#[1:5]神は光の日と呼ば��、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。
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1:1]神が天と地を創造された当初、
[1:2]地は無形の空虚であり、暗闇が深層の顔を覆っていたのに対し、神からの風が水面に吹き荒れた。
[1:3]それから神は「光あれ」と言われました。そして光がありました。
[1:4]そして神は光が良かったのを見ました。そして神は光と闇を分けました。
[1:5]神は光の日と呼ばれ、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。
[1:6]そして神は言われた、「水の中にドームを作り、水と水を分けさせなさい」。
[1:7]それで神はドームを作り、ドームの下にある水とドームの上にある水を分けました。そして、そうでした。
[1:8]神はドームスカイと呼ばれました。そして夕方があり、二日目は朝でした。
[1:9]そして神は言われた、「空の下の水が一つの場所に集められ、乾いた地が現われるように」。そして、そうでした。
[1:10]神は乾燥した土地を地球と呼び、集められた水を海と呼びました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:11]神は言われた、「地は草を生みなさい。種を産む植物、種を含む実を結ぶ地上のあらゆる種類の果樹」。そして、そうでした。
[1:12]地球は植物を生み出しました。植物はあらゆる種類の種を生み出し、あらゆる種類の木は種を含む実を結んでいます。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:13]そして夕方があり、三日目は朝でした。
[1:14]そして神は言った、「空のドームに昼と夜を分ける明かりを置いて、しるしと季節と日と年とにさせなさい。
[1:15]そして、それらを空のドームの光にして、地球に光を放ちましょう。」
[1:16]神は二つの大きな光を造りました。昼を支配する大きな光と夜を支配する小さな光、そして星です。
[1:17]神は彼らを空のドームに置き、地球に光を与えた。
[1:18]昼と夜を支配し、暗闇から光を分離します。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:19]そして夕方があり、四日目の朝があった。
[1:20]そして神は言った、「水が生き物の群れを生みだし、鳥が空の���ームを越えて地球上を飛ぶようにしましょう」。
[1:21]それで神は偉大な海の怪物と、水が群がるあらゆる種類のあらゆる生き物、そしてあらゆる種類の翼のある鳥を創造されました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:22]神は彼らに祝福を与えて、「実り豊かになり、海の水を増やし、水を満たし、鳥を地上で育てなさい」と言われた。
[1:23]そして夕方があり、五日目に朝があった。
[1:24]そして神は言った、「地はあらゆる種類の生き物を生むようにしよう。牛と忍び寄る物、あらゆる種類の地の野生動物。」そして、そうでした。
[1:25]神はあらゆる種類の地球の野生動物、あらゆる種類の牛、あらゆる種類の地面に忍び寄るすべてのものを造られました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:26]それから神は言った、「私たちの似姿に従って、私たちの姿に人類を作りましょう。海の魚、空の鳥、牛、そしてその上に彼らを支配させましょう。地球のすべての野生動物、そして地球に忍び寄るあらゆる忍び寄るものの上に。」
[1:27]それで神は人類を彼のイメージで、神のイメージで創造した。男性と女性が作成しました。
[1:28]神は彼らを祝福され、神は彼らに言われた、「実り豊かになり、地を満たし、地を征服し、海の魚と、空の鳥と、すべての生き物とを支配する。地球上を移動します。」
[1:29]神は言われた、「見よ、わたしはあなたに、すべての地の表面にある種を産むすべての植物、およびその実に種を含むすべての木をあなたに与えた。
[1:30]そして、地球のすべての獣、空のすべての鳥、そして地球上にcreepうすべてのもの、生命の息吹を持つすべてのものに、私はすべての緑の植物を食物に与えました。」そうだった。
[1:31]神は自分が作ったものすべてを見ました。実際、それはとても良かったです。そして夕方があり、6日目の朝がありました。
[2:1]こうして天と地は完成し、すべての群衆は完成した。
[2:2]そして、七日目に神は彼がした仕事を終え、七日目に彼がしたすべての仕事を休んだ。
[2:3]それで、神は七日目を祝福され、神を祝福しました。
[2:4]これらは、天と地が創造された時の世代です。主なる神が大地と天を造られた日に、
[2:5]畑の植物がまだ地上になく、畑の草がまだ芽を出していないとき-主なる神がそれを地上に降らせず、地上まで耕す者がいなかったから;
[2:6]しかし、小川が地球から上昇し、地面の表面全体に水をまく-
[2:7]それから主なる神は、地のちりから人を形成し、命の息を鼻孔に吸い込んだ。その男は生き物になりました。
[2:8]主なる神は東のエデンに庭を植えられた。そしてそこに彼は彼が形成した男を置きました。
[2:9]主なる神は、地上から、目にやさしく、食物に良いすべての木、庭の中にある命の木、善悪の知識の木を育てられた。
[2:10]エデンから川が流れ出て庭に水が行き、そこから川が分かれて4つの枝になります。
[2:11]最初の名前はピションです。それは金があるハビラの全地の周りを流れるものです。
[2:12]その土地の金は良い。 bdelliumとオニキスの石があります。
[2:13]第二の川の名前はギホンです。それはクッシュの全地を流れるものです。
[2:14]第三の川の名前は、アッシリアの東を流れるチグリスです。そして4番目の川はユーフラテス川です。
[2:15]主なる神はその人を取り、エデンの園に入れてそれを耕し、それを守った。
[2:16]そして神は主に命じられた、「あなたは庭のあらゆる木を自由に食べてもよい。
[2:17]しかし、善悪の知識の木からはあなたは食べてはならない。あなたがそれを食べる日には、あなたは死ぬであろう」。
[2:18]主なる神は言われた、「その人がひとりでいるのは良くない。わたしは彼を彼のパートナーとして助手とする」。
[編集] 2:19それで、主なる神は、地上から野のすべての動物と、空のすべての鳥とを形成し、それらを人のところに連れて行って、彼らが何と呼ぶかを見させた。そして、その男があらゆる生き物と呼ぶものは何でも、それはその名前でした。
[2:20]男はすべての牛、空中の鳥、野のすべての動物に名前をつけた。しかし、男性にとって、彼のパートナーとしてのヘルパーは見つかりませんでした。
[編集] 2:21それで、神、主は深い眠りを人に降らせ、彼は眠った。それから彼はrib骨の一つを取り、肉でその場所を閉じました。
[2:22]そして、神、主がその男から取ったrib骨は、彼が女にして、その男に連れて来た。
[2:23]それから男は言った。「これはついに私の骨の骨であり、私の肉の肉です。これは女性と呼ばれるでしょう。
[2:24]それで男は父と母を離れて妻にしがみつき、彼らは一つの肉になります。
[2:25]その男とその妻は両方とも裸で、恥ずかしくない。
[3:1]さて、蛇は、主なる神が造られた他のどんな野生動物よりもcraftであった。彼は女性に言った、「神は「庭のどの木からも食べてはならない」と言ったのですか?」
[3:2]女は蛇に言った、「庭の木々の実を食べてもいい。
[3:3]しかし、神は言われた、「あなたは庭の真ん中にある木の実を食べてはならない。また、それに触れてはならない。さもないと死ぬ。 '"
[3:4]しかし、蛇は女性に言った、「あなたは死なない。
[3:5]神はあなたがそれを食べると目が開かれ、善と悪を知って神のようになることを知っています。」
[3:6]それで、女性は木が食物に良いこと、そしてそれが目に喜ばしいこと、そして木が一人の賢者を作ることを望んでいることを見たとき、その実を取って食べました。彼女はまた、夫と一緒にいた夫にいくつかを与え、彼は食べました。
[3:7]それから、両方の目が開かれ、彼らは自分たちが裸であることを知った。そして彼らはいちじくの葉を縫い合わせ、自分用にふんどしを作りました。
[3:8]彼らは夕風の時に庭で神の主が歩いている音を聞き、男とその妻は庭の木の間に神の主の臨在から身を隠した。
[3:9]しかし、神、主は人に呼ばわって、「どこにいるのか」と言われた。
[3:10]彼は言った、「庭であなたの音が聞こえた。私は裸だったので、怖かった。自分を隠した」。
[3:11]彼は言った、「だれがあなたが裸だとあなたに言ったのですか。あなたは私に食べないように命じた木から食べましたか」。
[3:12]男性は言った、「あなたが私と一緒にいた女性は、木から実をくれたので、食べました」。
[3:13]それから、神、主は女に言われた、「あなたはこれをどうしたのか」。女性は「蛇が私をだまして、食べました」と言いました。
[3:14]主なる神は蛇に言われた、「あなたはこれをしたので、あなたはすべての動物とすべての野生の生き物との間でのろわれている。あなたの腹の上に行き、あなたはあなたの人生のすべての日を食べなければならない」 。
[3:15]私はあなたと女性の間、そしてあなたの子孫と彼女の間に敵意を置きます。彼はあなたの頭を打ち、あなたは彼のかかとを打ちます。」
[3:16]彼は女性に言った、「私は出産時にあなたの苦痛を大きく増します。痛みであなたは子供を産みますが、あなたの欲望はあなたの夫のためであり、彼はあなたを支配します。」
[3:17]彼は言った、「あなたはあなたの妻の声に耳を傾け、わたしがあなたに命じた木を食べたので、 『あなたはそれを食べてはならない』と呪われた。あなたの;あなたは苦労してあなたの人生のすべての日それを食べるものとします;
[3:18]いばらとあざみはあなたのために生むでしょう。あなたは畑の植物を食べなければならない。
[3:19]顔の汗で、地面に戻るまでパンを食べる。あなたは塵であり、塵に帰らなければならない。」
[3:20]その男は妻イブと名付けた。なぜなら彼女はすべての生きている母親だったからだ。
[3:21]主なる神は人とその妻のために皮の衣を作り、それを着た。
[3:22]主なる神は言われた、「見よ、人は善と悪とを知って、わたしたちのようになった。そして今、彼は手を伸ばして、命の木から取って食べ、永遠に生きる" -
[3:23]それで、主なる神は、彼をエデンの園から、彼が連れ出された地まで送られた。
[3:24]彼は男を追い出した。エデンの園の東に彼はケルビムと、命の木への道を守るために燃え上がり回る剣を置いた。
[4:1]今、その男は妻のイブを知っていたので、彼女はカインを考え出して、「主の助けを借りて男を産んだ」と言った。
[4:2]次に彼女は彼の兄弟アベルを産んだ。アベルは羊の番人であり、カインは地の耕うん機でした。
[4:3]カインは時間の経過とともに、地の実のささげ物を主にささげた。
[4:4]そしてアベルは、その群れの初子である脂肪分を持ち込んだ。そして、主はアベルと彼の捧げ物を尊敬していた、
[4:5]しかし、カインと彼の捧げ物については、彼には何の配慮もありませんでした。それでカインは非常に怒っていて、彼の表情は落ちました。
[4:6]主はカインに言われた、「どうしてあなたは怒っているのか。なぜあなたの表情が落ちたのか。
[4:7]うまくいけば、受け入れられませんか?そして、あなたがうまくいかなければ、罪はドアに潜んでいます。その欲望はあなたのためですが、あなたはそれをマスターしなければなりません。」
[4:8]カインは弟アベルに言った、「野原に出よう」。そして、彼らが野原にいたとき、カインは彼の兄弟アベルに対して立ち上がって、彼を殺しました。
[4:9]主はカインに言った、「あなたの兄弟アベルはどこにいるのか」。彼は言った、「私は知らない。私は私の弟の番人か?」
[4:10]主は言われた、「あなたは何をしたのですか。聞いてください。あなたの兄弟の血が地からわたしに叫びます
[4:11]そして今、あなたはあなたの手から兄弟の血を受け取るために口を開いた地面からのろわれています。
[4:12]あなたが地面に着くと、それはもはやあなたにその力を譲りません。あなたは地上で逃亡者であり、放浪者になります。」
[4:13]カインは主に言った、「私の罰は耐えることができないほど大きい!
[4:14]今日、あなたは私を土から追い出しました。そして、私はあなたの顔から隠されます。私は逃亡者であり、地球上の放浪者になります。
[4:15]それから主は彼に言われた、「そうではない!カインを殺す者は七度の復venに苦しむだろう」。そして、主はカインに印をつけられたので、彼の上に来た者はだれも彼を殺さない。
[4:16]カインは主の前を離れ、エデンの東のノドの地に定住した。
[4:17]カインは妻を知っていたので、彼女は妊娠してエノクを産んだ。彼は都市を建設し、息子エノクにちなんでエノクと名付けました。
[4:18]エノクに生まれたのはイラド。イラドはメフヤエルの父、メフヤエルはメトサエルの父、メトシャエルはラメクの父でした。
[4:19]ラメクは2人の妻を連れて行った。一人の名前はアダで、もう一人の名前はジラでした。
[4:20]アダはジャバルを産んだ。彼はテントに住んで家畜を飼っている人々の祖先でした。
[4:21]彼の兄弟の名前はジュバル。彼はly琴とパイプを演奏するすべての人々の祖先でした。
[4:22]ジラは、あらゆる種類の青銅と鉄の道具を作ったツバルカインを産んだ。トゥバルカインの妹はナアマでした。
[4:23]ラメクは妻に言った:「アダとジラ、私の声を聞いてください。あなたはラメクの妻たち、私の言うことを聞いてください。
[4:24]カインが7倍に復すれば、本当にラメクは77倍になります。」
[4:25]アダムは再び彼の妻を知り、彼女は息子を産んで彼にセスと名付けた。彼女は言った。
[4:26]セスにも息子が生まれ、エノシュと名付けました。その時、人々は主の名を呼び始めました。
#[3:4]しかし、蛇は女性に言った、「あなたは死なない。#[3:5]神はあなたがそれを食べると目が開かれ、善と悪を知って神のようになることを知っています。」#[3:6]それで、女性は木が食物に良いこと、そしてそれが目に喜ばしいこと、そして木が一人の賢者を作ることを望んでいることを見たとき、その実を取って食べました。彼女はまた、#[3:7]それから、両方の目が開かれ、彼らは自分たちが裸であることを知った。そして彼らはいちじくの葉を縫い合わせ、自分用にふんどしを作りました。#[3:8]彼らは夕風の時に庭で神の主が歩いている音を聞き、男とその妻は庭の木の間に神の主の臨在から身を隠した。#[3:9]しかし、神、主は人に呼ばわって、「どこにいるのか」と言われた。#[3:10]彼は言った、「庭であなたの音が聞こえた。私は裸だったので、怖かった。自分を隠した」。#[3:11]彼は言った、「だれがあなたが裸だとあなたに言ったのですか。あなたは私に食べないように命じた木から食べましたか」。#[3:12]男性は言った、「あなたが私と一緒にいた女性は、木から実をくれたので、食べました」。#[3:13]それから、神、主は女に言われた、「あなたはこれをどうしたのか」。女性は「蛇が私をだまして、食べました」と言いました。#[3:14]主なる神は蛇に言われた、「あなたはこれをしたので、あなたはすべての動物とすべての野生の生き物との間でのろわれている。あなたの腹の上に行き、あなたはあなたの人生のす#[3:15]私はあなたと女性の間、そしてあなたの子孫と彼女の間に敵意を置きます。彼はあなたの頭を打ち、あなたは彼のかかとを打ちます。」#[3:16]彼は女性に言った、「私は出産時にあなたの苦痛を大きく増します。痛みであなたは子供を産みますが、あなたの欲望はあなたの夫のためであり、彼はあなたを支配します。」#[3:17]彼は言った、「あなたはあなたの妻の声に耳を傾け、わたしがあなたに命じた木を食べたので、 『あなたはそれを食べてはならない』と呪われた。あなたの;あなたは苦労してあな#[3:18]いばらとあざみはあなたのために生むでしょう。あなたは畑の植物を食べなければならない。#[3:19]顔の汗で、地面に戻るまでパンを食べる。あなたは塵であり、塵に帰らなければならない。」#[3:20]その男は妻イブと名付けた。なぜなら彼女はすべての生きている母親だったからだ。#[3:21]主なる神は人とその妻のために皮の衣を作り、それを着た。#[3:22]主なる神は言われた、「見よ、人は善と悪とを知って、わたしたちのようになった。そして今、彼は手を伸ばして、命の木から取って食べ、永遠に生きる#[1:2]地は無形の空虚であり、暗闇が深層の顔を覆っていたのに対し、神からの風が水面に吹き荒れた。#[1:3]それから神は「光あれ」と言われました。そして光がありました。#[1:4]そして神は光が良かったのを見ました。そして神は光と闇を分けました。#[1:5]神は光の日と呼ばれ、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。#[1:6]そして神は言われた、「水の中にドームを作り、水と水を分けさせなさい」。#[1:7]それで神はドームを作り、ドームの下にある水とドームの上にある水を分けました。そして、そうでした。#[1:8]神はドームスカイと呼ばれました。そして夕方があり、二日目は朝でした。#[1:9]そして神は言われた、「空の下の水が一つの場所に集められ、乾いた地が現われるように」。そして、そうでした。#[1:10]神は乾燥した土地を地球と呼び、集められた水を海と呼びました。そして、神はそれが良いことを見ました。#[1:11]神は言われた、「地は草を生みなさい。種を産む植物、種を含む実を結ぶ地上のあらゆる種類の果樹」。そして、そうでした。#[1:12]地球は植物を生み出しました。植物はあらゆる種類の種を生み出し、あらゆる種類の木は種を含む実を結んでいます。そして、神はそれが良いことを見ました。
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1:1]神が天と地を創造された当初、
[1:2]地は無形の空虚であり、暗闇が深層の顔を覆っていたのに対し、神からの風が水面に吹き荒れた。
[1:3]それから神は「光あれ」と言われました。そして光がありました。
[1:4]そして神は光が良かったのを見ました。そして神は光と闇を分けました。
[1:5]神は光の日と呼ばれ、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。
[1:6]そして神は言われた、「水の中にドームを作り、水と水を分けさせなさい」。
[1:7]それで神はドームを作り、ドームの下にある水とドームの上にある水を分けました。そして、そうでした。
[1:8]神はドームスカイと呼ばれました。そして夕方があり、二日目は朝でした。
[1:9]そして神は言われた、「空の下の水が一つの場所に集められ、乾いた地が現われるように」。そして、そうでした。
[1:10]神は乾燥した土地を地球と呼び、集められた水を海と呼びました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:11]神は言われた、「地は草を生みなさい。種を産む植物、種を含む実を結ぶ地上のあらゆる種類の果樹」。そして、そうでした。
[1:12]地球は植物を生み出しました。植物はあらゆる種類の種を生み出し、あらゆる種類の木は種を含む実を結んでいます。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:13]そして夕方があり、三日目は朝でした。
[1:14]そして神は言った、「空のドームに昼と夜を分ける明かりを置いて、しるしと季節と日と年とにさせなさい。
[1:15]そして、それらを空のドームの光にして、地球に光を放ちましょう。」
[1:16]神は二つの大きな光を造りました。昼を支配する大きな光と夜を支配する小さな光、そして星です。
[1:17]神は彼らを空のドームに置き、地球に光を与えた。
[1:18]昼と夜を支配し、暗闇から光を分離します。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:19]そして夕方があり、四日目の朝があった。
[1:20]そして神は言った、「水が生き物の群れを生みだし、鳥が空のドームを越えて地球上を飛ぶようにしましょう」。
[1:21]それで神は偉大な海の怪物と、水が群がるあらゆる種類のあらゆる生き物、そしてあらゆる種類の翼のある鳥を創造されました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:22]神は彼らに祝福を与えて、「実り豊かになり、海の水を増やし、水を満たし、鳥を地上で育てなさい」と言われた。
[1:23]そして夕方があり、五日目に朝があった。
[1:24]そして神は言った、「地はあらゆる種類の生き物を生むようにしよう。牛と忍び寄る物、あらゆる種類の地の野生動物。」そして、そうでした。
[1:25]神はあらゆる種類の地球の野生動物、あらゆる種類の牛、あらゆる種類の地面に忍び寄るすべてのものを造られました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:26]それから神は言った、「私たちの似姿に従って、私たちの姿に人類を作りましょう。海の魚、空の鳥、牛、そしてその上に彼らを支配させましょう。地球のすべての野生動物、そして地球に忍び寄るあらゆる忍び寄るものの上に。」
[1:27]それで神は人類を彼のイメージで、神のイメージで創造した。男性と女性が作成しました。
[1:28]神は彼らを祝福され、神は彼らに言われた、「実り豊かになり、地を満たし、地を征服し、海の魚と、空の鳥と、すべての生き物とを支配する。地球上を移動します。」
[1:29]神は言われた、「見よ、わたしはあなたに、すべての地の表面にある種を産むすべての植物、およびその実に種を含むすべての木をあなたに与えた。
[1:30]そして、地球のすべての獣、空のすべての鳥、そして地球上にcreepうすべてのもの、生命の息吹を持つすべてのものに、私はすべての緑の植物を食物に与えました。」そうだった。
[1:31]神は自分が作ったものすべてを見ました。実際、それはとても良かったです。そして夕方があり、6日目の朝がありました。
[2:1]こうして天と地は完成し、すべての群衆は完成した。
[2:2]そして、七日目に神は彼がした仕事を終え、七日目に彼がしたすべての仕事を休んだ。
[2:3]それで、神は七日目を祝福され、神を祝福しました。
[2:4]これらは、天と地が創造された時の世代です。主なる神が大地と天を造られた日に、
[2:5]畑の植物がまだ地上になく、畑の草がまだ芽を出していないとき-主なる神がそれを地上に降らせず、地上まで耕す者がいなかったから;
[2:6]しかし、小川が地球から上昇し、地面の表面全体に水をまく-
[2:7]それから主なる神は、地のちりから人を形成し、命の息を鼻孔に吸い込んだ。その男は生き物になりました。
[2:8]主なる神は東のエデンに庭を植えられた。そしてそこに彼は彼が形成した男を置きました。
[2:9]主なる神は、地上から、目にやさしく、食物に良いすべての木、庭の中にある命の木、善悪の知識の木を育てられた。
[2:10]エデンから川が流れ出て庭に水が行き、そこから川が分かれて4つの枝になります。
[2:11]最初の名前はピションです。それは金があるハビラの全地の周りを流れるものです。
[2:12]その土地の金は良い。 bdelliumとオニキスの石があります。
[2:13]第二の川の名前はギホンです。それはクッシュの全地を流れるものです。
[2:14]第三の川の名前は、アッシリアの東を流れるチグリスです。そして4番目の川はユーフラテス川です。
[2:15]主なる神はその人を取り、エデンの園に入れてそれを耕し、それを守った。
[2:16]そして神は主に命じられた、「あなたは庭のあらゆる木を自由に食べてもよい。
[2:17]しかし、善悪の知識の木からはあなたは食べてはならない。あなたがそれを食べる日には、あなたは死ぬであろう」。
[2:18]主なる神は言われた、「その人がひとりでいるのは良くない。わたしは彼を彼のパートナーとして助手とする」。
[編集] 2:19それで、主なる神は、地上から野のすべての動物と、空のすべての鳥とを形成し、それらを人のところに連れて行って、彼らが何と呼ぶかを見させた。そして、その男があらゆる生き物と呼ぶものは何でも、それはその名前でした。
[2:20]男はすべての牛、空中の鳥、野のすべての動物に名前をつけた。しかし、男性にとって、彼のパートナーとしてのヘルパーは見つかりませんでした。
[編集] 2:21それで、神、主は深い眠りを人に降らせ、彼は眠った。それから彼はrib骨の一���を取り、肉でその場所を閉じました。
[2:22]そして、神、主がその男から取ったrib骨は、彼が女にして、その男に連れて来た。
[2:23]それから男は言った。「これはついに私の骨の骨であり、私の肉の肉です。これは女性と呼ばれるでしょう。
[2:24]それで男は父と母を離れて妻にしがみつき、彼らは一つの肉になります。
[2:25]その男とその妻は両方とも裸で、恥ずかしくない。
[3:1]さて、蛇は、主なる神が造られた他のどんな野生動物よりもcraftであった。彼は女性に言った、「神は「庭のどの木からも食べてはならない」と言ったのですか?」
[3:2]女は蛇に言った、「庭の木々の実を食べてもいい。
[3:3]しかし、神は言われた、「あなたは庭の真ん中にある木の実を食べてはならない。また、それに触れてはならない。さもないと死ぬ。 '"
[3:4]しかし、蛇は女性に言った、「あなたは死なない。
[3:5]神はあなたがそれを食べると目が開かれ、善と悪を知って神のようになることを知っています。」
[3:6]それで、女性は木が食物に良いこと、そしてそれが目に喜ばしいこと、そして木が一人の賢者を作ることを望んでいることを見たとき、その実を取って食べました。彼女はまた、夫と一緒にいた夫にいくつかを与え、彼は食べました。
[3:7]それから、両方の目が開かれ、彼らは自分たちが裸であることを知った。そして彼らはいちじくの葉を縫い合わせ、自分用にふんどしを作りました。
[3:8]彼らは夕風の時に庭で神の主が歩いている音を聞き、男とその妻は庭の木の間に神の主の臨在から身を隠した。
[3:9]しかし、神、主は人に呼ばわって、「どこにいるのか」と言われた。
[3:10]彼は言った、「庭であなたの音が聞こえた。私は裸だったので、怖かった。自分を隠した」。
[3:11]彼は言った、「だれがあなたが裸だとあなたに言ったのですか。あなたは私に食べないように命じた木から食べましたか」。
[3:12]男性は言った、「あなたが私と一緒にいた女性は、木から実をくれたので、食べました」。
[3:13]それから、神、主は女に言われた、「あなたはこれをどうしたのか」。女性は「蛇が私をだまして、食べました」と言いました。
[3:14]主なる神は蛇に言われた、「あなたはこれをしたので、あなたはすべての動物とすべての野生の生き物との間でのろわれている。あなたの腹の上に行き、あなたはあなたの人生のすべての日を食べなければならない」 。
[3:15]私はあなたと女性の間、そしてあなたの子孫と彼女の間に敵意を置きます。彼はあなたの頭を打ち、あなたは彼のかかとを打ちます。」
[3:16]彼は女性に言った、「私は出産時にあなたの苦痛を大きく増します。痛みであなたは子供を産みますが、あなたの欲望はあなたの夫のためであり、彼はあなたを支配します。」
[3:17]彼は言った、「あなたはあなたの妻の声に耳を傾け、わたしがあなたに命じた木を食べたので、 『あなたはそれを食べてはならない』と呪われた。あなたの;あなたは苦労してあなたの人生のすべての日それを食べるものとします;
[3:18]いばらとあざみはあなたのために生むでしょう。あなたは畑の植物を食べなければならない。
[3:19]顔の汗で、地面に戻るまでパンを食べる。あなたは塵であり、塵に帰らなければならない。」
[3:20]その男は妻イブと名付けた。なぜなら彼女はすべての生きている母親だったからだ。
[3:21]主なる神は人とその妻のために皮の衣を作り、それを着た。
[3:22]主なる神は言われた、「見よ、人は善と悪とを知って、わたしたちのようになった。そして今、彼は手を伸ばして、命の木から取って食べ、永遠に生きる" -
[3:23]それで、主なる神は、彼をエデンの園から、彼が連れ出された地まで送られた。
[3:24]彼は男を追い出した。エデンの園の東に彼はケルビムと、命の木への道を守るために燃え上がり回る剣を置いた。
[4:1]今、その男は妻のイブを知っていたので、彼女はカインを考え出して、「主の助けを借りて男を産んだ」と言った。
[4:2]次に彼女は彼の兄弟アベルを産んだ。アベルは羊の番人であり、カインは地の耕うん機でした。
[4:3]カインは時間の経過とともに、地の実のささげ物を主にささげた。
[4:4]そしてアベルは、その群れの初子である脂肪分を持ち込んだ。そして、主はアベルと彼の捧げ物を尊敬していた、
[4:5]しかし、カインと彼の捧げ物については、彼には何の配慮もありませんでした。それでカインは非常に怒っていて、彼の表情は落ちました。
[4:6]主はカインに言われた、「どうしてあなたは怒っているのか。なぜあなたの表情が落ちたのか。
[4:7]うまくいけば、受け入れられませんか?そして、あなたがうまくいかなければ、罪はドアに潜んでいます。その欲望はあなたのためですが、あなたはそれをマスターしなければなりません。」
[4:8]カインは弟アベルに言った、「野原に出よう」。そして、彼らが野原にいたとき、カインは彼の兄弟アベルに対して立ち上がって、彼を殺しました。
[4:9]主はカインに言った、「あなたの兄弟アベルはどこにいるのか」。彼は言った、「私は知らない。私は私の弟の番人か?」
[4:10]主は言われた、「あなたは何をしたのですか。聞いてください。あなたの兄弟の血が地からわたしに叫びます
[4:11]そして今、��なたはあなたの手から兄弟の血を受け取るために口を開いた地面からのろわれています。
[4:12]あなたが地面に着くと、それはもはやあなたにその力を譲りません。あなたは地上で逃亡者であり、放浪者になります。」
[4:13]カインは主に言った、「私の罰は耐えることができないほど大きい!
[4:14]今日、あなたは私を土から追い出しました。そして、私はあなたの顔から隠されます。私は逃亡者であり、地球上の放浪者になります。
[4:15]それから主は彼に言われた、「そうではない!カインを殺す者は七度の復venに苦しむだろう」。そして、主はカインに印をつけられたので、彼の上に来た者はだれも彼を殺さない。
[4:16]カインは主の前を離れ、エデンの東のノドの地に定住した。
[4:17]カインは妻を知っていたので、彼女は妊娠してエノクを産んだ。彼は都市を建設し、息子エノクにちなんでエノクと名付けました。
[4:18]エノクに生まれたのはイラド。イラドはメフヤエルの父、メフヤエルはメトサエルの父、メトシャエルはラメクの父でした。
[4:19]ラメクは2人の妻を連れて行った。一人の名前はアダで、もう一人の名前はジラでした。
[4:20]アダはジャバルを産んだ。彼はテントに住んで家畜を飼っている人々の祖先でした。
[4:21]彼の兄弟の名前はジュバル。彼はly琴とパイプを演奏するすべての人々の祖先でした。
[4:22]ジラは、あらゆる種類の青銅と鉄の道具を作ったツバルカインを産んだ。トゥバルカインの妹はナアマでした。
[4:23]ラメクは妻に言った:「アダとジラ、私の声を聞いてください。あなたはラメクの妻たち、私の言うことを聞いてください。
[4:24]カインが7倍に復すれば、本当にラメクは77倍になります。」
[4:25]アダムは再び彼の妻を知り、彼女は息子を産んで彼にセスと名付けた。彼女は言った。
[4:26]セスにも息子が生まれ、エノシュと名付けました。その時、人々は主の名を呼び始めました。
did you just send me the whole japanese bible.
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1:1]神が天と地を創造された当初、
[1:2]地は無形の空虚であり、暗闇が深層の顔を覆っていたのに対し、神からの風が水面に吹き荒れた。
[1:3]それから神は「光あれ」と言われました。そして光がありました。
[1:4]そして神は光が良かったのを見ました。そして神は光と闇を分けました。
[1:5]神は光の日と呼ばれ、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。
[1:6]そして神は言われた、「水の中にドームを作り、水と水を分けさせなさい」。
[1:7]それで神はドームを作り、ドームの下にある水とドームの上にある水を分けました。そして、そうでした。
[1:8]神はドームスカイと呼ばれました。そして夕方があり、二日目は朝でした。
[1:9]そして神は言われた、「空の下の水が一つの場所に集められ、乾いた地が現われるように」。そして、そうでした。
[1:10]神は乾燥した土地を地球と呼び、集められた水を海と呼びました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:11]神は言われた、「地は草を生みなさい。種を産む植物、種を含む実を結ぶ地上のあらゆる種類の果樹」。そして、そうでした。
[1:12]地球は植物を生み出しました。植物はあらゆる種類の種を生み出し、あらゆる種類の木は種を含む実を結んでいます。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:13]そして夕方があり、三日目は朝でした。
[1:14]そして神は言った、「空のドームに昼と夜を分ける明かりを置いて、しるしと季節と日と年とにさせなさい。
[1:15]そして、それらを空のドームの光にして、地球に光を放ちましょう。」
[1:16]神は二つの大きな光を造りました。昼を支配する大きな光と夜を支配する小さな光、そして星です。
[1:17]神は彼らを空のドームに置き、地球に光を与えた。
[1:18]昼と夜を支配し、暗闇から光を分離します。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:19]そして夕方があり、四日目の朝があった。
[1:20]そして神は言った、「水が生き物の群れを生みだし、鳥が空のドームを越えて地球上を飛ぶようにしましょう」。
[1:21]それで神は偉大な海の怪物と、水が群がるあらゆる種類のあらゆる生き物、そしてあらゆる種類の翼のある鳥を創造されました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:22]神は彼らに祝福を与えて、「実り豊かになり、海の水を増やし、水を満たし、鳥を地上で育てなさい」と言われた。
[1:23]そして夕方があり、五日目に朝があった。
[1:24]そして神は言った、「地はあらゆる種類の生き物を生むようにしよう。牛と忍び寄る物、あらゆる種類の地の野生動物。」そして、そうでした。
[1:25]神はあらゆる種類の地球の野生動物、あらゆる種類の牛、あらゆる種類の地面に忍び寄るすべてのものを造られました。そして、神はそれが良いことを見ました。
[1:26]それから神は言った、「私たちの似姿に従って、私たちの姿に人類を作りましょう。海の魚、空の鳥、牛、そしてその上に彼らを支配させましょう。地球のすべての野生動物、そして地球に忍び寄るあらゆる忍び寄るものの上に。」
[1:27]それで神は人類を彼のイメージで、神のイメージで創造した。男性と女性が作成しました。
[1:28]神は彼らを祝福され、神は彼らに言われた、「実り豊かになり、地を満たし、地を征服し、海の魚と、空の鳥と、すべての生き物とを支配する。地球上を移動します。」
[1:29]神は言われた、「見よ、わたしはあなたに、すべての地の表面にある種を産むすべての植物、およびその実に種を含むすべての木をあなたに与えた。
[1:30]そして、地球のすべての獣、空のすべての鳥、そして地球上にcreepうすべてのもの、生命の息吹を持つすべてのものに、私はすべての緑の植物を食物に与えました。」そうだった。
[1:31]神は自分が作ったものすべてを見ました。実際、それはとても良かったです。そして夕方があり、6日目の朝がありました。
[2:1]こうして天と地は完成し、すべての群衆は完成した。
[2:2]そして、七日目に神は彼がした仕事を終え、七日目に彼がしたすべての仕事を休んだ。
[2:3]それで、神は七日目を祝福され、神を祝福しました。
[2:4]これらは、天と地が創造された時の世代です。主なる神が大地と天を造られた日に、
[2:5]畑の植物がまだ地上になく、畑の草がまだ芽を出していないとき-主なる神がそれを地上に降らせず、地上まで耕す者がいなかったから;
[2:6]しかし、小川が地球から上昇し、地面の表面全体に水をまく-
[2:7]それから主なる神は、地のちりから人を形成し、命の息を鼻孔に吸い込んだ。その男は生き物になりました。
[2:8]主なる神は東のエデンに庭を植えられた。そしてそこに彼は彼が形成した男を置きました。
[2:9]主なる神は、地上から、目にやさしく、食物に良いすべての木、庭の中にある命の木、善悪の知識の木を育てられた。
[2:10]エデンから川が流れ出て庭に水が行き、そこから川が分かれて4つの枝になります。
[2:11]最初の名前はピションです。それは金があるハビラの全地の周りを流れるものです。
[2:12]その土地の金は良い。 bdelliumとオニキスの石があります。
[2:13]第二の川の名前はギホンです。それはクッシュの全地を流れるものです。
[2:14]第三の川の名前は、アッシリアの東を流れるチグリスです。そして4番目の川はユーフラテス川です。
[2:15]主なる神はその人を取り、エデンの園に入れてそれを耕し、それを守った。
[2:16]そして神は主に命じられた、「あなたは庭のあらゆる木を自由に食べてもよい。
[2:17]しかし、善悪の知識の木からはあなたは食べてはならない。あなたがそれを食べる日には、あなたは死ぬであろう」。
[2:18]主なる神は言われた、「その人がひとりでいるのは良くない。わたしは彼を彼のパートナーとして助手とする」。
[編集] 2:19それで、主なる神は、地上から野のすべての動物と、空のすべての鳥とを形成し、それらを人のところに連れて行って、彼らが何と呼ぶかを見させた。そして、その男があらゆる生き物と呼ぶものは何でも、それはその名前でした。
[2:20]男はすべての牛、空中の鳥、野のすべての動物に名前をつけた。しかし、男性にとって、彼のパートナーとしてのヘルパーは見つかりませんでした。
[編集] 2:21それで、神、主は深い眠りを人に降らせ、彼は眠った。それから彼はrib骨の一つを取り、肉でその場所を閉じました。
[2:22]そして、神、主がその男から取ったrib骨は、彼が女にして、その男に連れて来た。
[2:23]それから男は言った。「これはついに私の骨の骨であり、私の肉の肉です。これは女性と呼ばれるでしょう。
[2:24]それで男は父と母を離れて妻にしがみつき、彼らは一つの肉になります。
[2:25]その男とその妻は両方とも裸で、恥ずかしくない。
[3:1]さて、蛇は、主なる神が造られた他のどんな野生動物よりもcraftであった。彼は女性に言った、「神は「庭のどの木からも食べてはならない」と言ったのですか?」
[3:2]女は蛇に言った、「庭の木々の実を食べてもいい。
[3:3]しかし、神は言われた、「あなたは庭の真ん中にある木の実を食べてはならない。また、それに触れてはならない。さもないと死ぬ。 '"
[3:4]しかし、蛇は女性に言った、「あなたは死なない。
[3:5]神はあなたがそれを食べると目が開かれ、善と悪を知って神のようになることを知っています。」
[3:6]それで、女性は木が食物に良いこと、そしてそれが目に喜ばしいこと、そして木が一人の賢者を作ることを望んでいることを見たとき、その実を取って食べました。彼女はまた、夫と一緒にいた夫にいくつかを与え、彼は食べました。
[3:7]それから、両方の目が開かれ、彼らは自分たちが裸であることを知った。そして彼らはいちじくの葉を縫い合わせ、自分用にふんどしを作りました。
[3:8]彼らは夕風の時に庭で神の主が歩いている音を聞き、男とその妻は庭の木の間に神の主の臨在から身を隠した。
[3:9]しかし、神、主は人に呼ばわって、「どこにいるのか」と言われた。
[3:10]彼は言った、「庭であなたの音が聞こえた。私は裸だったので、怖かった。自分を隠した」。
[3:11]彼は言った、「だれがあなたが裸だとあなたに言ったのですか。あなたは私に食べないように命じた木から食べましたか」。
[3:12]男性は言った、「あなたが私と一緒にいた女性は、木から実をくれたので、食べました」。
[3:13]それから、神、主は女に言われた、「あなたはこれをどうしたのか」。女性は「蛇が私をだまして、食べました」と言いました。
[3:14]主なる神は蛇に言われた、「あなたはこれをしたので、あなたはすべての動物とすべての野生の生き物との間でのろわれている。あなたの腹の上に行き、あなたはあなたの人生のすべての日を食べなければならない」 。
[3:15]私はあなたと女性の間、そしてあなたの子孫と彼女の間に敵意を置きます。彼はあなたの頭を打ち、あなたは彼のかかとを打ちます。」
[3:16]彼は女性に言った、「私は出産時にあなたの苦痛を大きく増します。痛みであなたは子供を産みますが、あなたの欲望はあなたの夫のためであり、彼はあなたを支配します。」
[3:17]彼は言った、「あなたはあなたの妻の声に耳を傾け、わたしがあなたに命じた木を食べたので、 『あなたはそれを食べてはならない』と呪われた。あなたの;あなたは苦労してあなたの人生のすべての日それを食べるものとします;
[3:18]いばらとあざみはあなたのために生むでしょう。あなたは畑の植物を食べなければならない。
[3:19]顔の汗で、地面に戻るまでパンを食べる。あなたは塵であり、塵に帰らなければならない。」
[3:20]その男は妻イブと名付けた。なぜなら彼女はすべての生きている母親だったからだ。
[3:21]主なる神は人とその妻のために皮の衣を作り、それを着た。
[3:22]主なる神は言われた、「見よ、人は善と悪とを知って、わたしたちのようになった。そして今、彼は手を伸ばして、命の木から取って食べ、永遠に生きる" -
[3:23]それで、主なる神は、彼をエデンの園から、彼が連れ出された地まで送られた。
[3:24]彼は男を追い出した。エデンの園の東に彼はケルビムと、命の木への道を守るために燃え上がり回る剣を置いた。
[4:1]今、その男は妻のイブを知っていたので、彼女はカインを考え出して、「主の助けを借りて男を産んだ」と言った。
[4:2]次に彼女は彼の兄弟アベルを産んだ。アベルは羊の番人であり、カインは地の耕うん機でした。
[4:3]カインは時間の経過とともに、地の実のささげ物を主にささげた。
[4:4]そしてアベルは、その群れの初子である脂肪分を持ち込んだ。そして、主はアベルと彼の捧げ物を尊敬していた、
[4:5]しかし、カインと彼の捧げ物については、彼には何の配慮もありませんでした。それでカインは非常に怒っていて、彼の表情は落ちました。
[4:6]主はカインに言われた、「どうしてあなたは怒っているのか。なぜあなたの表情が落ちたのか。
[4:7]うまくいけば、受け入れられませんか?そして、あなたがうまくいかなければ、罪はドアに潜んでいます。その欲望はあなたのためですが、あなたはそれをマスターしなければなりません。」
[4:8]カインは弟アベルに言った、「野原に出よう」。そして、彼らが野原にいたとき、カインは彼の兄弟アベルに対して立ち上がって、彼を殺しました。
[4:9]主はカインに言った、「あなたの兄弟アベルはどこにいるのか」。彼は言った、「私は知らない。私は私の弟の番人か?」
[4:10]主は言われた、「あなたは何をしたのですか。聞いてください。あなたの兄弟の血が地からわたしに叫びます
[4:11]そして今、あなたはあなたの手から兄弟の血を受け取るために口を開いた地面からのろわれています。
[4:12]あなたが地面に着くと、それはもはやあなたにその力を譲りません。あなたは地上で逃亡者であり、放浪者になります。」
[4:13]カインは主に言った、「私の罰は耐えることができないほど大きい!
[4:14]今日、あなたは私を土から追い出しました。そして、私はあなたの顔から隠されます。私は逃亡者であり、地球上の放浪者になります。
[4:15]それから主は彼に言われた、「そうではない!カインを殺す者は七度の復venに苦しむだろう」。そして、主はカインに印をつけられたので、彼の上に来た者はだれも彼を殺さない。
[4:16]カインは主の前を離れ、エデンの東のノドの地に定住した。
[4:17]カインは妻を知っていたので、彼女は妊娠してエノクを産んだ。彼は都市を建設し、息子エノクにちなんでエノクと名付けました。
[4:18]エノクに生まれたのはイラド。イラドはメフヤエルの父、メフヤエルはメトサエルの父、メトシャエルはラメクの父でした。
[4:19]ラメクは2人の妻を連れて行った。一人の名前はアダで、もう一人の名前はジラでした。
[4:20]アダはジャバルを産んだ。彼はテントに住んで家畜を飼っている人々の祖先でした。
[4:21]彼の兄弟の名前はジュバル。彼はly琴とパイプを演奏するすべての人々の祖先でした。
[4:22]ジラは、あらゆる種類の青銅と鉄の道具を作ったツバルカインを産んだ。トゥバルカインの妹はナアマでした。
[4:23]ラメクは妻に言った:「アダとジラ、私の声を聞いてください。あなたはラメクの妻たち、私の言うことを聞いてください。
[4:24]カインが7倍に復すれば、本当にラメクは77倍になります。」
[4:25]アダムは再び彼の妻を知り、彼女は息子を産んで彼にセスと名付けた。彼女は言った。
[4:26]セスにも息子が生まれ、エノシュと名付けました。その時、人々は主の名を呼び始めました。
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1:1]神が天と地を創造された当初、[1:2]地は無形の空虚であり、暗闇が深層の顔を覆っていたのに対し、神からの風が水面に吹き荒れた。[1:3]それから神は「光あれ」と言われました。そして光がありました。[1:4]そして神は光が良かったのを見ました。そして神は光と闇を分けました。[1:5]神は光の日と呼ばれ、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。[1:6]そして神は言われた、「水の中にドームを作り、水と水を分けさせなさい」。[1:7]それで神はドームを作り、ドームの下にある水とドームの上にある水を分けました。そして、そうでした。[1:8]神はドームスカイと呼ばれました。そして夕方があり、二日目は朝でした。[1:9]そして神は言われた、「空の下の水が一つの場所に集められ、乾いた地が現われるように」。そして、そうでした。[1:10]神は乾燥した土地を地球と呼び、集められた水を海と呼びました。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:11]神は言われた、「地は草を生みなさい。種を産む植物、種を含む実を結ぶ地上のあらゆる種類の果樹」。そして、そうでした。[1:12]地球は植物を生み出しました。植物はあらゆる種類の種を生み出し、あらゆる種類の木は種を含む実を結んでいます。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:13]そして夕方があり、三日目は朝でした。[1:14]そして神は言った、「空のドームに昼と夜を分ける明かりを置いて、しるしと季節と日と年とにさせなさい。[1:15]そして、それらを空のドームの光にして、地球に光を放ちましょう。」[1:16]神は二つの大きな光を造りました。昼を支配する大きな光と夜を支配する小さな光、そして星です。[1:17]神は彼らを空のドームに置き、地球に光を与えた。[1:18]昼と夜を支配し、暗闇から光を分離します。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:19]そして夕方があり、四日目の朝があった。[1:20]そして神は言った、「水が生き物の群れを生みだし、鳥が空のドームを越えて地球上を飛ぶようにしましょう」。[1:21]それで神は偉大な海の怪物と、水が群がるあらゆる種類のあらゆる生き物、そしてあらゆる種類の翼のある鳥を創造されました。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:22]神は彼らに祝福を与えて、「実り豊かになり、海の水を増やし、水を満たし、鳥を地上で育てなさい」と言われた。[1:23]そして夕方があり、五日目に朝があった。[1:24]そして神は言った、「地はあらゆる種類の生き物を生むようにしよう。牛と忍び寄る物、あらゆる種類の地の野生動物。」そして、そうでした。[1:25]神はあらゆる種類の地球の野生動物、あらゆる種類の牛、あらゆる種類の地面に忍び寄るすべてのものを造られました。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:26]それから神は言った、「私たちの似姿に従って、私たちの姿に人類を作りましょう。海の魚、空の鳥、牛、そしてその上に彼らを支配させましょう。地球のすべての野生動物、そして地球に忍び寄るあらゆる忍び寄るものの上に。」[1:27]それで神は人類を彼のイメージで、神のイメージで創造した。男性と女性が作成しました。[1:28]神は彼らを祝福され、神は彼らに言われた、「実り豊かになり、地を満たし、地を征服し、海の魚と、空の鳥と、すべての生き物とを支配する。地球上を移動します。」[1:29]神は言われた、「見よ、わたしはあなたに、すべての地の表面にある種を産むすべての植物、およびその実に種を含むすべての木をあなたに与えた。[1:30]そして、地球のすべての獣、空のすべての鳥、そして地球上にcreepうすべてのもの、生命の息吹を持つすべてのものに、私はすべての緑の植物を食物に与えました。」そうだった。[1:31]神は自分が作ったものすべてを見ました。実際、それはとても良かったです。そして夕方があり、6日目の朝がありました。[2:1]こうして天と地は完成し、すべての群衆は完成した。[2:2]そして、七日目に神は彼がした仕事を終え、七日目に彼がしたすべての仕事を休んだ。[2:3]それで、神は七日目を祝福され、神を祝福しました。[2:4]これらは、天と地が創造された時の世代です。主なる神が大地と天を造られた日に、[2:5]畑の植物がまだ地上になく、畑の草がまだ芽を出していないとき-主なる神がそれを地上に降らせず、地上まで耕す者がいなかったから;[2:6]しかし、小川が地球から上昇し、地面の表面全体に水をまく-[2:7]それから主なる神は、地のちりから人を形成し、命の息を鼻孔に吸い込んだ。その男は生き物になりました。[2:8]主なる神は東のエデンに庭を植えられた。そしてそこに彼は彼が形成した男を置きました。[2:9]主なる神は、地上から、目にやさしく、食物に良いすべての木、庭の中にある命の木、善悪の知識の木を育てられた。[2:10]エデンから川が流れ出て庭に水が行き、そこから川が分かれて4つの枝になります。[2:11]最初の名前はピションです。それは金があるハビラの全地の周りを流れるものです。[2:12]その土地の金は良い。 bdelliumとオニキスの石があります。[2:13]第二の川の名前はギホンです。それはクッシュの全地を流れるものです。[2:14]第三の川の名前は、アッシリアの東を流れるチグリスです。そして4番目の川はユーフラテス川です。[2:15]主なる神はその人を取り、エデンの園に入れてそれを耕し、それを守った。[2:16]そして神は主に命じられた、「あなたは庭のあらゆる木を自由に食べてもよい。[2:17]しかし、善悪の知識の木からはあなたは食べてはならない。あなたがそれを食べる日には、あなたは死ぬであろう」。[2:18]主なる神は言われた、「その人がひとりでいるのは良くない。わたしは彼を彼のパートナーとして助手とする」。[編集] 2:19それで、主なる神は、地上から野のすべての動物と、空のすべての鳥とを形成し、それらを人のところに連れて行って、彼らが何と呼ぶかを見させた。そして、その男があらゆる生き物と呼ぶものは何でも、それはその名前でした。[2:20]男はすべての牛、空中の鳥、野のすべての動物に名前をつけた。しかし、男性にとって、彼のパートナーとしてのヘルパーは見つかりませんでした。[編集] 2:21それで、神、主は深い眠りを人に降らせ、彼は眠った。それから彼はrib骨の一つを取り、肉でその場所を閉じました。[2:22]そして、神、主がその男から取ったrib骨は、彼が女にして、その男に連れて来た。[2:23]それから男は言った。「これはついに私の骨の骨であり、私の肉の肉です。これは女性と呼ばれるでしょう。[2:24]それで男は父と母を離れて妻にしがみつき、彼らは一つの肉になります。[2:25]その男とその妻は両方とも裸で、恥ずかしくない。[3:1]さて、蛇は、主なる神が造られた他のどんな野生動物よりもcraftであった。彼は女性に言った、「神は「庭のどの木からも食べてはならない」と言ったのですか?」[3:2]女は蛇に言った、「庭の木々の実を食べてもいい。[3:3]しかし、神は言われた、「あなたは庭の真ん中にある木の実を食べてはならない。また、それに触れてはならない。さもないと死ぬ。 '"[3:4]しかし、蛇は女性に言った、「あなたは死なない。[3:5]神はあなたがそれを食べると目が開かれ、善と悪を知って神のようになることを知っています。」[3:6]それで、女性は木が食物に良いこと、そしてそれが目に喜ばしいこと、そして木が一人の賢者を作ることを望んでいることを見たとき、その実を取って食べました。彼女はまた、夫と一緒にいた夫にいくつかを与え、彼は食べました。[3:7]それから、両方の目が開かれ、彼らは自分たちが裸であることを知った。そして彼らはいちじくの葉を縫い合わせ、自分用にふんどしを作りました。
Ik for a fact theres more but this is all I could fit.
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【ライヴレポート】MUCC、<鵬翼・極彩>再現ツアー日比谷野音公演に「時の流れ、長い年月を感じながら」
MUCCが5月6日、日比谷野外大音楽堂にて<MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」〜鵬翼・極彩〜>のファイナル公演を開催した。過去アルバム『鵬翼』『極彩』再現ツアーの最終公演にして、25周年イヤー締めくくりの公演を12月28日に東京国際フォーラムにて開催することも発表となった同ファイナルのオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆MUCC 画像
2022年に結成25年周年を迎えたロックバンドMUCCが、過去のアルバムを再構築したセットリストで廻るツアーを開催中だ。第一弾は2022年10月~12月に行なった<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~是空・朽木の灯~>で、彼らが2003年に発表した『是空』、さらに2004年に発表した『朽木の灯』をコンセプトにしていた。そして第二弾として行なったのが、2023年3月から始まった<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~鵬翼・極彩~>である。そのファイナル公演となったのが、5月6日に開催された日比谷野外大音楽堂でのライヴだ。
この日、関東地方には朝から強風が吹き荒れていたが、野音は公園の木々のおかげか、強風の影響はそれほどでもない。初夏を告げる暑い日差しが降り注ぎ、むし��風が心地いいぐらいだ。そんな野音にSEとして『極彩』の1曲目「レイブサーカス」が鳴り響いたのは17時35分のこと。トライバルなリズムに合わせ、オーディエンスはハンドクラップしながら期待を高めるばかり。紫色や黄色など様々なスポットライトが点滅し、まさに極彩色となったステージ。そこに主役のMUCCが登場すると、でかい歓声と拍手が湧き上がる。鮮やかな振袖の着物をジャケット代わりに羽織った逹瑯(Vo)は、オーディエンスを煽るようにマイクスタンドを高く上げた。
アルバム『極彩』の流れを汲むように、「極彩」へ突入。興奮を煽りたてるヘヴィサウンドが炸裂し、客席を埋め尽くしたオーディエンスも激しいヘドバンを繰り返し、開演から数分も経たずして一体化。ミヤ(G)とYUKKE(B)は立ち位置を入れ替わりながらプレイし、逹瑯は宣戦布告するように歌をとどろかせていく。
「いい天気だな、日比谷!」──ミヤの喜びの声から続いたのは「嘆きの鐘」。ヘヴィな面もありながら、レゲエのリズムやフレーズも飛び交うナンバーだ。曲の途中でブレイクして、「いこうか!」と笑顔も見せる逹瑯。また「ガーベラ」のイントロでは「日比谷、飛べんの? 全員で飛べー!」と焚きつける。とはいえ、ジャンプしながら楽しめるのはイントロ部分ぐらい。なにしろ切ないメロディやメロウな展開も顔を出す曲で、一筋縄ではいかないアレンジが「ガーベラ」の特徴でもある。それでも曲に見事に食らいついていくオーディエンス。バンドとひとつになり、さらに曲とも呼吸をしていく様は、さすが、MUCCの熱心なファンである夢烏(ムッカー/ファンの呼称)たちだ。それに曲そのものも、リリース当時とは違う顔つきを見せている。
アルバム『極彩』をリリースした2006年当時、逹瑯はミヤの書くメロディに応えながら、シンガーとしての殻を破り始めた時期だったと思う。絶望感やネガティビティを背負ってもがいているような唱法が初期だったとしたら、暗闇や密室にいた自身を自ら解放したのが『極彩』に取り組んでいた時期だった。その結果、重苦しさばかりではなく軽やかさなども唱法に備わり、同時に幅広いメロディも積極的に歌い始めていった。そこからさらに約16年経ち、シンガーとして大きく成長した今、逹瑯は当時に思い描いた理想の歌を野音で具現化していく。細部まで気持ちを入れながら、しかし感情過多になりすぎることもなく、言葉のひとつずつがしっかり聴き取れる。早い話、伝わる歌だ。それが曲の新たな顔つきにもなっている。
「晴れたね。雨の野音も嫌いじゃないけど、やっぱ晴れって気持ちいいね。この自然の光も合わせてMUCCを楽しんでいってください。時の流れ、長い年月を感じながら、最後までよろしく」──逹瑯
逹瑯のそんな言葉をはさんで、曲はライヴ会場限定発売シングルの2曲へ。「想-so-」ではバイオリンとチェロ奏者も加わり、優しく切ない歌とバンドサウンドでオーディエンスを包み込む。しかしライヴはここから急展開。ミヤのエッジの尖ったリフに、逹瑯が気のふれたような狂った歌いっぷりが絡み合いながら「リスキードライヴ」で攻め立てる。その勢いのままコーラスやフェイクでコール&レスポンスも起こし始めた。逹瑯ばかりでなく、メンバー名を叫ばせるコール&レスポンスで楽しむのはYUKKE。さらにミヤもムチャなハイトーンすぎるフェイクでコール&レスポンスを楽しみながら、自分も笑ってしまうミヤ。一体感と熱気と楽しさのカオス状態だ。
「たくさんの人がMUCCに真剣に向き合ってくれて、そんな人たちに囲まれてとても幸せだと思います」──逹瑯
バンドを代表して逹瑯が感謝しながら曲は「パノラマ」へと続く。青空が徐々に夕刻へと表情を変えていく中で披露されたこのバラードは、自然の美も野音ならではの演出効果となり、スケール感ある曲となってどこまでも響き渡っていく。
ところが美しさにずっと浸らせないのが、『鵬翼』や『極彩』をリリースした時期のMUCCと言うべきか。憎しみと怒りもこもったレゲエテイ��ト強めの「メディアの銃声」を叩きつけたと思えば、そこから続くのは「25時の憂鬱」。YUKKEのアップライトベースでドゥーミーな香り漂うベースリフに、ミヤがサイケデリックで荒々しいギターを絡ませる。逹瑯は、怪しくけだるい歌を恍惚とした表情も浮かべながら聴かせていく。照明の色使いもひたすらドラッギーだ。美しき夕刻だったはずが、おかしな世界へ精神を誘い込む世界へ変貌。
こうしてライヴは何度もの急展開を見せながら突き進む。恐らくメンバー自身、このツアーのセットリストを考えるのに相当、頭を悩ませたはず。なぜなら曲それぞれが、あまりにも異なる色を持っているからだ。
特に『極彩』を作った2006年当時のMUCCは、“デビリッシュ・イヤー”と名づけ、国内ツアーはもちろん、フェスや海外ツアーなど、怒涛のライヴ活動を行なっている。その過程で刺激も触発もされただろう。新たな曲につながるヒントを掴むこともあったかもしれない。だがMUCCは、自分たちにしかできないことを常に探し求めた。その結果、自由にわがままに音楽を作り始めたのがその時期だったと思う。そのためアルバムは、ひとつの方向性を持ったものではなく、まるでオムニバスアルバムのように違った色合いの曲たちで構成された。だから付けたタイトルが『極彩』でもある。
リリースしたときは初期からのあまりの変化に驚き、ふるい落とされそうになったファンも少なくなかった。しかし、あれから約16年。MUCCの持つ多彩さや多面ぶりも楽しみながら、それぞれの曲に改めてハマり込むオーディエンスの姿が野音に広がっていた。
ライヴ後半、強烈なスラッシュメタル調の「G.M.C」で激しいヘドバンで狂った直後のことだ。逹瑯も、あまりの曲順に自分��も思わず笑いつつ、「優しい歌」へと続いた。MUCCからの温かさと優しさが広がっていく中、オーディエンスはそれを受け止めるように両手を広げ、左右に揺らし、自分たちもMUCCと共に歌う。客席からの歌声を心地よく浴びながら逹瑯が「オマエらのライヴを聴いてんだよ、俺は」と言うと、さらに歌声は大きくなり、大合唱になって夜空に響いていった。そしてステージにレーザーの流れ星が幾つも流れる中、「流星」で感動的にライヴ本編を締めくくった。
アンコールでは、12月28日に東京・国際フォーラム ホールAで結成25周年イヤーのグランドファイナル開催も発表。その前には第三弾ツアーも、第四弾ツアーもある。逹瑯の「最後まで一緒に、盛大に駆け抜けようじゃないか!」という言葉に、野音からでっかい歓声も巻き起こる。
アンコールラスト「WORLD」は、イントロからMUCCとオーディエンスの大合唱から始まった。レコーディングでもファンのみんなからコーラスを送ってもらい、1000トラック以上のコーラスで構成したナンバーだ。声出しも解禁になった今、MUCCと共に新たな世界の始まりを誓うように、1000どころか約3000人のファンが歌う。喜びと幸せに満ちた第二弾ツアーのファイナルとなった。
取材・文◎長谷川幸信 撮影◎冨田味我
■<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~鵬翼・極彩~>2023年5年6日(土)@日比谷野外大音楽堂 SETLIST SE. レイブサーカス
極彩
嘆きの鐘
ガーベラ
月光
心色
耀-yo-
想-so- [w/ 後藤泰観(Vn) 吉田弦(Vc)]
リスキードライブ
パノラマ
メディアの銃声
25時の憂鬱
ホリゾント
最終列車
謡声
G.M.C
優しい歌
流星 encore en1. 雨のオーケストラ [w/ 後藤泰観(Vn) 吉田弦(Vc) キラーズオーケストラ] en2. 蘭鋳 en3. TONIGHT en4. WORLD
2023.05.10 quelle: barks.jp
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長くなります。よかったら読んでください。 まず、私から提案したいと思います。 私の家に遊びに来ませんか。鹿児島県のとある田舎町で農業を営んでいます。新規就農してからまだ半年余りなので、アルバイトをしながら何とかやっている状態ですが。 独り者です。バツイチです。質問者の方が男性でしたら、何日か泊まっていただいても構いません。 柴犬と猫とヤギ、ニワトリがいます。 以下、陰鬱な内容を含みます。耐性の無い方は読まれない事をオススメします。 私もうつ病でした。 それも重度のうつ病でした。主治医には、最終的には脳に電極をつけて電気ショックを施すことを勧められたぐらいです。 入院治療も2度行いました。 最初の入院は、自殺未遂をしてから運ばれました。施錠された病室に隔離されました。常にモニターで監視されていて、トイレなどハナから丸見えです。 1週間の後、一般病棟に移りました。 職場には、主治医からうつ病の為3か月の休職が伝えられました。 2週間後くらいから、躁状態に入りました。 室内では腹筋、腕立てを繰り返し、外出許可をもらってはランニングに勤しみました。 自分自身が何故うつ病になってしまったのか自省し、退院してから復職する迄のやるべき事リストを作り上げました。 前向きな様子を見て、主治医も退院時期を前倒しにしました。 一月後、退院しました。 退院してから、先ずは主夫業に精を出しました。 過剰なまでの不安と心配を与えてしまった妻の為、早起きして犬と散歩に行き、朝ごはんを作り、掃除、洗濯を済ませ、夕ごはんの買い出しに行き、夕ごはんを作って妻の帰りを待ちました。 週に2回の通院は、あえて15キロの道のりを自転車で通いました。散歩にも出かけ、野の花や小鳥なんかをスケッチしたりもしました。 全てはうつ病を克服するためだけに、日々を過ごしました。認知療法、行動療法、薬物療法すべて行いました。 1か月後、再発しました。 休職期間も残り1か月ともなると、緊張と不安が絶え間なく襲ってきます。また寝れない日々が続きます。食欲もなくなり、何をするのも億劫です。 復職1週間前ともなるとある思いが心を支配します。 (死にたい…) とにかく私は死にたかったのです。 いわゆる、希死念慮です。 簡単に言うと自殺願望なのでしょうが、色んな自殺の方法を探りました。 結局は首を吊る事に落ち着きました。 妻の居ない日中に、何度も何度もタオルなどで首を吊りました。でも死に切れませんでした。 勇気を振り絞って復職しました。 3か月ほど働いたでしょうか。職場での日々は、私にとって正に地獄でした。常に緊張していました。頭が上手く回転しません。真っ直ぐ歩くことさえままならず、何故か柱や机の角にぶつかりました。トイレに用がなくても頻繁に入り、周りの好奇な目から逃げました。その度にトイレの窓から飛び降りたい気持ちになりました。自殺を試みた人間に対して、同僚は腫れ物に触るように対応します。 毎週末、今日こそはと思い、首つりを繰り返しました。しかし、最後まで出来ません。 私は思い込みの世界で生き、想像の世界で苦しんでいました。 自殺未遂をしてから、うつ病と告知されてから、いやもっとずっと前から私は、私自身の妄想に自縄自縛の状態でした。 あいつは仕事が出来ない。 あいつのせいでみんな迷惑している。 自殺未遂するぐらいなら仕事を辞めればいいのに。 それでも上司は私を励まします。 君なら出来る。死んだ気になってがんばりなさい。みんな君の事を心配しているんだ。恩返ししないとね。 妻も私を励ましてくれました。 折角、頑張って公務員になったのに、今辞めたらもったいないよ。家のローンはどうするの。その年から転職なんて出来ないよ。あなたの大好きな柴犬も手放して、動物も飼えないようなアパートに移る事になるよ。今が頑張りどきよ。 私はもう限界でした。いや、もうとっくに限界だったのでしょう。主治医からは兎に角強い睡眠剤と抗うつ剤を処方し��もらいました。 起きていても何時もボーッとしていました。 漢字もどう書くのかよく分からなくなりました。 ひらがなさえ、「あ」と「お」の違いさえよく分からなくなり、度々授業中の計算ミスを子どもに指摘されました。 ある日、子どもに問いかけられました。 「先生、なんで死のうと思ったの?前の先生が、H先生はぼくたちのことが嫌いで死のうとしたって言ってたけど、本当?」 「そんなことないよ。死のうとなんかして��いよ。」 咄嗟に取り繕いました。 代行の先生が、断片的で恣意的な情報を子どもたちに伝えていたようでした。 再休職することになりました。 うつ病の原因は今だからよく分かります。 新しい学校に移動したものの、子どもたちと以前のような信頼関係を築けないことからの自己嫌悪。 同僚とも良好な関係を持てないことからの苛立ち、不安、不満。 それらから派生するように、仕事への自信喪失。 40過ぎても子どもを持てないことへの落胆。 35年住宅ローンの重圧。 自分の故郷が地震と津波で壊滅的な状況なのに、何も出来なかったことへの後悔。 妻とも友人とも、会話が噛み合わないことからの孤独感。 当時の私は客観的に見ても、八方塞がりでした。 でも多くの方たちも、多かれ少なかれ40も過ぎれば仕事や家庭で問題を抱えています。しかし、うつ病にはならないでしょう。だからこそ私は私自身に失望しました。失望感は再休職したことからさらに募り、積み重なった失望感は、絶望感へと集約されました。 再休職して、私はまさに生きるしかばねの様でした。 以前の休職期間のように、前向きにうつ病治療をすることも有りません。ただ、ただ死なないように生きているだけです。 誰かの歌詞にあったように、 私は小さく死にました。 当時の私は死にたいと云うよりも、「楽になりたかった」のです。 40も過ぎて再休職し、再び同僚や子どもたちに迷惑をかけ、上司の配慮や期待にも応えることが出来ず、その上、妻への罪悪感は筆舌に尽くし難いものがありました。 いつ自殺が成功しても大丈夫なように、定期的に遺書を書きました。妻への謝罪、同僚たちへの謝罪、両親兄姉への謝罪、毎日毎日こんな自分が生きていることが申し訳ありませんでした。 妻は週末になると、神社へとわたしを連れ出しました。近所の神社、箱根神社、鶴岡八幡宮、春日大社にも行きました。 2時間で2万円もするカウンセリングも受けました。 主治医から処方される薬は、5種類まで増えました。病院でのカウンセリング担当医は、大学を卒業したばかりのような若い女性です。彼女なりに真摯に私と向き合ってくれましたが、私は彼女から助けてもらえるとはとても思えませんでした。主治医で院長でもあった先生は、薬を処方するだけです。もしうつ病が治らず、教員を退職する事になったら精神障害者として生活保護を受けるしかないと言われました。 一向に良くならない私の状況に、妻は失望し、疲弊しました。あとで知った事ですが、リストカットなどの自傷行為をしていたようです。 毎晩、妻から叱責をされるようになりました。 このままだとどうなるか分かる?あなたがうつ病を治さないとどうなるか分かる?いい加減、治してよ!どれだけあなたが沢山の人たちに迷惑を掛けているのか分かる?だから早く治して! 時には包丁を持ち出され、一緒に死のうと懇願されました。 一度、人は道を踏み外すととことんまで堕ちるのだと思いました。しかも、底がありません。どこまでも堕ちるのです。 生き地獄でした。 翌年の4月、私は別の学校に移動し復職することになりました。 私は私を偽りました。うつ病は治っていません。しかし、治った事にしないと妻がもちません。 治ったと偽り、主治医にも復職を許されました。 復職して、3週間後の朝、自宅の梁に電気コードを括り付け、椅子を倒し首吊り自殺しました。 死んでいませんでした。 気づくと愛犬の柴犬が必死に私を舐めていました。 何も見えません。呼吸が止まっていたのでしょうか。私は必死に呼吸をしました。呼吸を繰り返し繰り返し行うと暗闇に光が差し込んできました。 何故かコードは解けていました。今際の際で、コードを解いていたようです。しかし自分が何をしたのか暫く理解できませんでした。失禁していることに気づきました。脱糞までしていました。眼球は出血し、白目部分は真っ赤に染まっていました。左半身が上手く動きませんでした。 その日、再入院することになりました。 主治医から、電気ショック治療を勧められました。一定の効果は期待できるが、全身に激しい電気ショックが流れるので多少の骨折や記憶の欠落などのリスクは覚悟してくれと言われました。妻の反対で行いませんでした。 もはや、自分が何をしたいのか、生きたいのか死にたいのか全く分かりません。ただただ矮小で卑屈で社会のゴミのような存在だと思いました。 生きている意味などあろうはずもありません。 でも私は生きていました。あの日以来首を吊るのも止めました。何も考えず何もせず、出されたものを食し排泄し、夜になれば睡眠剤でぐっすり寝て朝になれば看護師に起こされ、何もない1日が始まります。 2か月後退院しました。暫くして、教員を辞めました。無職になりました。新築の家も売りに出しました。妻には当然ですが、見放され東北の実家に帰ることになりました。実家にはまだ思春期の姪たちがいたので、兄がアパートを探してくれそこに1人で暮らす事になりました。 私は何も考えなくていいように、中古のゲーム機を買って一日中ゲームをしていました。たまにスーパーに食料を買いに行きますが、誰かに見られるのが恥ずかしくて、短時間で目につくものをそそくさと買ってアパートに戻ります。何も考えません。感情も有りません。風呂にも入りません。歯も磨きません。ある時、履けるパンツが無く、Tシャツを逆さにして履きました。チンチンが寒かったです。 以前の主治医から実家近くの病院を紹介され、紹介状も持たされていましたが、そこの病院に行く事は有りませんでした。もう精神科医も抗うつ剤も睡眠薬も私には必要ありませんでした。 なぜなら私は人の形をした、ただの醜いぬけがらでしたから。 時間も季節も、世間も仕事も、私には何の意味も有りません。物欲、金欲、食欲といった欲求もありません。ただ日々死なないように生き、金を食いつぶし、秋が来て、冬が来て、春が来��した。 定期的に父から電話がありました。その日は今までにない雰囲気で、もうアパートを引き払えと言ってきました。 実家で両親と兄家族と暮らす事になりました。 父は頻繁に私を外に連れ出しました。80も近い父の運転で、被災地の風景を見たり、故郷の野山を見たり、桜を見たりしました。 5月過ぎ、父が帯状疱疹になりました。 6月になると、胃腸に何らかの不調を訴えるようになりました。 7月、近隣の中核病院に入院することになりました。 最初は泌尿器系の病気が疑われ、手術を受けましたがあまり体調が改善されません。その後、ガンが疑われましたが、その部位が分からないと言われました。原発不明ガンと診断されましたが、本人には告知していませんでした。 父が体調を崩してから、病院の送り迎え、入院の準備や手続き、お医者さんの対応など、私が行いました。初めは嫌々でしたが、結局手が空いているのは私しかおりませんから、仕方なく対処していました。 原発不明のガンなので、具体的な治療方針が決まりません。何故か、一時退院が許されました。 退院してから、定期的に通院する事になりました。その日は泌尿器科の受診の日でした。泌尿器の主治医がお休みで代理の先生に診てもらいましたが、受診後父の様子が変で、帰り道に尋ねるとガンだと告知されたと言います。 何年ぶりでしょうか。私の中に忘れていた感情が芽生えました。 怒りです。 その日告知してきた先生は、あくまで泌尿器科の主治医の代理で、しかもガンの部位はおそらく消化器系だろうと言うことで告知する時期は消化器科の主治医と治療方針と共にこれから考えていきましょうという段取りになっていたのです。 父の落胆は見るからに明らかでした。父はタバコも吸いません。深酒もしません。健康番組が大好きで、健康に人一倍気を使っていました。 食事の世話も私が行っていましたが、食欲もめっきり無くなりました。歩くのも酷く疲れるようになりました。 私は消化器科の主治医とアポを取り、抗議の為病院に赴きました。何の相談もなく、科も違う代替先生が告知をしてしまった事に、平謝りでした。 それから私は、ガンについてできうる限り勉強しました。通院の際は、ノートを持ち込んで先生の所見を事細かくメモしました。 PET検査なるものでガンの所在が分かるかもしれないと聞き、検査機のある病院まで連れて行きました。 しかしながら、ガンの所在、及び部位は特定できませんでした。 8月になり、いつも以上に辛そうな父を見て再入院させる事にしました。病院に着くともう自力では歩くことが出来ず、車椅子に乗せて診察室まで連れて行きました。 父は気丈で弱音を吐くことを聞いた事がありません。 私が小学生の頃、車のドアで親指を挟み、骨が見えていても自分で運転し整形外科に行き、夕方には仕事をしていました。 私が中学生の時には、母が粉砕機で薬指を切り落としてしまいました。側にいた父は、すぐさま薬指を拾い、氷��に入れて母を病院まで連れて行きました。指はくっつきませんでしたが。 そんな父が、自ら車椅子に乗っている姿に愕然としました。 主治医からは、胸水が溜まっているのでお辛いのでしょうと言われました。とりあえず、入院治療することになりました。 胸水を抜いてもらい、多少楽になったのか父に少しだけ笑顔が戻ってきました。後から来た母とも談笑していました。 数日後、父は永眠しました。 死因は、原発不明ガンとのことですが直接的な死因は、窒息死です。深夜になって吐いたものが気管に詰まり、自力では解消されず看護師が気づいた時には亡くなっていたのです。 解剖はしませんでした。 母の取り乱しようは筆舌に尽くし難く、身内一同呆然としました。 それでも、お通夜や葬儀は粛々と進められます。 葬儀が終わり、明日早朝に火葬を残すのみという晩の頃、私は葬儀会場で棺の中にいる父と2人きりになりました。 止め処無く涙が溢れてきました。あんなに泣く事はもはやないだろうと思います。 おそらく1時間ほど泣き続けたでしょうか。その間、私は心の中で同じ言葉を繰り返していました。 (ごめんなさい。ごめんなさい。) (もう大丈夫だから。) ほぼ平均寿命とは言え、父は80手前で亡くなるような人ではありません。ましてや、ヘビースモーカーで高血圧の祖父より早死にするような人ではないのです。 では何故、こうも早逝してしまったのか。 原因は、私です。 私の存在がストレスとなり、私のうつ病が治らないこともストレスとなり、40過ぎの息子が無職になって帰ってきて引きこもりになっている現実がこの上なく父に負担を掛けたのは間違いありません。帯状疱疹になったのも、胃腸に不調をきたしたのも、がんと診断されて1か月余りで亡くなったのも、私のせいです。身内は誰も口には出しませんが、みんなそう思っている事でしょう。 それなのに私は、父の棺の前で1時間ほど泣いて泣いて泣き疲れた後、気づいたのです。 うつ病が治ったと…。 皮肉なものです。父の病と死が、私のうつ病を寛解に導いたのです。 半年前まで、私は私の抜け殻でした。 何もせず、何も考えず、ただ無意味に時間とお金を浪費する肉の塊に過ぎませんでした。他人と会話する事は勿論のこと、身内ですら顔を見て話すことも出来ませんでした。 それが3か月前から止むを得ず、父の世話をするようになってお医者さんと交渉したり、看護師と話したり、父の様子を親戚に伝えたりするうちに何となく、うつ病は回復の兆しを見せ始め、最終的にに父の死によって寛解に至ったのです。 父は全く意図していなかったでしょうが、結果的に父の病と死が、私を深い深い谷底から救ってくれたのです。 結局のところ、私のうつ病を治したものは医者でも無く、カウンセリングでもなく、ましてや薬でもありません。タイミングときっかけ、そして行動です。 以下は私の経験則からの私見です。異論がある方もいらっしゃると思いますが、ご容赦ください。 うつ病は、薬で治る病気ではありません。 一般的な解釈としては、うつ病は過剰なストレスなどにより、セロトニン、ドーパミン、ノ��アドレナリンといった神経伝達物質が上手く働かなくなり、シナプス間における電気信号が不調となる為、活動性が低下し、感情が失われていくとされています。 抗うつ剤などの薬は、上記の神経伝達物質を良好に分泌させる為のものですが、あくまで一時的なものです。言わば、身体が疲れた時のユンケルみたいなものです。ユンケルのような滋養強壮剤の効果は、有って小一時間ぐらいらしいです。医者に聞きました。寧ろ(俺はりぽDを飲んだから元気だ!)といった暗示の副作用の方が大きいといいます。抗うつ剤も同じです。気休め程度にしかなりません。しかも抗うつ剤を服用し続ける事は何の根本的な解決にはなりません。また様々な種類があり、強いものを飲み続けると廃人になるようなものも有ります。ハイリスクローリターンです。 私が知っている精神科医で、うつ病を本気で治せると思っている人はおりません。彼ら��、薬を処方し点数を稼ぎ、報酬を得ているに過ぎません。私が暫く通院していた病院は、正にそうでした。2年ほど通いましたが、沢山の精神病患者で寛解に至った方を私は知りません。私の主治医だった精神科医は、患者を1時間待たせ5分の問診で処方箋を書き、効率よく病院に富を蓄積させます。おそらくそれが出世の処方箋なのでしょう。 先日、NHKドラマで阪神淡路大地震を体験した精神科医の話がありました。患者の話を30分でも1時間でも真摯に聞く先生でした。私もそういう精神科医に出会ったら違っていたのでしょうが。 現実は違います。それでも精神科医に診てもらいたければ、開業医をお勧めします。少なくとも組織の中にいる精神科医はダメです。 カウンセリングもお金と時間がかかるばかりで、効果のほどは期待できないと思います。 中には、行動療法や認知療法で寛解する方もいらっしゃるとは思いますが、私は懐疑的です。 そもそもうつ病の根幹的な治療は何か? まず、うつ病に至ったストレスを無くすことです。私は公務員という立場や家のローン、世間体などから仕事を辞めるという選択肢を選ぶのか遅すぎました。 そして、死なないように生き、どこかのタイミングで行動を起こすことです。具体性に欠けますが、深い深い闇の中にいて、抗うつ剤や他人の空虚な言葉が一筋の光になる…なんて事は現実的ではありません。 最初はどんな行動でも構いません。ポイントは、うつ病を患ってからした事がない行動です。 よくうつ病を患った人に、「神様から休みなさいって言われているんだよ。」という方がいますが、うつ病患者は休んでいるわけではありません。深く傷つき、深い闇の中でいつ終わるとも分からない嵐が過ぎ去るのを息を殺し、感情を捨て、ただただ耐えているのです。 話が逸れました。 質問者の方は、生きている意味があるかと問いかけられていますね。 私の答えは、「ない」です。 そもそもが、生きているだけで意味がある人間なんてどれほどいるのでしょうか?人間は人間を特別視し過ぎです。過去には、人間ひとりの命は地球よりも重いと言った政治家が居ました。馬鹿げています。 この地球には、既知の部分だけでも175万種の生命体がいるそうです。未知を含めたら500万とも800万とも言われています。その多種多様な生き物が懸命に命を繋いでいます。その中で、何故人間の命だけが尊いと言えるのでしょうか。 周りを見渡せば、ニュースを見れば犬、猫より価値の無い生き方をしている人が沢山います。蜂や蟻よりも生産性の無い生き方をしている人間がありふれています。 人間の命、そのものには意味がないのです。 あるとすれば、意味ではなく「時間」だと思います。 そして時間があるからこそ、「行動」ができるのです。 重度のうつ病患者は、行動が出来ません。 行動が出来ないということは、時間が止まっているのです。 故に今のあなたが、生きている事の意味を問いかけるのははっきりいって無意味です。 それはあなた自身が本当は理解されているはずです。 けれども今あなたがその漆黒の闇を抜け出せるその日が来た時、あなたの(生)に価値が生まれます。あなたが自分の足で、自分の意思で前に進み始めた時、時間が再び動き出します。 生きている限り、意味はなくてもあなたには「時間」がある。時間があるという事は、あなたの人生は何度でもやり直せるのです。 更にあなたが価値ある、より良い行動をとることで、あなたの(人生)に意味が生まれると思うのです。 人の(生)に意味があるとすれば、価値ある行動を実践した時、初めて生まれると思うのです。 人の人生の評価は何で決まるのでしょうか? 財産、出世、肩書き…人それぞれでしょうが、私は行動だと思います。どれだけ価値ある行動を人生で出来たか、だと思うのです。 だからまずあなたがするべき事は、死なないように生きることです。そして、私のようにきっかけを待つか、自らきっかけを作り行動することです。 正直言って、私のようなきっかけを待つことはお勧めできません。 だからこそ、私のところに遊びに来ませんか? もしかしたら、何かのきっかけになるかも知れません。仮にならなくても、きっかけのきっかけぐらいにはなるかも知れません。 私は今、農業に従事しています。何故、東北から南九州に来て、農業をしているかの経緯は割愛しますが、私はうつ病が寛解してから2年ほどの、50手前のおじさんです。 うつ病が治り、取り敢えず3つの事を目標に掲げました。 ①飼っている柴犬を、日本一幸せな柴犬にする事。 ②最低限、父の年齢まで生きる事。 ③世界の真理を一つでも多く学ぶ事。 です。 農業では、無農薬、無化学肥料での、循環農法を実践しています。なるべく、F1の種に頼らず固定種の種から作付けして、この土地に合った野菜を育て、種取りをして、安全、安心な、究極的には硝酸態窒素を過剰に含まない、ガンにならない野菜作りを目指しています。 知らない土地に来てからの挑戦なので、苦労もありますがやり甲斐も有りますし、生き甲斐も感じています。 何よりも、何度となく死んでしまってもおかしくない我が身がこうしてお天道様の光を浴びて働けることが、嬉しくて嬉しくて仕方が有りません。 昔、ドイツの哲学者が言っていました。 (自らを否定して否定し尽くした時、あなたは超人となるだろう。) 私のうつ病期は、自己否定の繰り返しでした。 もちろん、私は超人には成れておりません。 ただ、周りの人達よりちょっとだけ物事の本質を理解出来るようになったかなと思います。 一昨日、東日本大震災から9年経ちました。 2万人以上の方が亡くなられました。 彼らにはもう時間が有りません。行動を起こすことも出来ません。 だからこそ我々生きている人間は、然るべき行動により、震災を語り継ぎ、亡くなった方たちを忘れずに生きねばなりません。 あなたは生きている。 あなたには時間がある。 あなたは行動を起こせる。 大丈夫���時は必ず訪れます。 最後にアメリカの詩人の言葉をご紹介します。 (寒さに震えた者ほど 太陽の暖かさを感じる 人生の悩みをくぐった者ほど 生命の尊さを知る これから私は幸福を求めない 私自身が幸福だ) 長文につき、乱筆、乱文ご容赦ください。
私はうつ病です。昔の事も思い出せず、感動せず、感情もわからず、物を覚えられず、体を動かすのもつらく、毎日ただひたすら苦しく、生きているだけでお金がかかるのに生きてる意味ってありますか? - Quora
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新型コロナウイルス関連の報道では、数多くの医師がメディアに登場して、自身の知見を述べている。しかし、最前線で感染者たちと接している医師の話をじっくりと聞く機会は意外と少ない。実際にはその患者を診たことがない「専門家」(中には医師ではない者もいる)のオピニオンのほうが多く流布されている。現場からの声として紹介される多くは、治療現場の苦境といったところに限定されているようにもある。
そこで今回、ある総合病院で新型コロナウイルスを実際に診察し、また現場の統括もしているベテラン医師に匿名を条件で本音を語ってもらった。匿名にした理由は「特におかしなことを言ったつもりはありません。同じように考えている医師も多いと思います。でも、ただでさえ忙しいのに、病院あてに抗議などが来るとたまらないから勘弁してください」というものである。
――お勤めの病院はどんな感じですか?
現状をお話しする前に、平時の病院、医療がどうだったかを少しご説明させてください。
もともと日本は国民皆保険ですし、東京は医療へのアクセスが極めてイージーになっていました。中学生までは医療費ゼロですし、救急車を呼んでもお金は請求されません。欧米なら数万円は確実に取られます。それゆえ、子供を昼間病院に連れて来られないというだけの理由で、救急外来を夜間に普段使いするような親までいたのです。
だからいつも病院が混雑していることが問題になっていました。一方で、開業医の先生を含めて医療機関側もそれで儲けていた、という面もあったことは否定できません。「どんどん来てください」とやって、医療費は国に負担してもらえばいいのですから。
ただ、新型コロナウイルスの影響で、普段は安易に病院に来ていた方が減ったので、全体としての患者数は減っています。
感染症や救急を担当していない病棟や医師はむしろ時間に余裕ができているようです。不要不急の手術も延期にしていますから。
1、2月に比べて3月の病院全体の収入は3割減というところでしょうか。病床の稼働率も10%ほど下がっています。
おそらくこれは開業医などでも同様でしょう。「売り上げ」が落ちて困っているところもあるだろうと思います。
一方で、私たち新型コロナの担当医たちだけは忙しくなっています。
うちの病院では新型コロナの診察を救急医が受け持つようにしています。その担当医らの仕事は、大雑把にいって1.5倍になっているという感じです。ただでさえ忙しかったところに、仕事が急増しました。
私が若い頃は救急を専門とする医師は月15日くらい当直というのが当たり前でしたが、さすがに今はそうはいかないので、当直は月6~8日くらい。週休2日は確保できるようにして、休日出勤の際には代休も取るように、という方針でした。
これがさっき言ったように仕事量が増えているため、「当分、代休は取れません」という感じになっていて、実感としてかなりキツい日々が続いているのは事実です。
私自身は現場の診療の他に、病院全体の感染症対策等々の仕事が増えました。省力化できたことといえば、テレビ会議が増えたので結果として会議の時短などが進んだことでしょうか。
――新型コロナに関しては、膨大な情報量が発信されています。この状況をどう見ますか?
SNSで誰もが発信できるようになったことで、不安をかきたてる情報が溢れす��ている、という印象はあります。
また地上波のテレビ、ワイドショーがセンセーショナルに伝える傾向があるのは良くないと思っています。たしかに政府の言う通りのことを流すのでは政府広報になってしまうので、良いことだとは言えません。
しかし、恐怖を煽って,今の対応が危険だと強調しすぎているように思います。
現政権が嫌いなのかもしれませんが、それと医学の問題��別です。
現在の政府方針、専門家委員会の方針は、専門的な知見のある人たちが議論して打ち出したものであり、相応の合理的な判断だと現場の医師から見ても思います。
ですから煽られておかしな行動をとるのではなく、とにかく今の対策を守ってもらわないと,収束できるものもできなくなると思います.
にわか専門家のコメントが全部間違っているとは言いませんが、大事なことをうまく伝えられていないと感じます。自称専門家はもちろん、芸能人の方などの不用意な発言でも、視聴者は扇動されます。
外国の例を簡単に紹介するのも問題です。「海外ではこうだ」というのですが、それぞれの国によって医療レベル、保険制度、国民性、文化など異なる背景があります。だから安易に「あそこがいい」「ここがいい」という話ではありません。
「アフリカの〇〇ではこうだ」と言われても、その国は常に様々な感染症の脅威が存在する国かもしれません。その国の政策を参考にする、といっても無理があるのではないでしょうか。
――「何もしないと42万人が死ぬ」というシミュレーションも恐怖を煽っていたのではないでしょうか?
あれはあくまでも「何も対策を講じなければ」という前提で、最悪の事態を示したのですから、「ステイホーム」を訴えるという点では良いのではないでしょうか。
「エアロゾル」感染といった言葉が独り歩きしたせいで、ちょっと勘違いがあるように思うのですが、基本的には空気感染ではなく接触・飛沫感染です。だからちょっと話をした程度であれば、問題はない。
空気感染だと思うと「じゃあ空気がいいところなら大丈夫」という勘違いが生まれます。ここが心配です。
たとえば「空気がいい」ゴルフ場に行く、公園でジョギングをする、というのは問題ないように思っている方もいるでしょう。
たしかにゴルフ場でプレーするだけなら感染はしないでしょう。しかし、その前後に外食をしないでしょうか。ジョギングの最中に無意識にガードレールを触って、その手で顔を触り……となっていないでしょうか。
そういうリスクがあるからこそ、「ステイホーム」と呼び掛けているわけです。あくまでも個人的な、そしていささか楽観的な見方ですが、きちんと自粛をしていれば、あと1、2カ月のうちには良い状態が来るのではないか、と思っています。
――そうした報道に煽られて、検査や診察を求める患者さんが殺到していて、かえって病院が困っているとも聞きますが、どうなんでしょう?
確かに、必要とは思えない患者さんが検査を求めてくる事例はあります。直接こちらの病院には来なくても、かかりつけ医から紹介状をもらってきて、検査を求めるケースです。そういう人の中で検査を断られた人が、SNSやテレビで「検査も受けられない」と主張することもあるのでしょう。
ただ、この間、数多くの新型コロナウイルス感染者を診てきた者として言えるのは、「この人は陽性だな」と思う人は検査に回さなくても、ほぼわかる、ということです。あくまでもその診断を確定させるために回すのです。病歴を聞き、問診をして、CTを撮り……といった診察の過程でかなりの確率でわかります。
ところが、そうした経験のないお医者さんが、患者さんに強く言われたとか、あるいは患者さんサービスの一環で検査を求めるとどうなるか。結果として、本当に早く確定して欲しい人の検査スピードが遅くなります。
これが問題です。
――テレビに出ている「専門家」の強い主張の一つが、「とにかくPCR検査を増やすべき」というものでした。これはどうなのでしょう?
これは絶対に間違いです。少しでも専門知識がある人は、全くこれを望んでいません。
他国と日本が違うのはこの点で,本当に医師が疑った例にのみ検査をやっている点で感染の広がりをコントロールできていることは確実です。
とはいえ確かに検査のスピードは遅かったから、そこは今改善を進めています。
ただし、誰彼構わず検査をオーダーできるような状況を作らなかったことは100%正しかったと考えています。
日本のように国民皆保険の国で、なおかつ感染症に詳しくない町のクリニックのようなところまでもが、自由にPCR検査をできるような環境を作っていたら、間違いなく院内感染が多発していたでしょう。おそらくニューヨークやイタリアの比でない状況になったと思います。
「かかりつけ医」に相談することは否定しません。しかし、そこに多くの人が押し寄せたら結局クラスターを発生させかねません。そういう状況を作らなかった点では、当初、検査を絞ったことは決して批判されるようなことではないのです。
現在報告されている院内感染にしても、慣れてない人が普段使わないような感染防御具を適切でない使用をしたがために他の人や患者に感染させる例があとを絶ちません。
ドライブスルーでのPCR検査を増やせ、という意見についても、乱暴に思います。病院外での検査体制は進めたほうがいいでしょうが、やり方を間違えるとかえって感染者を増やすことにもなりかねません。
別の観点から補足させてください。
毎年のインフルエンザの流行の仕組みをご存じでしょうか。
PCR検査が注目されることで「偽陽性」「偽陰性」といった言葉もよく目にされるようになったと思います。前者は「本当は陰性なのに陽性と出ること」で後者は「本当は陽性なのに陰性と出ること」ですね。
実はインフルエンザの検査でも「偽陽性」「偽陰性」は一定の確率で発生します。日本では「インフルエンザかな?」となったらまず病院に行って、検査をしてもらって、タミフルを飲んで、ということが当たり前に思われている方が多いかと思います。
でも実は、こんなことをしている国はそんなに多くありません。一つには先ほどから言っているように、医療費が高い国では、そのたびに大変な料金が発生するので、いちいち検査しない、という人が多いのです。また、タミフルは病気を治す薬というよりは、よくなるまでの期間を短くする(7日が5日半になる)という性質のものです。
アメリカならば、この検査とタミフルだけで下手をすると500ドルはかかるでしょう。だから多くの人は「家で寝て回復を待つ」のです。私もそうしています。
ところが日本は医療費が安いことに���えて、「休むなら証明書を出せ」という習わしが学校や企業にあるので、こぞって病院に来て検査を求めるわけです。
問題は、インフルエンザの簡易キットの感度は7割から8割なので、2~3割の人は本当は陽性なのに「陰性」という結果になります。
その人たちは、病院のお墨付きをもらったということで、自由に動き回りますから、コミュニティの中で感染を広げます。実は、これが毎年のインフルエンザの流行の大きな原因なのです。今回のことを教訓に、「インフルの証明書がないと休めない」といったおかしな慣習はなくしてほしいものです。何にせよ具合の悪い人は休むべきです。結果としてそのほうが学校や職場のためにもなります。
そして、今年、インフルエンザがあまり流行していないのは、多くの人が手洗い、うがいをして、なおかつちょっとでも具合が悪ければ、自ら行動を抑えるようにしたからです。その結果、「実はインフル」の人が感染を広めなかったわけです。
話をPCR検査に戻せば、検査の無闇な拡充に反対している人たちが怖れているのは、インフル同様に、「お墨付きを得た、でも本当は陽性です」という人が感染を広めることにつながりかねないからです。
よく韓国やイタリアのほうが日本よりも検査数が多い、といって日本を批判する人がいるのですが、これは話がまったく逆です。韓国やイタリアは最初に検査数を増やし過ぎたために、感染を広めてしまったのです。
「医療資源が無限にあり」「偽陽性の人でも全員どこかにちゃんと収容できて」「(偽)陰性の人が行動を慎んで他人にうつさないようにする」という前提がすべてそろっていれば、検査数をどんどん増やすのもいいでしょう。
しかし、そもそも検査はそんなに簡単なものではありません。検査というのは少なくとも検体を取る人と、検体を検査する人の両者がいてはじめて検査ができるのです。仮に医師会の先生たちが頑張って検体をたくさん出しても、検査する人が増えなければ結果が出るのがより遅くなってしまいます。本当に必要な検査が滞るのです。
もしも「やる気になればできる」と言い張る方がいるのなら、ぜひそういう人材がどこにまだ眠っているのかを教えていただきたいものです。
検査の技術の習得は一朝一夕にはできません。だから長期的な観点では、もっと日本はこういう検査もスピーディにできるようになればいい、と言われれば「その通りです」と答えます。
しかし、今まさに感染爆発を防ごうとしている時期に実現不可能なことを言っても仕方がありません。
テレビに出ている中でも、自称「専門家」ではなくて、本物の専門家の先生方もいらっしゃいます。そうした方に、「日本のPCR検査数は少ないのでは」とか「より検査体制を充実させられるといいのでは」と問えば、「そうですね」と答えるでしょう。それ以外の答えをしようがありません。
しかし、それで「それみろ、やっぱりPCR検査が足りないんだ」と言い張るのはやめてください。
繰り返しますが、現場で本当にこの病気を診ている医者で、もっと検査数を増やせ、などと言っている人はいないはずです。
――ではなぜお医者さんの中で「PCR検査を増やせ」という声が根強いのでしょうか?
例年、この時期はインフルエンザの患者さんで病院、特に開業医さんは混み合うのです。経営のことを考えると患者さんがたくさん来るのは悪いことではないと考える先生もいるでしょう。今年はインフルエンザ自体が流行していませんし、万が一新型コロナウィルスに感染している患者に検査をすれば、感染のリスクがあるためほとんど行われていません。現在、新型コロナの診察はあまりやっていないでしょうが、一部の人にとっては「検査は怖いから検査センターにお願いするとして、診察は引き受けたい」といったモチベーションがあるかもしれません。
そういう人にとっては、かりに「PCR検査センター」のようなものが出来れば、都合が良いかも……というのは穿った見方でしょうか。
――「WHO」の関係者と名乗る方、ノーベル賞受賞者の方もPCR検査を増やすように主張していますが。
海外にいて、どのくらい日本の事情をご存じなのかわかりません。また、たとえノーベル賞を受賞された素晴らしい先生方であっても、必ずしも感染症やこの病気の専門家ではないので、仰ることがすべて正しいとはいえないと思っています。
医学はそれぞれの科や専攻の専門性が高い分野なので、たとえノーベル賞受賞者であっても、専門外のことには確証を持って発言していないのではと感じることもあります。
なお、「検査、検査、検査」というWHOの事務局長の発言もいまだに曲解されている方がいます。あれはあくまでも発展途上国などで検査を軽視している国に対してのメッセージであって、日本などを念頭に置いているわけではありません。
――ただ、検査をまったくしないと不安だという気持ちもよくわかります。「37.5度が4日間続くまで様子を見る」と言われても、その間に急激に悪化したら……と不安になるのでは。
気持ちはよくわかるのですが、熱だけが兆候とは限りませんし、本当に具合が悪くなったら救急車を呼ぶほうがいいと思います。新型コロナ以外でも、いろいろな病気がありえるのですから、本当に具合が悪い時はそうするべきでしょう。
また、これからは「陽性だけれども症状がない」という方はホテルなどに入ることになりました。このメリットは単に���離されるというだけではなくて、そこには医療スタッフが必ずいるということです。症状が悪化した場合には、そのスタッフが対応します。
このところ脚光を浴びているのが血中酸素濃度を測って患者さんの状態を観察するというやり方です。入院患者や経過観察の対象の方の濃度をチェックするのは意味があるでしょう。ちなみに、その際に用いるパルスオキシメーターを発明した青柳卓雄さんが、先月亡くなられました。コロナの報道に紛れてしまい、あまり大きくニュースでは扱われませんでしたが、世界に誇るべき日本発の医療技術であることは知っておいていただきたいと思います。
――死者数や感染者数を見るとインフルエンザと大差ない、いやインフルのほうが深刻だ、といった意見についてはどうお考えですか。
たしかにウイルス自体の病原性や感染力は同等だと思います。空気感染はしないので、結核と比べると感染力は弱いともいえます。
ただ、高齢者や合併症のある人への進行度合いは半端ではありません。日本は医療レベルが高いので、余り若年者は死んでいませんし、今後もそうでしょうが、感染した高齢者の一定数は救いようがないままに亡くなります。
実際に診察しての実感を一言でいえば、「この病気はヤバい」です。
多くのウイルス性肺炎は、自身の持つ免疫力で打ち克つことができます。
新型コロナウイルスは、若い人と比べて高齢者が重症化しやすいことはよく知られていますが、では両者の違いは何か、といえば免疫力になります。肺炎が重症化しても、踏ん張っているうちに回復に向かえる。だからICUやECMOで治療をして、「もうちょっと頑張れる」ようにするのです。しかし、その間にダメージを回復できなければ最悪の場合、亡くなることになります。
少なくとも私の病院では、例年、インフルで亡くなる人はまずいません。それまでにちゃんと治療をして、回復してもらっているからです。しかし今回は、すでに���人もの方が亡くなっています。だから「ヤバい」と感じるのです。
――世界的に見た場合、日本は死者数、重症者数が少ないのはなぜでしょうか。これを政府の陰謀のように言う方もいますが。
実際に少ないと思います。それはいろんな理由が考えられるでしょう。
まず衛生観念が高い、といったことがよく指摘されます。清潔な水が近くにある、靴を履いたまま家に上がらない、とか。そういうこともあるかもしれません。
また、繰り返しお話ししているように、医療レベルの高さ、アクセスのしやすさは大きいと思います。
多数の死者を出したアメリカでは、救急車を呼ぶのにも、病院にかかるのにもかなりのお金がかかります。そうすると、具合が悪くても病院に行かない、行けないといった人は一定数出てしまいます。今回亡くなった多くの人が貧困層だというのはそういうことでしょう。「日本でもタライ回しがあるじゃないか」と言われるかもしれません。確かにそういう問題は解消されていません。
しかし、たとえば東京都では救急医療について「東京ルール」というものを10年前に定めています。「5つの病院に断られた」「30分以上搬送先が見つからない」といった場合には、東京都が定めた地域救急センターに搬送する、というルールです。他の自治体でも様々な取り組みが進められていると聞きます。「日本はダメだ」と言うのは自由ですが、他の国と比べて決して引けを取るようなシステムにはなっていないと思っています。
「BCGが有効」という説も聞きますが、これはまだよくわかりません。そういうこともわかればいいとは思いますが、少なくともそれは現場の私たちが判断できることではないのです。
なお、「検査数が少ないから死亡者が目に見えていないだけ」といった主張は完全に陰謀論の類です。たとえば別の肺炎死だとか、謎の死者が急に激増しているというのであれば、そういう仮説も立てられるのでしょうが、そんなことはまったく起きていません。
――最前線にいる立場で、メディアや一般の人に言いたいことなどはなんですか。必要な支援はありますか?
私たち医療従事者はいま別にお金が欲しくて働いているわけではなく、使命感で働いています。
相当なストレスを抱えながら、普段以上に働いています。実際の担当ではない医師や看護師にも大きな影響を与えています。
たとえば、陽性だけれども症状がない、といった患者さんを専門外の個室に入れることがあります。するとそこの看護師さんは慣れないながらも感染者の面倒を見て、しかもそれが他の患者さんにうつらないようにしなければならない。普段とはまったく異なるプレッシャーがかかっていて、精神的に追い詰められている関係者は数多くいます。
私も今は家に帰れる日は限られていて、あとは病院が用意したホテルに宿泊するようにしています。
また、精神的に追い詰められた職員らのための対策も考えなくてはならない状況です。最初に病院全体の患者数は減ったとは言いましたが、対応をしている病院のスタッフは本当に大変なのです。
最近は家庭内感染が増えてきましたが、最初の頃は「夜のお店」近辺の感染者が非常に多くいました。
そんな状況下で、テレビのニュースを見ると「自粛で大変。補償してほしい」といった「夜のお店」の声を紹介しています。もちろん当事者の方々が大変なこと、そういう感情を持つことは理解できます。でも、毎日ギリギリのところでやっている身からすれば「いま補償の話なの?」という違和感を抱いてしまったのも正直なところです。「これから大変な戦いが予想されるのに、もうお金の話? それもごく一部の業界の? 議論の優先順位がおかしいのでは」と感じました。
どうか私たち現場の人間が日々、頑張っていることをご理解ください。そうしたお気持ちを持つ方が多いことは励みになります。医療従事者へのエールは素直にうれしく思います。
そして、早くこのような状況を終わらせるためにも、とにかく皆さんは感染しないように、感染を広げないようにふるまっていただきたい。これは強く訴えたいことです。
接触・飛沫感染に注意せよと言われても、具体的に何が大丈夫で何がダメか、わかりにくいことと思います。実際にその細かい線引きはできません。だからこそ「極力人との接触を避ける」「極力外出しない」という大きな方針を打ち出しているのです。それを守ったうえで、手洗いを丁寧にマメに行ってください。
また、特にメディアの方にお願いしたいのは、善意や問題意識からなのでしょうが、常に「国(厚労省)や都のやっていることは間違いだ」といった論調の報道は考えていただきたいところです。
先ほども申し上げたように、日本のこれまでの対応は決して間違っていません。死者数を見れば明らかです。「世界が疑問視している」といった報道ばかりが目立ちますが、海外では日本を評価する報道も出ています。単にそれがあまり紹介されていないだけです。
死者数が少ないことをもっとポジティヴに捉える論調が増えてもいいのではないでしょうか。
私たちは国や都の定めた方針の中で動いており、それに背くことはありません。しかし、国も都も、いろいろと考えたうえで方針を打ち出しています。その決定過程には私たちも関与しています。
明らかに間違った方針が出れば、私たちも声をあげます。そういう判断ができないほど現場の医師たちは馬鹿ではないのです。
デイリー新潮編集部
2020年5月2日 掲載
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絶望のパレード
魂がうわついている。まるで自分が自分でないみたいだ。ここしばらく意識は常に前方斜め下で、歩いているのは抜け殻か尻尾のようなものである。いつから、そしてなぜそのようになってしまったのだろうか。正月にかこつけて内省的になってみる。
昨年の初めに私家版詩集を刊行した。それまでに書き溜めた僅かな詩編を、2人の詩人と編集者、美術家とともに共著の形でまとめた。処女詩集にして全集のようなおもむきがあるけれども、自分としてはそれでよい。稲垣��穂風に言うなら、以降に自分が書くものはその注釈かバリエーションに過ぎないということだ。共著者と編集者が営業に奔走してくれ、関西の大型書店のみならず、関東の書店にも置いてもらうことができた。ありがたいことに帯には人類学者の金子遊氏が一文を寄せてくださった。個人的には、自分の高校時代からの読書遍歴を決定づけた恵文社一乗寺店に置いてもらえたこと、そしてそこで一度品切れになったことが大変嬉しかった。これで一地方のマイナーポエットになることができたという感じがある。それ以上は望まないが、この営みは細々と続けていくつもりだ。
詩集に関するあれこれが落ち着いてからは、英語の学習に明け暮れた。一昨年は仕事で繁忙を極めており、勉強どころか読書も満足にできなかったため、それを取り戻すように必死にやった。おかげで昨年度中の目標としていた点数を一発で大きく上回ることができ、すぐに違う分野へ手を出した。次はフランス語であった。気合を入れて5000円もする参考書を買い、基礎からやり直していった。ところがその参考書、誤植があまりにも多く、解説も非常に不親切で、ページをめくるのが億劫になり早々にやる気を失ってしまった。なんとも情けない話である。新しい参考書を買う気もなくなり、漢字の勉強へシフトしたところ、こちらはうまくいった。徐々に、平日はカフェで、週末は図書館で勉強するスタイルが出来上がっていった。その間も読書は続け、昨年で40~50冊程度は読むことができた。
秋ごろには面白い出会いがあった。実存的な不安が高まったこともあり、有休を取って哲学の道を散歩していたところ、海外からの観光客に、掛かっている看板の意味を聞かれた。訛りのある英語だったため、フランス人ですか? と問うと、そうだとの答え。自分がわずかばかりフランス語が話せるとわかって意気投合し、3日間観光ガイドのようなことをした。彼の名はムッシュー・F、ひとりで日本にバカンスに来て、東京でラグビーの試合を見たりしたとのこと。七十を超える高齢だが、つい最近まで自分もラグビーをしていたと話すエネルギッシュな人物で、全く年齢を感じさせない。パリで会社を営んでいるそうで、これが私の家だと言って見せられたのは、湖畔に浮かぶ大邸宅の写真であった。週末には森を散歩したり、湖にモーターボートを浮かべたり、馬に乗ったりしているよと言う。もちろんそれらは全て私有(森や湖でさえ!)、モノホンの大金持ちである。京都では一緒にカフェに行ったり、大文字に登ったり、うどんをご馳走したり、孫用の柔道着を探したり、旅行の手配を手伝ったりした。���非フランスにおいでと言い残し、彼は去った。それから今でも連絡を取り合っている。実に50歳差の友人ができた。
かつて自分は、日本で日々を平穏に過ごしながらたまに外国語を話す生活を望んでいたが、今になって少しばかり叶っていることに気が付いた。仕事ではしばしば英語を使う。ただ、本音を言えば、金子光晴のように海外を旅して回りたい。学生時代に思い描いていた生活はと言えば、高等遊民か世界放浪者であった。金子は詩の中で「僕は少年の頃/学校に反対だった。/僕は、いままた/働くことに反対だ。」と言った。人間は何からも自由なのである。自分も「成績」や「評価」、「管理」などには絶対に反対である。人に指示され、その目を気にして送る生活など耐えられない......。ところが、じっさいの自分には構造の外へ飛び出す勇気がない。そもそも自分は道の外から生のスタ-トを切ったのだ。そこから正道に戻るだけで精いっぱいだった。血の鉄鎖に引きずられながらもなんとか空転を繰り返した結果、保守的な思想が全身に染みついてしまった。今はなすすべもないまま泣く泣くレールの上を鈍行で走っている。窓からは、空中を並走するもうひとりの自分が見える。全てに背を向けて純粋な精神の飛翔を楽しむ自分の姿が。金子の詩友・吉田一穂は「遂にコスモポリタンとは、永生救はれざる追放者である」と言った。世界は狭量だ。自分にとっては、シュマン・ド・フィロゾフもアヴェニュ・デ・シャンゼリゼも等価である。どうにか国や所属を超越したいと強く思う。やはり勉強をし直さねばならない。
自分の様子がおかしくなったのは10月頃からだ。一昨年度に忙殺されたせいで少なからず人間の心を失った自分は、仕事における虚脱感に苛まれていた。家における問題もあり、また昨年度新たに来た上司とは全くウマが合わず、フラストレーションも募っていた。そもそもが5年で5人も上司が変わるという異常な環境である。自分はよく耐えてきたと思う。働くことが馬鹿馬鹿しくなり、ぼーっとする時間が多くなる。そんな中、自分はある大きなミスをしでかしてしまった。それは実際大した問題ではない、誰にでも起こりうることだった。尻ぬぐいは上司とともに行うこととなった。しかし、そのミスのせいでかなり落ち込んでしまい、さらに事後対応や予防策の打ち出し方が虫唾が走るほど不快なものであったため、自分は深く考え込むこととなった。さらにそこで追い打ちのごとく転勤が告げられたため、自分はついに心身に不調をきたしてしまった。抑鬱、不眠、吐き気、緊張性頭痛、離人感、悲壮感、食欲不振……全ての事物から逃げ出したくなる衝動に眩暈がする。ある日職場で人と話している時に、どう��もうまく言葉が出てこなくなったため、何日か休む羽目になった。初めて心療内科を受診し薬をもらった。一日中涙が止まらなかった。その頃の記憶はあまりない。日々、ふわふわと悲しみのなかを漂っていたように思う。ただ、話を聞いてくれる周りの人々の存在はかなりありがたく、ひとりの人間の精神の危機を救おうとしてくれる数多の優しさに驚かされた。転勤の話は自分の現況を述べたところひとまず流れた。その際、上役が放った言葉が忘れられない。「私は今までどこに転勤しても良いという気持ちで仕事をしてきましたけどね」。他人の精神をいたずらに脅かすその無神経さに呆れて物が言えなかった。薬の服用を続け、1ヶ月半ほどかけて不調はゆるやかに回復したが、自分が何もできずに失った貴重な期間を返して欲しいと強く思う。仕事に対する考え方は世代間でもはや断絶していると言ってもよいだろう。
労働を称揚する一部の風潮が嫌いだ。仕事をしている自分は情けない。それにしがみついてしか生きられないという点において。システムに進んで身を捧げる人間の思考は停止している。彼らは堂々と「世の中」を語り始め、他人にそれを強制する。奴隷であることの冷たい喜びに彼らの身体は貫かれている。何にも興味を持てなかった大多数の人間が、20代前半に忽然と現れる組織に誘拐され、奇妙にも組織の事業であるところの搾取に加担・協力までしてしまう。それは集団的なストックホルム症候群とでも言うべきではないか。社会全体へのカウンセリングが必要だ。尤も、使命感を持って仕事に臨む一部の奇特な人々のことは尊敬している。生きる目的と収入が合致しさえすれば、自分も進んでそうなろう。だが自分は、「社会とはそういうもの」だという諦念には心の底から反抗したい。組織とは心を持たない奇形の怪物だ。怪物は人間の心の欠陥から生まれる。ただ怪物のおかげで我々は生きられる。それをなだめすかしておまんまを頂戴しようという小汚い算段に、虚しさを深める日々。人間的であろうとする以上、この虚しさを忘れてはいけない。
どうしようもない事実だが、労働によって人の心は荒む。労働は労働でしかない。肉体を動かすことによる健康維持という面を除けば、それ自体、自己にとっては無益なものだ。勤労意欲のない文学青年たちはいかなる生存戦略を以て生活に挑んでいるのか。彼らの洞窟を訪ねて回りたいと思う。現代には、彼らのように社会と内面世界を対立させたまま働き消耗する人々がいる。ある経営者がその現象を「ロキノン症候群」と呼んでいた。芸術に一度でもハマったことがあるような人々がそうなのだという。しかし彼らも納得はいかないながら、どこかで折り合いをつけて頑張っているはずだ。自分は彼らに一方的な連帯感を覚える。来る亡命に向けて、励まし合っているような気さえするのだ。世間様はきっと我々を馬鹿者だと罵るだろう。「なんとでもいはしておけ/なんとでもおもはしておけ」と、山村暮鳥の強い声が聞こえる。目に見えるものだけを信じるのもいいが、それを周りに強いてはならない。我々は今、ようやく開けてきた時代を生きている。だが認識は未だ模糊としている。完全な精神が保証される世界からすると、まだまだ古い時代なのだ。人間の姿を見失いがちな現代に対して言えるのはただ一つ、みんなで一緒に幸せになろう、ということだけだ。
さて、年末に3日間の有休をぶち込んだので年末年始は12連休となった。天六で寿司を食べ、友人宅に入り浸ってジャークチキンをむさぼった。ポルトガル料理に舌鼓を打ち、サイゼリヤで豪遊した。特に予定を立てずに、ひたすら酒とコーヒーを鯨飲する毎日であった。心身の不調はマシになったものの、不運が続き、人と会わなければどん底に落ちると思った。それはまるで自分という神輿を中心にした絶望のパレードのようだった。
休みの初日、ふと思い立ち、生き別れた父親の所在を探るべく、戸籍を請求してみた。私は父親の顔も名前も知らなかった。さほど興味がなかったというのもあるが、これまで家族に問うても曖昧な答えしか返ってこなかったのだ。働き出してからしばらくして、親戚から聞いたのは、父親は母親と同じく耳が聞こえなかったこと、暴力をふるう人間であったことの二つだけだ。養育費が払われることはなかったともどこかで聞いたような気もする。いずれにせよクズのような人間であったことは疑いようもない。生まれてから会った記憶もなく、不在が当たり前の環境で育ったため、会いたいと思ったことはほとんどない。ただ、自分の身体の半分が知らない人間の血によって構成されていることに何とも言えない気持ち悪さを覚えていた。というのも、顔は母親似だと言われるが、色覚異常の遺伝子は父親から受け継いだものであり、おかげで少年はある夢を断念せざるを得なくなったからだ。その「不可視の色」を意識するたび、自分の身の内には不在の存在がかえって色濃く反映された。違和感は自分が年を重ねるごとに増してゆくような気がした。そのため、せめて名前と消息だけでも知っておこうと思い、今回ようやく役所に出向いたのだ。職員に尋ねたところ丁寧に教えてもらえた。自分の戸籍から遡れば簡単に辿ることができる。しばらくして数枚の紙きれが手渡された。そこには聞きなれない苗字が書かれてあった。そして、案外近くにひとりで住んでいることがわかった。ふーん。何か虚しさを覚えた。自分は何がしたかったのか。カメラを持って突撃でもすれば面白いのかもしれない。ネットで調べてみると同じ名前の者が自己破産者リストに載っていた。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。結局自分には関係のないことだ。じっさいこの文章を書いている今、父親の下の名前をまったく忘れてしまっている。思い出そうとしても思い出せないのだ。
旅行前日の夜中に家の鍵をなくした。普段ほとんど物をなくさないのでかなり焦った。約4㎞の距離を3往復し、交番に駆け込むも見つからず。最後に寄ったコンビニの駐車場を這うように探し回ったところ、思いがけない場所で発見し安堵した。寒くて死ぬかと思った。自分は落とし物を探す能力には自信がある。物をなくさない、などと言いながらイヤホンのイヤーピースはこれまでに3度落としたことがある。しかし、その都度血眼になって道端から救出してきたのだ。今回見つからなかったら自分はどんなに落ち込んでいただろう。2時間も無駄にしてしまったが、とにかく良かった。もうお洒落を気取ったカラビナは使わない。
中学時代の友人3名と有馬温泉に行った。ここ数年、年末の旅行は恒例行事となっている。とはいえこの4人で遊ぶために集まるのはおよそ10年ぶりだ。有馬は京都から車でおよそ1時間半。温泉街は観光客でごった返している。外国人も多い。昼飯にカレーを食べ、しばしぶらつく。細く入り組んだ坂道が続く。公園には赤く錆びついた蛇口があった。飲用可能な鉄泉だったが、衝撃的な味に顔がゆがむ。血だ。その後、目当ての温泉旅館に行くも臨時休業であった。どこの湯も混雑しており、20分待ちがザラだった。日帰り湯の看板が出ていないホテルにダメもとで聞いてみると、幸運にも入れるとの答え。客もほとんどおらず、金泉をこころゆくまで楽しめた。歩き途中、炭酸せんべいを土産に買う。特徴のない普通のせんべいだ。ここで一旦宿に戻って車を置き、再びタクシーで温泉街へ。鉄板焼き屋でお好み焼きを食べ、銀泉に入る。顔がツルツルになった。宿はそこからかなり離れた山裾にある合宿所のようなところだった。嫌がるタクシーに乗り込み、外灯のない急坂を登る。受付には緩い感じのおじさんがいて、懐かしさを覚える。鍵を受け取り、宿泊棟へ。一棟貸しなので騒ぎ放題だ。大量に仕入れた酒とつまみと思い出話で深夜までウノに耽った。翌朝気が付いたのは隣の棟の声が意外とよく聞こえるということだ。大声、というか爆音で昔の先生のモノマネやらツッコミやらを繰り返していた我々の醜態は筒抜けになっていたようだ。棟を出る時に同年代くらいの若者と鉢合わせてかなり気まずかった。ここにお詫び申し上げる。この日は朝から中華街へと移動し、料理を食らった。鰆の酒粕餡かけという聞きなれない一皿がめっぽう美味かった。バリスタのいるコーヒー屋でエスプレッソを飲み、だらだら歩いて旅行は終了。京都に着いてからなぜか3時間ほどドライブし、大盛の鴨南蛮そばを腹に入れてから解散となった。
大晦日は友人宅で蕎麦をご馳走になってから鐘を��きに行き、深夜まで運行している阪急で松尾大社へ。地元の兄ちゃんが多い印象。社殿がコンパクトにまとまっていて良かった。おみくじは末吉だった。年明け早々、以前付き合っていた人が結婚したことを人づてに聞く。めでたい気持ち半分、複雑な気持ち半分。元日は高校時代の友人3人と四条で酒を飲むだけに留まる。2日は友人らと蹴上の日向大神宮へ。「大」と名づくが割合小さい。社殿の奥には天の岩屋を模したと思しき巨大な岩をL字型にくりぬいた洞窟があり、潜り抜けることができる。いつ作られたものかは不明だそう。暗闇を抜けて日の光を再び浴びる時、不思議にもスッキリとした感覚になる。ここでもおみくじは小吉だった。その後は下鴨神社の露店を物色し、ケバブとヤンニョムチーズチキンなる悪魔のような食べ物に枡酒で乾杯。旧友と合流し、深夜まで酒を飲み、コーヒーで〆。怒涛のアルコール摂取はここで一旦落ち着いた。
3日、昼に起きる。夕方ごろ喫茶店に行くもぼんやりして何もできず。3時間で本のページを3回めくったのみ。その帰りがけに初めて交通事故を起こした。自分は自転車に乗っていたが、考え事ごとをしていたかそれとも何も考えていなかったか、赤信号の灯る横断歩道の真ん中で車に真横からはねられて、初めて意識が戻った。即座に状況を理解し、平謝りする。非常に幸運なことに怪我も物損もなく、さらには運転手が気遣ってくれたおかげで大事には至らず、事故処理のみしてその場を後にした。自分はあまりにぼーっとしすぎていたのだ。赤信号はおろか、横断歩道が���ることさえも気づいていなかった。完全にこちらが悪い。ただ、こんなことを言ってはヒンシュクを買うだろうが、何か自分のせいではないような気もした。昔、轢かれたことのある友人が、「車は鉄の塊、人なんて無力」と言っていた。生と死は笑えるほどに近い。車の同乗者には、生きててよかったなぁ! と半ば怒った口調で言われた。果たしてそうなのか。苦しんで生きるか、知らぬ間に死ぬか、どちらが良いのか。よくわからない頭のまま先輩の家に遊びに行き、帰ってからおみくじを捨てた。馬鹿にもほどがある。
“WWⅢ”がツイッターのトレンド入りした日に、リニューアルしたみなみ会館で映画「AKIRA」を見た。第三次世界大戦で荒廃・復興した2020年のネオ東京が舞台である。東京オリンピックの開催まで予言されていて瞠目する。作画の緻密さと色彩の美麗さ、展開のスピードが尋常ではなく、見るドラッグのようであった。見に来ていたのは意外にも20代の若者が多かった。なぜか終了30分前に入ってきた女性3人組もいた。目がぐるぐる回って、もう何が何か訳がわからなかった。溢れそうな鍋に蓋をしたところ、その蓋の上から具が降ってきた。そんな脳内で、世界の終わりというよりは、自分の終わりという感じだった。翌日から仕事だったが、変に興奮して夜中まで寝付くことができなかった。
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1:1]神が天と地を創造された当初、[1:2]地は無形の空虚であり、暗闇が深層の顔を覆っていたのに対し、神からの風が水面に吹き荒れた。[1:3]それから神は「光あれ」と言われました。そして光がありました。[1:4]そして神は光が良かったのを見ました。そして神は光と闇を分けました。[1:5]神は光の日と呼ばれ、闇は夜と呼ばれました。そして、夕方があり、朝、最初の日がありました。[1:6]そして神は言われた、「水の中にドームを作り、水と水を分けさせなさい」。[1:7]それで神はドームを作り、ドームの下にある水とドームの上にある水を分けま
した。そして、そうでした。[1:8]神はドームスカイと呼ばれました。そして夕方があり、二日目は朝でした。[1:9]そして神は言われた、「空の下の水が一つの場所に集められ、乾いた地が現われるように」。そして、そうでした。[1:10]神は乾燥した土地を地球と呼び、集められた水を海と呼びました。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:11]神は言われた、「地は草を生みなさい。種を産む植物、種を含む実を結ぶ地上のあらゆる種類の果樹」。そして、
そうでした。[1:12]地球は植物を生み出しました。植物はあらゆる種類の種を生み出し、あらゆる種類の木は種を含む実を結んでいます。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:13]そして夕方があり、三日目は朝でした。[1:14]そして神は言った、「空のドームに昼と夜を分ける明かりを置いて、しるしと季節と日と年とにさせなさい。[1:15]そして、それらを空のドームの光にして、地球に光を放ちましょう。」[1:16]神は二つの大きな光を造りました。昼を支配する大きな光と夜を支配する小さな光、そして星です。[1:17]神は彼らを空のドームに置き、地球に光を
与えた。[1:18]昼と夜を支配し、暗闇から光を分離します。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:19]そして夕方があり、四日目の朝があった。[1:20]そして神は言った、「水が生き物の群れを生みだし、鳥が空のドームを越えて地球上を飛ぶようにしましょう」。[1:21]それで神は偉大な海の怪物と、水が群がるあらゆる種類のあらゆる生き物、そしてあらゆる種類の翼のある鳥を創造されました。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:22]神は彼らに祝福を与えて、「実り豊かになり、海の水を増やし、水を満たし、鳥を地上で育てなさい」と言われた。[1:23]そして夕方があり、五日目に朝があった。[1:24]そして神は言った、「地はあらゆる種類の
生き物を生むようにしよう。牛と忍び寄る物、あらゆる種類の地の野生動物。」そして、そうでした。[1:25]神はあらゆる種類の地球の野生動物、あらゆる種類の牛、あらゆる種類の地面に忍び寄るすべてのものを造られました。そして、神はそれが良いことを見ました。[1:26]それから神は言った、「私たちの似姿に従って、私たちの姿に人類を作りましょう。海の魚、空の鳥、牛、そしてその上に彼らを支配させましょう。地球のすべての野生動物、そして地球に忍び寄るあらゆる忍び寄るものの上に。」[1:27]それで神は人類を彼のイメージで、神のイメージ
創造した。男性と女性が作成しました。[1:28]神は彼らを祝福され、神は彼らに言われた、「実り豊かになり、地を満たし、地を征服し、海の魚と、空の鳥と、すべての生き物とを支配する。地球上を移動します。」[1:29]神は言われた、「見よ、わたしはあなたに、すべての地の表面にある種を産むすべての植物、およびその実に種を含むすべての木をあなたに与えた。[1:30]そして、地球のすべての獣、空のすべ
ての鳥、そして地球上にcreepうすべてのもの、生命の息吹を持つすべてのものに、私はすべての緑の植物を食物に与えました。」そうだった。[1:31]神は自分が作ったものすべてを見ました。実際、それはとても良かったです。そして夕方があり、6日目の朝がありました。[2:1]こうして天と地は完成し、すべての群衆は完成した。[2:2]そして、七日目に神は彼がした仕事を終え、七日目に彼がしたすべての
仕事を休んだ。[2:3]それで、神は七日目を祝福され、神を祝福しました。[2:4]これらは、天と地が創造された時の世代です。主なる神が大地と天を造られた日に、[2:5]畑の植物がまだ地上になく、畑の草がまだ芽を出していないとき-主なる神がそれを地上に降らせず、地上まで耕す者がいなかったから;[2:6]しかし、小川が地球から上昇し、地面の表面全体に水をまく-[2:7]それから主なる神は、地のちりから人を形成し、命の息を鼻孔に吸い込んだ。その男は生き物になりました。[2:8]主なる神は東のエデンに庭を植えられた。そしてそこに彼は彼が形成した男を置きました。[2:9]主なる神は、地上
から、目にやさしく、食物に良いすべての木、庭の中にある命の木、善悪の知識の木を育てられた。[2:10]エデンから川が流れ出て庭に水が行き、そこから川が分かれて4つの枝になります。[2:11]最初の名前はピションです。それは金があるハビラの全地の周りを流れるものです。[2:12]その土地の金は良い。 bdelliumとオニキスの石があります。[2:13]第二の川の名前はギホンです。それはクッシュの全地を流れるものです。[2:14]第三の川の名前は、アッシリアの東を流れるチグリスです。そして4番目の川はユーフラテス川です。[2:15]主なる神はその人を取り、エデンの園に入れてそれを耕し、それを守った。[2:16]そして神は主に命じられた、「あなたは庭
のあらゆる木を自由に食べてもよい。[2:17]しかし、善悪の知識の木からはあなたは食べてはならない。あなたがそれを食べる日には、あなたは死ぬであろう」。[2:18]主なる神は言われた、「その人がひとりでいるのは良くない。わたしは彼を彼のパートナーとして助手とする」。[編集] 2:19それで、主なる神は、地上から野のすべての動物と、空のすべての鳥とを形成し、それらを人のところに連れて行って、彼らが何と呼ぶかを見させた。そして、その男があらゆる生き物と呼ぶものは何でも、それはその名前でした。[2:20]男はすべての牛、空中の鳥、野のすべての動物に名前をつけた。しかし、男性にとって、彼のパートナーとしてのヘルパーは見つかりませんでした。[編集] 2:21それで、神、主は深い眠りを人に降らせ、彼は眠った。それから彼はrib骨の一つを取り、肉でその場所を閉じました。[2:22]そして、神、主がその男から取ったrib骨は、彼が女にして、その男に連れて来た。[2:23]それから男は言った。「これはついに私の骨の骨であり、私の肉の肉です。これは女性と呼ばれるでしょう。[2:24]それで男は父と母を離れて妻にしがみつき、彼らは一つの肉になります。[2:25]その男とその妻は両方とも裸で、
恥ずかしくない。[3:1]さて、蛇は、主なる神が造られた他のどんな野生動物よりもcraftであった。彼は女性に言った、「神は「庭のどの木からも食べてはならない」と言ったのですか?」[3:2]女は蛇に言った、「庭の木々の実を食べてもいい。[3:3]しかし、神は言われた、「あなたは庭の真ん中にある木の実を食べてはならない。また、それに触れてはならない。さもないと死ぬ。 '"[3:4]しかし、蛇は女性に言った、「あなたは死なない。[3:5]神はあなたがそれを食べると目が開かれ、善と悪を知って神のようになることを知っています。」[3:6]それで、女性は木が食物に良いこと、そしてそれが目に喜ばしいこ
と、そして木が一人の賢者を作ることを望んでいることを見たとき、その実を取って食べました。彼女はまた、夫と一緒にいた夫にいくつかを与え、彼は食べました。[3:7]それから、両方の目が開かれ、彼らは自分たちが裸であることを知った。そして彼らはいちじくの葉を縫い合わせ、自分用にふんどしを作りました。[3:8]彼らは夕風の時に庭で神の主が歩いている音を聞き、男とその妻は庭の木の間に神の主の臨在から身を隠した。[3:9]しかし、神、主は人に呼ばわって、「どこにいるのか」と言われた。[3:10]彼は言った、「庭であなたの音が聞こえた。私は裸だったので、怖かった。自分を隠した」。[3:11]彼は言った、「だれがあなたが裸だとあな
たに言ったのですか。あなたは私に食べないように命じた木から食べましたか」。[3:12]男性は言った、「あなたが私と一緒にいた女性は、木から実をくれたので、食べました」。[3:13]それから、神、主は女に言われた、「��なたはこれをどうしたのか」。女性は「蛇が私をだまして、食べました」と言いました。[3:14]主なる神は蛇に言われた、「あなたはこれをしたので、あなたはすべての動物とすべての野生の生き物との間でのろわれている。あなたの腹の上に行き、あなたはあなたの人生のすべての日を食べなければならない」 。[3:15]私はあなたと女性の間、そし.
てあなたの子孫と彼女の間に敵意を置きます。彼はあなたの頭を打ち、あなたは彼のかかとを打ちます。」[3:16]彼は女性に言った、「私は出産時にあなたの苦痛を大きく増します。痛みであなたは子供を産みますが、あなたの欲望はあなたの夫のためであり、彼はあなたを支配します。」[3:17]彼は言った、「あなたはあなたの妻の声に耳を傾け、わたしがあなたに命じた木を食べたので、 『あなたはそれを食べてはならない』と呪われた。あなたの;あなたは苦労してあなたの人生のすべての日それを食べるものとします;[3:18]いばらとあざみはあなたのために生むでしょう。あなたは畑の植物を食べなければならない。[3:19]顔の汗で、地面に戻るまでパンを食べる。あなたは塵であり、塵に帰らなければならない。」[3:20]その男は妻イブと名付けた。なぜなら彼女はすべての生きている母親だったからだ。[3:21]主なる神は人とその妻のために皮の衣を作り、それを
着た。[3:22]主なる神は言われた、「見よ、人は善と悪とを知って、わたしたちのようになった。そして今、彼は手を伸ばして、命の木から取って食べ、永遠に生きる" -[3:23]それで、主なる神は、彼をエデンの園から、彼が連れ出された地まで送られた。[3:24]彼は男を追い出した。エデンの園の東に彼はケルビムと、命の木への道を守るために燃え上がり回る剣を置いた。[4:1]今、その男は妻のイブを知っていたので、彼女はカインを考え出して、「主の助けを借りて男を産んだ」と言った。[4:2]次に彼女は彼の兄弟アベルを産んだ。アベルは羊の番人であり、カインは地の耕うん機でした。[4:3]カインは時間の経過とともに、地の実のささげ物を主にささげた。[4:4]そしてアベルは、その群れの初子である脂肪分を持ち込んだ。そして、主はアベルと彼の捧げ物を尊敬していた、[4:5]しかし、カインと彼の捧げ物については、彼には何の配慮もありません
でした。それでカインは非常に怒っていて、彼の表情は落ちました。[4:6]主はカインに言われた、「どうしてあなたは怒っているのか。なぜあなたの表情が落ちたのか。[4:7]うまくいけば、受け入れられませんか?そして、あなたがうまくいかなければ、罪はドアに潜んでいます。その欲望はあなたのためですが、あなたはそれをマスターしなければなりません。」[4:8]カインは弟アベルに言った、「野原に出よう」。そして、彼らが野原にいたとき、カインは彼の兄弟アベルに対して立ち上がって、彼を殺しました。[4:9]主はカインに言った、「あなたの兄弟アベルはどこにいるのか」。彼は言った、「私は知らない。私は私の弟の番人か?」[4:10]主は言われた、「あなたは何をしたのですか。聞いてください。あなたの兄弟の血が地からわたしに叫びます[4:11]そして今、あなたはあなたの手から兄弟の血を受け取るために口を開いた地面からのろわれています。[4:12]あ
なたが地面に着くと、それはもはやあなたにその力を譲りません。あなたは地上で逃亡者であり、放浪者になります。」[4:13]カインは主に言った、「私の罰は耐えることができないほど大きい![4:14]今日、あなたは私を土から追い出しました。そして、私はあなたの顔から隠されます。私は逃亡者であり、地球上の放浪者になります。[4:15]それから主は彼に言われた、「そうではない!カインを殺す者は七度の復venに苦しむだろう」。そして、主はカインに印をつけられたので、彼の上に来た者はだれも彼を殺さない。[4:16]カインは主の前を離れ、エデンの東のノドの地に定住した。[4:17]カインは妻を知っていたので、彼女は妊娠してエノクを産んだ。彼は都市を建設し、息子エノクにちなんでエノクと名付けました。[4:18]エノクに生まれたのはイラド。イラドはメフヤエルの父、メフヤエルはメトサエルの父、メトシャエルはラメクの父でした。[4:19]ラメクは2人の妻を連れて行った。一人の名前はアダで、もう
一人の名前はジラでした。[4:20]アダはジャバルを産んだ。彼はテントに住んで家畜を飼っている人々の祖先でした。[4:21]彼の兄弟の名前はジュバル。彼はly琴とパイプを演奏するすべての人々の祖先でした。[4:22]ジラは、あらゆる種類の青銅と鉄の道具を作ったツバルカインを産んだ。トゥバルカインの妹はナアマでした。[4:23]ラメクは妻に言った:「アダとジラ、私の声を聞いてください。あなたはラメクの妻たち、私の言うことを聞いてください。[4:24]カインが7倍に復すれば、本当にラメクは77倍になります。」[4:25]アダムは再び彼の妻を知り、彼女は息子を産んで彼にセスと名付けた。彼女は言った。[4:26]セスにも息子が生まれ、エノシュと名付けました。その時、人々は主の名を呼び始めました。
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Will ya date me? Breath if yes! Recite the bible in Japanese (or just ignore) if no!
I’m desperate for a rq partner :333
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【新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音】 - デイリー新潮 : https://www.dailyshincho.jp/article/2020/05020632/ 2020年5月2日掲載
{{ 図版 : 医師イメージ 新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音とは(※写真はイメージ) }}
新型コロナウイルス関連の報道では、数多くの医師がメディアに登場して、自身の知見を述べている。しかし、最前線で感染者たちと接している医師の話をじっくりと聞く機会は意外と少ない。実際にはその患者を診たことがない「専門家」(中には医師ではない者もいる)のオピニオンのほうが多く流布されている。現場からの声として紹介される多くは、治療現場の苦境といったところに限定されているようにもある。
そこで今回、ある総合病院で新型コロナウイルスを実際に診察し、また現場の統括もしているベテラン医師に匿名を条件で本音を語ってもらった。匿名にした理由は「特におかしなことを言ったつもりはありません。同じように考えている医師も多いと思います。でも、ただでさえ忙しいのに、病院あてに抗議などが来るとたまらないから勘弁してください」というものである。
{{ コロナめぐる小池知事の不都合な真実 自宅療養・退院者まで「入院」扱いのごまかし : https://www.dailyshincho.jp/article/2020/05121700/ : https://benediktine.tumblr.com/post/617925533518446592/ }}
―――お勤めの病院はどんな感じですか?
現状をお話しする前に、平時の病院、医療がどうだったかを少しご説明させてください。
もともと日本は国民皆保険ですし、東京は医療へのアクセスが極めてイージーになっていました。中学生までは医療費ゼロですし、救急車を呼んでもお金は請求されません。欧米なら数万円は確実に取られます。それゆえ、子供を昼間病院に連れて来られないというだけの理由で、救急外来を夜間に普段使いするような親までいたのです。
だからいつも病院が混雑していることが問題になっていました。一方で、開業医の先生を含めて医療機関側もそれで儲けていた、という面もあったことは否定できません。「どんどん来てください」とやって、医療費は国に負担してもらえばいいのですから。
ただ、新型コロナウイルスの影響で、普段は安易に病院に来ていた方が減ったので、全体としての患者数は減っています。
感染症や救急を担当していない病棟や医師はむしろ時間に余裕ができているようです。不要不急の手術も延期にしていますから。
1、2月に比べて3月の病院全体の収入は3割減というところでしょうか。病床の稼働率も10%ほど下がっています。
おそらくこれは開業医などでも同様でしょう。「売り上げ」が落ちて困っているところもあるだろうと思います。
一方で、私たち新型コロナの担当医たちだけは忙しくなっています。
���ちの病院では新型コロナの診察を救急医が受け持つようにしています。その担当医らの仕事は、大雑把にいって1.5倍になっているという感じです。ただでさえ忙しかったところに、仕事が急増しました。
私が若い頃は救急を専門とする医師は月15日くらい当直というのが当たり前でしたが、さすがに今はそうはいかないので、当直は月6~8日くらい。週休2日は確保できるようにして、休日出勤の際には代休も取るように、という方針でした。
これがさっき言ったように仕事量が増えているため、「当分、代休は取れません」という感じになっていて、実感としてかなりキツい日々が続いているのは事実です。
私自身は現場の診療の他に、病院全体の感染症対策等々の仕事が増えました。省力化できたことといえば、テレビ会議が増えたので結果として会議の時短などが進んだことでしょうか。
―――新型コロナに関しては、膨大な情報量が発信されています。この状況をどう見ますか?
SNSで誰もが発信できるようになったことで、不安をかきたてる情報が溢れすぎている、という印象はあります。
また地上波のテレビ、ワイドショーがセンセーショナルに伝える傾向があるのは良くないと思っています。たしかに政府の言う通りのことを流すのでは政府広報になってしまうので、良いことだとは言えません。
しかし、恐怖を煽って,今の対応が危険だと強調しすぎているように思います。
現政権が嫌いなのかもしれませんが、それと医学の問題は別です。
現在の政府方針、専門家委員会の方針は、専門的な知見のある人たちが議論して打ち出したものであり、相応の合理的な判断だと現場の医師から見ても思います。
ですから煽られておかしな行動をとるのではなく、とにかく今の対策を守ってもらわないと,収束できるものもできなくなると思います.
にわか専門家のコメントが全部間違っているとは言いませんが、大事なことをうまく伝えられていないと感じます。自称専門家はもちろん、芸能人の方などの不用意な発言でも、視聴者は扇動されます。
外国の例を簡単に紹介するのも問題です。「海外ではこうだ」というのですが、それぞれの国によって医療レベル、保険制度、国民性、文化など異なる背景があります。だから安易に「あそこがいい」「ここがいい」という話ではありません。
「アフリカの〇〇ではこうだ」と言われても、その国は常に様々な感染症の脅威が存在する国かもしれません。その国の政策を参考にする、といっても無理があるのではないでしょうか。
≫―――――――≪
―――「何もしないと42万人が死ぬ」というシミュレーションも恐怖を煽っていたのではないでしょうか?
あれはあくまでも「何も対策を講じなければ」という前提で、最悪の事態を示したのですから、「ステイホーム」を訴えるという点では良いのではないでしょうか。
「エアロゾル」感染といった言葉が独り歩きしたせいで、ちょっと勘違いがあるように思うのですが、基本的には空気感染ではなく接触・飛沫感染です。だからちょっと話をした程度であれば、問題はない。
空気感染だと思うと「じゃあ空気がいいところなら大丈夫」という勘違いが生まれます。ここが心配です。
たとえば「空気がいい」ゴルフ場に行く、公園でジョギングをする、というのは問題ないように思っている方もいるでしょう。
たしかにゴルフ場でプレーするだけなら感染はしないでしょう。しかし、その前後に外食をしないでしょうか。ジョギングの最中に無意識にガードレールを触って、その手で顔を触り……となっていないでしょうか。
そういうリスクがあるからこそ、「ステイホーム」と呼び掛けているわけです。あくまでも個人的な、そしていささか楽観的な見方ですが、きちんと自粛をしていれば、あと1、2カ月のうちには良い状態が来るのではないか、と思っています。
―――そうした報道に煽られて、検査や診察を求める患者さんが殺到していて、かえって病院が困っているとも聞きますが、どうなんでしょう?
確かに、必要とは思えない患者さんが検査を求めてくる事例はあります。直接こちらの病院には来なくても、かかりつけ医から紹介状をもらってきて、検査を求めるケースです。そういう人の中で検査を断られた人が、SNSやテレビで「検査も受けられない」と主張することもあるのでしょう。
ただ、この間、数多くの新型コロナウイルス感染者を診てきた者として言えるのは、「この人は陽性だな」と思う人は検査に回さなくても、ほぼわかる、ということです。あくまでもその診断を確定させるために回すのです。病歴を聞き、問診をして、CTを撮り……といった診察の過程でかなりの確率でわかります。
ところが、そうした経験のないお医者さんが、患者さんに強く言われたとか、あるいは患者さんサービスの一環で検査を求めるとどうなるか。結果として、本当に早く確定して欲しい人の検査スピードが遅くなります。
これが問題です。
―――テレビに出ている「専門家」の強い主張の一つが、「とにかくPCR検査を増やすべき」というものでした。これはどうなのでしょう?
これは絶対に間違いです。少しでも専門知識がある人は、全くこれを望んでいません。
他国と日本が違うのはこの点で,本当に医師が疑った例にのみ検査をやっている点で感染の広がりをコントロールできていることは確実です。
とはいえ確かに検査のスピードは遅かったから、そこは今改善を進めています。
ただし、誰彼構わず検査をオーダーできるような状況を作らなかったことは100%正しかったと考えています。
日本のように国民皆保険の国で、なおかつ感染症に詳しくない町のクリニックのようなところまでもが、自由にPCR検査をできるような環境を作っていたら、間違いなく院内感染が多発していたでしょう。おそらくニューヨークやイタリアの比でない状況になったと思います。
「かかりつけ医」に相談することは否定しません。しかし、そこに多くの人が押し寄せたら結局クラスターを発生させかねません。そういう状況を作らなかった点では、当初、検査を絞ったことは決して批判されるようなことではないのです。
現在報告されている院内感染にしても、慣れてない人が普段使わないような感染防御具を適切でない使用をしたがために他の人や患者に感染させる例があとを絶ちません。
ドライブスルーでのPCR検査を増やせ、という意見についても、乱暴に思います。病院外での検査体制は進めたほうがいいでしょうが、やり方を間違えるとかえって感染者を増やすことにもなりかねません。
別の観点から補足させてください。
毎年のインフルエンザの流行の仕組みをご存じでしょうか。
PCR検査が注目されることで「偽陽性」「偽陰性」といった言葉もよく目にされるようになったと思います。前者は「本当は陰性なのに陽性と出ること」で後者は「本当は陽性なのに陰性と出ること」ですね。
実はインフルエンザの検査でも「偽陽性」「偽陰性」は一定の確率で発生します。日本では「インフルエンザかな?」となったらまず病院に行って、検査をしてもらって、タミフルを飲んで、ということが当たり前に思われている方が多いかと思います。
でも実は、こんなことをしている国はそんなに多くありません。一つには先ほどから言っているように、医療費が高い国では、そのたびに大変な料金が発生するので、いちいち検査しない、という人が多いのです。また、タミフルは病気を治す薬というよりは、よくなるまでの期間を短くする(7日が5日半になる)という性質のものです。
アメリカならば、この検査とタミフルだけで下手をすると500ドルはかかるでしょう。だから多くの人は「家で寝て回復を待つ」のです。私もそうしています。
ところが日本は医療費が安いことに加えて、「休むなら証明書を出せ」という習わしが学校や企業にあるので、こぞって病院に来て検査を求めるわけです。
問題は、インフルエンザの簡易キットの感度は7割から8割なので、2~3割の人は本当は陽性なのに「陰性」という結果になります。
その人たちは、病院のお墨付きをもらったということで、自由に動き回りますから、コミュニティの中で感染を広げます。実は、これが毎年のインフルエンザの流行の大きな原因なのです。今回のことを教訓に、「インフルの証明書がないと休めない」といったおかしな慣習はなくしてほしいものです。何にせよ具合の悪い人は休むべきです。結果としてそのほうが学校や職場のためにもなります。
そして、今年、インフルエンザがあまり流行していないのは、多くの人が手洗い、うがいをして、なおかつちょっとでも具合が悪ければ、自ら行動を抑えるようにしたからです。その結果、「実はインフル」の人が感染を広めなかったわけです。
話をPCR検査に戻せば、検査の無闇な拡充に反対している人たちが怖れているのは、インフル同様に、「お墨付きを得た、でも本当は陽性です」という人が感染を広めることにつながりかねないからです。
よく韓国やイタリアのほうが日本よりも検査数が多い、といって日本を批判する人がいるのですが、これは話がまったく逆です。韓国やイタリアは最初に検査数を増やし過ぎたために、感染を広めてしまったのです。
「医療資源が無限にあり」「偽陽性の人でも全員どこかにちゃんと収容できて」「(偽)陰性の人が行動を慎んで他人にうつさないようにする」という前提がすべてそろっていれば、検査数をどんどん増やすのもいいでしょう。
しかし、そもそも検査はそんなに簡単なものではありません。検査というのは少なくとも検体を取る人と、検体を検査する人の両者がいてはじめて検査ができるのです。仮に医師会の先生たちが頑張って検体をたくさん出しても、検査する人が増えなければ結果が出るのがより遅くなってしまいます。本当に必要な検査が滞るのです。
もしも「やる気になればできる」と言い張る方がいるのなら、ぜひそういう人材がどこにまだ眠っているのかを教えていただきたいものです。
検査の技術の習得は一朝一夕にはできません。だから長期的な観点では、もっと日本はこういう検査もスピーディにできるようになればいい、と言われれば「その通りです」と答えます。
しかし、今まさに感染爆発を防ごうとしている時期に実現不可能なことを言っても仕方がありません。
テレビに出ている中でも、自称「専門家」ではなくて、本物の専門家の先生方もいらっしゃいます。そうした方に、「日本のPCR検査数は少ないのでは」とか「より検査体制を充実させられるといいのでは」と問えば、「そうですね」と答えるでしょう。それ以外の答えをしようがありません。
しかし、それで「それみろ、やっぱりPCR検査が足りないんだ」と言い張るのはやめてください。
繰り返しますが、現場で本当にこの病気を診ている医者で、もっと検査数を増やせ、などと言っている人はいないはずです。
≫――――――≪
―――ではなぜお医者さんの中で「PCR検査を増やせ」という声が根強いのでしょうか?
例年、この時期はインフルエンザの患者さんで病院、特に開業医さんは混み合うのです。経営のことを考えると患者さんがたくさん来るのは悪いことではないと考える先生もいるでしょう。今年はインフルエンザ自体が流行していませんし、万が一新型コロナウィルスに感染している患者に検査をすれば、感染のリスクがあるためほとんど行われていません。現在、新型コロナの診察はあまりやっていないでしょうが、一部の人にとっては「検査は怖いから検査センターにお願いするとして、診察は引き受けたい」といったモチベーションがあるかもしれません。
そういう人にとっては、かりに「PCR検査センター」のようなものが出来れば、都合が良いかも……というのは穿った見方でしょうか。
―――「WHO」の関係者と名乗る方、ノーベル賞受賞者の方もPCR検査を増やすように主張していますが。
海外にいて、どのくらい日本の事情をご存じなのかわかりません。また、たとえノーベル賞を受賞された素晴らしい先生方であっ���も、必ずしも感染症やこの病気の専門家ではないので、仰ることがすべて正しいとはいえないと思っています。
医学はそれぞれの科や専攻の専門性が高い分野なので、たとえノーベル賞受賞者であっても、専門外のことには確証を持って発言していないのではと感じることもあります。
なお、「検査、検査、検査」というWHOの事務局長の発言もいまだに曲解されている方がいます。あれはあくまでも発展途上国などで検査を軽視している国に対してのメッセージであって、日本などを念頭に置いているわけではありません。
―――ただ、検査をまったくしないと不安だという気持ちもよくわかります。「37.5度が4日間続くまで様子を見る」と言われても、その間に急激に悪化したら……と不安になるのでは。
気持ちはよくわかるのですが、熱だけが兆候とは限りませんし、本当に具合が悪くなったら救急車を呼ぶほうがいいと思います。新型コロナ以外でも、いろいろな病気がありえるのですから、本当に具合が悪い時はそうするべきでしょう。
また、これからは「陽性だけれども症状がない」という方はホテルなどに入ることになりました。このメリットは単に隔離されるというだけではなくて、そこには医療スタッフが必ずいるということです。症状が悪化した場合には、そのスタッフが対応します。
このところ脚光を浴びているのが血中酸素濃度を測って患者さんの状態を観察するというやり方です。入院患者や経過観察の対象の方の濃度をチェックするのは意味があるでしょう。ちなみに、その際に用いるパルスオキシメーターを発明した青柳卓雄さんが、先月亡くなられました。コロナの報道に紛れてしまい、あまり大きくニュースでは扱われませんでしたが、世界に誇るべき日本発の医療技術であることは知っておいていただきたいと思います。
―――死者数や感染者数を見るとインフルエンザと大差ない、いやインフルのほうが深刻だ、といった意見についてはどうお考えですか。
たしかにウイルス自体の病原性や感染力は同等だと思います。空気感染はしないので、結核と比べると感染力は弱いともいえます。
ただ、高齢者や合併症のある人への進行度合いは半端ではありません。日本は医療レベルが高いので、余り若年者は死んでいませんし、今後もそうでしょうが、感染した高齢者の一定数は救いようがないままに亡くなります。
実際に診察しての実感を一言でいえば、「この病気はヤバい」です。
多くのウイルス性肺炎は、自身の持つ免疫力で打ち克つことができます。
新型コロナウイルスは、若い人と比べて高齢者が重症化しやすいことはよく知られていますが、では両者の違いは何か、といえば免疫力になります。肺炎が重症化しても、踏ん張っているうちに回復に向かえる。だからICUやECMOで治療をして、「もうちょっと頑張れる」ようにするのです。しかし、その間にダメージを回復できなければ最悪の場合、亡くなることになります。
少なくとも私の病院では、例年、インフルで亡くなる人はまずいません。それまでにちゃんと治療をして、回復してもらっているからです。しかし今回は、すでに何人もの方が亡くなっています。だから「ヤバい」と感じるのです。
≫――――――≪
―――世界的に見た場合、日本は死者数、重症者数が少ないのはなぜでしょうか。これを政府の陰謀のように言う方もいますが。
実際に少ないと思います。それはいろんな理由が考えられるでしょう。
まず衛生観念が高い、といったことがよく指摘されます。清潔な水が近くにある、靴を履いたまま家に上がらない、とか。そういうこともあるかもしれません。
また、繰り返しお話ししているように、医療レベルの高さ、アクセスのしやすさは大きいと思います。
多数の死者を出したアメリカでは、救急車を呼ぶのにも、病院にかかるのにもかなりのお金がかかります。そうすると、具合が悪くても病院に行かない、行けないといった人は一定数出てしまいます。今回亡くなった多くの人が貧困層だというのはそういうことでしょう。「日本でもタライ回しがあるじゃないか」と言われるかもしれません。確かにそういう問題は解消されていません。
しかし、たとえば東京都では救急医療について「東京ルール」というものを10年前に定めています。「5つの病院に断られた」「30分以上搬送先が見つからない」といった場合には、東京都が定めた地域救急センターに搬送する、というルールです。他の自治体でも様々な取り組みが進められていると聞きます。「日本はダメだ」と言うのは自由ですが、他の国と比べて決して引けを取るようなシステムにはなっていないと思っています。
「BCGが有効」という説も聞きますが、これはまだよくわかりません。そういうこともわかればいいとは思いますが、少なくともそれは現場の私たちが判断できることではないのです。
なお、「検査数が少ないから死亡者が目に見えていないだけ」といった主張は完全に陰謀論の類です。たとえば別の肺炎死だとか、謎の死者が急に激増しているというのであれば、そういう仮説も立てられるのでしょうが、そんなことはまったく起きていません。
―――最前線にいる立場で、メディアや一般の人に言いたいことなどはなんですか。必要な支援はありますか?
私たち医療従事者はいま別にお金が欲しくて働いているわけではなく、使命感で働いています。
相当なストレスを抱えながら、普段以上に働いています。実際の担当ではない医師や看護師にも大きな影響を与えています。
たとえば、陽性だけれども症状がない、といった患者さんを専門外の個室に入れることがあります。するとそこの看護師さんは慣れないながらも感染者の面倒を見て、しかもそれが他の患者さんにうつらないようにしなければならない。普段とはまったく異なるプレッシャーがかかっていて、精神的に追い詰められている関係者は数多くいます。
私も今は家に帰れる日は限られていて、あとは病院が用意したホテルに宿泊するようにしています。
また、精神的に追い詰められた職員らのための対策も考えなくてはならない状況です。最初に病院全体の患者数は減ったとは言いましたが、対応をしている病院のスタッフは本当に大変なのです。
最近は家庭内感染が増えてきましたが、最初の頃は「夜のお店」近辺の感染者が非常に多くいました。
そんな状況下で、テレビのニュースを見ると「自粛で大変。補償してほしい」といった「夜のお店」の声を紹介しています。もちろん当事者の方々が大変なこと、そういう感情を持つことは理解できます。でも、毎日ギリギリのところでやっている身からすれば「いま補償の話なの?」という違和感を抱いてしまったのも正直なところです。「これから大変な戦いが予想されるのに、もうお金の話? それもごく一部の業界の? 議論の優先順位がおかしいのでは」と感じました。
どうか私たち現場の人間が日々、頑張っていることをご理解ください。そうしたお気持ちを持つ方が多いことは励みになります。医療従事者へのエールは素直にうれしく思います。
そして、早くこのような状況を終わらせるためにも、とにかく皆さんは感染しないように、感染を広げないようにふるまっていただきたい。これは強く訴えたいことです。
接触・飛沫感染に注意せよと言われても、具体的に何が大丈夫で何がダメか、わかりにくいことと思います。実際にその細かい線引きはできません。だからこそ「極力人との接触を避ける」「極力外出しない」という大きな方針を打ち出しているのです。それを守ったうえで、手洗いを丁寧にマメに行ってください。
また、特にメディアの方にお願いしたいのは、善意や問題意識からなのでしょうが、常に「国(厚労省)や都のやっていることは間違いだ」といった論調の報道は考えていただきたいところです。
先ほども申し上げたように、日本のこれまでの対応は決して間違っていません。死者数を見れば明らかです。「世界が疑問視している」といった報道ばかりが目立ちますが、海外では日本を評価する報道も出ています。単にそれがあまり紹介されていないだけです。
死者数が少ないことをもっとポジティヴに捉える論調が増えてもいいのではないでしょうか。
私たちは国や都の定めた方針の中で動いており、それに背くことはありません。しかし、国も都も、いろいろと考えたうえで方針を打ち出しています。その決定過程には私たちも関与しています。
明らかに間違った方針が出れば、私たちも声をあげます。そういう判断ができないほど現場の医師たちは馬鹿ではないのです。
デイリー新潮編集部
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やさしい光の中で(柴君)
(1)ある日の朝、午前8時32分
カーテンの隙間から細々とした光だけがチラチラと差し込む。時折その光は強くなって、ちょうど眠っていた俺の目元を直撃する。ああ朝だ。寝不足なのか脳がまだ重たいが、朝日の眩しさに瞼を無理矢理押し上げる。隣にあったはずの温もりは、いつの間にか冷え切った皺くちゃのシーツのみになっていた。��らりとサイドテーブルに視線を流せば、いつも通り6時半にセットしたはずの目覚まし時計は、あろうことか針が8と9の間を指していた。
「チッ……勝手に止めやがったな」
独り言のつもりで発した声は、寝起きだということもあり少しだけ掠れていた。それにしても今日はいつもに増して喉が渇いている。眠気眼を擦りながら、キッチンのほうから漂ってくる嗅ぎ慣れた深入りのコーヒーの香りに無意識に喉がこくりと鳴った。
おろしたてのスウェットをまくり上げぼりぼりと腹を掻きながら寝室からリビングに繋がる扉を開けると、眼鏡をかけた君下は既に着替えてキッチンへと立っていた。ジューという音と共に、焼けたハムの香ばしい匂いが漂っている。時折フライパンを揺すりながら、君下は厚切りにされたそれをトングで掴んでひっくり返す。昨日実家から送ってきた荷物の中に、果たしてそんなハムが入っていたのだろうか。どちらにせよ君下が普段買ってくるスーパーのタイムセール品でないことは一目瞭然だった。
「おう、やっと起きたか」 「おはよう。てか目覚ましちゃんと鳴ってた?」 「ああ、あんな朝っぱらからずっと鳴らしやがって……うるせぇから止めた」
やっぱりか、そう呟いた俺の言葉は、君下が卵を割り入れた音にかき消される。二つ目が投入され一段と香ばしい音がすると、塩と胡椒をハンドミルで少し引いてガラス製の蓋を被せると君下の瞳がこっちを見た。
「もうすぐできる。先に座ってコーヒーでも飲んどけ」 「ん」
顎でくい、とダイニングテーブルのほうを指される。チェリーウッドの正方形のテーブルの上には、今朝の新聞とトーストされた食パンが何枚かと大きめのマグが2つ、ゆらゆらと湯気を立てていた。そのうちのオレンジ色のほうを手に取ると、思ったより熱くて一度テーブルへと置きなおした。丁度今淹れたところなのだろう。厚ぼったい取手を持ち直してゆっくりと口を付けながら、新聞と共に乱雑に置かれていた郵便物をなんとなく手に取った。 封筒の中に混ざって一枚だけ葉書が届いていた。君下敦様、と印刷されたそれは送り主の名前に見覚えがあった。正確には差出人の名前自体にはピンと来なかったが、その横にご丁寧にも但し書きで元聖蹟高校生徒会と書いてあったから、恐らくは君下と同じ特進クラスの人間なのだろうと推測が出来た。
「なんだこれ��同窓、会、のお知らせ……?」
自分宛ての郵便物でもないのに中身を見るのは野暮だと思ったが、久しぶりに見る懐かしい名前に思わず裏を返して文面を読み上げた。続きは声に出さずに視線だけで追っていると、視界の端でコトリ、と白いプレートが置かれる。先程焼いていたハムとサニーサイドアップ、適当に千切られたレタスに半割にされたプチトマトが乗っていた。少しだけ眉間に皺が寄る。
「またプチトマトかよ」 「仕方ねぇだろ。昨日の残りだ。次からは普通のトマトにしてやるよ」
大体トマトもプチトマトも変わんねぇだろうが、そう文句を言いながらエプロンはつけたままで君下は向かいの椅子に腰かけた。服は着替えたものの、長い前髪に寝ぐせがついて少しだけ跳ねあがっている。
「ていうか同じ高校なのになんで俺には葉書来てねぇんだよ」
ドライフラワーの飾られた花瓶の横のカトラリー入れからフォークを取り出し、小さな赤にざくり、と突き立てて口へと放り込む。確かにクラスは違ったかもしれないが、こういう公式の知らせは来るか来ないか呼びたいか呼びたくないかは別として全員に送るのが礼儀であろう。もう一粒口に含み、ぶちぶちとかみ砕けば口の中に広がる甘い汁。プチトマトは皮が固くて中身が少ないから好きではない。やっぱりトマトは大きくてジューシーなほうに限るのだ。
「知らねぇよ……あーあれか。もしかして、実家のほうに来てるんじゃねぇの」 「あ?なんでそっちに行くんだよ」 「まあこんだけ人数いりゃあ、手違いってこともあるだろ」 「ったく……ポンコツじゃねぇかこの幹事」
覚えてもいない元同級生は今頃くしゃみでもしているだろうか。そんなどうでもいいことが頭を過ったが、香ばしく焼き上げられたハムを一口大に切って口に含めばすぐに忘れた。噛むと思ったよりも柔らかく、スモークされているのか口いっぱいに広がる燻製臭はなかなかのものだ。いつも通り卵の焼き加減も完璧だった。
「うまいな、ハム。これ昨日の荷物のか?」 「ああ。中元の残りか知らないけど、すげぇいっぱい送って来てるぞ。明日はソーセージでもいいな」
上等な肉を目の前に、いつもより君下の瞳はキラキラしているような気がした。高校を卒業して10年経ち、あれから俺も君下も随分大人になった。それでも相変わらず口が悪いところや、美味しいものに素直に目を輝かせるところなんて出会った頃と何一つ変わってなどいなかった。俺はそれが微笑ましくもあり、愛おしいとさえ思う。あとで母にお礼のラインでも入れて、ああ、それとついでに同窓会の葉書がそっちに来ていないかも確認しておこう。惜しむように最後の一切れを噛み締めた君下の皿に、俺の残しておいた最後の一切れをくれてやった。
(2)11年前
プロ入りして5年が経とうとしていた。希望のチームからの誘いが来ないまま高校生活を終え、大学を5年で卒業して今のチームへと加入した。 過酷な日々だった。 一世代上の高校の先輩・水樹は、プロ入りした途端にその目覚ましい才能を開花させた。怪物という異名が付き、十傑の一人として注目された高校時代など、まだその伝説のほんの序章の一部に過ぎなかった。同じく十傑の平と共に一年目から名門鹿島で起用されると、実に何年振りかのチームの優勝へと大いに貢献した。日本サッカーの新時代としてマスメディアは大々的にこのニュースを取り上げると、自然と増えた聖蹟高校への偵察や取材の数々。新キャプテンになった俺の精神的負担は増してゆくのが目に見えてわかった。
サッカーを辞めたいと思ったことが1度だけあった。 それは高校最後のインターハイの都大会。前回の選手権の覇者として山の一番上に位置していたはずの俺たちは、都大会決勝で京王河原高校に敗れるという失態を犯した。キャプテンでCFの大柴、司令塔の君下の連携ミスで決定機を何度も逃すと、0-0のままPK戦に突入。不調の君下の代わりに鈴木が蹴るも、向こうのキャプテンである甲斐にゴールを許してゲーム終了、俺たちの最後の夏はあっけなく終わりを迎えた。 試合終了の長いホイッスルがいつまでも耳に残る中、俺はその後どうやって帰宅したのかよく覚えていない。試合を観に来ていた姉の運転で帰ったのは確かだったが、その時他のメンバーたちはどうしたのかだとか、いつから再びボールを蹴ったのかなど、その辺りは曖昧にしか覚えていなかった。ただいつまでも、声を押し殺すようにして啜り泣いている、君下の声が頭から離れなかった。
傷が癒えるのに時間がかかることは、中学選抜で敗北の味を知ったことにより感覚的に理解していた。君下はいつまでも部活に顔を出さなかった。いつもに増してボサボサの頭を掻き乱しながら、監督は渋い声で俺たちにいつものように練習メニューを告げる。君下のいたポジションには、2年の来須が入った。その意味は、直接的に言われなくともその場にいた部員全員が本能的に理解していたであろう。
『失礼します、監督……』
皆が帰ったのを確認して教官室に書き慣れない部誌と共に鍵を返しに向かうと、そこには監督の姿が見えなかった。もう出てしまったのだろうか。一度ドアを閉めて、念のため職員室も覗いて行こうと校舎のほうへと向かう途中、どこからか煙草の香りが鼻を掠める。暗闇の中を見上げれば、ほとんどが消灯している窓の並びに一か所だけ灯りの付いた部屋が見受けられる。半分開けられた窓からは、乱れた黒髪と煙草の細い煙が夜の空へと立ち上っていた。
『お前まだ居たのか……皆は帰ったか?』 『はい、監督探してたらこんな時間に』
部誌を差し出すと悪いな、と一言つけて監督はそれを受け取る。喫煙室の中央に置かれた灰皿は、底が見えないほどの無数の吸い殻が突き刺さり文字通り山となっていた。監督は短くなった煙草を口に咥えると、ゆっくりと吸い込んで零れそうな山の中へと半ば無理やり押し込み火を消した。
『君下は……あいつは辞めたわけじゃねぇだろ』 『お前がそれを俺に聞くのか?』
監督は伏せられた瞳のまま俺に問い返す。パラパラと読んでいるのかわからないほどの速さで部誌をめくり、白紙のページを最後にぱたりと閉じた。俺もその動きを視線で追っていると、クマの濃く残る目をこちらへと向けてきた。お互いに何も言わなかった。 暫くそうしていると、監督は上着のポケットからクタクタになったソフトケースを取り出して、残りの少ないそれを咥えると安物のライターで火をつけた。監督の眼差しで分かったのは、聖蹟は、アイツはまだサッカープレーヤーとして死んではいないということだった。
迎えの車も呼ばずに俺は滅多に行かない最寄り駅までの道のりを歩いていた。券売機で270円の片道切符を購入すると、薄明るいホームで帰路とは反対方向へ向かう電車を待つ列に並ぶ。間もなく電車が滑り込んできて、疲れた顔のサラリーマンの中に紛れ込む。少し混みあっていた車内でつり革を握りしめながら、車内アナウンスが目的の駅名を告げるまで瞼を閉じていた。 あいつに会いに行ってどうするつもりだったのだろう。今になって思えば、あの時は何も考えずに電車に飛び乗ったように思える。ガタンゴトンとレールを走る音を聞きながら、本当はあの場所から逃げ出したかっただけなのかもしれない。疲れた身体を引きずって帰り、あの日から何も変わらない敗北の香りが残る部屋に戻りたくないだけなのかもしれない。一人になりたくないだけなのかもしれない。
『次はー△△、出口は左側です』
目的地を告げるアナウンスで思考が現実へと引き戻された。はっとして、閉まりかけのドアに向かって勢いよく走った。長い脚を伸ばせばガン、と大きな音がしてドアに挟まる。鈍い痛みが走る足を引きずりながら、再び開いたドアの隙間からするりと抜け出した。
久しぶりに通る道のりは、いくつか電灯が消えかけていて薄暗く、不気味なほど人通りが少なかった。古い商店街の一角にあるキミシタスポーツはまだ空いているだろうか。スマホの画面を確認すれば、午後8時55分を指していた。営業時間はあと5分あるが、あの年中暇な店に客は一人もいないであろう。運が悪ければ既にシャッタは降りているかもしれない。
『本日、休業……だあ?』
計算は無意味だった。店のシャッターに張り付けられた、チラシの裏紙には妙に整った字でお詫びの文字が並んでいた。どうやらここ数日間はずっとシャッターが降りたままらしいと、通りすがりの中年の主婦が店の前で息を切らす俺に親切に教えてくれた。ついでにこ��先の大型スーパーにもスポーツ用品は売ってるわよ、と要らぬ情報を置いてその主婦は去っていった。こうやって君下の店の売り上げが減っていくという、無駄な情報を仕入れたところで今後使う予定が来るのだろうか。店の二階を見上げるも、君下の部屋に灯りはない。
『ったく、あの野郎は部活サボっといて寝てんのか?』
同じクラスのやつに聞いても、君下のいる特進クラスは夏休み明けから自主登校となっているらしい。大学進学のためのコースは既に3年の1学期には高校3年間の教科書を終えており、あとは各自で予備校に行くなり自習するなりで受験勉強に励んでいるようだ。当然君下以外に強豪運動部に所属している生徒はおらず、クラスでもかなり浮いた存在だというのはなんとなく知っていた。誰もあいつが学校に来なくても、どうせ部活で忙しいぐらいにしか思わないのだ。 仕方ない、引き返すか。そう思い回れ右をしたところで、ある一つの可能性が脳裏に浮かぶ。可能性なんかじゃない。だがなんとなくだが、あいつがそこにいるという確信が、俺の中にあったのだ。
『くそっ……君下のやつ!』
やっと呼吸が整ったところで、重い鞄を背負うと急いで走り出す。こんな時間に何をやっているのだろう、と走りながら我ながら馬鹿らしくなった。去年散々走り込みをしたせいか、練習後の疲れた身体でもまだ走れる。次の角を右へ曲がって、たしかその2つ先を左――頭の中で去年君下と訪れた、あの古びた神社への道のりを思い出す。そこに君下がいる気がした。
『はぁ……はぁっ……っ!』
大きな鳥居が近づくにつれて、どこからか聞こえるボールを蹴る音に俺の勘が間違っていない事を悟った。こんなところでなにサボってんだよ、そう言ってやるつもりだったのに、いざ目の前に君下の姿が見えると言葉を失った。 あいつは、聖蹟のユニフォーム姿のままで、泥だらけになりながら一人でドリブルをしていた。 自分で作った小さいゴールと、所々に置かれた大きな石。何度も躓きながらも起き上がり、懸命にボールを追っては前へ進む。パスを出すわけでもなく、リフティングでもない。その傷だらけの足元にボールが吸い寄せられるように、馴染むように何度も何度も同じことを繰り返していた。
『ハッ……馬鹿じゃねぇの』
お前も俺も。そう呟いた声は己と向き合っている君下に向けられたものではない。 あいつは、君下はもう前を向いて歩きだしていた。沢山の小さな石ころに躓きながら、小さな小さなゴールへと向かってその長い道のりへと一歩を踏み出していた。俺は君下に気付かれることがないように、足音を立てないようにして足早に神社を後にした。 帰りの電車を待つベンチに座って、ぼんやりと思い出すのは泥だらけの君下の背中だった。前を向け喜一、まだやれることはたくさんある。ホームには他に電車を待つ客は誰もいなかった。
(3)夕食、22時半
気付けば完全に日は落ちていて、コートを照らすスタンドライトだけが暗闇にぼんやりと輝いていた。 思いのほか練習に熱中してしまったようで、辺りを見渡せば先輩選手らはとっくに自主練を切り上げて帰路に着いたようだった。何の挨拶もなしに帰宅してしまったチームメイトの残していったボールがコートの隅に落ちているのを見つけては、上がり切った息を整えながらゆったりと歩いて拾って回った。
倉庫の鍵がかかったのを確認して誰もいないロッカールームへ戻ると、ご丁寧に電気は消されていた。先週は鍵がかけられていた。思い出すだけで腹が立つが、もうこんなことも何度目になった今ではチームに内緒で作った合鍵をいつも持ち歩くようにしている。ぱちり、スイッチを押せば一瞬遅れて青白い灯りが部屋を照らした。
大柴は人に妬まれ易い。その容姿と才能も関係はあるが、自分の才能に胡坐をかいて他者を見下しているところがあった。大口を叩くのはいつものことで、慣れた友人やチームメイトであれば軽く受け流せるものの、それ以外の人間にとってみれば不快極まりない行為であることは間違いない。いつしか友人と呼べる存在は随分と減り、クラスや集団では浮いてしまうことが常であった。 今のチームも例外ではない。加入してすぐの公式戦にレギュラーでの起用、シーズン序盤での怪我による離脱、長期のリハビリ生活、そして残せなかった結果。大柴加入初年度のチームは、最終的に前年度よりも下回った順位でシーズンの幕を閉じることになった。それでも翌年からも大柴はトップに居座り続けた。疑問に思ったチームメイトやサポーターからの非難や、時には心無い中傷を書き込まれることもあった。ゴールを決めれば大喝采だが、それも長くは続かない。家が裕福なことを嗅ぎつけたマスコミにはある事ない事を週刊誌に書き並べられ、誰もいない実家の前に怪しげな車が何台も止まっていることもあった。 だがそんなことは、大柴にとって些細なことだった。俺はサッカーの神様に才能を与えられたのだと、未だにカメラの前でこう言い張ることにしている。実はもう一つ、大柴はサッカーの神様から貰った大切なものがあったが、それを口にしたことはないしこれからも公言する日はやって来ないだろう。
「ただいまぁー」 「お帰り、遅かったな」
靴を脱いでつま先で並べると、靴箱の上の小さな木製の皿に車のキーを入れる。ココナッツの木から作られたそれは、卒業旅行に二人でハワイに行ったときに買ったもので、6年間大切に使い続けている。玄関までふわりと香る味噌の匂いに、ああやっとここへ帰ってきたのだと実感する。大股で歩きながらジャケットを脱ぎ���どさり、とスポーツバッグと共に床へ投げ出すと、倒れ込むように革張りのソファへとダイブした。
「おい、飯出来てるから先に食え。手洗ったか?」 「洗ってねぇ」 「ったく、何年も言ってんのにちっとも学習しねぇ奴だな。ほら、こっち来い」
君下は洗い物をしていたのか、泡まみれのスポンジを握ってそれをこちらに見せてくる。この俺の手を食器用洗剤で洗えって言うのか、そう言えばこっちのほうが油が落ちるだとか、訳の分からない理論を並べられた。つまり俺は頑固汚れと同じなのか。
「こんなことで俺が消えてたまるかよ」 「いつもに増して意味わかんねぇな。よし、終わり。味噌汁冷める前にさっさと食え」
お互いの手を絡めるようにして洗い流していると、背後でピーと電子音がして炊飯が終わったことを知らせる。俺が愛車に乗り込む頃に一通連絡を入れておくと、丁度いい時間に米が炊き上がるらしい。渋滞のときはどうするんだよ、と聞けば、こんな時間じゃそうそう混まねぇよ、と普段車に乗らないくせにまるで交通事情を知っているかのような答えが返ってくる。全体練習は8時頃に終わるから、自主練をして遅くても10時半には自宅に着けるように心掛けていた。君下は普通の会社員で、俺とは違い朝が早いのだ。
「いただきます」 「いただきます」
向かい合わせの定位置に腰を下ろし、二人そろって手を合わせる。日中はそれぞれ別に食事を摂るも、夕食のこの時間を二人は何よりも大事にしていた。 熱々の味噌汁は俺の好みに合わせてある。最近は急に冷え込んできたから、もくもくと上る白い湯気は一段と白く濃く見えた。上品な白味噌に、具は駅前の豆腐屋の絹ごし豆腐と、わかめといりこだった。出汁を取ったついでにそのまま入れっぱなしにするのは君下家の味だと昔言っていた。
「喜一、ケータイ光ってる」 「ん」
苦い腸を噛み締めていると、ソファの上に置かれたままのスマホが小さく震えている音がした。途切れ途切れに振動がするので、電話ではないことは確かだった。後ででいい、一度はそう言ったものの、来週の練習試合の日程がまだだったことを思い出して気だるげに重い腰を上げる。最新機種の大きな画面には、見覚えのある一枚の画像と共に母からの短い返信があった。
「あ、やっぱ葉書来てたわ。実家のほうだったか」 「ほらな」 「お前のはここの住所で、なんで俺のだけ実家なんだよ」 「知るかよ。どうせ行くんだろ、直接会った時に聞けばいいじゃねぇか」 「え、行くの?」
スマホを持ったままどかり、と椅子へと座りなおし、飲みかけの味噌汁に手を伸ばす。ズズ、とわざと少し行儀悪くわかめを啜れば、君下の表情が曇るのがわかった。
「お前、この頃にはもうオフだから休みとれるだろ。俺も有休消化しろって上がうるせぇから、ちょうどこのあたりで連休取ろうと思ってる」 「聞いてねぇ……」 「今言ったからな」
金平蓮根に箸を付けた君下は、いくらか摘まんで自分の茶碗へと一度置くと、米と共にぱくり、と頬張った。シャクシャクと音を鳴らしながら、ダークブラウンの瞳がこちらを見る。
「佐藤と鈴木も来るって」 「あいつらに会うだけなら別で集まりゃいいだろうが。それにこの前も4人で飲んだじゃねぇか」 「いつの話してんだよタワケが、2年前だぞあれ」 「えっそんなに前だったか?」 「ああ。それに今年��卒業して10年だとさ。流石に毎年は行かねぇが節目ぐらい行ったって罰は当たんねーよ」
時の流れとは残酷なものだ。俺は高校を卒業してそれぞれ違う道へと進んでも、相変わらず君下と一緒にいた。だからそんな長い年月が経ったことに気付かなかっただけなのかもしれない。高校を卒業する時点で、俺たちがはじめて出会って既に10年が経っていたのだ。 君下はぬるい味噌汁を啜ると、満足そうに「うまい」と一言呟いた。
*
今宵はよく月が陰る。 ソファにごろりと寝転がり、カーテンの隙間から満月より少し欠けた月をぼんやりと眺めていた。月に兎がいると最初に言ったのは誰だろうか。どう見ても、あの不思議な斑模様は兎なんかに、それも都合よく餅つきをしているようには見えなかった。昔の人間は妙なことを考える。星屑を繋げてそれらを星座だと呼び、一晩中夜空を眺めては絶え間なく動く星たちを追いかけていた。よほど暇だったのだろう。こんな一時間に何センチほどしか動かないものを見て、何が面白いというのだろうか。
「さみぃ」
音もなくベランダの窓が開き、身体を縮こませた君下が湯気で温かくなった室内へと戻ってくる。君下は二十歳から煙草を吸っていた。家で吸うときはこうやって、それも洗濯物のない時にだけ、それなりに広いベランダの隅に作った小さな喫煙スペースで煙草を嗜む。別に換気扇さえ回してくれれば部屋で吸ってもらっても構わないと俺は言っているのだが、頑なにそれをしようとしないのは君下のほうだった。現役のスポーツ選手である俺への気遣いなのだろう。こういう些細なところでも、俺は君下に支えられているのだと実感する。
「おい、キスしろ」
隣に腰を下ろした君下に、腹を見せるように上を向いて唇を突き出した。またか、と言いたげな顔をしたが、間もなく長い前髪が近づいてきてちゅ、と小さな音を立てて口づけが落とされた。一度も吸ったことのない煙草の味を、俺は間接的に知っている。少しだけ大人になったような気がするのがたまらなく心地よい。
それから少しの間、手を握ったりしてテレビを見ながらソファで寛いだ。この時間にもなればいつもニュースか深夜のバラエティー番組しかなかったが、今日はお互いに見たい番組があるわけでもなかったので適当にチャンネルを回してテレビを消した。 手元のランプシェードの明かりだけ残して電気を消し、寝室の真ん中に位置するキングサイズのベッドに入ると、君下はおやすみとも言わないまま背を向けて肩まで掛け布団を被ってしまった。向かい合わせでは寝付けないのはいつもの事だが、それにしても今日は随分と素っ気ない。明日は金曜日で、俺はオフだが会社員の君下には仕事がある。お互いにもういい歳をした大人なのだ。明日に仕事を控えた夜は事には及ばないようにはしているが、先ほどのことが胸のどこかで引っかかっていた。
「もう寝た?」 「……」 「なあ」 「……」 「敦」 「……なんだよ」
消え入りそうなほど小さな声で、君下が返事をする。俺は頬杖をついていた腕を崩して布団の中に忍ばせると、背中からその細身の身体を抱き寄せた。抵抗はしなかった。
「こっち向けよ」 「……もう寝る」 「少しだけ」 「明日仕事」 「分かってる」
わかってねぇよ、そう言いながらもこちらに身体を預けてくる、相変わらず素直じゃないところも君下らしい。ランプシェードのオレンジの灯りが、眠そうな君下の顔をぼんやりと照らしている。長い睫毛に落ちる影を見つめながら、俺は薄く開かれた唇に祈るように静かにキスを落とした。
こいつとキスをするようになったのはいつからだっただろうか。 サッカーを諦めかけていた俺に道を示してくれたその時から、ただのチームメイトだった男は信頼できる友へと変化した。それでも物足りないと感じていたのは互いに同じだったようで、俺たちは高校を卒業するとすぐに同じ屋根の下で生活を始めた。が、喧嘩の絶えない日々が続いた。いくら昔に比べて関係が良くなったとはいえ、育ちも違えば本来の性格が随分と違う。事情を知る数少ない人間も、だからやめておけと言っただろう、と皆口を揃えてそう言った。幸いだったのは、二人の通う大学が違ったことだった。君下は官僚になるために法学部で勉学に励み、俺はサッカーの為だけに学生生活を捧げた。互いに必要以上に干渉しない日々が続いて、家で顔を合わせるのは、いつも決まって遅めの夜の食卓だった。 本当は今のままの関係で十分に満足している。今こそ目指す道は違うが、俺たちには同じ時を共有していた、かけがえのない長い長い日々がある。手さぐりでお互いを知ろうとし、時にはぶつかり合って忌み嫌っていた時期もある。こうして積み重ねてきた日々の中で、いつの日か俺たちは自然と寄り添いあって、お互いを抱きしめながら眠りにつくようになった。この感情に名前があるとしても、今はまだわからない。少なくとも今の俺にとって君下がいない生活などもう考えられなくなっていた。
「……ン゛、ぐっ……」
俺に組み敷かれた君下は、弓なりに反った細い腰をぴくり、と跳ねさせた。大判の白いカバーの付いた枕を抱きしめながら、押し殺す声はぐぐもっていてる。決して色気のある行為ではないが、その声にすら俺の下半身は反応してしまう。いつからこうなってしまったのだろう。君下を抱きながらそう考えるのももう何度目の事で、いつも答えの出ないまま、絶頂を迎えそうになり思考はどこかへと吹き飛んでしまう。
「も、俺、でそ、うっ……」 「あ?んな、俺もだ馬鹿っ」 「あっ……喜一」
君下の腰から右手を外し、枕を上から掴んで引き剥がす。果たしてどんな顔をして俺の名を呼ぶのだと、その顔を拝みたくなった。日に焼けない白い頬は、スポーツのような激しいセックスで紅潮し、額にはうっすらと汗が浮かんでいる。相変わらず眉間には皺が寄ってはいたが、いつもの鋭い目つきが嘘のように、限界まで与えられた快楽にその瞳を潤ませていた。視線が合えば、きゅ、と一瞬君下の蕾が収縮した。「あ、出る」とだけ言って腰のピストンを速めながら、君下のイイところを突き上げる。呼吸の詰まる音と、結合部から聞こえる卑猥な音を聞きながら、頭の中が真っ白になって、そして俺はいつの間にか果てた。全て吐き出し、コンドームの中で自身が小さくなるのを感じる。一瞬遅れてどくどくと音がしそうなほどに爆ぜる君下の姿を、射精後のぼんやりとした意識の��でいつまでも眺めていた。
(4)誰も知らない
忙しないいつもの日常が続き、あっという間に年も暮れ新しい年がやってきた。 正月は母方の田舎で過ごすと言った君下は、仕事納めが終われば一度家に戻って荷物をまとめると、そこから一週間ほど家を空けていた。久しぶりに会った君下は、少しばかり頬が丸くなって帰ってきたような気がしたが、本人に言うとそんなことはないと若干キレながら否定された。目に見えて肥えたことを気にしているらしい本人には申し訳ないが、俺はその様子に少しだけ安心感を覚えた。祖父の葬儀以来、もう何年も顔を見せていないという家族に会うのは、きっと俺にすら言い知れぬ緊張や、不安も勿論あっただろう。 だがこうやって随分と可愛がられて帰ってきたようで、俺も正月ぐらい実家に顔を出せばよかったかなと少しだけ羨ましくなった。本人に言えば餅つきを手伝わされこき使われただの、田舎はやることがなく退屈だなど愚痴を垂れそうだが、そのお陰なのか山ほど餅を持たせられたらしく、その日の夜は冷蔵庫にあった鶏肉と大根、にんじんを適当に入れて雑煮にして食べることにした。
「お前、俺がいない間何してた?」
君下が慣れた手つきで具材を切っている間、俺は君下が持ち帰った土産とやらの箱を開けていた。中には土の付いたままの里芋だとか、葉つきの蕪や蓮根などが入っていた。全て君下の田舎で採れたものなのか、形はスーパーでは見かけないような不格好なものばかりだった。
「車ねぇから暇だった」 「どうせ車があったとしても、一日中寝てるか練習かのどっちかだろうが」 「まあ、大体合ってる」
一通り切り終えたのか包丁の音が聞こえなくなり、程なくして今度は出汁の香りが漂ってきた。同時に香ばしい餅の焼ける香りがして、完成が近いことを悟った俺は一度箱を閉めるとダイニングテーブルへと向かい、箸を二膳出して並べると冷蔵庫から缶ビールを取り出してグラスと共に並べた。
「いただきます」 「いただきます」
大きめの深い器に入った薄茶色の雑煮を目の前に、二人向かい合って座り手を合わせる。実に一週間ぶりの二人で摂る夕食だった。よくある関東風の味付けに、四角く切られ表面を香ばしく焼かれた大きな餅。シンプルだが今年に入って初めて食べる正月らしい食べ物も、今年初めて飲む酒も、すべて君下と共に大事に味わった。
「あ、そうだ。明日だからな、あれ」
3個目の餅に齧りついた俺に、そういえばと思い出したかのように君下が声を発した。少し冷めてきたのか噛み切れなかった餅を咥えたまま、肩眉を上げて何の話かと視線だけで問えば、「ほら、同窓会のやつ」と察したように答えが返ってきた。「ちょっと待て」と掌を君下に見せて、餅を掴んでいた箸に力を入れて無理矢理引きちぎると、ぐにぐにと大雑把に噛んでビールで流し込む。うまく流れなかったようで、喉のあたりを引っかかる感触が気持ち悪い。生理的に込み上げてくる涙を瞳に浮かべていると、席を立った君下は冷蔵庫の扉を開けてもう2本ビールを取り出して戻ってきた。
「ほら飲め」 「おま……水だろそこは」 「いいからとりあえず流し込め」
空になった俺のグラスにビールを注げば、ぶくぶくと泡立つばかりで泡だけで溢れそうになった。だから水にしとけと言ったのだ。チッ、と舌打ちをした君下は、少し申し訳なさそうに残りの缶をそのまま手渡してきた。直接飲むのは好きではないが、今は文句を言ってられない。奪うように取り上げると、ごくごくと大げさに喉を鳴らして一気に飲み干した。
「は~……死ぬかと思った。相変わらずお酌が下手だなお前は」 「うるせぇな。俺はもうされる側だから仕方ねぇだろうが」
そう悪態をつきながら、君下も自分の缶を開ける。プシュ、と間抜けな音がして、グラスを傾けて丁寧にビールを注いでゆく。泡まで綺麗に注げたそれを見て、満足そうに俺に視線を戻す。
「あ、そうだよ、話反らせやがって……まあとにかく、明日は俺は昼ぐらいに会社に少し顔出してくるから、ついでに親父んとこにも寄って、そのまま会場に向かうつもりだ」 「あ?親父さんも一緒に田舎に行ったんじゃねぇの?」 「そうしようとは思ったんだがな、店の事もあるって断られた。ったく誰に似たんだかな」 「それ、お前が言うなよ」
君下の言葉になんだかおかしくなってふふ、と小さく笑えば、うるせぇと小さく舌打ちで返された。綺麗に食べ終えた器をテーブルの上で纏めると、君下はそれらを持って流しへと向かった。ビールのグラスを軽く水で濯いでから、そこに半分ぐらい溜めた水をコクコクと喉を鳴らして飲み込んだ。
「俺もう寝るから、あとよろしくな。久々に運転すると疲れるわ」 「おう、お疲れ。おやすみ」
俺の言葉におやすみ、と小さく呟いた君下は、灯りのついていない寝室へと吸い込まれるようにして消えた。ぱたん、と扉が閉まる音を最後に、乾いた部屋はしんとした静寂に包まれる。手元に残ったのは、ほんの一口分だけ残った温くなったビールの入ったグラスだけだった。 頼まれた洗い物はあとでやるとして、さてこれからどうしようか。君下の読み通り、今日は一日中寝ていたため眠気はしばらくやって来る気配はない。テレビの上の時計を見ると、ちょうど午後九時を回ったところだった。俺はビールの残りも飲まずに立ち上がると、食器棚に並べてあるブランデーの瓶と、隣に飾ってあったバカラのグラスを手にしてソファのほうへとゆっくり歩き出した。
*
肌寒さを感じて目を覚ました。 最後に時計を見たのはいつだっただろうか。微睡む意識の中、薄く開いた瞳で捉えたのは、ガラス張りのローテーブルの端に置かれた見覚えのあるグラスだった。細かくカットされた見事なつくりの表面は、カーテンから零れる朝日を反射してキラキラと眩しい。中の酒は幾分か残っていたようだったが、蒸発してしまったのだろうか、底のほうにだけ琥珀色が貼り付くように残っているだけだった。 何も着ていなかったはずだが、俺の肩には薄手の毛布が掛かっていた。点けっぱなしだった電気もいつの間にか消されていて、薄暗い部屋の中、遮光カーテンから漏れる光だけがぼんやりと座っていたソファのあたりを照らしていた。酷い喉の渇きに、水を一口飲もうと立ち上がると頭痛と共に眩暈がした。ズキズキと痛む頭を押さえながらキッチンへ向かい、食器棚から新しいコップを取り出して水を飲む。シンクに山積みになっていたはずの洗い物は、跡形もなく姿を消している。君下は既に家を出た後のようだった。
それから昼過ぎまでもう一度寝て、起きた頃には朝方よりも随分と温かくなっていた。身体のだるさは取れたが、相変わらず痛む頭痛に舌打ちをしながら、リビングのフローリングの上にマットを敷いてそこで軽めのストレッチをした。大柴はもう若くはない。三十路手前の身体は年々言うことを聞かなくなり、1日休めば取り戻すのに3日はかかる。オフシーズンだからと言って単純に休んでいるわけにはいかなかった。 しばらく柔軟をしたあと、マットを片付け軽く掃除機をかけていると、ジャージの尻ポケットが震えていることに気が付いた。佐藤からの着信だった。久しぶりに見るその名前に、緑のボタンを押してスマホを耳と肩の間に挟んだ。
「おう」 「あーうるせぇよ!掃除機?電話に出る時ぐらい一旦切れって」
叫ぶ佐藤の声が聞こえるが、何と言っているのか聞き取れず、仕方なくスイッチをオフにした。ちらりと壁に視線を流せば、時計針はもうすぐ3時を指そうとしていた。
「わりぃ。それよりどうした?」 「どうしたじゃねぇよ。多分お前まだ寝てるだろうから、起こして同窓会に連れてこいって君下から頼まれてんだ」 「はあ……ったく、どいつもこいつも」 「まあその調子じゃ大丈夫だな。5時にマンションの下まで車出すから、ちゃんと顔洗って待ってろよ」 「へー」 「じゃあ後でな」
何も言わずに通話を切り、ソファ目掛けてスマホを投げた。もう一度掃除機の電源を入れると、リビングから寝室へと移動する。普段は掃除機は君下がかけるし、皿洗い以外の大抵の家事はほとんど君下に任せっきりだった。今朝はそれすらも君下にさせてしまった罪悪感が、こうやって自主的にコードレス掃除機をかけている理由なのかもしれない。 ベッドは綺麗に整えてあり、真ん中に乱雑に畳まれたパジャマだけが取り残されていた。寝る以外に立ち入らない寝室は綺麗なまま���ったが、一応端から一通りかけると掃除機を寝かせてベッドの下へと滑り込ませる。薄型のそれは狭い隙間も難なく通る。何往復かしていると、急に何か大きな紙のようなものを吸い込んだ音がした。
「げっ……何だ?」
慌てて電源を切り引き抜くと、ヘッドに吸い込まれていたのは長い紐のついた、見慣れない小さな紙袋だった。紺色の袋の表面に、金色の細い英字で書かれた名前には見覚えがあった。俺の覚え違いでなければ、それはジュエリーブランドの名前だった気がする。
「俺のじゃねぇってことは、これ……」
そこまで口に出して、俺の頭の中には一つの仮説が浮かび上がる。これの持ち主は十中八九君下なのだろう。それにしても、どうしてこんなものがベッドの下に、それも奥のほうへと押しやられているのだろうか。絡まった紐を引き抜いて埃を払うと、中を覗き込む。入っていたのは紙袋の底のサイズよりも一回り小さな白い箱だった。中を確認したかったが、綺麗に巻かれたリボンをうまく外し、元に戻せるほど器用ではない。それに、中身など見なくてもおおよその見当はついた。 俺はどうするか迷ったが、それと電源の切れた掃除機を持ってリビングへと戻った。紙袋をわざと見えるところ、チェリーウッドのダイニングテーブルの上に置くと、シャワーを浴びようとバスルームへと向かった。いつも通りに手短に済ませると、タオルドライである程度水気を取り除いた髪にワックスを馴染ませ、久しぶりに鏡の中の自分と向かい合う。ここ2週間はオフだったというのに、ひどく疲れた顔をしていた。適当に整えて、顎と口周りにシェービングクリームを塗ると伸ばしっぱなしだった髭に剃刀を宛がう。元々体毛は濃いほうではない。すぐに済ませて電気を消して、バスルームを後にした。
「お、来た来た。やっぱりお前は青のユニフォームより、そっちのほうが似合っているな」
スーツに着替え午後5時5分前に部屋を出て、マンションのエントランスを潜ると、シルバーの普通車に乗った佐藤が窓を開けてこちらに向かって手を振っていた。助手席には既に鈴木が乗っており、懐かしい顔ぶれに少しだけ安堵した。よう、と短く挨拶をして、後部座席のドアを開けると長い背を折りたたんでシートへと腰かけた。 それからは佐藤の運転に揺られながら、他愛もない話をした。最近のそれぞれの仕事がどうだとか、鈴木に彼女が出来ただとか、この前相庭のいるチームと試合しただとか、離れていた2年間を埋めるように絶え間なく話題は切り替わる。その間も車は東京方面へと向かっていた。
「君下とはどうだ?」 「あー……相変わらずだな。付かず離れずって感じか」 「まあよくやってるよな、お前も君下も。あれだけ仲が悪かったのが、今じゃ同棲だろ?みんな嘘みたいに思うだろうな」 「同棲って言い方やめろよ」 「はーいいなぁ、俺この間の彼女に振られてさ。せがまれて高い指輪まで贈ったのに、あれだけでも返して貰いたいぐらいだな」
指輪という言葉に、俺の顔の筋肉が引きつるのを感じた。グレーのパンツの右ポケットの膨らみを、無意識に指先でなぞる。車は渋滞に引っかかったようで、先ほどからしばらく進んでおらず車内はしん、と静まり返っていた。
「あーやべぇな。受付って何時だっけ」 「たしか6時半……いや、6時になってる」 「げ、あと20分で着くかな」 「だからさっき迂回しろって言ったじゃねぇか」
このあたりはトラックの通行量も多いが、帰宅ラッシュで神奈川方面に抜ける車もたくさん見かける。そういえば実家に寄るからと、今朝も俺の車で出て行った君下はもう会場に着いたのだろうか。誰かに電話をかけているらしい鈴木の声がして、俺は手持ち無沙汰に窓の外へと視線を投げる。冬の日の入りは早く、太陽はちょうど半分ぐらいを地平線の向こうへと隠した頃だった。真っ赤に焼ける雲の少ない空をぼんやりと眺めて、今夜は星がきれいだろうか、と普段気にもしていないことを考えていた。
(5)真冬のエスケープ
車は止まりながらもなんとか会場近くの地下駐車場へと止めることができた。幹事と連絡がついて遅れると伝えていたこと��あり、特に急ぐこともな���会場までの道のりを歩いて行った。 程なくして着いたのは某有名ホテルだった。入り口の案内板には聖蹟高校×期同窓会とあり、その横に4階と書かれていた。エレベーターを待つ間、着飾った同じ年ぐらいの集団と鉢合わせた。そのうち男の何人かは見覚えのある顔だったが、男たちと親し気に話している女に至っては、全くと言っていいほど面影が見受けられない。常日頃から思ってはいたが、化粧とは恐ろしいものだ。俺や君下よりも交友関係が広い鈴木と佐藤でさえ苦笑いで顔を見合わせていたから、きっとこいつらにでさえ覚えがないのだろうと踏んで、何も言わずに到着した広いエレベーターへと乗り込んだ。
受付で順番に名前を書いて入り口で泡の入った飲み物を受け取り、広間へと入るとざっと見るだけで100人ほどは来ているようだった。「すげぇな、結構集まったんだな」そう言う佐藤の言葉に振り返りもせずに、俺はあたりをきょろきょろと見渡して君下の姿を探した。
「よう、遅かったな」 「おー君下。途中で渋滞に巻き込まれてな……ちゃんと連れてきたぞ」
ぽん、と背中を佐藤に叩かれる。その右手は決して強くはなかったが、ふいを突かれた俺は少しだけ前にふらついた。手元のグラスの中で黄金色がゆらりと揺れる。いつの間にか頭痛はなくなっていたが、今は酒を口にする気にはなれずにそのグラスを佐藤へと押し付けた。不審そうにその様子を見ていた君下は、何も言わなかった。 6時半きっかりに、壇上に幹事が現れた。眼鏡をかけて、いかにも真面目そうな元生徒会長は簡単にスピーチを述べると、今はもう引退してしまったという、元校長の挨拶へと移り変わる。何度か表彰状を渡されたことがあったが、曲がった背中にはあまり思い出すものもなかった。俺はシャンパンの代わりに貰ったウーロン茶が入ったグラスをちびちびと舐めながら、隣に立つ君下に気付かれないようにポケットの膨らみの形を確認するかのように、何度も繰り返しなぞっていた。
俺たちを受け持っていた先生らの挨拶が一通り済むと、それぞれが自由に飲み物を持って会話を楽しんでいた。今日一日、何も食べていなかった俺は、同じく飯を食い損ねたという君下と共に、真ん中に並ぶビュッフェをつまみながら空きっ腹を満たしていた。ここのホテルの料理は美味しいと評判で、他のホテルに比べてビュッフェは高いがその分確かなクオリティがあると姉が言っていた気がする。確かにそれなりの料理が出てくるし、味も悪くはない。君下はローストビーフがお気に召したようで、何度も列に並んではブロックから切り分けられる様子を目を輝かせて眺めていた。
「あー!大柴くん久しぶり、覚えてるかなぁ」
ウーロン茶のあてにスモークサーモンの乗ったフィンガーフードを摘まんでいると、この会場には珍しく化粧っ気のない、大きな瞳をした女が数人の女子グループと共にこちらへと寄ってきた。
「あ?……あ、お前はあれだ、柄本の」 「もー、橘ですぅー!つくちゃんのことは覚えててくれるのに、同じクラスだった私のこと、全っ然覚えててくれないんだから」
プンスカと頬を膨らませる橘の姿に、高校時代の懐かしい記憶が蘇る。記憶の中よりも随分と短くなった髪は耳の下で切り揃えられていれ、片側にトレードマークだった三つ編みを揺らしている。確かにこいつが言うように、思い返せば偶然にも3年間、同じクラスだったように思えてくる。本当は名前を忘れた訳ではなかったが、わざと覚えていない振りをした。
「テレビでいつも見てるよー!プロってやっぱり大変みたいだけど、大柴くんのことちゃんと見てるファンもいるからね」 「おーありがとな」
俺はその言葉に対して素直に礼を言った。というのも、この橘という女の前ではどうも調子が狂わされる。自分は純粋無垢だという瞳をしておいて、妙に人を観察していることと、核心をついてくるのが昔から巧かった。だが悪気はないのが分かっているだけ質が悪い。俺ができるだけ同窓会を避けてきた理由の一つに、この女の言ったことと、こいつ自身が関係している。これには君下も薄々気付いているのだろう。
「あ、そうだ。君下くんも来てるかな?つくちゃんが会いたいって言ってたよ」 「柄本が?そりゃあ本人に言ってやれよ。君下ならあっちで肉食ってると思うけど」 「そうだよね、ありがとう大統領!」
そう言って大げさに手を振りながら、橘は君下を探しに人の列へと歩き出した。「もーまたさゆり、勝手にどっか行っちゃったよ」と、取り残されたグループの一人がそう言うので、「相変わらずだよね」と笑う他の女たちに混ざって愛想笑いをして、居心地の悪くなったその場を離れようとした。 白いテーブルクロスの上から飲みかけのウーロン茶が入ったグラスを手に取ろとすると、綺麗に塗られたオレンジの爪がついた女にそのグラスを先に掴まれた。思わず視線をウーロン茶からその女へと流すと、女はにこりと綺麗に笑顔を作り、俺のグラスを手渡してきた。
「大柴くん、だよね?今日は飲まないの?」
黒髪のロングヘアーはいかにも君下が好みそうなタイプの女で、耳下まである長い前髪をセンターで分けて綺麗に内巻きに巻いていた。他の女とは違い、あまりヒラヒラとした装飾物のない、膝上までのシンプルな紺色のドレスに身を包んでいる。見覚えのある色に一瞬喉が詰まるも、「今日は車で来てるから」とその場で適当な言い訳をした。
「あーそうなんだ、残念。私も車で来たんだけど、勤めている会社がこの辺にあって、そこの駐車場に停めてあるから飲んじゃおうかなって」 「へぇ……」
わざとらしく綺麗な眉を寄せる姿に、最初はナンパされているのかと思った。だが俺のグラスを受け取ると、オレンジの爪はあっさりと手放してしまう。そして先程まで女が飲んでいた赤ワインらしき飲み物をテーブルの上に置き、一歩近づき俺の胸元に手を添えると、背伸びをして俺の耳元で溜息のように囁いた。
「君下くんと、いつから仲良くなったの?」
酒を帯びた吐息息が耳元にかかり、かっちりと着込んだスーツの下に、ぞわりと鳥肌が立つのを感じた。 こいつは、この女は、もしかしたら君下がこの箱を渡そうとした女なのかもしれない。俺の知らないところで、君下はこの女と親密な関係を持っているのかもしれない。そう考えが纏まると、すとんと俺の中に収まった。そうか。最近感じていた違和感も、何年も寄り付かなかった田舎への急な帰省も、なぜか頑なにこの同窓会に出席したがった理由も、全部辻褄が合う。いつから関係を持っていたのだろうか、知りたくもなかった最悪の状況にたった今、俺は気付いてしまった。 じりじりと距離を詰める女を前に、俺は思考だけでなく身体までもが硬直し、その場を動けないでいた。酒は一滴も口にしていないはずなのに、むかむかと吐き気が込み上げてくる。俺は今、よほど酷い顔をしているのだろう。心配そうに見つめる女の目は笑っているのに、口元の赤が、赤い口紅が視界に焼き付いて離れない。何か言わねば。いつものように、「誰があんなやつと、この俺様が仲良くできるんだよ」と見下すように悪態をつかねば。皆の記憶に生きている、大柴喜一という人間を演じなければ―――…… そう思っているときだった。 俺は誰かに腕を掴まれ、ぐい、と強い力で後ろへと引かれた。呆気にとられたのは俺も女も同じようで、俺が「おい誰だ!スーツが皺になるだろうが」と叫ぶと、「あっ君下くん、」と先程聞いていた声より一オクターブぐらい高い声が女の口から飛び出した。その名前に腕を引かれたほうへと振り返れば、確かにそこには君下が立っていて、スーツごと俺の腕を掴んでいる。俺を見上げる漆黒の瞳は、ここ最近では見ることのなかった苛立ちが滲んで見えるようだった。
「ああ?テメェのスーツなんか知るかボケ。お前が誰とイチャつこうが関係ねぇが、ここがどこか考えてからモノ言いやがれタワケが」 「はあ?誰がこんなブスとイチャつくかバーカ!テメェの女にくれてやる興味なんぞこれっぽっちもねぇ」 「なんだとこの馬鹿が」
実に数年ぶりの君下のキレ具合に、俺も負けじと抱えていたものを吐き出すかのように怒鳴り散らした。殴りかかろうと俺の胸倉を掴んだ君下に、賑やかだった周囲は一瞬にして静まり返る。人の壁の向こう側で、「おいお前ら!まじでやめとけって」と慌てた様子の佐藤の声が聞こえる。先に俺たちを見つけた鈴木が君下の腕を掴むと、俺の胸倉からその手を引き剥がした。
「とりあえず、やるなら外に行け。お前らももう高校生じゃないんだ、ちょっとは周りの事も考えろよ」 「チッ……」 「大柴も、冷静になれよ。二人とも、今日はもう帰れ。俺たちが収集つけとくから」
君下はそれ以上何も言わずに、出口のほうへと振り返えると大股で逃げるようにその場を後にした。俺は「悪いな」とだけ声をかけると、曲がったネクタイを直し、小走りで君下の後を追いかける。背後からカツカツとヒールの走る音がしたが、俺は振り返らずにただ小さくなってゆく背中を見逃さないように、その姿だけを追って走った。暫くすると、耳障りな足音はもう聞こえなくなっていた。
君下がやってきたのは、俺たちが停めたのと同じ地下駐車場だった。ここに着くまでにとっくに追い付いていたものの、俺はこれから冷静に対応する為に、頭を冷やす時間が欲しかった。遠くに見える派手な赤色のスポーツカーは、間違いなく俺が2年前に買い替えたものだった。君下は何杯か酒を飲んでいたので、鍵は持っていなくとも俺が運転をすること��なると分かっていた。わざと10メートル後ろをついてゆっくりと近づく。 君下は何も言わずにロックを解除すると、大人しく助手席に腰かけた。ドアは開けたままにネクタイを解き、首元のボタンを一つ外すと、胸ポケットから取り出した煙草を一本口に咥えた。
「俺の前じゃ吸わねぇんじゃなかったのか」 「……気が変わった」
俺も運転席に乗り込むと、キーを挿してエンジンをかけ、サンバイザーを提げるとレバーを引いて屋根を開けてやった。どうせ吸うならこのほうがいいだろう。それに今夜は星がきれいに見えるかもしれないと、行きがけに見た綺麗な夕日を思い出す。安物のライターがジジ、と音を立てて煙草に火をつけたのを確認して、俺はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
(6)形も何もないけれど
煌びやかなネオンが流れてゆく。俺と君下の間に会話はなく、代わりに冬の冷たい夜風だけが二人の間を切るように走り抜ける。煙草の火はとっくに消えて、そのままどこかに吹き飛ばされてしまった。 信号待ちで車が止まると、「さむい」と鼻を啜りながら君下が呟いた。俺は後部座席を振り返り、外したばかりの屋根を元に戻すべく折りたたんだそれを引っ張った。途中で信号が青に変わって、後続車にクラクションを鳴らされる。仕方なく座りなおそうとすると、「おい、貸せ」と君下が言うものだから、最初から自分でやればいいだろうと思いながらも、大人しく手渡してアクセルに足を掛けた。車はまた走り出す。
「ちょっとどこか行こうぜ」
最初にそう切り出したのは君下だった。暖房も入れて温かくなった車内で、窓に貼り付くように外を見る君下の息が白く曇っていた。その問いかけに返事はしなかったが、俺も最初からあのマンションに向かうつもりはなかった。分岐は横浜方面へと向かっている。君下もそれに気が付いているだろう。 海沿いに車を走らせている間も、相変わらず沈黙が続いた。試しにラジオを付けてはみたが、流れるのは今流行りの恋愛ソングばかりで、今の俺たちにはとてもじゃないが似合わなかった。何も言わずにラジオを消して、それ以来ずっと無音のままだ。それでも、不思議と嫌な沈黙ではないことは確かだった。
どこまで行こうというのだろうか。気が付けば街灯の数も少なくなり、車の通行量も一気に減った。窓の外に見える、深い色の海を横目に見ながら車を走らせた。穏やかな波にきらきらと反射する、今夜の月は見事な満月だった。 歩けそうな砂浜が見えて、何も聞かないままそこの近くの駐車場に車を停めた。他に車は数台止まっていたが、どこにも人の気配がしなかった。こんな真冬の夜の海に用があるというほうが可笑しいのだ。俺はエンジンを切って、運転席のドアを開けると外へ出た。つんとした冷たい空気と潮の匂いが鼻をついた。君下もそれに続いて車を降りた。 後部座席に積んでいたブランケットを羽織りながら、君下は小走りで俺に追いつくと、その隣に並んで「やっぱ寒い」と鼻を啜る。数段ほどのコンクリートの階段を降りると、革靴のまま砂を踏んだ。ぐにゃり、と不安定な砂の上は歩きにくかったが、それでも裸足になるわけにはいかずにゆっくりと海へ向���って歩き出す。波打ち際まで来れば、濡れて固まった足場は先程より多少歩きやすくなった。はぁ、と息を吐けば白く曇る。海はどこまでも深い色をしていた。
「悪かったな」 「いや、……あれは俺も悪かった」
居心地の悪そうに謝罪の言葉がぽつり、と零れた。それは何に対して謝ったのか、自分でもよく分からない。君下に女が居た事なのか、指輪を見つけてしまった事なのか、それともそれを秘密にしていた事なのか。あるいは、そのすべてに対して―――俺がお前をあのマンションに縛り付けた10年間を指しているのか、それははっきりとは分からなかった。俺は立ち止まった。俺を追い越した、君下も立ち止まり、振り返る。大きな波が押し寄せて、スーツの裾が濡れる感覚がした。水温よりも冷たく冷え切った心には、今はそんな些細なことは、どうでもよかった。
「全部話してくれるか」 「ああ……もうそろそろ気づかれるかもしれねぇとは腹括ってたからな」
そう言い終える前に、君下の視線が俺のズボンのポケットに向いていることに気が付いた。何度も触っていたそれの形は、嫌と言うほど覚えている。俺はふん、と鼻で笑ってから、右手を突っ込み白い小さな箱を丁寧に取り出した。君下の目の前に差し出すと、なぜだか手が震えていた。寒さからなのか、それともその箱の重みを知ってしまったからなのか、風邪が吹いて揺れるなか、吹き飛ばされないように握っているのが精一杯だった。
「これ……今朝偶然見つけた。ベッドの下、本当に偶然掃除機に引っかけちまって……でも本当に俺、今までずっと気付かなくて、それで―――それで、あんな女がお前に居たなんて、もっと早く言ってくれりゃ、」 「ちょっと待て、喜一……お前何言ってんだ」 「あ……?何って、今言ったことそのま��まだろうが」
思い切り眉間に皺を寄せ困惑したような君下の顔に、俺もつられて眉根を寄せる。ここまで来てしらを切るつもりなのかと思うと、怒りを通り越して呆れもした。どうせこうなってしまった以上、俺たちは何事もなく別れられるわけがなかった。昔のように犬猿の仲に戻るのは目に見えていたし、そうなってくれれば救われた方だと俺は思っていた。 苛立っていたいたのは君下もそうだったようで、風で乱れた頭をガシガシと掻くと、煙草を咥えて火を点けようとした。ヂ、ヂヂ、と音がするのに、風のせいでうまく点かない。俺は箱を持っていないもう片方の手を伸ばして、風上から添えると炎はゆらりと立ち上がる。すう、と一息吸って吐き出した紫煙が、漆黒の空へと消えていった。
「そのまんまも何も、あの女、お前狙いで寄ってきたんだろうが」 「お前の女が?」 「誰だよそれ、名前も知らねぇのにか?」
つまらなさそうに、君下はもう一度煙を吸うと上を向いて吐き出した。どうやら本当にあのオレンジ爪の女の名前すら知らないらしい。だとしたら、俺が持っているこの箱は一体誰からのものなのだ。答え合わせのつもりで話をしていたが、謎は余計に深まる一方だ。
「あ、でもあいつ、俺に何て言ったと思う?君下くんといつから仲良くなったの、って」 「お前の追っかけファンじゃねぇの」 「だとしてもスゲェ怖いわ。明らかにお前の好みそうなタイプの恰好してたじゃん」 「そうか?むしろ俺は、お前好みの女だなと思ったけどな」
そこまで言って、俺も君下も噴き出してしまった。ククク、と腹の底から込み上げる笑いが止まらない。口にして初めて気が付いたが、俺たちはお互いに女の好みなんてこれっぽっちも知らなかったのだ。二人でいる時の共通の話題と言えば、サッカーの事か明日の朝飯のことぐらいで、食卓に女の名前が出てきたことなんて今の一度もない事に気付いてしまった。どうりでこの10年間、どちらも結婚だとか彼女だとか言い出さないわけだ。俺たちはどこまでも似た者同士だったのだ。
「それ、お前にやろうと思って用意したんだ」
すっかり苛立ちのなくなった瞳に涙を浮かべながら、君下は軽々しくそう言って笑った。 俺は言葉が出なかった。 こんな小洒落たものを君下が買っている姿なんて想像もできなかったし、こんなリボンのついた箱は俺が受け取っても似合わない。「中は?」と聞くと、「開けてみれば」とだけ返されて、煙が流れないように君下は後ろを向いてしまった。少し迷ったが、その場で紐をほどいて箱を開けて、俺は目を見開いた。紙袋と同じ、夜空のようなプリントの内装に、星のように輝くゴールドの指輪がふたつ、中央に行儀よく並んでいた。思わず君下の後姿に視線を戻す。ちらり、とこちらを振り返る君下の口元は、笑っているように見えた。胸の内から込み上げてくる感情を抑えきれずに、俺は箱を大事に畳むと勢いよくその背中を抱きしめた。
「う゛っ苦しい……喜一、死ぬ……」 「そのまま死んじまえ」 「俺が死んだら困るだろうが」 「自惚れんな。お前こそ俺がいないと寂しいだろう」 「勝手に言ってろタワケが」
腕の中で君下の頭が振り返る。至近距離で視線が絡み、君下の瞳に星空を見た。俺は吸い込まれるようにして、冷たくなった君下の唇にゆっくりとキスを落とす。二人の間で吐息だけが温かい。乾いた唇は音もなく離れ、もう一度角度を変えて近づけば、今度はちゅ、と音がして君下の唇が薄く開かれた。お互いに舌を出して煙草で苦くなった唾液を分け合った。息があがり苦しくなって、それでもまた酸素を奪うかのように互いの唇を気が済むまで食らい合った。右手の箱は握りしめたままで、中で指輪がふたつカタカタと小さく音を立てて揺れていた。
「もう、帰ろうか」 「ああ……解っちゃいたが、冬の海は寒すぎるな。帰ったら風呂炊くか」 「お、いいな。俺が先だ」 「タワケが。俺が張るんだから俺が先だ」
いつの間にか膝下まで濡れたスーツを捲り上げ、二人は手を繋いで来た道を歩き出した。青白い砂浜に、二人分の足跡が残る道を辿って歩いた。平常心を取り戻した俺は急に寒さを感じて、君下が羽織っているブランケットの中に潜り込もうとした。君下はそれを「やめろ馬鹿」と言って俺の頭を押さえつける。俺も負けじとグリグリと頭を押し付けてやった。自然と笑いが零れる。 これでよかったのだ。俺たちには言葉こそないが、それを埋めるだけの共に過ごした長い時間がある。たとえ二人が結ばれたとしても、形に残るものなんて何もない。それでも俺はいいと思っている。こうして隣に立ってくれているだけでいい。嬉しい時も寂しい時も「お前は馬鹿だな」と一緒に笑ってくれるやつが一人だけいれば、それでいいのだ。
「あ、星。喜一、星がすげぇ見える」 「おー綺麗だな」
ふと気づいたように、君下が空を見上げて興奮気味に声を上げた。 ようやくブランケット��潜り込んで、君下の隣から顔を出せば、そこにはバケツをひっくり返したかのように無数に散らばる星たちが瞬いていた。肩にかかる黒髪から嗅ぎ慣れない潮の香りがして、俺たちがいま海にいるのだと思い知らされる。上を向いて開いた口から、白く曇った息が漏れる。何も言わずにしばらくそれを眺めて、俺たちはすっかり冷えてしまった車内へと腰を下ろした。温度計は摂氏5度を示していた。
7:やさしい光の中で
星が良く見えた翌朝は決まって快晴になる。君下に言えば、そんな原始的な観測が正しければ、天気予報なんていらねぇよ、と文句を言われそうだが、俺はあながち間違いではないと思っている。現に今日は雲一つない晴れで、あれだけ低かった気温が今日は16度まで上がっていた。乾燥した空気に洗濯物も午前中のうちに乾いてしまった。君下がベランダに料理を運んでいる最中、俺は慣れない手つきで洗濯物をできるだけ綺麗に折りたたんでいた。
「おい、終わったぞ。お前のは全部チェストでいいのか?」 「下着と靴下だけ二番目の引き出しに入れといてくれ。あとはどこでもいい」 「へい」
あれから真っすぐマンションへと向かった車は、時速50キロ程度を保ちながらおよそ2時間かけて都内にたどり着いた。疲れ切っていたのか、君下は何度かこくり、こくりと首を落とし、ついにはそのまま眠りに落ちてしまった。俺は片手だけでハンドルを握りながら、できるだけ眠りを妨げないように、信号待ちで止まることのないようにゆっくりとしたスピードで車を走らせた。車内には、聞き慣れない名のミュージシャンが話すラジオの音だけが延々と聞こえていた。 眠った君下を抱えたままエントランスをくぐり、すぐに開いたエレベーターに乗って部屋のドアを開けるまで、他の住人の誰にも出会うことはなかった。鍵を開けて玄関で靴を脱がせ、濡れたパンツと上着だけを剥ぎ取ってベッドに横たわらせる。俺もこのまま寝てしまおうか。ハンガーに上着を掛けると一度はベッドに腰かけたものの、どうも眠れる気がしない。少しだけ君下の寝顔を眺めた後、俺はバスルームの電気を点けた。
「飲み物はワインでいいか?」 「おう。白がいい」 「言われなくとも白しか用意してねぇよ」
そう言って君下は冷蔵庫から冷えた白ワインのボトルとグラスを2つ持ってやって来た。日当たりのいいテラスからは、東京の高いビル群が遠くに見えた。東向きの物件にこだわって良かったと、当時日当たりなんてどうでもいいと言った君下の隣に腰かけて密かに思う。今日は風も少なく、テラスで日光浴をするのには丁度いい気候だった。
「乾杯」 「ん」
かちん、と一方的にグラスを傾けて君下のグラスに当てて音を鳴らした。黄金色の液体を揺らしながら、口元に寄せればリンゴのような甘い香りがほのかい漂う。僅かにとろみのある液体を口に含めば、心地よいほのかな酸味と上品な舌触りに思わず眉が上がるのが分かった。
「これ、どこの」 「フランスだったかな。会社の先輩からの貰い物だけど、かなりのワイン好きの人で現地で箱買いしてきたらしいぞ」 「へぇ、美味いな」
流れるような書体でコンドリューと書かれたそのボトルを手に取り、裏面を見ればインポーターのラベルもなかった。聞いたことのある名前に、確か希少価値の高い品種だったように思う。読めない文字をざっと流し読みし、ボトルをテーブルに戻すともう一口口に含む。安物の白ワインだったら炭酸で割って飲もうかと思っていたが、これはこのまま飲んだ方が良さそうだ。詰め物をされたオリーブのピンチョスを摘まみながら、雲一つない空へと視線を投げた。
「そう言えば、鈴木からメール来てたぞ……昨日の同窓会の話」
紫煙を吐き出した君下は、思い出したかのように鈴木の名を口にした。小一時間前に風呂に入ったばかりの髪はまだ濡れているようで、時折風が吹いてはぴたり、と額に貼り付いた。それを手で避けながら、テーブルの上のスマホを操作して件のメールを探しているようだ。俺は残り物の鱈と君下の田舎から貰ってきたジャガイモで作ったブランダードを、薄切りのバゲットに塗り付けて齧ると、「何だって」と先程の言葉の続きを促した。
「あの後女が泣いてるのを佐藤が慰めて、そのまま付き合うことになったらしい、ってさ」 「はあ?それって俺たちと全然関係なくねぇ?というか、一体何だったんだよあの女は……」
昨夜のことを思い出すだけで鳥肌が立つ。あの真っ赤なリップが脳裏に焼き付いて離れない。それに、俺たちが聞きたかったのはそんな話ではない。喧嘩を起こしそうになったあの場がどうなったとか、そんなことよりもどうでもいい話を先に報告してきた鈴木にも悪意を感じる。多分、いや確実に、このハプニングを鈴木は面白がっているのだろう。
「あいつ、お前と同じクラスだった冴木って女だそうだ。佐藤が聞いた話だと、やっぱりお前のファンだったらしいぞ」 「……全っ然覚えてねぇ」 「だろうな。見ろよこの写真、これじゃあ詐欺も同然だな」
そう言って見せられた一枚の写真を見て、俺は食べかけのグリッシーニに巻き付けた、パルマの生ハムを落としそうになった。写真は卒アルを撮ったもののようで、少しピントがずれていたがなんとなく顔は確認できた。冴木綾乃……字面を見てもピンと来なかったが、そこに映っているふっくらとした丸顔に腫れぼったい一重瞼の女には見覚えがあった。
「うわ……そういやいた気がするな」 「それで?これのどこが俺の女だって言うんだよ」 「し、失礼しました……」 「そりゃあ今の彼氏の佐藤に失礼だろうが。それに別にブスではないしな」
いや、どこからどう見てもこれはない。俺としてはそう思ったが、確かに昨日会った女は素直に抱けると思った。人は歳を重ねると変わるらしい。俺も君下も何か変わったのだろか。ふとそう思ったが、まだ青い高校生だった俺に言わせれば、俺たちが同じ屋根の下で10年も暮らしているということがほとんど奇跡に近いだろう。人の事はそう簡単に悪く言えないと、自分の体験を以って痛いほど知った。 君下は短くなった煙草を灰皿に押し付けると火を消して、何も巻かないままのグリッシーニをポリポリと齧り始める。俺は空になったグラスを置くと、コルクを抜いて黄金色を注いだ。
「あー、そうだ。この間田舎に帰っただろう、正月に。その時にばあちゃんに、お前の話をした」 「……なんか言ってたか」
聞き捨てならない言葉に、だらしなく木製の折りたたみチェアに座っていた俺の背筋が少しだけ伸びる。 その事は俺にも違和感があった。急に田舎に顔出してくるから、と俺の車を借りて出て行った君下は、戻ってきても1週間の日々を「退屈だった」としか言わなかったのだ。なぜこのタイミングなのだろうか。嫌な切り出し方に少しだけ緊張感が走る。君下がグリッシーニを食べ終えるのを待っているほんの少しの時間が、俺には気が遠くなるほど長い時間が経ったような気さえした。
「別に。敦は結婚はしないのかって聞かれたから答えただけだ。ただ同じ家に住んでいて、これからも一緒にいることになるだろうから、申し訳ないけど嫁は貰わないかもしれないって言っといた」 「……それで、おばあさんは何て」 「良く分からねぇこと言ってたぜ。まあ俺がそれで幸せなら、それでいいんじゃないかとは言ってくれたけど……やっぱ少し寂しそうではあったかな」
そう言って遠くの空を見つめるように、君下は視線を空へ投げた。真冬とは言え太陽の光は眩しくて、自然と目元は細まった。テーブルの上に投げ出された右手には、光を反射してきらきらと輝く金色が嵌められている。昨夜君下が眠った後、停車中の誰も見ていない車内で俺が勝手に付けたのだ。細い指にシンプルなデザインはよく映えた。俺が見ていることに気が付いたのか、君下はそっとテーブルから手を離すと、新しいソフトケースから煙草を一本取りだした。
「まあこれで良かったのかもな。親父にも会ってきたし、俺はもう縛られるものがなくなった」 「えっ、まさか……昨日実家寄ったのってその為なのか」 「まあな……本当は早いうちに言っておくべきだったんだが、どうも切り出せなくてな。親父もばあちゃんも、母さんを亡くして寂しい思いをしたのは痛いほど分かってたし、まあ俺もそうだったしな……それで俺が結婚しないって言うのは、なんだか家族を裏切ってしまうような気がして。もう随分前にこうなることは分かってたのにな。気づいたら年だけ重ねてて、それで……」
君下は、ゆっくりと言葉を紡ぐと一筋だけ涙を流した。俺はそれを、君下の左手を握りしめて、黙って聞いてやることしかできなかった。昼間から飲む飲みなれないワインにアルコールが回っていたのだろうか。それでもこれは君下の本音だった。 暫くそうして無言で手を握っていると、ジャンボジェット機が俺たちの上空をゆっくりと通過した。耳を塞ぎたくなるようなごうごうと風を切り裂く大きな音に隠れるように、俺は聞こえるか聞こえないかの声量で「愛してる」、と一言呟く。君下は口元だけを読んだのか、「俺も」、と聞こえない声で囁いた。飛行機の陰になって和らいだ光の中で、俺たちは最初で最後の言葉を口にした。影が過ぎ去ると、陽射しは先程よりも一層強く感じられた。水が入ったグラスの中で、溶けた氷がカラン、と立てたか細い音だけが耳に残った。
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2008/1/9 (Wed.) 11:39:06 高遠優子は多重人格である。誰もそれを知らない。 「高遠」の中には、シリアルキラーの高遠、吝嗇家の高遠、拒食症の高遠、ペドフィリアの高遠、普通の高遠などがいる。 しかしそれらのどの人格も、(頭の中はどうあれ)、普通の高遠らしい振る舞いのみをする。 例えば、菜食主義者やムスリムの高遠でも、「高遠」にとって食べることが自然な場面では、豚カツでも豚の丸焼きでも我慢して食べる。 お風呂に入るときは肩まで湯につかるし、吝嗇家でなくてもシャンプーのむだ使いはしない。 ただしシリアルキラーの高遠だけは、高遠らしくなく人を殺すことをしてしまうが、それでもなるべく高遠っぽい殺し方を選ぶ。 このように高遠たちの高遠が常に普通の高遠である、という偽装はおおむね完璧なので、 誰も高遠の正体に気付くことは出来ないのだ……という夢をしだり川が見た。 2008/1/11 (Fri.) 10:33:11 連続猟奇殺人犯の高遠、そしてその犯行を目撃してしまうしだり川��� しだり川は高遠を問い詰めるが、解離性同一性障害を患っている高遠には、自ら手にかけた遺体を前にしても状況を理解することはできないのであった。 しだり川は記憶のない高遠を救うため、匿ったり現場を隠蔽したり、わりと親身に行動する。 一方で高遠はそんなしだり川の思いも知らず、新たな人格ばかり発現させて周囲を困惑させる。 そして現れる第二の殺人鬼…。 現場から消えた靴下の謎。 ヒストノ=エチオピクス、僕殺魔法少女、そしてコナミルクとはいったい? 果たして彼女たちは凛ちゃんによるアルマゲドン(最終戦争)の恐怖から人類を救うことができるのか……!? 多くの登場人物をあっさり殺しつつ、「生きる」とはなにかを読者に説き続ける青春活劇。 そういう内容のモリタが描いた漫画。 基本的にしだり川がひどい目にあうだけ。 2008/1/12 (Sat.) 03:40:05 「自らを神と呼ぶ者は、我以外須らく呪われるべし」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ それは特に何の変哲もない夕方の事だった。しだり川はバイトに行く途中に、突然自分に天啓が降ってきた事に気付いた。 「そうだ!何故今まで考えつかなかったんだ!メタ・マニュアル!」 それまで、しだり川は、散発的事象に対応するためのマニュアルの整備に専心してきたのだが、同時にその作業に行き詰まりを覚えつつもあった。 なぜならそのようなマニュアル作成は、どうしても事態の後手に回りがちであったからである。 「しかし…マニュアル作りのマニュアルをしっかりと持っていれさえいれば、いかなる事態にも迅速な対応が可能となります。 言い換えれば、今までの一次的マニュアルたちの統合と止揚によるメタ・マニュアルの作成こそが! 真のマニュアル作成への正しい第一歩と呼べるのです」 しかしこの時まだ彼女は知らなかった…メタ・マニュアルの完成はさらなる上位メタメタ・マニュアルへの入り口に過ぎないこと、 ついに統一マニュアル理論を完成し、全世界のマニュアリストから賞賛を受けること、 さらにはその活躍ぶりをモリタが伝記漫画にして一儲けすることなどを… 2008/1/16 (Wed.) 02:44:18 「爆弾を仕掛けただって!?」 「貴様らのファニーボーンに爆弾を仕掛けた。 後ろの席の人と話そうと振り向いたが最後、椅子に肘をぶつけ、ボン!!だ。」 「なんということを・・・」 そのとき高遠は、ふと、ある事を思い出しました。 シェイクミックスの携帯の待ち受け画面は・・・チェ・ゲバラ! 2008/1/22 (Tue.) 00:07:40 本の執筆に励むエチオピクス。 クロコダイルは、博士に質問をした。 「今書いているのは、ある特殊な心理学についての本よ。 心理学って何かですって? それはねえ......」 エチオピクスが、割にやさしく、わかりやすく解説する。クロコダイルは、心理学の概念を知って、震えあがる。 (そんな......そんなものを真壁さんが知ったら、どうなることだろうか! きっと、毎日私の行動を分析したり、変な解釈をつけるんだろうな。毎日毎日...... 考えただけでもやりきれないよ...... 隠さなければ 隠すんだ......) その後、そこらじゅうに心理学の参考書をばらまくエチオピクスと、 それらを真壁マリの目に触れないように、必死で片付けるクロコダイルのドタバタシーンが入る。 何回かニアミスがあるが、何とか誤魔化すクロコダイル。しかし、ほっとした瞬間に、マリに本を見つけられてしまう。 「なにこれ」 (ああ......) しかし、意外にも、マリは心理学に興味を持たなかった。 「私は、占いとかそういうばかばかしいことは、もう卒業したのよ」 逆にクロコダイルが心理学にはまってしまい、夜な夜な、好きなバンドの歌詞を分析したり、変な解釈をするようになる。 (こ...これって何の象徴なのかしら......うわー!) ヒストノ=エチオピクスの著書「改造人間の心理、または人間心理の改造についての考察Ⅰ」は、 その長きに渡る執筆にもかかわらず、いまだ未完であり、完成が待たれています。 2008/1/23 (Wed.) 14:01:59 "ヤマダの独占欲がカズサを襲う!" カズサは子供達の人気者。 それを見ていたヤマダは カズサを独占しようと考えある殺人兵器を使用する... カズサはひどい目に遭う。 ------------------------ 私は、兵藤カズサのような人間になりたかった。 いや、なりたい。よし、なろう。なってやる。 知識を得ることで得られる純粋な悦びを味わいたい。 カズサのように勉強することによって得られる純粋な喜びに夢中になりたい。 だが"勉強する"の定義が分からん!分からないのだ! それは私が無知であるからだろうか? そうだ!そうに違いない! まずは自覚するんだ! 自分の無知を知るべきなんだ! 2008/1/29 (Tue.) 22:04:10 「嫌悪戦隊イヤレンジャー」 生理的に不快なヒーロー。 5人それぞれが違ったスタイルで嫌悪感を演出している。 「アンケート:悪の組織に聞く、一番戦いたくないヒーロー」で、5年連続一位。 「あいつらだけは見るのも嫌だ。特にピンク。」 「奴らが現れると、部下も市民も逃げ出すので戦いどころではない。ほんとにおぞましいよ。特にピンク。」 「ピンクが出てきただけで部下達が泣いて謝ったよ。」 「ピンクが怪人にウインクしただけでそいつの所属する組織が壊滅した。」 「グリーンはまだマシな方。」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ イヤなグリーン「グゲッ、グゲゲゲッ。」 ガーパイク「うひぃ・・・お、俺、あいつ苦手なんだよう。」 イヤなグリーン、近くのガラクタを投げつけてくる。 クロコダイル「こ、この爬虫類めっ!!」 ガーパイク「お前もだろ・・・。」 2008/2/2 (Sat.) 16:49:23 彼女たちの学校で昔の携帯ゲームが流行する。 ケイタイのゲームじゃなくて、ポケットに入れて携帯できるようなやつのことだ。 それもインベーダーとかテトリスとかいう正規のやつじゃなくて、著作権的に危ういネイミングの、つまりパクりのやつが受け入れられた。 一つの機械に平均十種類ほどもミニゲームが入っているという手軽なうさんくささに惹かれたのだろう。 ��み時間になると皆で一つのゲームを奪い合う。 モリタは頻りにコナツを勧誘する。 「ほら…コナツ、やりたいんだろう」 「別に」 コナツは本当は少しだけ興味があったのだが、興味のない者まで無理に仲間に引き込もうとする周囲の雰囲気が嫌で、無関心をきめこんでいた。 モリタはコナツがいらだっているのに気付かぬ様子で、しつこくゲームを押し付ける。 「我慢するな、ほらほら」 「うるさい!」 コナツは我慢出来ずにモリタを怒鳴りつけてしまう。 モリタははじめびっくりしたような顔をしていたが、やがてひどく落ち込んだ様子でうなだれてしまった。 コナツはその顔を見て罪悪感を感じたが、一度怒鳴ってしまったものは取り返しがつかない。 それから、その場面を偶然目撃していたしだり川は、家に帰るとすぐにそのことを自分の感想を添えて日記に書いた。 2008/2/4 (Mon.) 20:46:17 朝、モリタは授業が始まる前の浮いた時間を、自分の席でぼーっとして過ごしていたところ、 携帯電話が制服のポケット内で小刻みな振動を始めたことに気づいた。 振動を続ける携帯電話を取り出し、発信主を確認すると、モリタはぎょっとした。 (小夏!?古名瀬小夏から電話だと?) 普段、滅多に電話などかけてくることの無い小夏から電話がかかってきたのである。 非常にめずらしいことなので、モリタは緊張しながら電話に出た。 「・・・・・・私だ」 「はは、何それ(笑)私、小夏だけどさ、モリタはもう学校に着いてるかな?」 「ああ、もう一時限目の準備まで終わっているぞ・・・何かあったのか?」 「いや、ちょっと寝坊しただけで、大したことは無いんだけどさ、 運が悪いことに、今日は日直なんだ・・・ おそらく、学校に着くのは一時限目が始まる直前になると思う。 ・・・だからさ、悪いんだけどモリタ、私の代わりに日直の仕事しておいてくれないかな? もちろん朝の分だけでいいんだ・・・頼まれてくれるかい?何かお礼はするからさ・・・」 お礼、と聞いてモリタはこの取引が自分にとって有益なモノであると感じた。 (あの小夏が、わざわざ借りを作ってくるなんて、 寝起きで頭が回っていないのか知らないが、これはチャンスだ!) モリタはこの取引によって生じるであろう見返りを空想し、思わず笑みがこぼれていた。 「そ、それじゃあ、私の言うことを一つだけ聞く、という条件でどうだ・・・?」 続かない 2008/2/6 (Wed.) 18:52:42 2月6日(水) 今日、学校のあとで、モリタは繁華街のカラオケにくりこもうと提案した。 その計画には気がすすまなかったが、彼女の嘲弄の的になるのがいやさに承知した。 わたしたちは、シェイクミックスと一緒に行った。店を出しなに、ひとりの改造人間にぶつかった。 モリタは、少々ラリッていたのだろう、その女をつきとばした。その女は、わたしたちの行く手をさえぎって言った。 「通りたい奴は、この怪光線を越えて行くんだな。」 入口の闇のなかに、義眼がぎらりと光ったのをおぼえている。モリタがふるえあがって後へさがる。 わたしとてこわかったが、マニュアルが恐怖を克服した。武器を引きだすふりをして、胸元のポケットに手をやると、きっぱりと言った。 「通りでかたをつけましょう。」 見知らぬ女は、今度は口調を変えて、答えた。 「気に入った。あんたらをちょっと試してみたかったのさ、ダチ公。」 そして親しげに笑った。 「ダチ公とおっしゃるのはそちらのご勝手ですがね」と答えて、わたしたちは通り抜けた。 義眼の女は一人でカラオケボックスにはいっていった。 あとで聞いたところでは、それはクロコダイルとか、獣王クロコダインとか、なんでもそんな名前で、気の弱いので有名な改造人間だった。 通りへ出てしまうと、それまで黙っていたシェイクミックスが、わたしをぴしゃりとぶって、大げさに叫んだ。 「三人いて、銃士がひとりか。よお、マニュアリスト!」 モリタは、自分のひるむところを見られたことで、決してわたしを許さなかった。 2008/2/11 (Mon.) 03:03:12 まるで病院の通路のような場所を、小夏は二人の男に連れられて歩いていた。 (あれ?どうしてこんな事になってるんだろう。今までの過程が思い出せない・・・。 夢・・・なのか?だとすれば、ずいぶん変わった夢だなぁ。) 通路の先に大きな扉があった。その扉を抜けるとさらに大きな扉があった。 扉が開くと、そこにはモリタが待ちかねた様子で座っているのだった。モリタが言った。 「ようこそ小夏!突然連れてきてすまない。ちょっと強引だったかな。 しかし、これには理由がある。実は、もうすぐ世界中が炎に包まれて この世から人類が消滅する・・・この地下シェルターに居る人間以外はね。 ねぇ、小夏。ここでは私の好きな人たちだけを集めて住ませてあげてるんだよ。 その中でも、小夏は特別なんだよ。私と一緒にこの世界を作り直そう! きっとみんなが幸せになるし、みんな小夏の事も好きになると思うよ! そうだ、小夏が好きなファミレスもこの中に作らせたんだよ!後で一緒に行こうね!」 小夏はモリタの背後の壁に掛けられた掛け軸を見る。 (ウェルカム トゥ マイナイトメア・・・そういうことか!これは確かに夢だ。 それも、モリタが見ている夢・・・モリタは現実の世界を夢の世界と挿げ替える気なんだ! あの掛け軸はそれを私に気付かせる為に残した、彼女の最後の良心なのだ・・・。 かわいそうに、モリタは自分を他人とは違う特別な人間だと思い込んでいたけれど、 世の大勢の人々と同じ生き方を自分もしている事が許せなかったんだろう。 それでこんなちんけな世界に君臨して・・・そんな世界も面白いかもしれないな。 でも、モリタをそんな大悪党にする訳にはいかない。あの子とあたしが親友だというのなら! やるしかない。あたしの手で、あの子を始末してやろう。 思えば、あたしはこの時の為に魔法少女になったのかもしれないなぁ。) 2008/2/11 (Mon.) 20:44:21 家族が皆死んだせいで、主人公の少年が狂ってしまい 世界に復讐を試みるライトノベルを先日読んだ。 複雑な家庭環境や幼少時のトラウマで動機を説明しようとするのは、 話としては分かりやすいが、なんだか浅い。 逆に、先日読んだある漫画では、主人公の少女には家族がおらず 遠い親戚のおばあさんと二人で暮らしているのだが、 おばあさんが死んだときに少女は全く悲しまない。 これは上のような物語に対する一種のアンチテーゼとして機能しているが、 やはり少女の超然とした態度の原因を家庭環境に求めてしまうのは 私が俗物だからだろうか。 古名瀬は以前、人が死ぬのを悲しむのは その人を失う自分自身を悲しんでいるというような事を言っていたが、 (何の話だったかよく覚えていない。私は記憶力がすごく悪い) もし父が死ぬようなことがあって、全然悲しくなかったなんて言ったら 古名瀬はどんな顔するだろう? そもそも父の話自体したことがなかったか。 話す機会がないし。古名瀬は私に何も質問しない。 だいたい、唐突に身の上話なんか始めたって、 引かれるぐらいならまだ良い方で、古名瀬の事だから こちらの思惑なんか見透かして安い不幸自慢ぐらいにしか捉えないだろう。 ……父が死んだら悲しいだろうか? ……想像もつかない。 いや、そんなことは想像しなくて良いのだ。だいたい、 こんなことを考えるなんて不謹慎だぞ。お父さん、ごめんなさい。 でも毎日看病してあげてるんだから、これくらい許してくれるよね? 2008/2/12 (Tue.) 21:01:50 小夏「こんな話があるんだ。ある村に都会から男の子が引っ越してきた。村の人達は優しくて、友達もすぐ出来た。 ところが、村で恐ろしい殺人事件が起きてしまう。しかも村の人達はそれを村の神様の祟りだと思い込んでいて、皆が大パニック。 これは祟りに見せかけた殺人事件に違いない、一体誰が犯人なんだ!? ・・・と思っていたけど、実は本当に神様の祟りだったんだ。」 昨夜「それで、どうなったの?」 小夏「さぁ、知らない。そこで読む気失せちゃって・・・。」 昨夜「あー、なんかわかるわ、その気持ち。」 2008/2/15 (Fri.) 15:41:21 「バレンタイン終了を祝ってチョコレートを食べる風習が日本にはあります。」 カズサはもちろん、高遠さんからチョコを貰えませんでした。 誰からも貰えませんでした。 「ふん、バレンタインだなんてばかばかしい」という主張を繰り返しているので、態度には表せませんが、微妙な気分です。 ユズルとか顔可愛いし案外もらってるんじゃないか?とか、 シュンはどうせ水谷香歩とかから貰うんだろ?とか、 そういえば川林は女と同棲して…みたいなことが頭をよぎりますが、 「何を考えてるんだ! 他人のことなんて関係ない!」と思い直す。 でもなんかモヤモヤして…。 一方シュン君は前髪が邪魔で前が見えません。 2008/2/17 (Sun.) 18:42:19 カズサ達のクラスで、音楽鑑賞の授業があった。 有名な現代音楽作品で、打楽器のみのアンサンブルで構成されていた。 シェイクミックスは、演奏が始まって1分もしないうちに、 ことさら大きな音を立てて席を立ち、教室を出て行ってしまった。 カズサは、その曲を一聴してかなり気に入った。 彼は、姉に対する反動もあって普段ほとんど音楽を聴かなかった。 また、音楽を聴いて何となく気に入ることはあったが、 その感動を的確に表現する言葉を持たないので、 中途半端に感想を表明するべきではないと考えていた。 ただ、彼は授業に対しては真摯に取り組むべきだと考えていたので、 無理して感想を書き提出したが、自分の感想の稚拙さに辟易してしまった。 悔しくて、クラスメイトに感想を求めてみたところ、 「良く寝れた」とか「芸術って感じだった」とか 「先生手抜きじゃねーの」とかの答えしか返ってこず、 誰も正面切って自分の意見を表明しないことに落胆した。 そこで、高遠優子なら真面目に感想を述べてくれるのではないかと思い、 さっきの曲をどう思うか訊いてみた。 高遠は、特に何の感想も抱かなかったので、困ってしまった。 他の生徒は、何らかの感想を持ちながらそれを表明しないだけだったが、 高遠は、本当に何とも思わなかった。 2008/2/26 (Tue.) 21:13:29 悪の組織ギガンダー(仮称)もいよいよ追い詰められ、 正義のヒーローっぽい五人組にアジトを襲撃されて窮地に立たされた。 そこで博士は、クロコダイルに巨大化光線(もちろん失敗作!)を浴びせて形勢逆転を図った。 何故か上手いこと巨大化したクロコダイルは、誰もの予想を裏切るほどの圧倒的強さを見せ、 正義のヒーローっぽい五人組をいとも簡単に蹴散らし、撃退に成功した。 なんだか今日はいけそうな気がしたクロコダイルは、 そのまま正義のヒーローっぽい五人組の本拠地を潰しに行った。 しかし、不幸なことに、正義のヒーローっぽい五人組の本拠地の間近で、 クロコダイルの好きなバンドがライブを行っていたのである。 過去に、自分に関わった好きなバンド(と、言ってもたまたまそこに居た、とかそういう類) を何度も戦闘に巻き込まれて死んでしまっていたので、 今回も戦闘に巻き込んで死なせてしまうのではないか、 とクロコダイルは思い侵攻を躊躇していると、 自衛隊と思わしき戦闘機や戦車がたくさん出てきて、攻撃してきた。 攻撃は全然効かなかったが、撃墜した戦闘機がライブ会場に墜落したり、 流れ弾が飛んでいくといけないので、クロコダイルはライブ会場を守るように座り込み、無抵抗に徹した。 最初のうちはたくさん攻撃を受けたが、そのうち相手も分かってくれたのか、 攻撃を止め、ライブ会場に居る人達の避難を指揮するようになった。 それを見て、クロコダイルはあたたかな気持ちになり、今日はもう帰ろうと思った。 しかし、ここで帰って来た正義のヒーローっぽい五人組のニューウェポンによる必殺技が炸裂。 それを後頭部にまともに受けたクロコダイルは、ライブ会場へ前のめりに倒れこんでしまった。 その衝撃で両目の義眼が取れ、その義眼はもちろんクロコダイルの好きなバンドのメンバーを直撃。 地面と義眼の隙間から真っ赤なアレが染��出したところでコマーシャル。後半に続かない。 2008/2/27 (Wed.) 15:13:05 お前がいた頃は 目を合わせることも出来なかった お前はまるで天使だ その柔肌には涙が出るよ お前は羽根のように 清らかな世界を舞う あたしも特別ならよかった お前は最高に特別だよ でもあたしはしらみだ あたしにはモリタ程の才能もない こんなとこで一体何をやってるんだ ここはあたしの居場所じゃないのに 2008/2/27 (Wed.) 19:03:22 広大なネットのことだ、たまには間違いも起こる。つまりはデータの配送ミスというわけである。 郵便物において起こることが、ましてデジタルの世界で起こらぬわけがない。 2進数32桁もの数値の組み合わせからなる膨大なアドレスへ向け、ほとんど無秩序に毎秒発信されるパケット群。 それらのすべてがすべて、きちんと宛先に届くなどと期待する方が土台無理があるというものだ。 気付いていないだけで、案外しょっちゅう君のデータは間違った場所に届いているのかもしれない。 また、君も毎日不要なデータを受け取っているわけだ。 ただそれが、例えばファイルの一部とか無意味な符号とか、重要でないものだから気付いていないだけかもしれないのである。 そういうわけで、コナツのディスプレィに「しだり川の裸足を写した画像」がそっくり届いた。これも当然考慮されるべきことだったのである。 2008/2/28 (Thurs.) 00:03:10 最近は知り合いに勝手に通り名をつけるのが流行っている。 「そうねぇ、彼女には『水色アルカイダ』とか、『国産舶来アンテナ』なんてどう?」 「かっこいい! 私も普通と違うような名前ほしいな」 期待の眼差しを向けられているのに気付いて、コナツはわざと視線を外した。 「……。」 「通り名に皮肉を入れるのは……その、えっと、古名瀬さんらしくて面白いと思います…」 コナツはその言葉に振り向くと、今度は無言で見つめて少し笑う。 (指摘しようとしたくせに自信ないもんだから言いよどんで、逆に皮肉を言ってしまうなんて。 気付いてないんだろうな。面白いから後で教えてあげよっと) 「コナツのために私も考えたよ!『詩的殺戮者の不機嫌(キリング・ワーズ・ジェノサイド)』 『善悪不一致』『The Lust Future』『ツンデレエイローネイア』……いっぱい考えたよ!」 「うわぁ…やっぱりアンタはこういう厨二っぽいの得意よね。でも多分それスペル間違ってるし……ツンデレじゃねえ!」 「えへへ。それで、私もコナツに何かかっこいい名前を付けてほし……(ry」 その時、急に扉をひらいてやってきた小柄な少女はまっすぐに一同の元へと歩み、 会話をさえぎるようにして誇らしげにノートを掲げて見せる。 「皆さん! かっこいい通り名を作れるマニュアルができました!」 「……何それいらない」 「!?」 「……あのね、私もかっこいい名…(ry」 2008/3/5 (Wed.) 02:28:08 「りつりんって、ニックネームじゃないのか」 「なんか、そんな感じの名前の芸能人、いたよねー」 「ええ…次は何をにぎりますか?」 「まだ考えてない!魚以外!」 「あたしはエビ!」 「またエビかよ…たまには他のにしろよ…」 「じゃあ、この灰色のエビっぽいの!」 「蝦蛄ですね」 「そうそう、こういう話、知ってるか?」 「知らない!」 「まだ聞いてないだろ!」 「嵐があったとする。 船がいっぱい沈没する。 すると、その辺りでは蝦蛄だの蟹だのが沢山獲れて、しかも味がいいんだ。 何故だと思う…?」 「わかんない!」 「…考えたくない」 「へへ、りつりんちゃんはどう?ヒントは、食物連鎖」 「えーと…」 (なんだか変なお客さんだなあ…早く帰らないかなあ…) 2008/3/6 (Thurs.) 19:08:51 少女A(女子高生。少女Bを崇拝している) 少女B(少女Aと同じ学校に通う生徒。フランス文学が好き) 少女C(昨夜) A「古名瀬さん、こんなところでどうしたんですか?」 C「あれ? えーと、誰だっけ? そうそう、しだり川さん」 B「やあ、奇遇だね。バイト?」 A「ええ」 C「ねえ、これから二人でバリに行くんだけど、しだり川さんも一緒に行かない?」 A「パ、パリ?」 C「それはフランスでしょ」 A「すみません、濁点が読みにくくて」 B「そんな話はしてない」 A「古名瀬さん、どうしたんですか? 顔色が」 B「一杯引っ掛けてきた、これからもう一軒いくところ」 C「そんな話はしてないでしょー」 B「英語で言うとバンコクビックリショー」 A「(なんだこの二人、か、からみにくい)」 B「しだり川、しだり川って綺麗な髪の毛してるね。うなじとかも」 A「えっ? あっ、ちょ……はうっ」 C「お、いいねいいねー」 A「何が!?」 この後むりやり一行に参加させられるしだり川。数時間後、 酔いつぶれた二人を自宅に連れ帰ることになる。 はたしてコナツは裸足を見られてしまうのか! 2008/3/6 (Thurs.) 21:46:53 裏をかき、裏をかきしているうちに、犯人が無差別になっていき そのうちに本当に好きなものを書こうと思っても書けなくなってしまう。 未熟な自分をさらけ出すのが怖くて、 無様な自分をさらけ出すのが怖くて、 奇をてらうのは、愚かしい。 かわいそうに。 2008/3/7 (Fri.) 20:58:24 美巡「おろかなニーチェが狂った理由は、常識を疑いすぎたからだったそうだが、 私は素直に常識を信じてるが、狂ってしまったぜ・・・。」 -- 美巡ちゃんはまれに自分で料理することがある。 今日の料理は味噌抜きの味噌汁、タイトルは「汁」。味噌の代わりに塩を1kg使っている。 「じゃあ『塩汁』でいいんじゃない?」という考えも頭によぎる。 具はキャベツの葉一枚。実際に食べるかは本人の自由意志。 2008/3/9 (Sun.) 23:54:24 「フハハハ…!」 モリタの静かな嗤いが彼女の部屋に響��た。 研ぎすまされた刃の爪。その先端まで神経が巡り、空気のほんのわずかな揺らぎさえも感じられるほどに鋭利な輝きを放っている。 ついに我が腕は鉄の爪と一体化し、無敵の凶器と化したのだ。 もはや誰の手も及ばぬ至高の存在。何人たりとも立ち寄れぬ境地へと至ったのだ! これでコナツに振り向いてもらうことができる。 あの冷たい瞳を。寂しい眼差しを。その細く白い手に手をつなぎ、毎日一緒に帰ろう! ──嗚呼モリタ! しかしお前はあまりにも無知! 確かにお前は非凡。だが! お前の真実の才能は決してその爪にあるのではなかった。 少女はその部屋の外にある絶望を知らない。己が信じる爪の鋭さに狂うことはできても、その脆さを知らない。 そして少女は扉を開く。 2008/3/11 (Tue.) 04:58:06 マニュアル・ライフのアニマル アベレージこそがハッピー ポリシーははがれおちても OK 2008/3/12 (Wed.) 14:30:29 コナツが怪我をした。 その日、モリタとコナツは廊下で喋っていた。その日コナツは上機嫌だったので、モリタは嬉しくなり、気分が高揚していた。 しだり川はそれを嫌そうに遠巻きに見ていた。 それでコナツがふざけたことを言ったとき、モリタはコナツの肩を叩いて笑ったのだが、いささか力が入りすぎてしまい、コナツはバランスを崩した。 コナツはよろめき、廊下を走っていた男子生徒と激しく衝突した。モリタは慌てて駆け寄った。コナツは肩が痛いと言った。 モリタは何回も謝ったが、コナツが痛そうなふうでもなくその謝罪を聞き流しているのを見て、大したことはないと思い、またおしゃべりを始めた。 コナツはずっと眉をしかめていた。モリタの肩を叩く手は少しは優しくなった。しだり川はそれを嫌そうに遠巻きに見ていた。 翌日、コナツは学校を休んだ。モリタは怯えた。しだり川はそれを嫌そうに遠巻きに見ていた。 モリタがケーキを持ってお見舞いに行くと、善良そうな妹が出迎えた。コナツの部屋に通された。 その部屋はなんだか甘い匂いがした。コナツは包帯を巻いてベッドにいた。 「やあ、モリタか」 モリタはその痛ましい姿に怯え悲しんだ、それと同時になんだかそれを綺麗と思った。 モリタが恐る恐る休んだ理由を聞くと、昨日帰宅しても肩の痛みが消えず、医者に行きレントゲンを撮ったところ鎖骨が折れていたという。 腕が使えないので、学校はしばらく休むそうだ。 「ごめん、ほんとにごめんね、コナツ……」 「ああ、いいんだよ、モリタ……」 モリタは嫌われただろうという思いでほとんど泣きそうになり、 コナツはもしかしてこの子はわざとやったのだろうか、いやこの子にそんな勇気などない、と逡巡していた。 モリタはケーキをコナツに渡した。しかしベッドサイドのテーブルに、明らかにケーキを食べた痕跡があった。 皿と、クリームのついたフィルムと、フォークである。 「ああ、さっき、ぶつかった男子が母親と謝りに来て、ケーキ持ってきたんだよ。馬鹿だよねえ、ケーキなんかあったって治らないのに」 モリタは何も言えなかった。 モリタは帰宅した。コナツの怪我の一因は自分にもあると、母親に告白してその男子のように正式に謝りに行かなければいけないかもしれないと思ったが、怖くてできなかった。 2008/3/13 (Thurs.) 15:01:07 昨夜「当時のマネージャーの川林は、『こんなバンド名じゃ契約が取れない』って言ってたけど、 ボクは『OK、じゃあバンド名を川林竹光にしよう。川林竹光か銀河最強・究極2号かどっちかだ』と言った。 すると3ヵ月後には契約を取ってきたよ。銀河最強・究極2号でね。」 2008/3/17 (Mon.) 15:01:14 私には家族がいない。恋人も友人もいない。 居るのはサイボーグとワニだけだ。 サイボーグに名前をつけて妄想の世界で敵と戦わせるのが唯一の楽しみだ。 そんなサイボーグ工場も先月不渡りを出し次で倒産となる。 酒の量は増え妄想の世界に逃げる時間も長くなった。 もうだめかもわからんね。 この前私の妄想がTV番組になったものを子供が喜んで見ていた。 地球が粉々になればいい。 2008/3/21 (Fri.) 15:48:15 モリタが みじかいくつしたを はいてきた コナツ「なんだそれは!」 モリタ「痛た・・・なにも殴ること」 コナツ「うるさい! お前がわるい! だいたいそんなの校則違反だぞ!」 モリタ「いいじゃん」 コナツ「よくない!」 しだり「どうかしたんですか?」 コナツ「しだり川もちょっと見てくれ、こいつの靴下を!」 しだり「え・・・あっ!」 モリタ「な、なに?」 しだり「そ、そんなの・・・! モ、モリタさん、おかしいですっ!」 コナツ「そうだ、モリタはおかしい!」 モリタ「そうかなぁ・・・」 2008/3/26 (Wed.) 00:41:19 誕生日だというのに、モリタは、一人だった。素敵な友人達はみんなどこにいるのだろう。 コナツ、昨夜、高遠、シェイクミックス、カズサ、ユズル、メケコ、めぐみ、凛、チート、あとしだり川たち。 今日、みんなはどこにいるのだろう。 他の所に住んでいる父親から来たバースデー・カードを、モリタは悲しそうに見た。モリタの所に届いた唯一のバースデー・カードだった。 「自分のまわりに友人の一人や二人当然いてもよさそうなこの日にこんなふうに一人ぼっちでいるのが納得いかない」と、モリタは思った。 とにかく彼女はバースデーケーキの火を吹き消していった。そしていきなり、ドアに楽しげなノックの音が聞こえた。 今このドアにノックする人は、一体誰だろう。彼女はドアを開けてみた。 そして、そこに立っていたのは、誰あろう、彼女の友人達だった。 コナツ、昨夜、高遠、シェイクミックス、カズサ、ユズル、メケコ、めぐみ、凛、チート、あとしだり川たちではないか。 入ってきておくれ旧友たちよ親友達よ。大きな微笑をうかべて、モリタはよろこんで友人達を部屋の中に迎え入れた。 冗談を言っては笑い合いながら部屋の中に入ってきた友人達は、「ハッピー・バースデー、モリタ」と叫び、更に心からなるあいさつをした。 そして彼らは全員がモリタに飛びかかり、「これまでずっと、お前は嫌いだったのだ。 お前のことを友人だと思ったことは一度だってなかったのだよ」と叫びつつ、たいへんな勢いでモリタの頭を殴りつけていった。 みんなはモリタを殺してしまったのですが、とにかく彼女は友人達に囲まれて死んでいったわけですよ。 昔からのつきあいである友のモリタよ、ハッピー・バースデー。 2008/3/26 (Wed.) 16:05:07 ひょんなことから、小夏と昨夜の仲が気まずくなった。 具体的に言うとエッチな事件だったので、たいへん気まずくなった。 2008/3/27 (Thurs.) 14:33:32 しだり川。あのこもつまらんことをしたなあ! なんだって、あんな下らない真似をしでかしたんだ。へん、自分が英雄のつもりだったのかね? アタシは別に死んでもよかったのに、いや、つまらんことを考えるな、コナツ、よせよせ! ばかばかしい。まったくどうかしてるんだな。 ふん、だけど、彼女が自分に酔ってたことは確実だな。いい気なもんさ、こっちは大迷惑、迷惑千万! これが僕の愛、これが僕の心臓の音、とかね。 さてもさても、へっへ、お涙ちょうだいって訳だ。おやおやこれは。よくよくのことだぞ。 だけどね、アタシは酔わないよ。そんなことは許しません、アタシは酔わない。彼女がどう死のうが、さうです、かのぢよは死にました、これで仕舞いさ! まあ、なに、だけど今日一日くらいは悲しいふりもしといてやろうか、たれびとも世人に倣いてなりふり決める、それも世塵の処し方なれば、へへ。 モリタのやつ、同情するだろうな。案外怒るかしら。昨夜は何か気付くだろうさ。 しだり川。だけど、本当に死んだのかな。騙されてるかもしれない。あいや、もしか、あれは夢か。 へええ、どうした古名瀬小夏、ふん、お前もつまらん人間だな。責任逃れか何かのつもりか、関係ないさ。下らん。 えいえい、止めだ止めだ、いやなこった。まったくいやだ。いやだ、いやだ。いやだ。本当に、アタシはいやだよ。 しだり川。 2008/3/31 (Mon.) 01:09:42 クロコダイルが、真壁マリと、仲良さそうに話している。 **************************************** 「ねえ真壁さん、博士って、何の実験をしてるの?」 「さあ…でも、前やってた実験の話なら、聞いたことがある。 エチオピクスダイヤルってあるでしょ? 胸につけて回せば…」 「何をされても、しあわせ!」 「そうそう、それそれ。 で、その実験の時にねずみを使ってたんだけど、どこかの調節が不完全で、一匹ずっと幸せなままになっちゃったの」 「別に、いいんじゃないの?ずっと幸せなら、それはそれで——」 「不完全なままじゃ、製品にはならないでしょ」 「そ、そっか」 「そんなわけで、博士はちゃんと不幸せも感じるように、ダイアルを調節したんだ」 「あ、わかった。調節が��敗して、ねずみは、ずっと不幸せになっちゃったんでしょ?」 「残念、ねずみは幸せも不幸せも感じられるようになったんだよ。でも、確かに調節は失敗しちゃったんだけど……」 「どういうこと?」 「何をしたら幸せで、何をしたら不幸せかが、アトランダムになっちゃったの。 満腹になっても、幸せになるとは限らないし、電気ショックを受けても、不幸せな気持ちになるとは限らない。 全く同じことをしてても、それは同じで、喜びと絶望が不規則にやってくる。 だから、ねずみは自分が何をしたいのかが分からなくなって、ご飯も食べなくなって、死んでしまいました」 「うええ……」 (ねずみさん、可哀相だなあ。でも、待てよ。これは本当にねずみの話なんだろうか……) 2008/4/3 (Thurs.) 22:12:46 深夜に父から電話があったらしい。 なんでも近々こっちに一時的に帰ってくるだとか・・・。 朝食を食べているとき、母が姉とそんな話をしていたのだ。 (金にしか興味がないやつがなんでまた・・・) カズサはそんなことを考えていた。 母親は「うれしい」だとか「よかったぁ」とか頻繁に言う。 (度が過ぎている気がする・・・) カズサはそう思った。 これは、以前コナツが言っていた"認知的不協和"ではないだろうか。 つまり、母はあんな醜男と繋がりを持ったという不協和を下げるため 「結婚してよかった」と認知を変えて その不協和を解消しようとする。 カズサは悲しくなった。 (母さんはやっぱり・・・、 いや、だからこそオレがしっかりしないと駄目だ。) それから、カズサは学校へ行くため靴を履き 父親がいるであろう方向を、じっと睨んだ。 「いってきます」 そう言うと、カズサは玄関を出た。 ---------------------------------- 兵藤カズサのような人間を見ていると 葛藤こそがこの世で最も美しいものではないだろうか・・・ と思えてきました。 そんな人間に私は成りたいのです。 2008/4/4 (Fri.) 23:10:05 しだり川は、映像の為のアイディアをまとめて山女めぐみのところへいきました。 するとそこで山女めぐみが以前製作したという映像を見せてもらうことになりました。 それは簡単にいうと、さまざまなものが泥で汚れてゆく様子を撮影し、それを逆再生したものでした。 泥まみれのものから泥だけがきれいに落ちてゆくように見えます。 (出来ることなら、古名瀬さんの足を、はだしを、こんなふうに撮れれば。きっと美しい絵になる。 ああ、でも、いけない、彼女の足を汚してしまうことに! 例え一瞬でも、なんてことを考えてしまったんだろう!) その日の夜は、まんじりともしていられなかったしだり川、翌日コナツを見て何かうしろめたいところがあったりするのか、どうなのか。 2008/5/5 (Mon.) 12:17:42 「羞恥は高慢の外套である」 「愚者もその愚に徹すれば賢くなるだろう」 「人間のいない所、自然は不毛である」 「過剰は美である」 「愚者の非難を聞け! それは kingly title だ!」 「他の人が愚かでないなら、われわれが愚かなのだろう」 「女性の裸足は神の作品である」 2008/6/12 (Thurs.) 23:55:35 モリタに対する自論の展開 モリタが普通じゃないと言われてこうも喜ぶのは 天才願望があるからだ と推測する。 つまりモリタは天才になりたいのだ。 天才と呼ばれる人はなにかが欠落している。 私は、変人こそが天才にもっとも近い存在だと信じている。 常人と呼ばれる人はその普通と呼ばれる範囲を超えない。 いや、超えようとしない。超えると失笑が待っているからだ。 社会からの他人からの冷たい視線を浴びたくないからだ。 もし浴びてしまうと社会的な地位が下がってしまうからだ。 そういう教育を受けてきたからかもしれない。 惰性で生きましょう。周りに合わせましょう。 その方が企業にとって、社会にとって都合がいいのです。 なにかがぶっとんだ人間は扱いにくいのだから だからこそ普通じゃないと言われると喜ぶのだろう。 「ふふふ!私は遂に常人の域を超えたのだ!」と喜んでいるモリタが目に浮かぶ。 それに、欠落した存在の方がモリタにとって都合がいいのである。 なぜかというとそういう存在はやはり目立つのだ。 目立つことができればコナツの目を惹くことができるからだ。 そうすると結果的にモリタにとって利になる。 なんだか、あまり目立たない子が虚言によって人から注目を浴びる現象に似ている。 なぜ私はこんなことを書くの��ろうか なぜなら私も普通じゃないと言われるとうれしいからなのである。 2008/6/18 (Wed.) 10:40:30 「たいへんなことをしてしまったぞ」 しだり川は興奮していて、心底困り果てていました ポケットのなかには古名瀬さんの靴下・・・しだり川はあたりを見回します 「ふう・・・ひとまずはばれてないようだ。 しかし、これからどうしよう」 そっとポケットのなかに手を入れてみて、その温もりに驚いて、狼狽して手を引き抜きます しかし、やがてすぐにばかばかしい、と思い直しました ポケットに入れていたから、温まってしまったのだ。なにも彼女の体温というわけではない しかし、理性ではそう認識できても、高まる心臓の鼓動はそう簡単に御せません 今しがた、彼女の一部分に触れたばかりの自分の右手から、彼女のオーラが漂ってくるような気がして・・・ 「しかし、わたしがこれほどのへんたいだったとは」 2008/6/24 (Tue.) 10:43:36 (今日はお腹もペコちゃんだし、焼肉屋にでも入るか) 店の戸を開けると店員がやってきて「お一人様ですか?」と詰め寄る。 (別に来ようと思えば友達誘って来れるが、今日はたまたま一人だっただけだ・・ほっといてくれ) しだり川は「はい」とだけ答えた。 店員が威勢良く「ご新規一名さま入りまーす!」と声を張り、奥の座敷に案内する。 正直、座敷とは予想外だが、靴下までならOKという覚悟で来ていたため、 物怖じせずに靴を脱ぎ、座敷へと上がる。 「カルビ定食とオレンジジュースください」 「カルビ定食なに?」 聞こえずらかったのか店員が聞き返してくる。(どうもタイミングが合わないな) なんとか注文を頼み終えると落ち着いたのか、あたりを見渡す余裕ができた。 (休日のお昼時だからか?結構混んでるな) 後ろにしきりを隔てて家族連れが。左壁にメニューが貼ってあり、 正面に自分と同い年ぐらいの三人組が店員に案内されていた。 (なにやら姫とか呼ばれているが、あだ名だろうか?) そして右側が通路になっていて、座敷下に自分の靴が置いてある。(それにしても遅い) 回りがワキワキと食べ続ける中、自分の注文がなかなか来ない事に苛立ち始めていた。 すると店員が皿を持ち、こちらに向かってくる。(やっと来た) しかし店員は横を通り過ぎ、さっき来たばかりの三人組のテーブルへ行ってしまった。 「海老のチリソース、お持たせしました−」 「わ−い、海老大好き」 この事に対し若干怒りが沸いたが、すぐに自身をたしなめた。 (マニュアルを思い出せ。怒りは無謀によって始まり、後悔によって終わる・・。 早く仕上がった品がたまたま向こうにいっただけじゃないか) しかし、決定的な事件は起きた。 「そしてこちらカルビ定食になります♪」三人組に出されるカルビ定食。 ついにしだり川の怒りは頂点に達した。 (空腹な中、待った仕打ちがこれか! 私の存在はどうとでも良いというのか! 店長に掛け合って・・いやいや、それだけでは済まさない! 店を潰してもらうよう本店の社長に掛け合って・・) 「カルビ定食大変お待たせ致しました」 「あ・・はい」 皿を抱えながら声を掛ける店員。 「すいませんねぇ、お待たせしてしまって」 「いえ・・」 カルビの乗った皿をテーブルに置き、忙しそうに立ち去る店員。 (ま、まあいい。私が本気になればクレームを出して店を潰す事もできるが、 忙しかったようだし、ここで働く人も養う家族がいるだろうし、 今日のところは私が大人になれば済む話だ) 肉を焼いて食べ始めるしだり川。しかし今度はご飯がなかなか来ない。 (何をやってるんだ。焼き肉といったら白い飯だろうが。 よし、アンケートにマニュアルを見直ししてもらうように書こう。 もしかしたらこの秀抜な意見が社長の目に止まり、全店舗に私のマニュアルが採用されて、 一億円ほどの報酬が私の・・) 「ご飯お待たせしました−!」 「あ・・はいぃ・・」 ご飯がテーブルの上に置かれた。 正面をみると、三人組はもういなかった。うーん、どうもさっきからタイミングが合わないな。 靴を脱いだせいで歯車がズレたか・・。 帰り支度を始める家族連れを横目に、ひとりご飯と肉を頬張った。 2008/6/25 (Wed.) 12:29:42 (マニュアルがあれば・・。いや、よそう。 こんな普通じゃない発想は。もうそんな歳じゃない。) ただ惰性で生きる毎日を過ごしていた。 そんな折りだった。上司に客先説明用のマニュアル作成を頼まれたのは。 こんなに気持ちが高ぶったのは何年ぶりだろう。楽しい。 今日は上司に渡してあるマニュアルを評価してもらう事になっていた。 嬉々として上司と対面すると待っていたのは激しい怒鳴り声だった。 何を言われたのか良く覚えていない。 ただ自分の中にあった唯一の自信が無くなっていた。もともと仕事ができるわけではない。 周りとの能力の差に打ちのめされていく中、悲観的にならなかったのは心のどこかでマニュアルが支えになっていたのだろう。 できそこないの自分自身を保つためには、そうせざるを得なかった。 いま最後のストッパーが壊され、しだり川には何も残っていなかった。薄々感じつつも、意識したくなかった事実。 (私は何の役にも立たない人間だ) 結局、マニュアルは後輩が作る事になったらしい。 (私は本当に無価値な人間だ。今までの私の人生は何だったんだろう・・) できる事ならまた高校時代に戻りたかった。 (小夏さん、懐かしいな。モリタはいま何をしているんだろう。高遠・・) 高遠とは今でも会っている。高校の頃はバカにしていたが、 大人になるにつれ次第に彼女を尊敬するようになっていき、 いまでは唯一親友と呼べる存在になっていた。 自分は今まで悩みがあっても人に打ち明けた事はない。 相談する事は弱い行為だと思っていたからだ。 だがこの日ばかりは気が滅入っていた。考えなしに高遠に電話をかけた。 就職してからは2か月に一回会う程度になってしまったが、それでも彼女との会話は楽しかった。 今日あった事は一切話さなかった。 (高遠に自分が悩んでいる事を知られるのは恥ずかしい) ただ週末に遊ぶ約束をした。 電話を切った後、心が軽くなっていたのが、ハッキリとわかる。 高遠がいて良かった。 ふと携帯を見るとメールが一件入っていた。 見ると高遠からで[あなたの良いところ]という件名で私の長所がいっぱい書いてあった。 どうしてわかったんだろうとは考えなかった。ただその夜は声を出して泣いた。 2008/6/27 (Fri.) 19:01:12 学校の会議室に行くと、室内で小夏と昨夜が話していた。 昨夜は私に気を使ったのだろう。会話も途中で部屋を出ていった。 慌てて自分も出ようとすると、小夏が気がついた様子で、私に語りかける。 (まさか小夏さん���方から話しかけてくるなんて) しだり川は夢中で話していた。モリタの漫画のこと・・小夏の作品のこと・・。 どうやら彼女は門限があるらしく少しの時間しか話せなかったが、 彼女が作品に対して熱意を持っていた事が何より嬉しかった。 その事とは別の話になるが、芸術家は少なからず評価に左右されるように思う。 優れた芸術家には正しく作品が評価される場所が必要なのであろう。 そのためには芸術家は評価される場所を知らないとするのが1番良かったのかも しれない。 モリタの一件もそうだと思っていた。あの時はモリタの意図が知りたいと思った が、結局は卑怯な不意打ちになってしまった。モリタは普通ではないと見せてい るが、本当はただ作品が存在していれば良かったのかもしれない。それは嘘であ るが、もっとシンプルな話で作者と読者の間には余計なコミュニケーションなど 必要としていなく、作品に込められたメッセージを読者が読み取れば十分なのか もしれない。 私は彼女(小夏)の作品だからではなく、作品の作り手が彼女だから応援したい と思った。素直な気持ちとして、私の人生の中で一番の作品だ。 2008/6/28 (Sat.) 22:33:37 私には彼が何を言わんとするか具体的に理解できないし、 彼もそれ知ってて解り辛い表現を使っている以上、理解されないことこそ本望なのであろう。 難しくしたものを解いたからって真実に近くなるわけではなし、 そんな真実だって、それは難しさを理解するために己が生み出した妄想であって、 それを己の都合よく真実だと誤認し感動するのは愚かしいことである。 だから、これでいいのだ。 2008/7/2 (Wed.) 01:48:16 『暗号文解読マニュアル』 絶版となっておりました。 2008/7/4 (Fri.) 22:32:49 「不愉快だ!!」 金魚姫は激昂した。 あまりの怒りに我を忘れて暴れまくる。 水槽(もちろん空で、金魚はまだ入っていない) を手当たり次第に破壊しつくした上に、 水槽(こちらには金魚が入っている) を丁寧に机から降ろして、安全を確保したのちに 叫びながら丸裸の机を自分の武器で真っ二つにした。 ・・・それでも、彼女の怒りはおさまらな�� 「不愉快極まりない!!」 ただただ、彼女は叫んだ。 怒りの理由なんか、どうでもよかった。 2008/7/5 (Sat.) 20:17:54 撮影その1 とおまけの話 山女めぐみの召集で集められるメンバーたち。 どうやら山女が撮る映像作品の役者に選ばれたらしい。 小夏さんと兵藤カズサは室内での撮影になるので、 私たちとは別グループだ。 そういえば作品の内容を知らされていなかったな。 どうも、途中で終わっていた作品を完成させたいらしいが、 なんだろう? 外に出てウォームアップを始める高遠と昨夜。 見覚えのある光景に戦慄が走る。 まさか・・・。 ------------------------------------------------ ☆おまけの話☆ 「噂のマニュアルを注文したいんですが」 「鋭い方がいるようですが、ダメなものはダメです」 2008/7/7 (Mon.) 00:58:44 「なっ・・・何ですか この化け物は・・・?」 「これか?もちろんこれこそ我がテロ部の秘密兵器だ。 何でも破壊し、何でも食う。 好き嫌いしない。とてもいい子だよ。」 「まさか・・・最近町で行方不明者が頻発してるのは・・・」 「君がこの学校を爆破しようと地雷を設置しているのは知っている。 でもあの隠し方じゃすぐにバレてしまうよ・・・。 僕が特別に教えてあげる。 ただし テロ部への入部が条件だけど・・・」 「!?そんな・・・なぜそれを!?」 「見くびらないで欲しいな 僕はテロ部なんだ。 さて、そろそろお昼の時間だよ。 答えを聞かせてもらおうか もう 戻れないよ。」 2008/7/8 (Tue.) 21:21:20 撮影その2 山女めぐみとの会話 「最後のシーン。どうしてもイメージ通りの一枚絵が撮れなくて」 「いや・・なんていうか・・言葉では表現しずらいんだけど・・」 「フルーチェを食べながら空を飛んでる昨夜を、シェイクミックスが武器を乱射 しながら追い掛けている図というのを・・・」 2008/7/21 (Mon.) 00:15:44 ひとしきり咳をして 薔薇の花ほど血を吐いて そしてたちまち降り注ぐ、見知らぬ人からの寵愛に次ぐ寵愛!! 2008/7/30 (Wed.) 02:12:46 「ねーねー博士、いいこと思いついた。 私はさー、手を改造したでしょ? クロコは目、セネガルズは耳…あとなんだっけ?? まあいいや、とにかくいっぱいいるけど! これ全部あわせて、完全改造人間とか作ったらどうかな!? 体全部改造しちゃうの!絶対強いよ!絶対!」 …実際、過去に彼女はそれをやろうとしたのだ。 しかし結果は、無残な失敗だった。 改造人間達はそれぞれ色々なものが欠落している。 お箸は使えないし、傘の差し方を知らないし、起こされるまで目が覚めなかったりする。 そして体のほとんどの部分を改造された「完全改造人間」は、 実に、人間性という人間性を全て失ってしまっていた。 仕方なく、博士はそれをロボットとして使うことにしました。 **************************************************** 改造人間は、もう人間ではない。 エチオピクスは人間たちにダイアルを与えた。 ダイアルを回したものは、人間ではなくなってしまう。 **************************************************** 「へえ、どうしてまがい物の宝石を集めてるの?」 「芸術とは、内なる神への叫びであるべきだ!それがなきゃ屑だ」 「クローンのイチゴだっけ?あのでっかいの。そういうのもボク好きだよ」 (これは改造人間とは関係ない) 2008/8/4 (Mon.) 20:07:54 「粉砕!玉砕!大喝采−!!ワハハハ−!」 モリタの猛攻の前に崩れ落ちるモンスター。 (やったぞ!ついに難関とされるあのモンスターを倒したぞ。 ククク・・かわいそうにしだり川。隅っこの方で震えてやがる。 だが安心しろ。あの怪物はこの私が葬ってやったのだ。 それにしてもこれほど上手くいくとは・・!いつだったか、実は私はどこかの国 の王女で今くすぶってるのはみんなが私を騙して演技しているから、と思った事 があるが本当なのやもしれぬ。くくく・・今日は誕生日だ! この新生・モリタの誕生日だ!ワハハハハ−!) ---------------------------------------- (くそう・・モリタめ、調子に乗ってるな。 これではまるで、私が怯えて何もしなかったかのように見えるじゃないか。 だが、落ち着け。あの場はあれで良かったのだ。 私が攻撃される事でリタイアになる事だってありえたのだ。 すべてはマニュアルに従った私の・・・知的で冷静な判断の結果といえよう。 BE COOL・・BE COOL・・。そう、私はCOOLだ。) 2008/8/8 (Fri.) 17:21:20 悪い夢でした。 人間が金魚を飲んでいる! 御風ちゃんは顔を覆って目を逸らしたかったのですが、身体のどこかでだいじな神経が断絶してしまったようで、目を閉じることもできません。 事の次第はこうです。ご両親も出かけていて、一人でのお留守番に退屈していた御風ちゃんは、何というつもりもなく、テレビの電源をつけました。 一人の男が金魚鉢を抱えて登場します。何事か叫んだ後、その鉢の中に手を突き入れると…いえ、もうこれ以上はいえません。 それで終わりではありませんでした。いっそのこと、そこで終わっていた方がよかったかもしれません。 一度飲み込んだ金魚を、醜い動作で吐き出すと、男は得意げに微笑んだのです。 「ちょっとした冗談さ」とでもいうみたいに。 何がなんだか分かりませんでした。だけど、心の内側で御風ちゃんは期待していました。 画面の中のすべての人間、その外側の人間、観客席の者らまでが、わずかな沈黙から我を取り戻し、怒りの声を発しながら、 雷鳴のような素早さでその男をステージから引き摺り下ろし、当然の制裁を加えることを。その義憤を、常識人の、理性人のあるべき正義を。 しかし、いつまで経ってもそのような進みゆきにはなりませんでした。放送局の操作により画面が暗転し別の映像にすりかわるということすらもありませんでした。 和やかな雰囲気がそのスタジオには溢れています。拍手をする者さえいました。いえ、すべての者が拍手をしていました。 いったい御風ちゃんに想像することができたでしょうか。 人間は金魚を飲み込んでまた吐き出す、というあそびが大好きな生きものだったのです。魔物…魔物です。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。 御風ちゃんは自分の金魚に謝り続けました。そうするより他になかったのです。 もちろん、飲まれたのはこの金魚ではないし、飲んだのもけして自分ではありません。けれど、そうするより他になかったのです。 「私にもあの男と同じ血が流れている……一度飲まれて、その後吐き出された憐れな金魚を嘲笑っていた人間らと同じ血が……」 2008/8/10 (Sun.) 22:47:11 misson:Save the goldfish!! 「では、この金魚たちを全てすくうのだ」 「よしきた…ってこれ全部かよ!怒られるぞ!」 「話はつけてあるから大丈夫だ。シュンはこっちのたらいに、金魚たちを移すだけでいい。はいどうぞ」 「うう…しかもポイ一個かよ…」 「お前ならできる。自分を信じろ!誰も信じるな! 万が一出来なくても、殺しはしないから安心してね」 「ほ、ほんとか?」 「ちょっとしぼるだけ」 「やめろ!」 **************************** 「エビおいしー」 「それ、イカ焼きじゃないか…」 「ふふふ…まさか本当にやってのけるとはな、よくやった」 「いやそれほどでも…ところで姫、最近痩せてないか? 暑いからって食べないと体に毒だぞ」 「ちゃんと食べてる!栄養たっぷりだ!」 「ねーねーみんなでご飯たべよーよー」 「エビ子は食べすぎ!」 「よし、では褒美だ。晩飯をおごろう。家に行くぞ」 「うーなんだか、嫌な予���…」 2008/8/21 (Thurs.) 21:47:28 「えー? まあ…要するに、小説なんてつまらないことなのさ。 (中略) …そのことを私は自分の小説で実証するんだ。 そのためには凡そくだらないものを書かなきゃならない。 ばかばかしい、屑のような小説を。 人々が小説など全く読まなくなるようにね」 2008/10/17 (Fri.) 04:24:59 モリタ「こんな世界にはうんざりだ!もう死んでやる!」 コナツ「はいはい、死にたい、死にたいって、何回目だ。もう聞き飽きたよ・・・。」 モリタ「今度は本気だよ!絶対死んでやる。一体何人が、どれくらい悲しむか楽しみだ。」 コナツ「じゃ、せいぜい頑張って死んでね。私は帰りますので・・・。」 モリタ「・・・」 モリタ「どうして止めてくれないの・・・?」 モリタ「何か悩みでも、とか聞いてすらくれない・・。」 モリタ「・・・決めた。私は今からコナツのせいで死ぬんだ!」 モリタ「コナツが一生トラウマ背負い込むくらいの、どぎつい遺書も書いちゃうもんね。」 モリタ「そしてコナツは鬱病になって、私の後を追って自殺するんだ!」 モリタ「・・・でも、こんな私は地獄行きだろうな・・・。 い、いや、死ぬぞ。死ぬと決めたんだから。 今死ななきゃ格好つかないぞ、ああ、もう・・・。」 翌日、モリタは普通に学校に来た。おしまい。 2008/11/3 (Mon.) 02:21:19 「みてみなよ、モリタ。あれが彼なりの『けじめ』の付け方なんだそうだ。 まったく、馬鹿馬鹿しいったらありゃしない!! 滑稽だ!お笑い草だ!思考回路がいかれてる! あれじゃあ、ただの道化師とかわらないね。 おかげでさっきから笑いが止まらなくて困ってしまうよ。 ・・・うう・・・!・・くそ・・・!! ・・・なんだってあんなことをするんだろうか。 くだらない、くだらない、 ああ、もう まったく!!人間ってやつは!!!」 ・・・そんなコナツの激昂を聞きながら モリタはコナツのうなじのことを考えていた。 2008/12/11 (Thurs.) 00:55:48 ■アウター能力 世界を隔絶する程度の力。 正式名称は精神順応性事象疎外能力と呼ばれ、自分の意志(精神力)により目前に迫りつつある脅威から目をそらす、 あるいは認識すらせずに雑務を行うことができる。一時的な精神安静が得られるが、���いすぎれば最後には我が身を滅ぼす諸刃の剣。 「できるできないが問題じゃねえ 、やらないんだよ!!」 2009/4/12 (Sun.) 00:48:32 「あたしはしらみだ・・・!」 ------------------------------ 厭世的なコナツ 1 プレイヤーセレクト画面で"コナツ"にカーソルを合わせる。 2 R1ボタンを押しながら、十字コントローラーの右を6回押す。 3 ×ボタンを押しながら、キャラクターを決定して下さい。 コマンド入力が成功すれば、 厭世的なコナツが使用可能になります。 2009/4/12 (Sun.) 03:11:45 コナツは丘の上で磔にされた。 狂った女が槍を彼女に突き付ける。 丘に真っ赤な夕焼けが沈み、友人たちは皆泣いている。 と、コナツが「モリタ」と呼んだ。 モリタは驚いた。 自分などコナツの友達の中でも下の下だと思っていたのに、 彼女が最後に自分の名前を読んでくれるなんて! 驚きの後に深い感動があった。 「コナツ」と一声応えて丘を登っていくと、 狂った女が無残にもその両足を切り落としてしまった。 モリタはそれでも両手で匍って丘を登っていく。 すると狂女は彼女の両の腕までも切り落とした。 これでもう近づけまいと見ていると、モリタは顎を上下して必死に架台にずり寄っていく。 そのあまりに凄絶な姿を目にして、さすがの狂女も呆然としていると、 モリタがようやく架台の下へ辿り着き、コナツへ声を掛けた。 「…コナツ、何だい?」 「モリタ、ここから君の家が見えるよ」 2009/6/22 (Mon.) 05:02:22 わたしのような薄弱者が白鳥の衆に飛び入るなどとそんな馬鹿な真似をするからわたしは薄弱なのだ!! 2009/7/2 (Thurs.) 01:52:19 瞼を閉じよ。 それは神経の底に標されているもの。 つまらない幻。 死せる咎人の夢。 笑わない少女は扉を開かなくてはならない。 2009/7/5 (Sun.) 00:19:04 彼女の物語の孤独なステージ。 彼女以外の登場人物は彼女自身が消しました。
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詩集「Gemini -Evergreen Story-」
詩集「Gemini -Evergreen Story-」
1.ジェミニは風の中 2.太陽の踊り子 3.雨やどり 4.アイビー・ボーイも恋をしたい 5.嵐の夜に 6.時違い 7.21 8.心唄 9.愛のバラッド 10.サマーシャワー 11.ピュラスの独唱 12.Evergreen Story
(セクション表記:A〜G=Aメロ,Bメロetc…, S=サビ, I=導入, +=応用 )
ジェミニは風の中
街角ですれ違う 麗しき人よ その名はジェミニ
時を越える記憶 涙を駆ける�� いくつもの日々を越えて 君に風が吹くのさ
ピントを合わすまで 気付かぬ世界よ 君を知るまで すべてはモノクロだった
ジェミニは風の中 永遠(とわ)に輝く 後悔よ 憂鬱よ 昨日に置いてゆけ
まだ見ぬ未来へ…… アクセル
刹那に星は流れて 突然愛が終わる 時の魔法 消えぬうちに 風に乗り絆繋げ
視線を合わすまで 交わらぬ世界よ 君に逢うまで すべてはモノクロだった
ジェミニに恋をして いつしか別れた セピア色 問いかける 恋の行方は
どんなに辛くても…… アクセル
既読が付かぬまま 言葉は闇へ消えてく 青春色のセンチメンタル 衝動を塗り替えよ
涙を交わすまで 見えない真意よ 君と離れて すべてはモノクロになった
ジェミニが置いてった 解けないパズル まるで解れた後の愛みたいさ
悲しい時こそ…… アクセル
①【I・A・B・S・SⅡ】 - ②【A・B・S・SⅡ】-③【C・B・S・SⅡ】
太陽の踊り子
太陽の踊り子 麗しき若者 真夏に照らされて 最初の恋をした
チェリオの自販機 貝殻に頬赤らめた 幼少の僕が 今や懐かしい
突然の通り雨 家路へ急ぐ君が なんだか眩しくて 自然に追いかける眼
太陽の踊り子 麗しき若者 真夏に照らされて 最初の恋をした
でも届かぬ想いよ ふと我に帰る時 遥かなる愛の果てに 僕は大人になった
ウィンナコーヒー ココアシガレット…… 涙に暮れた夜こそ 生まれ変わるチャンスさ
太陽の踊り子 麗しき若者 真夏に照らされて 最初の恋をした
部活の仲間と 一緒に笑い合ってた 何も疑わず 好奇の対象だった
でも気づいたら独り 子供に取り残された 過ぎ去りし時の中で 繋がらない記憶の渦
愛なき抱擁に 何も感じない 夢なき接吻に 明日は見えない
過去から未来へ 太陽が昇るとき 永遠の詩口遊み 大人であること 放棄する
太陽の踊り子 麗しき若者 真夏に照らされて 最初の恋をした
僕らは大人になり ふと我に帰る時
あの時の僕は 何をしてたのかと 後悔の渦に襲われたなら 子供時代を振り切った証さ
未知との遭遇に 不安を覚えた夕立ち 出逢いと別れを重ねながら この人生をまっすぐに往くのさ
太陽の踊り子 麗しき若者 真夏に照らされて 最初の恋をした
でも届かぬ想いよ ふと我に帰る時 遥かなる愛の果てに 僕は大人になった
①【S・A・B・S・SⅡ】 - ②【A+・S・SⅢ・SⅡ】-③【C・D・S・E・SⅢ・SⅡ・S・SⅡ】
雨やどり
傘を忘れた 気持ちは憂鬱 走って帰る 道の途中で
いつも君に逢う 何故なのか?
声を交わす non no no no 同じクラス non no no no 別の世界で生きてくはずの 二人の運命が繋がって Uh…
雨やどり 命取り 君モドリ ハッピー・モード
雲の隙間に虹が見え 手を振り別れた瞬間 恋が芽生えた さよならの影に疼く青春
傘を忘れた 予報は雨模様 肩で息をして 君に逢いにゆく
もうここにいない わかってても
雨が運ぶ non no no no 時弄ぶ non no no no 同じ世界になった瞬間 二人の運命は離れ離れ Uh…
雨やどり 渡り鳥 君は去り アンハッピー・モード
晴れ渡る空が切なく眩しく 君を思い出す度 止まらない涙 言葉なき別れに嘆く青春
雨やどり 記憶辿り 君愛し マイユース
青空に再び雨雲を架け 虹の彼方へ 君を呼ぶ 人生は別れるために…… あるのだろうか?
①【A・B・C・S・SⅡ】-②【A・B・C・S・SⅡ】-③【S・SⅡ+】
アイビー・ボーイも恋をしたい
東京へ出た時 皆が大人に見えた 同じ学部の仲間も ひとつ先輩に見えた
お洒落なんか興味ないけど 今のままではダメだ なんとなく街へ出かけて 服と靴を選んでみた
悲しいほどに似合わない その姿に驚いた お洒落って難しいんだと 俺は俺なりに知った
アイビー・ボーイも恋したい 今は見習いでも
地元へ帰った時 「少し垢抜けたね」と言われた クラスメイトに会う度 並ぶのは似たような言葉
若すぎたから気付けなかったけど その言葉に秘められた意味 何度思い出しても 頬が赤く染まる
まるで熱に浮かされたみたく ふと我に帰った この街は人を変える そんな力があるんだと
東京生まれの君は気付かない 魔性の大東京
人の目なんか気にしたことない そんな僕だけど いつの間にか人の目気にして 大切なもの忘れてた
自分に合う姿 いちばん良い自分 お洒落って難しいんだと 俺は俺なりに知った
どんな街でも自分らしさ 忘れちゃいけないよね 恋をするならまず自分から 愛せる人になるのさ
アイビー・ボーイも恋したい 今は見習いでも
①【A・B・S・SⅡ】-②【A・B・S・SⅡ】-③【C・D・S・SⅡ】
嵐の夜に
ふたりきりガールズトーク 抱き枕 Hold me tight!! 雷鳴に怯えて眠れぬ夜は 秘密の話をしようよ
気になるあの人 あいつの点数 好きなアイドル ほしいものリスト
もちろん自分のこと 悩みも打ち明けよう 秘密基地みたいだ ドキドキが止まらない
嵐の夜に 朝まで喋ろう 眠気が来るまで 話し尽くそう ……プチョヘンザ!
何気ない会話が 今夜の主役になる 芝居は要らない ありのままでいい
もちろん眠くなる でも聞き逃したくない 身体には悪いけどさ 始まったら終われない
嵐の夜に 朝まで喋ろう 寝坊してもいい 話し尽くそう ……プチョヘンザ!
修学旅行の夜を思い出してほしい 今しか出来ないこと 全部やろうよ
嵐の夜に 朝まで喋ろう 眠気が来る前に 話し尽くそう ……プチョヘンザ!
夜明けまで待つから ふたりきりガールズトーク
①【A・B・C・S】-②【B・C・S】-③【D・S・E】
時違い
若葉が色づく頃 君はまだ若かった 冬服の袖を捲り 街を歩く五月の朝
いつものバス停で 偶然隣になった 毎日見かけていたから 顔を覚えていた
どうして話をしたか 今も思い出せない ひとつだけ確実なのは きっかけが僕からじゃないこと
時は流れて 季節も移ろい この街に君はいないよ それぞれの人生 君の行方は知らない
夏服に着替えた頃 少しだけ近づく距離 お互いの話をして たまに寄り道もした それが倖せだった……
夏休みが始まる前に 一度だけ遅刻した時 明日も逢えると信じていたけど 次の日は逢えなかった
想い溢れて 涙流れる この街に君はいないよ 男と女の友情 君の行方は知らない
永遠なんてないこと 僕は学んだよ 誓いの明日繋ぐために 今を生きてる
時は流れて 季節も移ろい この街に君はいないよ それぞれの人生 君の行方は知らない
忘れられぬ青春 ふたりの時違い
①【A・B・C・S】-②【A+・C・S】-③【C・S・D】
21
もうすぐ五年になるよね 君と出逢ってから 恋もした ケンカもした
いまの僕らなら いちばん合う気がする
共に歩いてるだけで 僕は倖せだった 愛を確かめなくとも 未来は輝いてた
今でも思い出す度 君が恋しくなる よく話した 夜も明かした
いまの僕で もう一度巡り逢えるなら
共に夢を見ていた 日々が倖せだった 息を確かめなくとも 明日に時めいてた
いまなら僕も 君の言葉がわかる 共に風に吹かれた 僕らは倖せだった
波に追われなくとも 青春を感じてた 共に明日を追いかけた 時代が倖せだった
嘘を確かめなくとも その言葉が総てだった
いまの僕で もう一度巡り逢えるなら
①【A・B・C】-②【A・B・C】-③【B・C・C+・B】
心唄
君と僕の関係 もう長い関係 不思議な関係 どうでもいい関係
ほどほどの関係 恋する関係 ケンカした関係 泣き明かした関係
腐れ縁の関係 最高の関係 一生続く関係 大切な関係
凹凸関係 おしゃれな関係 羨む関係 みんなが知ってる関係
昨日出逢った関係 今日知り合った関係 最近友達になった関係 生まれて初めて恋をした関係
関係ない関係 関係ある関係 これからもよろしくの関係 ありがとうの関係
All【A・A・A・A・A・A+】
愛のバラッド
悲しみの夜が 今日もやって来た 君との時間だけは 終わらないと信じてた
あの頃の俺達は ずっと若かったね 君が傍にいる 意味もわからなかった
夕陽に照らされて 自転車を押して帰った日 アヤメの花を握ってさ 約束したこと
今も覚えてるよ 忘れたフリをしたけど 些細なすれ違いが いつしか大きな傷になった
今だから言える 後悔してると 別れてもいいと言って ごめんね
安らぎの夜が 今宵も明けてゆく 君と共に過ごした日々が 無性に恋しくなる
思い出話に 浸りたくはないが 夜が深くなる程に 後悔が止まらないよ
泣き明かした夜は ずっと電話したよね アヤメの花は枯れたまま 月の光を浴びて
今も覚えてるよ 無かったことにしたけど 些細な嘘が 心のかさぶたを開く
今だから言える あの言葉の意味を 別れてもいいと言って ごめんね
君のことだから 新たな恋を育むだろう 俺なんかよりずっと立派な恋人 でも忘れられない 忘れてはいけないんだ 忘れてはいけない気がする 過去に縋るなんて こんなの俺じゃないけど 自尊心……
今も覚えてるよ 忘れたフリをしたけど 些細なすれ違いが いつしか大きな傷になった
今だから言える 後悔してると 別れてもいいと言って ごめんね
今だから言える あの言葉の意味を 別れてもいいと言って ごめんね 愛のバラッド
①【A・B・C・S・SⅡ】-②【A+・B・C・S・SⅡ】-③【D・S・SⅡ・SⅡ+】
サマーシャワー
Summer Shower…… Summer Shower……
今年の夏はやけに寒い どうしたものかと考えたら 別れたばかりの君の顔が浮かぶ
その場凌ぎの言い訳がバレた 君の髪に光る赤いバレッタ
気付かれなきゃいいだろ 軽い気持ちで I Love You…… 感じなきゃいいだろ 週末ホテルで rendez-vous……
すべてが甘すぎた 恋の終わり
Summer Shower…… Summer Shower…… 頬の傷が沁みる
今日はなぜだか胸が火照るぜ 君と別れて一年 今夜も知らぬ女(ひと)を抱く
仲間は「やめとけ」と言うけど 棄てられたままの理性
恋にならなきゃいいだろ 朝になればサヨナラ 見つめなきゃいいだろ その日だけ Instant Love
すべてが甘すぎた 若き日の過ち
Summer Shower…… Summer Shower…… 自暴自棄になる
愛の尊さも知らぬまま 知ってしまった別れの傷
気付かれなきゃいいだろ 軽い気持ちで I Love You…… 感じなきゃいいだろ 週末ホテルで rendez-vous……
恋にならなきゃいいだろ 朝になればサヨナラ 見つめなきゃいいだろ その日だけ Instant Love
すべてが稚すぎて すべてが未熟だった 最初で最後の恋夏(コイナツ)
①【I・A・B・S・SⅡ】-②【I+・A・B・S・SⅡ】-③【I+・B+・S・SⅡ・C】
ピュラスの独唱
何も知らない子供達 その夢は純粋無垢 世を知り尽くした大人達 醒めないでと祈る
真夜中のエチュード 無題のドラマ 悲しいほどの静寂が 涙の矢を撃つ
本当にやりたいことはなんだろう? 一体なんのために生きるんだろう??
そこに憂いはなく もっとも優雅なメディテーション
嗚呼 夜明けまで待っておくれ 嗚呼 目を覚ますな 涙を流すな
あなたは僕らの愛しい天使だ だから小悪魔のように笑わないでおくれ
蒼い星に生まれし希望よ 時代に抗う勇気はあるか あなたが大人になる頃に まだ希望を胸に抱けるか
嗚呼 夜明けまで待っておくれ 嗚呼 目を覚ますな 涙を流すな
純白の雨が降る 汚れなき命の息吹 何かを愛することも知らぬまま ぐっすり眠れよ
あなたは僕らの愛しい天使だ だから小悪魔のように笑わないでおくれ
地球が産まれた時 誰に想像できたか 七十七億人の星屑 今壊れ逝く運命を
嗚呼 夜明けまで待っておくれ 嗚呼 目を覚ますな 涙を流すな
神よ時を止めろ! あなたには見えるだろう 淀みなきユートピア さあ現実を見る前に 眠れよ 眠れよ 眠れよ 眠れよ
①【A・B・C・D・S・SⅡ】-②【E・S・F・SⅡ】-③【A・S・SⅢ】
Evergreen Story
Baby, Green…… いつまでも色褪せぬ恋 最初で最後のロマンスさ
織姫と彦星が 七夕を待つように セレネの恋に 応える男(ひと)のように
何にもなかった十代 二十代は星に消えた
明日なき青春の日々は ��うに過ぎ去り 自由の旗を掲げて ようやく掴んだ平穏
そんな日に君を見つけてしまったのだ これが一目惚れなんだと 気付いた瞬間 戸惑いの嵐……
遅れてきた夢 僕のEvergreen Story 君に届け!
太陽と月が 重ならぬように 王妃と青年が 巡り逢わぬように
風を追いかけた三十代 四十代は何処へ消えた?
誰かに追われ続けて 忘れかけた純情 自由の日々を手にして ようやく気付いた恋情
忘れかけてたことを今日から取り戻す 今からだって跳べるのだ 気付いた瞬間 戸惑いの嵐……
遅れてきた夢 僕のEvergreen Story 恋よ叶え!
宇宙の法則に従うならば もう長くはない僕の人生
誰かに流されたまま 終わりたくはないよ 誰も守れぬまま 終わりたくはないよ
誠実に生きてきた 不器用に生きてきた この人生の最後に やっと夢を見たのだ ……完全燃焼!
涙も愛も知らずに ここまで来てしまった だから今こそ僕は 全力で恋をする
六十になった頃から 身体が軽くなった 恋するウキウキも やっとわかってきた
かつて軽蔑したコトの 魅力に気付いた瞬間
遅れてきた夢 僕のEvergreen Story 君に届け!
遅れてきた夢 僕のEvergreen Story 明日を繋げ!
Baby, Green…… 永遠に色褪せぬ恋 一度きりの青春 最初で最後のロマンスさ
①【I・A・B・S・SⅡ・SⅢ】・②【A・B・S・SⅡ・SⅢ】・③【C・S・SⅡ+・D・B+・C・SⅢ・SⅢ・I+】
Bonus1:モノレール
夢の痕が今も 淋しく微笑む 愛を知らぬ人が それを見て微笑む
黄金色の未来を 思い描いてた かつてこの国が 豊かだった頃
埃を被れど まだ走れると こちらを見ている 君が切ない
役目を終えても まだやれると こちらを見ている 君が悲しい
夢の痕が今にも 消え去りそうだ 愛も消え失せて 終りを待つのみ
今日も人目付かず 静かに生きている 最期を待つだけの 君でいいのか
Bonus 2:期末テスト
まずは名前を書きましょう クラスと名前 忘れずに
つぎは問題 見渡そう 出来る出来ない 見分けよう
最初の問題 解けたなら テストの傾向 見えてくる
出来ない問題 気にしない 出来る問題 確実に
これが私の必勝法 よければみんな真似してね♪
まずは答案見渡そう イージーミス 誤字ってない?
つぎは躓いた場所を まだ行ける 大丈夫
最初に上手く行かずとも まだ諦めちゃダメさ
残り十分 ケアレスミス 残り五分 総仕上げ
これが私の必勝法 よければみんな真似してね♪
最後に答案ズレてない? 不安 出来ない チェックしよう
チャイムがなったら伸びてみて おつかれ おつかれ ごくろうさま
これが私の必勝法 よければみんな真似してね♪ ……って、みんなやってるか!笑
Bonus3:I'm a Creater
あなたが生まれる少し前に ひとつ跨いだ Century 生まれてすぐで知らないが みんな騒いだ Millennium
時は緩やかに流れ 色々あった 2001 やっと私が歩き始めて 言葉を喋った 2002
青色の星が流れ 最後に夢を見た 2003 手のひらを太陽に掲げ 友と橋を渡った 2004
ひらがなを書き始め 言葉がわかった 2005 看板の漢字を読み 友に自慢した 2006
いついつまでも夢を見る 青春と怪獣の表現者 私だけの世界創るのさ
とにかく落ち着きがなく 走り回った 2007 ピアノと水泳で 水泳を選んだ 2008
野球に出逢い とにかく遊んだ 2009 野球を始め 沈黙を知った 2010
信じられない光景 友よ生きろ 2011 明日はどこだ 人生考える 2012
いついつまでも夢を見る 青春と怪獣の表現者 私だけの世界創るのさ
まだ見ぬ世界 夜明けを求めた 2013 アルフィー出逢う きっかけはウルトラの風 2014
小説家になる 道はここだ 2015 詩を描き始める 未来が見えない 2016
青春の味 永遠信じた 2017 夢破れ 風が変わった 2018
いついつまでも夢を見る 青春と怪獣の表現者 私だけの世界創るのさ
すべてが壊れた 何もわからぬ 2019 すべてが変わった 何をしようか 2020
さあここからだ 強くあれ 2021 いくつになっても まっすぐ生きたい 20XX
風に吹かれても 時に流されても この根だけは絶やさずに
いついつまでも夢を見る 青春と怪獣の表現者 私だけの世界創るのさ
私は創作家 言葉と共に生きるひと
詩集「Gemini -Evergreen Story-」
(Yuu Sakaoka Project / YSSP-006)
All Produced / Written by Yuu Sakaoka Respect to 浜田省吾, ラッツ&スター, BEAT BOYS, 鈴木雅之, チェッカーズ, 高橋みなみ, 八木莉可子, ENNE, 爆風スランプ, 沢田研二, 高見沢俊彦, 井上陽水, 雪見撫子, 小坂菜緒, グレゴリオ聖歌, PINK FLOYD, ボブ・ディラン, 加山雄三(永遠の若大将), 姫路市営モノレール, スバル・ワールドラリーチーム, ウルトラマン, 北島康介, すべてのチブル星人, クレイグ・ブラゼル, すべての創作者のみなさま, 大滝詠一 with All My Loving. Designed, Directed, Commercial by Yuu Sakaoka
Special Thanks to My Family, my friends and all my fans!!
2021.6.18 Yuu Sakaoka
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私はうつ病です。昔の事も思い出せず、感動せず、感情もわからず、物を覚えられず、体を動かすのもつらく、毎日ただひたすら苦しく、生きているだけでお金がかかるのに生きてる意味ってありますか? 長谷部 和彦, 元公立小学校 教諭 回答日時: March 13, 2020 長くなります。よかったら読んでください。 まず、私から提案したいと思います。 私の家に遊びに来ませんか。鹿児島県のとある田舎町で農業を営んでいます。新規就農してからまだ半年余りなので、アルバイトをしながら何とかやっている状態ですが。 独り者です。バツイチです。質問者の方が男性でしたら、何日か泊まっていただいても構いません。 柴犬と猫とヤギ、ニワトリがいます。 以下、陰鬱な内容を含みます。耐性の無い方は読まれない事をオススメします。 私もうつ病でした。 それも重度のうつ病でした。主治医には、最終的には脳に電極をつけて電気ショックを施すことを勧められたぐらいです。 入院治療も2度行いました。 最初の入院は、自殺未遂をしてから運ばれました。施錠された病室に隔離されました。常にモニターで監視されていて、トイレなどハナから丸見えです。 1週間の後、一般病棟に移りました。 職場には、主治医からうつ病の為3か月の休職が伝えられました。 2週間後くらいから、躁状態に入りました。 室内では腹筋、腕立てを繰り返し、外出許可をもらってはランニングに勤しみました。 自分自身が何故うつ病になってしまったのか自省し、退院してから復職する迄のやるべき事リストを作り上げました。 前向きな様子を見て、主治医も退院時期を前倒しにしました。 一月後、退院しました。 退院してから、先ずは主夫業に精を出しました。 過剰なまでの不安と心配を与えてしまった妻の為、早起きして犬と散歩に行き、朝ごはんを作り、掃除、洗濯を済ませ、夕ごはんの買い出しに行き、夕ごはんを作って妻の帰りを待ちました。 週に2回の通院は、あえて15キロの道のりを自転車で通いました。散歩にも出かけ、野の花や小鳥なんかをスケッチしたりもしました。 全てはうつ病を克服するためだけに、日々を過ごしました。認知療法、行動療法、薬物療法すべて行いました。 1か月後、再発しました。 休職期間も残り1か月ともなると、緊張と不安が絶え間なく襲ってきます。また寝れない日々が続きます。食欲もなくなり、何をするのも億劫です。 復職1週間前ともなるとある思いが心を支配します。 (死にたい…) とにかく私は死にたかったのです。 いわゆる、希死念慮です。 簡単に言うと自殺願望なのでしょうが、色んな自殺の方法を探りました。 結局は首を吊る事に落ち着きました。 妻の居ない日中に、何度も何度もタオルなどで首を吊りました。でも死に切れませんでした。 勇気を振り絞って復職しました。 3か月ほど働いたでしょうか。職場での日々は、私にとって正に地獄でした。常に緊張していました。頭が上手く回転しません。真っ直ぐ歩くことさえままならず、何故か柱や机の角にぶつかりました。トイレに用がなくても頻繁に入り、周りの好奇な目から逃げました。その度にトイレの窓から飛び降りたい気持ちになりました。自殺を試みた人間に対して、同僚は腫れ物に触るように対応します。 毎週末、今日こそはと思い、首つりを繰り返しました。しかし、最後まで出来ません。 私は思い込みの世界で生き、想像の世界で苦しんでいました。 自殺未遂をしてから、うつ病と告知されてから、いやもっとずっと前から私は、私自身の妄想に自縄自縛の状態でした。 あいつは仕事が出来ない。 あいつのせいでみんな迷惑している。 自殺未遂するぐらいなら仕事を辞めればいいのに。 それでも上司は私を励まします。 君なら出来る。死んだ気になってがんばりなさい。みんな君の事を心配しているんだ。恩返ししないとね。 妻も私を励ましてくれました。 折角、頑張って公務員になったのに、今辞めたらもったいないよ。家のローンはどうするの。その年から転職なんて出来ないよ。あなたの大好きな柴犬も手放して、動物も飼えないようなアパートに移る事になるよ。今が頑張りどきよ。 私はもう限界でした。いや、もうとっくに限界だったのでしょう。主治医からは兎に角強い睡眠剤と抗うつ剤を処方してもらいました。 起きていても何時もボーッとしていました。 漢字もどう書くのかよく分からなくなりました。 ひらがなさえ、「あ」と「お」の違いさえよく分からなくなり、度々授業中の計算ミスを子どもに指摘されました。 ある日、子どもに問いかけられました。 「先生、なんで死のうと思ったの?前の先生が、H先生はぼくたちのことが嫌いで死のうとしたって言ってたけど、本当?」 「そんなことないよ。死のうとなんかしてないよ。」 咄嗟に取り繕いました。 代行の先生が、断片的で恣意的な情報を子どもたちに伝えていたようでした。 再休職することになりました。 うつ病の原因は今だからよく分かります。 新しい学校に移動したものの、子どもたちと以前のような信頼関係を築けないことからの自己嫌悪。 同僚とも良好な関係を持てないことからの苛立ち、不安、不満。 それらから派生するように、仕事への自信喪失。 40過ぎても子どもを持てないことへの落胆。 35年住宅ローンの重圧。 自分の故郷が地震と津波で壊滅的な状況なのに、何も出来なかったことへの後悔。 妻とも友人とも、会話が噛み合わないことからの孤独感。 当時の私は客観的に見ても、八方塞がりでした。 でも多くの方たちも、多かれ少なかれ40も過ぎれば仕事や家庭で問題を抱えています。しかし、うつ病にはならないでしょう。だからこそ私は私自身に失望しました。失望感は再休職したことからさらに募り、積み重なった失望感は、絶望感へと集約されました。 再休職して、私はまさに生きるしかばねの様でした。 以前の休職期間のように、前向きにうつ病治療をすることも有りません。ただ、ただ死なないように生きているだけです。 誰かの歌詞にあったように、 私は小さく死にました。 当時の私は死にたいと云うよりも、「楽になりたかった」のです。 40も過ぎて再休職し、再び同僚や子どもたちに迷惑をかけ、上司の配慮や期待にも応えることが出来ず、その上、妻への罪悪感は筆舌に尽くし難いものがありました。 いつ自殺が成功しても大丈夫なように、定期的に遺書を書きました。妻への謝罪、同僚たちへの謝罪、両親兄姉への謝罪、毎日毎日こんな自分が生きていることが申し訳ありませんでした。 妻は週末になると、神社へとわたしを連れ出しました。近所の神社、箱根神社、鶴岡八幡宮、春日大社にも行きました。 2時間で2万円もするカウンセリングも受けました。 主治医から処方される薬は、5種類まで増えました。病院でのカウンセリング担当医は、大学を卒業したばかりのような若い女性です。彼女なりに真摯に私と向き合ってくれましたが、私は彼女から助けてもらえるとはとても思えませんでした。主治医で院長でもあった先生は、薬を処方するだけです。もしうつ病が治らず、教員を退職する事になったら精神障害者として生活保護を受けるしかないと言われました。 一向に良くならない私の状況に、妻は失望し、疲弊しました。あとで知った事ですが、リストカットなどの自傷行為をしていたようです。 毎晩、妻から叱責をされるようになりました。 このままだとどうなるか分かる?あなたがうつ病を治さないとどうなるか分かる?いい加減、治してよ!どれだけあなたが沢山の人たちに迷惑を掛けているのか分かる?だから早く治して! 時には包丁を持ち出され、一緒に死のうと懇願されました。 一度、人は道を踏み外すととことんまで堕ちるのだと思いました。しかも、底がありません。どこまでも堕ちるのです。 生き地獄でした。 翌年の4月、私は別の学校に移動し復職することになりました。 私は私を偽りました。うつ病は治っていません。しかし、治った事にしないと妻がもちません。 治ったと偽り、主治医にも復職を許されました。 復職して、3週間後の朝、自宅の梁に電気コードを括り付け、椅子を倒し首吊り自殺しました。 死んでいませんでした。 気づくと愛犬の柴犬が必死に私を舐めていました。 何も見えません。呼吸が止まっていたのでしょうか。私は必死に呼吸をしました。呼吸を繰り返し繰り返し行うと暗闇に光が差し込んできました。 何故かコードは解けていました。今際の際で、コードを解いていたようです。しかし自分が何をしたのか暫く理解できませんでした。失禁していることに気づきました。脱糞までしていました。眼球は出血し、白目部分は真っ赤に染まっていました。左半身が上手く動きませんでした。 その日、再入院することになりました。 主治医から、電気ショック治療を勧められました。一定の効果は期待できるが、全身に激しい電気ショックが流れるので多少の骨折や記憶の欠落などのリスクは覚悟してくれと言われました。妻の反対で行いませんでした。 もはや、自分が何をしたいのか、生きたいのか死にたいのか全く分かりません。ただただ矮小で卑屈で社会のゴミのような存在だと思いました。 生きている意味などあろうはずもありません。 でも私は生きていました。あの日以来首を吊るのも止めました。何も考えず何もせず、出されたものを食し排泄し、夜になれば睡眠剤でぐっすり寝て朝になれば看護師に起こされ、何もない1日が始まります。 2か月後退院しました。暫くして、教員を辞めました。無職になりました。新築の家も売りに出しました。妻には当然ですが、見放され東北の実家に帰ることになりました。実家にはまだ思春期の姪たちがいたので、兄がアパートを探してくれそこに1人で暮らす事になりました。 私は何も考えなくていいように、中古のゲーム機を買って一日中ゲームをしていました。たまにスーパーに食料を買いに行きますが、誰かに見られるのが恥ずかしくて、短時間で目につくものをそそくさと買ってアパートに戻ります。何も考えません。感情も有りません。風呂にも入りません。歯も磨きません。ある時、履けるパンツが無く、Tシャツを逆さにして履きました。チンチンが寒かったです。 以前の主治医から実家近くの病院を紹介され、紹介状も持たされていましたが、そこの病院に行く事は有りませんでした。もう精神科医も抗うつ剤も睡眠薬も私には必要ありませんでした。 なぜなら私は人の形をした、ただの醜いぬけがらでしたから。 時間も季節も、世間も仕事も、私には何の意味も有りません。物欲、金欲、食欲といった欲求もありません。ただ日々死なないように生き、金を食いつぶし、秋が来て、冬が来て、春が来ました。 定期的に父から電話がありました。その日は今までにない雰囲気で、もうアパートを引き払えと言っ��きました。 実家で両親と兄家族と暮らす事になりました。 父は頻繁に私を外に連れ出しました。80も近い父の運転で、被災地の風景を見たり、故郷の野山を見たり、桜を見たりしました。 5月過ぎ、父が帯状疱疹になりました。 6月になると、胃腸に何らかの不調を訴えるようになりました。 7月、近隣の中核病院に入院することになりました。 最初は泌尿器系の病気が疑われ、手術を受けましたがあまり体調が改善されません。その後、ガンが疑われましたが、その部位が分からないと言われました。原発不明ガンと診断されましたが、本人には告知していませんでした。 父が体調を崩してから、病院の送り迎え、入院の準備や手続き、お医者さんの対応など、私が行いました。初めは嫌々でしたが、結局手が空いているのは私しかおりませんから、仕方なく対処していました。 原発不明のガンなので、具体的な治療方針が決まりません。何故か、一時退院が許されました。 退院してから、定期的に通院する事になりました。その日は泌尿器科の受診の日でした。泌尿器の主治医がお休みで代理の先生に診てもらいましたが、受診後父の様子が変で、帰り道に尋ねるとガンだと告知されたと言います。 何年ぶりでしょうか。私の中に忘れていた感情が芽生えました。 怒りです。 その日告知してきた先生は、あくまで泌尿器科の主治医の代理で、しかもガンの部位はおそらく消化器系だろうと言うことで告知する時期は消化器科の主治医と治療方針と共にこれから考えていきましょうという段取りになっていたのです。 父の落胆は見るからに明らかでした。父はタバコも吸いません。深酒もしません。健康番組が大好きで、健康に人一倍気を使っていました。 食事の世話も私が行っていましたが、食欲もめっきり無くなりました。歩くのも酷く疲れるようになりました。 私は消化器科の主治医とアポを取り、抗議の為病院に赴きました。何の相談もなく、科も違う代替先生が告知をしてしまった事に、平謝りでした。 それから私は、ガンについてできうる限り勉強しました。通院の際は、ノートを持ち込んで先生の所見を事細かくメモしました。 PET検査なるものでガンの所在が分かるかもしれないと聞き、検査機のある病院まで連れて行きました。 しかしながら、ガンの所在、及び部位は特定できませんでした。 8月になり、いつも以上に辛そうな父を見て再入院させる事にしました。病院に着くともう自力では歩くことが出来ず、車椅子に乗せて診察室まで連れて行きました。 父は気丈で弱音を吐くことを聞いた事がありません。 私が小学生の頃、車のドアで親指を挟み、骨が見えていても自分で運転し整形外科に行き、夕方には仕事をしていました。 私が中学生の時には、母が粉砕機で薬指を切り落としてしまいました。側にいた父は、すぐさま薬指を拾い、氷袋に入れて母を病院まで連れて行きました。指はくっつきませんでしたが。 そんな父が、自ら車椅子に乗っている姿に愕然としました。 主治医からは、胸水が溜まっているのでお辛いのでしょうと言われました。とりあえず、入院治療することになりました。 胸水を抜いてもらい、多少楽になったのか父に少しだけ笑顔が戻ってきました。後から来た母とも談笑していました。 数日後、父は永眠しました。 死因は、原発不明ガンとのことですが直接的な死因は、窒息死です。深夜になって吐いたものが気管に詰まり、自力では解消されず看護師が気づいた時には亡くなっていたのです。 解剖はしませんでした。 母の取り乱しようは筆舌に尽くし難く、身内一同呆然としました。 それでも、お通夜や葬儀は粛々と進められます。 葬儀が終わり、明日早朝に火葬を残すのみという晩の頃、私は葬儀会場で棺の中にいる父と2人きりになりました。 止め処無く涙が溢れてきました。あんなに泣く事はもはやないだろうと思います。 おそらく1時間ほど泣き続けたでしょうか。その間、私は心の中で同じ言葉を繰り返していました。 (ごめんなさい。ごめんなさい。) (もう大丈夫だから。) ほぼ平均寿命とは言え、父は80手前で亡くなるような人ではありません。ましてや、ヘビースモーカーで高血圧の祖父より早死にするような人ではないのです。 では何故、こうも早逝してしまったのか。 原因は、私です。 私の存在がストレスとなり、私のうつ病が治らないこともストレスとなり、40過ぎの息子が無職になって帰ってきて引きこもりになっている現実がこの上なく父に負担を掛けたのは間違いありません。帯状疱疹になったのも、胃腸に不調をきたしたのも、がんと診断されて1か月余りで亡くなったのも、私のせいです。身内は誰も口には出しませんが、みんなそう思っている事でしょう。 それなのに私は、父の棺の前で1時間ほど泣いて泣いて泣き疲れた後、気づいたのです。 うつ病が治ったと…。 皮肉なものです。父の病と死が、私のうつ病を寛解に導いたのです。 半年前まで、私は私の抜け殻でした。 何もせず、何も考えず、ただ無意味に時間とお金を浪費する肉の塊に過ぎませんでした。他人と会話する事は勿論のこと、身内ですら顔を見て話すことも出来ませんでした。 それが3か月前から止むを得ず、父の世話をするようになってお医者さんと交渉したり、看護師と話したり、父の様子を親戚に伝えたりするうちに何となく、うつ病は回復の兆しを見せ始め、最終的にに父の死によって寛解に至ったのです。 父は全く意図していなかったでしょうが、結果的に父の病と死が、私を深い深い谷底から救ってくれたのです。 結局のところ、私のうつ病を治したものは医者でも無く、カウンセリングでもなく、ましてや薬でもありません。タイミングときっかけ、そして行動です。 以下は私の経験則からの私見です。異論がある方もいらっしゃると思いますが、ご容赦ください。 うつ病は、薬で治る病気ではありません。 一般的な解釈としては、うつ病は過剰なストレスなどにより、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が上手く働かなくなり、シナプス間における電気信号が不調となる為、活動性が低下し、感情が失われていくとされています。 抗うつ剤などの薬は、上記の神経伝達物質を良好に分泌させる為のものですが、あくまで一時的なものです。言わば、身体が疲れた時のユンケルみたいなものです。ユンケルのような滋養強壮剤の効果は、有って小一時間ぐらいらしいです。医者に聞きました。寧ろ(俺はりぽDを飲んだから元気だ!)といった暗示の副作用の方が大きいといいます。抗うつ剤も同じです。気休め程度にしかなりません。しかも抗うつ剤を服用し続ける事は何の根本的な解決にはなりません。また様々な種類があり、強いものを飲み続けると廃人になるようなものも有ります。ハイリスクローリターンです。 私が知っている精神科医で、うつ病を本気で治せると思っている人はおりません。彼らは、薬を処方し点数を稼ぎ、報酬を得ているに過ぎません。私が暫く通院していた病院は、正にそうでした。2年ほど通いましたが、沢山の精神病患者で寛解に至った方を私は知りません。私の主治医だった精神科医は、患者を1時間待たせ5分の問診で処方箋を書き、効率よく病院に富を蓄積させます。おそらくそれが出世の処方箋なのでしょう。 先日、NHKドラマで阪神淡路大地震を体験した精神科医の話がありました。患者の話を30分でも1時間でも真摯に聞く先生でした。私もそういう精神科医に出会ったら違っていたのでしょうが。 現実は違います。それでも精神科医に診てもらいたければ、開業医をお勧めします。少なくとも組織の中にいる精神科医はダメです。 カウンセリングもお金と時間がかかるばかりで、効果のほどは期待できないと思います。 中には、行動療法や認知療法で寛解する方もいらっしゃるとは思いますが、私は懐疑的です。 そもそもうつ病の根幹的な治療は何か? まず、うつ病に至ったストレスを無くすことです。私は公務員という立場や家のローン、世間体などから仕事を辞めるという選択肢を選ぶのか遅すぎました。 そして、死なないように生き、どこかのタイミングで行動を起こすことです。具体性に欠けますが、深い深い闇の中にいて、抗うつ剤や他人の空虚な言葉が一筋の光になる…なんて事は現実的ではありません。 最初はどんな行動でも構いません。ポイントは、うつ病を患ってからした事がない行動です。 よくうつ病を患った人に、「神様から休みなさいって言われているんだよ。」という方がいますが、うつ病患者は休んでいるわけではありません。深く傷つき、深い闇の中でいつ終わるとも分からない嵐が過ぎ去るのを息を殺し、感情を捨て、ただただ耐えているのです。 話が逸れました。 質問者の方は、生きている意味があるかと問いかけられていますね。 私の答えは、「ない」です。 そもそもが、生きているだけで意味がある人間なんてどれほどいるのでしょうか?人間は人間を特別視し過ぎです。過去には、人間ひとりの命は地球よりも重いと言った政治家が居ました。馬鹿げています。 この地球には、既知の部分だけでも175万種の生命体がいるそうです。未知を含めたら500万とも800万とも言われています。その多種多様な生き物が懸命に命を繋いでいます。その中で、何故人間の命だけが尊いと言えるのでしょうか。 周りを見渡せば、ニュースを見れば犬、猫より価値の無い生き方をしている人が沢山います。蜂や蟻よりも生産性の無い生き方をしている人間がありふれています。 人間の命、そのものには意味がないのです。 あるとすれば、意味ではなく「時間」だと思います。 そして時間があるからこそ、「行動」ができるのです。 重度のうつ病患者は、行動が出来ません。 行動が出来ないということは、時間が止まっているのです。 故に今のあなたが、生きている事の意味を問いかけるのははっきりいって無意味です。 それはあなた自身が本当は理解されているはずです。 けれども今あなたがその漆黒の闇を抜け出せるその日が来た時、あなたの(生)に価値が生まれます。あなたが自分の足で、自分の意思で前に進み始めた時、時間が再び動き出します。 生きている限り、意味はなくてもあなたには「時間」がある。時間があるという事は、あなたの人生は何度でもやり直せるのです。 更にあなたが価値ある、より良い行動をとることで、あなたの(人生)に意味が生まれると思うのです。 人の(生)に意味があるとすれば、価値ある行動を実践した時、初めて生まれると思うのです。 人の人生の評価は何で決まるのでしょうか? 財産、出世、肩書き…人それぞれでしょうが、私は行動だと思います。どれだけ価値ある行動を人生で出来たか、だと思うのです。 だからまずあなたがするべき事は、死なないように生きることです。そして、私のようにきっかけを待つか、自らきっかけを作り行動することです。 正直言って、私のようなきっかけを待つことはお勧めできません。 だからこそ、私のところに遊びに来ませんか? もしかしたら、何かのきっかけになるかも知れません。仮にならなくても、きっかけのきっかけぐらいにはなるかも知れません。 私は今、農業に従事しています。何故、東北から南九州に来て、農業をしているかの経緯は割愛しますが、私はうつ病が寛解してから2年ほどの、50手前のおじさんです。 うつ病が治り、取り敢えず3つの事を目標に掲げました。 ①飼っている柴犬を、日本一幸せな柴犬にする事。 ②最低限、父の年齢まで生きる事。 ③世界の真理を一つでも多く学ぶ事。 です。 農業では、無農薬、無化学肥料での、循環農法を実践しています。なるべく、F1の種に頼らず固定種の種から作付けして、この土地に合った野菜を育て、種取りをして、安全、安心な、究極的には硝酸態窒素を過剰に含まない、ガンにならない野菜作りを目指しています。 知らない土地に来てからの挑戦なので、苦労もありますがやり甲斐も有りますし、生き甲斐も感じています。 何よりも、何度となく死んでしまってもおかしくない我が身がこうしてお天道様の光を浴びて働けることが、嬉しくて嬉しくて仕方が有りません。 昔、ドイツの哲学者が言っていました。 (自らを否定して否定し尽くした時、あなたは超人となるだろう。) 私のうつ病期は、自己否定の繰り返しでした。 もちろん、私は超人には成れておりません。 ただ、周りの人達よりちょっとだけ物事の本質を理解出来るようになったかなと思います。 一昨日、東日本大震災から9年経ちました。 2万人以上の方が亡くなられました。 彼らにはもう時間が有りません。行動を起こすことも出来ません。 だからこそ我々生きている人間は、然るべき行動により、震災を語り継ぎ、亡くなった方たちを忘れずに生きねばなりません。 あなたは生きている。 あなたには時間がある。 あなたは行動を起こせる。 大丈夫。時は必ず訪れます。 最後にアメリカの詩人の言葉をご紹介します。 (寒さに震えた者ほど 太陽の暖かさを感じる 人生の悩みをくぐった者ほど 生命の尊さを知る これから私は幸福を求めない 私自身が幸福だ) 長文につき、乱筆、乱文ご容赦ください。
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「トリプルブッキング」本編
リレー小説「トリプル・ブッキング」
1=サクライ
「日曜なのに早いねえ」 寝ぼすけのふたりが起きてきた。 この家では母も���も極端に朝に弱いから、朝食を作るのも朝のコーヒーを入れるのもぼくの仕事だ。 「兄ちゃん、卵焼きはもっと甘くしてっていつも言ってるのに」 「まろん、まがまま言わないの。お兄ちゃんが、お昼ご飯には美味しい卵焼きを出してくれるから」 「いや、わるいけど今日は出かけるんだ」 「えー、うっそ極度のインドアのあんた/お兄ちゃんがぁあ?」 ふたり揃って、こいつらは…。 今日は中学からの女友達の杏南(あんな)の相談を聞く約束になっている。どうも恋バナらしい。 あの杏南がなぁ…。
2=オッセルヴァンツァ 本当は行きたくないのだが。杏南に逆らうと後が怖いので、仕方なく集合場所である駅の改札口で杏南を待っていた。 「あ、いたいた~」 「おはよう、遅かったね」 「北口で待ち合わせって言ったのに、何で南口にいるのよ!」 「あっ…ゴメン!忘れてた」 「相変わらず間が抜けてるわね、昔っから変わってない」 「これでも気をつけている方なんだけどな…」 この彼女がぼくの幼馴染の杏南、小学生の頃からの付き合いである。 腐れ縁ってやつだ。 「もう、気をつけてよね。ほらもう、じゃあ行くよ」 杏南に手を引かれて、ぼくはその場から離れて行った。
3=ウニ太郎 杏南の白い指先が赤いストローを弄る。その先端が勝ち気に喋る小さな唇に吸い込まれ、ちゅる、と鳴らされてから離される。 やけに光るリップグロスに気づき、目のやり場に困ったぼくは喫茶店の窓の外を行き交う人々を見遣った。
「それでじゅりちゃんに誘われて赤高の男とカラオケ行ったの」 「はーん」 赤高、通称赤坂高校。ぼくたちの通う青嵐(せいらん)高校より数段偏差値の高い高校だ。 「ちょっと! ちゃんと聞いてよ」 「おっと。悪いわるい」 「あ、そうだ。じゅりちゃんも今日来るって」 「え? そうなのか?」
バタバタと店のドアが開く音。嫌な予感がする。 「ユウト~!!!!」 俺の名前を呼ぶ声に振り替えるとそこには美貌の巨乳・褐色・ピンク髪・スーパー転校生。 「呼ばれて飛び出てジュリアちゃんだぁヨ♡ ユウト!!アンナ! こにゃにゃちわネ♡」 「神山!!」 「じゅりちゃんおはよ~」
神山ジュリア。先月来日した、俺の宿敵だ。
4=サクライ 「便所」 それだけ言って席を立つ。ジュリアはまたどこの言語かわからないことを言っている。多分意味は「いってらっしゃい」だ。 じゅり語を解読するに、カラオケで赤校の3年生(俺たちは2年生だ)と二時間程歌ったあと一番背の高い男と杏南はエスケープしたそうで、じゅり曰く「お似合い」だったそうだ。 「悠斗」 杏南に呼び止められビクっとなる。 「驚きすぎよ」杏南が笑う。 「大丈夫、悠斗?じゅりちゃんってほら、…じゅりちゃんだから」 「大丈夫だけど、ってかおまえがつれてきたんだろ?」 「まぁね」 けたけたと笑う杏南が、ふっと真顔になって続けた。 「今日の3時から付き合ってくれる?」 「え?まあ夕方まで付き合うつもりできたけど」 「そうじゃなくて」 きょとん、としていると杏南がクスッと笑った。 「ふたりっきりで」 「ああ、わかった」 「ありがと」と残して杏南はまた店からエスケープする。実をいうとわかってなかった。 「ちょっとまて、それまで神山の相手をさせとくつもか~!?」 杏南を追って駆け出したら、女の子にぶつかった。 「あっすみません」 おとしたハンカチを拾い手渡してから気付いた。知り合いだった。 彼女はー…
5=オッセルヴァンツァ うちの学校で知らない人は居ない、長身で綺麗な顔立ちをした彼女は2年の「桜 舞」、生徒会副会長を務めている。 別に生徒会役員だから有名になった訳ではない。百戦錬磨の兵士の様な彼女のあの眼がそうさせたのである。 そして付いた異名は『「ブライニクル」死の氷柱』だ。 「………」 「…あの、大丈夫ですか?」 「ああ…大丈夫だ」 そう言うと副会長さんは逃げる様に奥の席に進んで行った。 後で夜道歩いてたら後ろから刺さしてきたりしないよね?ね? 狼狽えていると後ろから神山が声をかけてきた。 「そんなに震えてどうしたノ?視◯プレイでイったのカ?」 「なんでそう繋がるんだよ。絶頂なんかしていないし、ぼくにそんな性癖は無い!」 全く、周りの目とか気にしろよ、只でさえ目立つ見た目なんだし。大体なんでぼくが一々ツッコむ羽目になっー 「あー!マイちゃんだーこにゃにゃちわー♡」 …忙しい奴であった。 「あぁジュリアか、奇遇だな」 「マイちゃんもティータイム?ジュリアもネー」 どうやら2人は仲が良いらしい。神山が転入してきてまだ1ヶ月も経たないのにあの副会長と友達になるとは、神山ジュリア恐ろしい娘…! そんな事を思っているうちに、どうやら2人はぼくの存在を忘れ、会話に夢中になっているようだ。 杏南との約束があるし、面倒ごとに巻き込まれたくない。それにトイレにもまだ行っていないからぼくの膀胱は限界に近い。ぼくは気付かれないようにコッソリ抜け出そうとすると。 「あっ マイちゃんにユウトを紹介しておくネ!」 逃すものかと話題の矛先をぼくに向けてきた。ジュリアめ、こんな時に限って…
6=ウニ太郎 「桜さん……ですよね?」 着席し、生唾をゴクリと嚥下したぼくは先陣を切った。アイスコーヒーのグラスの結露とぼくの冷や汗がシンクロしている。 「ああ。私を知っているのか」 「モチロンロンだぁネ! ユウト、女のチチとケツ目で追うイズ大変なご趣味ヨ♪」 「は? 貴様、この私を常日頃から視姦していると言うのか?」 ギロリと睨まれた眼差しはまさに死の氷柱。 「神山やめてくれ! 誤解ですよ!!」 「ぱっくりゴカイチョウ〜!? 破廉恥ネ♡」 「本当にそんなことないですって……桜さん、コイツの言うこと信じないでよ!? ぼくは本当に桜さんのこと、普通に尊敬してただけだから!!!」 「ふむ……」 (あっ、ノリでタメ口を聞いてしまった!) 元気に騒ぐ騒ぐジュリアの淡いピンク色の巻き毛を指で弄びながら、副会長が緩やかに目を伏せた。これはまずい。 「すみません!!!!! 乗せられて粗野な言葉遣いを」 「いや、良いのだ」 慌てたぼくの言葉を副会長が遮る。 「えっ?」 「お前、なかなか見込みがあるな。友人関係にある訳でもないこの私に親しげに話しかける奴はめったに居ないぞ」 「はあ……」 「オー! ユウトラッキーね! マイちゃんの見込みバチコン外れないヨ。マイ、ジュリアと同じ事思うネ♡ウィアフレェンド♡♡♡」 ジュリアのノリでどうにか切り抜けられそうだ。桜に抱きつきながらジュリアがこちらにウィンクをする。いかんせん圧が強い。 「なあ悠人、お前、私と共に生徒会に入らないか?」 思わずぶっとコーヒーを吹いた。 「な、なんですと!?」 「お前の瞳には他の誰にもない何かがあるようだ。ぜひ私と青嵐高校の明日を作り上げようじゃないか」 「急に困りますよ! ぼく、なんの取り柄もない帰宅部ですよ? 桜さんにそこまで言ってもらう価値なんてありません」 「私の言うこと、聞けるだろう? 」 突如半身を乗り出した桜さんがぼくの顎を手でなぞり、頬に鋭い爪を食い込ませる。呆気に取られたぼくは思わず学園の誰も彼もに恐れられるその瞳を間近に見据えてしまった。 「な? お願いだ」 「桜さん……」その瞳の奥に一瞬、春の陽射しが煌めく。
「ひゅ〜〜〜〜〜〜!♡!♡!♡!♡!♡!♡!♡ ソームーディ♡♡♡見せつけてくれんじゃねェカ!!!」 「あっ! すみません!!」 ジュリアの一言で我に帰る。あれ? 今日のぼく、ジュリアに救われてないか? 「いいんだよ悠斗。じゃあ今日から生徒会役員としてよろしく頼む」 「困りますよ! とりあえず保留にさせてください」 「そうか……」 どことなくシュンとしたような桜さんには申し訳ないが、こちらは頭が爆発しそうだ。一旦間を置く必要がある。杏南との約束もあるのだ。 「とにかく、とりあえず今日は失礼します! ジュリアもまたな!」 「オッケ〜♡アンナによろよろ♡♡」
千円札を卓に置いて店を出る。待ち合わせに遅れそうだ。急がねばならない。 そういえば、ジュリアはどうして杏南との約束を知っていたのだろうか。とにかくまあ後で考えよう。ぼくはスマホを取り出し、杏南に電話をかけた。
「マイ、ユウトとすっかり仲良しね♪」 「ふふ」 「どしたネ?」 「私の言うことに従わなかった人間は久しぶりだ。まったく本当に、面白い男だよ……」 桜舞はジュリアに毛先を三つ編みにされながら、ひとりごちるように呟いたのであった。
7=サクライ 「ごめん待たせちゃって」 駆け足で駆け寄ると、杏南が無言で腕時計を指差すジェスチャーをする。 「まだ三十分前」 「えっ、そんなはずは…」 腕時計が一時間ズレてる。ぼくが真顔になった瞬間杏南がゲラゲラ笑い始める。 どうにも遊ばれてる気がする。昔からそうだ。だから苦手なのだ。 「まさか、おまえが隙をみて時計進めたとか…」 「なに?被害妄想?悲しいなー、独り者はー」 とは言うが杏南のことだ。分かったものじゃない。 …ところで、それなら杏南は30分前からなにを 「ほら、待ちぼうけで足が棒なんだからどっか入ろう!」 杏南に引っ張られ思考が遮られた。
そう赤校の先輩のことを聞かないといけないんだ。ぼくとしても長い付き合いの杏南が浮いた話を持ち出して気が気じゃない。ぼくの周りにそういう話は聞かないだけに、詳しく聞いておかないと。 しかし結論からいってその件は流れた。「ブライニクル(死の氷柱)」の再登場によって。 「桜さん!?なんでここに・・。てかなんで三つ編み?」 「うむ。君が財布を忘れていたからな。届けにきた」 「え!?うそっ!?すみませんわざわざッ!」 「うそだ。君にもう少し説得の余地がないかと思ってな。・・気配を消してつけてきた」 「そこはウソをつき通してくださいよ!マジで怖いんですからッ。夜道歩けなくなるじゃないですか!!」 ふと杏南が、らしくもなく張りつめているのに気付いた。 「桜…マイ」 「ジュリアが『アンナによろよろ』とか言ってたからまさかとは思ったが…本当に史歩杏南とはな」 「なに?あんたまだ根に持ってるわけ?」 「あたりまえだ。おまえのせいで父がどうなったか」 なにやらふたりには因縁があるらしい。杏南…一体何したんだ…。 「政治アナリストとかいってるから少し意見と質問しただけじゃないの」 「だまれ。あの日父はショックで寝込んでしまったんだ。人前で女子中学生に論破されてあんな恥をかかされたのは初めてだったのだ」 …はい? 「は、メンタル弱すぎるんじゃないの?そんなんで恨まれちゃ敵わないんだけど?」 「あの父の姿…。あんな父は見たことがなかった。あれから連日下痢で一週間で5㌔も痩せてしまった…!」 お父さん弱すぎませんか!? 「父を励まそうと当日に私が振る舞った手作りのシーフードカレーも全て流れてしまったと思うと私は悔しくてたまらない…!!」 それ貴方の手料理で腹壊しただけじゃねえか!!! 「とにかく私は、史歩杏南!貴様を許さないからなッ!!」 「ふん、いつでも相手してあげるから下痢のお父様でも便秘のお母様でもつれてきなさい!」 なんだこの馬鹿馬鹿しい戦争は…。 瞬間、鳴り響く着信音。 「もしもし、…神山!?なんでぼくの番号を…」 「それどころじゃないョユウウト!アンナとマイは超・・仲悪いンだってヨ!!タイヘンだヨ!二人は天敵だヨ!ライバルだヨ!ゴルゴ13だヨ!スペースコブラなんだヨ!!」 遅いよ神山。もう呆然真っ最中だよ。どっちがゴルゴでどっちがコブラなのか、今は聞かないでおくよ。ジュリア、きっと君はルパン三世だ。 「とにかく今からダッシユで行くから二人が会わないようヨロシク頼ムよ!」 「ちょ、ちょっとまて行くったって!」 「新宿二丁目のホテル街で待るヨロシな!」 「なんでそんな待ち合わせ場所なんだァ!!!」
まったくなんて日だ。ここまで女達に振り回されてばかりだ。 電話を切るとメールが来ていた。…桜舞…? いつのまにか桜舞がいなくなっている。 「あれ、桜さんは?」杏南に気いてみる。 「電話してる間に帰ったよ」 杏南はまだ少しふくれている。
あの人、会ってから数時間で何回再会しにくるんだ…。 メールを確認して戦慄した。そこには、 脅迫文。いますぐ所定の場所に来ないとSNSに拡散すると…。…僕の知られたくない唯一の秘密、な…なんで桜舞がこのことを…!!というかメルアドどうやって知ったんだ!ぼくの個人情報は回覧板にでも挟まって回ってるのか!!?
「どうしたの?」 首を傾げる杏南に平謝りしながら桜舞を追う。 杏南はさっき以上にふくれている。でも今は桜舞が優先だ。ジュリアが二丁目に着くのは彼女の足なら30分はかかるだろう。そして杏南はきっと何分もここで待っていて40分の時点でぷつんといく。あとが怖い。マジで怖い。とにかくまずは桜舞。そして神山ジュリア、最後に史歩杏南だ。本当に何という日だ。日に一回あれば厄日だっていう事件に三つも巻き込まれる。これじゃまるで……トリp…、 ぼくは余計な思考を投げ捨てて、目の前で子どもに愛想を売るササカマボコのゆるキャラを助走をつけ一気に飛び越えると、桜舞の元へ急いだ。
(第一部完…的な)
P.S.長くなっちゃいましたがキャラも出そろって一端まとめるという意味でも少し広く書いてしまいました。おおさめください。 それと現在劇中で登場した設定、状況をキャラ設定にまとめたので確認ください。サクライ
8=オッセルヴァンツァ
走って5分程で桜舞の元へたどり着いた。曲がり角で待っていてくれればいいのにと思う気持ちを抑えて、息を切らしながらも、ぼくは早速本題に入った。
「何が望みなんです?生徒会に入るのはまだ保留ですよ」「その話もいいが、今は違う。」「じゃあ、杏南の事ですか?」「見込み通り感はいいようだ。そうだ、ソイツの弱味…弱点を知りたい」「そんなのコッチが知りたいですよ」「何も知らないか、じゃあ君にはもう用は無い。消えてもらおうか…」「わっわかりました!探ってきますよ!わかったら直ぐ教えますから!!」「フフ、期待しているぞ」そう言って舞さんは小悪魔風にウィンクをして立ち去って行った。そのウィンク小悪魔どころか魔王クラスですよと言いかけてしまった、危ない危ない。魔王と契約してしまったが、弱味を握っても杏南にバレれたりしたらどうなることか、想像もしたくも無い。もう逃げ道は無いのである、不安やトラブルに悩まされない、そんな生活がぼくの社会に対する姿勢であり目標だったのにぃぃぃぃッ!!ぼくの平穏な日々よ…Arrivederci!!次はジュリアだ、携帯の時間を見ると意外と時間を消費していて、待ち合わせまで5分を切っていた。「クソ!なんて日だッ!」ぼくは例のホテル街に全力で走っていった。
9=ウニ太郎
「ハーイ♡」
ラブホテルの石段に腰掛けたジュリアがパッと顔を上げる。時間からすれば十分の遅刻だ。ぼくは息を切らし膝に手をついた。 「ごめん遅れた……」はたから見ればなかなかに無様だろう。 「いいのヨ〜」 「なんでラブホ街……?」 「ん〜……レッツメイクラヴ?」 「はは、冗談きついな」 「ヒドイヨ〜!!!!!」 ラブホテル前でシナを作る彼女は官能的なのだろう。初めて見たときは黒人ギャル的見た目に慄くばかりだったが、彼女はどちらかというとニャンニャンとすり寄ってくるタイプだった。それが童貞には厳しいところではあるけれど、ここ数ヶ月でぼくは彼女の扱いが上手くなったような気がする。 「あ、マイちゃんとアンナ! セーフか?」 「ああっ!!」 全然セーフではない。来なれないラブホ街の空気に飲まれている場合ではないのだ。 「聞いてくれよ! 大変なんだ」 「あっちゃっちゃネ」
「という訳なんだよ」 ぼくは一息に状況を説明した。ジュリアは真剣にうなづいている。 「アンナの弱味……ランジェリーがソーシンプル?」 「それを伝えてどうするって言うんだよ! というか男のぼくにそれをバラすなよ」 「オー、女のコの秘密口滑りやらかしたネ! 切腹あるヨ!」 「ああうん……」 「そうネ〜、ユウトはどうしたいの」 ジュリアの碧眼がぐっと焦点を合わせにくる。ぼくはたじろいでしまう。 「ぼくは……杏南とも舞さんとももめたくない……………」 「オー…………ジャパニーズ男のコ……」 「ごめん……」 流石に自分のことなかれ主義が恥ずかしい。しかし他にどうすればいいというんだ。 「ま、ジュリアにおまかせヨ!」 「待ってました!!」 ジュリアに頼ることにもう既に抵抗はない。ありがとうジュリア。女性は素晴らしい。
その後ジュリアはぼくに怒涛のアドバイスをくれた。要約すると、とりあえず桜舞には嘘ではない程度の小さな杏南の秘密を教えること。例えばギザ10集めてる事とか。杏南には桜舞との間に何が起きたかをそれとなく聞き、2人と仲良くすること。 それで大きく何かを変えられる訳では無いが、とりあえずの時間稼ぎにはなりそうだった。その先みんな仲良くなればいいネ〜と言って、ジュリアは微笑んだ。
「ジュリア、感謝してるよ。本当にありがとう」 「ウン!」 「じゃあ行かなきゃ」 「どこ行く?」 「杏南に会うんだ」 「………」 「どうした?」 黒いキメの細かい手がぼくの服の裾を掴んだ。 「アンナ、マイちゃん、イイナ………」 「え?」 「ユウト、ジュリアのことは興味ナイ? アリ��ト〜でオシマイ?」 「え?」 「ジュリア、もっと仲よくなりたいヨ」 「うんうん! とりあえず急ぐから、またな!」ぼくは時計に気を取られ、焦っていた。 バチン!!! 頬に衝撃が走る。なんだ? 「……ごめんネ」 ジュリアが呟く。ぼくは彼女にビンタを張られたのだ。 「ん…? うん……?」 「ゴメン」 そう言って彼女は走り出した。ぼくはポツンとラブホ街に取り残された。周囲の通行人が眉をひそめる。あ、これはやらかしたか? 初めてそう気づくも、ジュリアはもう去った後だ。とにかく杏南に、杏南に会いに行かねば。 気づいてはいたが、なにか大変なことになってきている。軽くパニックを起こしている自分に気づくが、とりあえずは待ち合わせに向け、ぼくも走り出した。神様、助けてくれ。
10=サクライ
「私が神だ」
「あんた誰」
「助けを求めただろう」
突然ホームレスのジーさんに話しかけられた。
「いや結構です」
「そうか。気が変わったらココに連絡をしろ」
LINEのIDを渡された。
とにかく杏南の所へ急がなくては。時間はギリギリ。全力疾走で元の場所に急ぐ。
しかし約束の場所に杏南はいない。そんな馬鹿な。あの杏南がたとえ口約束でも約束を破るはずない。長い付き合いだ。それは確信している。ただならぬ事態を察して、近くでタップダンスしているやくざに話かけた。
「ここにいたダサいTシャツの女の子、知りませんか?」
「おお、悠斗か。おめえのオヤジさん…市ノ瀬の叔父貴は元気かい?あと何年でシャバに出られるんじゃあ?」
「もう脱獄しちゃいましたよ。大きな声では言えないけど今度連絡先教えますね。・それで女の子は」
「おう頼むわ!…でもそれがなぁ。さっきそこの角にシャベルカーが突っ込む事故があってな。女の子が一人、救急車で運ばれたんじゃぁ…」
「!!」
ー杏南ッ!
…思えば杏南との出会いはお笑いだった。高学年にもなって特撮ヒーローが大好きだと隠していたぼくは、ヒーローショーのチケットを鞄からこぼしオタクバレしてしまった。おわった、と青ざめたぼくを救ったのが杏南だった。「それ中々手に入らない奴じゃん!」彼女もオタクだった。杏南は夢中になってそのヒーロー『抜刀戦士カタナ』の素晴らしさを皆に説きはじめた。その日、杏南によってぼくの人生のルートが変更された。必死で自分の趣味を隠していたぼくは、それらをオープンに皆に晒して、更に皆の流行にも興味を絶やさないその姿に憧れた。ぼくはいつしかコンプレックスから苦手意識を持っていたが…、ぼくは杏南のように生きたかった・・・・・・
手術室の前にうずくまり、ぼくは震えた。震えながら祈った。そして後悔した。
なぜ今日、ちゃんと杏南の話を聞いてやらなかったんだろう・・・・・・
今にも壊れそうなぼくの前に、あの女が現れた。
カツ、カツと音をたて廊下の真ん中をゆっくり近づいてくる。
戦士のようなその冷たい眼光。
その冷たい眼より、さらに冷えきってしまったぼくの眼を彼女に向ける。
死の氷柱・・・
ブライニクル・・・
・・・桜舞がぼくを見下ろしていた。
11=オッセルヴァンツァ
「腕の良いと噂のフリーランスの女医に切らせた。まだ油断ならない状態だが、アイツなら大丈夫だろう。」 「何で名医じゃなくて、フリーの医者なんですか?」 「私は人の本質や性格を見抜くのが得意でな。それに、杏南に死なれては困るからな」 「舞さん、やったぱり杏南のこと …」 「奴には精神的に屈辱を与えて屈服させてやる、その為にもココで死なれては困る。」 杏南を助けようとしてくれたが、やっぱり2人の仲は悪い様だ。 どうしたものかな…。 「ところで。杏南の弱点、見つけたか?」 「こんな時にそれですか?まあ…確か昔あったような…」 「ん?幼少期によくある男女の無邪気なちちくりあいで、杏南の性感帯を見つけたとか?」 「確か小学一年の時に、プロレスごっこしてる時に乳首を押したら…て何言わせるんですか!?」 「成る程、乳首が性感帯か。情報提供感謝する」 まずい、杏南に知られたらまずい! 「ぜっ、絶対にバラさないでくださいよ!?」 そう言うと舞は何処からかローションボトルを取り出し、口に塗りはじめた。口を滑らす気満々だ。 ボクは突っ込む気力が無くなってしまった。
《その時、不幸が起きた》
病院の床が地響きを始めたのである。 地震だ… それもかなり大きい。 とっさにボクは舞さんを庇う様に覆い被さった。 それと同時に建物の照明が消えた。 杏南に繋がっている生命維持装置が止まる、まずい。 大抵の病院は予備電源があるが、揺れが収まってもなかなか復旧しない。 「今日は病院の予備発電機の点検日だ、まさか日が重なるとは…」 彼女の言葉に絶望した、直ぐにでも復旧しないと杏南の命が危ない。 その時不意にあのホームレスのLINE IDを思い出した。 これを読んでる君は理解してもらえないだろうが、藁にもすがる思いでメッセージを送った。要するに大人の都合だ。
12=ウニ太郎
スマホの画面を睨みながら老人とのやりとりが始まった。と思った。いつの間にかぼくの目の前に彼は立っていた。
「若き青き君よ、今何を思うのかね?」 「わっ!! いつの間に!」 「動ずるでない」 「んなこと言ったって」 「心の目で見、心の耳で聴くのじゃ」 老人は口ひげを弄びながらにんまりとする。 「えぇ……」 「はい深呼吸深呼吸」パン! しみと血管の目立つ手のひらがぼくの眼前で打ち付けられた。 「鼻から吸って〜」 その瞬間、気が遠のく。 「口から限界まで吐くのじゃ。繰り返すぞい。はい吸って〜!」 老人の指示に逆らえない。小刻みに脳が震える。しかし、逆らいたいとも思わないのだ。どこかでもう1人の自分が何やってんだ! と突っ込みを入れるがいまのぼくは急激なトランスの快感に震えながら目の前の声に従っている。
深呼吸を重ね、何分、何時間、いや一瞬。どれほどの時が経ったのだろうか。
「もうええかね」 遠く、近く、深いところから優しい声が聞こえる。 いつのまにかぼくは柔らかな椅子に深く座っている。そこは安全で、心地よい。 「見回してみんしゃい。心の瞳を開けるはずだぞい」 すっと目をあげれば、周りにはあまたの星。暗闇の中、白や黄色、赤いチカチカとした光の粒が縦横無尽に飛び回っていた。 「宇宙………」 ぼくは随分ぼーっとしている。 「そうじゃ。ここはお前の心の宇宙。どうしようもなくなったら、たまには戻ってみんしゃい」 「ぼくは、杏南を……助けて、舞さんと、そう、仲直りさせる…………」 「焦るな焦るな。ここでの一切の時は現実世界に鑑賞しない」 「ジュリアの話、も、聞くんだ…ちゃんと」 「それがおぬしの望みか」 ぼくはゆっくり首を縦に振った。 「ほな!」老人が今度は指を鳴らした。杏南、舞、ジュリア。宇宙の中に、憎らしくも愛しい3人の女の子が浮かびあがる。全員どう考えても自立できない体制でストップモーションを貫いている。 「この真面目そうな女が杏南じゃな」 驚いた表情で固まる杏奈のスカートを老人がピラリとめくる。 「水色や」 「ほへ…………」水色か、としか感じない。これが悟り(?)の境地か。 「これは事故に遭う直前の杏南や。この次の瞬間には彼女の意識は消失する」 「…じゃあ杏南は痛くなかった?」 「多分な。次は桜舞か。神経質な感じがするのぉ」 桜舞は腕を組み、しかめっ面でよそを睨んでいる。肘に打ち付けていたであろう左手の人差し指が宙を指している。 「なんや、ライバル言うても心配しておったんじゃな。『焦り』を感じるぞい。次はなんじゃ、ケトウか」 「ジュリア……」 「発育ええのお。走っておるじゃろ。おおよそ事故の知らせを聞いて病院に向かっている所だな」 「というか……ここはどこ?」 酷い離人感に負けずに言葉を紡ぎ出す。 「言ったじゃろ。ここはお前の宇宙じゃ。望んで、そうじゃな、瞑想やら薬やらキメればいつだってここに来れるぞい」 「でも…杏南は事故にあって、舞さんは拗れてるし、ジュリアも怒らせちゃった」 「そうだな。事実は変わらない。しかしワイは伝説のホームレス。電子端末がなくても脳内にLINEできるぞい。もしも望むなら、ちょっとは時間を戻せるぞい」 「ほんとぉ?」 「半日や。それが限度じゃ」 12時間前といえば、朝、家を出た頃合いだ。 「ありがとうございます………」 ぼくは何故か涙をこぼしている。 「ただ、それには条件がある。この術は力を使う。3人のうち、2人の恋心をワイが貰うぞい」 「恋?」 「アホかお前、全員押せばヤレる状態じゃぞ。これだから童貞は」 「恋……」 「なにもワイに惚れさせようってんじゃない。パワーに変換して時間をちょっと戻すだけじゃ。余ったパワーでまた、世界を救うとでもするかね。恋心は無限大の力を秘めておるからの」 ぼくはぼんやりして、でも現実世界はいろいろヤバくて、しかも得体の知れない老人に大変な女どもの恋心までリークされてぐちゃぐちゃだった。それでも何故か安心感と、また現実でうまくやろうという希望が漲ってきているのを感じた。 「ええか?」 「はい! 」 「ほな行くで〜。一人だけ、女を念じて目を閉じるんじゃ。しっかり『選択』するんやぞ」 「本当に、ありがとうございます」 「人生は自由自在じゃ。また別ルートを選びたくなったら口説き落とせばええんじゃ。ほな、少年よ、また会おう!!」 「アイアイ・サー!」 ぼくの心から、無限の希望が湧きだすのが感じられた。ぼくはちょっと考えて、愛しい彼女のことを思い浮かべた。瞳を閉じると彼女の優しい笑顔が脳裏に浮かんだ。身体が回転する。気持ちいい。 「追伸じゃ! みんなええ子や。女の子らとも、巡り会う全ての人とも仲良くするんやで〜〜!!!!」 遠い上の方から老人の優しい声とカラカラした笑い声が聞こえた。 ぼくはもう迷わない。全ての選択は今に繋がるのだ。ぼくは今、今に辿り着く。
「起きろクソ兄貴!!!!!」 「おはまろん」 なんで爽やかな目覚め。さあ、今、1番会いたいあの子に会いに行こう。
《あなたは誰を選びますか?》
13=サクライ
意識は戻ったがまだ朦朧としていた。 どうも二日酔いのような感覚だ。飲んだことないけど。 「ほら食え兄貴。激辛の卵焼きだ」 「はい」と言って箸をつける。おかしいな。なにかおかしい。 「お兄ちゃんは今日、杏南ちゃんとデートなのよ」 「杏南さんってあの幼稚園のころから兄貴とイチャついてる娘でしょ」 やっぱり、なにかおかしい。
「あらめずらしい。ちゃんと南口にいる。あんたのことだから北口を先に見てきたのに」 杏南は相変わらず辛辣だ。いややっぱりちょっとおかしいか。 「じゃあ行くよ!」 「まって。行きたい所があるんだけど、ぼくの方に付き合ってくれない?」 杏南はまったく予想外という風に、きょとんとする。 でもすぐに「いいよ!」と笑顔になった。そして小声で「じゅりちゃんに謝っとかないと」と加えた。でもぼくは聞き流した。もっと気になることがあった。
「それで赤校のやつとはどうなったんだ?」 「なんでそれ知ってるの?」 電車の中で突然切り出した。色々と段階を踏むべきとは思ったが、そのままぶつけることにした。そうしたかった。思うままに感情をぶつけても、彼女は受け取ってくれるという確信がぼくにはあった。 「まあさ、それを今日聞いてもらおうと思ったんだけどさ」 「どんな奴だったんだ」 「まあ、いい人だったよ。背高いし、歳上だけあって悠斗よりオトナだし、赤高だし」でた辛辣。 「でもさ。あんまグイグイ来るから白けちゃって。会ったその日に二人っきりのデートってのもちょっと趣味じゃないのにどんどん人気のない所行くし。だから失礼のない程度につっぱねて帰ってきちゃった」 「じゃあ特になにもなかったんだ」 ぼくは無意識に安堵の顔を見せる。 「まあね。でも色々考えちゃってさ。あたし、もう17よ?色々知っときたい気持ちだって少しはあるし。いつまでも振り返らない朴念仁をいつまでも待ってる気もないんだから」 「…?どういう意味かわからないな。…それが相談したかったことか?」 「まあね!でももういいわ。なんか迷いは消えた気がする」 杏南はぼくの目の前で、男の名前の連絡先を削除した。きっと赤高の男だろう。 「思えばあたし、待ってたことなんてなかった。朴念仁は手強いけど途中で投げ出すなんてあたしらしくないもの。あたしのやり方で最後までやり切ってみせるわ。別の相手追いかけるのはそれからでいい」 「よくわからないけど、解決したみたいだね。いつもの杏南の顔になった。応援してるよ。頑張って」 「あんたも頑張んのよ」 「えぇ…」相変わらず怖い幼なじみだ。 と、車窓に鎌倉の海が見えた。 「もうすぐ極楽寺駅だ」 「どうしてここに来たかったの?」 「なんとなく。父がいたころの思い出があるから」 「ふうん、思い出の場所か」 「ごめんね、急に付き合わせちゃって」 「ううん、悪くない」 「なにが?」 「ほら、海きれいだよ」 本当だ。彼女と一緒に見られてよかった。本当に。
「久しぶりだな!餓鬼!」 極楽寺で待ってたのは髭面で黒尽くめの男。 「あ、杏南のお父さん!?」 「そうだ!そしてお前の父親に無実の罪を着せた極悪極道、宅彩度組(ダークサイド組)組長にして暗黒面に堕ちた極道、史歩穴筋だ!」 「な、なんだって!衝撃の真実を2行で説明しやがって!なんのつもりだ!」 「衝撃の真実?甘いな!本当の衝撃はここからさ!おまえは俺が捨てた倅を市ノ瀬…つまりおまえの親父が育てた子…。俺はお前の父親だ!!!!つまりお前達は実の兄弟!市ノ瀬悠斗と史歩杏南は双子なんだ!!!!」 「なんですってー!」 「なんでそんな複雑な設定を最終回で持ち出すんだ!」 「最終回?甘いな!本当の前途多難はここからさ!本当の戦いはここから始めるのだ!まだ100話は続けるぞ!」 「ふざけんな!俺はもう嫌だ!!」 「トラベルデートなんかせずにトリプルブッキングしとけばよかったな!じゃあな息子よ!杏南は頂いていくぞ!諸々の問題と向き合ってから追ってこい!!」 「いやだぁぁぁあああ!!!!!」 最低の日曜日はまだ終わってくれそうにない。いや終わってくれよ。 完 つづく
13=オッセルヴァンツァ
-ボクは時間を遡った-
あの神様の力によって…
-ボクは時間を遡った-
みんなと隔たりなく友達になるために
-ボクは時間を遡った-
…………………。 ………。 …。
ボクは朝食を作りながら考えた。 どうすれば皆無事に過ごし、杏南と舞さんの関係を修復し、ボクとジュリアとの壁を取り払うか。 後者の場合はボクの苦手意識を克服し、接し方を変えればいいだろう。
問題は前者だ。
くだらないと言えばくだらない原因で関係が悪くなっている、これをどうやって和解させるかが重要だ。 杏南はプライドが高く意地っ張りだ、そして舞さんは目的の為ならば手段は選ばない。
厄介にも程がある
お互い絶対に引く事は無いだろう、どうするか。 「お兄ちゃん!卵焼き焦げてる!」 「あっ、しまった」 「お兄ちゃんどうしたの、焦がすなんて珍しい」 「ははは、ちょっと考え事をな」 「なになに?お悩み相談ならこのマロンちゃんにお任せあれ!」 「いや、いいよ」 「ガーン!冷たい」 「はいはい、作り直すから席に着きなさい」 時間は巻き戻っただけだ、どこかの選択を少し変えれば未来は変わるのだ。 この世の全ては連鎖反応によって成り立っている。 そうと決まれば、ボクは急いで朝食を済ませ、駆け足で杏南との待ち合わせ場所に向かった。
「…遅い」 「ごめん」 息を切らしながらボクは杏南に言った。
杏南に連れられ、ボクは近くの喫茶店に入った。 あの時死んでしまった杏南がこうして生きているのは不思議な気持ちだ。 それよりもここからが問題だ、杏南と舞さんの仲を良くし、ジュリアとの隔たりを無くす。チャンスは一度きり。おそらくこれが最後である。 「悠斗、何考え込んでいるの。話聞いてる?」 「あ、ごめん。聞いていなかった」 「ムカッ」 ムカッて口に出して言う人初めて見た、そしてあざとい。 「悠斗はどうなの、恋人とか作らないの?」 内心ドキッとした。 「うーん、恋人か…あまり考えた事ないなぁ、楽しそうだけど」 「ふーん、彼女作る気はあるんだ」 「作る気って、まぁできるならそうしたいけど。」 「じゃあさ、私と付き合ってみる?」 「は?今何て?」 「だからさ、私と付き合ってみないかって言ってるの。」 お前は何を言っているんだ、また杏南はボクをからかう気なんだな。昔からそうだった。 「またそんな事言って、ボクをからかっているんだろ」 「ためしてみる?」 いたずらに微笑む杏南。 やめてくれ、うっかり惚れそうになる。 「ちょっとトイレ」 このままでは杏南にいいようにされるので戦略的撤退を決めた。 トイレに入ろうとすると長身の女性とぶつかった。 「あっ、すいません…て、舞さん!」 「初対面でその反応は感心しないな。君、青嵐の生徒か。」 「はい、そうです。」 「…ん〜…」 彼女は唸りながら考え込んだ。 舞さんは人の性格などの内面を見抜ける特殊能力とも言える特技があるのだ。 噂では生徒会役員の大半が舞さんが選抜しているらしい、軍隊でも作るのだろうか。 「フフフ…」 「な、何ですか?」 「いや、興味深いと思ってな。」 何やら企んでるような顔をしている。 そうこうしているとあの転校生が現れた。 「マイちゃ〜ん!おまたネ〜」 「げ、ジュリア」 「ユウト酷〜い、でも何でユウトとマイちゃんが一緒に居るネ。モシカシテ付き合ってるのカナ〜?」 「おいジュリア、舞さんに失礼だろ」 「そうか?私は付き合ってみるのも面白そうだが」 「え、舞さん?」 この人も何を言っているんだ? 「ヒュ〜、マイちゃん大胆〜」 あーめんどくさい事になってきたぞ そしてさらに面倒な事になった。 「悠斗、いつまでトイレに居るつもり…桜舞…」 「…杏南」 すっかり忘れてた、まずい空気になった�� 「なんであんたが居るのよ」 「お前はこのフルール・ド・ラパンのオーナーでもないのに偉そうだな杏南、私がどこにいようと勝手だろう」 「マイちゃんアンナストップ、ストーップ!ジュリア2人が喧嘩するところ見たくないネ!」 「……。」 「………。」 しばらくの沈黙が訪れたが、みんな気づいて。他のお客さんがこっち観てるよ〜。 「あのー、お客様。他のお客様のご迷惑になるので…」 ほら、店員さんが来ちゃったよ。 出禁になったらどうするのさ。 「もういい、私帰るわ。悠斗、会計よろしくね」 え?ボク持ちなの?杏南さん結構注文しましたよね?手持ち足りるかな。 なんて思ってるうちに杏南は姿を消していた。 「はぁ、全くくだらないことで喧嘩なんて子供ですか」 「くだらないとはなんだ貴様、あいつは私の父を侮辱したのだぞ。それに貴様には関係ないことだろう?何故首を突っ込���」 「関係ありますよ、ボクには」 「ほう…では聞こうか、どんな関係があるのかを」 「それは…」 「2人ともー、ジュリアの事を忘れてないー?」 ジュリアが不機嫌そうに頬を膨らませている、リスかよ可愛いな。 「そんな事はないぞジュリア」 「マイちゃん…///」 ジュリアをそっと抱きしめる舞さん。 えっ?なに?2人はそんな関係なの?聞いてませんよ? 「どうだジュリア、久々に今夜は一緒に…」 「お取り込み中すいませんが、ボクの話を聞いてくれますか?」 これ以上はまずいので話を戻す事にした。 「ああ、すまない。ジュリア、先に私の家に行っててくれ、続きはその時に…///」 「うん先に待ってるネ♡」 うわぁ…この2人マジだ…まあいいや 「待たせたな、では話を戻そう。貴様に私とジュリアにどんな関係があるのかを」 「舞さんと杏南でしょうに、ジュリアは舞さんと杏南が喧嘩しているのが嫌なんですよ。それはボクも同じ気持ちです。みんなで仲良く平穏に過ごしたいんですよボクは。」 「それは知っている。杏南がキチンとした謝罪をしたら私は許すつもりでいる。だがアイツはその素ぶりを見せるどころか敵意を剥き出しにしている。それが気に入らない」 「確かに、杏南は意地を貼ることがありますからね」 「もっと謙虚で気遣いができれば、良き人間になれるのに勿体ない女だ」 杏南をいくら説得しても絶対に謝罪に応じないだろう、だったら他の手を考えなくては、だったら… 「舞さん、ボクを生徒会役員に入れようと思ってますよね?」 「!?何故わかった、一言もそのような発言はしていないのに…ふふ、やはり君は興味深いな」 「生徒会に入る代わりに1つ条件があります」 「何だ?言ってみろ、話しぐらいなら聞くぞ」 「杏南を許してやって下さい」 「ほう、その条件は高くつくぞ?」 「わかっています、それでもお願いします」 「君のその執念、気に入った。いいだろう、条件を受け入れよう」 「本当ですか!?ありがとうございます!!」 「では今から君は私の専属執事だ」 「へ?」 「高くつくと言っただろ?今からお前は私のモノだ、文句は無いよな?」 新しい玩具を見つけたかのようなサディスティックに笑う舞さん。何だろうこの気持ち、嫌いじゃない 「沈黙は了承と受け取る、では今から私の家に来い」 「え?確かジュリアも居るんですよね?さ…3Pだなんていきなりすぎますし、第1未経験ですし…」 「ゲーム機は複数台用意すれば良いし、オンラインプレイだから人数はあまり関係無い。操作方法と立ち回りは私とジュリアが教えるから心配するな」 「え?ゲーム?」 「ん?ゲームだぞ?何だと思ったんだ?」 「い…いや、あの、その…」 「もしかして、やましいことを想像していたのか?」 慌てるボクの顔をゲス顔で覗き込む舞さん、く…/// 「まあいい早く向かうぞ、時間は有限だ。あ、先ずは会計を済ませなければな」
実に奇妙で長い一日になったが、何はともあれ以前よりはいい結果にはなった。 しかし2人がプレイしているゲームがアーマード・コアって… でもゲームのおかげでジュリアとも仲良くなれた。 舞さんが杏南と喧嘩する事もなくなったが、今度は舞さんがボクを誑かしているとか言いがかりをつけ始めたが、約束通りに舞さんは穏便に話を済ませてくれたし、多少は関係が良くなっている。 それと、生徒会での仕事はいろんな意味で疲れるたが、それはまた別のお話。
-END-
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