#MD CD-R 山崎まさよし
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日常に生きる少女
ナンバーガールのどの曲が好きか、そのときどきにより変わってくるんですが、これは音楽でも小説でもそうだと思いますけども長いこと好きでいると自分の気分や考え方に波や慣れがあるので、流動的です。最近はこれが多いなとか、これとこれを合わせるとか、とはいうけども不動のトップ4(…いや5…やっぱ6かな…)があるなとか、アルバムでのこの流れのこれが好きとかそういう…。
また、わたしは学生時代の心やあたまがかなりやわらかい時期にナンバーガールを聴き始めたこと、当時の思い出と密接に結びついていることから、自分が冷静に曲を聴けているのかわからないです。当時の風景や好きだった子のことを思い出します。 あるいはかなりイージーにふだんから流しっぱなしにしており、耳になじみすぎていて(聴きながら小説が書けるくらいです)聴いているんだか聴いていないんだかわからないという気もします。…いやでもわたしがごく最近聴くようになったアーティストのほとんどは、Apple Musicでダウンロードして料理や掃除のときに”ながら聴き”して好きになっていった感じだな…。ちかごろほとんどCDを買わなくなったのもありますが、歌詞カードとにらめっこしながらじっと聴きいる…という鑑賞のしかたは若いころのごく限られた時期だけだったようにも思います。 長々すみません。村上春樹の「ダンスダンスダンス」の書評をいま書��のがわたしにとって難しい…というのと似ているかもしれません。
いまの気分でパッと思い浮かぶのは「日常に生きる少女」という曲です。ただこれは、わたしの不動トップ4からはよく漏れますがトップ6だとだいたいいる、たまに2位によくいる(たまによくいる)感じの曲です。 トップ4からほぼ消えないのは「Sappukei」と「U-Rei」という2曲です。これはアルバムでも(オリジナルアルバムでもライブ盤でも)2曲並んでいるので、セットでとらえている感じ…。村上春樹でいうと「午後の最後の芝生」と「土の中の彼女の小さな犬」が「中国行きのスロウ・ボート」という短編集の中で並んでいるあの流れを愛しているみたいな…。また「Sappukei」は、おととしナンバーガールトリビュートの小説アンソロに参加しまして、わたしはこの曲をイメージして小説を書きました。 そして流れの話をすると、好きな曲といって名前をあげることはあんまりないんですが、「Sappukei」と「U-Rei」の流れを聴きたいために再生したアルバムを流しっぱなしにしていて数曲後、やがてそのまま流れてくる「Young Girl 17 Sexually Knowing」はかなり体になじんでいて心地いい…あんまり自分自身でも意識されていない「好き」だと思っています(中国行きの〜でたとえると「シドニーのグリーン・ストリート」でしょうか、わたしのなかで…。
よく聴いているやりかたのひとつは、「記録シリーズ1」というライブ音源がいっぱい(70曲…)入っているCD-BOXのApple Music盤をとばしたり戻したりしながらいったりきたり流しっぱにする…(記録シリーズには同じ曲のちがう日時・場所バージョンがいろいろ入っているので戻さなくても”いったりきたり”にはなりやすいんですが…)感じです。 余談ですがわたしが最初に聴いた「記録シリーズ1」は、妹の友人の祝(いわい)くんがCD-RとMDに焼いてくれたもので(とちゅうでCD-Rが足りなくなりMDになったものと思われる)、かれがいっしょけんめいWordに手打ちしてくれた歌詞カード&かれ自身のライナーノーツ…A4コピー用紙の束つきのものです。それを妹がポケットファイルに入れてくれて、表紙に「”祝” In My Head」と黒マジックで書いてくれました(ナンバーガールの曲に「OMOIDE IN MY HEAD」というのがあり、かれらのアンセム的位置付けです、森山未來が踊っていた曲)。 ところで祝くんはナンバーガール解散後のフジロックで「向井秀徳とばったり会った」ことがあり、「Tシャツにサインしてもらった」「向井秀徳は酔っぱらっていた」、そのTシャツを妹におみやげだといってプレゼントしてくれました。サインは「ムカイ」とカタカナ三文字で、マジックもかすかすで、ほんとに向井秀徳のものなのかわからない…妹にも祝くん自身にも…というエピソードがありまして、これも青春ぽいですね。余談おしまい。 そして今見てみたら「記録シリーズ1」では「Sappukei」と「U-rei」は並んでいないようなので(Apple Musicはしょっちゅうバグってアルバムが分かれたりジャケットが変わったりする)、さっきだらだら書いた「流れ」の話はなんだったんだ、ちょっとこの段落聞き流してください…。
(気を取り直し)よく聴いているやりかたのひとつは、「サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態」というライブ盤のアルバム(2002年11月解散ライブの音源)を、いったりきたり流しっぱにしている感じです。 このアルバムには、さっき挙げた「日常に生きる少女」「Sappukei」「U-rei」「Young Girl 17 Sexually Knowing」とぜんぶ入っているので、もちろん「OMOIDE IN MY HEAD」も「透明少女」も入っているので、これがいいかなあと思います。
ただサッポロ〜は2枚組なので、1枚のだと「シブヤROCKTRANSFORMED状態」がおすすめです。これは1999年録音なので活動期間後半の曲は入っていないですがこれはという曲はおさえている…ライブ音源はいろいろあり一曲一曲は個人的にはベストアクトではないやつもあると思うんですが、流れが強い、ああナンバーガールだなあと思うので…。解散ライブの今際の際もいいですが「これから」があった時の記録としての1999年のライブ盤は、やはり、いいなと思います。「イナザワくん、今日またビールを飲もうじゃないか」という向井のMCがああいいなあ〜と思います。
ライブ盤ばかり挙げておりますが、ナンバーガールはスタジオ録音とライブ演奏がぜんぜんちがうので、まあ、やはりライブのほうがかっこいいです。 そういう意味では、ベスト盤の「OMOIDE IN MY HEAD 1 ~BEST & B-SIDES~」だと、スタジオ録音の曲もあればライブ録音の曲もあり、幅広く楽しめるんではないかなあと思います。
あともうここまできたらついでの話なんですけど、坂口安吾の「小さな部屋」という初期の短編がナンバーガールだなあ!と思うので、わたしと妹はナンバガだと思って読んでいるので、ナンバガのBGMにでも読んでみてください(小説のほうがBGMなのか?)。 登場人物は 痴川:向井秀徳 伊豆:アヒトイナザワ 小笠原:中尾憲太郎 麻油:田渕ひさ子 のように読んでいます(なおこの場合孤踏夫人は椎名林檎でしょう)。
また「害虫」という2002年の映画(宮崎あおい、田辺誠一、蒼井優が出ています)の音楽がナンバーガール��、こちらもおすすめです。向井が撮影現場を見て書き下ろしたという「中学���年生」「サーティーン」(いずれもインストゥルメンタル)を聴くと、わたしは好きだった女の子のことを思い出します。ベスト盤にはこの二曲も入っています。
そんな感じです。ナンバーガールについておたずねいただきとてもうれしかったです。あっでもやっぱ「SCHOOL GIRL BYE BYE」(1枚目のオリジナルアルバム)めっちゃ好きだな…。スタジオ録音のすかすかに軽くて声が若いのもいいな…。「中国ゆきのスロウ・ボート」はこっちかもしれません…。
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けさ柳屋さんから、ナンバーガールの曲をなにか買おうかと考えているけど、好きな曲は?とおたずねいただき、テンションあがって(自分の好きなものに興味をもってくれるとめちゃくちゃうれしい)長々書いためもです。柳屋さんありがとうございます。
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