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#bootsandstyles
thebootsshop · 4 years
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BOOTS and STYLES
連載「BOOTS and STYLES」
Vol.2
「ROLLING DUB TRIOの"GLEANERS ZIP"」
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【特別な街】
銀座の懐は深い。
子供から年配までそれぞれその時々で特別な刺激をくれる街。
気持ちの入った買い物は「銀座で」する。歴史と人と一緒に成長し続けているこの街のエネルギーに引き寄せられて「かっこいい大人」が集まり、そのエネルギーに自分もまた引き寄せられいつかは、と憧れる。
敷居が高く気後れする憧れの店はひしめき、名だたる諸先輩方のように馴染みとして顔を出すなんていうのは人生の目標の一つでもある。
そのあたりについて僕の好きな作家の、例えば池波正太郎、伊丹十三、森茉莉のエッセイは雄弁で、美食と作法の逸話の数々はこの街なくしては語れない。
最近は仕事でも銀座を訪れる機会が増えて、前よりは肩肘張ることもなくなった。しかし行く時は自然とシャツと革靴を選んでいたりする。
どこか特別なままのこの街で過ごす時はきちんと正していたいのである。
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【銀ぶらと銀ブラ】
色んな人が交差する横断歩道で
人混みに紛れているのを撮りたい、と写真の安島君と盛り上がって銀座撮影を敢行した。
ぞろぞろとすれ違う人達のまだ暗いトーンの服装やどよんとした曇り空にカラフルなスタイリングがとても映える。カジュアルながらタイドアップ。思い切って少し早めのショーツ。そこにブーツ。意外とあり。
駅周辺の人がごった返すエリアを離れると急に人が減る。サラリーマンがたまに通るだけのそこは別の街のようでもあり新鮮だった。
少しぶらつくだけで色んな表情が見えて楽しい。
「銀ぶら」という言葉は大正時代からの俗語で、商業都市として著しく発展した銀座を背景に浸透しはじめる。
意味はそのまま「銀座(通り)をぶらぶら散歩すること」である。
ここに実はもう一つ別の起源の説があるのをご存知だろうか。
「銀ブラ」=「銀座でブラジルコーヒを飲むこと」という説である。
もっと言えば、「銀座の老舗珈琲店カフェーパウリスタでブラジルコーヒーを飲むこと」。
1990年代から度々メディアで取り上げられた新説だが、宣伝目的のデタラメであるとして、専門家により遡った歴史的には明確に否定されている。 ただし、同店は2020年現在も自説を曲げておらず、ブラジルコーヒーを注文した客に対して「あなたは本日、銀ブラを楽しんだ事を証明します」という「銀ブラ証明書」を発行し続けているとのことだ。 1990年代から始めたことであれば今年であっぱれ30年。 個人的にはもはや正式な説として承認されても良いと思うし、証明書は一度はもらってみたい。
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型押しクロコのサイドジップブーツ" GLEANER ZIP " ¥80,000 (Rolling Dub Trio/THE BOOTS SHOP ☎︎03-6802-8083)
〈ナイキ〉のウインドブレーカー¥3,900、肩に掛けた〈ジャージーズ〉のスウェット¥2,900、〈ラルフローレン〉のBDシャツ¥2,900、デジタルカモのカーゴショーツ¥1,900、〈ピエールバルマン〉の小紋タイ¥1,000(すべてユーズド/CHICAGO TAKESHITA☎︎03-6721-0580)
Direction, Styling & Text: Junya Chino Photography: Shinsaku Yasujima Model: Sam
【TALK】
千野: 梅雨もそろそろ明けそうですね。
徳永: そうだね。まだジメジメするけど早く良い天気が続くようになるといいね。
千野: 今日は徳さんTOKYO SANDALのWARAJI、履いてるんですね。涼しそう。
徳永: 暑くなってきたらやっぱりサンダルが多いんだよ。ただビーサンじゃなくてレザーでしっかり作ったものを履くのがうち流だね。
千野: そのパンツもすごい似合ってますね。軍物のようで日本の作業着っぽさもあってサンダルとも相性良いです。
徳永: これはアンダーカバーのパンツですごく気に入ってる。黒澤明監督の「蜘蛛巣城」がテーマだったかな。
千野: えええ!徳さんがファッションブランドの服を着てるの意外!
徳永: いやいや俺もファッション大好きだよ。例えばジョンガリアーノ。
彼は天才だと思う。学生の頃からチェックし続けてる。
千野: 今の徳さんと対極にある感じがするんですが!
徳永: まあ彼のクリエイションが好きで、自分で着るわけではないんだけどね。テイストが違っても「物を作る」っていう面で刺激は強く受ける。
千野: 靴を作るときに具体的に何か影響を受けたりもしてるんですか?
徳永: 影響とまではいかないけど、例えばジョンガリアーノは素材を選ぶところからデザインをスタートさせるって知ってた?洋服で言えばデザイン画から書く人、パターンを引きながら考える人、素材から選ぶ人とか何通りかあるんだけど俺は普段はデザイン画からなんだよね。でも稀に面白い革を見つけるとそれを使って何ができるか、から始めることがある。
それが今回のクロコの型押し革のブーツだね。
千野: 撮影で履いたサイドジップのブーツですね。
どこが気に入ってこの革を選んだんですか?
徳永: これはイタリアのレザーで、型押しが表面からだけでなく裏からもしてあるのが珍しい。あと背割りでワニの腹部分の型押しが大きく使えるようになっているのと、腹部の鱗の方が背中の鱗より大きくて艶っぽすぎず上品な塩梅なのが良いよね。この革で広い面積を使った靴を作りたくてこのブーツの形に乗せて作ってみたというわけ。
千野: なるほど。革の特徴が生きる土台を選ぶ、普段と逆のアプローチですね。全面に大きなクロコで迫力もすごい!
徳永: 定番のブーツが多いけど、面白い出会いがあると変化球を投げたくなるんだよね。(笑)
Direction, Styling & Text: Junya Chino
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thebootsshop · 4 years
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BOOTS  and  STYLES
「BOOTS and STYLES」
Vol.1
「Katsuya Tokunaga の Button Boots "BOYS"」
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Boots
" BOYS " ¥110,000(Katsuya Tokunaga/THE BOOTS SHOP ☎︎03-6802-8083)
Dutch army coat ¥12,000(DAMAGE DONE 2ND ☎︎03-6434-0287), Old PRADA double vest, Old BROOKS BROTHER botton-down shirt,  LEVI'S VINTAGE CLOTHING「33501」denim trouser(all are stylist's own)
Direction & Styling: Junya Chino Photography: Shinsaku Yasujima Model: Sam
【 PROLOGUE 】
ROLLING DUB TRIOの徳永さんとご飯を食べていたら月毎にビジュアルを含めたコンテンツを作ってみようという話になった。
時間をかけてじっくり熟成させていく革靴作りと相反するように、
季節や気分によって着こなしたい服やスタイルはどんどん変わっていく。
変わるものと変わらないもの。
そんな両方の気分を合わせて発信していけたらより革靴を履くことを楽しんでもらえるんじゃないか、という想いから今回の企画が始まった。
【 SHOES 】
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「Katsuya Tokunaga の Button Boots "BOYS"」
最近ちゃんとした革靴が気になっている。スニーカーはもちろん歩きやすくて良いのだけど、年齢も重ねてきて大人のピリッとした気構えを足元から取り入れたいなんて思っている。
病は気から。であれば装いから中身が変わることもまたあるのではないだろうか。
ボタンブーツは今まで履いたことがなかったけれど、個性的なデザインでありながらドレス靴な印象。
かしこまったパーティにだって履いていけそうだ。
しかし聞くと1920年代のニューヨークのストリートで遊ぶ少年が履いていた靴がモデルになっているそう。
昔の子供はこんな格好良い革の靴を履いて遊んでいたのか!と思うと格好良くて羨ましくなる。
アッパーがつるっとしたボックスカーフ。足首周りがシボ感のある柔らかいゴートスキンになっていて、伸びがあり履き心地は抜群。質感の違うレザーのコンビネーションが美しい。
ボタン部分は実際に開ける嬉しい本格仕様。利便性も考えてサイドジップも搭載。
ボタン開閉で履いて時代に思いを馳せるも良し、ジップでさっと履くも良しなのである。
履き込んで自分だけのヴィンテージに育てたい一足。
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【 TALK 】
第1回目は徳永さんのシグネチャーラインのボタンブーツ「BOYS」についてお話を伺った。
千野: こちらはどういったラインになりますか?
徳永: 元はドレス靴を作る高級ラインとして立ち上げたんだよね。
過去にジョッパードブーツも作ったことがあって、ボタンブーツは今回で作るのが4回目になるかな。 不定期ではあるんだけど少しずつ素材を変えたりマイナーチェンジしながら作り続けてる。
千野: あまり見ないデザインですよね。何か具体的なアイデアソースがあったりするんですか?
徳永: 「BROOKLYN'S WILLIAMSBURGH」(by BRIAN MERLIS)っていう1800年代後半から1900年代中盤くらいまでのニューヨークのウィリアムズバーグの風景やそこに暮らす人々の写真をまとめてる本があって、その中でも1920年代あたりで少年がこんなボタンブーツを履いてるんだよ。
この時のデザインを超えるボタンブーツが出てこないから作り続けてる部分もある。
千野: (少年の写真を見せてもらいながら)うわ。写真だとだいぶ靴が小さく写っていますね。よくこの写真から実際の形まで持っていけるなあ。 あと少年が堂々とタバコ吸ってますね(笑)
徳永: (笑) よく見るとキャップトゥになってるのが分かるでしょ。
トゥの形もぽっこり膨らんでいて、綺麗な靴ではあるんだけど頑丈で日常的に履くことを考えて作られていることが分かる。
千野: 大人から子供までシャツを着て革靴を履くのが当たり前の時代ならではのデザインですね。ドレスの要素とワークな雰囲気が混在しているというか。
徳永さんはこの靴をどういうスタイルと合わせることが多いですか?
徳永: 俺は結婚式の時にスーツに合わせて履いたりするよ。
個人的には特別な時のドレス靴として手元に置いてるけど、持ち主によってどう履くかは自由。自分の好きなスタイルを見つけて欲しい。
千野: 特別な時にフォーマルな服と合わせるのは素敵ですね。 逆に当時の少年の様に、日常的なシチュエーションでもあえて履いてみたいとも思いました。 それで今回の撮影でも当時のクラシックな部分を残しつつ、カジュアルなスタイルで組んでみました。 ダブルのフォーマルなベストに洗い晒しのオックスフォード地のボタンダウンシャツ。デニムパンツはロールアップしてボタンブーツを引き立たせて、その上から軍物のコートをラフに羽織って。 昔の労働者がジャケットやベストを着て肉体労働している様なバランスが好きで、そんなスタイルともこの靴は合いますよね。
徳永: 意外と色々なスタイルに馴染む靴なのかも。そうやってそれぞれの解釈で自由に履いてもらえるのが一番嬉しいね。
Text & Interview by Junya Chino
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