#bluenoteyokosuka
Explore tagged Tumblr posts
Photo
【浪速屋と古本屋とブルーノート横須賀】 今日は床屋と実家詣と墓参りを兼ねて横須賀に向かう道中、鎌倉に降り立った。 昨日の寒さから一転、暖かい春の陽気のせいもあって、平日にも関わらず鎌倉はかなりの人出だった。 小町通りから最初の角を右に折れると、一尾ずつ型に入れて焼く鯛焼き屋「浪速屋」があり、腹ごしらえにたい焼きを二尾頂いた。 腹ごしらえを済ますと、そのまま地元衣笠へ。 どんな拗らせた癖毛も揃えて整えるパンチ率の高い床屋で髪を刈る。ここで刈ってもらうとズラの様に髪型が崩れない。それが大体1ヶ月以上続く。他だとこうはいかない。二週間ぐらいで髪は出鱈目に伸びだして、手に負えなくなる。 店主は腕はいいのだが歳をとったせいで、とにかく時間がかかる。金額はそのままでいいからカットだけにしてもらいたいぐらいだ。 3時過ぎに床屋が終わり、実家に寄って仏壇に線香を立て、手を合わせる。線香が燃え尽きるまで独居老人の話でも聞いてやろうかと思ったが、不平と不満とどうでもいい話のオンパレード。線香を3分の1ほど残したところで家を出た。 「テナント募集」と書かれた店舗が立ち並ぶ道を歩いて北久里浜駅まで行き、電車に乗って墓がある堀之内で降り、花と線香とライターを買って、墓参りをチャチャッとすませた。 再び電車に乗って横須賀中央へ行き、青山ブックセンター六本木店で本のディレクションや店舗デザインをやっていた人が店主の古本屋「Book&coffee AIMS」に寄った。 家にはまだ読んでいない本が大量にあるし、ここに来ると本を買ってしまうからコーヒーだけ飲んで帰ろうと思ったが、店に入ると買ってしまう。 結局、橋本治さんの直訳「枕草子」を上中下の3冊と久々に読みたくなったケラワックの「路上」の計4冊を買ってしまった。 机の上が読みかけの本や手付かずの本で占拠され、完全に多頭飼育崩壊の猫屋敷のようだ。 本屋併設のカフェの席に座り、他のお客さんと店主も交えて、横須賀の色街の話題で盛り上がった。 赤線防止法が施行されるまでの間、小学校と住宅地に囲まれた一角に色街があった。色街と言っても安浦(現平成町)のような私娼窟ではなく吉原などと同じ公娼街。 自分が小学生の頃はとっくに衰退し、当時を偲ばせるものといえば鄙びたラブホとみかえり柳がある写真館とSPランドが平成の世まで残っていた。 私がお客さんに「住宅街に囲まれた鄙びたソープに行く奴いなんて、いたんですかね?どんな婆さんが出てくるか分かったもんじゃない。」と言ったら「俺行ったよ!あそこで毛じらみうつされてさ、参ったよ!」と意外な答えが返ってきた。猛者もいたものだ。 「相手は不法滞在の外人だったんですか?」 「いや、日本人だよ。」 「そりゃ、潰れるわ!」そう言って皆で大笑い。 コーヒー1杯で散々喋って、店を出るともう日が暮れていた。 自粛が延長され、横須賀中央の飲食店は大方閉まっていた。あまり期待せず「blue noteヨコスカ」を覗いてみたら、珍しくやっていた。 店に入ると珍しく先客がいた。お客さんは老舗ジャズ喫茶「チグサ」などにも通っているジャズ好きな60代後半の男性。その客と70をゆうに超えて耳が遠くなったママが話し込んでいた。 私はカクテルの「ゾンビ」を注文し、出来上がるまで2人の会話を聞いていた。 2人とも耳が遠いのか、互いが自分の言いたいことを大声で喋っている。側から聞いていると会話になっていない。だがパーカーのアルトサックスとベイカーのトランペットの掛け合いのような、やりたい放題、やりっ放しの会話だったが、何故か2人とも頷き、にこやかに会話を終え、男性客は上機嫌で帰り、ママはにこやかに送り出した。だが、側から聞いていると会話は終始成立していなかった。 2人のやりとりがもおかしくて、読書に集中できず、何度もカクテルを吹き出しそうになった。 男性客が帰るとママは自分に話しかけてきたが、こちらの返事も待たずに勝手に納得して頷いた。 そのうち声がしなくなったので、倒れたのかと思ってカウンターを覗くと黙って座ってクロスワードパズルのようなものをやっていた。 時計を見ると時短営業の閉店時間である20時をやや過ぎていた。おかわりしようかと思っていたが、やめて店を後にした。 海からの生暖かく生臭い風が灯が消えた通りを吹き抜けていた。 #浪速屋 #Book&coffee_AIMS #BLUENOTEYOKOSUKA (鎌倉浪花家たいやき) https://www.instagram.com/p/CMPjOpZjrTc/?igshid=1pesjg6un92d0
0 notes