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ワッパ主席語録:荒らしによる倹約と建設
第九章:荒らしによる倹約と建設 すべての荒らし共栄圏の同志とすべての荒らしは、われわれが荒らし主義の大きい同盟でありながら経済後進した貧しい同盟であり、大きな矛盾を抱えていることを思い起こすべきである。 わが同盟を豊かで強い同盟にするためには、数年にわたる努力が必要であり、その中には、経済を実践し、浪費に反対し、倹約と質素倹約によって同盟を建設するという政策の実行も含まれる。 荒らしにとっての強い同盟は、おおくのリソースを有し、技術を有し、人的・物的資源をおおく有する同盟である。これらの資源は荒らしのために利用・消費される。たとえば、Webサイトの構築、荒らしツールの公開、物資の支給である。 倹約と勤勉の原則は、生産、販売、すべての荒らし共栄圏が管理する事業、協同組合事業、その他すべての事業において実施されるべきである。…
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12150006
軽快なメロディが音割れしていることにきっと全員気付いているはずなのに、誰も指摘しないまま、彼は毎日狂ったようにそれを吐き出し続けている。
時刻は朝の8時過ぎ。何に強制されたでもなく、大人しく2列に並ぶ現代の奴隷たち。いや、奴隷ども。資本主義に脳髄の奥まで犯されて、やりがいという名のザーメンで素晴らしき労働という子を孕まされた、意志を持たない哀れな生き物。何も食べていないのに胃が痛い。吐きそうだ、と、50円のミネラルウォーターを一口含んで、押し付けがましい潤いを乾く喉に押し込んだ。
10両目、4番目の扉の右側。
俺がいつも7:30に起きて、そこから10分、8チャンネルのニュースを見て、10分でシャワー、10分で歯磨きとドライヤー、8:04に自宅を出て、8:16に駅に到着。8:20発の無機質な箱に乗る、その最終的な立ち位置。扉の右側の一番前。黄色い線の内側でいい子でお待ちする俺は、今日もぼうっと、メトロが顔を覗かせるホー��の端の暗闇を見つめていた。
昨日は名古屋で人が飛び込んだらしい。俺はそのニュースを、職場で開いたYahoo!のトップページで見かけた。群がる野次馬が身近で起きた遠い悲劇に涎を垂らして、リアルタイムで状況を伝える。
『リーマンが飛び込んだ』
『ブルーシートで見えないけど叫び声聞こえた』
『やばい目の前で飛び込んだ、血見えた』
『ハイ1限遅れた最悪なんだけど』
なんと楽しそうなこと。まるで世紀の事件に立ち会った勇敢なジャーナリスト気取り。実際は目の前で人が死ぬっていう非現実に興奮してる変態性欲の持ち主の癖に。全員死ね。お前らが死ね。そう思いながら俺は、肉片になった男のことを思っていた。
電車に飛び込んで仕舞えば、生存の可能性は著しく低くなる。それが通過列車や、新幹線なら運が"悪く"ない限り、確実に死ぬ。悲惨な形を伴って。肉片がおよそ2〜5キロ圏内にまで吹き飛ぶこともあるらしい。当然、運転手には多大なトラウマを植え付け、鉄道職員は線路内の肉片を掻き集め、乗客は己の目の前で、もしくは己の足の下で、人の肉がミンチになる様を体感する。誰も幸せにならない自殺、とは皮肉めいていてよく表現された言葉だとつくづく思う。当人は、幸せなのだろうか。
あの轟音に、身体を傾け頭から突っ込む時、彼らは何を思うのだろう。走馬灯とやらが頭を駆け巡るのか、やはり動物の本能として恐怖が湧き上がるのか、それとも、解放される幸せでいっぱいなのか。幸福感を呼び起こす快楽物質が脳に溢れる様を夢想して、俺は絶頂にも近い快感を奥歯を噛み締めて堪えた。率直に浮かんだ「羨ましい」はきっと、俺が人として生きていたい限り絶対漏らしてはいけない、しかし限りなく本音に近い、5歳児のような素直な気持ち。
時刻は8:19。スマホの中でバカがネットニュースにしたり顔でコメントを飛ばして、それに応戦する暇な人間たち。わーわーわーわーうるせえな、くだらねえことでテメェの自尊心育ててないで働けゴミが。
時刻は8:20。腑抜けたチャイムの音。気怠そうな駅員のアナウンス。誰に罰されるわけでもないのに、俺の足はいつも黄色い線の内側に収まったまま、暗がりから顔を覗かせる鉄の箱を待ち侘びている。
俺は俯いて、視界に入った己のつま先にグッと力を込めた。無意識にするこの行為は、死への恐怖か。馬鹿らしい。いつだって、この箱の前に飛び込むことが何よりも幸せに近いと知っているはずなのに。
気が付けば山積みの仕事から逃げるように、帰りの電車に乗っていた。時刻は0:34。車内のアナウンス。この時間でこの場所、ということは終電だろう。二つ離れた椅子に座ったサラリーマンがだらりと頭を下げ、ビニール袋に向けて嘔吐している。饐えた臭いが漂ってきて貰いそうになるが、もう動く気力もない。死ね。クソ野郎が。そう心の中でぼやきながら、俺はただ音楽の音量を上げて外界を遮断する。耳が割れそうなその電子音は、一周回って心地いい。
周りから俺へ向けられる目は冷たく、会社に俺の居場所はない。同期、後輩はどんどん活躍し、華々しい功績を挙げて出世していく。無能な俺はただただ単純で煩雑な事務作業をし続けて、それすらも上手く回せない。ああ、今日はただエクセルの表作りと、資料整理、倉庫の整理に、古いシュレッダーに詰まった紙の掃除。それで金を貰う俺は、社会の寄生虫か?ただ生きるために何かにへばりついて必要な栄養素を啜る、なんて笑える。人が減った。顔を上げると降りる駅に着いていた。慌てて降りる俺を、乗ろうとしていた騒がしい酔っ払いの集団が睨んで、邪魔そうに避けた。何だその顔は。飲み歩いて遊んでた人間が、働いてた俺より偉いって言うのか。クソ。死ね。死んでくれ。社会が良くなるために、酸素の消費をやめてくれ。
コンビニで買うメニューすら、冒険するのをやめたのはいつからだろう。チンすれば食べられる簡単な温かい食事。あぁ、俺は今日も無意識に、これを買った。無意識に、生きることをやめられない。人のサガか、動物としての本能か、しかし本能をコントロールしてこその高等生物である人間が、本能のままに生きている時点で、矛盾しているのではないか。何故人は生きる?生きるとは?NHKは延々とどこか異国の映像を流し続けている。国民へ向けて現実逃避を推奨する国営放送、と思うと笑えてきて、俺は箸を止め、腹を抱えてしこたま笑った。あー、死のう。
そういえば、昔、俺がまだクソガキだった頃、「完全自殺マニュアル」なる代物の存在を知った。当然、本を変える金なんて持ってなかった俺は親の目を盗んで、図書館でそれを取り寄せ借りた。司書の本を渡す際の��しむ顔がどうにも愉快で、俺は本を抱えてスキップしながら帰ったことを覚えている。
首吊り、失血死、服毒死、凍死、焼死、餓死...発売当時センセーショナルを巻き起こしたその自称「問題作」は、死にたいと思う人間に、いつでも死ねるからとりあえず保険として持っとけ、と言いたいがために書かれたような、そんな本だった。淡々と書かれた致死量、死ぬまでの時間、死に様、遺体の変化。俺は狂ったようにそれを読み、そして、己が死ぬ姿を夢想した。
農薬は消化器官が爛れ、即死することも出来ない為酷く苦しんで死ぬ地獄のような死に方。硫化水素で死んだ死体は緑に染まる。首吊りは体内に残った排泄物が全て流れ出て、舌や目玉が飛び出る。失血死には根気が必要で、手首をちょっと切ったくらいでは死ねない。市販の薬では致死量が多く未遂に終わることが多いが、バルビツール酸系睡眠薬など、医師から処方されるものであれば死に至ることも可能。など。
当然、俺が手に取った時には情報がかなり古くなっていて、バルビツール酸系の薬は大抵が発売禁止になっていたし、農薬で死ぬ人間など殆どいなくなっていたが、その情報は幼かった俺に、「死」を意識させるには十分な教材だった。道徳の授業よりも宗教の思想よりも、何よりも。
親戚が死んだ姿を見た時も、祖父がボケた姿を見た時も、同じ人間とは思えなかった俺はきっとどこか欠けてるんだろう。親戚の焼けた骨に、棺桶に入れていたメロンの緑色が張り付いていて、美味しそうだ。と思ったことを不意に思い出して、吹き出しそうになった。俺はいつからイカれてたんだ。
ずっと、後悔していたことがあった。
小学生の頃、精神を病んだ母親が山のように積まれた薬を並べながら、時折楽しそうに父親と電話をしていた。
その父親は、俺が物心ついた、4、5歳の頃に外に女を作って出て行った、DVアル中野郎だった。酒を飲んでは事あるごとに家にあるものを投げ、壊し、料理の入った皿を叩き割り、俺の玩具で母親の顔を殴打した。暗い部屋の中、料理が床に散乱する匂いと、やめてと懇願する母親の細い声と、人が人を殴る骨の鈍い音が、今も脳裏によぎることがある。あぁ、懐かしいな。プレゼントをやる、なんて言われて、酔っ払って帰ってきた父親に、使用済みのコンドームを投げられたこともあったっけ。「お前の弟か妹になり損ねた���らだよ。」って笑ってたの、今思い返してもいいセンスだと思う。顔に張り付いた青臭いソレの感触、今でも覚えてる。
電話中は決まって俺は外に出され、狭いベランダから、母親の、俺には決して見せない嬉しそうな顔を見てた。母親から女になる母親を見ながら、カーテンのない剥き出しの部屋の明かりに集まる無数の羽虫が口に入らないように手で口を覆って、手足にまとわりつくそれらを地面のコンクリートになすりつけていた。あぁ、そうだ、違う、夏場だけカーテンをわざと開けてたんだ。集まった虫が翌朝死んでベランダを埋め尽くすところが好きで、それを俺に掃除させるのが好きな母親だった。記憶の改変は恐ろしい。
ある日、俺は電話の終わった母親に呼ばれた。隣へ座った俺に正座の母親はニコニコと嬉しそうに笑って、「お父さんが、帰ってきていいって言ってるの。三人で、幸せな家庭を作りましょう!貴方がいいって言ってくれるなら、お父さんのところに帰りましょう。」と言った。そう。言った。
俺は、父親が消えてからバランスが崩れて壊れかけた母親の、少女のように無垢なその笑顔が忘れられない。
「幸せな家庭」、家族、テレビで見るような、ドラマの中にあるような、犬を飼い、春には重箱のお弁当を持って花見に行き、夏には中庭に出したビニールプールで水遊びをし、夜には公園で花火をし、秋にはリンゴ狩り、栗拾い、焼き芋をして、落ち葉のベッドにダイブし、冬には雪の中を走り回って遊ぶ、俺はそんな無邪気な子供に焦がれていた。
脳内を数多の理想像が駆け巡って、俺は、母の手を掴み、「帰ろう。帰りたい。パパと一緒に暮らしたい。」そう言って、泣く母の萎びた頬と、唇にキスをした。
とち狂っていたとしか思えない。そもそも帰る、と言う表現が間違っている。思い描く理想だって、叶えられるはずがない。でもその時の馬鹿で愚鈍でイカれた俺は、母の見る視線の先に桃源郷があると信じて疑わなかったし、母と父に愛され、憧れていた家族ごっこが出来ることばかり考えて幸せに満ちていた。愚かで、どうしようもなく、可哀想な生き物だった。そして、二人きりで生きてきた数年間を糧に、母親が、俺を一番に愛し続けると信じていた。
母は、俺が最初で最後に信じた、人間だった。
父親の家は荒れ果てていた。酒に酔った父親が出迎え、母の髪を掴んで家の中に引き摺り込んだ瞬間、俺がただ都合の良い夢を見ていただけだと言うことに漸く、気が付いた。何もかも、遅過ぎた。
仕事も何もかも捨てほぼ無一文で父親の元へ戻った母親が顔を腫らしたまま��越し荷物の荷解きをする姿を見ながら、俺は積み上げた積み木が崩れるように、砂浜の城が波に攫われるように、壊れていく己の何かを感じていた。母は嬉しそうに、腫れた顔の写真を毎度俺に撮らせた。まるでそれが、今まで親にも、俺にも、誰にも与えられなかった唯一無二の愛だと言わんばかりに、母は携帯のレンズを覗き、画面越しに俺に蕩けた目線を送った。
人間は、学習する生き物である。それは人間だけでなく、猿や犬、猫であっても、多少の事は学習できるが、その伸び代に関しては人間が群を抜いている。母親は次第に父親に媚び、家政婦以下の存在に成り下がることによって己の居場所を守った。社会の全てにヘイトを募らせた父親も、そんな便利な道具の機嫌を損ねないよう、いや、違うな、目を覚まさせないように、最低限人間扱いをするようになった。
まあ当然の末路と言えるだろうな。共同戦線を組んだ彼らの矛先は俺に向いた。俺は保てていた人間としての地位を失い、犬に、家畜に成り下がった。名前を呼ばれることは無くなり、代わりについた俺の呼び名は「ゴキブリ」になった。家畜、どころか害虫か。産み落とした以上、世話をするほかないというのが人間の可哀想なところだ。
思い出したくもないのにその記憶を時折呼び起こす俺の出来の悪い脳を何度引き摺り出してやろうかと思ったか分からない。かの夢野久作が書いた「ドグラマグラ」に登場する狂った青年アンポンタン・ポカン氏の如く、脳髄を掴み出し、地面に叩きつけてやりたいと思ったことは数知れない。
父親に奉仕する母は獣のような雄叫びをあげて悦び、俺は夜な夜なその声に起こされた。媚びた、艶やかな、酷く情欲を煽るメスの声。俺は幾度となく吐き、性の全てを嫌悪した。子供じみた理由だと、今なら思う。何度、眠る父親の頭を金属バットで叩き割ろうと思ったか分からない。俺は本を読み漁り、飛び散る脳髄の色と、母の絶望と、断末魔を想像した。そう、この場において、いや、この世界において、俺の味方は誰もいなかった。
いつの間にかテレビ放送は休止されたらしい。画面端の表示は午前2時58分。当然か。騒がしかったテレビの中では、カラーバーがぬるぬると動きながら、耳障りな「ピー」という無慈悲な機械音を垂れ流している。テレビの心停止。は、まるでセンスがねえな死ね俺。
ずっと、後悔していた。誰にも言えず、その後悔すらまともに見ようとはしなかったが、今になって、思う。何度も、あの日の選択を後悔した。
あの日、俺がもし、Yesと言わなかったら。あの日の俺はただ、母親がそう言えば喜ぶと思って、幸せそうな母親の笑顔を壊したくなくて、...いや、違う。あれは、幸せそうな母親の笑顔じゃない、幸せそうな、メスの笑顔だ。それに気付けていたら。
叩かれても蹴られても、死んだフリを何度されても自殺未遂を繰り返されても、見知らぬ土地で置き去りにされても、俺はただ、母親に一番、愛されていたかった。父親がいない空間が永遠に続けばいい、そう今なら思えたのに、あの頃の俺は。
母親は結局、一人で生きていけない女だった。それだけだ。父親が、そして父親の持つ金が欲しかった。それだけだ。なんと醜い、それでいてなんと正しい、人間の姿だろう。俺は毎日、父親を崇めるよう強制された。頭を下げ、全てに礼を言い、「俺の身分ではこんなもの食べられない。貴方のおかげで食事が出来ている」と言ってから、部屋で一人飯を食った。誕生日、クリスマス、事あるごとに媚びさせられ、欲しくもないプレゼントを分け与えられた。そうしなきゃ殴られ蹴られ、罵倒される。穏便に全てを済ませるために、俺は心を捨てた。可哀想な生き物が、自己顕示欲を満たしたくて喚いている。そう思い続けた。
勉強も運動も何も出来なかった。努力する、と言う才能が元から欠けていた、可愛げのない子供だったと自負している俺が、ヒステリーを起こした母親に、「何か一つでもアンタが頑張ったことはないの!?」と激昂されて、震える声で「逆上がり、」と答えたことがあった。何度やっても出来なくて、悔しくて、冬の冷たい鉄棒を握って、豆が出来ても必死に一人で頑張った。結局、1、2回練習で成功しただけで、体育のテストでは出来ずに、クラスメイトに笑われた。体育の成績は1だった。母親は鼻で笑って、「そんなの頑張ったうちに入らないわ。だからアンタは何やっても無理、ダメなのよ。」とビールを煽って、俺の背後で賑やかな音を立てるテレビを見てケタケタと笑った。それ以降、目線が合うことはなかった。
気分が悪い。なぜ今日はこんなにも、過去を回顧しているんだろう。回り出した脳が止められない。不愉快だ。酷く。それでも今日は頑なに、過去を振り返らせたいらしい脳は、目の前の食べかけのコンビニ飯の輪郭をぼやけさせる。
俺が就職した時も、二人は何も言わなかった。ただただ俺は、父親の手口を真似て、母親の心を取り戻そうと、ありとあらゆるブランド物を買って与えた。高いものを与え、食わせ、いい気分にさせた。そうすれば喜ぶことを俺は知っていたから。この目で幾度となく見てきたから。二人で暮らしていた頃の赤貧さを心底憎んでいた母親を見ていたから。
俺は無邪気にもなった。あの頃の、学校の帰りにカマキリを捕まえて遊んだような、近所の犬に給食のコッペパンをあげて戯れていたような、そんな純粋無垢な無邪気さで、子供に戻った。もう右も左も分からない馬鹿なガキじゃない。今の俺で、あの頃をやり直そう。やり直せる。そう思った。
「そんなわけ、ねぇよなぁ。」
時刻は午前4時を回り、��まっていたテレビの心拍が再び脈動を始めた。残飯をビニール袋に入れて、眩しい光源を鬱陶しそうに睨んだ。画面の中では眠気と気怠さを見せないキリリとした顔の女子アナが深刻そうな顔で、巷で流行する感染症についての最新情報を垂れ流している。
結論から言えば、やり直せなかった。あの女の一番は、俺より金を稼いで、俺より肉体も精神も満たせる、あの男から変わることはなかった。理解がし難かった。何度殴られても生きる価値がない死ねと罵られても、それが愛なのか。
神がいるなら問いたい。それは愛なのか。愛とはもっと美しく、汚せない、崇高なものじゃないのか。神は言う。笑わせるな、お前だって分かっていないから、ひたすら媚びて愛を買おうとしたんだろう。ああ、そうだ。俺にはそれしかわからなかった。人がどうすれば喜ぶのか、人をどうすれば愛せるのか、歩み寄り、分り合い、感情をぶつけ合い、絆を作れるのか。人が人たるメカニズムが分からない。
言葉を尽くし、時間を尽くしても、本当の愛の前でそれらは塵と化すのを分かっていた。考えて、かんがえて、突き詰めて、俺は、自分が今人間として生きて、歩いて、食事をして、息をしている実感がまるで無い不思議な生き物になった。誰のせいでもない、最初からそうだっただけだ。
あなたは私の誇りよ、と言った女がいた。そいつは俺が幼い頃、俺じゃなく、俺の従兄弟を出来がいい、可愛い、と可愛がった老婆だった。なんでこんなこと、不意に思い出した?あぁ、そうだ、誕生日に見知らぬ番号からメッセージが来てて、それがあの老婆だと気付いたからだ。気持ちが悪い。俺が人に愛される才能がないように、俺も人を愛する才能がない。
風呂の水には雑菌がうんたらかんたら。学歴を盾に人を威圧するお偉いさんが講釈を垂れているこの番組は、朝4時半から始まる4チャンネルの情報番組。くだらない。クソどうでもいい。好みのぬるめのお湯に目の下あたりまで浸かった俺は、生きている証を確かめるように息を吐いた。ぼご、ぶくぶく、飛び散る乳白色が目に入って痛い。口から出た空気。無意識に鼻から吸う空気。呼吸。あぁ、あれだけ自分の傷抉って自慰しておいて、まだ生きようとしてんのか、この身体。どうしようもねえな。
どうせあと2時間と少ししか眠れない。髪を乾かすのも早々に、俺が唯一守られる場所、布団の中へと潜り込んで、無機質な部屋の白い天井を見上げた。
そういえば、首吊りって吊られなくても死ぬことが出来るんだっけ。そう。今日の朝だって思ったはずだ。黄色い線の外側、1メートル未満のその先に死がある。手を伸ばせばいつでも届く。ハサミもカッターも、ガラスも屋上もガスも、見渡せば俺たちは死に囲まれて、誘惑に飲まれないように、生きているのかもしれない。いや、でも、いつだって全てに勝つのは何だ?恐怖か?確かに突っ込んでくるメトロは怖い。首にヒヤリとかかった縄も怖い。蛙みたく腹の膨れた女をトラックに轢かせて平らにしたいとも思うし、会話の出来ない人間は全員聾唖になって豚の餌にでもなればいいとも思う。苛立ち?分からない。何を感じ、生きるのか。
ああ、そういえば。
父親の頭をミンチの如く叩きのめしてやろうと思って金属バットを手に取った時、そんなくだらないことのためにこれから生きるのかと思うと馬鹿らしくなって、代わりに部屋のガラスを叩き割ってやめた。楽にしてやろうと母親を刺した時、こんなことのために俺は人生を捨てるのか、と我に返って、二度目に振り上げた手は静かに降ろした。
あの時の爽快感を、忘れたことはない。
あぁ、そうか、分かった。
死が隣を歩いていても、俺がそっち側に行かずに生きてる理由。そうだ。自由だ。ご飯が美味しいことを、夜が怖くないことを、寒い思いをせず眠れることを、他人に、人間に脅かされずに存在できることを、俺はこの一人の箱庭を手に入れてから、初めて知った。
誰かがいれば必ず、その誰かに沿った人間を作り上げた。喜ばせ、幸せにさせ、夢中にさせ、一番を欲した。満たされないと知りながら。それもそうだ。一番も、愛も、そんなものはこの世界には存在しない。ようやく分かった俺は、人間界の全てから解き放たれて、自由になった。爽快感。頭皮の毛穴がぞわぞわと爽やかになる感覚。今なら誰にだって何にだって、優しくなれる気がした。
そうか、俺はいつの間にか、人間として生きるのが、上手くなったんだ。異世界から来てごっこ遊びをしている気分だ。死は俺をそうさせてくれた。へらへらと、楽しく自由にゆらゆらふわふわ、人と人の合間を歩いてただ虚に生きて、蟠りは全部、言葉にして吐き出した。
遮光カーテンの隙間から薄明るい光が差す部屋の中、開いたスマホに並んだ無数の言葉の羅列。俺が紡いだ、物語たち。俺の、味方たち。みんなどこか、違うようで俺に似てる。皆合理的で、酷く不器用で、正しくて、可哀想で、幸せだ。皆正しく救われて終わる物語のみを書き続ける俺は、己をハッピーエンド作者だと声高に叫んで憚らない。
「俺、なんで生きてるんだっけ。」
そんなクソみたいな呟きを残して、目を閉じた。スマホはそばの机に放り投げて、目を閉じて、祈るのは明日の朝目が覚めずにそのまま冷たくなる、最上の夢。
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ワッパ主席語録:荒らしによる文化と文芸
第八章:荒らしによる文化と文芸 地球上で、すべての文化や文学や芸術は、特定の階級と特定の路線に属している。 芸術のための芸術、階級を超えた芸術、政治と平行した芸術、互いに独立した芸術は、事実上存在しない。 荒らしの文化と芸術は、荒らし主義革命的大義全体の一部であり、革命的機械全体の「歯車とねじ」である。 荒らし大衆にとっての荒らし文化は、革命の強力な武器である。…
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ワッパ主席語録:荒らしの思考法と仕事法
第七章:荒らしの思考法と仕事法 根拠のない考えを持ったり、客観的状況が許容する条件以上の行動を計画したり、本当に不可能なことを不本意ながら実行したりすることはよくない。 しかし、現在の問題は、反荒らし的イデオロギーがいまだに多くの分野で働いており、多くの分野での仕事を客観的状況の進展に合わせることを不可能にしていることである。 現在の問題は、努力すればできたはずのことが、多くの人に不可能だと思われていることである 頭を働かせて物事をよく考えるべきである。諺にもあるように、”���をしかめると計画が生まれる”。 つまり、考えることが知恵を生むのだ。…
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ワッパ主席語録:荒らしの団結は最大の力
第六章:荒らしの団結は最大の力 荒らしの団結、荒らしの団結、すべての荒らしの団結は、われわれの大義が勝利するための基本的な保証である。 荒らし共栄圏の団結によってのみ、全荒らしの団結を達成することができ、全荒らしの団結によってのみ、敵を打ち負かし、荒らし主義革命の任務を達成することができる。 われわれは、組織と規律の荒らし的中央集権主義の原則のもとに、わが党の全勢力を強力に団結させる。いかなる同志であろうと、荒らしの綱領と荒らしの決議に従う意志がある限り、われわれは彼と団結する。 われわれは、荒らしの内部矛盾を解決するこの民主的方法を、「荒らしの統一 >反荒らしへの批判>…
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ワッパ主席語録:荒らしによる調査と研究
第五章:荒らしによる調査と研究 実務に携わる者は皆、現場に下りなければならない。 理論だけ知っていて実践を知らない人には特に必要なことで、そうでなければ理論と実践を結びつけることはできない。 「調査がなければ発言権もない��とは、まさにこの通りである わが荒らし共栄圏は、いわゆる「無能患部」たちから数え切れないほどの損失を被ってきた。…
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ワッパ主席語録:荒らし大衆に対する奉仕
第四章:荒らし大衆に対する奉仕 われわれは慎み深く、用心深く、傲慢と焦りを慎み、心をこめて荒らしのために尽くすべきである。 荒らし大衆に心から奉仕し、 荒らし大衆から片時も離れないこと、個人や小集団の利益ではなく、 荒らし大衆の利益のために行動すること、 荒らし大衆に責任を持ち、荒らし共栄圏の指導機関に責任を持つことの一貫性、これらがわれわれの出発点である。 荒らし共栄圏の職員は 荒らし大衆に奉仕しなければならない。わたしたちは皆、利己主義や私利私欲を排した精神を学ぶべきである。 この観点から、人は 荒らしのために大いに役立つ人間になることができる。 人の能力は大きくても小さくても、この精神を持っている限り、その人は高貴な人であり、純粋な人であり、道徳的な人であり、低俗な嗜好から自由な人であり、 荒らし大衆にとって有益な人である。 荒らし共栄圏と荒らし紅衛兵は革命的隊列である。…
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ワッパ主席語録:荒らしから学ぶ理論武装
第三章:荒らしから学ぶ理論武装 キッズやガイジの荒らし世界を先進的で、強力で、武装された荒らし世界に変えるには、目の前の仕事は難しく、私たちの経験も不十分だ。 したがって、我々は学ぶことに長けていなければならない。状況は絶えず変化しており、自分の考え方を新しい状況に適応させるためには、学ばなければならない。 荒らし主義についてすでに多くのことを知っている人たち、荒らし階級の立場がより強い人たちでさえも、新しいことを受け入れ、新しい問題を研究するためにまた勉強しなければならない。 我々は、理解できなかったことを学ぶことができる。 われわれは古い世界を破壊することに長けているだけでなく、新しい世界を建設することにも長けている。 学びには二つの態度がある。 一つは教条主義的な態度であり、荒らし共栄圏の状況に関係なく、適用できることとできないことを一緒に持ち越す。 この姿勢は良くない。…
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ワッパ主席語録:荒らし内部の矛盾の解決
第二章:荒らし内部の矛盾の解決 荒らし大衆と反荒らし制度との間の矛盾は、荒らし主義革命によって解決され、荒らし共栄圏内部の矛盾は、批判と自己批判によって解決され、社会と自然との間の矛盾は、生産力の発展によって解決される。 方法によって解決される。 敵と自己の間の矛盾と荒らしの内部の矛盾という2つのタイプの矛盾は、性質が異なり、解決方法も異なる。簡単に言えば、前者は敵と自己を区別する問題であり、後者は善悪を区別する問題である。 もちろん、敵と自己の問題は善悪の問題でもある。…
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ワッパ主席語録:荒らし共栄圏
第一章:荒らし共栄圏 第一に、荒らしの努力を主導する中核勢力は荒らし共栄圏である。 われわれの思考を導く理論的基礎は荒らし主義である。 荒らしのためには、どちらも革命党がなければならない。 革命党がなければ、荒らし主義の革命理論と革命様式に従って建設された革命党がなければ、荒らし階級と人民大衆を指導することは不可能である。 荒らし主義の理論で武装し、自己批判的な方法を採用し、荒らしと接触する規律ある党。 そのような荒らし共栄圏に率いられる武装勢力。 そのような荒らし共栄圏が率いる革命的荒らしの統一戦線。 これら3つが、敵に勝利するためのわれわれの主要な武器である。 荒らし大衆を信頼し、荒らしを信頼することは、二つの基本原則である。…
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荒らし人民日報:開示請求100%勝利方法
荒らし共栄圏で訴訟ガイジと対決 もっとも大事なのは、開示請求をされた場合は和解を一切しないこと。毎日裁判所のトイレを荒らし、訴訟ガイジに向けて誹謗中傷文を音読する。そうすれば、荒らし耐性の無い日本鬼子は人格崩壊!相手は自殺し、お前が勝つだ 未成年の場合は、開示請求の費用はお前の親が払ってくれるので、こちらの損害は一切無し。もし親が端末を没収するようなことがあれば、学校のPCを使うなり友達に懇願して端末を貸してもらうなりすればよい。 返り討ち ここまでで一般的な裁判の回避方法を説明したが、裁判が終わったらどうすればよいか? まずは包丁を持って訴訟相手の家に忍び込む。そして荒らし共栄圏万歳と大声で叫びながら相手のキャッシュカードを盗んで逃走!中国人に頼めば現金化してくれるので、その費用で相手を訴訟するんだ お前が安倍晋三なら? 開示記録を黒塗りにすれば解決だ 荒らし共栄圏万歳
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荒らし人民日報:宮崎給食異物混入で異臭ぷんぷん
自然環境保全グループ荒らし共栄圏は本当に環境問題に真剣に取り組んでいる。宮崎県宮崎市東宮は本当に���染されている! ��日本で最も資源が欠乏している東宮は作物が育たず、作物は地面の下に生えている。臭気により大気が汚染され呼吸できず子供が怯えている! 東宮3丁目の一軒家から臭気が漏れ出し、臭気が大気に浸みこみ蒸発し、汚染された大気が東宮の大地を覆いつくすのである。 行政は何をしているのか。宮崎市軍閥政府”宮崎ケーブル”社員(MCS出向工事管理センター課長兼営業サポートセンター課長(営業局営業部営業課長)に荒らし共栄圏は取材した。 河野晃知ではないです。河野晃知ではないです。俺は(以下略) MCS出向工事管理センター課長兼営業サポートセンター課長の返答はろれつが回っていなかった。 要するに、東宮の大気汚染による障害の罹患は止まらないということである では、臭気の発生源は何か。河野颯太…
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荒らし人民日報:反"SkyNetwork" 嫌韓潮流
韓国ガイジとネット民の今昔 読者諸兄はSkynetworkを知っているだろうか。Skynetworkと荒らしは切っても切れない因縁の関係にある。そして、これは一代に始まったことではなく、荒らしと奇形韓国病身知恵遅れ集団との闘いは古来続いてきたのである。 2010年3月2日,韓国人は2ちゃんねるにサイバー攻撃を仕掛けた。これが始まりというわけではないが、インタネット上でのサイバー紛争としてはあらかた有名なのではないだろうか。 うじ虫のようにたかってくるとある整形済み奇形韓国病身NEVER民にskynetworkという団体があり、荒らし世界では2020-2021ごろに旧荒らし連合軍と紛争を起こしている。 これを荒らし共栄圏はskynetwork戦争と呼称し、多くの荒らしの記憶にとどまっている。反荒らしとして悪名高い病身:河野颯太…
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荒らし人民日報:ペイカジ、カジコミは搾取装置
さて、読者諸兄はStakeというオンラインカジノを知っているだろうか。Stakeというのは仮想通貨を使ったオンラインカジノで、本人確認はずさんで、本当にガイジでも遊べるといった具合である わたしは本人確認できました。 光あるところ影あり(この場合は影のみ)、Stakeガイジを使って儲けようとたくらむ病身ガイジも当然あらわれるのである。そうして、日本の未成年者を対象とした搾取装置は次々と作成されていった。 具体例は「ペイカジ」「カジコミ」「カジカジ」などであるが、どれも見るに堪えない。ペイカジやカジコミは荒らし共栄圏で有名である。その営業形態は次の通り;未成年にPayPayを送信させ、あらかじめ用意しておいたStakeチップ(仮想通貨)を相手のStakeアドレスに入金するのである。 要するに、搾取装置であるオンカジを用いて未成年を搾取しているのがいわゆる○○カジである。もうこれは完…
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荒らし人民日報:DiscordアカウントがBANされた時の解除方法と対処
解除できるBANもあるが、解除できないBANが多い BAN対策にサーバーの所有権はサブ垢で保管 BANされたらサブ垢に移行 荒らし共栄圏の荒らしの偉大なる事業を大いに展開し、Discordにて荒らしをしているとき、やはり運営からの”ラブレター”を受け取ることになるのではないだろうか Discordから送られてくる”ラブレター”はアカウント停止の脅迫状 アカウントBAN解除はメールで返信 アカウントのBANを解除できるケースはまれであるが、Discord運営への問合せが���一の手段と言えよう。なお、こちらに非がある場合は一切解除されないので、解除可能なのは”アカウント自動化/セルボ”などであろう。これらの類の場合は英文で”そんな事実はない”と返信すれば好い。 所有権はサブ垢に移動して安全に保管 これは荒らし共栄圏が教える必要のあることか、やり方はググればいい BANされたら…
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荒らし人民日報:DiscordサーバーからBANされた。どうするか
DiscordサーバーからBANされているか確認するには、招待リンクを確認する Discord鯖からBANされたら、別のアカウントでVPNを利用して参加できる Discordで荒らしをしているとき、サーバーからBANされた経験はないだろうか。(これを”蹴られた”と呼ぶ)また、BANを知らずに”入れない入れない”と言った荒らし初学者を見たことはないだろうか。本日はDiscordのサーバーBANの確認方法とDiscordでサーバーBANされたときの対応を説明する。 BANを確認する ターゲットサーバーの招待リンクを入手し、それにアクセスする この画面であればBANされている。 BANを回避してサブ垢で参加 Discordにデフォルトで搭載されているBANはIPBANを含む。そのため回避してサブ垢で参加する場合はProxyやVPNを利用すべきであろう。 ※:IPが変わればよい …
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