スクエアンノウン.10.ちゃんねる
前回のあらすじ「寿司が美味い。」
————————————小百合視点————————————
乾パンや缶詰などの携帯食料、カップ麺、大振りなボトル入りの水。
なんなら常温保存可能な野菜ジュースやらお菓子やら。応急手当の道具にタオル、虫除けも。
「先に進む前に、水を買い足しておいた方が良いかのう」
ちょっとしたホームシアターのように、ホテルの壁面に不自然な四角い穴が開いていた。
言わずもがな、スクエアである。個人的な荷物は各自で持ち歩くことになっているが、やはり、こういう能力者がいるととても便利で良い。
「なぁ、食料なんか別に買い溜めなくったってよ、『直接食べに行けば』良いんじゃねぇの?」
「……自分達がどれだけ目立つのか分かんねーか?」
ポルナレフはどうにも腑に落ちない様子で、伝人先輩に尋ねる。
その言葉に、今後も145cmの宿命を背負った彼は窓を閉じつつ、ぎぃ、と口を歪めて歯を見せた。
「昨日の寿司屋は特別。長距離ワープはそんな気軽に乱用するもんじゃあないぜ。問題になる。……俺でさえ印象に残りやすいんだ。特に、ポルナレフなんか一度見たら一生忘れねぇだろうしよ」
「……それ、どおいう意味だ?」
「……」
伝人先輩は口では答えず、袖に覆われた手でトントンと頭を叩いた。
「くっ……フフッ!」
「花京院! 笑ってんじゃ……!!」
「プッ」
「ジョース、いや、おい! 何でみんなそっぽ向いてんだよッ!」
耐え切れず、それぞれが一斉に視線を逸らした。
ずっと一緒にいると慣れてきて忘れがちだが、改めて指摘されると笑ってしまう。
私も、彼の髪型は『知っていた』筈なのに、初めて会ったときには目を奪われたものだ。
「アヴドゥル! オメーはどうなんだ! 頭にマキズシのっけやがって!!」
「ブフッ! 覚えたばかりの、言葉で、喧嘩を売るのはやめろ!」
「本人が笑ってたらおしまい、ですよ……! ノォホホ、ひぃ……ッ!」
モハメドさんは形だけでも怒ろうとしたらしいが、それは叶わず。典明はついに膝から崩れ落ちた。
ポルナレフも自分で言っておきながら顔が緩んでいるし、ことの発端である伝人先輩は袖で顔を隠しているものの、肩が小刻みに揺れている。これから出発だというのに酷い混沌ぶりだ。この世界のメインキャラについて、髪型のことを言い出したらキリがない。
「かきょ、いや、良い」
口の端が落ち着かない承太郎先輩が名前を呼ぼうとして途中で止めるのを、私は聞き逃さなかった。
一応確認して『見れ』ば、彼の糸はやはり、元気に揺れる赤い髪の束に絡み付いている。
私はバレないよう静かに深呼吸して真面目な顔を作り、アン・ノウンを抑えてキメポーズをとった。それなら、私が代わりに言って差し上げよう。
「我慢せず言ってくださいよ。あの前髪、生きてますもんね」
「ぶはっ、言うんじゃあねぇ! ウハハハ! くっ……なんッ……ポーズ……!!」
狙い通りに吹き出させた喜びをコロンビアで表現したのが、更に追い討ちをかけたようだ。承太郎先輩は腕で顔を覆ってしゃがみ込んでしまった。隣の伝人先輩からも「んん」という声が上がる。袖で顔を隠していながらも、さりげなくどこかに窓が開いているのかもしれない。
「さ、サユこそ完全に尻尾じゃあないか! 承太郎だって、それはどこまでが帽子でどこからが髪の毛なん――ッ」
「やめ、やめろッ! ストップストップやめやめ!」
膝で立った典明が吠え掛かってきたところで、ジョセフさんの静止が入った。
数分かけて、度々ぶり返しながら落ち着きを取り戻す。
スタクル全員が肩で息をするハメになった原因が髪の毛の話とは、これいかに。
「はーっ、なんで朝っぱらからこんな疲れにゃならんのだ」
この年にはキツいわいと零すジョセフさん。
確か、『正史』ではエンプレスのせいで町中を駆け回ることになり、そんな台詞を吐く筈だったのではなかっただろうか。
「そうですよ伝人先輩ッ」
「テメーがそれを言うか!」
全ての元凶に話を振ると、カッと牙を向かれた。
少し疲れた様子で「俺だってここまで酷い状況になるとは思ってもみなかったわ」と弁解するものの、このメンバーで髪型について言及した……いや、正確には何も言いはしなかったが。そこからの一連の流れは仕方のない話だ。だって、みんな変な髪型だもの。
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こういった場所に馴染みのあるモハメドさんと、物資担当の伝人先輩が水を買いに行くことになり、当然のように承太郎先輩に預けられる手首。
その間に他のメンバーは先に進んでおいて、買い物が終わったら即合流。という寸法だ。
ジョセフさんとポルナレフ、私が崩れた三角形に並び、その後ろから承太郎先輩と典明が続く。
「……上に長いのと下に長いのが並ぶと映えるな。色も白黒正反対で、ピアスとジャージの色も丁度いい。承太郎、どう思います?」
「後ろからなにか聞こえんぞ」
言いたいことを途中で終わらせられたからか、典明の中ではまだ、完全には鎮火されていないらしい。
同じくネタにされたポルナレフがこちらに目配せをしてきた。言いたいことを『見て』察し、軽く頷いて返す。
振り返らずに言い返してやることにした。
「えっ? 私には前髪のさえずりしか……」
「っ……その話題引っ張るの、やめねぇか」
また変にスイッチが入りそうだぜと言いつつ、承太郎先輩の声はもはや、我慢できずに笑っているのが丸分かりである。
「昨日も思ったんですが、承太郎先輩も大分緩く、いえ、『こちら寄り』に仕上がってきましたよね……。良いことです」
「……果たして良いことか?」
「なんでも強かなのは良いことでしょっていうか、典明が言えたことじゃないと思うけど」
「不服だ」
このノリが感染していけば、今後がもっと楽しくなる。
例えば安価に巻き込めるし、敵さんに対してスタクル全員で茶番を仕掛けたりもできるだろう。
どう考えても、良いことしかない。
「しかし、ここまでくるとワシだけ仲間外れみたいで寂しいのぉ」
「ん? でもよジョースターさん、伝人も普通の髪型してるぜ?」
「いや……。まぁ、変じゃあねえか」
ジョセフさんが口を尖らせ、頬をかきながら軽く振り返った。やっぱりこの人、中々に仕草があざとい。
……確かに、ジョセフさんと伝人先輩は常識的な髪形をしている。と思ったのだが、承太郎先輩はそれに対し、素直に肯定の言葉を返さなかった。
「ン? それは、それ以外は変な髪型だと?」
「今のはちょっとした表現上の事故ってやつ、だぜ」
後ろを見ると、丁度揚げ足を取るように食って掛かる典明に対し、承太郎先輩が優しく肩に手を置き、軽く微笑んでゴリ押して流すところだった。……本当、先輩も、旅の始めの頃はちょっと抱え上げただけで何故ならば顔を晒すくらいだったのに、随分と逞しくなってきたなとしみじみ思う。
「ああいうの、なんて言ったか……。ミミズクなんかの、耳みてぇなハネがあるだろう」
「確かにあるな。如何にも小悪魔という感じのつんつんが」
全体的にハネ気味ではあるが、その二つの耳のようなハネは、確かに彼の髪型の特徴である。
私は後頭部に『目』が来るようにアン・ノウンをかけ直し、後ろ向きに歩くことにした。「良いなそれ」と隣の電柱が感心するのが聞こえる。チャリオッツの方に貸せば、彼もスタンド視点でモノ見ることができる筈だ。貸してみる価値はある。
「伝人のあれ、整髪料の類は何も使ってねえんだぜ。一度、気になってぐしゃぐしゃにしてみたんだが、手ぐしで適当に解かすとあのカタチに戻りやがる」
「伝人先輩の髪、形状記憶合金か何かですか?」
「ワシも若い頃はそういう感じだったが……」
「初耳だぞじじい」
散々昔話は聞いたが、髪形については何も言わなかったじゃあねぇかと言う孫に、わざわざ話すほどの髪形だとは思っておらんかったのだと語るおじいちゃん。
……2部、2部は残念ながらあまり覚えていないが……確か、彼の若い頃の髪型は、前にぴょんぴょんしていた気がする。
「うむ。思い返してみると、汗だくになっても埃塗れになっても、勢いの良い前髪は全然へこたれなかったわい」
「……結局、全員そういうアレじゃないですか」
……そのくらいなら常識の範囲内……いや、探せばいそうなレベル。ではあるか。
なんだか、こういう、変な髪型というか、物理的法則を無視した髪型が増えてきたのは3部からだったような……。気のせいかもしれない。あとで先輩に確認させてもらおう。
「……?」
「どうさかれましたか?」
アン・ノウンをかけ直し、前に向き直ろうとしたところで、承太郎先輩の意識が不自然に揺れた。
かと思うと、ポケットに手を突っ込み、足を止める。
「預かってた手首が、消えてるぜ」
それまでのん気していた全員の足取りが止まる。そこから緊張がじわりと広がったのが『見え』た。
手首が消えた、ということは、スクエアの接続が切れた、ということだからだ。
アン・ノウンの通信遮断は特にしていない。寧ろいつでもウェルカム状態だったのに、何の通知もない。
「……あいつはこういう、性質の悪い冗談はやらねぇからな……」
「あの2人で一緒にいてリアクション起こす前に接続切れって、相当じゃないですか」
まずそういうことが起こりにくい2人だと思ったからこそ、2人で良しとしたのだが。承太郎先輩にも私にも連絡する暇がなかったとは、かなり不味いような……。それに、ここでの『正史』におけるイベントは先んじて潰してしまった筈だし、潰せていなかったとして、あの2人でいてはぐれるような『筋』ではなかった筈だ。
「来た道、戻るか?」
「いや、どのタイミングでどう接続が切れたかによっちゃあ、この国にすらいねぇ可能性もあるぜ」
ポルナレフの提案を、承太郎先輩は帽子のつばを軽く引き下げながら却下した。
それは顔を隠したいときの癖であることは散々『見て』理解している。
はぐれてみて初めて痛感する。ワープ系能力者というのが、ここまで裏目に出るとは。
ここで不意に、承太郎先輩に向け、ぶわっと意識の糸が浴びせられる。
「おほん!」
わざとらしい咳に視線をずらして見ると、ジョセフさんが「忘れてやいないか」と、紫色の茨の絡みついた右手を掲げてふんぞり返っていた。
「伝人かアヴドゥルの持ち物を持っておらんか?」
「そういや、じじいのスタンドはホテルのテレビをぶっ壊してから長らく活躍していなかったな」
「……波紋だけがジョセフ・ジョースターではないッ!」
……今、かっこいい流れをごり推した。
誰も言いはしなかったが、似たような意識の動きをしたので考えたことは一緒だろう。
しかし、自分の荷物は自分で持ち歩いているため、そう都合よく他人の持ち物なんてある筈がない。
「念写ってよ、モノがないと駄目なのか? DIOはなんもなくても映せるんだろ?」
「自分自身に関することでもなければ、何かしらの『確かな繋がり』がないとちと厳しくてな。……DIOの場合は、皮肉にも、ジョナサン・ジョースターの肉体という繋がりがある」
今までは伝人先輩がいるからと特にそのままにしていたが、これは落ち着き次第、何か『確かな繋がりのあるもの』をジョセフさんに渡す必要がある。……ただし現状、若干の諦めムード。……眉間のしわを深め、無言でタバコに火をつけた先輩以外は。
「手首が消えたはずのポケットに絡まっているその意識は、一体なんです」
問いかけながら一歩詰め寄ると、煙を吐き出した後で、観念したように答えを述べる。
「…………持ち物というか、食いかけの、チョコメロンパンならあるぜ」
少し投げやりな動作で、承太郎先輩は学ランのポケットに手を突っ込む。
そこから引きずり出されたのは、見事な歯形が残った菓子パン。掲げると、断面の崩れた部分が風にさらわれていった。
「いや、手首の代わりに入っていてな。……たぶん、食ってる途中だったんで、取り合えず突っ込んだんだろう」
こんな空気の中、食いかけの菓子なんざ出したかなかったんだがと弁解された。
……まぁ、確かに承太郎先輩の口から『チョコメロンパン』というファンシーな単語が飛び出したせいで、シリアスが台無しになった感じはある。
「このさい何でも良いわい! 貸しとくれッ!」
それはともかくとして、そのファンシーな物体はジョセフさんに渡された。
威勢よく「念写!」と叫んでぶっ壊したのは、安物のペン。紙の上でインクが踊り、みるみる地図が描かれていく。
そう、繋がり云々はどうにもならなかったが、念写の媒体に関しては香炉の灰でだって描けるくらいだ。別にお高いカメラを一々ぶっ壊す必要なんてない。その辺りは『見て』確認した上でお伝えした。
「ほんっと、いまいち緊張感ねぇなあ~!」
「承太郎、このメロンパンどうします?」
「……食うか?」
……灰でコールタールを辿る筈が、チョコメロンパンで小悪魔を辿る始末。
頬に手を当てて微妙な顔をするポルナレフに、ちょっとしたショートコントでも始めそうな典明と承太郎先輩。色々とシュールな光景だった。
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208 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
……うん、平和だなお前ら
209 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
……チョコメロンパンがいけないんです。みんな真面目にやろうと思ってはいましたよ、本当に。
そんな感じで、六窓先輩バトンタッチで。
210 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
真面目にやろうとすればするほどシリアスが死んでいくスタクルwwww
211 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
六窓と魔赤さんはどうなってたんや、続きはよ
212 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>210
失敬な、俺の方は結構シリアスしてたわ!
水買った後に路地裏に行くだろ?
倉庫に荷物置いて、じゃあ合流すっかってとこで、俺氏、手錠をかけられるという事案が発生。
俺 「は?」
魔赤「六窓?」
何が起きたか良く分からなかったが、スクエアが勝手に閉じだしたから、
兎に角、反射的に手に持ってたモンを「つながり」要員として窓に突っ込んだ。
それが食いかけのチョコメロンパンだったのは、まぁ…うん。
213 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
シリアス #とは
214 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>212
……シリアス、してるか?
215 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
前々から思って��けど、六窓って甘いもの好きだよね
216 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>215
虫歯になったことはないそうですけどね
217 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>216
お前、俺のプロフィールどこまで読んでんだよ…。
続き↓
で、右手首に引っかかった手錠を良く見ると、輪の部分の外側に目がついてて、内側には歯が並んでいた。
しかも、リアルなやつ。スタンドっぽい感じじゃなくて、なんかもう、リアルな目とリアルな歯。
俺 「きっっしょ!! ……こ、これは間違いなく、「スタンドを封じるスタンド」ッ!!」
手錠『アア……』
魔赤「腕を出せッ焼ききってやる!」
手錠は喋るでもなくうめき声を漏らす。ほんときっしょい。
この後から急展開。
手錠と炎が不自然に引っ張られて、魔赤さんの攻撃は見事に空ぶった。
218 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>217
シリアスなのかシリアルなのか判断しかねる
219 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>217
その「きっっしょ!!」を我慢できれば完璧だったのにな…
220 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>217
最近暇だったので、みなさんのプロフ読みまくってました。
先輩がネトゲ廃人であったことも、その白ベルトに膝ブーツがネトゲの装備を意識していることも既読です。
221 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>220
やめろ、俺はまだ廃人じゃなかったから。これでも社会人してたから。
続き↓
すかっと見事に空ぶって、完全に術中にハマってることを察した。
そこで聞きなれない男の声が聞こえた。
男 「スタンド使いがスタンド使いを相手にするときにゃあさ」
裏の人間っぽさバリバリなおっさんが、通りの方から浅黒い手でオールバックを撫で付けながら歩いてきて、手には木の杖のようなもの。服装は、黒スーツに、リボンタイだった。
魔赤「鼠、手絡……ッ!?」
男 「スタンド以外の手段でも戦えるよう、ちゃ~んと準備しておくこった」
魔赤「まさか黄色いヤツの下に……!?」
男 「なに、うちのお嬢はそんなタマじゃねぇよ。落ち着けって」
222 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
鼠手絡、やっぱり絡んできたのか
223 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
っていうかどんどん「黄色いヤツ」の呼び方で定着しつつあるのなんなのwwww
黄色いおっさんwwwww
224 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>223
承り先輩にもリアルに「黄色いの」って言って一瞬で通じましたよ。
アン・ノウンで視界スクショを直接見せていますし、スタクルは全員「黄色いの」で通じるんじゃないですかね。
225 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>221
いや待て!六窓、ニートじゃなかったのか!!!?
226 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>223
いや、魔赤さんは流石にここは名前で呼んだろ
それにしても六窓先輩がニートじゃないとか酷い裏切りを見た
227 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
装備? なんてネトゲだ?
228 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
お前ら反応するトコそこじゃねえ
>>226
流石にここは名前で呼んでた。安心しろ
>>227
ぶっちゃけた話、まだない。このスレより、もうちょい未来。
続き↓
魔赤「…………天下の鼠手絡が、わたしたちに何の用だ?」
男 「あー、俺は直球で言っちまったって構わないと思ってっけど、今ちょっとお嬢に口止めされてんのよ。わりぃね」
軽い口調で話しながら、男がとんとんと杖で肩を叩く。
ってことは手錠はこの男のスタンドじゃねぇなって思ったところで、首筋にぴりっとした痛みが。
男 「ま、簡単に言うと、ちょっと検査入院してもらいてぇんだわ」
振り返ると魔赤さんも俺と同じように首筋を押さえながら振り返ってて、そこで意識は途切れた。
229 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
重要度
「六窓が社会人してた」>>>>|越えられない壁|>>>>「鼠手絡」
230 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
アレッ六窓さらっと未来人発言してきたぞ??
231 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
報告も気になるけど六窓の前世も気になって忙しいwwwww
232 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
やだ……サユのこと散々言っておいて、六窓もやっぱり人のこと言えないじゃん……
233 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
ほらこの反応ですよ m9(□∀□-)eee<
234 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
別に 忍 者 に比べたら、ちょ~っと未来から来てるくらいなんでもないと思うが???
ほんと、ただ少し未来でオタクライフ送ってたくらいで、ある朝突然、目が覚めたら第二の人生始まってただけ。
続き↓
意識が戻ったのは石の床の上。横向けに倒れてたから、知らない天井ならぬ知らない壁だった。
目に見える範囲に魔赤さんはいない。視界の端にあるドアには鍵穴。内側から「鍵を使って鍵をかける」タイプのドアってのが分かった。
後ろ手にくくられた感覚からして、手錠で両手拘束済みで、そのスタンドの涎かなんかで濡れててきしょかった。
235 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>234
忍者……まぁ、せやな
236 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
確かに腐女子で忍者で騎士道に比べたら大抵のことは霞むwww
237 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
なら六窓に聞けば、今連載中の漫画とかの今後の展開分かるのか
238 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
何ですかこの流れ、解せぬ。
239 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>237
ネットの先からも運命の修正受けるってのは怖いから、未来の話は禁則事項ですってやつで。
>>238
m9(`◉w◉´)
続き↓
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————————————伝人視点————————————
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目が覚めたのは石の床の上だった。
横向けになっていたため、知らない天井ではなく、知らない壁が目に入る。
動く前に少し、あったことを整理したい。
恐らく、転生関係の組織『マウスリボン』に誘拐された。『検査入院』と言われた。
……承太郎には奇跡的にチョコメロンパンを送っておいてあるし、なんとか、念写してここまで来てくれることを願う。
で、感覚としてトクセイグレネードも没収済み。あったとして、ここじゃあとても使えないが。
小さく紙の捲れるような音がした。
「……」
しばらくそのままじっとしていたが、時折紙の捲れる音と、あのうめき声が聞こえるだけで、何も進展はない。
ごろりと寝返りを打って振り返ってみると、杖を持っていたほうではなく、あの振り返った瞬間、きちんと視認はできなかったが、何かを撃ってきたほうの男だろう。そいつがパイプ椅子に座って文庫本を読んでいた。やはり、アヴドゥルさんはこの部屋にいない。
「起きたか」
しかし膝の上で本を閉じただけで、立ち上がることも無ければ、それ以上話すでもない。
黒髪の七三分け。日本語を使ったことからして、日本人だとは思う。20代後半だろうか。
起き上がって改めて見てみると、スーツとリボンタイという服の方が負けそうなくらい、異様に姿勢が良い。この手錠は、この男のものか。
「……俺が『俺ら』だって分かってんなら、検査入院ってのがなんなのかくらい、教えてくれて良いんじゃあねーのか」
「魂の検査」
「魂の……?」
無表情に返ってきた答えは余りにも簡素過ぎて、理解ができなかった。
「本来なら病院に『借りに行く』予定だったが、それが狂った」
「はぶき過ぎだぜ……。意味が分からねぇ」
「どうしても必要なことだ」
少しも姿勢を崩さないまま、淡々と述べる。述べるが、いまひとつぼやけていて伝わってこない。
……ただ、俺がホル・ホースとJ・ガイルのコンビからアヴドゥルさんを助けたことで、こいつらの予定は狂った。ということは確か。少し、雲行きが怪しい。
「『7人目』がいなくなれば、『運命』は元に戻る」
「……!」
聞いたことが、いや、読んだことのあるような台詞。
こいつはとても不味いんじゃあないだろうか。
「元に戻ってもらっては困るが、現段階で安易に流れを変えてもらっては、我々は大変困る」
男は立ち上がり、本を椅子の上に置いた。
おおよそ165cmかそこらだが、姿勢が良すぎてそう見えるだけかもしれない。
「……じゃあ何か、大人しく見てろってか?」
「もとより2人は、検証のために命は助かる可能性は高かった」
「『検証』だと……? それに2人? なんにしろ、枠が一つ足りないんじゃあねぇのか」
「3人であれ2人であれ、こちらに支障はない」
「…………」
会話になっているようで、なっていない。これは意図的にズラして答えられていると考えて良いだろう。
魂の検査とは、結局何をするのか。何故2人分だけ、助かる可能性があるのか。
「現段階では、私から『7人目』に深く話すことはない」
……『7人目』か。まさかとは思うが、マウスリボンが転生だけで組織されているならば、俺に全く接触せずに『7人目』をさせていたのは、何か目論見があるのだろうか。
「……ところで、必要なのは7人で、8人もいらないらしい」
「……あ?」
さて仕事の話は終わったぞ、と言わんばかりに、ろくな情報も聞けないまま、男の良すぎる姿勢が少し崩れた。
だがこんな状況で『8人もいらない』と言われて、気を緩める馬鹿はいない。嫌な汗がにじむ。
「その能力、シソ様が欲しがっていた。待つ間に『再起不能』にしておいたほうが、きっとお喜びになられる」
ここで初めて男が笑った。この無表情、笑えばもっとマシに見えるだろうと思っていたが、全くそんなことはなく。
ぐにゃりと歪んで弧を描く目に、正直に言って、俺は命の危機を感じた。
「欲しがってたって、なんだよ……ッ!!」
再起不能になっちまったら能力使えねーじゃねーかと吐き捨てながら、後ろへ飛び退いて男から距離を取る。
手錠は噛み付いたりはしてこないし、キツくなる様子もない。が、武器も無く、両手もスクエアも使えない状況。無茶振りが過ぎる。
「確か、『小悪魔』の『7人目』は18だったか」
「だったらなんだ」
「その容姿……イイ……」
「…………ッ!!!!」
吊り上がる口元に、全身に鳥肌が立つ。確信した。嘘だろ。マジか。
空港で小百合に一杯食わされてからそれなりにこういう時の立ち回りを改めたし、暇な時間にはみんな怪我のない程度に手合わせをしていた。それにしてもやはり、スクエアに頼りすぎていた節があるようだ。まさかこんなに簡単に能力を封じられてしまうとは。封じられるにしても、1人になる気は無かったし、実際、アヴドゥルさんは強力なスタンド使いだ。……それがあんなにアッサリ防がれるとは、イレギュラーに対して詰めが甘過ぎたかもしれない。
この変態が顔面に蹴りを入れても少しも怯む様子がないってのには流石に参るが、相手が素手で掛かってきたのは不幸中の幸いだ。ただ、最低な気分に変わりはない。
「少年少女というのは、このくらいが、イイ……!」
「『イエス! ロリショタ!! ノー! タッチ!!』ってのを知らねーのかテメーはッ!!」
男は顔面を蹴られつつも硬い皮のブーツを引っ掴み、完全に勝った気になったか、不用意に顔と顔との距離を詰めた。
これが小百合なら爪なりなんなりで武器があるが、あいにく俺には1m以上ある三つ編みも、自在に伸びる爪もねぇし、縄抜けの技術なんて当然ない。
……だから、できることは一つしかない。
俺は丁度目の前、相手の顔のド真ん中に位置する突起物に狙いを定め、口を開いた。
一瞬の間のあと、聞いたことのない種類の、聞いたことのない音量の悲鳴が上がる。
スタンドは、闘争心の現れとも言われる。顔の一部が菓子パンのように引き千切られて錯乱でもすりゃあ、それは当然、解除される。
「……チッ」
小汚い肉片を床に吐き捨てたが、口の中に不快な味が残った。
個人的には、スクエアを角材のようにして思いっきり殴り倒したい。が、ここで命まで持ってくと、グレーな対立が、絶対なものとなる可能性が高い。それは後々が宜しくない。相手が冷静になる前に深呼吸を一つ。熱くなった頭を無理やり冷やし、背後から学ランを首に巻きつけ、一気に引き絞る。
多少もがいたが、無事絞め落とし、床に転がした。
「……あー、俺ってば超優しいわー……ッ!!」
流石に出血は知ったこっちゃあねぇ。こんくれーなら数時間は大丈夫だろとアタリをつけ、触りたくもないが、男のポケットを漁る。と、やはり鍵が出てきた。さっさとこんなとこ出るかと思って鍵を開ける。
小百合にだけはバレている、スクエアの致命的な弱点。
大まかな現在地の把握と確かな方向感覚がないと、12m以上の空間移動能力は使えない。
自分が今、宇宙のどこにいるのかも分からない状況で、宇宙船のワープ先を設定できれるだろうか。そういう感覚だ。
ドアノブを回して外へ出――。
「あらごきげんよう」
そこでまず目に飛び込んだのは、白銀のショートヘアと紫色の瞳。
俺は思わず、素でドアを閉めてしまった。
「嫌だわ。僕はそこで倒れている犬養を叱りに来たのよ」
ガチャリとドアを開け直し、日本語で喋りながら入ってきた僕っ子。
どう考えても、『シソ』以外の何者でもない。ただ、誰も連れておらず、1人だけだ。
真っ黒なドレスは膝丈で、室内だというのにベールのついた帽子を被っている。小さな唇には白く細い棒が加えられていて、それはキャンディの棒らしかった。
「……叱りに、だと?」
「ええ。僕は『ただ、逃げないように』と伝えたのだけれど、何を勘違いしたのかしらね。確かに前々から君の能力が欲しいとは零していたわ。でも、無理矢理にでもとは言わなかったのに」
「…………」
「ここへ来る間に意識も失ってしまったようだし、犬養の件は後で良いわ。少しお話ししましょう」
パイプ椅子の上に載ったままの本をぞんざいに投げ捨てて、くるりと振り返りながら腰掛ける。
犬養というらしいこのクソ野郎を叱る気はあっても、被害者である俺に謝る気は毛頭ないようだ。
俺はスタンドが解除されたことで一気に乾いた袖の上から手首をさすりつつ、壁にもたれてシソを見る。
「改めて初めまして。僕はシソ・ハッカ。冗談抜きに、今は誰に対してもこの名前しか使っていないわ」
「……曲木伝人。じゅうはっさい」
「まぁ、君のことは知っているのだけれど」
「だろうな」
シソは始祖かと思っていたが、まさかの紫蘇で合っていた。
小百合もいないし、本名かどうかは確かめようがない。この際、それはおいておく。
「……先にいくつか、……俺の方から、大きく三つほど聞きたいんだが」
「構わないわ。こちらから一方的に、というのもフェアではないし、くぁ……。失礼、質問に沿ってお話させて頂くわね」
色素のない髪と肌。眠たげにあくびをする口に、長い犬歯が覗いていた。
一対一の状況下でこうも余裕綽々なのは『スタンド以外の手段でも戦える』から、だろう。
「一つ目。転生か」
「Exactly。僕は確かに『俺ら』でお間違いなくて、ついでに言えば、誰の眷属でもない石仮面製の吸血鬼よ」
「……やっぱり、人間やめてるんだな」
シソは答えながら手袋を外し、爪のとがった人差し指を目にあてる。こぽ、と音を立てて、眼球の3分の1くらいを覆ってしまうんじゃあないかというサイズの、白目付きのカラコンを外した。その下には当然、宝石のように真っ赤な瞳が。
……赤い目。鉄の味の不快感が強くなって、我慢できずに床に吐き出す。とても飲み込めたもんじゃあない。
「それがいつのことだったかまでは、正確には覚えていないけれど」
オッドアイだったのは数秒のことで、シソはすぐに馬鹿でかいカラコンを目に押し込み、手袋をはめなおす。
人間をやめた日付を覚えていない、ということはつまり……ロリババア。
俺自身の戦闘力は高くない。吸血鬼と密室で2人っきりってのは、戦闘になったらどうあがいても瞬殺されるワケで。この先、雲行きが怪しくならないことを祈るしかない。
「なら、マウスリボンの『ご令嬢』じゃあなくて、『創設者』で良いのか」
「お察しが良いのね。そう、マウスリボンは僕が創った組織。表向きの事業は主に、僕のUVカットのために発展したのよ」
「通りで忍者御用達の一級品なワケだ……」
「ふふ、品質には自信があるの」
忍者の単語に大きく反応しないことから、小百合についてもしっかりと調べはついているらしい。
手袋に覆われた手を軽く握り、口元に当てて薄く笑った。
綺麗な外国の女の子の笑顔には正直ぐっと来るが、相手はロリババアで『俺ら』であるし、こんなときだ。堪える。
「……そういや、使ってる日焼け止め、売りもんか?」
「まさか。僕の使っているものは全て僕専用よ。僕以外の吸血鬼が日中、外へ出て来るようなことがあっては困るもの」
吸血鬼が外で活動しようと思ったなら、確かに、嘘偽り無く、『絶対に焼かない日焼け止め』が必要だ。
それがその辺で普通に手に入っては、黄色いのが館の玄関から正々堂々出てくる展開があり得ると思ったが、それはないか。
何よりだが、イレギュラー的に深刻なのは、次の質問からだ。
「……二つ目、『ペレータ』とかいう女について、何か知っているか?」
「知っている、とまでしかお答えはできないわ」
全くの無関係ではないと見た。
転生である以上、それだけで無関係とは言い切れないと思うが、全く別の立場であるならこういった答え方はしないだろう。
「……答えられない理由についても?」
「誓って後ろめたい理由ではないけれど、君がどう受け取るか分からないから」
「人に寄っちゃあ好ましくないと?」
「どうかしらね。それについてもお答えはできないわ」
「……禁則事項ですってか」
俺はシソのワンパンで死ぬから、あまりズカズカは聞けない。
とりあえず深呼吸をひとつ。次の質問へ移ることにした。
「三つ目。マウスリボンってのは、星屑十字軍の、敵か、味方か?」
「敵になるつもりは全く無くてよ」
「…………つもりはない、か」
一番大事なところだが、これまた曖昧な答えだ。
ここにサユがいれば心強いのだが。これだけのやりとりでも、色々と読み取ってくれたろうに。
ぐぅと唸る俺に対し、シソは値踏みでもするように目を細め、首を傾げて口を開いた。
「君は、『カタツキ���の『ヨクシリョク』と言って���じ���人間かしら」
「…………通じる人間だが?」
俺は唐突な質問に頭が停止しかけたものの、シソはその答えに満足したように、そう。と答え、話を続ける。
「僕は、星の一族というのは、この世界における、自覚のない『抑止力』のようなもの。だと考えているわ」
「……あ?」
星の一族、というのはジョースター家のことか。
抑止力とは、簡単に言うなれば確かに『世界が滅びる原因を排除するもの』だ。
ジョースター家は、ほとんど選択肢のない理不尽な流れで世界を救うことになっている。俺としては『守護者』寄りな気もするが、だいたいあってるか。……最も、少年誌の主人公様ってのは、大概そうだとは思うが。
「個人対個人としては、あまり良好な関係は築けないかもしれないけれど、抑止の機能としての方向からは全面的に味方よ」
「……抑止の機能としてって……。おい、まさか。神父はもう……?」
「いいえ。まだ手出ししていないわ。手のつけられないズレが生じたり、『世界』くんに感付かれては面倒が大きすぎるから」
……見えてきた。
マウスリボンってのは、一巡、時の加速、いや、『今ここに存在している世界が滅ぶ』のを防ぐための組織か。
だから、3部の段階で『正史』から大きくズレ過ぎては、予想外の方向から世界が終わっちまう可能性がある。困るってのは、そういうこった。だが。
「だからって、今生きてるやつらを見殺しにゃあできねぇ」
「でしょうね。犬養はああ言ったけれど、僕としては、お好きに助けて頂いて構わないわ」
「なん、だと?」
「お互いの事情なんて知ったことではないでしょう? 我侭を押し通すのは、今ここに生きているものの特権だもの」
「……お互いに、自分のやりたいことを好き勝手に押し通そうぜってか」
安そうなパイプ椅子に座って喋るような内容じゃあない。
何十年、いや、世界『くん』ってことは、少なくとも100年以上は生きてるかもしれない。流石、吸血鬼のロリババアは言うことが違う。
「君からの質問は以上で宜しいかしら」
「ああ。……できれば、アヴドゥルさんをどうする気なのかも、詳しく聞きたいが」
今までの話の流れから、どうやら俺は無事に帰してはもらえるようだが、アヴドゥルさんをどのくらい『借りる』気なのか。予定通りにカメオ戦まで帰ってこないなんてのはちと厳しそうだ。
「『運命』を見るのよ」
「うんめいを、みる?」
マウスリボン側の細かい事情については『禁則事項です』となるかと思ったが、案外、すんなりと答えてくれた。
「うちには魂をじっくり触れる子がいるの。検査もこれからだからなんとも言えないけれど、結果に寄っては、『死ぬという運命』を誤魔化して生存させることができるかもしれないのだから、損ではない筈よ」
「運命を誤魔化すだぁ?」
「全ては検査の結果次第だわ。予定としては、『恋人』のカードでお返しするつもりよ」
「……信じて良いんだな」
「もちろん。話したことに嘘はないわ」
だが『恋人』のカードというと、やはり、ペレータが関係しているのだろうか。
分からない。かなり始めから存在は分かっているのに、結局、その女についての情報が少なすぎる。
「さて、僕からの質問だけれど、今のところ、僕から君に聞きたいことは1つだけだわ」
手袋をした指に、白銀の髪をくるくると巻きつけて、シソは質問を口にした。
「死体処理は、旅の始めから君のご担当で宜しいのかしら」
「……ああ」
「そう。分かったわ」
「だったらなんだ?」
「ご想像にお任せするわ」
予想外というか、何故そんなことを……といった感じだ。
死体処理がなんだというのか。今のところの存在自体がイレギュラーな刺客は、人形の男と、電気の男と、ラジコンだけ。……そのうち、俺が死体処理をしたのは、電気の男だ。ということは、逆に考えて、唯一生身の人間であった電気の男は、もしかすると。
「……金で雇ったのか? 小百合に、何か個人的な恨みでも?」
「…………『世界』くんの名前をお借りしてね。ただ、恨みは無いわ。単に『カザミ』とは、旧い縁(えにし)があるものだから……試したの。きちんと馬鹿を受け継いでいるようで安心したわ」
えにし。という言い方。
どこかで……確か、小百合が、そんな言い方をした。風見を良く知ってるのはマジなようだ。
ここまでずっと余裕綽々だったシソが初めて表情を曇らせたことから、あまり良い思い出でもないらしい。
「あんた、出身は」
「……イギリス。100年間、缶詰にされていた誰かさんとは違って色々あったの。……用件はそれだけよ。地上へ案内するわ」
……吸血鬼と色々あった騎士道忍者の血筋。
常々思っちゃあいたが、風見の血も相当に主人公だ。運命に抗う素質は十分か。
それに引き換え俺の方は、しがない『俺ら』。今生も、歴史もない家の弓矢製のスタンド使い。やっぱり前に出るより、後ろで地道にってのが良さそうだ。
「あら、嫌だわ」
案内すると言って立ち上がったシソだったが、不意に上を向く。
それに倣って俺も上を向くと、ぱらぱらと石の粉が降ってきた。
「なんだ?」
耳を澄ましてみると、上の方から岩を砕くような破壊音が近づいてきているのが分かった。
音が響く度、部屋が揺れる。
「僕が案内をする必要はなさそう、――ね」
「げっ」
シソが言い終るのと天井が割れるのはほとんど同時だった。
スクエアで居場所を確保しつつ、土くれと瓦礫の上に出る。
「抜けたぜ!」
「ス、スタープラチナ……!?」
良く知った、逞しいヒトガタスタンド。それに続いて承太郎が降りてきた。
天井を完全にぶち抜いて、これがホントの青天井ってか。元々部屋だった所は瓦礫に埋まっちまったが。
シソの方を確認すると、犬養を小脇に抱え、手袋が血で汚れるのも構わず歯形のついた肉塊を手に持っている。平然と瓦礫の上に立っていて、パキリと飴を噛み潰した。今になって察したが、あれはきっと口内用の日焼け止めだ。
「やれやれだぜ。まさか本当に地下にいるとはな」
「こんな形で迎えが来るとは、僕も流石に予想外だったわ」
この段階でシソと星屑十字軍のご対面ってのは、少々都合が宜しくないような気がする。
だが、承太郎に睨みつけられたシソは特に焦るでもなく、俺の方に向き直った。
「『7人目』くん、申し訳ないのだけれど、僕を扉の向こうへ通してくれるかしら」
「……なに?」
「あー……、わぁったよ」
その単語を、既に承太郎の前で使っていることを、シソは知らない。
俺のタロットが、『カップの6』であることも、シソは知らない。
だから、個人名を使わないシソが俺のことをそう呼んでしまったのは仕方ない流れで、今更どうにもならない話だ。
「ありがとう。恩に着るわ」
大人の男を軽く抱えた白銀の髪の少女は、宙に開いた窓から通路の奥へと消えて行った。
そして俺に突き刺さる、195cmからの視線。
「……後で聞くぜ」
「……おう」
流石にここまで直接の関わりを見せといて、承太郎にすら黙っとくなんてのは厳しすぎる。
アヴドゥルさんの件もあるし、どこまで踏み入った話をして、どうまとめるかが問題だ。なんと説明したものかとため息を吐きつつ、スクエアで地上に戻る。
「心配させおって。一瞬、ワシが間違ったみたいな空気になったじゃろうが!」
「地図上のバツ印に破壊行為は、RPGの基本ですよ」
「まさかゲーム脳が役に立つ日がこようとはね」
「それをマジでやろうって言い出すあたり、流石だよな」
合流すると、他の面子がわちゃわちゃと待ち受けていた。
馬鹿みてぇなノリに安心しつつ、改めて、そもそもなんでこちらの事情を言わないんだったかと、思いを巡らせた。
.
.
————————————————————————
.
294 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
合流した後、スタクルに鼠手絡のとこの紫蘇ちゃんが吸血鬼でお間違いないってのと、
こっからラバーズ戦まで長くて10日くらいだと思うから、そんくらいには返すって約束してもらったって話を簡単に伝えた。
運命を見るとかなんとかって言われたとも言った。
295 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
紫蘇ちゃんやっぱり紫蘇じゃなくて始祖だったけど紫蘇ちゃんなのか……
296 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
承りにはなんて説明したんだよ
297 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>296
六窓先輩が長時間に渡ってここを覗いている時点で、お察しではありませんか?
298 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>295
ややこしいわwwww
299 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>297
えっ
300 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>297
おっ…???
301 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
いや、冗談だろ?
302 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
俺だけだったら信じてもらえるか微妙だったが
サユがいるから無茶苦茶な説明も変に説得力があったし、実際事実だし、結局なんとかなったし、
俺に対する「オメーも色々詰め込まれてんじゃねーか」っていう空気半端なかった。
303 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
も、もしかして、転生暴露ですかーッ?
304 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>302
なんとかなったって、詳細くれ詳細
305 :名無しの目覚め:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
埒が明かないようだから来ちゃった(ξ ・ω<)☆
306 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>305
( ゚д゚)?
307 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
おっ……と……?
308 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>305
ID、ぐりーん…………
309 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>305
も、もしかして妖術使いさんです??????
310 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>309
YesYesYes!!
(乂'ω')ζズアッ
311 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
ウワアアアアアアアアアアアアア!!!
腐男子だああああああああああああああああアアアアアアア!!!!!!!!!
312 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
キタ━━━━━━━┓
┏━━━━━━━┛
┗━━━━━━━┓
┏━━━━━━━┛
┗━ゲホッ…キ,キタ━┓
┏━━━━━━━┛
┗━━━(゚∀゚)━!!
313 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
これでいいのか
314 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>310
承りじゃなくてお前が来るのかよwwwwwなんでだよwwwwww
315 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>311
やめろwwwwその件穿り返してくるなwwwwwwww
316 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
IDが違うってことアン・ノウン経由か?
サユはIDがアン・ノウン?
317 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>316
IDについては恐らくとしか。私自身は「ログイン」という作業をしたことがないので、はっきりとは言えません。
318 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>311>>317
あることないこと吹き込んであるみたいだけど、どういうことかな(ξ ᴖᴗᴖ)?
319 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>318
※事実です
320 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
こうか?
321 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>319
認めた覚えは無いが。
322 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>321
は? 知ってんだぞ。お前、私のえrpほんんのたな朝っ
323 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
【お詫び】ただいま映像が乱れております。
その間、承りの初めてスマホのチュートリアルに付き合ってやってくれ。
324 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
……ごめん、急展開過ぎてどうしたらいいか分からない
325 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>320
承りも来てたのかwwww気づかなかったwwwwww
326 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>323
よ、よーし、おじさんはりきっちゃうぞ!
327 :名無しの目��め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>322
……俺、キーボード見て何が言いたかったのか察したんだけど、……ごめんなんでもない
328 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
せっかく承りが来たのに、忍者と妖術使いのせいで喜ぶ暇もないwwwwww
329 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
正直、お前ら気持ち悪いぜ
330 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>329
いきなり辛らつだなwwwwwwww
331 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
承りwwwwww
332 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
せやなwwwwwwww
333 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>329
ごめん知ってたwwwww
334 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
この全くめげない感じも、全員が全員、サユみてぇだ
335 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>334
サユみたいっていうwwwwww表現wwwwwwwwwwww
336 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
こんなとこ見るやつは、基本的にそんな簡単にめげるヤツじゃないからなwwwwww
337 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
ここはそういう雰囲気じゃないけど、
死ねとか挨拶みたいに飛び交うし、荒らしとか気軽に沸いちゃうようなとこだからなww
だれもそんな程度でめげたりはしねえよwww
338 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
で、どこまで聞いたんだ?wwwww
339 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
それにしても承りがスマホ()を使う光景を眺める日がこようとは
340 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>334
確かにみんなサユみてえなもんだけど、
散々サユと一緒に居たんだし、そのうちなんてことなくなるから安心してくれwww
341 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>339
でも入力方法は手書き文字なんだろ?wwww
342 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
紫蘇ちゃんの話してるところまでは折角シリアスだったのにwwww
お前らどうして毎度毎度こうなるのwwwww
343 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>338
六窓とサユが未来の平行世界?から輪廻転生して来てて、ある程度の未来を知ってるってのと、
六窓がときおり、てのひらをつついてたのが、インターネットを見てたってのと、
俺の一族が強制的に世界を救うことになってるとか、
このまま行くと世界が滅ぶとか、たぶん、大体全部聞いたぜ。
テメーらが髪型の話で盛り上がってるときもずっと説明されていたんだが、
………マジでありとあらゆる細かいことがどうでもよくなってきたぜ。
344 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>343
思ったより全部だったwww一気に詰め込みすぎwwwwwww
345 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
でもここの承りなら最初はキャパオーバーしつつもなんだかんだ消化できると思えるのが逆に怖いwwwwww
346 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>343
*'``・* 。
| `*。
,。∩ * もうどうにでもな~れ
+ (´・ω・`) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
☆ ∪~ 。*゚
`・+。*・ ゚
というやつだな。サユのこういった絵文字スキルは、前世ありきだったのか。
347 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>346
おいこいつ余裕だぞwwww
348 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>346
妖術使いが初めてとは思えないくらい馴染んでるwwwww
349 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
普段私とやってるやり取りと大差ないですからね。
元来所謂『俺ら』に近いですし、そりゃスレにだって良く馴染みますよ。
350 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
寧ろ、僕はサユが文字で喋っているのに敬語というのが新鮮だが。
351 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
クールぶった馬鹿共が何事も無かったかのように復活したwwwww
352 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
ハッ……!? ということは……? これからは、テンメイにも安価をお願いできる……???
353 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
気持ち悪いってのは訂正する。いっそ、怖いくれーだ。
全員が全員、ただのサユじゃあねぇか
354 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>352
そこに気づくとは……天才か……。
355 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>353
怖がることはない、友達になろう……
356 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>355
( ξ 'ω')っ「ゲロ」
357 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>356
ホント、ノリを分かってんなオイwwwwww
358 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
あの場面結局吐いてたのかwwwwwww
359 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>356
コイツ、分かってる……!!
360 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
ゲロ?
361 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>358
ああ、吐いていたよ……。
というか、僕としてはことの始まりは
「運命の地エジプトに行ってみたら凄い服を着た黄色いおっさんに遭遇、逃げられないかと追いかけっこした結果吐いて、気がついたら承りの家で寝ていた」
といった感じだ。3ヶ月の記憶がダイジェスト的にしか残っていなくて、そんなに昔の記憶じゃあない。
362 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
サユ、こんなことなら最初からテンメイに説明しちゃえば良かったじゃんwwwww
363 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
追いかけっこってなんだ追いかけっこって
364 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>360
今現実のほうで説明されてるかもしれないけど、
テンメイは黄色いおっさんに会ったとき、恐怖でゲロをぶちまけてる。はずだったけどなんか違うね。
365 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
凄い服を着たwwwww分かるけどwwwww
冷静になったら負けみたいなファッションセンスだけどさwwwwwww
366 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>363>>364
(ξ 'ω' )小一時間、全力で追いかけっこして限界が来て吐いたが??
367 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
アン・ノウンでサポートしてめっちゃ頑張ったんですけど駄目でした。
テンメイは逃げ出した! しかし! 回りこまれてしまった! って感じです。
368 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>366-367
恐怖じゃなくて体力勝負の末かよwwwwwww
369 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>366-367
何かあったら取り合えずアクセル踏み込むの、どうにかならねーのか
370 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
黄色いの相手に小一時間も逃げ回るって相当だろwwww
371 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>369
ああ……承りがちゃんねる使ってる。
六窓だけならまだしも、こうも馬鹿に囲まれてちゃ、俺ら化不可避だろうなぁ…www
372 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>369
どうにもならねーからこんなんになってんだろうがよwww
373 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
黄色「友達になろう……」
テンメイ「だが断る」
ここだけ動画ありますよ
>eee(σロ∀ロ)σ【動画ファイル】
374 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>371
逆に考えるんだwwwwwそっちのほうが楽しいじゃんと考えれば良いさwwwwwww
375 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>373
なんで撮ったwwwwww
376 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>373
黄色いの、顔が若干引きつってんじゃねーかwwwwww
377 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
これ絶対(アッ……ちょっと面倒くさいヤツだこいつ……)とか思われてるだろwwww
378 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
肉の芽、意思の強さ云々の前に、単に扱いにくいからブッ刺しとこって感じじゃね?wwwww
379 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>378
うん、確か走れなくなって吐いた直後に、ズン、と脳天に何か刺されたな。
380 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
思ったより深くいってしまったのか、直後に黄色いのから「あっ」って声が聞こえましたけどね。
一瞬、まさかのここで死んだかと思いました。
381 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
>>380
初耳。
382 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known
>>381
ごめんて。
383 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>380
まさか最初に焦って駆けつけたのって、そういうwwwwwwwww
384 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>383
ああ。俺という予想外の7人目に、更に展開がズレたら死ぬかもと思った結果があの「うわぁああああ」だそうだ
385 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
こんなことならさっさと正面からぶん殴ってでも聞き出すんだったぜ、馬鹿らしい
386 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>384
なるほどwwww普段から大概だけど、あの時はめっちゃテンション振り切れてたよなwwww
387 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>385
承り、ちょっと怪しんでたのかwwwww
388 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>385
この醜い争いを見てもそう思うか?
389 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>388
…………
390 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>388
今そっちで何が起きてるんだwwwww
391 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
kwsk!!!
392 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
あー……うん、実は、スレ��の報告の前にスタクルに大暴露しちまったんだよ。
紫蘇ちゃんの話をスタクルにした後、これついでに色々話しときたいことあるし、その辺のことまとめるから、早めに宿に入りたいって言ってさ。そこで転生とか未来を知ってるとか、ざっくりそういう話をするだろ?「サユもそう」だって言うだろ?
(ξ ᴖᴗᴖ)「…表へ出ろ」
>eee(-ロ-ロ)「…よかろう」
そんな予感はあったが、そのまま窓から出てった。
まぁいっかと思って他の面子に説明してたら、1時間後くらいに2人ともボロボロになって帰ってきた。
そっからはスタクルへの説明とスレの報告を平行してやってたが、
あいつら、まだちょいちょいどーでもいいようなことでも喧嘩してる。今も。
393 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
ああああああ……察する……!
394 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
テンメイ言いたいこといっぱいあっただろうな…
395 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
仕方ないけど、仕方ないけど……!!
396 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
俺が見る限り、今のあいつらが今までで一番の負傷なんだが、落ち着くまでどうにもならねえんだろうな
397 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>396
ほっとくしかないんじゃん…?
398 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>392
あれ? ていうかスタクルに説明して、今もってコトは、戦車もおじいちゃんもここ見てる…?
399 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>398
大画面でみんなで見てるぞ。
日本語だからガクセー組で通訳してるけど。
400 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>399
なん……だと……!?
401 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>399
マジかwwww電柱とか言ってごめんwwwwww
402 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>399
早く言えよwww
403 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
あっじゃあ聞きたいんだけど、おじいちゃんが浮気した話はしたの???????????
404 :承り:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>403
今から本人に直接聞くぜ
405 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
【速報】
承りがアップを始めましたwwwwwww
>>403
くっそwwwwwwそういうの絶対出てくると思ったよwwwwwwwww
なんだかんだ隠し事多いなこのメンバーwwwwwwついでついでで全部ゲロってこーぜwwwwwww
406 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>403
なんでwwww言ったwwwwwwww
407 :テンメイ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Green
浮気の件と芋づる式に、サユが波紋を教わっていることが判明した。
隠紫さんと浮気の件を秘密にする代わりにとかいう云々かんぬんがあったそうだ。
408 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
暴露大会始まったwwwww
409 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>407
そんな話あったけど、もう波紋まで習得済みなのかよ!!!!お前ェ!!!!!!
410 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
全部暴露しても、結局こっちが日本語だから、ちゃんねる使えるのは学生組だけか
411 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
もともと俺としちゃあ、いきなりこんな話しても信じてもらえそうもないから黙っとくって感じだった。
それがサユとかいう無茶苦茶な存在と、鼠手絡とかいう転生組織のおかげで信じてもらえる材料が十分そろったし、
良い機会だからここらで言っちまったほうが良いと判断したんだが、
サユ的には「そういう裏の事情は黙って片付けたほうがカッコイイじゃん」みたいなことを考えてたらしくてな……。
もちろんテンメイはサユに激おこだし、承りは隠紫さんに激おこだし、大分現実が荒れてる。
412 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
サユまじサユ
413 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>411
ちゃんねるより現実のほうが荒れてるとかwwwwなんというカオスwwwwww
414 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>411
忍者の色々と隠してた動機が酷すぎwwwwww
415 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>411
まぁそうだよな。転生の何が辛いって、そういう話をしたときの信用度が一番の問題のはずだし
味方は多いほうがいいし、隠し事は少ないほうがいい……のにな。サユェ……。
416 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
うーん、騎士共は抱えたがりだ…
417 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
これは承りも波紋を使えるようになるフラグと見た
418 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
>>416
かっこつけたがりの度が過ぎるよな
サユはもちろん、戦車にもよく言っとく
>>417
なるみたいだ
この様子だと、6部まで波紋が受け継がれていくかもな…
419 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
これは寧ろ、ラスボス逃げろレベルwwこれじゃ6部でもみんな現役だろwwww
420 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>418
ぅゎょぅ|”ょっょぃになるのか。強い幼女は良いぞ。良いぞ!!
421 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
大分収拾つかないから、落ち着いたらまた連絡するわ
この状況で落ち着いてスレ見れてるのが俺と戦車っていうな。
戦車こそギャグ要員トップだったはずが、どうしてこうなったのか。…まぁ、原因の心当たりは1人しか居ないが。
422 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>421
サユが引っ掻き回したのがいけない
423 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>421
もしかして:サユのせい
424 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>421
大体サユのせいだろ
425 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>421
原因…? 忍者以外に誰が……?
426 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>421
忍者が妖術使いと知り合った時点でこの流れは不可避だったんじゃね?
427 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
満場一致わろたwwwwサユwwwwww
428 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
…承りも「こっち側」というか、俺を通り越してサユたちの「あっち側」に染まりつつあるしな
んじゃ回線切るわ。さいならー(`ーwー)ノシ
429 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>428
おつおつー!!
430 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>428
おつかれwwwwちゃんと2人の傷治してから寝ろよ?wwwwww
431 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>428
寧ろ六窓こそ、サユといてよくブレないでいられるよなwwwww
承りにおいてかれて寂しくないのかwwおやすみーwwww
432 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
>>428
報告乙wwww戦車が真面目な方って相当酷いwwww
433 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:--------
今後、他の転生が承りに会う機会とかあったら、相手さん混乱必至だわこれwww
.
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————————————こういった服装を日常的に————————————
.
「……本当に治ったのか」
昼時に改めて部屋を訪ねてみると、ペレータの右目は本当に綺麗さっぱり治っていた。
〈何か、不自然デスか?〉
ベッドの上から人間らしい表情でわたしに問いかけるのは、事情を知っているのと知らないのとでは全く意味合いの違う言葉。これは『まだ具合が悪そうか』ではなく、『自然に人間を装えていないか』ということだ。
……取り繕った態度なのは、人が活動する時間だからだろう。最も、それに関してはわたしも同じだが。
「いや、特には」
〈なら大丈夫デス。行きマショウ〉
ペレータは慣れた様子で白いベルトにラジオをとりつけ、ヒザまである皮のブーツを履き、金具を留めた。
昼前に資料を見せてもらったが、DIOの知人の知人ということで裏も取れていて、確かにシスターではあった筈だ。
シスターになる前、彼女が言っていた20年以上前に、こういった服装を日常的にしていたことがあったのだろうか。
「……か弱いなら、もう少し軽装にしたらどうだね」
新しく買った服も結局、今着ているものとほとんど同じデザイン。
腕が取れるなどと言ってみたり、実際、詳細不明の怪我でぐったりしていたりするのなら、もっと楽な服にしたら良いと思うのだが。
〈…ザァーー…効率を求めた結果、みんなブーツに白ベルトにナッタのデス〉
「効率?」
〈『ここ』では誰も分かりはしナイことデスから、お気にナサらず〉
そう言いながら顔を拭って、簡単に化粧をする。
女の身支度は長いものだとばかり思っていたが、ペレータの身支度は起き上がってからたったの10分で全て完了し、わたしの方へ歩いてきた。
そもそも、わたしが見ている前で平然と支度をするあたり、ペレータそのものは女ですらないのかもしれない。
〈それに、いつも同じような服を着てイルという点デハ、アナタも人のことは言えないデショウ?〉
「請け負った仕事にも寄るが、スタンド使いはそう簡単にイメージを変えるわけにはいかない。覚えやすい方が都合が良いのだよ」
〈ジジ、なるほどそういうことデシたか。全てに納得がいきマシた〉
「……?」
〈『こちら』のお話デス〉
さっぱり意味は分からなかったが、〈お気になさらズ〉と話を打ち切り、なんでもない様子でそのまま図書室へ歩き出す。
「いや、待ちたまえ。何故わたしの先を歩こうとする」
〈ッピーーーー・ジジ……シスターという職業柄、人と歩くときには案内スルことが、多かったノデ、つい〉
それでは何か違和感があるのではとペレータを引き止めたものの、その発想は無かったと言わんばかりの反応。
果たして、こんな調子で本当に今まで人間として生活できていたのかすら怪しくなってきた。
「それに……」
〈それに?〉
「いや、『今』は良い」
わたしとは、たった2日しか過ごしていない筈なのに、いつも同じような服を着ていると言い切った。
となると、昨日、あそこまで強気に出られたのは、わたしには『銃で勝てると分かっていた』からか。また明日、朝っぱらから部屋を訪ねる必要がありそうだ。
〈……何か『不都合』がありマシたら、遠慮なくご指摘願いマス〉
「喋れるようになって嬉しいのは分かるが、話すことの要領が分かるまでは控えたほうが良い」
〈ザァアァァ…分かりマシた〉
昨日も思ったのだが。〈どこかで会ったか〉と無表情に銃口を向けてきたクセして、ペレータは隠す気が薄いように思う。困ったことになったら殺せば良いとでも考えているのだろうか。
やはり、ペレータはどうにも人間ではない、ということだけが確かなことだ。
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