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テクノロジー ウォッチの専門家が活用すべきオープン アクセスの医学雑誌トップ 21
序章 : 医療分野で絶え間なく進化するテクノロジーの展望についていくことは、困難な場合があります。あなたがテクノロジー ウォッチの専門家であれば、新たなトレンドをすばやく特定し、それに基づいて適切な決定を下すことができる必要があります。しかし、どうすればそれができますか? この記事では、テクノロジー ウォッチの専門家が一歩���を行くために活用すべきオープン アクセスの医学雑誌トップ 21 を紹介します。 詳細については、以下をお読みください。 オープンアクセスジャーナルの特徴は? オープ [...] https://is.gd/LDjSYL
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こちらも世界中の6大陸、671の病院で登録された96032症例での検討という、非常に大規模な研究です。 クロロキンは抗マラリア薬、その類似体であるヒドロキシクロロキンはSLE(全身性エリテマトーデス)などに使用される薬剤ですが、実験室レベルでは治療効果が期待されていました。またトランプ大統領が予防薬として内服しているということでも話題となりました。 しかし、この研究ではクロロキン、ヒドロキシクロロキンが死亡リスクを増やすという結果でした。 これにより、クロロキン、ヒドロキシクロロキンは新型コロナの治療薬の選択肢としてほぼ消えかかってしまいました。 たとえば日本国内でも日本感染症学会の「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第4版」では、第3版まで記載されていたヒドロキシクロロキンの項目が消えています(筆者も編集に関わっています)。 世界保健機関(WHO)もこの論文の結果を受けて、臨床試験でのヒドロキシクロロキンとクロロキンの使用を一時中断しています。 この論文の影響は決して小さくはないと言えるでしょう。 しかし、この論文も6/4に撤回されてしまいました。 なお、このヒドロキシクロロキンについても、他に「治療効果なし」という報告が立て続けにメジャー医学誌(BMJ、NEJM)に掲載されていたことから、大勢としてはヒドロキシクロロキンは使用されない方向になっています。 この辺りの「結果が他��論文と比較しても大きく乖離していなかったこと」も不正が気づかれにくかった理由の一つかもしれません。
新型コロナ 英文誌での論文撤回 ここから私たちが学ぶべきこと(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース
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【怖すぎ】うっかり飲み込んだつまようじがお尻に詰まり激痛 日本からレアな症例が報告される
ある男性がつまようじを誤飲、それが直腸内に止まり数ヶ月ものあいだ痛みの原因になっていた。秋田県立循環器・脳脊髄センターの医師らが「BMJ Case Reports」にて症例報告をしている。 続きを読む Source: ユルクヤル、外国人から見た世界
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【「電子タバコ」パンデミック~米国で何が起きているのか】 - Yahoo!ニュース : https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20191005-00145393/ : https://archive.is/QtAQT 石田雅彦 | ライター、編集者 10/5(土) 9:00
{{ 図版 : (写真:アフロ) }}
米国では電子タバコによる呼吸器疾患の患者が急増し、亡くなる人も2桁になっている。パンデミック(伝染性の大流行)という表現も使われ、大きな社会問題になっている。いったい何が起きているのだろうか。
■《電子タバコでどんな病気になるのか》 米国CDC(疾病予防管理センター)によれば、電子タバコによる健康被害は、 {{ 2019年10月3日の時点で48州と1つの米国領において1080の肺損傷症例と15の州で18人の死亡を報告 : https://www.cdc.gov/tobacco/basic_information/e-cigarettes/severe-lung-disease.html#what-we-know }} している。患者の約70%が男性、約80%が35歳未満(18~20歳が約21%)だという。
タバコを吸うと気管や肺などの呼吸器に吸い込んだ物質が触れ、あるいは身体中の細胞に入り込み、直接的に悪影響を及ぼす。その結果、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、鼻腔や口腔などの頭頸部がん、といった病気になる(※1)。だが、最近の電子タバコによる呼吸器疾患の場合、少し病気の種類が異なるようだ。
ニコチンが添加されたリキッドを使う電子タバコは、日本を除く各国で売られている。電子タバコで病気になった事例はいつ頃から現れてくるのだろうか。
例えば、急性好酸球性肺炎(Acute Eosinophilic Pneumonia)という病気がある。日本から加熱式タバコ(アイコス=IQOS)を吸ったことで急性好酸球性肺炎になったという症例報告があるが(※2)、電子タバコでもこの病気になる危険性はありそうだ。
以前から、タバコを吸うと急性好酸球性肺炎という重篤な肺炎になることが知られていたが(※3)、この病気はわりに珍しく(※4)、他の肺炎と紛らわしいため、症例報告に上がりにくかった可能性もある。好酸球というのは白血球の一種でアレルギー反応を制御する。タバコに含まれる物質が劇症のアレルギー反応と好酸球の活性化を引き起こすのではないかと考えられている。
■《好酸球性肺炎よりもリポイド肺炎か》
では、電子タバコを吸ったことによる急性好酸球性肺炎の症例報告はあるのだろうか。
過去の文献を検索すると、2009年に出版された急性好酸球性肺炎の症例報告のレビュー(※5)には、紙巻きタバコによる論文は紹介されているが、まだ電子タバコについての言及はない。
電子タバコを吸って急性好酸球性肺炎になったという症例報告は、2014年に男性で1例(※6)、2019年に女性で1例(※7)あるだけだ��最近の電子タバコ騒ぎで入院した患者17人の肺細胞の臨床検査によれば、好酸球はあまり見られなかったらしい(※8)。
結論を出すのは早いが、おそらく今回の電子タバコの健康被害は急性好酸球性肺炎ではないのかもしれない。
ところで、電子タバコを吸うことによる呼吸器疾患の問題がクローズアップされるのは2012年になってからだ。しかし、2012年前後の段階では電子タバコによる健康への害は不明で、リキッドに含まれるグリセロール、プロピレングリコール、ニコチン、添加された香料などを容疑者として探索が続けられていた(※9)。
電子タバコによるグリセリンはリポイド肺炎(Lipoid Pneumonia)という、これも珍しい呼吸器疾患との関連が示唆され、例えば呼吸困難とひどい咳、発熱で入院した42歳の女性の事例では、約7ヶ月前から電子タバコを吸い始めてから症状がひどくなり始めたという(※10)。
リポイド肺炎というのは外因性の場合、パラフィン(流動パラフィン≒ベビーオイル)などの油性物質を吸い込んだり誤嚥したりして起きる急性の肺炎だ(※11)。肺の内部にべっとりと油成分が貼り付いて呼吸機能を阻害する。幼児が誤飲することが多く、火を噴くパフォーマーがパラフィンを使って誤嚥し、リポイド肺炎になるという症例も報告されている(※12)。
2016年に出された電子タバコを吸った症例報告のレビュー(※13)では、25人の患者に健康への悪影響があった。そのうち呼吸器系の症例報告が6例あり、内訳は外因性のリポイド肺炎2例、気管支炎、急性好酸球性肺炎、肺炎、過敏性肺炎がそれぞれ1例となっている。
今年2019年7~8月に米国ノースカロライナ州の2つの病院で、電子タバコを吸ったと思われる呼吸困難の患者5人が治療を受けたが、5人とも急性の外因性リポイド肺炎との診断だった(※14)。だが、前述の肺細胞の生検のレポートでは、外因性のリポイド肺炎の特徴を示していないという指摘がなされていて混乱している。
■《複合的な作用かもしれない》
こうした報告をざっと眺めた印象では、電子タバコに含まれるグリセロールやプロピレングリコールといった化学物質が気化して呼吸器に送り込まれ、肺の中に貼り付いてしまい、好酸球性肺炎やリポイド肺炎のような症状を引き起こしたのかもしれない。
ただ、9月24日の米国46州の患者805人を調べたCDCの疫学週報(MMWP、罹患率と死亡率の週報)によれば、男性69%、13~72歳(中央値23歳)となっていて、さらに患者514人を調べてみるとTHC(Tetrahydrocannabinol、テトラヒドロカンナビノール)という大麻成分の入ったリキッド使用者が76.9%、ニコチン添加リキッド使用者が56.8%となっている(※15)。
また、イリノイ州とウィスコンシン州の患者127人を調査したMMWPによれば、項目に回答した86人のうち75人(87%)がTHCリキッドを使用し、61人(71%)がニコチン添加リキッドを使用していた。また、THCリキッドを使用した人の89%が友人や家族、路上の違法売人などから入手していたこともわかったという(※16)。
こうしたことから米国の電子タバコによる健康被害は、THCとグリセロールやプロピレングリコール、さらにニコチンといった複合的で複雑な作用で起きている危険性が考えられる。
2019年10月4日、米国FDA(食品医薬品局)は、電子タバコのどの成分が影響しているのか現状では不明としつつ、 {{ THCを含んだ電子タバコを使用しないように警告 : https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/statement-consumer-warning-stop-using-thc-vaping-products-amid-ongoing-investigation-lung-illnesses }} し、自分でリキッドに変更を加えず、違法なルートからの購入を止めるよう指示している。THC成分の添加を米国政府(FDA)は禁止しているが、合法的に認可している州も多い。実質的には野放し状態といっていいだろう。
また、 {{ カナダのケベック州でも電子タバコによる重篤な肺疾患の患者が出て : https://www.msss.gouv.qc.ca/ministere/salle-de-presse/communique-1927/ }} いる。米国での事例を含め、2019年9月28日に {{ カナダ保健省は電子タバコを吸うことの健康上のリスクについて警告 : https://www.healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/70919a-eng.php }} した。
電子タバコのリキッドにTHCを添加することは、以前から健康への悪影響が指摘されてきた(※17)。米国内のタバコ産業は、同国内の大麻の合法化の流れを受け、THC成分を加えたタバコ製品を全米で発売しようとしている。
日本ではニコチン添加リキッドを電子タバコで使用することは規制されているが、加熱式タバコはかなり広まっている。加熱式タバコからもニコチンはもちろんグリセロールやプロピレングリコールが吸収され、複合的な作用の起きる危険性は高い。
前述したように実際、アイコスを吸うことによって、急性好酸球性肺炎という重篤な呼吸器疾患になった症例報告もある。日本でタバコ製品の安全性について行政機関の審査などは全くない。米国と同じ状態にならないという保証は何もないのだ。
============≫ ※2019/10/05:15:37:内容を部分的に修正し、文献を3つ追加した。
※2019/10/06:15:12:英国の医学雑誌「BMJ(the British Medical Journal)」に2019年9月30日に出た論文(※18)によれば、電子タバコを吸うことによる長期的な悪影響は研究されていないが、呼吸器疾患の症例が増加している現状をみれば、電子タバコが肺に何らかの悪影響を及ぼすことは十分考えられるという。その理由として、電子タバコを吸うことで、肺に脂肪蓄積マクロファージ(lipid-laden macrophage)による泡沫細胞(Foam Cell)ができることが関与しているのかもしれないとする。マクロファージは白血球の一種で、死んだ細胞など生体廃棄物のスカベンジャー(腐肉あさり)の役割をする。脂質をあさって泡だった状態になったのが脂肪蓄積マクロファージだ。脂肪蓄積マクロファージはアテローム性動脈硬化症の原因になることが知られている。また、この論文では電子タバコの成分が免疫機能を抑制するかもしれないとも述べている。 ≪============ ============≫ ※1-1:Irfan Rahman, William MacNee, "Lung glutathione and oxidative stress: implications in cigarette smoke-induced airway disease." Lung Cellular and Molecular Physiology, Vol.277, Issue6, L1067-L1088, 1999
※1-2:Anupam Kumar, et al., "Current Concepts in Pathogenesis, Diagnosis, and Management of Smoking-Related Interstitial Lung Diseases." CHEST, Vol.154, Issue2, 394-408, 2018
※2-1:Takahiro Kamada, et al., "Acute eosinophilic pneumonia following heat‐not‐burn cigarette smoking." Respirology Case Reports, Vol.4, Issue6, 2016
※2-2:Toshiyuki Aokage, et al., "Heat-not-burn cigarettes induce fulminant acute eosinophilic pneumonia requiring extracorporeal membrane oxygenation." Respiratory Medicine Case Reports, Vol.26, 87-90, 2019
※3-1:Hiroshi Uchiyama, et al., "Alterations in Smoking Habits Are Associated with Acute Eosinophilic Pneumonia." CHEST, Vol.133, Issue5, 1174-1180, 2008
※3-2:Federica De Giacomi, et al., "Acute Eosinophilic Pneumonia. Cause, Diagnosis, and Management." American Journal of Respiratory and Critical Medicine, Vol.197, No.6, 2018
※3-3:Beenish Fayyaz, "Acute eosinophilic pneumonia associated with smoking: a case report." Journal of Community Hospital Internal Medicine Perspectives, Vol.8, Issue3, 2018
※4:Federica De Giacomi, et al., "Acute Eosinophilic Pneumonia: Correlation of Clinical Characteristics With Underlying Cause." Chest, Vol.152, Issue2, 379-385, 2017
※5:David R. Janz, et al., "Acute eosinophilic pneumonia: A case report and review of the literature." Critical Care Medicine, Vol.37, No.4, 1470-1474, 2009
※6:Darshan Thota, Emi Latham, "Case Report of Electronic Cigarettes Possibly Associated with Eosinophilic Pneumonitis in a Previously Healthy Active-duty Sailor." The Journal of Emergency Medicine, Vol.47, Issue1, 15-17, 2014
※7:Zhaohui I. Arter, et al., "Acute eosinophilic pneumonia following electronic cigarette use." Respiratory Medicine Case Reports, Vol.27, 2019
※8:Yasmeen M. Butt, et al., "Pathology of Vaping-Associated Lung Injury." New England Journal of Medicine, DOI: 10.1056/NEJMc1913069, 2019
※9:Dominic L. Palazzolo, "Electronic cigarettes and vaping: a new challenge in clinical medicine and public health. A literature review." frontiers in Public Health, doi.org/10.3389/fpubh.2013.00056, 2013
※10:Lindsay Mccauley, et al., "An Unexpected Consequence of Electronic Cigarette Use." CHEST, DOI: 10.1378/chest.11-1334, 2012
※11:Kevin Davidson, et al., "Outbreak of Electronic-Cigarette-Associated Acute Lipoid Pneumonia-North Carolina, July-August 2019." Morbidity and Mortality Weekly Report, Vol.68(36), 784-786, 2019
※12:I Weinberg, Z G. Fridlender, "Exogenous lipoid pneumonia caused by paraffin in an amateur fire breather." Occupational Medicine, Vol.60, Issue3, 2010
※13:My Hua, Prue Talbot, "Potential health effects of electronic cigarettes: A systematic review of case reports." Preventive Medicine Reports, Vol.4, 169-178, 2016
※14:Sonia L. Betancourt, et al. "Lipoid pneumonia : spectrum of clinical and radiologic manifestations." American Journal of Roentgenology, Vol.194, Issue1, 103-109, 2010
※15:C G. Perrine, et al., "Characteristics of a Multistate Outbreak of Lung Injury Associated with E-cigarette Use, or Vaping- United States, 2019." Morbidity and Mortality Weekly Report, Vol.68(39), 860-864, 2019
※16:I Ghana, et al., "E-cigarette Product Use, or Vaping, Among Persons with Associated Lung Injury- Illinois and Wisconsin, April-September 2019." Morbidity and Mortality Weekly Report, Vol.68(39), 865-869, 2019
※17:Christian Giroud, et al., "E-Cigarettes: A Review of New Trends in Cannabis Use." International Journal of Environmental Research and Public Health, Vol.12, Issue8, 2015
※18:Jeffery E. Gotts, et al., "What are the respiratory effects of e-cigarettes?" the BMJ, Vol.366, doi.org/10.1136/bmj.l5275, 2019 ≪============ ============≫ ※筆者は喫煙者を批難しない。喫煙者は、日本では国によって推進されてきたタバコ政策とタバコ会社のビジネスの犠牲者だからだ。禁煙外来などで処方されるニコチンパッチやニコチンガム、ニコチン代替薬には免疫系への悪影響がないことがわかっている(1)。ある物質は毒にも薬にもなる。医師の適切な指示に従って処方されるなら、ニコチンは禁煙にとって重要な薬物となる。1)Kate Cahill, et al., "Nicotine receptor partial agonists for smoking cessation." Cochran Database of Systematic Reviews, 2008 ≪============
●石田雅彦 ライター、編集者 Masahiko Ishida:医科学修士(MMSc)。近代映画社で出版の基礎を学び、独立後はネットメディア編集長、紙媒体の商業誌編集長などを経験。ライターとして自然科学から社会科学まで多様な著述活動を行う。法政大学経済学部卒、横浜市立大学大学院医学研究科修士課程修了、同博士課程在学中。JASTJ会員。1日20本25年の元喫煙者。サイエンス系の著書に『恐竜大接近』(集英社、監修:小畠郁生)、『遺伝子・ゲノム最前線』(扶桑社、監修:和田昭允)、『ロボット・テクノロジーよ、日本を救え』(ポプラ社)などが、人文系著書に『��節の実用語』(アカシック)、『おんな城主 井伊直虎』(アスペクト)などがある。
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英国の40歳から69歳までの一般市民を対象に、ベースラインの握力とその後の総死亡率や、特定疾患の発症率と死亡率を調べた英国Glasgow大学のCarlos A Celis-Morales氏らは、同年代で同じ性別の人より握力が弱い人では、一部の例���を除いて疾患による死亡率が増加する傾向を示したと報告した。結果はBMJ誌電子版に2018年5月8日に掲載された。 骨格筋は、体の動きをコントロールする以外に、蛋白質の貯蔵庫として機能し、糖の取り込みやエネルギー代謝にも重要な役割を果たしている。癌や呼吸器疾患、慢性腎臓病、感染症など、多様な疾患の患者で、筋肉量が減少していることも知られている。そこで著者らは、握力と総死亡率、各種疾患の発症率と疾患特異的死亡率の関係について検討し、外来で用いられるリスク評価指標に握力を追加すると、リスク予測能力が高まるかどうかを調べるために、住民ベースの前向き研究を行った UK Biobankは世界の医学研究者が利用可能なコホートで、様々な疾患の研究に用いるため、イングランド、ウェールズ、スコットランドの22カ所の評価センターで40~69歳の市民から参加者を募集して、2007年4月から2010年12月までに50万2628人を登録している。参加者はベースラインの健康状態を評価し、血液・尿・唾液検査などを行っている。UK Biobankの追跡データから、総死亡率、心血管疾患、呼吸器疾患、COPD、癌(あらゆる癌、大腸癌、肺癌、乳癌、前立腺癌)による入院と死亡イベントと、握力の関係を調べることにした。 最初に握力を連続変数として扱い、男女別に握力が5kg減る毎のイベントリスクのハザード比を求めた。次にこれまでの研究や報告と比較するために、参加者を年齢(56歳未満、56~65歳、65歳超)と性別に基づいて層別化し、さらに各グループを、ベースラインの握力に基づいて四分位群にわけ、各グループの最高四分位群をリファレンスにして、握力の低下とイベント発生リスクを比較することにした。 データの補正に用いる共変数として、ベースラインの社会人口学的要因(年齢、性別、人種、居住地域)と、登録したのは何月か、喫煙習慣、身長、BMI、身体活動量、1日あたりの座っている時間、食生活などに関する情報を得た。また、ベースラインで、糖尿病、高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、抑うつ、癌、長年患っている疾患の有無を確認した。 UK Biobankの登録者50万2628人のうち、握力の測定を受けていた50万2293人(女性が54%)を分析対象にした。平均7.1年(範囲は5.3~9.9年)の追跡で、1万3322人(2.7%)が死亡していた。心血管死亡は3033人(0.6%)、呼吸器疾患死亡は2026人(0.4%)、5738人(1.1%)は癌死亡だった。特定の疾患の発症率に関する追跡期間は6.1年(範囲は4.4~9.0年)で、2万8059人(5.6%)が心血管疾患を、1万542人(2.1%)が呼吸器疾患を、2万7704人(5.5%)が癌を発症していた。 最高四分位群に比べ、最低四分位群には貧困者の割合が高く、喫煙者、肥満者が多く、合併症として癌、心血管疾患、糖尿病、抑うつ、高血圧などの患者も多かった。また、握力の最低四分位群は、身長が低く、BMI・ウエスト周囲径・体脂肪率は高く、アルコールと果物や野菜の摂取量は少なく、身体活動度が低くてTV視聴時間が長かった。 握力が5kg減る当たりの補正後の総死亡率のハザード比は、女性が1.20(95%信頼区間1.17-1.23)、男性は1.16(1.15-1.17)だった。疾患別死亡率についても同様で、心血管死亡のハザード比は、女性が1.19(1.13-1.25)、男性は1.22(1.18-1.26)、あらゆる呼吸器疾患による死亡のハザード比は、女性1.31(1.22-1.40)と男性1.24(1.20-1.28)、COPDによる死亡については、女性1.24(1.05-1.47)と男性1.10(1.07-1.13)、あらゆる癌による死亡は、女性1.17(1.13-1.21)と男性1.08(1.03-1.13)だった。癌の種類では大腸癌死亡は女性1.17(1.04-1.32)と男性1.18(1.09-1.13)、肺癌死亡は女性1.17(1.07-1.27)と男性1.08(1.03-1.13)、女性の乳癌死亡は1.24(1.10-1.36)でいずれも有意なリスク上昇を示したが、前立腺癌死亡のハザードは1.05(0.96-1.15)で、有意差を示さなかった。 各疾患の発症率についても同様で、握力が5kg減る当たりの補正後の心血管発症率のハザード比は、女性が1.15(1.13-1.17)、男性は1.11(1.10-1.12)、呼吸器疾患発症率のハザード比は、女性1.22(1.19-1.25)と男性1.17(1.15-1.19)、COPD発症率は、女性1.20(1.12-1.29)と男性1.15(1.09-1.21)、あらゆる癌の発症率は、女性1.10(1.09-1.11)と男性1.06(1.05-1.07)、大腸癌発症率は女性1.08(1.02-1.14)と男性1.08(1.05-1.11)、肺癌発症率は女性1.15(1.08-1.23)と男性1.08(1.03-1.13)、女性の乳癌発症率は1.09(1.06-1.12)で、男性の前立腺癌発症率のハザードも1.04(1.01-1.07)と有意なリスク上昇が見られた。 握力と年齢には相関が見られ、高齢の患者より若い患者で、握力が5kg減る当たりのハザード比が高くなっていた。該当する項目は、女性では総死亡率、あらゆる癌による死亡率、心血管疾患の発症率、COPDの発症率、あらゆる癌の発症率、肺癌の発症率が有意な関係を示し、男性では、総死亡率、心血管疾患死亡率、呼吸器疾患死亡率、COPD死亡率、あらゆる癌死亡率、肺癌死亡率、心血管疾患の発症率、COPDの発症率、あらゆる癌の発症率、肺癌の発症率、前立腺癌の発症率が当てはまった。 「Foundation for the National Institutes of Health Sarcopenia Project」が筋力低下のカットオフ値に用いている握力(男性26.0kg以下、女性16.0kg以下)を当てはめて、カットオフ値より高い群と低い群を比較すると、やはり多くのイベントで補正後のハザード比に有意差が生じた。例外的に握力で差がつかなかったのは、男女の肺癌死亡率、前立腺癌死亡率、女性の大腸癌発症率、男女の肺癌発症率、前立腺癌の発症率だった。 既に確立されている、年齢、性別、糖尿病、BMI、収縮期血圧、喫煙習慣に基づくリスク評価指標に握力を追加すると、予後予測の精度を示すC統計量は0.013向上した(ROC曲線下面積が増加した)。心血管疾患死亡の予測能力も0.012向上、心血管疾患発症率の予測能力も0.009向上した。 これらの結果から著者らは、握力の低下は、総死亡率の増加、特定疾患の発症率と疾患特異的死亡率の増加と関係していた。握力は血液検査などが行えない場所でも測定が可能であることから、今後はより有効な活用法についての研究が必要だと結論している。なお、UK Biobank研究はWellcome Trustや英国政府機関などの支援を受けている。
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世界一辛い唐辛子を食べた男性が『雷鳴頭痛』に 医師が注意呼びかけ
【AFP=時事】世界一辛い唐辛子を食べた米国人男性が「雷鳴のような激しい頭痛」に襲われた事例を研究した医師らが、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の症例報告データベース「BMJ Case Repor… Source: grape
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■ラプンツェル症候群 Ullah W, Saleem K, Ahmad E, et al. Rapunzel syndrome: a rare cause of hypoproteinaemia and review of literature. BMJ Case Rep 2016 Sep 26;2016 ラプンツェル症候群と低蛋白血症を合併し,胃から10×15cmの毛髪塊を摘出した中年女性の1例および症例報告88例文献レビュー.これは臨床でも役に立つ論文ですね,レアですけど.
明日からの臨床に役立たない(?)が思わず二度見する論文集2016 : EARLの医学ノート
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