#ロキシーミュージック
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【今日のレコード】ROXY MUSIC/Stranded
【今日のレコード】ROXY MUSIC/Stranded Strandedな女性の表情が上手い!!っていう感じ。ただのエッチな美女なだけじゃない!って気迫のロキシー3作目♪ https://sorc.theshop.jp/items/79828345
ロキシーミュージックと言えば『美女ジャケ』♪同時代の他バンドと一線を画して抜きんでた感じはジャケもあるかな。どれも甲乙つけがたいのですが、この3rdって見開きでかなりセクシーなのにイヤらしくなく、ジェンダー論者も容認してくれそうな、そんなセンスがロキシーだとも思います。グラマラスでポップ、かつ英国っい陰りもあるという内容ももちろんグレイト!Stranded (座礁)…
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Sadistics (サディスティックス) | 1977 N.O.K. Live Concert
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サディスティクス、テレビ朝日NOK(音声のみ)
ニューおもしろ倶楽部のハイブリット葡萄畑――『葡萄畑元年TRILOGY番外編「歳末エレジー」』 | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !
“NOK” (『ノックノック・ニューおもしろ倶楽部』は1970年代後半に火曜深夜に放送されていた情報番組。構成は、今は亡き景山民夫、そして司会が同じく今は亡き音楽評論家、映画評論家、小説家の今野雄二だった。ロキシーミュージックやミカ・バンドなどの紹介、『11PM』 、『リブ・ヤング!』、『チャンネル泥棒!快感ギャグ番組!空飛ぶモンティ・パイソンのコメンテイターや司会者とも知られる。なにか、“今野雄二”が好んでいたであろう洒脱と洗練がそこには同居していた。
むぎ茶の昭和懐メロ&CMソング大特集: ノックノック(NOK)・ニューおもしろ倶楽部 サディスティックス出演
「ノックノック・ニューおもしろ倶楽部」、1970年代後半の今野雄二さん司会、田辺エージェンシー制作で放送されていた深夜番組(火曜日 0:10〜0:40放送)。構成は景山民夫さんだったとか。「ノックノック」とは、オープニング・タイトルで「N.O.K」となっているので、どうやらノック=N.O.Kで、ニュー、おもしろ、倶楽部(CLUBとつづらないよううでK)の略のようですね。
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June1974 Front cover: Led Zeppelin 主な内容: ジミーペイジに直撃インタビュー ロバートプラント 昨日今日そして・・・ ロック革命のゲリラたち リッチー、イアンが語る脱退劇にかくされた内紛の真相 ストリーキングに対するロックミュージシャンのオカシナの反応 これが噂のロキシーミュージックだ Main content: ・Direct interview with Jimmy Page ・Robert Plant Yesterday, Today and ... ・The guerrillas of the rock revolution ・Richie and Ian tell the truth about the infighting behind the leave the band ・Rock musicians' mixed reactions to streaking ・This is the Roxy Music we've heard so much about #musiclifemagazine #ミュージックライフ #シンコーミュージック #helloharuo
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◆ブティックモスキーノ&ラヴモスキーノ 2020/2021年秋冬受注会◆ 店頭で現物のある受注会は終了致しましたが、現時点ではまだオーダーが通る可能性が高い為、御要望の御客様からは受注させて頂きます。 モデル着用のジャンパー ラヴモスキーノ 2020/2021年秋冬 ジャンパー 104,500円(税込) スタンドカラー、オープンジップジャンパー。 厚手のウールカビック。 立体的なパワーショルダーはパターンで起こしている為、肩パッドは使用していません。 ロキシーミュージック初期のブライアンイーノそのものな感じです。 * * * Boutique Moschino(ブティックモスキーノ)と、Love Moschino(ラヴモスキーノ)の2020/2021年秋冬受注会を開催致します。 公式正規取扱い。 プロのバイヤーが見るものと同じ厳選された展示会サンプル現物51点を先行販売致します。 今回の形式は世界に1点の展示会現物サンプルが入手できます。 バルクと呼ばれるプレタポルテの量産品とは違い、展示会サンプルはサンプル用の超高品質素材を使用。 縫製は、見本品を縫製する一流の職人が担当。 クチュール的な作品が量産価格で購入できる唯一の機会です。 グレードは定価を遥かに��えた水準のものばかりです。 御客様からの御注文は全額先入金頂きます。 商品御渡しは2020年9月~10月頃の予定です。 国内で数ヶ所でしか開催していない貴重な機会の為、是非御検討下さいませ。 現在モスキーノのデザイナーはジェレミースコット。 セカンドラインであるブティックモスキーノも同様です。 ブティックモスキーノはファーストライン【モスキーノ】のジェレミースコットの世界と違い、ブランド創始者のフランコ モスキーノのリバイバルテイストをコンセプトにしています。 サードラインの【ラヴモスキーノ】の生産はシーバイクロエやMCQバイアレキサンダーマックイーンを担当したSINV(シンヴ)社製。 随所にMCQと同じディテールが見られます。 MCQを愛用されていた方は馴染み深い着心地とデザインテイストです。 以下、一部紹介 ★Boutique Moschino(ブティックモスキーノ) 80年代ニューヨークのクラブスタジオ54に集うミュージシャンや芸術家のファッションへのオマージュ。 カラフルなフェイクファーコート等。 ★Love Moschino(ラヴモスキーノ) デヴィッドボウイの70年代のコンセプチュアルなスターであるジギースターダストの衣装へのオマージュ。 その頃のボウイのあらゆる写真や映像から再現したアイテムの数々。 このシーズンのワンブランド全てがデヴィッドボウイのコスプレです。 ボウイマニアには垂涎のコレクションです。ボウイ大ファンの僕が見ても凄いリアルで文句無しです。 サードラインなのでリーズナブル。 デヴィッド ボウイは1983年のインタビューで白人ばかりフィーチャーする初期MTVへ厳しく追及しました。 また、それより以前の1974年にはニューヨークでニーナ シモン(Nina Simone)に出会いました。 当時、黒人の公民権運動家として有名な彼女は一方でその活動の為に、ミュージシャンとしては辛酸を舐めていました。 熱烈な信奉者であるデヴィッド ボウイは毎晩彼女に電話し、励まし、彼女の代表曲の「ワイルド イズ ザ ウィンド(Wild Is the Wind)」を1976年のアルバム「ステイション トゥ ステイション(Station to Station)」でカヴァーしました。 独自の世界観を構築していたこの時期にボウイが他者カヴァーをするのは珍しく、彼女の困窮を救うきっかけになりました。 2016年の彼の死後、彼のいない世界が4年も過ぎましたが、ブラック ライヴズ マター運動の現在、その先見性、洞察力に今尚、生きているかのような錯覚を私た��に与えています。 彼のもう一人のヒーロー、リトル リチャード(Little Richard)は先日87歳で亡くなりました。 このロックの創始者にして聖職者は、一方でゲイであることをいち早く公言し、髪を高く盛り立て、濃いアイメイクを施し、アンドロジナスな衣装を好み、堂々とその生涯を貫きました。 ボウイは15歳の時に彼のライブを体験し、彼のバンドで目立った楽器のサックスを購入しました。 デヴィッド ボウイは彼自身の最も売れたアルバム「レッツ ダンス (Let's Dance)」を制作する時に一枚の写真をプロデューサーのナイル ロジャース(Nile Rodgers)に示しました。 「このようなアルバムにしたい」そう言って手渡した写真には、「真っ赤な」スーツに身を包んだリトル リチャードが同じように「真っ赤な」キャデラックに乗っていました。 ナイル ロジャースにはキャデラックがまるで宇宙船の様に見えました、そしてボウイがリトル リチャードの様な曲を望んでいるのではなく、そのヴィジュアルを具現化したサウンドの創作を試みていることに気づきました。 ナイル ロジャース、ジョルジオ モロダー(Giorgio Moroder)という二大ディスコ ファンク プロデューサーが参加したアルバムは、それまでのロック的アプローチをしてきたデヴィッド ボウイ、ニューウェーブ界にとっても新しい地平が開くことになりました。 このアルバムへのトリビュート、羨望からかフランスのエレクトロ デュオのダフト パンク(Daft Punk)は2013年の「ランダム アクセス メモリーズ」で再びこの二大プロデューサーを敬意を以って招聘しています。 ボウイ、ロジャースの二人の優れたミュージシャンにとってヴィジュアルよりサウンドが想起されることは共通認識であり、サウンドからのヴィジュアルへの方向性も同じ事です。 それを私たちにも、分かりやすく示したのはデヴィッド ボウイであり、それ故にヴィクトリア アンド アルバート博物館での大回顧展、「デヴィッドボウイ イズ(DAVID BOWIE is)」の実現となりました。 ソロ アーティストでありながらか、それ故か、多くのトップアーティストとコラボレーションを試みた彼に纏わるアートはそのまま英米のアート史とリンクしています。 今秋、Galleryが取り扱う love moschinoはデヴィッド ボウイがテーマとなっています。 ボウイがグラムロックに傾倒していた時代にフォーカスしています。 1973年のアルバム「アラジン セイン(Aladdin Sane)」のジャケットで顔の全面に描かれたピエール ラロシュによるレインボーの稲妻のモチーフは、ラヴ モスキーノのロゴ、アイコニックなハートに組み込まれています。 グラマラスで毒々��い色彩のシャギー、ニット、怪しく光るメタリックなスタッズ、ロマンティックなフリル、ゴージャスなレオパードのコート。 それらの一見、非日常的なファクターはブラウスやカットソー、パンツに落とし込まれてウェラブルになっています。 一歩間違えば、悪趣味と捉えかねないアイテムもデヴィッド ボウイの上品さとラヴ モスキーノの高い技術によって芸術性が保たれています。 かつて、リトル リチャードのポートレイトから全く新しいサウンドを構築した様に、これらを着用することによりデヴィッド ボウイの唯一無二の世界観へと誘われるでしょう。 Galleryは7月12日より、主要なサンプルを取り揃えました。 デヴィッド ボウイ、ラヴ モスキーノ双方の魅力を余すところなく自信を持って、ご紹介致します。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】無し 【PHONE】06-6644-2526 【なんばFacebook】https://goo.gl/qYXf6I 【ゴルチェ派Facebook】https://goo.gl/EVY9fs 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/
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◆ブティックモスキーノ&ラヴモスキーノ 2020年秋冬受注会◆ 店頭で現物のある受注会は終了致しましたが、現時点ではまだオーダーが通る可能性が高い為、御要望のお客様からは受注させて頂きます。 ラヴモスキーノ 2020年秋冬 パワーショルダージャンパー 104,500円(税込) パワーショルダーと稲妻のジャガードワッペン等がデヴィッドボウイや初期ロキシーミュージックのブライアンイーノの雰囲気が出ています。 防寒性の強い厚手で目が詰まった上質なフラノ素材です。 Boutique Moschino(ブティックモスキーノ)と、Love Moschino(ラヴモスキーノ)の2020年秋冬受注会を開催致します。公式正規取扱い。 プロのバイヤーが見るものと同じ厳選された展示会サンプル現物51点を先行販売致します。 今回の形式は世界に1点の展示会現物サンプルが入手できます。 バルクと呼ばれるプレタポルテの量産品とは違い、展示会サンプルはサンプル用の超高品質素材を使用。縫製は、見本品を縫製する一流の職人が担当。クチュール的な作品が量産価格で購入できる唯一の機会です。グレードは定価を遥かに超えた水準のものばかりです。 御客様からの御注文は全額先入金頂きます。 商品御渡しは2020年9月~10月頃の予定です。 国内で数ヶ所でしか開催していない貴重な機会の為、是非御検討下さいませ。 現在モスキーノのデザイナーはジェレミースコット。セカンドラインであるブティックモスキーノも同様です。 ブティックモスキーノはファーストライン【モスキーノ】のジェレミースコットの世界と違い、ブランド創始者のフランコ モスキーノのリバイバルテイストをコンセプトにしています。 サードラインの【ラヴモスキーノ】の生産はシーバイクロエやMCQバイアレキサンダーマックイーンを担当したSINV(シンヴ)社製。随所にMCQと同じディテールが見られます。MCQを愛用されていた方は馴染み深い着心地とデザインテイストです。 以下、一部紹介 ★Boutique Moschino(ブティックモスキーノ) 80年代ニューヨークのクラブスタジオ54に集うミュージシャンや芸術家のファッションへのオマージュ。カラフルなフェイクファーコート等。 ★Love Moschino(ラヴモスキーノ) デヴィッドボウイの70年代のコンセプチュアルなスターであるジギースターダストの衣装へのオマージュ。 その頃のボウイのあらゆる写真や映像から再現したアイテムの数々。 このシーズンのワンブランド全てがデヴィッドボウイのコスプレです。 ボウイマニアには垂涎のコレクションです。ボウイ大ファンの僕が見ても凄いリアルで文句無しです。 サードラインなのでリーズナブル。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】7月無休、8/20(木) 【PHONE】06-6644-2526 【なんばFacebook】https://goo.gl/qYXf6I 【ゴルチェ派Facebook】https://goo.gl/EVY9fs 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/
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所謂部屋を片付けてたら思い出が こちらは写真家のミック・ロックさんのサイン。 チケットに書いてある写真展にボウイ好きの知人に連れられ、それまで知らなかった世界に案内されましたが最後、ボウイ、フレディ、イギー、ロキシーや数々のロックスターの写真が観られ、グラムロックの素晴らしさやステージパフォーマンスを披露するイギーの意味、一瞬の出来事を捉えそれをどのように表現するか、写真家さんの個性を知る事が出来ました。いや、少しだけ知れました。個人的にはイギーの海老反り?姿が今でも1番好きですが。 サインを書いて頂いた時、テンキューと言ってしまい翻訳の方にふふっと微笑んで頂かれたのもいい思い出です。ミックさんは柔らかい雰囲気の優しい人でした。 布袋さんは写真家さんとどんな会話をして、答えを出しているのでしょうか。ここだけは譲れないとかあるのですかね。 #ミックロック #ミックロック写真展 #デヴィッドボウイ #イギーポップ #フレディマーキュリー #ロキシーミュージック #写真家 #布袋寅泰 さん #mickrock #davidbowie #iggypop #fredymercury #roxymusic #hotei https://www.instagram.com/p/BwHt76vFi3-/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1gsz1uil7bopu
#ミックロック#ミックロック写真展#デヴィッドボウイ#イギーポップ#フレディマーキュリー#ロキシーミュージック#写真家#布袋寅泰#mickrock#davidbowie#iggypop#fredymercury#roxymusic#hotei
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トレンディ歌謡に抱かれて 第42回:mar-pa「RIMLAND」
はてさて、GWです。いつもなら海に山にと元気に出かけ、各地の「美食」たちに舌鼓を打っている頃合いなのに...と思うと残念でなりませんが、しかし、よく考えたらそんな「いつも」は存在せず、専ら仕事なのでした。なので悲しみゼロの無表情で書き進めて参りますね。
Release : 1989.12.6
YASUNOBU MATSUO Keyboards
GAKU NAKAMURA Electric Percussion
TADASU YOSHIDA Drums, Keyboards
TOSHIAKI KAJI Percussion
TAKASHI OKA Bass
AKIKO NAGANO, KIKU UEYANAGI, TOYOKO TAKADA, MIKIO NISHI Strings
mar-paという、これまた聞き慣れない名前のグループをご紹介します。現在は「癒しのピアニスト」としてヒーリング・ミュージックを作成している松尾泰伸(近年ですと羽生結弦が2015年に使用した「天と地のレクイエム」が有名です https://www.barks.jp/news/?id=1000122629)を中心として結成されたインスト・グループで、トレンディ期に(未発表曲集を含む)3枚のアルバムをリリースしています。当盤は「代表作」と言っていい2枚目。ブックレットの前書きには、日本に流れる各国風俗と日本から発するテクノロジーの流れの交叉するエリアを「アジアでも東洋でもなくRIMLANDと呼びたい」と記されており、発想は頗るトレンディ・エスノ的。松尾氏はグループ結成前、前衛舞��「白虎社」の音楽を手掛け世界中を廻っていたとのことで、所謂ジャズ・フュージョン的なアンサンブルを骨組みとしながらも随所の「鳴り」に件のワールド~トライバル志向が点在、まさに今が聴きどきな1枚となっているのです。プロデュースはなんとオノ・セイゲン。彼らしいハイソな(当時的)デジタル感触はここでも最大限溢れており、期待を全く裏切りません。
1. RIMLAND
(YASUNOBU MATSUO)
賑やかなドラム・ロールとタイトなカッティングでアップテンポに幕が開けます。一聴して「玄人」の演奏だとわかりますね。タイトルの「汎アジア」的な世界漫遊感、というかポジティヴさはすでにどこかしら感じられます。
2. BULAN BINTANG GARDEN
(YASUNOBU MATSUO)
シンセ・ストリングスに冷ややかな音色のリードが特徴の穏やかなアンビエント・フュージョン。随所でガムランっぽいオリエンタルな鐘が鳴っています。この響きがとにかく素晴らしいんですよ…セイゲンの賜物かはわかりませんが、とにかく通俗フュージョンの「一歩先」にこの盤はあります。
3. GARUDA
(TADASU YOSHIDA)
なんだかボアダムスを思い出させる、ポジティヴな人力トライバル。しかし、ドラムス以外の音飾がトレンディなほんわかシンセが主体なところが、やはりポイント。アゲつつも決して上品さ・ブリージンさを損なうことはありません。
4.BAIK BAIK
(TADASU YOSHIDA)
「コム・デ・ギャルソン」な感触(強引ですが...)で折り重なるシンセ・ハープで始まり、にわかにアップテンポな王道フュージョンへと変化する良質ポップス。ここでもシンセの「トレンディ音飾」は効果絶大ですね。
5.PROTOCOL
(TADASU YOSHIDA)
箸休め的ピアノ・イージーリスニングかと思いきや、中盤ドラの音と共にオリエンタルなモードへと突入。ゲーム音楽の生盤的感覚というか...レンジ狭めのピアノ上昇音をくぐり抜けて鳴るリズムボックスが格好いいです。
6.RICE PLANT
(YASUNOBU MATSUO)
全体的に「チャカポコ」した、賑々しいチャクラ的エスノポップです。ジャーンと長く響くシンバルとマリンバ・シンセが途中から大活躍し始め、アジアン桃源郷的な世界観を大仰になりすぎるギリギリのところまで醸し出していきます。いやはやこれは、名曲。
7.ASCENTION
(YASUNOBU MATSUO)
セッション感覚が強めで、アルバム中でも珍しく「ベースライン」がグイグイ主張する楽曲。後半からトライバルな風味が加速していきます。生バンドとしての地力も相当でしょう。
8.Mr. KURT
(TADASU YOSHIDA)
ここで少し違うムード。ファニーなミニ・サーカス風オープニングから麗しいトレンディ・トレビアーンな世界が広がる、短めの欧風インスト・ポップ。「トレンディCM」映えしそうな作りです(実際当バンドはCMソング起用も幾つかあるよう)。
9.EURASIA
(TADASU YOSHIDA)
ふたたびパシフィックなエスノ世界へと戻ってきました。6曲目同様の雰囲気でかつアンサンブルはよりテクニカルに。全編そうですが、さほど「リゾート」の匂いが(コンセプトの割に)しないのが特徴ですね。大仰さの度合いなど「舞台音楽」的なムードのほうが色濃い。
10. Breeze
(TAKASHI OKA)
ちょっと毛色の違う1曲でエンディングです。ロキシーミュージックみたいなチャカポコからナイル・ロジャース丸出しのカッティング~ややファンク寄りセッションへと滑らかに移行。帰ってこない旅のおわり。
※2、3、6曲目を以下から試聴できます
https://soundcloud.com/anouta-wkym/42-1
以上10曲、自室でもオリエンタル旅気分を味わえると言える、ハイソでボリューミーな満足名盤です。ちなみにこのバンドは今もファンサイトが残っており、そちらで更にエスノ寄りというか、ある意味細野チルドレンなライブ音源を聴くこともできますので是非。(https://www.youtube.com/playlist?list=PL3A1TbsytfuXqc8bV6qubXYdY_z08YBg9)
皆さんもこれで「うちで踊ろう」。
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営業中。雨が降りそうなので、図書館によって遅刻開店。
西村文具の駐輪場の片隅に咲く菊。霜月の菊に降る雨露、なんて連想すると侘びというか寂というか、晩秋の何ともいえない郷愁に浸りそうになります。
わたくし、11月は危ない月なのです。理由もなく、深く落ち込みがちな時期なので、この時期を大過なく過ごす事が毎年の宿題みたいなもの。
現実が儚く見えて、自分の実在感が薄まり、全てを捨ててどこか遠くへ行き、消えてしまいたくなるのが毎年の行事。
何故そういう思いに囚われるのかは今も謎。若い頃は、職場の人間関係に疲れるから、そこからの解放を願ってのことだろうと思っていたのですが、疲れなくなった今もそう思いますから謎(笑
乾いた土に雨が降るのを待つ植物のように、余計な事考えず、じっとするに徹します。
今日はロキシーミュージック聞いてお店番の日。
#本日のひと言 #菊の花 #秋の郷愁 #雑貨屋 #和雑貨 #江古田 #新桜台 #西武池袋線 #練馬区 #商店街 #贈り物 #プレゼント #ギフト
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202007131838
雨のち曇り。のち雨リターンズ。 どんな天気よ。 そんな天気。 朝はパン。 パンにコーンマヨ+ベーコンでトースト。 コンソメスープも。 美味しくいただきました。 コーヒーゴクリ。 ギターの練習をする。 弦を張り替えたらまぁ気持ちの良いこと。 これからはもう少しマメに弦交換し��うと思いました。 洗い物をする。 WIREDのSFプロトタイピング号を読む。 もう読了一歩手前。 筒井康隆のインタビューが楽しみ。 エアコンの水漏れでガタガタ。 ドレンホースなるものを知る。 お昼はつけ麺。 手作り蒸し餃子と一緒に。 美味しくいただきました。 コーヒーゴクリ。 天気の行く末を気にしつつ図書館へ行く。 途中ちょうど良い場所に郵便ポストを見つけて、郵便物を出す。 首尾よくいった感じがとても気分が良い。 図書館で予約資料を借りる。 ロキシーミュージックが以前借りていたことに気づき、すぐ返す。 で新たに借りた2枚は家に帰って以前にすでに借りていたことを知る。 加齢によるものだろうか。 まぁ良い。 ヴァンパイア・ウィークエンドを聴く。 月曜日。
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ロキシーミュージック? ひさびさにマタローさんに会いにPacific Recordに来ました! #三宮 #東門街 #月世界ビル #403PacificRecord #神戸 #disco #bar (Sound&Bar 403 PacificRecord) https://www.instagram.com/p/B7tCSjAh8BF/?igshid=1vum5pcvk50b2
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PopacidのBonny。ウォルフガングヴォイトはプリファブスプラウトやロキシーミュージックや10CCなんかのポップミュージックが好きだったらしくLadomat2000レーベルでの作品にタイトルやサンプリングにその影響が良く出でくる。
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#ロキシーミュージック といえばセクシージャケですが、このキラキラというよりギラギラ感が、赤のサテンのブルゾンにピッタリ!? 先日ちょっと試着されたジェントルメンもいらっしゃたのですが、イイ!!このブルゾンはもう誰が来てもカッチョイイと思います!すこしダメージがあるのも コジマ @fueiho_boogie クンによると、「イケ」ているのだそうで!!是非トライしてみてください🎶 https://sorc.theshop.jp/items/22881474 https://fueihoboogie.official.ec/items/39147786 #sorc #レコード #vinyl #records #LP #黑胶唱片 #音乐 #vinyllover #vinyljunkies #vinyladdict #vinylcollector #recordsforsale #vinylforsale #recordstore #recordshop #中古レコード #名古屋 #覚王山 #kakuozan #レコードショップ #レコード好き #古着 #二手衣服 #古着とレコード #FUEIHOBOOGIE #フーエーホーブギー #ROXYMUSIC #Manifesto (SORC 60's-70's Used Records) https://www.instagram.com/p/CL_jxExBiqH/?igshid=1dmhm796r65xd
#ロキシーミュージック#sorc#レコード#vinyl#records#lp#黑胶唱片#音乐#vinyllover#vinyljunkies#vinyladdict#vinylcollector#recordsforsale#vinylforsale#recordstore#recordshop#中古レコード#名古屋#覚王山#kakuozan#レコードショップ#レコード好き#古着#二手衣服#古着とレコード#fueihoboogie#フーエーホーブギー#roxymusic#manifesto
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2019年2月1日
HYDE、<黑ミサBIRTHDAY>完遂+和歌山市ふるさと観光大使に就任
有名になってからのこういうのって凄く良いと思う。
https://www.barks.jp/news/?id=1000164089
Waive、2年ぶり新曲「BRiNG ME TO LiFE」を2月リリース決定
ファンは嬉しいだろう。
https://www.barks.jp/news/?id=1000164112
杉本善徳 [Waive]、新曲「BRiNG ME TO LiFE」制作秘話
物凄く熟考の多い人なんですな。
https://www.barks.jp/news/?id=1000164008
「アイドルの入った風呂の残り湯」をメルカリで10万円で販売して炎上→規約違反で削除される
やばい。こわい。
http://chikaidol-matome-fire.com/topik_265/
fab3さん"こ、こ、これ初めて見た! 英🇬🇧の音楽番組にミカバンド。
日本じゃ売れてなかったけど英で大絶賛されてロキシーミュージックの前座に。 75年、イギリス人は驚いたろうな日本人でこの演奏力。 ML誌で英ミュージシャンがよくミカバンドのことを話題にしてたっけ。 皆んな若い!
https://twitter.com/superhi69/status/1090913711227691009
グーフィーさん"大瀧詠一氏の「びんぼう」。
別に今の状況が貧乏だからシンクロしたわけではないが、1972年でこれだけファンキーな曲をやるとは。 リズムもシャウトもファンキーだ。 ドラムもファンキーさを感じさせる要素の一つだが演奏は松本隆さんだ。凄い♪
https://twitter.com/9EIaSS4LQzPka1D/status/1090581527132397568
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MUSIC LIFE Magazine June 1973 Front cover: Roxy Music 主な内容: ザビートルズ、再結成? デビッドボウイ来日 エリッククラプトン、ロリーギャラガー、ギタリスト達の壮烈な生き方 ジャクソン5来日 ジョンとヨーコ、インタビュー(完結) 話題の怪物、ロキシーミュージックの正体 絶望を超えた理想郷への旅立ち、THE WHO Main contents: The Beatles reunion? David Bowie in Japan Eric Clapton, Rory Gallagher, guitarists’ heroic ways of life. Jackson 5 in Japan John and Yoko, interview (complete) A monster of a topic, who Roxy Music is THE WHO: a journey to a utopia beyond despair #musiclifemagazine #ミュージックライフ #シンコーミュージック #helloharuo
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◆ブティックモスキーノ&ラヴモスキーノ 2020/2021年秋冬受注会◆ 店頭で現物のある受注会は終了致しましたが、現時点ではまだオーダーが通る可能性が高い為、御要望の御客様からは受注させて頂きます。 ラヴモスキーノ 2020/2021年秋冬 フリルブラウス 71,500円(税込) 光沢の強いサテンの上にスパンコールの様に見える箔ブリントを全面に配することにより、グラマラスに輝いています。 デヴィッドボウイやマークボランに代表されるグラムロックファッションのみならず、 80年代のプリンスやシーラEのようなR&Bミュージシャンのコスプレとしても万能です。 * * * Boutique Moschino(ブティックモスキーノ)と、Love Moschino(ラヴモスキーノ)の2020/2021年秋冬受注会を開催致します。 公式正規取扱い。 プロのバイヤーが見るものと同じ厳選された展示会サンプル現物51点を先行販売致します。 今回の形式は世界に1点の展示会現物サンプルが入手できます。 バルクと呼ばれるプレタポルテの量産品とは違い、展示会サンプルはサンプル用の超高品質素材を使用。 縫製は、見本品を縫製する一流の職人が担当。 クチュール的な作品が量産価格で購入できる唯一の機会です。 グレードは定価を遥かに超えた水準のものばかりです。 御客様からの御注文は全額先入金頂きます。 商品御渡しは2020年9月~10月頃の予定です。 国内で数ヶ所でしか開催していない貴重な機会の為、是非御検討下さいませ。 現在モスキーノのデザイナーはジェレミースコット。 セカンドラインであるブティックモスキーノも同様です。 ブティックモスキーノはファーストライン【モスキーノ】のジェレミースコットの世界と違い、ブランド創始者のフランコ モスキーノのリバイバルテイストをコンセプトにしています。 サードラインの【ラヴモスキーノ】の生産はシーバイクロエやMCQバイアレキサンダーマックイーンを担当したSINV(シンヴ)社製。 随所にMCQと同じディテールが見られます。 MCQを愛用されていた方は馴染み深い着心地とデザインテイストです。 以下、一部紹介 ★Boutique Moschino(ブティックモスキーノ) 80年代ニューヨークのクラブスタジオ54に集うミュージシャンや芸術家のファッションへのオマージュ。 カラフルなフェイクファーコート等。 ★Love Moschino(ラヴモスキーノ) デヴィッドボウイの70年代のコンセプチュアルなスターであるジギースターダストの衣装へのオマージュ。 その頃のボウイのあらゆる写真や映像から再現したアイテムの数々。 このシーズンのワンブランド全てがデヴィッドボウイのコスプレです。 ボウイマニアには垂涎のコレクションです。 ボウイ大ファンの僕が見ても凄いリアルで文句無しです。 サードラインなのでリーズナブル。 デヴィッド ボウイは1983年のインタビューで白人ばかりフィーチャーする初期MTVへ厳しく追及しました。 また、それより以前の1974年にはニューヨークでニーナ シモン(Nina Simone)に出会いました。 当時、黒人の公民権運動家として有名な彼女は一方でその活動の為に、ミュージシャンとしては辛酸を舐めていました。 熱烈な信奉者であるデヴィッド ボウイは毎晩彼女に電話し、励まし、彼女の代表曲の「ワイルド イズ ザ ウィンド(Wild Is the Wind)」を1976年のアルバム「ステイション トゥ ステイション(Station to Station)」でカヴァーしました。 独自の世界観を構築していたこの時期にボウイが他者カヴァーをするのは珍しく、彼女の困窮を救うきっかけになりました。 2016年の彼の死後、彼のいない世界が4年も過ぎましたが、ブラック ライヴズ マター運動の現在、その先見性、洞察力に今尚、生きているかのような錯覚を私たちに与えています。 彼のもう一人のヒーロー、リトル リチャード(Little Richard)は先日87歳で亡くなりました。 このロックの創始者にして聖職者は、一方でゲイであることをいち早く公言し、髪を高く盛り立て、濃いアイメイクを施し、アンドロジナスな衣装を好み、堂々とその生涯を貫きました。 ボウイは15歳の時に彼のライブを体験し、彼のバンドで目立った楽器のサックスを購入しました。 デヴィッド ボウイは彼自身の最も売れたアルバム「レッツ ダンス (Let's Dance)」を制作する時に一枚の写真をプロデューサーのナイル ロジャース(Nile Rodgers)に示しました。 「このようなアルバムにしたい」そう言って手渡した写真には、「真っ赤な」スーツに身を包んだリトル リチャードが同じように「真っ赤な」キャデラックに乗っていました。 ナイル ロジャースにはキャデラックがまるで宇宙船の様に見えました、そしてボウイがリトル リチャードの様な曲を望んでいるのではなく、そのヴィジュアルを具現化したサウンドの創作を試みていることに気づきました。 ナイル ロジャース、ジョルジオ モロダー(Giorgio Moroder)という二大ディスコ ファンク プロデューサーが参加したアルバムは、それまでのロック的アプローチをしてきたデヴィッド ボウイ、ニューウェーブ界にとっても新しい地平が開くことになりました。 このアルバムへのトリビュート、羨望からかフランスのエレクトロ デュオのダフト パンク(Daft Punk)は2013年の「ランダム アクセス メモリーズ」で再びこの二大プロデューサーを敬意を以って招聘しています。 ボウイ、ロジャースの二人の優れたミュージシャンにとってヴィジュアルよりサウンドが想起されることは共通認識であり、サウンドからのヴィジュアルへの方向性も同じ事です。 それを私たちにも、分かりやすく示したのはデヴィッド ボウイであり、それ故にヴィクトリア アンド アルバート博物館での大回顧展、「デヴィッドボウイ イズ(DAVID BOWIE is)」の実現となりました。 ソロ アーティストでありながらか、それ故か、多くのトップアーティストとコラボレーションを試みた彼に纏わるアートはそのまま英米のアート史とリンクしています。 今秋、Galleryが取り扱う love moschinoはデヴィッド ボウイがテーマとなっています。 ボウイがグラムロックに傾倒していた時代にフォーカスしています。 1973年のアルバム「アラジン セイン(Aladdin Sane)」のジャケットで顔の全面に描かれたピエール ラロシュによるレインボーの稲妻のモチーフは、ラヴ モスキーノのロゴ、アイコニックなハートに組み込まれています。 グラマラスで毒々しい色彩のシャギー、ニット、怪しく光るメタリックなスタッズ、ロマンティックなフリル、ゴージャスなレオパードのコート。 それらの一見、非日常的なファクターはブラウスやカットソー、パ��ツに落とし込まれてウェラブルになっています。 一歩間違えば、悪趣味と捉えかねないアイテムもデヴィッド ボウイの上品さとラヴ モスキーノの高い技術によって芸術性が保たれています。 かつて、リトル リチャードのポートレイトから全く新しいサウンドを構築した様に、これらを着用することによりデヴィッド ボウイの唯一無二の世界観へと誘われるでしょう。 Galleryは7月12日より、主要なサンプルを取り揃えました。 デヴィッド ボウイ、ラヴ モスキーノ双方の魅力を余すところなく自信を持って、ご紹介致します。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】9月無休 【PHONE】06-6644-2526 【なんばFacebook】https://goo.gl/qYXf6I 【ゴルチェ派Facebook】https://goo.gl/EVY9fs 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/
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微妙な関係
[chapter:微妙な関係 -01- - November]
小沢 純
ちょっと風邪ぎみだった。美恵子と街を歩いていたけれど、 「風邪ぎみなら、早く帰って、早く寝て、早く風邪を直して」 と言うものだから美恵子と別れた。ちょっと不満な気分だったか ら、いつものキスもしてやらなかった。バイバイと美恵子を改札口 に見送った。
駅の地下道に並んだ公衆電話に向かう。ポケットを探ってみたけ れど、十円玉が見つからない。まあいいや、寄ってみよう。台所の 窓からのぞいて、男が居たらノックしなけりゃいいんだ。そう思っ て、美麻の部屋へ向かう。地下街から外に出た。急に秋めいた風は、 長袖のシャツだけでは少し肌寒いくらいだ。美麻の部屋は、駅から 歩いて十分くらい。小さなコーポの二階にある。いつも通り台所の 窓は開いていたけれど、その向こうの障子が閉まっていて、誰か居 るのか分からない。他の男と鉢合わせも躊躇わられたけれど、せっ かく来たのだからノックした。ノックは五回、それが合図だ。嫌な ら出てこないだろう。人の気配がして扉が開いた。美麻が出てきた。
「誰か居るの?」と訊くと 首を横に振る。 次に美麻は、いきなり僕に抱きついてきた。 「どうしたの?」と抱きしめてやりながら訊く。 「淋しくって、どうしようかと思ってたの」 美麻は、泣いている。
「昨日は明子が来てくれて、良かったのだけれど。今日は、どうし ようもなくて薬を飲もうかと思ってたの」
僕は扉を締めて、鍵を掛けた。美麻を抱きあげて、奥の部屋へ上 がりこむ。壁際の畳の上にあぐら座りに座って、足の間に美麻を横 向きに抱きかかえる。僕はこの姿勢で美麻を抱いているのが好きだ。 美麻は、泣きじゃくり、肩を震わして泣いている。さっきまで一人 ぼっちで、泣くこともできずに息を潜めるように一人で居たのだろ う。僕は美麻の頭や背中をそっとなでてやる。一人じゃないんだよ と。美麻は息づかいが荒く、胸が上下している。キスで涙をぬぐっ てやって、 「大丈夫だよ」少しだけ声をかけた。
次第に落ち着いて静かになったな、と思ったら美麻は眠ってしまっ ていた。しばらく、そのまま美麻を抱いていた。だんだん、腕がし びれてきた。それで、勝手知ったる美麻の部屋、押し入れから布団 を出していつもの場所に布団を敷いて、美麻を寝かせてやった。きっ と昨夜から眠れなかったのだろう。上掛けを掛けてやって、その横 に、僕もひじ枕で寝転がる。美麻の寝顔を見るのも久しぶりだ。
思いついて、台所に立つ。洗い物のかごも空で、きれいに整理さ れている。この分だと、昨日から何も食べていないだろう。もう一 度、美麻が眠っているのを確認した。
何が良いかな? と考えながら、壁のフックから部屋の鍵を取っ た。部屋を出て静かに鍵を掛ける。ドーナッツかアップルパイか、 ハンバーガーは今の美麻には、ヘビーだろうと考えて、ミスドへ向 かう。プレーンな奴と、丸い奴を買って、部屋に戻った。
美麻は、まだ寝ている。さっきのように、美麻の横に寝転がって 美麻の寝息を聞いてみる。規則正しくて、静かな寝息。つい眠くなっ て僕も眠ってしまった。
目を覚ますと美麻が僕を見つめている。 「おはよう」と言うと、 「ありがとう。勝手な時だけ頼って、ごめんね」と言う。 「いいよ。頼ってくれて嬉しいよ」と答えた。
二人で横になったまま少し話をした。昨夜、明子が帰ってしまっ てから、美麻は淋しくて部屋の隅で一人でうずくまっていたらし い。
「ドーナッツ買ってきたよ。食べよう」 「うん、私、紅茶淹れるね」
美麻の淹れる紅茶は特別だ。僕は、紅茶はミルクティー派なのだ けれど、美麻の紅茶だけは、ストレートが美味しい。美麻が台所に 立ち、ホーローのやかんに蛇口からジャーッと勢いよく水を入れて 火に掛ける。やがてやかんは、ぴゅーと言う音を立てて沸騰を知ら せる。沸騰させたまま少し待つ。小さなテーブルで紺色のツタ柄の ティーポットに、美麻が茶葉を量っていれる。そのしぐさがまるで 厳粛な儀式のようで、僕の好きな時間だ。
美麻がティーポットに湯を注ぐ。そして、ポットが冷めないよう に、猫の絵柄のティーコジーを被せる。キッチンタイマーをセット して時間を計る。残りのお湯でカップを温める。それを見届けて、 僕は食器棚からカップとお揃い柄の洋皿を出してきて、ミスド��包 みをガサゴソと開ける。一応、見栄えを考えながら、ドーナッツを のせる。ゼンマイ仕掛けのタイマーがチンと鳴った。美麻が、保温 用の湯を捨ててカップに紅茶を注ぐ。とても良い香りだ。脳味噌の 芯にまで染み透るような香り。 そして、二人でドーナッツを食べる。
「おいしい」美麻が、今日初めて笑った。
時計を見ると23時を回っている。 「今日、泊っていってくれるでしょう? 」美麻が言う。 「ああ、そうする」僕が答えた。 すると、テーブル越しに身を乗り出して、美麻が僕にキスをした。
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[chapter:微妙な関係 -02- 翌朝]
翌朝、やかんの鳴る音で目が覚めた。美麻は、もう起きているよ うで美麻の布団は跡形もない。
昨夜は、美麻のあとでシャワーを浴びさせてもらった。その間に、 部屋はナイトライトに変わっていた。美麻が敷いたもう一組の布団 が、僕が敷いた布団と30cmくらいの距離にあった。布団の中か ら美麻が言った。 「明日は?」 「部屋に戻ってから、研究室へ顔を出す」 「そう」 「電気、消す?」 「どちらでも。お好きなように」 僕は、一瞬考えてナイトライトを一番暗い設定にしてから、布団 にもぐりこんだ。風邪で熱っぽかったからか、すぐに眠りに落ちた。
「起きたの?」 美麻が台所から僕を呼ぶ。声が明るい。 「おはよう」と、僕は返事をした。 「食べるでしょ?」と、美麻はトースターで焼かれているマフィンを指す。 僕がうなずくと、 「コーヒー? 紅茶?」と次の質問がきた。 洗面所で顔を洗いながら、僕は、コーヒーと答えた。そして、ド リップと粉を取り出してコーヒーを淹れる。コーヒーは、僕の方が 上手い。美麻はフライパンで、カリカリベーコンとスクランブルエッ グを作っている。
用意が出来て二人で食べる。フォークで二つに割ってカリカリに 焼いたマフィンに、カリカリベーコンをのせる。ガリリとかじる。 これが美味いんだ。
ひとしきり食べて落ち着くと、美麻が言った。 「今日も、寄ってくれない?」 僕は答えの代わりに問いを返した。 「あいつは?」 あいつというのは、美麻の彼氏のことだ。 「今週は、週末まで来ないの」 今日は木曜日だ。 「分かった。寄らせてもらうよ」 「ありがと。夕食、ご馳走するね。何かリクエストは?」 「ハンバーグ。付け合わせにニンジンのグラッセ」僕は、即座に答 えていた。
美麻のハンバーグは、挽き肉を作るところから始めるほど凝った ものだ。肉はしっかりとこねられているし、プロ顔負けの味がする。 それに手間が掛かる。少なくともやることがあるってことは、落ち 込みにくいってことだ。
「美恵子さんは、元気?」 美麻が美恵子のことを尋ねるのは珍しい。 「ああ、生きてる」 「昨日は、本当にありがとう」
「じゃあ、出かけるから」 美麻が右手を差し出した。僕は美麻の手を握った。美麻の手は、 冷たかった。そして、僕は美麻の部屋を後にした。
外は眩しいくらいの快晴だった。
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[chapter:微妙な関係 -03- コスモス]
夕闇が迫る。電車の窓に夕焼けが広がる。 あの後、僕は一度部屋に戻ってから、研究室へ出た。
美麻の部屋から駅まで歩いて、駅を越えてから駐輪場に置いた自 転車を出して部屋に戻った。部屋に入ると電話のランプが点いてい た。留守電が一件、再生すると美恵子からだった。 「まだ、帰ってないの?」タイムスタンプは、23時45分だった。
下着とシャツを替えて、引き出しから一万円札を一枚、財布に補 充した。やはり研究室へ顔を出しておいたほうが良さそうなので、 大学へ向かった。
出てみると教授が休みで他のメンバーもほとんど残っていなかっ た。一応、端末を立ちあげてメイルとニュースグループの投稿を チェックしたが、めぼしいものは無かった。
ちょうど昼だったので、そのまま食堂へ。B定食を食べる。ご飯 は、一日ぶりだ。学生生協に寄ってみる。頼んでおいたCDは、ま だ入荷していなかった。午後は、図書館で過ごした。
電車が駅に着いた。昨日と同じ公衆電話から、美恵子に電話をか けてみる。お母さんが出て、美恵子はまだ帰っていないという。電 話があったことだけ伝えてもらうようにお願いした。
地上に出ると花屋でコスモスを売っていた。一束、買う気になっ た。昼間の天気が良かったせいか、僕の体調の為か、昨日より寒さ を感じない。どうやら、風邪は軽い段階で済んだようだ。
昨日と同じ道をたどり美麻の部屋へ向かう。コーポの階段をコツ コツと音を立てて上る。美麻の部屋の台所には、明かりが点いてい て換気扇が回っている。ノックは、五回。すぐにエプロン姿の美麻 が扉を開けてくれた。
「早かったね。入って」 「はい。コスモ��」 「あら、ありがとう」 美麻は、僕の手から花を受け取ると、香りをかいでから、シンクの の上に置いた。
「え~と、花瓶は・・」と棚を見上げ、 「ねえ、あのガラスの花瓶、取ってくれる」と、 僕に棚の上の花瓶を指差す。 僕が背伸びをして花瓶を取り美麻に渡す。美麻は、 「ちょうどいいわね」と独り言を言って、コスモスを活け始めた。
蒸気を吹いている炊飯器、パットに並べられて焼くだけに準備さ れたハンバーグのタネ。テーブルに広げられた二組のランチョンマッ トとその上のナイフとフォーク、伏せられたティーカップ、美麻の エプロンはレースの縁どりの付いたかわいいやつだった。そして、 花瓶がテーブルに場所を与えられた。
「すぐに食べるでしょう?」美麻が言う。 「うん」 「じゃあ、すぐに焼くから本でも見ていて」
美麻は、本が好きらしい。ブラッドベリからシルヴァスタイン、 宮部みゆき、精神病理関係といろいろだ。でも、僕はCDを眺めて、 一枚を選んだ。ロキシーミュージックを取り出して、CDプレーヤ に掛ける。曲が流れると、うつろな気分になる。美麻が振り返って 言った。 「あら、めずらしいもの聴いてるわね」 確かに、僕の趣味ではないな。と心の中で苦笑した。
料理は、うまかった。つけあわせのクレソンまで残さずに食べた。 美麻が気をきかせてワインも用意してくれていたから、最初に乾杯 をした。まあ、乾杯するような出来事はなかったのだけれど。
二人で、洗い物を片付けた。美麻が洗って、僕が拭いて食器棚に 納める。調理器具は、調理しながら手際よく片付けられていたか ら、わずかな時間でさっと片づいた。毎度思うのだけれど、美麻は 台所仕事がうまい。
片づいてみると、テーブルの上にコスモスだけが残った。
「今日は、早めに帰るね」美麻に言った。 「うん。毎日って訳にはいかないものね」 僕の目に向き合って、美麻が答えた。 「CD、借りていっていいかな?」 「いいよ。何?」 「ブライアン・フェリー」 「へえ、めずらしいのね。今日は、いつもと違う人みたい」
僕は、CDを一枚借りて、美麻と別れた。 扉まで見送ってくれた美麻が、また右手を差し出した。僕は、美麻 の目を見つめながら、手を握った。そして、振り返らずにコーポの 階段を下りた。
美麻の手は、暖かかった。
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[chapter:微妙な関係 -04- 高温期]
来客を告げるドアのチャイムで目が覚めた。昨夜は、少し飲み過 ぎた。時計は、8時12分。パジャマのまま扉を開ける。そこには 不安そうな目をした美恵子が居た。
無言のまま扉を大きく開けると美恵子が玄関に入った。僕はドア を閉めて鍵をかけた。部屋は雨戸を閉めたままなので薄暗い。僕と 美恵子は、無言のまま向かい合って見つめた。そこにあるのは、今 にも泣きそうに不安そうな瞳。少し震えているみたいだ。 美恵子と逢わないまま、今日が三日目だ。
僕は美恵子のショルダーバックを取り床に置いた。そして美恵子 のカーディガンを脱がしにかかった。ダークグリーンのカーディガ ンの下は、丸い襟の白いブラウス、一つずつボタンを外す。ファス ナーを下ろしスカートを足から抜く。無言で美恵子を剥いてゆく。 今の美恵子はブラとガーターベルトとストッキングとパンティーだ けの姿だ。それに靴を穿いている。
もう一度、美恵子の目を見つめる。下まぶたが少し腫れぼったく なっていて、美恵子が興奮しているのが分かる。瞳は潤んで美しい。
フロントホックのブラを腕から抜き、パンティーを脱がす。美恵子が 少しふらついている。僕はパジャマを脱いだ。肌に直接パジャマを 着るので、僕が脱ぐのはパジャマの上下だけだ。
右手の甲で美恵子の喉元の肌に触れる。緊張していた美恵子がほっ としたように瞼を閉じた。美恵子の左足を上げさせて、僕をあてが い静かに挿入する。入り口に微かな抵抗があっただけで奥まで到達 した。そのまま美恵子の両腕を僕の首に巻きつけて、美恵子を抱き 上げる。靴を穿いたままの美恵子を布団まで運ぶ。一つになったま まなので、美恵子の上に倒れかかるように二人重なって横になった。 美恵子が目を開けて視線で「靴」と言う。僕はうなずいて、体を離 さないまま、靴を脱がせる。
美恵子の頭を抱きしめて、そっとキスする。頬を頬に押し当てて、 「高温期?」と確かめる。 「うん、大丈夫…」 ・ ・・ ・・・ ・・・・ ・・・・・
雨戸を10cmほど開けて、二人裸のまま太陽の光を浴びた。 「やっぱりあなたの言う通り。三日も逢わないとダメみたい」 「落ち着いた?」 「うん。私、あなたのものになりたい」 「僕の彼女だよ。美恵子は」 僕は、美恵子のおでこにそっとキスをした。
逢えないのは、辛い。僕は一人暮らしだけれど、美恵子は親元に 居る。だから、電話できる時間も限られる。美恵子の家は門限がと ても早くて、夜のデートは不可能だった。だから、美恵子が僕に連 絡を取らないと、逢うことができないことが多かった。
「昨日は、駅で会えるかもしれないと思って待っていたの」 「昨日は、研究室の連中と飲みに行ったんだ」 「そう・・。私、逢いたかったの、なんだか自分が足りないみたい で、あなたが欲しかったの」 「逢いに来てくれた。ありがとう」 「ううん。あの時、風邪なら早く帰って、なんて言わなければ、良 かったって、ずっと後悔してたの」 「今日は?」 「一日、空けてきたの」 「じゃあ、二人で裸で居ようか」 「ハイ、あなたがそうしたいのなら…」
「大学を出て、もしその時まで続いていたら結婚しよう」 いつだったか、僕は美恵子に言った。それが、形になるのか誰にも 分からないけれど、僕は、僕に逢えないだけで、まるで小鳥のよう に震える美恵子を大切にしたい。
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[chapter:微妙な関係 -05- トレンチコート]
秋も深まりコートの似合う季節になった。僕のは濃紺のトレンチ コート。すでに飾りに過ぎない手榴弾をぶら下げる金具だとか、こ れは実用的な防寒用の喉当ての布とか、パズルのような組み立てが 気に入っている。それに加えて僕のトレンチコートには左の裾の内 側にA4のノートがすっぽり入る大きなポケットが付いていた。
そのコートを着ていても夜明け前は寒い。自転車で駅まで行き、 始発から二本目の電車に乗った。向かうのは、鎌倉の海。美恵子と 途中の大船駅で待ち合わせをしている。早朝デートだ。夜の門限は、 うるさいのだけれど朝早く出かけるのは大丈夫、と美恵子が言うの で朝の海を見に行くことにした。電車の中で迎えた日の出。黄金色 の光が真横から差し込んでくる。乗客は、ほとんど居ない。
大船駅、横須賀線下りホームの先頭。それがいつもの待ち合わせ 場所だ。鎌倉は好きだから二人で良く出かけた。けれど、こんな朝 早くは、初めてだ。ホームの端に立ち、美恵子を待つ。大船観音に 朝日が当たっている。空気は冷たくて、僕はトレンチのポケットに 手を突っ込んだままだ。別のホームに電車が着き、やがて白い息を 吐きながら美恵子が小走りに向かってくるのが見えた。嬉しそうな 瞳が眩しい。
「おはよう」僕が言う。 「待った?」呼吸を整えながら美恵子が答える。 「五分くらいかな」 僕は美恵子を抱きしめ、唇を味わった。はばかる人目は無かったし。 肌は冷えて冷たいのだけれど、キスは熱く、僕を温めてくれた。
鎌倉駅で降りて、海に向かって歩く。由比が浜に降りて波打ち際 に二人寄り添って立つ。潮が引いているらしく足跡のない砂浜が広 がっていた。二人分の足跡が海岸道路から海へと続く。
朝陽で海面がきらきら輝いている。時々、魚が跳ねるのが見えた。 美恵子は僕のトレンチのポケットに手を入れてきて、ポケットの中 で僕と手をつないだ。こうしているのがなんだか嬉しくて、とても 愉快な気分だった。早朝デート、いい思いつきだったなと思った。 美恵子が安堵しているのが分かる。
僕はいつも自分の右側に美恵子を置いた。それは二つ理由がある。 一つは、ソフトボール部だった美恵子が、バッターボックスに入る 時に左を向くから左にいてくれたほうがあなたをよく見ることがで きる、と言ったから。もう一つは、僕は右利きでその利手でいつも 美恵子を触っていたかったからだ。そして今、僕はポケットの中の 美恵子の左手の薬指の指輪をなぞっていた。
「私、あなたのものになりたい」と美恵子が言った後、美恵子は アクセサリー屋に僕を誘った。そして指輪が欲しいと僕に言う。 「どの指にするの?」と訊くと 「この指」と消え入りそうなしぐさで、左の薬指を示した。 僕は、その美恵子を見て自分の気持ちを改めて知った。僕は美恵子 を好きなんだと。
指輪は、金色のシンプルなリングを選んだ。ごてごてしているの は僕の趣味ではないから。それは、おもちゃの指輪に過ぎなくて、 僕が払ったのは僅か二千円くらいだった。けれど、美恵子は、その 指輪を大切にしている。ずっと指に着けたままでいるらしい。
早起きは、時間を得したような気分にしてくれる。小一時間、海 を眺めて駅に戻る頃、街は目覚め出し、人や車が増えてきた。僕と 美恵子は、満ち足りた気分で歩いていた。
そう、今日もまた「日常」が始まる。
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[chapter:微妙な関係 -06- リバランス]
智の奴が失恋傷心旅行に行くと言う。気紛れに同行する気になっ た。僕は出不精だから旅など滅多にしない。深夜過ぎ上野発の信越 線夜行列車に乗った。どこへ行くのかも僕は知らない。
列車内の蛍光燈は冷たい光を放っていて、窓に映る自分の姿が闇 の中を走る。自分を見つめるという旅の抽象的な意味がこんなとこ ろに具現化していることに気づいて、ちょっとセンチになる。
10日ほど前、美麻と関係を持った。 「まわりのこと、全部忘れてほしいときがあるの・・」 あいつとうまくいっていないんだ・・と思い当り、美麻の心を覗き 込むように見つめる僕に、 「今日は、危ない日なの。でも・・」 それ以上を女の子に言わせるほど無粋な奴にはなりたくなかった。
僕は美麻のことが好きだ。僕らの中で一番古い知り合いが、僕と 美麻だった。ただ、美麻にも僕にもそれぞれ別の相手ができたから、 一線は越えないですんできた。今、そのバランスが崩れたらしい。 僕は躊躇した。けれど、意を決し僕は答えた。
「分かった。今夜は俺の女だ」
美麻は、何かを振り払うように激しく、僕の背中に爪を立てた。 思わず美麻の口を手で塞いでしまうほどに、美麻は行為に没頭した。 二人が眠ったのは、空が白みはじめた頃だった。
翌朝、僕は自分に裏切られた気分になってしまった。美麻の部屋 を後にしてから自己嫌悪が僕を満たし、自分が不純なものに思われ て吐き気がした。普段、「Sex はコミュニケーションの手段」など とうそぶいていたのに、美麻と関係を持ってしまうと自分の心を持 て余すことになった。
それ以来、いつものように美恵子と逢っても自分が汚れているよ うで自信が持てなくなった。美恵子も何かを感じている様子だった。 けれど、美恵子は何も言わない。
そんなとき、智がちょっと旅に出るというので、「付き合うよ」 とデイバックに下着を押し込んで列車に乗った。どこか日常と離れ た場所で、放心状態で居たい気分だった。
列車の窓に自分の姿が映る。智は自分の心を見つめているらし い。ワンカップの酒を片手に列車の天井を見つめている。
それぞれに自分を見つめる旅、同行しているけれど、心は別のも のを見ている。男同士だから可能な関係かもしれない。
列車の窓からの光が、刈り取りが終った水田に走る。心のバラン スを取り直すために必要な孤独な時間、それが旅なのだろうと思っ た。
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[chapter:微妙な関係 -07- テレパシー]
ついに観念して僕も手に入れた。
高い料金を払って、たとえ100g以下とはいえ荷物が増えて、 こちらの都合も考えずにいきなり割り込んでくる現代のテレパシー 道具・携帯電話を買った。
美恵子が美術部の合宿から帰ってくるのに合わせて、待ち合わせ をした。僕は逢いたかったから、なかなか現れない美恵子をなんと 5時間も待った。おそらく、到着と出発の時刻を勘違いして僕に教 えたのだろうと途中で気づいたけれど、待ち合わせの場所を立ち去 るきっかけもなく、無駄と知りつつ18時まで待った。気づいた美 恵子はもっとあわてて切ない思いをしているだろうと思ったから、 僕は待った。
後で確かめたら美恵子は、それでも急いで待ち合わせの場所に 19時に着いたそうだ。 「もしかしたら、待っていてくれるかもしれないって思ったの」 「私、あなたに振られてもしょうがない」と 思い詰めるほどに、美恵子は責任を感じている様子だった。
そんなことがあったのと、最近僕がネットにはまっていて部屋の 電話が話し中なことが多くなったので、決心して携帯を買った。
持ってみると不思議なことに、この道具で美恵子と繋がっている ような絆を感じる。ちょっと寂しい時にショートメイルを送ると即 座に返事が返ってくる。
短いメッセージに、今の自分の気持ちを最大限伝えられそうな言 葉を選んで送信する。何時もいつも電話で話せる場所に居るとは限 らないけれど、このメッセージなら何時送っても、いつ受け取って も負担にならない。おかげで、ポケットの携帯を時々取り出して、 液晶画面を確認するくせが付いてしまった。
僕に負担になるような道具にしたくなかったので、僕に電話をく れるほんの少しの人にだけ番号を伝えた。せっかく電話をくれたと きに、ネットに繋いでいて話し中では申し訳ないとおもったからだ。
番号を教えあう。それは、不思議な関係の一歩目。僕は、美恵子 にショートメイルを送るくらいで、電話として使うことはほとんど ない。いささか古いけれど、少し遠まわりな恋もそれで素敵だと思 えるからだ。インスタントな道具立てばかりで、本当の恋ができる かわからない。
障壁が大きくて、なかなか思うように会うことができなくても、 僕は愛しあってゆけるものだと信じていたい。
携帯電話、それは現代のテレパシー
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[chapter:微妙な関係 -08- 鎖骨]
「二人で朝を迎えられないのは辛いね」
火照った躰に一つ一つ衣服まといながら、美恵子が寂しそうに僕 につぶやいた。美恵子といっしょに朝を迎えるのは無理が多いと思っ た。僕は、無理は言いたくなかった。お互い辛くなるから…
けれど、同じ朝を迎えるために美恵子は僕の部屋に泊ると言い出 した。
家のほうは、大丈夫なのか? という表情をした僕に美恵子は言っ た。 「どんなウソをついて来たかは、聞かないで…」
昼過ぎに落ち合って、上野の動物園と美術館で時間を過ごし、夕 暮れを待って夜景を見るために展望台に昇った。東京タワーの展望 台なんてあまりに身近な観光スポットなので敬遠していた。けれど そのことが悔やまれるくらいに、夜景には心を動かされた。
そして食事をして、僕の部屋に帰ってきた。時計は、22時を廻っ ていた。風呂を沸かし美恵子に先に入るように言う。美恵子のため に、洗濯したバスタオルと小さめの僕のパジャマを渡した。
美恵子が入浴している間に布団を敷き、残りの時間でメイルとネッ トの掲示板チェックをして、僕の掲示板の書き込みにレスを付けた。 素っぴんの顔で恥ずかしそうにしている美恵子と入れ代わりに風呂 に入る。美恵子が髪を乾かしているドライヤーの音を聴きながら、 湯船に浸かった。冬空の下、久しぶりに外を歩いたのでお湯がとて も気持ちいい。
湯上がりに缶ビールを開けた。グラスに注いで、視線を交わして 微かに乾杯のしぐさをする。ほっとするのか二人、微笑み合う。と りとめのない、それでいて静かなおしゃべりが時間を満たしてゆく。
突然、僕の携帯電話が鳴った。出てみると明子からだった。僕は、 あえて「明子か? どうしたの?」と、声に出して明子の名を呼ん でから会話を始めた。明子の話は、待っていた通知が思わしいもの でなかったことの報告だった。
美恵子が居ることは悟られたくなかったので、僕は普段のように 相手をした。通話は15分くらいで終わった。その間、美恵子は僕 の見て廻った掲示板の書き込みを読んでいた。退屈そうな素振りを 見せてはいたけれど…。携帯は電源を切っておくべきだったなと、 後悔した。
電話を切ると即座に僕は美恵子を抱きしめた。そして抱き上げて 布団に倒れ込んだ。見つめあって、うなずいて、そしてKiss。
僕は美恵子に腕枕をして、一つ布団に眠った。抱いたり、キスし たり、眠ったり、目が覚めるたびに朝まで何度も何度も繰り返した。 美恵子の唇は素晴らしく美味しくて、美恵子の鎖骨と喉のラインは 僕を夢中にさせた。二組敷いた布団の片方は、結局無駄になった。 美恵子は、朝まで僕の腕の中にいてくれた。
「噛みつきたい」僕は心のままを言葉にした。 美恵子はうなずいた。僕は美恵子の躰のあちこちに噛みついた。 こんな気持ちになったのは、初めてだ。美恵子の鎖骨の上にはっき りと、僕が噛んだあとが残った。
朝9時すぎまで、夜の続きを繰り返した。ついに美恵子は僕を たしなめるようにして、シャワーに行った。
その間に、僕はコーヒーを淹れて、簡単な朝食を二人分しつらえ た。それは、ガスの炎で焼いた歯ざわの良いマフィン、フライパン で作ったカリカリベーコンとスクランブルエッグ、鍋でボイルした ソーセージという、まったく野菜の不足したメニューになった。小 さなサラダでも作りたかったけれど、このところ外食ばかりなので 素材が全くなかった。
「手伝わなくていいの~?」 と言う美恵子に、ランチョンマットとコーヒーカップの準備を頼ん だ。準備が済んでテーブルに付いた僕が、いたずらっぽく言う。 「おはよう、美恵子」 「うん。いっしょの朝だね」美恵子が答える。
同棲したり、結婚したりするとこんな朝を迎えるのかな、という 思いが僕の中を過った。美恵子とならそれも悪くないなと思った。
「昨日ね、気づいていた? 私、明子さんに嫉妬していたの」
僕は、もちろん気づいていた。けれど、今朝の美恵子は自分から それを言いだすほどに素直で、しかもしなやかで、心も躰も満ち足 りているようだった。そして、僕は美恵子の爽やかな笑顔に満足し ながら、コーヒーを飲み干してから、美恵子にキスをした。
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[chapter:微妙な関係 -09- 別れ]
「逢って、話したいことがあるの」
後期末試験が近づいて、あまり逢えなくなった冬の朝に美恵子か ら電話があった。夕刻、いつもの公園で会う約束をした。何か様子 がいつもと違う。いやな予感がその日、僕を満たしていた。
冬の夕刻の公園、無人の公園事務所の階段のところで美恵子が待っ ていた。腰を抱いていつものようにキスしようとすると、美恵子は うつむいてしまった。やはり…、いつもの美恵子と違う。
「どうしたの?」 なかなか話し出さない美恵子に、僕が訊く。 「あのね、怒らないで聞いてね。私、あなたと別れたいの」
「え?」僕は半分虚を突かれ、半分やはりと思った。 「他に好きな人でもできたの?」
「ううん、好きなのはあなただけなの」 「じゃあ、どうして別れたいって言うの?」
「あなたと付合っているとね、何時もいつもあなたのことばかり考 えていて、時間が足らなくなるの」 「えっ?」
「私、もっと勉強する時間がほしいの。あなたと逢っている時はも ちろんだけれど、逢っていない時もあなたのことでいっぱいで…」 「それで、別れるって言うの?」
美恵子は、うなずいた。 そしてあの指輪を薬指からはずし、僕に差し出した。今日のところ は持っていてほしいと美恵子を納得させた。
それから数度、美恵子に会った。けれど美恵子の決意は固かった。 「今日は家まで送らせてほしい」 「それで、おしまいね」 美恵子を家まで送り、もう一度キスしていい? という僕に美 恵子はうなずいた。そっと唇を押し当てるだけのキスをした。 「じゃあ、元気で」 「うん」なぜか美恵子は泣きそうな顔だった。
僕はあてもなく夜の街を彷徨っていた。ポケットの中のお金と口 座の残りを頭の中で数えていた。阿寒湖、そこへの片道切符くらい はどうにかなりそうだ。今は雪に埋もれているだろう。漠然とそこ で果てることを考えながら、部屋へ帰ることができずにいた。つい に最終電車が終わり、駅のシャッターが降りた。
公衆電話が目についた。美麻、あれ以来連絡していない。硬貨を 投入してダイアルする。呼び出し音五回、一度切って、もう一度ダ イアル。すると、即座に美麻が電話に出た。 「どうしたの?」と美麻 「振られたらしい…」 「今どこに居るの?」 「駅」 「そんなところに居ないで、家へ来て」 「僕は、愛はすべてに優先すると思っていた」 「私もよ。待っているからすぐに来て」
ともかく、向かう場所ができた。
美麻は、一人だった。ほんとうに待っていてくれたらしくノック した途端に扉が開いた。パジャマの上にガウンを羽織った美麻が僕 の目を覗き込むように心配そうに、けれど無言で僕を部屋に受け入 れてくれた。こんな時刻にでも僕を受け入れてくれる、そのことが 心に沁みた。
「寒かったでしょう」 美麻は、うなだれている僕をさり気ないしぐさで抱きしめてくれた。 ホーローのやかんがコンロの上で音を立てている。 「暖かいもの、なにがいい? ココア作ろうか?」 「ありがとう」 「体冷えきってるね、先にシャワー浴びたら? ボイラー点けてあ るよ」 「うん、そうさせてもらう」
美麻がミルクパンでココアの準備をするのを背中に感じながら、 バスルームを借りる。お湯が皮膚に刺さるようで、体が芯まで冷え ているのが分かる。強い勢いで出した熱いシャワーを、頭から浴び た。僕の中のもやもやした思いを洗い流してしまおうと、顔を上げ 痛いくらいのシャワーを顔面に受けた。寒さと空しさで痺れている 頭に僕を呼び戻そうと、もうろうとした意識から這い上がろうと、 もがいていた。
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[chapter:微妙な関係 -10- 友達以上恋人未満]
「寒いから、今日は奥の部屋に行って」
長いシャワーから上がると美麻が言った。ダイニングでなくて奥 の部屋の小さなまるでちゃぶ台のようなテーブルにココアが用意さ れていた。
美麻は台所の電灯を落として、ふすまを閉めてテーブルの僕の向 かいに座った。 「私はこれ」とアンズ酒の水割りを持ちあげ、微笑みながら僕に見 せる。美麻に会うのは、あの時以来だということに今さらながらに 気づいた。
あの朝、僕は自分に裏切られた気持ちになって、それ以降美麻に 連絡をしなかった。美麻は自分から僕に連絡してこない。そう、あ の時のたった一度を除いては…。
「暖まった? 風邪引かないといいんだけど」美麻が言う。 まるで、何事もなかったようにそこには美麻が居た。 「うん、ありがとう」なんだか、意味をなしていない受け答えをし ている自分に気づく。 「どうする? お話しする? お酒飲む? 寝ちゃう? 私はどれ でもいいよ」
「じゃあ、ちょっとだけ聞いてくれるかな」 「うん、どうぞ」 「美恵子に振られた」 「うん、さっき聞いたよ。で、なんで?」 「勉強したいんだって、僕と付合っていると時間が足らないって」 「ふうん・・美恵子さんらしい、と言ったら怒るかな?」 「振るんならウソでも男を作ってほしかった」 「そうしないのが、美恵子さんのいいところでしょう?」 「そうかもしれない」 「で、もうお終いなの?」 「どうやら、そうらしい」 美麻は、水割りを飲み干した。喉のラインがゴクゴクと動くのを僕 は眺めていた。
「電話してくれて良かった」美麻が沈黙を破った。 「私があなたを誘ったから、もしかしたら、あなた落ちこんでいる のかもしれないって思ってたの」 美麻は、僕の答えを待たずに続ける。 「私はね。あなたとだと不倫とか不貞とかそういう後ろめたい気持 ちがなかったの。あなたは、私にとって不思議な特別な人なのかも しれないの、自分でも不思議なんだけど」
そこまで言ってから、美麻は台所に立った。水割りを作っている らしい。冷蔵庫の扉を開ける音に続いて氷の音が聞こえた。そして 今度は、グラスを���つ持って戻ってきた。僕もグラスを受取る。そ れはバーボンの水割りだった。
「私は、あなたのこと好きよ。でも他の男の人を好きになる気持ち とは少し違うの ・・」 「え?」僕はやっと口を開いた。 「なんて言うのかな ・・ 友達以上、恋人未満・・。だから、別 れるってことが不可能なの、私たち」 と、少しとまどうような、含羞むような不思議な笑みを浮かべて直 子がそう言葉を結んだ。
付合っていなければ、「別れる」ってこともあり得ないわけか…。 言葉遊びにだまされた気分だったけれど、へんに納得した僕だった。
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[chapter:微妙な関係 -11- 13日の金曜日]
「ねえ、男と女の間の友情って信じる?」
僕は美麻の男性遍歴というのだろうか、彼女の性関係をたまたま すべて知っている。そしてこの間のことで、その中に僕も含まれる ことになった。
三年ほど前に美麻に出逢った時、美麻はある男に惚れていた。い や、崇拝していたと表現してもよいくらいに、その男に傾倒してい た。その男は、たまたま僕のよく知る男で、正直に言えば女ぐせの 悪い奴だった。ただ、はちゃめちゃな行動力と実行力は、僕も認め ていた。そんなところが魅力だったのかもしれない。
僕と美麻は、いろいろ話していてお互いが楽な相手だと気づいて いた。男とか女とか意識はしているのだけれど、その上でなお気疲 れしない。でも恋愛感情でない関係、そんな信頼が僕と美麻の間に 出来てきていた。
ある日、美麻は僕に言った。 「石川さんに抱かれたいの」と。 言葉にしにくいこと、そう、男性経験とか・・を、僕は美麻に問 うことになった。最初は少し遠まわしに、ついにハッキリと。 僕は、処女の娘が「抱かれたい」と思う、ということを初めて知っ た。そして、美麻の気持ちを理解できるようになりたいと思った。
結果として、僕は処女の美麻に出逢い、そして嬉しそうな顔でさ り気なく、石川に抱かれたことを伝えてくれた美麻を見てきた。
男同士の会話で石川は、娘がまとわりついてくるので抱いてやっ た、と言っていた。いささか僕としては不満であったけれど、美麻 がそれでも構わないと言うのだから、それで良いのだろうと思うこ とにして口を挟まなかった。
僕からみると石川は一時、美麻をいいように弄んだ。けれど美麻 は、幸せそうだった。
そんな友情に似た長い付合いの中で、たった一度だけ美麻が僕に 電話を掛けてきたことがあった。 「どうかしたの?」という僕の問いに 「私、病院いってくる」 「え?」 「もう、一ヶ月も遅れてるの」 そうか・・・と僕は言葉を飲み込み、平静な声で言葉を返した。 「一緒に行ってくれる人はいるの? 僕が行こうか?」 「大丈夫。ひとりで」 美麻の声は、しっかりしていた。 「あなたにだけは、話しておきたかったの」 「彼、知らないの?」 「うん、黙っていてね」 「わかった。でも、何かあったら必ず連絡してね」 「ありがとう」
その後、石川に他の女が出来て、二人はなんとなしに終わったよ うだった。石川は、ついに知らないままだったはずだ。
半年くらい経って、美麻が冗談めかしに話してくれた。 「おじいさんの先生だったの・・」 僕は、美麻が泣いていたのを知っていたから言葉を飲み込んだ。
しばらくして美麻から一編の詩の手紙が届いた。 タイトルは、「13日の金曜日」。そこには流してしまった子供に 対する美麻の気持ちが書かれていた。僕は、一度読んだきり読み返 すことができなかった。
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[chapter:微妙な関係 -12- MEDIUM FINAL コンサート]
届いた封書を開けると、コンサートのチケットとチラシが入って いた。高校の後輩だった真由美と砂奈実のデュオが解散するという。 そして最後のコンサートを神奈川公会堂で開くという。チラシにマ ナミの字で「いらして下さいますか?」と書き添えられていた。
MEDIUMというのは、彼女たち二人のグループの名だ。 フォークギターとピアノを弾きながらオリジナルの曲を唄っていた。 懐かしいような、こそばゆいような少女の夢をたくさん詰め込んだ 優しい言葉を静かなメロディーに乗せたようなそんな曲が多かった。 その素朴さが僕の好みで、録音してもらったテープを良く聞いてい た。
チケットは二枚同封されていた。けれど、美恵子には振られてし まったし、美麻は誘っても行かないだろうしと決めあぐねていた。 そうしているうちに3月29日はやってきてしまった。コンサート は17時からだった。決心してひとりで出かけることにした。少々 おおげさではあるけれど、一つの時代が幕を降ろすと僕には感じら れたからだ。
コンサートは、高校の同窓会状態だった。知った顔がたくさん来 ていた。ロビーで美恵子も見かけた。
開幕すると解散を惜しんだ仲間たちが集まったらしく、ちょっと したバンドが組まれていた。僕は生ギターとピアノの弾き語りの二 人の唄が好きだったのでちょっと閉口した。けれど、後半は二人だ けのシンプルな伴奏での唄を楽しむことができた。
終わってみるとちょっと感慨深いものがあった。会場を出ると、 三月の終わりの春になるのを待ち望むような風が襟元から僕のほてっ た体に吹き込んだ。美恵子と鉢合わせするのもいやだったので早々 に立ち去った。「雨降りだから」を口ずさみながら駅までを歩るい た。
今日は雨降りではないけれど、僕の心の中はこのところ雨降りが 続いている。なにかしなくちゃというような焦燥感と、もうどうに でもなれという投げやりな気持ちが僕を気だるい生き物にさせてい る。
唄は、雨降りだから迎えに来てと唄っている。僕は誰かを迎えに 行けるのだろうか? 僕が迎えに来てと言ったら誰かが迎えに来て くれるのだろうか?
互いに相手を縛りつけないような関係、あいまいで微妙な関係、 そんな状態も悪くないと思ってきた。けれど、そこには確かなもの はなくて、いつも不安定なドキドキするような関係が続く。今日の 僕は確かなものが欲しい。僕だけを見つめてくれる恋人が欲しいと いうことを今日は素直に認めようと思う。 二人の唄は僕を寂しがり屋にしてしまったようだ。
僕は美恵子を思い出しながら改札口への階段を勢いをつけて駆け 上がった。
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[chapter: 微妙な関係 -13- 逢えない夜]
春の雨、もうゴールデンウイークも近いというのに雨が続く。僕 は一人の生活で日々を過ごす。桜は散って、黄緑色の新緑が雨に濡 れる。先日買ったパステルイエローの傘をさして僕は街に埋もれる。
今週はずっと外食続きだ。あれ程、外食が嫌いだった僕だけれど、 この春の言いようのない寂しさに飲み込まれている。ややもすると 何も食べないで終わってしまいそうなので、むりやりに外食で肉体 を繋いでいる・・ そんな感じだ。今日もバーミヤンでマーボ豆腐 セットを食べてきた。バスタブに湯を張るのも面倒でシャワーです ませる。
水割りの氷を鳴らしながら・・・ 飲めずにいる。 好きなCDも今夜は空しい。
「あいつに・・ 逢いたい」
あいつの前に立ち、あいつの目を見据えて、僕の思いをぶつける ように抱きしめたい。左腕をあいつの脇から背中にまわす。背中の 肌を味わいながらあいつの背骨の窪みをとらえる。右腕はあいつの 肩の上から後ろに廻し、後れ毛を、首筋を、触りたい。
そして、あいつの耳元でささやく。
「逢いたかった」と
けれど、今夜もまた一人。 妄想が、時計の針に刻まれて消えてゆく。
-----> 続く?…
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