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dal2bb · 4 years ago
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映画 はちどり ���賞
ついったーで長々と感想を連投するのは気が引けたので、こちらに書き残す。なんせ明るい感想が書けそうにない。
☆☆☆超ネタバレです、注意!⚠
本作の主題は「女であることで抑圧されている世界に生きる女たち」かと思う。また、主人公の少女はその世界に気づき始めているところ。
舞台は94年のソウル。今わたしたちがイメージするソウルより、もっと、全然昔っぽい。てかもっと混沌としてて発展前っぽい。私が初めてソウルを訪れたとき、ほぼ10年前だったけどその頃よりもっと全然「今から」って感じ。ソウルは訪れる度に過去最高に「都市ー!」を更新していると感じるけど、その同じ速度で昔に逆回ししたら、まぁそんくらいかな…と思った。
そのまま変わんないな、というところもある。少女の家はトック(韓国の筒を斜めに切ったようなお餅)屋。商店街の中に構える店の様子は、今でも地下鉄1号線とか2号線の古くからある駅の地下構内で見かける風景に似ている。まぁそれも段々少なくなっている気はする。8号線とか9号線など主に江南側の新しい駅には無い。
少女の家は団地。高層階だけど、現在それこそ江南側に立ち並ぶ超高層マンション(高級)のやつじゃなくて、インチョンから高速バスでソウル市内に入るときに途中で見かけるような、郊外の判で押したように同じ巨大なコンクリートの四角が並んでる、たぶんあれに近い。日本で近い景色といえば昭和の市営住宅をもっと大規模に並べた感じかなぁ。
少女は勉強が得意なわけではない。漫画を書くことが得意で好き。授業中もノートに落書きしちゃう。不意打ちで当てられて、うまく英語が朗読できない。そしてクラスメイトに陰口を言われる。「あの子みたいに勉強ができない子は、大学も行けずに家政婦になるしかないのよ」
少女の母は、その兄(夜中に突然押しかけてきて非常識)から「昔は賢くて勉強がよくできた。大学にさえ行かせてあげられてたら今頃はなぁ」と言われている。横でそれを聞かされる少女の父。義理の兄ゆえ、夜中に押しかけてこられようが力関係が下なので何も言えず平身低頭で話を聞く。が、義理兄=少女の母の兄が帰った瞬間に「お前の兄さん頭がおかしいんじゃないのか!?今何時だと思ってるんだ!」暴言。その人の妹である自分の妻に。妻は何も言わず黙っている。←を見ている子どもたち。
少女は「恋愛にうつつを抜かし」ている。学校ではそのことで不良認定される。彼氏とはラブラブだったけど、数日後、母の兄(前出の少女の伯父)が亡くなったときに連絡が取れなくなる。後にそれは彼氏が他の女の子と付き合いだしたからだと知る。でも少女は何も言わない。黙って引き下がる。
この彼氏は後に少女の元へいったん戻ってくる。しかしデート中に彼氏の母が現れ、「餅屋の娘」として蔑まれて引き離される。彼氏の家は医者の家だ。
少女は兄から殴られる。「両親にみっともない思いをさせるな」と。食卓で、勇気を出して「兄に殴られた」と両親に言うが「ケンカするんじゃない」とあっさり。少女が殴られることは「その程度のこと」だ。
少女には姉がいる。姉は夜な夜な遊び歩いている。ついに父に見つかり激怒される。一緒に怒られる母。母は次第に理不尽に対して抗議し始める。さらに炎上する。ついに母はガラスランプを手に父に抵抗。大怪我をする。翌朝、父母は隣同士に座って同じテレビを見て笑っている。
少女自身も不良まがいのことをしてみたりする。親友とタバコを吸ってみたり、クラブに行ってみたり。万引きしてみたり。万引きが見つかったとき、親友は少女のことを裏切って差し出す。友情に亀裂。
後にこのとき親友が少女を裏切って差し出してしまったのは「殴られるかと思って怖かった」からだとわかる。親友の家は両親が離婚間近で親友はよく父に殴られていた。万引きで見つかったときに怒って責める店主は男の人だった。大声で怒鳴っていた。
少女と親友は漢文の塾に通っている。新しい先生は若い女の先生だ。ソウル大に通っている。(休学中だけど)
先生は漢文から、少女にいろんなことを「考えさせる」。たくさんじゃなくて、エッセンスを少しだけ混ぜるような。
少女にいろんなことが起きる間も授業は続く。
少女が親友と友情に亀裂を生じさせたとき。先生は授業をやめてうたを歌った。家に居づらいとき、少しだけ教室に居させてくれた。
少女は先生と帰る道すがら、たくさんの疑問に思ったことを質問していく。「どうしてここの人たちは立ち退かないんですか?」「家を取られるから」「かわいそう。家も寒そうだし」「勝手に決めつけたらだめ。私たちはその状況にないのだから、本当にかわいそうか、わからない」一つひとつ、先生は丁寧に答えてくれる。「自分が嫌いになったことありますか?」「たくさん」
「自分が何もできないと思ったら、指を見るの。両手の指を動かしてみる。何もできないと思っても、私は指を動かすことができているって確認するの」
少女は耳の下のしこりを取るのに手術をすることになった。簡単な手術でほとんどあり得ないが数%の確率で顔が麻痺するかも?傷跡は残ります。この医師に言葉に声を上げて泣く父親。「姉にも傷跡が残ったのに、お前にまで残るなんて」女の子なのに。ね。
先生がお見舞いに来てくれた。少女は言う「家に居るより病院に居る方が落ち着く」。それを聞いて先生は決意したように強く言う。「私たちは殴られたら抵抗してもいい。声を上げないといけない。約束して」
退院後。ある朝学校に着いたらソウル市内の立派な橋が崩落したニュース。少女の姉がいつも乗る路線バスが漢江に落ちてたくさんの生徒が亡くなったという。慌てて家族に連絡を取る少女。姉は偶然1つ遅いバスに乗っていて無事。だったけど、翌日の食卓で、兄が号泣する。妹が、あと少しのところで失われるかもしれなかった、と言って。妹を殴るのに。
先生が漢文の塾を辞めた。数日後、少女の元に先生から小包が届く。スケッチブックのプレゼントだった。トックを持って、先生の家にお礼に伺う少女。お手紙を書いた。「先生を今度漫画に登場させたい。先生みたいなキャラクターが出たら読者に愛されるでしょう」「私もいつか、輝く人生を送ることができるでしょうか」。中から出てきた女性(先生の母)は少女の訪ねてきた理由を聞いて泣く。先生はあの橋の崩落事故で亡くなったという。
少女は家で先生からの小包に入っていた手紙を読み返す。「突然塾を辞めてごめんね。いろんなことを、次会ったときに話すね」。
**********
この映画に出てくる女たちは皆抑圧されている。それに気づいても諦めてどうしようもない人が少女の周りではほとんどだ。それか本質には気づいてないか。
先生は違った。でも、ラストあたりで少女が訪ねた先生の家、とても立派な家だった。少女とは環境が違っただろう。勉強に集中できそうな部屋と机。先生はソウル大に通っている。
先生は「気づいている」側の人だ。気づいて、変えられることも知っている。変えるにはどうしていけばいいのか。でも先生は周囲から「変わった人」だと言われている。
少女がその環境から抜け出すことは可能だけど、先生よりもっと厳しい。でも、「気づいた」彼女はこれからどう生きていくのだろう。
94年のソウルが舞台だけど、今のそれも日本で、どのくらい状況が変わっただろうか。本質は何も変わってないんじゃないだろうか。
劇中何度も出てくる
「女のくせに」「女の子なのに」
怒鳴��力で押さえつける男たち
その男たちは男たちの中の序列で押さえつけられている。そのストレスのはけ口がさらに「下の」女たちに向かうのだ。
今も似たような話は幾度となく聞くし、実際わたしもこれまでの人生で何度もぶち当たってきている。疑問を呈すれば「変わった子」だ。
どうしていこうね。
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kanonote-blog · 8 years ago
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ronpe0524 · 4 years ago
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ワクチン接種できるようになってきたけど、な7月(2021年7月の日記)
■2021/7/1 さぁ2021年も後半戦開始な木曜日。新たな気持ちでまた頑張っていきましょう。頑張っていきたい。頑張れればいいな。午後、学校から帰宅した娘がちょっと体調悪かったのか疲れてたのか、機嫌悪くて宿題とかやらせるのに一苦労。仕事やりながらだしどっと疲れる。夜、マリオンさんらがTwitter Space上半期映画・ドラマベストをやっていたので聴く。『インベスティゲーション』をすすめてくれた人がいたのでちょっとだけ話す。U-NEXT『爆裂都市 バースト・シティ』を見る。Netflix『全裸監督』S2E7を見る。
■2021/7/2 金曜日。いやー雨だ。コンビニに行く気もなくなる。でもヨーグルト買わないといけないので傘さしてコンビニに行ってお昼もいっしょに買ってきた。帰宅してから明日のための食パンを買い忘れたことに気づきショックを受ける。夜、娘を風呂に入れてあとは寝かせるだけだ、という段階で外からドーンドーンと音が。なんと横田基地が花火をあげている。雨なのに。マンションの通路に出て、屋根のあるところから30分間の花火を娘と見た。さすがに雨で見にくかったけど、それでもさすが花火だ。娘はとてもよろこんでいた。Amazon Prime Video『トゥモロー・ウォー』を見る。Netflix『全裸監督』S2E8を見る。これで完走。メインの役者陣はみんな良かった。とくに玉山鉄二。Apple tv+『リーシーの物語』E6を見る。
■2021/7/3 土曜日。どうやら前日の夜ぐらいに腰を痛めたらしい。前の病気の影響で僕は基本的に腰に痛みがある。毎朝、鎮痛���を飲んでるぐらいには痛いし、もう死ぬまで走ったりする運動は���きないだろう。がしかし、たまにそのレベルじゃない痛さになることがる。今がそうである。こうなると朝、昼、夜と鎮痛剤を飲んでなんとか過ごせる。早く治まってくれないだろうか。朝から娘を習い事に送る。束の間に自由時間。立川の「一福」でランチ。キノシネマ立川で『ザ・ジェントルメン』を観る。娘を迎えに行って買い物して帰宅。Netflix『バクラウ 地図から消された村』を見る。シネマコレクションbyKADOKAWA『大怪獣ガメラ』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E1を見る。
■2021/7/4 日曜日。まだまだ腰は痛い。午前中だけ時間があり映画を1本観れるチャンス。シネマシティで『ゴジラVSコング』を観る。極上爆音上映。帰りに西立川のパン屋でお昼を買って帰る。ちくわパン、うまい。午後は娘の勉強を見たり遊んだり。娘が動画を見てる間は僕も映画を見たり。合間に投票に行ったり。夜はche bunbunさんらの上半期ベスト Twitter Spaceを聴く。日本未公開映画をDigってる人たちの話は映画情報としてとても面白い。Netflix『悲哀の密林』を見る。U-NEXT『真・雀鬼』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E2を見る。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E2を見る。
■2021/7/5 月曜日。まだ腰は痛い。大丈夫だろうか。仕事もなかなか忙しい。なんとかお昼休みにスーパーで買い物。WOWOWオンデマンド『ザ・ゴールドフィンチ』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E3を見る。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E3を見る。 シネマコレクション by KADOKAWA『眠狂四郎 勝負』を見る。
■2021/7/6 火曜日。基本的に毎月第一火曜はけっこうな人数に対してミーティングで話す感じになる(オンラインですが)ので緊張する。そして発表時間に対して準備がとても大変。夜、僕モテYouTubeで予告編探偵回を見る。入江監督、名優、伯周さん、編集長でわいわいやってる感じが楽しい。Amazon Prime Video『J・バルヴィン~メデジンから来た男~』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E4を見る。
■2021/7/7 水曜日。朝からU-NEXT『16ブロック』を見る。追悼リチャード・ドナー。ここにきてRIJF中止の発表。いやー発表内容を読むとこいつはつらいな。うちの弟君も1日(ナンバーガール出る予定だった日)のチケットを取ってたはず。昼ごはんは揚げ玉豆腐だ。豆腐を200グラム食べるだけでけっこうお腹いっぱいになる揚げ玉豆腐。ヘルシーで素晴らしい。週一ぐらいで食べてる。Netflix『ロキ』E5を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E5を見る。夜、映画見てる途中で寝てしまう。無念。
■2021/7/8 木曜日。お。ここ一週間かなり痛かった腰がやや良くな��ている。嬉しい。午前半休を取りイオンシネマむさし村山へ。『ブラック・ウィドウ』鑑賞。お昼は『笑乃讃』でうどんを食べる。雨の中、自転車で急いで帰宅。午後からは仕事に戻れました。Netflix『刑事グロムvs粛正の疫病ドクター』を見る。U-NEXT『ビッグ・マグナム黒岩先生』を見る。
■2021/7/9 金曜日。うーむ急ぎの仕事が多くて忙しかった。上司と月一のミーティング。どうやら9月ぐらいから段階的に出社しての仕事に戻っていき、11月から本格的なオフィスでの仕事に戻ることになりそう。夜、予定時間より遅れに遅れたけどYouTubdeで「僕モテFRIDAY’」開始。上半期の日本映画振り返りって感じで楽しい。オンライン試写で『共謀家族』を見る。
■2021/7/10 土曜日。午前中に1本映画を観れるチャンス。立川へ。キノシネマ立川で『ライトハウス』鑑賞。村山章さんのツイートを見てパンフを買おうと思っていたらなんと完売。まじかー。お昼用にマックを買って帰宅。テキサスバーガーうまい。午後は娘の勉強とかをやらせつついろいろ映画を見たり。WOWOW録画『まともじゃないのは君も一緒』を見る。U-NEXT『大列車強盗団』を見る。Disney+『ラーヤと龍の王国』を見る。夜は僕モテ読者サミット。今回も長時間の映画の駄話。意外にも上半期で大きく見逃していたのはそんななかった感じ。『ペトルーニャに祝福を』は配信とかで見れる状態になったら見ようと思う。夜中の3時半まで参加してたけどさすがに寝なきゃいけないので離脱。また年末!
■2021/7/11 日曜日。いつも通り6時に起きれた。娘と午前中から実家へ遊びに行く。娘はちょっと早い誕生日プレゼント(ルイージのレゴ)をもらい楽しそうに遊んでいた。僕は昨夜遅かったのでさすがに眠かった。両親は2回のワクチン接種が終わりちょっと安心。弟ももうすぐ2回目とのこと。僕はいつになるのだろうか。夕飯までご馳走になり帰宅。帰りに虹が見えた。どうやらBluetoothイヤホンが壊れたようだ。スマホとペアリングしてくれない。これが思って以上に影響大。すぐにAmazonにオーダしたけど到着は火曜かな。Apple tv+『リーシーの物語』E7を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E6を見る。U-NEXT『アトラクション 制圧』を見る。この映画、劇場公開時(カリコレ)に観ているんですけどほとんど内容忘れててショック。見てればもうちょい思い出してくると思ったのに。。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E4を見る。
■2021/7/12 月曜日。あーBluetoothイヤホンがないとこうも不便なのか。なんだか朝も昼も眠い。WOWOWオンデマンド『アトラクション 侵略』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E7を見る。
■2021/7/13 火曜日。まだBluetoothが届かない。不便だ。お昼にスーパーに買い物へ。あーこの時間で本来ならば30分のラジオとか聴けたじゃないか。うちの娘、先日受けた英検準2級、面接の方も見事合格。年内の試験で合格できれば、と考えてた��つが早くも受かってしまった。これで次は2級の勉強に移行(すでにはじめている)。英検2級になるとけっこう難しくて僕はぜんぜん受かる自信ないんですけど。幼稚園の頃から毎朝やってるヒアリングの勉強、週3で通ってる英会話、週1でのオンライン授業(for英検)、さら毎日やってる英検の勉強の宿題。これだけやってると小3でもここまでできるもんなんですね。夜、娘が寝てからラロッカさんとDiggin' Netflix収録。月一のことやりとりが楽しいです。Amazon Prime Video『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』を見る。
■2021/7/14 水曜日。午前半休でTOHOシネマズ立川立飛へ。『唐人街探偵 東京MISSION』完了。休暇を使わないとシネコンですら映画を観れない。ららぽーとのフードコートでお昼(うどん)を食べてから帰宅。帰宅するとついに立川市のワクチン予約のお知らせが届いていた。すぐに予約。8月中には2回目まで接種できるな。ワクチンなくならなければ。Netflix『プライムタイム』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E8を見る。
■2021/7/15 木曜日。忙しい。仕事が忙しい。郵便局とか行かなきゃなんですけど行く余裕がない。夜、藤元監督の監督ラジオを聴く。まだまだ面白い話が出てくる。ABEMAではじまった小林勇貴監督の新作ドラマ『酒癖50』E1を見る。「俺にできることはお前もできる」という思考は大嫌いで、プライベートでも仕事でもまぁまぁ遭遇する。自分もこれが出ないように気をつける。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E9を見る。
■2021/7/16 金曜日。もう7月も折り返しか。まじか。会社のいろいろサポートしてもらっている先輩が1週間休みのためいろいろ確認したいことができずまー大変。もう無理。僕もまとまった休みが取りたいが、通院やワクチン接種後のことを考えるとあまり休暇を使えない。夜はYouTube「僕モテFRIDAY」を見る。イシヤマさんとDiggin' U-NEXTを収録。次のお題作品も勢いですぐ決めてしまった。
■2021/7/17 土曜日。朝からいろいろつらい。100がんばり続けてもその後の1で失敗したら全否定されるような状況が続いていて、さすがにすべてを放り出したくなる。放り出さないけど。午前中に1本映画観れる時間があったのでキノシネマ立川へ。『プロミシング・ヤ���グ・ウーマン』鑑賞。午後は娘に勉強やらせたり、英語の勉強につきあったり。夜、YouTubeで「9時ゆる」を見る。週末の楽しみ。Netflix『ミッチェル家とマシンの反乱』を見る。MyFrenchFilmFestival『ミスターX レオス・カラックス』と『女の子は無料』を見る。Apple tv+『リーシーの物語』E10を見る。これで完走。うーん、まぁまぁだったかな。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E10。これは満足。S2も見ます。
■2021/7/18 日曜日。今日はけっこう時間があります。午前中から上石神井へ。東京おかっぱちゃんハウスにてPodcast「Where were we!」の公開収録。生で岡部さんとナツノカモさんがPodcast収録してるところを見る。あえて積極的に告知をして���なかった(なぜだ?)けど、コアはウィスナーさん(「Where were we!」のリスナーをこう呼ぶ)は集まっていた。まるゆさんもきてた。トークの中でも云っていたけど、おそらく観客がいなかったら話さないような話が展開されていて面白かった。またやってほしいです。お昼を食べる時間が少なかったが、まるゆさんと近くの丸亀製麺まで行ってうどんを食べる。けっこう混んでて10分ぐらい並んで、10分ぐらいで食べた。おかっぱちゃんハウスに戻りナツノカモ「カモの観察会2021夏」。贅沢な時間だ。そして午前中とのギャップよ。ナツノカモ氏が年末に開催予定、と話していたある企画がとても面白そうかつ天才的アイデアでとても楽しみ。帰宅。暑い。娘と夕飯を食べる。今日は娘の誕生日なので食後に買ってあったアイスケーキを食べる。うまい。もう9歳か。いろいろ大変だと思うけど元気に育ってほしい。夜、娘が寝てからキンザザPodcastの収録にリモート参加。『ブラック・ウィドウ』と『ロキ』についてわいわい話す。『ロキ』についてはやはりうまく言語化できない部分が多い。自分でしゃべっておいて何を云ってるのかわからなくなる。誰かに説明してほしいけど、きっちり説明できる人いるのだろうか。けっこう遅くまで話したのでちょっとメールとかして寝る。
■2021/7/19 月曜日。まだ仕事が忙しいな。カモの観察会の振り込みにも行けず。申し訳ないです。スーパーにも行く時間がないから娘が寝てから遅い時間にコンビニで買い物。Netflix『フィアー・ストリート Part 1: 1994』を見る。Apple tv+『シュミガドーン!』S1E1を見る。監督がバリー・ソネンフィルド。
■2021/7/20 火曜日。午前中、昨日行けなかった振り込みに行く。早めのお昼を山田うどんで食べる。でも今日は小学校の終業式なので娘の帰宅が早い。急いで戻る。仕事の合間で娘のお昼を準備して、仕事の合間で宿題などをやらせ、仕事の合間でおやつを準備して、オンラインミーティングをしながら英会話に送り出す。いやーきびしい。明日から娘は夏休みか。去年とかどうしてたっけかな。思い出せない。夜、娘が寝てから、けんす君&なんすけ君とDiggin' Amazon Prime Video収録。終わってから近況などを話したり。あーもっと映画観たいな。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E5を見る。
■2021/7/21 水曜日。娘が今日から夏休み突入。仕事への集中力がますますなくなる。そんなの関係なくMeetingも多くて大変。合間に図書館に本を返しに行ったりもしてへとへとである。夜、U-NEXTで『聖なる犯罪者』を見る。
■2021/7/22 木曜日。おー。今日から4連休であります。まずは娘と実家へ遊びに行く。おばあちゃんに英検準2級に合格したこを報告して自慢げ。夏休みの宿題とかはやらせつつ動画とか見たいがなかなか集中できない。夕方、オンラインの英会話を娘のために繋げる。いつもは仕事中なのでチェックできていなかったけど、今日は45分ほどの授業をずっと聴いていた。本当にヒアリングに関しては僕より娘の方がはるかに上だと思う。娘は単語をまだまだ知らないけど、前後の文脈で内容を理解していってしまう。日本語の文章を聴いているのと同じ感覚なんだろう。このままうまく続けられる��いいな。夕飯を食べて、寝る前には庭で花火をやって遊ぶ。夜は藤元監督の監督ラジオを聴いたりしていたら寝てしまったようだ。
■2021/7/23 金曜日。いつもよりちょっと寝坊したが午前中から娘の英語の勉強をやったり、宿題をやらせたり。Netflixで『フィアー・ストリート Part 2: 1978』を見たり。お昼は両親といっしょにスシローに行く。どんだけスシローに行くんだ。一度帰宅。娘を両親にお願いして僕は渋谷へ。イメフォで『ジャッリカットゥ 牛の怒り』鑑賞。4連休あっても観れる映画はこの1本のみ。Twitter TLでは映画の感想が続々と流れてきて正直うらやましい。僕がある程度映画館に行けるようになるには数年かかるかもしれないなぁと最近は考えている。それまで映画を好きな気持ちが続いているのか、という問題はあるけどそこはあまり心配していない。実家に戻り夕飯をご馳走になる。明日から家族で出かけるので車を借りて娘と帰宅。夜は『シュシュシュの娘』とインスタライブ、YouTube「僕モテFRIDAY」を連続で見る。久々の画伯登場、嬉しい。Apple TV+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S2E1を見る。
■2021/7/24 土曜日。午前中から家族で出かける。目的地は千葉の市原。五輪期間ということで1000円高い首都高を突破しアクアラインを使って海ほたるでお昼ごはん。車線規制とか心配だったけど、ここまで一切の渋滞なしで快適だった。市原ぞうの国へ。ちょうどぞうさんのショーがはじまるタイミングで到着。動物好きの娘は大変楽しかったようだ。ショーのあとはぞうに餌やりもできる。他の動物にも餌やりができて楽しい。猫とふれあえる部屋(+300円)でのんびりしていたら居眠りしてしまった。時間がきたので宿へ。サユリワールド(市原ぞうの国と経営は同じなのだろう)という動物園併設のグラピング施設。僕らが泊まるところはツリーハウス風の部屋で、梯子のような階段をのぼらないと部屋に行けない。足の悪い人とか小さな子供はムリだろう。秘密基地のような構造に娘のテンションは上がる。夜ごはんはおなじみのBBQ。食材とかは全部用意されているので僕らは焼いて食べるだけ。各宿泊施設も離れているし、シャワールームも個別。いわゆるグランピングというやつですけど、コロナ禍のレジャーに最適。去年は横須賀のグランピングに行ったけどそちらも良かった。BBQでおなかいっぱいになり、シャワーを浴びて、英語の宿題なども終わったのでベッドでごろごろする。娘も疲れたようですぐに寝て、僕はYouTubeで「9時ゆる」を見てから寝る。春本監督のオススメ映画回で、紹介された映画をメモメモ。
■2021/7/25 日曜日。いつもと同じ時間に起床。娘とトイレに行き(ツリーハウスにはトイレがついていない)、毎朝やっている英会話の動画を見る。娘が「外でやろう」と。ツリーハウスの外にはゆらゆら揺れる椅子が2つ置かれていてので、そこにノートPCを持ってきてやってみた。なかなか楽しい。朝食はなんとサユリワールドのきりんと一緒に。キリン���いるとこのすぐ横で朝食を食べることができ、食後はキリンにおやつ(バナナとにんじん)をあげることができる。あそこまで近くできりんを見たのははじめてだったし、キリンに手をなめられたのもはじめて。貴重な経験だ。おやつを追加購入、園内の他の動物にもおやつをあげることができる。園内の柵の外にカピバラや鹿、ラクダなどが歩いている動物園なのだが、まだ開園前の時間のため、見てまわっているのはグランピングの客のみ。しかもこの園、動物の入っている柵の中にも扉を開けて入っていけてしまう。動物園の人に「お子さんにはおやつのバケツを持たせないようにしてください」と云っていた意味がすぐわかった。背の低い子供だとバケツごと奪われしまいそうである。ワオキツネザルの圧が強くて「バナナをくれー」という感じで近寄ってくる。てゆーかワオキツネザルに2回も背中に乗られた。もちろん着ていたTシャツは泥だらけ。すぐに着替えることになった。いやー楽しい経験でありました。10時にチェックアウトして、帰りはまっすぐ帰る。海ほたるに寄ったけどトイレとお土産購入のみ。そのあとは石川PAまですいすい。石川でお昼を食べて帰宅。実家に車を返しに行こうと思ったら娘も行くと云う。というわけで車を返しがてら両親にお土産を渡す。僕は1時間ほど横になって寝てしまった。夕飯前には帰宅。母が持たせてくれて炒飯を食べる。疲れたので娘と同じタイミングで寝てしまった。4連休、映画はほとんど観れなかったけど、娘は楽しめただろう。
■2021/7/26 月曜日。ちょっと疲れは残っているけどたっぷり寝たので気持ちいい。TwitterのTLをさかのぼり、杉田監督の『春原さんのうた』がマルセイユ国際映画祭のインターナショナル・コンペ部門にてグランプリを含む3冠とのこと。めでたい!ここ数日、杉田監督が更新していたTumblrの映画祭滞在記を読んでいて本当に楽しかったし、良い時間を過ごしているのだろうと思っていたけど、最高の結果までついてきてなんだかこちらまで嬉しくなってしまう。『春原さんのうた』、公開は来年だけどとても楽しみ。年内の日本の映画祭でも観れる機会などあるだろうか。仕事のメールをチェックしたが、4日休んでたわりにはあまりメールがたまっていない。ホッとする。月曜日はMeetingが多い。夜、WOWOWオンデマンドで『名もなき生涯』を見る。面白かったけど前日の疲れがまだあるのか数回寝てしまう。寝ては戻ってを繰り返して見たのですごい時間かかってしまった。ただでさえ尺が長い映画なのに。
■2021/7/27 火曜日。朝時間があったのでNetflix『フィアー・ストリート Part 3: 1666』を見る。午前中働き終わり、昼ご飯を食べてる時点で午後、娘の病院にいっしょに行く予定だと云われる。メモでは自分は行かないことになっていたのだけどそれを云ってもしょうがない急いで午後半休の準備。それほど忙しくない日で良かった。病院に行くまで1時間ほど時間ができたのでBSスカパー!で録画しておいた『LUGINSKY』を見る。今度行く予定の監督のトーク付き上映も楽しみだ。娘の病院へ行き、娘とスーパーで買い物をして帰宅。ちょっとだけ仕事のメールをチェックしたがすっごい急ぎのものはなさそうなので見なかったことにする。夜、WOWOWオンデマンドで『暗数殺人』を見る。キム・ユンソク、素晴らしいですね。録画したTVドラマとかも見たかったけど娘のベッドで横になったらそのまま寝てしまった。
■2021/7/28 水曜日。娘がいつもの時間に起きず朝から不機嫌。最近寝る時間を22時にしたのだけど、21時の方が良かったんじゃないだろうか。不機嫌でも英語やら宿題をやらせないといけない。在宅仕事をしながら。自分もオフィス勤務復帰が近づいてきているのだけど、いろいろ大丈夫だろうか。いろいろ不安である。夜は藤元監督の対談配信を見たり。U-NEXT『アンダードッグ 前編』を見たり。
■2021/7/29 木曜日。翌日に休暇をもらうこともあり凄まじく忙しい。定時でも仕事終わらず。子供の夕飯準備したりしつつまだ仕事。MCTOS『プライムタイム』回に参加。ヒラツカさんの考察にうなる。いやー参加して良かった。夜遅くにメール立ち上げてまだ仕事。在宅だとこういうのができちゃう。できてしまう。U-NEXT『ドゥーム・パトロール』S1E1を見る。
■2021/7/30 金曜日。早朝にメールを立ち上げてまだ仕事。海外から返信を待っていたやつとかあってバタバタ。でも仕事を休ませてもらって立川駅近くの病院へ。ついにワクチンの1回目を接種。ファイザー。サクッと終わった。帰りにマクドナルドでコーヒー飲みながらABEMA『酒癖50』だけ見る。帰宅。まぁ1回目は大丈夫だろうけど、副反応を心配して義母が一泊泊まりに来てくれた。娘はおばあちゃんが来て嬉しそう。そうめんをお昼に食べる。まぁ休暇なんですけど仕事のメールをいくつか返してしまう。いかんいかん。休もう。たしかに午後になるとワクチンを打った左腕が痛くなってきた。でも腕が上がらないということはない。夜、YouTubeで「僕モテFRIDAY」。伯周さんとかめりさ、毎週配信はけっこう大変だろうと思うけど正直面白い。コメント欄で読者さんけっこう集まっているのも楽しいし、画伯の話も面白い。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E6を見る。Apple TV+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S2E2を見る。
■2021/7/31 土曜日。朝一で検温したけど発熱はなし。腕が痛いだけです。娘の習い事には義母が送ってくれるとのこと。ありがたい。自宅でゆっくりできたので午前中からU-NEXT『アンダードック 後編』を見る。コンビニに行ったり、お昼ご飯食べながらゲームの「返校」をすすめたり。3章がまぁまぁ複雑だったんですけど。なんか体調はぜんぜん大丈夫なのでMOVIX昭島へ。ちょっと観るをあきらめていて『竜とそばかすの姫』を鑑賞。僕はそんなにこの映画がうまくいってるとは思わないのですが、描こうとしているもの、題材は面白い。ネット空間、とかバーチャル、ではなくてはっきりとソーシャル・メディアの長短を描いている(描こうとしている)と思う。自分のTwitter TLのことを考える。あたりまえだけど自分がフォローしている人のツイートや、RTが流れているわけですが、このひとはなんでこんなことをツイートしているのだろう、なんでこんなに攻撃的なのだろう、こんなに怒っていてそれをツイートして何になるんだろう、という人がいる。たぶんそれが「正義」のようなものだと思ってい���のかもしれない。そういう人を理解できないし、理解する必要もないし、そんな余裕もない、と思っていたんですけど、なんかそういうソーシャル・メディアでの顔はやはりその人の一面であり、その人のそのスタンスにはなにか事情があるんだろうな、という想像をちょっとしてみようかな、という気持ちになった。そんなことをぼんやり思いながら帰宅。帰宅してまだ時間があったから、Diggin' Amazon Prime Videoの『J・バルヴィン~メデジンから来た男~』を編集して配信する。ここで話していたこともちょっと繋がる。夜、YouTubeで「9時ゆる」を見る。藤元監督、ポレポレでの3ヵ月ロングランお疲れさまでした。次は春本監督の『由宇子の天秤』っすねー。楽しみだし応援したい。ゲーム「返校 Detention」を短期集中プレイでクリア。なるほどなるほど。映画版も楽しみです。さて夏ドラマも出揃った感があるし、この前の僕モテ読者関西サミットでchihhieさんが「日本のドラマのことはツイートとか日記に書かないんですか?」って云われたことがちょっと気になったので、今期何を見てるかぐらいをここに書いておこう。空前の面白さと本数であった春ドラマに対し、夏ドラマはまぁ落ち着いているかな、と思っていたけどそんなことはないですね。夏ドラマも面白い。まずはこの日記でも何度か書いているけどABEMAの『酒癖50』。小林勇貴監督の新作ということで見てみたけど圧倒的に面白い。容赦ない。脚本は鈴木おさむ。実はある理由で鈴木おさむは好きではないのですがちょっと見直しました。地上波では安定の『孤独のグルメ』。がっつりコロナ禍を描く方向できたのは良いと思う。『ただ離婚してないだけ』、中村ゆり好きなんですよね。1話目から安里麻里監督の演出が圧倒的。話より演出の凄さ。入江組の助監督でもおなじみの角田恭弥監督演出回もあります。『初情事まであと1時間』、これはもう監督陣。橋口亮輔、三浦大輔、大九明子、谷口恒平ですからね。『お耳に合いましたら』、Podcast×チェンメシという題材も面白いけど、『サマーフィルムにのって』の監督・主演コンビ作品なのでもちろん見てます。『緊急取調室』は録画してるけどまだ1話も見ていないどうしよう。さらにWOWOWだと『男コピーライター、育休をとる。』、夏ドラマのヨーロッパ企画案件。山口淳太が演出、そして脚本は細川徹。あと『ひとりで飲めるもん!』、大政絢好きなんですよね。主に顔が。ドラマ前半のお仕事部分は面白くないんですけど、ドラマ後半のチェンメシひとり打上げ部分が最高なんですよね。大政絢がビール飲みながら「てんや」で天丼食べてるとこ見てるだけで最高。そう、実はこっちの方がチェンメシドラマとしては『お耳に合いましたら』より先行しているのです。こんな感じの国内ドラマを今期は見ています。あと古畑の再放送をついうっかり録画して見てしまっています。そんな感じで7月も終わり。
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thyele · 5 years ago
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2020年6月30日
「YOSHIKIMONO」が東京国立博物館で開催の特別展『きもの KIMONO』展示作品に選出 凄いねえ。 https://www.barks.jp/news/?id=1000184894
12012、一緒に作品を作り上げるプロジェクトメンバーを募集 これは面白い。 https://www.barks.jp/news/?id=1000184898
ガラ(メリー)×ナオ(首振りDolls)、転がり続ける“バケモノ”達の想い 良いものがたくさん詰まってます。 https://www.barks.jp/news/?id=1000184929
加藤登紀子、コロナ拡大後初の大規模コンサート 観客1000人に感謝「相当な覚悟が必要だったはず」― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/06/29/kiji/20200628s00041000577000c.html 加藤登紀子 コロナ拡大後初の大規模コンサート開催にブログで感謝 締めは“エア・ハイタッチ”― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/06/29/kiji/20200629s00041000294000c.html
NHK生活・防災さん「九州~関東 非常に激しい雨のおそれ 土砂災害など警戒を 梅雨前線の影響で九州南部では非常に激しい雨が降っています。28日昼前にかけて九州から関東の各地で局地的に非常に激しく降るおそれがあり、気象庁は土砂災害や川の増水に警戒するよう呼びかけています。」 https://twitter.com/nhk_seikatsu/status/1277019909801644032
マエダ"有益"計画👈イベントデザイナーさん「これは良いお話。 プロ目線で伸7びるところと、お客様目線で伸びるところ。プロ目線だけじゃなくて、お客様目線の話をしてくれる人は信用できる気がします。プロ目線のみでは机上の空論になる場合も。マジでこれマジで😎」 https://twitter.com/maeda_keikaku/status/1277585105851039744
加藤一二三@中央公論新社『天才の考え方〜藤井聡太とは何者か』絶賛発売中!さん「Twitterでは語られた言葉を額面通りに受け取るばかりで語られなかった想いを行間から汲み取ったり背景に想いを馳せる人はすくない。『何を語ったか、ではなく、何を言いたかったか、を考えられない人は子どもっぽい(未熟だ)』という趣旨の金言を発したのはかのゲーテだが自戒を込めて心に刻みたい。」 https://twitter.com/hifumikato/status/1277205968518934528
共同通信公式さん「あおり運転、10行為の摘発強化 - 改正道交法が施行」 https://twitter.com/kyodo_official/status/1277618003815755776
日本経済新聞 電子版さん「カナダのサーカス劇団シルク・ドゥ・ソレイユが破産申請し、会社更生手続き。新型コロナによる上演停止で興行収入がなくなり、約9億ドル(約960億円)の債務返済が難しくなりました。劇団員3480人を解雇します。 #新型コロナ #COVID19」 https://twitter.com/nikkei/status/1277738810667929600
インフルエンザの新型、中国で発見 「世界的流行も」と科学�� | BBC NEWS JAPAN https://this.kiji.is/650535839112086625?c=626016390609077345
news zeroさん「【#東京 都の #感染 高止まり】 都内の #感染者 数は4日連続で50人超え。 ただ、政府は『再び #緊急事態宣言 を出す状況にはない』としています。 東京都は明日、新たな指標を示す方針ですが、これまでとどう違うのか、解説します。 #newszero #有働由美子 #小野高弘」 https://twitter.com/ntvnewszero/status/1277613601767882757
時事ドットコム(時事通信ニュース)さん「米バイオ医薬品企業ギリアド・サイエンシズは、新型コロナウイルスの治療薬として日本などで使われている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、先進国政府向けの価格を患者1人につき2340ドル(約25万円)に設定したと発表しました。」 https://twitter.com/jijicom/status/1277715394095124480
中国、人口抑制でウイグル人に不妊強制か 報告書 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3290999
Yahoo!ニュースさん「【イラン、トランプ氏に逮捕状】イラン検察当局は、革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害に関与したとして、米国のトランプ大統領を含む36人の逮捕状を取得した。殺人とテロ行為の疑いとした。」 https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1277601277980012545
NHK国際部さん「WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスがどのように広がったか調べるため、来週、中国に専門家を派遣することを明らかにしました。」 https://twitter.com/nhk_kokusai/status/1277702668702461953
TBS NEWSさん「【速報】香港メディアによりますと、中国で開かれている #全人代常務委員会 で、#香港 の「 #国家安全法 」が可決されました。短期間の審議による異例の制定で、香港や国際社会の反発は、さらに激しくなりそうです。」 https://twitter.com/tbs_news/status/1277782296922189824
NHKニュースさん「金融商品のリスクや手数料 共通書式で情報公開促す 金融庁 #nhk_news」 https://twitter.com/nhk_news/status/1277682480917516288
キリ(luin/…。【サイレンス】)さん「蒲田くんのステッカーを買っちゃった◎」 https://twitter.com/kiri_drums/status/1277493770120912897
lucy+peter=esolagotoさん「俺もいつもそうしてます!��うすると今何を優先して動くべきかとか、家じゃなきゃ出来ない事・移動中に出来る事を分けたり出来て能率的に動けるんですよね・・・! そしてあれもやらなきゃこれもやらなきゃって云う頭の中の混乱を文字に起こす事によって整理できたりしますよね!」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1277593939424378886
lucy+peter=esolagotoさん「わかる わかるよ。笑」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1277606351259099136
キリ(luin/…。【サイレンス】)さん「「どんなものにも、人柄ってあわられるんですよね。」 大事なことが詰まってました。。 葬儀の骨のお話も好きです) 呪いの言葉に毒される前に、呪いの仕組みを知っておいてください|幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう。|幡野広志(@hatanohiroshi)|cakes(ケイクス)」 https://twitter.com/kiri_drums/status/1277606366471847938
lucy+peter=esolagotoさん「くっ・・・手が勝手に・・・!? 鎮まれ・・・! 鎮まるんだ・・・!」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1277658198330073089
lucy+peter=esolagotoさん「編曲2曲納品・・・! あとは御本人の唄と差し替えれば完成、ゴールが見えてきた・・・!」 https://twitter.com/lucy_peter/status/1277681719861075968
KING OFFICIALさん「【NEW ONLINE LIVE】 2020.7.11(土) 単独自宅配信 KING RYO ONEMAN LIVE 〝GO TIME〟 OPEN18:50 START19:00 ツイキャス プレミア(有料) TICKET¥3,500 ■チケット購入 ■ご注意 ■購入方法が不安な方 [email protected]までご連絡をお願いします」 https://twitter.com/KINGOFFICIAL114/status/1277497123710177281
KING OFFICIALさん「【NEW LIVE & NEW ONLINE LIVE】 2020.7.19(日) 大塚Welcome back 参加ご希望人数により、公演回数・チケット代を決定します。 現時点、詳細未確定。 7月6日22:00〜7月7日21:00ご予約の方は全員参加可能 7月7日22:00以降は定員埋まり次第締切 KING WEB予約 :」 https://twitter.com/KINGOFFICIAL114/status/1277497507686187008
KINGRYOさん「少しづつ前進しましょう! 皆様よろしくお願いします。」 https://twitter.com/kingryoworld/status/1277504640418897920
KING OFFICIALさん「【ONLINE LIVE】 ■7.4(土) 吉祥寺SHUFFLE 〝save the shuffle×笑っていいさぁ特別版〟 ※お目当てバンドのご記入お願いします [本編][アフター] https://t.co/64mhOndHG4 ■7.11(土) 〝GO TIME〟 https://t.co/rWTOJnEuS9 ※7月1日以降システム利用料がかかります」 https://twitter.com/KINGOFFICIAL114/status/1277810070571544584
KING OFFICIALさん「【NEW ONLINE LIVE】 2020.7.22(水) 高田馬場CLUB PHASE 詳細後日」 https://twitter.com/KINGOFFICIAL114/status/1277811964845019136
aさん「インターネットファンクラブによる差入れ。あなたが購入した液体が今夜私たちの体内に注ぎ込まれる。理���と叡智の結晶であり、歓喜である。激しいクリックは真の勇気たるだろう。」 https://twitter.com/giboaiko_japan/status/1277518925295529986
眞呼さん「あ。 始まっている。」 https://twitter.com/maco_nightlight/status/1277559281525522433
【貴族】Mörishige【KIZO-CLIMAX TOGETHER】さん「これよりゴッド・エンダムーニーズの激SEA時間帯に突入��たします・・・」 https://twitter.com/KIZOKU_0927/status/1277580858296131585
【貴族】Mörishige【KIZO-CLIMAX TOGETHER】さん「マンクス、ドーム・・・† ゴッド・エンダ・ムーニーズ、楽SEA過ギルティ🍷🍷aieさんに俺の M SEAとしてポテンシャルを見出されちまって上機嫌だZE! 記念グッズ(高額ノートはまだ売れてないらSEAくて摩天楼さまが嘆いてます!)(当たり前やろが!笑)→ アゲウチ行ってきます🍻」 https://twitter.com/KIZOKU_0927/status/1277618502946312193
ROCK CAFE LOFT|ロックカフェロフトさん「いよいよ明日6/30、伝説のトークイベントがリモートで復活生配信!お見逃しなく! 6月30日(火)20:00スタート the god and death stars 10周年記念「ゴッドトークリモート(生演奏チャレンジ有り)」 【出演】the god and death stars ※3日間のアーカイブ期間あり 詳細は」 https://twitter.com/ROCKCAFELOFT/status/1277507121500717057
こもだまり/昭和精吾事務所さん「先日ご紹介した、岩坪成美さんのインスタライブ、毎週月曜23〜24時だそうです。つまり今夜! #ささら48 の看板娘ぶりが気になった皆さん、どうぞ素顔をチェックしてくださいませ。」 https://twitter.com/mari_air/status/1277534163684343809
桜井咲黒さん「ビンビン兄さんこと、西邑卓哲音楽監督とMVの調整を終え、後は石井飛鳥主催との最終チェックを残すのみとなりました! 早ければ今週末公開! 楽しみにしといてね!」 https://twitter.com/sakurai_zakuro/status/1277547675798220800
こもだまり/昭和精吾事務所さん「#こもだ先生業 4期4回目。授業の前に自主トレでエチュードやってた!偉い!リズム感強化し、身体の使い方基礎編で何故か摺り足までやって、イメージを身体で表現する稽古。発想を具現化する為には、引き出しと技術は勿論のこと、瞬発力と柔軟さが欲しい。勇気とも言える🔥でも何より、力まないこと!」 https://twitter.com/mari_air/status/1277596534276644865
ふなもと健祐さん「でくのぼー。 #Peing #質問箱」 https://twitter.com/funamoch1/status/1277598403896066048
石井飛鳥さん「『プラト��アのすべて』を公開しました! #百眼 #アリスオブザデッド」 https://twitter.com/ishiiasuka/status/1277568463481892865
西邑卓哲(FOXPILL CULT) Takaaki Nishimura🌚さん「劇団フェリーちゃん9月公演の楽曲制作クラウドファンディング、お陰様で達成しました!!!!素晴らしい公演になるよう、ご期待に添えるよう全身全霊で楽曲制作に向かいます。やるぞ!!!!」 https://twitter.com/takaaki_FOXPILL/status/1277602709265211392
劇団フェリーちゃんさん「【クラウドファンディング目標達成】 第五の航海『Ma les me Role〜マルムロール〜』 楽曲制作の為のクラウドファンディング 目標の30万円に到達しました!! ご支援くださった皆様、 応援してくださった皆様、 本当に本当にありがとうございました!!」 https://twitter.com/feli__chan/status/1277432790527574018
劇団フェリーちゃんさん「6月某日、 お二人の作曲家さんと、座談会を行いました! 永井カイルさん編 西邑卓哲さん編 皆様のご支援のおかげで、 お二人に楽曲を制作していただけることになりました。 本当にありがとうございます!!」 https://twitter.com/feli__chan/status/1277588460304384000
なにわえわみさん「そしてこちら! 皆様のご支援で、 楽曲を制作していただくことが決まった、 永井カイルさん、西邑卓哲さんとの対談をアップしました!! お二人とも、 普段は聞けない様々なお話をしてくだっています。 是非読んでみてくださいませ!!」 https://twitter.com/naniwae_wami/status/1277617391799799808
十三月 紅夜さん「生き延びました。ありがとう。」 https://twitter.com/jusangatsukouya/status/1277621673940811777
石井飛鳥さん「速報◎7/22廻天百眼のワンマンライブ『マッドネスパーティー』にDJ RAVEMANが参戦決定! 開演前や衣裳替えタイムにフロアを爆アゲします! 廻天百眼MIXもあるかも!? #百眼」 https://twitter.com/ishiiasuka/status/1277603142750728195
なにわえわみさん「そして、 改めて、クラウドファンディング。 本当に本当に有難う御座います。 この期間に、 こんなにも多くのご支援をいただけることって、 本当に凄まじいことだと思っております。 そして、だからこそ、 必ず素敵なものをつくるんだ、と 意気込む今 感謝と責任と、 だからこそ楽しむ心を大事に…」 https://twitter.com/naniwae_wami/status/1277621625635041281
UNCLOCK LOVER2020さん「《拡散希望》」 https://twitter.com/UNCLOCK_LOVER20/status/1277513437615022081
ZIGZOさん「【インタビュー】ZIGZO、髙野哲×櫻澤泰徳が語るコロナ禍と12ヵ月連続リリース「生涯バンドマンでいたい」」 https://twitter.com/zigzo_official/status/1277557761790767104
BARKS編集部さん「【インタビュー】ZIGZO、髙野哲×櫻澤泰徳が語るコロナ禍と12ヵ月連続リリース「生涯バンドマンでいたい」#ZIGZO #髙野哲 #櫻澤泰徳」 https://twitter.com/barks_news/status/1277557426955436037
ZIGZOさん「ZIGZO TOUR 2020 7月公演開催中止・代替公演決定のお知らせ 〜ZIGZO、そのかわり〜 #ZIGZO」 https://twitter.com/zigzo_official/status/1277559153985118209
Sakura 櫻澤泰徳 Yasunori Sakurazawaさん「【インタビュー】ZIGZO、髙野哲×櫻澤泰徳が語るコロナ禍と12ヵ月連続リリース「生涯バンドマンでいたい」」 https://twitter.com/sakurazawa/status/1277561590057820161
Sakura 櫻澤泰徳 Yasunori Sakurazawaさん「7/19(日) 浦和ナルシスで大西&櫻澤(w/吉田トオル @tooru_yoshida )やります。 なにやろっかなぁ…。 #ZIGZO」 https://twitter.com/sakurazawa/status/1277563586060054528
KISAKIさん「約20年ぶりに寝屋川VINTAGE BARに行ってきた。Syndromeの結成時やアンチファミニズムではすごくお世話になった。ライブ中断とか迷惑もかけたけど(苦笑)コロナの影響で大変そうだけど頑張ってほしいな。スタッフの方にも超久しぶりに会えて嬉しかった。」 https://twitter.com/KISAKI_OFFICIAL/status/1277575587024920577
アルケミ officialさん「アルケミ夏の恒例主催🎐 今年も大阪で開催... ◆8/12(水)~13(木)心斎橋SHOVEL アルケミオールナイト主催🌙 「仏恐」其の四 開場22:30/開演23:00 前)¥3700/当)¥4200(税込・D別) ※未成年入場不可・入場時IDチェック有・8/13(木)am4:30終演予定🕟 🎫7/12(日)〜e+で発売、お1人様4枚、バンド予約有」 https://twitter.com/ARCHEMI_info/status/1277574065616637953
邪悪四弦LINAさん「紅番区-RedbronX 7/12 心斎橋SHOVEL 8/12〜8/13 心斎橋SHOVEL 久しぶりに演るよ!(°_°)」 https://twitter.com/L_ch_vazm/status/1277577215970996226
🕸𝔛𝔛𝔛𝔄𝔗𝔖𝔘𝔖ℑ🕸さん「どのバンドのかは秘密だけど 新曲のリフを作った chorusのコードも この新曲は打ち込みとかじゃなくてオール生演奏でやる曲 ヤバイのがスタートしそう 楽しみだな〜」 https://twitter.com/xxxxvalentine/status/1277582222933934081
🕸𝔛𝔛𝔛𝔄𝔗𝔖𝔘𝔖ℑ🕸さん「The Neighbourhoodは夏を感じる めちゃカッコいい The Neighbourhood - Sweater Weather (Official Video)」 https://twitter.com/xxxxvalentine/status/1277591516819537921
源 依織さん「最終回まで突っ走る。」 https://twitter.com/prin_guitarist/status/1277583157349380097
藤田幸也 yukiya.tokyoさん「KEELとKαinの対談を改めて… ryoさん(HOLLOWGRAM)とaieさん(有名人)、 YUKIYAとSHIGEさん(ENDLESS)… 同期で年齢も同じ&誕生日も近いという ryoさんとSHIGEさんが実は D’elsquelとBLÜEの頃から付き合いがあるという 90年代V系マニアには 興味深いエピソードあり…」 https://twitter.com/YUKIYA1999/status/1277609346990370819
ガチタンバリン奏者大石竜輔さん「もう後戻りできないタンバリン奏者が許さないvs許さないを演奏しました #ガチタンバリン #タンバリン」 https://twitter.com/ryu1300ryu/status/1277281610023333888
FUMIYAさん「MV見返してると撮影当日の苦労が蘇る。 あまり伝わってないかもしれんが、MV撮影ってドラマー的には撮るカットの都合上ワンマンに匹敵するかそれ以上の気力体力の消耗具合なので、是非とも沢山見てやって欲しいす。 あと単純にかっこいいから見て」 https://twitter.com/Fu_min666/status/1277609744685912064
舜 NEiNフルアルバム発売中さん「今日は大変ご無沙汰な友人と会いました。 弟子でもあり、同業者でもあり、 俺よりも全然人としてまっとうに生きてる彼ですが、 元気そうでなにより。 いつまでも彼の味方でいたいし、力になりたいと思った夜でした。 奴も空から見てくれていたと思います。」 https://twitter.com/shun_thefuzzbox/status/1277627709963681792
舜 NEiNフルアルバム発売中さん「ファズでツアー行きましょうって、もうやってないプロジェクトじゃねえか笑 だとしても、いつになるかわからんけど実現したいもんだね😊」 https://twitter.com/shun_thefuzzbox/status/1277630639177478146
舜 NEiNフルアルバム発売中さん「お前の父ちゃんxx ちなみにうちの兄ちゃんは引きこもりではない。」 https://twitter.com/shun_thefuzzbox/status/1277641379347193880
舜 NEiNフルアルバム発売中さん「本日はレコーディングのお仕事! 頑張る💪💨」 https://twitter.com/shun_thefuzzbox/status/1277810618947395584
魚住 英里奈 ( 独 唱 )さん「容姿、境遇、学、知識 で、自決を許されない人間が 許される弱さが時として音や作品になり誰かを許したりするせいで 人生をやめられないあなた 98円の食器用ブリーチで染めたコンバースのスニーカーブーツ というタイトルの一日を過ごします。」 https://twitter.com/erina_chas/status/1277692104601268224
源 依織さん「まだ終わらんのかーい」 https://twitter.com/prin_guitarist/status/1277747742442262528
【Phobia】 KISUIさん「@prin_guitarist 立ち止まりなさいな。笑」 https://twitter.com/KISUIxxx/status/1277754774071304193
源 依織さん「@KISUIxxx ここまで来て引き返すわけにゃいかんのですよ、三代目ェ…」 https://twitter.com/prin_guitarist/status/1277778374258077696
【Phobia】 KISUIさん「@prin_guitarist ダメだ。完全に持ってかれてる。笑」 https://twitter.com/KISUIxxx/status/1277798532653518848
金髪豚野郎K助(偽殿下)さん「あと1時間後に販売開始ですねん (°_°)」 https://twitter.com/goldenpigdrumer/status/1277752006044561409
金髪豚野郎K助(偽殿下)さん「もう本当にフワーっと匂わせてきた「俺様ベストCD」ですが、舜様の活躍により何とか俺様の誕生日7/30に発売できそうです! 現在、デザイナーさんと一緒にアワアワと作業に追われております (°_°) 詳細は近日発表!!!」 https://twitter.com/goldenpigdrumer/status/1277766216480772096
KEKEさん「俺と銀ちゃん、そしてAMBEEKメンバー全員からプレゼント☺️ 誕生日に、そしてこのコロナでのネガティブな状況 全部を笑顔に変えたくて挑戦してみました。 少しでも皆んなが笑顔になりますよーに☺️ いいね、リツイートしてね🥺 7/5 池袋EDGEで待ってます。 聞いてね 誕生日だ✨」 https://twitter.com/keke_0630/status/1277814419297165315
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numa-chi · 5 years ago
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私はうつ病です。昔の事も思い出せず、感動せず、感情もわからず、物を覚えられず、体を動かすのもつらく、毎日ただひたすら苦しく、生きているだけでお金がかかるのに生きてる意味ってありますか? 長谷部 和彦, 元公立小学校 教諭 回答日時: March 13, 2020 長くなります。よかったら読んでください。 まず、私から提案したいと思います。 私の家に遊びに来ませんか。鹿児島県のとある田舎町で農業を営んでいます。新規就農してからまだ半年余りなので、アルバイトをしながら何とかやっている状態ですが。 独り者です。バツイチです。質問者の方が男性でしたら、何日か泊まっていただいても構いません。 柴犬と猫とヤギ、ニワトリがいます。 以下、陰鬱な内容を含みます。耐性の無い方は読まれない事をオススメします。 私もうつ病でした。 それも重度のうつ病でした。主治医には、最終的には脳に電極をつけて電気ショックを施すことを勧められたぐらいです。 入院治療も2度行いました。 最初の入院は、自殺未遂をしてから運ばれました。施錠された病室に隔離されました。常にモニターで監視されていて、トイレなどハナから丸見えです。 1週間の後、一般病棟に移りました。 職場には、主治医からうつ病の為3か月の休職が伝えられました。 2週間後くらいから、躁状態に入りました。 室内では腹筋、腕立てを繰り返し、外出許可をもらってはランニングに勤しみました。 自分自身が何故うつ病になってしまったのか自省し、退院してから復職する迄のやるべき事リストを作り上げました。 前向きな様子を見て、主治医も退院時期を前倒しにしました。 一月後、退院しました。 退院してから、先ずは主夫業に精を出しました。 過剰なまでの不安と心配を与えてしまった妻の為、早起きして犬と散歩に行き、朝ごはんを作り、掃除、洗濯を済ませ、夕ごはんの買い出しに行き、夕ごはんを作って妻の帰りを待ちました。 週に2回の通院は、あえて15キロの道のりを自転車で通いました。散歩にも出かけ、野の花や小鳥なんかをスケッチしたりもしました。 全てはうつ病を克服するためだけに、日々を過ごしました。認知療法、行動療法、薬物療法すべて行いました。 1か月後、再発しました。 休職期間も残り1か月ともなると、緊張と不安が絶え間なく襲ってきます。また寝れない日々が続きます。食欲もなくなり、何をするのも億劫です。 復職1週間前ともなるとある思いが心を支配します。 (死にたい…) とにかく私は死にたかったのです。 いわゆる、希死念慮です。 簡単に言うと自殺願望なのでしょうが、色んな自殺の方法を探りました。 結局は首を吊る事に落ち着きました。 妻の居ない日中に、何度も何度もタオルなどで首を吊りました。でも死に切れませんでした。 勇気を振り絞って復職しました。 3か月ほど働いたでしょうか。職場での日々は、私にとって正に地獄でした。常に緊張していました。頭が上手く回転しません。真っ直ぐ歩くことさえままならず、何故か柱や机の角にぶつかりました。トイレに用がなくても頻繁に入り、周りの好奇な目から逃げました。その度にトイレの窓から飛び降りたい気持ちになりました。自殺を試みた人間に対して、同僚は腫れ物に触るように対応します。 毎週末、今日こそはと思い、首つりを繰り返しました。しかし、最後まで出来ません。 私は思い込みの世界で生き、想像の世界で苦しんでいました。 自殺未遂をしてから、うつ病と告知されてから、いやもっとずっと前から私は、私自身の妄想に自縄自縛の状態でした。 あいつは仕事が出来ない。 あいつのせいでみんな迷惑している。 自殺未遂するぐらいなら仕事を辞めればいいのに。 それでも上司は私を励まします。 君なら出来る。死んだ気になってがんばりなさい。みんな君の事を心配しているんだ。恩返ししないとね。 妻も私を励ましてくれました。 折角、頑張って公務員になったのに、今辞めたらもったいないよ。家のローンはどうするの。その年から転職なんて出来ないよ。あなたの大好きな柴犬も手放して、動物も飼えないようなアパートに移る事になるよ。今が頑張りどきよ。 私はもう限界でした。いや、もうとっくに限界だったのでしょう。主治医からは兎に角強い睡眠剤と抗うつ剤を処方してもらいました。 起きていても何時もボーッとしていました。 漢字もどう書くのかよく分からなくなりました。 ひらがなさえ、「あ」と「お」の違いさえよく分からなくなり、度々授業中の計算ミスを子どもに指摘されました。 ある日、子どもに問いかけられました。 「先生、なんで死のうと思ったの?前の先生が、H先生はぼくたちのことが嫌いで死のうとしたって言ってたけど、本当?」 「そんなことないよ。死のうとなんかしてないよ。」 咄嗟に取り繕いました。 代行の先生が、断片的で恣意的な情報を子どもたちに伝えていたようでした。 再休職することになりました。 うつ病の原因は今だからよく分かります。 新しい学校に移動したものの、子どもたちと以前のような信頼関係を築けないことからの自己嫌悪。 同僚とも良好な関係を持てないことからの苛立ち、不安、不満。 それらから派生するように、仕事への自信喪失。 40過ぎても子どもを持てないことへの落胆。 35年住宅ローンの重圧。 自分の故郷が地震と津波で壊滅的な状況なのに、何も出来なかったことへの後悔。 妻とも友人とも、会話が噛み合わないことからの孤独感。 当時の私は客観的に見ても、八方塞がりでした。 でも多くの方たちも、多かれ少なかれ40も過ぎれば仕事や家庭で問題を抱えています。しかし、うつ病にはならないでしょう。だからこそ私は私自身に失望しました。失望感は再休職したことからさらに募り、積み重なった失望感は、絶望感へと集約されました。 再休職して、私はまさに生きるしかばねの様でした。 以前の休職期間のように、前向きにうつ病治療をすることも有りません。ただ、ただ死なないように生きているだけです。 誰かの歌詞にあったように、 私は小さく死にました。 当時の私は死にたいと云うよりも、「楽になりたかった」のです。 40も過ぎて再休職し、再び同僚や子どもたちに迷惑をかけ、上司の配慮や期待にも応えることが出来ず、その上、妻への罪悪感は筆舌に尽くし難いものがありました。 いつ自殺が成功しても大丈夫なように、定期的に遺書を書きました。妻への謝罪、同僚たちへの謝罪、両親兄姉への謝罪、毎日毎日こんな自分が生きていることが申し訳ありませんでした。 妻は週末になると、神社へとわたしを連れ出しました。近所の神社、箱根神社、鶴岡八幡宮、春日大社にも行きました。 2時間で2万円もするカウンセリングも受けました。 主治医から処方される薬は、5種類まで増えました。病院でのカウンセリング担当医は、大学を卒業したばかりのような若い女性です。彼女なりに真摯に私と向き合ってくれましたが、私は彼女から助けてもらえるとはとても思えませんでした。主治医で院長でもあった先生は、薬を処方するだけです。もしうつ病が治らず、教員を退職する事になったら精神障害者として生活保護を受けるしかないと言われました。 一向に良くならない私の状況に、妻は失望し、疲弊しました。あとで知った事ですが、リストカットなどの自傷行為をしていたようです。 毎晩、妻から叱責をされるようになりました。 このままだとどうなるか分かる?あなたがうつ病を治さないとどうなるか分かる?いい加減、治してよ!どれだけあなたが沢山の人たちに迷惑を掛けているのか分かる?だから早く治して! 時には包丁を持ち出され、一緒に死のうと懇願されました。 一度、人は道を踏み外すととことんまで堕ちるのだと思いました。しかも、底がありません。どこまでも堕ちるのです。 生き地獄でした。 翌年の4月、私は別の学校に移動し復職することになりました。 私は私を偽りました。うつ病は治っていません。しかし、治った事にしないと妻がもちません。 治ったと偽り、主治医にも復職を許されました。 復職して、3週間後の朝、自宅の梁に電気コードを括り付け、椅子を倒し首吊り自殺しました。 死んでいませんでした。 気づくと愛犬の柴犬が必死に私を舐めていました。 何も見えません。呼吸が止まっていたのでしょうか。私は必死に呼吸をしました。呼吸を繰り返し繰り返し行うと暗闇に光が差し込んできました。 何故かコードは解けていました。今際の際で、コードを解いていたようです。しかし自分が何をしたのか暫く理解できませんでした。失禁していることに気づきました。脱糞までしていました。眼球は出血し、白目部分は真っ赤に染まっていました。左半身が上手く動きませんでした。 その日、再入院することになりました。 主治医から、電気ショック治療を勧められました。一定の効果は期待できるが、全身に激しい電気ショックが流れるので多少の骨折や記憶の欠落などのリスクは覚悟してくれと言われました。妻の反対で行いませんでした。 もはや、自分が何をしたいのか、生きたいのか死にたいのか全く分かりません。ただただ矮小で卑屈で社会のゴミのような存在だと思いました。 生きている意味などあろうはずもありません。 でも私は生きていました。あの日以来首を吊るのも止めました。何も考えず何もせず、出されたものを食し排泄し、夜になれば睡眠剤でぐっすり寝て朝になれば看護師に起こされ、何もない1日が始まります。 2か月後退院しました。暫くして、教員を辞めました。無職になりました。新築の家も売りに出しました。妻には当然ですが、見放され東北の実家に帰ることになりました。実家にはまだ思春期の姪たちがいたので、兄がアパートを探してくれそこに1人で暮らす事になりました。 私は何も考えなくていいように、中古のゲーム機を買って一日中ゲームをしていました。たまにスーパーに食料を買いに行きますが、誰かに見られるのが恥ずかしくて、短時間で目につくものをそそくさと買ってアパートに戻ります。何も考えません。感情も有りません。風呂にも入りません。歯も磨きません。ある時、履けるパンツが無く、Tシャツを逆さにして履きました。チンチンが寒かったです。 以前の主治医から実家近くの病院を紹介され、紹介状も持たされていましたが、そこの病院に行く事は有りませんでした。もう精神科医も抗うつ剤も睡眠薬も私には必要ありませんでした。 なぜなら私は人の形をした、ただの醜いぬけがらでしたから。 時間も季節も、世間も仕事も、私には何の意味も有りません。物欲、金欲、食欲といった欲求もありません。ただ日々死なないように生き、金を食いつぶし、秋が来て、冬が来て、春が来ました。 定期的に父から電話がありました。その日は今までにない雰囲気で、もうアパートを引き払えと言ってきました。 実家で両親と兄家族と暮らす事になりました。 父は頻繁に私を外に連れ出しました。80も近い父の運転で、被災地の風景を見たり、故郷の野山を見たり、桜を見たりしました。 5月過ぎ、父が帯状疱疹になりました。 6月になると、胃腸に何らかの不調を訴えるようになりました。 7月、近隣の中核病院に入院することになりました。 最初は泌尿器系の病気が疑われ、手術を受けましたがあまり体調が改善されません。その後、ガンが疑われましたが、その部位が���からないと言われました。原発不明ガンと診断されましたが、本人には告知していませんでした。 父が体調を崩してから、病院の送り迎え、入院の準備や手続き、お医者さんの対応など、私が行いました。初めは嫌々でしたが、結局手が空いているのは私しかおりませんから、仕方なく対処していました。 原発不明のガンなので、具体的な治療方針が決まりません。何故か、一時退院が許されました。 退院してから、定期的に通院する事になりました。その日は泌尿器科の受診の日でした。泌尿器の主治医がお休みで代理の先生に診てもらいましたが、受診後父の様子が変で、帰り道に尋ねるとガンだと告知されたと言います。 何年ぶりでしょうか。私の中に忘れていた感情が芽生えました。 怒りです。 その日告知してきた先生は、あくまで泌尿器科の主治医の代理で、しかもガンの部位はおそらく消化器系だろうと言うことで告知する時期は消化器科の主治医と治療方針と共にこれから考えていきましょうという段取りになっていたのです。 父の落胆は見るからに明らかでした。父はタバコも吸いません。深酒もしません。健康番組が大好きで、健康に人一倍気を使っていました。 食事の世話も私が行っていましたが、食欲もめっきり無くなりました。歩くのも酷く疲れるようになりました。 私は消化器科の主治医とアポを取り、抗議の為病院に赴きました。何の相談もなく、科も違う代替先生が告知をしてしまった事に、平謝りでした。 それから私は、ガンについてできうる限り勉強しました。通院の際は、ノートを持ち込んで先生の所見を事細かくメモしました。 PET検査なるものでガンの所在が分かるかもしれないと聞き、検査機のある病院まで連れて行きました。 しかしながら、ガンの所在、及び部位は特定できませんでした。 8月になり、いつも以上に辛そうな父を見て再入院させる事にしました。病院に着くともう自力では歩くことが出来ず、車椅子に乗せて診察室まで連れて行きました。 父は気丈で弱音を吐くことを聞いた事がありません。 私が小学生の頃、車のドアで親指を挟み、骨が見えていても自分で運転し整形外科に行き、夕方には仕事をしていました。 私が中学生の時には、母が粉砕機で薬指を切り落としてしまいました。側にいた父は、すぐさま薬指を拾い、氷袋に入れて母を病院まで連れて行きました。指はくっつきませんでしたが。 そんな父が、自ら車椅子に乗っている姿に愕然としました。 主治医からは、胸水が溜まっているのでお辛いのでしょうと言われました。とりあえず、入院治療することになりました。 胸水を抜いてもらい、多少楽になったのか父に少しだけ笑顔が戻ってきました。後から来た母とも談笑していました。 数日後、父は永眠しました。 死因は、原発不明ガンとのことですが直接的な死因は、窒息死です。深夜になって吐いたものが気管に詰まり、自力では解消されず看護師が気づいた時には亡くなっていたのです。 解剖はしませんでした。 母の取り乱しようは筆舌に尽くし難く、身内一同呆然としました。 それでも、お通夜や葬儀は粛々と進められま��。 葬儀が終わり、明日早朝に火葬を残すのみという晩の頃、私は葬儀会場で棺の中にいる父と2人きりになりました。 止め処無く涙が溢れてきました。あんなに泣く事はもはやないだろうと思います。 おそらく1時間ほど泣き続けたでしょうか。その間、私は心の中で同じ言葉を繰り返していました。 (ごめんなさい。ごめんなさい。) (もう大丈夫だから。) ほぼ平均寿命とは言え、父は80手前で亡くなるような人ではありません。ましてや、ヘビースモーカーで高血圧の祖父より早死にするような人ではないのです。 では何故、こうも早逝してしまったのか。 原因は、私です。 私の存在がストレスとなり、私のうつ病が治らないこともストレスとなり、40過ぎの息子が無職になって帰ってきて引きこもりになっている現実がこの上なく父に負担を掛けたのは間違いありません。帯状疱疹になったのも、胃腸に不調をきたしたのも、がんと診断されて1か月余りで亡くなったのも、私のせいです。身内は誰も口には出しませんが、みんなそう思っている事でしょう。 それなのに私は、父の棺の前で1時間ほど泣いて泣いて泣き疲れた後、気づいたのです。 うつ病が治ったと…。 皮肉なものです。父の病と死が、私のうつ病を寛解に導いたのです。 半年前まで、私は私の抜け殻でした。 何もせず、何も考えず、ただ無意味に時間とお金を浪費する肉の塊に過ぎませんでした。他人と会話する事は勿論のこと、身内ですら顔を見て話すことも出来ませんでした。 それが3か月前から止むを得ず、父の世話をするようになってお医者さんと交渉したり、看護師と話したり、父の様子を親戚に伝えたりするうちに何となく、うつ病は回復の兆しを見せ始め、最終的にに父の死によって寛解に至ったのです。 父は全く意図していなかったでしょうが、結果的に父の病と死が、私を深い深い谷底から救ってくれたのです。 結局のところ、私のうつ病を治したものは医者でも無く、カウンセリングでもなく、ましてや薬でもありません。タイミングときっかけ、そして行動です。 以下は私の経験則からの私見です。異論がある方もいらっしゃると思いますが、ご容赦ください。 うつ病は、薬で治る病気ではありません。 一般的な解釈としては、うつ病は過剰なストレスなどにより、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が上手く働かなくなり、シナプス間における電気信号が不調となる為、活動性が低下し、感情が失われていくとされています。 抗うつ剤などの薬は、上記の神経伝達物質を良好に分泌させる為のものですが、あくまで一時的なものです。言わば、身体が疲れた時のユンケルみたいなものです。ユンケルのような滋養強壮剤の効果は、有って小一時間ぐらいらしいです。医者に聞きました。寧ろ(俺はりぽDを飲んだから元気だ!)といった暗示の副作用の方が大きいといいます。抗うつ剤も同じです。気休め程度にしかなりません。しかも抗うつ剤を服用し続ける事は何の根本的な解決にはなりません。また様々な種類があり、強いものを飲み続けると廃人になるようなものも有ります。��イリスクローリターンです。 私が知っている精神科医で、うつ病を本気で治せると思っている人はおりません。彼らは、薬を処方し点数を稼ぎ、報酬を得ているに過ぎません。私が暫く通院していた病院は、正にそうでした。2年ほど通いましたが、沢山の精神病患者で寛解に至った方を私は知りません。私の主治医だった精神科医は、患者を1時間待たせ5分の問診で処方箋を書き、効率よく病院に富を蓄積させます。おそらくそれが出世の処方箋なのでしょう。 先日、NHKドラマで阪神淡路大地震を体験した精神科医の話がありました。患者の話を30分でも1時間でも真摯に聞く先生でした。私もそういう精神科医に出会ったら違っていたのでしょうが。 現実は違います。それでも精神科医に診てもらいたければ、開業医をお勧めします。少なくとも組織の中にいる精神科医はダメです。 カウンセリングもお金と時間がかかるばかりで、効果のほどは期待できないと思います。 中には、行動療法や認知療法で寛解する方もいらっしゃるとは思いますが、私は懐疑的です。 そもそもうつ病の根幹的な治療は何か? まず、うつ病に至ったストレスを無くすことです。私は公務員という立場や家のローン、世間体などから仕事を辞めるという選択肢を選ぶのか遅すぎました。 そして、死なないように生き、どこかのタイミングで行動を起こすことです。具体性に欠けますが、深い深い闇の中にいて、抗うつ剤や他人の空虚な言葉が一筋の光になる…なんて事は現実的ではありません。 最初はどんな行動でも構いません。ポイントは、うつ病を患ってからした事がない行動です。 よくうつ病を患った人に、「神様から休みなさいって言われているんだよ。」という方がいますが、うつ病患者は休んでいるわけではありません。深く傷つき、深い闇の中でいつ終わるとも分からない嵐が過ぎ去るのを息を殺し、感情を捨て、ただただ耐えているのです。 話が逸れました。 質問者の方は、生きている意味があるかと問いかけられていますね。 私の答えは、「ない」です。 そもそもが、生きているだけで意味がある人間なんてどれほどいるのでしょうか?人間は人間を特別視し過ぎです。過去には、人間ひとりの命は地球よりも重いと言った政治家が居ました。馬鹿げています。 この地球には、既知の部分だけでも175万種の生命体がいるそうです。未知を含めたら500万とも800万とも言われています。その多種多様な生き物が懸命に命を繋いでいます。その中で、何故人間の命だけが尊いと言えるのでしょうか。 周りを見渡せば、ニュースを見れば犬、猫より価値の無い生き方をしている人が沢山います。蜂や蟻よりも生産性の無い生き方をしている人間がありふれています。 人間の命、そのものには意味がないのです。 あるとすれば、意味ではなく「時間」だと思います。 そして時間があるからこそ、「行動」ができるのです。 重度のうつ病患者は、行動が出来ません。 行動が出来ないということは、時間が止まっているのです。 故に今のあなたが、生きている事の意味を問いかけるのははっきりいって無意味です。 それはあなた自身が本当は理解されているはずです。 けれども今あなたがその漆黒の闇を抜け出せるその日が来た時、あなたの(生)に価値が生まれます。あなたが自分の足で、自分の意思で前に進み始めた時、時間が再び動き出します。 生きている限り、意味はなくてもあなたには「時間」がある。時間があるという事は、あなたの人生は何度でもやり直せるのです。 更にあなたが価値ある、より良い行動をとることで、あなたの(人生)に意味が生まれると思うのです。 人の(生)に意味があるとすれば、価値ある行動を実践した時、初めて生まれると思うのです。 人の人生の評価は何で決まるのでしょうか? 財産、出世、肩書き…人それぞれでしょうが、私は行動だと思います。どれだけ価値ある行動を人生で出来たか、だと思うのです。 だからまずあなたがするべき事は、死なないように生きることです。そして、私のようにきっかけを待つか、自らきっかけを作り行動することです。 正直言って、私のようなきっかけを待つことはお勧めできません。 だからこそ、私のところに遊びに来ませんか? もしかしたら、何かのきっかけになるかも知れません。仮にならなくても、きっかけのきっかけぐらいにはなるかも知れません。 私は今、農業に従事しています。何故、東北から南九州に来て、農業をしているかの経緯は割愛しますが、私はうつ病が寛解してから2年ほどの、50手前のおじさんです。 うつ病が治り、取り敢えず3つの事を目標に掲げました。 ①飼っている柴犬を、日本一幸せな柴犬にする事。 ②最低限、父の年齢まで生きる事。 ③世界の真理を一つでも多く学ぶ事。 です。 農業では、無農薬、無化学肥料での、循環農法を実践しています。なるべく、F1の種に頼らず固定種の種から作付けして、この土地に合った野菜を育て、種取りをして、安全、安心な、究極的には硝酸態窒素を過剰に含まない、ガンにならない野菜作りを目指しています。 知らない土地に来てからの挑戦なので、苦労もありますがやり甲斐も有りますし、生き甲斐も感じています。 何よりも、何度となく死んでしまってもおかしくない我が身がこうしてお天道様の光を浴びて働けることが、嬉しくて嬉しくて仕方が有りません。 昔、ドイツの哲学者が言っていました。 (自らを否定して否定し尽くした時、あなたは超人となるだろう。) 私のうつ病期は、自己否定の繰り返しでした。 もちろん、私は超人には成れておりません。 ただ、周りの人達よりちょっとだけ物事の本質を理解出来るようになったかなと思います。 一昨日、東日本大震災から9年経ちました。 2万人以上の方が亡くなられました。 彼らにはもう時間が有りません。行動を起こすことも出来ません。 だからこそ我々生きている人間は、然るべき行動により、震災を語り継ぎ、亡くなった方たちを忘れずに生きねばなりません。 あなたは生きている。 あなたには時間がある。 あなたは行動を起こせる。 大丈夫。時は必ず訪れます。 最後にアメリカの詩人の言葉をご紹介します。 (寒さに震えた者ほど 太陽の暖かさを感じる 人生の悩みをくぐった者ほど 生命の尊さを知る これから私は幸福を求めない 私自身が幸福だ) 長文につき、乱筆、乱文ご容赦ください。
https://jp.quora.com/%E7%A7%81%E3%81%AF%E3%81%86%E3%81%A4%E7%97%85%E3%81%A7%E3%81%99-%E6%98%94%E3%81%AE%E4%BA%8B%E3%82%82%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%E3%81%9B%E3%81%9A-%E6%84%9F%E5%8B%95%E3%81%9B%E3%81%9A-%E6%84%9F%E6%83%85%E3%82%82/answers/202981897?ch=2
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hiira-g · 6 years ago
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企画お知らせ&コメントお返事(~10/1分)
台風の被害はほぼ無かったんですが普通に間に合いませんでした!!お待たせして��みません!! しかもブラウザが謎に勝手にリロード走らせやがりまして、書いてた記事が一度まるごと吹っ飛びました。tumblrさん、作成途中記事の自動保存機能をなるはやで実装してくださいお願いします・・・・・・
関西ティアについては前回記事でちょこっと触れたので、今回はまた別の企画の告知をば……最近告知多くてすみません…… オリジナル作品二次創作合同誌企画『協心戮力』第二弾、主催&参加させていただきます!! こう書くとなかなか分かりづらい企画なんですが、オリジナル作品を持つ創作者が集まって、互いの作品をシャッフルして二次創作し合おうよ!ついでに本にしちゃおうよ!!というものです。 第一弾を去年の11月に発行しておりまして、そちらも参加させていただいたのですが(memoを遡ると出てくるかと思います)、好評につき第二弾も開催させていただけることとなりました。 私は硫黄さん原作の『放課後の薄紫』を担当させていただきます!どこか気だるくて生温い青春の温度感が私はすごく好きで、安定感があって説得力がある硫黄さんの絵柄とマッチしていて超尊敬している作品なのでドドドド緊張しています…… そして拙作『RUMORE!』を担当していただくのは水炊よういちさんです!!よういちさんの描く青少年ドチャヤバ可愛いので死ぬ気しかしていないです。聞くところによると愛と勇気と青春の激アツ漫画だそうなので…あっ嘘、嘘です、そんな単語一つもよういちさんの口から出てきてません、大嘘です。……ともあれ今から超絶楽しみです!!!(よ~し、うまくまとめた~!)
一人でタイムアタックしながら作った超COOLな企画サイトがあるので、詳細はそちらにてご確認ください!!いやホント見て、キービジュアルがヤバヤバカッコイイのでそれだけでも見てください……↓↓
Tumblr media
『協心戮力Ⅱ』企画サイトはこちら>>
それではお待ちかね、コメントお返事のコーナーです。 最近更新の度に更新分に関する感想をいただくのですが本当~に嬉しいです!!いやほんと、、、読者の方からリアクションがあると俄然やる気が出ます。最近更新やイラスト投下の頻度が高いの��そのためです。本当にありがとうございます! では追記からどうぞ~!
>篠原昴親衛隊隊長 さん
イベントお疲れ様でした!!原稿期間も当日もメチャメチャ楽しかったです、こちらこそ本当にありがとう!!〆切二週間前お互いネームの状態だったときはさすがに駄目かと思ったけど、あの時ーー(以下回想)「クッ………最早ここまで……か……」「ハァ、ハァ……諦めるな………ここで我々が倒れたら………一体誰がこれを届けるというんd………グフッ」「識野!?おい、しっかりしろ……!!………くっ……そんな……俺は諦めない……!!……ここで倒れるわけには………いかないんだァァァ!!!」パアアアアア(突如輝き出す柊の身体)「!?こ、これは……!?傷がみるみるうちに治っていく、だと……!?…そうかこれは……"神化"!!これなら勝てる………〆切<<ヤツ>>に勝てる………!!」ーーこうして神化を遂げた識野は昴への愛<<アガペー>>により原稿を仕上げ、千本の腕を手に入れた柊は瞬く間に入稿作業を終えたのであったーー(回想終了)…などということがあったのも今となっては良き思い出です。 そんな背景もあり、今回出来上がった本はより一層愛着のある物になりました。会場だったからかなり抑えてたけど、完成品初めて見た時相当興奮してたからね……最高のコラボが出来たと思います。 色々大変そうなのは重々理解してます!創作もどうか自分のペースで。コラボ第2弾、いつでも歓迎なのでまたぜひ!!コメントありがとう~!!
>月島の顔芸が夜神月に見えました笑 そしてまさかの美沢嬢はデスノートに月島の名前を… の方
あ~なるほどね、名字が美沢だからミサミサ……って誰がうまいこと言えと(デ○ノート放り投げ) 月島も相良姐さんとよく一緒にいるから姐さんの顔芸がうつっちゃったんですかね、、、あと夜神ラ…トのモノマネしてるのはむしろ相良姐さんの方でしたね。月島でデ○ノートパロやっちゃうと髪色と髪型的に本当に夜神ラ…トになりかねないので気を付けます。 コメントありがとうございました!!
>クラスで内心一致団結したに違いない。 「「「「ナイス、美沢さん!!」:::(モブ達の叫び) というか、あれは断れないだろ。100歩譲って断ったら相良に脅されるわ。 「あんた、まさか春架の頼みを断る気じゃないわよね?」不憫なもやし。 の方
あんな風に純粋に応援されたら誰だって断れないですよね、しかもバックに相良まで付いてるときた。たまたま、そうたまたま今回は月島だったってだけで、ヒロや志乃が推薦されてたら彼らになってただろうし内海でも全員一致で賛成だっただろうし及川でも……いやあのおバカさんには無理だ………あと篠原……も協調性なさすぎて無理だ………あ、あれ………?おかしいなこんなはずじゃ……… 「あんた、まさか春架の頼みを断る気じゃないわよね?」、これは月島に春架の期待の眼差しが向けられたまさにあの時あの瞬間、カメラの外から相良が圧力をかけていたに違いありません。眼力で。そうなったらもう無理。月島お手上げ。潔く諦めるが吉です。 体育祭編始まって早々ですがもう既に嫌な予感しかしないですね!でもようやく(?)主人公が主人公らしいエピソードになる気がします。長くなりそうですが良ければ最後までお付き合いくださいませ。 コメントありがとうございました~!!
>モブ代表 さん
ちょちょちょっと、何勝手にモブに内線繋いでんですか!!最近漫画内でやたらモブ映る場面多いなー作画しんどいなーなんて思ってたらあなたの仕業だったんですね!?こっそりモブと通信してたでしょう!!! えぇ………もうこれ春架に誰も近付けないじゃん………ただでさえ彼女にはシスコンブラザーセコムまでいるというのに………ちょっと話すくらいは許してやってください、じゃないとマジでこの漫画ラブのないコメディになっちゃう……… 春架のことが心配なのは分かりますがどうかモブセコムはほどほどにお願いします!!コメントありがとうございました!!
>めざせコメ職マスター さん
最近いただいたコメントだけでも、 ゴリラ系相良系女子を名乗るものだったり 超天然ガールの知り合いを持つ方のノンフィクション話だったり 篠原昴への熱狂的かつ宗教的な愛の叫びだったり 男性陣のスリーサイズや乳のサイズの好みに関する質問だったり 更新の度に登場してもいないモブの気持ちを代弁する内容だったり 作者=三郷説を断固として提唱し続けるものだったり 純粋に「キャラが好きです!」とか「○○(キャラ名)と△△(キャラ名)のコンビが好きです!」などの嬉しさ極まりないものだったり 本当皆さん発想豊かで個性輝くマーベラスな内容ばかりでして、やり取りさせていただく中で身の回りのリアル春架やリアル明日香、リアルモブの存在が浮上することもありましたね~。皆さんすごいユニークな友人に囲まれていて羨ましいな~と思いながらお話しさせていただいてます。リアル昴は……どうだったかな、遭遇したことあったかな、、、ちょっと記憶に無いですね。てか昴、SNSとかでもコメントとか返信とか絶対しなさそうだし……… 読者さんとこんだけ激アツなコメント返信漫才してると作者の自作自演説が浮上してもまあ無理もないなと思うんですけど、残念ながら自作自演でもサクラでもないです………ていうか漫画も描かずに自作自演で毎回4000字近い文章書く奴がいてたまるかァ!!!! ど、どうやったら集まるか…ですか…!?わ、分かりません、気づいたら色んな方に見ていただけてました…。でもやっぱりコメント全てに目を通して、返信を欠かさない��うにしているのが大きいのかな……そして読者さんと対等に対話することを心掛けています。あとは………読者さんを愛する気持ち、かな(顎クイ) こうして再びmemoが賑わいだしたのは、ユーモア溢れるコメントを残してくださるあなた様のような方々のお陰と言う他ありません。あなた様ももう立派なコメント職人です。自信と誇りを持って各地でコメントを生産してください!! コメントありがとうございました!!
>ナチュラルにヒロ君呼び・・・。 敷居が高そうな篠原昴でさえも、昴君と呼べそうな感じがするわ。 春架と伊堂寺はなんも考えず呼べるタイプですよね。 及川は春架にゆかりちゃんなんて呼ばれたら嬉しくて吐血しそう。 そして大雅よ悶えるがよい。 の方
仰るとおり、春架と伊堂寺は他人との距離を詰めるのがうまい方ですね。自分の行動によって相手が何を感じるか想像できるタイプでもあるので、相手が不快に感じるような距離の詰め方はしないですが……。及川に対しては今のところ尊敬や憧れが強いので、「さん付け」からの脱却は少~し時間がかかりそうです。でもいつかそう呼ばれた日には卒倒するかもしれませんね!!大雅は……まず認識してもらうところから始めよっか……… コメントありがとうございました~!!
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ama-gaeru · 7 years ago
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林田の世界(初稿版)
第17話 想像の産物に願いを
 自分がどれくらい意識を失っていたのかわからない。時間の感覚がおかしくなっている。
 だがとにかく、俺は目を醒ました。
 なんだかよくわからない花の花びらが俺の体を埋めつくさんばかりに積もっていた。というか実際ほぼ埋めつくしていた。花びらが鼻に入ってきて、むず痒くて目を醒ましたんだ。
「ぶぇぅえっくしゅ!」
 アナゴさんみたいなゴツい声でくしゃみをすると花びらが空中に舞った。
 右を向いても花びら。左を向いても花びら。上を向けば白い空間がどこまでも広がっていて、空中には花びらが鳥のように幾つかの群れを作って旋回していた。
 花びらは形だけなら桜の花びらに見えたが、そうじゃないのは明らかだだった。銀色に光る桜なんて見たことがない。よく見ると花びらの中に空や土やビルや、とにかく色々な風景があった。これは形は違えど、あの破片達と同質のものだ。
「……天国か?」
 呟きながら体を起こす。花びらがビニール傘を振った時のような音を立てて落ちていった。
 天国なら唸るほどのシュークリームと——生クリームが入ってて、皮がパリパリのやつ——俺のことが大好きな宮崎あおい各種であふれているはずなのだが、どちらも見当たらない。無限にみかんが湧き続ける器の乗ったコタツもない。どんなに肉球を触っても嫌がらないほどほどの大きさの三毛猫もいない。お腹に頭を乗せて枕がわりにしても怒らないちょうどいい大きさのサモエドもいない。スラムダンクの第2部の単行本全巻セットもない。ゲーム・オブ・スローンズとウォーキングデットとファーゴとビッグバンセオリーとミスター・ロボットとグランドツアーの最新シリーズを先取りして見られるテレビすらない。
 こんなAmazonプライム以下の品揃えしかない場所が天国であるはずがない。仮にここが天国だとしても、無課金勢用の天国だ。
 俺は両手を見る。それから足。自分で確認できる体のパーツ全てを見る。
 どこも欠けていない。それにこれは俺が出現させた手足じゃない。ちょっと油断すれば見失ってしまいそうな、あの思い込みで出来た手足とは違う。これは切り落とされてないことになった手足だ。
 どちらの掌にもあの鏡が突き刺さった傷がなかった。欠片が突き刺さった背中からも痛みを感じない。左足を包帯代わりに縛っていた黄色いハンカチを解いてみれば、あのお洒落カットマンゴーみたいな傷跡も綺麗に消えていた。
 ……ガラスみたいに硬くて尖っていた世界の欠片が、柔らかい花びら状の物に変わったからか? 
 思い出してみる。
 予想した通り、新しい思い出があった。林田が月をぶん投げたあと、世界は花びらになって降り注いだという過去だ。月に砕かれた世界が銀色の花びらになって舞い落ちるとか、なんかスクエニのムービーシーンっぽい。
 俺以外にこれができるのは林田しかいないし、こういうセフィロスしか似合わなそうな演出したがるのも林田しかいない。林田か、あるいはセフィロスしかいない。
 周囲を見回す。意識を失う直前に目にしたあの銀色の大きな欠片が浮いているのが見えた。
 欠片の中に夕焼けの光景が広がっている。
 俺は立ち上がり、林田の姿を探したが見つからなかった。
「林田ー!」
 返事はない。
 他にどうすればいいのかあてもないので、俺は仕方なく花びらを踏みながら、その欠片に向かって歩く。
 2歩も進まない内に甲高い叫び声が欠片の中から聞こえてきた。
 俺は息を飲み、走り出す。お母さんの声だった。
「誰かー! 誰かきてー!」
「お母さん!」
 あと数歩で欠片の前にたどり着くという時、男が欠片の中からこちら側にぬるっと出て来た。老人だ。60くらいだろうか。骨に和紙を貼り付けただけなんじゃないかってくらい痩せこけている。髪はなく、頭には無数の手術跡が残されていた。ムカデの大群が皮膚の下に潜り込んで、そのまま動かなくなったような跡だ。
 俺はその異様な姿に圧倒され、つんのめるようにして足を止めた。足元で花びらがガサササササササと騒ぐ。
 老人は困ったような、どこか照れているかのような顔で眉間に皺を寄せ、俺を見ていた。W皺。
「……林田?」
「よぉ」
 声は確かに林田だった。そういえば、服も同じだ。子供が大人の服を着てるみたいに緩々になっちゃってるけど。
 俺はまじまじと林田を見る。あまりにも痩せていて、皮膚が灰色にくすんでいるからお年寄りに見えただけで、よくよく見ればそんな歳でもなかった。
「どうしたんだ、それ。そんな、ガリガリで、老けて、この短期間に」
 林田は答えず、大きな欠片を指差した。
「見ろ」
 林田が手招きする。
 俺は林田の意図がわからず尻込みしたが、結局お母さんの「助けて! 誰か!」という声に抗えず、欠片の前に立って、その中の風景を見た。
 坂道の真ん中辺りで電柱が倒れていた。右斜め手前に向けてばったりと。
 川畑が自転車ごとその電柱の下敷きになっている。
 遠くからでも打ち所が悪かったのがわかった。スイカみたいに見事に左右に割れた頭が、前輪のスポークの間に押し込められている。
 お母さんはその電柱から少し離れたところで「救急車! 誰か!」と、家々に向かって叫んでいる。
 やがて1つ、2つと坂道沿いに建つ家のドアが開き、人々が坂道に姿を見せ始めた。何人かが慌てて家に戻り、何人かはお母さんの周りに集まり、何人かは電柱の周りに集まる。悲鳴が次々と上がり、ざわめきがどんどん大きくなってゆく。
「これはもう、難しいかもわからんよ」
「今、うちのが救急車呼びましたから」
「ダメだよ、子供が見るもんじゃないから、お家に帰りなさい」
「なんで急にねぇ、倒れたかね」
「この工具と釘、この人のか?」
「触らない方がいいんじゃないの?」
「飛び散ってたら誰かが踏んで怪我しちゃうでしょ」
 人々の声が風に乗って聞こえてくる。
 お母さんは興奮した様子で、周りを取り囲む人々に自分が何を見たのかを説明していた。
 俺の中に新しい過去ができる。
 老朽化していた電柱が突然倒れ、通りがかりの男がお母さんの目の前で頭をかち割られて死んだという過去。
 男が改造した釘打ち銃やバールを持っていたことと、2駅程離れた町で猫や犬の釘で打たれた死体が多数見つかっていたこと、警察が後々見つけ出した男の部屋からよいからぬ妄想が書き殴られたノートが見つかったことから「通り魔でもするつもりだったんじゃないか」という噂が立ったという過去。
 俺達家族はその後もその町に住み続けたという過去。
 林田がいない俺の過去。
 
 「俺にはどんなものが出来上がったかわからないけど、新しい過去をお前が気にいるといいと思う。心から」
 林田は自分の両掌を見つめている。
「色々試したんだ。お前の家の玄関ドアを開かないようにしたり、誰か通行人が来てくれるようにしたり、あいつの自転車が壊れるようにしたり。色々試して、でも上手くいかなくて。やっと、上手くいった。あそこの、あの電柱の根元に触れて願ったんだ。『根元が腐っていればいいのに』って。それで、ようやく……ようやくだ」
 林田は自分の頭部に手を伸ばし、傷跡を指で辿る。
「何かを変える度に脳みそがおかしくなってく。もう頭が重くて、すごく疲れてて、もう、無理だと思ってた」
 林田は俺を見る。欠片から漏れた夕焼けが林田の顔の半分だけを赤く照らす。
「お前、俺があいつをこっちに呼び出すと思ってたんだろう?」
 俺は答えなかったが、それが答えみたいなもんだろう。林田は眉を下げて笑う。
「わかりあえないな」
 林田はまた欠片の中に顔を向ける。救急車が坂道を降りてくるのが見える。林田は���葉を続けた。
「素晴らしいことだ」
 林田のやせ細った手が欠片に伸びてゆき、表面に触れる。さっきまで欠片の中と外に区切りはなかったけど、林田の手が触れた時に表面が出来上がったんだ。
「お前を愛する全ての者が、あちら側に」
 林田の手が表面を撫でる。
 白い光が夕焼けの坂道をかき消す。光が収まると、欠片の中には俺の家のリビングが広がっていた。
 テーブルを囲み、お父さんが新聞を読み、妹がスマホをいじっていて、その隣にお母さんがいる。またいつもみたいに俺の漫画を勝手に持ち出して読んでいる初めて目にするいつも通りのお母さん。
「行けよ」
 林田が言う。
「お前は俺と違って全ての過去を覚えているんだろう。だったら、この世界に通じる過去ももうお前の頭の中にあるはずだ。この中に入って、それで、その新しい思い出を自分のプロローグにして、生きていけばいい。他のことは全部、ただの夢になる。時間がそうしてくれる」
 俺は家族を見つめる。みんな、俺の帰りを待っている。
 今日は久々にみんなで外食して、映画を観る約束だった。
 ポケットが震える。スマホだ。完全に忘れていたのでマイケル・ジャクソンみたいな声が出た。林田がビクッとした。
「お前、この空気で『ポゥ』はないだろ……」
「うるせぇ」
 スマホの画面はヒビだらけだったが、一応動いてはいた。
 妹からの着信だ。
 欠片の中で妹がスマホを耳に当てている。
 俺は電話に出る。
『あ、もしもし。今、どこにいんの?』
 欠片の中で妹が喋る声が、スマホからも聞こえてくる。顔も名前も知らない妹の聞いたこともない声を聞いて、胸が熱くなる。
「どこって……」
『え、何? 泣いてんの? 大丈夫?』
 ねぇねぇ、兄ちゃん泣いてんだけど! と欠片の中で妹がお母さんにいらん報告をする。声がボールみたいに弾んで、物凄く楽しそうだ。
「うるせぇな。泣いてねぇよ」と言いながら瞼を抑えた。
「ちょっと……今、林田と話してるから」
『林田? 誰? 会社の人? 彼女? フラれたの? だから泣いてんの?』
「とにかく、ちょっとしたら戻るから」
 俺は電話を切り、スマホをポケットに戻した。欠片の中では妹が「ちょっとしたら戻るってー」と肩を竦め「15分経っても戻んなかったら置いてこうよ。映画に間に合わないじゃん」とブーたれている。
「早く行ってやれよ」
「……お前はどうすんだよ?」
「ここにいる。俺はお前と違って1つの過去しか覚えてないから、どの世界に行っても全部壊しちまうだろうから。それにこの感じじゃもう長くないだろうし」
 林田は視線を落としその骨ばった手を見た。銀色の花びらが1枚、ひらひら下りてきて林田の掌の中に乗った。林田はそれを穏やかな顔で見つめている。
 ここで死ぬ気なんだなって思った。焦りや恐怖や怒りは感じなかった。「だろうな」という納得があった。林田の言う通りなんだろう。こいつはどこに行っても結局『ここは本当の世界じゃないんだ』って思いからは抜け出せないんだろう。スタックされているんだ。その考えに。
��けどそれ、俺に関係ねぇよな。
「俺、そういうの嫌なんだけど」
 林田は穏やかな顔を俺に向ける。
「なんだその悟った面は。ガンジーか。似合わねぇぞ。テメェは勝手に悟ってるがいいさ。俺はお断りだ」
「どうしょうもない。これしか道はないんだ」
 お互い黙りこんだ。
 俺の脳みそが物凄い勢いで解決策を探して回転する。ありとあらゆる過去のありとあらゆる細部を思い出して、何か、別の道に行ける方法を探す。どれもこれもうまくいくとは思えない方法ばかりで、考えれば考えるほど、この欠片の中に入り込んで、そこに馴染んでいくのが正しいように思えた。
 黙りこんだまま時間が過ぎ、やがてまた俺のスマホが鳴る。
『あのさあ! もう私たち、出るからね! 映画来られるの? 来られないの?』
「……俺。俺は、ちょっと違うルートで行くことにしたから」
『だったら先に連絡くれればいいじゃん! なんで今いうの!』
「途中で友達拾ってくことになったんだよ」
  俺はスマホを放り投げる。アルミホイルが擦れるような音を立てて、スマホは花びらの中に埋もれていった。
 欠片の中で妹が「途中で切られたんだけど! マジムカつくんだけど!」と金切声を上げている。
「お前、何やってんだ。人がせっかく——」
「好き勝手やってんだよ」
 俺は欠片の表面に触れて、その場所を願う。
「俺は悪あがきが得意なんだ」
 欠片が白く光り、中にあった景色がその場所に変わった。
 あの雑木林だ。
 木々の幹は太いものでも俺の胴体程度しかないのに、滑り台かよってくらい極端に傾いて生えているものがあったり、ほうれん草みたいに根元から枝分かれして広がっているものがあったりするせいで遠くまで景色を見通せない。針で穴を開けたような僅かな隙間から差し込む光は地面までは殆ど届かず、そのせいか地面に草は殆ど生えていなかった。キノコと苔の天下だ。土はインスタントコーヒーの出がらしみたいに黒くて、みるからに湿っている。
「付き合え」
 俺は林田に左手を差し出した。
 林田は「折角、いい過去が用意出来てたのに」と顔をしかめている。
「いいから来いって」俺はクイックイッと指を折る。「どうせ死ぬまで暇だろ?」
「その言い方はないと思う」と更に顔をしかめたが林田は俺の手を取った。
 握るのに勇気が必要な手だった。乾いた枯葉みたいに力を込めたら粉々になってしまいそうだ。俺が病院で死にかけた時より酷い。あいつの浮きだした血管が脈打つのを感じ、少し安心する。
 俺は林田の手を引き、欠片の中へと入っていった。
 土が足の下で潰れ、水を吐く。指の間で盛り上がる泥が不快だ。
 目的地まで行こうと足を踏み出した途端、例のカブトムシを踏みつけにするような音がして、地面に蜘蛛巣状のヒビが入った。
「俺がここを現実だと思えないせいだ」
 林田の虚ろな声がする。
「俺をどこかに連れて行くことは出来ないんだ。あの坂道も俺が入るとすぐにあちこちにヒビが出来て、不安定になった。俺がいるだけで現実が割れて、なくなってしまうんだ」
 俺は斜めに生えた木に向かって進む。
 小学校を卒業してからここには来てないけど、沼への道は覚えてる。俺の進みに迷いはない。進むたびに新しいヒビが空間に走り、林田が歩速を落としたが、そのたびに俺は林田を引っ張って前に進ませた。
「地面が濡れてるから滑らないように気をつけろ」
「ヒビが」
「割れない。俺が地面を認識していれば割れない。俺の方がお前よりメンタル強ぇえんだ。お前が何を思おうが、この世界は壊れない」
 いつか薄氷を踏み抜くように落下していくのかもしれないが、それは今じゃない。俺が今じゃないと認識さえしていれば、その今は訪れないだろう。
「俺も願うから、お前も願え」
「何を?」
「お前の力が全部俺に移るように。何もかも全部。おい、急に止まるなって」
「そんなことできるのか?」
「知らん。やったことないから」
「適当な」
「俺はやったことないことばっかりしてる。それしか選択肢がないからな。だからこれもやるしかないんだ。うまくいけばラッキー。いかなくても、元々そういうもんだって思えばノーダメージだ」
「それに、なんでそんなことするんだ?」
「説明が難しい」
 俺は林田と繋いだ手に傷をイメージする。
「さぁ。祈ろうぜ。神頼みだ」
 あの時、林田の手と一緒にガラス片に貫かれた傷。
「お前の持つ力が、俺のものに」
 傷が出現する。最初からそこにあったように。
 流れ出した血に俺よりも林田が驚いて手を引っ込めようとした。手を握る力を強めて、祈る。
「お前の持つ力が、俺のものに」
 祈る。
「お前の持つ力が、俺のものに」
「こんなことをしてどうするんだ? 何をする気なんだ?」
「教えたらできることもできなくなるから内緒」絶対またパニクるだろうし。
「お前の持つ力が、俺のものに。ほら、やれよ。どのみちこのままじゃガリガリの骸骨のまま死ぬんだ。もう捨てるもんねぇだろ」
 手の中が熱くなり、自分のものではない心臓の音が聞こえた。それに俺のものではない血が流れるのを感じる。
「俺の持つ力が、お前のものに」
 林田の祈りが聞こえる。手を強く握る。互いの傷から流れた血が混ざり、互いの心音が混ざる。あいつはどうだかしらないが、俺は手の中にあいつの心臓を握っているように感じた。
 俺達は祈り、願いながら林を進む。
「お前の持つ力が、俺のものに」
「俺の持つ力が、お前のものに」
 俺は上を見る。木々の合間から白んだ空が見えた。
 この力は一体何なのか。なぜこんなことができるのか。さっき、家族のいる世界の欠片の前で、俺はそれを考えていた。答えはでなかった。答えを知っているとしたら、それは人間以上の存在だけだろう。
 俺は、俺達がこうして何かを変えたいと願い、祈る度に、その願いと祈りは空に上っていくのだと思う。確証も何もない。ただ俺がそう思っているだけだ。空は視覚的な、物質的な空ではなく、天上とか、そういう意味での空だ。魂の行く場所とかではなく、人間以上の存在が存在するという、そういう意味での。それが俺に、林田に、力を与えるのだと思う。
 不意に周囲が明るくなった。林を抜けたんだ。
 目の前にはあの沼がある。記憶の中の沼よりかなり小さくて、そしてずっと美しい。水面が白んだ空の光を受けて煌めいている。
 ティム・バートンの木が記憶の中と変わらず、そこにある。
 俺は林田から手を放し、もう片方の手でずっと握っていた黄色いハンカチを撫でる。声には出さずに願う。
 これがルービックキューブだったらいいのに。
 そして、元々は俺の足に突き刺さっていた破片だったハンカチは、ルービックキューブになる。ずっと昔からそうだったように。
「これは元々なんだ?」
 林田は一度口を開き���けてやめた。困惑した顔で俺を見ている。
「……ルービックキューブではなかったんだな?」
「そうだ」願う。ルービックキューブがハンカチに戻る。
「これは元々なんだ?」
 林田は肩を竦める。
「ハンカチではなかったんだよな」
 よし。
 これで少なくとも、うまくいかなかったとしても、こいつは世界に馴染める。もう月を投げたりしないで済むはずだ。
「何するつもりか教えてくれてもいいんじゃないのか? もう俺は何が変わったのかわからないんだから」
「教えねぇってしつけーな。ここ、座ってろ」
 俺は沼の側の大きな岩に林田を座らせる。
 ガキの頃はよく2人並んでここに寝っ転がってジャンプを読んだもんだけど、今は林田1人腰掛けるのでせいぜいだ。
 俺はしゃがみ、林田と視線を合わせる。あーあ。老け込んじゃって。
「あのなぁ、駄々っ子」
 俺はポンと林田の頭を軽く叩いた。
「次に会う時までに俺の名前考えといてくれ。超カッケーやつな」
 俺はそう言うと、素早くつま先で地面に線を引いた。その線は亀裂となり、林田がいる側と俺がいる側を断絶した。
「お前! 何やってんだ!」
 林田は叫び、亀裂を飛び越えようとしたが、その時には亀裂の幅は簡単には飛び越えられないくらいにまで広がっていた。俺が望んだ通りに。
 俺は林田に背を向け、ぬかるむ土を蹴り、ティム・バートンの木を目指して駆け出した。
「おい! おい! 嘘だろ! 止めろ! バカ!」
 俺はティム・バートンの木を駆け上がる。遠い昔にしたように。
 林田は俺の狙いに——全部じゃないだろうが——気がついたらしく、岩の上に立って両手を振り回して叫んでいる。
「林田! お前はこれから! 俺のことを全部忘れる!」
「何考えてんだ!」
「俺との過去も、今まで起きたことも、全部忘れる! なかったことになる!」
「降りてこい! 戻れ! なんだよ! なんで俺がお前はいるって思うようになったらいなくなろうとするんだよ! いて欲しくなかった時にはいたくせに!」
「最初からなかったことになるのと、最初からなかったのは違うからな! 存在したんだから、どこかに影響は残るからな! お前にも、俺の影響は残るんだ!」
「わかんないなら意味ないだろ!」
 俺は木の先端にまでくる。俺がこの木は折れないと思っているうちは、この木は折れないだろう。
 沼に俺の影が映っている。
「まぁ、そこんとこは、どうなんだろうな。わかんねぇよ。わかんねぇけど、影響は残るって方にしてくるぜ」
 俺は両手で自分の顔を包む。
 林田が悲鳴をあげている。
「林田! これは一か八か、当てずっぽうと適当な予想で突き進む最後の大回転だ! 俺にできる唯一のことで! 俺ができる最後のことだ! 飛んでひねって回転してきっと首の骨を折るだろうが! もしもうまいこと、うまいこと、うまいこといったなら! 全てが変わったあとも残るお前の惰性で! 俺を迎えいれろ! そして俺の名前を呼ぶんだ!」
 俺は顔を撫でる。一気に。今度は怖気付いたりしないように。
 願う。
「俺はずっと昔にここで死んだ、マンドリルの赤ん坊だ」
 
 そして、最初からそうだったということになった。
 俺が崩れる。
 木の枝が折れる。
 俺は落下する。
 体が水面に叩きつけられる。
 水面がバラバラにひび割れる。ひび割れた欠片は銀色の花びらになり、魚群のように回転し、新しい世界を、現実を組み上げていく。林田の姿もあっという間に見えなくなった。
 あの時。
 林田は沼に落ちたマンドリルの赤ん坊を助けようとしたが、赤ん坊の体は林田がたどり着くよりも先に沼に飲み込まれ、浮かんでこなかったという新しい過去が、世界を構築する。
 
 俺は世界の外側へと沈んでいく。
 一度ここには来たことがある。
 墨のように暗い沼の底。
 存在しない俺の過去、かつては存在していた俺の過去の沈む場所。
 顔の潰れた無数の俺は、もうどこにもいない。
 全てなかったことになったからだ。
 俺は更に沈む。
 光が遠ざかる。
 俺は俺の残像だ。
 俺が俺を俺の思う俺だと思うことだけで辛うじて俺として存在している俺だ。
 「ロードランナー」の鳥を追いかける狼だかコヨーテだかを思い出す。
 超スピードで走る鳥を追いかけて夢中になって走り、自分が崖から飛び出しているのにも気がつかない。自分が空を走っているのに気がついても、まだ落ちない。
 つま先でちょんちょんと空中を突いて、そこに何もないとわかった瞬間に、コヨーテは落ちるのだ。
 俺は。
 俺という俺は、空中を疾走するコヨーテが踏んでいる地面だ。
 そこにはないから、そこにあるんだ。
 認識されている間だけ存在するか弱いものだ。
 崩れてゆく。
 俺を認識しているのは俺だけだ。
 最初から存在しないことになった俺は、最初から存在しないことになった俺の手で、最初から存在しないハンカチを広げる。
 光はもう届かない。
 
 虚無だ。
 虚無が、俺と一体になろうとしている。
 
 祈る。
 俺は俺の思う俺だ。
 俺は俺の思う俺だ。
 祈る。
 もはやそれだけが俺が俺であるということを支える。
 存在しない俺は存在しないハンカチを撫でる。
 祈る。
 これが世界の欠片だったらいいのに。
 そして、そうなる。
 新しい世界への組み替えに巻き込まれなかった唯一の、存在しないということになっている欠片。
 存在しないノブを存在しない俺は見る。
 これがどこのドアか、俺にはもうわかっている。
 存在しない俺は存在しない欠片の中に上半身を突っ込む。
 存在しない腕を伸ばし、存在しないノブを掴み、存在しないドアを開ける。
 
 これは林田の寝室のクローゼットのドアだ。
 こいつは怖がると、ここに逃げ込む。
 あの時も、そして今回も。
 お前という存在は、そういうことをする存在だ。
 「なう」
 ヘッドライトサイズの大きな目が俺を見ている。
 俺の最終兵器。俺のそえるだけの左手。俺の2度刺す奴隷。俺のオベリスクを生贄にして召喚したブルーアイズ。俺のギガスレイブ——俺の切り札。俺と想像上の神々を繋ぐアンテナ。
 お前とここで会うために、俺はきた。
 
 巨大猫。
 今もどこかに存在しているハイルーラー達と交信できる存在。
 俺の祈りと願いを聞いている空の上の者達と繋がれる存在。
 俺は胸の前で両手の指を触れ合わせ、三角を作る。
 「大宇宙支配者達に栄光あれ!」
 
 作るだけ作っといて、放置するなんてありえねぇんだよ。
 
前話:次話
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kurihara-yumeko · 7 years ago
Text
【小説】満ちない (上)
 夢を見ていた。
 大好きなあの人と、雪のちらつく夜の街を歩いている。
 うっすらと雪が積もり始めている道を注意深く歩きながら、背の高い彼を仰ぐことは難しい。私はちらりちらりと彼を見上げるが、不思議と鼻くらいまでしか視界に収めることができない。目を合わせることなど不可能だ。あの貫くような真っ直ぐな瞳に見つめられるのかと思うだけで、盛大に転びそうになる。
 どこかへ向かって歩きながら、彼と話をしている。けれど夢の中は不思議となんの音も聞こえない。何を話しているのかはわからないが、私の口の動きに応えるように彼の口元も小さく動き、本当にときどき、微笑む。力が抜けて気が緩んだような彼の笑みを見ていると、しゃっくりでもしたように胸の奥がぎゅっとする。
 隣を歩く彼の左手が、ほんの少し手を伸ばせば届く距離にふらふらと揺れていて、私はそれに触りたいと思う。でもどうしても、触れることができない。勇気が出ないのだ。触れてしまえば、きっと彼をびっくりさせてしまうだろう、と私は考えている。驚かせてはいけない、と思っている。そんなことをしては壊れてしまう。まるで薄い氷の上を渡っているかのように、静かに、淡々とした緊張感が流れている。
 不意に、道の途中で彼は立ち止まった。
 私も一歩遅れて立ち止まる。前を向いたまま動かない彼の視線の先に目を向けると、道の向こうから誰かがやって来るところだった。
 ああ、来てしまった。「彼女」が来てしまった。
 私は反射的にそう思う。向こうからやって来る人物のシルエットは、不自然なほどにぼやけていて、誰だかわからない。男なのか女なのかも曖昧だ。なのに私は、それが一体何者なのか理解している。彼女を知っている。そして、絶望している。この後に起こることを、既に知っているからだ。
 隣にいる彼はゆっくりと歩み始める。こちらへやって来る彼女に向かって、一歩一歩、足を踏み出していく。すぐ側にいる私のことなど、この一瞬で忘れてしまったとでも言うように、まるで吸い寄せられるように行ってしまう。
 行かないで。
 そう言いたいのに、私は言うことができず、少しずつ遠のいていくその広い背中をただ見つめている。否、夢の中では声を上げているのかもしれないが、世界からは一切の音が消え去っているのでわからない。
 彼と彼女は道の真ん中で出会い、そしてどちらともなく腕を伸ばし合い、抱き締め合う。私が見ている目の前で、いつの間にか二人は裸になっていて、そうして彼の肩越しに、彼女の顔が見える。こちらを見つめている彼女は何も言わないが、意地の悪い笑みを浮かべている。彼の背中に回る彼女の白い腕。その指先が、愛おしいものに触れるように彼の背を撫でる。
 やめて。
 私は呆然と、その光景を見つめている。身体が少しも動かない。寒さに縛り付けられてしまったかのように、一歩も動けない。その光景から顔を背けることもできない。さっきまではあんなに胸の辺りが温かい気がしていたのに、今は頬を刺すように吹く風の冷たさが痛い。
 舞う粉雪がだんだんと吹雪へと変わっていく。二人の姿が、霞んでいく。見えなくなっていく。
 やめて、行かないで。
 声が出ない。足が動かない。吹雪の向こう、裸の二人はそのまま向こうへと歩き出している。私が触れることさえできなかった彼の左腕に、彼女が自分の腕を絡みつけて歩いている。
 白く煙る視界の中、二人の姿がどんどん遠く、小さく、霞んでいく。音が消えたはずの世界で、私の喉が高くか細く、ひゅーと鳴るのがやけにはっきりと聞こえた。
 先輩、行かないで。
 先輩。
 やっとの思いで瞬きをひとつしたら、凍りついた睫毛の先に付いた雪が、目尻から水となって頬の上を流れ出した。
 不意に、何かが頬に触れたことに身体がびくんと震え、そうして私は、夢から覚めた。
 目に飛び込んでくる光が眩しい。思わず強く目をつむる。その時、またひとつ、涙が溢れ出るように零れていくのを寝起きの頭の片隅で感じた。そして、その涙の跡をなぞるように、また何かが頬に触れる。反射的に身じろぎをしてしまった。
「すみません」
 そう声をかけられたのと、私がもう一度まぶたを開けたのはほぼ同時だった。目の前には、人間の顔があった。白目がちな三白眼がこちらを見ている。
「起こしてしまいましたか」
 低い声。抑揚がない。少しも申し訳なく思ってなさそうな声音。眩しい光は天井の照明だとわかる。白い天井、白い壁。ここは室内。私の身体は仰向けに横たわっている。そして彼はすぐ側に座っていて、心配そうにこちらを覗き込んでいた。
「どうして……」
 私はここにいるのだろう。
 湧いた疑問は途中から声にならなかった。喉が渇いている。身体を起こそうとしたら、視界がぐらりと揺れた。頭が痛い。
「大丈夫ですか。今、水を持ってきます」
 彼はそう言って立ち上がり、どこかへと向かう。私の視界から消えた。辺りを見回す。ここはどこだ。小さなテーブル、背の低い本棚、床にそのまま置かれたテレビ、コンビニの袋、破れた網戸、表紙の取れたノート、散らかっている紙はプリントだろうか、それともレジュメか。
 振り返ると、台所に立つ彼の後ろ姿が見えた。ペットボトルからコップへと水が注がれている。さっき、水を持ってくると言っていた。水。水瀬。水瀬政宗。それが彼の名前。ああ、ここは水瀬の部屋だ。
 自分がどこにいるのかわかったことへの安心感からだろうか、それとも、悪い夢から覚めたことへの安堵か。彼が水を持って戻って来るよりも早く、私は再び布団に倒れ込んで眠ってしまった。そうして、そんな夢を見ていたことはすっかり忘れてしまった。
 私が水瀬政宗と出会ったのは、今年の夏のことだった。
 大学二年生の夏休み、私の所属するサークルのコンパがあった日のことだ。
 夏休みコンパと呼ばれるそのコンパには、毎年多くの部員が参加する。例年、大学の近くの飲み屋で行われるそれに向かうため、待ち合わせ場所の大学正門前に向かった時、まだ集合時間には早いというのに、そこには既に大半の部員が集まっていた。親しい顔をすぐに見つけ、雑談をしながら時間を潰していると、そのうちに、部長で三年生の岩下先輩が点呼を始めた。
 最初に名前を呼ばれたのは、この春に入部したばかりの一年生たちだった。
 私たちのサークルは、その名を「文化部」という。名前だけでは一体どんな活動をするのか不明瞭なこのサークルは、実際、明瞭な活動なんてひとつもしていない。
 サークル棟五階の角部屋、北向きの一室が部室として宛がわれ、私たちは時間があるとそこに集い、他愛のない談笑やカードゲームに興じている。それが活動といえば活動だ。年間行事としてコンパやら合宿やらが設けられているが、それ以外にも部員同士で飲み会や旅行など、遊んでばかりいる。
 どうしてこんなサークルが設立されたのか、どうして存続が認められているのか、そこが疑問ではあるけれど誰もその点には触れない。私たちはただただ、貴重な大学生活をそうやってだらだらと過ごすことで食い潰していた。
 こんな非生産的なサークルだというのに、毎年二十名ほどの一年生が新入部員として入部する。春にあった新入部員歓迎コンパに続いて二度目のこのコンパには、この年のほとんどの新入部員が参加しているようだ。岩下先輩が名簿を読み上げる声を聞きながら、私はこっそりと人数を指折り数えていた。
「――水瀬、水瀬政宗くんは?」
 その名前を呼んだ時、岩下先輩は名簿からふっとその目線を上げ、辺りを見回した。
「水瀬くんは、来てる?」
「来てませーん」
 一年生のひとり、髪を明るい色に染めている、威勢の良さそうな男子――名前は確か、倉木だった。さっきそう呼ばれていた――が、そう答えた。
「そうなんだ。今日は来ないのかな。実は彼からだけ、出欠の連絡をもらっていなくて」
「来ないんじゃないスか。あいつ、そういうの来ないっぽい感じでしたし」
 岩下先輩はちらりと倉木の顔を見て、一瞬口をつぐんだ後、「そう」とだけ言った。
「誰か、水瀬くんから連絡をもらっている人はいる?」
 部長のその問いかけに、一年生たちは皆静かに首を横に振った。誰もその水瀬という部員から今日のコンパの出欠について連絡を受けていないようだった。
「っていうかさ、ミナセって誰だっけ? そんな人、一年の中にいた?」
 私から比較的近いところにいる一年生の女子三人のうちのひとりが、他の二人に向けて小声でそう言っているのが聞こえてきた。
「えー、いたじゃん、すごい目つきが悪い人だよ」
「んー……新歓コンパの時、いた?」
「いたいた、ずっと壁際の席に座ってたよ。全然しゃべってなかったけど」
「あ、もしかして、あの、粗大ゴミみたいな人?」
 三人のうちのひとりがそう言うと、残りの二人が小さく噴き出すように笑った。
「粗大ゴミみたいな人って、何? ちょっとさぁ、ひどくない?」
「いや、でも、そんな感じ��よ、ほんとほんと」
「なにそれー、全然わかんないんですけど」
 女子三人はくすくすと笑っている。
 私はどこかうわの空で彼女たちが話しているのを見つめていた。すると、三人のうちのひとりがふとこちらを振り返り、たまたま彼女たちを見つめていた私と目が合ってしまった。するとたちまち、その子は頬を真っ赤にして黙り込んでしまう。彼女の異変に気付いた他の二人も、同じように私を振り返り、うつむいて黙り込んだ。どうしたのだろう。何か悪いことでも、あったのだろうか。
「ちょっと世莉、」
 隣にいた夏希が私の腕を肘で突いてきた。
「なに一年生にガン飛ばしてんの。やめなよ」
「別にそういうつもりじゃ……」
 私は慌てて否定したが、夏希は睨むように私の顔を見て、ふん、と鼻を鳴らした。
「その気がなくても、世莉みたいな美人の先輩に見つめられたら、びびって当然だよ」
「もう、またそうやって馬鹿にして」
「僕は思ったことをただ言ってるだけ」
 夏希はそう言って私から目線を逸らしてしまう。私より頭ひとつ分背の高いこの友人がそうやってそっぽを向く時、大抵、私の意見など聞き入れてはくれない。何を言っても無駄なことはわかっているので大人しくしていることにした。
 三人の女の子たちもすっかり静かになってしまった。私のせいなんだろうか。だとしたら、なんだか申し訳ない。ただ、彼女たちの言う「粗大ゴミみたいな人」というのが一体どんな人なのか、気になっただけなのだけれど。
 結局、岩下先輩は水瀬という一年生のことを欠席扱いということにしたようだ。点呼が再開され、二年生の名前が呼ばれていった。私は「粗大ゴミみたいな人」について考えていたせいで、自分の名前が呼ばれた時に咄嗟に返事ができなかった。夏希にやはり肘で突かれて、慌てて返事をした。
 その夜のコンパは楽しかった。私は基本的に、飲み会というものが好きだ。皆でわいわいとお酒を飲んでいるうちに、酔いが回って何も考えられなくなる。何も考えなくていいというのは都合がいい。人見知りで、人と話したり関わったりすることが不得手だと感じている私にとって、アルコールはそういった問題を些細なことだと錯覚するのに便利だ。だからいつも、ついつい飲み過ぎてしまう。最近は夏希が程良いところでたしなめてくれるので、ありがたい。
 ただ、この日は厄介なこともあった。それは一年生の、先程の威勢の良さそうな男子学生、倉木だった。彼は自ら私の隣の席に座ることを志願し、積極的に話しかけてきた。知り合いという訳ではない。今まで言葉を交わしたことは一度もなく、もちろん面識もほとんどないに等しい。何度か部室や部の行事で顔を合わせたことはあるのかもしれないが、そこでは挨拶をした程度の関わりしかないはずだ。
 自分に興味を持たれるというのは苦手だ。倉木が軽快に飛ばしてくる、「休みの日は何をしているのか」や「今度一緒にどこかへ遊びに行かないか」という質問に、私は上手く答えることができず、しどろもどろになってしまった。途中、夏希が半ば強引に倉木と席を交換して隣に来てくれてほっとした。
 それでも、私がお手洗いに席を立ち、お手洗いから廊下へ戻ると、まるで待ち伏せするようにそこに倉木がいて、「コンパなんか抜け出して、二人で飲みに行きませんか」と声をかけられて、私はほとんど半泣きになって逃げるように席へ戻った。大学入学当初から、男性からこんな風に誘われることは度々あったが、一度も上手く対処できたことがない。
 その後、何もなかったような顔で自分の席へ戻って来た倉木は、一度もこちらを見ることなく、他の部員たちの輪の中で笑っていた。
 コンパがお開きになった後、鞄からスマートフォンを取り出そうとした時、私は部室に忘れ物をしていることに気が付いた。
「なに、忘れ物って。何を忘れたの」
 二次会には行かず、家に帰る前に大学に戻ると告げると、私を送ろうとしてくれていた夏希が、眉間に皺を寄せてそう訊いてきた。嘘をついて誤魔化してもどうせすぐにバレると思ったので、私は観念して正直に答えることにした。
「夏希のノート……」
「は?」
「だから、夏希のノートだよ」
「もしかして、今日部室で会った時に、僕が渡したやつ? 補修講義のノート?」
「そう……。部室で受け取って、その後、別れたでしょ? その時に、部室にそのまま置いてきちゃったみたい……」
「サイテー」
 夏希は露骨に嫌そうな顔をして、大きな溜め息をついた。私は黙って肩をすくめる。自分でも情けないと思う。
「世莉が、僕のノートはわかりやすくて参考にしたいって言ったから貸したのに。それを忘れたの? 馬鹿なんじゃないの?」
「ごめん……」
「ひとりで部室まで戻って取ってくれば? 僕はもう帰る」
 どうやら、本当に夏希を怒らせてしまったようだ。ただでさえ歩くのが早いのに、いつも以上に早足で去って行ってしまった。私はいつも夏希のことを怒らせている気がする。
 とぼとぼと、大学へ向かってひとり歩いた。
 昼間の熱気が夜になっても冷め切らず、地上付近をうろうろとしているような気温だった。酒に浮かされた身体には暑い。ときどき吹いてくる風は生ぬるく、首の後ろに汗で貼り付く髪が鬱陶しい。蝉の鳴き声が幾重にも重なって、渦を巻くように耳の中で響く。見上げた空には星も月も見えやしない。
 ああ、どうして忘れ物なんてしてしまったんだろう、そう思いながらサークル棟の玄関をくぐり、電球が切れがちな暗い階段を五階まで上っていく。この建物にはエレベーターというものがない。入部したばかりの頃は、部室に辿り着くまでに息切れしていたものだけれど、最近になってようやく、途中で休憩を挟まなくても上り切れるようになった。
 夏休みだというのに、サークル棟の中は静まり返っていた。私を迎え入れた静寂に、今が夜遅い時間なのだということを思い出す。それに加え、学生たちの多くは故郷へ帰省しているのだろう。私は今年の夏も、実家には帰らなかった。大学に進学してひとり暮らしを始めて以来、一度も故郷へ帰っていない。
 部室の前まで来て、私は一瞬、足を止めた。部室の扉に嵌め込まれたヒビの入った曇りガラスからは、室内の明かりが漏れていた。中に誰かいるのだろうか。私は手首の腕時計に目線を落とす。夜は更け、もう日付も変わっている。こんな時間に人がいるなんて、珍しい。
 ドアノブに手をかけ、扉を少しだけ開けた時、私は思い出す。こんな時間に、よくあの人はここにいた。ひとりで、何をするでもなく、誰かを待っている訳でもなく、来訪者を拒むでもなく、ただこの部屋にいた。
 そんな彼の後ろ姿を思い出しながら扉を開けたが、そこには誰の姿もなかった。なんだ、誰かがここを後にする時、照明を消し忘れたのか。そう思いながら部室へ入り、窓辺に置いてある小さなテーブルへと近付くと、そこには私が忘れていった夏希のノートが置いてあった。良かった。やはり部室に忘れて行ったのだ。万が一ここになかったら、どうしようかと思っていた。
 ノートを手に取った時だった。その声は唐突に、私の耳に届いた。
「小堺夏希さん、ですか」
 声のした方を振り向くと、部屋の隅、壊れかけている古いテーブルの上に、ひとりの男子学生が腰をかけていた。散らかったテーブルの上で、まるで置物のようにひっそりと膝を抱えている。物に紛れていて、存在に気付かなかった。
 見覚えのない男だった。ここ、文化部の部室にいるということは、恐らくは部員なのだろうけれど、知らない人だ。今日のコンパにももちろん来ていなかった、と思う。本当に部員なのだろうか。部員だとしたら、どうしてコンパには顔を出さないで部室にひとりでいるのだろう。
 誰もいないと思っていただけに、驚いて何も言えないでいると、この男はもう一度尋ねてきた。
「小堺夏希さん、ですか」
 私は息を呑み、それから、「違います」とだけ言った。ノートの表紙には夏希の名前が書いてある。この男は、恐らくそれを見たのだろう。そして私を、ノートの持ち主だと、つまり夏希だと思い込んでいる。
 この人は、私のことも夏希のことも知らないのだ。知っていれば、私たちのことを間違えるはずがない。
「違うんですか」
「これは、友達のノートなんです」
「そうですか」
 男の顔はどこか爬虫類に似ている。目がやや離れている点だろうか。目つきが悪い。こちらを窺うように見つめるその瞳は、上目がちなせいか、黒目よりも白目が大きいように見える。
「では、あなたは?」
 男の膝を抱えている手に、何かが握られている。あれはなんだろう。瓶だ。ウィスキーの瓶。瓶の口は開いている。さっきまでそれを飲んでいたのだろうか。だが男の周囲を見てみてもコップやつまみの袋などは見当たらない。瓶から直接、口をつけて飲んでいたのだろうか。深夜に、誰もいない部室の片隅で?
「……これ、ですか? 飲みます?」
 私の目線に気付いた男が、手に持っていたそれを掲げるようにしてこちらへ見せる。
「いいですよ、飲んでも。でも、気を付けて下さいね」
 気を付ける? 一体何に気を付けろと言うのだろう。
 そんなことを考えながら、私は夏希のノートを鞄に仕舞ってから、男の方へと歩み寄った。これでまたノートを忘れてしまったら、もうあの友人はしばらく口を利いてくれなくなるだろう。それは避けなければならない。
 私は男の手から瓶を受け取り、くんくんとにおいを嗅いでから、瓶に口をつけ、その琥珀色の液体を喉に流し込んだ。
「あ、そんな勢いよく飲んだら――」
 目の奥で花が咲くような強烈な熱さが、舌を焦がすように喉の奥へと通り抜けていく。ああ。なんだこれは。とんでもなく、強い酒じゃないか。こんなものを、水で割ることもつまみで誤魔化すこともしないで、ちびちびやっていたのだろうか。変な男だ。
 ぐらりと地面が揺れるような気分がした。なんだろう、毒でも入っていたんだろうか。
 なんだかどっと酔いが回ってきた。そういえば飲み屋を出る前、飲めもしないビールを一気飲みしたんだっけ。夏希が見ていない隙に、一年生が先輩に注がれて困っていたのを飲んであげたのだ。その分の酔いかもしれない。アルコールはいつもそうだ。気持ちが良いのはほんの短い間だけで、後からどんどん悪いものがやってくる。
 気が付いた時には、床に膝を突いていた。なんだか少し横になりたい。目の前がぐるぐると回って、気分が悪い。
「あの、大丈夫ですか。酔っているんですか」
 全く酔いを感じさせない声でそう言われ、手から瓶が奪われる。「大丈夫です」と答えようとして、自分の言葉が舌足らずになっていることに気付く。テーブルの上に座っていたはずの男は、いつの間にかそこから降り、床に座り込んでしまった私の目の前にしゃがんでいた。
「だいぶ酒臭いですよ。飲んで来たんですか。ああ、そうか、今日はコンパだったな」
 男は私に顔を近付け、鼻をひくひくさせてからひとり言のように、「参ったな」と言った。
「酒を勧めるべきではありませんでしたね」
 身体が熱くて泥のように重い。頭が痛い。何か言わなきゃと思うのに、上手い言葉が何も出て来ない。横になりたい。少し眠りたい。
 溶け出すように体勢が崩れていく私を、いつの間にか目の前の男が支えてくれている。その腕に抱きつくように身体を委ねながら、もうほとんど回らなくなった頭で考える。
 一体誰なんだろう、この人。
 さっきまでこの部屋には、誰もいないんだと思っていた。部屋の片隅に、まるで物みたいに座っていた。まるで、この部屋に置いて行かれて、忘れ去られてしまったみたいに。
 ああ。そうか。わかった。わかったぞ。
 それは確信だった。思わず笑い出してしまった。そういうことだったのか、と思う。そういう意味だったのか、なるほど、確かに、彼にはそういう雰囲気がある。
「あなたが、水瀬くんなんだね」
 ぽつりと私が口にした時の、彼の表情が忘れられない。
 豆鉄砲を食らった鳩は、きっとこんな顔をしているんじゃないだろうか。
 恥ずかしいことに、私の記憶はそこで途切れている。
 次に目が覚めた時、私は水瀬の部屋にいて、彼の布団に横になっていた。すぐ目の前には、クッションを並べた上に寝転んでいる彼の背中があった。腕時計を見ると、時刻は朝の五時半だ。
 痛む頭を押さえながら起き上がり、規則正しい寝息を立てている彼の寝顔を肩越しに覗き込んだら、起こすのが申し訳ないような気がした。しかし、かと言って見知らぬ男の部屋ですることもなく、私ももう少し眠ろうか、それとも今のうちに出て行った方がいいのだろうか、ということに悩んでいるうちに、彼は目を覚ました。
 起き上がった水瀬は、自分と私にコップ一杯の水を用意してくれてから、簡単に事の成り行きを話した。
 記憶が途切れた後、私はしばらく部室の長椅子に寝かされて休んでいた。一時間ほどして目を覚まし、家に帰ると言い出したが、とても自力で家に帰れる様子ではなく、彼は送りますと言ったが私がそれを受け入れなかったので、なら自分の部屋に来ないかと提案した。何故なら彼は、大学の裏門を出て百メートルも歩かないところにアパートを借りていたからだ。彼に半ばおぶわれるようにしてこの部屋に来て、そうして、私は敷いてもらった布団で眠った。
 その後、一度途中で夢にうなされて目を覚ましたのだというが、私はすぐにまた眠ってしまい、そして、今やっと起きたということだった。
 私は話を聞いているうちに、申し訳なさと恥ずかしさで死んでしまいたくなった。すみません、すみませんと謝ったが、水瀬は難しい顔をしているままだった。怒っているのだろう。当然だ。初対面で、酔い潰れられて、自分の部屋に連れて帰る羽目になるなんて、不遇以外の何物でもない。
「ひとつ言っておきますが、」
 水瀬がどこか苦しげに、呻くようにそう言ったので、私はちらりと彼の顔を見上げた。何を言われるのだろう、と内心、心臓が痩せ細るような心境だった。彼は眉間に皺を寄せたまま、
「あなたには、やましいことは何もしていません」
 と言った。
 私はその瞬間、呆気に取られた。
「あなたを俺の部屋に連れて来たのは、あのまま部室で寝かせ続ける訳にもいかないだろうと思っただけで、その、深い意味はなく……」
 何も言えずにぽかんとしている私の顔を見もしないで、彼は続けて言う。
「まぁ、そりゃ、男女ですから、こういったことはしない方が良いということはわかっていますが、でもやはり酔い潰れたあなたをあそこに放っておく訳にも……」
「あの、」
 私が声をかけると、彼はやっとこちらを見た。
「なんでしょう」
「あの、私、信じますから」
「何をですか」
「あなたのこと。あなたの言葉、信じますから。だからそんなに、弁解しなくて大丈夫です。助けて下さって、ありがとうございました」
 頭を下げて、もう一度顔を上げると、今度は彼がぽかんとした表情をしていた。
「…………そう、ですか」
 まだどこか納得していないというような顔で、だけれども彼はそう言って、きまり悪そうに頭を掻いた。
「まだ、名乗っていませんでした。水瀬といいます」
「はい、知っています」
「そういえば、昨夜も俺の名前を呼んでいましたね。どうして、俺のことを」
「文化部の人たちが、あなたのことを話しているのを聞いたので」
「そうですか。どうせ、良い話ではないのでしょうね」
 それはあまりにも自然に、平然と彼の口から発せられた言葉だった。その声音にはなんの感情も含まれていないように思えた。
「それで、あなたの名前は?」
「田代です。二年の田代世莉」
「田代さん、ですか」
 彼はそう言ってから、小さく息を吐いた。
 部屋のカーテンは閉められていたが、隙間から朝の光が射し込んでいた。今日も外は暑そうだなという夏の予感に気が滅入りそうになる。
「田代さんの鞄は、そこです」
 彼が指差した先は、居間から台所への入り口付近だった。そこには確かに、私の鞄が置いてある。
「帰るなら、どうぞ。俺は、もう少し寝ます。寝不足なので」
 水瀬はそう言いながら、再び身体を横にしようとする。こちらに向けられたその背中に、「あの、」と声をかけると、その動きは止まった。
「私も、もう少し、眠っていってもいいですか」
 あまりにも図々しいお願いだった。だけれど私も眠たかったのだ。彼はしばらくそのままの姿勢で止まったまま、黙っていたが、やがて、「どうぞ」と一言だけ言って、座布団の上に転がった。
「あの、今度は水瀬くんが布団に――」
「眠るので、静かに」
 そう言ってから、一分も経たないうちに、再び規則正しい寝息が聞こえ始めた。
 私もさっきまでと同じように、布団に横になる。身体が疲れているのか、すぐに眠気が襲ってきた。まぶたを閉じる少し前、そういえば、彼とは初対面なのに気負わずに会話ができていたことに気が付いて、それだけが少し、不思議だった。
「馬鹿じゃないの?」
 私の話を、夏希はそう言って一刀両断した。
「どうして初対面の男の部屋ですやすや眠れる訳? 危機感なさすぎでしょ」
「水瀬くんは、やましいことは何もしてないって言っていたし……」
「だから、それを鵜呑みにするのが馬鹿だ、って言ってるんだけど」
 目の前の友人は苦い顔をして私のことを見ていた。その表情の原因は、飲んでいるコーヒーのせいではないだろう。
 大学の学食。私��夏希は向かい合うように座り、自動販売機で買った紙コップのアイスコーヒーを飲んでいた。夏希はブラック、私はミルク入りだ。こんな不味いコーヒーを飲むくらいなら泥を舐めた方がましだ、なんてこの友人は言うけれど、泥水より不味い液体を啜りながらもここにいるのは、ここが冷房の効いた場所だからだ。
 夕方の学食には私たちの他にも人の姿がちらほらあって、夏休み中の補講が終わったものの、真昼の熱気を忘れられずにいる外気温にうんざりして、皆行くあてもなくここにいる。
「それで、そのまま昼過ぎまで一緒に眠って、お詫びに昼食をご馳走して、それから別れたってこと?」
「そうだよ」
 私が頷くと、夏希は深い溜め息をついた。
「……送って帰ればよかった」
「夏希は私のこと、置いて帰ったくせに」
 冗談半分にそう言うと、途端に夏希は私を睨み、
「世莉が僕のノートを部室に忘れてきたりするからでしょ」
 と怒った。私は笑いながらそのノートを鞄から取り出し、差し出す。
「本当に助かったよ、ありがとう。また借りてもいいかな」
「もう二度と貸さないから、不必要な期待はしないでくれる?」
 ひったくるように私の手からノートを奪い、夏希はすぐに自分の鞄に仕舞い込んでしまう。不機嫌そうな表情。どうやら本当に怒っているようだ。私は小さく肩をすくめた。
「これでも、反省してる。酔っ払って、水瀬くんに迷惑かけちゃったこと」
「水瀬なんてどうでもいいんだよ」
 そう言う友人の声は、明らかにいらいらしている声音だった。
「僕が怒っているのは、見知らぬ男の家にほいほいついて行く、世莉の無神経さについてだよ」
「別にほいほいついて行った訳じゃあ……」
「酔ってて記憶がないからって、許される訳じゃないからね」
「そんなこと言われても……」
「もう二度と、他の男の部屋に泊まらないで」
 切って落とされたように発せられたその言葉は、私の胸に重く響いた。
 夏希はどこか思い詰めたような顔をしている。その表情は、既に怒りの形相ではなくなっていた。諦めと悲しみが入り混じっているような、そんな風に見えた。私は何かを伝えなくてはと思いながら、なんて言えばいいのかわからないまま、ただ黙っていた。
「ごめん」
 やがてそう口にしたのは、私ではなく夏希の方だった。その言葉を聞いて、自分はこの友人が謝罪の言葉を口にするのを待つために沈黙していたのではないか、という考えが私の脳裏をかすめた。
「世莉の彼氏でもないのに、僕がそんなことを言う権利、なかったね」
 苦笑いをしながらどこか気まずそうにそう言う友人に、「ううん、そんなことない。こっちこそごめんね」と言いながら、私は卑怯な人間だ、と思った。
「でも、世莉にあんまり軽率な行動をしてほしくないっていうのは、本当」
「うん、わかった」
「何かあってからじゃ、遅いんだからね」
「うん」
 夏希は心配性だな、と思ったが口には出さなかった。余計なことを言うと友人をまた怒らせてしまうような気がして、そしてそれ以上に、悲しませてしまうような気もした。
「僕は、」
 夏希の細い指が、コーヒーの紙コップをテーブルの上に戻す。空になったそのコップを、軽く握り潰すようにしながら、
「世莉が傷つくの、見たくないんだよ」
 と、言った。
 友人の手の中でだんだんと潰れていくコップから目を逸らして、私は「わかった」と返事をする。自分の手元のコップの中には、白と茶色が混ざり合った不味い液体が、半分以上も残っていることに、飽き飽きした気持ちになりながら。
 確かに、私は軽率だったのかもしれない。文化部の部員たちで誰かの部屋に集まって飲み会をして、そのまま泊まることはあっても、異性の部屋にひとりで泊まることなんて、そうそうないことだ。他の部員にこのことが知れたら、夏希が私を怒ったのと同じように、決していい顔はされないだろう。
 文化部はほんの数年前まで、不特定多数の異性との性行為を目的としたサークル、いわゆる「ヤリサー」だと呼ばれていたというが、少なくとも私が入部した時には、そういった雰囲気はなくなっていた。夜になると部室をラブホテル代わりに使う部員がいたというが、今は夜間に部室で誰かと出くわすことさえ稀だ。
 それでも私は、夜の部室についつい足を運んでしまう。そうすれば、会いたい人に会えるような気がするからだ。以前から、私は誰かに会いたくて、夜の部室の扉を開いてみることが多々あった。
 だが、本当に私が会いたいと思う人には、部室に足を運んだところで、もう会うことはできない。あの人に最後に会ったのは、彼が大学を卒業していった日だった。あれから、まだ半年も経っていない。今でもときどき、夜に部室を覗けば彼がそこにいるんじゃないかと思ってしまう。そんな訳はないのに。
 あの人に初めて会ったのも、私が部室に忘れ物をした夜のことだった。
 忘れ物を取りに部室へ向かった時、部室の照明が点いていることに気が付き、扉の前で思わず足を止めた。ああ、誰かいるんだ。そう思うだけで気が重かった。大学一年生の五月。私は未だ、大学生活にも文化部での活動にも慣れることができずにいた。
 文化部の人たちは明るく親切で、私に対してもよく話しかけてきてくれた。私はそれに自分なりに精いっぱい明るく礼儀正しく答えていたつもりだったけれど、正直、話しかけてもらえることに嬉しさと同じくらい申し訳なさを感じていた。私は気の利いたことや面白いことは何ひとつ言えなかったし、訊かれたことにさえ満足に答えられなかった。今は親しげにしてくれる人たちも、そのうち私に飽きて近寄ってくれなくなってしまうのではないか。そう思うことも恐ろしかった。
 その夜、部室にいたのはひとりの四年生男子だった。もちろん、初めて彼と出会ったその時は、学年など知る由もなかった。だが、年上の男性であるということは一目でわかった。彼には年上の威厳たるものがあった。屈強な身体つきに、鋭い目を持つ彼は、運慶と快慶の金剛力士像を連想させた。彼は静かに読書をしていて、部室へ入って来た私の方をちらりとも見やしなかった。
 私はいつの間にか忍び足になっていて、そろそろと部室の中を歩きながら、「おひとりのところすみません、ちょっと忘れ物をしてしまって……」と言った。「そうか」と彼は答えた。その目線は手元の本に向けられたまま、ほとんど動かない。
「私、間抜けですよね、部室に忘れ物をするなんて……」
 この時部室に忘れていったのはペンケースだった。私のペンケースは誰かが途中まで遊んだままのボードゲームが占領しているテーブルの片隅に置いてあった。ゲームの駒を落としたりずらしてしまったりしないように気を付けながら、それをそっと手に取る。
「ここ、五階じゃないですか。階段の上り下りだけでも大変なのに……」
 私の話を聞いているのかいないのか、彼は返事をしなかった。ただ黙って本を読んでいる。無言でいるのも気まずいかと思って話しかけてみたが、かえって読書の邪魔だったかもしれない。自分の安易な考えを反省しつつ鞄にペンケースを仕舞い、しかし、ここまで話しかけたのにこの後無言で部室を出て行くというのも、なんだか変なのではないか、と悩み始めた時、彼は言った。
「無理に、話さなくていい」
 思わずびっくりして彼を見たが、あの人は未だこちらを見ようともしていなかった。その表情からはなんの感情も読み取れなかったが、それでも、どうやら怒っているという訳ではなさそうだった。
 私は急に頬が熱くなるのを感じた。そのまま無言で彼に向かって一礼をし、「お疲れ様でした」の挨拶もしないで、ほとんど走り去るように部室を後にした。もう顔から湯気が出るくらい、恥ずかしかった。
 彼に見抜かれていた。無理をして話しかけようとしていることが、バレていた。そして、そんな私を彼は許してくれていた。私はそう思った。かけてくれた言葉はぶっきらぼうなものだったが、その声音は彼の見た目に似つかず穏やかで、私を安心させてくれた。それが嬉しかった。
 息が上手くできなくなるまで猛烈な勢いでサークル棟の階段を駆け下り、キャンパスを全力疾走した。講義棟の近くまで走って来た時、ぜえぜえと荒い息を吐きながらついに立ち止まり、そうして私は泣いた。恥ずかしくて嬉しくて、頭の中は大混乱していた。そんな私の頭上では、大きな満月がまん丸い顔をして、街じゅうを柔らかい光で照らしていた。
 それが、私があの人と初めて出会い、そうして彼に恋をした、その最初の夜だった。
  <続く>
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sabooone · 8 years ago
Text
3|或る晴れた日に
あゝ笑つてゐる――
斯波の視線の先には庭で花を愛でる百合子がいた。 自動車を野宮の邸の道の脇に停め、車窓ごしに庭を盗み見る。 硝子を隔てた上に、遠目からなのでその表情は実は殆ど見えない。 けれど、斯波には分かった。 柔らかい藤色の着物の裾の動き、繻子のように白いしなやかな腕の動き一つで、 百合子が今幸せなのだと。 その仕草に、目が離せなかった。 無言で、背凭れに身体を預けて、百合子の様子を息を潜めて見守る。 耳を澄ませれば、百合子の明るい声さえも聞こえてきそうだった。 斯波は春の日差しの眩しさに目を細める。 運転手が無粋にもその沈黙を割って声をかけた。
「邸に入られなくてよろしいのですか?」 「ここで良い」
短く答える。 そろそろ自動車を動かさなければ不審に思われる。 分かっているのに、名残惜しく斯波は運転手に声を掛けられない。 百合子の姿が木陰で隠れ見えなくなってしまって、ようやく重く一つ息を吐く。 そして、頬にぴりりと視線を感じて邸を見ると、瑞人が二階の部屋から見下ろす様に立っていた。 斯波は視線をそらせて、正面を向いた。
「出せ」
一番見られたくない人間に見つかって斯波は舌打ちする。 ある舞踏会に招かれた夜、どこで斯波の所在を知ったのか瑞人が乗り込んできて大勢の目の前で斯波を殴った。 ひ弱な若様と侮っていたが、殴られた後の左顎は一週間は青く腫れ、熱を帯びていた。 しばらくは咀嚼も難儀で肉も��べられず、洋酒も歯茎に滲みるので避けたほどだ。 もう痛みのない顎に手をやって、足を組み直す。
清との貿易が上手く行かなくなって半年が過ぎた。 どう��か状況を打開しようと、国内の工場を新しく稼働したがこれも順調とは言いがたい。 斯波の仲間内では、もう船で儲けられる時代は終わった、と誰もが口にする。 それを考慮しても大道洋行の凋落は世情や景気の所為とは考えにくい事態だった。 船を出せば出すほど赤字になる様なら、いっそ事業を分散させ別々に売り払った方がいい。 山崎と話し合いそう決めたが、まだ株主や社員への通達が残っていた。 エンジンの音と自動車の揺れを身体で感じながら、斯波は重い瞼を閉じる。
毎日会社に通い詰め、遅く帰っても百合子はいつも憂鬱そうな暗い顔をしていた。 どんな贈り物を贈っても能書きのような感謝の言葉と作り物の笑顔。
「貴方は純粋に俺の金が目的で結婚したんだろうな――」
何もかも上手くいかない、その苛立ちからいつにない厳しい言葉で百合子を追い詰めた。 自分と結婚するように仕向けたのは斯波自身だというのに、まるで百合子を攻めるように言葉を続けた。 それが八つ当たりだと自分でも分かっていたが止められなかった。 十ほども幼い小さな少女を乱暴に抱いて、増々百合子の心が離れていくのが分かった。 百合子が妊娠したと知っても、辛く当たるのを止められなかった。
(金が目的ならばそれで良いじゃないか。今更それをあばいてどうなる。  だが、もし、金がなくなったら? 彼女は俺の元から去ってしまう――)
そう考えると恐怖でどうにかなってしまいそうだった。 斯波は何かに追い立てられ逃げるように洋行の船に乗る。 手酷く抱いた朝は自己嫌悪で吐き気がしたのに、一日も経てばまた百合子を抱きたくなった。 未だ見たことのない、百合子の心からの笑顔を思い描いては、洋行先の店で宝石や流行りの服を買う。 百合子に贈り物を止めてほしい、と言われた時の虚しさと悲しみ。 いつも百合子を思い、品を定めるのは斯波の唯一の楽しみになっていた。 それを、百合子自身に否定され、斯波は悲しみを怒りで覆い被せて隠してしまった。
百合子の月のものが止まったのが、妊娠ではなく心因的な物だと言うのは船の上の手紙で知った。 妊娠したという事が分かった時、百合子はどんな贈り物でも開かなかった心を少しだけ開いた。 口元を綻ばせ、瞳に涙を滲ませながら、亡くなった父母に知らせたいと、墓参りに行った。
帰京した夜、斯波は百合子の顔を見るのが怖くてたまらなかった。 そして虚ろな表情で、抱いてほしいと繰り言を呟く百合子が痛ましく耐えられなかった。 百合子をここまで追い詰めたのは自分だ。 客間で百合子を寝かせ、女中に眠れる薬を出させる。 扉の影から百合子が泣きはらした瞳で、しゃっくりを上げながら薬を飲むのを見る。 飲み終わって敷布にくるまり、声を押し殺してまた泣くのを部屋の外で聞く。
(――俺は彼女を助けるために、その為だけに生きてきたんじゃないのか)
今更百合子に愛を求めるのは、あまりにも強欲に思えた。 何よりその斯波の強欲さが、百合子は不幸にしてしまう。 すすり泣く声が寝息に変わる。 しばらくして斯波はゆっくりと音を立てないように扉を開けて部屋へ入った。 広い寝台に百合子が横になっているのを新台の側で佇んで見入った。 赤く火照った頬に涙の後が残り、髪の毛を一筋張り付けている。 寝台に腰掛ける。 百合子の蒼いほど白い額、熱を持った頬、艶やかな髪の毛に手をやった。 頬にかかった髪の毛を優しい仕草で脇にやり、髪を梳いた。
愛していたから、結婚した。 そして、愛しているから離縁するのだ。
斯波はようやく決心をつけ、眠っている百合子に口付けた。 頬から伝う涙が百合子の頬に落ち、濡らす。 柔らかな唇にそっと触れるだけの口付けを繰り返す。 斯波が最後に百合子に贈った物。 それは、手に触れられなければ、身にも飾れない、目にすら見えない物だった。
(ああ、笑っている――)
どんな贈り物をしても心を開かなかった百合子が、笑っていた。 幸せそうに、笑っていたのだ。 例えそこに自分がいなくても百合子が笑っている。それで十分だった。
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「随分と足元を見られたものだな」
同業者に船や倉庫を売り渡す時期になって、そのあまりの安さに斯波は顔をしかめた。 相手は同じ貿易業者として何度も言葉を交わした事のある相手だ。 夫人の催しの茶会や会社の記念式にも招かれる親しい間柄だった。 倒産の話をしたら、いかにも残念そうな顔をし何でも力になると固く手を握ってきた。 情に厚く気の良い友人の様に思っていたが、実際はそうではなかったらしい。 会社の傾きが明るみになると、今までは友人のように思っていた人間が次々と斯波の前から消えていった。 商売は信用で成り立っている、取引相手などは仕方がないとまだ諦められる。 だが、社内にも問題が残り、突然積荷が消えたり在庫が減る事態に見舞われた。 元々信頼を寄せる部下も山崎と僅かしかいなかったのだが、能力による不遇を逆恨みする人間が居る様だ。
「何もかもが莫迦らしくなってくる……」
煙草に火を付けて、煙を燻らせながら自虐的に笑う。 銀座に構えていたビルは次の買い手が決まり、不要な事務用品を運び出していた。 その喧騒を避けるように、応接室に灰皿だけを持って窓辺に腰掛ける。 銀座街道と呼ばれる通りは自動車や俥、電車が行き交い、 モダンで洒落た格好をした人が気取って歩く。 かつてその一員だった斯波は、どんな気取った人間も纏っているもの一枚脱げば獣だと笑う。 茶色の封筒に書類を戻して、山崎に渡す。
「向こうの言い値で売れ」 「しかし――では、私に交渉役をやらせてください。向こうの値の倍はつくはずです」
斯波は山崎の言葉に顔を上げる。 煙草の火を灰皿に押し当てて消すと、改めて姿勢を正して山崎を見る。
「お前は向こうの会社に引き抜かれる事が決まっているだろう。  そんな事をしたらそれもどうなるか分からんぞ」 「この会社は――我々が育てた子供の様な存在です。  売ってしまうとして、どうして悪条件で手放せましょう」
斯波一人の会社なのではないと、山崎は言う。 社長は一人だが、その下には何人も社員が部下がいる、全てを含めて一つの会社なのだと。
「社長はお仕事をされている時、とても楽しそうでした。  それが付き合いのための会食や、根回しのための舞踏会などであっても。  いつも堂々とされた姿に、我々は本当に誇り高かったものです」 「――楽しそう、か」
斯波は山崎の言葉を反芻する。 生来の気性からか、人付き合いは苦ではなく世辞も冗談も嫌いではなかった。 会社が軌道に乗ってからは、社員が増えると事務作業や現場の作業をする機会は減り、 人付き合いや会社の付き合いの方が多くなっていった。
「会食や会合、舞踏会や芸者遊びを無駄遣いと一概に責める人間はそれこそ視野が狭い。  そこで作られる財界の伝手、政治的繋がりがどれほど重要か分かっていないのです」 「お前、新聞を読んだのか」
斯波は苦笑いしながら言った。 新聞がそれらの叩きやすい事柄をやり玉にあげていたのを思い出す。 斯波の邸も成金趣味と辛辣に斬り捨てられ、庭の桜を日本人的情緒の欠落とも書かれた。
「――お前の言うことは分かった。だが……」 「ご心配には及びません、私は優秀なので引く手数多ですから」 「随分と勇ましいな」 「社長に借財を残す訳には参りません」
山崎はそう言ったが、損失分に加え社員や工員の給料の未払いが随分ある。 切り替えが早かったので首を括るという事態は避けられそうだが、相当額の借財になりそうだった。 野宮の借財の権利が高利貸しに譲渡されていた時のことを思い出す。二の轍を踏むわけにはいかない。
「社長は――今後はどうされるおつもりなのですか?」 「……そうだな、ある知り合いが工場の責任者を探していると言うのでな」 「奥様はどうなさいます」
百合子から何度か連絡があったのを斯波も山崎も知っていた。 応接室の外をがやがやと家具を運ぶ声が聞こえる。 大勢の足音が去り、一旦静かになるのを待って答えた。
「別れた妻だ。今更何も関係ない。  何を聞かれても俺のことは言うな」 「――分かりました」
山崎は斯波から書類を受け取ると、一礼して部屋から出た。 斯波は窓から山崎が忙しなく雑踏に紛れるのを見て、溜息を漏らした。
二度と、会わない方がいいのだ。 そうでないと、固く誓った決意が揺らいでしまう。
百合子と瑞人の名代で藤田が銀座のビルにまで来たのは五月の終わり頃だった。 その頃には殆どの片付けは終わっていて、ビルも人手に渡っていた。 残った借財は信用の置ける知り合いに肩代わりしてもらい、斯波はその人物の持つ工場で働くことになっていた。 東京の郊外、工場の近くに家を借りて今はそこで寝泊まりしていた。 上質の布地のオーダーメイドの洋装に久しぶりに袖を通す。 これが終われば、この服も売る手はずだった。 野宮の家令と会うのにあまり見窄らしい格好では示しがつかない。
藤田が怒り心頭��ばかりに応接室を出て行く。 紙の焦げる匂いに、ふと甘い匂いが混じっている様な気がする。 灰になってしまった手紙は指で摘むと、ぽろぽろと崩れ落ちた。
(何と書いてあったのだろう)
斯波は考えを巡らせたが、もはや一生分からない。 百合子から斯波への手紙など、初めて書かれた物ではないだろうか。 内容の知れぬ手紙。 薄い桃色の封筒の端に書かれた”百合子”という美しい手蹟ばかりが瞼の裏に残った。
///
(ここに置けだと? ――どういうつもりだ。  あの家令も殿様も、何故止めない!)
百合子と藤田を乗せた自動車の音が遠ざかるのを聞いて、斯波はよろよろと立ち上がった。 背を預けていた引き戸がみしりと軋む。
家の中は明かりがつけられ、淡黄色の光が居間を照らす。 居間には畳んでいた卓袱台が出て、上に布巾が掛けられている。 取り払ってみると、小皿に焼いた茄子やつけものが乗っていた。 櫃には温かいご飯に、竈の上には味噌汁の入った鍋が置いてある。
(――まさかこれを? ……いや、藤田か)
そして斯波は居間の畳に、忘れられたらしい巾着が置かれているのに気がついた。 その中に一葉の写真を見つけた。掌ほどの小さな写真だ。 写真の中の百合子の顔。
(あんな顔をさせたいんじゃないんだ)
今日の暗がりの中で見た百合子の顔を思い出す。 野宮の邸で見せていた笑顔とは程遠い、斯波に怯えたような顔。 百合子の姿を見た時、まさかと思った。 何故という疑問と驚きの中に、隠し切れない喜びがあったのを斯波自身分かっていた。
借財の額に、仕事の過酷さ、見窄らしい借家、食べ物の貧しさ。 百合子にはそう言った苦労とは無縁であるべきだ。 美しい庭で花に囲まれ、穏やかな日々を過ごす。 百合子の幸せの為に、離縁したのだ。
ぶんぶん、と紛れ込んだ蛾が光に惹かれてこつこつと電球にぶつかる。 斯波はようやく立ち上がり、土間に降りた。 そして湯のみに水を入れ、一気に飲み干す。 隣の竈の味噌汁の匂いに誘われ、お玉で一口掬い啜ってみた。 塩味の足りない味噌汁は、味が薄くお世辞にも美味しいとは言い難い。 だからこそ、余計に斯波を戸惑わせるのだった。
(同情だ) (どうして今更) (信じられるものか) (どうせ、もう二度と来ない) (また去って行く) (彼女が不幸になる) (会いたかった) (駄目だ) (嬉しい) (責任感だ) (明日は来ない) (俺は期待している) (一時の気の迷いだ) (会いたい、駄目だ、駄目だ)
様々な思いが交錯し斯波は両手で頭を抱える。 心臓の鼓動が早い。胸が、苦しい。 忙しく働くようになって、久しく忘れていた感情がざわめき立つ。 狂おしいまでの愛憎だった。
一度会ってしまえば決心が揺らぐと分かっていた。 百合子を愛しくて愛しくて堪らない。
だが、百合子は斯波を愛してはいない。 この家に来たのも同情心と責任感からだ。 そして、百合子の言葉通り百合子をここに置き、一緒に暮らすようにでもなれば。 そうなれば、斯波は百合子を二度と手放せないだろうと思った。 例えそれが、百合子を不幸に貶めると分かっていても。
(俺は恐ろしい……)
同情だろうが責任感だろ��が、もはや構わないとすら思う。 愛する人を不幸にすると分かっていながらも、これ程までに強く求めてしまう自分自身が。
///
野宮百合子様
私が貴方の元から去ってしまって、随分と経ったような気がします。 あの頃の貴方は、老齢の女の様で、それでいて五つの童女の様でした。
今になって、何故貴方に手紙を書くのか――。 友人が、無精だから手紙は書かないと言っていたのを思い出します。
けれど、私は今、何だかとても、無性に。貴方に。 今の私の気持ちを書き残しておきたいと思ったのです。
一方的に別れを告げておいて、何を今更と思う事でしょう。 私は貴方を捨てて逃げながら、その実何度も貴方を探しました。
そして日々の中、貴方は遠くへ行ってしまったと思いながらも、 どうしてか、いつも貴方が側に居てくれていた様にも思うのです。
この手紙が実際に過去に届く事はないのですから、 これは私のひとりよがりにすぎません。
それでも、あの日何もかもに惑っていた私へ届く事を願います。
///
淡い緑色の紗。 百合子は夏らしい爽やかな色合いの着物を手に取りふと考えこむ。
「お洋服にしようかしら……」
箪笥の隣のクロゼットを開ける。 斯波から譲り受けた夜会服が掛けられる分だけと、滅多に装わない洋服もいくつか掛かっていた。 長袖の白いブラウスに、丈の長い濃紺のスカートを手に取り、寝台の上に並べる。 着物と見比べ、一つ頷いて百合子は洋服に着替えた。 背中まである長い髪を深緑のリボンで一つに結わえて胸に垂らす。 クロゼットの底部に備え付けられた棚に磨かれた黒い靴もあった。 鏡に全身を映してみると、着物の時よりも幾分幼く見えた。 昨日の斯波の言葉を思い出し、心が不安に揺れる。 ふるふると首を振り、目を閉じて大きく深呼吸を繰り返す。 朝の清廉な空気が胸いっぱいになり、揺れた心が収まった。 藤田の待つ玄関まで駆けて降りる。
「藤田、お待たせ」 「お早う御座います、姫様。  ――洋服ですか?」 「そう、着物は袂を上手く纏められないし……変かしら?」 「いいえ、お似合いです。  何だかお若く見えますね、女学生の頃のようです」 「私も同じ様なことを思ったわ」
藤田の言葉に百合子は微笑った。 自動車に乗り込むと藤田がエンジンを掛ける。 昨夜斯波にあんな追い出され方をしたのに、藤田は百合子に何も言わなかった。
斯波の家に行く前に、朝市に寄り野菜の選び方やお金の使い方を藤田に教えてもらう。 百合子は馬鈴薯や魚の干物、朝市名物のおこわを買う。 上品な若い女の客と言うだけで、饅頭や漬物などをおまけしてくれた。
「でも、悪いわ……こんなに」 「今後も贔屓に、と言うことでしょう。  それに、姫様は昔から愛敬さんでしたから――」 「愛敬? そう言われてみればそうかもしれないわ。  お前もよくチョコレートをくれたものね」 「屈託なく笑われるお顔を見るとどうしても甘くなってしまいます」
藤田が珍しく苦笑するのを見て百合子の心も明るくなる。 市場のざわめきが何とも耳に心地よかった。
斯波の家に着くと、仕事に出た後だった。 藤田が家の鍵を開けるのを見ながら呟く。
「――今思ったのだけれど、これって泥棒よね」 「何も盗まず、夕ごはんを作って帰る泥棒ですか?」 「藤田、今日は私一人で居るわ。  昨日の様にお前にまで迷惑掛けられないもの」 「……ですが」 「大丈夫よ、ね?」 「……」
百合子が明るく笑って言ってみるが、藤田は顔を顰めて百合子を見下ろす。 迷っている藤田の腕を持って百合子は続ける。
「もしも、追い出されたらどうにか電話のある邸を探して連絡するわ」 「夜半にですか? 無茶すぎます」 「大丈夫、追い出されたりしないわ」 「――分かりました。では私は一旦お邸に帰ります。  そして夜半ごろまた様子を伺いに参ります」 「分かったわ」
藤田はそう言うと市場で買った野菜を土間に運んだ。 心配そうな顔をしていたが、百合子が何度も念押しするとようやく自動車に乗った。 自動車を出すまで延々と心配事が口をついて出て、百合子はその言葉一つ一つに分かっているとばかりに何度も頷くことになった。
「火傷には気をつけてくださいね。それから火事にも。  訪問客が来たからと邸の様に軽々出てはいけません。  刃物に気をつけて、お皿も割ってしまったらその破片に気をつけてください」
最後は野菜の棘や魚の小骨に気をつけろとまで話しが及ぶ。 それでもまだ心配だと藤田が続けようとした所で、他の自動車が後ろに現れて仕方なしに自動車を発進する。 離れ行く自動車に向かって百合子は小さく手を振った。 藤田の乗った自動車があぜ道を抜けて小さくなっていく。 その先には晴れ渡った青い空に真っ白な入道雲が広がる。 午に近くなって、太陽が増々明るく、じりじりじりと蝉が鳴く。
居間の机の上には布巾をかけたまま手付かずのままの昨日の夕食が置いてあった。
(悲しいなんて思う資格、私には無いわ)
百合子は自分にそう言い聞かせて残った夕食を土間に運ぶ。 不恰好な切り口の胡瓜の漬物、身の殆ど無くなった焼き茄子、塩辛すぎる味噌汁。 それでも、百合子は斯波がこれを口にしただろうかと何度も思い返していた。 手を付けていないかもしれないと自分に言い聞かせてみた。
(でも、こんなにも悲しいなんて……)
斯波の邸で食欲が無いからと食べ物を残していたのを思い出した。 百合子は冷たくなったご飯に塩を振って握る。 皿におにぎり三つと漬物を乗せて布巾を掛けると、戸棚の涼しい所へ置いた。
「お部屋が少ないから、お掃除も簡単ね」
百合子はつとめて明るく言うと、雨戸を開けて風を通しながら部屋の中を掃除する。 布巾を濡らして固く絞り、机や家具を拭く。 居間の隅に畳まれた布団を、表の物干しで干した。 日差しは増々強くなり、肌が焼けるようだった。
百合子は不思議と涼しい土間に戻ると朝市で買ったばかりの馬鈴薯を取り出した。 蛇口を捻り盥に水を溜めて馬鈴薯を洗う。 土が水に流されて、黄色い皮が見えてくる。 水は出始めは生ぬるかったが井戸から引いている水は、次第に指先が震えるほど冷たくなった。
空気の通り道に気を払いながら、竈��火を入れる。 百合子は鞄の中から料理の覚え書きを書いたノートを取り出して水道の横に置く。 まだ料理が得意ではない百合子のために、藤田が料理に工夫を凝らしてくれたのを注釈で書いている。
(本来なら、馬鈴薯の皮は最初に剥いた方が良いでしょう。  けれど、慣れるまでは皮つきのまま茹でて下さい。  茹で上がった時に手で剥いだ方が安全です)
百合子は馬鈴薯の泥を落とすと、鍋に水を入れて馬鈴薯を2つ転がす。 そしてそのまま竈の上に置いた。
(マッシュは早めに作って置くといいでしょう。  魚の干物は斯波様がお帰りになる頃に焼きあがるようにすると良いかと)
藤田の言葉を思い出しながら、馬鈴薯をつつく。 茹で上がると火傷に気をつけながら湯を捨てて、まな板の上で半分に切る。 上手く茹でられた馬鈴薯は身と皮が剥がれやすく、手で簡単にするすると剥けた。 小さく切って深い皿に入れ、木杓で潰す。途中塩と胡椒で味をつけて、味を見る。
「美味しいと思うのだけれど――」
料理が下手な自分だけでは正確な評価は心許なかった。 一息着くと、丁度午砲が鳴る。 戸棚にしまっていたおにぎりと漬物、冷たい味噌汁で昼ごはんにした。 質素な食事だったが、自分で作ったからかお腹が空いていたからか美味しく感じた。
午後からは持って来た裁縫道具で箪笥の中のシャツの釦留めをしたり、家の前を竹箒で掃いたりした。 日が暮れ始めると干していた布団を取り込み、雨戸を閉める。 蚊取り線香に火を入れ、電気をつける。 昼の内は汗が流れるほど暑かったが、日が落ちると急に冷え込んだ。 溝の蛙がげこげこと喉を鳴らし、小川がさらさらと流れる。 時折、子供たちのはしゃぐ声が遠くに聞こえ、突然の風に青々とした草葉が揺れる。
百合子は机に馬鈴薯のマッシュの皿を置き、市場で買ったおこわを茶碗に盛り、湯のみを置く。 七輪に火を入れて、網を乗せ魚の干物を炙る。 じゅわと干物の脂が炭に落ちる度にもくもくと白い煙が上がった。 ぱちぱちと炭が爆ぜる度に、きらきらと火の粉が舞う。 しばらく炙っていると、魚の焼けるいい匂いがしてきた。
そろそろ焼き上がりと言う時に、家の勝手口の引き戸が開く。 怒ったような表情をした斯波が大股で百合子に近づくと腕を掴んで引き上げる。
「俺に関わるなと何度言えば分かるんだ!」 「どうして、どうして、関わってはいけないの?」 「迷惑だと言っているんだ!  同情か気紛れかしらないが、もう二度とここには来るな!」
斯波の気迫に呑まれ百合子は唇を噛む。 男性から怒鳴られた事のない百合子は斯波の声と言葉に怯む。 掴まれた腕が痛み、目を強く瞑って首を振る。
「貴方にはこんな生活は無理だ!」 「無理なんかじゃないわ!」
百合子が気丈にそう言い返すも、斯波は居間に置いていた鞄と巾着を掴み百合子に押し付ける。 そして百合子を家の外に押し出して引き戸を閉める。 押し付けられた荷物が腕から地面に落ちる。 百合子はしゃがんでそれを拾うが、身体が重く立ち上がれなかった。
「無理なんかじゃ、ないわ……」
小さく呟くとぎゅうと荷物を抱きしめる。 朝市での買い物や、料理に掃除に裁縫――今まで出来なかった事を少しずつだが覚えていったのだ。 百合子は引き戸に向き直り、声を絞り出すように言葉を紡ぐ。
「私、毎日だって来ます。明日も、明後日も……」 「どうしてだ。――どうして、今更!」 「それは――」
百合子の声が詰まり、沈黙が降りる。 ささくれだった引き戸にそっと触れて、息を吐く。
「貴方と、同じ気持ちだから……」
百合子の言葉に斯波は答えなかった。 静寂の夜に、ざわざわ、と青葉が揺れる音が響く。 人の気配がしてそちらを見ると藤田が自動車で迎えに来ていた。 そっと引き戸から手を放し、鞄を持つ手に力を込める。
「馬鈴薯のマッシュ。水っぽくなってしまったの。  でも、――明日はもっと上手く作れるわ」
百合子はそう言うと踵を返した。 斯波は足音が遠ざかるのを聞き、土壁を拳で殴る。 乱暴に前髪を掻き毟り、頭を抱えて自分に言い聞かせるように怒鳴る。
「嘘だ! 信じられるものか!  彼女は俺を愛していない! 愛してなどいなかった!」
乱暴に居間に上がり、夕食の乗った机の端を持つ。 こんなもの、と怒りに任せてめちゃくちゃにしてしまいたかったが出来なかった。 机を持つ手が震えて、力なく居間に座り込んだ。
「明日も来る――お姫さんが明日も……」
斯波は箪笥に背中を預けて、ぼんやりと天井を仰ぎ見る。 そして、力なく笑った。
///
本来なら寝ている時間帯だ。 瑞人は蒸し暑い銀座をいつもの着物姿で歩いていた。 昼をすぎてくらくらしそうなほど眩しく健全な日差しにうんざりとばかりに溜息をつく。 石畳の道路は熱気を孕み、温石のように足元から温める。
「あーあ、何でこんな日にこんな所でもって……」
少し歩いただけなのにもう額に汗が浮いている。 指先で濡れた前髪を払いながら、ようやく目当てのカフェを見つける。 黒檀の落ち着いた色合いのモダンな扉に、真鍮造りの窓枠、色硝子の嵌められた仕切り。 外の壁は赤い煉瓦造りで、緑の蔦を青々と繁らせていた。 ひんやりとした空気が流れていて、瑞人は大きく息を吸った。
女給が寄ってくるので、にこやかに微笑んで待ち合わせだと告げる。 奥まった机に案内されて、籐で編んだ涼しげな椅子に座ってひとごこちつく。 呼び出した当の本人はまだ居ないようだった。
「お飲み物は?」 「カルピスにしようかなあ、暑いから」
そう言って目を細めて笑った。 グラスに波々と注がれたカルピスを一口飲んで喉を潤す。 甘ったるい酸味が舌の上に広がり、知らない内に瑞人は微笑んでいた。 がらんがらんと乱暴な音がしてカフェの扉が開いたので、瑞人は待ち人が来たと感じて眉を顰める。 足音も大きく、仕切りから現れた長身の男は乱暴に椅子を���いて座る。 女給が慌てて聞く。
「お飲み物は――?」 「いらん!」
やれやれとため息をつくと、先程まで良い心地だったカルピスの甘酸っぱさが胸に焼けるようだと思った。 赤っぽい髪の毛を撫で付けて、半袖のシャツに茶色のズボン。 首からは手ぬぐいを下げていて、よく見るとシャツもところどころ油染みが浮いている。
「で、何の用だい」 「分かっているだろ、お姫さんの事だ!」 「百合子がどうかした?」 「どうかしたじゃないだろう――」 「怒鳴らなくても聞こえるよ」
相変わらずの早口で強引な口調に、瑞人は呆れて身を引き腕を組んだ。 斯波は腰を浮かせて畳み掛けていたが、のらりと瑞人に話の腰を折られて憤然と椅子に掛け直す。 そうして向い合ってようやく余裕が生まれたのか、特有の傲慢さの滲み出る笑いで顔を歪める。
「殿様は相変わらずのご様子ですね。  妹がどこで何をしていようが、興味も無いらしいな」 「百合子は、確かに僕の妹だがあの子ももう大人だ。  何をしようが、あの子の自由だよ」 「自由! 随分と都合のいい言葉だ」
斯波が鼻で笑う。 瑞人はそれを一瞥して首を傾げる。
「百合子の事なら、直接百合子に言えばいい。  どうして、僕を呼び出したりするんだい?」 「迷惑だと何度も伝えたが、止めないから貴方を呼び出したんだ」 「本当に迷惑だと思うなら、家の鍵を変えればいい。引っ越せばいい。  それとも手でも上げてみればいいじゃないか、どうしてそうしない?」 「貴方は――お姫さんが不幸になってもいいのか?」
斯波は机の上に置いた手を固く握る。 瑞人はグラスを傾けて、もう飲みたくも無くなったカルピスを一口含む。 今は眉間に皺を寄せるほど、甘い。 瑞人ののんびりとした動作を、斯波は苛立ちながら見ているのが分かる。 視線を合わせず、伏せていた瞳をあげ、ぱさりと垂れた前髪も掻き上げる。
「あの時の百合子、幸せそうに見えたかい?」
斯波は一瞬口を噤む。 あの時、と明確な日時を言わなかったが、おそらく斯波が百合子を盗み見た日だろうと推測する。 瑞人の涼やかな目元は感情がなく、何を考えているのか読み取れなかった。 そうだと認めるのは、あまりに悔しく斯波は喉から声を絞り出すように唸った。
「ああ、見えたさ! 俺の邸に居た時とはまるで違った!」 「――君は分からないだろうから、言うけれど。  あの子は、僕達の前では幸せそうに笑うんだよ」 「幸せだからだろう!? 家族も、使用人も邸も金も花も、あるからだ!」 「僕達が心配するから幸せそうに振る舞うんだ」
瑞人は一つ大きく息を吐く。 そして痛ましげに顔を歪ませた。
「まるで、幼い頃の様に。そうさせているのは僕達だ」 「――それならそれで、新しい縁談でも探してやるのが貴方の役目だろう!」 「あの子がそれを望んでいないのに? またあの子を苦しめろと?」 「また百合子さんを借金まみれにしたいのか?」 「こちらにも備えがある。  財産を整理し、爵位を返上する用意があるんだ」
瑞人の言葉に斯波は息を呑んだ。 野宮の財産のほとんどは斯波が百合子に譲った物ばかりだ。 百合子が野宮の邸で恙無く暮らせるように、というその思いだけだ。
「何故、俺を放っておいてくれない」 「それを、僕から説明されたいのかい」
冷たく言い放たれ、斯波は呻きながら肘をついて手を握る。 頭が鉛を詰め込まれたように重い。ぐらぐらする思考、瑞人の言葉が反響する。 脂汗が背中を流れて、暑いはずなのに全身に寒気が立ち震える。
「百合子は、自分の誕生日の夜会に父を亡くした。そのすぐ後に母を。  あの子が!僕に聞いたんだ! 自分��幸せになってもいいのかと!」
瑞人は声を荒げて斯波に言う。 けれど、本当に責めたいのは自分自身にだった。 百合子は不幸な連鎖の原因が自分にあると思い、ずっと罪を背負ってきた。 どうして、それを気づいてやれなかったのか。 百合子は言えなかっただろう、瑞人は父も母も血が継ってはいない。 ずっと家族のふりをしてきた。 二人の死でそれがようやく終わったと思い、心のどこかで安堵していた。 そんな、名ばかりの兄に百合子はとても言えはしなかっただろう。
家族や使用人を心配させまいと、幸せそうに笑う。 瑞人の複雑な心の裡を察して、一人で苦しむ。
瑞人は瞳を閉じる。心を落ち着けて、昔を懐かしむように言った。
「百合子はね、みんなに好かれていたよ。  いい子で、笑顔が可愛くて、話が上手で。  どんな嫌な子とだって、誰とだって、上手くやれるとても賢い子だった」 「……だが、俺は嫌われていた」
斯波が自嘲的に笑う。 瑞人はいつも通りの嫌味らしい苦笑いを顔に張り付けて淡々と言った。
「君みたいな野蛮人にだって、百合子はにっこり笑って愛しているふりだって出来たに違いない。  けれど、そうしなかった。出来なかった。なぜか? 考えてみるといい」
瑞人はそれだけ言い残すとカルピスの代金を机に置いて、立ち上がる。 淀んでいた空気が動き、一気に店内の雑音が耳に戻る。 店を出る際に置き時計を見て、つい目があった女給に少し微笑んで扉を開けた。 長く話し込んだと思ったのに五分と経っていなかった。 暗い店内が夢だったように、眩しい日差しと湿った熱気が全身にまとわりつく。 雑踏の喧しさに蝉の鳴き声に頭が割れるようだった。 眩しさに目を細めながら、銀座の街へ歩き出した。
///
百合子は居間へ入るなり、机の上をみて目を丸くした。 おこわにも魚の干物にも手をつけられてはいなかったが、唯一馬鈴薯のマッシュだけは無くなっていた。 食べ終わった皿と箸を流し台に運び、洗う。 固くなってしまった干物は身をほぐしてお茶漬けにすればいいと藤田が教えてくれた。 薬味の生姜とか葱を少しと、海苔を炙って散らすと美味しいと言っていたのだ。
「暑いから食欲がないのかもしれないわ」
百合子はそう頷きながら、干物をほぐして皿にまとめる。 おこわもおにぎりにしてしまう。 固くなっているかもと不安になったが、胡麻油が入っているようで一晩たってももっちりとしていた。 戸棚には白いおにぎりと焼き茄子がある。 傷んでいないか匂いで確かめながらも、はっきりと分からずに首をかしげる。 一緒におこわのおにぎりと干物も戸棚に入れてきっちりと戸を閉める。 日の高い内に布団を干し、掃除を終える。 ふと竹で編んだ籠を見てみると、汚れたシャツに手拭い、下履きの肌着があった。 百合子は一人はっと息を飲む。そして、じわじわと頬が染まるのを首を振って追い払う。 茶色い染みが浮いているシャツを取ると機械油の苦い匂いがした。 そのかわりに、いつも斯波が付けていたオー・デ・コロンの香りも紙巻煙草の匂いもしなかった。 大胆に鼻を近づけてシャツの匂いを嗅いでいる事に気が付き、慌てて身から離す。 すっかり顔なじみになった又隣に住む道子に洗濯用の盥と洗濯板と石鹸を借りる。 三つの女の子と生まれたばかりの男の子の世話で忙しそうな様子だった。 手伝おうかと言われたが、量も無かったので断った。
「そういえば、いつも中庭に洗濯物が干してあったわ」
それは斯波の邸の記憶だった。 あの大きな邸の洗濯物は一体どれほどになるのだろう。 灰色に濁る水を外の水道の流しに捨てた。 夏は涼しくて良いが、冬だと寒くて大変だとまだ先のことをちらりと心配する。 洗濯物を干し終えて額の汗を払いながら冷やしたお茶を飲む。 午砲はまだだったが、おこわのおにぎりと焼き茄子を食べた。
靴下に出来た穴を不器用ながらに繕い、余所行きらしい黒い靴の泥を落として磨く。 水回りを細かく掃除して、勝手口のあたりの雑草を抜く。 見渡せば、道の端は全て青々とした雑草なので、真剣に草抜きを始めると切りが無い。 日が傾く頃になると洗濯物と布団をしまう。
「習慣になってきたら、何をすればいいか分かってきたわ」
百合子は洗濯したものを畳んで箪笥にしまいながら呟く。 土間に降りて、泥のついた馬鈴薯を二つ取り出した。
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