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変わる街と変わらない何か
ほぼ6か月振りのバンコクから帰ってきました。
着いた時から「帰ってきた感」が半端なかったけれど、5泊しててもまだまだ居たいと思わせてくれる、僕の何番目かの故郷です。今年の冬(タイにだって冬はある)は結構寒くって、バンコクでも朝は20度を下回る寒さ。普段はビーサンに短パンで過ごせるところが、スニーカーにフルレングスのデニムが必要なくらい。昼間は30度くらいになるとはいえ、暑さより過ごしやすさの方が先に来る天候でした。
このところバンコクのBTSやMRTといった公共交通機関の延伸が話題にのぼり、バンコクメトロ圏の近郊鉄道の駅の総数はついに100を越えました。そんな中、公共交通機関のドン、タイ国有鉄道(SRT)のフワランポーン駅は100余年の歴史に幕を閉じ、2021年より郊外のバーンスーがその役割を果たす事になります。タイには珍しく1年前にも関わらず高架線や巨大な旅客ターミナルはその威容を現していて、タイ国有鉄道の新しい歴史が始まるのを静かに待っているように見えます。
こうやって何度も足を運ぶ事で見えてくる変化は、「monochrome bangkok」と題してバンコクを撮り続けている僕にとっては実はとてももどかしいものなのです。背の高いビル空を狭くし、人々は集合住宅の鉄扉の向こうに消え、駅からは旅情が失われてゆく。一面的な見方ではあるけれど、そうやって変わってゆくことで他の街と変わらない街になってしまう事がモヤモヤとした気持ちを呼んでしまうのです。
とはいえ、変わらない何かもきっとあるはずで、その「何か」を探して日々丹念に街を歩き続けるのが僕のスタイル。効率は悪いけれど、きっとこのまま続けてゆくのだろうし、続けなくてはと思ってる。
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デジタル写真のファイルマネジメント
珍しく後工程のお話です。
デジタルで撮ると困るのがデータの処理と保存。当然だけどフィルムとは大きく異なる手法が必要になります。例えるとRAWはフィルム原版なのに対してJPEGは同時プリント。僕の中ではそんな感じ。プリントは完成品なのですぐに手に取って見ることができるし、渡したり配布するのも簡単。対してRAWはその先の現像が前提となる。ただ、フィルムとのように原版なので、これさえあればいつでも思い通りのプリントが創りだせる。
そういった意味で写真をRAWで残すことには意味があります。とはいえα7のRシリーズのように高解像度をウリにしているカメラだと最大サイズのRAWは一枚で約60MB。フィルムに倣って36枚撮ったとするとそれだけで2GBを超えてきます。その上デジタルなので軽くその数倍、数十倍は一度の撮影でメモリ��消費する事になります。こうなってくると現像処理も大変だし、バックアップに必要となるディスク容量も大きくなってきます。
そうなってくると現像作業を行うPCに数テラバイト、そのバックアップにも同じく数テラバイトの領域を確保しないと安心してPCでの現像作業は行えません。僕のメインの環境はWindowsのデスクトップなので、OS領域とは別に3テラバイトのHDDを増設しています。RAWデータはまずそこにコピーして、セレクトや現像作業を行っています。さらにHDDを増設してそこにバックアップを取得してもいいのですが、PCに起因する問題でメインとバックアップどちらのデータも消失してしまう可能性もゼロではありません。そこでNASを利用してバックアップを取得することにしています。
NASはネットワーク上に設置する一台、もしくは複数のHDD(SSD)を持つ機械です。ネットワーク上に設置するので、宅内ネットワークのどの端末からでもアクセス可能なので、バックアップだけではなく現像済みのJPEGファイルも格納しています。NASへのファイルの移動は手動だと取りこぼしや操作ミスが怖いので、Microsoft製のSyncToyを利用しています。
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=15155
このツールはディスクtoディスクの同期、差分や増分のバックアップが簡単に取得できる優れもの。事前にPC側、NAS側の対象フォルダを指定する必要はありますが、あとはワンクリックでデータの同期ができます。セレクトや現像が済んだらアプリを立ち上げてワンクリック。それだけで安全、安心な環境を作れるのでNASとSyncToyの組み合わせはお勧めです。
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今年最後のバンコク撮影
今年3回目なのでいつもより少なめ。トルコやロシアといった新しい場所を開拓してたというのもあるけれど、ちょっと撮り足りない感じがするのはもう病気なのだろう。今回はお休みが取れたので、往復共に身体に負担の少ない昼行便で現地5泊というゆったり日程。
いつもは金曜夜の深夜便で早朝バンコクに着いて月曜深夜の便で帰ってくるので、2泊でまる3日の行程。不思議な事にギチギチでガッツリ撮ってる方が時間短くても撮れ高高いんだよな。やっぱり写真は��インドで撮るものなのだぁ、とそんな所で感じてみたり。
バンコクといえば多彩なホテルがあるけれど、定宿にしてるところはつまらないビジネスホテル。ただロケーションは下町感たっぷりのエリアなので、ストリートスナップにはうってつけ。身体と気持ちをストリートに寄せとく方がmonochrome bangkokの撮影には好都合なのです。
持ってくカメラはいつもの如くLeica M Monochrom。このカメラなくしてはこのmonochrome bangkokは撮れません。レンズはSummilux 50mmとSummicron 35mmかな。出発まで少し時間はあるので、もう少し悩みそうだけど。それもまた楽しみの一つ。
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今年もやってきました、ソンクラン!!
一度だけ仕事で断念した年もあったけど、ここのところ毎年毎年バンコクでソンクランを楽しんでます。楽しむといってもそこはフォトグラファーの端くれ、カメラの水没を恐れず水かけ祭りに突撃するのがお約束。何台かカメラを水没させてるのに毎年この時期を楽しみにしてたりします。
毎年毎年と言いつつも当然毎年少しずつ状況は変わっていて、例えばソンクランではディンソーポンっていうハーブと泥灰土を混ぜた物を人の顔に塗り付けるっていう風習があるのだけど、一番大きな会場のシーロ��通りでは数年前に禁止されてしまったり、今年はそのシーロム通りが通行止めにならず会場として使われなかったり、なにかと
いろいろ変わるのです。この辺は軍政が幅を利かせてる感ありありなのですが。
その他にも年々外国人の顔ぶれが増えたり、テレビの影響か日本から法被姿で参戦してくるも多数。インスタ映えというには激しいけれど、盛夏のバンコクは水を掛けていようが掛けられようが、ディスティネーションとしては最高の場所なのです。
とは言ったものの、本日現在荷造りの真っ最中。持っていくカメラ、正しくは持って行っても大丈夫なカメラを選定し、必要な機材を充電し、そして濡れてもいいように多めにTシャツを入れて、さらには早朝帰国に備えて仕事着もカバンに詰めて、となかなかの大仕事。
今年はどんなソンクランが撮れるだろう。わくわくも鞄につめて出かけてきます。
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M Monochromのこと - 2代目はCMOSセンサー
前回「初代は」って書いてあるとおり、M Monochromは後継機が出てしまいまして。。 そんなわけでM Monochrom続きます。すっかりCCD版のM Monochromの虜になった僕ですが、デジタルの世界は移り変わりが早いのが常。ライカでさえも3年後には後継のM Monochrom(typ246)が登場しました。まったく同じ名前で混乱するので、ここではCCD版をM Monochrom、CMOS版を246と表記する事にします。 M Monochromに全く不足はなかったのだけど、新開発のモノクロセンサーが搭載された246の登場は僕の心を揺さぶりました。同じM Monochromの名前を冠してるだけに撮れるのはもちろんモノクロなのだけど、シャッターユニットが一新され、騒々しいシャッターチャージの音がすっかりなくなりました。 そして一番の驚きは中間調の豊かさ。あくまで比較しての話だけどM Monochromのダイナミックレン��よりも246のダイナミックレンジは広く、そのおかげで中間調がよりリッチに表現されていたのです。コントラストが高いモノクロもカッコよくていいのだけど、豊かな中間調を持つモノクロはとても美しいものです。 とはいえ、そうそう簡単に手が出る値段でもなく(税込で100万円オーバー)、M Monochrom同様に入手まで1年ほど待つ事となりました。この時の資金計画はM Monochrom入手後に手に入れたM9をドナドナし、3割くらい安く買える香港から通販で買うっていう危険な賭け。結果的に問題なく保証のある新品が買えたのだけど、この手のものを海外通販で買うのは相応なリスクを覚悟しておいた方がいいでしょう。 246の描写はついて言えるのはM Monochrom同様にモノクロであること。文化的に正しい(言い過ぎ)モノクロデータを現像やスキャンの手間なく残せるのですから、これはフォトグラファーにとって働き方改革そのもの。作業工数を勘案するとこの価格は決して高過ぎる訳ではないと思います。 高過ぎですけど。 価格の他にも問題があります。それはネガが残らない事。246は不思議なことに撮れば撮るほどネガが恋しくなるカメラなのです。いいモノクロほどプリントしたくなるのが人の常。デジタルデータからネガを作ることも不可能ではないけれど、それなら最初からフィルムで撮るよね、とデジタルとアナログの間を行ったり来たり。なんとも不思議なカメラです。
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M9 - Leica初のフルサイズセンサー搭載デジタルカメラ
このカメラもなかなか面白いカメラではありました。ライカ沼に沈み始めるとどうしたってMやLレンズが増えてゆきます。その対策としてもっとも有効なのはボディの追加(違う)。
当時持っていたデジタルボディはM Monochromだけだったので、様々なレンズのカラーでの描写を確認すべくM9を購入しました。この時のドナドナ対象はM4ブラックペイント(後塗り)。ルミエール仕上げの素晴らしいブラックペイントでした。初めて手に入れたライカをリリースするものどうかと思ったのだけど、既に僕の病は進行していたので、患者としてはM9という処方を受け入れる以外に途はありませんでした。このM4とのなれ初めはどこかで書いた気がするので、気が向いたら探してみてください。
さて、本題のM9です。なんといっても高感��ノイズがすごい。ISO1600でもノイズがしっかり乗ってくるので、暗所には弱いです。ノイズ自体はそれほどいやらしさはないので画としては使いやすいんですけど。 あとM9と言えば色飽和かな。ちょっと気を抜いてるとすぐに赤が主張を始めてしまう。これはこれで面白いけれど、少しばかりヤンチャが過ぎる感じ。でもこの赤が無性に恋しくなることもあるのです。 さらにとっても控えめな背面液晶にも言及しない訳にはいきません。2.5インチ23万画素。数字が控えめ過ぎて理解するのに時間を要するくらいです。Apple Watch 4の大きい方の液晶が1.78インチなので、そのうち追い越される事でしょう。
M9の前にはM8、M8.2というAPSサイズのセンサーを搭載したMデジタルがあったので、それほど新味はありません。とはいえ、IRフィルターが不要になり、フルサイズになり、ライカのレンズを不足なくデジタルで使える事は画期的でした。そんな訳でMデジタルのスタンダードはM9と言っていいと思います。
その証拠に後継のM(typ240)がリリースされた後も、基本構成は変わらないままM-Eと名前を変えてかなりの間生き残りました。
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M Monochromのこと - 初代はCCDセンサー
大好きなカメラ。
まずこれが大前提にあるので、製品レビューとかは期待しないでください。2012年にリリースされた、民生機としては恐らく世界初の1800万画素フルサイズモノクロセンサーを搭載したカメラがM Monochrom。
このカメラを知ったのはハービー山口さんのトークショー。この頃僕はM4とズミクロン50㎜であちこちを撮り歩き、いっぱしのライカ遣いを気取っていた頃。しして数年前から「Monochrome Bangkok」のシリーズも始め、作品制作にいろいろと思い悩んでいた頃でもあります。
トークショーではヨルダン側西岸のパレスチナで撮られた素晴らしい写真のスライドショーが流されたのだけど、その写真がM Monochromとアポズミクロン50㎜で撮られた事が明かされ、僕はその画に魅了されました。デジタルで撮られたはずなのに、丁寧に現像されたフィルムのようなしっとりとした質感がそのままスクリーンに投影されたのです。
その衝撃からほぼ一年後、僕は当時使っていた一眼レフ(Kマウント)を売り払い、ある人から30万円ほど借金をし、残りの30万円分のローンを組むことで初のデジタルライカを手に入れました。今考えると随分思い切ったものです。それでもその���一度も後悔しなかったのは、このカメラと相性が良かったのかも知れません。
描写はとにかくモノクロ。まぁ当然なんだけど。カラーフィルターを排したお陰で、穏やかなセンサーのスペックからは想像できないほどの解像感が得られます。また、偽色ノイズが原理的に発生しない(高感度ノイズはもちろんある)為、一貫性のあるモノクロが描かれるのがカメラのいいところ。 一つ気になるところと言えば、シャッター音を上回るほどのシャッターチャージ音かな?
「カシャ、ジーーーッ」
この「ジーーーッ」はあんまりこの世の中で聞かない音なので、結構悪目立ちします。これはライカでも認識していたようで、設定で分離シャッターを選択する事もできます。分離シャッターの音はこんな感じ。
「カシャッ」...(押し込んだレリーズを戻す)「ジーーーッ」
いずれにせよなかかな賑やかなチャージ音なのでステルス性は全くありません。ボディはブラッククローム&赤丸なしで超ステルス仕様なんですけどね。
残念ながら今はこのカメラはもう手元にはありません。でも、CMOS版のM Monochromがその後を引き継いでくれています。
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オンリーワンの描写 - Summilux50mm f1.4
Leicaレンズを語るときに僕が絶対に外せない一本。
比較的早い段階でこのレンズを手に入れたことでLeicaでの撮影が一層楽しく、深くなった運命のレンズ。このレンズで撮ると被写体がまさしく「浮き上がる」。縦横しかない平面なのに不思議と浮き上がって見えてくるのです。
絞り開放時の周辺減光とf1.4のピントの薄さが主因だとは分かっているのだけど、それだけではない何かを感じる事ができる。
ずいぶんと高いレンズなのに周辺減光って何事よ? ってカメラを知ってる大抵の人は思うんだろうけど、ホントそう。一眼レフで50mm f1.4なんてありふれてるし、当然周辺までしっかり解像する。Leicaたるものがそんなんでいいのかっていう話になるのだけど、それでも許されてるLeicaはある意味凄い。
ズミルックス銘の標準寄りの現行レンズは35㎜、50㎜とあるけれど、50mmの方が情緒的な画を描く。35㎜はどちらかというと優等生な感じ。同じ銘を持っていても全然性格が違うのが面白い。不思議なことに35mmでいえば現行のズミクロン35㎜の方がズミルックス35㎜よりも情緒的な画を結ぶ。あくまでも僕の主観でしかないけれど。
ズミルックス使い始めたのは初代のM Monochromを手に入れた頃だったかな。カラーフィルターを持たないセンサーが吐き出す画は「デジカメ」と括る事に違和感を覚えるほど鮮烈だった。モノクロなのに。そんなM Monochromのポテンシャルを引き出すためには現行のレンズ、それもできれば明るい標準レンズが必要だと思ったのがズミルックスに手を出した理由。
そこからしばらくは殆どすべての写真をM Monochromとズミルックス50mmで撮ってた。これが本当によい組み合わせ。比較的コントラストが強めに出るCCDのM Monochromと被写体を浮き上がらせるズミルックスで撮るポートレートはとても印象的で”Monochrome Bangkok”のシリーズをより豊かなものにしてくれた。
この先ノクチルックスやアポズミクロンっていう50mmのバケモノレンズを手に入れたとしても、このズミルックスは僕のファーストレンズとして在り続けると思う。
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Pが付かないほうのM10
M10といえば数か月前に新たにリリースされたM10-Pの方が話題性があると思うんだけど、僕が使っているのはPが付かないM10。-P 登場で値が下がったところで中古に手を出してしまいました。
もちろん中古といってもそこそこのお値段がする訳で、数十万の支出の身代わりにM-Pがドナドナされてゆきました。このM-P、マルチファンクションハンドグリップが付いているもののノーマルの底蓋が欠品してたとの事でお安く仕入れたものでした。
僕が初めてM10を触ったのは昨年の春、ライカストアでの事でした。両手でカメラを包んでみてびっくり、フィルムカメラで慣れ親しんだあの厚みがそのまま再現されていたのです。これには思わず笑みが零れました。と、同時にデジタル機ゆえの重さを支えるには少し心もとない厚みに感じたことも覚えています。
M-Pからどうして買い換えたのかというと、何よりもスタンバイからの復帰が早くなったこと。typ240系統はスタンバイからの復旧時に2、3秒待たされるのです。これはスナップシューターの気持ちを削ぐには十分な時間。どんなに素晴らしいカメラでもシャッターを切れないのでは意味がないのです。カスタマーケアの提案で小さめの容量のSD(当時は16GBが最適って言われた)を入れてもあまり状況は変わらず、ベースが同じM Monochromでも復帰の遅さが気になるので、あれは仕様なんでしょうね、きっと。
ちょっと脱線しました。
M10は240系と比べて良くも悪くも普通のカメラになりました。慣れたレンジファインダーでフレームとピントを合わせて、思ったタイミングでシャッターを切れる。ただこれだけを淡々とこなしてくれるカメラが僕にとっての良いカメラ。吐き出される写真は少しだけシアンが強く、240系ほどマゼンタが痩せていないのでjpegそのままでも十分な画が得られます。あくまでも自分の好みの話だけど。
M10といえばwifi対応も新しい機能として搭載されています。「Leicaにwifi??」って言われそう(僕もそう言ってた)だけど、メモリーカードの出し入れにいちいち底蓋を外さなきゃいけない上に、ボディーケースなんて付けてたりしてたらデータの読み込みはちょっとした悪夢。それを考えると悪いものではないです。
ただ、アプリがiOS用しかなく、Androidではwifiを使えないのがイマイチ。今月後半にはAndroid、iOS両対応のLeica FOTOSがリリースされる予定です。ついにAndroid組もwifiを活用できるはずなので大人しく待っていることにしましょう。またFOTOSはこれまで機種ごとに分かれていたwifi接続アプリが一つにまとまるので、複数のデジタル機をお持ちの富豪の方には喜ばしいニュースかと。
もっとM10を褒め倒したいところなのだけど、思った通りに動いてくれるし、それ以上を求める必要もないので「ちょうどいい」と言うのが精いっぱい。お財布には全然ちょうど良くないけど。
そうそう、最新のM10-Pとの比較も書いておかないといけないですね。M10-Pとの違いはなによりシャッター音。Pなしは「シャキシャキ」と鳴るところ、-Pは「(ほぼ聞こえないレベルで)コツンコツン」と鳴る程度。電子シャッターとは言わないまでも、シャッターを切った人間にしか分からないレベルで静かなのです。
もちろん僕も触ってみましたよM10の時にも行ったライカストアで。独特なシャッターフィーリングとあまりに小さなシャッ���ー音にまたしてもニヤニヤが止まらなくなりました。これもまたなんとも危険なカメラです。
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復活、というかサボってました。。
と、言うわけでとても久しぶりの投稿。
ここんところ放置してた自分のブログを遡ってみたら思いの外面白かった(効果には個人差があります)ので、改めてこれまで使ってきた機材やライカとの付き合いを書いてみようかと思って。
Leicaとの馴れ初めは前にも書いた事があるので、その後のボディーとレンズの遍歴を記憶を辿ってみようか。次回がいつになるかは約束できないんだけど。。
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初めてのライカ
初めて買ったライカの事は鮮明に覚えてる。結構状態のいい後塗りのM4だった。あちこちに持ち出して、iPhoneの露出計アプリで露出測りながら撮ってたの楽しかったな。ほんの数年前の話なのだけど。
その頃使ってたのはズミクロンの50mm。思い切ってM4とセットで購入したんだった。このズミクロンは第2世代のピントノブがないタイプ。ピントリングに爪楊枝を貼り付けると手探りで距離合わせられるって話を耳にしたけど、高いレンズにそんな事する勇気無かった。
50mmよりも広角が欲しくなった時に買ったのが、フォクトレンダーの35mmの1番安いヤツ。1/1000しか切れないM4には明るいレンズなんて要らないや、と思ってた。それはそれで間違ってないなかったのだけど、それ以上にコントラストが思った以上に強く出るレンズで、自家現像できない僕は軟調で仕上げるすべもなく、早々に手放した記憶がある。
でもそのフォクトレンダーは近所の解体工事の現場で活躍してくれた。5階建て位の古いコンクリートのビルだったのだけど、セキュリティが甘くて防音シートの隙間から現場に侵入出来た。破壊されゆく物体は高めのコントラストと相性が良くって、何度も忍び込んだっけな。
初めてこの現場に忍び込んだ時は、あまりの興奮に何ショットかレンズキャップを付けたままでシャッターを切ってしまったのを思い出す。M4はフルマニュアルのレンジファインダー機、なのでレンズキャップが閉められていても全く違和感を感じない。当然フィルムカメラに背面液晶はないし。
その時のフィルムはPREST400。手持ちのフィルムがなくなると現場の近くの大貫カメラに走っていったの覚えてる。ちょうど日暮れが近い時間帯で、少しでも明るさが残る時間に撮りたかったんだな。それに、暗くなると解体現場は怖いし。
思い出の一つ一つが鮮やかで、思い出すだけで心が少し軽くなる。それがライカMの魅力。写真以上に心に思い出を焼き付ける、不思議なカメラなのです。
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傘とライカ
梅雨の時期はライカと相性が悪い。
M型ライカはマニュアルフォーカスなので必ず両手が必要になる。もちろんパンフォーカスで撮るっていうスタイルもあるけれど、収めたい被写体にスッとピントが合ってる写真の魅力は捨てがたい。
雨が降るとどちらかの手は傘に取られてしまう訳で、そうするとライカでできるのは構えてシャッターボタンを押すくらいになってしまう。トップカバーがフラットなライカはフィルム時代には「雨に強い」って言われてたらしいけれど、写真を生業としている人以外で雨の中にライカを持ち出す勇気をもつ人なんてそうそういない。
とはいえ、雨の日には写真を撮れないなんて面白くないので、勇気を持って傘とライカを持って外に出てみよう。きっと思ってもみないような写真が撮れるはず。
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ライカとパトローネ
twitterでバルナック用のパトローネの話が出てたので、ちょっとだけ。
実際のところ当時はパトローネとなんて言う洒落た名前では呼ばれてはおらず、日本ではフィルムカセットと呼ばれていたようです。現在のパトローネとシステムは一緒で、未露光ロールフィルムをカセットに収納し、必要に応じて交換できるものでした。白昼堂々とフィルムカセットを交換できるのと、36枚(不思議な事に当時から36枚だったんですよね)も一本のカセットで撮れるこのシステムは、乾版しか無かった当時には革命的な出来事だったのではないでしょうか。
と、ここまでは僕の勝手な想像です。ここで当時アサヒカメラに掲載されたライカの広告にライカⅠの素晴らしさが述べられてるので、まるっと抜粋してみます
- 最も小型にして瀟洒たる体裁
- レ��レックスカメラの代用と成る
- 特種の小型ロールフィルムカセットを用ふる以って映像は鮮鋭
- 1缶にして36回撮影心得
- 銀粒子の最も微細なる活動写真用ネガチブフィルムを入れ得
- カセットは1巻5尺3寸までのフィルムを入れ得
- 1回のフィルム代は僅に2銭
- 日光の下にてもカセットを取り換え得
- シャッターを巻くと同時にフィルムは送られしたがって絶対に二重写しを防ぐ(専売特許)
- 同一口径比のレンズにても焦点距離の長きものに比して深みのある事
- 引き伸ばせば柔らかき芸術写真を得
- 高価なるアタッチメントレンズを要せず又大なる乾版の用ふるび不経済もなし
とまあこんな感じだけど、まったく色褪せてないというか、35mmフィルムカメラを取り巻く環境の停滞っぷりを見せつけられます。同時にライカが起こした写真の革命がどれだけ凄かったかが分かると思います。
ちょっとだけと言っておきながら長くなるのはいつものことなのだけど、流石にこれくらいにしておこうかと。ちなみに当時の広告やカタログはJCⅡライブラリーに収蔵されているようです。
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ズミクロンのお話
ライカ遣いにとってズミクロンという名前は避けて通れない名前。僕も図らずもこの名前に振り回されることとなりました。 初めて手にしたズミクロンは札幌の中古屋さんでアフターペイントのM4と一緒に買った50㎜のズミクロン。俗に第2世代と呼ばれるモデルで、ブラッククローム仕上げの、若干地味な見た目のレンズでした。このレンズに12538というプラスチック製のフードを付けてもらい、おまけにLeica純正のストラップをセットアップして確か20万円くらいだったと記憶しています。 50mmの次に来るズミクロンといえばやはり35㎜。もう少し広角のレンズが欲しくなるのはほとんど生理現象と言っていいのではないでしょうか。とは言ったものの、残念ながらズミクロンの35㎜に手を出す余裕はなく(たしか当時で10万後半から20万くらい)、結局はフォクトレンダーのカラースコパー35㎜f2.5に。 このレンズ、とにかくハイコントラストでズミクロン50㎜の雰囲気とはガラっと違っていました。当時はモノクロでしかフィルムを撮ってなかったので、たっぷりとした中間調が出せないことに悶々としていた事を覚えています。あと当然0.5の明るさの物足りなさにも。より明るいレンズが欲しくのなるのはほとんど生理現象・・・(以下略) このレンズのハイコントラスト感、使いどころによってはドラマチックで現代的な画を描いてくれます。これはこれでアリなのだけど、やはりズミクロンの名前の前には勝てない(心理的に)のも事実。 そんな訳で結局はズミクロン35㎜を購入するところまでが僕のズミクロンとの前半戦。ちなみにズミクロンは描写が気に入っていた50㎜と同世代の6枚玉(ツノ付き)と呼ばれるレンズでした。これといって特徴のない外観の割にはそこそこ高いレンズなのだけど、その銘のせいか少しだけ写真が上手くなれた気がしていました。ちょうどこの頃に「Monochrome Bangkok」のシリーズもスタートしたので、シリーズの原点を支えてくれたレンズでもあります。 ここまではよくある話。怖いのはこれらの35㎜、50㎜のズミクロンがもう手元にないところ。銘がいつの間にかズミルックスになってたり、世代違いのズミクロン35㎜が複数防湿庫から出てきたり、これ以上話を続けるとしたらただのホラーになってしまうのが大抵のズミクロンストーリーなのです。
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機材のおはなし ソニー編
珍しくライカ以外のお話を。 今日はソニーのα7シリーズのお話。α7には初代、2代目、3代目(今のところRだけ)があって、それぞれ無印、高解像度のR、高感度に強いSのラインナップがあります。僕がこれまで使ってたのは2代目の無印モデル。コンパクトなフルサイズセンサー搭載機を手ごろ値段で買えるのが無印モデルの良いところ。 α用のレンズもコンパクトなものが多いので、機動力がものを言う街でのスナップ的なポートレートにはとても向いています。#バンコク原色美少女図鑑 は殆どこのカメラとFE55mmで撮ってるので、出番の多いカメラの一つでもあります。 このカメラ、メインで使ってるライカのレンズもマウントアダプターを使うことで利用できるので、さらに利用価値が大。ただ、唯一ライカのオールドレンズで撮った時に気になる事があったのです。それはオールドレンズの「味」が若干薄まって感じてしまうところ。あくまでもフィーリングでしかないのだけれど、一枚うすいベールがかかったように感じてしまうのです。 原因として考えられるのはローパスフィルターの存在。これはセンサーの前に設置され、モワレや偽色という画質の低下を招く原因をフィルターする役割を果たしています。その弊害として解像感の低下が発生するのだけれど、それがオールドレンズの「眠さ」を強調しているのでは、と考えたのです。 そこで、ローパスフィルターを搭載していないα7のRモデルに買い替えることにしました。とはいえ最新の3代目ではなく2代目なのですが。しかも中古で。 結果は、、、残念ながらまだその効果をはっきりお見せできる作例は撮れていないのだけど、今日もこれからカメラ持って出かけてこようと思ってます。
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今年はたぶんもうバンコクに行けそうにないので、Monochrome Bangkokシリーズの写真のセレクトと現像を片付けた。今年は一年を通して自分の感じたものをセレクトという形で表現したいと思っていたので、これまで全く手をつけてこなかった。 日本から目を背けている訳ではないけれど、ローカルでもグローバルでもないただの旅人の視点で街を撮るという行為は、僕の写真にとって必要な要素なんじゃないかと思ってる。だから旅と写真は切っても切り離せない。そして、カメラを手に当て所なく街を彷徨い歩くのは、僕にとってこの上ない喜びでもある。 来年も歩いて撮って、誰か日常をそっとカメラの中に仕舞い込むことにしよう。
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フィルムとかデジタルとか
度々この話は話題に上るけど、個人的にはどっちも写真だからいいんじゃないかと思ってる。そんな事で時間と気分を消費するくらいならシャッター切ったほうがいいかな、って。 写真ってそもそもが光学と化学の実験だから、なにをどう撮ろうが試行錯誤をしようがいいんじゃないかな。スタイルがブレようがPhotoshopを多用しようが、写真として残ればそれは写真。 きっと写真の歴史からすれば僕らの写真もただの実験なんだろうから。
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