#赤ちゃんの泣き声
Explore tagged Tumblr posts
guiasmaternos · 1 year ago
Text
幼児を静かにさせる方法: 騒々しい赤ちゃんに対処する方法
泣く赤ちゃんを落ち着かせるための効果的な戦略を見つけてください。この包括的なガイドは、赤ちゃんの泣き声に対処し、新生児の快適さを促進するための実用的なヒントを提供します。
赤ちゃんが泣いているのを見るのは、親にとって最も挑戦的な経験の一つです。時には、何をしても泣き止まないように思えるかもしれません。しかし、幸いなことに、赤ちゃんを落ち着かせる効果的な方法はいくつか存在します。この包括的なガイドでは、赤ちゃんの泣き声を静め、家族全体に落ち着いた雰囲気を提供するための実証済みの戦略を探求します。 赤ちゃんが泣く理由 泣くことは、新生児の主要なコミュニケーション手段です。お腹が空いている、不快感がある、眠い、おむつが汚れている、触れ合いを望んでいる、単に安心感を求めているかもしれません。赤ちゃんの泣き声の背後にある理由を理解することは、効果的に落ち着かせるための第一歩です。 赤ちゃんを落ち着かせる方法 1. スキンシップ:…
Tumblr media
View On WordPress
0 notes
haseditor · 1 year ago
Quote
わたしが「これがコピーライターの仕事か!これぞインサイトなのかっ!」と、大きなヒントに出会う機会がありました。 それは仕事ではなく、姉の出産がきっかけでした。生まれて間もなく甥っ子は、なかなかの慎重派であることが判明。離乳食を始めたくても、どんな食材も断固拒絶。空腹なのか夜泣きもひどく、姉はふらふらになって育児書を読みあさっていました。お医者さんも、先輩ママも、親身になってアドバイスをくれます。「次第に慣れていくから焦らなくても大丈夫だよ」と。それでも姉の不安は増すばかりでした。 「これ、涙出た」。吹っ切れた顔で姉が冊子を見せてくれました。それは役所でもらったものらしく、内容は育児書とほぼ同じです。ただし、赤ちゃん言葉で書かれていました。 "ママがせっかくつくってくれたのに、はじめての味はビックリして出しちゃうんだ。何度も口にするうちに食べられるようになっていくよ。だから心配しないでね。" ノイローゼになるほど姉を悩ませていたのは、離乳食を食べないことでも、夜泣きがひどいことでもなく、「赤ちゃんが喋ってくれない」ということでした。「なんで出しちゃうの?」「なんで泣いてるの?」と、姉は幾度となく問いかけたでしょう。生後数カ月の赤ちゃんが言葉を持たないのは当たり前だと、わたしたちは思い込んでいます。 その冊子を読んだら、赤ちゃんの声が聞こえるようだったと姉は言っていました。姉が何より欲しかったのは、大人からの「大丈夫」ではなく、赤ちゃん自身の「大丈夫」という声だったのです。
インサイトは、共感という灯りを点ける「スイッチ」 | 宣伝会議デジタル版
360 notes · View notes
kaoriof · 3 months ago
Text
実験するみたいに目をぎゅうと細めてコンタクトの洗浄液をケースに流し込む。とびきり良い映画を観たあとは、なんかこう、ぜんぶ立体に聴こえて、ぜんぶ鮮明にみえる。あまりに見えすぎている、という感じ。
思い立って新宿から日比谷までレイトショーを観に1時間半かけて歩く。気まぐれに入った喫茶店があまりにタバコ臭かった。「あのヘッドフォンの人かっこいいね」と言う友達に、「そう?カッコつけすぎじゃない?」と答える。そこからずっと歩いて、赤信号で立ち止まって、たまに思い切り走って笑ったりした。夜に蝶々ってそういえば見たことがないなとか思いながら、脳みそのずっと奥のほうではあなたのことばかり��えていた。疲れてしまった。自分を良いように魅せるとか、価値があるように振る舞うとか。己が太陽のようにまっさらで溌剌としているように感じられる日もあれば、ただただ静かに降り注ぐ小雨に涙が出るほど心の糸が張り詰めている日もあるし、ほんとうに疲れた。もう多分彼からの連絡は来ないけど、別にそれでいい。「何も無い花こそ本当、花だけ本当」「嘘じゃないから」という歌詞について考える。生きているだけで汚れるというのは本当かもしれない。ぜんぶ疲れたから草むらに裸で寝転んで、湿気った土に頬をぴたりとくっつけたい。パスタを素手で不細工に食べたいし、名前も知らない誰かとキスをして、産まれたての赤ん坊のように泣き出したい。もう誰もわたしの何も知らなくて良いとさえ思う。わたしは家族と友達がだいすきで、雨上がりの匂いや木の葉の揺れに感動できる感性を大切にしていて、この世界をとびきり愛している(そして世界もまた愛を返してくれる)そこらへんのただの女の子だということ。(22歳はもう女の子じゃないかもしれないけれど“おんなのこ”という響きがすき)どんなに急いでいてもコンビニのレジではバーコード面を表にして商品を差し出すし、エレベーターではみんなが降りるまで開閉ボタンを押す。荷物を抱えながら階段を登る人に手伝いましょうかと声をかけようか悩んで、通り過ぎて、でもまた戻って頑張って声をかける。一度も会ったことがない人でもそれが大切な人の友人で病に伏しているのだとしたら一番美しい花を買って見舞いにいく。自分の内側にいる幼くてあどけない、やさしいわたしがいつだってその手を握り返してくれる。100年後には何もかも閉じてしまう物語だから、せめて今だけはわがままでいたい。でも傲慢なのはいやだ。全部欲しい。一つ残らず見たい。叶うなら恐竜がどんな姿見で空を飛ぶのかみたかった。光を反射する鱗肌と、重たいその足音が大地に響き渡るのを聞きたかった。お母さんがまだわたしと同い年だった頃、彼女と会って話をしてみたかった。100の異なる人生を同時進行で生きてみたい。豪雨の中でワルツを踊りたい。自分の子どもを産みたい。ずっと一緒にいたいと思えるような人と出逢いたいし、ほんとはその運命を最後まで守り切れるほど成熟した女性でありたかった。
0時を少し過ぎて映画が終わると、終電が近いのか、エンドロールを見届けないまま人がぞろぞろ帰っていった。スクリーンライトに照らされて、綿毛みたいに細い埃が頭上で舞っているのを目で追う。降り注ぐ奇跡と、約束された明日。また「花だけ本当」という歌詞について考える。わたしも花の香りの名前を名付けてもらったのに、「本当」を生きてはゆけない哀しさ。(わたし、ほんとうはこんな性格じゃないのにな)と思う行動ばかりとってしまって、いつも後悔している気がする。でももういい、全部。どうでもいい。人がいなくなって不気味な白さを放つ駅で、なぜか笑みが、走り出した足が止まらなかった。「それ、罪滅ぼし?」 「お前みたいなやつの書いた作品が世に出回るなんて害でしかないから」 映画の台詞がしゃぼん玉みたいに脳裏を過っては消える。月9のドラマの主題歌を聴く。これはだれの人生?大好きな音楽を聴くと、いろいろな景色を想像する。割れるガラス、草原、海、笑い声、蝶々、風、カーテン、白、眩しい光、流れ星、男の子、裸足。やっぱり幸せかも、と思った。はやく戦争が終わりますように。もっと書きたいけどここまで。明日は図書館へ行こう。
21 notes · View notes
kmnmscat · 1 year ago
Text
10超えした時・その2
「ちょっとシャワー浴びてくる」といい起き上がると、さっきのポカリがいい仕事してる。心地よいふらふら感を楽しみ移動すると、ベッドのシーツがドリチンに触れて気持ちがいい。風呂場のドアを開けた時の風が乳首に当たると気持ちいい。洗面台にある鏡を見ると、すげぇいい顔してた。
熱めのシャワーを浴びると、また体の中がグルグルと流れる。そんな感触を堪能してベッドに戻ると、奴は追加の準備をしてくれていた。やはり次も10。やっべぇ、どうなるんだろう。やばいといいつつも期待しかしていない。奴はオレが来たのを確認すると、ニヤッと笑いながらお代わり発射。オレもさっそく準備をし、腕に巻き、プスっと。引くと中に今日2回目の赤いもの、それを確認すると今度はさっきよりもゆっくり入れてみる。すると、ゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワがズズズズズズっと入ってきて、「あ、あああ、ああああああも、漏れるかも。もれ、もれももれれれ漏れ・・」言い終わらないうちにヤツはオレのチンポコに吸いついて、軽く漏れたションベンを口で受けてくれた。スッと抜くとさっきよりもヘロヘロになってしまい、震える手で道具を慎重にテーブルの上に置き、ベッドに倒れ込むように横になった。つま先から脳天までビリビリビリっという感触を楽しんだ。
ふと上を見ると、彼が口を開けろと。そのまま口を開け、吸い取った水を口の中に入れてくれた。しかし、今度はその水を半分くらいしか入れてくれない。「あれ?」って思っていたら、水が入ったオレの口の中に、さっきのポカリの要領でオレが漏らしたションベンを流し入れてくれた。アレをすすいだ水と入れたときに漏らしたションベンが口の中で混ざり合う。「うめぇええええええ」と頭の中で思う前にごくごく飲みこんだ。筒の中の残りの水はオレの乳首やドリチンやケツマンコにかけて、丁寧に指で刷り込んでくれた。
完全にお互いドリチン。すると奴が持ってきたハリガタを使い、���々マンズリするところを見せつけ合う。
ベッドの上に突き立てたハリガタに跨り、両手で乳首をコリコリしながら腰をふり、ドリチンがプルンプルンと上下に揺れる。
やっべぇ、変態がここに二人いる。相手の乳首にそっと手を伸ばし、コリコリ乳首を触ると声を立てずに泣くような笑うようなどうしようもねぇ顔でオレの乳首を触ってきた。ドリチンいじり、乳首をこねくり回しながら腰をふる。あー、ずっとこうしてられるわ。
ずるんと相手がハリガタから腰を上げると、奥からウナギを持ってきた。太さはそれほどないのでオレでも十分入るサイズだ。奴は全体にローションを塗り、ヌルヌルの状態にして、オレにもハリガタ出すように言ってきた。すると、片方にかけらをパラパラとふりかけ、そのままケツに挿入。オレの方にもパラパラっとかけてくれて、こぼれ落ちないように慎重にケツマンに入れる。ああああ、熱い!ケツの入り口、中、奥。ウナギが当たったところが熱くなっていく。それなりの長さがあったはずなのに、ケツの奥の快感を感じるとズヌヌヌヌと広がるのが分かる。オレは左の乳首を舐められるとケツが広がるので、それを伝え舐めてもらった。するとグワーっと奥の奥にウナギが入っていった。
お互いのケツの中でウナギを押し合いして、あっちに行ったりこっちに来たり。乳首いじりながらドリチンしごいて、ベロチューしながら変態ウナギ相撲。ヘロヘロになりながらふと思い出したように「じゅ、10ってすげえ。思った以上にすげえぇ。体験談よりもすげぇ!」みたいなことを言うと、ヤツはヘロ顔で「へっ。へへへ、10じゃねぇよ、20だったんだよ。追加の時は10だったけどな」と嬉しい嘘を暴露してくれた。
そのままウナギ相撲をヘロヘロになりながら楽しんだ。
続く
306 notes · View notes
01-08-m00n · 2 months ago
Text
お久しぶりです、青い月です。もうどのくらいぶりだろう、本当にお久しぶりです。
あれから色んなことがありました。ほんとうに、色んなことが。
前の投稿は4ヶ月前だったみたい。その頃から書いて言葉にしていただけあって、信じることに対する違和感は見過ごせなかったんだと思う。1年8ヶ月付き合った人と別れた。こんなに長く人と付き合ったのは初めてだった。付き合っていれば、今日で2年だった。大変だったけど、なんだかあっけなく終わってしまって、夏が急に秋になったのと同じように感じてしまう。ずっと私を夏みたいな人だって言ってくれていた。呪いになるかもしれないけど、ずっとあなたの夏に私がいたらいい、なんて思ってしまう。恋人にはもう成れないけど、愛しているし、愛していた。それは事実。希望を持たせることって変に地獄だから君には言わなかった��ど、ちゃんと愛していたし、今でも愛している。君が幸せでいたらいいなって、ただそれだけを思う。
そんなことを言って、今は、薄情かもしれないけど、大好きで大好きな人がいる。六月の終わりから、夏がどんどん人を飲み込んでいくみたいに、彼も私を連れ去っていった。それが楽しくて、繋いでくれた手を握っていた。離さなかった。振り払ってもいいんだよって言われたけど、離さないでいた。手を繋いで連れて行ってくれる人って、こういう人なんだと思った。そう思うと、高校生の頃から書いていた。インスタのほとんど誰も見ていないアカウントに、「君が手を引いて遠くに連れて行ってくれ」って。たぶん、ずっと、誰かに手を引いてほしかった。彼は、どこまでも連れて行ってくれる。自分のことも自分で引っ張って、何もかも連れてばかりだった私を軽くしてくれる。彼といるのが心地よくて、昨日はふと泣いてしまいそうだったな。
彼と私は奥底が似ている気がしているから、私も彼の手を引きたいし、どこまでも連れて行きたいと思う。君が耐えられないときは私が抱きしめてあげる。方法は違くても、結局私たちの行き着くところは一緒だよ。
この2ヶ月、3ヶ月の間、彼とは色んなことをしたし、たくさんの時間を過ごした。なんだか彼といると、背負うものがない分私は羽を伸ばしすぎてしまって、忘れてしまうことや気付いていないことが増えた。それはいいことって言い切れるのか分からないけど、忘れちゃいけない、全部自分で覚えていなきゃいけないっていう強迫的な気持ちが軽くなったんだと思う。これまで生きてきて、自分は色んなことを覚えている方だと思っていたし覚えていたいと思っていたけど、彼は本当に色んなことを見ていて、気付いていて。彼の凄いところだと思うけれども、その分しんどいことも多いだろうなと思って、彼を抱きしめずにはいられないでいる。喧嘩した時に、俺は逃げてるだけだって言ってたけど、一番世界を見ている君だからこそ、そういう言葉が出るんだろうなと思う。大丈夫。
初めて彼の家に行ったとき、アルバムを何個も見せてくれて、昔の話をしてくれたね。ベッドに横並びで腰をかけて、にこにこ優しく笑う君を見ていた。君はみんなに開示するタイプだと思うけど、「青ちゃんの背中が大きくて」、と笑ってくれたのをずっと覚えている。辛かった今までのことも日々考えている痛みも、話したいことはなんでも、教えてくれたらいいなと思う。
書いていなかったこともあって、彼について書いたら本当に尽きないのだけれど、彼が包んでくれると、本当に安心する。献身的なのは苦手だけれど、彼はしたいからって言ってくれる。一回彼の前で大泣きしたことがあるのだけれど、彼の愛が嬉しすぎて涙が出てしまった。普通とか言うべきじゃないのかもしれないけど、普通なら、幼い頃に父親から与えられる愛を、彼が教えてくれたと思った。彼が抱きしめてくれると、無性に守られているって感じて、ずっとこうして欲しかったんだと思った。守ってもらえなかった、守ってもらっていた実感がなかったから、ずっと自分で自分を守っていた。自分で自分を抱きしめていた。でもやっぱり埋められなかったその父性愛みたいなところを、君が教えてくれて、撫でてくれたんだと思う。涙が止まらなくて、抱きついたまま、大きな声で泣いた。びっくりしただろうな、でも、小さい声で一言だけ、辛かったねって、抱きしめさせてくれていた彼が、ずっと永遠のように私の中にいる。
昨日も彼と過ごした。すっかり秋で、爽やかだねって手を繋ぎながら言った。ぽかぽかした秋晴れを君と歩いて、この瞬間をずっと忘れたくないと思った。だから写真を撮った。2人で歩いている足元も映像にした。ローファーをおろして、赤い靴下を履いた。揺れるスカートの隙間からちらちらと赤色が見えて、これでよかったと思った。
アルバイトに行く彼を見送るとき、彼が「���婦みたいだ」って言って、にこって笑ったのがなんか美しかった。彼の向こうにある窓が白く光っていて、彼が照らされていた。こんな風に、こんな瞬間を、何回も繰り返せたらいいと思う。
大学最後の記念にこの夏休みの集中講義を受講していて、今日は早起き。ベッドから離れるのには時間がかかったけど、窓からさす陽がまぶしくて暖かくて、目を瞑りながら浴びていた。早起きすると、気持ちがいい。こんな爽やかな日だからかな。今日はローファーの下にターコイズブルーの靴下を。国立科学博物館で買った、フタバスズキリュウの刺繍がついている。このまま彼と海にでも行きたい気分だ。手を引いて、海だよって走っていきたい。(2024-09-26)
10 notes · View notes
soul-eater-novel · 4 months ago
Text
Tumblr media
p226 それは、私の、意地なのだ……。しかし、お前たちまて、それにつきあう必要はない、お前たちは、解放軍に、息子に力を貸してやって欲しい……。それが、お前たちの、ためにもなるはずだ…」 I was being stubborn. But you two don’t have to be. I want you to join the Liberation Army, to help Tir. For your own sake, as well…”
「くっ…」 二将がテオの傍らに膝を落とした。 “Gh…” The two commanders dropped to their knees beside Tir.
解放軍の兵たちも、凪いだ海のように静まっていた。 The Liberation Army soldiers also quieted down, like an ocean growing calm.
敵将の死を、たった一人でも逃げることなく戦った将の死を看取るようにーー。 It was as if they were honoring Teo’s passing; the death of an enemy general who, even when it was down to just him alone, did not run but fought to the end.
「父さん…」 “Father…”
「ティル……、我が息子よ……。もう、泣くな…」 “Tir… my son… don’t shed any more tears.”
テオもまた、ティルの手を弱々しく握り返した。 He squeezed Tir’s hand weakly once more.
「私は、幸せなんだよ……。父にとって、息子が自分を越える瞬間を、見ることができるのは……、最高の……、幸せだ…」 “I am happy. For a father, getting to see the moment… when his son surpasses him… is the greatest joy…”
テオの手から力が抜けた。 Teo’s hand lost its grip.
「父さん、いやだ、死んじゃいやだ!」 “Father! No!” howled Tir. “You can’t die!”
ティルが叫んだが、テオはそのまま、目を閉じた。 But Teo’s eyes stayed shut.
「頑張れよ……、我が息子…、ティル」 “Keep fighting… my beloved… son.”
「父さん…!父さん!!! 」 “Father…! Father!”
P227 ティルがテオにすがりついた。 Tir held Teo tight.
鎧を濡らしていた血糊がティルの頬を赤く染めたが、彼は必死で、テオの身体を揺さぶった。 Heedless of the gore-spattered armor smearing red across his cheeks, Tir rocked his father’s body back and forth.
しかしテオの身体は、もう動くことはなかった。 But Teo did not stir.
「父さん… 」 “Father…”
もう一度、弱々しい声でティルが言った時。 Tir called out once more, his voice hoarse.
突然ティルの身体に異変が起こった。 Suddenly something strange happened to his body.
革手袋で包んだ右手の甲が、眩い光を放ちだしたのだ。 A dazzling light shone from the back of his right hand, even through the leather glove he wore.
「これは…」 “What the—?”
ティルは右手の甲に焼けるような桶みを感じた。 He felt a searing pain, as if the back of his hand were on fire.
痛みは肘、肩、胸を走り抜け、あっという間にティルの身体を包んだ。 The pain shot up to his elbow, his shoulder, his chest—soon it enveloped his whole body.
ティルは呻く間もなく、テオの身体の上に倒れて気を失ってしまった。 He didn’t even have time to cry out. He collapsed on top of Teo and passed out.
ーーー
暗闇に、声が響いた。 Voices reverberated in the dark.
いったいどうしたというんじゃな、ティル殿は……。 What in the world happened to Lord Tir?
よくはわかりませんが、突然右手の甲が光を発して……。 I don’t know… a light suddenly shot out of the back of his right hand…
ティルは朦朧とした意識のなかで、二人の会話を聞いていた。 Half in and out of fuzzy consciousness, he listened to their conversation.
片方は老人の声、もう一人は不安げな若い女性の声��った。 One speaker was elderly, while the other, uneasy voice belonged to a young woman.
ティルが自分の周囲を取り巻く闇と戦っている間にも、二人の会話は続く。 As Tir fought to stop the darkness surrounding him on all sides from swooping in again, the conversation went on.
[ «-first // previous // next // archive // Ramsus-kun Scanslations ]
7 notes · View notes
trm517 · 5 months ago
Text
煙草の吸いすぎで完全に喘息カムバした、横になると苦しい ゆで卵を雑にむいて食べる ゆるふわ希死念慮、それダイエットね 賑やかな店で真っ赤なTシャツを着た男が言う 「俺のヘルツじゃ声が届かない」 サッカーボールの黒いところ全てに穴をあけました、としか例えようのない木製の球体がついた変なネックレスをしているねいつも、まあ2回しか会ったことないけど 本を貸したら、自作の小説が送られてきた LINEで「.txt」送られてくることあんまないよ、てかiPhoneで撮ったらついてる謎の拡張子なんなんだ  横書きの物語(舞台がロンドンで主人公は詐欺師というところまで読んで、一旦閉じた 感想がマジで思いつかない…) 、内容は違いすぎるけど携帯小説読んでた頃を思い出した あとラノベも ガラケー買ってもらえなかったから図書館で借りて読んだ恋空、二次創作でしか知らなかったデュラララ‼︎
そういえば久しぶりに予定をブッチされました、理由は多分わたしの外見 ということでマッチングアプリはやめました、あの炎のやつね 
大豆田とわ子のやつ観た、今更 無性に友人を家に招きたくなったな 決してそんな話じゃなかったはずだけど 意味ありそうでほんとに意味ない話、ためにならない話、なんでもいいよあたし話がしたいよ おいしいご飯とお酒で食卓をぎゅうぎゅう詰めにして 肩組んで笑いたい、今まで蓋してたかなしみを、傷ついていたということをちゃんと分かって泣きたい、あのときごめんねって謝りたい 
きみの彩られた生活を見ているのが無性に辛くてインスタブロックしちゃったとき気付いた ちょっと、てかかなり好きになっちゃってたんだよね また会えたらいいな何処かで、いや、もういいか
7 notes · View notes
wa-i0101 · 2 years ago
Text
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
😵‍💫❤️
1.小悪魔な後輩は、彼女の柔らかいお腹に僕の手を無理矢理当てがい、爆音の空腹音と圧倒的な振動と愛おしい感触を僕だけに披露してくれる。
2.お互いのことを思い合っているが、あまり話したことのない2人は、同じ電車で学校に行く。しかし、今日の電車はとても混んでいた。
女の子は昨日の夜と朝ごはんを食べていなかったため、とてもお腹が空いていた。満員の列車が揺れた時に2人のお腹がくっつき、鳴らないように我慢していた女の子のお腹は男の子のお腹の上で大きな唸り声を上げてしまう。
女の子はあまりの恥ずかしさで泣きそうになるが、男の子も好きな子の不本意な恥ずかしい音を聞き、思わずドキドキしてしまう。
3.好きな人の前で素直になれない女の子は、「お腹が空いて、今にも大きな音が鳴ってしまいそう」といった状況でもつい強がってしまう。
「大丈夫?」と聞かれてもお腹を小さく鳴らしながら「何でもない」と答え、こっそりとお腹を押さえている。
しかし、飢餓状態の身体は彼女の気持ちなどつゆ知らず、大音量のお腹の音で周囲に助けを求めてしまった。彼女はビクッと身体を硬直させ、悔しそうに顔を赤らめた。
4.ダイエット中は家にいてもお腹がぐうぐう鳴って何もする気が起きないので、図書館で読書をすることにした。
本を読み進めていると、なんだかお腹の様子がおかしい。今にも、家にいる時とは比べ物にならない程の音が鳴ってしまいそうだ。周りは静かだし沢山の人がいる。
冷や汗をかきながら「お願い…鳴らないで…」と祈るも意味はなく、静かな空間に食べ物を乞うみっともない大きな音だけが響いてしまう。
ああ、周りの人々の視線を痛いほど感じる。私は、「恥ずかしい音の犯人です」とアピールしていることに気付かないまま、必死にお腹を抱え込むことしかできなかった。
5.私のお腹は、沢山の食べ物を喜んで吸収して沢山の食べ物を大きな声でところ構わず懇願する。そんな肉付きの良い大きなお腹が恥ずかしい。
6.自分の空腹音に興味がある女の子は、こっそりと通販で聴診器を買った。わざとご飯を抜いたお腹で試してみると、あまりの音の大きさに驚くと同時に恥ずかしくなってしまった。
7.甘えん坊な友達に膝枕をしていると、急激な空腹感に襲ってきた。友達の耳元で爆音が鳴ってしまいそうで、この場から一刻も早く離れないといけないのに身動きが取れない。
でも、万が一お腹が鳴っちゃったとしても…友達は寝てるから聞かれないのでは…?という一縷の望みが頭をよぎったのも束の間。誤魔化しきれないほどの音を轟かせてしまった。
不幸にも友達はお腹が鳴る少し前に起きてしまっており、恥ずかしい音の最初から最後までを全て耳にしてしまった。その後は、2人とも気付かないふりをして過ごした。
1. The little devilish junior forcibly places my hand on her soft belly and shows me the explosive sound of hunger, overwhelming vibration and lovely feeling only I can feel.
2. The two of us, who have feelings for each other but have never talked much, take the same train to school. But today's train was very crowded.
The girl was very hungry because she had not eaten last night and breakfast. When the train shook in the crowded train, their bellies got stuck together, and the girl's stomach, which was trying not to growl, growled loudly on the boy's stomach.
The girl is so embarrassed that she almost cries, but the boy also hears the unwilling and embarrassing sound of the girl he loves and is involuntarily thrilled.
3. A girl who cannot be honest in front of the person she likes will end up being strong even in a situation like "I'm hungry and I'm about to make a loud noise.
"Are you okay?" When asked, she replies, "Nothing," while making a small rumbling sound in her stomach and secretly holding her stomach.
However, her starving body, oblivious to her feelings, called out for help with a loud tummy rumbling. She stiffened and blushed in frustration.
4. When I was on a diet, my stomach grumbled and I didn't feel like doing anything at home, so I decided to go to the library to read a book.
As I was reading a book, something was wrong with my stomach. Even now, it seems to be making a lot more noise than it does when I'm at home. It's quiet around me and there are lots of people.
I pray in a cold sweat, "Please…don't ring…" but there is no point, only the loud, miserable sound of begging for food echoes in the quiet space.
Oh, I painfully feel the stares of the people around me. I could only clutch my stomach desperately, unaware that I was appealing to them that I was the culprit of the embarrassing sound.
5. My belly happily absorbs a lot of food and begs loudly for a lot of food everywhere. I am ashamed of such a big fleshy belly.
6. A girl interested in the sound of her own hunger secretly bought a stethoscope by mail order. When she tried it on her stomach, which had been deliberately skipped, she was surprised and embarrassed at the same time at how loud the sound was.
7. As I was kneeling down to my pampered friend, I was overcome by a sudden feeling of hunger. I felt like I was about to be blasted in my friend's ear, and I couldn't move, even though I needed to get away from this place as soon as possible.
But even if my stomach rumbles… my friend is sleeping, so he won't hear it…? I had a ray of hope that my friend would be asleep and would not hear me. I let out a sound that was too loud to be fooled.
Unfortunately, my friend had woken up shortly before my stomach rumbled, and heard the entire embarrassing sound from beginning to end. After that, we both spent the rest of the day pretending not to notice.
96 notes · View notes
m12gatsu · 11 months ago
Text
無題
納会の福引で社長賞をぶち当てて、デラックスな炊飯器を勝ち取った。阿部寛が広告塔になっているやつ。クリスマスイブに郵送で届いたので、クリスマスの朝に炊き上がるよう予約した。しゃっきりした米がスタンディングオベーションで祝福してくれた。おこげを焼きつけてくれる機能もある。ごはんがうまいと毎日嬉しくなれるだろ? と阿部寛がいっていた。朝起きるのがちょっと楽しみになりました。
無事に仕事も納めて、本を読んだり、無心でギター触ったりしてる。大江健三郎の『燃えあがる緑の木』三部作をもうちょっとで読み終わる。年内には間に合いそう。津原泰水の遺作も並行して読んでいる。これは正月までかかるだろう。あと仕事で読まないといけないものがいくつか積んである。メインで触ってるセミアコの1弦が切れた。押し入れからテレキャスターを引っ張り出して、どちらも弦を交換した。ハヌマーンを練習したり、手癖のままのコード進行に鼻歌を乗せて作曲っぽいことをしている。歌詞を書くのは恥ずかしい。考えたら、母方の実家に眠っていたアコギを引き取ったのが中学3年生の時だから、かれこれ15年はギターを触っている。きもい。だったらもっと弾けてもいいと思うんだけど。
彼女の心も体もまだ不安定で、術後のまだ痛むお腹を抱えて、しくしく泣いていたりする。気分転換に適当にかけていたバカ映画で、血まみれの嬰児を使役して戦うヒロインが出てきて閉口してしまった。いま自分が敏感になっているだけだけど、ホラー映画とかでよく赤ん坊って利用されますよね、泣き声とか。みんな潜在的に堕胎を恐怖しているんだよな、と思う。当たり前だけど。チェンソーマンに堕胎の悪魔っていたら強いだろうな。
買い物袋を提げて、アパートの外廊下を歩いている時に、ちょうど5時のチャイムが鳴り出して、それを合図に、視界にそびえているでっかいオフィスビルの各フロアの電気が、波打つように一斉に消えるのを見た。ひとつふたつ、まだ点いている部屋もあった。飛行機雲がビルに突っ込む格好で斜め下に折れ���がってたなびいて、墜落の軌跡を描いていた。緑色の鳥が2羽飛んできて、電線に止まった。つがいかしら、野生には見えない、どっかから逃げ出したのかしら。部屋に戻って、彼女を呼んで、寝室の窓を開けて、あれ、といって見てもらった。
15 notes · View notes
petapeta · 2 years ago
Quote
2023年02月08日 半導体不足解消に向かうトヨタグループで何が起きているのか 先日聞いた話です。 トヨタグループはかねてからの半導体不足の出口が見え始めていて、2023年2月と3月にそれまでのマイナスを取り返すべく、増産増産へと進んでいるそうです。 その結果、全ての自動車部品メーカーに増産の依頼が飛び交っていて、製造の現場は労働強度マックスになり、管理職の残業時間も100時間越え、多い人は140時間越えの残業をしているようです。 この話は複数のトヨタ系自動車部品会社で共通して聞いたものです。 そしてもう一つの悪材料もあります。 半導体不足による生産調整で、多くのトヨタ系部品会社は今期は赤字なんですね。 当然、赤字を何とか黒字にもっていきたいと思うのが普通の経営者のロジックで、そうなると必要なコストまで削減するよう命令され、外注費もカットされ、アウトソースしていた仕事までもが内製に戻るという、誰も幸せになれる気がしない、地獄絵図が繰り広げられています。 いえ、面白おかしく書いているように見えるかもしれませんが、ボクが聞いた範囲でのリアルな話です。 どれぐらい地獄なのかと言うと、総務や人事が労基(労働基準監督署)を恐れるレベルを突破していて、「なんとかユニオン」に管理職の奥さんが駆け込むことすら想定しているというので、その凄まじさが伝わってきます。 しかも「『なんとかユニオン』から会社に連絡があったら、俺は即、会社を辞める、あんなのを相手にしていたら、俺のメンタルが持たない」と言っていたのが総務の責任者です。 「それならむしろ、労基に乗り込んでほしい、死人が出る前に」と、この人は言っていました。 ね?地獄でしょ?(笑) 笑い事じゃないけど。 ボクは管理職の人たちの話も聞いて回りましたが、お互いに「自分の体を、そして人生を大切にしろ。倒れる前に心療内科とか、病院に駆け込め」と言い合っているんですが、それでもお互いに誰が最初に倒れるのかを見定めている感じでした。これもまた地獄絵図です。 ボクはこの話を聞いて、トヨタグループのてっぺんのトヨタ自動車の責任の大きさを感じざるを得ませんでした。 半導体不足だって、いつかは解消されることは分かっていたはずです。 だから、下々の部品メーカーに部品を作らせて、その部品を買い取って、どこかの大きな倉庫でも借りて在庫を持っておけば良かったのに、と思います。 それが出来なかったから、そもそもの半導体不足の影響をここまで受けているんでしょうけど、半導体不足で何を学んだの?と思っちゃうんですよね。 自動車なんて一つの部品が不足しただけでも完成品を作れないんです。 だったら、部品の在庫を沢山持ちなさいよ。 1か月分の在庫を持っていれば、何かあったときに対策を取る時間を1か月間確保できるでしょうに。 トヨタ本体の利益を最大化するために、どれだけの下請けが泣いているのか、本当にこういう機会に学んでほしいですよ。 ということで、トヨタの下請けの部品メーカーの悲鳴が2月、3月は響き渡るかもしれません。 そんな叫び声のことを忘れないでください。
似非管理者の寂しい夜:半導体不足解消に向かうトヨタグループで何が起きているのか - livedoor Blog(ブログ)
52 notes · View notes
ayami04 · 2 months ago
Text
Tumblr media
ずっとしようって言ってたゲーム会。初めはジェシーと約束してたんだけど、前日に話してたれんくんにも声掛けたらいけるよってことで、そのあとなんと「赤ちゃん明日仕事?」「仕事だけどゆっくりだよ、ゴリラは?」っていう会話から佐野さんも夜更かしできるってことで叶いました。
遅いスタートになるかなーなんてやっぴーと言ってたけど意外と早く集まれた、佐野さん、目黒さん、中条。3人でケラケラしながらジェシー待って、ジェシー合流。みんなできゃーきゃーしてたら、なんとひかるくんも1時間だけ来てくれるってなって5人でゲーム!
ずっと前から、ひかるくんたちに佐野さんもお絵描きしたいって言ってたよって話してたからやっと叶ったメンツ。ゲームをしてる時は、なぜかたまに低い声が出ちゃって、やっぴーに「花形ちゃんとして!」とか怒られながら必死に取り組む中条でした。でも実は、あの時から私のスマホが不調で誰の名前も表示されなくて誰が正解して誰が間違ってるのか私だけわかってませんでした。(言えよ)
その後何故か私のマイクが突然ミュート解除してくれなくなるというハプニング。ひかるくんのタイムリミットで解散したんだけど、眠い!!とか言ってたのに寝ないけどね!って個別と、別グループにみんな寝るの!さみしい!とか言い出す赤ちゃん発生。
じゃあ話そうかーって電話繋ごうとしたけどやっぱりマイクが不調で半泣き中条。電源落として掛けてみたらちゃんと繋がって、「ねえー、もうやだあー!」って半泣きでやっぴーに話して、やっぴーに爆笑されました。
ちなみに、再起動したあとパラレルの設定確認したらマイク出てきました、なんなの?
その後は、れんくん起きてるってなって3人で繋いで一生喋ってたね。今まであったこととか、私とやっぴー、私とれんくんは話したことあっても2人は初めましての電話だから沢山喋ったよね。そんな中で、謎に佐野さんに説教されてる目黒さん。ちゃんと敬語で聞く目黒さん(笑)なんか気づいたら一緒に説教されてる中条。2人で気をつけようねとか言って、謎の時間生まれてました(笑)
そんなこんなで気付いたらなんと朝の5時を周ってて、寝よう寝ようとバタバタ電話切って、おやすみなさいしました。
1夜?空けて、今日やっぴーのツイートで見て気付いたんだけど、ひかるくんがいた時みんな1時間手上げっぱなしなの面白すぎる。やっぴーが、手上げたがリーズって書いてて吹き出しました、なにその絶妙にダサいグループ名(笑)
全員が全員、ふざけたり楽しいことが好きだから何かあると乗っかりまくり。めちゃくちゃ楽しい一夜を過ごせました、みんなありがとう!
Tumblr media
3人の通話もスクショしてたんだけど、5人の時のスクショも3人のも、全部やっぴーだけ喋ってるのジワる。
2 notes · View notes
emeraldecheveria · 2 months ago
Text
初雪の頃【1】
変わりたい
『お電話、ありがとうございます。『綾子』でございます』
 雑誌に掲載されている番号を入力しては、「やっぱダメ」なんてつぶやいて、部屋に拉致してきた子機電話を切る。さっきから、そんなのを三十分ぐらい続けている。  だって、やっぱり、どうしても怖い。本当にできるの? こんな、自分の部屋も自由に出られない私が。いや、でも、そんな自分を変えるためにやるんだ。変わりたい。この部屋から出たい。やるしかないんだ。  心に決めて、何度目か分からない電話番号を押す。一瞬の沈黙ののち、コールが響く。ああ、嫌だ。怖い。怖い。怖い。コールが途切れる。そして聞こえてきた声は、物柔らかくそう言った。
「あ……、」
 一瞬、喉を絞められているように、声が出なかった。でも、何とか、不自然な沈黙になる前に答えられ��。
「あ、あの、求人の広告を、見たんですけど」 『えっ。ああ、募集の』
 声は男の人で、何となく硬派な感触の声だ。
「まだ、受けつけてますか」 『大丈夫ですよ。ええと、お名前は』
 本名を言っていいのだろうか。でも、偽名を考えているヒマがない。
「佐々木ゆりです」 『佐々木ゆり……さん。お歳は』 「十八、です」 『こういったお仕事の経験は』 「ぜんぜんありません……」
 大丈夫でしょうか、と訊きたかったけど、その前に相手がしゃべりだしてしまった。
『面接はいつ頃がいいでしょうか』 「ええっと……、い、いつでも」 『じゃあ、明日とかは』 「あ、明日ですか」
 いきなりすぎる。無理だ。心臓が持たない。
「明日はちょっと……」 『じゃあ、来週になりますが』 「ら、来週でいいです」 『分かりました。何曜日���しますか』
 どうしよう。早いほうがいいみたいだ。
「じゃあ、月曜日で」 『分かりました。来週の月曜日、八時頃に来ていただけますか』 「は、八時ですか」
 さっきから、どもりすぎだ。というか、八時って何だ。
「夜の、八時ですか」 『はい。でないと、店が開いてないんで』
 そうなのか。てっきり、面接は昼に行なわれると思っていた。
「分かり……ました。八時、ですね」 『はい。では、お待ちしています』 「あっ、あのっ」 『はい?』 「持っていくものとかありますか」 『いや、別に……』 「履歴書とかも」 『いらないですよ。こっちで書いてもらうので』 「はあ。そうなんですか」 『ほかに何か』
 ほか。何だろう。真っ白で思いつかない。あ、そうだ。
「名前は」 『は?』 「あの、お名前を、一応」 『……ショウ、で通じると思います』 「ショウ……さん」 『ほかに』 「え、いえ、えっと、ないです」 『そうですか。じゃあ、お待ちしています』 「はい。あの、よろしくお願いします」 『こちらこそよろしくお願いします。では』
 相手が電話を切ってから、切る。求人誌のマニュアル通りに通話ボタンを押すと、赤く灯っていたランプが消えた。途端、ばくばくと鼓動があふれて、ため息と指先が震えはじめる。  これが私と彼の、初めての接触だった。
     ◆
 クーラーの効く窓を閉めた部屋の真ん中で、カミソリを肌にぐっと食いこませる。そのまま、ゆっくりカミソリを引いて、血を描がいていく。まるで果実が実るように、雫となってあふれてきた血は、すぐさま腕を伝い、ゴミ箱の中のティッシュにじわっと広がる。  私はそれを漠然と眺め、ただやっと深い呼吸をすると、手首からぽたぽたと音を立てて感情を吐き出していった。  初めて手首を切ったのは、十三歳のときだ。死のうと思った。学校も嫌、家も嫌、居場所がない、どこにもない──でも、そのときは、かすり傷だった。  十四歳になると、部屋を出なくなった。十五歳で通信制の高校に入学したけど、入学式の最中に錯乱して泣き出して、保健室で終わった。そして引きこもって、十六歳、十七歳、十八歳──  私の精神は完全に壊死し、あんなに切実だった “切る”��、いつのまにか当たり前の処理になっていた。  うまく言えないけど、切ると落ち着く。血を見ると落ち着く。自分の軆の中から何かが排出される。血と一緒にこのいらいらやもやもやが吐き出されていくように感じる。だから私は、いつしか、手首や腕を憎い相手に対するかのように切りつけるようになった。  たぶん、健康な人で言うと、私の“血”は“涙”なのだ。でも、涙なんて出てこない。涙なんて待っていられない。今すぐ吐かなきゃ、今すぐ処置しなきゃ、発狂してしまいそうで。  ひとしきり血を流した私は、傷口を適当に手当てすると、床に座りこんで母に買ってきてもらった求人誌をベッドに広げた。昨日、耐えがたい窒息をこらえて電話をかけた、ラウンジとやらの求人が載っている。
『明るくて気さくなママが待ってます!』
 クラブとか、バーとか、いわゆるナイトワークにはいろいろあるようで、それとラウンジがどう違うかなんて分からないけど、その一文で数ある求人からその店──『ラウンジ 綾子』にしようと決めた。  荒療治だけれど、元から興味もあったし、五月に十八歳にもなったし、そろそろ動かなくてはならなかった。外に出ることより、親の金で生きていることが嫌でたまらなかった。  母は好きだった。幼い頃から、いつも母と一緒だった。「母子家庭?」なんて言われるほど、ふたりで身を寄せあってきた。  私が嫌いなのは父だ。いや、嫌いじゃない。憎い。殺したいぐらい憎い。大好きな母を、ことあるごとに怒鳴りつけて傷つけるから。  私の父は、頭がおかしいのだと思う。私は母ほど献身的な妻を知らない。なのに、父は言う。お前はバカだ、役立たずだ、気がきかない無神経だ──  母は、小さな私を抱いて泣いていた。「ごめんね。ごめんね」と繰り返しながら。私はずっと、父親は母親を虐待する存在なのだと思っていた。だから、小学校に上がった頃、日曜日に友達の家に遊びにいって、おじさんが穏やかに迎えてくれたりしたとき、自分の家庭の腐臭に愕然とした。  ゆりがいなければ、おかあさんはおとうさんと“りこん”できる。  それを知ってから、私はいつ自分が捨てられるかと怯えるようになった。お正月やお盆に帰省して、帰り道に山道を走るときは眠れなかった。眠ったら、山に置いていかれるかもしれないと。  父はひとりでは何もできない。カップラーメンも作れないし、テレビの電源も入れられないし、仕事帰りに駅から歩いてくることもできない。いつもこまごまと母を呼んで命令する。そして、ちょっとでも思い通りにいかないと、雷の連射のように怒声をあげる。  たとえば、例によって空港から自分で帰れないので、母に車で迎えにくるように言った。理由は忘れたけど、私もついていった。渋滞で少し遅れた。父はそれに逆上し、「��んなに時間がかかるなんておかしい」とか言って、一度家まで戻ると、時間を計ってやるとまた空港に行くよう命じた。  母は泣きながら「ゆりは家で寝かせてやってください」と言った。父は許さなかった。ようやく帰宅すると、何とか父をなだめようと、私はミルクをグラスにそそいだ。父はそのグラスを壁にたたきつけた。ミルクが白い血のように──  私ははっとして手首を見た。即席包帯のティッシュがべっとりと赤に染まっていた。眉を顰めながらティッシュを変えて、求人誌に顔を伏せる。インクの臭いがする。  とにかく、私はそんな父が大嫌いだった。父とは現在、家庭内別居状態だ。あのひと言、親が子供に絶対に言ってはならないあのひと言を言われて。  誰の金で生きていると思ってる──  だから、私は働こうと思った。通信制の高校は在学中だったけど、どうせ入学式に行ったきりだ。学歴なんてどうでもいい。とにかく家を出たかった。この家さえ出れば、壊れた精神も癒される気がした。
Tumblr media
【前話へ/次話へ】
2 notes · View notes
kennak · 5 months ago
Quote
(注意: つらい内容が含まれます) ヨギタ・リマエ、BBCニュース 丘の上、木々の合間に、ミャンマー軍キャンプの廃墟がある。眼下に、特徴的なハートの形で地元で有名な、絵のように美しい湖が見える。足元には、地雷の薬筒や使用済みの弾丸が散乱している。兵舎があった場所では、散らばるトタン屋根の隙間から、黄色い花をつけた野草が顔を出している。キャンプの一角には、急いで掘られた塹壕(ざんごう)がある。 赤、白、青の横じまの中央にサイチョウという鳥が描かれた旗が、曇り空の下で風になびいている。ミャンマーの西部チン州で同国の軍事政権と戦う、民族武装組織「チン民族軍(CNA)」の旗だ。 CNAは7カ月前、地元の武装住民グループとともに、インドとの国境貿易の町リクホーダルにあるこのキャンプと、チン州の他の地域からミャンマー軍を追い出した。チン州の武装勢力は、2021年のクーデターでミャンマーのぜい弱な民主主義を粉砕した軍事独裁政権と戦ってきた。その彼らにとって、前例のない成果だった。 国軍がこの地域で支配権を失ったのは初めてだ。BBCは今回、同国西部で反政権勢力の躍進を目にするという、めったにない機会を得た。 リクホーダルでの勝利は、決して簡単ではなかった。武装勢力は1年以上にわたり、何度も攻勢をかけた。一部の家族は、耐え難い犠牲を払った。 画像説明,武装抵抗運動に加わったラルヌンプイさん ラルヌンプイさんはダンスが大好きな17歳だった。彼女のソーシャルメディアのアカウントは、人気映像のダンスをまねる彼女の動画でいっぱいだった。 「彼女はいつも自信たっぷりに踊っていた。でも、着飾ることには興味がなかった。兵士に憧れ、国のために命を捧げた兵士についての歌を一日中聴いていた。勇敢で強く、怖いもの知らずだった」。ラルヌンプイさんの母ラルサントルアンギさんは、そう話す。 クーデターが起こると、ラルヌンプイさんは両親を説得し、家族が暮らすハイムアル村で武装住民運動に加わった。その理由を、学校で手書きした英作文の中で、次のように説明していた。 「ミャンマーはいま、壊れている。(中略)ビルマ兵は私にとって敵だ。情けがないからだ。(中略)私の将来は国民防衛隊にあって、私はそれが好きだ」 2022年8月、彼女の村の武装住民らは他のグループとともに、リクホーダルの軍キャンプに攻撃を仕掛けた。 「私たちは13日間連続で、相手側にドローン(無人機)の雨を降らせた。爆弾のほとんどは私が作った。私が部隊で一番の溶接工だったので」と、ラルヌンプイさんの父ラルジディンガさんは言う。彼はクーデター前はトラック運転手だったが、ハイムアルで何人かと国民防衛隊を組織するようになった。 この時の攻撃では、軍キャンプを奪うことはできなかった。双方に犠牲者が出た。 ミャンマーの地図 2022年8月14日、ミャンマー軍は報復攻撃としてハイムアル村を急襲した。住民の話では、民家十数軒に火が放たれた。私たち取材班は、そのような家屋の残骸をたくさん目にした。ミャンマー軍は、北部と西部で抵抗勢力を抑え込むため、何万軒もの民家を焼き払ったと非難されている。 この報復攻撃で、17人が軍に人質に取られた。ラルヌンプイさんと、弟のラルルアトマウィアさん(15)も含まれていた。その後、この2人を除いて全員が解放された。2人の父親に軍が仕返しをしたのだと、家族は考えている。 2日後、ハイムアルの外れにある森の浅い墓の中に2人の遺体があるのを、村人たちが発見した。 どちらも残忍な拷問を受け、銃床で殴り殺されていた。ラルヌンプイさんはレイプされていた。弟の胸、腕、性��には熱湯によるやけどの跡があった。BBCは、遺体の詳細な写真と検死報告書を確認している。 BBCはこの件でミャンマー軍に質問を送っているが、まだ回答はない。 ラルヌンプイさんの弟ラルルアトマウィアさんはまだ15歳だった 「子どもたちに何が起こったのか、考える勇気がない」。父ラルジディンガさんはしばらく黙った後、言葉を探すように言った。「子どもたちは殉死者だ。私よりずっと立派だった」。 少しの間を置いて、彼は続けた。子どもたちのことを愛情をこめて語る、誇らしい父親の姿だった。「息子は私より5センチ背が高くなっていた。話し好きで、家の手伝いを何でもいやがらずにやった」、「2人は切っても切れない仲だった。人が集まっているところに娘が行けば、みんな楽しく笑顔になった」。 母ラルサントルアンギさんは、涙を拭いながら末娘のハダシちゃん(4)を抱きしめ、こう話した。 「夫には、子どもたちの死で落ち込まないように言っている。これは私たちだけの問題ではない。将来の世代も自由は必要だ。何の権利もなく、軍の言いなりになるような、そんな状態で暮らすのは正しくない。命をかける価値がある戦いだ。私は自分の子どもたちを誇りに思っている」 私たちはミャンマー滞在中、戦闘服に身を包んだ人たちに会った。半自動小銃などの銃器を携えている人もいた。ただ、職業軍人ではない。野蛮な紛争に直面し、見事なまでに意を決している農民、学生、一般住民たちだ。 国民防衛隊のヴァラ司令官は、ハイムアルの眼下に広がる緑豊かな谷を指さしながら、ミャンマー軍はこの全域から撤退し、最も近い基地でも直線距離で50キロ以上離れていると笑顔で説明した。現地の墓地では、ピンクと白の造花で覆われた新しい墓へと私たちを案内した。 「軍事政権と戦って死んだ人たちのものだ」と、ヴァラ司令官は義理のきょうだいの墓のそばに倒れている花束を戻しながら言った。私たちは、ラルヌンプイさんとラルルアトマウィアさんの墓も見つけた。 私たちが会った住民らのほとんどは、ハイムアルの南にあるチン民族軍のヴィクトリア基地で訓練を受けていた。私たちは、緑深い森と山間部を通る、曲がりくねったでこぼこ道を進み、同基地を訪ねた。 そこでは、制服を着た何百人もの若者が新兵となって、広々とした平原を行進していた。 行進が終わると若者たちは、「私たちの祖国、愛する土地、私たちは血と命をかけてそれを守る」と歌う。 そして、武器の訓練へと続く。銃声が響く。 全員18歳以上だと説明されたが、もっと若く見える人も多い。2011年のミャンマーの民政移管で、大勢が自由を味わった。それだけに、もはや軍事政権は受け入れられないと考える10代の若者たちが、それぞれの夢を捨てて、抵抗運動に加わったのだ。 サン・ダール・リンさん(19)は教師を目指していた。 「クーデター後の最初の1年は、それほど悪くなかった。けれども、やがて軍が私たちの村を砲撃し始めた。私たちの家は壊されて、村に入って来た兵士は家を燃やし、人や動物まで殺した。私たちはジャングルに逃げた。かなりの人数がいたので、ジャングルがそのまま村になった」 「おじは無残に射殺された。私は軍が大嫌い。自分の国と国民を守るため、CNAに加わった」 私たちは行く先々で、ミャンマーの若者たちが革命の波に巻き込まれているのを目にした。 ビルマ国家のために働いていた何千人もの人たちもまた、支持する対象を変えた。 ヴァンラルペクタラさん(22)はかつて警官だった。 母親のモリー・キアンさんは、息子が警察で訓練を受けていたころの古い写真を3枚差し出すと、「彼はそこそこの月給をもらっていた。私たちは幸せで満足していた。そうしたらクーデターで政府が倒され、彼は抵抗運動に参加することを決めた」と説明した。 モリーさん自身は青春時代を軍事政権下で過ごした。「当時は楽しい日なんて1日もなかった。軍がとても怖かった。だから私は息子の決断を支持した」。 息子ヴァンラルペクタラさんは2022年3月に抵抗運動に参加。その6日後に殺害された。 モリーさんは胸と首を指さしながら、「息子はこことここを刺された」と言った。「残忍に襲われた。片足は切り落とされていた」。さらに話を続けようとしたが泣き崩れた。「この話をするのはつらい」。 ヴァンラルペクタラさんが死んだ時、彼の妻は妊娠していた。もうすぐ1歳半になる男の子は現在、遠く離れた難民キャンプで暮らしている。 軍が村から追い出されたときの気持ちを尋ねると、モリーさんは拳を突き上げた。「とてもうれしい。でも完全な勝利が見たい」。 彼女の次男も国民防衛隊の一員となっている。 国軍に比べれば弱い複数の反政権勢力が、この紛争の流れを変え、はるかに強力で装備の整ったミャンマー軍を守勢に立たせた。それができたのは、一般国民の幅広い支持があるからだ。 「最初は軍が勝っているように見えた。しかし、戦争であれ政治であれ、国民の支持がなければ誰も勝てない。軍は武器では優位かもしれないが、民衆を味方につけられていない」。チン州の反政権グループが設立した並行政権の「首相」に指名されている政治家、パ・サンさんはこう話す。彼はアウンサンスーチーさんが率いる国民民主連盟(NLD)のメンバーでもある。 並行政権は、チン州全域の80%近くを掌握していると主張する。しかしミャンマー軍は、州都を含め戦略的に重要な町のほとんどを今も支配している。 それでも、反政権勢力には勢いがある。今週初めにはトンザンという町を奪った。 チン民族軍のフテト・ニー広報官画像提供,AAKRITI THAPAR/BBC 画像説明,チン民族軍のフテト・ニー広報官 「ここは私たちの土地だ。ビルマ軍の土地ではない��私たちは勝利を収めつつある。この土地の隅々までよく知っているからだ」。チン民族軍のフテト・ニー広報官はそう言う。 民族軍側が戦果を挙げている理由は、ほかにもある。国内各地の反政権勢力が協調し、軍が力の入れどころを選ばなくてはならない状況を作っているのだ。チン民族軍によると、自分たちはカチン独立軍やカレン民族解放軍、カレンニー軍と協力関係にあるという。 反政権勢力が直面する最大の課題は、グループ同士の内紛だ。チン州だけでも数多くの派閥が活動しており、その多くは従来から敵対している。 前出の政治家パ・サンさんは、結束を維持するのは可能だと主張。クーデター後に軍によって投獄されたアウンサンスーチーさんが率いる、選挙で選ばれた文民政府を代表する国民統一政府(NUG)の下で活動することに向けて、将来的な計画があると話す。 「私たちは鋭意、法律と憲法を作成している。NUGの一員として、チン州から大臣2人と副大臣1人を出す予定だ。ミャンマー軍が敗北を認めるときに向けて、あらゆる準備をしている」 私たちが会った人たちには、明らかな共通点があった。自分たちは勝てると、全員信じているのだ。 「もう、それほど長くはかからない」とパ・サンさんは言う。「こういう予測をするのは良くないが、私たちがあと2〜3年以上戦うような、そんなことにはならない。そう信じている」。 (追加取材:アアクリティ・サパル、サンジェイ・ガングリー) (英語記事 The devastating cost of fighting Myanmar's military dictatorship)
【ルポ】 ミャンマー軍事独裁政権と戦う人たち その途方もない犠牲 - BBCニュース
3 notes · View notes
rosysnow · 3 months ago
Text
祈りが届く夜
純粋にお祭りを楽しみ、幸せを願う人の中で
Tumblr media
 残暑の夜、この町では無数に心願成就の赤い提燈を灯し、にぎやかなお祭りが行なわれる。  子供の頃からこの町に住む私は、いつもこの日は浴衣を着てお祭りをまわる。昔は両親と、そのうち友人と、今は彼氏と。  遠方からの人も混じるお祭りはかなり混雑するので、はぐれないように必死になる。駅前から神社までの道にも警備員が入るほど、今夜の町はざわめいていた。  隣町の高校で知り合った、初めての彼氏である智行は、私と駅で合流して、「浴衣エロいな」とか言って私をむすっとさせる。笑って「かわいいよ」と言い直したシャツとジーンズの智行を私は見上げて、「智行は甚平着ないの?」と首をかたむけた。
「持ってないし」 「来年着てよ」 「それは、来年も別れてないということでいいんですかね」 「え……わ、別れてると思うの?」
 私が不安をあらわにして智行の服をつかむと、智行は笑って、「俺が振られてなきゃ続いてるだろ」とアップにかんざしをさした頭を、丁重にぽんぽんしてくれる。私は智行を見て、その手を取るときゅっとつかんだ。
「智行とはずっと一緒にいたい」 「じゃ、大丈夫だろ。告ったのは俺だぞ」 「でも、私も二年になって同じクラスになってから、智行がずっと好きだったし。落とせそうだったから、告白し──」
 智行がつないだ手に力をこめたから、立ち止まった。その隙に、唇にキスをされた。  びっくりしてまばたくと、「千波はその卑屈なとこを直しなさい」と言われた。私は智行の瞳を見つめて、何とも返せずに素直にうなずく。 「よし」と智行は私の手を引いて再び歩き出した。
「智行」 「んー」 「私、小学生のときに、このお祭りで両親とはぐれたことがあるの」 「マジか。大丈夫だったのか」 「知らないおにいさんとお祭りまわった」 「は⁉ 何だよそれ、警察沙汰?」 「ううん。普通におとうさんとおかあさんに保護されたけど、家でめちゃくちゃしかられた」 「おにいさんをしかれよ」 「悪かったのは、ついていった私だからって。何か、その頃から、悪いことが起きたら原因は私じゃないかって思うくせがあるの」
 智行は私を見下ろして、「千波はいい子だよ」と言った。私はこくんとして、智行の肩にもたれた。夜風は涼しいけど、伝わりあう体温はまだ熱い。  前方に目をやると、あふれそうに提燈がつるされた上り階段があって、その先にもたくさん赤提燈が並んでいる。「すげえ」と智行は子供みたいな笑顔を向けてきて、でも駆け出す前に私に引っ張られて足を止める。
「ちゃんとここで神様に挨拶したら、お願いが叶うんだよ」
 神社への階段、提燈の光が届かない入口のかたわらに、子供の図工の作品のような案山子が静かに何人か立っている。この案山子には、ライトアップも何もなく、たいていの人は見向きもせずに階段をのぼって、喧騒に混じっていく。
「これ、神様なのか?」 「そう。ほんとに叶うから」 「ふうん。じゃあ、千波と結婚できますように!」 「ここでそれを、大きな声で言わなくてもいいんだけど」 「もう言っちゃってから言うなよ」 「普通に、『今日はお邪魔します』って挨拶するの」
 私はそう言って、その案山子を見つめた。  そう、このお祭りに来たら、この神様に「お邪魔します」と挨拶して。帰るときは、「ありがとうございました」とお辞儀する。そうして、きちんと神社で託した願いを預けると、神様はそれを叶えてくれる。  あの人もそうだった。あの人が私に教えてくれた。  私は七歳で、小学校に上がって一年も経っていなかった。右手にいちごのかき��、左手に大きな綿飴、両手がふさがって「はぐれちゃダメだよ」と両親に何度もお祭りの人混みの中で言われていたのに、ちょっと立ち止まって顔を埋めるように綿飴を食べた隙に、おとうさんとおかあさんの背中を見失ってしまった。  焦ってきょろきょろして、駆け出そうとしたけど、慣れない浴衣と下駄でつまずきそうになった。「わっ」と声を上げて地面に崩れかけて、誰かが肩をつかんでそれを止めてくれた。  私は慌てて振り返り、そこにいた高校生ぐらいのおにいさんに、急いで頭を下げた。
「あ、えと、すみません。ありがとう」
 たどたどしい口調で言うと、おにいさんはたくさんの赤提燈の明かりの中で微笑んで、首を横に振った。
「おとうさんとおかあさんは?」 「あっ、い、いなくなっちゃって。探してて」 「はぐれたの?」
 私はうなずいて、転びかけてこぼれそうになっていたかき氷を少し食べる。
「ひとりで探せる?」
 私は暖色に彩られたあたりを見まわして、首を横に振った。振ってから、どうしよう、と瞳が滲んできた。このまま、おとうさんとおかあさんが見つからなくてひとりになってしまったら。  おにいさんは腰をかがめて、私の手から綿飴を取ると代わりに手をつないだ。
「一緒に探してあげるよ。ひとりだと危ないからね」 「いいの?」 「うん。おとうさんとおかあさん、どっちに行ったかは分かる?」 「たぶん、まっすぐ」 「境内のほうかな。足元、気をつけて」
 私はうなずいて、おにいさんの手をつかみ、たまに甘いかき氷を食べながら、人混みの中を歩きはじめた。  赤い光が高く、永遠のようにいくつもいくつも並び、それで楽しげな夜店が浮かび上がっている。金魚すくいや水風船、おいしそうな匂いがあふれてくるベビーカステラや、宝石のようないちご飴やりんご飴。笑い声や叫び声がはじけて、みんなはしゃいで、お祭りを楽しんでいる。
「今日は、何か願い事はあるの?」
 ふとおにいさんが問いかけてきて、「え」と私は顔を仰がせて、まばたきをする。
「お願い」 「このお祭りは、神様に願い事を伝えるお祭りなんだよ。たくさん、提燈あるでしょ」 「うん」 「そのひとつひとつに、願いが込められてるんだ」 「そうなんだ。知らなかった」 「ふふ。神様も大変だよね。こんなにお願いされて」
 おにいさんは、まばゆく灯っている提燈を見やった。その横顔がどこか哀しそうに見えて、私は口を開いた。
「おにいさんは?」 「え、僕?」 「おにいさんも、お願いがあるから来たの?」 「ああ、……うん。そうだね」 「どんなお願い?」 「うーん……いろいろあるけど、子供が欲しいかなあ」 「赤ちゃん? 結婚してるの?」
 おにいさんは微笑んでそれ以上言わず、「ひと口もらっていい?」と綿飴をしめした。私がうなずくと、おにいさんは綿飴を食べる。「甘い」とおにいさんは咲ってから、不意にうつむいた。
「僕のお願いは、醜いのかもしれない」 「えっ」 「こんなに提燈があって、それだけ人の願い事があって。綺麗なお願いもあるよね。でも、醜い願いもあると思うんだ」 「……みにくい」 「純粋にお祭りを楽しんで、幸せを願ってる人たちの中で、僕はたぶんすごく汚い」 「おにいさん、優しいよ? 一緒に、私のおとうさんとおかあさん探してくれてるよ」
 私がそう言って、つないだ手を引っ張ると、おにいさんは泣きそうな顔をして、それでもうなずいた。私は考えて、「かき氷も食べていいよ」とさしだした。「ありがとう」とおにいさんは涙が混じった声で言って、懸命に私に微笑した。  騒がしい混雑の中で、おとうさんとおかあさんはなかなか見つからなかった。私がつまらない想いをしないよう、おにいさんは少しお金を出してくれて、食べ物を買ってくれたり遊びに混じらせたりしてくれた。  私が下駄の鼻緒がちょっと痛いのを言うと、おにいさんは腕時計を見て、「僕も帰る時間だし、出口で座って待ってたほうがいいかな」とにぎやかな露店の通りを抜け、ゴミを捨てて階段を降りていった。  提燈が途切れた暗がりで、来るときには両親とはしゃいでいて気づかなかった案山子が、階段のかたわらに立っているのに気づいた。暗闇の中で不気味に見えて、おにいさんの手をぎゅっとつかむと、「この案山子には、神様が宿ってるんだよ」とおにいさんは私の頭を安んじてくれた。
「かみさま」 「このお祭りに来たときには、この案山子に『お邪魔します』って挨拶するんだ。そして、帰るときは『楽しかったです、ありがとうございました』ってお礼を言う。そしたら、願い事を叶えてもらえるんだ」 「私、来るとき挨拶しなかった」 「ふふ、来年からね」
 おにいさんが咲ったときだった。みんなお祭りに吸いこまれて、今は人がまばらの道の中から、「橋元っ」と声を上げながらこちらに駆け寄ってくる人がいた。おにいさんははっと振り返って、「湯原」とつぶやいた。  おにいさんが私の手を離したのと同時に、その人がおにいさんにぶつかってそのまま抱きしめた。
「ごめん、家抜け出せなくて」 「ううん。来ないかと思ったけど」 「二十一時には帰るって言ってたから、焦って来た」 「そっか。来てくれて嬉しい」 「もう、一緒に見てまわれないよな」 「そう、だね。……いや、湯原が来てくれたなら」 「無理すんなって。また来年──」 「湯原と一緒に、願掛けたいから。来年にはもうこんな町出てて、一緒に暮らしてて、家族になるって」 「……橋元」 「ほんとに……ごめん。僕が、女じゃなくてごめん。もし湯原の子供とか作ってあげられるなら、こんな──」 「バカ。いいんだ、そんなもう気にしないって決めただろ」
 私は、ふたりのおにいさんが抱きしめあうのを見つめた。  そのとき、「千波っ」と呼ばれてはたと階段をかえりみた。おかあさんが階段を駆け降りてきていた。おにいさんたちも私を見て、私は一緒にお祭りを見てくれたおにいさんに何か言おうとした。でも、すぐさまおかあさんに乱暴に手首をつかまれ、引きずるように階段をのぼる。  私は、なおもおにいさんを見た。好きな人の腕の中から、おにいさんも私を見上げてきた。  子供が欲しい。女じゃなくてごめん。子供を作ってあげられるなら。  ああ、と思った。だから、おにいさんは自分の願いを「醜い」なんて言ったのか。  でも、私はそう思わないよ。せめてそう言いたかった。おにいさんがその人を好きなのは、すごく分かったから。そして、好きな人と子供を持ちたいというのは、ぜんぜん普通で、とても綺麗な願い事だよ。
「ほんとに、あんたは何してるのっ」
 階段をのぼって、また赤提燈がふわふわ浮かぶ中に戻されると、おかあさんは軽く私の頬をはたいた。
「よりによって、あんな気持ち悪いうわさのある子たちといるなんて」
 その言い草に私は驚いて、おかあさんを見上げたけど、提燈の逆光でその顔は見えなかった。
「ほんとに嫌、うわさ通りなのね。男の子同士で抱きあってたわ」 「まったく……千波、何でおとうさんから離れたんだ。はぐれるなって言っただろう」 「もう何も買ってあげませんからね。おとうさんの手をちゃんとつかんでなさい」 「千波、その男に何もされてないよな?」 「う、うん──」
 すごく優しかったよ、と続けたかったのに、それは聞かずにおとうさんは息をつく。やっぱり、提燈の逆光で顔は見えない。
「ああいう輩には、いい加減この町を出ていってほしいな。気分が悪い」 「ほんとだわ。見かけるだけで嫌になるわね」
 何で。何で何で何で。  おにいさん、優しかったのに。私のこと、心配してくれたのに。あの男の人が、大好きなだけなのに。  どうして、おとうさんもおかあさんもひどいことを言うの? うわさってことは、みんなおとうさんたちみたいに、おにいさんたちをひどく言ってるの? あのふたりは、ただの恋人同士なんじゃないの? 一緒にいたいだけなのに、そんなふうに悪く言われているの?  次の春、おにいさんと男の人は、一緒に高校を卒業して一緒に町を出ていった。ふたりはお盆もお正月も里帰りなんてしなかったけど、私が中学生になった夏、一度帰ってきたとうわさになった。  孤児の子を養子として迎えた報告だったそうだ。でもふたりの家族は誰もそれを喜ばないどころか、受け入れることもしなかったらしい。ふたりとその子は、町に泊まることなく、平穏に暮らせているのだろう場所へ帰っていった。  ……よかった。子供持てたんだね、おにいさん。お願い、叶ったんだね。  それを言いたかったけど、結局伝えられなかった。
「──おっ、射的だぜ。やろうぜ、射的」 「いや、小学生しかやってないよ?」 「景品的には、さっき通った輪投げやりたいんだよ。まだこらえてるんだよ」 「輪投げ……」 「何か欲しい景品あるか? 狙ってやるぞ」
 智行は財布から出した三百円をおじさんに渡し���、代わりに射的銃を受け取っている。  本当に、小学生の男の子しかいないのだけど。その保護者の人に、何だか智行は生温かく見られているのだけど。  恥ずかしい、と思いつつも、私は並ぶ景品を覗きこむ。一応見渡してから、私は智行に耳打ちした。
「智行」 「おう」 「私も、結婚がいいな」 「えっ」 「今夜、ここでのお願い」
 智行は私を見た。私は照れながら咲った。「よし」と智行も笑顔になる。
「じゃあ、あの指輪でも撃ち落とすか」
 私たちは思わず咲いあって、「もっと上か」とか「少し右」とか一緒に照準を狙い、それが小学生より真剣なので、店番のおじさんにちょっと苦笑される。 「もっとこう持ったほうがいいよ」と小学生たちにアドバイスまでされはじめて、智行はそれで銃を持ち直したりして、授業中よりまじめなその顔に私は微笑んでしまう。  境内まで続く提燈が、暖かい光を灯して無数に並んでいる。その提燈のひとつひとつに、願いが込められている。  それはどこまでも綺麗な祈りしかないようで。  あまりにも貪るように願って醜い気もして。  幻想的に揺れるあの赤い光は、どんな願いを聞き届けているのだろう。  家族になりたい。階段の下の陰にたたずむ神様は、おにいさんのあの願いを叶えてくれた。そして今夜も、明るくにぎやかなお祭りから聴こえてくる願い事に静かに耳を澄ましている。だから私も、このお祭りで神様に祈りたい。  この人と、いつまでも一緒にいられますように。  それが私の祈り。両親に縛られ、自分の気持ちを言えない私が、初めて強く持った望み。  どうか届いて、私にその光のような未来を。好きな人と家族になれる幸せを。  提燈の光が、瞳の中に煌々と降りしきる。昔から変わらない��の優しい明かりの下にいると、願い事は確かに神様に届いた気がした。
 FIN
4 notes · View notes
jaguarmen99 · 6 months ago
Text
864 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:24/06/01(土) 20:51:24 ID:t1oF 小さい時分から癇癪持ちだった3人目の子 思春期に入っていよいよ手に負えなくなって疲れ切ってた 何か言われて返事をすると気に入らずに叫ん��暴れ、黙っていると聞いているのかと怒鳴って暴れる 常にクソババアと呼ばれて子供が床に置いたものを数cm移動しただけで罵詈雑言を浴びせられる 壁は怒りに任せて殴った跡で穴だらけ そんな生活を送っていてその日も怒鳴られていて 怒号が言葉に聞こえなくてピーって機械音みたいなものに聞こえてた 限界を感じてたけどソファに座ってると癇癪が酷くなるから対面式キッチンのシンクの縁にしがみつくようにして立ってたら 急に「もう死にたいんじゃ!ババアも死ね!全員死ね!くたばれ!しねしねしね!」という叫び声が言葉として認識できた じゃあ早く死ねよしつこいんだよ毎日、ぽつりと言ってしまった 激昂した息子に刺されても殴られてもどうだっていいやという感情だった 息をつまらせるように黙った息子に「うるさいんだよ、おまえ、毎日」とだけ言って顔も見ず寝室に行って眠ってしまった 昼頃のことだったけど起きたら夕方で真っ暗だった 夕飯の準備ができてない事を思い出すのと同時に息子とのやりとりも思い出して 部屋めちゃくちゃになってるんだろうな…と憂鬱になりながらリビングに行くと綺麗なままだった 息子の部屋に行ったら鍵がかかってなくて中を見るとぶら下がってた 息子の手を握ると氷に触ったみたいにジンと痺れるように冷たくて だめだって思ったのを最後にそこからはあまり記憶がなくて気付いたら上の娘2人と夫が 学校や警察の対応もお葬式も手続きも家事もなにもかも全てのことをしてくれてた 完全に正気に戻ったのは10日くらい経ってからで家族も周囲もかなり心配してくれて 優しい言葉をたくさんかけてもらったけどその優しさが必要ないくらい 心静かで息子がいなくなったときからずっと安心して暮らしてる 世間の普通のお母さんは当たり前にこなしてるのだろうに、私は精神的に不安定な思春期の子供を支えてあげられなかった でも神様に時間を戻してやるからもう一度やりなおせと言われてもあんな辛い日々には戻りたくない 本当に疲れ果てた お母さんはよく頑張ったよと言ってくれる家族に、あの子を死に追いやったのは私だと言わなくてはいけないけど もうそんな地獄に立つ元気も怒鳴り声や暴力のない穏やかな日々を手放す勇気もない そんなふうに思ってる酷い母親のくせに、都合よく身勝手なことに 幼稚園で母の日におりがみで花を作ってはにかみながらプレゼントしてくれた時の事や まだ赤ちゃんだった頃のミルクを飲んで安心した顔で眠る息子を抱っこしてあやす夢をよく見る 起きたら泣いてる時もある でも息子がいなくなった安心感もある 長文すみません 書き捨てです
3 notes · View notes
oka-akina · 1 year ago
Text
1130-1205
1130 うちはトイレと物置が隣にあって同じドアが並んでいて、物置に何か取りに行ったつもりが隣のトイレのドアを開けていて、あれおしっこしたかったっけ…とか思いながら用を足している。物置に何か用事があったのを忘れてしまう。こういうことはスマートフォンの上でもよくあって、メールをチェックするつもりがツイッターを開いている。 なんか電車が空いていた。べつに理由はないんだろうけどなんでだろうと思ってしまう。理由を探してしまう。窓の外の荒川が濃い色をしていて冬だなーと思う。そしてその窓に、明らかにデマというかインチキ医療の本の広告が貼ってあり、こういう本が堂々と出版されているのにどうしてわたしの小説は同人誌なんだろうなーとか思う。やつあたりみたいに思う。
ずいぶん前に買ったエッセイの本を読んでいる。とても自由であたたかい家庭の話だと思うのに読んでいるとどんどん心がささくれだっていく。夫婦でやっているお店の話で、お店の仕事は女の人がメイン。本の語り手の男の人はサポートと広報をやっていて、その流れで本を出したようす。 なんかこうなんかこう、あなたの話はいいからこの女の人の話がききたいよとか思ってしまう。この女の人がどのように考えて店をやっているのか、あなたの口からじゃなくてこの女の人の言葉でききたい。声をききたい。いやそんなのは役割分担だとは思うのに、まったく何も取り繕わない自分の気持ちとしては、こいつなんかいけすかねえな〜!と思ってしまう。仕事の役割が夫婦で逆だったら、サポートしている女の人に本を書きませんかって話はきたかな〜とか訝ってしまう。そうしてあるいは、これが女の人同士のカップルだったら、わたしはこんなふうに思うんだろうか。 じゃあつまり自分にはひどいミサンドリーがあるんだよな…。この本に限らず日常の中のほんとにいろんな瞬間で自分のミサンドリーにぶちあたり、しょんぼりする。ハッとしたときはもう遅くて、本当になにかこう、ごく自然に、嫌悪の感情がある。 自分にべったりしみついた差別心や偏見はもうどうにもならないんじゃないかと怖くなる。わたしは自分の性格をなんて意地悪なんだろうと思っているけど、意地悪どころでは済まないひどいものが自分のすみずみまでがっつりしみついていて、このような土をいくら耕したってここから生えるものはみんなだめなんじゃないか。わたしのやっていることは本当にぜんぜんだめなんじゃないか。ときどき絶望的な気持ちになる。
夕方、通販と書店さんへの荷物を送った。思ったより手間取ったし部屋もとっ散らかった。そんなにたくさん送ったわけではないんだけどたぶん要領が悪い。本の梱包とか荷造りとかがとても苦手で、何年やってんだって感じだけど本当に慣れない。引き続き腹も痛いし尻も痛い。夕飯は豚肉とチンゲンサイとえのきと春雨を炒め煮したやつとかつおのたたきと厚揚げ。
1201 今日も通販の荷物を送る。このところほとんど毎日やってるのにぜんぜん梱包うまくならないのどうなってんだ。ガムテープをまっすぐ貼るのがへたくそすぎるし本を袋詰めするのもなんかきれいにならない。手のしびれ、震えのこともあるとは思うけど、送る荷物が格好悪くてまいどほんとに恥ずかしい。お手に取ってくださった方は薄目で見てほしい…。
書店さん宛に送った荷物が届きはじめているようで、犬と街灯さん(表紙を描いてくださった谷脇栗太さんのお店)がさっそくネットショップに追加してくださっていた。ツイートを見て、ほんとにある!と驚いた。驚くって言い方はなんか変なんだけど、遠くのお店にほんとにあるんだな…と感慨深くなる。本屋lighthouseさんからも本が届いたよと連絡がきていて、ほんとに置いてもらえるんだな〜とドキドキした。書店委託はまったくの初めてではないんだけどなんかこうどうしたんだろう。 「顔たち、犬たち」関連はずっと気持ちが張り詰めている。新しい小説の本を出すときはいつもtumblrにステイトメントみたいな記事を書くんだけどそれも書けていない。言いたいことや話したいことがいっぱいあって、どっからどうしたらいいのか、やりたいことが目詰まりしている…。��うしてそんなに激重感情でやってるのに小説自体はほんとにしょ〜もない話で、よわよわおちんぽの〆切直前もそうだったけど、悲壮感を出すような作品ではないのでなんかチグハグしている。
でもこの「しょうもない話」はちょっといい傾向かなとも思っている。執筆の佳境とか書き終わる直前ってなんかこう気持ちが盛り上がってしまって、作品を「大層な話」にしたくなってしまいがちというか…。なんていうの、谷川俊太郎の「魂のいちばんおいしいところ」みたいに書きたいみたいな、高望みした欲がある。
私たちの上に広がる青空にひそむ あのあてどないものに逆らって そうしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた
長めの話に時間をかけて取り組むと自分の中のそういう…純っぽいもの…?を差し出したくなってしまうというか、自分の芯を取り出したものでありたいみたいな、そういう欲がわいてしまう。やけに体重をのせてしまう。 で、最近それを回避したくて、けっこう意識的に「しょうもない話」をやっているふしがある。単純に作品がくどくなるのを避けたいのもあるし、なんかこう自分の差別心や意地悪ってそういうとこからきてるんじゃないかみたいなことも思って。これはまとまってないのでもうちょっと考える。
夕飯はおでん。夜中、ふと思い立って虐殺反対のステッカーを作った。ネットプリントにした。
12/2 ゴルフの練習に行って洗濯をして掃除機をかけた。お昼はきのうのおでんの残りとチャーカラ(チャーハン唐揚げ弁当のこと)。きのうのステッカーをプリントアウトしてみたらいい感じだった。ロボット掃除機が壊れたかもしれない件はやっと言えた。まるでいま壊れたかも?みたいな感じで言った。えもからもらった柿をジャムにした。柿プリンも作ってみたけどあんまり固まらなかった。やけに疲れてしまって2時間くらい昼寝した。寒いので夕飯は鍋。アド街を見ながら食べた。
夜中、通販などの荷造り。本を袋に入れて送るだけのことがどうしてわたしはこんなにへたくそなんだ…と散らかった部屋で途方に暮れた。毎日同じことを思っている。
12/3 プリパラプリチャンプリマジのライブ。毎年恒例の幕張メッセでのライブで、前回の幕張がついこのあいだのように感じる。一年が早すぎる。きのうの残りの鍋を食べて車で出かけた。幕張メッセの駐車場は一日千円なので、二人分の電車代やコーヒー代を考えたらこっちの方が安い。昼公演と夜公演の間の待ち時間を過ごせる場所があるのも気楽だし。スタンレーの水筒にお茶を入れて持って行った。夜になっても湯気が立った。
今年は演出がとてもよかった。とくにプリマジの各キャラクターのソロ曲、ほかのキャラクターがうしろで盛り上げてるの最高最高最高だった。庄司宇芽香さんの演じるあまね様が本当に素晴らしくてたくさん手を振った。声出しOKライブでよかった。今日の公演のためだけに髪の毛真っ赤にしてくれたのかと思うと胸がいっぱいになる。夜公演はアリーナの花道そばだったので、一回だけ目があって本当に泣いちゃうかと思った。 プリマジは9月のリーディングイベントのときも思ったけど、女性が女性にキャーキャーいうのがどまんなかにきているので本当に居心地がいい。なんていうのかな、「本来は女児向けのアニメにいわゆる大きなお友だちのオタク男性が大挙して…」みたいな感じでもないんだよな。男オタが女の子(女の子のキャラクターだったりそれを演じる若い女性の演者だったり)を愛でてやるぜ的な感じがあんまなくて、みんながキャーキャーいいながら女の人たちの格好よさ、かわいさ、楽曲のよさを喜んでいる。本当にすごい。長いシリーズを通して作品が変化しているのもあるし、観客を育ててきた感があるなーと思う。演者も客も年齢を重ねたのもあるかも。 そしてプリティーシリーズ通してだけど、ファンにセクマイが多いのをなんとなく認知してくれているように思う。もちろん演者によって濃淡はあるのでたまーに発言にハラハラすることはあるんだけど、あなたのための席がありますと言い続けてくれているシリーズだと思う。リングマリィの「コトバブーケ」は「おとぎ話の通りじゃなくても私はヒロイン」「おとぎ話の通りじゃない方が自分らしい」と始まる曲で、まっすぐ女性同士のウエディングを描いていてすごくうれしい…。それを冷やかすような反応や百合!みたいな茶化した感じの反応が今回はあんまなかった気がして(あることはあるんだけど前より減った感じで)よかった。
そして大好きな大好きな厚木那奈美さんが本当に本当に…いつも変わらずお姫さまみたいで…本当に素敵だった…。内側から光ってるんだよな…存在が光、祝福なんだと思う。厚木那奈美さんを前にするとわたしはいつも幼稚園の子どもになってしまう。厚木那奈美さんがお姫さまの国でリスとかネズミとかコロボックルとかになって暮らしたいよ…。「ブランニューガール」はミディアムテンポのちょっとセンチメンタルな曲なんだけどけっこうしっかりめの振り付けで、でも厚木那奈美さんはニコニコ笑顔で歌って踊っていて、本当に本当に宇宙に神さまに星々に絶対絶対絶対愛されているほんもののお姫さまなんだな〜!って泣いた。厚木那奈美さんの長い手足がすらーっとすーっとどこまでも伸びていって、ほんとにもう東京湾くらいなら全然余裕でまたげるんじゃないかと思う。厚木那奈美さんが微笑めば木からどんぐりが落ちてきて、リスとかネズミとかコロボックルはそれをぎゅっと抱きしめます。 厚木那奈美さん、友だちや知り合いにわたしはこの人が好きなんだよ〜って教えると「うわ好きそー」って納得されるのすごい面白い。わかりやすくどタイプ。厚木那奈美さんとかムンビョルさんとか美少女さんとか、おかわだくんはこういうスラッとした人が本当に大好きだよね…。
あと泣いたといえば、コスモさんの「君100%人生」やってくれて! 久しぶりにライブで聴けて爆泣した。君100の何がいいって、「次は負けないよ」「取り戻せ」「自信出して 元気になって」「体 心 鍛え直すよ人生」のとこ。わかりやすく励ます歌詞ではあるんだけど、それ以上に「今回は負けたよね、いろんなもの奪われたし失くしちゃったよね、自信も元気もないよね、体も心もおしまいだよね」っていうのをまんま受け止めてくれるのがすごい好き。おまえは今回負けたよねって目をそらさず認めてくれるのとても安心する。 日記やけに長くなってるからここらへんにしとくけど、小林竜之さんのアサヒの仕上がりがやばすぎてすっげーよかった。ほんとに「マジヤッベーチョースッゲー」だった。34歳男性のあの感じ最高ですわ。小林竜之さん40歳のアサヒ役ぜってえぜってえ観たいのでプリティーシリーズを今後とも応援していこうと思った。
ライブがあまりにもよかったので、やっぱプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいな〜と思った。わたしは二次創作的なのは書けないので、「プリティーシリーズのことを考えて書いた小説」とかになっちゃうんだけど、それを本にしたい…そしてなんかいろんな人にゲスト原稿を依頼したい…すごく同人誌って感じするやつ…。いったい誰が読むんだって感じなんだけどそういう変なアンソロをやりたいよね…。 そしてウキウキの気持ちで帰ってきたらKADOKAWAがろくでもねえトランスヘイト本を刊行しようとしているのでテンションだだ下がりになった。ふざけるなよとインスタのストーリーズでキレ散らかした。
12/4 えもとなむあひさんと遊んだ。朝パン屋で待ちあわせて多摩川に行った。いい天気で冬って感じの空だった。広々していて気持ちいい。二子玉川の駅を降りてすぐこの景色なのほんといいよな。橋を渡る電車がずっとごとんごとんいっていて、遠くの橋や向こう岸で車が流れている。水や物がずっと動いている。サギがたくさんいた。白くて大きな鳥が冬の濃い青い空にたくさん舞っているのが、なんだかうそみたいにすがすがしい眺めだった。 えもから個展のDMをもらった。先々週会ったときに元の絵を見せてもらっていたけど、すごくきれいに色が出ていてほんと展示楽しみだなーと思った。あと「あいじょうぶ」ブローチももらった。「俺の愛があるから大丈夫!あいじょうぶや!」のブローチ(ナポリのすぎるのやつ)。草の上に置いて写真を撮った。 なむあひさんが「顔たち、犬たち」の感想を伝えてくださってうれしかった。なんかこうがんばって書いていきたいよな…という話をした。本を持ってきてくださったので表紙の優人さんに川を見せてあげた(?) そのあと昼から磯丸水産に行って飲んだ。トマトハイめっちゃ薄かったけど美味しかった。えもとわたしで何杯飲んだんだ…。このあいだなむあひさんと焼き鳥食べたとき、���文したはずのタコウインナーが結局来なくて、わたしはすっかり忘れていたんだけど次の日なむあひさんがそういえばタコウインナー来なかったですねって思い出していて、じゃあ今度リベンジしましょうって言ってたんだけど2週間で早くもそれが叶うの面白いな。川行って、(磯丸だけど)イカとかウインナーとか網で焼いて、実質バーベキューみたいだった。あとプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいんですよ〜という話をした。いきなりどうしたって思ったろうな…。 夕方もっかい川に行って、あまりにも楽しくて手つないでワーイとかした。えもの手が小さくて冷たくてびっくりした。
KADOKAWAに問い合わせメール送った。刊行中止してくださいとははっきり書かず(できないだろうと思った)、なんでこういうのを出そうと思ったのか経緯を知りたかった。それで質問を送った感じ。
12/5 これぜったい乾かないよなと思いながら朝洗濯物を干して出かけた。曇っていたし寒かった。昼にチバユウスケの訃報を知って驚いた。これがきのうえもと一緒にいるときに知ったらどうだったろう。明るい川べりで知ったら、真昼間の磯丸水産で知ったらどんなふうだったろう。コンビニでコーヒーを買って小袋成彬の「Night Out」を聴いた。今日はとても寒くて、外もずっと暗かった。むかしの友だち、ミッシェルを好きだった人たちの顔がつぎつぎ浮かんだ。なんかツイートではなにも言えなくてリツイートのカウンターがまわるのをじっと見ていた。ものすごい熱心なファンとかではないけどなんかこういっぱい思い出深い…みたいな距離感だからだと思う。いま小説のあれこれでやりとりしている人や現在進行形で作品を生み出している人、みんなひとり残らずいつかいなくなるのだ…とすごく当たり前のことを思った。夜になって、長いこと連絡をとっていなかった人からチバのこと悲しいねってメールがきていた。携帯電話のキャリアメール宛で、迷惑メールかと思った。そういやこの人のLINE知らないや。そうだねみたいなことをちょっと書いて送って、それ以上はべつにやりとりしたくない気がした。これを機に旧交をあたためようなんていうのはなんかこう格好悪いだろと思った。いやこれがめっちゃ好きな人からきた連絡だったらしっぽ振って返事送るんだろうけどさ…。洗濯物は厚手の靴下がやっぱり乾いていなかった。Mリーグを見ながらキムチ鍋を食べた。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
10 notes · View notes