#ヴィットリオ・ガスマン
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anamon-book · 2 years ago
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ラ・ファミリア 東宝出版事業室 監督:エットーレ・スコラ/出演:ヴィットリオ・ガスマン、ファニー・アルダン、ステファニア・サンドレッリ、フィリップ・ノワレ ほか
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roomofsdc · 3 years ago
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SDC映画の部屋「シャーキーズ・マシーン(1982)」
アトランタ市警の麻薬捜査課のトム・シャーキー(バート・レイノルズ)は敏腕で知られる刑事だが、強引な捜査手法が仇になって売人を死なせてしまい、懲罰人事で風紀課に格下げされる。風紀課で売春婦の取り締まりに回されるシャーキーは、高級コールガールのドミノ(レイチェル・ウォード)の24時間監視をする中で彼女に一目惚れしてしまう。ある日、ドミノのルームメイトが殺される事件が起き、直感でシャーキーはドミノを自宅に匿うことにする。実はドミノは州知事候補と繋がりがあり、その裏では裏社会の顔役ヴィクター(ヴィットリオ・ガスマン)が糸を引いていたのだ。ドミノを守りヴィクターの企みを暴くため、シャーキーは腕利きの仲間達(シャーキーズ・マシーン)を率いて独自に捜査を始めるのだが… 「ロンゲスト・ヤード(1974)」から「トランザム7000(1977)」「キャノン・ボール(1981)」とタフ・ガイぶりを誇り世界的なヒットを飛ばしてきたアクションスター、バート・レイノルズが,その全盛期の多忙の中で製作・主演・監督を兼ねた王道の警察アクション映画だ。少し歳上の、同じようにアクション俳優出身のクリント・イーストウッドが、「恐怖のメロディ(1971)」に始まり、徐々に骨太の映画を本格的に監督するのを見ながら、自分も映画製作に軸足を移したかったという意気込みも感じられる。 公開直前だっただろうか、深夜の映画紹介コーナー(たしか「11PM」だ)で、今野雄二かおすぎのどちらかだったと思うが、「バート・レイノルズはあのヒゲが嫌いだけど、この映画はすっごくイイ!」と褒めていたこと、サリー・フィールドと共演した「トランザム7000」が爽快なアクション映画だった(監督はスタントマン出身のハル・ニーダムが務めていた)ことから、そこそこ軽いコメディアクションかと期待して劇場に行ったところ、期待を遥かに超えるガチなポリスアクション映画だったことにまず驚かされた。 本作は基本的に、「はみ出しものの優��な刑事が、やはり社会からはみ出した女と恋に落ち、そして社会的に高い地位にある悪者と命懸けの戦いを挑む」という典型的な浪花節だ。普通の製作会社であれば、スター=レイノルズだけに焦点を当てる作品にするところを、レイノルズ監督は、主人公たちは普通の警察チームである姿、つまり超人的な能力も強運も秘密兵器も持たないけれど、それぞれの得意分野を持つごく普通の刑事たちが協力して「マシーン」として仕事に没頭する姿を丁寧にリアルに描いている。その一方で、彼らを潰そうとする敵役は、強大な権力と圧倒的なパワーを持つ存在として造形し、これに普通の刑事たちが懸命に抗うところに高い緊張感を与えている。その描き方は徹底しており、特にヴィクターの弟を演じたヘンリー・シルヴァは、クライマックスの長いアクションシークエンスで、ホラー映画のブギーマンが可愛く思えるくらいの熱演で強い印象を残している。私自身も、彼を超える殺し屋は「ノーカントリー(2007)」のアントン・シガー以外に思いつかないくらいだ。劇中でも重傷を負った部下の刑事にこう言わせているくらいだ「あいつを倒すには心臓に杭を打ち込まなきゃだめだ」と。 そしてもう一つ驚かされたのは、全編を彩るジャズやソウル、ポップスのサウンドトラックだ。マンハッタン・トランスファーによる「ルート66」が流れるクラブのシーン、ランディ・クロフォードの「ストリート・ライフ」が流れる街の風景、そして望遠レンズ越しにともに口ずさむチェット・ベイカーの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、およそバート・レイノルズがこんなにも都会的でスタイリッシュな映画を作れるとは夢にも思っていなかった(失礼)ので、なおのことビックリしたのだ。(ちなみにこのサントラ盤は、レコードのライナーノートに拠れば、映画で直接使われた音源ではなく、わざわざ映画の完成後にジュリー・ロンドンやサラ・ヴォーン、ペギー・リーらにスタジオに来てもらい収録し直して制作したものらしい。ヴァイナルレコードとしてのみ市場に出ていたが、2014年に30年ぶりにCD化されたあとは再び廃盤となっているようだ。) 結局バート・レイノルズは本作品のあとメガホンを取ったのは数本程度しかなく、そのいずれも本作品を超えるものは一つも残せなかった。スターとしての全盛期にすべてを出し尽くして製作された隠れた名作、ヘンリー・シルヴァの怪演とともに忘れられない一本である。
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