#箱根と熱海近いからさー
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読む前に言っておきますが。 全然大した話でないんだけど みなさんも旅行支援のクーポンもらったらお気をつけて。 先週熱海と船原温泉というところで遊んできたのね。 旅行支援のクーポンもらったわけね。 以前、9月に箱根に行った時も旅行支援のクーポンもらったのね。6000円分。 お土産買うよりなんか使い道ないかなーなんて考えたら おちゃっぴのうちの近所でも 使えるじゃん。 うちも江ノ島、観光地だしー。 じゃあ贅沢なご飯にでも使うかーって事で後日ディナーに使いました。 じゃぁ今回もそうしよう。 って帰ってきて気がついた! 前回は箱根で神奈川県だけど 今回静岡県じゃーん! 使えないじゃーん・・・ あなたならどうしますか? って事で真夜中に、車で熱海のコンビニまでクーポン使いに行ってきましたー。 あははは まぁ車で1時間半くらいだから 大した事ないのよ。 まぁめんどくさいけどね。笑 で写真が買った商品。 しかも西湘バイパスも、真鶴道路も、熱海ビーチラインも、有料道路一切使わず行ってきたー。 なんか勝った気がした。笑 クーポンの使える場所と期限にご注意を。 言い訳すると クーポンのアプリが神奈川と静岡一緒なんだよなー。 でも普通気がつくか・・・ #旅行支援クーポン #静岡 #神奈川 #箱根と熱海近いからさー #おちゃっぴ #クーポン #失敗 https://www.instagram.com/p/Cln3UrQSKDf/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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スミマセン。連日ですみません。
さっき北海道旅行の時の日記掘り出して、
ウヒョーおもしろ!ってなってしまったがゆえタンブラーもマジマジと上から下まで読んでしまったのだけど、
毎回同じ苦しみを味わう😅😅
哀しさと切なさと申し訳なさ、、
なんかさぁ、ボクちん恋愛経験ぜんッぜん多くないけど、しかも短期間ばかりだけど、
それでもこうやって記録とかを読み返すとウォ〜〜!!!!となってしまうから、
みんなもこういう感情になるってワケ?
なんか、、シュチャンもそうなのかな、、やだよ、、、😺
なんかこういう記録って楽しい時マックスのものがあったりするから、なんかスンマセン❗️という気持ちが全面に出てしまう。
別れたての怒り心頭祭のときに書けばよかったよ。トホホ
てかみんなこんな記録書かないからこんな感情にならないね😺ヨカッタ
見返してみても、シュチャンと出会ってからは前向きな変化とか、今までとは違う、違和感のなさとか、いかに楽しくて大切にされてるか?がメインで書かれているところがいいね👍(必死)
あと仕事ばかりのこと書いてる時可哀想すぎる。
近況を書こうかな
シュチャンとはとっても仲良し🤠
北海道旅行が楽しかったすぎて日記読み返したり動画作ったり、箱根旅行行ってシュチャンに迷惑かけたり、このまえ久々に土曜デートしたらたくさん喋ってイチャコラ楽しんで、センベイ屋さんになってもらって幸せ満点だったし、なんかもう四六時中口を動かしながら、お互い考えていることがどんどん手に取るようになってきて、、、イェス、ディスイズpartner
ともえちゃんともひさびさにあえたり、シュチャンの福島のおうちの家系構成図をママと必死に分析したり(なぜ?)、わたしの家のことをくまなくシュチャンにも教えてたり、たのしぃ
これを見返すたびに思うけど、あの私たちのゴールデンウィークの時に感じた、心臓が前と後ろからペッタンコになったあの苦しみって忘れずに思い出したいな!と思う
あとなんだろー、仕事は紆余曲折あったのち、今はどうにかこうにか前向き気味の時期😀
ほんと、ようあるねん。ぼくの紆余曲折
きみちゃんと楓とおおやまの話聞いて、突然「図鑑を作りたい」のモードになってしまい講談社に応募して、めちゃくちゃ頑張って応募要項とか職務経歴書作って、無事通過できたのち、猛暑の中面談に行って落ちて、オグロンとかんちゃんとはなしてみて、たしかに中小出版社でもいいから行きたい❗️ってほどの本やら出版社やらへの熱意のなさ?本気度の低さ?今の土台への根っこの強さ?が伝わってるんやろね。となった。
紙の種類とか本の形考えるのは楽しそうだなーと安直に思うけど、やっぱそれ以上の感情はまだ抱けていないし、
ゆーちゃんとも話した時に「仕事で楽しむという感情がなくてもいいんじゃない」とか「土台は結局大事」とかの話をしてくれて、確かにそうだな😀とまたなった。いまこういう土台を築けていること、いいとおもう!
北野さんとかりべさんのおかげで、デザイン関連の時間を持ててその時だけはノビノビとできたり、緊��屋のクセもチョビッッとだけは改善できたりしてます。
今のチームは
ヤスさん(論破王かつコミュニケーション下手くそ王。なんか対面で会うと共感性羞恥なのよな)
山田(シャクさわり王。まじやばい。ここにいるべきでないし、いるべき場所は逆に無い。もう、手遅れ)
横山さん(軽くて薄い!勢いで話しますよね。その場の流れに乗るのが好きそうだけど、いつも流れをしっかり読まずに雰囲気でぶら下がってくるイメージ)
中条さん(マイペース、ほんまに。自分の視界がすごく色濃い人。いっそ羨ましい、自分のことしか見えてなくて)
永野くん(ヨッ、新人!もはや何の印象もないけど初手エリックだったよと言いたい。ヤスさんとの相性早くも微妙な予感🌟ま、みんな悪いから安心して)
趣味のコーナー
巨人 今日の試合やばかった、9回ツーアウト3-0から、モンちゃんの初スリーランで同点!のち即逆転された。なに?モンちゃんのとき、わたしもアベチョロも絶叫して、試合後にはその喉��痛さのみ残った。
今日 理想 今後の予想
1 中 丸 丸 浅野
2 右 浅野 浅野 萩尾
3 左 モン モン 秋広
4 三 岡本 岡本 岡本
5 一 大城 大城 大城
6 ニ 吉川 坂本 吉川
7 遊 門脇 吉川 坂本?
8 捕 岸田 門脇 門脇
9 投 伊織 伊織
↑珍奇なスポナビみたい
そういえば写真とか動画少なくなったらやだな
シュチャンのフィリーズは一位だよ
編み物はまだやりたい!あとiPadほしい!いい加減買う!!オラオラ
オモコロ毎日見てます。
あと今に限ってはTHE ALFEEみてます。
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1188 スケベーじーさん
南の島には、個性豊かな老人達が多い。 自他共に認める、島で一番のスケベーじいさんがいる。 水着姿の観光客、女の子達が集まる休憩所へ何時もちょこちょこ出かけるじいさんで、若いピチピチした女の子を見ると、すり寄っていく。 あんたは肌が白い、顔立ちにも気品がある、京都の生まれであろう、とかなんとか言って、話しかけていく。 観光客も、明らかに島のじいさんだと言う事が分かるので、別に拒否反応も示さず、また南の島ゆえ開放的に色々な話をして過ごす。 じいさん、毎日若い女の子のケツを追っかけ、ばあさんにやきもち妬かれないのか、と聞くと「あはー ばあさんは、とっくに死んだよ」 おい おい 生きている人を殺すなよ! ばあさんが死んでいたら、あんたはとっくに死んでいるよ! このじーさん、ボケているのか、ばあさんが世話しなければ、生きて行けないはずだが、脳内プログラム、三途の川、いや海の景色を楽しんでいるようだ。 ワシは若い娘たちから、パワーをもらっているから元気でいられる、と本気でしゃべっている。 そのじ���さんがニコニコ笑って、おい!��ひかる、この島は格が上がったぞ、と言う。 よくよく話を聞くと、以前は観光客に年寄りが多かった。 しかし最近では、若くてしかも美人だけが、こぞって島へ訪れるという。 だからこの島の格が上がったと、じいさんは主張するのだ。 確かにここ数年で、この島へ訪れる観光客は、若い女の子の比率が格段に上がったことは事実である。 この地区は今、離島観光ブームでかつてない程、沸き上がっている。 石垣市を中心として、黒島には毎日15便ほどの往復便がある。 この島より少し小さいが、竹富島は文化財に指定され、牛車での島めぐり、赤い瓦屋根、道路などの景観が観光客に大人気。 黒島の3倍以上、毎日50便が、石垣島から観光客を運んでいる。 隣の小浜島は、黒島よりちょっと大きいが、NHKのちゅらさんドラマの舞台となって、その島も、毎日33便くらいの往復便があり、観光客で沸きかえっている。 また、隣の西表島は、東洋のアマゾンと呼ばれるだけあり、沖縄本島に次ぐ2番目に大きな島であるため、そこも、石垣島より、40便前後の船が往復している。 また、船の大きさも、定員数も格段に違い、黒島便は小さな船が15便しかないということは、いかにこの島が観光地化してないかということが分かる。 また竹富島や小浜島、西表島などは、ツアー観光のコースに取り入れられている。 黒島は民宿の数も少なく、大勢の団体が来た場合、トイレや休憩所など、とても対応できない。 石垣島の離島桟橋で見ていると、三角の旗を持ったツアーガイドが、大声を張り上げ、ムカデのごとく、竹富島や小浜島、西表島などへ渡っていく。 水着に飽きる? 若い人たちは、どうしても中高年、団体客、ぺちゃくちゃ食べ、スピッツのごとく、しゃべりまくるあの集団には、辟易するようだ。 よって若い観光客が、締め出される形で、今度は黒島へ押し寄せる。 だからスケベーじーさんの言う通り、海岸へ行くと、若いピチピチしたギャルたちが、ごろごろいる。 この島で2、3年も生活すると、誰でも水着に飽きてしまう。 海のない、あまり水着に出会える機会の少ない人達から見ると、嘘だろうというかもしれないが、マジな話だ。 シーズンになると、水着での集落内歩行はやめましょう、との立て看板も熱いので守れない。 また、格安航空券も国内で一番長い距離があるため、割安感があり、東京の人が軽井沢、箱根や伊豆半島へ出かけるように、この地区へ人が集まる。 南島楽園、まだまだ続くようだ。
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2023年2月1日
よく悪口を言う人ほど「不幸になる」科学的根拠 | 健康 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース https://toyokeizai.net/articles/-/366140
NoEscapeリアル体験脱出ゲーム|ノーエスケープ|東京の池袋・新宿でリアル体験型脱出ゲームと謎解きに挑戦! https://noescape.co.jp/
スシロー“食器ペロペロ“問題、当事者と保護者が謝罪も「厳正に対処」へ 法的措置を継続 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2302/01/news088.html
天津・向、“オタク愛”を仕事に繋げ年���1000万超え もはや副業とは呼べない熱量の源泉「芸人は何をやっても芸人」 | ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/special/62234/
英ガールズグループのスパイス・ガールズ再結成か 5月チャールズ国王戴冠式に出演の可能性浮上 - ハリウッド : 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202302010000154.html
ボンネットに人を乗せ高速通行する動画がSNSに 福岡県警が捜査:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR107TDKR10TIPE00H.html
ジャンボジェット・ボーイング747、最後の機体を引き渡し…半世紀以上の生産終了 | レスポンス(Response.jp) https://response.jp/article/2023/02/01/367068.html
青年期の岸辺露伴役はなにわ男子・長尾謙杜 映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』追加キャスト4人発表 | ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/news/2265869/full/
今季のJリーグは上限100%全席声出し応援可能に…コロナ対応ガイドラインを改定 : スポーツ報知 https://hochi.news/articles/20230130-OHT1T51235.html
ブシロードグループが声出し解禁 新日本プロレスとスターダムでも収容人数制限などを撤廃 | 東スポWEB https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/252474
アメリカがコロナ非常事態宣言を5月11日に終了 新規感染者数は大幅に減少 ワクチンなど自己負担可能性も:東京新聞 TOKYO Web https://www.tokyo-np.co.jp/article/228428
LIZA🐾さん「#THECROW #BrandonLee #JamesOBarr #Actionfantasymovie #TonyTodd 🎥【THE CROW 飛翔伝説】🦇 コミックが原作ブルース・リーの 息子様が主演。ー 残酷な悲しみの魂は 休まらず、その不条理を正すとき… カラスは魂を連れ戻す ー 物語もキャスト陣も全てが素晴らしい💯✨凄い大好きな作品となりました https://t.co/zdfHrnf5w0」https://twitter.com/310_odas/status/1619661458517921792
LIZA🐾さん「追悼作品でもあるのが とても悔しいところではあります。 こんなにも美しく彼以外考えられない程の素晴らしい演技です。」https://twitter.com/310_odas/status/1619661463618224131
eclipse.✩⃝ STRAY INDIVIDUALITY GROUPさん「✩̣̣̣̣̣ͯ┄•͙✧⃝•͙┄✩ͯ•͙͙✧ eclipse. collaborations ハロ / ハワユ Covered eclipse. 星月ライト× 四葉春音 ▶https://t.co/eQU1wnlNyg ☪︎ #いいねかRTで気になった人フォローする #拡散希望RT協力お願いします #歌い手さんMIX師さん絵師さん動画師さんPさんと繋がりたい https://t.co/l1RDDpxa8w」https://twitter.com/eclipse01429/status/1620007282481442822
悪霊おばけさん「近藤彩人さんのイベントで筋肉少女帯の曲をコピーバンド“筋肉痛み帯”で歌わせて頂きます。 10代の頃によくカラオケで歌っていたからエモいです。※動画の曲を歌うかは秘密です。 ※チケットはThePlayHouseホームページにて販売中。(前日2/11 23:59まで販売) https://t.co/zNHdhPgymS https://t.co/VuIwJx3pN2」https://twitter.com/botiurara/status/1620043659076050944
成田拓弘🍱映像作る人さん「すんごい気合い入ってるMVを生み出しました...!!🍯🎉🍳🕺 曲も最高だし海外受けそさそうだしカオスだし!!! 普段のMV監督業とまた違う脳みそを使って爆誕させました🎇🧠🍺 マジですごい出来がいいので繰り返し見狂ってください🫶」https://twitter.com/JALita1029/status/1613855905015300097
TAIZOさん「9/3まで この動画を観て 楽しみにしててね👍 #拡散希望RTお願いします #OMEGA #オメガ #NEWALBUM #再録 #V系 #ヴィジュアル系」https://twitter.com/omega_voice_t/status/1562739987569057793
TAIZOさん「みんなからの匿名質問を募集中! こんな質問に答えてるよ ● 雰囲気変わりましたね好きな人… ● 薬指にリングしてるの? ● 暴れたいです…ライブ…早く…🧟… ● なんか今日は疲れたな〜、ってと… #質問箱 #匿名質問募集中 https://t.co/kFCZk9svew」https://twitter.com/omega_voice_t/status/1619648650598289414
nao 首振りDollsさん「読み返した。 なんて有り難い機会を頂いてたんだって、思い知る。 鮎川さんは本当に優しい。 https://t.co/sVGpz5MJQD」https://twitter.com/kubihuri_nao/status/1620054910162325504
ヴィ��ュアル博士のる@監修オムニバスCD2種発売中さん「【甘い毒/LarMia】 90年代に活動していたLar〜Miaがメンバー編成、表記を変え���活。 今作は2001年にデモテープとして限定的に世に出た楽曲を再録。妖艶かつ悩ましげなボーカルにツタツタとした王道コテ系のリズム。音質の向上はもちろんだが、そのお陰でよりディープな魅力が浮き彫りになっている。 https://t.co/mo5RFDXnyV」https://twitter.com/vr_noru/status/1619985455629619200
gulu gulu(ぐるぐる)公式さん「gulu guluより皆さまへ https://t.co/lnm9YsJ2GU」https://twitter.com/gulu_gulu_band/status/1620014094320279553
KISAKIさん「KISAKIバンド活動30周年記念第一弾、新宿BLAZE満員御礼ありがとう🥰 変わりゆくV系シーンの中で改めて歴代バンドの曲達が日の目を浴びる事が出来て嬉しい。 集まってくれたメンバー、サポートし支えてくれる皆さんに心から感謝します🙏 詳しくはライブレポートが掲載されるのでまた改めて発表します。 https://t.co/heizQd08NB」https://twitter.com/KISAKI_OFFICIAL/status/1620016019577372675
遊ずどカンパニーさん「あら眞くん室蘭来るのね😱」https://twitter.com/Yu_zd_company/status/1618915839813754881
遊ずどカンパニーさん「社畜とJKとヴィジュアル系 第3巻、第4巻 買いました。tweetはずっと拝見させてもらってましたがホント詳しい方だな~とか共感できる内容とか忘れていた記憶を蘇らせてもらったり毎回楽しみにしてます。第1巻、第2巻の再販と第5巻の発売を心待ちにしてます。@zakuro0508 #社畜とJKとヴィジュアル系 https://t.co/u197TNF0ZY」https://twitter.com/Yu_zd_company/status/1619092484411506698
Masaki Satoさん「plant cellというバンドをやっています。花、植物、自然風景を題材にしたポストシューゲイズサウンド=FLOWERGAZEをコンセプトに活動しています。 新曲よろしくお願いします。 https://t.co/plOGaaeMQk https://t.co/tU4l4MScKV」https://twitter.com/MasakiSato12/status/1619966018927071232
angel@音楽垢♬さん「plant cell thundercloudのラストから高まってきたけど、次のXi Ling Xiaで、パワフルな演奏から層になって体内に入ってくる轟音に圧倒された・:*:・(*´∀`*)・:*:・♬ この感覚、プラセル初見時の快感を思い出す😊 いつかまたリアルで味わいたい! #totalfeedback」https://twitter.com/dokidokiangel07/status/1619627979860250625
たちすけさん「【メンバー募集】 覇叉羅〜Vasalla〜コピバンやりたい。 当方Dr。 vocal、guitar×4、bass募集。 神奈川県西部で集まれる���。 当方完全アマ志向。 ヤンキー可。」https://twitter.com/CDN_TACHISUKE/status/1528355794718445568
書肆ゲンシシャ/幻視者の集いさん「『Wings of Desire: Learning to Fly』。ボディサスペンションの写真集です。自らの身体にフックを刺して吊り上げます。宙に浮いた人間の体の美しさを捉えています。ノルウェーを拠点とするボディサスペンションチーム「Wings of Desire」の歴史を写しています。書肆ゲンシシャにてご覧いただけます。 https://t.co/dOAoM4VPTQ」https://twitter.com/Book_Genshisha/status/1620338378398138369
LIZA🐾さん「⚡As Blood Runs Black⚡ ロサンゼルス出身のデスコア 🩸INKのリードギターDan Sugarman🎸がメンバーとして参加しています 是非ご視聴してみてください☟☟ #ICENINEKILLS #Metalcore #Deathmetal #AsBloodRunsBlack https://t.co/w3aIIKf8Xz」https://twitter.com/310_odas/status/1620080458599112705
邪悪四弦LINAさん「今ね 電車移動してんのよ 滅多に乗らへんからね 若干ソワソワしとるのよな(°_°) https://t.co/BwQa8KdlUC」https://twitter.com/L_ch_vazm/status/1620008124051775488
森 翼mori tsubasa/MIMIZUQさん「もちろん外国人としての洗礼も受けてますが、言葉より確かな喜怒哀楽という感情で通じ合えてもいます。そのなかで「楽しい」が圧倒的に伝わるスピードがはやいです。ステージと同じような気がします。明るいとは似て非なる楽しいです。自分の人生の浮き沈みももっと楽しもうと思います。知らんけど。 https://t.co/kCAOf4zUVP」https://twitter.com/mori_tsubasa/status/1620011522432077824
ザゴッドアンドデススターズさん「【ライブ情報】 3月15日(水)新宿LOFT 『~shinjuku loft~ CLASSICSS』 出演:the god and death stars / nil / 会心ノ一撃 / 棘-おどろ- OPEN 18:30/START 19:00 前売り券:¥3,000- / 当日券:¥3,500- (+1DRINK ¥600-) ※Live Pocketにて2/4(土) 14:00~販売 https://t.co/q8r76BWGPn https://t.co/ztTVvpWRr9」https://twitter.com/davidskullno/status/1620011828964364288
MIMIZUQさん「MIMIZUQ OFFICIAL GOODS 2023 WINTER COLLECTION シン暗闇で光るver2 シンMIMIZUQのアウター MIMI-PAN シン袋(フクロ)ウ MIMIZUQの腕輪 幸福のチェキ 他 終演後グッズ購入者(CD、書籍、チェキを除く5,000円以上お買い上げの方)特典、5shotチェキ撮影会有り 詳しくはこちら https://t.co/2r0tEqkdHk https://t.co/JE9NcVZQFe」https://twitter.com/mimizuq_staff/status/1620014231776288769
Drum 篤人さん「【ライブ情報】 2023年4月9日(日) TVA メディアホール https://t.co/hY64cqoYWQ ・タイトル DRUM☆GODS presents ~goddess advent vol.1~ ・ドラムイベントDRUM☆GODS 前回の様子はこちら↓ https://t.co/3QIa0cZjaJ https://t.co/2O2jZ4rl7e」https://twitter.com/atsuto0107/status/1620014351771115520
KISAKIさん「幸樹のハッシュタグ間違えました。ごめんなさい。 @kouki_d_out です。」https://twitter.com/KISAKI_OFFICIAL/status/1620020278888910848
KINGRYOさん「ユキ@G12_YUKI が牡蠣送ってくれたー 今冬三度目🦁🦪✨ ユキありがと☺️💕 https://t.co/2KG7Dv6BSD」https://twitter.com/kingryoworld/status/1620021083499020290
nao 首振りDollsさん「鮎川誠さんが天国に旅立ったそうです。 言葉に出来ずに、何度も書いては消してを繰り返しました。 私にとって鮎川さんはロックンロールの神様であり、道標です。 本物のロックンロールを感じた事、忘れません。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。 https://t.co/mSshIiS3zA」https://twitter.com/kubihuri_nao/status/1620025356555264002
Ryuichi Kawamuraさん「今夜もゆっくり... https://t.co/ILEyHM1SsO」https://twitter.com/RyuichiKawamur2/status/1620028237601705985
ROCK CAFE LOFT|ロックカフェロフトさん「情報解禁! 2/13 「ゴッドラジオ Vol.17」 【出演】aie、大嵩 潤 OPEN 19:00 / START 20:00 予約¥3,600(+要1オーダー以上) 配信チケット ¥1,500〜(3種あります) 詳細→https://t.co/kRYV5c6eTR https://t.co/Qjdvjfbreo」https://twitter.com/ROCKCAFELOFT/status/1620029685806813186
ザゴッドアンドデススターズさん「『ゴッドラジオ Vol.17』 2月13日(月)ROCK CAFE LOFT is your room 出演:aie / 大嵩潤 Open 19:00 / Start 20:00 料金:¥3,600(要1オーダー¥500以上) 各種視聴チケット ・通常 ¥1,500 ・応援チケット ¥2,000 ・超応援チケット ¥3,000(特典付き) https://t.co/Yto5WaFFe9 https://t.co/mlg77JjEyx」https://twitter.com/davidskullno/status/1620031112469950467
大嵩 潤さん「明日 1月31日(火) 東京・池袋手刀 『ワープ vs ゴッド』 お待ちしています。 https://t.co/cQjiKoP8yY https://t.co/RT9MBuU3tK」https://twitter.com/otakajun/status/1620031484404064256
SUGIZOさん「[SugizoTube] 【まもなく生放送!22:30】 #THELASTROCKSTARS 日本公演ファイナル終演直後 #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI 生出演 日本公演ファイナルを終えたばかりのメンバーが生出演! https://t.co/WYh9BThQNx @YoshikiOfficial @HydeOfficial_ @SUGIZOofficial @MIYAVI_OFFICIAL @LAST_ROCKSTARS https://t.co/U0el0qYoSc」https://twitter.com/SUGIZOofficial/status/1620044165072539649
THE LAST ROCKSTARSさん「Are you ready to rock with us? #TheLastRockstars Live Debut 2023 Feb 4 (NY) & Feb 10 (LA) SOLD OUT New show JUST ADDED Feb 3 in NY! Tix: https://t.co/3NpjYHKLcp #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI @LAST_ROCKSTARS @YoshikiOfficial @HydeOfficial_ @SUGIZOofficial @MIYAVI_OFFICIAL https://t.co/W0hzEBZgOd」https://twitter.com/LAST_ROCKSTARS/status/1620044334182830080
MIYAVI STAFF【Official/公式】さん「/ 本日30日(月)22:30~ “#THELASTROCKSTARS 日本公演ファイナル終演直後生放送” 開催決定! \ 東京ガーデンシアター公演でのパフォーマンスを終えたばかりの4人が生出演、 ライブの感想や海外公演へ向けた意気込みなどを熱く語りつくす🔥 プレゼント企画も実施される予定ですのでお見逃しなく! https://t.co/imSNtAyfsb」https://twitter.com/MIYAVI_STAFF/status/1619924195475062787
YOSHIKI CHANNELさん「ライブ会場はアンコールが開始しました🎉 【この後】22:30~ YOSHIKI CHANNEL 後の #TheLastRockstars #YOSHIKI,#HYDE,#SUGIZO,#MIYAVI が生出演 視聴者限定プレゼント企画もあり♪ niconico(日本語) https://t.co/MTsgXR92cv YouTube(2ヶ国語同時放送) https://t.co/HQrbz7Cky4 @YoshikiOfficial」https://twitter.com/YoshikiChannel/status/1620035941250531332
YOSHIKI CHANNELさん「STARTING SOON! Jan 30, 10:30 pm JST #YOSHIKI CHANNEL #TheLastRockstars #YOSHIKI,#HYDE,#SUGIZO, and #MIYAVI will appear live! There will also be a special giveaway for viewers! YouTube (JP or Bilingual) https://t.co/HQrbz7Cky4 Niconico (JP) https://t.co/MTsgXR92cv」https://twitter.com/YoshikiChannel/status/1620036101766529027
INORAN_OFFICIALさん「Watch 🔥」https://twitter.com/INORAN_OFFICIAL/status/1620048878434402304
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韓国で焼肉を食べる旅ミッションを遂行に大きな問題が 韓国では焼肉は2人からがデフォルトのようで、メニューも2人前から🍗🍗 孤独のグルメin韓国ができない! でも食べたいので、ドキドキしながら入店 メニューをみるとやはり2人前🍗🍗 ダメ元で「1人前にできる?」と聞いてみると、 「スープとライスはつきません」(みたいなこと言ってる) 全く会話が噛み合わない!笑 2人前のサムギョプサルはなかなかのボリュームでしたけど 1人客は自分のみでしたけど 美味しかったです 韓国の料理は、お世辞抜きで今までのどの国より美味しくて調味料が日本と近いから違和感がなかった! 海外で腹を壊さなかったのも初w 韓国はゴミへの意識がちょい低めで、カフェやトイレで紙が地面に転がってるのを見かけます 屋台はゴミ箱がなくてカウンターに食べた串を放り投げてるのは豪快だった笑 ちょっとカオスなところは小さい頃に見たど根性ガエルやジャリンコチエの雰囲気がちょっと残ってる感じ 支払いの通貨はウォン。日本円とのレートはざっくりゼロが1つ増えるので計算しやすかったです (150円のジュースは1500ウォン) お店の時間は日本よりカチッとしてなくて、開始時間に空いてないことも 最後に色んな具材を海苔で丸めた太巻き、本場のキンパを食べにお店にいったら、先行して入った人がもうクローズドと言われてました あと一歩遅かった でも明日は帰国。次がない。ここは交渉だ!(喋れないけど) 意を決して店に入り 「テイクアウト1つでー!!!」 と魂で叫んだら🔥 「10分待てるなら作るよ」 (と言ってるっぽい) 熱意大事ですね https://www.instagram.com/p/CnBNrRTrVBc/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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琥珀色のおもてへ、あのいつもの煙草のパッケージが打ちあげられ、これはすぐに見たい幻だと分かった。たぶん毎日、おれはいそいそと見たい幻だけ見ている。幻の原本はすぐそこにある。ここから原本まで、睡眠の底へ下りるさなかにでもこなせる塩梅の逢瀬。造り付けの小棚へと手をのばす時間。そんなゆるいうごきすら、めんどくさいときた。よって亀そっくりにぼやぼやしながら、こまやかにとどくほどのメビウスの箱を、何分かかけてようやっと握りしめた五指の骨。伴ないひっついてきたライターで煙草の先を炙ると、くゆらせ燃えた灰の帰途から、つづら折りの雲が出てゆく。一瞬だけ、腐り落ちてしまったこの世の秒針。いくえの弾道がとまってできたような、そんな雲の羊腸を、無心で見ていた。
なにをやっても、しぬほど単調だった。なんだかおれの目みたいに平板で、単調な線のつまらないもので、すべて、おれのすべて、つまらないもので、今日も霧で覆うため、ごまかすため、ただよった煙にうきうきと謝っている。ごめんなさい。ごめんなさいねと。ひろがり塗れた煙をさらに深奥へ吸いこむために、いつだって重くにぶい煙をもとめていた。ニコチンを吸引し、煙を肺に入れるときだけは、まるでかくれんぼで遠い木陰にひそんだこどもみたいな気持ちになれた。鬼にも、誰にも見つけられたりやしないという幼い優越感と、やがて気づいてもらえずちっぽけに煤けてしまうおののきに、嬉しく屈して、ゆれた。彼がいないと気づいたのは、二本半目の優越とおののきに厭いたときだった。
おれの胎児、どこかしら。
胎児、どこかしら。けれど、だいたいのあらすじは分かっている。きっと今のおまえはただの胎児なんだから。だったらそんな子の止り木は、おおむね、きまっている。
「ねー、」
暗い台所。
「なあ、起きてんなら、」
がな���立てた、包丁の音。
「そう。聞こえないワケね。」
まな板の上で、せわしい指。
奇抜なことはなにひとつない。出窓の月光のもとで、うつむく彼の姿。おれはゆっくりと背後に近づいたあと、光る床に目をうつした。寝そべっている瓶の光輪へとかかる視線のわだち、おれがいつも飲ませている睡眠薬の錠剤がちらばって、あぶれていった終点。
そうっとあの手の甲を握りつつ、首筋にキスをして、うん、うん。だいじょうぶだよ、まるで暗示をかける要領でささやくと、自身は彼の指から包丁を離していく。ひっそりと目を閉ざした冷蔵庫。なにかが出されたけはいは感じられない。慎重な間隔をもたらして、こわばりをほどく。そうして、おれよりもおおきくて強くて、やわらかい背中を捕まえる。自分が、夢遊病患者であることを、彼はしらない。
昔から人間の安堵する呪文のひとつが“だいじょうぶ”だという、そういった類の話を以前にのっぺらぼうの誰かからきいて、あれは、えぇと、こんな言い方だったかな、と丁寧なイントネーション付きの群書からひいてゆく。おれが口から手放すものはみんなそうだった。ことばの使い方などなく、こういうとき、記録媒体そのものとして他の人生をなぞっている水の心地になった。無思考を手に入れて、代わりにおれをうしなった。だいじょうぶは、じぶんのなかにある「なんだかイイ感じっぽい台詞集」という題の、数頁ほどしかない借り物の辞典のなかにあった。
「だいじょうぶ...だいじょうぶ」
首筋に愛撫をつづけた。皮膚と皮膚のきしり音に耳をすませる。するとあわあわしい虹色そっくりの音が、する。
ああ。できれば、いつまでも委ねていたい、あざやかなこの軋轢に。目を、耳を、神経を。ねえ、おれ、とろけていたいんだよ。ねえ、見たい。白蠟病みたいにかがやくおまえから、たとえば頸動脈の離ればなれになったその首元から、園がでてくる日。そうしたら冬の赤い葉でおまえはいっぱいになる。きっと、冬の園はすごくかわいい。そう、おまえのならね。
見上げると、横顔と逢う。暗い半顔の顔料すら淡泊に忘れて、輪ぎりにでもされたふうなそのもう半顔だけ、くっきりと残っていた。現れたおぞましい造花の目に、舌根がきゅぅう、とひき攣った。まだ、この子はねむっている。すぐにじぶんはしがみついた指の力を強め、まるで遠い夏の木陰にひき摺りこむように、逆光のうろへと道づれにした。おれについておいで、と��そのかして。
���にぶつかり、抱き込むかたちで床にずるりずるりと滑り落ちていく。スウェットのリブを指ではさんで、はぎとろうとした相手の下着ごと、膝もとまでずり下げて、裾ごしに床をひっ掻いた。そうして虚空を見つめる肉のあたたかみを、暗闇のなかで静かになぞった。その死神のあたたかみをなぞった。ツンと目が痛れる。あの痛れ方だ。氾濫でぐつぐつ目頭まで這い上がる前の、あの。だからおれはなきたいのだと思った。ただ鳴きだしたいのだと思った。
蛙の鳴き袋にでも、なれるものなら。
こうして生きているかぎり、擦り切らせるように、息を切らして彼にすり減ってゆくだけの声帯を、おれはきっとゆるしはしない。四つん這いで腰を抱き、唇をひらいた。ゆっくり舌に乗りあげていった浅黒い肌色の食感を追う。それは薬を下してゆくのに、にていた。蒸せかえるにおい。口の粘膜のなかに粘りついたタールの苦い臭気とこね繰り回していく。うら筋をえいりに舐りあげたとき、排水溝の詰まった音を彷彿とさせる、歯切れのわるい吐息がきこえて内なる鼓膜は極彩色にどよめく。指で根本をもたげ、奪う。からめた下品な音遣いでもって、睡液までこそげ落とすように。こうしてうなだれた海綿体の逃げ場をとどこおらせてしまえば、彼の不本意であり故意のおよばないところで彼の欲求だけが肥えぶとり、なみなみ血がみなぎってゆくことに、くらい興奮をおぼえた。だからいつもわるさをしたくなった。一気にからだの真ん中はむらむらと熱りはじめ、小刻みにゆれる腰が更にうかされてしまう。とがったボクサーショーツをずらして触ると、生ぬるく濡れていた。夢中で這いずる指をとめられずにいる。上では性器をくわえながら下では濡れた指で管を嬲った。抱かれることを想像してなぐさめ、深く深く、の奥までゆっくり悩惚をしがんで。媚肉を突き上げられる想像で、なんどもなんどもえずいて。鼻腔からもれるまだるっこい婚声と吐息さえ、木々の樹液のようにおれの内側をぎらぎらとうるおわせていった。
はやく、とすがる猫の声色で言う。あの子にすり寄りぐるぐる巻きついた。拒絶の返事も愛玩する虹彩もいらない。いっぽう的に視姦しているのが良かった。あの肉眼がおれを捉えられないということは、同時にだれのことも捉えたりできない事実の裏打ちで。今、今だけは縮尺された砂の地図となり、またきれいなジオラマとなり、ぎゅっと、ぎゅうっと、おれのつまらない素裸でも抱きかかえることができるんだと。
「���わいい、かわいい、かわいい」
おれに反駁しないで。そう甘えた声でのろいを積んで。
あっ、ごつごつして痛いでしょ、ごめんね。なんて足を撫でてやりながら、肩をかるく押し���、そのまま横たえさせる。じぶんはその彼の上に、あわせ鏡のように重なった。光のとどかない瞳、丸みをおびた鼻先、上唇が捲れあがりかすかにのぞく歯、それらを囲いこむふてぶてしい骨組みの深淵。こくこくと、呑み込んでゆくのを見た。なぜだか帰りぎわ、もうあえなくなる人を見るような、あやしい切なさがあった。
ばかだね、樹。
そんな台詞があの子からきこえたような気がした。
ばかだなあ、おまえ。
そんな台詞をあの子にきこえるように、独り言ちた。
ふたり、あわせ鏡のままで。
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ダ-ティ・松本 不健全マンガ家歴30年[-α]史 ●はじめに この文章は同人誌「FUCK OFF!7」において書かれたものをベースにして逐次増補改定を加えていき、いずれ歴史の証言として、[というほど大袈裟なものでは無いが…]一冊の本にまとめたいという意図のもと、近年どんどん脳が劣化していくダ-松の覚え書きとしても使用の予定。事実関係は間違いに気付き次第 訂正。同人誌発表時のものも今回自粛配慮して、実名、エピソード等を削除した箇所有り。有り難い事に某出版社よりすでに出版打診があったがまだまだその時期ではない、マンガを描く事が苦痛になったら活字の方も気分転換にいいかも…。 /*マークは今後書き加える予定のメモと心得たし。 ●前史/修行時代・1970 さいとうプロの短くて濃い日々…… 1968年に上京。数カ月後東京は戦場に。熱い季節の始まりだった。 2年後親元を飛び出し友人のアパートに転がり込む。場所は渋谷から井の頭線で駒場東大駅下車、徒歩5分。地図で見ると現在の駒場公園あたり。昼間でも裸電球を付けなければ真っ暗という馬小屋のような部屋。数メートル先には当時の建設大臣の豪邸が…。前を通りかかるだびに警備のおまわりがじろり。 いつまでも友人に迷惑もかけられないのでとりあえずアシスタントでも…と手元にあったマンガ誌をひっくり返し募集を探す。幸いさいとうプロと横山まさみち氏のところでアシ募集があり両方応募。どっちか一つ通れば…と思っていたら何と両方受かってしまい、双方に条件を聞く。当時高円寺 のアパート、風呂無し4畳半の部屋で相場12000円の時代。前者一ケ月の給料10000円、後者20000円との事。給料の方がボロアパートの家賃より安いとは…!どう考えても前者は食う方法がないと判断し、後者さいとうプロへ入社。 ここに居たのはたったの半年に過ぎないけれど今思えばこれだけで本が一冊描ける位の濃い半年だった。しかしこのあと2X年分も書かねばならないことを思えば今回はいくつかのエピソードを書くだけに留めよう。 ダー松が入った時は小池一夫氏[クビ?]、神田たけ志氏や神江里見氏、きしもとのり氏[現・松文館社長]等と入れ替わりの時で、きし氏の女遊びの凄さと神江氏の絵のうまさは伝説になっていた。現在「亀有」「ゴルゴ」が歴代単行本の巻数の多いベスト1、2位だが[ともに100巻を越えた]、3位は神江氏の「弐十手物語」[70巻以上]だという事は知ってる人は少ないだろう。 当時の制作部は、さいとうたかを[以下ゴリ]をトップに石川班[ゴルゴ13、影狩り]、甲良班[バロム1]、竹本班[シュガー、どぶ等]の3つに分かれ、それぞれのキャップにサブ・チーフが一人づついて、ヒラが2~6人いるというシステムで総16名。独立し現在も活躍中の叶精作、小山ゆう、やまさき拓味の3名がそれぞれの班のサブ・チーフ。ダー松は石川班で左右1メートル以内に叶氏とゴリにはさまれ、のんびり出来ない状態で、はなはだ窮屈。叶氏はほとんどマンガ家になりたいとも思った事のなかった人で、設計事務所みたいなところで図面を引いていた人がなぜマンガプロダクションに来たのか不思議だった。格別マンガ好きというわけでもなかったせいか現在まで全ての作品が原作もので、オリジナルは一本もないのはそのせい?祭りなどの人がうじゃうじゃ出てくる群集場面が得意。 やまさき氏は大の競馬好き、現在競馬マンガを多く描くのは当時からの趣味が生きたというべきか。もう一つの趣味である風俗についてはここでは書くのは差し控えよう。小山氏は後日ここの事務の女性と結婚するが、当時はつき合っているとは誰も知らず、スタッフの一人がやめる時その女性に交際を申し込んだら、茶店に呼び出されて小山氏からと凄まれたと聞いたが嘘か本当かは不明。 ここでの生活は新入り[ダー松を含めて3名]は朝の9時前に会社に行き、タイムカードを押し、前日のごみをひとまとめして外に出し、トイレ掃除をして、16人分のお茶を2Fで入れて制作部のある3Fへの狭い階段をふらふら昇り、机ごとに置いて歩き、��れば、一息ついて買っておいたパンと牛乳を3分で食べて、やっとそれから仕事。しかし新入りの3名の内1人折茂は常に遅刻なのでいつも佐藤と2人でやっていた。佐藤も遅れる時はダー松1人で。辞めてから10年位、16人分のお茶を持って階段をふらふら歩きお盆をひっくり返す夢をよく見たものだが、実際ひっくり返したのは折茂と佐藤の2人で、よく茶碗を割っていた。 たまには夕方6時には帰れるが、普通は夜10時までで、アパートに帰って銭湯に行けばもう明日にそなえて寝る時刻、このくり返しの日々。週1日は徹夜で明け方に帰り、その時は当日の昼12時出勤。休日は日曜日のみで忙しい時はそれも取り消し。つまり休みは月3日。[これで給料2万円!]そんな日々の繰り返し。 夕方までは皆和気あいあいと仕事していたが、ゴリが夕方6時頃に「おはようさん」と現れると、全員無駄口がたたけなくなり、仕事場はシーンと静まり返り、以下その日が終わるまでは疲れる時間がただひたすら流れるのみ。 当時石川班は「ゴルゴ13」と「影狩り」を描いていたがゴリは主人公の顔と擬音のみ。マジックで最後に入れる擬音はさすがに入れる位置がうまいと感心。ゴルゴの顔はアルバムに大小取り混ぜてコピーがとってあり、忙しい時は叶氏がピンセットで身体に合わせて「これが合うかな~」といった感じで貼り付けていた。 その頃すでに「ゴルゴ」は近々終わると噂されていたが、現在もまだ続いているとは感嘆ものだ。 ゴリと石川氏が「ゴルゴ」の最終回の終わり方を話しているのを聞いたら、何ともつまらない終わり方。しかしあれから20年以上も経つ事だし、きっともっといい終わり方を考えてあるだろうなと思っていたら、先日TVで本人が最初から考えてある終わり方だと言うのを聞き、がっくり。企業秘密だろうから書かないが、作品の最初の方に伏線が数度出ているのでわかる人にはすぐわかる筈。 辞めた小池一夫氏とさいとうプロに何があったかは知らないが、漏れ聞く話では結構もめ事があったみたいだ。 「子連れ狼」で「ゴルゴ13」と同じ設定の回があった時、「小池のガキャー訴えたるー!」とゴリが吠えていたものだが、結局たち消え。さいとうプロ作品で脚本を書いた本人が辞めた後、他の作品で同趣向の作品を書いても著作権は脚本を書いた原作者のものだと思うがどんなものだろう。その回のタイトルは忘れたが、ある場所に居合わせた人々が武器を持った集団の人質となり、その中に素人だと思われていた主人公、実は殺しのプロフェッショナルがいて、次々とその集団を殺していく、といったプロットで、ミッキー・スピレーンの短編に同じような作品があり、本当に訴えていたら恥をかいたと思うが・・・。 そういえば事務の方には山本又一郎という男がいたが、後年映画プロデューサーとして 「ベル薔薇」や「太陽を盗んだ男」等を創る事になるが、この野郎が生意気な男で当時皆に対して10歳は年上、といった感じの振る舞いだったが後日俺と一つしか年が離れてなかった事を知り、そんな若造だったとは、と皆怒ったものだ。以来奴の事を「マタさん」から「クソマタ」と呼ぶようになる。 さて半年後に先輩たちが積もり積もった不満を爆発させる反乱事件が勃発し、2年は居るつもりでいたここでの生活も、辞めるか残るかの選択を迫られる。残ればさいとうプロの現体制を認める事となるので、ダー松も退社。 しかし反乱グループとは別行動をとって一人だけの肉体労働のアルバイター生活へ突入。超ヘビーな労働の製氷工場、人使いの荒い印刷所、命綱もない高所の足場で働く建設現場等々。トラックの助手をしていた時は運ちゃんが「本宮ひろしって知ってるか?うちの息子の友達でさぁ、昔、おっちゃんメシ食わしてくれーなんて言ってきたもんだが、今は偉くなっちゃってさー、自分のビル建てたらしいよ。赤木圭一郎みたいにいい男なんだ。」とうれしそうに話してくれたが、運ちゃんには悪いがそいつは今も昔も一番嫌いなマンガ家なんだ。あの権力志向はどうにかならんか。天下を取る話ばかりだもんなぁ。 ところで後日、単行本の解説で高取英が「さいとうたかをのヤローぶっ殺してやる!」とダー松が言ったなどと書いているが、小生はそんな危ない事言った覚えはないのでここできっちり訂正しておきます。 「会社に火ィつけてやる!」位は言ったかも・・・[嘘] 。 悪口は言っても別に怨みなど無い。ところでアシスタントとしてのダー松は無遅刻、無欠勤以外は無能なアシだったと反省しきり。理想的なアシスタントとはどんなものか、それはまた別の機会に。 *入社試験はどんな事を? *さいとうプロには当時ほとんどろくな資料は無かった? *ハイジャックの回の飛行機内部の絵は、映画「大空港」を社内カメラマンが映画館で写してきたものをもとに描く。 *当時のトーンは印刷が裏面にしてあり上からカッターでけずったり出来ない。 *トーンの種類は網トーンが数種、それ以外はほんの3、4種類位しかなかった。 *仕事中のB.G.M.はアシの一人が加山雄三ばかりかけるので大ひんしゅく。好評だったのは広沢虎造の浪曲「次郎長三国志」、初代桂春団次の落語。眠気もふっとぶ位笑えた。 ダ-松が岡林信康の「見る前に跳べ」をかけてるとゴリは「何じゃー!この歌は!」と怒る。名曲「私たちの望むものは」はこの男には理解不能。 ●1 9 7 1 ~ 1 9 7 4 持 ち 込 み & 実 話 雑 誌 時 代 当時は青年劇画誌全盛時代で、もともと望月三起也氏や園田光慶氏のファンで活劇志向が強く、 主にアクションもののマンガを描いて持ち込みに行っていた。今のようにマンガ雑誌が溢れかえって、山のようにマンガ出版社がある時代ではなく、数社廻るともう行くところがない、という状態で大手では「ビッグコミック」があっただけで 「モーニング」も「スピリッツ」も「ヤン・ジャン」も当然まだない。テーマを盛り込んだ作品を持って行くと編集から「君ィ、うちは商売でやっているんだからねぇ」と言われ、アクションに徹した作品を持って行くと「君ぃ、ただおも��ろいだけじゃあねぇ」と言われ 「おい、おっさん!どっちなんだ?」とむかつく事多し。この辺の事は山のように書く事があるが、有りすぎるのでパス。 *そのうち書く事にする。 ただ金属バットで頭をカチ割って脳みそをぶちまけてやりたいような奴が何人もいたのは事実。今年[’97]「モーニング」に持ち込みに行って、断られた奴が何万回もいやがらせの電話をかけて逮捕された事件があったが、そのうちトカレフを持って殴り込みに行く奴が出てくるとおもしろい。出版社も武装して大銃撃戦だぁ!などと馬鹿な事書いてどうする!とにかく持ち込みにはいい思い出が何もない。そんな中、数本だけ載った作品は渡哲也の映画「無頼」シリーズの人斬り五郎みたいな主人公がドスで斬り合う現代やくざもの[この頃の渡哲也は最高!]、ドン・シーゲルの「殺人者たち」みたいな二人組の殺し屋を主人公にした『汚れたジャングル』、陽水の「傘がない」が好きだという編集さんの出したテーマで車泥棒とブラックパンサーの闘士とのロード・ムービー風『グッバイ・ブラザー』、拳銃セールスマンを主人公にした『ザ・セールスマン』、等々10本ちょい位。 さてその頃並行してまだエロマンガ専門誌といえるようなものがなかったような時代で、実話雑誌という写真と記事ページからなる雑誌に4~10ページ位を雑誌の味付けとして描かせてもらう。当時、お手本になるようなエロマンガなど皆無で、エロ写真雑誌を古本屋で買ってきてからみのポーズを模写。マンガで裸を描く事はほとんど初めてで、これがなかなか難しいのだがエロシーンを描くのは結構楽しい。当時出版社に原稿持って行き帰りにグラフ誌をどっともらって帰るのが楽しみだった。SM雑誌の写真ページも参考になる。なお当時のペンネームは編集部が適当につけた池田達彦、上高地源太[この名前はいけてます。また使いたい]等。その数年後、逆にマンガが主で記事が味付けというエロマンガ誌が続々と創刊される。 *さいとうプロをやめたあと編集や知人に頼まれて数人のマンガ家の所へ手伝いに行く。秋田書店「漫画ホット」で『ジェノサイド』を連載中の峰岸とおる氏の所へ行き、仕事が終わったあとまだ売れてない頃の榊まさる氏も交え酒を飲む/川崎のぼる大先生のところへ数日だけ/3000円たこ部屋/小山ゆうオリオンププロ *当時のアルバイトは記憶によると時給150~200円位/大日本印刷市ヶ谷駐屯地/坂/ *一食100円/どんなに貧しい漫画家もみかん箱の上で書くやつはいない/TV萩原サムデイ *ろくでなし編集者 ●1 9 7 5 ~ エ ロ マ ン ガ 誌 時 代 に 突 入 実話誌は意外とエロは抑え目で描くように口すっぱく言われていたのだが、以前活劇っぽい作品を描かせてもらってたが潰れてしまった出版社にいた児島さんが編集する「漫画ダイナマイト」で打合せも何にもなしに好きに描かせてもらい、ここでエロマンガ家としての才能[?]が開花する。描いてて実に楽しく眠る時間がもったいない位で、人に睡眠時間が必要な事を恨んだ程。出来る事なら一日中休まず描いていたい気分で完全にはまってしまう。 初の連載作品「屠殺人シリーズ」はこの頃から/『漫画ポポ』。中島史雄氏は大学時代にこの作品を見ていたとの事で、トレンチコートにドクター・ペッパー模様のサイレンサーつきマグナム銃で遊戯人・竜崎一也が犯しまくり殺しまくり、サディスト、マゾヒスト、殺人狂、まともな奴が一人も出てこない性と暴力の祭典。ちなみにタイトルページは描かないでいい、との事でどうするのかと思っていたら編集部が中のワンカットを拡大してタイトルページを創り、1ページぶんの原稿料をけちるというせこいやり方だった。けちるといえば、原稿の1/3にCMを入れる際、原稿料を1/3削った会社もあり。 ●1 9 7 6 ~ 後に発禁仲間となる高取英と出逢い、『長編コミック劇場』で「ウルフガイ」みたいのをやろうと、怒りに震えると黒豹に変身してしまう異常体質の主人公を設定し、獣姦のイメージで「性猟鬼」なるエロマンガをスタート!しかしその号で雑誌が潰れる。この路線は今でもいけそうな気がするがどんなものだろう。 この頃の珍品に「快楽痴態公園」がある。タイガースに11-0とワンサイドで打ちまくられ、怒ったジャイアンツファンのおっさんが公園でデート中の��をずこずこに犯りまくり、その間にジャイアンツは9回裏に12-11とゲームをひっくり返してしまうのである!その時のジャイアンツの監督はもちろんミスター長嶋、先発堀内、打者は柴田、土井、高田、王、張本等々がいる。タイガース監督は吉田、ピッチャー江本、キャッチャーフライを落球する田淵、そしてあの川藤もいる。解説は牧野…… ●1 9 7 7 ~ 上記2作品を含む初の単行本「肉の奴隷人形」が久保書店より発行。後にリングスの会場で逢った佐竹雅昭氏はこの本が一番好きとの事だった。 「闇の淫虐師」もこの年スタート。一話完結でバレリーナ、バトンガール等々、毎回いろんな女たちをダッチワイフのごとくいたぶりまくるフェチマンガとして1979年まで続け、単行本は「堕天使女王」「裂かれた花嫁」「エロスの狂宴」「陶酔への誘い」「終りなき闇の宴」の全5巻。ちなみに今年「闇の淫虐師’97」を『コミック・ピクシィ』にて発表。いつか『闇の淫虐師・ベスト選集』でも出したいところ。 [’98に実現、’99には続刊が出る] ●1 9 7 8 ~ 久保書店より第2弾の単行本「狂った微惑人形」。収録作品の「犯された白鳥」は持ち込み時代に描いた初のバレリーナもの。結構気に入っていた作品なのに、後年再録の際、印刷所の掃除のおばさんが捨ててしまい、この世にもはや存在しない不幸な子となる。[’99に宝島スピード・ブックに本より直接スキャンして収録] エロ、グロ、ナンセンスの会心作「恍惚下着専科」を発表。サン出版より同名の単行本発行。また同出版より「コミック・ペット/堕天使画集」として今までの作品を続々単行本化。全10巻位。これは今でも古本屋で流通しているとの事で、まだまだ世間様のお役にたっているらしい。 この年、「堕天使たちの狂宴」を描いていた『漫画エロジェニカ』が発禁処分、来年でもう20年目となる事だし、当時の人たちと集まってその大放談を収録し「発禁20周年特集号」でも創ってみようかと計画中。さて当時の秘話としてもう時効だろうから書いてみるけど、前述の『堕天使画集』に「堕天使たちの狂宴」は収録される事となり、当然修正をガンガン入れて出版されるものと覚悟していたら、米国から帰国後出来上がった本を見ると発禁になった状態のまま再録されている!以下桜木編集長との会話 ダ/いや~、いい度胸してますね。 編/だって修正してあるじゃない。 ダ/その修正状態で発禁になったんですよ 編/・・・・・ ダ/・・・・ 以下どんな会話が続いたのか失念…… それにしてもサドの「悪徳の栄え」の翻訳本は発禁後20年以上して復刻されたけれど、「堕天使たちの狂宴」���半年もしない内に単行本になっていたとはエロ本業界とは何といいかげんな世界!しかし作品そのものは、今見るとリメイクする気にもならないどうという事もない可愛い作品で、結局あれもあの時代の姑息な政治のひとかけらに過ぎなかったのだろう。いい点があるとしたら一つだけ、それまでのエロマンガになかった瞳パッチリの少女マンガ的ヒロインを登場させた事位か。今の美少女エロマンガは本家の少女マンガもかくや!という位眼が大きいが当時としては画期的だったかも。 ●1 9 7 9 ~ この年の「淫花蝶の舞踏」は「堕天使たちの狂宴」よりずっといい/『漫画ソフト』。今年出た「別冊宝島/日本一のマンガを探せ!」でベスト2000のマンガがセレクトされているが、ダー松の作品の中ではこの作品が選ばれている。教師と生徒、二人の女たちが様々な男たちの手によってに次々ともてあそばれ、闇の世界を転々として再び巡り会う時、女たちは蝶と化し水平線の彼方に飛び去り、男たちは殺し合い血の海の中で屍と化す。ダー松作品にはこのように男根が女陰の海に飲み込まれてに負けるパターンが多い。[性狩人、遊戯の森の妖精、美少女たちの宴、人魚のたわむれ・・等々] この年からスタートの「性狩人たち」シリーズ[劇画悦楽号]はバレエ、バイオレンス、SEXの三要素がうまくからみあい、それぞれが頂点まで達する幸福な神話的作品だ。ここから派生した路線も多く、美少年路線は’83の「聖少女黙示録」へ。身体障害者路線は’80の「遊戯の森の妖精」、’84からの「美姉妹肉煉獄」へと繋がる。’81の最終話「ハルマゲドンの戦い」ではせりふなしで24ページ全てが大殺戮シーンという回もあり、中でも一度やりたかった見開きで銃撃戦の擬音のみという事も実現。こんな事がエロマンガ誌で許される時代だった。ちなみにこの回は[OKコラルの決闘・100周年記念]だが、何の意味もない。単行本は最初サン出版より、その後久保書店より「白鳥の飛翔」「少女飼育篇」「ヘラクレスを撃て!」「眼球愛」「海の女神」の全5刊。現在入手出来るのは後の3刊のみ。[「海の女神」も最近在庫切れ] この年出た「人魚のたわむれ」の表題作は性器に{たこ}を挿入するカットを見た編集長が「・・・[沈黙]・・・頭おかしいんじゃ・・ブツブツ・・気違い・・・ブツブツ・・・」と呆れてつぶやいていたのを記憶している。たこソーニューは今年出た「夜顔武闘伝」で久しぶりに再現。なおこの作品は’83にマンガと実写を噛み合せたビデオの珍品となる。水中スローモーションファックがなかなかよい。 ●1 9 8 0 ~ なぜか「JUNE」の増刊として作品集「美少女たちの宴��がサン出版より出版され、その短編集をもとに脚本化し日活で映画が創られる事となる。[「花の応援団」を当てたこの映画の企画者・成田氏は日活退社後「桜の園」等を創る。]その際、初めて映画撮影所を見学し、せこいセットがスクリーン上ではきちんとした絵になってるのを見て映画のマジックに感心。タイトルはなぜか「性狩人」で、’96にビデオ化された。監督・池田敏春のデビュー第2作となり現在までコンスタントに作品を発表しているが、出来のいい作品も多いのになぜか代表作がない。初期の「人魚伝説」が一番いいか。 この映画に合わせて「美少女たちの宴」を2~3回のつもりで「漫画ラブラブ」で描き出すがどんどん話がふくらみ、おまけに描いてる出版社が潰れたり、雑誌が潰れたりで雑誌を転々とし条例による警告の嵐がきた「漫画大飯店」を経て、「漫画ハンター」誌上で完結したのは’83になる。この作品でクリトリスを手術してペニスのように巨大化させるという人体改造ものを初めて描く。 この年の「遊戯の森の妖精」は身体障害者いじめ鬼畜路線の第2弾!森の中の別荘に乱入したろくでなしの二人組が精薄の少女の両親達を虐殺し、暴行の限りをつくすむちゃくちゃな作品で、雷鳴の中、少女の性器に男達のペニスが2本同時に挿入されるシーンは圧巻!しかしこのとんでもない男達も少女の性のエネルギーに飲み込まれ、朽ち果てていく・・・。 ●1 9 8 1 ~ 美少女マンガ誌のはしり「レモン・ピープル」誌創刊。そこで描いたのが「白鳥の湖」。虚構の世界のヒロインを犯すというコンセプトは、アニメやゲームのヒロインをずこずこにするという今の同人誌のコンセプトと同じかも。バレエ「白鳥の湖」において悪魔に捕われたオデット姫が白鳥の姿に変えられる前に何にもされてない筈がないというモチーフにより生まれたこの作品は、悪魔に男根を植えつけられたヒロインが命じられるままに次々と妖精を犯して歩き悪魔の娘となるまでを描くが、あまり成功したとは言えない。ただ人形サイズの妖精をしゃぶりまくり淫核で犯すアイデアは他に「少女破壊幻想」で一回やっただけなのでそろそろもう一度やってみたいところ。「ダーティ松本の白雪姫」はその逆をいき、犯す方を小さくした作品で7人の小人が白雪姫の性器の中にはいり、しゃぶったり、処女膜を食べたり、と乱暴狼藉![ちなみに両者をでかくしたのが同人誌「FUCK YOU!3」の「ゴジラVSジュピター」]この童話シリーズは意外と好評で続いて「ダーティ松本の赤い靴」を上記の単行本に描き下ろして収録。童話は結構残酷なものが多く、この作品も切られた足だけが荒野を踊りながら去って行くラストは原作通り。 *近年童話ブームだがこの頃もっと描いておけば「こんなに危ない童話」として刊行出来たのにとくやまれる。 「2001年快楽の旅」もこの本に収録。快楽マシーンを逆にレイプしてしまう、珍しく映画「2001年宇宙の旅」風のSF作品。 掲載誌を決めずに出来る限り多くのマンガ誌で描こうというコンセプトで始めたのがこの年スタートした「怪人サドラン博士」シリーズ。「不死蝶」シリーズや「美少女たちの宴」シリーズの中にも乱入し、「漫画ハンター」最終号では地球をぶっ壊して[その際地球は絶頂の喘ぎ声をあげ昇天する!]他の惑星へ行ってしまう。今のところ10誌位に登場。いつかこのサドラン・シリーズだけ集めて単行��化したいところ。ちなみに「サド」と「乱歩」を足して「サドラン博士」と命名。作者の分身と言っていい。 [後年、「魔界の怪人」として全作品を収録して刊行、04年現在品切れ中] この年描いて’82の単行本『妖精たちの宴』に収録の「とけていく・・」はレズの女たちが愛戯の果てに、肉体が溶けて一匹の軟体動物と化す、タイトルも内容も奇妙な作品。作者の頭もとけていた? ●1 9 8 2 ~ 1 9 8 3 ’83年に「美少女たちの宴」が完結。全てが無に帰すラストのページは真っ白のままで、このページの原稿料はいりません、と言ったにもかかわらず払ってくれた久保書店、偉い![明文社やCM頁の稿料を削った出版社=某少年画報社なら払わなかっただろうな……と思われる……]この作品以外は短編が多く、加速度をつけてのっていく描き方が得意のダー松としてはのりの悪い時期に突入。また10年近く走ってきてだれてきた頃でもあり第一次落ち込み期と言っていい。マンガがスタンプを押すように描けないものか、などとふとどきな考えまで湧いてくる。思えば一本の作品には、いったい何本の線を引いて出来上がっているものなのか。数えた馬鹿はいないだろうが数千本は引いている筈。一ヵ月に何万本とペンで線を引く日々・・うんざりする筈です。 この頃のめぼしい短編をいくつか書くと、少女マンガ家の家に税務調査にきた税務署員が過小申告をネタにねちねちいたぶるが、アシスタントに発見された署員は撲殺される。そして板橋税務署は焼き討ちにあう、といった作品「[タイトル失念]xx税務調査」。[後日読者よりこのタイトルを「色欲ダニ野郎」と教えていただく。ひどいタイトル *編集者のつけるタイトルはその人のセンスが実によくわかる。しかしサイテ-の題だなこりゃ…。 果てるまで「おまんこして!」と言わせながら処女をやりまくる「美処女/犯す!」はラスト、狂った少女が歩行者天国の通行人を撃ちまくり血の海にする。「嬲る!」はパンチドランカーとなった矢吹ジョーが白木葉子をサンドバッグに縛りつけ、殴って、殴って、殴りまくる。段平おっちゃんの最後のセリフ「・・ブスブスくすぶっちゃいるが・・・」「打てッ!打つんだ!ジョー!」「お前はまだ燃えつきちゃいねえ!」とはエロ・ドランカーの自分自身に向けて発した言葉だったのかも。トビー・フーパーばりの「淫魔のはらわた」は電気ドリルでアナルを広げてのファック!とどめにチェーンソーで尻を切断!いまだに単行本に収録出来ず。[’98の「絶頂伝説」にやっと収録]「からみあい」は夫の愛人の性器を噛みちぎる。「危険な関係」はアルコール浣腸をして火をつけ尻から火を吹かせる。この手は『FUCK YOU!2』の「セーラー・ハルマゲドン」で復元。そういえばこの作品の序章と終章だけ描いて、間の100章位をとばすやりかたはこの頃の「禁断の性獣」より。女性器にとりつき、男性器に変身するエイリアンの侵略により地球は女性器を失い滅亡する、といったストーリーで当時聞いた話では谷山浩子のD.J.でこの作品がリスナーの投書でとりあげられ、ダー松の名はダーティ・杉本と読まれたそうな。ヒロインの少女がひろ子という名前なのでこのハガキが選ばれたのかもしれないが、作者は薬師丸ひろ子からとったつもりだったのだが・・。[別にファンではない。] 「女教師狩り」は映画館で観客に犯される女教師とスクリーン上の同名のエロ映画の二本が同時進行し、一本で二本分楽しめるお得な作品。 ’83は’80に「漫画エロス」にて描いた「エロスの乱反射」の最終回の原稿が紛失したため単行本が出せないでいたのを、またまた「仏の久保さん」に頼んでラスト近くをふくらませて「漫画ハンター」に3回程描かせてもらい、やっと’85に出版。見られる事に快感を覚えるファッション・モデルが調教される内に、次第に露出狂となっていき、街中で突然裸になって交通事故を起こさせたり、最後はビルの屋上でストリップショー。そしてカメラのフラッシュの中に飛び降りていき、ラスト1ページはその性器のアップでエンド! 本格美少年・ゲイ・マンガ「聖少女黙示録」も’83。レズの姉たちの手によって女装に目覚めた少年がホモのダンサーたちに縛られなぶられ初のポコチンこすり合いの射精シーン。そして性転換して女となった主いるが、その中の’84の「白い肌の湖」はタイトルで解る通りのバレリーナものだがポコチンを焼かれた男が、一緒に暮ら人公が手術で男になった少女と暮らすハッピーエンド。この作品は単行本「美少女ハンター」に収録されてす二人の女と一人の男に復讐するエンディングがすごい!まず男の性器を切り取り、片方の女の性器にねじ込んだあと、その女の性器ごとえぐり取る。そしてその二つの性器をつかんだまま、もう一人の女の性器にフィストファック!のあげく、その二つの性器を入れたままの女性器をナイフでまた切って、ほとんどビックマック状態でまだヒクヒクうご���く血まみれの三つの性器を握りしめるとんでもない終り方!全くダー松はこんな事ばかりやっていたのかとあきれかえる。もう鬼畜としか言い様がない!しかし「ウィンナー」を二枚の「ハム」で包むなんて・・GOODなアイデアだ、又やってみよう。 ●1 9 8 4 ~ 「漫画ハンター」で「闇の宴」前後篇を描き、後日これをビデオ化。雪に包まれた六本木のスタジオで痔に苦しみながらの撮影。特別出演として中島史雄氏が絶妙の指使い、東デの学生時代の萩原一至が二役、取材に来たJITAN氏もスタジオに入ってきた瞬間、即出演で生玉子1000個の海で大乱交。カメラマンが凝り性で照明が気に入るまでカメラを廻さず、たった二日の撮影はやりたい事の半分も出来ず。撮影が終ると痔はすぐに完治。どうもプレッシャーからくる神経性だったみたいでこれに懲りてビデオは一本のみ。 この年の「肉の漂流」は親子丼もので、近所の書店のオヤジからこの本はよく売れたと聞いたが、一時よく描いたこのパターンは最近では「FUCK YOU!3」の「母娘シャワー」のみ。熟女と少女の両方が描けるところが利点。「血の舞踏」は久しぶりの吸血鬼もの。股間を針で刺し、噛んで血を吸うシーン等々いい場面はあるが、うまくストーリーが転がらず3回で止める。短編「果てるまで・・」は核戦争後のシェルターの中で、父が娘とタイトル通り果てるまでやりまくる話。被爆していた父が死んだ後、娘はSEXの相手を捜して黒い雨の中をさまよう。 またリサ・ライオンの写真集を見て筋肉美に目覚め、マッチョ女ものをこの頃から描き出す。しかしなかなか筋肉をエロティックに描くのは難しい。 ●1 9 8 5 ~ くたびれ果ててすっかりダレてきたこの頃、8年間働いてくれたアシスタント女史に代わってパワーのかたまり萩原一至、鶴田洋久等が東京デザイナー学院卒業後加わってダーティ・マーケットも第2期に突入!新旧取り混ぜておもしろいマンガをいろいろ教えて貰って読みまくる。「バリバリ伝説」「ビーバップハイスクール」「ペリカンロード」「めぞん一刻」「わたしは真悟」「Be Free!」「緑山高校」「日出処の天子」「吉祥天女」「純情クレイジー・フルーツ」「アクター」「北斗の拳」「炎の転校生」「アイドルをさがせ」「綿の国星」「いつもポケットにショパン」「バツ&テリー」「六三四の剣」永井豪の絶頂期の作品「バイオレンス・ジャック」「凄之王」「デビルマン」等々100冊以上とても書ききれない位で、う~ん・・マンガってこんなにおもしろかったのか、と感動! そこで眠狂四郎を学園にほうり込んで、今まであまり描かなかった学園マンガをエロマンガに、というコンセプトで始めたのが「斬姦狂死郎」。「六三四の剣」ばりに単行本20巻を目指すものの、少年マンガのノリは今では当たり前だが、当時はまだエロマンガとして評価されず、ほんの少し時代が早すぎたかも。’86に中断、今年’97に「ホリディ・コミック」にて復活!果たしていつまで続けられるか? →後に「斬姦狂死郎・制服狩り」、「斬姦狂死郎・美教師狩り」として刊行完結 前年末から始めた「美姉妹肉煉獄」は身障者いじめの鬼畜路線。盲目の姉とその妹を調教して性風俗店等で働かせ、娼婦に堕していく不健全・不道徳な作品で、肉の快楽にひたっていく盲目の姉に対し妹も「春琴抄」の如く己の眼を突き、自らも暗黒の快楽の世界にはいり、快楽の光に目覚めるラスト。 また、これからは女王様物だ!となぜか突然ひらめき「筋肉女」シリーズの延長としてフィットネス・スタジオを舞台に「メタル・クイーン」シリーズも開始。これは単行本2冊分描いたが、連載途中でヒロインの髪型を歌手ステファニーのヘア・スタイルにチェンジしたり、レオタードもたっぷり描けてわりと気に入っている。 10年近く描いた「美蝶」先生シリーズもこの年スタート!こうしてみるとマンガを描く喜びに満ちた大充実の年だったかも。 ●1 9 8 6 ~ この年は前年からの連載ものがほとんどだが、「エレクト・ボーイ」は空中でファックするシーンが描いてみたくて始めた初の超能力エロマンガ。コメディ的要素がうまくいかず2回で止める。この路線は翌年の「堕天使輪舞」で開花。 「夜の彷徨人」は自分の育てた新体操選手が怪我で選手生命を失ったため、その女を馬肉のごとく娼婦として夜の世界に売り渡した主人公という設定。しかし腕を折られ、女にも逆に捨てられ、そして事故によってその女を失ったあげく不能となってしまう。失った快楽を取り戻すため無くした片腕にバイブレーターを取りつけ、夜の街をさすらい次々と女たちをレイプしていくというストーリー。がっちり設定したキャラだったのにまったく話がはずまず、男のポコチンは勃起しないままに作品も不発のまま終る。 「斬姦狂死郎」が不本意のまま終わったため学園エロス・シリーズは「放課後の媚娼女」へと引き継がれる。当時見ていた南野陽子のTV「スケバン刑事・」とS・レオーネの「ウエスタン」風に料理。ラストの「男といっしょじゃ歩けないんだ」のセリフは一番好きな映画、鈴木清順の「東京流れ者」からのもじり。単行本は最初司書房から出て、数年後ミリオン出版から再販、そして’97久保書店より再々販ながら結構売れて今年また再版。この作品は親を助けてくれる有難い孝行息子といったところ。 ●1 9 8 7 ~ さいとうプロOBで那珂川尚という名のマンガ家だった友人の津田が「漫画ダイナマイト」の編集者になっていて、実に久しぶりに同誌で「堕天使輪舞」を描く。超能力エロマンガの第2弾。今回はエロと超能力合戦とがうまくミックスされ一応成功といっていい。この路線は「エレクト・ボーイ」とこの作品、そして’96の「夜顔武闘伝」も含めてもいいかも。一時、この手の作品は数多くあったが最近はめったに見かけない。しかし、まだまだこの路線には鉱脈が眠っているとにらんでいるがどんなものだろう。 ●1 9 8 8 ~ 「放課後の媚娼女」に続いて抜かずの凶一無頼控え「放課後の熱い祭り」を2年がかりで描く。’89に完結し司書房より単行本化。そして今年’97に改定してめでたく完全版として復刊!この頃が一番劇画っぽい絵で、たった2~3人のスタッフでよくこれだけ描き込めたなと改めて感心!エロシーンがちょっと少なめながら中島史雄氏がダー松作品でこの作品が一番好き、とお褒めの言葉を頂戴する。 TVで三流アマゾネス映画を見ている内、むくむくとイメージがふくらみ、昔から描きたかった西部劇と時代劇がこれで描けると、この年スタートさせたのが「不死蝶伝説」なるアマゾネス路線。昔々青年誌の創世期にあのケン月影氏がマカロニ・ウエスタンを描いていたことを知る人は少ないだろう。俺もあの頃デビューしていたらウエスタンが描けたのに、と思う事もあったが、このシリーズでほんの少しだけその願望がかなう。 この頃、アシスタントやってくれてた格闘技マニアの鶴田洋久に誘われ、近所の空手道場通いの日々。若い頃修行のため新宿でやくざに喧嘩を売って歩いたという寺内師範は、もう鬼のような人で、行けば地獄が待っていると判っててなぜ行く?と不思議な位休まず通う。体育会系はマゾの世界と知る。組手は寸止めではなく顔面以外は当てて可だったので身体中打撲のあざだらけ、ビデオで研究したという鶴田の体重をかけたムエタイ式の蹴りをくらい、右手が饅頭のように腫れ上がる。先輩たちの組手の試合も蹴りがもろにはいってあばら骨が折れたりで、なぜこんなヘビーな事をする?と思うが、闘う事によって身体の奥から何か沸き上がってくるものがある。スリランカの元コマンドと組手をやった時、格闘家の気持ちが少しだけ判るようになった。 ●1 9 8 9 ~ ’94まで続く「美蝶」シリーズでこの年は『ノスフェラトウ篇』を描き、シリーズ中これが一番のお気に入り。同人誌の「王夢」はこれが原点。 短編では「悪夢の中へ」はスプラッタ・エロマンガで久しぶりにチェーンソゥでお尻のぶった切り!はらわた引きずり出し、人肉食いちぎり!顔面叩き割り等々でラストに「ホラービデオの規制をするバカは俺が許さん!」などと書いているので、この年が宮崎事件の年か?世間は彼が日野日出志・作のホラービデオ「ギニーピッグ」を見てあの犯罪をおかした、としてさんざんホラービデオの規制をやっといて、結局見てもいなかったとわかったあとは誰一人日野日出志氏にもホラービデオさんにも謝らす゛知らんぷり。残ったのは規制だけで、馬鹿のやる事には全く困ったもんである。先日の「酒鬼薔薇・14才」の時も犯罪おたくの心理学者が、「これはマンガやビデオの影響です。」などと相も変わらずたわけた寝言をぬかしていたが、馬鹿はいつまでたっても馬鹿のまま。少しは進歩しろよ!お前だよ、お前!短絡的で幼稚な坊や、小田晋!よぅく首を洗っとけ!コラ! 「獣人たちの儀式」は退学者や少年院送りになつた生徒、暴走族、ヤクザ達が集まって酒盛りしながら女教師たちをずこずこにしてOB会をひらく不健全作品。編集長が「また危ない作品を・・・」とこぼしたものだが、岡野さん、田舎で元気にお過しでしょうか。この頃の「漫画エロス」には「ケンペーくん」だとか「アリスのお茶会」だとかおもしろい作品が載っていたものです。「爆走遊戯」は伝説のストーカー・ろくでなしマンガ家の早見純が一番好きな作品と言ってくれたが、なぜだかわからない。人の好みはいろいろです。以上3本は単行本「熱き唇の女神」に収録。 「ふしだらな女獣たち」はフェミニストの女二人が美少年をいじめる話。これは「氷の部屋の女」に収録。 ●1 9 9 0 ~ この年の「美蝶」シリーズは『ダンシング・クイーン篇』。マネキン工場跡でJ・ブラウンの「セックス・マシーン」にのせて5人プレイをするシーンや文化祭でのダンスシーン等々結構好きな場面多し。暗くて硬い作品が多いので、この「美蝶」シリーズは肩肘張らずに、かなり軽いノリでキャラクターの動きに任せて、ストーリーも、そして次のコマさえも先の事は何にも考えず、ほとんどアドリブで描いた時もある。 「不死蝶伝説」に続いてシリーズ第2弾「不死蝶」は2誌にまたがって2年位続ける。これも結構お気に入りの一遍。 ●1 9 9 1 ~ 1 9 9 3 「性狩人たち」の近未来版、といった感じの「夜戦士」は学園物が多くなったので、マグナム銃で脳天をぶっとばすようなものが又描きたくなって始めたミニシリーズ。全5話位。松文館より単行本「黒い夜と夢魔の闇」に収録。 この年から知り合いの編集者がレディス・コミックを始める人が多く、依頼されてどうしたものかと思ったが、エロなら何でもやってみよう精神と何か新しい世界が開けるかも、という事から’94位までやってみたものの結果的に不毛の時代に終わる。与えられた素材が体験告白物という事で、非現実的なものは描けないという事は得意技を封印して戦うようなもので苦戦を強いられ、これって内山亜紀氏がやまさき十三原作の人情話を描いたようなミス・マッチングで不発だったかな。今後、もしやることがあれば美少年SMのレディス・コミックのみ。そんな雑誌が出来れば、の話だが。 いくつかやったレディコミの編集の一人「アイリス」の鈴木さんは同じさいとうプロOBで、マンガ・アシスタント、マンガ家、マンガ誌の編集、そして今はマンガ学校の講師、とこれだけ多くのマンガに関わる仕事をしてきた人はあ���りいないだろう。これでマンガ評論でもやれば全て制覇だが・・・。 この頃はいつもと同じ位の30~40本の作品を毎年描いていたが、レディコミは一本30~40枚とページが多く結構身体にガタがきた頃で、右手のひじが腱傷炎になり1年以上苦痛が続く。医者通いではさっぱり痛みがひかず、電気針で針灸治療を半年位続けてやっと完治。その後、住んでいたマンションの理事長を押しつけられ、マンション戦争の渦中に巻き込まれひどい目にあう。攻撃するのは楽だが、話をまとめるなどというのは社会生活不適格のダー松には大の苦手で「お前等!わがままばかり言うのはいいかげんにしろー!」と頭をカチ割りたくなるような事ばかりで、ひたすら我慢の日々で血圧がガンガン上がり、病院通いの日々。確実に寿命が5年は縮まる。あの時はマジで人に殺意を抱いたものだが、今でも金属バット持って押しかけて奴等の脳みそをクラッシュしたい気分になる時もある。いつかこの時の事をマンガにしようと思っていて、まだ誰も描いてない「マンション・マンガ」というジャンル、タイトルは「我が闘争」。え?誰も読みたくない? この間に出た単行本は「血を吸う夜」、「赤い月の化身」「熱き唇の女神」[以上・久保書店] /「牝猫の花園」「真夜中の人魚たち」[以上久保書店]、「美蝶/放課後篇」「美蝶/ダンシング・クイーン篇」「不死蝶/鋼鉄の女王篇・上巻」[以上ミリオン出版]。 ●1 9 9 4 ~ 1 9 9 5 ろくでもない事が続くのは厄払いをしなかったせいか、このままここにいたら頭がおかしくなる、と15年以上いたマンションから引っ越し。板橋から巣鴨へ移動し気分一新!以前からうちもやりましょうよ、と言われていた同人誌創りをそのうち、そのうちと伸ばしてきたものの遂に申し込んでしまい、創らざるをえなくなる。しかもそれが引っ越しの時期と重なってしまい大いに後悔する。しかしいろんな人にお願いして何とか一冊でっちあげ、ムシ風呂のような夏コミに初参加。これが運命の分岐点。レディコミもこの年で切り上げ、以下同人街道をまっしぐら。現在まで「FUCK OFF!」が9まで、「FUCK YOU!」が4まで計10+&冊創る。 ’95からダーティ松本の名前にも飽きてきたしJr,Sam名でも描き始める。 レディコミ時代は松本美蝶。あと2つ位違うペンネームも考案中。 この間の単行本「氷の部屋の女」「双子座の戯れ」[久保書店]、「黒い夜と夢魔の闇」[松文館]、「危険な女教師/美蝶」[ミリオン] ●1 9 9 6 ~ 美少女路線の絵柄もこの年の「夜顔武闘伝」あたりでほぼ完成、今後また少し変化させる予定。しかしこの作品は超能力、アマゾネス、忍法エロマンガとでも呼ぶべきか。「グラップラー刃牙」みたいに闘技場での勝ち抜き性武道合戦までいきたかったけれど、残念ながらたどり着けず。 「冬の堕天使」は久しぶりの吸血鬼もの。都営住宅で生活保護をうけている吸血鬼母子のイメージが浮かび、そこから漫画家協会・加藤芳郎を撃つ有害図書騒動のマンガへ。吸血鬼少年が光の世界との戦い��旅立つまでを描き、「闇に潜みし者」は時空を越えて近未来での戦い。その間を描く作品を今後創らなければ。 「FUCK CITY 2006」はクソ溜めと化した近未来のTOKYOを舞台に久しぶりにダーティ・バイオレンスが炸裂!ハード・エロ劇画と同人誌風・美少女路線の合体は果たしてうまくいったかどうか?30ページほど描き足して、’97、9月にフランス書院のコミック文庫にて発売。[「少女水中花」] 「放課後の媚娼女」と「人形愛」刊行。[いずれも久保書店刊]前者は以前、上下巻だったのを一冊にまとめて。後者は近作を集めた同人時代を経ての初単行本で、同人誌を知らなかった読者はショックを受ける。メタルフアンから以下のようなお手紙を受け取る。「これはジューダス・プリーストの『ターボ』だ。ラストの『眠れる森の少女』は『レックレス』にあたる。しかしジューダスもその後『ラム・イット・ダウン』や『ペイン・キラー』という傑作を世に出した事だし、今後を期待したい」という意のダー松のようなメタルファン以外は意味不明の激励をうける。 ●1 9 9 7 同人誌「エロス大百科シリーズ」スタート!いろんな項目別に年2刊づつ計100ページ位を別刊シリーズとして出し続ければ10年で1000ページになり、以前「谷岡ヤスジ1000ページ」という枕に最適の本があったが、これも一冊にまとめて枕にして寝れば、目覚める頃は3回夢精しているなんて事に・・・などとまだたった40ページの段階で言っても何の説得力もないか。飽きたら2~3号でSTOPするだろうし・・。[推測通り「毛剃り」「美少年SM」「女装」3号でストップ中]冬にはやおい系にも進出の予定。 今年出した単行本は厚くて濃いエロマンガを集めた久保書店MAXシリーズ第2弾!「放課後の熱い祭り/完全版」と「夜顔武闘伝」オークラ出版。ともに大幅描き足して25周年記念出版として刊行。ティーツー出版よりJr,Sam名で「昼下がりの少女」、9月にはフランス書院より「少女水中花」の文庫本が出る予定で現在、この同人誌と並行して描き足し中。「斬姦狂死郎」第2部も「ホリディ・COMIC」誌にて6月よりスタート!年内創刊予定の『腐肉クラブ』なる死体姦専門のマンガ誌にも執筆予定。 さてさて25年間、旅行の時を除いて、現在まで2日続けてマンガを描かなかった事はほとんどない。これはその昔、伊東元気氏というマンガ家とお会いしたとき「今月何ページ描いた?」との問いに、「今月仕事ないんでぜんぜん描いてません」と答えたら、「そんな事じゃ駄目だ。仕事があろうがなかろうが、毎月100頁は描かなきゃ。」と言われ、以後その教えを守り[描けるページ数は減ったが]、マンガは仕事ではなくなり、朝起きたら顔を洗うのと同じで生活そのものとなり現在に至る。 今は何でも描けそうなハイな状態で、以前はたまには外出しないと煮詰まっ��しまうので週いち位ガス抜きをしていたものだが、最近はせいぜい月いち休めば十分の「純エロマンガ体」。[純粋にエロマンガを描くためだけの肉体、の意。ダー松の造語] こうしてふり返ると、この路線はまだえぐり足りない、これはあと数回描くべし、なぜこれを一度しか描かない!等々、残り時間にやるべき事、やりたい事の何と多い事! 爆裂昇天のその日まで・・・ 燃 え よ ペ ン ! なお続きは 1997年後期 1998年 INDEX
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Wish you the very best for 2021! I believe the whole world deserves a better year. This photo shows the first sunrise of the new year. I took it this morning at a small, old abandoned fishing port near my house. See how calm the sea is? I guess many people take it easy on January 1st unless their job require them to work. But here in this countryside, if you are a housewife and try to do most of the traditional customs, the morning of January 1st could be quite hectic, at least in the morning. Let me share how I welcomed the new year this time. 明けましておめでとうございます。 昨年あんなにも苦しんだ全世界、今年はどうぞより良い年に。
この写真は、今年の初日の出。うちの家の近くの、古い小さな漁港跡(通称清水の港)にて撮影。もぉ過去に記憶にないほどのべた凪で、ゆるやかな癒された気分になれました。 元旦の朝は、その日に仕事がある人々以外は、ゆっくりする人が多いのじゃないかとおもうけど。でも田舎では、伝統を守って行事をしようとするなら、家の主婦はけっこう身体が休まらないですよね、���なくとも午前中は。 ワタシの年越しは、こんなカンジでした。
The very first thing I do on January 1st is visiting a small Shinto shrine in my neighborhood. Yes, it’s a Japanese tradition to visit a shrine on the 1st day of the new year to pray for the good luck. But not everyone does that at midnight ASA the date changed. Well, in our neighborhood, we do. So usually, I work like crazy on New Year’s eve, finish most of the work by 7 or 8 pm and doze off while watching the nationally famous song battle program or something else on TV. But I cannot go to bed because the shrine visit is waiting. 新年の元旦の最初に私がすることは、近所のちいさな神社への初詣。 初詣に行く人々は多いでしょうが、必ずしも真夜中、日付が変わった瞬間じゃなくてもいいですよね。でもウチの近所ではそうなんで。
だから大晦日は、1日しゃかりきでやる正月準備が、だいたい夜7時か8時ごろに、干しするめを炙って割くのを最後に、終わり。そのあとは紅白か裏番組を見ながらウトウト、でも初詣があるので完全に寝に行くわけにいかない。
At the shrine, you hit the drum, ring the big bell, sit in front of the altar, throw money into the wooden box and pray. Then the caretaker will give you sake and a sweet. So in my neighborhood, the first taste that your palate feels in the new year is the taste of Sake. And the sake is supposed to have special blessing, being affected by the power of God of New Year. When leaving the shrine, what I see is the humble lights of the small community and dark Pacific Ocean with several lights of fishing boats. 神社に行くと、太鼓を叩き、鈴を鳴らし、祭壇の前に座ってお賽銭をあげ、お参りします。そのあと世話役の禰宜さんが、お神酒を注いで、お菓子を一つくれます。だからこの地区の住人で、日付が変わった途端に初詣をする人々にとっては、この一升瓶から注がれるお神酒が新年最初に口にする味なんですよ。たいてい土佐鶴(ただし今年は剣菱だった。私生まれて初めて剣菱が飲めたよ!) 帰りに神社の鳥居をくぐると目に入るのは、小さな限界集落のささやかな灯と、その向こうに横たわる太平洋の暗さに、ぽつぽつと点在する船の灯です。
ASA I get home, I take a hot bath to warm up my frozen body. But this time, there was an unexpected happening! When I tried to add some hot water from the faucet, no water came out! It was too cold that the water pipe of the electric heater froze! @o@ 家に着くと、すぐさま熱いお風呂に入って、凍った身体を温めるんですが。 今年は思わぬハプニングが!蛇口から熱いお湯を足そうとしたら、何も出てこない。寒さで、電気温水器の水道パイプが凍ったんだ!全く初めての体験です私にとっては。
After a night like that, it was hard to get up early before sunrise. But I got up anyway and I was glad to do that, after all. It was healing to see the calm ocean and wish good luck for the fresh start of the year. そんな夜の次の朝、日の出前に起きるのはツライ。(TT) でも結局起きて、やっぱりそうしてよかったと思いました。 このめったにない凪の海を眺め、新しい年の明ける最初の日の出を見て幸を願うのは、心癒されるモンです。
Then the busiest part of January 1st started when I got home. そして家に帰ると、元旦の、私にとって一番忙しい時が来る、と。
I sharpened kitchen knives (which I should have done at the end of last year), 包丁を研ぎ(なぜ昨年末にやっとかなかった)、
Using a daikon radish from dad’s veggie garden, made daikon threads for sashimi (sliced raw fish) plate, ウチの畑からの大根で、刺身のつまを作り、(ちなみにこの「けん突き」、たぶん昭和なご家庭にはたいていあったか、今もあるんじゃないかな。名前が「ベンリナー」ww)
Cut iron-cast plant leaves to decorate the sashimi plate, 刺身用に葉ランを切り(今回は母がこの役を拒否したので、これに時間をとられてしゃーない)、
Made Zoni soup for the special family ritual for the New Year’s Day. (I’ll post about the details of the ritual in a separate post.) 元旦のお歳とりの儀式のために雑煮を作り、(この儀式についてはまた追って投稿予定)
Finished the sashimi plate, covered it with plastic wrap and left it in the fridge. 刺身を盛って、ラップして冷蔵庫に入れとく。 そうです。私刺身の盛り方根本的にわかってないデス。 そのうち1回ちゃんと練習しよう。^^;; ← と確か去年も思ったなぁ...。
And I woke up my parents and the ritual took place for about 15 minutes? (Details to come later.) After that, it’s finally the time to enjoy New Year’s feast, Osechi.
そして、床の間で、新年の儀式を15分くらい? そのあとでやっと、おせちの時間です!
Mom arranged this plate of deep-fried food all by herself. Perhaps because of her dementia, she often shows a little obsessive-compulsive tendency. She tries to arrange foods on a plate in straight lines or in a perfect pattern. It takes such a L O N G time and she gets so sad when she has to give it up. Often she comes up with some artistic piece of work, so I’m hoping to give a constructive outlet to that tendency of her. The rest of the tiered boxes were packed by me.
この揚げ物の皿だけは、母が盛りつけたもの。 認知症のせいか、母はチョットOCDじみた傾向を見せる時があって、皿の上の食べ物を並べたりするときは、まっすぐとか完璧なパターンになってないと気がすまず、な~~~がいこと根詰めてやります。その出来がナカナカ独創的な時もあって、将来手芸とか何か建設的な方法で発揮させてあげたいんだけど。 残りの重箱類は私が嫌々、どーにでもなれ式に詰めたもの。私ほんっっっとに重箱詰めが大っっっ嫌いです。何十年たっても。
Usually my family eats this osechi feast as brunch. And usually, I'm too exhausted to taste anything properly. I seem to lose the ability to taste when I’m tired, which has nothing to do with COVID-19. Today, after eating, I went straight back to my room and went to bed to take a nap. After the nap, I felt so refreshed and our dinner -- basically the same food as our brunch today -- tasted way better then. :) 普通ウチではこのおせちを食べるのはブランチ的な時間帯で、たいてい私は疲れ切っててモノの味ほとんどわかりません。コロナに関係なく、私は前から疲れると味がわからなくなるタチのようで、料理人には向いてないですワ。
今日は、食べた後、部屋に帰ってすぐ昼寝。 起きたあとはリフレッシュされて、夜ごはんにおせちの続きを食べた時にはずっと美味しく感じました。 - - - - - So, that was how I welcomed the year 2021. And actually, the best part of the Jan. 1st for me is to come after my parents go to bed at night. Then I’ll have some drink in my room, alone, totally relaxed, and enjoying the leftover osechi, watching youtube or some movies on Amazon Prime. :) I think I deserve that. ま、こんなカンジの年越しでした。 で、元旦の私にとってベストな時間は、両親が寝に行った後なので。 その時間になったら、私は部屋で、一人で、完全にリラックスして、新年祝いの晩酌。 おせちの残りを食べながら、Youtube やら Amazon Prime を見ながら、のんびりと。 年末年始を頑張った自分に、そのくらいのねぎらいがあっていい。💕 ^^)
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#New Year's Day#New Year's feast#Osechi#Zoni#Sashimi#first sunrise of the year#first shrine visit of the year#Happy New Year#iron-cast plant#daikon radish#元旦#初日の出#おせち#刺身#けん突き#ベンリナー#雑煮
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ちょっとだけ、クラウドがホラーちっくなおはなしでっす。
なんでもOKの方推奨~~~~!
「クラウド!!!!」
目を離した刹那。本当にそれは一瞬で。 クラウドの身体を、ヤズーとロッズが放った銃弾が貫いていた。そして、次の瞬間、振りかぶった彼の大剣と沢山のマテリアから発動した魔法が衝突し、目も開けていられない程の白い爆発の後、どこを探しても、いくら名前を呼ぼうとも、世界中を何周としても、彼の姿はとうとう見つからなかった。 rêve ou réalité あの日の雨で星痕症候群の患者が救われて幾日が過ぎただろうか。エッジの街はまだまだ遠方から病を治しに来る人々でごった返している。世界中に降った輝くような雨は、それを浴びた人、もの、すべてを浄化したけれども、その時、デンゼルのように屋根の下に居た人も多く、噂を聞きつけた人々で伍番街の教会は連日中に入れないほどの人出だそうだ。混乱が生じるといけないので、リーブをはじめとしたWROが指揮をとっているらしい。仲間達も手が空いている者はそれを手伝っているという。 そんな中、ティファは一人、店を再開した。 手伝いには行かなかった。仲間達も来なくていい、十分だ、と言っていたし、寧ろ、店もやらずに休んでいたらいいんじゃないか、とも言われた。それというのも、あの日から、ティファは連日連夜、クラウドを探していた。そして、そうなることは傍目に見ても分かりきっていたのに、精神のバランスを崩してしまったのだ。 特に深刻なのは睡眠だった。 ティファは、夢を見る。 その夢では、皆が見守る中、クラウドは教会の泉の中に現れて、ただいま、と言った。そして、マリンとデンゼルと4人で手を繋いで、セブンスヘブンに帰ってきた。仲間達皆で祝杯をあげてご馳走を食べて、これでもかと酔いつぶれてそして、二人、同じベッドで眠った。 「…ティファ?」 ふと、柔らかい音が響て、ティファは瞼を開いた。 「…マリン。…ごめん、寝てた?」 「うん。…あのね、そろそろ酒屋さん来る時間だな、って思って」 重たい瞼を持ち上げて、ティファは時計を見た。いつから意識を失っていたのか。確かに、もうすぐ納品の車が来る時間だ。 「もうこんな時間だったんだ。起こしてくれてありがとう、マリン」 マリンは少しだけ眉をよせて、うん、と小さくうなずいた。 睡眠障害。そう診断されて日が浅い。 日中、ぼうっとしているとすぐ寝落ちてしまうのだ。だからなのか、寝すぎて眠い悪循環で、ずっと、けだるさが体中にまとわりついている。病院にも行ったが、おそらく精神的ショックをやわらげようと、脳が眠るよう過剰に指示を出しているのでしょう、そういった診断だった。規則正しい生活をすれば、じきによくなりますよ、と。 その為、ティファは一旦クラウドの捜索を諦め、日中起きていられる時間をフルで使って店の開店準備をし、夜は精一杯働いた。働いている間は気がまぎれるし、寝落ちてしまう事もない。ティファだって、夢うつつのまどろみは望んではいなかった。そういう中途半端な眠りが、一番 精神的によくない夢を見せた。だから、ぐっすりと眠る必要があるのだ。潜在意識が届かないほどの、深い深い眠りに。 「こんにちはー!配達でーす!」 元気な声が裏口の方からして、ティファは慌てて走っていった。 「ごめんなさい、ぼんやりしてて… …あれ、いつもの方はお休みですか?」 「あ~… …あの、前の人、突然辞めたんっスよ」 「え!?何かあったとか…?」 「えっと、いや、う~ん、詳しくはわからないんです」 どこか言いにくそうに青年は笑うと、ティファが注文していた酒類の木箱を重たそうに置いた。明らかに慣れてなさそうな様子だ。 (…一昨日来た時は、いつも通りだったのに…) 顔なじみのいつもの酒屋の配達員は、もうセブンスヘブンの担当になって随分長かった。真面目な人柄で、仕事も丁寧で。それに、いつも、ちょっとした雑談とか、おまけとかしてくれるくらいには親しかった、と思っていただけに、何も言わずに突然やめた、という事実を、ティファはいまいち飲み込めなかった。人間関係のもめごとだろうか?職場環境が悪かった、とか…?そんなもやもやが、顔に出ていたのかもしれない。 「あ~、あの…」 悩んだ挙句、のような歯切れの悪さで、新担当の青年が口を開いた。 「ここだけの話なんですが、アイツ、クスリやってたみたいで…」 「え!?」 「中毒っぽくなって入院したって話なんですわ。…言わないでくださいよ。あ、オレも他の店のヤツ皆、クスリやってるヤツなんか後いませんから、そこは安心してください!」 それだけ早口で言うと、青年は帰っていった。 (クスリ、…) 世界が救われたからといって、すべてが平和になるなんて思ってはいない。ついこの間も、常連客の一人が最近店に来なくなったので、いつも一緒に飲んでいた人に聞いたところ、借金を踏み倒して蒸発したとか。 (分かってはいる、、けど…) 今更、正義漢ぶるつもりだってさらさらなかった。でも、命を落とした仲間達の事を想うと、気持ちの収まりどころが分からなくなる時も時々あった。 *** それから数日後の事だ。その日も店は大繁盛だった。 けっして広くはない店の中、皆が幸せそうに笑っている様子を見渡していて、ふと、カウンター席の端に一人で座る男性にティファの目が留まった。彼もまた、常連客の一人だった。いつもは陽気に、他愛もない色々な話をしてくれる彼だが、今日は何かあったのか沈んだ表情をしていた。 「おかわり、作ります?」 それとなく近寄って話しかけると、空のグラスを両手で抱えて何か考え事をしていたらしい男性は、びくりと身体を震わせて、そしてあわあわと顔を上げた。 「あぁ、ティファちゃん。もう、たくさん飲んだから、この辺にしとくよ」 「ふふ、飲み過ぎは良くないですものね」 そう、ティファが頷くと、男性はほっとしたようだった。 ティファは皿を拭く続きに戻った。一枚一枚、丁寧に布巾で拭いて、棚にしまっていく。その工程をずっと見ていた男性だったが、最後の一枚が拭き終わった時、おもむろに口を開いた。 「ティファちゃんは眠れなくなったことはあるかい?」 「…私は、、最近寝すぎるくらいなので…。…眠れないんですか?」 男性はただ頷いた。 「最近、ね…。酒でも飲めば眠れるかと思ったんだけど、そうでもないみたいだ。…でも、…いや。気のせいかもな…」 そう独り言のように呟いて、そして顔を伏せた。 「あ、そうだ、これ使ってみます?」 ティファはポケットから小さな匂い袋を取り出した。ハーブの優しい匂いが香るそれは、精神を落ち着ける働きがある、とかでマリンとデンゼルと一緒に作ったものだった。 「なんだい?」 「お守りみたいなものです。昨日、子供達と作ったんです。眠れるようになるといいんだけど」 男性はその袋を受け取ると、すうっと匂いを嗅いで、そして微笑んだ。 「いい匂いだ。…よく眠れるかもしれない」 しかし、その後、それまで定期的に来てたその男性を店でみかける事はなくなった。 *** ユフィが来た時、ティファはこの事を思い切って話してみた。 「え~、ティファの思い過ごしだって。そんなことないよ」 「でも…なんだか、気になって」 「そんなん、世の中にはごまんといるって。たまたま、店の常連客が2人来なくなっただけじゃん」 「酒屋さん入れると3人だよ」 ティファが即座に反論すると、ユフィはあからさまに大きなため息をついた。 「じゃ、3人。…だいたいさ、ティファ働きすぎなんだよ」 「そんなことないよ」 「そんな事あるって」 「だって……ユフィとか皆の方が働いてるでしょ…」 「アタシ達は、ほら、、、どこも悪くないからさ」 「私だって、ただ、寝すぎるだけで…」 「それが心配なんじゃん。皆心配してるよ。クラウドならぜったい止めてる……」 名前を出してしまって、ユフィはしまった、と顔をしかめる。 でも、ティファの表情はみるみるうちに曇っていった。 「寝すぎるとか、そんな事してる場合じゃないのにね。早く、クラウド探してあげないと…」 「あ〜……」 その時だった。ぐらっと視界��揺らいで、ティファはテーブルに手をついた。 「ティファ!?」 「ごめん、ゆふぃ、ちょっと横になる…」 「大丈夫!?苦しい??」 「ううん…だいじょうぶ…」 「全然大丈夫に見えないよ!…何か薬とか…」 「…ほんとうに、だいじょうぶだから…」 それは本当だ。これだけ強烈な眠気ならば大丈夫。今回は深い眠りに違いない。 「ねむいだけだから…」 「ティファ!」 ユフィの悲鳴のような声が遠くに聞こえて、そして、消えた。 ・ ・ ・ ・ 無音の後の静寂。 「…ティファ」 真っ暗な世界に響いた、大好きな、やさしい声。 ティファは目を開いた。 「…クラウド?」 「おはよう、ティファ」 「…おはよう」 そして、そのままクラウドの首に抱きついた。 「…ティファ?」 「…怖い夢を見たの」 「……どんな?」 「…クラウドが居なくなる夢」 「俺はここに居る」 「うん。…でも、家出した」 「それはっ…ごめん。もうしない」 「絶対?」 「うん。絶対だ」 耳元で響いた、困ったような、でもどこか嬉しそうなその声に、ティファは少しだけ身体を離して、クラウドの顔を見た。 そこは二人の寝室で、そして、碧い瞳が少し心配そうに、こちらを見ていた。 だから、そのきゅっと一文字に結ばれた唇に、ティファはキスをした。即座にクラウドはそれに答えてくれて、彼女の閉じていた唇は割って入ってきた舌によって開けられる。顔の角度を変え、もう一度、と落ちてきた熱い吐息に、再度入ってきた舌に、身体の奥が疼いて熱を持ち始める。 「…ティファ」 「ん?」 「…もう少しだから」 「え?」 「…もう少しだ。だから…」 こつんと額と額が触れ、地肌に直に触れるクラウドの指に力が籠もった。次の瞬間、彼がティファを掻き抱いた腕が強くて、息が苦しい。 「……。」 「え?」 「」 「クラウド?なんて言ったの?」 「クラウド??」 パッと目が覚めた。 そこは夢に見たのと同じベッドの上。 ただ、そこにはティファ一人だった。 (…聞いちゃいけなかったんだ) ティファは起き上がった。目を向けた窓の外は、空が白ばんでいる。夜明け前の静かな靄のかかった外の景色。窓にカーテンがかけられていないのは、そんな時間から眠っていたからだろうか。 ティファはただぼんやりと窓の外をみつめた。 徐々に外は明るさを増し、ふとした瞬間、光の糸が空に放たれ、じんわりと頭を見せた陽の輝き。それは一瞬で空を金色に染めた。 (…………そうすれば、まだ一緒にいられたのに) 深い夢は幸せに満ち溢れていて、そして残酷だ。夢はティファの発言を求めてはいない。いつも一方的に始まって、唐突に終わった。 夢の中で二人は言葉もなく飽きもせず、一晩中愛し合った。夢の中で目が覚めると、いつもそこにはクラウドの顔があって。そして、目が合う。唇が重なる。クラウドの手が服の下から肌に触る、その少しだけ冷たい感触までもありありと伝わってくる。だから、いつも全力でそれに答えてしまう。すると、煌々と濡れた唇がティファの身体中にキスを落としていく。全身に余すことな��、彼の、クラウドの感触が刻み込まれていく。そして、夜が明けるのだ。 ……でもそれは、最後まで、間違えなかった時。間違うと、今みたいに夜明け前に目が覚めてしまう。 (…次は気をつけなくちゃ) 話してはいけない、そう訴えるように、夢の中のクラウドはティファの問にはほとんど答えない。それなのに、今日の夢の中の彼は何か伝えたそうでもあった。それは、ティファが咄嗟に抱き着いてしまったからなのかもしれないが。でも、、、 (わかってる、所詮、あれは夢…) 触れる感触も、耳に響くその声も限りなくリアルで、今の生きる喜びで、でも、夢、なのだ。 と、行き場を失ったままになっていた身体の中の熱がうずいて、ティファは自分で自分を抱きしめた。 その時、違和感を感じた。 恐る恐る、自分の腕を見る。そこには、いつできたのだろうか、きつく握りしめられたような、赤い指の跡が浮かんでいた。 *** 「ティファさん…顔色悪くないですか?」 「え!?そ、そうですか…?」 常連客に突然指摘され、ティファは思わずグラスを落としそうになった。幸いにもそれはまた手の中に留まり、最悪の事態は防げたものの、一緒になって飛び跳ねた心臓はドキドキと大きな音を響かせている。 「疲れてるんじゃないかって、前から心配してたんですよ。最近、表情が暗い」 常連客は尚も続ける。 しかし、その彼の心配してくれているのであろう口調が、妙に耳に触るような気がして、ティファは俯いた。 「…昨日夜更かししたからかな。今日は早く寝ます」 ティファはそう言うと、素早く客に微笑み、そしてまた視線を落とす。 作業をしている風を装って、もう磨き上がれているグラスを再度拭き始めた。 「心配だな…僕が家族なら、早く休めって、今日はもう貴女を休ませますよ」 「ふふ、そうですね。もうすぐお店も閉店時間だし、今日は早めに閉めちゃおうかな」 「ティファさん、僕は本気で心配しているんですよ」 ああ、嫌だ、咄嗟にそう思ってしまって、ティファは耳を塞ぎたくなった。 「僕だったら、貴女みたいな人を一人で働かせたりしない」 私は、働きたくて働いているの。働かされているわけじゃない。 「そうだ、僕が代わりに皆に言いましょうか。今日は閉店しますって」 やめて。 それは、それは………クラウドの役目。 ―ティファ、休んだ方がいい。 ―すまない、今日は早いが閉店にする。 脳裏に心配そうな彼の姿が浮かんだ。その表情が夢の中のクラウドと重なる。ティファ、と心配そうにのぞき込む、吸い込まれそうなほど碧い瞳。 彼の、……クラウドの場所を、私から取らないで。 ティファは顔を上げると、にっこり、とほほ笑んだ。 「いえ、自分で皆さんに言ってきます。お会計もあるし…あ、先に頂いてもいいですか?」 「えっ、ああ…」 代金を受け取って、ティファはカウンターから出た。そして、テーブル一つ一つに声をかけていく。その後ろで、先ほどの常連客は店を出たようだった。 それからすぐの事だった。 ドン そんな鈍い大きな音が店の外から響いた。 「なんだぁ…?」 誰かがそう呟き、誰かが外へ様子を見に行った。しばらくして戻ってきた男は、席に座りながら隣の客に言った。 「なんでも、近くで事故があったらしい。モンスター車だかに人がひかれたんだとよ」 「へぇ。千鳥足で歩いてた酔っ払いか」 「そこまでは分からなかったなぁ」 ・ ・ ・ 「ティファ」 「…クラウド?」 「おはよう、ティファ」 「…おはよう」 ティファはクラウドに抱きついた。 「…ティファ?」 「クラウド、どこに居るの?」 「………ここに居るだろ?」 「………。」 いやいやをする小さな子供のように、ティファは頭を横に振った。 「でも、」 「ティファ」 クラウドはティファの名前を呼ぶ。そして、その唇はティファの耳の外側をなぞるように触れたのち、その耳たぶを唇と唇で挟んだ。 「ん…」 漏れ出た声に、耳元に落とされた、ため息のような吐息。 「…もう少しだ」 「…。」 「……だから、それまで…」 「……。」 静かに身体はベッドの上に寝かされる。 一番最初は額だ。つぎにこめかみ。頬、そして、首筋。ゆっくりとクラウドはキスを落としていく。いつも決まった順番。むき出しの腕をなぞるように移動した唇は、手の甲で止まり、そして内側にも。指の一本一本までも。 その動きを見ていると碧い瞳と目が合う。そして彼は切なげに微笑んで、唇と唇が重なった。 「……俺は、ティファの方が居なくならないか不安だ」 「…え?」 覆いかぶさるその大きな身体が闇を作る。 「…………誰も、ティファに近寄らせたくない」 「え?」 「ティファは分かってない、」 「…クラウド?」 「…俺が…どれだけ……」 「クラウド?」 ・ ・ ・ 店のドアベルが勢いよく跳ね上がり、近くのテーブルに座っていた初老の男性がそれに気が付いて顔を上げた。 「おう、いつも元気だな」 「あったりまえじゃん!」 その元気のよい声にティファが顔を上げると、それに気が付いたユフィがひらひらと手を振った。 「ティファ~お腹すいた~」 「先に連絡くれたら作って待ってたのに!」 呆れて言うティファに、ユフィは「忍がそんなことしないって」そう真顔で言い返しながらカウンター席に腰を下ろした。 「適当でいい?」 「うん。おいしーやつお願いね!」 「りょうかい」 ティファが調理を始め、ユフィはそれをにこにこ顔で眺めていたが、ふと、思い立ったように口を開いた。 「あれからは増えてない?」 「え?何が??」 「前に、ティファの思い過ごしだって言ったやつだよ」 「う~ん」 「え、また誰か来なくなったの?」 「うん…、でもそれは私のせいだから違うかな」 「ティファのせいって?」 「ちょっと、失礼な事をした、かも…」 その二人の会話が聞こえていたようだ。ユフィの隣に座っていた男が口をはさんだ。 「それさ、よくそこに座ってたヤツ?身なりの良いスーツ着て」 カウンター席はだいたい常連客が座る事が多いため、それぞれが名前は知らずとも顔見知りであることも多い。その男も大概いつも同じ席に座っていたから知っていたのだろう。 「ええ、そうです」 「あいつ、事故にあったって言ってたから、ティファちゃんのせいじゃないさ。治ったらまた来るだろうから、覚悟しといた方がいいよ」 「なんだよ、覚悟って」 「ティファちゃんはモテるんだって」 「はぁ?知ってるし」 ユフィが客に失礼な態度をとっているにも関わらず、ティファはぼうっと呟いた。 「…事故?」 あの日、一番最初に帰った彼。あの後すぐに近くで事故があったと聞いたのは、数日たってからだった。街中に入ってきたモンスターと一般人が衝突したそうだ。もし、それが彼だったのなら。それが、ここに来ていた事が原因なのだとしたら。……これで4人目だ。 (なんだろう…怖い…) 背筋に悪寒のようなものが走って、ティファは身震いをした。次々と姿を消していく顔見知りの人達。それぞれ理由があるにせよ、重なりすぎじゃないだろうか。そして、そう、ティファ自身の体調不良。規則正しい生活を心がけてはいるが、一行に改善が見られない。それどころか、日に日に悪化しているような気さえする。 「ねぇ、ユフィ、やっぱり…」 そう言いかけたティファだったが、ユフィはあ、という顔のまま、丁度電話に出てしまったところだった。 「もしもーし!ユフィちゃんだよ。…え、今?…別にいーじゃん、どこでも」 不貞腐れた顔をした彼女だったが、途端に表情が変わった。 「ティファ今仕事中だから。は?ティファなら目の前に……。……。分かった。すぐ行くよ」 電話を切るなり、ユフィはティファを見て真剣な顔になった。大きく息を吸い込み、そして、 「…ティファ、落ち着いて聞いてね。 あのさ、クラウドが見つかったって。今から一緒に行こう」 その後のあれこれを、ティファはあまり良く覚えていない。 ユフィに手伝ってもらって、急遽店を閉めると、マリンとデンゼルを預けて、二人は迎えのヘリに乗った。暗夜の闇を掻き分けるように進んだ先に見えてきたのは、海の中にぽっかりと灯りを灯した孤島だった。 ヘリはその島に一つだけある診療所の屋上上空をホバリングし、二人は飛び降りるように建物に降り立つとそのまま迎えに来ていた看護師に連れられて中に入った。 そして、一つの個室へと案内された。 「…クラウド?」 壁もカーテンもベッドも、真っ白な部屋だった。そこにクラウドは眠るようにベッドに身体を横たえていた。 「今朝、ミディール沖で見つかったようです」 静かな声でリーブが言った。 「おそらく、海底のライフストリームから吹き上げられてきたのでしょう。驚いたのは、どこにも怪我ひとつなかった点です。どうやら、ライフストリームの中で再生していたらしい。身体中のライフストリーム濃度が極端に高くなっています。でも、人体に害があるレベルではない。あくまで、傷の再生にだけつかったようです。それがクラウドさんの意思なのか、ライフストリームの意思なのか、それはわかりませんが」 「……目は、覚めない…?」 真っ白な部屋で閉じられている金色のまつ毛。それは照明に透けるように輝いてはいるが、しっかりと閉じられたままだ。 「医者が言うには、いつ覚めてもおかしくない状態らしい。…何か刺激が必要なのかもしれない。それで、ティファさんに来てもらったわけです。ティファさんが来れば、反応があるかと思いまして…」 気遣わしげにリーブは言った。「ティファさんの体調を考えて、目が覚めてからの方が良い気もしたのですが…」そう言葉を濁した。 ティファはクラウドの傍までくると、身体の横に力なく置かれている手を取った。両手で包んで、暫く待ってみた。でも、特に何も変化はなかった。 「…少し、二人きりにしてもらうことは出来ますか…?」 リーブとユフィ、そして看護師���うなづきあって部屋を出ていった。 その真っ白な部屋に、ティファは眠ったままのクラウドと二人きりになった。 「…クラウド?」 呼びかける、でも、その声は白に吸い込まれていく。 眠るクラウドは、本当にただ眠っているかのようだった。規則的に胸が上下し、顔色も良い。でも、全身の力が抜けていて、意識はまだ、どこか遠い世界にいるのが分かる。 「……帰ってきて、クラウド」 ティファはクラウドの顔を見つめた。あの碧い瞳が見たかった。そして、言って欲しかった。『ティファ』と。クラウドが言うその言葉をどれだけ夢に見たことだろう。 ティファは、クラウドの眠るベッドの上に手をついた。そして、そうっとクラウドの額に唇を落とした。つぎにこめかみ。頬、そして、首筋。ゆっくりとティファはキスを落としていく。腕をなぞるように移動した唇は、手の甲で止まり、そして内側にも。指の一本一本までも。そして、クラウドの顔を見た。 「……………………ティファ?」 薄く開いた口から、細い小さな声が漏れて、そして、ゆっくりと、碧い瞳が開かれた。 「っ、おはよう、クラウド」 「……おはよう、ティファ」 碧い瞳と目が合う。そして彼は切なげに微笑んだ。顔をそっと近づけると、ようやく、唇と唇が重なった。抱きしめた体はまだうまく覚醒していないようだったけれども、クラウドはゆっくりとティファの背中に手を回し、そしてぎゅっと力を入れた。 「ただいま」 「うん、おかえりなさい…」 笑顔と共に堪えるように、きゅっと一文字に結ばれた唇。頭を少し持ち上げると、クラウドはそこにキスをした。ティファの紅い瞳から、涙がぽろぽろと零れていった。 *** クラウドが帰ってきて、ティファの体調は瞬く間に良くなった。マリンやデンゼルはもちろん、仲間達も店に顔を見に寄っては喜んでいった。 そして、セブンスヘブンに戻ったクラウドを、家族以外で一番?大歓迎したのはまさかの年配の客達だった。そんなに仲良かった…?とティファが思ってしまうくらいだ。彼らは配達を再開したクラウドが仕事を終えて店に戻るなり、 「おお、クラウドさん良かったな~!俺たちもこれで安心して飲める」 「やっぱり、ここにはクラウドさんが居ないとダメだな」 そう彼を囲むとバシバシと酔い任せの遠慮なしに背中を叩くものだから、クラウドが嫌がらないかと少し心配��た。しかし、 「当然だ」 そうキリッとした顔で返事をしていて、思わずティファはびっくりしてしまったのだが。 その後、酒屋の配達人は退院し、客として姿を見せた。「薬!?違いますよ、俺、アル中で…だから今日はジュースお願いします」そう情けなさそうに笑った。蒸発した、と言われていた常連客もまた店に来るようになった。「え!?出稼ぎに行ってただけだって」眠れなくなっていた男も、「眠れるようになったから、溜まってた仕事を片せてやっと来れた」そう笑った。あの事故にあった男も、退院したそうだ。 でも、4人共、クラウドと顔を合わせた瞬間、ぎょっとしたように怯えて見えたのは、ただの思い過ごしだろうか。 でも、あれから、魔晄色が少し強くなった瞳をのぞき込んでティファは言う。 「やっぱり、クラウド少し変わったね…?」 ティファの紅い瞳を見上げてクラウドは答える。 「…だったらティファが教えてくれ」 軟らかい微笑みをたたえて、ティファを抱きしめ、小さく呟く。「ティファが俺を完全にしてくれる」 「どうやって?」 クラウドの唇はティファの耳をなぞり、そして囁いた。 「……夢で見たように」 fin.
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2020年振り返り後半
7月
久しぶりに美術館にいく。上野が変わっていて驚いた。下旬の発表に向けて日々努力していたはず。オンライン授業にもだいぶ慣れてきた。授業の寸前にもしかして新しい国を作ればいいのではという考えがふと浮かぶ。レジ袋が有料になる。クーラーから大量に水が出る。時計の電池が切れる。10年目にして初。電池交換をして、ベルトも交換してもらい、水圧テストもしてくれた。5年くらい使った2代目iPod classicが壊れる。ハードディスクの故障らしい。流石にもう修理してもらえなくなった。
配信ライブを見た。疾走感、照明、不安定なカメラワーク全てが私に必要なもので、でも手を伸ばしても今はその空間に絶対届かないことがわかって、嬉しかったし楽しかったのにうわーと虚無感に襲われる。
ここは退屈迎えに来ては舞台が富山でよかった。内容はもうあまり覚えていないけど、見た瞬間に路面電車の感じ、アーケードなどが富山!?と思ってそれだけで楽しかった。
時速36kmを聴いてとても夏らしい日々が送れたような気がする。散歩と一日数回の水やりに忙殺される。
ハロー、夢を見ている/時速36km 小さなことをひとつ/odol
365日のシンプルライフ(2013)モンパルナスの灯(1958)ここは退屈迎えに来て(2018)劇場(2020)ペンギンハイウェイ(2018)おじいちゃん、死んじゃたって。(2017)ポエトリーエンジェル(2017)
8月
夏休み。海に行った。梅雨が明けた。友達と会った。サマソニの配信でSonic Youth を観ながらねた。いいなぁ私も生で観たいと思った。やっぱかっこいいバンドすぎる。あのバンドのライブがあって、有観客でチケットも取れたけど、行かなかった。配信を見る。
MIU404を見ていて綾野剛がZoomを履いていて欲しくなって探してたら、4000円くらいでセールやってて浮かれて買う。ちょっと透けて素材感がいい。
毎日2km散歩計画。晩ご飯の後に散歩をしていた。一週間くらいしか続かなかった。
流行りのNizi Projectを見始める。全てのエピソードを三日かからず見終わる。それによって突然のk-popブーム到来。TWICEを主に聴く。オタク気質なので、あらゆるものを聴いて観て調べて過ごす。
ナンバーガールのトランポリンガールを聴いて、風景を思い浮かべては羨望。うらやましい夏の風景。
就活をした。リュックサック背負って説明会行って、帰りにサンダルに履き替えたりしていた。テストとかも受けた。英語は得意なようですが、それ以外が基準に達しませんでした。と言われた。
TORAMPOLINE GIRL/ナンバーガール くそったれの世界/The Birthday リボルバージャンキーズ/THEE MICHEL GUN ELEPHANT 世界各国の夜/VIDEO TAPE MUSIC
9月
花火をした。閉店前最後にレコファンに行った。ずっと欲しかったCDを買うことができた。レコファンなくならないで、私のオアシスよ、、TWICEのメンバーを覚えるのに1ヶ月近くかかった。完全におばあさんになってしまった。夕顔がたくさん咲いてうれしい。暑すぎるとやっぱり咲かないみたい。9月になってからわんさか咲いて、昔の夏ってこのくらいに気候だったのかも。と思った。
面接で小学校の時の自分はどんな子供でしたかと言われて「天真爛漫な子供でした」という人生��大の嘘をついた。小学生の私は、幼いなりに毎日悩んでいたし、いろいろ考えて暮らしていたのに、すまんな昔の私。
風邪をひく。このご時世、少しでも熱が出ると簡単に病院に行けないということを身を以て実感。食欲がなさ過ぎて、毎日アイスの実を食べていた。
HAPPY HAPPY,fanfare,Girls like us/TWICE Swimming/Happypills POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~/反町隆史
10月
ちょいちょい映画館に行く。ライブに行けずに大きな音がなかなか聞けないので、その欲望を晴らせた感じがする。箱根に行こうと思い立ったけど、朝が早すぎて断念。でも、行こうと考えている時はなんだかワクワクしたなぁ。箱根をやめて、映画を見に行った。映画館は鬼滅の刃が沢山のスクリーンでやっててすごいなあと思った。別の日に見にいったTENETは途中から分からなくなって、ロバート・パティンソンかっこいい以外の感情がなくなる。ああいうハラハラする映画久しぶりに見た。何回か見たいと思ったけど結局一回しか見なかった。ある画家の数奇な運命とかスパイの妻とか戦争も描かれるようなものをよく見ていて、知らないことばかりでいけないと思った。
2ヶ月くらいTWICEを聴き続けたけど、心が元気な時しか聴けないという壁にぶち当たる。元気がないと、気が滅入ってしまうのでした。もともと元気いっぱいな方ではないので、聴ける時は限られそうと思った。
友達に誘われて水戸に行った。久しぶりに特急に乗って、東京以外の県外に出た。水戸芸術館に行って展示を見た。7月からこれまでにまして美術館とかに行っていて、日記を見返したらずっと芸術とは何か見たいのことを考えていた記録があって、とても驚いた。確かにいろんな本も読んで(研究にも関係していたからってのもある)いたな。結局よく分からなかった。まあわかったら私たちは何もしなくなるね。
Make Me Go,More&More /TWICE So long/Earth/Happypills
TENET(2020)mid90s(2018) 寝ても覚めても(2018)ある画家の数奇な運命(2018)スパイの妻(2020)オンザロック(2020)記憶にございません!(2019)GAMBIT(2012)光(2017)世界は今日から君のもの(2017)
11月
小津安二郎の作品がAmazonプライムに登場したので見る。やすいDVD集を持っているのだけど、全然見れてない。有難いのでアマプラで。やっぱ台詞回しがいいよね〜実生活でも使いたいけど、少しキツイ言い回しになってしまうのでやめたほうが良さそうね。
原美術館にいく。閉館寂しいね。あんなきれいな建物で。時間になると突然音楽を奏でるピアノがあ展示れれていて、月光が流れるんだけど、なんだか映画の人物になったような気持ちになった。
久しぶりに友達にあった。坦々麺食べたいねとなってキスリンに行ったのに私は坦々麺を食べなかった。次は油淋鶏が食べたい。
Flicker/スーパーカー Dynamite/BTS (ぼくの)街/突然少年 Maldive/Happypills
真実(2019)長屋紳士録(1947)父ありき(1942)82年生まれ、キム・ジヨン(2019)
12月
今年3回目のライブに行く。年末恒例のオウガのワンマン。感染症が流行り出してから初めてのライブ。オウ���でよかったなぁと思った。MCもほとんどないので現実を忘れることができた。ありがとう、、、workshop3もとても嬉しかった。この日雪が降った。
年末、NHKを見ていたらフィッシュマンズが流れてきて、それ以降Long Seasonを聴く。かなり救われた。あとBTSを聴きまくり、とても助けられた。なんで韓国のアイドルがこんなに人気なのかについてずっと考えていたら、気がついたら自分がハマってしまったというオチです。多分世界を熱狂させている彼ら彼女らはアイドルではないのだ。これだけはとりあえず間違いのない答えだと思う。
大晦日。紅白をラジオで聞きながら作業をして過ごす。玉置浩二の田園だけを聞き逃して、私は2020年最後の後悔をした。本当に悔しい。こんなにたくさん聞いていたのに…
Dis-ease,Fly To My Room,Stay Gold/BTS Long season/フィッシュマンズ おまじない/羊文学
総括
2020年に自分が何をしたかと言ったら、植物を育て、水やりをし、散歩をして、ご飯を食べた。そして本を読んで映画を見て、音楽をきいた。音楽は前年と比べてあまり聴かなかったような気がする。書いている今はもう年が明けているのだけど、去年のことはもう遥か昔。あまり思い出せない。日記を書いていてよかった。
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KKV Neighborhood #24 Interview - 2020.07.09
菅波雄(SaveOurSpace、LIVE HAUS)インタビュー/ライブハウスの店長、〈政治〉を動かす
インタビュー、構成:与田太郎
東京で新型コロナ・ウイルスの感染が再び増加傾向にむかいつつある。4月7日の緊急事態宣言の発令後も政府や都の休業に対する補償は根本的な対応はされず、ライブハウスやイヴェンターなど音楽に関わる業種は引き続き声をあげ、要望を訴え続けなければならない状況が続いている。この現状の中、3月末にSaveOurSpaceは活動をスタートした。本来ならば4月に開店する予定だった下北沢のライブハウスLIVE HAUSの店長菅波雄はSaveOurSpaceの中心人物として精力的に活動している。
このページを見ている人は彼の行動や発言をフォローしている人が大半だと思うが、ここではあえて彼の行動を振り返りつつ話を聞いてみた。
その理由としては、今回のSaveOurSpaceのアクションはこれまでの市民運動や特定団体のロビー活動と違い、私たちにとってかなり身近な日常に直結、もしくはほぼ当事者に近いことも大きい、最初の署名活動でわずか数日で30万を超える署名が集まったという反響の大きさについても注目したいと考えたからだ。
それは、これまでのSEALDsの活動や風営法改正にむけたLET’S DANCEの活動が培ってきたものを次に繋げるということも意味合いとしてあるだろうし、なによりもSaveOurSpaceのアクションは、私たちがこれから政治や行政と向き合う上でひとつの分水嶺となる可能性を持っていると思えるからだ。
4月から5月の自粛期間に国会で問題にされた検察官の定年延長に対する議論についてネットでの反対意見を自民党も無視できなかったように、私たち自身のアクションでなにかを変える可能性に気がついた人も多いのではないだろうか。
SaveOurSpaceの主張が具体的な成果を生み出すにはまだ時間がかかるかもしれないが、ここを契機に新しいつながりやコミュニティーが生まれ、近い将来大きなうねりになる可能性は大いにある。
LIVE HAUSの運営、SaveOurSpaceからSaveOurLifeまで日々動き続ける中時間を割いてくれた菅波さんに感謝したい。
先が見えない新型コロナへの対応、自粛に対する補償や援助の獲得についてはまだまだ長い戦いが続くだろう、しかしこの一歩はきっと大きな意味を持つと信じたい。
SaveOurSpace http://save-our-space.org/
LIVE HAUS https://livehaus.jp/
ー菅波さんの動きをネットで追ってるだけでも相当忙しいのではないかと思うんですが。今回のSaveOurSpace(以下、SOS)はきっと長丁場になるじゃないですか?なので俺たちなりにフォローしたいと思って、まずは菅波さんに話しを聞かせてもらおうと思いました。
菅波 ありがとうございます。
ーSOSが立ち上がった時の発起人のラインナップを見て、ちょっと意外でした。
菅波 ですよね。与田さんはDJ NOBUさんは知り合いですか?
ーDJ NOBUさんは、俺がフジロックのDAY DREAMINGというゴンドラで登ったところにある小さなステージの制作をしてる頃に、そこにお誘いしたことがあって。当日雨と風でゴンドラが運行停止になって中止になっちゃったんです。。その時に話したきりですけど、共通の知り合いはかなりいるので。
菅波 そうですよね。
ーそうなんです、それでSOSのラインナップを見た時に新しいコミュニティーができ始めてるんだな、と思って。まずはそこから聞かせてもらえますか?
菅波 そもそも3月の下旬にそれぞれ別で議員会館に呼ばれたんです。それぞれの経緯はけっこうまちまちで、私の話をすると、Jet Setの店長のラークさん(Lark Chillout)に誘われて行ったんです。国会議員の方にいまのシーンの窮状を説明する機会があるから来ないかって。ハコの人間ということで最初はロフトの(加藤)梅造さんに声をかけてたそうなんですけど、その日は梅造さんの予定が合わなくて直前で私に連絡がきて。3時集合のところ、2時ぐらいに連絡がきて(笑)。まさに店(LIVE HAUS)を作ってる時で時間もなかったんですけど、これはちょっと行っておこうと思いまして。で、行って最初に会ったのが共産党の小池晃さんと吉良よし子さんで、その部屋に入ったらNOBUさんとラークさん、yahyelの(篠田)ミルさんとMars89くんがいて。
ーじゃあ、その日はそれぞれが音楽シーンの窮状を伝えに集まったんですか?
菅波 そうなんです。NOBUさんは今年から海外に移住する予定だったみたいなんですよ。もともと海外でもかなりプレイされてるじゃないですか。それがコロナでブッキングが全部キャンセルになって、NOBUさんは海外のリアクションもよく見ていたから、日本全体のリアクションが鈍いことを問題だと思っていて。
ーそれはコロナに対するリアクションということですか?
菅波 そうです。コロナが広が��ていく状況の中で日本のクラブもいったん営業休止したほうがいいだろうと。彼はそれをツイッターで発言してたんですけど、その時はまだ休業に対する補償もまだなにも決まっていない状況で、だからこそ営業しないといけなかった。そこにNOBUさんの発言が話題になって、もちろん影響力の大きな人ですから、反対意見なんかも出てきたりして。だからこそNOBUさん自身、そのためにできることをしたいって考えて、議員に会ってこの状況を伝えようってことになったんだそうです。
ーそうなんですね。
菅波 NOBUさんの存在は知ってたんですけど、面識はありませんでした。yahyelはTHREEでも何度かやってくれてたし、ミルくんとMarsくんのプロテストレイヴとかの活動はチェックしてたので。そのメンバーが議員会館で集まって、小池さんと吉良さんが熱心に話を聞いてくれて、そのあと寺田学さんという無所属の議員さんにも会いに行ったんです。この人がクラブ・ミュージックが大好きな人で、それこそヨーロッパのフェスティバルとか、国内外のクラブに通っている人で。
ー風営法の時にもいろいろ動いていた人ですね。
菅波 そうです。それでシーンの窮状も理解していて、すぐに内閣府に要望書をだしましょうと言ってくれた。菅(義偉)官房長官へ電話をしてくれて、明日の昼に会いましょうとアポ取ってくれたんです。それで時間もないので、その日に集まったメンバーで要望書を考えることになったのが始まりなんですよ。だからけっこう偶然の流れだったんです。それで議員会館を出て、集まったメンバーで近くの喫茶店で要望書を作って、翌日がもう菅官房長官との面会だったのでNOBUさんに代表して要望書を手渡してもらったんです。
ーそういう流れだったんですね。
菅波 要望書を提出して、菅さんがその日の定例記者会見で音楽シーンの方から窮状の説明をうけたので、なにかしら支援の枠組みに加えることを検討したいと言ってくれたんです。それを受けてその日にすぐ署名活動しようとなり、翌日には署名活動をスタートして、最初の4日で30万筆が集まった。その直後に記者会見をして、翌日には政府与野党連絡協議会、超党派のコロナ・ウイルス対策窓口の議員さんたち全員に渡したという。それがこの始まりだったんです。
ーこのSOSの動きがすぐにネットでも話題になって、署名活動も早かったですね。すぐにSAVE the CINEMAも動き出して、そいう意味では一つのモデルケースになりましたね。意味合いは大きいと思います。それが3月末、4月2日には署名を提出ですね。
菅波 ほんとにすごいスピード感でしたね。
ー菅波さんは同時進行で店を作ってたわけですよね。
菅波 そうなんですよ、私はただ開店にむけて店を作ってただけなのに、急にこんな感じになって(笑)。こんなつもりじゃなかったんです。不安はもちろんあったし、どうしたらいいんだろうとは考えてたんですけど。
ーそうですよね。俺はLIVE HAUSの開店がどうなるだろうとか、全国のライブハウスがかなり大変なことになるって感じていた時にネットで菅波さんの動きを追っていてすごく納得したんですよ。もちろん僕らも人ごとではなかったし、でもコロナ以前の政治活動や市民活動とは明らかに変わりましたね。今すぐこの現実に対処しなければいけないっていう気持ちとその動きが日々ネットからもダイレクトに伝わってきましたから。コロナの影響で本当に大変なことが起きましたけど、それぞれがどう対処すべきかを真剣に考えることになりましたね。そのなかで日々更新されるSOSの動きは一つの大きなガイドになってると思います。もちろん、この時期の国会の検察官定年延長についての批判や、自民党のめちゃくちゃなやり方についての異議も含めあきらめないで声をあげることの必要性を多くの人が実感しましたから、この2~3ケ月の変化は大きいですね。
菅波 確かに問題に直面した当事者だったからというのはありますね。それはSOSの他のメンバーもそうだと思うんです、全部スケジュールが飛んでるし。
ーたとえばSEALDsがやれたこと、風営法改正問題がやれたこととも違う部分は大きいし、それをちゃんと言語化したいと思ってます。今回の動きはより具体的で、しかもより広い層への訴えかけになってるじゃないですか。本来ならば行政が素早く受け止めてくれたらいいんですが、いまの政府は全てにおいて煮え切らないしむちゃくちゃです。だからこそ訴えていくこと��必要だし、こういうアクションがあることをライブハウスやクラブが好きな人たちに伝えて、前進していることを知って欲しいですね。それが今後の変化につながるはずだし。
菅波 そうですね、すべては地続きだと思う一方で、最初のアクションを振り返って、なんであんな短期間にこれだけの署名があつまったのか考えると、音楽を好きな人たちのエネルギーもあるけど、その最大公約数に響いたことだと思うんです。コロナの影響ってどの政党を支持してるかって関係ないじゃないですか。みんな困ってるし、困ってる人の中にいろんな人がいる、ただ困ってるという点では誰もが同じで、それが広く署名が集まった理由だと思うし、それこそシーンを跨いでいろんな人が賛同してくれた理由だと思うんですよ。それはちょっと感動的ですらあったんですよ。
ーそうですね、SOSの新しいところはまずそこですよね。この一連の動きで生まれた繋がりはコロナが収まったあと、また新しい音楽の景色を生み出すような気がするんですね。
菅波 それは思いますね。
ーとてもリアリティーがあるんですね。
菅波 そうですね、みんなで共通の体験をしてるというか、ほんと偶然だったんですけど。割と細分化されていた日本の音楽シーンですけど、この動きがミックスすることもあると思います。たとえば、せっかく出会ったのでSOSの面々にもLIVEHAUSに出演してほしいと思うし、そういうことが未来に起きるかもしれないと思います。もちろんこの困難を乗り越えた後の未来なんですけど。あとこのスピード感で動けたのはみんなが家にいたからでもあるんですよね(笑)。
ーそうですね、ネットでの情報じっくりチェックできましたから(笑)。普通に国会中継も見て、めっちゃ嫌な気持ちになっていましたし。
菅波 個人的にはこの動きはネットでのデモだとも思っていて。みんな家にいてこの状況を注視しなければならない状況だったし、そういう意味でも偶然が重なったことで、ここまでこれているとも言えますね。
ーもちろん偶然も大きいですが、具体的な問題に直面した人たちがつながったことは意味がありますね。
菅波 困ってるんだ!って声を上げられたことは良かったと思います。それで多くの人が応援してくれたことで気がついたことも多かったですし。そういう意味では自分自身も活動しながら印象が変わっていきました。今までって見えない壁にパンチしているようなところがあったんですけど、今回は議員や省庁に出向いて、テレビなんかのメディアに出たりすることで、いろんな人に繋がっていって、もちろん悔しい思いや、まったく響いてないという落胆もあったんですけど、どこにでも音楽が好きな人がいて、いろんなアドバイスをしてくれたのは救いになりました。例えば省庁の職員の方だったり議員の秘書の方だったりが真剣にアドバイスしてくれたのは伝わってきましたね。国会議員の方が私の携帯に直接電話くれて、こういうことができるのでみなさんに伝えてくださいって連絡くれたり。ある日議員会館で議員さんを待ってる時に秘書の方が対応してくれたんですけど、「サウンドクルージングでスリーに行きましたよ」って声かけてくれたり(笑)。自分のことなんて一切話してないんですよ、それでどういう音楽が好きなんですかって聞いたら東京インディーです、スカートが好きだと言ってました(笑)。自分もライブハウスに行けなくなって困ってるんですと言ってくれて。その秘書の方が自分の担当以外の議員さんも連れてきてくれたりして。維新の会の方だったんですけど、自分の印象からは意外に思って、そういうこともあるんだなって。
ーそれはテレビの情報からは伝わってこないことですね。コロナがきっかけで多くの人がネットで政治についての情報をチェックするようになったと思うんです、これはいいことだとはっきり思いますね。
菅波 そうですね、窮状を訴えることも署名することも政治参加で、それは必要なことだと思います。
ーこれが本来の姿ですね。むしろ放置してしまうと、いまの政権のようにひどいことになる。
菅波 経産省の支援策で、コロナ禍でイベントがキャンセルになった事業者に対して、配信イベントを行うことで経費の半分までを補助するという仕組みがあります。省庁とのヒアリングの時、自分たちの要望としては、配信は生のエンターテイメントの代替にはならないので直接の補償をしてほしいといつも伝えているのですが、省庁の方は制度の運用が業務のメインなんで、制度の中身の改善に関してはその場では言ってくれないことが多いんですよ。なるべく善処します、ぐらいで情熱が伝わってこないことが多いのですが、ある日省庁の担当の方が、わざわざ電話をくれたんです。制度の建て付け上限界はあるが、うまく利用してもらえたら直接の支援に繋がるので、是非広めてほしいと。なるべく使いやすい制度にしますと。その人に、音楽好きなんですかと聞いたら、若い頃7インチ・オンリーのDJやってたそうで(笑)、なんだー、仲間じゃないですかーってなって。そういう出会いもあったし、やっぱり音楽好きはどこにもいるんだというのを実感しました。もちろん、それぞれの立場があって、すべてが噛み合ってるわけではないですけど、能面のような人だけでないって思えたのは収穫ですね。
ーそうですね、顔が見える相手だってことがはっきりわかることって大事ですね。
菅波 面白いと思いますね、結局人なんだと思います。だからこそ腐る部分もあるんですけど。一つはっきり思ったのは政治家にはなりたくないってことですね。今回ほんと与野党関係なくいろんな方に会いましたけど、それは一市民だからこそできたことで、政治家は逆の立場で、しかもやることを決めないといけない。方向性を打ち出すのはもちろん必要なことなんですけど、自分を固めないとできないですから。
ーそうですね、支持母体が大きければ大きいほど、その利権の代表という意味合いが強くなりますよね。悪い意味ではなくて。
菅波 そういう意味でも次の選挙は大きく変わって欲しいですね。
ー東京都の対応はどうでしたか?
菅波 僕らの2回目の署名活動は都に向けたものだったんですけど、都の協力金がでるってなった時に、無観客の配信ライブも営業とみなされて協力金がでないという話があって。飲食店は時短営業でもでる状況にもかかわららず。これは感染拡大防止金っていうんですけど、1店舗につき50万円で、2店舗以上経営していると100万円の援助が出るという。でも感染拡大防止金という名目なのに無観客で配信をするのを営業とみなすのはおかしいだろうと。それに対する署名を2日間で集めて、その時は東京都の窓口に直接メールをしてもらうスキームをつくったんです。その感染拡大防止金を議決する都議会の日に都庁にいったら、メールが大量に届いていてパンクしそうだって言われて。それが効いたのか、認められて。
ーその動きをネットで追っかけていて、これはひとつの力なんだなって感じましたね。
菅波 あきらかに不当だっていうことには声を上げやすいですよね。そういう成果が少しづつ出ているんですけど、それでも閉店する店が出始めていて。力が届かなかった部分も多いと思いますね。それは金銭的なことだけじゃなくて気力の部分も大きいと思うんですよ。長期的に考えて、畳んだ方がいいでしょうという経営判断が正しいこともあるし。だから体力か気力どっちかが切れた時点で店ってなくなるんだなって思います。
ーそうですね、気力のほうが崩れやすい状況ですよね。それに複数のお店を運営してるとさらに大変ですよね。
菅波 そうですね、うちみたいに個人的な店舗ならまだ凌げることも複数だと意味が変わってきますから。
ーLIVE HAUSもまだ渦中ですね。持続化給付金や雇用調整助成金等の申請はできるんですか?
菅波 どちらも当初は、新規事業者は枠に入ってなかったのですが、自分たちを含めて色々なひとが声をあげたことで、現在は拡充の方向で進んでいますね。LIVE HAUSも税理士さんと相談しているところです。あとは家賃補助があれば助かるんですけど、これはまだ新規事業者は枠に入っていません。あとさっき話に出た東京都の協力金は、私の店も申請しましたがまだ入金がありません。支援の遅れによる廃業が徐々に出てきてますよね、それはこの後さらに深刻になっていくと思います。
ーこの流れで行くとLIVE HAUSのしっかりとした営業はいつ頃になりそうですか?
菅波 状況をみながらになるんですが、客数を絞って8月に縮小営業でオープンしようと思っています。ただ、現状のガイドラインが現実的ではないので。
ーたしかに行政のガイドラインの2メートル間隔なんて現実は無理ですよね。
菅波 そうなんですよ。
ーほんとライブハウスは槍玉にあがりましたね。
菅波 都知事も総理大臣もライブハウスという言葉をメディアで言い過ぎましたね。今回、そういう発言の影響は想像していたよりも大きいことを実感しました。だからこそ言葉の重みを実感して欲しいし、名指しをするなら補償についても責任持って欲しい。
ーほんとにそうですね。満員電車には一切言及せず、オリンピックの中止が決まるまで表立った対策もなく、あまりにも自分たちの都合ばかりでしたね。
菅波 オリンピックを意識することで対策や支援も遅れた点があると思います。前のように誰もが気にせずにライブハウスやクラブを楽しんでもらえるようになるまで、相当時間がかかると思います。だから通常の営業以外のチャレンジも常に考えています。配信も箱の音を作るっていう意味合いもあるし、音はやりながらじゃないと作れないじゃないですか、そこでいろんなバンドに音だしてもらいたいし。バー営業もスタートしつつ、ギャラリーを始めたり、上でホットサンド売ったり、6月下旬からは下北沢の駅前の〈空き地〉っていうスペースで毎週日曜日にイベントをやっています。なんとか今の状態でも楽しくやれることを考えていきたいと思います。
菅波雄 https://twitter.com/yusuganami https://note.com/yusuganami
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2020/03/14 (Sat.) 14:00-20:00 @秋葉原MOGRA 秋葉原重工 - Akihabara Heavy Industry Inc. #26 ■Entrance: Door 3000 JPY / 1d w/f 2500 JPY / 1d ■Guest Live: HIROSHI WATANABE aka KAITO ( Transmat / Kompakt ) ■Guest DJ: TAKAMI ( REBOOT / BUZZ×3 ) ■Guest VJ: DeLPi ■Resident DJ & Live: wat ( Body Inform ) 909state ( AcidWorx ) KURAYAMI Atsushi Ohara ( LINEAR ) Takayuki Kamiya ■Resident VJs: akirafukuoka ( Raw-Fi ) clocknote. ( technoA / Diverse System ) KAZUMiX & PePcoMiX ( 1st-impact ) neknee 1F Lounge “秋葉原住宅 #13” ■Guest DJ: koume REV-TUNE ( CommKnot Records / Back 2 Bellforest / Energy for Weekend / Techno Alliance ) orinetone ( QLoveDolls ) AYAKA先生 ( Creators. ) ■Resident DJ: Spinn.Teramoto ( Akihabara Housing, Ltd. ) Hiroshi Okubo ( nanosounds.jp / Creators. ) ■Photographer: EmAk ( Back 2 Bellforest )
HIROSHI WATANABE aka KAITO ( Transmat / Kompakt )
ドイツ最大のエレクトロニック・レーベルKompaktのアーティストとしてKaito名義の作品を発表する傍ら、ギリシャのKlik Recordsからも作品をリリースしている。 2002年に制作したKaitoの1stアルバム『Special Life』に収録された「Intension」がFrancois K.のミックスCDに収録されるなど瞬く間に大反響を呼び、10年以上が経過した現在も色褪せることのない名曲として語り継がれている。 その後、Kompaktのコンピレーション・アルバムにも収録された表題曲を含む2ndアルバム『Hundred Million Light Years』を発表。この2枚のアルバムで一躍Kaitoの名は世界中に浸透し、バルセロナのSonar Festivalなどのビック・イベントでライヴを披露した。Kaito名義のオリジナル・アルバムでは常に対になるビートレス・アルバムも制作され、繊細かつ美しい旋律により幅広い音楽ファンに受け入れられている。 3rdアルバム『Trust』に対しての『Trust Less』では更にアコースティックな要素も取り入れ、リスニング機能をより高めた作品となった。本名のHiroshi Watanabe名義では自身最大のセールスを記録した1stアルバム『Genesis』に続き、2011年に『Sync Positive』を発表。タイトルが示す通り、リスナーを鼓舞させる渾身の作品となっている。またリミックスを機に交流を深めてきた曽我部恵一との異色コラボレーション・アルバム『Life, Love』ではメランコリックな音像と歌声が溶け合った叙情的なサウンドで新境地を切り拓いている。 一方、ニューヨーク在住時代に出会ったグラフィック・デザイナー、北原剛彦とのダウンテンポ・プロジェクトTreadでは、シンプルで柔らかい上音と乾いたビートの融合を絶妙のバランスで確立し、ハウス、テクノ、ヒップ・ホップなどジャンルの壁を越えて多方面から注目を浴びることに。限定生産された5枚のアルバムと4枚のEPは不変の価値を持つ名盤として知られている。 2013年にはKompakt設立20周年を記念して制作された2枚組DJミックス『Recontact』を、更にKaito名義としては4年振りとなるアルバム『Until the End of Time』を発表。新生Kaitoとも言える壮大なサウンドスケープが描かれている。 2016年初頭にはテクノ史に偉大な軌跡を刻んできたデトロイトのレーベルTransmatよりEP『Multiverse』をリリース。主宰Derrick Mayの審美眼により極端に純度の高い楽曲のみがナンバリングされるため、近年はリリースそのものが限定的となっている中での出来事。EPと同名のアルバムは、さながら宇宙に燦然と煌めく銀河のようなサウンドが躍動する作品となっている。 歴史を創出してきた数多のレーベルを拠点に世界中へ作品を届け続けるHiroshi Watanabe。日本人として前人未到の地へ歩みを進める稀代の音楽家と言えるだろう。 TAKAMI ( REBOOT / BUZZ×3 )
1995年からDJを始め、現在は国内最長寿テクノパーティー「REBOOT」やアフター・アワーズの決定版「BUZZ×3」のレジデントDJとして活躍中。また、新宿2丁目自作自演系「りんごないと at AISOTOPE LOUNGE」でもプレイする一面も持つ。 他、2012年6月より日本初のダンス専門インターネットラジオblock.fmにて「radio REBOOT」(第1,3,5 火曜日 22:00~)をレギュラー担当。 東京を拠点にテクノやハウスなどのジャンルを問わず様々なパーティーでゲストプレイし意欲的な活動を行っており、Charlotte de Witte,THE ADVENT,CHRISTIAN SMITH,HARDFLOOR,MARCO BAILEY,FILTER HEADS,CRISTIAN VARELA,SIAN,TOMEHADES, Steve Red Headなど、ワールドクラスのDJ来日時にも共演し、「TECHNO」を基調として4DECKSを駆使した独自のファンキーな選曲と安定感のあるプレイスタイルは幅広いオーディエンスやDJの間で評価が高い。 また、ロック&クラブマガジン「LOUD」によるDJ人気投票「DJ 50/50」にも、2006年より連続ランクインを果たしたことから、キャリアと共にその根強い人気の高さが伺える。 2002年9月には、MOON AGE RECORDINGSから初のリリースとなったデビューEP.「AGAINST THE OVERDRIVE E.P.」はQ'HEY、DJ SHUFFLEMASTER、YAMA、DJ UIROHなどから高い評価を受けた他、ドイツのクラブ誌「raveline」では5つ★の評価を得て話題を呼んだ。 その後、数多くのトラックをリリースし続けており、その楽曲のオリジナリティーの高さからリミキサーとしても作品を提供している。 http://www.takami.info http://www.facebook.com/takami.info http://twitter.com/djtakami http://www.mixcloud.com/djtakami/ https://soundcloud.com/takami https://www.beatport.com/artist/takami/77325 https://block.fm/radios/19 DeLPi
2003年よりVJ活動を開始。 秋葉原MOGRAを中核に様々な音楽ジャンルでVJ活動中。 ハウス、テクノ、ミニマルを得意とする。 VJ活動の幅は広く、クラブだけにとどまらず、お笑いライブ、コンサートでも演出に携わる。 最近ではWebCM作成、MV撮影、スチル撮影にも参加し、創作活動にも力を入れている。 koume
石川県の港町でYMOやディーライトを聴いて育つ。 大学進学を言い訳に関東に進出、MSX-FAN1995年8月号にMMLによる音楽プログラム掲載、現BUBBLE-Bよりテープアルバム掲載の勧誘、文通を経て初のクラブでガバを経験。DJを間近で観る経験に恵まれ、2000年にロフトプラスワンでハウス/ドラムンベースDJデビュー。 以降トークイベントのBGMやラウンジイベントのDJ、2002年のclub K@大阪karmaや甲府でのレギュラーパーティ等を経て2003年~2006年までkokou,glicoとの共同オーガナイズ、及び、現在「ざつおん!!」で周知となったHTC communicationsのフライヤーデザインにて早稲田茶箱にてレギュラーパーティ”Spiel!!!”のレジデントDJを展開。 現在も横浜・関内、熱海など、エリアやジャンルを問わないプレイを継続中。 2010年2月よりas U likeレジデントとして参画。 以降はアナログレコードDJからUSB DJへの変革とともにドーナツ盤等の7inchにも手を出している。 https://tknr.com/ REV-TUNE ( CommKnot Records / Back 2 Bellforest / Energy for Weekend / Techno Alliance )
幼少期、インストミュージック、店内BGMなど、言葉の無い音楽に興味を持ち、ピアノの黒鍵だけ延々叩いて遊んでいたちょっと変わった少年は、中学二年の時、某ロボゲーをきっかけにテクノという音楽を知る。 2007年からDJ活動開始。ハウス・テクノを軸にプレイ。イベントメイクが好きで、主に中野Heavysick ZEROを拠点に、その時々で思いついた様々なイベントを開催中。 2018年からはビリヤニ☆タカシとしてフード活動も開始。 2020年からはレーベルCommKnot Recordsの活動を開始。Techno Alliance仕掛人の一人。 http://back2bellforest.com https://twitter.com/REV_TUNE orinetone ( QLoveDolls )
いつだって楽しいことはいろいろやってみたい人。 秋葉原重工で���販とか打ち上げのお手伝い担当。 時々音楽作ったり写真をいじったり、たまーに絵をかいたりも始めたり。 あと時々DJします。 https://www.mixcloud.com/orinetone/ AYAKA先生 ( Creators. )
瀬戸内の豊かな自然の中で生まれ、現在は東京を拠点に活動。 奇数月第三木曜日に六本木Varit.で開催されているクリエイティブクラブイベント"Creators."レギュラー。 華麗なマイクワークと臨場感溢れるクレイジーなフロアメイクで各国のリスナーたちからも一目置かれる存在。何が飛び出してくるか分からないプレイスタイルは、ドリンクチケットが余っているのを忘れてしまうほど。 女子力あふれるプレイが魅力のFEMALE DJ。 オーディエンスとしても何度も足を運んだ愛する秋葉原住宅に三回目の出演。住み慣れた我が家「秋葉原住宅」に、花の香りを添える。 https://twitter.com/ayk_sensei
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彼はいい匂いだと言う
中国大会が終わってから、ヴィクトルと勇利は親密だった。少なくとも勇利はそう感じていた。ヴィクトルは勇利に笑いかけ、寄り添い、髪を撫でて、いつもそばにいた。彼は口数が多く、絶えず勇利に話しかけ、愉快そうだった。ヴィクトルの手はあたたかく、大きく、力強かった。それを改めて知る機会が勇利には幾度もあった。ヴィクトルがそんなふうだということは──楽しそうに笑い、愛嬌があり、勇利と仲がよく、おりにふれて接触するひとだということは──前からよくわかっていたのだけれど、勇利はこのところ、それをひどく強く感じていた。ヴィクトルと勇利は、非常に──たいへん親密だった。 何なんだろう、と勇利はときおり考えこんだ。ヴィクトルの気まぐれなのだろうか。もともとよくわからないひとではある。しかし、ヴィクトルの目つきは、前とはどこかちがうのだ。長谷津へ来たときから彼は優しく、勇利を大切そうにみつめてくれたが、さらに何かが強まった──熱烈なものを感じるような気がするのである。だが、確かに「気がする」だけなのかもしれない。ヴィクトルは以前の通りなのかもしれない。勇利ひとりが勝手にそういう妄想をしているに過ぎないのかもしれず、だとしたら、ヴィクトルにとっては迷惑な話である。そう……、「熱烈」はおおげさかもしれない。「以前に増して」くらいが適当だ。きっと。 しかしそう思えば、やはり前とは何かがちがっているということになるのだ。中国大会のあたりから。中国大会で何があっただろう? 思いつくのは自分が泣きわめいて癇癪を起こしたことくらいだけれど、それでヴィクトルが勇利への気持ちを深めるのはなんだか変だ。コーチとして学ぶところはあっただろうが、個人的には、よく泣くし、その泣き方が普通ではないし、めんどうくさいやつだと思われている気がする。実際勇利が泣いたとき、ヴィクトルはやっかいごとに出会ったという感じだった。彼は勇利を泣きやませるための解決法がわからず、なげやりな提案をしたりした。キスでもすればいいのかいってなんだよ。そういう問題じゃないんだよ。ヴィクトルは何もわかってない! ……いや、その話はいまはよくて。 まあ、実際キスをされたりはしたけど……。勇利は溜息をついた。しかしあれもとくに意味はないだろう。「キスされた」というより「キスされた?」というあいまいな気持ちだ。されたと思うのだが、一瞬のことだったし、勇利の勘違いかもしれない。勇利としては、絶対にふれたと信じているけれど、それが事実と同じとは限らない。そもそも、本当にキスしていたとしても、あれはただ勇利の四回転フリップに対抗したヴィクトルの「手段」だったのだ。それで「キスしたから親密になったんだ!」と大騒ぎするほど勇利も愚かではなかった。 まあ……ああいう騒動があって、コーチと生徒としてひとつ乗り越えて……その結果っていう気がしないでもないけど……。 しかしそれにしては、ヴィクトルのそぶりは、師弟という領域を飛び越えているように思えるのだった。もっとちかしい何かを感じる。だが、人と「ちかしい」関係を築いたことのない勇利に、「これは特別な感情だ」などときめつけられるはずもない。気のせいなのかなあ、でもなあ、と迷う日々だった。 「勇利、どこ行くの?」 夜、入浴を済ませて部屋へ戻ろうとすると、ヴィクトルが必ずそう尋ねる。正直に自室へ帰るのだと答えたら「じゃあ俺も」となぜかついてこようとする。 「いやいや、ぼくの部屋で何するの」 「勇利は何するの?」 「べつに……一日の成果を振り返ったり……ヴィクトルの動画を見たり……」 「俺はここにいるだろ?」 「それはそうだけど」 「俺のそばでは一日の成果は振り返れない?」 「そういうことじゃない」 あの狭い部屋にヴィクトルとふたりで落ち着いてどうすればよいのかわからず、勇利は結局、居間にとどまることが多かった。すると手持ち無沙汰になるので、なんとなく携帯電話をいじったりする。 「勇利、何してる?」 「いや、友達から連絡が入ってたりするから」 「ふうん」 中国大会の成績について、おめでとうと言ってくれる知り合いのことだ。昔のバレエ仲間やスケート仲間で、ひどく親しいというわけではないけれど、こういう祝いを伝えあう人たちは何人かいた。 「日本人?」 「海外の人もいるけど」 「なるほど」 ヴィクトルは勇利を後ろから抱きしめ、携帯電話の画面をぼんやり眺めていた。日本語はわからないだろうし、英語の文章を理解できたとしても、特別な内容ではないので構わない。 「ヴィクトル、あんまり体重かけないで。重いよ」 「そうかい?」 「そう」 「じゃあ勇利が俺に体重をかければいい」 すこし離れて欲しいという意味だったのだけれど、ヴィクトルはそうは受け取らなかったらしい。彼は姿勢を正すと勇利の身体を引き寄せ、寄りかからせてかるく抱いた。勇利は、そういうことじゃないんだけどなあ、と思いつつ、いやだと抵抗するのも妙なので、されるがままになっていた。 「これならいいだろ?」 「うーん。うん」 「俺も勇利に何かメッセージを送ろうかな」 「なんて?」 「今日のトリプルアクセルはひどかったねとか」 勇利は頬をふくらませた。 「それはもうリンクで言われたからいいよ」 「かわいいねとか」 「何を企んでるの?」 「いい匂いがするねとか」 「なにそれ」 勇利は笑い出した。ヴィクトルは勇利の���に鼻先をくっつけ、匂いを確かめた。 「本当だよ。勇利は甘くてすてきないい匂いがする」 「まあ、お風呂上がりだからね」 「勇利」 「ん?」 「…………」 ヴィクトルが何も言わないので、勇利は首をねじり、彼のほうへ顔を向けた。ヴィクトルも勇利のおもてをのぞきこんで、物穏やかな青い目を瞬かせていた。 「なに?」 「いや……」 「もう、変なヴィクトル」 「ああ、そうだね」 ヴィクトルの携帯電話が音をたてた。ヴィクトルはちらと見て、「あ、クリスからだ」と言い何か返信を始めた。ふたりは寄り添ってそれぞれ作業をしていた。真利が部屋の前を通りかかり、あきれたように声を上げた。 「あんたら何やってんの?」 「え?」 「何が?」 「くっついてないとスマホもいじれないわけ?」 「いや、そういうわけじゃないけど、ヴィクトルがくっついてくるから」 「勇利がいい匂いするから」 「もういいわ……」 真利は行ってしまった。ふたりは顔を見合わせた。自然と笑みがこぼれる。 「あきれられちゃったね」 「そうだね」 笑いあったあと、勇利はなんとなく目をそらさなかった。ヴィクトルも勇利をずっと見ていた。なんで見てるんだろう、と勇利はさらに見返した。ヴィクトルはもっと勇利をみつめていた。勇利はだんだんどきどきしてきた。ヴィクトルはどうして何も言わないの? なんか……なんか、顔が近づいてきた気がする……いやいや、まさか。気のせいだ。ヴィクトルの前髪が額にふれてくすぐったかった。勇利は頬が熱くてたまらなくなった。身体にまわっているヴィクトルの腕を意識してしまう。べつにきわどいところに手を当てられているわけではないのだけれど……なんというか……そういう……雰囲気が……。 ヴィクトルがふとまぶたをほそめた。青い色ならひんやりとした印象を受けるはずなのに、彼の目はたいへん情熱的だと勇利は感じた。鼓動が速い。伝わっていたらどうしよう? 「…………」 「あっ、あー……、ぼく、そろそろ部屋に戻ろうかな……」 唐突に勇利はヴィクトルの腕を外し、身体を離した。ヴィクトルはもう引き止めなかった。階段を上がるとき、全身がほてっているようだったのはなぜなのだろう。まったく解せないことだ。 トイレットペーパーがない。買ってきて。そう真利に命じられ、勇利は素直に夜の買い物に出掛けた。 「トイレットペーパー……ダブル……」 ついでに自分用の湿布なども購入することにする。 「あとは……」 トイレットペーパーだけのはずが、指示のメモはずいぶん長かった。あまりこういうところで買い物をしない勇利は、店内をくまなく歩きまわることになった。ラップなんか売ってるのか。へえ。お風呂用洗剤どこだろう。歯磨き粉……使い捨てカイロ……芳香剤……。棚から棚へと探索を進めていた勇利は、あるひとすみで足を止めた。 最初は、これはなんだろう、という気持ちだった。医療品? 日用品? 見慣れない商品だ。勇利はなんとなく手に取ってみた。てのひらからはみ出る大きさの箱に、数字が大きく書いてあるだけだった。だからよくわからなくて目に留まったのだ。勇利はひっくり返して裏の説明書きを読んでみた。瞳がまるくなり、彼はあやうく箱を取り落とすところだった。勇利はさっと箱を棚に戻した。それはコンドームだった。 なんだ。そういうことか。何かと思った。こういう感じ��んだ。勇利は慌ててその場から離れようとした。しかし彼は立ち止まり、また棚に向き直った。興味があったわけではないのだけれど、無視することができなかった。ぼく、ひとつ、買っておいたほうがいいんじゃないのかな? おそるおそる、もう一度同じ箱を手に取ってみた。そしてほかのも調べた。〇・〇一とか〇・〇二とかいうのはなんのことなのだろう。それ以外にもいろいろ種類があるようで、コンドームはその一角でなかなかの面積を占めている。いったい何がちがうのだろうか。勇利は別の箱を取り、慎重に見くらべた。材質? へえ、どれでも同じじゃないんだ。それから……あったかいって書いてある。えっ、ゴムがあったかいの? なんで? こっちは香りつきモイストタイプ……匂いとゴムとどういう関係があるんだろう……モイスト……湿りつつ匂いつき……? 勇利はくらくらしてきた。よくよく調査してみると、こういうものにも大きさがあるのだとわかった。そうなんだ、と戸惑った。まあ確かに、人によってちがうものだろう。ヴィクトルはどれが合うのかな、と勇利は真剣に考えた。温泉で見たことはあるけれど、凝視しているわけではないし、眼鏡もかけていないし、そもそも、温泉に入るときとそういったときとではまたちがうだろう。 そこではっとし、勇利はまっかになった。ぼくは何を考えてるんだ……。しかし、まったくの的外れでもないという思いもあった。ヴィクトルとの親密さは、なんとなく、そういうことに発展しそうな何かを秘めていた。性的なことを言われたわけでも、そんなふうにふれられたわけでも、裸に関心を示されたわけでもないのだけれど、どこか、いずれ彼とそういうことになる、と予感させるものがあるのである。いざ、ふたりの時間にのぞみ、ゴムがない、どうしよう、とうろたえるのは感心できなかった。けれど、ゴムならあるよ、はいこれ、と差し出すのもどうだろう。ヴィクトルはびっくりするのではないだろうか。いかにもそういうことをしたくて支度していたみたいだ。いやらしいやつだな、と思われたらどうしよう。期待しているとかそういうことではないのだ。いま彼とのあいだにある雰囲気からの、そうなるかも……きっと……というごく自然な想像だ。いつか、自分たちは……。 いやいや、と勇利はぶんぶんかぶりを振った。キスしたこともないのに──あるけど、あれはちょっとキスと数えるのはどうかな──ぼくは何を考えてるんだ、と思った。こんなことを思案して、ヴィクトルが知ったらあきれるにちがいない。勇利って俺とセックスするつもりだったの? 笑い出す彼が目に浮かぶ。いやだ。そんなふうに言われるのは。たまらなく恥ずかしい。勇利はふっとうつむいた。しかし──しかしだ。しかしそれでも、そう思わせる何かを、近頃のヴィクトルは持っている。キスをしたことなんてなくても──抱きあうことがなくても、なんとなくそれを感じさせる何かが──。 勇利は溜息をついた。やめよう。ひとりでばかみたいだ。こんなことで悩んでるなんて知られたらヴィクトルになんて言われるか。ひとりよがりの妄想なんだ。そんなことあるわけないじゃないか。何を考えてるんだろう。 勇利は箱を戻し、急いで棚から離れた。 か、買ってしまった……。机に向かい、茶色い紙袋に包まれたものと対峙しながら、勇利はひとりで赤くなっていた。買ってしまった。結局買ってしまった。レシートが同じでは姉に何を思われるかわからないので、わざわざ別にして買ってしまった。ものすごく気恥ずかしかった。もう二度としたくない。そんなことまでして買ってしまった。 「はあ……」 勇利は頬に手を当て、吐息を漏らした。ばかなことをしたと思う。こんなの絶対使う日はこない、と泣きたくなった。あんなに自分たちには必要だと思えたのに、いざこうして購入してみると、ふたりにはいちばん縁遠いものに感じられた。どうして買ってしまったのだろう? 勇利は丁寧にテープを剥がし、紙袋から中身を取り出してみた。もう、まともに見るのも恥ずかしかった。ヴィクトルは大きい気がする、と思って大きめのものを選んでみたけれど、そういう自分の思考すら恨めしい。そんなことはどうでもいい。そもそも、この品物自体がどうでもいい。 長く見ていられず、勇利はすぐ袋にそれを戻した。机のひきだしに急いでしまおうとしてためらった。あまり目につくところに置いておきたくない。見るたびに思い出して赤くなってしまいそうだ。こういうものは押し入れに隠すに限る。 勇利は押し入れを開け、紙袋を無造作にそのあたりに押しこんだ。そしてぴしゃりとふすまを閉めた。 きっともう、あれに手をふれることは二度とないだろう。 夜、勇利が走りに行っているあいだ、ヴィクトルはつまらなかった。一緒に行けばよかったといつも思うのだけれど、勇利は知らないうちにさっと出ていってしまうのだ。勇利は勝手だ、とヴィクトルはぶつぶつ言った。 「ちょっと、ねえ」 居間でぼうっとしながらテレビを見ていると、真利に声をかけられた。 「なんだい?」 「あんた、寝るとき寒くない?」 「一緒に寝ようと勇利を誘っても『うん』と言ってくれないんだ」 「そんなこと訊いてないのよ。古い家だからね、隙間風も入るし……、気になるなら毛布を出すけど」 「ありがとう。なくても問題ない」 「ならいいけど」 「勇利は?」 自分は寒さには強いけれど、勇利はそうでもないだろう。すこし気になった。 「そうね。あの子にもそろそろ出してあげないといけないな」 「どこにある?」 「なに? やってくれんの? あの子の部屋の押し入れに入ってるわよ」 そこでヴィクトルは勇利の部屋へ行き、勇利のために寝床を整えることにした。アスリートの敵は怪我と病気だ。とにかく、防げるものは防がなくては。注意しすぎるということはない。 ヴィクトルは押し入れから毛布をひっぱり出した。そのとき、毛布の端が何かに当たり、それが足元に転がり落ちるのがわかった。ヴィクトルはベッドまで毛布を運び、きちんと敷いて寝床の乱れを直してから、落としたものを拾ってみた。茶色い紙袋だった。振ってみるとかなりかるい。中身はなんだろう? ヴィクトルはなにげなく袋をひらき、逆さにしてみた。箱が落ちてきた。それを目にした瞬間、ヴィクトルはぎょっとした。何かはすぐにわかった。文字は日本語で書いてあるけれど、たやすく想像はつく。スキンだ。品物自体はとりたてて驚くようなものではない。しかし、それを勇利が持っているということはヴィクトルに衝撃を与えた。彼は驚愕した。 なんで? どうして? 勇利、恋人がいるのか? 誰のために買ったんだ? ヴィクトルは完全にとりみだした。うそだと思った。うそだ。だって勇利は……。 勇利は魅力的な若者である。かわいいし、綺麗だし、品があるし、可憐でそぶりが初々しく、笑顔はみずみずしい。性格も、頑固だけれど優しくて、でもつめたいところもあって、わがままで、感じやすく、凛々しく、かなり不思議��。誰だって彼に惹かれるだろう。ファンもたくさんいる。みんなが彼と親しくなりたがる。女性に声をかけられているところもよく見かける。恋人がいてもおかしくはない。しかしヴィクトルは信じられなかった。 だって勇利は俺と──。 勇利は昔からヴィクトルが好きだったという。だがそれはこういう意味ではないだろう。そのことはわかっている。けれど、このところふたりのあいだにある親密さ、やわらかな感じ、なんとも言えないあまずっぱさ、くすぐったさを思えば、こんなものを彼が持っているのはとうてい承服できかねるのだった。ヴィクトルは勇利といてひどくしあわせだったのだ。そんなふうに思っていたのは自分だけだったのだろうか? 勇利にはちゃんとした相手がいるのに、ヴィクトルがひとりで喜んでいたのだろうか。確かに自分たちは、何かを約束したことはない。しかし──。 もちろん、勇利に想う相手がいるのならけっこうなことだ。ヴィクトルは勇利の笑顔が好きである。彼には笑っていてもらいたい。愛し愛されるのはすてきな経験ではないか。勇利がしあわせなのはよいことだ。けれど、でも、だけど──。ヴィクトルは溜息をついた。だけど、勇利は俺と──。 気がつくと、ずいぶん長い時間が経っていた。ヴィクトルが我に返ったのは、階段を上ってくる足音が聞こえたからだった。これは勇利のものだ。いつも彼は走り終えて帰宅すると、そのまま温泉へ行き、身綺麗になって戻ってくる。ヴィクトルの好きな匂いをさせて。 ヴィクトルは勇利に尋ねるべく、はらはらする気持ちを抑えて待ち構えた。 部屋から明かりが漏れている。勇利は驚かなかった。姉から、ヴィクトルがいると教えられていたからである。 「ただいま」 勇利は中に入った。 「真利姉ちゃんから、ヴィクトルが毛布出してくれてるって聞いたけど、ありがとう。ごめん、めんどうだったでしょ?」 床に座っていたヴィクトルが顔を上げた。目が合った。勇利は首をかしげた。 「どうしたの?」 「…………」 「変なの。ヴィクトル、何かあった──」 の、と最後まで言うことは勇利にはできなかった。勇利の視線がヴィクトルのおもてから下に下がり、彼のあぐらの前に置いてあるちいさな箱に行き着いたからである。 勇利は衝撃のあまり、言葉もなく口をひらいた。なんでこれが、と思った。どうして。片づけたはずなのに。もちろん、考えるまでもなくわかった。毛布を出すときに、何かの拍子で転がり出てしまったのだろう。しかしそんなことはどうでもよかった。かんじんなのは、ヴィクトルにこれを見られた、ということである。 「あっ、あっ、そ、それ、それは──」 勇利はあっという間にのぼせ上がった。 「それは、なんていうか、とくに意味はなくて、あの、ぼくは、べつに、そんなことは、えっと、」 「勇利」 ヴィクトルが床を示した。 「座って」 「…………」 勇利はしおしおとその場に腰を下ろした。しとやかにうつむき、上目遣いでヴィクトルをうかがう。ヴィクトルは眉根を寄せて、悩ましい表情をしていた。 「まず訊くが」 「……はい」 「これを買ったのは勇利、きみかな?」 「……はい、そうです」 勇利はうなだれて認めた。 「なんのために?」 「…………」 「なぜこれが必要だったのかな」 勇利はまっかになった。そんなこと、ヴィクトル当人に言えるわけがないではないか。いつか貴方に抱かれることがあるかと思って支度しました、なんて、どんな勇気をかき集めれば口にできるというのだ。 「勇利」 赤くなっておもてをさしうつむけている勇利に、ヴィクトルはふいに優しく問いかけた。 「誰か好きなひとがいるの?」 その声はひどくやわらかくて、最初のころ、「恋人はいるのかい? 昔の恋人は?」と陽気に尋ねてきたヴィクトルとはまるでちがっていた。しかし、やはり勇利は答えられなかった。 「恋人なのかな?」 勇利はくちびるを引き結んだ。恋人なんかじゃない。そんなことはヴィクトルがいちばんよくわかっているではないか。勇利だって、べつに恋人になりたいわけではないのだ。ただ──ただ──そういうことをするかなと思っただけで──。 「俺には言えない?」 ヴィクトルだから言えないのだ。 「もしかして──」 ヴィクトルがすこしためらった。 「俺の知ってる人なのかな」 当たり前だ。ヴィクトルが知らないわけが──。そう思いさして、勇利はふと違和感をおぼえた。どうしてヴィクトルはこんな話しぶりなのだろう? 「俺とも親しい人? 顔見知り程度? 勇利の友達はよく知らないはずなんだけど。スケート関係の人かい? それともバレエ?」 変だ。勇利は戸惑った。ヴィクトルはなんの話をしているのだ? 「友達から連絡が来るって言ってたよね。その中の誰かなのかな。ああ、日本人じゃない? デトロイト時代の知り合いとか。べつに俺はからかうつもりはないよ。ただ、勇利のことを知っていたいなと思っただけさ。もちろん──なんていうか──さびしくはあるけどね。だって勇利、俺たちはこのところ──」 「ヴィクトル」 勇利は顔を上げてつぶやいた。 「なんだい?」 ヴィクトルが丁寧に問い返した。 「ヴィクトルだよ」 「え?」 「だから、ヴィクトルなんだ」 「……何が?」 ヴィクトルが不思議そうに勇利を見た。勇利は一生懸命に見返した。ヴィクトルは、勇利がどこかに好きな相手をつくったと思っている。なぜそんな考え方になったのかわからないけれど、とにかくそのようだ。それは完全な誤解である。 「よそに好きなひとなんていないよ」 勇利はたどたどしく告白した。 「いつかヴィクトルとそういうことするかなって思って、それで──それで買ったんだ」 「…………」 ヴィクトルがきょとんとした。勇利は息をつめた。しばらくすると、勇利は猛烈に恥ずかしくなってきた。言ってしまった。そんなつもりはなかったのに。ヴィクトルが変な思い違いをしているようだから、それを正そうと正直に話してしまった。これでは、笑ってくださいと言っているようなものではないか。勝手に貴方とのことを想像していましたと包み隠さず打ち明けるなんてどうかしている。 「あっ、あの、べつに、ぼく、ぼくは、ヴィ���トルにそれをしてくれって求めてるわけじゃなくて……」 「…………」 「だから気にしないで欲しいっていうか、その、ばかだって……ばかだってわかってるんだけど──」 さっとヴィクトルが目をそらし、首を横に向けた。勇利はあきれられたのだと思ってうろたえた。しかしヴィクトルは、口元を片手で覆い、急に顔を赤くして、気が抜けたようにつぶやいた。 「……俺だったのか……」 あきれているというより照れているように見える彼の態度に、勇利はぽかんとした。 「俺か。俺か……。俺だったのか……」 「……え、えと」 「俺と。そうか。勇利、そうだったのか……」 ヴィクトルがぶつぶつ言っている。どうやら笑われることはなさそうだ。勇利はほっとし、安堵のあまり、妙なことを口走ってしまった。 「そ、そうだよ。ヴィクトル、それ、サイズ合う?」 「えっ、サイズ?」 初めてそのことに思い至ったというようにヴィクトルが視線を落とした。勇利はまっかになった。ぼくなに言ってるんだ!? サイズとかいまどうでもいいだろ! 「ああ……」 ヴィクトルは箱を調べ、それからひとつうなずいて勇利を見、にっこりした。 「合ってるよ」 「そ、そう」 勇利は緊張ぎみに返事をした。 「よかった」 何がいいんだ!? 何がいいんだ!? ぼくなんなの!? 勇利はこのうえなく混乱していたけれど、それをおもてに出せないほどのぼせ上がっていた。 「俺だったのか。そうか。勇利、俺と。俺と……」 ヴィクトルはまたそんなことを言った。もうそのことはいいじゃん、と勇利は怒りそうだった。そうだよ。ヴィクトルとそうすること考えたんだよ。何回言うんだよ。ヴィクトルのばか。 しかし、この沈黙にどのように決着をつければよいのだろうか。ふたりには必要ないだろうかと尋ねることなんてできないし、いつごろ使いそうかと訊くなんてもっとできないし、捨てたほうがよいかという質問も、ふたりの関係を決断しろと迫っているみたいだ。 「……勇利」 ヴィクトルは、思い惑う勇利のこころになど気づかないように、急に顔を上げて両手をひろげた。勇利はぱちぱちと瞬いた。ヴィクトルはにこにこ笑っている。えっと、これは、おいでっていうことなのかな……。勇利は、おずおずと手を伸べてヴィクトルに近づいた。ヴィクトルがぎゅっと勇利を抱きしめて頬ずりした。 「そうか。俺のだったのか……」 「え、えっと、はい……」 「そうか……」 勇利はヴィクトルの腕の中におとなしくおさまり、彼の肩に頬を押しつけてじっとしていた。ヴィクトルが吐息をついてやわらかくささやいた。 「勇利、いい匂いがするね」 勇利はその箱をしまっておいた。そのあとは、ヴィクトルはそれについては何も話さなかったし、勇利もひとことも言わなかった。ロシア大会で離ればなれになり、帰国してヴィクトルへの思慕とせつなさを知り、グランプリファイナルを経て、ふたりは輝かしい愛を手にした。勇利は春にはロシアへ渡り、ヴィクトルのもとへたどりつき、彼の胸に飛びこんだ。ヴィクトルはその夜、彼のベッドで勇利にキスした。 「勇利、あれを持ってる?」 期待でいっぱいの甘いささやきに、勇利はうっとりしながらすこしつんとして答えた。 「あんな恥ずかしいもの持って、ロシアへなんて来られません」 途端にヴィクトルは眉を下げた。 「今夜はできないのかい?」 勇利は笑い出し、身体の後ろに隠していた箱を差し出した。ヴィクトルの目が輝いた。それを見て勇利の頬は燃えるように紅潮した。 その夜、ヴィクトルは箱の中身をいくつか使った。箱は数日でからっぽになった。しかし、勇利はもう、それをひとりで買いに行くことはなかった。ヴィクトルの身体に隠れながら、手をつないで彼が選ぶのを見、「これがいい?」「この色は?」「こっちはどうかな?」と相談してくるのに、「知らない。ヴィクトルが使いたいやつでいい」と口早に答える気恥ずかしい時間が、勇利は嫌いではない。 さて勇利は、「ゴムがあったかいの? なんで?」という疑問の答えは最近ついに知ったが、「香りつきモイストタイプ」については、いまだ謎のままである。
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わーい🙌ヨンタクロースさんが、今一番嬉しいプレゼント🎁をくれた😍 . . . 黒いうちコ(凛)と一緒の似顔絵😆うれしいなー うれしいなー また玄関に飾っちゃおうかなぁ〜◎ . . . ちなみに以前もらった私と凛のイラストはずっと玄関に飾ってあるのです😌 . . . クリスマス会の写真送っただけで、その時の服装とか、本人の好きなものや特徴をちゃんととらえつつ、ファミリーのみんなにサラッとクリスマスにプレゼントしちゃうあたり、さすが👏👏👏 . . . いや〜、気の利いたサンタさんが世界にひとつだけのプレゼントを運んできてくれる🤶クリスマスっていいもんですね🥰 . . . ちなみに自分へのプレゼント、と言うわけではないけど、海外仕事の支度がてら、3年前に買ったiPhone7がいよいよケースとバッテリーが死にかけてたので、ようやく新調しました。 . . . いや、あのままの状態で年末年始にサハラ砂漠に連れて行ったらきっと死んでたから😱😱😱 . . . 重い腰あげて、iPhone11proに変えようかと思ったのですが、一括払いしないとすぐにSIMフリーにできないらしく、それならキャリアでわざわざ買う意味ないやんと思ったのと、そもそもスマホのカメラをほとんど使わない私はiPhone7でなんの不満もないし、むしろ片手で持てるこのサイズが好みなので、もうちょっとこのコを使うことにしました。 . . . 新しいケースは、Gショックみたいな無骨なケースにしてみました。このカラビナと、85cm?も伸びるワイヤーはなかなか便利。山ではザックにつけて持ち運ぼう◎ . . . この、ルーツってメーカーさん、どうやら箱根の会社らしく、地元民としてはなんとなく親近感わいたのもあります。 . . . 今日は半休取って美容院。海外仕事の前はどうしても髪をさっぱりしたくなるのですよ。 . . . かれこれ20年の付き合いになる美容師さんと話してて、「神奈川県民て、ほんとみんな神奈川が好きですよねー。みんな神奈川から離れないw 」「神奈川って"神"って漢字が使われてるから、やっぱり神様にちゃんと守られてる土地なんだって〜」という話を聞いたら、なんか色々また納得しちゃいました。 . . . 私も自分のルーツはやっぱり神奈川にあると思う。LOVE神奈川! . . . ちなみに昨日はiPhoneのバッテリー交換のために、当日予約できる場所を探したらappleストア表参道が出てきて、当日予約で交換作業してもらったのですが、料金5400円とかで意外と安かったです。 . . . 1時間半の作業が終わるまでの待ち時間、スマホなしで、クリスマスイブの表参道で時間を潰すのはなかなか大変でしたが。笑 . . . 結局、イルミネーションを見ながら一時間くらいぷらぷらして、その後、オズマガジンの温泉ひとり旅特集の雑誌を買って、スタバでのんびりすごしてました。 . . . 湯河原や熱海がめちゃくちゃいい感じのカフェとかできてるみたいなので、冬の間に一度はいきたい♨️ . . . 近場ほどノーマークだったりするので、たまには雑誌で、旅成分補充するのもいいもんですね◎ . . . そんなわけで、いろんな意味で、ウキウキワクワク、今年も充実したクリスマスが過ごせました〜😊🙌 https://www.instagram.com/p/B6fs9_nBklG/?igshid=1gy8bebaiiz0d
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呑まれる
ギタリストの指先は、本当に硬いんだろうか。 スタジオの鍵をまわしつづける夏紀の指が目線の先にみえかくれすると、ふとそんな話を思い出す。ペンだこが出来たことを話す友人のことも。肩の先にぶらさがったなんでもない手を目にやっても、そこに年季のようなものはうかんでこない。どうやら、私はそういうものに縁がないらしい。 夏紀の予約した三人用のスタジオは、その店の中でも一番に奥まった場所にあった。慣れた様子で鍵を受け取った夏紀のあとを、ただ私は追いかけて歩いている。カルガモの親子のような可愛げはそこにはない。ぼんやりと眺めて可愛がっていたあの子どもも、こんな風にどこか心細くて、だからこそ必死に親の跡を追いかけていたんだろうか。なんとなく気恥ずかしくて、うつむきそうになる。 それでも、しらない場所でなんでもない顔をできるほど年をとったわけじゃな��った。駅前で待ち合わせたときには開いていた口も、この狭いドアの並ぶ廊下じゃ上手く動いてくれない。聞きたいことは浮かんでくるけれど、どれも言葉にする前に喉元できえていって、この口からあらわれるのはみっともない欠伸のなり損ないだけだ。 「大丈夫?」 黙り込んだ私に夏紀が振り向くと、すでに目的地にたどり着いていた。鍵をあける前の一瞬に、心配そうな目が映る。なんでもないよ、と笑ったつもりで口角を上げた。夏紀が安心したようにドアに向き直ったのを見て、笑えてるんだとわかった。少し安心した。 ―――――― 「ギターを、教えてほしいんだけど」 「ギターを?」 「うん」 あのとき私がねだった誕生日プレゼントは、夏紀のギター教室だった。 その言葉を口にしたとき、急にまわりの席のざわめきが耳を埋めた。間違えたかな、と思う。あわてて取り繕う。 「無理にとは言わないし、お金とかも払うから」 「いや、そういうのはいいんだけど」 私の急なお願いに、夏紀は取り残されないようにとカ���プを掴んだ。言葉足らずだったと反省する私が続きを投げるまえに、夏紀は言葉を返してくる。前提なんだけど、と、そういう彼女に、私はついにかくべき恥をかくことになると身構えた。 「希美、ギター、持ってたっけ?」 「この前、買っちゃって」 「買っちゃって?」 夏紀の眉間の皺は深くなるばかりだった。一緒に生活していると、こんなところも似てくるのかと思う。今はここにいない友人の眉間を曖昧に思い出しながら、たりない言葉にたしあわせる言葉を選びだす。 「まあ、衝動買いみたいな感じで」 「ギターを?」 「ギターを」 私が情けなく懺悔を――もっと情けないのはこれが嘘だということなのだけれど――すると、夏紀はひとまず納得したのか、命綱のようににぎりしめていたカップから手をはなした。宙で散らばったままの手は、行き場をなくしたようにふらふらと動く。 「なんか、希美はそういうことしないと思ってたわ」 「そういうことって?」 「衝動買いみたいなこと」 夏紀はそういうと、やっと落ち着いたかのように背もたれに体を預けなおした。安心した彼女の向こう側で、私は思ってもいない友人からの評価に固まる。 「え、私ってそういう風にみえる?」 「実際そんなにしたことないでしょ」 「まあ、そうだけど」 実際、あまり経験のないものだった。アルコールのもたらした失敗を衝動買いに含めていいのかはわからないけれど、今まで自分の意図しないものが自分の手によって自分の部屋に運び込まれることは確かになかった。 そういう意味でも、私はあのギターを持て余していたのかもしれない。ふとしたことで気がついた真実に私は驚きながら、曖昧に部屋の記憶を辿っていく。社会に出てから与えられることの多くなった「堅実」という評価を今まで心の中で笑い飛ばしていたけれど、こういうところなのか。ちっとも嬉しくない根拠に驚く。 一度考え始めると、それは解け始めたクロスワードパズルのように過去の記憶とあてはまっていく。私が埋めることの出来ない十字に苦戦している間に、夏紀はとっくに問題から離れて、いつものあの優しい表情に戻っていた。 「教えるぐらいなら、全然構わないよ」 拠り所のようなその笑顔に、私は慌てて縋る。答えのない問に想いを馳せるには、この二人掛けはあまりにも狭すぎた。 「ありがと。買ったはいいけど、どう練習すればいいのかとかわからなくて」 「まあそういうもんだよねぇ」 こういうところで、ふと柔らかくなった言葉の選び方を実感するのだ。それはきっと過ぎた年月と、それだけではない何かが掛け合わさって生まれたもので。そういった取り留めのない言葉を与えられるだけで、私の思考は迷路から現実へ、過去から今へと戻ってくる。 スマートフォンを取り出して予定を確認していたらしい夏紀から、幾つかの日付を上げられる。 「その日、みぞれと優子遊びに行くらしいんだよね」 「そうなの?」 「そう、で、夜ご飯一緒にどうかって言われてるから、土曜の午後練習して、そっから夜ご飯っていうのはどう?」 日本に戻ってくるとは聞いていたけど、その予定は初耳だった。年末年始はいつもそうだということを思い出す。いつの間にか、そうやってクリスマスやバレンタインのようになんでもない行事のようになるかと思うと、ふと恐ろしくなった。 「大丈夫」 「オッケー。じゃあ決まりね」 ―――――― 「そういや、ギター何買ったの?」 「ギブソンレスポールのスペシャル」 「えっ」 いつ来るかと待ち構えていた質問に、用意した答えを返した。準備していたことがわかるぐらい滑らかに飛び出したその言葉に、なんだか一人でおかしくなってしまう。 私の答えに、夏紀は機材をいじる手を止めて固まった。ケーブルを持ったままの彼女の姿におかしくなりながら、黒いケースを剥がして夏紀の方に向けると、黄色のガワはいつものように無遠慮に光る。 「イエロー、ほらこれ」 「えっ……、いい値段したでしょ。これ。二十万超えたはず」 「もうちょっとしたかな」 「大丈夫なの?衝動買いだったんでしょう?」 「衝動買いっていうか、うん、まあそうね」 私の部屋にギターがやってきた真相を、夏紀の前ではまだ口にしていない。どうしようもなさを露呈する気になれなかったのもあるけれど、酷くギターに対して失礼なことをしている自覚を抱えたまま放り出せるほど鈍感ではいられなかったから。結局嘘をついているから、どうすることもできないのだけど。一度かばった傷跡はいつまでも痛み続ける。 「あんまこういう話するの良くないけど、結構ダメージじゃない?」 「ダメージっていうのは?」 「お財布っていうか、口座に」 「冬のボーナスが飛びました」 「あー」 「時計買い換えるつもりだったんだけど、全部パー」 茶化した用に口に出した言葉は、ひどく薄っぺらいものに見えているだろう。欲しかったブランドの腕時計のシルバーを思い出していると、夏紀にアンプのケーブルを渡された。 「じゃあ、時計分ぐらいは楽しめないとね」 そういう夏紀が浮かべる笑みは、優しさだけで構成されていて。私は思わずため息をつく。 「夏紀が友達で本当に良かったわ」 「急にどうしたの」 心から発した言葉は、予想通りおかしく笑ってもらえた。 夏紀がなれた手付きで準備をするのを眺めながら、昨日覚えたコードを復習する。自分用に書いたメモを膝に広げても、少し場所が悪い。試行錯誤する私の前に、夏紀が譜面台を置いた。 「練習してきたの?」 「ちょっとね」 まさか、昨日有給を取って家で練習したとは言えない。消化日数の不足を理由にして、一週間前にいきなり取った休暇に文句をつける人間はいなかった。よい労働環境で助かる。 観念して取り出したギターは、なんとなく誇らしげな顔をしているように見えた。届いたばかりのときのあのいやらしい――そして自信に満ちた月の色が戻ってきたような気がしたのは、金曜の午前中の太陽に照らされていたからだけではないだろう。 ただのオブジェだと思っていたとしても、それが美しい音を弾き出すのは、いくら取り繕っても喜びが溢れる。結局夜遅くまで触り続けた代償は、さっきから実は噛み殺しているあくびとなって現れている。 「どのぐらい?」 「別に全然大したことないよ。ちょっと、コード覚えたぐらいだし」 幾つか覚えたコードを指の形で抑えて見せると、夏紀は膝の上に載せたルーズリーフを覗き込んだ。適当に引っ張り出したその白は、思ったより自分の文字で埋まっていて、どこか恥ずかしくなる。ルーズリーフなんてなんで買ったのかすら思い出せないというのに、ペンを走らせだすと練習の仕方は思い出せて、懐かしいおもちゃに出会った子どものように熱心になってしまった。 「夏紀の前であんまりにも情けないとこ見せたくないしさ」 誤魔化すようにメモを裏返すと、そこには何も書かれていなかった。どこか安心して、もう一度元に戻している間に、夏紀は機材の方に向き合っている。 「そんなこと、気にしなくてよかったのに」 そういう夏紀はケーブルの調子を確認しているようで、何回か刺し直している。セットアップは終わったようで、自分のギターを抱えた。彼女の指が動くと、昨日私も覚えたコードがスタジオの中に響く。 「おおー」 「なにそれ」 その真剣な目に思わず手を叩いた私に、夏紀はどこか恥ずかしそうに笑った。 「いやぁ、様になるなぁって」 「お褒めいただき光栄でございます。私がギター弾いてるところみたことあるでしょ」 「それとは違うじゃん。好きなアーティストのドキュメンタリーとかでさ、スタジオで弾いてるのもカッコいいじゃん」 「なにそれ、ファンなの?」 「そりゃもちろん。ファン2号でございます」 「そこは1号じゃないんだ」 薄く笑う彼女の笑みは、高校生のときから変わっていない。懐かしいそれに私も笑みを合わせながら、数の理由は飲み込んだ。 「おふざけはこの辺にするよ」 「はぁい」 夏紀の言葉に、やる気のない高校生のような返事をして、二人でまた笑う。いつの間にか、緊張は指先から溶けていた。 ―――――― 「いろいろあると思うけど、やっぱ楽器はいいよ」 グラスの氷を鳴らしながらそう言う夏紀は、曖昧に閉じられかけた瞼のせいでどこか不安定に見える。高校生の頃は、そういえばこんな夜遅くまで話したりはしなかった。歳を取る前、あれほど特別なように見えた時間は、箱を開けてみればあくまであっけないことに気がつく。 私の練習として始まったはずの今日のセッションは、気がつけば夏紀の���奏会になっていた。半分ぐらいはねだり続けた私が悪い。大学生のころよりもずっと演奏も声も良くなっていた彼女の歌は心地よくて、つい夢中になってしまった。私の好きなバンドの曲をなんでもないように弾く夏紀に、一生敵わないななんて思いながら。 スタジオから追い出されるように飛びてて、逃げ込んだように入った待ち合わせの居酒屋には、まだ二人は訪れてなかった。向かい合って座って適当に注文を繰り返している間に、気がついたら夏紀の頬は少年のように紅く染まっていた。 幾ら昔に比べて周りをただ眺めているだけのことが多くなった私でも、これはただ眺めているわけにはいかなかった。取り替えようにもウィスキーのロックを頼む彼女の目は流石に騙せない。酔いが深まっていく彼女の様子にこの寒い季節に冷や汗をかきそうになっている私の様子には気づかずに、夏紀はぽつりぽつりと語りだした。 「こんなに曲がりなりにも真剣にやるなんて、思ってなかったけどさ」 そうやって浮かべる笑いには、普段の軽やかな表情には見当たらない卑屈があった。彼女には、一体どんな罪が乗っているんだろう。 「ユーフォも、卒業してしばらく吹かなかったけど。バンド始めてからたまに触ったりしてるし、レコーディングに使ったりもするし」 ギターケースを置いたそばで管楽器の話をされると、心の底を撫でられたような居心地の悪さがあった。思い出しかけた感情を見なかったふりをしてしまい込む。 「そうなんだ」 窮屈になった感情を無視して、曖昧な相槌を打つ。そんなに酔いやすくもないはずの夏紀の顔が、居酒屋の暗い照明でも赤くなっているのがわかる。ペースが明らかに早かった。そう思っても、今更アルコールを抜いたりはできない。 「まあ一、二曲だけどね」 笑いながら言うと、彼女はようやくウィスキーの氷を転がすのをやめて、口に含んだ。ほんの少しの間だけ傾けると、酔ってるな、とつぶやくのが見えた。グラスを置く動きも、どこか不安定だ。 「まあ教本一杯あるし、今いろんな動画あがってるし、趣味で始めるにはいい楽器だと思うよ、ギターは」 「確かに、動画本当にいっぱいあった」 なんとなくで開いた検索結果に、思わず面食らったのを思い出す。選択肢が多いことは幸せとは限らない、なんてありふれた言葉の意味を、似たようなサムネイルの並びを前にして思い知った気がしたことを思い出す。 「どれ見ればいいかわかんなくなるよね」 「ホントね。夏紀のオススメとかある?」 「あるよ。あとで送るわ」 「ありがと」 これは多分覚えていないだろうなぁと思いながら、苦笑は表に出さないように隠した。机の上に置いたグラスを握ったままの手で、バランスをとっているようにも見える。 「まあでも、本当にギターはいいよ」 グラグラと意識が持っていかれそうになっているのを必死で耐えている夏紀は、彼女にしてはひどく言葉の端が丸い。ここまで無防備な夏紀は珍しくて、「寝ていいよ」の言葉はもったいなくてかけられない。 姿勢を保つための気力はついに切れたようで、グラスを握った手の力が緩まると同時に、彼女の背中が個室の壁にぶつかった。背筋に力を入れることを諦めた彼女は、表情筋すら維持する力がないかのように、疲れの見える無表情で宙に目をやった。 「ごめん、酔ったっぽい」 聡い彼女がやっと認めたことに安堵しつつ、目の前に小さなコップの水を差し出す。あっという間に飲み干されたそれだけでは焼け石に水だった。この場合は酔っぱらいに水か。 くだらないことを浮かべている私を置いて、夏紀は夢の世界に今にも飛び込んでいきそうだった。寝かせておこうか。そう思った私に、夏紀はまだ心残りがあるかのように、口を開く。 「でも、本当にギターはいいよ」 「酔ってるね……」 「本当に。ギターは好きなように鳴ってくれるし、噛み付いてこないし」 「あら、好きなように鳴らないし噛み付くしで悪かったわね」 聞き慣れたその声に、夏紀の目が今日一番大きく見開かれていくのがわかった。恐る恐る横を向く彼女の動きは、スローモーション映像のようだ。 珍しい無表情の優子と、その顔と夏紀の青ざめた顔に目線を心配そうに行ったり来たりさせているみぞれは、テーブルの横に立ち並んでいた。いつからいたのだろうか、全く気が付かなかったことに申し訳なくなりながら、しかしそんなことに謝っている場合ではない。 ついさっきまで無意識の世界に誘われていたとは思えない彼女の様子にいたたまれなくなりながら、直視することも出来なくて、スマートフォンを確認する。通知が届いていたのは今から五分前で、少し奥まったこの座席をよく見つけられたなとか、返事をしてあげればよかったかなとか、どうにもならないことを思いながら、とにかく目の前の修羅場を目に入れたく���くて泳がしていると、まだ不安そうなみぞれと目が合った。 「みぞれ、久しぶりだね」 前にいる優子のただならぬ雰囲気を心配そうに眺めていたみぞれは、それでも私の声に柔らかく笑ってくれた。 「希美」 彼女の笑みは、「花が咲いたようだ」という表現がよく似合う。それも向日葵みたいな花じゃなくて、もっと小さな柔らかい花だ。現実逃避に花の色を選びながら、席を空ける準備をする。 「こっち座りなよ」 置いておいた荷物をどけて、自分の左隣を叩くと、みぞれは何事もなかったかのように夏紀を詰めさせている優子をチラリと見やってから、私の隣に腰掛けた。 「いや、別に他意があるわけじゃ、なくてですね」 「言い訳なら家で聞かせてもらうから」 眼の前でやられている不穏な会話につい苦笑いを零しながら、みぞれにメニューを渡した。髪を耳にかける素振りが、大人らしく感じられるようになったな、と思う。なんとなく悔しくて、みぞれとの距離を詰めた。彼女の肩が震えたのを見て、なんとなく優越感に浸る。 「みぞれ、何頼むの?」 「梅酒、にする」 ノンアルコールドリンクのすぐ上にあるそれを指差したのを確認する。向こう側では完全に夏紀が黙り込んでいて、勝敗が決まったようだった。同じようにドリンクのコーナーを覗いている優子に声をかける。 「優子は?どれにする?」 「そうねえ、じゃあ私も梅酒にしようかしら」 「じゃあ店員さん呼んじゃおうか」 そのまま呼び出した店員に、適当に酒とつまみと水を頼む。去っていく後ろ姿を見ながら、一人青ざめた女性が無視されている卓の様子は滑稽に見えるだろうなと思う。 「今日はどこ行ってたの」 「これ」 私の質問に荷物整理をしていた優子が見せてきたのは、美術館の特別展のパンフレットだった。そろそろ期間終了になるその展示は、海外の宗教画特集だったらしい。私は詳しくないから、わからないけど。 「へー」 私の曖昧な口ぶりに、みぞれが口を開く。 「凄い人だった」 「ね。待つことになるとは思わなかったわ」 「お疲れ様」 適当に一言二言交わしていると、ドリンクの追加が運ばれてくる。小さめのグラスに入った水を、さっきから目を瞑って黙っている夏紀の前に置く。 「夏紀、ほらこれ飲みなさいよ」 優子の言葉に目を開ける様子は、まさに「恐る恐る」という表現が合う。手に取ろうとしない夏紀の様子に痺れを切らしそうになる優子に、夏紀が何か呟いた。居酒屋の喧騒で、聞き取れはしない。 「なによ」 「ごめん」 ひどくプライベートな場面を見せられている気がして、人様の部屋に上がり込んで同居人との言い争いを見ているような、そんな申し訳のなさが募る。というかそれそのものなんだけれど。 「ごめんって……ああ、別に怒ってないわよ」 母親みたいな声を出すんだなと思う。母親よりもう少し柔らかいかもしれないけれど。 こういう声の掛け方をする関係を私は知らなくて、それはつまり変わっていることを示していた。少しだけ、寂しくなる。 「ほんと?」 「ほんと。早く水飲んで寝てなさいよ。出るときになったら起こしてあげるから」 「うん……」 それだけ言うと、夏紀は水を飲み干して、テーブルに突っ伏した。すぐに深い呼吸音が聞こえてきて、限界だったのだろう。 「こいつ、ここ二ヶ月ぐらい会社が忙しくて、それでもバンドもやってたから睡眠時間削ってたのよ」 それはわかっていた。なんとなく気がついていたのに、見て見ぬ振りをしてしまった。浮かれきった自分の姿に後味の悪さを感じて、相槌を打つことも忘れる。 「それでやっとここ最近開放されて、休めばいいのに、今度はバンドの方力入れ始めて。アルコールで糸が切れたんでしょうね」 グラスを両手で持ちながら、呆れたように横目で黙ったままの髪を見る彼女の声は、どこかそれでも優しかった。伝わったのだろうか、みぞれも来たときの怯えは見えなかった。 「希美が止めてても無駄だったから、謝ったりする必要ないわよ」 適切に刺された釘に、言葉にしようとしていたものは消えた。代わりに曖昧な笑みになってしまう。 「そういえば、夏紀のギター聞いたのよね?」 「うん、まあね」 「上手かった?」 「素人だからよくわからないけど、うまいなと思ったよ」 「そう」 それならいいんだけど、と、明らかにそれではよくなさそうに呟いた彼女の言葉を、私はどう解釈していいのかわからなかった。曖昧に打ち切られた会話も、宙に放り投げられた彼女の目線も、私にはどうすることも出来なくて。 「そういえばみぞれは、いつまでこっちにいるの?」 考え込み始めた優子から目線をそらして、みぞれに問いかける。さっきからぼんやりと私達の会話を聞いていたみぞれは、私の視線に慌てる。ぐらついたカップを支えながら、少しは慣れればいいのに、なんて思う。 「え?」 「いつまでこっちにいるのかなって」 アルコールのせいか、少しだけ回りづらい舌をもう一度動かす。 「1月の、9日まではいる」 「結構長いね、どっかで遊び行こうよ」 何気ない私の提案に、みぞれは目を輝かせた。こういうところは、本当に変わっていない。アルコールで曖昧に溶けた脳が、そういうところを見つけて、安心しているのがわかった。卑怯だな、と思った。 ―――――― 「それじゃあ、気をつけて」 優子と、それから一応夏紀の背中に投げかけた言葉が、彼女たちに届いたのかはわからない。まさにダウナーといったような様子の夏紀はとても今を把握出来ていないし、優子はそんな夏紀の腕を引っ張るので精一杯だ。 まるで敗北したボクサーのように――いや、ボクシングなんて見ないけれど――引きずって歩く夏紀は、後ろから見ると普段の爽やかさのかけらもない。あのファンの子たちが見たら、びっくりするんだろうな。曖昧にそんなことを想いながら、駅の前でみぞれと二人、夏紀と優子の行く末を案じている。 その背中が見えなくなるのは意外と早くて、消えてしまったらもう帰るしかない。隣で心配そうに眺めていたみぞれと目があう。 「帰ろっか」 「うん」 高校時代とは違って、一人暮らしをし始めた私とみぞれは、最寄り駅が同じ路線だ。こうやって会う度に何度か一緒に同じ列車に乗るけれど、ひどく不自然な感じがする。改札を抜けた先で振り返ると、みぞれが同じように改札をくぐっているのが見えるのが、あの頃から全然想像出来なくて、馴染まない。 少しむず痒くなるような感触を抑え込んで、みぞれが横に立つのを待つ。並んで歩くふりくらいなら簡単にできるようになったのだと気付かされると、もうエスカレーターに乗せられていた。 「なんか、アルコールってもっと陽気になるもんだと思ってたよね」 寒空のホームに立つ私のつぶやきを、みぞれは赤い頬で見上げた。みぞれは人並みに飲む。人並みに酔って、人並みに赤くなる。全部が全部基準値から外れてるわけじゃない。そんなことわかっているのに、なんとなく違和感があって。熱くなった体がこちらを向いているのを感じながら、もうすぐくる列車を待つ人のように前を向き続けた。 「忘れたいこととか、全部忘れられるんだと思ってた」 口が軽くなっていることがわかる。それでも後悔できなくて、黙っている方がよいんだとわかった。塞いだ私のかわりに口を開きかけたみぞれの邪魔をするように、急行電車はホームへと滑り込む。 開いた扉からは待ち遠しかったはずの暖かい空気が、不快に顔に飛び込んできた。背負い直したギターケースに気を遣いながら、一際明るい車内に乗り込んでいく。空いてる端の座席を一つだけ見つけて、みぞれをとりあえず座らせた。開いた目線の高さに何故か安心している間に、電車はホームを離れていた。 肩に背負ったギターを下ろして、座席横に立て掛けた。毎朝職場へと私を運ぶこの列車は、ラッシュとは違って人で埋め尽くされてはいない。だから、みぞれの後ろ姿が映る窓には当然私も入り込んでいて、いつもは見えない自分の姿に妙な気分になる。酔いはまだ抜けていないようだ。 「みぞれはさぁ」 口を開くと言葉が勝手に飛び出していた。降り掛かった言葉にみぞれが顔を上げる。 「オーボエ以外の楽器、やったことある?」 私の問いかけに、彼女は首を振った。 「そうだよね」 それはそうだ。プロの奏者が他の楽器に手を出してる暇なんてないんだろう。いろんな楽器を扱える人もいるわけだけど。その辺の話がどうなっているのかは、私にはわからない。プロではないし。 どうやっても違う世界の人と話すのは、取材をしているような感触が抜けきらない。私達の他の共通点ってなんだろう。毎度手探りになって、別れたあとに思い出す。 「ギター、楽しい?」 何故か話題を探そうとしている私を、引き戻すのはいつも彼女の問いかけだ。 どう答えるべきか、わからなかった。何を選ぶのが一番正しいのか、見つけるのにはそれなりに慣れているはずなのに、そういう思考回路は全く動かなくて、だからありのままの言葉が飛び出す。 「楽しい、よ」 それは本心からの言葉だった。本当に楽しかった。それを認めてしまうということが、何故か恥ずかしくなるほど。 つまりこのまま何事もなく過ぎていくはずの人生に現れたギターに、ひどく魅了されてしまったということだ。認めたくなかった退屈な自分をさらけ出しているようで。年齢のせいか生活のせいか、頭にふと過る自問自答が、ギターの前ではすっかり消え失せていることに気が付かないわけにはいかなかった。 (まあでも、このまま死ぬまでこのままなのかなとか、みぞれは考えなさそうだな) そう思うと、ずるいなと思った。 「楽しかった。新鮮だし」 私の答えに、みぞれは言葉を口に出さなかった。ただ笑顔ではない表情で、私のことを見つめている。どこか裏切られたかのように見えた。どこか寂しそうにも見えた。見ないふりをして、酔ったフリをして、言葉を続ける。 「ギターって奥深いね」 そんな大学生みたいな感想を並べて、目の前のみぞれから目を外す。どんな表情になっているのかは想像がついた。 「面白い音なるしさぁ」 確かめたくなくて言葉を繋げる。この悪癖がいつまでも治らない自分に辟易しながら、結局逃げるために言葉を選び続けている。そうやって中途半端に取り出した言葉たちの中に、本当に言いたいことは見えなくなってしまうって、わかっているはずなのに。 「夏紀の演奏が本当に上手くてさぁ」 「フルートは」 「っ」 遮られた言葉に思わず黙ってしまったのは、それが痛い言葉だったからなのか、言葉の切実さを感じ取ったからなのか。目を合わせてしまう。耳を塞ぎたくても、無気力につり革にぶら下がった手は離す事ができない。 「フルートは、続けてるの?」 みぞれの声は、どこか張り詰めていて、ざわついた電車内でも通った。隣の座席の男性が、こちらを盗み見ているのがわかる。ひどく晒し者にされているような、そんな気分になった。 やめるわけないよ、まあそれなりにね、みぞれには関係ないでしょ。なんて言ってやろうか。 「やめたって言ったら、どうする?」 選んだ言葉に、すぐに後悔した。 なぜ人のことなのに、そこまで泣きそうな目ができるんだろうか。子供がお気に入りのぬいぐるみを取られたみたいな、そういう純粋さと、どこかに混じった大人みたいな諦めの色が混じり合って心に刺さる。 「冗談だよ」 言い繕っても、彼女から衝撃の色は消えない。そんなにショックだったのだろうか。私に裏切られたことなんて、いくらでもあるだろうに。 「前からやってたサークルがさ、解散になっちゃって」 「解散」 「そう。だから、ちょっと吹く機会がなくなってるだけ」 それだけ。それだけだった。だからみぞれが悲しむことはないし、気に病んだり必要もないんだよ。そう言おうとした。言えるわけがないと気がついたのは、みぞれの表情に張り付いた悲しみが、そんな簡単な言葉で取れるわけじゃないとわかったからだ。 「大丈夫だから」 結局言葉にできたのは、そんな頼りない、どこをf向いてるのかすらわからないような言葉だった。みぞれは私の言葉にゆっくりと頷いて、それだけだった。 逃げ出したくなる私をおいて、電車は駅へと滑り込む。みぞれが降りる駅だ。 「みぞれ、駅だよ」 「うん」 目を逸らすように声を上げると、みぞれは小さく頷いた。何を話せばいいのかわからないような、その目は私を傷つけていった。降りていく後ろ姿に声を掛ける事もできずに、私はただ彼女を見送った。 そういえば結局遊ぶ約束をし忘れたな。動き出した電車の中で、空席に座る気にもならないまま思い出す。ギターは何も知らないような顔で、座席の横で横たわってる。さっきまであったことなんて何も知りませんよって、言ってるみたいだった。 このまま置いていってやろうか。そう思った。
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