#ゴ散歩
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cavywithme · 2 years ago
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キッチンにいたら リビングから パリパリパリ。 なんの音? やられたーーー おまえはインコさんかい!😅 ちょっと目を離した隙に 落とした払込票がぁー💦 幸い、上部の請求書側でラッキー🤞✨ #cavy #guineapig #morce #merino #モルモット #ゴ散歩 #モルモットのいる暮らし https://www.instagram.com/p/CqGKb1BSIPM/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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dvdhappycom · 7 months ago
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cklaick · 7 months ago
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doitsunonihonjin · 4 years ago
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-17℃のドルトムントで起こったこと
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2月6日にドルトムントへ降り始めた雪は、2月14日までのおよそ1週間プラス・マイナス面で様々な影響をもたらしました。普段見ることのない雪景色の美しさにはため息が出ましたが、誰よりも喜んだのは子供たち(と、おそらくその親たちも)でしょう。子供たちが朝から晩まで興じていたのは、降って湧いた予期せぬアクティビティー、そり滑りです。「雪国風ドルトムント」第一弾で記した公共交通や都市サービスが麻痺するといったマイナス面の他に、決定的な問題も目の当たりにしました。
雪の丘は取り合い
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ドルトムントには、山がありません(街の標高は90mです…)。なので、雪が降れば公園のなだらかな丘や森の横の道といった少しの坂は取り合い! 雪がきれいに踏み固められてよく滑る坂は、��るで天然のスロープです。���稚園は通園控えや閉鎖中で、学校は通学を控え自宅学習中… 子供たちは自宅で爆発寸前でしたし、親は在宅勤務をしながら子供の世話をしたり学習を導いたりと悲鳴をあげていた折。COVID-19対策のためのロックダウン下ではスノーリゾートへの旅行も当然不可能ですから、ドルトムントにスロープが現れ、そこでは誰もがはしゃぎ、笑い、転げ回っている――この1週間は本当にギフトでした。
ただし現実問題は、ロックダウン下であるということ。こちらとしても、不特定多数の人が押し合い寄せ合いする場所にいたくありません。とっておきのスロープで滑る際は、朝に訪れるようにしていました。とはいえこの寒波の期間、最低気温はマイナス17℃にもなり早朝では寒すぎたので、ある程度気温がゆるんでからですが…。
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ところで、みんなそりを持ってるのは不思議でした。「ドルトムントもかつては今以上に雪が降ったということかも?」と気候変動について思いをはせてみたものの、周辺のホームセンターへ問い合わせてみると定番のそりは軒並み売り切れ。なるほど、この類まれな大雪のために新規に買い揃えた人も多いということでしょう… 我が家のように(笑)
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シュルテ家では最初、ダンボールで参戦しました。わたしに「簡易そりなら、ダンボール(厚紙)でしょう!」の発想があったからです。ところが、こちらにはダンボールそりの発想はないそうで、その代わりとなるのは大きなゴミ袋。どうりで、かなりの人が通り過ぎるたびに「なるほど!」「箱に乗ってる?!」のリアクションをしていくわけです。カルチャーショック。
つらら除去に消防が出動
一方の歓迎されなかった影響は、やはりドルトムントが降雪地域でないということに起因する問題。特に屋根の構造と対策が雪国仕様でなかったことは、決定的な問題点でした。
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例えば、雪止めはあっても形式的な物で、ネットや網ではありません。2〜3日分の雪が降り積もった後にマイナス6℃まで“上昇”し日差しがあった日、各所でつららを見たり「ドサッ」と雪や氷の塊が落ちる音を聞きました。ところが最大・最強のつららはお膝元に… 建物の前に居た時、1階の住人が心配そうに声をかけてきたので見上げると、剣のような立派なつららがにょっきりと生え��いるではありませんか!
正確には我が家の屋根からではなく、つららの発生元はお隣の建物。このつららの下は、中庭の車庫エリアの出入口となっていて人やクルマが頻繁に行き交います。さらに、この出入口前にはちょうどバス停があり、バスが動けば利用客が立ち止まる場所となっています(バス停には通常屋根付きの待機所があるのですが、出入口前のためここは停留所の看板のみの仕様)。あぁおそろしや。さっそく1階の住人が消防に通報し、お隣の建物の住人が椅子とテープで「つららあり 通行注意」のバリケードを設置しました。
子連れ散歩から帰宅すると、消防隊が現場を確認しに来ていました。どうやら、大型車を稼働させるか否かの判断をしかねているようでした。そこで、夫が市民助っ人となり我が家の窓からモップの柄など出し、つらら退治ができるかどうかチャレンジ。消防隊は首を振り振り、届きそうにない上、柄なんかでは太刀打ちできない代物だと判断したようで、本部へ連絡をしていました。
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1時間もすると、乗用車5台分くらいはある巨大な高所作業車が到着。窓にかじりつくように見ていた息子の前を、作業台に乗った隊員が手を振り通過していきました。つららの除去と共に、屋根の上の潜在的な危険箇所も確認・解除し、およそ20分で作業終了。隊員が降りていく際に、感謝の気持ちを込めて「DANKE!」と記した紙を息子と共に窓に掲げると、気づいた隊員ははにかんだ笑顔と片手で心臓をノックする動作で応えてくれました(もう一方の手は作業台を操作中)。次いでサムズアップ。しびれましたよ〜街のヒーロー!
なんとこの日ドルトムント市内では、我が家前と同じようなつららを除去するため、消防の出動が6件もあったそうです。本当に、お疲れさまでした。
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都市の“雪崩”
さらに雪が降り積もり、その後ガラッと“普通の”ドルトムントの気温に戻ったらどうなるでしょう。そう、屋根に降り積もったもの全てがスルッと殺人的に路上に降り注ぐのです。
ドイツの他の都市にも見られるように、ドルトムント市中心部の建物の多くが道路のブロックに沿って建つ集合住宅(Mehrfamilienhaus)。建物の前には歩道があり、歩道と車道の間は大抵駐車スペースになっています。気温がプラスに転じた今週始め、そういった集合住宅の屋根から氷と雪が降り注いだからたまりません。市内で幸い死人は出なかったものの、危うく難を逃れた人やボンネットやフロントガラス、屋根に被害を受けた数台のクルマはあったようです。
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実際わたしも、氷と雪がなだれ落ちるその場面に遭遇しました。といっても気温がマイナスからプラスに転じた日の午後、室内にて(危険だと思っていたので外出はしていませんでした)。ダイニングで仕事をしていると「ンゴ…ゴ…ドドドドドドドドドドーー」と、まるで大型トラックが走りながら転倒したかのような、いままで聞いたことがないくらい激しい音が聞こえてきたのです。
驚いてその方向に目をやると、窓全体を覆いつくほど大量の白いものが我が家の4階部分を上から下へと落ちていくところでした。慌てて窓を開け下を確認すると、路上には大量の氷・雪が散らばっていました。直後に通過したクルマはみな避けていたので、横から見てもわかる程度に積もっていたのでしょう。人の姿は見えなかったのでまずはホッとしたのですが、よく見ると街路樹の直径5cmはある枝までがいくつも折れて持っていかれていました。さらに後日、駐車していたクルマのリアワイパーが解けた雪の下から現れました。
様々なことがありましたが、とびきりのマイナス気温では舞い落ちた雪は溶けることなく、大粒の雪の結晶を観察し放題。そんなことを初めて経験しました。それに太陽が差せば、風に舞いキラキラと光る細かな雪「風花(かざはな)」のあふれる世界が広がっていて感動しました。畑やガーデニングのことを考えると春・夏にワクワクしますが、個人的にはやっぱり冬が好きですね。
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short-span-call · 4 years ago
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#066 オリエンタルコンクリート(1)
 男も女も大人も子供も白人も黒人も黄色人種も社会人も学生も先生も生徒も日本人もアメリカ人もイタリア人もチェチェン人も総理大臣も大統領も天皇もクー・クラックス・クランもロスト・ジェネレーションもヤリマンもヤリチンも処女も童貞もヤクザもカタギも、みんなみんな、オナニーしてるんだよなあ、と考えると、どんなことも許せるような気がする。落ち込むことがあったり、人やモノにムカついたり、悲しみに暮れたり、何かとてつもなくひどい目にあったとき、そんな想像をすると、心が穏やかになる。への字口が微笑みに変わる。なんでも許せるような気持ちになって、ああ、みんなそうやって生きてるんだなぁ、と思う。敵も味方も、自国も他国も、いじめっ子もいじめられっ子も、絶頂に達する瞬間は、それぞれの場所で、たった一人なのだ。すべての垣根を飛び越えて、ただのニンゲン、ただの動物になるのだ。戦争、紛争、争い、諍い。すべてを超えて、すべてを忘れて、人はオナニーをする。どこかの国と国が戦争を起こしそうになったとき、みんながそんな想像をしていれば、すべてがバカバカしくなって、あーもういいよやめよーぜドンパチ、と言い出す人がたくさん現れるんじゃないだろうか。だって嫌だ。安心して、穏やかな場所で、絶対的に一人でいられる場所で、確実にオナニーができなくなる世界なんて。そんなの絶対に嫌だ。みんな、嫌なはずだ。ともすれば、オナニーは世界を平和にする、たった一つの完璧な手段なのかもしれない。さあ、みんなで想像しよう。シンクオナニー。ラブアンドピースアンドオナニー。
 午後5時半。帰りの会も終わりダラダラと居残っていた女子もいなくなり、校庭でたむろしていた男子も帰り支度をはじめたころ、ぼくは4年2組の教室の、一番後ろの席よりさらに後ろ、窓際の、掃除用具が入っている巨人の筆箱みたいな灰色の物置と窓の間のすきっ歯みたいに微かに空いたスペースにうずくまっているミヨシを見下ろしていた。 「ねえ」  ぼくは���腕に持っているホッチキスをカチカチ鳴らしながらミヨシに声をかけ続ける。 「ねえって、ば」  ば、という声と同時にぼくは身体を抱え込みすぎて埋もれそうになっているミヨシのアゴの少し下のあたりを、足でやさしく蹴り上げる。やさしく、というのは、ぎりぎりアザにならないレベル、ということだ。 「早く受け取ってほしいな」  できるだけ穏やかに、のんびりとした口調でぼくは言う。蹴り上げたことにより顔が上がり、けれど目線だけは床の木製タイルのつなぎ目あたりに泳がせているミヨシの、その目線の先に、ぼくはホッチキスを差し出してやる。 「これ。ホッチキス。ぼくのなんだけど」 「ふ……」ミヨシの視界がホッチキスを避けようとしているのがわかる。 「おーい」  ぼくはゆっくりかがみこんでミヨシのアゴを思い切り掴む。ぼくとミヨシの顔は今、至近距離で対面している。はじめは目を逸らしていたミヨシは、どうやらそうしないとぼくが一生この体勢のまま動かないとでも思ったのか、意を決したようにぼくの目を見た。いい子だ。かわいい子。ぼくはうっすらと口元だけで笑いながら、さっき蹴り上げたミヨシのアゴを確認した。うん、アザにはならないはず。上履きの先端をもう少し硬く改造できないかな。ライターで炙ったら、どうだろうか。  極度の緊張でまばたきを忘れているのか、ミヨシの眼が水気を帯び、涙が目尻に溜まりはじめていた。いじらしい、ってこういうことだろうか。ぼくは昨日の夜、父さんの部屋の本棚からてきとうに選んで読んでいた西村京太郎のトラベルミステリで出てきた単語を思い出す。ミヨシ、ああ。ぼくとミヨシの顔は限界まで近づき、額と額がぶつかり合いそうになったところでミヨシは目をつぶり、ぼくは顔を横にそらせて唇を舌でしめらせてから、ミヨシの右目尻にキスをした。唇を離すとき、ミヨシの皮膚とぼくの唇が唾液によってできた線で一瞬繋がり、ぴふ、という、風よりも微かな音と共にまた離れた。ぼくはその唾液の跡を確認するように舌先で同じ場所を舐める。その間ミヨシは何度も身体を小さく震わせていて、ぼくは思わず荒い鼻息を漏らしてしまう。ミヨシについたぼくの唾液が、すぐ横の窓から差し込む夕陽に照らされテラテラと光っている。その姿に圧倒的な美しさを感じながら、ぼくは感動を悟られないように呼吸を整えてから顔を離し、両足のスネの前で固く結ばれているミヨシの腕を解き、ホッチキスを手渡した。 「かんたんだよ」ミヨシの手首を強く握ってぼくは言う。「すぐ、だよ」 「あの、ぼく」ミヨシの目は手の中に収まっているホッチキスとぼくの目を行ったり来たりしていた。 「ぼく?」 「ぼくは、あ、は……」言うべき言葉がそのまま口から出てこないもどかしさからか、ミヨシは小さく折りたたんでいた両足をさらに身体の中へ中へと押し込んでいくような素振りを見せた。 「だいじょうぶだよ」ぼくはこれまでで一番やさしい声を出す。「こうやってね、それを、口の中へ入れて、ベロをちょっとだけ出してね。その、ベロに、その、ホッチキスを挟み込んでね、あとは、手に力を入れるだけだよ」 「う、ふ」ぼくが言葉を区切るたびに、ミヨシは目を固く閉じ、首を縦に振ったり横に振ったりしている。もう、よくわからなくなっているんだろう。この状況が。この時間が。  ぼくがミヨシをこうして追い詰めはじめてから、すでに1時間は経っていた。  短く刈り込まれたミヨシの頭を撫でる。ランドセルの肩紐を律儀に掴んで通学路を歩くミヨシ。理科の実験で試験官を落としてあたふたするミヨシ。給食を食べるのが誰よりも遅いミヨシ。昼休みの最初から最後まで自分の机から離れず手塚治虫の漫画を読みふけるミヨシ。音読が下手なミヨシ。あらゆるミヨシがぼくの頭に浮かび、そして今、極限まで追い詰められ、なすがまま、ぼくに頭を撫でられているミヨシと繋がる。誰よりも地味でドジで目立たない日陰者のミヨシ。そのミヨシにぼくは今、スポットライトを当てているんだ。誰よりもミヨシがミヨシらしく輝く瞬間に、ぼくは立ち会っている。みぞおちの辺りを思い切り蹴りあげたい衝動を押さえつけながら、ぼくはミヨシに声をかける。 「さあ。ほら。だいじょうぶ。だいじょうぶなんだよ」
 保健の授業で、担任の柏木がニヤリと笑い、 「さてみんなに問題です。赤ちゃんは、なーんーで、できるの、で、しょうか」  と黒板に同じ言葉を書きながらぼくらに問う。  にわかに騒がしくなった教室で、ぼくは一人シラけた気分で机の隅を指でこすっていた。手をつなぐ! なんだよそれカンタンすぎだろ。そういう特別な手術があるんだよきっと。どういう手術だよ。愛し合っていれば自然にできるんじゃない? だから自然ってなんなんだって。ていうかそれオレら必要? 男子は口々に自分の考察を発表し、別の男子や女子がそれに難癖や反論を加えていた。柏木は黒板の端に「仮説」と書き、みんなの意見を馬鹿丁寧に書き並べていった。 「そんなの決まってんじゃん」  後ろの席でチートスが声を上げる。 「キスだよキス」 「わたし、ちっちゃいころ弟とキスしたことあるけど、��供できなかったよ」  教室の窓側から数えて二列目の、一番前の席に座っているコトチーがすかさず口を尖らせて反論する。こいつはチートスの言動になにかと突っかかるクセがあるのだ。 「それは、それはさ」しばらく口ごもってからチートスは言う。「そのころはまだ、オ��らの身体にそういう、えっと子供ができる機能? みたいなのがちゃんとできてなかったんだよ」  教室の数人から、おー……、という、納得と感心が入り混じった声が漏れる。柏木はそんな教室を一望してにやにや笑っていた。 「キスの仕方も関係、あると思う。あと、確率、みたいなのも、あるんだと思う。キスしたら確実に子供が産まれるわけじゃないっていうか」  そこまで言ってチートスは黙りこみ、教室の空気も、なにやらそれぞれが考えこんでいるのか、小さなざわめきが聴こえる以外は、表立って発言をする者はいなくなってしまった。コトチーも、一人、机の一点を見つめて黙って腕を組んでいる。  ぼくは脚を投げ出して頬杖をつきながら、誰も座っていない目の前の席をぼんやり見つめていた。ミヨシは今日、学校に来ていない。少しいじわるしすぎただろうか。ミヨシの机の引き出しに昨日ぼくが渡したピンク色のホッチキスが入れられているのが見えて、ぼくは股の周辺が熱くなっていくのを感じる。何度か脚を組み替えながら、ぼくは頬杖をやめてピンと背筋を正してみる。それを見ていた柏木が、なにを勘違いしたのか、 「トラくん、どう思う」  とぼくに意見を促してきた。  ざわめきが収まり、教室中の顔という顔がぼくの方向を見る。チートスもたぶん、目の前にあるぼくの背中をじっと見つめているのだろう。コトチーは腕を組んだまま首だけを曲げて、眉間にしわを寄せてぼくを見ていた。あんたこんなナイーブな話題に対してヘンなこと言わないでちょうだいよ、といった顔だ。コトチーの左隣に座っているガンバは両肘を机に付いた状態で微動だにしない。眠っているのだろう。柏木から一番近い席に座っていながら、大した度胸だ。その姿がなんだか冬眠前のクマのようでぼくは目を細める。 「不思議だよねえ、よく、コウノトリが運んでくるんだよ、なんて言うけど、ほんとなのかなあ。お父さんお母さんに、そういうこと、聞いたことあるかなあ、みんなのお父さんお母さんは、なんて答えたのかなあ、ほんとうは、どういう仕組みで、みんなは産まれたのかなあ、ねえ? トラくん、ねえ?」 「ちんことまんこです」  ぼくは柏木に聞こえないように小さく舌打ちをしてから間髪入れずに言ってやる。コトチーの鼻から息が漏れる音が聞こえたような気がした。 「正しくは女性器、膣、ヴァギナと、男性器、陰茎、ペニス、その二つが接合し、ペニスから発射される精液に含まれる精子というオタマジャクシ状の生殖細胞がヴァギナの奥を進み卵子という細胞と接触、結合することにより細胞分裂が起こり胎児、つまり現在のぼくたちの原型のようなものができあがっていきます。ちなみにペニスから精液を発射させるためには恒常的かつ適度な刺激が必要とされていて、ああそうだった、女性器にもある程度の刺激が必要ですね、その刺激を自らで自らの性器に与える場合もあり、これを一般的にオナニー、または自慰と言います。そして主に男性と女性がお互いの性器を刺激し合うことを性交、エッチ、セックスと呼び、これは一般的にお互いを恋い慕っている者同士が行うものだと認識されています」 「よく知っているねえ」  男、女、ヴァギナ、ペニス、精子、卵子、性器、と、柏木はぼくの発言からキーワードを抜き取って黒板に書き出した。知っている者、知らない者の反応がここで一気に分かれる。知らない者は一体こいつはなにを言ったんだろうという顔できょとんとしている。知っている者はなんとなく気まずそうだ。顔をうつむけている男子、女子。醜くニタニタ笑う男子。顔を近づけてコソコソとなにごとかささやき合っている女子、女子、男子、女子。教室の空気が微妙に変化したのを察知したのか、ガンバの身体が一瞬大きくビクンと揺れて、何事もなかったようにゆっくりと目の前の黒板に顔を向けた。チートスは机から思いっきり身を乗り出して、なあ、つまりどういうこと、とぼくの耳元で言う。コトチーはもうぼくを見ていない。スカートの裾を直してから、寝ちまったよ、いったいなんの話をしていたんだ? というお決まりの困り顔でコトチーを見つめるガンバの太もも辺りを引っぱたいて、黒板に向けてアゴをしゃくった。  ぼくは無性に腹が立って、もう一度小さく舌打ちをした。ダメなんだ。こういう状況が。知っていながらなにも言わない連中の醸し出すぬるい空気にアレルギーを起こしそうになる。ヘタクソな演技。身を乗り出したままでいたチートスがぼくの舌打ちを聞いて、なんだよ、なにキレてんだよ、とおどおどしながら身体を椅子に戻した。ぼくは貧乏ゆすりを抑えながら、にらまないように目を見開いて柏木に顔を向ける。 「そうだねトラくん。男の子の身体には、ペニスという性器がついていますねえ。ちんちん、ちんこ、という呼び方のほうが、みんなにはなじみが深いかなあ。そ、し、て。こっちのほうは、知らない子のほうが多いんじゃないかなあ? 女の子の身体には〜、ちんちんが付いていないねえ。そのかわりに、ヴァ〜ギ〜ナ、ヴァギナという、窪みのようなものがあります」  柏木はあくまで、まんこ、という言葉を使わない気でいるらしい。  くそばばあが……とぼくはつぶやく。  詳しく説明してあるビデオがあるから、それを観てみましょうねえ。と言いながら柏木はビデオテープをセットし、テレビの電源をつけた。  大人はいつからぼくらのことを侮るようになったんだろう。テレビに映る砂嵐を見ながらぼくは夜眠る前にいつも頭に浮かぶことを思った。  流された映像は、まさに今このときのために作られました、という雰囲気で満ちあふれた、いかにもな教材映像だった。仮病やほんとうの病気で学校をお休みするとき、間延びしたようなお昼どきによく観るNHKみたいな感じ。のっぺりした女の声が、簡素な空間で男性器��女性器の模型をいじくっている人間の手の動きに合わせて、性交の説明や避妊具の解説をしていた。みんな、静かに、食い入るように画面を見つめている。意外だ。でもそれはそうか。ぼくらはもう10歳で、小学4年生で、親や先生や周囲の大人のふぬけた予想よりはるかに多くのことを、知っているし、知ってしまっているし、そしてこれからも多くのことを知ってしまうだろうという微妙な予感もちゃんと抱いている。性についてなにも知らないような奴らも、かわりに同じくらい別のなにかを知っている。知っていること、知らないことの、なんていうか、レベルや経験値の振り分けが違うだけで、ぼくらの知識の総量はきっと、同じなんだ。そしてきっと、大人とぼくらの知識の総量も、変わらない。ドロケイの必勝パターンやドッチボールの自己流投球フォーム、でたらめな言葉で会話すること、一人一人の言動や身なりにピッタリよりそっているような抜群のアダ名をつけるセンス、良いぺんぺん草の見分け方、泥団子をピカピカに磨き上げる技術、百科事典で4時間遊ぶために必要な想像力と創造力、そういうなにもかもを大人たちは惜しげも無く捨て去って、脳みその、からっぽになった場所に別のものを、タイクツななにかを、社会の教科書にのっているたくさんの歴史上の人物、例えば織田信長、フランシスコ・ザビエル、聖徳太子、大塩平八郎、その人物画みたいなぼやけた眼、かすんだ顔をして、詰め込んでいく。  ミヨシ。ミヨシがいない。  ぼくはミヨシのことが知りたかった。  誰よりもなによりも、ぜんぶをぼくの中に詰め込もうと思った。テレビの画面は、精子が膣の奥へ奥へと進んでいく3Dアニメーションを映している。ぼくはミヨシの奥へ奥へ、入っていくのだ。あるいは奥へ奥へ、入ってくるミヨシを受け入れていくのだ。その方法を大人は教えてくれないということもぼくは少し前に知ってしまった。あくびをこらえすぎて左目から涙がたれる。にじんだ視界からでもコトチーの一つにくくられた後ろ髪の形くらいはわかる。今日はコトチーと帰ることになるだろう。怒られるかな。やだな。
 ゴ。  いいい―――――――――――ん。  眼を開けたぼくの視界にふす――――んと厚ぼったい鼻息を繰り返すカラスウリみたいな頬の父さんが見える。  ぼくは布団の中にいて、父さんはぼくに馬乗りになっている。  しなびたボンレスハムみたいに筋張った父さんの左手は、ぼくの両腕を掴んで離しそうにない。  ぼくは寝ながらバンザイしているみたいな体勢で、父さんの眼、頬、唇、額、そしてもう一度眼を見る。にらまないように眼を見開く。 「おい」  ふす――――ん。  ゴ。  視界が一瞬青くなり、ぼくは顔をしかめようとする動きを必死にこらえる。酔った父さんは頭突きの加減を知���ない。いいい―――――――――――ん。 「おい」  父さんの声を聴��と、ぼくはいつも、歌えばいいのにと思う。びっくりマークをつけなくても、びっくりマークをいくつ付けても足りないくらいどこまでも響いていくその太く伸びやかな声ならば、きっとどんな歌も祈りのように美しく切実な音に変わるのに。 「てめえは、なんに、なりてんだ。あ?」  ゴ。ゴ。ゴ。ゴ。  こういうときにミヨシのことはあんまり思い出さない。むしろ思い出すのは体育の授業、息をぜえぜえ言わせながら汗だくでサッカーボールを追いかけるガンバのことだったりする。明日は学校に行ったらガンバの机の前まで行って、今日観た『笑う犬の冒険』の話をいつもみたいにしよう。ガンバはホリケンが好きだから、ホリケンの言動をオーバーに真似するだろう。ぼくは泰造が好きだ。そしてコトチーはそんなぼくらを横目に漢字ドリルを進めたりするんだ。家はお兄ちゃんがいるから今やるの、とか言いながら。 「聞いてんのかっつってんだよ」  この家は父さん専用のスピーカーなんだと思う。壁、天井、ドア、柱、すべてが父さんの声に合わせて振動し、増幅されてぼくの耳を限界まで震わす。 「てめえはいいよな毎日毎日メシ食ってクソしてテレビ見てそれで終わりなんだからよ。てめえオヤジがくたくたで帰ってきてその態度はねえんじゃねえの」  その態度。  お風呂に入って歯を磨いて布団にもぐって眠ることを言っているのだろう。 「てめえ将来なんになりてえんだよ。おい」  耳鳴りが起こり、視界の中で父さんの顔、腕、身体が遠くなっていく。カメラのズームアウトみたいに、部屋と一緒にどんどん小さく縮んでいく。父が黙ると家全体も静まり返る。母さんはたぶん、寝室かキッチンでうずくまっている。明日は母さんのどこにアザができているか、ぼくは一瞬眼を閉じて予想してみる。鎖骨かな。数日前はこめかみだった。  なにも言葉を発しないぼくに飽きたのか、壁にとまっているハエを叩き殺すようにぼくの顔面を正面から平手でぶっ叩き、父は立ち上がって部屋から出ていった。ぼくはしばらく、バンザイの体勢のまま、天井を見つめ、自分が息を吸ったり吐いたりする音を聴いていた。枕の下に入れてある小さなマイナスドライバーを取り出して強く握り、横に寝返りをうつ。身体を布団の中で小さく畳んで、自分の腕を見つめる。眼を閉じて、服の上から自分のペニスをそっとなでる。マイナスドライバーの先端を舐める。外で強い風が吹き、窓ガラスが音を立てて揺れる。今夜はさらに冷え込みそうだ。
「うそつき」 「なにが?」 「昼休み」 「ああ」ぼくは砂利をおもいっきり蹴飛ばす。「うそじゃないよ」 「うそでしょ」コトチーも、地面の砂利を蹴るように歩く。  高速道路の高架をくぐり、獣道を抜け、深緑色に濁った真間川に沿って、ぼくたちはもう三十分くらい歩いている。コトチーと一緒に学校から帰るときは、いつだって遠回りをした。大人の身長ぎりぎりくらいに架け��れた薄暗い橋の下を通る。なにを獲るためなのかわからない漁船やボートが連なって停められている。おばあちゃんの髪の毛みたいな藻が水中でぬらぬらと揺れているのがかろうじて見える。砂利道には犬の糞や食べかけのカップヌードルやぼろぼろになったピンク色の手袋やコンドームが散乱している。それでもいつも、不思議と嫌な臭いはしなかった。ぼくは(そしてたぶんコトチーも)、この道とこの川が好きだった。 「コトチー冬休みどうするの」 「どうするって?」 「なんか、するの」 「なんかって?」 「なんでもない」  ブルーシートと鉄パイプ、しめ縄、折れた踏切の棒、ベニヤ板、反射板、あべこべな材料で組まれた堅牢な小屋の前をぼくらは通り過ぎる。中から微かにラジオの音が聴こえた。 「うちにはお兄ちゃんがいるから」コトチーは小さくスキップするようにして、ランドセルを背負い直した。「どこにもいけない」 「男にだって生理はあるよ」ぼくは急に話題を戻した。「血は出ないけど」 「うそつき」 「うそじゃないよ」 「それは夢精」コトチーが身体を曲げて、ランドセルの背でぼくにぶつかってきた。「トラだってわかってるでしょそれくらい。別にわたしが気にすることでもないけどさ、なんも知らない子にそういうこと吹き込むの、あとで自分が恥ずかしくなるだけなんじゃない」 「うそじゃない」ぼくはよろけながら、そう言うしかなかった。 〈生理〉という言葉には、もちろん〈月経〉という意味もあるけれど、〈生物の体の働き〉という意味だってあるのだ。  だったら、夢精や射精、オナニーを生理と呼んだって、間違いではないんじゃないか。  でもなぜか、それをコトチーに言うことはできなかった。屁理屈や言い訳にしか聞こえないことも、なんとなくわかっていた。  空はもう赤かった。カラスの鳴き声がどこかから聞こえてくる。 「トラ、大丈夫?」 「なにが?」ぼくはわざととぼけた。 「なにが、って……」 「大丈夫だよ」ぼくは地面の石を拾って、川に向かって思いっきり投げた。石は漁船のお腹にぶつかって、鈍い音をたてて川に沈んでいった。「大丈夫」  今日、一ヶ月ぶりにミヨシが学校へ来た。  あの日。柏木が授業でセックスの話をした日から、ミヨシはずっと学校を休んでいた。みんな、誰も、何も言わなかった。まるで最初からそれが当たり前だったかのように日々が過ぎていった。ぼくと、コトチー以外は。柏木だって何も言わなかった。プリントや宿題を届ける役目を誰かに任せることもなかった。ぼくの目の前の席はずっと空っぽで、空っぽの机の中のホッチキスはずっとそのままだった。ぼくは自分が段々自分じゃなくなっていくような、それまでの自分が絡まりあった細い糸で出来ていて、その糸が少しづつほぐされて、バラバラに散ってしまっていくような気分で毎日を過ごしていた。昼休み、いつも一緒に校庭を走り回るチートスも、給食の時間、牛乳のおかわりを取り合うガンバも、ぼくのそんな内面には気づいていないみたいだった。コトチーがぼくを見つめる表情だけが、日に日に険しくなっていった。 「さすがホトケだよね。完全に無反応だった��  コトチーは、柏木のことを「ホトケの柏木」と呼んだりする。いわゆる「神様仏様」のホトケではなくて、警察官が死体のことを呼ぶ俗称としての、ホトケ。らしい。  一ヶ月ぶりに学校にやってきたミヨシは一ヶ月前となにも変わらなかった。朝の会が始まる少し前に登校し、国語の授業では句読点を無視してつっかえつっかえ音読し、理科の実験ではアルコールランプの消火にまごつき、昼休みは口角を少しだけ上げて手塚治虫の『三つ目がとおる』をじっと読んでいた。ぼくはそんなミヨシをなるべく見ないように一日を過ごした。  ミヨシはキュロットを履いていた。  それ以外、なにも変わらない、いつものミヨシだった。  真間川が終わり、東京湾の工業地帯にたどり着く。巨大な水門は今日は閉じていた。海沿いにそびえ建つセメント工場が夕陽に照らされて嬉しそうに輝いている。湾の向こう岸に建ち並ぶ工場からコンテナが運ばれていく。クレーンが動く。消えそうにない煙が立ち上っている。大きな船が小さな模型みたいにちんまりと停まっている。静かだ。重たい海水の音と、母さんがいつもベランダやキッチンや庭に置きっぱなしにするゴミ袋みたいにギチギチに人を詰め込んだJR京葉線が高架を通り過ぎる音だけがはっきりと聞こえてくる。コトチーとぼくはしばらく立ち止まって、それらすべてを並んでぼんやり眺めていた。ここは千葉なのに、今目の前に見えているこの真っ黒な海原は東京湾なんだ、というその事実に、ぼくはなんだか無性にくらくらしてしまう。 「コトチーのお兄ちゃん、ぼくがぶっ殺してあげよっか」  そんなこと言うつもりはなかったから、ぼくはぼく自身に驚いていた。 「いいね」コトチーは笑わなかった。「どうやって?」 「ゆっくり殺そう」ぼくはコトチーを見ずに言った。「まず、まっすぐに伸ばして針金にしたクリップで、両眼を刺して、ぐちゅぐちゅかき混ぜるんだ。で、眼をどろどろにしたら、排水口のぬめり取りで、歯を少しづつ溶かそう」 「あはは。サイコー」 「爪切りで少しづつ、両手両足の肉と骨を削いで、詰めていこう」 「あはは」 「髪の毛はペンチで豪快にむしり取ろう。耳にはギターを繋げたイヤホンをつけて、爆音でかき鳴らして鼓膜を壊そう。ヘソにはうんと尖らせたトンボ鉛筆を突き刺して、睾丸とペニスは……。睾丸とペニスは、」 「……睾丸とペニスは?」 「睾丸と、ペニスは……」ぼくはわざとらしく間を置いて言った。「一番みじめで一番いたくて一番ねちっこくて一番、一番ぜんぶぜんぶ後悔させるような方法で、こっぱみじんにする」 「こっぱみじん」  初めて知った言葉を口の中で転がすように、コトチーが繰り返す。 「そう、こっぱみじん」 「すごいね」 「すごいよ。こっぱだよ」 「ありがとう」  コトチーは微笑んだ。声が少し揺れていて、でもぼくはなにも言わなかった。  来た道を引き返し、ぼくとコトチーはそれぞれの家に向かって同じ道を歩く。  ぼくの家とコトチーのマンションは道を挟んで隣り合っていて、いつもみたいに、家とマンションの中間、道のど真ん中で、ぼくとコトチーはハイタッチを交わして別れる。すっかり、夜になっていた。夜に玄関をまたいでも叱られないような家に、ぼくとコトチーは住んでいる。コトチーが明日学校にやって来るまで、どうか誰もコトチーの身体を触ったりしませんようにと、ぼくはたまに祈ってみたりする。
 ぼくはリビングのテーブルで、晩ごはんを食べようとしている。  晩ごはんはミヨシだった。  ミヨシはこんにゃくで、こんにゃくという食べ物がミヨシだった。 「いただきます」ぼくは言った。  味噌汁を入れるお椀のなかに、透明な液体と輪切りにされたミヨシが浮かんでいて、ぼくは白ご飯を口に含んでから、そのお椀を手に取った。 「虎彦」  ミヨシがぼくの名前を呼んだ。  ぼくはミヨシの一つを箸でつまむ。  ミヨシが微笑んだ。輪切りにされたミヨシに顔なんてないけれど、黒いぶつぶつの連なりが顔の代わりなのだということがぼくには分かる。ミヨシが微笑んでいることも、ミヨシが呼びかける声も、ぼくにしかわからない。ぼくとミヨシだけの言葉じゃない言葉だ。  母さんは、テーブル越しに対面する形で、ぼくの前に立っている。片手に包丁を持って、眼が充血している。 「てめえ何様のつもりだよ」  母さんの声は父さんで、ぼくは母さんの顔を見つめながら、ミヨシを口に入れる。 「いっつもいっつもいっつもいっつもいっつもいっつも」  そういう動きしかできないブリキのおもちゃみたいに、母さんは手に持った包丁を上下に振り続けている。 「いっつもいっつもいっつも、いつもいつもいつもてめえはてめえは」  ぼくはミヨシを噛んで、飲み込もうとする。でも噛めば噛むほど、口の中でミヨシはどんどん膨らんで、ぼくはとうとう口の中からミヨシをこぼしてしまう。口からこぼれたミヨシはもうミヨシじゃなくてただのこんにゃくで、床の上でぷるぷる揺れている。  さっきからぼくの頭上で浮かんでいたポリバケツが、UFOみたいに光を発した。光りに照らされた、ミヨシだったこんにゃくは浮かび上がって、ポリバケツの中に吸い込まれていく。 「ミヨシ」  ぼくは立ち上がってポリバケツに手を伸ばす。でもぼくは体温計だった。水銀が暖まらないと手が伸ばせない。手というのは、赤いゲージのことだった。  そこで眼が覚めた。  ぼくはマイナスドライバーを枕の下にしまって、起き上がる。 「ミヨシ」
 次の日も、次の次の日も、次の週も、ミヨシはキュロットを履いて、ぼくの目の前の席に座って、いつものミヨシみたいに振る舞っていた。仕草を変えたり、一人称を変えたりすることもなかった。周りの人間も、キュロットを履いたミヨシをいつものミヨシみたいに扱った。つまり、みんなミヨシに無関心だった。あまりに無関心すぎて、ぼくの頭がおかしくなって、ぼく一人だけが、ミヨシの幻覚を見ているのかと思ったほどだ。 「あいつさあ……」  男子トイレで隣り合って小便をしているとき、ガンバが言った。 「そういうこと、だったんだなあ」  ぼくはそれで、最近のミヨシがぼくだけの幻覚じゃないことを知った。 「でも、なんか、そういう感じ、だったのかもなあ、これまでも。うん」  ガンバはうつむいて、自分の小便を見つめていた。 「いとこがさあ、そういう感じ、なんだよなあ。オレが保育園行ってたときは、まだ、アニキって感じだったんだけど、今はもう、なんだか、そうでもない感じでさあ。……あいつよく見たらかわいらしい顔してるしさあ。オレぐらいドジだけどさあ。これからチン毛とか生えて、どうなるかわかんないけどさあ。���レ、ああそういうことかあ、って感じなんだよなあ」  ガンバがそんなことを言うのがなんだか意外で、ぼくはズボンのチャックを上げながら、ガンバの顔をまじまじと見つめてしまう。 「なんだよお」 「や……うん。うん。なんでもない」  ぼくはガンバの背中を強めに叩く。 「おいなんだよ、まだションベン中だぞ」 「さき、体育館行ってるから!」 「待てよお! おーい!」  ガンバの声が響くトイレを出てぼくは早足で歩く。ぼくは泣き出しそうだった。
 ミヨシがキュロットを履くようになってから、ぼくはまだミヨシと一言も言葉を交わしていなかった。放課後は校庭でたむろしているチートスたちの元へ行くか、一人で、あるいはコトチーと二人で、逃げるように帰っていた。  ミヨシと、放課後、教室の隅で、どちらからともなく寄り添って、「ああいうこと」をするようになった、そのときから、ぼくはもうこの先のことがなんとなくわかっていた。言葉として、映像として、脳みそでわかっているわけではなかったけれど、こんなことが、このまま、この状態のまま、変わらずに続くはずがないことくらいはわかっていた。ミヨシの頬を叩くとき、ミヨシの肩をつねるとき、ミヨシの頭をなでるとき、ミヨシを言葉だけで追い詰めるとき、ミヨシの膝が夕陽に照らされているのを見たとき、ミヨシの眼に映るぼくや教室の天井を見たとき、ミヨシが「ぼくは」と言うとき、ミヨシがぼくの名前を呼ぶとき、ミヨシの身体のその中の、誰にも見えないところでボロボロに泣いているミヨシそのものにぼくは目を背けてミヨシの眼を見つめ続けてきた。学校では教えてくれないこと。父さんは、母さんは、柏木は、大人は教えてくれないこと。誰も教えてくれないこと。ほんとうは教えてほしいこと。その、「教えてほしいこと」の種類が、ぼくとミヨシでは決定的に違っているのだ。「教えてほしいこと」の種類も「認めてほしいこと」の種類も「信じてほしいこと」の種類もなにもかも。一緒だと思いたかったのは、ぼくだけだろうか。ぼくはミヨシのペニスを思いきり頬張りたかった。誰よりもやさしく乱暴に触りたかった。でもそれを望んでいるのはぼくだけなのかもしれない。ミヨシはミヨシ自身のペニスなんて触れられることすら嫌なのかもしれない。そのことを考えるだけでぼくは頭がはちきれそうになった。頭がはちきれそうになることくらいわかりきっていたから、ぼくはミヨシと、ぼくらの間だけで通じるセックスを、「ああいうこと」を続けていた。ぼくはまだ、ミヨシのペニスを見たことがない。ぼくはミヨシに今すぐ触れたかった。いま、今、すぐ。  体育館では、先に来ていたチートスたちがバスケットボールの山盛り入ったカゴを倉庫からひっぱり出しているところだった。せっかちな奴らがカゴの中のボールを手にとって、好き勝手に投げ合っている。  ぼくは早足のまま、体育館の隅で壁に寄りかかってぼんやりしているミヨシの元へ向かう。 「ミヨシ」  ミヨシはぼんやりした顔を強張らせてぼくを見つめた。放課後以外でぼくがミヨシに話しかけるのは初めてだった。 「髪」ぼくの声はかすれていた。 「かみ?」 「どうして」ぼくは右手をミヨシの肩くらいまで上げて、また下げた。  ミヨシは黙っていた。 「伸ばせばいいのに」言った途端、ぼくの眼から涙がこぼれた。  今この瞬間、この場にいる全員、消えていなくなってしまえばいいとぼくは思った。お願いだからぼくとミヨシ以外、全員、バスケットボールとゴールだけを見ていてほしかった。  ミヨシは顔を強張らせたまま口を半開きにして、数秒固まったあと、これ以上ないくらいかわいそうな人を見るような表情でぼくを見た。 「どうして」 「トラ。虎彦」  ミヨシ��ぼくの手の甲をなでてから、頬の涙をそっとぬぐった。 「虎彦。今日、一緒に帰ろう」  バスケットボールが床を跳ねる音の隙間から、チートスの笑い声が聞こえる。ガンバが遅れて体育館にやってきて、おい、トラ! とぼくを呼ぶ。ぼくはミヨシにうなずいてから、なんでもなかったように背を向けて走り、カゴの中のバスケットボールを取って、ガンバに向かって高めに投げる。
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marisa-kagome · 5 years ago
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【CoC】顔(だけ)はいいアイツが行方不明になった件について
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【概要】
プレイ人数:2〜3人
所要時間:ボイセで2〜3時間程度
推奨職業:探偵、警察関係者、もしくはNPCの知人
推奨技能:なし
形態:シティシナリオ、村を回る程度のもの
ある程度軽めのシティシナリオとなっています。また、グロ描写は無い為、クトゥルフによくある事件!死体!内臓!!が苦手な方、初心者の方にもお勧めです。
特にこれといった技能がなくても、行動次第でクリアが可能となります。推奨技能は無しと伝えてください。
【シナリオ・イラストの利用規約】
OK:主旨が変わらない程度の軽度の改変、このシナリオを回す場合のNPCとしてのイラスト使用、このシナリオのリプレイ動画への使用(報告不要)や卓画面のスクリーンショットの投稿
NG:イラストのサイズ以外の加工処理、シナリオやイラストの二次配布、無断転載、このシナリオ以外での立ち絵、トレーラーの使用、重大なネタバレとなる画像や文字を多くの人の目に留まる場所へ投稿する行為
リプレイ動画等に使用される場合は、絵師様のお名前、Twitterアカウントの明記をお願い致します。
トレーラー・キャラクター画像 黒川たすく @tas_po
シナリオ 詐木まりさ @kgm_trpg
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【あらすじ】
サークル旅行先で美人を捕まえたイケメン、丘竹義人(おかだけよしと)。やることをやって別れた後も連絡を取り続けており、一ヶ月後にまた逢いたい♡と呼び出されてのこのこ出かけて行った、が、実は人に化けたキツネであった彼女から告げられたのは妊娠だった。責任を取って結婚してもらおうと父親やら親類やらに拉致されてしまった丘竹はどうなってしまうのか………!!
このシナリオは、友人、知人、探偵、或いは警察関係者である探索者達が、丘竹を連れ戻すことを目的としたシナリオになります。探索者は彼の彼女として参加してもよいでしょう。
【導入】
探索者たちは行方不明になっている男「丘竹義人」の捜索の為、とある旅館を訪れることになる。探偵や警察をやっていて丘竹の両親に依頼されても良いし、直接の知り合いであっても構わない。
◎丘竹義人(おかだけよしと)
21歳、大学三年生。明るく社交的な性格で決して評判は悪くないが、少々、というよりかなりノリの軽いところがある。ある意味とても、大学生らしい大学生。3月1日頃、晴間荘と言う温泉宿に二泊三日の一人旅に出かけたが、予定を三日過ぎても帰ってこない為、様子を見てきてほしいと依頼された。旅の目的などは誰にも告げていない。
もし探索者が彼の彼女である場合、親戚の家に行くと伝えられている、が、彼のパソコンの履歴を見たところ、晴間荘の予約が取れていたようだ。どういう
ことだと不審に思ってもおかしくないだろう。
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◎晴間荘(はるまそう)
中部地方の山間部、轟木村(とどろきむら)にある温泉宿。観光地化が特にされている場所ではなく、田舎にひっそりとある宿らしい。露天風呂があり、一応団体が宴会を出来る部屋などもある様で、幾つかの部屋の写真がネットに載っているだろう。
3月7日、一日二本のバスに乗り目的地を目指せば、19時過ぎに田んぼの広がる山のふもとに一件の宿が見えてくる。暖簾をくぐると年老いた女将が、遠路はるばるようこそおいでくださいました、と探索者を出迎えてくれるだろう。
◎女将に何か尋ねる場合
丘竹を知らないか→チェックアウトはしていないが、部屋に宿泊費が置いてあった。普通に帰ったのではないだろうか。荷物等はなくなっていた。
誰かと一緒にいたか→若い女と二人で泊まっていた。名前などは分からない。
この地方について→観光地ではないのでみて回るほどのものも無いが、美味しい豆腐屋がある。名物は油揚げ。本日の営業は終了している。
他の宿泊客について→あまり細かいことは答えられないが、三人ほど泊まっている。
丘竹の部屋を調べたいといった場合、特に断られもせず普通に案内されるだろう。また、丘竹が来て以降この部屋には誰も泊まっていないことも教えてもらえる。偶然丘竹が泊まっていた部屋に案内されてもよい。
小さな和室に目星を振るならば、30分程しっかり調べた結果、押し入れの奥に充電の切れたスマートフォンを見つけることが出来る。手持ちの充電器で回復させることが出来ても構わないし、もしも探索者がガラケー所持者な場合、他の部屋の宿泊者に借りに行っても構わない。電源を入れると、複数人で映った飲み会の様な写真がロック画面に出てくる。その中に丘竹の顔を見つけることが出来ていいだろう。
また、事前に晴間荘をネットで検索しており、この時点アイデアに成功すれば、ロック画面の写真が晴間荘の宴会の間であることが分かる。ここに気付き写真の取られた日��を調べれば、2月3日であることも分かってよい。スケジュール帳などを調べれば、ここに二泊三日のサークルの旅行が入っていたことも知ることが出来る。
携帯を調べる→晴間荘に来る前「天谷さつき(あまやさつき)」と呼ばれる女性とやり取りをしていたことが分かる。やりとりが始まったのは2月5日からで「また遊ぼ」「もっかいこっち来ない?」といった会話から、3月1日に丘竹がこちらへ来るようになった流れが確認できる。また、美人な女性の写真も途中に添付されている。会話は3月1日、丘竹の「着いた!」が最後となっている。
部屋を一通り調べ終えると、女将が「食事の準備が出来ました」と声を掛けてくる。
もしここで天谷さつきについて尋ねる場合「ああ、さつきちゃん?」と知っている素振りを見せるだろう。この宿のすぐ近くに住んでいるらしいことは教えてもらえるが、もし写真を見せるならば「これはさつきちゃんじゃないよ」と断言されるだろう。そして「こんな感じの人と丘竹さんは一緒にいたけれど」とも返される。また、帰省している天谷さつきの姉が、こちらに泊まっていることも教えてもらえる。
自室に向かえば山の幸と、噂の豆腐屋の豆腐と油揚げが並べられている。非常に美味な食事に舌鼓を打てば、女将が温泉も是非、と言うだろう。もし温泉に入ろうと思うのならば、浴場へ案内される。そこまで広くはないが風情があり、田舎ということもあってひっそりとしている。
もし女湯に入る場合、脱衣所で目星に成功するとぱらぱらと、小さい毛が落ちているのを見つける。生物学に成功すれば、これは動物の毛では、と思う。クリティカルがもし出れば、これが狐の毛であることが分かってよい。
探索者がのんびりと露天風呂に浸かっていると、突然、大雨が降りだす。天気予報を思い出したり調べたりするのであれば、その様な予報は一切出ていない。もし女将に何かを尋ねるなら「この地域ではよくあるんですよ、悪戯天気なんて言ってねぇ。急に止むこともあるから一概に悪いとも言えなくって」と話してくれる。
◎隣室の誰かを訪ねる場合
隣1:声を掛ければ「今忙しいんで後にしてもらえますか」という女性の返事がある。出ては来ない。もしもしつこく声を掛けるのなら一瞬だけドアが開き「うるっさいな!仕事中なの!忙しいからあとにして!!」と目の下にクマを作った女性が叫び、一瞬で戸は閉まるだろう。
隣2:声を掛ければ「どうしました?」と一人の男性が出てくる。四十代ほどの彼は「東風谷太郎(こちやたろう)」と名乗り、職業などを尋ねるのならの獣医であると答えられる。仕事ではなく、偶に都会の喧騒が嫌になって、こちらへ来ているらしい。何故ここにと尋ねれば「いやぁ、油揚げが絶品で、つい」と答えるだろう。
また、先に隣1に声を掛けていれば「そういえば、隣の人、びっくりしたでしょ。ファッションデザイナーさんみたいでね、今仕事が佳境っぽいんだよ。そっとしといてあげて」と言われる。
彼はこの地方に狐が多いことや、民俗学的なことは知らないが、もし狐に関しての知識を訪ねるならば、その生態を教えてくれる。「大体全国にいるかな、普通小さな家族単位で生活しているけど、大きなグループで生活していた例もあってね。宮城あたりだったかな。肉食に近い雑食だから餌が少なければ人の残飯とかも食べるし。あとは夜行性で用心深いけど、賢いし好奇心もつよいからね。慣れたら結構大胆になっちゃうからもちろん餌付けとかはしたらいけないよ。繁殖期は12月から2月くらいの間で、妊娠期間は二ヶ月いかないくらい。大体一ヶ月くらいで赤ちゃんいるってわかるよ、割と犬みたいなもんだしね。巣穴の長さが30メートルくらいになることもあるっていうから、すごいよねぇ」
隣3:声をかければ「はーい、ちょっと待ってくださいね」と一人の女性が出てくる。二十代ほどの彼女は「天谷あかね(あまやあかね)」と名乗り、職業などを尋ねるのなら、東京でOLをしていることを教えてもらえる。もし天谷と言う名前で丘竹のメールで見た名前を思い出し、そのことについて尋ねるのであれば、彼女の姉であることを教えてくれる。しかし写真を見せられたのであれば「これ、さつきじゃないけど」と言われるだろう。
帰省理由:休みが取れたので、また、さつきの具合があまりよくないと聞き、心配だったらしい。一週間ほど前に治ったらしく、明日の夜、ここから発つ様だ。家のすぐそばにあるここの宿の女将とは家族ぐるみの付き合いで、旅館業務の手伝いも兼ねてよくこうして泊まっているらしい。
さつきの具合の詳細については話してくれないが、一ヶ月ほど調子が悪かったことは話してくれる。
※もし積極的に探索者から隣室を訪ねなければ、風呂上りに自販機の前などで東風谷に遭遇してよい。出会えば軽く会釈をする程度の彼が自分から話しかけてくることはないが、何か声を掛ければ快く言葉を返してくれるだろう。そこから他にも宿泊者がいる情報を手に入れることが出来る。
◎食後
外は街灯の明かりなどもなく真っ暗で、この日は探索を続けることは出来ないだろう。
布団の中で寝入ったあと、気が付けば探索者は知らない黒い空間にいる。そして、誰もいない空間で呻き声のような物を耳にする。
「うう………ごめん…悪かったよ……帰して……俺を帰してぇ…………」
もし探索者が丘竹と知り合いであれば、その呻きが彼のものであるということは分かってよい。
また、ここで聞き耳に成功すると、小さなぼそぼそとした声を聞き取ることが出来る。「タイアン、ツギノタイアンニ、ギヲ」という声は人のものとは思えず、非常に不気味な響きである。SANチェック0/1。
次の瞬間、目が覚めれば朝になっている。
また、探索者がもしカレンダー等を調べるなら、次の大安の日が、明日であることがわかる。
朝、部屋を出ると食事の盆を三つ用意している女将に出会う。目星に成功、もしくは盆の上を注視すれば、三つ中二つに、油揚げがたっぷり盛られていることに気付く。指摘するならば「お客様からのリクエストなんですよ、九守(くもり)さんとこの、おいしいから」と答えてくれる。
※女将にこの地方の言い伝えや観光名所を聞いても、きつねのきの字も出て来ない、というのも、所詮は伝説であり、あまり実感がないからである。観光名所もこんなさびれた田舎には無く「美味しい豆腐屋くらいしかないですねぇ…」と答えられる。
◎九守豆腐店(くもりとうふてん)
豆腐屋に行くならば、旅館から歩いて10分ほどの場所に小さな店があるだろう。
中には鉢巻きを巻いた店主がおり、にこやかな声で「旅行かい?」と聞いてくる。
この地方や油揚げのことに関して尋ねれば「油揚げ、人じゃなくて狐にも人気なんだよ、あ、買いに来るわけじゃないけどね」もしくは「この地域はそうだなぁ……あ、狐が多いよ」などと答えてくれる。会話を続けると「化ける、みたいな話も伝わっててね」「きつねが一斉に宴会をやる、なんて伝えられてる河原もあるんだよ。宴河原って言うんだけど。たまにウチの油揚げをお供えしてるよ。無くなってるから本当に食ってるのかもしれないねえ」「何か知りたいのなら天谷さんの所に行ってみたらどうだい?古い蔵があるからね、何か見つかるかもしれないよ」等の話をしてくれるだろう。
◎天谷さつき宅
旅館から3分ほどの蔵のある古民家に行けば、一人の老婦が出迎えてくれる。
彼女に蔵の中のものを見たいと言えば「どうぞ、眠っているだけなのも可哀想ですから、見てやってくださいな」と、快く案内してくれるだろう。しかしさつきの事を聞くなら「あの子は今出かけています」と返す。心理学に成功すれば、彼女が何か隠していることが分かるだろう。病状などについても何も答えてくれない。
結構な広さのある蔵には、骨董品などが所狭しと並んでいる。目星か図書館で、二時間ほど探索すれば轟木の歴史に関してつづられた小さな書物を見つけられる。その中に探索者は狐の文字を見つけられるだろう。
「ある所に、狐を愛してやまない男がいた。男は毎日の様に山へ向かい、狐に食べ物をやり、時には家に上げるほどであった。そうして日々狐と共にいたある日、一匹の若い狐は男に恋をし、男も同じく雌狐に恋をした。一人と一匹は狐の父親に結婚させてほしいと頼んだが、父親は頑なに大事な娘を人へ嫁にはやらぬの一点張りだった。それでも男が何度も頼み込めば、普段食わせてもらっていることもあったのだろう、父親は”上等な婚礼衣装を用意し、吉日に天気雨を降らせれば結婚を赦してやる”と約束した。翌日、早速男は仕立て屋に赴き、殆どの財産を渡して婚礼衣装を作るように頼み込んだ。そしてその日から噂という噂を��めて回り、十里先の村に非常に力を持った陰陽師がいると聞きつけ、すぐさまそちらに出向いた。男は事情を話すと、人の言葉と引き換えに、天気を変えることの出来るまじないの書かれた書を譲ってもらう事が出来た。
早速試そうとした男だったが、人の言葉を失ってしまった男はまじないを唱えることが出来ず、途方に暮れていた。それを見た雌狐が、今度は反対方向へ十里の道のりを超え、とある薬師(くすし)から人に化けられる薬を手に入れて来た。人に化けた娘がまじないを唱えれば、雲一つない空から雨が降り始めた。狐は晴れ着を身に纏えば男のもとへ出向き、めでたく結ばれたという。そして空模様を変える術を手に入れた狐は、それからも嫁入りの度に天気雨を降らせている、それ故に天気雨が多いと、この地方では古くから伝えられている。」
蔵の探索が終わり天谷宅を出て一分ほどすると「待ってください!」と言う声がする。後ろを振り返ると一人の高校生くらいの少女が息を切らして立っている。「私のこと、探してました?」と言う彼女は天谷さつきと名乗るだろう。
「おばあちゃん、私が具合悪くなってから、あんまり人の前に出してくれなくて……」「実は、狐屋敷に行ってみたんです」「話に聞いてたから気になっちゃって」「行ったあとから最近までの記憶、実はほとんど無いんです」「……周りの人が言うには、乗っ取られたみたいだったって、割と有名な話なんです。狐屋敷に行くと屋敷に住むたくさんの���に憑かれるの、イタズラ好きだからって。だからあの家壊せないんですよ」「屋敷って言ってもちっちゃい古い家ですけどね、たまに気になって行っちゃう観光の人もいるみたいです。やっぱりあんまり良い噂は聞かないですね、私みたいになっちゃったのかな」「携帯は失くしてました、仕方ないから新しいものを買いました」「記憶が戻ったのは、なんか勝手に出歩いちゃった日に、隣の隣の柴田さん家でなぜか。あれ?って思って、それで自分が靴も何も履いてないことに気付いて」
彼女は口を開けば大体この様なことを語ってくれる。また、丘竹のことや写真の女のことは知らない様だ。
※もし豆腐屋に行く前に、さつきに会いたいという用件のみで来れば、老婦は決して中へは入れてくれない。その後豆腐屋に行って蔵に興味を示せば、豆腐屋の主人が電話をかけてくれ、とりあえずそちらへは入れてもらえるだろう。さつきとのイベントは蔵を調べ終えた後となる。
※伝承に残る陰陽師はニャルラトホテプ、薬師はミ=ゴである。クトゥルフ神話技能等で分かっても良いが、特に知るメリットは無い。無闇に降らせず、探索者の提案があった場合のみダイスを振ってもらうこと。成功した場合はSANチェック1/1d3。
◎柴田家
入ろうとした途端、犬小屋の犬に激しく吠えられる。その声を聞きつけてか出て来た50代ほどの男性は柴田秋男(しばたあきお)と名乗り、すみませんねぇ、この子気性が粗くって、と謝ってくる。
さつきに関して尋ねると、一週間ほど前、急にちょうどこの玄関前に裸足で座り込んでいて驚いたという。暫く姿をみてい���かったが、病気だったとはねぇ、と言った様子だ。
また、狐の話に関しては「五年くらい前に緑が欲しくてここに引っ越してきてね、あまりそういった話は知らないんだ」と言ってくる。
※狐は犬が苦手な為、さつきは徘徊中にここで目が覚めている。犬を借りようとするならば、それなりの嘘をつけば「犬を散歩に?構わないよ」と言ってくれるが、もし狐屋敷に連れていきたいと言うと「愛犬を廃墟に連れて行かれるのはちょっとね………」と断られるだろう。
◎宴河原(うたげがわら)
ごろごろと石が転がった河原。旅館からは徒歩約10分。油揚げは今は供えられていないが、平たいテーブルの様な岩が幾つかあることは分かる。目星に成功すれば、その側に毛を見つけることが出来る。生物学に成功で、動物のものだと分かってよい。
◎狐屋敷
ぼろぼろの小さな民家は集落から歩いて30分程度の山の中にあり、壁や屋根などあちこちに穴が開いているだろう。玄関から入ってすぐは土間で、他は囲炉裏や押入れのある小さな部屋が一つあるのみである。
聞き耳に成功すれば、飼育小屋の様な匂いがうっすらとすることにも気付いてよい。また、聞き耳でクリティカルを出せば「姿は全く無いのに何十もの瞳に見つめられている様な感覚」を覚える。SANチェック1/1d2。
家に足を踏み入れ何か技能を振ろうとする探索者は、その前にPOW×2。失敗すると、探索者は狐に二時間ほど憑かれることになる。憑かれる場合、次に幸運を振る。失敗すれば探索者は一目散に屋敷から飛び出してしまう。正気の誰かがそれを止めるには、DEX対抗や組み付き、STR対抗等が必要になってくる。
また憑かれた場合は1d6を振り、下の表通りのロールをする事。探索者は今は探索者であって探索者で無い状況であり、探索者の本来の精神は眠ってしまっている様な状況なので自我を出すことは一切不可能だ。一人称などが変わってしまっていてもよい。精神分析も不可である。中の狐はただ笑うだけだろう。
憑かれ表
1 何を聞いても油揚げの事しか答えず、隙を見てはすぐに豆腐屋へ行こうとする。
2 何を聞いても嘘や適当な事しか言わず、すぐに寝ようとする。
3 何を聞いても何も答えず、ずっと地面のあちこちを掘り返している。
4 何を聞いても何も答えず、じっとしゃがんで目を光らせている。幸運に失敗するとネズミが出現し、脇目も振らずそちらに飛びかかる。ネズミのDEXは15。
5 何を聞いても歯を見せて獣の様に唸るばかりである。時には飛びかかり、作業を妨害しようとする。
6 探索者の誰かを執拗に誘惑してくる。探索の事に関して質問しても、そんなことよりも、と一緒に旅館に帰ろうとするだろう。
もし、探索者全員が狐に憑かれた場合、意識が遠のき気がつけば、幸運に成功している場合狐屋敷で、失敗している場合私物や服を一つ無くした状態で河原にいる、時計を見ると時間が二時間経過している、という描写で構わない。SANチェック1/1d2。
もし、直前に宴河原に油揚げを供えていれば、もしくは犬を連れて来ていれば、POW×2は必要ない。また、上記の対策が出来ていない場合、何か技能を振る度に、その前にPOW×2の判定をやり直すこと。
屋敷にいる探索者をじっと見ている数十匹の狐は、常に乗っ取る機会を伺っている。
土間:目星に成功すれば、名刺ケースが落ちているのを見つける。中に入っている名刺には「デザイナー・松雪ミヤビ」と書かれている。
押し入れ:小さな化粧箪笥の様なものが入っている。中には巾着袋が一つ入っており、大量の何かの粒が入っている。聞き耳に成功すると薬の様な匂いが嗅ぎとれる。また、薬学を所持しているならば、何かの薬であることまでは分かるが、用途までは分からないだろう。
目星に成功すると、隠し引き出しを見つけられる。どうやらここを開けるには、鍵が必要な様だ。囲炉裏の鍵で開けることが出来、小さく折りたたまれた紙切れを見つけることが出来る。母国語に成功で読解可。「空ヲ操ル呪ヒ」と書かれており、読めはするがどこか背筋の寒くなる、奇妙な言語がつづられているだろう。SANチェック0/1。この呪文はMPを10消費し詠唱を唱える事によって一定範囲の天候を少し変えることが出来る。
詳しくはルールブックの天候を変える呪文参照(P273)。ただし今回は雨のレベル1とレベル2の間に、天気雨が存在する事とする。
囲炉裏:目星では何も見つけられないが、手を突っ込んで幸運に成功すれば、鍵をつかむことが出来る。鍵を使えば押入れの化粧箱の隠し引き出しが開けられる。
◎松雪ミヤビ
ドアを叩くと「ご飯そこ置いといてください」という声がするばかりで開かない。無理やり呼び出すとやはり怒りながら扉を開けて来る。説得や言いくるめに成功すれば「本当に忙しいんですよ、衣装製作してるんです。デザイナーなんです」「白無垢作ってます、知り合いが結婚するんですよ、もういいですか?」と疲れ切った目で状況の説明をしてくる。
目星で、部屋の中に白い布切れが散らばっていることが分かる。
狐に憑かれている彼女は油揚げで容易く外へ呼び出すことが出来る。誰かが彼女を呼び出している間、部屋に侵入することは可能だろう。その場合、部屋の中央には白無垢が掛けられており、脇の盆に大量の油揚げが積まれていることもわかる。
【丘竹の救出方法】
3月8日中に、
「天候を変える呪文の書かれた紙切れを盗む、燃やす、処分する」
「婚礼衣装を破壊する」
「薬を盗む」
のどれかを行うことにより、結婚式を阻止することが出来る。
もし上記の行為を行えば、その晩、眠っていた探索者はふと目を覚ます。聴こえてきたのは何十という爪がカリカリカリカリ、と窓や壁、扉を引っ掻く音だ。体は金縛りに遭ったように一切動かず、ひたすら全方位から響いてくる爪の音を長時間聞かされるだろう。SANチェック1/1d3。
そして爪の音はタイミングを合わせたようにぴたりと止み、同時にどっと眠気が押し寄せる。微睡む探索者の頭の中では不気味な呪うような声が遠くに聞こえる。「これではよめにいけぬ、これではよめにいけぬ、ええいいまいましい、すててしまえ、おぼえておけ」この声は、初日に夢の中で聴いた囁きと同じである。
次の瞬間悲鳴が聞こえ、探索者は寝た気がしないまま、明るい部屋の中で目を覚ますだろう。
悲鳴の声には聞き覚えがある、初日に夢の中で助けてくれと叫んでいた声だ。
慌てて宿の外に向かえば、全裸の丘竹がそこに転がされている。
彼は全身引っ掻き傷だらけで号泣しており、何を聞いても謝るだけである。しかしキツネ、と言う単語を聞くだけで腰を抜かしガタガタと震え、謝罪の言葉は一層多くなるだろう。命に別状は無いようだ。
壁や窓に傷は一切ないが、丘竹の周囲には動物の足跡が大量にあることが分かる。気味が悪いほどの量だ。背筋に寒気を覚えた探索者はSANチェック0/1。
その後、探索者たちはチェックアウトを済ませれば、本数の少ないバスに乗ってこの地を発つことになる。田舎道を揺られている最中、ふと窓の外を見れば、一瞬、三角の耳が草むらから飛び出していたような、そんな気がするだろう。
エンド1:人のハッピーエンド。
もし上記の三つを一つも行えないまま3月9日を迎えた場合、太鼓や鈴の音で探索者は目を覚ます。外に出れば空は雲一つ無く晴れているというのに雨がしとしとと、地面に降り注いでいるだろう。また遠くの道に何かの行列が見える。目星に成功すればそれが花嫁行列で、しかし顔が全員狐であること、その中に一人だけ人間が紛れていることが分かる。同時に離れているというのに探索者の頭の中に「たすけてくれ、たすけてくれよぉ………」という悲痛な声が聞こえてくるだろう。そして瞬きをした瞬間、その光景は消え、音も声もすっかり止んでいる。SANチェック1/1d3。
それから丘竹の姿を見たものは、決して現れなかった。探索者たちは何も得られぬまま、晴間荘から帰ることになる。
エンド2:キツネのハッピーエンド。
【生還報酬】
丘竹を救出した 1d4
尚、SAN値は上限を超えて回復しないものとする。
ここまでお読み下さりありがとうございました!
シナリオを楽しんで頂ければ幸いです。
丘竹君ですが、これからは静かに生きていくと思います。仲良くしてやって下さいませ。
詐木まりさ @kgm_trpg
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jaguarmen99 · 5 years ago
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90: ストマッククロー(大阪府) [US] 2020/05/12(火) 20:31:08.29 ID:rmlbMcpO0 ゴ…コオロギみたいですね…?
痛いニュース(ノ∀`) : 【動画】 究極のロボット犬が10万円で販売開始 完璧なるリアルな動きで散歩 - ライブドアブログ
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cavywithme · 2 years ago
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近所の公園をお花見散策🌸 今日は曇りで桜があまり映えないけど、まだまだ持ち堪えられそう。 ゴッさんには、たんぽぽぼお土産。 奪い取られて満足なかーちゃんです✌️ #cavy #guineapig #morce #merino #モルモット #ゴ散歩 #モルモットのいる暮らし #お花見 https://www.instagram.com/p/CqDk0n1SVpN/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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honyade · 5 years ago
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(5月31日まで開催中)【フェア】人から紐解くiPS細胞
代官山 蔦屋書店 営業時間について 5月11日(水)~当面の間 11:00~19:00
■代官山 蔦屋書店ご入店に関して ・1号館2階 映像フロアでのレンタル対象商品は「新作のみ���とさせていただきます。 ・3号館2階 音楽フロアはご利用いただけません。 ※お客様およびスタッフ同士の距離感を十分に取れる空間の確保・維持のため、入場制限を設ける場合がございます。 その場合は整理券を配布いたしますので、ご案内の際は指示に従ってくださいますようお願い申し上げます。 ※大変恐れ入りますが、マスクを着用していないお客様のご入店はお断りしております。 ※休店日や営業時間、当日のご案内方法は予告なく変更となる場合がございます
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iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんをはじめとした研究者の方々や、京都大学総合博物館で行われる特別展「iPS細胞、軌跡と未来―こだわりの研究所を大解剖―」の関係者の皆様が、ご自身の人生で現在に至るまでに「刺激を受けた本」の数々を紹介教えて下さいました。 それぞれコメントも頂いておりますので、これが皆様にも刺激となれば嬉しいです。
———- 京都大学 iPS細胞研究所 所長 山中伸弥
『宇宙英雄ローダン・シリーズ』K・H・シェール他(著)ハヤカワ文庫SF 子どもの頃、夢中になって読んでいました。科学の力で問題を解決していく登場人物にあこがれたのが、今の仕事の原点かもしれません。日本語版が600巻を超えた今でも続きが出ている人気作です。
『星新一のショートショート』 環境問題、人口増など現代にも通じる社会問題に鋭く切り込んだ作品が多く、読んでいて刺激になります。
『仕事は楽しいかね?』デイル・ドーテン(著)きこ書房 アメリカ留学から帰国後、仕事に悩んでいたときに読んだ本です。思うように研究が進められず、研究を続けるかどうか悩んでいた私に、仕事を楽しむことを思い出させてくれました。
『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング他(著)日経BP 科学者にとって、自分の偏見を捨て、データと真剣に向き合うことは非常に重要です。これは科学者以外の方にも言えることだと思います。この本は、世界のいろいろな事象を思い込みに惑わされずに見つめる訓練にとても役立つと思います。
『理不尽に勝つ』平尾誠二(著)PHP研究所 仕事をしていると、理不尽な目にあうことはたくさんあります。そんなときに手に取る本です。著者の平尾誠二さん(故人)とは友人として深い付き合いがあり、仕事の進め方やリーダーシップについて、多くを教えてもらいました。この本は、彼から教わったことを思い出させてくれます。
———- 京都大学 iPS細胞研究所 所長室 中内彩香
『阪急電車』有川浩(著)幻冬舎文庫 片道わずか約15分という阪急今津線の乗客の人間模様が優しいタッチで描かれ、映画化もされた大ヒット小説。人にはみな、それぞれが主役の人生のドラマがあるという当たり前なことにふと気づかされると同時に、(誤解を恐れずに言うと)「人って悪くないな」と思わされます。人間関係に少し疲れたときに読むと、ほっこり温かな気持ちになれる一冊です。
『僕たちの戦争』萩原浩(著)双葉文庫 何の接点もない戦時中の少年と“今どき”の少年が、ひょんなことからタイムスリップして互いの時代を生きる様子を描いたフィクション小説。背伸びしない、少年の目線で当時を想像しながら本の世界に没入し、現実世界に戻った後も、当時の人が急に今の私たちの日常に迷い込んでくるとこの世界はどう見えるのだろうと想像を膨らませました。当時を懸命に生きてきた方たちのおかげで今があるということを改めて考えさせられました。
『チーズはどこへ消えた?���スペンサー・ジョンソン(著)扶桑社 いつから変化を恐れ、前に踏み出すのをためらうようになってしまったのだろう。常に起きる変化にどう適応するかは自分の考え方次第。物事をシンプルに捉え(自分で勝手に複雑化しない!)、柔軟に行動し、冒険を楽しむ。「新しいチーズ」探しの旅を始める勇気をこの本からもらいました。心が弱くなる度に読み返すと背中を押してくれる、私の良き伴走者です。
『Newtonニュートン』ニュートンプレス 親が愛読していたこともあり、物心がついた頃にはページいっぱいに広がる鮮やかなビジュアルに惹かれて、わけもわからずページをめくっていました。今思えば、それが知らず知らずのうちにサイエンスに興味をもつきっかけになったように思います。読者を「追いていかない」工夫が凝らされ、また号のテーマによらない最新の科学情報も得られるので、おすすめです。
『SNOOPY COMIC SELECTION』チャールズ・M・シュルツ(著)角川文庫 1950年から描かれ、スヌーピーをはじめ愛くるしいキャラクターが人気の漫画。ほのぼのとしたやりとりに心を癒されるときもあれば、子どもの他愛のない一言が、大人が目を背けがちな真理をついていてハッと気づかされるときもあります。読後の爽快感がたまらず、休日の午前に読みたくなる作品がたくさんあります。
———- 京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 准教授 池谷真
『神様からの宿題』山本育海他(著)ポプラ社 私たちの研究室では、進行性骨化性線維異形成症という筋肉組織中に骨ができる難病の研究に取り組んでい���す。この本は、患者である山本育海君と、そのお母さんの手記です。患者さんとご家族が抱える苦悩、葛藤、決意などの思いが込められています。毎日を頑張って生きようという気持ちになります。
『細胞の分子生物学』ブル-ス・アルバ-ツ他(著)ニュートンプレス ミクロ系生物学が網羅されている、大学レベルの教科書です。大学合格が決まった後、すぐに購入しました。当時、第2版で、現在は第6版になっています。時に読本として、教科書として、辞書として、そして枕として大活躍しました。
『最強マフィアの仕事術』 マイケル・フランゼーゼ他(著)ディスカヴァー・トゥエンティワン 実際に裏社会で成功を収めた著者が、仕事のやり方を経験に基づいて書いた本だそうです。『マフィア』の法則ですが、現実社会に通じる内容が数多く含まれています。思わずニヤッとしてしまうような箇所もあり、心が疲れた時に半分娯楽として読むとちょうど良いかと思います。
『ブラック・ジャック』手塚治虫(著)講談社 医学に関心がある漫画好きの方なら、一度は読んだことがあるのではないでしょうか。法外な治療費を請求するなど理不尽に思える内容もありますが、治療不可能と思える患者を一人の天才外科医が治していく姿に憧れました。
『ドラえもん』藤子・F・不二雄(著)小学館 あんなことやこんなことを、夢の道具で実現してくれるドラえもん。何より、その発想の自由さに、子供心をくすぐられました。ただ同時に、サボった分は後から自分でやらないといけないという人生訓も教わりました。
———- 京都大学 iPS細胞研究所 未来生命科学開拓部門 講師 中川誠人
『ぼくらの七日間戦争』宗田理(著)角川文庫 中学生が大人の言いなりにならないために一致団結して向かい合う青春ストーリー。テンポがよく、ワクワクしながら一気に読んだ覚えがあります。秘密基地などは誰もが幼い頃にあこがれたのではないかと思います。本の終わりも痛快・壮快で良く覚えています。映画にもなりましたね。純粋に楽しめる本だと思います。
『三国志』横山光輝(著)潮出版社 最初に横山光輝さんの漫画から三国志の世界に入りました。様々な登場人物がそれぞれの信念を持って中国統一に向けて戦います。武力だけでなく知力、政治力、一番は人力(魅力)に優れている事が重要だと感じました。そういう人の周りには優れた人が集まり大きな力となるのだと思います。小説は数種類読みましたが、書き手によって内容や登場人物の性格が違っているのが面白かったです。個人的には劉備・関羽・張飛の義兄弟の絆にあこがれます。
『ザ・ゴール』エリヤフ・M・ゴ-ルドラット(著)ダイヤモンド社 ストーリー仕立てで、製造現場の生産管理の手法「制約条件の理論(Theory of Constraints)」を易しく学ぶことができる本。研究には関係無さそうであるが、ラボマネージメントの観点から非常に参考になりました。考え方によって様々な状況に対応できる理論になり得るのではないかと感じました。
『英語は3語で伝わります』中山裕木子(著)ダイヤモンド社 初心者でも、なんとなく英語を勉強してきた人でも参考になるのではないかと思う。いかにシンプルに英語で表現できるかを学べる。英語を難しく考えがちな思考を変えてくれる良本と思います。
『マイケル・ジョーダン物語』ボブ・グリーン(著)集英社 引退した今もなおバスケットボール界の神様と言われているマイケルジョーダン(MJ)の伝記。コート上での神様MJの圧倒的な支配力、そして人間MJの比較をうまくまとめた本。超一流の人には何か共通するものがあるのだろうと感じた。
『細胞の分子生物学』ブル-ス・アルバ-ツ他(著)ニュートンプレス 通称「セル」と呼ばれる、生物学の基礎教本。最初はその重さにやられてしまいますが、制覇した時の達成感は忘れられません。生物学の研究を志すなら、要点をまとめたエッセンシャル本もありますが、是非「セル」を読んでください!筋トレにもなります(笑)
———- 京都大学 iPS細胞研究所 国際広報室 和田濵裕之
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ(著)ハヤカワepi文庫 幹細胞を使った再生医療に関係する仕事をしている者として、とても刺激になりました。ノーベル文学賞受賞で話題にもなりました。どういう未来が私達にとって良いのか、考える際の参考になると思います。
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹(著)新潮文庫 村上春樹さんの作品はどれも好きですが、特に印象に残っているのがこの作品。読むのにとても頭を使いました。こんなに頭を使ってしんどい思いをしながら読んだ作品も珍しいですが、しんどくても次を読みたいと思わせる魅力があります。科学的コミュニケーションにもそうした魅力をうまく持たせたいです。
『パラサイト・イヴ』瀬名秀明(著)新潮文庫 科学コミュニケーションを行う上で、科学に興味のない人にどうやって科学的な内容を伝えたらいいのかと悩む中で参考になった一冊。物語の中に科学を散りばめることで、より多くの人にアプローチできるのではないかと思うきっかけとなりました。
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス(著)ハヤカワ文庫NV 刻々と変わっていく文章の書き方が、日々変化している主人公の知能を反映していて、初めて読んだ高校生のときには衝撃を受けました。時が経過して、アルツハイマー病の患者さんの病気が進行していく姿にも共通するように感じ、改めて読み直したいと思った一冊です。
『ルリボシカミキリの青』福岡伸一(著)文春文庫 大学3回生の時に学生実験で数週間だけ指導をしていただいた福岡伸一先生。雑談の中にあふれる知識に魅了され、4回生の研究室配属では福岡先生の研究室に入りたいと思いました。残念ながら他大学へ移られてしまい、念願は叶いませんでしたが、あの時に感じた魅力、科学コミュニケーションにとって大事なことがこの本には現れているように思います。
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス(著)ハヤカワ文庫NV 刻々と変わっていく文章の書き方が、日々変化している主人公の知能を反映していて、初めて読んだ高校生のときには衝撃を受けました。時が経過して、アルツハイマー病の患者さんの病気が進行していく姿にも共通するように感じ、改めて読み直したいと思った一冊です。
『銀河英雄伝説シリーズ』田中芳樹/藤崎竜(著)集英社 舞台は宇宙ですが、歴史ものの小説のような作品。世界には様々な価値観があり、いずれも正しく尊重されるべきであることを強く意識するきっかけとなりました。
———- 京都大学 iPS細胞研究所 国際広報室 志田あやか
『松風の門』山本周五郎(著)新潮文庫 中3の国語のテストで収録作『鼓くらべ』に出会い、すぐに図書館へ走ったのを覚えています。自分の信念ではなく、人にどう見られるかを基準に行動してしまいそうになったときに読む本。
『壬生義士伝』浅田次郎(著)文春文庫 吉村貫一郎という新選組隊士が主人公。「お国のため」が第一だった武家社会を背景に、自分の軸を持って生きるというのはどういうことかを教えてくれる本。
『どうなってるのこうなってるの』鈴木まもる(著)金の星社 父に毎晩読み聞かせをしてもらって育ちましたが、リピート率No.1はこの本でした。「どうなってるの」で十分タメてから「こうなってるの!」と進むのがコツです。
『脳死・臓器移植の本当の話』小松美彦(著)PHP研究所 著者の小松氏は、大学に入って最初の講義の講師でした。「私を含め、他人が言うことを検証し建設的に批判できるようになれ」と言われたのが記憶に残っています。この本は、小松氏自身がそれを実践した著作。脳死のとらえ方に新しい一石を投じてくれるはずです。
『完璧じゃない、あたしたち』王谷晶(著)ポプラ文庫 あたりまえのことなんですが、男との出会いだけが、女にとっての「特別」であるはずがないのです。恋愛、友情、尊敬、女同士のいろいろを描いた短編集。
———- 京都大学 情報環境機構/学術情報メディアセンター 助教 元木環
『観る―生命誌年刊号Vol.45~48』中村桂子(著)新曜社 中3の国語のテストで収録作『鼓くらべ』に出会い、すぐに図書館へ走ったのを覚えています。自分の信念ではなく、人にどう見られるかを基準に行動してしまいそうになったときに読む本。
『壬生義士伝』浅田次郎(著)文春文庫 JT生命誌研究館の季刊冊子が年に一度まとめて発刊されるうちの一冊。研究者である編者が様々な分野の専門家と繰り広げる対話の連載や各種記事が、生命科学関連の研究を非専門家向けに、丁寧なテキストとビジュアル表現で伝達されており、研究を伝える時の態度や工夫が感じられるのが楽しい。この号は、自分が大学で、研究を対象にデザインをし出した頃にとても参考になった。
『図解力アップドリル』『[動く]図解力アップドリル』原田泰(著)ボーンデジタル この2冊のシリーズは、「読めばすぐできるような」デザインマニュアルだと思い手に取ると、期待を裏切られる。タイトルやぱっと見からではわからないが、知識や情報、あるいは経験を「視覚的に表現し、伝達する」ことの本質を、頭と身体を使い、実践的に掴んでいくための道しるべとなる本になっている。デザイナーだけでなく、科学を対象とするデザインに関わる人にもとても参考になるし、続編の「動く」の方は、映像作成の考え方の基礎にもなる内容で秀逸。
『患者はだれでも物語る』リサ・サンダース(著)ゆみる出版 CiRA展とは別で展示の準備中に出会った先生からいただき、とても面白かった本。医師が患者の問診や診察でどのように診断をしていくかが物語として描かれている。デザイナーが、制作依頼を受けて、相談、制作していくデザインプロセスとも通じるところがあることが興味深い。
『デザインに哲学は必要か』古賀徹 (著)武蔵野美術出版局 デザインの実践者かつ教育者である著者らによる論考がまとめられており、デザインの裏側にある考えを想像する手がかりになる本。実践者が自ら「デザインとは何か」と問い、表現している言葉に共感を覚える箇所が多数ある。CiRA展に関わったデザイナーたちは確かに、(うまく言語化できていなかったとしても)フレキシブルでかつ一貫した考え方を持って、制作に携わっていたのだ、と想像してもらえるかも。
『優しさごっこ』今江祥智(著)理論社 私が紹介するまでもない有名な小説であるが、小学生の頃以来、時々読み返す本。いつも関西(京都?)の言葉で綴られる光景やモノローグや会話の表現、時々出てくる食べ物の描かれ方に引き込まれるが、タイミングによって、娘、親、別の登場人物など、別の視点で読んでいる自分と、行間や背景に想像できる範囲が変わっている自分に気がつかされる。装幀や挿絵(初版は長新太さんによるもの)を含めたブックデザインに興味を持つきっかけとなった一冊でもある。
『アイデア No.355』アイデア編集部(編)誠文堂新光社 もし古本でも���に入るなら、「《特集2》奥村昭夫と日常」のページをみてほしい。CiRAマークの相談を受けブラッシュアップした、グラフィックデザイナー(当時京大メディアセンターの客員教授であった)奥村昭夫氏のデザインに対する態度、大学の中の様々な仕事の中でCiRAマークの制作に関わることになった様子に触れることができる。
『美術館は眠らない』岩渕潤子(著)朝日新聞社 大学生の頃、授業中ある先生から「美術館に興味があるならこれを読んでみたら」と紹介され出会った本。筆者がアメリカの美術館での研修員時代の体験談を軸に、アメリカでの美術館を支える組織、社会のあり方が紹介されている。今とは時代背景は異なるが、美術館や博物館を運営する(もちろん展示を行うにも)仕事は多様な専門性があって成立していること、国によって異なる歴史や社会の仕組みが、美術館や博物館にもとても影響をすることを教えられた一冊。感染症の関係で、美術館や博物館にまつわる社会の仕組みも再編されるのではという目で読むこともできる。
京都大学���合博物館 准教授 塩瀬隆之 『ちいさなちいさな王様』アクセル・ハッケ他(著)講談社 わたしたちの国と人生が真逆で、たくさんの知識や先入観をそぎ落とし、どんどん好奇心あふれ、いたずら心であふれる最期を迎える国の王様の話。「可能性で埋め尽くされた想像の毎日を捨て、なぜ斯くもつまらない一つの正解だけを追う日々を生き急ぐのか」と王様にわたしたちの社会が笑われている。
『エンデの遺言』河邑厚徳(著)講談社+α文庫 ファンタジー童話『モモ』や『はてしない物語』で知られるミヒャエル・エンデの晩年の関心は、「お金を根源から問い直すこと」。お金がお金を生む投機的な世界に心を奪われた現代社会を風刺し、思想家シルビオ・ゲゼルの「老化するお金」を研究した。『モモ』の世界に登場する時間貯蓄銀行の灰色男は、あくせく働きすぎの現代社会を40年も昔から見透かしていた。
『木を見る西洋人 森を見る東洋人』リチャ-ド・E・ニスベット(著)ダイヤモンド社 問題を細分化する西洋流の要素還元的なモノの見方に対して、全体の調和を保とうとする東洋流のモノの見方こそが大切で、どちらかに優劣をつけようというのではない。大局観を失った近視眼的なモノの見方を揶揄する言葉であるが、それが心理的な差異にとどまらず、経済、法といった社会制度の好み、宗教観にまで影響を及ぼしていると指摘する。
『不実な美女か貞淑な醜女か』米原万里(著)新潮文庫 ロシア語通訳の米原万里が、要人通訳などにおいて意識した技術と視点を紹介する本。見栄えはよいが中身を伴わない文章と、見栄えが悪くも中身を正確にとらえた文章、使いこなす文章は常にその間を揺れ動いている。翻訳に限らず、あらゆる言葉の表現をするうえで、悩ましくも筋の通った考え方を示す。文章そのものも明解で極めて参考になる。
『バーバパパのがっこう』A・チゾン/T・テイラー(著)講談社 学校を舞台にしたバーバパパシリーズ。監視を強める学校に反発する個性豊かな子どもたちに手をやく大人。見かねたバーバファミリーが、ダンス好きな子、絵が好きな子、メカが好きな子それぞれの個性にあった学びをとどける。興味をもったところに、学校の数学の先生がかえってきて一緒に教え、結果として質の高い学びを得る物語。監視を強める学校教育への警鐘と言える。
———- 特別展「iPS細胞、軌跡と未来 こだわりの研究所を大解剖」デザイナー 東南西北デザイ��研究所 石川新一
『生き物の建築学』長谷川尭(著)平凡社 泥臭い、生きるためのデザインをしたいと思った時に読むといい本
『さあ、横になって食べよう』バーナード・ルドフスキー(著)鹿島出版会 既成概念にとらわれていないか?と自分に問う時に読むといい本
『鯨尺の法則』長町美和子(著)ラトルズ 日本文化で癒されたい時に読むといい本
『Usefulness in Small Things』Kim Colin and Sam Hecht(著)Rizzoli アノニマス(無名性)デザインで参考になるいい本
『メイカーとスタートアップのための量産入門』小美濃芳喜(著)オライリー・ジャパン 私などデザインをする人が将来の野望ために読むといい本
———- 特別展「iPS細胞、軌跡と未来 こだわりの研究所を大解剖」デザイナー 奥村昭夫
『伊丹十三選集』伊丹十三(著)岩波書店 若い頃、伊丹さんの本は読む楽しみとともに、元気づけてくれました。 今、伊丹十三選集を楽しく読んでいます。
『瑞穂の国うた』大岡信(著)新潮文庫 文中の、夏目漱石の”レトリック など弄している暇はないはずだ、ア イディアがすべてだと思うよ、ということです。”の言葉に、製作の確 信を得てたびたび思いおこしています。
『常用字解』白川静(著)平凡社 常に手の届くところにあって、漢字と言葉の散策をしています。
『黒田泰蔵 白磁』黒田泰蔵(著)求龍堂 圧倒的に美しい白磁、緊張とすみきった空気を感じ、頭と心を研ぎす ましてくれます。
『大衆の強奪』セルゲイ・チャコティン(著)創元社 “戦争に対する戦争”のスローガンに代表されるように、伝える事の 本質と、言葉とシンボルの力を教えてくれました。
【プロフィール】 京都大学iPS細胞研究所 iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんをはじめとした研究者の方々や、京都大学総合博物館で行われる特別展「iPS細胞、軌跡と未来―こだわりの研究所を大解剖―」の関係者の皆様が、ご自身の人生で現在に至るまでに「刺激を受けた本」の数々を紹介教えて下さいました。 それぞれコメントも頂いておりますので、これが皆様にも刺激となれば嬉しいです。 2006年に誕生し、2012年に「成熟した細胞を、多能性を持つ細胞に初期化出来る事を発見」した事により、山中伸弥/J・B・ガードン両氏が2012年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞した事で、一躍再生医療の救世主と目されることになった「iPS細胞」。 そんな新たな存在を医療の現場に応用させる為の研究を行う「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)」は2020年で設立から10周年を迎え、同研究所の軌跡と未来を記した『iPS細胞の歩みと挑戦』(東京書籍)も刊行されます。
会期 2020年5月11日(月)~2020年5月31日(日) 時間 営業時間通り 場所 蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア 主催 代官山 蔦屋書店 共催・協力 京都大学iPS細胞研究所 東京書籍
問い合わせ先 03-3770-2525
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sushiyokokimono · 5 years ago
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ロックダウン5週目。 17日木曜に「学校の再開は5/11予定」と発表され、一瞬光が見えた気がして、心が軽くなる。 が、その反動か、一転、翌日の金曜午後に恐ろしいほどの脱力感というか倦怠感に襲われる。 コロナ渦中より、コロナ収束後の変わってしまった世界を見るのが怖いのかもしれないと勝手に自分で分析。 それともただの強めの更年期症状なのかは定かでないのだが。。。(笑) とにかく、友達や家族とLineしたり、 森を散歩しまくったり、 週末のお好み焼き教室の準備に 没頭することでとりあえず回復。 50歳のおばちゃんにとっては、 コロナに罹ることも怖いけれど、 うつ状態になるほうがもっと怖い気がするだったりする。ウツの方が長引きそうだし。 で、迎えた週末。なんやかんやでZOOMを使ったお好み焼きオンラインクラスが無事終わりホットする。 同時に自分の語学力のなさにため息をつく日々。なんちゃって英語ドイツ語で済ませてきたツケが一気にやってきた感じ。(オンラインは音がクリアじゃないし、対面じゃないし、大人数なので語学力が前よりも求められるというちょっと思ったより難しい状況だったりする) と言いつつ、めちゃくちゃ楽しいので、引き続き続ける予定。 で残りの週末は、ZOOM飲み会、お茶会、飲み会とハ、シ、ゴ(笑) そんな求められるなんて20代の私に戻ったみたいですわ~。 で、どれもやっぱり楽しくて、やっぱりこの状況を乗り切るにはいろんな人と繋がっていく必要があると改めて感じたロックダウン5週目。 いろいろ不安もありますが、皆様も引き続き心身共に健やかにお過ごし下さいませ。 追伸 ウツも怖いが、実はZOOM飲み会からくるアルコール中毒も強かったりする(笑) Photos @ my online cooking class via ZOOM in Switzerland www.sushi-yoko.ch www.kimono-club.ch#ramen #cookingclass #japan #kochkurs #sushi #sushikurs #switzerland #tablesetting #Gyoza #Winterthur #zurich #スイス #チューリッヒ #テーブルコーディネート #sushiclass #ラーメン (Winterthur, Switzerland) https://www.instagram.com/p/B_N5ZFMAexC/?igshid=165wcoylh0d6v
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arara1212 · 5 years ago
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長野市「とんかつ専門店 からり」重厚長大 場所 長野県長野市大字長野大門町44-1 大門町フォレスト 1F 電話 026-266-0477  憧れ とは"理想とする物事に強く心が引かれること"を指す。ああなったらいいなぁ、こうであれば望ましい、と思い望む状態であるそうだ。"LIKE"と"LOVE"の違いとでもいえばよいか。  これは年齢や男性・女性の別なく常に持ち続けているものであると思うのだがどんなものであろうか。私の知る同世代のある者は、男性アイドルグループに憧れつづけ数十年。彼らを追いかける日々を送っている。またある者は、年若の女性モデルにほとんどフェティシズムといってよいほどの肩入れをしている。"憧れ"だから両者とも、"好きが高じた"だけの常識的な人物でストーカーでもなんでもない事を申し添えておく。  私の憧れといえば 重厚長大 ゴールデンゲートブリッジや黒部ダム、青函トンネルといった巨大な建造物。あるいは巨大な工場で、屈強な男たちが炎ほどばしり火花飛び散らせ汗水たらし、油まみれになりながら黙々と作業する。殖産興業、富国強兵、産めよ増やせよ、西洋に追いつき追い越せ、国造りの根幹を担う重要な。そんなゴ太い漢らしい世界に憧れる。  かっこいい、めちゃめちゃかっこよすぎる世界ではないか。一歩間違えば大事故・大惨事という状況下で、太く強い信頼関係によって結ばれた者どもが、家族のため、友のため、そして国のために物づくりをなしていく。これぞ"漢の仕事でぇっい!"という世界がよいではないか。私の棲息する建築業界も決して楽でも安全でもないが、重厚長大とはいえないからなぁ。   「とんかつ専門店 からり」 長野中央通りは善光寺の参道を基として出来ているが、本来は大門から上が参道であると聞いた事がある。調べたわけではないからよくはわからないが、善光寺の領域とすれば間違いはないような気がする。相変わらずいい加減で恐縮だ。こちらは大門より少しくだった、長野信金の反対側に位置する、昨年オープンした品のよい構えの店舗だ。  「もち豚ロースかつ御膳」 構えと同様で、品のよさが溢れ出てきているような膳である。つやつやのご飯に味噌汁の具材は切り干し大根。漬け物はニンジンと野沢菜で、小鉢は大根のなます。なますは大好きだ。お節には欠かせない料理でいつも私一人で食べ切ってしまうほどだ。そして主役であるロースかつ。細挽きのパン粉が使われているため、軽い感のある衣だが、ひと切れ箸で持ち上げると予想以上の厚さのためか、けっこうな重さだ。箸を通してズシっとした重量をかんずる。当然、脂身も大きく甘い。"塩だけで旨い"という惹句が掲げられていたが、激しく同意するものだ。甘味がいや増すというものだ。ソースも試みたが、また別な世界を垣間見せてくれるようで美味かった。 店構えと膳の構成から、品のよい清楚な風を感じたが、それはあくまで見た目の問題で、かなりなボリューム、大げさに表現すれば"重厚長大"をイメージさせられるとんかつだった。   なにゆえ重厚長大に憧れるかといえば、私は(体重以外は)秋の葉のように軽く、カゲロウの羽のようにはかなく薄く、気は宇宙空間に��る超ひものごとく短く、そして器は途方もなく小さな存在でしかないからに相違ない。あぁ情けない。   #長野  #長野市ランチ  #重厚長大  #とんかつ  #ロースかつ  #分厚い  #厚切り  #千切りキャベツ  #ご飯  #つやつや  #味噌汁  #切り干し大根  #大根  #なます  #大根なます  #漬け物  #ニンジン  #野沢菜  #おかわり自由  #とんかつ専門店からり  #定食  #定食屋  #インスタグルメアワード2020  #グルメな人と繋がりたい  #グルメ好きな人と繋がりたい  #食べるの好きな人と繋がりたい  #飯 #飯テロ #좋아요_한국 #좋아요_일본 http://araralunch.work (とんかつ専門店 からり) https://www.instagram.com/p/B84dEFAA7PP/?igshid=198rl6bsoauka
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nyantria · 7 years ago
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関連部隊 100部隊  関東軍軍馬防疫廠     (秘匿名満州第100部隊、後に徳25207部隊と改称) 動物を対象にしていたので直接関係はないかもしれませんが、 一応731部隊の関連として説明します。 動物、主として軍馬の病気を扱う部隊がありました。 通称100部隊と呼ばれるこの部隊は、 1933年(昭和8年)に新京(現・長春)の寛城子に臨時病馬廠として設立されました。 その時点では関東軍の獣医部長だった高橋中佐が責任者で、 高橋部隊と称していました。 1936年(1938年?)に天皇の軍令によって孟家屯に移転して正式に関東軍軍馬防疫廠となりました。 *在満兵備充実に対する意見 1936年4月23日、関東軍参謀長板垣征四郎から 陸軍次官梅津美次郎への要望書   陸満密大日記より 第24、関東軍軍獣防疫廠の新設増強 関東軍にて臨時編成しある病馬廠を改編して傷病馬の収療、防疫、細菌戦対策の 研究機関たらしむる如く関東軍軍獣防疫廠を新設す 駐屯地は寛城付近とす その時点での規模は敷地面積1000m×500mで、 隊員、研究者はすでに800人、中国人労働者は300人を越えていたと言われます。 日本国内における本部は陸軍獣医学校です。 ちょうど陸軍軍医学校の下部組織として731部隊が出来たと同じ様に、 獣医学校の下部組織として100部隊が出来た事になります。 初代廠長(部隊長)は高島一雄獣医大佐です。 敗戦間際に改正された部隊番号を見ると731部隊の第25201部隊から始って 100部隊が25207部隊と続き番号になっています。 部隊長 並河才三(猛家屯に移転するまで、そして高島の後再度部隊長になる)   高島一雄獣医大佐   若松有次郎獣医少将 隊員の数は906名で組織は 庶務部(総務部)             2つの課があり、総務・内勤・医療・衛生等と、栽培実験場を管理した 部長 村本金彌少佐 実戦研究部門で、いくつかの課があった。 細菌とウイルス実験を通して、鼻疽、炭疽、伝染性貧血 および植物ウイルスの効能を解明し伝染させる方法を確立した。 馬および動物の血液一般に関する病気の研究 第1部 細菌戦の分野における調査業務、細菌やウイルスの研究と製造を行う部隊の主要部門 将校20名、研究員30名、技術員50名が勤務 第1課  細菌戦、細菌再生産の方法    炭疽、鼻疽、牛疫、羊疫 西田研究員 山口実験手 平桜全作 他約20名 第2課  病理学 家畜の病毒(鼻疽、羊痘、牛疫、炭疽) 第3課  実験動物の管理、繁殖 第4課  有機化学(毒薬) 第5課  植物-作物の病気 第6課(後で出来た)  細菌戦準備の諸問題 三友一男 40名から50名の人員 第3部 血清ワクチンの製造 第4部 動物飼育 第5部 教育(別名531部隊)  獣医学,細菌学,植物学,化学 敷地  東西 1.5キロ 南北 2.5キロ 建物  敷地内に約100 捕虜収容所  約40人 死体焼却炉  3基 支部  大連、ハイラル(後に克山に移転)、チャムス、拉古、東安、鶏寧、東寧、四平 獣医部隊でしたから馬やその他の動物に関する病気を研究することが表向きでしたが、 実際は731部隊と同じように細菌戦の研究実践を行ない,人体実験もしていました。 敷地内には大きな墓地があり、焼却されなかった動物や人間の死体が埋められました。 *1949年農民が巨大な墓地を発見して  当局に「人間の死体が長さ50メ-トルの土地一筋に埋ま��ている」と報告し、  別な農民は「現場では人間の死体が層をなしており、  深さ6尺から1丈の深い所にもまだ人間の死体があった」と断言しています。 「100部隊の資金」資金は2つのル-トから入っていました。 1944年4月からの1年間で東京の陸軍省から60万円、関東軍から100万円が入っていました。 「証言」 * 関東軍獣医部長 高橋隆篤中将の証言  (ハバロフスクク裁判の尋問) ....私のなした仕事は、第100部隊の実践活動を指導して、 細菌兵器、とりわけ鼻疽、炭疽、牛疫、羊痘、モザイクのごとき 急性伝染病病原体の大量生産に関する指令を発したことであります。 私は第100部隊が細菌兵器の大量生産に関するこれらの任務をいかに遂行しておるかを監督し、 その目的をもって毎月約1回自ら第100部隊におもむき、 細菌用兵器の製造についての私の命令の遂行状態を査問しました.... * 安達誠太郎供述書(1954年8月16日) 私は1932年8月5日、中国東北奉天に来て、関東軍臨時病馬収容所所長に任じられた。 関東軍臨時病馬収容所は100部隊の前身だった。 1931年11月に出来た。初代所長は獣医中佐斧紀道だった。 2代目所長は私で、1933年7月までつとめた。 第3代所長は獣医中佐高橋隆篤で1933年8月から35年7月までだが、臨時病馬廠と改称した。 第4代所長は獣医大佐並河才三で1935年8月から37年7月までだった。 第5代所長は獣医大佐高島一雄で、一般に高島部隊と呼ばれており、 1937年8月から39年7月までである。 第6代所長は獣医大佐並河才三で、1939年8月から41年7月までだった。 彼がこの職についた当初は並河部隊と称していたが、途中で100部隊と改称した。 第7代所長は獣医少将若松有次郎で1945年8月までつとめた。 1941年に100部隊が秘密部隊となってから、私は細菌戦の研究と準備のためであることを知っていた。 しかし関東軍の命令とあれば提供しないわけにはいかなかった。 太平洋戦争において勝利するためには、悪いことでもしなければならないと考えていた。 * 福住光由 獣医 100部隊は基本的に細菌学者、化学者、獣医学者、農業技師で構成され、 主要任務は謀略および細菌戦に備えることだった。 家畜および人間の大量殺戮のための細菌並びに猛毒の大量用法に関する研究を行っていた。・・・・ これらの毒薬の効力を検定するため、家畜及び生きた人間に対する実験を行って来た。 * 畑木章 研究助手 家畜と人間を用いた実験によって細菌の活動を研究し、 その目的で部隊は馬、牛その他の動物を有し、また人間を監獄に収容していた * 韓蔚  日軍細菌殺人罪行的見聞録から (中に出てくる中村は石井四郎の妹の夫、中村吉二軍医中佐) 100部隊の実験室はすべて暗号で呼ばれていた。 1つの培養室に入るには5つのドアを通って行かねばならなかった。 ある実験室へ行くと、白い服を着た1人の日本人が引き止めて言った。 「今丁度試験中なので、本室の人員でなければ立ち入り禁止だ」。 それから中村はまた私を地下室の実験室の参観に連れて行った。 地下室には、温度計、湿度計、洗浄器具が設けられていた。 手を洗い、白衣に替え、マスクをつけて、ゴム靴を履き、消毒をしてからようやく中に入る事を許された。 実験室では、何列も並んだ様々な大きさの電解槽を見たが、 中は薬液に浸された寒天で、細菌を培養する養分となるものであった。 2列目の台の上には大小様々な培養皿が置かれ、両脇には大きなオ-ブンがあり、 さらに蛍光灯と高圧滅菌器等の設備があった。 さらに中に進むと、両側はみな暗室になっていた。 中村は私に、これは培養室だと説明した。 生物桿菌は普通の培養器で生長し、酸素を必要とし、運動しないとも言った。 もしこれを暗く湿気の高い場所に置けば、数ヶ月でも、長ければ数年でも生かしておくことができる。 もし完全に乾燥した場所におけば、2、3日以内で死んでしまう。 この種の菌は、米穀綿花の上に生存しており、80度にまで過熱すれば死亡するが、 耐寒力は極めて強く、冷凍してもほとんど無期限に生存している。 さらに50mあまり行って左に曲がり、地下の暗室に入った。 この時空気は急に重苦しくなり、吐き気を覚え、目を強く刺激する悪臭がして自由に呼吸ができなかった。 見ると廊下の両側におよそ10幾つかのドアがあり、すべて赤と黒の暗幕で覆われていた。 このとき真ん中のドアが開けられ、3人の白い服を着た日本人が、 中から手術車を押して出てきて、 上には白い布がかけられ高く積み上げられた少なくとも3体の死体があった。 さらに前へ進むと、両側の部屋には大小様々な大きさの乾燥器が並べてあり、 別の1部屋の中はすべて化学薬品であった。 ほかの数ケ所もすべて見張りがいたばかりでなく、すべて立入禁止の札が掛けられていた。 中村によると、中の人員はすべて指定された仕事の範囲があり、 勝手に歩き回ることは許されず、規律は特に厳格であった。 注:数年働いていた王慶有によれば、そばに立ってちょっと見るだけでも駄目で、   日本兵に見つかったら直ちに撃ち殺された 100部隊の細菌生産能力は、年間で炭疽菌200キログラム、 鼻疽菌100キログラム、赤痢菌2~30キログラムだと言われています。 「100部隊が実践した細菌戦」 *1942年、ハイラルの北約120キロのソ連国境で行なった「三河演習」 第1部長村本金彌少佐の指導の下に、ソ連に流れ込むデンブル河に鼻疽菌を散布し、 地面を炭疽菌で汚染した。 *1000頭に近い馬を、炭疽菌で感染させ、モンゴル人を使ってソ連国境まで運搬,ソ連の領域に放した。 *1945年、ソ連国境の南ハン・ゴ-ルで、細菌を雪の上、草の上に放置して、 動物がペストや羊痘にいかに感染するかの実験をした。 * 人体実験は731部隊と協力し安達野外実験場を使用した 牛疫に感染した牛の肉を粉末にして飛行機から散布する 人体実験の被害者は部隊衛生所の隔離室に収容し、 各種細菌や毒物の実験をし、験後は殺害し部隊裏の家畜墓地に埋められました。 敗戦時、すべての捕虜を殺害し、証拠を消すために施設を爆薬で破壊して部隊は新京を出発、 安東経由で8月21日、京城(現・ソウル)で解散しました。 戦後GHQは731部隊でさえ調査しなかったのですから当然100部隊もよく調査されていません。 敗戦後の8月20日に馬やネズミに細菌を感染させて逃がしています。 そのため戦後長春一帯はペストを始めとして色々な病気が流行したそうです。
100部隊(関東軍軍馬防疫廠) | おしえて!ゲンさん! ~分かると楽しい、分かると恐い~ http://www.oshietegensan.com/war-history/war-history_h/5902/
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55designs · 6 years ago
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5探し散歩。 「ないな〜、ないな〜」 思わぬとこに5があった。 #5集め #5探し #5 #55 #五 #五十五 #5 #ご #ゴ #ゴー #ゴーゴー #go #gogo #five #fiftyfive #love5 #collection #コレクション #gollection #ゴレクション #引き寄せの法則 #変化 #エンジェルナンバー #メッセンジャー #散歩 #newera #kyoto #japan (上七軒歌舞会) https://www.instagram.com/55dsns/p/BsM53nKAeNZ/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1wlmuttno0n7r
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thedevilsteardrop · 8 years ago
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familie komplex 前
 毎朝繰り返し君が死んで、目がさめる。
  夢見としては最悪の部類だと思う。
 何度も夢で君が死ぬところを見て。
 目がさめれば、君のいなくなった現実が残されてる。
 寝ても覚めても逃れられない喪失に、それこそ最初の数回は目覚める度絶望した。その時期の自分の行動は思い出せない。でもどうにか今まで生きてるんだから、一応日常生活を送ってたはずだ。
 その夢が幾度も繰り返されるものだと気付いてからは見るのが辛くて眠りたくなくて、けれど何日も眠らずにいることができるわけもなくて、ほんの浅い眠り数分の間に君の死ぬところを繰り返し見る。
 また今日も彼女は死んでしまった。
「……」
 呆然と瞬き、天井を見上げていた視線をぐるりと回して起き上がる。がらんとした部屋に一人。淡いベージュのカーテンは閉めっ放し。朝だというのに照明を点けて、寝そべっていたソファからベッドに移動した。先日、病院から自宅に帰って来たのだ。
 以前は彼女と二人で暮らしていた部屋。一人では少し広い……そうは言っても俺達はしょっちゅう身を寄せあっていたから、この部屋は元から広々としてたはずなのに……今あるそれは開放感とかじゃなく、どこに居ればいいんだろう、という戸惑いと身の置き場の無さ。
 彼女は生活の一部だった。俺にとっての家族。精神論でもきっとそうだし、社会的にもそうだ。俺達は一応、姉弟ということになっていて、同じ大学に通い、同じマンションで下宿していたから。
 家族だった。
 学友で、親友でもあった。
 平和な国で、傍に居るのが日常で。肌を触れ合わせるのが基準のゼロ距離から都合によって間を取るような、近しい距離感の間柄。その相手が、今、ここに居ない。
 シーツに横たわって息を吐く。重い息。心臓が引き絞られる感覚。痛い。ぎゅう、と。
 はあ、息を吐く。
 苦しい。着替えなきゃ。苦しい。身体が重い。指先すら動かすのが億劫だ、重い、沈んでるな。いや、投げ出してる、身体を。ベッドに。
 そろそろ大学にも顔を出さなきゃ、講義の出席が足りなくなりそうなのに。
 彼女が居なくなってから、この部屋で生前二人過ごした時間を思い返してばかりいた。何度も、何度も繰り返し、夢に対抗するように。遺品整理はしていない。部屋中どこを見ても彼女を思い出す。まるでこの部屋だけ時間が止まっているみたい。
  俺と彼女が出逢ったのは高校生になってからだった。だから、遡る記憶の量は、生まれて以来ずっと同じ家に住んでるようなきょうだいよりも、うんと少ないんだろう。俺にとって彼女は自分より先に生まれて家族を形成していた部品ではなくて、最初から一人の人間だった。
 綾瀬郁深という、個人として、俺はすぐに彼女を好きになった。
  くっついていても苦にならなかった。
 一緒に眠ったベッド。ダブルサイズ。二人とも小柄な方じゃないから常に身体が触れる。寒い時は俺が郁深の抱きまくらにされることもあった。絡められた脚の片方が俺の身体の下敷きになるのを、自分が勝手にやってるくせに朝になったら「しびれた」と文句を言ってくる。
 もこもこと気持ちのいい毛布に二人してくるまって、しょっちゅう二度寝しては昼を迎えて「そろそろ学校行く……?」なんて不真面目な問いかけをし合う。午前講義の日は、帰ってきてすぐ横になろうとすると「シャワーを浴びろ」と怒られた。郁深はシーツを一週間に一度だけ洗う。他の日はなるべく汚さないように。だからホコリっぽいままベッドに上がるのは禁止。互いの身体に触れ合うときも、必ずシャワーは浴びてからベッドに入った。
 ここで眠るせいで郁深の夢を見るのかも、と思ってソファに移動して眠ってもだめだった、同じことだった。眠れば同じ夢をみる。夢を見る度に違う時期違うシチュエーションで、郁深は死んで……俺は泣きながら目を覚ます。
 ソファにも、床にもデスクにもキッチンにも風呂にも 郁深の記憶がある。
 どこに居たって彼女のことを想ってた。だからきっとどこで眠っても俺は夢を見る。
 ふらつく足で立ち上がってベッドからまたソファへ。座り込んで、服を脱いだ。
 着替えよう。
 外に出られる格好ではあるけど、一応、数日間も着たままでいた服装で大学には行き辛い。
   大学の友人達は、郁深が死んでから俺を避けるようになった。……避けるというと語弊があるかな、腫れ物を扱うかのようになった。落ち込んでる俺に対しどう接すればいいかわからないのかな。
 焦って話しかけてきた友人の一人が、失言したせいもあるんだと思う。
「まあ気を落すなって!そのうち立ち直れるからさ」「俺も肉親が死んだ時は大変だったけど、時間に身を任せるしかないと思うぞ」……
 その時俺はどんな表情をしていたのか、俺の顔色をうかがった友人達は全員��どおどと視線をそらし、口を噤んだ。
 自分でも青ざめて返す言葉を無くしたのがわかったし、足元が崩される感覚にふらついて彼等から後ずさってしまった。
 以来、まともに話し掛けられていない。こっちから話す気力も無かった。
 姿を見かけても気まずく挨拶を交わすだけだ。
 「落ち込んでる時ほど支えあうのが友達ってモンだろうによ」
「……そんなに深い仲になることばかりじゃないよ。日々楽しく過ごすためだけの相手だって居ていいと思う、 ……?!」
 自然と答えて
 ばっ、と顔を上げる。
 大講義室の隅、机の上に突っ伏していた姿勢から声のした頭上へ視線を。
 郁深が笑ってる。
 いたずらっ子みたいに目をきゅうと細めて、口を開けて快活にわらう。節の目立つ手指がだらしない姿勢をした俺の頭を撫でた。スキンシップの好きな彼女らしい仕草。俺はよく、他の友人にも躊躇無く触れる彼女の両手に嫉妬するのに、その同じ手で宥められ機嫌が治ってしまうんだ。
「楽しいだけの相手だっていいさ。けど、そっから踏み込めるようになったなら心強いもんだよ」
「……そういうことなら俺には郁深が居るからいいよ」
 そういう相手は、おいそれと出逢えるようなモノでも無いし。でしょ?
 郁深はかけがえがないんだよ。
 頭を撫でていた手を片手で掴んで、口元に引き寄せる。振りほどかれることは無い。腕を伝って身体の揺れが伝わってきた。くすくす。
「それで?何をそんなに落ち込んでたって?」
 郁深の笑いは朗らかで楽しげで、けど、茶化す響きも軽んじられてる様子も無くて、心地良い。つられて穏やかな気持ちになる。
 人が笑顔になるのは好きだ。それが郁深なら尚更。
 ……なのにさっきまで俺は、楽しそうにしてる誰もかれも煩わしく、ぶち壊してしまいたいと思ってた気がする、俺さえ加わらなきゃ楽しい会話もできるだろうに、自分から話しかけたら彼等の日常まで壊すんじゃないか、とも、思ってたような。
 なぜ?
「………んん…ん、…?」
 なんでだったかな。
 まぁいいや。郁深の笑顔見たらモヤモヤも消し飛んじゃったみたいだ。
  「夏休みになったら、川遊びしに行こうぜ?お前の運転で!」
 帰り道、下宿までの道を二人で歩く。天気がよくて日の光は眩しいくらい。午後の講義が終わったばかりの暖かい外気。これからどんどん気温が上がっていくだろう。
「いいね。海か山行きたいって思ってた……けどいきなり山道運転させる気?」
 俺はようやく春休みに免許を取ったばかりで、まだ整備された一般道にすら慣れてない。高校卒業してからの一年は引っ越しとか忙しいことが多く、免許取ってる暇がなかったんだ。大学の近くで下宿してるせいで普段は運転する必要も無いし。
「ちょっと不安じゃない?」
「私が助手席に居るんだからへーきだよ。疲れたり無理そうなとこあったら代ってやるし。それに山道は歩行者が居ないから」
 その分安心だろ、と郁深は言う。
 最悪事故っても自分たちが死ぬだけだ、なんて、冗談めかして。
 ああでも、それだったら
 一緒の車で一緒に事故で死ぬなら、まぁ、いいかもしれない。
 一人だけ遺されたりしないなら。
 ……なぜかそんな風に思う。
「なら、それ用に服でも買いに行こうか」
「そうだな、今からでも……」
 直後のことだった、郁深の言葉が切れて俺は突然抱きかかえられた。
 声を上げる間もなく全身に衝撃が走る。歩道を普通に歩いてたはずが、弾き飛ばされて車道へ投げ出された。クラクションの音。急ブレーキ、耳を劈くそのあとで、ゴ リッと嫌な感触をアスファルトに伝えて俺の寸前で車は止まった。止まった、止まったんだ。一瞬写真にうつしたように静寂があって、この状況を理解しようとして、頭より先に目だけがぐるぐると回る。身体は重い、痛い……動かせない、
 郁深に抱えられているから……
 なに?
 何が起きた?
 一瞬のできごとだった
 まさに今まで歩道の上を歩いてたはずなのに
 彼女が歩いていた、歩道の建物側を見る。車から運転手が降りてきている。建物の裏手にある駐車場から出てきたところのようだった。ここは塀が死角を作って、 運転手からは歩行者が見え辛い。そうでなくても歩道を横切る前には一時停止だけど。だけど。だけど郁深は、ぶつかったんだろう、ぶつけられた、車に、それで身体を飛ばされて、俺がそっちに居たから、車道へ突き飛ばさずに、あえて抱きしめて、俺の頭を守った。
 腕と胸の感触がする。俺を抱えている郁深の身体は顔に押しあてられているのに、彼女の香りはしない。代りにひりひり、じくじくと粘膜を焼くような鉄臭さが鼻をつく。
 血の匂い。
 俺の腰をはさむように彼女の脚がある。胴体に巻き付けるように、ガッチリとガードされていた。片足は俺の下敷きだ。首を支え頭に回された腕の中で、それでも俺の身体は痛い。身体動かせない。痛い。俺でさえ痛い。郁深の、デニムに覆われてたはずの、細くてしなやかな、野性味のある脚。きっと ぼろぼろ だろう  な。
 起き上がれないまま、俺は呆然と、動かし辛い頭をずらして
 彼女の顔を見上げようとした。
 あるのは血だまりだけだった。
   自分の絶叫で目を覚まし、俺の脳みそは覚醒についていけなかったのか地面に投げ出された直後の悪夢を描き続けた。跳ね上がった全身は見たくないものから逃げようとするかのごとくにもがいて、両手で髪を掻きむしる。
 郁深、郁深の頭、が 
 ―――なに、俺は、何を
 俺は
 違う、見えてない、頭の中にノイズが、あって
 どうして   どうして 歩いてただけだ、それなのに…… うそ、だ、ろ
 ひ、ひ、と呼吸が上滑りして、動かせなかったはずの身体は「事故にあった直後なのに無理やり跳ね起こされた」せいで酷く震え、平衡感覚を失い倒れ込む。とても立ち上がれない、とても一人では……
 手をついて、はっと気がついた。
 ……―――自宅の、ソファの上だ。
「……」
 呆然と瞬き、目前まで迫っていた座面を押し返して座り直す。ひゅうひゅうとおかしく鳴る咽を押さえて、呼吸を落ち着けようとする。さっき見たはずの光景が過るけれど、違う、あれは、夢だ。落ち着け。視線をぐるりと回して確認する。ほら、やっぱりここは自宅で、リビングのソファの上だ。午前八時。あれは夢。うそだ、と思った、その通り。だって、
 郁深はあんな死に方、していない。
 ……うそだ、った。あれは、夢だ。
 夢……
「っ……どうして……」
 ぐう、呻き声が漏れる。涙が溢れ出す。痙攣していた身体の震えは嗚咽に変わって止まらなかった。どうして。
 どうしても、君が居ない。
 また今日も彼女は死んでしまった。
「……」
 目が痛い。頭がぼーっとする。
 どのくらいそうしていただろう。ソファーの上。時計が滲む。
 たぶん、そろそろ、学校に行かなきゃ。
 麻痺した頭がそんな風に、理性のケースへ形を嵌め込んで蓋をする。日常から死を追い出そうとする。
 シャワーでも浴びてこよう。
 夢だ、
 また夢だったんだ。
   脱衣所で服を脱ぎながら、シャワーを浴びながら、こんなところにまでしっかり刻まれている郁深の存在に、のどの底が熱く痛む。心臓が引き絞られる感覚がして、頭上から落ちる水に打たれながらタイルに踞った。
 この体勢も懐かしい。
 高校生あたりの俺は精神的に他人をシャットアウトしていたから、郁深のことも最初から信頼できたわけじゃ無い。同居を始めても数ヶ月は、挨拶以上は会話も難しい有様だった。シャワーの水が温まるのを待たずに踞りながら浴び、郁深に会わないようにそそくさと自室に隠っていたっけ。
 だけどある日偶然ばったり、風呂場の脱衣洗面所で鉢合わせして、俺の血色の悪い、寝不足で目元に隈が沁みついた顔と、とても健全とは言えない裸を見た郁深はどういうわけか恥じらうこともなく俺を押し倒し、「なんだよこれ!」と叫んだのだった。
 思わず口を開閉しながら呆然としてしまった。
「あ、あの……郁深さん、」我に帰り慌てて身体を隠そうとしても、跨がられていて微動だにできない。のんびりと入ってきた態度からおそろしいほどの瞬発力で郁深の動きが変わって、気付いたら押さえつけられていた。
 なにこのひと、すばやいしちからつよい。
「お、おれ全裸、あの、これはちょっと」
「痕!なんだよこれ!」
「はい?」
 その時俺は本気で意味がわかってなかった。あと?なに?と思っていると、彼女はじっと検分する目つきのまま俺と視線を合わせ、
「私が悪かった」
 いきなりそう言い放った。
「……え」
「母さんとお前のこと誤解してた。はやく縁を切ろう……いっそ海外にでも行こうか、姉弟二人なんだから身軽だぜ?どこへだって行ける。お前他言語話せないだろ?この際実地で覚えに行くか?なあ?」
 ……ちなみに郁深は英語がペラペラってやつだ。技術関係の専門的な用語まで知っている。やたら難しい資格を史上最年少で取得したとかで、文科省かどっかから表彰されてた。けど、通ってる学校自体は俺のよりも幾分「レベルが低い」なんて言われるとこで、郁深のことを頭いいとか賢いなんて話を聞いたこともなかった俺は、全裸をみられたくらいでそこまで悟られるとは思っておらず、突然こっちの事情を察されて酷く狼狽えた。全く取り繕えなくなり、身体も全裸ならば心も剥き出しで。
「私はお前にそんなことした奴を許せない。許せないからな」
 ギリ、唇を噛み締めて、いつも朗らかに細まっている双眸に晒される。ギラギラと見開かれる内側、激しい怒りがこっちまで伝わって、熱に満たされていくようだった。
 この時に思ったんだ。
 ああ、この視界に選ばれた物だけが、俺にあればいいや、って。
  結局俺は高校を中退し、住居も郁深が通っていた大学の近くに下宿を借りてそこへ二人で引っ越した。通学が楽になった~と喜ぶ郁深を見て嬉しくなって、ここが新しい故郷になるかなとそわそわ探索に繰り出し��。バイトと家事をしながら通信で高卒資格を取り、郁深と同じ大学を受験して……。
 一緒に大学に通えるようになって。
 本当に幸せだった。人生の中でいちばん、嬉しいことや楽しいことに満たされた時間だった。
  シャワーからあがって洗面台に映った自分と向き合う。朝の光が蒼白いのも相俟って、いつぞやのごとく血色の悪い、寝不足で目元に隈が沁みついた顔してる。
 あの時は裸で押し倒されて跨がられて、まったくとんだ衝撃もあったものだけど、今となってはそんなこと慣れきってお互い半裸程度は何度も目撃してるなんてな……そういえば、郁深は私服がダサくて、脱いだ時の方が断然いいよなんて、よく茶化してたっけ。自分の格好に無頓着な郁深はそんな皮肉も笑い飛ばしていた。気にならないんだろう。クローゼットには、着替えやすい丸首のシャツと作業用のツナギしか入ってない。まぁ俺も人のこと言えないけど。
 箪笥から引っぱり出した下着を身につけた途端、ガラッと戸が開く。
「あ、出てたのか。歯磨きしようと思って」
 あの日みたいに動じないですたすた入ってくる郁深に後ろから抱きついて、俺は考えてたことを提案してみることにした。
「今度何か対外用のお洒落な服でも買いに行こうか」
   二人ともが思い立ったら即行動、計画を練るよりもとっとと身体を動かし始める質なおかげで、俺が思いつきで口にしたショッピングの予定もすぐさま実行に移された。丁度今日は午前だけに講義が集中してる、午後から大学の最寄り駅周辺にあるショッピングモールにでも行こう、そう郁深が提案して、俺もノった。
 講義を終えたその足で郁深の居るゼミ室に寄って、二人連れ立って大学を抜け出す。その日受けた授業ででたハインリッヒの定理が頭に残ってた。ので雑談のネタにした。
 1:29:300の法則。1の重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する。
 小さなミスが重なって重なって大きな事故になる。
 例えば一時停止違反の車とスピード違反の車と、たまたま二人で会話しながら歩いていて一人の時よりも警戒の薄かった歩行者。きっと違反者はこれまでに300くらいの回数違反してたのかもしれない。歩行者はそれまでに楽しい会話を何度も交わして帰路についていた、その日も、いつも通り楽しく家まで帰れると信じて。
 ……なんのデジャビュだろう、縁起でもない。
「講義の本筋じゃなくて余談って感じだったんだけどさ。題材より印象に残っちゃって」
「確かに何の題材に出てきたかわかんねーけど頭に残るな。定理って言うだけあるけどそっちがオマケなのか。ほんとに学部選択によって全然内容違うんだなー」
���講義の内容から、他どの講義取ってるんだ、ゼミはどうするのか、という類の話、そして徐々に目的の買い物についてへ話題がうつる。
「お前は何か服買うの?」
「俺はいいかなあ、郁深のが選びたいよ。自分じゃ選ぶ気無いんでしょ?」
「まー自分で選んだらシャツとかジーパンとかシャツとかジーパンとかになるだろうなって思うわけだけど」
「まぁ俺も自分で自分の選んだらただのシャツになるかな」
「あとジーパンとかな」
 話しながら、ふと前を向く。
 自分達が歩いている歩道沿いの建物。裏手の駐車場に通じる、塀に覆われた乗用車の出入り口。塀が死角を作って、出てくる時に運転手から歩行者が見え辛い。歩行者からも、車は見え辛い。
「……郁深、」
「……?どうした」
 呼んで、腕を掴み、歩調をゆるめる。そこから車が出てくるか確認してから通ろう、そう思って、
「……!」
 出入り口直前まで進んでいた足が止まる。少しだけ息を噛む。突如目の前に飛び出してきた車は、歩道を横切って車道の直前で止まった。黒いワゴン車だ。車線を流れてくる白いトラックの方ばかりを見ていた運転手は俺達に気付かないままに、トラックが通り過ぎた後平然と進行方向へ顔を向きなおして車道へ出て行く。
「……危なかったな」
「……」
 さっき見た、デジャビュ。もしも、あのまま歩いていたら……
「……デジャビュのシーンを回避できたのって、俺初めてかも」
「え?……今の?」
「うん。マジで危なかったんじゃねーかな」
「すごいな、サンキュ。私もデジャヴはそのシーンになってから気付くな……」
 ほっとしたように笑う郁深と、妙に落ち着かない気持ちになる俺と。顔を見合わせて笑う。
   サイズとデザインが気に入ったのだけ選んで試着する。似たようなのと着比べる。互いに茶化しあって褒めあって貶しあう。やっぱり郁深は全裸がいいとかソレを言うならお前こそ全裸がいいとか、俺の裸が良いなんていうのは郁深くらいだとか、……傍から聞けばあらぬ誤解をされそうだ。いやあらぬこともないけど。実際見てるし。
 郁深は俺にニットとオーバーカーディガンとインナーを買った。俺は郁深にニットとスキニーパンツとガウチョを買った。
「俺のはいいって言ったのに結局買うんだもんな」
「これなら文句無い。似合ってたぜ」
「郁深も。スタイルがいいから」
「お前ほんとに私の身体好きだな……」
「変な言い回しやめろよ……!」
「照れるポイントがわからん」
  ショッピングモールを出て駅を背にしばし歩いたところで、郁深がふと足を止めた。
「……?」
「どした?」
「……いや……ちょっとね」
 気になって、と彼女は首を傾げる。吹下ろしの風に煽られた前髪がぶわりと浮き上がり、その両目がしっかり見開かれているのが露になった。暴き、検分する目つき。
 固定された視線を追ってみても、その先に何を見詰めてるのかわからない。俺と郁深の視力は殆ど同じはずなのに。俺にはピンとこなくて、郁深だから気付けた何かが、その視線の先にあるんだ。
「なに?気になるのって……」
「悪い、先帰っててくれるか?」
「え、ちょっと、郁深!」
 一緒に行こうか、瞬時、迷って手を伸ばす。風に煽られながら伸びた前髪越しの視界の中で、郁深は迷いなく駆け出していた。しなやかな脚。俊敏に地面を蹴って、一目散、視線を向けていた先へ……
 そして、声を張り上げる。
 気付いた何か、がある方向。
「危ないっ!」
 ぶわり、
 風が吹いた。
  「……っ」
 呆然と眺める、仮設テントの、スチールパイプ?あれが、郁深の方に突然吹き飛んできて、追い越すように俺の方へ飛んできたテント部分が視界を覆って、
 けど、その直前に確かに、郁深は……
 …
 …… 静かだ。
 目前に描かれていた情景は俺の頭が時間差で認識した虚構だったようで、現実の俺は壁にもたれて床に座り込んでいた。室内に風は無く、人の行き交う音もしない。まっすぐに水滴が髪から滴っていく。今目にしているのは鏡の中の自分だった。いつぞやのごとく血色の悪い、寝不足で目元に隈が沁みついた顔。
 ……ただし鏡に映った俺の顔は、郁深によく似た素朴な顔立ちだ。
 郁深が、居なくなった、後の 顔。
 夢だ。
 また、夢、だったんだ。
 そう思ってようやく、は、っと息を吸う。いや、吐いた?にわかに思い出された呼吸は混乱して、自分が吸ってるのか吐いてるのかわからない、
「は、はぁー……、は、あ」
 息を止めてからゆっくり吐け、まずは吐けこういうときは。耳の奥で響いた彼女の声に従う。吐かなきゃ吸えねーんだから吐け、そんで、ゆっっくり吸うんだぞ。
 呼吸を落ち着けながら、時計を確認する。時刻は夜の九時過ぎだ。今日は学校にも買い物にも行って、帰ってすぐにシャワーを浴びた。郁深とは一緒じゃなかった、だって彼女はもう、居ないのだから。
 帰った時はまだ午後七時半頃だったはずだから、いつもより長く眠って……いつもの夢をいつもより長く、見てたのか。
 てことはやっぱり夢の終わりで、郁深は、また……死んでしまったのか。
 強いビル風、仮設テント、スチールパイプ。覆われる視界。
 脱力し、凭れていた壁からずるずると背を横に倒す。なんだか頭が重い、身体も重い。鈍い痛みが動きを妨げてるみたい。……熱が出たのかも。寝てたというより、気絶かもしれない。郁深が居なくなってから、また冷水シャワーで済ませてるせいかな。
「……なんで……居ないんだよ」
 水滴が落ちる。静かだ。心臓の音が、耳障りなくらい。
   熱が出たからと言って、翌日の授業を休むわけにもいかなかった。しばらく引き蘢っていたせいで、これ以上休むと単位が取れない可能性が出てくる。
 一睡もできず熱は下がら���かったし身体もだるいけれど、なんとか身なりを整えて大学に向かった。パーカーとジーパン。不潔でさえなけりゃいいだろ何でも。
 講義室は前方に真面目な学生の集団、後方に不真面目な学生の集団がかたまって、俺はそのどっちにも紛れていく気力がわかず、ぽっかり空いた真ん中あたりの席に座る。寒いような熱いような体感に意識がぶれて仕方無い。せめて解熱剤飲んでくればよかった……なんで思い至らなかったかな、アホか俺は。
 溜息をついた俺の隣の席に、誰かがそっと座った気配がした。控えめな気配の割に、随分近くに座るのはなぜだと思って顔を上げたら、相手は「久しぶり」と俺の肩を叩いたところだった。……友人だった。
「……久しぶり」
「ここ、空いてるよね?」
「……。他にも空いてる席あるけど」
「そう言うなって」
 心配してたんだよ、あんた返信もしないし、下宿も知らないから……と言葉を重ねる友人��ら、そっと視線を外す。
 まだ一人で居たかったな。
 空いてる席は、最近までずっと俺の右側だけで
 今友人が座ったのは、左側の席だった。
 相手はきっと意識していない。左側は郁深が一緒の時の定位置で、右利きの俺と左利きの彼女の腕が、ノートをとる時ぶつからないために決まって座ってた位置なんだ。
 友人が心配して関わってきてくれたのは、有難いんだろうと思う。それでもつい、その裏の……このままじゃ自分達が気まずいからお前が様子見て来いよ、とか言われたんだろうな、って思惑を、感じてしまって、勝手に落胆して、煩わしくなってしまう。ただの下手な勘ぐりかもしれないけど、でも、そういう感じってあからさまにせずとも伝わるものだ。あまり意識を割きたくない。
 講義は新しい題材に入ってて、ハインリッヒの定理が出てきた。知ってる気がする、なんだっけ……
「なぁ、聞いてる?」
「……講義聞いてた。ごめん、後で話そう」
「……ああ」
 正直なとこ講義終わったらさっさと帰ってしまいたい。
 もう一度溜息を吐く。とうとう悪化してきた頭痛に耐えるためにこめかみを押さえる。
   ボールペンのうしろでぐり、ぐり、と頭痛の波にあわせて額を揉んでいたら、
「もう講義終わったぞ、大丈夫かよ」
 と聞き慣れた声がした。
 大講義室の隅、机の上に突っ伏していた姿勢から声のした頭上へ視線を上げる。郁深が笑っていた。
「あれ、あいつは?」
「あいつって?」
「……さっきそこに座ってた、」
「……どした?そこに座ってたの私だよ?」
「そうだっけ」
「そうだろ。大丈夫かよ?熱でもあんのか?」
「……」
 熱?熱なんかないよ。郁深と一緒に買い物に行く予定なのに……熱なんか出してられるか。
「ならいいけど。行こうぜ」
 ほっとした様子で俺の額に伸ばしかけた手を下し、郁深はきゅ、目を細めてわらう。子供の絵本に出てくる狐みたいな笑顔。
 なんだよ、本気で心配したのか?
 そういうとこ好きだよ。
  「せっかくだし買った服どっか着て行きたいよな~」
 大学の最寄り駅周辺にあるショッピングモールに向かう道すがら。
 雑談は講義の内容から、今どの講義取ってるんだ、ゼミはどうするのか、という類の話、そして徐々に目的の買い物についてへ話題がうつっていった。
「今度の連休、川遊びしに行こうぜ?お前の運転で!」
 そしてとうとう休日の予定にまで話が広がる。
「いいね。初夏の山行きたいって思ってた……けどいきなり山道運転させる気?」
 俺はようやく春休みに免許を取ったばかりで、まだ整備された一般道にすら慣れてない。高校卒業してからの一年は引っ越しとか忙しいことが多く、免許取ってる暇がなかったんだ。大学の近くで下宿してるせいで普段は運転する必要も無いし。
「ちょっと不安じゃない?」
「私が助手席に居るんだからへーきだよ。疲れたり無理そうなとこあったら代ってやるし。それに山道は歩行者が居ないから」
 その分安心だろ、と郁深は言う。
 最悪事故っても自分たちが死ぬだけだ、なんて、冗談めかして。
 はっとする。
 辺りを見回す
 自分達が歩いている歩道沿いの建物。裏手の駐車場に通じる、塀に覆われた乗用車の出入り口。塀が死角を作って、出てくる時に運転手から歩行者が見え辛い。歩行者からも、車は見え辛い。
「……郁深、」
「……?どうした」
 すぐさま郁深の腕をつかんで、一歩、後ずさりながら自分の方へ引き寄せた。
 出入り口直前まで進んでいた郁深が俺のところまで戻って、彼女の居た位置に車のフロント部が突き出してくる。黒いワゴン車だ。歩道を横切って車道の直前で止まった。車線を流れてくる白いトラックの方ばかりを見ていた運転手は俺達に気付かないままに、トラックが通り過ぎた後平然と進行方向へ顔を向きなおして車道へ出て行く。
 黒いワゴン車。白いトラック。
「……危なかったな」
「……」
 ああ、
 これは夢だ。
 きっとまた目が醒める時、郁深が死んでしまうあの夢。
   買い物の間、これが夢だと自分に言い聞かせていたせいで、俺は上の空だった。軽口も少なく、試着も最小限で似合う服を引き当てた俺に、郁深は「シャーマンかよ…���」と少し可笑しそうにしていた。
   ショッピングモールを出て駅を背にしばし歩いたところで、郁深がふと足を止める。
 やっぱり、きた。
「……何見てる?」
「……いや……ちょっとね」
 彼女は首を傾げる。吹下ろしの風に煽られた前髪がぶわりと浮き上がり、その両目がしっかり見開かれているのが露になった。
 彼女の見詰める視線の先。今ならばわかる、そこには仮設テントがあった。郁深はアレを見てるんだ。
「気になるのって、あのテント?」
 ついテントを睨みつけながら小声で訊くと、郁深は驚きました、と書いてある表情で俺の方を振り返る。
「よく気付いたな、お前はビルの立地とか風速とかそういうの興味無いと思ってたよ」
 立地……?
「立地危ないの?」
「うーんあれ危ないよな。ビル風あるから、あの位置だと風速オーバーだと思うんだけど」
 俺に負けず劣らず険しい目で睨む郁深に背筋がひやりとして、咄嗟にその肩をつかんだ。走り出されてしまったら俺には追い付けない。捕まえておかなきゃ。
「……なら、設営担当者に伝えた方がいいな。あそこに出てるの、丁度このモールの店がやってるキャンペーンだし、デパート側に報告したらいいんじゃない?」
「それもそうだな。あそこに居る人に伝えてもその場で畳むのは難しいだろう」
 納得した様子で踵を返しデパートの方に足を向けた、そこまでしっかり見届けて息をつく。
 ぶわり、
 風が吹いた。
 「あ、やべ。買わなきゃいけない本あるんだった」
「買わなきゃいけない?」
「講義で使うんだってよ。悪いけど先帰っててくれる?夕飯作っといて」
「了解。荷物持ってこうか?」
 デパートに逆戻りしたついでに買い忘れに気付いた郁深は書店に向かった。
 買った服を受け取って、サイフとケータイだけ入った手提げ所持の身軽な状態で送り出す。
 折角だから俺もどっか寄って行こうかな。
  一足先に家に着いて持ち帰った荷物を片付け、俺は夕飯に何を作ろうか考えていた。なんでだか少し気分がいい。郁深の好物でも作ろうかな。
 郁深と「家族」になってから、俺の家事への姿勢は著しく改善された。料理のレパートリーも増えた。
 意識が、嫌だ嫌だと思う意識が。無くなったから、だ。
 面倒だし、サボることもあるけれど、その手抜き加減でも許されてるところとか、それでも洗濯しとけば「ありがとう」料理すれば「おいしいな~」って返されることとか、多少散らかっても互いの存在を強く感じることだとかが、嫌だと思う気持ちを溶かして消していった。郁深の方がけっこうズボラで、そんなところも気楽になる。同居当初は俺の方こそ、「洗濯物脱ぎ散らかさないで」とか怒ってみせてたんだ。懐かしいな。
 彼女のズボラは全く改善されてなくて、俺がほぼ全部家事をやってるわけだけど。だって気付いたら自分が先にやっといた方が早いからね。
 くすくす笑いを零しながら、たまに洗い物してくれるだけで嬉しくなっちゃう俺はすげーチョロいかもしれない、と思った。
  ご飯を炊いて、みそ汁を作る。サラダを冷蔵庫に入れといてアジの開きをフライにして、まだ帰ってこないのかな、とケータイを確認した。
 その時着信に気付いた。
 不在着信。7件も。
 何?と訝しむと同時、見詰めていた画面が着信に切り替わる。咄嗟のことで驚いてケータイを落としそうになりながら、どうにか通話にして耳に当てた。
「い、郁深?どうし…」
『ご家族の方ですか?』
 電話の相手は郁深じゃ無かった。男性の声で、その人は警察関係者であることを指す肩書きと名前を名乗った。
『綾瀬郁深さんが事件に巻き込まれました。…中央総合病院にまで、来ていただけますか。詳しいことは、直接会ってお話します』
   とてもちゃちな事件だった。ありがちで、ニュースにもならないようなこと。確かに人の悪意が招いた事態なのに、ともすれば交通事故よりも些細な扱いで済まされてしまうような、本当にチープで、巻き込まれるのが馬鹿らしくなるような事件。
 郁深はひったくりにあった、らしい。
 バイクで通りすがりに引っ掴まれ、鞄が絡んで身体ごと引き摺られ、ついでのように殴られて吹き飛んで頭を打って即死。
 巻き込まれるのが馬鹿らしくなるような。運が悪いと言ってしまいそうなほどちゃちな。
 新聞にも載らない程度の、死んだところを想像すらされないであろう小さな事件。俺だってこれが見知らぬ他人なら、気に留めることさえなかっただろう。
 郁深でさえ、なければ。
 病院に着くと、顔の確認できない死体を「確認して下さい」と見せられて、何の反応もできなかった。
 体型も服装も見えてるけれど、どうしても郁深と重ねられない。ずれてずれて、輪郭がぐらついていくつも床が波を立てる。
 手が震えてがくがくと身体の内側が狂うのに、目の前に横たわっているモノに触れるのをやめられない。
 冷たい。冷たい
 冷たくて、俺の手でさすって、不意にめくれた服の下。
「……っ」
 皮肉にも俺に合わせていれてくれた刺青が、これが確かに郁深だと証明してしまう。
 肋に沿って彫られた、骨の刺青。
「……」
 これが、郁深?
 死んだ?
 こんな、突然
 俺の知らないとこで
 ……
 俺は
 彼女が死んだ時、暢気に夕飯なんか作ってた。
 何も知らないで。
「……っ、は、」
 今だって、家に帰れば作っておいた夕飯がある。一緒に食べようって、いつもみたいに、特別手の込んだ料理じゃないけど、郁深はいつもおいしいって食べて
 一緒に
 買った服もちゃんとクローゼットに入れておいたよ、
 休みに出掛けるんだろ
 思い立ったらすぐにでも行動しちゃって、先の予定なんかろくに考えないのに
 こんな、前々から言い出すなんてさ
 よほど楽しみだったんだね。
 刺青���なぞる
 何度も、何度も
 何度も何度も何度も
「郁深……家、一緒に、帰ろう」
 ねえ。
 一緒にいればよかった。
  脚が萎えたように力が入れられなくてそのまま床に座り込んだ。
 呆然と
 思考も動作も全部、自分の意識から外れて
 自分の意識が、外れて
 からっぽの状態で、足元から冷えていく。
 ぼうっとする。
 酸欠かな
 息、
  「……は、っ」
 息を呑んで 周りを見渡す。
 白い壁にグリーンのカーテン。木目の長椅子とチェスト……
 病室?
 背後にはベッドもあって、自分がそこから落ちて尻餅をついたのだとわかった。
 記憶を辿る。講義室、ダルくて授業に集中できず、机に突っ伏した記憶がある。ここんとこずっと寝不足気味で、睡眠時間は足りてなかったし。ダルかったのは、冷水シャワーで体調を崩したのか、熱っぽかったから。なんで冷水シャワーなんて浴びたんだっけ……寝不足になったのは、なぜだっけ。
 とにかく、講義室。郁深が声を掛けてくれた。案の定熱を出して気絶した俺を、彼女がここに連れてきてくれたんだろうか。
 学校の医務室なのか、近くの病院なのかはわからないけど、………
 いや、待て
 違うだろ。
 声を掛けてくれた郁深。一緒に歩いた帰り道。黒いワゴン車、白いトラック……デパート、仮設テント。
 俺が講義室で眠ったのであれば過ごしていないはずの郁深との時間が記憶にあって、けれどそれは……
「夢、だ」
 そして、さっき、彼女は死んだ。
 また、夢の中で。
 デパートで分れた一人の帰り道、夕飯ができた頃に気付いた電話、病院で待っていた動かない、冷たい身体。
「……病院、か。まるであの後ショックで倒れて、今目が覚めたみたいだな」
 ひったくりに遭ったと聞いた気がする。
 俺はその時暢気に夕飯作ってたんだ、って
 俺が一緒にいなかったせいで郁深は……って
 思ったんだ。
 窓の外を見る。どこだろう、医務室なら学校っぽい景色が見えそうなものだけど、窓からの景色ではここがどこなのかわからない。
 午前中の講義で倒れたはずなのに、外はもう陽が傾いて暗かった。
 眠る時間が少しずつ長くなっている。
 郁深が居ない現実も、目覚める度慣れていくようで、
 ……立ち直って来ているんだろうか、彼女をなくしたショックから。
 胃が痛くなるような仮説だ。脳裏に過っただけでキリキリと内蔵が不随意な痛みを発して、思考を遮断させようとしてるみたいだった。
 立ち直りたくなんかないよ。
 郁深が居ないのに何でもない平気な自分なんて、受け入れられない。
   夢の中では郁深に会える。
   郁深が夢で生きている時間は、死を回避するごとに長くなっていった。
 一緒に歩いた帰り道。黒いワゴン車、白いトラック……デパート、仮設テント
 買い忘れの参考書、バイクのひったくり犯、一緒に歩いた帰り道、
 家で作る夕飯
 一緒の食事
  その後も、何度も彼女が死んだ
 階段から落ちたり、飲酒運転の交通事故だったり、盗難の鉢合わせで殺されたり、電車の混雑で線路に突き落とされたり、
 その度に俺は目を覚まして絶望して、汗だくの身体で震えながらもう一度目を閉じた。
  最近は穏やかな日常が続いて、これが夢だということを忘れそうになる。
 けど、夢だって忘れて警戒を怠って、また彼女が死んでしまったらと思うと恐ろしくて忘れられなかった。
  「おはよう」
 おはよ、学校で友人に声を掛けられるのは久しぶりで、咄嗟に口から出た挨拶は対象に向かわずにぼとりと落っこちたみたいな声だった。
 掠れた視界の向こうがなんだか遠い。ぎこちない笑顔の友人は「最近休みがちだけど、」と気遣う素振りで俺の背を撫でた。
「単位、大丈夫なのか?どうしてもしんどいなら代返しとくから、言えよな」
「……ああ、うん」
 最近休みがちだったのは、ずっと眠っていたせいだ。郁深の死を回避し続ける限り、夢を見ていられる。
 今朝になって目が覚めたのは……つまりそういうこと。
「なぁちょっと、おい」
「……ん?」
「ちょっといいか」
 なに、と訊くまでもなく友人は俺の身体をぺたぺたと触って、苦笑していた表情を苦味に偏らせた。
「痩せ過ぎだ」
「……は?」
「だから、お前痩せ過ぎだよ。メシ食ってるの?」
 険しい顔して俺の腰を掴んでくる友人をぼうっと見詰めながら、俺は全然別のことを考えていた。
 真剣な、その表情
 面倒そうな落ち込み具合の俺に対してわざわざ話しかけてくれる態度……
 あれ?
 こんな風に、俺を気遣ってくれる友人なんて、居たっけ。
 まじまじと相手を観察し、頭の霧を追い払う。
 掠れた視界をクリアに。遠い感覚から、触れているその手に意識を。
「聞いてるか?ぼーっとしてるな。頭にも栄養行ってないん」「郁深!」
「お、おう」
 しかめた眉がすとんと力を抜いて、突然叫んだ俺に驚いた様子で目を丸くする。
 目の前に立っているのは 郁深だった。
「……っ!」
 衝動が勝手に身体を動かす。息をつめて生まれてくる熱を閉じこめる。ぎゅうぎゅうときつく背に両手を回し、腕の中に抱き込んでその首筋に顔を埋め擦り付けた。
「郁深、郁深……!」
「……どうした?家に一人がそんなに嫌だったのか?」
「うん、うん……俺が我慢すれば喧嘩なんかならなかったのに、ごめん」
「喧嘩って……まぁいいや。っておい泣くなよ。泣くほどのことか」
「ひっ、ぅ」
 泣くよ。
 頭おかしくなりそうなんだ。呼吸するだけで気管支が焼けるみたいにすごく痛いんだ。苦しかった。起きてるのつらいよ、お前が心配してくれて嬉しい、俺をおいてかないで。
 いつから夢を見てるんだろう。喧嘩別れしてしまったこと、昨日の出来事なのかな。
 なんでもいいか、郁深がここに居るなら。
   講義を終えたその足で、郁深の居るゼミ室に寄って、二人連れ立って大学を抜け出す。
 ショッピングモールまで一緒に歩く。黒いワゴン車、白いトラック……仮設テントが壊れて、一緒に戻って買い忘れの参考書を買う。
 バイクのひったくり犯を躱して、家まで連れ立って歩き着いたらファッションショーごっこ。服をクローゼットに仕舞いながら連休の行き先を相談。
 夕飯を一緒に作って
 一緒に食事をする。
 ルーチンワークの日常は穏やかで、いつもの繰り返しで、……何よりも幸せだった。
 気が急くようなことや、人ごみで揉まれるような場所は避けて、余裕を持って過ごすように心がける。それだけで小さな怪我さえ減っていって、喧嘩は今回、するきっかけさえ無いまま回避された。
   そうして、「川遊びしよう」と約束していた、連休を迎えた。
 二人似たようなニットのゆったりした服装でレンタカーに乗り込む。
 何度も繰り返した会話がようやく現実になることが嬉しくて、俺は浮かれた気分を引き締めるのに必死だった。ほわほわした散漫な注意力で、事故ったりしたら元も子もない。曲がりくねった山道を慎重に走らせ、広い平地を作ってある砂敷きの駐車場に車を停めた。
 すぐ脇に川が流れて、そこそこ上流まできたおかげで岩や草花が大きく育っている。初夏の緑が鮮やかに日の光と混じりあって眩しい。
「すごい、晴れて良かったな!」
 嬉しそうな声とせせらぎの音。水色の空を背景に笑う郁深の笑顔も眩しい。いいな、嬉しい。楽しいな。
「早速行くか」
「カメラ持ってって良い?」
「いいね。清涼飲料水のポスターごっこしようぜ」
「なんそれ」
 俺も声を上げて笑う。こんな風に笑うのいつ振りだろう、そう思った途端胸に何か、ツキンと小さい痛みが刺さって、細めた目を開ける。
 郁深はじんわりと暖かな視線で俺を見ていた。
 ああ
 好きだ。
 「コテージに泊まるんだっけ。どこ?」
「駐車場の向こうだよ」
 車に荷物を置いたまま、早速俺達は河原で裸足になって岩から岩を伝い、浅いところで遊びはじめた。
「結構長く運転してきたなぁ。もうすぐゴールデンタイムだ……カメラに収めなきゃ」
「なぁ~やっぱカメラそれ邪魔じゃね?こっち来いよ」
「郁深だって持ってきていいって言ったじゃん!」
 抗議する俺を遮って郁深がざぶざぶ水に入っていく音を立てる。引き締まった綺麗な脚で幾重にも重なった岩の上を流れる澄んだ水を掻いて、軽やかに対岸の方へ。
 川の上流から降注ぐ夕日の帯が彼女を照らす。金色の光。ふわりと風にひらめく薄手のサマーニットの表面を転がる水滴、空中を滑る宝石のような飛沫、
 カシャ
「ん!撮った?」
「撮った」
 煌めく夕日の中でぱしゃぱしゃ水と戯れる姿を、何枚も残していく。山に来た興奮と空気を満喫するバタバタとした動きから、次第に彼女の足運びがダンスのような軽やかさに変わって、足場の悪い岩の上でくるりとターンする。怪我を心配しながらも写真に撮るのをやめられなかった。
 ぐん、と手脚が伸びやかに動き、実際の振りよりもうんと大きな波紋を生み出す。目に飛び込んでくる、美しい山の景色と、異界と通ずるような黄昏時の輝き。わざわざカメラを構えてる俺を意識して、絵になる動作をしてくれてるんだ。
 彼女の目がふっ、とこっちを見て
 口元が柔らかな曲線を描いた。
 カシャ
「写真ほどほどにしてこっち来なって~」
「わかったわかった」
 夕日は大分落ちてしまって、辺りは薄暗くなっている。
 最後に撮った一枚を確認し息を吐いた。熱の隠った吐息に自分で赤面する。……や、でもこれは、仕方無いでしょ。
 画面の中で微笑む郁深はあまりに優しい表情をして、カメラに目線を向けていた。写真として一度客体におとせば、明らかにわかる。彼女がど��ほど温かな気持ちで、俺を呼んでくれてるのか。
「今行くよ」
 俺は鞄にカメラを仕舞うと岸辺のベンチに放置して、随分離れてしまった郁深の元に駆け寄った。
   すっかり日が落ちると岸辺でたき火をして、持ってきた花火を点けて打ち上げた。
 手で持つタイプの奴は持ってきてない。
「この打ち上げるコンビニ花火をさー、手で持って撃ち合って遊んだの懐かしいな」
「あれ熱いんだよ……危ないからもうやっちゃダメだよ郁深」
「はいはい」
 郁深と親しくなってからは、ふざけて危ない遊びをしてたことはままある。おかげで交友関係は悪友ばっかりだ。こんな風に穏やかに二人で過ごせるのは、ごく最近になってからだった。岩に並んで腰掛けて、ふふっと触れ合わせた肩を揺らす。
「大人になったんだなぁ、私達も」
「まるくなったってこと?確かに無茶できること減ったね。そういえば成人してから徹夜がキツくなったな」
「まだこれから先長いのに落ち着くには早いだろ!悪さはもうしないけど」
 大人、大人。
 リバーブしながら川辺で足だけ水に浸し、水面越しに彼女を眺めた。
 大人になったら、郁深に言いたかったことがある。
 好きだ、って
 弟としてじゃなくても、一緒に居たいって
 大人だからできることを、一緒にしよう、って
 言いたかった。さっきの写真を見ていたら、拒絶されることは無いだろうとも思えた。
 でもどんなに思っても、全部過去形にしかならない。後悔、未練、寂しさ……どうしてだろう。
「……?」
 どうして?
 何か大切なことを忘れてる気がする。
 どうして言えないなんて思うんだ。言えばいい、今だって……むしろ今のこのシチュエーションはすごくいいんじゃないか?
 綺麗な山の景色の中で、少し日常から抜け出した特別感があって。
 なのに、忘れてるはずの何かが気になって、俺は口を開けなかった。
 何も言わないまま、最後の花火が上がり、色とりどりの光が反射して、ぱん、と軽い破裂音。花火大会で披露される本格的なものじゃない、大したことはないけど、それでも周りが明るくなったように感じた。一瞬の花。咲いて、消える。
 そこから一気に静寂と夜の闇が戻ってくる。川辺は少し肌寒い。岩の間を流れる水は暗く深く、どこまでも沈んでいく底なしにさえ見えた。
「戻ろっか。向こう岸に」
 ひんやり冴えた空気を纏って郁深が立ち上がる。
 俺も黙って頷いて、後に続いて川に入った。
 その時、
 複数の足音がこっちに向かって来て
 背後から聞こえるそれに俺の方を振り返った郁深の表情が一変した。
「危ない!」
 目前に迫った郁深の手と一拍ずれて、頭部が揺さぶられる
 ガツン、と
  首が折れそうな衝撃を受けて水面に叩き付けられ、続けざまに身体を押さえつけられ
 右半身から荷物の触覚がなくなり、代りに服の上をまさぐられた。鳥肌が立つ。渦を巻いた頭にようやく届いたその正体は、人間の手だった。
 男が二人、俺の身体を押さえつけ、身につけている物を探っている。
 ざあっと血の気が引く音と、凍り付いたような心臓の痛みがして、感覚が一気に返ってきた。焦燥として視線を走らせる。郁深、郁深は……?!
 女だ、と 誰かが呟いたのが聞こえた。
 惑っていた視線がそちらに引きつけられる。吐きそうになりながらどうにか身を起こそうとして、二人掛かりで顔面から岩にぶち当てられた。ろくに平衡感覚が無い、ただ倒れていることさえできないくらい頭が痛い。
 だけど
「女だ」、と言った
 その言葉に含まれた裏は俺にだってわかる。もう、大人なんだ、これでも……俺にだって、郁深を
 そういう意味で意識したことは、あるんだ。
 俺を押さえつけてる以外に郁深に手を出す奴が居る、郁深に何かあったら。もしもここで何もできなかったら、俺は……
 もがきながらなんとかして視線を上げる
 滴る血液に邪魔された視界で、郁深に人影が多い被さるのが見えた。
 —————やめろ、
「なんで郁深なんだよ!」
 絶叫した俺に、嘲笑が浴びせられて
 掴まれた頭を水に突っ込まれる
 そのまま殴られ嘔吐感と、首の後ろを背からせりあがるような重苦しい圧迫感が襲ってくる。
「が、っは、……ぅぐ」
 自分の身体中から苦みが絞り出されて
 それが川の水と行き違う感覚
 苦しい
 苦しい
 だけど、郁深の傍に行かなきゃ。
   わかってる
 違反車のドライバーも設置違反したスタッフもひったくりも泥棒も愉快犯も
 駅のホームで肘をぶつけられたから押し返しただけだ、なんて逆ギレしていた会社員も
 郁深を郁深として認識してたわけじゃない
 全部偶然で
 ただの過失とか、ふざけ半分で
 たかがそんなことで、彼女は……
   何度も。
   大切なことを忘れている気がしてた。
 ここは、夢の中なんだ
   ボキッ、と 重いものが折れるような、いびつな音を立てて、俺の腕は押さえつけていた二人の下から抜け出す。同時にバシャリ、水面が大きく波立ったらしい音が聞こえ、生まれた光が乱反射し、近くから男の気配が無くなった。
 ろくに前が見えない。目が潰れたのかもしれない
 呼吸もできない、水を呑んだかな。でも集中してる時って呼吸は止まるものだ。構わない。
 郁深、
 手を伸ばす。
 なんだか水面に夕日が見える。その光に、水で濡れて着衣の乱れた姿が浮かび上がって、すごく綺麗だ。
 二人して佇むのは、丁度川幅の真ん中あたり。
 伸ばした手は届かずに、握っていたライターは川へ投げ出される。
 郁深を照らしていた火は俺に向かって掴みかかって、
 俺の腕は植物が絡むようにその人影を巻き込み 暗い水の底に堕ちた。
   「…………ひぅっ、は、っは、ひっ、ひゅっ……」
 どさ、と背中から落ちた衝撃があって、びくっと首をのけぞらせ上体が跳ねる。
 突然過剰な酸素を吸い込んでしまい痙攣する身体。投げ出された腕がベッドから垂れて、感覚が無い。
 夢だったはずなのに、俺の顔はものすごい痛みが渦巻いていて、ろくに焦点も定まらない。
 恐慌するままに身体を撥ね起こすと心臓が躍り上がるような衝撃があって、酷い目眩と耳鳴りがした。立ち上がろうとした途端一気に重力が膨れ上がって身体がぐらつき、もつれる脚で無理矢理傍らにあった洗面の鏡を覗き込む。
 傷がある、
 顔の上半分……ぐちゃぐちゃの傷が。
 夢だったはずなのに。とうとう郁深が死なないままに目を覚ました、はずなのに
「……まさか」
 郁深
 郁深?居るの?
 俺の、この傷はお前を守れた証じゃ無いの?
 郁深!
 ばっ と勢い任せに辺りをうかがう。そうでもしないとろくに身体が動かない。頭がガンガンする、目から入る光さえ刺激になって、けれど目を剥くのをやめられず、瞬きすらできないで周囲を見回した。病室のような空間、縋り付いているこれはベッドの脇に設置された洗面台だ。さらにその横に収納棚と来客用らしき長椅子。治療器具の類は置いてない、カーテンが閉められて、仕切られたその外側まではうかがえない、気配がわかる範囲には誰も居ない、郁深も、誰も。
 ―――――まだ、夢を見てる?
 ……いや
 何取り乱してんだよ
 動機息切れで、脳みそが正常な思考できない状態になっているのか。
「はっ……はっ……ふっ……」
 胸を押さえる。息を噛む。
 死なせずに目を覚ましたら、郁深がここに居るかもなんて
 ……そんなことあるわけ無いんだ、夢は夢だ。
 夢と繋がっているかのような体調不良での病室だけど、目を覚ました俺が病室に居るのだって不思議じゃ無い、経緯はわからないけれど、意識を失ってたんだろうから当然だ、心当たりなんていくらでもある、ろくに食事も摂らずに眠り続けてたら栄養失調になったっておかしくないんだ、貧血かもしれない、睡眠障害で倒れたのかもしれない
 今は繋がれてないけど、腕に点滴用のチューブが差し込まれてるし
 この傷は……大方階段から転げ落ちたりでもしたんだろう
 郁深は居ない
 死んでしまったんだ
 交通事故で……
 黒いワゴン車。
 白いトラック。
 出会い頭の衝突に、スピード違反の車の轢過……
「え……あ、れ?」
 頭の痛みが ぐわり、膨れ上がった。
 違う
 郁深の最期は、事故死じゃ無かった
   一緒に歩いた帰り道。黒いワゴン車、白いトラック……デパート、仮設テント
 買い忘れの参考書、バイクのひったくり犯、一緒に歩いた帰り道、
 家で作る夕飯
 一緒の食事
   階段から落ちて、飲酒運転の暴走車に撥ねられて、窃盗犯に殺され、線路に突き落とされ、
 その度に俺は目を覚まして絶望して、
 汗だくの身体で震えながらもう一度目を閉じた。
 ……あれは、夢だ
 彼女が繰り返し死ぬ、悪夢 
   じゃあ
 現実で、郁深は
 郁深が死んだのは
 彼女は
 郁深は……どうやって
 どうして死んでしまったんだ?
「……っ」
 何で
 思い出せない、……?そんな……
 思い出せない、郁深の最期、
「そ、んな」
  何度も
 何度も何度も繰り返してしまって
 何度も
 何度、も。
「……全部、夢だ」
 愕然とした。呟かれた声が口端からどろりと落ちて床に汚いシミを作る気がした。寝不足も不登校も睡眠障害も栄養失調も、全部夢が原因だ。
 夢、だったのに。
 ぼと、と
 身体が崩れ落ちる。座っているのさえ苦しい。支えていられない
 床に倒れ込んだ。白い天井がスクリーンのようで そこへ閉じられない目蓋の代りに、思考を映し出す。
 郁深 は
 郁深はもう居ない。
 この現実の、どこにも居ない。
 何度も繰り返し見る悪夢……にさえ慣れて。次こそ死なせないように���なんて
 次?
 次って何なんだ。
 いくら夢を繰り返したって、もう居ない。
 そんなことも
 そんなことさえ、今まで忘れて
 彼女の、最期さえ忘れて
 どうして、眠っていられたんだ
 どうして夢なんか見て、夢とはいえ、彼女の、死ぬところを見ていられたんだ……
 いくら会いたいと願ったとしても、夢だった。そしてその夢の最後にはいつも、彼女は死んでしまう。郁深が、死んでしまうんだ。ああ、なのに、どのくらいそれに縋って、どのくらいの間眠り続けたんだろう。いざ彼女が死ぬところを見ずに目を覚まして、今度はまた麻痺していた喪失に苛まれている。
   ああ、なのに
 いざ彼女が死ぬところを見ずに目を覚まして、
 郁深が居ない現実に耐えられない。
 郁深が居ないのに何でもない平気な自分なんて、受け入れられない。
   夢、だとしても
   郁深が居ない現実より
 郁深が生きている夢の方が、俺にとっては大切になってしまった。
   目蓋を閉じる。起き上がれない。床は冷たくて身体は憔悴していて、熱はどんどん失われていく。ここには居ない、温めてくれる眼差しを思い出す。夕日に照らされた郁深の笑顔が過る。真っ暗なはずのまぶたのうらに。これは夢だっけ?けれどすごくはっきりと思い描けるんだ。
 ぐちゃぐちゃにくずれて狭まった視界で彼女の顔がわからなくなって
 ただ激情を溢れさせるがごとく動いた唇が言葉を紡いだ、それだけが鼓膜を震わせて 刻み付けられる。
    「                   」
「  
        」
    「おはよう」
 意識が浮上すると同時に、頬を伝っていく熱を覚えて、滲む視界でそれが涙だとわかった。
 呆然と瞬き、天井を見上げていた視線をぐるりと回して起き上がる。すぐ横に人肌の体温。全開にされたカーテンから、朝日の差し込むベッドルーム。時計を見ると午前八時。なんて健康的なんだ。ぼやけた両目を軽く擦って「おはよう」と返すと、目の前にあった柔らかな笑顔がそっと近付いて、俺を抱きしめた。
 ああ、幸せだな。
 ずっとこの幸せが続けばいい……
 ほとほとと、シーツに沁みができていく。
 涙を零し続ける俺を見て、郁深は困ったように眉を下げた。
「どうしたんだよ……まだ具合悪いのか?」
 気遣う手つきで背を撫でられて、余計にぶわっと熱が込み上げ
 しゃくりあげながら答える声は上擦って掠れてしまう。
「ううん……平気。怖い夢をみたんだ」
 ……どんな?
 首を小さく傾けて、縋る俺を茶化すことも無く穏やかに訊ねられる。
 郁深が涙を指先で拭ってくれるのをそっと掴んで、手のひらに頬ですり寄る。鼻先が触れるまで近付いて、ほ、と息を吐いた。
「郁深が、……死んじゃう夢だった」
 つい昨日も病院で同じ夢を見て、動揺して床に倒れたんだよ。
 ぼそぼそと告白すると背に回された腕の力が増して、そのまま起こしていた上半身を重ねるようにベッドへ押し倒された。
 どくん、どくん、と
 重なった胸に、鼓動が伝わる。
「大丈夫だ」
 大丈夫。繰り返し囁いて、頬に当てた手で俺の顔をぐいと上げて視線を合わせられる。
 温かい、思わず動揺する、揺さぶられる……そんな熱をもった眼差しが俺を包む。
「私はここに居るよ。お前の傍に居る、香澄」
 大好きだよ。
 そう言って、吐息が混じるまで近付いた唇と、唇が触れ合った。
 目を閉じる。抱きしめあう腕に力を込める。
 きっともう、あの夢をみることは無い。
       掌編集『愛言掛』収録 <familie komplex>
電子書籍で後編を読む
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y24klogs · 5 years ago
Text
蛮族砦強襲作戦
ゲイル君、リュコッテちゃんといっしょ
旅人ゲイル : ……む。 アルシエル : む。 リュコッテ : む! 旅人ゲイル : ……依頼の同行者を探していたところだ。 アルシエル : 依頼の同行者を募っている男、などと名乗るの。新しい遊びか? 旅人ゲイル : 他に思いつかなかっただけだ。 アルシエル : まあまあ面白かったから良いんじゃないか。10点やろう。 旅人ゲイル : お前に採点する権利はないはずだ。……まぁいい、頼む アルシエル : 100点満点だから落第だ。 リュコッテ : なんだなんだ。知り合いなのか? 旅人ゲイル : (無視するように)で、そっちの猫にはまだ名乗っていないんだ。 旅人ゲイル : ゲイルだ、覚えなくていい。そっちはアル……覚えなくていい。 リュコッテ : ・・・猫じゃないが!! アルシエル : お前……名乗りもせずに誘ったのか…… リュコッテ : まあいいや・・・アタシはリュコッテ。よろしくな! アルシエル : なんと私もゲイルというのだ。覚えろ。 リュコッテ : ゲイルと・・・ゲイルか? 旅人ゲイル : ややこしくするんじゃ���い…。 リュコッテ : ・・・ゲイル1号と、二号? 旅人ゲイル : 人間でない耳がついていれば俺には同じに見えるだけだ。…ま、よろしく頼む。リュコッテ、だな… アルシエル : なんとそこのゲイルとは名前が同じよしみで20年の付き合いがあるのだ…… アルシエル : 嘘だが。 旅人ゲイル : ……(頭を抱える) リュコッテ : おお!仲良しなんだな! リュコッテ : ・・・ウソ!? 旅人ゲイル : 宿に行くぞ…………。 アルシエル : 名前から全部嘘だぞ。私はアルシエル。魔術師だ。 リュコッテ : なんだと・・・!? リュコッテ : むう・・・わからなくなってきた。 旅人ゲイル : 他人をおちょくって暇をつぶすことしか趣味がない男だ アルシエル : 面白い反応をする奴だけだよ。私が玩具にするのは リュコッテ : イタズラ好きってことだな! リュコッテ : まあ、よろしくなー。 アルシエル : して、なんの依頼なのだ。早く見せろ。 旅人ゲイル : いや…依頼書だけは見繕っていたのだが 旅人ゲイルがクエストの参加を募集しています。 クエストを開始します。 宿で過ごしていたあなたたちのテーブルに、 ひらっと、一枚の依頼書が舞い落ちてきた。 アルシエル : あ~乱暴に見るから散らばる…… アルマ:あっ、すみません。  それ、今から貼ろうとしていた依頼なんですけれど……。 リュコッテ : ・・・(ソファで寝ている 紙束を抱えて、クエストボードの前で忙しなく貼り付けているアルマを尻目に、 あなたたちは、その流れてきた依頼書に目を通す。
 【蛮族砦強襲作戦】
テキストを入力してください テキストを入力してください アルマ:――もしかして、今お手すきですか?  もし、あなたたちが行ってくれるなら、とても助かるのだけど! 他の依頼を貼り終えたアルマが、テーブルにやってくるなり、 少し困ったように言った。 アルマ:依頼元は 【ランバードの街】 の自警団ですね。  ここから南東に1日ほど行った先にある街です。 アルシエル : ええ~…… 旅人ゲイル : ん…? ほど近いじゃないか アルシエル : 暇を持て余すのに忙しいのだが リュコッテ : ・・・ん?決まったのかー? 旅人ゲイル : 都合がいいようで何よりだ。リュコッテ、依頼見つかったぞ リュコッテ : よし。行くぞー! アルマ:ランバードの街は、何十年も前に蛮族の侵攻を防いでいた  "ランバート砦"を持っていたのですが……  つい一週間ほど前、蛮族の大規模な襲撃があったとのことで。 アルマ:もう何十年も使われていなかった砦ですし、  詰めていた自警団員も、なんとか脱出して逃げ帰ることが  精一杯だったとか。 アルマ:今ランバード砦には、上位蛮族を指揮官として、  多数の蛮族兵が詰めているそうです……。  街の人たちは、今度はいつ街に攻めてくるのかって、  不安に苛まれているそうよ。 アルマ:そこで、自警団と、それを手伝う援軍で作戦隊を作って、  侵攻が始まる前に、先に砦を奪還してしまおうということになったの。  依頼は、その作戦隊への参加ですね。 アルシエル : 大変だな。 旅人ゲイル : 確かに大規模作戦のようだな そこまで言うと、アルマは少し、ばつが悪そうに声色を変えた。 アルマ:それで、うちに依頼が来たから、実力のある4人の冒険者に  すぐ向かって貰ったんだけど……、 アルマ:ランバードの街の村長さんがね、その……  『不安なので、もう一組、信用のおけるパーティーを送って欲しい』  って、追加依頼を出してきたのよ。 アルマ:ううん、戦力もそうだけど、ちょっと理由が……。  とにかく、そういうわけで、依頼人に安心して貰うためにも、  あなたたちが向かってくれると嬉しいわ。  どうかしら? アルシエル : ふぅん……先に誰か行ってるなら楽出来そうだし。 アルシエル : 良いよ。 リュコッテ : ・・・?どうした、早く受けよう。 旅人ゲイル : …そうだな。 旅人ゲイルが[受諾する]を選択しました アルマ:助かります!  それじゃあ、先方までの地図はこちらです。  馬をお貸ししますから、できるだけ急いで上げてくださいね! あなたたちはアルマに頷く。 久々に、苛烈な戦いになりそうだ。 コルト:ランバード砦は、40年ほど前の蛮族との抗争で建築された  砦ですね。 コルト:当時は堅牢な作りで、蛮族の侵攻を何度も食い止めた  歴史のある砦なんだとか……。  ランバードの街では今でも、あの砦のおかげで生き延びたという人が  たくさん住んでいるでしょうね。 アルシエル : まあ アルシエル : 今は蛮族の拠点なのだろう。めんどくさそうだな 旅人ゲイル : 蛮族に占領されるとは哀れだな。力になってやりたいものだ アルマ:ランバードの街には、もう4人の冒険者が着いているはずです。  そちらにもよろしく言っておいてくださいね。 アルシエル : じゃ、行くか。 旅人ゲイル : …そうだな リュコッテ : ああ! 馬に揺られること、約半日……。 あなたたちはランバードの街の村長宅を訪ねていた。 今回は彼が依頼人となる。 村長は笑顔であなたたちを迎えた。
……そしてあなたたちの座る椅子から少し離れたところに、 4人の冒険者が、少し憮然とした表情で座っている。 アルシエル : 疲れた。話は聞いておいてくれ。 旅人ゲイル : 相変わらずだな…。 村長:このたび占領された砦は、この街の平和を古くから  守ってきた、大切な砦です。 リュコッテ : いいけど、アタシは難しいことはわからないぞ! アルシエル : 急に心配になるような事を言うな……(渋々目を開けた) 旅人ゲイル : まぁ……話は俺が聴くが、リュコッテ、お前さんはそっちの4人と打ち解けておけ… 旅人ゲイル : 恐らくこう……警戒心を抱きそうになりそうなツラかもしれんが…。 リュコッテ : む、そうするか! 村長:それだけに、絶対に失敗できない作戦となります。  確実を期さねばならなかったので……その。 村長は、ばつが悪そうに、チラリと4人の冒険者たちを見た。 村長:――ですので、その……なんですかな。  やはり、第一印象も信用のうちといいますかな。  あなたたちが 「羊のしっぽ」 の冒険者だと証言してくださって  こちらとしても安心しましたよ。ははは……。 村長は、ハンカチで汗をぬぐいながら笑った。
……誰かがゴホンと咳払いをした。 村長:ま、まぁ、結果として、今回の作戦に戦力が増えたというわけで。  この場はまず、同じ作戦を共にする者の顔合わせということに……。 村長:顔合わせが済みましたら、街の自警団詰所を訪ねてください。  そこに自警団長がおります、彼が今回の作戦の指揮を執りますでな。  具体的な計画なども、そちらでお話することになるでしょう。 村長はそれだけ告げると、そそくさと奥の部屋に引っ込んでしまった。
……残されたのはあなたたちと4人の冒険者。 顔合わせを済ませたら、自警団詰所に向かうとしよう。 旅人ゲイル : …ま、ツラで損をするのは気の毒だが 旅人ゲイル : おかげで俺たちにも仕事が回ってきたので何も言うまい。 リュコッテ : やあ!今回はよろしくな! グレンデル:お……? 旅人ゲイルが[「久しぶり」]を選択しました グレンデル:ああ、お前か。  ったく、ここの自警団の連中と来たら……  俺たちを見るなり「山賊か!?」だとよ。  けっ! アルシエル : 山賊に見えるしな リュコッテ : グレンデル! 旅人ゲイル : 立派な警戒心だな グレンデル:ま、お前がそうじゃねえって言ってくれるならいいけどよ…  そういうわけだ、今回はよろしく頼むぜ! アルシエル : どうしよっかな…… リュコッテ : ちょっと怖い顔だもんな、ふふふ。 旅人ゲイル : (溜息)
旅人ゲイルが[何か情報を]を選択しました グレンデル:そういえば、聴いてるか?  今回相手する連中の蛮族なんだが……  親玉は、どうやら「竜」らしいぜ。  ドレイクって奴だな。 グレンデル:ドラゴンそのものじゃねえとはいえ、もしかすると、  強力なブレスか何か吐くかもな。  そういう時は、レッドドラゴンなんかの動き方を知ってると、  少しは有利に戦えるかも知れねえぜ。 旅人ゲイル : あまり直接相手取りたくはないな ドルデン:おっとぉ……? 旅人ゲイルが[「久しぶり」]を選択しました ドルデン:いやこいつはどうも。ご無沙汰しておりやして…。 ドルデン:ご存知でしょうか、  戦場ってのは大変儲かるモンでしてね。  生者の懐を漁ったら泥棒ですが、  死んじまったらもう誰の物でもねぇんだ。 ドルデン:ねぇ?  こっちの懐が温まるばかりか、辺りのゴミ掃除にもなる訳で。  年中そこらで殺し合いでもしてくれればみんな幸せなんだがなァ、  ケケ。
リュコッテ : ・・・知らない顔だな!よろしく! アルシエル : 確かに? 旅人ゲイル : それより近くに寄るな。カエルが落ちそうな臭いだ… 旅人ゲイルが[何か情報を]を選択しました ドルデン:いやね、偵察がてらちらっと覗いてきたんですが 人でなしの集まりの割にゃなかなか装備が行き届いてるようでして。 ドルデン:素っ裸の獣の相手とは訳が違うと思った方がよろしい。  中でも特に気を付けたいのは――― ドルデン:……続きをご所望で? 旅人ゲイル : フン 旅人ゲイルが[5Lを握らせる]を選択しました ドルデン:"盾"ですよ、盾。 ドルデン:倒しきるつもりで力一杯振りかぶったところが、 上手く受け流されて手痛い反撃を貰うことにもなりかねません。 戦う前に相手を良く「観察」するのは基本中の基本ですぜ。 ガイ:よォ? お前は……。 旅人ゲイルが[「初めまして」]を選択しました ガイ:援軍ってのはお前かァ? 見ない顔だが、冒険者か。  オレはガイ、トレジャーハンターだ。 ガイ:ま、何か強力な蛮族がいるらしいって聞いたからなァ……  もしかするとすげえお宝とかあるかもってな……。  レアものが見つかったら、そん時は早いもの勝ちだぜ。
リュコッテ : お!技男!! 旅人ゲイル : ん…? お前は知っていたか アルシエル : ほーう。見つけたらその時はやらんぞ。 リュコッテ : 雪山以来だな、元気にしてたかー? 旅人ゲイルが[何か情報を]を選択しました ガイ:聞いたけどよォ、二手に分かれての作戦らしいぜ。  あまりゾロゾロと群れて戦うのも好みじゃねェし  オレは賛成だぜ。 エーレンフリート:……。 旅人ゲイルが[「久しぶり」]を選択しました エーレンフリート:……援軍というのはお前か。  今回は闘技場ではない実戦だが…… エーレンフリート:……少しは安心できそうだ。  よろしく頼む……。 旅人ゲイル : 闘士のお前が依頼をしている姿は新鮮だな、エーレンフリート
アルシエル : 存外顔が広いなお前…… 旅人ゲイル : 「存外」は余計だ 旅人ゲイルが[何か情報を]を選択しました エーレンフリート:……逃げ帰った自警団員から、耳にしたが…… エーレンフリート:……蛮族軍の中に、悪魔の姿を見たという話が  あるようだ……。 リュコッテ : うーん・・・見たことあるような、ないような。 エーレンフリート:ただのデーモンとも違う、見たこともない敵だと  言っていた……。  ……異界の悪魔は、高い呪文抵抗力を持つ……  気をつけることだな……。 アルシエル : お前、愛想が悪いだろう。その割にはというわけ。 旅人ゲイル : ……放っておけ。 旅人ゲイル : 行くか。 そろそろ自警団詰所に移動しようか? アルシエル : ああ。 旅人ゲイルが[はい]を選択しました あなたたちは、4人の冒険者と共に、ぞろぞろと村長宅を出る。 自警団詰所で作戦を聞こう。 旅人ゲイル がログインしました。 ボードイベント同期中。 リュコッテ がログインしました。 ボードイベント同期中。 あなたたちが自警団詰所を訪れると、 すでに今回の作戦に参加する者たちが集っていた。 緊張感と熱気が場を包んでいる。 ……その中で、最もしっかりした装備に身を包んだ男が、 大きなテーブルの奥であなたたちを招いた。 自警団長:「羊のしっぽ」 の冒険者さんたちですね。  どうぞ、椅子にかけてください。  今回の作戦を説明したいと思います。 自警団長:改めて、今回の作戦にご協力してくださり、感謝します。  私は、このランバードの街の自警団長です。  今回の作戦は、私が指揮を執らせて頂きます。 自警団長:目標は、ランバード砦を不当に占領している蛮族軍を  追い出すことです。  ……しかし、正面からぶつかっても戦力差は厳しいものがあります。 自警団長:そこで今回は、こちらの戦力を二手に分けて当たりたい。  まずはこちらをご覧ください。 そう言うと、自警団長は一枚の見取り図を机に広げた。 自警団長:これは、ランバード砦の見取り図です。 自警団長:ここは、砦における指揮官室です。  我々は、ここに詰めているであろう、蛮族軍の指揮官を  討ち取ることを目標とします。 自警団長:具体的な作戦はこうです。  まず、本隊が正面の斥候を排除し、正面門に攻撃を仕掛けます。 自警団長:本隊��そのまま攻め上がり、  東西の小部屋を制圧しつつ前進。  最も多くの蛮族が詰めているであろう、詰所広間の敵を  引き付けます。 自警団長:この間に…… 自警団長:――この砦には、厨房の井戸の底が抜け道になっています。  襲撃の際も使わなかったので、恐らく敵に知られていない道です。 自警団長:別働隊はここから砦に侵入し…… 自警団長:指揮官室に居るであろう、蛮族の指揮官を討ちます。 自警団長:もしその場にいなくても、敵軍の裏手を取り、  本隊と協力して敵を挟撃します。
 ――これが今回の作戦です。 リュコッテ : ・・・・・・。 リュコッテ : つまり? 旅人ゲイル : ……。挟み撃ちにするということだ リュコッテ : なるほど! 自警団長:そこで、あなたたちには選んで貰わねばなりません。  すなわち、  1.我々自警団と共に敵軍を引き付ける本隊  2.裏手に回り、敵の指揮官を討ち取る別働隊 アルシエル : ほーう 自警団長:このどちらを担当して貰うかです。 グレンデル:俺たちはどっちでもイケるぜ。  そっちが、好きな方を選べばいい。 自警団長:と、すでに話はついていますので……。
 さて、どちらになさいますか? アルシエル : 楽な方が良いな。
リュコッテ : うーん・・・ 旅人ゲイル : まぁ、そこは同意しよう。こちらは人数で劣っているからな リュコッテ : よくわからないけど、任せるぞ アルシエル : 自警団と一緒の方が楽なんじゃないか。人数多いと思うし。 旅人ゲイル : ふむ……そうだな、それが良いかも知れん。 旅人ゲイル : ……(リュコッテを眺め)お前さん、正面から切った張ったができる冒険者か? リュコッテ : うーん・・・一対一、なら? リュコッテ : ごちゃごちゃしたのは嫌いだな・・・! 旅人ゲイル : わかった……。まぁ、お互いに陣列を組んで戦えるようにするとしよう 旅人ゲイルが[1.自警団本隊と共に、正面で敵を引き付ける]を選択しました 自警団長:戦闘が始まると、砦の正面門が最大の戦場になると  予想されます。  ここで、我々と一緒に敵軍を食い止めるのがこの役目です。 自警団長:大量の敵軍を受け止めることになるので、  十分な防御能力や、継戦能力が重視されます。  また、敵の後衛を攻撃する手段があれば心強そうです。  ……こちらの任務を担当しますか? アルシエル : 後衛は私が狙うよ。 旅人ゲイル : 頼りにしている、アル。 旅人ゲイルが[はい(決定)]を選択しました 自警団長:わかりました。  では本隊として、我々と共に敵軍を食い止めて頂きます! 自警団長:準備ができたら、また話しかけてください。  一緒に頑張りましょうね!
自警団員:昔、俺のじいさんがランバード砦で戦ったんです。 自警団員:この街にとってあの砦は、単なる防衛拠点以上の  意味があるんです。  蛮族なんかに好きにさせないぞ! 自警団長:準備はよろしいですか? グレンデル:正面をヤるのを選んだか。  ヘマすんなよ?  そっちがしくじったら、俺たちも危ねえからな。 グレンデル:ま、ヘマしねえためにできることと言やぁ……  気合いだな。  絶対にしぶとく踏みとどまってやるっていう気の持ちようが、  案外首の皮をつなげるもんだぜ。 [勝利の心得]を覚えました。 ドルデン:敵を食い止めるんなら、弓なり魔法なり使えた方が  よろしい。  相手の方から突っ込んで来てくれるんだ、近づいてくるまでボケーっと  待っててやる義理はありやせん。 [ストーン]を覚えました。 ドルデン:そんな器用な一芸が無いってんなら  そこらの小石でも投げてやるのも手ですぜ。  ……効かねえんじゃねえかって?  そりゃ使い方がヘタってことだなァ、ケケ。 [勝利の心得]を覚えました。 [ストーン]を覚えました。 ガイ:正面、しっかり抑えとけよ。  そっちが崩れたら、オレたちが困るからなァ。 ガイ:こいつを持ってきなァ。  コレクションする分は確保してあるから、遠慮すンなよ。 [マハラギストーン] を手に入れた。 エーレンフリート:多数を相手取る時、必要なのは手数だ……。 エーレンフリート:……これを一つやる。  うまく使って生き延びろ……。 [AP回復薬] を手に入れた。 [ストーン]を覚えました。 [勝利の心得]を覚えました。 アルシエル : ま、覚えておいてやる 旅人ゲイル : ふ……冒険者にはそれぞれの戦い方が不思議と芽生える、面白いものだな 自警団員:正直言って、俺たち自警団は大して錬度が  高くありません……。  まぁ、だからこそ冒険者さんを呼んだんですが。 自警団員:数の力でなんとかできるところは我々が請け負いますが、  やはり頼りになるのは冒険者さんたちです。  どうか、どうかよろしくお願いします……! 自警団長:準備はよろしいですか? 自警団長:わかりました。  行きましょう、我らの砦を取り戻すために……! リュコッテ : なんかいろいろ貰ったぞー! ……日暮れ時の道を、あなたたちは往く。 街からやや歩くと、石造りの小さな砦が見えてきた。 あれがランバード砦のようだ。 砦そのものは決して大きくはないが、とても堅牢な印象を受ける。 外壁に刻まれた刀傷の数々が、歴史を物語っていた。 ――その傷の上から、塗りたくられたような落書きが目に留まった。 おそらく下品な意味であろう、蛮族語らしき落書きと、 低俗なスラングを意味する記号。 自警団員:くっ……! 従軍している団員の一人が、声を震わせて呻く。 ……あなたたちは装備を確かめた。 自警団長:――いよいよですね。  これより作戦を開始します。 自警団長:まず、これを……。  貴重品ですので、各部隊ひとつずつのみですが。  受け取った方は、くれぐれも大事に使ってください。 [スプラッシュポーション] を手に入れた。 [スプラッシュSPポーション] を手に入れた。 そういうと、自警団長は、瓶詰の薬品を渡した。 どうやら、気化して範囲に効果を及ぼす回復薬のようだ。 クリップボードにコピーしました。 自警団長:別働隊は、ここから東にある抜け道の入り口へ。  そこから砦の内部に侵入できるはずです。 グレンデル:わかった。任せときな。 自警団長:私たち自警団と本隊は、南の正面門に着き次第、  すみやかに襲撃をかけます。  別働隊が抜け道から侵入に成功する頃には、  ちょうど敵を引き付けている頃でしょう。 自警団長の言葉に、あなたたちは軽くうなずいて応える。 自警団長:では……作戦、開始……! あなたたちは、茂みに身を隠しつつ、 ランバード砦南の正面門の様子を伺っている。 見る限りでは、一匹のゴブリンが見張りについているようだ。 リュコッテ : ・・・。 アルシエル : 他のは中だろうな 旅人ゲイル : ……(気配の変わった様子に、小さく口元でだけ感心しつつ) 旅人ゲイル : 適当に仕留めて奇襲をかけるべきだな アルシエル : 声を上げる前に仕留めるべきだな。 リュコッテ : 一撃、だな・・・! 自警団長:……ようやく着きました。  冒険者さん、我々はいよいよ敵の軍勢に突入します。  敵軍を引きつけ、その間に首尾よく、あちらのパーティが  敵の司令官を討ち取ってくれることを期待しましょう。 旅人ゲイル : うむ。 自警団長:まずは、あの見張りのゴブリンを始末しましょう。  あなたたちは、狙撃か奇襲か……どちらか得意ですか?  もしそうならお任せしたい。  駄目なら私がやります。 アルシエル : うむ。そうだな…… 自警団長:冒険者さんがやるなら、位置についてください。  私に任せていただけるなら、もう一度私に話しかけてください。 アルシエル : して、得意なのは居るか? リュコッテ : 狙撃、か・・・! 旅人ゲイル : ここは…(リュコッテに視線を促す) アルシエル : それじゃ任せるぞ。 リュコッテ : ナイフが届くといいけどな、任された! あなたたちは、自らの手で見張りのゴブリンの排除を買って出る。
見たところ、ゴブリンは動く様子もなく歩哨に立っている。 これを掻い潜るには……。 リュコッテが[遠距離から狙い撃つ(器用)]を選択しました 狙い撃つ…… 目標値:12 <= 3d+器用補正+ハイディング 達成値:20([5,3,1]+11) 判定に成功しました リュコッテ : へへ、どんなもんさ
ゴブリンソルジャーに32のダメージ  ([3]+29)    ゴブリンソルジャーは[重傷]になった    ゴブリンソルジャーは[気絶]になった    ゴブリンソルジャーは[昏睡]になった 冒険者の攻撃は、正確にゴブリンを穿つ! ゴブリンは何が起こったのか理解する前に倒れた……! リュコッテ : ・・・よし! 自警団長:さすが、お見事ですっ!  よし……突撃っ、うおおーっ! 自警団:うおおーーっ! アルシエル : なかなか良い腕じゃないか。 自警団が鬨の声をあげて突撃していく! 冒険者もまた、それに続いた! アクティブシーンになりました。 Round 1 リュコッテ : (蹴り上げたナイフが、ゴブリンを貫いた リュコッテ : ・・・さて。 旅人ゲイル : よし……続くぞ。 アルシエル : 左手をやる。他は任せるぞ。 リュコッテ : ああ!任せろ! アルシエル : 黒曜の矢! 魔法の矢が飛んでいく!  達成値:22 ([3,5,6]+8)    ゴブリンソルジャーに27のダメージ  ([1]+27)        ゴブリンソルジャーは[重傷]になった リュコッテは待機した。 自警団員は移動した。    自警団員は[3,6]へ移動した。 旅人ゲイルは待機した。 自警団長は待機した。 ゴブリンソルジャーは移動した。    ゴブリンソルジャーは[4,6]へ移動した。 自警団員は移動した。    自警団員は[7,6]へ移動した。 ゴブリンソルジャーは移動した。    ゴブリンソルジャーは[6,6]へ移動した。 リュコッテ : 隼伐ち! ナイフが弾丸のように打ち出される!  達成値:23 ([4,5,4]+10)    ゴブリンソルジャーは防御した。        ダメージを4軽減!  ([]+5)    ゴブリンソルジャーに19のダメージ  ([3,6]+16) 旅人ゲイルの攻撃は距離が合わず失敗した。 自警団長は移動した。    自警団長は[4,9]へ移動した。 自警団員 : バッシュ! 自警団員は武器を力強く叩きつけた!  達成値:13 ([2,1,5]+5)    ゴブリンソルジャーは防御した。        ダメージを4軽減!  ([]+5)    ゴブリンソルジャーに15のダメージ  ([3,6,1,1]+10)        ゴブリンソルジャーは[気絶]になった        ゴブリンソルジャーは[昏睡]になった 自警団員 : バッシュ! 自警団員は武器を力強く叩きつけた!  達成値:17 ([5,2,5]+5)    ゴブリンソルジャーは防御した。        ダメージを4軽減!  ([]+5)    ゴブリンソルジャーに14のダメージ  ([2,1,2,5]+10)        ゴブリンソルジャーは[重傷]になった        ゴブリンソルジャーは[気絶]になった        ゴブリンソルジャーは[昏睡]になった アルシエル : 黒曜の矢! アクティブシーンが終了しました。
自警団長:――よし!  入り口は突破した、これより面制圧に入る!! 魔法の矢が飛んでいく!  達成値:18 ([3,1,6]+8)    ゴブリンソルジャーに27のダメージ  ([1]+27) 自警団長:各隊を引き連れて、通路を塞げ!  敵が少数なら撃破!  しかし無理はするな、あくまで敵を引き付けることを優先せよ! 自警団長:あなたたちは、私と共に正面を!  さぁ、行きましょう! 旅人ゲイル : フン…ひどい匂いの蛮族共が、ご丁寧にワラワラと… アルシエル : そうさな……ま、全て片付ければ良い。 リュコッテ : アタシは孤立してる奴を倒す! リュコッテ : そっちは任せてもいいか? 旅人ゲイル : よし…正面はできるだけ受け持つ、余裕ができたら援護してくれ アルシエル : 先陣は任せるぞ。孤立している者を仕留めたら正面を狙��う。 コボルトマムル:グラォル! グガォラ!  ゴア! ゴア! ゴア!!! 最も広く作られた空間には、蛮族たちが大量に屯していた! どの個体も、冒険者たちを激しく威嚇し、飛びかかってくる! 自警団長:冒険者さん、我々の役目は敵を引き付けることです。
 【15ラウンド終了時まで】くらいはなんとか踏ん張りましょう。
旅人ゲイル : そのあたりが目安か、従おう リュコッテ : 結構長いな・・・! 自警団長:しかし、蛮族たちもこれだけ全ての戦力ではないでしょう。
 【敵の増援は次々と出てくる】と予想されます。 自警団長:守りを固めるばかりでなく、敵の数を素早く減らして  敵の視線を思い切り引き付けましょう!  ……いきます! アルシエル : わかった。気絶しない程度にやる。 自警団長の言葉に、あなたたちは頷く。
――そして、最も近くにいた蛮族が飛びかかってきたのを皮切りに、 激戦が幕を開けた! アクティブシーンになりました。 Round 1 旅人ゲイル : 素早く数を減らしていかないと、いずれ押し負けそうだな… アルシエル : 黒曜の矢! 魔法の矢が飛んでいく!  達成値:15 ([2,1,4]+8)    ゴブリンソルジャーに32のダメージ  ([6]+27)        ゴブリンソルジャーは[重傷]になった        ゴブリンソルジャーは[気絶]になった        ゴブリンソルジャーは[昏睡]になった ワーキャットは移動した。    ワーキャットは[11,6]へ移動した。 ワーキャットは移動した。    ワーキャットは[7,6]へ移動した。 コボルトマムルは移動した。    コボルトマムルは[8,11]へ移動した。 リュコッテ : チャージ! リュコッテは力をためた!    リュコッテは[チャージ]になった 自警団長は移動した。    自警団長は[9,11]へ移動した。 旅人ゲイルは待機した。 ゴブリンソルジャーは移動した。    ゴブリンソルジャーは[10,13]へ移動した��� コボルトマムルは移動した。    コボルトマムルは[10,11]へ移動した。 旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:32 ([6,4,6]+16)    コボルトマムルは防御した。        ダメージを2軽減!  ([]+3)/2    コボルトマムルに15のダメージ  ([1,2,1]+16) リュコッテ : 隼伐ち! ナイフが弾丸のように打ち出される!  達成値:18 ([5,1,2]+10)    ゴブリンソルジャーは防御した。        ダメージを4軽減!  ([]+2)/2+([]+3)    ゴブリンソルジャーに22のダメージ  ([1,1,5,5]+16)        ゴブリンソルジャーは[重傷]になった コボルトマムルは攻撃した。  達成値:19 ([6,1,3]+9) 自警団長 : カバーリング!    自警団長は旅人ゲイルを庇った! 対象を 自警団長 に変更した。        ダメージを5軽減!  ([]+10)/2 旅人ゲイル : 助かる。    自警団長に8のダメージ  ([6,2]+15) ゴブリンソルジャーの移動はAPが足りず失敗した。 コボルトマムルの攻撃はAPが足りず失敗した。 アルシエル : 黒曜の矢! 魔法の矢が飛んでいく!  達成値:13 ([1,3,1]+8)    ゴブリンソルジャーに30のダメージ  ([4]+27)
リュコッテは[チャージ]でなくなった Round 2 アルシエル : やりすぎちゃった。ま、いいか。 旅人ゲイル : フン、相も変わらず、腕前だけは良い男だ… アルシエル : ちえ、もうちょっとこっち来るかと思ったのに。 ライノマンは移動した。    ライノマンは[15,13]へ移動した。 ワーキャットは移動した。    ワーキャットは[11,7]へ移動した。 ライノマンは移動した。    ライノマンは[3,13]へ移動した。 リュコッテ : 隼伐ち! ナイフが弾丸のように打ち出される!  達成値:23 ([6,5,2]+10)    ゴブリンソルジャーは防御した。        ダメージを4軽減!  ([]+2)/2+([]+3)    ゴブリンソルジャーに17のダメージ  ([1,6]+16)        ゴブリンソルジャーは[気絶]になった        ゴブリンソルジャーは[昏睡]になった ワーキャットは移動した。    ワーキャットは[7,7]へ移動した。 自警団長 : バッシュ! 自警団長は武器を力強く叩きつけた!  達成値:20 ([5,4,1]+10)    コボルトマムルは防御した。        ダメージを2軽減!  ([]+3)/2    コボルトマムルに24のダメージ  ([6,2,5,1]+15)        コボルトマムルは[重傷]になった アルシエルは移動した。    アルシエルは[9,13]へ移動した。 コボルトマムル : 連続攻撃! コボルトマムルは激しく噛みついてきた!  達成値:22 ([2,6,5]+9) 自警団長 : ディフレクション!    自警団長は武器を使って敵の攻撃を回避しようとした!        自警団長は回避した。  達成値:24 ([5,5,4]+10) コボルトマムル : 連続攻撃! コボルトマムルは激しく噛みついてきた!  達成値:20 ([5,3,3]+9) 自警団長 : ディフレクション!    自警団長は武器を使って敵の攻撃を回避しようとした!        自警団長は回避した。  達成値:23 ([4,5,4]+10) 旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:26 ([2,4,4]+16)    コボルトマムルは防御した。        ダメージを2軽減!  ([]+3)/2    コボルトマムルに23のダメージ  ([4,2,6]+16)        コボルトマムルは[重傷]になった        コボルトマムルは[気絶]になった        コボルトマムルは[昏睡]になった ワーキャット : 火炎瓶! ワーキャットは火炎瓶を投げつけてきた!  達成値:21 ([2,5,4,5]+5) 自警団長 : ディフレクション!    自警団長は武器を使って敵の攻撃を回避しようとした!        自警団長は回避に失敗した。  達成値:19 ([4,4,1]+10)    自警団長に4のダメージ  ([3]+6)    旅人ゲイルに2のダメージ  ([2]+3) ワーキャット : 火炎瓶! ワーキャットは火炎瓶を投げつけてきた!  達成値:17 ([4,1,5,2]+5)    自警団長のディフレクションはAPが足りず失敗した。    自警団長に6のダメージ  ([5]+6)    旅人ゲイルに4のダメージ  ([4]+3) アルシエルの黒曜の矢は距離が合わず失敗した。 リュコッテは移動した。    リュコッテは[12,15]へ移動した。
Round 3 旅人ゲイル : く…あの奥の猫の亜人は放っておくと厄介そうだな アルシエル : 狙ってやるからもう少し耐えろ。いいな? リュコッテ : ・・・猫じゃないって!! 旅人ゲイル : 言われるまでもない! ……あとお前じゃない! リュコッテ : む・・・。 アルシエル : なんだ?お前も狙って欲しいのか? ライノマンは移動した。    ライノマンは[5,13]へ移動した。 ワーキャット : 火炎瓶! ワーキャットは火炎瓶を投げつけてきた!  達成値:23 ([6,5,1,6]+5) 自警団長 : ディフレクション!    旅人ゲイルは防御した。    自警団長は武器を使って敵の攻撃を回避しようとした!        ダメージを2軽減!  ([]+3)/2        自警団長は回避に失敗した。  達成値:21 ([4,3,4]+10)    自警団長に7のダメージ  ([6]+6)    旅人ゲイルに0のダメージ  ([1]+3)        自警団長は[重傷]になった ライノマンは移動した。    ライノマンは[13,14]へ移動した。 ワーキャット : 火炎瓶! ワーキャットは火炎瓶を投げつけてきた!  達成値:17 ([5,1,1,5]+5) 自警団長 : ディフレクション! 旅人ゲイル : ディフレクション!    自警団長は武器を使って敵の攻撃を回避しようとした!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        自警団長は回避した。  達成値:25 ([6,4,5]+10)        旅人ゲイルは回避した。  達成値:21 ([1,2,2]+16) コボルトマムル : 連続攻撃! リュコッテ : 嫌だぞ!? コボルトマムルは激しく噛みついてきた!  達成値:23 ([6,4,4]+9)    自警団長は防御した。        ダメージを5軽減!  ([]+10)/2    自警団長に5のダメージ  ([2,5]+13)    自警団長に5のダメージ  ([6,1]+13)        自警団長は[気絶]になった リュコッテ : チャージ! リュコッテは力をためた!    リュコッテは[チャージ]になった アルシエルは移動した。    アルシエルは[11,11]へ移動した。 旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:25 ([5,3,1]+16)    コボルトマムルは防御した。        ダメージを2軽減!  ([]+3)/2    コボルトマムルに24のダメージ  ([6,6,1]+16)        コボルトマムルは[気絶]になった        コボルトマムルは[昏睡]になった リュコッテ : 隼伐ち! ナイフが弾丸のように打ち出される!  達成値:18 ([1,3,4]+10)    ライノマンは回避しようとした。        ライノマンは回避した。  達成値:20 ([2,5,6]+7) ライノマン : クイックトリック! ライノマンは素早い攻撃を行った!  達成値:21 ([4,4,6]+7)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:27 ([6,5,6]+10) 旅人ゲイル : (やっべ アルシエル : 黒曜の矢! 魔法の矢が飛んでいく!  達成値:18 ([1,5,4]+8)    ワーキャットは回避しようとした。        ワーキャットは回避に失敗した。  達成値:15 ([4,1,3,2]+5)    ワーキャットに29のダメージ  ([3]+27)        ワーキャットは[重傷]になった        ワーキャットは[気絶]になった        ワーキャットは[昏睡]になった
リュコッテは[チャージ]でなくなった ラミア:人族。  コロセ……血ヲヨコセ! Round 4 アルシエル : あ~あ。ま、どうにかしよう。 旅人ゲイル : ぐっ…思った以上に敵が多いな リュコッテ : ・・・こいつ、避けるなあ! アルシエル : ふーむ ライノマンは移動した。    ライノマンは[7,13]へ移動した。 ライノマン : クイックトリック! ライノマンは素早い攻撃を行った!  達成値:22 ([5,6,4]+7)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:23 ([3,5,5]+10) リュコッテ : 猫騙し! 地を蹴り、飛び上がる!!  達成値:17 ([2,2,4]+9)    ライノマンは回避しようとした。        ライノマンは回避に失敗した。  達成値:16 ([6,1,2]+7) ワーキャット : 火炎瓶! ワーキャットは火炎瓶を投げつけてきた!  達成値:24 ([6,3,6,4]+5)    アルシエルに9のダメージ  ([2]+6) 旅人ゲイルは移動した。    旅人ゲイルは[7,13]へ移動した。 ラミア : チャーム! アルシエルを魅了する!  達成値:19 ([1,6,5]+7)    アルシエルは[12,7]へ引き寄せられた。 ホースマンは移動した。    ホースマンは[16,13]へ移動した。 アルシエルは移動した。    アルシエルは[9,12]へ移動した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。 ライノマン : クイックトリック! ライノマンは素早い攻撃を行った!  達成値:16 ([1,4,4]+7)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:24 ([6,5,3]+10) 旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:26 ([4,1,5]+16)    ライノマンは回避しようとした。        ライノマンは回避に失敗した。  達成値:12 ([1,2,2]+7)    ライノマンに19のダメージ  ([3,1,6]+16) アルシエルの黒曜の矢は距離が合わず失敗した。 リュコッテの攻撃はAPが足りず失敗した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。
Round 5 旅人ゲイル : ぐっ…! リュコッテ : ―油断したな! 猫騙し! 地を蹴り、飛び上がる!!([3,3,3]+9) リュコッテはWillを使用した! リュコッテのファンブル!    ライノマンは回避しようとした。        ライノマンは回避した。  達成値:14 ([3,2,2]+7) ライノマン : フェイント! ライノマンは攻撃するふりをする!    リュコッテは2のAPを失った   ワーキャットは移動した。    ワーキャットは[7,8]へ移動した。 ライノマン : フェイント! ライノマンは攻撃するふりをする!    旅人ゲイルは2のAPを失った   旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:29 ([6,5,2]+16)    ライノマンは回避しようとした。        ライノマンは回避に失敗した。  達成値:15 ([1,1,6]+7)    ライノマンに18のダメージ  ([6,1,2]+16)        ライノマンは[重傷]になった        ライノマンは[気絶]になった        ライノマンは[昏睡]になった ホースマンは移動した。    ホースマンは[14,13]へ移動した。 アルシエルは待機した。 アルシエル : 黒曜の矢! 魔法の矢が飛んでいく!  達成値:23 ([6,6,3]+8)    ワーキャットは回避しようとした。        ワーキャットは回避した。  達成値:25 ([6,6,5,3]+5) ライノマン : インビジブルアタック! リュコッテ : (ミ゜ ライノマンは、敵の死角を突いて攻撃した!  達成値:19 ([5,5,1,1]+7) アルシエル : 何 リュコッテ : ―もっと速く。 兎跳び!    勢いを殺さず、攻撃を受け流す―!!    リュコッテはWillを使用した!        リュコッテは回避した。  達成値:29 ([6,4,6,3]+10)        リュコッテは1のAPを回復した。   ワーキャットの火炎瓶はAPが足りず失敗した。 リュコッテの攻撃はAPが足りず失敗した。 アルシエルの黒曜の矢は距離が合わず失敗した。
Round 6 旅人ゲイル : 温存してはおれんな アルシエル : チッ、めんどくさい真似を…… リュコッテ : ・・・!!外した!? 旅人ゲイル : リュコッテ、厳しそうなら正面から無理はするな! こちらに引き付けてきていい リュコッテ : ・・・すまん、一度下がるぞ アルシエル : 気力にも限界があるだろう。次で回復するぞ リュコッテ : ―油断したな! 猫騙し! 地を蹴り、飛び上がる!!  達成値:22 ([3,5,5]+9) リュコッテはWillを使用した!    ライノマンは回避しようとした。        ライノマンは回避に失敗した。  達成値:16 ([2,4,3]+7)    ライノマンに14のダメージ  ([2,1]+18)    ライノマンは3のAPを失った   アルシエル : 理よ綻びろ、貪り、嘗め尽せ、 混沌の焔! 地を焼き尽くす焔が奔る  達成値:21 ([4,3,5,1]+8) アルシエルはWillを使用した! ワーキャット : バックステップ!        ワーキャットは回避に失敗した。  達成値:20 ([6,4,3,2]+5)    ワーキャットに29のダメージ  ([4,1,2]+23)        ワーキャットは[重傷]になった        ワーキャットは[気絶]になった        ワーキャットは[昏睡]になった ライノマン : クイックトリック! ライノマンは素早い攻撃を行った!  達成値:19 ([4,2,6]+7)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:26 ([5,6,5]+10) ホースマン : トマホーク! リュコッテに向かって武器を投げつける!  達成値:13 ([1,2,5]+5)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:24 ([5,4,5]+10) 旅人ゲイルは移動した。    旅人ゲイルは[10,13]へ移動した。 ホースマンは移動した。    ホースマンは[3,11]へ移動した。 ライノマンのクイックトリックはAPが足りず失敗した。 旅人ゲイルは、AP回復薬を使った。    旅人ゲイルは7のAPを回復した。   リュコッテの移動はAPが足りず失敗した。 アルシエルは移動した。    アルシエルは[8,13]へ移動した。 旅人ゲイルは移動した。    旅人ゲイルは[12,13]へ移動した。 旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:28 ([4,2,6]+16)    ライノマンに21のダメージ  ([5,5,2]+16)        ライノマンは[重傷]になった        ライノマンは[気絶]になった        ライノマンは[昏睡]になった
Round 7 旅人ゲイル : ……よくやってくれた! アルシエル : 薬を使う! リュコッテ : ・・・助かる! 旅人ゲイル : わかった、ラミアに気をつけろ。引き寄せられるぞ ホースマンは移動した。    ホースマンは[5,11]へ移動した。 旅人ゲイルは待機した。 アルシエルは移動した。    アルシエルは[10,14]へ移動した。 ホースマン : トマホーク! 旅人ゲイルに向かって武器を投げつける!  達成値:14 ([3,4,2]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:31 ([4,6,5]+16) 旅人ゲイルは移動し��。    旅人ゲイルは[13,14]へ移動した。 アルシエルは、スプラッシュSPポーションを使った。    アルシエルは7のSPを回復した。  ([4]+3)    リュコッテは9のSPを回復した。  ([6]+3) リュコッテ : おお、ありがとう!
ケンタウロス:ブルルルッ!!  トツゲキッ、トツゲキーッ! アルシエル : おいゲイル!避けるな! 旅人ゲイル : す、すまん…! ケンタウロス:狩レ! 狩レ!  人族ヲ狩レ!! Round 8 アルシエル : あ~あ。まあ困るのはお前なのだが。 旅人ゲイル : (素で間違えちまったというわけ~~~ リュコッテ : (かわいい 旅人ゲイル : まぁ、いい…馬に気をつけろ! リュコッテ : ・・・ポーションが苦手なのか? 旅人ゲイル : そんな生きづらい体質じゃない…! リュコッテ : ここからなら、届く―!! 隼伐ち! ナイフが弾丸のように打ち出される!  達成値:21 ([3,6,2]+10)    ホースマンは防御した。        ダメージを6軽減!  ([]+9)/2+([]+1)    ホースマンに11のダメージ  ([5,5]+16) ケンタウロスナイトは移動した。    ケンタウロスナイトは[7,8]へ移動した。 ケンタウロスは移動した。    ケンタウロスは[13,11]へ移動した。 旅人ゲイルは攻撃した。  達成値:30 ([6,3,5]+16)    ホースマンに21のダメージ  ([6,6,2]+16) ケンタウロスは移動した。    ケンタウロスは[6,10]へ移動した。 アルシエル : 遍く奔れ、 拡散! アルシエルの魔力が増幅する! ケンタウロスナイト : チャージ! ケンタウロスナイトは力をためた!    ケンタウロスナイトは[チャージ]になった ラミアは移動した。    ラミアは[10,14]へ移動した。 ホースマンは移動した。    ホースマンは[7,11]へ移動した。 ホースマン : インビジブルアタック! ホースマンは、敵の死角を突いて攻撃した!  達成値:20 ([6,2,2,5]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:28 ([4,5,3]+16) ラミアは移動した。    ラミアは[10,14]へ移動した。 アルシエル : 混沌の焔! 地を焼き尽くす焔が奔る  達成値:23 ([5,3,1,6]+8)    ホースマンに31のダメージ  ([3,3,3]+23)    ケンタウロスに28のダメージ  ([4,3,4]+23)        ケンタウロスは[重傷]になった ケンタウロスナイトは移動した。    ケンタウロスナイトは[11,8]へ移動した。 ケンタウロスは攻撃した。  達成値:26 ([3,6,5]+12)    アルシエルは防御した。    アルシエルはWillを使用した!        ダメージを5軽減!  ([]+9)/2    アルシエルに5のダメージ  ([2,4]+13) ラミアは移動した。    ラミアは[10,14]へ移動した。 ラミアは移動した。    ラミアは[10,14]へ移動した。 リュコッテは移動した。    リュコッテは[13,13]へ移動した。 旅人ゲイル : バッシュ! 旅人ゲイルは剣に力を込めた!([2,2,2]+18) 旅人ゲイルはWillを使用した! 旅人ゲイルのファンブル!
ケンタウロスナイトは[チャージ]でなくなった Round 9 旅人ゲイル : ! くそっ、��んな時に…! アルシエル : お前……存外ドジっ子というわけ…… リュコッテ : ・・・大丈夫か! 旅人ゲイル : ……否定は行動で示す! アルシエルは移動した。 アルシエルはWillを使用した!    アルシエルは[8,16]へ移動した。 ケンタウロスナイト : 騎馬突撃! ケンタウロスナイトはリュコッテに向かって猛然と突撃!  達成値:21 ([4,4,5,3]+5)    リュコッテは回避しようとした。([1,1,1]+9)    リュコッテのファンブル!        リュコッテは回避に失敗した。    ケンタウロスナイトは[13,13]へ移動した。    リュコッテに26のダメージ  ([4,2,2,5,1]+12) リュコッテ : 猫騙し! 地を蹴り、飛び上がる!!  達成値:24 ([4,6,5]+9)    ホースマンは防御した。        ダメージを6軽減!  ([]+9)/2+([]+1)    ホースマンに14のダメージ  ([6,5]+18)    ホースマンは3のAPを失った          ホースマンは[重傷]になった ケンタウロス : チェインウンディーネ! リュコッテの足元に氷の鎖が迫る!  達成値:24 ([2,4,6]+12)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:24 ([5,5,4]+10) ケンタウロスのチェインウンディーネは距離が合わず失敗した。 ホースマンは移動した。    ホースマンは[9,13]へ移動した。 ラミア : ドレインライフ! リュコッテの生気を奪い取る!  達成値:17 ([6,1,3]+7)    リュコッテは抵抗しようとした。        リュコッテは抵抗に失敗した。  達成値:12 ([6,2,3]+1)    リュコッテに12のダメージ  ([5]+8)    ラミアは12回復した。          リュコッテは[重傷]になった リュコッテ : まだだ・・・これくらいの傷、なんともないぞ ホースマンのインビジブルアタックはAPが足りず失敗した。 ケンタウロスナイトは移動した。    ケンタウロスナイトは[9,10]へ移動した。 旅人ゲイルは移動した。    旅人ゲイルは[13,12]へ移動した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。 ホースマンのバッシュは距離が合わず失敗した。 アルシエル : 混沌の焔! 地を焼き尽くす焔が奔る  達成値:22 ([4,2,3,5]+8)    ホースマンに32のダメージ  ([5,3,2]+23)        ホースマンは[重傷]になった        ホースマンは[気絶]になった        ホースマンは[昏睡]になった 旅人ゲイル : バッシュ! 旅人ゲイルは剣に力を込めた!  達成値:24 ([1,4,1]+18) 旅人ゲイルはWillを使用した!    ラミアは防御した。        ダメージを5軽減!  ([]+2)/2+([]+4) 旅人ゲイル : ぐっ…クソがっ!    ラミアに21のダメージ  ([1,1,5,5]+16) リュコッテの隼伐ちはAPが足りず失敗した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。 旅人ゲイル : バッシュ! 旅人ゲイルは剣に力を込めた!  達成値:26 ([1,4,3]+18) 旅人ゲイルはWillを使用した!    ラミアの防御はAPが足りず失敗した。    ラミアに33のダメージ  ([6,5,6,2]+16)        ラミアは[重傷]になった        ラミアは[気絶]になった        ラミアは[昏睡]になった
Round 10 アルシエル : さて、マズいな。回復薬はあるが…… 旅人ゲイル : リュコッテ、そいつのトドメ��いい…! アルシエル : 届かんぞ。うん。 リュコッテ : ・・・!すまん、任せたぞ 旅人ゲイル : アルシエルに群がる敵を引き付けてやれ…! アルシエル : ちっ、読み外した……! 旅人ゲイル : 厳しいか…? ケンタウロスナイト : 騎馬突撃! ケンタウロスナイトは旅人ゲイルに向かって猛然と突撃!  達成値:15 ([2,1,6,1]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:28 ([4,2,6]+16)    ケンタウロスナイトは[13,12]へ移動した。 リュコッテは移動した。    リュコッテは[11,15]へ移動した。 ケンタウロスナイトは攻撃した。  達成値:16 ([3,6,1,1]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:33 ([6,6,5]+16) ケンタウロスのダブルショットは距離が合わず失敗した。 ケンタウロスは移動した。    ケンタウロスは[6,13]へ移動した。 ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[13,12]へ移動した。 ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[13,12]へ移動した。 ホースマン : インビジブルアタック! ホースマンは、敵の死角を突いて攻撃した!  達成値:20 ([6,2,1,6]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:27 ([6,1,4]+16) 旅人ゲイルは、マハラギストーンを使った。 旅人ゲイルはマハラギストーンを使った!    ホースマンに11のダメージ  ([6,3]+2)    ケンタウロスナイトに10のダメージ  ([5,3]+2)    ケンタウロスナイトに9のダメージ  ([3,4]+2)    ケンタウロスに10のダメージ  ([6,2]+2)        ホースマンは[気絶]になった        ホースマンは[昏睡]になった アルシエル : 遍く奔れ、 拡散! アルシエルの魔力が増幅する! アルシエル : 混沌の焔! 地を焼き尽くす焔が奔る  達成値:23 ([6,2,2,5]+8)    自警団長に30のダメージ  ([5,5,2]+23) リュコッテは移動した。    リュコッテは[9,14]へ移動した。 ケンタウロスは攻撃した。  達成値:23 ([5,1,5]+12)    アルシエルの防御はAPが足りず失敗した。    アルシエルに16のダメージ  ([6,6]+13)        アルシエルは[重傷]になった アルシエル : ……鬱陶しい ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[13,12]へ移動した。 ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[13,12]へ移動した。
Round 11 アルシエル : ええい面倒な……!! アルシエル : 薬は使うが……間に合わんかもしれん。 旅人ゲイル : 下手に攻め込めんか…くそ リュコッテ : ・・・ナイフが届かない! アルシエル : 石を投げろ!! リュコッテ : ・・・そうか、これなら! アルシエル : ! 旅人ゲイル : ! しまった…リュコッテ、そっちに馬が突っ込むぞ! リュコッテ : ・・・!! ケンタウロスナイト : 騎馬突撃! ケンタウロスナイトはリュコッテに向かって猛然と突撃!  達成値:20 ([3,4,2,6]+5)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避した。  達成値:25 ([4,5,6]+10)    ケンタウロスナイトは[9,14]へ移動した。 リュコッテ : ストーン! リュコッテは石を投げた!  達成値:24 ([5,6,4]+9) ケンタウロス : フェアリーステップ!    ケンタウロスは軽やかなステップで攻撃を避ける。        ケンタウロスは回避に失敗した。  達成値:13 ([3,1,5,2]+2)    ケンタウロスに4のダメージ  ([1]+6) ケンタウロス : チェインウンディーネ! 旅人ゲイルの足元に氷の鎖が迫る!  達成値:19 ([1,3,3]+12) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!([6,6,6]+16)    旅人ゲイルのクリティカル!        旅人ゲイルはクリティカルで回避した。 ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[12,9]へ移動した。 ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[13,12]へ移動した。 ケンタウロス : チェインサラマンダー! 炎の鎖がケンタウロスを絡め取る!  達成値:24 ([6,3,3]+12) アルシエル : 返すぞ。 反射!    魔法を反射する! 対象を ケンタウロス に変更した。    ケンタウロスに9のダメージ  ([6]+9)    ケンタウロスは[炎上]になった        ケンタウロスは[気絶]になった        ケンタウロスは[昏睡]になった アルシエルは、スプラッシュポーションを使った。    アルシエルは10回復した。  ([2,2]+6)    リュコッテは16回復した。  ([4,6]+6) リュコッテ : おお、ありがとう! ケンタウロスナイトは攻撃した。  達成値:19 ([1,6,6,1]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:24 ([2,1,5]+16) 旅人ゲイルは移動した。    旅人ゲイルは[12,14]へ移動した。 ラミア : チャーム! リュコッテを魅了する!  達成値:22 ([6,6,3]+7)    リュコッテは抵抗しようとした。        リュコッテは抵抗に失敗した。  達成値:14 ([6,3,4]+1)    リュコッテは[8,10]へ引き寄せられた。 ラミア : チャーム! リュコッテを魅了する!  達成値:12 ([2,2,1]+7)    リュコッテは抵抗しようとした。        リュコッテは抵抗した。  達成値:12 ([6,3,2]+1) ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[12,14]へ移動した。 リュコッテのストーンはAPが足りず失敗した。 ラミア : チャーム! リュコッテを魅了する!  達成値:13 ([2,3,1]+7)    リュコッテは抵抗しようとした。        リュコッテは抵抗した。  達成値:14 ([6,3,4]+1)
ミノタウロス:ブモーッ!  キサマラ、ニンゲンをアイテに、イツまで手コズッてイル! ミノタウロス:ワレがアイテしてヤル!  ユクぞ、デーモンたち! Round 12 旅人ゲイル : ぐっ……! グレンデルたちは、まだか…っ! アルシエル : 一旦はどうにかなったが……耐えるにも限度があるぞ リュコッテ : ・・・そろそろ、まずいな アルシエル : 貰った石を割るのも手だろう 旅人ゲイル : あっ…こ、こいつ…! アルシエル : くく……それじゃ後は頼んだぞ?私の運がいい事を祈れ……! ケンタウロスナイト : 騎馬突撃! ケンタウロスナイトはアルシエルに向かって猛然と突撃!  達成値:18 ([3,6,3,1]+5)    アルシエルは防御した。        ダメージを5軽減!  ([]+9)/2    ケンタウロスナイトは[8,16]へ移動した。    アルシエルに17のダメージ  ([6,3,1,3,6]+12)        アルシエルは[気絶]になった アルシエル : …… ケンタウロス : ダブルショット! ケンタウロスは素早く二回攻撃した!  達成値:25 ([5,5,3]+12) 旅人ゲイル : マイティガード!    旅人ゲイルはまだ倒れない!        ダメージを100軽減!      旅人ゲイルに0のダメージ  ([5,1]+11)    旅人ゲイルに0のダメージ  ([1,2]+11) ケンタウロスナイトは攻撃した。  達成値:23 ([5,3,4,6]+5)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避に失敗した。  達成値:22 ([6,1,5]+10)    リュコッテに18のダメージ  ([1,1,4]+12) リュコッテは移動した。    リュコッテは[10,14]へ移動した。 ゴルゴーンは移動した。    ゴルゴーンは[11,11]へ移動した。 ゴルゴーン : 石化の邪眼! 無数の瞳が旅人ゲイルをにらみつける……。  達成値:18 ([4,4,5,4]+1)    旅人ゲイルは抵抗しようとした。        旅人ゲイルは抵抗に失敗した。  達成値:17 ([3,5,5]+4) 旅人ゲイルは[石化カウンタ��]を2つ獲得した。 ラミア : チャーム! 旅人ゲイルを魅了する!  達成値:11 ([1,1,2]+7)    旅人ゲイルは抵抗しようとした。        旅人ゲイルは抵抗した。  達成値:11 ([2,4,1]+4) レッサーデーモンは移動した。    レッサーデーモンは[7,3]へ移動した。 リュコッテ : ・・・ッ! レッサーデーモンは移動した。    レッサーデーモンは[11,3]へ移動した。 旅人ゲイルの攻撃はAPが足りず失敗した。 ミノタウロスは移動した。    ミノタウロスは[9,2]へ移動した。 ラミア : チャーム! 旅人ゲイルを魅了する!  達成値:16 ([3,4,2]+7)    旅人ゲイルは[8,10]へ引き寄せられた。 リュコッテは攻撃した。  達成値:20 ([1,4,6]+9)    ケンタウロスナイトは防御した。        ダメージを5軽減!  ([]+9)/2    ケンタウロスナイトに8のダメージ  ([2,4]+16) ゴルゴーン : 石化の邪眼! 無数の瞳が旅人ゲイルをにらみつける……。([5,5,5,6]+1) ゴルゴーンのクリティカル!    旅人ゲイルの抵抗はAPが足りず失敗した。 旅人ゲイルは[石化カウンター]を2つ獲得した。 ラミア : チャーム! 旅人ゲイルを魅了する!  達成値:20 ([3,4,6]+7)    旅人ゲイルは[8,10]へ引き寄せられた。
旅人ゲイルは[石化カウンター]を1つ失った。 ミノタウロス:ナニ……!?  デーモン共が、転移魔法デ消エタだと……!?  一体、ダレに呼ビツケられたトいうのダ……!? 自警団長:! 冒険者さん、きっと別働隊です……!  別働隊の奇襲を受けた指揮官が、  あわててデーモンたちを呼び寄せたに違いありません! 自警団長:作戦は成功しているんだ!  もう少しです、彼らを信じて、最後まで耐えきりましょう! ミノタウロス:オノレ!  コウナレバ、我ガヒネリツブシテやる!  ブモォー! Round 13 旅人ゲイル : アルッ! 旅人ゲイル : リュコッテ…なんとか、逃げろ、引き付けてじりじり移動で避けるんだ… リュコッテ : ・・・二手が、いいか? 旅人ゲイル : …いや、こっちだ、こっちに。 旅人ゲイル : 部屋の隅を目指すように逃げろ リュコッテ : ・・・わかった! リュコッテは移動した。    リュコッテは[12,15]へ移動した。 ケンタウロス : チェインウンディーネ! 旅人ゲイルの足元に氷の鎖が迫る!  達成値:21 ([2,6,1]+12)    旅人ゲイルに4のダメージ  ([1]+6)    旅人ゲイルは[氷結]になった ゴルゴーン : 石化の邪眼! 無数の瞳が旅人ゲイルをにらみつける……。  達成値:15 ([2,3,6,3]+1) 旅人ゲイルは[石化カウンター]を2つ獲得した。 ラミア : チャーム! 旅人ゲイルを魅了する!  達成値:17 ([5,4,1]+7)    旅人ゲイルは[8,10]へ引き寄せられた。 ケンタウロスナイト : チャージ! ケンタウロスナイトは力をためた!    ケンタウロスナイトは[チャージ]になった ミノタウロスは移動した。    ミノタウロスは[9,3]へ移動した。 ケンタウロスナイト : チャージ! ケンタウロスナイトは力をためた!    ケンタウロスナイトは[チャージ]になった ゴルゴーン : 石化の邪眼! 無数の瞳が旅人ゲイルをにらみつける……。  達成値:20 ([5,5,4,5]+1) 旅人ゲイルは[石化カウンター]を1つ獲得した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。 ケンタウロスナイトは攻撃した。  達成値:16 ([1,3,6,1]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:23 ([5,1,1]+16) ケンタウロスナイトの攻撃は距離が合わず失敗した。 リュコッテは移動した。    リュコッテは[13,15]へ移動した。 ラミアのチャームは距離が合わず失敗した。
旅人ゲイルは[石化カウンター]を1つ失った。 ケンタウロスナイトは[チャージ]でなくなった ケンタウロスナイトは[チャージ]でなくなった Round 14 リュコッテ : ・・・!来るか! ケンタウロスナイト : 騎馬突撃! ケンタウロスナイトはリュコッテに向かって猛然と突撃!  達成値:19 ([2,4,5,3]+5)    リュコッテは回避しようとした。        リュコッテは回避に失敗した。  達成値:18 ([4,1,3]+10)    ケンタウロスナイトは[13,15]へ移動した。    リュコッテに29のダメージ  ([3,4,4,4,2]+12)        リュコッテは[気絶]になった リュコッテ : むう・・・動けない・・・ ゴルゴーン : 石化の邪眼! 無数の瞳が旅人ゲイルをにらみつける……。  達成値:12 ([3,1,4,3]+1) 旅人ゲイルは[石化カウンター]を1つ獲得した。 ケンタウロスナイトは攻撃した。  達成値:21 ([4,3,4,5]+5) 旅人ゲイル : ディフレクション!    旅人ゲイルは、剣で攻撃を打ち払った!        旅人ゲイルは回避した。  達成値:22 ([1,1,4]+16) ケンタウロス : ダブルショット! ケンタウロスは素早く二回攻撃した!  達成値:24 ([5,1,6]+12)    旅人ゲイルに11のダメージ  ([4,1]+11)    旅人ゲイルに12のダメージ  ([2,4]+11)        旅人ゲイルは[重傷]になった 旅人ゲイル : クソ…… ゴルゴーン : 石化の邪眼! 無数の瞳が旅人ゲイルをにらみつける……。  達成値:13 ([6,3,1,2]+1) ラミア : ドレインライフ! 旅人ゲイルの生気を奪い取る!  達成値:12 ([1,3,1]+7)    旅人ゲイルに7のダメージ  ([2]+8)    ラミアは7回復した。          旅人ゲイルは[気絶]になった 旅人ゲイル : ……すまない…… パーティー全員が戦闘不能になりました・・・。 クエストに失敗しました。 ミノタウロスは移動した。    ミノタウロスは[9,4]へ移動した。
Round 15 旅人ゲイル : 身体が激しくほぐれた気がする。 アルシエル : 軟体動物にでもなる気か アルシエル : ま、私は暇を持て余し疲れたし……寝るよ。ではなゲイル、リュコッテ リュコッテ : ああ、またなー!! 旅人ゲイル : ああ……。 パーティーから離脱しました。 リュコッテ : アタシもちょっと休むかな・・・ありがとうな、ゲイル! 旅人ゲイル : ……無理をさせた気がするな。今度、別の依頼に付き合わせてくれ、それしか詫びの手段を持ち合わせていなくてな 旅人ゲイル : ああ。……また。 リュコッテ : ぜんぜん大丈夫だぞ!でも、依頼は行こうな! リュコッテ : (ぶんぶんと手を振った。 アルシエル : もう少し他の趣味も覚えた方が良いぞ。ではな(手をひら~っと振って去った) 旅人ゲイル : (軽く頷いて数秒後に)・・・いや、余計なお世話だ。
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mariaskakaodechocolat · 5 years ago
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