#佐伯健三
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shihlun · 1 year ago
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Juzo Itami
- A Quiet Life
1995
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switch-souken · 2 months ago
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【お知らせ】参加決定!!大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
スイッチ総研が越後妻有に初見参!!「大地の芸術祭」の拠点施設である「越後妻有里山現代美術館 MonET」を舞台にスイッチをスペシャルミニ上演いたします。
豊かな緑に囲まれ、端正な四角い池を有する美術館MonET。美術館オリジナルの企画展『モネ船長と87日間の四角い冒険』にお招きいただき、ご機嫌な現代美術があふれる空間でMonETならではの作品を展開予定!
各地で研究開発してきた「スイッチ」のなかから選りすぐりの演目をMonETバージョンにアレンジし、回廊のあちこちへ設置。と予定していたスイッチ総研ですが、現地下見を経て新作演目も複数展開ありの予感!「現代美術」×「鑑賞者がスイッチを押すと出現する一瞬の演劇」の饗宴やいかに!?
1日限りのクレイジーかつピースフルな祝祭空間がMonETの池の周りに出現!来たれ!愉快な四角い池のほ��りへ!!
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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024参加 スイッチ総研 『越後妻有 MonETスイッチ』 2024年10月14日(月祝)
【作】   スイッチ総研
【脚本/演出】   光瀬指絵
【研究開発/出演】   大石将弘 光瀬指絵
<契約所員> 矢野昌幸
<遠隔契約所員> 細谷貴宏 ※研究開発のみ
<非常勤研究員> 石田菜々子 上杉智恵子 大田浩志 可知瑞季 川口雅子 喜田裕也(はちどり空港) 小嶋直子 琴松蘭児(ひょっこり船) 佐伯ウイ 佐々木優樹(トム・プロジェクト) 實近順次 関口真生 手代木花野(CI部) 遠田風馬 長井健一 渚 まな美 平嶋恵璃香 深海哲哉(グンジョーブタイ/アマヤドリ) 松井絵里(さるさるさる松井絵里) 松井里美(劇団ハンニャーズ) 松田 蓮(演劇調理集団ビストロカプリチョ) 三浦真央(Souer+(スール)) 森田 亘 容原 静(カムパネルラ)
※非常勤研究員としてご出演予定だった石橋奈那子さんは、ご体調不良のため大事をとり今回のご参画は無しとなりました。
【日時】   2024年10月14日(月祝) ①11:30~11:45 ②13:30~13:45 ※お客様が会場に点在する「スイッチ」を押すと始まる作品です。上演時間内の何時からでもお楽しみいただけます。
【会場】   越後妻有里山現代美術館 MonET 回廊 〒948-0003 新潟県十日町市本町6-1-71-2 https://www.echigo-tsumari.jp/travelinformation/monet/
【料金】   無料・予約不要
【主催】   大地の芸術祭実行委員会、NPO法人越後妻有里山協働機構、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
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[大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ] 世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニア。アートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めている。過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、新潟県の越後妻有地域(=大地の芸術祭の里)が舞台。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、1年を通して自然の中に作品を展示。(公式サイトより) https://www.echigo-tsumari.jp/
[越後妻有里山現代美術館 MonET] 2003年に竣工、地域の物産や観光を扱う拠点施設「越後妻有交流館キナーレ」として開業。2021年、大幅な内装のリニューアルを経て、「越後妻有里山現代美術館MonET」(モネ、Museum on Echigo-Tsumari)としてスタート。越後妻有の風土や文化の特質に深く向き合う作品、あるいは展示された場所の空間、時間の変容を観る者に体感さ��る作品を展示している。(公式サイトより) https://www.echigo-tsumari.jp/travelinformation/monet/
『モネ船長と87日間の四角い冒険』 MonETの回廊や明石の湯エントランスを使った、MonETオリジナル企画。国内外の作家が参加し、池の周りで繰り広げられるのは「モネ船長」の “冒険と遊び ”!?たとえばスリル満点の《阿弥陀渡り》や、パターゴルフ、巨大彫刻など、楽しみながら体験できる作品が盛りだくさん。夜間はライトアップされ、昼とは異なる静謐な世界観を味わうことができる。[キュレーター]原倫太郎+原游(公式サイトより) https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/monet_2024/
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notokra · 1 year ago
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MR.High Fashion vol.110 Pina Bausch ミスター・ハイファッション 2002年10月号 ピナ・バウシュ
目次 MR’S SPECIAL ミラノ発信のメンズモードと、ミラノのデザイナーのフェースアルバム。 トム・フォードが提案する、モダンフォーマルの再来。 by GUCCI Rosemary=写真 ラフでダンディな、ニューカントリースタイル。 by DOLCE & GABBANA 平間至=写真 ジル・サンダー。ウォーターカラーのエレガンス。 by JIL SANDER 戎康友=写真 エンポリオ アルマーニ。クラシカルなワークテースト。 by EMPORIO ARMANI 宮原夢画=写真 長瀬智也。ロメオ・ジリ。クールレジスタンス。 by ROMEO GIGLI 筒井義昭=写真 山下智久、生田斗真。ジリ。コントラスト&レイアード。 by GIGLI 筒井義昭=写真 バーバリー プローサム。ニュークラシシズムのシルエット。by BURBERRY PRORSUM 桐島ローランド=写真 ラフでラグジュリー、ヴェルサーチのニュールック。 by VERSACE 三枝崎貴士=写真 クールでラグジュリーな存在感。 by NEIL BARRETT 石坂直樹=写真 アレッサンドロ デラクア。アクティブでセンシュアル。by ALESSANDRO DELL’ACQUA 守本勝英=写真 エンニョ カパサが提案する、ダウンタウンシック。by ENNIO CAPASA FOR COSTUME NATIONAL HOMME 笹口悦民=写真 ディーゼルスタイルラブ。アーバンなクールカジュアル。 by DIESELSTYLELAB 川口賢典=写真 キーン・エトロと、エトロが生み出される場所。 矢島みゆき=取材・文 アーネスト・レヴィ=写真 MIUCCIA PRADA ミウッチャ・プラダのクリエーション。 二つのベクトルの均衡。/プラダ社の歴史と運営。 矢島みゆき=取材・文 西島秀俊。プラダ。半沢 健=写真/プラダ スポーツ。ニッキー・ケラー=写真/ミュウ ミュウ。半沢 健=写真 イタリア発信の革のツール。靴と鞄。 ミラノのデザイナーのフェースアルバム。 堀本洋一、畑口和功、牧田良輔、アーネスト・レヴィ=写真 ドメニコ・ドルチェ、ステファノ・ガッバーナ/ジョルジオ・アルマーニ/ドナテッラ・ヴェルサーチ、エンニョ・カパサ、ニール・バレット、ガブリエレ・ストレーレ、ミラン・ヴクミローヴィック、アントニオ・マラス、コンスエロ・カスティリオーニ、ロメオ・ジリ、ルカ・ミッソーニ、スコット・フェローズ、アレッサンドロ・デラクア、クリストファー・ベイリー、トーマス・マイヤー
FASHION PINA BAUSCH + YOHJI YAMAMOTO : Fusion Between the Two 同質のアビリティ。ピナ・バウシュが着るヨウジヤマモトのポートレート。松本康男=写真 イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ、ボヘミアンエレガンス。 半沢健=写真 ラージサイズでテンダーな6人のスタイル。 田中知之/長瀬哲朗/パラダイス山元/梶原由景/ジョン・ストーリー/三宅勝士 宮原夢画=写真 ポール・スミス氏と愛車ブリストルから始まる、クラシック&ストレンジワールド。 by PAUL SMITH COLLECTION アンソニー・クローラ、三枝崎貴士=写真 ヴィヴィアン・ウエストウッド マン、ワーキングクラスからの発想。 by VIVIENNE WESTWOOD MAN 守本勝英=写真 マーガレット・ハウエル。 クラシシズム&モダニティ。 by MARGARET HOWELL 筒井義昭=写真 クールで優しい、ステファン・シュナイダーというスタイル。 by STEPHAN SCHNEIDER 富岡春子=写真 進化するブリティッシュブランド、ダックス E1。 by DAKS E1 筒井義昭=写真 時を超越するSOのスタイル。 by SO BY ALEXANDER VAN SLOBBE 平郡政宏=写真 バーバリー・ブラックレーベル、ロックスターのように。 by BURBERRY BLACK LABEL 秦 淳司=写真 サンディー���ダラルがディレクションする、ICB menのアーバンエスニック。 by ICB men Rosemary=写真 ブライトンの自然と共生する、ポール・ハーンデンのクリエーションと暮し。 富岡秀次=写真 正岡雅子=取材・文 真木蔵人。ドレスダウンクロージング。 by RADMESS MEN’S BIGI 富永よしえ=写真 伊藤英明×オークリー。シャツとデニムパンツの、イージー&クールなスタイル。 by OAKLEY 三枝崎貴士=写真 A.A.R。ハードボイルドでクール。 by A.A.R 平郡政宏=写真 クールなインパクト。カスタム カルチャーのレザー。 by CUSTOM CULTURE 赤羽圭介=写真 東京発信のウォームスタイル。 川口賢典=写真 コンテンポラリーダンディズム。 富永よしえ=写真 DEPARTMENTS コム デ ギャルソンのラージサイズなコロン。 ニューショップ。ブリオーニ/コーチ/ラグビー ノース アメリカ/ フィラスポート・ライフストア/アディダス SOのオランダ通信。 Vol.13 パリのカルティエ現代美術館で再会した、村上隆と滝沢直己。 ミタ リツコ、森本美絵=写真 ビジュアルのコラム集。 ゴールドジュエリーの生産地、イタリア・ヴィチェンツァで開催された国際展示会。 11 トピックス。 PEOPLE 宇川直宏。34年分の記憶を押し込んだ、脳のような空間。 久家靖秀=写真 東谷隆司=取材・文 小林紀晴。幼いころから変わらぬ、アジアへの関心。 かばんの中身。一之瀬弘法。 男のカーライフ。ROLLY。 スーパースタイリストのリアルライフ。 祐真朋樹=写真・文 クレール・ドゥニが描いた、二人の怪物の物語。樋口泰人=文 伊東四朗。男の覚え書き。 沖山純久=文 松本康男=写真 小村和久(5351プール・オム)/リード・クラッコフ(コーチ)/リック・オウエンス ESSAY 犬の肖像。中川十内=写真 沖山純久=文 ハラショー・ボーイ。島田雅彦=文 記憶の中のカンヌ映画祭。秦早穂子=文 COLUMN COMING NOW カフェ・イン・水戸/BOOK 稲川方人=文/BOOK 佐伯誠=文/MUSIC 北中正和=文/CINEMA 樋口泰人=文/ART 椹木野衣=文/THEATER 渡辺美和子=文/NEWS 鳥越俊太郎=文 ETCETERAS INFORMATION/NEXT ISSUE/BACK ISSUES/PRESENTS/NEWS
編集長:田口淑子
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daisukekawashima · 1 year ago
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映画「VOID 」
短編映画. 音楽.
2023.12.~2024.02.
映画「VOID」の音楽をPause Cattiが制作しました。
2023年12月8日NOTIONG NEW web上で公開。
2024年2月中旬~下旬下北沢K2でレイトショー公開。
Personnel
麻木 野内まる
鹿島 大石水月
手塚 伊藤歌歩
中尾 若杉困
尾関 神嶋里花
母 安藤聡海
父 金子岳憲
馬場 平井まさあき (男性ブランコ)
逗子 池田良
橋田 門間航
佐竹 大熊花名実
酒井愛梨 長澤優子 Kaya 璃 華
有井友歩 せんす 中村咲希 古館真実 尾中彩美
馬場眞桜華 小笠原澪 西田莉緒 雪見みと Shiori
春日彩子 瀬間琴美 健気 松本実優 中本優妃乃
楽太郎 三浦恭子 川崎脩誠 長束雄介 白神裕治
株式会社ユマニテ / 株式会社ヒラタオフィス / 砂岡事務所
株式会社 office MUGI / 株式会社 CRG / 有限会社ジャングル
吉本興業株式会社 / 株式会社 enchante / 株式会社ダックスープ
企画・プロデュース
林健太郎 鈴木健太
ラインプロデューサー
井上淳 長束雄介
プロダクションマネージャー
安藤健丸 毛麻貴
音楽 Pause Catti
撮影 大河原真生
照明 佐伯琢磨
録音 浅田将助
衣裳 石塚愛理
ヘアメイク 舟崎彩乃
編集 大森優希
カラリスト 足立悠介
助監督 天野隆太
撮影助手 中根凱也 森優斗
照明助手 西本昌良 鈴木 春佳
録音助手 徳田和真
衣裳助手 田中未来
ヘアメイク助手 鈴木りんか 萩田夏子
キャスティング協力 宮田雅史
制作車両 伊勢達也 金城和人 阿部美菜子
アシスタントプロダクションマネージャー 河合麻湖 近藤碧 藤田恭平 キム・ドヨン 本郷 穂 丹羽由理奈 関口きらら 木下春香 川崎脩誠 北山こころ 金子智咲季 久保侑斗
本編集 君塚紀貴 村田 元
スチール 今井駿介
撮影協力
大和フィルムコミッション / Cafe JB / カラオケ館 戸塚上矢部店
野口様 個人宅 / 学校法人大谷学園 秀英高等学校
プロダクション協力
TFC Plus Corporation / TFC Plus Applebox / 株式会社イノマタ / TREE DIGITAL GARDEN / Digital Studio / UpperCrust inc. / OMNIBUS JAPAN / 株式会社 1991
制作プロダクション TFC
製作・配給 NOTHING NEW
主演:野内まる @maru_nouchi_
監督・脚本:岩崎裕介 @iwsk_
cast @maru_nouchi @_utautau4 @wksg_k @rikashimarika @_zzzgoodmoon @satomi_ando2525 @hirai.swing @wataru_monma @kanami_22222 writing @iwsk_ cinematographer @maoohkawara lighting @juku19 stylist @a6655321 hair&make-up @ayano_funasaki music @dai5uke_k edit @seikatsu_sha director @iwsk_ distribution @nothingnew_film production TFC
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『NN4444』<ホラーショートフィルム作品集>
2024年2月16日(金)〜 終了未定
ロッテルダム国際映画祭やクレルモン=フェラン国際短編映画祭コンペティション部門に選出された作品を含む4つのホラーショートフィルム
INTRODUCTION
各作品がアメリカ、フランス、オランダの映画祭に選出。 世界が注目するホラーショートフィルム作品集「NN4444」
「NN4444」は、国内外の映画祭・広告賞などで高く評価される新鋭監督4名が映画界の未来を担う俳優とともに、現代社会��おける不条理をそれぞれの視点から描く4作のホラーショートフィルム作品集。 ロッテルダム国際映画祭の短編コンペティション部門に『VOID』、クレルモン=フェラン国際映画祭の国際コンペティション部門に『洗浄』、ボストンSF映画祭のセレクションに『犬』『洗浄』が選出されるなど、各作品が世界各国の映画祭から評価を受ける。
STORY
「犬」 あらすじ:抑圧的な恋人と婚約したばかりの主人公・楓が、夜道で突然「犬」のように女に吠えられ、その女のことを忘れられなくなってしまう
「Rat Tat Tat」 あらすじ:とあるパーティに出かけた一組の夫婦が、大勢の人々で賑わう会場で得体の知れない狂気に包まれていく
「VOID」 あらすじ:不慮の事故で友人を亡くした高校生・麻木。その周りで少しおかしな現象が起こりはじめて–––。
「洗浄」 あらすじ:湖のほとりで飲み会を楽しむ若者たち。1人が溺れかけたことをきっかけに、全員が水の呪いに飲み込まれていく。
AWARD
『犬』 第49回ボストンSF映画祭 Short Film部門 入選
『洗浄』 第46回クレルモン=フェラン国際短編映画祭の国際コンペティション部門選出 第49回ボストンSF映画祭 Short Film部門 入選
『VOID』 第53回ロッテルダム国際映画祭Tiger Competition部門選出
NOTHING NEW™
2022年に“才能が潰されない世の中”を目指して設立された映画レーベル。世界を目指す新しい才能と共に作品を製作中。2023年10月、下北沢に発信拠点「TAN PEN TON」を立ち上げる。2023年にはショートフィルム4作品を製作し、各作品がロッテルダム国際映画祭をはじめとする国際映画祭に入選。才能が見出され、世界が熱狂する循環をつくりたい。
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ari0921 · 1 year ago
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我が国の未来を見通す(83)
��強靭な国家』を造る(20)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その10)
宗像久男(元陸将)
───────────────────────
□はじめに
 今回は、「国力」の要素として「政治力」を取り
上げようと思います。私は、依頼された様々な仕事
をこなしながら、原稿をしたため、時に講話資料な
どを作成したりしている自分専用の部屋を持ってい
ます。書斎というほど立派なものでありませんが、
そこには、部屋を囲む壁一面に固定された本棚から
溢れた書籍や資料の数々が“所狭し”と平積みされ
ています。
このたび、改めて気がついたことがあります。これ
ら数千冊の書籍の中で、「政治」と冠する書籍がほ
とんどないのです。振り返れば、著名な有識者の書
や内外の政治家の伝記などを通じて政治や外交を学
ぶとともに、様々な経験を通じて、「政治」につい
ては人並み以上に色々考えてきたと自負しています
が、これまでの人生で、「政治」について特別に学
んでみようと思ったことは一度もなかったのでした。
「政治家はもっと安全保障や防衛について知見を持
つべし」などといつも偉そうに書いたり、話したり
はしています。しかし、大部分の国民もそうであろ
うとは思いますが、国民の1人としてこちら側から、
「政治」とか「政治家」について理解を深め、歩み
寄ろうとする努力をしないままだったのです。これ
は反省すべき点と考えていますが、“時すでに遅
し”です。
このように、「政治」についてはまさに“浅学菲
才”の身で恥ずかしい限りなのですが、逆な言い方
をすれば、“開き直り”というか、あらゆる既存の
先入観とか主義主張のようなものとは“かけ離れ
た”第三者的な立場で、「政治力」について論じて
みようと思います。
さて、前回取り上げた話題を少し補足しておきます。
福島原発の処理水に関して中国から殺到している迷
惑電話に対する新たな対応策として、東京都は「あ
なたはご存じですか、中国の原発の中には、福島原
発の処理水のおよそ10倍のトリチウムを出すもの
があります」との自動音声で対応しているとのこと
です。これはあっぱれです。
しかし、政府や外務省、それに有識者やマスコミも
なぜこのような「事実」を声高に発信しないのか、
本当に不思議です。岸田首相も李強首相に面と向か
ってその「事実」を言えばよいのです。トリチウム
が本当に有害なら、だい��前から汚染されて迷惑を
受けているのは日本を含む周辺国なのです。
与野党議員やマスコミの中にも、いわゆる“親中
派”といわれる人たちがたくさんいるようですが、
中国の“いいなり”になっているのが親中派のある
べき姿ではないはずです。今の日本は「外交力」で
すでに負けている証拠なのでしょう。困ったもので
す。
▼「政治力」が「国力」に及ぼす影響
 
筆を進めましょう。古今東西の歴史をみるに、「政
治力」を発揮する国のリーダー(為政者)の良否が、
「国力」の発揮を左右し、その結果が、良くも悪く
も「歴史」として刻まれた例は枚挙にいとまがない
と考えます。
国民主権である民主主義国家においては、国民の精
神と選挙によって選ばれる政治家は不離一体です。
一方、京都大学名誉教授の中西輝政氏は自書『強い
日本をめざす道』の中で、「『政治は集票マシンで
票を集め、選挙で勝って権力を維持すればよい』と
いうような考えは『破滅の思想』である」旨を主張
し、自民党が民主党と政権交代し、下野した頃の自
民党を厳しく批判していたことを思い出します。
中西氏は、「政治家は自ら国際認識、歴史観、価値
観を保持するばかりでなく、国民の健全な価値観を
育て上げなければならず、戦後、それを怠ってきた」
と痛烈に批判したのでした。
確かに、最近の欧米列国において為政者を選ぶ際の
混乱などをみるにつけても、民主主義国家において
政治家を目指すには、国民の支持を得る必要があり、
国民に健全な価値観が育っていないと、それ相応の
政治家が選出され、その結果、国家が“あらぬ方
向”に向かってしまう可能性があります。
歴史をみれば、自分本位の身勝手な意図を持つ者た
ちが大衆を先導し、ポピュリスムに陥った例は数え
切れません。民主主義とポピュリスムの先にある衆
愚政治(暴民政治)はまさに“紙一重”なのでしょ
う。このような特性に加え、「意思決定に手間と時
間がかかる」とか「政策の継続性が失われる」など
民主主義国家には、大きな“弱点”(“落とし穴”
というべきか)があるのも事実なのです。
2021年7月、中国共産党100年式典において、
習近平総書記は、中国共産党の歴史の中で数千万人
の犠牲者を出したといわれる大躍進や文化大革命な
どの“人命軽視”には全く��れず、上記のような民
主主義の“弱点”を突いて、「社会主義以外の政治
は失敗した」と共産主義の正当性を主張したのは記
憶に新しいところです。
さて、本メルマガでは他の識者に倣って、「国力」
を構成する「ハード・パワー」の一つとして「政治
力」を位置付けていますが、のちに触れる「ソフト
・パワー」としての「国家戦略」や「国家意思」は、
まさに指導者が「政治力」を発揮し、国家や国民の
価値観を集約したものであることなどを考えれば、
「政治力」は、「国力」の「ハード・パワー」の1要
素というよりも、「ソフト・パワー」に分類された
方が適切なのかも知れません。
しかし実際には、対外的な「政治力」(「外交力」)
は、「経済力」や「軍事力」などとともに国家の諸
力を総合した「強さ」として、“国際社会にどの程
度影響を与えるか”の尺度になるものでもあります。
「政治力」単独の国際比較は見当たりませんが、こ
れら国家諸力の比較という点では、すでに紹介しま
したように、米誌「USニューズ&ワールドレポー
ト」が「世界で『強い』国のランキング」を発表し
ており、1位アメリカ、2位ロシア、3位中国、4
位ドイツ、5位イギリス、6位フランスに続き、日
本は7位にランクされています。
アメリカ発のレポートということもあって、少し
“買いかぶっている”という印象を持たざるを得ま
せんが、日本に対する総評は、「世界で最も洗練さ
れ、技術発展の進んだ国の1つ」とありますので、
「政治力」(外交力)よりも「経済力」とか「技術
力」が評価されたものと考える必要があるでしょう。
話題は変わりますが、選挙によって選ばれる政治家
に対して「自分たちの代表である」と考えているの
か否かについて興味深い調査結果があります。特定
非営利活動法人「言論NPO」が2019年に実施
した「日本の政治・民主主義に関する世論調査」で
す。それによると、「政治家を自分たちの代表だと
思わない」との見方が45%となって、「代表だと
思う」(42%)を上回っていました。特に、若い
世代ほど「代表と思わない」との傾向にあるようで
す。   
さらに、「政党や政治家に日本が直面する課題の解
決を期待できない」と考えている人は71%を超え
るなど、政治に対する国民の信頼が低下しているこ
とが明らかになっています。これまでの歴史に加え、
毎度の国家の議論などから、そう思いたくなる気持
ちも理解できるような気がします。
実はもっとショッキングなデータもあります。「ベ
ネッセ教育総合研究��」が中学生や高校生に対して
行なった、若者の“政治離れ”の象徴といえるよう
な調査結果です。調査自体はかなり前ですが、「私
個人の力では政府の決定に影響を与えられない」と
いう問いに対して、「全くそう思う」40%、「ま
あそう思う」41%を加えると81%を超える若者
が肯定しているのです。
同じ問いの調査に対して、アメリカは43%、韓国
は55%。中国であっても44%となっており、我
が国の若者たちは、自分自身の力と政府の決定の間
に、選挙によって政治家を選出するシステムのない
中国を上回る「距離感」を感じているのです。
これは由々しき問題であると思いますが、このよう
な「政治に対する国民意識」には、戦後の若者教育
が強く影響を与えていると考えます。中西氏の指摘
のように、国民の健全な価値観を育てる「教育」の
改善を放置してきたことを含め、「政治」の分野に
おいても、戦後70数年の“ツケ”が溜まりに溜ま
っていると考えざるを得ないのです。
▼「政治力」が「国力」に及ぼす影響(続き)
もう少し続けましょう。同じく京都大学名誉教授の
佐伯啓思氏は、自書『反・民主主義論』において、
戦後の我が国の民主主義の論理矛盾について「日本
を滅ぼす『異形の民主主義』である」として鋭く詰
め寄っています。なかでも「デモクラッシーは基本
的には大衆という多数派の支配の政治なのだが、そ
れがうまくゆくためには、少数の賢者がこの多数派
を指導していかねばならない」と述べています。
つまり、「指導者は、社会の日々の変動や情緒が渦
巻くこの時間と空間を相対化し、過去や未来という
長い時間のうちに現在を置き、世界という視野に立
ち、ある程度、状況から身を引き離して眺める時間
と能力をもって、その立場から国民が本当は何を求
めているかを解釈する位置にいなければならない。
そして、新聞調査などによって即興のイエスかノー
かを集計した『世論』ではなく、目には見えない、
統計数字には出てこない経験や思慮を通じた『輿論』
の中にある『民意』を理解し、多数派の精神的な指
導者として『世論』を『輿論』に変えていく役割を
果たすことによって、はじめて『主権は人民(国民)
にあり』が成立する」旨のことを、吉野作造氏の主
張を引用しつつ展開しています。
これらの言葉の一つ一つに全く納得するものがあり
ます。国の指導者たる政治家は、国民から選ばれな
がらも、一般の国民などがはるかに及ばない知恵や
リーダーシップを保持し、官僚や各界の専門家を凌
駕する“ジェネラリスト”として、“国家として何
をすれば良いのか”の視点��立って「国家の舵取り」
を果敢に実施する気概と知恵と実行力が求められて
いるのです。
そのためには、中西氏や佐伯氏が指摘するように、
政治家は、主義主張に多少の違いはあっても、その
根底に国家観や歴史観や愛国心を保持し、過去、現
在、未来という歴史の繋がりの中で、世界的な視野
に立ち、客観的な立場で物事を判断できる「資質」
を保持する必要があると考えるべきでしょう。
実際には、選挙によって当選さえすれば、政治家と
しての「資質」を何ら問われることなく、“だれで
も”政治家になれます。だからこそ、一度も登院す
ることなく外国に所在し続けたような人物でも国会
議員になれたわけだし、収賄事件などに関与する政
治家も後を絶たないのです。
「落選すればただの人」とよく言われますが、私は、
逆に「当選さえすれば誰でも政治家になれる」よう
な“現状”をこの��ま放置してよいのかという疑問
を消え去ることができません。
個々の政治家が、政治家の必要条件としての「資質」
を保持しておれば、アプローチが異なる政党が複数
存在し、相互に活発な議論を交わしても、国民の政
治に対する信頼は揺るがないし、我が国の「政治力」
は、世界に伍して評価されるレベルに届くと確信し
ます。
特に、対外的な意味で言えば、細部の紹介は省略し
ますが、戦後政治の中で、安倍元首相のように、日
本の「外交力」を世界に知らしめた政治家が輩出さ
れていますので、要はやはり「資質」なのだろうと
思います。
この「外交力」の行使にあたって最も優先すべきは
「真の国益」であることは論を俟ちません。現下の
情勢において、我が国の「国益」上最優先すべきは、
日米同盟などと連携を図りながら「台湾有事」を何
としても回避することでしょうから、そのためにあ
らゆる国家諸力を総和して対処するとの強い意志を
もって「外交力」を駆使することが求められている
と考えます。
冒頭の福島原発の処理水をめぐる岸田首相の発言な
どについても、“外交上の最優先課題を念頭におき、
「何を発言すべきか」を考えているのか”と言いた
くなるのです。逆に中国側は、発言の一言一言が自
分たちにとって“最も有利な態勢造り”(つまり
「国益」)を考えつくした上での内容であることは
明白です。中国との間では、しばらくこのような
「外交戦」や非軍事面の“戦い”が続くことでしょ
う。ひるんだ方が負けですし、実際に「台湾有事」
が現実になった場合に被る影響は途方もないものが
あります。
ポスト・ウクライナ戦争において、我が国はロシア
とどのように向き合っていくべきかについても外交
上の課題となることでしょう。中国、ロシア、それ
に北朝鮮を相手に、我が国の「政治力」(外交力)
が本当にその力を試されるのはこれからでしょう。
▼「国力」の1要素としての「政治力」総括
様々な危機に直面している今、「国力」の維持に代
表されるような、次の世代に残していかなければな
らない「国家のあり様」に関する根本的改革に向け
た議論が待っていると私は考えます。その牽引車は、
何と言っても政治家の先生方であり、強い「政治力」
をもってはじめて成し遂げられることでしょう。
前にも、「政治家のだれかが『君子豹変』すること
をひたすら祈り続けている」と書きましたが、今を
生きる世代の先頭に立って、我が国の「政治力」、
ひいては「国力」の大幅アップにチャレンジしよう
とする、卑近な言葉を使えば、“真っ当な政治家
(達)”の出現を待望したいものです。
思いの丈をだらだらと書き綴ってしまいました。門
外漢の立場であまり口を出すと、様々な批判の声が
聞こえてきそうなのでこのあたりで止めますが、さ
ほど優先順位が高いとは思わないような案件が政局
となって貴重な時間を費やし、それを年中行事のよ
うに繰り返していることが、結果として国民の政治
不信と政治離れを加速し、「選挙と政局しか関心が
ない政治家」と揶揄されるような“現状”になって
いるのではないでしょうか。
政治家の先生方には、我が国が直面するであろう厳
しい将来環境とともに、このような“現状”の根本
原因の究明と対策について、“自らの身を切る”覚
悟で分析・検討して改善してほしいと願っています。
実際に少子高齢化に向かう我が国にあっては、国政
も地方自治体も現在のような政治家や官僚(地方公
務員)の規模を抱えている余裕はなくなることでし
ょう。そんなに遠くない将来に、政治家の質と量両
面から“大ナタを振って”大改革を断行しなければ
ならない時期が迫っていると考えます。
一方、有権者たる国民の方も、このままでは将来に
禍根を残すことでしょう。前に紹介しましたが、イ
ギリスの歴史家トーマス・カーライルの「この国民
にしてこの政府あり」の言葉のように、選ぶ側のレ
ベル以上の政治家が輩出されることはなく、その延
長で政府もそのレベルに留まるということは、戦後、
我が国が“最適な制度”として選択した(選択させ
られたというのが真実かも知れませんが)民主主義
の本質です。
どちらが鶏か卵か、は難しいですが、政治家として
の「資質」を有する人物を指導者として選ぶのは有
権者たる国民です。そのため、国民のレベルを上げ
ていく必要があることもすでに述べました。しかし、
戦後70数年の間に定着し、「戦後の形」を形成し
ている国民の「行動原理」を“1ミリでも変える”
ことは容易なことではありません。
このあたりの「国民意識」についは最後に取り上げ
ようと思いますが、その第1歩として、次回以降取
り上げる「科学技術」や「教育」にも“メスを入れ
る”必要があるでしょう。私たち・戦後世代の責任
として真剣に取り組まなければならい分野はまだま
だあると思っています。“間に合えば良いが”と、
つい考えてしまいます。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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nekotubuyaki-blog-blog · 2 years ago
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2022年の読書(2022年12月28日現在)
2022年の読書(2022年12月28日現在)読了206冊
特に印象深かった本(順��同) 《文芸》 『たったひとつの冴えたやりかた』(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著/浅倉久志訳/カバーイラスト:片山若子/ハヤカワ文庫) 『リリアン卿――黒弥撒』(ジャック・ダデルスワル=フェルサン著/大野露井訳/装丁:柳川貴代/国書刊行会) 『骸骨 ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚』(ジェローム・K・ジェローム著/中野善夫訳/装丁:岡本洋平/国書刊行会) 『ハイ・ライズ』(J・G・バラード著/村上博基訳/創元SF文庫) 『旱魃世界』(J・G・バラード著/山田和子訳/牧眞司解説/カバーディレクション&デザイン:岩郷重力+R.F/創元SF文庫) 『ウィトゲンシュタインの愛人』(デイヴィッド・マークソン著/木原善彦訳/装幀:アルビレオ/装画:ケッソクヒデキ/国書刊行会) 『スキャナー・ダークリー』(フィリップ・K・ディック著/浅倉久志訳/扉デザイン:土井宏明(ポジトロン)/ハヤカワ文庫/Kindle版) 『耄碌寸前』(森於菟著/池内紀解説/みすず書房) 『時の子供たち 上下巻』(エイドリアン・チャイコフスキー著/内田昌之訳/竹書房文庫/Kindle版) 『クララとお日さま』(カズオ・イシグロ著/土屋政雄訳/早川書房/Kindle版) 『純潔』(嶽本野ばら著/造本:松田行正+日向麻梨子/新潮社) 『シシリエンヌ』(嶽本野ばら著/新潮社/Kindle版) 『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上下巻』(アンディ・ウィアー著/小野田和子訳/早川書房) 『異形の愛』(キャサリン・ダン著/柳下毅一郎訳/装丁:木庭貴信+岩本萌(オクターヴ)/河出書房新社) 『葉書でドナルド・エヴァンズに』(平出隆著/三松幸雄解説著者目録/デザイン:菊地信義+水戸部功/講談社文芸文庫) 『詩歌探偵フラヌール』(高原英里著/装幀:名久井直子/装画:カワグチタクヤ/帯文:梅﨑実奈/河出書房新社) 『日々のきのこ』(高原英理著/帯文:岸本佐知子/名久井直子装丁/ヒグチユウコ装画/河出書房新社) 『幾度目かの最期』(久坂葉子著/青空文庫/Kindle版) 『ボダ子』(赤松利市著/新潮文庫/Kindle版) 『喜べ、幸いなる魂よ』(佐藤亜紀著/綿引明浩装画/國枝達也装丁/角川書店) 『どちらでもいい』(アゴタ・クリストフ著/カバーオブジェ:勝本みつる/カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン/ハヤカワepi文庫) 『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(マーク・ハッドン著/小尾芙佐訳/装幀:服部一成/ハヤカワepi文庫) 『氷』(アンナ・カヴァン著/山田和子訳/川上弘美解説/カバーデザイン水戸部功/ちくま文庫) 『懐中時計』(小沼丹著/秋山駿解説/作家案内、著書目録:中村明/デザイン:菊地信義/講談社文芸文庫) 『後藤明生・電子書籍コレクション 行方不明』(後藤明生著/アーリーバード・ブックス/Kindle版) 『私は幽霊を見ない』(藤野可織著/朝吹真理子解説/カバー絵:Angela Deane/カバーデザイン:大原由衣/角川文庫/Kindle版) 『百鬼園戦後日記(全三巻合本)』(内田百閒著/巻末エッセイ:谷中安規、高原四郎、平山三郎、中村武志/解説:佐伯泰英/カバー画:山髙登/カバー図版:内田百閒戦後日記(岡山県郷土文化財団所蔵)/カバーデザイン:中央公論新社デザイン室/中公文庫/Kindle版) 『木になった亜沙』(今村夏子著/装画:木原未沙紀/装丁:野中深雪/文藝春秋) 『小島』(小山田浩子著/新潮社/Kindle版) 『死ぬまでに行きたい海』(岸本佐知子著/岸本佐知子写真/装幀:宮古美智代/スイッチ・パブリッシング) 『少年』(谷崎潤一郎著/青空文庫/Kindle版) 『外套』(ニコライ・ゴーゴリ著/平井肇訳/青空文庫/Kindle版) 『鳳仙花』(川崎長太郎著/講談社文芸文庫/Kindle版)
《その他》 『寄生生物の果てしなき進化』(トゥオマス・アイヴェロ著/セルボ貴子訳/倉持利明解説/草思社/Kindle版) 『「ネコひねり問題��を超一流の科学者たちが全力で考えてみた――「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る』(グレゴリー・J・グバー著/水谷淳訳/装丁:寄藤文平+古屋郁美(文平銀座)/Kindle版) 『みんなが手話で話した島』(ノーラ・エレン・グロース著/佐野正信訳/澁谷智子解説/はじめに:ジョン・W・M・ホワイティング/ハヤカワ文庫NF) 『スピルオーバー——ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか』(デビッド・クアメン著/甘糟智子訳/装丁:間村俊一/明石書店) 『新・動物記4 夜のイチジクの木の上で─フルーツ好きの食肉類シベット』(中林雅著/新・動物記シリーズ編集:黒田末壽、西江仁徳/ブックデザイン・装画:森華/京都大学学術出版会) 『共立スマートセレクション5 オーストラリアの荒野によみが��る原始生命』(杉谷健一郎著/コーディネーター:掛川武/共立出版/Kindle版) 『共立スマートセレクション10 美の起源 ─アートの行動生物学』(渡辺茂著/コーディネーター:長谷川寿一/共立出版/Kindle版) 『共立スマートセレクション16 ベクションとは何だ!?』(妹尾武治著/コーディネーター:鈴木宏昭/共立出版/Kindle版) 『世界を変えた建築構造の物語』(ロマ・アグラワル著/牧尾晴喜訳/装幀者:トサカデザイン(戸倉巌、小酒保子)/草思社/Kindle版) 『宇宙創成 上下 合本版』(サイモン・シン/青木薫/新潮文庫/Kindle版) 『岩波科学ライブラリー310 食虫植物─進化の迷宮をゆく』(福島健児著/カバーイラスト・一部図版:安斉俊/岩波書店) 『銀河の死なない子供たちへ 上下巻』(施川ユウキ著/カバー・本文デザイン:セキネシンイチ制作室/電撃コミックス NEXT/KADOKAWA)
この一年間で複数の著作物を読了(著者名/冊数) 後藤明生/25 西村賢太/8 フィリップ・K・ディック/7 川崎長太郎/6 小沼丹/6 嶽本野ばら/6 藤野可織/6 今村夏子/6 橋本治/5 J・G・バラード/4 岸本佐知子/4 内田百閒/4 小山田浩子/3
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iseilio-blog · 23 days ago
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iseilio 大系
018-2021 目次
音樂  etc
12/18    劉鉅渭教授音樂導聆      浸淫古典
01/19 港邊惜別     Arnold Schoenberg   二戰剛結束後的日本
03/19  愛のバラード
04/19  台語歌曲口白
06/19 小さな喫茶店   紅い 花
07/19  生命如花籃    追 求 美 好
10/19  秋櫻  星の流れに  11/19  涼山情歌
12/19  給喜愛音樂的朋友
01/20     世界名畫家畫作總覽     夢境
03/20     Music Note     悲情城市 05/20 歌謠集粹
04/20 春寒賜浴華清池 06/20    日本風情
07/20     人生海海      台灣古典音樂記      鄉村很重要
10/20     巴哈之前的音樂家   突破前衛音樂 パヒュームを残せない
11/20     Erik Satie’s Gymnopédies 台 灣 情 熱
12/20     台語歌曲(一) 歌謠集粹    台語歌曲(二)
美學藝術(一)
01/21     美 學 藝 術(二)  琴藝
03/21  遊覽車主唱     馬 勒
04/21     攝影必學   黃昏的故鄉
05/21     Langley 最高點
06/21     Bartok     蒐藏(一)(二)(三)
古典音樂有什麼好聽
03/21 Yorkson Creek 08/21 滯洪池、蘋果樹
09/21    Cycling Route 96Ave 麗澤大學
07/21     蒐藏(四)      蕭邦的音樂       飲食篇
08/21   創造者になる   火 鍋 由 簡 入 繁     滯洪池、蘋果樹
台灣的藝術世界     秋 意       西 索 米      古典音樂有什麼好聽 ?
09/21    赤瀨川原平 江户川乱步 這叫教養 野生動物
父親的眼淚和我的眼淚
10/21    台 灣 畫 家
11/21    遊 冥 河 孫悟空   Whisky 廣告
12/21    Stradivarius 1713        Beethoven: Symphony No. 9
蚵仔煎、蛋餅、潤餅皮
08/22 台北登山步道 台灣盛夏冰品 12/22 登 山
政治
11/18  蔡英文 所代表的意義
12/18      台灣人們自我防衛的決心
01/19      政治現象顯影     一場喜宴談外省人的內心世界
消失的篇章 壓力有兩種
02/19     喜樂島聯盟    天朝中國
03/19    種族歧視人類天性
04/19     不能讓中國共產黨垮臺      高科技救不了中國
司徒文教授的一席話        林毅夫、張維迎 之辯論
05/19     太平島與南海    維持現狀辨難      嚇一跳
06/19     誰在挺茶黨與川普       竄黨奪權
健康的自由經濟是在彼此競爭中互惠分享
07/19    中共政治「制度化」的背景脈絡和其影響分析
香港政治鳥瞰    不要插隊
08/19    台灣與中國的經貿理論探析
09/19     不朽文明+馬列思想      叛亂的二二八與無辜的六四
11/19    資訊戰對台灣的影響      蔡英文之役
12/19    土豆(馬鈴署)燒熟了
01/20     民進黨的勝利與未來的困境      奉天承運 太平有象
留言基進
02/20     中國經濟最大風險      韓國、沖繩或台灣
中華民國考 對阿輝伯之我見
03/20     浪子 的 心情      從千人計畫談起      搞定內外矛盾
中國原教旨主義
04/20      橋水避險基金      極左環球時報       站不穩的巨人
05/20     聯合國無權定義台灣      談季辛吉     時空錯亂
06/20    中美衝突無緩衝      民主、理性越成熟越不會被情緒綁架
美軍重返高雄港時機成熟        加入國際組織可以提可以不提
07/20     老黨崩解恐非台灣民主之福     蔡英文的“維持現狀”
說得很爽      德意志的中國迷思        再會李登輝總統
08/20      中華民國台灣台獨華獨
09/20   世界的心臟    選邊. 叔本華
10/20    利益與精神的忠誠分裂
11/20     末日狂花 01/21   大國迴圈
03/21     首戰 即 終戰      必勝的企圖心      中國可能 的 演化
04/21     改變的開始     松田教授、深宮怨嘆
引领我们前进的旗帜
05/21     美國民主基本文獻      金馬撤守與友軍入台
06/21     一舉拿下      老實說笑話     總統的性格有四種
07/21     台灣民意調查基金會 的 趨勢圖       全世界在搶疫苗
如果中共打台灣      強龍翻滾 百病叢生
08/21     台海風雲之前哨戰       剿共檄文 不是誤會
09/21     Freewill 兄    台灣大炸炮     中國有戰略     三十年前的呆胞
美國不聽沒辦法      中國影響力令西方糾結     傳 真 對 談
評中國的【宏觀調控】      論 李光耀 與 新加坡
與 H 對談 【外電】 台美中關係    以德報怨是對的還是以直報怨 ?
仇日成病 LP事件以外 – 討論 台灣虧欠到中國投資的台商嗎 ? 
金援無法改變貧窮 阿扁總統的大豪賭
10/21      陽春白雪 與 下里巴人      中美關係已經回不去了     內地
四個堅持 沒有美國的支持台灣能維持現況嗎 ?
馬克思主義 的 中國實踐
11/21   沒有安全感的強國     看華洋爭鬥、談林毅夫   不容易對話
李弘祺教授專訪 H教授
經濟
04/20  國際專家怎麼看中國經貿?
05/20     台灣問題關乎��運      大銀行的罪與罰      
06/20     中國式的經濟成長      地理形勢 與 攻守之勢
產經新聞訪問 陳水扁 台灣產業的經驗
09/20   世界 的 心臟
05/21 經濟與山難
07/21     直球對決下的文化激盪     台獨不是台灣人自己可以決定 ?
美國金融機構的危機處理(一) (二)
08/21    「日���縱軸」下台灣的角色
翻譯
11/18     薪 能 (たきぎ のう) 日 本 概 略 1 2、3
日 本 大 勢 三 轉 考  井本雄男 參謀
日本製造到底出了什麼問題   無言的情狀
美麗 的 Patorio (一)   詩仙堂  詩 三 首
02/19    何謂“意識”(一) 春の畫の館
03/19  燈台鬼     戀牛賦
03/19 木(三) 04/20  木(二) 11/20  木(一)
04/19     寂聽的文學與愛情       魔界都市 京都      釘師 サブやん
京都 真正在地 的味道
06/19     批 評 學 - 給 佐佐木茂索
08/19     濹東綺譚      低成長的幸福      老想向誰說的雜學
 日本企業 的 罪與罰     IBM 產業間諜事件
夜晚酒場 的 歌手(九)   保加利亞 的 黑瞳(十)
Manhattan 的 雪(十一)   布拉格 的 街角(十三)
Munch 裡面��少女(二三)
01/20     美人      我的京都修業      祇園精舍      Bruegel 之旅
02/20     滿州中央銀行   香港 的 兩個側影(十九)
03/20    夏日女孩 蜜雪兒(十七)
04/20    史迪威參謀長     關 於 雪 國   木(二)
唱出人生冷暖 的 演歌世界
05/20     奇襲珍珠港     完美的攻擊     錯失戰略之說     神風特攻隊
特殊潛航艇的參戰     超越攻擊終結點   人間魚雷  逃 出 平 壤(二)
大銀行 的 罪與罰   記憶底邊 的 女人
07/20 Lewis Thomas(一) -- (二十)
09/20     探討單位的世界
10/20      想見到的中國人   “劇的”とは     日漸稀少的專家
裸體寫真 寂聽的文學與情愛 パヒュームを残せない
11/20      日本語的論理      知的生產技術      サブやん      木(一)
12/20      我的京都 小說之旅
01/21      個人 的 體 驗     恐懼 的 原型      追求真正的自己
Hans Speidel 中將     納 粹 德 國     George CatlettMarshall, Jr.      
疼女兒 的 哥哥  軍首腦部軍閥化     參 謀
在日美軍司令部(一)(二)
02/21  在日美軍司令部(三)(四)  浪人軍學者
獨創技術 的 發想法(一)(二)(三)
03/21    精神分析入門(一)(二)(三)(四)(五)
星星 的 話  一個人 的 世界(十一、十三 )
一個人 的 世界(十八)  一個人 的 世界(二十、二二、二四)
世界經濟 的 未來版圖(一)
04/21  真品與膺品 木(四) 世界經濟的未來版圖(二)(三)
05/21   一個人 的 世界(一、二、三)
巴塞隆納 的 大和撫子(二)   紅與藍 的 勃露絲(三)
黑色手腕 白色絲帶(五)
06/21    波斯 的 胡姬(四)  青桐 的 院子(六)
BYCAR號 的 一夜(七) 謎樣 的 世界之影(八)
在 Segel 的 青春(十二) 布拉格 的 街角(十三)
漢堡 的 陶器店(十四) 暗黑運河 的 流淌(十五)
如同荒野 的 街道(十六) Tivoli的 一夜(十八)
英國 的 Kay(二十) Tuluk 夏天 的 一夜(二一)
在大溪地海邊(二二) 細節之愛   千利 休 無言的前衛(一)
07/21      獄 門 島 現在日本的女性與解說(二四)
7.8.9.10.11./21   小孩 與 自然
12/21  焦慮的本質 與 解除
雜文
11/18    台灣海產大酒樓  薪 能  黃昏清兵衛
人口數 = 成長 or 蕭條  和風生活小札  我的上海情结
日本自由行     居合道     詩 三 首  日本龐大的國債
口付けについて  一個古老文明的新美學  收 藏、儀 式、尊 囑
Life is difficult — S ﹒Freud  鄭 得 福 先生
世界反尿布組織(WAO)規約      台語流行歌曲
移民政策    我的宗教觀      異化的無奈 與 背叛的艱難
閒話加國 BC 省 隨時保持理智 凡事三思而後行
檳榔媽祖機車三太子     H教授 圖瓦魯挺台灣     就 是 愛 跳 舞 
命好      我看「大江大海 一九四九」 全球聲援台灣加入UN
隨時保持三思而後行     快樂的安養人生 日本製造出了什麼問題 
曹長青演講秘訣、戰略學筆記 白 狐  新舞台     溫 泉 鄉
理療一番   あなたへ      中國文化 與 霸權意識  架上矯正器
柴契爾夫人    I love sushi   詩仙堂    青春悲喜曲 給十五歲的自己
無理心中強迫情死 四個不可超越的自然極限     台灣需要甩掉CP值
員工晨訓       父親 的 掛軸  蔡英文所代表的意義
日 本 陶 瓷  遼尉臣筆記 現場目擊
12/18     共厝的���華民國與台灣
01/19 話拳 酸醋魚 etc
05/19     台北大稻埕美食 06/19   少年吔 !安啦
07/19      林泉山水     台 灣 官 紳 年 鑑     空 話 泡 茶
10/19     女性主義      弔辭      啟蒙的時代      先來後到台灣人
11/19     終場      有關馬來西亞華人   涼 山 情 歌
12/19     無法令人幸福的日本系統      日文與牛排
1/20    奉天承運 太平有象   夢境
02/20     Canada自由行郵輪     話語權     詩與你之間     媽祖保佑
03/20      台灣造型      時中現象      加入WHO
04/20     關於雪國      春日北投早晨      斑斕燦爛
05/20     神話還是詩 07/20   鄉村很重要 08/20   自立
09/20     夢之堂奧   生之繭 生命的困頓
10/20    貧乏性 擺書陣
11/20    歷史無法假設     台灣情熱      宇宙光      重機世界     旅情
12/20     第九水門      複雜、開放的社會更強韌      延平北路慈聖宮
02/21     說 道 理      啟蒙運動       啟蒙運動 與 東方文化
03/21     創造性與自我認同的關係      初老男 的 迷航
04/21    生與死 老與少
5/21 山難救助 Langley 最高點
07/21    台灣的三大山門
08/21 網路長城-臉書 秋意 台灣 的 藝術世界
滯洪池、gala apple 樹
09/21     體制、機制 世界第一 野 生 動 物
Cycling Route 96Ave
10/21   台灣儀隊制服土氣 賴沈激辯 中國造島
時間的蟲洞 遊冥河 台灣畫家
11/21   小 張  沒有安全感的強國
12/21     強大的心理素質      劍俠、公主 嚇 一 跳
犬儒的真理堅持與詩學浪漫 從敕使街道到華燈初上
正能量的存在
諸子百家
11/18     我的上海情節     祖谷溫泉 平家物語       讀新聞的方法
田園散記 認同的重量      道家房中術     看書歲月     台灣之命運
台灣教育還停留在舊經濟時代       
12/19      卡繆荒謬哲學      兆豐銀行紐約分行      啟蒙運動
04/20   冰島漁夫
07/20  Lewis Thomas(一)(二)(三)(四)
德意志 的 中國迷思
08/20  Lewis Thomas(五)----(十二)
09/20   氣候  人  歷史   哲學 的 樂趣   理性 的 掙扎
10/20  精神分析入門 12/20 Sophies World
01/21   焦慮的意義 黨國之子
02/21     中 國青銅時代     萬 曆 十 五 年(一)(二) 飛 鷹 戰 士
獨創技術 的 發想法(一)(二)(三) 中國古史 的 傳說時代
歐洲中世紀教會如何塑造了當今的「西方思想」
03/21    馬勒 精神分析入門(一)(二)(三)(四)(五)
05/21    美國民主基本文獻  實踐、異化 和 人性(一)(二)(三)
蘇馬利亞、古 埃 及 巴 比 倫 希臘的興起
07/21 獄門島 異域 現在日本的女性
美國金融機構的危機處理(一)(二) 蘇馬利亞、古 埃 及、
巴比倫 希臘 的 興起    耶穌 出現
09/21 捉 狐
10/21   狐嫁女    董 生    汾 州 狐  祝 翁    胡 四 姐  酒 友
11/21   林四娘、汾 州 狐 全方位 的 無限(一) (二)(三)
Infinite in All Direction Freeman J . Dyson 孫悟空
12/21     自己 的 房間  紅樓夢 各家談
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niyuuhdf · 6 months ago
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イキヤ 貴重な初期設定・一人称
パート名廊直人において死という形で実を��んだ「画家」像の限界に、次の パートで行屋虚彦が挑む。
行屋虚彦の現在の手段は「隷属」である。
*
行屋虚彦(Ikiy% Utsuhiko) M中学校三年二組 15歳  200?年(平成?年)11月22日生まれ  蠍座  身長168cm  体重49kg B型 父・行屋疾彦  母・耀屋七  弟・耀屋糸彦(9歳差) 師・名廊直人、山雪実 髪の色・黒 目の色・黒 イメージ・鴉、豹、晩年のモネ画、佐伯祐三画家。 中学にはほとんど通わず、山雪のアトリエでいつも油絵を描いている。 すでに画家として売れており、軌道に乗りつつある。 直人を超える早筆で多作。 自身の色覚障害を忌々しく思っており、それを共感覚や才能だとは認めない。 母似の近寄りがたい極端な三白眼の顔立ちをしているが、中身は普通の多感な15歳。
行屋虚彦(通称イキヤ)は生まれた時から育児能力のない母に変わって山雪アトリエでほとんど育てられたため、自分の描画能力を環境の産物だとしか感じていない。 自分の色覚に劣等感を抱いていたために画材は黒の鉛筆のみだったが、 8歳のとき名廊直人に隠していた色覚を看破され「見たままを描く」よう示唆されて以来、自分の視る色世界に隷属するようになる。 イキヤの見ている色覚世界は原色が非常に多く、強烈な色の残像が補色になってそれら二つが常に明滅するように入れ替わる。 真っ白な壁にも多くの色を見る。 色は流動する。 気温や匂いや音も関係しているが乱雑に絡みすぎて一つの原因に特定することはできない。 本人も治療できる類のものだとは感じていない。 しかし五感への刺激物を減らすことで対処できるなど気休め程度の回避の方法も身につけている。 幼児期には自分の色覚への自覚がなかったために一人でストレスを抱えており、無意識に鉛筆や自分の指の爪を噛んだり、いまだに指の皮を剥がす癖がある。 彼の描く絵は美しいが、彼の見ている世界そのものは刺激が強すぎて常人にはとても美しいという形容では済ませられない過酷なものである。 8歳の日に色から逃げなかった後遺症で持病の偏頭痛が悪化。 少しずつ視力も落としていて左目の視界は常時霞んでいる。 絵を描くとき以外は完全に視覚を閉じるためアイマス���をしていることが多い。 目への余計な刺激を避けるために私服は黒かグレーしか持たない。 視界を閉じたいときのために大きめのすっぽり被れるフードがついている上着を好む。 体力的にかなり無理な描き方をしており、作業中はものも食べないため痩せている上に自律神経のバランスも若干崩していて常に少し機嫌が悪い。 描くことはどちらかというと彼にとって苦しいばかりで、今は自分の絵が売れることも評価されることも釈然とせず気に食わない。 名廊直人とはほとんどろくに話したこともない。 イキヤは口にはしないが名廊直人をこそ絵の師であると感じている。 一種の色覚障害と神経の問題を抱える点で二人は体質がやや似ているが、そ のことに対する姿勢や性格���まったく異なる。 「見たものをそのまま描く」ことは名廊直人から譲り受けたものであるため そこでのみ二人は完全に重なるが、その姿勢が行屋虚彦の身体に負荷をかけている。 名廊直人の自殺がそれを突き詰めた結果の限界であることにイキヤは気付いているが、彼から受け取ったものをまだ捨てることができずに自分に無理を強いている。 イキヤが命を絶えさせずに絵を描き続けるためには名廊直人の限界を認めて 自分の描き方を真剣に模索する以外にないが、今の彼にそれはまだ厳しすぎ るし、自分をこのまま追い込むほうがやさしいと感じている。 そんなイキヤが弱冠15歳にして実力のみの外部からの評価で画家としてそれなりに立脚してしまっていることは、イキヤを追い込み、体を蝕み、
パート行屋虚彦において彼は迷走した末にとうとう名廊直人にできなかったことを成し遂げる。 画家をやめるのである。
前日譚より、行屋虚彦の一人称から抜粋
「今も片方の瞼は痙攣しているし、その目は薄く霞がかかったように視力を落としている。 俺は今年で十五になる。 今では家事と母の世話はたくましく育った弟の役割になっている。 俺は絵を描いて個展をして公募に出してと忙しくしている。 収入はほとんど家のことに使って、残りを画材にあてているけど、俺の人生がこれでいいのかは分からない。 少なくとも自分の体と、ほとんど家にいない父親からは、絵なんてやめろと言われている。 やめればいいのかもしれない。アトリエで描く時間をほとんど不登校になっている学校生活に使うべきかも。 そうしたところでうちには別の収入もないわけではないし、俺が絵を売って稼ぐのは必要に迫られてのことじゃない。 不健康に痩せて曲がった背筋は痛むし、目もどんどん疲労して悪くなる。描き続けてもいいことなんて…と思うようになった矢先。名廊直人が��んだ。 精神的に不安定だとかいう理由で入れられていた施設の窓を突き破っての投身。その死ぬ寸前まで篭りきりだった狭い部屋から出てきた膨大な遺作。 絵の具の乾ききらない絶筆の連作が20枚はあったらしいから死ぬ寸前まで 描いていたことは確かなんだろう。 あの人の横顔が脳裏に過る。 死んだ。なにひとついいことなんてないまま。 あの人に生き方を支配される謂れはないけど、俺はどうしても素通りできなかった。 どこかであの人もいつか人並みに幸福を享受できると思っていた。 名が残るとか画家として成功するとかそんなものとは無縁な、絵を抜きにしても去っていかない幸福だ。その可能性と一緒にあの人は死んでしまった。 それで俺は今日もキャンバスの前にいる。 油にまみれてボサボサの頭で何百円かで買った安い古着を着て。 何か答えが出た訳でもなく、とにかく描くことでしかどうにも息ができない。 ただ生きていくだけならきっと絵なんていらない、それでも絵にすれば世界は美しい。」
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shihlun · 1 year ago
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Juzo Itami
- A Quiet Life
1995
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knockout1207 · 8 months ago
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食いもの博士・佐伯矩の挑戦
この放送、すごく良かったです。
Wikipedia引用
“佐伯 矩(さいき ただす、1876年〈明治9年〉9月1日 - 1959年〈昭和34年〉11月29日)は、日本の栄養学者、医師。医学博士。
「栄養学の創始者」、「栄養学の父」と称される。
世界に先駆けて医学から栄養学を独立させ、栄養研究所、栄養士制度を発展させた。
栄養は保健・経済・道徳の基本をなすと「栄養三輪」を唱えた。
著書『栄養』では、栄養学だけでなく食糧政策にも言及し、魚類を重んじ畜産は小動物にすべきとしている。”
七分搗米(しちぶづきまい)で、脚気を予防したのもこの先生です。
子供達の給食を改良して、栄養不良による病気予防に取り組んだのもこの方。
大変、素晴らしい人でした。
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harvardwang · 8 months ago
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歷年交通部航海人員測驗通過名單
榮譽榜
榮譽榜
2021/03/12
歷年交通部航海人員測驗通過名單
112年度第四次交通部航海人員測驗通過名單
李友賢 陳冠廷 吳悅恩 紀琪云 湯育銘 廖子軒 金智勇
李悦恩 陳芮蓁 鄭楚玄 吳怡儒 陳冠典 林政閔 郭彥呈
林昕穎 柯博壬 樊洪範 王 曦 陳紜璽 金祺昌 彭吉民
112年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
吳峻安 陳威仁 吳舜齊 歐乃瑄 何凡宜 賴冠勳 唐聖傑 
張   傑 李沐澤 張安志 張哲源 黃曉祺 鄔翎民 鄭淞元
黃建智 陳俊儒 林秉緯 董翊河 賴柏安 黃勖堯 叢浩日
黃維貞 莊妤薇 童威凱 宋家興 黃苡寧 呂俊諺 王   敬
陳奕丞
112年度第二次交通部航海人員測驗通過名單
曾傑興 陳飛馹 洪笥宸 黃薏珊 黃柏豪 王聖燁
廖柏銜 蔡怡安 黃博裕 郭裴珞 潘家偉 李 韡
112年度第一次交通部航海人員測驗通過名單
吳建鋕 鄭乃豪 吳奕翰 李峰綸 呂孟修 柳理鈞
鄭衣涵 彭盈瑾 吳姿樺 蘇榆傑 林宏宇 邱 頎 
陳加寶 黃盈樺 許秉毅 黃祥銘 柯秉志 蔣鈞傑
謝印荃 蔡佳佑 施健安 顏毅祺
111年度第四次交通部航海人員測驗通過名單
劉耀文 李光燡 鄭名登 張謝仁傑 臧紹棠 藍囿竣
陶子天 卜 野 蔡沛全 屈恩霆  戴維彥 黎丞軒
陳坤華 陳宇祺 莊凱傑 劉柏裕  張宸瑄 林子軒
應德樫 吳玟玟 陳莞昀 許家洋  王彥翰 董昀澍
秦詡洋 蔡國禎 蕭瑋呈
111年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
蔡承展    王邦宇   李明穎    王哲明   陸泓瀚    陳冠元
薛雅琪    黃維慈   楊鈞皓    蘇柏鴻   翁定謙    張澄明
紀明輝    劉家綺   陳昭穎    林佩諠   謝明翰    潘品瑜
呂信宏
111年度第一次交通部航海人員測驗通過名單
 
吳雨修 陳彥旭 王柏騰 王靖元 龔俊霖 高家維
陳麒元 劉朝瑞 邱毓媜 高瑜懃 郭紋均
110年度第四次交通部航海人員測驗通過名單
 
陳兆群 陳孟唐 楊智凱 蔡欣哲 陳冠宇 蕭可豪
葉建邑 黃彥欽 陳奕岑 傅振宣 陳志瑜 林儀靜
林俋帆 廖懿德 陳明穎 陳平宏 林宇晏 金莒譯
鄭貫良 曾榮威 林佳虹
​110年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
 
黃子駿  高平羲  李順意  林禹丞  林義昇  蘇善豪  劉永上  賴映璿
楊展銓  涂珮甄  王昱翔  汪筳逸  李香霖  方立文  呂子聖  蔡金洧
鄭學禮  張登壹  洪子晴  羅加舜  金知永  陳冠瑜  黃怡瑄  劉姿瑩
劉子琳  李挺瑋  劉文揚
​110年度第二次交通部航海人員測驗通過名單
本次測驗因疫情取消。
 
110年度第一次交通部航海人員測驗通過名單
陳銘堯  曾冠銘  胡峻瑋  蘇文芯  林濬承  許慶成  姚羽珊  楊智凱
侯書堯  廖英順  李毓寧  賴政穎  王鈺馨  黃子庭  賴秉程  詹興瑋
慕    丞  林彣珊  鍾采君  劉峻廷  邱晉偉  張皓翔  余   崢  陳宗慶
孫    靚
 
109年度第四次交通部航海人員測驗通過名單
朱峻葳  黃紹輔  謝添旺  朱正育  張廣澄  楊秉鈞  林澔暐  高伯宗
連泓安  顏筱甄  蔡淙和  黃伯凱
 
 
109年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
王律翔  馬碩澤  秦得仁  鄭琰勳  徐允恩  許碩軒  涂修銓  曾宇質
蔡翔宇  王順漢  蔡朝景  陳昱言  陳建智  蕭丞恩  郭宜雯  洪脩益
紀以謙  郭博彥  洪閔德  朱芳琪  呂偉豪  王啟哲  康翠芳  劉沛禎
蕭仕揚  
109年度第二次交通部航海人員測驗通過名單
鄞嘉慧  曹    彤  吳祐緯  林宥宗  何勝揚  黃靖翔  陳威宇  石光仁
潘千瑞  余柏樟  沈芳妤  王昱筌  游家慶  沈琮德  沈得桓  曾丞佑
劉彥輝  龔世宇  林彥均  郭偉達  呂學杰  林昆毅  蘇聖欽  陳    翰
109年度第二次交通部航海人員測驗通過名單
本次測驗因疫情取消。
108年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
洪郁雯   李   吉  林安蕎  張家偉  陳立朋  吳東翰  姚冠名  郭學頤
陳昫耘  顏情晴  陳均軒  簡呈宇  楊翊愷
108年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
 
許至賦  曹家豪  吳哲瑋   黃信鈞  陳道賢  楊智雄  陳冠恩  劉奕頡
黃熙宇  洪佳琦  張博堯   陳冠丞  楊政達  葉重宏  吳宛蓉  陳柏霖
張宇鈞  胡榮發  楊崇杰   顏碩慧  蔡承叡  黃昶豪  許釗華  陳致恩
陳語謙
 
 
 
108年度第二次交通部航海人員測驗通過名單 
 
林怡馨  林��璇  曾玟靜  李    明  戚瑋宣  徐廣圻  陳以諾  孫暐翔 
 
楊沛珍  鄭為遠  張朝復  涂易瑜  吳旻憲  洪榮佑  馮郁軒  吳佩芸 
 
陳琇瑩  翁浥迪  蔡定志  陳彥均  葉志鵬  許心茹
 
 
 
108年度第一次交通部航海人員測驗通過名單 
 
喬䒩薷  陳子博  孔繁軒  楊旻桓  李名仁  歐嘉玲  陳奕鴻  黃臣延
 
盧至恒  馬菀嚀  許䟫源  龔士翔  劉宏倫
 
 
 
107年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
 
 吳晴杰 陳家馨 劉仲傑 林政廷 李孟霖 陳銘仁
 
 
 
 107年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
 
廖振超  江欣學  潘祥漢  洪正霖  張豪中  陳民旻  陳弈叡  葉原銘
 
鄭亘庭  葉祐廷  葉信旻  曾多郁  鄭凱軒  陸宜宗  陳冠璿  張寶智
 
江佳臻  楊曜宇  趙國程
 
 
 
107年度第二次交通部航海���員測驗通過名單 
 
邱瑜惠  許郁培  陳翰星  陳昱先  莊蕙羽  曾宇鞍  張睿宏  陳靜儀
 
周琬絨  吳協益  王相智  許瑋庭  邱子倫  閆景宇  吳宗憲  莊爾修
 
 
 
 107年度第一次交通部航海人員測驗通過名單 
 
林宏洋  王宗政  曾詩忠  郭沂道  范廣玉  郭阜達  黃 笙  游竣凱
 
林群翔  林谷翰  汪宗宇  王竣薰  黃煜超  賴仁傑  李俊廷  黃赫立
 
陳柏皓  蘇泓文  林祥億  呂柏樺  吳錫安  李孟霖  林資堯  蘇美娟
 
吳宗翰  沈丞潁  戴岳軒  張家瑋  黃孝瑞  范家銘  沈文彬  廖尉翔
 
黃炫縢  曾詠鈞  陳妙盈  李庭瑜  梁秉辰  葉馨憶  辛萬億  陳維萱
 
許志豪  張閎涵  詹皓閔  吳連恩  洪綺郁
 
 
 
106年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
 
許詠媛  蔡政宏  林峻民  許秦維  林駿吉  趙瀚恩  張皓翔  張晏碩
 
李珮瑜  王 騰  張睿鈞  李聖昱  張文憲  范乃歡  蔡博文  洪嘉揚
 
曾威榮  陳政廷
 
 
 
106年度第三次交通部航海人員測驗通過名單 
 
 陳柏翔  王翊名  孫朝義  王泓逸  許文豪  龔世豐  葉宗憲
 
 
 
106年度第二次交通部航海人員測驗通過名單  
 
黃彥文 邱光輝  林羿羚  馬瑞遠  傅志豪  劉耘辛  陳政廷  朱冠溱
 
王奕云  邱胤文  陳彥均  徐 旻  葉品樂  童銘澄  林瑞紘  林佳泓
 
林胤名  沈立翔  陳盈佐  王崇任  方建宏  朱 昱  馬崇恩  施振宇
 
田宗翰  吳承翰  賴昱傑  林承緯  黃至煒  簡舒苗  吳佳霖  黃幸星
 
吳珮瑗  魏郁庭  蘇育萱  王映庭  黃致捷  許秉閎  粘銘翔  巫嘉瑋
 
莊逸椽  鄭哲誠  鄭崴鴻  邱亭芝  曹廷筠  郭柏賢  施奕如  廖柏彰
 
毛漢瑜  許明理  蔡承杰  孫大程 
 
 
 
106年度第一次交通部航海人員測驗通過名單  
 
黃基軒  江重毅  鐘承志  許雅如  林伯翰  吳仲軒  王家偉  張家瑜
 
藍家盛  黃祺翔  蔡孟欣  林于暄  楊婷儒  林煒翔  戴俊丞  袁乙天
 
陳厚凱  詹前奕  黃耀德  吳宜興
 
 
 
105年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
 
張雅嵐  謝翔任  連育瑩  蘇冠綸  宋亞翰  吳清元  楊子毅  陳威仲
 
謝晉銘  陳奕儒  邱欣灝  陳柏文  羅 穎  黃奕姉  劉曉青  陳宣余
 
 
 
105年度第三次交通部航海人員測驗通過名單 
 
陳柏宏  洪翊庭  楊卓翰  陶玉龍  黃馨億  張耿豪  陳裕翔  欒又鈞
 
劉昊融
 
 
 
105年度第二次交通部航海人員測驗通過名單 
 
施自雄  蘇群閎  蔡瑞洋  張紹敏  楊佳銘  曾泰航  高舜業  吳中博
 
甘龍諭  褚原鑌  彭有國
 
 
 
105年度第一次交通部航海人員測驗通過名單 
 
馬亞聖  黃湣傑  許鼎宗  陳昱中  陳祈維  陳奕睿  賴立凱  王玉萱
 
李靖群  蔡雨諦  郭丞恩  賴啟堯  呂昭諭  洪振華  賴澔興  郭家豪
 
林志華  洪敬翔  邱元昱  李翊甄  陳柏奕  陳琬菁  蔡岱庭
 
 
 
104年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
 
黃昱維  溫宇晴  柯昂里  楊涵媜  溫威霖  林明正  芮佩霖  彭如軒
 
林雅婷  蔡佳頴  黃文孝  林顯隆  葛瑞翔  劉珮芬  張嘉琳  黃崑育
 
周明翰  鄭素惠  林奕豐  林文琦  廖芝瑩  黃冠惟  曾彥鈞  許瑋麟
 
劉家豪  林昭年  楊松儒  戴瑋儒  廖庭雅  陳柏宇  郭家愷  林勇吉
 
 
 
104年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
 
曾慶峰  李尚儒
 
 
 
104年度第二次交通部航海人員測驗通過名單 
 
林松杰  蔡銘全  吳育恩  宋政杰  劉博華  許珮瑤  賴俊丞  謝柏軒
 
郭明駒  劉心瑀  古偉寧  林宴週  阮皇宗
 
 
 
104年度第一次交通部航海人員測驗通過名單 
 
梁騰皓  賴均和  鄧紹彬  行淑絹  李健為  陳泰睿  魏文志  林威丞
 
杜恩瑜  陳昱辰  鐵翔雲  倪昇暉  張嘉棋  林茂聯  江 盈  謝政良
 
黃德倫  劉宗諺  詹欣怡  楊宗岳  簡得晉  蕭翔懌  李常榮  曾宇浩
 
藍晨愷  郭寧佑  洪浩竣  林子正  高志忠
 
 
 
103年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
 
洪紹航  徐志穎  郭晉愷  張仕翰  凃松騏  曾文衡  鄭智文  鄧琨憲
 
曾善群  楊鎧溥  方冠融  洪琮恩  陳雅俐  林慧華  游林鴻  盧文傑
 
蔡有倫  聶秀軒  駱俊明  劉暉弘  殷裕翔  陳泓銘  賴孟輝  林俞錞
 
陳畇廷  黃子容  彭繼威  吳東橋  康路恩  林燿志  張文成  黃欣婷
 
黃文駿  張 庭  簡佑任  彭家慶  張 皓  鄭任硯  楊建隆  劉家宏
 
林逸嘉  蘇泊僑  蘇盈瑛  曾子樵  陳履安  高偉智  莊承翰  吳榮三
 
 
 
 103年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
 
許國威  陳俊傑  吳聯成  黃登羣  夏暘竣  羅凱俊  陳佳歡  楊承儒
 
顏宏旭  林哲弘  曹雁棋  黃郁茵  曾姿儀  王雅瑜  廖 罡  張修振
 
陳韋智  鍾裕臣  林維麒  邱彥翔  李明軒  趙立紘  蔡曉蓉  張韶邠
 
 
 
 103年度第二次交通部航海人員測驗通過名單 
 
李廷恩  王俊皓  劉向森  戴憶芳  劉承惠  蔡文鐘  薛湘樺  許智勇
 
關百亨  張立杰  陳俊宏  林奇陽  卓明峰  王建豐  方正揚  簡顯蘊
 
魏均婷  吳佳宜  許家霖  陳逢駿  曾勇程  楊瀚昇  郭仲鈞  霍中璟
 
李宜庭  蔡東軒  陳宏明  賴昱中  江宇奇  林凱俐  吳佑財  饒旻晉
 
張桓碩  張丹齡  黃俊嘉  盧國光  楊世華  林靖勳  張簡久揚
 
 
 
 103年度第一次交通部航海人員測驗通過名單 
 
陳冠宇  余慧倫  林子均  吳紫綺  黃安源  蔡怡倩  楊韻潔  謝宗儒
 
徐仲維  黃鈺荃  王怡靜  周昱伶  蕭敬詒  蘇鈺涵  張峪稱  黃仁遠
 
呂俊麟  胡家齊  王銓朗  陳坤新  鄭慧賢  林旻佐  范弘軒  陳亞權
 
洪碩謙  王振豪  何紀宏  鞠慧航  簡荐普  許有勝  胡維岑  蔡易樺
 
 
 
103年第一次河海人員特考通過名單 
 
陳思樺  黃子寧  林家暉  辛金山  陳仁玉  周心如  林宗賢  施睦庭 
 
 
 
102年度第四次交通部航海人員測驗通過名單 
 
楊偉民  李政德  張家瑜  劉育菖  陳昶廷  詹智丞  張婷茹  劉鈞瑋
 
莊清彥  李珊銘  涂世達  陳翊瑋  龔 恆  王玉婷  陳志杰  葉玳鑛
 
陳明宏  鐘郁甯  劉羿成  王煇荃  葉艾棋 
 
 
 
102年度第三次交通部航海人員測驗通過名單
 
林千又  陳子循  趙炳荃  周東穎  呂伯樂  王重隆  張家銘  彭姿凱
 
孫境佑  胡家芸  陳端容  林宗賢  曾琬茹  蔡能玄  林芯羽  駱昱如
 
梁益齊  鄭家茹  黃建舜  林沛儒  駱文斌  施睦庭
 
 
 
102年度第二次交通部航海人員測驗通過名單 
 
林宏豪  王新一  戴怡琳  何明得  陳宗彥  蘇柏諺  邱郁茹  林冠志
 
唐涫鐄  柳建廷  朱至祥  張煐慰  莊惠閔  陶孝慈  蕭松鍇  許世昊
 
陳保丞  郭永杰  伍紋萱  詹雅棋  楊雙安  江佩玲  朱威銘  蔡舜文
 
陳    清
 
 
 
102年第二次河海人員特考通過名單 
 
李    芳  王立偉  張煐慰  童思叡  林柏伸  林永惟  邱睿騫  林晉宏
 
陳冠廷  楊雙安  呂昱賢  芮偉霖  陳長宏  林皓群 
 
 
 
102年度第一次交通部航海人員測驗通過名單 
 
謝傑宇  陳俊宏  鍾智堯  葉益成  郭盈萱
 
 
 
102年考選部第一次河海人員特考通過名單 
 
洪海洲  蔡宗勇  林甫育  李妍萱  劉晉平  陳伯齊  楊德正  林忻怡
 
許曉佩  陳央傑  潘逸妍  李昱錡  陳羿君  吳岱鴻  黃家聲  賴信銓
 
林龍全  楊博鈞  林易昌  羅煥昇  榮志豪  劉政杰  黃賓弘  黃冠中
 
林志諺  簡政躍  黃揚庭  柳亭玲
國立高雄科技大學航運技術系. 網頁設計 DESIGNGOGO
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shukiiflog · 10 months ago
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ある画家の手記IF.?-5 冷泉慧鶴視点 告白
それは俺がまだ学生服着てた頃のこと。
疼痛が起きる前には予兆がある。そういう時は一緒にいるクラスメイトたちの輪の中からなるべく自然に抜ける。 人目のない場所ならどこでもいいってわけにもいかなくて、俺にはほとんどのものが度を越して不清潔に感じられた。 一見清潔そうに整えられた保健室のベッドも嫌だった。なるべく人の気配の薄い場所が欲しかった。 この高校に入学した一年目に見つけて以来、都度逃げこむようにして入る部屋が、保健室の隣、奥の扉の向こうにあった。
その部屋は一見のんびりとした上品な応接間のような、長椅子とソファとローテーブルが置かれてる程度で、何のための部屋なのか、何も知らない。立ち入り禁止じゃないことだけ保険医に聞いて確認した。基本的にいつも誰も使わない空間らしい。「そこが落ち着くなら好きなときにそこにいて良い」という許可をもらった。 構造的に保健室を経由しないと入れない、でも完全に人の目がない閉鎖空間でもない、それじゃむしろ困る、 それでもここに誰か先客がいたことは 今日まで、なかった。 「ーーーー………」 一番奥の一人がけのソファの肘置き部分の両側にそれぞれ後頭部と曲げた脚を乗せて、眠ってるのか、だらんと弛緩してる。 長い黒髪が絹のように反った頭から溢れて遠慮なく肘置きにも床にも広がってる。ここまで大胆に髪の毛を床に直に触れさせられる神経に怖気が走った。 うちの制服着てるし、女子生徒…誰だ、なんでここに…見かけたことも一度もねえ… 髪も長いがとにかく体がちっこい。余計に髪も長く見える。 「ーーーーん………んん…、…?」 その子が目を覚ました。 最初少し眠たげに細く開いてた瞼が、覚醒と同時にぱちっと大きく開かれた …怖ええな、黒々とした長い睫毛にびっしり縁取られてぱっちり開いた目が、なんとなく。目玉があると生き物っぽさが増すしな��。 気怠げにソファの上で寝返りをうって伸びをしてから体を起こす。起きる体に髪が引きずられて地面から少し持ち上がる。からくり人形みたいな。 同時にフレデリック・レイトンの『燃えあがる6月』が浮かんだ。ポーズも違うしこのちっこいのにあんな完成された女体の面影はどこにも塵ほどもねえけど、丸まるようにして眠る姿が。 てか一人がけソファの上で寝返りと伸びが余裕でできんのかよ。ちっこい。 その子は棒立ちになったまま見てた俺を、きちんとソファに座り直して見返してきた。ソファがデカすぎるんでつま先も床についてねえで宙に浮いてる。こういう少女人形をちょこんと座らせてあるみたいだ。 「こんにちは。わたしは佐伯光。一年生。わたしもこの部屋つかっていい?」 落ち着いてるけど高くて少し甘えるような、ーー媚びるような、ため息みたいな声と喋り方。狙ってやってなさそうなだけに、こいつ女子に嫌われるな多分。ついでに厄介な男に粘着食らうかんじのタイプ。 「つってもここ俺の部屋じゃねえしなぁ」 快活に笑ってまぜっ返す、横にある申し訳程度の本棚から何読もうか選ぶフリする。その間に、これからどうするか考える。 誰もいない空間が要った、ここドンピシャだったんだがな、三年間。二年間か。 沈黙も気まずい。横顔から適当に話題を振る。 「一年か。俺は三年だ。その髪の長さって完全に校則違反じゃねえのか?」 「んー。校則と父がけんかしている…」 「は?」 「ながくても結ぶならいいよって先生にいわれたよ」 「結んでねえじゃん」 「いまだけー。だれもいないとこでは解く。結ぶと頭ひっぱられていたいもん」 そう言ってソファの上で仰向けになって明るく笑う。 にしてもなんで制服までオーバーサイズだ。制服の袖からギリギリ指の先が少しのぞいてる。肩の位置もズレて落ちてる。スカートの丈は膝下どころじゃない長さだ。 「制服作るときに採寸しなかったのか?」 「したけど、おじょうさまの年齢ならこれから背が伸びる時期なので大きめに作っておきましょう、ていわれて、こうなったの」 まあ実際そうなりゃいいのかもしれねえけど。 俺も幼い頃は父親の血で相当に背が伸びるだろうっつって謎の期待を受けてたけど、今で170も超えてねえから飛び抜けた長身になる可能性は低いんじゃねえかな。 とかなんとか思ってふと気づいたら疼痛の予兆は予兆だけで済んで通り過ぎてくれていた。 その後も部屋に行ってみれば度々その子ーーー光がいた。 俺は学校自体には普通に通ってて、たまに保健室っつってここに来てるが、光は学校にもほとんど来れていない��その貴重な登校日にこの部屋にいる、ってことらしい。
だからここに来たら必ず毎回いて部屋が光に独占されるーーーってことにもならなかった。 光との遭遇率に思う。 俺はここまで普通に毎日学校に登校して、それが当たり前だった。父親が蒸発したりなんだかんだあった頃なんか周囲のことが見えてねえ時期もあったけど、その頃でも学校ってのは、俺の気分に関係なくただ漫然と毎日通うところ、だった。 そういう日々でできる学内での友人関係は、毎日俺と同じペースで登校してこれる範囲の人間で多くが占められていく。乱暴な言い方をするなら俺にとってクラスとかクラスメイトってのはそこまでの人間のみで形成されていた。病欠の多いやつ、不登校生、サボってばかりの不良とか、遭遇率の低さからコミュニケーションのとれないそいつらは人間としてもろくに数えられない「余剰」と見做されていた、俺の中で。特別そう意識してたわけでもなく。 その「余剰」分の光と、こうして一対一で話をして、確かに人間だと感じる。 そういう機会に恵まれたのは、俺にも微かな、…気を抜いて一足踏み外せば「余剰」側にまわる要素があったからか 「冷泉慧鶴。れいぜん、聞いたことあるような。パーティかな?」 「疎遠だからよく知らねえけど、同じ苗字のうちのじーさんがちょっとした金持ちの目立ちたがりなんだと。」 「ふうん。わたしちっちゃい頃にキャンディとかお花あげたかも。つるちゃんはパーティで会ったことない。きれいな頭身と細身にブロンド、ドレスアップしたらかっこよさそうなのに」 「その呼び方やめろ。慣れなさすぎて呼ばれても反応が遅れる」 なぜか珍妙なあだ名つけられたり。俺のほうが先輩でも、お互いにまるでそんな態度でも口調でもねえし��でも光から蔑まれて見下されてる感じもなかった。 いつも大したことは喋らなかった。時間つぶしのくだらねえ雑談。 それでも俺は教室よりは息がつけてたんだ、クラスでは放っておかれることがないから。ーーーそう、俺自身がそうなるように立ち回っているから。 人気のない場所に一人でいたい、人目のない場所に一人でいるのは怖い。なにも、いつまでも、両立しない。 光はいつも機嫌良さそうににこにこ笑ってて、俺と本当に楽しそうに会話した。無邪気な高い笑い声をしょっちゅうあげて、屈託なく。かと思えばころっと眠ったりしてた。 だぼだぼのデカい制服に体をほとんどすっぽり覆われてて、つくりものの人形めいた光は、キラキラ光る目を除けばあらゆる意味で生々しさから遠かった。
そんなふうに思ってた。ある日。
部屋に行ったら男子生徒が一人いて、覆いかぶさられて見えにくいものの、小さな細い脚がのぞいていた。下に光を組み敷いてた。 思わずその場で吐くと思ったのと、俺の体が勝手に男子生徒を蹴って光の上から退けたのと、同時だった。 こいつが光の彼氏や許嫁かもしれねえとか、んなこたどうでもいい校内での性行為は許可されてねえよ、死ね。 そいつは俺に蹴られたからじゃなく見つかったからってふうに、慌てて服の乱れを直して部屋から走り去った。 部屋の隅に小さく用意されてる洗面台に吐いた。けどろくに食べてねえから透明な胃液しか出なかった。だめだ、やっぱ だめだ …それより 組み敷かれた床にそのままの姿勢でかたまってる光の傍らに膝をつく。せめて乱れたスカートを綺麗に整えてやれればいいが、無理だ。目立った外傷はない。まずは保険医に知らせて、病院に… 「つるちゃん、へいきだよ、避妊してたし。わたしは傷つかない」 床に仰向けになったまま同じ姿勢で光が言った。反応が…普段どおりみたいな顔して…。…傷つかない? 「…なんで大声出さなかった。保健室までギリ届くの知ってたろ」 探り入れて聞き出さなくても光は直球の質問を好むしなんでも素直に喋る。分かってて直球でそう聞かねえのは、俺が怖いからだ、ほんの少しの予感に、光のことが。 「うーむ。父に知られるほうがやだな」 「父親?お前、家でなんか…あるのか」 俺がこの手の話に口出せる人間かよとも思う、それでも言う、他人の事情になら好きなだけ口出せんのか、下賤な…。 俺のは別に虐待とかってんじゃない。もっと派手に殴る蹴るされて顔にひどい痣作ってるやつとかクラスにもいる。 俺のは…絶対に誰にも露見しないし誰にも助けてもらえない、自分でどうにかしようとすることもできないやつだ、家が警察官僚ってのはそういうことを指す。街中でもどこでも少しでも妙な真似をすればアウトだ。…確かに嫌だな、親に知られるのは。 「………」 俺が微妙な顔してたら、唐突に光が言った。 「つるちゃんもする?」 「ーーーは…?」 「わたしと。さっきの子みたいに」 さっきのやつ…って、 「お前…さっきのやつ、友達とか、知り合いだろ」 最低レベルの許容範囲で知り合いっつった。なにが許容範囲だ。俺がなにをどう許容したらどうなるってんだ。それでも俺は、だめなんだ、許容できねえもんは できねえよ 「ううん。しらないひと」 今日初めて会ったやつにレイプされて、こいつは助けを呼ばなかった、怯えて声が出なかったんじゃない、そして今はもう普段どおり機嫌良さそうに俺に笑ってる。それで、 ……違ったか。レイプされてても、こいつは機嫌良さそうに笑ってた、か… 今こいつに訊いていいことじゃない。そんなのは分かってる。 「ーーーお前、プライドとか ねえの」 「       」
それからしばらく、部屋には行かなかった。 光が変わらず来てるのか、来てないかもしれない、わからない。それでもばったり出会すのが怖くて近寄れなかった。薬を大量に飲んで疼痛はごまかした。 それでも避けてたものにまたばったり出会わす瞬間は大抵拍子抜けするほどあっけないもんだ。 その日、頭痛で保健室に行ったら保険医が一人の女の子のすり傷の手当てをしてた。 相変わらず髪は初対面のときから伸ばし続けてるらしい、さらに後ろ髪の伸びた光だった。 もう分かる。これだけの長さと量の髪を自分一人で、ここまで切れ毛も少なくまっすぐに美しく保つのは、無理だ。毎日髪を洗って梳いて乾かして整える誰かがそばにいる。そいつが父親なのか誰なのか、何も知らねえが。 「つるちゃん」 保健室に入ってきた俺に気付いてにこっと嬉しそうに笑う、…これも光だ、どこにも虚偽のない素直な笑顔。この前の笑顔だって。 壊れたわけでもない、開き直ったり病んだり自虐的になったりして笑ったわけでもない、横にいた俺に向かって素直に笑った、好感を持ってる相手だから。レイプ犯にも笑った、好感を持ってるから?
その正気の、保ちかたが、狂ってる
「お前 頭おかしいぞ」 今まで誰相手にも発したことのないような心底冷たい声が出た。 それを聞いて光は機嫌良さそうな笑顔から嬉しそうな笑顔になった。 「つるちゃんはそういうの似合ってる」 誰かのことをよく知りもせずに断片的に拾ったもので組み上げた虚像に向かって、お前は狂ってると、そう言い放つ不遜さが、 上から目線でまるでどこにも狂いも穢れもない永遠に優勢を保つ人間を装って、そこから誰も彼もの正気と狂気を二分して断定する暴力的な姿勢が、 俺に似合ってるって? ああ皮肉か こいつもそういう底意地の悪いこと言うのか
まるで決定的な決裂、もうここで終わったようでいて、俺も光もあの部屋に訪れるのをやめなかった。 相手の世界から去るような優しい行動だけはどうしても取りたくない、そんな子供じみた意地だったかもしれない。 それに光との関係は確実に、すでに失いがたい何かでもあった。同時に、初めから俺の世界には存在してほしくなかった。 どっちもどっち。会ったら会ったで別にそこまで険悪なムードになるでもなくいつも普通に会話した。 たった一度だけ友人を連れてったときに光と話してるのを聞いた友人に「なんで二人ともそんなキレてんの」なんて少し青ざめた顔でつっこまれたから、他人から見ると俺と光は朗らかな雰囲気でも会話でもなかったらしいが。 光はいつだか「つるちゃんは眩しいからちょっときらい。ちょっとだけ。」なんて言ってた。 俺も光は嫌いだ、頭はイカれてるしどうしようもなく歪なくせになぜか綺麗なものみたいに光る。 お互いに、他人の手でぐちゃぐちゃにされて終わった死体がまだ息をしてる、その輝きを見てる、そう感じる感性に殺意が湧く。 それでいて、光は誰のことでも好きだと言う。 誰のことにもそこまで関心がねえくせに、誰もが、人間てものが、昔から薄っすらと嫌いな俺は、光に根底から負けているような気がした。 「俺、来月で卒業する」 「おめでとう。卒業したらつるちゃんはなにをするの?」 「とりあえず美大に進む。お前はもう何か考えてんのか」 「………」 ここまでギリギリ同じ場所に居られた、その限界の地点がおそらくここだった。 「余剰」が落とされて���会から切り離されていき、常識人ぶった俺だけ諸手を振って仲間に入れてもらえる。 光の父親は女など中卒でいいと言い張った、それを光が言いくるめてこの高校にもギリギリ通えているらしかった。 それでも高校の先の展望はない。未来までの展望を持てるためには必要なものが多すぎる。もしそれを持たせてもらえたり十分に得られたとしても、本人が抱えきれないならそこまでなんだろう。 「Fiat lux.」 光がつぶやくように言った。 「…”光あれ”?」 「Dominus illuminatio mea.」(我が主は光) 「お前、外国語はおろか英語もろくにできねえんじゃなかったか」 「起源はラテン語がひろくカバーするから、そっちからにしたの」 それにいまも新種が発見されればラテン語で学名がつくよ、伝統を継いで学術論文をラテン語で提出する人もいるし、とか言いながら窓の外を向いてた体をくるっと回してこっちを見る。 「我が主は光。それだけでいい、それだけでわたしには無限の可能性がひらかれてる」 「…。」 言葉面だけならまるで愚者の物言いみたいなそれを、光は誰しもに明らかな真実を口にするような迫力を乗せて泰然と言い切った。こいつたまにこういうとんでもねえ話し方をする。 教祖にでもなりてえのか。 聞いた感じ相当な量の本をジャンル問わず読んでる。学校にいない時間はほぼ本を読んでるらしい。その積み上げた読書量から得たものでこいつが今後何をするのかしないのか。 俺はお前になにもしないまま、ここに置いていく。
せいぜい祈る、光の周りの人間に。いつかこのちっこいバケモノが誰のことも愛せなくなったとき、人を喰らう巨大な怪物になってしまわないように。
***
別れの挨拶もなく、なにかの関係が実ったわけでもない、光と過ごした時間はほかの学友たちと比べればほんの僅かだ。 高校最後の一年、たまに出くわすあの部屋でだけのこと。 あれから卒業して、あの部屋のことはすべて俺の見た夢幻で、誰も居なかったんじゃないかとさえ思った、光なんて現実離れした子は。
それが今では、雪村くんの養母で、雪村光なんだと。 生きてやがった、ってのは幾つもの意味で。 よくわからんが再会した光はパワーアップしてた。というか俺は光の姿を見つけて自然にその場を離れようとしてたっつーに、あいつとんでもないスピードで追っかけてきやがった。再会したというより、再会させられたというか。 挙句「わたしはつるちゃんすきなのに」だと…。 結局俺はこいつに勝てねえ。なぜだか光相手になると、勝ち負けなんて不毛な基準がどこからか迫ってくるのも相変わらず。 なにもかもが、今に始まったことじゃなかったか…。 世には負け犬にしかつとまらねえことってのもあるわけで… 俺は俺なりに今後も夜闇の中のさらに影を一人で踏んで往くとするかね。
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iseilio-blog · 5 months ago
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06/24 柴寮偶寄
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女生像媽媽,男生像爸爸=完美的結合。
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柯要參選總統的財政支持就是新光集團。
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實在很佩服、很羨慕如此周延的論述能力。
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很好聽。
美國戰略排序改變了!荷蘭為何來亞洲?中國電動車傾銷不是買賣 是戰略對抗!台灣海防空虛?中國螺旋向下 將再爆發六四?新義和團仇美 中國將頭破血流?|明居正|宋國誠|新聞大破解 【2024年6月14日】 (youtube.com)
荷蘭是第一個進入台灣,並且統治過將近40年的國家。
(59) 2024.6.16陸軍官校百年校慶營區開放系列-1【全場都熱烈歡呼及掌聲👏】三軍儀隊與陸軍樂隊操演 - YouTube
那魯灣,太棒了!
Hsueh Fang  FB . 這個姿勢血壓上衝,讓我來。 . Abunai Wa, Ojyosan. .  應該用平板的塑膠或木片;這個我內行,讓我來。 . 我也有一頂,相同系列,比較男性。 .  可愛 い;我也有一頂,相同系列,比較男性。
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今之古人。
2024.02.23 高雄皇妃舞場 二.四 團隊所有精英.率遊覽車蒞臨 板橋新富客舞場.周五翅仔場舞聚.現場 翅仔探戈 實況錄影 (youtube.com)
Enjoy music、rumba slolwly、hold tight ,go up to sky ,the world you guys never know ~~,
失控博愛座該廢除?捷運上演女子摔跤畫面太震撼!婦人開酸逼讓座,男子反應讓人心碎了...【新聞挖挖哇】 (youtube.com)
問題的比例應該還是不高,所舉例子,也的確身心有問題,只是殘障、心障人們也無法知道。
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郭台銘除了壓榨勞工、很會賺錢之外,很少其它內涵,更談不上人文素養。
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真有錢不會擠公車。
日本竟有人妻香味入浴劑! 淺草寺抽籤都是凶? 還出現美女腋下飯糰? 2024-06-20【WTO姐妹會】Makoto Haru 葛西健二 潤子 西田惠里奈 Jenny 法國Anna 惠穎 小車 歐陽姍 (youtube.com) 一談日本就發瘋。
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那魯灣,太棒了!•穿黑白花襯衫,在用手機拍照的,很眼熟。
大陸人完蛋了,這樣吃台灣便當,果然吃出大問題!一份台鐵便當吃完又再來一份池上便當,一共花了190塊,真的不行啦。【我是黨黨】|台北車站|台鐵便當|池上便當|台灣物價| (youtube.com)
木片便當早在戰後就已經存在,應該是當時沒有適合的耐久材料;應該是傳承自日治時代,不過他們現在也還有 “驛便”。內容除了白飯、魚板、黃蘿蔔、漬物等簡單內容之外,另外還有豆皮壽司便當。因此早年當火車開動前,就有順著車窗:“便當”、“壽司” 的叫賣。台北到高雄的慢車,一趟下來將近十個小時,也有雙層的臥鋪,供夜班車,天亮就摺疊成座椅。
【新聞挖挖哇】孫安佐絕望爆走!專家警告狄鶯孫鵬「散盡家財」寵愛逆子下場?唐治平不認母屍走投無路下跪悲劇!孫鵬北檢30萬交保「父子關係」碎裂20240620|來賓:許聖梅、高仁和、黃宥嘉、吳娟瑜、吳姵瑩 (youtube.com)
戲劇人生的夢幻世界,夫妻的情感更強化了家庭的凝聚,也養出了脫離現實世界的兒子。
第一次來台南的日本媽媽居然感動了!🔥這裡居然和想像的不一樣。。原本一直都想來的地方終於實現了|【Mana家人系列】|VLOG|【我是Mana】 (youtube.com)
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赴中旅遊橙色警戒 王定宇:不去中國是最佳選擇 (ltn.com.tw) 中港澳,台灣之治外法權,既然置若罔聞,政府無權、也無需介入,不應浪費公帑。
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鍋碗瓢盆
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識見只及兩岸,不懂國際流通,害死中國。
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又稱藍衣社,好像專事暗殺。
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lenamiura · 1 year ago
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失敗シフォンケーキから失礼します
テニミュ4th六角公演を観に立川に行ってきた。立川の3階、初めて入ったけど頭被りもなく観やすくて快適だった。
初日の配信を観ずにほぼ事前情報なしで行ったためか、えっそう来るの、そこはそうなの、とわりと困惑しながら観てしまい、それはそれでおもしろかったけれど全体の印象が「なんか変だった」に収束してしまいもったいなかったかもしれない。今回あまり現地予定がないので、次までに配信を観て全体の流れを掴んでから行くつもりでいる。
●1回目印象に残ったところ
・大石の後輩を焚きつけるシーン、かなりミュージカル調にしてくれてうれしかった。今代の大石のことを相当かわいい大石だと思っており、彼の歌がかなり好きなので、長尺のかわいい曲を観られてうれしい。
・菊丸印のステップで英二が実際に増えていてお得。プロジェクションマッピングもいいけどやっぱり物理的に人が多いとダンスが華やかで目が楽しい。
・不満げな顔をしながらも氷帝メンバーのすべてを受け入れる姿勢の跡部、良い。
・忍足(しのびあし)看護師のビジュアルの強さがすごい…。あのブロマイドほしい。
・ダビデがかわいい。バネさんとの微妙な距離感がこのまま安定するのか変化していくのか気になる。
・ダビデもそうだけど、六角の中にいるということの意味、というか良さみたいなものを4thで見て強く感じられたのが佐伯。この子がこのチームで育ってこのチームに帰属しているんだ……という感慨があった。
・この感覚はオジイの存在がやっぱり大きいだろうなと思う。チームに大人がいることで感じられる役割、ここにかなり脳が揺さぶられる……(例:オサムちゃんを伴う白石)。
・佐伯のセリフ回しがアンニュイな感じでかなり危うい(良いということ)。
・オジイ、老人すぎる。初見だとコメディシーンでもおもしろさより怖さが勝って複雑な感情になった。次からは楽しく見られそう。
・応援合戦、回を重ねればもっと声が出てくるかと思うけど、少なくともわたしの周りではまだあまり声が出ていなかった。というか、曲自体の声出しどころがそもそも難しいよなと毎度思う。
・河村パペットと榊パペットの再登場、かわいくてうれしい。英二、パペットづかいが上手でよかった。
・緑山に関する知識の予習も必要だと思った。
●2回目
・1回目で変かも…?になっていた部分、おおむね楽しいに変わった!
・自分の話であるけど、初見のものをポジティブに受け入れるのが苦手かもしれない。ネタバレが嫌なタイプではないので、鑑賞予定回数が少ない物は予習していったほうが楽しめるとわかってきた。
・4th六角の雰囲気、好き。大らかで他者を受け入れる姿勢があって健全で明るく楽しい。
・やっぱり幸村がいるのが気になる!誰の心象風景なんだろう。
・立海、どういう仕上がりになってくるのか今からドキドキすぎる。楽しめるといいなあ。
●アニナナ2期を観終わった
七瀬陸さん、心身があまりに脆いし年齢のわりに精神が幼くておそろしい。才能のある人間にしか許されない立ち回りをずっとしているなあと思う。周囲との、和泉一織さんあたりとの対比になっているのかな。
十さん、でっかくてやさしくてセクシーな売り出しをされていてかわいい。ウチナーグチ、最近創作キャラクターなどで耳にする機会が増えた気がするけど方言の中でもかわいくて大好き。
いつも機嫌がよくて財力と権力と能力のある男、六弥ナギさん、安心して見ていられるのでIDOLiSH7内でかなり好きかも。六弥ナギさんが片言のキャラクターとして扱われているが、和泉三月さんのほうが発音が気になって話している内容が入って来ない。声優さんの話し方の癖なのかわからないけどわざとなのか、バックグラウンドがあったりするのか…果たして…。
ユキさんもモモさんも想像していたより感情や愛嬌があって激しめの人たちだったし、けっこう迂闊なところのある人たちでイメージが変わった。かわいい人たちだ…ボケとツッコミを自称するのは役割分配考え直した方がいいと思った。
ずっと上げ忘れていて変な時期になったけど(六角公演お疲れさまでした)立海公演が決まり運動会が決まり景気がいい。楽しみ!
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shukiiflog · 1 year ago
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ある画家の手記if.?-4 名廊情香視点 告白
こいつら三人は、私にはたまに幻影かなにかのように見える。 
向かいのソファに座ってる真澄の髪の毛を、光が横から器用に小さく編み込んでってる。 光曰く「今日はわたしとおそろい」。両サイドの編み込み。 「うん、かわいい」仕上げた光が真澄の顎に手をあてて頰に軽くキスして真澄の横に座った。
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夫婦っつっても色々なんだろうが…。 単純に見たままなら年齢差で完全に犯罪なんだが、二人の様子を見てると、想いあってる愛しあってるのは一目瞭然として、他のどんな関係でもない「夫婦」だってのがなんとなく滲むように事実としてこっちに伝わる気がする。 外見はまったく似てねえのに、仕上がりが違うだけで同じ生地でできた揃いの服みたいにも見える。 本来の夫婦ってのはこういうもんなのか、サンプルが少なくてどうとも…これまで自分に対峙する誰かならそれなりに見てきたつもりでいた、でも自分とは別に存在して関係しあう誰かと誰かはそれ���ど注視してこなかったかもしれない。 直人と香澄がそれに当たる。私はあの二人をセットとして見たことは少ない。ないと言っていいほどに。 それぞれに応じてきた。あの二人の関係についてあれこれ考えたときでさえだ。 直人と香澄は純粋に好き合ってることが一緒にいることや今の関係にダイレクトに繋がってる。 とすると、真澄と光は、どうなのか。…ダイレクトなものだけじゃねえのは、分かるような。
「光はお前にベタ惚れだな」 三人で外を歩きながら、さっき光が真澄の髪を編んでたのを思い出す。 「うちが例外にしたって夫婦でもここまで妻が夫に惚れ抜いてるってのは結構珍しいんじゃねえか」 光の好意はわかりやすい。単純ってのとは少し違いそうだが、こと好意に至っては表現に迷いがない。一方の真澄のわかりづれえこと。 今も三人で歩きながら光だけまっすぐ歩かずに真澄のまわりをくるくる回ったりコートの中に潜ったり真澄の手を握ってひっぱったり指先に白い息をかけてあっためたり、わかりやすい。 そんな光をたまにからかうような仕草でいなしたり丸い頭に手を置く真澄の印象は、満更でもない、って感じだ。 「そうかい。まぁ光は最初から頭おかしいんじゃねえかとドン引きする勢いで押してきたヤバい人ではあった。押し負けた」 「押し勝った!」 なるほどな。誰にでも好意的なような光だが、そこからさらに他のすべてへの好意を自分で押しのけてでも真澄一人を選びとるほど、真澄が好きだと。そういうことでいいんだかなんなんだか。 昔から愛だの恋だのって手の話題は不得意だ。好意的な感情の細かいジャンル分けや線引きに昔から首を捻った。その点、直人と香澄は私にとって考えやすいともいえる。あいつらお互いに好意的な感情はなんもかもすべて相手に対してあるからな、多分。 私がこれまでまともに恋愛して恋人同士になった相手なんて学生時代含めたってほんの数人だ。それも型に嵌った何の面白みもない交際。どれも短期間で終わった。同じ家で育った兄貴の交際遍歴を見てて、レンアイってのは難しい…面倒なもんだとハタから見て醒めちまったせいもある。 でもそういう交際やら人間関係の機会に恵まれなかったわけでもねえんだし、もう少し恋愛とかなんとかに絡んで、あの複雑怪奇な情緒をもっと掴んどくべきだったか。
…学生時代、か。… 「………ユキムラマスミ…雪村真澄…お前、今と学生時代で姓名変わったりしてねえか?」 聴かされて覚えた名前、音でしか知らなかった。 まさかこいつがもしかして、同姓同名じゃねえ本人か? 「変わってねえよ?」 拍子抜けするような素直な返事が返ってきた。警戒心の抜けた顔。表情はそれほど大きく変わらねえけど醸す印象が随分変わるな。 「人違いだったら悪い。ユキムラマスミ…もしかしてあれか、私のいた××校で、女遊びが激しいとかなんとかいう噂で、一部の女子から熱狂的に好かれて一部の女子から毛虫のように嫌われてた。意識したことなくてお前自体の姿とか顔までは知らなかったけど、何人か来たぞ、私のところにお前に振られた女子が、お前への割り切れない気持ち抱えてさめざめと泣きに。」 「人違いだね」 ここは間髪入れねえのかよ、嘘だな。 道路脇にかがんでた光が走って追いついてきて、私と真澄に一本ずつ花を渡してきた。 「光のぶんはねえのか?」 光が何も持ってねえから聞いてみれば「わすれてた」とか今気づいたみたいに言いながら驚きに三つ編みが跳ねそうなリアクションしてる。 なんかこういう妖精いたな、人間にプレゼントするのが好きで、自分のことが頭から抜けてて、無制限になんでも喜んで渡しちまうから、最後には妖精自体が存在までもをなくして無邪気に消える。 ふと、さっき光が真澄のコートの胸ポケットにさした花を、真澄が抜いて、光の三つ編みの耳あたりの編み込み部分に髪飾りにしてさした。光がにこにこして真澄を見上げる。 …真澄がいるから、消えねえ妖精、か。 「真澄。おんなあそび。ってなに?」 「何だろうねぇ」 微笑ましいんだかボケてんだか。真澄はともかく、光はこれ分かってて夫に嫌味ふってるとかってふうじゃねえな。 「真澄の話しっぷりはケムに撒いてんのかマジなのかよくわっかんねえなぁ…。お前の話を光はなんでも信じ込んじまうんじゃねえか?」 光は真澄のコートの中に入って前をカーテン閉めるみたいにして合わせて顔だけぴょこっとのぞかせてる。よくその近距離で二人とも滞りなく歩けるな…と思ったけど歩幅も足のでかさも違いすぎて逆に歩けてるっぽいな。 真澄が私の言葉に息だけで笑い零した。 「煙にまくつもりはないぜ。煙にまかれてんじゃねえかと思われた時点でそいつは成立してないもんだ」 視線の方向のわかりづらい黒目がちの伏目の目線の先が、光の頭に目配せするように動いた。 「…」 つまり真澄も、無垢で純真な少女にひたすらまっすぐで美しい想いを向けられ続けて、その無垢な想いの美しさに押し負けた。んじゃねえってことな。…なんかはじめからそんな気はした、半分くらい。 「さっきのはなし。××校ならわたしもがっこうそこだった。ふたりが入学する年にわたしがちょうど卒業したタイミングだったのかな?」 光が真澄のコートから出て、話を戻してきた。 光も同じ学校か。まああのへん子供の数も少なかねえけどそれほど多くもなかったし、いくつも分校されたりってのもないし、一箇所集中しやすかったか…。 「……先輩から聞かされた噂にこんなのもあったな。保健室の座敷わらしとかなんとか言われてた女子生徒。男子と途切れることなく付き合うものの秒速で別れたかと思ったら直後に別れた相手の男子が怪我したり厄介ごとに見舞われる怪奇現象が起こるとかいう…。」 「ひとちがいです」 「光は絶妙なタイミングで嘘が下手だな」 からかったら光がガクッと項垂れた。 こうしてスラスラ学生時代の噂話なんてもんが出てくる自分にびっくりする。 別に私は噂好きでもねえし校内の噂に精通してたわけでもねえし、噂話はむしろ好かねえほうだ。ただ、校内でさんざん周囲の話題にのぼってたせいで耳に焼きついて覚えてたいくつかが今うまくヒットした。 と、いうより、今夫婦になってる真澄と光が両方とも、学校って場所で目立ちやすい存在感と話題性を備えてたんだろうな。 つーか今の感じからしても十分納得するもんがあるよ。お前らは今そうやって夫婦として並んで仲良さげにしてるだけで結構目立ってるしもう話題性を伴ってるからな。 「なんで座敷わらしだったんだ?」 「うー かみのけが、まっすぐで、いまよりすごく長かったからかな」 「重たそうだな…動きづらくねえのか?」 「あの頃はかみのけ切ったらはるきくんに怒られるからしかたなくずっと伸ばしてたらそんな見ためになっちゃってただけだもん…」
ハルキ。佐伯春輝。 昔のことはよく知らねえが、最近のことなら少し聞いた。 絢が、その佐伯春輝ってのがいずれ光の命を狙ってくるのは自明だっつって主張して、光が自分から相手の懐に入って、加害された現場を真澄が処理、ごく自然な証拠を揃えてうまく逮捕につなげた。その犯罪者だ。 ーーー家庭内での案件てのはつくづく捌くのに苦労するもんだ。直人も、香澄も、絢も、光も、慧も、問題のすべてじゃねえにしても確実に家の中でも蝕まれた。 そういうのに切り込むには真澄がやったような変化球が必要になる、少なくとも今のこの国では。 聞いた限りの印象では、私は光の動きが甘かったように感じた。自分で行くと言い出した光、命を左右する現場になる可能性が高かった、実際そうなった、それでも光にはまだ佐伯春輝を救おうとするかのような行動と、警戒心の欠けも多かった。 あれじゃあ真澄も常日頃から気が抜けねえだろう、なんて顛末まで聞いて一人で思ったりもした。まあ簡単にしか聞いてねえからこの程度の感想もハズレてっかもしれねえけど。 ……。光がただの純真無垢な女の子、ではないことは分かった。でも佐伯春輝の件での動きで私が光に持った印象は、つまりそういうもんだった。そう思われておかしかねえんじゃねえか。…否、まだ何も知らねえ段階で、ここまで考え下げるのも無為なような… 「…ハルキ、って、簡単な話しか聞いてねえけど、あのお前の養父とかいうクズ野郎か。あれからどうなった」 おとなしく服役中、じゃねえ可能性がある。それもわからねえが、真澄が相手に刑務所なんて快適生活させとくか? 「光知ってる?」 真澄に聞かれて光は近づいてきた街中のほうを見ながら答えた。 「きもだめしにあそびにきてたよ。おばけ役やりたいみたいだったからわたしとかすみくんとなおとくんとときひこくんで退治したの」 一瞬パキッと自分の歩行が石みたいに固まった気がした。…光と香澄と直人…なんつー絶望的な危機対処班だ… 「情香も呼んだはずだぜ?来ればよかったのに」 「そのオバケとやらの出現を先に教えりゃ行ったさ…。なんつった、直人がなんだって?死人かいいとこで重傷者は出なかったのか?」 これは冗談で言ってんじゃねえぞって目で真澄を見る。真澄は光と顔見合わせてる。 「約一名重傷だったかな?」 「そうでもないよ、おばけだし。ぺしゃんこになったけどたぶんもうげんきにやってるよ」 顔見合わせたまま眩しいくらいにこにこ笑ってるそれは誰がどう大丈夫で誰がぺしゃんこになったんだよ。 …トキヒコ? 「さっき私の知らねえ名前も出たな。随分たくさん集めたのか?」 「ときひこくんか」 話してんのを聞きながら、単に「ヒコ」ってどこにでもある名前の類似で思い出す。
初めて会ったのは… パーティに、直人と香澄とはじめて行ったとき。 画家や関係者だらけのホールに、一人の男の子がいた。その場に子供が彼だけだったわけでもなかった。それでも記憶に残ってる。 偶然近くにきたとき、彼があまりにも強い力で自分の上腕あたりを引っ掻いてたから、服の上とはいえ怪我すると思って、おせっかいは承知で軽く一声かけようとした、 その一声をかけようとするモーションを私が少しも取ってない手前の瞬間に、彼は私のほうへ素早く顔を向けて、何も言わずそのままただ私をじっと見た。 睨まれたとまでいかない、でも独特の目つきをしてた。 あれだけ大きなぱっちり開いた目での上斜視、まるで睨み上げてるようにも見える、私じゃなくてもかなり印象深いだろう。 その子がまったく別日に、ハロウィンで真澄の家に集まってる中にもいた。 その子は直人とハロウィンの作業を終えてから、探すそぶりもなく私のところまで迷いなく歩み寄ってきて、頭を下げて言った。 ーーーー”覚えていらっしゃるか分かりませんが、パーティのときにお会いした者です。行屋虚彦と申します。あのときはご挨拶もせず不躾な目で見て、すみませんでした”ーーーー
「……」 イキヤ…ウツヒコ、か…。さすがにここは関係ねえかな。 「ときひこくんは…真澄のおともだち…?」 「残念ながら違う。僕に友達は居ない」 言い切ったこいつ。友達はいない、か。友達の定義にもよるだろうけどよ…。 「ときひこくんは真澄のことおともだちだっていってた…ときひこくんのかたおもいなの?」 道の脇の比較的綺麗な高いブロック塀の上に身軽に飛びのった光が、そこに腰掛けて両脚を交互に揺らしながらきょとんとした顔で訊く。 「おおう?あの人何言ってんだ」真澄が妙な曲がる球でも受けたみたいにウケてる。 「なら友達としておくよ。片想いされてんのは僕じゃねえしな」 「そうだった、かたおもい…ふてきせつなことばづかい…。ときひこくんはかすみくんがすきなんだった」 急に球がこっちに曲がって私にヒットした、どういうこったよ…。 「そこで香澄が絡んでくんのかよ。なんかまたやべーやつじゃねえだろうなそれ…」 あからさまに嫌な顔して腰に手を当てる。 「わわ、」 そのとき光が妙な声をあげて唐突に大きく体勢を崩して壁から落ちた。 「!」 私が受け止めようと動いたときにはもう真澄が落ちてきた光を抱きとめてた。 「やべーやつだな。けど僕や情香とどっこいだぜ」 たぶん。てとこまで付け加えて答えながら、光を地面に下ろす。 私は普段から、何事か起きるのを頭で考えて予期して動くのは体質的に合わないんで、それよりよほど俊敏に反応できて動ける条件反射でだいたい動いてる。危機対処にしても体の動かし方ならそっちが主軸だ。 真澄はまるで考える部分がごっそりないまま、ただ予期してたような動きを当たり前にする。それで合ってんのか知らねーけど、仮にそういう人間がいたとして…予期が思考じゃなく感覚的なものなら、ノータイムでの動きも可能か…。
さらに歩いて行きながら話を続ける。 のんびり歩いてるせいでちょっとそこまで買い物に行くだけなのにずいぶん時間かかってんな。
「私やお前と張り合うようなやばさならまだ助かる。最近香澄の友達っつー子と話す機会があってな、…あと半歩横にズレりゃ香澄のストーカーっつーか…様相…実態としてな。あれにはまいったよ」 「ほー。そりゃお疲れさん」 「……」 つい最近の、自称香澄の友達っつー子。 あの子と私個人での相性の悪さや考え方の違いはそりゃ在るだろう、てだけでどうってことじゃねえし、あれ���外にも捌き方はあった。扱いにまいったとかじゃない。 「…妙な話だけど、今の形の家族が持てて、これが私に許されるギリギリだったろうなと思うよ。後からだからこそ思える話かもしれねえけどさ」 … 特に優先すべき重要な話題があるでもなし、三人で散歩ついでに話しながら買い物してこうってだけだから、少しくらいは重めの話振ってもいいか。この二人相手でそのまま場が暗く沈み込んじまうってこともなさそうだしな。 …と、思って、珍しいな…とか、少し外れた位置から思う。
友達や知り合いがいないとか孤独に生きてるとかってわけでは全然ないが、これくらい気軽に喋れる相手ってのはいな��った。 うちの場合、特に夫や息子の話ってなるとそのままを話してみてなかなか二言で腑に落ちてくれる相手はいない。香澄が友達に詰め寄られてんのを前もって危惧してたのも、その辺があった。 そういう入り組んだプライベートがなんとなくでも共有できる相手ってのは珍しい。ありがたいとも思う。 話を続ける。 「私が初めて香澄に会ってあれこれ略歴聞いたとき、本人はなにも答えきれてねえこと自体にはおろおろするものの、自分にその答えられねえって事実がなにも響かねえことには動揺はなかったっつーか、ある意味ではあの状況でよく落ち着いてた。本人に落ち着くも何もなかったのかもしれねえが、今回は友達の言葉になんとか考えて自分で反論しようとしてた。私はそこを遮った」 私の高くて細いヒールの音が道のタイルに響く。 「香澄への負荷と、相手にもヒートダウンする時間とチャンスをやるべきだと咄嗟に思った。それにくわえて昔からの癖で、ここはバッサリ省いていい、無為な、思考をさくべきポイントからズレてると…長く真剣に向き合ったぶんだけ下手に消耗してすり減らす…と直感で思ったものを、迷いなくバッサリ切り捨てちまうんだ。 …でもその場から離れても、香澄は友達の言葉に向き合う姿勢を崩さなかった。これにもまだ別の意味での危うさはあるものの、自分がもし香澄にとってもっとひとつひとつの言葉がひどく重く絶対的に響くような存在…例えば実の親だとか、だったなら、とてもじゃねえけど今回みたいなフォローに見せかけた横暴はできねえし、怖気付いて何もできなかったかもな…てな。」 愚痴っぽい情けない述懐に、光は何も言わなかった。これで案外母親としての覚悟や方針は、光のほうがよっぽど度量深くすでに決まってるのかもしれない。 絢には時間がない。 つまり真澄にも光にも、親として家族としてグダグダ迷ったり悩んだりする時間は、もうそれほどない。 真澄も光も絢も、相手に自分のことをまるでわかったような気にさせるのが上手い。騙してやろうっつーことじゃなく自然体でやってるんだろうが、今の私みたいに接した相手は気分いいだろうな。 そのぶん深刻な虚像か勘違いを相手に抱かせたまま、それをことさら修正する必要もなく、生きていく。 誰しもそんなもの。それでも程度の差ってのはある。 こいつら三人は、私にはたまに幻影かなにかのように見える。 横で真澄が小さく嘆息した。 「そんなものは相性でしかないさ。香澄には情香が合う、それで親子なんだからいいじゃねえか」 「……」 幻影(仮)のわりにまっとうなこと喋るよな。おかげで少し頭が切り替わったよ。 「…てめえんちはお利口なウサギと素直なリスだがうちは違った意味で手に負えねえガキが二人もいんだぜ…?いろいろ悩むこともあらぁな…」 自分から話し出したついでに、ここらで恨めしげな目つきしてまぜっ返す。 「お利口…」 真澄が光を見て呟いた。 そういや絢とは最近対面で話してはねえな。なんか絢も変わってきたのか…? 「まだまだ可愛らしい範疇だよ。絢は真澄にベタ惚れだし。とてもかわいい」 光がえらくかわいいを連発してる。絢って初対面時のしっかりした爽やか美青年のイメージが私の中では強いんだが? 「…お前もな。まぁそいつはお互い様だろう。ひやひやさせられてしょうもねえアホだけど可愛いんだから仕方ない」 ……。 「…このリスもはじめはお前のストーカーだったんだっけか?」 親指でクイッと光を指して言ったら真澄が吹き出した。相当ツボに入ったのか肩震えてる、ガチで笑ってんじゃねえかこれ。 「ますみー!そのリアクションまちがっている!ここはわたしをフォローするところだぞ!」 真澄のまわりをぴょんぴょんすごい跳躍力で飛び跳ねて光が抗議する。長い三つ編みが一緒に大きく跳ねる。 それをなだめるように真澄が光の頭を撫でる。 …ちょうどいい、感じでもあるんだろうな。真澄と光と絢は、三人で家族で。
ここではたとさっきの話に頭が戻った。 「もしかして光くらいの世代か…?慧がいたの」 「あき。」 光が横で首をかしげる。三つ編みが一緒にかたむく。 「冷泉慧鶴。やたら目立つやつだから分からねえかな、見た目は完全に白人で、プラチナブロンドに薄い青い瞳の、品の良い雰囲気してるやつで…」 私や真澄とは世代がずれてる、でも光なら校内にいりゃギリ先輩だったはずだ。知り合いじゃなくてもあいつはどこ行っても注目される、…それで光が注目するかはあやしいけど。 「わたしほとんどほけんしつにいたから…ほけんしつの座敷わらしだったので。…ほんとにぜんぜんがっこう行けなかったから、しらないかもしれない…。じょうかちゃんのおともだち?」 一度舌出しといて、私に申し訳ないみたいに眉下げてくる。 「長い付き合いの友人だ。絢となら、ほんの数回だけど会ってお互い見知ってはいるんじゃねえかな。 約一年前、半身に大怪我を負ったまま病院から失踪して、それっきりになってんだ。足どりを調べてもあまりに綺麗に行方知れずで、どう賢く人目を避けてもここまで痕跡を残さねえのは難しい。失踪してこれまでの全部なげて生きるのも私個人と二度と関わらねえのも、それもいいと思うんだが…なんかやべえことに巻き込まれてねえといいんだけどな…」 最低限の情報を伝えて私的な感情も伝えておく。素直な本音だ。慧が今どうなってるやら…。 「もしどっかで見かけでもしたらできれば教えてくれ」 ケータイを取り出して慧の写真を二人に見せる。ネット上に死ぬほど盗撮画像とかがあんだけどな。 「……つるちゃんだ」 「…つ?」 思わず反覆しそうになった。 あいつがあだ名で呼ばれること自体が珍しい。そこまで他人を懐に入れねえし、せいぜい私や直人や香澄が「慧」って縮めて呼んでた程度だろう。 「わたしほけんしつにいたから。つるちゃんもときどき具合わるくなってほけんしつにきたよ。わたしの先輩でほけんしつなかま。……つるちゃんいなくなっちゃったの…」 光がほんの少ししょんぼりした様子になる。聞けばそんなに仲が良かったってことでもなく、一度も連絡もとってねえらしい。ならそのしょんぼりはどっから来てんだ。
とりあえず画像見せるために足を止めてたのを、また街中まで歩き出す。 まだ夕方にもなってない、太陽の位置は高い。 古本や書籍の店だらけの場所まで来た。 「光は本が好きなのか?」 「んー……??」 謎の返事。好きとか嫌いの枠から外れた特殊なものか? 本屋に入ろうとした瞬間、一歩手前で立ち止まった光がギュンと効果音がしそうなくらいの速さで首を横に振って、私の体に三つ編みが高速でバチンと当たった。 小さく謝った光は視線の奥にある通りをじっと見て、 と思ったら途端に駆け出した 「光!」 すぐに追いかける なんだ 異様に足が速い、本当にこんだけ私と身長差あるのか?追いつけるかどうか… 「つるちゃんみつけた!」 走りながら光が言った、 目視で確認する前に光が追いついた、 長いブロンドの、 走ってきた私たちを交互に見てぽかんとした…多分…慧。
「つるちゃんでしょ?みつかったよじょうかちゃん」 満足げに私の顔を見て笑う光は、慧の服の裾をガッチリ掴んで握りしめている。 慧の目線が光を見下げて、思い当たったように少しだけ目を丸くした。 「…きみは…、××校の…佐伯?」 気のせいか…?なんか慧の様子が… 他人から声をかけられて愛想笑いでも作り笑いでもなんでもニコリともしねえってのは…初めて見た。 「もう佐伯じゃなくて雪村だよ。けっこんしたから。あのね、この子がつるちゃん探してたの。わたしのおともだちのじょうかちゃん」 光の後ろに立つ私が名指されて、視線を光の顔の位置まで下げていた慧がちらりと一瞬あげて私を見た。目つきだけでお互い「詳しい話は後で。」って意思疎通が済んだ。 「…お前の友達?情香がか?」 慧の物言いが若干刺々しくねえか…? 「うん。なんでそこが気になるのかな」 ん?光もなんか張り合ってねえか…? 「情香は友人になる人間はちゃんと選ぶぜ」 「ほう、わたしではじょうかちゃんのおともだちには不足だと」 「誰もそこまで言ってねえ。なんで服掴んでんだ離せ」 「にげちゃうからだめだよ、つるちゃんよわむしだもん」 …。だんだん口調が砕けてきてる、どうもこっちが慧と光のお互いよく知った本来の雰囲気らしい。 やっぱただの保健室で顔合わせてた付き合いの薄い先輩後輩って仲じゃねえだろ。なんかあったのか…? 「そういう無遠慮に踏み込んでくるあたり変わってねえなお前。何十年ぶりって再会だってのに昔と寸分変わらずいけ好かねえなんて、自分が情けなくなってくる」 「かなしいこと言うやつめ。わたしはつるちゃんすきなのに」 「いけ好かねえんじゃなくて嫌いだってきちんと言い直すべきか?」 「大差ないからどっちでもだいじょうぶ。」 「何が大丈夫なんだ分かんねえやつだな」 「……。」 思わず聞き入ってしまった。
慧が姿だけでもだいぶ豹変してるとか、思いもよらず見つかったとか元気そうだとか、色々思うところはあるものの、 基本的に誰にでも笑顔で、嫌いな人間にも礼儀は通すし自分がどんな状態でも礼節は尽くす、あの慧が。 簡単に人を罵ったり嫌ったり下品な振る舞いは決してしない慧が。 光をおそらく…ディスっている、淡々と…。 慧は光にそれだけ言い捨てるようにしたあとでさっさとその場を去ろうとする。 私にはあとから電話もメールもできるからか?……光が離さねえから服の裾伸びかけてる…。 「慧?…大丈夫か?」 声をかけていいもんか迷ったが、慧の連絡先が変わってちゃここで逃すと連絡つかねえかもしれねえ。 慧は静かに振り返って光の手を掴んで服からひっぺがしながらこっちに向き直った。…手袋いらねえのか… 「悪い、光に気ィ取られた。一年ぶりだな、情。後味悪い上に面倒な消え方して悪かったよ。色々お前に世話もかけたんじゃねえか。また日を改めて連絡する。一年分と今日も含めて、そこで埋め合わせさせてくれ」 ほぼ以前と同じ笑顔を浮かべた慧が目の前に立って話している。これも作ってるわけじゃねえんだけど…相変わらず器用にモードチェンジするな。 「…埋め合わせより、質問はここで済む」 「ん?」 「いま元気か、何かやべーことに巻き込まれたりしてねえか、私の助けが必要なことはあるか?」 それさえ確認できりゃいい。友人としてまたつるむのは当然のことだ、慧がまだそう望むなら。 慧はしばらく考えたあとで答えた。 「元気にしてたし、元気だよ。お前の助けが欲しけりゃ遠慮なくまたいつでも頼らせてもらうさ」 これは信頼の示し方だ、慧なりの。 効率よくするための分担だとかで他人と協力して仕事に取り組んだり、そういうのはコミュニケーションスキルの高い慧の得意分野だけど、そういうのを好んでやってはねえし、一人で片付けられるならそれが一番気楽で、誰かに頼るのが上手いようでいて、本当の意味で信頼して誰かに助けを求めたり頼るのは下手だ。 慧は一拍おいてさらに続けた。 「巻き込まれてはねえよ。俺の意思だ」 そのままくるっと体の向きを変えて通りを曲がっていく。 横から光が手を振って言った。 「またあそぼうねー」 慧が遠くから「勘弁しろ…」とかなんとか、こっちを見もせずに半目でげんなりした様子で呟いてるのがかすかに聴こえた。 …あの髪の長さでも美術講師は務まらねえことねえはずだけど、慧の性格的に教職就いててその職種に必要な域を出るほどに派手だったり奇抜な外見は、本人のすわり心地が悪くてできねえはずだ。 ただでさえ必要以上に目立っちまうから慧はせめて髪だけでもっつって常に短く整えてた。 別の理由も絡んでるが。 …以前の張り詰めた空気感が…緩んだ、ようで、以前より緊張感は増してるようにも感じる。 巻き込まれてはねえ、か…。自分の意思とやらで結局今なにしてんのか、今度会ったときに吐いてもらうか。
完全に置いてきちまったと思ってた真澄がいつの間にか光のそばまで追いついて来てた。 その日は光が読む本をどっさり買って、三人それぞれで分けて本を抱えて持って帰った。 私は雪村家の近くの駐車場に停めてた自分の車で自分の家まで帰る。 光からメッセで唐突にお茶会の誘いがきたと思ったら…こうなるとはね… 考えたいことと、すぐにも始めたいことが色々浮かぶのを、運転しながら頭を落ち着けた。
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