#似顔絵教室
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月27日(水曜日)参
通巻第8070号
AIは喜怒哀楽を表現できない。人間の霊的な精神の営為を超えることはない
文学の名作は豊かな情感と創造性の霊感がつくりだしたのだ
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わずか五七五の十七文字で、すべてを印象的に表現できる芸術が俳句である。三十一文字に表すのが和歌である。文学の極地といってよい。
どんな新聞や雑誌にも俳句と和歌の欄があり、多くの読者を引きつけている。その魅力の源泉に、私たちはAI時代の創作のあり方を見いだせるのではないか。
「荒海や佐渡によこたう天の川」、「夏草や強者どもが夢の跡」、「無残やな甲の下の蟋蟀」、「旅に病で夢は枯野をかけ巡る」。。。。。
このような芭蕉の俳句を、AIは真似事は出来るだろうが、人の心を打つ名句をひねり出すとは考えにくい。和歌もそうだろう。
『春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天香具山』(持統天皇)
皇族から庶民に至るまで日本人は深い味わいが籠もる歌を詠んだ。歌の伝統はすでにスサノオの出雲八重垣にはじまり、ヤマトタケルの「まほろば」へとうたいつがれた。
しかし人工知能(AI)の開発を米国と凌ぎを削る中国で、ついにAI���書いたSF小説が文学賞を受賞した。衝撃に近いニュースである。
生成AIで対話を繰り返し、たったの3時間で作品が完成したと『武漢晩報』(12月26日)が報じた。この作品は『機憶(機械の記憶)の地』と題され、実験の失敗で家族の記憶を失った神経工学の専門家が、AIとともに仮想空間「メタバース」を旅して自らの記憶を取り戻そうとする短編。作者は清華大でAIを研究する沈陽教授である。生成AIと66回の対話を重ね、沈教授はこの作品を「江蘇省青年SF作品大賞」に応募した。AIが生成した作品であることを予め知らされていたのは選考委員6人のうち1人だけで、委員3人がこの作品を推薦し
「2等賞」受賞となったとか。
きっと近年中に芥川賞、直木賞、谷崎賞、川端賞のほかに文学界新人賞、群像賞など新人が応募できる文学賞は中止することになるのでは? 考えようによっては、それは恐るべき時代ではないのか。
文学の名作は最初の一行が作家の精神の凝縮として呻吟から産まれるのである。
紫式部『源氏物語』の有名な書き出しはこうである。
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり」
ライバルは清少納言だった。「春は曙、やうやう白く成り行く山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる」(清少納言『『枕草子』』
「かくありし時すぎて、世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経るひとありけり」(道綱母『蜻蛉日記』)
額田女王の和歌の代表作とされるのは、愛媛の港で白村江へ向かおうとする船団の情景を齊明天王の心情に託して詠んだ。
「熟田津に 船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕こぎ出いでな」(『万葉集』)。
「昔、男初冠して、平城の京春日の郷に、しるよしして、狩りにいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。」(『伊勢物語』)
▼中世の日本人はかくも情緒にみちていた
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫(うたかた)はかつ消えかつ��びて、久しくとどまりたるためしなし」(『方丈記』)
『平家物語』の書き出しは誰もが知っている。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、 偏(ひとへ)に風の前の塵におなじ」。
『太平記』の書き出しは「蒙(もう)竊(ひそ)かに古今の変化を探つて、安危の所由を察(み)るに、覆つて外(ほか)なきは天の徳なり」(『太平記』兵藤祐己校注、岩波文庫版)
「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」(『徒然草』)
古代から平安時代まで日本の文学は無常観を基盤としている。
江戸時代になると、文章が多彩に変わる。
井原西鶴の『好色一代男』の書き出しは「「本朝遊女のはじまり、江州の朝妻、播州の室津より事起こりて、いま国々になりぬ」
上田秋成の『雨月物語』の書き出しはこうだ。
「あふ坂の関守にゆるされてより、秋こし山の黄葉(もみぢ)見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる鳴海がた、不尽(ふじ)の高嶺の煙、浮島がはら、清見が関、大磯小いその浦々」。
近代文学は文体がかわって合理性を帯びてくる。
「木曽路はすべて山の中である」(島崎藤村『夜明け前』)
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜ぬかした事がある」(夏目漱石『坊っちゃん』)
「石炭をば早はや積み果てつ。中等室の卓つくゑのほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒らなり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌カルタ仲間もホテルに宿りて、舟に残れるは余一人ひとりのみなれば」(森鴎外『舞姫』)。
描写は絵画的になり実生活の情緒が溢れる。
「国境の長いトンネルをぬけると雪国だった」(川端康成『雪国』)
谷崎潤一郎『細雪』の書き出しは写実的になる。
「『こいさん、頼むわ』。鏡の中で、廊下からうしろへ這入はいって来た妙子を見ると、自分で襟えりを塗りかけていた刷毛はけを渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢姿の、抜き衣紋の顔を他人の顔のように見据みすえながら、『雪子ちゃん下で何してる』と、幸子はきいた」。
「或春の日暮れです。唐の都洛陽の西の門の下に、ばんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました」(芥川龍之介『杜子春』)
▼戦後文学はかなり変質を遂げたが。。。
戦後文学はそれぞれが独自の文体を発揮し始めた。
「朝、食堂でスウプをひとさじ吸って、お母様が『あ』と幽(かす)かな声をお挙げになった」(太宰治『斜陽』)
「その頃も旅をしていた。ある国を出て、別の国に入り、そこの首府の学生町の安い旅館で寝たり起きたりして私はその日その日をすごしていた」(開高健『夏の闇』)
「雪後庵は起伏の多い小石川の高台にあって、幸いに戦災を免れた」(三島由紀夫『宴のあと』)
和歌もかなりの変質を遂げた。
正統派の辞世は
「益荒男が 手挟む太刀の鞘鳴りに 幾とせ耐えて今日の初霜」(三島由紀夫)
「散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐」(同)
サラダ記念日などのような前衛は例外としても、たとえば寺山修司の和歌は
「マッチ擦る つかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの 祖国はありや。」
わずか三十一文字のなかで総てが凝縮されている。そこから想像が拡がっていく。
こうした絶望、空虚、無常を表す人間の微細な感情は、喜怒哀楽のない機械が想像出来るとはとうてい考えられないのである。
AIは人間の霊感、霊的な精神の営みをこえることはない。
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大学のクラスメイトと3人で帰ってる時に、先輩にコムドット好きそうって言われて本当に傷ついた話をしたら、1人は最悪だね〜という反応だったのですが!!!!もう1人にもう嫌悪とか拾って傷つきに行ったり人を冷やかしたりするの俺にはできなくなったわ〜と言われました!!!!!!
はぁああ〜💢ですまじで!!!!!!!
これを言われてすかさず、だから山とか川とかの自然風景写真撮れるんだねー私には一生コンクリしか撮れないわーと言いましたムカついたので
これ言ってきた人(以下嫌悪マン)はいつも透明感を大切にして自然を撮って、人の作品にも積極的に意見しててその辺は良いと思うけど、人の作品に対して、嫌悪マンの言い方をすれば、嫌悪を拾ってくるので!!なんなんですか??💢となりました
嫌悪マンは毎日supremeやらstussyやらを着てウルフで髭生やしてるのに、なんでそんな女子大生みたいな格好なのに写真学科なの?と聞かれたこともあります!!ヘラヘラして消去法だと答えました!!!!私は総合型選抜という1番すごい入試方式で2番目に合格してるので嫌悪マンよりずっと上です!!!!消去法に負けてるぞ!!!!!!
スッキリしました
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嫌いなものと言えば…↓これはtumblerを始める前にインスタのサブ垢に殴り書きしたやつなのですが、書いてるうちにどんどんイライラ(太鼓みたい!)してきて入力の手が止まりませんでした!!全部に理由を書いていこうと思います!一旦一覧です!激長の予感…!!!
嫌いなもの→恋とか愛とかがなんだと言うツイートばかりしてるのに何人も元カレ元カノがいる奴、デブなのに足開いて電車で座る奴(男女問わず)、デブなのに電車で端の席座る奴(男女問わず)、思いっきり待機禁止と書いてあるところで電車待ちする奴ら(老若男女)、並んでる間に十分準備できるのに会計や受付時に慌てる奴、コムドット好きそうって言ってくる奴、人気すぎて定番化したものをダサいと言うエセファッションマニア、TikTokのコメント欄、ネトフリやアマプラの勝手にOP・EDをスキップする機能、当たり屋、ピアスがゴールドシルバーバラバラな奴、ファンでもない有名人が亡くなった時にSNSで追悼する奴、犬系彼女、自称画伯、本名ベースの男みたいなあだ名でTwitterやってる女、ガルちゃんで例え話する奴、バズってるツイートの引リツで「これ嘘松ってわかっててみんな笑ってるん?」って書く奴、散歩、中肉中背のスキニーパンツ、ギャルが着るくすみカラー、理事長とアメフト問題をいまだにネタにする日大生、男尊女卑、ミスiDだけは自分の個性をわかってくれてると信じてる少し前のJロックしか効かない Twitter大好き女、小さい頃の写真をアイコンにして自分のコンプレックスをユーザーネームにしてる女、性犯罪者、感情の起伏を利用するだけでストーリーに面白みがないホラーや感動モノ、躁のときのあれだった笑、髪が長めでおとなしい男の人の髪をすぐ結びたがる女、男趣味が好きな女に対して無知呼ばわりしてくる男(カメラ時計車バイクスニーカー)、女が少しでも意見するとヒステリックと言ってくる男、整形否定派、ナンパやキャッチに返事する女、興味のない男に無視やブロックせずわざわざ返言する女
ー嫌いな理由ー
恋とか愛とかがなんだと言うツイートばかりしてるのに何人も元カレ元カノがいる奴
下手な奴が語るな黙ってろ
デブなのに足開いて電車で座る奴(男女問わず)
足開くだけでも最悪なのに太ってたら迷惑の域を越える
デブなのに電車で端の席座る奴(男女問わず)
端の席は痩せてて姿勢が良くないとその座席全体に影響を及ぼすため
思いっきり待機禁止と書いてあるところで電車待ちする奴ら(老若男女)
普通に日本人字読まなすぎじゃないですか??レジとか整列とか出入り口とか、字読めなくてもわかるように目印や絵までついててできないなら全員今の仕事クビで
並んでる間に十分準備できるのに会計や受付時に慌てる奴
普通に意味がわからない私ADHDだけど(全世界初公開、治療中)これなったことない 医者には衝動性がなく人目を気にしすぎるから出ない症状があると言われたのでその一部なのかも
コムドット好きそうって言ってくる奴
今日の話題のきっかけになったやつです そもそも、賛否分かれるものを好きそうと言ってくる神経がわからない 悪口なのだとしたらキモすぎる
人気すぎて定番化したものをダサいと言うエセファッションマニア
お前らが今キテる、アツいと言っているものもいつかオーソドックスになるし、ダサいと一蹴してるものも昔はおしゃれでしたよ
TikTokのコメント欄
例え話や漫才、映画や再現VTRの切り抜きを本当のことだと信じて批判するガキ、老害見てらんねーよ コメントを開かないモード作ってくれー
ネトフリやアマプラの勝手にOP・EDをスキップする機能
見るんだわ 次回予告もエンドロールも前回のあらすじも
当たり屋
犯罪者 早く取り締まれクソ国が
ピアスがゴールドシルバーバラバラな奴
なぜ????靴が左右で違うのと同じだと思う
ファンでもない有名人が亡くなった時にSNSで追悼する奴
これでミュートした友達たくさんいる 他人がSNS、ましてやストーリーに投稿したところで何にもらならない 心の中でやってくれ
犬系彼女
てかののちとその彼氏 普通に顔が見てらんないしカップルでSNSをやることから理解ができない その中でも犬系は別格 ブロックしてもミュートしても転載が回ってきてこちらの身を守れない
自称画伯
何も面白くない
本名ベースの男みたいなあだ名でTwitterやってる女
これでロクな女見たことない 〇〇のすけ、〇〇太郎など 女に全振りしてないことをアピールするのが名前という一番女らしい行為
ガルちゃんで例え話する奴
いらない 主の質問疑問テーマに対する意見や共感しか求めてない ここは掲示板であって会話する場所ではない
バズってるツイートの引リツで「これ嘘松ってわかっててみんな笑ってるん?」って書く奴
なぜ?????????
散歩
歩くのが苦手、景色を楽しめない、無音が嫌いで音楽を聴くと動いてしまうため変な目で見られる、買い食いをしてしまう、そもそも目的のない行為は苦手
中肉中背のスキニーパンツ
脂肪がない人が着る前提で作られていますので
ギャルが着るくすみカラー
汚い
理事長とアメフト問題をいまだにネタにする日大生
2年生?の時のグループディスカッションでこの話をされて今まででトップレベルの怒りが込み上げて、その後口を開くことはなかった ちなみに今もたくさんいる この前クラスメイトがプレゼンのスライドに日大理事たちのコラ画像を使っていて教室から走り去りたくてしょうがなかった
男尊女卑
フェミニストなので 九州出身の女の子が無意識に家事をしていたり男をがばったりしているのを見て、一番の被害はこういうところにあると気づいて衝撃だった
ミスiDだけは自分の個性をわかってくれてると信じてる少し前のJロックしか効かない Twitter大好き女
明確にモデルがいますが ミスiDは個性も見てくれるだけであって基本はミスコンなのを忘れないでください それ以外はパタエモです
小さい頃の写真をアイコンにして自分のコンプレックスをユーザーネームにしてる女
これでロクな女みたことない だいたい遊んでるか、それを真似したいちっさい女 こういう奴はまず汚い声で笑って、その後悪気もなくヘラヘラしながら目を見て人に悪口を言う コムドットが好き
性犯罪者
男が想像する以上にいる 私も数えきれないほど痴漢やストーカーにあっていて、小さい頃は誘拐されかけたり路上で写真を撮られたりした 一番衝撃的だったのは自慰をした汚いオヤジに電車内で追いかけられてかけられそうになったこと
感情の起伏を利用するだけでストーリーに面白みがないホラーや感動モノ
最近まであまり映画を観てなかったのはこれ 明確にこの作品で映画から遠ざかったとかはないけど、嫌なものに当たりたくないから安全策で映画を観てなかった 最近観るチャレンジしてるのでおすすめあったら教えてくださいホラーとSF以外でお願いします
躁のときのあれだった笑
絶対躁鬱じゃないやつがSNSで言う
髪が長めでおとなしい男の人の髪をすぐ結びたがる女
言語化できないキモさで溢れています 自分に反抗しない人が好きだと言う点、自��ができて相手ができないことを強制的にやろうとする点、それが髪を結ぶとかいう女ならだいたいができることだと言う点、相手が男だという点 あと普通にそれを受け入れるキモい男 など
男趣味が好きな女に対して無知呼ばわりしてくる男(カメラ時計車バイクスニーカー)
実際、写真を撮るし時計の展示会に行ったりするのでよく遭遇する カメラ屋に行くとだいたいナメられるし、何もわからない前提で話してくるし、ただの客にお嬢ちゃんこんなの使えるの?と絡まれたこともある この前新宿で夜景撮影してたら、自称写真家にずっとロバートキャパの話をされて、無視してたのに15分くらい話し続けてて本当に恐怖を感じた 写真は��手く撮れた
女が少しでも意見するとヒステリックと言ってくる男
これずっと思ってます物心ついた頃には思ってましたほんとに ジャンダーに関する本をたまに読むのですが、脳の性差は世の中のイメージとはかなり異なることが最近の研究でわかってきてるそうですねー小さい頃に遊ぶもので変わってきたりもするらしい 人間って面白いねー
整形否定派
何がダメなのかわからない こんなこと言ったら私が不利になるだけだけど、整形がダメなら筋トレも勉強もダメだろ
ナンパやキャッチに返事する女
無視一択 下に続く
興味のない男に無視やブロックせずわざわざ返言する女
無視一択 上のやつもそうなんだけどさ、何にでもかまってあげちゃうの本当に良くないと思う ナンパとかキャッチは人と思わなくていいけど、好意を持たれたり都合よく遊ばれてたりするなら無視しかないでしょ 時間の無駄
大暴れ
クリスマスイブにこんなことしてすみません私は6年間毎朝礼拝をしたキリスト教中高出身だと言うのに
昨日ももクロのライブ行けて楽しかったーー!
今日はM-1だし明日は松枝とクリスマスパーティーするよー!みんなも来る???ピザとかケーキとかあるよん
では良いクリスマスをーーー!!!!!
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2023/8/30〜
8月30日 出張の日は少し遅く家を出られるので、世の中のみんなの通勤通学を見られる。 もう夏休みは終わっているのか、小学生が登校中で絵の具やら体操着やらを持っていた。
ただただ辛くて悲しくて泣きながらメッセージを送ってしまった友人からお返事が来ていて、わたしは彼女に救われてばかりで、彼女がかつて辛かった時のこと全然知らなくってすこし落ち込みながら元気つけてもらった。優しい社会に近づけばいいな、と思った。
まさかの私が先導を切って進めなくてはいけない現場で、なんかずっと泣きそうになりながら、お相手の先生方(20人くらいいた)と打ち合わせをした。 今思っても、え、わたしがこのまま全部仕切るんでしょうか…みたいな感じでやり切ってしまって、正直気持ちは全然追いついてない状態だったので、すっかり空元気(それほど元気でもないけど)で気持ちが分裂していた。
ふわふわしたままその後も打ち合わせをして、職場に戻ろうかと思ったけれど、池袋で1人下車して帰らせてもらった。
今月でお別れの好きな方々へ、オランダ屋でナインチェサブレとちょっとしたメッセージカードをお送りしよう!とKITTEの郵便局の物販でキツネのメッセージカードを購入。 そのまま郵便局のカウンターで習い事の先生と保健師さんにメッセージを書いた。
駅までの途中にSHIROの前を通り、そういえばマスカラほしいな〜と眺めていたら、新発売のクリームタイプのアイカラーをおすすめしてもらう。 その店員さん、前回も接客してくださった研修生バッジをつけた方で、とても良い感じだったのでよく覚えている。 ブルーのマスカラとアイカラーを買った。 これを買ったから頑張ろう!ではなくて、今まですり減った分を復活できるアイテムになるといいな。
ミッフィーサブレを買いにいくと「今日初めてPayPay払いをしたので…」とカウンターの店員さん2人があたふたしていた。システムで支払いが完了できているかを確認したり、私の支払い履歴を確認したりして、完了できたときは何だかこちらもほっとしてしまった。
その足で習い事先に行ってみる。 いつもと違う時間だし、今日はレッスンの予定はないし、突然顔を出して変じゃないか、明日にしようか、と扉の前で引き返して、でも!と伺ってみる。 入ると「もしかして…」と先生方が気づいてくださって、無事、お礼とナインチェサブレをお渡しすることができた! 少し泣きそうになってしまった。 先生は今日で最後だった���しく、引き返さなくてよかった。
家に帰るとポストに、お願いしていた似顔絵の作品が届いていた。 その作家さんのイラストはインターネットでいつも見ていたけれど、実物の線や色やラメの乗せられ方に更に愛おしい気持ちになる。包装もとてもこだわっていた。あと作品を作る作家の他にモデルとして活動されている方で、私はしばらくお二人が同一人物だと知らずにインターネットをしていて、そういうスタンスがとてもいいな〜と勝手に羨ましく思ってます。
今月いっぱいで、のお別れと、2回目の満月が近づく月の様子で、8月が終わることを確認している日々。 自分の悲しみで全てを満たせればそれはそれで楽なのかもしれないけれど、今はまだ他にも気にしていたいことがあるのはありがたいことなのかもしれない。
応募作品のキャプション400文字以内、が、どう頑張っても500文字になってしまう。
8月31日 今日はブルームーン。2回目の満月。 教えてくれた友人から、お得ですね〜、とメッセージが来ていた。
通勤中に、昨日久しぶりに出張先で会った同期が着ていたポロシャツが気になっていたので、検索してみる。胸元にアイスクリームの刺繍…絶対何かだよね!と、調べると、なんと!吉澤嘉代子さんのグッズのポロシャツだった… 同期だけれど、プライベートな話は全くしない間柄だったので全然趣味とか見当もしたことなかった。 うーん、少し話してみたくなってしまう。 月曜日には、月曜日戦争を聴いたりしているんだろうか。それとも全く何も知らずに着ているのかな。
今日の任務は、とにかく、今日で退職される保健師さんへナインチェサブレとお手紙を渡すこと。 その方がいる建物へ朝よってみたけれど「まだ誰も来てないよ!」と清掃員さんに教えてもらう。 お昼休みに訪ねようと思った日に限って、お昼休みまで20分近く打ち合わせが入り込む。 打ち合わせの会議室から逃げるように飛び出して、保健師さんのもとへ伺うと「食事に出ています」とのこと。最終日のお昼は送迎ランチよね、と、他の方へ預けて任務完了。とにかく、多分お渡しできたはず。 午後の打ち合わせに出ている間に電話を下さっていて、でもメールを入れます、とメモが貼ってあった。電話越しに泣いてしまうと思ってかけ直せなかった。 もう一生会えないんだろうな。
それで今日はずっと忙しくて、色々追いつけなくて少し泣いてしまった。でも一期下の方と夏休み明け久しぶりにお話しできた。ガウディの展示はとっても混んでいたらしい。
昨年度までの上司から「◯◯さん(私の名前)の上司はみんな育休をとっちゃうね」と、ご自身のことも含めてお話かけてくれた。
今年入った職員さんは学生時代は神戸の大学に通っていたらしく、とっても話を聞きたくなる。武庫川女子大が近くだったとか。 私の受験戦争関西バージョンを勝手に思い描くことがあって、その中では奈良女子大を本命にしたけれど落ちてしまい武庫川女子大へ入学して建築を学んでいる。
明日できれば花火をしたい。
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日頃の自分たちの頑張りを労って家族旅行を企画した。因みに豊田道倫がパラダイス・ガラージ(PARADISE GARAGE)名義で1995年にTIME BOMBから発表した不朽の名作『ROCK'N'ROLL 1500』には「家族旅行」という美しい曲が収録されている。
(名曲「家族旅行」は29:48あたりから聴ける)
youtube
タラウマラの定休日にあたる第3木曜日に出発するので、自ずと息子たちは小学校をズル休み。担任の先生も「楽しんでおいでや」と快く我が子の背中を押してくれた。向かった先は播州赤穂、6月に鳥羽に旅行した際、ホテルの大浴場で言葉を交わした同じ年頃の子を持つお父さんが「赤穂も良かったですよ」と教えてくれて、それを聞いた息子たちは以降ずっと「行きたい行きたい」と言っていた。ほなみんなで旅行貯金するぞってことで、この数ヶ月それぞれに頑張ってきた。親は親、子は子で楽しみや目的はあるものの、こうして親子で共有できる目標があることは幸せだと思う。和太鼓やスケボーや日々のお絵描きもそう、将来それが何かに結実することを望んでいる訳ではなくて、ただひたすらに「いま」が大事なんです。大切な「いま」を共有するために、子どもに学校を休ませる親もいる。もっと大きく言えば「世の中にはいろんな人間がいる」ということを息子たちにも伝えていきたいだけ。休むからにはやらないといけないことも多々ある訳で、安���な正攻法なんてものはどこにも転がっていない。だだっ広い敷地面積を有する赤穂海浜公園にはノスタルジーを刺激する遊具やアトラクションがいくつもあって、息子たちは大喜び。恐らくは未就学児を対象としているであろうそれらの遊具にしおんもともねも夢中だ。ふたりともめちゃくちゃに良い笑顔。パンクだなんだと偉そうなこと言うてたくせに結局はお前も綺麗事かよ、と一笑に付されるかもしれないが、この笑顔のためなら何だってできるような気がする。ふたり乗りの珍奇自転車を楽しそうに漕いでいる我が子の姿を見て、親バカながら少し泣く。どこにでもいる年の近い兄弟、そんな息子たちだって毎日、何かし��ストラグルしていることを少なからず知っているから。
物心ついたときから��長男しおんは次男ともねのことをとても大切にしていて、保育園の友人たちにも自分はさておき、弟のことを褒めたり自慢したりする感じだった。「ともね、凄いやろ!」が口癖で、自分の友人にも弟のことをいつも得意気に紹介していた。やがてふたりとも小学生になり、ともねは次男特有の器量の良さで周囲を魅了し、しおんにとっては明確な比較対象となった。何をやっても「弟に劣る兄」とまわりからイジられ、やがてしおんの同級生がともねだけを遊びに誘い出すようになる。それでもしばらくは「ともね、行っておいでーや」と送り出すしおんだったが、3年生になった頃、遂に感情を爆発させた。「俺はともねが嫌いや。俺の真似ばっかりすんな」そう叫んで学校で暴れてしまうことになる。その日を境にしおんは教室で授業を受けずに、会議室でリモート授業を受けていた。それでも学校に行きたくないとは決して言わない。自宅でも兄弟喧嘩を繰り返しつつ、なんだかんだで仲良く遊んでいた。そんなふたりが、近所のゲームセンターでクレーンゲームをしていた日のこと。次々に目当てのものをゲットしていくともねに反して、しおんは失敗を重ねてとうとうゲームセンターの閉店時間まで何ひとつとして商品を掬い上げることができなかった。しおんは家族のそばから離れて柱の影で、ひとり悔し涙を流していた。それを見兼ねたスタッフのお姉さんが「お兄ちゃん、諦めたらあかんよ。最後にもう一回チャレンジしてみて」と言って、閉店作業の手を止めて、なんとクレーンゲームのぬいぐるみをほんの少しだけ取りやすい位置に移動させてくれたのだ。その場にいる全員が固唾を飲むなか、しおんは無事にぬいぐるみをゲット。みんな声を上げて喜んだ。お姉さんも目に涙を浮かべて喜んでくれた。しおんは消え入りそうな小さな声で、ありがとうございますと言い、お姉さんに頭を下げていた。帰りの道中、ともねは「やっぱりともの方が何でも上手いよな!奇跡やんな」とハッスルしていた。兄弟には親にもわからない兄弟なりの想いがあるのだと強く感じた僕は、2023年の春に『ほんまのきもち』という小説を書いた。あれは息子たちの気持ちを代弁したものではなく「見るもの」と「語るもの」の狭間に横たわる絶え間ない葛藤を、自分なりに掬い上げたものに過ぎない。だから物語の核心となる「俺」が学童の担任教師に抱えられてはじめて感情を吐露する場面では、その気持ちを言語化することを意識的に避けた。そのような作品に『ほんまのきもち』というタイトルを付けるなんて些か捻くれすぎかとも思ったが、それ自体がそもそも僕の「ほんまのきもち」なのだからどうしようもない。
(https://wdsounds.jp/ca40/4300/p0-r-s/で購入可)
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ウラシマビル 404
名古屋、栄「MtK Satellite」 にて開催中のグループ展「ウラシマビル 404」。9/3(日)までです、是非ご覧ください。
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古い雑居ビル、あるいは現れては消える「アート」の話
水本剛廣
就職活動とは実際に何をすることなのかも知らぬまま、四人が学生生活に別れを告げたのは、バブル 崩壊が騒がれた1990年代初頭。昼も夜もない寮生活にすっかり染まりきっていた四人は「皆で古い 雑居ビルをアトリエ兼住居として借りて、また共同生活を!」と夢想していた。無論、そんな計画は 実現するはずもなく、四人も他の学生同様、右も左もわからぬまま社会へ放り出されることとなる。
あれから三十年あまり。ある者は画家、またある者はミュージシャンとして活動、ある者は職を転々 とし、またある者は教職に就いた。ある者は移住し、ある者は家庭を持ち、またある者は旅に出た。 四人はときに接近し、ときに距離をとり、相互に影響を及ぼしながら異なる人生を歩んできた。芸術 に対する姿勢も異なる四人が、それぞれの道程で見つけたものをいま再び持ち寄り、展覧会を行う。
ほぼ平成年間と重なり合うこの三十数年の間に、日本社会は多くの面で停滞の様相を呈した。日本の 美術界でも、僅かな例外を除いて構造的変革は起こらず仕舞いだった。にもかかわらず、世間では 「アート」という言葉だけが氾濫。工芸品も、似顔絵も、手芸も書道も奇抜なファッションも、あら ゆる鑑賞物が「アート」と呼ばれるようになった。今では「アート作品」と名乗りさえすれば、その 芸術性が厳しく議論されることはない、という摩訶不思議な状況に至りつつあるように見える。
共同生活の夢は実現しなかったが、四人は今でも架空の雑居ビルを想い描く。都会の片隅、商店街が 商店街でなくなるあたり、電線の蜘蛛の巣にからまれるようにその小さなビルは建つ。地階は閑古鳥 の鳴くラーメン屋、二階から上の各階に芸術家が一人ずつ住みつく。室内でも靴を履いたまま生活 し、壁は好みの色に塗られ、夏は屋上でビール、楽器の爆音演奏にも苦情なし。実際にはそんな物件 が都市の容赦なき「スクラップ・アンド・ビルド」を生き抜くことは難しい。夢の跡地に建てられる のは、疑似レンガに覆われた効率一辺倒のマンションや虚飾的で短命な商業施設たち。「ルネサン ス」「メゾン・ド・ソレイユ」「ヴィラ・アーバンライフ」「ペアシティ・アネックス」・・・それ らは思想を欠いた片仮名アートの濫用と同様に、中身のないネーミングで人々を思考停止へと誘う。
四人と共に学生生活を送った徳富満は、藝大の寮では珍しく自室の窓にブラインドを設えていた。卒 業の直前、彼は転居先として愛用のブラインドの似合う雑居ビルの一室を探し求め、不動産業者を訪 ね歩いたという。理想のビルと理想の部屋を熱く語る彼に向かって、ある不動産屋の主人はぞんざい に言い放った。「あんた、テレビの見過ぎだよ!」
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7/3 1:15
最近はまたゼルダばかりやっていて昨日やっとのことガノンを倒しエンディングを迎えた。新作の動画が頻繁にTLに流れてきてやんわりと把握しつつあり、嫌だけど、悔しくて6年前とかに配信されていた追加パッケージを買った。こうやって半端に網羅率を上げたがって、追うものも追わずにばかりいる気がする。追加の試練はいきなり難しくて、何にも考えないで殴りかかりにいくゲームスタイルも無精だなあと思う(脳死で という言葉まだ使いそうになるけど、本当に嫌だよなあ、と思って使わないようにしようと思った 先月)
仕事、自分が何をできているのかがわからなくて怖い。言語を学ぶって本当に言語をやっている感じがする、テンプレートをとりあえずはめていって、応答にだけ慣れて、読めるけど書けない不安でうっすらと笑顔、うっすらと吐きそう。留学してた一月の気持ちを少し思い出す。でもあれは英語ができないというより高校を思い出す教室のかたちへの恐怖だった。
昨日はものすごく本を読む、嵐のようなほとんど初対面の女の子がなぜか3時間近く来るかもしれない私たちのことを待っていてくれたみたいで、2度目に会って、意味のわからない勢いでわたしの親になるかもしれなかった(?)ひと?の話で盛り上がって、意味がわからなかった。本当に可愛い赤い服を買ってショートパンツと白いソックスで揃えて、折田と一緒に花枝の働いているお店で飲んだ。可愛い格好ができてずっと嬉しく良い日だったけど、一瞬なぜかすごく具合が悪くなってけろっと吐いた。思っているより酔っ払っていたみたい。最近はすごく呆然としたまま慌てて人と会いまくっていて、映画をたくさん観たり、新居に行ったり来てもらったり、シャボン玉を飛ばしたり、慌ただしくしていてうれしい。反面けっこう焦っている。
今日はもうたぶん会わないと思った友だちと会って、そんなに変わらず、意外と大学を卒業して就職していた。案の定というべきか近い業界の、少し検討したもののやめた会社に彼女は就職していて、近いものもあれどものを選ぶ根本が違うなあと改めて思う。在宅がいい、やりたいことは定まっていて、うまくやっているらしい。ひとの執念するところとか融通の効かなさを特に魅力だと思うのは、自傷的というとやりすぎだけど被スポイル的なのは自覚していて、私の飽きっぽさとか染まりたがりなところにプライドを移行できることはあるんだろうか。私は逃げたいだけ。字には出来るけど心底は思えない、というのを、「頭ではわかるんだけど」って言い��ばかりしてしまって、分かってるって言うんだろうけど笑、といわれることがある。そうです。でも分からないというよりそちら側を書ける、読める私のほうが、努力はしてませんか?、とかいうと線引きしてるって事実自体が絶望的みたいに言う人もいる(わたしのヒステリー)。でも本当にわたしは分かったフリで逃げたいし、人の気持ちの心底のところを分かりたくないのかもなあ、と最近思って結構へこむ。
ひとつジャンルを選んでその会話に終始することは楽しいけどそれ以外のすべを無くすな、とネットの友だちと会うと思っていたことを、やっぱり今は逆サイドで思う。共通に選びとった目的以外のことをうまく話せないこと、これは言語とは違うけど似た感覚で、高校のときはめちゃくちゃ恐怖していた。特筆すべきこともないまま続くものと、思っちゃってる時点で良くないのかなあ。昔の人たちと会っている?、という会話の一つも糸口がないから何だか私だけ?を浮かべてへ〜と聞いてる、たくさん人がいたみたいだなあと他人事みたいに思う。たくさんの人と話せる形にはなりたい。話せない人とこそ話せる人になりたい。輪郭がわかりたいよー。
スパイダーバースはすごく面白くてやっぱり3秒間に今できるアニメーション画法を10個詰め込むね、みたいなハイカロリーさでもの凄かった。体のラインが本当に綺麗で、カットインがそんなのやっていいのかいいよね、の繰り返しで絵が描きたくなった。マルチバースのそれ自体を扱ってくれちゃうの嬉しいけど、ますますやることがなくなっちゃうじゃん、と思った。だれ? マーベルにハマりたいなあ。
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かのこの似顔絵もお願いいたしますのだ! #府中市美術館 #江戸絵画お絵かき教室 #黒柴かのこ #かのこ #しばいぬ #しばすたぐらむ #柴犬のいる生活 #柴犬大好き #柴犬ライフ #柴犬 #黒柴 #shibainu — view on Instagram https://ift.tt/h9bRcw6
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世間は昨日から今日から明日からお休みみたいです。 こちらはその間にやらねばいけない事が沢山ありやす。 普段でも週末にイベントあるから 結構皆様と逆のケースが多いのでありやす。 皆様お休みイコールわたくし仕事。 毎年ですが、お正月休み明けから 飾る縁起物の絵を求めて頂きますんで、 年内ギリギリまでお絵描きしてま��。 特に来年春までに、新しい絵の仕事があるんで気張らないと。 #京都 #kyoto #ギャラリー #学童 #art #着物 #呉服 #イベント #地蔵 #絵 #癒し #絵描きのやす #放課後等デイサービス #芸能人 #パフォーマー #感動 #開運 #宝石 #似顔絵 #縁起物 #笑い #旅 #YouTube #野球 #芸能 #教室 #japan #阪神タイガース #万博 #新年 https://www.instagram.com/p/Cmv2PsgLzIr/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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26/12/22
日記、人に見せるものという意識があるために、あまり重たくならない様に調整してしまうが、それでは嘘になってしまう。わたしの人生における出会いも気づきも抑うつもまた、全て等しくこの身に起こっていることであり、どれも誇張されたり退けられたりするべきではない。しかし、やはりこれは他者が読むものであるため、生々しい言葉を使うべきでもない。色んなべきではないを抑えて折り合いが付くように言葉を選んでいくのは、自���に正直であり続けるためだな。
スペイン旅行の3日目にバルセロナで高熱を出し、5日間は調子が戻らずほぼ寝たきりだった。バルセロナではピカソ美術館とカタルーニャ美術館へ行ったきりで、海辺のホテルで療養していたにすぎない。熱を出した翌々日に宿の関係でマドリードへ移動せねばならず、熱で二倍になった重力の元、特急の始発駅へ向かっていた。運が悪いことに地下鉄で貧血を起こし、降りた駅のベンチで横になっていたら、心優しく声を掛けてくれたスペイン人が水を買ってバナナを分け与えてくれ、本当に助かった。マドリードの宿へ到着してからも、一日に二度、外食のために身体を起こすのが精一杯で、ただずっと具合が悪かった。せっかくのスペインだったのだが、ベッドでM-1決勝戦ネタを観たりしていた。イギリスに帰って、餅、つこうぜ。
どうしてもうどんが食べたくなる。Googleマップでうどんと検索し、ちゃんと日本人が作っていそうなおうどんの写真が出てきたので、今夜はここへ行こうと星マークをつけようとしたら、店名が「donzoko」だった。どん底スペイン旅行。お店へ行くと、おそらく同年代の日本人の男の子が接客をしてくれ、スペインでワーホリをしているとのことだった。スペインワーホリは4年前くらいにできたらしい。英語圏の次は別の言語の国へ行ってもいいね。海外にはトリリンガルの人とか結構いるし、フランス語なんか喋れたら素敵だな。肝心のおうどんは、おつゆが甘じょっぱすぎた。かなりまともな日本料理屋だったけど、味はなんだか惜しい。お出汁にこだわる家で育ったから、もしわたしが日本料理屋で働いたらお出汁にめちゃくちゃ口出ししちゃうかもしれない。オーダーではなく出汁をとらせろ。ちなみにどん底の由来を彼は知らないとのことだった。
具合が悪いとしか言いようがない。これがコロナなんだとしたら、全く脈絡のない刺激で悲しくなってしまうのも症状のひとつなのかもしれない。着ているフリースの毛流れがあまりにふわふわと立体的で、悲しくてたまらない。ひとしきり悲しんで眠りに落ちると、フリースを着て眠っていたはずなのに脱いでいて、足元のベッド枠に掛けられている。睡眠時遊行症もコロナの一症状なのかもしれない。
マドリード3日目。ずいぶん長く歩けるようになるまで回復する。病み上がりにはいつも辛いものが食べたくなるが、今回も例に漏れず、口コミのよい韓国料理屋を探して向かう。店内はいっぱいだからテイ��アウトなら、とのことでスンドゥブチゲを注文。女将さんがスペイン語と韓国語と英語をない混ぜにして喋るので全然わからなかった。英語圏ではない国へ旅行する場合、必ずしも英語が通じるとは限らず、メニューが現地言語表記のみだったりすると本当に詰んでしまう。ヨーロッパ言語は英語に似ているみたいな話をしたけど、音が似ているわけではなく、全くスペイン語がわからない英語学習者にとってのスペイン語はもちろんどうぶつ語である。20分後にできるからとのことで、外へ出てベンチに腰掛けスンドゥブを待つ。マドリードは至るところにベンチがあってよい。バルセロナは暖かくて春の匂いがする午後さえあったが、マドリードは少し肩が縮こまる。それでも、ふくらはぎが出るワンピースを中に着て20分間ベンチに腰掛けることはできるような温度感だ。店へ戻ってスンドゥブを受け取る時、女将さんがにっこりしながらポンポンと肩を叩いてくれたが、韓国語を喋っていたのでどういう意味だったのかわからない。ゆっくり食べられそうなベンチを探しながらしばらく歩いていると、○○町第一児童公園 みたいな名前が付いていそうな、寂れつつ小綺麗な公園があったので、そこでスンドゥブを広げることにする。付け合わせで、火を通した茄子を塩辛い餡のようなもので絡めたおかず、じゃがいもとにんじんを千切りにして塩で味づけした炒めもの、がびっくりするほど美味しかった。塩気の効き具合と火の通し加減が絶妙で、こういうのを家庭料理のおいしさというのかな。スンドゥブは辛さが足りずもどかしかったので、辛さを求めて、夜にまた別の韓国料理屋へ行く。両側をスペイン風のアパートで挟まれた、狭くて歪んだ石造りの坂道を少し登ったところにある、地下に店を構える韓国料理屋で、地上から階段で半分下がったところに入り口があり、お辞儀をするような格好でドアを押す。ここではビールを解禁してサムギョプサルをしたのだが、にんにくが付いていなくてふざけているのかと思ってしまった。シメにいただいたユッケジャンは微妙な見た目して味は一品だった。熱くて舌が焼けそうなほど辛い。そういえばどちらの韓国料理屋でも、日本人だと告げると(韓国人ではないため)ちょっと残念そうな顔をされつつもなんだかんだ良くしてくれて、アジア人というアイデンティティが芽生えつつある。満足して帰路につき、ゆっくりシャワーを浴びて早く寝ようと思っていたのだが、なぜか宿のバー巡りイベントに参加することになり、お酒を解禁してグラスビールを許した段階なのにショットを5杯飲む夜になってしまった。塩とライムで飲むテキーラっておいしいんだね。同じ宿に泊まっている人たちと英語で喋るよい機会だったけど、ナイトクラブの雰���気がめちゃくちゃ苦手だったのでそそくさと抜け出して帰った。
丸一日自由に使える日を二日間残して体調が戻る。マドリード4日目。普段の調子も戻ってきて、スペインでようやく息ができた朝だった。宿の近くに、スペシャリティコーヒーと看板を掲げるカフェが連なるスペシャリティコーヒー通りがあり、どれもわたしが知っているそれとは雰囲気がかなり違ったので、広義のスペシャリティコーヒー、と思った。スペシャリティコーヒー通りのカフェのひとつがBrunchをやっていて惹かれたのでふらりと入る。(おそらくスペシャリティ)コーヒー、足のついたグラスに注がれた生のオレンジジュース、アボカドと生ハム(たっぷり!)とトマトソースのバケットトースト、クロワッサン、グラノーラと果物のヨーグルトで完璧なブランチ。ヨーロッパでは基本的にどんな食事にもナイフとフォークが添えられているが、バケットトーストをナイフで切ってフォークで口に運ぶのも優雅でよかった。オーダーを取ってくれた店員が、日本好きだよ、In the Mood for Loveが好きなんだ、と話すのに対し、背中合わせの客が、それは韓国映画だね、と割り込む。どうやらウォンカーウァイの花様年華のことを話しているらしかった。お会計の時、あなたは主人公によく似ているから観てみてと、伝票の裏にIn the Mood for Loveと書き込んでくれ、なんだか映画のワンシーンみたいだった。カフェを出てプラド美術館へ向かう。スペインといえばプラド美術館と思っていて、それはそれは様々な西洋画が見られるのだろうと期待していたのだが、展示内容にはかなり偏りがあった。Wikipediaによると、プラド美術館は歴代スペイン王家のコレクションが大半で、歴代王の趣味やスペイン史を反映しているためにルネサンス、バロック絵画に偏っているとのことだった。確かに、モネとかゴッホとかは全くなく、宗教画ばかりだった。じっくり館内を見て回っていると、ぐっと引き込まれてしまう絵がいくつかあった。なぜだろう。おっきくて本物だから?光って見える絵とかもあった。宗教画はものすごく精巧な絵画で、一言でいうと、絵がめちゃくちゃうまい。そしてどの絵にもドラマ、ストーリーがあって、人が血を流して死んでたり泣いてたり呆然としてたりなど、どうしたんだろうとシリアスになって絵に近づいていってしまう。Antonio Munoz Degrain の The Lovers of Teruel と、Juan Luna の Cleopatraが特に美しかった。ところで翌日も酔い続けているタイプの二日酔いで訪れる美術館てなんて心地いいんだろう。身体に一定の負荷がかかっているために、余計な言葉や思いだしたくない悩みが引っ込み、視覚から絵を楽しめる。あとこの日はコンタクトレンズをしていて、眼鏡とは見え方が異なる気がした。コンタクトレンズの方が、より鮮明に立体的に見える、ために絵が飛び込んでくる。一通り見終えて、ソフィア王妃芸術センターへ本物のゲルニカを見に行くため、マックで腹ごしらえをする。小腹が空いていて時間も微妙な時にちゃくっと行くマックは楽しくて美味しくて好き。閉館まで時間がなくて、駆け足で回っても全ての展示室へは行けず、近代的なおもしろい展示もやっていたから勿体なかった。この夜も韓国料理を食べる。
マドリード5日目。マドリードはよい街。まずスーパーがいい。並んでいる野菜や果物はぱつっと新鮮だし、鮮魚コーナーはでっかい魚が氷に埋まっていて、精肉コーナーには生ハムの原木がぶらさがっている。何より床が綺麗で店が明るい。(ロンドンのスーパーはなんか散らかってる。)ティッセン=ボルネミッサ美術館へ行く。ここはプラド美術館とは異なり、かなり満遍なくコレクションされていて、おすすめルートで回ると西洋美術史の流れに沿って作品を鑑賞できるようになっていてかなりよかった。Edward HopperのHotel Roomを長い間眺めていた。とても好きだったので、絵がプリントされたクリーニングクロスをお土産に購入した。さすがに二日酔いは治っていたと思うけど、心地よさは継続していて、夏を想起させる様な色彩鮮やかな厚塗りの抽象画を見ていると、幸福な気持ちでいっぱいになった。美術館行って幸福な気持ちになって出てくるって体験として最高だなあ。
美術館へ行ってばかりの旅だったけど、美術館でわたしは何をしているんだろうとふと。多分、作品を見てるだけじゃないんだよな。建築設計の妙でもたらされる幸福感とか、絵を眺める人を眺める時、すれ違う人の放った言葉が耳に入ってくる瞬間、あんま面白くない作品が続くゾーン、はっとして吸い寄せられてしまう絵、の合間合間でメモアプリに書き留められる断片的な自己理解や新しい思いつき、の全て。チケットの列に並んでから夕暮れ時に出口をくぐるまでに起こる全ての体験。そういう娯楽。
旅をしていると、こうすればこうなるだろう、からこうする、みたいに、今の不安を未来の自分に解消させるべく、筋道立てて人生設計して未来を計算しながら生きるのをどんどんやめていくことが今を幸せに生きる方法のような気がしてくる。そのような設計はどうしても垂直な要素を含むが、わたしは人生をどこまでも広い平面として生きていきたい。設計が必要になったとしても、資本主義的垂直ではなく平面的な心持ちで努力をする。垂直に生きないと何かがダメになるというのは資本主義社会の幻想であって、平面的に生きても、何かが減ったりツケが増えたりするわけではおそらくない。やりたいこと、知りたいこと、行きたいところを正しく把握するために、自分の心の機微に敏感��なっておくこと。今嬉しいのかつまんないのかをわかるようにしておくこと。その上でやる力、やり通す体力と精神力を備えておくこと。この辺りが大切なんだろうなと思う。
クリスマス当日は快晴。ロンドンへ戻る。滞在中に何度か行った宿の近くのカフェへ朝ご飯を食べに行った。おおきな(本当におおきな)チョコレートケーキを食べながら、これクリスマスケーキだ、と思う。大型犬を連れた客が入店してきて、ヨーロッパの犬寛容社会、と思う。フライトの時間が迫っていたので、バタバタとチェックアウトして駅へ向かうと、広場で露店マーケットが開かれていた。15分だけ、と急足で露天を見て回り、変な蟹のピアスを3€で購入した。うれしい買い物。ピアスだけはいくつ所持してもよいことになっている。空港で手荷物、予約時の規定では8キロ制限だったのに、チェックイン時に計って9キロで、超過してるか聞いたら問題ないとのことで首を傾げていたら、搭乗時に10キロまでと書かれた表示を見つけ、何がどうなってんねん。手荷物検査すぐ終わって余裕だと思っていたら出国審査に並んだ。出国審査はある空港とない空港があるけど、どうなってんねん。昼下がりのエアヨーロッパ。搭乗した機内には柔らかく日が差し込み、滑走路の離陸ポイントへ移動する間、角度を変えて入り込んでくる日が窓際、手元、手荷物棚とあちこちにひだまりを作る。空調が機能していないのかよく暖まり、うとうと眠りに落ちてしまう機内は、まるで水泳の後の授業か、あるいは放課後のようだった。到着先のガドウィック空港のストライキを心配していたが問題なく入国でき、ロンドン市内まで帰ってきたが、鉄道とバスのストライキは全く予想しておらず、家に帰る手段がタクシー以外に何一つなかった。距離を調べたら徒歩3時間だったので余裕じゃん!と心が軽くなり、旅行前は氷点下だったがこの夜は10度近くあったため、歩いて帰ることを決めた。
一人旅、向いていないかもしれないけど、好きでいたい。旅行中に、そういえば母親にスペイン旅行のこと連絡していなかったなと思ってラインしたら、ひとり旅!? あなたは勇気あるねえと返事がきた。誰かがいないとできないとか、ひとりだと寂しいとかいう次元とは別のところにいたくて、旅に限らず、お酒を飲みに行ったり映画を観に行ったり、なんでも一人でやっているのかもしれない。そして一人旅では、すぐには言葉にならない水面下で何かが、大きな攪拌が起こっているような気がする。旅行前半は、ちゃんと仕事も決まっていない無職なのに貯金を切り崩して10日間もスペイン旅行だなんて、という思考に囚われていたけど、ロンドンに帰ってきたら、そういう悩みが削ぎ落ちていて、空いた分をどうでもよさ、寛大��が占めていた。まだ無職でいいや、というニュアンスのどうでもよさではなくて、もっと前向きな力の抜け方。旅行をすればするほど、人生に対して前向きにおおらかになっていくのかもしれない。
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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【小説】非・登校 (上)
目覚まし時計が鳴る前に起きることができた朝の、清々し��ったらない。
階段を降りて行くと、ママが僕を見てにっこりと微笑んだ。
「あら、今日は早いのね。朝ご飯、すぐに用意するわね」
自分でできるから大丈夫だよ、と返事をしたが、ママは忙しそうに白いエプロンを揺らして奥のキッチンへと消えてしまう。僕の頭上では、三階の天井から吊り下げられたシャンデリアが、東向きの窓から射し込む日光にきらきらと輝いている。完璧な一日が始まる予感がした。そんな朝だった。
ダイニングではパパがコーヒーを飲みながら朝刊を読んでいた。
「おはよう。今日は早いんだな」
そう言うパパも、いつものようにパジャマ姿ではない。背広を着て、もうネクタイまで締めている。
「パパも早いね」
「うん。今日は、大事な商談があるんだ」
ショウダンというのがなんなのか、僕にはよくわからないけれど、それがある日はパパが気合いを入れていることはわかる。パパの気合いというのはその前髪の形に表れているのだと、いつだったか、ママがこっそり教えてくれた。今日のパパは前髪をオールバックにしていたから、これは気合いマックスってことだ。初めてママに出会った日も、パパはこの髪型をしていたと聞いた。
「そう言うケイタは? 今日は何か大事な予定があるのか?」
「まぁね」
僕はそう言いながらコーンフレークの袋を手に取ろうとしたが、そこにママが颯爽と現れて、「ほらほらケイちゃん、用意できたわよ」と言いながら、トーストと、ハムエッグの皿をテーブルに並べた。
「自分で用意できるって言ったのに」と、僕は肩をすくめてコーンフレークを棚に戻し、それから「もう、ケイちゃんって呼ぶの、やめてよ」と言うべきか、一瞬悩んだ。しかし、そうしている間にも、ママは「オレンジジュース持って来るわね」と、再びキッチンへと消えてしまった。
トーストにバターを塗り、ハムエッグを頬張っている間にオレンジジュースが運ばれてきて、最後に残り物のポテトサラダがちょこんと皿に盛られて置かれた。それらを順番に咀嚼して、「ごちそうさまでした」と手を合わせた僕は、歯を磨くために洗面所へと向かう。
歯ブラシに赤と青と白の三色歯磨き粉を捻り出していると、階段を降りて来る緩慢な足音が聞こえた。
「リスコ、起きたのか? おはよう」
階段に向かってそう声をかけると、僕の妹はまだ眠たそうな声で返事をする。
「ケイタにいちゃん、おはよー」
リスコは寝起きがあまり良くないが、この時間に一階へ降りて来たということは、今日はまぁまぁ、上出来な方だった。僕は歯ブラシを小刻みに動かしながら、廊下の柱時計を見やる。今日は僕も、良いペースだ。口をゆすぎ���洗面所を出る。
ランドセルは昨日のうちに、玄関先に用意してあった。お気に入りのマッドシューターのスニーカーもばっちりだ。ランドセルを背負い、靴を履いて爪先をとんとんしていると、ママが出て来て僕を見送ってくれた。
「気を付けて行ってらっしゃい」
僕がもっと小さかった頃は、出掛ける前にいつもハグしてキスしてくれたママだけど、さすがに最近はするのをやめてくれるようになった。僕はそれが、自分がたくましくなったような気がして、少し誇らしい。
行ってきます、と手を振って家を出た。
今日はいつもより時間が早いから、まだハカセもボーロも通学路に出て来ていない。いつもならそのふたりと一緒に登校しているが、今日は僕ひとりで学校へ向かうつもりだ。ふたりを早い時間に付き合わせるのは申し訳ないような気がしていたし、そしてそれ以上に、他の誰にも知られたくない、僕だけの秘密でもあったからだ。
どんなに仲の良い友達にだって、秘密にしておきたいことがあるのは、別におかしなことではないはずだ。
今はすっかり葉桜となった桜並木を黙々と歩く。ひとりで歩く通学路は退屈なはずだったが、今の僕はこの後に待つ出来事が楽しみで仕方なかった。ハカセやボーロと昨日観たテレビの話をしたり、僕たちが異様なほどに熱中しているテレビゲーム、スターストレイザーの進捗を確認したりすることができなくても、胸の奥がわくわくして、羽でも生えたかのように足取りは軽い。
小学校の校門をくぐると、登校してきた児童の姿はまだまばらだった。僕は早足で広い校庭を横切り、昇降口で靴を脱いだ。上履きに履き替えながら、もう完璧に位置を把握している、ナルミヤの下駄箱を横目で確認するのも忘れない。
僕の予想通り、ナルミヤの黒いエナメルのスニーカー、ブラックキュートの最新モデル(らしい。妹のリスコがそう言っていた)は、すでに下駄箱に納まっていた。やはり、もう登校しているのだ。五年二組の靴箱をざっと見渡してみたが、他に登校してきたクラスメイトはまだいないようだった。僕は心の中でガッツポーズをする。
三階の教室まで向かう。急いで来たようには感じさせず、眠たそうにも見せず、クールに、自然に。シャツの襟が折れていないか、袖口が汚れていないか確認しながら、階段を一段一段、登って行く。
三階の廊下にずらりと並ぶ教室は、灯かりが点いているクラスが半分くらいだった。まだ登校してきた児童が少ないのだ。僕が目指す五年二組の教室は、廊下から電気が点いているのが見えた。閉まっているドアを引く。大きな音を立てないように、かと言って、あまりにもそろそろと開けるのでは不自然だ。
「あれ? おはよう、ケイタくん」
僕の予想通り、ナルミヤはすでに教室にいて、水を交換してきたばかりらしい、ロッカーの後ろに花瓶を置いているところだった。
「おはよう。日直の時、ナルミヤはいつも早いね」
「そう言うケイタくんこそ、どうしたの。もしかして、日直の当番の日、間違えちゃったの?」
「あはは、そうじゃないよ。一時間目の国語、今日は漢字のテストでしょ? でも、うっかり漢字ドリルを持って帰るの忘れちゃってさ」
自分の机にランドセルを置きながら僕がそう言うと、ナルミヤは目を丸くして、それから小さく、ふふっと笑った。
「ケイタくん、いつも置き勉してるんだ、いけない子だね」
そう言う彼女の口調には、僕を蔑むでもなく咎めるでもなく、不思議とどこか楽しそうな、嬉しそうな、そんな響きがあった。僕にはきょうだいが妹しかいないが、もしも姉がいたらこんな感じだったのかもしれない、なんて思う。同級生のナルミヤを姉のように思うのは、少しおかしいのかもしれないが。
しかしナルミヤは、このクラスで一番、大人びている。透き通るような白い肌も、まっすぐに伸びた毛先の揃った長い髪も、誰かの冗談に口元を緩めるようにして笑う様も、その時の見守るような優しい眼差しも、とても僕らと同じ年に生まれたのだとは思えない。
彼女の細い指先は、教室のオルガンを優美に奏で、花の絵に繊細な色を塗り、習字の時間には力強くも整った字を書き、授業の板書を美しくノートに写していく。僕はナルミヤと同じクラスになって、すぐに彼女の魅力に気が付いた。そしてこのことは、僕だけの秘密にしておこうと決めた。
僕は自分の席で漢字ドリルを取り出し、漢字を覚えようとしている振りをしつつ、ナルミヤのことを眺めた。彼女は僕に背を向けて、黒板に新しいチョークを並べていた。今日もいつものように、水色の水玉模様のパッチンヘアピンが、彼女の左耳の上、艶やかな黒い髪に留まっている。
日直になると、朝と帰りに当番の仕事をこなさなくてはいけない。朝は教室の花瓶の水を取り替えたり、植木鉢に水をやったり、生き物を飼っているクラスでは餌をあげたりする。それから、黒板に新しいチョークを並べて、黒板消しを綺麗にする。どれも時間のかかる仕事ではないから、普通に登校してきてからでも十分に間に合う。でもナルミヤは、日直の当番が回って来た日、いつもより早く登校して来て、その仕事をする。
そのことに気付いたのは、ナルミヤが前回、日直の当番になった時だった。学校に宿題を忘れて帰ってしまった僕は、翌日に早く登校して、そうして偶然にも、その事実を知った。だから今回は、僕も早く登校して、彼女が日直の仕事をこなすところを、こうして眺めることにしたのだ。
教室にいるのは、僕とナルミヤ、ただふたりだけ。
少しすれば、クラスメイトたちが登校してきて、教室はいつも通りのにぎやかな空間になる。ふたりだけでいられるのも、ほんの短い時間だ。何か今のうちに言っておくべき言葉を、僕は探そうとしたけれど、でもこの静けさを大切にしたいような気もする。
僕はパパの今日の前髪を思い出しながら、僕も気合いを入れた前髪にすべきだっただろうか、と思った。猛烈なアタックをしてママと結婚したパパは、ナルミヤとふたりきりでいるこの状況で何も話しかけない僕を見たら、「そんなんじゃ駄目だぞ」と怒るだろうか。でもママなら、僕の気持ちをわかってくれるかもしれない。おしゃべりが必要な訳じゃない。ただそこに居てくれるなら、それを見つめることが許されるなら、それだけで僕は満足した気持ちになる。それは、やるべきことがすべて終わって、家族におやすみを言って布団の中に潜り込む時のような、そんな気持ちに似ていると思う。
黒板消しを手に取ったナルミヤがこちらを振り向きそうな気がしたので、僕は目線を彼女から外して、手元の漢字ドリルへと向けた。
「ねぇケイタくん、こないだ聞いちゃったんだけど」
ナルミヤは黒板消しクリーナーのスイッチを入れながら、そう話しかけてきた。ナルミヤから話しかけてくるとは思っていなかった僕はびっくりして、思わず彼女の顔を見る。彼女は黒板消しにこびり付いているチョークの粉をクリーナーに吸い込ませている最中だった。ぶいいいいいいんという間抜けな音が、教室に響いている。
「ヒトシくんとキョウイチロウくんと、スタストの話、してたよね」
僕はその言葉に、再度びっくりさせられた。まさかナルミヤの口から、ヒトシやキョウイチロウやスタストの名前が出て来るとは、まったく思っていなかった。ヒトシというのはボーロの本名で、キョウイチロウはハカセの本名だ。スタストは僕たちがハマっているテレビゲーム、スターストレイザーの略称。
「う、うん。そうだけど……」
僕たちは教室でも廊下でも、スターストレイザーの話をよくしているから、どこかで会話を聞かれたのかもしれない。彼女が僕たちの話している内容を覚えていた��いうことが、なぜか少し嬉しかった。
「ケイタくんもやってるの? スタスト」
「やってるけど……」
「ケイタくんは、強い?」
ナルミヤが黒板消しクリーナーを止めた。教室は再び静かになる。
ナルミヤが僕を見ていた。彼女の大きな瞳。ふたつのそれが僕を見ていた。その目に、もっと見つめてほしいと思う気持ちと、お願いだからこれ以上見つめないでほしいと思う気持ち、その両方が湧き上がった。
「ねぇ、ケイタくんは強いの?」
「えっと……弱くはないと思うけど、僕よりもキョウイチロウの方が強いよ。キョウイチロウが考えてきた攻略方法を、僕たち三人で検証してるんだ」
「トチコロガラドンが倒せないの」
トチコロガラドンは、スターストレイザーに出て来る敵モンスターの名前だ。その名前を知っているということは、「倒せない」ってことは、まさか。
「もしかして、ナルミヤもスタストやってるの?」
僕の問いかけに、彼女は小さく頷いた。意外だった。ナルミヤがテレビゲームをしているところを、僕はまるで想像できていなかった。彼女がクラスメイトとテレビゲームの話をしているところを、少なくとも僕は聞いたことがない。
「……私がゲームするなんて、変かな?」
僕は慌てて首を横に振った。
「変じゃないよ。ただ、少しびっくりしたものだから」
スターストレイザーは、いかにも女子が好きそうな、洋服を集めて着せ替えするゲームでも、畑で作物を育てて収穫するゲームでも、家を建てて家具を並べるゲームでもなく、宇宙から飛来する巨大で不可思議な敵を殺していくゲームだ。このクラスでスタストを遊んでいるという話を聞いたことがある女子はいないし、男子だって、全員がプレイしている訳じゃない。いや、女子だとヒナカワがプレイしているらしいけれど、あいつは筋金入りのオタクだから、特殊なケースだろう。
僕とボーロだって、ハカセから、「このゲーム面白いよ、皆でやろうよ」と言われるまで、そんなゲームが発売になったことすら知らなかった。テレビでコマーシャルが流れることもなかったし、電器屋さんにソフトを買いに行った時も、ゲームコーナーの新発売の棚の隅っこに、���つんと置いてあっただけだ。そんなマニアックなゲームを、ナルミヤが遊んでいただなんて。
スターストレイザーは、発売から半年以上経った今も、攻略本という物が発売されていない。十二人の操作キャラクターと十二種類の使用武器をプレイするたびに自由に選択することができ、どれを選択するかによって戦略が変わってくる。ひとりでもプレイすることができるが、インターネットを介したマルチプレイにすれば、戦略の幅が大きく広がり、同じ敵でも倒し方は数十通りあり、どのように倒したかによってストーリーが細かく分岐していく。だから僕とハカセとボーロは、いつも「どの敵をどう倒したらストーリーがどうなったのか」を報告し合って検証し、ゲームクリアに向けて最適解の近道を模索している。
「トチコロガラドンが、いつも第八都市を壊滅させちゃって、そこでゲームオーバーになっちゃうんだよ」
「第八都市は、壊滅させるしかないんだ」
「え……?」
僕の答えに、ナルミヤは大きな瞳を真ん丸にした。
「あれって、都市を壊滅させるのが正解なの?」
「そう。僕と、ハカセ……キョウイチロウとヒトシと、三人で何度も調べたけれど、どう隊列を組んで戦略を練っても、最終的に第八都市は壊滅する。だから、トチコロガラドンを倒すための本拠地を第八都市ではなくて隣の第七都市に置いて、そこから出撃するしかない。第八都市は、見捨てるしかないんだ」
これは僕たち三人だけで辿り着いた結論ではなく、ハカセの家のパソコンでインターネットの掲示板を見た時も、同じ結論が導き出されていた。世界じゅうの、顔も知らないプレイヤーたちもまた、同じように見つけ出した答えなのだ。「絶対に何か他の戦略があるはずだ」と検証しているプレイヤーは今もいるが、第八都市を陥落させずにトチコロガラドンを倒したという声は、確認した限り、まだない。
「そうだったんだ……。私、てっきり都市を守り抜くのがあのゲームのルールなのかと思ってた……。そうなんだ、見捨てるしかないんだね」
驚きつつも、小さく頷きながらナルミヤはそう言って、それから微笑んだ。
「全然知らなかった、すごいね、ケイタくん。教えてもらって良かった。今日家に帰ったら、早速やってみるね」
そう言うナルミヤの笑顔があまりにも嬉しそうで、僕もなんだかとても嬉しくなって、そして同じくらい、胸が苦しい感じがした。でもその苦しさが、本当はちっとも嫌じゃなくて、むしろ心地良くて、僕はそんな風に、嬉しくなるような苦しさを感じたことが初めてで、一体どうしたら良いのか、ナルミヤになんて言えば良いのか、わからなくなった。
そこで教室のドアががらりと開いて、クラスメイトたちが数人、教室にぞろぞろと入って来た。登校してきたクラスメイトと「おはよー」の挨拶を交わしたところで、ナルミヤはくるりと僕に背を向けて、綺麗になった黒板消しを置き、新しいチョークをてきぱきと並べてから、廊下に出て行った。日直の仕事を終えて、廊下の水道に手を洗いに行ったのだろう。
その後も続々とクラスメイトたちが登校して来て、教室の中はいつも通りのにぎやかさになった。ハンカチで手を拭きながら帰って来たナルミヤは、僕の席の方に来ることはなく、自分の席に戻ってしまった。僕は彼女との会話が終わってしまったことを名残惜しく思った。
でも今日の短い会話で、ナルミヤと共通の話題ができたことは大きな収穫だった。今度一緒にスタストをやろうよ、と声をかけてみようか。僕がナルミヤの家を訪ねるのと、彼女にうちへ来てもらうの、どっちの方が良いんだろう。
本当は、トチコロガラドンの攻略方法だって、あんなあっさり教えるのではなく、「今度、僕が一緒に倒してあげる」とでも言えば良かったのかもしれない。僕のパパだったら、きっとそうしただろう。僕たちが何度も挑戦して掴み取った倒し方を、簡単に教えてしまうのではなくて、ナルミヤと一緒に検証しても良かったはずだ。僕はそのことを少し、今になって後悔した。
「あ、ケイタ! やっぱり、先に学校に来てたんだな!」
そう言いながら教室に飛び込んで来たのはボーロで、その後ろから、
「ひどいよケイタくん、ひとりで先に行っちゃうなんて!」
と、文句を言ってきたのはハカセだった。
「ごめんごめん、漢字ドリル、学校に置いてきちゃってさ」
僕はそう謝ってみたけれど、ボーロの目は吊り上がっているし、ハカセの顔は泣き出しそうだった。親友ふたりの僕への非難は、先生が教室に入って来て、「さぁ皆、自分の席に着いて」と言うまで続いた。僕はふたりの話を聞いているふりをしながら、途中何度か、ナルミヤを見つめていたのだけれど、彼女は僕には気付いていないようで、一度もこちらを見ることはなかった。
「朝の会を始めましょう。今日の日直はナルミヤさんね、お願いします」
先生にそう促され、ナルミヤの凛とした声が、朝の教室に響き渡る。
「起立」
椅子をがたがたと鳴らしてクラスメイトたちは起立する。僕も立ち上がりながら、「今度、一緒にゲームをしよう」と、放課後にナルミヤを誘ってみよう、と決めた。
ナルミヤとふたりで秘密の攻略方法を発見することができたら、どんなに幸せだろうか。もしかしたら誰も発見することができなかった、第八都市を壊滅させないでトチコロガラドンを倒す方法が、ナルミヤとだったら見つかるかもしれない。彼女を見ているとそんな風に、僕はなんでもできるような気分になってしまうのだ。
と、いうのはすべて、僕の妄想だ。
現実の僕は、廊下の床に片頬をつけたまま、中途半端に閉められたカーテンの隙間から射し込んで来る、冷たい光を見ていた。光を見てそれを冷たいと感じるのは、光がカーテンの青色を透過して部屋じゅうが青っぽく見えるからなのかもしれないし、もしくは僕が布団どころかカーペットさえ敷かれていない、冷え切った廊下に横になっているからかもしれない。
眩しさに目を細めながら、寝ぼけたままの僕はその光が朝陽だと理解して、室内の壁にかかっている時計へと目を向けた。時計の示す時刻と部屋の中の明るさは、午前中だとしたらあまりにも暗く、午後だとしたらあまりにも明るく、それを妙に思うよりも早く、秒針が動いていないことに気が付いた。昨日の夜に止まったままになっているのであろう時計から目線を逸らし、「電池を交換しなきゃ」と思ったものの、電池がどこにあるのかわからない。そこで、この家に時計は壁のそれひとつだけだと思い出す。運良く新品の電池を見つけたところで、時計がそれしかないのだから、正しい時刻に合わせることもできない。
今は何時なんだろう。
せめて母親の携帯電話があれば、時刻を知ることができる。部屋の中をもう一度見渡してみたが、母親の姿もなければ、部屋の隅のローテーブルの上にいつも置かれている携帯電話も見当たらない。母親も携帯電話も、外出したまま、戻って来ていないようだ。
母親が不在であることに安堵と落胆が入り混じったような気持ちになりながら、僕は床から起き上がり、まずはトイレへ、それから洗面所へ向かった。トイレにも洗面所にも、その隣の脱衣所にも、浴室にも、家族は誰もいなかった。用を足して手を洗ってから顔を洗う。
洗面所の鏡には、皮脂にまみれた髪が額にべったりと貼り付いている僕の顔が映って、顔を洗うついでに蛇口の下にまで頭を突き出し、髪を濡らしてごしごし擦ってみたけれど、物事が好転したようにはまったく思えなかった。どこかにあるらしい傷に、水がしみて痛かった。
何日も着替えていない服からは饐えたような臭いがしていたし、手も足も少し擦るだけですぐに垢が剥がれ落ちた。もう何日間、風呂に入っていないんだろう。この部屋のガスが止められてからどれくらい経ったのか、思い出せない。今はこうしてトイレも使えるし顔も洗えているけれど、水道が止められる日も近いのかもしれない。
いつ洗濯したのかもわからない、黄ばんだタオルで濡れた髪を拭きながら洗面所を出た。さっきまで横になっていた廊下を踏みしめて部屋に入り、ローテーブルの下に転がっていた煙草の箱とライターを拾って、ベランダへ続く窓を開ける。
窓の鍵は開いたままになっていた。素足のままベランダに出て窓を閉めてから、箱から煙草を一本引き抜いて、口に咥えて火を点ける。息を大きく吸って鼻から煙を細く吐きながら、外が思っていたよりもずっと明るいことに気が付いて、もしかしたら、もうとっくに学校へ向かわなくてはいけない時刻になっているのかもしれない、と思った。
室外機の上に置かれた灰皿に灰を落としていると、アパートの下の通りをふたりの小学生男子がおしゃべりしながら歩いて来るのが見えたので、僕は咄嗟に、ベランダに置かれた目隠しパネルの陰に隠れるようにしゃがみ込んだ。そうすることで彼らから僕の姿は見えなくなり、僕からも彼らの姿が見えなくなったのだけれど、わざわざ顔を確認しなくても、僕はそのふたりが誰なのかを知っていた。同じクラスのハカセとボーロだ。
ハカセというのもボーロというのも、本名ではなく、あだ名だ。ハカセと呼ばれている、分厚いレンズの眼鏡を掛けた背が小さい男の子は、確かキョウイチロウというのが本名で、もうひとりの、ボーロと呼ばれている体格の良い坊主頭の男の子は、ヒトシというのが本名だ。ヒトシというよりフトシという感じだけれど、そう呼ぶと泣くまで殴られるので、誰も間違ってもそうは呼ばない。クラスメイトのほぼ全員が、ふたりのことをハカセ、ボーロを呼ぶので、僕はそのふたりの名字を思い出すことはもうできなかった。
ふたりは近所に住んでいるのか、仲が良いのか、登校の時間になるといつも決まって、おしゃべりしながらこのアパートの前の通りを南から北へと歩いて行く。朝から元気が良いことに、ふたりの会話はベランダにいる僕にまでよく聞こえてくる。
話の内容は、昨日観たテレビのことか、スタストとかいうゲームのことがほとんどで、ときどき、マッドシューターの最新モデルがかっこいいだなんて、スニーカーの話をしていたりする。今日はなんの話をしているのだろうと思いながら、目隠しパネルの陰で煙草を吸っていると、僕がそこにいることなんて知りもしない彼らが、いつも通りおしゃべりをしながら歩いて行く。
「なぁ、聞いたか? 昨日皆がしてた噂話」
「ナルミヤさんの話でしょ? あんなの信じられないよ。何か証拠があるのかなぁ」
「でもほら、火のないところにナントカって言葉もあるだろ。何にもないのに、ナルミヤがエンジョコーサイしてるなんて噂、出回る訳ない」
「あれって、ヒナカワが言い出した話だよね。ヒナカワってほら、ナルミヤさんと仲良くないじゃない。なんでヒナカワが、仲良くもないクラスメイトの秘密を知ってるのか、不思議に思わない?」
「なんだ? ハカセはナルミヤの噂が嘘だって疑ってるのか? 信じたくないって? なんだハカセ、お前、もしかしてナルミヤが好きなのか?」
「ち、違うよ! ただ僕は、ヒナカワがナルミヤさんを嫌いだから、あんな噂を広めたんじゃないかって思ってるだけで……」
「なんでヒナカワがナルミヤを嫌ってるってわかるんだよ?」
「だってほら……ナルミヤさんは美人だけど、ヒナカワはブスじゃん……」
僕は短くなった煙草を灰皿に押し付けて、火を消してから立ち上がる。部屋に戻る頃には、ハカセとボーロの会話は聞き取れないくらい、ふたりはもう遠くへ行ってしまっていた。
一本抜き取ったことが判明しないことを願いながら、煙草とライターを元通りローテーブルの下に置き、それが不自然に見えないよう、あたかもずっとそこに転がっていたことを装うようにその角度を微調整してから、台所の方へと目を向けた。
電気を点けないといつも薄暗い台所は、窓の近くからでは中の様子がよく見えない。僕は意を決して、台所へと近付いた。食べられる物がほとんどなくなってしまって久しい台所は冷え切っていて、とても静かだ。冷蔵庫のコンセントはとっくの昔に引き抜かれているし、蛇口も長いこと捻られていない。
時計の秒針さえも止まってしまった今、家の中は恐ろしいほどに静かだった。ただじっとしているだけでは、この空気に取り込まれて、僕まで透明になってしまいそうな、そんな錯覚に陥りそうになる。僕は台所の入り口に立って、その薄暗がりの中を覗き込んでみた。
台所の床の上にはどす黒い色をした水溜まりが広がっていて、その中心には、僕の父親が倒れている。
たいした深さもないはずの水溜まりの真ん中で、溺れてもがいているかのように、こちらへ右手を伸ばしたまま、どこか遠くをじっと見つめたまま動かない父親は、もうかれこれ二日はこのままの状態で、脈を確かめるまでもなく、完全に絶命していた。心臓を刺し抜いているのであろう包丁の切っ先が、父親の背中から突き出していて、その汚れた銀色だけが、暗闇の中で妙にはっきりと見える。それはひどく恐ろしい光景だった。
怖いからなるべく見ないようにと過ごしてきたけれど、一度目を向けてしまうと、まるで縛り付けられたかのように身体が固まり、目線すら動かせなくなってしまう。ずっと見つめ続けたところで何も変化など起きないのに、僕は間違い探しでもしているかのように、目の前の光景を食い入るように見つめている。
ふと、父親の身体の下に広がっている水溜まりの中に、何かが転がっているのを見つけた。今まで何度か台所を覗き込んでいたけれど、それに気が付いたのは初めてだった。
あれはなんだろう。恐る恐る、水溜まりへと近付いた。その時、突然父親の右手が動いて僕の足首を掴んでくるところを想像してしまい、思わず悲鳴を上げそうになった。けれどそれは僕のただの妄想で、実物の父親はやはりぴくりとも動かない。明らかにこちらを見ている様子のない両目が、それでも僕を見つめている気がして、何度も父の顔を見てしまう。家にいる時はいつも父の機嫌を窺って過ごしていたけれど、死んでからも顔色を窺わなくちゃいけないことが急に馬鹿馬鹿しく思えてきた。それでも、一度想像してしまった恐怖から逃れることはできない。僕は怯えながら水溜まりに落ちている小さなそれを拾い上げる。
ねちょ、という感触がして、指に赤と黒の中間色のような色が付着する。「それ」も僕の指を汚したのと同じ液体がべったりとこびり付いていて、摘まみ上げた「それ」がなんなのか、最初はわからなかった。「それ」は小さくて、金属でできていて、何かを挟むような形状をしていた。
しばらく見つめているうちに、僕の目は「それ」にまだ汚れが付いていない部分があることを発見し、そしてそこに描かれているのが水色の水玉模様だと認識した時、僕はナルミヤのことを思い出した。
透き通るような白い肌、まっすぐ伸びた長い髪、大きな黒い瞳。ナルミヤは僕のクラスの一番美人な女の子で、いや、きっと、学校で一番の美人だ。けれど誰も、彼女が笑ったところを見たことがない。というのが、もっぱらの噂だった。
ナルミヤは笑わない。そして、人前で口を開くことはほとんどなく、開いたところでつっけんどんな、素っ気ない言葉が棘にまみれたような声音で吐き捨てられるだけなのだった。彼女がクラスメイトを見つめる時、それは眉をひそめるように細められた冷ややかな眼差しで、ぱっちりとした瞳が台無しに思える。ナルミヤの美しさは、男女問わず誰でも彼女と仲良くなりたくなるような、ずば抜けた輝きがあったけれど、当の本人がそういう具合でしか他人と関わろうとしないから、誰も彼女には近付かない。しかし誰ともつるもうとしないその姿勢が、彼女の美しさをより一層引き立てているように見えなくもない。
ナルミヤは孤高だ。クラスメイトの誰にも似ていない魅力が、彼女にはある。
僕は指先で摘まんだ金属片を見つめたまま、どうして今、彼女のことを思い出しているのか不思議であったが、やがてその水色の水玉模様が、ナルミヤの左耳の上、髪に留められているパッチンヘアピンの模様だと気付き、そしてこの金属片が、彼女のヘアピンなのだとわかった。
これはナルミヤの物だ。だから、彼女に返さなくてはいけない。
そう思った僕は洗面所に引き返し、ヘアピンを洗った。赤黒い粘着質な汚れは、執念深く擦り続けているうちに流れ落ち、それから、自分の手もよく洗った。もう何日も風呂に入っていない僕の頭を拭いたタオルでナルミヤの私物を拭くことをなんとなく躊躇して、軽く水を切ってから、僕はそれをズボンのポケットへと入れる。
学校へ行ってみよう。ナルミヤはきっと、登校しているだろう。
汚れがマシな靴下があったら履こうかと思ったが、そんな物はどこにも見つけられず、僕は裸足のまま玄関へ向かった。
玄関の土間には、僕のスニーカーと父親のくたびれた革靴と、妹のリスコが落ちていた。リスコは手足を縮めるようにして土間にうずくまり、まるで芋虫のようだった。うつ伏せの姿勢のまま、そこにじっとしているので、顔は見えない。ぐっすり眠っているのか、僕がすぐ側でスニーカーを履いても、ぴくりとも動かなかった。
僕と同じようにずっと入浴していないリスコの髪には、ところどころ綿埃が付着している。その髪は明るい茶色をしていて、これはリスコが母親にねだって市販の薬剤で染めてもらったからだった。茶髪になったことが嬉しくて、はしゃいでいた妹の様子をまるで昨日のように思い出す。でも今は、その髪も汚れきっている。
妹はいつから、ここで寝ているんだっけ。
リスコは昔から寝起きの機嫌が良くない。起こそうとして噛みつかれたことも一度や二度ではないし、あの父親でさえ、眠っているリスコを起こそうとはしない。だから僕は、妹には触れることなくスニーカーを履き、その横を黙ってすり抜けた。
玄関のドアを開けて、外へと出る。家の鍵は持っていないので、ドアを閉めても鍵は閉められない。僕が不在の間に誰かが訪ねて来て、うっかり妹を起こしてしまうなんてことが、なければいいのだけれど。
家から一歩外に出ると、不思議と気持ちが楽になった。僕が家の中にいるとどことなく居心地が悪い理由は、そこに両親がいるからだと今まで思っていたけれど、母親が帰って来なくなり父親が呼吸をしなくなっても、やっぱり家の中にはいたくないというのが、僕の本心らしかった。比較的軽い足取りでアパートの階段を降り、学校へ向かうための通学路を歩き出す。スニーカーの中に溜まった砂が、たちまち足の裏にまとわり付くのが気持ち悪かった。
どうやら小学生が登校する時間はとっくに過ぎているようで、もうどこにも黄色い帽子やランドセルを身に着けた子供の姿を見つけることはできなかった。ひとりでとぼとぼと学校へ続く道を歩きながら、そういえば僕のランドセルはどうしたんだっけ、と考えた。
学校へ行くのであれば、ランドセルくらいは持って行っても良かったかもしれない。でもどうせ、教科書もノートもないし、鉛筆は皆折れているし、ランドセルだけあってもどうしようもない。
葉桜になった桜並木を歩いて行くと、途中、一本の桜の木の陰に、思わぬ人物の姿を見つけた。ナルミヤだった。
彼女は桜の木にもたれかかるようにして立っていた。しかし、登校の時に被るように言われている黄色い帽子も、真っ赤なランドセルもない。足元はいつもと同じ、エナメルの黒いスニーカーだったが、黒と白のワンピースは、学校の制服ではなかった。ナルミヤは僕に気が付くと、まるで汚物でも見るような目をして、顔をしかめた。
「……ケイタくん」
「おはよう、ナルミヤ」
「……おはよ」
「ここで、何してるの?」
「別に」
「学校、行かなきゃいけない時間じゃないの?」
ナルミヤは僕から顔を背けるように真横を向きながら、それでいてその目は、突き刺すように僕を見ていた。
「そう言うあんただって、学校は?」
「今、行くところ」
「……その格好で?」
「うん」
「あっそ」
僕はポケットの中からパッチンヘアピンを取り出して、ナルミヤへ差し出す。
「これ」
「……何それ」
「これ、ナルミヤのでしょ」
「なんであんたがそれを持ってるの?」
「僕の家に、落ちてた」
「…………」
「これをナルミヤに返そうと思って、それで学校へ行くところだったんだ」
「…………」
ナルミヤはまるで引ったくるように、僕の手からヘアピンを取ると、すぐさまそれをワンピースのポケットへと仕舞った。横を向いたまま目だけで僕を睨んでいるのは、変わらなかった。
「そのために、来たの?」
「うん」
学校に辿り着くずっと手前で、ナルミヤに会えたことは予想外だったけれど。
「それだけ?」
「うん」
「…………」
彼女は僕を睨みつけていたが、やがて、その目線さえもそっぽを向いた。
「ケイタくんさ、���かってんの?」
「何を?」
「あんたのお父さん殺したの、私なんだよ」
「うん」
僕は頷いた。
「私のヘアピン、証拠じゃん。私が殺したっていう証拠」
「そうかな」
「だって殺人現場に落ちてるんだよ。犯人が落としたんだって、思うでしょフツー」
「そうかも」
「ケーサツ呼んでないの?」
「呼んでない」
「なんで呼ばない訳?」
「うち、電話ないし」
ナルミヤの目がさらに細くなる。細くなればなるほど、僕を貫くように視線が研ぎ澄まされていくように感じる。しかし今、彼女の目は僕の方をまったく見ようとしていなかった。
「はぁ? 電話なんかなくたって、ケーサツくらい呼べるでしょ。近所の人とか、お店の人とか」
周囲の大人に助けを求めれば良い、と言いたいのだろうか。しかしナルミヤは、それよ��先の言葉を口にはしなかった。
「あんたのお父さん、どうなってんの?」
「どうもなってないよ」
「どうもなってないって?」
「そのまま」
「あれから、ずっと?」
「そう」
「…………」
ナルミヤは最大級に嫌そうな顔をした。
「…………きもちわる」
ぺっ、とナルミヤは僕に向かって唾を吐いた。彼女の唾液は、放物線を描いて僕の足下へと落ちる。僕がその唾液の、白いあぶくを見つめていると、ナルミヤは心底不機嫌そうな声で、怒鳴るように言う。
「用が済んだらさっさと失せろ。二度とその面を見せるな」
それはまるで、僕の母親が言いそうな言葉だった。けれど彼女が僕の母親に似ているとは、ちっとも思わなかった。ナルミヤの方がずっと綺麗だ、と思った。
学校へ向かおうと思ったけれど、目的はすでに達成してしまったし、もう何もすることはないので、僕は家に戻ることにした。さっき出て来たばかりなのに、もう引き返すのかと思うと、それだけで足が重くなる。結局、僕はあの家から逃れられないのだろうか。のろのろと歩きながら、一度だけ後ろを振り返ってみたけれど、もうナルミヤの姿はなかった。
ナルミヤはどこへ行ったのだろう。あの格好だと、学校へ向かった訳ではないような気がする。彼女も家へ帰ったのだろうか。それとも、僕の予想もつかないような場所へ向かったのだろうか。
帰っている途中、どこからかサイレンの音が聞こえてきた。パトカーのサイレンだ。家が近付くにつれて、その音はどんどん大きくなっているような気がした。
寝ていたリスコは、この音で起きてしまうかもしれない。寝起きの妹の相手をするのは、考えるだけで嫌な気持ちになる。妹なんて、一生あのまま、目覚めなければ良いのに。もしくは、リスコはもうとっくに、死んでいるんじゃないだろうか。起こしたくないから触りたくなくて、ずっと土間に転がしたままにしていたけれど、本当は、もう二度と目覚めないのかもしれない。
アパートの前まで来ると、そこには三台のパトカーが停まっていた。近所迷惑を考えてか、さすがにサイレンは鳴らしていなかったけれど、赤色灯がくるくるくるくる、風車みたいに回っている。目の前の光景に呆然としていると、二部屋隣に住んでいるおばさんが駆け寄って来る。僕の家のドアは開いていて、中から出て来た警察官が階段下にいる僕を黙って見下ろした。
やっぱり、家の鍵をもらっておけば良かったな、と僕は少なからず後悔して、今度母親に会ったら、ちゃんとそれを伝えようと思った。でもそれと同時に僕は、もうこの家に二度と母親が戻って来ないような気もした。
と、いうのはすべて、僕の妄想だ。
現実の僕は、きちんと制服を着て、黄色い通学帽を被り、ランドセルを背負って、玄関で靴を履こうとしている。ママは僕の後方、廊下の奥の部屋の入口で、中にいる妹のリスコに熱心に声をかけている。
「リスちゃん、もう出掛ける時間よ。いつまでもぐずぐずしているなら、ママは先にケイちゃんを学校へ送りに行くけど。ねぇ、本当にいいの?」
リスコは部屋の中から何か返事をしたらしかったが、なんて言ったのかまでは聞き取れなかった。
「そう、じゃあ先に行くからね。ケイちゃんを送って帰って来たら、ママと一緒に学校へ行きましょうね」
ママはそう言うと、廊下を早足で歩いて来た。
「ケイちゃん、先に行こう。リスコは後で送るから」
僕は黙って頷いた。ママは仕事に行く時の洋服を着ているのに、靴はいつもの黒いヒールではなく、コンビニに行く時のピンク色のサンダルを履いた。僕を小学校へ送ってからそのまま会社へ向かうのではなく、どうやら本当に、また家へと戻って来るつもりらしかった。でも、ときどきママは間違って、そのサンダルで会社へ行ってしまうことがあって、だから僕は、ママがサンダルを履いたことを指摘するかどうか悩んだ。
けれどママの言葉の端々が、妙に尖っているように聞こえることに気が付いたので、そのことを口にするのはやめた。決して表情に出さないように努めているようだったけれど、ママが今までになく緊張しているのがなんとなくわかった。 僕はアパートの階段を先に降りて駐車場の車のドアの前に立ちながら、玄関を施錠したママが後から階段を降りて来るのを待った。車の鍵を操作したのか、唐突にピッと車の鍵が開いたので、僕は後部座席に乗り込んで、さっき背負ったばかりのランドセルを隣の座席へと置く。運転席に乗り込んだママが何も言わないままシートベルトを締めて車のエンジンをかける。ルームミラーで後部座席の僕をちらりと見て、いつもだったらそこで、「ほら、シートベルトしなさい」と言うはずだったけれど、今日のママは「じゃ、行くわよ」と言っただけだった。
※『非・登校』(中) (https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/766015430742736896/) へと続く
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2024/5/19
5月19日 風邪をひいて喉がしわがれている。 風邪薬を飲むと化学反応(?)で身体がすっかり発熱モードになる。内側からほてる感じと、妙に頭が冴えつつ身体はくったりする感じ。 昨晩は、お部屋でいろんなこと(小さなわたしの世界の出来事)があり、ショックもあり、それもあってか、それとも単に風邪ひきモードで栄養不足だったからか、腹十五分目位食べて、起きては何かを飲んだりして、また一層上手く食事と睡眠ができなかった。
いろんな出来事の一つは、いつもamazonで注文するハンドソープ(ファーマクトの透明蛍���緑のボトル)がなかなか届かずにいて、確認してみると、知らない玄関前の置き配写真と共に“配達完了”となっていた。もう4日も前のこと。
���う一つは、大阪の友人も良いと言っていて気になっていた朝ドラ“虎に翼”を観たこと。 1週目と今週のダイジェストを観て、なんとなく全体像を把握。とても大切なテーマを扱っている、と思った。ただ社会的なことを、すぐに個人的な次元に落とし(引き上げ?)がちな私は、明大法学部卒で法務省の検察官だった(らしい)祖父のことを思い出して落ち込んでいた。 そして夢では父とガストに行っている夢を見てしまい、起きてもっと落ち込んだ。私はもちろん何も食べることができず、向かいの席の父は、とても美味しそうとは言えない、量も明らかに足りていないスパゲッティを食べていて、なんかずっと嫌だった。
今日は文フリに友人と行って、水野しずちゃん(さん!)の新刊を買えた。ニセの似顔絵ステッカーと個性のポストカードも貰えてとても嬉しかった。 ハッピーなことをしたい。 それと、友人が最近手話を習い始めたと言っていて、それもとても嬉しかった。手話教室には、去年くらいに放送されたドラマの影響で、高校生の姿もあるとのこと。
手話や点字が流行るのはいいのかもな〜と思ったり、でも流行にはそれを悪用する層も一定数ついてくる気がして、難しい、とも思った。
流通センターから徒歩15分のところに“大森のりのミュージアム”があり、早く起きれたら行こう!と思っていたけれど、今日は行けなかった。いつか行きたい。
先日の楽天お買い物マラソンで買ったものが続々と届いている。今日はコムデギャルソンのワンピースを着て、イイダ傘店とハリオのコラボイヤリングをつけて、エヴァニューの折りたたみ傘を差した。 ボトルブレンダーはとりあえずしまった。 多分今日あたりに掛け時計が届くはず。
いつも行くスーパーは6月2日で閉店するらしい。 きなこやごまや調味料が続々と値引きされている。鯖の水煮缶は売り切れ。 とちおとめの札の棚にとちあいか、とちあいかの札の棚にとちおとめが並んでいた。味の違いはきっとわからないけれどいつも何となくとちあいかを買っているけれど、今日はこの陳列ミスにだまされて、とちおとめを買ってみた。
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俺は絵を描いている。
コンセプトもある。
どんなコンセプトか?
オシャレを封印している人が、絵をきっかけにオシャレへの1歩を踏み出すこと。
それは誰か?
自分だ。
それは過去の自分のことだ。
俺は優等生だった。
親からは、全ての教科で100点をとりなさい、と言われていた。
そんな親は、オシャレをしない俺にルーズソックスを買ってきた。
俺はストレスで叫んだ。
「ルーズソックスを履いたら、100点がとれない!」
100点をとることは、オシャレをしないことだ。
まず、教師に気に入られないといけない。
体育の時間はズボンを上げてハイウエストでないといけない。もちろんシャツはインだ。
髪は生徒手帳に書いてある通りだ。肩にかからないように、ほつれ髪のないようにきっちり結う。
休み時間は宿題をする。次の教科のためにノートに本文を写す。
ルーズソックスを履いたら、どうなるか?
人間関係が変わる。俺は知っている。
ルーズソックスを履いたら、化粧をする。
授業はサボるか、机の上に足を乗せる。
それがセット。
それで100点?
俺は自分の性格を知っているから、ルーズソックスを捨てた。
妹がいる。
妹はルーズソックスを履いていた。
学校はサボって、毎日化粧をしていた。
昼の12時から化粧を始めて、夜の12時まで鏡に向かっていた。
アイプチが上手くいかないと、血が出そうなほど瞼を痛めつけた。
ある日、妹が胸の開いた黒のトップスを着ていた。
似合っていた。
ゴールドのネックレスもつけていた。
俺はそれを見て、少し興味が湧いた。
でも、あきらめた。
妹は全てを捨てて、化粧をしていた。
だからだ。
俺が、少しだけ良いなと思って、横から、その服どこの?と聞くことは、どんなに卑怯か。
俺はオシャレを封印した。
俺はそれでいいと思った。
それが過去の自分だ。
大人になって、俺は病気になった。
顔は灰色だった。
口は口角が下がって、指で押しても動かないくらい、ガチガチに固まっていた。
世の中を呪った顔だった。
そのとき分かった。俺はオシャレをしないといけない。
おこづかいを握りしめて美容室に行った。
初めての金髪だった。
似合って��かった。
これから似合う人間になる。
俺は絵を描いている。
それを自分のショップで売っている。
まだ誰も買っていない。
でも、夢がある。
俺のショップに来ると、絵が売っている。
その絵を買うと、少しオシャレになる。
ここに来れば、オシャレな絵が買える。
そんな夢を見ながら、描いてる。
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ホシノタニマーケットvol.10 出店者情報
10/20(日)開催のホシノタニマーケット出店者の方々をご紹介します!
地域のおいしい、たのしいものが盛りだくさんです。
ホシノタニマーケットならではの出会いをぜひお楽しみください。
出店一覧(順不同)※写真はイメージです。
◇アクティヴ・ママ
(衣類販売)
「子連れで集まれる場所を自分たちで作ろう!」とママたち自身が始めたサークル。子育てサロンの運営など、座間の子育てを支える心強い存在。今回は子ども服やベビーグッズが並びます。
◇いわしや
(茶葉販売)
漢方アドバイザーの豊島祐子さんが考案した、和漢植物配合のブレンドティー。豊島さん自身の手でブレンドしているそうです。お茶の試飲と、茶葉を買うこともできます。体や心の疲れに、じんわり染みる優しさを味わってください。
◇太田農園
(野菜販売・お菓子販売)
先祖代々続く歴史ある小田原の農家による新鮮野菜と、その野菜を使ったお菓子たち。季節や旬を大切にしながら野菜を露地栽培しているため、野菜とは一期一会のような出会いが多い太田農園ならではの味をお届けします。
◇喫茶ランドリーホシノタニ店
(飲食店)
コインランドリーやミシン、アイロンを備えた”まち��家事室”付き喫茶店のテーマは「どんなひとにも自由なくつろぎ」。エアロプレスで一杯ずつ丁寧に淹れるコーヒー、紅茶に子どもジュース、手作りのツナメルトトースト、ボリュームたっぷりのナポリタン、人気の手作りスイーツなどをお楽しみください。
(イベント)
喫茶ランドリーのスタッフがお店のドリンク、フード、スイーツの中からおすすめメニューを提供します!
また、普段はお店の中で販売している可愛いhandmadeの布小物達を店先にて販売します。
ぜひぜひ覗きに来てくださいね!
◇タニクレーン
(植物販売)
多肉ショップオープンに向けて準備、修行中なタニクレーンさん。育て方や特徴なども発信しさまざまな多肉植物の魅力をお伝えします!
◇時土器
(食器販売)
厚木市みはる野で小さな陶芸教室を開いている時土器(ときどき)。土のぬくもりや素朴さを残して、日々、器や小物づくりをしています。
今回は見た目にもあたたかい雰囲気の陶器を販売いたします。
◇ポエム
座間駅前の顔。
数々の賞を受賞し、地元で35年ものあいだ愛されてきたパン・洋菓子店。座間愛あふれる2代目オーナーが作るおなじみのシュークリームやお惣菜パンをご用意します!
◇ひばり茶寮
(陶芸ワークショップ・販売)
座間市にある陶芸体験&和風喫茶が初出店。地域に愛される、子供から大人までも夢中になるような陶芸体験をお気軽に体験できます!陶器の販売もありますので、ぜひお楽しみに。
◇微々子
(イラスト・似顔絵)
ぷにっとデフォルメ&シュールポップなイラストが可愛い微々子さん。ステッカー、ポストカード等のオリジナル商品から、即興かんたん似顔絵イラスト販売もやる予定です。この機会にぜひ御試しください!
◇まめごはん
(グラノーラ販売)
映画好きならではの、映画にまつわるこだわりごはんを提供するまめごはんさん。今回は、とある映画をモチーフにしたグラノーラを販売します。どんな思いが込められているのかも楽しみながらぜひお手に取ってみてください。
◇木工房千舟
(木工品販売)
木工ろくろや組み木、木象嵌などの技術を使ってシンプルな木のアクセサリーや、オリジナルキャラクターの雑貨を製作している千舟さん。初めて見るような、不思議だけど懐かしい、いつも身の回りに置きたくなるような愛着の持てる作品ばかりです。
◇もふずぱえりあ
(キッチンカー)
パエリアのキッチンカー専門店です。魚介のパエリヤを中心に、日替わりのオリジナルパエリヤをご提供しています。
◇Charmante☆Mémé
(子供服・小物販売) Charmante Mémé (チャーミングなおばあちゃん)が可愛いお孫さんの笑顔を想いながら愛らしく、カッコよく、そして使いやすい作品をお届けするお店です。
◇Den-Pata.
(野菜販売とレザー雑貨販売)
お米や野菜を育てている農家による、自家製新鮮野菜や柑橘類、お米(はるみ米、持つ米喜寿)など、土の恵みを存分お楽しみいただける農産物をお届けします。
手縫いのレザー雑貨もご用意いたします!
◇Ricorita
(キッチンカー)
新鮮な地野菜がたっぷり食べられる南インド風カリー定食MEALS(ミールス)を日々作っています。1 + 1 が10にも20にもなってしまう魅惑のカリー定食MEALS。お子様にも食べていただけるよう辛くないカレーもご用意しております。どうぞご賞味くださいませ!
◇kiiro-季彩-
デザインと色味にこだわった贈りたくなるアイシングクッキーをお届けするお店。
ハロウィンの季節にぴったりなリースアイシングクッキーづくりを、体験できます!この機会にぜひお試しください♪
◇Odakyu OX
(飲食物販)
座間駅前の小田急マルシェ内にある、「Odakyu OX」も特別出店します。今回は、ドリンクやちょっとしたお菓子やおにぎりなどを販売予定!
◇with.
(ワークショップ)
子育て世帯が楽しめる親子で楽しいワークショップを開催。
今回は、お子さんでも楽しめるハロウィンモチーフのワークショップを行います。 お花で彩るハロウィン帽子の髪飾りや、ほっこり♪ハリネズミさんの森ライトなど、ほっこり可愛いモノつくりをぜひ体験してみませんか。 オリジナルの雑貨も販売いたします!
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\小田急マルシェのテナントも特別営業/
◇CAFE IMPRESSION
(カフェ)
座間駅東口すぐの、スペシャルコーヒー専門店。
肌寒い季節、おいしいコーヒーをぜひご自宅でも味わってみてはいかがですか。
お店は10時よりオープンしておりますので、ぜひお立ち寄りください。
◇ダイニングバルピース
(飲食店)
洋食中心のお食事や多彩なアルコールにてご満足頂ける空間です。
ランチ利用OK!、ディナー利用OK!(インスタ必見、フォロー必須、DM歓迎!笑)
ディナーは居酒屋、バル、バーetc...として様々なシーンにご利用頂けます。
(中小団体、貸切予約等の���予算からご相談致します)
ぜひお立ち寄りください。
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\座間市からも出店/
◇座間市クリーンセンター
清掃車「ざまりん号」の乗車体験やゴミの投げ入れなどの楽しいゲームやアート展示。こどもも大人も楽しめる楽しい演出で迎えてくれます。
◇座間市第3子育て支援センターざまりんのおうち「かがやき」
子どもと遊んだり、親同士やアドバイザーとおしゃべりしたり、自由に過ごすことができる憩いの場です。また、子育て相談もできます。
未就園児とその保護者が予約不要かつ無料で利用できるので、気軽にご利用ください。
◇座間市観光協会
座間市マスコットキャラクター「ざまりん」が登場。記念撮影などをお楽しみいただけます。
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◇小田急WOOMS部隊
座間市でのWOOMSの取り組みやゴミの資源化などサーキュラーエコノミーについてご紹介します!
ゴミゼロゲームの体験、イベント会場、街のゴミ拾いにもご協力下さい!
\『ざまにわ』出店者のご紹介/
お子様から大人まで楽しめるような美味しいキッチンカーが3台出店します!
そのほかコンテンツも決まり次第公開予定。
ぜひぜひおたのしみに!
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■注意事項
※駐車場のご用意はありません。公共交通機関等でお越しください。
※ワークショップ受講中のケガ・紛失・その他の事故については自己責任とし、一切の責任を負いませんので予めご了承ください。
※当日は写真撮影及びテレビ取材をさせて頂く可能性があります。撮影した写真や映像は今後WEBや広告などで使用させて頂きますので予めご了承ください。
※イベント内容は予告なく変更になる可能性があります。
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