#アボリアッツ国際映画祭
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roomofsdc · 3 years ago
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SDC映画の部屋「ターミネーター(1985)」
真っ暗な画面にクレジット、2029年のロサンジェルスと表示に無数の頭蓋骨が積み重なっている映像が重なる。突如、バリバリと頭蓋骨を踏みしだく巨大な車輪、激しい銃撃、逃げ惑う人間たち、それを追いかける無人の戦闘機械たち。この時代の人類は破滅の瀬戸際に追いやられているのだ。場面が変わって現代(1984)のロサンジェルス、夜の高架下に突然光煌めく球体が現れ、その中から一人の筋骨逞しい素っ裸の男性が立ち上がる。男性は迷うことなく近くで見ていたチンピラの衣服を奪いとり、夜の街へと足を進める。男性が探し求めるのは「サラ・コナー」という名前の女性。果たしてその目的は何か、この男性はいったい何者なのか… 「スター・ファイター」の項でも述べているが、1985年はSFやファンタジー映画の大豊作の年で本作品以外にも「エレクトリック・ドリーム」や「エルム街の悪夢」、「スターマン」などが日本公開されている。そんな中でも本作品はすでにその年のアボリアッツ国際映画祭でグランプリを獲得していたことで、公開前からSFファンの間ではすでに評判になっていた。アボリアッツのグランプリと言えば「激突!(1973)」に始まり「ソイレントグリーン(1974)」「キャリー(1977)」そして「ダーククリスタル(1983)」などの名作に冠してきた名門だ、期待しないわけにはいかない。 実際に蓋を開けてみると、国内の最初の評価は「マッチョな大根役者が出てくるキ��モノアクション映画」くらいの反応だった。筋骨隆々のアーノルド・シュワルツネッガーは前作「コナン・ザ・グレート(1982)」やその続編で注目はされていたものの、演技力については評価は低く(その後も引きずることになる)、本作品でもセリフは極端に少ない。それがかえって感情を持たない機械の不気味さにつながっているのは間違いない(「時をかける少女(1983)」の高柳良夫も同じ?)。もちろんシュワルツネッガーの存在感がこの作品をエバーグリーンにしたことは間違いないが、本作の主人公は間違いなくサラ・コナーを演じたリンダ・ハミルトンである。ただのお気楽な女子大生だったサラが、人類の行方を左右する時空を超えた戦いに、突然巻き込まれ、やがて一人の戦士として成長していく、極めてシンプルな物語なのだ。当初、脚本も担当したジェームズ・キャメロンは続編をにらんでさまざまな伏線も貼っていたと後年伝えられるが、すっぱりと省略して大正解。108分に抑えられた適正な尺により、冒頭から中盤の警察署襲撃、そしてクライマックスの工場での死闘と、ほぼ息をつかせぬ怒涛の展開でラストまで引っ張っていく、SFでないアクション映画としても極めて高いレベルの作品となっている。その一方で時間SFものに欠かせないタイムパラドックスの問題や、時代考証の妙味などSFファンには心くすぐられるところも抜かりはない。 一方、当時のSF映画で重視されていた「特撮」についてはできるだけコストを抑えて作られたことが良くわかる。例えば、最後の決闘シーンはお金のかかるCGではなくストップモーションアニメで製作され、しかもできるだけ予算を削るためにT-800が自由に動けないという設定にまでしてある。おかげで製作費はわずか640万ドルと、この手の映画では比較的低予算で済んでいる。ヒットのおかげで作られた続編では1億ドルを超える予算が組まれた(その多くがシュワルツネッガーにかけられたこともあるが)のと比べると破格と言ってよいだろう。 ラストシーンで、メキシコのガスステーションで給油をするサラが、地元の少年が空を指差しながらスペイン語で何かを言うのを聞き止め、ステーションの主人に意味を尋ねる。「嵐が来るって言ってる」と言われたサラが「I know.」と一言だけ返し、暗雲立ち込める荒野の向こうに走り去る。もう、このシークエンスだけでSFオタクとしては大満足だ。説明過剰でどんどん迷走していく続編、もはや他の物語になってしまっている続々編などは不要、と思っているファンは決して少なくないと確信しているのだが… ちなみに本作品には、キャメロン監督と知己のランス・ヘンリクセンが脇役で出ている。のちに「エイリアン2(1986)」のアンドロイド・ビショップ役で有名になっているが、キャメロンと共同製作者のゲイル・アン・ハード(当時のパートナー)は当初、ヘンリクセンを殺人機械役に考えていたとされている。彼がビショップのように「ターミネーター」を演じたとすれば、また全然違う雰囲気の映画にもなっただろうなと妄想するのもまた楽しい。
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moment-japan · 2 years ago
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1971年「激突!」 英題:Duel
第1回アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞作品。
監督:スティーヴン・スピルバーグ
主演: デニス・ウィーバー
真赤なプリムス・ヴァリアントでカリフォルニアへ商談に向かうセールスマンの主人公が人里離れた荒野を運転中、激遅で走る大型トレーラーを追い越したことがきっかけで、殺人トレーラーの運転手に命を狙われるサスペンス。
延々と続くタンクローリーvsプリムス・ヴァリアント。
なのに、誰が見てもまったく飽きない不思議な映画・・。
途中で出会った品のない田舎の小学��とスクールバスのバカ運転手に���観ている方も堪忍袋の緒が切れそうになる。
最初から最後まで顔と姿を見せず、執拗に主人公を追いかけるトレーラーの不気味さにホラー映画の香りも感じられる作品。
僕はこの時代風のサングラスが大好きで、いつも散歩のときは掛けているのですが、先日すれ違った観光客ギャルもこの映画の主人公のようなサングラスを掛けていて、お互いニヤっとしてすれ違ったのを昨日の事のように思い出されるのです。
(昨日だもの)
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