#ヘンリー・シルヴァ
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SDC映画の部屋「シャーキーズ・マシーン(1982)」
アトランタ市警の麻薬捜査課のトム・シャーキー(バート・レイノルズ)は敏腕で知られる刑事だが、強引な捜査手法が仇になって売人を死なせてしまい、懲罰人事で風紀課に格下げされる。風紀課で売春婦の取り締まりに回されるシャーキーは、高級コールガールのドミノ(レイチェル・ウォード)の24時間監視をする中で彼女に一目惚れしてしまう。ある日、ドミノのルームメイトが殺される事件が起き、直感でシャーキーはドミノを自宅に匿うことにする。実はドミノは州知事候補と繋がりがあり、その裏では裏社会の顔役ヴィクター(ヴィットリオ・ガスマン)が糸を引いていたのだ。ドミノを守りヴィクターの企みを暴くため、シャーキーは腕利きの仲間達(シャーキーズ・マシーン)を率いて独自に捜査を始めるのだが… 「ロンゲスト・ヤード(1974)」から「トランザム7000(1977)」「キャノン・ボール(1981)」とタフ・ガイぶりを誇り世界的なヒットを飛ばしてきたアクションスター、バート・レイノルズが,その全盛期の多忙の中で製作・主演・監督を兼ねた王道の警察アクション映画だ。少し歳上の、同じようにアクション俳優出身のクリント・イーストウッドが、「恐怖のメロディ(1971)」に始まり、徐々に骨太の映画を本格的に監督するのを見ながら、自分も映画製作に軸足を移したかったという意気込みも感じられる。 公開直前だっただろうか、深夜の映画紹介コーナー(たしか「11PM」だ)で、今野雄二かおすぎのどちらかだったと思うが、「バート・レイノルズはあのヒゲが嫌いだけど、この映画はすっごくイイ!」と褒めていたこと、サリー・フィールドと共演した「トランザム7000」が爽快なアクション映画だった(監督はスタントマン出身のハル・ニーダムが務めていた)ことから、そこそこ軽いコメディアクションかと期待して劇場に行ったところ、期待を遥かに超えるガチなポリスアクション映画だったことにまず驚かされた。 本作は基本的に、「はみ出しものの優秀な刑事が、やはり社会からはみ出した女と恋に落ち、そして社会的に高い地位にある悪者と命懸けの戦いを挑む」という典型的な浪花節だ。普通の製作会社であれば、スター=レイノルズだけに焦点を当てる作品にするところを、レイノルズ監督は、主人公たちは普通の警察チームである姿、つまり超人的な能力も強運も秘密兵器も持たないけれど、それぞれの得意分野を持つごく普通の刑事たちが協力して「マシーン」として仕事に没頭する姿を丁寧にリアルに描いている。その一方で、彼らを潰そうとする敵役は、強大な権力と圧倒的なパワーを持つ存在として造形し、これに普通の刑事たちが懸命に抗うところに高い緊張感を与えている。その描き方は徹底しており、特にヴィクターの弟を演じたヘンリー・シルヴァは、クライマックスの長いアクションシークエンスで、ホラー映画のブギーマンが可愛く思えるくらいの熱演で強い印象を残している。私自身も、彼を超える殺し屋は「ノーカントリー(2007)」のアントン・シガー以外に思いつかないくらいだ。劇中でも重傷を負った部下の刑事にこう言わせているくらいだ「あいつを倒すには心臓に杭を打ち込まなきゃだめだ」と。 そしてもう一つ驚かされたのは、全編を彩るジャズやソウル、ポップスのサウンドトラックだ。マンハッタン・トランスファーによる「ルート66」が流れるクラブのシーン、ランディ・クロフォードの「ストリート・ライフ」が流れる街の風景、そして望遠レンズ越しにともに口ずさむチェット・ベイカーの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、およそバート・レイノルズがこんなにも都会的でスタイリッシュな映画を作れるとは夢にも思っていなかった(失礼)ので、なおのことビックリしたのだ。(ちなみにこのサントラ盤は、レコードのライナーノートに拠れば、映画で直接使われた音源ではなく、わざわざ映画の完成後にジュリー・ロンドンやサラ・ヴォーン、ペギー・リーらにスタジオに来てもらい収録し直して制作したものらしい。ヴァイナルレコードとしてのみ市場に出ていたが、2014年に30年ぶりにCD化されたあとは再び廃盤となっているようだ。) 結局バート・レイノルズは本作品のあとメガホンを取ったのは数本程度しかなく、そのいずれも本作品を超えるものは一つも残せなかった。スターとしての全盛期にすべてを出し尽くして製作された隠れた名作、ヘンリー・シルヴァの怪演とともに忘れられない一本である。
#映画の部屋#バート・レイノ���ズ#レイチェル・ウォード#チャールズ・ダーニング#ヘンリー・シルヴァ#ポリスアクション映画#隠れた名作#サウンドトラック#幻の名盤#チェット・ベイカー#マンハッタン・トランスファー#ランディ・クロフォード#サラ・ヴォーン#ジュリー・ロンドン
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【限界を】ブラクロ履修しました【超えろ】
アンデラきっかけで本誌復帰をはたし久しい身の私です。掲載作品を全てチェックしているわけではないので、たまには履修作品を増やそうかな…?と先日思い立ち。次号7周年をむかえるという事だったので、せっかくだからと『ブラッククローバー』を読んでみることにしました。
結論から言えば、単行本31巻分+本誌を約2日で駆け抜けてしまいました。柄にもなく夜更しまでして。途中途中Twitterで呻いた分はありましたが一応ちゃんとしておこうということでTumblrにも……とは言うものの、7年分を2日で詰め込んだので脳が焼き切れて死ぬぞ!!って感じの乱文です。ご容赦下さい。
……おっもしれ〜〜〜ッ!!!!!!!!!(大の字で寝そべるgif)
こんなにド王道少年漫画が掲載していたなんて…どうしていままで知らなかったんだ……と衝撃を受けてしまいました。主人公、アスタの“在り方”はまさしく、週刊少年ジャンプかくありき…と噛み締めざるを得なかった。友情!努力!勝利!!という三本柱がこんなに似合う漫画が令和の現在でも連載されていて、映画化までされるっていうんですから。面白いはずだよ。
さて、詰め込んだ情報量が多いので勿論全部話すわけにもいきません。印象深い場面、好きな台詞諸々ありますがキャラや関係性に触れつつ書いていくのがわかりやすいですかね。
「諦めないのが 俺の��法だ!!!!」
魔力がヒエラルキーに直結する世界で、魔力を全く持たずに生まれた少年。最初この設定を知った時にマッシュの顔が脳裏をチラついてしまった(筋肉は裏切らない)。反魔法の力は確かに特殊なものなんですが、それ以上に彼の持つ底抜けに明るい人間性や、奢らない直向きな姿勢に心が震えました。あらゆる登場人物がアスタに出会うことで“変化”していく。ユノとのライバル関係は勿論、黒の暴牛の面々 特に同期のノエルに与えた影響は大きいのではないでしょうか。愛すべきバカ、と表現したくなるような存在ですが、しっかり“カッコ良さ”も魅せてくる。そりゃ惚れるよォ……こういう所も主人公っぽいんですよね。でも本人はシスターに一途なのもまた良いんだよな…ユノとダイナミック帰郷(?)した時の戦いは思わずジーンときてしまいましたね。本誌で追ってた人は感動も一入だっただろう……大切な物を守る姿はどこにいたって。そういうところだぞ攻略王アスタ!天然人タラシ…とまではいかないかもしれませんが。そういう意味ではもう一人、みんな大好きなあの人も忘れちゃいけませんね。次に移りましょう。
「今 ここで 限界を超えろ」
ヤミ団長〜ッ!!!大好きですッッ!!!!そんなに俺が好きかと問われれば躊躇い無くそう叫んでしまう。胸板も人望も厚い。要所要所に登場する若い頃の何もかもが完全に“主人公属性”なんですよね……海賊王になる気は無いだろうけれど仲間を集める能力がルフィぐらいあると思う。印象はどちらかといえばゾロですが。アスタもヤミ団長も一体何人女を惚れさせるのか……男女平等で浜に埋めるけど団長。もしかしてロボコみたいな動きできます?今の少年漫画、爽やか路線が多い中で喫煙髭面暴力タンクトップの破壊力たるや。大好きです。あと、台詞回しが銀魂の坂田銀時を彷彿とさせる瞬間もありますね。大地が俺を愛しすぎてケツを離さねぇ。トイレでおもしろ展開にするの笑っちゃうからやめてほしい。しかし、戦闘では無限に格好良くて頼りになるの、ズルいじゃん。頭ぽんはズルいじゃん。大好きです。他キャラへの渾名の付け方も好きですね。私のイチオシは“アネゴレオン”です。語感が良い。トゲツン女王も大変良いんですが そう トゲツン女王……クッ…粗暴鈍感モテ筋肉め!!!���ャーロット様と一緒に食事したシーン1ヶ月くらいかけて見せてください(私利私欲のオタク)執行猶予小僧に意見された内容についてフーン…となってる瞬間ありませんでしたか???
(初描きでしたがヤミ団長描きやすくてビックリしましたね ノースリーブマッスル……)
……ここまでやって気づいたんですがこのテンションでひとりひとり語ると一生終わらないので、ちょっとこっからさらに圧縮で…色々まとめて見出しにしていきます。
〈黒の暴牛〉
何をどうしたって箱推しにならざるを得ない団体。マグナとラックのライバル関係も、バネッサの過去と現在も、ノエルや他の団員たちの成長も……ヘンリーの登場と活躍もめちゃくちゃ胸が熱くなりました。雰囲気が人外っぽくて好き。何故かメリー号が思い出されてちょっと泣いた。個性大爆発の、真っ当に生きるのが難しかった有象無象が“居場所”になっていくのが本当に 好き。30巻〜31巻にかけてずっと泣いてたくらい好きです。
〈金色の夜明け〉
人間関係が諸々に複雑な所ではありますが、だいぶ因縁etcも和らいできましたね。ユノはある種、現代の主人公イメージがあります。語弊のある言い方になるけどラノベの主人公っぽいというか…?ちなみに私のイチオシはクラウス先輩です。声のデカい眼鏡が好きなんだよ私は。
〈シルヴァさんち〉
ノエルの実家、初期の印象がホントに「なんやねんお前らァッッ!!!(怒)」って感じでしたけれど。ちゃんとノエルが自分の魔法で乗り越えられたのがめちゃくちゃ良かったと思いました。勿論、仲間たちの力もあるのだけれど。ノゼルさんの前髪は気になりますがこれからちゃんと兄妹で向き合えると良いね……
〈二つの紅蓮の拳〉
メレオレオナとフエゴレオンの姉弟が好きすぎて気が狂いそうです。創作における私のキャラクター作成傾向を知っている人はわかると思いますが、まずもってタッパがデカくゲンコツの強い女が一等好き。生真面目熱血漢が好き。そして、全く似ていない性格なのにどうしようもなく似てしまう瞬間がある兄弟関係。好きに好きの3乗くらいされて困ってしまった。ヤミ団長も畏れる(?)アネゴレオン様 一生好きです
(末弟レオ君の事を最初に見た時にパッチボボみたいなのいるな…って思ってゴメン)
他の団長クラスもそうなんですが、立場や肩書が飾りじゃなくて、力の限り『ここにいるからには、そう呼ばれるからには、最強であらねばならぬ』を示してくれるのがめちゃくちゃに好きです。実績がなきゃここにはいない。
〈諸々の色恋沙汰〉
アスタにユノにヤミ団長に、とかくモテ男が多くて困ったもんだよ!!となっています。ノエルが想いを自覚した瞬間が強く美しすぎて嗚咽を漏らして泣いた。おのれアスタ……収まるところに収まってる関係性もあるし片想いでフェードアウトするパターンもあるし。でも私はシャーロット様の恋路を応援したくて仕方がない。なんとか どうにか こう うまいことなって ヤミシャロ結婚してくれないかな(今ここで限界を超えた妄想)
〈主要キャラクターの生命力〉
毎回ギリギリの戦いを強いられる割に最終的な人死が少ない。流石にあの感じだったからユリウス様は無理だろうと思ったら魔法のチカラってスゲー!!となった。アスタが味方も敵も死なせてたまるかってなってる部分もあるけれど、名前のあるキャラはおいそれと退場させないという気概を感じる。そうあって欲しい。
いやー!!これ終わらんぞ!!?一生書くのか!!?!また日付変わる!!となったので今日はこれぐらいにしておいてやる(負け惜しみ)
感想は中途半端になりましたが、晴れてブラクロも本誌派となりましたので。映画もモバイルも、あらゆるメディアミックスが待ち遠しいですが、とりあえずは来週の本誌ですね!巻頭カラー楽しみだな〜ッ!!
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SDC映画の部屋「オーシャンと11人の仲間(1960)」
ロサンジェルスのクリスマスシーズン,ダニー・オーシャン(フランク・シナトラ)は大戦中に空挺部隊で生死を共にした戦友たちを集め,ラスヴェガスの5つのカジノから現金を強奪するギャンブルに挑む。かつての友人たちも自分の得意分野を生かすため���ダニーのもとに集まり,いざラスヴェガスへと乗り込むが,思いもよらぬアクシデントが連続する。決戦は大晦日,はたしてダニーたちは空前絶後の泥棒を成功させられるのか… 実はソダーバーグのリメイク版を先に観ているので、どうしても比較しがちになるが,明らかに別物と考えるべき作品。リメイク版は新しい世代のスタイリッシュな犯罪映画、こちらは当時の世代のスタイリッシュな犯罪映画。「11人が集まってラスヴェガスのカジノを狙う」という設定だけが一緒で、仲間集めから犯罪の計画、クライマックスからラストまで全部違う。どちらが好みか,見る人の嗜好によって大きく分かれるところだろう。 本作はソール・バスによる洒落たタイトルバックから始まる。それだけでもワクワクしてしまうのだが、ディーン・マーチン、サミー・デイビス・Jr.、ピーター・ローフォードなどのシナトラ一家が次々に顔を見せ、同窓会的な雰囲気になったあたりで拭いきれない違和感を感じてしまった。当時を良く知る世代であれば、シナトラとディーン・マーチンが来たら、こういう掛け合いになるお約束だとか、ピーター・ローフォードが出てきたらこういう役どころでこんなジョークを言うに違いない、とか配役だけで「感じてしまう」であろう、その雰囲気が感じ取ることができないのだ。シナトラもマーティンもサミー・デイヴィス・Jr.も,誰も彼もが若いし、自信にあふれ歌声もエネルギーと余裕を感じる。それ自体は存分に堪能して楽しむことができるのだけれども、どうしても物語自体に入り込むことができないのだ。なぜこの戦友達は集団犯罪に乗り出すことになったのか?なぜヴェガスを狙うのか?製作当時の流行や社会情勢を知っていれば多少は理解できるのだろうが,残念ながらそこまで読み込んで映画を見る気力は正直起きなかった。 アンジー・ディキンソンやシャーリー・マクレーンなどの人気女優をつぎ込んでいても、主役の男性達が、エネルギッシュに動き回って、楽しげに演じ、「男の映画」を印象づけているところはリメイク版にも引き継がれている。ラストの作り方は当時のフィルムノワールを意識したものだろうけれども、そこまでのコメディタッチがガラリと変わってしまうのも如何なものか。できれば最後まであっけらかんとしたコメディで通してもらう方がお気楽に見やすいのだけれども。 そんな中で,11人の中に私の好きなヘンリー・シルヴァが入っていて、彼がこの時代から,鋭く冷たい視線で画面を緊張させていたのが分かっただけでも収穫。
#映画の部屋#フランク・シナトラ#ルイス・マイルストン#ディーン・マーティン#サミー・デイヴィス・Jr.#ピーター・ローフォード#アンジー・ディキンソン#ヘンリー・シルヴァ#シャーリー・マクレーン#ラスヴェガス#犯罪コメディ映画#往年のハリウッドアイドル映画
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