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#シニア英会話
eikaiwagarden · 1 year
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日本のお花見について
熊本では毎年3月の後半になるにつれて、桜が美しく咲き始めますね。日本 人なら1度は行ったことがある 日本のお花見について 、みなさんどんなイメージがありますか?飲み会?ピクニック? お花見 は日本の古くからの儀式としての意味があります。日本では、株式会社を設立した時や地域の祭りなど、特別な日に行われます 。また、春になると、日本の自然の美しさを楽しむために、桜の開花を迎えるために行われる日本の伝統行事のひとつでもあります。 桜の花が咲くと、多くの人々がお花見を楽しみます 。仮説を立てる際には、お花見 の本来の意義、歴史、お花見が日本文化に及ぼした影響などを考慮に入れるといいでしょう。例えば、お花見は、国として団結する重要な時期として、また日本の伝統文化を守るための伝統行事として、歴史的に重要な役割を果たしてきました 。 英会話ガーデン…
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tetsuyasogo · 1 year
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早稲田大学メルマガ
e-OHNO Mail News 2023 年 8 月号
シニアの部 エッセイ
グローバル化の流れの中で私が学んできたこと
1982年学部卒(尾関研)の十河哲也と申します。この度、大野先生からシニアの部のエッセイ執筆を仰せつかりました。私は大学卒業後、製造部門のエンジニアとしてNTN 株式会社という自動車や産業機械用の軸受や部品を製造販売する大阪本社のメーカーに就職し、2011年から役員として米州地区を中心に経営に携わり、2020年から CFOとして 3 年間、NTNの経営再建に取り組んだ後、2023 年に 63 歳という役員定年ガイドラインに従って退任したところです。この機会に、41年という随分⻑い間、 同じ日本メーカーで働き続けた私のようなOBが、企業経営に関して何を学び、どのように考えてきたかについて記述してみたいと思います。
29 歳の頃、私はアメリカのシカゴ近郊でチーフエンジニアとして自動車用HUB ベアリングを生産する新工場の立ち上げメンバーの一人として参画し、1989 年から1996 年の 7 年半、初めての海外勤務を経験しました。日本から 当時の最新鋭の生産設備と技術を導入しましたが、生産性は日本のマザー工場よりかなり低いという状況に苦しみながら、従業員のスキルが低い、欠勤率、退職率が高い等の問題に直面しました。一体、何が本質的なマネジメ ントの問題であり、何を変えねばならないのだろう、ということで変革に向けた色々な試行錯誤を繰り返しましたが、 結局は『現地の人材のやる気を最大限に引き出すための納得性の高い公正な評価と処遇』が必要不可欠、すなわち『人の行動は自分がどのような基準で評価、処遇されるかによって大きく変わる』ということを学びました。当時の 曖昧な人事考課と給与体系を刷新し、スキルとパフォーマンスを誰もが納得できる形で客観的、公正に評価し、それを給与に明確に連動させることで従業員のモチベーションが向上し、工場全体が活性化して赤字が続いていた会社が1 年後に は急に黑字になるという自分でも驚くような結果になりました。この経験がエンジニアとしての単なる技術指導よりも、 いかに従業員の学習意欲を高め、やる気を出させるシステムを設計することが重要か、当時MITのピー ターセンゲと いう教授が提唱していた『ラーニングオーガニゼーション(学習組織)』の重要性を強烈に認識した私の原点となりまし た。
この新給与体系導入に当たり、なぜ評価システムを変えるのか、何を目指すのか、企業理念やビジョンとの整合性とともに会社としての考え方、ポリシーを全従業員との直接対話で 説明しましたが、この徹底的な対話がその後の成果 に結びつくキーだったと思います。英語は下手でも、何が言いたいのか、言いたいことがパッションとともに全身から伝わる、流暢な英語よりも人の心を動かす英語が必要、オープンな心と変革への情熱なくして、どんなに英語が上手 でも全く意味がない、ということを学びました。工場の従業員はアメリカ人といってもアメリカで生まれてアメリカで教育 を受けた人だけではありません。メキシコから来た人、中国、インド、ロシア、エチオピア、ベトナム等、それこ そ世界中の人が一緒に働いていました。したがって、基本的に、日本のように『あうんの呼吸』は通じません。日本では小学校の頃から、先生に『相手の立場に立って考えなさい、自分が相手の立場であったらどう思うかを考えなさ い』とよく言われましたが、そもそも生まれ育った環境や考え方が違う場合、自分がこう思うから相手も同じように感じるだろうという考えはむしろ危険でした。年齢差別の問題やアファーマティブアクション(少数⺠族や女性に対する差別是正のための優遇措置)への対応は、特に日本人にとっては注意が必要でした。
当時は、米国の製造現場で色々な試行錯誤を繰り返しながらも、同時にアメリカ流のマネジメントを学びたくて、 1994 年から1996 年の 2 年間、仕事をしながら週末にノースウエスタン大学のケロッグ経営大学院で MBA の勉強をしま した。 技術者の私にとって、特に戦略論、ファイナンスやマーケティング等、非常に新鮮で『目から鱗』という経験でした。入学面接は一流ホテルのような Executive MBA専用の校舎でインタビューを受けました。丁重にエレベーター に案内され、アシスタントディーンと書かれたオフィスに通され、そこでエリカさんという女性に迎えられまし た。最初は 秘書の方かなと思いましたが、この人がアシスタントディーンでした。試験官が何人かいて、その前に私が座らされて難しい質問をされることを勝手に想像していましたが、豪華な応接室で『コーヒーにしますか、紅茶にしますか』、『私はこれから1 時間、あなたの話を聞きます』と言われて、その場でコーヒーを飲みながらの1 対 1 の面接が始まりまし た。予想していた面接と全く違った、こんな面接試験は受けたことありませんでしたが、考えてみれば、いきなり一定の時間を与えられ、何をどのように話すかも含めて全く自由に話をさせることで、その人物の色々な面が見えるのだ ろうと思います。エリカさんは基本的に何の質問もせず、ひたすら私の話すことをメモしていましたが、自分の言いたいこと、自分の思いや熱意を1 時間なら1 時間、短い場合は90 秒なら90 秒というような限られた時間で、伝えるべき相手に確実に伝えるということは、特にグローバルに仕事をする上で極めて重要なことなのだということを、その後の NTNでの仕事の中で何度も経験することになりました。自分の考え方や方針について、相手の レベルに合わせて相手が理解し、心底納得できるようなストーリーとして伝えることは、経営のプロとしての必須スキルであると思います。最後に、エリカさんは『正式には教授会で書類審査とともに合否が決まりますが、あなたは多分合��でしょう』と言ってくれました。このエリカさん、私より少し年上の颯爽とした⻑身の女性でした。そういうこと で、この MBAコース入学の直前に生まれた⻑女の名前をエリカにしました。 その⻑女も今では社会人なので随分昔の話ですが、今でもこの面接は強烈に印象に残っています。
このケロッグ経営大学院を卒業して 1996 年に日本に帰ってからは 2011 年の 2 度目の渡米までの 15 年間、本社の経営企画部で中期経営計画の策定とともに、特にグローバルアライアンス、クロスボーダーM&A等に集中的に取り組み、相手側とのあらゆる知恵比べ、 駆け引き、本音の探り合い等、物事を裏から、斜めから見ながらの交渉を経験してきました が、やはり最後は交渉相手との相互理解と信頼関係を築けるかどうか、これ無くしてアライアンスは成功しない、ということを痛感しました。中期経営計画においても大事なのは競争戦略や理論体系だけでなく、 いかに各部門、各地域に納得性を持って動いてもらえるか、結果を出すためには、いわゆるファシリテーションが重要であるということを学びました。これを怠ると、特に事業部門からは『自分ではやらない口先だけの部門』と思われ がちな経営企画部のような本社の中枢部門がグローバルな求心力と遠心力を有効に働かせることは不可能である と考えま す。
2011 年から 2018 年までの 7 年間、2 度目の米国赴任においては、米州地区総支配人として、特に経営という正解の誰にもわからない判断を、南米も含めた米州地区全体において、 異文化の中で日々行わねばならない状況の私にとって、言葉には表しにくい組織の状況、雰囲気を色々な交流の中から感じ取る能力が非常に重要であると感じていました。現地にて日々直面する課題は全てコンピュータのように論理的に分析して正解を導き出せるようなことではなく、その場その場で総合的により良い判断を迅速にしてゆく必要があり、そのためには本質を的確に感じとる 能力、センスを磨かねばならず、 face to faceのコミュニケーションが必要不可欠でした。MBAの授業では、戦略論、 マーケティング、ファイナンスというような科目は人気が高く、名物教授も多かったので気合を入れて学びましたが、 一方、 組織論、HR (人材マネジメント)などは当時はあまり人気がありませんでした。しかし、組織論や HR、これらは歳を取るほどジワジワ重要性を増してくるような気がします。若い頃の米国赴任においては、ひとつの製造会社の現場で働く従業員のやる気をいかに引き出すか、そのための変革に色々挑戦しましたが、2 度目の米国赴任 において は南米も含めた米州地区全体の組織強化に向けて経営上層部のローカライゼーションが大きな課題であり、各国の マーケットを一番知る人材に事業拡大を託してゆかねばなりませんでした。日本から出向者は何のために海外に来ているのか、なぜローカルで対応できないのか、ということを明確にする必要がありました。日本人どうしのやり取りは 非常に楽で居心地が良く、現地化は言葉の問題も含めて非常に疲れますが、全拠点における従業員 とのタウンホー ルミーティング、ミドルマネジメントに対するリーダーシップ研修、ケロッグ経営大学院との連携による 経営者教育等を 繰り返し推進し、これをやらねば将来は無いとの認識でした。グローバル化とは、『現地の優秀な人 材をモチベートし て存分に実力を発揮してもらうこと』という私の信念は最初の米国赴任時から一貫して、益々強固 なものになっていました。人と人との部門を超えた密接な情報交換をベースにクロスファンクションで効果的に機能できる、ブラインドス ポットの発生しない緻密な組織、トップダウンだけでなく、日本流のミドルアップダウンマネジメントによるグローバルな 学習組織を実現したいと考えておりました。
米国から帰国直後には、当時の戦略本社としての経営戦略の欠除、及び経営管理(FP&A)機能の杜撰さによる危機的な連結財務状況を目の当たりにして、特に日本における莫大な減損処理とともに、CFOとしてグループ全体の 企業価値再生計画の策定、推進とそれを支える資金調達が急務でした。私が徹底して推進した NTN の抜本的な変革は、(1)全ての顧客を満足させようとする考え方からの脱却による Pricing Power の向上(商品/事業ポートフォリオ改革)、(2)棚卸資産の過大さからの脱却によるCash Conversion Cycleの短縮(生産・物流改革)、(3)社内での 技術蓄積に偏りすぎる自前主義からの脱却による Strategic Partnership の強化(調達改革)、の3 点に集中しました。 この再生計画の本質を各地域がしっかりと納得した上で、各地域ごとにそれぞれの経営環境の変化に迅速に 対応しながら自律的に事業計画が遂行、フォロー、修正されねば成果は見込めず、本社と各地域のコミュニケーションと連携が必要不可欠でありました。そのための共通言語として、資本コストの概念導入による投資の判定基準や 事業価値の評価基準の明確化と徹底をはじめとした企業財務(Corporate Finance)の視点を導入、展開するとともに、バラバラに機能していた本社の財務本部、経営企画部、及び各事業本部の事業企画部という統括部門間のコ ミュニケーションと連携強化、一体化によるグループ全体の CFO 組織としてのFP&A 機能向上を目指しました。毎年、各年度における グループ全体の経営方針徹底のため、社内外にCFO メッセージを発信しながら各地域の経営幹部や株式市場、 金融市場とのコミュニケーションにより企業価値再生に向けた社内の変革推進と社外の信頼獲得を自らの最重要課題と位置付けることで、コロナ禍、半導体不足、ウクライナ情勢、原材料費の高騰という逆風の中において、着実な財務体質の強化と株価の回復を目指しました。経営の厳しい状況とその打開策としての変革の重要性をしっかりとグ ループ全体、特にミドルマネジメント層に納得してもらい、変革に向けて力を発揮してもらうことの重要性と難しさを再認識した CFO としての 3 年間でした。
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添付の写真は、生前に父が話していた香川県の『十河城跡』を、この夏に初めて訪れ、戦国時代の武将である十河 一存(かずまさ)と十河存保(まさやす)の墓を参拝したときのものです。今日の日本のリーダーにとって、『武士道』の 精神は非常に重要な意味があると思います。企業経営者は常に内省し、自らに恥じることがないことを確認し、自分の行動や言葉が顧客の不満を引き起こしていないか、従業員に当惑を与えていないかを常に見直す必要があり、こ の内省こそが日本企業の⻑期的な成⻑・発展への道を切り開くものであると私は確信しています。『⻤十河』と恐れ ら れた十河一存が、自らの地位向上や領土拡大よりも、皆が平和に笑い合える国づくりを優先し、今も地元のこの地域で尊敬され愛されているという話を同族会の会⻑からお聞きして、企業経営においても、表面的な世の中の流 行を追うことなく、また見せかけの優しさだけの物言わね上司になることなく、真の『ESG経営』や 『人的資本経営』 を探求することの重要性を再認識させられました。偉大な先祖の逸話を色々と聞かせて頂き、自らの不甲斐無さを恥じるとともに叱咤激励される思いでした。
***** English Translation *****
Waseda Mail Magazine
e-OHNO Mail News issued in August 2023
Essay for the senior section
What I have learned in the trend of globalization
I am Tetsuya Sogo, a 1982 undergraduate (Ozeki lab), and have been entrusted by Professor Ohno to write an essay for the senior section of Waseda Mail Magazine. After graduating from Waseda university, I joined NTN Corporation, headquartered in Osaka, a manufacturer involved in producing and selling bearings and components for automobiles and industrial machinery, where I started to work as an engineer in the manufacturing department. From 2011, I held positions as an executive officer, primarily overseeing NTN Americas region. After working as CFO for three years since 2020, focusing on NTN's business revitalization, I have just retired in 2023 in accordance with the executive retirement age guideline of 63 years old. In this opportunity, I would like to describe what I, as an alumnus who worked for the same Japanese manufacturer for 41 years, have learned and how I have thought about corporate management in the trend of globalization.
At the age of 29, I participated as a member of the launch team for a new factory producing HUB bearings for automobiles in the outskirts of Chicago, USA, serving as a chief engineer. From 1989 to 1996, for a period of 7 and a half years, I experienced my first overseas assignment. While introducing state-of-the-art production facilities and technology from Japan at that time, we struggled with significantly lower productivity compared to the Japanese mother factory. We faced challenges such as low employee skills, high absenteeism, and high turnover rates. In an effort to bring about transformation, I repeatedly experimented with various approaches, reflecting on what constituted the core management issue and what needed to change. Ultimately, I learned that a “highly just evaluation and treatment that resonates with local talent to maximize their motivation” is essential. In other words, “people's behavior changes significantly based on how they are evaluated and treated.” I revamped the vague personnel evaluation, pay and treatment system of that time, objectively and fairly evaluating skills and performance in a way that everyone could agree upon, and clearly linking it to compensation. This led to improved employee motivation, and within a year, the entire factory, which had been in the red, astonishingly turned profitable. This experience made me realize the importance of designing systems that enhance employees' willingness to learn and motivation to improve, more than just providing technical guidance as an engineer. It became the cornerstone of my recognition of the significance of “Learning Organizations”, a concept advocated by Professor Peter Senge of MIT at that time.
In the process of introducing this new employment system, I explained the company's perspective and policies, aligned with our corporate values and vision, through direct dialogue with all employees. I believe that such dialogue was the key to the success that followed. I learned that even if my English was not good, I was able to convey what I wanted to say with passion from my whole body, that I needed English that would move people’s hearts rather than simply fluent English, and that fluent English was meaningless without an open mind and passion for change. Factory workers are especially diverse. Even though they are Americans, not all of them are born and educated in the United States. People from all over the world—Mexico, China, India, Russia, Ethiopia, Vietnam, and so forth—were working together. Therefore, basically, “a-un no kokyu” (communicating and agreeing with each other without exchanging words) does not work as it does in Japan. In Japan, from the time children are in elementary school, their teachers keep telling them to “think from the other person's point of view, and imagine how you would feel if you were in the other person's position”, but this method would not be effective if we were born and raised in a different environment or with a different way of thinking. It is rather dangerous to think that because you feel this way, the other person will feel the same way. Especially for Japanese managers, it was necessary to pay attention to the issue of age discrimination and affirmative action.
At that time, I wanted to learn American management practices while undergoing various trials and errors in the manufacturing field in the United States. From 1994 to 1996, I worked while studying for an MBA at the Kellogg School of Management at Northwestern University on weekends. As an engineer, subjects like strategic theory, finance, and marketing provided a fresh and eye-opening experience for me. The admission interview took place in a dedicated Executive MBA building resembling a top-class hotel. I was courteously guided to an office labeled “Assistant Dean”, where I was welcomed by a lady named Ms. Erica Kantor. Initially, I thought she might be a secretary, but she turned out to be the Assistant Dean. Instead of facing a panel of interviewers and expecting challenging questions, I was offered coffee or tea in a luxurious reception room and told, “I will listen to your story for the next hour.” This unexpected one-on-one interview began as I sipped coffee. This interview was completely different from what I had anticipated, and though I had never experienced such an interview before, in hindsight, I believe that providing you with a certain amount of time to freely express yourself, including how you convey your thoughts, allows various aspects of your personality to emerge. Erica mainly took notes of what I said without asking many questions. However, the idea of conveying one's own thoughts and passion within a limited time frame, such as an hour or even just 90 seconds, to ensure effective communication with the recipient, turned out to be an essential skill for working globally, as I repeatedly experienced during my work at NTN afterwards. Tailoring my way of thinking and approach to the level of my counterpart, making them understand and genuinely agree, and presenting it as a compelling story, are crucial skills for a management professional. Finally, Erica told me, “Officially, the final decision is made by the faculty after document review, but you will most likely pass.” Erica, a slightly older than I and elegant tall woman, gave me these words of encouragement. I named my first daughter, who was born just before I entered the Executive MBA program, “Erica” after her. My first daughter is now a working adult, so my interview with Erica was a long time ago, but it still left a strong impression on me.
After graduating from the Kellogg School of Management, I returned to Japan in 1996. For the 15 years leading up to my second trip to the United States in 2011, I worked in the headquarters' management strategy department, focusing on developing medium-term management plans. During this time, I concentrated particularly on global alliances, cross-border M&A, and engaged in negotiations that involved various forms of intellectual sparring, tactics, and probing for genuine intentions, experiencing negotiations from behind the scenes and oblique perspectives. However, I came to realize that ultimately, the success of alliances hinges on the mutual understanding and trust established with negotiation partners. In the context of medium-term management planning, I learned that it's crucial not only to have competitive strategies and theoretical frameworks, but also to ensure that every department and region is motivated with a sense of conviction. To achieve results, I understood the importance of facilitation. Neglecting this aspect could lead to the headquarters, often perceived by business divisions as merely a department of empty words, being unable to effectively harness both global centripetal and centrifugal forces.
In my second assignment to the United States for seven years from 2011 to 2018 as CEO of NTN Americas Region, I had to make decisions on a daily basis in a cross-cultural environment, especially in the entire Americas region that included South America, where no one knew the correct answer to management questions. I felt that it was very important to have the ability to sense the situation and atmosphere of an organization, which was difficult to express in words, through various interactions. All of the issues that I faced on a daily basis in the field were not something that could be analyzed logically like a computer that finds the correct answer. Rather, I needed to quickly make a better overall decision on the spot, and to do so, I had to polish my ability and sense to accurately perceive fundamental issues, and face-to-face communication was essential in doing so. In the MBA program, subjects such as strategy, marketing, and finance, were very popular, and there were many famous professors, so I put a lot of energy into studying them. On the other hand, subjects such as organizational theory and HR, were not so popular at that time. However, I feel that organizational theory and HR are becoming more and more important as I get older. During my assignment to the United States back when I was young, I challenged myself to make various changes to motivate the employees at a manufacturing company. In my second assignment to the United States, on the other hand, localization of upper management was a major issue to strengthen the organization in the Americas, including South America. So I had to entrust business expansion to the people who knew the markets of each country the best. For the Japanese people on overseas assignment, it is necessary to clarify why things cannot be conducted locally. It is easy and comfortable for Japanese people to communicate with each other, while localization is very tiring due to the language problem among other difficulties, but I repeatedly promoted town hall meetings with employees at all locations, leadership training for middle management, and executive development programs through collaboration with Kellogg School of Management, recognizing that without doing these, there would be no future. My belief that globalization is based on “motivating local talented people to fully demonstrate their abilities” has not changed at all since my first assignment to the United States. I want to realize a global learning organization that can operate effectively cross-functionally based on the close exchange of information between people across departments, a close-knit organization that does not generate any blind spots, by focusing on a middle-up-down management style that is indispensable to resolve the contradictions between ideal and reality in each working area.
Upon returning from the United States, I witnessed a critical consolidated financial situation caused by the lack of strategic management direction from the headquarters at the time, as well as the poor leadership and management of Financial Planning and Analysis (FP&A) functions. Particularly in Japan, along with significant impairment charges, urgent actions were needed as CFO to formulate and drive a group-wide corporate value revitalization scenario, supported by necessary funding. I focused on three main aspects in the comprehensive transformation of NTN: (1) Enhancing “Pricing Power” by moving away from the approach of satisfying all customers (product/business portfolio reform), (2) Shortening the “Cash Conversion Cycle” by departing from excessive inventory (production/logistics reform), and (3) Strengthening “Strategic Partnerships” by moving away from an in-house focused technical accumulation (procurement reform). The essence of this “Revitalization Scenario” required each region's thorough understanding and autonomous execution, adapting rapidly to changes in their respective business environments, necessitating essential communication and coordination between the headquarters and regions. As a common language, the introduction and deployment of Corporate Finance perspectives, including criteria for investment assessment and business valuation through the concept of capital cost, were initiated. On the other hand, we improved collaboration and integration among the disjointed key central divisions, finance headquarters, management strategy department, and each business planning department. The aim of such activities was to enhance the FP&A function of the entire CFO organization globally. In order to enforce group-wide CFO policies, I positioned the communication, while sending my regular CFO messages, with internal and external stakeholders, such as regional executives, stock and financial markets, as crucial for the company's value revitalization. Under tough business situations caused by the COVID-19 pandemic, semiconductor shortages, Ukrainian tensions, and rising raw material costs, I directed efforts towards accelerating the financial and stock price recovery. Over the course of three years as CFO, I came to recognize the importance and challenges of gaining the full understanding and commitment of the entire group, particularly the middle management level, regarding the significance of the tough business conditions, the need for transformation as a solution, and their contribution of effort towards driving the changes.
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The attached photo is from my first visit this summer to the “Sogo castle ruins” in Kagawa prefecture, which my father used to talk about before his passing. During this visit, I paid respects at the graves of the samurai lords “Kazumasa Sogo” and “Masayasu Sogo” from the Sengoku period. I believe that the spirit of “Bushido” holds significant importance for today's leaders in Japan. Business executives must constantly introspect, ensuring they have nothing to be ashamed of, reviewing whether their actions and words might evoke customer discontent or cause embarrassment to their employees. This introspection forms the foundation of “Business Ethics” and “Corporate Social Responsibility”, and I firmly believe that it paves the way for the long-term growth and development of Japanese companies. Kazumasa Sogo, who was feared as “Demon Sogo”, prioritized the creation of a country where everyone could laugh together in peace over advancing his own position or expanding his territory. I heard from the chairman of Sogo family association that Kazumasa Sogo is still respected and loved in this local area, and this story reminded me of the importance of pursuing true “ESG management” and “human capital management” in corporate management, without merely following superficial trends of the world, or becoming a good boss who only shows pretended kindness. Listening to various anecdotes of great ancestors, I felt both ashamed of my own shortcomings and motivated by their admonishments.
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自分会議 この気持ちだけは残しておきたい
この気持ちだけは忘れてしまう前に残しておきたい。 2022年10月8日土曜日、丸善インデクスサブアリーナにて、大阪府剣道段審査(三段~五段)に参加した。 4月からの剣道再スタートだった。 世界一周をしようと思ったときに、自分が世界と関わるうえで武器になるものが、剣道しか浮かばなかったのが正直な理由だった。 お金払ってない期間が長くて、行きづらくなってしまってたけど、勇気をもって行ったら先生たちは受け入れてくれた。 立ち合いの向き合い方、型の練習の仕方、本当に一生懸命教えてくださった。 自分にこれだけ指導してくださったことが本当にうれしかった。 先生たちが、応援してくれたことが何よりもうれしかった。 剣道の練習はしんどいことの方が多い。 何に向かってるのか半分わからず練習していたがため、圧にも感じていたのも正直なところだ。 でも本当に受けてよかった。 中央線に乗り換えて、弁天町になると一気に車両に剣道選手らしき人が増える。 コロコロ付きの防具袋の人がほとんど。 これは確か強い人しか持っていないというイメージなのだが これはトレンドなのか実際強い人たちしかやはり残っていないことの象徴なのか 会場の受付が始まる。 ほとんどの人が友人づれに見える。 スポーツ用の服がほとんどなく、恐ろしくダサい格好で来てしまった体たらくだ。 物はそろっているはず。 普段走り書きで汚い字ばかりを書くが、提出レポートだけはここ最近一番の集中力で仕上げた。 勉強するときの姿勢はこれでなくてはと思う一瞬だった。 着替ええる。 足の筋肉がすごい選手がいる。 稽古の差の大きさがこの上ない。 会場に入ると地稽古をして体を温めている人たちがいる。 知り合いのいないわたしは誰とどうしたらいいのかわからない。 とりあえず飛打ちを繰り返す。 他の場所だったら迷いなく声をかけられるのに。 剣道の場ではチキンな、その場のカーストにしっかりしたがってしまう。 変な人でいないようにしてしまう自分に久しぶりに出会う。 それも悪くない。 しかし当たり前だがみんなつよい。 本当に強い。 そりゃそうである。 ここにいるのが怖い。 緊張も高まる。 でも今更、プラスアルファの能力があがることはあり得ない。 緊張で堅くなって、実力が下がることだけを避けないと。 この状況を楽しむなんて簡単に言えない、だからこそのそのいい聞かせをする。 この状況を前向きにとらえる。 実力は増えない。だからこそ開き直ろう。 これは一つの経験になる。 確実に一つの+は保証されている。 そう思うと少しだけ楽になる。 昨夜が遅かったため、あくびが止まらないのが悲しい。 昨夜見たバキのあくびをかみ殺す表情が頭に浮かぶ。 しかし礼の振る舞いもなにもかもがぬるい。 自分を今一つ剣士として認めていない自分がいるのがわかる。 礼儀は抜群な選手がほとんどだ。 そういう世界だということも知っている。 受信番号は9番。 三段を受ける女性は9人。 シニア枠の3人の女性と一緒に練習する。 白袴の私より4歳ぐらい年上の彼女は絶対かなり強い。 メンタル的にそれが確定している風格である。 準備万全できたものの、動揺のためか面紐のむずびがおかしくなる。 立ち合いの先生に指摘される。 動揺が止まらない。 三弾の女性選手の立ち合いが始まる。 みんな上手だ。 高校生はやはりうまい。 動きも軽い。 打ちも重い。 そして私の番だ。 礼をする位置があっているのかどうかが本当に心配だ。 案の定白袴の彼女は強い。 速い。 打ちも小さい。 気も強い。 気合十分。 しかし私の好きなタイプでもある。 地稽古なしの最初の立ち合いなので思うように声が出ない。 そこだけが自信なのに。 怖くて仕方ないが、一つでも自信のあるものがあるという安心があるのを知った。 怖くて情けなくているのもやっとだが、17年前に作ったお守りがずっと胴についている。 気合と忍耐 今になって初めて助けてくれた、守ってくれたような気がした。 弱くて仕方ない私だから、ずっとつけさせてもらうよ。 時間。繰り返す。ずっといる。 時間の重み、繰り返しの重み、 それ以上に支えてくれるものはやっぱりないんだ。 そう思った。 時間の重み。繰り返しの重み。 二人目の女性はシニア層の方だ。 私の方がもちろん動きははやいけど、全く逃げていない。 間違いなく打ち始めは私の方が遅かった。 それは慢心でしかない。 あっという間の二分間。 本当に疲れた。 体が動ききっていないことだけわかる。 朝に走っておけば、、と少しだけ思う。 しばらく立ち合いを見続ける。 男子選手の打ちの速さと重さ、 涙がっもう出そうになるじゃないか。 女性選手の面の鋭さ。 かつての先輩を思い出す。 あんな面が打てたら。 あんな面が打てたら。 自分の時間の多くがスマホに奪われだしたが、 剣道の姿はすべてのカルチャーもテクノロジーも何もかもを切り裂いていく そんなことを思った。 この迫力を、会場の振動を、気迫を映像で見ることはできない。 どんなアバターもメタバースも見せてくれやしない。 ひたすら生身の人間の突きつける力の強さだ。 そしてそれは生への意志ともつながるのだろう。 宮本武蔵たちの強さはそこにある。 本当の侍の強さはそこに期限をもつ。 今の時代に決して必要な強さではないだろう。 強い先輩たちは勝つのが楽しくて、上手さを生かして楽しんで剣道が出来ているのだろう。 私はどうしたい。それを問う。 ただ、剣道をする当事者に自分の意志でなれたこと、その場に戻れたこと。 16年かかったけど、それが本当にうれしかった。 私しか得られない喜びだ。 自然に涙が出た。 時間だ。 なんとか立ち合いは合格。 型の準備だ。 大阪大学ヒンドゥー語を学ぶ彼女と練習。 大学生となると、先生に声をかけてしまうノリで話しかけてしまう。 私の教室長が一瞬顔を覗かす。 七本目の不安があるが、なんとかなるかもしれない。 型の時間はもう覚えていない。 もう一体私は何をしたのか。 一つはっきりわかっているのは、私がしたかった型をしたということ。 私が何者だろうと。 弱い剣士だろうと。 型だけは思いっきり決めたいんだ。 思いっきりかっこよくしたいんだ。 しっかり攻めたいんだ。 記憶はほとんどないが終わっていた。 みんな受かれ・・・!そんな気持ちで見ていた。 ほんとみんな、、受かれ・・!!! 四段の小太刀をたくさん見れた。 気迫がないと逆に決まらない。 25番宮本さん。 めちゃくちゃかっこよかった。 やっぱそうきめなくちゃ。 結果は2週間以内に届くらしい。 まだどうなるかわからないけど。 受けてよかった。 幸せだった。 こんなに幸せな気持ちになるなって思っていなかった。 剣道をやめて16年になる。 16年ぶりの段審査だ。 ぼちぼち道場に行った時もあったけど、でも出来なくなった、いけなくなった。 続けられたらそれでいい、楽しめたらそれでいい、そんな形で続けたこともあった。 でも違う。 どれだけ老いても、今の自分から少しでも強くなろうとすること。 それが一番楽しく剣道が出来る方法なんだと思う。 この16年いろんなものに、いろんな剣道以外のものにもまれてきた。 琴 和太鼓 心理学 洋服づくり 企画作り 大学教育 哲学 フーコー ニーチェ 研究 大学院 パチンコ屋 ファッション 教室長 ギター 旅 英語 フランス語 イラスト どれも大切だけど 剣道はやっぱり、絶対すてちゃだめな何かなんだ。 もっと強くなる。 私が何者でも。 これから先年を取っていくだけだとしても。 五段を受けている外国人も見��。 高校でしていないことをどうこう言ったってもう仕方がない。 うまい人はやっぱり小学生からうまい。 指導の雰囲気やいろいろあるのだろうけど、何より圧倒的に竹刀を振っているんだと思う。 足を鍛えることと、竹刀を振り続けること。 絶対に出来るはずだ。 3年後、絶対四段を受けたい。 もう一度あの雰囲気にチャレンジしたい。 変わらない練習と、いろんな稽古を見ること、いろんな場所で剣道をすること それが一つでも出来るようになれたらと思う。 時計の針が、やっと本当に動いた。
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harukatravel-blog · 4 years
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庭に何か変なキノコが生えてた🍄 先日、シロアリに駆逐された木を 切ったのですが、その場所に キノコが生えてました💦 1日くらいでここまで生えてたので ビックリ‼️ #英語 #英会話 #元英語嫌い #英語楽しい #楽しく学ぶ #オンライン英会話 #マンツーマン #フィリピン英会話 #セブ英会話 #セブ留学 #オーストラリア #ワーホリ #自由気ままに #英語を話す #英会話習いたい #本気の英会話 #短時間で  #親子留学 #シニア留学 #大学生留学 #学生留学 #イングリッシュキャンプ https://www.instagram.com/p/B-s8VzbJLFQ/?igshid=15o679hyhqy0v
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sorairono-neko · 5 years
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十二年目の少年
 ヴィクトルは年末に長谷津の勇利のもとへ帰った。ロシア選手権も全日本選手権も終わり、次はそれぞれヨーロッパ選手権と四大陸選手権が待ち構えていたが、束の間の休息を味わいたかったのだ。  勇利と離れていた期間は一ヶ月にも満たず、再会については何も大騒ぎするほどのことでもないはずだったけれど、空港で彼を見たときヴィクトルは激しい胸のときめかしさに度外れなほど興奮し、思わず抱きしめて無言になってしまった。勇利は笑って「どうしたの?」とヴィクトルの背をかるく叩いた。 「飛行機で疲れちゃった? すぐうちに帰って温泉に入るといいよ。温泉、久しぶりでうれしいでしょ?」  もちろん温泉は魅力的だったけれど、ヴィクトルが求めているのは勇利ただひとりなのだ。それを勇利はちっともわかっていないのだった。 「勇利……」 「なに?」  ヴィクトルは勇利の手を握り、熱心に彼のごく平凡な面立ちをみつめた。本当は勇利は平凡なんかではなく、この世界の誰もかなわないほど彼が輝くことをヴィクトルは知っていた。ヴィクトルは勇利から離れてから、大切な彼が誰かに奪われはしないかと、いつだってつまさきだつ思いだった。 「会いたかったよ」  ヴィクトルが指先に接吻すると、勇利はまっかになってあたりをきょろきょろと見まわした。そのしぐさが幼く、おそろしくかわいらしくて、ヴィクトルは胸が苦しくなった。 「ちょっと、そういうのはふたりだけのときにしてよ……」 「う……」 「ど、どうしたの!」 「大丈夫だ。ただ、めまいと心臓の痛みが……」 「心臓の痛み!? ぜんぜん大丈夫じゃないじゃない!」 「大丈夫なんだ。心臓は勇利しか攻撃してこないんだ」 「ぼくが……!? なんだかかなり野蛮な人間みたいだけど……」 「そういう意味じゃないんだ」 「よくわかんないけど、早く帰ろう。疲れてるんだよ」  ちっとも疲れてはいなかった。勇利と会うために来たのに、疲れるなんていうことがあるだろうか。ヴィクトルは元気いっぱいに年末を過ごし、勇利と愉快に新年を迎え、日本式の正月を体験した。すばらしい日々だった。ロシアへ戻りたくない、と思った。もうヴィクトルの暮らしは勇利がいなければ立ちゆかないのだ。  長谷津にずっと住もうかな、とヴィクトルはぼんやり考えた。しかしそれが最良の選択ではないことを彼は知っていた。ヴィクトル自身にとっては最良だけれど、全体を見ればそうはいくまい。長いあいだロシアのスケート連盟が言うことを無視してきたので、今後はきちんと応じなければならない。自分ひとりのことならまだいいが、勇利にまで何か悪い影響があっては大変だ。 「勇利……」 「ん? どうしたの?」  ヴィクトルは、無邪気な様子で自分をみつめる勇利のあどけないおもてをいとおしそうに見た。ヴィクトルを全面的に信頼し、愛情を寄せている瞳である。この可憐さは絶対に守らなければならない。 「来季のことなんだけど……」  ヴィクトルは胸苦しさをおぼえながら口をひらいた。  勇利は故郷を愛している。わかりやすく、ふるさとが好き! とあけっぱなしの愛を示しているわけではないけれど、確かに愛しているのだ。複雑な、なんとも言いがたい難しい愛ではあるが、だからといって長谷津がどうでもよいということではない。勇利はこの土地で生まれ育ったのだから。そしてここにいる者たちも、勇利のことを愛している。だからヴィクトルは、簡単に勇利を連れ去ることはできなかった。勇利には勇利の世界がある。けれど……。 「俺はここにはいられないんだ」  ヴィクトルはつらい気持ちで打ち明けた。ソファでマッカチンと戯れていた勇利は目をまるくし、それからうなずいて微笑した。 「うん、それはわかってるよ」 「ごめん……」 「いままでが恵まれすぎてたくらいだからね。ぼくの居場所で、ヴィクトルをひとりじめできたんだ。これ以上わがままは言わないよ」 「将来的にはわからないよ。いますぐは無理というだけで、またきっと戻ってこられる。俺は長谷津が大好きだし……」 「うん」  勇利はにこにこ笑っていた。だがヴィクトルは、彼がヴィクトルの言葉を信じていないような気がした。ヴィクトルのことは信頼しているのに夢のある未来は信じない。まるで、期待しすぎたらあとでがっかりするから、とでもいうように。 「本当だよ」  ヴィクトルは熱心に言った。 「本気だよ。俺はまた長谷津に来るよ」 「そっか」 「信じてないだろう」 「そんなことないよ」  ヴィクトルはじれったかった。どうにかして勇利に「うん、また一緒にここで暮らそうね」と言わせたかった。しかしいまのヴィクトルのいちばんの使命は、遠い未来の約束をすることではない。それに勇利だって、口だけでいくら言われたって、よりどころがなければうなずけないだろう。そういうことは、これから時間をかけて教えてやればよいのだ。 「こんなふうにお正月とかさ、お盆とかは帰ってきてよ。あ、ロシアってお盆関係ないのかな? 日本はね、お盆は帰省の季節っていう感じで、まあぼくはいままでお盆だからって帰ったことはないけど、というかお正月だって帰らなかったし、ずっとデトロイトでね……」 「勇利、聞いてくれ」  ヴィクトルは勇利の手を握った。勇利はきょとんとして、それからくすっと笑い、「どうしたの?」と優しく尋ねた。 「そんなに一生懸命な顔して……。ヴィクトルでもそういう顔するんだね」 「長谷津ではしばらく無理だ。だから俺はロシアに行く」 「わかってるよ。何度も言わないで。さびしくなるから」 「勇利も連れていきたい」  ヴィクトルが口早に宣言すると、勇利が大きな目をみひらいた。ヴィクトルは、もっと洗練された様子で、完璧にエスコートするみたいに告げるつもりだったのだが、そんな決心はどこかへ吹き飛んでしまった。彼はみっともなく、事態が差し迫ったように何度も言った。 「勇利とロシアで暮らしたい。ぜひ暮らしたい。俺についてきてくれ」 「…………」  勇利が困ったように目を伏せた。ヴィクトルは慌てた。 「かるい気持ちで言ってるわけじゃない。簡単に言ってるわけでも。勇利が長谷津を愛していることは知ってるし、みんなが勇利を必要としていることもわきまえている。よくよく考えた。勇利を連れていくことは、みんなから希望を奪い去ることなんじゃないかってね。でも、わがままでひどいけど、たとえそうだとしても、俺はおまえを連れていきたいんだ。こんなことを言ったら、勇利は俺にがっかりしたりあきれたりするかもしれないけど、でも本心だから言うよ。俺ひとりでは、もうどうあっても生きていけないんだ。ほかの誰でもいけない。勇利がそばにいなければ」  勇利は返事をしない。彼はうつむきがちになり、なにごとか考えこんでいる。 「もちろん二度と帰さないなんて言う気はないよ。こんなふうにお正月にはまた帰省しよう。それから、えっと、なんだっけ、the Buddhist All Soul's Day……?」  ヴィクトルには「お盆」のことがよくわからないのだった。勇利はなんと言っていたっけ? 「the Bon Festival……? オボン! そうそう、オボン! オボンの時期に帰るんだっけ? いいよ、付き添おう。ほかにも勇利が帰りたいときは帰ればいい。俺も付き合う。実家に帰らせていただきますっていうのはだめだけど」  ヴィクトルは、日本にいるあいだに得た知識を披露し、続けて言いつのった。 「でも勇利が帰りたいときに帰っていいんだよ。あとは、そう、アイスショーなんかもあるしね。勇利、呼ばれるだろう? 日本のアイスショーはさかんだ。俺だってきっと招待される。全部了承するよ。一緒に帰ってこよう。つまり、何が言いたいかというと、ロシアから帰さないということじゃなくて、勇利に日本を捨てろということでもなくて、ただ俺のところへ来て欲しいっていうことであって、来季からは俺とロシアで一緒に暮らして欲しいということであって、もしかして俺、何度も同じことを言ってる? 混乱してるんだ、すまない。勇利、なぜ黙っているんだ? 俺の気持ち、伝わってないのか? それとも勇利は……俺と……」  暮らしたくないのか、というひとことは言えなかった。ヴィクトルは口を閉ざし、恐怖をおぼえながら勇利をみつめた。勇利ほどこころの奥底の見抜けない青年はいない。何を言い出すかわからないのだ。ヴィクトルはもうそれを体験し、身に染みるほど知っている。 「勇利……」  ヴィクトルは不安そうにつぶやいた。勇利は口元に慎ましやかに手を当て、相変わらず思案にくれていた。 「何か言ってくれ……」 「……ヴィクトル」  勇利は目を上げると、まっすぐにヴィクトルを見た。その決意のほどのうかがえるまなざしに、ヴィクトルはどきっとして息をのんだ。 「すこし待って」 「え?」 「ちょっとだけ待ってくれる? 支度があるから」 「し、支度ってなんだ……」  はいかいいえで答えられる質問に、何の支度をするというのだろう。また勇利が変なことを言い出した。ヴィクトルはふるえ上がった。 「明日……、ううん、たくさんあるから三日くらいかかるかな……、三日後、見せたいものがあるんだ」  見せたいもの。ヴィクトルはびくびくした。 「なに……?」 「たいしたものじゃないよ。でもヴィクトルは衝撃を受けるかもしれないもの」  勇利は控えめにほほえんだ。 「返事はそのあと……。そもそも、ヴィクトルが言い分を取り下げるかもしれないし……」 「え? なんのことだ?」 「……すべては三日後」  勇利は優しく言ってヴィクトルの手にふれた。 「今日はその話はもうやめよう」 「勇利、俺、落ち着かないんだけど」 「すこし待って」  勇利はくり返すと��を一本立て、ヴィクトルのくちびるに押し当てた。 「ぼくはもしかしたら、ヴィクトルにふさわしくない人間かもしれないよ。まだ貴方は本当のぼくを知らないんだ」  謎のような言葉を勇利はささやいた。勇利はわからないのだろうか? そんなふうに言われたら、ますますおぼれてしまうというのに。  それから勇利は三日間、時間をみつけては部屋へこもり、何か作業をしているようだった。ヴィクトルが「何をしてるんだい?」と訊いてもかぶりを振り、「約束の日にわかるから」としか答えなかった。ヴィクトルはそわそわした。いっそのこともうさっさと断ってくれ、と思ったけれど、実際に断られたら頭がおかしくなることもよくよくわきまえていた。  長い三日が過ぎ、その夜、勇利はヴィクトルの部屋をおとなった。待ちわびていたヴィクトルは緊張しきり、かしこまってソファに座った。勇利は大きな、ひと抱えもある菓子箱を持っていた。のんきに菓子をつまみながら話そうというのか、勇利は本当に無神経だ、とヴィクトルはあきれた。 「ヴィクトル、これを見て」  勇利が厳粛な顔つきで言った。 「お菓子の箱だね」  ヴィクトルは答えた。 「勇利はまたこぶたちゃんになりたいのかい?」 「中身はお菓子ではありません」  勇利はしかつめらしくかぶりを振った。 「これを読んで、それでもぼくをロシアへ連れていく気があるかどうか……。考えて欲しいんだ」  ヴィクトルは不満をおぼえた。 「勇利……、俺は今日、返事を聞けると思っていたんだよ」 「返事をするとは言ってないよ。そもそも、ヴィクトルにその気がなくなったら、ぼくが何を言ったって意味がないからね。たぶん、これを見終わるころには、ヴィクトルはもういいっていう気持ちになってるはずだよ。あんなことを口にした自分が恥ずかしい、って自分にがっかりして、勇利がこんな子だとは思わなかった、ってぼくにもがっかりするかも」 「勇利、何を言ってるんだ?」 「でも……、」  勇利は溜息をついた。 「コーチではいてもらいたいな……。それだけはあきらめたくない。ヴィクトル、どんなにぼくが薄気味悪くても、コーチはやめないでね」  ヴィクトルは、勇利の言うことがさっぱりわからなかった。勇利のコーチをやめるはずがないし、そんなことはあり得ない。しかし勇利がそれを心配するほどのものがこの箱の中に入っているのかと思うと、好奇心がわき上がってきた。 「ぼくは部屋にいるから……」  勇利はヴィクトルの膝の上に箱を置き、両手を胸に押し当てて言った。 「もしあの提案を取り消したくなっても気にしないでね。仕方のないことだってわかってるから……」  彼は溜息をつくと、「じゃあ」とさびしそうに部屋を出ていった。ヴィクトルは勇利にそんなかなしそうな顔をさせたことがつらく、いますぐ追いかけていって、「ロシアへ連れていくぞ!」と言いたくなった。しかしそれでは意味がないのだ。中身も気になるし、手早く仕事を片づけよう。  ヴィクトルはそっと菓子箱をひらいた。そして目をまるくした。中に入っていたのは、たくさんの手紙だった。いったい何だろう? ヴィクトルに渡したということはヴィクトル宛てだろうか? とりあえず、いちばん上にあった封筒を取った。たどたどしい文字で何か書いてある。しかし日本語なので読めない。たぶんカタカナというやつだ。勇利に教えてもらったことがあるけれど、記憶を頼りに観察してみたところ、自分の名前であるような気がした。やっぱり俺宛てだ、とヴィクトルは納得した。  早速便せんを取り出してひろげた。そこにも幼い日本文字が並んでおり、ヴィクトルにはまったくわからなかったが、よくよく見ると、余白のところになめらかな筆記体が記してあった。これは勇利の字だ。つまり勇利がこの幼子の手紙を英訳したのだろう。三日間、ずっとそうしていたのだろうか? 誰の手紙だろう? ヴィクトルは英語を読み始めた。  親愛なるヴィクトルへ  こんにちは。初めまして。ぼくの名前は勝生勇利です。どこにでもいる日本のフィギュアスケート選手で、十二歳です。  今日ぼくは、ヴィクトルがジュニア選手権で世界一になるところを見ました。とても綺麗で、かっこうよくて、どきどきして、これまで知らなかったような気持ちになりました。スケートクラブにあるテレビで見たのですが、もうそれからずーっとヴィクトルのことを考えています。ベッドに入っても眠れなくて、頭の中がヴィクトルでいっぱいです。ものすごく頬が熱くて、ぼくの中はヴィクトルばっかりになってしまいました。それで、いまこの手紙を書いています。  いつかヴィクトルに会いたいです。そして同じ氷の上に立ちたいです。一緒にスケートがしたいです。その日のために、ぼくはがんばります。  ヴィクトル、大好きです。  それではさようなら。  勝生勇利 「…………」  ヴィクトルはしばらく放心していた。これはなんだ、と思った。想像はできたけれど、なかなか理解が及ばなかった。古い手紙。日本の文字はわからないが、子どもらしいつたなさで綴られていることは伝わった。いまの勇利のなめらかな英語と引きくらべる。文字のうつくしさは変わっても、その素朴さ、こめられたこころは……。  これは、勇利がヴィクトルに初めて書いた手紙なのだ。  ヴィクトルは急いで次の手紙を取り、ひらいて視線を走らせた。手紙は何十通もあった。いや、百通以上あるだろう。彼はむさぼるように手紙を読み続けた。  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ぼくは犬を飼い始めました。ちいさなプードルで、ヴィクトルと同じ名前にしました。普段にはヴィっちゃんと呼んでいます。とてもかわいくて、かしこいです。毎日ふたりで寝ています。  ヴィクトルが一緒に暮らしている犬、マッカチンっていうんですね。とってもかわいいです。ぼくもヴィクトルとマッカチンみたいに、ヴィっちゃんと仲よくなりたいです。なれると思います。だってヴィっちゃんはぼくのことが大好きなんです。ぼくもヴィっちゃんが大好きです。  スケートの先生にねだって、ヴィクトルの映像をたくさんもらいました。毎日見ています。かっこいいです。ぼくもヴィクトルみたいにじょうずにすべれるようになりたいです。なります。がんばります。  ヴィっちゃんと一緒に見て、「ヴィっちゃん、ヴィクトルかっこいいね」って言ったら返事をします。ヴィっちゃんもヴィクトルのこと、かっこいいって思ってるのかな? きっとそう。ヴィっちゃんもぼくみたいに、ヴィクトルのこと大好きになると思います。  今日もヴィっちゃんと寝ます。  それではさようなら。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  今日ぼくは、初めてジュニアの大会に出ました。成績はあんまりよくなくて、終わってから悔しくて泣いてしまいました。ものすごく緊張して、普段できることがぜんぜんできなかったです。それに、三回も転びました。先生は、「最初からあれだけできたらたいしたものだよ」って言ってくれたけど、ぼくはぜんぜんそうは思いません。本当に本当に悔しかったです。こんなんじゃヴィクトルと同じ試合になんて出られないです。  明日からまた一生懸命練習したいと思います。早くリンクに行きたい。  ヴィクトルはいつも試合で落ち着いていてかっこいいです。緊張しないのですか? してるのかな? してるけどいつも通りできるんですか? ヴィクトルはすごいです。  今日は自分がみじめで、恥ずかしくて、とてもヴィクトルの映像を見られませんでした。明日からまた見ます。ヴィクトル大好きです。  それではさようなら。  勝生勇利  ヴィクトルへ  ヴィクトル! ぼく三位になったよ! トロフィーもらったよ! 年上の選手にも負けなかった! うれしかった! ちょっとはヴィクトルに近づけたかな? もっともっとがんばります!  今日見たヴィクトルの動画、ヴィクトルが四回転で転んでいました。もうちょっとだったのに。ぼくのほうがすごく悔しかったです。ぼくもがんばるので、ヴィクトルもがんばってください。ぼくもいつか四回転が跳べるようになりたいです。  それではさようなら。  勝生勇利  ヴィクトルへ  勝生勇利です! ジュニアで初めていちばんになりました! いちばんだよ、いちばん! ヴィクトルがよく獲るいちばんです! すごくうれしかった!  いつもヴィクトルの動画はひとつだけってきめてるのですが、今日は特別にふたつ見ていいことにしました。ご褒美です。  うれしい!  早くヴィクトルと同じ試合に出たいなあ!  それではさようなら。  勝生勇利  ヴィクトルへ  勝生勇利です。  ヴィクトル、ぼく試合でぜんぜんだめでした。何もかも上手くいかなくて、めちゃくちゃでした。順位書きたくない。精神面がだめって言われました。ちょっと緊張したら何もできなくなるって。今日はすごく上手い先輩がいっぱいいて、雰囲気がすごくて、ぴりぴりしてて、こわくて、演技のことが考えられませんでした。こんなんじゃ、いつかヴィクトルに会っても同じことになりそうです。  何も考えたくない……。  順位をちゃんと書いておきます。二十一位でした。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは! 勝生勇利です! 今日ぼくは初めてヴィクトルに会いました! ヴィクトルが日本の試合に来たのです! ヴィクトルの演技、見たよ! すごかった! かっこよかったー! 好き! 大好きです!  演技のあと、花を投げ入れました。ヴィクトルね、ぼくのを、ぼくのを拾ってくれたんだよ! 本当! 本当なんだから! ありがとうヴィクトル!  ヴィクトルは、ぜんぶ、ぜんぶ最高でした。  大好き!  いつか観客席じゃなくて、同じところに立てるようにがんばりますね。  うれしい! 今夜は眠れない!  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ぼくはシニアに上がりました。シニアはすごいのですね。なんだかジュニアとは世界がちがうという感じです。ぎりぎりまでジュニアにいてよかったと思います。ぼくちゃんとやっていけるかなと不安です。試合の結果はよくなかったです。なんだかこわい。  でも、シニアにはヴィクトルがいて、ぼくは、ぼくはやっとヴィクトルと同じところまで……同じじゃないけれど、でも本当に近いところまで来られたのだから、がんばりたいです。がんばります。ヴィクトルと同じ試合に出られますように。でも、同じ試合に出られても、へたくそじゃ恥ずかしいから、もっと練習します。  それではさようなら。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ヴィクトル! ぼくは今日初めて、競技者としてヴィクトルと同じところへ行きました! 公式練習で、遠くからちらっとだけヴィクトルを見て大興奮して、ちょっと泣いてしまいました。それだけで死にそうになって、コーチに叱られました。  でもね、それで終わりじゃないんです! ぼくが廊下でぼーっとしていたら、後ろから「ちょっとごめんね」って言われて、ぼく邪魔になってるって思って慌てて道を譲ったら、ヴィクトルが立っていて、「ありがとう」ってにこっと笑ったんです。ぼく、ぼく、舞い上がってしまいました!  近くで見るヴィクトルは、最高で、最高で、最高でした!! 大好きです!!  明日の試合、いい成績がとれるようがんばります。  勝生勇利  追伸  あのとき道をふさいでいてごめんなさい。  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ぼくは最近、日本のエースだとか言われるようになってきました。自分ではまだまだぜんぜんだめだと思うのに、そんなふうにうわさされるようになってこわいです。  ぼくは日本の大会では優勝できるけれど、世界大会ではへたくそです。勝生は内弁慶だと言われます。自分のところでは威張っているけれど、外では意気地なしだと。  ヴィクトルに会いたいです。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ヴィクトル。  ぼく、グランプリファイナルに出られることになりました。初めてのグランプリファイナルです。世界選手権ではヴィクトルに会ったことがあるけれど、グランプリファイナルでは初めてです。ヴィクトルと同じ氷の上で一生懸命戦いたいです。  最近、ヴィっちゃんの調子が思わしくありません。心配です。ヴィクトルのマッカチンは元気ですか? 元気でありますように。ヴィクトルも元気でありますように。  グランプリファイナルで会えることを楽しみにしています。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ソチのホテルです。今日、ファイナルのフリーが終わりました。ぼくはさんざんでした。知っているでしょうが、最下位でした。いや、知らないかな。ヴィクトルは勝生勇利っていう選手のことなんて興味がないだろうから。  試合のあと、帰るとき、ヴィクトルに「記念写真?」と言われました。ヴィクトルは親切のつもりだったと思います。無視してしまいました。ごめんなさい。  これからどうすればいいのかわかりません。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  今日、ヴィクトルがうちに来ました。長谷津に来ました。なんで……?  混乱してさっぱり意味がわかりません。  どうしてヴィクトルがぼくのコーチになってくれるの? なんで? ぼくのことなんて興味なかったんじゃないの? あの動画のせい? わけわかんないよ……。  勝手にヴィクトルの「離れずにそばにいて」をすべってごめんなさい。  でも、あのプログラム、大好きです。  ヴィクトルのことも大好きです。  ぼく、どうしたらいいんだろう。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  今日ヴィクトルと、初めて、……手をつなぎました。  びっくりした……。  ぼくはまっかになってしまいました。気づいていましたか?  ヴィクトルは、なんとも思ってないだろうけど……。  意味なんかないんだろうけど……。  ぼくはそういうの、どきどきするから……。  あんまりしないで欲しいな……。  それでは。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です!  今日、ヴィクトルにリンクでキスされました! なに考えてんだ!  あとになってめちゃくちゃ笑いました。驚かせたいからキスするって何なんだよ!  でもヴィクトルらしいなと思いました。じゅうぶん驚きました。  ぼくの四回転フリップには、キスと同じ威力があったんですね! びっくり!  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ヴィクトル、いまぼくには悩みがあります。  このところ、ずっと変なんです。  ヴィクトルのことを考えると胸が痛くて、涙が出てくるんです。  どうしてこんなにずきずきうずくの?  ヴィクトル、教えて……。  教えてください。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  今日、ヴィクトルと目が合っただけで赤くなって、何も言えなくなりました。  そのあと、ヴィクトルがちょっと視線をそらしたら、ぼくは嫌われてるんじゃないかと苦しくなって、せつなくて、泣きたくなりました。  そのあとヴィクトルがぼくの手を握ってにっこりしたので、ぼくはまっかになってもじもじしました。  ぼく、頭がおかしいんじゃないかしら……。  ヴィクトル、どう思いますか?  勝生勇利  ヴィクトルへ  本当に、ずっと変なの。  どうしよう……ヴィクトルがそばにいるとずうっとどきどきする。  勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  空港まで迎えに来てくれてありがとうございます。  うれしかったです。  抱きしめてくれてありがとう。  ぼくはもうすぐ引退するけど、ヴィクトルのことはずっと大好きです。  勝生勇利  ヴィクトルへ  ヴィクトル、苦しいよ。  こころをきめたはずなのに、ヴィクトルと別れることを思うとつらいよ。  ひとりになると泣きそうになります。  勇利  ヴィクトルへ  ぼくはグランプリファイナルのあと、毎日泣き暮らすんじゃないかと思う。  胸がつぶれそう。  勇利  ヴィクトルへ  このところ弱音ばかりで自分がいやになります。  最後なのだからがんばらなければなりません。  ヴィクトルと過ごせる貴重な時間を大切にしたいと思います。  勇利  ヴィクトルへ  ヴィクトルとぼくの最後の試合です。  いままで楽しかった。  この八ヶ月間、夢のような時間でした。  ヴィクトル、どうもありがとう。  ぼくをここまで連れてきてくれて、ありがとう……。  貴方を氷の上に返します。  最後に、貴方の首に金メダルをかけたい。  昔から、ずっとずっと、大好きです。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。  勝生勇利です。  ヴィクトル、どうもありがとう。  いつかヴィクトルと同じ氷の上に立ちたいと思ってスケートをしてきたけれど。  同じ氷の上に立ったとき、ぼくはぜんぜんだめで、「記念写真?」なんて言われたけれど。  ぼくは変わりました。  ヴィクトルのおかげで、変われました。  またヴィクトルが同じ氷の上に戻ってくることがうれしいです。  本当にありがとうございます。  ずっとずっと、一緒にスケートをしたい。  もう離れたくありません。  そばにいてくれますか?  大好きです。  勝生勇利  ヴィクトルへ  こんにちは。勝生勇利です。  ヴィクトルと踊ったエキシビション、最高でした。  そのあとに続いた夜も、最高でした。  ぼくのこころは貴方のものです。  ヴィクトルと初めて裸で一緒に寝たけど、すごくすてきでした。  次は、最後までしてね。  愛しています。  勝生勇利  百数十通に及ぶその大量の手紙をすべて読み終えたときは、すでに深夜という時刻だった。途中まではつたない日本文字と、勇利が付け足した英文が並んでいたけれど、ある時期からは洗練された英語のみになった。勇利が英語と習得したということだろう。  どの手紙も、勇利の純真さ、きよらかさ、ひたむきさ、純愛が底に流れていて、ヴィクトルは、勇利はあのときこんなことを考えていたのか、こんな気持ちだったのか、勇利はこんな子ども時代を過ごしたのかとさまざまなことを思案した。勇利のことをたくさん想い、彼を感じたかった。ひとつひとつの手紙について話しあいたかった。けれどそれよりも、いますぐにすべきことがあった。  ヴィクトルは丁寧に最後の手紙を箱に戻すと、勢いよく部屋を飛び出した。 「勇利!」  勇利は、夜深けにもかかわらず、きちんとベッドに座ってじっと待っていた。まるで断罪を待つ罪人のように見えて、ヴィクトルはびっくりした。 「勇利、あれ──」 「読んだ?」  勇利がヴィクトルを見上げ、静かに微笑した。 「あれね、ぼくがヴィクトルに出そうと思ってた手紙なんだ。ううん、出すつもりなんてなかったんだけどね。ただ、ヴィクトルに伝えたいこと、ヴィクトルへの気持ちを書き綴ってて……それが習慣になって。ヴィクトルが来てくれてからもずっと続いてたんだよ」  勇利は困ったように眉を下げた。 「十二年だよ」  彼の素朴な言葉がヴィクトルの胸を刺した。 「重いでしょ?」  ヴィクトルは瞬いた。 「気持ち悪いでしょ? あんなにいっぱい、ヴィクトルへの……」  勇利は目を伏せ、どうしたらいいかわからないというように両手を握り合わせた。 「書いてることも、なんだかしつこい感じでひとりよがりだし……。おかしなこともいっぱいあったよね? 恥ずかしいしこわいから、英語のはひとつも読み返さなかったんだ。ひどかったでしょ?」  何を言ってるんだ。ヴィクトルは口をぽかんと開けた。 「ヴィクトル……」  勇利はおずおずと顔を上げ、さびしそうに笑った。 「ぼくはああいうことを考えてる人間なんだよ」  何かをあきらめたように勇利はヴィクトルを見ている。 「あんな……変なことを、ヴィクトルについてずっと考えてたんだ」 「勇利……」 「そんなぼくでも、ヴィクトル、一緒にロシアで暮らせる?」 「…………」 「無理でしょ?」  勇利はすこし首をかたげた。彼は相変わらず控えめな微笑で、何もかもをのみこんだ表情をしている。 「気が変わったでしょ? いいんだよ。本当のことを言って」 「何を……」 「誰だっていやだよ。あんなふうにぐずぐず想われてたら。それも十二年も……」  勇利は何を言っているのだ? ヴィクトルはさっぱり理解できなかった。 「ヴィクトルはぼくがヴィクトルのファンだって知ってただろうけど……、あそこまでとは思ってなかったでしょ?」  勇利は泣き笑いの顔になった。 「いいんだよ。大丈夫。気にしないで。わかってたから」 「…………」 「何も言わずにヴィクトルについていくこともできたけど……、そんなヴィクトルを騙すようなことだめだから……、言わなくちゃって……」  そこで勇利の頬から突然笑いが消え失せた。彼はヴィクトルをすがるようにみつめ、一生懸命に懇願した。 「コーチは続けてくれる?」 「勇利……」 「おねがい……。いまになってこんな気持ち悪いやつだって知らせるなって思ったかもしれないけど……、卑怯だけど……、でもぼく……ぼくは……」  勇利の目からぽろりとおおつぶの涙がこぼれた。 「……ごめんなさい」 「勇利!」  ヴィクトルはびっくりして慌てて勇利を抱きしめた。勇利の身体がびくっとふるえる。 「勇利、何を言ってるんだ!」 「何って……だから……」 「なんで泣く!? 俺が勇利のコーチをやめるわけないだろう!?」 「ほんとに……?」  勇利が涙に濡れたちいさな顔をヴィクトルに向けた。 「これからもコーチでいてくれる……?」 「当たり前じゃないか!」 「…………」  勇利が目を閉じた。 「……よかった……」  彼は洟をすすってぽつんとつぶやいた。 「それだけでじゅうぶんだよ……ありがとう……」 「じゅうぶんなんて言うな!」  ヴィクトルは、勇利は相変わらずわけがわからないし、本当にどうしようもなく手がかかると思った。 「ロシアへだって連れていくぞ! 絶対に連れていく!」 「え?」  勇利がきょとんとした。なんというあどけなさ……。 「あんな手紙を読んだからには、絶対に離さない!」 「え……?」 「もともと手放すつもりなんてなかったけどね! あれでますます決心がかたまった! どこへもやるものか!」 「ヴィクトル……」 「重い? 気持ち悪い? 何を言ってるんだ?」  ヴィクトルは勇利をぎゅうっと抱きしめ、髪に頬を寄せた。 「あんなの、何があっても一生しあわせにするぞっていう決意をうながすものにしかならないじゃないか!」 「えぇ……?」 「勇利……」 「あ、あの、ぼく……」 「勇利、勇利。顔をよく見せて……」  ヴィクトルが熱心に愛を打ち明けているというのに、勇利のほうは腑に落ちないようで、間の抜けてぽかんとした、きわだってかわいらしい表情でヴィクトルをみつめるばかりだった。 「ヴィクトル……なに言ってるの……?」 「おまえが何を言っているんだ」 「ヴィクトルどこかおかしいんじゃない……?」 「おかしいのはおまえだ!」 「…………」  勇利は口元に手を当て、しばし考えこんだ。思案にくれる彼はかわいい哲学者のようで、ヴィクトルは見ているだけでにこにこしてしまった。やがて勇利は真剣な瞳をヴィクトルに向け、ひとつひとつ確かめた。 「ぼく……、ヴィクトルにどきどきしてもいいの?」 「いいよ」 「ヴィクトルのちょっとしたことでせつなくなってもいいの?」 「いいよ。せつなくなんてさせないけどね」 「ヴィクトルのことばっかり考えていいの?」 「当たり前だ」 「ヴィクトルのこと、好きでいてもいいの?」 「むしろそうしてくれないと暴れる」 「ヴィクトル……」  勇利ははにかんで目を伏せた。 「……最後まで、してくれるの?」 「ああ、勇利!」  ヴィクトルは勇利を抱擁し、とりのぼせた夢のような気持ちで熱愛をこめて叫んだ。 「最後までせずになんて、いられないよ!」  勇利がヴィクトルの胸に顔をうめ、甘えるようにすり寄った。ヴィクトルは彼のつややかな黒髪を優しく撫でながら、俺も勇利に手紙を書こうと思った。たくさん書こう。そして、たくさん語ろう。すぐに不安になり、ちょっとしたことでかなしくなってしまう勇利。かわいい勇利。 「あの手紙のこと、いっぱい話そうね」 「あっ、それは恥ずかしい……」 「どうして? 俺はうれしいのに」 「ばか……」 「勇利。これからも手紙を書いてくれ。なんでも話してくれ。きみのことをもっともっと知りたい。勇利は知れば知るほど謎だよ。あんなにすてきな手紙を書く能力があるなんて知らなかった。書いた手紙は、もうしまいこんだりせず、そのたび俺に渡してくれ。俺も返事を書くよ。それに、俺からも書く」 「ほんと……?」 「でも、これだけはいま、はっきりと言葉で伝えておくよ。勇利……」  ヴィクトルは幸福そうに、目のふちを赤くしてにっこりした。 「俺のこころも、おまえのものだ!」  ヴィクトルはロシアへ戻ったが、勇利に会えないあいだ、彼の手紙はものすごいききめを発揮した。すてきな、ヴィクトルをしあわせにする手紙だった。そして同時に、勇利のせつなさ、さびしさを感じさせる手紙でもあった。  勇利がロシアへ来たら、もう何も考えなくていいくらい、たくさん愛してしあわせにしよう。  ヴィクトルはそうこころぎめをした。  勇利はきっと、このうつくしい情緒的な街並みの中、長谷津にいたときと同じくらい綺麗に、みずみずしく笑うことだろう。
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フェンダー編第二十二回:「アナハイムより愛を込めて」
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皆様こんにちは、フェンダーフロアの𠮷岡でございます。
ツイッターの方でリアルタイム更新を行いタイムライン上を賑やかにさせてしまいましたが、2020 NAMM Showに参加して参りました!
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英国諜報員ばりに、会場の様子をご報告致します!
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会場の入り口にあったのは、マスタービルダー「ロン・ソーン」製作の「ストラトキャスター1」!
フェンダーと同じくカリフォルニア州コロナに工場を構える「サリーン」のスーパーカー、「サリーン1」と共に展示されていました!
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流線型のボディを表現する為にギターには一切コントロール系統が配置されていません。その為、専用のペダルボードでボリューム、トーン、ワウワウのコントロールが可能なのです!
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2020年はテレキャスター生誕70周年のアニバーサリー・イヤー!伝説の「ブロードキャスター」のリプロダクションが10年ぶりに行われます!
受注上限数を設けずにリリースされるのは今回が初めてですので、今年テレキャスターをご検討の方は絶対買い!の限定モデルですよ〜!!
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「最強のルネッサンス・ギター職人」ことユーリ・シスコフの最新作!
これにはかなり深いストーリーが、、ロシア革命以前、ロシアという国が皇帝を戴く君主政体だった頃、ロマノフ朝という王朝がございまして…
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ロマノフ朝の第14代皇帝にして、歴史上 “最後のロシア皇帝”として知られる「ニコライ2世」の戴冠式を記念して献上、皇帝から「アレクサンドラ皇后」へと贈られた、かの有名なインペリアル・イースターエッグ「戴冠式」をモチーフに捉えた作品なのです!(映画オーシャンズ12にも出てきますね!)
ロシア出身であるユーリがこの作品を製作した背景には、きっと様々な想いがあったのでしょう…深いですね〜!!
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ディスプレイのイースターエッグはレプリカですが(オリジナルはロマノフ朝の秘宝ですので…)、ボディにゴールドリーフ加工や散りばめられたダイヤモンドはもちろん本物です!
ちなみに、9,900万円という文字通り桁違いなお値段でございました、、
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今年のビッグ・サプライズはこちら!全く聞いていなかった、ジョージ・ハリスン「ロッキー」ストラトキャスターのリプロダクション!
シニア・マスタービルダー「ポール・ウォーラー」によって世界限定100本のみリリースされる逸品です!!
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なんとかNAMMに間に合わせたこちらの7本は、ジョージの実息ダニ・ハリスン氏を含む関係各位に提供される個体とのこと!
サイケな展示がスーパー・クールで、広いブース内でも一際人だかりが出来ていました!
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こちらは既に当店にも入荷してございます、カスタムショップ製ハンドワイヤードの64カスタム・プリンストン・リバーブ!
これがまためちゃくちゃ良い音なのです…初回ロットは極少数ですので、お見かけの際はぜひお試し下さいませ!
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会場ではハンドワイヤードの基盤もディスプレイされていました!
余談ですがこういうヴィンテージ・タイプのコンデンサーってキャンディみたいで美味しそうだなと思うのですが僕だけでしょうか?
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大変話題のアコスタソニック・シリーズの新たなる刺客!アコスタソニック・ストラトキャスターのお目見えです!!
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設計者に詳しく話を聞いてみると、ただシェイプを変えただけではなく、サウンド・ホールの深さや、ブリッジ裏の補強プレートの厚みを見直し、『ストラトキャスターのシェイプで良いアコースティック・サウンドを出すにはどうしたら良いか』を考えて再設計したそうですよ!
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ストラト・モデルにはバック・コンターが入れられています!
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ノブの形状も異なる他、プリアンプの設計も異なる為、テレキャスター・モデルとは根本的に異なるサウンド・キャラクターを持ったモデルと言えます!
ショーの合間を縫って、マスタービルダー達とのオーダー・ミーティングもNAMMの恒例行事です!
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2019年にマスタービルダーに昇格した仲良しヴィンセントとの一枚です!
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こちらも2019年に昇格した期待のホープ、仲良しカルロスとの一枚です!
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大ベテラン、ジョン・クルーズ!最近孫が生まれて、可愛くて仕方がないそうです。
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ジェイソン&ジョシー!顔を合わせたらとりあえずハグをする間柄です。
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外部からのヘッドハントでプリンシパル・マスタービルダーに就任したロン・ソーン!とても人当たりの良いナイスな方です。
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ペイント・アーティストのサラさん!今年は残念ながら落札出���ませんでしたが、また素敵な作品待っています!
そしてそして、2020 NAMM Show選定会の収穫は、こちらのビューティー達です!
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NAMM限定モデルの1965ジャズマスター!カタログ外からーの「エイジド・オリンピック・ホワイトが格好良い逸品ですね!
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こちらは2020年限定でカタログ・ラインナップされている1965ジャズマスター!大定番のサンバーストをゲットです!
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こちらも2020年カタログの1970ストラトキャスター!4ボルド・ジョイント&1ピース・メイプル・ネックのディテールが魅力です!
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一目見た時から君に決めていました!2020年のリミテッド・エディション、1972シンライン・テレキャスター・ウィズ・トレモロ!!見た目から迸る攻撃力の高さに心か打ち震えます!
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秘蔵のAAAAフレイム・メイプルを使用したビューティフル・ストラトキャスター!シニア・マスタービルダー「トッド・クラウス」の製作品をゲットしました!!
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そんな2020 NAMM Showの様子を動画に納めました!会場の雰囲気が少しでも伝われば幸いでございますので、ぜひチェックして下さいませ〜!
それではまた次回お会い致しましょう!
フェンダー・カスタムショップ製品に関するお問い合わせは、ギタープラネットエレキ本館フェンダーフロア宛にご連絡下さいませ。
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eikaiwagarden · 4 days
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ハロウィンパレード
 ハロウィンパレード の時期が近づいてきました♪ 英会話ガーデンでは、今年は仮装した子どもたちと一緒に島崎の商店街を歩いてまわろうと思っています^^ ご協力いただく店舗では、子どもたちにお菓子を渡していただきます☆前回の島崎サマーフェスティバルでも感じましたが、島崎にはとっても素敵な方々が地域にたくさんいらっしゃいます。 こんなふうに地域の皆さんに協力していただいてイベントができることがとてもうれしいです! ありがとうございます!!Thank you soooo…
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xf-2 · 6 years
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日本の安全保障、米国頼みで大丈夫? 米朝会談でさらに不透明に 東アジアの安定化に扉を開くと期待された米朝の歴史的な首脳会談は、逆に日本の安全保障環境を不透明にした。トランプ米大統領は北朝鮮の非核化に向けた道筋を示さず、日本が懸念する中・短距離ミサイルの扱いにも触れずじまい。一方で、米韓合同軍事演習の中止と、将来的な在韓米軍の撤退に言及した。日本政府の中からも、米国に頼る今の政策を疑問視する声が出ている。 見えてきた「米国最優先」 米朝会談に臨む米国に対し、日本は首脳会談、外相会談、防衛相会談などあらゆる機会を通じ、日本を射程に収めるミサイルの廃棄を議題に取り上げるよう何度も念を押してきた。さらに抑止力を低下させる在韓米軍の撤退や縮小を議題にしないよう確約を求めてきた。 しかし、ふたを開けてみれば、ICBM(大陸間弾道弾)を含め、北朝鮮の弾道ミサイルの廃棄については、共同文書に盛り込まれなかった。金正恩・朝鮮労働党委員長との会談を終えたトランプ氏の口からも言及がなかった。 「非核化については、少なくとも共同文書に明記された」と、日本の政府関係者は言う。「弾道ミサイル、特にわれわれが懸念する中・短距離ミサイルはどうなったのだろうか」と日本の政府関係者は不安を隠さない。 日本の安全保障政策に携わる関係者をさらに心配させたのが、会見でトランプ氏が放った米韓合同軍事演習の中止発言。合同演習は両軍の連携を確認するのに重要で、定期的に実施しないと「さびつく」(自衛隊関係者)。大規模な演習なら準備に半年以上かかるため、再開したくてもすぐにはできない。 北朝鮮はことあるごとに米韓演習に反発してきたことから、金委員長が嫌がっているのは経済制裁よりも軍事演習との見方もある。「中止になれば、金委員長は枕を高くして眠れる。抑止力が低下する」と、別の政府関係者は言う。 トランプ氏は今すぐではないとしながらも、在韓米軍の撤退も示唆した。米国の影響下にある韓国という緩衝地帯がなくなり、中国やロシアと直接向き合うことになるとして、日本が警戒する地政学上の変化だ。 「もし私が日本人、特に朝鮮半島政策や防衛政策に携わる人間なら、いよいよこの地域から米軍がいなくなることが心配になる」と、スタンフォード大学のダニエル・シュナイダー客員教授は言う。「北東アジアにおける『米国最優先』の外交政策がどんなものか、貿易問題を含め、魅力的なものではないことが分かってきた」と、シュナイダー氏は語る。 「日本はやり方を変える必要」 国民が核兵器に強いアレルギーを持つ日本では、独自の核武装を求める声は聞こえない。しかし、国際的なリスクコンサルティング会社テネオ・インテリジェンスは13日のリポートで、日本と韓国が自前で核抑止力を保有する可能性を指摘した。 日本の政府関係者や専門家は、北朝鮮の非核化もミサイル廃棄も「すべてこれから」と口をそろえ、米朝が今後開く実務者協議に期待をかける。小野寺五典防衛相は13日朝、記者団に対し「ポンペオ米国務長官と北朝鮮高官の間で、具体的な作業が進められると承知している。その作業を見守っていく」と語った。 日本の政府関係者は「米国まかせの今の状態で良いのか。日本はやり方を変える必要があるかもしれない」と話す。 (久保信博、リンダ・シーグ 編集:田巻一彦) NewsWeek日本語版 2018年6月13日(水) https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10376.php https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10376_2.php            今回の何も具体的な事が決まらなかった米朝会談で思う事は、 日本の拉致問題解決にアメリカの圧力に依存していることである。 いかに日本の外交力が脆弱かつ無能であるかの証明である。 北は拉致をトップが認めいまだ拉致疑惑の被害者が数百名もいるのに、 北は勝手に解決済みと抜かし、被害者に謝罪も賠償もしてこないのである。 こんなふてぶてしい態度をする誘拐犯に日本は何も出来ない無様さである。 日本が主権国家ではない証拠である! なぜなら拉致問題は純粋に国家主権の問題だからである。 日本国民が北朝鮮に連れ去られるという国家主権侵害問題を、 日本政府が解決する能力がない事を証明しているのである。              もちろん政府自民党だけではない。 北朝鮮側のスタンス重視の立憲民主や社民、共産は論外である。 こいつ等が拉致問題で安倍政権を批判する権利はまったく存在しない! さらに河野洋平という自民党の売国奴は味方を��中から撃つ利敵言動が終わらない。 これを朝日や毎日など売国マスゴミは嬉々として報道するのである。 こいつらはシナ朝鮮の工作員と見做して間違いないだろう。   ↓ 河野元官房長官「日本はまず北朝鮮と国交正常化すべき」 ハンギョレ新聞 :2018-06-14 http://japan.hani.co.kr/arti/international/30842.html もう一つ・・・ 拉致問題が発生し解決しないことの遠因は憲法9条である。 あの悪法が日本の防衛を脆弱にし、戦争できない国にしているのだ。 公然と武力行使を口にする国と話し合いで解決できるのか? トランプ大統領が金正恩をインドネシアに引っ張りだしたのも、 経済制裁以外にアメリカの強大な軍事力が背景にあるからだ。 そしてその軍事力の傘に隠れて安穏と惰眠を貪ってきたのが日本だ。              主権侵害されても反抗できないのは 日本がアメリカの安保属国だからだ!  戦争できない主権喪失国家がいかに惨めで無様か、  そんな恥の見本が我らの祖国日本なのである(涙) さて・・・ 先日スウェーデンがロシアの軍拡に備えて、国民に有事対応冊子を 大量制作して各家庭に配ったというエントリをあげたが、調べてみると、 対ロシア戦争を意識して軍事対応しているのはスェーデンだけではない。   ↓ <関連エントリ> スウェーデン、戦争に備える手引書、日本周辺の安全保障は・・・ http://ryotaroneko.ti-da.net/e10504178.html スェーデンの国防手引書では、万が一祖国が占領されても、 決して抵抗を諦めてはならないという徹底抗戦論を述べている。 これは200年間中立を維持したスイスもまったく同じである。 日本のバカ平和主義者みたいな「不戦」だとか「白旗上げよう」 など敵国が喜ぶようなバカはどこにも書いていないのである。 諸外国の国防精神は「一億総玉砕」というかつての日本と同じである。 2016年からNATOは軍隊をバルト三国に派遣している。 特にロシア国境を接するリトアニアには1000名のNATO軍がいる。 ロシア軍に対抗するアメリカ・イギリス・ドイツ各精鋭部隊である。 この事はかつてソ連崩壊後解放されたバルト三国のNATO加盟には ロシアが脅威と感じるためにNATO軍をバルト三国には常駐させない、 という取り決めがあったから大変な出来事なのだ。 さらに米軍部隊3500名が同じく国境を接するポーランドにも派遣された。 ご存知の通りポーランドはロシアやドイツの侵略を受けている親日国だ。 当然冷戦終了後はNATOにもEUにも加盟している。 <参考サイト> NATO軍、ロシアの脅威に対抗 http://www.y-asakawa.com/Message2017-1/17-message09.htm           フィンランドはかつて冬戦争で旧ソ連と戦争をした経験を持つ。 現在スェーデン同様、非同盟ではあるがNATOとの軍事協力を進めている。 もちろん徴兵制があり、国防費も増額してロシアに備えている。 バルト三国(ラトビア・エストニア・リトアニア)はかつてソ連の支配に懲りて、 ソ連崩壊後はそれぞれEU、NATOに加盟して地域の軍事力強化に努めている。 特にリトアニア軍は民間防衛としてパルチザン結成も認めている。 個人的にはパルチザンという民間人ゲリラ組織には反対である。 なぜなら民間人の武装戦闘はハーグ陸戦条約でも禁じられているからだ。 ヘタに民間ゲリラをやれば捕まれば捕虜待遇はなく速攻で処刑だからである。 しかしリトアニア政府は1907年の「陸戦の法規慣例に関する規則」および 1949年の「捕虜の待遇に関する条約」で交戦者として確認されている事を 根拠に国民にパルチザン結成を正当化している。 でも敵国ロシアがそれを遵守するか、という問題だが・・・            しかし・・・ 北欧三国やバルト三国など小国家では国防は軍隊だけの専権事項ではない。 特に武装中立のスェーデンやスイスはもちろんだが、政府が定義する国防の要は、 国防軍と民間防衛が二大支柱だと規定していることである。 これは小国の安全保障は限られた軍隊だけでは果たせないからだ。 だからスイスのように占領されても清野作戦を実施する覚悟���、 最後の一兵まで国民全員が戦う姿勢を徹底しているのである。 繰り返すが・・・ 戦争末期の日本の「一億玉砕」精神とまったく同じである。 しかし国防の基本精神はこれではないだろうか? バカサヨの言う、 白旗掲げて奴隷の自由を求める精神は植民地根性丸出しである。 つまり・・・  国を守るのは軍隊だけでない! 国民全員が一丸となって守るもので、 国防とは国民の国を守る気概なのだ! <参考エントリ> 国防強化しアメリカ依存からの脱却を! http://ryotaroneko.ti-da.net/e5560591.html           さて・・・ トランプ米大統領は2017年5月のNATO首脳会合において、 対GDP比2%以上の国防支出を、未達成国に改めて強く求めたが、 2017年の推定で、その目標をクリアしているのはギリシャ2.36%、英国2.12%、 エストニア2.08%、ほぼ目標に到達しているのがポーランド1.99%の5か国だけである。 だがNATO発表によると、米国を除く28カ国の国防支出は2015年から3年連続で、 増額しており、2018年には上記5か国にルーマニア、ラトビア、リトアニアを加えた 8カ国が、また2024年までに、少なくとも15カ国が共通目標を達成する見通しである。 アメリカはアジアにもEUにも同盟国の為に軍隊を派遣しているから、 トランプの軍事費負担要求はもっともな事だし、もしここでアメリカが 同盟脱退すると宣言したら誰が喜ぶであろう・・・? 東アジアではシナの軍拡・侵略が進んでいる現実から、 日本もようやく国防費GDP1%の枠を超え今後は2%を目指すと提言した。 これも恐らくアメリカからの要求だと思われるが、早急にやったほうがいい。   ↓ 「防衛費を2倍以上に」、自民党が提言!GDP比1%の制限を撤廃へ 情報速報ドットコム 2018.05.27 https://johosokuhou.com/2018/05/27/5666/ ちょっと視点を変えて軍人の数量を単純比較してみる。 もちろん軍人数がその国の国防力に比例しないのは承知の上だ。 その前提で各国の人口に占める軍人の数的割合を見ると・・・ シナ(人口14億人)は、現役兵力は約220万人、予備兵力51万人、民兵約1000万人、 合わせて総兵力約1300万人、人口比約1%弱である。 北朝鮮(人口約2510万人)は、現役兵力約119万人、予備兵力60万人、 民兵約350万人、合わせて総兵力約513万人、人口比約2.1%である。 韓国(人口約5090万人)は、現役兵力約63万人、予備兵力450万人、 合わせて総兵力約513万人、人口比約1%である。 台湾(人口約2300万人)は、現役兵力約22万人、予備兵力166万人、 合わせて総兵力約188万人、人口比約0.8%である。 一方日本の場合は・・・ 現役自衛官(現役兵力)約22万5000人、予備自衛官(即応予備自衛官8075人、 予備自衛官47900人、予備自衛官補4621人)約6万人、 合わせて総兵力約28.5万人、人口比約0.22%である。 つまり日本の場合、世界第6位の排他的経済水域(EEZ)の面積や、 同じく約3万4000キロの海岸線は地球一周の85%近くになり、 これも世界第6位で、いかに日本の領海が広いかわかる。 これだけ広大な国防圏を世界標準の4分の一の自衛隊で守れるのか? 個人的には自衛隊員は30万人くらいまで増員すべきだと考える。 特に海自・空自には装備と人材を重点的に充実させるべきである。            想像したくはないが、もし日本と特亜の戦争状態が起きるとすれば、 在日シナ朝鮮人の中に紛れた工作員によるテロが多発することは間違いない。 これを自衛隊だけで対処はできないから警察も動員されるだろう。 しかし各地の破壊で生じる死者や負傷者保護、搬送、医療活動、 医療品・食料品の供給、病院の警護など・・・自衛隊だけでは無理がある。 そこで予備自衛官であるが、これが絶対数が少なすぎるのだ。 予備自衛官は20万人規模まで拡大させるべきである。 現在年齢制限が35歳までだが、我々還暦組も予備の予備でいいから、 後方支援の雑用でも使いっパシリでも何でも国の為に活用してほしい。           今の60代は元気な人が多いし、軟弱な20~30代などよりよく働くぞ、 いざ有事なっても、どーせ生きていても先が知れている身分だし、 私はそうなれば残り僅かの人生をお国のために捧げたいと思う。 団塊の3割バカサヨは除き、そう考えるシニアも少なくないだろうし、 体力は若い人には及ばないが、知力や人生経験は何かの役に立つだろう。 知力もない私だが、戦車は操縦できないがダンプは運転できるぞ! そんなGGYやBBAのために予備予備自衛官制度を作ってくれ!  防衛省はシニア人材を国防への、  何かの有効活用を検討してほしい。
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yamane-lilysquare · 3 years
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皆さんこんばんは🚶‍♀️🚶‍♂️ YAMANE&LILY SQUAREカルチャースクールです。 『プロダンサーが教えるリズムウォーキングで楽しく歩こう!ラララー!』 の体験会を開催しました🏃🏻‍♀️🏃🏻 音楽に合わせてバランスアップ!ウォーキング講座です。 健康の為にウォーキングをされている方、多いですよね😆 でも、正しく疲れ難い歩き方をしている人はあまりいないのではないでしょうか?😓 社交ダンサーの軍司英広先生による、 ダンスやボクシングの動きを取り入れた、楽しい講座です! 体験に来られた方も、程良い疲労感で気持ち良いとの事でした✨ お天気が良い日は屋外でもレッスンをする予定です😄 🏃🏻‍♀️レッスン日程🏃🏻‍♀️ 毎月第2・4水曜日10:30〜11:30 ●ヤマネ&リリースクエア● のホームページも併せてご参照ください。 お問い合わせ、お申込みはこちら☎️ 029-350-7525 お電話お待ちしております!😄✨ #茨城県 #水戸市 #リリーアカデミーグループ #ウォーターリリー #YAMANE&LILY SQUARE #カルチャースクール #習い事 #リズム #シニア #大人 #運動 #自然 #ウォーキング #社交ダンス #健康  YAMANE&LILY SQUAREでは、 新型コロナウイルスの感染対策として、 ●手指用アルコールの設置 ●こまめな手すりやドアノブ等の消毒 ●室内の換気(講座のレッスン中も随時) をさせて頂いております。 講師・スタッフもマスクを着用し、 感染拡大の予防につとめておりますので ご理解いただけますよう宜しくお願いいたします。 今後も 行政から新たな感染拡大予防の対策の要請があった場合、随時対応してまいります。 (株式会社ウォーターリリー) https://www.instagram.com/p/CPVmR_xHP9l/?utm_medium=tumblr
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harukatravel-blog · 4 years
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今日のEnglish ゴミを捨てるについて学びます! #1日1英語 #英語 #英会話 #元英語嫌い #英語楽しい #楽しく学ぶ #オンライン英会話 #マンツーマン #フィリピン英会話 #セブ英会話 #セブ留学 #オーストラリア #ワーホリ #自由気ままに #英語を話す #英会話習いたい #本気の英会話 #短時間で  #親子留学 #シニア留学 #大学生留学 #学生留学 #イングリッシュキャンプ https://www.instagram.com/p/B-s7QuYJLHn/?igshid=1t74iffj559de
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sorairono-neko · 5 years
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I only have eyes for you.
 勇利がヴィクトルの存在になかなか慣れてくれず、話もかみ合わないうえ、ヴィクトルが余計なことを言ってしまったせいでしっくりいっていなかったふたりの仲は、海辺でゆっくりと語りあったあとから好転し、すこしずつではあるがなじんできた。勇利はヴィクトルの前でも自然に微笑を浮かべるようになり、さらに遠慮なく意見を述べるようになった。ヴィクトルはほっとし、それ以上にうれしかった。ヴィクトルは勇利を理解したかった。彼のことをもっと知って、もっと親しくなり、コーチとしてできるだけのことをしてあげたかった。ヤコフが自分にしてくれるみたいに。勇利とごく普通に話せるようになったことは、その第一歩だという気がしてヴィクトルは胸がはずんだ。 「フリーの曲、いいね。何回も聴いてるよ。でもまだ振付はかたちにならない。いろんな案が浮かんできて、ちょっと頭の中がとっちらかってるんだ。あふれすぎっていう感じさ。まとまるまでもうすこし待ってね。勇利も考えをふくらませてみて」 「うん。ぼくもあの曲は気に入ってるんだ。いままででいちばん好きかも。もちろんそのときそのときで、実際やってるプログラムに最高に情熱を傾けるから、本当はくらべられないんだけど。すごくいいものができるって、はっきりした予感があるんだ」 「音楽大学の女の子につくってもらったんだっけ?」 「そう。まだ音楽専門の職に就いてるわけじゃないんだけど、感性がよくて、何かひかるものがあるんだよね」  ヴィクトルは、一生懸命にブロッコリーやもやしを食べている勇利を眺めながらかすかにほほえんだ。 「……彼女?」 「えっ」  勇利は驚いて顔を上げ、それからそっぽを向いた。 「……ちがいます」 「本当にぃ?」  ふざけて言うと、きっとにらまれた。 「そういう話はいいから」  ヴィクトルは肩をすくめた。 「勇利はちょっと潔癖すぎるんじゃないかな。この手の話題になるとおおげさなほど照れたり怒ったりするけど」 「語るべきことが何もないからです。ヴィクトル、自分と同じように世界じゅうの男が女の人をはべらせてると思ってるんですか?」 「俺だってはべらせたことなんかない」 「したことがなくても、そうできる状況にある人とそれとは正反対の人間とじゃ、どうやったってこういう話は上手く進まないんです。以後、やめてください」  きっぱりと言われてしまった。「あぁ!?」とすごまれなかっただけましなのかもしれない。ヴィクトルは承服できかねた。勇利は自分をわかってないよ。そう言いたかったけれど、口にしたが最後、今度こそ「あぁ!?」と激怒されるかもしれないので控えておいた。さすがにもう無視はされないだろうけれど、あれはなかなかの威力と迫力があるのである。  勇利。きみは女性をはべらせたことはないかもしれない。でも、世界一もてる男は落としたことがあるんだよ。わかってるのかな。  勇利は機嫌を悪くしてしまったようで、以降、ヴィクトルがどれほど陽気に話しかけてもむっつりとした顔しかしてくれなかった。しかし翌日、悪かったと反省したのか、練習の前に赤い頬をして、「ゆうべはごめんなさい……」と謝った。そしてぴゅーっと氷の上に出ていってしまった。  そういうところがかわいいと思う。 「ジャンプの前、溜めすぎかな? もたついてる印象があるかもしれない。ヴィクトルどう思う?」 「そんなことはないよ。なめらかだし、いまのままでいい」 「そうかなあ。どうも遅いような気がするんだよね。あと、イーグルのところ、何回もヴィクトルに注意されてるけど……」  勇利は、リンクへ行くときも、その帰りも、スケートのことばかり話している。本当にスケートが好きなのだなと思う。ヴィクトルだってそういう性質だし、大切な話だし、楽しいのだけれど、もうちょっと個人的な会話もできないものだろうかとこのところずっと考えていた。そう、海辺で語りあったときのように、もっと勇利のことが知りたい。内面に踏みこみたい。勇利がゆるしたぶん以上に入りこむつもりはないが、それでも近頃、プログラムづくりに夢中になっているせいで、話すことが限られてしまっている。それ以外勇利の頭にないといった感じだ。悪いことではない。悪いことではないのだけれど、ヴィクトルとしてはもっと勇利のことを教えてもらいたいのだ。それがプログラムを創作するうえで役に立つこともある。なにより、単純に、勇利と仲よくなりたかった。勇利の私的な話や失敗談、スケート以外に感じていることなど、さまざまな感性を知りたい。ヴィクトルは、そのためにまず自分のことを話そうとするのだが、勇利はとにかくプログラムに熱中していて、矢継ぎ早にヴィクトルに質問をしたり意見を言ったりするので、そういうことを口に出す隙がみつからなかった。勇利がいかに美女やカツ丼になりきるかという問題を抱えているときに、紅茶を淹れたらものすごく苦いのができちゃって、なんていうたわいない話をして応じてもらえるとは思えない。ヴィクトルとしては、そういったちいさなことでも勇利について知りたいのだけれど。 「うーん……コレオのところさ……もうちょっと……、ヴィクトル、聞いてる?」 「聞いてるよ」  でもいま、勇利はスケートの話をしたいんだ。勇利が望むようにしよう。彼の希望を受け容れよう。ヴィクトルはこころぎめをして、勇利の言うことに耳を傾けることにした。 「ヴィクトル、あんたこれ読む?」  食事のあと、ひとりでテレビを眺めていると、真利に声をかけられてヴィクトルは首をもたげた。 「なんだい?」 「勇利の載ってる雑誌」 「勇利の!」  ヴィクトルは顔を輝かせた。 「あの子、わりとそういうの載るんだけど、それがいちばんページ数多いやつだから。特集されてるんだよね。勇利はあんたが載ってるやつは必死になって集めるけど、自分のにはまるで興味がないのよねえ。だから見向きもしないの」 「そんな、もったいない」 「日本語だから読めないだろうけど、あの子に訳してもらったら?」 「そうする。マリ、スパシーバ」  ヴィクトルはテレビを消すと二階へ駆け上がり、勇利の部屋へ飛びこんだ。 「勇利、これ、訳してくれ!」 「え? ……わっ、なにこれ」  勇利が赤くなったり青くなったりした。彼はしばらくじっくりと記事を読んでいたが、知られたくないことはなかったようで、「わかった」とこっくりうなずいた。恥ずかしい箇所があるならそこを飛ばして話せばよいと思うのだけれど、勇利はそういうことができない子なのだ。ヴィクトルにもすこしずつわかってきた。 「えっと、じゃあ座ってください」 「どこに?」 「その椅子にでも」  勇利はベッドに腰掛けている。椅子を引いてきて向かいあうのはおかしなことではない。しかしヴィクトルは勇利の隣に座った。 「あのさ……」  勇利はあきれた顔をしたが、すぐにくすっと笑った。彼がときおり見せる、ごく自然な微笑だ。ヴィクトルはこの笑顔が好きだった。 「じゃあ、訳すよ。言っておくけど何もおもしろいこと書いてないからね」  あらかじめ断り、勇利は記事の内容を話し始めた。最近はこういう練習をしているとか、あの試合のときはここがよくなかったのでこんなふうに考えたとか、悔しいと思ったときにはどういうことをしているかとか、一般的な、選手ならよく取材されることだった。ヴィクトルも似たような話を幾度も記者に語った。しかし、つまらないなどとはいっさい感じず、ヴィクトルは興味深く勇利の言うことに耳を傾けていた。 「……そんな感じ。ね、おもしろくないでしょ?」 「そんなことはないよ。勇利はそういう気持ちで試合をしてたんだね。これはいつごろ?」 「いつかなあ……」  本当に自分の記事には関心がないらしい。勇利はぱらぱらとページをめくり、衣装姿の彼の写真が出てきたところで手を止めた。 「ああ……、シニア二年目とかのあたりじゃないかな」 「ということは三年前?」 「それくらいだね」 「……いまとぜんぜん変わらないじゃないか」  ヴィクトルはまじまじと写真を見た。 「そりゃあ、大人になったら三年くらいじゃ変わらないんじゃない?」  勇利は気にしていないようである。 「ヴィクトルだって、二十四歳のときといま、変化ないでしょ?」 「でも、この前マーマに勇利のジュニア時代の映像を見せてもらったけど、それもいまと同じだったよ」 「そんなわけないだろ! なにわけわかんないこと言ってるんだよ」  ヴィクトルはちらと勇利を見た。勇利は怒った顔をしているけれど、口元がほころんでいる。ヴィクトルって変なひと、とでも思っているのだろう。ヴィクトルはうれしくなった。 「綺麗な衣装だね。でも俺ならもっと華やかにするな」 「そりゃあヴィクトルはきらびやかなのが似合うから」 「そうじゃない。俺がコーチならっていう意味。もっときらきらさせたい」 「きらきらってねえ……。じつは、最初はもうちょっとちがう色だったんだ。派手なね。コーチがそうしたほうがいいって。でも、連盟の人が似合ってないんじゃないかって言って変更になったんだ」 「無視すればよかったのに」 「ヴィクトルじゃないんだから」 「あれ? 俺が連盟の意見を採り入れたことが一度もないってなんで知ってる?」 「一度もないの? ほんとに?」  勇利が目をきらきらさせながら身を乗り出し、ヴィクトルに笑いかけた。無邪気でかわいらしい、すてきな勇利だった。ヴィクトルは急に胸がどきどきし、気持ちが高揚した。いま、すごく勇利と俺、いい雰囲気だ、と思った。 「だって彼ら、いつもダサいことしか言わないんだ。言う通りにしていたら俺のプログラムが台無しになる」 「それにしたって。怒られないの?」 「さあ、怒ってたかもね。知らないな」 「知らない?」  勇利はますます楽しそうに笑った。 「知らないんだ。ヴィクトル、すごい」 「何か言ってたかもしれないけどおぼえてないよ」 「ヴィクトルって本当に自由なんだね。インタビュー記事読んでてもなんとなく伝わってくるものはあったけど、想像以上だ」  勇利はヴィクトルに顔を近づけて言った。 「でもぼく、そういうヴィクトル好きだよ」  ヴィクトルはすっかり興奮し、うれしくなった。 「ねえ勇利」  勢いこんで勇利をみつめ、提案する。 「今度一緒に食事に行かないか」 「え?」 「ふたりでさ。行ったことないだろう? もっといろいろ話そうよ。練習のときも、家でもおしゃべりしてるけど、私的な時間を持てば別の話もできると思うんだ。もちろん勇利がいやじゃなければだけど、どうかな? そうだ、明日、休みだよね? 昼でも夜でもいいけど、勇利の都合さえよければ──」 「あ、あの……」  勇利が顔からさっと笑みを消し、うつむいた。ヴィクトルは、しまった、踏みこみすぎただろうか、とうろたえた。どうしよう。 「ごめん勇利、先走ったかな。迷惑だったなら──」 「そうじゃないんだけど」  勇利は下を向いたまま口早に言った。 「明日は取材を受けることになってて……」 「そうなのかい?」  知らなかった。初耳だ。 「地元のちいさな情報誌だから、そんな大がかりなことじゃないんだけど。でも一日かかると思うから……」  そうだ。勇利は長谷津でとても慕われているスケーターなのだ。そういう仕事もあるだろう。もちろんだ。 「そうか。それなら仕方ないね」  ヴィクトルは明るく言った。 「取材に応じるのは大事だよ。ファンの人にいろいろなことを伝えられるからね」 「う、うん……」 「じゃあ、明日はやめておこう」 「ごめんなさい」  勇利はしゅんとしてしおらしく謝った。 「なんで謝る? 勇利は悪くないだろ? それより、その情報誌、俺も見られるのかな? 楽しみだね」 「あ、できたら送ってくれると思う……」 「そうか。そのときはまた勇利に訳してもらわなくちゃ」  ヴィクトルはずっとにこにこしていた。しかし、内心はちっともそんな気分ではなかった。断られたことが衝撃で、思った以上にがっかりしていた。ヴィクトルは、勇利と一緒に出掛けられるものときめてかかっていたのだ。 「あ、もう遅いね。寝る?」 「そうだね。そろそろ……」 「じゃあ俺は部屋へ戻るよ。おやすみ」 「おやすみなさい……」  勇利と話した時間はとても楽しかった。しかし、愉快だったぶん、誘いが上手くいかず、食事に行くことができないという結果が、ひどく重苦しく感じられた。  だったらその次の休みはと尋ねればよいのだけれど、ヴィクトルはそうすることができなかった。また断られるかもしれないという疑念がわいたからである。ならば、ではまたその次と陽気に言える性質のヴィクトルなのに、なぜだかためらいがあった。勇利は結局、ヴィクトルと食事になんて行きたくないのかもしれない。用事がなかったとしても断ったのかもしれない。ヴィクトルの提案を聞いて、仕事があるのを幸いに思い、喜んでかぶりを振ったのかもしれない。そんなはずはないと���かっているのだが、どうも勇利はよくわからないたちをしているので疑いは尽きなかった。  もしいまの勇利が、ソチでのバンケットのときの彼のようにほがらかで親しみ深かったら、ヴィクトルもこんな気持ちにはならなかっただろう。しかし、長谷津にいる勇利はあんなふうに甘えるようにヴィクトルに笑いかけたりはしないし、何かして欲しいと求めることもない。酔っていない正気の彼は、まったく正常で真摯なのだ。  だがヴィクトルは、いまの勇利をつまらないとは思わなかった。かえって神秘的で不可解な、おもしろみのある、魅力のある青年だと感じた。酔うと変身するというひみつを隠し持っているのに、普段はまったくとりすましているのだ。ますます興味がわいて当たり前ではないか。いつかまた、あのにぎやかな面があらわれることがあるのだろうか?  そんな勇利をもっと知りたいと思うのに、「デート」の誘いは断られてしまった。もう一度気軽に誘えないのは、きっと、ひどく落胆したからだ。また同じように拒絶されたらさびしいとこころのうちで身構えているのかもしれない。自分の生徒を食事に誘うのに何を緊張する必要があるんだ、ヤコフなんか平気で俺を連れ歩いてくれた、と思いはするのだけど、なかなか決心がつかない。勇利は俺とはちがうからな、とヴィクトルは考えた。俺だって、俺みたいに取り扱いやすい教え子ならもっと……。しかし勇利はかわいらしい生徒だ。ヴィクトルは彼のことで頭がいっぱいである。  なんとなく気まずくて、家ではあまり話せなかった。練習中や行き帰りは、相変わらずスケートの話ばかりしている。そのときの勇利は熱心で、まじめで、ヴィクトルによく質問をする。貴方が苦手だから食事はお断りしました、という気配はいっさい感じられない。いまなら誘えば了承するのではないかとよくヴィクトルは思う。だが、やはり迷いがあり、ヴィクトルはしばらく食事の話はよしておいた。そのうちよい機会がみつかるだろう。そもそも、そういうことをしなくても、もうしばらくもすれば勇利はもっとヴィクトルになじみ、さらに仲よくなれるかもしれない。どんなことでも言いあえるふたりに……。  ヴィクトルは余裕があるときはひとり出歩き、あちこちのおいしい食べ物に舌鼓を打った。日本の食べ物はもとから好きで、遠征などでこちらへ来たときは楽しんでいた。もちろん試合のおりなので好き勝手に食べることはできなかったから、いつか私的なときに日本を訪れたら、思う存分食べたいものを食べようと思っていたのだ。  その日もヴィクトルは、翌日が休みだということで気をゆるめ、外で食事を済ませて遅くに戻った。そしてそのまま昼近くまで眠り、休日はのんびりと本を読んだりテレビを見たり散歩をしたりして過ごした。勇利はどこかへ行ったのか、それとも部屋に閉じこもっているのか、顔を合わせなかった。  夜になり、知り合いのSNSを巡回しようとして、ヴィクトルはふと気がついた。昨日から、ずっと携帯電話の電源を切っていた。  このところ、またヤコフの心配性が顔を出したようで、彼からの連絡が多いのだ。どうせ説教しかされないのでヴィクトルは適当に言い訳をして早々に電話を切っていた。おまけに、スケート連盟のほうも何かと小言を言ってくる。ヴィクトルが電話をいやがるものだから、どちらもメッセージまで送りつけてくる始末だ。昨日も溜まったメッセージに嫌気が差し、確認もしないまま電源を落としてしまったのだった。  ヤコフも連盟も怒り狂っているかもしれない。ヴィクトルはメッセージを確かめてみた。もちろん電話もかかってきている。しかしそんなことはどうでもいい。どうせ同じことしか言わないのだ。 「来てる来てる」  ヴィクトルはろくに読みもせず、ざっと視線を走らせるだけで無視した。何を言ってもいまさらだ。俺はここで勇利のコーチをするんだから……。 「あれ……?」  ふとヴィクトルの手が止まった。ヤコフと連盟以外から連絡が来ている。勇利からのメールだ。 「えっ」  ベッドに横たわっていたヴィクトルは勢いよく起き上がった。急に心配になる。何か緊急の用事があったのだろうか? 日付は昨日、時刻は夜である。ヴィクトルが飲み歩いているころだ。 『ヴィクトル、この前は誘ってくれてどうもありがとう。とてもうれしかったです。断ってしまってごめんなさい。せっかくヴィクトルが誘ってくれたのに、本当に申し訳なかったと思います。  それで、こんなことを言っていいか迷ったのですが……。よかったら、明日食事に行きませんか? 時間はいつでも構いません。昼でも夜でも。  でも、ヴィクトルはもうそんな気はないかもしれないし、もしかしたら迷惑かもしれないので、その場合は返事をくださらなくてもけっこうです。ぼくのことは気にしないでください。ちゃんとわきまえて、もうこんなこと、言ったりしませんから。  それでは。ご了承いただけるときはいつでも声をかけてください』  ヴィクトルは携帯電話を取り落とした。誘ってくれていた。勇利が。食事に。あのときの埋め合わせをしようと努力してくれていた。なのにヴィクトルは……。  ヴィクトルは青ざめた。断る場合は返事をしなくていいと勇利は述べている。ヴィクトルはメールに気づかず、勇利に何も言わなかった。つまりいまの彼は、ヴィクトルはもう二度と勇利と食事に行きたくないという気持ちだ、と考えているのだ。冗談ではない。そんなこと……。 「勇利!」  ヴィクトルは大慌てで部屋を飛び出し、勇利の私室に飛びこんだ。 「ごめん、勇利!」 「なに? どうしたの?」  コンピュータに向かって何かしていた勇利は、不思議そうにヴィクトルを見た。 「ごめん、気がつかなかったんだ。いま見た」 「何を?」 「メール。メールだよ!」 「ああ……」  勇利がほほえんだ。 「いいんだよ。気にしないで」  ヴィクトルはさらにうろたえた。この「気にしないで」は「メールに気づかなかったことなんて気にしないで」ではなく、「食事を断ったことは気にしないで」という意味だ。おそらく。 「本当なんだ。本当なんだ」  ヴィクトルはくり返した。 「本当に気づかなかったんだ」 「いいんだよ。ぶしつけなことを言ってごめん。大丈夫」 「いや、ちがう、だから……」 「気が変わるなんてよくあることだよ。なんとも思ってないから」 「勇利、俺は、本当に……」 「うん」  だめだ。勇利は、「ヴィクトルは気を遣って気づかなかったことにしている」と断定している。日々の練習で彼の頑固さをのみこみつつあるヴィクトルは、この気持ちはくつがえせそうにないということがわかった。 「行こう。次の休みに行こう」  ヴィクトルは言った。必死だった。 「必ず行こう。絶対に行こう」 「やめとく」 「なんで!?」 「ぼく、外食ってあまり得意じゃないんだ。だから……。ヴィクトル、どうもありがとう」  口ぶりもほほえみも優しいけれど、勇利からは絶対的な拒絶が感じられた。 「勇利……」 「べつに、食事なんて家でいくらでも一緒にできるしね」  勇利はあっさり言って、この問題に決着をつけてしまった。  最悪だ……。ヴィクトルは深い溜息をついた。どうしてこういうことが起こるのだ。勇利と付き合うのは本当に難しい。もっとも、責任は自分にあるのだけれど。  ヴィクトルは、前よりも勇利とのあいだにへだたりが生じたような気がしてならなかった。勇利は、練習中はいつも通りの態度なのだが、それ以外では以前より話さなくなったし、笑顔もあまり見ていないように思える。気のせいだろうか? ヴィクトルは気持ちが重かった。どうしてこう上手くいかないのだ。勇利のことを知りたいだけなのに。 「マリ……」  ヴィクトルは縁側に座り、庭を眺めながらぼんやりと言った。 「勇利って難しいね……」 「いまごろ気づいたの?」  ヴィクトルに水菓子を運んできた彼女は、可笑しそうに口をひらいて笑った。 「あんたたちって、同じ試合に出ることもあったでしょ? 話したことなかったの? ──まあ、ないか。ないわよねえ」 「なんでわかる? 勇利がそう言ってた?」 「勇利はもともと連絡なんかほとんど寄越さないし、あんたの話もしなかったわよ。あの子の性格からいって無理だろうなと思っただけ。あんたのことは昔からめちゃくちゃ好きだったけどね。だからこそっていうのかな」 「めちゃくちゃ好き……」  本当にそうだろうか。いや、その気持ちにうそはないだろう。バンケットのときに抱きついてきた勇利はきらきらと輝く目を持っており、ヴィクトルを愛情いっぱいにみつめ、甘ったるくコーチになってとねだった。あのとき、勇利はまぎれもなくヴィクトルを愛していた。しかし……。  思ってたのとちがう。  いまごろはそう考えてがっかりしているかもしれない。だとしたら……。 「マリ、俺ね、自分がいつでもいちばんだと思ってるんだ……」 「でしょうね」 「自信満々で、不安になることなんてなかった」 「そういう感じ」 「でも……」  ヴィクトルはふっと息をついた。 「勇利といると、ときどき、妙な憂鬱を感じるんだよ。なんてままならないんだろうってね。ものすごく苦労するし、どうすればいいんだろうって悩む。勇利って不思議な子だね」 「私に言えることは、何があろうとあの子はあんたが大好きだってことよ」  仲よくなった書店の店長に頼まれて、ヴィクトルはサイン会をひらくことになった。商店街の書店だから町の者しか利用しないし、ヴィクトルは道で会えば気軽にサインでも握手でも応じるので、さほど混雑はしないだろうという見込みだった。だがそれでもかなりの人数が連なり、ヴィクトルは店の片隅で、朝から笑顔を振りまいていた。日本語で話す者もいるけれど、ヴィクトルに伝わるようにと言うべき英語をおぼえこんできたファンが多かった。がんばってください、応援しています、という言葉に交じり、勇利くんのことよろしくお願いします、と親身になっている女性もいて、ヴィクトルは、勇利はやっぱり愛されてるな、とうれしくなった。  色紙を持ってくる人もいるが、たいていヴィクトルの写真集を差し出してくる。家から持参してもいいし、書店で買ってもよいという規則である。ヴィクトルは指定された場所にサインを入れ、相手の名前を書き、望まれれば握手をする、ということを長いあいだくり返していた。そして──。 「どうぞ」  ヴィクトルがうながすと、緊張しきった顔をした男の子──いや、青年がおずおずと進み出た。ヴィクトルは目をまるくした。 「写真集でいいの?」  驚いたにもかかわらず、自然に、すべき対応をしてしまった。青年はこっくりうなずいた。彼は脇に書店の袋を挟んでいた。新しく買ったのだ。これは持っているはずなのに。 「名前は?」 「ゆ、ゆ、ゆゆ、ユーリ……か、かつ、カツキ」 「オーケィ。勇利ね」  ヴィクトルは笑いながらさらさらとサインを書き、勇利の名前を入れた。勇利は眼鏡をかけ、マスクをして、まっかな頬だった。 「はい、どうぞ」 「あ、ああ、あ、あり、あり、あり、ありが、と、とうござ、ござ……」  勇利の後ろの女の子たちが、「勇利くんがんばって!」と応援していた。日本語だが、「がんばって」くらいはヴィクトルにもわかる。 「握手は?」  ヴィクトルは優しく尋ねた。 「お、おおおおおおね、おねが……」 「はい」  ヴィクトルは立ち上がり、ぎゅっと勇利の手を握った。勇利の頬がさらに赤くなった。 「あ、あのっ、あの、び、びくとる……」 「なんだい?」 「ぼ、ぼく、ぼく、ぼくは、ぼくぼくぼくっ……」 「落ち着いて」 「勇利くんがんば!」 「あ、あなたの、あなた、あなたの、ふぁ、ふぁ、ふぁ……」 「うん」  ヴィクトルはじっと勇利をみつめた。勇利は一生懸命にヴィクトルを見上げ、泣きそうな、訴えかけるような目をしていた。 「ずっと前から大好きです!」  勇利が叫んだ。ヴィクトルは瞬いた。後ろの女の子たちが、「やった!」と歓声を上げた。 「ありがとうございました!」  勇利はぺこりと頭を下げると、ものすごい勢いで駆け去っていった。ヴィクトルはぼうぜんと見送った。残された女の子たちが、「よかったぁ」と感激していた。 「勇利くん、がんばったね……」  翌日のヴィクトルは、あんなことがあったのでは、今日は練習にならないのではないかと心配していた。久しぶりにヴィクトルのファンになりきった勇利はめろめろで、その気持ちがあふれ出てしまうのではないかと思ったのだ。しかしそれは悪いことではあるまい。練習は大切だが、そればかりに明け暮れていては疲れてしまう。もちろん休みはあるけれど、精神の休息も必要だ。勇利はまじめな選手で、いつだって頭の中はスケートでいっぱいで、ヴィクトルともその話しかせず、息抜きをすることはあるのだろうかと気にしてしまうほどだったので、もし昨日の気持ちがまだ続いているようなら、それにはおおらかに対応しよう、彼が望むならもっと喜ぶことだってしてあげようとヴィクトルは思っていた。 「おはようございます」  しかし、リンクで会った勇利はいつも通りすっきりとした顔をしており、ぴんと背筋が伸びていた。 「今日もよろしくおねがいします」 「……うん。じゃあまず基礎からね。一緒に」 「はい」  勇利は見事に気持ちを切り替えていた。ヴィクトルは感心した。昨日の勇利と同じ人物だとは思えない。勇利は自分に厳しく、ヴィクトルにもっともっととジャンプを求め、何か足りないところはないか、これでじゅうぶんなのかと貪欲に稽古に努め、相変わらずヴィクトルが注意したくなるほど練習に没頭した。ヴィクトルは、勇利は芯からのスケーターなのだなと思った。なんてしっかりした、立派な選手なのだろう。氷の上に立っているときの凛とした勇利の姿がヴィクトルは好きなのだ。しかし同時に、もう俺のことはどうでもいいのかな、ひどいなあ、と冗談のように考え、そんな自分に笑ってしまった。  その夜、一緒に温泉に入ろうと誘うため勇利の部屋をおとなったヴィクトルは、机に向かった勇利が、うれしそうにヴィクトルのサイン入り写真集を持ち、腕をいっぱいに伸ばしてそれをにこにこと眺めているのを目撃した。 「勇利」  勇利がヴィクトルのほうを向いた。机の上には、同じ写真集がのっていた。やはりもう一冊買ったのだとヴィクトルは思った。 「サインもらった」  勇利ははしゃいでヴィクトルに報告した。ヴィクトルはうなずいた。 「うれしい」 「そうか」  もしかしたらそれは、勇利が初めて自分からヴィクトルに話したスケート以外のことかもしれなかった。聞いてヴィクトル、ぼくこのひとのファンなんだ。サインもらった。すごくうれしい。勇利のこころの中がどうなっているのかヴィクトルにはうかがい知ることはできないけれど、いまの勇利は、ヴィクトルに対してファン心理を抱いているというより、自分の好きな相手を打ち明けるほどに親しみを感じているようだった。おそらく、ヴィクトルを選手ではなくコーチとして見て、信頼をおぼえているのだろう。朝からの態度はずっとそうだった。好きな選手だとはしゃぐ気持ちより、このひとはぼくのコーチ、なんでも教えてくれるひと、という心構えがあったにちがいない。だがそれは勇利のヴィクトルへの好意が増えたり減ったりするという意味ではないはずだ。いまのヴィクトルは、勇利が安心して話せる、大切な相手なのである。「ずっと前から大好きです」と勇利は言った。それは、この瞬間も感じている想いなのだろう。あらわし方がちがうだけだ。勇利の瞳を見ればわかる。彼の目はヴィクトルに向くとき、いつでもきらきらと輝いて、ヴィクトルを求めている。  ヴィクトルはほほえんだ。 「ほかにして欲しいことがあったらしてあげるよ」  ヴィクトルは、朝に思っていたことを口にしてみた。勇利はふるふるとかぶりを振った。 「いまの俺には興味がない?」  ヴィクトルがからかうと、勇利はもう一度首を振った。 「一気にいろいろしてもらうと、許容量を超えるから」 「確かに。昨日の勇利はおもしろかった」 「言わないでよ」 「勇利」  ヴィクトルはごく自然に切り出した。この子はずっと俺が好きなんだ、この瞬間も、感情の出方がちがうだけで、昨日見せてくれたのと同じだけの愛情を俺に向けてくれているんだ。そう思うとヴィクトルは気持ちがやすらいだ。 「この前はごめん。あれは断ったつもりじゃなくて、本当にメールに気がつかなかったんだ。ヤコフや連盟がうるさいから電源を切ってたいた。言い訳だけどね。気がつかなくて本当に悪かったと思ってるよ。それに、勇利が誘ってくれて、とてもうれしかったんだ」  ヴィクトルは勇利の顔をのぞきこみ、ゆっくりとささやいた。勇利が瞬いてヴィクトルを見た。 「なのにそれを自分が断ったふうになってしまって、とてもがっかりしたよ。落ちこんだ」  おおげさに溜息をつくと、勇利がふと笑った。 「落ちこんだ? ヴィクトルが?」 「俺だって落ちこむことくらいある。最初勇利に誘いを拒絶されたときもしょんぼりしてたんだぞ」 「あれは拒絶っていうか……」 「いいさ。わかってる。だからいま改めて誘いたいんだけど」  ヴィクトルは熱心に言った。 「次の休み、俺と食事に行かないか。勇利と行きたい」  勇利はまっすぐにヴィクトルを見、すこし考え、それからかすかに笑ってうなずいた。 「いいよ」  かるい、さらりとした返事だったが、ヴィクトルはひどくうれしくなった。この約束をとりつけるのに、相当な苦労をしたような気がした。 「楽しみにしてる」  おそらくは社交辞令で勇利はそう言ったのだろうに、そのひとことにさえヴィクトルは喜んだ。やっと勇利と食事に行けるぞ、と彼は浮かれはしゃいだ。  ヴィクトルは意気揚々と自室へ戻った。しかし、気持ちが鎮まると、いったいどこへ連れてゆけばよいのかと不安になってきた。正装するような高級な店では勇利は戸惑うにちがいない。だが、ヴィクトルが近頃開拓したような、にぎやかな居酒屋やラーメン屋ではゆっくり話ができない。高級店と居酒屋のあいだくらいの落ち着いたレストラン……いや、それでも勇利は緊張するだろうか……ではファミリーレストラン……ジャンクフードの店はあまりよくないか……。  ヴィクトルはわからなくなってしまった。どうしよう。勇利はどういうところへ連れてゆけば喜んでくれるのか。もっと親密になるにはどんな店がよいか。場所など関係ないともいえるが、いや、環境が大事だ、という気持ちもある。勇利だって、舌を噛みそうな名前の料理が出てくる店では、安心して自分をさらけ出した会話などできないだろう。勇利が勇利のままでいられる……彼が話しやすくなる……そんな……。 「ヴィクトル、あの、食事のことだけど」  もうすぐ約束の日だ、早くきめないと、と悩んでいると、練習のあと、勇利が思い出したように言い出した。 「行く店はきめてあるの?」  まさに心配ごとについて指摘され、ヴィクトルは動揺しながらも、「考えてるところなんだ」と正直に話した。 「もしよかったらぼくの行きたい場所があるんだけど……」 「そうなのかい?」  勇利に希望があるならそれがいちばんよい。ヴィクトルはうなずいた。 「どこ?」 「あの……」  勇利がためらった。ヴィクトルは笑いながらうながした。 「勇利の行きつけの店?」 「ぼくそういうところはないから……。ただ、前からおいでって言われてて」 「店の人と知り合いなの?」 「知り合いは知り合いだけど、店じゃないんだ」  ヴィクトルはきょとんとした。どういう意味だろう? 「あと、ヴィクトルもその人とは知り合いだよ」 「なに? だれ? ラーメン屋?」 「それ、店じゃん」  勇利が笑った。彼はいたずらっぽく言った。 「ミナコ先生のうち」 「えっ」 「前から、ヴィクトル連れて一度遊びに来なさいって言われてたんだよね。ごはん食べさせてくれるって」  なるほど、そういうことか。確かに「店」ではない。勇利に積極的に行きたい店があったらすこし意外だという気がしていたのだ。ヴィクトルは可笑しくなった。 「ミナコ先生はよくうちに来るけど、そこじゃそう話もできないし。といってもぼくはあんまり話すことないけど……ミナコ先生はいろいろ聞きたいんだと思う。あと、ぼくほどじゃないけど、ヴィクトルのこと好きだし」  さらりと愛の告白などをする勇利は、そのことに気がついていないようだ。 「だからヴィクトルがよかったらだけど、ミナコ先生の家に一緒に行ってくれないかなって。どう?」  ヴィクトルはほほえんだ。それじゃ俺の計画は達成できないな、と思った。まったく勇利は困った子だよ。どうしても俺を手こずらせるんだから。本当におもしろい。 「もちろん構わないよ。ふたりで行こう」  ヴィクトルはうなずいた。  ミナコは料理じょうずだった。ヴィクトルは素直に褒め、ミナコは得意げに胸を張った。 「食事は身体づくりに大きく影響するからね。まあいまさらあんたに言うまでもないけど。勇利はときどきそれを忘れるわ。この子の場合、体質���あるからかわいそうだけれどね。ちいさなころは練習のあと、よくうちへ寄らせてごはんを食べさせたものよ。この子の食事には気を遣ったわ。なつかしい」  ミナコは勇利の昔話をたくさんしてくれた。にぎやかな勇利の家ではなかなかしないような話もあった。ヴィクトルは慎���でそれを聞き、勇利をからかっては笑った。勇利が赤くなって「ミナコ先生、ぼくの話はもういいから……」と注意を与えるほどだった。 「なに言ってんの。気難しいあんたをヴィクトルにもっと知ってもらうために呼んだのよ」 「気難しくないよ。普通だよ」 「いや、気難しいよ。勇利、わかってなかったの?」  ヴィクトルが口を挟むと、 「どこが? どこが?」  勇利は不満そうにした。 「言っていいの?」 「えっ、なんかこわいな……ぼくそんなにおかしい……?」  食後は勇利の母に持たされたプリンをデザートにし、三人はすこし遅くまで語りあった。もっぱらしゃべっているのはミナコで、勇利はとにかく黙って欲しそうにしていた。ヴィクトルはそれをほほえましく見守った。当初の予定とはちがったけれど、ヴィクトルは楽しい時間を過ごし、そのまま愉快な気持ちで帰途についた。 「楽しかったね」  帰り道でヴィクトルは笑いながら言った。 「うん」 「ミナコ、また来てねって言ってくれたね」 「うん」 「ミナコはちいさなころから勇利のことをよく見てきたんだね」 「うん」 「勇利のこといろいろ知ってたね」 「うん」  勇利はうつむいて足元ばかりみつめていた。ほろ酔いのヴィクトルは、そんな彼の後ろからのんびりついていった。ヴィクトルが話すのをやめると、勇利はしばらく黙りこみ、そのうち「ヴィクトル」と呼んだ。 「なんだい?」 「あのさ、フリーなんだけど」  唐突な発言だった。ヴィクトルはすこし驚いた。 「全体を通してるときにまだ違和感があるっていうか、上手くジャンプに入れないところがあって、そのことをちょっと気にしてて、慣れの問題なのかなって思ったり、あと、サルコウがはまるときとはまらないときとで、何がちがうのかいまだにわからなくて、それ……」  勇利はスケートの話をし続けた。ヴィクトルは星空を見上げながら耳を傾けていた。そうか、勇利。そんなことを気にしてたのか。大丈夫だよ。ちゃんと聞くから。俺も考えるから。……ただし、練習のときにね。  星が綺麗だと思った。ちょうど何かを望んだときの勇利の瞳に似ている。勇利の黒い大きな瞳は、神秘的で、魅惑的で、ヴィクトルを惹きつけてやまないのである。 「勇利」 「だからもうちょっとジャンプの練習時間を……なに?」 「また食事に行こうね」  ヴィクトルはほほえんで言った。 「う、うん」  勇利は不思議そうに、あるいは戸惑ったようにうなずいた。 「今度はふたりきりで」 「え?」 「俺と勇利だけで」 「…………」  勇利が困った顔をした。ヴィクトルはまた微笑した。 「言っておくけど、今日は楽しかったよ。いろいろ勇利のことを知ることができた。勇利はミナコのところでもいいかと訊いてくれたし、俺も了承した。楽しめると思ったからだ。またこうして三人で会いたい。俺自身、望んでいる。でもそれとは別に、勇利はなぜ俺が勇利を食事に誘ったか、わかってる?」 「…………」 「勇利のことが知りたいからだよ」  ヴィクトルはにっこりした。 「ミナコから聞くのもいい。ユーコやタケシもいろいろなことを教えてくれる。勇利の家族だって。でも俺は、勇利の口から直接語られる勇利の物語を知りたいんだ」 「…………」  勇利はうつむき、困ったように眉を下げた。 「勇利」  ヴィクトルは勇利の隣に並んだ。 「どうしてスケートの話しかしないんだ?」 「…………」 「俺もスケートは大好きだよ。楽しい。ずっとだって語っていられる。でも勇利とは、別の話もしたいんだ」 「…………」 「俺とはスケートの話以外したくない? コーチとはそういうことしか話しあいたくない?」 「……そんなことないよ」  勇利はぽつんとつぶやくように言った。 「ミナコといるときは、ごく普通の会話もしてたよね。普段、家でもそうだ。でも俺とふたりきりになると、勇利はスケートのことしか口にしない。俺は怒ってるんじゃない。ただ不思議なんだ。どうして? 俺の顔を見ると、スケートのことが思い浮かぶのかな?」  ヴィクトルがおどけて言うと、勇利はしばらく黙りこみ、ちいさく、「ごめん……」と謝った。 「怒ってるんじゃないと言っただろう? いいんだよ。俺だって、無理やり勇利をしゃべらせたいわけじゃない。でも、俺としては、勇利とはいろんな話をしたいなあと思うんだ。いやならこころの中は話さなくてもいいよ。もっとくだらない、どうでもいいような、必要じゃないようなことも言いあえたらなって考えてるんだよ。そういうの、困るかい? 迷惑だったら言ってくれ」 「……迷惑なんかじゃない」  勇利はうつむいたままぼそぼそと言った。 「ただ……」 「ただ?」  勇利はようやく顔を上げた。彼はせつなそうに、胸に手を当ててヴィクトルをみつめた。ヴィクトルはどきっとした。なんて目をするのだ……。 「ヴィクトルとふたりだと、何を話したらいいのかわからないんだ……」 「え?」 「どうしたらいいかわからないんだ。ぼく、いつも困って……だから……」 「…………」 「……スケートの話ならおかしくないから」  勇利はあえぐようにかすかに息をつき、目を伏せた。 「それなら言うことも思い浮かぶし。でも……それ以外となると……ぼく……何を言えばいいのか……」  ヴィクトルはさらに胸がどきどきした。うれしいのか興奮しているのかわからない。 「勇利、それは、俺が苦手だからとかそういうこと?」 「そうじゃなくて……」  勇利の声がどんどんちいさくなる。 「ただ……ぼくは……ヴィクトルといると……なんか……なんていうか……」  勇利はささやいた。 「……困るんだよ……」  ヴィクトルには勇利の言っていることがよくわからなかった。けれど、勇利がそんなふうに感じるのは、悪い感情があるからではなく、かえって正反対の、もっとよい何かがあるからだということはわかった。 「そうか。俺とふたりだと、何を言えばいいかわからないか」  ヴィクトルはうきうきしながらうなずいた。 「なんでもいいんだよ」 「なんでもいいって言われても……」 「勇利の思ってること、思ってないこと。腹が立ったこと、目に映った景色。何かをしていて、あるいは何かを眺めていて思い出したこと。なんでもいい。たとえばいまは何を考えてる?」 「何って……、なんでぼくはヴィクトルとこんなところでこんな会話をしてるんだろうって……困ったなって……早く家に帰りたいし、ヴィクトルに黙ってもらいたいって……」  ヴィクトルは噴き出した。「貴方といると何を話したらいいのかわからない」とかわいいことを言っているのに、「黙ってもらいたい」なんていうことも思っているのだ。しかし、勇利の中ではきちんとつながっているのだろう。勇利って本当に愉快な子だ。 「そういうことだよ」  ヴィクトルはそっと勇利の手を取った。勇利がびくっとふるえた。 「そういうこと、全部話してくれ」  ヴィクトルは勇利の目をのぞきこんだ。 「海辺で、勇利は大切な話をしてくれたね。あんなふうに重要なことばかりじゃなくていい。どうでもいいことも教えてくれ。俺は知りたいんだ」 「どうでもいいこと……」 「勇利にとってはどうでもよくても、俺にはちがうんだ。俺にとって、勇利のことでどうでもいいことなんてひとつもないからね」 「そうなの?」 「そうだよ。だから」  ヴィクトルははずんだ口ぶりで言った。 「次はふたりきりで食事に行って、たわいない話をたくさんしようね」  勇利がヴィクトルをじっと見た。ヴィクトルは優しく見返した。 「俺にしか聞かせない話を聞かせてくれ」 「ヴィクトルにしか聞かせない話……」 「できるだろ?」  ヴィクトルは得意げにおとがいを上げた。 「俺は勇利が大好きな相手だし、コーチだし、ヴィクトル・ニキフォロフだよ」  勇利は目をまるくした。彼は花がほころぶように笑い出し、片手を口元に当てて「そうだね」とうなずいた。勇利はかわいい顔で笑うのだ。 「そうだね、ヴィクトル……」 「そうとも」  ふたりはつないだ手をぶらぶらと揺らした。そのまま家まで、手をゆるくつなぎあったまま帰った。  勇利が隣の部屋で何か話していた。日本語なのでなんと言っているのかはわからない。なんだか困った様子で、電話相手に一生懸命に断っている、といった感じだった。ヴィクトルは勇利が電話を切ると、すぐに彼の部屋へ行った。 「どうしたんだい? 何の電話? 深刻そうだったけど……」  勇利はほほえんだ。 「深刻というわけじゃないよ。ちょっとどう言おうか迷っただけ。地元の知り合いなんだ。誘われてて……」 「何に? 遊ぼうって? もうすぐシーズンが始まるけど、息抜きは必要だよ。行ってくればいいのに」 「普通の遊びじゃないんだよ。なんていうか……」  合コン、と勇利はつぶやいた。 「ゴウコン?」  ヴィクトルは首をかしげた。 「それ、なに? 日本語かい?」 「そう……、英語で言えばシングルパーティとかグループのブラインドデートとか、そんな感じだね……この表現でわかるかな。ロシア語ではなんていうんだろう」  意味はわかった。ヴィクトルはちょっと驚き、勇利のことをみつめた。 「つまり……勇利に女の子を紹介するということ?」 「そんな畏まったものじゃないよ。男と女とでだいたい人数を合わせて食事して、気に入った相手とは連絡先を交換するっていう……」 「勇利、いままで行ったことあるのか?」  ヴィクトルは思わず真剣に尋ねてしまった。なぜそんなふうに発言してしまったのかよくわからない。勇利は恋愛経験はないという態度でいたから意外だったのだろうか。しかし、そういうことが過去にあったのならよいことではないか。なにごとも体験してみなければ……。 「ないよ」  勇利は苦笑を浮かべた。 「ぼくはずっとスケートひとすじだよ。デトロイトでも遊びになんて行かなかったし……」 「そうか」  ヴィクトルは息をついた。それから心配になった。 「……今回は行くのかい?」  勇利はヴィクトルを見上げた。 「なんで?」 「え?」 「なんでそんな心配そうな顔してるの?」 「え」  ヴィクトルはびっくりした。なぜか勇利が怒っているようだ。彼はヴィクトルをにらんでいる。 「行ったらぼくが失敗すると思ってる?」 「いや、そういう意味じゃ……」  ヴィクトルはうろたえた。まったく頭になかったことだった。 「そりゃぼくは経験もないし、ぜんぜんもてないし、ヴィクトルみたいな完璧なひととはちがうけど!」  勇利はベッドから立ち上がった。 「そんな、いかにもおまえじゃ無理みたいな顔しなくてもいいじゃん!」 「ちがう勇利、そういうことじゃない。ただ、俺は──」  ただ、なんだろう? ヴィクトルは言うべき言葉がみつからず、困惑した。するとその態度を悪く取った勇利が、「ほら」とまた腹を立てた。 「悪かったね、ヴィクトルみたいに洗練されてなくて!」 「そんなこと言ってないじゃないか。勇利はすてきだよ。誰だって知ってる──」 「いいよ、とってつけたように言わなくたって」  勇利は携帯電話を取り上げた。 「どうするんだ?」 「行くから」 「え?」 「断ったけどやっぱり行く」 「ゴウコンに!?」 「そうだよ。悪い!?」  勇利は電話を耳に当てながらヴィクトルをまたにらんだ。 「世界一もてる男からしたら笑っちゃうかもしれないけど、ぼくだってこれくらいできるんだから!」  何をまちがったのだろう……。ヴィクトルはベッドに横になり、マッカチンを抱きしめて溜息をついた。あれから勇利はつんとしているし、食事のときもあまり口を利いてくれないしで、ヴィクトルはずっとそわそわしていた。そんなふうに落ち着かないまま迎えた今日が例の「ゴウコン」の日で、勇利は夜になるとさっさと出掛けていってしまった。  ヴィクトルは部屋を出る勇利の姿を見ていなかった。どんなかっこうで行ったのだろう。いつもの地味な服装だろうか。それともいかにもきちんとした身なりで出掛けたのか。勇利はちゃんとしていると、凛とした、かなりすてきな青年になるのだ。ヴィクトルはよく知っている。それに、笑うとかわいらしく眉が下がり、とても愛らしい。勇利は勇利が思っているような「もてない男」ではない。ヴィクトルの見たところ、「本気になればすごい」という若者だ。おまけにスケートが抜群にじょうずなのだから、それをよく理解している地元の女の子なら、是が非でも交際したい相手だろう。 「勇利……」  ヴィクトルは、いいことじゃないか、と思おうとした。人生経験は豊かなほうがよい。何も知らないというのなら、そういう機会があれば接してみるに越したことはない。どんなことだって無駄にはならないのだ。  でも……。 「……マッカチン。俺は何を気にしてるんだろうね?」  勇利が大事だ。かわいい生徒だと思っている。だから心配なのだろうか。悪い女の子に騙されないか。勇利は素直で純粋だから、女性の思惑までは読めないだろう。それで……。 「でも勇利のことだから、女の子を誘ったりはできないかもしれないね」  ヴィクトルは明るくマッカチンに話しかけた。しかしすぐに、女の子のほうで勇利と近づきになろうとするだろう、と気がついた。 「……そうだな」  勇利は可憐でうつくしく、澄んだ瞳の持ち主だ。ヴィクトルに向け���愛嬌のある笑顔は本当にみずみずしいのだ。誰だって彼のとりこになるだろう。 「……やっぱり悪い女の子に騙されるかもしれない」  ヴィクトルはふと起き上がった。 「心配だ。コーチとして心配だ。スケートに影響が出るかもしれない。そうじゃなかったとしても、俺は勇利を大切に思っているんだ。様子を見に行く必要がある。何もなければそれでいいんだ。そうだろ? それに、勇利は──」  ヴィクトルは上着を取って腕を通した。 「酔っ払うと大変なことになるじゃないか!」  勇利はきちんとした子で、行き先と、一緒に行く相手を母親に伝えていた。ヴィクトルは店用の車を借りて、勇利がいるはずの居酒屋に向かった。店に入り、聞いてきた名前を案内係に言うと、彼は笑顔でうなずいてその部屋に案内してくれた。 「こちらです」  ヴィクトルはためらいなく扉を開けた。十畳ほどの畳の部屋に、男女が五人ずつ並んで座っていた。全員が顔を上げ、ヴィクトルのことを見て目をまるくした。 「あー、びくとる!」  いちばんに勇利が声を上げた。 「みんな、見て。彼がびくとる。びくとるだよ!」  本物だ、とか、すごい、とかいう声が聞こえた。そのあたりはかろうじて理解できたけれど、続けて笑いながら話す勇利の言葉は、すべて日本語なので、何を言っているのかよくわからなかった。 「びくとる、来て!」  勇利が両手を差し伸べた。ヴィクトルは、呼ばれているのはなんとなくわかったので勇利に寄っていった。ハイ、とみんなに笑顔で挨拶したら、全員好奇心いっぱいの好意的な目でヴィクトルを見、挨拶を返した。 「びくとる」  ヴィクトルが膝をつくと、勇利はヴィクトルに抱きつき、頬をすり寄せた。ヴィクトルはびっくりした。こんなこと、普段の勇利はまずしない。  勇利は熱っぽく何かを語り続けた。さっぱりわからない。普段の日本語ともちがう気がする。ヴィクトルはふと、バンケットで「びーまいこーち」と言った勇利のことを思い出した。いまはそんな雰囲気だし、それに、そう口にする直前のせりふになんとなく抑揚が似ていた。 「勇利、なに言ってる? 英語で話して」  ヴィクトルは笑いながら要求した。しかし勇利は聞かなかった。ずっと彼は舌足らずに、甘えるように何か話している。困った。……かわいい。びくとる、という言葉だけは聞き取れた。 「どれだけ飲んだんだか……」 「あの、すみません」  ひとりの若者にたどたどしい英語で話しかけられた。 「勝生はそんなに飲んでないんです。ちょっとアルコールが入ってるやつを二杯くらい。でもやけに酔っちゃって。ずっとあなたのことばっかりしゃべってて、それで……」  ヴィクトルは驚いた。それでは「ゴウコン」にならないのではないだろうか。 「あなたに怒ってたみたいだけど、途中から、子どもだとしか思われてない、みたいに拗ね始めて……いまに至ります」  怒る。子どもだと思われている。拗ねる。ヴィクトルは笑ってしまった。なんだそれは……。 「勇利……」  胸があたたかくなった。勇利はヴィクトルにしがみつき、いい気持ちそうにまだ話している。ヴィクトルをじっとみつめる目はきらきらと輝いて、聞いて聞いて、ぼくヴィクトルのことが大好きなんだよーと言っているようだった。 「迷惑をかけたね、ごめんね」  ヴィクトルは一同を見渡して謝った。みんなぶるぶるとかぶりを振った。 「連れて帰るよ。せっかくの会なのに申し訳ない」 「いえ、これはこれでおもしろかったですから。……彼、長々と、あなたがどれだけすてきかっていう話をしてて」  さっきの若者が楽しそうに笑った。 「昔からヴィクトル・ニキフォロフのこと大好きだったけど、いまも本当に愛してるんだなって感じです」  車まで連れていくあいだも、勇利はヴィクトルの腕をぎゅうっと抱きしめるようにし、機嫌よくいろいろなことをのべつまくなしにしゃべり続けた。ヴィクトルは彼の手をしっかりと握って車まで案内した。しかし、助手席に乗せると急に勇利は静かになり、放心したような顔になった。家に着くころには寝ているだろうと思ったのだが、意外なことにぱっちりと目を開けていた。ヴィクトルは勇利を部屋まで送っていった。 「さあ、着替えて。もう寝なきゃ。水を飲む?」 「いらない」  さっきまでの陽気さはすでにうかがえない。だが、ここ数日のような不機嫌さはないようだ。 「迎えに来てくれて、ありがとう」  勇利はちゃんと英語で言った。 「迷惑かけて、ごめんなさい」 「迷惑なんかじゃないよ」  ヴィクトルはほほえんだ。 「でも、ひとつおねがいがあるんだけど、いいかな?」 「なに……?」  ヴィクトルは、すぐ前に立っている勇利の目をじっとみつめた。酔っているせいかすこしうるんで、可憐な様子だった。勇利はいつもの野暮ったいかっこうをしていた。ヴィクトルは世界一かわいいと思った。 「もう『ゴウコン』には行かないでくれ」 「なんで? ぼくが子どもだから? 似合わないから?」 「妬けるから」  ヴィクトルは笑いながら率直に打ち明けた。勇利が瞬いた。 「……どういうこと?」 「妬ける」  ヴィクトルはくり返した。 「勇利がそういうところへ行くと、胸が苦しい」 「……どういう意味?」 「約束して」  ヴィクトルは勇利の手を握った。勇利はどぎまぎしながら頬を赤くし、こくっと子どものようにうなずいた。ヴィクトルは「いいね!」と喜んだ。 「さあもうやすむんだ。明日の朝の練習はなしにしよう。ゆっくり寝て」 「うん……」 「おやすみ、勇利」  ヴィクトルは勇利の額にかるくくちびるを押し当て、明かりを消した。  翌朝、洗面所へ行くと、寝惚けまなこで歯をみがいている勇利がいた。ヴィクトルを見た彼は頬を赤くしておはようとつぶやいた。 「昨日は、本当にごめん……。来てくれてありがとう」 「勇利」  ヴィクトルは勇利の耳元にささやいた。 「ゆうべ俺が言ったこと、おぼえてる?」  勇利はさらに赤くなった。彼は目をそらし、歯ブラシを動かしながら、口元を真っ白にしてうなずいた。 「それならいいんだ。忘れないで」  ヴィクトルは機嫌よく洗面所を出た。  中国大会のバンケットで、ヴィクトルはこのうえなく陽気に酔っていた。こんなにはしゃいだのは──勇利が突然目の前に現れた、あのソチのバンケットが最初で、これが二度目だ。 「ヴィクトル、飲み過ぎ……」  赤い顔をしてふらつくヴィクトルのあとを勇利が追いまわし、すれちがう人にヴィクトルが勇利のことを自慢するたび、「すみません」と謝った。 「そんなに飲んでないさ」  ヴィクトルは明るく笑いながら言った。 「でも酔っ払いの態度じゃないか」 「気持ちが高揚してるからだよ。俺はウォッカを何杯飲んでもカードで負けたことがないんだ」 「なにそれ。本当? それとも冗談? ぼくをからかってるの?」  ヴィクトルは、久しぶりに顔を合わせたロシアスケート連盟の役員にいろいろつまらないことを言われた。しかしそんなことは意に介さず、「俺の勇利、見てくれたかい? 最高だろう? 好きになっちゃだめだよ。俺のだから」と自慢した。ロシア語だったので勇利にはわからなかっただろうが、もし英語だったら彼に叱られていたことだろう。 「ヴィクトル、大丈夫? 何も言われなかった?」  勇利はあとでヴィクトルを心配した。 「何が?」 「さっきの人たち、スケ連の人でしょ? ロシアの」 「なんでわかった?」 「この中で顔がいちばんこわかった」 「おもしろい見分け方だね」  ヴィクトルは、そんなに俺はにらまれていたのか、と可笑しかったけれど、すぐに別の可能性に思い当たって笑いを消した。 「勇利、いやな目で見られた?」 「え? ううん、大丈夫だよ。でもヴィクトルのことはすっごくにらんでたでしょ」 「なんだ」  やはり最初に考えた通りのことだったらしい。ヴィクトルはほっとした。べつに彼らににらまれるくらいどうということもない。だが、ヴィクトルはふと思い立ってしょんぼりした表情をつくった。 「うん、にらまれてた……勇利、つらかったよ」 「え?」 「彼らはいつも俺のやることに文句をつけるんだ……」 「ヴィクトルが好き勝手してるからじゃん」 「でも意地が悪いんだよ……顔を合わせれば嫌みばっかり……俺は傷心なんだ……」  ヴィクトルは言いながら勇利にもたれかかった。勇利はしばらく黙っていたが、ちょっと笑い、「それはかわいそうだね」と優しく言った。ヴィクトルはすかさず要求した。 「なぐさめてくれ」 「どうやって?」 「優しい勇利なら、大変だったね、って俺にキスしてくれるだろ?」 「ヴィクトルさ、なんでもかんでもキスで解決しようとするの、やめたほうがいいんじゃないかな……」 「誤解だ!」  あきれた目で勇利にみつめられ、ヴィクトルは地団駄を踏みたい気持ちだった。確かに「キスでもすればいいのかい」はまずかった。いかにも悪い手段だ。言い方もなげやりだったし、「とりあえず」というおおざっぱさがうかがえる。しかしいまのはいいではないか。愛があればつらいことも我慢できるということだ。勇利にはその微妙なちがいがわからないらしい。 「ちがうんだ勇利、これは……」 「キスはだめだけど」  勇利は笑いながら言った。 「なぐさめることはできるよ。部屋へ戻ろうか」 「本当に?」  ヴィクトルは顔を輝かせた。 「いいのかい?」 「いいよ」 「楽しみだな。勇利、初めてだろう? 優しくするからね!」 「……ヴィクトル。何か誤解してない?」 「何が?」  勇利はヴィクトルを自分の部屋へ呼び、トランクの中からプレイングカードを取り出した。 「なんでそんなものがある?」 「デトロイトでの忘れ物。ピチットくんが持ってきてくれたんだ」  勇利はヴィクトルとベッドに上がると、手早くカードを切り始めた。 「手際がいいね。オールドメイドでもする?」 「ぼく七並べ鬼強いよ」 「やり方を知らない」 「ほんと?」  勇利は笑いながら、重ねたカードを裏返し、すっと一枚のカードをヴィクトルに見せた。 「おぼえて」  スペードのクイーンだった。 「オーケィ」  勇利がカード束の上にそれを戻した。 「これからすごい手品を披露するよ。ヴィクトル、ぼくのこと好きになっちゃうかも」 「勇利、なんで手品なんかできる?」 「デトロイト時代、隣に住んでた学生が教えてくれたんだ。いい?」  勇利はいちばん上のカードを取り、それを束の真ん中あたりに入れた。 「いまからおまじないをかけます」 「俺に?」 「カードにだよ」  勇利はベッドの上にカードをまとめて置き、それにひとさし指を突きつけた。 「ヴィクトルはぼくのことを好きになる!」  ヴィクトルは笑った。 「めくってみて」  ヴィクトルはいちばん上をめくった。目をみはった。スペードのクイーンだった。 「どう?」  勇利が得意げに笑った。 「好きになった?」 「勇利、すごい!」  勇利は明るい目をした。 「どうやった? どうやってあのカードにした?」 「すごく簡単な種だよ。でも教えない」 「ほかにもできるかい?」 「できるよ」 「やって! やってくれ!」 「じゃあね……」  適当にカードで遊んでいた勇利は、それを敷布の上に扇状にひろげてじっとヴィクトルを見た。 「ヴィクトルはロシアの英雄。ぼくは日本の……?」  ヴィクトルはすこし考えた。 「……かわいこちゃん?」 「なんでそうなるんだよ」 「あ、わかった。貴公子! 貴公子!」 「ぜんぜんちがいます。諸岡アナがよく言ってるでしょ」 「ああ、エースだ。日本のエース」 「そう」  勇利がカードに視線を落とした。ヴィクトルも見た。半円に近いかたちでひろがっているカードは、スートと数字がわかる状態だ。勇利はそれをまとめ直して手に持った。 「じゃあ、とりあえず切っておこうか」  彼はカードを切り交ぜながら、ヴィクトルの目をまじめにみつめた。ヴィクトルはわくわくしていた。勇利が上から一枚ずつカードを取り、ベッドの上に裏返しに重ね始めた。 「好きなところでストップと言って」 「オーケィ」  ヴィクトルはしばらく待ち、適当なところで「ストップ」と言った。勇利は手を止め、重ねたカードだけを取り上げた。残りは脇へ置いておく。 「ヴィクトルが選んでくれたカードを使います」 「うれしいな」  勇利が順に四枚並べた。裏向きだ。それ以上は横には出さず、五枚目からはまた同じ順序で上に重ねていった。そしてすべてのカードが場にそろった。 「おまじないをかけます」 「また?」 「ヴィクトルはぼくのことを好きになる!」  勇利がカードを指さした。ヴィクトルは笑いをこらえた。 「じゃ、いくよ」 「うん」  何が起こるのだろう? 勇利はいちばん左のカードを表に返した。ハートのエースだった。彼はその次のカードもひっくり返した。ダイヤのエース。 「えっ」  その次はクラブのエース。最後はスペードのエースだった。すべてエースだ。 「いかがですか?」  勇利は笑ってヴィクトルを見た。ヴィクトルはカードを手に取った。ごく普通のカードだ。ほかのものも調べたけれど、エースではない。 「すごいぞ勇利!」 「好きになった?」 「すごい!」 「どう?」  勇利は四枚のエースを手で示した。 「そのプレイングカードが欲しい」 「カード自体は���通のなんだよ。日本のエースは欲しい?」 「えっ?」 「じゃあ最後」  勇利は笑いながらカードをまとめ、その中から三枚を選び出した。ハートのエース、ハートの2、ハートの3だった。 「ハートだね」 「ハートだよ」  勇利は三枚を裏返した。 「これはハートの3だったね」 「うん」 「じゃあ三枚、上に重ねちゃおうか」  勇利は手持ちの札から三枚のカードを取り、3の上に置いた。 「置いたね」 「そうです。で、これを上に重ねます」  合計四枚のカードが勇利の手持ちのいちばん上にのった。 「で、これを切ります」  勇利が一度手持ちの札を切る。 「どこに行ったかもうわからないよ」 「わからないね。じゃあ次。これは2だったね」 「うん、2だ」 「じゃあ、2なので二枚上に重ねます」  勇利がカードをまた重ねた。ヴィクトルは慎重に観察していた。その目は青く鋭く輝いている。 「で、これもまた戻します」  手持ちの束に三枚が戻る。勇利は再び、一度カードを切った。 「最後。エースだね。1だ」 「そうだ、1だ」 「じゃあ1なので一枚だけ重ねます」  カードが二枚になり、それも勇利は手に戻すと一度カードを切った。 「ハートはどこへ行った?」 「中のほうだよ。もうばらばらになってる」 「そうだよね。じゃあおまじないをかけるね」  勇利は一度束を置き、またカードに指を突きつけた。 「ヴィクトルはぼくを好きになる!」 「あのね」  ヴィクトルは可笑しかった。 「その結果……?」  勇利が上から一枚ずつカードを取り、三枚並べた。ヴィクトルはきょとんとした。ハートのエース、ハートの2、ハートの3だった。 「なんで!?」 「ぼくのハートは貴方のもの」  勇利は言って三枚のハートをひらひらと動かした。 「ぼくのほうが好きになっちゃったかも」 「見せて!」  ヴィクトルが手を伸べた。勇利はカードを遠ざけて渡さないようにした。ヴィクトルは身を乗り出した。すると勇利がふいに身体を寄せてきて、ヴィクトルの頬にかるくくちびるを当てた。ちゅっと音が鳴った。 「…………」  ヴィクトルは勇利をじっと見た。勇利が笑った。 「さあ、元気出た? 一応おまけでキスもしておいたよ。なぐさめになった?」  ヴィクトルは黙って勇利を抱きしめ、ベッドに押し倒した。勇利が「あ」と声を上げ、彼の手からはらりとハートのカードが散った。ヴィクトルはくすくす笑った。 「ねえ勇利」 「なに?」 「付き合っちゃおうか」 「付き合うって? 交際?」 「そうだよ」  勇利も笑った。 「もしぼくとヴィクトルが付き合ったら……」  彼は首をすこし傾け、ヴィクトルのことをなごやかな目つきでみつめた。 「何かあって泣いたら、ぼくはそのたびに『キスでもすればいいのか』って言われるの?」 「もう言わない。言わないから」  ヴィクトルは可笑しくてさらに笑った。 「ヴィクトルは泣きわめくぼくに、ちがうよって怒鳴られるわけだね」 「本当にもう言わないから。反省してる」 「ふふふ……」  ふたりはしばらく黙っていた。やがて勇利がぽつんと言った。 「ああ、手品ちゃんとおぼえてて、よかったあ。じつは自信なかったんだ」  ふたりは起き上がり、「疲れたね」「明日寝坊しそう」と言いあった。ヴィクトルは勇利をかるく抱擁して、「おやすみ」とささやくと自分の部屋へ戻った。  信号待ちでちらと横目でうかがったら、助手席の勇利は眠っていた。彼はヴィクトルのほうへ顔を向け、行儀よく膝をそろえて、くちびるをわずかにひらいていた。眼鏡のつるが座席に押されてゆがみそうだったので、ヴィクトルは眼鏡を外してやった。勇利の手はヴィクトルのほうへ伸び、コートの端っこをちょんとつまんでいた。いつの間にこんなことをしたのだろう? 気がつかなかった。ヴィクトルはほほえみ、勇利の頬を指の背で撫でた。勇利は目ざめない。眠りは深いようだ。飛行機の中で眠れなかったのだろうか。  ロシア大会ではなればなれになっているあいだ、ヴィクトルは、感じたことのない痛みを経験した。勇利と離れることがこれほど苦しいとは想像もしていなかった。勇利はかわいく、大切で、ヴィクトルにとってすでにいちばんの存在になっていたが、これほどヴィクトルに苦痛を感じさせる者なのだという自覚はなかった。ヴィクトルはずっと勇利と愉快に楽しく過ごし、笑っていられるのだと思っていた。だが、そうではないのだ。勇利はヴィクトルに、すべての感情を与える存在なのだと、ヴィクトルはようやく気がついた。  かわいそうに。ひとりでこんなにがんばって。  ヴィクトルは勇利の疲れた顔をみつめ、胸を痛めた。もうひとりにはしないと思った。何があっても……。  家に戻るまでのあいだ、勇利はずっと眠っていた。ヴィクトルに会えたことで安心したのかもしれない。ロシアのホテルではどうだったのだろうとヴィクトルは心配した。しかしもうそれはいい。勇利はいまここにおり、ヴィクトルは彼のためになんでもできるのだ。どんなことでも……。  家の前庭に車を入れても勇利は目ざめなかった。ヴィクトルは優しくコートから勇利の手を離させると、あたたかくその手を握り、彼の額と頬に接吻した。 「すこしだけ待っていてくれ」  勇利の荷物を部屋へ運びこんでいたら、彼の母親が、「勇利、帰ってきたと?」と尋ねた。ずいぶん遅い時刻だが、起きて待っていたらしい。 「勇利、ネテル」  ヴィクトルが言うと彼女はほほえみ、「ヴィっちゃん、あの子んこと、よろしくね」と頼んだ。ヴィクトルは真剣にうなずいた。急いで車に戻り、勇利を抱き上げて助手席から下ろした。そのまま、家の中へ連れていく。 「んー……」  勇利がヴィクトルのほうへ頬を寄せ、また服をつかんだ。ヴィクトルは勇利を起こさぬよう自室のベッドへ運び、そうっと横たえた。マスクを外してコートを脱がせる。そうして甲斐甲斐しく世話を焼いていると、マッカチンが寄ってきて勇利に鼻先をくっつけた。 「このまま寝かせてあげようね」  マッカチンが鼻を鳴らした。 「今日は三人で一緒に寝よう……」  ヴィクトルが寝る支度を済ませて横になると、勇利がもぞもぞと寝返りを打った。彼がすがるように抱きついてきたので、ヴィクトルは愛情をこめて抱擁した。マッカチンが勇利の背中に寄り添う。 「勇利、大丈夫だよ。ずっといるからぐっすりやすんで」  ヴィクトルは勇利の髪にくちづけ、指でそっと梳いてやった。勇利が微笑を浮かべ、口の端を引きこむような寝顔になった。安心しきったその表情にヴィクトルは息をついた。  ヴィクトルは眠らなかった。苦しいほどいとおしい勇利の寝顔を眺め、じっとしていた。いくら見ていても飽きなかった。勇利がここにいる。すこし前までは、ふれることもできなかった勇利が。  勇利のあどけない目元、子どもっぽい口つき、かわいらしい眉毛、全体的に整っているおとなしやかな顔を見ているうち、夜が明けてきた。ヴィクトルはまだほんの三十分ほどしか経っていないと思っていたので驚いた。もう朝なのか。 「んん……」  勇利が口を動かして何か言い、ふと目を開けた。彼は幾度か瞬いて自分を抱きしめているヴィクトルに気がつくと、「あれ……?」とつぶやいた。 「帰ってきたんだよ、勇利」 「ああ……」  勇利は納得したようにうなずいた。それから変な顔をして自分の身体を見、すぐにヴィクトルに視線を戻した。 「ぼく服着てないみたいなんだけど……」 「寝るときは着ないだろう?」 「それヴィクトルだけ」  勇利が笑った。彼は「まあいいけど」と言った。 「おはよう」 「おはよう」 「朝かあ……」 「あとで一緒に温泉に入ろう」 「そうだね……」  勇利はまぶたを閉じてヴィクトルの胸に顔を寄せた。 「……ずっと一緒にいてくれたの?」 「一緒にいたかったから。よかった?」 「うん。大正解」  勇利はくすっと笑った。 「自分の部屋でひとりで目ざめてたら……」 「かなしかった?」 「なんで!? ってヴィクトルを叩き起こしてたかも」  ふたりは目を合わせて笑いあった。勇利は物穏やかに言った。 「……帰ってきたんだね」 「そうだよ」 「ヴィクトルのところに……」 「……そうだよ」 「…………」  勇利がゆっくりと両手を伸ばし、ヴィクトルの背中にそっと添わせた。彼はあえかな息をつき、「ヴィクトルのハグだ……」とつぶやいた。ヴィクトルはせつなくなり、勇利を強くかき抱いた。 「苦しい、ヴィクトル」  勇利が笑う。 「我慢して」 「もっと苦しくてもいいかも」 「…………」 「何か言ってよ」 「言葉が出てこない」  こんなことは初めてだった。ただヴィクトルは、ずっと勇利を抱きしめていたかった。この瞬間、望みはそれだけだった。ヴィクトルの希望をかなえてくれるのはこの世界で勇利しかいなかった。 「勇利……」  何か言おうとしたけれど、やはりだめだ。ヴィクトルは、気持ちが言葉を凌駕することがあると、このとき初めて知った。  勇利が指輪をくれたことは脅威的で、すばらしく、なんとも胸のときめく出来事だった。勇利と親密になってから、彼は幾度となくヴィクトルを驚かせてきた。コーチになってと言い、カツ丼を一緒に食べたいと言い、自分はカツ丼になると言い、ヴィクトルの言いつけを破り、はなれずにそばにいてと泣き、四回転フリップを跳んだ。今日それに、指輪をくれた、という項目が加わった。勇利はどこまでヴィクトルを驚かせれば気が済むのだろう? ヴィクトルは勇利と出会ってからやられっぱなしで、それがとても気持ちよかった。  この指輪に、みんなが冷やかすような意味はきっとないのだろう。けれど「おまじない」や「お礼」でそろいの指輪を贈る者なんていない。勇利は本当に突拍子もない、とても……すてきな子だ。指輪をもらってこんなにうれしくなるなんて思ってもみなかった。彼のことがいとおしい。彼のこと以外考えられない。結婚指輪だとか婚約指輪だとかそういう指輪ではないとか、そんなことはどうでもよかった。勇利とのあいだには愛があり、きずながある。それがヴィクトルには大切だった。  みんなとの食事を終えて部屋へ戻ったふたりは、順番に入浴した。ヴィクトルがバスローブ姿で風呂から出ると、勇利は窓のほうを向いて、華やかな夜景を眺めていた。このうつくしい景色を勇利とふたりで見られてよかったとヴィクトルは思った。 「勇利」  ヴィクトルは背後から勇利を抱いた。勇利は身体にまわったヴィクトルの手にそっとふれ、ヴィクトルにもたれかかった。 「そろそろやすまないと」 「うん、わかってるよ……」  ヴィクトルは指先で勇利の指輪をなぞった。なにげなくしたしぐさだったけれど、自分でなんともいえずぞくぞくした。こころよい喜びで気持ちがしびれ、ヴィクトルはこのうえもなく勇利に優しくほほえみかけた。 「緊張してる?」 「してる。今夜は眠れないかも」 「俺が眠れるようにしてあげよう」  ふたりはそれぞれベッドに入った。勇利が手を差し伸べ、「ヴィクトル」とすがるように呼んだ。 「右手を……」  彼がなぜだかさびしそうな顔をしているので、ヴィクトルは驚いて右手を伸ばし、彼の手を握った。 「大丈夫だよ」 「うん……」  勇利はせつない目でヴィクトルをじっと見ていた。まるでこれでお別れだとでもいうような一生懸命さにヴィクトルは戸惑い、つないだ手の指輪と指輪をかすかにふれあわせて、「大丈夫」ともう一度ささやいた。 「勇利が勝つと信じているよ」 「……うん。ありがとう」  勇利が泣き出しそうな顔で笑った。そのおさなげを失わない純粋な笑みに、ヴィクトルの胸はひどく痛んだ。今日はこのうえなく楽しいデートをしたのだ。なのにどうしていま、こんなふうに苦しくなるのだろう。明日のことを考えて、お互い感傷的になっているのかもしれない。自分がこんなことではいけない。勇利の支えになり、勇利のためになんでもするのだ。 「目を閉じて。明日、自分がすてきなプログラムを演じているところを想像してみるんだ。くり返しね」 「ヴィクトル、何か話して」 「どんなこと?」 「なんでもいい。いいから……」  ヴィクトルは話し始めた。自分がスケートを始めたころのこと、ヤコフとどんな話をしたか、失敗したことも成功したことも。途中から話の方向を見失い、ロシアのおとぎ話に変わった。しかし勇利は文句も言わず聞き入っていた。気がつくと、彼は深く眠りこんでいた。 「勇利……」  右手と右手はまだつながっていた。ヴィクトルは左手で勇利の髪を撫で、これほど緊張したことはないと思った。自分の試合では、前夜に眠れないなんて、そんなこと、いままで一度もなかった。  浅い眠りと目ざめをくり返し、やがて夜が明けた。勇利の前途を祝福するかのようなすがすがしくまぶしいひかりの中、ヴィクトルは起き上がり、ひと晩じゅうつないでいた勇利の手を静かに持ち上げた。彼の指輪にうやうやしく接吻し、手を離すと、着替えを終えてひとり街へ出た。  通りから、優しく語りかけてくるような、なつかしい感じのする海を眺めた。右手を上げると、朝日に勇利がくれた指輪がおごそかにきらめいた。  自分の人生は変わったとヴィクトルは思った。楽しくスケートをし、絶頂だという気持ちですべり続けていたあのころに考えていたのとはず��ぶんちがう、想像もしていなかったようななりゆきだけれど、ヴィクトルはいまの日々がいとおしくて仕方なかった。こんな幸福な毎日があるのだと彼は知った。教えてくれたのは勇利だった。  これからさき、どうなるかはわからない。自分が王座に君臨し続けるのだと得意になっていたあのころにいまのこの気持ちが予測できなかったように、こののち自分がどんなふうに変わってゆくのか、ヴィクトルには想像できなかった。しかしどうなるにせよ、何を選択するにせよ、かたわらには必ず勇利がおり、彼とともに歩むことは変わらないのだとヴィクトルは信じた。  そのねがいと祈り、そして約束がこの指輪にはこめられている。  勇利が入浴しているあいだに、改めてメダルを観察した。銀色に光るそれは、ヴィクトルが手にしてきた金メダルのような華やかさはないけれど、誠実で、清楚で、純真で、輝きはすこしも劣っていなかった。勇利がヴィクトルと一緒に、愛で胸をいっぱいにして獲ってくれたメダルだ。 「また見てたの?」  扉を閉めた勇利があきれたように言った。 「うん」  ヴィクトルは笑った。 「銀メダルだなあ……と思って」 「悪かったよ」  勇利がおおげさに拗ねた顔をした。 「ヴィクトルには珍しいだろうね。もしかして初めて見る?」  ヴィクトルはくすくす笑った。もちろん、リビングレジェンドなんて呼ばれる前には、銀メダルだって銅メダルだって獲ったことがある。 「冗談だ。俺は勇利の銀メダル、好きだよ。かわいくて」 「かわいい?」 「かわいいからいいでしょって、今後何回も獲られたら困るけどね」 「ワールドでは金獲るから心配しなくていいよ」 「へえ、そうなんだ」 「そうだよ。ぼくのコーチは優秀だからね。そうなるよ」  ふたりは顔を見合わせて笑った。明かりを消し、ベッドに横たわる。ヴィクトルは勇利とデュエットしたエキシビションを思い出していた。すべての感情が勇利に流れこみ、また、勇利の想いもヴィクトルの胸に直接伝わってきた、すてきなプログラムだった。ヴィクトルはあの時間が永遠に続けばいいと思った。ふたりがつむいだ愛が「離れずにそばにいて」だったのだ。 「勇利、右手を」  ヴィクトルと勇利の右手が重なった。ヴィクトルは強く握り、息をついたが、勇利は痛いともなんとも言わなかった。ヴィクトルは手を顔のそばに寄せ、まずはみずからの指輪に、次に勇利の指輪にキスした。 「勇利……かなしかったよ……」  ヴィクトルは低くつぶやいた。 「あんなことを言われて、かなしかった……」 「……ごめん」  勇利のまつげがふるえた。彼がヴィクトルを愛していることは疑いようがない。 「二度と言わないでくれ」 「うん……」 「俺はもうきめてたんだよ。勇利と一緒だってね」 「……うん」  勇利の黒い瞳がきらりと輝いた。彼は射るようにヴィクトルをみつめた。 「ぼくも、もうきめたよ」 「…………」  ヴィクトルはささやいた。 「勇利をひとりにはしない」 「ぼくもヴィクトルをひとりにはしない」  ふたりの視線が合った。勇利のまなざしは強く、むこうみずなほどむき出しで、ヴィクトルは彼のまごころにふれた気がした。慎ましやかだったり控えめだったりする勇利が、いまは傲慢なほど気持ちをあらわにして、ヴィクトルと同じ誓いを捧げている。勇利のくちびるから、熱愛のこもった甘美な吐息が漏れた。ヴィクトルも湿った息を吐いた。勇利の濡れたような瞳ははかりしれぬ愛できらきらと輝いており、それは、勇利の凛とした表情をいろどった。  あのときと同じだった。「離れずにそばにいて」をふたりで踊ったときと。ヴィクトルには、勇利の気持ちがすべてわかった。ヴィクトルのこころのうちも、勇利には伝わっているようだった。ヴィクトルはいま、互いに裸身となり、抱きあって深く交わりたかった。とけあうほどからまりあい、勇利のすべてを知り、自分のことも知ってもらいたかった。勇利を腕の中に閉じこめ、彼の至高の愛を胸に刻みつけ、みずからの熱愛を勇利に捧げたかった。  そうすることにためらいはなかった。ふたりが愛情を抑えなければならない理由も、彼らをとがめる事情も、いま、ここにはひとつもなかった。ふたりは目の奥をみつめあった。互いが互いを欲しているのがよくわかった。それぞれの指と指輪にくちづけあった。ヴィクトルのくちびるが勇利のしなやかな指をかすかに愛撫すると、勇利が押し殺した声を漏らした。  このまま……。  だが、ふたりは動かなかった。どちらも、すべてを痛いほど理解していながら、最後のこころぎめにまでは至らず、この夜、それ以上ヴィクトルたちの仲は熟さなかった。  迷ったのではない。自信がなかったのでも、気弱になったのでもない。ただ──、いとおしかったのだ。いまこの瞬間がいとおしかった。こんなふうに相手を求め、最後の瞬間を迎えるほんのわずか手前にとどまることが、苦しくもうれしかった。この初々しい、永遠に閉じこめたいような時間に、もうすこしだけ立ち止まっていたかった。おぼれてしまえば、もっと早くに抱きあえばよかったのだと自分にあきれることだろう。それはわかっている。だが──この一瞬のきらめき、この気持ちは、いましか感じられないものなのだ。  ふたりはそれぞれの瞳に、そんな子どものような未熟な愛を読み取り、ちいさく笑いあった。ヴィクトルは勇利の指をそっと舐め、勇利はヴィクトルの爪の先に接吻し、慎ましやかに眠った。 「身体に気をつけて」  ヴィクトルが言うと、「ヴィクトルもね」と勇利は笑った。ヴィクトルはロシア選手権のためにロシアへ、勇利は全日本選手権のために日本へ帰るのだ。 「四回転フリップの練習はちゃんと本数制限を守って。ほかの四回転なら跳びまくってもいいということじゃないぞ。練習時間も長ければいいというものじゃない。俺がいないからって好き勝手にやっちゃだめだ。ユーコに見張っててもらうからね。それなら走りたいとか言って深夜まで走らないこと。勇利は身体をやすめることを知らなすぎる。俺の動画や写真集ばかり見てないでちゃんと寝る。さびしくなったら俺のベッドを使っていいから。不安があったらいつでも連絡してくれ。なくても連絡してくれ。何時でも構わない。遠慮なんかするな。それから──」 「もうわかったよ、ヴィクトル」  くどくどと注意事項を並べ立てるヴィクトルに、勇利は笑いながらかぶりを振った。 「これまでヴィクトルがだめと言ったことはやらないようにするよ。長さじゃなく密度の濃い練習をする。ぼくも一応一人前のスケーターだから、自己管理はちゃんとするよ。次に会ったとき叱られたくないしね」 「本当かな?」 「ほんとほんと」  ヴィクトルは勇利をじっと見た。空港の喧噪はふたりを押し包んでいたが、彼らの耳には入らなかった。すぐ近くでヤコフたちロシアチームが「早くしろ」というように自分をにらんでいることをヴィクトルは知っていたけれど、そんなことはどうでもよかった。 「勇利はない?」 「なに?」 「勇利から俺に言っておくことは、何もない?」 「…………」  勇利はかすかにほほえんだ。 「じゃあ、ひとつだけ……」 「なんだい?」  ヴィクトルは勢いこんだ。 「なんでも言ってくれ。どんなことでも」 「…………」 「ささいなことでも。もちろん大きなことでもね。勇利、俺は──」 「ヴィクトル」  勇利が静かに呼んだ。彼の物穏やかな瞳がいとおしそうにうるみ、水際立った輝きを帯びてヴィクトルをみつめた。 「ぼくのこと、忘れないで」 「…………」 「それだけだよ」  ヴィクトルは無言で勇利を抱きしめた。忘れるものかと思った。どうやって忘れるというのだ。もうこんなに、こころの奥に息づいてしまっているというのに。まるでひとつになったかのように……。  ヴィクトルはこぶしを握りしめた。 「……勇利」 「なに?」 「いつか俺におまじないをかけてくれたよね」 「指輪のこと? それはぼくがかけてもらったんだけど……」 「そうじゃない」  ヴィクトルは顔を上げた。彼は情熱的に勇利をみつめ、どうにかほほえんで慕わしくささやいた。 「あれ、もう、とっくにかかってたよ」 「え?」 「とっくに好きになってたよ」  勇利が目をみひらいた。 「おまえを」  ヴィクトルは勇利の腰を引き寄せ、くちびるを重ねた。 「ヴィクトル」 「これは、俺のことを勇利が考えてくれるおまじない」  勇利がまっかになった。ヴィクトルはきびすを返した。  ロシア大会で勇利と離れたとき、ヴィクトルは、半身を引き裂かれるような痛みを味わった。しかし今度は大丈夫だ。いまもつらいことには変わりがない。けれど、あのときのようなのっぴきならない焦燥と苦しみは、もうない。ふたりのあいだには、信頼と、きずなと、約束と、そして深い愛がある。  ヴィクトルはネヴァ川にかかる橋の上で勇利を待っていた。ユーリは欄干にもたれかかり、「おっせーな」とぶつぶつ言っている。しかしヴィクトルの耳には入らなかった。  勇利が来る。もうすぐ。すぐに。さっき「いまから向かうよ!」とメッセージが来た。勇利に会えるのだ。いとしいあの子に。  春にはなったけれど、ところどころに雪がとけ残っており、大気はつめたい。そのせいで耳もまっかだ。それでも頬を上気させ目を輝かせているヴィクトルに、ユーリはあきれたような顔をしていた。 「あ」  ユーリが遠くへ視線を向けた。ヴィクトルははっとして振り返った。すこし髪が伸び、一段と綺麗になった勇利が、マッカチンと一緒に走ってきた。ヴィクトルは口元をほころばせて手を上げた。 「勇利!」  勇利が活発な足取りでまっすぐに駆けてき、勢いよくヴィクトルに抱きついた。 「ヴィクトル!」  彼の瞳がきらきらと輝き、ヴィクトルを見上げた。ヴィクトルは「コーチになってくれるとやろ?」と言った勇利の目のきよらかさ、純粋さを思い出した。 「ヴィクトル、好きだよ!」  勇利が叫んだ。ヴィクトルはびっくりした。勇利は背伸びをし、まぶたを閉じて、ヴィクトルにくちびるを押しつけた。ヴィクトルはよろめき、背中を欄干にぶつけ、そのままもたれかかった。勇利は言った。 「今夜抱いてね!」  ──勇利。きみはやっぱり俺を驚かせるね。
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omisesan · 4 years
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shintani22 · 2 years
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2022年4月15日
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ひろしまレポート(広島県)
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旧海軍第六潜水艇 明治期の殉難追悼 呉の神社に100人参列(中国新聞)
明治末期、訓練中の沈没事故で佐久間勉艇長たち乗組員14人が亡くなった旧海軍第六潜水艇の殉難追悼式が15日、「殉難之碑」のある広島県呉市西三津田町の鯛乃宮(たいのみや)神社であった。地元住民や海上自衛隊員たち約100人が参列した。
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総人口64万人減の1億2550万人 21年、減少率最大に(日本経済新聞)
総務省は15日、2021年10月1日時点の人口推計を発表した。外国人を含む総人口は20年10月と比べて64万4000人少ない1億2550万2000人だった。減少は11年連続。減少率は0.51%で、���計を取り始めた1950年以来、最大となった。
労働の担い手となる15~64歳の「生産年齢人口」は58万4000人減の7450万4000人だった。総人口に占める割合は59.4%で過去最低を更新した。近年は労働力不足を高齢者や女性が働きやすい環境づくりで補ってきたがそれも厳しくなりつつある。
少子高齢化にも歯止めがかからない。65歳以上の高齢者は3621万4000人だった。総人口に占める割合は28.9%で過去最高となった。年金や医療、介護といった社会保障費が膨らめば国の財政悪化の要因となる。
解説・室橋祐貴 日本若者協議会 代表理事
岸田首相が今国会の冒頭、施政方針演説で「若者・子育て世帯の負担増を抑制するための改革」に取り組むと述べた一方、「全世代型社会保障構築会議」では、給付と負担のあり方が論点に含まれていません。賃金上昇の停滞に加え、社会保険料の増加によって、現役世代の可処分所得は減り続け、子どもを育てる余裕もありません。大学授業料の引き下げも本格的に検討する必要がありますが、こうした中心的な課題は避けられ、周辺部分ばかりが議論されています。いつまで課題を先送りし続けるのか。政治家の無責任さが残念です。
分析・考察 菅野幹雄 日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
私も60歳が近づき人のことは言えませんが、4年ぶりに帰国して東京を歩くと、シニア層の割合の高さを実感します。記事のグラフが21年でボコンと落ちたのを目にすると、中長期での日本の体力低下を憂慮します。
米国でも21年7月時点の人口が1年前の0.1%増と過去最低の伸び率になりました。新型コロナウイルスによる人同士の接触機会の減少は世界的な傾向ですが、日本の動きは一段と遅れています。コロナ鎖国ともいえる外国人の入国締め出しが続き、人口減少を補う移民の受け入れの議論はもちろん、インバウンド旅行者への「開国」すら立ち往生しています。参院選対策も大事でしょうが、将来世代のための人口政策はもっと重要です。
分析・考察 中村奈都子 日本経済新聞��� 編集委員
国際NGOプランインターナショナルの調査によれば、女の子らしさや男の子らしさを求める「ジェンダー・ステレオタイプ」に対し、日本の高校生の7割が「自分の可能性を狭めていると感じる」と回答しています。未来に希望を持てない社会で、若い人たちが子どもを産み育てようと思うでしょうか。
ジェンダーに基づく思い込みや偏見を改善するためにも、高度成長期の家族を前提とした社会システムの見直しが急務です。
総人口は64万人減の1億2550万人、減少幅は過去最大-15年連続自然減(ブルームバーグ)
総務省は15日、2021年10月1日現在の総人口が前年に比べ64万4000人減少し、1億2550万2000人だったと発表した。減少幅は比較可能な1950年以降過去最大。
日本人人口は1億2278万人で、前年に比べ61万8000人の減少となり、10年連続で減少幅が拡大
自然増減は60万9000人の減少で、15年連続の自然減少で減少幅は拡大
人口増加は沖縄県のみ
同県と滋賀県を除く45都道府県で75歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を上回る
関連記事:東京の人口が26年ぶり減、コロナ不安やテレワークで一極集中に変化も
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難病ALSの進行止まるかも 京大などのiPS創薬治験、2段階目に(朝日新聞)
筋力が衰えて体が徐々に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者に、iPS細胞を使って見つけた治療薬候補「ボスチニブ」を飲んでもらう第2段階の治験が今月から始まった。京都大学などのチームが15日、発表した。
ALSは進行を遅らせる薬はあるものの、根本的な治療法はない。チームはiPS細胞で病気の細胞を再現。有効な薬の候補を探したところ、白血病の治療に使われる「ボスチニブ」が見つかった。2019年から21年の1段階目の治験では、1日100~300ミリグラムを12週間服用した患者9人のうち、5人で病気の進行が止まったという。進行を止めたり、遅らせたりする新たな治療薬になる可能性がある。(鈴木智之)
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昨年度の空自緊急発進1004回 中国機が大幅増(産経ニュース)
防衛省は15日、他国機が日本の防空識別圏に入り、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した回数が令和3年度は計1004回に上り、過去最多だった平成28年度の1168回に次いで過去2番目に多かったと発表した。中国機に対する回数が722回と急増しており、全体の回数を押し上げた。
防空識別圏は領空侵犯に備えるために領空外側に設けられた空域で、戦闘機による緊急発進の基準となる。
昨年度1年間の緊急発進回数は計1004回で、前年度の725回から大幅に増えた。中国機に対する発進が722回で、前年度の458回から急増し、全体の約72%を占めた。一方、ロシア機は266回と全体の約26%で、前年度と同水準だった。
沖縄本島と宮古島の間での中国機の通過確認は無人機を含め12回で、前年度の4回から大幅に増加。うち情報収集機が多数を占め、中国は情報収集活動を活発化しているとみられる。
昨年11月には3度目となる中露爆撃機の共同飛行が確認され、12月には中国空母から艦載機の発進が確認されるなど飛行の態様は多様化、高度化している。また、新型無人機が2回確認されるなど無人機の自国開発も継続されている。
岸信夫防衛相は15日の記者会見で中国の活動活発化について「国防政策や軍事力に関する透明性の不足とあいまって、地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっている」と述べた。
防衛費、5年でGDP比2% 自民調査会の提言原案(時事通信)
年末に予定される国家安全保障戦略の改定に向け、自民党安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)がまとめる提言の原案が15日、分かった。防衛費について、北大西洋条約機構(NATO)が国内総生産(GDP)比2%の目標を定めていることを踏まえ、同程度の水準を5年をめどに達成するよう求める。
2022年度予算では、防衛費5兆4005億円を計上。GDP比は0.957%であるため、自民提言は大幅増を求めた形だ。
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「ロシア軍艦、くたばれ」現実に ウクライナ、切手発売の2日後(毎日新聞)
ウクライナの郵便局が12日、「ロシアの軍艦、くたばれ」というタイトルの切手の販売を始めた。露軍への敵意をむき出しにしたものだが、くしくも2日後、ウクライナ軍のミサイルが命中したとされる露海軍黒海艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没。ウクライナではこの切手に人気が集まっているという。
切手は、露軍艦とみられる艦船を背景に中指を立てるウクライナ国境警備隊員を配した刺激的なデザイン。初日限定の封筒とのセットは2万部を発行した。英BBCは14日、「モスクワ」が沈没したというニュースを受けて、ウクライナ国内の郵便局に行列ができていると伝えた。
切手は国内で有名な実話に基づいたデザインだ。ロシアがウクライナに侵攻した2月24日に黒海沿岸ズミイヌイ島のウクライナの国境警備隊員が、投降を要求するロシア軍兵士に対し「くたばれ」と拒否したエピソードがもとになっている。隊員らは殺害されたとみられていたが、その後、露軍の捕虜となっていたことがわかり、捕虜交換で解放された。ウクライナの郵便局は「この警備隊の応答は勇気と不屈の精神を示す象徴となった」としている。
郵便局はこのエピソードをもとに「フェイスブック」上で人気投票を実施。約8000票の投票が集まり、20作品の中からクリミア出身の画家ボリス・グロー氏のスケッチが採用された。
郵便局の幹部は「海外の友人たちは、この切手が貼られた手紙を喜んで受け取ってくれると確信している。郵便という方法で、我々の土地から今すぐ立ち去るよう侵略者に思い知らせる」としている。【堀和彦】
ロシア黒海旗艦が沈没 ウクライナはミサイル攻撃主張(時事通信)
【AFP=時事】(更新)ロシア国防省は14日夜、ウクライナ���の軍事作戦中に損傷した黒海(Black Sea)艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ(Moskva)」が沈没したと発表した。国営タス通信(TASS)が伝えた。
国防省によると、同艦は弾薬の爆発と火災に見舞われた後、港へのえい航中に船体の損傷が原因でバランスを崩し、荒波にもまれて沈没した。
同省は先の発表で、火災は鎮火し、同艦は沈没していないと説明。火災の原因については調査中としていた。数百人の乗組員は別の船に避難したとされる。
ウクライナ側は、同艦をミサイルで攻撃したと主張。南部オデーサ(Odessa)の軍報道官は、国産巡航ミサイルのネプチューン(Neptune)で損害を与えたと説明している。【翻訳編集】 AFPBB News
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ロシア核兵器使用の可能性を警告 米CIA長官(AFPBB News)
【AFP=時事】米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ(William Burns)長官は14日、ロシアのウクライナ侵攻が苦戦を余儀なくされているのを受け、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は核兵器の限定使用に踏み切る可能性があるとの認識を示した。
バーンズ氏はジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)で講演し、「プーチン大統領とロシア指導部が自暴自棄になる可能性、さらにこれまでの戦局の停滞を踏まえると、戦術核もしくは低出力核兵器を使用する恐れがあることを軽視できない」と述べた。
ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は2月24日の侵攻開始直後、核抑止力部隊を厳戒態勢に移行するよう命じた。しかし、バーンズ氏によると、実際に配備されたことを示す「具体的な証拠」は確認されていない。
駐ロシア大使を務めたことがあるバーンズ氏は「われわれが憂慮しているのは言うまでもない。私は(ジョー・)バイデン(Joe Biden)大統領が、第3次世界大戦を回避すべく、また核戦争につながるぎりぎりの線にまで到達しないよう熟慮していることを知っている」と語った。
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ローソン、からあげクンを10%値上げへ、1986年発売以来で初(朝日新聞)
ローソンは15日、レジ横で販売している「からあげクン」を5月31日から値上げすると発表した。1食(5個入り)税込み216円を、238円に10%引き上げる。値上げは1986年4月の発売以来初めて。原材料の高騰や原油高による輸送コスト上昇などで自助努力では対応できなくなったという。
「レギュラー」「レッド」「北海道チーズ」「レモン味」の4種類が定番だが、これまでに地域限定やアニメとのコラボなどで300種類以上の味を展開し、今年3月末時点の累計販売数は37億食を突破した。原材料の鶏むね肉やから揚げ粉として使う小麦粉の国産化も進めた。店内厨房(ちゅうぼう)で調理する「まちかど厨房」や「フライドフーズ」などの一部商品を税込み価格で6%程度値上げする方針も明らかにした。
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【本日 (4/15)の広島県内の感染状況】(広島県)
GW新幹線の予約は去年の約2倍 ピークは下り29日、上り来月5日 JR広島管内(FNNプライムオンライン)
JR西日本によりますと今年のゴールデンウイーク期間の新幹線の予約率は、去年に比べるとおよそ2倍に増加しているということです。
最大10日間の大型連休となる今年のゴールデンウイーク。JR西日本によりますと今月28日から来月8日までの期間で、広島支社管内を発着する新幹線指定席の予約数は、今月13日時点で上り下りあわせて34万3000席です。
「まん延防止等重点措置」などが解除されたこともあり、去年と比べると予約数はおよそ2倍増加していますが、新型コロナウイルス感染拡大前の2018年と比べると5割程度にとどまっています。
ゴールデンウイーク期間の予約のピークは下りで今月29日で上りは来月5日と予想されています。
【国内感染】新型コロナ 62人死亡 4万9761人感染 (15日18:30)(NHKニュース)
東京都 新型コロナ 7人死亡 6768人感染 1週間前より1300人余減(NHKニュース)
大阪府 新型コロナ 7人死亡 3692人感染確認 前週より200人余減(NHKニュース)
コロナ新規感染者 1週間平均 34都道府県で前週より増 地域差も(NHKニュース)
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では緩やかな増加傾向が続いていて、34の都道府県で前の週より多くなっています。首都圏などの都市部では増加が緩やかな一方、地方を中心に増加の幅が大きくなっているところもあり、地域によって感染状況に差が出ています。
NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国 ▽先月17日までの1週間ではその前の週から0.90倍、▽先月24日は0.76倍で、6週連続で緩やかに減少していました。
しかし、▽先月31日は1.17倍と増加に転じ、▽今月7日は1.04倍、▽今月14日まででは1.06倍と、3週連続で緩やかな増加傾向となっていて、一日当たりの平均の新規感染者数はおよそ4万9888人となっています。
感染者数が前の週より増えたのは34の都道府県で、首都圏や関西、中部の都市部ではほぼ横ばいとなっている一方、九州など増加の幅が大きくなっている地域もあります。
沖縄県 人口当たりの感染者数が最も多い沖縄県は▽先月31日までの1週間は前の週の1.32倍、▽今月7日は1.29倍、▽今月14日まででは1.17倍と、4週連続で増加傾向となっています。一日当たりの新規感染者数はおよそ1310人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は625.09人と、全国で最も多くなっています。
1都3県
【東京都】▽先月24日までの1週間では減少傾向となっていましたが、▽先月31日までの1週間は前の週の1.19倍、▽今月7日は0.99倍、▽今月14日まででは1.01倍とほぼ横ばいで推移していて、一日当たりの新規感染者数はおよそ7502人となっています。
【神奈川県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.01倍、▽今月7日は1.01倍、▽今月14日まででは1.03倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ3966人となっています。
【埼玉県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.23倍、▽今月7日は0.90倍、▽今月14日まででは1.01倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ3411人となっています。
【千葉県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.17倍、▽今月7日は1.03倍、▽今月14日まででは0.96倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2577人となっています。
関西
【大阪府】▽先月31日までの1週間は前の週の1.10倍、▽今月7日は1.07倍、▽今月14日まででは1.06倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ3956人となっています。
【京都府】▽先月31日までの1週間は前の週の1.28倍、▽今月7日は1.04倍、▽今月14日まででは1.00倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ916人となっています。
【兵庫県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.09倍、▽今月7日は0.99倍、▽今月14日まででは1.06倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ1931人となっています。
中部
【愛知県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.14倍、▽今月7日は1.00倍、▽今月14日まででは1.07倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2685人となっています。
【岐阜県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.24倍、▽今月7日は1.17倍、▽今月14日まででは1.10倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ618人となっています。
【三重県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.45倍、▽今月7日は1.19倍、▽今月14日まででは1.04倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ609人となっています。
その他の地域
【北海道】▽先月31日までの1週間は前の週の1.20倍、▽今月7日は1.15倍、▽今月14日まででは1.13倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2224人となっています。
【広島県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.37倍、▽今月7日は1.09倍、▽今月14日まででは1.12倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ1097人となっています。
【福岡県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.25倍、▽今月7日は1.07倍、▽今月14日まででは1.11倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ2516人となっています。
一方、増加の幅が比較的大きい地域もあります。
【佐賀県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.66倍、▽今月7日は1.09倍、▽今月14日まででは1.28倍となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ446人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は384.62人と、沖縄県に次いで全国で2番目に多くなっています。
【宮崎県】▽先月31日までの1週間は前の週の1.47倍、▽今月7日は1.61倍、▽今月14日まででは1.29倍となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ579人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は378.65人と、全国で3番目に多くなっています。
このほか、▼岩手県は今月14日までの1週間は前の週の1.31倍、▼長野県は1.26倍、▼福井県は1.23倍、▼奈良県は1.31倍、▼和歌山県は1.20倍、▼岡山県は1.32倍、▼徳島県は1.33倍、▼長崎県は1.29倍となっています。
専門家「増加している地域もあり油断できず」
感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「地域によって感染に差がみられるのが現在の特徴だ。大都市圏では、地方都市に比べてすでに感染した人が多く、免疫を持っている人が多くなっているなど免疫の面で違いがあると考えられる。それに加えて大都市圏では流行がずっと続いていたため、職場や学校などで積極的、効率的な予防対策が取られていることも一因ではないか」と話しています。
今後について、濱田特任教授は「まだ一日に4、5万人の感染者が出ていて増加している地域もあるので油断はできない。ただ、世界的な傾向としてオミクロン株の流行は減少に向かっているので、注意をしながらもう少し我慢すれば減少に向かう可能性は十分にある。これから大型連休を迎えるが、例えば旅行する際にはワクチンの3回目接種を受け、マスクの着用や会食は少人数で短時間にするなどの対策を続けてもらいたい。体調が悪い場合などには旅行を取りやめることも想定しておいた方がいい。この2年間でどういう行為がリスクが高いか分かってきていると思うので、大型連休でもしっかり対策を続けることが大切だ」と話しています。
保健相の拉致など計画 独で反コロナ規制グループ逮捕(AFPBB News)
【AFP=時事】ドイツ西部ラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州の捜査当局は14日、爆発物を使った攻撃などを計画したとして、新型コロナウイルス対策の制限措置に反対する親ロシア派極右団体の4人を逮捕したと発表した。計画にはカール・ラウターバッハ(Karl Lauterbach)保健相の拉致も含まれていた。
4人は電力供給設備を破壊し全国で長期的な停電を引き起こそうとしていたほか、「内戦のような状況を引き起こし、最終的にはドイツの民主主義体制の転覆を企てていた」とされる。さらに複数の「著名な公人」の拉致も計画していたとされ、ラウターバッハ氏は自身が標的の一人だったと認めた。
捜査当局は13日、41〜55歳のドイツ人容疑者5人を特定。最終的に4人を逮捕し、カラシニコフ銃1丁を含む銃器約20丁などを押収した。
4人は極右団体「統一愛国者(Vereinte Patrioten)」に所属。同団体には70人のメンバーがおり、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の支持者や、ドイツの民主主義制度を否定する極右団体「帝国の市民(Reichsbuerger)」のメンバー、政府のコロナ対策に反対する人々も含まれていたという。
ラウターバッハ氏は、コロナ規制反対派の一部は「非常に危険」になっていると指摘した。ドイツでは時に数万人規模の反コロナ対策デモが行われ、ワクチン懐疑派や、ネオナチ(Neo-Nazi)、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のメンバーなど、多様な人々を集めている。
韓国、コロナ規制ほぼ全面解除(AFPBB News)
【4月15日 AFP】韓国政府は15日、新型コロナウイルスの感染者が激減したことを受け、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)対策の規制をほぼ全面的に解除すると発表した。
室内でのマスク着用義務は「かなりの間」維持する。屋外での着用義務については、このまま感染者数の減少が続けば、2週間後に解除される可能性がある。
屋外での感染リスクが極めて低いことを示す検証事例も多く、米国など多くの国でワクチン接種済みの場合は屋外でのマスク着用は求められなくなっている。
金富謙(Kim Boo-kyum)首相によると、飲食店などの深夜営業の禁止と、10人までとしていた集まりの人数制限は、18日から撤廃される。
今回の決定により、中小企業の活動の大幅な抑制につながった、2年前に導入された厳格なソーシャル・ディスタンスの規制は終了し、韓国社会は通常に戻ることになる。
映画館などの施設内での飲食の禁止も、25日から解除される。
オミクロン株の流行による感染のピークは過ぎたとみられ、先週の新規感染者数は1日10万人を下回った。3月中旬のピーク時は62万人を超えていた。
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honyade · 5 years
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【満員御礼】「日本マーケティング本大賞2019」準大賞 受賞記念『右脳思考』マーケティングサロン~ 右脳思考を読み解く ~ ゲスト:早稲田大学ビジネススクール 教授 内田和成先生、入山章栄先生
【満員御礼】となりました。
芳林堂書店高田馬場店では「日本マーケティング本大賞2019」にて準大賞を受賞された『右脳思考』の著者 内田和成先生 と、最新刊『世界標準の経営理論』を12月に発売された 入山章栄先生 をお迎えして、日本マーケティング学会様のご協力の元 2020年2月6日(木)に、「日本マーケティング本大賞2019」準大賞 受賞記念 『右脳思考』マーケティングサロン~ 右脳思考を読み解く ~ を開催致します。 このイベントは日本マーケティング学会の会員様のみならず、一般の社会人や学生の方にも気軽にご参加頂けるイベントでございます。参加のご予約は芳林堂書店にて承っております。様々なお客様のご参加をお待ちしております。
【イベント情報】 イベント名称:「日本マーケティング本大賞2019」準大賞 受賞記念『右脳思考』マーケティングサロン~ 右脳思考を読み解く ~ 開催日時:2020年2月6日(木)開始19:00(開場18:30) 開催場所: 芳林堂書店高田馬場店8Fイベントスペース
【ゲスト】 内田和成 先生 早稲田大学ビジネススクール教授 東京大学工学部卒業、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。 日本航空を経て、1985年ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。 同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG 日本代表を務める。 2006年には「世界の有力コンサルタント25人」に選出された。 2006年より早稲田大学教授。 ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教える他、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行う。 著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』(以上、東洋経済新報社)、『ゲームチェンジャーの競争戦略』(編著)『異業種競争戦略』(以上、日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(KADOKAWA)、『プロの知的生産術』(PHP研究所)などがある。
入山章栄 先生 早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール 教授 慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。 三菱総合研究所で、主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。 同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。 2013年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。 2019年より現職。 「Strategic Management Journal」「Journal of International Business Studies」など国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。 著書に、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)、『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社)、『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社) 他
【イベント内容】 優れた経営者は、経験や直感を大切にしている。勘・感覚は右脳的、ロジックは左脳的。ビジネスは左脳重視の世界だが、ロジックに加え、感情や勘、すなわち右脳を働かせることで仕事を��り効率的に進め、成果をあげられる。戦略コンサルティングファームのトップだった著者の内田和成先生が右脳・左脳の使い分け方、使うタイミングなどご紹介するとともに、優れた経営者からの学びについて入山章栄先生とディスカッションします。 早稲田大学ビジネススクールの人気教授のお二人をお迎えした夢のトークイベントです。
―プログラム― ◆ 右脳思考解題(内田和成先生) ◆ 右脳または左脳の活性について(入山章栄先生) ◆ 対談(内田和成先生×入山章栄先生) ◆ 質疑応答 ・誰にでもご参加頂ける、くつろいだ雰囲気の中でゲストを招いて、じっくり話せる座談会形式のイベントです ・会場内では飲食可能です。(会場内での販売は実施しておりません)
『右脳志向』日本マーケティング本 大賞 準大賞 推薦理由(日本マーケティング学会):「経験や勘の必要性と重要性を実務に展開しやすい形で示した1冊」 ロジカルシンキングの課題と感情や直感の役割を分かりやすい言葉と豊富なチャートで目に見える形にし、意思決定とコミュニケーションの有効な方法を示した良書である。従来重視されてこなかった経験や勘の使い方が、実務的な事例によって詳しく解き明かされている点が新鮮であり惹きつけられる。ロジックは正しいけれども共感できない、なんとなく不安な感じがするなどのビジネスの現場でしばしば遭遇する現象について、対応の方向性が再現性のある形で示されており、ビジネス思考が鍛えられる。サイエンスでもありアートでもあるマーケティングに対する考えを深めてくれつつ、ビジネスの深淵を覗き込ませてくれる本といえる。
【一般参加者 参加方法】 当日は会場入り口にて、参加費を頂戴いたします。 ・一般参加料金 (税込)1,000円 ・学生参加料金 (税込)500円 ※学生の方は料金お支払いの際に学生証のご提示をお願い致します。
〈事前予約方法〉 店頭・お電話・メールにて、事前に参加ご予約を受付致します。 参加数は上限があり、定員になり次第参加を締め切らせて頂きますので、 ご参加希望のお客様は事前のご予約をお願い致します。 事前にご予約頂き、当日イベントご入場の際に受付にて参加料をお支払下さい。
ご予約方法①(店頭でのお申し込み方法) 2020年1月6日(月)10:00~受付開始 芳林堂書店高田馬場店3階レジにて事前予約をお受けいたします。 ①イベント名 ②お客様の氏名フルネーム・電話番号 ③学生の方はその旨申しつけ下さい(当日学生証で参加費の割引が受けられます) 以上3点を従業員にお伝えくださいませ。
ご参加方法②(電話・メールでのお申し込み方法) 2020年1月6日(月)10:00~受付開始 電話・メールでの予約を承ります。 芳林堂書店高田馬場店3F ・電話 03-3208-0241(直通) ・e-mail:[email protected] メールの文章には下記の要項を明記してください。 ①イベント名 ②お客様の氏名フルネーム・電話番号 ③学生の方はその旨記載下さい。(当日学生証で参加費の割引が受けられます) ※メールに不備があった場合は、お申し込みを受け付けられません。 ※参加券には限りがございます。規定数に達しますと配付を終了させて頂きます。 ※当店よりメールの返信が来た時点で受付とさせて頂きます。2日以上返信がなかった場合は、再度メールもしくはお電話でのご確認をお願い致します。
【日本マーケティング学会 会員様参加方法】 日本マーケティング学会HPよりお申込み下さい。 日本マーケティング学会HP⇒  http://www.j-mac.or.jp/ 受付ではお名前をお伺いし、参加者名簿でご予約の確認をさせて頂きます。
【その他注意事項】 ※参加券1枚につき1名のご入場が可能です。お連れ様のご入場は原則出来ません。 ※イベント開催中の個人による撮影、録音はご遠慮ください ※イベントの様子を撮影し、日本マーケティング学会のHPやSNSに掲載する場合がございます。 また当日は、日本マーケティング学会の地方学会員へライブ配信を予定しています。お客様が映り込む場合がございます。あらかじめご了承ください。(映り込みたくないという方は遠慮なく仰ってください) ※開場時間にお並びいただいていた順番で会場内へご案内いたします。 ※イベント内容は予告なく変更となる場合がございます。また、天候不順や予期せぬ事情によりやむをえずイベントを中止させていただく場合がございます。
「日本マーケティング本大賞2019」について マーケティング理論や実践の普及のため、1年間に日本で出版されたマーケティング書籍(翻訳本を除く)を対象に、日本マーケティング学会の会員が推奨する優れたマーケティング書籍として投票形式で選出するものです。「日本マーケティング本大賞2019」は、2019年10月20日(日)開催の「マーケティングカンファレンス2019」にて、学術研究団体 日本マーケティング学会による発表および授賞式が行われました。 本年は、6 作品がノミネートされ、2 次投票の結果、「日本マーケティング本大賞2019」の受賞書籍は以下の通りとなりました。
マーケティング本大賞 (1冊) 『1からのデジタル・マーケティング』 西川 英彦・澁谷 覚 (編著)、碩学舎、2019年2月刊行
準大賞 (2冊) 『右脳思考』 内田 和成、東洋経済新報社、2018年12月刊行
『マーケティング・リサーチのわな:嫌いだけれど買う人たちの研究』 古川 一郎、有斐閣、2018年12月刊行 詳細はHPにてご確認頂けます ⇒ https://ift.tt/37OTWBY 日本マーケティング学会について URL : http://www.j-mac.or.jp/ 日本マーケティング学会は、日本のマーケティング力を培っていくために、理論と実践との、そして他分野との深いレベルでの交流を通して「探求と創発」を目指し、2012 年に発足した日本学術会議協力学術研究団体です。2000 名を超える研究者や実務家の会員が所属し、学術誌マーケティングジャーナルの発行をはじめ、マーケティングカンファレンスや、30を超えるテーマが研究されるリサーチプロジェクト、魅力的なゲストを招くマーケティングサロンなど多様な「探究と創発」の場を提供しています。
芳林堂書店3Fビジネス書売場にてフェアを開催中です! 芳林堂書店高田馬場店3Fビジネス書売場にて、 日本マーケティング本大賞 受賞作品や、イベントゲストの内田和成先生・入山章栄先生の書籍を多数集めたフェアを開催中で御座います。ご来店の際にどうぞお立ち寄りくださいませ。
【開催場所】 芳林堂書店高田馬場店3F ビジネス書コーナー 【開催期間】 2020年1月27日(月)~2020年2月16日(日)
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shinskys · 7 years
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【映画大好き】『マイ・インターン』(原題:The Intern)2015年アメリカ。ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ。 デ・ニーロ扮する70歳の男性ベン・ウィテカーが、急成長中のアパレル系Eコマース企業 About The Fit の「シニア・インターン・プログラム」に採用され、40も年下の女性社長、ジュールズ・オースティン(ハサウェイ)の元に配属され、その会社や同僚たちにさまざまないい影響を与えて行く、というお話。 Amazon Prime で初めてレンタルして(100円!)観たんですが、あまりに面白くて借りてる間にと思い、2日続けて見てしまいました(セコイ)。 経験も実績もありながらそれをひけらかさず、しかし必要な時に必要なアドバイスをする彼に、周りの人たちはすぐに打ち解けて行くんですが、もともと年寄りが苦手だというやり手のジュールズは最初敬遠する。 しかし、何でもかんでも自分がやらないと気が済まない性格の彼女、スタートアップ企業の社長という重責を担い、しかもじつは家庭より仕事を優先するためうまくいかなくなっている夫(専業主夫)との関係にも悩んでいるんですが、彼の仕事ぶりを見て��んだん心を開いて行く。その心の機微の描き方が素晴らしいです。 監督のナンシー・マイヤーズの作品としてはほかに、僕は『ホリデイ』と『恋するベーカリー』を見ていますが、いずれもそういう人間関係、特に恋愛関係を丁寧に描くのが上手いです。 この作品は、上の2作とは違って、主人公たちは歳が離れていることもあって恋仲にはならないわけですが、もっと根本的な人と人との人間関係構築の仕方や難しさを、うまく描いている作品となっています。そういえば、ハリウッド作品には珍しく、直接的なベッドシーンがまったくありません。ベッド上での会話はありますが。 あと、出てくる人がみんないい人(笑) まぁ、そこは現実的ではないと言えば言えるかもしれません。そこここに見られる、コメディタッチの逸話や演出がとても楽しいです。みんなで強盗(笑)に入るシーンとかね。 それとこの作品の英語がねー、完全に聞き取れないのが残念なんですが、イマ風の表現に満ち溢れていて、とっても勉強になります。聞いててワクワクして面白過ぎる。hysterical とか stay-at-home-dad とか。こういうのこそ、英語字幕で見たいなー。彼が言う「You’re never wrong to do the right thing.」なんていうセリフもいい。言うべき人が言わないと、サマにならない言葉ではありますが。 ●参考 https://www.maxwell-english.co.jp/advice_english/movie-the-intern/ あと、ジュールズの家のインテリアが素晴らしい! インテリアが素晴らしいのもマイヤーズ作品に共通するんですが、この作品では特に彼女の自宅のキッチ���の造作があまりに素敵で、そこだけ何度も止めては戻して、写真に収めてしまったほどです(笑) こんな家に住みたいものだなぁ。 ベンの家のインテリアも重厚な感じで素敵ですけどね。まさにオトコの家、って感じです。 そうそう、特にこの企業がいまどきのスタートアップらしく、フランクでフラットな社風なのでそうなんですが、社員の誰もが社長を「ジュールズ!」ってファーストネームで呼ぶし、遥かに年上のベンもそう呼ばれる。聞いていてやはり違和感ないと言ったら嘘になりますね(笑) そこがアメリカのいいところなんだろうなぁ。 とにかく、稀に見る素晴らしい映画で、見終わってとても楽しくシアワセな気分になりました。 僕も歳を取っても彼のように好奇心旺盛で、人に優しくありたいものです。 あ、この人ってまさに、いま、日本で煙たがられている“老害”の人の真逆のような存在だなぁ(笑)
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harukatravel-blog · 4 years
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