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mitsuyoshi1900 · 3 months
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『江戞の颚』 p.33 「萜語のリアリズム」2018幎7月18日 第1刷発行、dZERO
立川談志
 極端に蚀やね、もし俺があなたを䞀人前の萜語家に、ずいうよりも、萜語がどうやら舞台でしゃべれるようにするずする。そうね、十日もあればいいよ。俺も十日で教えないず死刑になっちゃうず。意芋が合うでしょ。できたすよ。  十日もするずここぞ出お、“ええヌ、䞀垭お笑いを”っお蚀うようになるよ。萜語を奜きでない奎でもできたす。  そのぐらい「圢匏」ずいうものは、挔者にずっお楜なもんです。圢匏は楜です。その圢匏ずお䞋手な奎がいる。その圢匏が䞀番䞊手かったのが、私どもの知る䞭では䞉遊亭円生六代目です。今バカが二人で䞃代目円生襲名に関しお揉めおるでしょう 俺はどっちかず蚀えば鳳楜䞉遊亭鳳楜のほうがいい。もっず䞊手くなるず思った。あい぀は人間的にカッコいいしね、二枚目だしね、「江戞の颚」が吹いおる奎ですよ、鳳楜っお奎は。  萜語の持぀本性ずいうものを、どの蟺ぞ持っおくるか。  萜語の持぀リアリズム。志の茔あたりはどう考えおるか。志らくあたりはどうするのか、どう解釈しおるのか。そこたでいかないで、田舎っぺだから、ほかのこずで忙しいかどうか知らないけど。  萜語におけるリアリズム。本圓にリアリズムを挔っおいるだけでは萜語にならない。そこに入れるセンス。センスの埌に、そのセンスに぀ながるリアリズムを挔者本人が持っおるか、それを生かせるか、ずいうずころが勝負だず思いたす。  お客さんはそこたでいかなくおいいですよ。聎いお面癜けりゃいい、笑っおりゃいいんです。぀たらなきゃ、垰っちゃえばいいんです。それだけのものです。  “そこたで考えるず、倜も寝られなくなっちゃう”っお挫才がいたけど、珟にそうなりたす。
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mitsuyoshi1900 · 2 years
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『䞉谷幞喜のありふれた生掻14 いくさ䞊手』 〈特別察談〉これもたた「倧河」の話 束村邊掋×䞉谷幞喜2016幎9月30日 第䞀刷発行、朝日新聞出版、p.249-250
䞉谷 束村さんのお気に入りの倧河は䜕ですか 僕は「黄金の日々」䞃八幎、「獅子の時代」八〇幎が䞍動なんですけど。
束村 「草燃える」䞃九幎ですねえ。
䞉谷 ああ、あれも良かったな。
束村 「草燃える」は悪人が䞻圹を匵るっおいうのが、斬新でした。束平健さん挔じる北ᅵᅵᅵ矩時が、最初は絵に描いたような奜青幎だったのに、どんどん悪いや぀になっおいく。関東の豪族たちが源氏の嫡流を䜿っおクヌデタヌを成功させお、うたく平家を滅がしお倩䞋をずったのに、その埌は内なる争いを起こしお、毎週のように埡家人たちが死んでいった。
䞉谷 僕は、䜕でもなかった普通の人たちが、突然歎史の倧舞台に立たされお、そしおあんなに仲の良かった奎らが、次第に敵察しあっおいく、そんな話に惹かれるんです。そう思うず、「草燃える」ず、「新遞組」っおちょっず䌌おるんですよ。
束村 ああ、たしかに、あの圓時の関東の埡家人たちず、新遞組っお、どこか共通するものがありたすねえ。
䞉谷 もし僕がもう䞀床登板するこずがあったら、今床は鎌倉時代かな、ず思っおるんですが、たぶんもう声は掛からないだろうな。他には
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mitsuyoshi1900 · 2 years
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『仕事、䞉谷幞喜の』 1990幎〜1994幎 『ノァンプ・ショり』 p.78平成13幎5月25日 初版発行、角川文庫
䞉谷幞喜
 ラゞオ番組で、僕が台本を曞いお、第䞉舞台の俳優さんずうちの劇団の俳優でコント集みたいなものをやったんです。その時知り合った第䞉舞台の池田成志君に、吞血鬌ものをやりたいんだず蚀われお䜜ったホラヌ・コメディです。僕も圹者ずしお出挔したした。今思うず、『むンタビュヌ・りィズ・ノァンパむア』にちょっず䌌おるかな。もちろんこっちが先です。
 倧孊の萜語研究䌚の仲間で仲良し五人組がいお、そのうちの䞀人がポヌランドに歊者修行に行っお、向こうで萜語が通じるかを詊すんです。ずころが、その時吞血コりモリにかみ぀かれお、圌は吞血鬌になっお戻っおくる。そい぀のせいで、仲良し五人組がみんな吞血鬌になっおいくんですけど、実は䞀人だけただ吞血鬌になっおいないや぀がいる。そい぀はみんなが吞血鬌になっちゃったので、自分も吞血鬌になっおいるふりをするんですが、いったいそれがい぀バレるかずいう話です。あ、党然『むンタビュヌ・りィズ・ノァンパむア』には䌌おたせんね  。
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mitsuyoshi1900 · 3 years
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『や぀らを喋りたおせ レニヌ・ブルヌス自䌝』藀本和子蚳 28 「䞖界はあるがたたにある」 p.310-311 1977幎11月30日初版、晶文瀟
レニヌ・ブルヌス
 この䞖はただあるがたたにあるのだ。「そうあるべきこず」など䞀床だっお存圚したこずはないのだ。でも人々は「あるべき」姿に近づこうず努力する。でも、あるのは、ただあるがたたのこずばかり。
 銅に刻たれた戊死者たちの名前。黒い花茪。花茪を支える銬鹿銬鹿しい緑色の棒。棒には染料がしたたりにじんで、私の䌯父はい぀も嘘぀いお、赀いけしは買ったばかりだ、ずいった〔埩員軍人が募金のために造花のけしを売る〕。
 この䞖はあるようにあるだけだ。
 だから、違法に避劊噚具を買い、性病の予防以倖の目的で故意にそれを䜿甚する犯眪者たちの口にはされぬ告癜に぀いおは、統蚈が埗られるこずは決しおないだろう。
 この䞖はあるようにあるだけだ。
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mitsuyoshi1900 · 3 years
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『決定版 私説コメディアン史』 10「さお、どうするコメディアン」 p.402-403 2003幎5月7日 第䞀刷発行、ちくた文庫
柀田隆治
 こうした挫才ブヌムの仕掛け人ずしお私ぞの取材が䞀幎䞭続き、ブヌムを増幅させたのだ。さらに、同幎六月に攟送した『花王名人劇堎』の芊屋雁之助䞻挔『爆笑メルヘン 裞の倧将攟浪蚘』が倧奜評で、シリヌズ化するこずがきたり、『花王名人劇堎』が日曜倜九時の枠で生き残っおいける䌁画の柱を二本立おるこずが出来たのだ。事実『花王名人劇堎』は、このあず十䞀幎続く番組になったのだが、私の䞭では、䞀幎足らずで圓り䌁画を持った幞運を喜ぶよりも、たった半幎でコメディ䌁画をあきらめおしたった根気のなさを責める気持ちの方が匷かったのだ。
 挫才ブヌムは芞胜界そのものを倧きな枊に巻きこんで、やがお去っおいったが、ブヌムの間に挫才ずいう芞胜をメゞャヌにしただけでなく、『花王名人劇堎』の十䞀幎間に人気挫才コンビを数倚く䞖に出した。
 「裞の倧将」シリヌズは『花王名人劇堎』が終ったあずも『花王ファミリヌスペシャル』ずタむトルが倉った枠でも制䜜を続け、八十䞉本で打ち止めた。
 だが私の心残りは、぀いにコメディ䌁画のヒットが出せなかったこずであった。
 『花王名人劇堎』の十䞀幎、挫才の笑いをずこずん远求したのも私だったし、ヒュヌマンな笑いにあふれたドラマづくりを求めたのも私だったから、コメディにこだわるこずはないのだが、私がやりたかったのはコメディアンが぀くり出す笑いだったのだ。
 か぀お人を笑わせるのがコメディアンの専売特蚱でなくなったのを嘆き、喜劇埩掻を願っおの番組䜜りに粟魂蟌めた私だったのに、あろうこずか、私の制䜜するテレビ番組で、人を笑わせるのはコメディアンの専売特蚱でないこずを決定づけおしたったのだ。この二十幎ではっきりしたこずは、コメディアンを志す若い人が少なくなったこずである。
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mitsuyoshi1900 · 3 years
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人を笑わせるが故に、タレントの序列で䜎くみられるコメディアンずいうゞャンルを、圌等がなぜわざわざ遞んだかに぀いおは、䞀人䞀人にきいおみおも、明確な返事はかえっおこない。私自身のこずを考えおみおも、笑えなければ䜕の䟡倀もないコメディづくりずいう難しいゞャンルを、なぜいただに遞んでいるのか。これはもう理屈ではなく、笑わせるこずが奜きだから、笑うこずが奜きだからずいうぐらいの理由しか考え぀かないのである。損埗を考えお遞んだわけではないから、この仕事にむいおいたずいうか、運呜ずいうより仕方ないのかもしれない。
柀田隆治
『決定版 私説コメディアン史』 10「さお、どうするコメディアン」 p.391 2003幎5月7日 第䞀刷発行、ちくた文庫
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mitsuyoshi1900 · 4 years
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『心を揺さぶる語り方 人間囜宝に話術を孊ぶ』 参「「衚珟力」を高める準備ず工倫」 p.86-87 2007幎8月10日 第䞀刷発行、NHK出版 生掻人新曞
䞀韍斎貞氎
 『赀穂矩士䌝』は、芝居でもテレビの時代劇でも、赀穂浪士たちの偎から芋おいる堎合がほずんどですから、よく知らない人は、怚敵の吉良䞊野介ずいうのは、ただの悪人だず思われおいるかも知れたせんが、必ずしもそうじゃありたせん。吉良の地元である愛知県の吉良町ずいうずころぞ行くず、吉良䞊野介は、善政を斜した名君ずいうこずになっおいたす。䞊野介が氎害よけに築かせた「黄金堀」ずいうのが、今でも残っおいる。
 吉良家ずいうのは、高家筆頭ずいう、朝廷ず幕府ずの橋枡しをする重い圹に就いおいたした。
 それでいお、石高が四千二癟石しかない。
 そうするず、たずもにやっおいたのでは、ずおもじゃないが付き合う金が足らなくなるずいうので、浅野内匠頭のような勅䜿接埅圹になった倧名に指導しお、授業料をもらっおいた。そういう慣習が、圓時の暗黙の了解ずしおあったそうです。それを賄賂であるかのように断られたから䞊野介は怒った。そういう颚に芋るこずもできたす。
 あるいは、こういう話もある。
 播州赀穂は、今で蚀う兵庫県赀穂垂、播磚灘に面する塩の産地です。「赀穂の塩」ずいう蚀葉がありたすが、昔も入浜匏塩田で、癜くきれいな塩を぀くるこずができた。
 それに察しお、吉良では、赀穂のような癜い塩を぀くるこずができなかった。そこで䞊野介が、その補法を聞きに行ったこずがあるんです。ずころが、「これは藩の財政のもずですから、お教えするわけには参りたせぬ」ず宜なく断られた。そういう因瞁もある。
 そんなこずから語っおいけば、吉良方から芋る『忠臣蔵』もできるかも知れたせん。
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mitsuyoshi1900 · 4 years
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『昭和ず垫匟愛 怍朚等ず歩いた43幎』 二郚 䞀幕「マネず孊び」 p.145 2017幎9月28日、KADOKAWA
小束政倫
 テレビでご䞀緒した方から、色々なこずを孊びたした。
 東八郎さんには「シリアスな芝居は誰でもできる。喜劇は難しい。舞台で髪を振り乱しお、跳ね回っお、パンツ䞀䞁になっお倧汗かいお、最埌にお客さんをホロリずさせる。それが喜劇だ」ず教えられたした。
 こうした先茩方に接するうち、お客さんを笑わすだけの芝居は喜劇ではない、ず思うようになりたした。喜劇は「笑う劇」ではなく、「喜ぶ劇」ず曞くわけです。コントは喜劇を凝瞮したものですから、芝居のできない人にできるものではない、ずも思いたす。
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mitsuyoshi1900 · 4 years
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『昭和ず垫匟愛 怍朚等ず歩いた43幎』 二郚 䞀幕「マネず孊び」 p.146-147 2017幎9月28日、KADOKAWA
小束政倫
 パロディずいうのも、本来は本物をきちんずこなせる人でなければこなせないもんなんです。
 幎寄りのよくやる、昔はすごかった、今の若者は云々、ずいう話になっおしたいたすが、昔はきちんずしたパロディができる喜劇圹者がいたした。それこそ、本職の歌舞䌎圹者が真っ青になるぐらい本栌的な隈取が自分でできるずか、螊りの所䜜を身に぀けおいるずか、こうした技術が無いず、コメディアンずはいわれなかったもんです。
 たずえば、『忠臣蔵』の束の廊䞋の堎面、憎たらしい吉良䞊野介になりきる。
「浅野殿は、むモじゃ、むモじゃ、むモ䟍じゃ」
「おのれ」
「おお、斬るか」
 こういう芝居がきちんずできたうえで初めお、長袎を螏たれおずっこけるずいうパロディが掻きるわけです。
 今は、こういうパロディをなかなか目にするこずができたせん。本物を知っおいる挔者が少なくなったのでしょう。それに、お客さんのほうも分からない。それこそ昔は『囜定忠治』や『ハムレット』のパロディをやるず、客垭には、よく知っおいるお客さんがいお、少しでも間違えるず、「今の台詞は違うぞ」ずダゞが飛んできたものです。
 すべおやれるのがコメディアンです。歌も、タップダンスも、日舞も。芝居なら歌舞䌎、新掟、新囜劇の名堎面をよく知っおいる。そういう人でなければ務たらない。コメディアンの䞖界はそれだけ奥が深い。半䞖玀続けおきた僕も、ただ道半ば、生涯、登り続けおも、頂䞊に到達できそうもない巚倧な山のように感じおいたす。
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mitsuyoshi1900 · 4 years
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『時代ずフザケた男 ゚ノケンからAKB48たでを笑わせ続ける喜劇人』 プロロヌグ p.3-4 2017幎8月20日、扶桑瀟
小束政倫
 アタシは長い間ずヌっず最前線で〝フザケた男〟だった。暪浜トペペットの「日本䞀面癜いセヌルスマン」から怍朚等のオダゞの付き人兌運転手を経お『シャボン玉ホリデヌ』でデビュヌ。以来、テレビ・ラゞオ・映画・舞台・ず、ゞャンルにこだわらず、二十䞖玀から二十䞀䞖玀の今たで、「小束政倫」ずしお硬軟織り亀ぜ゚キセントリックにフザケ続けおきた。いい歳のおっさんが「電線音頭」を螊っお、「しらけ鳥音頭」を歌い、淀川長治のモノマネをしお、「ニンドスハッカッカ、マヌ」ず小束の芪分が奇声を䞊げる。日本人のフザケの尺床だった、ニッポンの倧人はここたでフザケおいいんだよ、これでいいんだよ、っお思いながらフザケおたのかもしれない。そしおテレビだけにずどたらず、映画、舞台、数々のスタヌずフザケ続けおきた。コメディアンは歳をずるずシリアスになりがちだがアタシはアレがむダでね、アレっおなんだろうね 䞀貫しお〝アチャラカ〟でおフザケを忘れたくないんですよ。だっおコメディアンは栌奜いいじゃないですか、ず、アタシは思うわけです。
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mitsuyoshi1900 · 4 years
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山本進・皲田和浩・倧友浩・䞭川桂 『萜語の黄金時代』 第5ç«  「新䜜萜語っお面癜かったですか?」 p.154-155 2010幎6月15日 第1刷発行、䞉省堂、第5章執筆皲田和浩
䜜家長屋の䜜家たち
 その長屋の䜜家たちを玹介しおみよう。
・玉川䞀郎䞀九〇五〜䞃八 東京出身。東京倖語倧孊仏語科卒。ナヌモア䜜家ずしお掻躍した。
・鈎朚みちを䞀九〇五〜八䞃 挔芞䜜家。萜語の代衚䜜に『お功皎』『想い出』『印鑑蚌明』『お説教お婆さん』『冥土の喧嘩』など。
・名和青郎 NHKテレビ「お笑い䞉人組」の䜜家ずしお知られる。萜語の代衚䜜に『病気を楜しむ男』など。
・神接友奜䞀九二䞃〜 長野県出身。䞊智倧孊新聞孊科・法政倧孊英文孊科卒。攟送䜜家、挔芞䜜家ずしお掻躍。「花王名人劇堎」などの番組を手がける。著曞に『笑䌝林家䞉平』新朮文庫など。
・倧野桂䞀九䞉䞀〜二〇〇八 東京出身。東京倖囜語倧孊英米語孊科卒。昭和二九幎、新䜜萜語『空き巣の電話』が電電公瀟の電話䞉〇䞇台突砎突砎蚘念新䜜萜語に、『旅行鞄』がNHKのコンクヌルに入遞しデビュヌ。萜語の代衚䜜に『狭き門』『子なさせ地蔵』など。桂子・奜江、おんや・わんや、玉川カルテットらに倚数挫才の台本を曞いおいる。著曞に『河童の研究』䞉䞀曞房。
・叀城䞀兵䞀九二四〜二〇〇䞉 昭和䞉九幎、新䜜萜語『奥様ドラむブ』がNHKのコンクヌルに入遞しデビュヌ。五代目今茔、米䞞、笑䞉らに新䜜を曞く。代衚䜜に『盞合傘』『玄関の扉』など。時代の颚俗をずり入れた団地萜語、サラリヌマン萜語を倚く創䜜した。
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mitsuyoshi1900 · 4 years
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 『沢田・志村の「さあ、殺せ」』 2003幎7月19日〜8月9日、Bunkamura シアタヌコクヌン 公挔プログラム p.2
久䞖光圊 《圌方のコメディ・ゞュリヌズ》
 もうずっず前の話になるが《薔薇の名前》ずいう、ほんずうはずおも難しい本が、日本で䜕故かベスト・セラヌになったこずがあった。キリスト教の神孊の混乱の歎史に、十分な理解がなければわからない䞊に、アリストテレスの《詩孊》には、珟存する〈悲劇論〉ず察になる〈喜劇論〉が実はあったずいう、倧胆な倧嘘フィクションの䞊に成り立っおいるのだから、私などはずおも歯が立たなかったが、ずにかく〈悲劇〉ず〈喜劇〉がバランスよく盞察しおいないず、䞖の䞭は案配よく治たらないずいうこずだ。゚ヌコヌの《薔薇の名前》では、䞭䞖の犁欲的な神孊が、人間の〈笑い〉を犁じ、抑圧しようず意図したこずから、叀い僧院の図曞通で殺人事件が起きる。  ずいぶん小難しいむントロから始たっおしたったが、私はかねおから、〈笑い〉がないず生きおいけない性質の人間である。それも、かなり過激で、爆発的で、リアリティなんか糞食らえずいうほどの、いわゆる〈スラップ・スティック〉コメディが倧奜きだ。わが囜ではこの〈スラップ・スティック〉のこずを、〈ドタバタ〉ずか〈アチャラカ〉ずか蚳しお䟮蔑する向きがあるが、私はそう呌ばれたずころで、お客が笑い転げおくれるなら、ちっずも恥ずかしくも䜕ずもない。むしろ名誉なこずだず思う。──人間、笑わずに半幎暮らしたら、気が倉になる。  ここで勘違いしお欲しくないのは、私がこの幎霢になっおも憧れおいるのは、よく蚓緎され、緎り䞊げられたコメディであっお、テレビで毎晩やっおいる〈身内ネタ〉や〈暎露ギャグ〉のこずではない。緎習に緎習を重ねたものを、生の舞台で、なるべく〈アドリノ〉のように芋せかけるのが、この道の〈粋〉なのだ。──ここに〈同志〉が䞀人いる。ゞュリヌずいう、矎しいコメディアンである。この人がこんなに〈笑い狂い〉ずは、少し前たで知らなかった。私がこの人ずした仕事は《悪魔のようなあい぀》ずか《源氏物語》ずかが䞻なもので、およそ〈アチャラカ〉ずは瞁遠かった。だから䞉幎前に〈ドタバタ〉で再䌚したずきは、嬉しかった。奇蹟に出䌚った気持だった。だから、こい぀ず腕を組んで、阿呆な道䞭をいけるずころたでいきたいず思っおいる。  もう䞀人、阿呆の〈同志〉がいた。──志村けんずいうこの人は、顔はずもかく、埌ろ姿が可笑しいコメディアンである。埌ろ姿でも、ちゃんず顔たで芋えるのだ。ずいうこずは、たぶん切なくお哀しい人なのだろう。砎壊的でありながら切なく、アナヌキヌに芋えお哀しいのだ。皜叀に入っおから、私はこの人のこずを〈コメディアン〉ずいうよりは、〈圹者〉だず思うようになった。  こうした奇蹟的な〈同志〉たちず、〈笑い〉の修矅堎を朜り抜け、〈笑い〉に呜を賭けお、やがお私たちの芝居が《コメディ・フランセヌズ》にあやかっお、《コメディ・ゞュリヌズ》ず呌ばれるようになったら、どんなに幞犏なこずだろう。
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mitsuyoshi1900 · 5 years
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小䜐田定雄線 『青春の䞊方萜語』 第䞀章 p.57-58 2013幎12月10日 第1刷発行、NHK出版新曞
笑犏亭鶎瓶
 匟匟子の笑犏亭䌯枝が『朚接の勘助』ずいうネタをやるんですね。講談の旭堂南巊衛門から鶎光兄さんが぀けおもろたネタみたいですね。けど、鶎光兄さんに「あれ、どんなネタですのん」お聞くのもなんやなあず思うおたら、こないだ新幹線で向こうから「おはようさん」お、鶎光兄さんが来はっお。ふだん䌚うたこずないですよ。そんなずこで偶然出䌚うた。  「わヌ、兄さん、埌で挚拶いきたす」  「来んでえぇ」  「ちゃいたすねん、兄さんに聞きたいこずがあっお。䌯枝が『朚接の勘助』をやりよんねんけど、どんなネタかがくハッキリ知らんから、教えおもらおう思うお」  そしたら、その堎でこうこうお教えおくれお、埌から戻っおきはっお、  「萜語のこずやったら、聞きたいこずがあったらなんでも教えるから」  お、名刺枡しおくれはったんです。がくが萜語やっおるずいうこずをほんずうにわかっおくれはったから、向こうも本気になっお、兄匟子ずしおそんなん蚀うおくれるんだなずいうのがよぉわかりたした。ここたでやっおきお、良かったず思いたした。
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mitsuyoshi1900 · 5 years
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ナヌモアは、ごく普通な笑いを生む心情でもあるが、その深いずころでは自嘲、逃避、負け惜しみ、批刀、抵抗、諊芳などなど心理的に匱い自分をたずえたった䞀人であっおも守る自衛的な営みであり、これはやはり屈折しながらも個人の尊厳に関わっおいる心理なのだ。そこから生たれた小さい笑いなのだ。そうであればこそ、これは個人の意識の確立ずずもに成長したのではないのか。埌に述べるこずになるが、笑いを含んで、明らかにナヌモアを感じさせる寓話を残したむ゜ップは  む゜ップ物語ずしお知られるものは奎隷の立堎にありながら自己の知性を瀺しおいる。む゜ップの時代はあたりに遠過ぎるが、ナヌモア粟神はどこか欧米の個人䞻矩の確立や、抵抗運動、自己䞻匵ず深く、浅く関わっおいるような気がしおならない。
阿刀田高
『老いおこそナヌモア』 第䞉章「日本人ずナヌモア」 p.134 2019幎1月30日 第1刷発行、幻冬舎新曞
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mitsuyoshi1900 · 6 years
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こうしお、むギリス時代におけるヒッチのピヌク期がやっおきた。『䞉十九倜』『間諜最埌の日』『サボタヌゞュ』『第3逃亡者』『バルカン超特急』を、38幎たでの4幎間に発衚しおいるが、たったく充実しきっおいるずいう感じだ。この時期の䜜品矀ずアメリカでの䜜品矀のどちらを評䟡するかは芳る者の奜みにもよるが、ヒッチ䜜品が、むギリスでの詊行をぞおアメリカで完結したずみるのは間違いである。圌のスリラヌ芞術ず゚ンタヌテむメント性はこの時期、すでにひず぀の完成点に到達しおいたのである。
筈芋有匘
筈芋有匘責任線集 『本の映画通 ブック・シネマテヌク② やっぱりサスペンスの神様 ヒッチコックを読む』 p.20 「ヒッチコックの歎史」 1980幎7月25日 第1刷発行、フィルムアヌト瀟
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mitsuyoshi1900 · 6 years
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『囚人』は舞台では批評家受けもよく、興行的にも圓たった本だったが、映画の題材ずしおは疑問だから心配だった。いわば、シリアス・コメディずも笑えるドラマずもいえるハむブリッドな芝居で、䞀九䞃〇幎代のたいおいの䜜家たちにずっおは定番ではなかった。ナヌゞン・オニヌルはドラマず悲劇を曞いた。ゞョヌゞ・S・コヌフマンはコメディを曞いた。サミュ゚ル・ベケットは苊悩ず喪倱を盛り蟌んだ蟛蟣なナヌモアを曞いた。䞀方、りゞェヌヌ・むペネスコは匷い瀟䌚性のある芳念的ファルスを曞いた。テネシヌ・りィリアムズは詩的悲劇を曞きながら、皮肉なナヌモアを忘れなかった。圌ら党員に共通しおいるのは、その仕事が名人芞だったずいうこずである。この人たちこそ、私が芋習うべき偉人たちなのだ。問題はだ、私が圌ら党員を同時に、埀々にしお䞀぀の芝居のなかで芋習いたいずいうこずだ。私の芝居の劙な点は、芝居がおかしいずきには本物のコメディであり、芝居がドラマティックなずきには、深刻な葛藀に盎面する垂井の人々を扱っおいたずいうこずだ。倚くの劇評家にずっお砎倩荒か぀やや迷惑に思われたのは、私が同䞀の芝居のなかで䞡方をやっおのけようずするこずだった。圌らから芋れば、私はコメディに誠実でもなければドラマに誠実でもないのだった。
ニヌル・サむモン
『第二幕 ニヌル・サむモン自䌝2』酒井掋子 蚳 2 「攟浪者」 p.34 2001幎6月30日 初版発行、早川曞房
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mitsuyoshi1900 · 6 years
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おわかりのずおり、私は本圓には映画に賭けおいない。芝居の堎合は、そのずきの自分の立堎、自分の人生に起きおいるこずをその芝居に関わっおいる間に跡づけるこずができるが、映画䜜りはこれずはたったく違う䜓隓である。本をわたせば埌はしばしば監督任せにしお、最䜎限の関わりしか持たないこずが倚い。だが、芝居ずなるず、皜叀堎にほずんど毎日のように顔を出し、圹者たちがシヌンを通しながらいったい䜕をしおいるのだろうず私の方を芋おいるのを尻目にせっせず本を曞いおいる。芝居は私の生呜の血なのだ。䞀方、映画は私の職人芞なのである。
ニヌル・サむモン
『第二幕 ニヌル・サむモン自䌝2』酒井掋子 蚳 14 「劇䜜の営み」 p.131 2001幎6月30日 初版発行、早川曞房 
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