#長閑の庭というドラマに出てくる言葉がとても美しくて感動したのに
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rezagrats · 5 years ago
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「長閑の庭」面白かった。 背景が花園な少女漫画な夢心地の描写でありながら主題のリアルな人の心の動きや葛藤がはっきりと映し出されていた。 原作とドラマは主題を壊さない限り違っていい。ドラマならではの演出、脚本、ロケ地、音楽、キャストがあるのだから。別作品として楽しめればいいと思う。このドラマはその意味でよかった。 #長閑の庭 #長閑の庭すごく良かった #長閑の庭というドラマに出てくる言葉がとても美しくて感動したのに #田中泯 #橋本愛 #斉藤由貴 #ボクラノカタチ #ロザリーナ #震えてたら抱きしめて #恋は一本の鎖 #愚かになって下さい #これは恋だと思うのですが #心から愛した人が朽ちていくのを最後まで看取るということは自分自身も失われていくこと #恋愛ごっこじゃ無理な領域 #朝比奈くん #いくおくん #シュバルツさん (at NHK Broadcasting Center) https://www.instagram.com/p/BzFLY7-gSYr/?igshid=3rmmurcdlr86
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oka-akina · 3 years ago
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読書日記:ペーパーウェル①
6/26ペーパーウェル
ペーパーウェルというネットプリントの企画に参加していまして、読んだもののひとこと感想です。とりあえずきのうまでだったものを中心に…といいつつけっこうとりこぼしていることに気づいたので(プリントしたつもりでしてなかったり…)、また第二弾も書きたいです。今回テーマが「散歩」なんですが、近くのコンビニへプリントしに行くのが散歩になっていい感じ。今夜はすごい夏の夜!って感じの湿度ですね。 ツイートにしたほうが作者の方に届きやすいかなあとは思ったのですが、いまわたしtumblrに毎日読書日記をつけるというのをやってまして、その流れで書いているものです…っていってもなんのこっちゃって感じですが…(なんかとつぜん今月始めたことです)。
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「いい子だから」不可村天晴さん 高校生とか大学生だったころ、自分がやたらに小忙しい子どもだったのを思い出しました。部活とか学校とかバイトとか…。母親もそんな感じで、なんか体調が悪くなっても忙しいからと言ってぜったい病院に行かない…みたいなところがあり、本作の「部活動で怪我をしても絆創膏一枚で終わらせるほどで」のところでうなずくなど…。そうして「散歩に縁がないやつを選んで」と散歩に出た主人公が、「あっと思って、体中の絆創膏を剥がしていった。」というところになんだか開放されたような気持ちになりました。
「散歩進んで、���歩下がる」とちさん 運動不足の主人公が友人のアドバイスを受け、散歩に出かける。(私が、のんべんだらりとして文句しか言ってない間に、みんなは頑張っているんだなぁ)という述懐が好きです。わかる…すごくわかる…そしてそれを素直にそう思える主人公がいいなあと思う…。二人の「道端の文字を写真に撮ってやり取り」が素敵で、そういう遊び心とか工夫とか、前向きさのある関係性で、読んでいて元気が出ました。
「どこへでも、」ナカノヒトリさん 散歩に出かけたきり母親がずっと帰ってこない…のだけれど、家の電話にはときどき連絡をくれるし、旅行会社の窓口で仕事をしているようだし、どうやら離婚した父親(夫)のところにいるようでもある…。なぜそうなったのかわからないけど日常は続いていってしまう。すごく面白かったです。あとがきの「捨てられる」の話も興味深く、長編バージョンも読んでみたいなあと思いました。表紙の、高いところから道ゆく人を見つめている感じが作品の温度と合っていて好きです。遠目から見たひとびとの、それぞれの表情や人生はわからないけど、「捨てる」「捨てられる」「まさにいま捨てようとしている」があるのかも…。
「手にしていたもの」みたかさん わ〜〜めちゃめちゃ好きです! 小さいころ床屋のサインポールが不思議で仕方なかったのを思い出しました。上に吸いこまれていった赤青白はどこにいくのだろうと…。「父は時々私を叩いた。」の一行が効いていて、見事だなあと感嘆しました。そうして最後の「安全な場所にいるということは、〜」にぐっときました。
「サイダーと水たまり」滝みゅぅさん 雨上がり、路地の水たまりにサイダーを落としてしまった少年。そこに映る景色とはるかな散歩…。「人間さん、どこまでいくの?」「どこまでも!」の問答が好きです。少年の万能感に、晴ればれとした気持ちになります。塀と塀のあいだの路地、という場所の秘密っぽさと、散歩のひろびろした感じがいいなあと思います。なんとなく国語の教科書の「くじらぐも」を思い出したのですが、くじらぐもの内容は思い出せない…。
「早起きしたなら」めぐるさん 失恋の気晴らしに奈良に旅行に出た「私」。「そのくせ恋が終わるとまるで自分の身体の一部が切り取られたように痛んで、寺社仏閣に足を運んではこの痛みが薄れますようにと手を合わせた。」がなんとも好きです、なんとなく惚れっぽい感じがして…。拝観時間より早く着いちゃうせっかちさとか、「私」の���柄がとてもいいなあと思いました。そして旅先でいつものスタバに行くの、すごくわかる…(わたしは深夜バスを降りてとりあえず入るマクドが大好き)。ゲストハウスの感じとか、旅行に行きたくなりました。
「歩幅のなぎさ」あずみさん 「歩いた先、変ったもの」水谷なっぱさん 河川敷から河口、海辺へ。こういう水辺の遊歩道っていいですよね…どんどん歩いていけそうな感じで…。上半身裸の男性、のところで以前平和島の人工砂浜でまさにそういうおじさんがいたのを思い出しました。 それぞれの作品で散歩する二人がすれちがうという合同作品で、こういう作品同士がさりげなくリンクするの大好きです(ずいぶんむかしのテレビドラマですけど「ギフト」と「いいひと。」で木村拓哉と草彅剛が一瞬すれちがうみたいな…)。 シロツメクサの指輪をつけあった鈴音と鈴子は、コロナ禍のいまに少しでもいいことを見出そうとする…前を向こうとしているさまがなんだか健気で、現代の子らしさを感じます。 寛子と一佳はもう少し大人の二人。「外から見てわかる記号」のリスクとメリットへのひとことでは言い表せない思い。また都会と故郷、汽水への言及に先日拝読した『みてる凪が見ている』を思い出しました。こちらの本編も読んでみたいです。
「ふたりでおさんぽ」七歩さん LINEのトーク画面のように並んだ会話にもしかして?あれ?と思っていると、なるほどそういうことか…とうなずき…(信号赤だけ���〜もそういうことですね)。無数のレイヤーにわかれてバラバラになってしまったという世界は、現在のコロナ禍と重なります。カエルやカタツムリのような生き物たちは、世界のいろいろを感知してはいないのだろうけど、ペーパーに広がる紫陽花を眺めながらなんとなく切ないような気持ちになりました。
「まよなかのさんぽみち」あおきひびさん 学校に行けない子の「わたし」は、夜の公園で知らないおねえさんと出会い、散歩する。ほとんど言葉は交わさず、でも何かを分かち合っているような、おたがいのしんどさを察し合っているような。静かでやわらかな夜の雰囲気がいいなと思いました。夜中にそっと家を抜け出す、そういう時間が必要なときがあるのだと思います。
「おもいで散歩 おのみち」泉由良さん ななさん 大林宣彦の『ふたり』、思い出深い映画です。尾道のマップと短歌を眺めながら、いいなあ行ってみたいなあとあれこれ想像しました。ゆらさんの「のらねこにお昼ごはんをやるひとを 眩しく見上ぐ石段に影」が好きです。自分が野��猫など外の動物とそういうコミュニケーションをとれる人…ではあんまりないので(猫は好きなんですが)、眩しさという語にじんとしました。
「逍遥、朝まだき」凪野基さん 密度の高い短編で、ここから広がる世界をもっと読んでみたい…!と思いました。ふたつの国に挟まれた中洲の島…という場所にドラマを感じます。朝もやに包まれていて、鳥たちがたくさん飛んでいて…美しい光景を思い描きつつ、その背景にある国同士の争いについて思いを馳せます。そして先生がめちゃめちゃいい…好きです…!
「散歩に向かない性格」鳴原あきらさん デパートやショッピングモールや、広い店内をあれこれ見てまわるといい散歩になりますよね。天気が悪くても、夏でも冬でも快適だし…。平日の昼間のゲームセンターの、なんとなくのどかな感じを思い出しました。そこから同人活動の話へつながっていき、語り口の調子もあって『たまに料理しようと思ったらこれだよ』と重なりました。
わたしも短編小説の折本で参加しております〜 「ソルロンタン」 セブンイレブン・白黒・A3・20円 6/27(日)まで 予約番号:31342912
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三姉妹とスープの話です。PDFのダウンロードもできます。 https://okwdznr.booth.pm/items/3062316 折本はA3で作っちゃったので家庭用プリンターだとペーパーver.のほうがいいかもしれません。ペーパーver.はスマホからでも読めると思います。 なかみのテ���ストはこちらにものせています。
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たくさんの作品が参加されていてぜんぶプリントするのは難しいのですが、あれこれ読んで楽しんでおります。ネプリもたくさん刷ると同人誌1冊買えそうな値段になりますね〜。いや単純にくらべられるものではないんですけども、でもまあ、ちょっとでも同人誌の印刷屋さんを応援したいのもあるのでぜひぜひ本も見ていただけたらうれしい…です…! 7月いっぱいまで尼崎文学だらけというオンラインイベントに参加しています。こちらはなんと送料がかからず本が買えますので、ためしになにか読んでみようかなという方にはとてもおすすめです。
おかわだは、 ・50代レズビアン女性の話「ミントマイナスマイナス」700円 ・短編集「百々と旅」700円 ・架空の学校がテーマのアンソロジー「閑窓 vol.4 学窓の君へ」700円 の3種でおじゃましています。
今回のネプリでいろいろ短編を楽しまれた方には「閑窓」がおすすめです〜! 閑窓社さんのアンソロジーにおじゃましまして、わたしは人生2周目の男の子の話を書きました。8人の作家によるささやかな尖りをもった現代小説が10編。よかったらのぞいてみてくださいませ〜
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itose01 · 7 years ago
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ひみつのはなぞの
「クリミナルマインド」パロ。FBIの行動分析課が、犯罪者をプロファイリングし、犯罪心理を読み解いて事件の解決を目指す…という海外ドラマのパロです。未見ですが「エル」という映画の設定にも影響を受けています。 現実の日本より物騒な国で司法制度や警察組織も現実とは別物と思ってふんわりお読みください。
※ 出水くんのお父さんが犯罪者、太刀川さんが行動分析官という設定です。 ※ 小児性愛・殺人についての描写があります。それほど過激ではないですが、嫌悪感を抱く方はご注意ください。  【出水公平】  閑静な住宅街にある、真っ白の壁にとんがり屋根のその家には、絵に描いたような幸福な家族が住んでいた。  立派な洋風の家はもちろんだが、それよりも家族の自慢だったのは、父親が休日ごとに丹精を込めて世話をしている庭だった。  玄関へと続く煉瓦の小道をそれてアーチ型の門をくぐれば色彩豊かな花々が咲き乱れる庭へと出る。テラスに備えられたテーブルに母親と幼い姉弟は手作りのクッキーを並べ紅茶を入れて、庭仕事を終えた父親を呼んで、その庭を眺めながらアフタヌーンティーを楽しむのだ。  ご近所からもうらやましがられる美人の妻と、天使のような子どもたち。誰でも一度は夢に見る、そんな幸福に満ちた光景だった。  その家族に不幸が訪れたのは、庭の薔薇が美しく咲き誇る初夏のことだった。まだやっと小学校に上がったばかりの弟と父親をおいて買い物に出かけたまま、母親と姉が帰らぬ人となったのだ。どこにでもある、不幸な事故だった。  二人で住むには広くなった家で、それでも父と子は助け合いながら細々と暮らし続けた。母親が好きだった美しい庭は、変わらず花に溢れ、そこだけ時が止まったかのように見えた。その様子は近所の者からの憐憫を誘い、周囲は助けの手を差し伸べようとするが、それらを全て丁重に断りながら、父子はただ、二人だけで生き続けていた。  それから5年後。彼らの美しい庭から一人の少年の死体が発見された。  それだけではない。発見される2週間前に行方不明になっていたその少年のほかにも、警察の手によって掘り起こされた庭には4人の死体が埋まっていた。いずれも幼い少年で、その全てに性的暴行の痕跡が認められたという。  聴取された父親は素直に犯行を認め、やがて死刑判決が下された。  そうして一人残された彼の愛息子の名を、「出水公平」といった。 * * *  行動分析課に所属する太刀川慶は、手元の資料にぼんやりと視線を落とし、かの青年の経歴をなぞった。けれど結局、思考は彼の名が世に知られることとなった最初の事件に辿り着く。  唯一の加害者家族であったその少年は、事件の残虐性と異常性に過熱した報道と、「無害な」国民の好奇の視線にさらされて、プライバシーも何もなく、その個人情報をさらされることとなった。  その日、家族の自慢であった白い家は報道陣と野次馬に囲まれており、保護されていたはずの彼がどうして無防備にその姿を彼らの前にさらすことになったのかはよくわからない。けれど、不意に窓から顔を覗かせた「異常犯罪者の息子」に、報道陣だけではなく野次馬までもが競ってカメラのレンズを向け、一斉にフラッシュを焚いた。  その時の少年は、そんなふうに必死になって自分にたかる人々には一切目を向けることなく、ただ静かに庭を見つめていたという。  無惨に掘り起こされ、荒らされた庭。かつては季節の花々が咲き乱れ、優雅に蝶が飛び、光に満ちていた家族の自慢の庭。  騒動に気が付いた警察が彼を慌てて室内へと引き寄せカーテンをぴったりと閉じるまで、彼はじっとその庭を見つめ続けた。  目元は隠されていたけれど、その写真は太刀川も見たことがある。  あの時の少年が、当時の面影を残し��つ、けれど流れた年月を相応に感じさせる成長した姿で、太刀川の目の前に立っていた。  かつての少年、出水公平が太刀川の所属する行動分析課に配属となったのはある意味では必然であった。  事件後は親戚に預けられたものの、日本中からの好奇と畏怖と侮蔑の視線に耐えかねた彼は一人合衆国へと居を移し、行動分析の先進国であるかの地で犯罪心理学を専攻し、若くして博士の称号を得て帰国したのだ。  もともと頭は良かったが、遠い異国の���でスキップを重ねるほどの学才があったようにも思われなかった。にもかかわらずそれを成し遂げたのは、彼の中の非常な情熱と執着だろうと推測したのは、当時最も出水公平と親しく接していた担当分析官であった忍田正史だ。そもそも彼に渡米を勧めたのも忍田だという。  出水が今回太刀川のチームが担当している事件にアドバイザーとして招致されたのもその縁があったからだ。  その事件を、「出水公平」とそれほど年の変わらない太刀川が記憶していたのは、それが日本を揺るがす大事件だったからではない。たしかに当時は連日ニュースでもセンセーショナルに扱われ、学校でも話題になっていたが、それはあくまで自分とは関係のない、どこか遠くで起こった出来事で、すぐに忘れ去られる類のものだった。  太刀川にとってその事件が意味を持ったのは警察組織に入り、行動分析課で働くようになってからだ。  まだ立ち上げたばかりで実績のない行動分析課が初めて挙げた「手柄」で、その中心となったのが、自分が師として慕う忍田だった。その事実が、太刀川にとってその事件を特別たらしめる理由であった。  分析官として働くにあたって、これまで行動分析課が解決してきた事件の概要と分析内容をサンプルとして読み込んだ、その時に記憶に刻まれた文字の羅列とわずかな写真が太刀川にとってはその事件の全てだった。  そんな、資料でしか知らなかった人物が、今、実際に太刀川の目の前に存在している。それはひどく不思議な気分だった。 「よろしくお願いします、太刀川さん?」  そう、紹介されたばかりの名前を軽く語尾を上げて呼びかける彼の、透き通った琥珀の瞳を見た瞬間、太刀川は誰にも気づかれないほど小さく、「あぁ、これが」と感嘆の溜息をついた。無造作に拾い上げたパズルのピースがぱちりと当てはまったような感覚だった。  その時、彼の腑に落ちたのは、忍田からもたらされた「利発な子」という評価でも、先に顔合わせを済ませていた迅の「面白そうな奴」という感想でもない。  この青年のかつての幼い姿を前にして、犯して殺してやりたいと願いつつもそうすることの叶わなかった彼の父親。太刀川が共感したのは、そんな父親の異常な愛情だった。 * * *   父親は、警察からの聴取で聞かれたことには何もかも包み隠さず答えたという。少年たちを誘い出した方法や、犯している最中、少年たちがなんと叫んで助けを求めたか。いかに残虐な手口で殺して、どうやって周囲に気づかれずに遺体を庭に埋めたのか。淀みなく、理性的に答える姿が、彼の異常さを際だたせていた。  けれど、そんな父親がただ一つ、口を閉ざした質問があった。 「どうしてこんなことを?」  誰がどんなふうに問いかけようと、彼は未だにこの問いにだけは沈黙を守っている。  事件当初、そんな彼の態度にさまざまな憶測が飛び交った。そうしてその矛先は、そんな父親と二人で細々と暮らしていた、まだやっと十をすぎたばかりの幼い息子に向けられる。  小児性愛者である父親の相手を恒常的に務めていたのはその息子だろう。それを厭った彼が父親をそそのかしたのではないか? 父子は共犯だったのではないか。むしろ無邪気に主導権を握っていたのは子どもの方だったのではないか?  そんなふうに無責任な推理ばかりが暴走した。流出した、庭を見つめる彼の写真もその暴走を加速させた。  けれど、それらが全くの誤りであることは、捜査にあたった人間はみんな知っている。彼の息子の身体には性的接触の痕跡はついぞ見られなかったし、家宅捜索によっても物的証拠は何も出なかった。犯行は子どもの不在時や就寝中に行ったという父親の証言通り、用心のために息子に使用したらしい睡眠導入剤が押収品の中から見つかった。  一方で、彼の息子がこの事件の引き金であったという周囲の仮説は、正しく的を射ていた。  見つかった死体は5年間で5人。季節は多少ずれても、「標的は1年に一人」というルールだけは守って殺されていた。そして年を経るごとに被害者の年齢は一つずつ上がっていた。選ばれたのは必ず、彼の息子と同い年の少年だったのだ。  偶然の一致ではありえなかった。  小児性愛者の犯行だという地元警察の推理が覆されたのも、このルールに気が付いたからだ。  当時の捜査で一連の事件に関わると目されていた行方不明の少年たちは、小児性愛の対象としては年齢の幅が広すぎた。好みが変わったのか、犯人には本命がいて、それに合わせて標的を変えているのか。  後者であると仮定して捜査を行った結果、行き当たったのが件の父親だ。彼の本命は、彼自身の愛息子だったというわけだ。  引き金は愛する妻と娘の死であったろうが、彼の欲望はその前から芽生えていたに違いない。二人の死から殆ど間を置かずに犯行が始まったことから、かねてより抑えつけていた欲望が枷を失ったのだと考えられた。  なぜその欲望が息子本人ではなく、他者へと向かったのか。  頑なに犯行動機を語らない父親の姿に、彼なりに「理想の父親像」を守ろうとした葛藤が爆発した結果なのではないかという、警察内部��も結局は憶測でしかない結論がくだされ、そうして事件自体は一応の解決を見た。    十数年の時を経て、初めて太刀川は父親の内心を思い知る。  汚して壊して辱めて、無惨な姿に貶めたい、そんなふうに、異常者をこそ無性に惹きつける存在。  それでいて自分の狂った欲望にさらしてはいけない、汚れた指で決して触れてはいけないと不可侵の聖域のように思わせる存在。  そんな蠱惑と無垢が絶妙なバランスを保って人の形をとった、それが出水公平だった。  きっと、彼のそういう性質は普通の人間にはわからないだろう。けれど太刀川は一目で理解した。  それは太刀川慶が、かの父親と同じ種類の人間だったからに他ならない。 Next→【太刀川慶】 「お前は、殺人鬼の目をしているな」  警察組織の1から10までを手取り足取り教えてくれた先輩刑事が定年間際、最後によこした言葉がこれだった。  自分がなんと返したかは覚えていない。 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 行動分析課は猟奇殺人、連続殺人などの難事件が起こると、地元警察の依頼を受けて各地に出張するというイメージです。現場へ出向する分析官と、渉外担当、情報分析担当などの役割分担があります。 ・なんとなく思いつくままに書いていたのですが、みなさんのかわいい太刀出を見て我に返ったので、ちょっと寝かせます。私はいったいなにを目指していたんだろう…。また気分が乗ったら続きます。忘れないようにちょっとさらしておきます。 ・個人的には太刀川さんは戦闘狂いだけど実は出水より常識人だと思うんですが、たまにサイコパス傾向のある太刀川さんも嗜みたくなる。
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takurutake · 6 years ago
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漫画備忘録'18
2018年1月〜12月の間にブクログに「読んだ本」として登録した漫画に関するメモが以下続く。99%漫画。
読後すぐ感想を書いたものはそれを見つつ、感想が残ってないものはおぼろげに思い出しつつ…なので、ほぼ感想ですらない備忘録です。
1~2.黒執事(25)(26)
去年くらいに突然黒執事が読みたくなり一気買いしてから、最新刊出たら買う日々。なんで読みたくなったのかは覚えてない。
3~7.変ゼミ(6)~(10)
随分昔に5巻まで買ってたのをやっと完結巻まで揃えた。台詞回しが大好き。TAGRO先生の鍵アカにフォロリクを送ったが断られ、悲しい。
8.25時のバカンス 市川春子作品集(2)
フォローしてるbotが漫画のセリフを定期的に呟いていて、何年も気になっていたので買った。「あのときおまえを助けられるのは私だけだった それがうれしくて 今が永遠になればいいと思った ばかだろう おまえは私を 粉々にしてもいいんだ」
9~10.セトウツミ(2)(3)
これ漫画家さんが掛け合い考えてんの…!?となるほど会話劇が面白く、一体どいういう人なんだよ…と検索するも何もわからない。wikiすらない。
11.JOY
カバーデザイナーさんの宣伝ツイート経由で知り、あまりのカバーの可愛さに一目惚れし購入。絵津鼓さんにハマるきっかけになった一冊。
12.LIMBO THE KING(3)
田中相さんってこういうお話も書けるんだ!と思った、海外ドラマのようなバディストーリーで結構長編になりそう。バディモノ大好き。
13~14.イノサン(1)(2)
中学生の頃に何かで知って、頭の片隅にありつつ読んでなかったのをやっと読んだ。耽美。キスの場面が綺麗で記憶に残ってる。
15.山賊ダイアリー(1)
実際こうやって動物を狩猟している人がいるんだよなあと思うとうまく言えないけど不思議な気持ちになる。作者の実録風になっているので尚更。
16.モキュメンタリーズ(1)
モキュメンタリー大好き!概念を知ったのも今年だったけど。めちゃめちゃ面白い!!ハルタ、層が広いな〜。
17.違国日記(1)
大好きな絵描きさんが大事そうに感想を呟いてたので、知りたくて買った。初・ヤマシタトモコ作品デビューだった。
18~19.私の少年(1)(2)
ちゃんと感想書いてあった。宣伝文から受けた印象より、読みやすい内容でいい意味で驚き。こういう関係性が特殊なものって何かのアクションを起こす時に何でそうなるの?みたいな展開があったりとかで、よく分からなくなっちゃうこともあるけどそういうのが無くて、分かりやすかったらしい。
20.海咲ライラック(1)
貰った漫画。先入観的にこういうのって最後は憧れでしたオチ多いッショと思ってたらちゃんと告白して驚いた。まだ読んでないのに最終話の内容を知っているのだけど、真剣にお付き合いしててハッピー。
21.やっとこ決まった就職先は、SM雑誌の編集部
貰った漫画2。エッセイ漫画節ききまくってた。すごい世界だ。
22~24.ダンジョン飯(1)~(3)
九井諒子先生ェーッ!大好きーッ!九井諒子先生ならではの作風で、ダンジョンに住まうモンスターを食ったり食ったり食われたり。面白くないわけがない。九井先生の作品集、読んでほしい。大好き。
25~28.凪のお暇(1)~(4)
1,2���くらいまでは凪ちゃんに感情移入して、わかるーって思って読むんだけど4巻になると凪ちゃんさえ嫌な女に見えてきて人間、いろいろ考えすぎだね…ってなる。ゴンさんとくっついて欲しい。お願いだ…。
29~30.IN THE APARTMENT(1)(2)
JOYで絵津鼓さんの他作品読みたくなって買った。話がすごくて…。私は全くわからないんですけど、子供を作るってどれほどの重みなのだろう。
31~33.やがて君になる(1)~(3)
これは本当に、1回目読み終わった時良く分からなすぎて感想を書きつつ自分の疑問点の答えを漫画から探して…という作業をかなりやって感想を書いたのでめちゃ覚えてる…。可愛いのだけど難しかった。キャラの感情が10代のソレなのかと思うところがあったり、自分が嫌いな自分を好きにならないでという感情だったり…。難しいね。
34~35.SUPER NATURAL,/JAM
JOYで〜買った。こんな丁寧なお話なかなかないわよ。お付き合いするって色々大変で、でもそれをちゃんと超えていくためには勇気と歩み寄りが大事なんだなあと、思わされる。お話がすごく丁寧なので。
36.終電にはかえします
買ったのかなり昔なんだけど登録し忘れで今年登録したっぽい。表題作かわいい、大好き。それとは別に、泣けてしまう話が入っていて…。幽霊モノは悲しさしかなくてあまり手を出さないため免疫がなくドバドバ泣いてしまう。
37~40.あの娘にキスと白百合を(1)~(4)
関係性萌えの魅力が詰まっているシリーズなので、ちょいちょい関係性が先行しすぎて人間としてどうなの!?みたいなとんでも言動があったりする。でも可愛いのでオッケーです!
41.ボウソウガールズテキモウソウレンアイテキステキプロジェクト
これも買ったのは昔なんだけど…系。百合の王道の一つなんですね、ライバル心燃やす子とそれを余裕でかわしつつその子に興味があるみたいな関係。いいと思います、好きです。
42.ライカ、パブロフ、ポチハチ公
買ったのは…系。片方を片方が救い、救った方を救われた方がまた救う…みたいな光のお話が多い。可愛い。
43.ストレンジベイビーズ
買っ…系。なんか前作を読んでいると違った目で見えるっぽい。
44~45.キャンディ(1)(2)
買…系。嫉妬展開好き。でも、保健室の先生を頼りすぎて闇落ちっぽくなるとこはちょっと面白い。
46~50.あさがおと加瀬さんシリーズ
バイブル。何もかもが好き。一生最新刊を買いたい。一生見ていたい。
51.まんがの作り方(3)
平尾アウリ先生の絵めちゃめちゃ線が細かくて、印刷がめっちゃ荒い…⁈ってなるくらい細かいけど推しが武道館〜だとそういう感じしなくて…。なんかそういうところ含めてまんがの作り方だ〜ってなる。
52.バッファロー5人娘
これ終わるの?このページ数で終わるの?って思ってたら未完だった。「ラブと命、どっちとる?」「あたし、ラブ」この始まり方安野モヨコ先生でしかなくて本当にかっこいい。
53.謎のあの店(1)
読みたいと思ってた時��に読みたいと思いすぎて、買ったのに読みたかったやつだ!ってもう一冊買ってしまいダブっている。エッセイ大好き。謎の店も入る勇気ないのでこういうので摂取したい派なので大好き。
54~59.ヘタリア Axis Powers(1)~(6)
買…系。ロシアとオランダが好きです。
60~63.ヘタリア World・Stars(1)~(4)
ちゃんと読めてない部分と読んだ部分が入り混じっていて感想が書けない…。(週1アプリ連載ゆえに)ロシアとオランダが好きです…。
64.なるほどデザイン
分かりやすかったし、読み物として面白かった。こういう本読むとデザインこんなに考えることあるのかといつも驚いてしまうよね…。
65~66.誰も知らない世界のことば、ことわざ
その気持ちは理解できるけど自分の知ってる言葉ではそれを一言では表せないっていうこの面白さ。そんな言葉でも説明されれば意味がわかるのだから言語が分かれても、同じ人間なのだなあと思う。
67.'80sガーリーデザインコレクション
これも多分買ったのは去年…?いつの時代・どんな世代でも可愛い〜ッ!って思えるデザインすごいなあ。
68.良いコミックデザイン
これも買ったのは昔。今だに全部ちゃんと見てない。この本のカバー好き。
69.PERFECT FIT(1)
たなと先生、どうしたらこんな設定思いつくの?漫画が面白いし絵が可愛いし、表情がめちゃめちゃコミカルで漫画がオシャレ…。続刊楽しみ。
70.勇者ダン
ツイッターでバズっていて、気になって買った。虎死ぬな…。相棒は…殺すな…。
71~72.アフターアワーズ(1)(2)
クラブで出会った2人の恋愛ならではの舞台で話が進んでいって、すごく自然に入り込める。実際どこかでこういう子たち居るかもな〜って思える安心感。
73.ミギとダリ(1)
佐野先生のこのちょっと不安定な四肢のバランス、これじゃないと成り立たないってくらい絵柄と作風がピッタリガッチリはまってるよね…。坂本ですが?とテンションは同じで、雰囲気がちょっとシリアス。結末きになる
74~77.10DANCE(1)~(4)
移籍の発表があったあたりでTLがかなり賑わっていたな〜という印象のみで、2巻まで買ってみたら、お・面白すぎる…!!続きが読みたい…!!と禁断症状が出たのですぐ4巻まで買った。面白すぎる。ダンス、題材として魅力が多い…!!
78~79.スメルズライクグリーンスピリット(A)(B)
どんなラブですか?って思って読んだら、そういうことじゃなかった。ジェンダーものとして読むべき作品ってレビューがその通りだと思いました。
80.鳥籠学級(6)
中学生の時読んでたものを今になって完結巻まで買った。こういう色々問題が起こるたびに上手いこと切り抜けるきらりんレボリューション的漫画、いつになっても好き。完結巻は積読のまま年が明ける。
81~90.よつばと!(3)~(12)
よつばとちゃんが味わう初めての世界に浸り、優しい気持ちになって帰ってこれる漫画。とーちゃんも周りの人たちも底抜けに優しくて、みんな大好き。よつばちゃん、元気に育つんだ…!
91.どうにかなる日々 みどり
志村さんは青い花と放浪息子しか読んでないので初の短編集だったんだけど、性にまつわる色々だった。なんかそういう気持ちで開かなかったので、ちょい性がずっと続く…!?と若干胃もたれしてしまった。タイミングの問題です。
92.金剛寺さんは面倒臭い(1)
育児漫画で知ったとよ田みのるさんのコミックを買った。漫画を最大限自由に組んで描かれていらして、コミカルで読んでいて楽しい。こんな面白い仕掛けよく思いつくな〜。
93.JADE
びっけさん、真空融接が大好きで真空融接春の最後のセリフが本当に好きでそのイメージが強い漫画家さんなんだけど、JADEは終わりたくないけど終わってしまった感があった。獏も買ってあるので来年読みたい。
94~95.月曜日の友達(1)(2)
阿部共実先生は昔見て衝撃を受けた「大好きが虫はタダシくんの」のイメージがあって、どこか不安定な物語を描かれる方…と思っていたので、いやその魅力は確かにあるのだけど…。2巻の見開きのページで気持ちよく感動して、阿部先生ッ!と泣いた。あの後だんだん白くなっていくページに何を込めているのか、考えれば考えるほど阿部先生ッ!と涙が出る。
96~98.合法ドラック(1)~(3)
この2人が…別の世界では…どの2人なんだっけ?CLAMPのクロスオーバー世界観を全て俯瞰して把握したい…。
99.少女美学
この作家さんに対する思い出、めちゃめちゃあるんだけど個人的なことすぎるので省き。その思い出を辿りたくなって買いました。
100~101.昴とスーさん(1)(2)
何かで見て ぜ、絶対読みたい…!となり、期待大で漫画を開き満面の笑みで閉じた。ハルタを定期購読しなければならない理由の1つ。
102.はしっこアンサンブル(1)
新聞の書評で見かけて面白そうだったので買った。面白い〜〜。専門的なことが分からなくても、なんとなく理解できて、要するにすごいんやな!って納得していればついていけるので専門的な話が多いけどスイスイ読める。
103~106.血の轍(1)~(4)
押見さん、惡の華から久しぶりに作品を買ったのだけど絵が、絵がすごい美しくなっていらっしゃる…!とびっくり。
107~108.紅い実はじけた(1)(2)
昴とスーさんで高橋先生の作品に射止められたので、短編集を買った。最高です。
109~110.テンジュの国(1)(2)
乙嫁語りを一気に買った前後だったし、高橋先生の描くラブのトリコでもあったので民族物+新婚夫婦の話という帯を見て買った。漫画の表情って大事だな〜と思った。
111~112.きまじめ姫と文房具王子
文房具好きなので小ネタ知りたいな〜と思って買った。タイトルで王子とされてる人物がぶっ飛びすぎててそれどころではなかった。
113~119.乙嫁語り(5)~(11)
森薫先生ェーッ!もうこの際一気に最新刊まで買おうと思って買って一気読みしたんだけど、なにこの物量と重厚感。漫画を読んだだけでまるでその世界をこの目で見てきましたみたいな心持ちになれる。人物はみんな愛らしくてかっこよくて、大好き…。
120~121.総合タワーリシチ 完全版(上)(下)
随分昔に1巻だけを買ったことがあって、絵が可愛いからいつか続きを買おうと思ってたら完全版が出るほどの月日が経っていた。一昔前の暴力ヒロインっぽくてドタバタ可愛い。これもライバル心を燃やす系なんだよな…。
122.DON’T TRUST OVER 30
確かに感じるものはあるのにそれを言葉にしようとすると、いろいろなものが足りなくて言葉にできない…!面白い、面白くないの軸とは別にTAGRO先生の作品としてどうかとかを書いてるレビューを見ると、そういう言葉で表せるのか…と感心してしまう。
123~125.ルポルタージュ(1)~(3)
特徴的な表紙を何処かで見かけてずっと気になっていたのをようやく買った。これも言葉にするのがちょっと難しい。様々な愛を自由恋愛がなくなりつつある世界を舞台に描く…という感じ。
126~134.恋は雨上がりのように(2)~(10)
いやもう読んだのは先月のことなのですが、2018年出会えてよかった漫画は何か…と思い出を振り返ればこの漫画が真っ先に浮かんできてしまうような作品だった。目の裏が痛くなるくらい泣いた。1巻出た時すぐ買った���だけど、毎月買うのではなく完結した後一気に読もうと思ってそうしたのは正解だった気がする。
135~144.エマ(1)~(10)
昔親と、じれったく思いながらアニメを見ていたんだけど漫画で読むとまた違った良さがあるなぁ…と思った。全ての人が、それぞれの形で幸せになりますように!と思わずにいられない大団円エンド。
145.Love,Hate,Love.
急に年の差恋愛ものが読みたくなり、調べて出てきたこれをアマゾンお急ぎ便で買った。もっとこの2人の話が読みてえ〜〜となるところで終わり!
146.からかい上手の高木さん(1)
貰った本3。なんやねん!(エセ関西弁)
147.花もて語れ(1)
貰った本4。朗読の話って珍しいよね。なんか少し読みづらくてとっつきにくさを感じてしまった。
148.舞妓さんちのまかないさん(1)
花街が舞台のお話好きで、カバーが可愛いので買ってみた。そこで働く芸者さん志望だったけど訳あってまかないさんになった女の子、というちょっと違う視点で描かれる花街のお話。雰囲気も絵も可愛くて好き。
149~151.長閑の庭(1)~(3)
これも年の差恋愛ものが読みたくなり探したもの。う〜〜〜〜ん、やっぱその若いのが絡んでくるのか、と一筋縄でいかない雰囲気が…。
152~153.天地創造デザイン部(1)(2)
小さい頃おじいちゃんに変な生き物図鑑などをねだって買ってもらっていた頃の気持ちを思い出した。この世には摩訶不思議が一杯だ…!!
154~155.ものするひと(1)~(2)
こういうと、(笑)という感じになってしまうけど創作行為って常にぼんやりと考えているものがあるときパッと煌めいて形になる感覚があって…。だからこの漫画が大事にしている日常の中に「書く」という行為やその元がある感覚っていうのがすごくよくわかるなあと思った。
156.退魔師と悪魔ちゃん
好きなものぜ〜んぶ詰まっていて、えっ⁉︎どうして⁉︎とオロオロしてしまう。一生読みたい。一生見ていたい。
157.はじめのアルゴリズム
すっごい久しぶりに本屋でタイトルが目に入って、裏に書いてあるあらすじを見て面白そうだから買ってみよう〜っていう流れを踏んで買った。なんか母親とのやりとりに既視感があったので前にアフタを買った時に読んだことがある、のかも。面白い、教授が健康なまま話が進むことを願う。
158~159.ハルタ vol.59~60
「煙と蜜」読んでください。現在2話。2月に出るvol.61に3話目が掲載されます。読みませんか?読みましょう。読んでください。
お、おわった…。
2018年に読んだ漫画はこんな感じでした。ブクログの方ではなんかめっちゃ考えて感想を書いているんだけど、すごい疲れるためレビュー率がすこぶる悪く丁寧に思ったことを実直に書いている人見ると憧れる。
来年は読みつつ感想を書き、もっと自分の感情をちゃんと表せるようになりたいです。
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amatsubu-citron · 6 years ago
Text
常春の庭
「花は根に 鳥は古巣に 帰るなり 春のとまりを 知る人ぞなき」 そっと詠まれた和歌は、常春を冠するこの本丸には相応しくないものだ。春の行方など、何処にもないと知っている。何故ならば、此処では、春は永遠に留まり続けているからだ。それならば、春の行方など――。此処では、時が止まったように、春以外が訪れることはなかった。それでも、心には、ぽっかりと穴が空いていて、時折、凍てついた冬の風のように冷たい何かが吹き荒んで、じくり、じくり、と痛みを訴える。いつまでも春だというのに、こんなにも���は冷え切っていた。 「――鶯丸」 呼ばれた名は、嗚呼、求めていた彼の声ではない。分り切っていたはずの事実に胸が痛んだような気がして、なるほど、確かに人の器は儘ならないものだな、とぼんやりと考える。そして、そっと口を開いた。 「すぐ行く」 鶯丸は、踵を返した。――鶯丸の春は、此処にはもうない。嗚呼、鶯丸の春は、どこへ行ってしまったのか。その行方を、だれも知らない。 嗚呼、それが、ひどく重苦しく、かなしいのだ。 (中略) 包平の母方の実家には、大きな蔵があった。祖母が入院したということで久しぶりに顔を出した屋敷は、相変わらず立派な門構えをしている。小さい頃はあまりにも大きく見えたそれは、大学生になった今でもずいぶん立派に思えた。包平は詳しく知らなかったが、地元では、昔から有名な家だったそうだ。 「……久しいな」 普段は都会の波に揉まれている包平にとって、長閑な田舎の空気はひどく懐かしい。心なしか、時間の流れが緩やかに感じるようだった。屋敷に寄る前に祖母の見舞いに行ったが、思っていたよりも元気そうな様子で一先ず安心した。祖母に会うのも、随分と久し振りだった。小さい頃の包平は、両親の事情で一時期この家に預けられて祖父母と暮らしていたことがある。彼女と会うのは、それ以来だった。懐かしいわねえ、ずいぶん男前になって、と笑っていた祖母の顔は記憶にあるものよりも少し皺くちゃだった。 「此処か」 包平は、屋敷の外れにある大きな蔵の前に立っていた。幼かった包平にとって、この蔵は格好の遊び場所だったのである。少し暗いところが雰囲気を醸し出していて好奇心をそそられたし、見たこともないようなものが色々収められていたから宝探しをしているようで楽しかった。それに、と包平は蔵の引き戸を前にして懐かしい昔の思い出に浸っていた。此処には、何か、とても――心惹かれるものがあったような、そんな気がしたのだ。如何せん、小さい頃の出来事だったので、よくは覚えてはいないが。包平は、立て付けの悪くなった引き戸を開けて、中を覗き込んだ。少し空気を吸い込むだけで分かるほど掃除をしていないのだろう埃臭さに、思わず眉を顰めた。 「……掃除したほうが良さそうだな」 祖父は数年前に他界していたし、祖母も高齢になったので、恐らく、蔵の掃除まで手が回らなかったのだろう。耐えられないほどではなかったので、そのまま中に入ることにした。一歩中に足を踏み入れた包平は、近くに在った箱を手に取る。何やら皿が収められているようだ。骨董品、というやつだろうか。特に美術品に精通しているわけでもない、ただの大学生である包平にはよく解らないものだったけれど、漠然と価値のあるものなんだろうと思った。蔵の中は箱が積まれていて、物で溢れ返っている。小さな子が使うような玩具が後生大事に仕舞ってあったり、古いアルバムが詰め込まれた箱があったり、一見すると何なのかよく分からない部品のようなものが転がっていたり、見ているだけでも飽きないことは確かだ。この箱一つをひっくり返すだけでも、相当な時間がかかりそうである。此処にいる間に少しくらいは片付けられると良いのだが、と考えながら、ぐるりと周囲を見渡していた包平は、ふと視線を止めた。その先に在ったものは、布を被った縦長のものだ。恐らく、姿見だろうか。惹かれるようにそれへ近付いた包平は、かけてあった布をばさりと取り払った。 「これは……」 包平が想像していたよりもずっと綺麗に保たれていたそれは、アンティーク調の姿見だった。品の良い調度品は、素人目に見ても高価そうに思える。その鏡面をゆっくりと指先で撫でた包平は、ふと鏡の中で自らの肩に乗る存在に気がついて目を瞬かせた。それは、この蔵には、いるはずのない――。 「鶯……?」 思わず、声に出していた。美しい声で鳴く春告げ鳥が、包平の肩で羽根を休めていたのだ。はっと自らの肩を振り返るが、其処には何も居ない――では、先程のあれは、何だ。不思議と恐怖は無かったが、不可思議な現象に首を傾げる。そして、再び鏡へと視線を戻した包平は、姿見に映った自分の姿に目を見開く。見たこともない洋装を身に纏った己の姿は、まるで――。まるで、なんだ。 その瞬間、鏡に映った世界がぐにゃりと歪む。そして、ちかちかと視界が眩く瞬き、世界が反転した。 『やっぱり、あなたは――なのね。春が、よく似合うわ。ねえ、あなたもそう思うでしょう?』 世界が反転する前、やさしい女の声が聞こえた。その声に次いで、のんびりと穏やかに笑う男の声が聞こえたような気がした。どちらもまったく聞き覚えがないはずなのに、何故だか、妙に胸が締め付けられるような、ひどく泣きたくなるような懐かしさが込み上げてくる。嗚呼、それは、誰だったのだろう。 『大包平』 名を、呼ばれたような気がした。愛しい人に。 包平は、気が付くと、中庭のような場所に立っていた。大きな桜の木が植���っていて、それがひどく美しかった。包平は、目を瞬かせる。今は、夏だったはずだ。それなのに、目前にある桜の木は満開で、風に揺れて見事な花弁を散らしている。ぐるりと周囲を見渡せば、祖母が住んでいた家屋よりももっと立派な日本家屋が建っていて、包平は首を傾げた。 「此処は……」 包平は、訝しそうな声を上げる。先程まで蔵で姿見を見ていたはずなのに、これはいったいどういうことだろう。戸惑ったように視線を周囲へ彷徨わせた包平は、はた、と視界の端に捉えた人影に目を瞬かせる。――どうするべきだろうか。考えたのは逡巡の間だけで、すぐに足を動かしていた。此処が何処なのかを明らかにしなければ、帰る方法も分からないだろうと思ったのだ。 その人物は、縁側に腰掛けて桜の木を眺めていた。柔らかそうなふんわりとした鶯色の髪の毛が、穏やかな風に揺られている。髪と同色の瞳は、微かに見開かれていた。薄く形の整った唇がふるりと開��、まさか、と唇が言葉を象る。――何故だろうか。その表情を見ると、胸が騒めくような心地がした。 「――大きくなったなあ」 ゆっくりと目を細めた彼の顔が泣きそうに見えたのは、きっと、包平の見間違いだろう。瞬きの間に、彼は穏やかに笑っていたのだから。 「お前は……」 包平が戸惑ったように声を上げると、鶯色を纏う彼は、緩やかに首を傾げる。包平の戸惑いを不思議そうに眺めた彼は、何かを考え込むようにたっぷりと間を空けた後、ああ、と納得したように頷いた。そうか、おぼえていないんだな。そんな風に独り言ちた彼の言葉を拾った包平は、違和感を覚えて眉を寄せる。彼の口振りでは、まるで包平と彼が面識があるかのようだった。しかし、こんなに印象に残りそうな色を持つ彼を忘れているなんてことがあるだろうか。その瞬間、ずきん、と頭が痛んだような気がして、思わず米神を片手で押さえる。その姿を見たらしい彼が、大丈夫か、と穏やかな声を投げかけてきた。 「……大丈夫だ」 包平が痛む頭を押さえながら、はっきりとした声で返事をすれば、そうか、と鶯色の瞳が細められる。僅かにほっとしたような色を覗かせているその声音も、初対面の人間に向けるものにしては随分と親しげなように感じて、違和感に頭が塗り潰されそうだった。 「俺のことを、知っているのか」 堪え切れずに零れ落ちた問いかけに、鶯色は静かにわらった。さて、どうだったかな。包平は、惚けるようなその言葉に思わず声を荒げそうになったが、顔を上げた時にその鶯色と出会って、ぐ、と唇を噤む。まるで幼子をあたたかく見守るような彼の眼差しに、込み上げていた怒りが段々と鎮まっていくのを感じていた。そのかわりに込み上げてきたものは、とてつもない不安だった。――おまえは、いったい、だれなんだ。どう考えても奇怪でしかないこの状況と不安定過ぎる心に揺らいだ声音は、ひどく拙いもので、握った手のひらが僅かに震えた。 「鶯丸だ」 彼は、あっさりと自らの名を明け渡した。――うぐいすまる。古風な響きが、妙に馴染んでみえた。名は体を表すという言葉通りの、鶯色を纏う彼に相応しい名だと思った。 「うぐいすまる、鶯丸――か」 反芻した名は、初めて口にするにしてはあまりにも舌に馴染むような気がして、少し不思議な心地がした。 「俺は――」 「かねひら、だろう」 「は?」 「知っているさ。昔、名乗って貰った」 鶯丸は、けろりとした顔で思いも寄らないことを口にする。包平は、その言葉にぴたりと動きを止めて、は?――と素っ頓狂な声を上げたのだった。 (中略) 「――これは」 包平は、目を瞬かせる。大切そうに置かれたそれは、小さな子供が遊ぶ時に使うような玩具の指輪だった。大人の形をした鶯丸には、いささか不釣り合いにも感じるものだ。しかし、その指輪にどこか既視感を覚えて首を傾げた包平は、まじまじと手の中の指輪を見下ろした。ふと頭に蘇った光景は、恐らく、自らが小さかった頃、祖母の家で世話になっていた時の記憶だろう。ぼんやりと朧気ではあるが、少しずつ昔の記憶を思い出していた。それは、祖母の家で過ごしていた頃、鶯丸と会っていた時の思い出だ。これも、もしかしたら、彼との想い出の品なのかもしれない。 「……ああ、そうだ��� あの頃、包平は、うつくしい鶯色の彼に惹かれていた。幼かった包平は、テレビでやっていた恋愛ドラマで、ヒロインにプロポーズをしている主人公の姿を見て、結婚の約束をするには指輪が必要だということを知ったのだ。思い立ったが吉日とばかりに、次の日には子供のお小遣いで買えるような玩具の指輪を手に入れて、鶯丸の元へ行った。あの放っておいたらどこかへ飛び立ってしまいそうな雰囲気がある掴みどころのない寂しそうな鳥を留めておくには、これしかないと幼心に思ったものだ。 「うぐいすまる!」 「何だ?」 「ん!」 包平は、手に持っていた玩具の指輪を鶯丸に押し付けるようにして差し出した。差し出された指輪と包平の顔を交互に見た鶯丸は、これは?――と不思議そうに目を瞬かせる。彼は、プロポーズを知らなかったのかもしれない。 「やる!」 包平は、ぞんざいな口調で口にしてから、あ、と何かに気付いたように声を上げて、口を噤んだ。あのドラマで主人公が口にしていたように、プロポーズの言葉を口にしなければいけないことに気が付いたからだ。未だに不思議そうな顔で指輪を眺めている鶯丸を見上げた包平は、うぐいすまる!――と彼の名を改まったように呼ぶ。なんだ、と答えた鶯丸は微笑ましそうな顔で包平を見下ろした。包平は、彼のこういうところが好きではない。包平を微笑ましげに見ながら、そうかそうか、とまるで隣の家に住む老人のように穏やかな声で相槌を打つ姿は、癪に障るのだ。包平は、鶯丸が思っているほど子供ではない。何なら、プロポーズも知らない鶯丸よりもずっと大人だし、ここで怒るのはそれこそ子供のすることだ。大人の男は余裕ある態度が大事とはいったい誰が言っていたかは覚えていないが、一端の日本男児である包平はその程度で声を荒げてはいけない。いいか、うぐいすまる!――と彼に言い聞かせるようにびしりと指を突き立てた包平に、人を指でさしてはいけないぞ、と鶯丸がゆったりと窘めるような言葉を口にした。そんな彼の言葉に、う、と怯んで指をさげた包平は、だから、と声を上げた。 「俺とけっこんしろ!」 「けっこん?」 鶯丸は、拙い響きで言葉を反芻した。その言葉の意味を理解していないような響きだったので、包平は、そうだ、と繰り返す。 「けっこんだ!」 「――ああ、結婚、か」 鶯丸は、やっとその言葉を理解したように頷いた。そうか、結婚か。その言葉の意味を呑み込むように、ゆっくりと言葉を繰り返した鶯丸は、その口元に寂しげな微笑みを浮かべた。 「――そうだな、春が、来たら」 「はる? ここは、いつもはるだろう」 包平が知っている限り、此処はいつも春だった。そうだというのに、鶯丸の言葉は、まるで此処に春がないかのような言い方だったのだ。何かのなぞなぞか何かだろうかと眉を寄せた包平のまろい頬を指先でそっと撫でた鶯丸は、きっといつかな、と笑った。 (中略) 「こいつは驚きだなあ」 「――鶴丸か」 鶯丸は、襖の向こうからひょっこりと顔を覗かせて驚いたように目を瞬かせた真っ白な男の名を呼んだ。どこもかしこも真っ白なその男は、眩く輝く金色の瞳をにんまりと細める。 「主は知っているのかい?」 彼が口にした、あるじ、という言葉は、此処に来てから何度か聞いたことのある単語だった。鶯丸は、彼の問いかけを聞いて僅かに眉を寄せると、ゆっくりと首を横に振る。 「いや――ずっと、知らせてはいない」 鶯丸の言葉を聞いた男は、ふうん、と相槌を打った。 「まあ、君がそれでいいっていうんなら、俺は構わんが」 (中略) あの子は、春が好きだった。春の季節が似合う心優しい子だった。主のことを聞けば、皆が口を揃えてそう言うだろう。春告鳥の名を持つ彼もまた、そうだった。彼にとって、あの子は、春の陽気のように穏やかで、時に春の嵐のように荒々しくもありながら、春に咲く花のように儚い人の子であった。顕現した日、とても素敵な名前ね、と主が微笑んだことを今でもよく覚えている。凍てつくような冬、明けない夜がやって来た時も、鶯丸が留まり、待ち続けることを選べたのは、あの春のような人の子が背中を押してくれたからだ。そんな審神者が今、遠い世界へ旅立とうとしている。 「せめてもの餞さ」 真白を纏った男は、目を伏せて笑う。その手に握られた青白い手は、今や骨と皮だけになってしまっている。随分と頼りなくなってしまったその腕が、ぴくりと僅かに動いた。ごめんなさい、とか細い声が響く。それに優しい視線を落としたのは、部屋にいるすべてのものだった。謝る必要なんてどこにもないぜ、と言ったのは彼女の病を常に診てきた薬研である。 「ゆっくり休むといい」 鶯丸は、そっと言葉を落とした。薄っすらと開いた瞳が鶯丸の姿を映して、ありがとう、と呟く。鶯丸は、この本丸で長らく近侍を務めてきた。娘と長い間寄り添ってきた初期刀が、よく頑張ったね、と声をかけながら艶の失われた髪の毛をそっと優しく撫でる姿を見ながら、鶯丸は開けられた襖の向こうに広がる中庭に視線を向ける。ひらひらと舞う薄桜色の花弁に目を細めた。 主は、春が好きだった。鶯には春が似合うわね、といつも笑っていた。そして、彼女は、にっこりと笑いながら振り返るのだ。鶯丸が近侍となる前、彼女の近侍だった彼を。 (中略) 「――なあ、大包平。おれは、覚えている」 鶯丸は、微笑んだ。この世界は、終わる。終わってしまうのだ。春が吹きすさぶ庭で、ゆっくりと目を瞑った。彼と過ごした日々も、そして、包平と名乗る人の子と過ごした日々も、決して忘れはしないだろう。 「鶯丸様」 隣に立つ平野が心配そうに覗き込んできた気配を感じて目を開けた鶯丸は、彼を安心させるようにぽんぽんと頭を撫でた。 「いいさ、これも運命だろう」 春が枯れるよりも前に、世界を閉じよう。 (中略) 姿見には、もう何も映っていない。それは、あの世界が閉ざされたことを示しているのだと――解ってしまった。 「っ!?」 包平は、どうしてだ、と声を上げた。鏡に手を伸ばしたが、冷たい感触が返ってくるだけで、その先に続くものはない。 あの世界は、何処にもなかった。
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