#ヴェネチア国際映画祭出品
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「悪は存在しない」 感想
山間の町と暮らしとささやかなドラマと...
タイトルどおり「悪は存在しない」
みんな生きて生活を守るのに必死だし、コロナとか山とか多様で豊かで壊れやすく頑強で時に残酷な自然に囲まれて生きている。というように普遍的なテーマのような気もしたけど、もっとこじんまりとした話なのかも。
わりと言いたいことをしっかり印象的な台詞で言ってくれるから、あんまり戸惑わずに見れた。
移り変わる視点にびっくりしたり、同じシーンをずらして繰り返したり、現実らしいシーンにうっすらフィクションを混ぜ込んだり、劇映画として作りこむからこそ描けるものや楽しさがあって、映像作品として楽しかった。
最後、フィクションとして急に突き放された!
最後の展開は急で、自分にはよくわからなかったけれど、全体を通して工夫されたいろいろな視点と構成で深まっていく山間の町の情景をたっぷり見られたのはよかったし、そこにある現実をいたずらに「社会問題」としてものものしく語ったりエンタメとして消費しない思慮深さはいいなと思った。
生業が謎な「便利屋」とか鹿が生き物というより抽象性が強いこととか、視点において地域の生活者というより絶妙に「都会の映画」だよなと感じた。どこか都会的でクールな残酷さが強く出ていて、だから最後ああなったのかな...
コミュニケーションでは解決できない断絶とか均衡とか、突然の暴力に対する理屈もいろいろつけられるのだろうけれど、そういう理屈をつけて理解しようとすることも含めて突き放したいのかなという気もする。
現実との接続を持って描いていたものを、最後一気に絶ち切って劇映画的になってしまうのは、楽しいようななんとなく残念なような。これは好みの話だけれど。
ラストの展開が気になって、いくつかインタビュー記事を読んだなかから。Vシネマや北野映画の影響もあると話していて、なにか腑に落ちた感じ。
どんな理不尽も断罪も平衡もありうるのだとしても、自分は都会で生活しているので、「さみしい」とちゃんと言えて、どんな形であれもがいている人には、映画の一観客としてまだ続きがあってほしいなと思いました。
余談だけれど、優雅な映画館で見たので、不条理系や高尚アート映画の予告をたくさん見ることになり、Lorelei and the Laser Eyesへの機運が高まったのでよかった。
「美しき仕事」と「墓泥棒と失われた女神」と「夜の外側」はローレライで出てくる映画っぽいし、ふつうに気になるので公開まで覚えてたら見てみよう。そのまえに「去年マリエンバートで」を見たいけど。
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園 子温(その しおん、 1961年〈昭和36年〉12月18日 - )は、日本の映画監督・脚本家。愛知県豊川市出身[3][4]。 来歴 出生から高校 1961年(昭和36年)、愛知県豊川市生まれ[3][4]。父である園音巳は英語を教えていた愛知大学の教授であった[1]。豊川小学校、豊川東部中学校を卒業[4]。とても厳格な家庭で育った反動で17歳の時に実家を飛び出し、上京したとされるが[1]、豊橋東高校は卒業している[4]。17歳で詩人デビューし、『ユリイカ』と『現代詩手帖』に詩が掲載された。 大学入学以降 映画監督として活動する以前は漫画家志望でもあり、法政大学入学後、20歳の時に出版社に漫画の持ち込みを行うも「まだ他人の気持ちがよく判らないんじゃないかな」と言われボツを喰らう[5]。 その後、リベンジのため本を読み漁り、映画を年間何百本と鑑賞したことがきっかけで8mm映画を撮り始める。 1986年、8mm映画『俺は園子温だ!』がぴあフィルムフェスティバル(PFF)入選。翌年、8mm映画『男の花道』でグランプリを受賞[4]。 1990年、ぴあフィルムフェスティバルスカラシップ作品として制作された16mm映画『自転車吐息』は、第41回ベルリン映画祭正式招待された[4]。 1993年、『部屋』を制作。翌年、サンダンス映画祭審査員特別賞を受賞。 『桂子ですけど』(1996年)、『風』(1998年、通産省制作)など、映画制作を続ける。 一方、街頭詩パフォーマンス「東京ガガガ」を主宰する。4000人のパフォーマーが渋谷のストリートで展開。このドキュメントを収めたジャン=ジャック・ベネックスのテレビ番組はフランスで視聴率40パーセントを超える。 ファッションデザイナー荒川真一郎とのプロデュース、短編『0cm4』(1999年)を上映した。 1994年3月10日〜17日、吉祥寺バウスシアター全館を貸し切り「園子温降臨祭」を開催。 1995年、100時間に及ぶ素材からなる大長編映画『BAD FILM』制作に取りかかる(2012年完成)。 2000年、『うつしみ』を制作、劇場公開。 2001年、『自殺サークル』を公開。新宿武蔵野館における過去��高の観客動員数となった。カナダファンタ映画祭(ファンタジア2003)にて“観客賞”を獲得。同時に“今年、最も優れた映画に贈る賞”も獲得。2002年度日本映画プロフェッショナル大賞第10位 。 2002年、『HAZARD』という ニューヨークを舞台にオダギリジョー扮する不良青年の青春映画を制作した。 2003年、前作に続けてオダギリ、田中哲司、村上淳、市川実和子等が出演した『夢の中へ』を制作。さらに同年、宮崎ますみ主演でR18指定の家族劇『奇妙なサーカス』を制作。 2006年『紀子の食卓』を公開。第40回カルロヴィヴァリ映画祭・コンペティション部門の“特別表彰賞”と、国際シネマクラブ連盟による“ドン・キホーテ賞”を受賞。また韓国で開催された第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門の観客賞と主演女優賞受賞した。 2007年、テレビ朝日系ドラマ『時効警察』に監督として参加した。 2008年、『愛のむきだし』を公開。第9回(2008年)東京フィルメックスにおいて観客の投票によって選出される「アニエスベー・アワード」を受賞。第59回(2009年)ベルリン映画祭に出品され、「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」を受賞した[4]。続く『ちゃんと伝える』では故郷・豊川を舞台にした。 2011年、『冷たい熱帯魚』を公開。第67回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品した[4]。さらに同年『恋の罪』を公開。 結婚以後 2011年10月23日、監督した映画『冷たい熱帯魚』『恋の罪』に出演した神楽坂恵と婚約した旨が報じられた。結婚以降も妻の神楽坂を多くの自身の作品に出演させている。 2012年、『ヒミズ』を公開。古谷実の同名漫画を映画化で映画監督と脚本を担当した。園にとって、初の漫画原作物の映画化担当であった。第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティションに出品され、主演の染谷将太、二階堂ふみが「最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)」を受賞した[4]。 10月、原発事故を描いた『希望の国』を公開。 第37回トロント国際映画祭にて「NETPAC アジア最優秀映画賞」を受賞。主演の夏八木勲は第63回芸術選奨・文部科学大臣賞並びに第67回毎日映画コンクール男優主演賞を受賞した。 2013年4月、テレビ東京系ドラマ『みんな!エスパーだよ!』にて総合監督を務めた。同月、「芸人」宣言をし舞台デビュー。9月、『地獄でなぜ悪い』を公開。 第70回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品された[4]。第38回トロント国際映画祭では、ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を受賞[4]。 2014年6月、��説「毛深い闇」を河��書房新社より出版。8月、井上三太原作の『TOKYO TRIBE』を公開。11月、雑誌「GQ JAPAN」が「GQ MEN OF THE YEAR 2014」を受賞した。 2015年5月、和久井健原作、綾野剛主演で『新宿スワン』を公開。園作品最大のヒットを記録。同年6月、「魂の集大成」と謳ったSFファンタジー怪獣映画『ラブ&ピース』を公開。第5回北京国際映画祭にて日本映画として初の出品作になった。カナダ・モントリオールの第19回ファンタジア国際映画祭では観客賞を受賞したものの[4]、翌2016年公開されて81億円の興収を出した『シン・ゴジラ』と同じ長谷川博己主演の映画であるが興収は5300万円であった[6]。 2015年7月、山田悠介の原作にオリジナル要素を加えた『リアル鬼ごっこ』を公開。第19回ファンタジア国際映画祭にて最優秀作品賞(シュバル・ノワール賞)、審査員特別賞を受賞した[4]。スペイン・マラガ・ファンタスティック映画祭では最優秀作品賞と特殊効果賞を受賞[4]。 同年9月、テレビドラマシリーズも監督(3人)と脚本(4人)の一人として担当した『みんな!エスパーだよ!』の映画化時には、脚本を田中眞一と共に[7]、監督は一人で務め、全面愛知県の東三河でロケしている[4][7]。 2015年7月、初の個展「ひそひそ星」展を開催。同時期にワタリウム美術館オン・サンデーズにて絵本「ラブ&ピース」の原画展も開催。9月、Chim↑Pom発案の「Don’t Follow the Wind」展(ワタリウム美術館)にて映像インスタレーションを発表した。 2015年に地元の「とよかわ広報大使」に就任する[4]。 2016年4月、美術館では初の個展、園子温展「ひそひそ星」をワタリウム美術館にて開催。5月、第40回トロント国際映画祭にてNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した『ひそひそ星』を劇場公開する。大島新監督のドキュメンタリー映画「園子温という生きもの」が公開される。 心筋梗塞による入院以後 2019年2月7日、心筋梗塞を発症し、病院に救急搬送され手術を受ける[8]。同月21日、退院[9]。6月25日、「Netflixオリジナル作品祭」に出席し、病後初めて公の場に姿を見せた[10]。 2021年10月8日、ハリウッド初挑戦となる映画である、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』が公開された[11]。ニコラス・ケイジを主演として起用し、2019年に撮影を終えていた『エッシャー通りの赤いポスト』のワークショップ参加者も多数参加した作品である。 2021年12月25日、原点回帰のインディーズ作品として2019年に撮影が完了していた『エッシャー通りの赤いポスト』が公開された[12]。51名の無名役者が参加するワークショップで制作された映画作品であり、出演者が店舗や路上で宣伝活動やチ��ットの手売りを行ったり、関東の複数のミニシアターで多数回の舞台挨拶も行った。 性加害報道以後 詳細は「#不祥事」を参照 2022年3月、セクハラ・性行為強要を告発される。(#不祥事参照) 2022年11月7日、SmartFLASHが報じたところによると、12月20日から上映される『もしかして、ヒューヒュー』にて、偽名を用いて脚本を担当したと、妻であり事務所社長でもある神楽坂が取材に応じている[13]。 人物 洋画好き 著書によれば幼少期・少年期から映画好きであり、それも洋画ばかり見ていた。少年期から好きな作品にアメリカンニューシネマのアーサー・ペン『俺たちに明日はない』『左利きの拳銃』やフランス映画のジャン・ギャバン主演『望郷』や『ジャンヌ・ダルク裁判』にフランソワ・トリュフォー作品、1960年代までのアメリカ映画はかなり見ていたと述べている。好きな監督にウィリアム・ワイラーやイタリアのヴィットリオ・デ・シーカ、好きな役者・スターにジョン・ウェイン、リチャード・ウィドマークやジャン・ギャバン、アラン・ドロン、ソフィア・ローレン、リリアン・ギッシュ、ポール・ニューマン、イングリッド・バーグマンなどを挙げ、とりわけイングリッド・バーグマンとは本気で結婚したいほど好きな思いを抱いていたという[14]。 出演したラジオ『スカパー! 日曜シネマテーク』でルネ・クレマン監督のフランスの反戦映画の名作『禁じられた遊び』を好きな映画に挙げ、「この映画は小学生の時にテレビで見ました。当時はほぼ毎日、地上波で夜9時から映画番組があって、ゴダールやトリュフォーすらも放送していたんです。家族で『ウルトラマン』を見た後にゴダールを見るなんて、今ではちょっと信じられないですよね(笑)」と述べている[15]。 深作作品・格好良いヤクザ好き また別の回のラジオ『スカパー!日曜シネマテーク』では深作欣二監督の『仁義なき戦い』を選んでおり「深作監督とお話する機会はなかったんですが、僕にとっては心の師匠。映画を作る時は常に深作監督のことが頭にあり、『地獄でなぜ悪い』でも「深作警察署」が登場したり、『仁義なき戦い』の音楽が流れたりします。それくらいずっと憧れてきた、影響を受けてきた監督です。」「ヤクザ映画なんですが、実は深作監督も菅原文太さんもすごく真面目なタイプで、ヤクザに対して距離感を持っている人です。でも実はそれがヤクザが格好良く描ける秘訣。コッポラが『ゴッドファーザー』を撮った時も同じで、ヤクザやマフィアをまったくリスペクトしてない人が撮ると、客観的に描けるので格好良くなるんです。」と評している[16]。 主張 ジャパニーズアニメ嫌悪 2016年は「近年稀に見る邦画の当たり年と言われた本年」と呼ばれたが、そのなかでも話題を一手に集めたのは、新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』と、庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』の二作品であり、『君の名は。』は年間興行収入ランキング1位の251.7億円、『シン・ゴジラ』は3位であるが、例年なら邦画興行収入で首位となるレベルの81億円を記録する大ヒットとなった。しかし、園子温は2016年12月9日に、「糞ジャパアニメ、すべて死ね。」「あとよ、怪獣映画のリメイクで儲けたクズどもも。」「二度と怪獣映画のリメイクごときで現代の311を語るな、クズども」、と下記の島国辺境ツイートと共に四時間にわたって連続で罵倒のツイートをした[17]。後に上記のツイートは削除された。ネット上では『シン・ゴジラ』と同じ長谷川博己を主演で前年に撮られた自身の怪獣映画『ラブ&ピース』が興収5300万円だったことから、「園が嫉妬のあまり中2病を発症させた」と園を批判するツイートが殺到した[6]。 ただし、インターネットメディアリテラは園による『君の名は。』『シン・ゴジラ』批判について、「まさに正論だと思うが、しかし、こうした意見はしょせん異端に過ぎない。」と賛意的な報道をした[6]。 護憲・SEALDS支持 自民党が2016年の参院選で改憲を現実のモノにしようとしているとして、2015年9月11日に安倍晋三内閣における特定秘密保護法・集団的自衛権行使容認への反対や護憲、「従来の政治的枠組みを越えたリベラル勢力の結集」を訴える『TAKE BACK DEMOCRACY(民主主義を取り戻せ)#本当に止める SEALDs 5時間SPECIAL!!!!!』に、磯部涼(司会)、SEALDs、中野晃一上智大学教授、日本学術会議の廣渡清吾前会長らと共に出演した[18]。 2016年12月に上記のジャパニーズアニメーションへの批判の際に、「評論家のための評論しやすい映画ばかり。狙ってんのかお互い癒着して。革命家も産めない肉体のない言葉、、乾いた言葉を。」「去年見たSEALDSの何倍も何倍も薄めた小さなセカイ系とやら。セカイ系の正体は地球上の規模じゃねえ。このセカイの小さな島国辺境の、空想されたせ・・か・・い・・やめろ。」とツイートしている[6]。 批判 宇野維正はキネマ旬報にて、2021年12月に園が映画監督を務めた「エッシャー通りの赤いポスト」について、「現実から浮遊したスモールワールドで若い女優が暴れ回り、反体制的なイメージと戯れる」という園子温自身のシグネチャー・モデルに回帰した作品で5段階中星1という完全否定的な評価をしている。園の帰属する「日本のサブカル村」についても演者も含んだ村内で互いに誉め合っている2010年以前と変わっておらず、園の作品は客観性の徹底的な欠如はずっとそのままであるとし、「ここまでの作家的増長の責任は、本人よりもそれを看過してきた業界にあるのではないか」と業界を含めた批判をした[19]。 園子温作品の著名なファン・友人 ファンであり友人である著名な者として、水道橋博士[20]や『映画秘宝』を創刊した映画評論家・コラムニストの町山智浩が知られる。町山は2009年のベスト10を選んだ際に、園の『愛のむきだし』を一位に選んだ。同年に日本で公開されたクリント・イーストウッド監督・主演『グラン・トリノ』を二位にして「『グラン・トリノ』は『愛のむき出し』を見るまで一位の作品」「どちらも(『グラン・トリノ』と『愛のむきだし』)「不在の聖母」を描いた作品。」と評した[21]。水道橋博士とは親交が深く[22]、お笑いライブを二人で開催したりしている[23]。水道橋博士は園子温を「映画監督として圧倒的に天才」と絶賛している[24]。他に園と親交が深い友人として、茂木健一郎、会田誠[25]、宮台真司がいる。宮台はあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」に対する批判意見への反論に友人・園子温の作品を例にあげ、「そもそもアートは心に傷を付ける。心を回復させる娯楽とは違う」「こうした基本的なことでさえ、行政、政治家、そして市民までもが分かっていないことに驚きました」と開催を擁護している[26]。 2009年のキネマ旬報のオールタイムベストの日本映画編のアンケートにおいて、熊切和嘉は自身のベスト10に園の『紀子の食卓』を選んでいる。熊切は『紀子の食卓』を鑑賞した日の夜に興奮のあまり園に電話をし、「あの妹役(吉高由里子)って誰ですか!?」と直接聞いたと述べている[27]。 不祥事 2022年3月、『週刊文春』による性加害告発の流れが起きている中、日本人ハリウッド俳優で映画『硫黄島からの手紙』等に出演した松崎悠希が、Twitterにてアクターズヴィジョンのワークショップにおける園のセクハラ・性行為強要を告発。被害者は何十人もいるとしている[28]。告発後、アクターズヴィジョンは園のワークショップ映画第二弾に向けて行われる予定だったオーディションの中止を発表した[28]。 4月1日、園の制作プロダクション「シオンプロダクション」のホームページで謝罪コメントを掲載。「事実関係を整理して、改めて発表いたします」としている[29]。 4月4日、「週刊女性PRIME」が園の性加害を出演女優らが告発した記事を掲載。[30]。週刊女性PRIMEが園に電話取材を行ったところ性加害疑惑について否認。電話口を代わった女性から文書での質問を要求されたため対応したものの、期限までの回答はなかった[30]。 4月6日、「週刊女性PRIME」の報道を受けて園が謝罪文を発表。関係者や作品の視聴者にお騒がせしたことを謝罪し、監督として今後の在り方を見直したいと記した。一方で性加害の報道内容については事実と異なる点が多く、自分以外の関係者にも迷惑が掛かっていることを考慮し、法的措置をとる姿勢を示した[31]。その後、5月18日付で『週刊女性』を発行する主婦と生活社を相手取り、損害賠償や謝罪広告、ネット上の記事の削除を求める訴訟を東京地方裁判所に起こした[32]。 12月27日、主婦と生活社が『週刊女性』2022年4月5日発売号および4月12日発売号の記事と同一内容の「週刊女性PRIME」のインターネット上の記事を全文削除することを受け入れ、裁判上の和解により解決した[33][34]。 作品 映画監督作品 LOVE SONG(1984年、劇場未公開) 俺は園子温だ!(1985年、劇場未公開) 愛(1986年、劇場未公開) 男の花道(1986年、劇場未公開) 決戦!女子寮対男子寮(1988年、劇場未公開) 自転車吐息(1990年5月12日) 部屋 THE ROOM(1993年10月23日) BAD FILM(1995年当時未完、2012年完成。Hi-8撮影によるオリジナルビデオ。2015年1月6日DVD発売) 桂子ですけど(1997年2月8日) 男痕 -THE MAN-(1998年10月31日) 0cm4(パリコレクションバージョン)(1999年7月14日) うつしみ(1999年12月18日)[35] ある秘かなる壺たち(2000年2月7日)- 公開時のタイトルは「性戯の達人 女体壺さぐり」 風(2001年1月27日。製作は1998年。16mmフィルム作品) 父の日(2001年、劇場未公開) 自殺サークル(2002年3月9日) プロムナイト(2002年、未完) ノーパンツ・ガールズ 大人になったら(2005年11月12日。製作は2004年) 夢の中へ(2005年6月11日) Strange Circus 奇妙なサーカス(2005年12月24日) 紀子の食卓(2006年9月23日) HAZARD(2006年11月11日。製作は2002年) 気球クラブ、その後(2006年12月23日) エクステ(2007年2月17日) 愛のむきだし(2009年1月31日) Make the last wish(2008年、未完) ちゃんと伝える(2009年8月22日) 冷たい熱帯魚(2011年1月29日) 恋の罪(2011年11月12日) ヒミズ(2012年1月14日) 希望の国(2012年10月20日) 地獄でなぜ悪い(2013年9月28日) TOKYO TRIBE(2014年8月30日) 新宿スワン(2015年5月30日) ラブ&ピース(2015年6月27日) リアル鬼ごっこ(2015年7月11日) 映画 みんな! エスパーだよ!(2015年9月4日) MADLY(2016年4月14日) ひそひそ星(2016年5月14日) 新宿スワンII(2017年1月21日) アンチポルノ(2017年1月28日) クソ野郎と美しき世界「ピアニストを撃つな!」(2018年4月6日) 愛なき森で叫べ(2019年10月11日、Netflix) 緊急事態宣言「孤独な19時」(2020年8月28日、Amazon Prime Video) プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(2021年10月8日、ハリウッドデビュー作品) エッシャー通りの赤いポスト(2021年12月25日) テレビドラマ 時効警察 第4話 (2006年2月3日) 「犯人の575は崖の上」 第6話 (2006年2月17日)「恋の時効は2月14日であるか否かはあなた次第」 帰ってきた時効警察 第3話 (2007年4月27日)「えっ!? 真犯人は霧山くん!?」 第6話 (2007年5月18日) 「青春に時効があるか否かは熊本さん次第!」 みんな!エスパーだよ! - 総合監督 第7話・番外編では自らもカメオ出演 第1話 (2013年4月12日) 「なんで僕に超能力だん?バス停の風、大作戦!」 第6話 (2013年5月24日) 「エスパー抗争勃発?縛られたあの娘を救え、大作戦!」 第7話 (2013年5月31日) 「禁断のコーヒー!?"セクシー女"大量生産を止めろ、大作戦!」 第10話 (2013年6月21日) 「(最終章・序)恋の罪!?モーニングコーヒーはあなたと!」 第11話 (2013年6月28日) 「(最終章・破)時は来た!善と悪の最終決戦…チームエスパー解散!?」 第12話 (2013年7月5日) 「(最終回・青春の夢)僕が世界を救うんだ!ワンワンワン大作戦!?」 番外編〜エスパー、都へ行く〜(2015年4月3日) ビデオ・オン・デマンド 東京ヴァンパイアホテル(2017年6月16日配信開始、Amazonプライム・ビデオ) 愛なき森で叫べ:Deep Cut(2020年、NetFlix) ミュージックビデオ Mail Me / 桃井はるこ (2000年) 書籍 『自殺サークル 完全版』(2002年4月 河出書房新社 / 2013年9月 河出文庫) 『夢の中へ』(2005年 幻冬舎) 『愛のむきだし』(2008年12月 小学館 / 2012年1月 小学館文庫) 『希望の国』(2012年9月 リトルモア) 『非道に生きる』(2012年10月 朝日出版社) 『けもの道を笑って歩け』(2013年9月 ぱる出版) 『毛深い闇』(2014年6月 河出書房新社) 『受け入れない』(2015年6月 中経出版) 受賞歴 映画賞 俺は園子温だ! ぴあフィルムフェスティバル入選 男の花道 ぴあフィルムフェスティバル入選 自転車吐息 第4回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品 第41回ベルリン映画祭フォーラム部門正式出品 部屋 THE ROOM サンダンス映画祭 in Tokyo 審査員特別賞 自殺サークル 第7回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 画期的映画部門観客賞・画期的映画賞審査員賞 StrangeCircus奇妙なサーカス 第56回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 ベルリナー・ツァイトゥング紙・新聞読者審査賞 第10回ファンタジア国際映画祭(カナダ) グランプリ・最優秀主演女優賞(宮崎ますみ) 紀子の食卓 第40回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 特別表彰 国際シネクラブ連盟(FICC)ドン・キホーテ賞 第10回プチョン国際ファンタスティック映画祭 観客賞・主演女優賞(吹石一恵) 第28回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞(吉高由里子) 気球クラブ、その後 第16回日本映画批評家大賞審査員特別監督賞 エクステ 第3回オースティン・ファンタスティック映画祭 ホラー審査員賞 愛のむきだし 第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 カリガリ賞・国際批評家連盟賞 第11回バルセロナ・アジア映画祭 観客賞 第13回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 審査員特別賞・最優秀主演女優賞(満島ひかり)・観客賞(アジア映画部門金賞・革新的映画部門金賞) 第8回ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル グランプリ 第13回プチョン国際ファンタスティック映画祭 NETPAC賞特別賞(満島ひかり、安藤サクラ) 第9回東京フィルメックス アニエスベー・アワード(観客賞) 第34回報知映画賞 最優秀新人女優賞(満島ひかり) 第64回毎日映画コンクール 監督賞・スポニチグランプリ新人賞(西島隆弘、満島ひかり) 第83回キネマ旬報ベスト・テン 助演女優賞(満島ひかり)・新人男優賞(西島隆弘) 第31回ヨコハマ映画祭 助演女優賞(安藤サクラ)・最優秀新人賞(満島ひかり) 第14回日本インターネット映画大賞 新人賞(満島ひかり) 冷たい熱帯魚 第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門正式出品 第43回シッチェス・カタロニア国際映画祭 カーサ・アジア最優秀作品賞 ファンタスティック・フェスト2010 ファンタスティック部門 長編部門脚本賞 第13回ドーヴィル・アジア映画祭 批評家賞 第15回ファンタジア国際映画祭(カナダ) 観客賞(アジア映画部門金賞) 第35回日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞(でんでん) 第54回ブルーリボン賞 作品賞 第66回毎日映画コンクール 男優助演賞(でんでん) 第36回報知映画賞 作品賞・助演男優賞(でんでん) 第21回東京スポーツ大賞 作品賞・監督賞・助演男優賞(でんでん) 第85回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞・助演男優賞(でんでん) 第33回ヨコハマ映画祭 監督賞・助演男優賞(でんでん) 第16回日本インターネット映画大賞 作品賞・監督賞・助演男優賞(でんでん) 恋の罪 第64回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品 第44回シッチェス・カタロニア国際映画祭 カーサ・アジア最優秀作品賞 第85回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞 第16回日本インターネット映画大賞 監督賞 ヒミズ 第68回ヴェネチア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞(染谷将太、二階堂ふみ) 第14回ドーヴィル・アジア映画祭 批評家賞 第30回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭オービットコンペティション部門 グランプリ 2012年映画芸術日本映画ワーストテン2位 希望の国 第37回トロント国際映画祭 NETPACアジア最優秀映画賞 第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画9位[36] 2012年映画芸術日本映画ワーストテン1位 地獄でなぜ悪い 第38回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門 観客賞 ファンタスティック・フェスト2013 ガットバスターコメディー部門 作品賞・監督賞 リアル鬼ごっこ 第19回ファンタジア国際映画祭 最優秀作品賞(シュバル・ノワール賞)/審査員特別賞/最優秀女優賞(トリンドル玲奈)[37] ひそひそ星 第40回トロント国際映画祭 NETPACアジア最優秀映画賞[38] 映画賞以外 GQ MEN OF THE YEAR 2014(2014年)[39] 出演 テレビ スタジオパークからこんにちは(2011年12月20日、NHK総合) 園子温ケーブルテレビ実験室(2013年4月 - 2013年9月、ケーブルテレビJCN) アウトデラックス(2013年8月22日、フジテレビ) 有吉ジャポン(2013年11月8日、TBS) 100秒博士アカデミー(2013年12月3日・10日、TBS) ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!(2013年12月21日、テレビ朝日) さんまのまんま(2014年3月8日、関西テレビ) 言いにくいことをハッキリ言うTV(2014年3月31日、テレビ朝日系列) 踊る!さんま御殿!!(2014年4月15日、日本テレビ) 竹山ロックンロール(2014年5月10日・17日・24日、テレビ埼玉・千葉テレビ・tvk・サンテレビ) たかじんNOマネー(2014年5月17日、読売テレビ) 情熱大陸(2014年6月15日、TBS) ダウンタウンDX(2014年6月26日、読売テレビ) ゴロウ・デラックス(2014年7月17日、TBS) ニノさん(2014年8月3日・10日、日本テレビ) - 「だって男の子だもん」回 ゲスト キン肉マン THE LOST LEGEND(2021年10月8日 - 12月10日、WOWOW) - 本人 役 ラジオ 園子温のズバリ!ラジオ(2013年1月25日、ニッポン放送) スカパー!日曜シネマテーク 特別版(2014年5月5日、TOKYO FM) ドキュメンタリー映画 園子温という生きもの(大島新監督 2016年) 伝記 速水由紀子『悪魔のDNA 園子温』祥伝社、2013年 参考文献 東方出版『KAMINOGE』vol.64 家賃3部作 園子温監督による実際の事件をベースとした3シリーズ 冷たい熱帯魚 - 1993年に埼玉県熊谷市で��生した埼玉愛犬家連続殺人事件がベースとなっている映画である。 恋の罪 - 1997年に東京都で発生した東電OL殺人事件がベースとなっている映画である。 愛なき森で叫べ - 2002年から福岡県北九州市で発生した北九州監禁殺人事件がベースとなっている映画である。 関連項目 サブカル[19] Category:園子温の監督映画 日本の映画監督一覧 脚注 [脚注の使い方] ^ a b c “厳しいを通り越して異常!? 園子温の「犬神家の一族」みたいな実家とは”. AERA dot.. (2016年5月16日) 2020年7月29日閲覧。 ^ 園子温 12月公開映画に「脚本・山本孝之」でステルス復帰!妻・神楽坂恵も“偽名”は「事実」と認める FLASH ^ a b c “愛知)園子温監督の復帰作品、豊橋市でロケ”. 朝日新聞DIGITAL. (2019年8月12日) 2020年7月29日閲覧。 ^ a b c d e f g h i j k l m n o p とよかわ広報大使 - 園子温氏の紹介 - 豊川市公式HP ^ 『月刊漫画ガロ』(青林堂)1996年4月号 ^ a b c d “園子温が『シン・ゴジラ』『君の名は。』を罵倒!「金儲け映画ごときで3.11を安易に暗喩にしたてるな」 (2016年12月18日)”. エキサイトニュース. 2022年4月4日閲覧。 ^ a b https://sgttx-sp.mobile.tv-tokyo.co.jp/static/html/bangumi/esper/introduction.php テレビ東京 ^ “園子温監督、心筋梗塞で入院し手術、命に別条なし”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年2月7日) 2019年2月7日閲覧。 ^ “園子温監督が退院「これからも作品をつくり続けます」 事務所通じコメント”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年2月21日) 2019年2月21日閲覧。 ^ “園子温監督 心筋梗塞後、初の公の場で「1回死んでよみがえって来ました」”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2019年6月25日) 2019年6月25日閲覧。 ^ “映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』”. bitters.co.jp. 2022年2月7日閲覧。 ^ “映画『エッシャー通りの赤いポスト』オフィシャルサイト”. 映画『エッシャー通りの赤いポスト』オフィシャルサイト. 2022年2月7日閲覧。 ^ bw.asuka (2022年11月7日). “園子温の “ステルス復帰” に「セコすぎる」の声声声…神楽坂恵の言い分にも苦言”. Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]. 2022年11月8日閲覧。 ^ 『非道に生きる』(2012年10月 朝日出版社)13p-16p ^ http://www.tfm.co.jp/movie/index.php?itemid=79809&catid=1737 ^ https://web.archive.org/web/20140222062821/http://www.tfm.co.jp/movie/index.php?itemid=69985 ^ “園子温監督、過去には「糞ジャパアニメ、すべて死ね」ツイッターで暴言事件も | リアルライブ”. archive.ph (2022年4月9日). 2022年4月10日閲覧。 ^ “DOMMUNE PROGRAM INFORMATION 2015/09/01 (火)”. DOMMUNE. 2022年4月4日閲覧。 ^ a b “映画鑑賞記録サービス KINENOTE|キネマ旬報社”. www.kinenote.com. 2022年4月4日閲覧。 ^ “水道橋博士が語る、天才・園子温監督の生き様 | CINRA”. www.cinra.net. 2022年4月4日閲覧。 ^ 『映画秘宝』2010年3月号 ^ “水道橋博士、園子温監督のモノマネで「地獄」を体験”. ORICON NEWS. 2022年4月4日閲覧。 ^ Inc, Natasha. “園子温が芸人デビュー、水道橋博士とお笑いライブ開催”. お笑いナタリー. 2022年4月4日閲覧。 ^ “水道橋博士が語る、天才・園子温監督の生き様 | CINRA”. www.cinra.net. 2022年4月4日閲覧。 ^ “1億円突破!園子温監督『地獄でなぜ悪い』を茂木健一郎、会田誠、水道橋博士がヒットの秘密を分析!”. シネマトゥデイ. 2022年4月4日閲覧。 “大ヒットを記念するトークショーに園子温監督が登場。日ごろから親交の深い脳科学者・茂木健一郎氏、現代美術家・会田誠氏、お笑いタレントの水道橋博士とともに、ジョークと毒舌、ときには会場を煙に巻くような過激なトークを繰り広げた。” ^ “そもそもアートは誰かの心を傷つける。宮台真司さん 「生半可な覚悟で見に行けば不快になって当然です」”. ハフポスト (2019年12月30日). 2022年4月4日閲覧。 ^ 「キネマ旬報オールタイムベスト 映画遺産200」。2009。同書57pの熊切のアンケートより ^ a b “日本人ハリウッド俳優、園子温監督のセクハラ告発「知り合いは身体を要求された」被害者は何十人も?”. リアルライブ (リアルライブ). (2022年3月31日) 2022年3月31日閲覧。 ^ “性加害報道の園子温監督 制作プロが謝罪【全文】 11年に20歳下出演女優と結婚”. デイリースポーツ (デイリースポーツ). (2022年4月5日) 2022年4月5日閲覧。 ^ a b “園子温の性加害を出演女優らが告発!「主演にはだいたい手を出した」と豪語する大物監督の“卑劣な要求””. 週刊女性PRIME (主婦と生活社). (2022年4月4日) 2022年4月4日閲覧。 ^ “園子温監督、性加害疑惑報道を受け直筆謝罪文を発表「今後のあり方を見直したい」「事実と異なる点が多く…」法的措置とる姿勢も”. 中日スポーツ (中日新聞社). (2022年4月6日) 2022年4月6日閲覧。 ^ “園子温監督、週刊女性側を提訴 「性行為強要」の記事「事実異なる」”. 朝日新聞デジタル (2022年5月19日). 2022年8月9日閲覧。 ^ “園子温監督が「週刊女性」記事巡り出版社と和解 性行為強要の記事を削除”. 産経ニュース. 産経デジタル (2024年2月1日). 2024年2月1日閲覧。 ^ “園子温氏、“性加害疑惑”週刊誌訴訟で和解を報告「記事は全文削除されております」【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年2月1日). 2024年2月1日閲覧。 ^ “公式ホームページ” 2022年9月6日閲覧。 ^ “2012年・第86回キネマ旬報 ベスト・テン”. キネマ旬報社. 2018-08-07m閲覧。 ^ “トリンドル玲奈に最優秀女優賞!初主演『リアル鬼ごっこ』が作品賞含む3部門受賞の快挙!”. シネマトゥデイ (2015年8月6日). 2015年9月22日閲覧。 ^ “園子温監督が夫婦で作った『ひそひそ星』がトロントでNETPAC賞受賞!【第40回トロント国際映画祭】”. シアターガイド (2015年9月21日). 2015年9月24日閲覧。 ^ “GQ MEN OF THE YEAR 2014”. GQ JAPAN (2014年11月20日). 2014年11月21日閲覧。
園子温 - Wikipedia
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濱口竜介監督の『悪は存在しない』
ここ数年で一番の作品でした。
私達の評価や判断は、未分化な世界を、時空的な物差しによって取り出し、希望的に「納得したい」推論です。
私や世界の生地は、価値観の恣意に切り出されない限り、ただ「在る」に横たわって、樹枝の先を見上げているだけなんです。
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「哀れなるものたち」と FIAT×MAJANI バレンタインチョコレー
皆さん こんにちは。
近くの結婚相談所 ハッピータイム群馬桐生相生
婚活アドバイザーの金子です。
見た目は成人した女性なのに、よちよち歩きで片言でしかしゃべれず、思い通りにならないと駄々をこね、口に合わない食べ物を食べると口から吐き出してしまう始末。まるで幼児のような振る舞い。
実は彼女はある事情によりイギリス・ロンドンの橋から身を投げ自ら命を絶ったのですが、死体を発見した天才外科医ゴッドウィン・バクスターにより胎児の脳を移植され電気ショックにより蘇生し、新たな人生を歩みだしたばかりのベラという名前の女性。
1日に15個の単語を記憶して徐々に知識を吸収し、ついには大陸横断の冒険に��みます。ポルトガ��・リスボンでは、初めて食べる生牡蛎とタルトの美味しさに驚き音楽やダンスに触れ、エジプト・アレクサンドリアでは、世の中は楽しい事ばかりではない事実を知ります。
様々な体験を通してかなりの知識は習得したものの、まだまだ本能のままに行動をしてしまうのでベラは周囲の人々を困惑させてしまいます。しかし移動中の船上で出会った高齢の女性とフランス・パリでとある商売を営む高齢の女性の教えや読書により理性を身につけます。歩き方も知識と理性が備わるにつれ、ぎこちない歩行から違和感のない歩行へと変化していくのです。
そして、ついに自分の生い立ちを知ったベラ。果たして彼女はどのような決断をするのか・・・。
女性版フランケンシュタインとも言える本作。手術シーンでは臓器が映し出され、アヒル頭の犬、豚頭の鶏など奇妙な動物が登場。衝撃的でショッキングなシーンが連続しホラー映画のようにも感じますが、コミカルな要素をふんだんに取り入れ風景などの色彩が幻想的で綺麗であり怖さや悲壮感は感じない不思議なストーリーで、ベラの成長を通して女性の自由や解放といったメッセージが込められており、全くタイプの違う映画「バービー」と同一のテーマである事を感じずにはいられませんでした。
「哀れなるものたち」は、昨年度のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しており、今年のアカデミー賞では「オッペンハイマー」の13部門に続き11部門にノミネートされています。
ベラを演じたのは「ラ・ラ・ランド」でアカデミー主演女優賞の受賞経験を持つエマ・ストーン。今作では「そこまでしてしまうの」と思わせる驚きな演技を披露しており2度目のオスカー受賞となるか?
ゴッドウィン・バクスターを演じたウィレム・デフォーは、これまでに数々の映画で個性的なキャラ��ターを演じており今作でも本領発揮です。
マーベル映画での超人ハルク役が有名なマーク・マーク・ラファロは、予想外な行動をとるベラに翻弄される怪しすぎる弁護士ダンカンをコミカルに演じていました。
ヨルゴス・ランティモス監督の作品を見たのは今作が初なのですが、凝った画づくりで、場面によりモノクロと美しいけれど人工的な色彩のカラーを使い分ける手法やシュールな笑いなど監督のこだわりを感じる作品でした。
少し前に動画配信サービスでお茶目な宇宙人が登場す「アステロイド・シティ」を見たばかりな事もあり、ウェス・アンダーソン監督の作品の特徴との共通性も感じましたが、それぞれ異なる個性的な世界観の作品に仕上げているので両監督の作品を比較して鑑賞すると面白いと思います。
一足早く、家族からバレンタインデーのプレゼントとして、嬉しい「FIAT」のチョコレートをもらいました。それにしてもなぜ自動車メーカーがチョコレートを販売しているのかな?と疑問に思い調べてみました。
1899年にイタリア・トリノに誕生した自動車メーカー「FIAT フィアット」 1796年にイタリア・ボローニャに誕生したお菓子工房「MAJANI マイアーニ」(ボローニャはマセラティの聖地でもあります)
1911年にFIATが新型車Tipo4を発売するにあたり、そのノベルティとしてチョコレートを客に配ることとなり、その製造を依頼した先がMAJANI。 FIATとMAJANIのコラボ チョコレートは100年以上も前に誕生したようです。
FIAT 500(チンクエチェント)の1/48スケールミニチュアカーがセットとなっており、おまけでFIAT 500のキーチェーンも付いていました。
ホワイトデーのプレゼントを考えなければ!
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. . ハリウッドのアイコン マリリン・モンローの生涯を描いた 『Blonde』がいよいよ9月に . 主演のアナ・デ・アルマスの 演技に期待が高まるけれど . Netflix初の 18歳未満観賞禁止という 制限つきなのも話題に . 3番目の夫アーサー・ミラー役の エイドリアン・ブロディの演技も 楽しみだし、架空のマリリンの回想録 として書かれたベストセラー小説が どのように脚色・演出されているかも 興味がつきないところ . ティーザーをみるかぎり、一級の エンターテインメント作品になっている ことは明らかで、ひさびさにパワフルな 一本になりそうな気配 . . ※ストーリーズ記載の 配信日は不確定です。 . . #BLONDE #アナデアルマス #AnadeArmas #エイドリアンブロディ #AdrienBrody #Netflix #September23or28 #18歳未満鑑賞禁止 #JoyceCarolOates #ジョイスキャロルオーツ #AndrewDominik #アンドリュードミニク #ヴェネチア国際映画祭出品 #底知れぬ愛の闇 #エイドリアンライン監督作 #ベンアフレックと共演 #PrimeVideo配信中 . . https://www.instagram.com/p/CglYx2uPBsv/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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アニメーション映画 『犬王』続報! 公開時期は2022年夏に。
アニメーション映画 『犬王』続報! 公開時期は2022年夏に。
実在の能楽師・犬王と琵琶法師・友魚その友情を描く ミュージカル・アニメーション映画『犬王』。 古川日出男さんの『平家物語 犬王の巻』を原作に、 大洋さんがキャラクター原案を手がけました。
監督は湯浅政明さん、脚本は野木亜紀子さん、 音楽は大友良英さん。 さらに、犬王役は「女王蜂」のボーカル・アヴちゃん、 友魚役は、俳優の森山未來さんに決定しました。 ジャンルを超えたクリエイターたちが集結、 室町時代の最先端エンタメの「能楽」を描きます。
ちょっとだけですが、 映像が公開されていますので、ぜひご覧ください!
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本来は今年に公開予定でしたが、 新しい公開時期が決定。 2022年の夏に上映されるそうです。 たのしみですねー!
また、第78回ヴェネチア国際映画祭の オリゾンティ・コンペティション部門に選出。 2021年9月に予定されている同映画祭での上映が、 ワールドプレミアになります。
さらに、第46回トロント国際映画祭の スペシャル・プレゼンテーション部門にも選出されたとか! ヴェネチア国際映画祭につづき、 9月に北米プレミア上映となります。
公開前から、海外からも注目度が高く、 作品の完成度やすばらしさがうかがえますね。 2022年夏が、待ち遠しい!
最後に、トロント国際映画祭のプログラマーが 『犬王』を選出した理由をご紹介しましょう。 「私がこれまで見てきた映像作品のなかで、 最もパワフルな映画のひとつであると言っても過言ではありません。 非常に多くのオリジナルなアイデアが含まれており、 ただひたすらに美しい作品です!」
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第34回東京国際映画祭でジャパンプレミア上映! 湯浅政明監督が登壇したティーチインレポートを公開!
『犬王』は11月3日(水・祝)、現在開催中の第34回東京国際映画祭でジャパンプレミアとして上映され、上映後のトークイベントに湯浅政明監督が登壇しました。
ステージには、キャラクター原案を担当した松本大洋による描きおろしアートも登場!ストーリー全体を物語るような鮮やかな世界観に、湯浅監督も「可愛くてカッコいい!」と喜色満面。「オーダーとしては、松本さんが描きたいものを、得意なヤツで!とお願いしました。松本さんからは『これでどう?』と来たので、それでお願いします!という感じでした。」と経緯を明かします。
登場人物たちのキャラクター原案については、「僕は松本さんの絵が大好きなので、自由にやってほしいと思った。その中で主人公の犬王と友魚に関しては、若く見せたかったし、姿形の変わる犬王のキャラクター性を映画でどう見せようか、など話し合いを重ねました。」とこだわりについても。古川日出男による小説「平家物語 犬王の巻」が原作となる本作。湯浅監督は「逆境の中で育った犬王と友魚が這い上がろうとしている姿が魅力的だった。室町時代という出自を超えて這い上がっていくことが難しい時代の中で、困難をものともしない犬王の明るさに魅力を感じた。今の時代に犬王のような明るいキャラクターを見せることで、勇気をもらえるのではないかと思った。」と力強い生き様に魅了されたことを語りました。
ヴェネチア国際映画祭のワールドプレミアで上映された際には、二人の主人公が生み出す音楽を“ロックオペラ”と評されたことについて、「音楽の根源は、歌って踊って神様に捧げるような興奮がある。だからみんなにもっと踊ってもらいたいという気持ちがある。」と自身の作品にこれまでも音楽的リズムを刻んできた理由を解説し、「『犬王』でもみんなもっと素直に頭を動かしたり、リズムに乗ったりしてほしい(笑)。」という発言も飛び出し、会場を大いに笑わせる湯浅政明監督。
犬王の声を務めたのは、バンド・女王蜂のアヴちゃん。湯浅監督は「演じてもらいながら、徐々にキャラクターを理解してもらっていった感じです。歌唱指導では先頭に立ってやってくれて、作詞にも参加してくれて、まるでアヴちゃんが犬王になっていくような形で作っていきました。」と明かし、友魚の声を務めた森山未來については「実際に琵琶を習って理解を深めて、琵琶を弾けるようにもなってくれた。自分としても冒険した部分だけど、急にロックな展開になるところに驚いていた。」とアフレコの���子を振り返りました。
今回の東京国際映画祭でのジャパンプレミアに参加した観客の方々に向けて「観てくれた一人一人に感想を聞きたいくらい。公開まであと半年くらいあるので、それまでSNSなどで感想を呟いてもらって、盛り上げていただきたい!」と期待を込めて締めくくり、大きな拍手とともに、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。
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思いをかたちにするスタイリスト、北村道子インタビュー portraits jan 14, 2019 7:10 pm
michiko kitamura
photographer & interviewer: chikashi suzuki writer: tomoko ogawa
portraits/
北村道子さんが手がける衣裳や彼女の言葉に触れると見えてくるのは、北村道子という生きる哲学のかっこよさだ。その哲学が、服になり、仕事になり、彼女そのものを形づくっている。唯一無二の個性を持ちながら、約40年、一切の妥協をすることなく、今目の前にある人物とその人が着る服と対峙してきた。そんな彼女が、前著『衣裳術』から10年ぶりに、俳優34人、写真家6人との10年にわたるコラボレーションを記録した『衣裳術2』をリリースした。2000年代初頭に角田純氏がアートディレクションを手がけていた雑誌『X-Knowledge HOME』にて、北村さんを撮影したことをきっかけに出会い、以降、コラボレーションを続けるフォトグラファーの鈴木親氏を聞き手に迎え、型破りで刺激的な北村道子さんの仕事術について語ってもらった。
portraits
jan 14, 2019 7:10 pm
北村道子さんが手がける衣裳や彼女の言葉に触れると見えてくるのは、北村道子という生きる哲学のかっこよさだ。その哲学が、服になり、仕事になり、彼女そのものを形づくっている。唯一無二の個性を持ちながら、約40年、一切の妥協をすることなく、今目の前にある人物とその人が着る服と対峙してきた。そんな彼女が、前著『衣裳術』から10年ぶりに、俳優34人、写真家6人との10年にわたるコラボレーションを記録した『衣裳術2』をリリースした。2000年代初頭に角田純氏がアートディレクションを手がけていた雑誌『X-Knowledge HOME』にて、北村さんを撮影したことをきっかけに出会い、以降、コラボレーションを続けるフォトグラファーの鈴木親氏を聞き手に迎え、型破りで刺激的な北村道子さんの仕事術について語ってもらった。
Photo by Chikashi Suzuki
鈴木親(以下、鈴木):僕が、北村道子さんという存在を初めて意識したのは、大学のときに観た映画、『幻の光』(95)なんですよね。北村さんの衣裳って、何という印象もなく普通に映画としてスーっと入ってくる。でも、もう1回観るときって、ディテールをよく見るじゃないですか。そうすると、衣裳がすごく綺麗だなと思う。変なリアルさもないんだけど、ファンタジーが入っていて。何%の嘘と何%の真実みたいなものの割合を、映画ごとに全部変えているというか。
北村道子(以下、北村):それは、いつも私が思ってる思いだよね。さすが親くん、大学で先生してるだけあるなぁ!
鈴木:映画の雰囲気に合うようにスタイリングしているから、絶対作品の邪魔はしないんです。『バットマン』(05-12)シリーズの衣裳と同じ方向性ですよね。Christopher Nolan (クリストファー・ノーラン)作品と一緒で、現実だと嘘っぽいけど完全に嘘にはならない。でも、映画の中ではちゃんと映えている。逆に、ガチガチにリアルにスタイリングをしちゃうと、たぶん映画としては全く面白くない。ノーランとかがやって「エポックメイキングだ!」と言われていたようなことを、偉ぶることもなく、普通にスッとやっていたというのが、北村さんなんですよ。
北村:でも、日本では叩かれているんですよ。
鈴木:『幻の光』が?
北村:そう。まず、私の関わった映画はみんな、日本の映画監督にも叩かれているんですよ。『幻の光』に関しては、誰が送ってくれたのかはわからないけど、フランスの『Figaro』をはじめ、ドイツ、イタリアのみんながメディアで取り上げてくれたんです。あまりに取り上げてくれるから評価されるようになってきて、ヴェネチア国際映画祭で賞を取って、逆輸入的に話題になったんです。当時、主役の江角マキコさんは、基本的にモデルだったじゃないですか。モデルが「自分のために何かやりたい」という雰囲気を出してくると、私、拒否感が出てくるの。だって、江角のためにやる映画というのは、おかしいじゃないですか。それまでに、10回くらい断ったんですよ。それで、引き受ける条件として、葛西薫と藤井保を突っ込んだんです。
鈴木:それで、あの本、『ESUMI』(リトルモア )ができた?
北村:そう。その二人を入れるならと、映画を受けたんですよ。衣裳合わせも自分で5トン車借りて、是枝さんと私でやったんですよ。
鈴木:是枝さんの中でも、『幻の光』は良かったです��どね。リアルさがあるんだけど、何となく違う。現実にいないけどいそうな人物という感じがすごくして。だから、正直に言うと、ストーリーというよりは、映像が綺麗だったという印象が残ってる。
北村:どの映画でも、私は孤独で独りぼっちなんです。黒澤明監督もドローイングや着色をやっていたのと同じように、洋服を作っている。それが当然だと思うのよね。自分の中でそういうものが映画だと思うじゃない。映画というものを私はミケランジェロ・アントニオーニから出発していて、女優で一番好きなのは、モニカ・ヴィッティなんです。だから、映画を観ていて、彼女は裸足で道を歩いているという表現から、シナリオがわかるじゃないですか。全部通して観たあとは、たとえば、あそこであの椅子がどうして出てくるのか、そこをもう1回観ることを何度もしていく。そういうふうに、自分で映画の洋服の表現力というものをマスターしていったんですよ。
鈴木:それが正しい見方ですよね。
北村:それから自分で衣裳をやるようになって、「監督が描いたドローイングはないの?」と聞くと、「え?」と返ってくる。しょうがないから、それを私がやっていく。役者には絵コンテがあったほうが、わかりやすいじゃないですか。それを元にみんなやっていくようになってきたの。『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(08)もそうだった。それはもう、孤独になっていくよね。
鈴木:北村さんが人物像をほとんど作っているんだと思ったのは、『メゾン・ド・ヒミコ』(05)の裏話を聞いたとき。採用されなかった設定なんだけど、主演の柴咲コウはゲイのための老人ホームにいて、白いシャツに薄く赤い下着が透けている。それが、「女性の性の部分をグッと抑えているけど、残っているという表現だ」と言われたとき、もう台詞は要らないなと思った。その服だけで人物像が成り立つじゃないですか。ビジュアルで表現することって、ビジュアルだけで一気に全てが入ってくることがあるから、言葉も超えてしまうことってあって。
北村:それ、正解です。小津安二郎監督がやっていた、原節子の二の腕から見えるブラジャーに私は辿り着いたんですよ。あの時代にそういうふうにやっていたなぁって。そうやって脚本を読み込んでで、ドローイングしていくタイプなんですよ。だから、プロデューサー側から「こういう普通の長袖で綿のシャツでこういうのにしてくれ」と言われるようになったときに、「じゃあ、どっち側をあなたたちは取るんですか?」という話になった。私は、そこから衣裳合わせに行かなくなったの。
鈴木:(笑)。
北村:アクセサリーも同じで、全く合わないアクセサリーや時計をみんな持ってくるのよ。美術の小道具さんがダンボール箱で持ってくる。そういう儀式なんですよ。「ここから選んで」と言われるんだけど、私は「え、なぜこれを使わなきゃいけないの?」って。長年ダンボールに入ってて、カビ臭いもん。それで喧嘩になって、「私は降ります」ということになる。思いをかたちにして表現するときに、役者側の意見が強いんだったら、監督は要らないんじゃないのと思っちゃうのよ。
鈴木:それじゃ、映画にならないですもんね。
北村:そう。『幻の光』も、その衣裳に対する思いみたいなものがあるわけ。石川県・能登で育った自分の子どもの時代の冬というのは、やっぱりモノトーンで世界が見えてた。私がアイスランドに行ったときに、能登と同じだなと思った。それを作品の中にフィードバックしたの。私、監督って、もし日本の作品だったら、あらかじめ役者を想定しながらシナリオを書いていると私は思っていたんです。ところが、私が衣裳をやるというとき、役者は誰も決まっていないんですよ。だから、想定してやってなきゃいけない。
鈴木:だいたいの当て書き、みたいな感じで進めますよね。
北村:うん。「例えばどういう人ですか? その人、私が交渉しますよ。あなたたちがしないんだったら」という話になってくるわけですよ。
鈴木:でも、以前は衣裳部の人がやるのが衣裳だったけど、北村さん以降、衣裳という考え方で映画にスタッフとして入る人たちが出てきた。伊賀(大介)くんとか三田(真一)くんとかは、北村さんのメソッドみたいなものがあったから、その後にスッと入れたんだと思う。
Photo by Chikashi Suzuki
北村:はじまりの話をすると、私は若い頃に、ものすごい広告業界に入って、300人を前にして恥をかいたんですよ。それは、メンズウェアが何たるかを知らなかったからです。イギリスの大物の撮影で恥をかいたから、そのギャランティをいただいて、「私、1年間この国に残ります」と言って、サビルロウのリージェントストリートとボンドストリートをくまなく調べたんです。洋服について全くわかってないお姉ちゃんがイギリスに行って、ボンドストリートを歩いていくと、ここでは全部揃うんだということがまずわかったの。
鈴木:シャツ屋も靴屋も帽子屋も時計屋も全部ありますもんね。
北村:そう。とにかく、メンズをマスターすればTPOがわかる。なぜって、メンズの人たちが、女の人たちをエスコートしていくわけじゃない。
鈴木:本当にそうなんですよね。CHANELの服も、基本的にニットは男性の下着だったり、ツイードは男性のスポーツウェアだったり、男性の生活に合わせて女性はどう��るかということを考えて作られていたし。
北村:そうなんですよ。勉強してから日本に帰ると、飛行機でみんなロングホースの靴下を誰も履いていないんです。みんなカジュアルな靴下を履いて、モチャモチャしてて。こんなにひどい国なんだってわかって、そういうことを良しとしている自分がいたんだと。それが日本がアマチュアリズムなんじゃないかと私が言っているところなんですよ。普通は、何も知らないことを恥ずかしいと思わなきゃいけないじゃない。私がそれだったんです。そこからですね。
鈴木:コートもチェスターやステンカラーとチェスターの間みたいなローデンコートってのがあるんだけど、そういうタイプを着ているとあの人は貴族系なんだなとわかる。日本は、そういう習慣が一切ないですもんね。
北村:そうだよね。海軍にしても、デッキシューズを履いてないじゃないですか。そういう意味で、やっぱり、衣服にステートメントがないんですよ。
鈴木:日本人だと、良くも悪くもTPOにとらわれ過ぎて、コスプレ化しちゃう人はいますよね。生活の中で着ることは普通のことなのに、儀式になっちゃってる。それに関して、北村さんの上手さが際立っていたのが、『バベル』(06)のときにカンヌのレッドカーペットで菊地凛子ちゃんに CHANEL を着せたことです。ハリウッドに行って、ハリウッド俳優に囲まれているアジア人は目立たないことが多いけど、どんだけ目立ったかっていう(笑)。でも、悪目立ちだとブーイングものじゃないですか。賛否両論がちゃんとあるように、上手く北村さんはやってるんですよ。それは、どういうふうに着せるべきかをわかっているからですよね。あの後すぐですからね、Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)が凛子ちゃんをピックアップしたの。
北村:身も心も凛子ちゃんに尽くしました。カンヌに行くときに、まず1個だけココ・シャネルのバッグを持って行ったほうがいいと。それから、Karl LagerfeldのFENDIのバッグにドレスを詰めて、2カ月分のサングラスから靴までも全部トランクに入れて渡したんですよ。そうじゃないと、ランチやディナーのときに困るから。それで、カンヌを歩くときはこの中から着なさいって。全部、返してもらってないな(笑)。
鈴木:イブニングと昼間のドレスって全然違うけれど、日本ってそういう生活習慣はないじゃない。そのTPOは守られているのにアバンギャルドっていうのが格好いいんだけど、北村さんはそれを全部やってて。例えば、カンヌで浅野(忠信)さんが着ていたスーツ、どれだけサイズが合ってるのっていうくらい合ってた。でも、それだけじゃなくて、男性は目立ち過ぎちゃいけないんだけど、ちゃんと目につく。絶対に俳優さんに恥をかかせないんだけれど、映画と一緒で、ちょっとした違和感を出す。ネクタイだったりチーフだったりで一部だけ異物感を出してるんですよね。本当に上手い。俺が言うのも何だけど(笑)。たぶん、その人の個性をきちんと見抜いてるからできる。
北村:もう、その通り!
鈴木:それって、本当にわかってる人じゃないと絶対にスタイリングできないから。単純にTPOがわかればいいってことでもなくて、本人が着ている感じにプラスアルファで違和感を出していて。普通に見たらスッとはしてるんだけど、「なんか気になる」みたいな要素を探って、ズラしているというか。でも、他が完璧だから何も言えない。凛子ちゃんも未だにずっと CHANEL のファミリーだけど、アジア人でヨーロッパのいわゆる上流階級にいきなり入れるわけがないから、最初のインパクトがたぶんあったんだと思う。
北村:私、1回彼女を映画で降板させたことがあるんです。まだ菊地百合子でやっていたとき。そしたら、当時所属していた事務所の社長が凛子ちゃんを連れて、その理由を問いただしに来たんです、渋谷の私の事務所に。ちょうどそのときに、別の用事でカメラマンの小林響が偶然いたのよ。響は関係ないんだけど、あえて第三者がいたほうがいいやって思っていてもらったの。第三者によって今まで思ってなかった言葉が出てくることがあるのよ。それで、私は凛子ちゃんに、「今に絶対違う映画がやってくるから、そのオーディションを受けたほうがいい。そのために、名前はRで発音ができたほうがいい。外国では発音しやすいから」と言ったの。ハッタリだけど(笑)。「じゃあ、凛とした凛子にしよう」って。そうしたら、彼女が「私、変えます」って言ったのよ。それで社長が、「お前いい加減すぎる。この人、嘘ばっかり言ってる女なんだから」って。
鈴木:それで、菊地凛子が誕生したと。
北村:そう。彼女、その後、本当に『バベル』(06)が決まったのよ。オーディションに行くとき、「私が女優だったら、裸で行くよ!」って言ったら、「わかった! コートの下は裸にする」って言って、本当にそうしたかどうかはわからないけど、監督が「わかった、君の役を作るから」となったらしいのよね。意味あったよね、ちょっとした嘘も博打も。響がいなかったら、凛子という名前は出てこないのよ。あいつクソみたいな男だけど、よくいてくれたよ。
鈴木:写真家としてはワールドワイドなのに(笑)。
北村:凛子ちゃんって、どんな取材でも応じるよね。飛行機に乗って自分で行くんですよ。本当に少しのスペースしか露出がなくても、「大丈夫、行く!」って行くんだって。あれは見習うべき姿勢だと思うよ、女優たち。
鈴木:それは、北村さんが教育したからですよ。
北村:私はさ、親くんから洋服を学んでるよね。
鈴木:いやいや。
『衣装術2』(リトルモア)
北村:私の中で、渋谷の雑踏とか公園の隅っこで撮るというアイディアは全くないもん! もともと、『衣裳術2』(リトルモア )でまとめた雑誌『T.』の連載企画を持ってきたのは、親くんと門間雄介くんだったし。
鈴木:『T.』でもこの連載だけ、テンションが違いましたよね。でも、今なら特にそうだけど、雑誌を買ってもらうのに特別なコンテンツが絶対ほしいじゃない。昔から日本の雑誌で多いのは、だいたいプロモーション取材のタイミングで同じ顔の表紙がバーっと並んでて、独自のチョイスがない。アートディレクターの大橋 修さんはすごく抵抗して、独自のチョイスを作らないと意味がないって、北村さんという異物をページの中に放り込んだという(笑)。
北村:でも、二人とも先に辞めちゃって。そうしたら、大橋くんが「北村さん、俺は続けたいから、毎回カメラマンを変えていくというのはどう?」っていう話になって。
鈴木:北村さんは、「こういうふうにしよう」と強引には、自分から言わないタイプだからね。
北村:そう、言わないです。大橋くんから、「続けてほしい」と言われたときに、「ほかの記事もファッションにはならないの?」って聞いたの。映画雑誌だから、そこは変えられないということで、「じゃあこれが最終的に書籍になるんだったら、目的がある」ということで続けて、それでリトルモアに頼み込んだのよ。
鈴木:北村さんが撮影しているシリーズも面白かったです。『衣裳術2』の表紙になった写真とか。
北村:そのときは、カメラマンが誰もいなかったんですよ。タカムラダイスケと言われても、その人の写真知らないじゃない。そしたらタカムラくんが、「北村さん俺のこと知らないから、俺がアシスタントやります」って言って。それで、凛子ちゃんの旦那の染谷将太くんを最初に撮ったんですよ。この連載で、私は親くんとのゲリラ撮影を、ものすごく覚えてるんですよ。親くんとやった新井浩文くんの撮影が、私、相当ショックだったのよ。後ろに警察官が写ってるの知ってる? あれ5分後だったら、「君、何してるんだ!」って来るやつでしょう? もう笑っちゃうよね。あれは計算して撮ってるんでしょう?
鈴木:一般の人は基本的に肖像権があるじゃないですか。警官は、公務員だからないんですよ。
北村:すごいよね、実際に来るんだから。
鈴木:そういうのが好きなんですよ。
北村:やっぱりね。だから目立ったところで撮影するんだ。
鈴木:そう。
『衣装術2』(リトルモア)
鈴木:撮影時間をコンパクトにやるということは、考えてはいて。撮影って、下手に長時間やることが多いでしょう? でも、テンションってそんなに持たないじゃないですか。北村さんは瞬発力が半端ないから。持続力よりは瞬発力に北村さんのすごさがあるから、それは狭い範囲でぎゅっと終わるほうが、逆に良く出るというか。新井くんの撮影は、目黒の駅の線路を挟んで前後だけだから、実質半径300mとかの移動で終わったし。
北村:ああいう撮影をするのは、親くんだけですよ。まず皇居で撮るでしょ。渋谷は交差点で撮るじゃない。あとは御苑とかね。「こんなの平気で撮ってるの?」って思って。でも、ついていくと面白いんだよね。隅っこにいて、オロオロしてるのは私だけでさ。安藤政信くんの撮影なんて、ホームレスのいる隣に連れていくのよ。
鈴木:中央公園ですかね(笑)。
北村:あれカシミアのスーツよ?本当に場所を見つけるのが、上手いのよ。「こんなところあるの?」って感じで。
『衣装術2』(リトルモア)
鈴木:でも真面目な話、違和感を北村さんが入れてくれるから、街中でも成立するんですよ。ただ、普通に街で撮ったら、ただのストリート・フォトになっちゃう。北村さんとの撮影だから、普通のロケーションがちょうどいいんです。一瞬普通に見えるけど、よく見ると違和感があるのは、たぶん普通の服じゃないというのが一番大きい理由だから。北村さんと『Purple』を初めてやったときに、凛子ちゃんがモデルだったんだけど、普通のスタイリストなら100%絶対ダメって言うくらいの台風が来て。だって、80万円くらいするコートだし、濡れるに決まってるし。でも、北村さんが言ったことで忘れられないのは、「全部濡れちゃえばわからない」っていう(笑)。
北村:だから、親くんの手口で嵐の中の池松壮亮くんの撮影もやったのよ。
鈴木:俺、すげぇなと思って。ラッキーと。北村さんは、乱暴に扱うけど、最高に丁寧にも扱うというか。普通だったら濡らして買取だけど、ちゃんとカシミアの質をわかっているから。
北村:あれが日本の洋服ならびちゃびちゃですよ。池松くんの撮影のときも台風が来て、じゃあTOM FORDを借りてこようかって。そしたら、大森克己さんはiPhoneで撮ってたらしいの。
鈴木:iPhoneは雨でも大丈夫なんですよ。フィルムのカメラはダメだけど。
北村:親くんは、フィルムで撮ってたじゃない!
鈴木:そう。正直に言うと、カメラは別に壊れても買い換えられるじゃない。でもこの台風は過ぎ去ったらもう撮れないから。
北村:でもね、Balenciaga、濡らした写真を『Purple』で使ってくれたんだよね。決められたルック通りじゃなかったのに。
鈴木:しかもそのときってNicolas Ghesquiere (ニコラ・ジェスキエール)がデザインを始めたばかりだったから、崩すのはダメだった。洋服の着方も全部指定で、「確実にやってくれ」と言われていて。しかも、広告は『Vogue』と『Purple』にしか打っていない時期で。
北村:そういや、『Purple』で押井守もやったじゃない。日本テレビまで行ってさ。
鈴木:押井守さんがまだアニメ好きだけの支持を受けていた頃、今みたいな存在じゃなくて。ちょうど、日本のモデルで誰か面白いのがいないかと話していて、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』(08)を観てたから、北村さんに話したら、北村さんも押井さんが大好きで。『ブレードランナー』(82)の影響を受けてはいるけど、逆にハリウッドにも影響を与えたような人だから、立場上、凛子ちゃんと同じようなものだって。海外の評価が異常に高いから、これは北村さんがやるしかないでしょうと思って。
北村:会話が止まらなかったよね、二人で。『ブレードランナー』の話になって。Ridley Scott(リドリー・スコット)のことをようやく会話できる奴がいたって感じで。
鈴木:映画のプロデューサーからは、一切ファッションの要素はない人だと聞いていて、「着るかどうかはわからないですよ」と言われていて。事前に、スタッフの書かれたシートを渡しておいたら、たぶん北村さんの名前を見て押井さんはすぐわかったんだと思う。ボサボサの髪を期待してたら、髪の毛をきれいに切って待っててくれて(笑)。北村さんの用意したライダースを「これどこの?」とか言って、着る気満々で嬉しそうにしてましたよね。
北村:その後、同じのを買いに行ったんだよね。懐かしい。
鈴木:Maison MargielaのニットにMarc Jacobsのジャケットを着せたんだけど、本人が着てる感じを残すために、今だったらおしゃれなダッドスニーカーだけど、そのときは全然だった本人のスニーカーを履かせてた。
北村:私物みたいだったよね。
鈴木:北村さんって、本当にその場に生きている人だから。例えば、通常の撮影だと、俳優さんや女優さんが初めて仕事する人だったりすると、服をいっぱい持ってくるんです。逆に、僕が「これを外して」と言っても、外させなかったりする。それだけあったら、被写体本人が選びたいとなっちゃうじゃない。親切にしたら、その後の仕事に繋がる可能性があるじゃないですか。たぶん、そこまで考えてやっている。
北村:頭いいね。
鈴木:このシューティングというよりは、次の指名とかコマーシャルとかも考えてる。ビジネスとしてやってたらそれは正論なんだけど、カメラマンからすると、目の前の撮影が上手くいけばいいだけで、もしその後に被写体に嫌われようがかまわないと僕は考えてるタイプ。北村さんは俺よりもっとハードコアで、撮影で4コーディネートを使うと言ったら、4半くらいしか持ってこない。サイズが合わなかったときとか、場所によってちょっと変えるとかくらいですよね。
北村:だって重いし。
鈴木:それは、目の前のシューティングが上手くいくことをすごく考えてるから。カメラマンからすると本当に、正直に言うと超やりやすいんです。俳優さんに服について説明するのも、カメラマンがするよりも、北村さんがこれはこうだからいいって言ってくれたら、それで通っちゃう。
北村:上げるもんね。親くんはヘアメイクのAMANOくんをいびっているだけでさ。ロケバスの中、人の悪口ばっかりだからね、私たち。
鈴木:(笑)。人って、その場に生きることっていうのが、大人になればなるほどできない。子どもは単純に言うと、その一瞬を生きてるじゃない。だから、若い頃ってすごく瑞々しさもあって、大人になればなるほどその瑞々しさに憧れる。北村さんは、みんなよりも先輩なのに誰よりもその場に生きてて、その一瞬が良ければいいという考えですよね。
北村:そう思わない?
鈴木:本来、人生ってそういうものというか、その一瞬が積み重なっていくと良くなるし、すごく先のことを心配しても本当はしょうがないんだけど、それができる人っていうのは、立場ができればできるほど少なくなってくる。でも北村さんは、映画でも全部それをやってるから。
北村:ライブなんです。
鈴木:そう、その場を生きてる。好奇心と共に。
北村:好奇心がなくなったら、やることないんじゃないの? と思ってる。
鈴木:哲学もそうだし、最近の量子力学や物理学もそうなんだけど、結局人の思いみたいなものが全部の形を変えるとなってる。人の意思が介在したときに、実際の物が動くというのが最新の物理学の考えらしいの。北村さんって、たぶん、そういう意思が明確だから。
北村:私はけっこう若いときから三木成夫を読んでるじゃない。だから、生命って、水と油という相反するものが、実は心と体、脳と体として、そこにあるってことを最初から読んでるから、何というか、波動がどうやっても上手くいかないなというときは、「水と油だからしょうがないんじゃない?」という感じだし、素数を大事にしてるから。3とか5を。4になったら、どっかで乱したくなってくるんだよね。
鈴木:哲学と物理学が、今はほぼ一緒みたいになっている。北村さんの時代は哲学を学んで、その哲学が服になってる。実際、北村さんの思いみたいなものが衣裳に入るということ��物理学が証明している。その場に強い意思がちゃんと介在している、観察者という人だからね、やっぱり。
北村:本当に先生だねぇ、親くん。
鈴木:「気持ちは伝わらない」ってよく言うけど、物理学上、今の量子学では本当に伝わっているとされていて、北村さんの撮影を見ていると、たとえ他の人と同じものを持ってきたとしても、何かが違く見える。その何かっていうのは、もしかしたら強い思いなのかもというのはすごくある。
北村:親くんと『GQ』の15年周年でTOM FORDのルックを撮影して、TOM FORDから絶賛のメールが来たんですよ。
鈴木:ヒップホップの男の子で、IOくんって子なんだけど、まぁ、きっとTOM FORDは着ないでしょ。それをポコっと着せて。普通の人が来たら、演歌歌手みたいになるのを。
北村:北島三郎だよね。TOM FORD側としては、ものすごくいいカシミアの服を用意していたんですよ。でも、私は行ったときに、「これしかないの?」って言って、ヘビメタみたいなのを使っちゃったのよ。
鈴木:やっぱり、着丈とか、スラックスの裾をブーツに入れるとか、そのバランスみたいなのが絶妙に上手い。もちろんサビルロウとかの着方がわかってるからなんだけど。本人が履いてきたブーツにそのまま入れちゃって、バッと出てきたみたいな格好良さがあって。
北村:またさ、ウィンドウにベースが並んでる、みたいな楽器屋にロケに行くんだもんね。あれは、トムちゃんが「Nice!」って言ったのわかる。
鈴木:さっき話した、同じ服でも北村さんが持ってくると違く見えるというその差って、もちろん北村さんって細かく見てるところもあるんだけど、コンセプトを全部を通して綺麗に見た後に、現場はライブにする。そこがすごく上手くて。たぶん、撮影の前までは全部緻密に考えてる。その準備がハード。写真や映像って、その場の偶然性みたいなものが入らなければ、広告になっていっちゃう。その偶然性が入ることで、エディトリアルとして一番美味しいところが撮れる。コマーシャルだったら絶対決めていくけど、北村さんはそこでも無茶苦茶するっていうのはよく聞いてるから(笑)。撮ってる側からすると、そこの要素っていうのが一番強いところ。ハプニングだけを入れるのはできるし、緻密にやれと言われたらできる人はいるけど、その両方は矛盾するじゃないですか。さっきの水と油じゃないけど、矛盾するものを両方入れられる。しかも自然に。そこが、北村さんにしかできないところですよね。
北村:ありがとうございます。
鈴木:例えばファッションって、1年か2年過ぎるとすごく古く見えちゃうところがある。30年とか過ぎるとまた新しく見えるけど、10年だとしょぼく見えやすい。でも北村さんのスタイリングって、わかりやすい表現をすると、���度があるんだよね。本人に合ってるとか、写真に合ってるとか、映画に合ってるスタイリングだから、もちろん時代性はちゃんと入ってるんだけど、いつの時代に見てもよく見えるというか。だから、10年前のものを今見ても、一切古く見えない。それがすごいなあと。
北村:それ、けっこう褒めてるよね?
鈴木:褒めてますよ。例えば、Joe McKenna(ジョー・マッケナ)というスタイリストも、北村さんと同じようなメソッドでやっている。海外でもそういう人って少ない。彼は、分厚いハードカバーの本とか出すような人だから。北村さんはヨーロッパで生まれていたら、ハードカバーの本をもう5冊くらい出してると思う。
北村:一応、2冊は出してるんだけどね(笑)。
Photo by Chikashi Suzuki
<プロフィール> 北村道子(きたむら・みちこ) 1949年、石川県生まれ。サハラ砂漠やアメリカ大陸、フランスなどを放浪ののち、30歳頃から、映画、 広告、雑誌等さまざまな媒体で衣裳を務める。映画衣裳のデビューは85年、『それから』(森田芳光監督)。07年に『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(三池崇史監督)で第62回毎日映画コンクール技術賞を受賞した。著書に『Tribe』(朝日出版社)、『COCUE』(コキュ)、『衣裳術 2』『衣裳術《新装版》』(リトルモア)がある。2019年1月21日(月) 、東京・文化学園にて、「北村道子さんトークショウ」(17:30入場/18:00開始)を開催予定。1月10日(木)より出版社・リトルモアHPで観覧予約開始。
<書籍情報> タイトル 衣裳術2 著者 北村道子 装幀 大橋修 価格 ¥2,000 判型 A5判 /192ページ 発行日 2018年12月 出版社 リトルモア HP: www.littlemore.co.jp
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michiko kitamura
思いをかたちにするスタイリスト、北村道子インタビュー
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家族円満の秘訣は、“合わせ味噌汁”にあり?!映画『最初の晩餐』特別映像、解禁!
染谷将太主演、 戸田恵梨香 、窪塚洋介、⻫藤由貴、永瀬正敏など、日本映画界の豪華実力派俳優らが家族になる映画『最初の晩餐』(配給:KADOKAWA)が、2019年11月1日(金)より、全国公開!本作は、父の遺言であった“目玉焼き”から始まる唯一無二の“通夜ぶるまい”を通じて<家族になる瞬間>を過去と現在を織り交ぜながら、丁寧に描いて行く。
主人公・麟太郎役にはヴェネチア国際映画祭で日本人初となるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した『ヒミズ』を始め、幅広い作品で多彩な顔を見せる実力派・染谷将太。その姉・美也子役に2019年後期NHK連続テレビ小説「スカーレット」でヒロインを務める 戸田恵梨香 。兄シュン役にはマーティン・スコセッシ監督の『Silence-沈黙-』の窪塚洋介。さらに母・アキコ役に⻫藤由貴、父・東日登志役に永瀬正敏と、圧倒的な存在感を見せる。また、戸田恵梨香演じる美也子の少女時代を新海誠監督の最新アニメ『天気の子』(公開中)のヒロインに抜擢された森七菜が、白石晃士監督『地獄少女』(11月15日公開)でメインキャストの一目連役をオーディションで射止めた楽駆が窪塚洋介演じるシュンの⻘年時代を演じるなど、若手俳優陣の瑞々しい演技も注目ポイント!監督は「サザンオールスターズ」のドキュメンタリー映画をはじめ、CMやミュージックビデオ、短編映画など、国際的に高い評価を受けている常盤司郎監督。構想7年、渾身のオリジナル脚本の本作が満を持しての⻑編映画デビュー作となる。
『最初の晩餐』のもう一つの主役!現代と過去の記憶を繋ぐ<思い出の味>シリーズ第1弾!『最初の晩餐』<合わせ味噌>エピソード特別映像、解禁!
<特別映像はこちら>
お通夜の後に食事をしながら故人の思い出を偲ぶ“通夜ぶるまい”。地域によっても様々なカタチがあり『最初の晩餐』では、父・東日登志(永瀬正敏)の遺言で家族の思い出が詰まった様々な<料理>が登場し、一家の過去と現代の記憶を繋ぐ。今回解禁された映像は、主人公・麟太郎(染谷将太)が通夜ぶるまいで出された味噌汁を吸いながら思い出した<味噌汁>のエピソード。
朝食の準備が整えて「いただきます!」と食卓を囲んだみんながご飯を食べ始めたところ、母・アキコ(⻫藤由貴)が作った赤味噌の味噌汁に「なにこれ、濁っとる。いつも白かったし、ママの味噌汁がよかった」と、本音を漏らす美也子(森七菜)。それに対し、兄・シュン(楽駆)は「じゃ、食べなきゃいいじゃん」と声をあげ、ムカッとなった美也子はその場を去る。そして、翌日、朝食に出された白味噌の味噌汁に手をつけないシュン。ふたりのボイコットが何度か続いていたある朝、出された味噌汁は、白でも赤でもない<合わせ味噌の味噌汁>。「今日からはこれしか作らないと決めたから、食べるのも食べないのも、あなたたちの自由よ」と宣言するアキコ。ふたつの家族が暮らし始めて、初めての揉め事があった思い出で<合わせ味噌汁>がもたらした“家族になる瞬間”が収められている。
そして、実は、麟太郎が覚えているこのエピソードに対し、大人になった美也子(戸田恵梨香)は「実は...」と声をあげ、味噌汁をすすりながら<合わせ味噌汁>エピソードの真相が明らかに...!また、合わせて、解禁された場面写真では、<味噌汁>エピソードによって笑顔になっている5人家族の姿ががうかがえる。
『死ぬまでにしたい10のこと』『エンディングノート』『おみおくりの作法』など終活、生き方への注目が集まる中、唯一無二の味で家族をおみおくりする、新たな物語が誕生!日本映画界珠玉の実力派が織りなす、静かながら胸を震わせる家族の物語。この秋最も注目の1作『最初の晩餐』は、11月1日に全国ロードショー。
《STORY》 忘れられない味で僕らはもう一度、家族になった。 カメラマン東麟太郎(染谷将太)は父・日登志(永瀬正敏)の葬儀のために故郷へ帰ってきた。姉の美也子(戸田恵梨香)と準備をする中、母・アキコ(⻫藤由貴)が、通夜ぶるまいは自分で作ると言い出した。やがて運ばれてきたのは、目玉焼き。親戚たちがざわつく中、麟太郎は気がつく。「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」なつかしい手料理を食べるたび、思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえってくる。20年前に父と母が再婚した日、連れ子の兄シュン(窪塚洋介)と5人で暮らした日々のこと......。止まっていた家族の時が今、ゆっくりと動き出す。
──────────────────────────
【作品情報】 『最初の晩餐』 ■監督・脚本・編集:常盤司郎 ■企画・プロデューサー:杉山麻衣 ■プロデューサー:森谷雄/鈴木剛 ■共同企画:中川美音子 ■出演:染谷将太/戸田恵梨香/窪塚洋介/⻫藤由貴/永瀬正敏/森七菜/楽駆/牧純矢/外川燎/池田成志/菅原大吉/カトウシンスケ/玄理/山本浩司/小野塚勇人/奥野瑛太/諏訪太朗 ■音楽:山下宏明 ■音楽プロデューサー:鮫島充 ■撮影:山本英夫 ■フードコーディネーター:赤堀博美 ■制作担当:金子堅太郎 ■配給:KADOKAWA
©2019『最初の晩餐』製作委員会
情報提供:フラッグ
11月1日(金)新宿ピカデリーほか、全国ロードショー!
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#東京国際映画祭 に関するニュース 全26件
「第35回東京国際映画祭」、ベトナム映画1本上映 10月24日から開催[エンタメ] - VIETJOベトナムニュース
9/23(金・祝)昼12時~『ラーゲリより愛を込めて』『生きる LIVING』『そして僕は途方に暮れる』『イニシェリン島の精霊』『仮面ライダーBLACK SUN』先行抽選販売受付開始します! - Tokyo International Film Festival
第35回東京国際映画祭の全ラインナップが明らかに、アンバサダーは2年連続で橋本愛(映画ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
千代田区・第35回東京国際映画祭共催企画「千代田シネマセレクション」 - chiyoda.lg.jp
<仮面ライダーBLACK SUN>東京国際映画祭でエピソード1&2をワールドプレミア上映 (MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
ガラ・セレクション部門全作品&フェスティバルソング決定!第35回東京国際映画祭 - otocoto.jp
東京国際映画祭OPは二宮和也主演『ラーゲリより愛を込めて』 | cinemacafe.net - シネマカフェ
<ウルトラセブン>東京国際映画祭で4K上映 「対話」「特撮」「ヒーロー」の3テーマ(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
鈴木亮平×宮沢氷魚『エゴイスト』第35回東京国際映画祭コンペ出品 - ORICON NEWS
第35回東京国際映画祭コンペ部門審査委員長はジュリー・テイモア 主要企画も発表 - リアルサウンド
東京国際映画祭のラインナップ発表 - 豊田経済新聞
「第35回東京国際映画祭」予告編完成 ガラ・セレクション部門で廣木隆一監督作品3本上映:北海道新聞 どうしん電子版 - 北海道新聞
今泉監督作品などがコンペに 第35回東京国際映画祭:北海道新聞 どうしん電子版 - 北海道新聞
森山未來出演『i ai』特報解禁 東京国際映画祭に正式出品決定、主演は富田健太郎に(クランクイン!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
シム・ウンギョン「第35回東京国際映画祭」コンペティション部門の審査員に抜擢! - Kstyle
A24とタッグを組んだ、HBOシリーズ『イルマ・ヴェップ』東京国際映画祭で上映|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報電子版
ヴェネチア国際映画祭で2冠!サーチライト最新作『イニシェリン島の精霊』は1月公開、東京国際映画祭での上映も(MOVIE WALKER PRESS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
『夏へのトンネル、さよならの出口』東京国際映画祭出品!本編映像解禁(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
劇場アニメ『夏へのトンネル、さよならの出口』海外映画祭に出品(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
稲垣吾郎主演『窓辺にて』第35回東京国際映画祭コンペ出品 - 47NEWS
トロント国際映画祭でサーチライトの新作4本がお披露目!賞レースへの期待がかかる豪華作がずらり(MOVIE WALKER PRESS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
宍戸錠さん主演映画「殺しの烙印」がベネチア映画祭でアジア映画初の最優秀復元映画賞受賞(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
香川照之主演、映画『宮松と山下』サン・セバスティアン国際映画祭で初上映(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
ヴェネチア映画祭2冠『イニシェリン島の精霊』 東京国際映画祭での上映&公開日が決定 - リアルサウンド
橋本愛、2年連続アンバサダーに就任! 第35回東京国際映画祭ラインナップ会見 - |ランランエンタメ!
高山みなみがナレーションを担当する映画祭予告映像が解禁!「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2022」(otocoto) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
東京国際映画祭:受賞作ドットジェイピー
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第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」報告会 藤川哲
第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」報告会
山口大学教授 藤川哲
2019年12月7日(土)、山口情報芸術センターのスタジオCで、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館展示の企画者である服部浩之と、出品作家の1人である下道基行を招いて、報告会を行った。来場者は約80名で、スタジオCの定員100名の8割を埋める盛況だった。
ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展は、2年に1度開催される現代アートの祭典だ。1895年から続いており、2019年に第58回展を迎えた。途中、戦争等で休止しているが、120年以上続いている一大イベントである。第58回展には90か国が参加し、5月11日から11月24日までの約7か月間の長期にわたって開催された。
このヴェネチア・ビエンナーレは、100周年を迎えた1995年頃から全体構成の見直しが進み、現在では、総合監督が出品作家を選ぶ国際企画展部門、各国のキュレーターが展示を行う国別参加部門、そして個展やグループ展など、さまざまな展覧会が認定を受けて参加する並行展部門の3部門で構成されている。このうち、国別参加部門が最も歴史が古く、主会場の「ジャルディーニ」と呼ばれる、干潟の上に浮かぶヴェネチア島内では珍しく緑に覆われた公園に、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、ロシアなど、約30の国別パビリオンが建ち並ぶ。会場の雰囲気は、同じく19世紀に始まった万国博覧会と似たところがある。
約30の国別パビリオンのうち、アジアでは、日本と韓国だけがパビリオンを持っている。日本館は、ル・コルビュ���エに師事した吉阪隆正の設計、ブリヂストンタイヤの社長であった石橋正二郎の出資で1956年に開館した。
「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」は、服部が企画し、現代アーティストの下道のほか、作曲家の安野太郎、人類学者の石倉敏明、建築家の能作文徳の4人の「表現者」の協働によるグループ展である。下道が2014年から制作している「津波石」の映像や資料に、安野太郎の作曲によるリコーダーの自動演奏を組み合わせ、石倉敏明は「津波石」が数多くみられる沖縄や台湾等の伝承から新たな「神話」を創作した。それらの映像、音楽、テキストを同時に体験する展示を、能作文徳が、吉阪隆正設計による空間を活かしながらまとめ上げるといった仕立てで、ヘテロトピア(混在郷)を想像するためのプラットフォームの実現を目指した、と服部から紹介があった。
この「ヘテロトピア」は、東日本大震災以降、服部が考え続けているテーマを端的に表すキーワードのようだ。社会や政治的な問題を扱う現代アートの多くが「ディストピア(反ユートピア)」の表現になってしまっている。その一方で、近年、日本の芸術祭の多くで見られる地域の誇りの表現は「閉じたユートピア」と見ることもできる。服部は、「ディストピアでもなく、閉じたユートピアでもなく、現状を認めながら、今を乗り越えていく可能性としてのヘテロトピア」と説明する。また、共同体ではなく「共異体」という、日中韓の歴史を考えるために生み出された造語も紹介した。こうした服部の考えは、報告会を主催したLife&eat clubの代表津田多江子が、Life&eat clubを立ち上げた思いとも通じ合っていたようだ。服部はまた、日本館撤収のために滞在したヴェネチアがアクア・アルタ(高潮)に見舞われていたことに触れ、自然災害と共に生きること、すなわち、「共異体」の構成要素が、異なる職能を持つ人々の協働を意味するだけでなく、人と自然、人と無生物との共存までをも視野に入れたものであり、そうしたものとして、これからの混在郷のあり方、私たちの生き方を想像することを訴えた。「津波石」の圧倒的な存在感は、東日本大震災の津波によって気仙沼の市街地に打ち上げられた第18共徳丸の姿と響き合うものがあった、という下道の説明も、この「自然災害と生きる」というテーマの核心を突くものだった。
新型コロナウイルスが発見され、日本でも感染が心配されるようになったのは、この報告会の後の話である。「with コロナ」を生きる私たちは、その後図らずも、日々、この混在郷の可能性を模索することになったと言える。
2022.02.28
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🌙第4夜『緑の光線』レポート🌙
🌙第4夜『緑の光線』レポート🌙 16:50-18:30『緑の光線』上映(98分) 18:40-19:40 レクチャー ゲスト:深田晃司(映画監督)
今夜の講師は映画監督の深田晃司さん。『ほとりの朔子』では、ロメールの『海辺のポーリーヌ』に影響を受けて、タイトルを決めたほど、ロメールの映画が好きな深田監督にレクチャーしていただきました。
●アートハウスとミニシアター 深田:ロメールの話の前に、まずこの企画についてお話しますね。「現代アートハウス入門」というのは本当にいい名前だなと思いました。今回のコロナ禍で私も濱口竜介監督らと 「ミニシアター・エイド基金」を立ち上げましたが、なぜ「ミニシアター」ではなく、あえて今「アートハウス」という言葉を打ち出すことが重要なのか? 「ミニシアター」という愛称自体は自分も慣れ親しんでいますし、可愛らしくていいなと思うのですが、一方で、それではシネコンとの違いがサイズの違いであるかのような誤解を招いてしまいます。でも、重要なのはサイズではなく役割の違いですよね。フランスのシネコンではアート系の映画もかけますが、日本ではそうも行かないので、とりわけアートハウスの存在が重要なんです。だから今回、アートハウスという言葉をイメージとして打ち出すというのは、すごく意義のあることだなと感じています。
●ロメール映画との出逢い、その魅力 深田:高校のときにテレビで観たのが初めてでした。今にして思えばアートハウスの文化があったからこそ、ロメールの作品も輸入されて、テレビで観ることができたんだなと思いますね。ちなみに「現代アートハウス入門」のチラシのコメントに書いた「中学3年生のときにテレビで見た一本のヨーロッパ映画」というのは、第1夜で上映された『ミツバチのささやき』でした(笑)。けれど結果として、『緑の光線』に決まってよかったと思います。ロメールの作品は、新作を撮る前に必ず見返します。「ロメールで一番好きな映画は?」という質問には必ず『緑の光線』と答えます。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、1986年の公開当時から高く評価された代表作ですが、テキスト(シナリオ)に忠実でしっかり台詞を話させるロメールのなかでは、ここまで即興的な芝居や会話があるのは、実はかなり特殊というか例外的な作品です。ただし、ロメールらしい物語、言葉、映像に対する考え方などは、かなり顕れています。ロメールの言葉というのはとても軽やかだと思います。軽やかというのは軽妙だとか、掛け合いが面白いという意味ではなく、そこに担わされている意味が本当に軽いんです。ロメール自身が「美の味わい」という著作で書いていることなんですが、台詞というのは2種類ある、と。それは物語のために「必要なセリフ」と、物語を進めるためには機能しないけどリアリティのある「本当らしい」セリフだと。その両方をまぶして配置され、『緑の光線』は特に「本当らしい」セリフや仕草が圧倒的に多いにも関わらず優れた構成力によって映画が成立しています。
●自身の作品へのロメールの影響 映画美学校に通っているころに初めて「青年団」の芝居を観て、平田オリザの演劇の凄みを感じました。それは、誰も本音なんて言いはしない、ただ目の前の他者と他者とのコミュニケーションの隙間に何か本音らしきものが想像できるように作られていて、これはすごい。けれど考えてみたら自分が好きだった成瀨巳喜男監督やエリック・ロメール監督は、それをもう映画でやってるんだよなって。で、それを日本の今の話し言葉で最も洗練されたかたちで当時やっていたのが青年団だったので、じゃあ彼らの「現代口語演劇」とロメールを足して二で割ったら何か新しいものができるんじゃないかと。そういった意味では、ものすごく影響を受けているなと思います。
●ロメールの現代性 『緑の光線』は最後にカタルシスのようなものがありますが、ある種の偶然によって主人公が救われるというのがとても現代的だなと思います。たまたま「緑の光線」の話を聴いて、たまたま入った店の名前が「緑の光線」で、最後には偶然「緑の光線」を見ることができるという。ちょっとした偶然で主人公が救われるというパターンがロメールの作品には多いんです。『春のソナタ』とか『冬物語』もそうですね。これが高校生、大学生だった頃の自分は、本当にリアルだなって思ったし、これが自分が求めていたものなんだなと思いました。つまり、苦しみが理不尽に訪れるというのが世界の理なのであれば、救済もまた理不尽に訪れるのが自然なんじゃないかと。そのことをロメールの映画を観ているとものすごく実感できるんです。
●映画館ならではの『緑の光線』 深田:緑の光線というのは実際に起こる自然現象で、それを撮るためにロメールはキャメラマンをあちこちに派遣して、何回か失敗して、ようやく撮れたのがこれなんですね。でも、これが当時VHSにしたらテレビモニターで再現できなかったんです。だから、DVD版では映像を加工して着色していて、絵の具で塗ったみたいになっています。でも映画館だと、ほんのちょっとだけ緑になるリアルな光を見ることができます。だから、『緑の光線』は「現代アートハウス入門」にベストな一本何なんです。 : : 登壇者のみなさん、ご参加のみなさん、ありがとうございました! 明日もアートハウスでお待ちしています。
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黒沢清監督が『空に住む』を大絶賛! 「本当に傑作。これはまるで『ローズマリーの赤ちゃん』だ」 11/9(月)新宿ピカデリー トークイベントレポート!
青山監督の古くからの盟友であり、第77回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した黒沢清監督の『スパイの妻』が本作の1週前に公開となっており、映画ファンにとっては見逃せない作品が立て続けに公開される<映画の秋>となっています。そんな2人の作品が同時期に同じ劇場で公開されるのは初とのことで、この度トークイベントが開催されました。
2人の名監督の姿を見たいと本日新宿ピカデリーに集まった熱狂的なファンからの声援を受け登場したのは、『空に住む』の青山真治監督と『スパイの妻』の黒沢清監督。互いに照れた様子で観客からの熱視線に応えるとまずは黒沢監督からご挨拶。「今日はこんなにたくさんの方にご来場いただきまして、とてもうれしいです。僕もみなさんと同様に先ほど映画を観たばかりなので、思いついたままの感想を述べるかもしれません」と会場の笑いを誘い、青山監督は「『スパイの妻』が大ヒット上映中の黒沢監督と一緒にトークイベントができて非常に光栄です」と恐縮しつつ挨拶した。
まず本作を観た感想を聞かれた黒沢監督は宣伝になるかどうかわかりませんけどと前置きしつつ「本当に傑作だと思いましたよ。直実の鬼気迫る表情がとても怖かった。『ローズマリーの赤ちゃん』を思い出しました。直実はラストシーンだけ表情が明るくなるのですが、それまでは終始暗く髪の毛もバサッと顔にかかっていて表情が見えない。また高層マンションでステキな生活をしているように見えますが、実際よく見ると位牌が飾ってあったり、いつ登場するかわからない不気味な叔父さん夫婦がいたりと。常に死と隣り合わせの狂気を感じました。特に猫が怖いですよね。普通猫って可愛く撮ると思うのですが、この猫がいつ登場するか見当がつかない」と独自の目線で本作を評論。黒沢監督ならではの鋭い独特な感想に思わず青山監督は「そんな見方をするのは黒沢さんだけですよ」と照れながらもすかさずツッコみ。続けて「僕もタワマンでの人間関係は『ローズマリーの赤ちゃん』を思い出しましたけども」と共感を見せた。
また結婚式の帰り道、直実が家族と歩く作家の吉田を遠くから見つめるシーンについて黒沢監督から「あの吉田の後ろを歩くのは愛子の生霊?愛子にしては小さい気がするし、直実が見た幻影なのかと思った」と質問。すると青山監督は「あれは吉田の子供です。だから幻影とかではないです(笑)」ときっぱり。「ただ直実がなぜ彼女(吉田の子供)のことをしばらく見つめていたのかという疑問はありますけど」と返答に含みを持たせた。 話は変わって『スパイの妻』に出演していた高橋一生さんと蒼井優の声を黒沢監督が絶賛していたという話になり、【役者の声】について議論する2人。黒沢監督は「演じる上で声って重要だと思います。俳優さんのもって生まれたものだから、独特の声の方はあの人が話しているってわかることは映画を作るうえで非常に重要です。多部さんの声もまろやかでいい声ですよね。あと髙橋洋さんもいい声ですよね」と話すと、青山監督は「高橋一生さんも蒼井優さんも目を瞑って聞いても、お2人だと分かる声の持ち主。柏木役の髙橋洋はいまなんて言った?と聞き返したくなる独特の声なのですけどね(笑)でも印象に残りますよね」とそれぞれの役者の声を褒めた。
さらに話は直実の苗字“小早川”について。地方によって読み方が違うというこの苗字は、岩下尚史演じる出版社社長の野村は岩下が関西出身ということもあり関西圏の呼び方“こはやがわ”さんと直実を呼び、髙橋洋演じる編集長の柏木は“こばやかわ”さんと直実を呼ぶと紹介。これは青山監督が助監督時代に、小津安二郎の『小早川家の秋』という映画のタイトルは“こばやかわ”と読むのに対し、劇中では関西圏の読み方で“こはやがわ”と呼ばれているねじれ現象が起こっている映画があると黒沢監督に教えられたことが印象に残っていたからだと明かした。
最後に黒沢監督は「青山のことは昔から知っているので雑談ぽくなってしまいましたが、この映画は物語だけみるとホンワカした映画に見えると思いますが、かなりショッキングな相当きわどいゾクゾクする映画だと思います。是非この映画のすごさを周りの人に勧めてください」と独特なコメントを残し、青山監督は負けじと「『スパイの妻』大ヒット公開中と紹介しましたが、黒沢さんの映画で3週連続でベストテン入りしこんなにも長くランキングにいたことのある映画は、今回の『スパイの妻』が初めてだと思います。これは弟子としてはかなり嬉しいことです、このままさらに大ヒットするといいなと思います」と最終的には互いの作品をお勧めしあい、和やかなムードの中イベントは終了した。
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エーガね!NEWS「movie@theater 映画の力を信じて!」 ▶︎蒼井優の主演最新作であり、黒沢清監督がメガホンをとった映画『スパイの妻』が、9月2日(現地時間)よりイタリアで開催される第77回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決定!蒼井優、高橋一生、黒沢清監督からコメントが到着! https://ameblo.jp/mottomovie/entry-12614050152.html #movieattheater #映画の力 #映画館に行こう #スパイの妻 #蒼井優 #高橋一生 https://www.instagram.com/p/CDL6SQXDu5o/?igshid=bsx1stqklqzn
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JSSA第42回研究会
日時: 2020年8月1日(土) 13:00-17:00
第42回研究会はオンラインでの開催となりました.
総会も含め,プログラムおよびスケジュールは変わらず,同じタイムテーブルでオンラインで発表を行います.
後ほど,会員メーリングリストにzoom会議室のURLを送付させていただきます.
会員以外の方の聴講は事前申し込みが必要です.以下の聴講申し込みフォームからお申し込みください.
JSSA第42回研究会 聴講申込 (非会員用) Application Form for the 42nd Regular Meeting of JSSA (for non-members)
2020.8.1(土) 先端芸術音楽創作学会(JSSA)第42回研究会 聴講申込フォーム(非会員用)です。 Zoomによるオンライン開催となります。 研究会前日に、お申込いただいたメールアドレスへ ZoomミーティングIDとパスワードをお送りいたします。
This is an application form for the 42nd Regular meeting of Japanese Society for Sonic Arts (JSSA), which will take place on August 1, 2020. It will be held online via Zoom. We will send you a Zoom ID and password at your e-mail address the day before the meeting.
プログラム
10:30~11:30 年次総会 (JSSA会員)
会計説明,会員の状況,昨年度研究会の報告,今後の研究会の予定,運営委員の人事について
13:00~14:40 第1セッション (1件質疑込み25分)
[研究報告] Composition for Cosmo-Eggs –Singing bird generator – について 作品解説と展示形式における音楽のあり方 安野太郎(東京藝大)
[Research Report] Development of a Multiple Synthesizer System for Electronic Music 辻一郎
[創作ノート] 黄金比調弦による弦楽四重奏曲の作曲技法 横山真男(明星大学)
[研究報告] Leapmotionによるリアルタイム音場操作を伴う視聴覚パフォーマンス 押山晶子(名古屋市大)
15:10~16:50 第2セッション (1件質疑込み25分)
[研究報告] 脳波のリアルタイムデータを活用した楽曲生成 井上英章(名古屋市大)
[報告] ネットワークコンサート《réseau experimental》における上演システムと実施報告 鈴木悦久(名古屋学芸大),水野みか子(名古屋市大)
[報告] TAMA Music Festival 2020 開催報告 佐藤亜矢子(東京藝術大学,玉川大学),キャシー・コックス(国立音楽大学,玉川大学,桐朋学園大学),平山晴花(国立音楽大学,玉川大学),ジョナサン・リー(玉川大学),横山真男(明星大学)
[研究報告] イマーシブ環境における皮膚感覚と空間イメージ ーAudiovisual作品『残像花』の空間展開例を元に 宮木朝子(東大)
[研究報告] Composition for Cosmo-Eggs –Singing bird generator – について 作品解説と展示形式における音楽のあり方
安野太郎(東京藝大)
研究報告
概要:筆者は2019年5月から11月にかけて第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館の代表作家に選出され、作品「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」(以下Cosmo-Eggs)の制作に取り組んだ。この作品はバックグラウンドの異なる5人の作家が自らの職能を活かして、コレクティブとして取り組んだ作品である。本報告書ではコレクティブとしての制作経緯、そしてこの作品の音楽部分である「Composition for Cosmo-Eggs –Singing bird generator – 」についての解説、さらに、美術展における展示形式という、音楽とは発表形式が異なる場での取り組みについて、時間と空間を軸に作曲家の立場から考察する。
[研究報告] Development of a Multiple Synthesizer System for Electronic Music
辻一郎
研究報告
概要:本論文は、ウィーンブリッジ発振器、乗算器及び、バイカッド回路を用いて、正弦波とPulse Width Modulation (PWM) 信号の音響合成を行い、豊かな音響効果が得られることを述べる。本システムで3つのウィーンブリッジ発振器を用いた。従来のウィーンブリッジ発振器の出力信号は正弦波であるが、1番目のウィーンブリッジ発振器は、ウィーンブリッジ発振器の帰還回路を絶縁して、入力信号のPWM信号とウィーンブリッジ発振器の出力信号を加算する回路に帰還回路を接続する。さらに、PWM信号を制御信号として用いて、ウィーンブリッジ発振器の利得、周波数及び、帰還信号を制御する。これにより、ウィーンブリッジ発振器は、複雑に変調された信号を出力する。2番目のウィーンブリッジ発振器は、制御信号を用いてアナログフォトカプラの抵抗値を変化させて周波数変調を行う。3番目のウィーンブリッジ発振器は、可変抵抗を用いて周波数変調を行う。次に、1番目のウィーンブリッジ発振器の出力信号をバイカッド回路に入力する。バイカッド回路は、バイカッド回路のバンドパスフィルタの出力信号とアナログスイッチの出力信号を加算した信号を出力信号とした。アナログスイッチには、バイカッド回路の入力信号を入力する。2つの制御信号を用いて、バイカッド回路の抵抗値とアナログスイッチを制御することにより、バンドエリミネーションフィルタ、オールパスフィルタ及び、感度の異なる2つのバンドパスフィルタに切り替えて音色を変更する。さらに、ウィーンブリッジ発振器の出力信号を用いて乗算を行う。乗算器は2つ用いる。1番目の乗算器は、2番目と3番目のウィーンブリッジ発振器の出力信号の乗算を行う。2番目の乗算器は、1番目と3番目のウィーンブリッジ発振器の出力信号の乗算を行う。最後に、3つの制御信号を電圧制御回路に入力することにより、バイカッド回路の出力信号と2つの乗算器の出力信号を制御して音響合成を行う。バイカッド回路、2番目のウィーンブリッジ発振器及び、電圧制御回路に用いる制御信号は、USB接続デバイスからの出力信号を用いて作られる。本システムの性能を評価するため、システムの入出力信号を分析して、出力信号から豊かな音響効果が得られることを確かめた。また、本システムを用いて実際に演奏を行い音色の評価を行った。
[創作ノート] 黄金比調弦による弦楽四重奏曲の作曲技法
横山真男(明星大学)
創作ノート
概要:自然界で美しい比率といわれる黄金比を用いて独自に計算した音列を生成し、その音列から各パートの調弦を指定した。音列の計算方法は、まず基準音としてA(440Hz)を選び、それに黄金比1.618を順次繰り返し掛けていき、また、1オクターブ以内に収めるために適宜素数で割っていくと、ある種の音階のような周期的なピッチ列が得られる。そのため、本作品では従来の完全五度で調弦された音楽とは異なる独特な音程で構成された曲ができた。ここで、一般的に弦楽器演奏者は従来の平均律や純正律とは異なる黄金比のピッチを演奏するのは困難なため、本作品では開放弦やナチュラルハーモニクスだけで曲を構成している。また、時間軸やリズムについても、黄金比に関連のあるフィボナッチ数列を元にして構成した。作品例として「黄金比調弦による弦楽四重奏のための5つのバガテル」(2020年1月,TAMA Music Festival)を紹介する。各楽章では開放弦とナチュラルハーモニクスによる様々な弦楽器(弦楽四重奏)の奏法についても示す。
[研究報告] Leapmotionによるリアルタイム音場操作を伴う視聴覚パフォーマンス
押山晶子(名古屋市大)
研究報告
概要:本研究では、Leapmotionセンサを用い、パフォーマーのジェスチャーが音場の定位にマッピングされていることを観客により感知できるよう、サウンドと映像の効果的なインタラクションシステムを考察する。手を中心とするジェスチャーをセンシングするサウンドビジュアライゼーションに関して先行事例を分析し、伝統的な楽器特有の演奏法とは異なるパフォーマンス動作について考察し、それに基づいて 2019 年と2020年に制作・発表した二つの作品について解説する。これらの作品においては、Leapmotion が6チャンネル再生の音場および映像上のモーションのリアルタイム制御を行なった。
[研究報告] 脳波のリアルタイムデータを活用した楽曲生成
井上英章(名古屋市大)
研究報告
概要:本発表では、脳波のリアルタイムデータを活用し、これをリアルタイムにMIDI変換して楽曲生成する試みを紹介する。脳波は刻々と変化しており、その脳波データを可聴化することで、その瞬時の脳の様相を和音で表現する。前回の発表では、脳波データファイルを事後処理して楽曲生成を行なったが、今回は、WebSocketおよびJSON-RPCを用いて脳波計のクラウドサーバからリアルタイムにデータを取得することが可能となった。本研究では、脳波データのうち生のEEGデータではなく、フーリエ変換された周波数帯を用いる。感情入力への積極��な抑制に関与していると言われるα波、言語や音楽に関連しているとされるγ波のデータを活用し楽曲生成を行った。
[報告] ネットワークコンサート《réseau experimental》における上演システムと実施報告
鈴木悦久(名古屋学芸大),水野みか子(名古屋市大)
報告
概要:2020年2月22日,名古屋市立大学にて行われた「Mid Japan 音の芸術祭 《réseau experimental》」では,ネットワーク技術を用いてローカルネットワーク内にあるホールとスタジオを結び,音声とMIDI情報の遠隔伝送における,音楽的な有用性を検証するためのコンサートが行われた。本発表では,このコンサートで用いた技術解説を中心に,遠隔地を結んだ音楽の展望について報告する。
[報告] TAMA Music Festival 2020 開催報告
佐藤亜矢子(東京藝術大学,玉川大学),キャシー・コックス(国立音楽大学,玉川大学,桐朋学園大学),平山晴花(国立音楽大学,玉川大学),ジョナサン・リー(玉川大学),横山真男(明星大学)
報告
概要:2020年1月に明星大学で開催したTAMA Music Festival 2020についての報告を行う。現代音楽および電子音響音楽に焦点を当てたこの音楽祭は、学際的な観点から先端芸術表現分野の振興を目的とし、東京多摩エリアの大学で音楽と情報科学領域の指導にあたる教員らによって企画・運営された。2018年3月に第1回目を開催して以来、第2回目となる今回は、弦楽器アンサンブルをフィーチャーし、弦楽器を用いた音楽表現の多様性の追究が主要なテーマとして掲げられた。さらに、初の国際的な作品公募を実施し、世界各国から作曲家や研究者が参加した。2日間にわたるこの音楽祭は、4つのコンサートに加え、基調講演、研究発表、リスニング・ルームの各セクションにより構成され、幅広い現代音楽および電子音響音楽の最先端のシーンを提示した。
[研究報告] イマーシブ環境における皮膚感覚と空間イメージ ーAudiovisual作品『残像花』の空間展開例を元に
宮木朝子(東大)
研究報告
概要:立体音響作品が展開される音響空間、近年のイマーシブオーディオの環境において、追求され続けていることの一つとして高臨場感、いわゆるイマーシブ(没入的な)という感覚が挙げられる。その感覚をもたらすために重要なのは、スピーカーセッティング含めたシステムのみならず、その音響空間を構成する音、音響、そしてその構築物である音楽そのもののあり方でもある。本研究では、なぜ人はイマーシブ(包まれ感)を追い求めるの��、そしてその体験のさなかに音響がもたらす触覚、痛覚なども含む皮膚感覚について、制作の現場から検証する。 Sound Envelopmentと呼ばれる音響の広がり感の中に身をおいた際、人がそれぞれに感じとる空間イメージとはどのようなものだろうか。「包み込まれる」体験のみならず、近接感、なまなましい音像体験、という視点からも同時に検証することで、皮膚感覚との関連から考察する。もっとも近接的な感覚である身体的な膜における感受、そして皮膚感覚は、例えばバイノーラルレンダリングによるヴァーチャルサラウンド環境においてより体験されうるのだろうか。その際、どのような音、音響の構築物ー音楽音響制作によってよりそうした感覚が引き起こされるのだろうか。 映像作家馬場ふさこ氏との共同作品であるAudiovisual作品『残像花』は、様々な現実環境から採取された現実音の録音素材の加工によって制作されたサラウンド音楽と、全天周映像によるイマーシブ(没入型)コンテンツとして制作された。本発表ではこの作品が様々な異なる立体音響の形態で展開された実例を元に、イマーシブ環境における皮膚感覚と空間イメージについて考察する。
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第34回東京国際映画祭にて11月3日(水・祝)ジャパンプレミア決定!
『犬王』はヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭、富川(プチョン)国際アニメーション映画祭など海外映画祭での上映に続き、この度、第34回東京国際映画祭 ジャパニーズ・アニメーション部門に正式出品されました!
11月3日(水・祝)にジャパンプレミアとして公式上映が決定し、上映後に湯浅政明監督登壇のティーチインイベントも予定しております!
また、新たに、第37回ワルシャワ映画祭 スペシャル・スクリーニング部門、第16回ブカレスト国際アニメーション映画祭 長編コンペティション部門への正式出品も決定致しました。
【東京国際映画祭 『犬王』 ジャパンプレミア上映情報】
・上映日時:11月3日(水・祝)18:00開始 ※東京国際映画祭公式サイト(tiff-jp.net)での上映スケジュールの発表は10月上旬を予定しています。
・上映場所:TOHOシネマズ シャンテ SCREEN1
・イベント内容:『犬王』上映+湯浅政明監督ティーチイン
・チケット販売開始日:10月23日(土) ※詳しくは東京国際映画祭公式サイト(tiff-jp.net)にてご案内いたします。
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