#エチオピアの通信網
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)12月25日(日曜日)弐
通巻第7566号
IMF・世銀体制からの解放」とアフリカ諸国は暗号通貨を位置づけ
エルサルバドルがビットコインの使用を議会で可決
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ビットコインにもっとも前向きなのは、じつはアフリカ諸国である。
旧英国、フランス、ベルギー、ドイツ、そしてイタリアの植民地だったルサンチマンは、戦後、中国に期待し、また一帯一路は中国がアフリカの救世主になるかとの希望の星でもあった。
三年前までの「中国アフリカ会議」は北京に54ヶ国のアフリカ首脳を集め、熱狂的でさえあった。ところが、「借金の罠」に陥ったジンバブエ、ジブチ、ザンビア、コンゴ、アンゴラなどの無残な経済破綻を目撃し、中国との距離を置き始めた。
アフリカ諸国がビットコインなどデジタル通貨の普及に前向きな理由は、暗号のマイニングなど複雑な電子工学的理解を深めたからではない。西洋植民地支配へのルサンチマンから、「IMF・世銀体制からの解放」として暗号通貨を位置づけているからである。
12月5��から7日までガーナのアクラで開催された「アフリカ・ビットコイン会議」には多くの参加国が馳せ参じた。このうち西海岸諸国の14ケ国は依然としてフランスから通貨管理をされている。それゆえに「限界までテストを重ねる」という総括となり、23年3月にはナイジェリアでつぎの「ビットコイン・アフリカ会議」が開催される。
もっとも参加者のなかにはシニカルな批評家も混じり、「雨が降るとガーナでも、コンピュータがダウンする」、電力供給の不安定と通信網の脆弱性、さらにネット上の詐欺、ペテンの横行など障害要因を挙げた。
国際貿易で一番詐欺やインチキ信用状がおおいのはナイジェリアである。歴史の古いエチオピアでもビットコイン規制を緩和し、その運用に前向きとなっている。エチオピアも中国からの借金に喘いでいる。
各国の取り組みに歴然と温度差があるが、中国、ロシアの暗号通貨への猜疑心より、そのIMF・世銀体制ならびにその具体的実践武器であるドル基軸体制への挑戦にアフリカ諸国とBRICS諸国が引きつけられている。
BRICS加盟国ではないが、インドネシアでもビットコインによる資産運用の理解はすすんでおり、インドネシア最大のハイテク企業「GOTO」(ゴジク・トコペデア社)がクリフトマクシマ・コイン社を838万ドルで買収し、100%子会社とした。
ブラジルは金融資源としてデジタル資産形成に前向きで、法定通貨としてビットコインは認めていないものの流通を禁止してはおらず意外に前向きである。
中南米ではエルサルバドルがビットコインの使用を議会で可決し、法定通貨として認めたため、このエルサルバドル決定が反米国家群としての中南米諸国に大いなる刺激となったのが最近のうごきである。
▲ドル基軸体制への挑戦というビットコインの政治利用もあれば、医療ツアーも
反米イランもロシアと中国の動きに協調するかのように、輸入に関しての支払いを暗号通貨でなすことを認めた。ただしイランは電力不足のためマイニングを禁止してきた。
2021年12月からは解禁している。輸入決済にビットコインとくれば、ピントくるだろう。中国とロシアからの武器輸入決済をビットコインで充てていると推定される。
さて米国では、まったく異なった分野でビットコインの需要がある。
医療ツアーだ。米国では医療費が高く、国民は皆保険ではない。手術費用がべらぼうに高いからたとえば出産は日帰りが常識である。
白内障手術でも外国で受けた方が安いため、飛行機で外国へいっ���手術を受け、米国からの送金許可、送金手数料などを省けるビットコインでの支払いが多い。行き先はカナダ、中米、カリブ海から南アにかけて、である。
南アジアでもインド、パキスタンからの患者が多く、シンガポール、タイあたりで手術を受ける。ベトナムや中国からは富裕層が日本にやってくるのだが、後者はビットコイン支払いではなない。
ただし帰りの飛行機で深部静脈血栓症などを、飛行中の気圧の関係で併発したり、医療がおそまつなので免疫を欠くためにウィルス感染率があがるというリスクを伴う。
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大戦がもたらしたもの 「大戦が 齎 ( もたら ) したもの」と題する講演を聞きに行った。 講演内容の要旨は、次のとおり。 1939年9月に始まったドイツとポーランドの戦争は、近隣諸国を巻き込んで規模を拡大していった。 イギリス・フランスがドイツに宣戦布告する一方、ソ連軍は、火事場泥棒的に、東からポーランドに攻め込んだ。 翌年、ソ連は、フィンランドを攻撃して領土の一部を奪うとともに、バルト三国を併合した。 ドイツは、デンマーク、ノルウェー、ベネルクス三国、フランスなどを制圧した。ドイツは、イギリスを牽制するためイタリアと、ソ連を牽制するため日本と軍事同盟を結んだ。近衛内閣は、軍事同盟に応じ、且つ、翌年、日ソ中立条約を結んで南部仏印に軍を進めたが、これらはスターリン戦略[砕氷船テーゼ]に沿うものだった。
1941年6月、独ソ激突が始まった。 半年後、日本は、アジア植民地解放戦争を開始し、フランス領インドシナ、イギリス領ビルマ、オランダ領インドネシア、アメリカ領フィリピンを占領した。 それに触発された植民地独立宣言の動きは次の通り。
1942年2��、中国共産党の中央党学校開校式で、毛沢東が、学風(学習態度)・党風(党活動)・文風(文書類の表現)の三風を整頓し、党内の主観主義・セクト主義・空言主義を克服すべき旨、述べた。三風整頓運動が起こり、毛沢東 側近の張宗可(康生)は、関係者を拷問して自白を得たうえで、政敵を、スパイ,裏切り者,内通者等に仕立て上げた。拷問は本人だけでなく親族や縁戚にまで及び、拷問に耐えられず、身に覚えのない罪を自白する者も多かった。ソ連人脈の王明,博古,張聞天,王嘉翔,楊尚昆,陳昌浩,杜作祥,沈澤民,張秦秋,王宝礼,王盛荣,王運城,朱自舜,李元杰,汪盛荻,北海道特甫,殷剣,元嘉永,徐義新らは、失脚した。権威主義と官僚主義を率直に批判した王実味は、逮捕され処刑された。 1942年6月頃から、[砕氷船テーゼ]の予言通り、経済力と科学技術力を誇るアメリカを擁する連合国側が優勢に転じた。 1943年5月、ドイツと戦う連合国側に与する必要から、ソ連はコミンテルンを解散した。 1945年3月、日本軍がフランス軍を降してベトナムを独立させた。 1945年5月、イタリアが降伏し、ドイツも降伏した。8月には日本が降伏し、五千���(ソ連2060万,ドイツ950万,日本646万,ポーランド560万,中国318万,アメリカ113万,イギリス98万,フランス75万)人以上の犠牲者を出した第二次世界大戦は終了した。 しかし、「尊皇討奸」の志を受け継ぎ、資本家階級を倒して国家社会主義を目指す陸軍将校らは、敗戦受容れの詔を録音したレコード盤を血眼になって探し求めた。
彼らの狙いは、ソ連軍に依る日本民族解放を待つための時間稼ぎだった。 近衛文麿人脈が占める政権中枢から「ソ連仲介和平」という口実で情報を得ていたソ連軍は、日本降伏に先立って、軍を極東に集結させていた。 アメリカ軍に依る原爆投下を機に日本への攻撃を始めたソ連軍は、武器を持たない無抵抗の日本人を殺しながら、瞬く間に樺太や千島列島を占領した。
占守島 ( しゅむしゅとう ) で樋口中将が抗戦を命じなければ、北海道はソ連軍に 蹂躙 ( じゅうりん ) されていたのだ。
ソ連軍は、朝鮮半島も占領したが、アメリカ軍が上陸してくると、米ソ協定に従��38度線以北に退いた。 ��連軍は、東ヨーロッパの占領地域でも、社会主義人民共和国政権樹立に力を注ぐようになった。 日本の敗戦でベトナムにはフランスの植民地支配者が戻ってきていたが、1945年9月に革命が起こり、ホー・チ・ミンがベトナム社会主義共和国の建国を宣言した。しかし、フランスは、それを認めなかった。 1945年10月、国際連合(本部:ニューヨーク)が発足した。 イギリスでは、大戦終了直前の選挙で勝った労働党政権が、「ゆりかごから墓場まで」の福祉充実策を実施し、銀行,石炭,通信,航空,電気,鉄道,ガス,鉄鋼などの重要産業を国有化していった。そのため、産業は競争力を失い、[イギリス病]とよばれるほど国力は衰退した。復活には、1980年代のサッチャー登場まで待たなければならなかった。
朝鮮半島では、信託統治(国際連合の信託を受けた国による統治)が検討されたが、まとまらず、アメリカとソ連による分割占領が行われた。 1945年10月10日、中華民国と中国共産党との間で、「内戦を避け、独立・自由・富強の新中国を建設」するための協議が行われたが、双方の思惑は、相手を潰す準備を整えるための時間稼ぎだった。 1946年6月、イタリアでは王制が廃止されて共和政となった。翌年2月にパリ講和条約を結んだイタリアは、エチオピア・アルバニア・リビア・ソマリランドなど総ての海外植民地を失った。 1946年6月、ベトナム南部で、フランス領コーチシナ共和国臨時政府の樹立が宣言された。 1946年7月、中華民国と中国共産党との間で、全面的な内戦が始まった。当初はアメリカの支援を受けた国民党軍が優勢なように見えたが、次第に、ソ連に降伏した関東軍の装備等( 就中 ( なかんずく ) 精鋭将兵の軍事指導)を利用できる中国共産党に形勢が傾いていった。 1946年12月、ベトナム軍とフランス軍の戦争が始まった。フランス軍が優勢だったが、ベトナム社会主義共和国軍はゲリラ戦を展開して頑強に抵抗した。 1947年2月、建国を悲願とするユダヤ人とアラブ人の紛争が絶えなかったパレスチナを持て余したイギリスは、委任統治を放棄し、国連にゲタを預けた。11月、国連総会は、パレスチナの土地の6割弱をユダヤ国家に、4割強をアラブ国家に分割する案を、可決した。倍以上の人口を抱え、殆どの土地を所有するアラブ人側に過酷すぎる不自然な決定は、アメリカ大統領トルーマンのゴリ押しによるものと言われている。
そこから、中東戦争が始まり、長く続くこととなった。 朝鮮半島では、統一政府樹立のための総選挙がソ連の反対で実施できなかったので、1948年5月にアメリカの占領下にある南部だけで総選挙が行われ、李承晩が大統領に当選した。8月15日、大韓民国第一共和国の樹立が宣言され、アメリカ軍政が廃止された。 1948年9月9日、朝鮮半島北部を実効支配する勢力(満州派、甲山派、南労党派、中国共産党、延安派、ソ連派など)が、朝鮮民主主義人民共和国の建国を宣言した。 1949年1月、中共軍が国民党軍を敗退させて、北京に入城した。10月1日、毛沢東が北京市で中華人民共和国の建国を宣言した。10月25日、中共軍八個連隊は、対岸の 厦門 ( アモイ ) からの砲兵隊の援護を受け、200隻のジャンクで三方向から包囲するようにして金門島に迫った。これに対する国民党軍(三個師団と保衛一個連隊)は、旧日本陸軍中将 根本博氏の指揮を受け、一発も反撃せず、中共軍を上陸させて島内に誘い込んだ。日没後、国民党軍は、ジャンクに火を放って上陸軍への補給と退路を断ち、総反撃に出た。中共軍は、混乱し、包囲網の開いた一方向に雪崩を打つように殺到して海岸に向かったが、追いかける国民党軍と島陰で待機していた海軍の挟み撃ちに合って壊滅した。以後、中共軍は、対岸から砲撃するだけで、金門島に上陸しようとしなくなった。
1949年4月、北米と西欧の30箇国は、軍事同盟NATOを結んで共産圏の脅威に備えた。 1949年6月、ベトナム王国ができ、ベトナム帝国皇帝だったバオ・ダイが国王になった。 1949年12月、南京から逃れ出た蒋介石らは、台湾島の台北に中華民国政府を移転させた。 1950年1月、イギリス労働党政権が、中華人民共和国を承認した。 1950年2月、フランス、アメリカ、イギリスがベトナム王国を承認した。 1950年5月、韓国の総選挙で、李承晩政権に対する不信任の結果が示された。2年後任期満了時の再選を危ぶんだ李承晩は、人気挽回策として、対日戦意を煽り「対馬侵攻」を名目に精鋭軍を南下させ釜山に集結させた。手薄となった首都ソウルは、「国土完整」を唱える朝鮮民主主義人民共和国軍にとって、格好の餌食に見えた。 1950年6月25日早朝、北朝鮮軍による総攻撃が、青天の霹靂の如く、何の前触れも無く始まった。防衛ラインは次々と突破され、韓国軍はひたすら敗走を続けた。韓国政府は非常閣僚会議で、ソウルを捨てて南にある水原への遷都を決め、李承晩は更に南の大田に逃れた。ラジオは「国連軍が助けてくれるから安心しろ」と大統領の肉声を放送し続け、新聞は事実と異なる韓国軍の反攻を伝えていた。大統領が逃げ、国民を欺き続ける中で、北朝鮮の南進を少しでも遅らせる為、韓国軍はソウルを東西に流れる漢江の人道橋を、多数の避難民もろとも、爆破した。後に、橋爆破の現場責任者だったチェ・チャンシク大佐が責任を問われて処刑され、真相は闇に葬られた。 米軍機動部隊が大田に到着し防衛線を築いたが、北朝鮮軍は韓国軍を攻め、それを崩壊させて横にいる米軍を包囲した。韓国軍は大量の米軍装備を放棄して逃げ、それを北朝鮮軍が使い、米軍の装備で米軍兵が殺害される状況になった。 しかし、李承晩は、韓国軍が前線に立つことを主張し続け、状況は改善されなかった。 その結果、米軍主体の国連軍は敗北を重ね、8月末には、北朝鮮軍が釜山まで60キロメートル余の昌寧郡に迫った。 9月2日、マッカーサー元帥が国連安全保障理事会に「国連軍の活動に関する第3次報告書」を提出し、国連軍増強の必要を強調した。また「北朝鮮軍がカムフラージュの為に民家や民間輸送機関を利用しており、軍事目標を識別することは著しく困難である」旨説明し、民間人・施設に対する攻撃の正当性を説明した。民家人を装い、或は、民間人に紛れ込んで、民間人が攻撃しているように見せかけるのは、共産主義者の常套手段。民間人の犠牲を材料とするプロパンガは、彼らの強力な武器となる。9月15日、国連軍は、仁川上陸作戦を成功させ、ソウルを奪回した。
しかし、李承晩の主張に基づき韓国軍を前線に立たせた結果、米軍の装備で米軍兵が殺害される状況が再現され、翌年1月、中共軍にソウルを占領されてしまった。 その後、戦況は、一進一退を繰り返したが、国連は休戦への道筋を作り、両軍の捕虜送還協定が締結された。 6月18日、李承晩は、国連決議を無視し、アメリカに何の予告も無く、抑留中の朝鮮人民軍捕虜二万五千人を北へ送還せずに韓国内で釈放させ、国際世論の非難を浴びた。この釈放は、不法に抑留した日本人の返還と引き換えに、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として日本の刑務所で収監されている韓国人受刑者に対する放免・日本永住許可付与を要求した手口に相通ずる処がある。 1951年9月、サンフランシスコで吉田茂首相が講和条約に調印し、日本は主権を回復した。朝鮮・台湾・南樺太・千島は放棄し、沖縄と��笠原諸島はがアメリカの占領下に置かれることとなった。調印したのは48カ国だった。同日、日米安全保障条約が結ばれ、アメリカ反共陣営に日本が組み込まれた。 1952年1月、韓国は、 所謂 ( いわゆる ) 李承晩ラインを一方的に設定した。 1953年3月、ソ連の最高指導者スターリンが病死した。 1953年7月、朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国が、軍事境界38度線を挟む休戦に同意した。軍事委員会委員長に就任した金日成は、朴憲永、金枓奉、崔昌益、許貞淑、金昌満、武亭、朴一禹、朴孝三、方虎山、尹公欽、徐輝、李相朝、金雄、鄭律成、金元鳳、許哥誼、朴昌玉、金烈、朴義琓、総政治局長、崔遠、金七星ら他派の政敵を次々に追い落とし粛正して、権力を強化しいった。 1953年12月、韓国は、日本海で漁船数百隻を拿捕し、乗組員数千人を抑留した。
そして、抑留者の返還と引き換えに 日本の刑務所 で常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として 収監 されている韓国人 受刑者 の 釈放 を要求した。日本政府 はこれを飲み、在日韓国人犯罪者472人を放免し、日本での永住許可を与えた。 1954年2月、 嘗 ( かつ ) て中国西北部の陝西省で毛沢東らを迎え入れた高崗が「東北部を独立王国にしようとした」という濡れ衣を着せられて失脚し、半年後に毒殺された。 1954年、ベトナム国王バオ・ダイは、首相にゴ・ジン・ジェムを任命した。翌年、ゴ・ジン・ジェムが国民投票を実施し、ベトナムは共和国になった。ゴ・ジン・ジェムは大統領に就任し、アメリカの軍事援助を取り付けた。バオ・ダイはフランスに亡命した。 1955年、ソ連と東欧諸国は、NATOに対抗するため、軍事同盟WPOを結んだ。 1956年、ソ連での個人崇拝批判の影響受けて、北朝鮮でも金日成批判の動きが出てきたが、金日成は、甲山派と組んで政敵を除名し逮捕した。 1956年5月、毛沢東は、最高国務会議で「百花斉放 百家争鳴」を提唱し共産党への批判を歓迎した。翌年2月の最高国務会議でも中国共産党に対する批判を呼びかけるとともに、翌月6日から1週間かけて全国��伝工作者会議でもさらに中国共産党に対する批判を呼びかけた。知識人の間で中国共産党に対する批判が徐々に出始めるようになり、共産党の中国支配に異を唱えたり毛沢東の指導力を批判する者も出てきた。5月、毛沢東は、新聞に対して党の批判とあわせて「右派」に対する批判も行うよう命じたが、「右派らは有頂天になっている。まだ釣り上げてはならない」と述べた。6月、人民日報は「右派分子が社会主義を攻撃している」という毛沢東が執筆した社説を掲載した。10日後、人民日報は、毛沢東が 嘗 ( かつ ) て「百花斉放 百家争鳴」を呼びかけた演説内容を掲載したが、演説したという内容は、批判を制約するものだった。党を思い切って批判した知識人たちは社会主義政権破壊を画策した[右派]というレッテルを貼られ、知識人の粛清運動(反右派闘争)が始まった。以後、中国共産党批判は二度と行われなかった。
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武漢市の封鎖は1月23日10時から始まったが、通告時刻は同日午前2時5分。その間数十万の武漢市民が脱出した。なぜこの時間的ゆとりを与えたのか?解答を追いかけていくうちに、とんでもないことが判明した。
◆武漢市の封鎖通告時刻と実行とのずれ
「武漢市新型コロナウイルス感染による肺炎流行予防制御指揮部」は、1月23日午前2時5分に武漢人民政府の名において、「市新型コロナウイルス感染による肺炎流行予防制御指揮部(第1号)」を発布した。「長江日報」は中国共産党武漢市委員会の機関紙なので、そのウェイボー(weibo)は権威ある発表となる。但しweiboはこの情報を見た場所の時差を調整して表示するので、1時間の時差がある日本時間「03:05」と表示されている。
念のため、以下に現地時間のweibo情報を貼り付けておこう。
また、「武漢市人民政府」のHPの通告もご紹介しておく。何れの場合も、通告内容は以下の通りである。
==
新型コロナウイルス感染による肺炎の流行を防御することを全面的に遂行し、効果的にウイルスの伝染経路を遮断し、疫病の蔓延を断固阻止し、人民群衆の生命安全と健康を確保する��めに、ここに以下のことを通告する:
2020年1月23日10時を以て、全市のバス、地下鉄、フェリーボート、長距離旅客輸送を含む公共交通を全て、暫定的に停止する。特殊な原因がない限り、市民は武漢を離れてはならない。武漢から外部に移動する飛行場や列車の駅は暫時封鎖する。いつごろ回復するかは追って通知する。
広大なる市民と旅客の理解と協力を求める!
==
この通知は22日の夜中、正確には23日の午前2時5分に発布されているので、「封鎖実行」と「封鎖予告」の間には約「8時間」のゆとりがあることになる。
それを証明するかのように、中国政府の通信社である新華社通信の電子版「新華網」も23日の午前「03:15:55」に通告を発布している。こちらには「街の掲示板」による通告も載っている。また、これはweiboではないので、現地で発表された時間(転載された時間)がそのまま表示されている。
「通告」と「実行」の時間差「8時間」は何を意味するのか?
こんな通告を知って、武漢市を逃げ出さない方がおかしいくらいだ。逃げ出せる財力と脱出先のある者は、封鎖される前に逃げ出すに決まっているだろう。ましていわんや春節を控えている。30億人の大移動が始まると中国政府は早くから言っていた。事実、この間に数十万人の武漢市民が武漢市を脱出したと、中国のネットは一時燃え上がった。次々に削除されているが、中国大陸外の中文メディアには「8時間の間に数十万の武漢市民が脱出した」という情報が数多く残っている。
◆空白の「8時間」を追え!
なぜ武漢市はわざわざ「さあ、脱出するなら今だよ!」というような通告の仕方をしたのか。伝染が拡大するのを本気で防ぎたいと思うのなら、こんなことはしないはずだ。
私は1947年から48年にかけて、長春において中国共産党軍(八路軍)による食糧封鎖を受けている。封鎖を事前に知らせるどころか、封鎖は気づかれないようにジワジワと迫ってきた。気が付いたら長春市全体が鉄条網で包囲され、市民は長春市から出られないようになっていたことを知った。長春市内にいる国民党の一派(正規軍から差別待遇を受けていた雲南60軍)が共産党軍側に寝返って長春は48年10月に陥落したが、その間に餓死した中国人一般庶民は数十万に及ぶ。
長春食糧封鎖という経験と中国政府の事実隠蔽に関して生涯をかけて闘っている私にとって、この「空白の8時間」は「あり得ない措置」なのである。
「なぜだ?」「何があったのか?」を、ここのところほとんど寝ずに追跡した。
おまけに1月24日付のコラム<新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?>に書いたように、武漢市レベルの封鎖となったら、中央政府・国務院の決定がある。だからこそ、武漢市政府の通告とほぼ同時に新華網の通知がネットで公開されている。それも真夜中に!
国務院が封鎖の決定を出す際の法律的根拠を、さまざまなケースに分けて明記した情報もある。
1月24日付のコラムで書いた武漢市政府の、あの救いがたいほどの「愚かしさ」のせいかとも思ったが、なぜ武漢市政府がそこまで愚かしいのかを追跡しても「これだ!」と合点するような因果関係には遭遇せず、むしろ今度は「なぜ新華網が真夜中に封鎖通告を発布したのか」という事実に考えが集中した。
そこでハッとしたのがWHO(World Health Organization=世界保健機関)との関係だった。
◆WHOの緊急委員会開催に時間を合わせていた!
今般の新型コロナウイルス肺炎の発生と流行が「緊急事態に当たるか否か」を協議するため、WHOの緊急委員会が、日本時間の1月22日午後8時頃からスイスのジュネーブで開催されることになっていた。
そのため習近平は1月22日にフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相などと電話会談し、今般の新型肺炎の対策について、「中国は感染発生以来、予防制御の措置を周到に行い、WHOなどにも速やかに情報を提供している」したがって中国は「国際社会と協力して対策を取る考えである」ことなどを強調している。
これは、「したがって、どうか今般の新型コロナウイルス肺炎の発生と流行に対して“緊急事態宣言”をしないでくれ」と、発言力のある関係国に頼んだことを意味する。
スイスにおける会議の開始時間は日本時間午後8時頃。
武漢と東京の時差は「1時間」。
したがって武漢時間の1月22日午後7時から会議が始まるという計算になる。
22日真夜中に封鎖令を通告しても、もう遅いのだが、フランスのマクロン大統領と習近平国家主席との間の電話でもあったように、おそらく「WHOとは緊密に連絡し合っている」のだろう。だから、もうすぐ封鎖令を出すこともWHO事務局には「情報提供」しているはずだ。会議は長引いたようなので、滑り込みでギリギリ間に合ったのだろう。
結果、習近平はWHOに「緊急事態宣言」をさせないことに成功している。
日本時間の1月23日、WHOのテドロス・アダノム事務局長は「緊急事態判断を保留する」と、記者会見で発表した。つまり「緊急事態宣言」の先延ばしをさせることに習近平は成功したのだ。すなわち、「封鎖令も出して、きちんと新型肺炎の感染を防ぐための予防制御をしていますから緊急事態宣言を出す必要はありません」というシグナル発信が功を奏したことになろうか。
もしもここで「中国は緊急事態にある」などということを宣言されたら、米中覇権争いは中国にとって壊滅的打撃を受けるだろう。それを避けるためにも、習近平は必死で「奥の手」を使ったと推測される。
◆習近平とWHO事務局長との関係
その相手こそが、このWHOのテドロス・アダノム事務局長だ。
彼はエチオピア人で、習近平政権に���ってからエチオピアとの蜜月は半端ではない。2013年6月14日、習近平国家主席は訪中したエチオピアのハイレマリアム首相と北京の人民大会堂で会談し、2014年07月9日にはエチオピアの当時のムラトゥ大統領と同じく人民大会堂で会談している。2017年5月12日にはやはり人民大会堂でエチオピアのハイレマリアム首相と会見。今日まで李克強のエチオア訪問など枚挙に暇がないが、近くは、2019年に4月24日に習近平国家主席は訪中したエチオピアのアビー・アハメド首相と人民大会堂で会見している。
今ではエチオピアへの最大投資国は、言うまでもなく中国である。
2017年7月からWHOの事務局長になったテドロス・アダノム氏はそれまで外務大臣を務めていた。習近平との接触は長い。どれだけ懇意にしているか計り知れないほど入魂の仲なのである。そして緊急事態宣言の最終決定権はWHO事務局長の手の中にある。
あの空白の「8時間」は、首の皮一つでWHOによる「緊急事態宣言回避」のためにあったと結論付けていいだろう。23日の朝10時の封鎖令実行と同時か、それ以降に発表したのでは遅かったのである。
◆パンデミックを招きつつある習近平
しかしその「策略」がもたらした負の影響は、恐るべき結果を招きつつある。
新型コロナウイルス肺炎の潜伏期間は10日間前後で1~14日間くらいの幅があるそうだ。仮に10日間だとして、武漢から脱出した数十万人と推計されている人たちは中国全土あるいは世界のどこかに散らばってしまった。ということはウイルスも同時に拡散しているわけで、「人から人」感染があり、かつ二次感染もあるとのことなので、1月23日以降から最大14日間として2月5日までは爆発的に患者が増えていく危険性をはらんでいる。パンデミック寸前だ。
本日(26日)、中国政府の関係当局は「ウイルスの伝染力が強くなりつつあるかもしれない」と言ったが、それもあるだろうが、急激に広がったのは武漢市民の脱出が関係しているだろう。WHOの「緊急事態宣言」を回避するために「8時間」の空白を生み出したためにウイルスを持っている可能性が高い武漢市民数十万を一気に各地へと分散せてしまったのだから。発生源となっている海鮮市場では大量の新型コロナウイルスが検出されたと北京は発表したばかりだ。
だとすればパンデミックを招きつつある犯人は習近平国家主席だということになる。
1月24日のコラム<新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?>では、元凶は地方政府の「北京しか見てない役人根性の愚かさにある」と書いたが、今回は、それを受け止めた北京の「巨大な保身」にあると言っていいだろう。
中国人民の命を守ることが大事なのか、それとも世界に対するメンツを守ることが大事なのか。
全人類に対する責任を重視することが大事なのか、それともWHOからの処罰を一時的に免れることが大事なのか。
たとえ「緊急事態宣言」を受けたとしても、パンデミックを起こさないことの方が遥かに重要だと思うが、それを選択できないところに中国の欺瞞的な構造がある。地方政府の危なさと共に、こういった所に「ポキッと��れるかもしれない」中国の脆弱性が潜んでいるのである。
このような国の国家主席と「責任を共にすると誓い」、国賓として来日させようとしているのが日本の安倍内閣だ。天皇陛下と握手する場面を全世界にばらまかせることによって、習近平政権のやり方に正当性を与えようとしている。
このような状況にあってもなお、習近平を国賓として招聘するなどということが、どれほど恐ろしい未来を日本にそして全世界にもたらすか、安倍内閣は真相を見る目を持つべきだ。
野党も何をしているのか。習近平の国賓来日が、どれほど危険な将来をもたらすか、そのことにも目を向けた大局的な国会議論を望む。
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共産党は命より面子を優先
武漢から発生した新型コロナウイルスの蔓延は、ひとえに中国共産党の失政による「人災」です。 2019年12月上旬の時点で、新型とみられる肺炎の症状を訴える患者が確認されていたにもかかわらず、中国当局が本格的な対応を指示したのは1月20日になってから。いち早く新型肺炎の懸念に警鐘を鳴らした34歳の李文亮医師は警察に連行され、その口を封じられました。 この医師は自身もウイルスに感染し、結果的に命を落とすことになりました。体力のない老人や既往症のある人とは違う、若い男性だったにもかかわらずです。告発した見せしめのために、中国当局が適切な治療を受けさせなかったのではないかとさえ勘繰ってしまうのは、私だけではないはずです。 このこと一つ取り上げても、中国共産党が新型コロナウイルス対応よりも、情報の隠蔽に力点を置いたことは明らかです。中国当局は、人民の命よりも自らの「面子」を優先し、事態をここまで悪化させた。「人災」としか言いようがありません。 一方で、中国共産党がいくら情報を統制しても、世界中を結ぶインターネットの網の目を潜り抜けて現地の情報が漏れ伝わってきます。特に動画は現地の状況を生々しく伝えており、中国のSNSである微信(ウィーチャット)などにアップされる動画や写真は、見ているだけで気が滅入るような、ひどいものばかりです。 「私は何の症状もない、自宅から一歩も出ずにおとなしくしているのに、どうして私を連れて行くんだ!やめて!」と泣き叫ぶ女性を、公安当局が数人がかりで無理やり車に乗せていく映像。 当局の指示なのか、近所の人たちから「外に出るな!」と言われて玄関に木材を打ち付けたり、溶接するなどして完全に閉ざされてしまう家の様子。 病院の待合室で突然倒れたまま、何の治療も受けられず放置されている人の姿。 遺体が入っていると思われる袋が山積みになっている光景……。 もはや、中国から流れて��る情報は「殺人の生中���」と言っても過言ではありません。直視するのもつらいけれど、決して看過するわけにはいかない現実が映し出されています。
不信の悪循環で事態悪化
中国で目を覆うような惨状が展開されている最大の要因は、人々に中国共産党当局に対する不信感があるからです。 日本であれば、もし肺炎の症状が出ても、病院や政府に申し出れば適切な処置を受けられるだろう、という信用があります。 しかし中国の場合は、肺炎の症状を訴えたところで、適切な治療が受けられるとは誰も信じていません。当局は人々に外出を禁じ、罹患の疑いのある人は一家まとめて医療施設に”収容”するとしています。しかし連行されたあと、適切な治療を受けられるのか、確証は全くありません。 中国が公開している臨時収容所などの様子を見ても、広い室内に何の仕切りもなくベッドが並べられているだけ。医者や看護師が派遣されるかどうかすら分からない状況で、「野戦病院よりひどい」という指摘もあるほどです。これでは、患者を収容しても施設内でウイルスが蔓延し放題で、家で寝ていれば治ったような患者でもかえって死に近づいてしまう。 「どうせまともな治療は受けられない」 「むしろ収容所に押し込められて放置される」と思っているからこそ、人々は連行に抵抗し、仮に新型肺炎の症状があっても病院にはいかない。この「不信の悪循環」が事態を悪化させている。 こうした意味でも、今回の事態は中国共産党による「人災」なのです。中国共産党の隠蔽体質と人々の当局不信を合わせて考えれば、新型肺炎の罹患者数も死亡者数も、実際は中国の発表の数倍、数十倍、それ以上に達している可能性も否定できません。 中国当局は世界からの視線に耐えかねたのか、武漢市内に新型肺炎患者を受け入れる「火神山医院」をわずか10日で建設し、人民解放軍の湖北支援医療チームを急行させました。 当局の発表では「既存の伝染病病院を上回る防護隔離基準を採用した」として院内の模様などを公開していますが、ハリボテに過ぎないでしょう。いまでは中国当局の発表でさえ1日2000人以上が新たに罹患しているなかで、病床が1000しかない病院でどうやって事態に対処するつもりなのでしょうか。 大紀元時報が報じたところによれば、湖北省の複数の火葬場では遺体の処理数が通常の四倍から五倍に達しているといいます。 〈電話取材を受けたある火葬場の幹部によると、旧正月に入る前から無休で働いており(中略)「昨日(2月3日)も127人の遺体が運ばれてきて、116人を火葬した。死亡証明書の『死因』に『新型肺炎』と書いてあるのは8件、『新型肺炎の疑い』が48件だった〉(大紀元、2月8日) この記事からは、火葬する遺体が増えているのは新型肺炎の影響ではないか、という点だけではなく、死因が「新型肺炎の疑い」とされる人々が、はたして当局��発表している「新型肺炎による死亡者数」に含まれているのかという疑念も生じてきます。 感染者数、死者数、死亡率など、中国当局が発表している数字は一つとして信用ならないのです。
都合の悪い人物の排除
また、新型肺炎を口実に、この機に乗じて共産党体制にとって都合の悪い人物の排除に乗り出しているのではないか、という点も懸念されます。 新型肺炎の当局の対応に文句を言っただけでも連行されかねませんし、全く違う目的で拘束したい人間を、新型肺炎を口実にして連行しているのではないかという懸念は、中国ではさほど突拍子もないものではありません。 中国共産党のやり口は、日本人の想像をはるかに超えています。何より、「共産党ならやりかねない」……そうした懸念が説得力を持ってしまうほど、中国共産党に対する不信は極まっているといっていいでしょう。 そうした共産党に対する不信感は、本来は助け合うべき民衆同士の相互不信を煽ります。おそらく当局は人民に対し、「肺炎の症状があるのに申し出ず、隠しているような家庭があれば告発せよ」とのお達しを出しているのではないでしょうか。 武漢市だけでなく湖北省全域、浙江省、広州など患者が多いとされる地域から戻ってきた住民の家を、近隣住民が封鎖する動画などもネット上には上がっています。これも公安の指示に加えて、民衆同士の相互不信によるものでしょう。 「隣の家には感染者がいるようです。早く連れて行ってください」と報告があれば当局は強制的に対応するでしょうし、抵抗する人々を見て周りの人が「嫌がっているのだからやめてください」などと言えば、「反革命的態度だ」といって自分が連行されかねない。これは、私も経験した文化大革命の時代と同じ手法です。 となれば、相互不信は当局によって作り出されている面もあるでしょう。一つの村や町で人々が団結し、新型肺炎対応に対する当局非難デモでも起こされれば、共産党体制に揺らぎが生じます。人々を分断しておくことは、当局にとって非常に都合がいいのです。
日本政府の対応は手ぬるい
私は中国にいる知り合いや、在日中国人のネットワーク、春節だからと地元に帰省していた友人の留学生などから情報を得ていますが、誰もが大きな不安を抱えています。 春節前なのでみな地元に帰っていたのですが、家に着いた途端に14日間の隔離を命じられ、家から出られない。私の教え子も日本へ戻るための航空券をキャンセルされ、それっきり連絡もなく待たされていると聞きました。国内の交通自体も止まっているので、空港に行くことすらままならない状況です。 家に閉じこもっているのにも限界があり、食料などの調達には「ネットスーパーを使え」と指示されているようですが、配達可能地域外の人たちも多くいる。また、「一家族につき、2日に1度は買い物に出てよい」とする通行証も配給されているようですが、マスクがなければ外出できない。 当局は「配給や物流を止めないよう全力を尽くして対応している」と発表していますが、全くのウソです。 自宅に閉じ込められて物資を得る方法がなければ、まさに「座して死を待つ」状況。そうした事態を強要している中国当局は、ある種の殺人を行っているといえるのではないでしょうか。 日本の報道を見ていると、漏れ伝わってくる情報とは異なり、中国当局の発表をなぞるばかり。日本の政府の対応も手ぬるいものとしか思えません。 他国はかなり早い段階で、中国からの渡航者を武漢に限らずシャットアウトしました。しかし日本は、春節を利用した中国人観光客が目減りするのを惜しんだのか、あるいは政治家が中国共産党に弱みを握られ圧力をかけられているのか分かりませんが、対応は後手に回り続け、中国に続いて2番目に感染者の多い国になってしまいました。 日本から中国にマスクを送ったり、寄付を呼び掛ける声もあります。これ自体は美しい人道的行動であり、また、それに対する中国からの感謝の声も報じられていますが、こうしたことに騙されてはいけません。 そもそも、日本から送ったマスクが、中国人民の末端にまで届いているわけがない。仮に届いたとしても、それは中国共産党幹部が自らの力や組織を強めるための道具に使っているのです。金銭の寄付をするならば、日本赤十字を通じるなど追跡可能な形でやるべきで、そうでなければ共産党幹部の懐に入るなど、いいように使われてしまう。 日本の善意が中国共産党の悪意に使われてしまう──。こうした経験は、今回が初めてではないはずです。疫病という生死がかかわる状況で日本の善意が利用されるほど許せないことはないし、困っている人々を助けたい日本人にとっても本意ではないはずです。 要は「助け方」の問題です。中国当局を信じ、他の民主主義国家を助けるような気持ちで何をしても、人々のためにはなりません。最も必要なのは、国際的な医療チームを中国国内に派遣し、実態を調査するよう圧力をかけることでしょう。
もはや対岸の火事ではない
2月10日にはWHOの調査チームが中国入りしたと報じられていますが、WHOのこれまでの及び腰の対応を見てもわかるとおり、エチオピア人のテドロス事務局長は完全に中国に頭を押さえつけられています。中国に阿っていることが明らかな組織に、実態解明など期待できません。 ほんの少し前まで「各国の中国からの渡航制限は過剰だ」などと述べていたWHOは、2月12日になって「新型ウイルスは世界的に非常に重大な脅威」などと言い出していますが、遅すぎます。 すでに、日本にとって新型肺炎は「対岸の火事」ではありません。それどころか、中国では「日本に逃げるならいまだ」という声さえ上がり始めています。 このままでは、日本は「ウイルス輸出国」に転落しかねません。日本のためにも、中国共産党の発表を鵜みにするのではなく、国際機関などとともに中国に強い圧力をかけてもらいたい。 なぜ、私がここまで強く中国共産党を批判するのか。それは先にも述べたように、私自身が文化大革命を体験しているからです。 私は5歳半の時に何の前触れもなく、「お前たちは”下放”だ」と共産党から告げられ、どこに行くかもわからないまま一家でバスに乗せられました。そして荒廃しきった田舎の、何年も人が住んでいない廃屋に投げ出されたのです。 当時も春節の直前でした。母が春節に備えて麻袋に蓄えていたお菓子を食べて何とか凌ぎましたが、凍死するか餓死するかの瀬戸際で、幸い体が丈夫にできていたから運良く死ななかっただけ、という状況でした。 周りもそうした家庭ばかりで、幸せに暮らしていた一家が、ある日突然、その生活を奪われて地獄に放り出されたのです。 中国共産党は昔も今も、人民の生活、人生はおろか人命さえも軽視している。私自身が体験した文化大革命でも、今回のコロナウイルス対応でも、全く同じことが繰り返されているのです。 中国政府を信用してはいけない。彼らは想像をはるかに超える残酷なことを平気で行う。この大前提を、決して忘れてはいけません。
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フランスは23日、政府軍と反政府勢力の戦闘が激化するエチオピアに滞在する自国民に出国を呼び掛けた。国連(UN)も職員の家族に即時出国を命じた。反政府勢力は首都アディスアベバまで約200キロに迫っていると主張しており、国際社会に警戒感が広がっている。 エチオピアを含む「アフリカの角(Horn of Africa)」地域を担当する米国のジェフリー・フェルトマン(Jeffrey Feltman)特使は、約1年にわたる内戦の政治的解決に向けた取り組みで若干の進展があったが、現地での「憂慮すべき展開」によって台無しになる恐れがあると警告した。 23日には、フランスが欧米諸国に続いて自国民に出国を呼び掛けたほか、国連も職員の家族に即時出国を命じた。 反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」は今週、首都から220キロ足らずの町を掌握したと発表したが、通信網が遮断されているため検証は困難となっている。
仏と国連、エチオピアから退避呼び掛け 内戦激化懸念 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
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2010年9月27日、AP通信は、世界第2位の経済大国となった中国に先進国が支援を続けていることについて、納税者の多くが疑問を持っていると報じた。西部網が伝えた。
中国は自国がなお途上国であり、外国の支援を受け続けることができると主張している。しかし中国のGDPが日本を抜いたのはまぎれもない事実。北京五輪、上海万博を見る限り、貧困国であるようには見えない。またさまざまな現象が中国は富裕国であるばかりか、ぜいたくな国でもあることを示している。
英国とドイツはここ数カ月の間に、いくつかの対中支援プロジェクトの削減及び規模縮小を決めた。また長期間にわたり支援額が最多だった日本も北京五輪開幕前に、全ての低利子融資の中止を決めている。英国政府の対外援助プロジェクトを担当するアドリアン・デーヴィス氏は、「五輪と万博は欧州の人々に中国経済の強大さと豊かさを教えました。今や市民に中国がなお援助を必要としている国だと信じさせることは難しいでしょう」と話し、来年3月にも対中援助を全面中止すると明かした。
経済協力開発機構(OECD)のデータによると、2007年から2008年にかけ、外国の対中援助額は26億ドル(約2190億円)に上る。一方、一人当たり収入が中国の10分の1しかないエチオピアが受け取った外国の援助はわずか16億ドル(約1350億円)だ。
記事によると、1979年の改革開放から中国経済は繁栄へと向かったが、外国の経済援助は減るどころかむしろ増えているという。1979年、外国政府の援助はわずか431万ドル(約3億6300万円)。30年後の2009年には25億ドル(約2110億円)を記録している。中国への援助が最多の国は日本。以下、ドイツ、フランス、英国と続く。
” - 世界2位の経済大国中国に支援は不要=英独が対中援助中止・削減へ―米メディア(Record China) - livedoor ニュース (via itokonnyaku)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月30日(日曜日)弐
通巻第6929号
エチオピアの通信網入札で敗退した中国は「裏切り」と認識した
英米日連合が8億5000万ドルの5G通信網プロジェクトを獲得
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ファーウェイとZTEをプロジェクトから排斥したエチオピア政府。率いるのはアビー・アーメド首相。この人、エリトリア、ジブチ、ソマリアに囲まれた内陸国家の内戦を停戦に導き、とくにエリトリアとの和平合意によって、2018年度の「ノーベル平和賞」を受賞した辣腕政治家である。
アーメド首相は軍人あがりのスポーツマンとして知られ、首相官邸に押しかけた反乱兵士に「腕立て伏せ」競争を提案して、殺伐とした雰囲気を和ませたという逸話もある。
さてエチオピアは国営通信が電話網を独占してきたが、経済のグローバル化にともない外国企業の参加を認めることとなって、次世代通信網建設を國際入札とした。
中国が間違いなく入札すると見られたうえ、価格も英米日コンソーシアムが提示した8・5億ドルより安い6億ドルだったという(サウスチャイナモーニングポスト、5月29日)。
あまつさえ過去の「実績」。
中国は首都アジスアベバから沿岸のジブチへの700キロの鉄道電化を請け負い、高速道路の70%も中国が建設。このほか発電所、空港などインフラ整備に138億ドル(2018年度までの累積)を投下してきた。そのためエチオピアは「アフリカの中国」とまで呼ばれた。AU(アフリカ連合)本部ビルも中国が建てて寄付した(2億ドル)。中国の狙いは国連のアフリカ票をまとめる���めである。
「これは代理戦争ではない」とアーメド首相は言った。中国の意外な敗退を「裏切り」と認識した中国向けの発言である。
背景には米国がファーウェイとZTEをブラックリストに載せたことが最終決断に大きく作用した。
英米日連合は英国ファンドのCDCが英国ボーダフォン、ケニアのサファリコム、南アのボーダコム、日本の住友商事をまとめ、15年の貸し付けとする内容。エチオピアは人口大国(1億800万人)。市場は向こう十年に80億ドルのビジネスと想定している。
さてエチオピアといえば、ソロモン王末裔が紀元前に建国したという古い歴史の国であり、近隣諸国との戦争で、エリトリア、ジブチという海への出口を、それぞれの独立によってふさがれたため、海軍を廃止したほどの内陸国家。その上、ベタ・イスラエルと呼ばれたユダヤ教信者がおよそ13万人、イスラエルへ移住した。
民族構成はオモロ族が35%、アルハラ族27%、そのほか100以上の部族があり、宗教的分布はキリスト教(コプト)が63%、イスラムが33%。
アーメド首相もアベベ選手もオモロ族である。
1974年に軍部左派のクーデタが起こり、所謂「メンギスツ革命」で廃止されるまで帝政だった。
ハイレ・セラシア皇帝の時代、マラソンのアベベ選手が東京五輪で優勝した。
エチオピア航空は成田に乗り入れ、近年は日本人のツアーが人気を集めていた。
#アフリカの勇エチオピア#アフリカの独立国#エチオピアの通信網#通信網入札で敗退した中国#ファーウェイとZET通信排除#英米日連合で通信網プロジェクトをあ獲得#宮崎正弘の国際情勢解題#宮崎正弘の国際問題早読み#宮崎正弘の国際問題速読み#宮崎正弘の国際問題先読み
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月24日(月曜日)
通巻第6920号
中国が建てて寄付したAU本部からデータが北京に流れていた
アフリカの大統領官邸、国会、外務省、警察本部ビルを中国が建てる理由は?
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パプア・ニューギニアの国際会議場は中国が建設して寄付した。APEC国際会議のホスト国になっても、ポート・モレスビーにはろくな会議場がなかったからだ。いざ会議となると習近平のお泊まりになった超一流ホテルは、中国が会期中、全館を借り切り、玄関には朱色の中華門を建てた。
フィジーの首都はスパ。大統領官邸の修復工事を中国が寄付した。大学のキャンパスに孔子学院を開校した。パプアもフィジーも台湾と断交した。
アフリカ諸国において中国の「活躍」はもっと凄いことになっている。
「マスク外交」「ワクチン外交」そして「政府ビル寄付外交」である。
モザンビーク、シエラ・レオネ、ウガンダ、ケニアの外務省本部ビルは中国が建てた。多くが寄付、もしくは無利息融資である。
大統領官邸、警察本部、外務省ビルが中国の寄付対象。ほかに国際会議場などは、国際会議に併せ、中国礼賛の国際会議となりそうなら寄付する。
2021年、エチオピアの首都アジスアベバにはAU連合本部の立派なビルが建って、中国の寄付だった。合計二億ドルだったという。後日、FTや『ル・モンド』の報道によれば、データが「技術的なミス」で中国に漏れていたことが分かった。
2021年5月13日、王毅外相はアフリカ諸国訪問の旅でコンゴ民主共和国にも外務省ビル建設を約束した。
5月22日、突然、この国の火山が噴火した。ニーラゴンゴ火山噴火で、溶岩はゴマ空港近くにまで達した。東北部イヴ州に位置する。
中国の今後への異常な肩入れはモブツ独裁時代からで、大統領宮殿、モブツ庭園のほか、国立競技場、便ゲラ鉄道を建設支援した。理由は、コンゴがレアメタルの宝庫であり、とりわけコバルト鉱床は世界一である。
▲独裁国家は中国と馬が合う
ムガベ独裁だったジンバブエの国会議場は6階建て、中国が1・4億ドルを投じた。ジンバブエの法定通貨は人民元である。
ザンビアの首都ルサカにも国際会議場を建てた。
エチオピアには「アフリカ疫病対策センター」(CDC)を中国が8000万ドルを投じて��築される。昨師走に起工式を行った。仏紙『ル・モンド』は、「ゲノムのデータが中国に筒抜けになるだろう」と書いた。
欧米は、これらの中国の寄付外交には特色があり、第一に支配階級への賄賂、また中国側へのキックバックが常識。第二に外務省などを狙うのはデータ盗取が目的であることだと分析している。
ところで、中国にのめり込んだかに見えたエチオピアは5G通信網の契約をボーダフォンを基軸とする日英コンソシラムと決め、中国のファーウェイ、ZTEを排斥した(ウォールストリートジャーナル、5月22日)。日本は住友商事が投資会社の三割出資して加わる。エチオピアは人口1億強。電話普及率はまだ四割、商機ありと睨んだのだろう。
しかし、中国を袖にしたエチオピア、なかなかやりますね!
#アフリカの大統領官邸#国会、外務省、警察本部ビルを中国が建設するわけ#情報だだ漏れ#汚職#台湾国交断絶#情報漏洩#エチオピア#宮崎正弘の国際情勢解題#宮崎正弘の国際問題早読み#宮崎正弘の国際問題速読み#宮崎正弘の国際問題先読み
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中国の少数民族ウイグル族の人権活動家が来日して、中国政府による人権侵害・弾圧の実情を訴えた、というニュースが11月下旬に流れていた。
「習氏ほめる歌を強制」ウイグル族拘束、組織代表が会見 - 朝日新聞
「反抗すれば24時間立ち続け」ウイグル収容施設の実態 - 朝日新聞
この記事で思い出した「三題噺」を今回は記す。三題とは、中国政府が高度な監視社会の実験を進めている新疆ウイグル自治区での取り組みと標的にされたウイグル人の実情、習近平政権の肝いりで進んでいる「一帯一路」構想、そしてGoogleが中国市場再進出を視野に続けているとされる「Dragonfly」プロジェクトの3つだ。まずはグーグルのDragonflyプロジェクトの話から始める。
社内外から批判を浴びるGoogleの機密プロジェクト
米国時間11月27日に、Googleの一部の従業員が経営陣に対して同プロジェクトの中止を求めるブログ記事をMediumで公開していた。このグループの名前はずばり「Dragonflyプロジェクトに反対するGoogle従業員(Google Employees Against Dragonfly)」となっている。
We are Google employees. Google must drop Dragonfly.
この要求がこのタイミングで公に出された理由については、主要20カ国・地域首脳会議(G20)でのDonald Trump大統領と習近平国家主席との会談、そして共和党主流派のMarco Rubio上院議員ら超党派の議員たちが11中旬に明らかにしていたある法案ーー「Uighur Human Rights Policy Act of 2018」があったと考えられる(この法案は、米国から中国に圧力をかけてウイグル人への人権侵害、恣意的な勾留、拷問などをやめさせようといった主旨のもの)。
8月初めにThe Intercept(Edward Snowden氏による米国家安全保障局(NSA)の監視活動に関する内部告発を助けて名を挙げたGlen Greenwald氏が運営する政治・社会系ニュースサイト)の報道で存在が明るみに出た同プロジェクトについては、これまで具体的なことはあまり明らかになっていなかった。ただ、Googleが存在を正式に否定していないこと、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏が主導するプロジェクトで2人の創業者も反対してはいないらしいこと、そして中国政府の意に沿う形で、検索履歴とスマートフォンの電話番号を紐づけてユーザーを特定できる機能が組み込まれていることなどは伝えられていた。
個人がどんな情報を検索したか、誰がどんな事柄に関心を持っているかが簡単にわかるような仕組みを実装するというのは、中国市場参入にあたっての前提条件として現実的には仕方のない(法律で決められている)ことにせよ、かつて政府による情報検閲(不都合な情報の遮断)を理由の1つとして中国市場から撤退した会社にしては実に驚くべきことだ。
そして、Google社内にはそんな危ないプロジェクトを進めることに強い違和感を覚える人間もいる。同プロジェクトへの抗議として実際に同社をやめた研究者もいた。また以前、この件で経営陣に中止を求めた書簡には1400人を超える従業員が署名していた。今回のブログ記事もそうした流れの延長線上にあり、プロジェクトを中止すべき理由の1つとして、中国政府によるウイグル人への弾圧も挙げられている。
同プロジェクトに対する懸念の声は米政界からも上がっていた。10月にはMike Pence副大統領がこの取り組みを非難しており、一部の議員がGoogleに詳しい情報提供を求めたことも伝えられていた。
29日には、同プロジェクトをめぐるグーグル社内での軋轢などを具体的に記した記事がやはりThe Interceptに掲載されていた(同報道に触れた米CNET記事の一部が翻訳されている)。
グーグルの中国向け検索プロジェクト、プライバシーチームを排除か
これについては別の機会に改めて取り上げたい。
話を戻そう。そんな薄気味悪い要素を含んだGoogleのプロジェクトは、高度な監視社会の構築を狙っている中国の為政者たちにとって、「飛んで火にいる夏の虫」もしくは「カモがネギを背負ってやってくる」ことにも等しい動きではないか。そ��思える理由についてこの後詳しく説明する。
プライバシーが完全に失われた「完全監視社会」
次に新疆でのウイグル人の現状について。
「中国の徹底した監視体制下での暮らしぶり」といった意味のタイトルが付されたこの動画はWall Street Journal(WSJ)が2017年暮れに公開していたもの。リード(概要説明)部分には、「中国が北西部にある新疆ウイグル自治区を使って、国内での監視体制に関する途方もない規模の実験を進めている。個人の一挙手一投足を国家が最先端のテクノロジを使って見張っているという状況での生活がどんなものかをWSJは探ってみた」とある。
The Economistでもこれと似た趣旨の話を5月末に掲載していた。「中国が新疆を他に類のないような警察国家に変えた」とするこの記事には「全体主義の決意と現代的なテクノロジが途轍もない規模の人権侵害を生み出している」というリードがある。
China has turned Xinjiang into a police state like no other - The Economist
「中国での顔認識システムと国家による統制の現状」というタイトルのThe Economistのこの動画(10月下旬に公開)にも、新疆での実験に関する話が後半のほうに出ている。
新疆ウイグル自治区は中国の西端に位置している。中国の人口分布はかなり偏っていて、14億人近いとされる国民の殆どが、(地図上の)向かって右側のエリアに暮らしている。具体的には内陸部の四川省あたりから北京を通って東北部(旧満州)へと斜め上に伸びる仮想の線の右側に当たる部分である。そして、この線を意識しながらみると、チベットと新疆という2つのエリアがどれほど中央部と隔たった場所であるかに改めて気づかされる。
そんな「遠隔の地」「異境の地」に暮らすウイグル族の人口は約1100万人。そしてその中には、中国からの独立を求める人々もいる。なかには過激派になって中国国内や海外で強硬手段に打って出る者もいる。中央政府=共産党中央部としては治安維持のためにもウイグル人の管理をもっと強化しなくてはいけない――。3、4年前に一時ウイグル人過激派の動きが注目を集めていたが(タイのバンコク中央部にあるエラワン廟の爆弾騒ぎのことなどを思い出す)、その際にそんな説明を目にした覚えがある。
一部のウイグル人が独立を望む理由としては、経済的な要因(漢民族との利益分配に関する不公平)のほか、文化的な要因(自分たちの言葉が話せない、独自の宗教や文化が抹殺される、など)があるとされる。
そんなウイグル族に対して、中国政府が人権を無視した監視や「再教育」(洗脳)を、しかも大規模に行うようになったのは約3年ほど前のこと。具体的には、陳全国(Chen Quanguo)氏という共産党幹部ーーチベットの統治で能力を発揮し、その手腕を見込まれた漢人(漢民族の中国人)の役人が、新疆ウイグル自治区の責任者に配置換えになってからだ。共産党中央部によるこの人事が(後述する)習近平氏の「一帯一路」構想発表を受けて行われた可能性も感じられる。
新疆の中心地ウルムチで行われている「監視社会」実験の現状は先掲の動画に出ている通り。都市部では、街角ごとに派出所や検問所がつくられ、装甲車が街中を往き来し、武装した兵士が人の出入りをチェックしている。スマホのロックを解除させて中まで調べることも当たり前で、1日に何度もそんな目にあっていると漢人でさえ自然と外出するのが億劫になってくる。
またウイグル人のスマホには、政府の作ったスパイウェアが強制的にインストールされている。さらに、リアルな手段を使ったプライバシーの剥奪も行われている。
9月半ばに、Radio Free Asia所属のウイグル人女性ジャーナリストであるGulchehra Hoja氏がVoxのポッドキャストに出演していた。
China's concentration camps - Vox
ウイグル人への弾圧の実情を外の世界に伝えてなんとかしたいというのがこのジャーナリストの立場であり、番組への出演動機だ。彼女の語った監視の例のなかに、漢人によるウイグル人世帯への「家庭訪問」がある。ウイグル人と漢人との「相互理解促進」という名目で行われているこの施策では、政府に協力する漢人が担当のウイグル人世帯を訪れ、その家庭で見聞きしたことを当局に報告する。また客間があるほど豊かでない家では、漢人が住民と同じ部屋に寝泊まりしていくこともめずらしくないという。
米国在住のこのジャーナリストは、もともと新疆のテレビ局でプロデューサーをしていた(ウイグル語の子供番組を初めて作ったという)が、政府のプロパガンダの片棒を担ぐのがイヤで国外に移住。その後、ウイグル人の置かれた窮状を国外に知らせる活動を始めたところ、本国で暮らしていた家族や親戚が一斉に行方不明になり、23人もの人間がほぼ同時に姿を��したという。姿を消した家族の行方について、中国政府が作った強制収容所に送られた可能性が高いと、彼女は説明していた。
年間100万人が送り込まれる強制収容所
この強制収容所は、ナチスのアウシュビッツのような「民族の根絶」を狙ったものではない。ただ、「再教育」もしくは「職業訓練」のためと称して行われているのはある種の洗脳だ。ウイグル人に宗教(イスラム教への信仰)を捨てさせたり、自らの文化(言葉など)を忘れさせたりするためのもので、共産党や習国家主席を賛美する歌を何時間も歌い続けさせるといった比較的軽いものから、冒頭で挙げた朝日記事に出ている拷問に近いものまで、いろんなことが行われているらしい。
そして、そんな施設に年間推定100万人のウイグル人が送り込まれているといった話も西側のメディアで繰り返し報じられている。平均的な収容期間の長さなどはよくわからないが、このペースでいけば10年以内に新疆にいるウイグル人全員がこの施設を通過するといった計算も成り立つ。
それだけの数をこなせる理由のひとつは、この仕組みがかなり恣意的に運用されている、つまり曖昧な基準によって収容所送りにできるようになっているからで、極端にいうとウイグル人もしくはイスラム教信者というだけで誰でもここに送り込まれる可能性がある。
デジタル・シルクロード(サイバー空間の「一帯一路」)
一帯一路構想は、ひと言でいうと、中国の政治的・経済的な影響力を海外に拡大し、強化していこうといったもの。下掲のVox動画にあるように、ユーラシア大陸からアフリカ、オセアニアと、かなり広い地域が対象として想定されている。
この構想が発表されたのが4年前、2014年11月のこと。ただ、ここまで欧米メディアで専ら取り上げられているのは、たいていが筋の良くない公共工事のような話、たとえばどの程度使われるかもはっきりしないような港湾整備を中国から借りた資金で行った挙句、返済に行き詰まり、結局港自体を差し出すことになったスリランカの例のような話である。
How China Got Sri Lanka to Cough Up a Port - NYTimes
この動画に出てくる東欧モンテネグロの高速道路にも、スリランカの港のようになりかねない可能性が感じられる。
なお、こうした土木工事の受け皿がほとんど中国企業で地元の人たちにはあまりお金が落ちてこない(雇用創出の役には立っていない)という点には、ウイグル人女性ジャーナリストが語っていた新疆での開発の話(利益は漢人がほぼ独占)と相通じるものがある。
ところで、8月半ばにForeign Affairsが「中国がウェブを支配したらどうなるか」という内容の特集記事を掲載していた。
When China Rules The Web - Foreign Affairs
この記事の後ろのほうに「一帯一路」に触れた箇所がある。少し長いが当該部分を書き出してみる。
北京(=中国政府)がグローバルなインターネットのガバナンスに与える影響がもっとも大きいのは、通商ならびに投資に関する政策を通じたもの、とくに「一帯一路」構想の一部として行われるものになる可能性が高い。一帯一路とは中国本土とインド洋、ペルシャ湾、欧州をつなぐ社会インフラを建設する大規模な取り組みのこと。500億ドルを超える資金を注ぎ込んで、このルート沿いの地域に、鉄道や道路、パイプライン、港湾、鉱山、電気/ガス/上下水道などを開発・整備することと並んで、政府幹部が強調しているのが中国企業各社によるデジタル・シルクロード建設の必要性である。このデジタル・シルクロードは、具体的には光ファイバーケーブル、携帯通信網、衛星中継ステーション、データセンター、それにスマートシティといったものを指す。
誕生から間もないデジタル・シルクロード関連の活動の大半は、中国政府ではなく、テクノロジ関連企業各社や業界アライアンスが行っているもの……(中略)通信機器大手のZTEは現在、一帯一路のルート沿いにある64カ国のうち50を超える国に拠点を構えている。光ファイバーケーブルを敷設したり、携帯通信網を構築したりすることに加えて、同社は監視、マッピング、クラウドストレージ、データ分析に関連するサービスを、エチオピア、ナイジェリア、ラオス、スリランカ、スーダン、トルコといった各国の都市で提供している。
数日前に注目を集めていたパプア・ニューギニアでの通信網敷設の話――中国輸出入銀行の融資と、華為(ファーウェイ)の通信機器やノウハウを使ってネットワークを構築するというのも、やはり一帯一路構想のなかに含まれるのだろう(ついでにいうと、ファーウェイ製の通信機器はリスクを抱えているから使うのを避けるよう米政府が日本やドイツなどの政府に言った、というのは基本的にこういうインフラレベルの話であろう)。
Huawei to Complete Network Project Despite Fierce U.S. Opposition - WSJ
ファーウェイ製品の使用中止を--米政府が日本など同盟諸国に要請か
Foreign Affairs記事に話を戻すと、この記事のなかでは現在中国の政策立案者がサイバースペース関連で最重要視している技術(分野)として、半導体(プロセッサ)、量子コンピューティング、人口知能(AI)の3つが挙げられている。いずれも含みの大きな基礎技術であり、これだけでは具体的なことは殆ど何もわからない。ただ、国民の監視という点でこの3つが不可欠といっていい要素であることは容易に察しがつく。つまり、スマートフォンや至る所に設置された監視カメラ、あるいはこれから増殖するはずのスマート家電類などから集まる膨大なデータを効率的に処理するには、ハードウェアとソフトウェアの両方でいまあるものとは桁違いの仕組みが必要になるだろうということだ。
さらに、中国政府が2014年に開始し、阿里巴巴(アリババ)や騰訊(テンセント)といったテクノロジ大手が中心となって運営している「社会信用システム」あるいは「個人の信用格付けシステム」と呼ばれるものがある。
ディストピアが2020年に北京で完成?「社会信用システム」が現実に - GIZMODO
2020年には全国展開予定というこの仕組み、「国民管理のゲーミフィケーション」ともとれるものーー各種支払いや負債の返済をきちんとしている者にはポイント加算、信号のないところで道路を横切ったり電車のなかで喫煙したりした者にはポイント減点等々があり、ブラックリストに載せられた人間は移動の自由を奪われたり、子弟の進学先が制限されるなど、この仕組みがかなり恣意的に運用されていることも次の記事などから読み取れる。
The odd reality of life under China's all-seeing credit score system - WIRED UK
もしGoogleが実際にDragonflyの検索サービスを投入した場合、同社のサーバに集まるデータがこの格付けシステムに組み込まれそうなことも容易に察しがつく(無論、はじめからそうと分かっていて自分の立場を危うくするような検索をする人間はいないだろうが)。
ただ、それよりも大きな懸念は、その先のこと――中国再参入がうまくいった場合に、Googleに対して新たにどんな要求が突きつけられるかわからないという点だろう。
2つの動画に出てくる監視カメラと顔認識技術は、社会信用システムの不可欠な構成要素(さらに最近では、顔認識の代わりに、人の身体的特徴と歩き方で個人を特定できると謳った技術まで発表されていた)。ただ、そういう技術がどの程度の精度に達しているかは不明で、上掲の動画(いずれも2017年公開)ではすでにきちんと稼働しているようにも見えるが、実情はまだまだこれから……そんなことを思わせる記事を最近目にした。
Facial recognition camera catches top businesswoman "jaywalking" because her face was on a bus - abacus
「バスの車体に描かれた広告中の女性の顔を本物と間違え、本人が赤信号で道路を横切ったと勘違いして、近くにある電光掲示板に見せしめの警告を表示した」というのがWeiboなどで話題になっていたそうだ。この女性は大手家電メーカーを経営する董明珠氏であり、しかも26年間で1日も仕事を休んでいないことで知られているというから、その顔がいきなり街角の掲示板に表示されたら、誰でもすぐに間違いに気付くに違いない。
そういう精度の技術を、使い物になるレベルに、しかもなるべく早急にもっていきたい。そう考える立場の人間からすると、Googleの持つ人的リソースや知的財産はたいそう魅力的なものに見えるはずだ。Googleといえば、Geoffrey Hinton氏(機械学習の専門家)がおり、また少し前までFei-Fei Li氏(画像認識の専門家)がいた会社である。
そうした分野での協力要請が出てきた場合に、Google経営陣はどうするのか。あるいは、Googleの技術も取り込んだ国民監視用システムが実用レベルに達し、ソフトウェアからハードウェア、通信インフラまでひっくるめたパッケージ=包括的ソリューションとして中国から他の国々に輸出されるといった可能性がもし具体的になった場合にどうしようと考えているのか。さらに言えば、「中国でできていることが、どうして自国内でできないんだ」と米国当局から協力するよう圧力をかけられる可能性が出てきた場合にどうするのか。
Snowden氏の暴露で明らかになったNSAの大規模データ収集活動の一件のように、為政者が国民を管理・制御したいと欲するのは、なにも現代の中国に限った話ではない。冒頭に挙げたGoogle従業員の抗議のブログのなかにも、「われわれがDragonflyに反対するのは、その対象が中国だからではない。力のある者が弱い立場の人たちを抑圧するのに使われる技術(の開発)に反対しているのだ。(中略)中国にDragonflyを投入すれば、現在の不安定な政治状況のなかで危険な前例ができてしまう。そんな前例がいったんできてしまうと、ほかの国々から似たような譲歩を要求された場合にGoogleが拒否するのはもっと困難になる」との一節がある。
Appleなどとは違い、Googleは幸いにも、いまのところ中国政府との利害関係が殆どない。アリババやテンセントのように、中国政府のお墨付きを得て巨大になった企業、つまり政府への協力を前提にしなくては存在できないわけでもない。14億人の市場をこのまま指を加えて見ているわけにはいかないとDragonflyプロジェクトを進めている人たちは考えているのかもしれない。だが、いまの状況で動けば将来(中国だけでなくほかの地域にも影響を及ぼしそう��)大きな禍根を残すことになりかねない。そんな危ない橋を(従業員からの抗議や、あるいは自国政府や議会の突き上げにあいながら)わざわざ渡る価値がそれでもあるというのだろうか……。
【参照情報(文中で紹介したものを除く)】
Google Plans To Launch Censored Search Engine in China, Leaked Documents Reveal. -- The Intercept
Pence says Google should halt Dragonfly app development - Reuters
China’s brutal crackdown on the Uighur Muslim minority, explained - Vox
China once denied detaining Uighur Muslims. Now an official claims it’s a good thing. - Vox
China’s reeducation camps for Muslims are beginning to look like concentration camps - Vox
China Has Detained Up to a Million Muslims. Here’s What You Need to Know - Bloomberg
The Architect of China's Muslim Camps Is a Rising Star Under Xi - Bloomberg
Inside China’s Re-education Camps - Foreign Policy
In China’s Far West, Companies Cash in on Surveillance Program That Targets Muslims - Foreign Policy
Exclusive: In rare coordinated move, Western envoys seek meeting on Xinjiang concerns - Reuters
US lawmakers aim to hold China accountable for Uyghur abuses - CNN
China’s Mass Detention of Muslims Is a Test for Trump - The Atlantic
China Is Violating Uighurs’ Human Rights. The United States Must Act. - Foreign Policy
Bangkok's Erawan Shrine bomb: One suspect 'is Chinese' - BBC
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