二十四時間、俺になにもするな。関わるな」 「本当にいけずなんだから……そういうところも好きよ」 彼女はぱちんと器用にウインクをしてから、目線を外して考え込んだ。濡れてしまった細い髪が肌に張り付いている。暗い所にいたら幽霊と勘違いしてしまいそうだった。いや、幽霊かもしれないけれど。 「まぁでも、また会うことになると思うわ」 そう告げると、彼女は後ろを向いて花びらのような手をひらりと振りながらようやく離れて行った。凍っていた体が自由になると、パットは反射とばかりにチーフスペシャルを取り出して乱射したがやはり、まるで当たることはない。やっぱり幽霊なのではないか。スカートの裾が揺れて疎らで灰色の人ごみの中に消えていく。雨は落ち続けて、落ち続けて、道はどす黒くなっていた。 少年は大きく息を吐き出したが、動悸が収まる気配は無いようだ。いっそ心臓を取り換えることが出来たら良かったのに、彼女の笑顔が刻まれた脳みそだけ切り取れれば良かったのに。呪いのような愛だ。
いつまでも濡れているわけにはいかなかったので軒下に潜り込めば、忍ばせていた携帯が鳴った。待ってた。相手を特に確認せず、パットは電話を取る。 「大変だ! 奴が! 蘇った!」 「嗚呼、そっちもか……」 疲れたような声をしていたのはヴィンセントだ。そのすぐ傍でマヤンと崔が生きてた良かったなどと喜んでいるのもわかる。死んでたほうがマシだったかもとは言い辛い。 「こっちもな、ちょっと色々変なことがあったんだよ。蘇ってきたような……人間型のペンギンに、人間型のネズミに、人間型のクマが」 「落ち着いてください、今までの仇敵が何故か知らないけど人になって戻ってきたんです」 擬人化って夢があるけど、これは悪夢です。マヤンが訴えるように言った。 「なるほど、擬人化が得意なフレンズが蘇ったと言うことだな、すごーい!」 「やばーい!」 お子様方は半ば自棄になっている、と大人二人は思う。島に行ったときからなんだか二人が狂いだしている衒いがあるが大丈夫だろうか、崔とヴィンセントは無言で相談していた。リーダーは元から狂ってた気がしないでもないが。 「ま、まさかとは思うがその敵の中にあのクソマスコットはいなかっただろうな?」 「……正直なところ、全員蘇ってても不思議じゃないんじゃないか?」 「待ってください、全てが蘇ったって言うんなら、一松さんが危ない!」 「アリエルがいるから大丈夫って言っただろ」 「お約束かと思って」 大変だったと言う割に電話の向こうは楽しそうだった。それにしても、一松がいないのか。でも問題ないだろう、アリエルがなんとかすると俺でも思う。むしろ敵と相打ちになってあわよくば死ね。たまに肉盾として蘇ってくれ。 「アリエルがボコボコにされてたら嫌でしょ? 急ぎましょうよ」 「お、おう、じゃあ車出してくれ車」 はーいと良い子の返事をしたマヤンがフェードアウトしていき、鍵ちゃんと持った? 大丈夫? と崔が再三確認していて、ヴィンセントはそれじゃあ沙京で一松を探そうと言って通話を切った。 「もう、やなんだけどあいつら相手にすんの」
◇
いつも持ってるジッポーを忘れたのだ。特別に思い入れがあるわけではないけれど、なんとなく身近にあったものだから無いと落ち着かなかった。無視も出来る軽い理由で後戻りの面倒臭い帰路を辿ったのは何故だろう、胸騒ぎがしたからだろうか、ちょっと遅れたくらいでは気に留める人はいないと思っていたのもあって、一松は自宅と言うにも憚られる居住地へ引き返していた。空は一雨来そうな面持ちで冷たい水を吐き出さんとばかりに鈍い色を広げている。ずっと外にいるわけにもいかないと空気を確かめながらふと、焦げた臭いが鼻を突いた。沙京で火を使った形跡なんて悪い予感しかしないし、余計なものは見たくないと避けて通っているにも関わらずその不穏は徐々に近づいてくるのが気に掛かる。そう、悪い予感がする、自分の身に降りかかる予感だ。 果たしてそれは的中する。狭い路地裏は炎を抱え込んでやけに明るく燃えており、一松が寝床にしていた鉄製の檻が熱の揺らめきの隙間から僅かに見えた。ぬいぐるみを詰めていたのだからさぞかし火が回ったことだろう、気まぐれに集めていたものだったけれどこうも儚い別れになるとは。頭のほんの隅っこで考えながら、炎の前に立つ男とその足元に倒れ込んだ恋人のアリエルを素早く確認した。ここを離れたほんの十数分でなにが起こったのか見当も付かない。 「君は誰だ?」 ある程度の距離を詰めて、捻らずに声を掛けた。彼が振り向くとタイミング良く装置を起動したかのように突然強く雨が降り始めた。痛みにも似た寒さは周囲を凍らせて緊迫を育てる。 「お前に復讐しに来たんだ」 そう語る彼の姿は、まあ彼と言うからには性別は男で、大体同い年くらいに見える。中国系なのかもしれない辮髪と虎の刺繍の入ったスカジャンより、唯々こちらを睨みつけてひび割れたように歪む表情だけが夢に出てくるレベルで印象的だった。正直こういうのは得意じゃない。ここ最近アリエルに致命傷の与え方を教わりはしたがまだ頻発出来るほどじゃないし、そのアリエルは地に伏せている。そういえば地に伏せている、大丈夫だろうか? 「悪いけど覚えてないね、��まれるようなことはたくさんしてきたし」 かと言ってこの手の輩を上手く切り抜けるための手札は無かった、そりゃ勘弁してほしい、家が燃えてるのを確かめてまだ一時間も経ってない。放火犯であろう男は、呆れたような表情も滲ませながら言葉を返した。 「そうだろうな、お前は極悪人だ。心当たりなんて腐るほどあるんだろう?」 小さく頷いてやれば反比例する如く溜め息を吐かれる。その息は怒りのままに震えていて、獣の唸り声のように不明瞭に呟く。なんだかおかしいなと思ったけれど、感情がそれしか感じられないのがどうにも人間味に欠けているようだ。 「俺の母親はお前との決闘で負った傷のせいで亡くなった。父親もだ、あの日お前が天王寺動物園に来なければ……!」 「嗚呼、そう言われれば見たことがある気がするけど、それだけ?」 彼の目が怨嗟で濁った。黒目がちのその瞳が人間のそれではないと言うことに気が付くと納得も出来る、何故ならば不本意にも害獣専門になりつつある亜狭チームが自分の所属する青空爆発ドッグスだからだ。それもあの夏の日を思い出す滲むような暑さと殺意を向けられれば結成当日を思い出さないのも無理な話だろう。良い日だった。だけど親が後から死んだ責任を取れと言われても困る、昨今親を殺される話も親に殺される話もよく聞く。大体私がなにをしたと言うんだ、ほとんどなにもしてない。猫に気に入られる性分と言うのも考え物のようだ。 「畜生共の恨みねぇ」 こいつはトラだと一松は理解した。 「畜生と言うのは、ちょっと違うな」 見ているこっちが引き攣りそうな顔面をしながら彼は言った。どういう意味か、尋ねようとしたところで落方に巨悪の影が見えた。激しい雨が遮るこの距離で見えるのだから大したものだ、ちょうどミナミのほうにロボットが降り立っているのがわかった。それがペンギンなどとふざけた外見でなかったらなんか面白いことが起きてるなと勘違いしそうなくらいに非日常だ。馬鹿みたいに豪勢な地響きに揺られながら、もしかしたらあそこはJAIL HOUSEかもしれないと感じた。 「そうそう天王寺動物園は爆破したよ」 「へぇ、派手なことしたね」 「俺は興味なかったけどな、あそこにはキングの敵がいるし」 ペンギンと来たから絡んでるかと思ったけど嗚呼やっぱり。あとハムスターがいるな。最悪で熊も追加だ。振り返っては改めてトンデモな事件に巻き込まれていたと眩暈がしそうだ。 「まぁ今日は挨拶だけにしておけとキングが言っているからな、この辺にしといてやろう」 「猶予が貰えるならこちらとしてはありがたいけど」 「猶予じゃない、これは狩りだ。獲物をじわじわと追い詰めて本気で怯えたところを仕留めたい」 ���じゃあ今度は本気になれることを頼むよ」 「……そうだな、今度は本気にさせてやる」 彼は刺すような視線を残しながら、かつてそうだったのだろう虎の如き身のこなしで建物の高いところまでジャンプするとそのままビルの陰へ隠れていった。雨音がようやく耳に入り込む沈黙が出来て、自分がずぶ濡れなことにも気が付く。見慣れた路地裏は天上から落ちる雨で炎が消えていて黒く焦げているばかり。もう判別の出来ない綿の塊と随分壊れかけていた檻の破片がちんまりと置き去りになっていた。明らかな、二度と使えないのだという無言の訴えだ。 「アリエル」 思い出したように、というかあのトラを前にして油断できなかった分、放置してしまっていた恋人の名を呼ぶ。どうしてここにいるのかはわからないが、やはり青年の手によって致命傷を負ったのだと思う。品の良いブラウスに血の色が大きく染み込んでいる。皮膚は色を失くして氷のようだったし、体の力は全て抜けていて、か細く呻いたきり眉一つ動かさなくなって十数秒。死んでほしくないなと思った。実の所、これは彼女の気の迷いでそのうち自分に飽きて離れていくか殺されるかされてるだろうと予想していたけれど、半年の間に随分絆されていたらしい。滴る赤い髪を撫でながらゆっくり、柔らかい体を楽なようにしてやってから横に抱く。気を失ってるのだから支えてくれる手は伸びない、それでも彼女を運ばなければならなかった、なにせここに治療できる設備がない。あってもちょうど燃えて朽ちたところだ。最近の若い女の子は軽い、これくらい大した労力じゃないさ。
◇
JAIL HOUSの中はやはり騒然としていて、ただでさえ人がゴミのように集まっているのに混乱する者は混乱して、固まる者は固まっていて、とにかく脱出までに時間がかかった。地下から這いずり出ても先程までロボットが現れていた現場である、この雨でこの野次馬の多さは呆れかえるほどだ。小さな体を駆使して群衆をすり抜けシトロエンに乗り込むと、マヤンは少々オーバー気味にエンジンを吹かし周囲を散らした。見計らって、ヴィンセントと崔が後頭部座席に座る。それからは轢いても構わないようなスピードで町を駆け抜けた。 ヴィンセントは携帯を持ったまま珍しく煙草に火を付けず、というか付ける暇も無いのだろうが、リーダーと違ってまるで出る気配のない一松に対して焦っている。崔は肘を膝に乗せて前屈みになって眉を顰めているが、その内車酔いでも起こすのではないだろうか。マヤンは面倒な事故を起こさないように視界を確保しようとしているが、ワイパーで何度上下しても力強い濁流にはまるで敵いやしない。ミナミの人通りはこの時間帯にしては多いようにも思えるし、酷い雨のせいか少ないようにも思える、ただ車で出掛けようと言う人は多かったのだろうとなかなか進まない大通りに苛立ちながら、場違いなバラードが流れるカースピーカーと単調な呼び出し音だけが狭い車内に響いていた。 そんな道から横に逸れて十分、目を凝らせばようやく沙京の橋まで一直線。思い切りアクセルを踏もうとしたところで見つけたかった女性を見つけ、マヤンは驚いたように声を上げた。急なドリフトは成人男性をも揺らし、耳障りな音を立てながら通りを遮るようにシトロエンが横になる。確認するように崔も助手席にしがみ付きながら身を乗り出し、みっちゃんだ、と呟いた。 突撃せんとばかりの車の目の前に、彼女はそこに現れた。真っ赤な髪も濃い色のパーカーも濡れて色を暗くしていて、長い時間外にいたのだということがわかる。肌を伝っていく雨のせいで泣いているようにも見えたけれどこちらが想像していたよりもずっと落ち着いた顔をしていた、いや一松はこんな奴だったかもしれない。ヴィンセントが鳴らすコール音にワンテンポ遅れて標準から変えていない着信音が鬱陶しく響いていた。携帯が取れなかったのは両手が塞がっていたからだと一松の腕の中でぐったりとお姫様抱っこされている血塗れアリエルを見て思う。春の嵐は花の蕾を断つ勢いでざくざくと轟いていた。 「一松さん!」 窓を開けてマヤンが叫んだ。すぐに発進出来るように握られたハンドルに伝うのが雨なのか汗なのか、正直よくわからない不快感だった。 「どうしたんだ一体」 ちょうど沙京側に座っていたヴィンセントが車から飛び降りると、ようやく一松は視線を合わせる。ぐっしょりと水を吸った背中を押すように歩くのを促し、ドアの前まで近付いてから彼女は運転手に聞こえるようにはっきりと声を出した。 「細かい話は後にしてくれ、病院に行きたい」 ドアが開くと、大きな体を屈ませたヴィンセントは中に座っていた崔に詰めるように言ってから自分は助手席へ移動した。崔は言われた通りに端に身を寄せながら、濡れた二人分の体が座った車の中が冷えていくのを感じていた。少しの間外へ出ただけのヴィンセントの肩も雨に打たれて重たそうだ。本当に随分な雨天である。一松がそっとアリエルの体を抱き寄せたのは、寒いせいだろうか、心細いからだろうか、誰にもよくわからなかった。 「飛ばしますよ? 乃木クリニックでいいですね?」 「嗚呼、構わない」 大きい病院なら他にもいくつかあるが、自分たちのような半端物を見てくれる医者と言われれば非常に限られている、どころか一ヶ所しかなかろう。シトロエンは来た道を引き返して宣言通りの猛スピードでミナミを走り始めた。
一方でパットは、既に沙京に着いていて至る所へ奔走していた。しかし大した当てもなく人を探すというのは難しいもので、全く一松を見かけることが出来ずにいる。そもそもどこに住んでるのかも知らなかったしどこに行く人なのかも知らない。いや、前にいろんなところほっつき歩いてるとか言ってたな。なにも参考にならないじゃないか。本当に居ねぇ、何処だ何処にいるんだ。向かい来る大量の雨粒に打たれながらマルチボードを走らせていると実に偶然にも知っている気配のするシトロエンと並走し始めた。流水の隙間から見えたマヤンの金色の目が鈍い光を映したのを確認し、パットは声を張り上げる。 「一松はどこにいるか知らないかっ?!」 マヤンが一瞬呆けた顔をした。それから車の前方についているいくつかのボタンのうちの一つをぽちぽちと押すと。 「ここにいるけど」 右側の後ろ座席の窓から至って普通に一松が出てきた。 「えっ」 「もう後ろに乗ってるぜ」 「えっ?!」 ヴィンセントの対応はあくまでフランクで、逆に軽すぎてすっと力が抜けてしまって体重の掛からなくなったマルチボードが減速していった。驚いた���子で飛び出た声がそのまま長い溜息と共に情けなく洩れていく。シトロエンは何事も無かったかのように走っていき、ついには濃い雨の壁に遮られて姿を消してしまった。どうせ定員オーバーで乗せてはもらえなかっただろうしかしこの仕打ちはなんだ。人間、努力の甲斐がどこにも求められないとなると遣る瀬無さが煮えてくるものである。パットは愚痴を零さないように努めて携帯を取り出した。運転しているのはマヤンだし行先も知っていることだろう。彼がすぐに出てくれたのは救いだった。 「どこに向かってる?」 「今は乃木クリニックに急行中です、特に指示が無ければリーダーもそちらにどうぞー?」 「あ、はーい……」 すぐに切られてしまうのは罪だろうか罰だろうか。頬を伝うのはただの雨だ、そうであってほしい、肯定してくれる人が誰もいない、辛い。必死に探したのに。辛い。濡れて肌にべったりと引っ付いた服がなお重く圧し掛かってくる。不幸に温度があったらきっとこんな感じなんだろう。あまり切らないでいた厚みのある髪が顔に張り付いてくる頃に、パットはもう一度歩き出す気になれた。マルチボードを起動させてのろのろと上に立つと、全てを振り切るかのような最高速度で指定された場所へと飛んで行った。 かくして、乃木クリニックには五分で着いた。入口にはクローズの札が下げられていて、明かりの消されている待合室は先生も看護婦もいるとは思えなかった。まぁ、亜侠が来るべきはこちらではない、そう思って裏口に回ったもののしっかりと鍵が掛かっていて入り込めそうも無い。おや、これはあれをする機会ではないか、パットはマルチボードの高度を徐々に上げていき、ついに二階の窓へ到達すると顔を交差させた腕で庇いながら「ダイナミックお邪魔します!」と叫んでガラスを打ち破った。派手な音が清潔感のある廊下を抜けていく。ここにも誰かがいる気配はないが、しかし階段の下から蛍光灯の光が漏れているのが見えた。みんなは一階にいるようだ。パットは一歩一歩に水溜まりを作りながらそちらへ向かった。
◇
乃木太郎丸と言えば年下の美形の男の子が好きと言うのが有名な話で、詰まる所ドッグスにはあまり優しくない印象があったのだが、今日に限っては顔を見るなり神妙な面持ちで小言の一つ無く中へ入れてもらえた。前に話をしたときだってここまでスムーズじゃなかったのに、とマヤンは思いながら誰よりも先にアリエルを抱えて車を降りた一松に声を掛ける。 「一松さん、なにはともあれ急いで」 「……言われなくても」 彼女の恋人は本当に助かるのか不安になるほどに動かず、怪我をしたところから血が滲んで全身を真っ赤にしていた。一松は腕が汚れていることも厭わずに先生の横を通り抜けていった。扉の横にはヴィンセントが愛用のバッドを構えながら周囲を警戒していて、あとの二人が入ってから外を睨みつつ中へ入る。それを確認してから先生も度が過ぎるほどに辺りを確認し、音がしないように扉を閉めた。 「随分物々しいですね」 「そりゃあ急患ですし?」 崔とマヤンが一言交わすと、先生は呆れたように溜め息を吐いた。顰めた眉こそいつもの面倒くさい彼だったが、視線には憐れみの情が見える。どういう意味だろうとヴィンセントは首を傾げた。 「君たちがここに来るとは……っ!」 「なんだ来ちゃいけないのか」 低く尋ねたのは一松だった。そこにあったストレッチャーの上にアリエルを乗せながら、細い目を彼に向けている。 「君たち状況を分かってないのか」 「なんか不味かったんです?」 マヤンが尋ねると、先生は黒い長方形を押し付けてアリエルを手術室へ運んで行った。それはリモコンだった、おそらくは部屋の隅に置いてあるテレビのものだ。電源の赤いボタンを押すと昔からやってるニュース番組の速報が流れていた。アナウンサーがぼそぼそとなにかを喋ってから、パッと画面によく知っている顔が映る。それは紛うこと無く自分たちだった。トランク二個分の懸賞金でキングが探しているということまで教えてくれた。 「あーそういうことか……気に入らねぇなあのペンギンは」 非常に不機嫌な声でヴィンセントが吐き出す。手術の準備をするために一旦戻ってきた先生が口を挟んだ。 「それに付け加えてあのロボットだろ? 大阪中大騒ぎさ」 「まぁ沙京からでも見えたしね」 一松はあの光景を思い出しながらテレビを眺めている。 「君たちは今世界の敵になってるんだよ」 世界の敵。細々と動物と戯れてきた自分たちが、よもやその肩書を手に入れることになるとは思いも寄らなかった。崔が眉間の皴を深くした。 「こうも大々的にやりますか。キングが懸賞金を掛けたなら厄介ごとが舞い込んでくるでしょう、さてどう動きますかね」 「……車に乗ってる奴らの顔なんてそんなに見ないだろうが、今後は気を付けて行かないとな」 マンハントとして自分たちを狙う亜侠どもが襲ってくることがあるだろう。それらを対処しながらキング率いる動物園を倒しに行かなくてはならない。身の隠れ方と、対峙するであるロボットの情報、彼ら個人の詳細も必要だろうか? マヤンは一松のほうを見た。一松もマヤンを見て、まぁ頑張るよと呟く。 「それに仲間の大事な奴も傷付けられたわけだしな」 ヴィンセントはぴったりと閉められた手術室の扉を見つめながら言った。どこからかつまみ出してきたバスタオルを頭にかぶって体を拭く一松は冷静に見えるが、心中穏やかなわけがない。押した背中が震えていたことは、触ったヴィンセントだけが知っている。ふと崔が見上げた時計が夜の九時だった。そろそろ寝ないと明日の朝がきついだろうか、窓の外はそれなりに暗く、結構な時間が経っているようだ。騒ぐわけにもいかない状況の中で彼がキョロキョロと外を観察している。 「そろそろリーダー来るんじゃないですか?」 ガシャン、と聞こえたのはそれが言い終わるか終わらないかというタイミングだった。叫びこそしなかったものの崔の肩は跳ねたし、その拍子で落としたモスバーグを即座に構えるのを見てマヤンも無言でカラシニコフを用意した。一松もそっとベレッタを取り出し、ヴィンスは迫りくる足音を仕留めようと扉の横でバッドを振り下ろさんとしている。それはぴちゃぴちゃと水滴を滴らせ、雨の匂いとともにゆっくりとこちらを探しているようだった。廊下の一つ一つの部屋を確認しているのか、開けては閉める扉の音がする。いよいよこの部屋の前、と言うところでヴィンセントがバッドを振り下ろした。 「ふぅ、えらい目にあっ」 扉を開けたパットが即座に息を呑んだのは自分に向けられる三つの銃口と硬度を感じるほどに近付けられたバッドのせいである。 「た」 「おっ……と」 危ない危ないと呟くのは、まさに致命傷を与えようとしていたヴィンセントだった。リーダー殺害未遂二度目だ。慎重にバッドを横に逸らしこっそり心臓を痛くしている。 「なんだ、リーダーじゃないか」 務めて冷静に言ったつもりだったが、ぎぎぎと緊迫したまま固く視線をこちらに向ける少年の顔は真っ青で気の毒だ。息が出来ているかも怪しい。ぼたぼたと床を濡らす雨の味はおそらくしょっぱいと思う。他の三人があれ? と銃を下ろしても、しばらくパットは動けないでいた。 「トランク二個って割高じゃねぇか?」 先生はぼそっとそんな評価を下し、清潔のための衣類に着替え終えた。やれやれと言った面持ちで体を石のようにしたパットを見つめる。崔は、いやごめんねと苦笑いをしてモスバーグをコートに隠し、一松はばつが悪そうに視線を逸らした。マヤンは言い訳も謝罪も言うタイミングを逃したような気がして、気を取り直して先生に振り向く。 「そういえば乃木センセイ、素朴な疑問があるんですけどいいですか?」 「おう、なんだ?」 褐色肌のショタが猫を被っている姿がお気に召したのか、先生は急ぐ足を止めて対応した。疑問が至ってシンプルで、巨大ペンギンロボットの被害はどの程度かと言う話だ。それは、JAIL HOUSが一軒潰れただけだと言った。続けて崔が盟約の動きはと聞いた。被害があったのがミナミであることと、狙いはあくまでも青空爆発ドッグスであるということで、今のところ動いてはいないらしい。中立地帯を上手く利用されたって感じですねぇ、マヤンが一通りを聞いてぼやく。 「しかも被害がジェイルハウス一軒ってことならこれはたぶん警告みたいなもんだろうな」 ヴィンセントがようやく煙草に火をつけ始めた。マールボロの丸味を帯びた苦い香りが彼の周りを漂う。 「復讐銘打っておきながら完全にどたま冷静じゃないですか、一番嫌なタイプだ」 マヤンが露骨に嫌な顔をしてまだ手に持っていたカラシニコフで遊び始める。そのままパットに顔を向けて、リーダーはどうする? と聞いてきた。要するに作戦会議の時間だった。まずは移動しやすいように人の目を欺く手段を見つけるべきだろうか? あるいは敵を知るべきか? 一松の壊れたアジトもどうにかしなければならないのか。当面の問題は尽きず、五人はやがて疲労によって落ちるように眠っていった。
◇
「ま、それが人間の狩りと言う奴だろう」 冷たい空気が漂うのは、ここが日の当たらない場所で、金属に囲まれているからだろうか。尤もそれを気にする者はこの場には居らず、四人の人物が離れたところから会話していた。仲間ではあるが仲は良くない距離である。一人の青年が長く垂れた髪を逆立てるように唸る。 「でも、それをやる必要があるか?」 「大切な人���奪われる辛さは君がよくわかってるんじゃないかな?」 白衣を着込んだ男が確認するように言った。ねぇ、君もそう思うだろ、と人形のような佇まいをした少女にも尋ねるが、彼女は一切の反応はしなかった。ただ、これは呑み込んでおけと言うように青年をじっと見つめる。 「お前の恨みだけを晴らすわけにもいかないんでな。それに、これからもっとたくさんを巻き込むだろう」 ペストマスクの下で男が笑う。彼らにとって青空爆発ドッグスとは念入りに殺さなければならないと同時に最初の踏み台であった。これからオオサカを地獄にするようなヴィジョンが彼らにはあるのだ、たかだか人質を躊躇っている場合じゃない。 「上手くやってくれたまえよ、どうせあいつらは行動を起こすだろう。こちらも妨害しなければな」 「……俺はあいつらだけ狙うからな」 青年は素早く身を翻すと、瞬く間に外へ消えてしまった。残った三人の内ペストマスクと白衣が嘲りながら顔を見合わせる。 「しょうがないなあいつは」 「今更人間を庇ったってしょうがないのにね。まだ動物園が恋しいのかな?」 「パパとママが死んで寂しいだけだからな。私とは違うさ」 「ひっどいこと言うね、キング」
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3|或る晴れた日に
あゝ笑つてゐる――
斯波の視線の先には庭で花を愛でる百合子がいた。 自動車を野宮の邸の道の脇に停め、車窓ごしに庭を盗み見る。 硝子を隔てた上に、遠目からなのでその表情は実は殆ど見えない。 けれど、斯波には分かった。 柔らかい藤色の着物の裾の動き、繻子のように白いしなやかな腕の動き一つで、 百合子が今幸せなのだと。 その仕草に、目が離せなかった。 無言で、背凭れに身体を預けて、百合子の様子を息を潜めて見守る。 耳を澄ませれば、百合子の明るい声さえも聞こえてきそうだった。 斯波は春の日差しの眩しさに目を細める。 運転手が無粋にもその沈黙を割って声をかけた。
「邸に入られなくてよろしいのですか?」 「ここで良い」
短く答える。 そろそろ自動車を動かさなければ不審に思われる。 分かっているのに、名残惜しく斯波は運転手に声を掛けられない。 百合子の姿が木陰で隠れ見えなくなってしまって、ようやく重く一つ息を吐く。 そして、頬にぴりりと視線を感じて邸を見ると、瑞人が二階の部屋から見下ろす様に立っていた。 斯波は視線をそらせて、正面を向いた。
「出せ」
一番見られたくない人間に見つかって斯波は舌打ちする。 ある舞踏会に招かれた夜、どこで斯波の所在を知ったのか瑞人が乗り込んできて大勢の目の前で斯波を殴った。 ひ弱な若様と侮っていたが、殴られた後の左顎は一週間は青く腫れ、熱を帯びていた。 しばらくは咀嚼も難儀で肉も食べられず、洋酒も歯茎に滲みるので避けたほどだ。 もう痛みのない顎に手をやって、足を組み直す。
清との貿易が上手く行かなくなって半年が過ぎた。 どうにか状況を打開しようと、国内の工場を新しく稼働したがこれも順調とは言いがたい。 斯波の仲間内では、もう船で儲けられる時代は終わった、と誰もが口にする。 それを考慮しても大道洋行の凋落は世情や景気の所為とは考えにくい事態だった。 船を出せば出すほど赤字になる様なら、いっそ事業を分散させ別々に売り払った方がいい。 山崎と話し合いそう決めたが、まだ株主や社員への通達が残っていた。 エンジンの音と自動車の揺れを身体で感じながら、斯波は重い瞼を閉じる。
毎日会社に通い詰め、遅く帰っても百合子はいつも憂鬱そうな暗い顔をしていた。 どんな贈り物を贈っても能書きのような感謝の言葉と作り物の笑顔。
「貴方は純粋に俺の金が目的で結婚したんだろうな――」
何もかも上手くいかない、その苛立ちからいつにない厳しい言葉で百合子を追い詰めた。 自分と結婚するように仕向けたのは斯波自身だというのに、まるで百合子を攻めるように言葉を続けた。 それが八つ当たりだと自分でも分かっていたが止められなかった。 十ほども幼い小さな少女を乱暴に抱いて、増々百合子の心が離れていくのが分かった。 百合子が妊娠したと知っても、辛く当たるのを止められなかった。
(金が目的ならばそれで良いじゃないか。今更それをあばいてどうなる。 だが、もし、金がなくなったら? 彼女は俺の元から去ってしまう――)
そう考えると恐怖でどうにかなってしまいそうだった。 斯波は何かに追い立てられ逃げるように洋行の船に乗る。 手酷く抱いた朝は自己嫌悪で吐き気がしたのに、一日も経てばまた百合子を抱きたくなった。 未だ見たことのない、百合子の心からの笑顔を思い描いては、洋行先の店で宝石や流行りの服を買う。 百合子に贈り物を止めてほしい、と言われた時の虚しさと悲しみ。 いつも百合子を思い、品を定めるのは斯波の唯一の楽しみになっていた。 それを、百合子自身に否定され、斯波は悲しみを怒りで覆い被せて隠してしまった。
百合子の月のものが止まったのが、妊娠ではなく心因的な物だと言うのは船の上の手紙で知った。 妊娠したという事が分かった時、百合子はどんな贈り物でも開かなかった心を少しだけ開いた。 口元を綻ばせ、瞳に涙を滲ませながら、亡くなった父母に知らせたいと、墓参りに行った。
帰京した夜、斯波は百合子の顔を見るのが怖くてたまらなかった。 そして虚ろな表情で、抱いてほしいと繰り言を呟く百合子が痛ましく耐えられなかった。 百合子をここまで追い詰めたのは自分だ。 客間で百合子を寝かせ、女中に眠れる薬を出させる。 扉の影から百合子が泣きはらした瞳で、しゃっくりを上げながら薬を飲むのを見る。 飲み終わって敷布にくるまり、声を押し殺してまた泣くのを部屋の外で聞く。
(――俺は彼女を助けるために、その為だけに生きてきたんじゃないのか)
今更百合子に愛を求めるのは、あまりにも強欲に思えた。 何よりその斯波の強欲さが、百合子は不幸にしてしまう。 すすり泣く声が寝息に変わる。 しばらくして斯波はゆっくりと音を立てないように扉を開けて部屋へ入った。 広い寝台に百合子が横になっているのを新台の側で佇んで見入った。 赤く火照った頬に涙の後が残り、髪の毛を一筋張り付けている。 寝台に腰掛ける。 百合子の蒼いほど白い額、熱を持った頬、艶やかな髪の毛に手をやった。 頬にかかった髪の毛を優しい仕草で脇にやり、髪を梳いた。
愛していたから、結婚した。 そして、愛しているから離縁するのだ。
斯波はようやく決心をつけ、眠っている百合子に口付けた。 頬から伝う涙が百合子の頬に落ち、濡らす。 柔らかな唇にそっと触れるだけの口付けを繰り返す。 斯波が最後に百合子に贈った物。 それは、手に触れられなければ、身にも飾れない、目にすら見えない物だった。
(ああ、笑っている――)
どんな贈り物をしても心を開かなかった百合子が、笑っていた。 幸せそうに、笑っていたのだ。 例えそこに自分がいなくても百合子が笑っている。それで十分だった。
///
「随分と足元を見られたものだな」
同業者に船や倉庫を売り渡す時期になって、そのあまりの安さに斯波は顔をしかめた。 相手は同じ貿易業者として何度も言葉を交わした事のある相手だ。 夫人の催しの茶会や会社の記念式にも招かれる親しい間柄だった。 倒産の話をしたら、いかにも残念そうな顔をし何でも力になると固く手を握ってきた。 情に厚く気の良い友人の様に思っていたが、実際はそうではなかったらしい。 会社の傾きが明るみになると、今までは友人のように思っていた人間が次々と斯波の前から消えていった。 商売は信用で成り立っている、取引相手などは仕方がないとまだ諦められる。 だが、社内にも問題が残り、突然積荷が消えたり在庫が減る事態に見舞われた。 元々信頼を寄せる部下も山崎と僅かしかいなかったのだが、能力による不遇を逆恨みする人間が居る様だ。
「何もかもが莫迦らしくなってくる……」
煙草に火を付けて、煙を燻らせながら自虐的に笑う。 銀座に構えていたビルは次の買い手が決まり、不要な事務用品を運び出していた。 その喧騒を避けるように、応接室に灰皿だけを持って窓辺に腰掛ける。 銀座街道と呼ばれる通りは自動車や俥、電車が行き交い、 モダンで洒落た格好をした人が気取って歩く。 かつてその一員だった斯波は、どんな気取った人間も纏っているもの一枚脱げば獣だと笑う。 茶色の封筒に書類を戻して、山崎に渡す。
「向こうの言い値で売れ」 「しかし――では、私に交渉役をやらせてください。向こうの値の倍はつくはずです」
斯波は山崎の言葉に顔を上げる。 煙草の火を灰皿に押し当てて消すと、改めて姿勢を正して山崎を見る。
「お前は向こうの会社に引き抜かれる事が決まっているだろう。 そんな事をしたらそれもどうなるか分からんぞ」 「この会社は――我々が育てた子供の様な存在です。 売ってしまうとして、どうして悪条件で手放せましょう」
斯波一人の会社なのではないと、山崎は言う。 社長は一人だが、その下には何人も社員が部下がいる、全てを含めて一つの会社なのだと。
「社長はお仕事をされている時、とても楽しそうでした。 それが付き合いのための会食や、根回しのための舞踏会などであっても。 いつも堂々とされた姿に、我々は本当に誇り高かったものです」 「――楽しそう、か」
斯波は山崎の言葉を反芻する。 生来の気性からか、人付き合いは苦ではなく世辞も冗談も嫌いではなかった。 会社が軌道に乗ってからは、社員が増えると事務作業や現場の作業をする機会は減り、 人付き合いや会社の付き合いの方が多くなっていった。
「会食や会合、舞踏会や芸者遊びを無駄遣いと一概に責める人間はそれこそ視野が狭い。 そこで作られる財界の伝手、政治的繋がりがどれほど重要か分かっていないのです」 「お前、新聞を読んだのか」
斯波は苦笑いしながら言った。 新聞がそれらの叩きやすい事柄をやり玉にあげていたのを思い出す。 斯波の邸も成金趣味と辛辣に斬り捨てられ、庭の桜を日本人的情緒の欠落とも書かれた。
「――お前の言うことは分かった。だが……」 「ご心配には及びません、私は優秀なので引く手数多ですから」 「随分と勇ましいな」 「社長に借財を残す訳には参りません」
山崎はそう言ったが、損失分に加え社員や工員の給料の未払いが随分ある。 切り替えが早かったので首を括るという事態は避けられそうだが、相当額の借財になりそうだった。 野宮の借財の権利が高利貸しに譲渡されていた時のことを思い出す。二の轍を踏むわけにはいかない。
「社長は――今後はどうされるおつもりなのですか?」 「……そうだな、ある知り合いが工場の責任者を探していると言うのでな」 「奥様はどうなさいます」
百合子から何度か連絡があったのを斯波も山崎も知っていた。 応接室の外をがやがやと家具を運ぶ声が聞こえる。 大勢の足音が去り、一旦静かになるのを待って答えた。
「別れた妻だ。今更何も関係ない。 何を聞かれても俺のことは言うな」 「――分かりました」
山崎は斯波から書類を受け取ると、一礼して部屋から出た。 斯波は窓から山崎が忙しなく雑踏に紛れるのを見て、溜息を漏らした。
二度と、会わない方がいいのだ。 そうでないと、固く誓った決意が揺らいでしまう。
百合子と瑞人の名代で藤田が銀座のビルにまで来たのは五月の終わり頃だった。 その頃には殆どの片付けは終わっていて、ビルも人手に渡っていた。 残った借財は信用の置ける知り合いに肩代わりしてもらい、斯波はその人物の持つ工場で働くことになっていた。 東京の郊外、工場の近くに家を借りて今はそこで寝泊まりしていた。 上質の布地のオーダーメイドの洋装に久しぶりに袖を通す。 これが終われば、この服も売る手はずだった。 野宮の家令と会うのにあまり見窄らしい格好では示しがつかない。
藤田が怒り心頭とばかりに応接室を出て行く。 紙の焦げる匂いに、ふと甘い匂いが混じっている様な気がする。 灰になってしまった手紙は指で摘むと、ぽろぽろと崩れ落ちた。
(何と書いてあったのだろう)
斯波は考えを巡らせたが、もはや一生分からない。 百合子から斯波への手紙など、初めて書かれた物ではないだろうか。 内容の知れぬ手紙。 薄い桃色の封筒の端に書かれた”百合子”という美しい手蹟ばかりが瞼の裏に残った。
///
(ここに置けだと? ――どういうつもりだ。 あの家令も殿様も、何故止めない!)
百合子と藤田を乗せた自動車の音が遠ざかるのを聞いて、斯波はよろよろと立ち上がった。 背を預けていた引き戸がみしりと軋む。
家の中は明かりがつけられ、淡黄色の光が居間を照らす。 居間には畳んでいた卓袱台が出て、上に布巾が掛けられている。 取り払ってみると、小皿に焼いた茄子やつけものが乗っていた。 櫃には温かいご飯に、竈の上には味噌汁の入った鍋が置いてある。
(――まさかこれを? ……いや、藤田か)
そして斯波は居間の畳に、忘れられたらしい巾着が置かれているのに気がついた。 その中に一葉の写真を見つけた。掌ほどの小さな写真だ。 写真の中の百合子の顔。
(あんな顔をさせたいんじゃないんだ)
今日の暗がりの中で見た百合子の顔を思い出す。 野宮の邸で見せていた笑顔とは程遠��、斯波に怯えたような顔。 百合子の姿を見た時、まさかと思った。 何故という疑問と驚きの中に、隠し切れない喜びがあったのを斯波自身分かっていた。
借財の額に、仕事の過酷さ、見窄らしい借家、食べ物の貧しさ。 百合子にはそう言った苦労とは無縁であるべきだ。 美しい庭で花に囲まれ、穏やかな日々を過ごす。 百合子の幸せの為に、離縁したのだ。
ぶんぶん、と紛れ込んだ蛾が光に惹かれてこつこつと電球にぶつかる。 斯波はようやく立ち上がり、土間に降りた。 そして湯のみに水を入れ、一気に飲み干す。 隣の竈の味噌汁の匂いに誘われ、お玉で一口掬い啜ってみた。 塩味の足りない味噌汁は、味が薄くお世辞にも美味しいとは言い難い。 だからこそ、余計に斯波を戸惑わせるのだった。
(同情だ) (どうして今更) (信じられるものか) (どうせ、もう二度と来ない) (また去って行く) (彼女が不幸になる) (会いたかった) (駄目だ) (嬉しい) (責任感だ) (明日は来ない) (俺は期待している) (一時の気の迷いだ) (会いたい、駄目だ、駄目だ)
様々な思いが交錯し斯波は両手で頭を抱える。 心臓の鼓動が早い。胸が、苦しい。 忙しく働くようになって、久しく忘れていた感情がざわめき立つ。 狂おしいまでの愛憎だった。
一度会ってしまえば決心が揺らぐと分かっていた。 百合子を愛しくて愛しくて堪らない。
だが、百合子は斯波を愛してはいない。 この家に来たのも同情心と責任感からだ。 そして、百合子の言葉通り百合子をここに置き、一緒に暮らすようにでもなれば。 そうなれば、斯波は百合子を二度と手放せないだろうと思った。 例えそれが、百合子を不幸に貶めると分かっていても。
(俺は恐ろしい……)
同情だろうが責任感だろうが、もはや構わないとすら思う。 愛する人を不幸にすると分かっていながらも、これ程までに強く求めてしまう自分自身が。
///
野宮百合子様
私が貴方の元から去ってしまって、随分と経ったような気がします。 あの頃の貴方は、老齢の女の様で、それでいて五つの童女の様でした。
今になって、何故貴方に手紙を書くのか――。 友人が、無精だから手紙は書かないと言っていたのを思い出します。
けれど、私は今、何だかとても、無性に。貴方に。 今の私の気持ちを書き残しておきたいと思ったのです。
一方的に別れを告げておいて、何を今更と思う事でしょう。 私は貴方を捨てて逃げながら、その実何度も貴方を探しました。
そして日々の中、貴方は遠く��行ってしまったと思いながらも、 どうしてか、いつも貴方が側に居てくれていた様にも思うのです。
この手紙が実際に過去に届く事はないのですから、 これは私のひとりよがりにすぎません。
それでも、あの日何もかもに惑っていた私へ届く事を願います。
///
淡い緑色の紗。 百合子は夏らしい爽やかな色合いの着物を手に取りふと考えこむ。
「お洋服にしようかしら……」
箪笥の隣のクロゼットを開ける。 斯波から譲り受けた夜会服が掛けられる分だけと、滅多に装わない洋服もいくつか掛かっていた。 長袖の白いブラウスに、丈の長い濃紺のスカートを手に取り、寝台の上に並べる。 着物と見比べ、一つ頷いて百合子は洋服に着替えた。 背中まである長い髪を深緑のリボンで一つに結わえて胸に垂らす。 クロゼットの底部に備え付けられた棚に磨かれた黒い靴もあった。 鏡に全身を映してみると、着物の時よりも幾分幼く見えた。 昨日の斯波の言葉を思い出し、心が不安に揺れる。 ふるふると首を振り、目を閉じて大きく深呼吸を繰り返す。 朝の清廉な空気が胸いっぱいになり、揺れた心が収まった。 藤田の待つ玄関まで駆けて降りる。
「藤田、お待たせ」 「お早う御座います、姫様。 ――洋服ですか?」 「そう、着物は袂を上手く纏められないし……変かしら?」 「いいえ、お似合いです。 何だかお若く見えますね、女学生の頃のようです」 「私も同じ様なことを思ったわ」
藤田の言葉に百合子は微笑った。 自動車に乗り込むと藤田がエンジンを掛ける。 昨夜斯波にあんな追い出され方をしたのに、藤田は百合子に何も言わなかった。
斯波の家に行く前に、朝市に寄り野菜の選び方やお金の使い方を藤田に教えてもらう。 百合子は馬鈴薯や魚の干物、朝市名物のおこわを買う。 上品な若い女の客と言うだけで、饅頭や漬物などをおまけしてくれた。
「でも、悪いわ……こんなに」 「今後も贔屓に、と言うことでしょう。 それに、姫様は昔から愛敬さんでしたから――」 「愛敬? そう言われてみればそうかもしれないわ。 お前もよくチョコレートをくれたものね」 「屈託なく笑われるお顔を見るとどうしても甘くなってしまいます」
藤田が珍しく苦笑するのを見て百合子の心も明るくなる。 市場のざわめきが何とも耳に心地よかった。
斯波の家に着くと、仕事に出た後だった。 藤田が家の鍵を開けるのを見ながら呟く。
「――今思ったのだけれど、これって泥棒よね」 「何も盗まず、夕ごはんを作って帰る泥棒ですか?」 「藤田、今日は私一人で居るわ。 昨日の様にお前にまで迷惑掛けられないもの」 「……ですが」 「大丈夫よ、ね?」 「……」
百合子が明るく笑って言ってみるが、藤田は顔を顰めて百合子を見下ろす。 迷っている藤田の腕を持って百合子は続ける。
「もしも、追い出されたらどうにか電話のある邸を探して連絡するわ」 「夜半にですか? 無茶すぎます」 「大丈夫、追い出されたりしないわ」 「――分かりました。では私は一旦お邸に帰ります。 そして夜半ごろまた様子を伺いに参ります」 「分かったわ」
藤田はそう言うと市場で買った野菜を土間に運んだ。 心配そうな顔をしていたが、百合子が何度も念押しするとようやく自動車に乗った。 自動車を出すまで延々と心配事が口をついて出て、百合子はその言葉一つ一つに分かっているとばかりに何度も頷くことになった。
「火傷には気をつけてくださいね。それから火事にも。 訪問客が来たからと邸の様に軽々出てはいけません。 刃物に気をつけて、お皿も割ってしまったらその破片に気をつけてください」
最後は野菜の棘や魚の小骨に気をつけろとまで話しが及ぶ。 それでもまだ心配だと藤田が続けようとした所で、他の自動車が後ろに現れて仕方なしに自動車を発進する。 離れ行く自動車に向かって百合子は小さく手を振った。 藤田の乗った自動車があぜ道を抜けて小さくなっていく。 その先には晴れ渡った青い空に真っ白な入道雲が広がる。 午に近くなって、太陽が増々明るく、じ���じりじりと蝉が鳴く。
居間の机の上には布巾をかけたまま手付かずのままの昨日の夕食が置いてあった。
(悲しいなんて思う資格、私には無いわ)
百合子は自分にそう言い聞かせて残った夕食を土間に運ぶ。 不恰好な切り口の胡瓜の漬物、身の殆ど無くなった焼き茄子、塩辛すぎる味噌汁。 それでも、百合子は斯波がこれを口にしただろうかと何度も思い返していた。 手を付けていないかもしれないと自分に言い聞かせてみた。
(でも、こんなにも悲しいなんて……)
斯波の邸で食欲が無いからと食べ物を残していたのを思い出した。 百合子は冷たくなったご飯に塩を振って握る。 皿におにぎり三つと漬物を乗せて布巾を掛けると、戸棚の涼しい所へ置いた。
「お部屋が少ないから、お掃除も簡単ね」
百合子はつとめて明るく言うと、雨戸を開けて風を通しながら部屋の中を掃除する。 布巾を濡らして固く絞り、机や家具を拭く。 居間の隅に畳まれた布団を、表の物干しで干した。 日差しは増々強くなり、肌が焼けるようだった。
百合子は不思議と涼しい土間に戻ると朝市で買ったばかりの馬鈴薯を取り出した。 蛇口を捻り盥に水を溜めて馬鈴薯を洗う。 土が水に流されて、黄色い皮が見えてくる。 水は出始めは生ぬるかったが井戸から引いている水は、次第に指先が震えるほど冷たくなった。
空気の通り道に気を払いながら、竈に火を入れる。 百合子は鞄の中から料理の覚え書きを書いたノートを取り出して水道の横に置く。 まだ料理が得意ではない百合子のために、藤田が料理に工夫を凝らしてくれたのを注釈で書いている。
(本来なら、馬鈴薯の皮は最初に剥いた方が良いでしょう。 けれど、慣れるまでは皮つきのまま茹でて下さい。 茹で上がった時に手で剥いだ方が安全です)
百合子は馬鈴薯の泥を落とすと、鍋に水を入れて馬鈴薯を2つ転がす。 そしてそのまま竈の上に置いた。
(マッシュは早めに作って置くといいでしょう。 魚の干物は斯波様がお帰りになる頃に焼きあがるようにすると良いかと)
藤田の言葉を思い出しながら、馬鈴薯をつつく。 茹で上がると火傷に気をつけながら湯を捨てて、まな板の上で半分に切る。 上手く茹でられた馬鈴薯は身と皮が剥がれやすく、手で簡単にするすると剥けた。 小さく切って深い皿に入れ、木杓で潰す。途中塩と胡椒で味をつけて、味を見る。
「美味しいと思うのだけれど――」
料理が下手な自分だけでは正確な評価は心許なかった。 一息着くと、丁度午砲が鳴る。 戸棚にしまっていたおにぎりと漬物、冷たい味噌汁で昼ごはんにした。 質素な食事だったが、自分で作ったからかお腹が空いていたからか美味しく感じた。
午後からは持って来た裁縫道具で箪笥の中のシャツの釦留めをしたり、家の前を竹箒で掃いたりした。 日が暮れ始めると干していた布団を取り込み、雨戸を閉める。 蚊取り線香に火を入れ、電気をつける。 昼の内は汗が流れるほど暑かったが、日が落ちると急に冷え込んだ。 溝の蛙がげこげこと喉を鳴らし、小川がさらさらと流れる。 時折、子供たちのはしゃぐ声が遠くに聞こえ、突然の風に青々とした草葉が揺れる。
百合子は机に馬鈴薯のマッシュの皿を置き、市場で買ったおこわを茶碗に盛り、湯のみを置く。 七輪に火を入れて、網を乗せ魚の干物を炙る。 じゅわと干物の脂が炭に落ちる度にもくもくと白い煙が上がった。 ぱちぱちと炭が爆ぜる度に、きらきらと火の粉が舞う。 しばらく炙っていると、魚の焼けるいい匂いがしてきた。
そろそろ焼き上がりと言う時に、家の勝手口の引き戸が開く。 怒ったような表情をした斯波が大股で百合子に近づくと腕を掴んで引き上げる。
「俺に関わるなと何度言えば分かるんだ!」 「どうして、どうして、関わってはいけないの?」 「迷惑だと言っているんだ! 同情か気紛れかしらないが、もう二度とここには来るな!」
斯波の気迫に呑まれ百合子は唇を噛む。 男性から怒鳴られた事のない百合子は斯波の声と言葉に怯む。 掴まれた腕が痛み、目を強く瞑って首を振る。
「貴方にはこんな生活は無理だ!」 「無理なんかじゃないわ!」
百合子が気丈にそう言い返すも、斯波は居間に置いていた鞄と巾着を掴み百合子に押し付ける。 そして百合子を家の外に押し出して引き戸を閉める。 押し付けられた荷物が腕から地面に落ちる。 百合子はしゃがんでそれを拾うが、身体が重く立ち上がれなかった。
「無理なんかじゃ、ないわ……」
小さく呟くとぎゅうと荷物を抱きしめる。 朝市での買い物や、料理に掃除に裁縫――今まで出来なかった事を少しずつだが覚えていったのだ。 百合子は引き戸に向き直り、声を絞り出すように言葉を紡ぐ。
「私、毎日だって来ます。明日も、明後日も……」 「どうしてだ。――どうして、今更!」 「それは――」
百合子の声が詰まり、沈黙が降りる。 ささくれだった引き戸にそっと触れて、息を吐く。
「貴方と、同じ気持ちだから……」
百合子の言葉に斯波は答えなかった。 静寂の夜に、ざわざわ、と青葉が揺れる音が響く。 人の気配がしてそちらを見ると藤田が自動車で迎えに来ていた。 そっと引き戸から手を放し、鞄を持つ手に力を込める。
「馬鈴薯のマッシュ。水っぽくなってしまったの。 でも、――明日はもっと上手く作れるわ」
百合子はそう言うと踵を返した。 斯波は足音が遠ざかるのを聞き、土壁を拳で殴る。 乱暴に前髪を掻き毟り、頭を抱えて自分に言い聞かせるように怒鳴る。
「嘘だ! 信じられるものか! 彼女は俺を愛していない! 愛してなどいなかった!」
乱暴に居間に上がり、夕食の乗った机の端を持つ。 こんなもの、と怒りに任せてめちゃくちゃにしてしまいたかったが出来なかった。 机を持つ手が震えて、力なく居間に座り込んだ。
「明日も来る――お姫さんが明日も……」
斯波は箪笥に背中を預けて、ぼんやりと天井を仰ぎ見る。 そして、力なく笑った。
///
本来なら寝ている時間帯だ。 瑞人は蒸し暑い銀座をいつもの着物姿で歩いていた。 昼をすぎてくらくらしそうなほど眩しく健全な日差しにうんざりとばかりに溜息をつく。 石畳の道路は熱気を孕み、温石のように足元から温める。
「あーあ、何でこんな日にこんな所でもって……」
少し歩いただけなのにもう額に汗が浮いている。 指先で濡れた前髪を払いながら、ようやく目当てのカフェを見つける。 黒檀の落ち着いた色合いのモダンな扉に、真鍮造りの窓枠、色硝子の嵌められた仕切り。 外の壁は赤い煉瓦造りで、緑の蔦を青々と繁らせていた。 ひんやりとした空気が流れていて、瑞人は大きく息を吸った。
女給が寄ってくるので、にこやかに微笑んで待ち合わせだと告げる。 奥まった机に案内されて、籐で編んだ涼しげな椅子に座ってひとごこちつく。 呼び出した当の本人はまだ居ないようだった。
「お飲み物は?」 「カルピスにしようかなあ、暑いから」
そう言って目を細めて笑った。 グラスに波々と注がれたカルピスを一口飲んで喉を潤す。 甘ったるい酸味が舌の上に広がり、知らない内に瑞人は微笑んでいた。 がらんがらんと乱暴な音がしてカフェの扉が開いたので、瑞人は待ち人が来たと感じて眉を顰める。 足音も大きく、仕切りから現れた長身の男は乱暴に椅子を引いて座る。 女給が慌てて聞く。
「お飲み物は――?」 「いらん!」
やれやれとため息をつくと、先程まで良い心地だったカルピスの甘酸っぱさが胸に焼けるようだと思った。 赤っぽい髪の毛を撫で付けて、半袖のシャツに茶色のズボン。 首からは手ぬぐいを下げていて、よく見るとシャツもところどころ油染みが浮いている。
「で、何の用だい」 「分かっているだろ、お姫さんの事だ!」 「百合子がどうかした?」 「どうかしたじゃないだろう――」 「怒鳴らなくても聞こえるよ」
相変わらずの早口で強引な口調に、瑞人は呆れて身を引き腕を組んだ。 斯波は腰を浮かせて畳み掛けていたが、のらりと瑞人に話の腰を折られて憤然と椅子に掛け直す。 そうして向い合ってようやく余裕が生まれたのか、特有の傲慢さの滲み出る笑いで顔を歪める。
「殿様は相変わらずのご様子ですね。 妹がどこで何をしていようが、興味も無いらしいな」 「百合子は、確かに僕の妹だがあの子ももう大人だ。 何をしようが、あの子の自由だよ」 「自由! 随分と都合のいい言葉だ」
斯波が鼻で笑う。 瑞人はそれを一瞥して首を傾げる。
「百合子の事なら、直接百合子に言えばいい。 どうして、僕を呼び出したりするんだい?」 「迷惑だと何度も伝えたが、止めないから貴方を呼び出したんだ」 「本当に迷惑だと思うなら、家の鍵を変えればいい。引っ越せばいい。 それとも手でも上げてみればいいじゃないか、どうしてそうしない?」 「貴方は――お姫さんが不幸になってもいいのか?」
斯波は机の上に置いた手を固く握る。 瑞人はグラスを傾けて、もう飲みたくも無くなったカルピスを一口含む。 今は眉間に皺を寄せるほど、甘い。 瑞人ののんびりとした動作を、斯波は苛立ちながら見ているのが分かる。 視線を合わせず、伏せていた瞳をあげ、ぱさりと垂れた前髪も掻き上げる。
「あの時の百合子、幸せそうに見えたかい?」
斯波は一瞬口を噤む。 あの時、と明確な日時を言わなかったが、おそらく斯波が百合子を盗み見た日だろうと推測する。 瑞人の涼やかな目元は感情がなく、何を考えているのか読み取れなかった。 そうだと認めるのは、あまりに悔しく斯波は喉から声を絞り出すように唸った。
「ああ、見えたさ! 俺の邸に居た時とはまるで違った!」 「――君は分からないだろうから、言うけれど。 あの子は、僕達の前では幸せそうに笑うんだよ」 「幸せだからだろう!? 家族も、使用人も邸も金も花も、あるからだ!」 「僕達が心配するから幸せそうに振る舞うんだ」
瑞人は一つ大きく息を吐く。 そして痛ましげに顔を歪ませた。
「まるで、幼い頃の様に。そうさせているのは僕達だ」 「――それならそれで、新しい縁談でも探してやるのが貴方の役目だろう!」 「あの子がそれを望んでいないのに? またあの子を苦しめろと?」 「また百合子さんを借金まみれにしたいのか?」 「こちらにも備えがある。 財産を整理し、爵位を返上する用意があるんだ」
瑞人の言葉に斯波は息を呑んだ。 野宮の財産のほとんどは斯波が百合子に譲った物ばかりだ。 百合子が野宮の邸で恙無く暮らせるように、というその思いだけだ。
「何故、俺を放っておいてくれない」 「それを、僕から説明されたいのかい」
冷たく言い放たれ、斯波は呻きながら肘をついて手を握る。 頭が鉛を詰め込まれたように重い。ぐらぐらする思考、瑞人の言葉が反響する。 脂汗が背中を流れて、暑いはずなのに全身に寒気が立ち震える。
「百合子は、自分の誕生日の夜会に父を亡くした。そのすぐ後に母を。 あの子が!僕に聞いたんだ! 自分は幸せになってもいいのかと!」
瑞人は声を荒げて斯波に言う。 けれど、本当に責めたいのは自分自身にだった。 百合子は不幸な連鎖の原因が自分にあると思い、ずっと罪を背負ってきた。 どうして、それを気づいてやれなかったのか。 百合子は言えなかっただろう、瑞人は父も母も血が継ってはいない。 ずっと家族のふりをしてきた。 二人の死でそれがようやく終わったと思い、心のどこかで安堵していた。 そんな、名ばかりの兄に百合子はとても言えはしなかっただろう。
家族や使用人を心配させまいと、幸せそうに笑う。 瑞人の複雑な心の裡を察して、一人で苦しむ。
瑞人は瞳を閉じる。心を落ち着けて、昔を懐かしむように言った。
「百合子はね、みんなに好かれていたよ。 いい子で、笑顔が可愛くて、話が上手で。 どんな嫌な子とだって、誰とだって、上手くやれるとても賢い子だった」 「……だが、俺は嫌われていた」
斯波が自嘲的に笑う。 瑞人はいつも通りの嫌味らしい苦笑いを顔に張り付けて淡々と言った。
「君みたいな野蛮人にだって、百合子はにっこり笑って愛しているふりだって出来たに違いない。 けれど、そうしなかった���出来なかった。なぜか? 考えてみるといい」
瑞人はそれだけ言い残すとカルピスの代金を机に置いて、立ち上がる。 淀んでいた空気が動き、一気に店内の雑音が耳に戻る。 店を出る際に置き時計を見て、つい目があった女給に少し微笑んで扉を開けた。 長く話し込んだと思ったのに五分と経っていなかった。 暗い店内が夢だったように、眩しい日差しと湿った熱気が全身にまとわりつく。 雑踏の喧しさに蝉の鳴き声に頭が割れるようだった。 眩しさに目を細めながら、銀座の街へ歩き出した。
///
百合子は居間へ入るなり、机の上をみて目を丸くした。 おこわにも魚の干物にも手をつけられてはいなかったが、唯一馬鈴薯のマッシュだけは無くなっていた。 食べ終わった皿と箸を流し台に運び、洗う。 固くなってしまった干物は身をほぐしてお茶漬けにすればいいと藤田が教えてくれた。 薬味の生姜とか葱を少しと、海苔を炙って散らすと美味しいと言っていたのだ。
「暑いから食欲がないのかもしれないわ」
百合子はそう頷きながら、干物をほぐして皿にまとめる。 おこわもおにぎりにしてしまう。 固くなっているかもと不安になったが、胡麻油が入っているようで一晩たってももっちりとしていた。 戸棚には白いおにぎりと焼き茄子がある。 傷んでいないか匂いで確かめながらも、はっきりと分からずに首をかしげる。 一緒におこわのおにぎりと干物も戸棚に入れてきっちりと戸を閉める。 日の高い内に布団を干し、掃除を終える。 ふと竹で編んだ籠を見てみると、汚れたシャツに手拭い、下履きの肌着があった。 百合子は一人はっと息を飲む。そして、じわじわと頬が染まるのを首を振って追い払う。 茶色い染みが浮いているシャツを取ると機械油の苦い匂いがした。 そのかわりに、いつも斯波が付けていたオー・デ・コロンの香りも紙巻煙草の匂いもしなかった。 大胆に鼻を近づけてシャツの匂いを嗅いでいる事に気が付き、慌てて身から離す。 すっかり顔なじみになった又隣に住む道子に洗濯用の盥と洗濯板と石鹸を借りる。 三つの女の子と生まれたばかりの男の子の世話で忙しそうな様子だった。 手伝おうかと言われたが、量も無かったので断った。
「そういえば、いつも中庭に洗濯物が干してあったわ」
それは斯波の邸の記憶だった。 あの大きな邸の洗濯物は一体どれほどになるのだろう。 灰色に濁る水を外の水道の流しに捨てた。 夏は涼しくて良いが、冬だと寒くて大変だとまだ先のことをちらりと心配する。 洗濯物を干し終えて額の汗を払いながら冷やしたお茶を飲む。 午砲はまだだったが、おこわのおにぎりと焼き茄子を食べた。
靴下に出来た穴を不器用ながらに繕い、���所行きらしい黒い靴の泥を落として磨く。 水回りを細かく掃除して、勝手口のあたりの雑草を抜く。 見渡せば、道の端は全て青々とした雑草なので、真剣に草抜きを始めると切りが無い。 日が傾く頃になると洗濯物と布団をしまう。
「習慣になってきたら、何をすればいいか分かってきたわ」
百合子は洗濯したものを畳んで箪笥にしまいながら呟く。 土間に降りて、泥のついた馬鈴薯を二つ取り出した。
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◆ラムネ ピエカウタイテ 2019年 秋冬物 受注会◆ 開催場所:Galleryなんば店 開催期間:2/27~3/9 RAMUNE PIEKAUTAITE (ラムネピエカウタイテ)の2019年 秋冬物 受注会をGalleryなんばCITY本館1F店で開催致します。 【ブラウス】¥46,440-(税込) 着物のような衿元と、袖のベルトが特徴的。 ポール ポワレを想わせるキモノ的要素とボンテージファッションを融合したようなデザインです。 【スカート】¥51,840-(税込) 袴のような特徴のあるスカート。 ハイウエストなのでウエスト位置を高く見せてくれます。 是非、この機会にGalleryにご来店下さい。 スタッフ一同、心よりお待ちしております。 Gallery 心斎橋日航ホテルB1F店 〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-3-3 ホテル日航ビルB1F 【営業時間】11:00~20:00 ※営業時間が「なんばCITY店」と異なりますのでお間違いの無いようお願いします。 心斎橋日航ホテルは地下鉄 御堂筋線 心斎橋駅 南北改札からすぐの8号出口直結。 日航ホテルのB1F美容室「AVEDA」の隣にGalleryはあります。 【休館日】3月20日(木) 【PHONE&FAX】06-6243-0023 【tumblr.】https://galleryshinsaibashi.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/ #RAMUNEPIEKAUTAITE #ラムネピエカウタイテ #受注会 #受注会サンプル #blouse #ブラウス #shirt #シャツ #着物風ブラウス #着物風シャツ #ポールポワレ #ジャポニズム #ジャポニズム服 #ボンテージファッション #スカート #SKIRT #七分丈スカート #ハイウエストスカート #アンサンブル #スーツ #SUIT #フォーマルウェア #パーティウェア #袴風スカート #和洋折衷デザイン #和洋折衷服 #セットアップ #ツーピース #パンクファッション #大人パンク https://www.instagram.com/gallery_jpg/p/Buk5-wyFWaF/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=d3ony7llsevp
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◆ラムネ ピエカウタイテ 2019年 秋冬物 受注会◆ 開催場所:Galleryなんば店 開催期間:2/27~3/9 RAMUNE PIEKAUTAITE (ラムネピエカウタイテ)の2019年 秋冬物 受注会をGalleryなんばCITY本館1F店で開催致します。 【ブラウス】¥46,440-(税込) パンクファッションの代表的なガーゼシャツから着想を得たようなデザイン。 右肩のエポーレットで袖を繋げたような部分と、袖のベルトが特徴的です。 パンクファッションをフォーマルでも楽しめるお洋服です。 【スカート】¥63,720-(税込) 付属のレザーのアクセサリは取り外しが可能。 ボンテージファッションのようでありつつ、近未来的なアシンメトリ―デザインはピエールカルダンのコスモルックも彷彿とさせます。 是非、この機会にGalleryにご来店下さい。 スタッフ一同、心よりお待ちしております。 Gallery 心斎橋日航ホテルB1F店 〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-3-3 ホテル日航ビルB1F 【営業時間】11:00~20:00 ※営業時間が「なんばCITY店」と異なりますのでお間違いの無いようお願いします。 心斎橋日航ホテルは地下鉄 御堂筋線 心斎橋駅 南北改札からすぐの8号出口直結。 日航ホテルのB1F美容室「AVEDA」の隣にGalleryはあります。 【休館日】3月20日(木) 【PHONE&FAX】06-6243-0023 【tumblr.】https://galleryshinsaibashi.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/ #RAMUNEPIEKAUTAITE #ラムネピエカウタイテ #受注会 #受注会サンプル #SKIRT #スカート #七分丈スカート #ペンシルスカート #タイトスカート #スリットスカート #アシンメトリーデザイン #アシンメトリースカート #アシンメトリー #ブラウス #blouse #アシンメトリーブラウス #ボンテージデザインブラウス #ガーゼシャツ風ブラウス #ボンテージファッション #パンクファッション #ロックファッション #長袖シャツ #長袖ブラウス #コスモルック https://www.instagram.com/gallery_jpg/p/Bukdw5elFaZ/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1ope2t9ttza9k
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