#マハーカーラ
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今日は小寒。 甲子。 冬至から最初の甲子、 陽遁始め。 大國神甲子祝詞。 大黒経。 おんまかきゃらやらそわか。 [2015.07 カトマンズ] #甲子 #神仏習合 #大國主 #大黒天神 #マハーカーラ #mahakala https://www.instagram.com/p/CnE6T9EJ0YI/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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青面金剛(しょうめんこんごう)は、日本仏教における信仰対象の1つ。青面金剛明王とも呼ばれる。夜叉神である。
インド由来の仏教尊格ではなく、青面金剛/マハーカーラ/シヴァの関係
唐の時代、インド密教の「マハーカーラ」の姿が、説明抜きで絵図だけ一人歩きして中国に伝わり、ドクロの首飾りや蛇を巻き付けた怖しい姿から病気を流行らせる悪鬼と誤伝されて、「青面金剛」と命名されて病気平癒祈祷用に使われた。 マハーカーラと青面金剛の関係は「誤伝」であり、本来は無関係である。中国の道教思想に由来し、日本の民間信仰である庚申信仰の中で独自に発展した尊格である。庚申講の本尊として知られ、三尸(さんし)を押さえる神とされる。
歴史的背景 詳細は「庚申信仰」を参照 道教では、人間の体内には三尸という3種類の悪い虫が棲み、人の睡眠中にその人の悪事をすべて天帝に報告に行くという。 そのため、三尸が活動するとされる庚申の日(60日に一度)の夜は、眠ってはならないとされ、庚申の日の夜は人々が集まって、徹夜で過ごすという「庚申待」の風習があった。
庚申待は平安貴族の間に始まり、近世に入ってからは、近隣の庚申講の人々が集まって夜通し酒宴を行うという風習が民間にも広まった。
日本では各地に石造の庚申塔が多数遺り、そこには「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿像と共に青面金剛像が表されている例が多い。木造の古例としては、奈良・東大寺の木造青面金剛立像(重要文化財)が著名である。
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Vivienne Westwood「Himalayan」BELT ヨーロッパの秘境であり、憧れの土地がイギリス スコットランド周辺であるならば、 アジアではチベット地方がそれに該当するのかもしれません。 背後に迫るヒマラヤ山脈、行き止まりの地の果ての様な地理と厳しい気候。 僻地でありながら、文化の十字路として西洋、東洋、インドからの影響を受け続けてきました。 独特の死生観、世界観を持つチベット密教から生み出されたチベット美術は世界中の人々を魅了しています。 それらの代表的な曼荼羅はインドを起源としてチベットで多く制作され、遠く日本迄伝わりました。 生と死はストレートに表現され、生の象徴として性的結合像が多く制作されました。 一方、死の象徴として、スカル=髑髏は頻繁に使用されるモチーフとなっています。 スカルの仮面をつけて踊る儀式、高僧の頭蓋骨に彫刻や装飾を施した髑髏杯等も存在します。 多神教は人々の多面性、多様性を認めています。 タブーのないストレートな表現方法は生活���密着し、おおらかでもあります。 チベット美術のこれらの要素が自由な活動を求める芸術家達を惹きつけています。 ヴィヴィアン ウェストウッドはコレクションで『himalayan(ヒマラヤン)』と称してチベット美術をテーマとした作品を発表しました。 今回紹介するベルトは当時の作品のシリーズの一つです。 ベルトのバックルはスカルが連立したオーブになっています。 これはマハーカーラや、ヒンドゥーに起源を持つ人肉を食する女神ダーキニーを連想させます。 チベットの神の像と同じ様に、頭部にも小さいスカルの王冠が取り付けられています。 オーブのクロス部分の先端は仏具の独鈷の様に尖っています。 不遇の歴史を辿ってきた、ミステリアスな文化を有するチベットは世界中より注目されています。 是非ともこの機会に現物を御手に取ってご覧下さい。 ベルト部、牛革。日本製。 ¥14,040 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F 【営業時間】10:00~21:00 【休館日】2月26(月)、27(火) 休館 【PHONE】 06-6644-2526 【Facebook】https://goo.gl/qYXf6I 【tumblr.】https://gallerynamba.tumblr.com/ 【instagram】http://instagram.com/gallery_jpg 【Twitter】https://twitter.com/gallery_jpg 【ブログ】http://ameblo.jp/gallery-jpg/ 【オンラインショップ】http://gallery-jpg.com/ #チベット #チベット美術 #チベット密教 #Tibet #ヒマラヤン #ダライラマ #ロバートサーマン #マハーカーラ #ダーキニー #SIVA #シヴァ神 #スカル #骸骨 #ガイコツ #ドクロ #髑髏 #VivienneWestwood #ヴィヴィアンウエストウッド #ベルト #belt #ベルトバックル #バックル #ゴールドバックル #オーブ #レザーベルト #メメントモリ #鬼 #曼荼羅 #仏教美術 #独鈷
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@semimaruP(蝉丸P@「住職という生き方」「つれづれ仏教講座」発売中)
大黒さん神仏習合で福々しい見た目だけど、元はマハーカーラやで⋯ >RT https://twitter.com/semimaruP/status/1426342316688633861/photo/1
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昨日12月9日は「大黒様のお歳夜(おとしや)」でした。庄内では毎年当たり前の様にそれぞれの家で大黒様を祀ってますけど(東北や新潟などでもこの日に一部大黒天を祀る慣習がある地域もあるようですが)全国規模で行われてる行事では無いみたいですね。それにしても何で大黒天なのかしらん? 地元に限って言えば確かに庄内では”羽��””黒森””黒川”など黒が付く地名や苗字は多いのです、大黒の由来のマハーカーラ(大いなる黒)的な意味から?とかいつもの様に言葉遊びやダジャレで考えるのも面白いです。色んな説があるらしいですが巨大な組織から狙われそうな説もあるんですよ。怖ーい
In 9th December.my home towns people enshrine the Deity of Daikokuten on a shelf for shinto every year.but the origin of this customs (of a certain community) is unknown. note:Daikokuten is famous as one of “the seven deities of good fortune” in Japan.
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堪能!仏教美術 ~ ラマユル、アルチ
5月31日~6月2日 インド ラマユル~アルチ
ザンスカールから外に通じる自動車道は1本しかないので、一旦カルギルまで戻る。カルギルの街はラダック地方の一部だが、カシミール系の住民が大多数を占めており、イスラームの色がとても強い。折しもイスラーム世界は今年のラマダン月に突入しており、日中に食事を摂れるかどうか危ぶまれたが、街なかのレストランは普通に開店していた。安堵して適当な食堂に入りチキンビリヤニとソルティ・ラッシーを注文する(160ルピー≒280円)。客は僕ひとりで、注文の品がテーブルに届くと店員がそれとなく店の扉を閉めた。店を開けているとはいえ、やはり周囲には気を遣うのだろう。
カルギルで一泊したのち、ラマユルという街へ移動。ここから先は再びチベット系民族の土地だ。ラダックは全体的に高原地方で、カルギルでも2,700m近くあり、ラマユルは3,000mを優に超えている。
ザンスカールよりは緑が目立つが、それでも荒涼とした岩山と渓谷が延々と続き、河川の流れる谷間にのみ樹木が茂っていて、背の高いポプラの木が目立つ。タジキスタンのパミール高原やワハーン回廊あたりによく似た風景だ。おそらくパキスタンの北部やアフガニスタンも共通するだろう、南アジア・中央アジア境界領域の特徴と思われる。
そんな中に建つのがラマユルのゴンパ(僧院)。ラダックの僧院はたいてい小高い丘の上に建てられている。俗界から隔絶された聖域であり、部外者の侵入を拒む城砦でもあるような、そ��な風情だ。
もちろん中も見せてもらった。僕以外の観光客はちらほらといる程度で、やはりまだ本格的なシーズンではなさそうだ。そのせいか僧侶の姿もほとんど見られず、内部を撮影していいかすら解らずじまい(あとで確認したらフラッシュ禁止で撮影可らしい)だったため、残念ながら手元に写真がない。ドゥカン(本堂のこと)には小さな石窟が遺されていた。11世紀の行者ナローパがこの中で瞑想したのが創建のきっかけだという。ドゥカンの奥にはゴンカン(護法堂と訳される)と呼ばれる別室があり、マハーカーラ(大黒天)、チャクラサンヴァラ(勝楽金剛。かの無上瑜伽タントラの中心仏の一柱であり、代表的な歓喜仏)などなど、護法の場にふさわしい仏像の数々が安置されていた。
センゲガン(獅子堂)というもうひとつのお堂もあるはずだったが、これも何処にあるのかわからず。若干の消化不良をかかえてこの地をあとにする。
ラマユルで一泊したのち東へと向かい、その途中でアルチという街に立ち寄る。ここにも有名なゴンパがあるのだ。
ここは完全に内部撮影禁止。いや~、ここがまた凄かった。メインは三層堂で、内部が吹き抜けになっており、一階から三層の壁画をぐるりと見渡せる構造になっている。壁画の保存状態はとてもよく、極彩色の仏教美術世界を堪能できる。仏像も立派で、5mの高さに及ぶというアヴァローキテーシュヴァラ(観音菩薩)、マイトレーヤ(弥勒菩薩)、マンジュシュリ(文殊菩薩)が三方に並ぶ様は圧巻だ。三層堂の他にも保存状態の比較的よいお堂がもうひとつあり、こちらは何枚もの曼荼羅が壁という壁に描かれている。密教好きには堪えられない空間。ラダック来たらここはマストだろう。写真撮りたかった、嗚呼...。
写真が寂しいので食事と��の話題をすこし。上はザンスカールで食べたモモ。お茶をつけて140ルピー(≒240円)。
これはテントゥク。トゥクパに似ているが、細打ち麺ではなく、延ばした小麦粉の生地を小さく切ったものを入れている。(70ルピー≒120円)
ラマユルの宿Tharpaling Guesthouse。ここは大当たり。300ルピーで小ぎれいなシングルに泊まれる。ラダッキ(ラダック人)の女将さんも超親切。wifiも使えたが、停電が頻発してあまり使えなかった。ラダックは全体的に停電が多い。
美味い夕食が100ルピーで食えるのも嬉しい。レンズ豆のスープと青菜のスープ。ごくシンプルだが、これが佳かった。化調と無縁、素材の味そのもの。青菜のスープにはパスタが入っていたが、これがまた香ばしくて旨い。おそらく大麦だ。
きっとこれがラダッキ家庭の味なんだろう。ラダック全般に云えるが、街にはけっこうな割合でアーリア系が住んでいて(半数近い)、その影響か、食堂で出されるチベット料理もかなりインディアナイズされており、トゥクパがカレー味だったりすることがよくある。そしてそういう飯はたいてい不味い。ラダックってチベット文化が中国側より色濃く受け継がれているんじゃなかったでしたっけ? アベレージで評価したらタワンのチベット料理が圧勝である。本来のチベット料理は美味いのに...と思っていたので、このゲストハウスの夕食は救いだった。ヴァラナシとシュリーナガルで負った傷が、ここにきてようやく癒えた思いだ。
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17世紀初頭に明の冊封下で、満洲に住む女直(jušen、以下「女真族」)の統一を進めたヌルハチ(満州語: ᠨᡠᡵᡤᠠᠴᡳ、転写: nurgaci、努爾哈赤、太祖)が、1616年に建国した後金国(amaga aisin gurun)が清の前身である。この後金国の建国と前後して、ヌルハチは満洲文字(無圏点文字)を制定し、八旗制を創始するなど、女真人が発展するための基礎を築いていた。1619年、ヌルハチがサルフの戦いで明軍を破ると、後金国の勢力圏は遼河の東方全域に及ぶに至った。その子のホンタイジ(hong taiji、皇太極、太宗)は山海関以北の明の領土と南モンゴルを征服し、1636年に女真族、モンゴル人、漢人の代表が瀋陽に集まり大会議を開き、そこで元の末裔であるモンゴルのリンダン・ハーンの遺子から元の玉璽「制���之宝」[2][3](本来は大官任命の文書に押される印璽である上、後に作られた偽物である可能性が高い)と護法尊マハーカーラ像を譲られ、皇帝として即位するとともに、女真の民族名を満洲(manju)に改めた。
清 - Wikipedia
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ヒンドゥー3大神:世界の創造・維持・破壊
ヒンドゥー3大神��一般的にいわれている神々を、ご存知でしょうか。シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの3神が、それにあたります。シヴァ、ヴィシュヌは有名な神様ですが、ブラフマーは少し、マイナーかもしれません。
今回は、このヒンドゥー3大神について、そしてヒンドゥーの世界観で、どういった役割をもっているのかを、みてみたいと思います。紹介するのは、あくまで、数多くあるヒンドゥー思想の中で、多数派となっている世界観であることを、先に断っておきます。
1.シヴァ神(破壊)
シヴァは、ヴィシュヌ、ブラフマーと並ぶヒンドゥーの主神で、世界を破壊する神といわれてます。
世界を破壊するときの姿は、「マハーカーラ(Mahakala、大黒)」と呼ばれ、恐ろしい黒い姿で顕現します。日本には、シヴァの別の姿であるマハーカーラが、大黒天として伝わっています。
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2018年最後を締める描画 『摩訶迦羅天図』2018 F10サイズ #acrylicpainting #acryliconcanvas ヒンドゥー教のシヴァ神の化身で戦闘・財福・冥府という3つの性格を持つマハーカーラ(摩訶迦羅天)は、日本の仏教において財福を祀られる「大黒天」である。 マハーは「大いなる」、カーラは「黒、暗黒、時間」を意味し、世界を破壊するときに恐ろしい黒い姿で現れる。 みなさんが知っている七福神の大黒様と言えば、笑顔で肩に大きな袋を背負い、右手には内出の小槌を持った福々しい姿を思い描きますが、本来は青黒い姿で、破壊や戦闘を司るシヴァ神、ドゥルガ女神の化身であるともされ、また生育創造神としてのビシュヌ神の化身であるとされ、冥府神としての夜摩神の化身ともされる。 なかなか普段描くことのないモチーフなので、様々な資料を読んでいきましたが、とても深く辿り着くことが難しく、お世話になる和尚にも相談もしました。今後何度も描き、自分を通しこの���訶迦羅天も成長させれたらと思います。摩訶迦羅天は、別の意味で「永遠」とも言います。永遠にひたむきに画道を歩んでいくという締めの画となりました。 #摩訶迦羅天 #マカカーラ #マハカーラ #mahākāla #七福神 #contemporaryart #painting #大黒様 #大黒天 #シヴァ神 #hinduismo #hinduism #tibetanbuddhism #buddhism #tibetanart #artwork #kimatayasunori #木全靖陛 #比叡山延暦寺 #三面大黒天 #アクリルペイント #turner #japaneseart #japaneseartist #画家 #dragonartist #仏教 #縁起物 https://www.instagram.com/p/Br_beETBoOF/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1x50b1yj5do37
#acrylicpainting#acryliconcanvas#摩訶迦羅天#マカカーラ#マハカーラ#mahākāla#七福神#contemporaryart#painting#大黒様#大黒天#シヴァ神#hinduismo#hinduism#tibetanbuddhism#buddhism#tibetanart#artwork#kimatayasunori#木全靖陛#比叡山延暦寺#三面大黒天#アクリルペイント#turner#japaneseart#japaneseartist#画家#dragonartist#仏教#縁起物
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ふるよに神話学
『桜降る代の神語り(以下、神語り)』を、日本神話や民間伝承と比較・考察してみます。
※陰謀論的な推察が多分に含まれます。ジョークの範疇としてお楽しみください。
※この記事は「ふるよに Advent Calendar 2018」のために書きました。
■はじめに
『桜降る代に決闘を(以下、ふるよに)』では、公式ストーリー『神語り』の一面を切り取った「アナザー版メガミ」が登場します。
現実の神話を振り返ると、例えばヒンドゥー教のシヴァ神の別名「マハーカーラ(偉大なる黒、の意)」が仏教に取り込まれて「大黒天」となり、「だいこく」の音から神道の大国主と混同され、果ては七福神の一柱として、打出の小槌やら鯛やら持つようになりました。
ふるよにで考えると、サリヤが大天空やら虚魚やらみたいな状況です。
と考えたところで、桜降る代におけるメガミ信仰や現実の宗教との違いなどについて記事にしたら面白いのでは、と思ったのがきっかけで、筆を取ることにしました。
■天音揺波はなぜ龍ノ宮一志を倒さねばならなかったのか。
最も有名な日本神話の逸話であろう、「スサノオノミコト(以下、スサノオ)のヤマタノオロチ退治」になぞらえたものと考えています。
まず、ヤマタノオロチ退治の神話は、産鉄民の平定を表したものだという説があります。
鉱物資源の開拓によって財を成した「龍ノ宮」は、苗字とも合わせてヤマタノオロチとの関連を伺うことができます。
また、スサノオは天を追放された武神であることから、体制側から反体制側に回った象徴として、大家である龍ノ宮家や瑞泉家に反旗を翻したユリナと通ずる点があるものと考えることもできそうです。
「龍」ノ宮一志を倒すのは、「天」音揺波である必要がありました。
■龍ノ宮一志���なぜヒミカとハガネを宿していたのか。
龍ノ宮一志は、自らの龍ノ宮の奉土(≒所領)である赤東地方から、 豊富な鉱物資源を発見した、という背景があり、炎と金属、すなわち鍛冶を司るメガミであるヒミカ及びハガネを宿すのは必然と言えます。
また、「刀」を鍛えるためには、「炎」に突っ込んで「鎚」で叩かなければいけません。スサノオ(≒ユリナ)は、「古刀」たる十握剣(とつかのつるぎ)によって、ヤマタノオロチ(≒龍ノ宮)を倒すことによって、「刀」たる天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を手に入れる、という儀式をここで済ませているわけです。
ヤマタノオロチは古志≒越の国、すなわち石川県を意味しているという説もあります。古志と一志の文字の一致だけでなく、ダジャレっぽくなってしまいますが、一志≒石(川)、という言葉の符合は果たして偶然でしょうか。
■チカゲはなぜ龍ノ宮一志を襲ったのか。
スサノオは決戦の際、八つの桶にいっぱいの酒を用意して待ちました。『シンゴジラ』でモチーフになった「八塩折之酒(やしおりのさけ)」です。それを呑んで酔い潰れたヤマタノオロチの首を、スサノオは切り落としました。
また時代は下りますが、大江山の酒呑童子討伐の際、源頼光は「神便鬼『毒』酒」を飲ませ、同じく酔ったところを切り伏せたのです。
『日本のまつろわぬ民 漂泊する産鉄民の残痕』によれば、「鍛冶や鉱山、金属精錬の技術を持った人々が、日本に特有の魔物である鬼とみなされたという説は、多くの史家が指摘していることであり、――(略)――大江山の酒呑童子や配下の鬼たちの実体も、鉱山師や鍛冶の集団だと思われる」とあります。
ミコトの間で酒のことを「酩酊毒」などとネタにされることもあるように、古来より酒は薬にも毒にもなると考えられてきました。
酒(毒)、即ちチカゲの襲撃により、弱ったところを、刀によって退治される、というのが龍ノ宮の定めだったのです。
■オボロはなぜ揺波に力を貸したのか。
オボロは忍のメガミです。
忍者で有名な伊賀の服部氏は、技術系渡来人の秦(はた)氏につながる家系であり、製鉄とも深く関係していたようです。手裏剣や鉄菱、鎖鎌など、鉄製武器が豊富なのもこうした背景があるわけです。
また『神語り』32話に「忍の里、というと仰々しいが、山々と森に囲まれているというだけで、見た目は普通のそれと大して変わらない」とあるように、民俗学者・柳田國男のいう山岳民族「サンカ」との共通点も見られます。
家を焼かれ、漂泊する身となったユリナが、同じく漂泊民としての忍と協力関係を持つのは自然なことと言えます。
■オボロはなぜ片目片腕を失ったのか。
日本神話には天目一箇神(あまのまひとつのかみ)という神がいます。
たたら製鉄職人は、鉄の温度を確かめるために焼けた鉄を見続けなければならず、片目が見えなくなるため、鍛冶の神である天目一箇神も片目となっています。
「熊」野山中には片目片足の「一本だたら」という妖怪もおり、こちらもやはり鍛冶職人との関連性があると考えられています。
上記のことから、製鉄に関係があり、山中に住む「忍」という特性から、片目になったのではないでしょうか。
■終わりに
天津神vs国津神≒大和民族vs土着民族≒農耕民vs産鉄民というような説は民俗学的によく言われていることで、そこを中心に拾ってみました。
以下、今回できなかったざっくり珍学説です。
現実の宗教史に照らし合わせた場合、メガミ教(?)が桜降る代で今後広がっていくことを考えると起���り得た事象です。
しかしながら、桜降る代には顕現体としてメガミが実際に存在できるので、こういった変容はないかもしれません。
キリスト教の拡大で悪魔化してしまったイシュタルやバールのように、実はウツロ、ホロビあたり���善神だったのでは?
ユキヒの傘開閉が別々の神になる?
オボロとチカゲが忍者同士なので混同される?
もし次の機会があれば、こういったネタの展開でも面白いのかもしれません。
それではまた。
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【自由研究】韋駄天は20世紀前半まで正体不明?!
「韋駄天は20世紀前半まで正体不明だった」 図書館から借りてきた本を見て目ん玉落ちそうです。 まだ全部読み切ってないしここはこの本のまだまだ序盤なのですが、私の心の平穏のためメモしていきます。
韋駄天は足が速い形容として今でも使われるため、日本でスカンダを紹介する時は韋駄天=スカンダ(だが韋駄天は建駄天などの音訳の誤字、道教の韋将軍信仰と混ざった?)みたいな説明になります。 (カルティケーヤとかムルガンとかスブラフマニヤとかクマーラとかグハはその後) …ということで、誤字のまま日本には鎌倉時代からいてくれる韋駄天さん。 古くは、「仏説護諸童子陀羅尼経」に、子供に病魔をもたらす鬼として「騫陀(ケンダ)はその形、鳩摩羅天の如し」と説明されていました。 鳩摩羅天はクマーラ、元のスカンダの姿そのままで、六面で孔雀に乗る童子、子供を守る神様です。 姿は当たってるのだけど、この時点で善神と病神として分裂してます。 その後、曇無讖(385-433インドから渡来した翻訳僧)の訳した文書にのみ、「韋駄天」の文字が出てくると。 「韋陀」は、「ヴェーダ」の音訳語ということになってたけど、「韋駄天」はなんだろ、と、よくわからないまま! それが、1916年 ノエル・ペリ氏の著作Le dieu Wei-t'o (フランス語なのですが、韋駄天とか金光明経とか活字で入ってる!) ここで、韋駄天=スカンダが確定されたようです。 日本でも運敞(1614-1693 真言宗)寂照堂響集や無著道忠(1653-1744臨済宗)禅林象器箋により、韋駄天の謎を調べていた方の文書が残ってるそうです。
3世紀から4世紀頃。曇無讖はインドから北京まで来て翻訳に携わり、原典が足りなくてインドに戻って北京に戻り、まだ足りなくてコータン(今のウイグル自治区)に行ってお経調達して、もう少し足りなくて今度はインドに使者を出して取りに行かせたそうです。 ちょうど、三蔵法師が天竺行って帰ってきた時期に。 その偉業はともかく、三蔵法師の時期から韋駄天は、若い軍神、くらいしか情報なしのまま中国で祀られてさらに正体不明のまま日本まで来てることになります。 (別の方により別の音訳もされているので、すぐに正体不明になったわけではないけれど、韋将軍と混ざって、韋将軍だか韋陀(ヴェーダ)だか韋駄天だかもう全然わからなくなったらしく)
…家を捨て名前も捨て仏門に入った方達の中で、お父さんもお母さんもお父さんもお兄さんも一緒、ちょっと配置換えあるけど上司も変わらず名前もそのまま、サラブレッドで実家の太いぼんぼんめ、と思ってたのですが、文字通り身一つで遠い国に連れてこられちゃってたとは…
もひとつ別の話をします。 ガンダーラやマトゥラーで盛んに石像がつくられ始めたころから、門や柱にも像が彫られました。 単なる装飾ではなく、建物を支える役目と、福を招き魔を追い払うためです。 ガンダーラでは、柱にギリシャ神話からのアトラス、門に夜叉大将パーンチカと鬼子母神ハーリーティのカップルがよく置かれました。 マトゥラーでは、柱はヤクシャ、門にはヤクシャの王クベーラとラクシュミー、後にガネーシャなどが置かれました。
【 軍神福神コンビ 】 パーンチカとハーリーティ スカンダとガネーシャ クベーラと大地母神、あるいはガネーシャ(クベーラが軍神化してから)
【 福神福神コンビ 】 クベーラとラクシュミー(吉祥天ラクシュミーが鬼子母神ハーリーティーと同じグループ→鬼子母神の娘になる兆し、また、ラクシュミーが福神を担うためクベーラが軍神化する兆し) クベーラとガネーシャ 大黒天マハーカーラと鬼子母神ハーリーティ(マハーカーラが憤怒相だった頃、軍神福神コンビだったのが、マハーカーラが福神化した)
軍神福神も、福神福神も、元は夫婦や兄弟なのですが、役割の方が大事なのでコンバート可能みたいなのです。 毘沙門天クベーラは福神軍神を行ったり来たりしてるので、パートナーがころころ変わる。 鬼子母神ハーリーティの夫夜叉大将パーンチカは個別のエピソードがなくて影が薄いので、大黒天マハーカーラに交代させられたりしてます。
…軍神福神コンビって、鬼は外福は内だねえ。
も一つ。 黄檗宗では、布袋を弥勒菩薩の化身として祀ります。その背中合わせに、韋駄天が祀られます。 これも、布袋が既に仏となったお兄さん、韋駄天が千番目に仏になる弟、とする見方があるとか。 だがそれより、軍神福神コンビあぶれた軍神韋駄天と福神布袋でコンビ組み直したんだろう、と。 子供大好きでよく子供がまとわりついてる布袋さんに、子供の守り神で自分も子供な韋駄天さんがくっついてるのかもしれません。
まだまだまだまだこの本先があるのですが、とりあえずここまで自分の中で整理しました。
今日読んでた本 大黒天変相 観音変容譚 彌永信美著 法蔵館 2002/5
ここで読んでた本の続きなのでした。
「布袋さんはお兄さんに似てる」 「そうかい、なら、韋駄天さんはわしの若い頃にそっくりだなあ」 お、と、韋駄天は背中合わせの布袋に振り返る。 「俺お兄さんと全然似てないんだ」 「そうかいそうかい」 「その内お兄さんと似てくるかなあ」 いつまでも子供のような軍神は、天竺から来た神々は、遠巻きに見守っているようなのだが、人間たちは正体がわからないという。 忙しく走り回っているのだけれど、たまに戻ってきて、少しだけ話をする。 この地は寒いとか、新しい鎧似合うかとか。 「孔雀知ってる?」 「絵では見たことがあるなあ。鳳凰のような美しい鳥」 「俺の孔雀は鳳凰よりきれいだよ」 「そうかい」 ここは寒いから連れてこなかったんだ、と、韋駄天は言って、黙り込む。 「お兄さんと孔雀と離れて淋しいか」 「淋しくないけど、ここは寒い」 「布袋さんなんぞ腹丸出しだがちっとも寒くないぞ」 振り返った韋駄天は、ぷっと吹き出す。 「ちゃんと着なよう」 「ちゃんと着てこうなのだからよかろう」 韋駄天は、笑った���ま布袋の脇に腰を下ろし、おお、と、振り向いた。 「生暖かい」 「そうかい」 「ちょっと暖まってっていい?」 「好きにせえ」 インドだと布袋さんくらいは薄着じゃないんだけどね、と、韋駄天は機嫌がいい。 「俺ね」 「うん?」 「インドだとちょっとは名前知られてたんだけど、ここじゃ誰も知らないの」 「そうかい」 「親の名前と、前に立てた武功でやってきたんだけど、ここじゃそれ全部なしで。鎧着た子供でしかなくて」 うんうん、と、布袋はお菓子を持たせながら聞いてやる。 「寒いし、孔雀いないし、お兄さんいなくて、しんどい」 「それでも、お役目果たして、韋駄天さんは偉いなあ」 お、と、お菓子をかじりながら韋駄天は顔を上げる。 「果たしてるかな?」 「名前も過去もなし、今の働きだけで、立派につとめとる。寒くて淋しいのによく頑張ってる」 うん、と、韋駄天はうなずいて、それからごしごし顔をこする。 「布袋さんお兄さんだと思ってもいい?」 「これはこれは、よい弟ができた」 へへ、と、韋駄天は笑って、自分の場所に戻る。
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^ *天部の双聖 大黒天* 大いなる暗黒 マハーカーラ( ´ _ 、) おしゃれな配色の一面二臂 おかげさまで うちのメンバーに! ありがとーーー!! • @naqshtraqse #ナクシェトラコス #マハーカーラ #大黒天 #摩訶迦羅天 #藤沢 #藤沢駅 #湘南 #モンスト #naqshtraqse http://ift.tt/2pwKiNw
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破壊神なお父さん
自分解釈シヴァ神です。
破壊神。 暴風神ルドラが前身と言われるが、土着の獣の王パシュパティなども合流している様子。 サティー、ウマー、パールヴァティーの夫。ガネーシャとスカンダの父。 後世になって主神となると複雑な解釈をされていくので…あんまり深入りしない!
…好きか嫌いかで言うとかなり好きなのです。 最高神ながら擬人化が進んでいるというか人間臭いというか。 とてもぶっちゃけて言えば、最高神なのでありがたいお話として解釈されているけれど、それ駄目だろう的なエピソードが多いのが(最大限控えめな表現)
創作では、シヴァ家の兄弟が大黒天をよくネタにしています。 (日本にいるとしょっちゅう出くわすけれど、全部に挨拶するとうざがられ、全無視すると叱られる、そして大黒天に話しかけても絶対返事しないくらいの扱い)(大黒天=マハーカーラがシヴァ神じゃない説もあるのであんまりいじらない) そして続き物で最初からいた!っていうか、自由研究のネタほぼそれだった!
基本的にマイペースで自分が世界のルール、身内はとことん可愛がるのがうちのお父さん。 破壊神だけど、破壊は世界の終りに一回すればいいので、むしろ普段は寛容。 髪は切らず体に火葬場の灰を塗り、あえて穢れの中に身を置く苦行中。
「スカンダが可愛い」 シヴァがしみじみ言うのを、不完全燃焼で煤も煙も吐き出しながら、アグニは聞いておく。 「ガネーシャと仲良く駆け回っているのも可愛いし、舌足らずで何か言ってるのも可愛いし顔も大変に可愛らしい」 賑やかで可愛いので、もう一人いてもいいな、と、シヴァがご機嫌に言うと、灯火の中のアグニがじゅっと音を立てて火ごと消える。 別に部屋の中には複数灯火があるので何も差しさわりないのだが。 「歯が生え始めで痒くてかじってくるのが可愛かったのだが、最近お父さんにはしなくなってな」 あ、と、アグニが火の中から出てくる。 「灰が渋くて嫌なんだろ」 これか、と、シヴァは肌に塗った灰をこすり落として、アグニの方に振りかけるので、ばちっと火花で迎撃される。 「甘えて噛んでるんじゃなくて、腹減って噛みついてるだけだから、次やったら叱っといて」 「お父さん叱るから怖いと思われたら嫌だから、お前が叱れ」 「お前のわがままはともかく、ガネーシャ食っちまったら���うするんだ」 しばし、アグニもシヴァも黙り込む。 口を開いたのはシヴァの方。 「甘噛みしてるだけだぞ?」 「生肉あんまり好きじゃないだけだ。放っておくと俺の腕一本くらい食ってる」 俺はただの火だから全部食ってもなんともないけど、と、アグニが言って、やっとシヴァが腰を上げる。 「灯りに頭つっこんでるのは、お前に話しかけてるんじゃないのか?」 「話しかけながら火食ってる」 火神アグニは神々の口。 地上のお供えを食べて火と煙にして天界へ運び、天界に熱と栄養をもたらす。 そのアグニをかじるのは補給としては天界最高に効率がいい。 「叱れ」 「俺痛くないし」 お父さんとおとさんが延々叱り役押し付け合っているのを、ガネーシャとスカンダはじーっと見ていた。 「なんて?」 「君がかみかみするから叱るって」 「おにいさんおいしい」 「味わかるまでかまないでね」 はーい、と、スカンダはいいお返事をしてガネーシャお兄さんがいい子いい子となでなでして、子供たちはきゃっきゃとまたどこかへ走っていく。
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帝釈天と毘沙門天と増長天と韋駄天と
うちのたんぶらは二次創作と調べごとと二次創作から外れた創作が主なのですが。 (寺巡り美術館博物館各種展示はお楽しみ兼ねた調べごとだよ!)
二次として、忠実さが全くないのは最初からなんですが、配役レベルで違うのが毘沙門天を含めた四天王。 韋駄天スカンダが上司うぜえと駄々こねる相手としてちらちら出てくるくらいで、細かく描写してないです。 だがここは好きにする(直せないので開き直る)
四天王
【 持国天 】
ドゥリタラーシュトラ。マハーバーラタに出てくる盲目の王。 乾闥婆(ガンダルヴァ)、毘舎遮(ピシャーチャ)の王。
詳細は省きますが、甥っ子五人兄弟の率いる軍に、実子百人息子を討ち取られ、その後甥っ子たちに担ぎ上げられ、王として国を治めます。
ガンダルヴァはリグ・ヴェーダから登場、音楽を奏で香りを食べる半神族。 ピシャーチャは、喰屍鬼。まあ、悪鬼扱い。
【 増長天 】
ヴィルーダカ。シャカ族を滅ぼした王。 鳩槃荼(クバンダ)、薜茘多(プレータ)の王。
コーサラ国の王で、三度シャカ族に攻め込んだが、お釈迦様によって止められた。が、四度目の侵攻でお釈迦様も止めるのをやめ、シャカ族は滅亡した(この話から、仏の顔も三度という言葉ができたとか)。
クバンダ:暴風神ルドラに従う鬼。基本的に女。 プレータ:餓鬼(子供の俗語じゃなくて、腹減らしの元���意味)
韋駄天は増長天配下三十二将の長。
【 広目天 】
ヴィルーパークシャ。ラーマーヤナに出てくるラーヴァナ軍の武将。(諸説あり) 龍(ナーガ)、富単那(ブータ)の王 ラーヴァナの武将であれば、神々と敵対するアスラ族やラークシャサ族。
龍:古代インドでは蛇も龍も一緒。ガルーダや孔雀などの鳥族と敵対。 ブータ:供養されなかった死霊が死肉食い、吸血鬼になったもの。独身時代のシヴァの眷属で、後にガネーシャが率いる。
【 多聞天(毘沙門天) 】
クベーラ。ヴァイシュラヴァナとも。ヤクシャの王。財宝神。 夜叉(ヤクシャ)、羅刹(ラークシャサ)の王
アタルヴァ・ヴェーダからレギュラーの太鼓腹の財宝神。 カイラス山の都に住み、シヴァ神と親しい。 ヤクシャ:幻力を使う樹木の精霊。インド土着の豊穣神でもある。 ラークシャサ:土着の精霊から、家畜に取りつく妖怪となり、ラーマーヤナでは大規模に悪役。
韋駄天スカンダは仏教に密教合流した更に後に入ってきたので、相応のポジションに空きがなかったので、庫裏の神様になったと言われます。…仏事苦労したろうなあ。
増長天配下のクバンダは、ルドラの配下なので、ルドラ→シヴァとすればスカンダの身内も同然なのですが「女」(スカンダは女嫌い) 餓鬼プレータは腹減らしのカルティケーヤの眷属にふさわしかろう、と言ってのけるのも皮肉が過ぎる。
広目天の配下ブータは、シヴァかガネーシャ配下なので、確実にスカンダと身内。 なんだけど、ナーガはスカンダの乗騎孔雀のパラヴァニと仲が悪い(孔雀が蛇を食べる)
多聞天は純然たる神なんだけど、ヤクシャ(ラークシャサもヤクシャの親戚みたいなもの)でまとまってるので、スカンダ押し込まれても困る。
後回しにした持国天は特にマイナス要素がないのだけれど、逆に関係もない。政治や文化に特化しているようなので、軍神連れてきても仕事がない!
「何で、クベーラは、インド帰ると近所の金回りのいいおいちゃんなのに!インド出たらかっこいい鎧の軍神様になってるんですか!」 ああめんどくさい、と、毘沙門天は迫ってくる韋駄天スカンダを押しのける。 毘沙門天にしても、韋駄天は昔っから近所の坊やのままである。 「鎧を着こんで軍神扱いされてるけど、財宝神であることは忘れてないので七福神もしているんだよ」 「お父さんファイナルカウントダウンバージョンのマハーカーラが何で福の神大黒天なんですか」 そうだねえ、と、毘沙門天は頭を押さえる。 「坊もカイラスに来た頃は片言の赤ちゃんだったが、立派になったねえ」 「お小遣いはおいちゃんに貰うもんだと信じてたしね」 いいところのぼんであるスカンダだが、お父さんは苦行に明け暮れて金銭無縁の生活を送り、おとさんは金銀を生み出すが所持しない常に身一つなので同じく金銭無縁。 人間に近いところで働くので何かと物入りなシヴァ家の兄弟に、クベーラはお小遣いを弾むのである。 「この頃お小遣いせびりに来ないな?」 「おかげさまでお兄さんがお金持ちになりまして」 なったねえ、と、毘沙門天は遠くを見る。 しばらくたってから、韋駄天に向き直った。 「インドでは福の神ポジションをガネーシャに持っていかれたから、こっちでは軍神、で、納得してくれ」 「出っ腹もお兄さんにくれやがったな!」 「ガネーシャは好きで太ってるだけだろう、ヤクシャの誇り太鼓腹は譲らんぞ」 聞いてる分には大変不穏だが、仲良しである。
「ヴィルーダカの配下」 「そうだ」 帝釈天の前で韋駄天はうなだれて黙り込む。 「不服ならインドへ戻れ」 生まれて四日で将軍になったスカンダは、シヴァの子でアグニの子。 下積みも挫折も知らないエリートは、誰にも頭を下げたことがない。 永遠の少年神��甘んじる見返りに、誰からも息子のように愛され可愛がられて敵とみなされない。 「ヴィルーダカ」 スカンダは、ゆっくりつぶやく。 お釈迦様の故郷を滅ぼした者。 お釈迦様を誰もお釈迦様と知らない昔、スカンダに戦勝を祈ったただの人間。 「聞いていいですか、俺の王」 「俺にわかることなら」 「大自在天が逆らい、烏摩妃が逆らい、歓喜天が逆らった報いの、懲罰ですか」 大自在天シヴァは父。烏摩妃パールヴァティーは母。歓喜天ガネーシャは兄。 家族全て調伏され改心することになった。 韋駄天スカンダも無関係ではないのだ。 「懲罰と思うか、苦行と思うか、勉強とみるかはお前次第だ」 うん、と、韋駄天はぼんやりうなずく。 「お父さんと、お母さんと、お兄さんを置いて帰れない。おとさんもこっちにいる」 うん、うん、と、韋駄天は自分の言葉に何度かうなずく。 「家族を思う気持ちは尊いが、全てを家族のせいにしなくてもいいのだぞ」 「よくわからないけどわかった」 立ち去った韋駄天を見送り、帝釈天はため息を漏らす。 有能でよく働く大事な将軍だ、手元に置くことは難しくない。 けれど、息子のように接していては甘やかしてしまうだけだ。
「生まれてこの方、誰の下につくこともなく過ごしてしまったため、従い方も行儀も挨拶も知りません。どうぞ一兵卒として一から鍛えていただくようお願いいたします」 跪いて頭を床につけて声を振り絞るのは、かつてヴィルーダカも戦勝を願った軍神スカンダ。 輝ける天軍を率いた将軍に、仏法を守るためとはいえ半神と鬼の軍は地獄にも等しいのではないか。 だが、増長天は動揺も見せずスカンダを立ち上がらせる。 「よく言えた」 「はい」 「生まれも身分も関係なく、仏法の元に戦う軍に、よく来た。皆の手本となるようよく学べ」 スカンダはうなずく。 「私はかつてお釈迦様の国を滅ぼしたが、許されて認められ、軍を任されている。あなたには地獄か懲戒房かと見えるかもしれないが、過去にも生まれにもとらわれず、立派な振る舞いができる者を認めて生かす場だ」 「俺がいつ地獄とか懲戒房とか言った、そう思い込んでると思われる方が失礼だ」 これは参った、と、増長天が笑い、スカンダがほんの少し緊張を解いた。 「軍神スカンダが南瞻部洲に来ると聞いて、みな待ち望んでいたところだ。よろしく頼む」 こちらこそ、と、挨拶し終わって、はーっと韋駄天がため息を漏らす。 「ため口でいい?」 「今、一兵卒から頑張るって言ったんだからもう少し頑張らんか」 「もう飽きた」 仕方ねえなあまったく、と、増長天は韋駄天を小突く。 生まれも過去も気にしないから上司も部下も意識しないのは、まあ合ってるので叱りようがなかったのだ。
「聞いてください上司!」 「仕事頼んだろ、終わったのか」 「クバンダが化粧臭い!」 あーあーと増長天はうなずく。 ほとんど女のクバンダは、男の精気が好物だ。 韋駄天が増長天配下に加わったと知った途端に、目に見えて化粧におしゃれに気合が入っている。 「…お前可愛いからなあ」 「可愛い言うな!」 「まあ、鎧でも着こんで肌見せないとか自���しとけ。寝るときは鍵締めてな」 泣きそうな顔で頭を下げて来たのはついこの間。 すぐに馴染んだ韋駄天は、道教にも助っ人に行き、インドに戻っては寒い寒いと帰ってくる。 未だに敬語ができないのと、女嫌いと、無愛想か遠慮なしかの両極端なのを除けば、概ねいい部下だ。 「上司ー!」 「何だ」 「餓鬼が残すほど飯作ったから食べてもいいよ」 「あのな、お食事ができましたから、いかがですか、っていうの、そういう時は」 「餓鬼が残すほど辛い古代復刻カレー」 「ほう」 こっちもおおむね仲良し上司と部下である。
ということで。 四天王こんな感じ。十一面観音様もシヴァ家の兄弟がらみでいろいろあるので違う配役で行くのです、あとで書きます。
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チベットの仏像と密教の世界
運慶展が始まるから一緒に行けばいいのにと思いつつトーハクに行ってきました! 目当てはヴァジュラヴァイラヴァ父母仏立像です。 ヴァジュラヴァイラヴァはヤマーンタカで大威徳明王だ!
東洋館でガンダーラ仏を拝見。 まずは菩薩。
顎割れてますねとか装飾おきれいですね以前に、耳飾りのボリューム…! 「菩薩のモデルは王子様!」「了解、力いっぱいじゃらじゃらさせます」石工が張りきったんだと思われます。
多分隣の如来。 ウェーブがかかった髪と頭頂の丸髷、そして引っ張られて伸びた耳たぶ。
これ違う仏像ですが、服も薄物ながら上半身も覆う形ですね。
マトゥラーの男神像。ガンダーラとずいぶん服装が違う感じ。
もひとつガンダーラの菩薩。
他にもいろいろ見ながら地下へ。
チベット仏コーナーに来て、チャクラサンヴァラ父母仏立像! 多分四臂の男神が二臂の女神を抱いているのですが、面はいくつだ。
男神と女神を踏みつけているので、降三世明王かと思ったのですが、あとで出すヴァジュラヴァイラヴァが足の数だけ踏んでるので、もう様式美かと!
ということでヴァジュラヴァイラヴァ父母仏立像。 九面三十四臂十六足です。妃は二臂。 足それぞれにほかの神を踏んでます。 妃には名前があるけど個性やエピソードはなく、男女で抱き合うことで完成する、みたいな考え方、かな? 片手で持てるくらいの大きさに、この手足の数と装飾の細かさ、で、くらくらしてきました。
六臂マハーカーラ立像 マハーカーラはシヴァの化身、日本でいう大黒天です。 いやいや、恰幅のいい大黒さんは日本に来て大国主と習合してからだと思ってました。
馬頭尊 虎面母立像 マカラ面母立像 馬頭尊は日本でいう馬頭観音。 その馬頭尊を守るように虎のお面をかぶった女性(おっぱいがあるぞ)と、マカラ面をかぶった女性(同じく)があったのですが…こちらによると、虎面さんもマカラ面さんも人間の皮はいで上着にしていると!(皮の腕を自分の腕にからめ、おんぶするように背中に皮を背負い、足をだらりと垂らしている写真が見られます)
十二天像 小さくて可愛らしいのが並んでいました。 が、これ難易度が高い。 ヤギが火天(アグニ) 顎髭あるからヤギだと思う! ゾウが帝釈天(インドラ) ゾウは大丈夫。 イノシシが地天女(プリヴィティー) 鼻短いから、これ。 水牛に乗る閻魔天(ヤマ) 難しいけど消去法で。 ガチョウに乗る梵天(ブラフマー) 水鳥だから! マカラに乗る水天(ヴァルナ) よく見ると二本足の謎生物 ウシに乗る伊舎那天(シヴァ) 水牛とヤギと迷ったけど、三さの槍を持ってるから、多分! ほかに、馬に乗る毘沙門天(クベーラ)、人間に乗る羅刹天(ラクシャサ)、鹿に乗る風天(ヴァーユ)は伝わっていないそうです。 ぎりぎりで見分けがつく乗り物動物が可愛い…
なんかこう、時代と場所を動く度に、仏教という共通のテキスト(だったはずの教え)が豪快に変わって行くのを一気に見られて、トーハク東洋館楽しいです。 さて、運慶展いくぞう!
最後に趣味で十二天の大きい写真を並べて行きます。
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