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この嘆きを誰ぞ知る
烏衣の話。病描写注意。
――病んでいた。 布団のうえに重く沈んだ体は、意思に反して身動ぎすら儘ならない。力を入れようとする端から抜けていくようなのだ。もはや杖をついてさえ立ち上がれぬだろうと察する。 この命を奪うのは、病か、呪いか。身のうちに燃え盛る焔のごとき熱は、忌々しい病に因るものか、伏せてなお失せぬ戦意によるものか。思考のまとまらぬ頭ではもはやそれさえわからない。 ただ、渇いていた。 「母さん、水……飲んで」 ――ちくしょう。 かけられた声が、どういった意味を持つものかも理解せず、ただ呟く。 ちくしょう、ちくしょう。 渇いた音が、やはり渇ききった喉を震わせた。がらがらと耳障り。それにも腹が立って、しかしあまりの倦怠感にその怒りすら持続しない。 「母さん……」 ふっ、と、視界が暗くなる。思わずぴくりと身が震えた。 ……大丈夫、まだ生きている。 ――生きてる、よね? 「かあさん」 あたたかい何かが手に触れた。あまりの安堵に息を吐く。それでもどこか頼りないその感触へ、縋るように力を込めた。全力を込めたっていまの自分では虫も殺せぬような威力だろう。そう思うのに、その手は確(しか)と握り返された。 と、そこで、自分が誰かに手を握られているのだとようやっと理解する。耄碌と言うにはあまりにひどい。礼を言いたくてまた力を込めた。できることがそれしかなかった。 ✸ 今日はすこし気分がいい。先日は遂に死んだかと自分で思うほどには調子が悪かった。やはり病んでいる、と冷静に思いながら、炉衣の運んできた粥を咀嚼する。食欲なぞ欠片もないが、食べねば快復しない。見ていろすぐに戻ってやる、あたしのいるべき戦場(ばしょ)へ! だからもっと寄越せと言うつもりで口を開けたら、開いた口からごぽりと何かが溢れた。 ……あれ? 母さん! と、呼ぶ声がする。それに応えようと口を開ければ次から次と何か出てきた。 ――ああ、吐いたのか。 喉の焼ける感覚。もはや意識は朦朧として、自分が座っているのかどうかさえもわからない。手繰り寄せるように手の感覚を確かめようとして、やはり力が入らなかった。 ああ。 ……これではもはや、矢を引くことなど出来ぬではないか。 いまさらのようにそう思って、そうして、――その恐怖に、身が震えた。 あたしはこのまま死ぬの? ここで? 布団の上(こんなところ)で? 枯れ木のように朽ちていくの? 嫌よ。そんなのは嫌。 しかし自分の意思とは無関係に、体はもはや動かない。日々を追うごとに愚鈍になり、ただの役立たずの肉になる。いや、肉すらもないか。骨と皮ばかりの女だ。母に見られたら笑われるかもしれない。 ……炎耳さまは、どうだろうか。 きっと笑いはすまい。悲しんでくれるだろうか。憐れに思うのだろうか。醜い姿を見ていられぬと、顔を背けるだろうか? ぶるり、と震えた。 そうしてまた、ちくしょう、と、声にならぬ声で鳴く。どうして、ひと月ばかし共にしただけの男神なぞ、思い出してしまったのだろう。と、にぶい頭でそう考えた。 ✸ 「あんたはいいね……ひと月おとなしくしていれば、すぐ……治るんだもの。見なさい、……この、有様を。もう弓も握れない……。どうせあたしはこのまま死ぬ」 はあ、と息をつく。これだけで、今日一日ぶんの体力を使い切ったかのようだった。いくさ支度を終えた炉衣が、傍らに座って話を聞いている。まるで一言一句聞き逃さんとしているかのような静寂は、居心地が悪くて仕方ない。 「……うん。俺は元気だよ、母さん。丈夫だからね。だからいまからいくさ場に出る。母さんのぶんも、鬼を屠ってみせるよ」 ――穏やかな声だった。 酷い母と詰るでもない。下手に慰めるわけでもない。ただ事実を述べているだけとでも言うような、淡々とした音。 もはや何も詰まってはいない肚から、何かが込み上げてくる。ごめんなさいとみっともなく謝ることすらできずに、口から出るのはやはり恨み言ばかりだ。しかもそれすらきちんとした音にならない。 ちくしょう、ちくしょう、なんであたしはこんなところで寝ているんだ。なんで子を戦場に出して、こんなところで寝ていなくてはならないの。 その音が届いたのか、届いていないのか。炉衣は長い髪を高い位置で結い上げて、立ち上がる。行ってきますと静かに告げて、気配は遠く、遠く、手の届かないほどに遠く、あたしのいない戦場へと、歩いて行ってしまった。
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1023.02-1023.03
次期当主お迎え、忘我流水道出陣。炯の最期。それから女子二人の挫折。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
「ただいま、イツ花……」
さて、今月は次期当主の来訪ですね。気になる顔グラはこちら。
おお~、来ましたね。ほんのり灯呼坊くんにも似てていいじゃないですか。 意思の強そうな目が好印象。
灯呼坊くんの体の土は裏に行ってしまったみたいですね。心の風が恐ろしく高い……技はどれも高くなってます。体の水も灯呼坊くんのをそのまま引けている感じがします。
「さて……問題は名前だね。どうしようかな……灯すという字を継いでいってほしいんだよね」
よし、灯をトウと呼んで、灯矢と名付けました。
職業はもちろん弓使いですね。 (正直弓使いはピンポイントで狙いたいところを狙ってもらう都合上当主になってもらったほうがいいという打算も……)
……うん、炯の健康度が27。今月ですね。 「炯、しんどいな……」などと思わず語りかけてしまいつつ、漢方薬を飲んでもらいます。それでも最高には程遠いので出撃はできません。
なので、指導をしてもらいます。最後の仕事、よろしく。
で、売ったり買ったり投資したりして出撃準備を整え、出撃!
正直、女子二人、とくに炯良ちゃんは素質の引きがあんまりよくなく、お世辞にも火力が出るとは言えない感じ。でも頑張ってるから、当主にうまく引っ張っていってもらいたい。
「え、嫌なんだけど」
「置いておいたってそんな雑な」
ということで髪の説明を受けました。��人は「こいつ何言ってんだ?」って顔してると思うんですが、気を取り直してそのまま侵攻。
赤い火はないんですがお甲、華厳、水祭りと、わりと次々色々手に入ります。お甲はいまさらですがほかはまあまあおいしい。 万金露ほしい!って言ってたら寝太郎が来たり。調子がよろしい。
炯良ちゃんの成長。うーんもうちょっと……もうちょっとほしい。3とか4のやつはさすがにちょっと不安ですね。
みどろ地獄のせいでこのへんで後ろの人がぐったり。敏速を下げられまくってます。仙酔酒めんどくさいんだぞ!
「ひたすら当主の敏速を下げに来るカエルがウザいんだけど」
そして灯呼坊くん成長。……と思ったら!ふたつめの奥義です!今月訓練してもらわなくてほんとによかった!貫通殺、使いたいなあ。
とかなんとかボヤいてたら、目的達成。
ご祝儀のお陰でふたりとも成長しました!月火ちゃんの風が死んでますね! でも心土よりわずかに心火が伸びてる。実は臆病ガールの月火ちゃん、山越えあたりからこのパターンが増えているんですよね。ほぼこれと言ってもいい。それまではずっと心土のほうが心火より大きく成長していたんですよ。
炯良ちゃんは相変わらずの心火。というか心は他が……特に水が……。 気が強い子なんでしょうねえ。技も伸びがよくないので、直進ガールなイメージです。防御進言の多い月火ちゃんとは対照的。
「はいイケメン」※うまく撮れてない
さて、この先は真名姫なので戻ります。バックバック。
「そういや忘我流水道で雷太鼓の符使っても平気なんだねえ、巻き込まれそうなもんだけどね」などとどうでもいいことを言いつつ慎重に戻っていきます。
そんなこんなで2月終了。帰還します。
帰るなり例のBGM。大きくため息が出ます。
炯は……
「炯には本当に、申し訳ないことをして……親があんなふうにね、なってしまって……でも、親のぶんまで生きたんだよね。炯は……酒呑童子を打倒したり……頑張ったんだよ」
語ることは多いものの、いざ炯の人生を見ていくと、なんと言ったものかうまく言葉が出てきませんでした。
だって、炯はそれこそ、親の分までもっともっと生きようと思っていたのに、結局山を越えてもそこにあったのはさらに高い山で……
でも炯からは絶望を感じなかったんですよね。彼はずっと前に立って、歩いて、みんなを引っ張ってきた。高い心の火、意志の強さが根底にあって、その上で優しさと思いやりを捨てなかった。そんな子でした。
そんな彼が、最期に遺した言葉です。
いくさで親を喪って、それでも彼は当主への、一族への信頼を失わなかったんです。並大抵のことじゃない。でも彼は、まっすぐこの通りに生きたんだと思います。
炯は、当家初の憲法家です。
誰よりも敵に接近しなくてはならない彼の遺言として、これ以上のものはないな、と純粋に思いました。
炯、お疲れさま。 炯良ちゃんが、きっとその意志を継いでいってくれるよ。
さて、3月です。 今月は奥義の継承のため、当主親子は出陣ができません。
な の で。
今月の出陣メンバーはこちら!女子二人! 向かうは選考試合!……なんですが。
「なんせステータスがひっくいの!どうしようかな、危ないよな。技の火とか79だよ月火ちゃん山越え世代なのに。やばくね?↑やばいわ。↓マジでやばいわ。↓↓無理でしょ。逆にどこだったら生きていけるんだっていう」
あんまり弱い弱い言いたくはないのですがふたりとも当主におんぶにだっこされてここまで来ました。月火ちゃんは壊し屋なので多少火力はあるんですけど。 もうね、携帯袋に雷太鼓の符を山程入れて出陣するかを真面目に検討したんですよ。だめ。危ない。出陣させられない。(※過保護)
特に月火ちゃんはめちゃくちゃに気が弱いので年長者だけど隊長は無理です(断言)。向いてない。
ので、今回は炯良ちゃん隊長!選考試合へいざ出陣!
……。 無理だったら降参して帰ってこようね。
ということで挑んできたわけですが。
……。
あっ……
……。
いや。
いやいや。
攻撃が一切効かない上に連続で攻撃されたら死ぬダメージを貰ったらその、ねえ?
帝は参加賞をくれました。ありがとうごめん冷やかして……
というわけでアホなんですけど一ヶ月無駄にして帰ってきました。これちゃんと話に落とし込んで書こうね。
ということでいまいち締まりきらない3月でした。
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焔守一族/年表
各記事へのリンクです。
家系図
<黎明の章/初代当主総代> 1017年12月 - オープニング 1018年04月 - 鳥居千万宮(総代/灯織) 1018年05月 - 総代交神 1018年06月 - 白骨城(総代/灯織) 1018年07月 - 火乃誕生、白骨城(総代/灯織) 1018年08月 - 総代交神 1018年09月 - 九重楼(総代/灯織/火乃)、 烏衣誕生 ※10月 1018年10月 - 相翼院(総代/灯織/火乃) 1018年11月 - 鳥居千万宮(総代/灯織/火乃) 1018年12月 - 相翼院(総代/灯織/火乃/烏衣) 1019年01月 - 灯織交神 1019年02月 - 九重楼(総代/灯織/火乃/烏衣)、総代逝去、灯名誕生 ※03月
<相伝の章/二代目当主灯織> 1019年03月 - 鳥居千万宮(灯織/火乃/烏衣) 1019年04月 - 九重楼(灯織/火乃/烏衣) 1019年05月 - 鳥居千万宮(灯織/火乃/烏衣/灯名) 1019年06月 - 火乃交神 1019年07月 - 白骨城(灯織/火乃/烏衣/灯名)、灯織逝去、火偉誕生 ※08月
<風雲の章/三代目当主灯名> 1019年08月 - 選考試合(火乃/烏衣/灯名) 1019年09月 - 九重楼(火乃/烏衣/灯名) 1019年10月 - 鳥居千万宮(火乃/烏衣/灯名/火偉) 1019年11月 - 大江山(火乃/烏衣/灯名/火偉) 1019年12月 - 大江山(火乃/烏衣/灯名/火偉) 1020年01月 - 烏衣交神 1020年02月 - 鳥居千万宮(火乃/烏衣/灯名/火偉)、火乃逝去 1020年03月 - 炉衣誕生、選考試合(烏衣/灯名/火偉) 1020年04月 - 九重楼(烏衣/灯名/火偉) 1020年05月 - 九重楼(烏衣/灯名/火偉/炉衣) 1020年06月 - 灯名交神、烏衣はやり病 1020年07月 - 白骨城(灯名/火偉/炉衣)、烏衣逝去 1020年08月 - 灯呼丸誕生、白骨城(灯名/火偉/炉衣) 1020年09月 - 九重楼(灯名/火偉/炉衣) 1020年10月 - 九重楼(灯名/火偉/炉衣/灯呼丸) 1020年11月 - 火偉交神、灯名逝去
<呼水の章/四代目当主灯呼丸> 1020年12月 - 大江山(火偉/炉衣/灯呼丸) 1021年01月 - 火月誕生、炉衣交神 1021年02月 - 鳥居千万宮(火偉/炉衣/灯呼丸) 1021年03月 - 炯誕生、九重楼(火偉/炉衣/灯呼丸/火月) 1021年04月 - 九重楼(火偉/炉衣/灯呼丸/火月)、火偉逝去 1021年05月 - 鳥居千万宮(炉衣/灯呼丸/火月/炯) 1021年06月 - 白骨城(炉衣/灯呼丸/火月/炯) 1021年07月 - 白骨城(炉衣/灯呼丸/火月/炯)、炉衣逝去 1021年08月 - 灯呼丸交神 1021年09月 - 相翼院(灯呼丸/火月/炯) 1021年10月 - 灯呼坊誕生、鳥居千万宮(火月/炯) 1021年11月 - 大江山(灯呼丸/炯) 1021年12月 - 大江山(灯呼丸/火月/炯/灯呼坊) 1022年01月 - 相翼院(灯呼丸/火月/炯/灯呼坊) 1022年02月 - 鳥居千万宮(灯呼丸/火月/炯/灯呼坊) 1022年03月 - 火月交神、灯呼丸逝去
<五代目当主灯呼坊> 1022年04月 - 相翼院(火月/炯/灯呼坊) 1022年05月 - 月火誕生、九重楼(炯/灯呼坊) 1022年06月 - 炯交神 1022年07月 - 相翼院(火月/炯/灯呼坊/月火) 1022年08月 - 炯良誕生、選考試合(灯呼坊/月火) 1022年09月 - 九重楼(灯呼坊/月火) 1022年10月 - 九重楼(炯/灯呼坊/月火/炯良) 1022年11月 - 大江山(炯/灯呼坊/月火/炯良) 1022年12月 - 灯呼坊交神 1023年01月 - 親王鎮魂墓(炯/灯呼坊/月火/炯良) 1023年02月 - 灯矢誕生、忘我流水道出陣(灯呼坊/月火/炯良)、炯逝去 1023年03月 - 選考試合(月火/炯良)
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1022.12-1023.01
山を越え、谷を越え……屍を越えてゆけ。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
イツ花が笑顔��迎えてくれます。 戦果は……そうだね。
「山を越えたよイツ花……」
入手した術を教えてくれます。石猿はいい引きだった。
プレイヤーとのテンションの差がすごい。
中の人「ふざけんな💢💢💢」(※音声抜粋でない)
奉納点8888点くれましたけど嬉しいんだか嬉しくないんだか……
「何からしようかねえ」
まずは健康度と忠心をチェック……わかっていたけど炯くんの健康度が下がりました。
「長生きしてくれたね……」
そしてみんなあんなに進言却下したのに忠心があまり下がっていません。灯呼坊くんの求心力すごいのでは。
「どうするかねえ、外に偵察に出す? ちょっとだけ見に行く?」
と、外に一歩出掛けたそのとき。
おお、イツ花どうしたどうした。……って、知ってるけども。
……とのことなので。
外に見に行きました。
ああ~BGMが違う~
後半戦です。
大江山は立ち入りが禁止されました。二度といけません。
まあ、今日は都に戻って交神です。
「まずは……炯くんに漢方薬を飲んでもらおうね」
大江山を越えたのに生き残れないことがこんなに悲しいなんて……
さて。灯呼坊くんの交神です。蓮美さまの土はいつ見ても惚れ惚れしますね。
「実は……奉納点を貯めに貯めていたものですから……壱与ちゃんまで交神が可能です。やらないけどね!w」
で。選んだのがこの方。春野鈴女さまです。
いや、なにせ似合う。
ゆえに、世代的にはもっと行ったほうがいいとわかってはい���んですが……
おまかせしました。この方に。
「いまきっと癒しがほしいから……」
はい、ドスケベ小僧だけど、本命とはちゃんと順番にね!
「……男の子だねぇ~!! いいんじゃない? いいんじゃない??」
はい。次代当主は男の子です。
1月、月火ちゃんの元服です。
って、え!?
「えっ待って待って衝撃なんだけど。うちのかわいい月火ちゃんがいったいどこの誰に!?」
ここで慌てて交神画面に出戻りです。
「明美ちゃんは……ないな……」
ごめん。
他の候補者は大隅爆炎さま……くらい…… えっでも素質的には微妙だ……! 月火ちゃんは地力があんまりなので次は上げないと戦えない……!
悩ましい。課題ができてしまいました。
それはともかく幻灯。色白がひとりもいないねえ……
正月なので、みんなに名品珍品を授与します。
月火ちゃんは控えめ、炯良ちゃんは激しめ。イメージ通りだなあ。
そして有寿ノ宝鏡を2ダース、雷太鼓の符もなんとなくいくつか買っておきました。
で、1月はここ、親王鎮魂墓です。大筒士スターターキットほしい。
灯呼坊「帰れ」 黄川人「ボクをあの鬼から出したこと、まだ悔やんでるとしたら そりゃ、お門違い��ゼ」 灯呼坊「なんだと?」 黄川人「ボクが あの鬼の中に封じられてることくらい、天界の連中は百も承知だったんだからね」 灯呼坊「……」 黄川人「今度の交神の儀のときにでも 神の面子をよーく見てごらん。見慣れない顔が増えてるはずだ」
「も~~見た」(呆れ)
黄川人「ボクが閉じ込められたときに道連れにしてやったやつらサ」
灯呼坊は無言で、去っていく黄川人を見送ったことでしょう。
さて中に入って、鉄クマ戦。
ひえ~~通らない!(月火ちゃんなんか消えてるけど)
170くらいの打撃を安定して三連入れてくれる炯。
炯良ちゃんのレベルアップは体水がいい感じですね。
炯は……まだ体土が上がってる!? でも黄川人くんが煽ったせいか、心の火が爆上がりしてて……心配です…… 水も上がってるから大丈夫、大丈夫……
赤い火で、キターーーーー!真砂の太刀、筒の指南、葵ノ兜! 真砂の太刀は竜神刀があるので出番ないかもですけど……
矛盗み、ツブテ吐きゲット。井戸香炉もついでに。
そして月火ちゃんがレベルアップ。体の水が良いね!(風の列は見てない)
えっ珍しい……!炯良ちゃんはめったに回復進言をしないんですよね。 でもぜんぜん食らってないんです。この前の戦闘で結構なダメージを食らってしまったので、怖がってるみたいですね……
「よっぽどびびったんだな、かわいそうに……」
一応、と買っておいた符もかなり使いました。
この後気持ち悪い動きをする燃え髪に後ろから当たられて背後より敵襲となりましたがなんとか事なきを得て、結界印を使いながらどうにか討伐を続けました。
スクショはないけどひたすら敵の攻撃が痛かった……。さすが後半戦は違う。
ということで京へ帰還。今回はあまり抜粋できるような発言もない、山越え直後らしいテンション低めの回となりました。
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1022.10-1022.11
炯良の初陣と……いざ行かん、冬の山。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
ありがとう!
さて今月の炯良ちゃんの訓練結果は~……
たっかい!
炯くん、先月は娘との距離をはかりかねてたんですかね!? 仲良くなれたみたいで嬉しいです。
さて。元気です、炯くん!
ここでプレイヤー、考えるんですよ。
炯くん、間に合うなって。大江山に行けるな、って……
行きましょう。
今月、できる限り炯良ちゃんを鍛えて、来月――行きます。
「長生きしてくれ……」
山に行くなら最低限の体力がほしいです。前衛職だし。
「大江山の……来月が、1歳1ヶ月。で、12月に1歳2ヶ月。 交神をするなら……大江山で死なないことを決意して行くか、今するかしかないんだ。今するかしかない。 ただ、今月……炯良ちゃんを鍛えないと大江山行けないので、どっちにしろ今月は出撃するしかない。絶対死なない覚悟を決めるぞ。頼むぞ。わたしが覚悟を決めるわホントに。絶対死なない覚悟で行けよ」
さあ、ひさびさの4人出撃です。行くぞ!
萌子と闇の光刃がほしいので2連続で行きます。先月は下見だったね。 大ボスはちょっとやめておきます。
炯良ちゃんの初レベルアップ。う~んもうちょい!体水20くらい!お願い!
「月火ちゃんは強いんだから防御して様子を見る進言ばっかりしない!」
妹の初陣だよ!かっこいいとこ見せようよ!まあ防御進言がいっそいとおしくなってきたけどね。
よっしえらい!炯良ちゃん、20上げてくれたね!
危なげなく倒しつつ、ボスにも行かないので淡々と雑魚処理をします。
しかしここで気づく。
「あれっ当主攻撃力下がってない?これ……木霊の弓じゃないね?」
「イツ花ちゃんに『はいこれ!』って渡された弓を『���お……』ってなんの疑いもなく持ってきちゃったよね」
逆に途中まで気づかなかった体の火の強さ。まあ特に支障ないので続けます。
灯呼坊くんとの同時レベルアップと、炯良ちゃん最後のレベルアップ。う~ん400届かず!来月、ボス戦までに鍛えるしかないですね。
取り敢えず帰ります!来週は……大江山!最低限、お猿さんは倒しますよ!
の、前にィ、
炯「なにをしているんだ?」 灯呼坊「いやちょっと決戦の前にひとつと思って」 炯「……ふたりには言わな��でおく」
炯くんはあの女神さまとどう過ごしたんでしょうね?
ということで健康度チェック。
「炯くん、1歳8ヶ月で健康度100!? どういう……ことだ? 1歳10ヶ月は生きるってこと? え? すごいな? そんなに? すごいね。めちゃくちゃ感動したんだけどいま」
※この時点でプレイヤーは寿命が長い原因を知りません。
今月のステータス。さー美人画も堪能したし行くぞ!
いざ行かん、大江山!
イツ花「とっつげきィ~~~!」
「円子覚えてんだ、 月火ちゃん……!」
お雫さんの水が活きてます。
そしてこの赤い火。
のぼれ、のぼれ!
「月火ちゃんは……そうだよね? 防御したいんだもんね?」
まあ当然殴ってもらいます。よし、攻撃は通るね!
ひたすら殴って太り仁王を撃破。
「月火ちゃん、痩せ仁王に500以上のダメージ出すのにいっつも防御進言出すのやめようか」
戦闘終了。
先にのぼって、とにかく飛空大将狩りじゃ~~!
炯くんの体の上がりがさすがに止まりました……
あっ青火で時登りの笛……!と思ったら避けられまくって持ち逃げされました。くそう!
「最初の赤い火で取り敢えず剛鉄弓を奪い取ろう。時登りの笛は無限にほしい」
そしてついに1つ目の赤い火です。
「剛鉄弓をください! 剛鉄弓……いただきました!!」
「これで当主の弓が更に冴え渡るな」
印虎姫もゲットです。いいね!
牛頭丸と時登りの笛をゲット。
このへんで携帯袋がいっぱいです。
「しょうがねえ、行くしかねえや。……突っ込むぞ!!」
例の碑も無視して走り抜け、たどり着いたのは橋。
ウッキー……!って、なめてんのかコラ!
と、ぶちのめします。
「石猿をください!!!! ……竜神刀!! 石猿!! 来たよ!!!!」
進言にくらら。心の風の高さが見えます。
攻撃を選択しましたが通らない。これは取り敢えず当主に武人!
炯良ちゃんが結構食らってびびりましたがさすがの月火ちゃん、お雫進言です!いつも絶対入ってる防御がない!泣かせます。
よし武人も3回位かけたし攻撃していくぞ!
「へっ!?」
「…………」
「え……っと……。 当主がクリティカルで699出して粉砕しました」
ボイスログ、マジで呆然としてて笑いました。
炯良ちゃんの体力、上がりきらず。
しかし……
どうするか。
「赤い火は切れちゃったけど……いま、正直ほぼ技力を使わず……」
お猿さんを倒してしまったので。
「……」
「……はぁ~っ(ため息)」
行くか。
そこにいたのは醜い鬼。 灯呼坊は、臭気に顔を顰めます。
「なにがそういうことだよ💢」
黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。
「知らねえよ!呪い解け!バカヤローッ!怒ってんだぞこっちは!」
「1500両3つ揃って戦勝点2倍。……(そういうのは)今じゃない。今じゃないぞ!」
雷太鼓の符。152ダメージ……
しょっぱいなー、と思ってます。
「う~ん、月火ちゃんまた防御進言だね。愛しいね。わたし、月火ちゃんのこと大好きなんだ」
攻撃したけどダメージは奮わず。48。う~ん……!これはまだ符のほうがマシですね。符で削りつつ当主に武人……かなあ。
尻で圧殺が来ました。前列の二人のダメージ量がすごい……
迷わずお地母です。
お雫を灯呼坊くんと炯がそれぞれ月火ちゃん��自分にかけて万全にします。
炯良ちゃんは七光の御玉を使用。モミジさんの魔王陣!
炯が雷太鼓の符で追撃します。
さて灯呼坊くん!当主の指輪を使用。この対峙すっごい……
ダメージはいい感じ!
月火ちゃんは……七光の御玉!
「壱与姫か!今じゃねえな!」
攻撃力が低下……;
当主も七光の御玉!蓮美さま!やったー真名姫だ!!
符で攻撃しつつ……月火ちゃんの防御進言に笑いつつ……
全員で灯呼坊に武人!
「自分のほうがやばいのに!ひとにお雫とか進言しないの!!ああっでも採用しちゃう……」
回復と武人を繰り返してやっと攻撃。まあまあ通るようになってきた……!
「偉いぞ炯良ちゃん!君は攻撃進言しかできないと思いこんでいたよ!」
くらら様の力も借ります。真名姫!ありがとう!
また武人を重ね……418!どうだ……!?
来たーーーーーーッ!
「山越えましたよ……!!」
喜ぶ一同。
しかし……
灯呼坊は、どういうことだ、と声を上げます。
しかしそれが耳に入っているのかいないのか、鬼は灯呼坊を嘲るように笑い……
現れたのは……
激闘の後。
呆然としたまま、歩きまわることすら出来ず、帰還のときです。
……帰ろう。取り敢えず。
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1022.08-1022.09
選考試合と九重楼討伐。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
「ああ……誰かが死ぬと誰かが来るんだ……いつもそうだ」
「女の子がね、二人続いたね」
なぜかここに至るまで火乃ラインと烏衣ラインは同じ性別です。
「炯とまったく同じ色だねえ……ボコボコだねぇ!」
素質いいの引けてたと思ったんだけど全部裏に行ったようで。
でもすっごくかわいい!大事に育てましょう。
「炯の字はね……あきらかと読むんですよ」
と、いうことで。炯良(あきら)ちゃん、薙刀士です!
(※プレイヤーは単純にそろそろ全体攻撃がほしくて薙刀士を選択したんですが、炯が選んでるとしたら、志半ばで命を落とした父の職に就かせてるってことになります���……)
今月のステータスチェック。めちゃくちゃ緊張して健康度を見たんですが炯くんも元気です。
そして今月は、敗走後に追加された家訓により、炯は炯良ちゃんの指導に回っていただきます。
こっちは選考試合に参加。二人だけど行けるよね。
「ま~た京極町内会か」
いつもこの人達と戦ってる気がする。
うっかり大将を射抜いてしまい技アリに。スクショが下手。
レベルアップ。相変わらず心の風と体の火がぐんぐん伸びます。
次はあさひ突撃隊。拳法家は避けるから嫌ですね。
対人なのでちょっとマシなのかもしれませんがまた防御を進言してます。月火ちゃんは相変わらずの戦い嫌い。
だよねー。
まあ当主の手にかかればこんなもんですわ。
月火ちゃんの技、最低限水が伸びていってくれればまあ……よしです。壊し屋だものね。身体の水と土の上がりはありがたい感じ。
本願院選抜。この人達とはもしかすると初かな?
でも強い強い。普通に倒せましたね。
そしてまたレベルア…………月火ちゃんッwww技止まったwww
ま、まあ水がまだ上がってるから(小声)大丈夫大丈夫(小声)
「円山町愚連隊また?毎回決勝戦お前らじゃね?」
「うわ……いま688とかえげつない攻撃力だったんだけど。ほんとかわいそうになるんだけど」
そして軽々ダメージ量を越えていく当主様。キャーカッコイイ~!セクハラさえしなければ!
総代「月火、装束が乱れているぞ」 月火「……💢」(無言でガード) 総代「いや、冗談だ冗談、睨むなって。ははは」
って、うわっ!!!!奥義だ!!!
「連弾弓かな!?」
「は~~! 連弾弓きた~! 連弾弓来たよ~!」
成長もすごい。嬉しいです!!
「支度金1470両? もうちょっとちょうだいよ」
茶器を5つもらってきました。
さて帰還。イツ花にお祝いされて鼻高々の灯呼坊くんです。
炯良ちゃんの訓練結果報告。 炯、技はちょっと教えるの苦手。感覚で覚えるタイプだもんね。
灯呼丸くんのときは寿命間近で教えてくれなかった奥義についての仕様を教えてくれました。オッケー絶対に伝えていく。
鳥居千万宮かあ~。どうしようかな。
炯は今月も健康度100です。引き続き炯良ちゃんの訓練をお願いしよう。
「炯くんはおうちに残って娘の指導をするわけだけれども、忠心は下がってないし、このまま……引退になる、のかなあ?そうだねえ。1歳6ヶ月……1歳6ヶ月かあ……来月下がる可能性もなくはないけどなあ……」
巫女の衣と上杉銅を買って装備します。
「店売り装備品を使わない縛りをしてるのかってくらい使ってなかったからね」
ドロップしちゃうとつらいからつい……
さて、討伐強化月間を無視して九重楼に行きます。
技が死んでることはもう気にしない。
体の成長がいいね、って女の子になんか言いづらいな?(と言っちゃうからダメなんだけど)
術めちゃくちゃ苦手なのに進言してる。珍しい。
灯呼坊くんの弓が冴え渡っている。体の火と技素質が完全に噛み合ってますね。
せめて揃えてほしい。欲を言うならば闇の光刃くれ。いやたぶんこれは持ってない編成だけど。萌子もほしい……
う~~~ん何も取れず帰還です。安全に八階と九階の雑魚戦だけを行いました。
月火ちゃんは3つの進言のうち2つが防御なのがやっぱり多くて(スクショ撮っておけばよかった……ボイスログ参照です)、灯呼坊くんがひたすら強かった印象。まあセクハラさえしなければ(2回め)、頼りになる当主です。
ということで次回は炯良ちゃんの初陣。そして、運命の11月がやって来ます。
当主・灯呼坊がどういう選択をするのか……見守っていただけますと幸いです。
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月の子は沈みゆく陽に焦がれて祈る
火偉の交神について。 一族間の恋愛感情が苦手な方は注意してください。(※片想いです)
「耳をすませているうちに、さざ波のように奪うから」と同月の話。 この直後が「月の子は新月の晩に死を悼む」となります。
当主の具合が悪いらしい。まあ先月の時点でそれはわかっていたことだった。なのでその報を聞いても特に何かが変わるわけではない。俺は予定通り交神へ向かい、当主は予定通り休養するというだけだ。 「ご出立のまえに今月しておきたいことを済ませておいてくださいね」 儀式用の装束に着替えたイツ花に言われ、俺は当主の部屋へ向かう。いまさら挨拶などと、なにも言うことはない。しかし顔は見ておきたかった。 「当主」 障子越しに声を掛ける。返事はなかった。嫌な予感に障子を開く。当主は部屋の中心に置かれた布団のなかで、目を瞑っていた。音を立てぬよう、しかし極力急ぎ足に近づいて、隣に座す。そのまま口元へと手を持って行けば、頼りない吐息がかかるのを確認できた。 「……眠っているだけか」 ひとりつぶやく。その声があまりに安堵の色に満ちていて、この場に自分以外がいないことをよかったと思う。 「……」 いつもそうするように、眠る当主の赤髪に触れた。体調が悪いせいか、いつもよりすこし手触りが悪い。いくらか迷ったあと、文机の上にある櫛を持ってきて、起こさぬようにすこしだけ、その髪を梳くことにした。 ――好いた男でもないのにこんなことをされては気味が悪かろうな。 自覚はある。だが当主が自分の髪を大事にしていることも知っていた。母のようにまっすぐではないのが悔しいが、その分手入れをきっちりしていると、俺の母に何度も漏らしていたのを聞いていたのだから。 「……すまん」 ひと房取ったその髪に、櫛を入れる。起きるな、と頭のなかで繰り返し唱えながら、力任せにならぬように梳いた。体の下敷きになっているところはどうにもならないが、それ以外はすこしずつ進め、やっといつもの手触りに近くなる。 ――〝いつもの手触り〟、か。やはり気味が悪いな。 ふ、と漏れるのは自嘲だ。櫛を手に立ち上がり、文机の上に戻す。さてどうするかと考えて、ふたたび当主の隣に腰掛けた。よほど眠りが深いのか、起きる気配はない。 妙な静けさに、らしくもなく過去を思い返す。自分はなぜ眠る当主の頭に触れるようになったのだったか。ああ、たしかあれは俺の母が死んだ後だ。俺の頭を撫でようとするので拒否をしたら、じゃあ自分を撫でろと訳のわからないことを言い出したのだった。
「あたしだって火乃さんのこと大好きだったんだもん。元気が出るから、慰めて」 おまえはいま、死んだ人間の息子を慰めようとしていたんじゃあないのか――と思ったが、それを指摘しても無駄だろうことはすぐにわかる。だが言う通りにしてやる気もない。どうやら撫でられるのを待っているらしい当主を無視して放置した。すると当主は標的を俺から炉衣に変える。 「撫でて!」 「なんで?」 「元気が出るから」 ……黙って撫でた。なんだこの光景は。意味がわからん。もはや突っ込む気にもなれなかった。そして撫でられた当主は実際に元気を出している。単純なやつだと思った。 だが、起きているときに触れてしまえば、なにかを壊してしまいそうでできない。
――だから、眠っているときだけ。 気づけばふたたびその髪を手に取っている。思えば、誰も居ない状態で無防備に眠っていることなど数えるほどだ。だからこうして触れた回数も、さほど多くはない。そしてこれがおそらく最後になることは、誰に言われずともわかった。 「行ってくる」 その髪の先端に唇を落とし、手を離す。 さっさと終わらせて、さっさと帰る――そう決めて、俺は足早にその場を去った。
✷
「私たち、お��だちになれそうですね」 出合い頭にそんなことを言う女神に胡散臭さを感じぬわけがない。思わずはっと鼻で笑ってしまったが、「左様ですか」と慇懃に返す。 「ええ。土の匂いがするから……私、土の匂いがする人、嫌いじゃないです」 「父が土の男神ですから」 適当に返し、目だけを動かして周囲を見回した。白と赤の椿があちこちに咲いていて落ち着かない。 「ええ、存じ上げております。伏丸さまのお子であるとか……たしかに、すこし野性的な空気がおありですね」 にこやかに語りかけてくる女神に返答をするのももはや面倒である。だがこれを投げることはできない。こちらもせいぜい笑っていればよかろうと笑みを返せば、女神はその笑みをより一層深くした。
どれほどの時が経っただろうか。こちらでは時間の流れがやけに遅く感じる。それを差し引いたとしてもずいぶんと経ってしまったような気がして、俺はらしくもなく焦りを覚えていた。祭壇の玉に変化はない。俺が祈りとは無縁であるからだめなのか。それともあの女神と心通じ合わせねばだめだということか? 通じ合わせるとはなんだ。どうしたらいい。 どうしたら俺は当主の――灯名のもとへ帰れる? 気づけば舌を打っている。聞こえたか、と椿姫を見れば、女神はやはり、にこやかに笑んでいた。……なにがおかしい。 「想い人がいるのですね」 はっとした。いままで誰ひとりとして気がついたことがないというのに。なにも言えずに顔を見る。その青い瞳は底知れず、はじめてその髪と目の組み合わせが、灯呼丸と同じであることに気がついた。 「……そうだ」 灯名の息子に問われたような心地のまま、先の問いに同意を返す。すると「構いませんわ」と穏やかな声がして、白く柔らかい指先が俺の手を取った。 「大丈夫。その方を想って……その方を守るためのお子を願って」
ああ。 守るとはなんだ。 呪いからか? ならば、――もう間に合うまいよ。
暗く沈む思考のなか、それでもと光を手繰り寄せる。 自分の命をつなぐことに興味はない。しかし、それでも、それが、好きな女の命ならば。 灯呼丸を守る、そのための子なら――ああ、たしかに、願えるかもな。
思った瞬間、今日までにすっかり慣らされた椿の香りが強くなる。あまりの芳香にくらりと視界が揺れ、同時に襲った急激な眠気に意識を失った。
✷
「子の兆しがありました」 目が覚めると、俺の傍らに女神が座している。いままでの馴れ馴れしい態度はどこへやら、椿姫ノ花蓮は正しく女神としてそこに在った。その背後、祭壇の玉は煌々と光っている。玉に映るのは俺と同じ、火の色をした男児だ。 「お帰りください。あなたの当主様のところへ」 言うなり、椿姫は俺の手に椿の花を握らせる。それは子の髪と同じ、赤い色をしていた。
「――椿の花を見たら、思い出してください」 立ち上がる背に声をかけられる。 「生憎と」 振り返ることもなく言葉を返した。 「貴女様とは違い、日々せせこましく働いている身なれば――花など見るような余裕はございませぬ」 では、と切って、ここならぬ場所を映す水鏡に身を投げる。違和感のあるのは一瞬で、次の瞬間には、見覚えのある一室に立っていた。 「兄さん」 そこに、炉衣がいる。顔を見て、外を見て――そうして理解した。 急ぎ足に儀式用の部屋を出る。こんなときでさえ自分の足は冷静に、物音を立てることなく動いた。 当主の部屋は、屋敷の最奥、もっとも広いそこにある。 ぱん、と物音。自分が力任せに障子戸を開けた音だとすぐに気づいた。冷静だとばかり思っていたが、足よりも手のほうが動揺していたらしい。落ち着け、と言い聞かせ、部屋に足を踏み入れる。 「……当主」 その布団の膨らみは、交神に出る直前と寸分違わず同じに見えた。当然、呼びかけても返事はなく。眠っているのだと思った。――そう、二度と目覚めることはない。 白い布はその顔を覆っている。笑った顔ばかりを見ていた。それでもはじめに見たのは泣き顔で、それがいつまで経っても頭から抜けない。 月のはじめと同じように、隣へ座す。髪に触れればぱさりと乾いていて、もはやもとの艶を取り戻すことはないように見えた。 「――ただいま戻ったぞ、当主」 返事がないとわかっていて、声を掛ける。どうしてか、そうせねばならぬと思った。
どれほど経っただろう。葬儀の準備でもしていて忙しいのか、この部屋に訪ねてくるものはいなかった。俺はただ物言わぬ骸の傍にあって、なにも言わずに呆としている。 間に合わなかった。 たったそれだけの事実が受け入れ難く、しかし事実であるがゆえに、受け入れぬわけにもいかない。俺は自嘲をひとつ漏らして、最後に顔でも見てやろうと布を取った。らしくもなく、両手で、すこしずつ――まるで死でも悼むように。
くだらない。 死んでしまえばそれで終わりだ。
布の下には最後に見たものと変化のない顔がある。いますぐ起き上がっても特に不思議はない。忌まわしい呪いの玉が夕日を反射してわずかに光るようだった。 しばらく眺め、吸い込まれるように顔を近づけて――止まる。 「よく、眠れよ」 そうして、もとの通りに布を被せた。
傾く陽の赤は、もう見えない瞳の色をしている。
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1022.6-1022.07
炯の交神と火月最後の出陣。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
火月くんが月火ちゃんにした訓練の結果。技ァ!
奉納点困ってないけどね。
姿絵屋さんが美人画を扱い始めたご様子。いまの当主様ドスケベ小僧なので欲しがりそうだ。
以上で報告は終わり。
そして……気づきます。
「( ゚д゚)ハッ――!」
「(´ ゚д゚ )ハァァ…」
「健康度が下がった」
「火月くんの健康度が下がった」
「嘘でしょ……最短命か……」
「最短命か……嫌じゃ……」
「嫌じゃああ……!」
これで歳の近い炯と火月が同時に逝去することはなくなったとはいえ……淋しいです。よく考えたら2連続土神との交神だったので、短命になりやすかったんですよね……
さて、落ち込んでますが炯の交神です。
特に希望はなかったので、心素質と体素質の強化をはかります。
「体のね、素質がとってもいい」
「あと、並んだときにむちゃくちゃ合うんですこのふたり」
「えっ……?( ゚д゚)」
「……えっ?www」
「……どこに……?www」
と戸惑いつつ、「心はちょっと……ヤバいの引いてる気がするけどw」とぼやきながらも、次の子に思いを馳せます。
月火ちゃんの上がりは先日と似たような感じ。
え、張り切ってるの?どんな感じに? イツ花ちゃん、緊張でガッチガチの月火ちゃん見て「張り切ってるな^^」って思ってるだけだよね??
そしてなんかできました。大総代毘遮那焔守座神像……長いわ。
なんでつけたそんな名前。
うわ~ん火月がつらそうだよ~(`;ω;´)体力が100以上落ちている……
取り敢えず火月に漢方。う~んあんまり効かないね……しんどいね……
当たり前です。
今月は、弓使いだけど火月がこんな調子なので当主が前に出ます。
行ってらっしゃい!
相翼院で武器探し!
「もうね、大ボスは倒してあるから。でも灯呼丸くんで行けたね~!行っときゃよかったよね。メチャクチャ悩んでたけど芭蕉嵐全然効かなかったもんな。なにを怖がってたんだろうな。……いや大体捨丸のせいだけど。捨丸が怖すぎるのが悪い!」
などとボヤきながら結界印を使って後ろを取りつつ岩清水ノ槌を狙います。
初レベルアップ。技はまあ壊し屋だから覚悟はしてたけど0www
でも次の成長で上げてくれました。
「岩清水ノ槌をくださ~い……」
「( ゚д゚)ハッ!!!!!!!」
「くれた!!!しかも二つ!!!(は、いらんけど)」
確実に仕留めてゲットです。
火月くんの攻撃力、目に見えて落ちてます……
灯呼坊くんはどんどん攻撃力が上がりますね。悪羅を一瞬で砂にする。
3人同時レベルアップ。しかし……火月の体の上がりが見てて辛い。 でも心の火と土の上がりがとにかくスゴイです。意志の強さを感じます。
炯くんはこれ限界値が近いような上がり方に見えますね。プレイヤーは火月くんとは2ヶ月違いだしなあ……そろそろかなあ……なんて思っています。
そして月火ちゃんですが。めっちゃ攻撃外します。いやまあ壊し屋だから……
でも月火ちゃんは特徴として、基本的に絶対防御進言するんですよ。 しかも3つの進言のうち、2つは防御。残りが攻撃。って感じです。 もう怖いし早く終わってほしいとにかく戦いたくない!っていうのが見えてます……。
でも当てさえすれば!初陣にしてこの攻撃力です!
そしてそんなこんなで……
「7月終了。……帰ろうか」
「わかってたけど……しんどいよ。
なんで最短命なんだろ」
「あ~……」
「『大江ノ捨丸に敗北』か……そうだねえ……」
「そうだねえ……」
「ちゃんと、子どもに2ヶ月訓練付けてあげられてよかったね。
一緒に出陣も出来てね……」
「火月くんはね、ありがとう。ほんとう……」
ありがとう。
火月くんは、心の火だけが高かった火偉の息子としてはとても優しく育ちました。心の火がすこし突き抜けてるとはいえ、心の水と土が次いで高く、特に土は最後までよく伸びていたので、なんだかんだ文句言いつつ面倒見の良いしっかり者。という印象が強いです。
逆に風だけが低いので、あんまり搦手とかは得意じゃなく、真っ直ぐな男だったんだろうなと思ってます。とぼけたような態度で全部誤魔化そうとしていた灯呼丸くんとは対照的で、だからこそ苛ついた面もあったでしょうが……
でも、火月くんが火月くんだったから、灯呼丸は最後まで戦えたんだと思います。
「……」
「……絶句してしまった」
だって火月は、例の捨丸戦で最後まで立ってて、反魂を見てます。
その後、死にたいと思いながら生き続けた灯呼丸を支えたひとです。
防御進言ばかりの、戦いたくない娘がいるんです。
戦うしかないって、灯呼丸にも言ったんでしょうか。
だから娘にも言うんでしょうか。
自分とおんなじ色の瞳をじっと見つめて、最期に遺した言葉……
臆病で優しい月火ちゃんは、どう思うんでしょうね……。
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耳をすませているうちに、さざ波のように奪うから
三代目当主・灯名の最期の話。
当主となるあなたに、当主としての心得を教えます。 ひとつ。名を継ぐこと。 ふたつ。志を継ぐこと。 みっつ。泣かないこと。 いいですね。よろしくお願いしますよ。
✷
「あたしはそんなこと言われたけど。でもあたしからあんたに言いたいのはひとつだけ。 自分で決めたことは、自分で責任を取りなさい――それだけよ」 言えば、かわいい息子はきょとりと首を傾げる。この子は素直だが誰に似たのかやや察しが悪い。それともこれは男の子だからだろうか。 「だが母上。俺はどうせ継ぐのなら、先々代の意志もきちんと継ぎたい」 「……そう。勝手になさいな。でも三つめに関しては、あたしがすでに守れてないんだよ」 息子はふたたび不思議そうな顔をする。 「母上が泣いたところは、見たことがないが……」 「そうね。あたしが泣いたことを知ってるのは、あたしともうひとりだけ。というかあたしが泣いたのはあんたが生まれるずっとまえなんだから当たりまえのこと��」 そこまで喋ってから、ふう、と息をついて、天井を見上げた。話すだけのことがどうしてこんなに疲れるの。まあこれが呪いなんだからしょうがないけれど。 「だから――あんたに無茶な心得なんか継がせたくないわ。それでも継ぐっていうなら……そうだね。あんたはちょうど、あたしと変わらない歳で当主を継ぐことになるでしょうし。ならあたしと同じでいいか。 いい? どうしてもつらかったら、泣いてもいいよ。だけど一回だけにしな。先々代の心得を継ぐって、あんたがそう決めたんだから――責任を取りなさい」 はい、と畏まって、灯呼丸は深々と頭を下げる。やけに礼儀正しい子だ。あたしはもちろん、タタラ陣内様にだって似ても似つかない。まったく誰に似たんだか。もしかすると、初代当主様なのかな? 髪と目の色、同じだしね。 などと、部屋を出ていく灯呼丸の後ろ姿を見ながら考える。そうして天井を見上げれば、掠れていく視界に、嫌だなあ、と思った。 死にたくないよ。あたし、まだ生きていたい。 そう思っても、呪いというのは容赦がなかった。震える指先はもはや槍もまともに握れず、先月の討伐ではひどい様を見せてしまったと思う。不機嫌な火偉の目線を、はじめて怖いと思った。 「……あんた、帰ってこないのね。女神様とよろしくやってんのかしら」 ばか。死にそうになってんだから早く帰ってきなさいよ。ちょっと淋しいじゃない。
母さんが死んだのが、悲しかった。 母さんは不思議なひとで、誰かを嗜めることはあれど、怒ることのないひとで――かといって穏やかとも違う。とにかく、母さんは自分の世界で生きているひとだった。だけどそれは自分も似たようなものだったから気にならない。あたしは母さんが好きだったし、一度くらいは、母さんの目線でものを見てみたいと思っていた。 けれど、母さんの声を聞いて、ああ自分には無理だなあ、とわかってしまった。 だってあたしには死が柔らかいものだなんて思えそうにない。母さんが死んでしまうのが、みんなが死んでしまうのがほんとうに怖くて、自分も死にたくなくて……だから無理だと思った。それが無性に悲しくて、泣いたのだ。泣くなと言われていたから、こっそりとひとりで。 ……まあ、見られてしまったんだけど。 「だめだ、いま思い出しても恥ずかしい。でも、あんたひとりでも。弱いあたしを知っていてくれたこと……ひょっとしたら、救いになっていたかもね」 ひとり自嘲して、いままでは決して抜けなかったのに、ゆるくなりはじめた指輪をくるりと回す。このまま抜いてしまえば死ぬのだろうか。そう思ったら触るのが怖くなって、手を離した。けれど唐突にはじまった目眩に、すべてを察する。 「ごめん、火偉……待てないかも」 「総代様、今日は何を……あああッ!」 ちょうど部屋に入ってきたらしいイツ花が騒ぎ出した。それから灯呼丸と炉衣が部屋に入ってきた気配がする。やめてよもう、そういうの。わかってるんだからさ。――嘘。わからない。わかりたくない。死にたくない!
誰か、あたしを慰めて。大丈夫だよ��まだ生きていられるよって励ましてよ。 それができないなら叱ってよ。炉衣、あんたならできるでしょ。そんな顔であたしを見ないで。
「総代様……、残念ながら、もう時間があまりないようです」 今すぐ次の当主を、と言う声に、あはは、と笑い声が漏れる。人間、どうしようもないときって笑うしかないのよね。 「灯呼丸」 笑っていたからか、思ったよりも明るい声が出た。灯呼丸はもう泣き出しそうな顔をして、それでもどうにか堪えながら、はい、と返事をする。 「これはいまから、あんたのものよ」 受け取りなさい――そう言って、するりと抜けた当主の指輪を、器のように差し出された手にぽんと置く。その瞬間、まるですべての力が灯呼丸へと吸い取られたように脱力し、腕が上がらなくなった。 「母上……!」 「――明日も生きていたければ、今日と必死で戦いなさい」 まえまえから考えていた〝当主らしい遺言〟を、最後の力で、呟くように言う。その瞬間もはや目も見えなくなって、大好きな息子のあたしを呼ぶ声だけが、暗闇のなかに響いていた。
そっか。 死って、意外と……
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1022.04-1022.05
俺屍Rプレイ記(26)
相翼院、片羽ノお業討伐。火月の子お迎え。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
取り敢えず入手した朱ノ首輪を売ります。使う予定はないんですが1つは置いておいて。
当主を一番上に並べ直して……
ステータスの確認。
出陣です。
「弓使い当主かわいいな……」
「そろそろ3人でも大ボス倒していかないといけないんだよな……」
とか言いながら突撃したら初っ端から赤い火が。
「うううううぇ!? またかよ……だから初っ端はやめろとあれほど言ってるでしょうが!」
難易度固定なのでどっぷりにもできずただ走るだけです。
「というか走る灯呼坊くんかっこいいんだけど……弓使いの衣装いいな。というか弓使いの衣装、下に着てるのは長袖らしい���すね」
炯がレベルアップ。というか出撃隊指名のときに灯呼坊の順番を変えていない状態だったので灯呼坊の位置が一番下になっちゃってますね。
「岩清水ノ槌がほしいなあ……壊し屋の……槌の指南書はもうあるんでね。壊し屋がほしいなあ」
などと言いながら悪羅を狩ります。
灯呼坊のレベルアップ。
「ほんとに強いね。灯呼坊くんがほんっとに強い」
悪羅をばったばったとなぎ倒して……いや射抜いております。
火月もレベルアップ……ですが、おや、体力の上がりが……?
火月は1歳3ヶ月……。 男子の最短寿命は1歳6ヶ月です。まさか……。
「……大丈夫だよ。まだ若い。火月は全然若い。大丈夫。大丈夫」
言い聞かせてます。とにかく悪羅を狩りましょう。
出たな槍まみれ。
そろそろ灯呼坊君が悪羅を一撃です。強い……。
技力の残量も考えて、ボスに挑むことに。
灯呼丸くんが背を向けた部屋……、挑みます。
降りてくる天女。灯呼坊はその眩しさに目を細めます。
天女は穏やかそうな笑顔で口を開きました。
灯呼坊「これは話が通じないな。しょうがない。ちょっとその豊満な乳房を触ってみたかったんだが」
炯「ふざけている場合か」
「……さァ、さあどうしようか。とりあえず……とりあえずねえ……
とりあえず当主に速瀬だ!」
火月で一撃殴ってみると初っ端クリティカル!スクショは取り逃しましたが初っ端クリティカル、実はお紺さん戦の灯呼丸くんも同じことをしてます。
とても怖がってた芭蕉嵐!しかし……
「芭蕉嵐、そんなに効かないぞ!」
前列の火月、さすがの技土一位です。見ての通りの減少値。(炯は避けた)
でも回復はこまめに。火月、自分にお雫です。
「芭蕉嵐ばっかり打ってきやがって……いいよあんまり効かないから」
回復はこまめにしつつ、当主に武人をかける作戦。
「なんか……炯くんは火月くんに相変わらず鏡を向けているけど……まあお兄ちゃんのこと尊敬してるのはわかるけど……wとりあえず当主にお雫をしてもらおうか」
当主は自分に武人。
そこから2、3度重ね……
一撃……!とはいかず。
変身されました!これは危ないか!?
と、思ったら。
……あ。
炯の蹴りで沈んでしまいました。
なんか締まらない感じですが、片羽ノお業、打倒。
案外あっさり行ったので、戻って悪羅を狩りつつ4月終了。
ただいま!
火月くんの子のお出迎えです。
また煮魚コメント。わたしがプレイするとこのコメントやたら引きます……w
ちょっとスクショ撮るの失敗しているんですが……、技の水と体の水がそれぞれ、バーの最長を100とすると75くらいのところまでビョンビョン伸びます。体の火は見ての通りの低さなのでこれは武器と成長値に補助が得られる壊し屋向きですね!
髪色が赤なので歴代勇姿録で一位を取った火月くんの心の火は継いでいると思うのですが、裏に行ったご様子。瞳の色も黄色なので、伏丸様または花蓮様の技の土も継いでいるはずですが、これも裏に行ったかな。
交神のとき、お雫さんの強い強い心の水も引いたのを見てますが、それも裏に……裏に行ったの多いな!笑 技の水と体の水が上がったから良しとしましょう。
「穏やかになっちまって……この家系はみんな血の気が多いと思ってたけど……w」
さて、お名前はお父さんの名前「火月」をひっくり返して「月火(げっか)」ちゃん。心の火が月の裏に隠れちゃったので。
職業は壊し屋です。それにしてもお顔はとてもお父さんにそっくり。
さて、お子のお出迎えも終わったので、今月は何をしましょうか……って。
「忠心、ガッタガタだなあwごめんてw下げないでよwwしょうがないじゃん大ボスだったんだからwww」
とプレイヤーは笑っていますがかなり進言無視した割には高いです。大丈夫大丈夫。
しょうがないので天目茶碗を炯くんと火月くんにあげます。 ……火月、あんまり嬉しくなさそうだね?
まあ忠心は上がったので良し。
当家の決まりとして、新たに「必ず訓練する」が追加されたので、火月に自分の娘の訓練を任せます。
なぜかここで半端に投資。なんで?たぶん気分でしょうね。
出撃隊は当主・灯呼坊と、 忠心が特に下がっていた炯のコンビ。大丈夫かな……w
九重楼に出撃します。
「まあ二人出陣でいきなりボスに挑むということはないからな~……」
堀口拳とか胡蝶の手袋とかほしいけど……まあね。無理だよね。
みどろはゲットしました。
「みどろはいいね~いらないね~~」
いらないんかい。(セルフツッコミ)
炯の体の上がりもやや伸び悩んでおりますが単純に成長限界っぽい上がり方ですね。
「萌子~萌子~」と言いつつ、七階~八階を行ったり来たりしていたら終わり。あっさりした出陣になってしまった……。
まあこういう月もありますよね。しょうがない。
帰りましょう。
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歴代勇姿録(4)
5代当主就任直後の歴代勇姿録です。 4代までの歴代勇姿録はプレイ中に入ってます。そのうち分けるかも。分けないかも。
まずは心の火部門。火偉と火月の心の火はたぶん同じ素質ですが、戦勝点を多く得られた火月が火偉を超える形となりました。それでも他の心の素質もきちんと上がっている火月と火一点特化の火偉とではその意味が変わってきます(笑)
心の水部門。心の火部門三位に入っていた炯が心の水部門一位に来るのはなかなかいいですね。バランスが取れた心を持ってます。さすがフラット炉衣の息子です。三位までそれほど差はなく当主家の二人がつけてます。
心の風はやはり灯呼丸と灯名でした。三位に炉衣が入ってます。なんとなくわかるな……。灯呼丸が最後の最後に心の風ばかり上げていたのが妙に物悲しく感じたのは記憶に新しいです。
心の土。灯呼坊くんが既に一位です。蓮美さまの心の土素質を引いていたので、心の水と土の高さが根の誠実さと優しさを表していますね。イツ花の尻とか触るドスケベ小僧ですけど。 個人的には二位の火月がポイントです。火月は心の火が一族イチ高いんですけど心の土も高いので、かなり真面目で情に厚いタイプと伺えます。
技の火。うわ、二位との差! タタラ陣内様の子である灯呼丸くんの圧勝でした。益荒男刀が取れてさえいれば猛威を奮ったであろうことが推測できます。ほんとうに、取れてさえいれば……。
技の水。初代の子がここにきても一位なのは当家の技水不足を伺わせますね……。これはしばらく課題になるなと思います。
技の風。決して数値的に高くはない灯呼丸くんが一位です。 風の神との交神があまりできていないのでこれも不足しています。
技の土。こちらは伏丸様の技を引いた火月君が一位、三位に同じ技の土を持っていた火偉がつけています。灯呼丸くんが間に挟まっているのが面白いですが、確かに術回避率は高かったですね。
体の火。同じタタラ陣内様の体火を受け継いだ二人がツートップです。灯呼坊くんはまだまだ伸びますね。そして三位の炯。拳法家は体の成長値に補正が入ったんですっけ?見た目より成長してくれてます。
体の水。くらら様のお子、炯が現状のトップです。灯呼坊はまだまだ成長期なので、近いうちに炯を抜くと思います。
体の風。おそらく風魔慎兵様の影響かな?灯呼丸君が速いですね。当主家は敢えて複数攻撃職を選んでいないので、最初に手番を取ってくれると有り難いです。
伏丸様の土が強いのか世代が違うのに火偉がまた見えてます。蓮美さまの土を引いた灯呼坊君がすぐに越えそうですね!
素質自慢!なんじゃこの差。笑いました。灯呼丸くんから灯呼坊くんへの跳躍がすごい。当主家だから奉納点をたくさん使う、とかはしていないのですが、このぶんだと後に来る子も押さえて一番になってるかもしれませんね……。
技力。非常に不足しています……一位の灯呼丸が190。これも今後の課題です。
火偉と灯名は寿命が同じだったんですね。灯名が最短ではないものの比較的短命なのと火偉が少し長命だったのと。烏衣は病気になりながら長生きしてくれました……そのぶん遺言がつらかったのですが。
これは変わりそうにないですね。双子が出るまで。
戦勝点! すごく戦ったんですね。灯呼丸……。
よくがんばりました。
というわけで以上です。お付き合いありがとうございました。
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1022.02-1022.03
俺屍Rプレイ記(25)
「俺は、やったぞ。あの鬼を、斬ってやった。この手で」
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
「心配するなって! ないよ! 無茶してないから今日は!」
術を3つゲット。最近好調だね。
討伐強化月間の報奨金は5910両でした。けっこうくれたね。
「ああ~;;やっぱり。下がるよねえ下がってるよね~;;下がると思ったんだ健康度が……」
漢方薬で健康度を94まで回復させます。
……うん。
好きだったなあ……大好きだった。
来月かあ……
取り敢えず投資です。商業部門をランクアップ。
唐突に「かまいたち使いがほしいよ……」「炉衣くん……!!」と炉衣のことを思い出して心にダメージを負っています。
他にも結界印などを準備して、出撃。
今月は鳥居千万宮討伐強化月間なので鳥居千万宮に行きます。
大ボスまで行けるかどうか……悩んでいます。
「お紺さんだよね、いけるかなあ……でも捨丸が最初はなかったな。どう考えても一番強いじゃん」
さて、迷いながらもサクサク奥へ進んで悪羅大将を切り捨て続けます。
するといきなり朱ノ首輪が!
土々呂震玄さま~~!変なナマズじゃん(冷静)
ナマズの符もドロップしてるのが面白いです。
ご祝儀のおかげで、灯呼丸、おそらく最後の成長。 ……やっぱり心の風。自由になりたかったんだな……。
火月は安定の心の火&土です。技の土の伸びもすごいなー。 最近気づいたんですが火月の技の土って親の火偉にそっくりなんですけど、髪が赤いのでおそらくは花蓮さまの土素質なんですよね。こっちもよく伸びるなあ。(訂正※髪は人間側の親の心素質によって色が決まるので、火月の髪の色は火偉の心の火由来です。瞳の色も人間側の技の土素質によるのでこれは火偉の技土ですね。)
灯呼坊の体素質は蓮美さまの水と土を引いてます。素質バーの下限-上限のブレが大きいようでしたが、いくら土の女神回っぽい素質バーであっても水の女神です。体の水がよく伸びますね!いいぞいいぞ、丈夫な子に育ってね……
そしてみんなの成長を見ながら考えます。
もう……行こう。
お紺さん、討伐します。
静かに潜った鳥居の先。
土くさい湿った空間のなか、一見すると非常にうつくしい九尾の狐がおりました。
響く高笑い。緊張感に、灯呼丸はその柄を握りしめます。
怖い。
怖気づきながら、一歩一歩進みます。
そうして鬼は口を開きました。
灯呼丸「(どうして、俺の人生はいつもこうなんだろう?)」
灯呼丸「(そうだな。俺なりに一生懸命やってきた)」
灯呼丸「(違う。俺はみんなのことが好きだ)」
灯呼丸「(そうだ。俺は、弱虫の俺が……一番、嫌いなんだ!)」
スロット上手く撮れませんでしたが、戦闘開始です。
初っ端から甘い誘惑です。
「もう、お父さんのばか!」
ちゃんと決めて!
なぜかひたすら甘い誘惑を打ってきます。
おかげでお父さんはどうにか目覚めましたが今度は息子が寝るというね。
まあイツ花にセクハラするようなスケベ小僧だからな。しょうがないね。
「もういいよ、寝てな!」
当主の攻撃の鋭さに、これはいけると判断しました。灯呼坊は眠らせたまま続行だ!
そして、次期当主が眠らされたなか、ずっと一緒だった3人で、順番に攻撃します。
健康度が下がった当主が奥の手を出すまでもなく――
九尾吊りお紺、打倒しました。
灯呼丸「俺は、やったぞ。あの鬼を、斬ってやった。この手で」
うん。見てましたよ。
帰ります。
帰るなり討伐強化月間の報奨金の報告。大ボス倒したのに下がってるw
投資の成果が出たようです。雑貨屋さんが見たいなあ。
うん……健康度67。今月だよね。
今月は火月の交神をすることとしました。全体的に強化の必要がありますが……
ここ。お雫さんの水が欲しくて。ちょっと遅いのですが……体力が一人だけ400に乗っていないので、水の女神の素質を入れておきます。
はい。お似合いですよ!
そして火月が戻る頃、当主が限界を迎えます。
やっと終わるのか。
そういう、心の声が聞こえてきます。
灯呼丸「頼む。灯呼坊……おまえは、俺の希望だ。よくよくみなを護ってほしい」
灯呼坊は、黙って頷くでしょう。
「灯呼丸くんはね……ほんとうに不憫なやつでさあ……。ほんとに……。0歳4ヶ月のときに当主になって。当主として最初の出陣で敗走をさせてしまいましてね……それで、なんだろう。それからずっと、自分はだめな当主だって思いながらきっとやっていたと思うんですけど、ちょっとずつ自信を取り戻してきたときに……炉衣くんを、討死、というか……まあ、反魂の儀をさせてしまいまして……」
「きっと、辛��っただろうなと、思うしかないんだけど……」
灯呼丸「(ああ、ほんとうに――長かった)」
灯呼丸「そうだな……」
「ちょっと待って……
ちょっと待って……」
「おめでとうじゃねえよ、バカヤロオ! くそお!」
「くそお……」
灯呼丸は、不憫なやつでした。
それは事実です。
でも、けしてだめな当主ではない。
そう思ったから、みんな最後までついてきたんです。
だから、どうか安らかに。
……。
「何!?イツ花なに!?いまショック受けてんだからわたし!」
「バカヤロオ!覚えてんだろ!?知ってるよ!ばあか!!!」
「今それ言うの!?」
「……まあ。継いでくれ。志を……」
「優しい当主様だったな……そんな当主様に、つらい思いをさせてしまった。わたしは……」
気持ちを、切り替えるしかありません。
次回から、灯呼坊を当主として、一族はまた歩いていきます。
区切りの歴代勇姿録は、今回から別枠で更新させていただきますね。
それでは。
灯呼丸くん、お疲れ様でした。
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1021.12-1022.01
俺屍Rプレイ記(24)
相変わらず低いテンション。痩せ仁王・太り仁王に挑む。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
帰宅するなりイツ花の笑顔で迎えられます。灯呼丸くんの好物ってなんだろう。
「火月は訓練あんまり得意じゃないみたいだね」
炯が仙水酒を覚えました。えらい!
灯呼坊が防人を覚えています。 しかし今月も陽炎は誰も覚えられませんでした。
さて、今月も名刀長船引っ提げて戦いに行きますよ。 防具が非常に低性能……。基本的に防具や武器は店売り使わないんですよね。
投資を行います。5000両入れてランクアップしました。 漢方が増えてほしい……。
スクショ撮れてませんが初っ端から赤い火です。
「なんか……赤い火の引きが言ってるよね。早くゲットしろと」
「絶対に手に入れる」
そう。お地母を!
「当主の指輪だ。今度こそ間違えない」
(きれいに撮れなくてごめん)
「灯呼坊……灯呼坊、良い体の土の上がりだ。これは当主の祈りだな……」
連戦を重ねひたすら灯呼坊を鍛えます。そして親子同時レベルアップ。 だけども……父、灯呼丸の体の上がりが……。
心の火も、もう上がりません。ここにきて、心の風が伸びています。 次代が来て、安心したのか……、もはや当主として在りたくないという気持ちが見えてしまう。
さて、2つ灯っていた赤い火の2つ目です。 芭蕉嵐をゲット。
スロット取り逃したけど魂託しもゲット。
の、野辺送り(笑)
双火竜をゲット。
火月の成長です。心の火がやっぱりいちばん上がるんだけど、次いで上がるのが心の土というのが好き。
体力の上がりもすばらしいですね。
行くぞ、痩せ仁王・太り仁王!
「くららの進言が来てるな?まさか寝るのか?」
疑いつつも進言採用。
「……寝た!?」
寝ている間にバフります。
「火月に!火月に武人だ!」
と思いましたが火月では技素質不足なのか攻撃が通らず。 ここは一番攻撃が通る当主が頼りです!
スクショがないんですが、いつの間にか痩せ仁王だけになってます。 進言採用したものの寝ませんでした。
しかし、「眠れ~!」と言いながら放った灯呼坊の木霊の弓の一撃で……
勝利です。ありがとう。
ちなみに符しかくれませんでした。
この先の敵も問題なく倒せます。
綿津見はありがたい!
そして碑にたどり着きます。
「これを見てさ、引き返すんだよ。どんな気持ちで引き返すんだろう。こんなに強くて行け行けって感じなのにさ。引き返すんだよな」
帰ろう。
「上々です」
「なんせ4つも術を手に入れたんだぞ」
まじですか~!剣、作りたいんですけど……
お金がないんですよね。
ほらね。
あと相場屋も開いたそうで。そういう博打はよくわかんないから灯呼丸はしなさそうですね。
ステータスを見て……大丈夫、1歳5ヶ月ですが、まだ灯呼丸くんは元気です。
本人は、さっさと当主の座を退きたいと思ってるんですけどね……。
でもそんなの死ぬまで許されません。
そんな暗い気持ちを奥に抱えつつ、正月ですから。
ひとまず幻灯を撮りましょうね。
う~ん、相変わらず画面が黒い。
このへんで一旦セーブをはさみ、心の整理をし、元気になって再開です。(露骨に音声ログの声が違うという……)
「ああ~;;灯呼丸がお地母を覚えている;;;涙出ちゃったもんほんと;;;
(あのときに)お地母があれば……って思ったんだろうな~;;;」
というかお地母全員覚えていました。しかし勇気が削がれているので大ボスはまだ行けません……
今月は討伐強化月間にともない相翼院討伐です。
もう中盤までにほしいものはないと判断して、奥へ奥へ! 今月はずっと悪羅を狩ります。
特に食らってないのにお地母進言……。
炯は、捨丸戦で父を亡くしています。
回復をこまめにしたいという気持ちが強く伝わります……。
そしていまさら白浪をゲット。下にチラ見えしている秋津ノ薙刀がほしい!
花入はいらないです。
雷電はもらいます。でも下にチラ見えしてる岩清水ノ槌がほしい!
……って、えええええ!?
奥義、復活ですか!?ということは……
ですよね!?
えっ、すごい!当家、初の奥義です!
そして伸び続ける心の風。
と、止まった体。
ああ……
この奥義を使うときは――
もしかしたら、来ないかもしれませんね。
「うそぉ~……いやだ、待って……気持ちがもう、整理できないよ……真空源太斬が復活して、体の上がりがゼロだよぉ……」
……帰る。
帰ります。
何度も何度もためらって、それでも、
大ボスへ続く扉に、灯呼丸は背を向けました。
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玉の緒よ、絶えなば絶えね
炉衣のはなしです。 こちらのプレイ記と小咄「その、顛末」を先にご覧ください。
「ち……くしょう、ちくしょう……」 布団の上で、痩せこけた母が恨み言を吐いている。 俺は声をかけることも出来ずに、ただ母が布団を握りしめるのを見ていた。 「あたしは……、死なない。布団の上でなんて、絶対、……死んでやるものか」 もはや立ち上がることも出来ぬ身で、それでも母は諦めない。俺からすれば痛ましいとしか言いようがない。それに、――そんなことを言えばきっと母は怒るのだろうが。 布団の上で死ぬというのは、そんなに悪いことなのだろうか。と、思う。 「母さん、食事を……、ちゃんと食べないと。薬が飲めない」 言いながら、もはや母には食事をとる体力さえないのだろうとわかっていた。それでも見捨てることなんて出来なくて粥を口元に運ぶ。生きる気力だけはあるのだろう、どうにか咀嚼しようとして、それが出来ずに何度も咳き込んだ。 「……叔母上」 ふと声が聞こえて振り向くと、いつの間にやら背後に兄がいる。その隣には当主たる姉が、神妙な面持ちで立っていた。そして、その唇をわずかに震わせながら、重く開く。 「お言葉を、……頂けますか」 ――ああ、と思った。そうか。もう母は死ぬのか。 そう思うと、粥を運ぶ手が止まった。母は血走らんばかりにその目を見開いて、すぐに閉じる。そうして言った。
「ちくしょう……、布団の上で死ぬ覚悟なんか、できないわよ……」
✷
いま、あのときと同じように、俺は布団の傍らで、ただ死にゆく者の顔を見ている。しかしそこに眠るのは、母ではなく俺の息子であった。 「イツ花。ひとつ聞きたい。俺がいま、この命捧げると言うならば、炯は助かるんだな?」 後ろに立つイツ花に尋ねる。息を呑んだ音がして、はい、と小さい声で肯定が返ってきた。俺はそうか、と頷いて、振り返りもせずそのまま言う。 「ならば、当主様を呼んできてくれないか。早い方がいい。いつまでもこのまま、苦しませておくのはかわいそうだ」 「炉衣様……」 「早く。なに、問題はない。ひと足早く、先に逝った者たちのいるところに逝くだけさ」 涙声で「はい」と頷いて、イツ花はぱたぱたと駆けて行った。俺はそのまま、眠る炯の顔を見つめる。 「先に逝った者たちのいるところに逝く……か。火偉兄さんは、『死んだら終わり』だと言っていたっけな。まあいいか」 兄さんは遺言でも、通夜だの葬儀だのはいらんというようなことを言っていたな。最期まで自分勝手で、我儘で、潔いひとだった。そういうところを尊敬していた。 「なあ、母さん。俺はやっぱり、布団の上で死ぬことが悪いことだとは思えないよ」 だって――戦場で倒れることは、やっぱり辛いし悲しいことだ。 できることならば、以後、そういうことのないように祈りたい。 そう思いながら、眠る炯の髪をそろりと撫でる。そうしても起きることのない息子に痛ましさを覚えながら、より一層の覚悟を決めた。 「炯。長生きしろよ」 俺のぶんまで。 ……なんて、実際に言ってやることは出来ないんだけどな。
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月の子は新月の晩に死を悼む
灯名の逝去直後の火偉と炉衣。 (灯名は登場しませんが深く関係しているためタグに入ってます) 「さらば恋情、花と散れ」を読まないとわからない内容となっております。
「なんの用だ」 相変わらず感情の読みにくい声だ。そう思いながら、俺は手に持った酒を掲げる。 「聞いただろう? 俺も元服したんだ」 言えば、兄はやや面倒そうに俺のほうを見て、また窓の外を向いてしまった。そんなに見ても、今日は月なんてほとんど見えない。 「酒は飲まん」 案の定のつれない返事だ。たしかにこの兄が酒を飲んでいるところはほとんど見たことがない。出陣前の宴で姉に無理矢理飲まされているのを見たことがあるくらいだ。さては酒に弱いのだろうか。聞いてみよう。 「酔うの?」 「酔わん。だからいらん」 まさかの真逆だったらしい。たしかに酒を飲んで酔わぬとくれば、ただの金の無駄遣いと思うだろう。ただでさえ、兄は無駄を嫌う。 「まあ、でも……今日くらい、付き合ってよ。弔い酒だろ」 「……祝い酒じゃあなかったのか。元服の」 そうは言ってないよ、と心のなかだけで答えながら、勝手に部屋の中心まで踏み込んだ。本気で嫌なら蹴り出すなりなんなりするだろう。そういう兄だ。 「酒と盃で手一杯だったから、台も盆も持ってこられなかったけど、別にいいだろう?」 返事がないことをわかって言いながら、不安定な畳の上に盃を置く。とぷとぷと酒を注ぎ、行灯の明かりが照らす水面を、すこしの間見つめた。 「淹れたよ。呑もう。一杯でいいんだ」 「……」 はあ、とため息が聞こえる。いつもはイツ花曰く穏やかそうな――俺からしたら小馬鹿にしたような笑みを浮かべている顔にそれはない。純粋な真顔とはまた珍しい、と思いながら、そこ、と向かいを指差す。兄は無言のまま、指差した場所にどっかりと胡座をかいた。 特に合図もなにもない。ふたりで向かい合い、ひと口に酒を飲み干す。 そうして、しばらくの間。立ち上がらぬ兄を見ず、俺は飲み干したときの格好のまま、天井を見つめ、話を切り出した。 「――兄さんは、泣かないだろう。だから来たんだ。俺は誰かを慰めたいわけじゃない。慰められたいわけでもない。ただ……一緒に悼むだけでいい」 すると、「くだらん」と間髪入れぬ声が返る。 「悼むというのは故人のための行いじゃあない。弔い酒も、葬式も、弔問も、そのすべてが、故人にとってはまったく意味のないことだ。 死ねば終わりだろう。神となり天に昇るか、あるいは鬼にでもならぬ限りはな。だからそれらはすべて……遺された側の慰めでしかない」 最後のひと言はひどく密やかだった。ふと表情を確認したくなり、兄のほうを向く。 「……参ったな。ごめん。傷つけるつもりじゃなかったんだ」 言えば、兄はいつもの厳しい声で、「謝るな」と返すのだった。
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1021.10-1021.11
俺屍Rプレイ記(23)
プレイヤーのテンションが底辺の巻。
※斜め文字は音声ログから実際の発言の抜粋。
さて、10月です。
「大江山もトラウマなんだけど、もう絶対行きたくないんだけど」
プレイヤーはこんなこと言ってますが、灯呼丸くんは行くんだよね。そういう当主様だから。
「なんでそういうことするの~!?www 今!
くそ~泣きそうだよ!」
まだ炉衣の反魂の儀を引きずっているプレイヤーです。 明るい空気になるとなぜか逆につらい。
「強いぞ! 体の風が死んだけど! 体の土と、水と……引けたね! 引けたいところがちゃんと引けた!」
灯呼丸の祈りが届きました。丈夫な子になってくれそうです!
体の火も、蓮美さまはあまりいい素質を持っていなかったのですが、父親由来の強い体火が引けてます。タタラ陣内様のやつですね。
名前は灯呼坊。 職業は……迷ったのですが、弓使いに。 火月ほどではないですがそこそこいい技の土を活かせそうですよ!
「それでね。考えた。 我々の一族が初陣のときに育っていない理由は、……自習をしているからだと。
端的に言って、自習がよくない。だから指導に当たろう。
まず訓練は必ずすることにしました。訓練はどんだけ人がいなくても必ずやる」
今後の方針を確認しながらプレイを進めます。
ステータスチェック。まだみんな若いので当然元気です。
プレイヤーのテンションは底辺ですが。
有寿ノ宝鏡の在庫を補充。安売りじゃないしなくなりそうってわけでもないのに2ダース買ってます。意気消沈すると無駄遣いするんだな……
イツ花の明るさに正直かなり救われてるね。
いってきます!
今月は火月と炯だけで鳥居千万宮。
「火月くん(の隊長)めちゃくちゃかっこいいな……」
サクッと暗黒大鳥居まで来ます。
ろくなものをくれない狐だなあ。
お父さんに似て優しい炯。
まあ素殴りだけでいけますよね……
先に進み、「槌の指南がほしいよね~」と言っていたら……
来ました。なんでや。
当主の指輪がないので普通に倒してゲットです。
二人でも悪羅は余裕ということが判明したのでガンガン攻めてます。 二人とも調子よく体が上がってていいな。このコンビ男兄弟らしさがあって好きです。
あとボイスログでは「クリティカルコンビと名付けたいくらいクリティカルを出してくれるね���なんて言ってます。ほんとによく会心の一撃が出る。
ひたすら戦って10月は終了。戻ります。
炯が元服しました。希望は特になし。
今月の訓練は火月におまかせして、灯呼丸と炯で大江山で紅こべを狩ることにします。お地母がほしいなあ。
七光は今ある子が使えるぶんだけ置いておこう。
我が家では「親と会話するくらいなら七光の御霊は壊れない」という認識でやってます。ので、電話ですね。
投資をします。どこも上がらなかったけども。
予定通りに大江山へ。
ひとりでいろいろ妄想している黄川人さんです。 約束(一方的)ですが、灯呼丸は「おお、そうか!行ってみたいな」って笑って聞いてくれそうなんだよな。
さてスクショがないですが序盤に赤い火がありました。お地母をくれ!
音無しの弓と鎖かたびらをゲット。でも音無しの弓はもう使わないなあ…… やた様は開放できたし。
お地母止まりました。しかし……
「あっ!しくった!」
うっかり先月の気分で指輪を使わず普通に戦闘しちゃって持ち逃げされました。もともと低い状態からスタートしてるテンションが大��なことに!
お互い1ゲージずつ成長。灯呼丸はもうすっかりおじさんですね。
そんなこんなでゆるっと11月終了。 来月は……大江山、中ボスに挑みますよ!
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その、顛末
1021年、7月。 プレイ記(ここをクリックで直通)から先にご覧くださいませ。
母から当主の心得として教えてもらったのはひとつ。
自分で決めたことはすべて、自分で責任を取りなさい。――それだけだ。
✷
抜きっぱなしの剣の先から、鬼の血がいくらか滴って消える。刀の名など覚えてはいない。母は記憶力が自慢だったと聞くが、所詮出来損ないの自分はそんなことにまで気が回らなかった。せいぜい斬れればそれで良い。 「総代様、どうなさいますか?」 「……進む」 炉衣の尋ねる声にそう答えて、ぶん、と刀を振るった。それでなにかが払えるというわけではない。斬る端から消えてしまう鬼の血などとうに一滴もついていない。それでもなにか気持ちが悪くて、振り払わねばならぬと思った。 「進むとは、どこまで?」 冷静な炉衣の声にはたと止まる。考えていなかった。とにかく進まねばと、そればかり考えていたのだ。 「……まあ、炯もいるしな」 「俺は平気です」 「だとよ」 火月は軽く息をつくと、俺と同じように槍を振るい、刃を上に向けて地面につく。その動きは職も違うのに火偉の叔父上を思わせて、いまは居ぬそのひとのことをすこし考えた。 「では、進める限り進もう。緊急時に備えて結界印を準備しておけ」 結界印、という言葉に、自分ですこし笑う。俺と、まだ経験の浅い炯以外は、きっと鬼の一撃をそう重くは感じていないのだろう。それは炉衣も、火月も、いなくなってしまった叔父上も――そして母も。しかし剣士という職でありながら体力や防御面での成長が奮わなかった俺は、体が成長したいまも、鬼の一撃一撃をひどく重く感じていた。だから避けるしかない。だが俺が特別すばしこいかといえばそういうこともなく。ああまただと、ひとり肩で息をするたび思う。 「引波もいつでも取り出せるようにしておけ、――行くぞ」
✷
――気がついたら、家にいた。ごぽりと吐き出した血反吐に、ああまただととっさに思う。俺はまた倒れたのだ。冬に倒れ、そして今度は夏に倒れ。まったく笑えない。 しかし周囲がやけに静かだ。まえのときはイツ花がもっと、大きく騒いでいたと思ったが。 「総代様!」 ああ、ほれ、来た。 そんな風に茶化したくなりながら、イツ花の方へと顔を向ける。するとイツ花はいまにも張り手を食らわさんばかりの剣幕で、「これからは、もう少し慎重に行動されますよう、イツ花からのお願いです」と早口に言った。ああ、わかった、わかった。そう言いたくてもうまく声が出ない。相当深い傷を負ったのか。そう思っていると、イツ花がなにやらこちらへ来い、と言い出した。しかし起き上がることもできぬ。もうすこし待て、と言いさして、無理矢理自分を立ち上がらせる者がいた。……火月か。 火月に肩を借りながら部屋を動く。すると見知った人間が、布団の上でいまにも命を終えようとしているのが見えた。――なんだ。なんだ。なんだこれは。知らない。また俺がひとりで突っ走って、やられたのではなかったのか。どうして…… どうして炯が死にかけている! そう思ったところで、倒れる寸前までのことを、まるで走馬灯のように思い出す。目が乾いても、見開いたそれを瞬かせることができない。もはや言葉も紡げぬ炯を、俺はただ、呆然と見ていた。 「お休みのところ、失礼しました。総代様」 そうしてかけられた声に、ようやっと首を動かす。炯の傍ら、こちらに背を向けじっと座していた炉衣が、静かに向き直った。 「……総代様、反魂の儀を、志願される方がいらっしゃいます」 「ああ。そんな畏まらなくて構わないよイツ花。――健康だけがとりえの私の命ととっかえれば、炯のヤツも少しは丈夫になるかもしれませんしね……」 イツ花の、炉衣の言うことが、すこしも理解できない。なんだ、反魂の儀とはなんだ? そんなものは知らぬ。知らぬ――いや。 知っている。 記憶の奥深く。当主として受け継がされた最低限の文書のなかに。 あった。 「当主様、総代様! なにとぞ、この炉衣で、反魂の儀をお試しください!」 座した姿勢のまま、がつりと両の拳を畳に打ち付けて、ぐ、と頭を下げる。そんな炉衣の長い髪が、はらりと畳に落ちるのを見て――俺は覚悟した。 「わかった」 この、すべての責任を取る。それが当主の役目なのだ。
――生気を失っていた炯の頬に熱が戻る。代わりに倒れた炉衣を目にし、目覚めたばかりの炯は「父上」、と小さく呼んだ。 そんな炯の頬を、炉衣は地を這わせるように動かした手でするりと撫でる。 「ああ、起こしたか……すまないなあ。こんなんじゃ、次の討伐には、俺は無理かもしれんから。よろしく頼むよ」 気遣うような、そんな言葉が最期であった。 状況を理解できていない炯が、父を何度も呼んでいる。火月は俺の肩を持つ腕にいくらかの力を込めたが、泣くこともなければ言葉さえも発さずに、ただ俺を再び床へと戻しただけだった。 悪夢のような七月は、早起きの蝉の断末魔が終わりを告げた。
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