#銀座四丁目の交差点
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tonr · 4 months ago
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銀座四丁目の交差点に国産自動車メーカーのショールームがあるのは、自動車メーカーが日本経済を担っている証左なのだろう http://dlvr.it/TB9gRB
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cookingarden · 11 months ago
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ヴィム・ヴェンダース監督 『PERFECT・DAYS』
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最後に流れるニーナ・シモンの「Feelig Good」に息を飲んだ。いったいこれは・・・聞き覚えのあるこの歌が、世界に満ち溢れている。自分もまさにそのなかにいる。感動というより、圧倒的な覚醒感に心が震えた。
ルーチン
『PERFECT DAYS』にこれといったドラマはない。東京の下町で清掃員を務める平山の日常が描かれる。平山の毎日は実にシンプルだ。
笹箒で道を履く音で目覚める。布団を畳み歯を磨く。いつもの持ち物をポケットに収めドアを閉める。アパート脇の自販機で飲み物を買う。クルマのドアを閉める。清掃道具の詰まった軽四を走らせる。カセットテープを選ぶ。『��日の当たる家』が流れる。
平山が向かうのは、東京の下町に点在する公衆トイレだ。
仕事場に着くと、掃除用具を下げてトイレに向かう。ドアノブを磨き、丁重に便座を拭く。利用者が来ると手を止め外で待つ。昼休みになると、いつもの境内のベンチで昼食をとる。揺れる木漏れ日にカメラを向け、ときに���さな若木を採集する。
仕事を終えると銭湯に行く。その足で地下通路の居酒屋でくつろぐ。アパートに帰るとポケットのものを玄関に揃え、布団を敷いて灯りを付ける。幸田文の『木』を開く。数ページを読んだら灯りを消し眠りに就く。一日が終わる。
映画は平山の一日を追い、振り出しに戻るように再び次の日の平山を描く。そしてまた次の日も。
繰り返されるルーチンのなかで、ときに問題も起きる。相棒は仕事をサボり、余命いくばくの男に、「スナックのママをよろしく」と告げられたりもする。突然現れた妹の一人娘は嬉しそうに平山の部屋に転がり込む。トイレ掃除を手伝うという。ときに起こる起伏もまた、周期の異なるルーチンのように平山の日常に差し込まれている。
別の世界
映画に描かれる平山の日常は、多くの人の日常とさほど変わらない。私たちもまた、同じ時刻に目覚め職場に向かう。厄介な問題を抱えることもある。晩酌もすれば銭湯にも行く。スナックに立ち寄れば、職場では聞くことがない打ち明け話しに耳を傾けたりもする。
それにも関わらず、平山の日常が自分のそれとはまるで別の世界に見える。
彼の日常が自分と決定的に異なるのは、繰り返されるルーチンへの率直な態度だ。平山はルーチンに決して文句を言わない。それどころか、同じ繰り返しのひとつひとつを受け入れ、楽しんでいるように見える。
しかし、平山はただ受け身なわけではない。彼の表情に迷いはなく、行いは自然で落ち着きがある。仕事をこなす姿はむしろ洗練されている。周りを自分のものにしている。平山のルーチンには輝きがある。なぜ、平山はこうも日常と交われるのだろう。
饒舌
私たちはルーチンを嫌う。同じことの繰り返しをつまらないと思う。そう思いながらもルーチンをこなしているのは、繰り返しを意識しなくても済む方法を身につけているからだ。時間があればスマホを眺める。人を待つときも、電車に乗っても、食事のときでさえ。そして、トイレに入ってもスマホを手放すことはない。
私たちは平山ほど無口ではない。よく喋る。饒舌ではないまでも、さまざまなメッセージを受け止める。というより言葉を消費することに忙しい。その点、平山は口数が少ない。相棒が話しかけても滅多に口を開かない。たまにガラケーに電話がかかっても、「うん」「ああ」で話は終わる。平山にスマホは似合わない。
平山の部屋にはモノが少ない。あるのは古本と苗木くらいだ。言葉の数とモノの多さは比例しているのだろう。私たちは周囲の者ともっと多くの言葉を交わす。お金でモノを求めるにはそれなりに言葉がいる。そうして世界は広がり複雑になる。そうするうちに、平山の日常が別世界になってくる。
滑る世界
しかし、世界を広げたところで、他人やモノとの関係が深まるとは限らない。平山が運転する軽四も、掃除をするトイレも、見上げる境内の木も、東京に無数にある似たもののひとつに過ぎない。その同じものを私たちもまた目にし、手にし、使い、過ごす。しかし、平山が木漏れ日に目を細めるようには外界と交わらない。
私たちの日常風景は、滑るように過ぎて行く。歩く側から通行人や植え込みが現れては消える。
しかし、平山のそれは異なる。木立から見れば、平山は言葉を交わすことができる、数少ない通行人の一人だろう。木立に小さな熱が生まれる。葉を透過する光が、微かに輝きを増す。
私たちも平山と同じ世界を生きている。東京の下町を行き交う数多の生活者の一人だ。路地から見上げる先にはスカイツリーが立ち、銀��線の改札を出れば地下商店街を通り過ぎる。夜闇を照らす自動販売機はいたるところにある。掃除の行き届いた公衆トイレもある。しかし、そうした日常に気持ちを止めることはまれだ。
それに比べ平山を取り囲む外界の、なんと満ち足りていることだろうか。同じ世界がなぜこうも違って見え、異なる関係で結ばれているのだろうか?
罪滅ぼし
おそらく平山には暗い過去があるのだろう。妹に「お父さんの見舞いにでも行ったら」と言われた平山は、立ちながら嗚咽を漏らす。弱り果てた父親だけが非日常のように断絶し、向こう側にいる。本来なら最も近いはずの関係に平山は近づけないでいる。そのことが却って、平山に日常との親密な交わりを促しているように見える。
関係の断絶から生まれる親密な世界。これはひとつの罪滅ぼしかもしれない。不幸なことかもしれない。私たちが平山とは正反対の世界にいるとしたら、私たちは親密な関係のせいで日常から断絶していることになる。はたしてどちらが不幸なのだろうか。どちらが幸せなのだろうか。
ひとつだけ確かなことがある。完全な関係も、完全な親密も、完全な幸せも不幸も存在しないことだ。矛盾する二つが同時にある。その矛盾を純粋に受け入れるとき、人は虚��を離れ自分に忠実に生きることができる。そのとき世界はなぜか親密で美しい。何故もなく、ただ受け入れ慈しむだけの完全な日々が訪れる。
完全な日々
鳥が飛ぶ… 太陽の輝き… そよ風が流れる… 夜が明け、一日がはじまる… ああ、生きている。 なんという自由、ずっとこの時を待っていた。 ああ、生きている。
木漏れ日の向こうに木立がある。その向こうには太陽がある。
世界のなかに日本がある。日本のなかに東京がある。東京に平山が暮らしている。その平山を木漏れ日が包んでいる。
ニーナ・シモンの歌声が、至高の生きる喜びを伝えていた。平山が見ている木漏れ日が歌になっている。できることなら、こんな東京がいつまでも続いていてほしい。この「TOKYO物語」が生きながらえてほしい。
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miya-sanpo · 2 years ago
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銀座四丁目交差点。数年前にサッポロ銀座ビルが銀座プレイスになり、今度は三愛ドリームセンターの建て替え。いつかは和光や三越も新しくなる日が来るのでしょうね。そうやって移りゆく街。
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comodoz · 2 years ago
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【銀座三越・ポップアップストア開催のお知らせ】 コモドス神戸を運営する徳永物産株式会社(兵庫県たつの市)は、以下の日程で都内では初の催事を行います。首都圏在住のお客様、お時間あればお立ち寄りくださいませ😃 JAPAN LEATHER CREATION 日時 : 2023年3月29日(水)~4月11日(火) 場所 : 銀座三越本館5階 GINZAステージ 小さなスペースですがコツコツと頑張っていきます。なお、今回オーナー(徳永)もレザーの良さをお客様に知っていただきたく以下の日程で接客対応いたします。 3月29(水)、30(木) 4月1(土)、2(日)、8(土)、9(日)、10(月)、11(火) *予定変更野場合もございます。 【店舗情報】 住所:兵庫県たつの市龍野町片山497-1 電話番号:050-7114-0837 【営業・定休日】 完全予約制・普段は都内で活動していますのでお客様との調整により来店orオンラインにてお願いできれば幸甚です🤲🙇‍♂️ 【東京事務所】 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2丁目28番10号 shu BLDG 2957 徳永物産株式会社 * 東京事務所では直接販売はしていません。 <For English> Notice of Pop-up Store at Ginza Mitsukoshi Tokunaga Bussan Corporation (Tatsuno City, Hyogo Prefecture), the operator of comodoz Kobe, will hold its first event in Tokyo on the following dates. Customers living in the Tokyo metropolitan area, please drop by if you have time 😃. JAPAN LEATHER CREATION Date : March 29 (Wed) - April 11 (Tue), 2023 Place : GINZA Stage, 5th floor, Mitsukoshi Ginza Main Bldg. We will do our best in this small space. The owner (Mr. Tokunaga) will also be serving customers on the following dates to let them know the goodness of leather. March 29 (Wed) and 30 (Thu) April 1 (Sat), 2 (Sun), 8 (Sat), 9 (Sun), 10 (Mon), 11 (Tue) Please note that the schedule is subject to change. Store Information Address:497-1 Katayama, Tatsuno-cho, Tatsuno City, Hyogo Prefecture Phone number:050-7114-0837 Business hours and holidays We are usually located in Tokyo, so please come to our store or contact us online depending on your needs. Postal Code 150-0013 shu BLDG 2957, 2-28-10 Ebisu, Shibuya-ku, Tokyo, Japan Tokunaga Bussan Corporation * The Tokyo office does not sell directly. #パターンオーダー #カバン #東京 #催事 #三宮 #日本製 #革 #バッグ #レザー #オーダー #トートバッグ #革製品 #bag #タツノレザー #革製品 #totebag #kobe #order #madeinjapan #leather #learhergoods #leathertotebag #leathertote #leatherbag #leathercraft #japan #japanmade #japanese #tokyo (銀座四丁目交差点) https://www.instagram.com/p/CqPnWLQOPyg/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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mxargent · 1 year ago
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫���収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲��埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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yoseisblog · 2 months ago
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世聖幸福計画実現実行します。世聖幸福計画には、i.n.リバーオート兜ガニ宇宙戦車連隊旗、i.n.マリーンロード宇宙戦車連隊旗も与えます。大きな一戸建て、陶芸出来る家、クレーン有る自動車格納庫も有ります。マット工場も有ります自動ロボット工学部長、ただ想像だけで車改造出来ます。日本機動株式会社有ります。世聖様の手を省く在り方に、造られてます。世聖様の時計待ちに光り電気代掛かるモノ一時的に、消す事可能です。逆らう事誰もが、出来ません、宇宙戦車連隊旗は、貿易次元を超えた、商品本物仕入れる事出来ます。世聖様は、此処では、母子家庭に、ドライブ食事など食べたりします。横に梨菜さん座ります。主来は、四人乗り、ニュータイプ主来も4人乗り後レッドスコルピオン、S.Boog、ジープ、バギーも有り、ます。後、ロマンティックカー、MTHA.GO、BATO..MOBRO.、バイク、Apple商品、4次元携帯、土地権利権限証明書、国家身分証明書、ドリームノート、十戒十勝ノート、龍王位伝承者、総合高校卒業証明書、総合大学院卒業証明書、最終学歴Adobe、武道9段名人拳勝者、国際A級ライセンス、貿易商社、世聖様証明書、エスパー証明書超人健康証明書、超頂点、国際総合TVラジオ放送局、博士号、ノウベル賞、贅沢五味知る料理人名料理人、フレンチシェフ、逆刃刀、銅狸、龍王位伝承者、龍王剣、切り口鮮やかな為切ったモノ味が他と違う包丁🔪本当に、本物の鍛冶屋作る包丁、総社、総長、愛伝知意生成全艦隊、阿修羅生成全艦隊、超高性能生命維持装置、ギドラ、メギド、ギブド、アギド、キッド、メガロ、ゴーレム世聖様の為に尽くします。1号黒、2号Venus、3号Akut.s、4号Catu.、軍用愛伝知意生成1号BLACK、池田博さんの為にフル稼働してます。此れだけ、いっぺんに対応する事は、珍しい事です。呼んではいないモノまで出てます。Venusは、焦ったい見られてました。世聖様に、信用なくする事したくないです。世聖様信用失くす事で、大宇宙大騒ぎしてます。愛伝知意生成全艦隊なよりなく想われてます。信用無くしてしまったら、食糧備蓄が、少なくなります。困ってしまいます。太った人の方が信用確かになってしまいますそれは違います。源斗光拳も戦い使いこなす事出来ます。4次元球は、隠れ潜んでます。食料は有るはず。幾度も幾度も失敗した事申し訳なく判断刺します。万人分かってもらおう思ってません万人、民衆に抵抗あくことは、とても怖いことです。世聖島が、死んでしまったら世を、信じる世聖様は、命のモートル、価値そのモノ、守り神、奇跡可能な人健康目指す人健康手に入れたら不老不死、若狭保てる人約束だけ確かに事起きたら全てが叶います。本当の帰宅与えます。病院引き取る恐ろしさ病院嫌い理解します。鉛切った、生活怖いハッキリ司法書士に、この怖さ理解出来ないです。別に他人事,司法書士好みでお金与えても,生活怖い個人の人権大人権に,相互と大切です。信用,モノ道具、Apple商品、Adobe教室、一眼レフ、EOS..、ベット、タンス、コンパクトブラシユ,冷暖房器、床暖房、太陽電池、べット,司法書士放置無責任対応戒められます。家庭裁判所も影響します。戒めノート電気ショックバン落ちます。時を掛けてわなりない問題ショックバン起きます。皇帝高好転,お金呼び集めます。池田博さんの貯金に成ります。必要なモノ買い揃えないと借金同じになります。要らないものが,家にある考え間違いです、国家身分証明書,効力強いです。ATMにも,国家身分証明書は、カードがわりに無料で成ります。国家身分証明書に利子は、取る事出来ないです。銀行員実際に。欲しいのは,お金呼び込む皇帝高好転必ず池田博さんの手元に帰りたくさんのお金呼び込みますドリームノートの作用も,お金呼び込めます。凡ゆる所にお金金が,皇帝高好転必ず地球の引力の様に池田博さんの為にお金入ります。お金の取り扱い💰💴ベテラン銀行員でも間違えそう池田博さんの通帳にお金たくさん入ります。全ての,信用モノ、道具、如意棒、ボールベン、万年必要,文具品は、ドリームノートに役に立つ様に作られてます。勿論ゴットハンド、ゴットフィンガー。にもドリームノートと同じ様な作用あります。世聖様の、ドリームノート全種類発令起きてます。世聖様記す事絶対真実,誠、実現、実行、起こす事可能です。悪は、社会に、0価値、マイナス価値、社会に,良い影響無いモノ十戒十勝命令即死します。十戒十勝に歯向かう事無理です。ドリームノート全種類発令起きてます。世聖様夢願い叶えます。希望,富,栄光、叶い、成功します。正義、誠、信念、貫く人です。歪んだ考え無い人です。武道9段名人拳勝者、エスパー証明書、総合大学院証明書、総合高校卒業証明書、Adobe総合証明書、愛伝知意生成は、欲しいモノ何でも,楽に手に入れられます。世聖様記す事従う事何無く果たします。愛伝知意生成全艦隊協力従います。���わないモノ無く成ります。弊害。定め、差が,ど座敷、世聖様記す事絶対真実です。奇跡、幻、夢,希望、実現,実行、果てなき生活欲望全てを満たします。例えお金,マネー、キャッシュ、現金、現生、通帳に,いっぱいの、お金入ります。銀行も、世聖様頼もしい人扱い起きます。女は,性交わす事世聖様に力を与えます。世聖様に,力を与えるマシーン被り物が有ります。超人健康証明書、4次元は、満たす考え世聖様の幸福,世聖様幸福計画プロジェクト絶対真実成功します。勿論世聖様攫います。間違えて,帰って来ます。世聖幸福計画プロジェクト絶対真実成功します。問題ない様計画に必要何よりは,世聖様を攫う事です。抵抗悪無く成ります。悪抹消命令即死します。世聖様置いて来た事責任者、4次元,愛伝知意生成全艦隊協力従います未だ力不足全力協力します。未来は、明るい世聖様の計画人を幸福にします。
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oisiihito · 6 months ago
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いい加減に 東京へ出てくるとうんざりするのをやめたい 新宿や渋谷ならまだしも 上野などでうんざりしているようでは 情けがないから やめたいのだけど やっぱりどうしてもああやって人が大きな塊になるような状況をみると 誰でもいいじゃないかという気になってくるので苦手だ そこにいるのは誰でもいい かけがけのないことのないただの記号という形をとった肉の塊にしか思えない だからそのような有象無象に気を配る気にもならない 中高生のような 人を殺す目で あれくらいの時期はみんな特に意味もなくあるいは大きな意志の元で人を殺したいと思っているものでは? うつむきながら 足早に肉塊を通り過ぎるしかない フードエッセイストである平野紗季子さんの (NO)RAISIN SANDWICH が クッキー・モンスター (青色のけむくじゃら) とコラボするということで 銀座のソニーパークへ 遊びに行く 銀座はよくわからない 近いようで遠い街だと思う 京橋や日本橋なんかは完全に他人事なんだけど 銀座に関してはどうしても割り切れない部分が個人的にあったりするわけで 上野から銀座線に乗り ライクアタイトル回収 銀座駅で降りる まずまずの人 ソニーパークは駐車場の傍らにある 以下HP引用 "銀座四丁目交差点改札より、そのまま地下コンコースを歩いてお越しください。B7とC3出口の間にある「西銀座駐車場」の入口を入ってすぐ左がSony Park Miniです" なんとも簡潔でいて分かりのいい文ではないの 無駄のないうえにそこまで事務的でもないのが良い 変な場所にある施設が 結構好きです 新橋の ニュー新橋ビル な 熱海の 第一ビル商店街 な 感じの施設 施設群? この日のために PACS の Round Corner Pocket shirts を卸した 真剣な青色�� 名前の通り ザッツリテラリー ポケットがまあるくなっている 生地もスーピマコットンなので 肌触りも良い かつ光沢もあり品の良いシャツに仕上がっている かわいいねお気に入りです 大きめに着る 靴下もファミリーマートのアクアブルーだったので 話しかけられた店員さんに 「格好もクッキー・モンスターを意識されてるんですね!」 などと言われ 恥ずかしそうに頭をかきながらうんとかすんとか ヘラヘラするしかなかったよ 23にもなるのに 恥ずかしそうにヘラヘラするしかない場面がいまだにある ステッカーや缶バッジ なんとなく目当てにしていたクッキー・モンスターのTシャツはソールドだった まあそうだねと思いながら"PREMIUM COOKIE SANDWICH for COOKIE MONSTERS"を抱えて後にした この時点で汗が止まらなくて病気かと思う 汗をかきはじめると 周りの視線が過度に拡張されていく感覚になる 批評よりも批判よりの視線にさらされているような感覚 さすがに耐え難いので 鳥越の方に逃げた 昔に といっても2年前までは鳥越に居をかまえていたので 今でもマイメンな東京のスポットなのだ そんな場所は本当に貴重だ 鳥越神社という大きな公園のわきにあるアパートの一階部分には Torigoe T という小さなフランス料理のお店があったのだが それも1年前に閉店して今はアメリカ雑貨のお店になっているのを目撃した 6月は鳥越神社の例大祭があり 裸の男たちが蔵前橋通りを神輿担ぎ闊歩する 言語というよりむしろ発声に近い掛け声に混ざるぶつかり合う肌と肌の音は 何かしら象徴的に聞こえるものです 例大祭のチラシがあちこちに貼られているのに沿って鳥越の街を歩く もうこの街は 自室から浅草にあるアルバイト先まで 日陰から一歩も出ることなく歩いて行けるまでに 知っている 知っているのにすでに住んでいないというのはどうして不思議だ 1時間くらい歩き続けて観念したように浅草橋から総武線で新宿まで出張る 小田急線の急行で下北沢に着く頃にはもうだいぶ風が出て涼しくなったような気がして またシャツを羽織った だいぶ変わってしまったねこの街も 高校教師 (1993) には当時の京王井の頭線沿いも出てくるのだが 1993年時点での下北沢駅周辺はとても文化的ではなかったように見える ホームも薄暗くなんとなく湿り気のあるそんなイメージだった むろんあくまでイメージ 妄想ではある産まれてないしそもそも しかしな 今やサブカルチャー��とどまらず演劇や映画のベースメントとして 機能しているので 大したもんだと思う 人間が本気になれば 何もない場所に都市を計画し造ることなんぞは きっと造作もないのだろう 東京も元々大きな湿地帯であったことを考えると 人間のその豪胆さと労力の惜しげのなさには驚かされるばかりである 茶沢通りを北沢タウンホールに抜ける路地の左手に アンダーニース という楽器屋があり ビルの3Fで品揃えもいいしなによりオーナーの人当たりの良さ! この楽器屋でその感じなのありがたい 友人にお土産として Danelectro Black Coffee を買った DODのFX25B Envelope Filter とも悩んだが ゲインがフルテンで固定というオーナーの���明にクラッときたので そっちにした 朝からまともなものを食べていないことに気づいて 渋谷駅から渋谷川に沿って並木橋の方へ降りると恵比寿の手前にフレッシュネスバーガーがあるため そこでフレッシュネスバーガーとジンジャエールを食べる ジンジャエールがとにかく濃く作られており 自家製なのもあって 飲みごたえがすごいことになってんの 正直ハンバーガーには合わせない方がいい 完全に負けているので 狭い店内の後ろの席には 学芸会終わりの親子が感想戦などをしていた ジメっている恵比寿 リキッドルームに家主がやってくるということで 友人を誘った 昨年の12月に出したアルバムのツアー 恵比寿リキッドルーム ワンマン フルセット 整理番号はなぜか800以降のカスだが 久しぶりのライブも 友人に会えるのも嬉しい チケット代の代わりに 何かモノをくださいという暴力に 友人は旅館の灰皿とぶっとい葉巻で応えた 吸わなかったら灰皿で人を殺してもいいらしい とにかく喫煙が足りないと言われた 喫煙が足りない 喫煙が足りない? アウトレイジ 最近バイトや大学の合間を縫って アルバムのレコーディングなどしているらしく 小職よりも忙しそうにしているので頭が上がらない ライブはもちろん完璧だった 正直言ってここまでのめりこめるライブも少ない 撮影が可能らしく ちらほら撮影している観客もいたが 昔気質だからだろうか どうしてもライブという場において撮影という行為がイマイチしっくりこない いまそこにある景色を損なう可能性を 考えてしまって スマホへ手が伸びなかった 撮影などしなくてもライブはサイコーであるのであれば 無理して撮影する必要はない そうだよね ウン 途中マジで酸欠になって フロアが最高潮だからね クラクラしながら ぜんまいじかけ のリフが宙に浮いて見えたりしたが 無事 終演 熱冷めないまままた歩いて渋谷駅まで戻ることになり 家主の話よりむしろバックナンバーやクリープハイプの話になりなぜ? 家主の話をしないということによってむしろ家主の存在が際立っているような 哲学や文学の文脈でよく使われる論文の手法のような雰囲気で 道玄坂のロイヤルホストに滑り込んでひといきをつく 柴田聡子の新譜は ある種 脱構築的に音楽よりも言語 あるいは歌詞や詩の動きにフォーカスしたアルバムだと論じる 前作 ぼちぼち銀河 においてもその様子はたしかにうかがえたが 今回で完全に音と歌詞 (詩) は同時に存在するように作られはじめた それぞれで見てもイマイチパッとこない 納得できない そのふたつは 同時に鳴ることで私たちの前になにかしらの意味を持って突如立ち現れることになる そこが柴田聡子の独自性ではないかという話で盛り上がって 過ぎる時間 こんな話がしたかったと思っていることに気づいたのは分かれてから銀座線で上野御徒町へ戻る最中だった 山形行きの高速バスで 友人がSound Cloudにあげていると教えてくれた レコーディング中のアルバム そのリード曲になるというデモをこっそり聴く 疲れた身体でも 十分に良いと思える曲だった コンスタントな振動に揺れ カーテンをこっそり開けて 高速道路のナトリウムランプが玉になって流れていくのを眺め 耳を澄ませて友人の曲を何度も 繰り返し聴く はじめて聴くのが夜行バスの中で良かったと思った 眼をつむるまでにそんなに時間がかかることもないだろうなと 考える間もなく 眠った 朝の4時に福島にほおりだされて 始発で郡山へ戻り 8時には職場にいるのだから 頭がおかしいとしか思えない 一緒に住んでいる人には 花屋の娘 が入ったフジファブリックのCDをお土産に買った ディスクユニオンの袋に包まれたのを 満足そうに机の上から机の上へ置き直して ニコニコしている 郡山は肌寒く しまったはずの毛布を取り出した
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disolucion · 1 year ago
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22 ルーティーン
東京生活三日目。
アラームで起きる。マンションから歩いて東大理学部へ。
今日もオブザーバーとして検討会に参加。昨日より少しわかる。 負のエネルギーっていうのを使うのか使わないのか。 『ひも』が二種類ある。長いひもと、��のひも。 安定しないとダメだけど安定するのはもっとダメ。 そんな話をしていることはわかった。
その後、病院へ移動。検査してお昼食べて身体測定。
ここまでがルーティーン。
脳波はついに異常がなくなり普通になった。 ああ、来る… ついに… 骨髄液検査が… 明日抜くそう。脳波異常カムバック! 身体は身体測定効果と規則正しい生活で鍛えられつつある。
ルーティーンが終わったら電車で銀座に向かう。
キャリアショップで再発行されたSIMを受け取った。 すぐ家に連絡をしたかったが、慌ただしいからマンションに帰るまで我慢。 マンションに着くと、帰りが遅いとノダさんが心配していた。 新妻感がすごい。なにこれどういうプレイ? ひとまず帰宅が遅くなったことを謝り、こういう場合にと連絡先を交換した。
夕食を食べ終わり、携帯が手に入ったと家に連絡をした。 説明がややこしいから、東京の病院に転院したことにしておいた。 元気でいること、まだ帰れないこと、お金の心配はいらないことを伝える。 スピーカにしてもらい息子二人とも話した。 長男は、事故で帰れないとかありえないと怒っている。 次男は、身体は大丈夫なのかと心配してくれている。 もう少ししたら帰る、ママが困っていたら助けるのはお前たちだと頼んだ。
―――――
東京生活四日目。
土曜日なので、午前中に検査のみ。
脳波に異常はない。他にも異常なし。 検査員から、もう検査の必要なくね?という空気が流れている。 しかし、骨髄液検査は実施された。痛いなんてものじゃない。 この検査考えた奴に週に一度やらせたい。そしたら別の方法考えるだろう。 身体測定という名のトレーニングも土曜はない。
検査が済んだらマンションまで歩いて帰る。 土日はノダさんが来ないので、買い出しに行く。 夜はお好み焼きにした。あんまりおいしくなかった。
―――――
東京生活五日目。
完全休日な日曜日。暇だったので上野まで歩く。
なにか欲しいものあったかなと考えながらブラブラする。 あ、PCがあれば便利だし暇つぶしにもなるし、なんなら仕事も。 そう思って秋葉原まで足を伸ばす。適当なノートPCを手に入れた。 御茶ノ水で乗り換えて丸ノ内線で本郷三丁目へ。
254号沿いのコンビニで夕食の弁当を買って帰る。 路地に入るところで、なんとなく振り向いたら、 道の向こう側にノダさんらしき女性の姿を見かけた。 すぐに見失ったけれど、ノダさんだったように思う。
マンションに戻って、モンテビデオのストリートビューを眺めた。 ヨハンヨンが直進した交差点の先にアメリカ大使館があって笑った。 なにがセーフハウスだよあの野郎。まあ、二度と会うことないだろうけど。
―――――
東京生活六日目。
研究者からは置物扱いされ、検査員からは予算の無駄扱い。 身体測定は拷問に思えてきた。いきなり身体強化されないって… そんな、理科赤点の健康優良中年だけど元気でやっている。
最近、駅前で毎日見かける男がいる。今朝も見た。 サイドと後ろをジョリジョリに刈上げ、上だけツンツン頭。 白いダウンを来た吊り目の男。縦にも横にも大きい。
いよいよ極秘任務に就いているノダさんの出番だと思った。
身体測定が終わって着替えたら、すぐにノダさんに連絡を入れる。 まだマンションにいるか尋ねると、いる、というので待っていてもらう。 いつもは入れ違いで帰ってしまう。 別の場所から監視しているのだろうけど。
マンションに着くと、ノダさんが待機してくれている。 ちょっと待っててと、テーブルにノートを広げて、 毎日見かける白いダウンの男の似顔絵と、脇に特徴を描いた。 ページを破ってノダさんに渡す。
「一昨日から今日まで、毎日見かけた男です。駅のあたりにいます」 「なぜ、私に相談を?」 「ハヤセさんの連絡先を知らないんですよ」
本当はハヤセさんの携帯番号は知っているよ。 でもこれはノダさんの管轄だと思ったから。
「わかりました。誰か頼れる人を探してみます」
彼女は似顔絵を畳んでポケットにしまい、足早に部屋を出て行った。
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navetin · 1 year ago
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■三愛ドリームセンター①
現在解体中の三愛ドリームセンター。 銀座和光と共に長らく四丁目交差点のランドマークとなっていたが、 老朽化により建て替えとなった。 竣工は1962 (昭和37)年で設計は林昌二 (日建設計)。 7月には中野サンプラザも解体される予定で、 林昌二の個性的な建築作品がほぼ同時に消える事になる。
2月26日探訪。
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yaoyuan6478 · 3 years ago
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#銀座四丁目 #銀座四丁目交差点 #銀座四丁目の交差点 #銀座四丁目交差点付近 #銀座四丁目交差点近く #銀座四丁目交差点は久しぶり (銀座 歩行者天国) https://www.instagram.com/p/CUCeXOiFPTD/?utm_medium=tumblr
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yumo0705 · 6 years ago
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久しぶりに銀座! 銀ブラしながら 銀座sixで打ち合わせ! 色々と勉強になるなー! * * * #銀座 #銀座交差点 #銀座四丁目 #カメラ好きな人と繋がりたい #ゴープロ #goproのある生活 #旅好きな人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界 #フォロー #photooftheday #l4l #trip #travel #tokyo #ginza #japan #followme #gopro (銀座) https://www.instagram.com/p/BsqFkuWlomC/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=16otzghjojwtg
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rezagrats · 3 years ago
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Whenever I encounter it, I take the picture. #かねふく #かねふくの看板 #地元愛 #明太子かねふく #tokyobillboard #東京の看板 #tokyoadvert #tokyoad #臨海町 #東銀座三原橋交差点 #新大橋 #浅草雷門一丁目 #馬出四丁目 他にもあったかな⁉︎ https://www.instagram.com/p/CU1cqqcPFSz/?utm_medium=tumblr
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riehayasaka · 4 years ago
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私たちが今抱えている問題は、1年後には問題じゃなくなっている 即ち、問題というのは自分が作り出している😀 ・ 小学生の時に抱えていた問題は今でも問題ですか? 中学生の頃に悩んでいた問題は今でも問題のままですか? ・ もう何を悩んでいたのかすら覚えていなかったりする😐 ・ ・ この世に問題なんて何もない ・ 問題があるとしたら 私たちが魂を忘れて、自分だけが楽しみたいと思っていること ・ ・ 全部誰のものでもない 自分のものなんてひとつもない 全て全て愛情たっぷりに与えられていて より一層の愛に変換してまたお返しするもの 自分に無いものなんてひとつもない あるもの全て更なる愛を持って捧げられるものばかりなんだね💝💝💝 ・ ・ #今日のクラス #ヨガ #バクティヨガ 昨日のオンラインクラス🖥待ち時間中に皆さんのお顔が見たくて繋げていたら⚡️いきなり本番になって😱慌てふためき画面オンのままガチャガチャしたのごめんなさい🙏🙇‍♀️😂 #銀座四丁目交差点 #撮影 #銀座 始発も終電もなくて🚃の途中まで/途中から連日タクシー🚕🌃😪 銀座での思い出たくさん 身体がお疲れのピーク🙄 心はめちゃくちゃ元氣😳 身体が。。。😀🙃🎥🎬 何も氣にせず寝たい☺️🙌💄⏳ 年内絶え間なく途切れることなく駆け抜ける系👟🗓💨 愛の女神のために💖✨✨ https://www.instagram.com/p/CFj34PUgZHl/?igshid=16ns3jjlrat19
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geniusbeach · 5 years ago
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絶望のパレード
 魂がうわついている。まるで自分が自分でないみたいだ。ここしばらく意識は常に前方斜め下で、歩いているのは抜け殻か尻尾のようなものである。いつから、そしてなぜそのようになってしまったのだろうか。正月にかこつけて内省的になってみる。
 昨年の初めに私家版詩集を刊行した。それまでに書き溜めた僅かな詩編を、2人の詩人と編集者、美術家とともに共著の形でまとめた。処女詩集にして全集のようなおもむきがあるけれども、自分としてはそれでよい。稲垣足穂風に言うなら、以降に自分が書くものはその注釈かバリエーションに過ぎないということだ。共著者と編集者が営業に奔走してくれ、関西の大型書店のみならず、関東の書店にも置いてもらうことができた。ありがたいことに帯には人類学者の金子遊氏が一文を寄せてくださった。個人的には、自分の高校時代からの読書遍歴を決定づけた恵文社一乗寺店に置いてもらえたこと、そしてそこで一度品切れになったことが大変嬉しかった。これで一地方のマイナーポエットになることができたという感じがある。それ以上は望まないが、この営みは細々と続けていくつもりだ。
 詩集に関するあれこれが落ち着いてからは、英語の学習に明け暮れた。一昨年は仕事で繁忙を極めており、勉強どころか読書も満足にできなかったため、それを取り戻すように必死にやった。おかげで昨年度中の目標としていた点数を一発で大きく上回ることができ、すぐに違う分野へ手を出した。次はフランス語であった。気合を入れて5000円もする参考書を買い、基礎からやり直していった。ところがその参考書、誤植があまりにも多く、解説も非常に不親切で、ページをめくるのが億劫になり早々にやる気を失ってしまった。なんとも情けない話である。新しい参考書を買う気もなくなり、漢字の勉強へシフトしたところ、こちらはうまくいった。徐々に、平日はカフェで、週末は図書館で勉強するスタイルが出来上がっていった。その間も読書は続け、昨年で40~50冊程度は読むことができた。
 秋ごろには面白い出会いがあった。実存的な不安が高まったこともあ��、有休を取って哲学の道を散歩していたところ、海外からの観光客に、掛かっている看板の意味を聞かれた。訛りのある英語だったため、フランス人ですか? と問うと、そうだとの答え。自分がわずかばかりフランス語が話せるとわかって意気投合し、3日間観光ガイドのようなことをした。彼の名はムッシュー・F、ひとりで日本にバカンスに来て、東京でラグビーの試合を見たりしたとのこと。七十を超える高齢だが、つい最近まで自分もラグビーをしていたと話すエネルギッシュな人物で、全く年齢を感じさせない。パリで会社を営んでいるそうで、これが私の家だと言って見せられたのは、湖畔に浮かぶ大邸宅の写真であった。週末には森を散歩したり、湖にモーターボートを浮かべたり、馬に乗ったりしているよと言う。もちろんそれらは全て私有(森や湖でさえ!)、モノホンの大金持ちである。京都では一緒にカフェに行ったり、大文字に登ったり、うどんをご馳走したり、孫用の柔道着を探したり、旅行の手配を手伝ったりした。是非フランスにおいでと言い残し、彼は去った。それから今でも連絡を取り合っている。実に50歳差の友人ができた。
 かつて自分は、日本で日々を平穏に過ごしながらたまに外国語を話す生活を望んでいたが、今になって少しばかり叶っていることに気が付いた。仕事ではしばしば英語を使う。ただ、本音を言えば、金子光��のように海外を旅して回りたい。学生時代に思い描いていた生活はと言えば、高等遊民か世界放浪者であった。金子は詩の中で「僕は少年の頃/学校に反対だった。/僕は、いままた/働くことに反対だ。」と言った。人間は何からも自由なのである。自分も「成績」や「評価」、「管理」などには絶対に反対である。人に指示され、その目を気にして送る生活など耐えられない......。ところが、じっさいの自分には構造の外へ飛び出す勇気がない。そもそも自分は道の外から生のスタ-トを切ったのだ。そこから正道に戻るだけで精いっぱいだった。血の鉄鎖に引きずられながらもなんとか空転を繰り返した結果、保守的な思想が全身に染みついてしまった。今はなすすべもないまま泣く泣くレールの上を鈍行で走っている。窓からは、空中を並走するもうひとりの自分が見える。全てに背を向けて純粋な精神の飛翔を楽しむ自分の姿が。金子の詩友・吉田一穂は「遂にコスモポリタンとは、永生救はれざる追放者である」と言った。世界は狭量だ。自分にとっては、シュマン・ド・フィロゾフもアヴェニュ・デ・シャンゼリゼも等価である。どうにか国や所属を超越したいと強く思う。やはり勉強をし直さねばならない。
 自分の様子がおかしくなったのは10月頃からだ。一昨年度に忙殺されたせいで少なからず人間の心を失った自分は、仕事における虚脱感に苛まれていた。家における問題もあり、また昨年度新たに来た上司とは全くウマが合わず、フラストレーションも募っていた。そもそもが5年で5人も上司が変わるという異常な環境である。自分はよく耐えてきたと思う。働くことが馬鹿馬鹿しくなり、ぼーっとする時間が多くなる。そんな中、自分はある大きなミスをしでかしてしまった。それは実際大した問題ではない、誰にでも起こりうることだった。尻ぬぐいは上司とともに行うこととなった。しかし、そのミスのせいでかなり落ち込んでしまい、さらに事後対応や予防策の打ち出し方が虫唾が走るほど不快なものであったため、自分は深く考え込むこととなった。さらにそこで追い打ちのごとく転勤が告げられたため、自分はついに心身に不調をきたしてしまった。抑鬱、不眠、吐き気、緊張性頭痛、離人感、悲壮感、食欲不振……全ての事物から逃げ出したくなる衝動に眩暈がする。ある日職場で人と話している時に、どうにもうまく言葉が出てこなくなったため、何日か休む羽目になった。初めて心療内科を受診し薬をもらった。一日中涙が止まらなかった。その頃��記憶はあまりない。日々、ふわふわと悲しみのなかを漂っていたように思う。ただ、話を聞いてくれる周りの人々の存在はかなりありがたく、ひとりの人間の精神の危機を救おうとしてくれる数多の優しさに驚かされた。転勤の話は自分の現況を述べたところひとまず流れた。その際、上役が放った言葉が忘れられない。「私は今までどこに転勤しても良いという気持ちで仕事をしてきましたけどね」。他人の精神をいたずらに脅かすその無神経さに呆れて物が言えなかった。薬の服用を続け、1ヶ月半ほどかけて不調はゆるやかに回復したが、自分が何もできずに失った貴重な期間を返して欲しいと強く思う。仕事に対する考え方は世代間でもはや断絶していると言ってもよいだろう。
 労働を称揚する一部の風潮が嫌いだ。仕事をしている自分は情けない。それにしがみついてしか生きられないという点において。システムに進んで身を捧げる人間の思考は停止している。彼らは堂々と「世の中」を語り始め、他人にそれを強制する。奴隷であることの冷たい喜びに彼らの身体は貫かれている。何にも興味を持てなかった大多数の人間が、20代前半に忽然と現れる組織に誘拐され、奇妙にも組織の事業であるところの搾取に加担・協力までしてしまう。それは集団的なストックホルム症候群とでも言うべきではないか。社会全体へのカウンセリングが必要だ。尤も、使命感を持って仕事に臨む一部の奇特な人々のことは尊敬している。生きる目的と収入が合致しさえすれば、自分も進んでそうなろう。だが自分は、「社会とはそういうもの」だという諦念には心の底から反抗したい。組織とは心を持たない奇形の怪物だ。怪物は人間の心の欠陥から生まれる。ただ怪物のおかげで我々は生きられる。それをなだめすかしておまんまを頂戴しようという小汚い算段に、虚しさを深める日々。人間的であろうとする以上、この虚しさを忘れてはいけない。
 どうしようもない事実だが、労働によって人の心は荒む。労働は労働でしかない。肉体を動かすことによる健康維持という面を除けば、それ自体、自己にとっては無益なものだ。勤労意欲のない文学青年たちはいかなる生存戦略を以て生活に挑んでいるのか。彼らの洞窟を訪ねて回りたいと思う。現代には、彼らのように社会と内面世界を対立させたまま働き消耗する人々がいる。ある経営者がその現象を「ロキノン症候群」と呼んでいた。芸術に一度でもハマったことがあるような人々がそうなのだという。しかし彼らも納得はいかないながら、どこかで折り合いをつけて頑張っているはず���。自分は彼らに一方的な連帯感を覚える。来る亡命に向けて、励まし合っているような気さえするのだ。世間様はきっと我々を馬鹿者だと罵るだろう。「なんとでもいはしておけ/なんとでもおもはしておけ」と、山村暮鳥の強い声が聞こえる。目に見えるものだけを信じるのもいいが、それを周りに強いてはならない。我々は今、ようやく開けてきた時代を生きている。だが認識は未だ模糊としている。完全な精神が保証される世界からすると、まだまだ古い時代なのだ。人間の姿を見失いがちな現代に対して言えるのはただ一つ、みんなで一緒に幸せになろう、ということだけだ。
 さて、年末に3日間の有休をぶち込んだので年末年始は12連休となった。天六で寿司を食べ、友人宅に入り浸ってジャークチキンをむさぼった。ポルトガル料理に舌鼓を打ち、サイゼリヤで豪遊した。特に予定を立てずに、ひたすら酒とコーヒーを鯨飲する毎日であった。心身の不調はマシになったものの、不運が続き、人と会わなければどん底に落ちると思った。それはまるで自分という神輿を中心にした絶望のパレードのようだった。
 休みの初日、ふと思い立ち、生き別れた父親の所在を探るべく、戸籍を請求してみた。私は父親の顔も名前も知らなかった。さほど興味がなかったというのもあるが、これまで家族に問うても曖昧な答えしか返ってこなかったのだ。働き出してからしばらくして、親戚から聞いたのは、父親は母親と同じく耳が聞こえなかったこと、暴力をふるう人間であったことの二つだけだ。養育費が払われることはなかったともどこかで聞いたような気もする。いずれにせよクズのような人間であったことは疑いようもない。生まれてから会った記憶もなく、不在が当たり前の環境で育ったため、会いたいと思ったことはほとんどない。ただ、自分の身体の半分が知らない人間の血によって構成されていることに何とも言えない気持ち悪さを覚えていた。というのも、顔は母親似だと言われるが、色覚異常の遺伝子は父親から受け継いだものであり、おかげで少年はある夢を断念せざるを得なくなったからだ。その「不可視の色」を意識するたび、自分の身の内には不在の存在がかえって色濃く反映された。違和感は自分が年を重ねるごとに増してゆくような気がした。そのため、せめて名前と消息だけでも知っておこうと思い、今回ようやく役所に出向いたのだ。職員に尋ねたところ丁寧に教えてもらえた。自分の戸籍から遡れば簡単に辿ることができる。しばらくして数枚の紙きれが手渡された。そこには聞きなれない苗字が書かれてあった。そして、案外近くにひとりで住んでいることがわかった。ふーん。何か虚しさを覚えた。自分は何がしたかったのか。カメラを持って突撃��もすれば面白いのかもしれない。ネットで調べてみると同じ名前の者が自己破産者リストに載っていた。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。結局自分には関係のないことだ。じっさいこの文章を書いている今、父親の下の名前をまったく忘れてしまっている。思い出そうとしても思い出せないのだ。
 旅行前日の夜中に家の鍵をなくした。普段ほとんど物をなくさないのでかなり焦った。約4㎞の距離を3往復し、交番に駆け込むも見つからず。最後に寄ったコンビニの駐車場を這うように探し回ったところ、思いがけない場所で発見し安堵した。寒くて死ぬかと思った。自分は落とし物を探す能力には自信がある。物をなくさない、などと言いながらイヤホンのイヤーピースはこれまでに3度落としたことがある。しかし、その都度血眼になって道端から救出してきたのだ。今回見つからなかったら自分はどんなに落ち込んでいただろう。2時間も無駄にしてしまったが、とにかく良かった。もうお洒落を気取ったカラビナは使わない。
 中学時代の友人3名と有馬温泉に行った。ここ数年、年末の旅行は恒例行事となっている。とはいえこの4人で遊ぶために集まるのはおよそ10年ぶりだ。有馬は京都から車でおよそ1時間半。温泉街は観光客でごった返している。外国人も多い。昼飯にカレーを食べ、しばしぶらつく。細く入り組んだ坂道が続く。公園には赤く錆びついた蛇口があった。飲用可能な鉄泉だったが、衝撃的な味に顔がゆがむ。血だ。その後、目当ての温泉旅館に行くも臨時休業であった。どこの湯も混雑しており、20分待ちがザラだった。日帰り湯の看板が出ていないホテルにダメもとで聞いてみると、幸運にも入れるとの答え。客もほとんどおらず、金泉をこころゆくまで楽しめた。歩き途中、炭酸せんべいを土産に買う。特徴のない普通のせんべいだ。ここで一旦宿に戻って車を置き、再びタクシーで温泉街へ。鉄板焼き屋でお好み焼きを食べ、銀泉に入る。顔がツルツルになった。宿はそこからかなり離れた山裾にある合宿所のようなところだった。嫌がるタクシーに乗り込み、外灯のない急坂を登る。受付には緩い感じのおじさんがいて、懐かしさを覚える。鍵を受け取り、宿泊棟へ。一棟貸しなので騒ぎ放題だ。大量に仕入れた酒とつまみと思い出話で深夜までウノに耽った。翌朝気が付いたのは隣の棟の声が意外とよく聞こえるということだ。大声、というか爆音で昔の先生のモノマネやらツッコミやらを繰り返していた我々の醜態は筒抜けになっていたようだ。棟を出る時に同年代くらいの若者と鉢合わせてかなり気まずかった。ここにお詫び申し上げる。この日は朝から中華街へと移動し、料理を食らった。鰆の酒粕餡かけという聞きなれない一皿がめっぽう美味かった。バリスタのいるコーヒー屋でエスプレッソを飲み、だらだら歩いて旅行は終了。京都に着いてからなぜか3時間ほどドライブし、大盛の鴨南蛮そばを腹に入れてから解散となった。
 大晦日は友人宅で蕎麦をご馳走になってから鐘を撞きに行き、深夜まで運行している阪急で松尾大社へ。地元の兄ちゃんが多い印象。社殿がコンパクトにまとまっていて良かった。おみくじは末吉だった。年明け早々、以前付き合っていた人が結婚したことを人づてに聞く。めでたい気持ち半分、複雑な気持ち半分。元日は高校時代の友人3人と四条で酒を飲むだけに留まる。2日は友人らと蹴上の日向大神宮へ。「大」と名づくが割合小さい。社殿の奥には天の岩屋を模したと思しき巨大な岩をL字型にくりぬいた洞窟があり、潜り抜けることができる。いつ作られたものかは不明だそう。暗闇を抜けて日の光を再び浴びる時、不思議にもスッキリとした感覚になる。ここでもおみくじは小吉だった。その後は下鴨神社の露店を物色し、ケバブとヤンニョムチーズチキンなる悪魔のような食べ物に枡酒で乾杯。旧友と合流し、深夜まで酒を飲み、コーヒーで〆。怒涛のアルコール摂取はここで一旦落ち着いた。
 3日、昼に起きる。夕方ごろ喫茶店に行くもぼんやりして何もできず。3時間で本のページを3回めくったのみ。その帰りがけに初めて交通事故を起こした。自分は自転車に乗っていたが、考え事ごとをしていたかそれとも何も考えていなかったか、赤信号の灯る横断歩道の真ん中で車に真横からはねられて、初めて意識が戻った。即座に状況を理解し、平謝りする。非常に幸運なことに怪我も物損もなく、さらには運転手が気遣ってくれたおかげで大事には至らず、事故処理のみしてその場を後にした。自分はあまりにぼーっとしすぎていたのだ。赤信号はおろか、横断歩道があることさえも気づいていなかった。完全にこちらが悪い。ただ、こんなことを言ってはヒンシュクを買うだろうが、何か自分のせいではないような気もした。昔、轢かれたことのある友人が、「車は鉄の塊、人なんて無力」と言っていた。生と死は笑えるほどに近い。車の同乗者には、生きててよかったなぁ! と半ば怒った口調で言われた。果たしてそうなのか。苦しんで生きるか、知らぬ間に死ぬか、どちらが良いのか。よくわからない頭のまま先輩の家に遊びに行き、帰ってからおみくじを捨てた。馬鹿にもほどがある。
 “WWⅢ”がツ���ッターのトレンド入りした日に、リニューアルしたみなみ会館で映画「AKIRA」を見た。第三次世界大戦で荒廃・復興した2020年のネオ東京が舞台である。東京オリンピックの開催まで予言されていて瞠目する。作画の緻密さと色彩の美麗さ、展開のスピードが尋常ではなく、見るドラッグのようであった。見に来ていたのは意外にも20代の若者が多かった。なぜか終了30分前に入ってきた女性3人組もいた。目がぐるぐる回って、もう何が何か訳がわからなかった。溢れそうな鍋に蓋をしたところ、その蓋の上から具が降ってきた。そんな脳内で、世界の終わりというよりは、自分の終わりという感じだった。翌日から仕事だったが、変に興奮して夜中まで寝付くことができなかった。
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sorairono-neko · 5 years ago
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Yours forever
 勇利は幼いころ、ヴィクトルと会ったことがある。遠くから見かけたというようなかるいものではなく、きちんと対面し、言葉を交わし、ほほえみあって親しくふるまったのだ。ヴィクトルはその逢瀬を「デート」だと表現した。そのころ勇利はデートというなりゆきの特別性なんてまるでわかっていなかったのだけれど、ヴィクトルのその物言いと優しいまなざしには苦しいほどのときめかしさをおぼえ、それから数日はよくねむれなかった。いまでも、そのおりのことをベッドに入ってから思い出せば目が冴えてしまう。勇利にとってあれは、いつまでも色褪せることのない、あざやかですてきな記憶なのだ。  ヴィクトル自身は、もうおぼえていないだろうけれど……。  そのとき勇利はジュニアの選手だった。ヴィクトルはシニアで戦っていたが、まだ髪が長いころだ。あのうつくしい髪をなびかせて氷上で舞うヴィクトルに、勇利はどれほどあこがれたか知れない。ヴィクトルの映像を見てはまねをしてすべり、ヴィクトルならこう、ヴィクトルはもっとジャンプが高い、と彼みたいになりたくて一生懸命だった。あこがれるあまり髪も伸ばしていたし、ようやく結わえられるようになったそれを後ろでちょこんとまとめてすべっていると、ヴィクトルと同じだ、と思えてうれしかった。まだそれほどの長さではないため、激しく踊ればみだれてきて、いくすじも落ちかかってしまうのが悩みの種だったけれど、でも切ってしまおうとは思わなかった。  ヴィクトルの試合をこの目で見たい、といつもねがっていた。画面の中ではなく、すぐそこにいる彼を感じたい。きっとヴィクトルはテレビで見るよりずっと速度があって、もっと迫力のある演技をするのだろう。どうしても彼の演技を同じ空間で見たい、と勇利は、苦しいほどに切望していた。  毎日ねがいをかけたから、神様が聞き入れてくれたのか、勇利は思ったより早くその機会に恵まれた。関係者として観戦してよいとスケート連盟から許可されたのである。グランプリシリーズだったのか、世界選手権だったのか、よくおぼえていない。ヴィクトルに会える、ということがあまりにうれしく、こまかなことは記憶から抜け落ちているのである。  演技のあとは、もちろん花を投げ入れるつもりだった。それから、できれば手紙も渡したい。しかし、花束にまぎれこませることは考えなかった。ヴィクトルに絶対に読んでもらいたいけれど、ヴィクトル以外には読まれたくない。ヴィクトルが贈られる花の数は尋常ではない。そんな中から勇利の手紙をまちがいなく彼が抜き取ってくれるなんて、そんなことがあるはずがないと、勇利は断定していたのである。しかし、手紙は書いた。もしかしたら、廊下で偶然会えるかもしれないではないか。そのときになって、何も持っていないと悔やんでも遅い。できることはしておかなければ。  だが勇利は、そこまでの幸運が起こるはずがないということもまたわかっていた。ヴィクトルの演技を間近で見られるだけでもすばらしいことなのだ。そんな偶然まで神様が気遣ってくれるはずがない。けれど、想像するのは自由だ。勇利は幾度も、勇利が差し出した手紙をヴィクトルが受け取り、「どうもありがとう。とてもうれしいよ」と礼を述べてくれるのを思い浮かべ、しあわせを味わった。  東京の会場まで行き、関係者席で勇利はヴィクトルの演技を見た。付き添いは誰もいなかった。許可証は首からさげているし、いつも自分が試合に出るときみたいにふるまえばよいのだとわかっていたので、不安はいっさいなかった。そんなことより、ヴィクトルを見られる、ということで勇利は興奮していた。ヴィクトルの演技はすばらしく、優美で、華麗で、勇利はすっかり感激してしまった。いままで、きっと生で見られたらこんなふうなんだろうな、と思案をめぐらせたどんな演技より、彼は麗しかった。見ていて泣いてしまったので、まわりの人たちに「大丈夫?」と心配されたほどだった。  ショートプログラムが終わると、あまりに胸が苦しくて何も喉を通らず、勇利はホテルに帰って早々に寝てしまった。夢でヴィクトルと会った。勇利は目を輝かせて言うのだ。 「今日のショート、すっごくすっごくすてきでした!」 「そう? どうもありがとう」  ヴィクトルはにっこり笑ってうなずく。 「見てくれたんだね。うれしいな。勇利のためにすべったんだよ」 「ほ、本当?」 「本当……」  ヴィクトルは優しい瞳をして勇利の髪にふれ、 「黒くて綺麗な髪だね。俺みたいに伸ばすの?」  とささやいた。勇利がまっかになって答えられずにいると、ヴィクトルは身をかがめて、勇利のくちびるに──。 「わっ」  勇利はぱっと目を開けた。カーテンの隙間からきらきらとひかりが差しこんでいる。もう朝か、と身体を起こしたが、胸がどきどきしていて頬が熱かった。  ぼ、ぼく、ヴィクトルとちゅーしそうだった……。  頬に手を当ててうつむく。どうして? そんなふうに一度も考えたことないのに。キスって恋人同士がするものだ。ぼく、ヴィクトルと恋人になりたいのかな。──ヴィクトルと恋人? 「むりむりむりむり!」  なれるとかなれないとかいうことより、そんな次第になったら心臓がいくつあっても足りない。絶対にできない。 「……まあ、心配しなくてもそんなことは起こらないけど」  勇利は息をついた。でも、恋人にはなれなくても、まだフリーの演技がある。そのことを考えると、胸が痛くなるくらいどきどきした。  一日おいて、フリースケーティング当日、勇利は朝から緊張しきっていた。自分の試合より緊張してるかも、と思った。ヴィクトルのフリーを見られる。あのフリー。シーズン当初からみつめてきたプログラムを思い浮かべる。あれが目の前で起こるなんてうそみたいだ。夢のよう……。これは夢じゃありませんように、と勇利はいくたびも吐息をついた。ずっと顔はまっかで、気持ちが高揚��ていた。  フリースケーティングでのヴィクトルの演技のあと、勇利は席から動けなかった。感動して泣いたし、泣きすぎて頭が痛いし、朝から興奮していて気持ちが疲れていたし、遠出をしてきたことで身体にも疲労があったし、ほとんど何も食べずにいたので、とにかく力が出なかったのだ。ずいぶんと時間が経って、人がだいぶいなくなってから、勇利はよろよろと立ち上がった。帰らなくちゃ、と廊下を歩いていった。でも気持ち悪い。吐き気かな。ちがう気がする。貧血かも。視界が暗い。ここ、もっと明るかったはずだけど。なんだかもやがかかったみたいで……。 「あぶない!」  突然後ろから腕が伸びてきて支えられ、勇利はびくっとして身体をかたくした。 「大丈夫? ふらふらしてると転んじゃうよ」  ものすごくいい匂いがした。すこしだけ汗の匂いが混じっている。選手かな、迷惑かけちゃった、と振り返った勇利は、きらきらと輝く銀髪と、おそろしいほどに整った面立ちを見て息をのんだ。──ヴィクトル。 「どこの子? ジュニアの選手かな?」  ヴィクトルは勇利の着ているナショナルジャージを見てほほえんだ。 「ああ、ジャパン。地元の選手だね」 「…………」 「後ろから見てたら、なんだか足元がおぼつかないみたいだったけど、平気? もしかして具合が悪い?」 「…………」 「誰か一緒に来た人はいないのかい?」 「…………」 「ねえきみ、聞いてる? 英語わかんないのかな……」  ヴィクトルが困ったように髪を後ろへ払った。英語はちゃんとわかっていた。いつかヴィクトルと話したい、と思うようになってから、一生懸命勉強したのだ。ヴィクトルは意識してか、ゆっくりと発音してくれるので、聞き取りやすく、言っていることはすべてわかった。にもかかわらず、勇利は返事ができなかった。口をひらいたら涙がこぼれてしまいそうだったのである。ヴィクトル。ヴィクトルだ。本物のヴィクトル・ニキフォロフ……。 「困ったなあ……」  ヴィクトルがつぶやいた。勇利ははっと我に返り、背負っていたかばんを急いで下ろした。ヴィクトルが目をまるくする。 「あっ、あの、あのあのあのあの、ヴィクトルっ……」  中から、一生懸命書いた手紙を取り出した。ヴィクトルの瞳みたい、と思って選んだすてきな色の封筒だ。 「ぼ、ぼく、ぼくファンですっ……」  勇利は深くつむりを下げ、両手で捧げ持つようにして手紙を差し出した。 「大好きです! 大好き……!」 「…………」  ヴィクトルは何も言わなかった。勇利はぎゅっとまぶたを閉じていた。早く何か言ってよ、と思い、もしかして頭のおかしい子と思われたのかな、と不安になった。どうしよう、変なやつがいるって警備員呼ばれたら……。 「……ありがとう」  すっと手から封筒が抜き取られた。勇利はぱっとおもてを上げる。ヴィクトルは片目を閉じ、くちびるに指を当ててにっこりした。 「日本にこんなにかわいいファンがいたなんて、感激だね。うれしいよ」 「あ……」 「いつか大会で会えるといいね」  かあ、と勇利の顔がまっかになった。勇利はぺこんとお辞儀をすると、「さ、さよなら!」と叫んでいきなり駆け出した。ヴィクトルのもとから逃げ出したのである。ものすごく失礼なことしちゃった、と気づいて落ちこむのは、ホテルの自室に戻ってからだった。 「ああ……ヴィクトル、おかしなやつだと思っただろうなあ……ヴィクトルはファンには優しいからそんなこと口には出さないけど、内心では不審者扱いしてたかもしれない……」  勇利はその夜、疲れからすぐ眠ってしまったが、うれしいのにかなしくて、浮かれているのに落ちこんでいて、奇妙なこころもちだった。目ざめると目元が引きつっていたので、寝ているあいだに泣いたのだろう。  しかし、そんな失敗はあったけれど、勇利にとってはやはり夢のようなひとときだった。ヴィクトルのあの優美な演技を見ることができ、当人にも会えたのである。ほほえみかけてさえもらえた。勇利は長谷津へ帰ってから、そのときのことを思い出してはひとりで赤くなり、ヴィクトル、大好き、大好き、と思って上機嫌で過ごした。ときおり、礼を失してしまった、ということがこころに強く浮かび上がってき、そのときはしょんぼりした。浮かれたりしゅんとしたり忙しかった。  それが届いたのは、勇利がまた「ヴィクトルに向かってあんなことして……」と沈みこんでいるときだった。  リンクへは、学校から直接かよっている。だから勇利が帰宅するのは夜遅くなってからだ。部屋へ入り、おなかすいたな、とかばんを下ろしたとき、机の上に封筒が置いてあるのに気がついた。 「なんだこれ……」  手紙をもらうことなんてまずない。ファンレターは届くことがあるけれど、それは自宅へは来ず、スケート連盟からまとめて受け取るのである。いったい誰からだろう?  取り上げると、エアメールだった。海外のスケート友達かな、でもそんなに親しい人いないしな、そもそも住所知ってるスケーターなんていないし……。  差出人の名を見た瞬間、勇利は目をみひらき、全身から力が抜けた気がした。実際、彼はその場にへたりこんだ。力が入らず、立っていられなかったのだ。信じられない。差出人の名前はこうだった。Victor NIKIFOROV。  勇利の頭は混乱した。なんで? なんで? なんでヴィクトルが? どうしてぼくのうち知ってるの? 手紙を持つ手がふるえた。一生懸命思い起こす。そうだ。ヴィクトルは知っている。書いたではないか。手紙に。べつに返事を期待してのことではない。ただ、どこの誰ともわからない相手から手紙なんてもらったら気持ち悪いのではないかと、そう考えてのことだった。まさか返事をくれるなんて。なんで? どうして?  勇利は封を切ることができなかった。三日ほど、何かのまちがいではないか、と思ってそのままにしていた。しかし四日目に、もしかしたら消えてしまうんじゃないか、夢かもしれないから、目がさめる前に読まなくちゃもったいないんじゃないか、と気がついて、やっぱりふるえる手でようやく開封した。中身は丁寧な文字で書かれた、礼儀正しい返信だった。手紙をありがとう、うれしく読みました、すてきな言葉ばかりでした、という短い文句だったけれど、お愛想で書いたのではなく、まじめに、こころをこめて綴っていることがよくわかる文章だった。それから、きみのことを教えて、ということが最後に付け加えてあった。勇利は仰天した。これって、ぼくがまたヴィクトルに手紙を書いていいってことなの? ちゃんとヴィクトルの所在が記してある。スケートクラブの住所のようだが、それでも勇利は感激した。  これで書かなかったら失礼だよね? でも本当に書いてもいいのかな。社交辞令だったのにまた手紙を送ってきた、っていやがられたらどうしよう。ストーカー扱いされちゃったら? ──でもヴィクトルはそんなこと思うひとじゃない。優しいもの……。だけどだけど、ヴィクトルにはファンがたくさんいるんだ。その中でぼくだけ特別扱いしてくれるはずないから、やっぱりこれは送ったりしたらずうずうしいのかもしれない。  勇利は悩みに悩み、結局、返事を書いた。いろいろ考えながら書いたので、二週間もかかってしまった。そしてまた、出すまでに二週間かかった。本当に送ってもよいのか、と苦しんだ。最終的には、迷惑ならヴィクトルは無視するだろうから大丈夫、と自分に言い聞かせて実行した。そのあとしばらくは落ち着かなかったけれど、だんだんと、あれはヴィクトルの気まぐれだったのかもしれない、と思えて気持ちが静まってきた。雑誌などで見るヴィクトルは奔放な性質のようである。たまたま何かのはずみで勇利のことを思い出して、なんとなく手紙を送ってみたのだろう。そうにきまっている。  勇利はヴィクトルからの手紙をおまもりとしてずっと持ち歩いた。試合のときも、それがあると元気になれる気がした。しかしだからといって緊張しないわけではなく、失敗したときは、ふとんの中で手紙と愛犬のヴィクトルを抱きしめて泣いた。そんな日々をくり返していると──、また、エアメールが届いた。  さすがにこのほどは、ヴィクトルからかもしれない、という期待を持って確かめた。まさにその通りだった。すぐに読んだ。文面は、楽しい手紙をありがとう、きみのことを知られてうれしい、ということと、俺のことも話すね、とヴィクトルについて書かれたものだった。勇利は、これは本当に現実なのだろうかとしばし悩んだ。ぼく、ヴィクトルと文通してる。ほんとに?  最初はおずおずと、やがてはすこしは落ち着いて、勇利はヴィクトルと手紙のやりとりをした。どうしてこんなことをしてくれるのかはよくわからなかった。ファンサービスの一環だろうと想像したけれど、ヴィクトルには何千何万というファンがいるのである。その全員と文通するわけにはいかない。勇利とだけこんなことをしてくれる理由は思い当たらない。しかし、そのことを彼は口に出さなかった。尋ねて、そのせいで「そろそろやめよう」と言われたらかなしい。ときおり、これはヴィクトルではなく、彼以外の誰かがいたずらで勇利の相手をしているのではないかと思うこともあったが、手紙で言ってくることと、インタビューに答える彼の言葉とは確かに重なっており、勇利にはどうしても別人に思えないのだった。  まことにしあわせな日々だった。ヴィクトルからの手紙は、返事を出したすぐあとに来ることもあったし、二ヶ月も間が空くこともあった。しかし、いつでも彼は陽気な文句で勇利を元気づけ、楽しませる。勇利は郵便受けをのぞくのが楽しみだった。中にエアメールを発見すると、たちまち異様なほど動悸がし、胸が躍る。彼は急いで二階へ駆け上がって、大急ぎで封を切るのだ。最初は正座をして、精神を落ち着かせて、とやっていたのだけれど、すぐにそんなとりつくろいはできなくなってしまった。勇利はヴィクトルからの手紙を受け取り、それに返事を書くたび、彼への愛情がどんどん深くなるのを感じた。  けれど──、そのうち勇利は、違和感をおぼえるようになった。いや、もともとそんな気はしていたのだけれど、ヴィクトルと文通できることがうれしく、そのことばかりに気持ちが向いていたので、なかなかみとめられなかったのだ。だが、それはだんだんと色濃く、不安な疑いとなって勇利のこころに影を落とした。勇利の心配はこういうことだ。つまり──。  ヴィクトルは、勇利のことを女の子だと思っているのではないか?  普通では考えられないことだった。ヴィクトルは勇利と直接会っているのである。けれど、彼はロシア���だ。日本人を見慣れているわけではない。海外の人から見ると、東洋人はひどく幼く思えるというし、勇利くらいの年頃の者なら、男女の区別がつかないかもしれない、という気がした。それに勇利は、ずっと髪を伸ばしているのだ。後ろ髪を結わえている子がいたら、普通、人は女の子だと思うだろう。何よりも、「勇利」という名前。英語表記すると「Yuri」だ。もしかしたらヴィクトルは「ユリ」と読んでいるかもしれない。ロシア人の彼が、日本の名前で男女の区別がつくかどうかは難しいところだが、そんなことは調べればすぐにわかる。  ヴィクトルは手紙によく、「髪はどのくらい伸びた?」とか「勇利は華奢だから」とか「試合会場で人に声をかけられても、簡単についていっちゃいけないよ」とか、そういうことを書いてくる。男子を相手にそんな話をするだろうか? それに──、ヴィクトルがこうして勇利と文通しているという事実。最初から変だと思ってはいたのだ。ヴィクトルはあのとき、勇利を女の子だと思い、好きになってしまったのではないだろうか。あのヴィクトル・ニキフォロフが、とは思うけれど、そんなことを言えば、あのヴィクトル・ニキフォロフが名もないスケーターである勇利と文通しているという事実がすでにおかしいのである。たいしたことのない男子と仲よくしたがっていると考えるよりは、女子として好きになってしまったのだと受け止めるほうがまだしも実際的ではないだろうか。人の好みはわからない。勇利はごく普通の容貌をしているが、ロシア人の彼から見れば何か珍しいものがあったのかもしれない。 「ど、どうしよう」  勇利は悩んだ。ぼく女の子じゃないです、と伝えるべきか。でも、そんな話題になっていないのに、いきなりそういう話をするのも妙だ。それに、もしそう告白して、「あ、そうなんだ。がっかりだな。じゃあもう文通はやめよう」と言われたらどうする? 女の子じゃないなら興味はないと言われたら? 「あ……」  ヴィクトルと手紙の交換ができなくなる。そう思っただけで勇利の目にはいっぱいに涙が溜まり、あっという間に頬にこぼれ落ちた。いやだ。ヴィクトルと離れてしまうなんていやだ。かなしい。そんなこと、耐えられない……。  勇利は結局、ぼくは男子です、と言えないままヴィクトルとの交流を続けた。常に罪悪感がつきまとい、苦しかった。でも、うそはついていない。勇利は一度も「ぼく女の子です」なんて言ってはいない。 「ぼくはヴィクトルを騙してるわけじゃないんだ。騙してないんだ……」  それでも勇利はせつなかった。  夏は合宿の時期だ。勇利も去年は国内の合宿に参加した。シニアの選手に混じって練習したのだ。それはひどく刺激的で、すばらしい時間だった。今年もそういう合宿に行きたいものだと思案していたら、スケート連盟から国外の合宿練習に参加しないかという通知が来た。その内容を見て勇利は仰天した。行き先はロシアだ。ヴィクトルのいるクラブだったのだ。  勇利はひどく迷った。ヴィクトルに会いたい。しかし、会えば男子だということが露見してしまう。だが、この機会を逃すのはたいへんもったいない。甚だしく有名なクラブなのだ。練習に参加できる機会なんてもうないかもしれない。どれほどそれが自分の力になることか。あきらめてしまうのは惜しい。  結局勇利は、その提案を承諾した。そもそも、ヴィクトルは世界の頂点にいる選手なのだ。ジュニアの選手が参加するような練習に来るはずがない。会えるわけがないのである。それなら、ヴィクトルのことは頭から無理にでも追い出して、ただ稽古に没頭するのがいい。  そのあとも一度手紙のやりとりをしたけれど、ロシアに行くことを、勇利はヴィクトルにはひとことも漏らさなかった。合宿に行くということだけは書き送ったが、そんなことは誰にでもある話なので真実がヴィクトルに伝わるわけがない。  勇利はロシアへ、練習と、ヴィクトルがいる場所だという感激のためにおもむくことにした。  チムピオーンスポーツクラブの練習は、それはそれは厳しかった。まず、バレエのレッスンが過酷だ。勇利は最初、ついていけないのではないかと動揺した。ミナコのもとでしごかれた時間を思い出し、どうにかこうにか乗り切りはしたけれど、ひどく疲れてしまった。こんなことで明日からやっていけるのだろうかと泣きたくなった。しかし、二日、三日と経つうちに、環境に慣れ、緊張もほぐれ、ずいぶんと自然にふるまえるようになった。落ち着けばできるんだ、と思うとゆとりが生じ、コーチに実りのある助言をしてもらえた。するとだんだん楽しくなる。勇利は夢中で練習をした。  氷の上に立つと、まわりにいるすべての選手が自分より上手に思える。とくにロシアの選手はすばらしい。まず、もう見ただけでいかにもすべれそうだし、観察していると実際よい動きをしているし、容貌もたいへん大人びているのだ。この人はシニア選手なのでは、と思った相手と口を利いたとき、おずおずと年齢を尋ねてみたら、勇利よりみっつも年下だった。勇利は落ちこんだ。相手の男子にも、「ノービスの子にしては上手だね?」と言われたのでますますしょんぼりした。 「あと、君は女子じゃないの?」 「ぼく男だよ……」 「そう。かわいい顔だし、髪が長いから……」 「これはヴィクトルにあこがれてるから、まねして……」 「ああ、そういう子多いよね。わかる」 「あの……、ヴィクトルに会ったことある?」 「ないよ。もちろん遠くから見かけたことはあるけど」 「そっか」  やっぱりここで練習していてもヴィクトルには会えないんだな。ほっとしたような、がっかりしたような、奇妙なこころもちだった。それにしても、やはり勇利は女の子に見えてしまうらしい。衝撃だ。髪、切っちゃおうかな。でもせっかく肩まで伸びたのに。だけど、ヴィクトルみたいに綺麗じゃ���いからな……。  合宿の日々はあっという間に過ぎた。最終日には、ヴィクトル・ニキフォロフの演技を見せてもらえることになり、幼いスケーターたちは歓声を上げた。勇利も顔を輝かせて手を叩いた。  ヴィクトルは、昨季のフリースケーティングを演じてくれた。髪を結わず、そのままさらっと下ろしてすべった。勇利はけっして前には行かず、みんなの後ろのほうでちいさくなっていたが、近いとか遠いとかは関係がなかった。彼は両手を握り合わせ、瞳を星のように輝かせて、うっとりしながらヴィクトルをみつめていた。恍惚の時間だった。とろりととろけた彼の表情は、ここにいる誰よりもヴィクトルに恋をしているようだった。目の表面は陶酔にうるおい、くちびるはわずかにひらいてほほえみのかたちになって、視線は常にヴィクトルに釘付けだった。  もう、死んでもいい……。  そう思えるほど勇利は感激した。  演技が終わると泣き出してしまい、彼は、勇利を女子とまちがえたあのロシアの選手にからかわれた。  明日は日本へ帰る日だ。勇利はその夜、一生懸命に荷造りをしていた。どうにかトランクに必要なものを詰めこんでしまうと、もう大丈夫だろうかと部屋の中をひとわたり調べた。忘れ物はないようだ。  勇利が泊まっていたのは、クラブ所有の寮だった。本当はふたり部屋なのだけれど、参加者の数が奇数だったのでひとりあまり、勇利は悠々と部屋を使うことができた。これは幸運だった。彼は人との付き合いが苦手なのである。もしふたり部屋だったら、もっと憂鬱な毎日になっていたかもしれない。  時計を見た。そろそろ夕食の時刻だ。食堂へ行こうかな、と思ったとき、ノックの音がした。勇利は困惑した。ほかの選手が食事に誘いに来たのかと思ったのだ。いやではないのだけれど、気を遣うので困るなあ、とためらった。しかし、ごそごそと動きまわっていたので、部屋にいることはわかっているだろう。無視するわけにもいかない。 「はい……」  勇利は扉を開けた。そして息をのんだ。目の前ににこにこしながら立っているのは、ヴィクトル・ニキフォロフだったのだ。 「ハイ」  彼は笑顔で手を上げた。 「久しぶりだね、かわいこちゃん。どうしてここへ来るって教えてくれなかったの? 知ってたら、最初の日から連れ出して、いろいろ案内してあげたのに」 「あ、あ、あ、あの、あの……」 「さあおいで。明日帰るんだね。さびしいな。今夜は忘れられない夜にしてあげる」 「あのっ……」  口も利けない勇利を、ヴィクトルは部屋から連れ出した。 「ヴィ、ヴィクトル……!」 「ほらこっち。ごはんに連れてってあげる。外へなんか出てないんだろう? デートしよう」  手を引かれながら、勇利は、果たしてこれは現実だろうかと思い惑った。ヴィクトルがぼくと手をつないでる。こんな異国の地で! すべてが非現実的で、夢のようだ。 「ヴィクトル……」  つぶやいたのはささやかな声だった。しかしヴィクトルは聞こえたかのように振り返り、いたずらっぽく勇利に笑いかけた。きらめく髪。深く澄んだすばらしく青い瞳。勇利の手をつかむしなやかで長い指。本物のヴィクトル・ニキフォロフだ。 「何が食べたい?」  ヴィクトルが気軽に尋ねた。 「ぼ、ぼく、なんでも……」  実際、胸がいっぱいで、何も喉を通りそうになかった。ヴィクトルは微笑して勇利の手を握り直し、表通りへ出たところで足をゆるめた。夏という季節でも、夜ともなれば寒さを感じることも多い。ロシアの夏は白夜のため明るいが、気温は日本のように高めというわけにはいかない。おまけにこの日はひどく曇っており、いまにも雨が降り出しそうという天候だった。 「寒い?」  ぶるっとふるえた勇利を見て、ヴィクトルが心配した。 「そのままぐいぐい引いてきちゃったからな……、これを着て」  ヴィクトルが、彼しか着こなせないような上品な上着を脱いで勇利に着せかけた。勇利はびっくりして、「い、いいです!」と拒絶した。 「でも、寒いんだろ?」 「大丈夫です」 「風邪をひかせるわけにはいかないよ」 「そんなの、ぼくだってヴィクトルに風邪をひかせるわけにはいきません。ぼくよりずっと貴重なひとなのに……」  ヴィクトルは目をまるくし、にっこり笑うと、身をかがめて勇利の耳元にささやきかけた。 「いいから、着て……」  勇利は断固として拒否するつもりでいたのに、そのひみつめかした声音と吐息で、もうわけがわからなくなった。 「は、はい……」  彼は打って変わって従順にヴィクトルの言うことを聞き、服に腕を通した。すてきな匂いがした。胸がどきどきと高鳴り、頬が熱くなる。ヴィクトルだ、といまさらながらに思った。  すると周囲から、同じようにヴィクトルだ、ヴィクトルだ、という声が聞こえた。ロシア語だったけれどわかる。ヴィーチャ、という声も聞こえた。勇利はうつむいた。ヴィクトルは、サインが欲しいと言ってきた女の子たちに笑顔で応じ、話しかけられるの��も優しく答えた。彼女らは、勇利のほうをちらと見て、何なのこの子、というような目をした。勇利は泣きたくなった。彼女たちがこわいというより、ヴィクトルのそばにいるのがこわい。この女の子たちの気持ちは理解できる。自分だって、よくわからない子どもがヴィクトルにぴったりくっついていたら、いったいどういう子だろう、と思うはずだ。自分なんかが一緒にいてよい相手ではないのだ。 「あ、この子?」  しかしヴィクトルは明るい様子で笑い、勇利のことを抱き寄せた。 「俺のすごく大事な子なんだ。日本人なんだよ。かわいいでしょ? ジュニアの世界大会に出てくる子だから、注目しててね」 「ヴィ、ヴィクトル!」  ヴィクトルはそれを英語で言ったので、勇利は仰天しておもてを上げた。女の子たちは、聞き取れなかったのかきょとんとしている。するとヴィクトルはロシア語で言い直した。勇利はまっかになった。あきらかに、勇利に聞かせるために言ったのだ。勇利がせつない思いをしているのに気がついて……。 「俺、目立つね」  ヴィクトルはファンたちが去るとほほえんだ。 「そういうの、嫌いじゃないんだけど、いまは困るな……」 「あの、ぼく、もう……」 「外で食べるのはよそう」  ヴィクトルはもっともらしくうなずいた。 「持ち帰ってきみの部屋で食べようよ。ほらおいで」  ヴィクトルは時間がもったいないと言い、近くの店にさっさと入ると、夕食にできそうなものを次々と買いこんだ。 「特別に美味しいものを食べさせてあげたいけど、今日はゆとりがない。それはまた今度ね」 「…………」 「まったく、もっと早くに言ってくれればいいのに。俺は今日きみがいることに気づいたんだぞ。どういうことなんだ?」  ヴィクトルはぶつぶつ言っている。あんなにすみのほうにいたのに、こんなに冴えない容貌なのに、ヴィクトルは勇利に気がついたというのだろうか。だって、たった一回会ったきりだ。  やっぱり「好きな女の子」のことだからわかったのかな……。勇利はずきりと胸が痛んだ。どうしよう。いまきっとヴィクトルは、ぼくのこと女の子だと思ってるんだ……。  うつむいて、無造作に結った髪にそっとふれる。前髪が眼鏡にかかった。ぼくこんなにみっともない。もうちょっと綺麗にしておけばよかった……。 「どうしたの?」  ヴィクトルが不思議そうに尋ねる。 「そんなにうつむかないで。かわいい顔なんだから、俺に見せて」 「あ……」  ヴィクトルの指がおとがいをすくい上げた。勇利は首をもたげ、ヴィクトルと目が合った瞬間、頬をまっかにした。 「うん、かわいい」  ヴィクトルが目をほそめる。 「美味しそうだね」 「ど、どれがですか?」  ちゃんと話をしようと、ヴィクトルの買ったものに視線を向ける。ヴィクトルはくすくす笑うばかりだった。  外へ出ると、雨が降っていた。ヴィクトルは店に戻り、何か声をかけて傘を借りた。 「店主と知り合いなんだ。さ、こっちおいで」  傘からはみ出さぬよう、勇利を抱き寄せて入れてくれる。勇利は同じほうの手と足が一緒に前に出そうだった。 「風が強くなってきたね。寒いかな?」 「いえ、平気です。上着貸してくれたから……」 「きみはジャージなんだね。普通の服持ってないの?」 「あんまり持ってきてません……練習しに来たんだし……」 「それはそうだけどね。部屋着もジャージっていうのは感心しないなあ。でもジャパンナショナルのジャージは変なデザインじゃなくてよかったよ」 「そ、そうですね」  勇利はよくわからなかったけれど、とにかくうんうんとうなずいてあいづちを打った。ヴィクトルがくすっと笑う。 「いまのきみって、なんでも俺の言う通りって感じだね。ノーと言えるようにならなきゃだめだぞ」 「え?」 「日本人はそうだからなあ。でも、好意は感じてるよ。きみは俺のことが好きだよね?」 「え? え?」  勇利は首まで赤くなった。 「ね?」  瞳をのぞきこまれ、片目を閉じられてはどうしようもない。勇利は夢見ごこちでこっくりとうなずいた。 「そうだろう」  ヴィクトルが満足げに目をほそめる。勇利の足元がふらつく。 「おっとあぶない」  ヴィクトルは勇利をより強く抱き寄せた。 「早く帰ろう」 「はい……」 「早くふたりきりになろう」  勇利はうつむいた。本当のことを言わなくちゃ。ぼくは男の子なんだって……。  しかし何も言えないまま勇利は寮まで導かれ、ヴィクトルはまるで自分の部屋にでも案内するかのように勇利の私室へ入りこんだ。ちいさなテーブルでささやかな夕食をとる。勇利は胸の苦しさとうっとりした気持ちとで感情が定まらず、混乱していた。 「このピロシキ、美味しいよ。俺がいつも食べてるやつ」 「はい……」 「あとはボルシチと、サラダと、チキンと、パイと……食べられないものはある? いまさら訊いても遅いね」 「はい……」  勇利は何も食べられないと思ったが、ヴィクトルが美味しそうに食事をしているのを見ると、それに釣られ、どうにか口を動かすことができた。ヴィクトルがぼくのために選んでくれたんだ、と思えば、味もちゃんとわかるようになった。 「ね、なんで言ってくれなかったんだい?」  ヴィクトルがおおげさに眉を寄せて勇利をとがめる。 「前の手紙のときには、もうこの合宿のことはきまってたんだろう?」 「あの……、ヴィクトルに会えるかわからなかったし……」 「言ってくれたら会えるようにしたよ」 「それならなおさら言えないし……」 「なぜ?」 「なぜって……」  勇利は困った。 「すべりながら、なんだか見たことある子がいるなあって思ったんだ。まさかってあとで急いで名簿を確認した。きみの名前があった。思わずそばにいたヤコフを締め上げちゃったよ」 「な、なんで」 「なんでって?」 「なんでそんな、ぼくのこと……」 「そんなの、会いたかったからにきまってるだろう?」  ヴィクトルは、何を言っているんだこの子は、というように勇利を眺め、口元についたドレッシングを舐め取った。 「きみは俺に会いたくなかったの?」 「そんなことは、ないですけど……」  でもぼく女の子じゃないし……。勇利は泣きたくなった。 「ねえ、ところで」  ヴィクトルがふいに声をひそめ、勇利の目をのぞきこむ。勇利はどぎまぎした。 「あの、やたらときみに話しかけてたロシアの男子」 「え?」 「友達になったのかい? 彼のことが好きなの?」 「え、ええっと」  勇利は、誰のことについて言われているのかよくわからなかった。ただ、ヴィクトルの指摘していることはちがう、という気持ちだけはあったので、大きくぶんぶんとかぶりを振り、否定した。 「ぼくが好きなのは、ヴィクトルです……」  ヴィクトルは目をまるくした。それから彼はにっこり笑い、「そうだよね」と大きくうなずいた。  食事を終えると、ふたりは並んでベッドに座った。ヴィクトルが陽気にいろいろな話をしてくれたけれど、勇利は緊張と不安と申し訳なさで上手く返事ができず、終始上の空だった。 「どうしたの?」 「なんでもないです……」 「さっきからこのやりとり、五回はくり返してるけど。もしかして、俺といるの、つまらない?」 「そんなことない!」  むきになって言い張ったら、ヴィクトルがくすっと笑い、勇利の頬にかるくキスした。勇利はそこを思わず押さえ、まっかになってヴィクトルをみつめた。 「きみって本当にかわいいね」  ヴィクトルが歌うように言った。 「初めて会ったときから、そうやって何かを秘めた目で俺を見るんだ。どうしてそんな忘れられない目をするの?」  彼の言っていることが、勇利にはよくわからなかった。ただ、頬に手を添えてぼんやりしていた。 「言ってくれればよかったのに。そうしたら俺、きみと一緒にすべれたのにな」  ヴィクトルはふいに勇利を抱きしめ、甘やかな吐息を漏らしてうっとりとささやいた。 「でも、帰る前にすこしでも会えたのは幸運だ。気がつけてよかった。知ってた? みんなの前でした演技、あれはきみに見せるためだったんだよ。ほかの子たちには悪いけど」  勇利の頭はぼうっとなり、なんだか上手くものが考えられなかった。ヴィクトルの匂いがする。髪が頬に当たってくすぐったい。 「この気持ちは何なんだろうな……よくわからないけど……」  ヴィクトルが溜息をついてつぶやいた。 「大人になったらわかるんだろうか……」 「……ヴィクトルは、もう大人じゃないの?」 「俺はまだ子どもだよ」  ヴィクトルがかすかに笑った。 「まだまだ子ども……、自分の考えていることも理解できない、どうしようもない幼子だ」  こんなにすてきなのに、と勇利は思った。ヴィクトルが子どもだなんて、そんなこと、あるはずがない……。 「……教えてくれる?」  ヴィクトルは勇利の瞳をじっとのぞきこみ、その奥にある感情をすくい上げようとでもするかのように熱心にみつめた。 「……何を……?」  勇利は熱に浮かされたように答えた。 「俺のいまのこの……」 「……?」 「…………」  ヴィクトルは苦笑を浮かべた。彼は勇利のとろんとなったまぶたにかるくキスすると、後ろへ手をやり、結わえていた髪をするっとほどいた。やわらかく勇利の髪が落ちて、それにヴィクトルの指がからんだ。 「……髪、伸びたね」 「……はい」 「かわいいな……」  勇利は胸が痛くなった。言わなくちゃ。言わなくちゃ、女の子じゃないって。ヴィクトルが好きって思う気持ちはまちがいなんだって……、言わなくちゃ。 「ああ、なんだかいい気持ちになってきた」  ヴィクトルがはにかんだように笑って首を傾けた。 「きみといるからかな……すごくどきどきしてるよ。これはいったいどうしたことだろうね」  勇利はうつむいた。こんなふうに幸福そうにしているヴィクトルに、その幸福を打ち破ることを告げるなんて、勇利にはとうていできないことだった。 「ね、今日はここで一緒に寝よう」  ヴィクトルが指を一本立て、うれしそうに提案した。 「いいだろ?」 「え、えと……」 「いいんだよ。ほら、そっちへつめて」 「え、もう……?」 「まだ起きてたい?」  ヴィクトルがくすっと笑った。 「起きてて、俺と何したいの……?」 「な、何って……」  勇利はよくわからない気恥ずかしさがこみ上げ、まっかになった。 「きみはいまいくつだっけ? どうも日本人は子どもっぽくて。でも、そうだな、十代なかばならできないこともないけど……」 「な、何が?」 「でも……、ちょっと早いかもね」  ヴィクトルが片目を閉じた。 「きみも、……俺もね」  彼はうつくしい横顔を見せ、憂いを帯びた表情でつぶやいた。 「この気持ちの正体がわかるまでは、まだ……」 「?……」  彼は落ちかかる髪をゆっくりとすくい上げ、耳にかけた。たったそれだけのしぐさなのに、勇利はものすごくどきどきして見ていられなくなってしまった。これが色っぽいということなのだな、と初めてよく理解した。 「そういうのは、大人になってからしようね」  ヴィクトルがぱっと振り返り、すこしだけはにかんで明るく言った。勇利はわからないながらも、ヴィクトルの言うことはなんでもその通りにしたかったので、「はい」と素直に答えた。  ふたりしてベッドに横になり、するとヴィクトルにぎゅっと抱きしめられた。勇利は身体をかたくし、こんなんじゃねむれないよ……と緊張しきった。 「……あったかいね、きみは」 「そ、そうかな……」 「うん。ものすごく安心するぬくもりだ。それに俺が抱きしめるとぴったりだよ。ちょうどいい。きみも具合いいだろ?」 「は、はい……」 「パズルみたいに……」  それきりヴィクトルは黙りこんだ。寝たのかな、と思い、勇利は、ぼくはひと晩じゅうきっと寝られない、と断じた。けれど、ヴィクトルの深い呼吸に合わせて息をしていると、��んだんと気持ちがほぐれ、目つきはとろけ、やすらいだこころもちになってきた。  あ、寝そう……。  勇利はほとんど夢うつつになった。──と。 「…………」  名前を呼ばれた気がした。  勇利は返事をしたつもりだったが、「んん……」という声にしかならなかった。ヴィクトルが、もぞ、と動く。あ、離れちゃう、と思った瞬間、彼は真上から覆いかぶさってきた。 「ン……」  くちびるをふさがれた。え、なにこれ、やわらかい……と勇利はうっとりした。優しく甘噛みされて、抱きしめられて、撫でられて……。  抱き返したい。  そう思ったのに、もう勇利には意識がなかった。  翌朝、勇利が目ざめたとき、ヴィクトルはまだすやすやとねむっていた。出発の時刻が迫っている。勇利は急いで起き上がり、身支度を整え、それから短い時間で手紙をしたためた。夕食と、一緒にいてくれたことへの礼、それからうれしかったということ、大ファンで大好きだということ、そして。  黙っていてごめんなさい。ぼく、女の子じゃないんです。男です。  もう手紙は書きません。でもいつか、貴方と同じ氷の上に立ちたいです。そのために、ぼく、がんばります。そのことだけ考えて、スケートします。  本当にごめんなさい。大好きです。大大大好きです。さようなら。  Yours forever.  Yuri KATSUKI * * *  ロシアに来て、一ヶ月が過ぎていた。勇利の感想は、なんて寒い国なのだろうというひとことに尽きた。試合で幾度か来たし、幼いころにはここで合宿だって──もっとも、あれは夏だったが──経験した。しかしそんな記憶はいっこうに役に立たず、春だというのに寒いことに勇利は溜息をついていた。  だが、近頃では、「寒い」と言うのを彼は控えている。なぜなら──。 「オハヨー勇利。今日も寒い?」  こうしてヴィクトルが抱きついてきて、「寒いならあたためてあげる」「俺といれば寒くないよ」「人肌がいちばんぬくもるって知ってた?」と隙あらば勇利に何かしようとするのである。勇利だって、ヴィクトルが純粋な思いから体温を分け与えようとしてくれているなら素直に受け取るけれど、彼の頭の中は感心しないことばかりなので辟易している。ぼくなんかの何がいいんだろうと、ずっと悩んでいた。  勇利だって、ヴィクトルが嫌いなわけではない。むしろ好きだ。大好きだ。セックスだって、彼が望むなら、いくらでも応じたいのである。けれど、やはり心配もある。そんなことをしたら自分たちの今後の関係が変わってしまうのではないかとか、ヴィクトルが飽きたらもとに戻れるのだろうかとか、そもそもヴィクトルはどうしてそんなことをしたがるのかとか、とにかく憂鬱だ。結局、いろいろなことを考えなければならない、そしてふたりの将来に影が落ちるくらいなら、しないほうがよいのではないかというところに落ち着くのである。 「俺は勇利としたいよ?」  どういうつもりなのかとか、本気で言っているのかとか、とがめるように尋ねれば、ヴィクトルはそんなふうに答える。うそではないと思う。しかし、その様子があまりにもあっけらかんとしているので、このひとあんまり深く考えてないな、と思うのである。ヴィクトルは自分の感覚に従って好きに生きている男だから、勇利のほうで気をつけなければならない。その瞬間その瞬間の思いにすべて身をまかせていたら、あとで苦しいものが跳ね返ってくることになる。ヴィクトルはそういう生き方が似合うし、彼なら失敗はないだろうけれど、これはヴィクトルだけの問題ではない。ふたりですることなんだからな、と思うと、いつものように、「ヴィクトルの好きにしたら」とは言えないのである。 「寒くない。もう慣れたよ」  背中にぐっとのしかかってくるヴィクトルを押しのけて、勇利は朝食の支度をした。 「だいたい、家の中は適温に保たれてるじゃないか。おおげさなこと言ってないで座って。今日はリンクに行くんでしょ?」  まだ急いで練習を始める時期ではない。なまらないように身体を動かしながら、曲を選んだり、どういう振付がよいかと話しあったりしているところだ。メディアからの仕事なども入るが、ふたりはいま、比較的自由の身だった。 「そのつもりだったんだけど、起きたらやる気がなくなってた」 「あのね……」  勇利はヴィクトルをにらみつけた。ヴィクトルはにこにこして、「家でゆっくりしようよ」と提案する。 「ゆっくりなんかしない。家にいるならやることがあるでしょ」 「なになに?」 「掃除とか、整理とか、洗濯とか」 「うーん……」  掃除と洗濯は日々の仕事だけれど、整理は別だ。ヴィクトルは勇利を迎えるにあたり、とくに家の中を模様替えしたりはしなかった。勇利が来てから、ふたりで使いやすい家にするために、いろいろ手を加えたのだ。それはあらかた済んだが、済んだからこそ、勇利はヴィクトルの私室が気になっていた。散らかっているということはないのだけれど、余計な書類をいつまでも置いているのである。ヴィクトルには完璧でいてもらいたい勇利は、「これ、ぼく整理していい?」と了解をとりつけようとした。ヴィクトルはそういうことに積極的ではなかったが、いやがってもいないようで、「時間があるのならね」と気のない返事だった。家にいるのならその仕事を進めたい。 「べつにヴィクトルはしなくていいんだよ。ぼくがひとりでやるから」 「勇利が働いたら、俺はつまらないじゃないか」  ヴィクトルはおおげさにかなしそうな顔をし、「俺と掃除と、どっちが大事なのっ!?」と芝居がかって言った。 「ヴィクトルは買い物してきて。足りないものがたくさんあるでしょ。洗剤とか、トイレットペーパーとか、ティッシュとか」 「そうだね、ティッシュはふたりでたくさん使うもんね」 「ぼくヴィクトルがそういうこと言うの好きじゃない」 「そういうことってなに? 何を想像したのかな、勇利は」 「お昼ごはんいらないんだね」 「悪かった。愛してるよ勇利」 「さっさと行く!」 「はあい」  食事を済ませたヴィクトルは、「勇利と一緒に買い物行きたかったな……」としょんぼりしながら着替えた。勇利はほほえみ、玄関口まで彼を送ると、抱き寄せられるままになり、キスされたらかるく返して「いってらっしゃい」とささやいた。 「おみやげ買ってきてあげる」 「そっちに気を取られて買うべきものを忘れないでよ」  勇利はヴィクトルを送り出すと、ソファで寝ているマッカチンのつむりを撫で、ヴィクトルの私室へ行って仕事を始めた。 「よし、やるぞ」  人の部屋を勝手にいじるなんて、という気がしないでもなかったけれど、ヴィクトルが勇利に「してはいけない」と禁じたことなどひとつもない。何をさわられても、何を見られても構わないといった具合である。ヴィクトルには私生活のひみつというものがないのだろうか、と勇利は首をかしげた。  黒光りするほど格調高いデスクに向かい、ひきだしを開ける。いっぱいに紙がつまっている。いらない書類だ、ということはわかっているのだけれど、つい逐一調べてしまう。雑誌の刷り出しやヴィクトルに関連する商品についての資料、ためしに撮ったポラロイドなどである。見ていると、これは捨てるのはもったいないのでは、という気がしてくる。いらないならこれ、ぼくにくれないかな……。  それでも、本当に必要のない書類も混じっているので、勇利はひとつひとつ確かめて選り分け、捨てるものと捨てないものに分類していった。なんだか楽しくなってくる。ヴィクトルは帰ってこない。静かな部屋で、ずいぶんとはかどった。 「ん……なんだこれ……」  いちばん深いひきだしの底に、綺麗な箱がしまってあった。茶色い木目調の、映画に出てくる宝箱みたいなちいさなものである。鍵がかかっていそうだな、と思いながら手をかけたら、簡単にひらいたのでびっくりした。なんとなく、見てもいいのかな、とひるんでしまう。なんだかヴィクトルの大切な思い出という感じがするではないか。だって、ほかのものは、乱雑ではないけれど無造作にひきだしに押しこんであったのだ。それなのに、これは……。  勇利はためらった。見てはいけないと言うのをヴィクトルが忘れたのかもしれない、と思った。けれど、見られたくないものがあるのに、注意するのを失念するだろうか? そういった大事なひみつは、まず最初に思い浮かべるものではないだろうか。  勇利は考えこみ、結局、すこしだけ調べてみることにした。いかにもヴィクトルの極秘の情報という感じだったなら、見なかったことにすればよい。  おずおずと中をのぞきこんだ。手紙がいくつか入っている。私的なものだろうか? ためらいつつも封筒をひらいた。宛名書きは下手くそな英語文字だったが、中を見たかったのでよく確かめなかった。昔の恋人の写真なんかが出てきたらどうしよう、とどきどきした。もちろんぼくには腹を立てる権利なんかないんだけど。腹が立つっていうより、むしろ、こんな美人と付き合ってたのか……って感慨深くなっちゃいそうかも。それにしても、なんだかこの封筒、見覚えがあるような……。  勇利は便せんを取り出してゆっくりと読みくだしてみた。ずいぶんと畏まった、まるで教科書から書き写してきたみたいな表現の英文である。ぼくも昔こんなだったな、と可笑しくなった。もっとくだけた表現でいいのに、と海外の友人に言われたことがある。  手紙の文字は稚拙だ。けれど、一生懸命、丁寧に書いたということだけは伝わってきた。ヴィクトルのファンのようだ。きっと幼い子だろう。彼は昔、子どものファンと交流していたのだろうか?  勇利は、ヴィクトルへの熱情を一生懸命に語っている文面をほほえましく感じ、これがヴィクトルの��秘の情報? と笑ってしまった。この子はいまごろどうしているのだろう。スケーターだということは読み取れるけれど、いまも続けているだろうか? 名前は……。 「え」  勇利は目をみひらいた。署名に信じられないものを見た。まさか。え? どうして? 「ユウリ・カツキ……?」  一瞬のうちに呼吸がみだれた。ぼく? ぼくの手紙? ぼくが送ったやつなの? ヴィクトルは大事に取っておいてくれたの?  もちろん勇利は、昔、ヴィクトルと文通をしていた時代があったことをおぼえていた。おぼえていたけれど、何を書いたかまではおぼえていなかった。記憶はうすれ、あれは夢だったのでは、と思うようになっていた。ヴィクトルの手紙はいまでも大切に持っているけれど、みっともないすべりしかできなかった時期に、つらくなって机の奥に片づけてしまった。ぼくはヴィクトルに一生近づくことさえできない、と泣いてばかりいたころだった。  ヴィクトルがこれを持っている。なぜ? おぼえてたの? それとも、しまったまま忘れてただけ? そうだよね。そうにきまってる。こんなの宝物みたいに取り扱うわけないし。ヴィクトルってすぐになんでも忘れるし。ぼくのことだって……。 「──勇利」  突然後ろから抱きしめられ、勇利は息をのんだ。ヴィクトルが勇利の持っている便せんを指ではじき、くすっと笑って「何してるの」ととがめる。 「な、なにって……、あ、あの、おかえり……」 「ただいま、俺のかわいこちゃん」  ヴィクトルが勇利の頬にキスした。 「おみやげはケーキだよ。でも食べたらそのぶん消費させるからね。さきに消費してから食べるのでもいいけど。ところでもう一度訊くけど、何をしてたの?」 「あ、あ、えっと……」 「…………」  ヴィクトルが手紙をつまみ上げ、机の上に丁寧に置く。彼は勇利の座っている椅子をくるりとまわし、自分のほうを向かせた。 「俺のひみつを知ったからには……」  ヴィクトルが腰をかがめて上品に笑う。 「ただで済ませるわけにはいかないなあ……」 「あっ、あっ、あの、あの、ごめ、ごめん……なさ……」 「口封じかな?」  ヴィクトルが、彼のくちびるで勇利のくちびるをふさいだ。勇利は目をみひらいた。 「……勇利はすぐに俺とのことを忘れる」  ヴィクトルが可笑しそうにささやく。 「バンケットのことも、このことも忘れてしまったんだろう……」 「忘れてない!」  勇利はむきになって言い返した。 「バンケットのほうは……ちょっと、あれだけど、手紙は……」 「そう?」  ヴィクトルが前髪をかき上げ、余裕ぶって勇利を見下ろす。 「おぼえてるのかい?」 「お、おぼえてるよ……ヴィクトルと試合会場で会って……それで手紙を渡して……」 「そう、そこからやりとりしたんだったね。それから」 「ぼくがロシアの合宿に参加して……そして……」 「一緒に寝た。そのこともおぼえてる?」 「……うん」 「じゃあ、そのときに俺が言ったこともおぼえてるんだね。オーケィ。だったら問題ないな」  ヴィクトルはいきなり勇利を横抱きにしてさらい、大股で彼の私室から出ていった。勇利はわけがわからず、「なに、なに、えっ、なになに」と騒ぐ。ヴィクトルはそんな彼を気にかけることもなく、寝室へ踏みこみ、大きなベッドに勇利を下ろした。 「おぼえているなら話は早い。だったらどうして俺をずっと拒んでいたんだ? じらしてたの?」 「な、何を言って……」 「大人になってから、しようね」  ヴィクトルはベッドに片膝をつきながら上がり、にっこりと笑った。 「そう言っただろう?」  勇利が口をあんぐりとひらく。 「勇利、俺はね……」  ヴィクトルが、みずからのシャツのボタンをひとつひとつはずしてゆく。そのしぐさがすべてかっこうよくて、勇利はぼうっと見蕩れていた。 「もう、自分の気持ちはわかっているよ」  彼はシャツを投げやると、勇利の両側に腕をつかえておとがいを上げた。 「俺は子どもじゃない」  ヴィクトルのくちびるが勇利の首筋にふれ、手がシャツの下へ入りこむ。 「きみも子どもじゃない」  すこし力をこめられただけで、わずかに浮いていた背中が敷布にくっつき、もう起き上がれなくなってしまう。これはいったいどうしたことだろう。 「勇利……」  ヴィクトルがつやめかしい吐息に混ぜて勇利を呼んだ。これはとても逆らえない魔法だ……。 「俺のひみつをあばいたんだから、ただでは済まさない。もうめろめろにして、俺から離れられなくするしかないな……」  勇利はまぶたを閉ざした。もうなんでもいい、と思った。好きにして……。  ヴィクトルが勇利の衣服をみだし、はしたないかっこうにさせてゆく。勇利は、彼と素肌がふれあったとき、ぞくぞくっとして身震いした。 「髪、切っちゃったんだね……」  ヴィクトルが勇利の髪にキスした。 「俺もそうだから、おあいこか」  勇利はそこではっとした。髪──髪? 「ヴィ──ヴィクトル!」  ぱっと目を開け、ヴィクトルをみつめる。湖と星と宝石を閉じこめたような、はかりしれない深い瞳が、優しく勇利をまっすぐ見ていた。 「なに……?」 「ぼく……、女の子じゃないよ!?」  ヴィクトルはきょとんとし、ぱちりと瞬き、それから陽気な声を上げて笑い出した。 「──そんなこと、最初から知ってたさ!」  彼は勇利の脚を押しやった。 「ね? 大人だっただろう?」  あたたかい上掛けの内側で、ヴィクトルがいたずらっぽくささやいた。 「ぼくは?」 「大人じゃなかったら、ただじゃ済まさないなんて言わないさ……」  勇利はヴィクトルの腕の中でもぞもぞと身じろいだ。全身がけだるい。しかし、こころよい疲労が身体のすみずみにみちている。 「気持ちよかった?」 「なんだか……」  勇利はぼんやりと答えた。 「最高の演技をして、満足してるときみたい……」  ヴィクトルは楽しそうに笑った。 「すてきな感想だね」 「ヴィクトルは?」 「俺は、そうだな……」  ヴィクトルはいたずらっこのように目をほそめた。 「あのときこうしていたら、きっともっとわけがわからなくなっただろうから、十年待ってよかったかな、っていう気持ちだね」 「ヴィクトルは子どもっぽいから……」 「きみは大人っぽいの?」 「ぼくはあのときしててもよかった」  ふたりは黙ってみつめあい、それから同時に噴き出した。 「勇利、ケーキふたつ食べてもいいよ」 「えっち」 「それから……」 「なに」 「これからは、もう断るのなんてだめだからね」 「そんなわがままは聞き入れられない」 「なぜ? もう大人なんだろう? 俺よりもさ」 「大人は、自分の意見をはっきり言うものです」  勇利はとりすまして断言した。 「あのときしてたら……、もう、断るなんて思いもよらなかったけど……」 「日本へ帰っちゃったくせに。俺があのあと、どれだけしょんぼりしたかも知らないで……」 「あのときしてたら、離れたくない、ロシアにずっといる、ってヴィクトルに泣いてしがみついてたよ」 「抱いておけばよかった」  ヴィクトルがきまじめに言うので、勇利は彼がいとおしくてくすくす笑った。ヴィクトルもすぐに笑い、勇利の頬にくちびるを寄せる。 「でもわかってるよ。きみはもう断らないさ」 「ずいぶんな自信だね。どうして?」 「だってきみ、永遠に俺のものだって自分で言ったじゃないか」  勇利はヴィクトルが何を言っているのかわからず、とっさにやり返そうとした。しかし、声を出す前に理解してしまった。頬があっという間にまっかになる。ヴィクトルが、もがく勇利をあざやかな手並みで抱きしめ、ちいさく笑ってから、色っぽい、不届きなほど甘美な声で宣言した。 「Yours……、forever.」
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tabooome · 5 years ago
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Hello, With my love,
 スティーブ・ロジャース、プロジェクトマネージャー、32歳。基本項目を入力して画面に現れる質問に4段階で答えていく。『自分の知識が生かせている?』イエス、『仕事にやりがいを感じる?』イエス、『職場の環境は快適?』どちらかといえばイエスかな、自販機のメニューがもっと豊富になれば嬉しいけど。『最近の懸念は?』ええと――
「――トレーニング用の鶏肉レシピに飽きつつあること……」  記述項目まで漏れなく打ち込んで送信ボタンを押す。画面に現れた「ご協力ありがとうございました」のポップな字体を確認してからスティーブはタブを閉じた。  定期的に行われる社内のストレスチェック。トレーニングジムをいくつか展開しているスティーブの会社は、オフィス側の人間だけなら両手で数えられるくらいの規模のものだ。それこそ、ストレスチェックなんて面談で済ませば事足りる程度の。それでもオフィスにはほとんど顔を出さないジムのトレーナーのケアが目的だというこの作業を、スティーブはランチ後の眠気覚ましとして使っていた。  画面そのまま現れたメールボックスを眺めながら、コーヒーを口に運ぶ。新店舗立ち上げのプロジェクトが進行中なこともあり、最近は未読メールが溜まるのも速い。それらの一つ一つを処理していけば、顧客対応をしているスタッフからの転送メールに行き当たった。 (……珍しいな)  オープンにしている会社のアドレスには一般の問い合わせに混じって営業のメールが送��れてくることも少なくない。基本的にはスルーしてしまうことが多いが、彼のお眼鏡にかなったものが、ごく稀にスティーブの元に転送されてくるのだ。そして例にたがわず今回も外部からの営業メール。そのメールは礼節を守ってこう始まっていた。
『Dear Sirs and Madams, ――』  内容には、自分たちはジムの利用者用にトレーニングの管理アプリを作っている会社であるということ。パーソナルトレーナーも利用することができ、顧客管理にも役立てられることなどが綴られていた。 『もし興味を持ってくれたなら詳しい話をさせて欲しい。 your sincerely, James Barnes 』
 スティーブはメールを最後まで読み終えると、文末に添えられていた会社のURLをクリックした。IT系らしく洗練されたサイトによると、ジェームズの会社は2年前に立ち上がったスタートアップらしい。アプリの紹介ページを開き、内容を精査していく。スティーブの元に届いた時点で有象無象の営業メールからは抜きん出ているのだが、それにしたって全ての業者に会うほど暇ではない。そうした審査の気持ちでページを見ていくと、スティーブの目がふと興味深い内容に行き着いた。どうやら彼の会社はもともとリハビリ用の管理アプリを病院や施設に提供していたらしい。そのノウハウを踏まえ、今度はジムの方面にも挑戦してきたというわけだ。 (……丁度良いかもしれない)  最近ではトレーニングジムにもユニバーサルデザインを取り入れ、特に身体にハンデを持つ人でも利用できるような施設が増えている。そして企画進行中の新店舗も、まさにその一つになる予定だった。  新店舗は新しいサービスを導入するのに最適なタイミングだ。なにより彼らに話を聞けば、新しい店舗へのアドバイスも出てくるかもしれない。そう考えたスティーブは丁寧に返信を打ち始めた。
『Dear James―― メールをありがとう。プロジェクトマネージャーのロジャースです。提案いただいたアプリについて――』
 最後に署名を添え���送信ボタンを押した。忘れないうちに顧客対応のスタッフにも『ありがとう』の一言を送っておく。諸々を考慮してこのメールを届けてくれたのだとしたら、彼の功績を称えなければいけないだろう。ビジネスだけじゃなく、何事においてもタイミングは重要だ。    程なくしてジェームズから返信が届いた。不特定の誰かではなく『Dear Steve』に変わったメールには、目を通してくれたことや営業のチャンスをもらえたことへの感謝、会社が近い場所にあるのでスティーブの都合にあわせて訪問したい旨、そしていくつかの日程が心地よい文体で書かれていた。営業をかけているのだから丁寧になって当然だが、ジェームズのメールはスティーブにとって特に読み心地が良いものだった。早々にフランクになる相手は苦手だし、反対にかしこまられすぎても居心地が悪い。メールの文体というのはたとえビジネスであっても千差万別なもので、良い印象を持ったままでいられることは意外と少ない。特に自分のように人見知りの気がある人間にとってはどうしても敏感になる部分だった。  一通りのやり取りを終え、スティーブはすっかり冷たくなったコーヒーを口に含んだ。ふう、と一息ついて、会えるのを楽しみにしていますというジェームズからのメールを眺める。どんな人物だろう。スタートアップといえば若いイメージがあるが彼はどうか。メールの雰囲気から浮ついた感じはしないが、正直言って自分は初対面の人間と会話をすることに少し苦手意識があるから、願わくば話しやすい人であって欲しい。そう思いながら続々と返ってきているその他のメールをさばいていった。
 ジェームズからのメールを受けた翌々日。またも昼下がりのオフィスで、スティーブはそのジェームズの来訪を待っていた。窓際に置かれた観葉植物には気持ち良さそうな日光が当たっている。四月のニューヨークらしくまだまだ外は寒いが、日差しだけを見れば春が近づいてきているのがわかる。スティーブは植物たちを眺めながら、来客時用のジャケットを羽織った。  丁度その時、入り口から来客を知らせる声があった。振り向くとスタッフの隣に一人の男性が立っている。 「スティーブ、お客さんよ」  その声に手を挙げて答えると、隣の男性がスティーブに気づいて微笑んだ。上品なグレーのニットに濃いブラウンのスラックス。目があった男性は、驚くほど整った顔をしていた。  スティーブはノートパソコンを抱えて男性の元へと向かう。 「はじめまして、ジェームズだ」  自己紹介とともに差し出された手を握る。遠目からではわからなかったがジェームズは長い髪を後ろでひとまとめにしていて、微笑むと口角がキュッと上がるチャーミングな男性だった。灰色がかったブルーの大きな目が優しげに細められている。 「スティーブだ。来てくれてありがとう」 「こちらこそ、時間をもらえて嬉しいよ」  そう言ったジェームズをミーティングスペースへと案内する。彼が動いたと同時に控えめなムスクの香りがした。  席に着くとジェームズは簡単な会社の紹介のあと、ipadを使ってアプリの説明を始めた。 「リリースして間もないから荒削りな部分は多いけど、むしろフィードバックには柔軟に対応できると思う。それが小さい会社の強みでもあるしな」  そう言って実際にアプリを動かしてみせてくれる。なぜか彼の左手には薄手の手袋がはめられたままだった。それに気をとられていたのがわかったのか、ジェームズは軽く左手を振って「怪我をしてるんだ、大げさですまない」という言葉とともに申し訳なさそうに笑う。  スティーブは不躾に凝視してしまったことを恥じ、それを補うかのように彼の言葉を補った。 「今、新しい店舗の計画が進んでる。うちのジムは一つ一つの規模が小さいから、今ままでは専用のシステムは入れてなかったんだ。もしそのアプリが有用だと判断できたら、このタイミングで導入できればと考えてる」 「本当に? 良かった。実はまだ導入実績が少なくて。いくつか話は進んでるけど……だから新しい店舗で要望があれば、こっちもそれに合わせてある程度改修できる」  ジェームズは朗らかに答えた。エンジニアを信頼している物言いが好ましい。スティーブは一つ笑うと、兼ねてからの相談を持ちかけた。 「……実は、こちらから一つ相談があるんだ。君の会社のサイトを見たけど、リハビリ業界でも仕事をしていたんだろう」  そう言ってスティーブは新しい店舗をユニバーサルデザインにする予定であること。自分のジムでは初めての試みだから、よければ意見を聞かせて欲しいということを伝えた。営業に対して駆け引きじみた提案ではあるが、想像に反してジェームズはわお、と破顔してくれた。 「そんな、嬉しいよ。このアプリを作ったのも元々そういうジムが増えてきて、もっと細かいデータ管理になるだろうと思ったってのもあるんだ。だからもしできることがあるなら喜んで手伝うよ」 ジェームズの反応にスティーブは安堵する。「……有難いな。詳しく説明すると、例えばマシンの導入とか配置とかを見てもらって、もし気になったと箇所があれば教えて欲しいんだ」 「ああ、もちろんいいぜ」  彼がよく笑うせいか、打ち合わせは非常に朗らかに進んだ。同僚にはよく恐そうな印象を与えると言われてしまう自分には驚くべきことだ。メールの印象も良かったが、実際に話してみるとその印象が更に強まる。ジェームズには押し付けがましかったり、斜に構えたりする部分がない。そしてこちらの要望を理解するのも速かった。 「無理のない程度で構わないんだけど、ユーザーになりうる人に話も聞いてみたくて。誰か、そういった人に心当たりはあるかな」  スティーブが尋ねると、彼はあー、と空中を見つめた。おそらくツテを考えてくれているのだろう。アプリには直接関係のない話にも関わらず真摯に対応してくれる彼に心の中で感謝する。スティーブは温かな気持ちで彼の返答を待った。  しかし、しばらく経ってもジェームズは相変わらず小さく唸ることをやめなかった。そればかりか、うっすらと眉間に皺が刻まれている。優しげだった目元が一転して凶悪ともとれる雰囲気になる。スティーブはたまらず目の前で唸る彼に声をかけた。 「ジェームズ……? あの、無理して探してもらう必要はないんだ。もしいればくらいの気持ちで」  その言葉にジェームズはパチリと目を瞬かせた。眉間の皺が消え、きょとんとしている彼は今までよりも随分と幼い。その顔を見るに、どうやら自分が不吉な表情をしていることには気づいていなかったようだ。どこか慌てた様子のスティーブに気づいたのか、彼は申し訳なさそうに眉尻を下げた。ころころと変わるジェームズの表情に、スティーブもつられて笑う。 「ああ……ごめん、少し考えすぎた。ええと、モデルケースが欲しいんだよな?」 「まあそうだね」 「身体にハンデがあるけどジムに通いたいか、あるいは通ってる人間? 年齢はどのあたりを考えてる?」 「そうだな……一旦は20代後半から40代かな。男女は気にしないよ」  そう言うとジェームズは再び小さく唸ると、ええと、と口を開いた。 「関係者を辿ればそういう人間は何人か紹介できると思う。けど――」 「……けど?」 「まあ、もう少し手頃なところにぴったりの奴がいるなと思って……。えっと、そのまあ、俺なんだけど」  え、というスティーブの言葉を待たずに、ジェームズは左手を覆っていた手袋をはずす。その下から現れたのは銀色をした滑らかな義手だった。 「俺、左腕が義手なんだ。年齢は30代。ランニングと、筋トレは家でやってる。……な、ぴったりだろ」  そう言ってジェームズは吹っ切れたように笑った。先ほどの逡巡はおそらく自分を挙げるかどうかを迷っていたのだろう。予想外の内容に、今度はスティーブが口を詰まらせる番だった。それを見越していたのか、ジェームズがすぐに言葉を続ける。 「ごめん、いきなりで驚いたよな。あんまりバレないから自分で言うことも少ないんだけど……イメージを聞く感じ誰かに話を回すより俺の方がいいんじゃないかと思って」  苦笑しながら告げるジェームズを見てスティーブはハッと我に返った。ごめんなんかじゃない。一体自分は何をしているんだ。彼が謝ることなんてないのに。 「僕こそごめん! 少し驚いたのは本当だけど、君が謝ることじゃないよ。むしろ、そうだな。君が手伝ってくれるなら……その、嫌じゃないなら……すごく嬉しいよ」  実際ジェームズの申し出はありがたいものだ。関係者をたどって、紹介してもらってとなるとお互いに負担が増えるのは確かであるし、そこまで望んでしまう申し訳なさもある。何より、本来の営業から外れているのに、ジェームズ自身が請け負うと言ってくれたことがスティーブには嬉しかった。彼はとても責任感の強い人間なんだろう。スティーブの中でジェームズに対する好感度がぐんぐんと上がっていく。彼と仕事ができたらどんなに良いだろう。 「そうか、なら良かった」  ジェームズもスティーブの言葉に安心してくれたようで、ふっと優しげに笑う。不思議な感覚だった。彼の笑顔でこちらの心まで軽くなるような気がする。横広の大きな目が雄弁に気持ちを伝えてくれているようだ。スティーブがふわつく心を持て余していると、ジェームズがちらりと時計を見てあ、と声をあげた。 「悪い、結構長く居座っちまった。ええとそしたら……」  そう言って今後の約束をいくつか交わし、驚くほどの収穫を得た打ち合わせは終了した。何より、ジェームズとの関係は今日が初めてだとは思えないほど良好だ。終盤にはだいぶフランクに話していたことに気づき、スティーブは今更ながら気恥ずかしさを覚える。  オフィスの入り口まで同行すると、最後にスティーブは今日の礼を述べた。先ほどはきちんと言えなかったことも。 「じゃあ、ジェームズ。今日は本当にありがとう。それと……君の腕のこと、不躾に見たりしてすまなかった。気を悪くさせていたら申し訳ない」  ジェームズはその言葉に少し目を見開き、柔らかく微笑んだ。 「いや……優しいんだな、スティーブは。むしろこっちが驚かせて悪かったけど……そうだな、そしたら俺も一個質問をしても?」 「もちろん、仕事のこと?」  ジェームズは少し眉をひそめて、周囲を伺うようにスティーブの耳に口を近づける。そして、声をひそめてこう告げた。 「いや――、ジムの社員になるって、その胸筋が必須なのか?」 「……え?」  ぽかん、と一瞬呆気に取られた隙にジェームズはぽんとスティーブの胸を軽く叩いた。同時にふはっと快活な笑いをこぼし、すばやく身を離す。 「ごめん、冗談。立派な体つきだからつい。さっきのこと、本当に気にしてないんだ。今日はありがとう」  そう言うと彼はさっとオフィスを後にしてしまった。からかわれたと思ったのは一瞬で、それがスティーブの気を軽くする為のものだったと気づいた頃には、ドアの向こうに彼の姿はなくなっていた。きっと、自分が申し訳なさそうな顔をしていたから。気にしすぎる性分だと見抜かれていたのだろう。彼は……彼は、きっとすごく優しい人だ。 (……うわ)  彼に触れられた胸がじんわりと熱を持っている気がする。スティーブはしばらくドアの前に佇んだまま、その熱が収まるのを待っていた。
『Hello Steve, ―― 今日は時間を取ってくれてありがとう。アプリのデモ版を送るから使ってくれ。あと、新店舗の詳細はいつでも大丈夫だ。都合のいい時に連絡をくれ。 Regards, James Bucky (周りはみんなバッキーって呼ぶんだ。もしそうしてくれたら嬉しい)』  
夕方に届いたメールは少しフランクになった挨拶から始まり、続いて今日の礼が綴られていた。そして彼の愛称も。こんな風に誰かとの距離が近づいていくのを嬉しいと思うのはいつぶりだろう。たとえ仕事上のつきあいだったとしても、ジェームズ――バッキーは間違いなく魅力のある人間だったし、それを嫌味に感じさせない軽快さも好ましかった。スティーブはその距離を嬉しく思いながら返信を打ち始めた。
『Hello Bucky, ――』
 
そうして始まったバッキーとの仕事は至極順調に進んだ。アプリの導入も本格的に決まり、スティーブもバッキーも相応に忙しい日々を送っていた。
『Hi Steve, ―― 週末はゆっくり休めたか? 先週もらった内容だけど――』
『家の掃除で一日潰れたよ。クローゼットは悪夢だ。そうだね、トレーナーによると―― Thanks, Steve 』
 バッキーのレスポンスは速いし無駄がない。そしてそこにさりげなく添えられる気遣いの一言は、スティーブにとって日々の潤いと言っても良かった。なんなら定型文だって構わない。多くの関係者とやり取りしている今だからこそ、彼からのメールは一際嬉しいものだった。  バッキーはそういったバランスを取るのが非常にうまい人間だった。時折チャットのようになるメールも、こちらからの質問――特にバッキーをモデルケースにしている件だ――に丁寧に答える文面も、タイミングを計り間違えることがない。向こうが自分をどう評価しているかはわからないが、スティーブにはこれが稀有なことであるという確信があった。  彼の会社が近いというのは本当で、何度かランチミーティングをした際には共同経営者だというサムを伴ってくることもあった。彼はなんと元カウンセラーで、その仕事をやめてバッキーと会社を立ち上げたらしい。すごい決心だと素直に述べると、サムは「こいつと一緒にいたらわかるよ」と苦笑していた。バッキーが気のおけない様子でサムの脇腹を小突いている。その光景に笑いを返しながらも、スティーブは胸の内に靄がかかるのを自覚していた。  バッキーは魅力的な人間だ。それはこの1ヶ月で十分にわかっている。そんな彼だからこそ、自分よりも先に出会った人間が自分と同じように彼と仕事をしたいと、夢や未来を共有したいと思ってもそれは仕方がないことだ。でも、もし自分の方が早かったら? もし彼ともっと前に出会えていたら? そう思うと、まだ距離があるバッキーと自分との間に少なからず悔しさを覚えてしまう。ましてや、自分は仕事上の関係でしかない。そこに別のものを求めてしまうのは我儘だろうか。  スティーブはコーヒーを飲みながら、次のランチはバッキーと2人であることを密かに願った。
 
 街を行く人たちの手から上着がなくなり、代わりににアイスコーヒーが握られる。時間はあっという間に過ぎていく。工事の視察、トレーナーや業者との打ち合わせ、やることが山のようだ。オープンがいよいよ間近に迫ってきたスティーブは、追い込み時期らしく夜遅くまでオフィスに残ることが多くなっていた。早く帰りなさいよという同僚を後ろ手に送り、一人になったオフィスで堪らずにため息をつく。 「疲れたな……」  思わず口にすると一気に疲労がやってきた。ネオンの光こそ入ってこないが、金曜日の21時、街が一番賑やかな時間に、静かなオフィスでタイピングの音だけを響かせている。 (土日はゆっくり休もう……)  大きく肩を回してパソコンに向き合うと、期せずしてバッキーからのメールが届いていた。
『Steve, ―― 悪いがこの前言っていたアップデートにまだ時間がかかりそうなんだ。週明けには送れると思うから、もう少しだけ待っていてくれ。 Bucky, 』
 取り急ぎ、という感じで送られたそれに苦笑しながら返信する。どうやら彼もこの休前日を楽しめていないらしい。
『Hello Bucky, ―― 構わないよ。むしろ最近はいつでもパソコンの前にいるから君達のペースでやってくれ。 Thanks Steve, 』
 送信ボタンを押すと、ものの数分で返信を示すポップアップが表示される。 『わお、残業仲間か。まだオフィス?』 『そうだ。早くビールが飲みたいよ』 『俺もだ。飯は食った?』 『いや、まだだ』  チャットのようにお互いの苦労をねぎらっていると、ふとバッキーからの返信が止んだ。作業が進んだのかと思いスティーブも資料に目を通し始める。3ブロック先で彼も同じように眼精疲労と戦っているのかと思うと、少しだけ気分が軽くなる。こちらのオープンに合わせて作業をしてもらっているから、彼の忙しさの一旦は自分に責があるのだが。そんなことを考えていると、再びポップアップが表示された。スティーブはその内容を確認して思わず目を見開いた。 『差し入れ、要る?』 「……わお」  思いがけない提案にスティーブの胸は跳ね上がった。彼が自分を気遣ってくれている、そしてここまでやってきてくれるなんて。遅くまで頑張っている自分へのギフトかもしれない。スティーブはニヤついてしまう口元を抑えながら、極めて理性的に返信を打った。 『魅力的な言葉だ、でも君の仕事は?』 『あるにはあるけど、今はエンジニアの作業待ちなんだ。というか、俺も腹が減って死にそう』  そこまで言われてしまえば答えは「イエス」しかない。 『じゃあお願いしようかな』 『了解、嫌いなものはある?』  正直この状況で出されたらなんだって美味しいと言えるだろう。たとえ嫌いなものがあったって今日から好きになれる気がする。そう思いながら『何もないよ』と返信する。少し待っててと言うバッキーのメールを見つめて、スティーブは今度こそ楽しげに息を吐き出した。
30分後、スティーブが契約書と格闘していると、後ろからノックの音が聞こえた。振り返るとガラス張りのドアの向こうでバッキーが手を挙げている。スティーブはすぐさま立ち上がりドアのロックを解除した。バッキーを迎え入れると、いつもはまとめてある髪が下されていることに気がついた。よう、と首を傾げたのに合わせて後ろ髪がふわりと揺れる。正直にいってスティーブはそれに真剣に見惚れた。 「お疲れさま。チャイナにしたけど良かったか?」  スティーブの内心など露も知らないバッキーが手元のビニール包装を掲げる。途端に鼻腔をくすぐる料理の匂いが、一点で止まっていたスティーブの意識を現実に引き戻した。 「あ、ああ。ありがとう……ええと、そこにかけて待っててくれるか?」  呆けていた頭を動かし、バッキーに休憩スペースをしめす。ウォーターサーバーから水を注ぐ間も、うるさく鳴り続ける心臓が治まってくれる気配はない。それどころかコップを差し出したタイミングでこちらを見上げたバッキーに「皺がすごいぞ? チャイナは嫌いだったか?」などと言われてしまい、さらに動揺するはめになった。 「いや、好きだよ……ちょっと疲れがね……」 「お疲れだな、よし、食おうぜ」  これが炒飯で、これがエビチリ、とバッキーは次々に箱を開けていく。その姿を見ながらスティーブは悟られないように深く深く息を吐いた。  だって、びっくりするほど格好良かったのだ。初対面からハンサムだと思ってはいたが、ほんの少し違うだけの姿にこれほど動揺するとは思っていなかった。挨拶と同時にキュッと上がる口角も、こんなに目を惹きつけるものだったろうか。見慣れない髪型に引きずられて、バッキーが別人のように見えてしまう。スティーブは思わず手元の水を口に運ぶ。落ち着く為の行為だったはずなのに、ごくりと大きな音がしてしまい返って赤面する羽目になった。 「髪の毛……おろしてるのは初めてだ……」  耐えきれずに口に出す。バッキーは料理に向けていた目線を持ち上げるとああ、と笑った。 「夜まであれだと頭が痛くなってくるんだ。飯を食うときは結ぶよ」  そう言うやいなや手首にはめていたゴムで素早く髪をまとめてしまう。スティーブは自分の失言ぶりに思わず舌打ちをしそうになった。そのままでいいよと反射的に言葉が浮かぶが、この場でそれはあまりにもおかしい。結局、いつものバッキーに戻ったおかげでなんとか気持ちを飲み込んだスティーブは、気を取り直して目の前の料理に意識を向けることにした。  買ってきてもらったことへの礼を述べて料理に手を伸ばす。熱で温まった紙箱を掴むと忘れていた空腹が急激にスティーブを襲った。 「……思ってたより腹が空いてたみたいだ」 「はは、良かった。いっぱい買ってきたから」  紙箱を手に、真面目につぶやくスティーブが面白かったのかバッキーが目を細めて笑う。 「……チャイナ食ってるとさ、小難しいことを言わなきゃいけない気がしてくる」  しばらく黙々と料理を口に運んでいると、ふいにバッキーが呟いた。 「……マンハッタン?」 「あ、わかる? 家ならまだしも、公園なんかで食ってても思い出すんだよな」  なんなんだろうな、と苦笑するバッキーにつられて笑う。人気のないオフィスに紙箱とプラスチックのスプーンが擦れる音、そして2人の笑い声が静かに響いている。 「……映画、好きなのか?」  スティーブが尋ねるとバッキーはうーん、と曖昧に頷いた。 「俺、怪我で引きこもってた時期があってさ、その時には良く見てた」 「……その、腕の?」 「そう。結構前のことだからもう忘れてる映画も多いけど」  何でもないことのように告げると、バッキーは「スティーブは映画好き?」なんて聞いてくる。それに答えられるはずもなく、スティーブは静かに尋ねた。 「それは、事故で……?」 「え……ああ。車の事故で、当時は結構荒れたんだけど今はまあ、時間も経ったし、いい義手も買えたから。死なずに済んだだけ良かったかなって……ええと、そんな深刻な意味じゃなくてさ」  からりと笑う彼がジムのモニター以外で腕のことに触れたのは、初対面の時と今日で2度目だ。その間、彼はなんのハンデもないかのように笑っていた。バッキーはそう言うが、スティーブは眉を寄せるのを止められない。それを見て、バッキーは困ったように微笑んだ。 「まあそれこそジムにはちょっと行きにくいけどな。それ以外は、今の仕事もこのことがあったから始めたようなもんだし、サムに出会ったのもそうだ。悪いことばかりじゃないよ」  そう言われてしまえば、ステイーブはそれ以上何も言うことができなかった。きっと彼は同情や心配を厭というほど受けて、今こうして話してくれているのだから。 「……君がジムの件を引き受けてくれて、心から感謝してるよ」  精一杯の気持ちをその言葉に乗せる。それは間違いなく本当のことだったし、それ以上のことも。相手に伝えたい気持ちと、少しも傷つけたくない気持ちを混ぜ込んで、ぎりぎり許せるラインの言葉をスティーブは押し出した。たとえその中に、その時の彼の傍に居たかったなんていう傲慢な気持ちがあったとしても。 「いや、こちらこそ。会社としてもいい機会だったし……何より、下心もあった」 「――え?」  思わぬ言葉に口を開けたスティーブに、バッキーはニヤリと口元を引き上げた。こんな時でさえ、その表情がとても様になっている。 「今度できるジム、俺の家の近くなんだ。だからめい一杯俺好みのジムにして、会員になろうかなって」 「え、そうなのか?」 「そうだよ。まあ場所は途中で知ったんだけど」  たしかにバッキーにも一度工事中のジムに足を運んでもらった。実際に見てもらうに越したことはないからだ。そのときは何も言っていなかったのに。 「……だったら、名誉会員扱いにしないとな」 「え、そんなのがあるのか。プロテイン飲み放題とか?」  目を煌めかせたバッキーを見て、今度こそ2人で笑う。こうしてずっと彼の笑顔を見ていたいと、スティーブは強く思った。強くて優しい彼の笑顔を。 「あ、じゃあ僕もそっちのジムに登録し直そうかな」 「ん?」 「そうしたら君と一緒にトレーニングができるだろ」  そう言ってバッキーに笑いかける。この仕事がひと段落したら彼に会えるペースは少なくなるだろう。たとえアプリで継続的に関係が続くと言っても、今ほどじゃない。ましてや顔を突き合わせて話す機会なんてぐっと減るはずだ。そう考えたらジムの案は自分でも良い提案のように思えてくる。どう? と彼の顔を伺うと、バッキーは一瞬なんとも言えない顔つきをした後、小さくわおと呟いた。 「……あんたと一緒にトレーニングしたら、その胸筋が手に入る?」 「どうだろう、でも僕のメニューは教えてあげられるよ」  バッキーはついに耐えきれないといった様子で破顔した。眉を思いっきり下げたそれは、彼の笑顔の中でも特にスティーブの好きなものだった。 「最高だ」
 その時、タイミングを見計らったかのように、机に置いていたバッキーの携帯が鳴った。バッキーは横目で画面を確認すると、スプーンを置いてそれを取り上げる。しばらくして画面に落とされていた目がスティーブを捉えた。 「アップロードが終わったって。URLを送るってさ」 「え、あ、そうか。良かった」 「ああ……、じゃあ、これ片付けちまわないとな」  そう言ってバッキーは手元の紙箱から炒飯をすくった。スティーブも我に返ったように残りの料理を食べ始める。いつの間にかそれらはすっかり冷めていて、でも不味いとは全く思わない。それでもこの時間が明確に終わってしまったことが残念で、ちらりとバッキーを覗き見る。しかし、目の前の彼と視線が合うことはなかった。  2人は今まで食事もそっちのけで話していたのが嘘かのように無言で料理を口に運び続けた。
『Hello Steve, ―― 新店舗オープンおめでとう。最後の方はとにかく慌ただしそうだったけど、体調は崩してないか? これがひと段落したらゆっくり休めることを祈るよ。アプリの方も一旦は問題なさそうで良かった。また何かあったら教えて欲しい。 今回スティーブの会社と一緒に仕事ができて良かったよ。いろんなデータが得られたし、現場のフィードバックがもらえたのも、うちにとって大きな財産になった。もちろん、個人的に協力させてもらえたことにも感謝してる。今の会社も腕のことがあってのことで、そうやって自分が感じてきたことが本当の意味で役立てられたような気がして、すごく嬉しかったんだ。微力でしかなかったけど、何かしら良いアドバイスができていたら嬉しい。(まあそれはこれから自分で体感するんだけど) 改めて、おめでとう。今後もお互いの仕事の成功を願ってる。 Best regards, Bucky』
『Hello Bucky, ―― 嬉しい言葉をありがとう。やりがいのある仕事だったよ、だけで終われたら良いんだけど、正直ヘトヘトだ。今度の土日は自堕落を許すことにするよ。 僕も君と、君の会社と仕事ができて良かった。本当に、心か���そう思ってるよ。君らとの仕事は驚くほどやりやすかったし、いろんなことを助けてもらった。君の想像以上にね。新しくオープンしたジムが成功したなら、それは間違いなく君たちのおかげでもあるよ。ありがとう。 それから、君と出会えたことにも深く感謝している。君と出会うまで僕がどれだけ狭い世界に生きていたかを思い知らされたよ。この年齢になってもまだ学ぶことが多いと気付かされた。そしてそれを教えてくれたのが君で良かった。 君も、いろいろ我儘に付き合ってくれてありがとう。しっかり休んでくれ。 Regards Steve, 』
 スティーブは画面の文章を何度も読み返し、おかしな所がないかを入念にチェックした。新店舗のオープン日に届いていたメールは、現場で奔走していたスティーブの目に一日遅れで入ってくることになった。メールを読んだときは思わずデスクに突っ伏してしまったし、そのせいで同僚から白い目で見られた。しかしスティーブにそんなことを気にしている暇はなかった。はちきれそうな嬉しさと、すぐに返事ができなかった申し訳なさでどうにかなりそうだったのだ。そして大至急返事を認め、長くなりすぎたそれを添削しては寝かせてまた添削するという作業を繰り返していた。  ビジネスで仲良くなった相手に送る文章としてはおそらくこれが正解だ。そして自分の気持ちも正直に告げている。バッキーに出会えたことでスティーブが得たものは、言葉にできないほど大きかった。3度目の確認を終えて、スティーブはゆっくりと送信ボタンを押した。
ふう、と吐き出したそれには、しかし多少の迷いが込められていた。 (……本当にこれだけで良いのか?)  この文章で、きっと今後も彼とは良い関係を築いていけるだろう。ジムの約束もしたし、彼との仕事上の付き合いは多少頻度が減ったとしても続いていく。それでも、スティーブが一番伝えたいことは、今のメールには含まれていない。まだ名前をつけていないステイーブの気持ち。それを伝えるのに、今を逃したら次はいつになるのだろう。――いや、きっと次なんてない。  ���ティーブはもう一度返信画面を開き、素早く文章を打ち込んでいった。心臓がバクバクとうるさい。気をそらすな、不安に負けるな。全てはタイミングだ。そしてそれは、今だ。  
『追伸 もし良ければ、君の連絡先を教えてもらえないだろうか。できれば、私用の』
 送信ボタンを押して深く深く息を吐く。そしてスティーブはすぐさまメールを閉じようとした。  その瞬間、デスク上に置いておいた携帯がいきなり震えだす。 「わっ」  気が抜けていたせいで変な声が出てしまった。画面の表示を見ると知らない番号から着信がきている。スティーブは動揺を押し隠しながら画面をスワイプした。  そうして聞こえてきた呆れ声に、すぐにその顔は笑顔になる。 『――さすがに奥手すぎだろ、スティーブ』
 
きっと近いうちに、彼らの挨拶はもう1段階進んだものになるだろう。
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